WO2022219849A1

WO2022219849A1 - ディスクブレーキおよびキャリア

Info

Publication number: WO2022219849A1
Application number: PCT/JP2021/047397
Authority: WO
Inventors: みゆき宇野; 伸二鈴木
Original assignee: 日立Astemo株式会社
Priority date: 2021-04-13
Filing date: 2021-12-21
Publication date: 2022-10-20
Also published as: EP4325078A1; JPWO2022219849A1; CN117083470A; US20240159281A1

Abstract

ディスクブレーキ（１０）は、ディスクロータ（１１）に対しディスク軸方向の側方位置に設けられ、ディスク軸方向に移動可能に設けられた摩擦パッド（２４，２５）と、摩擦パッド（２４，２５）を支持し、ディスクロータ（１１）の外周縁に沿って形成された内周面（２１ｂ）と、内周面（２１ｂ）にあって、ディスクロータ（１１）の外周縁に面して設けられたフィルタ部（５５，５６）とを有するキャリア（２１）と、を備える。

Description

ディスクブレーキおよびキャリア

　本発明は、ディスクブレーキおよびキャリアに関する。本願は、２０２１年４月１３日に、日本に出願された特願２０２１－０６７８１２号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

　ディスクブレーキには、ブレーキキャリパの横に別体型のブレーキダスト集塵器を設置したものがある（例えば、特許文献１参照）。

米国特許出願公開第２０２０／０２７１１７６号明細書

　ブレーキダストを効率良く回収することが要望されている。

　本発明の目的は、ブレーキダストを効率良く回収することが可能となるディスクブレーキおよびキャリアを提供することにある。

　上記目的を達成するために、本発明のディスクブレーキに係る一態様は、ディスクロータに対しディスク軸方向の側方位置に設けられ、ディスク軸方向に移動可能に設けられた摩擦パッドと、前記摩擦パッドを支持し、前記ディスクロータの外周縁に沿って形成された内周面と、前記内周面にあって、前記ディスクロータの外周縁に面して設けられたフィルタ部とを有するキャリアと、を備える。

　本発明のキャリアに係る一態様は、摩擦パッドを支持し、ディスクロータの外周縁に沿って形成された内周面と、前記内周面にあって、前記ディスクロータの外周縁に面して設けられたフィルタ部と、を備える。

　本発明によれば、ブレーキダストを効率良く回収することが可能となる。

第１実施形態のディスクブレーキを示す正面図。第１実施形態のディスクブレーキを示す斜視図。第１実施形態のディスクブレーキを示すディスク径方向内側から見た図。第１実施形態のディスクブレーキを示す側面図。第１実施形態のディスクブレーキを示す図４のＶ－Ｖ断面図。第１実施形態のディスクブレーキをディスクを除いて示す図４のＶ－Ｖ断面図。第１実施形態のディスクブレーキのキャリアを示す斜視図。第１実施形態のディスクブレーキのキャリアを示すディスク径方向内側から見た図。第１実施形態のディスクブレーキのキャリアを示す図４のＶ－Ｖ断面図。第１実施形態のディスクブレーキのキャリア本体を示す正面図。第１実施形態のディスクブレーキのキャリア本体を示す斜視図。第１実施形態のディスクブレーキのキャリア本体を示す斜視図。第１実施形態のディスクブレーキのキャリア本体を示す側面図。第１実施形態のディスクブレーキのキャリア本体を示す図１３におけるＸＩＶ－ＸＩＶ断面図。第１実施形態のディスクブレーキのキャリア本体を示す図１３におけるＸＶ－ＸＶ断面図。第１実施形態のディスクブレーキの集塵部を示す斜視図。第１実施形態のディスクブレーキの集塵部を示す斜視図。第１実施形態のディスクブレーキの集塵部を示す斜視図。第１実施形態のディスクブレーキの位置決め用プレート部を示す斜視図。第１実施形態のディスクブレーキの位置決め用プレート部を示す斜視図。第１実施形態のディスクブレーキの位置決め用プレート部を示す斜視図。第１実施形態のディスクブレーキのクリップ式プレート部を示す斜視図。第１実施形態のディスクブレーキのクリップ式プレート部を示す斜視図。第１実施形態のディスクブレーキの位置決め用プレート部の取付状態を示す部分断面図。第１実施形態のディスクブレーキのクリップ式プレート部の取付状態を示す部分断面図。第１実施形態のディスクブレーキの位置決め用プレート部の第１変形例を示す斜視図。第１実施形態のディスクブレーキの位置決め用プレート部の第１変形例を示す斜視図。第１実施形態のディスクブレーキの位置決め用プレート部の第１変形例を示す斜視図。第１実施形態のディスクブレーキのクリップ式プレート部の第１変形例を示す斜視図。第１実施形態のディスクブレーキのクリップ式プレート部の第１変形例を示す斜視図。第１実施形態のディスクブレーキの位置決め用プレート部の第２変形例を示す斜視図。第１実施形態のディスクブレーキの位置決め用プレート部の第２変形例を示す斜視図。第１実施形態のディスクブレーキの位置決め用プレート部の第２変形例を示す斜視図。第１実施形態のディスクブレーキのクリップ式プレート部の第２変形例を示す斜視図。第１実施形態のディスクブレーキのクリップ式プレート部の第２変形例を示す斜視図。第２実施形態のディスクブレーキを示す正面図。第２実施形態のディスクブレーキを示す斜視図。第２実施形態のディスクブレーキを示すディスク径方向内側から見た図。第２実施形態のディスクブレーキを示す側面図。第２実施形態のディスクブレーキを示す図３９のＸＬ－ＸＬ断面図。第２実施形態のディスクブレーキをディスクを除いて示す図３９のＸＬ－ＸＬ断面図。第２実施形態のディスクブレーキのキャリアを示す斜視図。第２実施形態のディスクブレーキのキャリアを示すディスク径方向内側から見た図。第２実施形態のディスクブレーキのキャリアを示す図３９のＸＬ－ＸＬ断面図。第２実施形態のディスクブレーキのキャリアを示す斜視図。第２実施形態のディスクブレーキのキャリア本体を示す正面図。第２実施形態のディスクブレーキのキャリア本体を示す斜視図。第２実施形態のディスクブレーキのキャリア本体を示す側面図。第２実施形態のディスクブレーキのキャリア本体を示す図４８におけるＸＬＩＸ－ＸＬＩＸ断面図。第２実施形態のディスクブレーキのキャリア本体を示す図４８におけるＬ－Ｌ断面図。第２実施形態のディスクブレーキの集塵部を示す斜視図。第２実施形態のディスクブレーキの集塵部を示す斜視図。第２実施形態のディスクブレーキの集塵部を示す斜視図。第２実施形態のディスクブレーキの位置決め用プレート部を示す斜視図。第２実施形態のディスクブレーキの位置決め用プレート部を示す斜視図。第２実施形態のディスクブレーキの位置決め用プレート部を示す斜視図。第２実施形態のディスクブレーキのキャリアを示す図３６のＬＶＩＩ－ＬＶＩＩ断面図。第２実施形態のディスクブレーキの図３６のＬＶＩＩＩ－ＬＶＩＩＩ断面図。第２実施形態のディスクブレーキの位置決め用プレート部の第１変形例を示す斜視図。第２実施形態のディスクブレーキの位置決め用プレート部の第１変形例を示す斜視図。第２実施形態のディスクブレーキの位置決め用プレート部の第１変形例を示す斜視図。第２実施形態のディスクブレーキの位置決め用プレート部の第２変形例を示す斜視図。第２実施形態のディスクブレーキの位置決め用プレート部の第２変形例を示す斜視図。第２実施形態のディスクブレーキの位置決め用プレート部の第２変形例を示す斜視図。第３実施形態のディスクブレーキを示す正面図。第３実施形態のディスクブレーキを示す斜視図。第３実施形態のディスクブレーキを示すディスク径方向内側から見た図。第３実施形態のディスクブレーキを示す側面図。第３実施形態のディスクブレーキを示す図６８のＬＸＩＸ－ＬＸＩＸ断面図。第３実施形態のディスクブレーキをディスクを除いて示す図６８のＬＸＩＸ－ＬＸＩＸ断面図。第３実施形態のディスクブレーキのキャリアを示す斜視図。第３実施形態のディスクブレーキのキャリアを示すディスク径方向内側から見た図。第３実施形態のディスクブレーキのキャリアを示す図６８のＬＸＩＸ－ＬＸＩＸ断面図。第３実施形態のディスクブレーキのキャリアを示す斜視図。第３実施形態のディスクブレーキのキャリアを示す正面図。第３実施形態のディスクブレーキの集塵部を示す斜視図。第３実施形態のディスクブレーキの集塵部を示す斜視図。第３実施形態のディスクブレーキの集塵部を示す斜視図。第３実施形態のディスクブレーキの位置決め用プレート部を示す斜視図。第３実施形態のディスクブレーキの位置決め用プレート部を示す斜視図。第３実施形態のディスクブレーキの位置決め用プレート部の第１変形例を示す斜視図。第３実施形態のディスクブレーキの位置決め用プレート部の第１変形例を示す斜視図。第３実施形態のディスクブレーキの位置決め用プレート部の第２変形例を示す斜視図。第３実施形態のディスクブレーキの位置決め用プレート部の第２変形例を示す斜視図。

［第１実施形態］
　第１実施形態を図１～図３５を参照して以下に説明する。第１実施形態のディスクブレーキ１０は、自動車等の車両用であって車両に制動力を付与するものであり、具体的には四輪自動車の前輪制動用のものである。図１～図５に示すように、ディスクブレーキ１０は、図示略の車輪と共に回転する円板状のディスクロータ１１の回転を止めることで車両を制動する。以下では、ディスクブレーキ１０を車両に取り付けた状態をもって説明する。

　以下の説明においては、ディスクロータ１１の中心軸線の延在方向をディスク軸方向、ディスクロータ１１の径方向をディスク径方向、ディスクロータ１１の周方向つまり回転方向をディスク周方向と称す。また、ディスク径方向におけるディスクロータ１１の中心軸線側をディスク径方向内側、ディスク径方向におけるディスクロータ１１の中心軸線とは反対側をディスク径方向外側と称す。また、ディスク軸方向における車両の外側をディスク軸方向外側、ディスク軸方向における車両の内側をディスク軸方向内側と称す。また、車両前進時のディスクロータ１１の回転方向Ｒにおける入口側をディスク回入側、車両前進時のディスクロータ１１の回転方向Ｒにおける出口側をディスク回出側と称す。

　図１～図６に示すように、ディスクブレーキ１０は、キャリア２１と、キャリパ２２とを備えている。また、ディスクブレーキ１０は、図２および図３に示す一対のブーツ２３と、図６および図１に示す一対の摩擦パッド２４，２５と、一対のパッドスプリング２６，２７とを備えている。図６に示す摩擦パッド２４はディスクロータ１１に対しディスク軸方向内側に配置され、図１に示す摩擦パッド２５はディスクロータ１１に対しディスク軸方向外側に配置される。パッドスプリング２６は、キャリア２１におけるディスク回入側に配置される。パッドスプリング２７は、キャリア２１におけるディスク回出側に配置される。

　図７～図９に示すように、キャリア２１は、キャリア本体２９と、一対のフィルタ部５５，５６とを有している。

　キャリア本体２９は、金属製の一体成形品であり、図１０～図１５に示す形状をなしている。キャリア本体２９は、ディスク周方向に長い形状である。キャリア本体２９は、図１０～図１４に示す固定部３０と、図１２および図１４に示す一対のインナ側パッド支持部３１，３２と、図１０～図１２、図１４および図１５に示す一対の外周枠部３３，３４とを有している。また、キャリア本体２９は、図１０～図１２および図１５に示す一対のアウタ側パッド支持部３５，３６と、連結ビーム部３７とを有している。キャリア本体２９は、ディスク周方向の中央を基準とする鏡面対称の形状となっている。

　図３および図４に示すように、固定部３０は、ディスクロータ１１に対しディスク軸方向の一側に配置されて車両の図示略の非回転部分に固定される。ここで、キャリア本体２９が取り付けられる車両の非回転部分は、ディスクロータ１１に対しディスク軸方向内側に配置されており、この非回転部分に取り付けられる固定部３０も、ディスクロータ１１に対しディスク軸方向内側に配置される。図６に示すように、固定部３０は、ディスク周方向に延びるように配置される。固定部３０には、ディスク周方向両端部に、それぞれディスク軸方向に貫通する取付穴４１を有する一対の取付ボス部４２が設けられている。固定部３０は、一対の取付ボス部４２において車両の非回転部分に取り付けられる。

　図９に示すように、一対のインナ側パッド支持部３１，３２は、いずれもディスク軸方向に直交して広がる板状である。ディスク回入側のインナ側パッド支持部３１は、固定部３０のディスク回入側の端部からディスク径方向外側かつディスク回入側に延出している。また、ディスク回出側のインナ側パッド支持部３２は、固定部３０のディスク回出側の端部からディスク径方向の外側かつディスク回出側に延出している。一対のインナ側パッド支持部３１，３２は、固定部３０と同様、ディスクロータ１１に対しディスク軸方向内側に配置される。

　図１２に示すように、ディスク回入側の外周枠部３３は、ディスク回入側のインナ側パッド支持部３１のディスク径方向の外側の端縁部から、ディスク軸方向に沿ってディスク軸方向外側に延出している。また、ディスク回出側の外周枠部３４は、ディスク回出側のインナ側パッド支持部３２のディスク径方向の外側の端縁部から、ディスク軸方向に沿ってディスク軸方向外側に延出している。

　図２に示すように、ディスク回入側の外周枠部３３は、ディスク軸方向にディスクロータ１１の外周側を跨いでおり、ディスクロータ１１をディスク径方向外側で覆う傘状をなしている。外周枠部３３は、ディスク周方向に沿って延びている。ディスク回出側の外周枠部３４も、ディスク軸方向にディスクロータ１１の外周側を跨いでおり、ディスクロータ１１をディスク径方向外側で覆う傘状をなしている。外周枠部３４も、ディスク周方向に沿って延びている。一対の外周枠部３３，３４は、いずれもディスクロータ１１の外周面に沿うように円弧状に湾曲している。

　図１０に示すように、一対の外周枠部３３，３４には、ディスク周方向の互いに近い側に、相互に対向する対向面３３ａ，３４ａがそれぞれ形成されている。ディスク回入側の外周枠部３３に形成された対向面３３ａは、ディスク径方向外側の外側対向面部３３ｂと、ディスク径方向内側の内側対向面部３３ｃとからなっている。ディスク回出側の外周枠部３４に形成された対向面３４ａは、ディスク径方向外側の外側対向面部３４ｂと、ディスク径方向内側の内側対向面部３４ｃとからなっている。外側対向面部３３ｂ，３４ｂおよび内側対向面部３３ｃ，３４ｃは、いずれもディスク軸方向に沿って広がっている。内側対向面部３３ｃ，３４ｃは、互いに平行をなしている。

　ここで、キャリア２１およびキャリア本体２９のディスク周方向の中央位置とディスク中心軸線とを結んでディスク径方向に延びる線をディスク径方向基準線とする。すると、内側対向面部３３ｃ，３４ｃは、このディスク径方向基準線に平行に広がっている。外側対向面部３３ｂは、ディスク径方向外側ほどディスク周方向において内側対向面部３４ｃから離れるように内側対向面部３３ｃに対して傾斜している。外側対向面部３４ｂは、ディスク径方向外側ほどディスク周方向において内側対向面部３３ｃから離れるように内側対向面部３４ｃに対して傾斜している。キャリア２１およびキャリア本体２９において、ディスク周方向における中央側をディスク周方向内側とし、ディスク周方向における中央とは反対側をディスク周方向外側とする。

　一対の外周枠部３３，３４には、ディスク径方向外側の端部に、それぞれ、ディスク径方向外側に向く外周端面３３ｄ，３４ｄが形成されている。外周枠部３３に形成された外周端面３３ｄと、外周枠部３４に形成された外周端面３４ｄとは、同一の円筒面に配置されている。一対の外周端面３３ｄ，３４ｄは、キャリア２１およびキャリア本体２９において最もディスク径方向外側に設けられている。

　図１１に示すように、ディスク回入側の外周枠部３３には、その外周端面３３ｄのディスク軸方向外側に隣り合って面取り３３ｅが形成されている。ディスク回出側の外周枠部３４には、その外周端面３４ｄのディスク軸方向外側に隣り合って面取り３４ｅが形成されている。面取り３３ｅ，３４ｅは、ディスク径方向外側かつディスク軸方向外側に向いている。面取り３３ｅ，３４ｅは、ディスク軸方向外側ほどディスク径方向内側に位置するようにテーパ状をなしている。面取り３３ｅと面取り３４ｅとは、同一のテーパ面に配置されている。

