WO2023032030A1 - アニオン含有無機固体材料の製造方法およびアニオン含有無機固体材料の製造装置 - Google Patents

アニオン含有無機固体材料の製造方法およびアニオン含有無機固体材料の製造装置 Download PDF

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Abstract

このアニオン含有無機固体材料の製造方法は、電極と、固体電解質層と、被ドープ材料を含むドーピング対象層と、がこの順に積層された積層体を形成する積層工程と、前記ドーピング対象層の電位が前記電極の電位よりも高くなるように前記積層体に電圧を印加し、前記ドーピング対象層を反応場として、前記被ドープ材料にアニオンをドーピングするドーピング工程と、を有する。

Description

アニオン含有無機固体材料の製造方法およびアニオン含有無機固体材料の製造装置
 本発明は、アニオン含有無機固体材料の製造方法およびアニオン含有無機固体材料の製造装置に関する。
 エネルギー材料、触媒、磁性材料などの無機機能性材料をはじめとする無機固体材料において、アニオン組成の制御による機能性発現、増強が可能であることが見出されており、その中でもアニオン組成制御は有望な材料開発指針であると認識されている。しかし従来の「アニオン源との反応」や「メカニカルミリング」などの手法では、ごく限られた条件や材料を除いて、アニオン添加時の反応条件(合成条件)の成り行きでアニオンの添加量が決まっていた。
 例えば、特許文献1の発明では、無機固体材料としての焼結後のセラミックスに対し、イオンをドーピングするために、焼結後のセラミックス上に固体電解質および集電体を設置し、セラミックス集電体間に電流を流す方法が開示されている。特許文献1においては、このような作用により、ドーピング対象無機固体材料に、陽極側の固体電解質層からは金属の陽イオンを、陰極側の固体電解質層からは陰イオンをそれぞれドーピングすることができるとされている。
特開平10-218689号公報
 しかしながら、特許文献1の方法では、ドーピング対象である無機固体材料の層に導入されるアニオン種が酸素のみであり、酸素以外の他のアニオン種をドーピングすることについての開示は無い。また特許文献1では、カチオンである金属イオンのドーピングを容易にするために、アニオンである酸素イオンを金属イオンと共にドーピングしているにとどまり、任意量の酸素イオンを導入することについての開示も無い。このように、従来のドーピング方法では、任意量のアニオン種を導入することができず、戦略的なアニオン組成制御が極めて困難である。
 本発明は、上記事情に鑑みてなされた発明であり、無機固体材料に1又は複数のアニオン種を任意量で導入することができるアニオン含有無機固体材料の製造方法およびアニオン含有無機固体材料の製造装置を提供することを目的とする。
(1)本発明の第一の態様に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法は、電極と、固体電解質層と、被ドープ材料を含むドーピング対象層と、がこの順に積層された積層体を形成する積層工程と、前記ドーピング対象層の電位が前記電極の電位よりも高くなるように前記積層体に電圧を印加し、前記ドーピング対象層を反応場として、前記被ドープ材料にアニオンをドーピングするドーピング工程と、を有する。
(2)上記態様に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法は、前記積層工程の前に、前記被ドープ材料として用いる無機酸化物を、不活性ガス雰囲気下で加熱及び冷却し、前記被ドープ材料に酸素空孔を形成する酸素空孔形成工程をさらに有してもよく、前記ドーピング工程において、前記被ドープ材料の前記酸素空孔に前記アニオンをドーピングしてもよい。
(3)上記態様に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法は、前記積層工程において、前記固体電解質層としてハロゲン化物を用いて前記積層体を形成してもよく、前記ドーピング工程において、前記アニオンとしてハロゲン化物イオンをドーピングしてもよい。
(4)上記態様に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法は、前記積層工程において、前記固体電解質層および前記電極として、それぞれハロゲン化物を含む固体電解質層およびハロゲン化物を含む可逆電極を用いて前記積層体を形成してもよく、前記ドーピング工程において、前記固体電解質層を介して前記被ドープ材料に前記可逆電極中のハロゲン化物イオンをドーピングしてもよい。
(5)上記態様に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法は、前記積層工程において、前記被ドープ材料と可溶性固体電解質とを混合した混合物で前記ドーピング対象層を形成してもよい。
(6)上記態様に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法は、前記ドーピング工程の後、前記混合物を洗浄して前記可溶性固体電解質を除去する洗浄工程を有してもよい。
(7)上記態様に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法において、前記被ドープ材料は、ペロブスカイト構造、層状ペロブスカイト構造、層状岩塩型構造およびスピネル型構造のうちから選択されたいずれかの結晶構造を有する金属酸化物であってもよい。
(8)上記態様に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法は、前記積層工程の前に、前記被ドープ材料に酸素空孔を形成する酸素空孔形成工程を行わず、前記積層工程において、前記被ドープ材料として層状ペロブスカイト構造を有する金属酸化物を用いて前記積層体を形成してもよく、前記積層工程の後、前記ドーピング工程を行ってもよい。
(9)上記態様に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法は、第1可逆電極と、第1固体電解質層と、前記被ドープ材料を含むドーピング対象層と、がこの順に積層された第1積層体を形成する第1積層工程と、前記ドーピング対象層の電位が前記第1可逆電極の電位よりも高くなるように前記第1積層体に電圧を印加し、前記被ドープ材料に第1アニオンをドーピングする第1ドーピング工程と、第2可逆電極と、第2固体電解質層と、前記第1アニオンがドーピングされた被ドープ材料を含むドーピング対象層と、がこの順に積層された第2積層体を形成する第2積層工程と、前記ドーピング対象層の電位が前記第2可逆電極の電位よりも高くなるように前記第2積層体に電圧を印加し、前記被ドープ材料に第2アニオンをドーピングする第2ドーピング工程と、を有してもよい。
(10)上記態様に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法は、前記第1積層工程において、それぞれ第1ハロゲン化物を含む前記第1固体電解質層および前記第1可逆電極を用いて前記第1積層体を形成してもよく、前記第1ドーピング工程において、前記第1固体電解質層を介して前記被ドープ材料に前記第1可逆電極中の第1ハロゲン化物イオンをドーピングしてもよく、前記第2積層工程において、それぞれ第2ハロゲン化物を含む前記第2固体電解質層および前記第2可逆電極を用いて前記第2積層体を形成してもよく、前記第2ドーピング工程において、前記第2固体電解質層を介して前記被ドープ材料に前記第2可逆電極中の第2ハロゲン化物イオンをドーピングしてもよい。
(11)上記態様に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法は、前記ドーピング工程において、前記積層体を積層方向に加圧しながら、前記ドーピング対象層と、前記電極と、に電位差を与えてもよい。
(12)本発明の第二の態様に係るアニオン含有無機固体材料の製造装置は、底壁部及び側壁部を有し、電極と、固体電解質層と、被ドープ材料を含むドーピング対象層と、がこの順に積層された積層体を収容可能な導電性の収容部と、前記収容部の前記底壁部に対向して配置され、前記積層体を当該積層体の積層方向にプレス可能な導電性の部材と、前記導電性の部材が前記収容部よりも高電位になるように前記導電性の部材および前記収容部の間に電圧を印加する電圧印加部と、を備える。
(13)上記態様に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法は、前記収容部及び前記導電性の部材を収容する密閉容器と、前記密閉容器内を加熱する加熱部と、を更に備えていてもよい。
