WO2023038086A1 - 有機エレクトロルミネッセンス素子、電子機器及び組成物 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子、電子機器及び組成物 Download PDF

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Abstract

有機EL素子(1)は、第一の発光層(51)及び第二の発光層(52)を有し、第二の発光層(52)の膜厚DEM2に対する第一の発光層(51)の膜厚DEM1の比DEM1/DEM2は、2/3以上3/2以下であり、第一の発光層(51)が含有する第一のホスト材料並びに第二の発光層(52)が含有する第二のホスト材料及び第三のホスト材料は、数式(数1)及び(数2)の関係を満たし、第二のホスト材料が一般式(H20)で表される化合物であり、第三のホスト材料が一般式(H30)で表される化合物である。T1(H1)、T1(H2)及びT1(H3)は、それぞれ、第一、第二、及び第三のホスト材料の三重項エネルギーである。 T1(H1)>T1(H2) …(数1) T1(H1)>T1(H3) …(数2)

Description

有機エレクトロルミネッセンス素子、電子機器及び組成物
 本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子、電子機器及び組成物に関する。
 有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」という場合がある。)は、携帯電話及びテレビ等のフルカラーディスプレイへ応用されている。有機EL素子に電圧を印加すると、陽極から正孔が発光層に注入され、また陰極から電子が発光層に注入される。そして、発光層において、注入された正孔と電子とが再結合し、励起子が形成される。このとき、電子スピンの統計則により、一重項励起子が25%の割合で生成し、及び三重項励起子が75%の割合で生成する。
 有機EL素子の性能向上を図るため、例えば、特許文献1及び特許文献2においては、複数の発光層を積層させることについて検討がなされている。また、特許文献3には、有機EL素子の性能向上を図るため、2つの三重項励起子の衝突融合により一重項励起子が生成する現象(以下、Triplet-Triplet Fusion=TTF現象と称する場合がある。)が記載されている。
 有機EL素子の性能としては、例えば、輝度、発光波長、色度、発光効率、駆動電圧、及び寿命が挙げられる。
米国特許出願公開2019/280209号明細書 特開2007-294261号公報 国際公開第2010/134350号
 複数の発光層(例えば、第一の発光層及び第二の発光層)を積層させる場合、製造管理の観点から、発光層同士の膜厚の差は、小さいことが好ましい。
 また、複数の発光層を積層させた有機EL素子においては、低電流密度(1mA/cm以下であって、例えば、約0.01mA/cm)で駆動時に素子性能(例えば、発光効率)が低下する場合がある。このような低電流密度における発光効率の低下を改善する観点から、第二の発光層のホスト材料として、ヘテロ原子含有環を有するアントラセン化合物を用いることが好ましい。しかしながら、第一の発光層の膜厚と第二の発光層の膜厚が同じである場合に、ヘテロ原子含有環を有するアントラセン化合物を第二の発光層に用いると、低電流密度及び高電流密度での発光効率が低いという課題があった。
 本発明の目的は、低電流密度における発光効率の低下を改善でき、かつ、長寿命化が可能な有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること、当該有機エレクトロルミネッセンス素子に用いる組成物を提供すること、及び当該有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器を提供することである。
 本発明の一態様によれば、有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
 陽極と、
 陰極と、
 前記陽極及び前記陰極の間に配置された発光領域と、を有し、
 前記発光領域は、第一の発光層と、第二の発光層と、を含み、
 前記第二の発光層の膜厚DEM2に対する前記第一の発光層の膜厚DEM1の比DEM1/DEM2は、2/3以上3/2以下であり、
 前記第一の発光層は、第一のホスト材料及び第一の発光性化合物を含有し、
 前記第二の発光層は、第二のホスト材料、第三のホスト材料及び第二の発光性化合物を含有し、
 前記第一のホスト材料と前記第二のホスト材料と前記第三のホスト材料とは、互いに異なり、
 前記第一の発光性化合物と前記第二の発光性化合物とは、互いに同一であるか又は異なり、
 前記第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)と前記第二のホスト材料の三重項エネルギーT(H2)とが、下記数式(数1)の関係を満たし、
 前記第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)と前記第三のホスト材料の三重項エネルギーT(H3)とが、下記数式(数2)の関係を満たし、
 前記第二のホスト材料が下記一般式(H20)で表される化合物であり、
 前記第三のホスト材料が下記一般式(H30)で表される化合物である、
 有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
  T(H1)>T(H2) …(数1)
  T(H1)>T(H3) …(数2)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000013
(前記一般式(H20)において、
 R201~R208は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  下記一般式(H21)で表される基である。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000014
(前記一般式(H20)及び(H21)において、
 L201、L202及びL203は、それぞれ独立に、
  単結合、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基であり、
 Ar201、Ar202及びAr203は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000015
(前記一般式(H30)中、
 Xは、酸素原子又は硫黄原子であり、
 3つのR310のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 R311~R314のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 R301~R308、並びに前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR310~R314は、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 L301及びL302は、それぞれ独立に、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 Ar301は、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
(前記第二のホスト材料及び前記第三のホスト材料中、R901、R902、R903、R904、R905、R906及びR907は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 R901が複数存在する場合、複数のR901は、互いに同一であるか又は異なり、
 R902が複数存在する場合、複数のR902は、互いに同一であるか又は異なり、
 R903が複数存在する場合、複数のR903は、互いに同一であるか又は異なり、
 R904が複数存在する場合、複数のR904は、互いに同一であるか又は異なり、
 R905が複数存在する場合、複数のR905は、互いに同一であるか又は異なり、
 R906が複数存在する場合、複数のR906は、互いに同一であるか又は異なり、
 R907が複数存在する場合、複数のR907は、互いに同一であるか又は異なる。)
 本発明の一態様によれば、下記一般式(H20)で表される化合物と、下記一般式(H30)で表される化合物と、を含み、下記一般式(H20)で表される化合物と、下記一般式(H30)で表される化合物が異なる化合物である、組成物が提供される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000016
(前記一般式(H20)において、
 R201~R208は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  下記一般式(H21)で表される基である。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000017
(前記一般式(H20)及び(H21)において、
 L201、L202及びL203は、それぞれ独立に、
  単結合、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基であり、
 Ar201、Ar202及びAr203は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
 Ar201、Ar202及びAr203の少なくともいずれかが、4つ以上の環が縮合した置換もしくは無置換のアリール基である。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000018
(前記一般式(H30)中、
 Xは、酸素原子又は硫黄原子であり、
 3つのR310のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 R311~R314のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 R301~R308、並びに前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR310~R314は、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 L301及びL302は、それぞれ独立に、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 Ar301は、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
(前記一般式(H20)で表される化合物及び前記一般式(H30)で表される化合物中、R901、R902、R903、R904、R905、R906及びR907は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 R901が複数存在する場合、複数のR901は、互いに同一であるか又は異なり、
 R902が複数存在する場合、複数のR902は、互いに同一であるか又は異なり、
 R903が複数存在する場合、複数のR903は、互いに同一であるか又は異なり、
 R904が複数存在する場合、複数のR904は、互いに同一であるか又は異なり、
 R905が複数存在する場合、複数のR905は、互いに同一であるか又は異なり、
 R906が複数存在する場合、複数のR906は、互いに同一であるか又は異なり、
 R907が複数存在する場合、複数のR907は、互いに同一であるか又は異なる。)
 本発明の一態様によれば、前述の本発明の一態様に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器が提供される。
 本発明の一態様によれば、低電流密度における発光効率の低下を改善でき、かつ、長寿命化が可能な有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することができる。本発明の一態様によれば、当該有機エレクトロルミネッセンス素子に用いる組成物を提供することができる。本発明の一態様によれば、当該有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の一例の概略構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の別の一例の概略構成を示す図である。
[定義]
 本明細書において、水素原子とは、中性子数が異なる同位体、即ち、軽水素(protium)、重水素(deuterium)、及び三重水素(tritium)を包含する。
 本明細書において、化学構造式中、「R」等の記号や重水素原子を表す「D」が明示されていない結合可能位置には、水素原子、即ち、軽水素原子、重水素原子、又は三重水素原子が結合しているものとする。
 本明細書において、環形成炭素数とは、原子が環状に結合した構造の化合物(例えば、単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、炭素環化合物、及び複素環化合物)の当該環自体を構成する原子のうちの炭素原子の数を表す。当該環が置換基によって置換される場合、置換基に含まれる炭素は環形成炭素数には含まない。以下で記される「環形成炭素数」については、別途記載のない限り同様とする。例えば、ベンゼン環は環形成炭素数が6であり、ナフタレン環は環形成炭素数が10であり、ピリジン環は環形成炭素数5であり、フラン環は環形成炭素数4である。また、例えば、9,9-ジフェニルフルオレニル基の環形成炭素数は13であり、9,9’-スピロビフルオレニル基の環形成炭素数は25である。
 また、ベンゼン環に置換基として、例えば、アルキル基が置換している場合、当該アルキル基の炭素数は、ベンゼン環の環形成炭素数に含めない。そのため、アルキル基が置換しているベンゼン環の環形成炭素数は、6である。また、ナフタレン環に置換基として、例えば、アルキル基が置換している場合、当該アルキル基の炭素数は、ナフタレン環の環形成炭素数に含めない。そのため、アルキル基が置換しているナフタレン環の環形成炭素数は、10である。
 本明細書において、環形成原子数とは、原子が環状に結合した構造(例えば、単環、縮合環、及び環集合)の化合物(例えば、単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、炭素環化合物、及び複素環化合物)の当該環自体を構成する原子の数を表す。環を構成しない原子(例えば、環を構成する原子の結合を終端する水素原子)や、当該環が置換基によって置換される場合の置換基に含まれる原子は環形成原子数には含まない。以下で記される「環形成原子数」については、別途記載のない限り同様とする。例えば、ピリジン環の環形成原子数は6であり、キナゾリン環の環形成原子数は10であり、フラン環の環形成原子数は5である。例えば、ピリジン環に結合している水素原子、又は置換基を構成する原子の数は、ピリジン環形成原子数の数に含めない。そのため、水素原子、又は置換基が結合しているピリジン環の環形成原子数は、6である。また、例えば、キナゾリン環の炭素原子に結合している水素原子、又は置換基を構成する原子については、キナゾリン環の環形成原子数の数に含めない。そのため、水素原子、又は置換基が結合しているキナゾリン環の環形成原子数は10である。
 本明細書において、「置換もしくは無置換の炭素数XX~YYのZZ基」という表現における「炭素数XX~YY」は、ZZ基が無置換である場合の炭素数を表し、置換されている場合の置換基の炭素数を含めない。ここで、「YY」は、「XX」よりも大きく、「XX」は、1以上の整数を意味し、「YY」は、2以上の整数を意味する。
 本明細書において、「置換もしくは無置換の原子数XX~YYのZZ基」という表現における「原子数XX~YY」は、ZZ基が無置換である場合の原子数を表し、置換されている場合の置換基の原子数を含めない。ここで、「YY」は、「XX」よりも大きく、「XX」は、1以上の整数を意味し、「YY」は、2以上の整数を意味する。
 本明細書において、無置換のZZ基とは「置換もしくは無置換のZZ基」が「無置換のZZ基」である場合を表し、置換のZZ基とは「置換もしくは無置換のZZ基」が「置換のZZ基」である場合を表す。
 本明細書において、「置換もしくは無置換のZZ基」という場合における「無置換」とは、ZZ基における水素原子が置換基と置き換わっていないことを意味する。「無置換のZZ基」における水素原子は、軽水素原子、重水素原子、又は三重水素原子である。
 また、本明細書において、「置換もしくは無置換のZZ基」という場合における「置換」とは、ZZ基における1つ以上の水素原子が、置換基と置き換わっていることを意味する。「AA基で置換されたBB基」という場合における「置換」も同様に、BB基における1つ以上の水素原子が、AA基と置き換わっていることを意味する。
「本明細書に記載の置換基」
 以下、本明細書に記載の置換基について説明する。
 本明細書に記載の「無置換のアリール基」の環形成炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、6~50であり、好ましくは6~30、より好ましくは6~18である。
 本明細書に記載の「無置換の複素環基」の環形成原子数は、本明細書に別途記載のない限り、5~50であり、好ましくは5~30、より好ましくは5~18である。
 本明細書に記載の「無置換のアルキル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~20、より好ましくは1~6である。
 本明細書に記載の「無置換のアルケニル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、2~50であり、好ましくは2~20、より好ましくは2~6である。
 本明細書に記載の「無置換のアルキニル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、2~50であり、好ましくは2~20、より好ましくは2~6である。
 本明細書に記載の「無置換のシクロアルキル基」の環形成炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、3~50であり、好ましくは3~20、より好ましくは3~6である。
 本明細書に記載の「無置換のアリーレン基」の環形成炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、6~50であり、好ましくは6~30、より好ましくは6~18である。
 本明細書に記載の「無置換の2価の複素環基」の環形成原子数は、本明細書に別途記載のない限り、5~50であり、好ましくは5~30、より好ましくは5~18である。
 本明細書に記載の「無置換のアルキレン基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~20、より好ましくは1~6である。
・「置換もしくは無置換のアリール基」
 本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」の具体例(具体例群G1)としては、以下の無置換のアリール基(具体例群G1A)及び置換のアリール基(具体例群G1B)等が挙げられる。(ここで、無置換のアリール基とは「置換もしくは無置換のアリール基」が「無置換のアリール基」である場合を指し、置換のアリール基とは「置換もしくは無置換のアリール基」が「置換のアリール基」である場合を指す。)本明細書において、単に「アリール基」という場合は、「無置換のアリール基」と「置換のアリール基」の両方を含む。
 「置換のアリール基」は、「無置換のアリール基」の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換のアリール基」としては、例えば、下記具体例群G1Aの「無置換のアリール基」の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基、及び下記具体例群G1Bの置換のアリール基の例等が挙げられる。尚、ここに列挙した「無置換のアリール基」の例、及び「置換のアリール基」の例は、一例に過ぎず、本明細書に記載の「置換のアリール基」には、下記具体例群G1Bの「置換のアリール基」におけるアリール基自体の炭素原子に結合する水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び下記具体例群G1Bの「置換のアリール基」における置換基の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。
・無置換のアリール基(具体例群G1A):
フェニル基、
p-ビフェニル基、
m-ビフェニル基、
o-ビフェニル基、
p-ターフェニル-4-イル基、
p-ターフェニル-3-イル基、
p-ターフェニル-2-イル基、
m-ターフェニル-4-イル基、
m-ターフェニル-3-イル基、
m-ターフェニル-2-イル基、
o-ターフェニル-4-イル基、
o-ターフェニル-3-イル基、
o-ターフェニル-2-イル基、
1-ナフチル基、
2-ナフチル基、
アントリル基、
ベンゾアントリル基、
フェナントリル基、
ベンゾフェナントリル基、
フェナレニル基、
ピレニル基、
クリセニル基、
ベンゾクリセニル基、
トリフェニレニル基、
ベンゾトリフェニレニル基、
テトラセニル基、
ペンタセニル基、
フルオレニル基、
9,9’-スピロビフルオレニル基、
ベンゾフルオレニル基、
ジベンゾフルオレニル基、
フルオランテニル基、
ベンゾフルオランテニル基、
ペリレニル基、及び
下記一般式(TEMP-1)~(TEMP-15)で表される環構造から1つの水素原子を除くことにより誘導される1価のアリール基。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000019
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000020
・置換のアリール基(具体例群G1B):
o-トリル基、
m-トリル基、
p-トリル基、
パラ-キシリル基、
メタ-キシリル基、
オルト-キシリル基、
パラ-イソプロピルフェニル基、
メタ-イソプロピルフェニル基、
オルト-イソプロピルフェニル基、
パラ-t-ブチルフェニル基、
メタ-t-ブチルフェニル基、
オルト-t-ブチルフェニル基、
3,4,5-トリメチルフェニル基、
9,9-ジメチルフルオレニル基、
9,9-ジフェニルフルオレニル基、
9,9-ビス(4-メチルフェニル)フルオレニル基、
9,9-ビス(4-イソプロピルフェニル)フルオレニル基、
9,9-ビス(4-t-ブチルフェニル)フルオレニル基、
シアノフェニル基、
トリフェニルシリルフェニル基、
トリメチルシリルフェニル基、
フェニルナフチル基、
ナフチルフェニル基、及び
前記一般式(TEMP-1)~(TEMP-15)で表される環構造から誘導される1価の基の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基。
・「置換もしくは無置換の複素環基」
 本明細書に記載の「複素環基」は、環形成原子にヘテロ原子を少なくとも1つ含む環状の基である。ヘテロ原子の具体例としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子、及びホウ素原子が挙げられる。
 本明細書に記載の「複素環基」は、単環の基であるか、又は縮合環の基である。
 本明細書に記載の「複素環基」は、芳香族複素環基であるか、又は非芳香族複素環基である。
 本明細書に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」の具体例(具体例群G2)としては、以下の無置換の複素環基(具体例群G2A)、及び置換の複素環基(具体例群G2B)等が挙げられる。(ここで、無置換の複素環基とは「置換もしくは無置換の複素環基」が「無置換の複素環基」である場合を指し、置換の複素環基とは「置換もしくは無置換の複素環基」が「置換の複素環基」である場合を指す。)本明細書において、単に「複素環基」という場合は、「無置換の複素環基」と「置換の複素環基」の両方を含む。
 「置換の複素環基」は、「無置換の複素環基」の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換の複素環基」の具体例は、下記具体例群G2Aの「無置換の複素環基」の水素原子が置き換わった基、及び下記具体例群G2Bの置換の複素環基の例等が挙げられる。尚、ここに列挙した「無置換の複素環基」の例や「置換の複素環基」の例は、一例に過ぎず、本明細書に記載の「置換の複素環基」には、具体例群G2Bの「置換の複素環基」における複素環基自体の環形成原子に結合する水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び具体例群G2Bの「置換の複素環基」における置換基の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。
 具体例群G2Aは、例えば、以下の窒素原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A1)、酸素原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A2)、硫黄原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A3)、及び下記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)で表される環構造から1つの水素原子を除くことにより誘導される1価の複素環基(具体例群G2A4)を含む。
 具体例群G2Bは、例えば、以下の窒素原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B1)、酸素原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B2)、硫黄原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B3)、及び下記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)で表される環構造から誘導される1価の複素環基の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基(具体例群G2B4)を含む。
・窒素原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A1):
ピロリル基、
イミダゾリル基、
ピラゾリル基、
トリアゾリル基、
テトラゾリル基、
オキサゾリル基、
イソオキサゾリル基、
オキサジアゾリル基、
チアゾリル基、
イソチアゾリル基、
チアジアゾリル基、
ピリジル基、
ピリダジニル基、
ピリミジニル基、
ピラジニル基、
トリアジニル基、
インドリル基、
イソインドリル基、
インドリジニル基、
キノリジニル基、
キノリル基、
イソキノリル基、
シンノリル基、
フタラジニル基、
キナゾリニル基、
キノキサリニル基、
ベンゾイミダゾリル基、
インダゾリル基、
フェナントロリニル基、
フェナントリジニル基、
アクリジニル基、
フェナジニル基、
カルバゾリル基、
ベンゾカルバゾリル基、
モルホリノ基、
フェノキサジニル基、
フェノチアジニル基、
アザカルバゾリル基、及びジアザカルバゾリル基。
・酸素原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A2):
フリル基、
オキサゾリル基、
イソオキサゾリル基、
オキサジアゾリル基、
キサンテニル基、
ベンゾフラニル基、
イソベンゾフラニル基、
ジベンゾフラニル基、
ナフトベンゾフラニル基、
ベンゾオキサゾリル基、
ベンゾイソキサゾリル基、
フェノキサジニル基、
モルホリノ基、
ジナフトフラニル基、
アザジベンゾフラニル基、
ジアザジベンゾフラニル基、
アザナフトベンゾフラニル基、及び
ジアザナフトベンゾフラニル基。
・硫黄原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A3):
チエニル基、
チアゾリル基、
イソチアゾリル基、
チアジアゾリル基、
ベンゾチオフェニル基(ベンゾチエニル基)、
イソベンゾチオフェニル基(イソベンゾチエニル基)、
ジベンゾチオフェニル基(ジベンゾチエニル基)、
ナフトベンゾチオフェニル基(ナフトベンゾチエニル基)、
ベンゾチアゾリル基、
ベンゾイソチアゾリル基、
フェノチアジニル基、
ジナフトチオフェニル基(ジナフトチエニル基)、
アザジベンゾチオフェニル基(アザジベンゾチエニル基)、
ジアザジベンゾチオフェニル基(ジアザジベンゾチエニル基)、
アザナフトベンゾチオフェニル基(アザナフトベンゾチエニル基)、及び
ジアザナフトベンゾチオフェニル基(ジアザナフトベンゾチエニル基)。
・下記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)で表される環構造から1つの水素原子を除くことにより誘導される1価の複素環基(具体例群G2A4):
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000021
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000022
 前記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)において、X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、NH、又はCHである。ただし、X及びYのうち少なくとも1つは、酸素原子、硫黄原子、又はNHである。
 前記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)において、X及びYの少なくともいずれかがNH、又はCHである場合、前記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)で表される環構造から誘導される1価の複素環基には、これらNH、又はCHから1つの水素原子を除いて得られる1価の基が含まれる。
・窒素原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B1):
(9-フェニル)カルバゾリル基、
(9-ビフェニリル)カルバゾリル基、
(9-フェニル)フェニルカルバゾリル基、
(9-ナフチル)カルバゾリル基、
ジフェニルカルバゾール-9-イル基、
フェニルカルバゾール-9-イル基、
メチルベンゾイミダゾリル基、
エチルベンゾイミダゾリル基、
フェニルトリアジニル基、
ビフェニリルトリアジニル基、
ジフェニルトリアジニル基、
フェニルキナゾリニル基、及びビフェニリルキナゾリニル基。
・酸素原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B2):
フェニルジベンゾフラニル基、
メチルジベンゾフラニル基、
t-ブチルジベンゾフラニル基、及び
スピロ[9H-キサンテン-9,9’-[9H]フルオレン]の1価の残基。
・硫黄原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B3):
フェニルジベンゾチオフェニル基、
メチルジベンゾチオフェニル基、
t-ブチルジベンゾチオフェニル基、及び
スピロ[9H-チオキサンテン-9,9’-[9H]フルオレン]の1価の残基。
・前記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)で表される環構造から誘導される1価の複素環基の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基(具体例群G2B4):
 前記「1価の複素環基の1つ以上の水素原子」とは、該1価の複素環基の環形成炭素原子に結合している水素原子、X及びYの少なくともいずれかがNHである場合の窒素原子に結合している水素原子、及びX及びYの一方がCHである場合のメチレン基の水素原子から選ばれる1つ以上の水素原子を意味する。
・「置換もしくは無置換のアルキル基」
 本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」の具体例(具体例群G3)としては、以下の無置換のアルキル基(具体例群G3A)及び置換のアルキル基(具体例群G3B)が挙げられる。(ここで、無置換のアルキル基とは「置換もしくは無置換のアルキル基」が「無置換のアルキル基」である場合を指し、置換のアルキル基とは「置換もしくは無置換のアルキル基」が「置換のアルキル基」である場合を指す。)以下、単に「アルキル基」という場合は、「無置換のアルキル基」と「置換のアルキル基」の両方を含む。
 「置換のアルキル基」は、「無置換のアルキル基」における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換のアルキル基」の具体例としては、下記の「無置換のアルキル基」(具体例群G3A)における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基、及び置換のアルキル基(具体例群G3B)の例等が挙げられる。本明細書において、「無置換のアルキル基」におけるアルキル基は、鎖状のアルキル基を意味する。そのため、「無置換のアルキル基」は、直鎖である「無置換のアルキル基」、及び分岐状である「無置換のアルキル基」が含まれる。尚、ここに列挙した「無置換のアルキル基」の例や「置換のアルキル基」の例は、一例に過ぎず、本明細書に記載の「置換のアルキル基」には、具体例群G3Bの「置換のアルキル基」におけるアルキル基自体の水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び具体例群G3Bの「置換のアルキル基」における置換基の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。
・無置換のアルキル基(具体例群G3A):
メチル基、
エチル基、
n-プロピル基、
イソプロピル基、
n-ブチル基、
イソブチル基、
s-ブチル基、及び
t-ブチル基。
・置換のアルキル基(具体例群G3B):
ヘプタフルオロプロピル基(異性体を含む)、
ペンタフルオロエチル基、
2,2,2-トリフルオロエチル基、及び
トリフルオロメチル基。
・「置換もしくは無置換のアルケニル基」
 本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルケニル基」の具体例(具体例群G4)としては、以下の無置換のアルケニル基(具体例群G4A)、及び置換のアルケニル基(具体例群G4B)等が挙げられる。(ここで、無置換のアルケニル基とは「置換もしくは無置換のアルケニル基」が「無置換のアルケニル基」である場合を指し、「置換のアルケニル基」とは「置換もしくは無置換のアルケニル基」が「置換のアルケニル基」である場合を指す。)本明細書において、単に「アルケニル基」という場合は、「無置換のアルケニル基」と「置換のアルケニル基」の両方を含む。
 「置換のアルケニル基」は、「無置換のアルケニル基」における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換のアルケニル基」の具体例としては、下記の「無置換のアルケニル基」(具体例群G4A)が置換基を有する基、及び置換のアルケニル基(具体例群G4B)の例等が挙げられる。尚、ここに列挙した「無置換のアルケニル基」の例や「置換のアルケニル基」の例は、一例に過ぎず、本明細書に記載の「置換のアルケニル基」には、具体例群G4Bの「置換のアルケニル基」におけるアルケニル基自体の水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び具体例群G4Bの「置換のアルケニル基」における置換基の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。
・無置換のアルケニル基(具体例群G4A):
ビニル基、
アリル基、
1-ブテニル基、
2-ブテニル基、及び
3-ブテニル基。
・置換のアルケニル基(具体例群G4B):
1,3-ブタンジエニル基、
1-メチルビニル基、
1-メチルアリル基、
1,1-ジメチルアリル基、
2-メチルアリル基、及び
1,2-ジメチルアリル基。
・「置換もしくは無置換のアルキニル基」
 本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルキニル基」の具体例(具体例群G5)としては、以下の無置換のアルキニル基(具体例群G5A)等が挙げられる。(ここで、無置換のアルキニル基とは、「置換もしくは無置換のアルキニル基」が「無置換のアルキニル基」である場合を指す。)以下、単に「アルキニル基」という場合は、「無置換のアルキニル基」と「置換のアルキニル基」の両方を含む。
 「置換のアルキニル基」は、「無置換のアルキニル基」における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換のアルキニル基」の具体例としては、下記の「無置換のアルキニル基」(具体例群G5A)における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基等が挙げられる。
・無置換のアルキニル基(具体例群G5A):
エチニル基
・「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」
 本明細書に記載の「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」の具体例(具体例群G6)としては、以下の無置換のシクロアルキル基(具体例群G6A)、及び置換のシクロアルキル基(具体例群G6B)等が挙げられる。(ここで、無置換のシクロアルキル基とは「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」が「無置換のシクロアルキル基」である場合を指し、置換のシクロアルキル基とは「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」が「置換のシクロアルキル基」である場合を指す。)本明細書において、単に「シクロアルキル基」という場合は、「無置換のシクロアルキル基」と「置換のシクロアルキル基」の両方を含む。
 「置換のシクロアルキル基」は、「無置換のシクロアルキル基」における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換のシクロアルキル基」の具体例としては、下記の「無置換のシクロアルキル基」(具体例群G6A)における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基、及び置換のシクロアルキル基(具体例群G6B)の例等が挙げられる。尚、ここに列挙した「無置換のシクロアルキル基」の例や「置換のシクロアルキル基」の例は、一例に過ぎず、本明細書に記載の「置換のシクロアルキル基」には、具体例群G6Bの「置換のシクロアルキル基」におけるシクロアルキル基自体の炭素原子に結合する1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基、及び具体例群G6Bの「置換のシクロアルキル基」における置換基の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。
・無置換のシクロアルキル基(具体例群G6A):
シクロプロピル基、
シクロブチル基、
シクロペンチル基、
シクロヘキシル基、
1-アダマンチル基、
2-アダマンチル基、
1-ノルボルニル基、及び
2-ノルボルニル基。
・置換のシクロアルキル基(具体例群G6B):
4-メチルシクロヘキシル基。
・「-Si(R901)(R902)(R903)で表される基」
 本明細書に記載の-Si(R901)(R902)(R903)で表される基の具体例(具体例群G7)としては、
-Si(G1)(G1)(G1)、
-Si(G1)(G2)(G2)、
-Si(G1)(G1)(G2)、
-Si(G2)(G2)(G2)、
-Si(G3)(G3)(G3)、及び
-Si(G6)(G6)(G6)
が挙げられる。ここで、
 G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。
 G2は、具体例群G2に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」である。
 G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。
 G6は、具体例群G6に記載の「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」である。
 -Si(G1)(G1)(G1)における複数のG1は、互いに同一であるか、又は異なる。
 -Si(G1)(G2)(G2)における複数のG2は、互いに同一であるか、又は異なる。
 -Si(G1)(G1)(G2)における複数のG1は、互いに同一であるか、又は異なる。
 -Si(G2)(G2)(G2)における複数のG2は、互いに同一であるか、又は異なる。
 -Si(G3)(G3)(G3)における複数のG3は、互いに同一であるか、又は異なる。
 -Si(G6)(G6)(G6)における複数のG6は、互いに同一であるか、又は異なる。
・「-O-(R904)で表される基」
 本明細書に記載の-O-(R904)で表される基の具体例(具体例群G8)としては、
-O(G1)、
-O(G2)、
-O(G3)、及び
-O(G6)
が挙げられる。
 ここで、
 G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。
 G2は、具体例群G2に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」である。
 G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。
 G6は、具体例群G6に記載の「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」である。
・「-S-(R905)で表される基」
 本明細書に記載の-S-(R905)で表される基の具体例(具体例群G9)としては、
-S(G1)、
-S(G2)、
-S(G3)、及び
-S(G6)
が挙げられる。
 ここで、
 G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。
 G2は、具体例群G2に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」である。
 G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。
 G6は、具体例群G6に記載の「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」である。
・「-N(R906)(R907)で表される基」
 本明細書に記載の-N(R906)(R907)で表される基の具体例(具体例群G10)としては、
-N(G1)(G1)、
-N(G2)(G2)、
-N(G1)(G2)、
-N(G3)(G3)、及び
-N(G6)(G6)
が挙げられる。
 ここで、
 G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。
 G2は、具体例群G2に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」である。
 G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。
 G6は、具体例群G6に記載の「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」である。
 -N(G1)(G1)における複数のG1は、互いに同一であるか、又は異なる。
 -N(G2)(G2)における複数のG2は、互いに同一であるか、又は異なる。
 -N(G3)(G3)における複数のG3は、互いに同一であるか、又は異なる。
 -N(G6)(G6)における複数のG6は、互いに同一であるか、又は異なる。
・「ハロゲン原子」
 本明細書に記載の「ハロゲン原子」の具体例(具体例群G11)としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子等が挙げられる。
・「置換もしくは無置換のフルオロアルキル基」
 本明細書に記載の「置換もしくは無置換のフルオロアルキル基」は、「置換もしくは無置換のアルキル基」におけるアルキル基を構成する炭素原子に結合している少なくとも1つの水素原子がフッ素原子と置き換わった基を意味し、「置換もしくは無置換のアルキル基」におけるアルキル基を構成する炭素原子に結合している全ての水素原子がフッ素原子で置き換わった基(パーフルオロ基)も含む。「無置換のフルオロアルキル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~30であり、より好ましくは1~18である。「置換のフルオロアルキル基」は、「フルオロアルキル基」の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。尚、本明細書に記載の「置換のフルオロアルキル基」には、「置換のフルオロアルキル基」におけるアルキル鎖の炭素原子に結合する1つ以上の水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び「置換のフルオロアルキル基」における置換基の1つ以上の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。「無置換のフルオロアルキル基」の具体例としては、前記「アルキル基」(具体例群G3)における1つ以上の水素原子がフッ素原子と置き換わった基の例等が挙げられる。
・「置換もしくは無置換のハロアルキル基」
 本明細書に記載の「置換もしくは無置換のハロアルキル基」は、「置換もしくは無置換のアルキル基」におけるアルキル基を構成する炭素原子に結合している少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子と置き換わった基を意味し、「置換もしくは無置換のアルキル基」におけるアルキル基を構成する炭素原子に結合している全ての水素原子がハロゲン原子で置き換わった基も含む。「無置換のハロアルキル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~30であり、より好ましくは1~18である。「置換のハロアルキル基」は、「ハロアルキル基」の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。尚、本明細書に記載の「置換のハロアルキル基」には、「置換のハロアルキル基」におけるアルキル鎖の炭素原子に結合する1つ以上の水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び「置換のハロアルキル基」における置換基の1つ以上の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。「無置換のハロアルキル基」の具体例としては、前記「アルキル基」(具体例群G3)における1つ以上の水素原子がハロゲン原子と置き換わった基の例等が挙げられる。ハロアルキル基をハロゲン化アルキル基と称する場合がある。
・「置換もしくは無置換のアルコキシ基」
 本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルコキシ基」の具体例としては、-O(G3)で表される基であり、ここで、G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。「無置換のアルコキシ基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~30であり、より好ましくは1~18である。
・「置換もしくは無置換のアルキルチオ基」
 本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルキルチオ基」の具体例としては、-S(G3)で表される基であり、ここで、G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。「無置換のアルキルチオ基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~30であり、より好ましくは1~18である。
・「置換もしくは無置換のアリールオキシ基」
 本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアリールオキシ基」の具体例としては、-O(G1)で表される基であり、ここで、G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。「無置換のアリールオキシ基」の環形成炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、6~50であり、好ましくは6~30であり、より好ましくは6~18である。
・「置換もしくは無置換のアリールチオ基」
 本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアリールチオ基」の具体例としては、-S(G1)で表される基であり、ここで、G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。「無置換のアリールチオ基」の環形成炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、6~50であり、好ましくは6~30であり、より好ましくは6~18である。
・「置換もしくは無置換のトリアルキルシリル基」
 本明細書に記載の「トリアルキルシリル基」の具体例としては、-Si(G3)(G3)(G3)で表される基であり、ここで、G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。-Si(G3)(G3)(G3)における複数のG3は、互いに同一であるか、又は異なる。「トリアルキルシリル基」の各アルキル基の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~20であり、より好ましくは1~6である。
・「置換もしくは無置換のアラルキル基」
 本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアラルキル基」の具体例としては、-(G3)-(G1)で表される基であり、ここで、G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」であり、G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。従って、「アラルキル基」は、「アルキル基」の水素原子が置換基としての「アリール基」と置き換わった基であり、「置換のアルキル基」の一態様である。「無置換のアラルキル基」は、「無置換のアリール基」が置換した「無置換のアルキル基」であり、「無置換のアラルキル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、7~50であり、好ましくは7~30であり、より好ましくは7~18である。
 「置換もしくは無置換のアラルキル基」の具体例としては、ベンジル基、1-フェニルエチル基、2-フェニルエチル基、1-フェニルイソプロピル基、2-フェニルイソプロピル基、フェニル-t-ブチル基、α-ナフチルメチル基、1-α-ナフチルエチル基、2-α-ナフチルエチル基、1-α-ナフチルイソプロピル基、2-α-ナフチルイソプロピル基、β-ナフチルメチル基、1-β-ナフチルエチル基、2-β-ナフチルエチル基、1-β-ナフチルイソプロピル基、及び2-β-ナフチルイソプロピル基等が挙げられる。
 本明細書に記載の置換もしくは無置換のアリール基は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくはフェニル基、p-ビフェニル基、m-ビフェニル基、o-ビフェニル基、p-ターフェニル-4-イル基、p-ターフェニル-3-イル基、p-ターフェニル-2-イル基、m-ターフェニル-4-イル基、m-ターフェニル-3-イル基、m-ターフェニル-2-イル基、o-ターフェニル-4-イル基、o-ターフェニル-3-イル基、o-ターフェニル-2-イル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ピレニル基、クリセニル基、トリフェニレニル基、フルオレニル基、9,9’-スピロビフルオレニル基、9,9-ジメチルフルオレニル基、及び9,9-ジフェニルフルオレニル基等である。
 本明細書に記載の置換もしくは無置換の複素環基は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくはピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、キノリル基、イソキノリル基、キナゾリニル基、ベンゾイミダゾリル基、フェナントロリニル基、カルバゾリル基(1-カルバゾリル基、2-カルバゾリル基、3-カルバゾリル基、4-カルバゾリル基、又は9-カルバゾリル基)、ベンゾカルバゾリル基、アザカルバゾリル基、ジアザカルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ナフトベンゾフラニル基、アザジベンゾフラニル基、ジアザジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ナフトベンゾチオフェニル基、アザジベンゾチオフェニル基、ジアザジベンゾチオフェニル基、(9-フェニル)カルバゾリル基((9-フェニル)カルバゾール-1-イル基、(9-フェニル)カルバゾール-2-イル基、(9-フェニル)カルバゾール-3-イル基、又は(9-フェニル)カルバゾール-4-イル基)、(9-ビフェニリル)カルバゾリル基、(9-フェニル)フェニルカルバゾリル基、ジフェニルカルバゾール-9-イル基、フェニルカルバゾール-9-イル基、フェニルトリアジニル基、ビフェニリルトリアジニル基、ジフェニルトリアジニル基、フェニルジベンゾフラニル基、及びフェニルジベンゾチオフェニル基等である。
 本明細書において、カルバゾリル基は、本明細書に別途記載のない限り、具体的には以下のいずれかの基である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000023
 本明細書において、(9-フェニル)カルバゾリル基は、本明細書に別途記載のない限り、具体的には以下のいずれかの基である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000024
 前記一般式(TEMP-Cz1)~(TEMP-Cz9)中、*は、結合位置を表す。
 本明細書において、ジベンゾフラニル基、及びジベンゾチオフェニル基は、本明細書に別途記載のない限り、具体的には以下のいずれかの基である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000025
 前記一般式(TEMP-34)~(TEMP-41)中、*は、結合位置を表す。
 本明細書に記載の置換もしくは無置換のアルキル基は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、及びt-ブチル基等である。
・「置換もしくは無置換のアリーレン基」
