WO2023013432A1 - シート - Google Patents

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祐一郎 星
和樹 小林
智久 田中
拓馬 紺野
龍三郎 阿部
恵一 北山
大貴 伊藤
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Abstract

シート(車両用シートS)は、ブロア(BL)と接続される通気路(71)を有するパッド(クッションパッド70)と、パッドを覆う表皮(80)を備える。パッドは、着座者側に開口する通気溝(G)を有するパッド本体(100)と、通気溝(G)の着座者側の開口を覆うことで通気路(71)を形成するカバーパッド(200)であって、表皮(80)を吊り込むための吊り込み溝(GR)を有するカバーパッド(200)を備える。吊り込み溝(GR)は、着座者側から見て、通気溝(G)と重なるように配置される。カバーパッド(200)が吊り込み溝(GR)と通気溝(G)を仕切る仕切壁(201)を有することで、吊り込み溝(GR)が通気溝(G)と連通しないように構成されている。

Description

シート
 本発明は、通気路が形成されたパッドを備えるシートに関する。
 従来、シートとして、ブロアが接続される通気路を有するクッションパッドを備えたものが知られている(特開2018-051151号公報参照)。この技術では、クッションパッドは、第1パッドと、第1パッドの上に積層される第2パッドと、第2パッドの上に積層される第3パッドを備えている。
 第2パッドには、上下に貫通するスリット状の通気溝が形成されている。通気路は、通気溝の上下の開口がそれぞれ第1パッドと第3パッドで覆われることで形成されている。
 ところで、従来の構造において、例えば、表皮を吊り込むための吊り込み溝を、上下に貫通するスリットとして第3パッドに形成することが考えられる。しかしながら、このような構造において、着座者側から見て吊り込み溝と通気溝が重なる場合には、通気溝を通る空気が吊り込み溝から外に漏れるおそれがある。
 そこで、本発明は、着座者側から見て吊り込み溝と通気溝が重なる構造において、通気溝を通る空気が吊り込み溝から外に漏れるのを抑制することを目的とする。
 前記課題を解決するため、本発明に係るシートは、ブロアと接続される通気路を有するパッドと、前記パッドを覆う表皮と、を備える。
 前記パッドは、着座者側に開口する通気溝を有するパッド本体と、前記通気溝の着座者側の開口を覆うことで前記通気路を形成するカバーパッドであって、前記表皮を吊り込むための吊り込み溝を有するカバーパッドと、を備える。
 前記吊り込み溝は、着座者側から見て、前記通気溝と重なるように配置される。
 前記カバーパッドが前記吊り込み溝と前記通気溝を仕切る仕切壁を有することで、前記吊り込み溝が前記通気溝と連通しないように構成されている。
 この構成によれば、仕切壁によって吊り込み溝と通気溝が連通しないので、通気溝を通る空気が吊り込み溝から外に漏れるのを抑制することができる。
 また、前記パッド本体は、第1パッド本体と、前記第1パッド本体の着座者側に配置され、前記通気溝を有する第2パッド本体と、を有していてもよい。
 また、前記カバーパッドは、前記通気溝の深さよりも厚い部分を有していてもよい。
 この構成によれば、着座フィーリングを向上させることができる。
 また、前記カバーパッドは、前記パッド本体のうち厚さが最も小さい部分よりも厚い部分を有していてもよい。
 この構成によれば、着座フィーリングを向上させることができる。
 また、前記カバーパッドは、前記吊り込み溝内に配置され、前記表皮と係合する係合部をさらに備えていてもよい。
 この構成によれば、係合部がカバーパッドに設けられることで、例えばパッド本体に係合部を設ける構造に比べ、表皮を通すための貫通孔を吊り込み溝に形成する必要がないので、カバーパッドの剛性が低下するのを抑えることができる。
 また、前記係合部は、ワイヤ部材の一部またはクリップ部材の一部であり、前記ワイヤ部材の他部または前記クリップ部材の他部は、前記吊り込み溝の底部に埋設されていてもよい。
 また、前記吊り込み溝の深さは、前記カバーパッドの厚さの半分以下であってもよい。
 この構成によれば、吊り込み溝の底部の厚さを大きくすることができるので、係合部を底部に強固に固定させることができる。
 また、前記パッド本体は、前記表皮と係合する係合部をさらに備え、前記カバーパッドは、前記表皮が通る貫通孔を有し、前記貫通孔は、前記着座者側から見て、前記通気溝と重ならない位置に配置されていてもよい。
 この構成によれば、係合部が着座者から遠い位置に配置されるので、着座フィーリングを向上させることができる。また、貫通孔が通気溝と重ならないので、通気溝を通る空気が貫通孔から外に漏れるのを抑制することができる。
 また、前記係合部は、着座者側から見て、前記通気溝と重ならない位置に配置されていてもよい。
 また、前記シートは、前記パッドを支持するフレームをさらに備えていてもよい。
第1実施形態に係るシートとしての車両用シートの斜視図である。 図5のII-II断面図である。 クッションパッドを分解して示す斜視図である。 パッド本体を上から見た平面図である。 パッド本体の上にカバーパッドを重ねた状態を上から見た平面図である。 吊り込み溝周りの構造を一部破断して示す斜視図である。 第2実施形態に係るクッションパッドを一部破断して示す斜視図である。 第2実施形態に係るクッションパッドを示す断面図である。 第3実施形態に係るクッションパッドを一部破断して示す斜視図である。 第4実施形態に係るクッションパッドを示す断面図である。 第5実施形態に係るクッションパッドを示す断面図である。 ドアトリムを車室側から見た図である。 アームレストの拡大図である。 ディスプレイおよびその周囲の拡大図である。 (a)図14のX-X断面図と、(b)ディスプレイが固定された取付部材の図である。 センサの取付構造の一例を示す断面図である。 電子デバイスの取付構造の第3の例を示す断面図である。 電子デバイスの取付構造の第4の例を示す断面図である。 電子デバイスの取付構造の第5の例を示す断面図である。 電子デバイスの取付構造の第6の例を示す断面図である。