　図１２に示すように、一対の外周枠部３３，３４には、それぞれのアウタ側パッド支持部３５，３６よりもディスク軸方向外側に、ディスク径方向内側に向く内周端面３３ｆ，３４ｆが形成されている。外周枠部３３に形成された内周端面３３ｆと外周枠部３４に形成された内周端面３４ｆとは、同一の円筒面に配置されている。

　一対の外周枠部３３，３４には、それぞれのアウタ側パッド支持部３５，３６とインナ側パッド支持部３１，３２との間に、図１４および図１５に示すように、ディスク径方向内側に向く平面状の内周端面３３ｇ，３４ｇが形成されている。外周枠部３３に形成された内周端面３３ｇは、内側対向面部３３ｃのディスク径方向内側の端縁部からディスク周方向外側に延出している。外周枠部３４に形成された内周端面３４ｇは、内側対向面部３４ｃのディスク径方向内側の端縁部からディスク周方向外側に延出している。内周端面３３ｇ，３４ｇは、ディスク軸方向およびディスク周方向に沿って広がっている。

　一対の外周枠部３３，３４には、それぞれのアウタ側パッド支持部３５，３６とインナ側パッド支持部３１，３２との間に、ディスク径方向内側に向く内側平坦面３３ｉ，３４ｉが形成されている。外周枠部３３に形成された内側平坦面３３ｉは、内周端面３３ｇのディスク周方向外側の端縁部から、ディスク周方向外側に平面状に延出している。内側平坦面３３ｉは、ディスク軸方向に沿って広がっている。外周枠部３４に形成された内側平坦面３４ｉは、内周端面３４ｇのディスク周方向外側の端縁部から、ディスク周方向外側に平面状に延出している。内側平坦面３４ｉは、ディスク軸方向に沿って広がっている。内側平坦面３３ｉと内側平坦面３４ｉとは同一平面に配置されている。内側平坦面３３ｉと内側平坦面３４ｉとが配置される平面は、ディスク径方向基準線に直交して広がっている。

　一対の外周枠部３３，３４には、それぞれのアウタ側パッド支持部３５，３６とインナ側パッド支持部３１，３２との間に、ディスク径方向内側に向く内周凹状面３３ｊ，３４ｊが形成されている。外周枠部３３に形成された内周凹状面３３ｊは、内側平坦面３３ｉのディスク周方向外側の端縁部から、ディスク周方向外側に延出している。内周凹状面３３ｊは、内側平坦面３３ｉよりもディスク径方向外方に曲面状に凹んでいる。外周枠部３４に形成された内周凹状面３４ｊは、内側平坦面３４ｉのディスク周方向外側の端縁部からディスク周方向外側に延出している。内周凹状面３４ｊは、内側平坦面３４ｉよりもディスク径方向外方に曲面状に凹んでいる。

　一対の外周枠部３３，３４には、それぞれのアウタ側パッド支持部３５，３６とインナ側パッド支持部３１，３２との間に、ディスク径方向内側に向く内周当接面３３ｋ，３４ｋが形成されている。外周枠部３３に形成された内周当接面３３ｋは、内周凹状面３３ｊのディスク周方向外側の端縁部から、ディスク周方向外側に曲面状に延出している。外周枠部３４に形成された内周当接面３４ｋは、内周凹状面３４ｊのディスク周方向外側の端縁部から、ディスク周方向外側に曲面状に延出している。内周当接面３３ｋと内周当接面３４ｋとは、ディスク中心軸線を中心とする同一の円筒面に配置されている。

　外周枠部３３には、アウタ側パッド支持部３５，３６とインナ側パッド支持部３１，３２との間に、ディスク周方向外端に位置する平面状の周方向端面３３ｍが形成されている。外周枠部３４には、アウタ側パッド支持部３５，３６とインナ側パッド支持部３１，３２との間に、ディスク周方向外端に位置する平面状の周方向端面３４ｍが形成されている。ここで、図１４に示すインナ側パッド支持部３１および図１５に示すアウタ側パッド支持部３５は、ディスク周方向に沿って周方向端面３３ｍまで延びており、図１４に示すインナ側パッド支持部３２および図１５に示すアウタ側パッド支持部３６は、ディスク周方向に沿って周方向端面３４ｍまで延びている。

　図５に示すように、一対の外周枠部３３，３４は、内周端面３３ｇ，３４ｇ、内側平坦面３３ｉ，３４ｉ、内周凹状面３３ｊ，３４ｊおよび内周当接面３３ｋ，３４ｋが、ディスクロータ１１に対し、ディスク径方向において対向している。内周端面３３ｇ，３４ｇ、内側平坦面３３ｉ，３４ｉ、内周凹状面３３ｊ，３４ｊ、内周当接面３３ｋ，３４ｋおよび周方向端面３３ｍ，３４ｍは、ディスクロータ１１とディスク軸方向の位置を重ね合わせている。

　図１２に示すように、外周枠部３３は、ディスク軸方向におけるインナ側パッド支持部３１とアウタ側パッド支持部３５との間の範囲がディスクパス部５７となっている。外周枠部３４は、ディスク軸方向におけるインナ側パッド支持部３２とアウタ側パッド支持部３６との間の範囲がディスクパス部５８となっている。図５に示すように、外周枠部３３，３４は、ディスクパス部５７，５８が、ディスクロータ１１をディスク径方向外側で覆う。内周端面３３ｇ、内側平坦面３３ｉ、内周凹状面３３ｊ、内周当接面３３ｋおよび周方向端面３３ｍは、ディスクパス部５７に設けられており、内周端面３４ｇ、内側平坦面３４ｉ、内周凹状面３４ｊ、内周当接面３４ｋおよび周方向端面３４ｍは、ディスクパス部５８に設けられている。

　図１１および図１２に示すように、一対の外周枠部３３，３４には、それぞれのディスク軸方向外側の端部に、ディスク軸方向外側に向く外側端面３３ｈ，３４ｈが形成されている。外周枠部３３に形成された外側端面３３ｈと外周枠部３４に形成された外側端面３４ｈとは、同一平面に配置されている。この平面は、ディスク軸方向に対し直交して広がる平面となっている。

　図１４および図１５に示すように、キャリア本体２９には、一対の外周枠部３３，３４のそれぞれのディスク周方向内側の部分に、ディスク軸方向に沿って延びる一対のピン挿入穴４３，４４が形成されている。一方のピン挿入穴４３は、外周枠部３３に、ディスク軸方向において内側の端部から中間所定位置まで形成されている。他方のピン挿入穴４４は、外周枠部３４に、ディスク軸方向において内側の端部から中間所定位置まで形成されている。

　キャリア本体２９には、一対のピン挿入穴４３，４４に、図２に示すキャリパ２２のディスク周方向両側の一対のスライドピン４５が摺動可能に嵌合する。これにより、キャリア本体２９は、その一対の外周枠部３３，３４において、キャリパ２２をディスク軸方向に摺動可能に支持する。言い換えれば、キャリパ２２は、ディスク周方向両側に設けられた一対のスライドピン４５が、それぞれ、図５および図６に示すように、キャリア本体２９の対応するピン挿入穴４３，４４に摺動可能に嵌合される。これにより、キャリパ２２は、キャリア本体２９に、ディスク軸方向に移動可能に支持される。

　図１５に示す一対のアウタ側パッド支持部３５，３６は、いずれもディスク軸方向に直交して広がる板状である。図１２に示すように、一対のアウタ側パッド支持部３５，３６は、一方のディスク回入側のアウタ側パッド支持部３５が、ディスク回入側の外周枠部３３のインナ側パッド支持部３１よりもディスク軸方向外側の中間位置からディスク径方向内側に延出している。一対のアウタ側パッド支持部３５，３６は、他方のディスク回出側のアウタ側パッド支持部３６が、ディスク回出側の外周枠部３４のインナ側パッド支持部３２よりもディスク軸方向外側の中間位置からディスク径方向内側に延出している。図２に示すように、一対のアウタ側パッド支持部３５，３６は、ディスクロータ１１に対しディスク軸方向外側に配置される。

　図１２に示すように、一対のアウタ側パッド支持部３５，３６は、一対の外周枠部３３，３４のそれぞれの外側端面３３ｈ，３４ｈよりもディスク軸方向内側に位置している。言い換えれば、一対の外周枠部３３，３４は、一対のアウタ側パッド支持部３５，３６のそれぞれのディスク軸方向外側の端部の外側端面３５ｃ，３６ｃよりもディスク軸方向外側に突出している。アウタ側パッド支持部３５の外側端面３５ｃおよびアウタ側パッド支持部３６の外側端面３６ｃは、ディスク軸方向外側に向いて同一平面に配置されている。この平面は、一対の外周枠部３３，３４の外側端面３３ｈ，３４ｈが配置される平面と平行となっている。

　連結ビーム部３７は、ディスク周方向に延在して一対のアウタ側パッド支持部３５，３６のディスク径方向内側同士を連結している。また、連結ビーム部３７は、ディスク回入側の端部が、外周枠部３３のディスク回入側の端部に連結されている。連結ビーム部３７は、ディスク回出側の端部が、外周枠部３４のディスク回出側の端部に連結されている。連結ビーム部３７は、一対のアウタ側パッド支持部３５，３６と同様、ディスクロータ１１に対しディスク軸方向外側に配置される。

　図１１に示すように、連結ビーム部３７には、ディスク径方向外側の端部に、ディスク径方向外側に向く外向端面３７ａが形成されており、図１２に示すように、ディスク径方向内側の端部に、ディスク径方向内側に向く内向端面３７ｂが形成されている。連結ビーム部３７には、ディスク軸方向外側の端部に、ディスク軸方向外側に向く外側端面３７ｃが形成されている。

　図１１に示すように、連結ビーム部３７は、その全体が、一対のアウタ側パッド支持部３５，３６のそれぞれの外側端面３５ｃ，３６ｃよりもディスク軸方向外側に突出している。言い換えれば、一対のアウタ側パッド支持部３５，３６は、連結ビーム部３７のディスク軸方向外側の端部の外側端面３７ｃよりもディスク軸方向内側に位置している。連結ビーム部３７の外側端面３７ｃと、一対の外周枠部３３，３４の外側端面３３ｈ，３４ｈとは、同一平面に配置されており、キャリア２１およびキャリア本体２９におけるディスク軸方向外側の端部の外側端面２１ａを構成している。

　連結ビーム部３７は、ディスク回入側の外周枠部３３と鋭角状をなすように隣接して繋がっている。連結ビーム部３７は、ディスク回出側の外周枠部３４とも鋭角状をなすように隣接して繋がっている。言い換えれば、一対の外周枠部３３，３４は、それぞれが連結ビーム部３７と鋭角状をなして繋がっている。

　連結ビーム部３７は、ディスク回入側の部分構成部５１と、ディスク回出側の部分構成部５２と、これらの間の中間構成部５３とからなっている。中間構成部５３は、直線状をなすと共にディスク径方向基準線に対し直交して延在している。部分構成部５１は、アウタ側パッド支持部３５とディスク周方向の位置を重ね合わせている。部分構成部５２は、アウタ側パッド支持部３６とディスク周方向の位置を重ね合わせている。中間構成部５３は、一対のアウタ側パッド支持部３５，３６のディスク周方向の間位置に設けられている。部分構成部５１および部分構成部５２は、中間構成部５３からディスク周方向に離れるほど、ディスク径方向基準線の方向においてディスク径方向外側に位置するように中間構成部５３に対して傾斜している。

　図１４に示すように、一対のインナ側パッド支持部３１，３２には、一対の凹形状の支持本体部６０，６１が形成されている。図１５に示すように、一対のアウタ側パッド支持部３５，３６には、一対の凹形状の支持本体部６２，６３が形成されている。これら支持本体部６０，６１，６２，６３は、同様の形状である。

　図１４に示すように、一方のディスク回入側のインナ側パッド支持部３１には、そのディスク周方向内側にある、ディスク径方向外側の面３１ａおよびディスク径方向内側の面３１ｂからディスク周方向外側に向かって凹む形状の支持本体部６０が形成されている。面３１ａおよび面３１ｂは、ディスク軸方向に沿いディスク径方向基準線に沿って広がっている。インナ側パッド支持部３１において、ディスク径方向外側の面３１ａは、ディスク径方向内側の面３１ｂよりもディスク周方向外側に配置されている。面３１ａは、インナ側パッド支持部３１に隣接する外周枠部３３の内側対向面部３３ｃと同一平面に配置されて連続している。

　他方のディスク回出側のインナ側パッド支持部３２にも、そのディスク周方向内側にある、ディスク径方向外側の面３２ａおよびディスク径方向内側の面３２ｂからディスク周方向外側に向かって凹む形状の支持本体部６１が形成されている。面３２ａおよび面３２ｂは、ディスク軸方向に沿いディスク径方向基準線に沿って広がっている。インナ側パッド支持部３２においても、ディスク径方向外側の面３２ａは、ディスク径方向内側の面３２ｂよりもディスク周方向外側に配置されている。面３２ａは、インナ側パッド支持部３２に隣接する外周枠部３４の内側対向面部３４ｃと同一平面に配置されて連続している。

　一対のインナ側パッド支持部３１，３２は、互いの面３１ａ，３２ａがディスク軸方向およびディスク径方向の位置を合わせて平行に配置されている。また、一対のインナ側パッド支持部３１，３２は、互いの３１ｂ，３２ｂがディスク軸方向およびディスク径方向の位置を合わせて平行に配置されている。一対のインナ側パッド支持部３１，３２は、互いの支持本体部６０，６１がディスク軸方向およびディスク径方向の位置を合わせている。

　よって、一対のインナ側パッド支持部３１，３２には、相互対向側に、ディスク周方向に沿って互いに離れる方向に凹む凹状の支持本体部６０，６１が形成されている。図６に示すように、インナ側パッド支持部３１に設けられた支持本体部６０およびインナ側パッド支持部３２に設けられた支持本体部６１に、一対の摩擦パッド２４，２５のうちの一方の摩擦パッド２４が支持される。

　図１５に示すように、一方のアウタ側パッド支持部３５には、そのディスク周方向内側にある、ディスク径方向外側の面３５ａおよびディスク径方向内側の面３５ｂからディスク周方向外側に向かって凹む形状の支持本体部６２が形成されている。面３５ａおよび面３５ｂは、ディスク軸方向に沿いディスク径方向基準線に沿って広がっている。アウタ側パッド支持部３５において、ディスク径方向外側に位置する面３５ａは、ディスク径方向内側に位置する面３５ｂよりもディスク周方向外側に配置されている。面３５ａは、アウタ側パッド支持部３５に隣接する外周枠部３３の内側対向面部３３ｃと同一平面に配置されて連続している。

　他方のアウタ側パッド支持部３６にも、そのディスク周方向内側にある、ディスク径方向外側の面３６ａおよびディスク径方向内側の面３６ｂからディスク周方向外側に向かって凹む形状の支持本体部６３が形成されている。面３６ａおよび面３６ｂは、ディスク軸方向に沿いディスク径方向基準線に沿って広がっている。アウタ側パッド支持部３６において、ディスク径方向外側の面３６ａは、ディスク径方向内側の面３６ｂよりもディスク周方向外側に配置されている。面３６ａは、アウタ側パッド支持部３６に隣接する外周枠部３４の内側対向面部３４ｃと同一平面に配置されて連続している。

　一対のアウタ側パッド支持部３５，３６は、互いの面３５ａ，３６ａがディスク軸方向およびディスク径方向の位置を合わせて平行に配置されている。また、一対のアウタ側パッド支持部３５，３６は、互いの面３５ｂ，３６ｂがディスク軸方向およびディスク径方向の位置を合わせて平行に配置されている。一対のアウタ側パッド支持部３５，３６は、互いの支持本体部６２，６３がディスク軸方向およびディスク径方向の位置を合わせている。

　よって、一対のアウタ側パッド支持部３５，３６には、相互対向側に、ディスク周方向に沿って互いに離れる方向に凹む凹状の支持本体部６２，６３が形成されている。図１に示すように、アウタ側パッド支持部３５に設けられた支持本体部６２およびアウタ側パッド支持部３６に設けられた支持本体部６３に、一対の摩擦パッド２４，２５のうちの他方の摩擦パッド２５が支持される。

　ここで、図１４に示すように、一対の外周枠部３３，３４は、ディスク径方向基準線の延在方向において、周方向端面３３ｍ，３４ｍが、一対のインナ側パッド支持部３１，３２の面３１ｂ，３２ｂのディスク径方向内側の端部よりもディスク径方向内側に位置している。また、図１５に示すように、一対の外周枠部３３，３４は、ディスク径方向基準線の延在方向において、周方向端面３３ｍ，３４ｍが、一対のアウタ側パッド支持部３５，３６の面３５ｂ，３６ｂのディスク径方向内側の端部よりもディスク径方向内側に位置している。