 本発明のアニオン含有無機固体材料の製造方法およびアニオン含有無機固体材料の製造装置によれば、無機固体材料に1又は複数のアニオン種を任意量で導入することができる。
本実施形態に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法の一例を示すフローチャートである。 図1におけるドーピング工程を説明するための図である。 図1のアニオン含有無機固体材料の製造方法の変形例を示すフローチャートである。 図3におけるドーピング工程を説明するための図である。 図1のアニオン含有無機固体材料の製造方法の他の変形例を示すフローチャートである。 図1のアニオン含有無機固体材料の製造方法の他の変形例を示すフローチャートである。 実施例1における積層工程およびドーピング工程の操作を説明するための図である。 実施例1のアニオン含有無機固体材料のSEM-EDX画像である。 実施例2および製造例1のX線回折パターンを示す図である。 実施例2、製造例1および製造例2のX線光電子分光法による測定結果を示す図である。 実施例3,実施例4,製造例3,製造例4および固体電解質BaFのX線回折パターンを示す図である。 実施例5における積層工程およびドーピング工程の操作を説明するための図である。 第2ドーピング工程においてドーピング対象層1Bと可逆電極3との間に印加した電圧値の時間に対する変化を示す図である。 実施例5、実施例6および実施例7のX線回折パターンを示す図である。 実施例8、実施例9および製造例5のX線回折パターンを示す図である。 実施例8のX線回折パターンより推算した格子定数を示す図である。 実施例10,製造例6および製造例7のX線回折パターンを示す図である。 実施例10のアニオン含有無機固体材料および製造例6の無機固体材料のXPS測定結果を示す。
 以下、本発明の実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合がある。このため、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっている場合がある。
[アニオン含有無機固体材料の製造方法]
 本実施形態に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法は、可逆電極と、固体電解質層と、被ドープ材料を含むドーピング対象層と、がこの順に積層された積層体を形成する積層工程と、ドーピング対象層の電位が前記可逆電極の電位よりも高くなるように積層体に電圧を印加し、前記ドーピング対象層を反応場として、被ドープ材料にアニオンをドーピングするドーピング工程と、を有する。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、積層工程の前や、積層工程とドーピング工程の間、或いはドーピング工程の後に、他の工程を有していてもよい。
 図1は、本実施形態に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法の一例を示すフローチャートであり、図2は、図1におけるドーピング工程を説明するための図である。
 図1に示すアニオン含有無機固体材料の製造方法では、特に制限されないが、典型的には、被ドープ材料として層状ペロブスカイト構造の結晶構造を有する金属酸化物を用いる。層状ペロブスカイト構造の金属酸化物(層状ペロブスカイト酸化物)は、組成式ABO(組成式中Aサイト:希土類イオン又はアルカリ土類金属イオン,Bサイト:遷移金属イオンであり)で表される。尚、AサイトおよびBサイトのそれぞれには、複数種類のイオンが位置していてもよい。層状ペロブスカイト酸化物は、ホモロガス相(AO)(ABO(n=1,2,3・・・)に属し、ペロブスカイト型のABO格子と岩塩型格子のAO層が交互に積層した擬二次元構造を有する。層状ペロブスカイト酸化物は、4つのAイオンと2つのBイオンに囲まれた面内サイトおよび5つのAイオンと1つのBイオンに囲まれた頂点サイト、さらに岩塩構造中に4つのAイオンに囲まれた、空の格子間サイトの3つのサイトにアニオンサイトを有する。アニオンサイトは、アニオンが入り得るサイトである。このような層状ペロブスカイト酸化物としては、例えばLa1.2Sr0.8MnO等の(La,Sr)MnO、(La,Sr)FeO、(La,Sr)CoO、(La,Sr)NiO、(La,Sr)CuO、(La,Sr)RuO、(La,Sr)IrO4、(La,Sr)Mnなどを用いることができる。ここで、(La,Sr)MnOは、La2-xMnO(0<x<2)を示す。
 被ドープ材料にドープされるアニオン種は、特に制限されないが、例えばハロゲン化物イオンの1又は複数であり、例えば、フッ化物イオン、塩化物イオンなどが挙げられる。
(積層工程)
 積層工程は、例えば、可逆電極3、固体電解質層2、及び被ドープ材料1aを含むドーピング対象層1Aをそれぞれ成形体として準備し、これらを積層させることにより、積層体10Aを形成する。
 具体的には、先ず、例えば一端が開口され、底壁部と底壁部から立設する側壁部を含む収容部を用意する。次いで、収容部の底壁部に金属膜を載置し、該金属膜上に可逆電極3の材料となる粉末を収容し、プレス部でプレスすることにより、圧粉体としての可逆電極3を形成する。次いで、固体電解質を成形した固体電解質ペレットを可逆電極3と重なるように載置し、固体電解質層2を形成する。次いで、収容部に、固体電解質層2と重なるように、被ドープ材料1aを含む粉末を収容し、プレスすることにより、固体電解質層2上に圧粉体としてのドーピング対象層1Aを形成する。尚、本実施形態において、被ドープ材料1aで構成されたドーピング対象層1Aをペレットセルと呼称する場合がある。本工程により、積層体10Aを得る。
 上記積層工程において、ドーピング対象層1Aの被ドープ材料として、上述の(LaS)MnO,(La,Sr)MnO、(La,Sr)FeO、(La,Sr)CoO、(La,Sr)NiO、(La,Sr)CuO、(La,Sr)RuO、(La,Sr)IrO4、(La,Sr)Mn等の層状ペロブスカイト酸化物を用いて積層体10Aを形成することができる。以下、La2-xMnO(0<x<2)をLSMOと示す場合がある。
 層状ペロブスカイト酸化物は、上述の通り、アニオンが入り得る空のサイトを有している。そのため、被ドープ材料として層状ペロブスカイト酸化物を用いる場合、後述する酸素空孔形成工程などの前処理を行わなくても、空のサイトにアニオンを導入することができる。
 また、本積層工程でドーピング対象層1Aを形成する際に、ドーピング対象層1Aとして被ドープ材料を含むペレットセルを用いることができる。ペレットセルは、層状ペロブスカイト酸化物の単相からなるのが好ましい。このペレットセルは、例えば固体電解質ペレットに押し付けることで形成される。これにより、アニオン含有無機固体材料への異物混入を抑制しつつ、該アニオン含有無機固体材料の収量を増大することができる。
 上記積層工程において、固体電解質層2として、ハロゲン化物を用いて積層体を形成することができる。固体電解質としては、例えば、Ba0.990.011.99、La0.9Ba0.12.9、BaF、La、Ce0.9Sr0.12.9、PbSnF、PbF、SrCl2、BaCl等を用いることができる。また、積層工程において、それぞれハロゲン化物を含む固体電解質層2および可逆電極3を用いて積層体10Aを形成することができる。例えば、ハロゲン化物を含む固体電解質層2として上述の固体電解質を用いる場合、ハロゲン化物を含む可逆電極3としては、Pb-PbF混合物、Pb-PbCl混合物、Ni-NiF混合物、Ni-NiCl混合物、Zn-ZnF混合物、Zn-ZnCl混合物、Cu-CuF混合物、Cu-CuCl混合物等を用いることができる。
 固体電解質層2および可逆電極3は、同じハロゲン化物イオンを有することが好ましい。例えば、固体電解質層2としてBa0.990.011.99等のフッ化物イオン電導体を用いる場合、可逆電極3としてはPb-PbF混合物、Ni-NiF混合物及びCu-CuF混合物からなる群から選択されるいずれかを用いることが好ましい。
 積層工程において、金属酸化物で構成された被ドープ材料を用い、ハロゲン化物を含む固体電解質層2および可逆電極3を用いて、積層体10Aを形成すると、後述するドーピング工程において、被ドープ材料の酸素サイトにハロゲン化物イオンがドーピングされる。ハロゲン化物イオンのイオン半径は、酸素のイオン半径に近いため、無機固体材料の結晶構造を崩すことなく、アニオンとしてのハロゲン化物イオンを被ドープ材料にドーピングできる。また同じハロゲン化物を含む固体電解質層2および可逆電極3を用いて積層体10Aを形成する場合、後述するドーピング工程において、可逆電極3のハロゲン化物イオンが固体電解質層2に移動した際に、固体電解質層2を構成する組成物の結晶構造が崩れ難くなり、固体電解質層2中のイオン伝導性をより高めることが可能となる。