 以下、添付の図面を参照しながら、発明の第1実施形態について説明する。なお、本明細書において、前後、左右、上下は、シートに座った者(着座者)から見た、前後、左右、上下を基準とする。
 図1に示すように、本実施形態のシートは、自動車に搭載される車両用シートSとして構成されており、シートクッションS1と、シートバックS2と、ヘッドレストS3とを備えている。
 図2に示すように、シートクッションS1は、フレームとしてのクッションフレームCFと、パッドとしてのクッションパッド70と、表皮80とを備えている。クッションフレームCFは、クッションパッド70を支持する。表皮80は、クッションパッド70を覆う。
 クッションパッド70は、通気路71を有している。通気路71は、第1通気路71Aと、第2通気路71Bと、複数の第3通気路71C(図3も参照)とを含む。第1通気路71Aは、第2通気路71Bから下側(着座者側とは反対側)に向けて延びて、第2通気路71Bとクッションパッド70の下側の空間とを連通させるように設けられている。また、第3通気路71Cは、第2通気路71Bから上側(着座者側)に向けて延びて、第2通気路71Bとクッションパッド70の上側の空間とを連通させるように設けられている。
 車両用シートSは、ブロアBLと、ダクトDTとをさらに備えており、図2に矢印で示すように、ブロアBLから送風された空気が、ダクトDTと通気路71を通って、クッションパッド70の上面から着座者に向けて吹き出されるように構成されている。なお、表皮80は、通気性を有する素材から形成されたものであってもよいし、第3通気路71Cに対応する位置に空気を通すための穴が形成されたものであってもよい。
 クッションフレームCFは、左右に離間して配置された図示しない左右のサイドフレームと、当該左右のサイドフレームを連結するパンフレームPFとを含んで構成されている。パンフレームPFは、金属板を板金加工することにより形成された板状のフレームであり、シートクッションS1の前部に配置されている。
 ブロアBLは、一例として、シロッコファンであり、ブラケットBRを介してパンフレームPFに取り付けられている。また、ブロアBLは、ダクトDTを介してクッションパッド70の第1通気路71Aに接続されている。ダクトDTは、管状の部材であり、一端がブロアBLに接続され、他端が第1通気路71Aに接続されている。
 図3に示すように、クッションパッド70は、パッド本体100と、パッド本体100の上面(着座者側の面)に重ねて配置されたカバーパッド200とを備えて構成されている。パッド本体100やカバーパッド200は、例えば、ウレタンフォームなどから形成することができる。なお、パッド本体100とカバーパッド200は、同じ材料から形成されていてもよいし、異なる材料から形成されていてもよい。
 パッド本体100は、中央部110と、中央部110の左右両側に設けられて中央部110よりも上側に張り出した左右の側部120L,120Rとを有している。左右の側部120L,120Rは、パッド本体100にカバーパッド200が取り付けられた状態で、カバーパッド200よりも上側に張り出す(図2参照)。
 中央部110は、第1本体部111と、第1本体部111の後側の第2本体部112とを有している。
 第1本体部111の上面は、第2本体部112の上面よりも低くなっている。これにより、パッド本体100の上面のうち、左右方向中央部の前側部分には、側部120L,120Rおよび第2本体部112に対して凹む形状をなし、前側が開放されたカバー取付凹部130が形成されている。カバー取付凹部130には、カバーパッド200が配置される。また、第1本体部111には、第2通気路71Bを形成する通気溝Gと、第1通気路71Aを形成する第1通気孔H1が設けられている。
 通気溝Gは、着座者側に開口する溝であり、前後左右に延びるように第1本体部111の上面に形成されている。通気溝Gは、第1溝G1と、第2溝G2と、左右の第3溝G3と、左右の第4溝G4を有している。
 第1溝G1は、前後方向に延びる溝であり、第1本体部111の上面の左右中央に位置している(図4参照)。第2溝G2は、第1溝G1の後端から右に延びている。第2溝G2の底には、第1通気孔H1が形成されている。
 左右の第3溝G3は、それぞれ、第1溝G1の前端と後端の間の中間位置から左右方向外側に延びた後、後ろに延びている。左右の第4溝G4は、それぞれ、第1溝G1の前端から左右方向外側に延びた後、前側および左右方向外側に向けて斜めに延びている。
 カバーパッド200は、第1本体部111の上面に重ねて配置されて通気溝Gの着座者側の開口を覆うことでパッド本体100との間に第2通気路71Bを形成する部材である。カバーパッド200は、下面(着座者側とは反対側の面)が、第1本体部111の上面に接着剤等により固着されている。
 カバーパッド200は、上下に貫通した複数の第2通気孔H2と、表皮80を吊り込むための吊り込み溝GRと、ワイヤ部材Wとを有している。第2通気孔H2は、第3通気路71Cを形成する孔であり、上側から見て、カバーパッド200に形成された第3溝G3または第4溝G4と重なる位置に設けられている(図5参照)。
 吊り込み溝GRは、カバーパッド200の上面に形成され、カバーパッド200の左端から右端にわたって略左右方向に延びている。図6に示すように、吊り込み溝GRは、左右の端部のそれぞれに、ワイヤ部材Wの一部である係合部W1を外部に露出させるための凹部GR1を有している。
 凹部GR1は、吊り込み溝GRの底面F1に形成されている。ワイヤ部材Wは、左右方向に延び、係合部W1が凹部GR1内に配置され、係合部W1以外の部分である他部が、吊り込み溝GRの底部GR2にインサート成形により埋設されている。表皮80は、表皮材81と、係合部W1に係合するフック82とを備えている。