　アウタ側パッド支持部３５には、ディスク軸方向内側に、支持本体部６２および面３５ａ，３５ｂからディスク周方向外側に広がる内向端面３５ｄと、内向端面３５ｄのディスク周方向外側からディスク軸方向外側に若干延出する小段面３５ｅと、小段面３５ｅのディスク軸方向外側の端縁部からディスク周方向外側に延出する中間面３５ｆとが形成されている。

　また、アウタ側パッド支持部３５には、中間面３５ｆのディスク周方向外側からディスク軸方向外側に延出する大段面３５ｇと、大段面３５ｇのディスク軸方向外側の端縁部からディスク周方向外側に延出する内向当接面３５ｈとが形成されている。内向当接面３５ｈは、内周凹状面３３ｊおよび内周当接面３３ｋのディスク軸方向外側の端縁部まで広がっている。また、内向当接面３５ｈは、アウタ側パッド支持部３５のディスク周方向外側に向く面部３５ｉまで広がっている。面部３５ｉは、平面状であり、ディスク周方向においてアウタ側パッド支持部３６から離れるほど、ディスク径方向基準線の方向においてディスク径方向外側に位置するように傾斜している。面部３５ｉは、外周枠部３３の周方向端面３３ｍと面一となっている。

　内向端面３５ｄ、中間面３５ｆおよび内向当接面３５ｈは、ディスク軸方向に対し直交して広がる平面状である。大段面３５ｇは、ディスク軸方向に沿い、ディスク径方向基準線に沿う平面状である。

　アウタ側パッド支持部３５には、中間面３５ｆに、中間面３５ｆからディスク軸方向外側に凹む第１係合穴１７１が形成されている。第１係合穴１７１はディスク周方向に長い矩形状の長穴である。アウタ側パッド支持部３５には、内向当接面３５ｈのディスク周方向のアウタ側パッド支持部３６とは反対側の端部近傍に、内向当接面３５ｈからディスク軸方向外側に凹む第２係合穴１７２が形成されている。第２係合穴１７２は面部３５ｉに沿って長い矩形状の長穴である。

　アウタ側パッド支持部３６には、ディスク軸方向内側に、支持本体部６３および面３６ａ，３６ｂからディスク周方向外側に広がる内向端面３６ｄと、内向端面３６ｄのディスク周方向外側からディスク軸方向外側に若干延出する小段面３６ｅと、小段面３６ｅのディスク軸方向外側の端縁部からディスク周方向外側に延出する中間面３６ｆとが形成されている。

　また、アウタ側パッド支持部３６には、中間面３６ｆのディスク周方向外側からディスク軸方向外側に延出する大段面３６ｇと、大段面３６ｇのディスク軸方向外側の端縁部からディスク周方向外側に延出する内向当接面３６ｈとが形成されている。内向当接面３６ｈは、内周凹状面３４ｊおよび内周当接面３４ｋのディスク軸方向外側の端縁部まで広がっている。また、内向当接面３６ｈは、アウタ側パッド支持部３６のディスク周方向外側に向く面部３６ｉまで広がっている。面部３６ｉは、平面状であり、ディスク周方向においてアウタ側パッド支持部３５から離れるほど、ディスク径方向基準線の方向においてディスク径方向外側に位置するように傾斜している。面部３６ｉは、外周枠部３４の周方向端面３４ｍと面一となっている。

　内向端面３６ｄ、中間面３６ｆおよび内向当接面３６ｈは、ディスク軸方向に対し直交して広がる平面状である。大段面３６ｇは、ディスク軸方向に沿い、ディスク径方向基準線に沿う平面状である。内向端面３５ｄおよび内向端面３６ｄは同一平面に配置されている。中間面３５ｆおよび中間面３６ｆも同一平面に配置されている。内向当接面３５ｈおよび内向当接面３６ｈも同一平面に配置されている。

　アウタ側パッド支持部３６には、中間面３６ｆに、中間面３６ｆからディスク軸方向外側に凹む第１係合穴１７３が形成されている。第１係合穴１７３はディスク周方向に長い矩形状の長穴である。アウタ側パッド支持部３６には、内向当接面３６ｈのディスク周方向のアウタ側パッド支持部３５とは反対側の端部近傍に、内向当接面３６ｈからディスク軸方向外側に凹む第２係合穴１７４が形成されている。第２係合穴１７４は面部３６ｉに沿って長い矩形状の長穴である。

　図１４に示すように、インナ側パッド支持部３１には、ディスク軸方向外側に、支持本体部６０および面３１ａ，３１ｂからディスク周方向外側に広がる外向端面３１ｄと、外向端面３１ｄのディスク周方向外側からディスク軸方向内側に若干延出する小段面３１ｅと、小段面３１ｅのディスク軸方向内側の端縁部からディスク周方向外側に延出する中間面３１ｆとが形成されている。

　また、インナ側パッド支持部３１には、中間面３１ｆのディスク周方向外側からディスク軸方向内側に延出する大段面３１ｇと、大段面３１ｇのディスク軸方向内側の端縁部からディスク周方向外側に延出する外向当接面３１ｈとが形成されている。外向当接面３１ｈは、内周凹状面３３ｊおよび内周当接面３３ｋのディスク軸方向内側の端縁部まで広がっている。また、外向当接面３１ｈは、インナ側パッド支持部３１のディスク周方向外側に向く面部３１ｉまで広がっている。面部３１ｉは、平面状であり、ディスク周方向においてインナ側パッド支持部３２から離れるほど、ディスク径方向基準線の方向においてディスク径方向外側に位置するように傾斜している。

　外向端面３１ｄ、中間面３１ｆおよび外向当接面３１ｈは、ディスク軸方向に対し直交して広がる平面状である。大段面３１ｇは、ディスク軸方向に沿い、ディスク径方向基準線に沿う平面状である。大段面３１ｇは、大段面３５ｇと同一平面に配置されている。

　インナ側パッド支持部３１には、中間面３１ｆに、中間面３１ｆからディスク軸方向内側に凹む第１係合穴１８１が形成されている。第１係合穴１８１はディスク周方向に長い矩形状の長穴である。第１係合穴１８１は、第１係合穴１７１とディスク径方向およびディスク周方向の位置を合わせてディスク軸方向に対向している。インナ側パッド支持部３１には、外向当接面３１ｈのディスク周方向のインナ側パッド支持部３２とは反対側の端部近傍に、外向当接面３１ｈからディスク軸方向内側に凹む第２係合穴１８２が形成されている。第２係合穴１８２は面部３１ｉに沿って長い矩形状の長穴である。第２係合穴１８２は、第２係合穴１７２とディスク径方向およびディスク周方向の位置を合わせてディスク軸方向に対向している。

　インナ側パッド支持部３２には、ディスク軸方向外側に、支持本体部６１および面３２ａ，３２ｂからディスク周方向外側に広がる外向端面３２ｄと、外向端面３２ｄのディスク周方向外側からディスク軸方向内側に若干延出する小段面３２ｅと、小段面３２ｅのディスク軸方向内側の端縁部からディスク周方向外側に延出する中間面３２ｆとが形成されている。

　また、インナ側パッド支持部３２には、中間面３２ｆのディスク周方向外側からディスク軸方向内側に延出する大段面３２ｇと、大段面３２ｇのディスク軸方向内側の端縁部からディスク周方向外側に延出する外向当接面３２ｈとが形成されている。外向当接面３２ｈは、内周凹状面３４ｊおよび内周当接面３４ｋのディスク軸方向内側の端縁部まで広がっている。また、外向当接面３２ｈは、インナ側パッド支持部３２のディスク周方向外側に向く面部３２ｉまで広がっている。面部３２ｉは、平面状であり、ディスク周方向においてインナ側パッド支持部３１から離れるほど、ディスク径方向基準線の方向においてディスク径方向外側に位置するように傾斜している。

　外向端面３２ｄ、中間面３２ｆおよび外向当接面３２ｈは、ディスク軸方向に対し直交して広がる平面状である。外向端面３１ｄおよび外向端面３２ｄは同一平面に配置されている。中間面３１ｆおよび中間面３２ｆも同一平面に配置されている。外向当接面３１ｈおよび外向当接面３２ｈも同一平面に配置されている。大段面３２ｇは、ディスク軸方向に沿い、ディスク径方向基準線に沿う平面状である。大段面３２ｇは、大段面３６ｇと同一平面に配置されている。

　インナ側パッド支持部３２には、中間面３２ｆに、中間面３２ｆからディスク軸方向内側に凹む第１係合穴１８３が形成されている。第１係合穴１８３はディスク周方向に長い矩形状の長穴である。第１係合穴１８３は、第１係合穴１７３とディスク径方向およびディスク周方向の位置を合わせてディスク軸方向に対向している。インナ側パッド支持部３２には、外向当接面３２ｈのディスク周方向のインナ側パッド支持部３１とは反対側の端部近傍に、外向当接面３２ｈからディスク軸方向内側に凹む第２係合穴１８４が形成されている。第２係合穴１８４は、面部３２ｉに沿って長い矩形状の長穴である。第２係合穴１８４は、第２係合穴１７４とディスク径方向およびディスク周方向の位置を合わせてディスク軸方向に対向している。

　図７に示すように、キャリア本体２９には、ディスク回入側のインナ側パッド支持部３１とアウタ側パッド支持部３５との間であって外周枠部３３のディスク径方向内側に、ディスク回入側のフィルタ部５５（第２フィルタ部）が取り付けられている。フィルタ部５５は、キャリア２１全体におけるディスク回入側に設けられている。

　キャリア本体２９には、ディスク回出側のインナ側パッド支持部３２とアウタ側パッド支持部３６との間であって外周枠部３４のディスク径方向内側に、ディスク回出側のフィルタ部５６（第１フィルタ部）が取り付けられている。フィルタ部５６は、キャリア２１全体におけるディスク回出側に設けられている。

　フィルタ部５５，５６は共通部品であって、キャリア本体２９に鏡面対称状に配置される。図７～図９に示すように、フィルタ部５５，５６は、それぞれが、ブレーキダストを捕捉する多孔質の弾性体からなる集塵部１９１と、集塵部１９１をキャリア本体２９に取り付ける弾性体からなる取付プレート１９２とから構成されている。取付プレート１９２は、集塵部１９１を位置決めする弾性体からなる位置決め用プレート部１９３と、集塵部１９１を支持する弾性体からなるクリップ式プレート部１９４とを有している。

　図１６～図１８に示すように、集塵部１９１は、互いに平行な平板状で略同様の扇形をなす一対の側板部２０２，２０３と、一対の側板部２０２，２０３の円弧状の端縁部同士を結ぶ略円筒の一部の形状をなす湾曲部２０４とを有している。湾曲部２０４は、一対の側板部２０２，２０３の間から突出する突起部２０５を有している。

　側板部２０２は、側板部２０３とは反対側に向く平面状の外面部２０２ａと、側板部２０３側に向く平面状の内面部２０２ｂと、外面部２０２ａから突起部２０５とは反対方向に、外面部２０２ａに対して傾斜して延出する平面状の傾斜面部２０２ｃと、外面部２０２ａおよび傾斜面部２０２ｃと内面部２０２ｂとを結ぶ平面状の面部２０２ｄと、傾斜面部２０２ｃの外面部２０２ａとは反対側の端縁部と内面部２０２ｂとを結ぶ平面状の面部２０２ｅとを有している。

　側板部２０３は、側板部２０２とは反対側に向く平面状の外面部２０３ａと、側板部２０２側に向く平面状の内面部２０３ｂと、外面部２０３ａから突起部２０５とは反対方向に、外面部２０３ａに対して傾斜して延出する平面状の傾斜面部２０３ｃと、外面部２０３ａおよび傾斜面部２０３ｃと内面部２０３ｂとを結ぶ平面状の面部２０３ｄと、傾斜面部２０３ｃの外面部２０３ａとは反対側の端縁部と内面部２０３ｂとを結ぶ平面状の面部２０３ｅとを有している。外面部２０２ａ，２０３ａおよび内面部２０２ｂ，２０３ｂは互いに平行に広がっている。面部２０２ｄ，２０３ｄは、外面部２０２ａ，２０３ａおよび内面部２０２ｂ，２０３ｂと直交する同一平面に配置されている。面部２０２ｅ，２０３ｅは、面部２０２ｄ，２０３ｄと直交する同一平面に配置されている。傾斜面部２０２ｃは、外面部２０２ａから離れるほど内面部２０２ｂに近づくように傾斜しており、傾斜面部２０３ｃは、外面部２０３ａから離れるほど内面部２０３ｂに近づくように傾斜している。

　集塵部１９１は、湾曲部２０４の突起部２０５を含む面部２０２ｅ，２０３ｅとは反対側の端部に、面部２０２ｅ，２０３ｅとは反対に向く平面状の頂面部２０５ａが設けられている。突起部２０５には、面部２０２ｄに繋がる面部２０５ｂと、面部２０３ｄに繋がる面部２０５ｃとが設けられている。

　湾曲部２０４は、その曲率の中心側にあって円筒面の一部の形状をなす内側曲面部２０４ａと、その曲率の中心とは反対側にあって円筒面の一部の形状をなす外側曲面部２０４ｂと、頂面部２０５ａとは反対側にあって平面状をなす面部２０４ｃとを有している。内側曲面部２０４ａと外側曲面部２０４ｂとは略同軸である。面部２０４ｃは、頂面部２０５ａと平行に広がっており、面部２０２ｅ，２０３ｅと同一平面に配置されている。

　図１９～図２１に示すように、位置決め用プレート部１９３は、円筒の一部形状をなすように湾曲する湾曲板部２１１と、湾曲板部２１１の円周方向の一端側の湾曲板部２１１の軸方向の両端縁部から湾曲板部２１１の軸方向における外側に突出する一対の平板状の取付部２１２，２１３とを有している。湾曲板部２１１は径方向内側の内側曲面部２１１ａと径方向外側の外側曲面部２１１ｂとが同軸の円筒面の一部の形状をなしている。一対の取付部２１２，２１３は、湾曲板部２１１の軸方向において湾曲板部２１１から離れるほど、湾曲板部２１１の径方向における内側に位置するように湾曲板部２１１に対して傾斜している。

　図２２および図２３に示すように、クリップ式プレート部１９４は、平板状の基板部２２１と、基板部２２１の長手方向の両端部から基板部２２１の長手方向両側に突出する一対の屈曲板状の取付部２２２，２２３とを有している。取付部２２２，２２３は、鏡面対称状であるため、ここでは、一方の取付部２２２について説明する。取付部２２２は、基板部２２１の長手方向の一端部から基板部２２１の長手方向外側かつ基板部２２１の板厚方向一側に斜めに突出する突出板部２３１と、突出板部２３１の基板部２２１とは反対側の端縁部から基板部２２１の長手方向外側かつ基板部２２１の板厚方向逆側に斜めに突出する中間板部２３２と、中間板部２３２の突出板部２３１とは反対側の端縁部から基板部２２１の長手方向内側かつ基板部２２１の板厚方向逆側に斜めに突出する先端板部２３３と、を有している。他方の取付部２２３も同様の突出板部２３１と中間板部２３２と先端板部２３３と、を有している。

　図８に示すように、フィルタ部５５は、キャリア本体２９に取り付けられると、その集塵部１９１が、外面部２０２ａにおいてインナ側パッド支持部３１の外向当接面３１ｈに面接触で当接すると共に面部２０２ｄにおいて大段面３１ｇに面接触で当接する。また、フィルタ部５５の集塵部１９１は、外面部２０３ａにおいてアウタ側パッド支持部３５の内向当接面３５ｈに面接触で当接すると共に面部２０３ｄにおいて大段面３５ｇに面接触で当接する。また、フィルタ部５５の集塵部１９１は、図９に示すように、外側曲面部２０４ｂにおいて外周枠部３３の内周当接面３３ｋに面接触で当接すると共に、頂面部２０５ａにおいて内側平坦面３３ｉに面接触で当接する。

　フィルタ部５５は、集塵部１９１をこのような状態として、位置決め用プレート部１９３が湾曲板部２１１の外側曲面部２１１ｂにおいて集塵部１９１の内側曲面部２０４ａに面接触で当接する。位置決め用プレート部１９３は、図２４に示すように、取付部２１２がインナ側パッド支持部３１の第１係合穴１８１に係合し、取付部２１３がアウタ側パッド支持部３５の第１係合穴１７１に係合する。すると、位置決め用プレート部１９３は、集塵部１９１に対しディスク中心軸線の方向に設けられる。この状態で、位置決め用プレート部１９３は、図９に示すように、集塵部１９１の湾曲部２０４を外側曲面部２０４ｂにおいて内周当接面３３ｋに面接触するように外周枠部３３に押し付ける。位置決め用プレート部１９３は、集塵部１９１を、キャリア本体２９に対して位置決めする。位置決め用プレート部１９３によって位置決めされた集塵部１９１は、図８に示すように、外面部２０２ａにおいて外向当接面３１ｈに面接触で当接し、外面部２０３ａにおいて内向当接面３５ｈに面接触で当接し、図９に示すように、外側曲面部２０４ｂにおいて内周当接面３３ｋに面接触で当接する。

