WO2023032111A1

WO2023032111A1 - 自動車用サンバイザ

Info

Publication number: WO2023032111A1
Application number: PCT/JP2021/032227
Authority: WO
Inventors: 珊呉
Original assignee: 河西工業株式会社
Priority date: 2021-09-02
Filing date: 2021-09-02
Publication date: 2023-03-09
Also published as: JPWO2023032111A1

Abstract

【課題】サンバイザ内に組込まれるハーネスのバタツキ、挟み込み、断線、ハーネス先端の半田付け部の外れを防止するのに好適な自動車用サンバイザを提供する。【解決手段】自動車用サンバイザＳＶは、ミラー収容凹部２の内底面に設けたハーネス収容溝３と、ハーネス収容溝に開設されたハーネス挿入穴４とを備え、そのハーネス収容溝に沿って配置されたハーネスＨＶの一部が折り曲げられてハーネス挿入穴４に差し込み挿入された状態になるものとする。ハーネスの余長部ＨＶ（具体的には、前記のように折り曲げられてハーネス挿入穴に差し込み挿入された部分）は、その折り曲げに対する弾性復元力とこれに基づいて該ハーネスがハーネス収容穴の縁部から受ける力との釣り合いによって、力学的に静止し、位置決め固定された状態になる。

Description

自動車用サンバイザ

　本発明は、自動車の室内に取付けられる自動車用サンバイザに関し、特に、そのサンバイザ内に組込まれるハーネスのバタツキ、挟み込み、断線、半田付けの外れを防止するのに好適なものである。

　従来、この種の自動車用サンバイザとしては、例えば、特許文献１に記載の自動車用サンバイザ（図１参照）が知られている。

　同文献１に記載の自動車用サンバイザ（以下「従来のサンバイザ」という）は、サンバイザ本体（１）の表面に凹部（１ｆ）を有し、この凹部（１ｆ）内にミラー（２ｂ）や照明ランプ（２ｃ）を配置する構成、及び、ハーネス（６）を介して照明ランプ（２ｃ）に給電する構成を採用している。

　前記のような従来のサンバイザにおいて、例えば、ハーネス（６）の一端側を照明ランプ（２ｃ）の給電端子に半田付けで接続する場合は、その半田付け作業性を考慮して、凹部（１ｆ）内でハーネス（６）に余長を設ける必要がある。凹部（１ｆ）内で余長のないハーネス（６）を照明ランプ（２ｃ）の給電端子に半田付けする作業は、困難だからである。

　しかし、前記のようなハーネス（６）の余長を放置しておくと、例えば自動車走行時の振動によって、その余長の範囲でハーネス（６）にバタツキが生じたり、バタツキによって異音が発生したりするほか、半田付け部の外れが生じるおそれもある。また、ミラー（２ｂ）もハーネス（６）も同じ凹部（１ｆ）内に配置されるので、ミラー（２ｂ）を凹部（１ｆ）に配置する際に、ハーネス（６）の余長部を挟み込んでしまったり、その挟み込みによってハーネス（６）に断線が生じたりする等の問題点もある。

特許４３０７１０３号公報

　本発明は、前記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、サンバイザ内に組込まれるハーネスのバタツキ、挟み込み、断線、半田付け部の外れを防止するのに好適な自動車用サンバイザを提供することである。

　前記目的を達成するために、本発明は、自動車の室内に取付けられる自動車用サンバイザであって、遮光手段として機能するサンバイザ本体と、前記サンバイザ本体の表面に設けたミラー収容凹部と、前記ミラー収容凹部の内底面に設けたハーネス収容溝と、前記ハーネス収容溝に開設されたハーネス挿入穴と、を備え、前記ハーネス収容溝に沿って配置されたハーネスの一部が折り曲げられて前記ハーネス挿入穴に差し込み挿入された状態になっていることを特徴とする。

　前記本発明において、前記ハーネスは、その折り曲げに対する弾性復元力を有し、前記ハーネスの折り曲げに対する弾性復元力とこれに基づいて該ハーネスが前記ハーネス収容穴の縁部から受ける力との釣り合いによって、前記ハーネスの余長部は、前記ハーネス収容穴に差し込み挿入された状態で力学的に静止し、位置決め固定されていることを特徴としてもよい。

　前記本発明において、前記サンバイザ本体は、前記ハーネス収容溝内に突出した第１の爪または第２の爪若しくはその両方の爪を具備し、前記第１の爪は、前記ハーネス収容溝の幅方向における前記ハーネスのバタツキを抑制する手段として機能し、前記第２の爪は、前記ハーネス収容溝の高さ方向における前記ハーネスのバタツキを抑制する手段として機能することを特徴としてもよい。

