WO2023100831A1

WO2023100831A1 - チップ周部剥離装置、チップ供給装置、チップ供給システム、チップ接合システム、ピックアップ装置、チップ周部剥離方法、チップ供給方法、チップ接合方法およびピックアップ方法

Info

Publication number: WO2023100831A1
Application number: PCT/JP2022/043849
Authority: WO
Inventors: 朗山内
Original assignee: ボンドテック株式会社
Priority date: 2021-11-30
Filing date: 2022-11-29
Publication date: 2023-06-08
Also published as: JPWO2023100831A1; TW202341318A; CN118318289A

Abstract

チップ周部剥離装置（５０）は、複数のチップ（ＣＰ）が貼着されたシート（ＴＥ）が固定された環状フレーム（ＲＩ２、ＲＩ３）を支持するフレーム支持部（５２１）と、複数のチップ（ＣＰ）それぞれの中央部がシート（ＴＥ）に貼着され且つ複数のチップ（ＣＰ）それぞれの周部における少なくとも中央部を挟んで対向する両端部が中央部に比べてシート（ＴＥ）から剥離し易い状態にするチップ周部剥離部（５７）と、を備える。

Description

チップ周部剥離装置、チップ供給装置、チップ供給システム、チップ接合システム、ピックアップ装置、チップ周部剥離方法、チップ供給方法、チップ接合方法およびピックアップ方法

　本発明は、チップ周部剥離装置、チップ供給装置、チップ供給システム、チップ接合システム、ピックアップ装置、チップ周部剥離方法、チップ供給方法、チップ接合方法およびピックアップ方法に関する。

　チップを貼り付けたフィルムを保持するウェハリングと、プッシャと、チップを保持するトレイと、を備え、プッシャをウェハリングの上方に近接して配置するとともに、トレイをウェハリングの下方に近接して配置した状態で、プッシャを下方へ動かしてフィルム側からチップを押出してトレイの窪みの中へチップを移載するチップの移載装置が提案されている（例えば特許文献１参照）。

特開２００５－２７７００９号公報

　しかしながら、特許文献１に記載されているチップの移載装置の場合、特にチップが薄くなる、或いは、チップのサイズが大きくなると、プッシャでチップを押圧すると、チップがフィルムから剥がれる際、チップの端部が跳ねることにより、ダイシング時にチップの端面に付着したチッピング粉等のチップの端面に付着したパーティクルが周囲のチップの接合面へ飛散してしまう虞がある。また、チップが大きく撓みチップに過大な応力が加わってチップの周部が破損してしまう虞がある。

　本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、チップの端面に付着したパーティクルが周囲のチップの接合面へ飛散することを抑制できるチップ周部剥離装置、チップ供給装置、チップ供給システム、チップ接合システム、ピックアップ装置、チップ周部剥離方法、チップ供給方法、チップ接合方法およびピックアップ方法を提供することを目的とする。

　上記目的を達成するため、本発明に係るチップ周部剥離装置は、
　複数のチップの基となる複数のチップ形成領域が形成された基板の前記複数のチップ形成領域の間の部分をダイシングすることにより形成されたダイシング基板または前記複数のチップが貼着されたシートが固定された環状フレームを支持するフレーム支持部と、
　前記ダイシング基板における前記複数のチップ形成領域それぞれの中央部または前記複数のチップそれぞれの中央部が前記シートに貼着され且つ前記複数のチップ形成領域それぞれの中央部または前記複数のチップそれぞれの周部における少なくとも前記中央部を挟んで対向する両端部が前記中央部に比べて前記シートから剥離し易い状態にするチップ周部剥離部と、を備える。

　他の観点から見た本発明に係るチップ周部剥離方法は、
　複数のチップの基となる複数のチップ形成領域が形成された基板の前記複数のチップ形成領域の間の部分をダイシングすることにより形成されたダイシング基板または前記複数のチップが貼着されたシートが固定された環状フレームを支持した状態で、前記ダイシング基板における前記複数のチップ形成領域それぞれの中央部または前記複数のチップそれぞれの中央部が前記シートに貼着され且つ前記複数のチップ形成領域それぞれの中央部または前記複数のチップそれぞれの周部における少なくとも前記中央部を挟んで対向する両端部が前記中央部に比べて前記シートから剥離し易い状態にする周部剥離工程を含む。

　本発明によれば、ダイシング基板における複数のチップ形成領域それぞれの中央部または複数のチップそれぞれの中央部がシートに貼着され且つ複数のチップ形成領域それぞれの中央部または複数のチップそれぞれの周部における少なくとも中央部を挟んで対向する両端部が中央部に比べてシートから剥離し易い状態にする。これにより、複数のチップそれぞれにおける端部が既に剥がれ易くなっているので、厚さの薄いチップでもシートから剥離する際にチップの端部が跳ねてチップの端面に付着したパーティクルが周囲のチップに飛散してしまうことを抑制できる。また、特にチップの厚さが薄い場合、チップをシートから離脱させる際、破損し易くシートから離脱させるのが困難である。これに対して、本発明によれば、チップをシートから離脱させる時点においてチップの端部を事前に剥離した状態とすることができるので、その分、複数のチップそれぞれをシートから離脱させる際に複数のチップそれぞれに加わる応力を低減することができる。従って、複数のチップそれぞれをシートから離脱させる際にチップに過大な応力が加わることを抑制でき、過大な応力に起因したチップの破損が抑制される。

本発明の実施の形態１に係るチップ接合システムの概略構成図である。電極部分と絶縁部分とが面一となっているチップの一例の断面図である。実施の形態１に係る活性化処理装置の概略構成図である。実施の形態１に係る洗浄装置の動作説明図である。実施の形態１に係るチップ周部剥離装置の概略構成図である。実施の形態１に係るチップ供給装置、チップ搬送装置およびボンディング装置を側方から見た概略構成図である。実施の形態１に係るチップ保持部の平面図である。実施の形態１に係るチップ搬送装置の一部を示す断面図である。実施の形態１に係るボンディング装置のヘッドを示す断面図である。実施の形態１に係るボンディング装置のヘッドを示す平面図である。実施の形態１に係るチップ接合方法の流れの一例を示すフローチャートである。実施の形態１に係るチップ周部剥離装置がシートにおけるチップの周部に対応する部分に紫外光を照射する様子を示す概略側面図である。実施の形態１に係るシートにおける紫外光を照射する領域を示す図である。実施の形態１に係るチップ周部剥離装置がシートにおけるチップの周部に対応する部分に押圧部材を押し付ける様子を示す概略側面図である。実施の形態１に係るチップ周部剥離装置が押圧部材をシートに当接させた状態を示す概略側面図である。実施の形態１に係るチップ周部剥離装置が押圧部材で押圧することによりチップの周部が剥離する様子を示す概略側面図である。実施の形態１に係るチップ接合システムのチップ供給部においてチップをピックアップする様子を示す概略平面図である。実施の形態１に係るチップ接合システムのチップ供給部においてチップをピックアップする様子を示す概略側面図である。実施の形態１に係るチップ接合システムのチップ供給部においてチップをピックアップする様子を示し、コレットでチップを保持した状態で環状フレームをコレット側とは反対側へ移動させた状態を示す図である。実施の形態１に係るチップ接合システムのチップ供給部においてチップをピックアップする様子を示し、図１３Ａに示す状態からチップにおけるシートからの剥離部分が進行した状態を示す図である。実施の形態１に係るチップ接合システムのチップ供給部においてチップをピックアップする様子を示し、チップがシートから離脱した状態を示す図である。実施の形態１に係るチップ接合システムにおいてチップ供給部からチップが供給される様子を示す概略平面図である。実施の形態１に係るチップ接合システムにおいてチップ供給部からチップが供給される様子を示す概略側面図である。実施の形態１に係るチップ接合システムにおいてチップ搬送装置からヘッドへチップが受け渡される様子を示す概略平面図である。実施の形態１に係るチップ接合システムにおいてチップ搬送装置からヘッドへチップが受け渡される様子を示す概略側面図である。本発明の実施の形態２に係るチップ供給装置、チップ搬送装置およびボンディング装置を側方から見た概略構成図である。実施の形態２に係るチップ接合方法の流れの一例を示すフローチャートである。実施の形態２に係るチップ供給装置の一部を示す概略側面図であり、シートにおけるチップの周部に対応する部分に紫外光を照射する様子を示す図である。実施の形態２に係るチップ供給装置の一部を示す概略側面図であり、シートにおけるチップの周部に対応する部分に押圧部材を押し付ける様子を示す図である。実施の形態２に係るチップ供給装置の一部を示す概略側面図であり、ニードルの先端部をシートに当接させた状態を示す図である。実施の形態２に係るチップ供給装置の一部を示す概略側面図であり、ピックアップ機構を鉛直上方へ移動させた状態を示す図である。実施の形態２に係るチップ供給装置の一部を示す概略側面図であり、チップがシートから離脱した状態を示す図である。実施の形態２に係るチップ供給装置の一部を示す概略側面図であり、チップをチップ搬送装置へ移載する様子を示す図である。比較例に係るチップ接合方法について、ニードルの先端部をシートに当接させてから押し出す様子を示す図である。比較例に係るチップ接合方法について、チップの周部が跳ね上がる様子を示す図である。本発明の実施の形態３に係るチップ供給装置、チップ搬送装置およびボンディング装置を側方から見た概略構成図である。実施の形態３に係るチップ供給装置の一部を示す概略側面図であり、シートにおけるチップの周部に対応する部分に紫外光を照射する様子を示す図である。実施の形態３に係るチップ供給装置の一部を示す概略側面図であり、シートにおけるチップの周部に対応する部分に押圧部材を押し付ける様子を示す図である。実施の形態３に係るチップ供給装置の一部を示す概略側面図であり、コレットをチップに当接されて保持する様子を示す図である。実施の形態３に係るチップ供給装置の一部を示す概略側面図であり、コレットでチップを保持した状態で環状フレームをコレット側とは反対側へ移動させた状態を示す図である。ステルスダイシングの様子を示す概略図である。ダイシング基板をチップに分離する様子を示す概略図である。変形例に係るチップ供給装置の概略側面図である。変形例に係るチップ供給装置の一部の概略側面図である。変形例に係るチップ供給装置の一部を示す概略側面図であり、シートにおけるチップの周部に対応する部分に紫外光を照射する様子を示す図である。変形例に係るチップ供給装置の一部を示す概略側面図であり、シートにおけるチップの周部に対応する部分に押圧部材を押し付ける様子を示す図である。変形例に係るチップ供給装置の概略側面図である。変形例に係るピックアップ機構の概略側面図である。変形例に係るピックアップ機構の概略構成図である。変形例に係るチップ接合システムの概略構成図である。変形例に係るチップ接合システムの一部を示し、搬送ロボットが、チップが貼着されたシートが固定された環状フレームをチップ周部剥離装置内へ搬送する様子を示す概略構成図である。変形例に係るチップ接合システムの一部を示し、チップが貼着されたシートＴＥが固定された環状フレームをチップ周部剥離装置内に配置された様子を示す概略構成図である。変形例に係る搬送ロボットが、チップが貼着されたシートＴＥが固定された環状フレームの表裏を反転させる様子を示す概略図である。変形例に係るチップ周部剥離装置がシートにおけるチップの周部に対応する部分に紫外光を照射する様子を示す概略側面図である。変形例に係るチップ周部剥離装置がシートにおけるチップの周部に対応する部分に押圧部材を押し付ける様子を示す概略側面図である。変形例に係る搬送ロボットが、チップが貼着されたシートＴＥが固定された環状フレームの表裏を反転させる様子を示す概略図である。変形例に係るチップ接合システムの一部を示し、搬送部が、チップが貼着されたシートＴＥが固定された環状フレームをチップ周部剥離装置から待機ユニット内へ搬送する様子を示す概略構成図である。変形例に係るチップ接合システムの一部を示し、搬送部が、チップが貼着されたシートＴＥが固定された環状フレームを待機ユニットからバッファ部内へ搬送する様子を示す概略構成図である。変形例に係るチップ接合システムの一部を示し、搬送部が、チップが貼着されたシートＴＥが固定された環状フレームを待機ユニットからバッファ部内へ搬送する様子を示す概略構成図である。変形例に係るチップ接合システムの一部を示し、搬送部が、チップが貼着されたシートＴＥが固定された環状フレームを待機ユニットからバッファ部内へ搬送する様子を示す概略構成図である。変形例に係るチップ接合システムの一部を示し、搬送部が、チップが貼着されたシートＴＥが固定された環状フレームをバッファ部から待機ユニットへ搬送する様子を示す概略構成図である。変形例に係るチップ接合システムの一部を示し、搬送部が、チップが貼着されたシートＴＥが固定された環状フレームを待機ユニットからチップ供給部内へ搬送する様子を示す概略構成図である。変形例に係るチップ接合システムの一部を示し、搬送部が、チップが貼着されたシートＴＥが固定された環状フレームを待機ユニットからチップ供給部内へ搬送する様子を示す概略構成図である。変形例に係るチップ供給装置の一部を示す概略側面図であり、チップがシートから離脱した状態を示す図である。変形例に係るチップ供給装置の一部を示す概略側面図であり、チップをチップ移載ユニットが保持する様子を示す図である。変形例に係るチップ供給装置の一部を示す概略側面図であり、チップをチップ搬送装置へ移載する様子を示す図である。変形例に係るコレットの断面図である。変形例に係るコレットの断面図である。変形例に係るコレットの断面図である。

（実施の形態１）
　以下、本発明の実施の形態に係るチップ接合システムについて、図面を参照しながら説明する。本実施の形態に係るチップ接合システムは、基板上にチップを実装するシステムである。チップとしては、例えばダイシングされた基板を個片に分割してなる半導体チップであって、同一の接合面内に電極部分と絶縁部分とが形成されているものである。このチップ接合システムは、基板におけるチップが実装される実装面とチップの接合面とについて活性化処理を行った後、親水化してから、チップを基板に接触、または加圧して接合する。その後、または同時に加熱することにより、チップを基板に強固に接合する。また、本実施の形態に係るチップ接合システムは、チップの周部をシートから剥離するチップ周部剥離装置を備える。このチップ周部剥離装置は、チップの基となるチップ形成領域が複数形成された基板の複数のチップ形成領域の間の部分をダイシングすることにより形成されたダイシング基板が貼着されたシートが固定された環状フレームを支持するフレーム支持部と、複数のチップそれぞれの中央部がシートに貼着され且つ複数のチップそれぞれの中央部における少なくとも中央部を挟んで対向する両端部が中央部に比べてシートから剥離し易い状態にするチップ周部剥離部と、を備える。

　図１に示すように、本実施の形態に係るチップ接合システム１は、チップ供給装置１０と、チップ搬送装置３９と、ボンディング装置３０と、チップ周部剥離装置５０と、活性化処理装置６０と、搬送装置７０と、搬出入ユニット８０と、洗浄装置８５と、制御部９０と、を備える。搬送装置７０は、ダイシング基板ＷＤまたはチップＣＰが貼着されたシートＴＥが固定された環状フレームＲＩ１、ＲＩ２、ＲＩ３を掴むアームを有する搬送ロボット７１を有する。ここで、チップＣＰは、例えば図２に示すように、同一の接合面ＣＰｆ内に電極部分ＰＣと絶縁部分ＰＩとが面一となるように形成されたものである。ここで、「面一」とは、電極部分ＰＣと絶縁部分ＰＩとの間に段差が無い状態であり、接合面ＣＰｆのＲａが１μｍ以下であることを意味する。なお、絶縁部分は、例えばＳｉＯ_２、Ａｌ_２Ｏ_３等の酸化物、ＳｉＮ、ＡｌＮ等の窒化物、ＳｉＯＮのような酸窒化物、或いは電気的絶縁性を有する樹脂のような絶縁体材料から形成されている。また、電極部分は、Ｓｉ、Ｇｅ等の半導体材料、Ｃｕ、Ａｌ、はんだ等の金属のような導電性材料から形成されている。また、シートＴＥは、例えば樹脂から形成されており、厚さ方向におけるチップＣＰが貼着される面側に紫外光が照射されると粘着力が低下する接着剤が塗布されたものである。そして、ダイシング基板ＷＤまたはダイシング基板ＷＤを個片に分割してなる複数のチップＣＰが、それらの接合面側とは反対側が接着剤によりシートＴＥに貼着されている。

　搬送ロボット７１は、図１の矢印ＡＲ１１に示すように、搬出入ユニット８０から受け取った基板ＷＴまたはチップＣＰが貼着されたシートＴＥを保持する環状フレームＲＩ１または環状フレームＲＩ２、ＲＩ３を、活性化処理装置６０、洗浄装置８５、ボンディング装置３０、チップ供給装置１０それぞれへ移載する位置へ移動可能となっている。ここで、環状フレームＲＩ１、ＲＩ２、ＲＩ３は、シートＴＥが固定された環状フレームに相当する。搬送ロボット７１は、搬出入ユニット８０から基板ＷＴを受け取ると、受け取った基板ＷＴを掴んだ状態で活性化処理装置６０へ移載する位置へ移動し、基板ＷＴを活性化処理装置６０へ移載する。また、搬送ロボット７１は、活性化処理装置６０において基板ＷＴの実装面ＷＴｆの活性化処理が完了した後、活性化処理装置６０から基板ＷＴを受け取り、受け取った基板ＷＴを洗浄装置８５へ移載する。更に、搬送ロボット７１は、洗浄装置８５において基板ＷＴの水洗浄が完了した後、洗浄装置８５から基板ＷＴを受け取り、受け取った基板ＷＴを掴んだ状態で基板ＷＴを反転させた後、ボンディング装置３０へ移載する位置へ移動する。そして、搬送ロボット７１は、基板ＷＴをボンディング装置３０へ移載する。