 図5に示すように、吊り込み溝GRは、着座者側から見て、通気溝Gの第1溝G1と重なるように配置されている。詳しくは、吊り込み溝GRは、着座者側から見て、第1溝G1と交差し、前後方向において、第3溝G3と第4溝G4の間に配置されている。
 左右の係合部W1は、着座者側から見て、通気溝Gと重ならない位置に配置されている。詳しくは、係合部W1は、前後方向において、第3溝G3と第4溝G4の間に配置されている。左右の係合部W1の間には、第1溝G1が配置されている。
 パッド本体100の第2本体部112および左右の側部120L,120Rと、カバーパッド200の後端および左右端との間には、表皮80を吊り込むための第2吊り込み溝GVが形成されている。図2に示すように、パッド本体100には、第2吊り込み溝GVに吊り込まれた表皮80と係合する第2ワイヤ部材Waが部分的に露出するようにインサート成形により埋設されている。
 カバーパッド200は、吊り込み溝GRと通気溝Gを仕切る仕切壁201を有することで、吊り込み溝GRが通気溝Gと連通しないように構成されている。ここで、仕切壁201は、吊り込み溝GRの底部GR2の一部である。
 カバーパッド200は、通気溝Gの深さよりも厚い部分を有している。本実施形態では、カバーパッド200の任意の部分の厚さ(カバーパッド200の上面から下面までの寸法)が、通気溝Gの深さよりも大きい。また、仕切壁201の厚さも、通気溝Gの深さよりも大きい。
 カバーパッド200は、パッド本体100のうち厚さが最も小さい部分である薄肉部101よりも厚い部分を有している。本実施形態では、カバーパッド200の任意の部分の厚さが、薄肉部101よりも大きい。また、仕切壁201の厚さも、薄肉部101よりも大きい。
 吊り込み溝GRは、前後方向において、薄肉部101とは異なる位置に配置されている。つまり、吊り込み溝GRは、着座者側から見て、薄肉部101と重ならない位置に配置されている。
 吊り込み溝GRの深さは、カバーパッド200の厚さの半分以下となっている。詳しくは、吊り込み溝GRの深さは、カバーパッド200のうち吊り込み溝GRが形成される部分の上面(吊り込み溝GRの上端を含む面)から下面までの寸法の半分以下となっている。言い換えると、吊り込み溝GRの深さは、仕切壁201の厚さ以下となっている。
 以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
 仕切壁201によって吊り込み溝GRと通気溝Gが連通しないので、通気溝Gを通る空気が吊り込み溝GRから外に漏れるのを抑制することができる。
 カバーパッド200が通気溝Gの深さよりも厚い部分を有するので、着座フィーリングを向上させることができる。
 カバーパッド200がパッド本体100の薄肉部101よりも厚い部分を有するので、着座フィーリングを向上させることができる。
 カバーパッド200が係合部W1を備えることで、例えばパッド本体に係合部を設ける構造に比べ、表皮を通すための貫通孔を吊り込み溝に形成する必要がないので、カバーパッド200の剛性が低下するのを抑えることができる。
 吊り込み溝GRの深さをカバーパッド200の厚さの半分以下とすることで、吊り込み溝GRの底部GR2(仕切壁201)の厚さを大きくすることができるので、係合部W1を底部GR2に強固に固定させることができる。
 吊り込み溝GRが、着座者側から見て、薄肉部101と重ならない位置に配置されているので、クッションパッド70の最も薄肉となる部分の厚さが小さくなりすぎるのを抑制することができる。
 なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。以下の説明においては、前記実施形態と略同様の構造となる部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
 図7および図8に示すように、第2実施形態に係るパッド本体300は、第1実施形態のパッド本体100を、通気溝Gの底面を含む平面で2つに分割したものである。具体的に、パッド本体300は、第1パッド本体310と、第1パッド本体310の着座者側に配置される第2パッド本体320とを有している。
 第2パッド本体320は、上下に貫通するスリット状の通気溝Gaを有している。通気溝Gaは、第1実施形態の通気溝Gの底を取り除いた構造となっている。つまり、通気溝Gaは、第1実施形態の各溝G1~G4と略同形状の、底無しの各溝Ga1~Ga4を有する(第1溝Ga1のみ図示)。第1パッド本体310は、通気溝Gaの下側(着座者とは反対側)の開口を覆うことで、第1実施形態のような底付きの通気溝Gを形成する。第1パッド本体310は、前記実施形態と同様の第1通気孔H1を有している。
 以上のような第2実施形態でも、仕切壁201によって吊り込み溝GRと通気溝Gaが連通しないので、通気溝Gaを通る空気が吊り込み溝GRから外に漏れるのを抑制することができる。なお、第2実施形態では、第2パッド本体320に形成する通気溝Gaをスリット状としたが、本発明はこれに限定されず、第2パッド本体に形成する通気溝は、第1実施形態のような底付きの通気溝であってもよい。この場合、第2パッド本体は、第1通気孔H1の少なくとも一部を有していてもよい。
 図9に示すように、第3実施形態は、第1実施形態においてカバーパッド200に設けていた係合部W1を、パッド本体400に設けた点で、第1実施形態とは異なる。詳しくは、パッド本体400は、左右に延びるワイヤ部材Wと、ワイヤ部材Wの一部を係合部W1として外部に露出させるための左右の凹部410とを有している。凹部410は、上に向けて開口している。
 ワイヤ部材Wの左右の中央部は、第1溝G1内に配置されている。ワイヤ部材Wのうち左右の凹部410内および第1溝G1内に配置される部分以外の部分は、パッド本体400にインサート成形により埋設されている。
 カバーパッド500は、吊り込み溝GRの底部GR2に、上下に貫通し、かつ、凹部410に連通する2つの貫通孔H3を有している。表皮80のフック82は、貫通孔H3を通ることで、凹部410内の係合部W1と係合可能となっている。2つの貫通孔H3と2つの凹部410は、着座者側から見て、通気溝Gと重ならない位置に配置されている。
