WO2022269822A1

WO2022269822A1 - 内視鏡の先端部および内視鏡

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Publication number: WO2022269822A1
Application number: PCT/JP2021/023844
Authority: WO
Inventors: 忠博中野
Original assignee: オリンパス株式会社
Priority date: 2021-06-23
Filing date: 2021-06-23
Publication date: 2022-12-29
Also published as: US20240008716A1

Abstract

内視鏡１の先端部８は、処置具の突出方向を偏向する可動機構３２と、可動機構３２を回動支持する支持部５３を有する金属製の基台５０と、可動機構３２を覆うように基台５０に嵌合されて可動機構３２が設置される位置に開口部２１が形成された樹脂製のカバー部材２０と、カバー部材２０に配設される電子部品４５，４６と、電子部品４５，４６と電気的に接続され、カバー部材３０に設けられた配線パターン２４と、を具備する。

Description

内視鏡の先端部および内視鏡

　本発明は、先端部分に処置具などを偏向する可動機構を備えた内視鏡の先端部および内視鏡に関する。

　近年、挿入体である長尺な挿入部の先端における側面に対物レンズ、照明レンズ、処置具導出口などが設けられた医療機器の側視型内視鏡が知られている。側視型内視鏡は、被検体内における挿入部の挿入方向に対して非平行方向を観察するために用いられる。

　例えば、日本国特開２０１９－１１５５６２号公報には、処置具の突出方向を先端部で偏向する起上台などを内視鏡検査後に取り外すことにより内視鏡の洗浄性を向上させる内視鏡が開示されている。

　ところで、このような起上台などの可動機構を有する側視型内視鏡の場合、可動機構部分は、処置具の方向を偏向する際に応力を受けながら駆動される。そのため、この応力に耐える機械的強度および耐久性を確保する必要があり、金属製の部材とすることが望ましい。

　なお、被検対象部位へ処置具をアプローチする視野確保のためのイメージユニットや、照明ユニットなどの電子部品は、挿入部の先端部において可動機構近傍に配置する必要がある。そのため、イメージユニット、照明ユニットなどの電子部品は、先端部の金属製の枠部材に組み込む必要が生じる。

　側視型内視鏡は、挿入体である挿入部の金属から形成される先端部の加工、種々の部品の組み付けなどの手間がかかり製造コストが高くなるという課題があった。

　そこで、本発明は、起上台などの可動機構と、この可動機構の近傍に照明光学系および撮像光学系を有し、機械的強度および耐久性を確保すると共に、製造コストの低減を実現する内視鏡の先端部および内視鏡を提供することを目的とする。

　本発明の一態様の内視鏡の先端部は、処置具等の突出方向を偏向する可動機構と、前記可動機構を回動支持する支持部を有する金属製の基台と、前記可動機構を覆うように前記基台に嵌合されて前記可動機構が設置される位置に開口部が形成された樹脂製のカバー部材と、前記カバー部材に配設される電子部品と、前記電子部品と電気的に接続され、前記カバー部材に設けられた配線パターンと、を具備する。
　本発明の一態様の内視鏡は、被検体に挿入される挿入体と、前記挿入体内に挿通される処置具等の突出方向を偏向する可動機構と、前記可動機構を回動支持する支持部を有する金属製の基台と、前記可動機構を覆うように前記基台に嵌合されて前記可動機構が設置される位置に開口部が形成された樹脂製のカバー部材と、前記カバー部材に配設される電子部品と、前記電子部品と電気的に接続され、前記カバー部材に設けられた配線パターンと、を具備する。

　本発明によれば、起上台などの可動機構と、この可動機構の近傍に照明光学系および撮像光学系を有し、機械的強度および耐久性を確保すると共に、製造コストの低減を実現する内視鏡の先端部および内視鏡を提供することができる。