　また、搬送ロボット７１は、搬出入ユニット８０からダイシング後のダイシング基板ＷＤが貼着されたシートＴＥが固定された環状フレームＲＩ１を受け取ると、受け取った環状フレームＲＩ１を掴んだ状態で環状フレームＲＩ１を活性化処理装置６０へ移載する位置へ移動し、環状フレームＲＩ１を活性化処理装置６０へ移載する。更に、搬送ロボット７１は、活性化処理装置６０においてシートＴＥに貼着されたチップＣＰの接合面の活性化処理が完了した後、活性化処理装置６０から環状フレームＲＩ１を受け取り、受け取った環状フレームＲＩ１を搬出入ユニット８０へ移載する。その後、搬送ロボット７１は、搬出入ユニット８０から互いに離間した状態の複数のチップＣＰが貼着されたシートＴＥが固定された環状フレームＲＩ２、ＲＩ３を受け取ると、受け取った環状フレームＲＩ２、ＲＩ３を掴んだ状態で環状フレームＲＩ２をチップ供給装置１０へ移載する位置へ移動し、環状フレームＲＩ２をチップ供給装置１０へ移載する。また、搬送装置７０内には、例えばＨＥＰＡ(High Efficiency Particulate Air）フィルタ（図示せず）が設置されている。これにより、搬送装置７０内は、パーティクルが極めて少ない大気圧環境になっている。

　活性化処理装置６０は、シートＴＥに貼着されたダイシング基板ＷＤにおけるチップＣＰの接合面となる部分を活性化させる。このダイシング基板ＷＤは、複数のチップＣＰの基となるチップ形成領域が複数形成された基板の複数のチップ形成領域の間の部分をダイシングすることにより形成されたものである。活性化処理装置６０は、図３に示すように、チャンバ６４と、シートＴＥを保持する環状フレームＲＩ１を支持するフレーム支持部６２１と、導電性材料から形成されたシート支持部６１２と、シート支持部６１２に対向配置された電極６１３と、を有する。また、活性化処理装置６０は、シート支持部６１２を矢印ＡＲ２０に示す方向へ駆動するシート支持部駆動部６１２１と、カバー６２２と、プラズマ発生部６１５と、チャンバ６４内へ供給管６７６を介して窒素ガスを供給するガス供給部６７７と、を有する。チャンバ６４は、排気管６５１を介して真空ポンプ６５２に接続されている。そして、真空ポンプ６５２が作動すると、チャンバ６４内の気体が、排気管６５１を通してチャンバ６４外へ排出され、チャンバ６４内の気圧が低減（減圧）される。プラズマ発生部６１５は、高周波電源６１１と、マッチングユニット６１４と、を有し、シート支持部６１２と電極６１３との間に高周波バイアスを印加することによりシート支持部６１２と電極６１３との間にプラズマＰＬＭを発生させる。高周波電源６１１としては、例えば１３．５６ＭＨｚの高周波を発生させる電源を採用することができる。プラズマ発生部６１５が、シートＴＥに貼着されたダイシング基板ＤＷの近傍にプラズマＰＬＭを発生させることにより、運動エネルギを有するイオンが繰り返しダイシング基板ＤＷにおけるチップＣＰの接合面となる部分に衝突し接合面となる部分が活性化される。

　カバー６２２は、例えばガラスから形成され、シートＴＥがシート支持部６１２に支持された状態において、シートＴＥの複数のチップＣＰが貼着された側からシートＴＥにおける複数のチップＣＰが貼着された部分を除く部分を覆っている。ここで、複数のチップＣＰが、平面視円形のダイシング基板ＷＤをダイシングしたものである場合、シートＴＥにおける平面視円形の領域に貼着された状態となっている。この場合、カバー６２２としては、シートＴＥにおける複数のチップＣＰが貼着された平面視円形の領域の外側の領域を覆う形状のものが採用される。ここで、環状フレームＲＩ１は、まず、シートＴＥにおけるダイシング基板ＤＷが貼着された部分がカバー６２２から下方へ離間した状態で配置される。その後、シート支持部駆動部６１２１が、シート支持部６１２をカバー６２２に近づける方向へ押し上げることにより、ダイシング基板ＤＷがカバー６２２の内側に配置される。これにより、シートＴＥにおけるダイシング基板ＤＷが貼着された部分を除く部分がプラズマＰＬＭに曝されることを抑制できる。

　洗浄装置８５は、例えば図４に示すように、ステージ８５２と、ステージ８５２を回転駆動するステージ駆動部８５３と、ステージ８５２の鉛直上方に配置され鉛直下方に向かって水を吐出する洗浄ヘッド８５１と、を有する。ここで、ステージ８５２は、シートＴＥを吸着するチャック部を有し、複数のチップＣＰが貼着されたシートＴＥと、シートＴＥが固定された環状フレームＲＩ２、ＲＩ３と、を保持する。洗浄装置８５は、ステージ８５２に複数のチップＣＰが貼着されたシートＴＥを保持する環状フレームＲＩ２、ＲＩ３が支持された状態で、矢印ＡＲ８１に示すように、ステージ駆動部８５３によりステージ８５２を回転させるとともに、洗浄ヘッド８５１から水を複数のチップＣＰに向けて吐出しながら洗浄ヘッド８１５をシートＴＥにおける複数のチップＣＰが貼着された領域を矢印ＡＲ８２に示すようにその径方向に沿って往復移動させることにより複数のチップＣＰを水洗浄する。

　チップ周部剥離装置５０は、例えば図５に示すように、フレーム支持部５２１と、環状フレームＲＩ２、ＲＩ３を係止するフレーム係止部５２１ａと、柱状であり鉛直方向における上端部でフレーム支持部５２１を支持するとともにフレーム係止部５２１ａを鉛直方向へ駆動する係止駆動部５２２と、を有する。ここで、フレーム支持部５２１は、環状であり、複数のチップＣＰが貼着されたシートＴＥが固定された環状フレームＲＩ２、ＲＩ２を、シートＴＥにおけるチップＣＰが貼着された一面側が鉛直下方を向く姿勢で支持する。また、チップ周部剥離装置５０は、フレーム支持部５２１および係止駆動部５２２を纏めて支持するベース部材５２３と、ベース部材５２３を水平方向へ駆動する水平駆動部５３と、を有する。水平駆動部５３は、水平方向に延在するレール５３２と、ベース部材５２３を支持しレール５３２に沿って摺動するスライダ５３１と、水平方向におけるレール５３２と直交する方向へ延在するレール５３４と、レール５３２を支持しレール５３４に沿って摺動するスライダ５３３と、を有する。

　また、チップ周部剥離装置５０は、複数のチップＣＰそれぞれの中央部がシートＴＥに貼着され且つ複数のチップＣＰそれぞれの周部がシートＴＥから剥離した状態にするチップ周部剥離部５７を有する。チップ周部剥離部５７は、紫外光照射部５５と、シートＴＥを押圧するシート押圧機構５６と、紫外光照射部５５とシート押圧機構５６とを纏めて支持する照射部押圧機構支持部５１４と、を有する。紫外光照射部５５は、紫外光を放射する光源５５１と、光源５５１から放射される紫外光の一部を遮蔽するマスク５５２と、を有し、光源５１１から放射されマスク５５２の窓部５５２ａを透過した紫外光を、シートＴＥにおけるチップＣＰの周部に対応する部分に照射することによりチップＣＰの周部をシートＴＥから剥離した状態にする。マスク５５２は、光源５５１から離間した状態でマスク支持部５１５を介して照射部押圧機構支持部５１４に固定されている。ここで、紫外光照射部５５は、複数の列状に配置された複数のチップＣＰのうち、隣り合う２列のチップＣＰそれぞれの列方向と直交する方向において対向する一方の端部を含む領域へ紫外光を照射することにより、隣り合う２列のチップＣＰそれぞれの一方の端部へ紫外光を同時に照射する。なお、紫外光照射部５５は、各列に属するチップＣＰそれぞれの一方の端部のみに照射するものであってもよい。

　シート押圧機構５６は、先端部がシートＴＥにおけるチップＣＰの周部に対応する部分を押圧する押圧部材５６１と、押圧部材５６１を鉛直方向および鉛直方向と直交する方向へ駆動する押圧部材駆動部５６２と、を有する。押圧部材駆動部５６２は、押圧部材５６１を鉛直方向に沿ってシートＴＥに近づく方向へ移動させることにより、押圧部材５６１をシートＴＥにおけるチップＣＰの周部に対応する部分に押しつける。また、押圧部材駆動部５６２は、押圧部材５６１をシートＴＥにおけるチップＣＰの周部に対応する部分に押しつけた状態で、押圧部材５６１の押圧方向と直交する方向、即ち、鉛直方向と直交する方向へ押圧部材５６１を移動させることにより、押圧部材５６１でシートＴＥを擦る。このように、押圧部材５６１でシートＴＥを擦ることにより、チップＣＰとシートＴＥとの接着部分において、チップＣＰの端部がシートＴＥに対して局部的且つ相対的に移動する方向へ力が作用してチップＣＰの端部がシートＴＥに対して摺動する。そして、チップＣＰの周部がシートＴＥから剥離した状態となる。

　更に、チップ周部剥離装置５０は、シートＴＥの鉛直下方から複数のチップＣＰそれぞれで発生するパーティクルを吸引するパーティクル吸引部５４を更に有する。パーティクル吸引部５４は、吸引ノズル５４ａを有し、チップ周部剥離部５７がチップＣＰの周部を中央部に比べてシートＴＥから剥離し易い状態にするときにチップＣＰで発生するパーティクルを吸引ノズル５４ａで吸引する。

　図１に戻って、チップ供給装置１０は、環状フレームＲＩ２、ＲＩ３に固定されたシートＴＥに貼着された複数のチップＣＰの中から１つのチップＣＰを抜き取り、抜き取ったチップＣＰをボンディング装置３０へ供給する。チップ供給装置１０は、図６に示すように、チップ供給部１１を有する。チップ供給部１１は、フレーム支持部１１９と、複数のチップＣＰの中から１つのチップＣＰをピックアップするピックアップ機構１１１と、カバー１１４と、を有する。ここで、フレーム支持部１１９は、シートＴＥにおける複数のチップＣＰが貼着された面が鉛直上方（＋Ｚ方向）側となる姿勢で、複数のチップＣＰが貼着されたシートＴＥが固定された環状フレームＲＩ２、ＲＩ３を支持する。なお、フレーム支持部１１９は、環状フレームＲＩ２のみを支持してもよいし、環状フレームＲＩ３のみを支持するものであってもよい。また、チップ供給部１１は、フレーム支持部１１９を鉛直方向に沿って昇降させるフレーム昇降駆動部１２０と、フレーム支持部１１９およびフレーム昇降駆動部１２０を纏めてＸＹ方向またはＺ軸周りに回転する方向へ駆動するフレーム水平駆動部１１３と、を有する。

　ピックアップ機構１１１は、複数のチップＣＰのうちの１つのチップＣＰを、シートＴＥにおける複数のチップＣＰ側から吸着保持してシートＴＥから遠ざかる方向へ移動することにより１つのチップＣＰをシートＴＥから離脱した状態にする。即ち、ピックアップ機構１１１は、シートＴＥにおける複数のチップＣＰが貼着された一面側から複数のチップＣＰのうちのいずれか１つを保持した状態で、シートＴＥを他面側へ移動させることによりシートＴＥを撓ませてチップＣＰの周部がシートＴＥから剥離した状態で、チップＣＰをシートＴＥから切り出す。ピックアップ機構１１１は、チップＣＰの接合面ＣＰｆ側を吸着保持するコレット１１５と、矢印ＡＲ４５に示すようにコレット１１５を鉛直方向へ駆動するコレット昇降駆動部１１６１と、矢印ＡＲ４６に示すようにコレット１１５およびコレット昇降駆動部１１６１とを纏めて水平方向へ駆動するコレット水平駆動部１１６２と、を有する。また、ピックアップ機構１１１は、更に、コレット１１５を洗浄するコレット洗浄部１１７を有する。カバー１１４は、複数のチップＣＰの鉛直上方を覆うように配置され、ピックアップ機構１１１に対向する部分に孔１１４ａが設けられている。ピックアップ機構１１１は、シートＴＥにおける鉛直上方（＋Ｚ方向）からコレット１１５をチップＣＰに近づけてチップＣＰを吸着保持し。チップＣＰを鉛直上方（＋Ｚ方向）へ持ち上げることによりチップＣＰを供給する。そして、コレット１１５に吸着保持されたチップＣＰは、カバー１１４の孔１１４ａを通じて１個ずつカバー１１４の上方へ搬送されてチップ搬送装置３９に受け渡される。フレーム水平駆動部１１３は、環状フレームＲＩ２、ＲＩ３をＸＹ方向またはＺ軸周りに回転する方向へ駆動することにより、コレット１１５の鉛直下方に位置するチップＣＰの位置を変化させる。また、ピックアップ機構１１１は、コレット１１５のチャック部１１５ａによりチップＣＰを吸着保持する前に、コレット洗浄部１１７によりチャック部１１５ａを洗浄する。ここで、ピックアップ機構１１１は、１つのチップＣＰをピックアップする毎にコレット１１５を洗浄するものであってもよいし、或いは、予め設定された回数だけチップＣＰのピックアップを繰り返す毎にコレット１１５を洗浄するものであってもよい。

　チップ搬送装置（ターレットとも称する）３９は、チップ供給部１１から供給されるチップＣＰを、ボンディング装置３０のボンディング部３３のヘッド３３ＨにチップＣＰを受け渡す受け渡し位置Ｐｏｓ１まで搬送する。チップ搬送装置３９は、図１に示すように、２つの長尺のプレート３９１と、アーム３９４と、アーム３９４の先端部に設けられたチップ保持部３９３と、２つのプレート３９１を一斉に回転駆動するプレート駆動部３９２と、を有する。２つのプレート３９１は、長尺の矩形箱状であり、チップ供給部１１とヘッド３３Ｈとの間に位置する他端部を基点として一端部が旋回する。２つのプレート３９１は、例えばそれらの長手方向が互いに９０度の角度をなすように配置されている。なお、プレート３９１の数は、２枚に限定されるものではなく、３枚以上であってもよい。

　チップ保持部３９３は、図７Ａに示すように、アーム３９４の先端部に設けられ、チップＣＰを保持する２つの脚片３９３ａを有する。プレート３９１は、図７Ｂに示すように、内側に長尺のアーム３９４を収容することが可能となっている。そして、プレート３９１の内側には、アーム３９４をプレート３９１の長手方向に沿って駆動するアーム駆動部３９５が設けられている。これにより、チップ搬送装置３９は、アーム駆動部３９５により、アーム３９４の先端部をプレート３９１の外側に突出させた状態にしたり、アーム３９４の先端部をプレート３９１の内側に没入させた状態にしたりすることができる。そして、チップ搬送装置３９は、プレート３９１を旋回させる際、図７Ｂの矢印ＡＲ５５に示すように、アーム３９４をプレート３９１内へ没入させてチップ保持部３９３をプレート３９１の内側に収納する。これにより、搬送時におけるチップＣＰへのパーティクルの付着が抑制される。なお、２つの脚片３９３ａには、吸着溝（図示せず）が設けられていてもよい。この場合、チップＣＰが脚片３９２ａに吸着保持されるので、チップＣＰを位置ずれなく搬送することができる。また、プレート３９１が旋回する際に生じる遠心力によるチップＣＰの飛び出しを防止するために、脚片３９３ａの先端部に突起（図示せず）を設けてもよい。

　ここで、図１に示すように、ヘッド３３Ｈは、Ｚ軸方向において、プレート３９１が回転したときにアーム３９４の先端部が描く軌跡ＯＢ１と重なる位置に配置されている。チップ搬送装置３９は、ピックアップ機構１１１からチップＣＰを受け取ると、図１の矢印ＡＲ１に示すように、プレート３９１を軸ＡＸ周りに旋回させることによりチップＣＰをヘッド３３Ｈと重なる受け渡し位置Ｐｏｓ１まで搬送する。

　ボンディング装置３０は、ステージユニット３１と、ヘッド３３Ｈを有するボンディング部３３と、ヘッド３３Ｈを駆動するヘッド駆動部３６と、を有するチップ接合装置である。ヘッド３３Ｈは、例えば図８Ａに示すようにチップツール４１１と、ヘッド本体部４１３と、チップ支持部４３２ａと、支持部駆動部４３２ｂと、を有する。チップツール４１１は、例えばシリコン（Ｓｉ）から形成されている。ヘッド本体部４１３は、チップＣＰをチップツール４１１に吸着保持させるためのチャック部を有する保持機構４４０と、チップツール４１１を真空吸着によりヘッド本体部４１３に固定するためのチャック部（図示せず）と、を有する。また、ヘッド本体部４１３には、セラミックヒータやコイルヒータ等が内蔵されている。チップツール４１１は、ヘッド本体部４１３の保持機構４４０に対応する位置に形成された貫通孔４１１ａと、チップ支持部４３２ａが内側に挿入される貫通孔４１１ｂと、を有する。

　チップ支持部４３２ａは、例えば筒状の吸着ポストであり、ヘッド３３Ｈの先端部に設けられ鉛直方向へ移動自在の部品支持部である。チップ支持部４３２ａは、チップＣＰの接合面ＣＰｆ側とは反対側における第１部位である中央部を支持する。チップ支持部４３２ａは、例えば図８Ｂに示すように、中央部に１つ設けられている。

