WO2023063402A1 - 有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

陽極(3)、陰極(4)、発光領域(5)及び正孔輸送帯域(6)を有し、正孔輸送帯域(6)は、第1正孔輸送層(61)、第2正孔輸送層(62)及び第3正孔輸送層(63)を含み、第2正孔輸送層(62)に含まれる構成材料の屈折率NMは、第1正孔輸送層(61)に含まれる構成材料の屈折率NM及び第3正孔輸送層(63)に含まれる構成材料の屈折率NMのそれぞれより大きく、第1正孔輸送層(61)及び第3正孔輸送層(63)は、少なくとも1種の同じ材料を含有し、正孔輸送帯域(6)は、さらに、正孔注入層(60)及び第4正孔輸送層(64)の少なくともいずれかの層を含み、正孔注入層(60)は、アクセプター材料を含有し、第4正孔輸送層(64)は、イオン化ポテンシャルが5.6eV以上の化合物を1つ以上含有し、第4正孔輸送層(64)の膜厚は、15nm以下である、有機EL素子(1)。

Description

有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器
 本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器に関する。
 有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」という場合がある。)は、携帯電話及びテレビ等のフルカラーディスプレイへ応用されている。有機EL素子に電圧を印加すると、陽極から正孔が発光層に注入され、また陰極から電子が発光層に注入される。そして、発光層において、注入された正孔と電子とが再結合し、励起子が形成される。このとき、電子スピンの統計則により、一重項励起子が25%の割合で生成し、及び三重項励起子が75%の割合で生成する。
 有機EL素子の性能としては、例えば、輝度、発光波長、色度、発光効率、駆動電圧、及び寿命が挙げられる。例えば、特許文献1及び特許文献2においては、有機EL素子の性能向上を図るための検討がなされている。特許文献1及び特許文献2には、正孔輸送帯域が複数層からなる有機EL素子が開示されている。
米国特許出願公開2021/0159418号明細書 米国特許出願公開2021/0234098号明細書
 正孔輸送帯域を構成する有機層の数を増やすことにより素子性能が向上する可能性があるが、有機層を形成するための材料及び工程が増えるので、有機エレクトロルミネッセンス素子の量産性が低下すると考えられる。
 本発明の目的は、量産性の低下が抑制され、素子性能が向上した有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること、並びに当該有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器を提供することである。
 本発明の一態様によれば、陽極と、陰極と、前記陽極及び前記陰極の間に配置された発光領域と、前記陽極及び前記発光領域の間に配置された正孔輸送帯域と、を有し、前記発光領域は、少なくとも1つの発光層を含み、前記正孔輸送帯域は、第1正孔輸送層と、第2正孔輸送層と、第3正孔輸送層と、を含み、前記陽極側から、前記第1正孔輸送層と、前記第2正孔輸送層と、前記第3正孔輸送層とが、この順に配置され、前記第2正孔輸送層に含まれる構成材料の屈折率NMは、前記第1正孔輸送層に含まれる構成材料の屈折率NM及び前記第3正孔輸送層に含まれる構成材料の屈折率NMのそれぞれより大きく、前記第1正孔輸送層及び前記第3正孔輸送層は、少なくとも1種の同じ材料を含有し、前記正孔輸送帯域は、さらに、正孔注入層及び第4正孔輸送層の少なくともいずれかの層を含み、前記正孔注入層は、前記陽極及び前記第1正孔輸送層の間に配置され、前記正孔注入層は、アクセプター材料を含有し、前記第4正孔輸送層は、前記第3正孔輸送層及び前記発光領域の間に配置され、前記第4正孔輸送層は、イオン化ポテンシャルが5.6eV以上の化合物を1つ以上含有し、前記第4正孔輸送層の膜厚は、15nm以下である、有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
 本発明の一態様によれば、本発明の一態様に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した、電子機器が提供される。
 本発明の一態様によれば、量産性の低下が抑制され、素子性能が向上した有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること、並びに当該有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器を提供することができる。
第一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の一例の概略構成を示す図である。 第一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の別の一例の概略構成を示す図である。 第一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の別の一例の概略構成を示す図である。 第一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の別の一例の概略構成を示す図である。 第一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の別の一例の概略構成を示す図である。
[定義]
 本明細書において、水素原子とは、中性子数が異なる同位体、即ち、軽水素(protium)、重水素(deuterium)、及び三重水素(tritium)を包含する。
 本明細書において、化学構造式中、「R」等の記号や重水素原子を表す「D」が明示されていない結合可能位置には、水素原子、即ち、軽水素原子、重水素原子、又は三重水素原子が結合しているものとする。
 本明細書において、環形成炭素数とは、原子が環状に結合した構造の化合物(例えば、単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、炭素環化合物、及び複素環化合物)の当該環自体を構成する原子のうちの炭素原子の数を表す。当該環が置換基によって置換される場合、置換基に含まれる炭素は環形成炭素数には含まない。以下で記される「環形成炭素数」については、別途記載のない限り同様とする。例えば、ベンゼン環は環形成炭素数が6であり、ナフタレン環は環形成炭素数が10であり、ピリジン環は環形成炭素数5であり、フラン環は環形成炭素数4である。また、例えば、9,9-ジフェニルフルオレニル基の環形成炭素数は13であり、9,9’-スピロビフルオレニル基の環形成炭素数は25である。
 また、ベンゼン環に置換基として、例えば、アルキル基が置換している場合、当該アルキル基の炭素数は、ベンゼン環の環形成炭素数に含めない。そのため、アルキル基が置換しているベンゼン環の環形成炭素数は、6である。また、ナフタレン環に置換基として、例えば、アルキル基が置換している場合、当該アルキル基の炭素数は、ナフタレン環の環形成炭素数に含めない。そのため、アルキル基が置換しているナフタレン環の環形成炭素数は、10である。
 本明細書において、環形成原子数とは、原子が環状に結合した構造(例えば、単環、縮合環、及び環集合)の化合物(例えば、単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、炭素環化合物、及び複素環化合物)の当該環自体を構成する原子の数を表す。環を構成しない原子(例えば、環を構成する原子の結合を終端する水素原子)や、当該環が置換基によって置換される場合の置換基に含まれる原子は環形成原子数には含まない。以下で記される「環形成原子数」については、別途記載のない限り同様とする。例えば、ピリジン環の環形成原子数は6であり、キナゾリン環の環形成原子数は10であり、フラン環の環形成原子数は5である。例えば、ピリジン環に結合している水素原子、又は置換基を構成する原子の数は、ピリジン環形成原子数の数に含めない。そのため、水素原子、又は置換基が結合しているピリジン環の環形成原子数は、6である。また、例えば、キナゾリン環の炭素原子に結合している水素原子、又は置換基を構成する原子については、キナゾリン環の環形成原子数の数に含めない。そのため、水素原子、又は置換基が結合しているキナゾリン環の環形成原子数は10である。
 本明細書において、「置換もしくは無置換の炭素数XX~YYのZZ基」という表現における「炭素数XX~YY」は、ZZ基が無置換である場合の炭素数を表し、置換されている場合の置換基の炭素数を含めない。ここで、「YY」は、「XX」よりも大きく、「XX」は、1以上の整数を意味し、「YY」は、2以上の整数を意味する。
 本明細書において、「置換もしくは無置換の原子数XX~YYのZZ基」という表現における「原子数XX~YY」は、ZZ基が無置換である場合の原子数を表し、置換されている場合の置換基の原子数を含めない。ここで、「YY」は、「XX」よりも大きく、「XX」は、1以上の整数を意味し、「YY」は、2以上の整数を意味する。
 本明細書において、無置換のZZ基とは「置換もしくは無置換のZZ基」が「無置換のZZ基」である場合を表し、置換のZZ基とは「置換もしくは無置換のZZ基」が「置換のZZ基」である場合を表す。
 本明細書において、「置換もしくは無置換のZZ基」という場合における「無置換」とは、ZZ基における水素原子が置換基と置き換わっていないことを意味する。「無置換のZZ基」における水素原子は、軽水素原子、重水素原子、又は三重水素原子である。
 また、本明細書において、「置換もしくは無置換のZZ基」という場合における「置換」とは、ZZ基における1つ以上の水素原子が、置換基と置き換わっていることを意味する。「AA基で置換されたBB基」という場合における「置換」も同様に、BB基における1つ以上の水素原子が、AA基と置き換わっていることを意味する。
「本明細書に記載の置換基」
 以下、本明細書に記載の置換基について説明する。
 本明細書に記載の「無置換のアリール基」の環形成炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、6~50であり、好ましくは6~30、より好ましくは6~18である。
 本明細書に記載の「無置換の複素環基」の環形成原子数は、本明細書に別途記載のない限り、5~50であり、好ましくは5~30、より好ましくは5~18である。
 本明細書に記載の「無置換のアルキル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~20、より好ましくは1~6である。
 本明細書に記載の「無置換のアルケニル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、2~50であり、好ましくは2~20、より好ましくは2~6である。
 本明細書に記載の「無置換のアルキニル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、2~50であり、好ましくは2~20、より好ましくは2~6である。
 本明細書に記載の「無置換のシクロアルキル基」の環形成炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、3~50であり、好ましくは3~20、より好ましくは3~6である。
 本明細書に記載の「無置換のアリーレン基」の環形成炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、6~50であり、好ましくは6~30、より好ましくは6~18である。
 本明細書に記載の「無置換の2価の複素環基」の環形成原子数は、本明細書に別途記載のない限り、5~50であり、好ましくは5~30、より好ましくは5~18である。
 本明細書に記載の「無置換のアルキレン基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~20、より好ましくは1~6である。
・「置換もしくは無置換のアリール基」
 本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」の具体例(具体例群G1)としては、以下の無置換のアリール基(具体例群G1A)及び置換のアリール基(具体例群G1B)等が挙げられる。(ここで、無置換のアリール基とは「置換もしくは無置換のアリール基」が「無置換のアリール基」である場合を指し、置換のアリール基とは「置換もしくは無置換のアリール基」が「置換のアリール基」である場合を指す。)本明細書において、単に「アリール基」という場合は、「無置換のアリール基」と「置換のアリール基」の両方を含む。
 「置換のアリール基」は、「無置換のアリール基」の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換のアリール基」としては、例えば、下記具体例群G1Aの「無置換のアリール基」の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基、及び下記具体例群G1Bの置換のアリール基の例等が挙げられる。尚、ここに列挙した「無置換のアリール基」の例、及び「置換のアリール基」の例は、一例に過ぎず、本明細書に記載の「置換のアリール基」には、下記具体例群G1Bの「置換のアリール基」におけるアリール基自体の炭素原子に結合する水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び下記具体例群G1Bの「置換のアリール基」における置換基の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。
・無置換のアリール基(具体例群G1A):
フェニル基、
p-ビフェニル基、
m-ビフェニル基、
o-ビフェニル基、
p-ターフェニル-4-イル基、
p-ターフェニル-3-イル基、
p-ターフェニル-2-イル基、
m-ターフェニル-4-イル基、
m-ターフェニル-3-イル基、
m-ターフェニル-2-イル基、
o-ターフェニル-4-イル基、
o-ターフェニル-3-イル基、
o-ターフェニル-2-イル基、
1-ナフチル基、
2-ナフチル基、
アントリル基、
ベンゾアントリル基、
フェナントリル基、
ベンゾフェナントリル基、
フェナレニル基、
ピレニル基、
クリセニル基、
ベンゾクリセニル基、
トリフェニレニル基、
ベンゾトリフェニレニル基、
テトラセニル基、
ペンタセニル基、
フルオレニル基、
9,9’-スピロビフルオレニル基、
ベンゾフルオレニル基、
ジベンゾフルオレニル基、
フルオランテニル基、
ベンゾフルオランテニル基、
ペリレニル基、及び
下記一般式(TEMP-1)~(TEMP-15)で表される環構造から1つの水素原子を除くことにより誘導される1価のアリール基。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006
・置換のアリール基(具体例群G1B):
o-トリル基、
m-トリル基、
p-トリル基、
パラ-キシリル基、
メタ-キシリル基、
オルト-キシリル基、
パラ-イソプロピルフェニル基、
メタ-イソプロピルフェニル基、
オルト-イソプロピルフェニル基、
パラ-t-ブチルフェニル基、
メタ-t-ブチルフェニル基、
オルト-t-ブチルフェニル基、
3,4,5-トリメチルフェニル基、
9,9-ジメチルフルオレニル基、
9,9-ジフェニルフルオレニル基、
9,9-ビス(4-メチルフェニル)フルオレニル基、
9,9-ビス(4-イソプロピルフェニル)フルオレニル基、
9,9-ビス(4-t-ブチルフェニル)フルオレニル基、
シアノフェニル基、
トリフェニルシリルフェニル基、
トリメチルシリルフェニル基、
フェニルナフチル基、
ナフチルフェニル基、及び
前記一般式(TEMP-1)~(TEMP-15)で表される環構造から誘導される1価の基の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基。
・「置換もしくは無置換の複素環基」
 本明細書に記載の「複素環基」は、環形成原子にヘテロ原子を少なくとも1つ含む環状の基である。ヘテロ原子の具体例としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子、及びホウ素原子が挙げられる。
 本明細書に記載の「複素環基」は、単環の基であるか、又は縮合環の基である。
 本明細書に記載の「複素環基」は、芳香族複素環基であるか、又は非芳香族複素環基である。
 本明細書に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」の具体例(具体例群G2)としては、以下の無置換の複素環基(具体例群G2A)、及び置換の複素環基(具体例群G2B)等が挙げられる。(ここで、無置換の複素環基とは「置換もしくは無置換の複素環基」が「無置換の複素環基」である場合を指し、置換の複素環基とは「置換もしくは無置換の複素環基」が「置換の複素環基」である場合を指す。)本明細書において、単に「複素環基」という場合は、「無置換の複素環基」と「置換の複素環基」の両方を含む。
 「置換の複素環基」は、「無置換の複素環基」の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換の複素環基」の具体例は、下記具体例群G2Aの「無置換の複素環基」の水素原子が置き換わった基、及び下記具体例群G2Bの置換の複素環基の例等が挙げられる。尚、ここに列挙した「無置換の複素環基」の例や「置換の複素環基」の例は、一例に過ぎず、本明細書に記載の「置換の複素環基」には、具体例群G2Bの「置換の複素環基」における複素環基自体の環形成原子に結合する水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び具体例群G2Bの「置換の複素環基」における置換基の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。
 具体例群G2Aは、例えば、以下の窒素原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A1)、酸素原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A2)、硫黄原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A3)、及び下記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)で表される環構造から1つの水素原子を除くことにより誘導される1価の複素環基(具体例群G2A4)を含む。
 具体例群G2Bは、例えば、以下の窒素原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B1)、酸素原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B2)、硫黄原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B3)、及び下記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)で表される環構造から誘導される1価の複素環基の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基(具体例群G2B4)を含む。
・窒素原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A1):
ピロリル基、
イミダゾリル基、
ピラゾリル基、
トリアゾリル基、
テトラゾリル基、
オキサゾリル基、
イソオキサゾリル基、
オキサジアゾリル基、
チアゾリル基、
イソチアゾリル基、
チアジアゾリル基、
ピリジル基、
ピリダジニル基、
ピリミジニル基、
ピラジニル基、
トリアジニル基、
インドリル基、
イソインドリル基、
インドリジニル基、
キノリジニル基、
キノリル基、
イソキノリル基、
シンノリル基、
フタラジニル基、
キナゾリニル基、
キノキサリニル基、
ベンゾイミダゾリル基、
インダゾリル基、
フェナントロリニル基、
フェナントリジニル基、
アクリジニル基、
フェナジニル基、
カルバゾリル基、
ベンゾカルバゾリル基、
モルホリノ基、
フェノキサジニル基、
フェノチアジニル基、
アザカルバゾリル基、及びジアザカルバゾリル基。
・酸素原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A2):
フリル基、
オキサゾリル基、
イソオキサゾリル基、
オキサジアゾリル基、
キサンテニル基、
ベンゾフラニル基、
イソベンゾフラニル基、
ジベンゾフラニル基、
ナフトベンゾフラニル基、
ベンゾオキサゾリル基、
ベンゾイソキサゾリル基、
フェノキサジニル基、
モルホリノ基、
ジナフトフラニル基、
アザジベンゾフラニル基、
ジアザジベンゾフラニル基、
アザナフトベンゾフラニル基、及び
ジアザナフトベンゾフラニル基。
・硫黄原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A3):
チエニル基、
チアゾリル基、
イソチアゾリル基、
チアジアゾリル基、
ベンゾチオフェニル基(ベンゾチエニル基)、
イソベンゾチオフェニル基(イソベンゾチエニル基)、
ジベンゾチオフェニル基(ジベンゾチエニル基)、
ナフトベンゾチオフェニル基(ナフトベンゾチエニル基)、
ベンゾチアゾリル基、
ベンゾイソチアゾリル基、
フェノチアジニル基、
ジナフトチオフェニル基(ジナフトチエニル基)、
アザジベンゾチオフェニル基(アザジベンゾチエニル基)、
ジアザジベンゾチオフェニル基(ジアザジベンゾチエニル基)、
アザナフトベンゾチオフェニル基(アザナフトベンゾチエニル基)、及び
ジアザナフトベンゾチオフェニル基(ジアザナフトベンゾチエニル基)。
・下記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)で表される環構造から1つの水素原子を除くことにより誘導される1価の複素環基(具体例群G2A4):
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008
 前記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)において、X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、NH、又はCHである。ただし、X及びYのうち少なくとも1つは、酸素原子、硫黄原子、又はNHである。
 前記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)において、X及びYの少なくともいずれかがNH、又はCHである場合、前記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)で表される環構造から誘導される1価の複素環基には、これらNH、又はCHから1つの水素原子を除いて得られる1価の基が含まれる。
・窒素原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B1):
(9-フェニル)カルバゾリル基、
(9-ビフェニリル)カルバゾリル基、
(9-フェニル)フェニルカルバゾリル基、
(9-ナフチル)カルバゾリル基、
ジフェニルカルバゾール-9-イル基、
フェニルカルバゾール-9-イル基、
メチルベンゾイミダゾリル基、
エチルベンゾイミダゾリル基、
フェニルトリアジニル基、
ビフェニリルトリアジニル基、
ジフェニルトリアジニル基、
フェニルキナゾリニル基、及びビフェニリルキナゾリニル基。
・酸素原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B2):
フェニルジベンゾフラニル基、
メチルジベンゾフラニル基、
t-ブチルジベンゾフラニル基、及び
スピロ[9H-キサンテン-9,9’-[9H]フルオレン]の1価の残基。
・硫黄原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B3):
フェニルジベンゾチオフェニル基、
メチルジベンゾチオフェニル基、
t-ブチルジベンゾチオフェニル基、及び
スピロ[9H-チオキサンテン-9,9’-[9H]フルオレン]の1価の残基。
・前記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)で表される環構造から誘導される1価の複素環基の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基(具体例群G2B4):
 前記「1価の複素環基の1つ以上の水素原子」とは、該1価の複素環基の環形成炭素原子に結合している水素原子、X及びYの少なくともいずれかがNHである場合の窒素原子に結合している水素原子、及びX及びYの一方がCHである場合のメチレン基の水素原子から選ばれる1つ以上の水素原子を意味する。
・「置換もしくは無置換のアルキル基」
 本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」の具体例(具体例群G3)としては、以下の無置換のアルキル基(具体例群G3A)及び置換のアルキル基(具体例群G3B)が挙げられる。(ここで、無置換のアルキル基とは「置換もしくは無置換のアルキル基」が「無置換のアルキル基」である場合を指し、置換のアルキル基とは「置換もしくは無置換のアルキル基」が「置換のアルキル基」である場合を指す。)以下、単に「アルキル基」という場合は、「無置換のアルキル基」と「置換のアルキル基」の両方を含む。
 「置換のアルキル基」は、「無置換のアルキル基」における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換のアルキル基」の具体例としては、下記の「無置換のアルキル基」(具体例群G3A)における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基、及び置換のアルキル基(具体例群G3B)の例等が挙げられる。本明細書において、「無置換のアルキル基」におけるアルキル基は、鎖状のアルキル基を意味する。そのため、「無置換のアルキル基」は、直鎖である「無置換のアルキル基」、及び分岐状である「無置換のアルキル基」が含まれる。尚、ここに列挙した「無置換のアルキル基」の例や「置換のアルキル基」の例は、一例に過ぎず、本明細書に記載の「置換のアルキル基」には、具体例群G3Bの「置換のアルキル基」におけるアルキル基自体の水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び具体例群G3Bの「置換のアルキル基」における置換基の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。
・無置換のアルキル基(具体例群G3A):
メチル基、
エチル基、
n-プロピル基、
イソプロピル基、
n-ブチル基、
イソブチル基、
s-ブチル基、及び
t-ブチル基。
・置換のアルキル基(具体例群G3B):
ヘプタフルオロプロピル基(異性体を含む)、
ペンタフルオロエチル基、
2,2,2-トリフルオロエチル基、及び
トリフルオロメチル基。
・「置換もしくは無置換のアルケニル基」
 本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルケニル基」の具体例(具体例群G4)としては、以下の無置換のアルケニル基(具体例群G4A)、及び置換のアルケニル基(具体例群G4B)等が挙げられる。(ここで、無置換のアルケニル基とは「置換もしくは無置換のアルケニル基」が「無置換のアルケニル基」である場合を指し、「置換のアルケニル基」とは「置換もしくは無置換のアルケニル基」が「置換のアルケニル基」である場合を指す。)本明細書において、単に「アルケニル基」という場合は、「無置換のアルケニル基」と「置換のアルケニル基」の両方を含む。
 「置換のアルケニル基」は、「無置換のアルケニル基」における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換のアルケニル基」の具体例としては、下記の「無置換のアルケニル基」(具体例群G4A)が置換基を有する基、及び置換のアルケニル基(具体例群G4B)の例等が挙げられる。尚、ここに列挙した「無置換のアルケニル基」の例や「置換のアルケニル基」の例は、一例に過ぎず、本明細書に記載の「置換のアルケニル基」には、具体例群G4Bの「置換のアルケニル基」におけるアルケニル基自体の水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び具体例群G4Bの「置換のアルケニル基」における置換基の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。
・無置換のアルケニル基(具体例群G4A):
ビニル基、
アリル基、
1-ブテニル基、
2-ブテニル基、及び
3-ブテニル基。
・置換のアルケニル基(具体例群G4B):
1,3-ブタンジエニル基、
1-メチルビニル基、
1-メチルアリル基、
1,1-ジメチルアリル基、
2-メチルアリル基、及び
1,2-ジメチルアリル基。
・「置換もしくは無置換のアルキニル基」
 本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルキニル基」の具体例(具体例群G5)としては、以下の無置換のアルキニル基(具体例群G5A)等が挙げられる。(ここで、無置換のアルキニル基とは、「置換もしくは無置換のアルキニル基」が「無置換のアルキニル基」である場合を指す。)以下、単に「アルキニル基」という場合は、「無置換のアルキニル基」と「置換のアルキニル基」の両方を含む。
 「置換のアルキニル基」は、「無置換のアルキニル基」における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換のアルキニル基」の具体例としては、下記の「無置換のアルキニル基」(具体例群G5A)における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基等が挙げられる。
・無置換のアルキニル基(具体例群G5A):
エチニル基。
・「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」
 本明細書に記載の「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」の具体例(具体例群G6)としては、以下の無置換のシクロアルキル基(具体例群G6A)、及び置換のシクロアルキル基(具体例群G6B)等が挙げられる。(ここで、無置換のシクロアルキル基とは「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」が「無置換のシクロアルキル基」である場合を指し、置換のシクロアルキル基とは「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」が「置換のシクロアルキル基」である場合を指す。)本明細書において、単に「シクロアルキル基」という場合は、「無置換のシクロアルキル基」と「置換のシクロアルキル基」の両方を含む。
 「置換のシクロアルキル基」は、「無置換のシクロアルキル基」における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換のシクロアルキル基」の具体例としては、下記の「無置換のシクロアルキル基」(具体例群G6A)における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基、及び置換のシクロアルキル基(具体例群G6B)の例等が挙げられる。尚、ここに列挙した「無置換のシクロアルキル基」の例や「置換のシクロアルキル基」の例は、一例に過ぎず、本明細書に記載の「置換のシクロアルキル基」には、具体例群G6Bの「置換のシクロアルキル基」におけるシクロアルキル基自体の炭素原子に結合する1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基、及び具体例群G6Bの「置換のシクロアルキル基」における置換基の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。
・無置換のシクロアルキル基(具体例群G6A):
シクロプロピル基、
シクロブチル基、
シクロペンチル基、
シクロヘキシル基、
1-アダマンチル基、
2-アダマンチル基、
1-ノルボルニル基、及び
2-ノルボルニル基。
・置換のシクロアルキル基(具体例群G6B):
4-メチルシクロヘキシル基。
・「-Si(R901)(R902)(R903)で表される基」
 本明細書に記載の-Si(R901)(R902)(R903)で表される基の具体例(具体例群G7)としては、
-Si(G1)(G1)(G1)、
-Si(G1)(G2)(G2)、
-Si(G1)(G1)(G2)、
-Si(G2)(G2)(G2)、
-Si(G3)(G3)(G3)、及び
-Si(G6)(G6)(G6)
が挙げられる。ここで、
 G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。
 G2は、具体例群G2に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」である。
 G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。
 G6は、具体例群G6に記載の「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」である。
 -Si(G1)(G1)(G1)における複数のG1は、互いに同一であるか、又は異なる。
 -Si(G1)(G2)(G2)における複数のG2は、互いに同一であるか、又は異なる。
 -Si(G1)(G1)(G2)における複数のG1は、互いに同一であるか、又は異なる。
 -Si(G2)(G2)(G2)における複数のG2は、互いに同一であるか、又は異なる。
 -Si(G3)(G3)(G3)における複数のG3は、互いに同一であるか、又は異なる。
 -Si(G6)(G6)(G6)における複数のG6は、互いに同一であるか、又は異なる。
・「-O-(R904)で表される基」
 本明細書に記載の-O-(R904)で表される基の具体例(具体例群G8)としては、
-O(G1)、
-O(G2)、
-O(G3)、及び
-O(G6)
が挙げられる。
 ここで、
 G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。
 G2は、具体例群G2に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」である。
 G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。
 G6は、具体例群G6に記載の「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」である。
・「-S-(R905)で表される基」
 本明細書に記載の-S-(R905)で表される基の具体例(具体例群G9)としては、
-S(G1)、
-S(G2)、
-S(G3)、及び
-S(G6)
が挙げられる。
 ここで、
 G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。
 G2は、具体例群G2に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」である。
 G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。
 G6は、具体例群G6に記載の「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」である。
・「-N(R906)(R907)で表される基」
 本明細書に記載の-N(R906)(R907)で表される基の具体例(具体例群G10)としては、
-N(G1)(G1)、
-N(G2)(G2)、
-N(G1)(G2)、
-N(G3)(G3)、及び
-N(G6)(G6)
が挙げられる。
 ここで、
 G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。
 G2は、具体例群G2に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」である。
 G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。
 G6は、具体例群G6に記載の「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」である。
 -N(G1)(G1)における複数のG1は、互いに同一であるか、又は異なる。
 -N(G2)(G2)における複数のG2は、互いに同一であるか、又は異なる。
 -N(G3)(G3)における複数のG3は、互いに同一であるか、又は異なる。
 -N(G6)(G6)における複数のG6は、互いに同一であるか、又は異なる。
・「ハロゲン原子」
 本明細書に記載の「ハロゲン原子」の具体例(具体例群G11)としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子等が挙げられる。
・「置換もしくは無置換のフルオロアルキル基」
 本明細書に記載の「置換もしくは無置換のフルオロアルキル基」は、「置換もしくは無置換のアルキル基」におけるアルキル基を構成する炭素原子に結合している少なくとも1つの水素原子がフッ素原子と置き換わった基を意味し、「置換もしくは無置換のアルキル基」におけるアルキル基を構成する炭素原子に結合している全ての水素原子がフッ素原子で置き換わった基(パーフルオロ基)も含む。「無置換のフルオロアルキル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~30であり、より好ましくは1~18である。「置換のフルオロアルキル基」は、「フルオロアルキル基」の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。尚、本明細書に記載の「置換のフルオロアルキル基」には、「置換のフルオロアルキル基」におけるアルキル鎖の炭素原子に結合する1つ以上の水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び「置換のフルオロアルキル基」における置換基の1つ以上の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。「無置換のフルオロアルキル基」の具体例としては、前記「アルキル基」(具体例群G3)における1つ以上の水素原子がフッ素原子と置き換わった基の例等が挙げられる。
・「置換もしくは無置換のハロアルキル基」
 本明細書に記載の「置換もしくは無置換のハロアルキル基」は、「置換もしくは無置換のアルキル基」におけるアルキル基を構成する炭素原子に結合している少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子と置き換わった基を意味し、「置換もしくは無置換のアルキル基」におけるアルキル基を構成する炭素原子に結合している全ての水素原子がハロゲン原子で置き換わった基も含む。「無置換のハロアルキル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~30であり、より好ましくは1~18である。「置換のハロアルキル基」は、「ハロアルキル基」の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。尚、本明細書に記載の「置換のハロアルキル基」には、「置換のハロアルキル基」におけるアルキル鎖の炭素原子に結合する1つ以上の水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び「置換のハロアルキル基」における置換基の1つ以上の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。「無置換のハロアルキル基」の具体例としては、前記「アルキル基」(具体例群G3)における1つ以上の水素原子がハロゲン原子と置き換わった基の例等が挙げられる。ハロアルキル基をハロゲン化アルキル基と称する場合がある。
・「置換もしくは無置換のアルコキシ基」
 本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルコキシ基」の具体例としては、-O(G3)で表される基であり、ここで、G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。「無置換のアルコキシ基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~30であり、より好ましくは1~18である。
・「置換もしくは無置換のアルキルチオ基」
 本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルキルチオ基」の具体例としては、-S(G3)で表される基であり、ここで、G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。「無置換のアルキルチオ基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~30であり、より好ましくは1~18である。
・「置換もしくは無置換のアリールオキシ基」
 本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアリールオキシ基」の具体例としては、-O(G1)で表される基であり、ここで、G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。「無置換のアリールオキシ基」の環形成炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、6~50であり、好ましくは6~30であり、より好ましくは6~18である。
・「置換もしくは無置換のアリールチオ基」
 本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアリールチオ基」の具体例としては、-S(G1)で表される基であり、ここで、G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。「無置換のアリールチオ基」の環形成炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、6~50であり、好ましくは6~30であり、より好ましくは6~18である。
・「置換もしくは無置換のトリアルキルシリル基」
 本明細書に記載の「トリアルキルシリル基」の具体例としては、-Si(G3)(G3)(G3)で表される基であり、ここで、G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。-Si(G3)(G3)(G3)における複数のG3は、互いに同一であるか、又は異なる。「トリアルキルシリル基」の各アルキル基の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~20であり、より好ましくは1~6である。
・「置換もしくは無置換のアラルキル基」
 本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアラルキル基」の具体例としては、-(G3)-(G1)で表される基であり、ここで、G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」であり、G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。従って、「アラルキル基」は、「アルキル基」の水素原子が置換基としての「アリール基」と置き換わった基であり、「置換のアルキル基」の一態様である。「無置換のアラルキル基」は、「無置換のアリール基」が置換した「無置換のアルキル基」であり、「無置換のアラルキル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、7~50であり、好ましくは7~30であり、より好ましくは7~18である。
 「置換もしくは無置換のアラルキル基」の具体例としては、ベンジル基、1-フェニルエチル基、2-フェニルエチル基、1-フェニルイソプロピル基、2-フェニルイソプロピル基、フェニル-t-ブチル基、α-ナフチルメチル基、1-α-ナフチルエチル基、2-α-ナフチルエチル基、1-α-ナフチルイソプロピル基、2-α-ナフチルイソプロピル基、β-ナフチルメチル基、1-β-ナフチルエチル基、2-β-ナフチルエチル基、1-β-ナフチルイソプロピル基、及び2-β-ナフチルイソプロピル基等が挙げられる。
 本明細書に記載の置換もしくは無置換のアリール基は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくはフェニル基、p-ビフェニル基、m-ビフェニル基、o-ビフェニル基、p-ターフェニル-4-イル基、p-ターフェニル-3-イル基、p-ターフェニル-2-イル基、m-ターフェニル-4-イル基、m-ターフェニル-3-イル基、m-ターフェニル-2-イル基、o-ターフェニル-4-イル基、o-ターフェニル-3-イル基、o-ターフェニル-2-イル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ピレニル基、クリセニル基、トリフェニレニル基、フルオレニル基、9,9’-スピロビフルオレニル基、9,9-ジメチルフルオレニル基、及び9,9-ジフェニルフルオレニル基等である。
 本明細書に記載の置換もしくは無置換の複素環基は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくはピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、キノリル基、イソキノリル基、キナゾリニル基、ベンゾイミダゾリル基、フェナントロリニル基、カルバゾリル基(1-カルバゾリル基、2-カルバゾリル基、3-カルバゾリル基、4-カルバゾリル基、又は9-カルバゾリル基)、ベンゾカルバゾリル基、アザカルバゾリル基、ジアザカルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ナフトベンゾフラニル基、アザジベンゾフラニル基、ジアザジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ナフトベンゾチオフェニル基、アザジベンゾチオフェニル基、ジアザジベンゾチオフェニル基、(9-フェニル)カルバゾリル基((9-フェニル)カルバゾール-1-イル基、(9-フェニル)カルバゾール-2-イル基、(9-フェニル)カルバゾール-3-イル基、又は(9-フェニル)カルバゾール-4-イル基)、(9-ビフェニリル)カルバゾリル基、(9-フェニル)フェニルカルバゾリル基、ジフェニルカルバゾール-9-イル基、フェニルカルバゾール-9-イル基、フェニルトリアジニル基、ビフェニリルトリアジニル基、ジフェニルトリアジニル基、フェニルジベンゾフラニル基、及びフェニルジベンゾチオフェニル基等である。
 本明細書において、カルバゾリル基は、本明細書に別途記載のない限り、具体的には以下のいずれかの基である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000009
 本明細書において、(9-フェニル)カルバゾリル基は、本明細書に別途記載のない限り、具体的には以下のいずれかの基である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000010
 前記一般式(TEMP-Cz1)~(TEMP-Cz9)中、*は、結合位置を表す。
 本明細書において、ジベンゾフラニル基、及びジベンゾチオフェニル基は、本明細書に別途記載のない限り、具体的には以下のいずれかの基である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000011
 前記一般式(TEMP-34)~(TEMP-41)中、*は、結合位置を表す。
 本明細書に記載の置換もしくは無置換のアルキル基は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、及びt-ブチル基等である。
・「置換もしくは無置換のアリーレン基」
 本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアリーレン基」は、別途記載のない限り、上記「置換もしくは無置換のアリール基」からアリール環上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基である。「置換もしくは無置換のアリーレン基」の具体例(具体例群G12)としては、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」からアリール環上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基等が挙げられる。
・「置換もしくは無置換の2価の複素環基」
 本明細書に記載の「置換もしくは無置換の2価の複素環基」は、別途記載のない限り、上記「置換もしくは無置換の複素環基」から複素環上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基である。「置換もしくは無置換の2価の複素環基」の具体例(具体例群G13)としては、具体例群G2に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」から複素環上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基等が挙げられる。
・「置換もしくは無置換のアルキレン基」
 本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルキレン基」は、別途記載のない限り、上記「置換もしくは無置換のアルキル基」からアルキル鎖上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基である。「置換もしくは無置換のアルキレン基」の具体例(具体例群G14)としては、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」からアルキル鎖上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基等が挙げられる。
 本明細書に記載の置換もしくは無置換のアリーレン基は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくは下記一般式(TEMP-42)~(TEMP-68)のいずれかの基である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000012
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000013
 前記一般式(TEMP-42)~(TEMP-52)中、Q~Q10は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基である。
 前記一般式(TEMP-42)~(TEMP-52)中、*は、結合位置を表す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000014
 前記一般式(TEMP-53)~(TEMP-62)中、Q~Q10は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基である。
 式Q及びQ10は、単結合を介して互いに結合して環を形成してもよい。
 前記一般式(TEMP-53)~(TEMP-62)中、*は、結合位置を表す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000015
 前記一般式(TEMP-63)~(TEMP-68)中、Q~Qは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基である。
 前記一般式(TEMP-63)~(TEMP-68)中、*は、結合位置を表す。
 本明細書に記載の置換もしくは無置換の2価の複素環基は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくは下記一般式(TEMP-69)~(TEMP-102)のいずれかの基である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000016
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000017
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000018
 前記一般式(TEMP-69)~(TEMP-82)中、Q~Qは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000019
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000020
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000021
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000022
 前記一般式(TEMP-83)~(TEMP-102)中、Q~Qは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基である。
 以上が、「本明細書に記載の置換基」についての説明である。
・「結合して環を形成する場合」
 本明細書において、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は互いに結合せず」という場合は、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成する」場合と、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成する」場合と、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合しない」場合と、を意味する。
 本明細書における、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成する」場合、及び「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成する」場合(以下、これらの場合をまとめて「結合して環を形成する場合」と称する場合がある。)について、以下、説明する。母骨格がアントラセン環である下記一般式(TEMP-103)で表されるアントラセン化合物の場合を例として説明する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000023
 例えば、R921~R930のうちの「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、環を形成する」場合において、1組となる隣接する2つからなる組とは、R921とR922との組、R922とR923との組、R923とR924との組、R924とR930との組、R930とR925との組、R925とR926との組、R926とR927との組、R927とR928との組、R928とR929との組、並びにR929とR921との組である。
 上記「1組以上」とは、上記隣接する2つ以上からなる組の2組以上が同時に環を形成してもよいことを意味する。例えば、R921とR922とが互いに結合して環Qを形成し、同時にR925とR926とが互いに結合して環Qを形成した場合は、前記一般式(TEMP-103)で表されるアントラセン化合物は、下記一般式(TEMP-104)で表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000024
 「隣接する2つ以上からなる組」が環を形成する場合とは、前述の例のように隣接する「2つ」からなる組が結合する場合だけではなく、隣接する「3つ以上」からなる組が結合する場合も含む。例えば、R921とR922とが互いに結合して環Qを形成し、かつ、R922とR923とが互いに結合して環Qを形成し、互いに隣接する3つ(R921、R922及びR923)からなる組が互いに結合して環を形成して、アントラセン母骨格に縮合する場合を意味し、この場合、前記一般式(TEMP-103)で表されるアントラセン化合物は、下記一般式(TEMP-105)で表される。下記一般式(TEMP-105)において、環Q及び環Qは、R922を共有する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000025
 形成される「単環」、又は「縮合環」は、形成された環のみの構造として、飽和の環であっても不飽和の環であってもよい。「隣接する2つからなる組の1組」が「単環」、又は「縮合環」を形成する場合であっても、当該「単環」、又は「縮合環」は、飽和の環、又は不飽和の環を形成することができる。例えば、前記一般式(TEMP-104)において形成された環Q及び環Qは、それぞれ、「単環」又は「縮合環」である。また、前記一般式(TEMP-105)において形成された環Q、及び環Qは、「縮合環」である。前記一般式(TEMP-105)の環Qと環Qとは、環Qと環Qとが縮合することによって縮合環となっている。前記一般式(TMEP-104)の環Qがベンゼン環であれば、環Qは、単環である。前記一般式(TMEP-104)の環Qがナフタレン環であれば、環Qは、縮合環である。
 「不飽和の環」とは、芳香族炭化水素環、又は芳香族複素環を意味する。「飽和の環」とは、脂肪族炭化水素環、又は非芳香族複素環を意味する。
 芳香族炭化水素環の具体例としては、具体例群G1において具体例として挙げられた基が水素原子によって終端された構造が挙げられる。
 芳香族複素環の具体例としては、具体例群G2において具体例として挙げられた芳香族複素環基が水素原子によって終端された構造が挙げられる。
 脂肪族炭化水素環の具体例としては、具体例群G6において具体例として挙げられた基が水素原子によって終端された構造が挙げられる。
 「環を形成する」とは、母骨格の複数の原子のみ、あるいは母骨格の複数の原子とさらに1以上の任意の元素で環を形成することを意味する。例えば、前記一般式(TEMP-104)に示す、R921とR922とが互いに結合して形成された環Qは、R921が結合するアントラセン骨格の炭素原子と、R922が結合するアントラセン骨格の炭素原子と、1以上の任意の元素とで形成する環を意味する。具体例としては、R921とR922とで環Qを形成する場合において、R921が結合するアントラセン骨格の炭素原子と、R922とが結合するアントラセン骨格の炭素原子と、4つの炭素原子とで単環の不飽和の環を形成する場合、R921とR922とで形成する環は、ベンゼン環である。
 ここで、「任意の元素」は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくは、炭素元素、窒素元素、酸素元素、及び硫黄元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素である。任意の元素において(例えば、炭素元素、又は窒素元素の場合)、環を形成しない結合は、水素原子等で終端されてもよいし、後述する「任意の置換基」で置換されてもよい。炭素元素以外の任意の元素を含む場合、形成される環は複素環である。
 単環または縮合環を構成する「1以上の任意の元素」は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくは2個以上15個以下であり、より好ましくは3個以上12個以下であり、さらに好ましくは3個以上5個以下である。
 本明細書に別途記載のない限り、「単環」、及び「縮合環」のうち、好ましくは「単環」である。
 本明細書に別途記載のない限り、「飽和の環」、及び「不飽和の環」のうち、好ましくは「不飽和の環」である。
 本明細書に別途記載のない限り、「単環」は、好ましくはベンゼン環である。
 本明細書に別途記載のない限り、「不飽和の環」は、好ましくはベンゼン環である。