 本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアリーレン基」は、別途記載のない限り、上記「置換もしくは無置換のアリール基」からアリール環上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基である。「置換もしくは無置換のアリーレン基」の具体例(具体例群G12)としては、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」からアリール環上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基等が挙げられる。
・「置換もしくは無置換の2価の複素環基」
 本明細書に記載の「置換もしくは無置換の2価の複素環基」は、別途記載のない限り、上記「置換もしくは無置換の複素環基」から複素環上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基である。「置換もしくは無置換の2価の複素環基」の具体例(具体例群G13)としては、具体例群G2に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」から複素環上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基等が挙げられる。
・「置換もしくは無置換のアルキレン基」
 本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルキレン基」は、別途記載のない限り、上記「置換もしくは無置換のアルキル基」からアルキル鎖上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基である。「置換もしくは無置換のアルキレン基」の具体例(具体例群G14)としては、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」からアルキル鎖上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基等が挙げられる。
 本明細書に記載の置換もしくは無置換のアリーレン基は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくは下記一般式(TEMP-42)~(TEMP-68)のいずれかの基である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000026
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000027
 前記一般式(TEMP-42)~(TEMP-52)中、Q~Q10は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基である。
 前記一般式(TEMP-42)~(TEMP-52)中、*は、結合位置を表す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000028
 前記一般式(TEMP-53)~(TEMP-62)中、Q~Q10は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基である。
 式Q及びQ10は、単結合を介して互いに結合して環を形成してもよい。
 前記一般式(TEMP-53)~(TEMP-62)中、*は、結合位置を表す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000029
 前記一般式(TEMP-63)~(TEMP-68)中、Q~Qは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基である。
 前記一般式(TEMP-63)~(TEMP-68)中、*は、結合位置を表す。
 本明細書に記載の置換もしくは無置換の2価の複素環基は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくは下記一般式(TEMP-69)~(TEMP-102)のいずれかの基である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000030
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000031
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000032
 前記一般式(TEMP-69)~(TEMP-82)中、Q~Qは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000033
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000034
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000035
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000036
 前記一般式(TEMP-83)~(TEMP-102)中、Q~Qは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基である。
 以上が、「本明細書に記載の置換基」についての説明である。
・「結合して環を形成する場合」
 本明細書において、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は互いに結合せず」という場合は、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成する」場合と、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成する」場合と、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合しない」場合と、を意味する。
 本明細書における、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成する」場合、及び「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成する」場合(以下、これらの場合をまとめて「結合して環を形成する場合」と称する場合がある。)について、以下、説明する。母骨格がアントラセン環である下記一般式(TEMP-103)で表されるアントラセン化合物の場合を例として説明する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000037
 例えば、R921~R930のうちの「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、環を形成する」場合において、1組となる隣接する2つからなる組とは、R921とR922との組、R922とR923との組、R923とR924との組、R924とR930との組、R930とR925との組、R925とR926との組、R926とR927との組、R927とR928との組、R928とR929との組、並びにR929とR921との組である。
 上記「1組以上」とは、上記隣接する2つ以上からなる組の2組以上が同時に環を形成してもよいことを意味する。例えば、R921とR922とが互いに結合して環Qを形成し、同時にR925とR926とが互いに結合して環Qを形成した場合は、前記一般式(TEMP-103)で表されるアントラセン化合物は、下記一般式(TEMP-104)で表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000038
 「隣接する2つ以上からなる組」が環を形成する場合とは、前述の例のように隣接する「2つ」からなる組が結合する場合だけではなく、隣接する「3つ以上」からなる組が結合する場合も含む。例えば、R921とR922とが互いに結合して環Qを形成し、かつ、R922とR923とが互いに結合して環Qを形成し、互いに隣接する3つ(R921、R922及びR923)からなる組が互いに結合して環を形成して、アントラセン母骨格に縮合する場合を意味し、この場合、前記一般式(TEMP-103)で表されるアントラセン化合物は、下記一般式(TEMP-105)で表される。下記一般式(TEMP-105)において、環Q及び環Qは、R922を共有する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000039
 形成される「単環」、又は「縮合環」は、形成された環のみの構造として、飽和の環であっても不飽和の環であってもよい。「隣接する2つからなる組の1組」が「単環」、又は「縮合環」を形成する場合であっても、当該「単環」、又は「縮合環」は、飽和の環、又は不飽和の環を形成することができる。例えば、前記一般式(TEMP-104)において形成された環Q及び環Qは、それぞれ、「単環」又は「縮合環」である。また、前記一般式(TEMP-105)において形成された環Q、及び環Qは、「縮合環」である。前記一般式(TEMP-105)の環Qと環Qとは、環Qと環Qとが縮合することによって縮合環となっている。前記一般式(TMEP-104)の環Qがベンゼン環であれば、環Qは、単環である。前記一般式(TMEP-104)の環Qがナフタレン環であれば、環Qは、縮合環である。
 「不飽和の環」とは、芳香族炭化水素環、又は芳香族複素環を意味する。「飽和の環」とは、脂肪族炭化水素環、又は非芳香族複素環を意味する。
 芳香族炭化水素環の具体例としては、具体例群G1において具体例として挙げられた基が水素原子によって終端された構造が挙げられる。
 芳香族複素環の具体例としては、具体例群G2において具体例として挙げられた芳香族複素環基が水素原子によって終端された構造が挙げられる。
 脂肪族炭化水素環の具体例としては、具体例群G6において具体例として挙げられた基が水素原子によって終端された構造が挙げられる。
 「環を形成する」とは、母骨格の複数の原子のみ、あるいは母骨格の複数の原子とさらに1以上の任意の元素で環を形成することを意味する。例えば、前記一般式(TEMP-104)に示す、R921とR922とが互いに結合して形成された環Qは、R921が結合するアントラセン骨格の炭素原子と、R922が結合するアントラセン骨格の炭素原子と、1以上の任意の元素とで形成する環を意味する。具体例としては、R921とR922とで環Qを形成する場合において、R921が結合するアントラセン骨格の炭素原子と、R922とが結合するアントラセン骨格の炭素原子と、4つの炭素原子とで単環の不飽和の環を形成する場合、R921とR922とで形成する環は、ベンゼン環である。
 ここで、「任意の元素」は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくは、炭素元素、窒素元素、酸素元素、及び硫黄元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素である。任意の元素において(例えば、炭素元素、又は窒素元素の場合)、環を形成しない結合は、水素原子等で終端されてもよいし、後述する「任意の置換基」で置換されてもよい。炭素元素以外の任意の元素を含む場合、形成される環は複素環である。
 単環または縮合環を構成する「1以上の任意の元素」は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくは2個以上15個以下であり、より好ましくは3個以上12個以下であり、さらに好ましくは3個以上5個以下である。
 本明細書に別途記載のない限り、「単環」、及び「縮合環」のうち、好ましくは「単環」である。
 本明細書に別途記載のない限り、「飽和の環」、及び「不飽和の環」のうち、好ましくは「不飽和の環」である。
 本明細書に別途記載のない限り、「単環」は、好ましくはベンゼン環である。
 本明細書に別途記載のない限り、「不飽和の環」は、好ましくはベンゼン環である。
 「隣接する2つ以上からなる組の1組以上」が、「互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成する」場合、又は「互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成する」場合、本明細書に別途記載のない限り、好ましくは、隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、母骨格の複数の原子と、1個以上15個以下の炭素元素、窒素元素、酸素元素、及び硫黄元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素とからなる置換もしくは無置換の「不飽和の環」を形成する。
 上記の「単環」、又は「縮合環」が置換基を有する場合の置換基は、例えば後述する「任意の置換基」である。上記の「単環」、又は「縮合環」が置換基を有する場合の置換基の具体例は、上述した「本明細書に記載の置換基」の項で説明した置換基である。
 上記の「飽和の環」、又は「不飽和の環」が置換基を有する場合の置換基は、例えば後述する「任意の置換基」である。上記の「単環」、又は「縮合環」が置換基を有する場合の置換基の具体例は、上述した「本明細書に記載の置換基」の項で説明した置換基である。
 以上が、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成する」場合、及び「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成する」場合(「結合して環を形成する場合」)についての説明である。
・「置換もしくは無置換の」という場合の置換基
 本明細書における一実施形態においては、前記「置換もしくは無置換の」という場合の置換基(本明細書において、「任意の置換基」と呼ぶことがある。)は、例えば、
無置換の炭素数1~50のアルキル基、
無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)、
-O-(R904)、
-S-(R905)、
-N(R906)(R907)、
ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、
無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、及び
無置換の環形成原子数5~50の複素環基からなる群から選択される基等であり、
 ここで、R901~R907は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
 R901が2個以上存在する場合、2個以上のR901は、互いに同一であるか、又は異なり、
 R902が2個以上存在する場合、2個以上のR902は、互いに同一であるか、又は異なり、
 R903が2個以上存在する場合、2個以上のR903は、互いに同一であるか、又は異なり、
 R904が2個以上存在する場合、2個以上のR904は、互いに同一であるか、又は異なり、
 R905が2個以上存在する場合、2個以上のR905は、互いに同一であるか、又は異なり、
 R906が2個以上存在する場合、2個以上のR906は、互いに同一であるか、又は異なり、
 R907が2個以上存在する場合、2個以上のR907は、互いに同一であるか又は異なる。
 一実施形態においては、前記「置換もしくは無置換の」という場合の置換基は、
炭素数1~50のアルキル基、
環形成炭素数6~50のアリール基、及び
環形成原子数5~50の複素環基からなる群から選択される基である。
 一実施形態においては、前記「置換もしくは無置換の」という場合の置換基は、
炭素数1~18のアルキル基、
環形成炭素数6~18のアリール基、及び
環形成原子数5~18の複素環基からなる群から選択される基である。
 上記任意の置換基の各基の具体例は、上述した「本明細書に記載の置換基」の項で説明した置換基の具体例である。
 本明細書において別途記載のない限り、隣接する任意の置換基同士で、「飽和の環」、又は「不飽和の環」を形成してもよく、好ましくは、置換もしくは無置換の飽和の5員環、置換もしくは無置換の飽和の6員環、置換もしくは無置換の不飽和の5員環、又は置換もしくは無置換の不飽和の6員環を形成し、より好ましくは、ベンゼン環を形成する。
 本明細書において別途記載のない限り、任意の置換基は、さらに置換基を有してもよい。任意の置換基がさらに有する置換基としては、上記任意の置換基と同様である。
 本明細書において、「AA~BB」を用いて表される数値範囲は、「AA~BB」の前に記載される数値AAを下限値とし、「AA~BB」の後に記載される数値BBを上限値として含む範囲を意味する。
 本明細書において、「A≧B」で表される数式は、Aの値とBの値とが等しいか、又はAの値がBの値よりも大きいことを意味する。
 本明細書において、「A≦B」で表される数式は、Aの値とBの値とが等しいか、又はAの値がBの値よりも小さいことを意味する。
〔第一実施形態〕
<有機エレクトロルミネッセンス素子>
 本実施形態の有機エレクトロルミネッセンス素子は、陽極と、陰極と、前記陽極及び前記陰極の間に配置された発光領域と、を有し、前記発光領域は、第一の発光層と、第二の発光層と、を含み、前記第二の発光層の膜厚DEM2に対する前記第一の発光層の膜厚DEM1の比DEM1/DEM2は、2/3以上3/2以下であり、前記第一の発光層は、第一のホスト材料及び第一の発光性化合物を含有し、前記第二の発光層は、第二のホスト材料、第三のホスト材料及び第二の発光性化合物を含有し、前記第一のホスト材料と前記第二のホスト材料と前記第三のホスト材料とは、互いに異なり、前記第一の発光性化合物と前記第二の発光性化合物とは、互いに同一であるか又は異なり、前記第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)と前記第二のホスト材料の三重項エネルギーT(H2)とが、下記数式(数1)の関係を満たし、前記第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)と前記第三のホスト材料の三重項エネルギーT(H3)とが、下記数式(数2)の関係を満たし、前記第二のホスト材料が下記一般式(H20)で表される化合物であり、前記第三のホスト材料が下記一般式(H30)で表される化合物である。
  T(H1)>T(H2) …(数1)
  T(H1)>T(H3) …(数2)
(発光領域)
 本実施形態の有機EL素子は、第一の発光層及び第二の発光層を含む発光領域を有する。本実施形態の発光領域は、第一の発光層及び第二の発光層のみ含んでいてもよく、第一の発光層及び第二の発光層とは異なる有機層を含んでいてもよい。
 第一の発光層は、第一のホスト材料及び第一の発光性化合物を含有し、第二の発光層は、第二のホスト材料、第三のホスト材料及び第二の発光性化合物を含有する。第一のホスト材料と第二のホスト材料と第三のホスト材料とは、互いに異なる化合物である。第一の発光性化合物と第二の発光性化合物とは、互いに同一の化合物であるか又は互いに異なる化合物である。
 本実施形態の有機EL素子において、第二の発光層の膜厚DEM2に対する第一の発光層の膜厚DEM1の比DEM1/DEM2は、0.67以上、1.50以下であることが好ましく、0.75以上、1.25以下であることがより好ましい。
 第一の発光層及び第二の発光層の膜厚は、前述の膜厚比DEM1/DEM2の範囲を満たせば、特に限定されない。第一の発光層及び第二の発光層の膜厚は、例えば、それぞれ独立に、5nm以上、25nm以下であることが好ましく、5nm以上、15nm以下であることがより好ましい。
 本実施形態によれば、発光効率が向上した有機エレクトロルミネッセンス素子を提供できる。
 従来、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光効率を向上させるための技術として、Triplet-Triplet-Annihilation(TTAと称する場合がある。)が知られている。TTAは、三重項励起子と三重項励起子とが衝突して、一重項励起子を生成するという機構(メカニズム)である。なお、TTAメカニズムは、特許文献3に記載のようにTTFメカニズムと称する場合もある。
 TTF現象を説明する。陽極から注入された正孔と、陰極から注入された電子とは、発光層内で再結合し励起子を生成する。そのスピン状態は、従来から知られているように、一重項励起子が25%、三重項励起子が75%の比率である。従来知られている蛍光素子においては、25%の一重項励起子が基底状態に緩和するときに光を発するが、残りの75%の三重項励起子については光を発することなく熱的失活過程を経て基底状態に戻る。従って、従来の蛍光素子の内部量子効率の理論限界値は25%といわれていた。
 一方、有機物内部で生成した三重項励起子の挙動が理論的に調べられている。S.M.Bachiloらによれば(J.Phys.Chem.A,104,7711(2000))、五重項等の高次の励起子がすぐに三重項に戻ると仮定すると、三重項励起子(以下、と記載する)の密度が上がってきたとき、三重項励起子同士が衝突し下記式のような反応が起きる。ここで、Aは、基底状態を表し、は、最低励起一重項励起子を表す。
 →(4/9)A+(1/9)+(13/9)
 即ち、5→4A+1Aとなり、当初生成した75%の三重項励起子のうち、1/5即ち20%が一重項励起子に変化することが予測されている。従って、光として寄与する一重項励起子は、当初生成する25%分に75%×(1/5)=15%を加えた40%ということになる。このとき、全発光強度中に占めるTTF由来の発光比率(TTF比率)は、15/40、すなわち37.5%となる。また、当初生成した75%の三重項励起子のお互いが衝突して一重項励起子が生成した(2つの三重項励起子から1つの一重項励起子が生成した)とすると、当初生成する一重項励起子25%分に75%×(1/2)=37.5%を加えた62.5%という非常に高い内部量子効率が得られる。このとき、TTF比率は、37.5/62.5=60%である。
 本実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子によれば、第一の発光層で正孔と電子との再結合によって生成した三重項励起子は、当該第一の発光層と直接に接する有機層との界面にキャリアが過剰に存在していても、第一の発光層と当該有機層との界面に存在する三重項励起子がクエンチされ難くなると考えられる。例えば、再結合領域が、第一の発光層と正孔輸送層又は電子障壁層との界面に局所的に存在する場合には、過剰な電子によるクエンチが考えられる。一方、再結合領域が、第一の発光層と電子輸送層又は正孔障壁層との界面に局所的に存在する場合には、過剰な正孔によるクエンチが考えられる。
 本実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、所定の関係を満たす、少なくとも2つの発光層(すなわち、第一の発光層及び第二の発光層)を備え、第一の発光層中の第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)と、第二の発光層中の第二のホスト材料の三重項エネルギーT(H2)とが、前記数式(数1)の関係を満たし、第一の発光層中の第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)と、第二の発光層中の第三のホスト材料の三重項エネルギーT(H3)とが、前記数式(数2)の関係を満たす。
 前記数式(数1)及び数式(数2)の関係を満たすように第一の発光層及び第二の発光層を備えることで、第一の発光層で生成した三重項励起子は、過剰キャリアによってクエンチされずに第二の発光層へと移動し、また、第二の発光層から第一の発光層へ逆移動することを抑制できる。その結果、第二の発光層において、TTFメカニズムが発現して、一重項励起子が効率良く生成され、発光効率が向上する。
 このように、有機エレクトロルミネッセンス素子が、三重項励起子を主に生成させる第一の発光層と、第一の発光層から移動してきた三重項励起子を活用してTTFメカニズムを主に発現させる第二の発光層と、を異なる領域として備え、第二の発光層中の第二のホスト材料及び第三のホスト材料として、第一の発光層中の第一のホスト材料よりも小さな三重項エネルギーを有する化合物を用いて、三重項エネルギーの差を設けることで、発光効率が向上する。
 本実施形態の有機EL素子において、第一の発光層及び第二の発光層が積層されており、第二の発光層が、下記一般式(H20)で表される化合物を第二のホスト材料として含有し、下記一般式(H30)で表される化合物を第三のホスト材料として含有している。このように、第二の発光層が、炭化水素系のアントラセン化合物と、ヘテロ原子含有環を有するアントラセン化合物との両方を含有することで、低電流密度における発光効率の低下を改善しつつ、第一の発光層と第二の発光層との膜厚差が小さい場合(例えば、第一の発光層の膜厚と第二の発光層の膜厚とが同じ場合)においても有機EL素子の寿命及び発光効率を改善することができる。
 本実施形態に係る有機EL素子において、第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)と第二のホスト材料の三重項エネルギーT(H2)とが、下記数式(数A1)の関係を満たすことが好ましい。
 T(H1)-T(H2)>0.03eV …(数A1)
 本実施形態に係る有機EL素子において、第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)と第三のホスト材料の三重項エネルギーT(H3)とが、下記数式(数A2)の関係を満たすことが好ましい。
 T(H1)-T(H3)>0.03eV …(数A2)
(第一のホスト材料)
 本実施形態に係る有機EL素子において、第一のホスト材料は、前記数式(数1)及び(数2)の関係を満たす化合物であれば特に限定されない。
 本実施形態の有機EL素子において、第一のホスト材料は、分子中に、単結合で連結されたベンゼン環とナフタレン環とを含む連結構造を有し、前記連結構造中の前記ベンゼン環及び前記ナフタレン環には、それぞれ独立に、さらに単環又は縮合環が縮合しているか又は縮合しておらず、前記連結構造中の前記ベンゼン環と前記ナフタレン環とが、前記単結合以外の少なくとも1つの部分において架橋によりさらに連結していることも好ましい。
 第一のホスト材料が、このような架橋を含んだ連結構造を有していることにより、有機EL素子の色度悪化の抑制が期待できる。
 この場合の第一のホスト材料は、分子中に、下記式(X1)又は式(X2)で表されるような、単結合で連結されたベンゼン環とナフタレン環とを含む連結構造(ベンゼン-ナフタレン連結構造と称する場合がある。)を最小単位として有していればよく、当該ベンゼン環にさらに単環又は縮合環が縮合していてもよいし、当該ナフタレン環にさらに単環又は縮合環が縮合していてもよい。例えば、第一のホスト材料が、分子中に、下記式(X3)、式(X4)、又は式(X5)で表されるような、単結合で連結されたナフタレン環とナフタレン環とを含む連結構造(ナフタレン-ナフタレン連結構造と称する場合がある。)においても、一方のナフタレン環は、ベンゼン環を含んでいるため、ベンゼン-ナフタレン連結構造を含んでいることになる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000040
 本実施形態の有機EL素子において、前記架橋が二重結合を含むことも好ましい。すなわち、ベンゼン-ナフタレン連結構造において、前記ベンゼン環と前記ナフタレン環とが、単結合以外の部分において二重結合を含む架橋構造によりさらに連結した構造を有することも好ましい。
 ベンゼン-ナフタレン連結構造中のベンゼン環とナフタレン環とが、単結合以外の少なくとも1つの部分において架橋によりさらに連結すると、例えば、前記式(X1)の場合、下記式(X11)で表される連結構造(縮合環)になり、前記式(X3)の場合、下記式(X31)で表される連結構造(縮合環)になる。
 ベンゼン-ナフタレン連結構造中のベンゼン環とナフタレン環とが、単結合以外の部分において二重結合を含む架橋によりさらに連結すると、例えば、前記式(X1)の場合、下記式(X12)で表される連結構造(縮合環)になり、前記式(X2)の場合、下記式(X21)又は式(X22)で表される連結構造(縮合環)になり、前記式(X4)の場合、下記式(X41)で表される連結構造(縮合環)になり、前記式(X5)の場合、下記式(X51)で表される連結構造(縮合環)になる。
 ベンゼン-ナフタレン連結構造中のベンゼン環とナフタレン環とが、単結合以外の少なくとも1つの部分においてヘテロ原子(例えば、酸素原子)を含む架橋によりさらに連結すると、例えば、前記式(X1)の場合、下記式(X13)で表される連結構造(縮合環)になる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000041
 本実施形態の有機EL素子において、第一のホスト材料は、分子中に、第一のベンゼン環と第二のベンゼン環とが単結合で連結されたビフェニル構造を有し、前記ビフェニル構造中の前記第一のベンゼン環と前記第二のベンゼン環とが、前記単結合以外の少なくとも1つの部分において架橋によりさらに連結していることも好ましい。
 本実施形態の有機EL素子において、前記ビフェニル構造中の前記第一のベンゼン環と前記第二のベンゼン環とが、前記単結合以外の1つの部分において前記架橋によりさらに連結していることも好ましい。第一のホスト材料が、このような架橋を含んだビフェニル構造を有していることにより、有機EL素子の色度悪化の抑制が期待できる。
 本実施形態の有機EL素子において、前記架橋が二重結合を含むことも好ましい。
 本実施形態に係る有機EL素子において、前記架橋が二重結合を含まないことも好ましい。
 本実施形態の有機EL素子において、前記ビフェニル構造中の前記第一のベンゼン環と前記第二のベンゼン環とが、前記単結合以外の2つの部分において前記架橋によりさらに連結し、前記架橋が二重結合を含まないことも好ましい。第一のホスト材料が、このような架橋を含んだビフェニル構造を有していることにより、有機EL素子の色度悪化の抑制が期待できる。
 例えば、下記式(BP1)で表される前記ビフェニル構造中の第一のベンゼン環と第二のベンゼン環とが、単結合以外の少なくとも1つの部分において架橋によりさらに連結すると、当該ビフェニル構造は、下記式(BP11)~(BP15)等の連結構造(縮合環)になる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000042
 前記式(BP11)は、前記単結合以外の1つの部分において二重結合を含まない架橋によって連結した構造である。
 前記式(BP12)は、前記単結合以外の1つの部分において二重結合を含む架橋によって連結した構造である。
 前記式(BP13)は、前記単結合以外の2つの部分において二重結合を含まない架橋によって連結した構造である。
 前記式(BP14)は、前記単結合以外の2つの部分の一方において二重結合を含まない架橋によって連結し、前記単結合以外の2つの部分の他方において二重結合を含む架橋によって連結した構造である。
 前記式(BP15)は、前記単結合以外の2つの部分において二重結合を含む架橋によって連結した構造である。
 本実施形態に係る有機EL素子において、第一のホスト材料は、例えば、下記一般式(1)、一般式(1X)、一般式(12X)、一般式(13X)、一般式(14X)、一般式(15X)又は一般式(16X)で表される第一の化合物であることも好ましい。
(第一の化合物)
 本実施形態に係る有機EL素子において、第一のホスト材料は、下記一般式(1)で表される化合物であることも好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000043
(前記一般式(1)において、
 R101~R110は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
  -C(=O)R801で表される基、
  -COOR802で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
  前記一般式(11)で表される基であり、
 ただし、R101~R110の少なくとも1つは、前記一般式(11)で表される基であり、
 前記一般式(11)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(11)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
 L101は、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 Ar101は、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 mxは、0、1、2、3、4又は5であり、
 L101が2以上存在する場合、2以上のL101は、互いに同一であるか、又は異なり、
 Ar101が2以上存在する場合、2以上のAr101は、互いに同一であるか、又は異なり、
 前記一般式(11)中の*は、前記一般式(1)中のピレン環との結合位置を示す。)
(本実施形態に係る第一の化合物中、R901、R902、R903、R904、R905、R906、R907、R801及びR802は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 R901が複数存在する場合、複数のR901は、互いに同一であるか又は異なり、
 R902が複数存在する場合、複数のR902は、互いに同一であるか又は異なり、
 R903が複数存在する場合、複数のR903は、互いに同一であるか又は異なり、
 R904が複数存在する場合、複数のR904は、互いに同一であるか又は異なり、
 R905が複数存在する場合、複数のR905は、互いに同一であるか又は異なり、
 R906が複数存在する場合、複数のR906は、互いに同一であるか又は異なり、
 R907が複数存在する場合、複数のR907は、互いに同一であるか又は異なり、
 R801が複数存在する場合、複数のR801は、互いに同一であるか又は異なり、
 R802が複数存在する場合、複数のR802は、互いに同一であるか又は異なる。)
 本実施形態に係る有機EL素子において、前記一般式(11)で表される基は、下記一般式(111)で表される基であることが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000044
(前記一般式(111)において、
 Xは、CR123124、酸素原子、硫黄原子、又はNR125であり、
 L111及びL112は、それぞれ独立に、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 maは、0、1、2、3又は4であり、
 mbは、0、1、2、3又は4であり、
 ma+mbは、0、1、2、3又は4であり、
 Ar101は、前記一般式(11)におけるAr101と同義であり、
 R121、R122、R123、R124及びR125は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
  -C(=O)R801で表される基、
  -COOR802で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 mcは、3であり、
 3つのR121は、互いに同一であるか、又は異なり、
 mdは、3であり、
 3つのR122は、互いに同一であるか、又は異なる。)
 前記一般式(111)で表される基における下記一般式(111a)で表される環構造中の炭素原子*1~*8の位置のうち、*1~*4のいずれか1つの位置にL111が結合し、*1~*4の残りの3つの位置にR121が結合し、*5~*8のいずれか1つの位置にL112が結合し、*5~*8の残りの3つの位置にR122が結合する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000045
 例えば、前記一般式(111)で表される基において、L111が前記一般式(111a)で表される環構造中の*2の炭素原子の位置に結合し、L112が前記一般式(111a)で表される環構造中の*7の炭素原子の位置に結合する場合、前記一般式(111)で表される基は、下記一般式(111b)で表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000046
(前記一般式(111b)において、
 X、L111、L112、ma、mb、Ar101、R121、R122、R123、R124及びR125は、それぞれ独立に、前記一般式(111)におけるX、L111、L112、ma、mb、Ar101、R121、R122、R123、R124及びR125と同義であり、
 複数のR121は、互いに同一であるか、又は異なり、
 複数のR122は、互いに同一であるか、又は異なる。)
 本実施形態に係る有機EL素子において、前記一般式(111)で表される基は、前記一般式(111b)で表される基であることが好ましい。
 本実施形態に係る有機EL素子において、maは、0、1又は2であり、mbは、0、1又は2である、ことが好ましい。
 本実施形態に係る有機EL素子において、maは、0又は1であり、mbは、0又は1であることが好ましい。
 本実施形態に係る有機EL素子において、Ar101は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であることが好ましい。
 本実施形態に係る有機EL素子において、Ar101は、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のナフチル基、置換もしくは無置換のビフェニル基、置換もしくは無置換のターフェニル基、置換もしくは無置換のピレニル基、置換もしくは無置換のフェナントリル基、又は置換もしくは無置換のフルオレニル基であることが好ましい。
 本実施形態に係る有機EL素子において、Ar101は、下記一般式(12)、一般式(13)又は一般式(14)で表される基であることも好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000047
(前記一般式(12)、一般式(13)及び一般式(14)において、
 R111~R120は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
  -C(=O)R124で表される基、
  -COOR125で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 前記一般式(12)、一般式(13)及び一般式(14)中の*は、前記一般式(11)中のL101との結合位置、又は前記一般式(111)もしくは一般式(111b)中のL112との結合位置を示す。)
 本実施形態に係る有機EL素子において、前記第一の化合物は、下記一般式(101)で表されることが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000048
(前記一般式(101)において、
 R101~R120は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
  -C(=O)R801で表される基、
  -COOR802で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 ただし、R101~R110のうち1つがL101との結合位置を示し、R111~R120のうち1つがL101との結合位置を示し、
 L101は、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 mxは、0、1、2、3、4又は5であり、
 L101が2以上存在する場合、2以上のL101は、互いに同一であるか、又は異なる。)
 本実施形態に係る有機EL素子において、L101は、単結合、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基であることが好ましい。
 本実施形態に係る有機EL素子において、前記第一の化合物は、下記一般式(102)で表されることが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000049
(前記一般式(102)において、
 R101~R120は、それぞれ独立に、前記一般式(101)におけるR101~R120と同義であり、
 ただし、R101~R110のうち1つがL111との結合位置を示し、R111~R120のうち1つがL112との結合位置を示し、
 Xは、CR123124、酸素原子、硫黄原子、又はNR125であり、
 L111及びL112は、それぞれ独立に、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 maは、0、1、2、3又は4であり、
 mbは、0、1、2、3又は4であり、
 ma+mbは、0、1、2、3又は4であり、
 R121、R122、R123、R124及びR125は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
  -C(=O)R801で表される基、
  -COOR802で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 mcは、3であり、
 3つのR121は、互いに同一であるか、又は異なり、
 mdは、3であり、
 3つのR122は、互いに同一であるか、又は異なる。)
 前記一般式(102)で表される化合物において、maは、0、1又は2であり、mbは、0、1又は2であることが好ましい。
 前記一般式(102)で表される化合物において、maは、0又は1であり、mbは、0又は1であることが好ましい。
 本実施形態に係る有機EL素子において、R101~R110のうち2つ以上が、前記一般式(11)で表される基であることが好ましい。
 本実施形態に係る有機EL素子において、R101~R110のうち2つ以上が、前記一般式(11)で表される基であり、かつ、Ar101は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であることが好ましい。
 本実施形態に係る有機EL素子において、Ar101は、置換もしくは無置換のピレニル基ではなく、L101は、置換もしくは無置換のピレニレン基ではなく、前記一般式(11)で表される基ではないR101~R110としての置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基は、置換もしくは無置換のピレニル基ではないことが好ましい。
 本実施形態に係る有機EL素子において、前記一般式(11)で表される基ではないR101~R110は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であることが好ましい。
 本実施形態に係る有機EL素子において、前記一般式(11)で表される基ではないR101~R110は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基であることが好ましい。
 本実施形態に係る有機EL素子において、前記一般式(11)で表される基ではないR101~R110は、水素原子であることが好ましい。
・一般式(1X)で表される化合物
 本実施形態に係る有機EL素子において、第一のホスト材料は、下記一般式(1X)で表される化合物であることも好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000050
(前記一般式(1X)において、
 R101~R112は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
  -C(=O)R801で表される基、
  -COOR802で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
  前記一般式(11X)で表される基であり、
 ただし、R101~R112の少なくとも1つは、前記一般式(11X)で表される基であり、
 前記一般式(11X)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(11X)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
 L101は、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 Ar101は、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 mxは、1、2、3、4又は5であり、
 L101が2以上存在する場合、2以上のL101は、互いに同一であるか、又は異なり、
 Ar101が2以上存在する場合、2以上のAr101は、互いに同一であるか、又は異なり、
 前記一般式(11X)中の*は、前記一般式(1X)中のベンズ[a]アントラセン環との結合位置を示す。)
 本実施形態に係る有機EL素子において、前記一般式(11X)で表される基は、下記一般式(111X)で表される基であることが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000051
(前記一般式(111X)において、
 Xは、CR143144、酸素原子、硫黄原子、又はNR145であり、
 L111及びL112は、それぞれ独立に、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 maは、1、2、3又は4であり、
 mbは、1、2、3又は4であり、
 ma+mbは、2、3又は4であり、
 Ar101は、前記一般式(11X)におけるAr101と同義であり、
 R141、R142、R143、R144及びR145は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
  -C(=O)R801で表される基、
  -COOR802で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 mcは、3であり、
 3つのR141は、互いに同一であるか、又は異なり、
 mdは、3であり、
 3つのR142は、互いに同一であるか、又は異なる。)
 前記一般式(111X)で表される基における下記一般式(111aX)で表される環構造中の炭素原子*1~*8の位置のうち、*1~*4のいずれか1つの位置にL111が結合し、*1~*4の残りの3つの位置にR141が結合し、*5~*8のいずれか1つの位置にL112が結合し、*5~*8の残りの3つの位置にR142が結合する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000052
 例えば、前記一般式(111X)で表される基において、L111が前記一般式(111aX)で表される環構造中の*2の炭素原子の位置に結合し、L112が前記一般式(111aX)で表される環構造中の*7の炭素原子の位置に結合する場合、前記一般式(111X)で表される基は、下記一般式(111bX)で表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000053
(前記一般式(111bX)において、
 X、L111、L112、ma、mb、Ar101、R141、R142、R143、R144及びR145は、それぞれ独立に、前記一般式(111X)におけるX、L111、L112、ma、mb、Ar101、R141、R142、R143、R144及びR145と同義であり、
 複数のR141は、互いに同一であるか、又は異なり、
 複数のR142は、互いに同一であるか、又は異なる。)
 本実施形態に係る有機EL素子において、前記一般式(111X)で表される基は、前記一般式(111bX)で表される基であることが好ましい。
 前記一般式(1X)で表される化合物において、maは、1又は2であり、mbは、1又は2であることが好ましい。
 前記一般式(1X)で表される化合物において、maは、1であり、mbは、1であることが好ましい。
 前記一般式(1X)で表される化合物において、Ar101は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であることが好ましい。
 前記一般式(1X)で表される化合物において、Ar101は、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のナフチル基、置換もしくは無置換のビフェニル基、置換もしくは無置換のターフェニル基、置換もしくは無置換のベンズ[a]アントリル基、置換もしくは無置換のピレニル基、置換もしくは無置換のフェナントリル基、又は置換もしくは無置換のフルオレニル基であることが好ましい。
 前記一般式(1X)で表される化合物は、下記一般式(101X)で表されることも好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000054
(前記一般式(101X)において、
 R111及びR112のうち1つがL101との結合位置を示し、R133及びR134のうち1つがL101との結合位置を示し、
 R101~R110、R121~R130、L101との結合位置ではないR111又はR112、並びにL101との結合位置ではないR133又はR134は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
  -C(=O)R801で表される基、
  -COOR802で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 L101は、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 mxは、1、2、3、4又は5であり、
 L101が2以上存在する場合、2以上のL101は、互いに同一であるか、又は異なる。)
 前記一般式(1X)で表される化合物において、L101は、単結合、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基であることが好ましい。
 前記一般式(1X)で表される化合物は、下記一般式(102X)で表されることも好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000055
(前記一般式(102X)において、
 R111及びR112のうち1つがL111との結合位置を示し、R133及びR134のうち1つがL112との結合位置を示し、
 R101~R110、R121~R130、L111との結合位置ではないR111又はR112並びにL112との結合位置ではないR133又はR134は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
  -C(=O)R801で表される基、
  -COOR802で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 Xは、CR143144、酸素原子、硫黄原子、又はNR145であり、
 L111及びL112は、それぞれ独立に、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 maは、1、2、3又は4であり、
 mbは、1、2、3又は4であり、
 ma+mbは、2、3、4又は5であり、
 R141、R142、R143、R144及びR145は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
  -C(=O)R801で表される基、
  -COOR802で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 mcは、3であり、
 3つのR141は、互いに同一であるか、又は異なり、
 mdは、3であり、
 3つのR142は、互いに同一であるか、又は異なる。)
 前記一般式(1X)で表される化合物において、前記一般式(102X)中のmaは、1又は2であり、mbは、1又は2であることが好ましい。
 前記一般式(1X)で表される化合物において、前記一般式(102X)中のmaは、1であり、mbは、1であることが好ましい。
 前記一般式(1X)で表される化合物において、前記一般式(11X)で表される基は、下記一般式(11AX)で表される基、又は下記一般式(11BX)で表される基であることも好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000056
(前記一般式(11AX)及び前記一般式(11BX)において、
 R121~R131は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
  -C(=O)R801で表される基、
  -COOR802で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 前記一般式(11AX)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(11AX)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
 前記一般式(11BX)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(11BX)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
 L131及びL132は、それぞれ独立に、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 前記一般式(11AX)及び前記一般式(11BX)中の*は、それぞれ、前記一般式(1X)中のベンズ[a]アントラセン環との結合位置を示す。)
 前記一般式(1X)で表される化合物は、下記一般式(103X)で表されることも好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000057
(前記一般式(103X)において、
 R101~R110並びにR112は、それぞれ、前記一般式(1X)におけるR101~R110並びにR112と同義であり、
 R121~R131、L131及びL132は、それぞれ、前記一般式(11BX)におけるR121~R131、L131及びL132と同義である。)
 前記一般式(1X)で表される化合物において、L131は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基であることも好ましい。
 前記一般式(1X)で表される化合物において、L132は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基であることも好ましい。
 前記一般式(1X)で表される化合物において、R101~R112のうち2つ以上が、前記一般式(11X)で表される基であることも好ましい。
 本前記一般式(1X)で表される化合物において、R101~R112のうち2つ以上が、前記一般式(11X)で表される基であり、一般式(11X)中のAr101は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であることが好ましい。
 前記一般式(1X)で表される化合物において、Ar101は、置換もしくは無置換のベンズ[a]アントリル基ではなく、L101は、置換もしくは無置換のベンズ[a]アントリレン基ではなく、前記一般式(11X)で表される基ではないR101~R110としての置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基は、置換もしくは無置換のベンズ[a]アントリル基ではないことも好ましい。
