実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
図面において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解の簡単のため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
なお、「膜」という言葉と、「層」という言葉とは、場合によっては、又は、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能である。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能である。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置について説明する。本実施の形態では、特に表示装置の画素が有する回路構成について説明する。
本発明の一態様の表示装置は表示部を有し、表示部はマトリクス状に配置された複数の画素を有する。画素は、発光デバイス(発光素子ともいう)と、受光デバイス(受光素子ともいう)と、を有する。
発光デバイスは、表示デバイス(表示素子ともいう)として機能する。本発明の一態様の表示装置は、表示部に発光デバイスがマトリクス状に配置されており、当該表示部で画像を表示することができる。また、本発明の一態様の表示装置は、受光デバイスを用いて、光を検出する機能を有する。
発光デバイスは、OLED(Organic Light Emitting Diode)、QLED(Quantum−dot Light Emitting Diode)などのELデバイスを用いることが好ましい。ELデバイスが有する発光物質として、蛍光を発する物質(蛍光材料)、燐光を発する物質(燐光材料)、無機化合物(量子ドット材料など)、熱活性化遅延蛍光を示す物質(熱活性化遅延蛍光(Thermally Activated Delayed Fluorescence:TADF)材料)などが挙げられる。また、発光デバイスとして、マイクロLED(Light Emitting Diode)などのLEDを用いることもできる。なお、TADF材料として、一重項励起状態と三重項励起状態が熱平衡状態にある材料を用いてもよい。このようなTADF材料は発光寿命(励起寿命)が短くなるため、発光デバイスにおける高輝度領域での効率低下を抑制することができる。
本発明の一態様の表示装置の表示部には、受光デバイスがマトリクス状に配置されており、表示部は、画像表示機能に加えて、撮像機能及びセンシング機能の一方または双方を有する。表示部は、イメージセンサまたはタッチセンサに用いることができる。つまり、表示部で光を検出することで、画像を撮像すること、または、対象物(指、手、またはペンなど)の近接もしくは接触を検出することができる。さらに、本発明の一態様の表示装置は、発光デバイスをセンサの光源として利用することができる。したがって、表示装置と別に受光部及び光源を設けなくてもよく、電子機器の部品点数を削減することができる。
受光デバイスをイメージセンサに用いる場合、表示装置は、受光デバイスを用いて、画像を撮像することができる。例えば、本実施の形態の表示装置は、スキャナとして用いることができる。
例えば、イメージセンサを用いて、指紋、掌紋などの生体情報に係るデータを取得することができる。つまり、表示装置に、生体認証用センサを内蔵させることができる。表示装置が生体認証用センサを内蔵することで、表示装置とは別に生体認証用センサを設ける場合に比べて、電子機器の部品点数を少なくでき、電子機器の小型化及び軽量化が可能である。
受光デバイスをタッチセンサに用いる場合、表示装置は、受光デバイスを用いて、対象物の近接または接触を検出することができる。
以下ではより具体的な例について、図面を用いて説明する。
<表示装置のブロック図>
表示装置10のブロック図を、図1Aに示す。表示装置10は、表示部71、駆動回路部72、駆動回路部73、駆動回路部74、及び回路部75等を有する。
表示部71は、マトリクス状に配置された複数の画素80を有する。画素80は、副画素81R、副画素81G、副画素81B、及び副画素82PSを有する。副画素81R、副画素81G、及び副画素81Bは、それぞれ表示デバイスとして機能する発光デバイスを有する。副画素82PSは、光電変換素子として機能する受光デバイスを有する。
なお、本明細書等では、一つの「画素」の中で独立した動作が行われる最小単位を便宜的に「副画素」と定義して説明を行うが、「画素」を「領域」と置き換え、「副画素」を「画素」と置き換えてもよい。
画素80は、配線GL、配線SLR、配線SLG、配線SLB、配線SE、配線RS、及び配線WX等と電気的に接続されている。配線SLR、配線SLG、配線SLBは、駆動回路部72と電気的に接続されている。配線GLは、駆動回路部73と電気的に接続されている。駆動回路部72は、ソース線駆動回路(ソースドライバともいう)として機能する。駆動回路部73は、ゲート線駆動回路(ゲートドライバともいう)として機能する。