 「隣接する2つ以上からなる組の1組以上」が、「互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成する」場合、又は「互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成する」場合、本明細書に別途記載のない限り、好ましくは、隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、母骨格の複数の原子と、1個以上15個以下の炭素元素、窒素元素、酸素元素、及び硫黄元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素とからなる置換もしくは無置換の「不飽和の環」を形成する。
 上記の「単環」、又は「縮合環」が置換基を有する場合の置換基は、例えば後述する「任意の置換基」である。上記の「単環」、又は「縮合環」が置換基を有する場合の置換基の具体例は、上述した「本明細書に記載の置換基」の項で説明した置換基である。
 上記の「飽和の環」、又は「不飽和の環」が置換基を有する場合の置換基は、例えば後述する「任意の置換基」である。上記の「単環」、又は「縮合環」が置換基を有する場合の置換基の具体例は、上述した「本明細書に記載の置換基」の項で説明した置換基である。
 以上が、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成する」場合、及び「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成する」場合(「結合して環を形成する場合」)についての説明である。
・「置換もしくは無置換の」という場合の置換基
 本明細書における一実施形態においては、前記「置換もしくは無置換の」という場合の置換基(本明細書において、「任意の置換基」と呼ぶことがある。)は、例えば、
無置換の炭素数1~50のアルキル基、
無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)、
-O-(R904)、
-S-(R905)、
-N(R906)(R907)、
ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、
無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、及び
無置換の環形成原子数5~50の複素環基からなる群から選択される基等であり、
 ここで、R901~R907は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
 R901が2個以上存在する場合、2個以上のR901は、互いに同一であるか、又は異なり、
 R902が2個以上存在する場合、2個以上のR902は、互いに同一であるか、又は異なり、
 R903が2個以上存在する場合、2個以上のR903は、互いに同一であるか、又は異なり、
 R904が2個以上存在する場合、2個以上のR904は、互いに同一であるか、又は異なり、
 R905が2個以上存在する場合、2個以上のR905は、互いに同一であるか、又は異なり、
 R906が2個以上存在する場合、2個以上のR906は、互いに同一であるか、又は異なり、
 R907が2個以上存在する場合、2個以上のR907は、互いに同一であるか又は異なる。
 一実施形態においては、前記「置換もしくは無置換の」という場合の置換基は、
炭素数1~50のアルキル基、
環形成炭素数6~50のアリール基、及び
環形成原子数5~50の複素環基からなる群から選択される基である。
 一実施形態においては、前記「置換もしくは無置換の」という場合の置換基は、
炭素数1~18のアルキル基、
環形成炭素数6~18のアリール基、及び
環形成原子数5~18の複素環基からなる群から選択される基である。
 上記任意の置換基の各基の具体例は、上述した「本明細書に記載の置換基」の項で説明した置換基の具体例である。
 本明細書において別途記載のない限り、隣接する任意の置換基同士で、「飽和の環」、又は「不飽和の環」を形成してもよく、好ましくは、置換もしくは無置換の飽和の5員環、置換もしくは無置換の飽和の6員環、置換もしくは無置換の不飽和の5員環、又は置換もしくは無置換の不飽和の6員環を形成し、より好ましくは、ベンゼン環を形成する。
 本明細書において別途記載のない限り、任意の置換基は、さらに置換基を有してもよい。任意の置換基がさらに有する置換基としては、上記任意の置換基と同様である。
 本明細書において、「AA~BB」を用いて表される数値範囲は、「AA~BB」の前に記載される数値AAを下限値とし、「AA~BB」の後に記載される数値BBを上限値として含む範囲を意味する。
 本明細書において、「A≧B」で表される数式は、Aの値とBの値とが等しいか、又はAの値がBの値よりも大きいことを意味する。
 本明細書において、「A≦B」で表される数式は、Aの値とBの値とが等しいか、又はAの値がBの値よりも小さいことを意味する。
〔第一実施形態〕
 本実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、陽極と、陰極と、前記陽極及び前記陰極の間に配置された発光領域と、前記陽極及び前記発光領域の間に配置された正孔輸送帯域と、を有し、前記発光領域は、少なくとも1つの発光層を含み、前記正孔輸送帯域は、第1正孔輸送層と、第2正孔輸送層と、第3正孔輸送層と、を含み、前記陽極側から、前記第1正孔輸送層と、前記第2正孔輸送層と、前記第3正孔輸送層とが、この順に配置され、前記第2正孔輸送層に含まれる構成材料の屈折率NMは、前記第1正孔輸送層に含まれる構成材料の屈折率NM及び前記第3正孔輸送層に含まれる構成材料の屈折率NMのそれぞれより大きく、前記第1正孔輸送層及び前記第3正孔輸送層は、少なくとも1種の同じ材料を含有し、前記正孔輸送帯域は、さらに、正孔注入層及び第4正孔輸送層の少なくともいずれかの層を含み、前記正孔注入層は、前記陽極及び前記第1正孔輸送層の間に配置され、前記正孔注入層は、アクセプター材料を含有し、前記第4正孔輸送層は、前記第3正孔輸送層及び前記発光領域の間に配置され、前記第4正孔輸送層は、イオン化ポテンシャルが5.6eV以上の化合物を1つ以上含有し、前記第4正孔輸送層の膜厚は、15nm以下である。
 本実施形態の有機EL素子において、第2正孔輸送層に含まれる構成材料の屈折率NMは、第1正孔輸送層に含まれる構成材料の屈折率NMよりも大きい。すなわち、第1正孔輸送層及び第2正孔輸送層は、下記数式(数N1)の関係を満たす。
  NM>NM …(数N1)
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、屈折率NM、及び屈折率NMは、下記数式(数N11)、(数N12)又は(数N13)の関係を満たす。
  NM-NM≧0.05 …(数N11)
  NM-NM≧0.10 …(数N12)
  NM-NM≧0.13 …(数N13)
 本実施形態の有機EL素子において、第2正孔輸送層に含まれる構成材料の屈折率NMは、第3正孔輸送層に含まれる構成材料の屈折率NMよりも大きい。すなわち、第2正孔輸送層及び第3正孔輸送層は、下記数式(数N2)の関係を満たす。
  NM>NM …(数N2)
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、屈折率NM、及び屈折率NMは、下記数式(数N21)、(数N22)又は(数N23)の関係を満たす。
  NM-NM≧0.05 …(数N21)
  NM-NM≧0.10 …(数N22)
  NM-NM≧0.13 …(数N23)
 第1正孔輸送層に含まれる構成材料の屈折率NMは、第1正孔輸送層が一種の化合物を含有する場合は、当該一種の化合物の屈折率に相当し、第1正孔輸送層が複数種の化合物を含有する場合は、当該複数種の化合物を含有する混合物の屈折率に相当する。屈折率NM、屈折率NM及びその他の層の構成材料の屈折率についても、屈折率NMと同様に規定される。屈折率は、後述する実施例に記載の測定方法で測定することができる。本明細書においては、多入射角分光エリプソメトリー測定で測定した値の基板平行方向(Ordinary方向)の2.7eVにおける屈折率の値を測定対象材料の屈折率とする。2.7eVにおける屈折率は、460nmにおける屈折率と対応する。
 本実施形態によれば、有機EL素子の素子性能を向上させることができる。本実施形態の有機EL素子において、第2正孔輸送層に含まれる構成材料の屈折率NMは、第1正孔輸送層に含まれる構成材料の屈折率NM及び第3正孔輸送層に含まれる構成材料の屈折率NMのそれぞれより大きい。このように正孔輸送帯域において、低屈折率層、高屈折率層、低屈折率層が陽極側からこの順に配置されることにより、本実施形態の有機EL素子の光取り出し効率が向上する。
 正孔輸送帯域を構成する層が増えることで、通常、有機EL素子の量産性の低下が懸念されるが、本実施形態の有機EL素子においては、第1正孔輸送層及び第3正孔輸送層が、少なくとも1種の同じ材料を含有する。そのため、第1正孔輸送層及び第3正孔輸送層において共通の材料を使用できるので、量産性の低下を抑制することができる。
 有機EL素子の素子性能の観点から、正孔輸送帯域を第1正孔輸送層、第2正孔輸送層及び第3正孔輸送層の3つの層で構成しようとする場合、陽極側に配置される第1正孔輸送層には、正孔注入層としての性能が求められ、発光領域側に配置される第3正孔輸送層には、電子障壁層としての性能が求められる。しかしながら、正孔注入層としての性能及び電子障壁層としての性能を兼ね備える材料がない。そのため、本実施形態の有機EL素子の正孔輸送帯域が、第1正孔輸送層、第2正孔輸送層及び第3正孔輸送層の他に、正孔注入層及び第4正孔輸送層の一方を有するか、又は両方有することで、素子性能が向上する。具体的には、駆動電圧が低下し、発光効率が向上し、素子寿命が延びる。
 このように、本実施形態によれば、量産性の低下が抑制され及び素子性能が向上した有機EL素子を提供することができる。
 なお、第4正孔輸送層に含有される化合物のイオン化ポテンシャルが5.6eV未満である場合、第4正孔輸送層から発光層への正孔注入障壁が大きく、発光層への正孔供給が不十分となるので、発光効率が低下し、素子寿命が短くなる。
 また、第4正孔輸送層に含有される化合物のイオン化ポテンシャルが深く、正孔移動度が遅い場合、第4正孔輸送層の膜厚が15nm超であると、駆動電圧が高くなる。
<正孔輸送帯域>
 本明細書において、陽極及び発光領域の間に配置された複数の有機層からなる領域を正孔輸送帯域と称する。
 本実施形態の有機EL素子の正孔輸送帯域は、第1正孔輸送層、第2正孔輸送層及び第3正孔輸送層に加えて、さらに、正孔注入層及び第4正孔輸送層の少なくともいずれかの層を含む。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、正孔輸送帯域は、正孔注入層と、第1正孔輸送層と、第2正孔輸送層と、第3正孔輸送層とを、陽極側からこの順に含む。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、正孔輸送帯域は、第1正孔輸送層と、第2正孔輸送層と、第3正孔輸送層と、第4正孔輸送層とを、陽極側からこの順に含む。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、正孔輸送帯域は、正孔注入層と、第1正孔輸送層と、第2正孔輸送層と、第3正孔輸送層と、第4正孔輸送層とを、陽極側からこの順に含む。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、陽極と正孔注入層とが、直接、接している。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、正孔注入層と第1正孔輸送層とが、直接、接している。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1正孔輸送層と第2正孔輸送層とが、直接、接している。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第2正孔輸送層と第3正孔輸送層とが、直接、接している。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第3正孔輸送層と第4正孔輸送層とが、直接、接している。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第4正孔輸送層と発光領域とが、直接、接している。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、正孔注入層に含まれる構成材料の屈折率NM及び第4正孔輸送層に含まれる構成材料の屈折率NMの少なくともいずれかが、第2正孔輸送層に含まれる構成材料の屈折率NMと同じであるか又は屈折率NMよりも大きい。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、正孔輸送帯域は、正孔注入層を含む。正孔輸送帯域が正孔注入層を含む場合、正孔注入層に含まれる構成材料の屈折率NMと第2正孔輸送層に含まれる構成材料の屈折率NMは、下記数式(数N3)の関係を満たす。
  NM≧NM …(数N3)
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、屈折率NMは、屈折率NMよりも大きい。すなわち、本実施形態の有機EL素子の一態様において、屈折率NM及び屈折率NMは、下記数式(数N31)の関係を満たす。
  NM>NM …(数N31)
 また、本実施形態の有機EL素子の一態様において、屈折率NMは、屈折率NMよりも小さい。すなわち、本実施形態の有機EL素子の一態様において、屈折率NM及び屈折率NMは、下記数式(数N32)の関係を満たす。
  NM<NM …(数N32)
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、正孔輸送帯域が第4正孔輸送層を含む場合、第4正孔輸送層に含まれる構成材料の屈折率NMと第2正孔輸送層に含まれる構成材料の屈折率NMは、下記数式(数N4)の関係を満たす。
  NM≧NM …(数N4)
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、屈折率NMは、屈折率NMよりも大きい。すなわち、本実施形態の有機EL素子の一態様において、屈折率NM及び屈折率NMは、下記数式(数N41)の関係を満たす。
  NM>NM …(数N41)
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、正孔輸送帯域は、正孔注入層を含む。正孔輸送帯域が正孔注入層を含む場合、正孔注入層に含まれる構成材料の屈折率NMと第1正孔輸送層に含まれる構成材料の屈折率NMは、下記数式(数N5)の関係を満たす。
  NM≧NM …(数N5)
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、屈折率NMは、屈折率NMよりも大きい。すなわち、本実施形態の有機EL素子の一態様において、屈折率NM及び屈折率NMは、下記数式(数N51)の関係を満たす。
  NM>NM …(数N51)
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1正孔輸送層に含まれる構成材料の屈折率NM及び第3正孔輸送層に含まれる構成材料の屈折率NMは、それぞれ独立に、1.85以下である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、正孔輸送帯域の合計膜厚が、110nm以上、150nm以下である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、正孔輸送帯域の合計膜厚が、120nm以上、140nm以下である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1正孔輸送層の膜厚、第2正孔輸送層の膜厚及び第3正孔輸送層の膜厚は、それぞれ独立に、20nm以上である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、正孔注入層及び第1正孔輸送層の合計膜厚は、20nm以上である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、正孔注入層及び第1正孔輸送層の合計膜厚と、第3正孔輸送層の膜厚との比が1:1.5~1.5:1である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、正孔注入層及び第1正孔輸送層の合計膜厚と、第3正孔輸送層の膜厚との比が1:1.3~1.3:1である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、正孔注入層及び第1正孔輸送層の合計膜厚と、第2正孔輸送層の膜厚との比が1:1.5~1:2.5である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第3正孔輸送層の膜厚と、第2正孔輸送層の膜厚との比が1:1.5~1:2.5である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、正孔注入層及び第1正孔輸送層の合計膜厚と、第2正孔輸送層の膜厚と、第3正孔輸送層の膜厚との比が1:1.5:1~1:2.5:1である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、正孔注入層及び第1正孔輸送層の合計膜厚と、第2正孔輸送層の膜厚と、第3正孔輸送層の膜厚との比が1:1.7:1~1:2.2:1である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1正孔輸送層の膜厚と、第2正孔輸送層の膜厚と、第3正孔輸送層の膜厚との比が1:1.5:1~1:2.5:1である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1正孔輸送層の膜厚と、第2正孔輸送層の膜厚と、第3正孔輸送層の膜厚との比が1:1.7:1~1:2.2:1である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、正孔注入層の膜厚は、20nm以下である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、正孔注入層の膜厚は、3nm以上である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第4正孔輸送層は、電子障壁層である。
 電子障壁層は、正孔を輸送し、かつ電子が当該電子障壁層よりも陽極側の層(例えば、正孔輸送層)に到達することを阻止する層であることが好ましい。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第4正孔輸送層は励起エネルギーが発光層から周辺層に漏れ出さないように、発光層で生成した励起子が、第4正孔輸送層よりも陽極側の層(例えば、正孔輸送層及び正孔注入層等)に移動することを阻止する層であってもよい。
 本実施形態の有機EL素子において、第4正孔輸送層の膜厚は、15nm以下である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第4正孔輸送層の膜厚は、10nm以下である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第4正孔輸送層の膜厚は、3nm以上である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第4正孔輸送層の膜厚は、第3正孔輸送層の膜厚よりも薄い。本実施形態の有機EL素子は、第3正孔輸送層よりも膜厚が薄い第4正孔輸送層(好ましくは、電子障壁層)を備えていることにより、長寿命化すると考えられる。
(正孔輸送帯域材料)
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1正孔輸送層は、第1正孔輸送帯域材料を含有し、第2正孔輸送層は、第2正孔輸送帯域材料を含有し、第3正孔輸送層は、第3正孔輸送帯域材料を含有する。第1正孔輸送帯域材料と第3正孔輸送帯域材料とは、互いに同一であるか又は異なる。第1正孔輸送帯域材料と第2正孔輸送帯域材料とは、互いに異なる。第3正孔輸送帯域材料と第2正孔輸送帯域材料とは、互いに異なる。
 第1正孔輸送帯域材料は、第1正孔輸送層に含まれる構成材料の1つである。第1正孔輸送層は、第1正孔輸送帯域材料のみ含有していてもよいし、他の材料を含有していてもよい。
 第2正孔輸送帯域材料は、第2正孔輸送層に含まれる構成材料の1つである。第2正孔輸送層は、第2正孔輸送帯域材料のみ含有していてもよいし、他の材料を含有していてもよい。
 第3正孔輸送帯域材料は、第3正孔輸送層に含まれる構成材料の1つである。第3正孔輸送層は、第3正孔輸送帯域材料のみ含有していてもよいし、他の材料を含有していてもよい。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1正孔輸送層及び第3正孔輸送層に含まれる構成材料が、同じであることが好ましい。第1正孔輸送層の屈折率及び膜厚は、それぞれ、第3正孔輸送層の屈折率及び膜厚と同じであるか近似していることが好ましい。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、正孔輸送帯域が正孔注入層を含む場合、正孔注入層は、アクセプター材料を含有する。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、正孔注入層は、アクセプター材料及び第1有機材料を含有する。アクセプター材料と第1有機材料とは、互いに異なる。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、正孔注入層は、1種の材料(すなわち、アクセプター材料)のみで構成されていてもよい。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、アクセプター材料及び第1有機材料は、それぞれ、第2正孔輸送帯域材料と、互いに異なる化合物である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1正孔輸送帯域材料と第1有機材料とが、互いに異なる化合物でもよく、互いに同じ化合物でもよい。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第3正孔輸送帯域材料と第1有機材料とが、互いに異なる化合物でもよく、互いに同じ化合物でもよい。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、正孔輸送帯域が第4正孔輸送層を含む場合、第4正孔輸送層は、第4正孔輸送帯域材料を含有する。第4正孔輸送帯域材料は、第4正孔輸送層に含まれる構成材料の1つである。第4正孔輸送層は、第4正孔輸送帯域材料のみ含有していてもよいし、他の材料を含有していてもよい。
 本実施形態の有機EL素子において、第1正孔輸送層及び第3正孔輸送層は、少なくとも1種の同じ材料を含有する。この条件を満たす態様としては、例えば、化合物AAと化合物ABとは互いに異なる化合物である場合に、第1正孔輸送層が化合物AA及び化合物ABの二種を含有し、第3正孔輸送層が化合物AAの一種を含有する態様が挙げられる。この態様の場合、化合物AAに関して、第1正孔輸送層及び第3正孔輸送層が同じ材料を含有するので、当該条件を満たす。第1正孔輸送層及び第3正孔輸送層がどちらも化合物AAだけを含有する場合も、当該条件を満たす。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1正孔輸送層及び第3正孔輸送層が含有する化合物は、いずれも、第2正孔輸送層が含有する化合物とは、異なる。
 この条件を満たす態様としては、例えば、化合物CAと化合物CBと化合物AAと化合物ABとが互いに異なる化合物である場合に、第2正孔輸送層が化合物AAの一種を含有し、第1正孔輸送層が化合物CAと化合物CBの二種を含有する態様が挙げられる。また、例えば、第2正孔輸送層が化合物AA及び化合物ABの二種を含有し、第1正孔輸送層が化合物CAと化合物CBの二種を含有する場合も、当該条件を満たす態様である。一方、例えば、第2正孔輸送層が化合物AAの一種を含有し、第1正孔輸送層が化合物CA及び化合物AAの二種を含有する場合は、化合物AAに関して、第1正孔輸送層及び第2正孔輸送層が同じ化合物を含有するので、当該条件を満たさない。第3正孔輸送層及び第2正孔輸送層が含有する化合物についても、この第1正孔輸送層及び第2正孔輸送層の例と同様である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1正孔輸送帯域材料の最高被占軌道のエネルギー準位HOMO(cHT1)及び第3正孔輸送帯域材料の最高被占軌道のエネルギー準位HOMO(cHT3)の少なくともいずれかが、-5.6eV以下である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第2正孔輸送帯域材料の最高被占軌道のエネルギー準位HOMO(cHT2)と、第3正孔輸送帯域材料の最高被占軌道のエネルギー準位HOMO(cHT3)との差の絶対値が、下記数式(数B1)の関係を満たす。
 |HOMO(cHT2)-HOMO(cHT3)|≦0.3 …(数B1)
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1正孔輸送帯域材料の正孔移動度μh(cHT1)、第2正孔輸送帯域材料の正孔移動度μh(cHT2)及び第3正孔輸送帯域材料の正孔移動度μh(cHT3)の少なくともいずれかが、1.0×10-5cm/Vsよりも大きい。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、正孔輸送帯域は、第1正孔輸送層と第2正孔輸送層との間に第1混合層を含む。第1混合層は、第1正孔輸送帯域材料及び第2正孔輸送帯域材料を含有する。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1混合層の膜厚は、10nm以上であってもよい。本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1混合層の膜厚は、50nm以下である。本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1混合層の膜厚は、第1正孔輸送層の膜厚よりも薄く、第2正孔輸送層の膜厚よりも薄い。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1正孔輸送層及び第2正孔輸送層を同じ成膜室内で連続して成膜する際に、第1正孔輸送層と第2正孔輸送層との間に第1混合層が形成されてもよい。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、正孔輸送帯域は、第2正孔輸送層と第3正孔輸送層との間に第2混合層を含む。第2混合層は、第2正孔輸送帯域材料及び第3正孔輸送帯域材料を含有する。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第2混合層の膜厚は、10nm以上であってもよい。本実施形態の有機EL素子の一態様において、第2混合層の膜厚は、50nm以下である。本実施形態の有機EL素子の一態様において、第2混合層の膜厚は、第2正孔輸送層の膜厚よりも薄く、第3正孔輸送層の膜厚よりも薄い。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第2正孔輸送層及び第3正孔輸送層を同じ成膜室内で連続して成膜する際に、第2正孔輸送層と第3正孔輸送層との間に第2混合層が形成されてもよい。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1正孔輸送帯域材料、第2正孔輸送帯域材料、第3正孔輸送帯域材料、第4正孔輸送帯域材料及び第1有機材料は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアミノ基を分子中に1つ有するモノアミン化合物、又は置換もしくは無置換のアミノ基を分子中に2つ有するジアミン化合物である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第2正孔輸送帯域材料は、モノアミン化合物である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第3正孔輸送帯域材料は、モノアミン化合物である。
 モノアミン化合物及びジアミン化合物において、アミノ基の窒素原子は、環形成原子ではない。窒素原子がカルバゾール環及びアジン環等の環形成原子である場合、当該窒素原子は、アミノ基としての窒素原子ではない。
 例えば、下記化合物HT-Xは、分子中に2つの窒素原子を含むが、HT-X中の一方の窒素原子は、カルバゾール環の環形成原子であり、他方の窒素原子は、環形成原子ではなく、アミノ基としての窒素原子である。下記化合物HT-Xは、アミノ基の窒素原子に、9-フェニル-3-カルバゾリル基が連結基を介して結合した構造を有する化合物であり、モノアミン化合物である。
 下記化合物HT-Yも、アミノ基の窒素原子に、9-カルバゾリル基が連結基を介して結合した構造を有する化合物であり、モノアミン化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000026
(第1、第2、第3正孔輸送帯域材料)
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1正孔輸送帯域材料、第2正孔輸送帯域材料及び第3正孔輸送帯域材料は、それぞれ独立に、下記一般式(C1)で表される化合物及び下記一般式(C3)で表される化合物からなる群から選択される少なくともいずれかの化合物である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1正孔輸送層、第2正孔輸送層及び第3正孔輸送層は、それぞれ、下記一般式(C1)で表される化合物を含有してもよいが、第2正孔輸送層が含有する化合物と、第1正孔輸送層が含有する化合物とは、分子構造が異なり、第2正孔輸送層が含有する化合物と、第3正孔輸送層が含有する化合物とは、分子構造が異なる。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1正孔輸送層、第2正孔輸送層及び第3正孔輸送層は、それぞれ、下記一般式(C3)で表される化合物を含有してもよいが、第2正孔輸送層が含有する化合物と、第1正孔輸送層が含有する化合物とは、分子構造が異なり、第2正孔輸送層が含有する化合物と、第3正孔輸送層が含有する化合物とは、分子構造が異なる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000027
(前記一般式(C1)において、
 Ar311、Ar312及びAr313は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
  -Si(RC1)(RC2)(RC3)であり、
 RC1、RC2及びRC3は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
 RC1が複数存在する場合、複数のRC1は、互いに同一であるか、又は異なり、
 RC2が複数存在する場合、複数のRC2は、互いに同一であるか、又は異なり、
 RC3が複数存在する場合、複数のRC3は、互いに同一であるか、又は異なり、
 LD1、LD2及びLD3は、それぞれ独立に、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基である。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000028
(前記一般式(C3)において、
 LC1、LC2、LC3及びLC4は、それぞれ独立に、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 n2は、1、2、3又は4であり、
 n2が1の場合、LC5は、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 n2が2、3又は4の場合、複数のLC5は、互いに同一であるか、又は異なり、
 n2が2、3又は4の場合、複数のLC5は、
  互いに結合して置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないLC5は、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 Ar131、Ar132、Ar133及びAr134は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
  -Si(RC1)(RC2)(RC3)であり、
 RC1、RC2及びRC3は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
 RC1が複数存在する場合、複数のRC1は、互いに同一であるか、又は異なり、
 RC2が複数存在する場合、複数のRC2は、互いに同一であるか、又は異なり、
 RC3が複数存在する場合、複数のRC3は、互いに同一であるか、又は異なる。)
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、前記一般式(C3)中の下記一般式(C3-1)で表される第一のアミノ基と、下記一般式(C3-2)で表される第二のアミノ基とが、互いに同じ基でもよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000029
(前記一般式(C3-1)及び(C3-2)において、*は、それぞれ、LC5との結合位置である。)
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、前記一般式(C3)中の下記一般式(C3-1)で表される第一のアミノ基と、下記一般式(C3-2)で表される第二のアミノ基とが、互いに異なる基でもよい。
 前記一般式(C3)で表される化合物において、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基は、-N(RC6)(RC7)で表される基ではなく、RC6及びRC7は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、前記一般式(C1)で表される化合物は、下記一般式(cHT3-1)で表される化合物、一般式(cHT3-2)で表される化合物、一般式(cHT3-3)で表される化合物及び一般式(cHT3-4)で表される化合物からなる群から選択される少なくともいずれかの化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000030
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000031
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000032
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000033
(前記一般式(cHT3-1)、一般式(cHT3-2)、一般式(cHT3-3)及び一般式(cHT3-4)において、
 Ar312、Ar313、LD1、LD2及びLD3は、それぞれ独立に、前記一般式(C1)におけるAr312、Ar313、LD1、LD2及びLD3と同義であり、
 Ar311は、下記一般式(1-a)、一般式(1-b)、一般式(1-c)及び一般式(1-d)のいずれかで表される基であり、
 RD20~RD24のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 RD31~RD38のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 RD40~RD44のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 Xは、酸素原子、硫黄原子又はC(RD45)(RD46)であり、
 RD45及びRD46からなる組が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 RD25、前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないRD20~RD24、RD31~RD38、RD40~RD44、RD45並びにRD46は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  シアノ基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロゲン化アルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 前記一般式(cHT3-1)、一般式(cHT3-2)、一般式(cHT3-3)及び一般式(cHT3-4)で表される化合物中の、R901~R904は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 R901が複数ある場合、複数のR901は、互いに同一であるか、又は異なり、
 R902が複数ある場合、複数のR902は、互いに同一であるか、又は異なり、
 R903が複数ある場合、複数のR903は、互いに同一であるか、又は異なり、
 R904が複数ある場合、複数のR904は、互いに同一であるか、又は異なる。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000034
(前記一般式(1-a)中、
 R51~R55のうち隣接する2つ以上からなる組は、いずれも、互いに結合せず、
 R51~R55は、それぞれ独立に、水素原子又は置換もしくは無置換の炭素数1~6のアルキル基であり、
 **は、LD1との結合位置を表す。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000035
(前記一般式(1-b)中、
 R61~R68のうち1つは、*bに結合する単結合であり、
 *bに結合する単結合ではないR61~R68のうち隣接する2つ以上からなる組は、いずれも、互いに結合せず、
 *bに結合する単結合ではないR61~R68は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~6のアルキル基又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6~12のアリール基であり、
 **は、LD1との結合位置を表す。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000036
(前記一般式(1-c)中、
 R71~R80のうち1つは、*dに結合する単結合であり、
 *dに結合する単結合ではないR71~R80のうち隣接する2つ以上からなる組は、いずれも、互いに結合せず、
 *dに結合する単結合ではないR71~R80は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~6のアルキル基又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6~12のアリール基であり、
 **は、LD1との結合位置を表す。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000037
(前記一般式(1-d)中、
 R141~R145のうち1つは、*h1に結合する単結合であり、R141~R145のうち他の1つは、*h2に結合する単結合であり、
 *h1に結合する単結合ではなく、かつ、*h2に結合する単結合ではないR141~R145のうち隣接する2つ以上からなる組は、いずれも、互いに結合せず、
 R151~R155のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 R161~R165のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 *h1に結合する単結合ではなく、かつ、*h2に結合する単結合ではないR141~R145、並びに前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR151~R155及びR161~R165は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~6のアルキル基又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6~12のアリール基であり、
 **は、LD1との結合位置を表す。)
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、前記一般式(cHT3-1)、一般式(cHT3-2)、一般式(cHT3-3)及び一般式(cHT3-4)で表される化合物において、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基は、-N(RC6)(RC7)で表される基ではなく、RC6及びRC7は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、前記一般式(C1)で表される化合物は、下記一般式(C11)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000038
(前記一般式(C11)において、Ar111、Ar112、Ar113及びLA3は、それぞれ、前記一般式(C1)におけるAr311、Ar312、Ar313及びLD3と同義であり、n1及びn2は、4であり、
 複数のRC11は、互いに同一であるか、又は異なり、
 複数のRC11のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 複数のRC12は、互いに同一であるか、又は異なり、
 複数のRC12のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないRC11及びRC12は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  シアノ基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)、
  -O-(R904)、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
 前記一般式(C1)で表される化合物において、Ar311、Ar312及びAr313の内、少なくとも1つは、下記一般式(21a)、一般式(21b)、一般式(21c)、一般式(21d)及び一般式(21e)で表される基からなる群から選択される基であることが好ましい。
 前記一般式(C11)で表される化合物において、Ar111、Ar112及びAr113の内、少なくとも1つは、下記一般式(21a)、一般式(21b)、一般式(21c)、一般式(21d)及び一般式(21e)で表される基からなる群から選択される基であることが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000039
(前記一般式(21a)、一般式(21b)、一般式(21c)、一般式(21d)及び一般式(21e)において、
 X21は、NR21、CR2223、酸素原子又は硫黄原子であり、
 X21が複数ある場合、複数のX21は、互いに同一であるか、又は異なり、
 X21がCR2223である場合、R22とR23とからなる組が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 R21、並びに前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR22及びR23は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  シアノ基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロゲン化アルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 R211~R218のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR211~R218は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  シアノ基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロゲン化アルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 前記一般式(21a)、一般式(21b)、一般式(21c)、一般式(21d)及び一般式(21e)における*は、それぞれ独立に、LD1、LD2、LD3及びLA3との結合位置である。)
 前記一般式(21a)、一般式(21b)、一般式(21c)、一般式(21d)及び一般式(21e)で表される基からなる群から選択される基ではないAr111、Ar112及びAr113は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリール基であることが好ましく、置換もしくは無置換のフェニル基又は置換もしくは無置換のビフェニル基であることがより好ましい。
 前記一般式(C1)で表される化合物において、Ar311、Ar312及びAr313の内、2つが、前記一般式(21a)、一般式(21b)、一般式(21c)、一般式(21d)及び一般式(21e)で表される基からなる群から選択される基であり、Ar311、Ar312及びAr313の内、その他の1つが、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリール基であることも好ましい。
 前記一般式(C11)で表される化合物において、Ar111、Ar112及びAr113の内、2つが、前記一般式(21a)、一般式(21b)、一般式(21c)、一般式(21d)及び一般式(21e)で表される基からなる群から選択される基であり、Ar111、Ar112及びAr113の内、その他の1つが、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリール基であることも好ましい。
 前記一般式(C1)で表される化合物において、Ar311、Ar312及びAr313の内、1つが、前記一般式(21a)、一般式(21b)、一般式(21c)、一般式(21d)及び一般式(21e)で表される基からなる群から選択される基であり、Ar311、Ar312及びAr313の内、その他の2つが、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリール基であることも好ましい。
 前記一般式(C11)で表される化合物において、Ar111、Ar112及びAr113の内、1つが、前記一般式(21a)、一般式(21b)、一般式(21c)、一般式(21d)及び一般式(21e)で表される基からなる群から選択される基であり、Ar111、Ar112及びAr113の内、その他の2つが、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリール基であることも好ましい。
 前記一般式(C1)で表される化合物において、Ar311、Ar312及びAr313が、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリール基であることも好ましい。
 前記一般式(C11)で表される化合物において、Ar111、Ar112及びAr113が、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリール基であることも好ましい。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第2正孔輸送層が含有する第2正孔輸送帯域材料は、下記一般式(cHT2-1)で表される化合物、一般式(cHT2-2)で表される化合物及び一般式(cHT2-3)で表される化合物からなる群から選択される少なくともいずれかの化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000040
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000041
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000042
(前記一般式(cHT2-1)、一般式(cHT2-2)及び一般式(cHT2-3)において、
 Ar112、Ar113、Ar121,Ar122、Ar123及びAr124は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
  -Si(RC1)(RC2)(RC3)であり、
 RC1、RC2及びRC3は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
 RC1が複数存在する場合、複数のRC1は、互いに同一であるか、又は異なり、
 RC2が複数存在する場合、複数のRC2は、互いに同一であるか、又は異なり、
 RC3が複数存在する場合、複数のRC3は、互いに同一であるか、又は異なり、
 LA1、LA2、LA3、LB1、LB2、LB3及びLB4は、それぞれ独立に、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 nbは、1、2、3又は4であり、
 nbが1の場合、LB5は、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 nbが2、3又は4の場合、複数のLB5は、互いに同一であるか、又は異なり、
 nbが2、3又は4の場合、複数のLB5は、
  互いに結合して置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないLB5は、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 RA35とRA36とからなる組が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 RA25、並びに前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないRA35及びRA36は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  シアノ基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロゲン化アルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 RA20~RA24のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 RA30~RA34のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないRA20~RA24並びにRA30~RA34は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  シアノ基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロゲン化アルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 前記一般式(cHT2-1)、一般式(cHT2-2)及び一般式(cHT2-3)で表される化合物中の、R901~R904は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 R901が複数ある場合、複数のR901は、互いに同一であるか、又は異なり、
 R902が複数ある場合、複数のR902は、互いに同一であるか、又は異なり、
 R903が複数ある場合、複数のR903は、互いに同一であるか、又は異なり、
 R904が複数ある場合、複数のR904は、互いに同一であるか、又は異なる。)
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第2正孔輸送層は、前記一般式(cHT2-1)で表される化合物、一般式(cHT2-2)で表される化合物及び一般式(cHT2-3)で表される化合物からなる群から選択される少なくともいずれかの化合物を含有し、かつ、第3正孔輸送層は、前記一般式(cHT3-1)で表される化合物、一般式(cHT3-2)で表される化合物、一般式(cHT3-3)で表される化合物及び一般式(cHT3-4)で表される化合物からなる群から選択される少なくともいずれかの化合物を含有する。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第2正孔輸送帯域材料は、下記一般式(2-a)で表される基、一般式(2-b)で表される基、一般式(2-c)で表される基、一般式(2-d)で表される基、一般式(2-e)で表される基及び一般式(2-f)で表される基からなる群から選択される少なくとも1種の基を有する。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において第2正孔輸送帯域材料は、置換もしくは無置換のアミノ基を分子中に1つ有するモノアミン化合物であり、下記一般式(2-a)で表される基、一般式(2-b)で表される基、一般式(2-c)で表される基、一般式(2-d)で表される基、一般式(2-e)で表される基及び一般式(2-f)で表される基は、それぞれ独立に、前記モノアミン化合物のアミノ基の窒素原子に対して、直接結合するか、フェニレン基を介して結合するか、又はビフェニレン基を介して結合する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000043
(前記一般式(2-a)中、
 R251~R255のうち隣接する2つ以上からなる組は、いずれも、互いに結合せず、
 R251~R255は、それぞれ独立に、
  水素原子、又は
  置換もしくは無置換の炭素数1~6のアルキル基であり、
 **は、結合位置を表す。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000044
(前記一般式(2-b)中、
 R261~R268のうち1つは、*bに結合する単結合であり、
 *bに結合する単結合ではないR261~R268のうち隣接する2つ以上からなる組は、いずれも、互いに結合せず、
 *bに結合する単結合ではないR261~R268は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~6のアルキル基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~12のアリール基であり、
 **は、結合位置を表す。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000045
(前記一般式(2-c)中、
 R271~R282のうち1つは、*cに結合する単結合であり、
 *cに結合する単結合ではないR271~R282のうち隣接する2つ以上からなる組は、いずれも、互いに結合せず、
 *cに結合する単結合ではないR271~R282は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~6のアルキル基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~12のアリール基であり、
 **は、結合位置を表す。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000046
(前記一般式(2-d)中、
 R291~R300のうち1つは、*dに結合する単結合であり、
 *dに結合する単結合ではないR291~R300のうち隣接する2つ以上からなる組は、いずれも、互いに結合せず、
 *dに結合する単結合ではないR291~R300は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~6のアルキル基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~12のアリール基であり、
 **は、結合位置を表す。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000047
(前記一般式(2-e)中、
 Zは、酸素原子、硫黄原子、NR319又はC(R320)(R321)であり、
 R311~R321のうち1つが、*eに結合する単結合であるか、又はR311~R318のうち隣接する2つ以上からなる組が互いに結合して形成する下記の置換もしくは無置換のベンゼン環のいずれかの炭素原子が*eに単結合で結合し、
 *eに結合する単結合ではないR311~R318のうち隣接する2つ以上からなる組が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換のベンゼン環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 *eに結合する単結合ではなく、かつ、前記置換もしくは無置換のベンゼン環を形成しないR311~R318は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~6のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~12のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~10の複素環基であり、
 *eに結合する単結合ではないR319は、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~6のアルキル基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~12のアリール基であり、
 *eに結合する単結合ではないR320及びR321からなる組が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 *eに結合する単結合ではなく、かつ、前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR320及びR321は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~6のアルキル基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~12のアリール基であり、
 **は、結合位置を表す。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000048
(前記一般式(2-f)中、
 R341~R345のうち1つは、*h1に結合する単結合であり、R341~R345のうち他の1つは、*h2に結合する単結合であり、
 *h1に結合する単結合ではなく、かつ、*h2に結合する単結合ではないR341~R345のうち隣接する2つ以上からなる組は、いずれも、互いに結合せず、
 R351~R355のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 R361~R365のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 *h1に結合する単結合ではなく、かつ、*h2に結合する単結合ではないR341~R345、並びに前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR351~R355及びR361~R365は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~6のアルキル基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~12のアリール基であり、