本発明の第１の実施形態に係る内視鏡の外観平面図同上、挿入体である挿入部の先端部分の構成を示す斜視図同上、挿入体である挿入部の先端部分の構成を示す平面図同上、先端カバーの構成を示す斜視図同上、先端カバーの構成を示す背面図同上、先端カバーの構成を示す上面図同上、先端カバーに形成される電気的な回路構成を部分的に示す平面図同上、先端カバーに形成される電気的な回路構成を部分的に示す斜視図同上、照明光学系、撮像光学系および先端カバーを部分的に示す分解斜視図同上、照明光学系および撮像光学系が先端カバーに搭載された状態を部分的に示す斜視図同上、最先端湾曲駒の構成を示す右方から見た斜視図同上、最先端湾曲駒の構成を示す左方から見た斜視図同上、先端カバーと最先端湾曲駒との嵌合前の状態を示す平面図同上、先端カバーと最先端湾曲駒との嵌合前の状態を部分的に示す斜視図同上、ケーブルの接続を部分的な斜視図同上、先端カバーと最先端湾曲駒とが嵌合された状態を部分的に示す斜視図同上、照明光学系および撮像光学系の周囲に充填剤が充填された状態を部分的に示す斜視図同上、先端カバーと最先端湾曲駒との嵌合された状態を示す上面図本発明の第２の実施形態に係る先端カバーの構成を示す上面図同上、先端カバーの構成を示す下面図同上、先端カバーの構成を示す斜視図同上、先端カバーの構成を示す断面図同上、先端カバーに形成される電気的な回路構成を部分的に示す平面図同上、先端カバーがインサート成形された電子部品の照明光学系または撮像光学系の半田バンプ側を部分的に示す断面図同上、照明光学系または撮像光学系の半田バンプに向けてレーザ光が照射されて先端カバーに穴部が形成される状態を部分的に示す断面図同上、照明光学系または撮像光学系の半田バンプと電気的に接続される配線パターンが先端カバーに形成される状態を部分的に示す断面図第１の変形例の光学ユニットの構成を示す上面図同上、図２７のＸＸＶＩＩＩ－ＸＸＶＩＩＩ線に沿った光学ユニットの構成を示す断面図同上、光学ユニットおよび先端カバーを部分的に示す分解斜視図同上、光学ユニット照明光学系および撮像光学系が先端カバーに搭載され、周囲に充填剤が充填された状態を部分的に示す斜視図第２の変形例の２つの樹脂部材から構成される先端カバーを示す上面図同上、２つの樹脂部材から構成される先端カバーを示す背面図第３の変形例のインサート成形される照明光学系がライトガイドバンドルの先端カバーの構成を示す断面図同上、ライトガイドバンドルが配置される照明光学系設置孔が形成されている先端カバーの構成を示す断面図

　以下、本発明の一態様の内視鏡の先端部および内視鏡について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態に基づく図面は、模式的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、夫々の部分の厚みの比率などは現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面の相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。　

　また、以下の構成説明における医療機器である内視鏡は、生体の気管支、泌尿器、食道から胃や小腸、大腸などの体腔に挿入するため挿入部が可撓性のある所謂軟性鏡を例示しているが、外科用に用いられる挿入部が硬質な所謂硬性鏡にも適用できるものである。また、以下の説明において、工業用内視鏡にも適用できる技術である。
（第１の実施の形態）

　本実施の形態の内視鏡１は、図１に示すように、被検体内に挿入される挿入体である挿入部５と、操作部６と、ユニバーサルケーブル７とを有している。挿入部５は、観察対象部位へ長手軸方向の先端側から挿入される細長な長尺部材である。挿入部５は、先端部８と、湾曲部９と、可撓管部１０とを連設して構成されている。

　先端部８にはライトガイドを備える照明光学系、撮像装置を備える撮像光学系が内蔵されている（ここでは何れも不図示）。この先端部８には、挿入部５の挿入方向に対して、所定の角度を有する撮像光学系の観察窓および照明光学系の照明窓が設けられており、処置具を起上して観察方向への突出方向を偏向する方向変換部としての可動部である起上台３２が配設されている。即ち、本実施の形態は、側視型内視鏡または斜視型内視鏡に適用される技術に関するものである。