画素80は、発光デバイスを有する副画素として、副画素81R、副画素81G、及び副画素81Bを有する。例えば、副画素81Rは赤色を呈する副画素であり、副画素81Gは緑色を呈する副画素であり、副画素81Bは青色を呈する副画素である。これにより、表示装置100はフルカラーの表示を行うことができる。なお、ここでは画素80が3色の副画素を有する例を示したが、4色以上の副画素を有していてもよい。
副画素81Rは、赤色の光を呈する発光デバイスを有する。副画素81Gは、緑色の光を呈する発光デバイスを有する。副画素81Bは、青色の光を呈する発光デバイスを有する。なお、画素80は、他の色の光を呈する発光デバイスを有する副画素を有していてもよい。例えば画素80は、上記3つの副画素に加えて、白色の光を呈する発光デバイスを有する副画素、または黄色の光を呈する発光デバイスを有する副画素などを有していてもよい。
配線GLは、行方向(配線GLの延伸方向)に配列する副画素81R、副画素81G、及び副画素81Bと電気的に接続されている。配線SLR、配線SLG、及び配線SLBは、それぞれ、列方向(配線SLR等の延伸方向)に配列する副画素81R、副画素81G、または副画素81Bと電気的に接続されている。
画素80が有する副画素82PSは、配線SE、配線RS、及び配線WXが電気的に接続されている。配線SE、配線RSは、それぞれ駆動回路部74に電気的に接続され、配線WXは、回路部75に電気的に接続される。
駆動回路部74は、副画素82PSを駆動させるための信号を生成し、配線SE、及び配線RSを介して副画素82PSに出力する機能を有する。回路部75は、副画素82PSから配線WXを介して出力される信号を受信し、画像データとして外部に出力する機能を有する。回路部75は、読み出し回路として機能する。
<画素回路の構成例>
副画素81R、副画素81G、及び副画素81Bに適用することができる画素81の回路図の一例を、図1Bに示す。画素81は、トランジスタM11、トランジスタM12、容量C11、及び発光デバイス11を有する。画素81には、配線GL及び配線SLが電気的に接続される。配線SLは、図1Aに示した配線SLR、配線SLG、及び配線SLBのうちのいずれかに対応する。
トランジスタM11は、ゲートが配線GLと電気的に接続され、ソース及びドレインの一方が配線SLと電気的に接続され、他方が容量C11の一方の電極、及びトランジスタM12のゲートと電気的に接続される。トランジスタM12は、ソース及びドレインの一方が配線EALと電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が発光デバイス11の一方の電極、及び容量C11の他方の電極と電気的に接続される。発光デバイス11は、他方の電極が配線ACLと電気的に接続される。
トランジスタM11は、スイッチとして機能する。トランジスタM12は、発光デバイス11に流れる電流を制御するためのトランジスタとして機能する。
ここで、トランジスタM11及びトランジスタM12に、チャネル形成領域にシリコンを有するトランジスタ(以下、Siトランジスタと記す)を適用することが好ましい。または、トランジスタM11に、チャネル形成領域に金属酸化物(酸化物半導体ともいう)を有するトランジスタ(以下、OSトランジスタと記す)を適用し、トランジスタM12にSiトランジスタを適用することが好ましい。
シリコンとしては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、非晶質シリコンなどが挙げられる。Siトランジスタは、電界効果移動度が高く、周波数特性が良好である。例えば、チャネル形成領域に低温ポリシリコン(LTPS:Low Temperature Poly Silicon)を有するトランジスタ(以下、LTPSトランジスタと記す)を用いることができる。
Siトランジスタを適用することで、高周波数で駆動する必要のある回路(例えばソースドライバ回路)を表示部と同一基板上に作り込むことができる。これにより、表示装置に実装される外部回路を簡略化でき、部品コスト及び実装コストを削減することができる。
酸化物半導体は、例えば、インジウムと、金属M(Mは、ガリウム、アルミニウム、シリコン、ホウ素、イットリウム、スズ、銅、バナジウム、ベリリウム、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、及びマグネシウムから選ばれた一種または複数種)と、亜鉛と、を有することが好ましい。特に、Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、及びスズから選ばれた一種または複数種であることが好ましい。特に、OSトランジスタの半導体層として、インジウム、ガリウム、及び亜鉛を含む酸化物(IGZOとも記す)を用いることが好ましい。または、インジウム、スズ、及び亜鉛を含む酸化物を用いることが好ましい。または、インジウム、ガリウム、スズ、及び亜鉛を含む酸化物を用いることが好ましい。