 **は、結合位置を表す。)
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、前記一般式(2-a)で表される基、一般式(2-b)で表される基、一般式(2-c)で表される基、一般式(2-d)で表される基、一般式(2-e)で表される基及び一般式(2-f)で表される基は、それぞれ独立に、前記モノアミン化合物のアミノ基の窒素原子に対して、直接結合するか、フェニレン基を介して結合するか、又はビフェニレン基を介して結合する。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第2正孔輸送帯域材料は、前記一般式(cHT2-1)で表される化合物であり、かつ、Ar112及びAr113の少なくともいずれかが、前記一般式(2-a)で表される基、一般式(2-b)で表される基、一般式(2-c)で表される基、一般式(2-d)で表される基、一般式(2-e)で表される基及び一般式(2-f)で表される基からなる群から選択される基である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第2正孔輸送帯域材料は、前記一般式(cHT2-2)で表される化合物であり、かつ、Ar112及びAr113の少なくともいずれかが、前記一般式(2-a)で表される基、一般式(2-b)で表される基、一般式(2-c)で表される基、一般式(2-d)で表される基、一般式(2-e)で表される基及び一般式(2-f)で表される基からなる群から選択される基である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第2正孔輸送帯域材料は、前記一般式(cHT2-3)で表される化合物であり、かつ、Ar121、Ar122、Ar123及びAr124の少なくともいずれかが、前記一般式(2-a)で表される基、一般式(2-b)で表される基、一般式(2-c)で表される基、一般式(2-d)で表される基、一般式(2-e)で表される基及び一般式(2-f)で表される基からなる群から選択される基である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1正孔輸送帯域材料及び第3正孔輸送帯域材料は、それぞれ独立に、前記一般式(2-a)で表される基、一般式(2-b)で表される基、一般式(2-c)で表される基、一般式(2-d)で表される基、一般式(2-e)で表される基及び一般式(2-f)で表される基からなる群から選択される少なくとも1種の基を有する。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1正孔輸送帯域材料及び第3正孔輸送帯域材料は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアミノ基を分子中に1つ有するモノアミン化合物であり、前記一般式(2-a)で表される基、一般式(2-b)で表される基、一般式(2-c)で表される基、一般式(2-d)で表される基、一般式(2-e)で表される基及び一般式(2-f)で表される基は、それぞれ独立に、前記モノアミン化合物のアミノ基の窒素原子に対して、直接結合するか、フェニレン基を介して結合するか、又はビフェニレン基を介して結合する。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、前記一般式(2-e)で表される基は、下記一般式(2-e1)、一般式(2-e2)又は一般式(2-e3)で表される基である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000049
(前記一般式(2-e1)、一般式(2-e2)及び一般式(2-e3)中、
 Zは、酸素原子、硫黄原子、NR319又はC(R320)(R321)であり、
 R311~R325のうち1つが、*eに結合する単結合であり、
 *eに結合する単結合ではないR311~R318並びにR322~R325は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~6のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~12のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~10の複素環基であり、
 *eに結合する単結合ではないR319は、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~6のアルキル基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~12のアリール基であり、
 *eに結合する単結合ではないR320及びR321からなる組が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 *eに結合する単結合ではなく、かつ、前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR320及びR321は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~6のアルキル基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~12のアリール基であり、
 **は、結合位置を表す。)
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、前記一般式(2-a)、(2-b)、(2-c)、(2-d)、(2-e)、(2-f)、(2-e1)、(2-e2)及び(2-e3)中の**は、それぞれ独立に、LA2、LA3、LD1、LD2もしくはLD3との結合位置であるか、又は、アミノ基の窒素原子との結合位置である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第2正孔輸送帯域材料は、分子中にチオフェン環を含まない化合物である。
(第1有機材料)
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、正孔注入層が含有する第1有機材料は、前記一般式(C1)で表される化合物、一般式(cHT2-1)で表される化合物、一般式(cHT2-2)で表される化合物及び一般式(cHT2-3)で表される化合物からなる群から選択される少なくともいずれかの化合物である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、正孔注入層が含有する第1有機材料は、モノアミン化合物である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1有機材料は、前記一般式(2-a)で表される基、一般式(2-b)で表される基、一般式(2-c)で表される基、一般式(2-d)で表される基、一般式(2-e)で表される基及び一般式(2-f)で表される基からなる群から選択される少なくとも1種の基を有する。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1有機材料は、置換もしくは無置換のアミノ基を分子中に1つ有するモノアミン化合物であり、前記一般式(2-a)で表される基、一般式(2-b)で表される基、一般式(2-c)で表される基、一般式(2-d)で表される基、一般式(2-e)で表される基及び一般式(2-f)で表される基は、それぞれ独立に、前記モノアミン化合物のアミノ基の窒素原子に対して、直接結合するか、フェニレン基を介して結合するか、又はビフェニレン基を介して結合する。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1有機材料は、前記一般式(cHT2-1)で表される化合物及び一般式(cHT2-2)で表される化合物からなる群から選択されるいずれかの化合物である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1有機材料としての前記一般式(cHT2-1)で表される化合物及び一般式(cHT2-2)で表される化合物は、モノアミン化合物である。
(第4正孔輸送帯域材料)
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第4正孔輸送層は、第4正孔輸送帯域材料を含有する。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第4正孔輸送帯域材料と第3正孔輸送帯域材料とが、互いに異なる化合物である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第4正孔輸送帯域材料と第3正孔輸送帯域材料と第2正孔輸送帯域材料と第1正孔輸送帯域材料とが、互いに異なる化合物である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第4正孔輸送層は、前記一般式(C1)で表される化合物又は前記一般式(C3)で表される化合物を含有する。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第3正孔輸送層及び第4正孔輸送層は、それぞれ、前記一般式(C1)で表される化合物を含有してもよいが、第3正孔輸送層が含有する化合物と、第4正孔輸送層が含有する化合物とは、分子構造が異なる。前記一般式(C1)で表される化合物は、モノアミン化合物であることが好ましい。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第4正孔輸送層が電子障壁層である場合、電子障壁層が含有する化合物(第4正孔輸送帯域材料)は、例えば、公知の電子障壁層に用いられている化合物であり、芳香族アミン化合物及びカルバゾール誘導体からなる群から選択される少なくともいずれかの化合物である。また、電子障壁層が含有する化合物は、モノアミン化合物でもよい。また、電子障壁層が含有する化合物は、置換もしくは無置換のカルバゾリル基と、1つの置換もしくは無置換のアミノ基とを分子中に有する化合物でもよい。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1正孔輸送層と、第2正孔輸送層と、第3正孔輸送層と、第4正孔輸送層とが、それぞれ異なる化合物を1つ以上含む。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第4正孔輸送層は、イオン化ポテンシャルが5.6eV以上の化合物を1つ以上含有する。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第4正孔輸送帯域材料のイオン化ポテンシャルが5.6eV以上である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第4正孔輸送帯域材料のイオン化ポテンシャルが6.5eV以下である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、正孔注入層、第1正孔輸送層、第2正孔輸送層、第3正孔輸送層及び第4正孔輸送層は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアミノ基を分子中に1つだけ有するモノアミン化合物を含有する。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、正孔注入層、第1正孔輸送層、第2正孔輸送層、第3正孔輸送層及び第4正孔輸送層は、ジアミン化合物を含有しない。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1正孔輸送層、第2正孔輸送層、第3正孔輸送層及び第4正孔輸送層の少なくともいずれかの有機層は、ジアミン化合物を含有することもできる。前記一般式(C3)で表される化合物は、ジアミン化合物であることが好ましい。
 本実施形態に係る有機EL素子において、正孔輸送帯域の各層が含有する化合物中のR901、R902、R903及びR904は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 R901が複数存在する場合、複数のR901は、互いに同一であるか又は異なり、
 R902が複数存在する場合、複数のR902は、互いに同一であるか又は異なり、
 R903が複数存在する場合、複数のR903は、互いに同一であるか又は異なり、
 R904が複数存在する場合、複数のR904は、互いに同一であるか又は異なる。
 本実施形態において、「置換もしくは無置換」と記載された基は、いずれも「無置換」の基であることが好ましい。
 本実施形態において、第1正孔輸送帯域材料、第2正孔輸送帯域材料、第3正孔輸送帯域材料、第4正孔輸送帯域材料及び正孔注入層が含有する第1有機材料を、正孔輸送帯域材料と称する場合がある。
 本実施形態に係る有機EL素子において、正孔輸送帯域材料は、分子中に置換もしくは無置換の3-カルバゾリル基を含んでいる化合物でもよい。また、本実施形態に係る有機EL素子において、正孔輸送帯域材料は、分子中に置換もしくは無置換の3-カルバゾリル基を含まない化合物でもよい。
(正孔輸送帯域材料の製造方法)
 本実施形態に係る正孔輸送帯域材料は、公知の方法により製造でき、又は当該方法に倣い、目的物に合わせた既知の代替反応及び原料を用いることで、製造できる。
(正孔輸送帯域材料の具体例)
 本実施形態に係る正孔輸送帯域材料の具体例としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。ただし、本発明は、これら具体例に限定されない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000050
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000051
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000052
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000053
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000054
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000055
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000056
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000057
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000058
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000059
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000060
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000061
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000062
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000063
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000064
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000065
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000066
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000067
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000068
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000069
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000070
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000071
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000072
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000073
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000074
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000075
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000076
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000077
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000078
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000079
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000080
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000081
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000082
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000083
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000084
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000085
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000086
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000087
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000088
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000089
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000090
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000091
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000092
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000093
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000094
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000095
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000096
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000097
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000098
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000099
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000100
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000101
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000102
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000103
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000104
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000105
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000106
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000107
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000108
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000109
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000110
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000111
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000112
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000113
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000114
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000115
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000116
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000117
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000118
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000119
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000120
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000121
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000122
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000123
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000124
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000125
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000126
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000127
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000128
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000129
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000130
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000131
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000132
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000133
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000134
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1正孔輸送層が含有する化合物(第1正孔輸送帯域材料)及び第3正孔輸送帯域材料は、それぞれ独立に、次に列挙する化合物群から選択される少なくとも一種の化合物であることが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000135
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000136
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000137
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000138
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000139
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1正孔輸送層が含有する化合物(第1正孔輸送帯域材料)及び第3正孔輸送帯域材料は、それぞれ独立に、次に列挙する化合物群から選択される少なくとも一種の化合物であることがより好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000140
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000141
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000142
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第2正孔輸送層が含有する化合物(第2正孔輸送帯域材料)は、次に列挙する化合物群から選択される少なくとも一種の化合物であることが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000143
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000144
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000145
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第2正孔輸送層が含有する化合物(第2正孔輸送帯域材料)は、次に列挙する化合物群から選択される少なくとも一種の化合物であることがより好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000146
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000147
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000148
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、正孔注入層が含有する化合物(第1有機材料)は、次に列挙する化合物群から選択される少なくとも一種の化合物であることが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000149
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000150
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第4正孔輸送層が含有する化合物(第4正孔輸送帯域材料)は、次に列挙する化合物群から選択される少なくとも一種の化合物であることが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000151
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000152
 本実施形態に係る正孔輸送帯域材料の具体例として、以上の例示した化合物群の中から適宜選択して用いることができる。
 なお、第1正孔輸送層、第2正孔輸送層及び第3正孔輸送層のいずれかが含有する化合物として例示した化合物が、他の層の例示として重複して示されている場合があるが、本実施形態において、第1正孔輸送層、第2正孔輸送層及び第3正孔輸送層に用い得る化合物として、例示された化合物群の中から互いに異なる化合物を適宜選択することができる。
(アクセプター材料)
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、アクセプター材料は、下記一般式(P11)で表される第一の環構造及び下記一般式(P12)で表される第二の環構造の少なくともいずれかを含む。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000153
(前記一般式(P11)で表される第一の環構造は、前記アクセプター材料の分子中で、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環及び置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環の少なくともいずれかの環構造と縮合し、
 =X10で表される構造は、下記一般式(11a)、(11b)、(11c)、(11d)、(11e)、(11f)、(11g)、(11h)、(11i)、(11j)、(11k)又は(11m)で表される。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000154
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000155
(前記一般式(11a)、(11b)、(11c)、(11d)、(11e)、(11f)、(11g)、(11h)、(11i)、(11j)、(11k)又は(11m)中、R11~R14並びにR111~R120は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  ハロゲン原子、
  ヒドロキシ基、
  シアノ基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロゲン化アルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
(前記一般式(P12)において、X~Xは、それぞれ独立に、
  窒素原子、
  R15と結合する炭素原子、又は
  前記アクセプター材料の分子中の他の原子と結合する炭素原子であり、
 X~Xの内、少なくとも1つは、前記アクセプター材料の分子中の他の原子と結合する炭素原子であり、
 R15は、
  水素原子、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロゲン化アルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
  カルボキシ基、
  置換もしくは無置換のエステル基、
  置換もしくは無置換のカルバモイル基、
  ニトロ基、及び
  置換もしくは無置換のシロキサニル基からなる群から選択され、
 R15が複数存在する場合、複数のR15は互いに同一であるか、又は異なる。)
(前記アクセプター材料中、R901~R907は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 R901が複数ある場合、複数のR901は、互いに同一であるか、又は異なり、
 R902が複数ある場合、複数のR902は、互いに同一であるか、又は異なり、
 R903が複数ある場合、複数のR903は、互いに同一であるか、又は異なり、
 R904が複数ある場合、複数のR904は、互いに同一であるか、又は異なり、
 R905が複数ある場合、複数のR905は、互いに同一であるか、又は異なり、
 R906が複数ある場合、複数のR906は、互いに同一であるか、又は異なり、
 R907が複数ある場合、複数のR907は、互いに同一であるか、又は異なる。)
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、アクセプター材料は、少なくとも1つのシアノ基を有する。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、正孔注入層は、第1有機材料を含有する。アクセプター材料と第1有機材料とは、互いに異なる。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、正孔注入層中のアクセプター材料の含有量が、50質量%未満である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、正孔注入層中のアクセプター材料の含有量が、10質量%以下であるか、5質量%以下である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、正孔注入層中のアクセプター材料の含有量が、1質量%以上、3質量%以下である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、正孔注入層が、アクセプター材料及び第1有機材料を含有する場合、正孔注入層中の第1有機材料の含有量は、40質量%以上であることが好ましく、45質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることがさらに好ましい。正孔注入層中の第一の正孔輸送帯域材料の含有量は、99.5質量%以下であることが好ましい。正孔注入層中のアクセプター材料及び第1有機材料の含有量の合計は、100質量%以下である。
 本明細書におけるエステル基は、アルキルエステル基及びアリールエステル基からなる群から選択される少なくともいずれかの基である。
 本明細書におけるアルキルエステル基は、例えば、-C(=O)ORで表される。Rは、例えば、置換もしくは無置換の炭素数1~50(好ましくは炭素数1~10)のアルキル基である。
 本明細書におけるアリールエステル基は、例えば、-C(=O)ORArで表される。RArは、例えば、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリール基である。
 本明細書におけるシロキサニル基は、エーテル結合を介したケイ素化合物基であり、例えば、トリメチルシロキサニル基である。
 本明細書におけるカルバモイル基は、-CONHで表される。
 本明細書における置換のカルバモイル基は、例えば、-CONH-Ar、又は-CONH-Rで表される。Arは、例えば、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50(好ましくは環形成炭素数6~10)のアリール基及び環形成原子数5~50(好ましくは環形成原子数5~14)の複素環基からなる群から選択される少なくともいずれかの基である。Arは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基と置換もしくは無置換の環形成原子数5~50複素環基とが結合した基であってもよい。
 Rは、例えば、置換もしくは無置換の炭素数1~50(好ましくは炭素数1~6)のアルキル基である。
 アクセプター材料において、「置換もしくは無置換」と記載された基は、いずれも「無置換」の基であることが好ましい。
(アクセプター材料の具体例)
 アクセプター材料の具体例としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。ただし、本発明は、これらアクセプター材料の具体例に限定されない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000156
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000157
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000158
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000159
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000160
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000161
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000162
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000163
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000164
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000165
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000166
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000167
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000168
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000169
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000170
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000171
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000172
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000173
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000174
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000175
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000176
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000177
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000178
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000179
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000180
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000181
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000182
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000183
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000184
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000185
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000186
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000187
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000188
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000189
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000190
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000191
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000192
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000193
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000194
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000195
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000196
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000197
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000198
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000199
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000200
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000201
<発光領域>
 発光領域は、正孔輸送帯域と電子輸送帯域との間に配置される。発光領域は、少なくとも1つの発光層を含む。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、発光領域は、ホスト材料及び最大ピーク波長が500nm以下の発光を示す発光性化合物を含有する発光層を含む。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、発光性化合物の最大ピークの半値幅は、1nm以上、30nm以下である。
(第1発光層)
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、当該少なくとも1つの発光層として、第1発光層を含む。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1発光層は、第1ホスト材料を含む。第1ホスト材料としては、特に限定されないが、例えば、後述する一般式(H1)で表される化合物、後述する一般式(H20)で表される化合物及び後述する第1化合物からなる群から選択される化合物を用いることができる。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1発光層は、第1発光性化合物を含有する。第1発光性化合物としては、特に限定されない。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1発光層は、第1ホスト材料と、第1発光性化合物と、を含有する。
 第1発光性化合物は、最大ピーク波長が500nm以下の発光を示す化合物であることが好ましく、最大ピーク波長が430nm以上480nm以下の発光を示す化合物であることがより好ましい。第1発光性化合物は、最大ピーク波長が500nm以下の蛍光発光を示す蛍光発光性化合物であることが好ましく、最大ピーク波長が430nm以上480nm以下の蛍光発光を示す蛍光発光性化合物であることがより好ましい。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1発光層は、第1ホスト材料と、最大ピーク波長が500nm以下の発光を示す第1発光性化合物と、を含有する。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1発光性化合物の最大ピークの半値幅は、1nm以上、30nm以下である。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1発光性化合物は、分子中にアジン環構造を含まない化合物である。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1発光性化合物は、ホウ素含有錯体ではないことが好ましく、第1発光性化合物は、錯体ではないことがより好ましい。
 第1発光層に用いることができる青色で蛍光発光する蛍光発光性化合物として、例えば、ピレン誘導体、スチリルアミン誘導体、クリセン誘導体、フルオランテン誘導体、フルオレン誘導体、ジアミン誘導体及びトリアリールアミン誘導体等を使用できる。
 本明細書において、青色の発光とは、発光スペクトルの最大ピーク波長が430nm以上、500nm以下の範囲内である発光をいう。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、発光領域は、2以上の発光層を含む。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、発光領域が2以上の発光層を含む場合、2以上の発光層は、いずれも蛍光発光性の発光層である。
 すなわち、本実施形態の有機EL素子の一態様において、発光領域中に含まれる発光層は、いずれも蛍光発光性の発光層である。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1発光層は、金属錯体を含有しない。また、本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1発光層は、ホウ素含有錯体を含有しない。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1発光層は、燐光発光性材料(ドーパント材料)を含まない。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1発光層は、重金属錯体及び燐光発光性の希土類金属錯体を含まない。ここで、重金属錯体としては、例えば、イリジウム錯体、オスミウム錯体、及び白金錯体等が挙げられる。
 化合物の最大ピーク波長の測定方法は、次の通りである。測定対象となる化合物の5μmol/Lトルエン溶液を調製して石英セルに入れ、常温(300K)でこの試料の発光スペクトル(縦軸:発光強度、横軸:波長とする。)を測定する。発光スペクトルは、株式会社日立ハイテクサイエンス製の分光蛍光光度計(装置名:F-7000)により測定できる。なお、発光スペクトル測定装置は、ここで用いた装置に限定されない。
 発光スペクトルにおいて、発光強度が最大となる発光スペクトルのピーク波長を最大ピーク波長とする。なお、本明細書において、蛍光発光の最大ピーク波長を蛍光発光最大ピーク波長(FL-peak)と称する場合がある。
 第1発光性化合物の発光スペクトルにおいて、発光強度が最大となるピークを最大ピークとし、当該最大ピークの高さを1としたとき、当該発光スペクトルに現れる他のピークの高さは、0.6未満であることが好ましい。なお、発光スペクトルにおけるピークは、極大値とする。
 また、第1発光性化合物の発光スペクトルにおいて、ピークの数が3つ未満であることが好ましい。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1発光層は、第1発光性化合物を、第1発光層の全質量の0.5質量%以上含有する。
 第1発光層は、第1発光性化合物を、第1発光層の全質量の10質量%以下、含有することが好ましく、第1発光層の全質量の7質量%以下、含有することがより好ましく、第1発光層の全質量の5質量%以下、含有することがさらに好ましい。
 本明細書において、「ホスト材料」とは、例えば、「層の50質量%以上」含まれる材料である。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1発光層は、第1ホスト材料を、第1発光層の全質量の60質量%以上、含有することが好ましく、第1発光層の全質量の70質量%以上、含有することがより好ましく、第1発光層の全質量の80質量%以上、
含有することがさらに好ましく、第1発光層の全質量の90質量%以上、含有することがよりさらに好ましく、第1発光層の全質量の95質量%以上、含有することがさらになお好ましい。
 第1発光層は、第1ホスト材料を、第1発光層の全質量の99.5質量%以下、含有することが好ましい。
 ただし、第1発光層が第1ホスト材料と第1発光性化合物とを含有する場合、第1ホスト材料及び第1発光性化合物の合計含有率の上限は、100質量%である。
 なお、本実施形態に係る有機EL素子は、第1発光層に、第1ホスト材料と第1発光性化合物以外の材料が含まれることを除外しない。
 第1発光層は、第1ホスト材料を1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。第1発光層は、第1発光性化合物を1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。
(第1ホスト材料)
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1ホスト材料は、少なくとも1つの重水素原子を有する。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1ホスト材料は、重水素原子を有さない。
・一般式(H1)で表される化合物
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1ホスト材料は、下記一般式(H1)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000202
(前記一般式(H1)において、
 R301~R308は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
  -C(=O)R801で表される基、
  -COOR802で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 L301及びL302は、それぞれ独立に、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 Ar301及びAr302は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
(前記一般式(H1)で表される化合物中、R901、R902、R903、R904、R905、R906、R907、R801及びR802は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 R901が複数存在する場合、複数のR901は、互いに同一であるか又は異なり、
 R902が複数存在する場合、複数のR902は、互いに同一であるか又は異なり、
 R903が複数存在する場合、複数のR903は、互いに同一であるか又は異なり、
 R904が複数存在する場合、複数のR904は、互いに同一であるか又は異なり、
 R905が複数存在する場合、複数のR905は、互いに同一であるか又は異なり、
 R906が複数存在する場合、複数のR906は、互いに同一であるか又は異なり、
 R907が複数存在する場合、複数のR907は、互いに同一であるか又は異なり、
 R801が複数存在する場合、複数のR801は、互いに同一であるか又は異なり、
 R802が複数存在する場合、複数のR802は、互いに同一であるか又は異なる。)
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、
 Ar301及びAr302は、それぞれ独立に、
  フェニル基、
  ナフチル基、
  フェナントリル基、
  ビフェニル基、
  ターフェニル基、
  ジフェニルフルオレニル基、
  ジメチルフルオレニル基、
  ベンゾジフェニルフルオレニル基、
  ベンゾジメチルフルオレニル基、
  ジベンゾフラニル基、
  ジベンゾチエニル基、
  ナフトベンゾフラニル基、又は
  ナフトベンゾチエニル基である。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、L301は、単結合、又は無置換の環形成炭素数6~22のアリーレン基であり、Ar301は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~22のアリール基である。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、R301~R308は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、又は-Si(R901)(R902)(R903)で表される基である。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、R301~R308は、水素原子である。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、L302が単結合であり、Ar302が無置換のフェニル基である。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、L302が単結合であり、Ar302が無置換の2-ナフチル基である。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、L302が単結合であり、Ar302が無置換の1-ナフチル基である。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、L302が無置換のp-フェニレン基であり、Ar302が無置換のフェニル基である。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、L302が無置換のm-フェニレン基であり、Ar302が無置換のフェニル基である。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、L302が無置換のo-フェニレン基であり、Ar302が無置換のフェニル基である。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、L302が無置換のp-フェニレン基であり、Ar302が無置換の1-ナフチル基である。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、L302が無置換のp-フェニレン基であり、Ar302が無置換の2-ナフチル基である。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、L302が無置換の1,4-ナフタレンジイル基であり、Ar302が無置換のフェニル基である。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、L302が無置換のm-フェニレン基であり、Ar302が無置換の2-ナフチル基である。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、R301~R308は、それぞれ独立に、少なくとも1つの重水素原子を有する。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、L301、L302、Ar301及びAr302は、それぞれ独立に、少なくとも1つの重水素原子を有する。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1ホスト材料は、下記一般式(H10)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000203
(前記一般式(H10)において、Ar301、R301~R308、L301及びL302は、それぞれ独立に、前記一般式(H1)におけるAr301、R301~R308、L301及びL302と同義であり、
 Xは、酸素原子又は硫黄原子であり、
 3つのR310のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 R311~R314のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、又は
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成し、
 前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR310~R314は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である)
(前記一般式(H10)で表される化合物中、R901、R902、R903、R904、R905、R906及びR907は、それぞれ独立に、前記一般式(H1)におけるR901、R902、R903、R904、R905、R906及びR907と同義である。)
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、前記一般式(H10)におけるR311~R314のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換のベンゼン環を形成する。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、R301~R308は、それぞれ独立に、少なくとも1つの重水素原子を有する。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、L301、L302、Ar301及びR310~R314は、それぞれ独立に、少なくとも1つの重水素原子を有する。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1ホスト材料は、下記一般式(H31)、(H32)又は(H33)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000204
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000205
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000206
(前記一般式(H31)、(H32)及び(H33)において、X、R301~R308、R310~R314、L301、L302及びAr301は、それぞれ独立に、前記一般式(H10)におけるX、R301~R308、R310~R314、L301、L302及びAr301と同義であり、
 R321~R324は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1ホスト材料は、下記一般式(H301)又は(H302)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000207
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000208
(前記一般式(H301)及び(H302)において、X、R301~R308、R311~R314、L301、L302及びAr301は、それぞれ独立に、前記一般式(H10)におけるX、R301~R308、R311~R314、L301、L302及びAr301と同義であり、
 R315~R317のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR315~R317は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1ホスト材料は、下記一般式(H311)、(H312)、(H321)、(H322)、(H331)又は(H332)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000209