 前記一般式(1X)で表される化合物において、前記一般式(11X)で表される基ではないR101~R112は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であることが好ましい。
 前記一般式(1X)で表される化合物において、前記一般式(11X)で表される基ではないR101~R112は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基であることが好ましい。
 前記一般式(1X)で表される化合物において、前記一般式(11X)で表される基ではないR101~R112は、水素原子であることが好ましい。
・一般式(12X)で表される化合物
 本実施形態に係る有機EL素子において、第一のホスト材料は、下記一般式(12X)で表される化合物であることも好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000058
(前記一般式(12X)において、
 R1201~R1210のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、又は
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成し、
 前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ及び前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR1201~R1210は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
  -C(=O)R801で表される基、
  -COOR802で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
  前記一般式(121)で表される基であり、
 ただし、前記置換もしくは無置換の単環が置換基を有する場合の当該置換基、前記置換もしくは無置換の縮合環が置換基を有する場合の当該置換基、並びにR1201~R1210の少なくとも1つが、前記一般式(121)で表される基であり、
 前記一般式(121)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(121)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
 L1201は、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 Ar1201は、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 mx2は、0、1、2、3、4又は5であり、
 L1201が2以上存在する場合、2以上のL1201は、互いに同一であるか、又は異なり、
 Ar1201が2以上存在する場合、2以上のAr1201は、互いに同一であるか、又は異なり、
 前記一般式(121)中の*は、前記一般式(12X)で表される環との結合位置を示す。)
 前記一般式(12X)において、R1201~R1210のうちの隣接する2つからなる組とは、R1201とR1202との組、R1202とR1203との組、R1203とR1204との組、R1204とR1205との組、R1205とR1206との組、R1207とR1208との組、R1208とR1209との組、並びにR1209とR1210との組である。
・一般式(13X)で表される化合物
 本実施形態に係る有機EL素子において、第一のホスト材料は、下記一般式(13X)で表される化合物であることも好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000059
(前記一般式(13X)において、
 R1301~R1310は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
  -C(=O)R801で表される基、
  -COOR802で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
  前記一般式(131)で表される基であり、
 ただし、R1301~R1310の少なくとも1つは、前記一般式(131)で表される基であり、
 前記一般式(131)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(131)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
 L1301は、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 Ar1301は、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 mx3は、0、1、2、3、4又は5であり、
 L1301が2以上存在する場合、2以上のL1301は、互いに同一であるか、又は異なり、
 Ar1301が2以上存在する場合、2以上のAr1301は、互いに同一であるか、又は異なり、
 前記一般式(131)中の*は、前記一般式(13X)中のフルオランテン環との結合位置を示す。)
 本実施形態に係る有機EL素子において、前記一般式(131)で表される基ではないR1301~R1310のうち隣接する2つ以上からなる組は、いずれも、互いに結合しない。前記一般式(13X)において隣接する2つからなる組とは、R1301とR1302との組、R1302とR1303との組、R1303とR1304との組、R1304とR1305との組、R1305とR1306との組、R1307とR1308との組、R1308とR1309との組、並びにR1309とR1310との組である。
・一般式(14X)で表される化合物
 本実施形態に係る有機EL素子において、第一のホスト材料は、下記一般式(14X)で表される化合物であることも好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000060
(前記一般式(14X)において、
 R1401~R1410は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
  -C(=O)R801で表される基、
  -COOR802で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
  前記一般式(141)で表される基であり、
 ただし、R1401~R1410の少なくとも1つは、前記一般式(141)で表される基であり、
 前記一般式(141)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(141)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
 L1401は、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 Ar1401は、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 mx4は、0、1、2、3、4又は5であり、
 L1401が2以上存在する場合、2以上のL1401は、互いに同一であるか、又は異なり、
 Ar1401が2以上存在する場合、2以上のAr1401は、互いに同一であるか、又は異なり、
 前記一般式(141)中の*は、前記一般式(14X)で表される環との結合位置を示す。)
・一般式(15X)で表される化合物
 本実施形態に係る有機EL素子において、第一のホスト材料は、下記一般式(15X)で表される化合物であることも好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000061
(前記一般式(15X)において、
 R1501~R1514は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
  -C(=O)R801で表される基、
  -COOR802で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
  前記一般式(151)で表される基であり、
 ただし、R1501~R1514の少なくとも1つは、前記一般式(151)で表される基であり、
 前記一般式(151)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(151)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
 L1501は、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 Ar1501は、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 mx5は、0、1、2、3、4又は5であり、
 L1501が2以上存在する場合、2以上のL1501は、互いに同一であるか、又は異なり、
 Ar1501が2以上存在する場合、2以上のAr1501は、互いに同一であるか、又は異なり、
 前記一般式(151)中の*は、前記一般式(15X)で表される環との結合位置を示す。)
・一般式(16X)で表される化合物
 本実施形態に係る有機EL素子において、第一のホスト材料は、下記一般式(16X)で表される化合物であることも好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000062
(前記一般式(16X)において、
 R1601~R1614は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
  -C(=O)R801で表される基、
  -COOR802で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
  前記一般式(161)で表される基であり、
 ただし、R1601~R1614の少なくとも1つは、前記一般式(161)で表される基であり、
 前記一般式(161)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(161)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
 L1601は、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 Ar1601は、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 mx6は、0、1、2、3、4又は5であり、
 L1601が2以上存在する場合、2以上のL1601は、互いに同一であるか、又は異なり、
 Ar1601が2以上存在する場合、2以上のAr1601は、互いに同一であるか、又は異なり、
 前記一般式(161)中の*は、前記一般式(16X)で表される環との結合位置を示す。)
 第一のホスト材料において、「置換もしくは無置換」と記載された基は、いずれも「無置換」の基であることが好ましい。
(第一のホスト材料の製造方法)
 第一のホスト材料は、公知の方法により製造できる。また、第一のホスト材料は、公知の方法に倣い、目的物に合わせた既知の代替反応及び原料を用いることによっても、製造できる。
(第一のホスト材料の具体例)
 第一のホスト材料の具体例としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。ただし、本発明は、これら第一のホスト材料の具体例に限定されない。
 本明細書において、化合物の具体例中、Dは、重水素原子を示し、Meは、メチル基を示し、tBuは、tert-ブチル基を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000063
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000064
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000065
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000066
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000067
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000068
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000069
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000070
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000071
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000072
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000073
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000074
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000075
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000076
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000077
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000078
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000079
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000080
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000081
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000082
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000083
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000084
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000085
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000086
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000087
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000088
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000089
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000090
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000091
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000092
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000093
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000094
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000095
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000096
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000097
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000098
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000099
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000100
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000101
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000102
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000103
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000104
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000105
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000106
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000107
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000108
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000109
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000110
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000111
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000112
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000113
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000114
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000115
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000116
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000117
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000118
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000119
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000120
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000121
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000122
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000123
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000124
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000125
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000126
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000127
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000128
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000129
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000130
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000131
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000132
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000133
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000134
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000135
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000136
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000137
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000138
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000139
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000140
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000141
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000142
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000143
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000144
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000145
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000146
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000147
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000148
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000149
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000150
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000151
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000152
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000153
(第二のホスト材料)
 本実施形態の有機EL素子において、第二のホスト材料は、下記一般式(H20)で表される化合物である。但し、第二のホスト材料は、第三のホスト材料とは異なる化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000154
(前記一般式(H20)において、
 R201~R208は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  下記一般式(H21)で表される基である。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000155
(前記一般式(H20)及び(H21)において、
 L201、L202及びL203は、それぞれ独立に、
  単結合、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基であり、
 Ar201、Ar202及びAr203は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。)
(第二のホスト材料中、R901、R902、R903、R904、R905、R906及びR907は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 R901が複数存在する場合、複数のR901は、互いに同一であるか又は異なり、
 R902が複数存在する場合、複数のR902は、互いに同一であるか又は異なり、
 R903が複数存在する場合、複数のR903は、互いに同一であるか又は異なり、
 R904が複数存在する場合、複数のR904は、互いに同一であるか又は異なり、
 R905が複数存在する場合、複数のR905は、互いに同一であるか又は異なり、
 R906が複数存在する場合、複数のR906は、互いに同一であるか又は異なり、
 R907が複数存在する場合、複数のR907は、互いに同一であるか又は異なる。)
 本実施形態の有機EL素子において、第二のホスト材料は、分子中に、4つ以上の環が縮合した置換もしくは無置換のアリール基を少なくとも1つ有することが好ましい。
 本実施形態の有機EL素子において、第二のホスト材料のAr201、Ar202及びAr203の少なくともいずれかが、4つ以上の環が縮合した置換もしくは無置換のアリール基であることが好ましい。
 本実施形態の有機EL素子において、第二のホスト材料のAr201又はAr202が4つ以上の環が縮合した置換もしくは無置換のアリール基であることが好ましい。
 本実施形態の有機EL素子において、第二のホスト材料が分子中に有する4つ以上の環が縮合した置換もしくは無置換のアリール基は、ピレン骨格、ベンズアントラセン骨格、クリセン骨格、ベンゾクリセン骨格、ベンゾフルオレン骨格、フルオランテン骨格、ベンゾフルオランテン骨格、トリフェニレン骨格、ベンゾトリフェニレン骨格及びベンゾフェナントレン骨格からなる群から選択される少なくともいずれかの骨格を含むことが好ましい。
 本実施形態の有機EL素子において、第二のホスト材料のAr201又はAr202が、下記一般式(b20)で表される基であることも好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000156
(前記一般式(b20)において、R211~R224のいずれか1つがL201又はL202との結合位置を示し、L201又はL202との結合位置ではないR211~R224は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。)
 本実施形態の有機EL素子において、前記一般式(b20)のR223がL201又はL202との結合位置を示すことが好ましい。
 本実施形態の有機EL素子において、第二のホスト材料は、下記一般式(H201)で表される化合物であることも好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000157
(前記一般式(H201)において、R201~R208、L201、L202及びAr202は、それぞれ、前記一般式(H20)で定義した通りであり、R211~R222及びR224は、それぞれ、前記一般式(b20)で定義した通りである。)
 第二のホスト材料のAr201、Ar202及びAr203の少なくともいずれかが、下記一般式(b1)、(b2)、(b3)又は(b4)で表される基であることも好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000158
(前記一般式(b1)、(b2)、(b3)及び(b4)において、
 R230~R235のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 R241~R248のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR230~R235並びにR241~R248は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
 複数のR230は、互いに同一であるか又は異なり、
 *は、L201、L202又はL203との結合位置を示す。)
 本実施形態の有機EL素子において、第二のホスト材料のAr201及びAr202の一方が、4つ以上の環が縮合した置換もしくは無置換のアリール基であり、Ar201及びAr202の他方が、前記一般式(b1)、(b2)、(b3)又は(b4)で表される基であることも好ましい。
 本実施形態の有機EL素子において、第二のホスト材料のAr201及びAr202の一方が、ピレン骨格、ベンズアントラセン骨格、クリセン骨格、ベンゾクリセン骨格、ベンゾフルオレン骨格、フルオランテン骨格、ベンゾフルオランテン骨格、トリフェニレン骨格、ベンゾトリフェニレン骨格及びベンゾフェナントレン骨格からなる群から選択される少なくともいずれかの骨格を含むアリール基であり、Ar201及びAr202の他方が、前記一般式(b1)、(b2)、(b3)又は(b4)で表される基であることも好ましい。
 本実施形態の有機EL素子において、第二のホスト材料のAr201及びAr202の一方が、前記一般式(b1)又は(b2)で表される基であることが好ましい。
 本実施形態の有機EL素子において、第二のホスト材料のR230~R235並びにR241~R248は、水素原子であることが好ましい。
 本実施形態の有機EL素子において、第二のホスト材料のL201、L202及びL203は、それぞれ独立に、単結合、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6~14のアリーレン基であることが好ましい。
 本実施形態の有機EL素子において、第二のホスト材料のL201、L202及びL203は、それぞれ独立に、単結合、置換もしくは無置換のフェニレン基、又は置換もしくは無置換のナフチレン基であることが好ましい。
 本実施形態の有機EL素子において、第二のホスト材料のR201~R208は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は前記一般式(H21)で表される基であることも好ましい。
 本実施形態の有機EL素子において、第二のホスト材料のR201~R208は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は前記一般式(H21)で表される基であることも好ましい。
 本実施形態の有機EL素子において、第二のホスト材料のR201~R208は、水素原子であることも好ましい。
 本実施形態の有機EL素子において、第二のホスト材料は、分子中に、置換もしくは無置換の複素環基を含まないことが好ましい。
 第二のホスト材料において、「置換もしくは無置換」と記載された基は、いずれも「無置換」の基であることが好ましい。
(第二のホスト材料の製造方法)
 第二のホスト材料は、公知の方法により製造できる。また、第二のホスト材料は、公知の方法に倣い、目的物に合わせた既知の代替反応及び原料を用いることによっても、製造できる。
(第二のホスト材料の具体例)
 第二のホスト材料の具体例としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。ただし、本発明は、これら第二のホスト材料の具体例に限定されない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000159
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000160
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000161
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000162
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000163
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000164
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000165
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000166
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000167
(第三のホスト材料)
 本実施形態の有機EL素子において、第三のホスト材料は、下記一般式(H30)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000168
(前記一般式(H30)中、
 Xは、酸素原子又は硫黄原子であり、
 3つのR310のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 R311~R314のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 R301~R308、並びに前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR310~R314は、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 L301及びL302は、それぞれ独立に、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 Ar301は、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
(第三のホスト材料中、R901、R902、R903、R904、R905、R906及びR907は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 R901が複数存在する場合、複数のR901は、互いに同一であるか又は異なり、
 R902が複数存在する場合、複数のR902は、互いに同一であるか又は異なり、
 R903が複数存在する場合、複数のR903は、互いに同一であるか又は異なり、
 R904が複数存在する場合、複数のR904は、互いに同一であるか又は異なり、
 R905が複数存在する場合、複数のR905は、互いに同一であるか又は異なり、
 R906が複数存在する場合、複数のR906は、互いに同一であるか又は異なり、
 R907が複数存在する場合、複数のR907は、互いに同一であるか又は異なる。)
 本実施形態の有機EL素子において、第三のホスト材料のR311~R314のうちの隣接する2つ以上からなる組は、いずれも、互いに結合せず、置換もしくは無置換の単環及び置換もしくは無置換の縮合環を形成しないことも好ましい。
 本実施形態の有機EL素子において、第三のホスト材料のR311~R314のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、又は互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成することも好ましい。
 本実施形態の有機EL素子において、第三のホスト材料のR311~R314のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換のベンゼン環を形成することが好ましい。
 本実施形態の有機EL素子において、第三のホスト材料が、下記一般式(H31)、(H32)又は(H33)で表される化合物であることも好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000169
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000170
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000171
(前記一般式(H31)、(H32)及び(H33)において、X、R301~R308、R310~R314、L301、L302及びAr301は、それぞれ、前記一般式(H30)で定義した通りであり、
 R321~R324は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
 本実施形態の有機EL素子において、第三のホスト材料が、下記一般式(H301)又は(H302)で表される化合物であることも好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000172
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000173
(前記一般式(H301)及び(H302)において、X、R301~R308、R311~R314、L301、L302及びAr301は、それぞれ、前記一般式(H30)で定義した通りであり、
 R315~R317のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR315~R317は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
 本実施形態の有機EL素子において、第三のホスト材料が、下記一般式(H311)、(H312)、(H321)、(H322)、(H331)又は(H332)で表される化合物であることも好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000174
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000175
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000176
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000177
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000178
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000179
(前記一般式(H311)、(H312)、(H321)、(H322)、(H331)及び(H332)において、X、R301~R308、L301、L302及びAr301は、それぞれ、前記一般式(H30)で定義した通りであり、
 R311~R317、R321~R324は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
 本実施形態の有機EL素子において、第三のホスト材料のL301及びL302が、それぞれ独立に、単結合、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6~14のアリーレン基であることが好ましい。
 本実施形態の有機EL素子において、第三のホスト材料のL301及びL302が、それぞれ独立に、単結合、置換もしくは無置換のフェニレン基、又は置換もしくは無置換のナフチレン基であることが好ましい。
 本実施形態の有機EL素子において、第三のホスト材料のL301及びL302が、単結合であることも好ましい。
 本実施形態の有機EL素子において、第三のホスト材料が、下記一般式(H313)、(H314)、(H323)、(H324)、(H333)又は(H334)で表される化合物であることも好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000180
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000181
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000182
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000183
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000184
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000185
(前記一般式(H313)、(H314)、(H323)、(H324)、(H333)及び(H334)において、X、R301~R308、及びAr301は、それぞれ、前記一般式(H30)で定義した通りであり、
 R311~R317、R321~R324は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
 本実施形態の有機EL素子において、第三のホスト材料のR311~R317、R321~R324は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であることが好ましい。
 本実施形態の有機EL素子において、第三のホスト材料のR311~R317、R321~R324は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であることがより好ましい。
 本実施形態の有機EL素子において、第三のホスト材料のAr301が、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であることが好ましい。
 本実施形態の有機EL素子において、第三のホスト材料のAr301が、下記一般式(a1)、(a2)、(a3)又は(a4)で表される基であることが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000186
(前記一般式(a1)、(a2)、(a3)及び(a4)において、
 R330~R335のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 R341~R348のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR330~R335並びにR341~R348は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 複数のR330は、互いに同一であるか又は異なり、
 *は、L301との結合位置を示す。)
 本実施形態の有機EL素子において、第三のホスト材料のAr301が、前記一般式(a1)又は(a2)で表される基であることが好ましい。
 本実施形態の有機EL素子において、第三のホスト材料のR330~R335並びにR341~R348は、水素原子であることが好ましい。
 本実施形態の有機EL素子において、第三のホスト材料のXが酸素原子であることが好ましい。
 本実施形態の有機EL素子において、第三のホスト材料のR301~R308は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であることも好ましい。
 本実施形態の有機EL素子において、第三のホスト材料のR301~R308は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であることも好ましい。
 本実施形態の有機EL素子において、第三のホスト材料のR301~R308は、水素原子であることも好ましい。
 第三のホスト材料において、「置換もしくは無置換」と記載された基は、いずれも「無置換」の基であることが好ましい。
(第三のホスト材料の製造方法)
 第三のホスト材料は、公知の方法により製造できる。また、第三のホスト材料は、公知の方法に倣い、目的物に合わせた既知の代替反応及び原料を用いることによっても、製造できる。
(第三のホスト材料の具体例)
 第三のホスト材料の具体例としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。ただし、本発明は、これら第三のホスト材料の具体例に限定されない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000187
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000188
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000189
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000190
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000191
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000192
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000193
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000194
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000195
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000196
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000197
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000198
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000199
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000200
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000201
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000202
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000203
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000204
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000205
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000206
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000207
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000208
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000209
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000210
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000211
(発光性化合物)
 本実施形態に係る有機EL素子において、第一の発光性化合物、第二の発光性化合物及び第三の発光性化合物等の発光性化合物は、特に限定されないが、例えば、それぞれ独立に、下記一般式(3A)で表される化合物、下記一般式(4)で表される化合物、下記一般式(5)で表される化合物、下記一般式(6)で表される化合物、下記一般式(7)で表される化合物、下記一般式(8)で表される化合物、下記一般式(9)で表される化合物、及び下記一般式(10)で表される化合物からなる群から選択される1以上の化合物であることも好ましい。
(一般式(3A)で表される化合物)
 一般式(3A)で表される化合物について説明する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000212
(前記一般式(3A)において、
 Ra301、Ra302、Ra303、Ra304、Ra305、Ra306、Ra307、Ra308、Ra309及びRa310のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 Ra301~Ra310の少なくとも1つは下記一般式(31A)で表される1価の基であり、
 前記単環を形成せず、前記縮合環を形成せず、かつ下記一般式(31A)で表される1価の基ではないRa301~Ra310は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000213
(前記一般式(31A)において、
 Ara301及びAra302は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 La301、La302及びLa303は、それぞれ独立に、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の2価の複素環基であり、
 *は、前記一般式(3A)中のピレン環における結合位置を示す。)
 第一の発光性化合物、第二の発光性化合物及び第三の発光性化合物等の発光性化合物中、R901、R902、R903、R904、R905、R906及びR907は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
  好ましくは、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
 R901が複数存在する場合、複数のR901は、互いに同一であるか又は異なり、
 R902が複数存在する場合、複数のR902は、互いに同一であるか又は異なり、
 R903が複数存在する場合、複数のR903は、互いに同一であるか又は異なり、
 R904が複数存在する場合、複数のR904は、互いに同一であるか又は異なり、
 R905が複数存在する場合、複数のR905は、互いに同一であるか又は異なり、
 R906が複数存在する場合、複数のR906は、互いに同一であるか又は異なり、
 R907が複数存在する場合、複数のR907は、互いに同一であるか又は異なる。
 前記一般式(3A)において、Ra301~Ra310のうち2つが前記一般式(31A)で表される基であることが好ましい。
 一実施形態において、前記一般式(3A)で表される化合物は、下記一般式(33A)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000214
(前記一般式(33A)において、
 Ra311、Ra312、Ra313、Ra314、Ra315、Ra316、Ra317及びRa318は、それぞれ独立に、前記一般式(3A)における、前記一般式(31A)で表される1価の基ではないRa301~Ra310と同義であり、
 La311、La312、La313、La314、La315及びLa316は、それぞれ独立に、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の2価の複素環基であり、
 Ara312、Ara313、Ara315及びAra316は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
 前記一般式(31A)において、La301は、単結合であることが好ましく、La302及びLa303は単結合であることが好ましい。
 一実施形態において、前記一般式(3A)で表される化合物は、下記一般式(34A)又は一般式(35A)で表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000215
(前記一般式(34A)において、
 Ra311~Ra318は、それぞれ独立に、前記一般式(3A)における、前記一般式(31A)で表される1価の基ではないRa301~Ra310と同義であり、
 La312、La313、La315及びLa316は、それぞれ独立に、前記一般式(33A)におけるLa312、La313、La315及びLa316と同義であり、
 Ara312、Ara313、Ara315及びAra316は、それぞれ独立に、前記一般式(33A)におけるAra312、Ara313、Ara315及びAra316と同義である。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000216
(前記一般式(35A)において、
 Ra311~Ra318は、それぞれ独立に、前記一般式(3A)における、前記一般式(31A)で表される1価の基ではないRa301~Ra310と同義であり、
 Ara312、Ara313、Ara315及びAra316は、それぞれ独立に、前記一般式(33A)におけるAra312、Ara313、Ara315及びAra316と同義である。)
 前記一般式(31A)において、好ましくは、Ara301及びAra302のうち少なくとも1つが下記一般式(36A)で表される基である。
 前記一般式(33A)~一般式(35A)において、好ましくは、Ara312及びAra313のうち少なくとも1つが下記一般式(36A)で表される基である。
 前記一般式(33A)~一般式(35A)において、好ましくは、Ara315及びAra316のうち少なくとも1つが下記一般式(36A)で表される基である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000217
(前記一般式(36A)において、
 Xaは、酸素原子又は硫黄原子を示し、
 Ra321~Ra327のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないRa321、Ra322、Ra323、Ra324、Ra325、Ra326及びRa327は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 *は、La302、La303、La312、La313、La315又はLa316との結合位置を示す。)
 Xaは、酸素原子であることが好ましい。
 Ra321~Ra327のうち少なくとも1つは、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であることが好ましい。
 前記一般式(31A)において、Ara301が前記一般式(36A)で表される基であり、Ara302が置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であることが好ましい。
 前記一般式(33A)~一般式(35A)において、Ara312が前記一般式(36A)で表される基であり、Ara313が置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であることが好ましい。