(ドーピング工程)
 ドーピング工程は、ドーピング対象層1Aの電位が可逆電極3の電位よりも高くなるように、積層体10Aに電圧を印加する。このとき、ドーピング対象層1Aは、それ自体が反応場となり、固体電解質層2を介して被ドープ材料1aに可逆電極3中のハロゲン化物イオンをドーピングする。本実施形態において、アニオンは、被ドープ材料1a中の空のサイトにドーピングされる。例えば、LSMOで構成された被ドープ材料1aにフッ化物イオンをドーピングする場合、フッ化物イオンは、組成物LSMO中の空のサイトにドーピングされ、被ドープ材料は、部分的にLSMOF、LSMOとなる。
 ドーピング工程は、積層体10Aを積層方向に加圧しながら、積層体10Aのドーピング対象層1Aおよび可逆電極3に電位差を与えることが好ましい。ドーピング工程は、例えば積層体10Aの積層方向両端に集電体(導電性の部材)を設けて、この集電体で積層体をプレスしながらドーピング対象層1Aおよび可逆電極3に電位差を与えることができる。これにより、可逆電極3と固体電解質層2との密着性を高めることができ、アニオンのドーピングを進行させ易くなる。ドーピング工程は、ハロゲンドープ用電気化学測定装置(VersaSTAT 4(Ametek社製)、SP-200(BioLogic社製)およびSP-300(BioLogic社製))と同様の原理の装置を用いることができる。尚、ドーピング工程は、集電体(導電性の部材)を積層体に配置し、導電性の部材(集電体)で積層体をプレス(加圧固定)せずに、ドーピング対象層1Aおよび可逆電極3に電位差を与えて行ってもよい。
 ドーピング工程は、例えば積層体10Aを密閉空間内に収容し、不活性ガス雰囲気下で行う。また、ドーピング工程は、積層体10Aを加熱環境下で行うのが好ましく例えば室温~700℃で行うことが好ましい。ドーピング工程をこのような条件下で行うことで、被ドープ材料に固体電解質層2および可逆電極3に含まれないアニオンがドーピングされることを抑制し、所望の組成のアニオン含有無機固体材料を形成できる。
 ドーピング工程において、ドーピング対象層1Aおよび可逆電極3に与える電位差は、積層体10Aの大きさに応じて変更することができるが、例えば0.1V以上である。この電位差は、ドーピング工程の間、一定に保持していてもよく、この範囲内で変化させてもよい。また、ドーピング工程の間、積層体10Aを含む閉回路に流れる電流値が一定となるように、積層体10に電圧を印加してもよい。積層体10Aにおける被ドープ材料1aの重さ(g)に対する積層体10Aの積層方向に流れる電流値は、例えば1mA/g以上である。
 本実施形態に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法は、可逆電極3、固体電解質層2およびドーピング対象層1Aをこの順に積層し、ドーピング対象層1Aの電位が可逆電極3の電位よりも高くなるように、積層体10Aに電圧を印加することで、反応駆動力を制御することができる。具体的には、電気化学ポテンシャルに関する以下の式(1)に基づいて反応駆動力を制御することができる。
μi_WE=μi_CE+zFE・・・(1)
(μi_WE:ドーピング対象層1Aの化学ポテンシャル、μi_CE:可逆電極3の化学ポテンシャル、z:イオン価数、F:ファラデー定数、E:ドーピング対象層1Aと可逆電極3との間の電位差)
 式(1)に示されるように、ドーピング対象層1Aの化学ポテンシャルμi_WEは、ドーピング対象層1Aと可逆電極3との間の電位差Eおよび可逆電極3の化学ポテンシャルμi_CEに依存して変化する。すなわち、ドーピング工程において、被ドープ材料1aにアニオンをドーピングする量は、ドーピング対象層1Aと可逆電極3との間の電位差Eおよび/または可逆電極3の化学ポテンシャルμi_CEにより制御できる。式(1)において、ドーピング対象層1Aと可逆電極3との間の電位差Eを固定した状態で、可逆電極3の種類を変更すると、可逆電極3の化学ポテンシャルμi_WEが変化するため、被ドープ材料1aの化学ポテンシャルμi_CEも変化する。また、ドーピング対象層1Aと可逆電極3との電位差Eを変更すると、可逆電極3の化学ポテンシャルμi_CEを変更せずとも、ドーピング対象層1Aの化学ポテンシャルμi_WEは変化する。本実施形態では、このようにドーピング対象層1Aの化学ポテンシャルμi_WEを変化させることで、ドーピング工程において、ドーピングするアニオンの量を制御できる。
 また、本実施形態に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法では、ドーピング対象層1Aおよび可逆電極3の間に電圧を印加することで、可逆電極3中のアニオンに対し、高い圧力を加えることができ、ドーピングを進行できる。例えば、Pb-PbF混合物で構成された可逆電極3を用い、ドーピング対象層1Aおよび可逆電極3の間に3.2Vの電圧を印加すると、可逆電極3中のフッ化物イオンに3000気圧相当の圧力を加えることが可能となる。
 上記積層工程、及び上記ドーピング工程を経ることにより、アニオン含有無機固体材料を製造することができる。
 ここまで、第1実施形態にかかるアニオン含有無機固体材料の製造方法の具体的な例について詳述した。本発明は、この例に限定されるものではなく、請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変更が可能である。例えば、ドーピング工程を2回に分けるなど、工程を追加または変更してもよい。具体的には、以下の変形例に示す構成にしてもよい。また、図2には、ドーピング対象層1Aが上側に設けられている積層体10Aを示したが、積層体10Aにおいて可逆電極3,固体電解質層2、ドーピング対象層1Aがこの順に積層されていれば、可逆電極3が上側に設けられていてもよい。
(変形例1)
 図3は、図1のアニオン含有無機固体材料の製造方法の変形例を示すフローチャートであり、図4は、図3におけるドーピング工程を説明するための図である。図3にフローチャートを示すアニオン含有無機固体材料の製造方法は、典型的には、被ドープ材料として層状ペロブスカイト酸化物を用いる。以下、被ドープ材料として層状ペロブスカイト酸化物を用いる場合を例に挙げて説明する。
 変形例1に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法は、被ドープ材料1aおよび固体電解質1bを含むドーピング対象層1Bを用いる点が、上記実施形態に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法と異なる。また、ドーピング対象層1Bを用いるにあたって、混合工程および洗浄工程を含む点で、上記実施形態に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法と異なる。上記実施形態に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法と同様の工程については、説明を省略する。
 変形例1に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法は、例えば、混合工程、積層工程、ドーピング工程及び洗浄工程を有する。
(混合工程)
 混合工程は、被ドープ材料1aと固体電解質1bとを混合し、ドーピング対象層1Bを構成する混合物を形成する工程である。被ドープ材料1aとしては、上記実施形態に係る被ドープ材料1aと同様の材料を用いることができる。固体電解質1bとしては、後述する洗浄工程において、洗浄溶液で洗浄することで除去可能な可溶性固体電解質を用いることができる。固体電解質1bは、洗浄溶液の種類により適宜選択することができるが、洗浄溶液として水を用いる場合、例えば水溶性固体電解質BaF,Ba0.990.011.99、Sr0.990.01l1.99、Ce0.9Sr0.12.9、PbSnF、PbF、SrCl2、BaCl等を用いることができる。洗浄溶液として、純水を用いる場合、固体電解質1bとしてBaF,Ba0.990.11.99,SrCl,BaCl2、Ce0.9Sr0.12.9、PbSnF、PbF、SrCl2、BaClを用いることができる。混合工程は、例えば公知のミキサーやボールミル、乳棒及び乳鉢等を活用して行う。
(積層工程)