　支持部駆動部４３２ｂは、チップ支持部４３２ａを鉛直方向へ駆動するとともに、チップ支持部４３２ａの先端部にチップＣＰが載置された状態でチップ支持部４３２ａの内側をシ減圧することによりチップＣＰをチップ支持部４３２ａの先端部に吸着させる。支持部駆動部４３２ｂは、チップ搬送装置３９のチップ保持部３９３がチップＣＰを保持した状態でヘッド３３Ｈへの受け渡し位置（図１のＰｏｓ１参照）に位置し、チップ支持部４３２ａの先端部でチップＣＰの中央部を支持した状態で、チップ支持部４３２ａをチップ保持部３９３よりも鉛直上方側へ移動させる。これにより、チップＣＰが、チップ搬送装置３９のチップ保持部３９３からヘッド３３Ｈへ移載される。

　ヘッド駆動部３６は、受け渡し位置Ｐｏｓ１において移載されたチップＣＰを保持するヘッド３３Ｈを鉛直上方（＋Ｚ方向）へ移動させることによりヘッド３３Ｈをステージ３１５に近づけて基板ＷＴの実装面ＷＴｆにチップＣＰを実装する相対位置変更部である。より詳細には、ヘッド駆動部３６は、チップＣＰを保持するヘッド３３Ｈを鉛直上方（＋Ｚ方向）へ移動させることによりヘッド３３Ｈをステージ３１５に近づけて基板ＷＴの平坦な実装面ＷＴｆにチップＣＰの平坦な接合面ＣＰｆを面接触させることによりチップＣＰを基板ＷＴに面接合する。ここで、「平坦な実装面ＷＴｆ」および「平坦な接合面ＣＰｆ」とは、略凹凸が無い面でありＲＡが１μｍ以下の面であることを意味する。例えば、チップＣＰの接合面ＣＰｆまたは基板ＷＴの実装面ＷＴｆに１μｍ程度の凹凸が存在するとその周囲にボイドが生じてしまう虞がある。このため、チップＣＰの接合面ＣＰｆまたは基板ＷＴの実装面ＷＴｆのＲＡは１μｍ以下であることが好ましい。ここにおいて、基板ＷＴの実装面ＷＴｆとチップＣＰにおける基板ＷＴに接合される接合面ＣＰｆとは、活性化処理装置６０により活性化処理が施されている。また、基板ＷＴの実装面ＷＴｆは、活性化処理が施された後、洗浄装置８５により水洗浄がなされている。従って、基板ＷＴの実装面ＷＴｆにチップＣＰの接合面ＣＰｆを接触させることにより、チップＣＰが基板ＷＴに水酸基（ＯＨ基）を介していわゆる親水化接合される。

　ステージユニット３１は、基板ＷＴにおけるチップＣＰが実装される実装面ＷＴｆが鉛直下方（－Ｚ方向）を向く姿勢で基板ＷＴを保持するステージ３１５と、ステージ３１５を駆動するステージ駆動部３２０と、を有する。ステージ３１５は、Ｘ方向、Ｙ方向および回転方向に移動できる基板保持部である。これにより、ボンディング部３３とステージ３１５との相対位置関係を変更することができ、基板ＷＴ上における各チップＣＰの実装位置を調整することができる。

　図１に戻って、制御部９０は、例えばプログラマブルロジックコントローラであり、ＣＰＵ（Central Processing Unit）ユニットと入出力制御ユニットとを有する。制御部９０は、チップ供給装置１０と、チップ搬送装置３９と、ボンディング装置３０と、洗浄装置８５と、活性化処理装置６０と、チップ周部剥離装置５０と、搬送ロボット７１と、に接続されている。そして、制御部９０は、チップ供給装置１０、チップ搬送装置３９、ボンディング装置３０、洗浄装置８５、活性化処理装置６０、チップ周部剥離装置５０および搬送ロボット７１それぞれへ制御信号を出力することにより、これらの動作を制御する。

　次に、本実施の形態に係るチップ接合システム１を用いたチップ接合方法について図９乃至図１４を参照しながら説明する。まず、チップ接合システム１は、図９に示すように、搬出入ユニット８０から投入された基板ＷＴを活性化処理装置６０へ投入することにより基板ＷＴの実装面ＷＴｆに対して活性化処理を施す基板実装面活性化工程を行う（工程Ｓ１１）。ここで、活性化処理装置６０は、例えば、シート支持部６１２に基板ＷＴの実装面ＷＴｆが鉛直上方を向く姿勢で支持させた状態で、活性化処理を実行する。

　次に、チップ接合システム１は、活性化処理装置６０から活性化処理が施された基板ＷＴを、洗浄装置８５へ投入して、基板ＷＴの実装面ＷＴｆを水洗浄する水洗浄工程を行う（工程Ｓ１２）。ここで、洗浄装置８５は、ステージ８５２に基板ＷＴが支持された状態でステージ駆動部８５３によりステージ８５２を回転させつつ、洗浄ヘッド８５１から水を基板ＷＴに向けて吐出することにより基板ＷＴを水洗浄する。これにより、基板ＷＴの実装面ＷＴｆに水酸基（ＯＨ基）または水分子が比較的多く付着した状態となる。続いて、チップ接合システム１は、洗浄後の基板ＷＴをボンディング装置３０へ搬送する（工程Ｓ１３）。このとき、ボンディング装置３０では、ステージ３１５に受け取った基板ＷＴを保持させる。具体的には、搬送ロボット７１が、洗浄装置８５から基板ＷＴをその実装面ＷＴｆが鉛直上方を向く姿勢で受け取る。その後、搬送ロボット７１は、受け取った基板ＷＴを反転させて、基板ＷＴをその実装面ＷＴｆが鉛直下方を向く姿勢で保持する。そして、搬送ロボット７１は、基板ＷＴをその実装面ＷＴｆが鉛直下方を向く姿勢のままボンディング装置３０のステージ３１５へ移載する。

　また、前述の工程Ｓ１１乃至Ｓ１３の一連の工程と並行して、シートＴＥに貼着されたチップＣＰの基となるチップ形成領域が複数設けられた基板の複数のチップ形成領域の間の部分をダイシングすることによりダイシング基板ＷＤを作製するダイシング工程が行われる（工程Ｓ２１）。ダイシング工程の後、ダイシング基板ＷＤが貼着されたシートＴＥが固定された環状フレームＲＩ１が、搬出入ユニット８０へ投入される。そして、チップ接合システム１は、搬出入ユニット８０から投入された環状フレームＲＩ１を活性化処理装置６０へ投入する。その後、活性化処理装置６０は、シートＴＥに貼着されたダイシング基板ＷＤにおけるチップＣＰの接合面ＣＰｆ側を活性化させるチップ接合面活性化工程を行う（工程Ｓ２２）。このチップ接合面活性化処理工程では、チップＣＰの間に隙間が存在すると、シートＴＥにおける当該隙間に露出した部分がエッチングされてシートＴＥ由来の樹脂がチップＣＰの接合面ＣＰｆに付着してしまう虞がある。従って、チップ接合面活性化処理工程では、シートＴＥの一部がチップＣＰ同士の隙間から露出しないように、チップＣＰ同士が互いに当接している状態またはチップＣＰ同士が互いに繋がった状態で行われるのが好ましい。このチップ接合面活性化処理工程の後、搬送ロボット７１が、活性化処理装置６０から、ダイシング基板ＷＤで貼着されたシートＴＥが固定された環状フレームＲＩ１を取り出して、再び搬出入ユニット８０へ戻す。

　次に、搬出入ユニット８０から取り出されたチップ接合面活性化工程後のダイシング基板ＷＤが貼着されたシートＴＥが固定された環状フレームＲＩ１について、シートＴＥを伸張させることにより複数のチップＣＰが互いに離間した状態にする伸張工程が行われる（工程Ｓ２３）。この伸張工程では、環状フレームＲＩ１の内側に配置した環状フレームＲＩ２をシートＴＥに押し当ててから押圧することにより、シートＴＥを環状フレームＲＩの中央部から放射状に伸張させて複数のチップＣＰが互いに離間した状態にする。そして、この状態を維持しつつ、環状フレームＲＩ２の外側に環状フレームＲＩ３を嵌め込む。これにより、複数のチップＣＰが互いに離間した状態で貼着されたシートＴＥが、環状フレームＲＩ２、ＲＩ３に固定された状態となる。また、伸張工程を行った後、シートＴＥを環状フレームＲＩ１から切断する。そして、シートＴＥが固定された環状フレームＲＩ２，ＲＩ３が再び搬出入ユニット８０へ投入される。

　続いて、チップ接合システム１は、搬出入ユニット８０に投入されたシートＴＥが固定された環状フレームＲＩ２，ＲＩ３を、洗浄装置８５へ投入して、複数のチップＣＰそれぞれの接合面ＣＰｆを水洗浄する水洗浄工程を実行する（工程Ｓ２４）。ところで、伸張工程において、シートＴＥを伸張させてダイシング基板ＷＤを、複数のチップＣＰが互いに離間した状態にする際に、チップＣＰからパーティクルが発生してチップＣＰの接合面ＣＰｆに付着してしまう虞がある。これに対して、本実施の形態では、伸張工程の後、水洗浄工程を実行するので、伸張工程においてチップＣＰの接合面ＣＰｆに付着したパーティクルを水洗浄により除去することができる。そして、チップ接合システム１は、洗浄装置８５から、水洗浄工程後の複数のチップＣＰが貼着されたシートＴＥが固定された環状フレームＲＩ２，ＲＩ３をチップ周部剥離装置５０へ搬送する。

　その後、チップ周部剥離装置５０は、複数のチップＣＰそれぞれの中央部がシートＴＥに貼着され且つ複数のチップＣＰそれぞれの周部が中央部に比べてシートＴＥから剥離し易い状態にする周部剥離工程を行う（工程Ｓ２５）。ここでは、図１０Ａに示すように、まず、水平駆動部５３が、フレーム支持部５２１を水平方向へ移動させることにより、チップ周部剥離装置５０の紫外光照射部５５の鉛直下方にシートＴＥにおけるチップＣＰの周部に対応する部分が配置された状態にする。次に、紫外光照射部５５が、紫外光ＵＶＬをシートＴＥにおけるチップＣＰの周部に対応する部分に照射する。ここで、紫外光照射部５５は、図１０Ｂに示すように、複数（図１０Ｂでは６列）の列状に配置された複数のチップＣＰのうち、隣り合う２列のチップＣＰそれぞれの列方向と直交する方向において対向する一方の端部を含む領域Ａ１へ紫外光を照射することにより、隣り合う２列のチップＣＰそれぞれの一方の端部へ紫外光を同時に照射する。

　続いて、水平駆動部５３が、フレーム支持部５２１を水平方向へ移動させることにより、図１１Ａに示すように、チップ周部剥離装置５０のシート押圧機構５６の鉛直下方にシートＴＥにおけるチップＣＰの周部に対応する部分が配置された状態にする。その後、チップ周部剥離装置５０のシート押圧機構５６が、矢印ＡＲ５２に示すように、押圧部材５６１をシートＴＥにおけるチップＣＰの周部に対応する部分に押しつけた状態で、鉛直方向と直交する方向へ押圧部材５６１を移動させることにより、押圧部材５６１でシートＴＥを擦る。具体的には、シート押圧機構５６が、図１１Ｂに示すように、押圧部材５６１の先端部をシートＴＥに当接させた後、矢印ＡＲ５２に示すように、押圧部材５６１をシートＴＥにおけるチップＣＰの周部に対応する部分に押しつけると、図１１Ｃの矢印ＡＲ１０２に示すように、チップＣＰとシートＴＥとの接着部分において、シートＴＥがチップＣＰに対して押圧部材５６１の先端部に近づく方向へ引っ張られる。これに伴い、チップＣＰの端部が変形して、チップＣＰの端部には、矢印ＡＲ１０３に示すような、シートＴＥに対して局部的且つ相対的に移動する方向へ力が作用する。そして、チップＣＰの端部がシートＴＥに対して摺動し、チップＣＰの端部には、シートＴＥから剥離した部分ＣＰｓが生じる。

　この周部剥離工程では、まず、複数列全てについてチップＣＰの端部に紫外光を照射する処理を行った後、チップＣＰの端部を押圧部材５６１により擦る処理を行う。なお、周部剥離工程において、隣り合う２列のチップＣＰそれぞれの一方の端部を含む１つの領域Ａ１へ紫外光を照射する毎に、シートＴＥにおける紫外光を照射した領域Ａ１に含まれるチップＣＰの端部を押圧部材５６１により擦る処理を行ってもよい。

　図９に戻って、次に、チップ接合システム１は、複数のチップＣＰがそれぞれの周部が中央部に比べてシートＴＥから剥離し易い状態で貼着されたシートＴＥが固定された環状フレームＲＩ２、ＲＩ３を、チップ供給装置１０へ搬送する（工程Ｓ２６）。このとき、搬送ロボット７１が、洗浄装置８５からシートＴＥを保持する環状フレームＲＩ２、ＲＩ３をチップＣＰの接合面ＣＰｆが鉛直上方を向く姿勢で受け取る。その後、搬送ロボット７１は、受け取った環状フレームＲＩ２、ＲＩ３をそのままチップ供給装置１０のチップ供給部１１へ移載する。そして、チップ供給部１１では、移載された環状フレームＲＩ２、ＲＩ３をフレーム支持部１１９に支持させる。

　続いて、チップ接合システム１は、チップＣＰを基板ＷＴの実装面ＷＴｆに接触させることにより基板ＷＴに接合するチップ接合工程を行う（工程Ｓ３１）。ここでは、チップ接合システム１が、まず、シートＴＥに貼着された複数のチップＣＰのうちの１つのチップＣＰをピックアップするピックアップ工程を行う。このピックアップ工程では、チップ搬送装置３９が、図１２Ａに示すように、２つのプレート３９１をチップ供給装置１０と重ならない位置に配置された状態にする。そして、図１２Ｂの矢印ＡＲ１１に示すように、ピックアップ機構１１１のコレット１１５が、鉛直下方へ移動して１つのチップＣＰに当接して１つのチップＣＰを吸着保持する吸着保持工程を行う。次に、図１３Ａの矢印ＡＲ１２に示すように、フレーム水平駆動部１１３が、フレーム支持部１１９を鉛直下方へ移動させることにより、環状フレームＲＩ２、ＲＩ３を鉛直下方へ移動させる。これにより、チップＣＰの周部にシートＴＥから離脱した部分ＣＰｓが生じる。このとき、チップＣＰの周部は、チップ周部剥離装置５０において既に剥離された状態となっているため、環状フレームＲＩ２、ＲＩ３を鉛直下方へ移動させる際にチップＣＰの周部にはほとんど応力が加わらない。ここで、図１３Ｂに示すように、環状フレームＲＩ２、ＲＩ３を更に鉛直下方へ移動させていくと、それに伴い、チップＣＰの周部におけるシートＴＥから離脱した部分ＣＰｓの面積が増大していく。そして、図１３Ｃに示すように、チップＣＰが、シートＴＥから離脱した状態となる。そして、ピックアップ機構１１１は、コレット１１５をチップ搬送装置３９のプレート３９１の高さよりも高い位置まで持ち上げる。

　続いて、チップ接合システム１は、図１４Ａに示すように、チップ搬送装置３９の１つのプレート３９１をチップ供給部１１の方向へ向けた状態にする。その後、ピックアップ機構１１１が、図１４Ｂの矢印ＡＲ１４に示すように、コレット１１５を鉛直下方へ移動させることにより、チップＣＰをチップ保持部３９３へ移載する。

　次に、チップ接合システム１が、プレート３９１を図１５Ａの矢印ＡＲ１３の方向へ旋回させる。このとき、チップ搬送装置３９のアーム３９４の先端部のチップ保持部３９３がボンディング部３３のヘッド３３Ｈの鉛直上方の移載位置Ｐｏｓ１に配置される。即ち、チップ搬送装置３９は、チップ供給部１１から受け取ったチップＣＰをヘッド３３ＨにチップＣＰを移載する移載位置Ｐｏｓ１まで搬送する。そして、ヘッド駆動部３６は、ボンディング部３３を鉛直上方へ移動させてヘッド３３Ｈをチップ搬送装置３９のチップ保持部３９３へ近づける。次に、支持部駆動部４３２ｂは、チップ支持部４３２ａを鉛直上方へ移動させる。これにより、チップ保持部３９３に保持されたチップＣＰは、図１５Ｂに示すように、チップ支持部４３２ａの上端部で支持された状態で、チップ保持部３９３よりも鉛直上方側に配置される。続いて、チップ搬送装置３９は、アーム３９４をプレート３９１内へ没入させる。その後、支持部駆動部４３２ｂは、チップ支持部４３２ａを鉛直下方へ移動させる。これにより、ヘッド３３Ｈの先端部にチップＣＰが保持された状態となる。このとき、ピックアップ機構１１１は、次に基板ＷＴに接合するチップＣＰを吸着保持する前に、矢印ＡＲ１５に示すようにコレット１１５を鉛直上方へ移動させた後、矢印ＡＲ１６に示すようにコレット洗浄部１１６へ搬送する。そして、コレット洗浄部１１６が、コレット１１５を洗浄するコレット洗浄工程を行う。即ち、ピックアップ機構１１１は、コレット１１５によりチップＣＰを吸着保持する前に、コレット洗浄部１１６によりコレット１１５を洗浄する。