 前記一般式(33A)~一般式(35A)において、Ara315が前記一般式(36A)で表される基であり、Ara316が置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であることが好ましい。
 一実施形態において、前記一般式(3A)で表される化合物は、下記一般式(37A)で表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000218
(前記一般式(37A)において、
 Ra311~Ra318は、それぞれ独立に、前記一般式(3A)における、前記一般式(31A)で表される1価の基ではないRa301~Ra310と同義であり、
 Ra321~Ra327のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 Ra341~Ra347のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないRa321~Ra327並びにRa341~Ra347は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 Ra331~Ra335並びにRa351~Ra355は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
(一般式(3A)で表される化合物の具体例)
 前記一般式(3A)で表される化合物としては、例えば、以下に示す化合物が具体例として挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000219
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000220
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000221
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000222
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000223
(一般式(4)で表される化合物)
 一般式(4)で表される化合物について説明する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000224
(前記一般式(4)において、
 Zは、それぞれ独立に、CRa又は窒素原子であり、
 A1環及びA2環は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環であり、
 Raが複数存在する場合、複数のRaのうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 n21及びn22は、それぞれ独立に、0、1、2、3又は4であり、
 Rbが複数存在する場合、複数のRbのうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 Rcが複数存在する場合、複数のRcのうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないRa、Rb及びRcは、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
 A1環及びA2環の「芳香族炭化水素環」は、上述した「アリール基」に水素原子を導入した化合物と同じ構造である。
 A1環及びA2環の「芳香族炭化水素環」は、前記一般式(4)中央の縮合2環構造上の炭素原子2つを環形成原子として含む。
 「置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環」の具体例としては、具体例群G1に記載の「アリール基」に水素原子を導入した化合物等が挙げられる。
 A1環及びA2環の「複素環」は、上述した「複素環基」に水素原子を導入した化合物と同じ構造である。
 A1環及びA2環の「複素環」は、前記一般式(4)中央の縮合2環構造上の炭素原子2つを環形成原子として含む。
 「置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環」の具体例としては、具体例群G2に記載の「複素環基」に水素原子を導入した化合物等が挙げられる。
 Rbは、A1環としての芳香族炭化水素環を形成する炭素原子のいずれか、又は、A1環としての複素環を形成する原子のいずれかに結合する。
 Rcは、A2環としての芳香族炭化水素環を形成する炭素原子のいずれか、又は、A2環としての複素環を形成する原子のいずれかに結合する。
 Ra、Rb及びRcのうち、少なくとも1つが、下記一般式(4a)で表される基であることが好ましく、少なくとも2つが、下記一般式(4a)で表される基であることがより好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000225
(前記一般式(4a)において、
 L401は、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の2価の複素環基であり、
 Ar401は、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
  下記一般式(4b)で表される基である。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000226
(前記一般式(4b)において、
 L402及びL403は、それぞれ独立に、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の2価の複素環基であり、
 Ar402及びAr403からなる組は、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないAr402及びAr403は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
 一実施形態において、前記一般式(4)で表される化合物は下記一般式(42)で表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000227
(前記一般式(42)において、
 R401~R411のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR401~R411は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
 R401~R411のうち、少なくとも1つが、前記一般式(4a)で表される基であることが好ましく、少なくとも2つ前記一般式(4a)で表される基であることがより好ましい。
 R404及びR411が前記一般式(4a)で表される基であることが好ましい。
 一実施形態において、前記一般式(4)で表される化合物は、A1環に下記一般式(4-1)又は一般式(4-2)で表される構造が結合した化合物である。
 また、一実施形態において、前記一般式(42)で表される化合物は、R404~R407が結合する環に下記一般式(4-1)又は一般式(4-2)で表される構造が結合した化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000228
(前記一般式(4-1)において、2つの*は、それぞれ独立に、前記一般式(4)のA1環としての芳香族炭化水素環の環形成炭素原子もしくは複素環の環形成原子と結合するか、又は前記一般式(42)のR404~R407のいずれかと結合し、
 前記一般式(4-2)の3つの*は、それぞれ独立に、前記一般式(4)のA1環としての芳香族炭化水素環の環形成炭素原子もしくは複素環の環形成原子と結合するか、又は前記一般式(42)のR404~R407のいずれかと結合し、
 R421~R427のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 R431~R438のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR421~R427並びにR431~R438は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
 一実施形態においては、前記一般式(4)で表される化合物は、下記一般式(41-3)、一般式(41-4)又は一般式(41-5)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000229
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000230
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000231
(前記一般式(41-3)、式(41-4)及び式(41-5)中、
 A1環は、前記一般式(4)で定義した通りであり、
 R421~R427は、それぞれ独立に、前記一般式(4-1)におけるR421~R427と同義であり、
 R440~R448は、それぞれ独立に、前記一般式(42)におけるR401~R411と同義である。)
 一実施形態においては、前記一般式(41-5)のA1環としての置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環は、
  置換もしくは無置換のナフタレン環、又は
  置換もしくは無置換のフルオレン環である。
 一実施形態においては、前記一般式(41-5)のA1環としての置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環は、
  置換もしくは無置換のジベンゾフラン環、
  置換もしくは無置換のカルバゾール環、又は
  置換もしくは無置換のジベンゾチオフェン環である。
 一実施形態においては、前記一般式(4)又は前記一般式(42)で表される化合物は、下記一般式(461)~一般式(467)で表される化合物からなる群から選択される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000232
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000233
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000234
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000235
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000236
(前記一般式(461)、一般式(462)、一般式(463)、一般式(464)、一般式(465)、一般式(466)及び一般式(467)中、
 R421~R427は、それぞれ独立に、前記一般式(4-1)におけるR421~R427と同義であり、
 R431~R438は、それぞれ独立に、前記一般式(4-2)におけるR431~R438と同義であり、
 R440~R448並びにR451~R454は、それぞれ独立に、前記一般式(42)におけるR401~R411と同義であり、
 Xは、酸素原子、NR801、又はC(R802)(R803)であり、
 R801、R802及びR803は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
  好ましくは、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
 R801が複数存在する場合、複数のR801は、互いに同一であるか又は異なり、
 R802が複数存在する場合、複数のR802は、互いに同一であるか又は異なり、
 R803が複数存在する場合、複数のR803は、互いに同一であるか又は異なる。)
 一実施形態において、前記一般式(42)で表される化合物は、R401~R411のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、又は互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成し、当該実施形態について、以下一般式(45)で表される化合物として詳述する。
(一般式(45)で表される化合物)
 一般式(45)で表される化合物について説明する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000237
(前記一般式(45)において、
 R461とR462とからなる組、R462とR463とからなる組、R464とR465とからなる組、R465とR466とからなる組、R466とR467とからなる組、R468とR469とからなる組、R469とR470とからなる組、及び、R470とR471とからなる組からなる群から選択される組のうち2以上は、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環又は置換もしくは無置換の縮合環を形成し、
 ただし、
  R461とR462とからなる組及びR462とR463とからなる組;
  R464とR465とからなる組及びR465とR466とからなる組;
  R465とR466とからなる組及びR466とR467とからなる組;
  R468とR469とからなる組及びR469とR470とからなる組;並びに
  R469とR470とからなる組及びR470とR471とからなる組が、同時に環を形成することはなく、
 R461~R471が形成する2つ以上の環は、互いに同一であるか、又は異なり、
 前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR461~R471は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)、-N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
 前記一般式(45)において、RとRn+1(nは461、462、464~466、及び468~470から選ばれる整数を表す)は互いに結合して、RとRn+1が結合する2つの環形成炭素原子と共に、置換もしくは無置換の単環又は置換もしくは無置換の縮合環を形成する。当該環は、好ましくは、炭素原子、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群から選択される原子で構成され、当該環の原子数は、好ましくは3~7であり、より好ましくは5又は6である。
 前記一般式(45)で表される化合物における上記の環構造の数は、例えば、2つ、3つ、又は4つである。2つ以上の環構造は、それぞれ前記一般式(45)の母骨格上の同一のベンゼン環上に存在してもよいし、異なるベンゼン環上に存在してもよい。例えば、環構造を3つ有する場合、前記一般式(45)の3つのベンゼン環のそれぞれに1つずつ環構造が存在してもよい。
 前記一般式(45)で表される化合物における上記の環構造としては、例えば、下記一般式(451)~(460)で表される構造等が挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000238
(前記一般式(451)~(457)において、
 *1と*2、*3と*4、*5と*6、*7と*8、*9と*10、*11と*12及び*13と*14のそれぞれは、RとRn+1が結合する前記2つの環形成炭素原子を表し、
 Rが結合する環形成炭素原子は、*1と*2、*3と*4、*5と*6、*7と*8、*9と*10、*11と*12及び*13と*14が表す2つの環形成炭素原子のどちらであってもよく、
 X45は、C(R4512)(R4513)、NR4514、酸素原子又は硫黄原子であり、
 R4501~R4506及びR4512~R4513のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR4501~R4514は、それぞれ独立に、前記一般式(45)におけるR461~R471と同義である。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000239
(前記一般式(458)~(460)において、
 *1と*2、及び*3と*4のそれぞれは、RとRn+1が結合する前記2つの環形成炭素原子を表し、
 Rが結合する環形成炭素原子は、*1と*2、又は*3と*4が表す2つの環形成炭素原子のどちらであってもよく、
 X45は、C(R4512)(R4513)、NR4514、酸素原子又は硫黄原子であり、
 R4512~R4513及びR4515~R4525のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR4512~R4513、R4515~R4521及びR4522~R4525、並びにR4514は、それぞれ独立に、前記一般式(45)におけるR461~R471と同義である。)
 前記一般式(45)において、R462、R464、R465、R470及びR471の少なくとも1つ(好ましくは、R462、R465及びR470の少なくとも1つ、さらに好ましくはR462)が、環構造を形成しない基であると好ましい。
 (i)前記一般式(45)において、RとRn+1により形成される環構造が置換基を有する場合の置換基、
 (ii)前記一般式(45)において、環構造を形成しないR461~R471、及び
 (iii)式(451)~(460)におけるR4501~R4514、R4515~R4525は、好ましくは、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
  下記一般式(461)~一般式(464)で表される基からなる群から選択される基のいずれかである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000240
(前記一般式(461)~(464)中、
 Rは、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 X46は、C(R801)(R802)、NR803、酸素原子又は硫黄原子であり、
 R801、R802及びR803は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
  好ましくは、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
 R801が複数存在する場合、複数のR801は、互いに同一であるか又は異なり、
 R802が複数存在する場合、複数のR802は、互いに同一であるか又は異なり、
 R803が複数存在する場合、複数のR803は、互いに同一であるか又は異なり、
 p1は、5であり、
 p2は、4であり、
 p3は、3であり、
 p4は、7であり、
 前記一般式(461)~(464)中の*は、それぞれ独立に、環構造との結合位置を示す。)
 第一の発光性化合物、第二の発光性化合物及び第三の発光性化合物等の発光性化合物において、R901~R907は、前述のように定義した通りである。
 一実施形態において、前記一般式(45)で表される化合物は、下記一般式(45-1)~(45-6)のいずれかで表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000241
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000242
(前記一般式(45-1)~(45-6)において、
 環d~iは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の単環又は置換もしくは無置換の縮合環であり、
 R461~R471は、それぞれ独立に、前記一般式(45)におけるR461~R471と同義である。)
 一実施形態において、前記一般式(45)で表される化合物は、下記一般式(45-7)~(45-12)のいずれかで表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000243
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000244
(前記一般式(45-7)~(45-12)において、
 環d~f、k、jは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の単環又は置換もしくは無置換の縮合環であり、
 R461~R471は、それぞれ独立に、前記一般式(45)におけるR461~R471と同義である。)
 一実施形態において、前記一般式(45)で表される化合物は、下記一般式(45-13)~(45-21)のいずれかで表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000245
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000246
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000247
(前記一般式(45-13)~(45-21)において、
 環d~kは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の単環又は置換もしくは無置換の縮合環であり、
 R461~R471は、それぞれ独立に、前記一般式(45)におけるR461~R471と同義である。)
 前記環g又は前記環hがさらに置換基を有する場合の置換基としては、例えば、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
  前記一般式(461)で表される基、
  前記一般式(463)で表される基、又は
  前記一般式(464)で表される基が挙げられる。
 一実施形態において、前記一般式(45)で表される化合物は、下記一般式(45-22)~(45-25)のいずれかで表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000248
(前記一般式(45-22)~(45-25)において、
 X46及びX47は、それぞれ独立に、C(R801)(R802)、NR803、酸素原子又は硫黄原子であり、
 R461~R471並びにR481~R488は、それぞれ独立に、前記一般式(45)におけるR461~R471と同義である。
 R801、R802及びR803は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
  好ましくは、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
 R801が複数存在する場合、複数のR801は、互いに同一であるか又は異なり、
 R802が複数存在する場合、複数のR802は、互いに同一であるか又は異なり、
 R803が複数存在する場合、複数のR803は、互いに同一であるか又は異なる。)
 一実施形態において、前記一般式(45)で表される化合物は、下記一般式(45-26)で表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000249
(前記一般式(45-26)において、
 X46は、C(R801)(R802)、NR803、酸素原子又は硫黄原子であり、
 R463、R464、R467、R468、R471、及びR481~R492は、それぞれ独立に、前記一般式(45)におけるR461~R471と同義である。
 R801、R802及びR803は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
  好ましくは、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
 R801が複数存在する場合、複数のR801は、互いに同一であるか又は異なり、
 R802が複数存在する場合、複数のR802は、互いに同一であるか又は異なり、
 R803が複数存在する場合、複数のR803は、互いに同一であるか又は異なる。)
(一般式(4)で表される化合物の具体例)
 前記一般式(4)で表される化合物としては、例えば、以下に示す化合物が具体例として挙げられる。下記具体例中、Phは、フェニル基を示し、Dは、重水素原子を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000250
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000251
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000252
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000253
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000254
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000255
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000256
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000257
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000258
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000259
(一般式(5)で表される化合物)
 一般式(5)で表される化合物について説明する。一般式(5)で表される化合物は、上述した一般式(41-3)で表される化合物に対応する化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000260
(前記一般式(5)において、
 R501~R507及びR511~R517のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR501~R507及びR511~R517は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
 R521及びR522は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
 「R501~R507及びR511~R517のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組」は、例えば、R501とR502からなる組、R502とR503からなる組、R503とR504からなる組、R505とR506からなる組、R506とR507からなる組、R501とR502とR503からなる組等の組合せである。
 一実施形態において、R501~R507及びR511~R517の少なくとも1つ、好ましくは2つが-N(R906)(R907)で表される基である。
 一実施形態においては、R501~R507及びR511~R517は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
 一実施形態においては、前記一般式(5)で表される化合物は、下記一般式(52)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000261
(前記一般式(52)において、
 R531~R534及びR541~R544のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR531~R534、R541~R544、並びにR551及びR552は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 R561~R564は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
 一実施形態においては、前記一般式(5)で表される化合物は、下記一般式(53)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000262
(前記一般式(53)において、R551、R552及びR561~R564は、それぞれ独立に、前記一般式(52)におけるR551、R552及びR561~R564と同義である。)
 一実施形態においては、前記一般式(52)及び一般式(53)におけるR561~R564は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基(好ましくはフェニル基)である。
 一実施形態においては、前記一般式(5)におけるR521及びR522、前記一般式(52)及び一般式(53)におけるR551及びR552は、水素原子である。
 一実施形態においては、前記一般式(5)、一般式(52)及び一般式(53)における、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基は、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
(一般式(5)で表される化合物の具体例)
 前記一般式(5)で表される化合物としては、例えば、以下に示す化合物が具体例として挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000263
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000264
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000265
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000266
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000267
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000268
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000269
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000270
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000271
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000272
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000273
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000274
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000275
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000276
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000277
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000278
(一般式(6)で表される化合物)
 一般式(6)で表される化合物について説明する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000279
(前記一般式(6)において、
 a環、b環及びc環は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環であり、
 R601及びR602は、それぞれ独立に、前記a環、b環又はc環と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成せず、
 前記置換もしくは無置換の複素環を形成しないR601及びR602は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
 a環、b環及びc環は、ホウ素原子及び2つの窒素原子から構成される前記一般式(6)中央の縮合2環構造に縮合する環(置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環)である。
 a環、b環及びc環の「芳香族炭化水素環」は、上述した「アリール基」に水素原子を導入した化合物と同じ構造である。
 a環の「芳香族炭化水素環」は、前記一般式(6)中央の縮合2環構造上の炭素原子3つを環形成原子として含む。
 b環及びc環の「芳香族炭化水素環」は、前記一般式(6)中央の縮合2環構造上の炭素原子2つを環形成原子として含む。
 「置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環」の具体例としては、具体例群G1に記載の「アリール基」に水素原子を導入した化合物等が挙げられる。
 a環、b環及びc環の「複素環」は、上述した「複素環基」に水素原子を導入した化合物と同じ構造である。
 a環の「複素環」は、前記一般式(6)中央の縮合2環構造上の炭素原子3つを環形成原子として含む。b環及びc環の「複素環」は、前記一般式(6)中央の縮合2環構造上の炭素原子2つを環形成原子として含む。「置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環」の具体例としては、具体例群G2に記載の「複素環基」に水素原子を導入した化合物等が挙げられる。
 R601及びR602は、それぞれ独立に、a環、b環又はc環と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成してもよい。この場合における複素環は、前記一般式(6)中央の縮合2環構造上の窒素原子を含む。この場合における複素環は、窒素原子以外のヘテロ原子を含んでいてもよい。R601及びR602がa環、b環又はc環と結合するとは、具体的には、a環、b環又はc環を構成する原子とR601及びR602を構成する原子が結合することを意味する。例えば、R601がa環と結合して、R601を含む環とa環が縮合した2環縮合(又は3環縮合以上)の含窒素複素環を形成してもよい。当該含窒素複素環の具体例としては、具体例群G2のうち、窒素を含む2環縮合以上の複素環基に対応する化合物等が挙げられる。
 R601がb環と結合する場合、R602がa環と結合する場合、及びR602がc環と結合する場合も上記と同じである。
 一実施形態において、前記一般式(6)におけるa環、b環及びc環は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環である。
 一実施形態において、前記一般式(6)におけるa環、b環及びc環は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のベンゼン環又はナフタレン環である。
 一実施形態において、前記一般式(6)におけるR601及びR602は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 好ましくは置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
 一実施形態において、前記一般式(6)で表される化合物は下記一般式(62)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000280
(前記一般式(62)において、
 R601Aは、R611及びR621からなる群から選択される1以上と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成せず、
 R602Aは、R613及びR614からなる群から選択される1以上と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成せず、
 前記置換もしくは無置換の複素環を形成しないR601A及びR602Aは、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 R611~R621のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記置換もしくは無置換の複素環を形成せず、前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR611~R621は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
 前記一般式(62)のR601A及びR602Aは、それぞれ、前記一般式(6)のR601及びR602に対応する基である。
 例えば、R601AとR611が結合して、これらを含む環とa環に対応するベンゼン環が縮合した2環縮合(又は3環縮合以上)の含窒素複素環を形成してもよい。当該含窒素複素環の具体例としては、具体例群G2のうち、窒素を含む2環縮合以上の複素環基に対応する化合物等が挙げられる。R601AとR621が結合する場合、R602AとR613が結合する場合、及びR602AとR614が結合する場合も上記と同じである。
 R611~R621のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、又は
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成してもよい。
 例えば、R611とR612が結合して、これらが結合する6員環に対して、ベンゼン環、インドール環、ピロール環、ベンゾフラン環又はベンゾチオフェン環等が縮合した構造を形成してもよく、形成された縮合環は、ナフタレン環、カルバゾール環、インドール環、ジベンゾフラン環又はジベンゾチオフェン環となる。
 一実施形態において、環形成に寄与しないR611~R621は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
 一実施形態において、環形成に寄与しないR611~R621は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
 一実施形態において、環形成に寄与しないR611~R621は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基である。
 一実施形態において、環形成に寄与しないR611~R621は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基であり、R611~R621のうち少なくとも1つは、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基である。
 一実施形態において、前記一般式(62)で表される化合物は、下記一般式(63)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000281
(前記一般式(63)において、
 R631は、R646と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成せず、
 R633は、R647と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成せず、
 R634は、R651と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成せず、
 R641は、R642と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成せず、
 R631~R651のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記置換もしくは無置換の複素環を形成せず、前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR631~R651は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
 R631は、R646と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成してもよい。例えば、R631とR646が結合して、R646が結合するベンゼン環と、Nを含む環と、a環に対応するベンゼン環とが縮合した3環縮合以上の含窒素複素環を形成してもよい。当該含窒素複素環の具体例としては、具体例群G2のうち、窒素を含む3環縮合以上の複素環基に対応する化合物等が挙げられる。R633とR647が結合する場合、R634とR651が結合する場合、及びR641とR642が結合する場合も上記と同じである。
 一実施形態において、環形成に寄与しないR631~R651は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
 一実施形態において、環形成に寄与しないR631~R651は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
 一実施形態において、環形成に寄与しないR631~R651は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基である。
 一実施形態において、環形成に寄与しないR631~R651は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基であり、R631~R651のうち少なくとも1つは置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基である。
 一実施形態において、前記一般式(63)で表される化合物は、下記一般式(63A)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000282
(前記一般式(63A)において、
 R661は、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
 R662~R665は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。)
 一実施形態において、R661~R665は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
 一実施形態において、R661~R665は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基である。
 一実施形態において、前記一般式(63)で表される化合物は、下記一般式(63B)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000283
(前記一般式(63B)において、
 R671及びR672は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -N(R906)(R907)で表される基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
 R673~R675は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -N(R906)(R907)で表される基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。)
 一実施形態において、前記一般式(63)で表される化合物は、下記一般式(63B’)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000284
(前記一般式(63B’)において、R672~R675は、それぞれ独立に、前記一般式(63B)におけるR672~R675と同義である。)
 一実施形態において、R671~R675のうち少なくとも1つは、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、-N(R906)(R907)で表される基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
 一実施形態において、R672は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、-N(R906)(R907)で表される基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、R671及びR673~R675は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、-N(R906)(R907)で表される基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
 一実施形態において、前記一般式(63)で表される化合物は、下記一般式(63C)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000285
(前記一般式(63C)において、
 R681及びR682は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
 R683~R686は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。)
 一実施形態において、前記一般式(63)で表される化合物は、下記一般式(63C’)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000286
(前記一般式(63C’)において、R683~R686は、それぞれ独立に、前記一般式(63C)におけるR683~R686と同義である。)
 一実施形態において、R681~R686は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
 一実施形態において、R681~R686は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
 前記一般式(6)で表される化合物は、まずa環、b環及びc環を連結基(N-R601を含む基及びN-R602を含む基)で結合させることで中間体を製造し(第1反応)、a環、b環及びc環を連結基(ホウ素原子を含む基)で結合させることで最終生成物を製造することができる(第2反応)。第1反応ではバッハブルト-ハートウィッグ反応等のアミノ化反応を適用できる。第2反応では、タンデムヘテロフリーデルクラフツ反応等を適用できる。
(一般式(6)で表される化合物の具体例)
 以下に、前記一般式(6)で表される化合物の具体例を記載するが、これらは例示に過ぎず、前記一般式(6)で表される化合物は下記具体例に限定されない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000287
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000288
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000289
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000290
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000291
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000292
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000293
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000294
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000295
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000296
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000297
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000298
(一般式(7)で表される化合物)
 一般式(7)で表される化合物について説明する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000299
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000300
(前記一般式(7)において、
 r環は、隣接環の任意の位置で縮合する前記一般式(72)又は一般式(73)で表される環であり、
 q環及びs環は、それぞれ独立に、隣接環の任意の位置で縮合する前記一般式(74)で表される環であり、
 p環及びt環は、それぞれ独立に、隣接環の任意の位置で縮合する前記一般式(75)又は一般式(76)で表される構造であり、
 Xは、酸素原子、硫黄原子、又はNR702である。
 R701が複数存在する場合、隣接する複数のR701は、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR701及びR702は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 Ar701及びAr702は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 L701は、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキレン基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニレン基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニレン基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキレン基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
 m1は、0、1又は2であり、
 m2は、0、1、2、3又は4であり、
 m3は、それぞれ独立に、0、1、2又は3であり、
 m4は、それぞれ独立に、0、1、2、3、4又は5であり、
 R701が複数存在する場合、複数のR701は、互いに同一であるか、又は異なり、
 Xが複数存在する場合、複数のXは、互いに同一であるか、又は異なり、
 R702が複数存在する場合、複数のR702は、互いに同一であるか、又は異なり、
 Ar701が複数存在する場合、複数のAr701は、互いに同一であるか、又は異なり、
 Ar702が複数存在する場合、複数のAr702は、互いに同一であるか、又は異なり、
 L701が複数存在する場合、複数のL701は、互いに同一であるか、又は異なる。)
 前記一般式(7)において、p環、q環、r環、s環及びt環の各環は、隣接環と炭素原子2つを共有して縮合する。縮合する位置及び向きは限定されず、任意の位置及び向きで縮合可能である。
 一実施形態において、r環としての前記一般式(72)又は一般式(73)において、m1=0又はm2=0である。
 一実施形態において、前記一般式(7)で表される化合物は、下記一般式(71-1)~(71-6)のいずれかで表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000301
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000302
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000303
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000304
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000305
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000306
(前記一般式(71-1)~一般式(71-6)において、R701、X、Ar701、Ar702、L701、m1及びm3は、それぞれ、前記一般式(7)におけるR701、X、Ar701、Ar702、L701、m1及びm3と同義である。)
 一実施形態において、前記一般式(7)で表される化合物は下記一般式(71-11)~一般式(71-13)のいずれかで表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000307
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000308
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000309
(前記一般式(71-11)~一般式(71-13)において、R701、X、Ar701、Ar702、L701、m1、m3及びm4は、それぞれ、前記一般式(7)におけるR701、X、Ar701、Ar702、L701、m1、m3及びm4と同義である。)
 一実施形態において、前記一般式(7)で表される化合物は下記一般式(71-21)~(71-25)のいずれかで表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000310
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000311
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000312
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000313
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000314
(前記一般式(71-21)~一般式(71-25)において、R701、X、Ar701、Ar702、L701、m1及びm4は、それぞれ、前記一般式(7)におけるR701、X、Ar701、Ar702、L701、m1及びm4と同義である。)
 一実施形態において、前記一般式(7)で表される化合物は下記一般式(71-31)~一般式(71-33)のいずれかで表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000315
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000316
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000317
(前記一般式(71-31)~一般式(71-33)において、R701、X、Ar701、Ar702、L701、m2~m4は、それぞれ、前記一般式(7)におけるR701、X、Ar701、Ar702、L701、m2~m4と同義である。)
 一実施形態においては、Ar701及びAr702が、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
 一実施形態においては、Ar701及びAr702の一方が置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、Ar701及びAr702の他方が置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