　この起上台３２は、挿入部５および操作部６内に挿通される長尺部材である牽引弛緩部材としての起上台操作ワイヤ（以下、単にワイヤと略記する）３１に接続されている。このワイヤ３１が牽引弛緩されることで起上台３２の起伏操作がなされる。なお、ワイヤ３１は、起上台操作レバー１６の操作によって牽引弛緩される。

　湾曲部９は、例えば上下左右の四方向に湾曲自在に構成されている。可撓管部１０は、長尺で可撓性を有する管状部材である。

　操作部６は、把持部６ａを備え、この把持部６ａが挿入部５の基端部に連設しており、処置具挿入口６ｂが配設されている。操作部６には、湾曲操作部１１、送気送水ボタン１３、洗浄チューブ取付口金１５などが設けられている。また、操作部６には、操作部材としての起上台操作レバー１６が設けられている。

　湾曲操作部１１は、挿入部５の湾曲部９の湾曲操作を行うための湾曲操作ノブ１１ａと、この湾曲操作ノブ１１ａを所望の回転位置で固定するための固定レバー１１ｂとを有している。

　ユニバーサルケーブル７は、操作部６の側面より延出されている。ユニバーサルケーブル７の端部には外部機器である光源装置に接続される内視鏡コネクタ１７が設けられている。この内視鏡コネクタ１７は、側部から信号伝達ケーブル１８が延設されている。信号伝達ケーブル１８の他端側には、ビデオプロセッサに接続される電気コネクタ１９が設けられている。

　ここで、本実施の形態の挿入体である挿入部５の先端部８の構造について、詳しく説明する。　

　挿入部５の先端には、図２および図３に示すように、先端部８が配設されている。この先端部８は、照明光学系の照明窓４１および撮像光学系の観察窓４２が設けられた合成樹脂製のカバー部材である先端カバー２０を有している。この先端カバー２０は、後述する金属枠としての最先端湾曲駒５０（図１１および図１２参照）に嵌合されて接着固定される。

　なお、本実施の形態の先端カバー２０は、成形回路部品（ＭＩＤ：Ｍｏｌｄｅｄ　Ｉｎｔｅｒｃｏｎｎｅｃｔ　Ｄｅｖｉｃｅ）からなる硬質な樹脂部品である。

　照明窓４１および観察窓４２は、先端カバー２０の長手方向となる挿入部５の挿入軸に沿って並設されており、これら照明窓４１および観察窓４２に向けて送気送水管路の開口部４３が臨んで設けられている。また、先端カバー２０の照明窓４１および観察窓４２の周囲には、これら照明窓４１および観察窓４２の表面が露出するように光透過性を有していないアンダーフィル剤などの充填剤４４が充填されている。

　先端カバー２０は、図４および図５に示すように、先端カバー２０は、例えば射出成形によって形成された中空の樹脂部材である。この先端カバー２０は、開口部２１と凹部２２が形成される。凹部２２は、照明窓４１および観察窓４２が配置される。開口部２１は、照明窓４１および観察窓４２の近傍に位置するように起上台３２が配置される。

　なお、ここでは、図３のように先端カバー２０を配置した場合に、照明窓４１および観察窓４２が露出する方向から見て、左側に照明窓４１および観察窓４２が配置され、右側に起上台設置部の開口部２１が配置されている。

　先端カバー２０の内部には、起上台３２を回動支持する支持部である起上台軸支部５３に嵌合する嵌合溝２７が形成された壁部２８が、ここでは先端カバー２０を背面側から見て右側の側部内面の略中央に形成されている。

　先端カバー２０は、図６から図８に示すように、凹部２２の底面２３から後方側に延設された板状のケーブル接続部２５を有している。この凹部２２の底面２３およびケーブル接続部２５には、導電パターンである複数の配線パターン２４が設けられている。