　その後、チップ接合システム１は、ステージ３１５を駆動するとともにボンディング部３３を回転させることにより、チップＣＰと基板ＷＴとの相対的な位置ずれを補正するアライメントを実行する。そして、チップ接合システム１は、ヘッド３３Ｈを上昇させることにより、チップＣＰを基板ＷＴに接合する。ここにおいて、基板ＷＴの実装面ＷＴｆとチップＣＰの接合面ＣＰｆとは、水酸基（ＯＨ基）を介して親水化接合した状態となる。

　そして、前述の一連の工程が完了した後、チップＣＰが実装された状態の基板ＷＴは、チップ接合システム１から取り出され、その後、熱処理装置（図示せず）に投入され熱処理が行われる。熱処理装置は、例えば温度３５０℃、１時間の条件で基板ＷＴの熱処理を実行する。

　以上説明したように、本実施の形態に係るチップ接合システムによれば、複数のチップＣＰそれぞれの中央部がシートＴＥに貼着され且つ複数のチップＣＰそれぞれの周部が中央部に比べてシートＴＥから剥離し易い状態にする。これにより、複数のチップＣＰそれぞれにおける端部がチップＣＰのピックアップ時において既に剥がれているので、厚さの薄いチップでもシートから剥離する際にチップの端部が跳ねてチップの端面に付着したパーティクルが周囲のチップＣＰに飛散してしまうことを抑制できる。従って、チップＣＰの接合面に付着したパーティクルに起因したチップＣＰの基板ＷＴへの接合不良を抑制することができる。

　また、特にチップＣＰの厚さが薄い場合、チップＣＰをシートＴＥから離脱させる際、破損し易くシートＴＥから離脱させるのが困難である。これに対して、本実施の形態に係るチップ接合システム１によれば、チップＣＰをシートＴＥから剥離させる時点においてチップＣＰの端部を事前に剥離した状態とすることができるので、その分、複数のチップＣＰそれぞれをシートから離脱させる際に複数のチップＣＰそれぞれに加わる応力を低減することができる。従って、複数のチップＣＰそれぞれをシートＴＥから離脱させる際にチップＣＰに過大な応力が加わることを抑制でき、過大な応力に起因したチップＣＰの破損が抑制される。

　ところで、チップＣＰの端部をシートＴＥから剥離するチップ周部剥離工程を行った後、洗浄装置８５により水洗浄を行う水洗浄工程を行う場合、チップＣＰの中央部しかシートＴＥに貼着されていないため、洗浄ヘッド６１５から吐出される水の威力とステージ８５２が回転することによりチップＣＰに作用する遠心力とによりチップＣＰがシートＴＥから脱離してしまう虞がある。これに対して、本実施の形態に係るチップ接合システム１では、水洗浄工程を行った後、チップ周部剥離工程を行うので、水洗浄工程におけるチップＣＰのシートＴＥからの脱離を抑制できる。

（実施の形態２）
　本実施の形態に係るチップ接合システムは、チップ供給装置が、複数のチップそれぞれの中央部がシートに貼着され且つ複数のチップそれぞれの周部が中央部に比べてシートから剥離し易い状態にするチップ周部剥離部を備える点で実施の形態１と相違する。つまり、本実施の形態に係るチップ接合システムでは、チップ供給装置が、実施の形態１で説明したチップ周部剥離装置が有する機能を備える点で実施の形態１と相違する。

　本実施の形態に係るチップ接合システムは、図１に示す実施の形態１に係るチップ接合システム１において、チップ周部剥離装置５０を省略し、チップ供給装置１０の代わりにチップ供給装置２０１０を備えるものである。チップ供給装置２０１０は、図１６に示すようなチップ供給部２０１１を有する。なお、図１６において、実施の形態１と同様の構成については図６と同一の符号を付している。チップ供給部２０１１は、フレーム支持部１１９と、フレーム支持部１１９を鉛直方向に沿って昇降させるフレーム昇降駆動部２１２０と、複数のチップＣＰの中から１つのチップＣＰをピックアップするピックアップ機構２１１１と、フレーム水平駆動部２１１３と、チップ周部剥離部５７と、を有する。フレーム水平駆動部２１１３は、フレーム支持部１１９およびフレーム昇降駆動部２１２０を纏めてＸＹ方向またはＺ軸周りに回転する方向へ移動させることにより、チップ周部剥離部５７またはピックアップ機構２１１１の鉛直上方に位置するチップＣＰの位置を変化させる。

　チップ周部剥離部５７は、フレーム支持部１１９に支持されたシートＴＥが固定された環状フレームＲＩ２、ＲＩ３の鉛直下方に配置されている。チップ周部剥離部５７は、紫外光照射部５５と、シート押圧機構５６と、紫外光照射部５５とシート押圧機構５６とを纏めて支持する支持部２５１４と、を有する。紫外光照射部５５は、紫外光を、フレーム支持部１１９に支持された環状フレームＲＩ２、ＲＩ３に固定されたシートＴＥにおけるチップＣＰの周部に対応する部分に照射する。シート押圧機構５６は、押圧部材５６１の先端部をフレーム支持部１１９に支持された環状フレームＲＩ２、ＲＩ３に固定されたシートＴＥにおけるチップＣＰの周部に対応する部分に押しつけた状態で、押圧部材５６１の押圧方向と直交する方向へ移動させることにより、押圧部材５６１でシートＴＥを擦る。

　ピックアップ機構２１１１は、複数のチップＣＰのうちの１つのチップＣＰを、シートＴＥにおける複数のチップＣＰ側とは反対側から突き出すことにより１つのチップＣＰをシートＴＥから離脱した状態にする。ここで、ピックアップ機構２１１１は、チップＣＰの接合面ＣＰｆ側とは反対側を保持して、チップＣＰを切り出す。ピックアップ機構２１１１は、ニードル２１１１ａと、ニードル２１１１ａを図１６の矢印ＡＲ２４５に示すように鉛直方向へ移動させるニードル駆動部２１１１ｃと、を有する。カバー１１４は、複数のチップＣＰの鉛直上方を覆うように配置され、ピックアップ機構２１１１に対向する部分に孔１１４ａが設けられている。ニードル２１１１ａは、例えば４つ存在する。但し、ニードル１１１ａの数は、３つであってもよいし、５つ以上であってもよい。ピックアップ機構２１１１は、シートＴＥにおける鉛直下方（－Ｚ方向）からニードル２１１１ａをシートＴＥに突き刺してチップＣＰを鉛直上方（＋Ｚ方向）へ持ち上げることによりチップＣＰを供給する。そして、シートＴＥに貼着された各チップＣＰは、ニードル２１１１ａによりカバー１１４の孔１１４ａを通じて１個ずつカバー１１４の上方へ突き出され、チップ搬送装置３９に受け渡される。

　次に、本実施の形態に係るチップ接合システムを用いたチップ接合方法について図１７乃至図２０を参照しながら説明する。なお、図１７において、実施の形態１と同様の工程については、図９と同一の符号を付している。図１７に示すように、基板実装面活性化工程（工程Ｓ１１）、水洗浄工程（工程Ｓ１２）が行われた後、基板ＷＴがボンディング装置３０へ搬送される（工程１３）。そして、実施の形態１と同様に、工程Ｓ１１乃至Ｓ１３の工程と並行して、ダイシング工程（工程Ｓ２１）、チップ接合面活性化工程（工程Ｓ２２）、伸張工程（工程Ｓ２３）、水洗浄工程（工程Ｓ２４）が行われる。そして、チップ接合システムは、洗浄装置８５から、水洗浄工程後の複数のチップＣＰが貼着されたシートＴＥが固定された環状フレームＲＩ２，ＲＩ３をチップ供給装置２０１０へ搬送する（工程Ｓ２２５）。

　次に、チップ供給装置２０１０は、複数のチップＣＰそれぞれの中央部がシートＴＥに貼着され且つ複数のチップＣＰそれぞれの周部がシートＴＥから剥離した状態にするチップ周部剥離工程を行う（工程Ｓ２２６）。ここでは、図１８Ａに示すように、まず、フレーム水平駆動部２１１３が、フレーム支持部１１９を水平方向へ移動させることにより、紫外光照る射部５５の鉛直上方にシートＴＥにおけるチップＣＰの周部に対応する部分が配置された状態にする。次に、紫外光照射部５５が、紫外光ＵＶＬをシートＴＥにおけるチップＣＰの周部に対応する部分に照射する。続いて、フレーム水平駆動部２１１３が、フレーム支持部１１９を水平方向へ移動させることにより、シート押圧機構５６の鉛直上方にシートＴＥにおけるチップＣＰの周部に対応する部分が配置された状態にする。その後、図１８Ｂに示すように、チップ周部剥離装置５０のシート押圧機構５６が、矢印ＡＲ２１１に示すように、押圧部材５６１をシートＴＥにおけるチップＣＰの周部に対応する部分に押しつけＣＰの周部に対応する部分に押しつけた状態で、鉛直方向と直交する方向へ押圧部材５６１を移動させることにより、押圧部材５６１でシートＴＥを擦る。これにより、チップＣＰの周部が中央部に比べてシートＴＥから剥離し易い状態になる。そして、フレーム水平駆動部２１１３、紫外光照射部５５およびシート押圧機構５６が、前述の一連の動作を繰り返すことにより、シートＴＥに貼着された複数のチップＣＰ全ての周部を中央部に比べてシートＴＥから剥離し易い状態にする。

　図１６に戻って、続いて、チップ接合システムは、チップ接合工程を行う（工程Ｓ３１）。ここでは、チップ接合システム１が、まず、フレーム水平駆動部２１１３が、フレーム支持部１１９を水平方向へ移動させることにより、図１９Ａに示すように、ピックアップ機構２１１１の鉛直上方にピックアップするチップＣＰが配置された状態にする。次に、矢印ＡＲ２１２に示すように、フレーム昇降駆動部２１２０がフレーム支持部１１９を鉛直上方へ移動させるとともに、矢印ＡＲ２１３に示すように、ピックアップ機構２１１１が、鉛直上方へ移動してニードル２１１１ａの先端部をシートＴＥに当接させる。続いて、図１９Ｂの矢印ＡＲ２１４に示すように、フレーム昇降駆動部２１２０が、フレーム支持部１１９を鉛直下方へ移動させることにより、環状フレームＲＩ２、ＲＩ３を鉛直下方へ移動させる。これにより、チップＣＰの周部が、シートＴＥから離脱した状態となる。続いて、図２０Ａに示すように、ピックアップ機構２１１１は、更に鉛直上方へ移動することにより、ニードル２１１１ａの先端部がシートＴＥを貫いてチップＣＰを鉛直上方へ突き出してシートＴＥから離脱した状態にする。その後、チップ搬送装置３９は、アーム３９４をプレート３９１の内側に没入させた状態でチップ供給装置２０１０側に向けてから、図２０Ｂに示すように、アーム３９４の先端部をプレート３９１の外側に突出させる。このとき、アーム３９４の先端部のチップ保持部３９３の２つの脚片２９２ａ（図７Ａ参照）の間にピックアップ機構２１１１のニードル２１１１ａが配置された状態となる。次に、ピックアップ機構２１１１が、鉛直下方に向かって待機位置まで移動すると、チップ保持部３９３にチップＣＰが移載される。

　その後、チップ接合システムは、実施の形態１で説明したように、チップ搬送装置３９によりチップ供給部２０１１から受け取ったチップＣＰをヘッド３３ＨにチップＣＰを移載する移載位置まで搬送してチップＣＰをヘッド３３Ｈの先端部に保持させる。次に、チップ接合システムは、チップＣＰと基板ＷＴとの相対的な位置ずれを補正するアライメントを実行した後、ヘッド３３Ｈを上昇させることにより、チップＣＰを基板ＷＴに接合する。

　ここで、本実施の形態に係るチップ供給装置２０１０の特徴について、比較例に係るチップ接合システムと比較しながら説明する。比較例に係るチップ接合装置は、図２１Ａに示すように、ニードル２１１１ａと、ニードル駆動部２１１１ｃと、シートＴＥにおけるピックアップするチップＣＰの周囲を吸着するシート吸着部９１１１ｂと、を有するピックアップ機構９１１１を備える。比較例に係るピックアップ機構９１１１は、まず、シート吸着部９１１１ｂでシートＴＥを吸着保持した状態で、ニードル２１１１ａの先端部をシートＴＥに当接させてからニードル２１１１ａを鉛直上方へ押し出す。このとき、チップＣＰの端部が、矢印ＡＲ９０１に示すように、シートＴＥに沿うように変形する。このとき、チップＣＰの端部には、変形に伴ってシートＴＥに対して摺動する方向への力が作用する。そして、ピックアップ機構９１１１が、ニードル２１１１ａを更に鉛直上方へ移動させたときに、チップＣＰの端部に作用する力がチップＣＰの端部とシートＴＥとの接着力を上回ると、図２１Ｂの矢印ＡＲ９０２に示すようにチップＣＰの端部が鉛直上方へ勢いよく跳ね上がる。このとき、チップＣＰの端面に付着したパーティクルが周囲に飛散してしまう。

　これに対して、本実施の形態に係るチップ供給装置２０１０では、チップＣＰの端部がシートＴＥから剥離した状態でチップＣＰを押し出すので、チップＣＰの端部の跳ね上がりを抑制することができる。

　以上説明したように、本実施の形態に係るチップ接合システムによれば、チップ供給装置２０１０が、チップ周部剥離部５７を備える。これにより、チップ周部剥離装置が不要となるので、その分、チップ接合システム全体の小型化を図ることができる。

（実施の形態３）
　本実施の形態に係るチップ接合システムは、チップ供給装置が、複数のチップそれぞれの中央部がシートに貼着され且つ複数のチップそれぞれの周部が中央部に比べてシートから剥離し易い状態にするチップ周部剥離部を備える点で実施の形態１と相違する。つまり、本実施の形態に係るチップ接合システムでは、チップ供給装置が、実施の形態１で説明したチップ周部剥離装置が有する機能を備える点で実施の形態１と相違する。

　本実施の形態に係るチップ接合システムは、図１に示す実施の形態１に係るチップ接合システム１において、チップ周部剥離装置５０を省略し、チップ供給装置１０の代わりにチップ供給装置３０１０を備えるものである。チップ供給装置３０１０は、図２２に示すようなチップ供給部３０１１を有する。なお、図２２において、実施の形態１と同様の構成については図６と同一の符号を付している。チップ供給部３０１１は、フレーム支持部１１９と、フレーム支持部１１９を鉛直方向に沿って昇降させるフレーム昇降駆動部２１２０と、複数のチップＣＰの中から１つのチップＣＰをピックアップするピックアップ機構３１１１と、フレーム水平駆動部３１１３と、チップ周部剥離部５７と、を有する。フレーム水平駆動部３１１３は、フレーム支持部１１９およびフレーム昇降駆動部２１２０を纏めてＸＹ方向またはＺ軸周りに回転する方向へ移動させることにより、チップ周部剥離部５７の鉛直下方に位置するチップＣＰの位置を変化させる。

　チップ周部剥離部５７は、フレーム支持部１１９に支持されたシートＴＥが固定された環状フレームＲＩ２、ＲＩ３の鉛直上方に配置されている。チップ周部剥離部５７は、紫外光照射部５５と、シート押圧機構５６と、紫外光照射部５５とシート押圧機構５６とを纏めて支持する支持部３５１４と、を有する。紫外光照射部５５は、紫外光を、フレーム支持部１１９に支持された環状フレームＲＩ２、ＲＩ３に固定されたシートＴＥにおけるチップＣＰの周部に対応する部分に照射する。シート押圧機構５６は、押圧部材５６１の先端部をフレーム支持部１１９に支持された環状フレームＲＩ２、ＲＩ３に固定されたシートＴＥにおけるチップＣＰの周部に対応する部分に押しつけた状態で、押圧部材５６１の押圧方向と直交する方向へ移動させることにより、押圧部材５６１でシートＴＥを擦る。パーティクル吸引部５４は、チップ周部剥離部５７がチップＣＰの周部を中央部に比べてシートＴＥから剥離し易い状態にするときにチップＣＰで発生するパーティクルを吸引ノズル５４ａで吸引する。

　ピックアップ機構３１１１は、チップＣＰを吸着保持するチャック部１１５ａの向きを鉛直上方または鉛直下方に変更することが可能なコレット３１１５と、コレット昇降駆動部１１６１と、コレット水平駆動部１１６２と、コレット洗浄部１１７と、を有する。ピックアップ機構３１１１は、シートＴＥにおける鉛直下方（－Ｚ方向）からコレット３１１５をチップＣＰに近づけてチップＣＰを吸着保持し。チップＣＰを鉛直下方（－Ｚ方向）へ引っ張ることによりチップＣＰを取得する。そして、ピックアップ機構３１１１は、コレット３１１５の姿勢をそのチャック部１１５ａが鉛直下方に向くように変更した後、コレット３１１５をチップ搬送装置３９のチップ保持部３９３に近づける。そして、ピックアップ機構３１１１は、チップＣＰをチップ保持部３９３に当接させた状態でチップＣＰの吸着保持を解除することにより、チップＣＰをチップ搬送装置３９へ受け渡す。また、ピックアップ機構３１１１は、コレット３１１５のチャック部１１５ａによりチップＣＰを吸着保持する前に、コレット洗浄部１１７によりチャック部１１５ａを洗浄する。ここで、ピックアップ機構３１１１は、１つのチップＣＰをピックアップする毎にコレット１１５を洗浄するものであってもよいし、或いは、予め設定された回数だけチップＣＰのピックアップを繰り返す毎にコレット１１５を洗浄するものであってもよい。