(一般式(7)で表される化合物の具体例)
 前記一般式(7)で表される化合物としては、例えば、以下に示す化合物が具体例として挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000318
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000319
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000320
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000321
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000322
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000323
(一般式(8)で表される化合物)
 一般式(8)で表される化合物について説明する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000324
(前記一般式(8)において、
 R801とR802、R802とR803、及びR803とR804の少なくとも一組は、互いに結合して下記一般式(82)で示される2価の基を形成し、
 R805とR806、R806とR807、及びR807とR808の少なくとも一組は、互いに結合して下記一般式(83)で示される2価の基を形成する。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000325
(前記一般式(82)で示される2価の基を形成しないR801~R804、及びR811~R814の少なくとも1つは下記一般式(84)で表される1価の基であり、
 前記一般式(83)で示される2価の基を形成しないR805~R808、及びR821~R824の少なくとも1つは下記一般式(84)で表される1価の基であり、
 Xは、酸素原子、硫黄原子、又はNR809であり、
 前記一般式(82)及び一般式(83)で表される2価の基を形成せず、かつ、前記一般式(84)で表される1価の基ではないR801~R808、前記一般式(84)で表される1価の基ではないR811~R814及びR821~R824、並びにR809は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000326
(前記一般式(84)において、
 Ar801及びAr802は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 L801~L803は、それぞれ独立に、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリーレン基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の2価の複素環基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリーレン基及び置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の2価の複素環基からなる群から選択される2~4個の基が結合して形成される2価の連結基であり、
 前記一般式(84)中の*は、前記一般式(8)で表される環構造、一般式(82)又は一般式(83)で表される基との結合位置を示す。)
 前記一般式(8)において、前記一般式(82)で示される2価の基及び一般式(83)で示される2価の基が形成される位置は特に限定されず、R801~R808の可能な位置において当該基を形成し得る。
 一実施形態において、前記一般式(8)で表される化合物は、下記一般式(81-1)~(81-6)のいずれかで表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000327
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000328
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000329
(前記一般式(81-1)~一般式(81-6)において、
 Xは、前記一般式(8)におけるXと同義であり、
 R801~R824のうち少なくとも2つは、前記一般式(84)で表される1価の基であり、
 前記一般式(84)で表される1価の基ではないR801~R824は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
 一実施形態において、前記一般式(8)で表される化合物は、下記一般式(81-7)~(81-18)のいずれかで表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000330
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000331
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000332
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000333
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000334
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000335
(前記一般式(81-7)~一般式(81-18)において、
 Xは、前記一般式(8)におけるXと同義であり、
 *は、前記一般式(84)で表される1価の基と結合する単結合であり、
 R801~R824は、それぞれ独立に、前記一般式(81-1)~一般式(81-6)における前記一般式(84)で表される1価の基ではないR801~R824と同義である。)
 前記一般式(82)及び一般式(83)で表される2価の基を形成せず、かつ、前記一般式(84)で表される1価の基ではないR801~R808、及び、前記一般式(84)で表される1価の基ではないR811~R814及びR821~R824は、好ましくは、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
 置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
 前記一般式(84)で表される1価の基は、好ましくは下記一般式(85)又は一般式(86)で表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000336
(前記一般式(85)において、
 R831~R840は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 前記一般式(85)中の*は、前記一般式(84)中の*と同義である。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000337
(前記一般式(86)において、
 Ar801、L801及びL803は、前記一般式(84)におけるAr801、L801及びL803と同義であり、
 HAr801は、下記一般式(87)で表される構造である。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000338
(前記一般式(87)において、
 X81は、酸素原子又は硫黄原子であり、
 R841~R848のいずれか1つは、L803に結合する単結合であり、
 単結合ではないR841~R848は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
(一般式(8)で表される化合物の具体例)
 前記一般式(8)で表される化合物としては、国際公開第2014/104144号に記載の化合物の他、例えば、以下に示す化合物が具体例として挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000339
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000340
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000341
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000342
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000343
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000344
(一般式(9)で表される化合物)
 一般式(9)で表される化合物について説明する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000345
(前記一般式(9)において、
 A91環及びA92環は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環、又は、
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環であり、
 A91環及びA92環からなる群から選択される1以上の環は、
 下記一般式(92)で表される構造の*と結合する。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000346
(前記一般式(92)において、
 A93環は、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環、又は、
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環であり、
 Xは、NR93、C(R94)(R95)、Si(R96)(R97)、Ge(R98)(R99)、酸素原子、硫黄原子又はセレン原子であり、
 R91及びR92は、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR91及びR92、並びにR93~R99は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
 A91環及びA92環からなる群から選択される1以上の環は、前記一般式(92)で表される構造の*と結合する。即ち、一実施形態において、A91環の前記芳香族炭化水素環の環形成炭素原子、又は前記複素環の環形成原子は、前記一般式(92)で表される構造の*と結合する。また、一実施形態において、A92環の前記芳香族炭化水素環の環形成炭素原子、又は前記複素環の環形成原子は、前記一般式(92)で表される構造の*と結合する。
 一実施形態において、A91環及びA92環のいずれか又は両方に下記一般式(93)で表される基が結合する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000347
(前記一般式(93)において、
 Ar91及びAr92は、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 L91~L93は、それぞれ独立に、
  単結合、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリーレン基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の2価の複素環基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリーレン基及び置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の2価の複素環基からなる群から選択される2~4個結合して形成される2価の連結基であり、
 前記一般式(93)中の*は、A91環及びA92環のいずれかとの結合位置を示す。)
 一実施形態において、A91環に加えて、A92環の前記芳香族炭化水素環の環形成炭素原子、又は前記複素環の環形成原子は、前記一般式(92)で表される構造の*と結合する。この場合、前記一般式(92)で表される構造は、互いに同一でもよいし異なってもよい。
 一実施形態において、R91及びR92は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
 一実施形態において、R91及びR92は、互いに結合してフルオレン構造を形成する。
 一実施形態において、環A91及び環A92は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環であり、例えば、置換もしくは無置換のベンゼン環である。
 一実施形態において、環A93は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環であり、例えば、置換もしくは無置換のベンゼン環である。
 一実施形態において、Xは、酸素原子又は硫黄原子である。
(一般式(9)で表される化合物の具体例)
 前記一般式(9)で表される化合物としては、例えば、以下に示す化合物が具体例として挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000348
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000349
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000350
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000351
(一般式(10)で表される化合物)
 一般式(10)で表される化合物について説明する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000352
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000353
(前記一般式(10)において、
 Ax環は、隣接環の任意の位置で縮合する前記一般式(10a)で表される環であり、
 Ax環は、隣接環の任意の位置で縮合する前記一般式(10b)で表される環であり、
 前記一般式(10b)中の2つの*は、Ax環の任意の位置と結合し、
 X及びXは、それぞれ独立に、C(R1003)(R1004)、Si(R1005)(R1006)、酸素原子又は硫黄原子であり、
 Ax環は、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環であり、
 Ar1001は、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 R1001~R1006は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 mx1は、3であり、mx2は、2であり、
 複数のR1001は、互いに同一であるか、又は異なり、
 複数のR1002は、互いに同一であるか、又は異なり、
 axは、0、1又は2であり、
 axが0又は1の場合、「3-ax」で示されるカッコ内の構造は、互いに同一であるか、又は異なり、
 axが2の場合、複数のAr1001は、互いに同一であるか、又は異なる。)
 一実施形態において、Ar1001は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
 一実施形態において、Ax環は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環であり、例えば、置換もしくは無置換のベンゼン環、置換もしくは無置換のナフタレン環、又は置換もしくは無置換のアントラセン環である。
 一実施形態において、R1003及びR1004は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基である。
 一実施形態において、axは1である。
(一般式(10)で表される化合物の具体例)
 前記一般式(10)で表される化合物としては、例えば、以下に示す化合物が具体例として挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000354
 一実施形態においては、前記第一の発光層及び第二の発光層が、それぞれ独立に、発光性化合物として、前記一般式(4)で表される化合物、前記一般式(5)で表される化合物、前記一般式(7)で表される化合物、前記一般式(8)で表される化合物、前記一般式(9)で表される化合物及び下記一般式(63a)で表される化合物からなる群から選択される1以上の化合物を含有する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000355
(前記一般式(63a)において、
 R631は、R646と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成しない。
 R633は、R647と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成しない。
 R634は、R651と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成しない。
 R641は、R642と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成しない。
 R631~R651のうちの隣接する2つ以上の1組以上は、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 前記置換もしくは無置換の複素環を形成せず、前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR631~R651は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 但し、前記置換もしくは無置換の複素環を形成せず、前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR631~R651のうちの少なくとも1つは、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
 一実施形態においては、前記一般式(4)で表される化合物が、前記一般式(41-3)、一般式(41-4)又は一般式(41-5)で表される化合物であり、前記一般式(41-5)中のA1環が、置換もしくは無置換の環形成炭素数10~50の縮合芳香族炭化水素環、又は置換もしくは無置換の環形成原子数8~50の縮合複素環である。
 一実施形態においては、前記一般式(41-3)、一般式(41-4)、及び一般式(41-5)における、前記置換もしくは無置換の環形成炭素数10~50の縮合芳香族炭化水素環が、
  置換もしくは無置換のナフタレン環、
  置換もしくは無置換のアントラセン環、又は
  置換もしくは無置換のフルオレン環であり、
 前記置換もしくは無置換の環形成原子数8~50の縮合複素環が、
  置換もしくは無置換のジベンゾフラン環、
  置換もしくは無置換のカルバゾール環、又は
  置換もしくは無置換のジベンゾチオフェン環である。
 一実施形態においては、前記一般式(41-3)、一般式(41-4)又は一般式(41-5)における、前記置換もしくは無置換の環形成炭素数10~50の縮合芳香族炭化水素環が、
  置換もしくは無置換のナフタレン環、又は
  置換もしくは無置換のフルオレン環であり、
 前記置換もしくは無置換の環形成原子数8~50の縮合複素環が、
  置換もしくは無置換のジベンゾフラン環、
  置換もしくは無置換のカルバゾール環、又は
  置換もしくは無置換のジベンゾチオフェン環である。
 一実施形態においては、前記一般式(4)で表される化合物が、下記一般式(461)で表される化合物、下記一般式(462)で表される化合物、下記一般式(463)で表される化合物、下記一般式(464)で表される化合物、下記一般式(465)で表される化合物、下記一般式(466)で表される化合物、及び下記一般式(467)で表される化合物からなる群から選択される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000356
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000357
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000358
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000359
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000360
(前記一般式(461)~(467)中、
 R421~R427、R431~R436、R440~R448及びR451~R454のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
  互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
  互いに結合せず、
 R437、R438、並びに前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR421~R427、R431~R436、R440~R448及びR451~R454は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 Xは、酸素原子、NR801、又はC(R802)(R803)であり、
 R801、R802及びR803は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
  好ましくは、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
 R801が複数存在する場合、複数のR801は、互いに同一であるか又は異なり、
 R802が複数存在する場合、複数のR802は、互いに同一であるか又は異なり、
 R803が複数存在する場合、複数のR803は、互いに同一であるか又は異なる。)
 一実施形態においては、R421~R427及びR440~R448が、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
 一実施形態においては、R421~R427及びR440~R447が、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、及び
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~18の複素環基からなる群から選択される。
 一実施形態においては、前記一般式(41-3)で表される化合物が、下記一般式(41-3-1)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000361
(前記一般式(41-3-1)中、R423、R425、R426、R442、R444及びR445は、それぞれ独立に、前記一般式(41-3)におけるR423、R425、R426、R442、R444及びR445と同義である。)
 一実施形態においては、前記一般式(41-3)で表される化合物が、下記一般式(41-3-2)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000362
(前記一般式(41-3-2)中、R421~R427及びR440~R448は、それぞれ独立に、前記一般式(41-3)におけるR421~R427及びR440~R448と同義であり、
 但し、R421~R427及びR440~R446の少なくとも1つは、-N(R906)(R907)で表される基である。)
 一実施形態においては、前記式(41-3-2)における、R421~R427及びR440~R446のいずれか2つが、-N(R906)(R907)で表される基である。
 一実施形態においては、前記式(41-3-2)で表される化合物が、下記式(41-3-3)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000363
(前記一般式(41-3-3)中、R421~R424、R440~R443、R447及びR448は、それぞれ独立に、前記一般式(41-3)におけるR421~R424、R440~R443、R447及びR448と同義であり、
 R、R、R及びRは、それぞれ独立に、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数5~18の複素環基である。)
 一実施形態においては、前記式(41-3-3)で表される化合物が、下記式(41-3-4)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000364
(前記一般式(41-3-4)中、R447、R448、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、前記式(41-3-3)におけるR447、R448、R、R、R及びRと同義である。)
 一実施形態においては、R、R、R及びRが、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18のアリール基である。
 一実施形態においては、R、R、R及びRが、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のフェニル基である。
 一実施形態においては、R447及びR448が、水素原子である。
 一実施形態においては、前記各式中の「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、
  無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901a)(R902a)(R903a)、
  -O-(R904a)、
  -S-(R905a)、
  -N(R906a)(R907a)、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、
  無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 R901a~R907aは、それぞれ独立に、
  水素原子、
  無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
  無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
 R901aが2以上存在する場合、2以上のR901aは、互いに同一であるか、又は異なり、
 R902aが2以上存在する場合、2以上のR902aは、互いに同一であるか、又は異なり、
 R903aが2以上存在する場合、2以上のR903aは、互いに同一であるか、又は異なり、
 R904aが2以上存在する場合、2以上のR904aは、互いに同一であるか、又は異なり、
 R905aが2以上存在する場合、2以上のR905aは、互いに同一であるか、又は異なり、
 R906aが2以上存在する場合、2以上のR906aは、互いに同一であるか、又は異なり、
 R907aが2以上存在する場合、2以上のR907aは、互いに同一であるか、又は異なる。
 一実施形態においては、前記各式中の「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、無置換の炭素数1~50のアルキル基、無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
 一実施形態においては、前記各式中の「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、無置換の炭素数1~18のアルキル基、無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、又は無置換の環形成原子数5~18の複素環基である。
(第一の発光層)
 第一の発光層は、第一のホスト材料及び第一の発光性化合物を含有する。第一のホスト材料は、第二の発光層が含有する第二のホスト材料及び第三のホスト材料とは、異なる化合物である。
 第一の発光性化合物は、最大ピーク波長が500nm以下の発光を示す化合物であることが好ましく、最大ピーク波長が480nm以下の発光を示す化合物であることがより好ましい。第一の発光性化合物は、最大ピーク波長が430nm以上の発光を示す化合物であることが好ましい。
 第一の発光性化合物は、最大ピーク波長が500nm以下の蛍光発光を示す化合物であることがより好ましく、最大ピーク波長が480nm以下の蛍光発光を示す化合物であることがさらに好ましい。第一の発光性化合物は、最大ピーク波長が430nm以上の蛍光発光を示す化合物であることが好ましい。
 第一の発光性化合物は、第一のホスト材料とは異なる化合物である。
 本実施形態に係る有機EL素子において、第一の発光性化合物は、分子中にアジン環構造を含まない化合物であることが好ましい。
 本実施形態に係る有機EL素子において、第一の発光性化合物は、ホウ素含有錯体ではないことが好ましく、第一の発光性化合物は、錯体ではないことがより好ましい。
 本実施形態に係る有機EL素子において、第一の発光層は、金属錯体を含有しないことが好ましい。また、本実施形態に係る有機EL素子において、第一の発光層は、ホウ素含有錯体を含有しないことも好ましい。
 本実施形態に係る有機EL素子において、第一の発光層は、燐光発光性材料(ドーパント材料)を含まないことが好ましい。
 また、第一の発光層は、重金属錯体及び燐光発光性の希土類金属錯体を含まないことが好ましい。ここで、重金属錯体としては、例えば、イリジウム錯体、オスミウム錯体、及び白金錯体等が挙げられる。
 化合物の最大ピーク波長の測定方法は、次の通りである。測定対象となる化合物の5μmol/Lトルエン溶液を調製して石英セルに入れ、常温(300K)でこの試料の発光スペクトル(縦軸:発光強度、横軸:波長とする。)を測定する。発光スペクトルは、株式会社日立ハイテクサイエンス製の分光蛍光光度計(装置名:F-7000)により測定できる。なお、発光スペクトル測定装置は、ここで用いた装置に限定されない。
 発光スペクトルにおいて、発光強度が最大となる発光スペクトルのピーク波長を最大ピーク波長とする。なお、本明細書において、最大ピーク波長を蛍光発光最大ピーク波長(FL-peak)と称する場合がある。
 第一の発光性化合物の発光スペクトルにおいて、発光強度が最大となるピークを最大ピークとし、当該最大ピークの高さを1としたとき、当該発光スペクトルに現れる他のピークの高さは、0.6未満であることが好ましい。なお、発光スペクトルにおけるピークは、極大値とする。
 また、第一の発光性化合物の発光スペクトルにおいて、ピークの数が3つ未満であることが好ましい。
 本実施形態に係る有機EL素子において、第一のホスト材料の一重項エネルギーS(H1)と、第一の発光性化合物の一重項エネルギーS(D1)とが下記数式(数11)の関係を満たすことが好ましい。
 S(H1)>S(D1) …(数11)
 一重項エネルギーSとは、最低励起一重項状態と基底状態とのエネルギー差を意味する。
 第一のホスト材料と第一の発光性化合物とが、前記数式(数11)の関係を満たすことにより、第一のホスト材料上で生成された一重項励起子は、第一のホスト材料から第一の発光性化合物へエネルギー移動し易くなり、第一の発光性化合物の蛍光性発光に寄与する。
 本実施形態に係る有機EL素子において、第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)と、第一の発光性化合物の三重項エネルギーT(D1)とが下記数式(数12)の関係を満たすことが好ましい。
 T(D1)>T(H1) …(数12)
 第一のホスト材料と第一の発光性化合物とが、前記数式(数12)の関係を満たす事により、第一の発光層内で生成した三重項励起子は、より高い三重項エネルギーを有する第一の発光性化合物ではなく、第一のホスト材料上を移動するため、第二の発光層へ移動し易くなる。
 本実施形態に係る有機EL素子は、下記数式(数13)の関係を満たすことが好ましい。
 T(D1)>T(H1)>T(H2) …(数13)
 本実施形態に係る有機EL素子は、下記数式(数14)の関係を満たすことが好ましい。
 T(D1)>T(H1)>T(H3) …(数14)
(三重項エネルギーT
 三重項エネルギーTの測定方法としては、下記の方法が挙げられる。
 測定対象となる化合物をEPA(ジエチルエーテル:イソペンタン:エタノール=5:5:2(容積比))中に、10-5mol/L以上10-4mol/L以下となるように溶解して溶液を得て、この溶液を石英セル中に入れて測定試料とする。この測定試料について、低温(77[K])で燐光スペクトル(縦軸:燐光発光強度、横軸:波長とする。)を測定し、この燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値λedge[nm]に基づいて、次の換算式(F1)から算出されるエネルギー量を三重項エネルギーTとする。
  換算式(F1):T[eV]=1239.85/λedge
 燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線は以下のように引く。燐光スペクトルの短波長側から、スペクトルの極大値のうち、最も短波長側の極大値までスペクトル曲線上を移動する際に、長波長側に向けて曲線上の各点における接線を考える。この接線は、曲線が立ち上がるにつれ(つまり縦軸が増加するにつれ)、傾きが増加する。この傾きの値が極大値をとる点において引いた接線(すなわち変曲点における接線)が、当該燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線とする。
 なお、スペクトルの最大ピーク強度の15%以下のピーク強度をもつ極大点は、上述の最も短波長側の極大値には含めず、最も短波長側の極大値に最も近い、傾きの値が極大値をとる点において引いた接線を当該燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線とする。
 燐光の測定には、(株)日立ハイテクノロジー製のF-4500形分光蛍光光度計本体を用いることができる。なお、測定装置はこの限りではなく、冷却装置、及び低温用容器と、励起光源と、受光装置とを組み合わせることにより、測定してもよい。
(一重項エネルギーS
 溶液を用いた一重項エネルギーSの測定方法(溶液法と称する場合がある。)としては、下記の方法が挙げられる。
 測定対象となる化合物の10-5mol/L以上10-4mol/L以下のトルエン溶液を調製して石英セルに入れ、常温(300K)でこの試料の吸収スペクトル(縦軸:吸収強度、横軸:波長とする。)を測定する。この吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値λedge[nm]を次に示す換算式(F2)に代入して一重項エネルギーを算出する。
  換算式(F2):S[eV]=1239.85/λedge
 吸収スペクトル測定装置としては、例えば、日立社製の分光光度計(装置名:U3310)が挙げられるが、これに限定されない。
 吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対する接線は以下のように引く。吸収スペクトルの極大値のうち、最も長波長側の極大値から長波長方向にスペクトル曲線上を移動する際に、曲線上の各点における接線を考える。この接線は、曲線が立ち下がるにつれ(つまり縦軸の値が減少するにつれ)、傾きが減少しその後増加することを繰り返す。傾きの値が最も長波長側(ただし、吸光度が0.1以下となる場合は除く)で極小値をとる点において引いた接線を当該吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対する接線とする。
 なお、吸光度の値が0.2以下の極大点は、上記最も長波長側の極大値には含めない。
 本実施形態に係る有機EL素子において、第一の発光層は、第一の発光性化合物を、第一の発光層の全質量の0.5質量%以上、含有することが好ましく、第一の発光層の全質量の1質量%以上、含有することがより好ましい。
 第一の発光層は、第一の発光性化合物を、第一の発光層の全質量の10質量%以下、含有することが好ましく、第一の発光層の全質量の7質量%以下、含有することがより好ましく、第一の発光層の全質量の5質量%以下、含有することがさらに好ましい。
 本実施形態に係る有機EL素子において、第一の発光層は、第一のホスト材料としての第一の化合物を、第一の発光層の全質量の60質量%以上、含有することが好ましく、第一の発光層の全質量の70質量%以上、含有することがより好ましく、第一の発光層の全質量の80質量%以上、含有することがさらに好ましく、第一の発光層の全質量の90質量%以上、含有することがよりさらに好ましく、第一の発光層の全質量の95質量%以上、含有することがさらになお好ましい。
 第一の発光層は、第一のホスト材料を、第一の発光層の全質量の99質量%以下、含有することが好ましい。
 第一の発光層中の第一のホスト材料及び第一の発光性化合物の合計含有率の上限は、100質量%である。
 なお、本実施形態は、第一の発光層に、第一のホスト材料と第一の発光性化合物以外の材料が含まれることを除外しない。
(第二の発光層)
 第二の発光層は、第二のホスト材料、第三のホスト材料及び第二の発光性化合物を含有する。第二のホスト材料は、第一の発光層が含有する第一のホスト材料とは、異なる化合物である。第三のホスト材料は、第一の発光層が含有する第一のホスト材料とは、異なる化合物である。第二のホスト材料は、第三のホスト材料とは、異なる化合物である。
 本実施形態の有機EL素子の一態様において、第二のホスト材料及び第三のホスト材料が、単一の第二の発光層中に含まれる。
 第一の発光性化合物及び第二の発光性化合物は、それぞれ独立に、最大ピーク波長が500nm以下の発光を示す化合物であることが好ましく、最大ピーク波長が500nm以下の蛍光発光を示す化合物であることがより好ましい。
 第二の発光性化合物は、最大ピーク波長が500nm以下の発光を示す化合物であることが好ましく、最大ピーク波長が480nm以下の発光を示す化合物であることがより好ましい。第二の発光性化合物は、最大ピーク波長が430nm以上の発光を示す化合物であることが好ましい。
 第二の発光性化合物は、最大ピーク波長が500nm以下の蛍光発光を示す化合物であることがより好ましく、最大ピーク波長が480nm以下の蛍光発光を示す化合物であることがさらに好ましい。第二の発光性化合物は、最大ピーク波長が430nm以上の蛍光発光を示す化合物であることが好ましい。
 第二の発光性化合物は、第二のホスト材料及び第三のホスト材料とは異なる化合物である。
 化合物の最大ピーク波長の測定方法は、前述の通りである。
 本実施形態に係る有機EL素子において、第二の発光性化合物の最大ピークの半値幅が、1nm以上、20nm以下であることが好ましい。
 本実施形態に係る有機EL素子において、第二の発光性化合物のストークスシフトは、7nmを超えることが好ましい。
 第二の発光性化合物のストークスシフトが7nmを越えていれば、自己吸収による発光効率の低下を防止し易くなる。
 自己吸収とは、放出した光を同一化合物が吸収する現象であり、発光効率の低下を引き起こす現象である。自己吸収は、ストークスシフトの小さい(すなわち、吸収スペクトルと蛍光スペクトルの重なりが大きい)化合物で顕著に観測されるため、自己吸収を抑制するには、ストークスシフトの大きい(吸収スペクトルと蛍光スペクトルの重なりが小さい)化合物を用いることが好ましい。ストークスシフトは、次に記載する方法で測定できる。測定対象となる化合物を2.0×10-5mol/Lの濃度でトルエンに溶解し、測定用試料を調製する。石英セルへ入れた測定用試料に室温(300K)で紫外-可視領域の連続光を照射し、吸収スペクトル(縦軸:吸光度、横軸:波長)を測定する。吸収スペクトル測定には、分光光度計を用いることができ、例えば、日立ハイテクサイエンス社の分光光度計U-3900/3900H形を用いることができる。また、測定対象となる化合物を4.9×10-6mol/Lの濃度でトルエンに溶解し、測定用試料を調製する。石英セルへ入れた測定用試料に室温(300K)で励起光を照射し、蛍光スペクトル(縦軸:蛍光強度、横軸:波長)を測定する。蛍光スペクトル測定には、分光光度計を用いることができ、例えば、日立ハイテクサイエンス社の分光蛍光光度計F-7000形を用いることができる。これらの吸収スペクトルと蛍光スペクトルから、吸収極大波長と蛍光極大波長の差を算出し、ストークスシフト(SS)を求める。ストークスシフトSSの単位は、nmである。
 本実施形態に係る有機EL素子において、第二の発光性化合物の三重項エネルギーT(D2)と、第二のホスト材料の三重項エネルギーT(H2)とが下記数式(数21)の関係を満たすことが好ましい。
 T(D2)>T(H2) …(数21)
 本実施形態に係る有機EL素子において、第二の発光性化合物の三重項エネルギーT(D2)と、第三のホスト材料の三重項エネルギーT(H3)とが下記数式(数22)の関係を満たすことが好ましい。
 T(D2)>T(H3) …(数22)
 本実施形態に係る有機EL素子において、第二の発光性化合物と、第二のホスト材料とが、前記数式(数21)の関係を満たすことにより、第一の発光層で生成した三重項励起子は、第二の発光層に移動する際、より高い三重項エネルギーを有する第二の発光性化合物ではなく、第二のホスト材料の分子にエネルギー移動する。
 本実施形態に係る有機EL素子において、第二の発光性化合物と、第三のホスト材料とが、前記数式(数22)の関係を満たすことにより、第一の発光層で生成した三重項励起子は、第二の発光層に移動する際、より高い三重項エネルギーを有する第二の発光性化合物ではなく、第三のホスト材料の分子にエネルギー移動する。
 また、第二のホスト材料上又は第三のホスト材料上で正孔及び電子が再結合して発生した三重項励起子は、より高い三重項エネルギーを持つ第二の発光性化合物には移動しない。第二の発光性化合物の分子上で再結合し発生した三重項励起子は、速やかに第二のホスト材料の分子又は第三のホスト材料の分子にエネルギー移動する。
 第二のホスト材料及び第三のホスト材料の三重項励起子が第二の発光性化合物に移動することなく、TTF現象によって第二のホスト材料又は第三のホスト材料上で三重項励起子同士が効率的に衝突することで、一重項励起子が生成される。
 本実施形態に係る有機EL素子において、第二のホスト材料の一重項エネルギーS(H2)と第二の発光性化合物の一重項エネルギーS(D2)とが、下記数式(数23)の関係を満たすことが好ましい。
 S(H2)>S(D2) …(数23)
 本実施形態に係る有機EL素子において、第二の発光性化合物と、第二のホスト材料とが、前記数式(数23)の関係を満たすことにより、第二の発光性化合物の一重項エネルギーは、第二のホスト材料の一重項エネルギーより小さいため、TTF現象によって生成された一重項励起子は、第二のホスト材料から第二の発光性化合物へエネルギー移動し、第二の発光性化合物の蛍光性発光に寄与する。
 本実施形態に係る有機EL素子において、第三のホスト材料の一重項エネルギーS(H3)と第二の発光性化合物の一重項エネルギーS(D2)とが、下記数式(数24)の関係を満たすことが好ましい。
 S(H3)>S(D2) …(数24)
 本実施形態に係る有機EL素子において、第二の発光性化合物と、第三のホスト材料とが、前記数式(数24)の関係を満たすことにより、第二の発光性化合物の一重項エネルギーは、第三のホスト材料の一重項エネルギーより小さいため、TTF現象によって生成された一重項励起子は、第三のホスト材料から第二の発光性化合物へエネルギー移動し、第二の発光性化合物の蛍光性発光に寄与する。
 本実施形態に係る有機EL素子において、第二の発光性化合物は、分子中にアジン環構造を含まない化合物であることが好ましい。
 本実施形態に係る有機EL素子において、第二の発光性化合物は、ホウ素含有錯体ではないことが好ましく、第二の発光性化合物は、錯体ではないことがより好ましい。
 本実施形態に係る有機EL素子において、第二の発光層は、金属錯体を含有しないことが好ましい。また、本実施形態に係る有機EL素子において、第二の発光層は、ホウ素含有錯体を含有しないことも好ましい。
 本実施形態に係る有機EL素子において、第二の発光層は、燐光発光性材料(ドーパント材料)を含まないことが好ましい。
 また、第二の発光層は、重金属錯体及び燐光発光性の希土類金属錯体を含まないことが好ましい。ここで、重金属錯体としては、例えば、イリジウム錯体、オスミウム錯体、及び白金錯体等が挙げられる。
 本実施形態に係る有機EL素子において、第二の発光層は、第二の発光性化合物を、第二の発光層の全質量の0.5質量%以上、含有することが好ましく、第二の発光層の全質量の1質量%以上、含有することがより好ましい。
 第二の発光層は、第二の発光性化合物を、第二の発光層の全質量の10質量%以下、含有することが好ましく、第二の発光層の全質量の7質量%以下、含有することがより好ましく、第二の発光層の全質量の5質量%以下、含有することがさらに好ましい。
 本実施形態の有機EL素子において、第二の発光層中の第二のホスト材料の質量MH2及び第三のホスト材料の質量MH3の合計MH2+MH3に対する第三のホスト材料の質量MH3の質量百分率は、5質量%以上、60質量%以下であることが好ましい。
 本実施形態の有機EL素子において、合計MH2+MH3に対する第三のホスト材料の質量MH3の質量百分率は、8質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましく、25質量%以上であることがさらに好ましく、35質量%以上であることがよりさらに好ましい。
 本実施形態の有機EL素子において、合計MH2+MH3に対する第三のホスト材料の質量MH3の質量百分率は、55質量%以下であることが好ましい。
 本実施形態の有機EL素子において、第二の発光層は、第二のホスト材料及び第三のホスト材料を合計で、第二の発光層の全質量の60質量%以上、含有することが好ましく、第二の発光層の全質量の70質量%以上、含有することがより好ましく、第二の発光層の全質量の80質量%以上、含有することがさらに好ましく、第二の発光層の全質量の90質量%以上、含有することがよりさらに好ましく、第二の発光層の全質量の95質量%以上、含有することがさらになお好ましい。
 第二の発光層は、第二のホスト材料及び第三のホスト材料を合計で、第二の発光層の全質量の99質量%以下、含有することが好ましい。
 第二の発光層中の第二のホスト材料、第三のホスト材料及び第二の発光性化合物の合計含有率の上限は、100質量%である。
 なお、本実施形態は、第二の発光層に、第二のホスト材料、第三のホスト材料及び第二の発光性化合物以外の材料が含まれることを除外しない。
 本実施形態に係る有機EL素子において、第一の発光性化合物の三重項エネルギーT(D1)は、下記数式(数15)の関係を満たすことが好ましい。
 2.6eV>T(D1)>T(H1)>T(H2) …(数15)
 本実施形態に係る有機EL素子において、第一の発光性化合物の三重項エネルギーT(D1)は、下記数式(数16)の関係を満たすことが好ましい。
 2.6eV>T(D1)>T(H1)>T(H3) …(数16)
 本実施形態に係る有機EL素子において、第二の発光性化合物の三重項エネルギーT(D2)は、下記数式(数17)の関係を満たすことが好ましい。
 2.6eV>T(D2)>T(H1)>T(H2) …(数17)
 本実施形態に係る有機EL素子において、第二の発光性化合物の三重項エネルギーT(D2)は、下記数式(数18)の関係を満たすことが好ましい。
 2.6eV>T(D2)>T(H1)>T(H3) …(数18)
 本実施形態に係る有機EL素子において、第一の発光性化合物の三重項エネルギーT(D1)は、下記数式(数19)の関係を満たすことが好ましい。
 0eV<T(D1)-T(H1)<0.6eV …(数19)
 本実施形態に係る有機EL素子において、第二の発光性化合物の三重項エネルギーT(D2)は、下記数式(数25)の関係を満たすことが好ましい。
 0eV<T(D2)-T(H2)<0.8eV …(数25)
 本実施形態に係る有機EL素子において、第二の発光性化合物の三重項エネルギーT(D2)は、下記数式(数26)の関係を満たすことが好ましい。
 0eV<T(D2)-T(H3)<0.8eV …(数26)
 本実施形態に係る有機EL素子において、第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)が、下記数式(数27)の関係を満たすことが好ましい。
 T(H1)>2.0eV …(数27)
 本実施形態に係る有機EL素子において、第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)が、下記数式(数27A)の関係を満たすことも好ましく、下記数式(数27B)の関係を満たすことも好ましい。
 T(H1)>2.10eV …(数27A)
 T(H1)>2.15eV …(数27B)
 本実施形態に係る有機EL素子において、第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)が、前記数式(数27A)又は前記数式(数27B)の関係を満たすことにより、第一の発光層で生成した三重項励起子は、第二の発光層へと移動し易くなり、また、第二の発光層から第一の発光層へ逆移動することを抑制し易くなる。その結果、第二の発光層において、一重項励起子が効率良く生成され、発光効率が向上する。
 本実施形態に係る有機EL素子において、第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)が、下記数式(数27C)の関係を満たすことも好ましく、下記数式(数27D)の関係を満たすことも好ましい。
 2.08eV>T(H1)>1.87eV …(数27C)
 2.05eV>T(H1)>1.90eV …(数27D)
 本実施形態に係る有機EL素子において、第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)が、前記数式(数27C)又は前記数式(数27D)の関係を満たすことにより、第一の発光層で生成した三重項励起子のエネルギーが小さくなり、有機EL素子の長寿命化が期待できる。
 本実施形態に係る有機EL素子において、第一の発光性化合物の三重項エネルギーT(D1)が、下記数式(数28A)の関係を満たすことも好ましく、下記数式(数28B)の関係を満たすことも好ましい。
 2.60eV>T(D1) …(数28A)
 2.50eV>T(D1) …(数28B)
 第一の発光層が、前記数式(数28A)又は(数28B)の関係を満たす化合物を含有することにより、有機EL素子が長寿命化する。
 本実施形態に係る有機EL素子において、第二の発光性化合物の三重項エネルギーT(D2)が、下記数式(数28C)の関係を満たすことも好ましく、下記数式(数28D)の関係を満たすことも好ましい。
 2.60eV>T(D2) …(数28C)
 2.50eV>T(D2) …(数28D)
 第二の発光層が、前記数式(数28C)又は(数28D)の関係を満たす化合物を含有することにより、有機EL素子が長寿命化する。
 本実施形態の有機EL素子において、第一の発光層は、陽極と第二の発光層との間に配置されていることも好ましい。
 本実施形態の有機EL素子において、第二の発光層は、陽極と第一の発光層との間に配置されていることも好ましい。
 本実施形態に係る有機EL素子は、陽極と、第一の発光層と、第二の発光層と、陰極とをこの順に有していてもよいし、第一の発光層と第二の発光層の順序が逆であってもよい。すなわち、陽極と、第二の発光層と、第一の発光層と、陰極とをこの順に有していてもよい。第一の発光層と第二の発光層の順序がいずれの場合も、前記数式(数1)及び数式(数2)の関係を満たす材料の組合せを選択することにより、第一の発光層と第二の発光層との積層構成であることによる効果が期待できる。
 本実施形態に係る有機EL素子において、第一の発光層と第二の発光層とが、直接、接していることが好ましい。
 本明細書において、「第一の発光層と第二の発光層とが、直接、接している」層構造は、例えば、以下の態様(LS1)、(LS2)及び(LS3)のいずれかの態様も含み得る。
 (LS1)第一の発光層に係る化合物の蒸着の工程と第二の発光層に係る化合物の蒸着の工程を経る過程で第一のホスト材料、第二のホスト材料及び第三のホスト材料が混在する領域が生じ、当該領域が第一の発光層と第二の発光層との界面に存在する態様。
 (LS2)第一の発光層及び第二の発光層が発光性の化合物を含む場合に、第一の発光層に係る化合物の蒸着の工程と第二の発光層に係る化合物の蒸着の工程を経る過程で第一のホスト材料、第二のホスト材料、第三のホスト材料及び発光性の化合物が混在する領域が生じ、当該領域が第一の発光層と第二の発光層との界面に存在する態様。
 (LS3)第一の発光層及び第二の発光層が発光性の化合物を含む場合に、第一の発光層に係る化合物の蒸着の工程と第二の発光層に係る化合物の蒸着の工程を経る過程で当該発光性の化合物からなる領域、第一のホスト材料からなる領域、又は第二のホスト材料及び第三のホスト材料からなる領域が生じ、当該領域が第一の発光層と第二の発光層との界面に存在する態様。
(第三の発光層)
 本実施形態に係る有機EL素子は、第三の発光層をさらに含んでいてもよい。
 第三の発光層は、第四のホスト材料を含むことが好ましい。第一のホスト材料と第二のホスト材料と第三のホスト材料と第四のホスト材料とは、互いに異なることが好ましい。
 第三の発光層は、第三の発光性化合物を含むことが好ましい。第三の発光性化合物の最大ピーク波長が500nm以下であることが好ましい。第三の発光性化合物は、最大のピーク波長が500nm以下の蛍光発光を示す蛍光発光性化合物であることが好ましい。化合物の最大のピーク波長の測定方法は、前述の通りである。第一の発光性化合物と第二の発光性化合物と第三の発光性化合物とは、互いに同一であるか又は異なる。
 本実施形態に係る有機EL素子が第三の発光層を含んでいる場合、第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)と第四のホスト材料の三重項エネルギーT(H4)とが、下記数式(数1C)の関係を満たすことが好ましい。
 T(H1)>T(H4) …(数1C)
 本実施形態に係る有機EL素子が第三の発光層を含んでいる場合、第二のホスト材料の三重項エネルギーT(H2)と第四のホスト材料の三重項エネルギーT(H4)とが、下記数式(数1D)の関係を満たすことも好ましく、下記数式(数1E)の関係を満たすことも好ましい。
 T(H4)>T(H2) …(数1D)
 T(H1)>T(H4)>T(H2) …(数1E)
 本実施形態に係る有機EL素子が第三の発光層を含んでいる場合、第二のホスト材料の三重項エネルギーT(H2)と第四のホスト材料の三重項エネルギーT(H4)とが、下記数式(数1F)の関係を満たすことも好ましく、下記数式(数1G)の関係を満たすことも好ましい。
 T(H2)>T(H4) …(数1F)
 T(H1)>T(H2)>T(H4) …(数1G)
 本実施形態に係る有機EL素子が第三の発光層を含んでいる場合、第三のホスト材料の三重項エネルギーT(H3)と第四のホスト材料の三重項エネルギーT(H4)とが、下記数式(数1H)の関係を満たすことも好ましく、下記数式(数1J)の関係を満たすことも好ましい。
 T(H4)>T(H3) …(数1H)