 詳しくは、カバーパッド500をパッド本体400に取り付けた状態を着座者側から見た図は、図5と同じになる。貫通孔H3と凹部410は、第1実施形態の凹部GR1と同じ位置に配置され、通気溝Gを構成する溝G1~G4のいずれとも重ならない。
 以上、第3実施形態によれば、パッド本体400に係合部W1を設けることで、係合部W1が着座者から遠い位置に配置されるので、着座フィーリングを向上させることができる。また、貫通孔H3が通気溝Gと重ならないので、通気溝Gを通る空気が貫通孔H3から外に漏れるのを抑制することができる。
 図10に示すように、第4実施形態は、第1実施形態におけるカバーパッド200の裏面(パッド本体100側の面)に裏打ち材600を設けた点で、第1実施形態とは異なる。裏打ち材600は、例えば、不織布、織布またはフィルム材などからなる。裏打ち材600は、カバーパッド200の裏面のうち通気路71を形成する部分のみに設けられていてもよいし、裏面全体に設けられていてもよい。つまり、裏打ち材600は、カバーパッド200の裏面のうち少なくとも通気路71を形成する部分に設けられていればよい。
 裏打ち材600は、カバーパッド200を成形する際にカバーパッド200と一体に成形されてもよいし、接着剤などによってカバーパッド200に貼り付けられていてもよい。このように裏打ち材600を設けることで、乗員が車両用シートSに座ったときに通気路71が潰れるのを抑制することができる。
 図11に示す第5実施形態のように、裏打ち材600は、パッド本体100に形成される通気溝Gに設けられていてもよい。裏打ち材600は、通気溝Gを構成する底面、前面、後面、左面および右面のうち少なくとも1つの面に設けられていればよい。また、第4実施形態と第5実施形態を組み合わせて、カバーパッド200とパッド本体100の両方に裏打ち材600を設けてもよい。カバーパッド200とパッド本体100の両方に裏打ち材600を設けた場合には、通気路71の潰れをより抑制することができる。
 前記実施形態では、ワイヤ部材Wの一部を係合部W1としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、クリップ部材の一部を係合部としてもよい。なお、クリップ部材の一部を第1実施形態のように吊り込溝内に配置する場合には、クリップ部材の他部は、吊り込み溝の底部または側部に埋設すればよい。また、クリップ部材の一部を第3実施形態のようにパッド本体の凹部内に配置する場合には、クリップ部材の他部は、凹部の底部または側部に埋設すればよい。
 また、前記実施形態では、ブロアBLとしてシロッコファンを例示したが、これに限定されず、例えば、プロペラファンやターボファンなどであってもよい。また、前記実施形態では、車両用シートSがブロアBLの作動によって空気を吹き出すように構成されていたが、これに限定されず、例えば、ブロアの作動によって空気を吸い込むように構成されていてもよい。また、ブロアは、例えば、羽根の回転方向を切り替えることで、送風と吸引を切り替えることができるものであってもよい。
 また、前記実施形態では、パッドが、クッションパッド70、つまり、シートクッションS1のパッド材であったが、これに限定されない。例えば、パッドは、シートバックのパッド材であってもよい。この場合、カバーパッドは、パッド本体の前面(着座者側の面)に重ねて配置されることとなる。また、この場合、フレームは、シートバックを構成するシートバックフレームとなる。
 また、前記実施形態では、シートとして自動車に搭載される車両用シートSを例示したが、これに限定されず、自動車以外の乗物、例えば、鉄道車両や船舶、航空機などに搭載される乗物用シートであってもよい。また、シートは、乗物用のシートに限定されず、例えば、家庭などで使用されるシートであってもよい。
 また、前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
 以下に電子デバイスを備える車両用内装材について説明する。
 ドアトリムなどの車両用内装材に、センサやディスプレイ、スイッチなどの電子デバイスを設けることがある(特開2021-35816号公報)。ドアトリムが合成皮革などの表皮を有する場合、電子デバイスは、表皮に設けられた開口を通して基材に嵌め込まれるようにして固定されることが多い。
 ところで、車両の電子デバイスの高機能化や、車両内装のデザイン性の向上に伴い、電子デバイスを内装材に取り付ける場合に、取付精度やデザイン性を損なわない新たな取付方法が求められている。
 そこで、新たな取付構造により電子デバイスが取り付けられた車両用内装材を提供することが求められている。
 前記した課題を解決する、車両の内側に取り付けられる車両用内装材は、基材と、基材を覆う表皮と、電子デバイスと、電子デバイスが固定された取付部材とを備えてなる。
 取付部材は、基材に取り付けられる。表皮は、取付部材に固定されている。
 このような構成によれば、表皮は、電子デバイスが取り付けられた取付部材に固定されるので、電子デバイスと表皮の位置関係が損なわれない。そして、新たな取付構造により、新たな内装デザインに対応することができる。
 取付部材は、電子デバイスを取り囲む表皮取付面であって、表皮側を向く表皮取付面を有することができる。この場合に、表皮は、表皮取付面に取り付けられることが望ましい。
 表皮が電子デバイスを取り囲む表皮取付面に取り付けられることで、電子デバイスと表皮の位置関係の精度が損なわれない。
 基材は、取付部材が入る凹部を有し、基材の表皮側を向く表面のうち、凹部の周囲に位置する周囲面は、表皮取付面よりも突出していてもよい。この場合、表皮のうち、表皮取付面に重なる部分は、周囲面に重なる部分よりも厚くてもよい。
 このような構成によれば、表皮のうち、表皮取付面に重なる部分が厚い場合にも、当該厚い部分が表皮取付面と周囲面の段差によりできる空間に収まるので、外観を良好にすることができる。
 表皮の電子デバイスを取り囲む部分の表面は、電子デバイスの表面よりも突出することが望ましい。
 このような構成によれば、電子デバイスの表面が傷つくのを抑制することができる。