　なお、ケーブル接続部２５は、上面となる平面が底面２３に連続しており、この平面上に複数の配線パターン２４が形成されている。そして、ケーブル接続部２５の平面には、複数の配線パターン２４のそれぞれに電気的に接続された複数のケーブル接続端子２６が並設されている。

　先端カバー２０の凹部２２の底面２３には、照明光学系設置領域２３ａおよび撮像光学系設置領域２３ｂを有している。照明光学系設置領域２３ａには、２つの配線パターン２４の各端部に照明光学系端子２４ａが形成されている。また、撮像光学系設置領域２３ｂには、４つの配線パターン２４の各端部に撮像光学系端子２４ｂが形成されている。

　即ち、先端カバー２０は、２つの照明光学系端子２４ａと４つの撮像光学系端子２４ｂが凹部２２の底面に設けられ、これら２つの照明光学系端子２４ａと４つの撮像光学系端子２４ｂと電気的に接続される複数の配線パターン２４およびケーブル接続端子２６のそれぞれが、ここでは合計６つ形成されている。

　なお、先端カバー２０は、凹部２２の底面２３およびケーブル接続部２５の表面の電気的な回路形成において、レーザ光を照射して活性化させた部分をメッキ処理するＭＩＤ技術を用いて、複数の配線パターン２４、照明光学系端子２４ａ、撮像光学系端子２４ｂおよびケーブル接続端子２６が形成される。

　このように構成された先端カバー２０は、図９および図１０に示すように、凹部２２の底面２３に照明窓４１が一体形成された照明光学系の照明モジュール４５および観察窓４２が一体形成された撮像ユニットとしてのカメラモジュール４６が搭載される。

　このとき、照明モジュール４５は、２つの電極が照明光学系設置領域２３ａの２つの照明光学系端子２４ａと半田などにより電気的に接続される。また、カメラモジュール４６は、４つの電極が撮像光学系設置領域２３ｂの４つの撮像光学系端子２４ｂと半田などにより電気的に接続される。

　なお、照明モジュール４５は、カバーガラスである照明窓４１が一体形成されたＬＥＤモジュールである。また、カメラモジュール４６は、例えば、ウエハレベルオプティクス技術を用いて作製されたレンズ積層体からなる撮像用レンズユニット、カバーガラスである観察窓４２、接着層を介して観察窓４２に貼着されたレンズユニットおよびＣＣＤまたはＣＭＯＳの撮像素子が一体に積層されてパッケージ化されたＣＳＰ（Ｃｈｉｐ　Ｓｉｚｅ　Ｐａｃｋａｇｅ）から構成されている。

　このようなカメラモジュール４６は、例えば、ガラス基板等の基材上にレンズを形成したレンズウエハを複数作製し、これらレンズウエハを積層、ダイシングすることによって製造されている。このためカメラモジュール４６は、平面視形状が矩形形状をしており、且つ、レンズ枠を有さない、数ｍｍ四方の非常に小さな全体が略直方体形状となっている。

　先端カバー２０と嵌合される最先端湾曲駒５０は、図１１および図１２に示すように、略円板状の金属体である。この最先端湾曲駒５０は、本体部である基台５１の両側部から後方に延設された２つの駒接続部５１ａが設けられている。

　また、基台５１は、先端面から前方に突出するように形成された２つの起上台軸支部５３を有し、これら２つの起上台軸支部５３の間に旋回軸５３ａにより軸支された金属製の起上台３２が設けられている。なお、基台５１は、２つの起上台軸支部５３の間に処置具挿通口となる開口５１ｂが形成されている。

　起上台３２には、起伏操作するための牽引ワイヤ３１が接続されている。この牽引ワイヤ３１は、基台５１に形成されたワイヤ挿通孔５６に挿入され、後方に延設されている。また、基台５１には、長孔形状のケーブル接続部挿通孔５７および送水管路挿通孔５８が形成されている。