 T(H1)>T(H4)>T(H3) …(数1J)
 本実施形態に係る有機EL素子が第三の発光層を含んでいる場合、第三のホスト材料の三重項エネルギーT(H3)と第四のホスト材料の三重項エネルギーT(H4)とが、下記数式(数1K)の関係を満たすことも好ましく、下記数式(数1L)の関係を満たすことも好ましい。
 T(H3)>T(H4) …(数1K)
 T(H1)>T(H3)>T(H4) …(数1L)
 本実施形態に係る有機EL素子が第三の発光層を含んでいる場合、第一の発光層と第二の発光層とが、直接、接しており、第二の発光層と第三の発光層とが、直接、接していてもよい。
 本明細書において、「第二の発光層と第三の発光層とが、直接、接している」層構造は、例えば、以下の態様(LS4)、(LS5)及び(LS6)のいずれかの態様も含み得る。
 (LS4)第二の発光層に係る化合物の蒸着の工程と第三の発光層に係る化合物の蒸着の工程を経る過程で第二のホスト材料、第三のホスト材料及び第四のホスト材料が混在する領域が生じ、当該領域が第二の発光層と第三の発光層との界面に存在する態様。
 (LS5)第二の発光層及び第三の発光層が発光性の化合物を含む場合に、第二の発光層に係る化合物の蒸着の工程と第三の発光層に係る化合物の蒸着の工程を経る過程で第二のホスト材料、第三のホスト材料、第四のホスト材料及び発光性の化合物が混在する領域が生じ、当該領域が第二の発光層と第三の発光層との界面に存在する態様。
 (LS6)第二の発光層及び第三の発光層が発光性の化合物を含む場合に、第二の発光層に係る化合物の蒸着の工程と第三の発光層に係る化合物の蒸着の工程を経る過程で当該発光性の化合物からなる領域、第二のホスト材料及び第三のホスト材料からなる領域、又は第四のホスト材料からなる領域が生じ、当該領域が第二の発光層と第三の発光層との界面に存在する態様。
(介在層)
 本実施形態に係る有機EL素子は、第一の発光層と第二の発光層との間に配置される有機層として、介在層を有することもできる。すなわち、本実施形態の有機EL素子の発光領域は、第一の発光層、第二の発光層及び介在層を有することもできる。
 本実施形態において、Singlet発光領域とTTF発光領域とが重ならない様にする為、それを実現できる程度に介在層は発光性化合物を含まない。
 例えば、発光性化合物の介在層における含有率が、0質量%だけでなく、例えば、製造の工程で意図せずに混入した成分、又は原材料に不純物として含まれる成分が発光性化合物である場合、介在層は、これらの成分を含むことを許容することである。
 例えば、介在層を構成する全ての材料が、材料A、材料B及び材料Cである場合、材料A、材料B及び材料Cの介在層における各々の含有率は、いずれも10質量%以上であり、材料A、材料B及び材料Cの合計含有率は100質量%である。
 以下では、介在層を「ノンドープ層」と称することがある。また、発光性化合物を含む層を「ドープ層」と称することがある。
 一般的に、発光層を積層構成とした場合、Singlet発光領域とTTF発光領域とが分離され易くなるため、発光効率を改善できるとされている。
 本実施形態の有機EL素子において、発光領域中の第一の発光層と第二の発光層との間に介在層(ノンドープ層)が配置されている場合、Singlet発光領域とTTF発光領域とが重なる領域が低減し、三重項励起子とキャリアとの衝突に起因するTTF効率の低下が抑制されることが期待される。つまり、発光層間への介在層(ノンドープ層)の挿入は、TTF発光の効率向上に寄与すると考えられる。
 介在層は、ノンドープ層である。
 介在層は、金属原子を含まない。そのため、介在層は、金属錯体を含有しない。
 介在層は、介在層材料を含む。介在層材料は、発光性化合物ではない。
 介在層材料としては、発光性化合物以外の材料であれば、特に限定されない。
 介在層材料としては、例えば、1)オキサジアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、若しくはフェナントロリン誘導体等の複素環化合物、2)カルバゾール誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、若しくはクリセン誘導体等の縮合芳香族化合物、3)トリアリールアミン誘導体、若しくは縮合多環芳香族アミン誘導体等の芳香族アミン化合物が挙げられる。
 介在層材料は、第一のホスト材料、第二のホスト材料及び第三のホスト材料の少なくともいずれかのホスト材料を用いる事もできるが、Singlet発光領域とTTF発光領域とを離間させ、Singlet発光とTTF発光とを阻害しない材料であれば、特に制限されない。
 本実施形態に係る有機EL素子において、介在層は、当該介在層を構成する全ての材料の前記介在層における各々の含有率が、いずれも10質量%以上である。
 介在層は、当該介在層を構成する材料として前記介在層材料を含む。
 介在層は、前記介在層材料を、介在層の全質量の60質量%以上、含有することが好ましく、介在層の全質量の70質量%以上、含有することがより好ましく、介在層の全質量の80質量%以上、含有することがさらに好ましく、介在層の全質量の90質量%以上、含有することがよりさらに好ましく、介在層の全質量の95質量%以上、含有することがさらになお好ましい。
 介在層は、介在層材料を1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。
 介在層が介在層材料を2種以上含有する場合、2種以上の介在層材料の合計含有率の上限は、100質量%である。
 なお、本実施形態は、介在層に、介在層材料以外の材料が含まれることを除外しない。
 介在層は単層で構成されていてもよいし、二層以上積層されて構成されていてもよい。
 介在層の膜厚は、Singlet発光領域とTTF発光領域とが重なることを抑制できる形態であれば特に制限は無いが、1層あたり、3nm以上15nm以下であることが好ましく、5nm以上10nm以下であることがより好ましい。
 介在層の膜厚が3nm以上であれば、Singlet発光領域とTTF由来の発光領域とを分離しやすくなる。
 介在層の膜厚が15nm以下であれば、介在層のホスト材料が発光してしまう現象を抑制しやすくなる。
 介在層は、当該介在層を構成する材料として介在層材料を含み、第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)と、第二のホスト材料の三重項エネルギーT(H2)と、少なくとも1つの介在層材料の三重項エネルギーT(Mmid)が、下記数式(数A21)の関係を満たすことが好ましい。
 T(H1)≧T(Mmid)≧T(H2) …(数A21)
 介在層は、当該介在層を構成する材料として介在層材料を含み、第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)と、第三のホスト材料の三重項エネルギーT(H3)と、少なくとも1つの介在層材料の三重項エネルギーT(Mmid)が、下記数式(数A22)の関係を満たすことが好ましい。
 T(H1)≧T(Mmid)≧T(H3) …(数A22)
 介在層が、当該介在層を構成する材料として介在層材料を2以上含む場合、第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)と、第二のホスト材料の三重項エネルギーT(H2)と、各々の介在層材料の三重項エネルギーT(MEA)とが、下記数式(数A23)の関係を満たすことがより好ましい。
 T(H1)≧T(MEA)≧T(H2) …(数A23)
 介在層が、当該介在層を構成する材料として介在層材料を2以上含む場合、第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)と、第三のホスト材料の三重項エネルギーT(H3)と、各々の介在層材料の三重項エネルギーT(MEA)とが、下記数式(数A24)の関係を満たすことがより好ましい。
 T(H1)≧T(MEA)≧T(H3) …(数A24)
(有機EL素子のその他の層)
 本実施形態に係る有機EL素子は、第一の発光層及び第二の発光層以外に、1以上の有機層を有していてもよい。有機層としては、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子注入層、電子輸送層、正孔障壁層及び電子障壁層からなる群から選択される少なくともいずれかの層が挙げられる。
 本実施形態に係る有機EL素子において、第一の発光層及び第二の発光層だけで構成されていてもよいが、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、正孔障壁層、及び電子障壁層等からなる群から選択される少なくともいずれかの層をさらに有していてもよい。
 図1に、本実施形態に係る有機EL素子の一例の概略構成を示す。
 有機EL素子1は、透光性の基板2と、陽極3と、陰極4と、陽極3と陰極4との間に配置された有機層10と、を含む。有機層10は、陽極3側から順に、正孔注入層61、正孔輸送層62、第一の発光層51、第二の発光層52、電子輸送層71、及び電子注入層72が、この順番で積層されて構成される。有機EL素子1の発光領域5は、陽極3側に第一の発光層51を含み、陰極4側に第二の発光層52を含む。
 図2に、本実施形態に係る有機EL素子の別の一例の概略構成を示す。
 有機EL素子1Aは、透光性の基板2と、陽極3と、陰極4と、陽極3と陰極4との間に配置された有機層10Aと、を含む。有機層10Aは、陽極3側から順に、正孔注入層61、正孔輸送層62、第二の発光層52、第一の発光層51、電子輸送層71、及び電子注入層72が、この順番で積層されて構成される。有機EL素子1Aの発光領域5Aは、陽極3側に第二の発光層52を含み、陰極4側に第一の発光層51を含む。
 本発明は、図1及び図2に示す有機EL素子の構成に限定されない。
 有機EL素子の構成についてさらに説明する。以下、符号の記載は省略することがある。
(基板)
 基板は、有機EL素子の支持体として用いられる。基板としては、例えば、ガラス、石英、及びプラスチック等を用いることができる。また、可撓性基板を用いてもよい。可撓性基板とは、折り曲げることができる(フレキシブル)基板のことであり、例えば、プラスチック基板等が挙げられる。プラスチック基板を形成する材料としては、例えば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、及びポリエチレンナフタレート等が挙げられる。また、無機蒸着フィルムを用いることもできる。
(陽極)
 基板上に形成される陽極には、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。具体的には、例えば、酸化インジウム-酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、珪素もしくは酸化珪素を含有した酸化インジウム-酸化スズ、酸化インジウム-酸化亜鉛、酸化タングステン、および酸化亜鉛を含有した酸化インジウム、グラフェン等が挙げられる。この他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)、または金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等が挙げられる。
 これらの材料は、通常、スパッタリング法により成膜される。例えば、酸化インジウム-酸化亜鉛は、酸化インジウムに対し1質量%以上10質量%以下の酸化亜鉛を加えたターゲットを用いることにより、スパッタリング法で形成することができる。また、例えば、酸化タングステン、および酸化亜鉛を含有した酸化インジウムは、酸化インジウムに対し酸化タングステンを0.5質量%以上5質量%以下、酸化亜鉛を0.1質量%以上1質量%以下含有したターゲットを用いることにより、スパッタリング法で形成することができる。その他、真空蒸着法、塗布法、インクジェット法、スピンコート法などにより作製してもよい。
 陽極上に形成されるEL層のうち、陽極に接して形成される正孔注入層は、陽極の仕事関数に関係なく正孔(ホール)注入が容易である複合材料を用いて形成されるため、電極材料として可能な材料(例えば、金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物、その他、元素周期表の第1族または第2族に属する元素も含む)を用いることができる。
 仕事関数の小さい材料である、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(例えば、MgAg、AlLi)、ユーロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等を用いることもできる。なお、アルカリ金属、アルカリ土類金属、およびこれらを含む合金を用いて陽極を形成する場合には、真空蒸着法やスパッタリング法を用いることができる。さらに、銀ペーストなどを用いる場合には、塗布法やインクジェット法などを用いることができる。
(陰極)
 陰極には、仕事関数の小さい(具体的には3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。このような陰極材料の具体例としては、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(例えば、MgAg、AlLi)、ユーロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等が挙げられる。
 なお、アルカリ金属、アルカリ土類金属、これらを含む合金を用いて陰極を形成する場合には、真空蒸着法やスパッタリング法を用いることができる。また、銀ペーストなどを用いる場合には、塗布法やインクジェット法などを用いることができる。
 なお、電子注入層を設けることにより、仕事関数の大小に関わらず、Al、Ag、ITO、グラフェン、珪素もしくは酸化珪素を含有した酸化インジウム-酸化スズ等様々な導電性材料を用いて陰極を形成することができる。これらの導電性材料は、スパッタリング法やインクジェット法、スピンコート法等を用いて成膜することができる。
(正孔注入層)
 正孔注入層は、正孔注入性の高い物質を含む層である。正孔注入性の高い物質としては、モリブデン酸化物、チタン酸化物、バナジウム酸化物、レニウム酸化物、ルテニウム酸化物、クロム酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、タンタル酸化物、銀酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物等を用いることができる。
 また、正孔注入性の高い物質としては、低分子の有機化合物である4,4’,4’’-トリス(N,N-ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’-トリス[N-(3-メチルフェニル)-N-フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’-ビス[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、4,4’-ビス(N-{4-[N’-(3-メチルフェニル)-N’-フェニルアミノ]フェニル}-N-フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5-トリス[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)、3-[N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)-N-フェニルアミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6-ビス[N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)-N-フェニルアミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3-[N-(1-ナフチル)-N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)アミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等の芳香族アミン化合物等やジピラジノ[2,3-f:20,30-h]キノキサリン-2,3,6,7,10,11-ヘキサカルボニトリル(HAT-CN)も挙げられる。
 また、正孔注入性の高い物質としては、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)を用いることもできる。例えば、ポリ(N-ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(4-ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N-(4-{N’-[4-(4-ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル-N’-フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’-ビス(4-ブチルフェニル)-N,N’-ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly-TPD)などの高分子化合物が挙げられる。また、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/ポリ(スチレンスルホン酸)(PAni/PSS)等の酸を添加した高分子化合物を用いることもできる。
(正孔輸送層)
 本実施形態の有機EL素子において、正孔輸送層が、陽極と発光領域との間に配置されていることが好ましい。
 正孔輸送層は、正孔輸送性の高い物質を含む層である。正孔輸送層には、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、アントラセン誘導体等を使用する事ができる。具体的には、4,4’-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)やN,N’-ビス(3-メチルフェニル)-N,N’-ジフェニル-[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジアミン(略称:TPD)、4-フェニル-4’-(9-フェニルフルオレン-9-イル)トリフェニルアミン(略称:BAFLP)、4,4’-ビス[N-(9,9-ジメチルフルオレン-2-イル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DFLDPBi)、4,4’,4’’-トリス(N,N-ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’-トリス[N-(3-メチルフェニル)-N-フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’-ビス[N-(スピロ-9,9’-ビフルオレン-2-イル)-N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)などの芳香族アミン化合物等を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10-6cm/(V・s)以上の正孔移動度を有する物質である。
 正孔輸送層には、CBP、9-[4-(N-カルバゾリル)]フェニル-10-フェニルアントラセン(CzPA)、9-フェニル-3-[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-9H-カルバゾール(PCzPA)のようなカルバゾール誘導体や、t-BuDNA、DNA、DPAnthのようなアントラセン誘導体を用いても良い。ポリ(N-ビニルカルバゾール)(略称:PVK)やポリ(4-ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)等の高分子化合物を用いることもできる。
 但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。なお、正孔輸送性の高い物質を含む層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
(電子輸送層)
 本実施形態の有機EL素子において、電子輸送層が、陰極と発光領域との間に配置されていることが好ましい。
 電子輸送層は、電子輸送性の高い物質を含む層である。電子輸送層には、1)アルミニウム錯体、ベリリウム錯体、亜鉛錯体等の金属錯体、2)イミダゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、アジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントロリン誘導体等の複素芳香族化合物、3)高分子化合物を使用することができる。具体的には低分子の有機化合物として、Alq、トリス(4-メチル-8-キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、BAlq、Znq、ZnPBO、ZnBTZなどの金属錯体等を用いることができる。また、金属錯体以外にも、2-(4-ビフェニリル)-5-(4-tert-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3-ビス[5-(ptert-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル]ベンゼン(略称:OXD-7)、3-(4-tert-ブチルフェニル)-4-フェニル-5-(4-ビフェニリル)-1,2,4-トリアゾール(略称:TAZ)、3-(4-tert-ブチルフェニル)-4-(4-エチルフェニル)-5-(4-ビフェニリル)-1,2,4-トリアゾール(略称:p-EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、4,4’-ビス(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)スチルベン(略称:BzOs)などの複素芳香族化合物も用いることができる。アジン誘導体としては、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体及びトリアジン誘導体が挙げられる。本実施態様においては、アジン誘導体又はベンゾイミダゾール化合物を好適に用いることができる。ここに述べた物質は、主に10-6cm/(V・s)以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔輸送性よりも電子輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子輸送層として用いてもよい。また、電子輸送層は、単層で構成されていてもよいし、上記物質からなる層が二層以上積層されて構成されていてもよい。
 また、電子輸送層には、高分子化合物を用いることもできる。例えば、ポリ[(9,9-ジヘキシルフルオレン-2,7-ジイル)-co-(ピリジン-3,5-ジイル)](略称:PF-Py)、ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレン-2,7-ジイル)-co-(2,2’-ビピリジン-6,6’-ジイル)](略称:PF-BPy)などを用いることができる。
(電子注入層)
 電子注入層は、電子注入性の高い物質を含む層である。電子注入層には、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、カルシウム(Ca)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF)、リチウム酸化物(LiOx)等のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を用いることができる。その他、電子輸送性を有する物質にアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を含有させたもの、具体的にはAlq中にマグネシウム(Mg)を含有させたもの等を用いてもよい。なお、この場合には、陰極からの電子注入をより効率良く行うことができる。
 あるいは、電子注入層に、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料を用いてもよい。このような複合材料は、電子供与体によって有機化合物に電子が発生するため、電子注入性および電子輸送性に優れている。この場合、有機化合物としては、発生した電子の輸送に優れた材料であることが好ましく、具体的には、例えば上述した電子輸送層を構成する物質(金属錯体や複素芳香族化合物等)を用いることができる。電子供与体としては、有機化合物に対し電子供与性を示す物質であればよい。具体的には、アルカリ金属やアルカリ土類金属や希土類金属が好ましく、リチウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、エルビウム、イッテルビウム等が挙げられる。また、アルカリ金属酸化物やアルカリ土類金属酸化物が好ましく、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物等が挙げられる。また、酸化マグネシウムのようなルイス塩基を用いることもできる。また、テトラチアフルバレン(略称:TTF)等の有機化合物を用いることもできる。
(層形成方法)
 本実施形態の有機EL素子の各層の形成方法としては、上記で特に言及した以外には制限されないが、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ法、イオンプレーティング法などの乾式成膜法や、スピンコーティング法、ディッピング法、フローコーティング法、インクジェット法などの湿式成膜法などの公知の方法を採用することができる。
 本実施形態の有機EL素子において、第一のホスト材料及び第一の発光性化合物を含有する第一の発光層、並びに第二のホスト材料、第三のホスト材料及び第二の発光性化合物を含有する第二の発光層は、例えば、複数種類の化合物を用いて共蒸着法により成膜することもでき、複数種類の化合物を予め混合した混合物を用いて蒸着法により成膜することもでき、又は複数種類の化合物を予め混合した混合物を用いて塗布法により成膜することもできる。複数種類の化合物を予め混合した混合物は、粉体でもよい。複数種類の化合物を予め混合した混合物は、溶液でもよい。発光層の成膜に用いる混合物としては、例えば、下記の第二実施形態で説明する組成物でもよい。複数種類の化合物を予め混合する方法を、プレミックスと称する場合がある。プレミックスの方法は、特に限定されないが、例えば、混合物を構成する化合物の置換基等を調整して化合物の分子量を調整する事、又は混合比率を調整する事により、プレミックスされた混合物を構成する化合物の蒸着割合を調整できる。
(膜厚)
 本実施形態の有機EL素子の各有機層の膜厚は、上記で特に言及した場合を除いて限定されない。一般に、膜厚が薄すぎるとピンホール等の欠陥が生じやすく、膜厚が厚すぎると高い印加電圧が必要となり効率が悪くなるため、通常、有機EL素子の各有機層の膜厚は、数nmから1μmの範囲が好ましい。
〔第二実施形態〕
<組成物>
 本実施形態の組成物は、第一実施形態で説明した前記一般式(H20)で表される化合物と、前記一般式(H30)で表される化合物とを含有する。組成物中の前記一般式(H20)で表される化合物と、前記一般式(H30)で表される化合物とは、互いに異なる化合物である。
 本実施形態の組成物は、前記一般式(H20)で表される化合物及び前記一般式(H30)で表される化合物として、第一実施形態で説明した第二のホスト材料の群から選択される少なくともいずれかの化合物と第一実施形態で説明した第三のホスト材料の群から選択される少なくともいずれかの化合物とを組み合わされて含有する。
 本実施形態の組成物の形態は特に限定されず、例えば、固体、粉末、溶液、及び膜等が挙げられる。組成物の形態が固体である場合、組成物は、ペレット状に成形されていてもよい。本実施形態の組成物は、予め混合した混合物(プレミックスした混合物)として用いることができる。プレミックスした混合物を用いて膜を形成してもよい。
 また、組成物の形態としての上記の「膜」には、前記一般式(H20)で表される化合物及び前記一般式(H30)で表される化合物とを含有する原料を含んで形成された膜を含む。このような膜としては、例えば、第一実施形態における、第二のホスト材料と、第三のホスト材料と、第二の発光性化合物とを含む第二の発光層が挙げられる。
 本実施形態の組成物において、前記一般式(H20)で表される化合物のAr201、Ar202及びAr203の少なくともいずれかが、4つ以上の環が縮合した置換もしくは無置換のアリール基であることが好ましい。
 本実施形態の組成物において、組成物中の前記一般式(H20)で表される化合物の質量MC2及び前記一般式(H30)で表される化合物の質量MC3の合計MC2+MC3に対する前記一般式(H30)で表される化合物の質量MC3の質量百分率は、5質量%以上、60質量%以下であることが好ましい。
 本実施形態の組成物において、合計MC2+MC3に対する一般式(H30)で表される化合物の質量MC3の質量百分率は、8質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましく、25質量%以上であることがさらに好ましく、35質量%以上であることがよりさらに好ましい。
 本実施形態の組成物において、合計MC2+MC3に対する一般式(H30)で表される化合物の質量MC3の質量百分率は、55質量%以下であることが好ましい。
 本実施形態の組成物において、前記一般式(H20)で表される化合物のAr201又はAr202が4つ以上の環が縮合した置換もしくは無置換のアリール基であることが好ましい。
 本実施形態の組成物において、前記一般式(H20)で表される化合物が分子中に有する4つ以上の環が縮合した置換もしくは無置換のアリール基は、ピレン骨格、ベンズアントラセン骨格、クリセン骨格、ベンゾクリセン骨格、ベンゾフルオレン骨格、フルオランテン骨格、ベンゾフルオランテン骨格、トリフェニレン骨格、ベンゾトリフェニレン骨格及びベンゾフェナントレン骨格からなる群から選択される少なくともいずれかの骨格を含むことが好ましい。
 本実施形態の組成物において、前記一般式(H20)で表される化合物のAr201又はAr202が、下記一般式(b20)で表される基であることが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000365
(前記一般式(b20)において、R211~R224のいずれか1つがL201又はL202との結合位置を示し、L201又はL202との結合位置ではないR211~R224は、それぞれ独立に、
  水素原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
  置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
  -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
  -O-(R904)で表される基、
  -S-(R905)で表される基、
  -N(R906)(R907)で表される基、
  ハロゲン原子、
  シアノ基、
  ニトロ基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。)
 本実施形態の一態様に係る組成物は、第一実施形態の前記一般式(H20)で表される化合物と、第一実施形態の前記一般式(H32)で表される化合物とを含有する。
 本実施形態の一態様に係る組成物は、第一実施形態の前記一般式(H20)で表される化合物と、第一実施形態の前記一般式(H301)又は(H302)で表される化合物とを含有する。
 本実施形態の一態様に係る組成物は、第一実施形態の前記一般式(H20)で表される化合物と、第一実施形態の前記一般式(H321)又は(H322)で表される化合物とを含有する。
 本実施形態の一態様に係る組成物は、第一実施形態の前記一般式(H20)で表される化合物と、第一実施形態の前記一般式(H323)又は(H324)で表される化合物とを含有する。
 本実施形態の一態様に係る組成物は、第一実施形態の前記一般式(H201)で表される化合物と、第一実施形態の前記一般式(H32)で表される化合物とを含有する。
 本実施形態の一態様に係る組成物は、第一実施形態の前記一般式(H201)で表される化合物と、第一実施形態の前記一般式(H301)又は(H302)で表される化合物とを含有する。
 本実施形態の一態様に係る組成物は、第一実施形態の前記一般式(H201)で表される化合物と、第一実施形態の前記一般式(H321)又は(H322)で表される化合物とを含有する。
 本実施形態の一態様に係る組成物は、第一実施形態の前記一般式(H201)で表される化合物と、第一実施形態の前記一般式(H323)又は(H324)で表される化合物とを含有する。
 本実施形態の組成物は、有機EL素子に用いることができる。本実施形態の組成物は、例えば、有機EL素子の発光層の成膜に用いることもできる。本実施形態の組成物は、例えば、第一実施形態で説明した有機EL素子の第二の発光層の成膜に用いることもでき、この場合、本実施形態の組成物によれば、低電流密度における素子性能の低下を抑制できる。
〔第三実施形態〕
<電子機器>
 本実施形態に係る電子機器は、上述の実施形態のいずれかの有機EL素子を搭載している。電子機器としては、例えば、表示装置及び発光装置等が挙げられる。表示装置としては、例えば、表示部品(例えば、有機ELパネルモジュール等)、テレビ、携帯電話、タブレット、及びパーソナルコンピュータ等が挙げられる。発光装置としては、例えば、照明及び車両用灯具等が挙げられる。
〔実施形態の変形〕
 なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変更、改良等は、本発明に含まれる。
 例えば、発光層は、2層に限られず、2を超える複数の発光層が積層されていてもよい。有機EL素子が2を超える複数の発光層を有する場合、少なくとも2つの発光層が上記実施形態で説明した条件を満たしていればよい。例えば、その他の発光層が、蛍光発光型の発光層であっても、三重項励起状態から直接基底状態への電子遷移による発光を利用した燐光発光型の発光層であってもよい。
 また、有機EL素子が複数の発光層を有する場合、これらの発光層が互いに隣接して設けられていてもよいし、中間層を介して複数の発光ユニットが積層された、いわゆるタンデム型の有機EL素子であってもよい。
 また、例えば、発光層の陽極側、及び陰極側の少なくとも一方に障壁層を隣接させて設けてもよい。障壁層は、発光層に接して配置され、正孔、電子、及び励起子の少なくともいずれかを阻止することが好ましい。
 例えば、発光層の陰極側で接して障壁層が配置された場合、当該障壁層は、電子を輸送し、かつ正孔が当該障壁層よりも陰極側の層(例えば、電子輸送層)に到達することを阻止する。有機EL素子が、電子輸送層を含む場合は、発光層と電子輸送層との間に当該障壁層を含むことが好ましい。
 また、発光層の陽極側で接して障壁層が配置された場合、当該障壁層は、正孔を輸送し、かつ電子が当該障壁層よりも陽極側の層(例えば、正孔輸送層)に到達することを阻止する。有機EL素子が、正孔輸送層を含む場合は、発光層と正孔輸送層との間に当該障壁層を含むことが好ましい。
 また、励起エネルギーが発光層からその周辺層に漏れ出さないように、障壁層を発光層に隣接させて設けてもよい。発光層で生成した励起子が、当該障壁層よりも電極側の層(例えば、電子輸送層及び正孔輸送層等)に移動することを阻止する。
 発光層と障壁層とは接合していることが好ましい。
 その他、本発明の実施における具体的な構造、及び形状等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
 以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本発明はこれら実施例に何ら限定されない。
<化合物>
 実施例1-1~1-2、実施例2-1~2-2、実施例3-1~3-4、実施例4-1~4-8、比較例1-1並びに比較例4-1に係る有機EL素子の製造に用いた一般式(H20)で表される化合物の構造を以下に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000366
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000367
 実施例1-1~1-2、実施例2-1~2-2、実施例3-1~3-4、実施例4-1~4-8、比較例2-1並びに比較例4-1に係る有機EL素子の製造に用いた一般式(H30)で表される化合物の構造を以下に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000368
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000369
 実施例1-1~1-2、実施例2-1~2-2、実施例3-1~3-4、実施例4-1~4-8、比較例1-1、比較例2-1並びに比較例4-1に係る有機EL素子の製造に用いた、他の化合物の構造を以下に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000370
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000371
<有機EL素子の作製>
 有機EL素子を以下のように作製した。
〔実施例1-1〕
 25mm×75mm×1.1mm厚のITO(Indium Tin Oxide)透明電極(陽極)付きガラス基板(ジオマテック株式会社製)をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間行なった。ITO透明電極の膜厚は、130nmとした。
 洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラインが形成されている側の面上に透明電極を覆うようにして化合物HT1及び化合物HA1を共蒸着し、膜厚10nmの正孔注入層を形成した。この正孔注入層中の化合物HT1の割合を97質量%とし、化合物HA1の割合を3質量%とした。
 正孔注入層の上に化合物HT1を蒸着し、膜厚85nmの第一の正孔輸送層を形成した。
 第一の正孔輸送層の上に化合物HT2を蒸着し、膜厚5nmの第二の正孔輸送層(電子障壁層ともいう)を形成した。
 第二の正孔輸送層の上に化合物BH1(第一のホスト材料)及び化合物BD1(第一の発光性化合物)を共蒸着し、膜厚10nmの第一の発光層を形成した。この第一の発光層中の化合物BH1の割合を99質量%とし、化合物BD1の割合を1質量%とした。
 第一の発光層の上に化合物BH-A(第二のホスト材料)、化合物BH-B(第三のホスト材料)及び化合物BD1(第二の発光性化合物)を共蒸着し、膜厚10nmの第二の発光層を形成した。この第二の発光層中の化合物BH-Aの割合を69質量%とし、化合物BH-Bの割合を30質量%とし、化合物BD1の割合を1質量%とした。
 第二の発光層の上に化合物HBLを蒸着し、膜厚5nmの第一の電子輸送層(正孔障壁層ともいう)を形成した。
 第一の電子輸送層の上に化合物ETL及び化合物Liqを共蒸着し、膜厚25nmの第二の電子輸送層を形成した。この第二の電子輸送層中の化合物ETLの割合を50質量%とし、化合物Liqの割合を50質量%とした。
 第二の電子輸送層の上に化合物Liqを蒸着して膜厚1nmの電子注入層を形成した。
 電子注入層の上に金属Alを蒸着して膜厚80nmの陰極を形成した。
 実施例1-1の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130)/HT1:HA1(10,97%:3%)/HT1(85)/HT2(5)/BH1:BD1(10,99%:1%)/BH-A:BH-B:BD1(10,69%:30%:1%)/HBL(5)/ETL:Liq(25,50%:50%)/Liq(1)/Al(80)
 なお、括弧内の数字は、膜厚(単位:nm)を示す。
 実施例1-1の素子構成に関して、同じく括弧内において、パーセント表示された数字(97%:3%)は、正孔注入層における化合物HT1及び化合物HA1の割合(質量%)を示し、パーセント表示された数字(99%:1%)は、第一の発光層における化合物BH1及び化合物BD1の割合(質量%)を示し、パーセント表示された数字(69%:30%:1%)は、第二の発光層における化合物BH-A、化合物BH-B及び化合物BD1の割合(質量%)を示し、パーセント表示された数字(50%:50%)は、第二の電子輸送層における化合物ETL及び化合物Liqの割合(質量%)を示す。以下、同様の表記とする。
〔実施例1-2〕
 実施例1-2の有機EL素子は、第二の発光層中の化合物BH-A及び化合物BH-Bの割合を表1に示す割合に変更したこと以外、実施例1-1の有機EL素子と同様に作製した。
〔比較例1-1〕
 比較例1-1の有機EL素子は、第二の発光層の形成に化合物BH-Bを用いずに、化合物BH-A及び化合物BD1を表1に示す割合に変更して共蒸着して第二の発光層を形成したこと以外、実施例1-1の有機EL素子と同様に作製した。
〔実施例2-1〕
 実施例2-1の有機EL素子は、第二の発光層中の第三のホスト材料としての化合物BH-Bを表1に示す化合物BH-Cに変更したこと以外、実施例1-1の有機EL素子と同様に作製した。
〔実施例2-2〕
 実施例2-2の有機EL素子は、第二の発光層中の化合物BH-A及び化合物BH-Cの割合を表1に示す割合に変更したこと以外、実施例2-1の有機EL素子と同様に作製した。
〔比較例2-1〕
 比較例2-1の有機EL素子は、第二の発光層の形成に化合物BH-Aを用いずに、化合物BH-B及び化合物BD1を表1に示す割合に変更して共蒸着して第二の発光層を形成したこと以外、実施例1-1の有機EL素子と同様に作製した。
〔実施例3-1〕
 実施例3-1の有機EL素子は、第二の発光層中の第三のホスト材料としての化合物BH-Bを表1に示す化合物BH-Dに変更したこと、並びに第二の発光層中の第二のホスト材料(化合物BH-A)及び第三のホスト材料(化合物BH-D)の割合を表1に示す割合に変更したこと以外、実施例1-1の有機EL素子と同様に作製した。
 なお、実施例3-1において、第二の発光層は、第二のホスト材料(化合物BH-A)と第三のホスト材料(化合物BH-D)とを予め混合(プレミックス)した組成物を用い、該組成物と発光性化合物BD1とを共蒸着して形成した。実施例3-1において、1つの蒸着源から2つの材料(第二のホスト材料及び第三のホスト材料)を安定的に蒸着させることができた。
〔実施例3-2~実施例3-4〕
 実施例3-2~実施例3-4の有機EL素子は、それぞれ、第三のホスト材料としての化合物BH-Dを表1に示す化合物に変更したこと以外、実施例3-1の有機EL素子と同様に作製した。実施例3-2~実施例3-4においても、1つの蒸着源から2つの材料(第二のホスト材料及び第三のホスト材料)を安定的に蒸着させることができた。
〔実施例4-1~実施例4-3〕
 実施例4-1~実施例4-3の有機EL素子は、それぞれ、第一の発光層中の第一のホスト材料としての化合物BH1を表2に示す化合物に変更し、第二の発光層中の化合物BH-A及び化合物BH-Bの割合を表2に示す割合に変更したこと以外、実施例1-1の有機EL素子と同様に作製した。
〔実施例4-4~実施例4-5〕
 実施例4-4~実施例4-5の有機EL素子は、それぞれ、第二の発光層中の第二のホスト材料としての化合物BH-Aを表2に示す化合物に変更し、第二の発光層中の第二のホスト材料及び第三のホスト材料の割合を表2に示す割合に変更したこと以外、実施例1-1の有機EL素子と同様に作製した。
〔実施例4-6〕
 実施例4-6の有機EL素子は、第二の発光層中の第二のホスト材料としての化合物BH-Aを表2に示す化合物に変更し、第二の発光層中の第二のホスト材料及び第三のホスト材料の割合を表2に示す割合に変更したこと以外、実施例1-1の有機EL素子と同様に作製した。なお、実施例4-6において、第二の発光層は、第二のホスト材料(化合物BH-I)と第三のホスト材料(化合物BH-B)とを予め混合(プレミックス)した組成物を用い、該組成物と発光性化合物BD1と共蒸着して形成した。実施例4-6において、1つの蒸着源から2つの材料(第二のホスト材料及び第三のホスト材料)を安定的に蒸着させることができた。
〔実施例4-7~実施例4-8〕
 実施例4-7~実施例4-8の有機EL素子は、それぞれ、第二の発光層中の第三のホスト材料としての化合物BH-Bを表2に示す化合物に変更し、第二の発光層中の第二のホスト材料及び第三のホスト材料の割合を表2に示す割合に変更したこと以外、実施例1-1の有機EL素子と同様に作製した。
〔比較例4-1〕
 比較例4-1の有機EL素子は、第一の発光層を形成せずに、第二の正孔輸送層の上に膜厚20nmの第二の発光層を形成したこと以外、実施例4-1の有機EL素子と同様に作製した。
<有機EL素子の評価>
 作製した有機EL素子について、以下の評価を行った。評価結果を表1及び表2に示す。
(外部量子効率EQE)
 所定の電流密度となるように、作製した有機EL素子に電圧を印加した時の分光放射輝度スペクトルを分光放射輝度計CS-2000(コニカミノルタ株式会社製)で計測した。本実施例では、10mA/cm及び0.01mA/cmのそれぞれの電流密度において、分光放射輝度スペクトルを計測した。
 得られた分光放射輝度スペクトルから、ランバシアン放射を行ったと仮定し外部量子効率EQEを算出した。EQEの単位は、%である。
 表1及び表2には、下記数式(数X1)及び(数X2)に基づいて算出したEQEの相対値(相対値RVEQE1及び相対値RVEQE2)を示す。EQEの相対値の単位は、%である。
 下記数式(数X1)で算出される相対値RVEQE1は、電流密度10mA/cm駆動時の比較例1-1の外部量子効率EQE10に対する、電流密度10mA/cm駆動時の各例の外部量子効率EQE10の相対値である。
 RVEQE1=(各例のEQE10/比較例1-1のEQE10)×100 …(数X1)
 下記数式(数X2)で算出される相対値RVEQE2は、電流密度10mA/cm駆動時の比較例1-1の外部量子効率EQE10に対する、電流密度0.01mA/cm駆動時の各例の外部量子効率EQE0.01の相対値である。
 RVEQE2=(各例のEQE0.01/比較例1-1のEQE10)×100 …(数X2)
 さらに、表1及び表2には、各例における相対値RVEQE1に対する相対値RVEQE2のEQE比RVEQE2/RVEQE1を示す。例えば、実施例1-1の場合は、RVEQE1が99%であり、RVEQE2が85%であるので、比RVEQE2/RVEQE1は、0.86である。その他の実施例及び比較例の比RVEQE2/RVEQE1も、実施例1-1の場合と同様に算出した。
(駆動電圧)
 電流密度が10mA/cmとなるように、作製した有機EL素子の陽極と陰極との間に通電したときの電圧を計測した。電圧の単位は、Vである。表1及び表2には、下記数式(数X3)で算出した駆動電圧の差ΔVを示す。
 ΔV=(比較例1-1の駆動電圧)-(各例の駆動電圧) …(数X3)
(寿命LT95)
 作製した有機EL素子に、電流密度が50mA/cmとなるように電圧を印加し、初期輝度に対して輝度が95%となるまでの時間(LT95(単位:時間))を寿命として測定した。輝度は、分光放射輝度計CS-2000(コニカミノルタ株式会社製)を用いて測定した。各例のLT95の測定値、並びに下記数式(数X4)に基づいて、寿命LT95の相対値(相対値RVLT95)を算出した。相対値RVLT95の単位は、%である。
 RVLT95=(各例のLT95/比較例1-1のLT95)×100 …(数X4)
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000372
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000373
 表1及び表2には、比較例1-1の有機EL素子を基準として比較した素子評価が示されている。なお、表1において、基準とした評価データについて(Ref)と表示した。
 表1に示されているように、比較例1-1においては、第二の発光層のホスト材料は、炭化水素系のアントラセン化合物(第二のホスト材料)だけであり、低電流密度(0.01mA/cm)での素子駆動時における発光効率が大きく低下した。10mA/cmでの素子駆動時における発光効率は、比較例2-1よりも高かった。
 比較例2-1においては、第二の発光層のホスト材料は、ヘテロ原子含有環を有するアントラセン化合物(第三のホスト材料)だけであり、EQE比が、0.94であった。このように、比較例2-1によれば、10mA/cmから低電流密度(0.01mA/cm)への電流密度の変化に伴う発光効率の低下は抑制され、さらに、駆動電圧も低下したが、10mA/cmでの素子駆動時における発光効率及び0.01mA/cmでの素子駆動時における発光効率が低かった。
 実施例1-1~1-2、2-1~2-2、3-1~3-4並びに4-1~4-8においては、第二の発光層が、炭化水素系のアントラセン化合物及びヘテロ原子含有環を有するアントラセン化合物の両方を含有していた。その結果、実施例1-1~1-2、2-1~2-2、3-1~3-4並びに4-1~4-8においては、低電流密度(0.01mA/cm)での素子駆動時における発光効率の低下が改善した。実施例1-1~1-2、2-1~2-2、3-1~3-4並びに4-1~4-8の有機EL素子においては、10mA/cmでの素子駆動時における発光効率は、比較例2-1のように低下せずに、比較例1-1と同様に高く、寿命は、比較例1-1と比べて、長寿命化した。比較例4-1の有機EL素子は、発光層として第一の発光層を有さず、第二の発光層のみを有し、第一の発光層及び第二の発光層を有する実施例1-1~1-2、2-1~2-2、3-1~3-4並びに4-1~4-8の有機EL素子は、比較例4-1と比べて、長寿命化した。実施例1-1~1-2、2-1~2-2、3-1~3-4並びに4-1~4-7の有機EL素子においては、駆動電圧は、比較例1-1と比べて、低下した。
<化合物の評価>
 実施例及び比較例の素子作製に用いた化合物を以下の方法で評価した。
(三重項エネルギーT
 測定対象となる化合物をEPA(ジエチルエーテル:イソペンタン:エタノール=5:5:2(容積比))中に、濃度が10μmol/Lとなるように溶解して溶液を得て、この溶液を石英セル中に入れて測定試料とした。この測定試料について、低温(77[K])で燐光スペクトル(縦軸:燐光発光強度、横軸:波長とする。)を測定し、この燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値λedge[nm]に基づいて、次の換算式(F1)から算出されるエネルギー量を三重項エネルギーTとした。なお、三重項エネルギーTは、測定条件によっては上下0.02eV程度の誤差が生じ得る。
  換算式(F1):T[eV]=1239.85/λedge
 燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線は以下のように引く。燐光スペクトルの短波長側から、スペクトルの極大値のうち、最も短波長側の極大値までスペクトル曲線上を移動する際に、長波長側に向けて曲線上の各点における接線を考える。この接線は、曲線が立ち上がるにつれ(つまり縦軸が増加するにつれ)、傾きが増加する。この傾きの値が極大値をとる点において引いた接線(すなわち変曲点における接線)が、当該燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線とする。
 なお、スペクトルの最大ピーク強度の15%以下のピーク強度をもつ極大点は、上述の最も短波長側の極大値には含めず、最も短波長側の極大値に最も近い、傾きの値が極大値をとる点において引いた接線を当該燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線とする。
 燐光の測定には、(株)日立ハイテクノロジー製のF-4500形分光蛍光光度計本体を用いた。
(一重項エネルギーS
 測定対象となる化合物の10μmol/Lトルエン溶液を調製して石英セルに入れ、常温(300K)でこの試料の吸収スペクトル(縦軸:吸収強度、横軸:波長とする。)を測定した。この吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値λedge[nm]を次に示す換算式(F2)に代入して一重項エネルギーを算出した。
  換算式(F2):S[eV]=1239.85/λedge
 吸収スペクトル測定装置としては、日立社製の分光光度計(装置名:U3310)を用いた。
 吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対する接線は以下のように引く。吸収スペクトルの極大値のうち、最も長波長側の極大値から長波長方向にスペクトル曲線上を移動する際に、曲線上の各点における接線を考える。この接線は、曲線が立ち下がるにつれ(つまり縦軸の値が減少するにつれ)、傾きが減少しその後増加することを繰り返す。傾きの値が最も長波長側(ただし、吸光度が0.1以下となる場合は除く)で極小値をとる点において引いた接線を当該吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対する接線とする。
 なお、吸光度の値が0.2以下の極大点は、上記最も長波長側の極大値には含めない。
 化合物の三重項エネルギーTは、化合物の母骨格によって、ほぼ決まる。アントラセン骨格を有する化合物の三重項エネルギーTは、1.85eV程度と推定される。第二のホスト材料としての化合物BH-A、BH-H、D-BH-H及びBH-I、並びに第三のホスト材料としての化合物BH-B、BH-C、BH-D、BH-E、BH-F、BH-G、BH-J及びBH-Kは、いずれもアントラセン骨格を有する。化合物BH-H、D-BH-H、BH-I、及びBH-Jの三重項エネルギーTは、表3に記載の通り、1.82eV~1.90eVの範囲内であった。そのため、これら化合物BH-A、BH-B、BH-C、BH-D、BH-E、BH-F、BH-G、及びBH-Kの三重項エネルギーTも1.85eV程度と推定される。
 第一のホスト材料としての化合物BH1、D-BH1及びBH3の三重項エネルギーTが2.09eVであり、化合物BH2の三重項エネルギーTが2.08eVであるため、実施例1-1~1-2、実施例2-1~2-2、実施例3-1~3-4並びに実施例4-1~4-8の有機EL素子において、第一のホスト材料、第二のホスト材料及び第三のホスト材料は、数式(数1)及び(数2)の関係を満たしているか、又は満たしていると推定される。
 表3に一重項エネルギーS及び三重項エネルギーTの値を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000374
(蛍光発光最大ピーク波長(FL-peak)の測定)
 測定対象となる化合物を、4.9×10-6mol/Lの濃度でトルエンに溶解し、トルエン溶液を調製した。蛍光スペクトル測定装置(分光蛍光光度計F-7000(株式会社日立ハイテクサイエンス製))を用いて、トルエン溶液を390nmで励起した場合の蛍光発光最大ピーク波長λ(単位:nm)を測定した。
 化合物BD1の蛍光発光最大ピーク波長λは、445nmであった。
 1…有機エレクトロルミネッセンス素子、1A…有機エレクトロルミネッセンス素子、10…有機層、10A…有機層、2…基板、3…陽極、4…陰極、5…発光領域、5A…発光領域、51…第一の発光層、52…第二の発光層、61…正孔注入層、62…正孔輸送層、71…電子輸送層、72…電子注入層。