 表皮は、電子デバイスを露出させる開口を有することができる。
 表皮は、電子デバイスを覆っていてもよい。この場合、表皮の電子デバイスを覆う部分は、他の部分よりも薄いことが望ましい。
 このような構成によれば、表皮の電子デバイスを覆う部分が薄いことで、表皮に覆われた電子デバイスにアクセスし易い。例えば、電子デバイスがディスプレイであれば、ディスプレイの表示が見易くなり、電子デバイスがスイッチやセンサであれば、電子デバイスの操作をし易くなる。
 取付部材は、表皮を取付部材に縫合するための糸が通るステッチ孔を有していてもよい。この場合、ステッチ孔は、電子デバイスと重ならない位置に配置され、表皮は、縫合により取付部材に固定されており、縫合の糸からなる第1ステッチを有することができる。
 このような構成によれば、表皮を取付部材に縫合によりしっかりと取り付けることができる。また、第1ステッチにより、装飾性を高めることができるとともに、電子デバイスの位置を認識しやすくなる。さらに、第1ステッチを形成する糸がステッチ孔を通るので、第1ステッチの位置と電子デバイスの位置関係が正確になる。
 前記した車両用内装材は、表皮に対して表皮の表面とは反対側に位置する照明装置であって、ステッチ孔を通して表皮の表面側から光が見えるように発光する照明装置をさらに備えることができる。
 このような構成によれば、ステッチ孔を通して表皮の表面側から光が見えるので、装飾性を高めることができるとともに、電子デバイスの位置を認識しやすくなる。
 基材は、ステッチ孔と重なる位置に貫通孔を有していてもよい。この場合に、照明装置は、基材に対して表皮とは反対側で、かつ、貫通孔と重なる位置に配置されていてもよい。
 このような構成によれば、照明装置が発する光を、貫通孔とステッチ孔を通して表皮の表面側から見えるようにすることができる。
 第1ステッチは、電子デバイスを囲うように配置されていてもよい。そして、表皮は、第1ステッチとは別に配置された第2ステッチをさらに備えていてもよい。
 照明装置は、第1ステッチに対応した位置に設けられ、第2ステッチに対応する位置には設けられていなくてもよい。
 基材はステッチ孔と重なる位置に貫通孔を有しており、表皮は、ステッチ孔および貫通孔を通る糸により取付部材および基材に縫合されていてもよい。
 このような構成によれば、表皮が、取付部材と基材に縫合されることで、表皮が基材に対してずれることがない。
 次に、車両用内装材の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
 図12に示すように、本実施形態の車両用内装材は、一例として、車両のドアパネルの内側に取り付けられるドアトリム1である。ドアトリム1は、ドアトリム本体1Aと、ドアトリム本体1Aから車室側に突出するアームレスト2とを有する。アームレスト2は、ドアトリム本体1Aを構成する基材と一体に形成されていてもよいし、ドアトリム本体1Aとは別部品として構成して、ドアトリム本体1Aに取り付けられていてもよい。
 アームレスト2は、腕を置くことができるように前後に延びる本体部3と、本体部3の前端部から斜め上に前方に延びる操作パネル4とを有する。
 図13に示すように、操作パネル4は、下部に電子デバイスDの一例としてのディスプレイD1を有する。ディスプレイD1は、例えば、タッチパネルディスプレイである。本実施形態においては、操作パネル4には電子デバイスDとしてディスプレイD1しか示していないが、ディスプレイD1よりも前方の上面に、他の電子デバイスDとして、他のディスプレイや、スイッチ、ボタン、ダイヤルなどを設けてもよい。図14に拡大して示すように、操作パネル4の上面は、ディスプレイD1以外の部分が表皮20により覆われている。表皮20は、ディスプレイD1を囲むように配置された、縫合の糸からなる第1ステッチS11を有する。表皮20は、皮革、合成皮革、ファブリックまたは樹脂シートなどからなる。
 図13に戻り、本体部3は、上面3Aと、側面3Bと、前下面3Cと、後下面3Dとを有する。側面3Bは、上面3Aの車室側(車両の左右内側)の端部から、下方に延びる。側面3Bは、下側に頂点を持つ逆三角形形状を有している。前下面3Cは、側面3Bの前半分の下側に位置する。前下面3Cは、稜線L1を介して側面3Bと繋がっている。前下面3Cは、稜線L1を底辺とし、稜線L1の下側に頂点を持つ逆三角形形状を有している。後下面3Dは、稜線L2を介して側面3Bおよび前下面3Cと繋がっている。後下面3Dは、なだらかに車両の左右外側に曲がって延び、ドアトリム本体1Aに繋がっている。
 本体部3は、表面に表皮30が設けられている。表皮30の下には、電子デバイスDの一例としてのセンサD2とセンサD3とが設けられている。センサD2およびセンサD3は特に限定されないが、例えば、圧力センサである。圧力センサは、図示しない制御部に接続され、乗員が表皮30の上から触って操作することで制御部に信号が送られる。表皮30は、上面3Aおよび側面3Bの部分を覆う第1部分C1と、前下面3Cを覆う第2部分C2と、後下面3Dを覆う第3部分C3とを有してなる。表皮30は、皮革、合成皮革、ファブリックまたは樹脂シートなどからなる。
 センサD2は、側面3Bを覆う第1部分C1の表皮30の下に配置されている。センサD3は、前下面3Cを覆う第2部分C2の表皮30の下に配置されている。表皮30は、センサD2の周囲に、センサD2を囲むように配置された、縫合の糸からなる第1ステッチS12を有する。また、表皮30は、センサD3の周囲に、センサD3を囲むように配置された、縫合の糸からなる第1ステッチS13を有する。第1ステッチS12,S13は、表皮30の下に隠れたセンサD2,D3の位置を乗員に知らせる役目を果たす。
 表皮30は、第1部分C1と第2部分C2とが、縫合によりつなぎ合わされている。第1部分C1と第2部分C2の切替線は、稜線L1に位置する。また、表皮30は、第1部分C1および第2部分C2と、第3部分C3とが、縫合によりつなぎ合わされている。第1部分C1および第2部分C2と、第3部分C3の切替線は、稜線L2に位置する。