　以上のように先端カバー２０および最先端湾曲駒５０によって構成される挿入部５の先端部構造は、図１３に示すように、最先端湾曲駒５０に先端カバー２０が起上台３２を覆うように嵌合されて装着される。

　このとき、最先端湾曲駒５０は、図１４に示すように、ケーブル接続部挿通孔５７に、ここでは６本のケーブル６２が挿通され、送水管路挿通孔５８に送水管路６１が挿通される。次に、図１５に示すように、ケーブル６２の芯線６３は、先端カバー２０のケーブル接続部２５に形成された６つのケーブル接続端子２６とそれぞれが半田などにより接続される。

　そして、先端カバー２０と最先端湾曲駒５０とが嵌合されて接着剤などにより固着される。このとき、先端カバー２０のケーブル接続部２５は、最先端湾曲駒５０のケーブル接続部挿通孔５７に挿入される。なお、図示しないが、先端カバー２０は、最先端湾曲駒５０の外方側の起上台軸支部５３が嵌合溝２７（図４参照）と嵌合される。

　先端カバー２０は、送水管路６１が照明モジュール４５の照明窓４１およびカメラモジュール４６の観察窓４２に先端開口が臨むように保持された状態で、図１７に示すように、アンダーフィル剤などのフィラーである充填剤４４が凹部２２に充填成形されて熱処理などにより固形化される。こうして、先端部８は、図１８に示すように、先端カバー２０と最先端湾曲駒５０とが組みつけられて構成されている。

　以上のように構成された内視鏡１の挿入部５の先端部８は、機械的強度が必要となる処置具を起伏する可動機構である起上台３２と、この起上台３２を回動支持する起上台軸支部５３および基台５１が一体的に形成された最先端湾曲駒５０と、を金属製とし、起上台３２を覆うカバー部材の先端カバー２０が樹脂製となっている。これにより、先端部８は、強度確保および耐久性確保を確保することができる。

　そして、先端部８の先端カバー２０は、ＭＩＤ技術を用いて、凹部２２およびケーブル接続部２５の表面に複数の配線パターン２４およびケーブル接続端子２６を形成し、これら配線パターン２４と電気的に接続する電子部品である照明モジュール４５およびカメラモジュール４６を凹部２２に搭載するレイアウトとなっている。

　その結果、本実施の形態の内視鏡は、挿入体である挿入部５の先端部８の加工、種々の部品の組み付けなどの手間を抑えることができ、製造コストを低減することができる。

　したがって、内視鏡１は、処置具を偏向する起上台３２などの可動機構を金属部に設け、この可動機構の近傍に照明光学系の照明モジュール４５および撮像光学系のカメラモジュール４６を搭載した先端カバー２０を有する挿入部５の先端部８とすることで、機械的強度および耐久性を確保すると共に、製造コストの低減を同時に実現することができる。

　このように、内視鏡１は、視野方向が挿入方向に対して角度を有する側視または斜視の主に十二指腸内視鏡などの構成であり、機械的強度および耐久性を確保し、製造コストの低減により、シングルユース化に寄与する。なお、内視鏡１の先端部からの処置具の向きを偏向する可動機構として、手術用マニピュレータ、工業用の修理などに用いる種々の医療用機器、工業用機器などにも適用することができる。内視鏡１の先端部からの向きを偏向するものは、処置具に限らず、他の内視鏡や光プローブなども含まれる。
（第２の実施の形態）

　次に、第２の実施の形態の構成について説明する。なお、本実施の形態の説明においては、上述の第１の実施の形態と同じ構成要素については同じ符号を用いてその構成要素の詳細な説明を省略する。

　本実施の形態の内視鏡１は、挿入体である挿入部５の先端部８に設けられる先端カバー２０が第１の実施の形態と異なり、樹脂成型時に照明光学系の照明モジュール４５および撮像光学系のカメラモジュール４６を樹脂成形の図示しない金型の内部に装填した後、金型に樹脂材を注入するインサート成形技術を用いて一体成形した先端カバー２０を有している。