シリコンよりもバンドギャップが広く、かつキャリア密度の小さい酸化物半導体を用いたOSトランジスタは、極めて小さいオフ電流を実現することができる。そのため、その小さいオフ電流により、OSトランジスタと直列に接続された容量に蓄積した電荷を長期間に亘って保持することが可能である。そのため、特に容量C11に直列に接続されるトランジスタM11には、OSトランジスタを用いることが好ましい。トランジスタM11としてOSトランジスタを適用することで、容量C11に保持される電荷が、トランジスタM11を介してリークされることを防ぐことができる。また、容量C11に保持される電荷を長時間に亘って保持できるため、画素81のデータを書き換えることなく、静止画を長期間に亘って表示することが可能となる。
また、室温下における、チャネル幅1μmあたりのOSトランジスタのオフ電流値は、1aA(1×10−18A)以下、1zA(1×10−21A)以下、または1yA(1×10−24A)以下とすることができる。なお、室温下における、チャネル幅1μmあたりのSiトランジスタのオフ電流値は、1fA(1×10−15A)以上1pA(1×10−12A)以下である。したがって、OSトランジスタのオフ電流は、Siトランジスタのオフ電流よりも10桁程度低いともいえる。
配線SLには、データ電位が与えられる。配線GLには、選択信号が与えられる。当該選択信号には、トランジスタを導通状態とする電位と、非導通状態とする電位が含まれる。
配線EALには、第1の電位が与えられる。配線ACLには、第2の電位が与えられる。配線EALは、発光デバイス11の陽極と電気的に接続され、発光デバイス11の陽極に第1の電位を供給する機能をする。配線ACLは、発光デバイス11の陰極と電気的に接続され、発光デバイス11の陰極に第2の電位を供給する機能を有する。第2の電位は、第1の電位より低い電位とする。画素81において、第1の電位をアノード電位、第2の電位をカソード電位ということができる。配線EALは、電源線という場合がある。
副画素82PSに適用することができる回路図の一例を、図1Cに示す。画素82は、トランジスタM16、トランジスタM17、トランジスタM18、容量C21、及び受光デバイス12を有する。
受光デバイス12は、陰極がトランジスタM16のソース及びドレインの一方、容量C21の第1の電極、及びトランジスタM17のゲートと電気的に接続されている。トランジスタM16は、ゲートが配線RSと電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が、配線V11と電気的に接続されている。トランジスタM17は、ソース及びドレインの一方が、配線V13と電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が、トランジスタM18のソース及びドレインの一方と電気的に接続されている。トランジスタM18は、ゲートが配線SEと電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が配線WXに電気的に接続されている。受光デバイス12は、陽極が配線ACLと電気的に接続されている。容量C21は、第2の電極が配線V12と電気的に接続されている。
トランジスタM16、及びトランジスタM18は、スイッチとして機能する。トランジスタM17は、増幅素子(アンプ)として機能する。
トランジスタM16乃至トランジスタM18の全てに、Siトランジスタを適用することが好ましい。または、トランジスタM16に、OSトランジスタを適用し、トランジスタM17に、Siトランジスタを適用することが好ましい。このとき、トランジスタM18は、OSトランジスタ及びSiトランジスタのどちらを適用してもよい。
トランジスタM17には、Siトランジスタを適用することが好ましい。Siトランジスタは、OSトランジスタよりも、高い電界効果移動度を実現することができ、駆動能力及び電流能力に優れる。そのため、トランジスタM17は、トランジスタM16と比較して、より高速な動作が可能となる。トランジスタM17にSiトランジスタを用いることで、受光デバイス12の受光量に基づく微小の電位に応じた出力動作を、トランジスタM18に対して素早く行うことができる。
なお、図1B及び図1Cにおいて、トランジスタをnチャネル型のトランジスタとして表記しているが、pチャネル型のトランジスタを用いることもできる。
画素81及び画素82が有する各トランジスタは、同一基板上に並べて形成されることが好ましい。
画素82において受光デバイス12の陽極と電気的に接続される配線ACLは、画素81の配線ACLと共通にすることができ、第2の電位が与えられる。画素82において、配線ACLは、受光デバイス12の陽極に第2の電位を与える機能を有する。また画素82において、受光デバイス12の陰極と電気的に接続される配線V11は、画素81の配線EALと共通にすることができ、第1の電位が与えられる。第1の電位は、第2の電位より高い電位とする。これにより、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加することができる。