 表皮30の第1部分C1は、稜線L1と稜線L2の後部に沿って第2ステッチS21を有する。表皮30の第2部分C2は、稜線L1と稜線L2の前部に沿ってV字形状の第2ステッチS22を有する。表皮30の第3部分C3は、稜線L2に沿って第2ステッチS23を有する。第2ステッチS21,S22,S23は、電子デバイスDを囲む第1ステッチS11,S12,S13とは別に配置されたステッチである。第1ステッチS11,S12,S13は、第2ステッチS21,S22,S23と異なる色を有していてもよい。これにより、電子デバイスDを乗員が認識しやすくなる。
 次に、電子デバイスDの取付構造について詳細に説明する。
 まず、図15を参照して、電子デバイスDとしてのディスプレイD1の取付構造を説明する。図15(a)に示すように、ドアトリム1は、基材10と、取付部材40と、照明装置50とを備える。
 基材10は、ドアトリム1の形状を決める構造体で、例えば、プラスチックなどからなる。基材10は電子デバイスDが取り付けられる部分に凹部11を有する。凹部11には、取付部材40が入る。凹部11があることで、基材10は、凹部11に対応する薄肉部12と、凹部11の周囲に位置する厚肉部13とを有する。基材10は、薄肉部12に、貫通孔18と、ハーネス92を通すための通線孔19と、を有する。凹部11の深さは、取付部材40の厚さよりも大きい。
 前記した表皮20は、基材10を覆う。
 取付部材40は、板形状を有する。取付部材40は、電子回路の基板であってもよいし、電気的な構成を備えない板であってもよい。取付部材40には、ディスプレイD1が取り付けられている。ディスプレイD1は、取付部材40に接着により固定されていてもよい。もしくは、取付部材40が回路基板である場合には、ディスプレイD1の電気端子を回路基板に半田付けすることによりディスプレイD1が取付部材40に固定されていてもよい。ハーネス92は、通線孔19を通り、取付部材40の適宜な部分を介して電気的にディスプレイD1に繋がっている。取付部材40が回路基板である場合には、ハーネス92は、回路基板の端子に接続され、回路基板上の配線を介してディスプレイD1に電気的に接続されていればよい。また、取付部材40が回路基板でない場合には、取付部材40がハーネス92を通すための孔を有していてもよい。
 図15(b)に示すように、取付部材40は、ディスプレイD1よりも一回り大きな形状を有する。取付部材40は、車室側を向く面に、ディスプレイD1を取り囲む表皮取付面43を有する。取付部材40は、表皮取付面43に、ディスプレイD1の輪郭に沿って複数並んだステッチ孔48を有する。ステッチ孔48は、表皮20を取付部材40に縫合するための糸が通る孔である。ステッチ孔48は、ディスプレイD1と重ならない位置に配置されている。
 図15(a)に示すように、基材10は、貫通孔18をステッチ孔48と重なる位置に有している。貫通孔18は、各ステッチ孔48(図15(b)参照)と重なるように、複数設けられている。
 また、表皮20は、電子デバイスDを露出させる開口25を有する。表皮20は、開口25を形成する部分において、縁が裏側(基材10側)に折り返されることで、開口25の周囲が他の部分より厚くなっている。表皮20は、この折り返された折返部21と、折返部21に重なる部分に、第2ステッチ孔28が形成されている。第2ステッチ孔28は、ステッチ孔48と対応する位置に配置されている。第2ステッチ孔28は、縫合がし易いように、縫合前に空けられた孔である。
 取付部材40およびディスプレイD1は、基材10の凹部11に配置されている。
 基材10の表皮20側の表面のうち、凹部11の周囲に位置する周囲面15は、表皮取付面43よりも突出している。折返部21は、表皮取付面43に重なっている。これにより、表皮20の表皮取付面43に重なる部分は、周囲面15に重なる部分よりも厚いが、この厚い部分を、表皮取付面43と周囲面15の段差によりできた空間に収めることで、折返部21による表皮20の形状の歪みを抑えることができる。
 表皮20のディスプレイD1を取り囲む部分の表面27は、ディスプレイD1の表面95よりも突出している。これにより、ディスプレイD1に物が当たりにくく、ディスプレイD1の表面95が傷つくのが抑制される。
 表皮20は、第2ステッチ孔28、ステッチ孔48および貫通孔18に通る糸91により、取付部材40および基材10に縫合されている。これにより、表皮20は、表皮取付面43に取り付けられる。また、取付部材40は、基材10に縫合により取り付けられる。
 照明装置50は、基材10に対して表皮20の表面27とは反対側に位置する。具体的には、照明装置50は、基材10の表皮20とは反対側の面であって、貫通孔18と重なる位置に配置されている。つまり、照明装置50は、第1ステッチS11、ステッチ孔48、第2ステッチ孔28、貫通孔18に対応した位置に設けられている。照明装置50は、各ステッチ孔48に対応して複数の発光素子を有していてもよいし、各ステッチ孔48を覆うように、リング状の長い発光体を有していてもよい。これにより、照明装置50が発光することで、貫通孔18、ステッチ孔48および第2ステッチ孔28を通して表皮の表面側から光が見えるようになる。なお、ここでは、表皮20に第2ステッチ孔28があり、第2ステッチ孔28を光が通ることで表皮20の表面27側から光が見えることとしたが、第2ステッチ孔28は無くてもよい。糸91を表皮20に針で通したときにできた微細な孔から光が通るようにしてもよいし、糸91を透明または半透明のプラスチックなどから構成することで、糸91の内部を光が通るようにしてもよい。
 また、図視は省略するが、照明装置50は、第2ステッチS21,S22,S23に対応する位置には設けられていない。これにより、第2ステッチS21,S22,S23の部分では、光らないようになっている。
 次に、図16を参照して、電子デバイスDとしてのセンサD2の取付構造を説明する。なお、ディスプレイD1の取付構造と同様の部分については、図面に同じ符号を付して適宜説明を省略する。