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000210
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000211
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000212
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000213
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000214
(前記一般式(H311)、(H312)、(H321)、(H322)、(H331)及び(H332)において、X、R301~R308、L301、L302及びAr301は、それぞれ独立に、前記一般式(H10)におけるX、R301~R308、L301、L302及びAr301と同義であり、
 R311~R317及びR321~R324は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1ホスト材料のL301及びL302は、それぞれ独立に、単結合、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6~14のアリーレン基である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1ホスト材料のL301及びL302が、それぞれ独立に、単結合、置換もしくは無置換のフェニレン基、又は置換もしくは無置換のナフチレン基である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1ホスト材料のL301及びL302が、単結合である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1ホスト材料が、下記一般式(H313)、(H314)、(H323)、(H324)、(H333)又は(H334)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000215
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000216
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000217
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000218
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000219
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000220
(前記一般式(H313)、(H314)、(H323)、(H324)、(H333)及び(H334)において、X、R301~R308、及びAr301は、それぞれ独立に、前記一般式(H10)におけるX、R301~R308、及びAr301と同義であり、
 R311~R317、及びR321~R324は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1ホスト材料のR311~R317、R321~R324は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1ホスト材料のR311~R317、及びR321~R324は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1ホスト材料のAr301が、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1ホスト材料のAr301が、下記一般式(a1)、(a2)、(a3)又は(a4)で表される基である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000221
(前記一般式(a1)、(a2)、(a3)及び(a4)において、
 R330~R335のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 R341~R348のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR330~R335並びにR341~R348は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 複数のR330は、互いに同一であるか又は異なり、
 *は、L301との結合位置を示す。)
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1ホスト材料のAr301は、前記一般式(a1)又は(a2)で表される基である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1ホスト材料のR330~R335並びにR341~R348は、水素原子である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1ホスト材料のXは酸素原子である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1ホスト材料のR301~R308は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1ホスト材料のR301~R308は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第1ホスト材料のR301~R308は、水素原子である。
・一般式(H20)で表される化合物
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1ホスト材料は、下記一般式(H20)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000222
(前記一般式(H20)において、
 R201~R208は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  下記一般式(H21)で表される基である。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000223
(前記一般式(H20)及び(H21)において、
 L201、L202及びL203は、それぞれ独立に、
  単結合、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基であり、
 Ar201、Ar202及びAr203は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。)
(前記一般式(H20)中、R901、R902、R903、R904、R905、R906及びR907は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 R901が複数存在する場合、複数のR901は、互いに同一であるか又は異なり、
 R902が複数存在する場合、複数のR902は、互いに同一であるか又は異なり、
 R903が複数存在する場合、複数のR903は、互いに同一であるか又は異なり、
 R904が複数存在する場合、複数のR904は、互いに同一であるか又は異なり、
 R905が複数存在する場合、複数のR905は、互いに同一であるか又は異なり、
 R906が複数存在する場合、複数のR906は、互いに同一であるか又は異なり、
 R907が複数存在する場合、複数のR907は、互いに同一であるか又は異なる。)
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、Ar201、Ar202及びAr203は、それぞれ独立に、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ジフェニルフルオレニル基、ジメチルフルオレニル基、ベンゾジフェニルフルオレニル基、ベンゾジメチルフルオレニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、ナフトベンゾフラニル基、又はナフトベンゾチエニル基である。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、R201~R208は、それぞれ独立に、少なくとも1つの重水素原子を有する。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、L201、L202、L203、Ar201、Ar202及びAr203は、それぞれ独立に、少なくとも1つの重水素原子を有する。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、前記一般式(H20)で表される化合物は、下記一般式(201)、一般式(202)、一般式(203)、一般式(204)、一般式(205)、一般式(206)、一般式(207)、一般式(208)又は一般式(209)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000224
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000225
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000226
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000227
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000228
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000229
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000230
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000231
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000232
(前記一般式(201)~(209)中、L201及びAr201は、前記一般式(H20)におけるL201及びAr201と同義であり、R201~R208は、それぞれ独立に、前記一般式(H20)におけるR201~R208と同義である。)
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、前記一般式(H20)で表される化合物は、下記一般式(221)、一般式(222)、一般式(223)、一般式(224)、一般式(225)、一般式(226)、一般式(227)、一般式(228)又は一般式(229)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000233
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000234
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000235
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000236
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000237
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000238
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000239
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000240
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000241
(前記一般式(221)、一般式(222)、一般式(223)、一般式(224)、一般式(225)、一般式(226)、一般式(227)、一般式(228)及び一般式(229)において、
 R201並びにR203~R208は、それぞれ独立に、前記一般式(H20)におけるR201並びにR203~R208と同義であり、
 L201及びAr201は、それぞれ、前記一般式(H20)におけるL201及びAr201と同義であり、
 L203は、前記一般式(H21)におけるL203と同義であり、
 L203とL201は、互いに同一であるか、又は異なり、
 Ar203は、前記一般式(H21)におけるAr203と同義であり、
 Ar203とAr201は、互いに同一であるか、又は異なる。)
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、前記一般式(H20)で表される化合物は、下記一般式(241)、一般式(242)、一般式(243)、一般式(244)、一般式(245)、一般式(246)、一般式(247)、一般式(248)又は一般式(249)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000242
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000243
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000244
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000245
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000246
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000247
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000248
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000249
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000250
(前記一般式(241)、一般式(242)、一般式(243)、一般式(244)、一般式(245)、一般式(246)、一般式(247)、一般式(248)及び一般式(249)において、
 R201、R202並びにR204~R208は、それぞれ独立に、前記一般式(H20)におけるR201、R202並びにR204~R208と同義であり、
 L201及びAr201は、それぞれ、前記一般式(H20)におけるL201及びAr201と同義であり、
 L203は、前記一般式(H21)におけるL203と同義であり、
 L203とL201は、互いに同一であるか、又は異なり、
 Ar203は、前記一般式(H21)におけるAr203と同義であり、
 Ar203とAr201は、互いに同一であるか、又は異なる。)
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、前記一般式(H20)中、R201~R208は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、又は-Si(R901)(R902)(R903)で表される基である。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、前記一般式(H20)中、L201は、単結合、又は無置換の環形成炭素数6~22のアリーレン基であり、Ar201は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~22のアリール基である。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、前記一般式(H20)中、アントラセン骨格の置換基であるR201~R208は、分子間の相互作用が抑制されることを防ぎ、電子移動度の低下を抑制する点から、水素原子であることが好ましいが、R201~R208は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基でもよい。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、発光領域が、第1ホスト材料を含有する第1発光層及び第2ホスト材料を含有する第2発光層を少なくとも有する場合、前記一般式(H1)で表される化合物中、アントラセン骨格の置換基であるR301~R308は、分子間の相互作用が抑制されることを防ぎ、電子移動度の低下を抑制する点から、水素原子であることが好ましいが、R301~R308は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基でもよい。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様は、陽極と、第2発光層と、第1発光層と、陰極とをこの順に有していることもできるが、第1発光層と第2発光層の順序を逆にすることもできる。
 例えば、第1発光層と第2発光層との積層順が、陽極側から、第2発光層と第1発光層との順序であり、かつ第1発光層に含まれる第1ホスト材料が前記一般式(H1)で表される化合物である場合、以下の現象が生じることが考えられる。そのため、前記一般式(H1)中、R301~R308は、かさ高い置換基ではないことが好ましい。
 前記一般式(H1)中、R301~R308がアルキル基及びシクロアルキル基等のかさ高い置換基となった場合、分子間の相互作用が抑制され、第2ホスト材料に対し電子移動度が低下し、後述する数式(数3)に記載のμe(H1)>μe(H2)の関係を満たさなくなるおそれがある。前記一般式(H1)で表される化合物を第1ホスト材料として第1発光層に用いた場合には、μe(H1)>μe(H2)の関係を満たす事で第2発光層でのホールと電子との再結合能の低下、及び発光効率の低下を抑制することが期待できる。なお、置換基としては、ハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、-O-(R904)で表される基、-S-(R905)で表される基、-N(R906)(R907)で表される基、アラルキル基、-C(=O)R801で表される基、-COOR802で表される基、ハロゲン原子、シアノ基、及びニトロ基がかさ高くなるおそれがあり、アルキル基、及びシクロアルキル基がさらにかさ高くなるおそれがある。
 前記一般式(H1)で表される化合物中、アントラセン骨格の置換基であるR301~R308は、かさ高い置換基ではないことが好ましく、アルキル基及びシクロアルキル基ではないことが好ましく、アルキル基、シクロアルキル基、ハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、-O-(R904)で表される基、-S-(R905)で表される基、-N(R906)(R907)で表される基、アラルキル基、-C(=O)R801で表される基、-COOR802で表される基、ハロゲン原子、シアノ基、及びニトロ基ではないことがより好ましい。
 前記一般式(H1)中、R301~R308における「置換もしくは無置換の」という場合における置換基は、前述のかさ高くなるおそれのある置換基、特に置換もしくは無置換のアルキル基、及び置換もしくは無置換のシクロアルキル基を含まないことも好ましい。R301~R308における「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、置換もしくは無置換のアルキル基、及び置換もしくは無置換のシクロアルキル基を含まないことにより、アルキル基及びシクロアルキル基等のかさ高い置換基が存在する事による分子間の相互作用が抑制されるのを防ぎ、電子移動度の低下を防ぐことができ、また、このような化合物を第1ホスト材料として第1発光層に用いた場合には、第2発光層でのホールと電子との再結合能の低下、及び発光効率の低下を抑制できる。
 アントラセン骨格の置換基であるR301~R308がかさ高い置換基ではなく、置換基としてのR301~R308は、無置換であることがさらに好ましい。また、アントラセン骨格の置換基であるR301~R308がかさ高い置換基ではない場合において、かさ高くない置換基としてのR301~R308に置換基が結合する場合、当該置換基もかさ高い置換基ではないことが好ましく、置換基としてのR301~R308に結合する当該置換基は、アルキル基及びシクロアルキル基ではないことが好ましく、アルキル基、シクロアルキル基、ハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、-O-(R904)で表される基、-S-(R905)で表される基、-N(R906)(R907)で表される基、アラルキル基、-C(=O)R801で表される基、-COOR802で表される基、ハロゲン原子、シアノ基、及びニトロ基ではないことがより好ましい。
 第1ホスト材料において、「置換もしくは無置換」と記載された基は、いずれも「無置換」の基であることが好ましい。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、発光層は、第1ホスト材料として、前記一般式(H10)で表される化合物を含む。前記一般式(H10)で表される化合物は、少なくとも1つの重水素原子を有するか、又は有しない。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、発光層は、第1ホスト材料として、前記一般式(H20)で表される化合物を含む。前記一般式(H20)で表される化合物は、少なくとも1つの重水素原子を有するか、又は有しない。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、発光層は、第1ホスト材料として、前記一般式(H10)で表される化合物と、前記一般式(H20)で表される化合物とを含む。この態様の場合、前記一般式(H10)で表される化合物及び前記一般式(H20)で表される化合物の少なくとも一方が、少なくとも1つの重水素原子を有することが好ましい。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、発光層が第1ホスト材料として、前記一般式(H10)で表される化合物と、前記一般式(H20)で表される化合物とを含む場合、前記一般式(H10)で表される化合物は、重水素原子を実質的に含まず、前記一般式(H20)で表される化合物は、少なくとも1つの重水素原子を含む。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、発光層が第1ホスト材料として、前記一般式(H10)で表される化合物と、前記一般式(H20)で表される化合物とを含む場合、前記一般式(H20)で表される化合物は、重水素原子を実質的に含まず、前記一般式(H10)で表される化合物は、少なくとも1つの重水素原子を含まない。
 ここで「化合物が重水素原子を実質的に含まない」とは、化合物が重水素原子を全く含まないか、又は化合物中に天然存在比程度の重水素原子が含まれることは許容されることを意味する。重水素原子の天然存在比は、例えば、0.015%以下である。
(第1ホスト材料の製造方法)
 第1ホスト材料は、公知の方法により製造できる。また、第1ホスト材料は、公知の方法に倣い、目的物に合わせた既知の代替反応及び原料を用いることによっても、製造できる。
(第1ホスト材料の具体例)
 第1ホスト材料の具体例としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。ただし、本発明は、これら第1ホスト材料の具体例に限定されない。
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 本実施形態の有機EL素子の一態様において、発光領域は、第1発光層のみからなる。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、発光領域は、第1発光層と、さらに第2発光層とを含む。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、発光領域は、第1発光層及び第2発光層のみからなる。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、発光領域が、第1ホスト材料を含有する第1発光層及び第2ホスト材料を含有する第2発光層を少なくとも有する。第1ホスト材料と第2ホスト材料とは互いに異なる。
 発光領域が第1発光層及び第2発光層を少なくとも有する場合、Triplet-Triplet-Annihilation(TTAと称する場合がある。)を利用することで、発光効率を向上できる。
 TTAは、三重項励起子と三重項励起子とが衝突して、一重項励起子を生成するという機構(メカニズム)である。なお、TTAメカニズムは、国際公開第2010/134350号に記載のようにTTFメカニズムと称する場合もある。
 TTF現象を説明する。陽極から注入された正孔と、陰極から注入された電子とは、発光層内で再結合し励起子を生成する。そのスピン状態は、従来から知られているように、一重項励起子が25%、三重項励起子が75%の比率である。従来知られている蛍光素子においては、25%の一重項励起子が基底状態に緩和するときに光を発するが、残りの75%の三重項励起子については光を発することなく熱的失活過程を経て基底状態に戻る。従って、従来の蛍光素子の内部量子効率の理論限界値は25%といわれていた。
 一方、有機物内部で生成した三重項励起子の挙動が理論的に調べられている。S.M.Bachiloらによれば(J.Phys.Chem.A,104,7711(2000))、五重項等の高次の励起子がすぐに三重項に戻ると仮定すると、三重項励起子(以下、と記載する)の密度が上がってきたとき、三重項励起子同士が衝突し下記式のような反応が起きる。ここで、Aは、基底状態を表し、は、最低励起一重項励起子を表す。
   →(4/9)A+(1/9)+(13/9)
 即ち、5→4A+1Aとなり、当初生成した75%の三重項励起子のうち、1/5即ち20%が一重項励起子に変化することが予測されている。従って、光として寄与する一重項励起子は、当初生成する25%分に75%×(1/5)=15%を加えた40%ということになる。このとき、全発光強度中に占めるTTF由来の発光比率(TTF比率)は、15/40、すなわち37.5%となる。また、当初生成した75%の三重項励起子のお互いが衝突して一重項励起子が生成した(2つの三重項励起子から1つの一重項励起子が生成した)とすると、当初生成する一重項励起子25%分に75%×(1/2)=37.5%を加えた62.5%という非常に高い内部量子効率が得られる。このとき、TTF比率は、37.5/62.5=60%である。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、TTFメカニズムを発現する観点から、前記第1ホスト材料の三重項エネルギーT(H1)と前記第2ホスト材料の三重項エネルギーT(H2)とが、下記数式(数1)の関係を満たすことが好ましく、下記数式(数2)の関係を満たすことがより好ましい。
 T(H2)>T(H1) …(数1)
 T(H2)-T(H1)>0.03eV …(数2)
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様は、前記数式(数1)の関係を満たす第1発光層及び第2発光層を有する場合、素子の発光効率を向上させることができる。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様においては、前記数式(数1)の関係を満たすことにより、第2発光層で正孔と電子との再結合によって生成した三重項励起子は、当該第2発光層と直接に接する有機層との界面にキャリアが過剰に存在していても、第2発光層と当該有機層との界面に存在する三重項励起子がクエンチされ難くなると考えられる。例えば、再結合領域が、第2発光層と正孔輸送層又は電子障壁層との界面に局所的に存在する場合には、過剰な電子によるクエンチが考えられる。一方、再結合領域が、第2発光層と電子輸送層又は正孔障壁層との界面に局所的に存在する場合には、過剰な正孔によるクエンチが考えられる。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様は、前記数式(数1)の関係を満たすように第1発光層及び第2発光層を備えることで、第2発光層で生成した三重項励起子は、過剰キャリアによってクエンチされずに第1発光層へと移動し、また、第1発光層から第2発光層へ逆移動することを抑制できる。その結果、第1発光層において、TTFメカニズムが発現して、一重項励起子が効率良く生成され、発光効率が向上する。
 このように、有機EL素子が、三重項励起子を主に生成させる第2発光層と、第2発光層から移動してきた三重項励起子を活用してTTFメカニズムを主に発現させる第1発光層と、を異なる領域として備え、第1発光層中の第1ホスト材料として、第2発光層中の第2ホスト材料よりも小さな三重項エネルギーを有する化合物を用いて、三重項エネルギーの差を設けることで、発光効率が向上する。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1発光層と第2発光層とが、直接、接している。
 本明細書において、「第1発光層と第2発光層とが、直接、接している」層構造は、例えば、以下の態様(LS1)、(LS2)及び(LS3)のいずれかの態様も含み得る。
 (LS1)第1発光層に係る化合物の蒸着の工程と第2発光層に係る化合物の蒸着の工程を経る過程で第1ホスト材料及び第2ホスト材料の両方が混在する領域が生じ、当該領域が第1発光層と第2発光層との界面に存在する態様。
 (LS2)第1発光層及び第2発光層が発光性の化合物を含む場合に、第1発光層に係る化合物の蒸着の工程と第2発光層に係る化合物の蒸着の工程を経る過程で第1ホスト材料、第2ホスト材料及び発光性の化合物が混在する領域が生じ、当該領域が第1発光層と第2発光層との界面に存在する態様。
 (LS3)第1発光層及び第2発光層が発光性の化合物を含む場合に、第1発光層に係る化合物の蒸着の工程と第2発光層に係る化合物の蒸着の工程を経る過程で当該発光性の化合物からなる領域、第1ホスト材料からなる領域、又は第2ホスト材料からなる領域が生じ、当該領域が第1発光層と第2発光層との界面に存在する態様。
(第2発光層)
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第2発光層は、第2ホスト材料を含有する。第2ホスト材料は、特に限定されないが、例えば、後述の第1化合物、前記一般式(H1)で表される化合物及び前記一般式(H20)で表される化合物からなる群から選択される化合物を用いることができる。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第2発光層は、第2発光性化合物を含有する。第2発光性化合物としては、特に限定されない。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第2発光層は、第2ホスト材料と、第2発光性化合物と、を含有する。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第2発光性化合物と、第1発光層が含有する第1発光性化合物とは、互いに同一であるか、又は異なる化合物である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第2ホスト材料と、第1発光層が含有する第1ホスト材料とは、異なる化合物である。
 第2発光性化合物は、最大ピーク波長が500nm以下の発光を示す化合物であることが好ましく、最大ピーク波長が430nm以上480nm以下の発光を示す化合物であることがより好ましい。第2発光性化合物は、最大ピーク波長が500nm以下の蛍光発光を示す蛍光発光性化合物であることが好ましく、最大ピーク波長が430nm以上480nm以下の蛍光発光を示す蛍光発光性化合物であることがより好ましい。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第2発光層は、第2ホスト材料と、最大ピーク波長が500nm以下の発光を示す第2発光性化合物と、を含有する。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第2発光性化合物の最大ピークの半値幅は、1nm以上、30nm以下である。
 化合物の最大ピーク波長の測定方法は、前述の通りである。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第2発光性化合物は、分子中にアジン環構造を含まない化合物である。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第2発光性化合物は、ホウ素含有錯体ではないことが好ましく、第2発光性化合物は、錯体ではないことがより好ましい。
 第2発光層に用いることができる青色で蛍光発光する化合物として、例えば、ピレン誘導体、スチリルアミン誘導体、クリセン誘導体、フルオランテン誘導体、フルオレン誘導体、ジアミン誘導体及びトリアリールアミン誘導体等を使用できる。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第2発光層は、金属錯体を含有しない。また、本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第2発光層は、ホウ素含有錯体を含有しない。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第2発光層は、燐光発光性材料(ドーパント材料)を含まない。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第2発光層は、重金属錯体及び燐光発光性の希土類金属錯体を含まない。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第2発光層は、発光性化合物を、第2発光層の全質量の0.5質量%以上含有する。第2発光層は、発光性化合物を、第2発光層の全質量の10質量%以下、含有することが好ましく、第2発光層の全質量の7質量%以下、含有することがより好ましく、第2発光層の全質量の5質量%以下、含有することがさらに好ましい。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第2発光層は、第2ホスト材料を、第2発光層の全質量の60質量%以上、含有することが好ましく、第2発光層の全質量の70質量%以上、含有することがより好ましく、第2発光層の全質量の80質量%以上、含有することがさらに好ましく、第2発光層の全質量の90質量%以上、含有することがよりさらに好ましく、第2発光層の全質量の95質量%以上、含有することがさらになお好ましい。
 第2発光層は、第2ホスト材料を、第2発光層の全質量の99.5質量%以下、含有することが好ましい。
 第2発光層が第2ホスト材料と第2発光性化合物とを含有する場合、第2ホスト材料及び第2発光性化合物の合計含有率の上限は、100質量%である。
 なお、本実施形態に係る有機EL素子は、第2発光層に、第2ホスト材料と第2発光性化合物以外の材料が含まれることを除外しない。
 第2発光層は、第2ホスト材料を1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。第2発光層は、第2発光性化合物を1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、前記第1発光性化合物の三重項エネルギーT(D1)と、前記第1ホスト材料の三重項エネルギーT(H1)とが下記数式(数4A)の関係を満たすことが好ましい。
  T(D1)>T(H1) …(数4A)
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1発光性化合物と、第1ホスト材料とが、前記数式(数4A)の関係を満たすことにより、第2発光層で生成した三重項励起子は、第1発光層に移動する際、より高い三重項エネルギーを有する第1発光性化合物ではなく、第1ホスト材料の分子にエネルギー移動する。また、第1ホスト材料上で正孔及び電子が再結合して発生した三重項励起子は、より高い三重項エネルギーを持つ第1発光性化合物には移動しない。第1発光性化合物の分子上で再結合し発生した三重項励起子は、速やかに第1ホスト材料の分子にエネルギー移動する。
 第1ホスト材料の三重項励起子が第1発光性化合物に移動することなく、TTF現象によって第1ホスト材料上で三重項励起子同士が効率的に衝突することで、一重項励起子が生成される。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1ホスト材料の一重項エネルギーS(H1)と第1発光性化合物の一重項エネルギーS(D1)とが、下記数式(数4)の関係を満たすことが好ましい。
  S(H1)>S(D1) …(数4)
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1発光性化合物と、第1ホスト材料とが、前記数式(数4)の関係を満たすことにより、第1発光性化合物の一重項エネルギーは、第1ホスト材料の一重項エネルギーより小さいため、TTF現象によって生成された一重項励起子は、第1ホスト材料から第1発光性化合物へエネルギー移動し、第1発光性化合物の発光(好ましくは蛍光性発光)に寄与する。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1発光層と第2発光層との積層順が、陽極側から、第2発光層と第1発光層との順序である場合、前記第2ホスト材料の電子移動度μe(H2)と、前記第1ホスト材料の電子移動度μe(H1)とが、下記数式(数3)の関係を満たすことが好ましい。第1ホスト材料と第2ホスト材料とが、下記数式(数3)の関係を満たすことで、第2発光層でのホールと電子との再結合能が向上する。
  μe(H1)>μe(H2) …(数3)
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1発光層と第2発光層との積層順が、陽極側から、第2発光層と第1発光層との順序である場合、第2ホスト材料の正孔移動度μh(H2)と、第1ホスト材料の正孔移動度μh(H1)とが、下記数式(数31)の関係を満たすことも好ましい。
  μh(H2)>μh(H1) …(数31)
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1発光層と第2発光層との積層順が、陽極側から、第2発光層と第1発光層との順序である場合、第2ホスト材料の正孔移動度μh(H2)と、第2ホスト材料の電子移動度μe(H2)と、第1ホスト材料の正孔移動度μh(H1)と、第1ホスト材料の電子移動度μe(H1)とが、下記数式(数32)の関係を満たすことも好ましい。
  (μe(H1)/μh(H1))>(μe(H2)/μh(H2)) …(数32)
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第2ホスト材料の一重項エネルギーS(H2)と、第2発光性化合物の一重項エネルギーS(D2)とが下記数式(数20)の関係を満たすことが好ましい。
  S(H2)>S(D2) …(数20)
 第2ホスト材料と第2発光性化合物とが、数式(数20)の関係を満たすことにより、第2ホスト材料上で生成された一重項励起子は、第2ホスト材料から第2発光性化合物へエネルギー移動し易くなり、第2発光性化合物の発光(好ましくは蛍光性発光)に寄与する。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第2ホスト材料の三重項エネルギーT(H2)と、第2発光性化合物の三重項エネルギーT(D2)とが下記数式(数20A)の関係を満たすことが好ましい。
  T(D2)>T(H2) …(数20A)
 第2ホスト材料と第2発光性化合物とが、数式(数20A)の関係を満たす事により、第2発光層内で生成した三重項励起子は、より高い三重項エネルギーを有する第2発光性化合物ではなく、第2ホスト材料上を移動するため、第1発光層へ移動し易くなる。
 三重項エネルギーT、一重項エネルギーS、正孔移動度及び電子移動度の測定方法は、後述する。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1発光層の膜厚は、5nm以上であることが好ましく、15nm以上であることがより好ましい。第1発光層の膜厚が5nm以上であれば、発光領域が第2発光層を有する場合に、第2発光層から第1発光層へ移動してきた三重項励起子が、再び第2発光層に戻ることを抑制し易い。また、前記第1発光層の膜厚が5nm以上であれば、第2発光層における再結合部分から三重項励起子を充分離すことができる。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1発光層の膜厚は、20nm以下であることが好ましい。第1発光層の膜厚が20nm以下であれば、第1発光層中の三重項励起子の密度を向上させて、TTF現象をさらに起こり易くすることができる。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1発光層の膜厚は、5nm以上、20nm以下であることが好ましい。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第2発光層の膜厚は、3nm以上であることが好ましく、5nm以上であることがより好ましい。第2発光層の膜厚が3nm以上であれば、第2発光層において、正孔と電子との再結合を起こすのに充分な膜厚である。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第2発光層の膜厚は、15nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがより好ましい。第2発光層の膜厚が15nm以下であれば、第1発光層へ三重項励起子が移動するのに充分に薄い膜厚である。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第2発光層の膜厚は、3nm以上、15nm以下であることがより好ましい。
(第1ホスト材料及び第2ホスト材料)
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1ホスト材料及び第2ホスト材料は、第1化合物であることも好ましい。第1化合物は、例えば、下記一般式(1)、一般式(1X)、一般式(12X)、一般式(13X)、一般式(14X)、一般式(15X)、一般式(16X)、一般式(1000B)、一般式(16X)、一般式(17X-1)、一般式(17X-2)、一般式(17X-3)及び一般式(18)で表される化合物からなる群から選択されるいずれかの化合物である。
 また、第1化合物を第1ホスト材料及び第2ホスト材料として用いることもできる。
・一般式(1)で表される化合物
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1化合物は、下記一般式(1)で表される化合物である。下記一般式(1)で表される第1化合物は、下記一般式(11)で表される基を少なくとも1つ有する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000276
 前記一般式(1)において、
 R101~R110は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
  -C(=O)R801で表される基、
  -COOR802で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
  前記一般式(11)で表される基であり、
 ただし、R101~R110の少なくとも1つは、前記一般式(11)で表される基であり、
 前記一般式(11)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(11)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
 L101は、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 Ar101は、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 mxは、0、1、2、3、4又は5であり、
 L101が2以上存在する場合、2以上のL101は、互いに同一であるか、又は異なり、
 Ar101が2以上存在する場合、2以上のAr101は、互いに同一であるか、又は異なり、
 前記一般式(11)中の*は、前記一般式(1)中のピレン環との結合位置を示す。
 前記一般式(1)で表される第1化合物中、R901、R902、R903、R904、R905、R906、R907、R801及びR802は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 R901が複数存在する場合、複数のR901は、互いに同一であるか又は異なり、
 R902が複数存在する場合、複数のR902は、互いに同一であるか又は異なり、
 R903が複数存在する場合、複数のR903は、互いに同一であるか又は異なり、
 R904が複数存在する場合、複数のR904は、互いに同一であるか又は異なり、
 R905が複数存在する場合、複数のR905は、互いに同一であるか又は異なり、
 R906が複数存在する場合、複数のR906は、互いに同一であるか又は異なり、
 R907が複数存在する場合、複数のR907は、互いに同一であるか又は異なり、
 R801が複数存在する場合、複数のR801は、互いに同一であるか又は異なり、
 R802が複数存在する場合、複数のR802は、互いに同一であるか又は異なる。
 一実施形態において、Ar101は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であることが好ましい。
 一実施形態において、Ar101は、
  置換もしくは無置換のフェニル基、
  置換もしくは無置換のナフチル基、
  置換もしくは無置換のビフェニル基、
  置換もしくは無置換のターフェニル基、
  置換もしくは無置換のピレニル基、
  置換もしくは無置換のフェナントリル基、又は
  置換もしくは無置換のフルオレニル基であることが好ましい。
 一実施形態において、前記第1化合物は、下記一般式(101)で表されることが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000277
(前記一般式(101)において、
 R101~R120は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
  -C(=O)R801で表される基、
  -COOR802で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 ただし、R101~R110のうち1つがL101との結合位置を示し、R111~R120のうち1つがL101との結合位置を示し、
 L101は、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 mxは、0、1、2、3、4又は5であり、
 L101が2以上存在する場合、2以上のL101は、互いに同一であるか、又は異なる。)
 一実施形態において、L101は、単結合、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基であることが好ましい。
 一実施形態において、R101~R110のうち2つ以上が、前記一般式(11)で表される基であることが好ましい。
 一実施形態において、R101~R110のうち2つ以上が、前記一般式(11)で表される基であり、かつ、Ar101は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であることが好ましい。
 一実施形態において、Ar101は、置換もしくは無置換のピレニル基ではなく、L101は、置換もしくは無置換のピレニレン基ではなく、前記一般式(11)で表される基ではないR101~R110としての置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基は、置換もしくは無置換のピレニル基ではないことが好ましい。
 一実施形態において、前記一般式(11)で表される基ではないR101~R110は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であることが好ましい。
 一実施形態において、前記一般式(11)で表される基ではないR101~R110は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基であることが好ましい。
 一実施形態において、前記一般式(11)で表される基ではないR101~R110は、水素原子であることが好ましい。
・一般式(1X)で表される化合物
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1化合物は、下記一般式(1X)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000278
(前記一般式(1X)において、
 R101~R112は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
  -C(=O)R801で表される基、
  -COOR802で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
  前記一般式(11X)で表される基であり、
 ただし、R101~R112の少なくとも1つは、前記一般式(11X)で表される基であり、
 前記一般式(11X)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(11X)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
 L101は、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 Ar101は、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 mxは、1、2、3、4又は5であり、
 L101が2以上存在する場合、2以上のL101は、互いに同一であるか、又は異なり、
 Ar101が2以上存在する場合、2以上のAr101は、互いに同一であるか、又は異なり、
 前記一般式(11X)中の*は、前記一般式(1X)中のベンズ[a]アントラセン環との結合位置を示す。)
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、前記一般式(11X)で表される基は、下記一般式(111X)で表される基である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000279
(前記一般式(111X)において、
 Xは、CR143144、酸素原子、硫黄原子、又はNR145であり、
 L111及びL112は、それぞれ独立に、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 maは、1、2、3又は4であり、
 mbは、1、2、3又は4であり、
 ma+mbは、2、3又は4であり、
 Ar101は、前記一般式(11X)におけるAr101と同義であり、
 R141、R142、R143、R144及びR145は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
  -C(=O)R801で表される基、
  -COOR802で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 mcは、3であり、
 3つのR141は、互いに同一であるか、又は異なり、
 mdは、3であり、
 3つのR142は、互いに同一であるか、又は異なる。)
 前記一般式(111X)で表される基における下記一般式(111aX)で表される環構造中の炭素原子*1~*8の位置のうち、*1~*4のいずれか1つの位置にL111が結合し、*1~*4の残りの3つの位置にR141が結合し、*5~*8のいずれか1つの位置にL112が結合し、*5~*8の残りの3つの位置にR142が結合する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000280
 例えば、前記一般式(111X)で表される基において、L111が前記一般式(111aX)で表される環構造中の*2の炭素原子の位置に結合し、L112が前記一般式(111aX)で表される環構造中の*7の炭素原子の位置に結合する場合、前記一般式(111X)で表される基は、下記一般式(111bX)で表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000281
(前記一般式(111bX)において、
 X、L111、L112、ma、mb、Ar101、R141、R142、R143、R144及びR145は、それぞれ独立に、前記一般式(111X)におけるX、L111、L112、ma、mb、Ar101、R141、R142、R143、R144及びR145と同義であり、
 複数のR141は、互いに同一であるか、又は異なり、
 複数のR142は、互いに同一であるか、又は異なる。)
 本実施形態に係る有機EL素子において、前記一般式(111X)で表される基は、前記一般式(111bX)で表される基であることが好ましい。
 前記一般式(1X)で表される化合物において、maは、1又は2であり、mbは、1又は2であることが好ましい。
 前記一般式(1X)で表される化合物において、maは、1であり、mbは、1であることが好ましい。
 前記一般式(1X)で表される化合物において、Ar101は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であることが好ましい。
 前記一般式(1X)で表される化合物において、Ar101は、
  置換もしくは無置換のフェニル基、
  置換もしくは無置換のナフチル基、
  置換もしくは無置換のビフェニル基、
  置換もしくは無置換のターフェニル基、
  置換もしくは無置換のベンズ[a]アントリル基、
  置換もしくは無置換のピレニル基、
  置換もしくは無置換のフェナントリル基、又は
  置換もしくは無置換のフルオレニル基であることが好ましい。
 前記一般式(1X)で表される化合物は、下記一般式(101X)で表されることも好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000282
(前記一般式(101X)において、
 R111及びR112のうち1つがL101との結合位置を示し、R133及びR134のうち1つがL101との結合位置を示し、
 R101~R110、R121~R130、L101との結合位置ではないR111又はR112、並びにL101との結合位置ではないR133又はR134は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
  -C(=O)R801で表される基、
  -COOR802で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 L101は、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 mxは、1、2、3、4又は5であり、
 L101が2以上存在する場合、2以上のL101は、互いに同一であるか、又は異なる。)
 前記一般式(1X)で表される化合物において、L101は、単結合、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基であることが好ましい。
 前記一般式(1X)で表される化合物は、下記一般式(102X)で表されることも好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000283
(前記一般式(102X)において、
 R111及びR112のうち1つがL111との結合位置を示し、R133及びR134のうち1つがL112との結合位置を示し、
 R101~R110、R121~R130、L111との結合位置ではないR111又はR112並びにL112との結合位置ではないR133又はR134は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
  -C(=O)R801で表される基、
  -COOR802で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 Xは、CR143144、酸素原子、硫黄原子、又はNR145であり、
 L111及びL112は、それぞれ独立に、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 maは、1、2、3又は4であり、
 mbは、1、2、3又は4であり、
 ma+mbは、2、3、4又は5であり、
 R141、R142、R143、R144及びR145は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
  -C(=O)R801で表される基、
  -COOR802で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 mcは、3であり、
 3つのR141は、互いに同一であるか、又は異なり、
 mdは、3であり、
 3つのR142は、互いに同一であるか、又は異なる。)
 前記一般式(1X)で表される化合物において、前記一般式(102X)中のmaは、1又は2であり、mbは、1又は2であることが好ましい。
 前記一般式(1X)で表される化合物において、前記一般式(102X)中のmaは、1であり、mbは、1であることが好ましい。
 前記一般式(1X)で表される化合物において、前記一般式(11X)で表される基は、下記一般式(11AX)で表される基、又は下記一般式(11BX)で表される基であることも好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000284
(前記一般式(11AX)及び前記一般式(11BX)において、
 R121~R131は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
  -C(=O)R801で表される基、
  -COOR802で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 前記一般式(11AX)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(11AX)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
 前記一般式(11BX)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(11BX)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
 L131及びL132は、それぞれ独立に、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 前記一般式(11AX)及び前記一般式(11BX)中の*は、それぞれ、前記一般式(1X)中のベンズ[a]アントラセン環との結合位置を示す。)
 前記一般式(1X)で表される化合物は、下記一般式(103X)で表されることも好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000285
(前記一般式(103X)において、
 R101~R110並びにR112は、それぞれ、前記一般式(1X)におけるR101~R110並びにR112と同義であり、
 R121~R131、L131及びL132は、それぞれ、前記一般式(11BX)におけるR121~R131、L131及びL132と同義である。)