 変形例1に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法では、混合工程の後の積層工程において、被ドープ材料1aと固体電解質1bとを混合した混合物でドーピング対象層1Bを形成する。具体的には、先ず、上記実施形態に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法と同様の収容部を用い、圧粉体としての可逆電極3および成形体としての固体電解質層2をそれぞれ形成する。固体電解質層2としては、後述する洗浄工程において除去可能な可溶性固体電解質が用いることができ、例えば固体電解質1bと同じ可溶性固体電解質を用いることができる。
 次いで、収容部内における固体電解質層2上に、混合物を導入し、プレスすることにより、被ドープ材料1aおよび固体電解質1bを含むドーピング対象層1Bを形成する。本実施形態において、被ドープ材料1aおよび固体電解質1bを含むドーピング対象層1Bをコンポジットセルと呼称する場合がある。次いで、収容部内に樹脂を充填し、ドーピング対象層1Bの径方向外側に、保護部を形成してもよい。これにより、加圧時に圧力が横方向に分散してドーピング対象層1Bが変形するのを抑制することができる。また、集電体間の絶縁性を確保できる。上記保護部としては、絶縁性を備えているものであれば任意の材料を用いることができ、例えばセラミックスリングや、樹脂を用いることができ、セラミックスリング等の耐熱性を兼ね備えている材料を用いることが好ましい。
 次いで、上記実施形態に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法と同様の方法で、ドーピング対象層1B上に、固体電解質層2および可逆電極3を積層し、積層体10Bを形成する。
(ドーピング工程)
 積層工程の後に、ドーピング工程を行う。ドーピング工程では、上記実施形態に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法と同様の方法で、ドーピング対象層1Bに含まれる被ドープ材料1aにアニオンをドーピングする。
(洗浄工程)
 ドーピング工程の後に、ドーピング対象層1Bに対し、洗浄工程を行う。洗浄工程では、被ドープ材料1aと固体電解質1bとの混合物を洗浄し、混合物から固体電解質1bを除去する。この洗浄工程では、ドーピング対象層1Bを取り出して固体電解質1bのみを除去してもよいし、固体電解質層2が固体電解質1bと共に可溶性固体電解質で構成されている場合には、積層体10Aを洗浄して、固体電解質1bと共に固体電解質層2を除去してもよい。洗浄方法としては、例えば積層体10Bを洗浄溶液に浸すことにより固体電解質1bおよび固体電解質層2から独立した被ドープ材料1aを得ることができる。洗浄溶液は、固体電解質1bの種類に応じて選択される。洗浄溶液は、例えば、水、純水を用いることができる。
 変形例1に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法では、混合工程および積層工程において、被ドープ材料1aおよび固体電解質1bで構成されたドーピング対象層(コンポジットセル)1Bを有する積層体10Bを形成し、ドーピング工程後、洗浄工程において、積層体10Bを洗浄し、固体電解質1bを除去することで、被ドープ材料1aにアニオンがドーピングされたアニオン含有無機固体材料を独立して取り出すことができる。
 また、変形例1に係るアニオン含有固体材料の製造方法では、混合工程において被ドープ材料1aと固体電解質1bとを混合し、その後に積層工程を行うため、固体電解質1bがドーピング対象層1Bの全体に分散され、被ドープ材料1aが固体電解質1bと接触する面積を広くすることができる。ドーピング工程では、被ドープ材料1aが固体電解質1bと接触する部分を介して、被ドープ材料1aにアニオンがドーピングされるため、被ドープ材料と固体電解質との接触部分の増大、すなわちイオン伝導パスの増大によってドーピング対象層1B内における被ドープ材料1aの相対的な位置に拠らず、均等にアニオンをドーピングできる。
 そのため、被ドープ材料1aの粒子に欠陥が生じる場合であっても、ドーピング対象層1Bにおける被ドープ材料1aの相対位置に拠らず、欠陥の拡散距離を短くすることができる。また、変形例1では、積層方向におけるドーピング対象層1Bと固体電解質層2との界面だけでなく、ドーピング対象層1Bの内部にも固体電解質1bが位置しているため、被ドープ材料1aの粒子にアニオンを伝えやすく、アニオン含有無機固体材料で構成されたバルク材を形成しやすい。
 尚、変形例1の洗浄工程において、積層体10Bからドーピング対象層1Bをピンセット等で取り出した後、洗浄溶液に浸すことで固体電解質1bを除去してもよい。また、洗浄工程において、積層体10Bに洗浄溶液を塗布或いは吹き付けることにより、固体電解質1bおよび固体電解質層2の固体電解質を除去してもよい。
(変形例2)
 図5は、図1のアニオン含有無機固体材料の製造方法の他の変形例を示すフローチャートである。図5に示すアニオン含有無機固体材料の製造方法は、典型的には、被ドープ材料としてペロブスカイト構造、層状岩塩型構造およびスピネル型構造のうちから選択されたいずれかの結晶構造を有する金属酸化物を用いる。変形例2のアニオン含有無機固体材料の製造方法では、被ドープ材料として層状ペロブスカイト型の結晶構造を有する金属酸化物を用いることも可能である。以下、被ドープ材料として、組成式ABO(組成式中、A及びBは、金属元素であり、それぞれ複数の金属元素で構成されていてもよい)で示されるペロブスカイト型の結晶構造を有する酸化物(ペロブスカイト酸化物)を用いる場合を例に挙げて説明する。
 変形例2に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法は、積層工程の前に酸素空孔形成工程を更に有する点で、第1実施形態に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法と異なる。変形例2に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法は、例えば酸素空孔形成工程、積層工程およびドーピング工程を有する。変形例2に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法では、ドーピング対象層としてペレットセルを積層する場合を例に挙げて説明するが、これに限らず、ドーピング対象層としてペレットセルおよびコンポジットセルのいずれを積層してもよい。
(酸素空孔形成工程)
 変形例2に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法は、積層工程の前に、被ドープ材料として用いる無機酸化物を、不活性ガス雰囲気下で加熱及び冷却し、被ドープ材料に酸素空孔を形成する、酸素空孔形成工程を有する。酸素空孔形成工程は、例えば、密閉空間に被ドープ材料としての無機酸化物を導入し、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で加熱および冷却する。無機酸化物を加熱する温度は、例えば200~1200℃であり、無機酸化物を加熱する時間は、例えば10時間以上である。無機酸化物は加熱後、例えば室温まで冷却される。
 酸素空孔形成工程を行うことで、被ドープ材料としての無機固体材料に酸素空孔を形成することができる。被ドープ材料としてペロブスカイト酸化物を用いた場合、酸素空孔形成工程後、被ドープ材料の組成はABO3-x(x:3未満の数)となる。
 酸素空孔形成工程を行った後、上記実施形態と同様の方法で積層工程およびドーピング工程を行う。積層工程において、被ドープ材料1aとして、層状ペロブスカイト構造を有する金属酸化物を用いて積層体10Aを形成する。変形例2に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法において、ドーピング工程では、被ドープ材料の酸素空孔にアニオンをドーピングする。被ドープ材料として、ペロブスカイト酸化物を用い、Zで示されるアニオンを十分にドーピングした場合、被ドープ材料の組成は、ABO3-xになる。
 変形例2のように、被ドープ材料として酸化物を用いて酸素空孔を形成し、酸素空孔にアニオンをドーピングする場合、ドーピングにより被ドープ材料の結晶構造のひずみが小さいアニオン含有無機固体材料を得る観点から、ドーピングするアニオンは、酸素イオンのイオン半径とイオン半径が近いフッ化物イオン又は塩化物イオンを用いることが好ましく、フッ化物イオンを用いることがより好ましい。