 センサD2が取り付けられる部分の基材10は、取付部材40が入る凹部11Bを有する。凹部11Bがあることにより、基材10は、凹部11Bに対応する薄肉部12と、凹部11の周囲に位置する厚肉部13Bとを有する。凹部11Bの深さは、取付部材40の厚さとほぼ同等である。このため、基材10の表皮30側を向く表面のうち、凹部11Bの周囲に位置する周囲面15Bは、表皮取付面43と面一になっている。
 表皮30は、センサD2を覆っている。表皮30のセンサD2を覆う部分は、他の部分よりも薄い。具体的には、表皮30は、センサD2に対応する部分に凹部31を有する。表皮30は、凹部31に対応する薄肉部32と、凹部31の周囲に位置する厚肉部33とを有する。凹部31の深さは、センサD2の厚さと同等である。これにより、センサD2は、凹部31の深さにちょうどよく収まり、表皮30の表面37が歪みにくく綺麗な外観を実現することができる。表皮30は、ステッチ孔48に重なる位置に、第2ステッチ孔38を有する。表皮30は、第2ステッチ孔38、ステッチ孔48および貫通孔18に通る糸91により、取付部材40および基材10に縫合されている。これにより、表皮30は、表皮取付面43に取り付けられる。また、取付部材40は、基材10に縫合により取り付けられる。
 以上のような本実施形態のドアトリム1によれば、次のような効果を奏する。
 表皮20,30は、電子デバイスDが取り付けられた取付部材40に固定されるので、電子デバイスDと表皮20,30の位置関係が損なわれない。このような新たな取付構造を採用することで、新たな内装デザインに対応することができる。
 そして、表皮20,30が電子デバイスDを取り囲む表皮取付面43に取り付けられることで、電子デバイスDと表皮20,30の位置関係の精度が損なわれない。
 また、表皮20の開口25の周辺に、外観を向上させるための折返部21を設けると、当該部分が周囲よりも厚くなる。しかし、本実施形態では、折返部21が表皮取付面43に重なることで、当該厚い部分が表皮取付面43と周囲面15の段差によりできる空間に収まるので、表皮20が歪みにくく、外観を良好にすることができる。
 また、表皮20のディスプレイD1を取り囲む部分の表面27は、ディスプレイD1の表面95よりも突出しているのでディスプレイD1の表面95が傷つくのを抑制することができる。
 また、表皮30のセンサD2を覆う部分が薄いことで、表皮30に覆われたセンサD2にアクセスし易い。すなわち、センサD2の応答性を良くすることができる。
 また、取付部材40がステッチ孔48を有し、表皮20,30は、ステッチ孔48を通る糸91により取付部材40に固定されているので、表皮20,30を取付部材40に縫合によりしっかりと取り付けることができる。また、第1ステッチS11,S12,S13により、装飾性を高めることができるとともに、電子デバイスDの位置を認識しやすくすることができる。さらに、第1ステッチS11,S12,S13を形成する糸91がステッチ孔48を通るので、第1ステッチS11,S12,S13の位置と電子デバイスDの位置関係が正確になる。
 また、照明装置50が光ることで、ステッチ孔48を通して表皮20,30の表面27,37側から光が見えるので、装飾性を高めることができるとともに、電子デバイスDの位置を認識しやすくなる。
 また、基材10は、ステッチ孔48と重なる位置に貫通孔18を有するので、照明装置50が発する光を、貫通孔18とステッチ孔48を通して表皮20,30の表面27,37側から見えるようにすることができる。
 また、表皮20,30は、ステッチ孔48および貫通孔18を通る糸91により取付部材40に縫合されているので、表皮20,30が、取付部材40と基材10に縫合されることで、表皮20,30が基材10に対してずれることがない。
 以上に車両用内装材の一実施形態について説明したが、ドアトリム1への電子デバイスDの取付構造は、前記した2つの例に限られず、以下に説明するような構成を採用することもできる。
 図17に示すように、電子デバイスDの取付構造の第3の例では、図16に示したセンサD2の取付構造に対して、表皮30を、表皮本体30Aと、スラブ30Bの2層構造にした点が異なる。表皮本体30Aは一定の厚さを有する皮革または合成皮革などからなる。スラブ30Bは、スポンジなどからなる、クッション性を有するシートからなる。スラブ30Bは、表皮本体30Aの裏面に貼り付けられている。スラブ30Bは、センサD2が配置された部分には設けられておらず、これにより、表皮30は、センサD2が収まる凹部31Bを有する。スラブ30Bの厚さは、センサD2の厚さと同等である。このような形態によっても、表皮30が有する凹部31BにセンサD2が綺麗に収まり、ドアトリム1の外観を良好にすることができる。
 図18に示すように、電子デバイスDの取付構造の第4の例では、取付部材40に、表皮20が事前に縫合により固定されており、表皮20は、基材10に縫合されていない。そして、基材10は、取付部材40および電子デバイスDが入る凹部11を有している。取付部材40は、接着剤などにより、基材10の凹部11の底面に貼り付けられる。もしくは、凹部11が取付部材40と嵌合する形状を有していれば、取付部材40を凹部11に嵌合させるだけであってもよい。このような形態によれば、電子デバイスDが表皮20の一部のようになるので、表皮20を基材10に被せる工程によって、同時に電子デバイスDの取付けが完了するので、組立工程を簡略化することができる。なお、表皮20を基材10に組み付けるのではなく、表皮20を金型にインサートし、表皮20の裏側に基材10の材料を射出成形して基材10を表皮20と一体成形してもよい。
 図19に示すように、電子デバイスDの取付構造の第5の例では、ヒータ60が表皮30の下に設けられる。図19の取付構造は、図17の例に対して、表皮30と基材10の間にヒータ60が設けられている。ヒータ60は、接着剤67により基材10の厚肉部13Bに貼り付けられている。ヒータ60は、スラブ30Bに対向して配置される。ヒータ60に通電するためのヒータハーネス92Aは、電子デバイスDのハーネス92と共通の通線孔19を通って基材10の一方側から他方側へ延びている。