つまり画素81及び画素82は、図2Aに図示するように、配線EALを共通にすることができる。なお図2Aでは、配線V11と、配線V13と、配線V12と、配線EALと、を共通にする例を図示している。つまり、図2Aに示す回路図では、発光デバイス11に順バイアス電圧を印加し、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加する構成において、画素81及び画素82が有する複数の配線を共通にすることができる。そのため、画素80に電気的に接続される配線数の削減、及び画素80に与える電位の数を削減することができる。その結果、画素80のレイアウト面積の縮小を図ることができるため、光検出機能を有しつつ、高精細な表示部を有する表示装置とすることができる。また光検出機能を有しつつ、高解像度の表示部を有する表示装置とすることができる。
<発光デバイス及び受光デバイスの構成例>
本発明の一態様の表示装置に適用できる発光デバイス、及び受光デバイスについて、説明する。本発明の一態様の表示装置10が有する発光デバイス11、及び受光デバイス12の断面概略図を、図2Bに示す。
発光デバイス11は、光を発する機能(以下、発光機能とも記す)を有する。発光デバイス11は、電極13A、EL層17、及び電極15を有する。発光デバイス11は、有機ELデバイス(有機電界発光デバイス)であることが好ましい。電極13Aと電極15との間に挟持されるEL層17は、少なくとも発光層を有する。発光層は、光を発する発光物質を有する。電極13Aと電極15との間に電圧を印加することにより、EL層17から光が射出される。EL層17は、さらに、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、キャリアブロック層、励起子ブロック層、電荷発生層など、様々な層を有することができる。
受光デバイス12は、光を検出する機能(以下、受光機能とも記す)を有する。受光デバイス12は、例えば、pn型またはpin型のフォトダイオードを用いることができる。受光デバイス12は、電極13B、受光層19、及び電極15を有する。電極13Bと電極15との間に挟持される受光層19は、少なくとも活性層を有する。受光デバイス12は、光電変換デバイスとして機能し、受光層19に入射する光によって電荷を発生させ、電流として取り出すことができる。この時、電極13Bと電極15との間に電圧を印加してもよい。受光層19に入射する光量に基づき、発生する電荷量が決まる。
受光デバイス12は、可視光を検出する機能を有する。受光デバイス12は、可視光に感度を有する。受光デバイス12は、可視光及び赤外光を検出する機能を有するとさらに好ましい。受光デバイス12は、可視光、または赤外光の少なくともいずれかに感度を有することが好ましい。
なお、本明細書等において、青色(B)の波長領域は、400nm以上490nm未満であり、青色(B)の光は、該波長領域に少なくとも一つの発光スペクトルのピークを有する。緑色(G)の波長領域は、490nm以上580nm未満であり、緑色(G)の光は、該波長領域に少なくとも一つの発光スペクトルのピークを有する。赤色(R)の波長領域は、580nm以上700nm未満であり、赤色(R)の光は、該波長領域に少なくとも一つの発光スペクトルのピークを有する。また、本明細書等において、可視光の波長領域は、400nm以上700nm未満であり、可視光は、該波長領域に少なくとも一つの発光スペクトルのピークを有する。赤外(IR)の波長領域は、700nm以上900nm未満であり、赤外(IR)光は、該波長領域に少なくとも一つの発光スペクトルのピークを有する。
活性層は、半導体を含む。当該半導体として、シリコンなどの無機半導体、及び、有機化合物を含む有機半導体が挙げられる。特に、受光デバイス12として、有機半導体を含む層を有する有機フォトダイオードを用いることが好ましい。有機フォトダイオードは、薄型化、軽量化、及び大面積化が容易であり、また、形状及びデザインの自由度が高いため、様々な表示装置に適用できる。また、有機半導体を用いることで、発光デバイス11が有するEL層と、受光デバイス12が有する受光層と、を同じ方法(例えば、真空蒸着法)で形成することができ、共通の製造装置を使用できるため好ましい。
本発明の一態様の表示装置は、発光デバイス11として有機ELデバイスを用い、受光デバイス12として有機フォトダイオードを好適に用いることができる。有機ELデバイス及び有機フォトダイオードは、同一基板上に形成することができる。したがって、有機ELデバイスを用いた表示装置に有機フォトダイオードを内蔵することができる。本発明の一態様である表示装置は、画像を表示する機能に加えて、撮像機能及びセンシング機能の一方または双方も有する。