　次に、本実施の形態に係るチップ接合システムを用いたチップ接合方法は、実施の形態２で説明したチップ接合方法と略同様であるため、図１７および図２３および図２４を参照しながら説明する。図１７に示すチップ周部剥離工程（工程Ｓ２２６）において、図２３Ａに示すように、まず、フレーム水平駆動部３１１３が、フレーム支持部１１９を水平方向へ移動させることにより、紫外光照る射部５５の鉛直上方にシートＴＥにおけるチップＣＰの周部に対応する部分が配置された状態にする。次に、紫外光照射部５５が、紫外光ＵＶＬをシートＴＥにおけるチップＣＰの周部に対応する部分に照射する。続いて、フレーム水平駆動部３１１３が、フレーム支持部１１９を水平方向へ移動させることにより、シート押圧機構５６の鉛直下方にシートＴＥにおけるチップＣＰの周部に対応する部分が配置された状態にする。その後、図２３Ｂに示すように、チップ周部剥離装置５０のシート押圧機構５６が、矢印ＡＲ３１１に示すように、押圧部材５６１をシートＴＥにおけるチップＣＰの周部に対応する部分に押しつけＣＰの周部に対応する部分に押しつけた状態で、鉛直方向と直交する方向へ押圧部材５６１を移動させることにより、押圧部材５６１でシートＴＥを擦る。これにより、チップＣＰの周部が中央部に比べてシートＴＥから剥離し易い状態になる。

　図１７に戻って、続いて、チップ接合システムは、チップ接合工程を行う（工程Ｓ３１）。ここでは、チップ接合システム１が、まず、フレーム水平駆動部２１１３が、図２４Ａの矢印ＡＲ３１２に示すように、フレーム支持部１１９を水平方向へ移動させることにより、ピックアップ機構３１１１の鉛直上方にピックアップするチップＣＰが配置された状態にする。次に、矢印ＡＲ３１３に示すように、フレーム昇降駆動部２１２０がフレーム支持部１１９を鉛直下方へ移動させる。そして、矢印ＡＲ３１４に示すように、ピックアップ機構３１１１が、コレット３１１５を、そのチャック部１１５ａが鉛直上方を向く姿勢にした状態で、鉛直上方へ移動させて１つのチップＣＰに当接させてから吸着保持させる。次に、図２４Ｂの矢印ＡＲ３１５に示すように、フレーム昇降駆動部２１２０が、フレーム支持部１１９を鉛直上方へ移動させることにより、環状フレームＲＩ２、ＲＩ３を鉛直上方へ移動させる。これにより、チップＣＰが、シートＴＥから離脱した状態となる。続いて、ピックアップ機構３１１１は、コレット３１１５を、そのチャック部１１５ａが鉛直下方を向く姿勢にした後、鉛直下方へ移動させてチップ搬送装置３９のチップ保持部３９３に当接させる。その後、ピックアップ機構３１１１は、コレット３１１５によるチップＣＰの吸着保持を解除することによりチップＣＰを搬送装置３９のチップ保持部３９３に移載する。

　その後、チップ接合システムは、実施の形態１で説明したように、チップ搬送装置３９によりチップ供給部３０１１から受け取ったチップＣＰをヘッド３３ＨにチップＣＰを移載する移載位置まで搬送してチップＣＰをヘッド３３Ｈの先端部に保持させる。次に、チップ接合システムは、チップＣＰと基板ＷＴとの相対的な位置ずれを補正するアライメントを実行した後、ヘッド３３Ｈを上昇させることにより、チップＣＰを基板ＷＴに接合する。

　以上説明したように、本実施の形態に係るチップ接合システムによれば、実施の形態２と同様に、チップ供給装置３０１０が、チップ周部剥離部５７を備える。これにより、チップ周部剥離装置が不要となるので、その分、チップ接合システム全体の小型化を図ることができる。

　以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明は前述の実施の形態に限定されるものではない。例えば、チップ周部剥離装置５０が、ダイシング基板ＷＤにおける複数のチップ形成領域それぞれの中央部がシートＴＥに貼着され且つ複数のチップ形成領域それぞれの周部が中央部に比べてシートＴＥから剥離し易い状態にするものであってもよい。ここで、ダイシング基板ＷＤは、チップＣＰの基となるチップ領域が複数形成された基板の複数のチップ形成領域の間の部分をダイシングすることにより形成される。また、ダイシング基板ＷＤを形成する際のダイシング方法としては、ステルスダイシング法を採用するのが好ましい。このステルスダイシング法では、例えば図２５Ａに示すように、ダイシング基板ＷＤを透過する波長のレーザ光を放射するレーザ加工ヘッド８０４１を、ダイシング基板ＷＤとの間の距離をレーザ光の集光点がダイシング基板ＷＤの内部となるように維持しながら、複数のチップ形成領域ＡＣＰの間に沿って移動させる。これにより、互いに隣接するチップ形成領域ＡＣＰの間の部分におけるダイシング基板ＷＤの内部に改質部ＰＡＳが形成される。そして、実施の形態１で説明した水洗浄工程、チップ周部剥離工程を行った後、接合工程を行う前に、伸張工程を行うことにより、ダイシング基板ＷＤを複数のチップＣＰに分離するようにすればよい。ここで、チップ周部剥離工程では、チップ周部剥離装置５０のフレーム支持部５２１が、ダイシング基板ＷＤが貼着されたシートＴＥが固定された環状フレームＲＩ２，ＲＩ３を支持するようにすればよい。また、伸張工程では、例えば図２５Ｂに示すように、シートＴＥが矢印ＡＲ８１に示すように伸張されることにより、ダイシング基板ＷＤが複数のチップＣＰに分離される。この場合、特に図２５ＢのチップＣＰにおけるシートＴＥ側とは反対側のエッジ部分Ｐ８１が、シャープであり且つチッピングが殆ど無いものとなる。

　なお、ダイシング基板ＷＤを形成する際のダイシング方法としては、プラズマダイシング法を採用してもよい。このプラズマダイシング法では、ダイシング基板ＷＤの複数のチップ形成領域ＡＣＰを覆うマスクをダイシング基板ＷＤ上に形成した後、ダイシング基板ＷＤのマスク側をプラズマに曝露してエッチングすることにより、チップ形成領域ＡＣＰの間を削るようにすればよい。

　ところで、ステルスダイシング法を採用した場合、図２５Ａに示すようにダイシング基板ＷＤの隣り合うチップ形成領域の間の部分の内部にレーザ光による改質部ＰＡＳが形成される。このため、ダイシング基板ＷＤを複数のチップＣＰに分離した場合、図２５Ｂに示すようにチップＣＰの側面に改質層ＰＡＳが露出した状態となる。従って、ダイシング基板ＷＤを複数のチップＣＰに分離する際にチップＣＰの端部が跳ね上がると、その勢いによりチップＣＰの側面に露出した改質層ＰＡＳが崩れてパーティクルが発生してしまう虞がある。これに対して、本構成によれば、チップＣＰの端部の跳ね上がりを抑制することができるので、その分、パーティクルの発生を効果的に抑制できる。

　実施の形態１において、チップ供給装置１０が、フレーム支持部１１９が環状フレームＲＩ２、ＲＩ３を支持した状態で、環状フレームＲＩ２、ＲＩ３に固定されたシートＴＥにおけるチップＣＰ側とは反対側から複数のチップＣＰの全てに紫外光を照射する紫外光照射部を備えるものであってもよい。この場合、チップ周部剥離装置５０において、複数のチップＣＰそれぞれの周部がシートＴＥから剥離した状態にされた後、チップ供給装置１０において、複数のチップＣＰの全てに紫外光が照射されることにより、複数のチップＣＰ全てがシートＴＥから剥離し易い状態でシートＴＥ上に載置された状態となる。

　また、実施の形態２において、チップ供給装置２０１０が、紫外光照射部５５の他に、フレーム支持部１１９が環状フレームＲＩ２、ＲＩ３を支持した状態で、環状フレームＲＩ２、ＲＩ３に固定されたシートＴＥにおけるチップＣＰ側とは反対側から複数のチップＣＰの全てに紫外光を照射する紫外光照射部を備えるものであってもよい。或いは、チップ供給装置１０が、マスク５２２を光源５５１の光路を遮る位置と光路を遮らない位置とのいずれかへ移動させるマスク移動機構を有するチップ周部剥離装置を有するものであってもよい。そして、チップ周部剥離装置は、マスク移動機構によりマスク５２２が光源５５１の光路を遮る位置へ移動されることで、チップＣＰの周部のみに紫外光を照射可能な状態となり、マスク移動機構によりマスク５２２が光源５５１の光路を遮らない位置へ移動されることで、複数のチップＣＰ全てに紫外光を照射可能な状態になるものであってもよい。この場合、チップ供給装置２０１０において、複数のチップＣＰそれぞれの周部がシートＴＥから剥離した状態にされた後、複数のチップＣＰの全てに紫外光が照射されることにより、複数のチップＣＰ全てがシートＴＥから完全に剥離した状態でシートＴＥ上に載置された状態となる。

　本構成によれば、複数のチップＣＰ全てがシートＴＥから完全に剥離した状態でシートＴＥ上に載置された状態となるので、チップＣＰをより円滑に供給することができる。なお、紫外光照射部５５が、チップＣＰの端部にのみ紫外光を照射した後、チップＣＰの全面に紫外光を照射してチップＣＰ全体に対応するシートＴＥの粘着力を低下させるようにしてもよい。

　実施の形態１で説明したチップ接合システム１において、チップ周部剥離装置５０を備えていない構成であってもよい。そして、チップ供給装置が、図２６Ａに示すようなピックアップ機構６１１１を有する。このピックアップ機構６１１１は、コレット１１５と、コレット昇降駆動部１１６１と、コレット水平駆動部１１６２と、コレット洗浄部１１７と、ニードル２１１１ａと、ニードル駆動部２１１１ｃと、を有する。なお、図２６Ａにおいて、実施の形態１、２と同一の構成については図６および図１６と同一の符号を付している。また、ピックアップ機構６１１１は、シートＴＥにおけるニードル２１１１ａにより押し出されるチップＣＰの周囲を吸着するシート吸着部６１１１ｂを有する。ピックアップ機構６１１１は、図２６Ｂに示すように、コレット１１５でチップＣＰを吸着保持した状態で、ニードル２１１１ａで押し出すことによりチップＣＰを供給する。ところで、本変形例では、チップＣＰの接合面ＣＰｆがコレット１１５と接触するため、チップＣＰのピックアップを複数回繰り返すと接合面ＣＰｆにパーティクルが付着してしまう虞がある。これに対して、本変形例では、コレット１１５のチップＣＰとの接触面を洗浄することによりパーティクルの接合面ＣＰｆへの付着に対する対策をするというものである。

　また、図２６Ａおよび図２６Ｂに示す変形例において、ピックアップ機構が、ニードル２１１１ａと、ニードル駆動部２１１１ｃと、シート吸着部６１１１ｂと、を有し、シート吸着部６１１１ｂがシートＴＥにおけるニードル２１１１ａにより押し出されるチップＣＰの周囲を吸着した状態でニードル２１１ａにより押し出し、チップ搬送装置３９が、押し出されたチップＣＰを直接受け取って搬送する構成であってもよい。

　実施の形態１、２において、チップ供給装置１０、２０１０が、カバー１１４を備えていない構成であってもよい。

　各実施の形態では、チップ周部剥離部５７が、紫外光照射部５５とシート押圧機構５６とを有する例について説明したが、これに加えて、シートＴＥを加熱する加熱部を有するものであってもよい。

　各実施の形態では、チップ周部剥離部５７が、チップＣＰの両端部の片側ずつ順次押圧する例について説明したが、これに限らず、例えば、チップ周部剥離部が、少なくとも１つの押圧部材により、チップＣＰの両端部を同時に押圧するものであってもよい。例えば図２７Ａおよび図２７Ｂに示すように、本変形例に係るチップ周部剥離部４０５７は、シートＴＥにおける１つのチップＣＰの両端部に対応する部分に同時に紫外光を照射する紫外光照射部４０５５と、シートＴＥにおける１つのチップＣＰの両端部に対応する部分に同時に押圧するシート押圧機構４０５６と、紫外光照射部４０５５とシート押圧機構４０５６とを纏めて支持する照射部押圧機構支持部４５１４と、を有する。紫外光照射部４０５５は、紫外光を放射する光源４５５１と、光源４５５１から放射される紫外光の一部を遮蔽するマスク４５５２と、を有し、光源４５１１から放射されマスク４５５２の複数の窓部４５５２ａを透過した紫外光を、シートＴＥにおけるチップＣＰの周部に対応する部分に照射する。マスク４５５２は、光源４５５１から離間した状態でマスク支持部４５１５を介して照射部押圧機構支持部４５１４に固定されている。

　シート押圧機構４０５６は、先端部がシートＴＥにおけるチップＣＰの周部に対応する部分を押圧する複数の押圧部材４５６１と、複数の押圧部材４５６１を鉛直方向および鉛直方向と直交する方向へ同期して駆動する押圧部材駆動部４５６２と、を有する。押圧部材駆動部４５６２は、複数の押圧部材４５６１を鉛直方向に沿ってシートＴＥに近づく方向へ移動させることにより、複数の押圧部材４５６１をシートＴＥにおけるチップＣＰの周部に対応する部分に同時に押しつける。また、押圧部材駆動部４５６２は、複数の押圧部材４５６１をシートＴＥにおけるチップＣＰの周部に対応する部分に押しつけた状態で、鉛直方向と直交する方向へ複数の押圧部材４５６１をそれぞれ移動させることにより、複数の押圧部材４５６１でシートＴＥを擦る。

　このチップ周部剥離部４０５７では、まず、図２７Ａに示すように、紫外光照射部４０５５が、紫外光ＵＶＬをシートＴＥにおけるチップＣＰの両端部に対応する部分それぞれに同時に照射する。次に、図２７Ｂに示すように、シート押圧機構４０５６が、矢印ＡＲ４５２に示すように、複数の押圧部材４５６１をシートＴＥにおけるチップＣＰの両端部に対応する部分に同時に押しつけた状態で、鉛直方向と直交する方向へ複数の押圧部材４５６１を移動させることにより、複数の押圧部材４５６１でシートＴＥを擦る。

　本構成によれば、チップ周部剥離工程における処理能力を向上させることができる。

　実施の形態２では、ピックアップ機構２１１１が、ニードル２１１１ａでチップＣＰを鉛直上方へ突き出す例について説明したが、これに限らず、例えば、ピックアップ機構２１１１に代えて、実施の形態３で説明したピックアップ機構３１１１のような、チップＣＰを鉛直上方から吸着保持するピックアップ機構を備えるものであってもよい。また、この場合、ピックアップ機構が、チップＣＰの接合面側の周部のみを吸着保持するものであってもよい。

　実施の形態３において、ピックアップ機構３１１１が、シートＴＥにおけるチップＣＰが貼着された一面側とは反対側の他面側からチップＣＰの中央部を一面側へ押圧することによりシートＴＥを撓ませてチップＣＰの周部がシートから剥離した状態で、チップＣＰの接合面側の周部のみを吸着保持するものであってもよい。また、ピックアップ機構３１１１が、チップＣＰの接合面側とは反対側における周部を吸着保持するものであってもよい。

　実施の形態２において、例えば図２８に示すように、ピックアップ機構７１１１が、ニードル２１１１ａとニードル駆動部２１１１ｂとに加えて、シートＴＥにおけるニードル２１１１ａにより押し出されるチップＣＰの周囲を吸着するシート吸着部６１１１ｂを有するものであってもよい。

　各実施の形態では、チップＣＰを供給するチップ供給装置１０において、チップＣＰにおける基板ＷＴに接合される接合面ＷＴｆを吸着保持するコレット１１５によりチップＣＰを吸着保持する直前に、コレット洗浄部１１７によりコレット１１５を洗浄する例について説明した。但し、これに限らず、チップ供給装置が、例えば図２９Ａに示すようなベルヌーイチャック５１１５ａが設けられたコレット５１１５を有するピックアップ機構５１１１を備えるものであってもよい。なお、図２９Ａにおいて、実施の形態１と同様の構成については図５と同一の符号を付している。この場合、ピックアップ機構５１１１は、チップＣＰにおける基板ＷＴに接合される接合面ＣＰｆ側を非接触で保持する。

　実施の形態１に係るピックアップ機構１１１では、図２９Ｂに示すように、コレット１１５の吸着孔１１５ｂを有するチャック部１１５ａがチップＣＰの接合面ＣＰｆ側に接触した状態でチップＣＰを保持する。このため、チャック部１１５ａの洗浄が必要となる、これに対して、本構成によれば、ピックアップ機構５１１１は、チップＣＰにおける基板ＷＴに接合される接合面ＣＰｆ側を非接触で保持するので、接合面ＣＰｆへのパーティクル付着を抑制することができる。

　実施の形態１において、例えば図３０に示すように、チップ接合システム９が、複数のチップＣＰが貼着されたシートＴＥが固定された環状フレーム（以下、「シート固定フレーム」と称する。）ＲＩ２、ＲＩ３について、チップＣＰそれぞれの中央部がシートＴＥに貼着され且つチップＣＰそれぞれの周部における少なくとも中央部を挟んで対向する両端部が中央部に比べてシートＴＥから剥離し易い状態にするチップ周部剥離装置５０と、シート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３からピックアップしたチップＣＰを供給するチップ供給装置１０と、チップ供給装置１０から供給されるチップＣＰをヘッド３３Ｈに移載する移載位置まで搬送するチップ搬送装置３９と、バッファユニット９０９２と、を備えるものであってもよい。なお、図３０において、実施の形態１と同様の構成については図１と同一の符号を付している。バッファユニット９０９２は、シート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３を複数枚蓄積することができる。また、チップ周部剥離装置５０とバッファユニット９０９２との間には、シート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３が一時的に配置される待機ユニット９０９１が配設されている。また、チップ接合システム９は、フレーム搬送装置９０９３、９０９４を備える。待機ユニット９０９１は、チップ供給装置１０のチップ供給部１１またはバッファユニット９０９２へ搬送するシート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３が一時的に載置されるフレーム載置台９９１１を有する。