Claims (35)

  1.  有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
     陽極と、
     陰極と、
     前記陽極及び前記陰極の間に配置された発光領域と、を有し、
     前記発光領域は、第一の発光層と、第二の発光層と、を含み、
     前記第二の発光層の膜厚DEM2に対する前記第一の発光層の膜厚DEM1の比DEM1/DEM2は、2/3以上3/2以下であり、
     前記第一の発光層は、第一のホスト材料及び第一の発光性化合物を含有し、
     前記第二の発光層は、第二のホスト材料、第三のホスト材料及び第二の発光性化合物を含有し、
     前記第一のホスト材料と前記第二のホスト材料と前記第三のホスト材料とは、互いに異なり、
     前記第一の発光性化合物と前記第二の発光性化合物とは、互いに同一であるか又は異なり、
     前記第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)と前記第二のホスト材料の三重項エネルギーT(H2)とが、下記数式(数1)の関係を満たし、
     前記第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)と前記第三のホスト材料の三重項エネルギーT(H3)とが、下記数式(数2)の関係を満たし、
     前記第二のホスト材料が下記一般式(H20)で表される化合物であり、
     前記第三のホスト材料が下記一般式(H30)で表される化合物である、
     有機エレクトロルミネッセンス素子。
      T(H1)>T(H2) …(数1)
      T(H1)>T(H3) …(数2)
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001