電極13A及び電極13Bは、同一面上に設けられる。図2Bは、電極13A及び電極13Bが基板23上に設けられる構成を示している。電極13A及び電極13Bは、例えば、基板23上に形成された導電膜を島状に加工することにより形成できる。つまり、電極13A及び電極13Bは、同じ工程を経て形成することができる。
基板23は、発光デバイス11及び受光デバイス12の形成に耐えうる耐熱性を有する基板を用いることができる。基板23として、絶縁性基板を用いる場合には、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、セラミック基板、有機樹脂基板などを用いることができる。また、シリコンまたは炭化シリコンなどを材料とした単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウム等の化合物半導体基板、SOI基板などの半導体基板を用いることができる。
特に、基板23として、前述の絶縁性基板または半導体基板上に、トランジスタなどの半導体素子を含む半導体回路が形成された基板を用いることが好ましい。当該半導体回路は、例えば、画素回路、ゲート線駆動回路(ゲートドライバ)、ソース線駆動回路(ソースドライバ)などを構成していることが好ましい。また、上記に加えて演算回路、記憶回路などが構成されていてもよい。
電極13A、及び電極13Bはそれぞれ、画素電極ということができる。電極15は、発光デバイス11及び受光デバイス12で共通する層であり、共通電極ということができる。画素電極と共通電極のうち、光を射出させる、または光を入射させる側の電極には、可視光及び赤外光を透過する導電膜を用いる。光を射出させない、または光を入射させない側の電極には、可視光及び赤外光を反射する導電膜を用いることが好ましい。
本発明の一態様である表示装置は、共通電極として機能する電極15が、発光デバイス11において陽極または陰極の一方として機能し、受光デバイス12において陽極または陰極の他方として機能する構成とする。
次いで図2Cでは、発光デバイス11において、電極13Aが陽極として機能し、電極15が陰極として機能し、受光デバイス12において、電極13Bが陰極として機能し、電極15が陽極として機能する構成を明示的に示すため、図2Bに回路記号等を追加した模式図を示す。図2Cでは、陽極と陰極の向きを分かりやすくするため、発光デバイス11の左側に発光ダイオードの回路記号を示し、受光デバイス12の右側にフォトダイオードの回路記号を示している。また、電子及びホールの流れる向きを模式的に矢印で示している。また図2Cでは、図2Bの電極15を配線ACLとして図示している。また図2Cでは、基板23上に設けられる配線EAL、及び配線EALに接続されるトランジスタM12及びトランジスタM16がそれぞれ、電極13A及び電極13Bに接続される様子を図示している。
発光デバイス11において、電極13Aは陽極として機能し、トランジスタM12を介して第1の電位を供給する配線EALに接続される。発光デバイス11において、配線ACLは、第2の電位を供給する陰極として機能する。第2の電位は、第1の電位より低い電位とする。
受光デバイス12において、電極13Bは陰極として機能し、トランジスタM16を介して第1の電位を供給する配線EALに接続される。受光デバイス12において、配線ACLは、第2の電位を供給する陽極として機能する。ここで、受光デバイス12では、第2の電位が第1の電位より低い電位であるため、逆バイアス電圧が印加される。
発光デバイス11において、電極13Aが陽極として機能し、電極15が陰極として機能し、受光デバイス12において、電極13Bが陰極として機能し、電極15が陽極として機能する構成とすることにより、電極13Aと電極13Bの電位差を小さくすることができ、電極13Aと電極13Bの間のリーク(以下、サイドリークともいう)を抑制することができる。したがって、SN比(Signal to Noise Ratio)が高い受光デバイスとすることができる。
本発明の一態様の表示装置は、発光デバイス11と受光デバイス12との間のサイドリークが抑制されることから、発光デバイス11と受光デバイス12の間隔を狭くすることができる。つまり、画素に占める発光デバイス11、及び受光デバイス12の割合(以下、開口率ともいう)を高めることができる。また、画素のサイズを小さくすることができ、表示装置の精細度を高めることができる。したがって、光検出機能を有し、高開口率の表示装置を実現することができる。また、光検出機能を有し、高精細の表示装置を実現することができる。
なお、受光デバイス12の精細度としては、100ppi以上、好ましくは200ppi以上、より好ましくは300ppi以上、より好ましくは400ppi以上、さらに好ましくは500ppi以上であって、2000ppi以下、1000ppi以下、または600ppi以下などとすることができる。特に、200ppi以上600ppi以下、好ましくは300ppi以上600ppi以下の精細度で受光デバイス12を配置することで、指紋の撮像に好適に用いることができる。また、精細度が、500ppi以上であると、米国国立標準技術研究所(NIST)などの規格に準拠できるため好適である。なお、受光デバイスの精細度を500ppiと仮定した場合、1画素あたり50.8μmのサイズとなり、指紋の幅(代表的には、300μm以上500μm以下)を撮像するには、十分な精細度であることがわかる。