 前記一般式(1X)で表される化合物において、L131は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基であることも好ましい。
 前記一般式(1X)で表される化合物において、L132は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基であることも好ましい。
 前記一般式(1X)で表される化合物において、R101~R112のうち2つ以上が、前記一般式(11X)で表される基であることも好ましい。
 本前記一般式(1X)で表される化合物において、R101~R112のうち2つ以上が、前記一般式(11X)で表される基であり、一般式(11X)中のAr101は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であることが好ましい。
 前記一般式(1X)で表される化合物において、
 Ar101は、置換もしくは無置換のベンズ[a]アントリル基ではなく、
 L101は、置換もしくは無置換のベンズ[a]アントリレン基ではなく、
 前記一般式(11X)で表される基ではないR101~R110としての置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基は、置換もしくは無置換のベンズ[a]アントリル基ではないことも好ましい。
 前記一般式(1X)で表される化合物において、前記一般式(11X)で表される基ではないR101~R112は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であることが好ましい。
 前記一般式(1X)で表される化合物において、前記一般式(11X)で表される基ではないR101~R112は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基であることが好ましい。
 前記一般式(1X)で表される化合物において、前記一般式(11X)で表される基ではないR101~R112は、水素原子であることが好ましい。
・一般式(12X)で表される化合物
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1化合物は、下記一般式(12X)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000286
(前記一般式(12X)において、
 R1201~R1210のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、又は
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成し、
 前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ及び前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR1201~R1210は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
  -C(=O)R801で表される基、
  -COOR802で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
  前記一般式(121)で表される基であり、
 ただし、前記置換もしくは無置換の単環が置換基を有する場合の当該置換基、前記置換もしくは無置換の縮合環が置換基を有する場合の当該置換基、並びにR1201~R1210の少なくとも1つが、前記一般式(121)で表される基であり、
 前記一般式(121)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(121)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
 L1201は、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 Ar1201は、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 mx2は、0、1、2、3、4又は5であり、
 L1201が2以上存在する場合、2以上のL1201は、互いに同一であるか、又は異なり、
 Ar1201が2以上存在する場合、2以上のAr1201は、互いに同一であるか、又は異なり、
 前記一般式(121)中の*は、前記一般式(12X)で表される環との結合位置を示す。)
 前記一般式(12X)において、R1201~R1210のうちの隣接する2つからなる組とは、R1201とR1202との組、R1202とR1203との組、R1203とR1204との組、R1204とR1205との組、R1205とR1206との組、R1207とR1208との組、R1208とR1209との組、並びにR1209とR1210との組である。
・一般式(13X)で表される化合物
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1化合物は、下記一般式(13X)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000287
(前記一般式(13X)において、
 R1301~R1310は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
  -C(=O)R801で表される基、
  -COOR802で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
  前記一般式(131)で表される基であり、
 ただし、R1301~R1310の少なくとも1つは、前記一般式(131)で表される基であり、
 前記一般式(131)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(131)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
 L1301は、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 Ar1301は、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 mx3は、0、1、2、3、4又は5であり、
 L1301が2以上存在する場合、2以上のL1301は、互いに同一であるか、又は異なり、
 Ar1301が2以上存在する場合、2以上のAr1301は、互いに同一であるか、又は異なり、
 前記一般式(131)中の*は、前記一般式(13X)中のフルオランテン環との結合位置を示す。)
 本実施形態に係る有機EL素子において、前記一般式(131)で表される基ではないR1301~R1310のうち隣接する2つ以上からなる組は、いずれも、互いに結合しない。前記一般式(13X)において隣接する2つからなる組とは、R1301とR1302との組、R1302とR1303との組、R1303とR1304との組、R1304とR1305との組、R1305とR1306との組、R1307とR1308との組、R1308とR1309との組、並びにR1309とR1310との組である。
・一般式(14X)で表される化合物
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1化合物は、下記一般式(14X)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000288
(前記一般式(14X)において、
 R1401~R1410は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
  -C(=O)R801で表される基、
  -COOR802で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
  前記一般式(141)で表される基であり、
 ただし、R1401~R1410の少なくとも1つは、前記一般式(141)で表される基であり、
 前記一般式(141)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(141)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
 L1401は、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 Ar1401は、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 mx4は、0、1、2、3、4又は5であり、
 L1401が2以上存在する場合、2以上のL1401は、互いに同一であるか、又は異なり、
 Ar1401が2以上存在する場合、2以上のAr1401は、互いに同一であるか、又は異なり、
 前記一般式(141)中の*は、前記一般式(14X)で表される環との結合位置を示す。)
・一般式(15X)で表される化合物
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1化合物は、下記一般式(15X)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000289
(前記一般式(15X)において、
 R1501~R1514は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
  -C(=O)R801で表される基、
  -COOR802で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
  前記一般式(151)で表される基であり、
 ただし、R1501~R1514の少なくとも1つは、前記一般式(151)で表される基であり、
 前記一般式(151)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(151)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
 L1501は、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 Ar1501は、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 mx5は、0、1、2、3、4又は5であり、
 L1501が2以上存在する場合、2以上のL1501は、互いに同一であるか、又は異なり、
 Ar1501が2以上存在する場合、2以上のAr1501は、互いに同一であるか、又は異なり、
 前記一般式(151)中の*は、前記一般式(15X)で表される環との結合位置を示す。)
・一般式(16X)で表される化合物
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1化合物は、下記一般式(16X)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000290
(前記一般式(16X)において、
 R1601~R1614は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
  -C(=O)R801で表される基、
  -COOR802で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
  前記一般式(161)で表される基であり、
 ただし、R1601~R1614の少なくとも1つは、前記一般式(161)で表される基であり、
 前記一般式(161)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(161)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
 L1601は、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 Ar1601は、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 mx6は、0、1、2、3、4又は5であり、
 L1601が2以上存在する場合、2以上のL1601は、互いに同一であるか、又は異なり、
 Ar1601が2以上存在する場合、2以上のAr1601は、互いに同一であるか、又は異なり、
 前記一般式(161)中の*は、前記一般式(16X)で表される環との結合位置を示す。)
・一般式(1000B)で表される化合物
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1化合物は、下記一般式(1000B)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000291
(前記一般式(1000B)において、
 Xは、酸素原子又は硫黄原子であり、
 R10~R19のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR10~R19は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
  -C(=O)R801で表される基、
  -COOR802で表される基、
  ハロゲン原子、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
  前記一般式(110)で表される基であり、
 ただし、R10~R19の少なくとも1つは、前記一般式(110)で表される基であり、
 前記一般式(110)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(110)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
 L100は、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 mxは、1、2又は3であり、
 L100が2以上存在する場合、2以上のL100は、互いに同一であるか、又は異なり、
 Ar100は、
  3つ以上の環を含む置換もしくは無置換のアリール基、又は
  2つ以上の芳香環と1つ以上の複素環とを含む置換もしくは無置換の複素環基であり、
 Ar100は、アントラセン環を含まず、
 Ar100が2以上存在する場合、2以上のAr100は、互いに同一であるか、又は異なり、
 前記一般式(110)中の*は、結合位置を示し、
 前記一般式(1000B)で表される第1化合物中、R901、R902、R903、R904、R905、R906、R907、R801及びR802は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 R901が複数存在する場合、複数のR901は、互いに同一であるか又は異なり、
 R902が複数存在する場合、複数のR902は、互いに同一であるか又は異なり、
 R903が複数存在する場合、複数のR903は、互いに同一であるか又は異なり、
 R904が複数存在する場合、複数のR904は、互いに同一であるか又は異なり、
 R905が複数存在する場合、複数のR905は、互いに同一であるか又は異なり、
 R906が複数存在する場合、複数のR906は、互いに同一であるか又は異なり、
 R907が複数存在する場合、複数のR907は、互いに同一であるか又は異なり、
 R801が複数存在する場合、複数のR801は、互いに同一であるか又は異なり、
 R802が複数存在する場合、複数のR802は、互いに同一であるか又は異なる。)
 前記一般式(1000B)において、Xは、酸素原子であることが好ましい。
 前記一般式(1000B)で表される化合物は、前記一般式(110)で表される基を少なくとも1つ有し、かつ下記一般式(100)で表される化合物であることが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000292
(前記一般式(100)において、R10~R19は、それぞれ独立に、前記一般式(1000B)におけるR10~R19と同義であり、Ar100、L100及びmxは、それぞれ、前記一般式(110)におけるAr100、L100及びmxと同義である。)
 前記一般式(1000B)で表される化合物は、下記一般式(101)又は一般式(102)で表される化合物であることも好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000293
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000294
(前記一般式(101)及び一般式(102)において、R10~R19は、それぞれ独立に、前記一般式(1000B)におけるR10~R19と同義であり、Ar100、L100及びmxは、それぞれ、前記一般式(110)におけるAr100、L100及びmxと同義である。)
 前記一般式(1000B)において、前記一般式(110)で表される基ではないR10~R19は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であることが好ましい。
 前記一般式(1000B)において、前記一般式(110)で表される基ではないR10~R19は、水素原子であることが好ましい。
 前記一般式(1000B)において、L100は、単結合、又は置換もしくは無置換のベンゼン環を3つ以下含むアリーレン基であることが好ましい。
 前記一般式(1000B)において、L100は、置換もしくは無置換のアントリレン基ではないことが好ましい。
 前記一般式(1000B)において、L100は、単結合であることも好ましい。
 前記一般式(1000B)において、前記一般式(110)中の-(L100mx-で表される基が、下記一般式(111)~(120)のいずれかで表される基であることも好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000295
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000296
(前記一般式(111)~一般式(120)中の*は、結合位置を示す。)
 前記一般式(110)中の-(L100mx-で表される基が、前記一般式(111)又は(112)で表される基であることが好ましい。
 前記一般式(1000B)において、Ar100は、置換もしくは無置換のベンゼン環が4つ以上縮合したアリール基であることが好ましい。
 前記一般式(1000B)において、Ar100は、置換もしくは無置換のベンゼン環が4つ縮合したアリール基、又は置換もしくは無置換のベンゼン環が5つ縮合したアリール基であることが好ましい。
 前記一般式(1000B)において、Ar100は、下記一般式(1100)、(1200)、(1300)、(1400)、(1500)、(1600)、(1700)又は(1800)で表される基であることが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000297
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000298
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000299
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000300
(前記一般式(1100)中、R111~R120の内、1つは、結合手であり、
 前記一般式(1200)中、R1201~R1212の内、1つは、結合手であり、
 前記一般式(1300)中、R1301~R1314の内、1つは、結合手であり、
 前記一般式(1400)中、R1401~R1414の内、1つは、結合手であり、
 前記一般式(1500)中、R1501~R1514の内、1つは、結合手であり、
 前記一般式(1600)中、R1601~R1612の内、1つは、結合手であり、
 前記一般式(1700)中、R1701~R1710の内、1つは、結合手であり、
 前記一般式(1800)中、R1801~R1812の内、1つは、結合手であり、
 結合手ではないR111~R120、結合手ではないR1201~R1212、結合手ではないR1301~R1314、結合手ではないR1401~R1414、結合手ではないR1501~R1514、結合手ではないR1601~R1612、結合手ではないR1701~R1710、並びに結合手ではないR1801~R1812は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
  -C(=O)R801で表される基、
  -COOR802で表される基、
  ハロゲン原子、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
 前記一般式(1100)で表される基は、R111が結合手である場合、下記一般式(1112)で表される基であり、R120が結合手である場合、下記一般式(1113)で表される基であり、R119が結合手である場合、下記一般式(1114)で表される基である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000301
(前記一般式(1112)、一般式(1113)及び一般式(1114)において、
 R111~R120は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
  -C(=O)R801で表される基、
  -COOR802で表される基、
  ハロゲン原子、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 前記一般式(1112)~(1114)中の*は、結合位置を示す。)
 前記一般式(1100)、(1200)、(1300)、(1400)、(1500)、(1600)、(1700)及び(1800)において、結合手ではないR111~R120、結合手ではないR1201~R1212、結合手ではないR1301~R1314、結合手ではないR1401~R1414、結合手ではないR1501~R1514、結合手ではないR1601~R1612、結合手ではないR1701~R1710、並びに結合手ではないR1801~R1812は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であることが好ましい。
 前記一般式(1100)、(1200)、(1300)、(1400)、(1500)、(1600)、(1700)及び(1800)において、結合手ではないR111~R120、結合手ではないR1201~R1212、結合手ではないR1301~R1314、結合手ではないR1401~R1414、結合手ではないR1501~R1514、結合手ではないR1601~R1612、結合手ではないR1701~R1710、並びに結合手ではないR1801~R1812は、水素原子であることが好ましい。
 前記一般式(1000B)で表される化合物は、分子中にベンゾキサンテン環を1つだけ含むことが好ましい。
 第1化合物は、前記一般式(100)、一般式(101)及び一般式(102)中、ベンゾキサンテン環をベンゾチオキサンテン環に置き換えた化合物であることも好ましい。
・一般式(17X-1)で表される化合物
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1化合物は、下記一般式(17X-1)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000302
(前記一般式(17X-1)において、
 X14は、酸素原子又は硫黄原子であり、
 R1401~R1404のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 R1405~R1410のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR1401~R1410は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
  -C(=O)R801で表される基、
  -COOR802で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
  前記一般式(171-1)で表される基であり、
 ただし、R1401~R1410の少なくとも1つは、前記一般式(171-1)で表される基であり、
 前記一般式(171-1)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(171-1)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
 L1701は、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 Ar1701は、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 mx7は、0、1、2、3、4又は5であり、
 L1701が2以上存在する場合、2以上のL1701は、互いに同一であるか、又は異なり、
 Ar1701が2以上存在する場合、2以上のAr1701は、互いに同一であるか、又は異なり、
 R901~R905、R801及びR802は、それぞれ独立に、前記一般式(1000B)におけるR901~R905、R801及びR802と同義であり、
 前記一般式(171-1)中の*は、前記一般式(17X-1)で表される環との結合位置を示す。)
・一般式(17X-2)で表される化合物
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1化合物は、下記一般式(17X-2)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000303
(前記一般式(17X-2)において、R1401~R1410及びX14は、それぞれ独立に、前記一般式(17X-1)におけるR1401~R1410及びX14と同義であり、
 前記一般式(171-2)で表される基は、前記一般式(171-1)で表される基と同義であり、前記一般式(171-2)中、L1701、Ar1701及びmx7は、それぞれ独立に、前記一般式(171-1)におけるL1701、Ar1701及びmx7と同義であり、
 前記一般式(171-2)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(171-2)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
 前記一般式(171-2)中の*は、前記一般式(17X-2)で表される環との結合位置を示す。)
・一般式(17X-3)で表される化合物
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1化合物は、下記一般式(17X-3)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000304
(前記一般式(17X-3)において、R1401~R1410及びX14は、それぞれ独立に、前記一般式(17X-1)におけるR1401~R1410及びX14と同義であり、
 前記一般式(171-3)で表される基は、前記一般式(171-1)で表される基と同義であり、前記一般式(171-3)中、L1701、Ar1701及びmx7は、それぞれ独立に、前記一般式(171-1)におけるL1701、Ar1701及びmx7と同義であり、
 前記一般式(171-3)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(171-3)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
 前記一般式(171-3)中の*は、前記一般式(17X-3)で表される環との結合位置を示す。)
 前記一般式(17X-1)、(17X-2)及び(17X-3)において、X14は、酸素原子であることが好ましい。
・一般式(18)で表される化合物
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1化合物は、下記一般式(18)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000305
(前記一般式(18)において、
 X18は、酸素原子又は硫黄原子であり、
 R1801~R1804のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 R1805~R1808のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR1801~R1808は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
  -C(=O)R801で表される基、
  -COOR802で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
  前記一般式(18X)で表される基であり、
 ただし、R1801~R1808の少なくとも1つは、前記一般式(18X)で表される基であり、
 前記一般式(18X)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(18X)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
 L1801は、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 Ar1801は、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 mx8は、0、1、2、3、4又は5であり、
 L1801が2以上存在する場合、2以上のL1801は、互いに同一であるか、又は異なり、
 Ar1801が2以上存在する場合、2以上のAr1801は、互いに同一であるか、又は異なり、
 R901~R905、R801及びR802は、それぞれ独立に、前記一般式(1000B)におけるR901~R905、R801及びR802と同義であり、
 前記一般式(18X)中の*は、前記一般式(18)で表される環との結合位置を示す。)
 前記一般式(18)において、X18は、酸素原子であることが好ましい。
 第1化合物において、「置換もしくは無置換」と記載された基は、いずれも「無置換」の基であることが好ましい。
 本実施形態に係る有機EL素子において、第2ホスト材料は、分子中に、単結合で連結されたベンゼン環とナフタレン環とを含む連結構造を有し、当該連結構造中のベンゼン環及びナフタレン環には、それぞれ独立に、さらに単環又は縮合環が縮合しているか又は縮合しておらず、当該連結構造中のベンゼン環とナフタレン環とが、当該単結合以外の少なくとも1つの部分において架橋によりさらに連結していることも好ましい。
 第2ホスト材料が、このような架橋を含んだ連結構造を有していることにより、有機EL素子の色度悪化の抑制が期待できる。
 この場合の第2ホスト材料は、分子中に、下記式(X1)又は式(X2)で表されるような、単結合で連結されたベンゼン環とナフタレン環とを含む連結構造(ベンゼン-ナフタレン連結構造と称する場合がある。)を最小単位として有していればよく、当該ベンゼン環にさらに単環又は縮合環が縮合していてもよいし、当該ナフタレン環にさらに単環又は縮合環が縮合していてもよい。例えば、第2ホスト材料が、分子中に、下記式(X3)、式(X4)、又は式(X5)で表されるような、単結合で連結されたナフタレン環とナフタレン環とを含む連結構造(ナフタレン-ナフタレン連結構造と称する場合がある。)においても、一方のナフタレン環は、ベンゼン環を含んでいるため、ベンゼン-ナフタレン連結構造を含んでいることになる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000306
 本実施形態に係る有機EL素子において、前記架橋が二重結合を含むことも好ましい。すなわち、前記ベンゼン環と前記ナフタレン環とが、単結合以外の部分において二重結合を含む架橋構造によりさらに連結した構造を有することも好ましい。
 ベンゼン-ナフタレン連結構造中のベンゼン環とナフタレン環とが、単結合以外の少なくとも1つの部分において架橋によりさらに連結すると、例えば、前記式(X1)の場合、下記式(X11)で表される連結構造(縮合環)になり、前記式(X3)の場合、下記式(X31)で表される連結構造(縮合環)になる。
 ベンゼン-ナフタレン連結構造中のベンゼン環とナフタレン環とが、単結合以外の部分において二重結合を含む架橋によりさらに連結すると、例えば、前記式(X1)の場合、下記式(X12)で表される連結構造(縮合環)になり、前記式(X2)の場合、下記式(X21)又は式(X22)で表される連結構造(縮合環)になり、前記式(X4)の場合、下記式(X41)で表される連結構造(縮合環)になり、前記式(X5)の場合、下記式(X51)で表される連結構造(縮合環)になる。
 ベンゼン-ナフタレン連結構造中のベンゼン環とナフタレン環とが、単結合以外の少なくとも1つの部分においてヘテロ原子(例えば、酸素原子)を含む架橋によりさらに連結すると、例えば、前記式(X1)の場合、下記式(X13)で表される連結構造(縮合環)になる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000307
 本実施形態に係る有機EL素子において、第2ホスト材料は、分子中に、第一のベンゼン環と第二のベンゼン環とが単結合で連結されたビフェニル構造を有し、当該ビフェニル構造中の第一のベンゼン環と第二のベンゼン環とが、当該単結合以外の少なくとも1つの部分において架橋によりさらに連結していることも好ましい。
 本実施形態に係る有機EL素子において、前記ビフェニル構造中の第一のベンゼン環と第二のベンゼン環とが、前記単結合以外の1つの部分において前記架橋によりさらに連結していることも好ましい。第2ホスト材料が、このような架橋を含んだビフェニル構造を有していることにより、有機EL素子の色度悪化の抑制が期待できる。
 本実施形態に係る有機EL素子において、前記架橋が二重結合を含むことも好ましい。
 本実施形態に係る有機EL素子において、前記架橋が二重結合を含まないことも好ましい。
 前記ビフェニル構造中の第一のベンゼン環と第二のベンゼン環とが、前記単結合以外の2つの部分において前記架橋によりさらに連結していることも好ましい。
 本実施形態に係る有機EL素子において、前記ビフェニル構造中の第一のベンゼン環と第二のベンゼン環とが、前記単結合以外の2つの部分において前記架橋によりさらに連結し、前記架橋が二重結合を含まないことも好ましい。第2ホスト材料が、このような架橋を含んだビフェニル構造を有していることにより、有機EL素子の色度悪化の抑制が期待できる。
 例えば、下記式(BP1)で表される前記ビフェニル構造中の第一のベンゼン環と第二のベンゼン環とが、単結合以外の少なくとも1つの部分において架橋によりさらに連結すると、当該ビフェニル構造は、下記式(BP11)~(BP15)等の連結構造(縮合環)になる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000308
 前記式(BP11)は、前記単結合以外の1つの部分において二重結合を含まない架橋によって連結した構造である。
 前記式(BP12)は、前記単結合以外の1つの部分において二重結合を含む架橋によって連結した構造である。
 前記式(BP13)は、前記単結合以外の2つの部分において二重結合を含まない架橋によって連結した構造である。
 前記式(BP14)は、前記単結合以外の2つの部分の一方において二重結合を含まない架橋によって連結し、前記単結合以外の2つの部分の他方において二重結合を含む架橋によって連結した構造である。
 前記式(BP15)は、前記単結合以外の2つの部分において二重結合を含む架橋によって連結した構造である。
 前記第1化合物において、「置換もしくは無置換」と記載された基は、いずれも「無置換」の基であることが好ましい。
(第1化合物の製造方法)
 本実施形態に係る有機EL素子に使用できる第1化合物は、公知の方法により製造できる。また、第1化合物は、公知の方法に倣い、目的物に合わせた既知の代替反応及び原料を用いることによっても、製造できる。
(第1化合物の具体例)
 本実施形態に係る有機EL素子に使用できる第1化合物の具体例としては、以下の化合物が挙げられる。ただし、本発明は、これら第1化合物の具体例に限定されない。
 本明細書において、化合物の具体例中、Dは、重水素原子を示し、Meは、メチル基を示し、tBuは、tert-ブチル基を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000309
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000310
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000311
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000312
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000313
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000314
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000315
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000316
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000317
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000318
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000319
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000320
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000321
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000322
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000323
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000324
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000325
(発光性化合物)
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、発光性化合物は、下記一般式(3)で表される化合物、下記一般式(4)で表される化合物、下記一般式(5)で表される化合物、下記一般式(6)で表される化合物、下記一般式(7)で表される化合物、下記一般式(8)で表される化合物、下記一般式(9)で表される化合物、及び下記一般式(10)で表される化合物からなる群から選択される1以上の化合物である。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、第1発光層に含有される発光性化合物は、第1発光性化合物であり、第2発光層に含有される発光性化合物は、第2発光性化合物である。第1発光性化合物及び第2発光性化合物も、発光性化合物に関する説明と同様、それぞれ独立に、下記一般式(3)~(10)で表される化合物からなる群から選択される1以上の化合物である。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、発光性化合物は、下記一般式(6)で表される化合物である。
(一般式(6)で表される化合物)
 一般式(6)で表される化合物について説明する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000326
(前記一般式(6)において、
 a環、b環及びc環は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環であり、
 R601及びR602は、それぞれ独立に、前記a環、b環又はc環と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成せず、
 前記置換もしくは無置換の複素環を形成しないR601及びR602は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、a環、b環及びc環は、ホウ素原子及び2つの窒素原子から構成される前記一般式(6)中央の縮合2環構造に縮合する環(置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環)である。
 a環、b環及びc環の「芳香族炭化水素環」は、「アリール基」に水素原子を導入した化合物と同じ構造である。
 a環の「芳香族炭化水素環」は、前記一般式(6)中央の縮合2環構造上の炭素原子3つを環形成原子として含む。
 b環及びc環の「芳香族炭化水素環」は、前記一般式(6)中央の縮合2環構造上の炭素原子2つを環形成原子として含む。
 「置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環」の具体例としては、具体例群G1に記載の「アリール基」に水素原子を導入した化合物等が挙げられる。
 a環、b環及びc環の「複素環」は、上述した「複素環基」に水素原子を導入した化合物と同じ構造である。
 a環の「複素環」は、前記一般式(6)中央の縮合2環構造上の炭素原子3つを環形成原子として含む。b環及びc環の「複素環」は、前記一般式(6)中央の縮合2環構造上の炭素原子2つを環形成原子として含む。「置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環」の具体例としては、具体例群G2に記載の「複素環基」に水素原子を導入した化合物等が挙げられる。
 R601及びR602は、それぞれ独立に、a環、b環又はc環と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成してもよい。この場合における複素環は、前記一般式(6)中央の縮合2環構造上の窒素原子を含む。この場合における複素環は、窒素原子以外のヘテロ原子を含んでいてもよい。R601及びR602がa環、b環又はc環と結合するとは、具体的には、a環、b環又はc環を構成する原子とR601及びR602を構成する原子が結合することを意味する。例えば、R601がa環と結合して、R601を含む環とa環が縮合した2環縮合(又は3環縮合以上)の含窒素複素環を形成してもよい。当該含窒素複素環の具体例としては、具体例群G2のうち、窒素を含む2環縮合以上の複素環基に対応する化合物等が挙げられる。
 R601がb環と結合する場合、R602がa環と結合する場合、及びR602がc環と結合する場合も上記と同じである。
 R601及びR602は、それぞれ独立に、a環、b環又はc環と結合しなくてもよい。
 一実施形態において、前記一般式(6)におけるa環、b環及びc環は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環である。
 一実施形態において、前記一般式(6)におけるa環、b環及びc環は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のベンゼン環又はナフタレン環である。
 一実施形態において、前記一般式(6)におけるR601及びR602は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 好ましくは置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
 一実施形態において、前記一般式(6)で表される化合物は下記一般式(62)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000327
(前記一般式(62)において、
 R601Aは、R611及びR621からなる群から選択される1以上と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成せず、
 R602Aは、R613及びR614からなる群から選択される1以上と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成せず、
 前記置換もしくは無置換の複素環を形成しないR601A及びR602Aは、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 R611~R621のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記置換もしくは無置換の複素環を形成せず、前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR611~R621は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
(前記一般式(62)中、R901、R902、R903、R904、R905、R906及びR907は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 R901が複数存在する場合、複数のR901は、互いに同一であるか又は異なり、
 R902が複数存在する場合、複数のR902は、互いに同一であるか又は異なり、
 R903が複数存在する場合、複数のR903は、互いに同一であるか又は異なり、
 R904が複数存在する場合、複数のR904は、互いに同一であるか又は異なり、
 R905が複数存在する場合、複数のR905は、互いに同一であるか又は異なり、
 R906が複数存在する場合、複数のR906は、互いに同一であるか又は異なり、
 R907が複数存在する場合、複数のR907は、互いに同一であるか又は異なる。)
 前記一般式(62)のR601A及びR602Aは、それぞれ、前記一般式(6)のR601及びR602に対応する基である。
 例えば、R601AとR611が結合して、これらを含む環とa環に対応するベンゼン環が縮合した2環縮合(又は3環縮合以上)の含窒素複素環を形成してもよい。当該含窒素複素環の具体例としては、具体例群G2のうち、窒素を含む2環縮合以上の複素環基に対応する化合物等が挙げられる。R601AとR621が結合する場合、R602AとR613が結合する場合、及びR602AとR614が結合する場合も上記と同じである。
 R611~R621のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、又は
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成してもよい。
 例えば、R611とR612が結合して、これらが結合する6員環に対して、ベンゼン環、インドール環、ピロール環、ベンゾフラン環又はベンゾチオフェン環等が縮合した構造を形成してもよく、形成された縮合環は、ナフタレン環、カルバゾール環、インドール環、ジベンゾフラン環又はジベンゾチオフェン環となる。
 一実施形態において、環形成に寄与しないR611~R621は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
 一実施形態において、環形成に寄与しないR611~R621は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
 一実施形態において、環形成に寄与しないR611~R621は、それぞれ独立に、
  水素原子、又は
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基である。
 一実施形態において、環形成に寄与しないR611~R621は、それぞれ独立に、
  水素原子、又は
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基であり、
 R611~R621のうち少なくとも1つは、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基である。
 一実施形態において、前記一般式(62)で表される化合物は、下記一般式(63)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000328
(前記一般式(63)において、
 R631は、R646と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成せず、
 R633は、R647と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成せず、
 R634は、R651と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成せず、
 R641は、R642と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成せず、
 R631~R651のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記置換もしくは無置換の複素環を形成せず、前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR631~R651は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
 R631は、R646と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成してもよい。例えば、R631とR646が結合して、R646が結合するベンゼン環と、Nを含む環と、a環に対応するベンゼン環とが縮合した3環縮合以上の含窒素複素環を形成してもよい。当該含窒素複素環の具体例としては、具体例群G2のうち、窒素を含む3環縮合以上の複素環基に対応する化合物等が挙げられる。R633とR647が結合する場合、R634とR651が結合する場合、及びR641とR642が結合する場合も上記と同じである。
 一実施形態において、環形成に寄与しないR631~R651は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
 一実施形態において、環形成に寄与しないR631~R651は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
 一実施形態において、環形成に寄与しないR631~R651は、それぞれ独立に、
  水素原子、又は
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基である。
 一実施形態において、環形成に寄与しないR631~R651は、それぞれ独立に、
  水素原子、又は
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基であり、
 R631~R651のうち少なくとも1つは置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基である。
 一実施形態において、前記一般式(63)で表される化合物は、下記一般式(63A)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000329
(前記一般式(63A)において、
 R661は、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
 R662~R665は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。)
 一実施形態において、R661~R665は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
 一実施形態において、R661~R665は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基である。
 一実施形態において、前記一般式(63)で表される化合物は、下記一般式(63B)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000330
(前記一般式(63B)において、
 R671及びR672は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -N(R906)(R907)で表される基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
 R673~R675は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -N(R906)(R907)で表される基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。)
 一実施形態において、前記一般式(63)で表される化合物は、下記一般式(63B’)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000331
(前記一般式(63B’)において、R672~R675は、それぞれ独立に、前記一般式(63B)におけるR672~R675と同義である。)
 一実施形態において、R671~R675のうち少なくとも1つは、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -N(R906)(R907)で表される基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
 一実施形態において、
 R672は、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  -N(R906)(R907)で表される基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
 R671及びR673~R675は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  -N(R906)(R907)で表される基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
 一実施形態において、前記一般式(63)で表される化合物は、下記一般式(63C)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000332
(前記一般式(63C)において、
 R681及びR682は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
 R683~R686は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。)
 一実施形態において、前記一般式(63)で表される化合物は、下記一般式(63C’)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000333
(前記一般式(63C’)において、R683~R686は、それぞれ独立に、前記一般式(63C)におけるR683~R686と同義である。)
 一実施形態において、R681~R686は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
 一実施形態において、R681~R686は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
 前記一般式(6)で表される化合物は、まずa環、b環及びc環を連結基(N-R601を含む基及びN-R602を含む基)で結合させることで中間体を製造し(第1反応)、a環、b環及びc環を連結基(ホウ素原子を含む基)で結合させることで最終生成物を製造することができる(第2反応)。第1反応ではバッハブルト-ハートウィッグ反応等のアミノ化反応を適用できる。第2反応では、タンデムヘテロフリーデルクラフツ反応等を適用できる。
 一実施形態において、前記一般式(6)で表される化合物は、下記一般式(42-2)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000334
(前記一般式(42-2)において、R611~R617、R601A及びR602Aは、それぞれ独立に、前記一般式(62)におけるR611~R617、R601A及びR602Aと同義であり、
 Xは、酸素原子又は硫黄原子であり、
 R701~R704のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR701~R704は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 前記一般式(42-2)中、R901、R902、R903、R904、R905、R906及びR907は、それぞれ独立に、前記一般式(62)におけるR901、R902、R903、R904、R905、R906及びR907と同義である。)
(一般式(6)で表される化合物の具体例)
 以下に、前記一般式(6)で表される化合物の具体例を記載するが、これらは例示に過ぎず、前記一般式(6)で表される化合物は下記具体例に限定されない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000335
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000336
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000337
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000338
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000339
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000340
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000341
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000342
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000343
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000344
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000345
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000346
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000347
(一般式(3)で表される化合物)
 一般式(3)で表される化合物について説明する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000348
(前記一般式(3)において、
 R301~R310のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 R301~R310の少なくとも1つは下記一般式(31)で表される1価の基であり、
 前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、前記置換もしくは無置換の縮合環を形成せず、かつ下記一般式(31)で表される1価の基ではないR301~R310は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000349
(前記一般式(31)において、
 Ar301及びAr302は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 L301~L303は、それぞれ独立に、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の2価の複素環基であり、
 *は、前記一般式(3)中のピレン環における結合位置を示す。)