　ここで、集塵部１９１を位置決めするために、図２４に示すように位置決め用プレート部１９３をキャリア本体２９に取り付ける場合、湾曲板部２１１から取付部２１２，２１３がディスク径方向内側に延出する状態とし、湾曲板部２１１が取付部２１２，２１３からディスク回入側に延出する状態として、位置決め用プレート部１９３をディスク径方向内側からディスク径方向外側に移動させる。すると、位置決め用プレート部１９３は、取付部２１２，２１３が中間面３１ｆ，３５ｆで湾曲板部２１１側に弾性変形させられた状態で中間面３１ｆ，３５ｆを摺動し、第１係合穴１８１，１７１の位置に位置すると、弾性変形の戻りで、取付部２１２が第１係合穴１８１に入り込み、取付部２１３が第１係合穴１７１に入り込む。これにより、位置決め用プレート部１９３は、湾曲板部２１１において集塵部１９１の湾曲部２０４に面接触し、集塵部１９１をキャリア本体２９に面接触させるように外周枠部３３に押し付けて支持する。取付部２１２，２１３は、このような状態になるように第１係合穴１８１，１７１との位置関係および角度関係が設定されている。取付部２１２，２１３は、位置決め用プレート部１９３をキャリア本体２９に取り付けるための部分である。

　集塵部１９１を位置決めするとき、位置決め用プレート部１９３は、湾曲板部２１１から平板状の取付部２１２，２１３がディスク径方向内側に、互いに先端部を離すように斜めに延出する状態となって先端部において第１係合穴１８１，１７１に入り込んでいるため、キャリア本体２９に対し取り外し困難な状態である。

　ディスク回入側のフィルタ部５５は、集塵部１９１を上記のような位置決め状態として、図９に示すように、クリップ式プレート部１９４が基板部２２１において集塵部１９１の面部２０４ｃに面接触で当接すると共に、図２５に示すように、取付部２２２がインナ側パッド支持部３１の第２係合穴１８２に係合し、取付部２２３がアウタ側パッド支持部３５の第２係合穴１７２に係合する。すると、クリップ式プレート部１９４は、集塵部１９１に対しディスク周方向の側方、具体的にはディスク回入側に設けられる。この状態で、クリップ式プレート部１９４は、集塵部１９１を、頂面部２０５ａにおいて内側平坦面３３ｉに面接触するように外周枠部３３に押し付ける。これにより、クリップ式プレート部１９４は、位置決め用プレート部１９３によってキャリア本体２９に位置決めされた状態にある集塵部１９１のディスク周方向の移動を、内側平坦面３３ｉとで規制する。

　ここで、位置決め用プレート部１９３とキャリア本体２９との間からの集塵部１９１の抜けを規制するために図２５に示すようにクリップ式プレート部１９４をキャリア本体２９に取り付ける。クリップ式プレート部１９４をキャリア本体２９に取り付ける場合に、基板部２２１から取付部２２２，２２３がディスク径方向外側に突出する状態として、クリップ式プレート部１９４をディスク径方向内側からディスク径方向外側に移動させる。すると、クリップ式プレート部１９４は、取付部２２２，２２３が外向当接面３１ｈおよび内向当接面３５ｈで基板部２２１側に弾性変形させられた状態で外向当接面３１ｈおよび内向当接面３５ｈを摺動し、第２係合穴１８２，１７２の位置に位置すると、弾性変形の戻りで、取付部２２２が中間板部２３２と先端板部２３３との境界側部分において第２係合穴１８２に入り込み、取付部２２３が中間板部２３２と先端板部２３３との境界側部分において第２係合穴１７２に入り込む。これにより、クリップ式プレート部１９４は、図９に示すように、基板部２２１において集塵部１９１の位置決め用プレート部１９３とキャリア本体２９との間からの抜け方向前端にある面部２０４ｃに当接して、集塵部１９１の抜けを規制する。このとき、図２５に示すように、集塵部１９１には傾斜面部２０２ｃ，２０３ｃが形成されているため、取付部２２２，２２３が集塵部１９１とキャリア本体２９との間へ容易に入り込むことができる。取付部２２２，２２３は、このような状態になるように第２係合穴１８２，１７２との位置関係および角度関係が設定されている。取付部２２２，２２３は、クリップ式プレート部１９４をキャリア本体２９に取り付けるための部分である。

　クリップ式プレート部１９４は、取付部２２２の先端板部２３３および取付部２２３の先端板部２３３が、互いに対向する外向当接面３１ｈおよび内向当接面３５ｈから互いに近接するように傾斜してディスク回入側に延出している。そのため、ディスク回入側から操作して、取付部２２２，２２３の先端板部２３３同士を近づけるように弾性変形させることで、クリップ式プレート部１９４を容易にキャリア本体２９から取り外すことができる。

　フィルタ部５５において、集塵部１９１のメンテナンス時には、クリップ式プレート部１９４をキャリア本体２９から上記のように取り外した後、集塵部１９１をディスク周方向に沿ってクリップ式プレート部１９４があったディスク回入側にスライドさせると、集塵部１９１を位置決め用プレート部１９３とキャリア本体２９との間から容易に抜くことができる。これにより、キャリア本体２９を車両から外すことなく集塵部１９１をキャリア本体２９から取り外すことができる。また、集塵部１９１が取り外された状態から、清掃後あるいは交換用の集塵部１９１を、クリップ式プレート部１９４があった側からディスク周方向に沿って位置決め用プレート部１９３とキャリア本体２９との間に挿入した後、クリップ式プレート部１９４を取り付けることによって、集塵部１９１をキャリア本体２９に固定することができる。

　ディスク回出側のフィルタ部５６は、フィルタ部５５と同様にして、キャリア本体２９に、フィルタ部５５と鏡面対称状になるように取り付けられることになる。すると、フィルタ部５６は、図８に示すように、集塵部１９１が、外面部２０２ａにおいてアウタ側パッド支持部３６の内向当接面３６ｈに面接触で当接すると共に面部２０２ｄにおいて大段面３６ｇに面接触で当接する。また、フィルタ部５６の集塵部１９１は、外面部２０３ａにおいてインナ側パッド支持部３２の外向当接面３２ｈに面接触で当接すると共に面部２０３ｄにおいて大段面３２ｇに面接触で当接する。また、フィルタ部５６の集塵部１９１は、図９に示すように、外側曲面部２０４ｂにおいて外周枠部３４の内周当接面３４ｋに面接触で当接すると共に、頂面部２０５ａにおいて内側平坦面３４ｉに面接触で当接する。

　また、フィルタ部５６は、位置決め用プレート部１９３が、図８に示す取付部２１２においてアウタ側パッド支持部３６の図１５に示す第１係合穴１７３に係合し、図９に示すように取付部２１３においてインナ側パッド支持部３２の第１係合穴１８３に係合する。これにより、フィルタ部５６は、位置決め用プレート部１９３が、集塵部１９１を上記状態に位置決めする。

　また、フィルタ部５６は、クリップ式プレート部１９４が、図８に示す取付部２２２においてアウタ側パッド支持部３６の図１５に示す第２係合穴１７４に係合し、図７に示すように、取付部２２３がインナ側パッド支持部３２の第２係合穴１８４に係合する。これにより、フィルタ部５６は、クリップ式プレート部１９４が、集塵部１９１を上記状態を維持するように支持する。

　以上のようにして、キャリア本体２９にフィルタ部５５およびフィルタ部５６が取り付けられることでキャリア２１となる。図８に示すように、キャリア２１の内周面２１ｂは、キャリア本体２９の外周枠部３３，３４のディスク径方向内側の内周端面３３ｇ，３４ｇおよび内側平坦面３３ｉ，３４ｉと、フィルタ部５５の集塵部１９１の湾曲部２０４のディスク径方向内側の内側曲面部２０４ａと、フィルタ部５５の位置決め用プレート部１９３の湾曲板部２１１のディスク径方向内側の内側曲面部２１１ａと、フィルタ部５６の集塵部１９１の湾曲部２０４のディスク径方向内側の内側曲面部２０４ａと、フィルタ部５６の位置決め用プレート部１９３の湾曲板部２１１のディスク径方向内側の内側曲面部２１１ａとにより構成される。内周面２１ｂは、図５に示すように、ディスクロータ１１のディスク径方向外側の外周縁に沿って形成されている。

　キャリア２１の内周面２１ｂにあるフィルタ部５５およびフィルタ部５６は、ディスクロータ１１の外周縁に面して設けられている。言い換えれば、キャリア２１は、ディスクロータ１１の外周縁に沿って形成された内周面２１ｂと、内周面２１ｂにあって、ディスクロータ１１の外周縁に面して設けられたフィルタ部５５，５６と、を備えている。フィルタ部５５およびフィルタ部５６は、キャリア２１のディスク回入側とディスク回出側との両側に設けられており、よって、フィルタ部５５の集塵部１９１およびフィルタ部５６の集塵部１９１も、キャリア２１のディスク回入側とディスク回出側との両側に設けられている。

　いずれもディスク回入側となる、図６に示すインナ側パッド支持部３１および図１に示すアウタ側パッド支持部３５には、これらの支持本体部６０，６２の位置に、一体形状のパッドスプリング２６が取り付けられている。パッドスプリング２６は、図６に示すように、支持本体部６０に嵌合する凹状の案内部７０と、案内部７０のディスク径方向外側にあって面３１ａを覆う外側被覆部７１と、案内部７０のディスク径方向内側にあって面３１ｂを覆う内側被覆部７２と、内側被覆部７２のディスク径方向内側にあってディスク軸方向内側の摩擦パッド２４をディスク径方向の外側かつディスク回出側に向けて付勢する径方向付勢部７３とを有している。

　また、パッドスプリング２６は、図１に示すように、支持本体部６２に嵌合する凹状の案内部７５と、案内部７５のディスク径方向外側にあって面３５ａを覆う外側被覆部７６と、案内部７５のディスク径方向内側にあって面３５ｂを覆う内側被覆部７７と、内側被覆部７７のディスク径方向内側にあってディスク軸方向外側の摩擦パッド２５をディスク径方向外側かつディスク回出側に向けて付勢する径方向付勢部７８とを有している。

　いずれもディスク回出側となる、図６に示すインナ側パッド支持部３２および図１に示すアウタ側パッド支持部３６には、これらの支持本体部６１，６３の位置に、一体形状のパッドスプリング２７が取り付けられている。パッドスプリング２７は、図６に示すように、支持本体部６１に嵌合する凹状の案内部８０と、この案内部８０のディスク径方向外側にあって面３２ａを覆う外側被覆部８１と、案内部８０のディスク径方向内側にあって面３２ｂを覆う内側被覆部８２と、この内側被覆部８２のディスク径方向内側にあってディスク軸方向内側の摩擦パッド２４をディスク径方向の外側かつディスク回入側に向けて付勢する径方向付勢部８３とを有している。

　また、パッドスプリング２７は、図１に示すように、支持本体部６３に嵌合する凹状の案内部８５と、案内部８５のディスク径方向外側にあって面３６ａを覆う外側被覆部８６と、案内部８５のディスク径方向内側にあって面３６ｂを覆う内側被覆部８７と、内側被覆部８７のディスク径方向内側にあってディスク軸方向外側の摩擦パッド２５をディスク径方向の外側かつディスク回入側に向けて付勢する径方向付勢部８８とを有している。パッドスプリング２７はパッドスプリング２６と同形状の共通部品であって、キャリア本体２９に鏡面対称状に取り付けられている。

　図６に示すディスク軸方向内側の摩擦パッド２４と、図１に示すディスク軸方向外側の摩擦パッド２５とは共通部品である。図６に示すように、ディスク軸方向内側の摩擦パッド２４は、パッドスプリング２６，２７を介してキャリア本体２９に支持される。摩擦パッド２４は、鏡面対称状であり、キャリア本体２９に支持される裏板９１と、ディスクロータ１１に接触するライニング９２とを有している。裏板９１は、主板部１０１と、主板部１０１の長手方向の両端部から主板部１０１の長手方向に沿って外側に突出する一対の凸状部１０２とを有している。主板部１０１にライニング９２が貼着されている。

　摩擦パッド２４は、裏板９１に対してライニング９２がディスクロータ１１側に位置する向きとされて配置される。摩擦パッド２４は、裏板９１の一方の凸状部１０２が、パッドスプリング２６の案内部７０を介してインナ側パッド支持部３１の支持本体部６０内に配置されており、裏板９１の他方の凸状部１０２が、パッドスプリング２７の案内部８０を介してインナ側パッド支持部３２の支持本体部６１内に配置されている。これにより、摩擦パッド２４は、ディスクロータ１１に対しディスク軸方向内側の側方位置に設けられ、キャリア２１に、ディスク軸方向に移動可能となるように支持されている。

　摩擦パッド２４は、その裏板９１の主板部１０１が、それぞれ当接するパッドスプリング２６，２７の径方向付勢部７３，８３でディスク径方向の外側に押圧されている。ここで、キャリア２１は、支持本体部６０，６１に対しディスク径方向内側に隣接する面３１ｂ，３２ｂで制動時に摩擦パッド２４の主板部１０１から力を受ける。言い換えれば、キャリア２１は、支持本体部６０，６１よりもディスク径方向内側にある面３１ｂ，３２ｂがトルク受け面となっている。面３２ｂが、車両前進時のトルク受け面であり、面３１ｂが、車両後進時のトルク受け面である。

　ディスク軸方向外側の図１に示す摩擦パッド２５も、同様にして、パッドスプリング２６，２７を介して一対のアウタ側パッド支持部３５，３６に、ディスク軸方向に移動可能となるように支持される。これにより、ディスク軸方向外側の摩擦パッド２５は、ディスクロータ１１に対しディスク軸方向外側の側方位置に設けられ、キャリア２１に、ディスク軸方向に移動可能となるように支持されている。よって、キャリア２１は、車両の非回転部に取り付けられると共に、一対の摩擦パッド２４，２５を移動可能に支持する一対のインナ側パッド支持部３１，３２および一対のアウタ側パッド支持部３５，３６を有している。

　図１～図３に示すように、キャリパ２２は、ほぼ鏡面対称の形状となっている。図２に示すように、キャリパ２２は、キャリパボディ１３１と、一対のスライドピン４５と、図示略のピストンとを備えている。

　キャリパボディ１３１は、鋳造により一体成形されている。キャリパボディ１３１は、ディスクロータ１１に対しディスク軸方向内側に配置されるシリンダ部１４１と、シリンダ部１４１のディスク径方向の外側の部分からディスクロータ１１の外周を跨ぐようにディスク軸方向に沿ってディスク軸方向外側に延出するブリッジ部１４２と、ブリッジ部１４２のディスク軸方向におけるシリンダ部１４１とは反対側の端縁部からディスク径方向の内側に延出してディスクロータ１１のディスク軸方向外側に配置される爪部１４３と、シリンダ部１４１からディスク周方向の両側に延出する一対のピン取付部１４４とを有している。シリンダ部１４１には、図示略のピストンを収容するシリンダボアが爪部１４３側からディスク軸方向に沿って形成されている。

　キャリパボディ１３１には、ディスク周方向一側のピン取付部１４４にスライドピン４５が取り付けられており、ディスク周方向他側のピン取付部１４４にもスライドピン４５が取り付けられている。キャリア本体２９の図５および図６に示す一対のピン挿入穴４３，４４に、キャリパ２２のディスク周方向両側の一対のスライドピン４５が摺動可能に嵌合する。これにより、キャリパ２２は、キャリア２１のキャリア本体２９にディスク軸方向に摺動可能に支持される。図２および図３に示す一対のブーツ２３は、それぞれ、対応するスライドピン４５のキャリア本体２９から突出する部分を被覆する。

　図１に示すように、爪部１４３には、ディスク径方向内側の端縁部からディスク径方向外方に凹むリセス１５１が複数設けられている。リセス１５１は、具体的には２カ所設けられている。これらのリセス１５１は、同形状であり、ディスク軸方向およびディスク径方向の位置を互いに合わせて、ディスク周方向に並んでいる。一方のリセス１５１は、シリンダ部１４１の図示略の一方のシリンダボアを加工する工具が挿通される部分である。他方のリセス１５１は、シリンダ部１４１の図示略の他方のシリンダボアを加工する工具が挿通される部分である。