または、本発明の一態様である表示装置10は、発光デバイス11において、電極13Aが陰極として機能し、電極15が陽極として機能し、受光デバイス12において、電極13Bが陽極として機能し、電極15が陰極として機能する構成としてもよい。
<画素回路の変形例>
以下では、画素81及び画素82について、上記とは異なる構成例について説明する。
画素81及び画素82が有するトランジスタとして、半導体層を介して重なる一対のゲートを有するトランジスタを適用することができる。一対のゲートを有するLTPSトランジスタ及びOSトランジスタの具体的な例については、以降に詳細に説明する。
一対のゲートを有するトランジスタにおいて、一対のゲートが互いに電気的に接続され、同じ電位が与えられる構成とすることで、トランジスタのオン電流が高まること、及び飽和特性が向上するといった利点がある。また、一対のゲートの一方に、トランジスタのしきい値電圧を制御する電位を与えてもよい。また、一対のゲートの一方に、定電位を与えることで、トランジスタの電気特性の安定性を向上させることができる。例えば、トランジスタの一方のゲートを、定電位が与えられる配線と電気的に接続する構成としてもよいし、自身のソースまたはドレインと電気的に接続する構成としてもよい。
図3Aに示す画素81_1は、画素81のトランジスタM12に、一対のゲートを有するトランジスタを適用した場合の例である。トランジスタM12は、一対のゲートの他方が自身のソースまたはドレインと電気的に接続されている。トランジスタM12に、このようなトランジスタを適用することで、飽和特性が向上するため、発光デバイス11の発光輝度の制御が容易となり、表示品位を高めることができる。
図3Bに示す画素82_1は、画素82のトランジスタM17に、一対のゲートを有するトランジスタを適用した場合の例である。トランジスタM17は、一対のゲートの他方が自身のソースまたはドレインと電気的に接続されている。トランジスタM17に、このようなトランジスタを適用することで、飽和特性が向上するため、受光デバイス12が生成する信号の読み出し精度を向上することができる。
図3Cに示す画素81_2は、画素81_1のトランジスタM11に、一対のゲートを有するトランジスタを適用した場合の例である。トランジスタM12は、一対のゲートの他方が自身のソースまたはドレインと電気的に接続されている。トランジスタM11に、このようなトランジスタを適用することで、良好なスイッチング動作を行うことが可能となるため、表示動作に要する時間を短縮することができる。
図3Dに示す画素82_2は、画素82_1のトランジスタM16及びM18に、一対のゲートを有するトランジスタを適用した場合の例である。トランジスタM17は、一対のゲートの他方が自身のソースまたはドレインと電気的に接続されている。トランジスタM16及びM18に、このようなトランジスタを適用することで、良好なスイッチング動作を行うことが可能となるため、リセット動作に要する時間を短縮することができる。
図4Aに示す画素81_3は、画素81にトランジスタM13を追加し、トランジスタM11及びM13を別々に制御するための配線GL1および配線GL2を有する場合の例である。トランジスタM11のゲートは、配線GL1に電気的に接続される。トランジスタM13のゲートは、配線GL2に電気的に接続される。トランジスタM13は、トランジスタM11と同様、スイッチとして機能する。トランジスタM13は、ソース及びドレインの一方が発光デバイス11の一方の電極と電気的に接続され、ソース及びドレインの他方がソース及びドレインの他方が配線RLと電気的に接続される。
配線RLには、リセット電位が与えられる。配線RLに与えられるリセット電位は、リセット電位と発光デバイス11のカソード電位との電位差が、発光デバイス11のしきい値電圧よりも小さくなるような電位とすることができる。リセット電位は、カソード電位よりも高い電位、カソード電位と同じ電位、または、カソード電位よりも低い電位とすることができる。
図4Bに示す画素82_3は、画素82におけるトランジスタM18の位置をトランジスタM17と配線V13との間に変更した場合の例である。
図5Aには、画素81を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82_3を副画素82PSに適用した場合の画素80が有する回路図の例を示す。図5Aでは、配線V11、配線V13、配線V12及び配線EAL、を共通にする例を図示している。つまり、図5Aに示す回路図では、発光デバイス11に順バイアス電圧を印加し、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加する構成において、画素81及び画素82が有する複数の配線を共通にすることができる。そのため、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。