　前記本発明において、前記ハーネス収容溝は、内底面と該内底面から立ち上がった立壁とを有する形状とし、かつ、その立壁の一部が湾曲した湾曲面として構成され、前記ハーネス挿入穴は、前記湾曲面に沿って湾曲した長穴で構成されていることを特徴としてもよい。

　前記本発明において、前記ハーネス挿入穴は、前記ハーネス収容溝の内底面、又は、その立壁、若しくは、その内底面と立壁の境界部に開設されていることを特徴としてもよい。

　本発明では、自動車用サンバイザの具体的な構成として、前述の通り、ミラー収容凹部の内底面に設けたハーネス収容溝と、ハーネス収容溝に開設されたハーネス挿入穴とを備える構成、および、そのハーネス収容溝に沿って配置されたハーネスの一部が折り曲げられて前記ハーネス挿入穴に差し込み挿入された状態になる構成を採用した。このため、当該ハーネスの余長部（具体的には、前記のように折り曲げられてハーネス挿入穴に差し込み挿入された部分）が、その折り曲げに対する弾性復元力とこれに基づいて該ハーネスがハーネス収容穴の縁部から受ける力との釣り合いによって、力学的に静止し、位置決め固定された状態になる。したがって、サンバイザの組立て作業時において、ミラー収容凹部とこれに収容されるミラーとの間にハーネスを挟み込んでしまうおそれや、挟み込みによってハーネスに断線が生じるおそれがなくなる他、自動車走行中におけるハーネスのバタツキや、そのバタツキによる異音の発生を効果的に防止することができ、さらに、ハーネスの余長部より先に位置するハーネス先端の半田付け部が引っ張られる或いは振動で外れてしまうという不具合も効果的に防止できる点で、サンバイザ内に組込まれるハーネスの挟み込み、断線、バタツキ、ハーネス半田付け部の外れを防止するのに好適な自動車用サンバイザを提供し得る。

（ａ）は本発明を適用した自動車用サンバイザの側面図、（ｂ）は同サンバイザの表面図、（ｃ）は同サンバイザの裏面図。図１の自動車用サンバイザにおけるミラー収容凹部付近の拡大図。図２中のＡ矢視断面図。図２中のＢ矢視断面図。本発明の他の実施形態の説明図。

　以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。

　図１（ａ）は本発明を適用した自動車用サンバイザの側面図、同図（ｂ）は同サンバイザの表面図、同図（ｃ）は同サンバイザの裏面図である。また、図２は図１の自動車用サンバイザにおけるミラー収容凹部付近の拡大図、図３は図２中のＡ矢視断面図、図４は図２中のＢ矢視断面図である。

　図１から図４を参照すると、図１の自動車用サンバイザＳＶは、遮光手段として機能するサンバイザ本体１と、サンバイザ本体１の表面に設けたミラー収容凹部２と、ミラー収容凹部２の内底面に設けたハーネス収容溝３と、ハーネス収容溝３に開設されたハーネス挿入穴４と、を備え、ハーネス収容溝３に沿って配置されたハーネスＨＡの一部が折り曲げられてハーネス挿入穴４に差し込み挿入された状態になっている（図２、図４参照）。

　図１の自動車用サンバイザＳＶは、サンバイザ支持軸７周りにサンバイザ本体１が所定角度で回転動作をすることにより開閉する。その開時には、サンバイザ本体１が天井から降りてきて、フロントガラスと搭乗者の間に配置される。

　ハーネスＨＡは、その折り曲げに対する弾性復元力を有している。そして、ハーネスＨＡの折り曲げに対する弾性復元力とこれに基づいて該ハーネスＨＡがハーネス収容穴４の縁部から受ける力との釣り合いによって、ハーネスＨＡの余長部ＨＡ１、具体的には前記のように折り曲げられてハーネス挿入穴４に差し込み挿入された部分は、図２のようにハーネス収容穴４に差し込み挿入された状態で力学的に静止し、位置決め固定されるように構成してある。

　サンバイザ本体１の具体的な実施形態として、図１の自動車用サンバイザＳＶでは、かかるサンバイザ本体１は、その厚さ方向に分割された樹脂製の第１のサンバイザベース部品１Ａと第２のサンバイザベース部品１Ｂとを接合し、接合した状態で中空となるように形成してある。そして、前述のミラー収容凹部２、ハーネス収容溝３、およびハーネス挿入穴４はいずれも、第１のサンバイザベース部品１Ａの表面（意匠面）に設けている。また、ミラー収容凹部２の上部開口には、図示しない蓋（リッド）が開閉可能に取付けられている。