 変形例2に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法では、酸素空孔形成工程を更に有することで、標準状態で空のサイトを有さない無機固体材料に対して、アニオンをドーピングできる。変形例2において、アニオンは被ドープ材料の酸素空孔にドーピングされるため、ドーピングされるアニオンの量の上限は、被ドープ材料に設けられた酸素空孔の量である。
 変形例2において、被ドープ材料として層状ペロブスカイト酸化物を用いた場合、層状ペロブスカイト酸化物は標準状態で空のサイトを有するため、先ず母相の空のサイトにアニオンがドーピングされ、その後、酸素空孔形成工程で導入された酸素空孔にアニオンがドーピングされると推察される。
 また例えば、変形例2に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法は、ドーピング対象層として、被ドープ材料と可溶性固体電解質とを含むコンポジットセルを用いることもできる。ドーピング対象層として、コンポジットセルを用いる場合、酸素空孔形成工程と、積層工程との間に混合工程を有し、ドーピング工程の後に洗浄工程を有する。混合工程および洗浄工程としては、変形例1に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法における混合工程および洗浄工程と同様の方法で実施できる。
(変形例3)
 図6は、図1のアニオン含有無機固体材料の製造方法の他の変形例を示すフローチャートである。変形例3に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法は、積層工程およびドーピング工程を2回ずつ行う点で、変形例1に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法と異なる。変形例3に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法は、被ドープ材料に対し、2種類のアニオンをドーピングする。変形例3に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法は、典型的には、被ドープ材料としてペロブスカイト型、層状岩塩型構造およびスピネル型構造のうちから選択されたいずれかの結晶構造を有する金属酸化物を用いる。以下、被ドープ材料としてペロブスカイト酸化物を用いる場合を例に挙げて説明する。
 変形例3に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法は、例えば混合工程、酸素空孔形成工程、第1積層工程、第1ドーピング工程、第2積層工程、第2ドーピング工程および洗浄工程を有する。混合工程および酸素空孔形成工程は、変形例1に係る混合工程および酸素空孔形成工程と同様の工程である。酸素空孔形成工程を行うと、被ドープ材料は、組成式ABO3-x示される組成物になる。
 酸素空孔形成工程を行った後、第1積層工程を行う。第1積層工程は、第1可逆電極と、第1固体電解質層と、被ドープ材料を含むドーピング対象層と、がこの順に積層された積層体を形成する。第1積層工程は、上記実施形態に係る積層工程と同様の方法で行うことができる。第1積層工程は、例えば、それぞれハロゲン化物を含む第1固体電解質層および第1可逆電極を用いて第1積層体を形成する。
 第1積層工程を行った後、第1ドーピング工程を行う。第1ドーピング工程は、ドーピング対象層の電位が第1可逆電極の電位よりも高くなるように第1積層体に電圧を印加し、被ドープ材料に第1アニオンをドーピングする。第1積層工程において、それぞれハロゲン化物を含む第1固体電解質層および第1可逆電極を用いて第1積層体を形成した場合、第1ドーピング工程において、第1固体電解質を介して被ドープ材料に第1可逆電極中の第1ハロゲン化物イオンをドーピングする。
 第1ハロゲン化物イオンとしてフッ化物イオンを導入した場合、被ドープ材料は、組成式ABO3-x(0<x<3、0<y≦x)で示される組成物になる。
 第1ドーピング工程を行った後、第1積層体から第1可逆電極および第1固体電解質層を取り除き、第2積層工程を行う。第2積層工程は、第2可逆電極と、第2固体電解質層と、第1アニオンがドーピングされた被ドープ材料を含むドーピング対象層と、がこの順に積層された第2積層体を形成する。第2積層工程は、例えば、それぞれ第2ハロゲン化物を含む第2固体電解質層および第2可逆電極を用いて第2積層体を形成する。第2固体電解質層および第2可逆電極は、例えばそれぞれ第1固体電解質層および第1可逆電極と異なる組成物で構成されており、異なるアニオンを有する。
 第2積層工程を行った後、第2ドーピング工程を行う。第2ドーピング工程は、ドーピング対象層の電位が第2可逆電極の電位よりも高くなるように第2積層体に電圧を印加し、被ドープ材料に第2アニオンをドーピングする。第2積層工程において、それぞれハロゲン化物イオンを含む第2固体電解質及び第2可逆電極を用いて第2積層体を形成した場合、第2ドーピング工程において、第2固体電解質を介して被ドープ材料に第2可逆電極中の第2ハロゲン化物イオンをドーピングする。
 第1ドーピング工程において、第1アニオンとしてフッ化物イオンをドーピングし、第2ドーピング工程において、第2アニオンとして、第1アニオンとは異なる塩化物イオンをドーピングした場合、被ドープ材料は、組成式ABO3-xCl(0<x<3、0<y+z≦x)で示される組成物になる。
 第2ドーピング工程を行った後、洗浄工程を行うことができる。洗浄工程は、例えば変形例1における洗浄工程と同様の方法で行うことができる。
 変形例3に係るアニオン含有無機固体材料の製造方法では、第1積層工程、第1ドーピング工程、第2積層工程および第2ドーピング工程を経ることにより、複数のアニオン種が任意量でドーピングされたアニオン含有無機固体材料を製造することができる。
 上記の例では、被ドープ材料に2種類のアニオンをドーピングするために、積層工程およびドーピング工程を2回ずつ有する例を説明したが、被ドープ材料に3種類以上のアニオンをドーピングしてもよい。被ドープ材料に3種類以上のアニオンをドーピングする場合、酸素空孔形成工程および洗浄工程の間に、ドーピングするアニオン種の数と同じ数の積層工程およびドーピング工程を設けることができる。また、それぞれの積層工程において形成する固体電解質層および可逆電極は、それぞれ異なる種類のアニオンを含有する化合物を用いる。
 また本変形例では、第1アニオンとは異なる第2アニオンをドーピングする場合を例に挙げて説明したが、これに限らず、第2ドーピング工程において、第1ドーピング工程に用いた第1アニオンを第2アニオンとしてドーピングしてもよい。この場合、第2ドーピング工程後の被ドープ材料は、例えば組成式ABO3-xy’(0<x<3、0<y’≦x、y<y’)で示される組成物になり、第1ドーピング工程後の被ドープ材料よりも更にフッ化物イオンをドーピングさせることができる。
 その他、可逆電極3に代えて、金属電極を用いてもよい。金属電極としては、例えばPt,Au等の貴金属や、Fe、Ni等の卑金属を用いることができ、Pt、Auなどの貴金属が好ましい。可逆電極3に代えて金属電極を用いる場合、固体電解質を電気分解することでハロゲン源とし、被ドープ材料に1又は複数のアニオンを任意量で導入することができる。また積層工程およびドーピング工程は、同じ装置を用いて行ってもよいし、異なる装置を用いて行ってもよい。
 以下、本発明の実施例を説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1]
 先ず、被ドープ材料として、ペロブスカイト型の結晶構造を有する金属酸化物La0.6Sr0.4CoOを準備した。この金属酸化物に対し、酸素空孔形成工程として、La0.6Sr0.4CoO2.85で示される組成物を形成するために、アニールおよび冷却をして、酸素空孔を形成した。金属酸化物のアニールは、金属酸化物を密閉された炉体内に収容し、アルゴンガス希釈1%Oガス雰囲気下で、800℃、24時間加熱することにより行った。次いで、金属酸化物を500℃/時間以上の冷却速度で急冷して、酸素組成を固定した。
 次いで、図7で示される製造装置200を用いて、積層工程を行った。製造装置200は、底壁部30a及び側壁部30bを有し、電極3と、固体電解質層2と、被ドープ材料を含むドーピング対象層1と、がこの順に積層された積層体10を収容可能な導電性の収容部30と、収容部30の底壁部30aに対向して配置され、積層体10を当該積層体10の積層方向にプレス可能な導電性のプレス部20と、プレス部20が収容部30よりも高電位になるように、プレス部20および収容部30の間に電圧を印加する電圧印加部90とを備える。
 収容部30において、側壁部30bは、底壁部30aから立設する部材である。