図5Bには、画素81_3を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82_3を副画素82PSに適用した場合の画素80が有する回路図の例を示す。図5Bでは、配線V11、配線V13、及び配線EALを共通にし、ならびに、配線RL及び配線V12を共通にする例を図示している。つまり、図5Bに示す回路図では、発光デバイス11に順バイアス電圧を印加し、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加する構成において、画素81及び画素82が有する複数の配線を共通にすることができる。そのため、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。
図6Aには、画素81を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82を副画素82PSに適用した場合の画素80が有する回路図の例を示す。図6Aでは、配線V11、配線V12及び配線EALを共通にし、配線V13を別の配線とする例を図示している。つまり、図6Aに示す回路図では、発光デバイス11に順バイアス電圧を印加し、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加する構成において、画素81及び画素82が有する複数の配線を共通にすることができる。そのため、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。
図6Bには、画素81_3を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82を副画素82PSに適用した場合の画素80が有する回路図の例を示す。図6Bでは、配線V11、配線V12、及び配線EALを共通にし、ならびに、配線RL及び配線V13を共通にする例を図示している。つまり、図6Bに示す回路図では、発光デバイス11に順バイアス電圧を印加し、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加する構成において、画素81_3及び画素82が有する複数の配線を共通にすることができる。そのため、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。
図7Aには、画素81を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82を副画素82PSに適用した場合の画素80が有する回路図の例を示す。図7Aでは、配線V13及び配線EALを共通にし、ならびに、配線V11及び配線V12を共通にする例を図示している。つまり、図7Aに示す回路図では、発光デバイス11に順バイアス電圧を印加し、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加する構成において、画素81及び画素82が有する複数の配線を共通にすることができる。そのため、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。
図7Bには、画素81_3を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82を副画素82PSに適用した場合の画素80が有する回路図の例を示す。図7Bでは、配線V13及び配線EALを共通にし、ならびに、配線RL、配線V11及び配線V12を共通にする例を図示している。つまり、図7Bに示す回路図では、発光デバイス11に順バイアス電圧を印加し、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加する構成において、画素81_3及び画素82が有する複数の配線を共通にすることができる。そのため、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。
図8Aには、画素81を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82を副画素82PSに適用した場合の画素80が有する回路図の例を示す。図8Aでは、配線V13及び配線V12を共通にし、ならびに、配線V11及び配線EALを共通にする例を図示している。つまり、図8Aに示す回路図では、発光デバイス11に順バイアス電圧を印加し、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加する構成において、画素81及び画素82が有する複数の配線を共通にすることができる。そのため、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。