　キャリパボディ１３１は、ブリッジ部１４２のディスク径方向外側の端部に、ディスク径方向外側に向く外周端面１４２ａが形成されている。キャリア２１の外周枠部３３，３４のディスク径方向外側の外周端面３３ｄ，３４ｄと、キャリパ２２のディスク径方向外側の外周端面１４２ａとは、ディスク径方向にほぼ段差なく配置されている。

　ブリッジ部１４２のディスク軸方向外側の端部には、外周端面１４２ａのディスク軸方向外側に隣り合って面取り１４２ｂが形成されている。面取り１４２ｂは、キャリパ２２のディスク径方向外側の端部かつディスク軸方向外側の端部に配置されている。面取り１４２ｂは、ディスク径方向外側かつディスク軸方向外側に向いている。面取り１４２ｂは、ディスク軸方向外側ほどディスク径方向内側に位置するように傾斜している。ブリッジ部１４２の面取り１４２ｂは、キャリア２１の外周枠部３３，３４の面取り３３ｅ，３４ｅと、ディスク径方向の位置をほぼ合わせている。

　ブリッジ部１４２のディスク回入側の端部には、ディスク周方向外側に向く外側面１４２ｃが形成されている。ブリッジ部１４２のディスク回出側の端部には、ディスク周方向外側に向く外側面１４２ｄが形成されている。

　キャリア２１は、一対の対向面３３ａ，３４ａのうちの一方の対向面３３ａが、キャリパ２２の一対の外側面１４２ｃ，１４２ｄのうちの一方の外側面１４２ｃに対向している。キャリア２１は、この一方の対向面３３ａを含む一方の外周枠部３３が、この一方の対向面３３ａから、ディスクロータ１１をディスク径方向外側で覆うように、ディスク周方向に沿ってキャリパ２２から離れる方向に延出している。また、キャリア２１は、一対の対向面３３ａ，３４ａのうちの他方の対向面３４ａが、キャリパ２２の一対の外側面１４２ｃ，１４２ｄのうちの他方の外側面１４２ｄに対向している。キャリア２１は、この他方の対向面３４ａを含む他方の外周枠部３４が、この他方の対向面３４ａから、ディスクロータ１１をディスク径方向外側で覆うように、ディスク周方向に沿ってキャリパ２２から離れる方向に延出している。

　キャリア２１は、外周枠部３３が、対向面３３ａからディスク回入側へ、ディスク周方向に沿って延出している。外周枠部３３は、一対のインナ側パッド支持部３１，３２および一対のアウタ側パッド支持部３５，３６の制動時に摩擦パッド２４，２５から力を受ける面３１ｂ，３２ｂ，３５ｂ，３６ｂよりもディスク径方向基準線の方向においてディスク径方向内側となる位置まで延出している。キャリア２１は、外周枠部３４が、対向面３４ａからディスク回出側へ、ディスク周方向に沿って延出している。外周枠部３４は、一対のインナ側パッド支持部３１，３２および一対のアウタ側パッド支持部３５，３６の制動時に摩擦パッド２４，２５から力を受ける面３１ｂ，３２ｂ，３５ｂ，３６ｂよりもディスク径方向基準線の方向においてディスク径方向内側となる位置まで延出している。

　図２に示すように、ブリッジ部１４２には、ディスク径方向に貫通する複数の窓穴１６１が、ディスク軸方向の位置を互いに合わせ、ディスク周方向に互いに離間して形成されている。複数の窓穴１６１は、具体的には２箇所形成されている。窓穴１６１は、ディスク軸方向両側の摩擦パッド２４，２５の摩耗状態等を外から目視するための穴である。

　ブリッジ部１４２には、外周端面１４２ａからディスク径方向内側に凹む複数の凹部１６２が、ディスク軸方向の位置を互いに合わせ、ディスク周方向に互いに離間して形成されている。複数の凹部１６２は、具体的には２箇所形成されている。凹部１６２は窓穴１６１よりもディスク軸方向外側に形成されている。一方の凹部１６２は一方の窓穴１６１とディスク周方向の位置を合わせている。他方の凹部１６２は他方の窓穴１６１とディスク周方向の位置を合わせている。一対の凹部１６２は、キャリパボディ１３１を加工機にセットする際に加工機に支持される部分である。

　キャリパボディ１３１には、爪部１４３のディスク軸方向外側の端部に、ディスク軸方向外側に向く外側端面１４３ａが形成されている。外側端面１４３ａは、キャリパ２２のうちの最もディスク軸方向外側の端部に配置されている。外側端面１４３ａは、ディスク軸方向に対し直交して広がる平面状となっている。

　以上の構成のディスクブレーキ１０には、図示略のブレーキ配管を介して、キャリパ２２のシリンダ部１４１内にブレーキ液が導入される。すると、キャリパ２２は図示略のピストンが、ディスクロータ１１側に前進し、ピストンとディスクロータ１１との間に配置されたディスク軸方向内側の摩擦パッド２４をディスクロータ１１に向かって押圧する。これにより、ディスク軸方向内側の摩擦パッド２４が移動しそのライニング９２においてディスクロータ１１に接触する。また、この押圧の反力で、キャリパボディ１３１がキャリア２１に対しスライドピン４５をスライドさせてディスク軸方向に移動し、爪部１４３が、爪部１４３とディスクロータ１１との間に配置されたディスク軸方向外側の摩擦パッド２５をディスクロータ１１に向かって押圧する。これにより、ディスク軸方向外側の摩擦パッド２５がライニング９２においてディスクロータ１１に接触する。このようにして、キャリパ２２は、一対の摩擦パッド２４，２５をディスク軸方向両側から挟持してディスクロータ１１の両面に押圧する。その結果、キャリパ２２は、ディスクロータ１１に摩擦抵抗を付与して、制動力を発生させる。キャリパ２２は、フローティング型キャリパであって、フィスト型キャリパである。

　ここで、制動時に、摩擦パッド２４，２５のライニング９２とディスクロータ１１とが接触することにより、ライニング９２が削れたり、ディスクロータ１１が削れたりすることで、ブレーキダストが発生することになる。このようなブレーキダストは、車両の前進走行時には、ディスクロータ１１の回転より、主に、ライニング９２よりもディスクロータ１１の回転方向前方すなわちディスク回出側に放出されることになる。すると、このように放出されたブレーキダストを、ライニング９２よりもディスクロータ１１の回転方向前方すなわちディスク回出側に設けられたフィルタ部５６の集塵部１９１が主に捕捉することになる。また、ブレーキダストは、車両の後進走行時には、ディスクロータ１１の回転より、主に、ライニング９２よりもディスクロータ１１の回転方向前方に放出されることになる。すると、このように放出されたブレーキダストを、ライニング９２よりもディスクロータ１１の回転方向前方に設けられたフィルタ部５５の集塵部１９１が主に捕捉することになる。

　特許文献１に記載のディスクブレーキは、ブレーキキャリパの横に別体型のブレーキダスト集塵器を設置したものがある。ところで、ブレーキダストを効率良く回収することが求められている。

　これに対し、第１実施形態のディスクブレーキ１０は、摩擦パッド２４，２５を支持するキャリア２１の、ディスクロータ１１の外周縁に沿って形成された内周面２１ｂに、ディスクロータ１１の外周縁に面してフィルタ部５５，５６を設けている。このため、ブレーキダスト発生源である摩擦パッド２４，２５とディスクロータ１１との摺動面のごく近傍でブレーキダストを回収することができる。これにより、ブレーキダストを効率良く回収することが可能となる。したがって、ブレーキダストの空気中への放出量を低減させることができる。言い換えれば、ブレーキダストの発生源であるキャリパ２２およびキャリア２１内でブレーキダストを回収し、ブレーキダストの空気中への放出量を低減させることができる。

　また、第１実施形態のディスクブレーキ１０は、フィルタ部５５，５６が、集塵部１９１と、集塵部１９１をキャリア２１のキャリア本体２９に取り付ける取付プレート１９２と、から構成されるため、集塵部１９１をキャリア本体２９に対して取り外し可能な構造とすることが可能となる。

　また、第１実施形態のディスクブレーキ１０は、取付プレート１９２に、キャリア本体２９に取り付けるための取付部２１２，２１３，２２２，２２３が設けられるため、集塵部１９１をキャリア本体２９に対して取り外し可能な構造とすることが可能となる。

　また、第１実施形態のディスクブレーキ１０は、取付プレート１９２が、集塵部１９１を位置決めすると共にキャリア本体２９に対し取り外し困難な位置決め用プレート部１９３と、集塵部１９１を支持すると共にキャリア本体２９に対し取り外し可能なクリップ式プレート部１９４と、を備えるため、位置決め用プレート部１９３が誤って取り外されてしまうことを抑制できる。

　また、第１実施形態のディスクブレーキ１０は、位置決め用プレート部１９３が、集塵部１９１に対しディスク中心軸線の方向に設けられるため、位置決め用プレート部１９３で集塵部１９１をディスク径方向に位置決めすることができる。

　また、第１実施形態のディスクブレーキ１０は、クリップ式プレート部１９４が、集塵部１９１に対しディスク周方向の側方に設けられるため、クリップ式プレート部１９４をキャリア本体２９から取り外すことで集塵部１９１をディスク周方向に移動させてキャリア本体２９および位置決め用プレート部１９３から取り外すことができる。

　また、第１実施形態のディスクブレーキ１０は、フィルタ部５５およびフィルタ部５６のそれぞれの集塵部１９１が、キャリア２１のディスク回入側とディスク回出側との両側に設けられるため、車両前進時に生じるブレーキダストと、車両後進時に生じるブレーキダストを効率良く回収することが可能となる。なお、車両前進時に生じるブレーキダストの方が、車両後進時に生じるブレーキダストよりも多いため、キャリア２１のディスク回入側とディスク回出側とのうちの一方にフィルタ部を設ける場合、ディスク回出側のフィルタ部５６を設けるのが好ましい。すなわち、キャリア２１のディスク回入側とディスク回出側とのうち、少なくともディスク回出側のフィルタ部５６を設ける。

　また、第１実施形態のディスクブレーキ１０は、フィルタ部５５およびフィルタ部５６が弾性体からなるため、キャリア本体２９への取り付けが容易となる。

［第１変形例］
　第１実施形態のディスクブレーキ１０において、位置決め用プレート部１９３にかえて、図２６～図２８に示すような位置決め用プレート部１９３Ａを設けても良い。この位置決め用プレート部１９３Ａは、湾曲板部２１１に対して一部異なる湾曲板部２１１Ａを有している。湾曲板部２１１Ａは、湾曲板部２１１Ａを板厚方向（径方向）に貫通する丸穴状の孔２５１Ａが複数整列状態で形成されている点が湾曲板部２１１に対して相違している。よって、湾曲板部２１１Ａは、内側曲面部２１１ａに対して複数の孔２５１Ａが開口する点が相違する内側曲面部２１１Ａａを有しており、外側曲面部２１１ｂに対して複数の孔２５１Ａが開口する点が相違する外側曲面部２１１Ａｂを有している。位置決め用プレート部１９３Ａは、いわゆるパンチングメタルである。このような位置決め用プレート部１９３Ａを用いれば、ブレーキダストを含む空気を複数の孔２５１Ａを介して集塵部１９１内へ良好に流すことができるため、ブレーキダストを集塵部１９１で、より一層効率良く回収することが可能となる。

　また、第１実施形態のディスクブレーキ１０において、クリップ式プレート部１９４にかえて、図２９および図３０に示すようなクリップ式プレート部１９４Ａを設けても良い。このクリップ式プレート部１９４Ａは、基板部２２１に対して一部異なる基板部２２１Ａを有している。基板部２２１Ａは、基板部２２１Ａを板厚方向に貫通する丸穴状の孔２５２Ａが複数整列状態で形成されている点が基板部２２１に対して相違している。クリップ式プレート部１９４Ａは、いわゆるパンチングメタルである。このようなクリップ式プレート部１９４Ａを用いれば、ブレーキダストを含む空気を複数の孔２５２Ａを介して集塵部１９１へ良好に流すことができるため、ブレーキダストを集塵部１９１で、より一層効率良く回収することが可能となる。

［第２変形例］
　第１実施形態のディスクブレーキ１０において、位置決め用プレート部１９３にかえて、図３１～図３３に示すような位置決め用プレート部１９３Ｂを設けても良い。この位置決め用プレート部１９３Ｂは、湾曲板部２１１に対して一部異なる湾曲板部２１１Ｂを有している。湾曲板部２１１Ｂは、湾曲板部２１１Ｂを板厚方向（径方向）に貫通する角穴状の孔２５１Ｂが複数整列状態で形成されている点が湾曲板部２１１に対して相違している。よって、湾曲板部２１１Ｂは、内側曲面部２１１ａに対して複数の孔２５１Ｂが開口する点が相違する内側曲面部２１１Ｂａを有しており、外側曲面部２１１ｂに対して複数の孔２５１Ｂが開口する点が相違する外側曲面部２１１Ｂｂを有している。位置決め用プレート部１９３Ｂは、いわゆるメッシュメタルである。このような位置決め用プレート部１９３Ｂを用いれば、ブレーキダストを含む空気を複数の孔２５１Ｂを介して集塵部１９１へ良好に流すことができるため、ブレーキダストを集塵部１９１で、より一層効率良く回収することが可能となる。

　また、第１実施形態のディスクブレーキ１０において、クリップ式プレート部１９４にかえて、図３４および図３５に示すようなクリップ式プレート部１９４Ｂを設けても良い。このクリップ式プレート部１９４Ｂは、基板部２２１に対して一部異なる基板部２２１Ｂを有している。基板部２２１Ｂは、基板部２２１Ｂを板厚方向に貫通する角穴状の孔２５２Ｂが複数整列状態で設けられた点が基板部２２１に対して相違している。クリップ式プレート部１９４Ｂは、いわゆるメッシュメタルである。このようなクリップ式プレート部１９４Ｂを用いれば、ブレーキダストを含む空気を孔２５２Ｂを介して集塵部１９１へ良好に流すことができるため、ブレーキダストを集塵部１９１で、より一層効率良く回収することが可能となる。

［第２実施形態］
　第２実施形態を主に図３６～図６４に基づいて第１実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第１実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。

　図３６～図４５に示すように、第２実施形態のディスクブレーキ１０Ｄは、第１実施形態のキャリア２１にかえて、これとは一部異なるキャリア２１Ｄを備えている。キャリア２１Ｄは、キャリア本体２９とは一部異なるキャリア本体２９Ｄを有しており、図４１～図４４に示すように、フィルタ部５５，５６とは一部異なる一対のフィルタ部５５Ｄ，５６Ｄを有している。

　キャリア本体２９Ｄは、図４６～図５０に示す形状をなしている。キャリア本体２９Ｄは、図４６、図４７、図４９および図５０に示すように、一対の外周枠部３３，３４に対してディスク周方向に長い形状となっている点が相違する一対の外周枠部３３Ｄ，３４Ｄを有している。これに伴って、キャリア本体２９Ｄは、図４７および図４９に示すように、一対のインナ側パッド支持部３１，３２に対してディスク周方向に長い形状となっている点が相違する一対のインナ側パッド支持部３１Ｄ，３２Ｄを有している。また、キャリア本体２９Ｄは、図４６、図４７および図５０に示すように、一対のアウタ側パッド支持部３５，３６に対してディスク周方向に長い形状となっている点が相違する一対のアウタ側パッド支持部３５Ｄ，３６Ｄを有している。キャリア本体２９Ｄは、図４６および図４７に示すように、連結ビーム部３７とは形状が異なる連結ビーム部３７Ｄを有している。キャリア本体２９Ｄも、ディスク周方向の中央を基準とする鏡面対称の形状となっている。

　外周枠部３３Ｄは、図４６に示すように、外周端面３３ｄに対してディスク周方向に長い点が相違する外周端面３３Ｄｄを有している。外周枠部３３Ｄは、面取り３３ｅに対してディスク周方向に長い点が相違する面取り３３Ｄｅを有している。外周枠部３３Ｄは、内周端面３３ｆに対してディスク周方向に長い点が相違する内周端面３３Ｄｆを有している。外周枠部３３Ｄは、外側端面３３ｈに対してディスク周方向に長い点が相違する外側端面３３Ｄｈを有している。外周枠部３３Ｄは、図４９および図５０に示すように、内周当接面３３ｋに対してディスク周方向に長い点が相違する内周当接面３３Ｄｋを有している。外周枠部３３Ｄは、ディスクパス部５７に対してディスク周方向に長い点が相違するディスクパス部５７Ｄを有している。外周枠部３３Ｄは、周方向端面３３ｍに対して相違する周方向端面３３Ｄｍを有している。周方向端面３３Ｄｍは、周方向端面３３ｍよりも外側対向面部３３ｂからのディスク周方向の距離が離れている。