　具体的には、図１９から図２２に示すように、先端カバー２０は、上面に照明窓４１および観察窓４２が露出する凹部６５の底面６６（図１９、図２１および図２２参照）を有している。

　また、先端カバー２０は、インサート成形により照明モジュール４５およびカメラモジュール４６が装填された位置に対応した下面にも凹部６７（図２０から図２２参照）が形成されている。下面側の凹部６７の底面６８および、この底面６８から後方側に延設された板状のケーブル接続部２５には、複数の配線パターン２４が設けられている。

　なお、ケーブル接続部２５は、裏面（下面）となる平面が底面６８に連続しており、この平面上に複数の配線パターン２４が形成されている。そして、ケーブル接続部２５の平面には、複数の配線パターン２４のそれぞれに電気的に接続された複数のケーブル接続端子２６が並設されている。

　また、複数の配線パターン２４は、図２３に示すように、凹部６７の底面６８において、照明モジュール４５の２つの半田バンプ４５ａおよびカメラモジュール４６の４つの半田バンプ４６ａと電気的に接続されている。

　なお、照明モジュール４５およびカメラモジュール４６は、図２４に示すように、インサート成形により先端カバー２０内に装填されている。そのため、図２５に示すように、凹部６７の底面６８側から各半田バンプ４５ａ，４６ａに向けてレーザ光Ｌを照射し、底面６８の肉厚を除去して各半田バンプ４５ａ，４６ａのそれぞれを露出させる６つの穴部６８ａを形成する。

　そして、凹部６７の底面６８、穴部６８ａおよびケーブル接続部２５の裏面の電気的な回路形成において、レーザ光を照射して活性化させた部分をメッキ処理するＭＩＤ技術を用いて、複数の配線パターン２４およびケーブル接続端子２６が形成される。

　最後にリフローにより、各穴部６８ａに形成された配線パターン２４のメッキ部分に各半田バンプ４５ａ，４６ａを溶かして電気的に接続させる。なお、凹部６７の底面６８にレーザ光を照射して活性化させる際に、同時に各穴部６８ａを形成してもよい。

　なお、先端カバー２０は、凹部６７に複数の配線パターン２４を覆うように充填剤が充填され、絶縁性および防水性が確保される。

　以上に説明したように先端カバー２０は、電子部品である照明光学系の照明モジュール４５および撮像光学系のカメラモジュール４６をインサート成形することで、照明モジュール４５およびカメラモジュール４６の電子部品を組み付ける二次加工が不要になり製造コストが抑えられ、これら電子部品と樹脂が一体化して耐久性を増すことができる。

　したがって、本実施の形態の内視鏡１は、電子部品がインサート成型されてＭＩＤ技術を用いて回路形成された先端カバー２０を挿入部５の先端部８に備えることで、第１の実施の形態と同様に機械的強度および耐久性を確保すると共に、製造コストの低減を同時に実現することができる。
（第１の変形例）

　先端カバー２０は、図２７および図２８に示すように、照明光学系の照明モジュール４５および撮像光学系のカメラモジュール４６の周囲を樹脂により固められた樹脂枠２９を有する光学系ユニット３０が搭載される構成としてもよい。

　この光学系ユニット３０は、図２９および図３０に示すように、先端カバー２０の凹部２２の底面２３に搭載され、照明光学系端子２４ａおよび撮像光学系端子２４ｂに各半田バンプ４５ａ，４６ａが半田付けされる。そして、アンダーフィル剤などのフィラーである充填剤４４が光学系ユニット３０の周囲を覆うように凹部２２に充填成形されて熱処理などにより固形化される。

　なお、光学系ユニット３０は、一面側に照明モジュール４５の照明窓４１およびカメラモジュール４６の観察窓４２が露出するように配置され、他面側に各半田バンプ４５ａ，４６ａが突出するように樹脂枠２９が形成される。
（第２の変形例）