 また、取付部材40Bは、前記実施形態の取付部材40よりも厚く、通線孔49を有する。ハーネス92は、通線孔49を通って電子デバイスDに接続されている。さらに、基材10または取付部材40には、ヒータハーネス92Aを通すための溝47が形成されているとよい。このような構成によれば、ヒータ60と、取付部材40および電子デバイスDとが基材10の厚み方向に重ならないので、ヒータ60をコンパクトに配置することができる。これにより、基材10の厚さを抑制しながらヒータ60を設けることができる。
 図20に示すように、電子デバイスDの取付構造の第6の例では、図17の例に対して、薄いシート状のヒータ60Bが表皮30の下に設けられる。ヒータ60Bは、不織布などのシート状の部材に、電熱線が這った構成を有する。そして、表皮30とヒータ60Bが糸91Bにより縫合されている。糸91Bは、センサD2を囲む第1ステッチS12の一部となる。また、取付部材40Dは、ヒータ60Bに重ねられ、ステッチ孔48を利用して、糸91により、表皮30、ヒータ60Bおよび取付部材40が縫合されている。ヒータ60Bに通電するためのヒータハーネス92Aは、電子デバイスDのハーネス92と共通の通線孔19,49を通って基材10および取付部材40Dの一方側から他方側へ延びている。このような構成によれば、ヒータ60Bと表皮30が縫合されているとともに、取付部材40Dと表皮30が固定されているので、ヒータ60BとセンサD2の位置関係がずれることがない。
 以上に説明した形態の他、車両用内装材は、適宜変形して実施することができる。
 例えば、前記実施形態においては、車両用内装材としてドアトリムを例示したが、車両用内装材は、ダッシュボードや、天井のライニング、ピラーの内側の内装材などであってもよい。
 センサD2の位置に配置される電子デバイスDは、ディスプレイであってもよい。電子デバイスDを覆う表皮30が薄いことによって、ディスプレイの上を表皮30が覆っていても、ディスプレイの表示を見ることができる。また、表皮30の、電子デバイスDを覆う部分が透明、半透明またはメッシュ状であれば、ディスプレイの表示を見やすくすることができる。また、表皮が電子デバイスを覆う場合に、表皮の電子デバイスを覆う部分が周囲と同じ厚さであってもよい。
 前記実施形態において、照明装置50は、基材10の、表皮20,30とは反対側に設けられていたが、照明装置は、基材と表皮の間に設けられていてもよい。例えば、基材と取付部材の間に照明装置が配置されていてもよいし、表皮と取付部材の間に照明装置が配置されていてもよい。また、照明装置は、第1ステッチの部分から光が見えるようになっていればよく、ステッチ孔と重ならない位置に配置されていてもよい。例えば、縫合する糸が透光性であれば、表皮と基材の間で糸の側面に光を当てるようにしてもよい。また、縫合する糸に隣接する位置に、導光部材や、光を通す空間を設け、当該導光部材や空間を通して第1ステッチの部分から光が見えるようにしてもよい。
 また、本明細書に記載した各実施形態および各変形例で説明した各要素は、適宜組み合わせて実施することが可能である。

Claims (10)

  1.  ブロアと接続される通気路を有するパッドと、前記パッドを覆う表皮と、を備えるシートであって、
     前記パッドは、
      着座者側に開口する通気溝を有するパッド本体と、
      前記通気溝の着座者側の開口を覆うことで前記通気路を形成するカバーパッドであって、前記表皮を吊り込むための吊り込み溝を有するカバーパッドと、を備え、
     前記吊り込み溝は、着座者側から見て、前記通気溝と重なるように配置され、
     前記カバーパッドが前記吊り込み溝と前記通気溝を仕切る仕切壁を有することで、前記吊り込み溝が前記通気溝と連通していないことを特徴とするシート。
  2.  前記パッド本体は、
      第1パッド本体と、
      前記第1パッド本体の着座者側に配置され、前記通気溝を有する第2パッド本体と、を有することを特徴とする請求項1に記載のシート。
  3.  前記カバーパッドは、前記通気溝の深さよりも厚い部分を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシート。
  4.  前記カバーパッドは、前記パッド本体のうち厚さが最も小さい部分よりも厚い部分を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のシート。
  5.  前記カバーパッドは、
      前記吊り込み溝内に配置され、前記表皮と係合する係合部をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のシート。
  6.  前記係合部は、ワイヤ部材の一部またはクリップ部材の一部であり、
     前記ワイヤ部材の他部または前記クリップ部材の他部は、前記吊り込み溝の底部に埋設されていることを特徴とする請求項5に記載のシート。
  7.  前記吊り込み溝の深さは、前記カバーパッドの厚さの半分以下であることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のシート。
  8.  前記パッド本体は、前記表皮と係合する係合部をさらに備え、
     前記カバーパッドは、前記表皮が通る貫通孔を有し、
     前記貫通孔は、前記着座者側から見て、前記通気溝と重ならない位置に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のシート。
  9.  前記係合部は、着座者側から見て、前記通気溝と重ならない位置に配置されていることを特徴とする請求項5から請求項8のいずれか1項に記載のシート。
  10.  前記パッドを支持するフレームをさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のシート。
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