　ミラー収容凹部２は、その内底面にミラー設置面２Ａを有しており、このミラー設置面２ＡにミラーＭＲを取付けるように構成してある。ミラー設置面２Ａの具体的な構成例として、図１の自動車用サンバイザでは、ミラー収容凹部２の内底面より少し高い位置にミラー設置面２Ａを設けているが、これに限定されることはない。

　図３を参照すると、ハーネス収容溝３は、その内底面３Ａをミラー設置面２Ａより少し低い位置に設けることで、ミラー設置面２Ａ上に取付けられるミラーＭＲとハーネス収容溝３内に配置されるハーネスＨＡが相互に干渉しないように構成している。要するに、図１の自動車用サンバイザＳＶでは、ミラー設置面２Ａもハーネス収容溝３も前述の通りハーネス収容溝３の内底面３Ａに設けられるが、ミラー設置面２Ａよりもハーネス収容溝３の内底面３Ａの方が低い位置となるように構成してある。

　図２を参照すると、ハーネス収容溝３の具体的な実施形態として、図１の自動車用サンバイザＳＶにでは、かかるハーネス収容溝３は、前述の内底面３Ａと該内底面３Ａから立ち上がった左右の立壁３Ｂ、３Ｃとを有する形状とし、かつ、その立壁３Ｂの一部を円弧状に湾曲した形状の湾曲面３Ｄとして構成してある。

　また、ハーネス挿入穴４の具体的な実施形態として、図１の自動車用サンバイザＳＶでは、ハーネス挿入穴４は、先に説明した湾曲面３Ｄに沿って湾曲した形状の長孔４１（図２参照）で構成したが、これに限定されることはない。ハーネス挿入穴４の形状、大きさ等は必要に応じて適宜変更することができる。長孔４１以外の形状の穴、例えば円形の穴を採用することも可能である。

　また、図１の自動車用サンバイザＳＶでは、ハーネス挿入穴４は、ハーネス収容溝３の内底面に開設してある（以下「第１例」という）。その開設位置は、必要に応じて適宜変更することができる。例えば、図５は、ハーネス収容溝３の立壁３Ｂにハーネス挿入穴４を開設した例（以下「第２例」という）である。これら第１例、第２例とは別に、図示は省略するが、ハーネス収容溝３の内底面３Ａと立壁面３Ｂの境界部にハーネス挿入穴４を開設する構成例（以下「第３例」という）も採用し得る。

　ハーネス収容溝３の第１、第２のサンバイザベース部品１Ａは金型による樹脂成形によって製造される。この際、先に説明したミラー収容凹部２、ハーネス収容溝３、ハーネス挿入穴４は第１のサンバイザベース部品１Ａと一体に金型で成形される。この点を考慮すると、先に説明した第１例、第２例、第３例のうち、第１例が最も成形し易いと考えられる。

　図２および図３を参照すると、サンバイザ本体１は、さらに、ハーネス収容溝３内に突出した第１の爪５１と第２の爪５１を具備している。

　第１の爪５１は、図３に示したように、ハーネス収容溝３の立壁３Ｃとの間に所定の隙間を形成し、この隙間にハーネスＨＡを通すことで、ハーネス収容溝３の幅方向におけるハーネスＨＡのバタツキを抑制する手段として機能する。

　この一方、第２の爪５２は、図３に示したように、ハーネス収容溝３の内底面との間に所定の隙間を形成し、この隙間にハーネスＨＡを通すことで、ハーネス収容溝３の高さ方向（サンバイザ本体１の厚さ方向）におけるハーネスＨＡのバタツキを抑制する手段として機能する。

　図１および図２を参照すると、図１の自動車用サンバイザＳＶは、ミラーＭＲを覆う図示しないリッド（蓋）の開閉動作に連動して車内天井の照明をＯＮ、ＯＦＦする手段として、スイッチ部６を有している。なお、照明は車内天井以外の位置にあってもよい。

　スイッチ部６の具体的な構成例として、図１の自動車用サンバイザＳＶでは、（１）ミラー設置面２Ａの一部に一対の窪み６Ａ、６Ｂを形成し、各窪み６Ａ、６Ｂに金属板状の固定接点６１、６２を取付ける構成、（２）一方の固定接点６１の端部に設けた撓み変形可能な可動接点（スイッチ本体）６３が、前記リッドを開いたときに、該リッドの突起で押圧されて変形して、他方の固定接点６２の端部に当接することで、固定接点６１、６２間が導通し、スイッチＯＮの状態になる構成、および（３）前記リッドを閉じたときに、前記リッドの突起による前記可動接点（スイッチ本体）６３の押圧が解除され、該可動接点（スイッチ本体）６３が押圧前の元の形状に弾性復帰することで、当該可動接点（スイッチ本体）６３が他方の固定接点６２から離れ、スイッチＯＦＦの状態になる構成を採用した。