　外周枠部３３Ｄには、アウタ側パッド支持部３５Ｄとインナ側パッド支持部３１Ｄとの間に、外周枠部３３Ｄをディスク径方向基準線に沿って貫通する孔３０１Ｄが形成されている。孔３０１Ｄは一端が外周端面３３Ｄｄに開口しており、他端が内周当接面３３Ｄｋに開口している。

　外周枠部３４Ｄは、図４６に示すように、外周端面３４ｄに対してディスク周方向に長い点が相違する外周端面３４Ｄｄを有している。外周枠部３４Ｄは、面取り３４ｅに対してディスク周方向に長い点が相違する面取り３４Ｄｅを有している。外周枠部３４Ｄは、内周端面３４ｆに対してディスク周方向に長い点が相違する内周端面３４Ｄｆを有している。外周枠部３４Ｄは、外側端面３４ｈに対してディスク周方向に長い点が相違する外側端面３４Ｄｈを有している。外周枠部３４Ｄは、図４９および図５０に示すように、内周当接面３４ｋに対してディスク周方向に長い点が相違する内周当接面３４Ｄｋを有している。外周枠部３４Ｄは、ディスクパス部５８に対してディスク周方向に長い点が相違するディスクパス部５８Ｄを有している。外周枠部３４Ｄは、周方向端面３４ｍに対して相違する周方向端面３４Ｄｍを有している。周方向端面３４Ｄｍは、周方向端面３４ｍよりも外側対向面部３４ｂからのディスク周方向の距離が離れている。

　外周枠部３４Ｄには、アウタ側パッド支持部３６Ｄとインナ側パッド支持部３２Ｄとの間に、外周枠部３４Ｄをディスク径方向基準線に沿って貫通する孔３０２Ｄが形成されている。孔３０２Ｄは、一端が外周端面３４Ｄｄに開口しており、他端が内周当接面３４Ｄｋに開口している。

　アウタ側パッド支持部３５Ｄは、図４６および図４７に示すように、外側端面３５ｃに対してディスク周方向に長い点が相違する外側端面３５Ｄｃを有している。アウタ側パッド支持部３５Ｄは、図５０に示すように、内向当接面３５ｈに対してディスク周方向に長い点が相違する内向当接面３５Ｄｈを有している。アウタ側パッド支持部３５Ｄは、面部３５ｉに対して相違する面部３５Ｄｉを有している。面部３５Ｄｉは、ディスク周方向外側ほど、ディスク径方向基準線の方向においてディスク径方向内側に位置するように傾斜している。アウタ側パッド支持部３５Ｄには、第２係合穴１７２に対して位置および角度が異なる第２係合穴１７２Ｄが形成されている。第２係合穴１７２Ｄは、内向当接面３５Ｄｈのディスク周方向のアウタ側パッド支持部３６Ｄとは反対側の端部近傍に形成されており、ディスク径方向基準線に直交する方向に長くなっている。

　アウタ側パッド支持部３６Ｄは、図４６および図４７に示すように、外側端面３６ｃに対してディスク周方向に長い点が相違する外側端面３６Ｄｃを有している。アウタ側パッド支持部３６Ｄは、図５０に示すように、内向当接面３６ｈに対してディスク周方向に長い点が相違する内向当接面３６Ｄｈを有している。アウタ側パッド支持部３６Ｄは、面部３６ｉに対して相違する面部３６Ｄｉを有している。面部３６Ｄｉは、ディスク周方向外側ほど、ディスク径方向基準線の方向においてディスク径方向内側に位置するように傾斜している。アウタ側パッド支持部３６Ｄには、第２係合穴１７４に対して位置および角度が異なる第２係合穴１７４Ｄが形成されている。第２係合穴１７４Ｄは、内向当接面３６Ｄｈのディスク周方向のアウタ側パッド支持部３５Ｄとは反対側の端部近傍に形成されており、ディスク径方向基準線に直交する方向に長くなっている。

　図４６に示すように、連結ビーム部３７Ｄは、ディスク周方向中央から離れるほど、ディスク径方向基準線の方向においてディスク径方向内側に位置するように円弧状に湾曲している。連結ビーム部３７Ｄは、外向端面３７ａに対して相違する外向端面３７Ｄａと、内向端面３７ｂに対して相違する内向端面３７Ｄｂと、外側端面３７ｃに対して相違する外側端面３７Ｄｃとを有している。外向端面３７Ｄａは、円筒面の一部の形状をなしており、内向端面３７Ｄｂも円筒面の一部の形状をなしている。外側端面３７Ｄｃは、円弧状をなしている。よって、キャリア２１Ｄおよびキャリア本体２９Ｄは、ディスク軸方向外側の端部に、外側端面２１ａとは形状が異なる外側端面２１Ｄａを有している。

　インナ側パッド支持部３１Ｄは、図４９に示すように、外向当接面３１ｈに対してディスク周方向に長い点が相違する外向当接面３１Ｄｈを有している。インナ側パッド支持部３１Ｄは、面部３１ｉに対して相違する面部３１Ｄｉを有している。面部３１Ｄｉは、ディスク周方向外側ほど、ディスク径方向基準線の方向においてディスク径方向内側に位置するように傾斜している。インナ側パッド支持部３１Ｄには、第２係合穴１８２に対して位置および角度が異なる第２係合穴１８２Ｄが形成されている。第２係合穴１８２Ｄは、外向当接面３１Ｄｈのディスク周方向のインナ側パッド支持部３２Ｄとは反対側の端部近傍に形成されており、ディスク径方向基準線に直交する方向に長くなっている。第２係合穴１８２Ｄは、第２係合穴１７２Ｄとディスク径方向およびディスク周方向の位置を合わせてディスク軸方向に対向している。

　インナ側パッド支持部３２Ｄは、外向当接面３２ｈに対してディスク周方向に長い点が相違する外向当接面３２Ｄｈを有している。インナ側パッド支持部３２Ｄは、面部３２ｉに対して相違する面部３２Ｄｉを有している。面部３２Ｄｉは、ディスク周方向外側ほど、ディスク径方向基準線の方向においてディスク径方向内側に位置するように傾斜している。インナ側パッド支持部３２Ｄには、第２係合穴１８４に対して位置および角度が異なる第２係合穴１８４Ｄが形成されている。第２係合穴１８４Ｄは、外向当接面３２Ｄｈのディスク周方向のインナ側パッド支持部３１Ｄとは反対側の端部近傍に形成されており、ディスク径方向基準線に直交する方向に長くなっている。第２係合穴１８４Ｄは、第２係合穴１７４Ｄとディスク径方向およびディスク周方向の位置を合わせてディスク軸方向に対向している。

　図４２～図４４に示すフィルタ部５５Ｄ，５６Ｄも共通部品であって、キャリア本体２９Ｄに鏡面対称状に配置される。フィルタ部５５Ｄ，５６Ｄは、それぞれが、集塵部１９１とは一部異なる集塵部１９１Ｄと、取付プレート１９２とは一部異なる取付プレート１９２Ｄとから構成されている。取付プレート１９２Ｄは、位置決め用プレート部１９３に対して一部異なる位置決め用プレート部１９３Ｄを有しており、位置決め用プレート部１９３Ｄとクリップ式プレート部１９４とからなっている。

　図５１～図５３に示すように、集塵部１９１Ｄは、湾曲部２０４に対して円周方向の長さが長い点が相違する湾曲部２０４Ｄを有している。湾曲部２０４Ｄは、内側曲面部２０４ａに対して円周方向の長さが長い点が相違する内側曲面部２０４Ｄａを有している。湾曲部２０４Ｄは、外側曲面部２０４ｂに対して円周方向の長さが長い点が相違する外側曲面部２０４Ｄｂを有している。集塵部１９１Ｄは、面部２０４ｃに対して相違する面部２０４Ｄｃを有している。面部２０４Ｄｃは、面部２０４ｃよりも突起部２０５からの距離が遠くなっている。

　集塵部１９１Ｄは、側板部２０２に対して突起部２０５とは反対側に延出する長さが長い点が相違する側板部２０２Ｄを有している。側板部２０２Ｄは、外面部２０２ａに対して突起部２０５とは反対側に延出する長さが長い点が相違する外面部２０２Ｄａを有している。側板部２０２Ｄは、内面部２０２ｂに対して突起部２０５とは反対側に延出する長さが長い点が相違する内面部２０２Ｄｂを有している。側板部２０２Ｄは、面部２０２ｄに対して突起部２０５とは反対側に延出する長さが長い点が相違する面部２０２Ｄｄを有している。側板部２０２Ｄは、面部２０２ｅに対して相違する面部２０２Ｄｅを有している。面部２０２Ｄｅは、面部２０４Ｄｃ側が面部２０４Ｄｃと面一をなし、内面部２０２Ｄｂ側ほど突起部２０５に近づくように面部２０４Ｄｃに対して傾斜している。側板部２０２Ｄは、傾斜面部２０２ｃに対して相違する傾斜面部２０２Ｄｃを有している。傾斜面部２０２Ｄｃは、外面部２０２Ｄａと面部２０２Ｄｅとを結ぶ方向の幅が面部２０２Ｄｄ側ほど狭くなっている。

　集塵部１９１Ｄは、側板部２０３に対して突起部２０５とは反対側に延出する長さが長い点が相違する側板部２０３Ｄを有している。側板部２０３Ｄは、外面部２０３ａに対して突起部２０５とは反対側に延出する長さが長い点が相違する外面部２０３Ｄａを有している。側板部２０３Ｄは、内面部２０３ｂに対して突起部２０５とは反対側に延出する長さが長い点が相違する内面部２０３Ｄｂを有している。側板部２０３Ｄは、面部２０３ｄに対して突起部２０５とは反対側に延出する長さが長い点が相違する面部２０３Ｄｄを有している。側板部２０３Ｄは、面部２０３ｅに対して相違する面部２０３Ｄｅを有している。面部２０３Ｄｅは、面部２０４Ｄｃ側が面部２０４Ｄｃと面一をなし、内面部２０３Ｄｂ側ほど突起部２０５に近づくように面部２０４Ｄｃに対して傾斜している。側板部２０３Ｄは、傾斜面部２０３ｃに対して相違する傾斜面部２０３Ｄｃを有している。傾斜面部２０３Ｄｃは、外面部２０３Ｄａと面部２０３Ｄｅとを結ぶ方向の幅が面部２０３Ｄｄ側ほど狭くなっている。

　図５４～図５６に示すように、位置決め用プレート部１９３Ｄは、湾曲板部２１１に対して円周方向の長さが長い点が相違する湾曲板部２１１Ｄを有している。湾曲板部２１１Ｄは、内側曲面部２１１ａに対して円周方向の長さが長い点が相違する内側曲面部２１１Ｄａを有している。湾曲板部２１１Ｄは、外側曲面部２１１ｂに対して円周方向の長さが長い点が相違する外側曲面部２１１Ｄｂを有している。

　図４３に示すように、フィルタ部５５Ｄは、キャリア本体２９Ｄに取り付けられると、その集塵部１９１Ｄが、外面部２０２Ｄａにおいてインナ側パッド支持部３１Ｄの外向当接面３１Ｄｈに面接触で当接すると共に面部２０２Ｄｄにおいて大段面３１ｇに面接触で当接する。また、フィルタ部５５Ｄの集塵部１９１Ｄは、外面部２０３Ｄａにおいてアウタ側パッド支持部３５Ｄの内向当接面３５Ｄｈに面接触で当接すると共に面部２０３Ｄｄにおいて大段面３５ｇに面接触で当接する。また、フィルタ部５５Ｄの集塵部１９１Ｄは、図４４に示すように、外側曲面部２０４Ｄｂにおいて外周枠部３３Ｄの内周当接面３３Ｄｋに面接触で当接すると共に、頂面部２０５ａにおいて内側平坦面３３ｉに面接触で当接する。このとき、集塵部１９１Ｄは、湾曲部２０４Ｄが外側曲面部２０４Ｄｂにおいて孔３０１Ｄの全体をディスク径方向内側で覆う。言い換えれば、キャリア本体２９Ｄには、フィルタ部５５Ｄの位置に、フィルタ部５５Ｄの集塵部１９１Ｄをディスク径方向外側に露出させる孔３０１Ｄが設けられている。

　フィルタ部５５Ｄは、集塵部１９１Ｄをこのような状態として、位置決め用プレート部１９３Ｄが湾曲板部２１１Ｄの外側曲面部２１１Ｄｂにおいて集塵部１９１Ｄの内側曲面部２０４Ｄａに面接触で当接する。位置決め用プレート部１９３Ｄは、取付部２１２がインナ側パッド支持部３１Ｄの第１係合穴１８１に係合し、取付部２１３がアウタ側パッド支持部３５Ｄの第１係合穴１７１に係合する。すると、位置決め用プレート部１９３Ｄは、集塵部１９１Ｄに対しディスク中心軸線の方向に設けられる。この状態で、位置決め用プレート部１９３Ｄは、集塵部１９１Ｄの湾曲部２０４Ｄを外側曲面部２０４Ｄｂにおいて内周当接面３３Ｄｋに面接触するように外周枠部３３Ｄに押し付ける。

　位置決め用プレート部１９３Ｄは、集塵部１９１Ｄを、キャリア本体２９Ｄに対して位置決めする。位置決め用プレート部１９３Ｄによって位置決めされた集塵部１９１Ｄは、図４３に示すように、外面部２０２Ｄａにおいて外向当接面３１Ｄｈに面接触で当接し、外面部２０３Ｄａにおいて内向当接面３５Ｄｈに面接触で当接し、図４４に示すように、外側曲面部２０４Ｄｂにおいて内周当接面３３Ｄｋに面接触で当接する。このときも、位置決め用プレート部１９３Ｄは、湾曲板部２１１Ｄから平板状の取付部２１２，２１３がディスク径方向内側に、互いに先端部を離すように斜めに延出する状態となって先端部において第１係合穴１８１，１７１に入り込んでいるため、キャリア本体２９Ｄに対し取り外し困難な状態となる。

　ディスク回入側のフィルタ部５５Ｄは、集塵部１９１Ｄを上記のような位置決め状態として、図４４に示すように、クリップ式プレート部１９４が基板部２２１において集塵部１９１Ｄの面部２０４Ｄｃに面接触で当接すると共に、取付部２２２がインナ側パッド支持部３１Ｄの第２係合穴１８２Ｄに係合し、取付部２２３がアウタ側パッド支持部３５Ｄの第２係合穴１７２Ｄに係合する。すると、クリップ式プレート部１９４は、集塵部１９１Ｄに対しディスク周方向の側方、具体的にはディスク回入側に設けられる。この状態で、クリップ式プレート部１９４は、集塵部１９１Ｄを、頂面部２０５ａにおいて内側平坦面３３ｉに面接触するように外周枠部３３Ｄに押し付ける。これにより、クリップ式プレート部１９４は、位置決め用プレート部１９３Ｄによってキャリア本体２９Ｄに位置決めされた状態にある集塵部１９１Ｄのディスク周方向の移動を、内側平坦面３３ｉとで規制する。

　ディスク回出側のフィルタ部５６Ｄは、フィルタ部５５Ｄと同様にして、キャリア本体２９Ｄに、フィルタ部５５Ｄと鏡面対称状になるように取り付けられることになる。すると、フィルタ部５６Ｄは、図４３に示すように、集塵部１９１Ｄが、外面部２０２Ｄａにおいてアウタ側パッド支持部３６Ｄの内向当接面３６Ｄｈに面接触で当接すると共に面部２０２Ｄｄにおいて大段面３６ｇに面接触で当接する。また、フィルタ部５６Ｄの集塵部１９１Ｄは、外面部２０３Ｄａにおいてインナ側パッド支持部３２Ｄの外向当接面３２Ｄｈに面接触で当接すると共に面部２０３Ｄｄにおいて大段面３２ｇに面接触で当接する。また、フィルタ部５６Ｄの集塵部１９１Ｄは、図４４に示すように、外側曲面部２０４Ｄｂにおいて外周枠部３４Ｄの内周当接面３４Ｄｋに面接触で当接すると共に、頂面部２０５ａにおいて内側平坦面３４ｉに面接触で当接する。このとき、集塵部１９１Ｄは、湾曲部２０４Ｄが外側曲面部２０４Ｄｂにおいて孔３０２Ｄの全体をディスク径方向内側で覆う。言い換えれば、キャリア本体２９Ｄには、フィルタ部５６Ｄの位置に、フィルタ部５６Ｄの集塵部１９１Ｄをディスク径方向外側に露出させる孔３０２Ｄが設けられている。

　また、フィルタ部５６Ｄは、位置決め用プレート部１９３Ｄが、図５７に示すように、取付部２１２においてアウタ側パッド支持部３６Ｄの第１係合穴１７３に係合し、取付部２１３においてインナ側パッド支持部３２Ｄの第１係合穴１８３に係合する。これにより、フィルタ部５６Ｄは、位置決め用プレート部１９３Ｄが、集塵部１９１Ｄを上記状態に位置決めする。