　バッファユニット９０９２は、シート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３の収納が可能な複数のスロットを有するラック９９２１と、ラック９９２１をＺ軸方向へ昇降移動させるラック昇降駆動部（図示せず）と、を有する。フレーム搬送装置９０９３は、チップ周部剥離装置５０により中央部がシートＴＥに貼着され且つチップＣＰそれぞれの周部における少なくとも中央部を挟んで対向する両端部が中央部に比べてシートＴＥから剥離し易い状態となった複数のチップＣＰが貼着されたシート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３を、チップ周部剥離装置５０からバッファユニット９０９２または待機ユニット９０９１へ搬送する第１フレーム搬送装置である。フレーム搬送装置９０９３は、シート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３を保持するチャック部９９３３と、先端部にチャック部９９３３が固定されたアーム９９３２と、アーム９９３２をチップ周部剥離装置５０、待機ユニット９０９１およびバッファユニット９０９２の並び方向、即ち、Ｙ軸方向に沿って移動させるアーム駆動部９９３１と、を有する。

　フレーム搬送装置９０９４は、待機ユニット９０９１に配置されたシート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３を、待機ユニット９０９１からチップ供給装置１０のフレーム支持部１１９に受け渡す位置まで搬送する第２フレーム搬送装置である。フレーム搬送装置９０９４は、シート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３を保持するチャック部９９４３と、先端部にチャック部９９４３が固定されたアーム９９４２と、アーム９９４２を待機ユニット９０９１とチップ供給装置１０のチップ供給部１１との並びに方向、即ち、Ｘ軸方向に沿って移動させるアーム駆動部９９４１と、を有する。

　搬送装置７０の搬送ロボット７１は、アーム７１ａでシート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３を保持した状態でアーム７１ａを回転させることによりシート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３の表裏を反転させる機能を有する。なお、本変形例において、チップ周部剥離装置５０内またはチップ周部剥離装置５０外に、シート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３の表裏を反転させる機能を有するフレーム反転装置（図示せず）を別途備えるものであってもよい。

　次に、本変形例に係るチップ接合システム９の動作について、図３１Ａ乃至図３７を用いて説明する。なお、図３２Ａ乃至図３３Ｂにおいて、実施の形態１と同様の構成については図１０Ａ乃至図１１Ｂと同じ符号を付している。まず、図３１Ａに示すように、搬送装置７０の搬送ロボット７１が、矢印ＡＲ９１に示すように、アーム７１ａでシート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３を保持した状態でアーム７１ａを回転させることによりシート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３の表裏を反転させる。そして、搬送ロボット７１は、アーム７１ａを伸張させることによりシート固定フレームＲＩ２、ＲＩ２を保持するアーム７１ａの先端部を、チップ周部剥離装置５０内へ挿入する。次に、搬送ロボット７１は、図３２Ａの矢印ＡＲ１０１に示すように、アーム７１ａを回転させることにより、シート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３におけるシートＴＥのチップＣＰが貼着された面が鉛直下方を向く姿勢にする。そして、搬送ロボット７１は、アーム７１ａの先端部に保持するシート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３をチップ周部剥離装置５０の前述のフレーム支持部５１２に移載してから、図３１Ｂの矢印ＡＲ９２に示すようにアーム７１ａを収縮させる。これにより、シート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３が、チップ周部剥離装置５０のフレーム支持部５１２に支持された状態となる。続いて、チップ周部剥離装置５０が、実施の形態１で説明したチップ周部剥離工程を実行する。具体的には、まず、水平駆動部５３が、フレーム支持部５２１を水平方向へ移動させることにより、図３２Ｂに示すように、チップ周部剥離装置５０の紫外光照射部５５の鉛直下方にシートＴＥにおけるチップＣＰの周部に対応する部分が配置された状態にする。次に、紫外光照射部５５が、紫外光ＵＶＬをシートＴＥにおけるチップＣＰの周部に対応する部分に照射する。

　続いて、水平駆動部５３が、フレーム支持部５２１を水平方向へ移動させることにより、図３３Ａに示すように、チップ周部剥離装置５０のシート押圧機構５６の鉛直下方にシートＴＥにおけるチップＣＰの周部に対応する部分が配置された状態にする。その後、チップ周部剥離装置５０のシート押圧機構５６が、矢印ＡＲ５２に示すように、押圧部材５６１をシートＴＥにおけるチップＣＰの周部に対応する部分に押しつけた状態で、鉛直方向と直交する方向へ押圧部材５６１を移動させることにより、押圧部材５６１でシートＴＥを擦る。これにより、複数のチップＣＰそれぞれの中央部がシートＴＥに貼着され且つ複数のチップＣＰそれぞれの周部がシートＴＥから剥離した状態になる。

　次に、搬送ロボット７１は、再びアーム７１ａを伸張させることによりシート固定フレームＲＩ２、ＲＩ２を保持するアーム７１ａの先端部を、チップ周部剥離装置５０内へ挿入する。続いて、搬送ロボット７１は、図３３Ｂに示すように、シート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３におけるチップＣＰ側とは反対側からシート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３を保持した状態でアーム７１ａを回転させることにより、シート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３におけるシートＴＥのチップＣＰが貼着された面が鉛直上方を向く姿勢にする。そして、搬送ロボット７１は、アーム７１ａの先端部に保持するシート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３をチップ周部剥離装置５０の前述のフレーム支持部５１２に移載してから、矢印ＡＲ９２に示すようにアーム７１ａを収縮させる。

　その後、図３４Ａの矢印ＡＲ９３に示すように、フレーム搬送装置９０９３が、チャック部９９３３によりシート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３を把持できる位置までアーム９９３２を移動させてから、チャック部９９３３によりシート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３を把持させる。次に、フレーム搬送装置９０９３は、図３４Ｂの矢印ＡＲ９４に示すように、アーム９９３２を更に－Ｙ方向へ移動させることにより、シート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３を、バッファユニット９０９２のラック９９２１に収納させる。このシート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３を、バッファユニットへ搬送する一連の工程が第１フレーム搬送工程に相当する。

　ここで、ラック９９２１は、例えば図３５Ａに示すように３つのスロットＳＬＴ１、ＳＬＴ２、ＳＬＴ３を有する。そして、バッファユニット９０９２は、例えばスロットＳＬＴ２の高さが待機ユニット９０９１のフレーム載置台９９１１と略同じ高さとなるように、ラック９９２１を配置する。この状態で、フレーム搬送装置９０９３は、矢印ＡＲ９４に示すように、アーム９９３２を－Ｙ方向へ移動させることにより、シート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３をラック９９２１のスロットＳＬＴ２内に収納させる。続いて、フレーム搬送装置９０９３は、アーム９９３２を＋Ｙ方向へ移動させることによりアーム９９３２をラック９９２１から離脱させる。その後、バッファユニット９０９２は、図３５Ｂの矢印ＡＲ９５に示すように、ラック９９２１を＋Ｚ方向へ移動させて、スロットＳＬＴ１の高さが待機ユニット９０９１のフレーム載置台９９１１と略同じ高さとなるようにラック９９２１を配置する。この状態で、フレーム搬送装置９０９３は、矢印ＡＲ９６に示すように、アーム９９３２を－Ｙ方向へ移動させることにより、シート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３をラック９９２１のスロットＳＬＴ３内に収納させる。このように、ラック９９２１のＺ軸方向への移動と、アーム９９３２のＹ軸方向への往復移動と、が繰り返し実行されることで、ラック９９２１内に複数のシート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３が蓄積される。

　また、フレーム搬送装置９０９３は、チャック部９９３３によりラック９９２１に収納されたシート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３を把持できる位置までアーム９９３２を移動させてから、チャック部９９３３にシート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３を把持させる。次に、フレーム搬送装置９０９３は、図３６Ａの矢印ＡＲ９７に示すように、アーム９９３２＋Ｙ方向へ移動させることにより、シート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３をラック９９２１から引き出して待機ユニット９０９１のフレーム載置台９９１１上に配置する。続いて、フレーム搬送装置９０９３は、チャック部９９３３によるシート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３の把持状態を解除してから、図３６Ｂの矢印ＡＲ９８に示すように、アーム９９３２を更に＋Ｙ方向へ移動させてフレーム載置台９９１１から退避させる。その後、フレーム搬送装置９０９４は、矢印ＡＲ９９に示すように、チャック部９９４３により待機ユニット９０９１内に配置されたシート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３を把持できる位置までアーム９９４２を＋Ｘ方向へ移動させてから、チャック部９９４３にシート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３を把持させる。次に、フレーム搬送装置９０９４が、図３７の矢印ＡＲ１００に示すように、アーム９９４２－Ｙ方向へ移動させることにより、シート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３を、チップ供給部１１のフレーム支持部１１９へ受け渡す位置まで搬送する。その後、フレーム搬送装置９０９４が、チャック部９９４３によるシート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３の把持状態を解除することにより、シート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３をチップ供給部１１のフレーム支持部１１９へ移載する。このシート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３を、バッファユニットからフレーム支持部１１９まで搬送する一連の工程が第２フレーム搬送工程に相当する。そして、チップ接合システム９は、実施の形態１で説明した、チップＣＰを基板ＷＴの実装面ＷＴｆに接触させることにより基板ＷＴに接合するチップ接合工程を行う。

　なお、本変形例において、チップ周部剥離装置５０が、シート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３の鉛直下方側から、紫外光ＵＶＬをシートＴＥにおけるチップＣＰの周部に対応する部分に照射し、シート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３の鉛直下方側から、押圧部材５６１をシートＴＥにおけるチップＣＰの周部に対応する部分に押しつけた状態で、鉛直方向と直交する方向へ押圧部材５６１を移動させることにより、押圧部材５６１でシートＴＥを擦るものであってもよい。この場合、シート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３の表裏を反転させる必要がない。

　また、本変形例において、チップ周部剥離工程を行う前段階の複数のシート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３が、バッファユニット９０９２に蓄積されるものであってもよい。この場合、チップ周部剥離装置５０が、バッファユニット９０９２から搬送されてきたシート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３についてチップ周部剥離工程を行うようにすればよい。

　結局、本変形例に係るチップ接合方法では、まず、実施の形態１で説明したダイシング基板ＷＤを作製するダイシング工程と、ダイシング基板ＷＤにおけるチップＣＰの接合面ＣＰｆ側を活性化させるチップ接合面活性化処理工程と、チップＣＰの接合面ＣＰｆ側が活性化されたダイシング基板ＷＤが貼着されたシートＴＥを伸張することにより複数のチップＣＰが互いに離間した状態にして環状フレームＲＩ２、ＲＩ３に固定する伸張工程と、複数のチップＣＰが互いに離間した状態で貼着されたシートが固定された環状フレームＲＩ２、ＲＩ３について、複数のチップＣＰそれぞれの接合面ＣＰｆを水洗浄する洗浄工程と、を行う。次に、複数のチップが互いに離間した状態で貼着されたシートＴＥが固定された環状フレームＲＩ２、ＲＩ３について、チップＣＰそれぞれの中央部がシートＴＥに貼着され且つチップＣＰそれぞれの周部が中央部に比べてシートＴＥから剥離し易い状態にするチップ周部剥離工程と、中央部がシートＴＥに貼着され且つチップＣＰそれぞれの周部が中央部に比べてシートＴＥから剥離し易い状態となった複数のチップＣＰが貼着されたシートＴＥが固定された環状フレームＲＩ２、ＲＩ３をバッファユニット９０９２へ搬送するフレーム搬送工程と、バッファユニット９０９２に蓄積された環状フレームＲＩ２、ＲＩ３を、チップ供給装置１０へ搬送するフレーム搬送工程と、を行う。その後、チップ周部剥離工程において中央部がシートＴＥに貼着され且つチップＣＰそれぞれの周部が中央部に比べてシートＴＥから剥離し易い状態となった複数のチップＣＰが貼着されたシートＴＥが固定された環状フレームＲＩ２、ＲＩ３から周部を鉛直下方から支持してピックアップしてチップを切り出すチップ供給工程と、チップ供給工程において供給されるチップＣＰの接合面ＣＰｆ側とは反対側を保持した状態で、先端部にチップＣＰの基板ＷＴの実装面ＷＴｆに接合される接合面ＣＰｆ側とは反対側を支持するヘッド３３ＨにチップＣＰを移載する移載位置まで搬送するチップ搬送工程と、移載位置から移載されたチップＣＰがヘッド３３Ｈの先端部に保持された状態で、ヘッド３３Ｈをステージ３１側へ移動させて基板ＷＴの実装面ＷＴｆにチップＣＰの接合面ＣＰｆを接触させて実装面ＷＴｆにチップＣＰを接合する接合工程と、を行う。

　このように、チップ接合面活性化工程、伸張工程、水洗浄工程、チップ周部剥離工程、チップ供給工程の順に行われることにより、チップ接合面活性化工程において、伸張工程前のチップＣＰ同士が当接または繋がった状態で活性化処理を行うことができるので、シートＴＥ由来の樹脂がチップＣＰの接合面ＣＰｆに付着することが抑制される。また、伸張工程の後、水洗浄工程が行われることにより、伸張工程においてチップＣＰから発生しチップＣＰの接合面ＣＰｆに付着したパーティクルを水洗浄により除去することができる。更に、チップ周部剥離工程を行うことで、チップＣＰの接合面ＣＰｆに接触すること無く、チップＣＰの接合面ＣＰｆ側とは反対側を保持してチップＣＰをピックアップすることができる。このため、チップＣＰの接合面ＣＰｆに接触すること無くチップＣＰをヘッド３３Ｈまで搬送することができるので、チップＣＰを基板ＷＴに良好に接合することができる。また、活性化処理工程までは、ダイシング基板ＷＤが貼着されたシートＴＥを環状フレームＲＩ１に固定した状態で処理が行われる。一方、伸張工程以後は、複数のチップＣＰが互いに離間した状態で処理を行う必要がある。これに対して、本変形例では、伸張工程以後、シートＴＥが伸張された状態を維持するために、伸張されたシートＴＥを環状フレームＲＩ２、ＲＩ３に固定し、シートＴＥが伸張された状態でハンドリングすることを可能としている。これにより、伸張工程以後の処理中において、シートＴＥが収縮してチップＣＰ同士が接触しパーティクルが発生してしまうことが抑制される。

　そして、このように伸張された状態のシートＴＥが環状フレームＲＩ２、ＲＩ３に固定されていることにより、シートＴＥに貼着されたチップＣＰのピックアップ途中で、前述のシート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３をバッファユニット９０９２に戻したり、バッファユニット９０９２に蓄積されているシート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３と交換したりすることができる。これにより、複数種類のシート固定フレームＲＩ２、ＲＩ３を交換しながらチップＣＰの基板ＷＴへの接合工程を連続して行うことができるので、少量多品種のチップ実装基板の生産を効率的に行うことができる。

　図３０を用いて説明した変形例において、バッファユニット９０９２が省略された構成であってもよい。

　実施の形態２において、例えば図３８Ａに示すように、ピックアップ機構２１１１より切り出された１つのチップＣＰを、チップ搬送装置３９へ移載するチップ移載部１０３９５を更に備えるものであってもよい。なお、図３８Ａ乃至図３９において、実施の形態２と同様の構成については、図２０Ａおよび図２０Ｂと同一の符号を付している。チップ移載部１０３９５は、チップＣＰを鉛直下方から支持するフック１０３９５ｃが先端部に設けられた２つのアーム１０３９５ａと、２つのアーム１０３９５ｂそれぞれの基端部を支点として２つのアーム１０３９５ａを旋回駆動させるアーム駆動部１０３９５ｂと、を有する。

　本変形例に係るチップ接合システムでは、ニードル２１１１ａの先端部がシートＴＥを貫いてチップＣＰを鉛直上方へ突き出してシートＴＥから離脱した状態で、矢印ＡＲ１００１に示すようにチップ移載部１０３９５のアーム駆動部１０３９５ｂが、２つのアーム１０３９５ａが閉じる方向へ２つのアーム１０３９５ａを旋回させてアーム１０３９５ａの先端部のフック１０３９５ｃをチップＣＰの鉛直下方側に引っ掛けてチップＣＰを保持する。次に、図３８Ｂの矢印ＡＲ１００２に示すように、チップ移載部１０３９５が、鉛直上方へ移動することによりチップＣＰをニードル２１１１ａの先端部から離脱させる。続いて、図３９の矢印ＡＲ１００３に示すように、チップ移載部１０３９５が、チップＣＰを、チップ搬送装置３９のアーム３９４の先端部のチップ保持部３９３に移載する移載位置まで移動してから、２つのアーム１０３９５ａを開くように旋回させてチップＣＰをチップ保持部３９３に移載する。

　なお、本変形例では、アーム１０３９５ｂの旋回軸がチップ搬送部３９のチップ保持部３９３の延在方向と直交する例について説明したが、これに限らず、アーム１０３９５ｂの旋回軸がチップ搬送部３９のチップ保持部３９３の延在方向に沿っている構成であってもよい。