　前記のようなスイッチ部６を採用した図１の自動車用サンバイザＳＶでは、先に説明したハーネスＨＡの先端は、固定接点６１、６２に半田付けで固定されることにより、半田付け部ＨＤを構成する。同ハーネスＨＡの他端は、筒状のサンバイザ支持軸７を通って図示しない照明回路に接続される。

　以上説明した本実施形態の自動車用サンバイザＳＶにあっては、前述の通り、ミラー収容凹部２の内底面に設けたハーネス収容溝３と、ハーネス収容溝３に開設されたハーネス挿入穴４とを備える構成、および、そのハーネス収容溝３に沿って配置されたハーネスＨＡの一部が折り曲げられてハーネス挿入穴４に差し込み挿入された状態になる構成を採用した。このため、当該ハーネスＨＡの余長部ＨＡ１が、その折り曲げに対する弾性復元力とこれに基づいて該ハーネスＨＡがハーネス収容穴４の縁部から受ける力との釣り合いによって、力学的に静止し、位置決め固定された状態になる。したがって、サンバイザＳＶの組立て作業時において、ミラー収容凹部２とこれに収容されるミラーＭＲとの間にハーネスＨＡを挟み込んでしまうおそれや、挟み込みによってハーネスＨＡに断線が生じるおそれがなくなる他、自動車走行中におけるハーネスＨＡのバタツキや、そのバタツキによる異音の発生を効果的に防止することができ、さらに、ハーネスＨＡの余長部ＨＡ１より先に位置するハーネス先端の半田付け部ＨＤが引っ張られる或いは振動で外れてしまうという不具合も効果的に防止できる。

　本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により多くの変形が可能である。

１　サンバイザ本体
１Ａ　第１のサンバイザベース部品
１Ｂ　第２のサンバイザベース部品
２　ミラー収容凹部
２Ａ　ミラー設置面
３　ハーネス収容溝
３Ａ　ハーネス収容溝の内底面
３Ｂ、３Ｃ　ハーネス収容溝の立壁
３Ｄ　立壁の湾曲面
４　ハーネス挿入穴
４１　長穴
５１　第１の爪
５２　第２の爪
６　スイッチ部
７　サンバイザ支持軸
ＳＶ　自動車用サンバイザ
ＨＡ　ハーネス
ＨＡ１　ハーネスの余長部
ＨＤ　半田付け部
ＭＲ　ミラー

Claims

　自動車の室内に取付けられる自動車用サンバイザであって、
　遮光手段として機能するサンバイザ本体と、
　前記サンバイザ本体の表面に設けたミラー収容凹部と、
　前記ミラー収容凹部の内底面に設けたハーネス収容溝と、
　前記ハーネス収容溝に開設されたハーネス挿入穴と、を備え、
　前記ハーネス収容溝に沿って配置されたハーネスの一部が折り曲げられて前記ハーネス挿入穴に差し込み挿入された状態になっていること
　を特徴とする自動車用サンバイザ。
　前記ハーネスは、その折り曲げに対する弾性復元力を有し、
　前記ハーネスの折り曲げに対する弾性復元力とこれに基づいて該ハーネスが前記ハーネス収容穴の縁部から受ける力との釣り合いによって、前記ハーネスの余長部は、前記ハーネス収容穴に差し込み挿入された状態で力学的に静止し、位置決め固定されていること
　を特徴とする請求項１に記載の自動車用サンバイザ。
　前記サンバイザ本体は、前記ハーネス収容溝内に突出した第１の爪または第２の爪若しくはその両方の爪を具備し、
　前記第１の爪は、前記ハーネス収容溝の幅方向における前記ハーネスのバタツキを抑制する手段として機能し、
　前記第２の爪は、前記ハーネス収容溝の高さ方向における前記ハーネスのバタツキを抑制する手段として機能すること
　を特徴とする請求項１に記載の自動車用サンバイザ。
　前記ハーネス収容溝は、内底面と該内底面から立ち上がった立壁とを有する形状とし、かつ、その立壁の一部が湾曲した湾曲面として構成され、
　前記ハーネス挿入穴は、前記湾曲面に沿って湾曲した長穴で構成されていること
　を特徴とする請求項１に記載の自動車用サンバイザ。
　前記ハーネス挿入穴は、前記ハーネス収容溝の内底面、又は、その立壁、若しくは、その内底面と立壁の境界部に開設されていること
　を特徴とする請求項１に記載の自動車用サンバイザ。