　また、フィルタ部５６Ｄは、クリップ式プレート部１９４が、図５８に示すように、取付部２２２においてアウタ側パッド支持部３６Ｄの第２係合穴１７４Ｄに係合し、取付部２２３がインナ側パッド支持部３２Ｄの第２係合穴１８４Ｄに係合する。これにより、フィルタ部５６Ｄは、クリップ式プレート部１９４が、集塵部１９１Ｄを上記状態に維持するように支持する。

　キャリア本体２９Ｄにフィルタ部５５Ｄおよびフィルタ部５６Ｄが取り付けられて構成されるキャリア２１Ｄは、図４３に示す構成の内周面２１Ｄｂを有する。内周面２１Ｄｂは、キャリア本体２９Ｄの外周枠部３３Ｄ，３４Ｄのディスク径方向内側の内周端面３３ｇ，３４ｇおよび内側平坦面３３ｉ，３４ｉと、フィルタ部５５Ｄの集塵部１９１Ｄの湾曲部２０４Ｄのディスク径方向内側の内側曲面部２０４Ｄａと、フィルタ部５５Ｄの位置決め用プレート部１９３Ｄの湾曲板部２１１Ｄのディスク径方向内側の内側曲面部２１１Ｄａと、フィルタ部５６Ｄの集塵部１９１Ｄの湾曲部２０４Ｄのディスク径方向内側の内側曲面部２０４Ｄａと、フィルタ部５６Ｄの位置決め用プレート部１９３Ｄの湾曲板部２１１Ｄのディスク径方向内側の内側曲面部２１１Ｄａとにより構成される。内周面２１Ｄｂは、図４０に示すように、ディスクロータ１１のディスク径方向外側の外周縁に沿って形成されている。

　キャリア２１Ｄの内周面２１Ｄｂにあるフィルタ部５５Ｄおよびフィルタ部５６Ｄは、ディスクロータ１１の外周縁に面して設けられている。言い換えれば、キャリア２１Ｄは、ディスクロータ１１の外周縁に沿って形成された内周面２１Ｄｂと、内周面２１Ｄｂにあって、ディスクロータ１１の外周縁に面して設けられたフィルタ部５５Ｄ，５６Ｄと、を備えている。フィルタ部５５Ｄおよびフィルタ部５６Ｄは、キャリア２１Ｄのディスク回入側とディスク回出側との両側に設けられており、よって、フィルタ部５５Ｄの集塵部１９１Ｄおよびフィルタ部５６Ｄの集塵部１９１Ｄも、キャリア２１Ｄのディスク回入側とディスク回出側との両側に設けられている。

　ディスクブレーキ１０Ｄは、制動時に発生するブレーキダストを、車両の前進走行時には、ライニング９２よりもディスクロータ１１の回転方向前方すなわちディスク回出側に設けられたフィルタ部５６Ｄの集塵部１９１Ｄが主に捕捉することになる。また、ブレーキダストは、車両の後進走行時には、ライニング９２よりもディスクロータ１１の回転方向前方に設けられたフィルタ部５５Ｄの集塵部１９１Ｄが主に捕捉することになる。

　第２実施形態のディスクブレーキ１０Ｄは、キャリア２１Ｄのキャリア本体２９Ｄに、孔３０１Ｄ，３０２Ｄが形成されているため、キャリア２１Ｄには、フィルタ部５５Ｄおよび孔３０１Ｄを通ってディスク径方向内側から外側に空気が流れることになり、フィルタ部５６Ｄおよび孔３０２Ｄを通ってディスク径方向内側から外側に空気が流れることになる。よって、これらの空気の流れによって、フィルタ部５５Ｄおよびフィルタ部５６Ｄを通過する空気の流量を増やすことができるため、制動時に発生するブレーキダストを含む空気を、ライニング９２およびディスクロータ１１からフィルタ部５５Ｄの集塵部１９１Ｄおよびフィルタ部５６Ｄの集塵部１９１Ｄにより多く流すことができる。これにより、ブレーキダストを一層効率良く回収することが可能となる。

　また、第２実施形態のディスクブレーキ１０Ｄは、キャリア本体２９Ｄに、孔３０１Ｄ，３０２Ｄが形成されているため、キャリア本体２９Ｄの重量増を抑制することができる。

［第１変形例］
　第２実施形態のディスクブレーキ１０Ｄにおいて、位置決め用プレート部１９３Ｄにかえて、図５９～図６１に示すような位置決め用プレート部１９３Ｅを設けても良い。この位置決め用プレート部１９３Ｅは、湾曲板部２１１Ｄに対して一部異なる湾曲板部２１１Ｅを有している。湾曲板部２１１Ｅは、湾曲板部２１１Ｅを板厚方向（径方向）に貫通する丸穴状の孔２５１Ｅが複数整列状態で形成されている点が湾曲板部２１１Ｄに対して相違している。よって湾曲板部２１１Ｅは、内側曲面部２１１Ｄａに対して複数の孔２５１Ｅが開口する点が相違する内側曲面部２１１Ｅａを有しており、外側曲面部２１１Ｄｂに対して複数の孔２５１Ｅが開口する点が相違する外側曲面部２１１Ｅｂを有している。このような位置決め用プレート部１９３Ｅを用いれば、ブレーキダストを含む空気を複数の孔２５１Ｅを介して集塵部１９１Ｄ内へ良好に流すことができるため、ブレーキダストを集塵部１９１Ｄで、より一層効率良く回収することが可能となる。

　また、第２実施形態のディスクブレーキ１０Ｄにおいても、クリップ式プレート部１９４にかえて、クリップ式プレート部１９４Ａを設けても良い。クリップ式プレート部１９４Ａを用いれば、ブレーキダストを含む空気を複数の孔２５２Ａを介して集塵部１９１Ｄへ良好に流すことができるため、ブレーキダストを集塵部１９１Ｄで、より一層効率良く回収することが可能となる。

［第２変形例］
　第２実施形態のディスクブレーキ１０Ｄにおいて、位置決め用プレート部１９３Ｄにかえて、図６２～図６４に示すような位置決め用プレート部１９３Ｆを設けても良い。この位置決め用プレート部１９３Ｆは、湾曲板部２１１Ｄに対して一部異なる湾曲板部２１１Ｆを有している。湾曲板部２１１Ｆは、湾曲板部２１１Ｆを板厚方向（径方向）に貫通する角穴状の孔２５１Ｆが複数整列状態で形成されている点が湾曲板部２１１Ｄに対して相違している。よって湾曲板部２１１Ｆは、内側曲面部２１１Ｄａに対して複数の孔２５１Ｆが開口する点が相違する内側曲面部２１１Ｆａを有しており、外側曲面部２１１Ｄｂに対して複数の孔２５１Ｆが開口する点が相違する外側曲面部２１１Ｆｂを有している。このような位置決め用プレート部１９３Ｆを用いれば、ブレーキダストを含む空気を複数の孔２５１Ｆを介して集塵部１９１Ｄへ良好に流すことができるため、ブレーキダストを集塵部１９１Ｄで、より一層効率良く回収することが可能となる。

　また、第２実施形態のディスクブレーキ１０Ｄにおいて、クリップ式プレート部１９４にかえて、クリップ式プレート部１９４Ｂを設けても良い。クリップ式プレート部１９４Ｂを用いれば、ブレーキダストを含む空気を孔２５２Ｂを介して集塵部１９１Ｄへ良好に流すことができるため、ブレーキダストを集塵部１９１Ｄで、より一層効率良く回収することが可能となる。

［第３実施形態］
　第２実施形態を主に図６５～図８４に基づいて第２実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第２実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。

　図６５～図７０に示すように、第３実施形態のディスクブレーキ１０Ｈは、第２施形態のキャリア２１Ｄにかえて、これとは一部異なるキャリア２１Ｈを備えている。キャリア２１Ｈは、図６９～図７５に示すように、フィルタ部５５Ｄ，５６Ｄとは一部異なるフィルタ部５５Ｈを有している。

　図６９～図７３に示すように、フィルタ部５５Ｈは、集塵部１９１Ｄとは一部異なる共通部品である一対の集塵部１９１Ｈと、取付プレート１９２とは一部異なる取付プレート１９２Ｈとから構成されている。取付プレート１９２Ｈは、位置決め用プレート部１９３Ｄに対して一部異なる位置決め用プレート部１９３Ｈを有しており、位置決め用プレート部１９３Ｈと一対のクリップ式プレート部１９４とからなっている。

　図７６～図７８に示すように、集塵部１９１Ｈは、集塵部１９１Ｄに対して、湾曲部２０４Ｄの突起部２０５から湾曲部２０４Ｄの円周方向における面部２０４Ｄｃとは反対方向に延出する延出部４０１Ｈを有する点が相違している。延出部４０１Ｈは、円筒の一部の形状をなしており、その径方向内側の内側曲面部４０１Ｈａが、湾曲部２０４Ｄの内側曲面部２０４Ｄａと同一円筒面に配置されて連続している。延出部４０１Ｈは、径方向の厚さが湾曲部２０４Ｄよりも薄い。延出部４０１Ｈは、その径方向外側の外側曲面部４０１Ｈｂが内側曲面部２０４Ｄａ，４０１Ｈａと同軸の円筒の一部の形状をなしている。

　図７９および図８０に示すように、位置決め用プレート部１９３Ｈは、湾曲板部２１１Ｄに対して円周方向の長さが長い湾曲板部２１１Ｈを有する点が相違している。湾曲板部２１１Ｈも、円筒の一部形状をなすように湾曲している。よって、湾曲板部２１１Ｈは、内側曲面部２１１Ｄａに対して円周方向の長さが長い点が相違する内側曲面部２１１Ｈａを有している。湾曲板部２１１Ｈは、外側曲面部２１１Ｄｂに対して円周方向の長さが長い点が相違する外側曲面部２１１Ｈｂを有している。位置決め用プレート部１９３Ｈは、湾曲板部２１１Ｈの円周方向の一端側の湾曲板部２１１Ｈの軸方向の両端縁部から湾曲板部２１１Ｈの軸方向における外側に突出する、取付部２２２，２２３と同様の一対の平板状の取付部４１２Ｈ，４１３Ｈと、湾曲板部２１１Ｈの円周方向の他端側の湾曲板部２１１Ｈの軸方向の両端縁部から湾曲板部２１１Ｈの軸方向における外側に突出する、取付部２２２，２２３と同様の一対の平板状の取付部４１４Ｈ，４１５Ｈとを有している。取付部４１２Ｈ～４１５Ｈは、湾曲板部２１１Ｈの径方向内側に延出している。

　図７２に示すように、フィルタ部５５Ｈは、キャリア本体２９Ｄに取り付けられると、ディスク回入側に配置される一方の集塵部１９１Ｈが、外面部２０２Ｄａにおいてディスク回入側のインナ側パッド支持部３１Ｄの外向当接面３１Ｄｈに面接触で当接すると共に面部２０２Ｄｄにおいて大段面３１ｇに面接触で当接する。また、この一方の集塵部１９１Ｈは、外面部２０３Ｄａにおいてディスク回入側のアウタ側パッド支持部３５Ｄの内向当接面３５Ｄｈに面接触で当接すると共に面部２０３Ｄｄにおいて大段面３５ｇに面接触で当接する。また、この一方の集塵部１９１Ｈは、図７３に示すように、外側曲面部２０４Ｄｂにおいて外周枠部３３Ｄの内周当接面３３Ｄｋに面接触で当接すると共に、頂面部２０５ａにおいて内側平坦面３３ｉに面接触で当接する。このとき、この一方の集塵部１９１Ｈは、湾曲部２０４Ｄが外側曲面部２０４Ｄｂにおいて孔３０１Ｄの全体をディスク径方向内側で覆う。また、このとき、この一方の集塵部１９１Ｈは、延出部４０１Ｈが突起部２０５からディスク周方向に沿ってディスク回出側に延出する。

　キャリア本体２９Ｄに取り付けられた状態のフィルタ部５５Ｈは、図７２に示すように、ディスク回出側に配置される他方の集塵部１９１Ｈが、外面部２０２Ｄａにおいてアウタ側パッド支持部３６Ｄの内向当接面３６Ｄｈに面接触で当接すると共に面部２０２Ｄｄにおいて大段面３６ｇに面接触で当接する。また、この他方の集塵部１９１Ｈは、外面部２０３Ｄａにおいてインナ側パッド支持部３２Ｄの外向当接面３２Ｄｈに面接触で当接すると共に面部２０３Ｄｄにおいて大段面３２ｇに面接触で当接する。また、この他方の集塵部１９１Ｈは、図７３に示すように、外側曲面部２０４Ｄｂにおいて外周枠部３４Ｄの内周当接面３４Ｄｋに面接触で当接すると共に、頂面部２０５ａにおいて内側平坦面３４ｉに面接触で当接する。このとき、この他方の集塵部１９１Ｈは、湾曲部２０４Ｄが外側曲面部２０４Ｄｂにおいて孔３０２Ｄの全体をディスク径方向内側で覆う。また、このとき、この他方の集塵部１９１Ｈは、延出部４０１Ｈが突起部２０５からディスク周方向に沿ってディスク回入側に延出して、ディスク回入側の集塵部１９１Ｈの延出部４０１Ｈに当接して、この延出部４０１Ｈとディスク周方向に連続する状態になる。

　フィルタ部５５Ｈは、一対の集塵部１９１Ｈをこのような状態として、位置決め用プレート部１９３Ｈが湾曲板部２１１Ｈの外側曲面部２１１Ｈｂにおいて一対の集塵部１９１Ｈの両方の内側曲面部２０４Ｄａおよび内側曲面部４０１Ｈａに面接触で当接する。位置決め用プレート部１９３Ｈは、取付部４１３Ｈがインナ側パッド支持部３１Ｄの第１係合穴１８１に係合し、取付部４１２Ｈがアウタ側パッド支持部３５Ｄの第１係合穴１７１（図５０参照）に係合し、取付部４１４Ｈがインナ側パッド支持部３２Ｄの第１係合穴１８３に係合し、取付部４１５Ｈがアウタ側パッド支持部３６Ｄの第１係合穴１７３（図５０参照）に係合する。すると、位置決め用プレート部１９３Ｈは、一対の集塵部１９１Ｈに対しディスク中心軸線の方向に設けられる。この状態で、位置決め用プレート部１９３Ｈは、一方の集塵部１９１Ｈの湾曲部２０４Ｄを外側曲面部２０４Ｄｂにおいて内周当接面３３Ｄｋに面接触するように外周枠部３３Ｄに押し付けると共に、他方の集塵部１９１Ｈの湾曲部２０４Ｄを外側曲面部２０４Ｄｂにおいて内周当接面３４Ｄｋに面接触するように外周枠部３４Ｄに押し付ける。

　位置決め用プレート部１９３Ｈは、ディスク回入側の集塵部１９１Ｄを、キャリア本体２９Ｄに対して位置決めする。位置決め用プレート部１９３Ｈによって位置決めされたディスク回入側の集塵部１９１Ｄは、図７２に示すように、外面部２０２Ｄａにおいて外向当接面３１Ｄｈに面接触で当接し、外面部２０３Ｄａにおいて内向当接面３５Ｄｈに面接触で当接し、図７３に示すように、外側曲面部２０４Ｄｂにおいて内周当接面３３Ｄｋに面接触で当接する。また、位置決め用プレート部１９３Ｈは、ディスク回出側の集塵部１９１Ｄを、キャリア本体２９Ｄに対して位置決めする。位置決め用プレート部１９３Ｈによって位置決めされたディスク回出側の集塵部１９１Ｄは、図７２に示すように、外面部２０２Ｄａにおいて内向当接面３６Ｄｈに面接触で当接し、外面部２０３Ｄａにおいて外向当接面３２Ｄｈに面接触で当接し、図７３に示すように、外側曲面部２０４Ｄｂにおいて内周当接面３４Ｄｋに面接触で当接する。このとき、位置決め用プレート部１９３Ｈは、湾曲板部２１１Ｈから平板状の取付部４１２Ｈ～４１５Ｈがディスク径方向内側に延び、取付部４１２Ｈ，４１３Ｈ同士および取付部４１４Ｈ，４１５Ｈ同士で互いに先端部を離すように斜めに延出する状態となっている。取付部４１２Ｈ～４１５Ｈは、それぞれの先端部において第１係合穴１７１，１８１，１８３，１７３に入り込んでいる。そのため、キャリア本体２９Ｄに対し取り外し困難な状態となる。