 製造装置200は、収容部30及びプレス部20を収容する密閉容器と80、密閉容器80内を加熱する加熱部40と、を更に備える。加熱部40としては、公知のヒーターを用いた。
 製造装置200において、プレス装置60は、蓋81を備える密閉容器80内に収容されている。
 製造装置200において、導電性のプレス部20および収容部30が接触しないように、側壁部30bよりも径方向内側であって、且つプレス部20よりも径方向外側の領域には、絶縁性のリング状の保護部15を設けた。
 プレス装置60は、内部に積層体10を収容可能であり、一端にプレス部20の径よりも内径の大きい開口を含む収容部30と、プレス部20と、組み立て部材50と、を有する。実施例1において、製造装置200としては、具体的には、プレス機としてTB-50H(NPAシステム株式会社製)を備える装置を用いた。
 また、本実施形態の製造装置200は、密閉容器80に不活性ガスを導入するガス導入部82aと、密閉容器80内のガスを排出して該密閉容器80内を減圧するガス排出部82bとを更に備えている。ガス排出部82bは、公知の排気手段と接続される部材であり、実施例1においては、排気ポンプと接続されていた。
 実施例1における積層工程では、先ず、集電体として直径14.5mm、厚み0.2mmの鉛基板を準備し、収容部30の形状に対応した鉛基板4を収容部30の底壁部30aに設置した。次いで、フッ化鉛の体積パーセントの比が40~50%である混合粉末を準備し、鉛基板4上に、鉛とフッ化鉛の混合粉末を約0.5g収容した。そして、収容部30の形状に対応した形状のプレス部20で混合粉末を60MPaでプレスし、直径14.5mm、厚み0.5mmの可逆電極3を形成した。
 次いで、固体電解質としてLa0.9Ba0.1Fe2.9約0.2g、直径14.5mm、厚み2.5mmの固体電解質ペレットを準備し、可逆電極3上に固体電解質ペレットを載置して、固体電解質層2を形成した。次いで、固体電解質層2上に、保護部15として絶縁性のリングを配置し、その内側に酸素空孔形成工程で酸素空孔を形成した無機酸化物La0.6Sr0.4CoO2.85を分散し、プレス部20でプレスした。このようにして、固体電解質層2上に、直径10mm、厚み約1mmのドーピング対象層1として、無機酸化物La0.6Sr0.4CoO2.85で構成されたペレットセルを形成し、可逆電極3と、固体電解質層2と、ドーピング対象層1と、がこの順に積層された積層体10を形成した。
 次いで、積層体10上に導電性の部材としてプレス部20を配置し、プレス装置60の収容部30内に収容した状態で、積層体10及び鉛基板4をボルトナットで加圧固定した。この状態で密閉容器80の一端を蓋81で閉塞し、ガス排出部82bより密閉容器80内のガスを排出し、ガス導入部82aより密閉容器80内にアルゴンガスを充填した。次いで、電圧印加部90により、プレス部20が収容部30よりも高電位になるようにプレス部20および収容部30の間に電圧を印加することで、ドーピング工程を行った。ドーピング工程では、密閉容器80内の圧力を約1×10Paにして、ヒーター40で積層体10を250℃に加熱し、可逆電極3とドーピング対象層1との電位差が3Vとなるように電圧を印加した。
 次いで、実施例1の積層体10のドーピング対象層1に対し、走査電子顕微鏡(日本電子株式会社製、型番:JSM-7001F)を用いてエネルギー分散型X線分析(SEM-EDX)を行った。SEM-EDXにおける加速電圧は、30kVとした。図8は、ドーピング対象層1のSEM-EDX画像である。図8(a)、図8(b)、図8(c)、図8(d)、図8(e)および図8(f)は、それぞれ図8(g)に示すSEM像に対し、SEM-EDX分析を行ったSEM-EDX画像であり、それぞれC元素、Co元素,La元素,O元素,Sr元素およびF元素をカラーマッピングした像である。図8(f)に示すF元素をカラーマッピングした像より、実施例1では、F元素が被ドープ材料全体に分布していることが確認された。
[実施例2]
 被ドープ材料として、ペロブスカイト型の結晶構造を有する金属酸化物La0.5Sr0.5CooOで示される組成物を用いた点以外は、実施例1と同様にしてアニオン含有無機固体材料を作製した。
[製造例1]
 製造例1として、ペロブスカイト型の結晶構造を有する金属酸化物La0.5Sr0.5CoOを準備し、実施例2と同様の方法で酸素空孔形成工程および積層工程を行うことにより、組成式La0.5Sr0.5CoO2.85で示される組成物で構成されたドーピング対象層1を含む積層体10を形成した。
[製造例2]
 製造例2として、ペロブスカイト型の結晶構造を有する、原料としての金属酸化物La0.5Sr0.5CoOを準備した。
 実施例2で作製したアニオン含有無機固体材料および製造例1で作製した組成物に対し、XRD測定を行った。XRD測定は、粉末X線回折装置(Bruker社製、装置名:D2 Phaser)を用いた。図9は、実施例2および製造例1のXRD測定結果を示す。図9に示すXRD測定結果より、実施例2および製造例1のXRD測定結果は、同じ位置にピークを有し、ドーピング工程を施しても、ペロブスカイト型の結晶構造が維持されたことが確認された。
 次いで、実施例2で作製したアニオン含有無機固体材料および製造例1,2の無機固体材料に対し、X線電子分光測定(XPS)を行った。X線電子分光測定は、電子プローブ微小部分析装置(日本電子株式会社社製、装置名:JXA-8200)を用いた。図10は、実施例2のアニオン含有無機固体材料および製造例1,2の無機固体材料のXPS測定結果を示す。実施例2で作製したアニオン含有無機固体材料は、約682(光子エネルギー/eV)において、強いピークを示しており、ドーピング工程を施さなかった製造例1及び原料の金属酸化物である製造例2と比較して、多くのフッ化物イオンが導入されたことが確認された。
[実施例3]
 先ず、被ドープ材料として、ペロブスカイト型の結晶構造を有する金属酸化物La0.5Sr0.5CoOを準備した。この金属酸化物に対し、酸素空孔形成工程として、アニールおよび冷却をして、酸素空孔を形成した。金属酸化物のアニールは、金属酸化物を密閉された炉体内に収容し、アルゴンガス雰囲気下で、250℃、48時間加熱することにより行った。次いで、金属酸化物を500℃/時間以上の冷却速度で急冷して酸素量を固定した。上記アニール及び冷却により組成式La0.5Sr0.5CoO3-δ(0<δ<3)で示される被ドープ材料を形成した。
 次いで、混合工程として、乳鉢および乳棒を用いて、組成式La0.5Sr0.5CoO3-δ(0<δ<3)で示される被ドープ材料と水溶性固体電解質BaFとを混合し、混合物を形成した。混合工程において、混合物中の被ドープ材料の体積比が被ドープ材料:固体電解質=60:40となるようにした。
 次いで、ドーピング対象層の形成のために上記混合物を用いた点、固体電解質層を形成するためにBaFを用いた点およびドーピング工程における電圧印加条件を除き、実施例1と同様の方法で、積層体を形成した。次いで、ドーピング工程として、ドーピング対象層と可逆電極との間に0.5~2.5Vの電圧を印加し、被ドープ材料La0.5Sr0.5CoOの重さに対し閉回路に流れる電流を2mA/gで保持した。
 実施例3では、ドーピング対象層中の被ドープ材料にフッ化物イオンをドーピングし、組成式La0.5Sr0.5CoO3-δ0.2(0<δ<3)で示されるアニオン含有無機固体材料が得られるように、ドーピング対象層と可逆電極との間に電圧を印加した。実施例3では、被ドープ材料にフッ化物イオンをドーピングした後、分解し、積層体からドーピング対象層を取り出し、ドーピング対象層を純水に浸すことで洗浄し、被ドープ材料にアニオンがドーピングされたアニオン含有無機固体材料を独立して取り出した。
[実施例4]
 ドーピング工程において、ドーピング対象層と可逆電極との間に0.5~2.5Vの電圧を印加し、被ドープ材料La0.5Sr0.5CoOの重さに対し閉回路に流れる電流を1mA/gで保持した点以外は、実施例3と同様の方法で、アニオン含有無機固体材料を作製した。実施例4では、組成式La0.5Sr0.5CoO3-δ0.1(0<δ<3)で示されるアニオン含有無機固体材料が得られるように、ドーピング対象層と可逆電極との間に電圧を印加した。
[製造例3]
 ドーピング工程を行わなかった点を除き、実施例3と同様の方法で無機固体材料を作製した。
[製造例4]
 実施例3および実施例4で原料として用いた、組成式La0.5Sr0.5CoOで示される無機固体材料を用意した。