　本構成によれば、シートＴＥとアーム３９４との間の鉛直方向における隙間が比較的小さい場合であってもチップＣＰを的確にシートＴＥからアーム３９４のチップ保持部３９３に移載することができる。

　実施の形態において、ピックアップ機構１１１が、例えば図４０に示すように、チップＣＰの接合面ＣＰｆの周縁のみに当接した状態でチップＣＰを吸着保持するコレット１３１１５を有するものであってもよい。なお、例えば図４１Ａに示すチップＣＰ１１のように、ピックアップ機構１１１が、チップＣＰ１１の接合面ＣＰｆ側の周部に段部ＣＰｋ１１が形成されている場合、ピックアップ機構１１１が、チップＣＰ１１の接合面ＣＰｆ１１側における段部ＣＰｋ１１の外側の角部分Ｐ１１１に当接した状態でチップＣＰ１１を吸着保持するコレット１１１１５を有するものが好ましい。また、例えば図４１Ｂに示すように、ピックアップ機構１１１が、チップＣＰ１１の接合面ＣＰｆ１１側における段部ＣＰｋ１１の下側部分ＣＰｄ１１に面接触した状態でチップＣＰ１１を吸着保持するコレット１２１１５を有するものがより好ましい。

　これらの構成によれば、チップＣＰ、ＣＰ１１の接合面ＣＰｆ、ＣＰｆ１１にコレット１１１１５、１２１１５、１３１１５が接触することを抑制できるので、チップＣＰ、ＣＰ１１の接合面ＣＰｆ、ＣＰｆ１１の周縁部分の欠損による接合面ＣＰｆ、ＣＰｆ１１へのパーティクルの付着を抑制することができる。

　各実施の形態において、周部が比較的容易にシートＴＥから剥離するチップＣＰの場合、前述のチップ周部剥離工程を省略して、水洗浄工程の後、そのまま、チップ供給工程を行ってもよい。

　実施の形態では、例えば同一の接合面ＣＰｆ内に電極部分と絶縁部分とが形成されているチップＣＰの例について説明したが、これに限定されるものではなく、例えばチップＣＰの接合面ＣＰｆ全体に電極部分または絶縁部分が形成されているものであってもよい。

　実施の形態では、シートＴＥに紫外光を照射することによりシートＴＥの粘着力を低下させる例について説明したが、これに限定されるものではなく、例えばシートＴＥが、熱が加わることによりその粘着力が低下するものであれば、紫外光照射部５５に代えて、遠赤外線をシートＴＥに照射する遠赤外線光源を有する遠赤外線照射部を備えるものであってもよい。

　実施の形態において、基板ＷＴが、その実装面ＷＴｆに導電性材料から形成された導電部と絶縁体から形成された絶縁体部とが互いに略面一となる状態で露出していてもよい。なお、導電部は、絶縁体部よりも突出していてもよい。また、チップＣＰの接合面ＣＰｆ内の電極部分が、絶縁部分よりも突出していてもよい。

　本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。

　本出願は、２０２１年１１月３０日に出願された日本国特許出願特願２０２１－１９３７７９号に基づく。本明細書中に日本国特許出願特願２０２１－１９３７７９号の明細書、特許請求の範囲および図面全体を参照として取り込むものとする。

　本発明は、例えばＣＭＯＳイメージセンサやメモリ、演算素子、ＭＥＭＳの製造に好適である。

１：チップ接合システム、１０，２０１０，３０１０：チップ供給装置、１１，２０１１，３０１１：チップ供給部、３０：ボンディング装置、３１：ステージユニット、３３：ボンディング部、３３Ｈ：ヘッド、３６：ヘッド駆動部、３９：チップ搬送装置、５０：チップ周部剥離装置、５３：水平駆動部、５４：パーティクル吸引部、５４ａ：吸引ノズル、５５，４０５５：紫外光照射部、５６，４０５６：シート押圧機構、５７，４０５７：チップ周部剥離部、６０：活性化処理装置、６４：チャンバ、３０６４ａ：孔、７０：搬送装置、７１：搬送ロボット、８０：搬出入ユニット、８５：洗浄装置、９０：制御部、１００：接合装置、１１１，２１１１，３１１１，４１１１，６１１１，７１１１：ピックアップ機構、１１３，２１１３，３１１３：フレーム水平駆動部、１１４，６２２：カバー、１１４ａ：孔、１１５，３１１５，５１１５：コレット、１１５ａ，９９３３，９９４３：チャック部、１１９，５２１，６２１：フレーム支持部、１２０，２１２０：フレーム昇降駆動部、３１５：ステージ、３２０，８５３：ステージ駆動部、３９１：プレート、３９２：プレート駆動部、３９３：チップ保持部、３９４：アーム、３９５，９９３１，９９４１，１０３９５ｂ：アーム駆動部、４１１：チップツール、４１１ａ，４１１ｂ：貫通孔、４１３：ヘッド本体部、４３２ａ：チップ支持部、４３２ｂ：支持部駆動部、５１４，４５１４：照射部押圧機構支持部、５１５，４５１５：マスク支持部、５２１ａ：フレーム係止部、５２２：係止部駆動部、５２３：ベース部材、５３１，５３３：スライダ、５３２，５３４：レール、５５１，４５５１：光源、５５２，４５５２：マスク、５６１，４５６１：押圧部材、５６２，４５６２：押圧部材駆動部、６１１：高周波電源、６１２：シート支持部、６１３：電極、６１４：マッチングユニット、６１５：プラズマ発生部、６２１：フレーム支持部、６２２：カバー、６５１：排気管、６５２：真空ポンプ、６７６：供給管、６７７：ガス供給部、８５１：洗浄ヘッド、８５２：ステージ、２１１１ａ：ニードル、２１１１ｃ：ニードル駆動部、５１１５ａ：ベルヌーイチャック、６１１１ｂ：シート吸着部、６１２１：シート支持部駆動部、８０４１：レーザ加工ヘッド、９０９１：待機ユニット、９０９２：バッファユニット、９０９３，９０９４：フレーム搬送装置、９９１１：フレーム載置台、９９２１：ラック、９９３１，９９４１：アーム駆動部、１０３９５：チップ移載部、１０３９５ａ：アーム、１０３９５ｃ：フック、ＡＣＰ：チップ形成領域、ＣＰ：チップ、ＣＰｆ：接合面、ＴＥ：シート、ＯＢ１：軌跡、Ｐ８１：エッジ部分、ＰＡＳ：改質部、ＰＬＭ：プラズマ、ＲＩ１，ＲＩ２，ＲＩ３：環状フレーム、ＷＤ：ダイシング基板、ＷＴ：基板、ＷＴｆ：実装面