　先端カバー２０は、図３１および図３２に示すように、２分割された構成とし、ＭＩＤ技術を用いて回路形成され、照明モジュール４５およびカメラモジュール４６の電子部品が搭載される第１樹脂部材２０ａと、起上台３２が配置される部分の起上台設置部である開口部２１が形成された第２樹脂部材２０ｂと、の樹脂成型体が接着などにより接合された構成としてもよい。

　先端カバー２０は、凹部２２の底面２３に設けられる複数の配線パターン２４と、ケーブル接続部２５の平面に設けられる複数のケーブル接続端子２６を第１樹脂部材２０ａのみにＭＩＤ技術によって形成するため、第２樹脂部材ｂを第１樹脂部材２０ａと異なる樹脂により形成することができる。
（第３の変形例）

　内視鏡１は、先端カバー２０に搭載される照明光学系の照明モジュール４５に変えて、図３３に示すように、照明光を導光するライトガイドバンドル７１の先端部分がインサート成形により先端カバー２０に配設される構成としてもよい。

　また、ライトガイドバンドル７１が先端カバー２０にインサート成形されない構成として、図３４に示すように、先端カバー２０に照明光学系設置孔７２を形成してもよい。

　以上に記載した第１および第２の実施の形態および各変形例の内視鏡１は、シングルユースとする構成のため、先端部８の構造を低価格化および強度確保の両立することができる。即ち、内視鏡１の先端部８の構造に樹脂構造と金属構造のハイブリット構造を採用している。

　また、処置具などを起伏する起上台３２を有し側視型または斜視型の内視鏡１において、機械的強度が必要となる起上台３２の基台部分である最先端湾曲駒５０を金属製とし、起上台３２を覆う先端カバー２０を樹脂製とした構成としている。

　そして、先端カバー２０の表面にＭＩＤ技術を用いて配線パターン２４を形成して、この配線パターン２４に接続する電子部品である、少なくともカメラモジュール４６を先端カバー２０にレイアウトしている。なお、電子部品は、照明モジュール４５も含むものである。このような内視鏡１の構成では、挿入部５の先端部８の強度確保および耐久性確保と、製造コストの低減と、を同時に実現することができる。

　以上の実施の形態および変形例に記載した発明は、それら実施の形態および変形例に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記実施の形態および変形例には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得るものである。

　例えば、実施の形態および変形例に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、述べられている課題が解決でき、述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得るものである。

Claims

　処置具の突出方向を偏向する可動機構と、
　前記可動機構を回動支持する支持部を有する金属製の基台と、
　前記可動機構を覆うように前記基台に嵌合されて前記可動機構が設置される位置に開口部が形成された樹脂製のカバー部材と、
　前記カバー部材に配設される電子部品と、
　前記電子部品と電気的に接続され、前記カバー部材に設けられた配線パターンと、
　を具備することを特徴とする内視鏡の先端部。
　前記電子部品は、前記カバー部材を形成する樹脂材にインサート成形により一体化されていることを特徴とする請求項１に記載の内視鏡の先端部。
　前記カバー部材は、前記配線パターンが形成された成形回路部品であることを特徴とする請求項１に記載の内視鏡の先端部。
　前記カバー部材は、前記配線パターンが形成されて、前記電子部品が搭載される第１樹脂部材と、前記開口部が形成された第２樹脂部の２つの樹脂成形体が接合されていることを特徴とする請求項１に記載の内視鏡の先端部。
　被検体に挿入される挿入体と、
　前記挿入体内に挿通される処置具等の突出方向を偏向する可動機構と、
　前記可動機構を回動支持する支持部を有する金属製の基台と、
　前記可動機構を覆うように前記基台に嵌合されて前記可動機構が設置される位置に開口部が形成された樹脂製のカバー部材と、
　前記カバー部材に配設される電子部品と、
　前記電子部品と電気的に接続され、前記カバー部材に設けられた配線パターンと、
　を具備することを特徴とする内視鏡。