 実施例3,4のアニオン含有無機固体材料、製造例3,4の無機固体材料、ならびに実施例3,4のアニオン含有無機固体材料を製造するために固体電解質として用いたBaFに対し、XRD測定を行った。実施例3,4のアニオン含有無機固体材料、製造例3,4の無機固体材料ならびに固体電解質BaFのXRD測定結果を図11に示す。図11に示すXRD測定結果を確認すると、固体電解質BaFからは、回折角2θが約25°の位置にピークが確認されるが、水溶性固体電解質を用いていない製造例4ならびに洗浄工程を行った実施例3,4および製造例3からは、固体電解質BaFによるピークが確認されなかった。従って、図11に示すXRD測定結果から、洗浄工程により、水溶性固体電解質が除去されていることが確認された。また、実施例3,4のアニオン含有無機固体材料は、製造例4の未処理のペロブスカイト型の結晶構造を有する無機固体材料と同じXRDパターンを示しており、ドーピング後も結晶構造が維持されていることが確認された。
 実施例3,4のアニオン含有無機固体材料および製造例3,4の無機固体材料に対し、電子線マイクロアナライザー(EPMA)を行った。実施例3,4のアニオン含有無機固体材料および製造例3,4の無機固体材料に対し、EPMA測定結果を表1に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表1に示すEPMA測定結果より、閉回路により大きな電流を流した実施例3では、小さい電流を流した実施例4と比べ、多くのフッ化物イオンを有することが確認された。また、ドーピング対象層と可逆電極との間に、大きな電流を流した実施例3の誤差と小さな電流を流した実施例4の誤差とを比較すると、実施例4の誤差の方が大きく、電流を流し始めた初期では、酸素空孔のサイトではなく、母相の空孔にフッ化物イオンが取り込まれ、母相の空孔にフッ化物イオンが取り込まれると、酸素空孔のサイトにフッ化物イオンがドーピングされると推察される。
[実施例5]
 先ず、被ドープ材料として、層状ペロブスカイト構造の結晶構造を有する無機固体材料La1.2Sr0.8MnOを用意した。該無機固体材料ではサイトの一部が空いた状態となっている。
 次いで、該無機固体材料の粉末と水溶性固体電解質Ba0.990.011.99の粉末を、実施例3と同様の方法で、混合し、混合物を準備した。
 次いで、図12に示すような製造装置200を用い、構造体10Bを作製するために、積層工程を行った。積層工程では、一端に開口部を有するSUS製の収容部30に、PbF-Pb粉末を約0.5g収容した。次いで、収容部30に対応する形状のプレス部20で、PbF-Pb粉末を60MPaでプレスし、直径14.5mm、厚み0.5mmの可逆電極3を形成した。次いで、可逆電極3上に水溶性固体電解質Ba0.990.011.99の粉末を収容し、プレス部20で、60MPaでプレスし、直径14.5mm、厚み0.5mmの固体電解質層2を形成した。固体電解質層2上に、保護部15として絶縁性材料であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のリングを配置し、その内側に混合物を収容し、プレス部20を用いて、130MPaでプレスし、直径10mm、厚み1mmのドーピング対象層1Bを形成した。このように、積層工程では、可逆電極3、固体電解質層2およびドーピング対象層1Bがこの順に積層した積層体10Bを形成した。
 次いで、積層体10B上に、ドーピング対象層1Bと同じ平面視形状であり、積層体10Bを積層方向にプレス可能な導電性の部材としてSUS製のプレス部20配置し、積層体10B積層方向に加圧固定した状態で、プレス部20の電位が収容部30の電位よりも高くなるように電圧を印加し、ドーピング工程を行った。ドーピング工程は、ガス排出部82bにより密閉容器80内のガスを排気し、ガス導入部82aにより密閉容器80内にガスを導入したArガス雰囲気下で、且つヒーター40により積層体を250℃に管理した。また、ドーピング工程において、電圧印加部90により、ドーピング対象層1Bと可逆電極3との間に2~7Vの電圧を印加し、閉回路に流れる電流を2mA/gで保持した。
[実施例6]
 実施例5と同様の方法で被ドープ材料にフッ化物イオンをドーピングした後、第2積層工程として、再度、積層体を形成し、第2ドーピング工程として再度アニオンドーピングを行い、アニオン含有無機固体材料を作製した。第2ドーピング工程においてドーピング対象層1Bと可逆電極3との間に印加した電圧値の時間に対する変化を図13に示す。図中の実線は、実施例6のドーピング工程において、積層体に印加した電圧値の時間依存性を示す。図中の破線は、実施例6のドーピング工程後の開回路での電流-電圧応答を示す。
 実施例6における第2積層工程では、実施例5で用いた積層体を取り外し、収容部30に、PbF-Pbの粉末を約0.5g収容し、プレス部20で、60MPaでプレスし、可逆電極を形成した。次いで、可逆電極上に、固体電解質Ba0.990.011.99を収容し、プレス部20で、60MPaでプレスし、固体電解質層を形成した。次いで、固体電解質層上に、実施例5でアニオンをドーピングしたコンポジットセルを載置し、第2積層体を形成した。
 次いで、コンポジットセルと同じ平面視形状のSUS部材を配置し、第2ドーピング工程を行った。第2ドーピング工程は、Arガス雰囲気下で、積層体を250℃に加熱環境下で、ドーピング対象層の電位が可逆電極の電位よりも2~12V高くなるように38時間、被ドープ材料の重さに対する電流値1mA/gとなるように閉回路に電流を流した。
[実施例7]
 第2ドーピング工程を行った後、実施例3と同様の方法で、洗浄工程を行った点を除き、実施例6と同様の方法でアニオン含有無機固体材料を作製した。
 実施例5、実施例6および実施例7のアニオン含有無機固体材料に対して、XRD測定を行った。実施例5および実施例6のアニオン含有無機固体材料のXRD測定結果、実施例7のアニオン含有無機固体材料のXRD測定結果をそれぞれ、図14(a)、図14(b)に示す。図14(a)の結果から、実施例5および実施例6のアニオン含有無機固体材料は、フッ化物イオンがドープされていることが確認された。また、図14(a)における点線と破線のパターンを比較すると、実施例5のようなF元素ドーピングを行った時間が短い実施例では、F元素がドーピングされる前のLa1.2Sr0.8MnOの相が残存しているのに対し、実施例6のようなアニオンドーピングを十分行った場合には、F元素がドーピングされる前のLa1.2Sr0.8MnO相がほとんど残らず、La1.2Sr0.8MnOF相及びLa1.2Sr0.8MnO相の強度が強くなっていることから、実施例6では、La1.2Sr0.8MnO相にフッ化物イオンが更にドーピングされたことが確認された。また、図14(a)および図14(b)のXRD測定結果を比較することで、洗浄工程により、水溶性固体電解質La1.2Sr0.8MnOが除去されていることが確認された。また、洗浄工程を行った後でも、水溶性固体電解質にフッ化物イオンがドーピングされた、La1.2Sr0.8MnOLa1.2Sr0.8MnOが残っていることが確認された。
[実施例8]
 被ドープ材料として層状岩塩型の結晶構造を有するLiNi1/3Co1/3Mo1/3を用いた点、固体電解質層としてLa0.9Ba0.12.9を用いた点および酸素空孔形成工程として、LiNi1/3Co1/3Mo1/3を600℃で72時間加熱した点を除き、実施例1と同様の方法でアニオン含有無機固体材料を製造した。
 尚、実施例8では、被ドープ材料をLiNi1/3Co1/3Mo1/31.97にするために、酸素空孔形成工程として、無機固体材料LiNi1/3Co1/3Mo1/3を密閉された炉体内に収容し、アルゴンガス雰囲気下で、600℃、72時間加熱した。加熱後、金属酸化物を炉体に収容したまま室温まで冷却した。
[実施例9]
 固体電解質として、La0.9Ca0.10.9Clを用いた点および可逆電極としてPb-PbCl混合物を用いた点を除き、実施例8と同様の方法でアニオン含有無機固体材料を製造した。
[製造例5]
 製造例5として、実施例8,9で用いた層状岩塩型の結晶構造を有する、原料としての金属酸化物LiNi1/3Co1/3Mo1/3を用意した。
 実施例8では、アニオン含有無機固体材料LiNi1/3Co1/3Mo1/30.019が得られた。実施例9では、アニオン含有無機固体材料LiNi1/3Co1/3Mo1/3Cl0.02が得られた。実施例8,9のアニオン含有無機固体材および製造例5の無機固体材料に対し、実施例2と同様の方法で、XRD測定を行った。実施例8,9および製造例5のXRD測定結果を図15に示す。また、実施例8,9のXRD測定結果を製造例5のXRD測定結果と比較しても、実施例8,9のXRDパターンに不純物相に相当するピークが検出されておらず、実施例8のようにフッ化物イオンをドーピングした場合や、実施例9のように塩化物イオンをドーピングした場合であっても、結晶構造が変化せずに維持されていることが確認された。