    (前記一般式(H20)において、
     R201~R208は、それぞれ独立に、
      水素原子、
      置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
      置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
      置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
      置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
      置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
      -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
      -O-(R904)で表される基、
      -S-(R905)で表される基、
      -N(R906)(R907)で表される基、
      ハロゲン原子、
      シアノ基、
      ニトロ基、
      置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
      下記一般式(H21)で表される基である。)
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002

    (前記一般式(H20)及び(H21)において、
     L201、L202及びL203は、それぞれ独立に、
      単結合、又は
      置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基であり、
     Ar201、Ar202及びAr203は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。)
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003

    (前記一般式(H30)中、
     Xは、酸素原子又は硫黄原子であり、
     3つのR310のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
      互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
      互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
      互いに結合せず、
     R311~R314のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
      互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
      互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
      互いに結合せず、
     R301~R308、並びに前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR310~R314は、
      水素原子、
      置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
      置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
      置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
      置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
      置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
      -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
      -O-(R904)で表される基、
      -S-(R905)で表される基、
      -N(R906)(R907)で表される基、
      ハロゲン原子、
      シアノ基、
      ニトロ基、
      置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
      置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
     L301及びL302は、それぞれ独立に、
      単結合、
      置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
      置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
     Ar301は、
      置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
      置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
    (前記第二のホスト材料及び前記第三のホスト材料中、R901、R902、R903、R904、R905、R906及びR907は、それぞれ独立に、
      水素原子、
      置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
      置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
      置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
      置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
     R901が複数存在する場合、複数のR901は、互いに同一であるか又は異なり、
     R902が複数存在する場合、複数のR902は、互いに同一であるか又は異なり、
     R903が複数存在する場合、複数のR903は、互いに同一であるか又は異なり、
     R904が複数存在する場合、複数のR904は、互いに同一であるか又は異なり、
     R905が複数存在する場合、複数のR905は、互いに同一であるか又は異なり、
     R906が複数存在する場合、複数のR906は、互いに同一であるか又は異なり、
     R907が複数存在する場合、複数のR907は、互いに同一であるか又は異なる。)
  2.  前記第二の発光層中の前記第二のホスト材料の質量MH2及び前記第三のホスト材料の質量MH3の合計MH2+MH3に対する前記第三のホスト材料の質量MH3の質量百分率は、5質量%以上、60質量%以下である、
     請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3.  前記第二の発光層の膜厚DEM2に対する前記第一の発光層の膜厚DEM1の比DEM1/DEM2は、0.75以上、1.25以下である、
     請求項1又は請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4.  R311~R314のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換のベンゼン環を形成する、
     請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5.  前記第三のホスト材料が、下記一般式(H31)、(H32)又は(H33)で表される化合物である、
     請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004

    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005

    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006

    (前記一般式(H31)、(H32)及び(H33)において、X、R301~R308、R310~R314、L301、L302及びAr301は、それぞれ、前記一般式(H30)で定義した通りであり、
     R321~R324は、それぞれ独立に、
      水素原子、
      置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
      置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
      置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
      置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
      置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
      -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
      -O-(R904)で表される基、
      -S-(R905)で表される基、
      -N(R906)(R907)で表される基、
      ハロゲン原子、
      シアノ基、
      ニトロ基、
      置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
      置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
  6.  前記第三のホスト材料が、下記一般式(H301)又は(H302)で表される化合物である、
     請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007

    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008
    (前記一般式(H301)及び(H302)において、X、R301~R308、R311~R314、L301、L302及びAr301は、それぞれ、前記一般式(H30)で定義した通りであり、
     R315~R317のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
      互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
      互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
      互いに結合せず、
     前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR315~R317は、それぞれ独立に、
      水素原子、
      置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
      置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
      置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
      置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
      置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
      -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
      -O-(R904)で表される基、
      -S-(R905)で表される基、
      -N(R906)(R907)で表される基、
      ハロゲン原子、
      シアノ基、
      ニトロ基、
      置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
      置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
  7.  前記第三のホスト材料のL301及びL302が、それぞれ独立に、単結合、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6~14のアリーレン基である、
     請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8.  前記第三のホスト材料のL301及びL302が、それぞれ独立に、単結合、置換もしくは無置換のフェニレン基、又は置換もしくは無置換のナフチレン基である、
     請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9.  前記第三のホスト材料のAr301が、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である、
     請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10.  前記第三のホスト材料のXが酸素原子である、
     請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  11.  前記第二のホスト材料は、分子中に、4つ以上の環が縮合した置換もしくは無置換のアリール基を少なくとも1つ有する、
     請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  12.  前記第二のホスト材料のAr201、Ar202及びAr203の少なくともいずれかが、4つ以上の環が縮合した置換もしくは無置換のアリール基である、
     請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  13.  前記第二のホスト材料のAr201又はAr202が4つ以上の環が縮合した置換もしくは無置換のアリール基である、
     請求項12に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  14.  前記第二のホスト材料が分子中に有する4つ以上の環が縮合した置換もしくは無置換のアリール基は、ピレン骨格、ベンズアントラセン骨格、クリセン骨格、ベンゾクリセン骨格、ベンゾフルオレン骨格、フルオランテン骨格、ベンゾフルオランテン骨格、トリフェニレン骨格、ベンゾトリフェニレン骨格及びベンゾフェナントレン骨格からなる群から選択される少なくともいずれかの骨格を含む、
     請求項11から請求項13のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  15.  前記第二のホスト材料のL201、L202及びL203は、それぞれ独立に、単結合、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6~14のアリーレン基である、
     請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  16.  前記第二のホスト材料のL201、L202及びL203は、それぞれ独立に、単結合、置換もしくは無置換のフェニレン基、又は置換もしくは無置換のナフチレン基である、
     請求項15に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  17.  前記第二のホスト材料は、分子中に、置換もしくは無置換の複素環基を含まない、
     請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  18.  前記第二のホスト材料及び前記第三のホスト材料が、単一の第二の発光層中に含まれる、
     請求項1から請求項17のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  19.  前記第一のホスト材料は、分子中に、単結合で連結されたベンゼン環とナフタレン環とを含む連結構造を有し、
     前記連結構造中の前記ベンゼン環及び前記ナフタレン環には、それぞれ独立に、さらに単環又は縮合環が縮合しているか又は縮合しておらず、
     前記連結構造中の前記ベンゼン環と前記ナフタレン環とが、前記単結合以外の少なくとも1つの部分において架橋によりさらに連結している、
     請求項1から請求項18のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  20.  前記架橋が二重結合を含む、
     請求項19に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  21.  前記第一のホスト材料は、分子中に、第一のベンゼン環と第二のベンゼン環とが単結合で連結されたビフェニル構造を有し、
     前記ビフェニル構造中の前記第一のベンゼン環と前記第二のベンゼン環とが、前記単結合以外の少なくとも1つの部分において架橋によりさらに連結している、
     請求項1から請求項18のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  22.  前記ビフェニル構造中の前記第一のベンゼン環と前記第二のベンゼン環とが、前記単結合以外の1つの部分において前記架橋によりさらに連結している、
     請求項21に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  23.  前記架橋が二重結合を含む、
     請求項21又は請求項22に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  24.  前記ビフェニル構造中の前記第一のベンゼン環と前記第二のベンゼン環とが、前記単結合以外の2つの部分において前記架橋によりさらに連結し、
     前記架橋が二重結合を含まない、
     請求項21に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  25.  正孔輸送層が、前記陽極と前記発光領域との間に配置されている、
     請求項1から請求項24のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  26.  電子輸送層が、前記陰極と前記発光領域との間に配置されている、
     請求項1から請求項25のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  27.  前記第一の発光層と前記第二の発光層とが、直接、接している、
     請求項1から請求項26のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  28.  前記第一の発光層が、前記陽極と前記第二の発光層との間に配置されている、
     請求項1から請求項27のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  29.  前記第一の発光性化合物及び前記第二の発光性化合物は、それぞれ独立に、最大ピーク波長が500nm以下の発光を示す化合物である、
     請求項1から請求項28のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  30.  請求項1から請求項29のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した、電子機器。
  31.  下記一般式(H20)で表される化合物と、下記一般式(H30)で表される化合物と、を含み、下記一般式(H20)で表される化合物と、下記一般式(H30)で表される化合物が異なる化合物である、組成物。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000009

    (前記一般式(H20)において、
     R201~R208は、それぞれ独立に、
      水素原子、
      置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
      置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
      置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
      置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
      置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
      -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
      -O-(R904)で表される基、
      -S-(R905)で表される基、
      -N(R906)(R907)で表される基、
      ハロゲン原子、
      シアノ基、
      ニトロ基、
      置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
      下記一般式(H21)で表される基である。)
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000010

    (前記一般式(H20)及び(H21)において、
     L201、L202及びL203は、それぞれ独立に、
      単結合、又は
      置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基であり、
     Ar201、Ar202及びAr203は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
     Ar201、Ar202及びAr203の少なくともいずれかが、4つ以上の環が縮合した置換もしくは無置換のアリール基である。)
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000011

    (前記一般式(H30)中、
     Xは、酸素原子又は硫黄原子であり、
     3つのR310のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
      互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
      互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
      互いに結合せず、
     R311~R314のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
      互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
      互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
      互いに結合せず、
     R301~R308、並びに前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR310~R314は、
      水素原子、
      置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
      置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
      置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
      置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
      置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
      -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
      -O-(R904)で表される基、
      -S-(R905)で表される基、
      -N(R906)(R907)で表される基、
      ハロゲン原子、
      シアノ基、
      ニトロ基、
      置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
      置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
     L301及びL302は、それぞれ独立に、
      単結合、
      置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
      置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
     Ar301は、
      置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
      置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
    (前記一般式(H20)で表される化合物及び前記一般式(H30)で表される化合物中、R901、R902、R903、R904、R905、R906及びR907は、それぞれ独立に、
      水素原子、
      置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
      置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
      置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
      置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
     R901が複数存在する場合、複数のR901は、互いに同一であるか又は異なり、
     R902が複数存在する場合、複数のR902は、互いに同一であるか又は異なり、
     R903が複数存在する場合、複数のR903は、互いに同一であるか又は異なり、
     R904が複数存在する場合、複数のR904は、互いに同一であるか又は異なり、
     R905が複数存在する場合、複数のR905は、互いに同一であるか又は異なり、
     R906が複数存在する場合、複数のR906は、互いに同一であるか又は異なり、
     R907が複数存在する場合、複数のR907は、互いに同一であるか又は異なる。)
  32.  前記組成物中の前記一般式(H20)で表される化合物の質量MC2及び前記一般式(H30)で表される化合物の質量MC3の合計MC2+MC3に対する前記一般式(H30)で表される化合物の質量MC3の質量百分率は、5質量%以上、60質量%以下である、
     請求項31に記載の組成物。
  33.  前記一般式(H20)で表される化合物のAr201又はAr202が4つ以上の環が縮合した置換もしくは無置換のアリール基である、
     請求項31又は請求項32に記載の組成物。
  34.  前記一般式(H20)で表される化合物が分子中に有する4つ以上の環が縮合した置換もしくは無置換のアリール基は、ピレン骨格、ベンズアントラセン骨格、クリセン骨格、ベンゾクリセン骨格、ベンゾフルオレン骨格、フルオランテン骨格、ベンゾフルオランテン骨格、トリフェニレン骨格、ベンゾトリフェニレン骨格及びベンゾフェナントレン骨格からなる群から選択される少なくともいずれかの骨格を含む、
     請求項31から請求項33のいずれか一項に記載の組成物。
  35.  前記一般式(H20)で表される化合物のAr201又はAr202が、下記一般式(b20)で表される基である、
     請求項31から請求項34のいずれか一項に記載の組成物。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000012

    (前記一般式(b20)において、R211~R224のいずれか1つがL201又はL202との結合位置を示し、L201又はL202との結合位置ではないR211~R224は、それぞれ独立に、
      水素原子、
      置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
      置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
      置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
      置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
      置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
      -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
      -O-(R904)で表される基、
      -S-(R905)で表される基、
      -N(R906)(R907)で表される基、
      ハロゲン原子、
      シアノ基、
      ニトロ基、又は
      置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。)
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