 発光性化合物中、R901、R902、R903、R904、R905、R906及びR907は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
  好ましくは、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
 R901が複数存在する場合、複数のR901は、互いに同一であるか又は異なり、
 R902が複数存在する場合、複数のR902は、互いに同一であるか又は異なり、
 R903が複数存在する場合、複数のR903は、互いに同一であるか又は異なり、
 R904が複数存在する場合、複数のR904は、互いに同一であるか又は異なり、
 R905が複数存在する場合、複数のR905は、互いに同一であるか又は異なり、
 R906が複数存在する場合、複数のR906は、互いに同一であるか又は異なり、
 R907が複数存在する場合、複数のR907は、互いに同一であるか又は異なる。
 前記一般式(3)において、R301~R310のうち2つが前記一般式(31)で表される基であることが好ましい。
 一実施形態において、前記一般式(3)で表される化合物は、下記一般式(33)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000350
(前記一般式(33)において、
 R311~R318は、それぞれ独立に、前記一般式(3)における、前記一般式(31)で表される1価の基ではないR301~R310と同義であり、
 L311~L316は、それぞれ独立に、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の2価の複素環基であり、
 Ar312、Ar313、Ar315及びAr316は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
 前記一般式(31)において、L301は、単結合であることが好ましく、L302及びL303は単結合であることが好ましい。
 一実施形態において、前記一般式(3)で表される化合物は、下記一般式(34)又は一般式(35)で表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000351
(前記一般式(34)において、
 R311~R318は、それぞれ独立に、前記一般式(3)における、前記一般式(31)で表される1価の基ではないR301~R310と同義であり、
 L312、L313、L315及びL316は、それぞれ独立に、前記一般式(33)におけるL312、L313、L315及びL316と同義であり、
 Ar312、Ar313、Ar315及びAr316は、それぞれ独立に、前記一般式(33)におけるAr312、Ar313、Ar315及びAr316と同義である。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000352
(前記一般式(35)において、
 R311~R318は、それぞれ独立に、前記一般式(3)における、前記一般式(31)で表される1価の基ではないR301~R310と同義であり、
 Ar312、Ar313、Ar315及びAr316は、それぞれ独立に、前記一般式(33)におけるAr312、Ar313、Ar315及びAr316と同義である。)
 前記一般式(31)において、好ましくは、Ar301及びAr302のうち少なくとも1つが下記一般式(36)で表される基である。
 前記一般式(33)~一般式(35)において、好ましくは、Ar312及びAr313のうち少なくとも1つが下記一般式(36)で表される基である。
 前記一般式(33)~一般式(35)において、好ましくは、Ar315及びAr316のうち少なくとも1つが下記一般式(36)で表される基である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000353
(前記一般式(36)において、
 Xは、酸素原子又は硫黄原子を示し、
 R321~R327のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR321~R327は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 *は、L302、L303、L312、L313、L315又はL316との結合位置を示す。)
 Xは、酸素原子であることが好ましい。
 R321~R327のうち少なくとも1つは、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であることが好ましい。
 前記一般式(31)において、Ar301が前記一般式(36)で表される基であり、Ar302が置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であることが好ましい。
 前記一般式(33)~一般式(35)において、Ar312が前記一般式(36)で表される基であり、Ar313が置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であることが好ましい。
 前記一般式(33)~一般式(35)において、Ar315が前記一般式(36)で表される基であり、Ar316が置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であることが好ましい。
 一実施形態において、前記一般式(3)で表される化合物は、下記一般式(37)で表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000354
(前記一般式(37)において、
 R311~R318は、それぞれ独立に、前記一般式(3)における、前記一般式(31)で表される1価の基ではないR301~R310と同義であり、
 R321~R327のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 R341~R347のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR321~R327並びにR341~R347は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 R331~R335並びにR351~R355は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
(一般式(3)で表される化合物の具体例)
 前記一般式(3)で表される化合物としては、例えば、以下に示す化合物が具体例として挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000355
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000356
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000357
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000358
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000359
(一般式(4)で表される化合物)
 一般式(4)で表される化合物について説明する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000360
(前記一般式(4)において、
 Zは、それぞれ独立に、CRa又は窒素原子であり、
 A1環及びA2環は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環であり、
 Raが複数存在する場合、複数のRaのうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 n21及びn22は、それぞれ独立に、0、1、2、3又は4であり、
 Rbが複数存在する場合、複数のRbのうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 Rcが複数存在する場合、複数のRcのうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないRa、Rb及びRcは、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
 A1環及びA2環の「芳香族炭化水素環」は、上述した「アリール基」に水素原子を導入した化合物と同じ構造である。
 A1環及びA2環の「芳香族炭化水素環」は、前記一般式(4)中央の縮合2環構造上の炭素原子2つを環形成原子として含む。
 「置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環」の具体例としては、具体例群G1に記載の「アリール基」に水素原子を導入した化合物等が挙げられる。
 A1環及びA2環の「複素環」は、上述した「複素環基」に水素原子を導入した化合物と同じ構造である。
 A1環及びA2環の「複素環」は、前記一般式(4)中央の縮合2環構造上の炭素原子2つを環形成原子として含む。
 「置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環」の具体例としては、具体例群G2に記載の「複素環基」に水素原子を導入した化合物等が挙げられる。
 Rbは、A1環としての芳香族炭化水素環を形成する炭素原子のいずれか、又は、A1環としての複素環を形成する原子のいずれかに結合する。
 Rcは、A2環としての芳香族炭化水素環を形成する炭素原子のいずれか、又は、A2環としての複素環を形成する原子のいずれかに結合する。
 Ra、Rb及びRcのうち、少なくとも1つが、下記一般式(4a)で表される基であることが好ましく、少なくとも2つが、下記一般式(4a)で表される基であることがより好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000361
(前記一般式(4a)において、
 L401は、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の2価の複素環基であり、
 Ar401は、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
  下記一般式(4b)で表される基である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000362
(前記一般式(4b)において、
 L402及びL403は、それぞれ独立に、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の2価の複素環基であり、
 Ar402及びAr403からなる組は、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないAr402及びAr403は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
 一実施形態において、前記一般式(4)で表される化合物は下記一般式(42)で表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000363
(前記一般式(42)において、
 R401~R411のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR401~R411は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
 R401~R411のうち、少なくとも1つが、前記一般式(4a)で表される基であることが好ましく、少なくとも2つ前記一般式(4a)で表される基であることがより好ましい。
 R404及びR411が前記一般式(4a)で表される基であることが好ましい。
 一実施形態において、前記一般式(4)で表される化合物は、A1環に下記一般式(4-1)又は一般式(4-2)で表される構造が結合した化合物である。
 また、一実施形態において、前記一般式(42)で表される化合物は、R404~R407が結合する環に下記一般式(4-1)又は一般式(4-2)で表される構造が結合した化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000364
(前記一般式(4-1)において、2つの*は、それぞれ独立に、前記一般式(4)のA1環としての芳香族炭化水素環の環形成炭素原子もしくは複素環の環形成原子と結合するか、又は前記一般式(42)のR404~R407のいずれかと結合し、
 前記一般式(4-2)の3つの*は、それぞれ独立に、前記一般式(4)のA1環としての芳香族炭化水素環の環形成炭素原子もしくは複素環の環形成原子と結合するか、又は前記一般式(42)のR404~R407のいずれかと結合し、
 R421~R427のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 R431~R438のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR421~R427並びにR431~R438は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
 一実施形態においては、前記一般式(4)で表される化合物は、下記一般式(41-3)、一般式(41-4)又は一般式(41-5)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000365
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000366
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000367
(前記一般式(41-3)、式(41-4)及び式(41-5)中、
 A1環は、前記一般式(4)で定義した通りであり、
 R421~R427は、それぞれ独立に、前記一般式(4-1)におけるR421~R427と同義であり、
 R440~R448は、それぞれ独立に、前記一般式(42)におけるR401~R411と同義である。)
 一実施形態においては、前記一般式(41-5)のA1環としての置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環は、
  置換もしくは無置換のナフタレン環、又は
  置換もしくは無置換のフルオレン環である。
 一実施形態においては、前記一般式(41-5)のA1環としての置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環は、
  置換もしくは無置換のジベンゾフラン環、
  置換もしくは無置換のカルバゾール環、又は
  置換もしくは無置換のジベンゾチオフェン環である。
 一実施形態においては、前記一般式(4)又は前記一般式(42)で表される化合物は、下記一般式(461)~一般式(467)で表される化合物からなる群から選択される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000368
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000369
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000370
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000371
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000372
(前記一般式(461)、一般式(462)、一般式(463)、一般式(464)、一般式(465)、一般式(466)及び一般式(467)中、
 R421~R427は、それぞれ独立に、前記一般式(4-1)におけるR421~R427と同義であり、
 R431~R438は、それぞれ独立に、前記一般式(4-2)におけるR431~R438と同義であり、
 R440~R448並びにR451~R454は、それぞれ独立に、前記一般式(42)におけるR401~R411と同義であり、
 Xは、酸素原子、NR801、又はC(R802)(R803)であり、
 R801、R802及びR803は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
  好ましくは、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
 R801が複数存在する場合、複数のR801は、互いに同一であるか又は異なり、
 R802が複数存在する場合、複数のR802は、互いに同一であるか又は異なり、
 R803が複数存在する場合、複数のR803は、互いに同一であるか又は異なる。)
 一実施形態において、前記一般式(42)で表される化合物は、R401~R411のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、又は互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成し、当該実施形態について、以下一般式(45)で表される化合物として詳述する。
(一般式(45)で表される化合物)
 一般式(45)で表される化合物について説明する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000373
(前記一般式(45)において、
 R461とR462とからなる組、R462とR463とからなる組、R464とR465とからなる組、R465とR466とからなる組、R466とR467とからなる組、R468とR469とからなる組、R469とR470とからなる組、及び、R470とR471とからなる組からなる群から選択される組のうち2以上は、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環又は置換もしくは無置換の縮合環を形成し、
 ただし、
  R461とR462とからなる組及びR462とR463とからなる組;
  R464とR465とからなる組及びR465とR466とからなる組;
  R465とR466とからなる組及びR466とR467とからなる組;
  R468とR469とからなる組及びR469とR470とからなる組;並びに
  R469とR470とからなる組及びR470とR471とからなる組が、同時に環を形成することはなく、
 R461~R471が形成する2つ以上の環は、互いに同一であるか、又は異なり、
 前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR461~R471は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)、-N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
 前記一般式(45)において、RとRn+1(nは461、462、464~466、及び468~470から選ばれる整数を表す)は互いに結合して、RとRn+1が結合する2つの環形成炭素原子と共に、置換もしくは無置換の単環又は置換もしくは無置換の縮合環を形成する。当該環は、好ましくは、炭素原子、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群から選択される原子で構成され、当該環の原子数は、好ましくは3~7であり、より好ましくは5又は6である。
 前記一般式(45)で表される化合物における上記の環構造の数は、例えば、2つ、3つ、又は4つである。2つ以上の環構造は、それぞれ前記一般式(45)の母骨格上の同一のベンゼン環上に存在してもよいし、異なるベンゼン環上に存在してもよい。例えば、環構造を3つ有する場合、前記一般式(45)の3つのベンゼン環のそれぞれに1つずつ環構造が存在してもよい。
 前記一般式(45)で表される化合物における上記の環構造としては、例えば、下記一般式(451)~(460)で表される構造等が挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000374
(前記一般式(451)~(457)において、
 *1と*2、*3と*4、*5と*6、*7と*8、*9と*10、*11と*12及び*13と*14のそれぞれは、RとRn+1が結合する前記2つの環形成炭素原子を表し、
 Rが結合する環形成炭素原子は、*1と*2、*3と*4、*5と*6、*7と*8、*9と*10、*11と*12及び*13と*14が表す2つの環形成炭素原子のどちらであってもよく、
 X45は、C(R4512)(R4513)、NR4514、酸素原子又は硫黄原子であり、
 R4501~R4506及びR4512~R4513のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR4501~R4514は、それぞれ独立に、前記一般式(45)におけるR461~R471と同義である。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000375
(前記一般式(458)~(460)において、
 *1と*2、及び*3と*4のそれぞれは、RとRn+1が結合する前記2つの環形成炭素原子を表し、
 Rが結合する環形成炭素原子は、*1と*2、又は*3と*4が表す2つの環形成炭素原子のどちらであってもよく、
 X45は、C(R4512)(R4513)、NR4514、酸素原子又は硫黄原子であり、
 R4512~R4513及びR4515~R4525のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR4512~R4513、R4515~R4521及びR4522~R4525、並びにR4514は、それぞれ独立に、前記一般式(45)におけるR461~R471と同義である。)
 前記一般式(45)において、R462、R464、R465、R470及びR471の少なくとも1つ(好ましくは、R462、R465及びR470の少なくとも1つ、さらに好ましくはR462)が、環構造を形成しない基であると好ましい。
 (i)前記一般式(45)において、RとRn+1により形成される環構造が置換基を有する場合の置換基、
 (ii)前記一般式(45)において、環構造を形成しないR461~R471、及び
 (iii)式(451)~(460)におけるR4501~R4514、R4515~R4525は、好ましくは、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
  下記一般式(461)~一般式(464)で表される基からなる群から選択される基のいずれかである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000376
(前記一般式(461)~(464)中、
 Rは、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 X46は、C(R801)(R802)、NR803、酸素原子又は硫黄原子であり、
 R801、R802及びR803は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
  好ましくは、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
 R801が複数存在する場合、複数のR801は、互いに同一であるか又は異なり、
 R802が複数存在する場合、複数のR802は、互いに同一であるか又は異なり、
 R803が複数存在する場合、複数のR803は、互いに同一であるか又は異なり、
 p1は、5であり、
 p2は、4であり、
 p3は、3であり、
 p4は、7であり、
 前記一般式(461)~(464)中の*は、それぞれ独立に、環構造との結合位置を示す。)
 発光性化合物において、R901~R907は、前述のように定義した通りである。
 一実施形態において、前記一般式(45)で表される化合物は、下記一般式(45-1)~(45-6)のいずれかで表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000377
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000378
(前記一般式(45-1)~(45-6)において、
 環d~iは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の単環又は置換もしくは無置換の縮合環であり、
 R461~R471は、それぞれ独立に、前記一般式(45)におけるR461~R471と同義である。)
 一実施形態において、前記一般式(45)で表される化合物は、下記一般式(45-7)~(45-12)のいずれかで表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000379
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000380
(前記一般式(45-7)~(45-12)において、
 環d~f、k、jは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の単環又は置換もしくは無置換の縮合環であり、
 R461~R471は、それぞれ独立に、前記一般式(45)におけるR461~R471と同義である。)
 一実施形態において、前記一般式(45)で表される化合物は、下記一般式(45-13)~(45-21)のいずれかで表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000381
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000382
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000383
(前記一般式(45-13)~(45-21)において、
 環d~kは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の単環又は置換もしくは無置換の縮合環であり、
 R461~R471は、それぞれ独立に、前記一般式(45)におけるR461~R471と同義である。)
 前記環g又は前記環hがさらに置換基を有する場合の置換基としては、例えば、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
  前記一般式(461)で表される基、
  前記一般式(463)で表される基、又は
  前記一般式(464)で表される基が挙げられる。
 一実施形態において、前記一般式(45)で表される化合物は、下記一般式(45-22)~(45-25)のいずれかで表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000384
(前記一般式(45-22)~(45-25)において、
 X46及びX47は、それぞれ独立に、C(R801)(R802)、NR803、酸素原子又は硫黄原子であり、
 R461~R471並びにR481~R488は、それぞれ独立に、前記一般式(45)におけるR461~R471と同義である。
 R801、R802及びR803は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
  好ましくは、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
 R801が複数存在する場合、複数のR801は、互いに同一であるか又は異なり、
 R802が複数存在する場合、複数のR802は、互いに同一であるか又は異なり、
 R803が複数存在する場合、複数のR803は、互いに同一であるか又は異なる。)
 一実施形態において、前記一般式(45)で表される化合物は、下記一般式(45-26)で表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000385
(前記一般式(45-26)において、
 X46は、C(R801)(R802)、NR803、酸素原子又は硫黄原子であり、
 R463、R464、R467、R468、R471、及びR481~R492は、それぞれ独立に、前記一般式(45)におけるR461~R471と同義である。
 R801、R802及びR803は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
  好ましくは、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
 R801が複数存在する場合、複数のR801は、互いに同一であるか又は異なり、
 R802が複数存在する場合、複数のR802は、互いに同一であるか又は異なり、
 R803が複数存在する場合、複数のR803は、互いに同一であるか又は異なる。)
(一般式(4)で表される化合物の具体例)
 前記一般式(4)で表される化合物としては、例えば、以下に示す化合物が具体例として挙げられる。下記具体例中、Phは、フェニル基を示し、Dは、重水素原子を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000386
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000387
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000388
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000389
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000390
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000391
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000392
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000393
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000394
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000395
(一般式(5)で表される化合物)
 一般式(5)で表される化合物について説明する。一般式(5)で表される化合物は、上述した一般式(41-3)で表される化合物に対応する化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000396
(前記一般式(5)において、
 R501~R507及びR511~R517のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR501~R507及びR511~R517は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
 R521及びR522は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
 「R501~R507及びR511~R517のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組」は、例えば、R501とR502からなる組、R502とR503からなる組、R503とR504からなる組、R505とR506からなる組、R506とR507からなる組、R501とR502とR503からなる組等の組合せである。
 一実施形態において、R501~R507及びR511~R517の少なくとも1つ、好ましくは2つが-N(R906)(R907)で表される基である。
 一実施形態においては、R501~R507及びR511~R517は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
 一実施形態においては、前記一般式(5)で表される化合物は、下記一般式(52)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000397
(前記一般式(52)において、
 R531~R534及びR541~R544のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR531~R534、R541~R544、並びにR551及びR552は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 R561~R564は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
 一実施形態においては、前記一般式(5)で表される化合物は、下記一般式(53)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000398
(前記一般式(53)において、R551、R552及びR561~R564は、それぞれ独立に、前記一般式(52)におけるR551、R552及びR561~R564と同義である。)
 一実施形態においては、前記一般式(52)及び一般式(53)におけるR561~R564は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基(好ましくはフェニル基)である。
 一実施形態においては、前記一般式(5)におけるR521及びR522、前記一般式(52)及び一般式(53)におけるR551及びR552は、水素原子である。
 一実施形態においては、前記一般式(5)、一般式(52)及び一般式(53)における、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基は、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
(一般式(5)で表される化合物の具体例)
 前記一般式(5)で表される化合物としては、例えば、以下に示す化合物が具体例として挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000399
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000400
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000401
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000402
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000403
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000404
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000405
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000406
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000407
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000408
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000409
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000410
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000411
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000412
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000413
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000414
(一般式(7)で表される化合物)
 一般式(7)で表される化合物について説明する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000415
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000416
(前記一般式(7)において、
 r環は、隣接環の任意の位置で縮合する前記一般式(72)又は一般式(73)で表される環であり、
 q環及びs環は、それぞれ独立に、隣接環の任意の位置で縮合する前記一般式(74)で表される環であり、
 p環及びt環は、それぞれ独立に、隣接環の任意の位置で縮合する前記一般式(75)又は一般式(76)で表される構造であり、
 Xは、酸素原子、硫黄原子、又はNR702である。
 R701が複数存在する場合、隣接する複数のR701は、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR701及びR702は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 Ar701及びAr702は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 L701は、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキレン基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニレン基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニレン基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキレン基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 m1は、0、1又は2であり、
 m2は、0、1、2、3又は4であり、
 m3は、それぞれ独立に、0、1、2又は3であり、
 m4は、それぞれ独立に、0、1、2、3、4又は5であり、
 R701が複数存在する場合、複数のR701は、互いに同一であるか、又は異なり、
 Xが複数存在する場合、複数のXは、互いに同一であるか、又は異なり、
 R702が複数存在する場合、複数のR702は、互いに同一であるか、又は異なり、
 Ar701が複数存在する場合、複数のAr701は、互いに同一であるか、又は異なり、
 Ar702が複数存在する場合、複数のAr702は、互いに同一であるか、又は異なり、
 L701が複数存在する場合、複数のL701は、互いに同一であるか、又は異なる。)
 前記一般式(7)において、p環、q環、r環、s環及びt環の各環は、隣接環と炭素原子2つを共有して縮合する。縮合する位置及び向きは限定されず、任意の位置及び向きで縮合可能である。
 一実施形態において、r環としての前記一般式(72)又は一般式(73)において、m1=0又はm2=0である。
 一実施形態において、前記一般式(7)で表される化合物は、下記一般式(71-1)~(71-6)のいずれかで表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000417
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000418
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000419
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000420
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000421
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000422
(前記一般式(71-1)~一般式(71-6)において、R701、X、Ar701、Ar702、L701、m1及びm3は、それぞれ、前記一般式(7)におけるR701、X、Ar701、Ar702、L701、m1及びm3と同義である。)
 一実施形態において、前記一般式(7)で表される化合物は下記一般式(71-11)~一般式(71-13)のいずれかで表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000423
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000424
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000425
(前記一般式(71-11)~一般式(71-13)において、R701、X、Ar701、Ar702、L701、m1、m3及びm4は、それぞれ、前記一般式(7)におけるR701、X、Ar701、Ar702、L701、m1、m3及びm4と同義である。)
 一実施形態において、前記一般式(7)で表される化合物は下記一般式(71-21)~(71-25)のいずれかで表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000426
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000427
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000428
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000429
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000430
(前記一般式(71-21)~一般式(71-25)において、R701、X、Ar701、Ar702、L701、m1及びm4は、それぞれ、前記一般式(7)におけるR701、X、Ar701、Ar702、L701、m1及びm4と同義である。)
 一実施形態において、前記一般式(7)で表される化合物は下記一般式(71-31)~一般式(71-33)のいずれかで表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000431
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000432
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000433
(前記一般式(71-31)~一般式(71-33)において、R701、X、Ar701、Ar702、L701、m2~m4は、それぞれ、前記一般式(7)におけるR701、X、Ar701、Ar702、L701、m2~m4と同義である。)
 一実施形態においては、Ar701及びAr702が、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
 一実施形態においては、Ar701及びAr702の一方が置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、Ar701及びAr702の他方が置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
(一般式(7)で表される化合物の具体例)
 前記一般式(7)で表される化合物としては、例えば、以下に示す化合物が具体例として挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000434
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000435
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000436
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000437
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000438
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000439
(一般式(8)で表される化合物)
 一般式(8)で表される化合物について説明する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000440
(前記一般式(8)において、
 R801とR802、R802とR803、及びR803とR804の少なくとも一組は、互いに結合して下記一般式(82)で示される2価の基を形成し、
 R805とR806、R806とR807、及びR807とR808の少なくとも一組は、互いに結合して下記一般式(83)で示される2価の基を形成する。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000441
(前記一般式(82)で示される2価の基を形成しないR801~R804、及びR811~R814の少なくとも1つは下記一般式(84)で表される1価の基であり、
 前記一般式(83)で示される2価の基を形成しないR805~R808、及びR821~R824の少なくとも1つは下記一般式(84)で表される1価の基であり、
 Xは、酸素原子、硫黄原子、又はNR809であり、
 前記一般式(82)及び一般式(83)で表される2価の基を形成せず、かつ、前記一般式(84)で表される1価の基ではないR801~R808、前記一般式(84)で表される1価の基ではないR811~R814及びR821~R824、並びにR809は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000442
(前記一般式(84)において、
 Ar801及びAr802は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 L801~L803は、それぞれ独立に、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリーレン基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の2価の複素環基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリーレン基及び置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の2価の複素環基からなる群から選択される2~4個の基が結合して形成される2価の連結基であり、
 前記一般式(84)中の*は、前記一般式(8)で表される環構造、一般式(82)又は一般式(83)で表される基との結合位置を示す。)
 前記一般式(8)において、前記一般式(82)で示される2価の基及び一般式(83)で示される2価の基が形成される位置は特に限定されず、R801~R808の可能な位置において当該基を形成し得る。
 一実施形態において、前記一般式(8)で表される化合物は、下記一般式(81-1)~(81-6)のいずれかで表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000443
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000444
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000445
(前記一般式(81-1)~一般式(81-6)において、
 Xは、前記一般式(8)におけるXと同義であり、
 R801~R824のうち少なくとも2つは、前記一般式(84)で表される1価の基であり、
 前記一般式(84)で表される1価の基ではないR801~R824は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
 一実施形態において、前記一般式(8)で表される化合物は、下記一般式(81-7)~(81-18)のいずれかで表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000446
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000447
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000448
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000449
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000450
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000451
(前記一般式(81-7)~一般式(81-18)において、
 Xは、前記一般式(8)におけるXと同義であり、
 *は、前記一般式(84)で表される1価の基と結合する単結合であり、
 R801~R824は、それぞれ独立に、前記一般式(81-1)~一般式(81-6)における前記一般式(84)で表される1価の基ではないR801~R824と同義である。)
 前記一般式(82)及び一般式(83)で表される2価の基を形成せず、かつ、前記一般式(84)で表される1価の基ではないR801~R808、及び、前記一般式(84)で表される1価の基ではないR811~R814及びR821~R824は、好ましくは、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
 置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
 前記一般式(84)で表される1価の基は、好ましくは下記一般式(85)又は一般式(86)で表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000452
(前記一般式(85)において、
 R831~R840は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 前記一般式(85)中の*は、前記一般式(84)中の*と同義である。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000453
(前記一般式(86)において、
 Ar801、L801及びL803は、前記一般式(84)におけるAr801、L801及びL803と同義であり、
 HAr801は、下記一般式(87)で表される構造である。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000454
(前記一般式(87)において、
 X81は、酸素原子又は硫黄原子であり、
 R841~R848のいずれか1つは、L803に結合する単結合であり、
 単結合ではないR841~R848は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
(一般式(8)で表される化合物の具体例)
 前記一般式(8)で表される化合物としては、国際公開第2014/104144号に記載の化合物の他、例えば、以下に示す化合物が具体例として挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000455
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000456
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000457
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000458
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000459
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000460
(一般式(9)で表される化合物)
 一般式(9)で表される化合物について説明する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000461
(前記一般式(9)において、
 A91環及びA92環は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環、又は、
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環であり、
 A91環及びA92環からなる群から選択される1以上の環は、
 下記一般式(92)で表される構造の*と結合する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000462
(前記一般式(92)において、
 A93環は、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環、又は、
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環であり、
 Xは、NR93、C(R94)(R95)、Si(R96)(R97)、Ge(R98)(R99)、酸素原子、硫黄原子又はセレン原子であり、
 R91及びR92は、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR91及びR92、並びにR93~R99は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
 A91環及びA92環からなる群から選択される1以上の環は、前記一般式(92)で表される構造の*と結合する。即ち、一実施形態において、A91環の前記芳香族炭化水素環の環形成炭素原子、又は前記複素環の環形成原子は、前記一般式(92)で表される構造の*と結合する。また、一実施形態において、A92環の前記芳香族炭化水素環の環形成炭素原子、又は前記複素環の環形成原子は、前記一般式(92)で表される構造の*と結合する。
 一実施形態において、A91環及びA92環のいずれか又は両方に下記一般式(93)で表される基が結合する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000463
(前記一般式(93)において、
 Ar91及びAr92は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 L91~L93は、それぞれ独立に、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリーレン基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の2価の複素環基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリーレン基及び置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の2価の複素環基からなる群から選択される2~4個結合して形成される2価の連結基であり、
 前記一般式(93)中の*は、A91環及びA92環のいずれかとの結合位置を示す。)
 一実施形態において、A91環に加えて、A92環の前記芳香族炭化水素環の環形成炭素原子、又は前記複素環の環形成原子は、前記一般式(92)で表される構造の*と結合する。この場合、前記一般式(92)で表される構造は、互いに同一でもよいし異なってもよい。
 一実施形態において、R91及びR92は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
 一実施形態において、R91及びR92は、互いに結合してフルオレン構造を形成する。
 一実施形態において、環A91及び環A92は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環であり、例えば、置換もしくは無置換のベンゼン環である。
 一実施形態において、環A93は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環であり、例えば、置換もしくは無置換のベンゼン環である。
 一実施形態において、Xは、酸素原子又は硫黄原子である。
(一般式(9)で表される化合物の具体例)
 前記一般式(9)で表される化合物としては、例えば、以下に示す化合物が具体例として挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000464
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000465
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000466
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000467
(一般式(10)で表される化合物)
 一般式(10)で表される化合物について説明する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000468
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000469
(前記一般式(10)において、
 Ax環は、隣接環の任意の位置で縮合する前記一般式(10a)で表される環であり、
 Ax環は、隣接環の任意の位置で縮合する前記一般式(10b)で表される環であり、
 前記一般式(10b)中の2つの*は、Ax環の任意の位置と結合し、
 X及びXは、それぞれ独立に、C(R1003)(R1004)、Si(R1005)(R1006)、酸素原子又は硫黄原子であり、
 Ax環は、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環であり、
 Ar1001は、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 R1001~R1006は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 mx1は、3であり、mx2は、2であり、
 複数のR1001は、互いに同一であるか、又は異なり、
 複数のR1002は、互いに同一であるか、又は異なり、
 axは、0、1又は2であり、
 axが0又は1の場合、「3-ax」で示されるカッコ内の構造は、互いに同一であるか、又は異なり、
 axが2の場合、複数のAr1001は、互いに同一であるか、又は異なる。)
 一実施形態において、Ar1001は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
 一実施形態において、Ax環は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環であり、例えば、置換もしくは無置換のベンゼン環、置換もしくは無置換のナフタレン環、又は置換もしくは無置換のアントラセン環である。
 一実施形態において、R1003及びR1004は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基である。
 一実施形態において、axは1である。
(一般式(10)で表される化合物の具体例)
 前記一般式(10)で表される化合物としては、例えば、以下に示す化合物が具体例として挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000470
 一実施形態においては、前記各式中の「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、無置換の炭素数1~50のアルキル基、無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
 一実施形態においては、前記各式中の「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、無置換の炭素数1~18のアルキル基、無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、又は無置換の環形成原子数5~18の複素環基である。