　フィルタ部５５Ｈは、一対の集塵部１９１Ｈを一つの位置決め用プレート部１９３Ｈで上記のような位置決め状態として、一方のクリップ式プレート部１９４が基板部２２１においてディスク回入側の集塵部１９１Ｈの面部２０４Ｄｃに面接触で当接する。このクリップ式プレート部１９４は、図７１に示すように取付部２２２がインナ側パッド支持部３１Ｄの第２係合穴１８２Ｄに係合し、取付部２２３がアウタ側パッド支持部３５Ｄの第２係合穴１７２Ｄ（図５０参照）に係合する。

　すると、このクリップ式プレート部１９４は、ディスク回入側の集塵部１９１Ｈに対しディスク周方向の側方、具体的にはディスク回入側に設けられる。この状態で、このクリップ式プレート部１９４は、図７３に示すように、ディスク回入側の集塵部１９１Ｈを、頂面部２０５ａにおいて内側平坦面３３ｉに面接触するように外周枠部３３Ｄに押し付ける。これにより、このクリップ式プレート部１９４は、位置決め用プレート部１９３Ｈによってキャリア本体２９Ｄに位置決めされたディスク回入側の集塵部１９１Ｈのディスク周方向の移動を、内側平坦面３３ｉとで規制する。

　また、フィルタ部５５Ｈは、一対の集塵部１９１Ｈを一つの位置決め用プレート部１９３Ｈで上記のような位置決め状態として、他方のクリップ式プレート部１９４が基板部２２１においてディスク回出側の集塵部１９１Ｈの面部２０４Ｄｃに面接触で当接する。この他方のクリップ式プレート部１９４は、図７１に示すように、取付部２２３がインナ側パッド支持部３２Ｄの第２係合穴１８４Ｄに係合し、取付部２２２がアウタ側パッド支持部３６Ｄの第２係合穴１７４Ｄ（図５０参照）に係合する。

　すると、このクリップ式プレート部１９４は、ディスク回出側の集塵部１９１Ｈに対しディスク周方向の側方、具体的にはディスク回出側に設けられる。この状態で、このクリップ式プレート部１９４は、図７３に示すように、ディスク回出側の集塵部１９１Ｈを、頂面部２０５ａにおいて内側平坦面３４ｉに面接触するように外周枠部３４Ｄに押し付ける。これにより、このクリップ式プレート部１９４は、位置決め用プレート部１９３Ｈによってキャリア本体２９Ｄに位置決めされたディスク回出側の集塵部１９１Ｈのディスク周方向の移動を、内側平坦面３４ｉとで規制する。

　また、ディスク回入側のクリップ式プレート部１９４とディスク回出側のクリップ式プレート部１９４とによって、ディスク回入側の集塵部１９１Ｈの延出部４０１Ｈとディスク回出側の集塵部１９１Ｈの延出部４０１Ｈとをディスク周方向に当接させて連続させる。これにより、フィルタ部５５Ｈは、キャリア２１Ｈのディスク回入側からディスク回出側まで連続して設けられることになり、一対の集塵部１９１Ｈもキャリア２１Ｈのディスク回入側からディスク回出側まで連続して設けられることになる。フィルタ部５５Ｈは、連続する一対の延出部４０１Ｈが、キャリパ２２のブリッジ部１４２とディスクロータ１１とのディスク径方向の間位置に配置される。

　キャリア本体２９Ｄにフィルタ部５５Ｈが取り付けられて構成されるキャリア２１Ｈは、図７２に示すように、フィルタ部５５Ｈの一対の集塵部１９１Ｄの内側曲面部２０４Ｄａ，４０１Ｈａと、フィルタ部５５Ｈの位置決め用プレート部１９３Ｈの湾曲板部２１１Ｈのディスク径方向内側の内側曲面部２１１Ｈａとが、内周面２１Ｈｂを構成している。内周面２１Ｈｂは、図６９に示すように、ディスクロータ１１のディスク径方向外側の外周縁に沿って形成されている。

　この内周面２１Ｈｂにあるフィルタ部５５Ｈは、ディスクロータ１１の外周縁に面して設けられている。言い換えれば、キャリア２１Ｈは、ディスクロータ１１の外周縁に沿って形成された内周面２１Ｈｂと、内周面２１Ｈｂにあって、ディスクロータ１１の外周縁に面して設けられたフィルタ部５５Ｈと、を備えている。フィルタ部５５Ｈは、キャリア２１Ｄのディスク回入側とディスク回出側との両側に集塵部１９１Ｈが設けられている。

　ディスクブレーキ１０Ｈは、制動時に発生するブレーキダストを、車両の前進走行時には、フィルタ部５５Ｈの、ライニング９２よりもディスクロータ１１の回転方向前方すなわちディスク回出側に設けられた集塵部１９１Ｈが主に捕捉することになる。また、ブレーキダストは、車両の後進走行時には、フィルタ部５５Ｈ、ライニング９２よりもディスクロータ１１の回転方向前方に設けられた集塵部１９１Ｈが主に捕捉することになる。

　第３実施形態のディスクブレーキ１０Ｈは、フィルタ部５５Ｈの一対の集塵部１９１Ｈが、キャリア２１Ｈのディスク回入側からディスク回出側まで連続して設けられているため、フィルタ部５５Ｈでブレーキダストを一層効率良く回収することが可能となる。

［第１変形例］
　第３実施形態のディスクブレーキ１０Ｈにおいて、位置決め用プレート部１９３Ｈにかえて、図８１および図８２に示すような位置決め用プレート部１９３Ｉを設けても良い。この位置決め用プレート部１９３Ｉは、湾曲板部２１１Ｈに対して一部異なる湾曲板部２１１Ｉを有している。湾曲板部２１１Ｉは、湾曲板部２１１Ｉを板厚方向（径方向）に貫通する丸穴状の孔２５１Ｉが複数整列状態で形成されている点が湾曲板部２１１Ｈに対して相違している。よって、湾曲板部２１１Ｉは、内側曲面部２１１Ｈａに対して複数の孔２５１Ｉが開口する点が相違する内側曲面部２１１Ｉａを有している。湾曲板部２１１Ｉは、外側曲面部２１１Ｈｂに対して複数の孔２５１Ｉが開口する点が相違する外側曲面部２１１Ｉｂを有している。このような位置決め用プレート部１９３Ｉを用いれば、ブレーキダストを含む空気を複数の孔２５１Ｉを介して一対の集塵部１９１Ｈ内へ良好に流すことができるため、ブレーキダストを一対の集塵部１９１Ｈで、より一層効率良く回収することが可能となる。

　また、第３実施形態のディスクブレーキ１０Ｈおいても、クリップ式プレート部１９４にかえて、クリップ式プレート部１９４Ａを設けても良い。クリップ式プレート部１９４Ａを用いれば、ブレーキダストを含む空気を複数の孔２５２Ａを介して集塵部１９１Ｈへ良好に流すことができるため、ブレーキダストを集塵部１９１Ｄで、より一層効率良く回収することが可能となる。

［第２変形例］
　第３実施形態のディスクブレーキ１０Ｈにおいて、位置決め用プレート部１９３Ｈにかえて、図８３および図８４に示すような位置決め用プレート部１９３Ｊを設けても良い。この位置決め用プレート部１９３Ｊは、湾曲板部２１１Ｈに対して一部異なる湾曲板部２１１Ｊを有している。湾曲板部２１１Ｊは、湾曲板部２１１Ｊを板厚方向（径方向）に貫通する角穴状の孔２５１Ｊが複数整列状態で形成されている点が湾曲板部２１１Ｈに対して相違している。よって、湾曲板部２１１Ｊは、内側曲面部２１１Ｈａに対して複数の孔２５１Ｊが開口する点が相違する内側曲面部２１１Ｊａを有している。湾曲板部２１１Ｊは、外側曲面部２１１Ｈｂに対して複数の孔２５１Ｊが開口する点が相違する外側曲面部２１１Ｊｂを有している。このような位置決め用プレート部１９３Ｊを用いれば、ブレーキダストを含む空気を複数の孔２５１Ｊを介して一対の集塵部１９１Ｈへ良好に流すことができるため、ブレーキダストを一対の集塵部１９１Ｈで、より一層効率良く回収することが可能となる。

　また、第３実施形態のディスクブレーキ１０Ｈにおいて、クリップ式プレート部１９４にかえて、クリップ式プレート部１９４Ｂを設けても良い。クリップ式プレート部１９４Ｂを用いれば、ブレーキダストを含む空気を孔２５２Ｂを介して集塵部１９１Ｈへ良好に流すことができるため、ブレーキダストを一対の集塵部１９１Ｈで、より一層効率良く回収することが可能となる。

　以上の第１～第３実施形態においては、集塵部１９１，１９１Ｄ，１９１Ｈを、別体の取付プレート１９２，１９２Ｄ，１９２Ｈでキャリア本体２９，２９Ｄに取り付ける場合を例にとり説明した。集塵部１９１，１９１Ｄ，１９１Ｈは弾性体であるため、集塵部１９１，１９１Ｄ，１９１Ｈをキャリア本体２９，２９Ｄへの取付部分の大きさよりも一回り大きな形状とし、それぞれの元の形状に戻ろうとする反力で、キャリア本体２９，２９Ｄに保持する構造とすることも可能である。これにより、取付プレート１９２，１９２Ｄ，１９２Ｈを使用しない構造にできる。

　以上に述べた実施形態の第１の態様のディスクブレーキ（例えばディスクブレーキ１０，１０Ｄ，１０Ｈ）は、ディスクロータ（例えばディスクロータ１１）に対しディスク軸方向の側方位置に設けられ、ディスク軸方向に移動可能に設けられた摩擦パッド（例えば摩擦パッド２４，２５）と、前記摩擦パッドを支持し、前記ディスクロータの外周縁に沿って形成された内周面（例えば内周面２１ｂ，２１Ｄｂ，２１Ｈｂ）と、前記内周面にあって、前記ディスクロータの外周縁に面して設けられたフィルタ部（例えばフィルタ部５５，５６，５５Ｄ，５６Ｄ，５５Ｈ）とを有するキャリア（例えばキャリア２１，２１Ｄ，２１Ｈ）と、を備える。これにより、ブレーキダストを効率良く回収することが可能となる。

　第２の態様のディスクブレーキは、第１の態様において、前記フィルタ部は、前記キャリアのディスク回出側に設けられる。

　第３の態様のディスクブレーキは、第１の態様において、前記フィルタ部は、集塵部（例えば集塵部１９１，１９１Ｄ，１９１Ｈ）と、前記集塵部を前記キャリアのキャリア本体（例えばキャリア本体２９，２９Ｄ）に取り付ける取付プレート（例えば取付プレート１９２，１９２Ｄ，１９２Ｈ）と、から構成される。

　第４の態様のディスクブレーキは、第３の態様において、前記取付プレートには、前記キャリア本体に取り付けるための取付部（例えば取付部２１２，２１３，２２２，２２３，４１２Ｈ～４１５Ｈ）が設けられる。

　第５の態様のディスクブレーキは、第４の態様において、前記取付プレートは、前記集塵部を位置決めすると共に前記キャリア本体に対し取り外し困難な位置決め用プレート部（例えば位置決め用プレート部１９３，１９３Ａ～１９３Ｊ）と、前記集塵部を支持すると共に前記キャリア本体に対し取り外し可能なクリップ式プレート部（例えばクリップ式プレート部１９４，１９４Ａ，１９４Ｂ）と、を備える。

　第６の態様のディスクブレーキは、第５の態様において、前記位置決め用プレート部は、前記集塵部に対しディスク中心軸線の方向に設けられる。

　第７の態様のディスクブレーキは、第５の態様において、前記クリップ式プレート部は、前記集塵部に対しディスク周方向の側方に設けられる。

　第８の態様のディスクブレーキは、第３の態様において、前記取付プレートには孔（例えば孔２５１Ａ，２５１Ｂ，２５１Ｅ，２５１Ｆ，２５１Ｉ，２５１Ｊ）が設けられている。

　第９の態様のディスクブレーキは、第３の態様において、前記集塵部は、前記キャリアのディスク回入側とディスク回出側との両側に設けられる。

　第１０の態様のディスクブレーキは、第１の態様において、前記フィルタ部は弾性体からなる。

　第１１の態様のディスクブレーキは、第１の態様において、前記キャリアには前記フィルタ部の位置に孔（例えば孔３０１Ｄ，３０２Ｄ）が設けられている。

　第１２の態様のディスクブレーキは、第１の態様において、前記フィルタ部は、第１フィルタ部（例えばフィルタ部５６，５６Ｄ）と第２フィルタ部（例えばフィルタ部５５，５５Ｄ）と、からなる。

　第１３の態様のディスクブレーキは、第１２の態様において、前記第１フィルタ部は、前記キャリアのディスク回出側に設けられる。

　第１４の態様のディスクブレーキは、第１の態様において、前記フィルタ部（例えばフィルタ部５５Ｈ）は、前記キャリアのディスク回入側からディスク回出側まで連続して設けられる。

　第１５の態様のキャリア（例えばキャリア２１，２１Ｄ，２１Ｈ）は、摩擦パッド（例えば摩擦パッド２４，２５）を支持し、ディスクロータ（例えばディスクロータ１１）の外周縁に沿って形成された内周面（例えば内周面２１ｂ，２１Ｄｂ，２１Ｈｂ）と、前記内周面にあって、前記ディスクロータの外周縁に面して設けられたフィルタ部（例えばフィルタ部５５，５６，５５Ｄ，５６Ｄ，５５Ｈ）と、を備える。これにより、ブレーキダストを効率良く回収することが可能となる。

　キャリア、集塵部、ディスクブレーキを構成する各部品の形状は、上記実施形態で説明した形状に限らない。

　１０，１０Ｄ，１０Ｈ　ディスクブレーキ
　１１　ディスクロータ
　２４，２５　摩擦パッド
　２１，２１Ｄ，２１Ｈ　キャリア
　２１ｂ，２１Ｄｂ，２１Ｈｂ　内周面
　２９，２９Ｄ　キャリア本体
　５５，５６，５５Ｄ，５６Ｄ，５５Ｈ　フィルタ部
　１９１，１９１Ｄ，１９１Ｈ　集塵部
　１９２，１９２Ｄ，１９２Ｈ　取付プレート
　１９３，１９３Ａ～１９３Ｊ　位置決め用プレート部
　１９４，１９４Ａ，１９４Ｂ　クリップ式プレート部
　２１２，２１３，２２２，２２３，４１２Ｈ～４１５Ｈ　取付部
　２５１Ａ，２５１Ｂ，２５１Ｅ，２５１Ｆ，２５１Ｉ，２５１Ｊ　孔
　３０１Ｄ，３０２Ｄ　孔

Claims

　ディスクロータに対しディスク軸方向の側方位置に設けられ、ディスク軸方向に移動可能に設けられた摩擦パッドと、
　前記摩擦パッドを支持し、前記ディスクロータの外周縁に沿って形成された内周面と、前記内周面にあって、前記ディスクロータの外周縁に面して設けられたフィルタ部とを有するキャリアと、
　を備えるディスクブレーキ。
　前記フィルタ部は、前記キャリアのディスク回出側に設けられる請求項１記載のディスクブレーキ。
　前記フィルタ部は、
　集塵部と、
　前記集塵部を前記キャリアのキャリア本体に取り付ける取付プレートと、から構成される請求項１記載のディスクブレーキ。
　前記取付プレートには、前記キャリア本体に取り付けるための取付部が設けられる請求項３記載のディスクブレーキ。
　前記取付プレートは、
　前記集塵部を位置決めすると共に前記キャリア本体に対し取り外し困難な位置決め用プレート部と、
　前記集塵部を支持すると共に前記キャリア本体に対し取り外し可能なクリップ式プレート部と、
　を備える請求項４記載のディスクブレーキ。
　前記位置決め用プレート部は、前記集塵部に対しディスク中心軸線の方向に設けられる請求項５記載のディスクブレーキ。
　前記クリップ式プレート部は、前記集塵部に対しディスク周方向の側方に設けられる請求項５記載のディスクブレーキ。
　前記取付プレートには孔が設けられている請求項３記載のディスクブレーキ。
　前記集塵部は、前記キャリアのディスク回入側とディスク回出側との両側に設けられる請求項３記載のディスクブレーキ。
　前記フィルタ部は弾性体からなる請求項１記載のディスクブレーキ。
　前記キャリアには、前記フィルタ部の位置に孔が設けられている請求項１記載のディスクブレーキ。
　前記フィルタ部は、第１フィルタ部と第２フィルタ部と、からなる請求項１記載のディスクブレーキ。
　前記第１フィルタ部は、前記キャリアのディスク回出側に設けられる請求項１２記載のディスクブレーキ。
　前記フィルタ部は、前記キャリアのディスク回入側からディスク回出側まで連続して設けられる請求項１記載のディスクブレーキ。
　摩擦パッドを支持し、ディスクロータの外周縁に沿って形成された内周面と、前記内周面にあって、前記ディスクロータの外周縁に面して設けられたフィルタ部と、を備えるキャリア。