 図16は、実施例8のX線回折パターンより推算した格子定数を示す図である。図16より、フッ化物イオンをドーピングすることにより、格子定数aが減少、格子定数cが増大し、塩化物イオンをドーピングすることにより、格子定数a,cが減少し、いずれの場合であっても、結晶格子が変化したことが確認された。
[実施例10]
 被ドープ材料として、スピネル型の結晶構造を有するLiMnOを用いた点、酸素空孔導入工程の条件を以下に変更した点、およびドーピング工程において閉回路に流す電流値を2mA/gで保持した点を除いて、実施例3と同様の方法でアニオン含有無機固体材料を製造した。
 実施例10において、酸素空孔形成工程では、無機固体材料の組成をLiMnO3,7に変化させるために、被ドープ材料に酸素空孔を形成した。酸素空孔形成工程では、実施例2と同様の炉体を用いて、被ドープ材料を1%のOを含むアルゴンガス雰囲気下で、700℃で加熱した。その後、無機固体材料を炉体に収容したまま、室温まで冷却した。その後、混合工程において、室温まで冷却された被ドープ材料を水溶性固体電解質BaFと混合し、混合物を形成した。
 実施例10において、積層工程では、実施例2と同様の方法で、可逆電極および固体電解質層を形成後、被ドープ材料と水溶性固体電解質とで構成されたコンポジットセルをドーピング対象層として形成した。実施例9において、ドーピング工程では、組成式LiMn4―d0.5(0<δ<4)で示されるアニオン含有無機固体材料が得られるように、閉回路に流す電流を2mA/gで保持した。
[製造例6]
 製造例6として、実施例10で用いたスピネル型の結晶構造を有する、原料としての無機固体材料LiMnOを用意した。
[製造例7]
 製造例7として、製造例6で準備した無機固体材料を、実施例10と同様の方法で酸素空孔形成工程、混合工程および積層工程を行うことにより、組成式LiMnO3,7で示される被ドープ材料を含むドーピング対象層を有する積層体を形成した。
 実施例10の洗浄工程後のアニオン含有無機固体材料および製造例6,7の無機固体材料に対し、実施例2と同様の方法でXRD測定を行った。実施例10および製造例6,7のXRD測定結果を図17に示す。製造例6,7のXRD測定結果と実施例10のXRD測定結果とを比較すると、不純物相に相当するピークが検出されておらず、同様のXRDパターンが得られており、実施例11のアニオン含有無機固体材料は、スピネル型の結晶構造の対称性を維持したまま結晶格子が変形したことが確認された。
 実施例10のアニオン含有無機固体材料に対して、XPSにより、組成分析を行った。図18は、実施例10のアニオン含有無機固体材料および製造例6の無機固体材料のXPS測定結果を示す。実施例10で作製したアニオン含有無機固体材料は、約689(光子エネルギー/eV)において、強いピークを示しており、原料の金属酸化物である製造例6と比較して、多くのフッ化物イオンが導入されたことが確認された。
1A、1B:ドーピング対象層、2:固体電解質層、3:可逆電極、10A、10B:積層体、15:保護部、20:プレス部、30:収容部、30a:底壁部、30b:側壁部、40:加熱部、80:密閉容器、90:電圧印加部

Claims (13)

  1.  電極と、固体電解質層と、被ドープ材料を含むドーピング対象層と、がこの順に積層された積層体を形成する積層工程と、
     前記ドーピング対象層の電位が前記電極の電位よりも高くなるように前記積層体に電圧を印加し、前記ドーピング対象層を反応場として、前記被ドープ材料にアニオンをドーピングするドーピング工程と、
     を有する、アニオン含有無機固体材料の製造方法。
  2.  前記積層工程の前に、前記被ドープ材料として用いる無機酸化物を、不活性ガス雰囲気下で加熱及び冷却し、前記被ドープ材料に酸素空孔を形成する酸素空孔形成工程をさらに有し、
     前記ドーピング工程において、前記被ドープ材料の前記酸素空孔に前記アニオンをドーピングする、請求項1に記載のアニオン含有無機固体材料の製造方法。
  3.  前記積層工程において、前記固体電解質層としてハロゲン化物を用いて前記積層体を形成し、
     前記ドーピング工程において、前記アニオンとしてハロゲン化物イオンをドーピングする、請求項1または2に記載のアニオン含有無機固体材料の製造方法。
  4.  前記積層工程において、前記固体電解質層および前記電極として、それぞれハロゲン化物を含む固体電解質層およびハロゲン化物を含む可逆電極を用いて前記積層体を形成し、
     前記ドーピング工程において、前記固体電解質層を介して前記被ドープ材料に前記可逆電極中のハロゲン化物イオンをドーピングする、請求項3に記載のアニオン含有無機固体材料の製造方法。
  5.  前記積層工程において、前記被ドープ材料と可溶性固体電解質とを混合した混合物で前記ドーピング対象層を形成する、請求項1~4のいずれか一項に記載のアニオン含有無機固体材料の製造方法。
  6.  前記ドーピング工程の後、前記混合物を洗浄して前記可溶性固体電解質を除去する洗浄工程を有する、請求項5に記載のアニオン含有無機固体材料の製造方法。
  7.  前記被ドープ材料は、ペロブスカイト構造、層状ペロブスカイト構造、層状岩塩型構造およびスピネル型構造のうちから選択されたいずれかの結晶構造を有する金属酸化物である、請求項1~6のいずれか一項に記載のアニオン含有無機固体材料の製造方法。
  8.  前記積層工程の前に、前記被ドープ材料に酸素空孔を形成する酸素空孔形成工程を行わず、
     前記積層工程において、前記被ドープ材料として層状ペロブスカイト構造を有する金属酸化物を用いて前記積層体を形成し、
     前記積層工程の後、前記ドーピング工程を行う、請求項1に記載のアニオン含有無機固体材料の製造方法。
  9.  第1可逆電極と、第1固体電解質層と、前記被ドープ材料を含むドーピング対象層と、がこの順に積層された第1積層体を形成する第1積層工程と、
     前記ドーピング対象層の電位が前記第1可逆電極の電位よりも高くなるように前記第1積層体に電圧を印加し、前記被ドープ材料に第1アニオンをドーピングする第1ドーピング工程と、
     第2可逆電極と、第2固体電解質層と、前記第1アニオンがドーピングされた被ドープ材料を含むドーピング対象層と、がこの順に積層された第2積層体を形成する第2積層工程と、
     前記ドーピング対象層の電位が前記第2可逆電極の電位よりも高くなるように前記第2積層体に電圧を印加し、前記被ドープ材料に第2アニオンをドーピングする第2ドーピング工程と、
     を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載のアニオン含有無機固体材料の製造方法。
  10.  前記第1積層工程において、それぞれ第1ハロゲン化物を含む前記第1固体電解質層および前記第1可逆電極を用いて前記第1積層体を形成し、
     前記第1ドーピング工程において、前記第1固体電解質層を介して前記被ドープ材料に前記第1可逆電極中の第1ハロゲン化物イオンをドーピングし、
     前記第2積層工程において、それぞれ第2ハロゲン化物を含む前記第2固体電解質層および前記第2可逆電極を用いて前記第2積層体を形成し、
     前記第2ドーピング工程において、前記第2固体電解質層を介して前記被ドープ材料に前記第2可逆電極中の第2ハロゲン化物イオンをドーピングする、請求項9に記載のアニオン含有無機固体材料の製造方法。
  11.  前記ドーピング工程において、前記積層体を加圧しながら、前記ドーピング対象層と、前記電極と、に電位差を与える、請求項1~10のいずれか一項に記載のアニオン含有無機固体材料の製造方法。
  12.  底壁部及び側壁部を有し、電極と、固体電解質層と、被ドープ材料を含むドーピング対象層と、がこの順に積層された積層体を収容可能な導電性の収容部と、
     前記収容部の前記底壁部に対向して配置され、前記積層体を当該積層体の積層方向にプレス可能な導電性の部材と、
     前記導電性が前記収容部よりも高電位になるように前記導電性の部材および前記収容部の間に電圧を印加する電圧印加部と、
     を備える、アニオン含有無機固体材料の製造装置。
  13.  前記収容部及び前記導電性の部材を収容する密閉容器と、
     前記密閉容器内を加熱する加熱部と、
     を更に備える、請求項12に記載のアニオン含有無機固体材料の製造装置。
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