<電子輸送帯域>
 本実施形態の有機EL素子は、陰極と発光領域との間に配置された電子輸送帯域を有していてもよい。
(電子輸送層)
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、電子輸送帯域は、少なくとも1つの電子輸送層を含み、電子輸送帯域中の少なくとも1つの電子輸送層は、窒素含有化合物を含有し、窒素含有化合物は、窒素原子を含む5員環及び窒素原子を含む6員環の少なくともいずれかの環を有する。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、電子輸送帯域中の少なくとも1つの電子輸送層は、窒素含有化合物として、イミダゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、アジン誘導体、カルバゾール誘導体、及びフェナントロリン誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含有する。
(フェナントロリン誘導体)
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、電子輸送帯域中の少なくとも1つの電子輸送層は、窒素含有化合物として、フェナントロリン誘導体を含有する。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、前記電子輸送層が含有するフェナントロリン誘導体(フェナントロリン化合物)は、下記一般式(21)で表される基を少なくとも1つ有し、かつ下記一般式(20)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000471
(前記一般式(20)において、
 X21~X28は、それぞれ独立に、窒素原子、CR21、又は前記一般式(21)で表される基と結合する炭素原子であり、
 X21~X28のうち少なくとも1つは、前記一般式(21)で表される基と結合する炭素原子であり、
 前記一般式(21)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(21)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
 複数のR21のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR21は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
  -C(=O)R931で表される基、
  -COOR932で表される基、
  -S(=O)933で表される基、
  -B(R934)(R935)で表される基、
  -P(=O)(R936)(R937)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
(前記一般式(21)において、
 Arは、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 pは、1、2、3、4又は5であり、
 Arが2以上存在する場合、2以上のArは、互いに同一であるか、又は異なり、
 Lは、単結合又は連結基であり、
 連結基としてのLは、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状の多価の脂肪族炭化水素基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の多価の芳香族炭化水素基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の多価の複素環基、又は
  前記多価の芳香族炭化水素環基及び前記多価の複素環基から選ばれる2つもしくは3つの基が結合してなる多価の複数連結基であり、
 前記複数連結基としてのLを構成する前記芳香族炭化水素環基及び前記複素環基は、互いに同一であるか又は異なり、隣り合う基同士が互いに結合して環を形成するか、又は互いに結合せず、
 Arと連結基としてのLとが互いに結合して環を形成するか、又は互いに結合せず、
 連結基としてのLと、Lに結合した炭素原子に隣接するX21~X28のいずれかの炭素原子又はCR21のR21とが、互いに結合して環を形成するか、又は互いに結合せず、
 前記一般式(21)中の*は、前記一般式(20)で表される環との結合位置を示す。)
(前記フェナントロリン化合物中、R901、R902、R903、R904、R905、R906、R907、R931、R932、R933、R934、R935、R936及びR937は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 R901が複数存在する場合、複数のR901は、互いに同一であるか又は異なり、
 R902が複数存在する場合、複数のR902は、互いに同一であるか又は異なり、
 R903が複数存在する場合、複数のR903は、互いに同一であるか又は異なり、
 R904が複数存在する場合、複数のR904は、互いに同一であるか又は異なり、
 R905が複数存在する場合、複数のR905は、互いに同一であるか又は異なり、
 R906が複数存在する場合、複数のR906は、互いに同一であるか又は異なり、
 R907が複数存在する場合、複数のR907は、互いに同一であるか又は異なり、
 R931が複数存在する場合、複数のR931は、互いに同一であるか又は異なり、
 R932が複数存在する場合、複数のR932は、互いに同一であるか又は異なり、
 R933が複数存在する場合、複数のR933は、互いに同一であるか又は異なり、
 R934が複数存在する場合、複数のR934は、互いに同一であるか又は異なり、
 R935が複数存在する場合、複数のR935は、互いに同一であるか又は異なり、
 R936が複数存在する場合、複数のR936は、互いに同一であるか又は異なり、
 R937が複数存在する場合、複数のR937は、互いに同一であるか又は異なる。)
 本明細書において、-O-(R904)で表される基は、R904が水素原子の場合、ヒドロキシ基である。
 本明細書において、-S-(R905)で表される基は、R905が水素原子の場合、チオール基である。
 本明細書において、-S(=O)933で表される基は、R933が置換基の場合、置換スルホ基である。
 本明細書において、-B(R934)(R935)で表される基は、R934及びR935が置換基の場合、置換ボリル基である。
 本明細書において、-P(=O)(R936)(R937)で表される基は、R936及びR937が置換基の場合、置換ホスフィンオキシド基であり、R936及びR937がアリール基の場合、アリールホスホリル基である。
 本明細書に記載の「無置換の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状の多価の脂肪族炭化水素基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~20であり、より好ましくは1~6である。
 本明細書に記載の「無置換の多価の芳香族炭化水素基」の環形成炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、6~50であり、好ましくは6~30であり、より好ましくは6~18である。
 本明細書に記載の「無置換の多価の複素環基」の環形成原子数は、本明細書に別途記載のない限り、5~50であり、好ましくは5~30、より好ましくは5~18である。
 一実施形態において、前記一般式(21)のArにおける環形成原子数5~50の複素環基は、前記一般式(20)で表される環構造から誘導される置換もしくは無置換の基を含む。
 一実施形態において、前記一般式(20)のX21及びX28が、前記一般式(21)で表される基と結合する炭素原子である。
 一実施形態において、前記一般式(20)のX21及びX28の一方が、前記一般式(21)で表される基と結合する炭素原子であり、X21及びX28の他方が、水素原子と結合する炭素原子である。
 一実施形態において、前記一般式(20)のX21~X28は、それぞれ独立に、CR21又は前記一般式(21)で表される基と結合する炭素原子である。
 一実施形態において、前記一般式(20)のX21~X28の内、前記一般式(21)で表される基と結合する炭素原子の他は、CR21である。すなわち、一実施形態において、前記一般式(20)で表される化合物は、1,10-フェナントロリン誘導体である。
 一実施形態において、前記一般式(21)のArは、置換もしくは無置換の環形成炭素数8~20の縮合芳香族炭化水素基である。
 一実施形態において、環形成炭素数8~20の縮合芳香族炭化水素基は、例えば、ナフタレン、アントラセン、アセフェナントリレン、アセアントリレン、ベンゾアントラセン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、フルオレン、フェナントレン、フルオランテン及びベンゾフルオランテンからなる群から選択されるいずれかの芳香族炭化水素から誘導される基である。
 一実施形態において、前記一般式(21)のArは、置換もしくは無置換のアントリル基である。
 一実施形態において、前記一般式(21)のArは、置換もしくは無置換の環形成炭素数5~40の複素環基である。
 一実施形態において、前記一般式(21)のArは、前記一般式(20)で表される環構造から誘導される置換もしくは無置換の基である。
 一実施形態において、前記一般式(21)のArは、下記一般式(23)で表される基である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000472
(前記一般式(23)において、
 X21~X28は、それぞれ独立に、窒素原子、CR21、前記一般式(21)で表される基又はL22もしくはL23に結合する炭素原子であり、
 L21は、連結基であり、連結基としてのL21は、置換もしくは無置換の炭素数1~50の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状の3価の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の3価の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の3価の複素環基であり、
 L22及びL23は、それぞれ独立に、単結合または連結基であり、連結基としてのL22及びL23は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1~50の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状の2価の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基である。)
 フェナントロリン化合物の一般式中、
  X21が複数存在する場合、複数のX21は、互いに同一であるか又は異なり、
  X22が複数存在する場合、複数のX22は、互いに同一であるか又は異なり、
  X23が複数存在する場合、複数のX23は、互いに同一であるか又は異なり、
  X24が複数存在する場合、複数のX24は、互いに同一であるか又は異なり、
  X25が複数存在する場合、複数のX25は、互いに同一であるか又は異なり、
  X26が複数存在する場合、複数のX26は、互いに同一であるか又は異なり、
  X27が複数存在する場合、複数のX27は、互いに同一であるか又は異なり、
  X28が複数存在する場合、複数のX28は、互いに同一であるか又は異なる。
 一実施形態において、前記一般式(23)のX21~X28は、それぞれ独立に、窒素原子、CR21、又はL22もしくはL23に結合する炭素原子であることが好ましく、CR21、又はL22もしくはL23に結合する炭素原子であることがより好ましい。
 一実施形態において、フェナントロリン化合物は、下記一般式(24)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000473
(前記一般式(24)において、
 複数のR21は、それぞれ独立に、前記一般式(20)におけるR21と同義であり、
 複数のR22は、それぞれ独立に、前記一般式(20)におけるR21と同義であり、
 Lは、前記一般式(21)におけるLと同義であり、
 pは、1、2、3、4又は5であり、
 複数のR22及びLは、アントラセン環の1位から10位のいずれかの炭素原子に結合する。)
 一実施形態において、フェナントロリン化合物は、下記一般式(24A)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000474
(前記一般式(24A)において、
 複数のR21は、それぞれ独立に、前記一般式(20)におけるR21と同義であり、
 複数のR22は、それぞれ独立に、前記一般式(20)におけるR21と同義であり、
 Lは、前記一般式(21)におけるLと同義である。)
 一実施形態において、フェナントロリン化合物は、下記一般式(24B)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000475
(前記一般式(24B)において、
 複数のR21は、それぞれ独立に、前記一般式(20)におけるR21と同義であり、
 複数のR22は、それぞれ独立に、前記一般式(20)におけるR21と同義であり、
 Lは、前記一般式(21)におけるLと同義である。)
 一実施形態において、フェナントロリン化合物は、下記一般式(25)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000476
(前記一般式(25)において、
 複数のR21は、それぞれ独立に、前記一般式(20)におけるR21と同義であり、
 複数のR22は、それぞれ独立に、前記一般式(20)におけるR21と同義であり、
 Lは、前記一般式(21)におけるLと同義であり、
 pは、1、2、3、4又は5であり、
 複数のR22及びLは、フェナントロリン環の2位から9位のいずれかの炭素原子に結合する。)
 一実施形態において、フェナントロリン化合物は、下記一般式(25A)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000477
(前記一般式(25A)において、
 複数のR21は、それぞれ独立に、前記一般式(20)におけるR21と同義であり、
 複数のR22は、それぞれ独立に、前記一般式(20)におけるR21と同義であり、
 Lは、前記一般式(21)におけるLと同義である。)
 一実施形態において、前記一般式(24)、(24A)、(24B)、(25)及び(25A)のLは、単結合、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基である。
 一実施形態において、フェナントロリン化合物は、下記一般式(25B)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000478
(前記一般式(25B)において、
 複数のR21は、それぞれ独立に、前記一般式(20)におけるR21と同義であり、
 複数のR22は、それぞれ独立に、前記一般式(20)におけるR21と同義であり、
 Lは、連結基であり、連結基としてのLは、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状の多価の脂肪族炭化水素基、
  置換もしくは無置換の多価のアミノ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の多価の芳香族炭化水素環基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の多価の複素環基、又は
 前記多価の芳香族炭化水素環基及び前記多価の複素環基から選ばれる2つもしくは3つの基が結合してなる多価の複数連結基であり、
 前記複数連結基としてのLを構成する前記芳香族炭化水素環基および前記複素環基は、互いに同一であるか又は異なり、隣り合う基同士が互いに結合して環を形成するか、又は互いに結合せず、
 pは、1、2、3、4又は5であり、
 複数のR22及びLは、フェナントレン環の1位から10位のいずれかの炭素原子に結合する。)
 一実施形態において、フェナントロリン化合物は、下記一般式(25C)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000479
(前記一般式(25C)において、
 複数のR21は、それぞれ独立に、前記一般式(20)におけるR21と同義であり、
 R221~R230の内、1つがLと結合する単結合であり、Lと結合する単結合ではないR221~R230は、それぞれ独立に、前記一般式(20)におけるR21と同義であり、
 Lは、連結基であり、連結基としてのLは、前記一般式(25B)における連結基としてのLと同義であり、
 pは、1、2、3、4又は5である。)
 一実施形態において、フェナントロリン化合物は、下記一般式(25D)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000480
(前記一般式(25D)において、
 複数のR21は、それぞれ独立に、前記一般式(20)におけるR21と同義であり、
 R221~R232の内、1つがLと結合する単結合であり、Lと結合する単結合ではないR221~R232は、それぞれ独立に、前記一般式(20)におけるR21と同義であり、
 Lは、連結基であり、連結基としてのLは、前記一般式(25B)における連結基としてのLと同義であり、
 pは、1、2、3、4又は5である。)
 一実施形態において、フェナントロリン化合物は、下記一般式(25E)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000481
(前記一般式(25E)において、
 複数のR21は、それぞれ独立に、前記一般式(20)におけるR21と同義であり、
 R221~R230の内、1つがLと結合する単結合であり、Lと結合する単結合ではないR221~R230は、それぞれ独立に、前記一般式(20)におけるR21と同義であり、
 Lは、連結基であり、連結基としてのLは、前記一般式(25B)における連結基としてのLと同義であり、
 pは、1、2、3、4又は5である。)
 前記一般式(25B)、(25C)、(25D)及び(25E)のLは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であることも好ましい。
(フェナントロリン化合物の製造方法)
 フェナントロリン化合物は、公知の方法により製造できる。また、フェナントロリン化合物は、公知の方法に倣い、目的物に合わせた既知の代替反応及び原料を用いることによっても、製造できる。
(アジン誘導体)
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、電子輸送帯域中の少なくとも1つの電子輸送層は、窒素含有化合物として、アジン誘導体を含有する。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、前記電子輸送層が含有するアジン誘導体は、下記一般式(E42)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000482
(前記一般式(E42)において、
 X401~X403は、それぞれ独立に、CR4204又は窒素原子であり、
 X401~X403の少なくとも1つは窒素原子であり、
 R4204が2以上存在する場合、2以上のR4204は、互いに同一であるか又は異なり、
 R4201~R4204は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
(前記アジン誘導体におけるR901~R907は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 R901が複数存在する場合、複数のR901は、互いに同一であるか又は異なり、
 R902が複数存在する場合、複数のR902は、互いに同一であるか又は異なり、
 R903が複数存在する場合、複数のR903は、互いに同一であるか又は異なり、
 R904が複数存在する場合、複数のR904は、互いに同一であるか又は異なり、
 R905が複数存在する場合、複数のR905は、互いに同一であるか又は異なり、
 R906が複数存在する場合、複数のR906は、互いに同一であるか又は異なり、
 R907が複数存在する場合、複数のR907は、互いに同一であるか又は異なる。)
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、前記電子輸送層が含有するアジン誘導体は、下記一般式(E421)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000483
(前記一般式(E421)において、
 X401~X403、R4201及びR4202は、それぞれ独立に、前記一般式(E42)におけるX401~X403、R4201及びR4202と同義であり、
 n4は、1、2又は3であり、
 L421は、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、当該アリーレン基から誘導される3価の基もしくは4価の基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基、当該2価の複素環基から誘導される3価の基もしくは4価の基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基及び置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基からなる群から選択される2つの基が結合して形成される2価の基、当該2価の基から誘導される3価の基もしくは4価の基であり、
 Ar421は、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 n4が2又は3のとき、Ar421は、互いに同一または異なり、
 n4が2又は3のとき、L421は、単結合ではない。)
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、前記電子輸送層が含有するアジン誘導体は、下記一般式(E422)及び一般式(E423)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000484
(前記一般式(E422)において、
 n4、X401~X403、R4201及びR4202は、それぞれ独立に、前記一般式(E42)におけるn4、X401~X403、R4201及びR4202と同義であり、
 L421は、前記一般式(E421)におけるL421と同義であり、
 Ar422は、前記一般式(E423)で表される基である。)
(前記一般式(E423)において、
 X404は、酸素原子、硫黄原子、N(R4221)、又はC(R4222)(R4223)であり、
 R4211~R4218及びR4221~R4223のうちの1つはL421と結合する単結合であり、
 L421と結合する単結合ではないR4211~R4218のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 L421と結合する単結合ではないR4222及びR4223からなる組が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 L421と結合する単結合ではなく、前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR4211~R4218及びR4221、並びにL421と結合する単結合ではなく、前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR4222及びR4223は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 n4が2又は3のとき、
 複数存在するX404は、互いに同一であるか又は異なり、
 複数存在するR4211は、互いに同一であるか又は異なり、
 複数存在するR4212は、互いに同一であるか又は異なり、
 複数存在するR4213は、互いに同一であるか又は異なり、
 複数存在するR4214は、互いに同一であるか又は異なり、
 複数存在するR4215は、互いに同一であるか又は異なり、
 複数存在するR4216は、互いに同一であるか又は異なり、
 複数存在するR4217は、互いに同一であるか又は異なり、
 複数存在するR4218は、互いに同一であるか又は異なる。)
(前記一般式(E422)及び一般式(E423)において、R901~R907は、それぞれ独立に、前記アジン誘導体におけるR901~R907と同義である。)
 例えば、前記一般式(E421)において、n4が1のとき、前記一般式(E421)中、(Ar421n4―L421―*で表される基は、下記一般式(E421-1)で表される。この態様の場合、L421は、2価の連結基である。*は、前記一般式(E421)中の六員環との結合位置を表す。
 また、前記一般式(E421)において、n4が2のとき、前記一般式(E421)中、(Ar421n4―L421―*で表される基は、下記一般式(E421-2)で表される。Ar421は、互いに同一であるか、又は異なる。この態様の場合、L421は、3価の連結基である。
 また、前記一般式(E421)において、n4が3のとき、前記一般式(E421)中、(Ar421n4―L421―*で表される基は、下記一般式(E421-3)で表される。Ar421は、互いに同一であるか、又は異なる。この態様の場合、L421は、4価の連結基である。
 前記一般式(E422)中、(Ar422n4―L421―*で表される基についても同様である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000485
(前記一般式(E421-1)、(E421-2)及び(E421-3)において、*は、前記一般式(E421)中の六員環との結合位置を表す。)
 前記一般式(E421)及び(E422)において、連結基としてのL421は、ベンゼン、ビフェニル、ターフェニル、ナフタレン及びフェナントレンのいずれかから誘導される2価又は3価の基であることが好ましい。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、前記アジン誘導体における「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、炭素数1~18のアルキル基、環形成炭素数6~18のアリール基、及び環形成原子数5~18の複素環基からなる群から選択される少なくともいずれかの基である。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、前記アジン誘導体における「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、炭素数1~5のアルキル基である。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、前記アジン誘導体における「置換もしくは無置換」と記載された基は、いずれも「無置換」の基である。
(ベンゾイミダゾール誘導体)
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、電子輸送帯域中の少なくとも1つの電子輸送層は、窒素含有化合物として、ベンゾイミダゾール誘導体を含有する。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、前記電子輸送層が含有するベンゾイミダゾール誘導体は、下記一般式(E41)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000486
(前記一般式(E41)において、
 R41~R46のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR41~R46は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
(前記一般式(E41)において、R901~R907は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 R901が複数存在する場合、複数のR901は、互いに同一であるか又は異なり、
 R902が複数存在する場合、複数のR902は、互いに同一であるか又は異なり、
 R903が複数存在する場合、複数のR903は、互いに同一であるか又は異なり、
 R904が複数存在する場合、複数のR904は、互いに同一であるか又は異なり、
 R905が複数存在する場合、複数のR905は、互いに同一であるか又は異なり、
 R906が複数存在する場合、複数のR906は、互いに同一であるか又は異なり、
 R907が複数存在する場合、複数のR907は、互いに同一であるか又は異なる。)
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、前記電子輸送層が含有するベンゾイミダゾール誘導体は、下記一般式(E41A)、(E41B)、(E41C)、(E41D)又は(E41E)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000487
(前記一般式(E41A)、(E41B)、(E41C)、(E41D)及び(E41E)において、R41~R46は、それぞれ独立に、前記一般式(E41)におけるR41~R46と同義であり、
 L41は、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 Ar41は、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  -O-(R904)で表される基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 R904は、前記ベンゾイミダゾール誘導体におけるR904と同義である。)
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、前記一般式(E41A)、(E41B)、(E41C)、(E41D)及び(E41E)中、Ar41は、下記一般式(E412)で表される基である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000488
(前記一般式(E412)において、
 R481~R489のうちの1つは、L41と結合する単結合であり、
 L41と結合する単結合ではないR481~R489のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 L41と結合する単結合ではなく、前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR481~R489は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 L42は、それぞれ独立に、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 Ar42は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
(前記一般式(E412)において、R901~R907は、それぞれ独立に、前記ベンゾイミダゾール誘導体におけるR901~R907と同義である。)
 前記一般式(E41A)、(E41B)、(E41C)、(E41D)及び(E41E)中、L41は、
 置換もしくは無置換のフェニレン基、
 置換もしくは無置換のビフェニレン基、
 置換もしくは無置換のナフチレン基、
 置換もしくは無置換のピリジニレン基、又は
 置換もしくは無置換の9,9’-スピロビフルオレニレン基であることが好ましい。
 前記一般式(E41A)、(E41B)、(E41C)、(E41D)及び(E41E)中、L41は、
 無置換のフェニレン基、
 無置換のビフェニレン基、
 無置換のナフチレン基、
 無置換のピリジニレン基、又は
 無置換の9,9’-スピロビフルオレニレン基であることがより好ましい。
 前記一般式(E41A)、(E41B)、(E41C)、(E41D)及び(E41E)中、Ar41は、
 置換もしくは無置換のフェニル基、
 置換もしくは無置換のビフェニル基、
 置換もしくは無置換のターフェニル基、
 置換もしくは無置換のナフチル基、
 置換もしくは無置換のフェナントリル基、
 置換もしくは無置換のフルオランテニル基、
 置換もしくは無置換のピレニル基、又は
 置換もしくは無置換のフルオレニル基であることが好ましい。
 前記一般式(E41A)、(E41B)、(E41C)、(E41D)及び(E41E)中、Ar41は、
 無置換のフェニル基、
 無置換のビフェニル基、
 無置換のターフェニル基、
 無置換のナフチル基、
 無置換のフェナントリル基、
 無置換のフルオランテニル基、
 無置換のピレニル基、又は
 無置換の9,9-ジメチルフルオレニル基であることがより好ましい。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、ベンゾイミダゾール誘導体は、下記一般式(E413)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000489
(前記一般式(E413)において、
 R41~R45及びL41は、それぞれ独立に、前記一般式(E41A)におけるR41~R45及びL41と同義であり、
 R481~R488、L42及びAr42は、それぞれ独立に、前記一般式(E412)におけるR481~R488、L42及びAr42と同義である。)
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、前記ベンゾイミダゾール誘導体における「置換もしくは無置換」と記載された基は、いずれも「無置換」の基である。
(窒素含有化合物の具体例)
 窒素含有化合物の具体例としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。ただし、本発明は、これら窒素含有化合物の具体例に限定されない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000490
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000491
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000492
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000493
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000494
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000495
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000496
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000497
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000498
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000499
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000500
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000501
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000502
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000503
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000504
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000505
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000506
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000507
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000508
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000509
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000510
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000511
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000512
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000513
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000514
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000515
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000516
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000517
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000518
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000519
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000520
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000521
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000522
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000523
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000524
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000525
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000526
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000527
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000528
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000529
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000530
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000531
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000532
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000533
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000534
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000535
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000536
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000537
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、発光領域と陰極との間に電子輸送層が配置されている。本実施形態の有機EL素子において、電子輸送帯域が含み得る電子輸送層は、前述の窒素含有化合物を含有する電子輸送層に限定されない。
 電子輸送層は、電子輸送性の高い物質を含む層である。電子輸送層には、1)アルミニウム錯体、ベリリウム錯体、亜鉛錯体等の金属錯体、2)イミダゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、アジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントロリン誘導体等の複素芳香族化合物、3)高分子化合物を使用することができる。具体的には低分子の有機化合物として、Alq、トリス(4-メチル-8-キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、BAlq、Znq、ZnPBO、ZnBTZなどの金属錯体等を用いることができる。また、金属錯体以外にも、2-(4-ビフェニリル)-5-(4-tert-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3-ビス[5-(ptert-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル]ベンゼン(略称:OXD-7)、3-(4-tert-ブチルフェニル)-4-フェニル-5-(4-ビフェニリル)-1,2,4-トリアゾール(略称:TAZ)、3-(4-tert-ブチルフェニル)-4-(4-エチルフェニル)-5-(4-ビフェニリル)-1,2,4-トリアゾール(略称:p-EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、4,4’-ビス(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)スチルベン(略称:BzOs)などの複素芳香族化合物も用いることができる。本実施形態の一態様においては、窒素含有化合物(好ましくはベンゾイミダゾール化合物)を好適に用いることができる。ここに述べた物質は、主に10-6cm/(V・s)以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔輸送性よりも電子輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子輸送層として用いてもよい。また、電子輸送層は、単層で構成されていてもよいし、上記物質からなる層が二層以上積層されて構成されていてもよい。
 また、電子輸送層には、高分子化合物を用いることもできる。例えば、ポリ[(9,9-ジヘキシルフルオレン-2,7-ジイル)-co-(ピリジン-3,5-ジイル)](略称:PF-Py)、ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレン-2,7-ジイル)-co-(2,2’-ビピリジン-6,6’-ジイル)](略称:PF-BPy)などを用いることができる。
(正孔障壁層)
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、電子輸送帯域は、正孔障壁層を含んでいてもよい。発光層の陰極側に配置される電子輸送層を正孔障壁層と称する場合がある。
 正孔障壁層は、電子を輸送し、かつ正孔が当該正孔障壁層よりも陰極側の層(例えば、電子輸送層及び電子注入層等)に到達することを阻止する層であることが好ましい。正孔障壁層が含有する化合物は、例えば、公知の正孔障壁層に用いられている化合物である。正孔障壁層が含有する化合物は、例えば、電子輸送層に使用することのできる化合物と同様、金属錯体、複素芳香族化合物及び高分子化合物からなる群から選択される少なくともいずれかの化合物であることが好ましい。また、正孔障壁層が含有する化合物は、窒素含有化合物でもよく、例えば、イミダゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、アジン誘導体、カルバゾール誘導体及びフェナントロリン誘導体からなる群から選択される少なくともいずれかの化合物でもよい。
 正孔障壁層は、励起エネルギーが発光層から周辺層に漏れ出さないように、発光層で生成した励起子が、当該正孔障壁層よりも陰極側の層(例えば、電子輸送層及び電子注入層等)に移動することを阻止する層であることも好ましい。
(電子注入層)
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、電子輸送帯域は、電子注入層を含んでいてもよい。
 電子注入層は、電子注入性の高い物質を含む層である。電子注入層には、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、カルシウム(Ca)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF)、リチウム酸化物(LiOx)等のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を用いることができる。その他、電子輸送性を有する物質にアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を含有させたもの、具体的にはAlq中にマグネシウム(Mg)を含有させたもの等を用いてもよい。なお、この場合には、陰極からの電子注入をより効率良く行うことができる。
 あるいは、電子注入層に、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料を用いてもよい。このような複合材料は、電子供与体によって有機化合物に電子が発生するため、電子注入性および電子輸送性に優れている。この場合、有機化合物としては、
発生した電子の輸送に優れた材料であることが好ましく、具体的には、例えば上述した電子輸送層を構成する物質(金属錯体や複素芳香族化合物等)を用いることができる。電子供与体としては、有機化合物に対し電子供与性を示す物質であればよい。具体的には、アルカリ金属やアルカリ土類金属や希土類金属が好ましく、リチウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、エルビウム、イッテルビウム等が挙げられる。また、アルカリ金属酸化物やアルカリ土類金属酸化物が好ましく、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物等が挙げられる。また、酸化マグネシウムのようなルイス塩基を用いることもできる。また、テトラチアフルバレン(略称:TTF)等の有機化合物を用いることもできる。
 図1~図5に、第一実施形態に係る有機EL素子の一例の概略構成を示す。
 図1に示す有機EL素子1は、基板2と、陽極3と、陰極4と、陽極3と陰極4との間に配置された有機層10と、を含む。有機層10は、陽極3側から順に、正孔輸送帯域6、発光領域5及び電子輸送帯域7を含む。正孔輸送帯域6は、陽極3側から順に、正孔注入層60、第1正孔輸送層61、第2正孔輸送層62、第3正孔輸送層63及び第4正孔輸送層64を含む。発光領域5は、1つの発光層50を含む。電子輸送帯域7は、発光領域5側から順に電子輸送層71及び電子注入層72を含む。
 図2に示す有機EL素子1Aは、有機層10Aが、正孔輸送帯域6Aを含む点で、有機EL素子1と異なり、その他の点は、有機EL素子1と同様である。正孔輸送帯域6Aは、陽極3側から順に、正孔注入層60、第1正孔輸送層61、第2正孔輸送層62及び第3正孔輸送層63を含む。
 図3に示す有機EL素子1Bは、有機層10Bが、正孔輸送帯域6Bを含む点で、有機EL素子1と異なり、その他の点は、有機EL素子1と同様である。正孔輸送帯域6Bは、陽極3側から順に、第1正孔輸送層61、第2正孔輸送層62、第3正孔輸送層63及び第4正孔輸送層64を含む。
 図4に示す有機EL素子1Cは、有機層10Cが、発光領域5Cを含む点で、有機EL素子1と異なり、その他の点は、有機EL素子1と同様である。発光領域5Cは、陽極3側から順に、第2発光層52及び第1発光層51を含む。
 図5に示す有機EL素子1Dは、有機層10Dが、正孔輸送帯域6Dを含む点で、有機EL素子1と異なり、その他の点は、有機EL素子1と同様である。正孔輸送帯域6Dは、第1正孔輸送層61と第2正孔輸送層62との間に第1混合層65を含み、第2正孔輸送層62と第3正孔輸送層63との間に第2混合層66を含む。正孔輸送帯域6Dにおいて、陽極3側から順に、正孔注入層60、第1正孔輸送層61、第1混合層65、第2正孔輸送層62、第2混合層66、第3正孔輸送層63及び第4正孔輸送層64が、配置されている。
 本発明は、図1~図5に示す有機EL素子の構成に限定されない。別の構成の有機EL素子としては、例えば、図1~図3及び図5に示す有機EL素子の発光領域5が、発光領域5Cに置き換わった有機EL素子が挙げられる。
 また、別の構成の有機EL素子としては、例えば、発光領域5Cにおける発光層の積層順番が変更されていてもよく、第1発光層及び第2発光層が陽極側からこの順番で積層された発光領域を有する有機EL素子が挙げられる。第1発光層及び第2発光層の積層順序がいずれの場合も、前記数式(数1)の関係を満たす材料の組合せを選択することにより、発光領域において発光層を積層することによる効果が期待できる。
 また、別の構成の有機EL素子としては、例えば、図1~図4に示す有機EL素子において、第1正孔輸送層61と第2正孔輸送層62との間に第1混合層が含まれていてもよく、第2正孔輸送層62と第3正孔輸送層63との間に第2混合層が含まれていてもよい。
(有機EL素子のその他の層)
 本実施形態に係る有機EL素子は、前述した有機層の他に、1以上の有機層を有していてもよい。有機層としては、例えば、介在層、拡散層、正孔障壁層及び電子障壁層からなる群から選択される少なくともいずれかの層が挙げられる。
(介在層)
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、発光領域が、第1発光層及び第2発光層を有する場合、第1発光層と第2発光層との間に配置される有機層として、介在層を有することもできる。
 一実施形態において、Singlet発光領域とTTF発光領域とが重ならない様にする為、それを実現できる程度に介在層は発光性化合物を含まない。
 例えば、発光性化合物の介在層における含有率が、0質量%だけでなく、例えば、製造の工程で意図せずに混入した成分、又は原材料に不純物として含まれる成分が発光性化合物である場合、介在層がこれらの成分を含むことは許容される。
 例えば、介在層を構成する全ての材料が、材料A、材料B及び材料Cである場合、材料A、材料B及び材料Cの介在層における各々の含有率は、いずれも10質量%以上であり、材料A、材料B及び材料Cの合計含有率は100質量%である。
 以下では、介在層を「ノンドープ層」と称することがある。また、発光性化合物を含む層を「ドープ層」と称することがある。
 一般的に、発光層を積層構成とした場合、Singlet発光領域とTTF発光領域とが分離され易くなるため、発光効率を改善できるとされている。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、発光領域中の第1発光層と第2発光層との間に介在層(ノンドープ層)が配置されている場合、Singlet発光領域とTTF発光領域とが重なる領域が低減し、三重項励起子とキャリアとの衝突に起因するTTF効率の低下が抑制されることが期待される。つまり、発光層間への介在層(ノンドープ層)の挿入は、TTF発光の効率向上に寄与すると考えられる。
 介在層は、ノンドープ層である。
 介在層は、金属原子を含まない。そのため、介在層は、金属錯体を含有しない。
 介在層は、介在層材料を含む。介在層材料は、発光性化合物ではない。
 介在層材料としては、発光性化合物以外の材料であれば、特に限定されない。
 介在層材料としては、例えば、1)オキサジアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、若しくはフェナントロリン誘導体等の複素環化合物、2)カルバゾール誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、若しくはクリセン誘導体等の縮合芳香族化合物、3)トリアリールアミン誘導体、若しくは縮合多環芳香族アミン誘導体等の芳香族アミン化合物が挙げられる。
 介在層材料は、第1ホスト材料及び第2ホスト材料の一方、又は両方のホスト材料を用いる事もできるが、Singlet発光領域とTTF発光領域とを離間させ、Singlet発光とTTF発光とを阻害しない材料であれば、特に制限されない。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様において、介在層は、当該介在層を構成する全ての材料の前記介在層における各々の含有率が、いずれも10質量%以上である。
 介在層は、当該介在層を構成する材料として前記介在層材料を含む。
 介在層は、前記介在層材料を、介在層の全質量の60質量%以上、含有することが好ましく、介在層の全質量の70質量%以上、含有することがより好ましく、介在層の全質量の80質量%以上、含有することがさらに好ましく、介在層の全質量の90質量%以上、含有することがよりさらに好ましく、介在層の全質量の95質量%以上、含有することがさらになお好ましい。
 介在層は、介在層材料を1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。
 介在層が介在層材料を2種以上含有する場合、2種以上の介在層材料の合計含有率の上限は、100質量%である。
 なお、本実施形態は、介在層に、介在層材料以外の材料が含まれることを除外しない。
 介在層は単層で構成されていてもよいし、二層以上積層されて構成されていてもよい。
 介在層の膜厚は、Singlet発光領域とTTF発光領域とが重なることを抑制できる形態であれば特に制限は無いが、1層あたり、3nm以上15nm以下であることが好ましく、5nm以上10nm以下であることがより好ましい。
 介在層の膜厚が3nm以上であれば、Singlet発光領域とTTF由来の発光領域とを分離しやすくなる。
 介在層の膜厚が15nm以下であれば、介在層のホスト材料が発光してしまう現象を抑制しやすくなる。
 介在層は、当該介在層を構成する材料として介在層材料を含み、第1ホスト材料の三重項エネルギーT(H1)と、第2ホスト材料の三重項エネルギーT(H2)と、少なくとも1つの介在層材料の三重項エネルギーT(Mmid)が、下記数式(数21)の関係を満たすことが好ましい。
 T(H2)≧T(Mmid)≧T(H1) …(数21)
 介在層が、当該介在層を構成する材料として介在層材料を2以上含む場合、第1ホスト材料の三重項エネルギーT(H1)と、第2ホスト材料の三重項エネルギーT(H2)と、各々の介在層材料の三重項エネルギーT(MEA)とが、下記数式(数21A)の関係を満たすことがより好ましい。
 T(H2)≧T(MEA)≧T(H1) …(数21A)
 また、本実施形態に係る有機EL素子の一態様は、拡散層をさらに有していてもよい。
 本実施形態に係る有機EL素子の一態様が拡散層を有する場合、拡散層は、第1発光層と第2発光層との間に配置されていることが好ましい。
 有機EL素子の構成についてさらに説明する。
(基板)
 基板は、有機EL素子の支持体として用いられる。基板としては、例えば、ガラス、石英、及びプラスチック等を用いることができる。また、可撓性基板を用いてもよい。可撓性基板とは、折り曲げることができる(フレキシブル)基板のことであり、例えば、プラスチック基板等が挙げられる。プラスチック基板を形成する材料としては、例えば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、及びポリエチレンナフタレート等が挙げられる。また、無機蒸着フィルムを用いることもできる。
 本実施形態に係る有機EL素子は、ボトムエミッション型の有機EL素子でもよい。また、本実施形態に係る有機EL素子は、トップエミッション型の有機EL素子でもよい。
(陽極)
 基板上に形成される陽極には、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。具体的には、例えば、酸化インジウム-酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、珪素もしくは酸化珪素を含有した酸化インジウム-酸化スズ、酸化インジウム-酸化亜鉛、酸化タングステン、および酸化亜鉛を含有した酸化インジウム、グラフェン等が挙げられる。この他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)、または金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等が挙げられる。
 これらの材料は、通常、スパッタリング法により成膜される。例えば、酸化インジウム-酸化亜鉛は、酸化インジウムに対し1質量%以上10質量%以下の酸化亜鉛を加えたターゲットを用いることにより、スパッタリング法で形成することができる。また、例えば、酸化タングステン、および酸化亜鉛を含有した酸化インジウムは、酸化インジウムに対し酸化タングステンを0.5質量%以上5質量%以下、酸化亜鉛を0.1質量%以上1質量%以下含有したターゲットを用いることにより、スパッタリング法で形成することができる。その他、真空蒸着法、塗布法、インクジェット法、スピンコート法などにより作製してもよい。
 陽極上に形成されるEL層のうち、陽極に接して形成される正孔注入層は、陽極の仕事関数に関係なく正孔(ホール)注入が容易である複合材料を用いて形成されるため、電極材料として可能な材料(例えば、金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物、その他、元素周期表の第1族または第2族に属する元素も含む)を用いることができる。
 仕事関数の小さい材料である、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(例えば、MgAg、AlLi)、ユーロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等を用いることもできる。なお、アルカリ金属、アルカリ土類金属、およびこれらを含む合金を用いて陽極を形成する場合には、真空蒸着法やスパッタリング法を用いることができる。さらに、銀ペーストなどを用いる場合には、塗布法やインクジェット法などを用いることができる。
 有機EL素子がボトムエミッション型である場合、陽極は、発光層からの光を透過する光透過性もしくは半透過性を有する金属材料で形成されることが好ましい。本明細書において、光透過性もしくは半透過性とは、発光層から発光される光を50%以上(好ましくは80%以上)透過する性質を意味する。光透過性もしくは半透過性を有する金属材料は、前記陽極の項で列挙した材料から適宜選択して使用することができる。
 有機EL素子がトップエミッション型である場合、陽極は反射層を有する反射性電極である。反射層は、光反射性を有する金属材料で形成されることが好ましい。本明細書において、光反射性とは、発光層から発光される光を50%以上(好ましくは80%以上)反射する性質を意味する。光反射性を有する金属材料は、前記陽極の項で列挙した材料から適宜選択して使用することができる。
 陽極は反射層のみで構成されていてもよいが、反射層と、導電層(好ましくは透明導電層)とを有する多層構造であってもよい。陽極が反射層及び導電層を有する場合、反射層と正孔輸送帯域との間に当該導電層が配置されることが好ましい。導電層は、前記陽極の項で列挙した材料から適宜選択して使用することができる。
(陰極)