Claims

　複数のチップの基となる複数のチップ形成領域が形成された基板の前記複数のチップ形成領域の間の部分をダイシングすることにより形成されたダイシング基板または前記複数のチップが貼着されたシートが固定された環状フレームを支持するフレーム支持部と、
　前記ダイシング基板における前記複数のチップ形成領域それぞれの中央部または前記複数のチップそれぞれの中央部が前記シートに貼着され且つ前記複数のチップ形成領域それぞれの中央部または前記複数のチップそれぞれの周部における少なくとも前記中央部を挟んで対向する両端部が前記中央部に比べて前記シートから剥離し易い状態にするチップ周部剥離部と、を備える、
　チップ周部剥離装置。
　前記シートは、少なくとも紫外光が照射されると粘着力が低下する接着剤により前記ダイシング基板または前記複数のチップが貼着されるものであり、
　前記チップ周部剥離部は、前記シートにおける前記複数のチップ形成領域の周部または前記複数のチップの周部に対応する部分に紫外光を照射することにより前記複数のチップ形成領域それぞれの周部または前記複数のチップそれぞれの周部を前記中央部に比べて前記シートから剥離し易い状態にする紫外光照射部を有する、
　請求項１に記載のチップ周部剥離装置。
　前記チップ周部剥離部は、
　先端部が前記シートにおける前記複数のチップ形成領域それぞれの周部または前記複数のチップそれぞれの周部に対応する部分を押圧する押圧部材と、
　前記押圧部材を前記シートにおける前記複数のチップ形成領域それぞれの周部または前記複数のチップそれぞれの周部に対応する部分に押しつけることにより前記複数のチップ形成領域それぞれの周部または前記複数のチップそれぞれの周部を前記中央部に比べて前記シートから剥離し易い状態にする押圧部材駆動部と、を有する、
　請求項１または２に記載のチップ周部剥離装置。
　前記押圧部材駆動部は、前記押圧部材を前記シートにおける前記複数のチップ形成領域それぞれの周部または前記複数のチップそれぞれの周部に対応する部分に押しつけた状態で、前記押圧部材の押圧方向と直交する方向へ前記押圧部材を移動させることにより、前記押圧部材で前記シートを擦って前記複数のチップ形成領域それぞれの周部または前記複数のチップそれぞれの周部を前記中央部に比べて前記シートから剥離し易い状態にする、
　請求項３に記載のチップ周部剥離装置。
　前記フレーム支持部は、前記環状フレームを、前記シートにおける前記ダイシング基板または前記複数のチップが貼着された面側が鉛直下方を向く姿勢で支持する、
　請求項１から４のいずれか１項に記載のチップ周部剥離装置。
　前記チップ周部剥離部が前記複数のチップ形成領域それぞれの周部または前記複数のチップそれぞれの周部を前記シートから剥離した状態にするときに、前記シートの鉛直下方から前記ダイシング基板または前記複数のチップで発生するパーティクルを吸引するパーティクル吸引部を更に備える、
　請求項１から５のいずれか１項に記載のチップ周部剥離装置。
　前記ダイシング基板は、複数のチップの基となる複数のチップ形成領域が形成された基板の前記複数のチップ形成領域の間の部分をステルスダイシング法によりダイシングすることにより形成されている、
　請求項１から６のいずれか１項に記載のチップ周部剥離装置。
　前記ダイシング基板は、複数のチップの基となる複数のチップ形成領域が形成された基板の前記複数のチップ形成領域の間の部分をプラズマダイシング法によりダイシングすることにより形成されている、
　請求項１から６のいずれか１項に記載のチップ周部剥離装置。
　前記チップは、前記基板に接合される同一の接合面内に電極部分と絶縁部分とが形成されている、
　請求項１から８のいずれか１項に記載のチップ周部剥離装置。
　複数のチップの基となる複数のチップ形成領域が形成された基板の前記複数のチップ形成領域の間の部分をダイシングすることにより形成されたダイシング基板または前記複数のチップが貼着されたシートが固定された環状フレームを支持するフレーム支持部と、前記ダイシング基板における前記複数のチップ形成領域それぞれの中央部または前記複数のチップそれぞれの中央部が前記シートに貼着され且つ前記複数のチップ形成領域それぞれの中央部または前記複数のチップそれぞれの周部における少なくとも前記中央部を挟んで対向する両端部が前記中央部に比べて前記シートから剥離し易い状態にするチップ周部剥離部と、を有するチップ周部剥離装置と、
　前記シートにおける前記チップが貼着された一面側とは反対側の他面側から前記チップの中央部を前記一面側へ押圧することにより前記シートを撓ませて前記チップの周部が前記シートから剥離した状態で、前記チップを前記シートから切り出すピックアップ機構を有するチップ供給装置と、を備える、
　チップ供給システム。
　前記ピックアップ機構より切り出された１つの前記チップを、前記チップの前記基板に接合される接合面側が鉛直上方を向く姿勢で前記チップを鉛直下方から支持するフックで保持された状態で、前記チップの前記接合面側とは反対側を保持した状態で前記チップを搬送するチップ搬送装置へ移載するチップ移載部を更に備え、
　前記フックは、前記チップの前記接合面側とは反対側における周部を保持する、
　請求項１０に記載のチップ供給システム。
　基板にチップを接合するチップ供給システムであって、
　シートに貼着された前記チップの基となるチップ形成領域が複数設けられた前記基板の複数のチップ形成領域の間の部分をダイシングすることにより作製されたダイシング基板における前記チップの接合面側を活性化させる活性化処理装置と、
　前記チップの接合面側が活性化された前記ダイシング基板が貼着された前記シートを伸張することにより複数の前記チップが互いに離間した状態で貼着された前記シートが固定された環状フレームについて、複数の前記チップそれぞれの接合面を水洗浄する洗浄装置と、
　複数の前記チップが互いに離間した状態で貼着された前記シートが固定された前記環状フレームについて、前記チップそれぞれの中央部が前記シートに貼着され且つ前記チップそれぞれの周部における少なくとも前記中央部を挟んで対向する両端部が前記シートから剥離した状態にするチップ周部剥離装置と、
　前記チップ周部剥離装置により中央部が前記シートに貼着され且つ前記チップそれぞれの周部における少なくとも前記中央部を挟んで対向する両端部が前記中央部に比べて前記シートから剥離し易い状態となった複数の前記チップが貼着されたシートが固定された環状フレームからピックアップした前記チップを供給するチップ供給装置と、を備える、
　チップ供給システム。
　基板に接合されるチップを供給するチップ供給装置であって、
　複数のチップの基となる複数のチップ形成領域が形成された基板の前記複数のチップ形成領域の間の部分をダイシングすることにより形成されたダイシング基板または前記複数のチップが貼着されたシートが固定された環状フレームを支持するフレーム支持部と、
　前記ダイシング基板における前記複数のチップ形成領域それぞれの中央部または前記複数のチップそれぞれの中央部が前記シートに貼着され且つ前記複数のチップ形成領域それぞれの中央部または前記複数のチップそれぞれの周部における少なくとも前記中央部を挟んで対向する両端部が前記中央部に比べて前記シートから剥離し易い状態にするチップ周部剥離部と、
　前記シートにおける前記チップが貼着された一面側とは反対側の他面側から前記チップの中央部を前記一面側へ押圧することにより前記シートを撓ませて前記チップの周部が前記シートから剥離した状態で、前記チップを前記シートから切り出すピックアップ機構と、を備える、
　チップ供給装置。
　前記シートは、少なくとも紫外光が照射されると粘着力が低下する接着剤により前記チップが貼着されるものであり、
　前記チップ周部剥離部は、前記シートにおける前記チップの周部に対応する部分に紫外光を照射することにより前記チップの周部を前記中央部に比べて前記シートから剥離し易い状態にする紫外光照射部を有する、
　請求項１３に記載のチップ供給装置。
　前記チップ周部剥離部は、
　前記シートにおける前記チップの周部に対応する部分を押圧する押圧部材と、
　前記押圧部材を前記シートにおける前記チップの周部に対応する部分に押しつけることにより前記チップの周部を前記中央部に比べて前記シートから剥離し易い状態にする押圧部材駆動部と、を有する、
　請求項１３または１４に記載のチップ供給装置。
　前記押圧部材駆動部は、前記押圧部材を前記シートにおける前記チップの周部に対応する部分に押しつけた状態で、前記押圧部材の押圧方向と直交する方向へ前記押圧部材を移動させることにより、前記押圧部材で前記シートを擦って前記チップの周部を前記中央部に比べて前記シートから剥離し易い状態にする、
　請求項１５に記載のチップ供給装置。
　前記チップ周部剥離部が前記複数のチップそれぞれの周部を前記シートから剥離した状態にするときと、前記ピックアップ機構が前記複数のチップを前記シートから離脱させるときと、の少なくとも一方において、前記シートの鉛直下方から前記複数のチップで発生するパーティクルを吸引するパーティクル吸引部を更に備える、
　請求項１３から１６のいずれか１項に記載のチップ供給装置。
　前記ピックアップ機構は、前記チップにおける前記基板に接合される接合面側を非接触で保持してピックアップする、
　請求項１３から１７のいずれか１項に記載のチップ供給装置。
　前記ピックアップ機構は、前記シートにおける前記チップが貼着された一面側とは反対側の他面側から前記チップの中央部を前記一面側へ押圧することにより前記シートを撓ませて前記チップの周部が前記シートから剥離した状態で、前記チップの前記接合面側とは反対側における周部を保持する、
　請求項１８に記載のチップ供給装置。
　前記ピックアップ機構は、前記チップにおける前記基板に接合される接合面を吸着保持するチャック部と、前記チャック部を洗浄する洗浄部と、を有し、前記チャック部により前記チップを吸着保持する前に、前記洗浄部により前記チャック部を洗浄する、
　請求項１３から１８のいずれか１項に記載のチップ供給装置。
　前記チップは、前記基板に接合される同一の接合面内に電極部分と絶縁部分とが形成されている、
　請求項１３から２０のいずれか１項に記載のチップ供給装置。
　前記ダイシング基板は、複数のチップの基となる複数のチップ形成領域が形成された基板の前記複数のチップ形成領域の間の部分をステルスダイシング法によりダイシングすることにより形成されている、
　請求項１３から２１のいずれか１項に記載のチップ供給装置。
　前記ダイシング基板は、複数のチップの基となる複数のチップ形成領域が形成された基板の前記複数のチップ形成領域の間の部分をプラズマダイシング法によりダイシングすることにより形成されている、
　請求項１３から２１のいずれか１項に記載のチップ供給装置。
　基板にチップを接合するチップ接合システムであって、
　前記チップを供給するチップ供給部と、
　先端部に前記チップの前記基板の実装面に接合される接合面側とは反対側を支持するヘッドと、
　前記チップ供給部から供給される前記チップの前記接合面側とは反対側を保持した状態で前記ヘッドに前記チップを移載する移載位置まで搬送するチップ搬送装置と、
　前記基板を保持する基板保持部と、
　前記チップ搬送装置から移載された前記チップが前記ヘッドの先端部に保持された状態で、前記ヘッドを前記ヘッドから前記基板保持部へ向かう第１方向へ相対的に移動させて前記基板の前記実装面に前記チップの接合面を接触させて前記実装面に前記チップを接合するヘッド駆動部と、を備え、
　前記チップ供給部は、
　前記チップが貼着されたシートが固定された環状フレームを支持するフレーム支持部と、
　前記チップの中央部が前記シートに貼着され且つ前記チップの周部が前記中央部に比べて前記シートから剥離し易い状態にするチップ周部剥離部と、
　前記シートにおける前記複数のチップが貼着された一面側から前記複数のチップのうちのいずれか１つのチップを保持しながら前記シートを前記一面側とは反対側の他面側へ移動させることにより前記シートを撓ませて前記１つのチップの周部が前記シートから剥離した状態で、前記１つのチップを前記シートから切り出すピックアップ機構と、を有する、
　チップ接合システム。
　前記チップ搬送装置は、前記チップ供給部から供給される前記チップの前記基板に接合される接合面側を非接触で保持するチップ保持部を有し、前記チップ保持部が前記チップを保持した状態で前記ヘッドに前記チップを移載する移載位置まで搬送する、
　請求項２４に記載のチップ接合システム。
　前記チップ保持部は、前記チップの前記接合面側とは反対側における周部を保持する、
　請求項２５に記載のチップ接合システム。
　前記ピックアップ機構より切り出された１つの前記チップを、前記チップの前記基板に接合される接合面側が鉛直上方を向く姿勢で前記チップを鉛直下方から支持するフックで保持された状態で前記チップ搬送装置へ移載するチップ移載部を更に備える、
　請求項２４に記載のチップ接合システム。
　前記チップは、同一の前記接合面内に電極部分と絶縁部分とが形成され、
　前記ヘッド駆動部は、前記実装面に前記チップの接合面を面接触させて前記実装面に前記チップを面接合する、
　請求項２４から２７のいずれか１項に記載のチップ接合システム。
　基板にチップを接合するチップ接合システムであって、
　複数の前記チップが貼着されたシートが固定された環状フレームについて、前記チップそれぞれの中央部が前記シートに貼着され且つ前記チップそれぞれの周部における少なくとも前記中央部を挟んで対向する両端部が前記シートから剥離した状態にするチップ周部剥離装置と、
　前記チップ周部剥離装置により中央部が前記シートに貼着され且つ前記チップそれぞれの周部における少なくとも前記中央部を挟んで対向する両端部が前記中央部に比べて前記シートから剥離し易い状態となった複数の前記チップが貼着されたシートが固定された環状フレームから、少なくとも１つの前記チップの周部を前記シートから剥離させてピックアップした前記チップを供給するチップ供給装置と、
　先端部に前記チップの前記基板の実装面に接合される接合面側とは反対側を支持するヘッドと、
　前記チップ供給装置から供給される前記チップの前記接合面側とは反対側を保持した状態で前記ヘッドに前記チップを移載する移載位置まで搬送するチップ搬送装置と、
　前記基板を保持する基板保持部と、
　前記チップ搬送装置から移載された前記チップが前記ヘッドの先端部に保持された状態で、前記ヘッドを前記ヘッドから前記基板保持部へ向かう第１方向へ相対的に移動させて前記基板の前記実装面に前記チップの接合面を接触させて前記実装面に前記チップを接合するヘッド駆動部と、を備え、
　前記チップ供給装置は、
　前記シートにおける前記チップが貼着された一面側から前記チップを保持しながら前記シートを前記一面側とは反対側の他面側へ移動させることにより前記シートを撓ませて前記チップの周部が前記シートから剥離した状態で、前記チップを前記シートから切り出すピックアップ機構を有する、
　チップ接合システム。
　複数の前記チップが貼着されたシートが固定された環状フレームを複数蓄積することが可能なバッファユニットと、
　前記複数の前記チップが貼着されたシートが固定された環状フレームが一時的に配置される待機ユニットと、
　前記チップ周部剥離装置により中央部が前記シートに貼着され且つ前記チップそれぞれの周部における少なくとも前記中央部を挟んで対向する両端部が前記シートから剥離した状態となった複数の前記チップが貼着されたシートが固定された環状フレームを、前記チップ周部剥離装置から前記バッファユニットまたは前記待機ユニットへ搬送する第１フレーム搬送装置と、
　前記待機ユニットに配置された複数の前記チップが貼着されたシートが固定された環状フレームを、前記待機ユニットから前記チップ供給装置へ搬送する第２フレーム搬送装置と、を更に備える、
　請求項２９に記載のチップ接合システム。
　基板にチップを接合するチップ接合システムであって、
　シートに貼着された前記チップの基となるチップ形成領域が複数設けられた前記基板の複数のチップ形成領域の間の部分をダイシングすることにより作製されたダイシング基板における前記チップの接合面側を活性化させる活性化処理装置と、
　前記チップの接合面側が活性化された前記ダイシング基板が貼着された前記シートを伸張することにより複数の前記チップが互いに離間した状態で貼着された前記シートが固定された環状フレームについて、複数の前記チップそれぞれの接合面を水洗浄する洗浄装置と、
　複数の前記チップが互いに離間した状態で貼着された前記シートが固定された前記環状フレームについて、前記チップそれぞれの中央部が前記シートに貼着され且つ前記チップそれぞれの周部における少なくとも前記中央部を挟んで対向する両端部が前記シートから剥離した状態にするチップ周部剥離装置と、
　前記チップ周部剥離装置により中央部が前記シートに貼着され且つ前記チップそれぞれの周部における少なくとも前記中央部を挟んで対向する両端部が前記中央部に比べて前記シートから剥離し易い状態となった複数の前記チップが貼着されたシートが固定された環状フレームからピックアップした前記チップを供給するチップ供給装置と、
　先端部に前記チップの前記基板の実装面に接合される接合面側とは反対側を支持するヘッドと、
　前記チップ供給装置から供給される前記チップの前記接合面側とは反対側を保持した状態で前記ヘッドに前記チップを移載する移載位置まで搬送するチップ搬送装置と、
　前記基板を保持する基板保持部と、
　前記チップ搬送装置から移載された前記チップが前記ヘッドの先端部に保持された状態で、前記ヘッドを前記ヘッドから前記基板保持部へ向かう第１方向へ相対的に移動させて前記基板の前記実装面に前記チップの接合面を接触させて前記実装面に前記チップを接合するヘッド駆動部と、を備える、
　チップ接合システム。
　基板に接合されるチップをピックアップするピックアップ装置であって、
　前記チップにおける前記基板に接合される接合面を吸着保持するコレットと、
　前記コレットを洗浄するコレット洗浄部と、を備え、
　前記コレット洗浄部は、前記コレットにより前記チップを吸着保持する前に前記コレットを洗浄する、
　ピックアップ装置。
　複数のチップの基となる複数のチップ形成領域が形成された基板の前記複数のチップ形成領域の間の部分をダイシングすることにより形成されたダイシング基板または前記複数のチップが貼着されたシートが固定された環状フレームを支持した状態で、前記ダイシング基板における前記複数のチップ形成領域それぞれの中央部または前記複数のチップそれぞれの中央部が前記シートに貼着され且つ前記複数のチップ形成領域それぞれの中央部または前記複数のチップそれぞれの周部における少なくとも前記中央部を挟んで対向する両端部が前記中央部に比べて前記シートから剥離し易い状態にする周部剥離工程を含む、
　チップ周部剥離方法。
　前記シートは、少なくとも紫外光が照射されると粘着力が低下する接着剤により前記チップが貼着されるものであり、
　前記周部剥離工程において、前記シートにおける前記チップの周部に対応する部分に紫外光を照射することにより前記チップの周部を前記シートから剥離した状態にする、
　請求項３３に記載のチップ周部剥離方法。
　前記周部剥離工程において、前記シートにおける前記チップの周部に対応する部分を押圧する押圧部材を前記シートにおける前記チップの周部に対応する部分に押しつけることにより前記チップの周部を前記中央部に比べて前記シートから剥離し易い状態にする、
　請求項３３または３４に記載のチップ周部剥離方法。
　前記周部剥離工程において、前記押圧部材を前記シートにおける前記チップの周部に対応する部分に押しつけた状態で、前記押圧部材の押圧方向と直交する方向へ前記押圧部材を移動させることにより、前記押圧部材で前記シートを擦って前記チップの周部を前記中央部に比べて前記シートから剥離し易い状態にする、
　請求項３５に記載のチップ周部剥離方法。
　シートに貼着されたチップの基となるチップ形成領域が複数設けられた基板の複数のチップ形成領域の間の部分をダイシングすることによりダイシング基板を作製するダイシング工程と、
　前記ダイシング工程の後、前記ダイシング基板の接合面または前記ダイシング基板が貼着された前記シートを伸張させることにより生成される複数のチップそれぞれの接合面を洗浄する洗浄工程と、
　前記洗浄工程の後、前記ダイシング基板における前記複数のチップ形成領域それぞれの中央部または前記複数のチップそれぞれの中央部が前記シートに貼着され且つ前記複数のチップ形成領域それぞれの中央部または前記複数のチップそれぞれの周部における少なくとも前記中央部を挟んで対向する両端部が前記中央部に比べて前記シートから剥離し易い状態にする周部剥離工程と、を含む、
　チップ周部剥離方法。
　前記ダイシング基板は、複数のチップの基となる複数のチップ形成領域が形成された基板の前記複数のチップ形成領域の間の部分をステルスダイシング法によりダイシングすることにより形成されている、
　請求項３３から３７のいずれか１項に記載のチップ周部剥離方法。
　基板に接合されるチップを供給するチップ供給方法であって、
　複数のチップが貼着されたシートが固定された環状フレームを支持した状態で、前記複数のチップそれぞれの中央部が前記シートに貼着され且つ前記複数のチップそれぞれの周部が前記中央部に比べて前記シートから剥離し易い状態にする周部剥離工程と、
　前記シートにおける前記複数のチップが貼着された一面側から前記複数のチップのうちのいずれか１つのチップを保持しながら前記シートを前記一面側とは反対側の他面側へ移動させることにより前記シートを撓ませて前記１つのチップの周部が前記シートから剥離した状態で、前記１つのチップを前記シートから切り出すピックアップ工程と、を含む、
　チップ供給方法。
　前記ピックアップ工程において、前記チップにおける前記基板に接合される接合面側を非接触で保持してピックアップする、
　請求項３９に記載のチップ供給方法。
　前記ピックアップ工程において、前記シートにおける前記チップが貼着された一面側とは反対側の他面側から前記チップの中央部を前記一面側へ押圧することにより前記シートを撓ませて前記チップの周部が前記シートから剥離した状態で、前記チップの前記接合面側とは反対側における周部を保持する、
　請求項４０に記載のチップ供給方法。
　前記ピックアップ工程において、前記チップにおける前記基板に接合される接合面を吸着保持するコレットにより前記チップを吸着保持する前に、コレット洗浄部により前記コレットを洗浄する、
　請求項３９または４０に記載のチップ供給方法。
　基板に接合されるチップをピックアップするピックアップ方法であって、
　前記チップにおける前記基板に接合される接合面を吸着保持する吸着保持工程と、
　コレットにより前記チップを吸着保持する前に前記コレットを洗浄するコレット洗浄工程と、を含む、
　ピックアップ方法。
　基板にチップを接合するチップ接合方法であって、
　複数の前記チップが貼着されたシートが固定された環状フレームについて、前記チップそれぞれの中央部が前記シートに貼着され且つ前記チップそれぞれの周部における少なくとも前記中央部を挟んで対向する両端部が前記中央部に比べて前記シートから剥離し易い状態にするチップ周部剥離工程と、
　前記チップ周部剥離工程において中央部が前記シートに貼着され且つ前記チップそれぞれの周部における少なくとも前記中央部を挟んで対向する両端部が前記中央部に比べて前記シートから剥離し易い状態となった複数の前記チップが貼着されたシートが固定された環状フレームから鉛直下方から支持してピックアップして前記チップを供給するチップ供給工程と、
　前記チップ供給工程において供給される前記チップの前記基板の実装面に接合される接合面側とは反対側を保持した状態で、先端部に前記チップの前記接合面側とは反対側を支持するヘッドに前記チップを移載する移載位置まで搬送するチップ搬送工程と、
　前記移載位置から移載された前記チップが前記ヘッドの先端部に保持された状態で、前記ヘッドを前記ヘッドから前記基板へ向かう第１方向へ相対的に移動させて前記基板の前記実装面に前記チップの前記接合面を接触させて前記実装面に前記チップを接合する接合工程と、を含む、
　チップ接合方法。
　中央部が前記シートに貼着され且つ前記チップそれぞれの周部における少なくとも前記中央部を挟んで対向する両端部が前記中央部に比べて前記シートから剥離し易い状態となった複数の前記チップが貼着されたシートが固定された環状フレームを、複数の前記チップが貼着されたシートが固定された前記環状フレームを複数蓄積することが可能なバッファユニットへ搬送する第１フレーム搬送工程と、
　前記バッファユニットに蓄積された前記環状フレームを、前記チップ供給工程において前記チップを切り出す位置へ搬送する第２フレーム搬送工程と、を更に含む、
　請求項４４に記載のチップ接合方法。
　基板にチップを接合するチップ接合方法であって、
　シートに貼着された前記チップの基となるチップ形成領域が複数設けられた前記基板の複数のチップ形成領域の間の部分をダイシングすることによりダイシング基板を作製するダイシング工程と、
　前記ダイシング基板における前記チップの接合面側を活性化させる活性化処理工程と、
　前記チップの接合面側が活性化された前記ダイシング基板が貼着された前記シートを伸張することにより複数の前記チップが互いに離間した状態にして環状フレームに固定する伸張工程と、
　複数の前記チップが互いに離間した状態で貼着された前記シートが固定された前記環状フレームについて、複数の前記チップそれぞれの接合面を水洗浄する洗浄工程と、
　複数の前記チップが互いに離間した状態で貼着された前記シートが固定された前記環状フレームについて、前記チップそれぞれの中央部が前記シートに貼着され且つ前記チップそれぞれの周部における少なくとも前記中央部を挟んで対向する両端部が前記中央部に比べて前記シートから剥離し易い状態にするチップ周部剥離工程と、
　前記チップ周部剥離工程において中央部が前記シートに貼着され且つ前記チップそれぞれの周部における少なくとも前記中央部を挟んで対向する両端部が前記中央部に比べて前記シートから剥離し易い状態となった複数の前記チップが貼着されたシートが固定された環状フレームから鉛直下方から支持してピックアップして前記チップを供給するチップ供給工程と、
　前記チップ供給工程において供給される前記チップの前記接合面側とは反対側を保持した状態で、先端部に前記チップの前記基板の実装面に接合される接合面側とは反対側を支持するヘッドに前記チップを移載する移載位置まで搬送するチップ搬送工程と、
　前記移載位置から移載された前記チップが前記ヘッドの先端部に保持された状態で、前記ヘッドを前記ヘッドから前記基板へ向かう第１方向へ相対的に移動させて前記基板の前記実装面に前記チップの接合面を接触させて前記実装面に前記チップを接合する接合工程と、を含む、
　チップ接合方法。
　基板にチップを接合するチップ供給方法であって、
　シートに貼着された前記チップの基となるチップ形成領域が複数設けられた前記基板の複数のチップ形成領域の間の部分をダイシングすることによりダイシング基板を作製するダイシング工程と、
　前記ダイシング基板における前記チップの接合面側を活性化させる活性化処理工程と、
　前記チップの接合面側が活性化された前記ダイシング基板が貼着された前記シートを伸張することにより複数の前記チップが互いに離間した状態にして環状フレームに固定する伸張工程と、
　複数の前記チップが互いに離間した状態で貼着された前記シートが固定された前記環状フレームについて、複数の前記チップそれぞれの接合面を水洗浄する洗浄工程と、
　複数の前記チップが互いに離間した状態で貼着された前記シートが固定された前記環状フレームについて、前記チップそれぞれの中央部が前記シートに貼着され且つ前記チップそれぞれの周部における少なくとも前記中央部を挟んで対向する両端部が前記中央部に比べて前記シートから剥離し易い状態にするチップ周部剥離工程と、
　前記チップ周部剥離工程において中央部が前記シートに貼着され且つ前記チップそれぞれの周部における少なくとも前記中央部を挟んで対向する両端部が前記中央部に比べて前記シートから剥離し易い状態となった複数の前記チップが貼着されたシートが固定された環状フレームから鉛直下方から支持してピックアップして前記チップを供給するチップ供給工程と、を含む、
　チップ供給方法。
　基板にチップを接合するチップ供給方法であって、
　シートに貼着された前記チップの基となるチップ形成領域が複数設けられた前記基板の複数のチップ形成領域の間の部分をダイシングすることによりダイシング基板を作製するダイシング工程と、
　前記ダイシング基板における前記チップの接合面側を活性化させる活性化処理工程と、
　前記チップの接合面側が活性化された前記ダイシング基板が貼着された前記シートを伸張することにより複数の前記チップが互いに離間した状態にして環状フレームに固定する伸張工程と、
　複数の前記チップが互いに離間した状態で貼着された前記シートが固定された前記環状フレームについて、複数の前記チップそれぞれの接合面を水洗浄する洗浄工程と、
　前記洗浄工程後、複数の前記チップが貼着されたシートが固定された環状フレームから鉛直下方から支持してピックアップして前記チップを供給するチップ供給工程と、を含む、
　チップ供給方法。