 陰極には、仕事関数の小さい(具体的には3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。このような陰極材料の具体例としては、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(例えば、MgAg、AlLi)、ユーロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等が挙げられる。
 なお、アルカリ金属、アルカリ土類金属、これらを含む合金を用いて陰極を形成する場合には、真空蒸着法やスパッタリング法を用いることができる。また、銀ペーストなどを用いる場合には、塗布法やインクジェット法などを用いることができる。
 なお、電子注入層を設けることにより、仕事関数の大小に関わらず、Al、Ag、ITO、グラフェン、珪素もしくは酸化珪素を含有した酸化インジウム-酸化スズ等様々な導電性材料を用いて陰極を形成することができる。これらの導電性材料は、スパッタリング法やインクジェット法、スピンコート法等を用いて成膜することができる。
 有機EL素子がボトムエミッション型である場合、陰極は、反射性電極である。反射性電極は、光反射性を有する金属材料で形成されることが好ましい。光反射性を有する金属材料は、前記陰極の項で列挙した材料から適宜選択して使用することができる。
 有機EL素子がトップエミッション型である場合、陰極は、発光層からの光を透過する光透過性もしくは半透過性を有する金属材料で形成されることが好ましい。光透過性もしくは半透過性を有する金属材料は、前記陰極の項で列挙した材料から適宜選択して使用することができる。
(キャッピング層)
 有機EL素子がトップエミッション型である場合、有機EL素子は、通常、陰極の上部にキャッピング層を備える。
 キャッピング層は、例えば、高分子化合物、金属酸化物、金属フッ化物、金属ホウ化物、窒化ケイ素、及びシリコン化合物(酸化ケイ素等)からなる群から選択される少なくともいずれかの化合物を含有していてもよい。
 また、キャッピング層は、例えば、芳香族アミン誘導体、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、フルオレン誘導体、又はジベンゾフラン誘導体からなる群から選択される少なくともいずれかの化合物を含有していてもよい。
 また、これらの物質を含む層を積層させた積層体も、キャッピング層として用いることができる。
(層形成方法)
 前述のいずれかの実施形態に係る有機EL素子の各層の形成方法としては、上記で特に言及した以外には制限されないが、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ法、イオンプレーティング法などの乾式成膜法や、スピンコーティング法、ディッピング法、フローコーティング法、インクジェット法などの湿式成膜法などの公知の方法を採用することができる。
(膜厚)
 本実施形態に係る有機EL素子の各有機層の膜厚は、上記で特に言及した場合を除いて限定されない。一般に、膜厚が薄すぎるとピンホール等の欠陥が生じやすく、膜厚が厚すぎると高い印加電圧が必要となり効率が悪くなるため、通常、有機EL素子の各有機層の膜厚は、数nmから1μmの範囲が好ましい。
(有機EL素子の発光波長)
 本実施形態の一態様に係る有機EL素子は、素子駆動時に最大ピーク波長が500nm以下の光を放射する。
 本実施形態の一態様に係る有機EL素子は、素子駆動時に最大ピーク波長が、430nm以上480nm以下の光を放射する。
 素子駆動時に有機EL素子が放射する光の最大ピーク波長の測定は、以下のようにして行う。
 電流密度が10mA/cmとなるように有機EL素子に電圧を印加した時の分光放射輝度スペクトルを分光放射輝度計CS-2000(コニカミノルタ社製)で計測する。得られた分光放射輝度スペクトルにおいて、発光強度が最大となる発光スペクトルのピーク波長を測定し、これを最大ピーク波長(単位:nm)とする。
(三重項エネルギーT
 三重項エネルギーTの測定方法としては、下記の方法が挙げられる。
 測定対象となる化合物をEPA(ジエチルエーテル:イソペンタン:エタノール=5:5:2(容積比))中に、10-5mol/L以上10-4mol/L以下となるように溶解して溶液を作製し、この溶液を石英セル中に入れて測定試料とする。この測定試料について、低温(77[K])で燐光スペクトル(縦軸:燐光発光強度、横軸:波長とする。)を測定し、この燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値λedge[nm]に基づいて、次の換算式(F1)から算出されるエネルギー量を三重項エネルギーTとする。
  換算式(F1):T[eV]=1239.85/λedge
 燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線は以下のように引く。燐光スペクトルの短波長側から、スペクトルの極大値のうち、最も短波長側の極大値までスペクトル曲線上を移動する際に、長波長側に向けて曲線上の各点における接線を考える。この接線は、曲線が立ち上がるにつれ(つまり縦軸が増加するにつれ)、傾きが増加する。この傾きの値が極大値をとる点において引いた接線(すなわち変曲点における接線)が、当該燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線とする。
 なお、スペクトルの最大ピーク強度の15%以下のピーク強度をもつ極大点は、上述の最も短波長側の極大値には含めず、最も短波長側の極大値に最も近い、傾きの値が極大値をとる点において引いた接線を当該燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線とする。
 燐光の測定には、(株)日立ハイテクノロジー製のF-4500形分光蛍光光度計本体を用いることができる。なお、測定装置はこの限りではなく、冷却装置、及び低温用容器と、励起光源と、受光装置とを組み合わせることにより、測定してもよい。
(一重項エネルギーS
 溶液を用いた一重項エネルギーSの測定方法(溶液法と称する場合がある。)としては、下記の方法が挙げられる。
 測定対象となる化合物の10-5mol/L以上10-4mol/L以下のトルエン溶液を調製して石英セルに入れ、常温(300K)でこの試料の吸収スペクトル(縦軸:吸収強度、横軸:波長とする。)を測定する。この吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値λedge[nm]を次に示す換算式(F2)に代入して一重項エネルギーを算出する。
  換算式(F2):S[eV]=1239.85/λedge
 吸収スペクトル測定装置としては、例えば、日立社製の分光光度計(装置名:U3310)が挙げられるが、これに限定されない。
 吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対する接線は以下のように引く。吸収スペクトルの極大値のうち、最も長波長側の極大値から長波長方向にスペクトル曲線上を移動する際に、曲線上の各点における接線を考える。この接線は、曲線が立ち下がるにつれ(つまり縦軸の値が減少するにつれ)、傾きが減少しその後増加することを繰り返す。傾きの値が最も長波長側(ただし、吸光度が0.1以下となる場合は除く)で極小値をとる点において引いた接線を当該吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対する接線とする。
 なお、吸光度の値が0.2以下の極大点は、上記最も長波長側の極大値には含めない。
(電子移動度の測定方法)
 電子移動度は、下記の手順で作製された移動度評価用素子を用い、インピーダンス測定を行うことで測定できる。移動度評価用素子は、例えば、下記の手順で作製される。
 アルミニウム電極(陽極)付きガラス基板上に、アルミニウム電極を覆うようにして電子移動度の測定対象となる化合物Targetを蒸着して測定対象層を形成する。この測定対象層の上に、下記化合物ET-Aを蒸着して電子輸送層を形成する。この電子輸送層の成膜の上に、LiFを蒸着して電子注入層を形成する。この電子注入層の成膜の上に金属アルミニウム(Al)を蒸着して金属陰極を形成する。
 以上の移動度評価用素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
 glass/Al(50)/Target(200)/ET-A(10)/LiF(1)/Al(50)
 なお、括弧内の数字は、膜厚(nm)を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000538
 電子移動度の移動度評価用素子を、インピーダンス測定装置に設置し、インピーダンス測定を行う。インピーダンス測定は、測定周波数を1Hzから1MHzまで掃引して行う。その際、素子には交流振幅0.1Vと同時に、直流電圧Vを印加する。測定されたインピーダンスZから、下記計算式(C1)の関係を用いて、モジュラスMを計算する。
  計算式(C1):M=jωZ
 上記計算式(C1)において、jは、その平方が-1になる虚数単位、ωは、角周波数[rad/s]である。
 モジュラスMの虚部を縦軸、周波数[Hz]を横軸にしたボーデプロットにおいて、ピークを示す周波数fmaxから移動度評価用素子の電気的な時定数τを下記計算式(C2)から求める。
  計算式(C2):τ=1/(2πfmax)
 上記計算式(C2)のπは、円周率を表す記号である。
 上記τを用いて、下記計算式(C3-1)の関係から電子移動度μeを算出する。
 計算式(C3-1):μe=d/(Vτ)
 上記計算式(C3-1)のdは、素子を構成する有機薄膜の総膜厚であり、電子移動度の移動度評価用素子構成の場合、d=210[nm]である。
(正孔移動度の測定方法)
 正孔移動度は、下記の手順で作製された移動度評価用素子を用い、インピーダンス測定を行うことで測定できる。移動度評価用素子は、例えば、下記の手順で作製される。
 ITO透明電極(陽極)付きガラス基板上に、透明電極を覆うようにして下記化合物HA-2を蒸着して正孔注入層を形成する。この正孔注入層の成膜の上に、下記化合物HT-Aを蒸着して正孔輸送層を形成する。続けて、正孔移動度の測定対象となる化合物Targetを蒸着して測定対象層を形成する。この測定対象層の上に、金属アルミニウム(Al)を蒸着して金属陰極を形成する。
 以上の移動度評価用素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
 ITO(130)/HA-2(5)/HT-A(10)/Target(200)/Al(80)
 なお、括弧内の数字は、膜厚(nm)を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000539
 正孔移動度の移動度評価用素子を、インピーダンス測定装置に設置し、インピーダンス測定を行う。インピーダンス測定は、測定周波数を1Hzから1MHzまで掃引して行う。その際、素子には交流振幅0.1Vと同時に、直流電圧Vを印加する。測定されたインピーダンスZから、前記計算式(C1)の関係を用いて、モジュラスMを計算する。
 モジュラスMの虚部を縦軸、周波数[Hz]を横軸にしたボーデプロットにおいて、ピークを示す周波数fmaxから移動度評価用素子の電気的な時定数τを前記計算式(C2)から求める。
 前記計算式(C2)から求めたτを用いて、下記計算式(C3-2)の関係から正孔移動度μhを算出する。
 計算式(C3-2):μh=d/(Vτ)
 上記計算式(C3-2)のdは、素子を構成する有機薄膜の総膜厚であり、正孔移動度の移動度評価用素子構成の場合、d=215[nm]である。
 本明細書における電子移動度及び正孔移動度は、電界強度の平方根E1/2=500[V1/2/cm1/2]の際の値である。電界強度の平方根E1/2は、下記計算式(C4)の関係から算出することができる。
  計算式(C4):E1/2=V1/2/d1/2
 前記インピーダンス測定にはインピーダンス測定装置としてソーラトロン社の1260型を用い、高精度化のため、ソーラトロン社の1296型誘電率測定インターフェイスを併せて用いることができる。
(イオン化ポテンシャル及び最高被占軌道のエネルギー準位HOMOの測定方法)
 本明細書において、化合物のイオン化ポテンシャル及び最高被占軌道のエネルギー準位HOMOは、大気下で、光電子分光装置を用いて測定する。具体的には、実施例に記載の方法により化合物のイオン化ポテンシャル及び最高被占軌道のエネルギー準位HOMOを測定できる。
〔第二実施形態〕
(電子機器)
 本実施形態に係る電子機器は、上述の実施形態のいずれかの有機EL素子を搭載している。電子機器としては、例えば、表示装置及び発光装置等が挙げられる。表示装置としては、例えば、表示部品(例えば、有機ELパネルモジュール等)、テレビ、携帯電話、タブレット、及びパーソナルコンピュータ等が挙げられる。発光装置としては、例えば、照明及び車両用灯具等が挙げられる。発光装置は、表示装置に用いることもでき、例えば、表示装置のバックライトとして用いることもできる。本実施形態の電子機器の一態様において、表示装置は、本実施形態の発光装置を搭載している。
〔実施形態の変形〕
 なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変更、改良等は、本発明に含まれる。
 例えば、発光層は、1層又は2層に限られず、2を超える複数の発光層が積層されていてもよい。例えば、その他の発光層が、蛍光発光型の発光層であっても、三重項励起状態から直接基底状態への電子遷移による発光を利用した燐光発光型の発光層であってもよい。また、有機EL素子が複数の発光層を有する場合、これらの発光層が互いに直接接していてもよいし、中間層(電荷発生層等と称する場合もある。)を介して複数の発光ユニットが積層された、いわゆるタンデム型の有機EL素子であってもよい。
 その他、本発明の実施における具体的な構造、及び形状等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
 以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本発明はこれら実施例に何ら限定されない。
<化合物>
 実施例1~23及び比較例1~3に係る有機EL素子の製造において、正孔輸送帯域の形成に用いた化合物の構造を以下に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000540
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000541
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000542
 実施例1~23及び比較例1~3に係る有機EL素子の製造に用いた、他の化合物の構造を以下に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000543
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000544
<有機EL素子の作製(1)>
 有機EL素子を以下のように作製し、評価した。
〔実施例1〕
 素子作製用基板となるガラス基板(25mm×75mm×0.7mm厚)の上に、膜厚100nmの銀合金層であるAPC(Ag-Pd-Cu)層と、膜厚10nmの酸化インジウム-酸化亜鉛(IZO)層とを順にスパッタリング法により成膜した。これにより、APC層とIZO層とからなる導電材料層を得た。APC層は、反射層であり、IZO層は、透明導電層である。IZOは、登録商標である。
 続いて通常のリソグラフィ技術を用いて、レジストパターンをマスクに用いたエッチングにより、この導電材料層をパターニングし、下部電極(陽極)を形成した。
 次に、下部電極(陽極)の上に、化合物HT-1(第1有機材料)及び化合物HA1(アクセプター材料)を共蒸着し、膜厚10nmの正孔注入層を形成した。この正孔注入層中の化合物HT-1の割合を93質量%とし、化合物HA1の割合を7質量%とした。
 次に、正孔注入層の上に、化合物HT-1(第1正孔輸送帯域材料)を蒸着し、膜厚20nmの第1正孔輸送層を形成した。
 次に、第1正孔輸送層の上に、化合物HT-2(第2正孔輸送帯域材料)を蒸着し、膜厚60nmの第2正孔輸送層を形成した。
 次に、第2正孔輸送層の上に、化合物HT-1(第3正孔輸送帯域材料)を蒸着し、膜厚30nmの第3正孔輸送層を形成した。
 次に、第3正孔輸送層の上に、化合物HT-4(第4正孔輸送帯域材料)を蒸着し、膜厚5nmの第4正孔輸送層を形成した。
 次に、第4正孔輸送層の上に、化合物BH(ホスト材料)及び化合物BD(発光性化合物)を共蒸着し、膜厚20nmの発光層を形成した。この発光層中の化合物BHの割合を99質量%とし、化合物BDの割合を1質量%とした。
 次に、発光層の上に、化合物HBLを蒸着し、膜厚5nmの第1電子輸送層(正孔障壁層と称する場合がある。)を形成した。
 次に、第1電子輸送層の上に、化合物ET及びLiqを共蒸着し、膜厚25nmの第2電子輸送層を形成した。この第2電子輸送層中の化合物ETの割合を50質量%とし、Liqの割合を50質量%とした。なお、Liqは、(8-キノリノラト)リチウム((8-Quinolinolato)lithium)の略称である。
 次に、第2電子輸送層の上に、イッテルビウム(Yb)を蒸着し、膜厚1nmの電子注入層を形成した。
 次に、電子注入層の上に、MgとAgとを混合比(質量%比)が10%:90%となるように共蒸着し、合計膜厚15nmの半透過性のMgAg合金からなる上部電極(陰極)を形成した。
 次に、上部電極の上に、化合物CAPを全面に成膜し、膜厚65nmのキャッピング層を形成した。
 以上のようにして、実施例1に係るトップエミッション型の有機EL素子を作製した。
 実施例1の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
APC(100)/IZO(10)/HT-1:HA1(10,93%:7%)/HT-1(20)/HT-2(60)/HT-1(30)/HT-4(5)/BH:BD(20,99%:1%)/HBL(5)/ET:Liq(25,50%:50%)/Yb(1)/Mg:Ag(15,10%:90%)/CAP(65)
 なお、上記素子構成中、括弧内の数字は、膜厚(単位:nm)を示す。
 実施例1の素子構成に関して、同じく括弧内において、パーセント表示された数字(93%:7%)は、正孔注入層における化合物HT-1及び化合物HA1の割合(質量%)を示し、パーセント表示された数字(99%:1%)は、発光層における化合物BH及び化合物BDの割合(質量%)を示し、パーセント表示された数字(50%:50%)は、第2電子輸送層における化合物ET及びLiqの割合(質量%)を示し、パーセント表示された数字(10%:90%)は、上部電極(陰極)におけるMg及びAgの混合比(質量%比)を示す。以下、同様の表記とする。
〔実施例2〕
 実施例2の有機EL素子は、正孔注入層、第1正孔輸送層及び第3正孔輸送層を次のように変更して形成し、第4正孔輸送層を形成せずに、第3正孔輸送層の上に発光層を形成したこと以外、実施例1と同様にして作製した。
 実施例2において、下部電極(陽極)の上に、化合物HA2(アクセプター材料)を蒸着し、膜厚5nmの正孔注入層を形成した。実施例2において、第1正孔輸送層及び第3正孔輸送層の膜厚を、それぞれ、表1に示す膜厚に変更した。
〔実施例3〕
 実施例3の有機EL素子は、第3正孔輸送層の膜厚を、表1に示す膜厚に変更し、第4正孔輸送層を形成せずに、第3正孔輸送層の上に発光層を形成したこと以外、実施例1と同様にして作製した。
〔実施例4〕
 実施例4の有機EL素子は、正孔注入層及び第3正孔輸送層を次のように変更して形成し、第4正孔輸送層を形成せずに、第3正孔輸送層の上に発光層を形成したこと以外、実施例1と同様にして作製した。
 実施例4において、下部電極(陽極)の上に、化合物HT-2(第1有機材料)及び化合物HA1(アクセプター材料)を共蒸着し、膜厚10nmの正孔注入層を形成した。この正孔注入層中の化合物HT-2の割合を93質量%とし、化合物HA1の割合を7質量%とした。実施例4において、第3正孔輸送層の膜厚を、表1に示す膜厚に変更した。
〔実施例5〕
 実施例5の有機EL素子は、正孔注入層を形成せずに、次のように変更した第1正孔輸送層を下部電極(陽極)の上に形成したこと、並びに第4正孔輸送層を次のように変更して形成したこと以外、実施例1と同様にして作製した。
 実施例5において、下部電極(陽極)の上に、化合物HT-3(第1有機材料)を蒸着し、膜厚30nmの第1正孔輸送層を形成した。実施例5において、化合物HT-5(第1有機材料)を蒸着し、膜厚5nmの第4正孔輸送層を形成した。
〔実施例6〕
 実施例6の有機EL素子は、正孔注入層を形成せずに、次のように変更した第1正孔輸送層を下部電極(陽極)の上に形成したこと以外、実施例1と同様にして作製した。
 実施例6において、下部電極(陽極)の上に、化合物HT-3(第1有機材料)を蒸着し、膜厚30nmの第1正孔輸送層を形成した。
〔比較例1〕
 比較例1の有機EL素子は、正孔注入層を形成せずに、表1に示す膜厚に変更した第1正孔輸送層を下部電極(陽極)の上に形成したこと、表1に示す膜厚に変更した第3正孔輸送層を形成したこと、並びに第4正孔輸送層を形成せずに、第3正孔輸送層の上に発光層を形成したこと以外、実施例1と同様にして作製した。
 比較例1の有機EL素子は、実施例1~6とは異なり、正孔輸送帯域が第1、第2及び第3正孔輸送層の3層だけで構成されていた。
〔実施例7~13〕
 実施例7~13の有機EL素子は、それぞれ、第2正孔輸送層の形成に用いた材料をHT-2から表2に示す材料に変更したこと以外、実施例1と同様にして作製した。
〔実施例14~21〕
 実施例14~21の有機EL素子は、それぞれ、正孔注入層、第1正孔輸送層及び第3正孔輸送層のそれぞれの形成に用いた材料をHT-1から表2に示す材料に変更したこと以外、実施例1と同様にして作製した。
<有機EL素子の評価(1)>
 作製した有機EL素子について、以下の評価を行った。評価結果を表1~表3に示す。また、実施例及び比較例の正孔輸送帯域の各層の構成材料の460nmにおける屈折率も表1~表3に示す。
(駆動電圧)
 作製した有機EL素子について、電流密度が10mA/cmとなるように陽極と陰極との間に通電したときの電圧(単位:V)を計測した。
(L/J/CIEy)
 作製した有機EL素子に電流密度が10mA/cmとなるように電圧を印加した時の分光放射輝度スペクトルを、分光放射輝度計CS-1000(コニカミノルタ社製)で計測した。得られた分光放射輝度スペクトルから、色度CIEx、CIEy、及び電流効率L/J(単位:cd/A)を算出した。
 「L/J/CIEy」の値は、電流効率L/Jの値をCIEyの値で除することにより算出した。「L/J/CIEy」の値を、ブルーインデックス(BI)と称する場合がある。本評価では、ブルーインデックス(BI)の値を発光効率の指標として用いた。
 各例のBIの値、並びに下記数式(数X1)に基づいて、「BI(相対値)」(単位:%)を算出した。
 BI(相対値)=(各例のBI/実施例1のBI)×100…(数X1)
(寿命LT95)
 作製した有機EL素子に、電流密度が50mA/cmとなるように電圧を印加し、初期輝度に対して輝度が95%となるまでの時間(LT95(単位:時間))を寿命として測定した。輝度は、分光放射輝度計CS-2000(コニカミノルタ株式会社製)を用いて測定した。
 各例のLT95の測定値、並びに下記数式(数X2)に基づいて、「LT95(相対値)」(単位:%)を算出した。
 LT95(相対値)=(各例のLT95/実施例1のLT95)×100…(数X2)
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000545
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000546
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000547
 実施例1~21の有機EL素子は、比較例1の有機EL素子に比べて、低駆動電圧で駆動し、高効率で発光し、長寿命であった。正孔輸送帯域が正孔注入層を含んでいることで、駆動電圧が低下し易く、正孔輸送帯域が第4正孔輸送層を含んでいることで長寿命化し易かった。
<有機EL素子の作製(2)>
 有機EL素子を以下のように作製し、評価した。
〔実施例22〕
 素子作製用基板となるガラス基板(25mm×75mm×0.7mm厚)の上に、膜厚100nmの銀合金層であるAPC(Ag-Pd-Cu)層と、膜厚10nmの酸化インジウム-酸化亜鉛(IZO)層とを順にスパッタリング法により成膜した。これにより、APC層とIZO層とからなる導電材料層を得た。APC層は、反射層であり、IZO層は、透明導電層である。
 続いて通常のリソグラフィ技術を用いて、レジストパターンをマスクに用いたエッチングにより、この導電材料層をパターニングし、下部電極(陽極)を形成した。
 次に、下部電極(陽極)の上に、化合物HT-14(第1有機材料)及び化合物HA1(アクセプター材料)を共蒸着し、膜厚10nmの正孔注入層を形成した。この正孔注入層中の化合物HT-14の割合を93質量%とし、化合物HA1の割合を7質量%とした。
 次に、正孔注入層の上に、化合物HT-14(第1正孔輸送帯域材料)を蒸着し、膜厚20nmの第1正孔輸送層を形成した。
 次に、第1正孔輸送層の上に、化合物HT-10(第2正孔輸送帯域材料)を蒸着し、膜厚60nmの第2正孔輸送層を形成した。
 次に、第2正孔輸送層の上に、化合物HT-14(第3正孔輸送帯域材料)を蒸着し、膜厚30nmの第3正孔輸送層を形成した。
 次に、第3正孔輸送層の上に、化合物HT-4(第4正孔輸送帯域材料)を蒸着し、膜厚5nmの第4正孔輸送層を形成した。
 次に、第4正孔輸送層の上に、化合物BH(ホスト材料)及び化合物BD-3(発光性化合物)を共蒸着し、膜厚20nmの発光層を形成した。この発光層中の化合物BHの割合を99質量%とし、化合物BD-3の割合を1質量%とした。
 次に、発光層の上に、化合物HBLを蒸着し、膜厚5nmの第1電子輸送層(正孔障壁層と称する場合がある。)を形成した。
 次に、第1電子輸送層の上に、化合物ET及びLiqを共蒸着し、膜厚25nmの第2電子輸送層を形成した。この第2電子輸送層中の化合物ETの割合を50質量%とし、Liqの割合を50質量%とした。
 次に、第2電子輸送層の上に、イッテルビウム(Yb)を蒸着し、膜厚1nmの電子注入層を形成した。
 次に、電子注入層の上に、MgとAgとを混合比(質量%比)が10%:90%となるように共蒸着し、合計膜厚15nmの半透過性のMgAg合金からなる上部電極(陰極)を形成した。
 次に、上部電極の上に、化合物CAPを全面に成膜し、膜厚65nmのキャッピング層を形成した。
 以上のようにして、実施例22に係るトップエミッション型の有機EL素子を作製した。
 実施例22の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
APC(100)/IZO(10)/HT-14:HA1(10,93%:7%)/HT-14(20)/HT-10(60)/HT-14(30)/HT-4(5)/BH:BD-3(20,99%:1%)/HBL(5)/ET:Liq(25,50%:50%)/Yb(1)/Mg:Ag(15,10%:90%)/CAP(65)
〔比較例2〕
 比較例2の有機EL素子は、正孔注入層を形成せずに、表4に示す膜厚に変更した第1正孔輸送層を下部電極(陽極)の上に形成したこと、表4に示す膜厚に変更した第3正孔輸送層を形成したこと、並びに第4正孔輸送層を形成せずに、第3正孔輸送層の上に発光層を形成したこと以外、実施例22と同様にして作製した。
 比較例2の有機EL素子は、実施例22とは異なり、正孔輸送帯域が第1、第2及び第3正孔輸送層の3層だけで構成されていた。
<有機EL素子の評価(2)>
 作製した有機EL素子について、<有機EL素子の評価(1)>と同様の評価を行った。BI(相対値)は、数式(数X1)に基づいて算出し、LT95(相対値)は、数式(数X2)に基づいて算出した。評価結果を表4に示す。また、実施例及び比較例の正孔輸送帯域の各層の構成材料の460nmにおける屈折率も表4に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000548
 実施例22の有機EL素子は、比較例2の有機EL素子に比べて、低駆動電圧で駆動し、高効率で発光し、長寿命であった。
<有機EL素子の作製(3)>
 有機EL素子を以下のように作製し、評価した。
〔実施例23〕
 素子作製用基板となるガラス基板(25mm×75mm×0.7mm厚)の上に、膜厚100nmの銀合金層であるAPC(Ag-Pd-Cu)層と、膜厚10nmの酸化インジウム-酸化亜鉛(IZO)層とを順にスパッタリング法により成膜した。これにより、APC層とIZO層とからなる導電材料層を得た。APC層は、反射層であり、IZO層は、透明導電層である。
 続いて通常のリソグラフィ技術を用いて、レジストパターンをマスクに用いたエッチングにより、この導電材料層をパターニングし、下部電極(陽極)を形成した。
 次に、下部電極(陽極)の上に、化合物HT-19(第1有機材料)及び化合物HA1(アクセプター材料)を共蒸着し、膜厚10nmの正孔注入層を形成した。この正孔注入層中の化合物HT-19の割合を93質量%とし、化合物HA1の割合を7質量%とした。
 次に、正孔注入層の上に、化合物HT-19(第1正孔輸送帯域材料)を蒸着し、膜厚20nmの第1正孔輸送層を形成した。
 次に、第1正孔輸送層の上に、化合物HT-10(第2正孔輸送帯域材料)を蒸着し、膜厚60nmの第2正孔輸送層を形成した。
 次に、第2正孔輸送層の上に、化合物HT-19(第3正孔輸送帯域材料)を蒸着し、膜厚30nmの第3正孔輸送層を形成した。
 次に、第3正孔輸送層の上に、化合物HT-4(第4正孔輸送帯域材料)を蒸着し、膜厚5nmの第4正孔輸送層を形成した。
 次に、第4正孔輸送層の上に、化合物BH(ホスト材料)及び化合物BD-2(発光性化合物)を共蒸着し、膜厚20nmの発光層を形成した。この発光層中の化合物BHの割合を99質量%とし、化合物BD-2の割合を1質量%とした。
 次に、発光層の上に、化合物HBLを蒸着し、膜厚5nmの第1電子輸送層(正孔障壁層と称する場合がある。)を形成した。
 次に、第1電子輸送層の上に、化合物ET及びLiqを共蒸着し、膜厚25nmの第2電子輸送層を形成した。この第2電子輸送層中の化合物ETの割合を50質量%とし、Liqの割合を50質量%とした。
 次に、第2電子輸送層の上に、イッテルビウム(Yb)を蒸着し、膜厚1nmの電子注入層を形成した。
 次に、電子注入層の上に、MgとAgとを混合比(質量%比)が10%:90%となるように共蒸着し、合計膜厚15nmの半透過性のMgAg合金からなる上部電極(陰極)を形成した。
 次に、上部電極の上に、化合物CAPを全面に成膜し、膜厚65nmのキャッピング層を形成した。
 以上のようにして、実施例23に係るトップエミッション型の有機EL素子を作製した。
 実施例23の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
APC(100)/IZO(10)/HT-19:HA1(10,93%:7%)/HT-19(20)/HT-10(60)/HT-19(30)/HT-4(5)/BH:BD-2(20,99%:1%)/HBL(5)/ET:Liq(25,50%:50%)/Yb(1)/Mg:Ag(15,10%:90%)/CAP(65)
〔比較例3〕
 比較例3の有機EL素子は、正孔注入層を形成せずに、表5に示す膜厚に変更した第1正孔輸送層を下部電極(陽極)の上に形成したこと、表5に示す膜厚に変更した第3正孔輸送層を形成したこと、並びに第4正孔輸送層を形成せずに、第3正孔輸送層の上に発光層を形成したこと以外、実施例23と同様にして作製した。
 比較例3の有機EL素子は、実施例23とは異なり、正孔輸送帯域が第1、第2及び第3正孔輸送層の3層だけで構成されていた。
<有機EL素子の評価(3)>
 作製した有機EL素子について、<有機EL素子の評価(1)>と同様の評価を行った。BI(相対値)は、数式(数X1)に基づいて算出し、LT95(相対値)は、数式(数X2)に基づいて算出した。評価結果を表5に示す。また、実施例及び比較例の正孔輸送帯域の各層の構成材料の460nmにおける屈折率も表5に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000549
 実施例23の有機EL素子は、比較例3の有機EL素子に比べて、低駆動電圧で駆動し、高効率で発光し、長寿命であった。
<化合物の評価>
(屈折率)
 有機層を構成する構成材料(化合物)の屈折率は、次のようにして測定した。
 ガラス基板上に、測定対象材料を50nm程度の膜厚で真空蒸着し、分光エリプソメトリー装置(J.A.Woollam社製(米国)M-2000UI)により測定角45°~75°の範囲で5°おきに入射光(紫外~可視光~近赤外)を照射しサンプル表面から反射された光の偏向状態の変化を測定した。消衰係数の測定精度を高めるために、あわせて基板法線方向(有機EL素子基板の面に対し垂直方向)の透過スペクトルを当該装置で測定した。これと同様に、測定対象材料を蒸着していないガラス基板のみについても、同様の測定を行った。得られた測定情報について、J.A.Woollam社製解析ソフトウェア(Complete EASE)でフィッティングを行った。
 フィッティングの条件としては、一軸回転対称の異方性モデルを用い、当該ソフトウェアにおいて二乗平均誤差を示すパラメータMSEが3.0以下となるようにして、基板上に成膜された有機膜の面内方向と法線方向の屈折率、面内方向と法線方向の消衰係数、オーダーパラメーターを算出した。オーダーパラメーターは、消衰係数(面内方向)の長波長側のピークをS1とし、S1のピーク波長によって算出した。ガラス基板についてのフィッティングの条件としては、等方性モデルを用いた。
 基板上に真空蒸着された低分子材料の膜は、通常、基板法線方向を回転対象軸とした一軸回転対称性となる。基板上に形成した薄膜内における分子軸と基板法線方向のなす角をθ、薄膜の多入射角分光エリプソメトリー測定により得られる基板平行方向(Ordinary方向)及び垂直方向(Extra-Ordinary方向)の消衰係数をそれぞれko及びkeとした場合、下記式で表されるS’がオーダーパラメーターである。
S’=1-<cos2θ>=2ko/(ke+2ko)=2/3(1-S)
S=(1/2)<3cos2θ-1>=(ke-ko)/(ke+2ko)
 当該分子配向の評価方法は公知の手法であり、詳細はOrganic Electronics誌,2009年,第10巻,127頁に記載されている。また、薄膜を形成する方法は、真空蒸着法とする。
 多入射角分光エリプソメトリー測定から得られるオーダーパラメーターS’は、全ての分子が基板と平行方向に配向した場合に1.0となる。また、分子が配向せずにランダムである場合は0.66となる。
 本明細書においては、上記で測定した値の基板平行方向(Ordinary方向)の2.7eVにおける屈折率の値を測定対象材料の屈折率とした。2.7eVにおける屈折率は、460nmにおける屈折率と対応する。本明細書においては、基板平行方向(Ordinary方向)の2.7eV(460nm)における屈折率をnORDと表記し、基板垂直方向(Extra-Ordinary方向)の2.7eV(460nm)における屈折率をnEXTと表記する場合がある。
 1つの層に複数の化合物が含まれる場合の当該層の構成材料の屈折率は、測定対象材料としての複数の化合物をガラス基板上に共蒸着した膜、又は測定対象材料としての複数の化合物を含有する混合物を蒸着した膜について、前述と同様に分光エリプソメトリー装置で測定した。
(一重項エネルギーS
 測定対象となる化合物の10μmol/Lトルエン溶液を調製して石英セルに入れ、常温(300K)でこの試料の吸収スペクトル(縦軸:吸収強度、横軸:波長とする。)を測定した。この吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値λedge[nm]を次に示す換算式(F2)に代入して一重項エネルギーを算出した。
  換算式(F2):S[eV]=1239.85/λedge
 吸収スペクトル測定装置としては、日立社製の分光光度計(装置名:U3310)を用いた。
 吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対する接線は以下のように引く。吸収スペクトルの極大値のうち、最も長波長側の極大値から長波長方向にスペクトル曲線上を移動する際に、曲線上の各点における接線を考える。この接線は、曲線が立ち下がるにつれ(つまり縦軸の値が減少するにつれ)、傾きが減少しその後増加することを繰り返す。傾きの値が最も長波長側(ただし、吸光度が0.1以下となる場合は除く)で極小値をとる点において引いた接線を当該吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対する接線とする。
 なお、吸光度の値が0.2以下の極大点は、上記最も長波長側の極大値には含めない。
 化合物BHの一重項エネルギーは、3.01eVであった。
 化合物BDの一重項エネルギーは、2.73eVであった。
 化合物BD-2の一重項エネルギーは、2.80eVであった。
 化合物BD-3の一重項エネルギーは、2.71eVであった。
(三重項エネルギーT
 測定対象となる化合物をEPA(ジエチルエーテル:イソペンタン:エタノール=5:5:2(容積比))中に、濃度が10μmol/Lとなるように溶解して溶液を作製し、この溶液を石英セル中に入れて測定試料とした。この測定試料について、低温(77[K])で燐光スペクトル(縦軸:燐光発光強度、横軸:波長とする。)を測定し、この燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値λedge[nm]に基づいて、次の換算式(F1)から算出されるエネルギー量を三重項エネルギーTとした。なお、三重項エネルギーTは、測定条件によっては上下0.02eV程度の誤差が生じ得る。
  換算式(F1):T[eV]=1239.85/λedge
 燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線は以下のように引く。燐光スペクトルの短波長側から、スペクトルの極大値のうち、最も短波長側の極大値までスペクトル曲線上を移動する際に、長波長側に向けて曲線上の各点における接線を考える。この接線は、曲線が立ち上がるにつれ(つまり縦軸が増加するにつれ)、傾きが増加する。この傾きの値が極大値をとる点において引いた接線(すなわち変曲点における接線)が、当該燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線とする。
 なお、スペクトルの最大ピーク強度の15%以下のピーク強度をもつ極大点は、上述の最も短波長側の極大値には含めず、最も短波長側の極大値に最も近い、傾きの値が極大値をとる点において引いた接線を当該燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線とする。
 燐光の測定には、(株)日立ハイテクノロジー製のF-4500形分光蛍光光度計本体を用いた。
 化合物BHの三重項エネルギーは、1.87eVであった。
 化合物BDの三重項エネルギーは、2.29eVであった。
 化合物BD-2の三重項エネルギーは、2.45eVであった。
 化合物BD-3の三重項エネルギーは、2.64eVであった。
(蛍光発光最大ピーク波長(FL-peak)の測定)
 測定対象となる化合物を、4.9×10-6mol/Lの濃度でトルエンに溶解し、トルエン溶液を調製した。蛍光スペクトル測定装置(分光蛍光光度計F-7000(株式会社日立ハイテクサイエンス製))を用いて、トルエン溶液を390nmで励起した場合の蛍光発光最大ピーク波長λ(単位:nm)を測定した。
 化合物BDの蛍光発光最大ピーク波長λは、453nmであった。
 化合物BD―2の蛍光発光最大ピーク波長λは、457nmであった。
 化合物BD―3の蛍光発光最大ピーク波長λは、455nmであった。
(イオン化ポテンシャル及び最高被占軌道のエネルギー準位HOMO)
 化合物のイオン化ポテンシャル及び最高被占軌道のエネルギー準位HOMOは、大気下で、光電子分光装置(理研計器株式会社製、「AC-3」)を用いて測定した。具体的には、材料に光を照射し、その際に電荷分離によって生じる電子量を測定することにより、化合物のイオン化ポテンシャル及び最高被占軌道のエネルギー準位HOMOを測定した。イオン化ポテンシャルをIpと表記する場合がある。なお、最高被占軌道のエネルギー準位HOMOの値は、イオン化ポテンシャルの値に負の符号を付した値に相当し、例えば、表6に示す化合物HT-1のイオン化ポテンシャルの値が5.73eVであるので、化合物HT-1の最高被占軌道のエネルギー準位HOMOの値は、-5.73eVである。
(正孔移動度μh)
 正孔移動度μhは、下記の手順で作成された移動度評価用素子を用いて測定される。
 25mm×75mm×1.1mm厚のITO透明電極(陽極)付きガラス基板(ジオマテック株式会社製)をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間行なった。ITOの膜厚は、130nmとした。
 洗浄後の前記ガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラインが形成されている側の面上に透明電極を覆うようにして化合物HA-2を蒸着し、膜厚5nmの正孔注入層を形成した。
 この正孔注入層の成膜の上に、化合物HT-Aを蒸着し、膜厚10nmの正孔輸送層を形成した。
 続けて、正孔移動度μhの測定対象となる化合物Targetを蒸着し、膜厚200nmの測定対象層を形成した。
 そして、この測定対象層の上に、金属アルミニウム(Al)を蒸着し、膜厚80nmの金属陰極を形成した。
 以上の移動度評価用素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
 ITO(130)/HA-2(5)/HT-A(10)/Target(200)/Al(80)
 なお、括弧内の数字は、膜厚(nm)を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000550
 続いて、正孔移動度は、上記の手順で作成された移動度評価用素子を用いて、下記の手順により測定される。
 上記の移動度評価用素子を、インピーダンス測定装置に設置し、インピーダンス測定を行った。
 インピーダンス測定は、測定周波数を1Hzから1MHzまで掃引して行った。その際、素子には交流振幅0.1Vと同時に、直流電圧Vを印加した。
 測定されたインピーダンスZから、下記計算式(C1)の関係を用いて、モジュラスMを計算した。
  計算式(C1):M=jωZ
 上記計算式(C1)において、jは、その平方が-1になる虚数単位、ωは、角周波数[rad/s]である。
 モジュラスMの虚部を縦軸、周波数[Hz]を横軸にしたボーデプロットにおいて、ピークを示す周波数fmaxから移動度評価用素子の電気的な時定数τを下記計算式(C2)から求めた。
  計算式(C2):τ=1/(2πfmax)
 上記計算式(C2)のπは、円周率を表す記号である。
 上記τを用いて、下記計算式(C3)の関係から正孔移動度μhを算出した。
 計算式(C3):μh=d/(Vτ)
 上記計算式(C3)のdは、素子を構成する有機薄膜の総膜厚であり、上記の移動度評価用素子構成にあるように、d=215[nm]である。
 本明細書における移動度は、電界強度の平方根E1/2=500[V1/2/cm1/2]の際の値である。電界強度の平方根E1/2は、下記計算式(C4)の関係から算出することができる。
  計算式(C4):E1/2=V1/2/d1/2
 本実施例では、インピーダンス測定にはインピーダンス測定装置としてソーラトロン社の1260型を用い、高精度化のため、ソーラトロン社の1296型誘電率測定インターフェイスを併せて用いた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000551
 1,1A,1B,1C,1D…有機EL素子、10,10A,10B,10C,10D…有機層、2…基板、3…陽極、4…陰極、5,5C…発光領域、50…発光層、51…第1発光層、52…第2発光層、6,6A,6B,6D…正孔輸送帯域、60…正孔注入層、61…第1正孔輸送層、62…第2正孔輸送層、63…第3正孔輸送層、64…第4正孔輸送層、65…第1混合層、66…第2混合層、7…電子輸送帯域、71…電子輸送層、72…電子注入層。

Claims (23)

  1.  陽極と、
     陰極と、
     前記陽極及び前記陰極の間に配置された発光領域と、
     前記陽極及び前記発光領域の間に配置された正孔輸送帯域と、を有し、
     前記発光領域は、少なくとも1つの発光層を含み、
     前記正孔輸送帯域は、第1正孔輸送層と、第2正孔輸送層と、第3正孔輸送層と、を含み、
     前記陽極側から、前記第1正孔輸送層と、前記第2正孔輸送層と、前記第3正孔輸送層とが、この順に配置され、
     前記第2正孔輸送層に含まれる構成材料の屈折率NMは、前記第1正孔輸送層に含まれる構成材料の屈折率NM及び前記第3正孔輸送層に含まれる構成材料の屈折率NMのそれぞれより大きく、
     前記第1正孔輸送層及び前記第3正孔輸送層は、少なくとも1種の同じ材料を含有し、
     前記正孔輸送帯域は、さらに、正孔注入層及び第4正孔輸送層の少なくともいずれかの層を含み、
     前記正孔注入層は、前記陽極及び前記第1正孔輸送層の間に配置され、
     前記正孔注入層は、アクセプター材料を含有し、
     前記第4正孔輸送層は、前記第3正孔輸送層及び前記発光領域の間に配置され、
     前記第4正孔輸送層は、イオン化ポテンシャルが5.6eV以上の化合物を1つ以上含有し、
     前記第4正孔輸送層の膜厚は、15nm以下である、
     有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2.  前記正孔注入層に含まれる構成材料の屈折率NM及び前記第4正孔輸送層に含まれる構成材料の屈折率NMの少なくともいずれかが、前記第2正孔輸送層に含まれる構成材料の前記屈折率NMと同じであるか又は前記屈折率NMよりも大きい、
     請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3.  前記正孔輸送帯域の合計膜厚が、110nm以上、150nm以下である、
     請求項1又は請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4.  前記第1正孔輸送層の膜厚、前記第2正孔輸送層の膜厚及び前記第3正孔輸送層の膜厚は、それぞれ独立に、20nm以上である、
     請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5.  前記第1正孔輸送層は、第1正孔輸送帯域材料を含有し、
     前記第2正孔輸送層は、第2正孔輸送帯域材料を含有し、
     前記第3正孔輸送層は、第3正孔輸送帯域材料を含有し、
     前記第1正孔輸送帯域材料と前記第3正孔輸送帯域材料とは、互いに同一であるか又は異なり、
     前記第1正孔輸送帯域材料と前記第2正孔輸送帯域材料とは、互いに異なり、
     前記第3正孔輸送帯域材料と前記第2正孔輸送帯域材料とは、互いに異なる、
     請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6.  前記第1正孔輸送帯域材料の最高被占軌道のエネルギー準位HOMO(cHT1)及び前記第3正孔輸送帯域材料の最高被占軌道のエネルギー準位HOMO(cHT3)の少なくともいずれかが、-5.6eV以下である、
     請求項5に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7.  前記第1正孔輸送帯域材料の正孔移動度μh(cHT1)、前記第2正孔輸送帯域材料の正孔移動度μh(cHT2)及び前記第3正孔輸送帯域材料の正孔移動度μh(cHT3)の少なくともいずれかが、1.0×10-5cm/Vsよりも大きい、
     請求項5又は請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8.  前記第2正孔輸送帯域材料の最高被占軌道のエネルギー準位HOMO(cHT2)と、前記第3正孔輸送帯域材料の最高被占軌道のエネルギー準位HOMO(cHT3)との差の絶対値が、下記数式(数B1)の関係を満たす、
     請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
     |HOMO(cHT2)-HOMO(cHT3)|≦0.3 …(数B1)
  9.  前記正孔輸送帯域は、前記第1正孔輸送層と前記第2正孔輸送層との間に第1混合層を含み、
     前記第1混合層は、前記第1正孔輸送帯域材料及び前記第2正孔輸送帯域材料を含有する、
     請求項5から請求項8のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10.  前記正孔輸送帯域は、前記第2正孔輸送層と前記第3正孔輸送層との間に第2混合層を含み、
     前記第2混合層は、前記第2正孔輸送帯域材料及び前記第3正孔輸送帯域材料を含有する、
     請求項5から請求項9のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  11.  前記正孔輸送帯域は、前記正孔注入層を含む、
     請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  12.  前記アクセプター材料は、下記一般式(P11)で表される第一の環構造及び下記一般式(P12)で表される第二の環構造の少なくともいずれかを含む、
     請求項11に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
    (前記一般式(P11)で表される第一の環構造は、前記アクセプター材料の分子中で、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環及び置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環の少なくともいずれかの環構造と縮合し、
     =X10で表される構造は、下記一般式(11a)、(11b)、(11c)、(11d)、(11e)、(11f)、(11g)、(11h)、(11i)、(11j)、(11k)又は(11m)で表される。)
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
    (前記一般式(11a)、(11b)、(11c)、(11d)、(11e)、(11f)、(11g)、(11h)、(11i)、(11j)、(11k)又は(11m)中、R11~R14並びにR111~R120は、それぞれ独立に、
      水素原子、
      ハロゲン原子、
      ヒドロキシ基、
      シアノ基、
      置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
      置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロゲン化アルキル基、
      置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
      -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
      -O-(R904)で表される基、
      -S-(R905)で表される基、
      -N(R906)(R907)で表される基、
      置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
      置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
    (前記一般式(P12)において、X~Xは、それぞれ独立に、
      窒素原子、
      R15と結合する炭素原子、又は
      前記アクセプター材料の分子中の他の原子と結合する炭素原子であり、
     X~Xの内、少なくとも1つは、前記アクセプター材料の分子中の他の原子と結合する炭素原子であり、
     R15は、
      水素原子、
      ハロゲン原子、
      シアノ基、
      置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
      置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロゲン化アルキル基、
      置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
      置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
      置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、
      -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
      -O-(R904)で表される基、
      -S-(R905)で表される基、
      -N(R906)(R907)で表される基、
      置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
      置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
      カルボキシ基、
      置換もしくは無置換のエステル基、
      置換もしくは無置換のカルバモイル基、
      ニトロ基、及び
      置換もしくは無置換のシロキサニル基からなる群から選択され、
     R15が複数存在する場合、複数のR15は互いに同一であるか、又は異なる。)
    (前記アクセプター材料中、R901~R907は、それぞれ独立に、
      水素原子、
      置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
      置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
      置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
      置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
     R901が複数ある場合、複数のR901は、互いに同一であるか、又は異なり、
     R902が複数ある場合、複数のR902は、互いに同一であるか、又は異なり、
     R903が複数ある場合、複数のR903は、互いに同一であるか、又は異なり、
     R904が複数ある場合、複数のR904は、互いに同一であるか、又は異なり、
     R905が複数ある場合、複数のR905は、互いに同一であるか、又は異なり、
     R906が複数ある場合、複数のR906は、互いに同一であるか、又は異なり、
     R907が複数ある場合、複数のR907は、互いに同一であるか、又は異なる。)
  13.  前記アクセプター材料は、少なくとも1つのシアノ基を有する、
     請求項11又は請求項12に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  14.  前記正孔注入層は、第1有機材料を含有し、
     前記アクセプター材料と前記第1有機材料とは、互いに異なり、
     前記正孔注入層中の前記アクセプター材料の含有量が、50質量%未満である、
     請求項11から請求項13のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  15.  前記正孔注入層及び前記第1正孔輸送層の合計膜厚と、前記第3正孔輸送層の膜厚との比が1:1.5~1.5:1である、
     請求項11から請求項14のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  16.  前記正孔注入層及び前記第1正孔輸送層の合計膜厚と、前記第2正孔輸送層の膜厚と、前記第3正孔輸送層の膜厚との比が1:1.5:1~1:2.5:1である、
     請求項11から請求項15のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  17.  前記陰極と前記発光領域との間に配置された電子輸送帯域を有し、
     前記電子輸送帯域は、少なくとも1つの電子輸送層を含み、
     前記電子輸送帯域中の少なくとも1つの電子輸送層は、窒素含有化合物を含有し、
     前記窒素含有化合物は、窒素原子を含む5員環及び窒素原子を含む6員環の少なくともいずれかの環を有する、
     請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  18.  前記電子輸送帯域中の少なくとも1つの電子輸送層は、前記窒素含有化合物として、イミダゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、アジン誘導体、カルバゾール誘導体、及びフェナントロリン誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含有する、
     請求項17に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  19.  前記発光領域は、ホスト材料及び最大ピーク波長が500nm以下の発光を示す発光性化合物を含有する発光層を含む、
     請求項1から請求項18のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  20.  前記発光性化合物の最大ピークの半値幅は、1nm以上、30nm以下である、
     請求項19に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  21.  前記発光性化合物は、下記一般式(6)で表される化合物である、
     請求項19又は請求項20に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004
    (前記一般式(6)において、
     a環、b環及びc環は、それぞれ独立に、
      置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環、又は
      置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環であり、
     R601及びR602は、それぞれ独立に、前記a環、b環又はc環と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成せず、
     前記置換もしくは無置換の複素環を形成しないR601及びR602は、それぞれ独立に、
      置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
      置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
      置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
      置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
      置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
      置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
  22.  前記発光領域は、2以上の発光層を含む、
     請求項1から請求項21のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  23.  請求項1から請求項22のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した、電子機器。
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