図8Bには、画素81_3を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82を副画素82PSに適用した場合の画素80が有する回路図の例を示す。図8Bでは、配線V11及び配線EALを共通にし、ならびに、配線RL、配線V12及び配線V13を共通にする例を図示している。つまり、図8Bに示す回路図では、発光デバイス11に順バイアス電圧を印加し、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加する構成において、画素81_3及び画素82が有する複数の配線を共通にすることができる。そのため、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。
なお図5A乃至図8Bでは、画素82(または画素82_3)を副画素82PSに適用する例を図示したが、画素82_1乃至82_3を適用する構成としてもよい。また図5A乃至図8Bでは、画素81または81_3を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用する図を図示したが、画素81_1または82_2を適用する構成としてもよい。
また図5A乃至図8Bでは、画素80が有するトランジスタに接続される配線を共通にする構成について説明したが、他の構成としてもよい。
図9Aには、画素81_3を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82を副画素82PSに適用した場合の画素80が有する回路図において、配線WXに電気的に接続されたトランジスタM21のゲートと、配線RLとを共通にする例を図示している。配線RLに与えられるリセット電位をトランジスタM21のゲートに与えることで、トランジスタM21を定電流源として機能させることができる。また図9Bには、画素81_3を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82_3を副画素82PSに適用した場合の画素80が有する回路図において、配線WXに電気的に接続されたトランジスタM21のゲートと、配線RLとを共通にする例を図示している。配線RLに与えられるリセット電位をトランジスタM21のゲートにあたえることで、トランジスタM21を定電流源として機能させることができる。つまり、図9A及び図9Bに示す回路図では、発光デバイス11に順バイアス電圧を印加し、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加する構成において、画素81_3及び画素82(または画素82_3)が有する複数の配線と、そのほかの配線(電位を与える配線)を共通にすることができる。そのため、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。
図1Aで示した表示装置10のブロック図とは異なる構成について図10Aにて説明する。なお図10Aにおける説明は、図1Aと異なる点についてのみ説明し、共通の符号を付した構成については図1Aと同様である。
図10Aにおいて、画素80は、配線GL、配線SLR、配線SLG、配線SLB、配線TX、配線SE、配線RS、及び配線WX等と電気的に接続されている。
図10Aにおいて、画素80が有する副画素82PSは、配線TX、配線SE、配線RS、及び配線WXが電気的に接続されている。配線TX、配線SE、配線RSは、それぞれ駆動回路部74に電気的に接続され、配線WXは、回路部75に電気的に接続される。
駆動回路部74は、副画素82PSを駆動させるための信号を生成し、配線SE、配線TX、及び配線RSを介して副画素82PSに出力する機能を有する。
図10Aにおいて、副画素82PSに適用することができる回路図の一例を、図10Bに示す。画素82_4は、トランジスタM15、トランジスタM16、トランジスタM17、トランジスタM18、容量C21、及び受光デバイス12を有する。受光デバイス12は、前述の受光デバイスを用いることができる。
トランジスタM15は、ゲートが配線TXと電気的に接続され、ソース及びドレインの一方が、受光デバイス12の陰極と電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が、トランジスタM16のソース及びドレインの一方、容量C21の第1の電極、及びトランジスタM17のゲートと電気的に接続されている。
トランジスタM15は、スイッチとして機能する。トランジスタM15は、SiトランジスタまたはOSトランジスタを適用することが好ましい。トランジスタM15及びトランジスタM16にOSトランジスタを適用することで、受光デバイス12に発生する電荷に基づき、トランジスタM17のゲートに保持される電位が、トランジスタM15またはトランジスタM16を介してリークすることを防ぐことができる。
例えば、グローバルシャッタ方式を用いた撮像を行う場合、画素によって電荷の転送動作が終了してから読み出し動作が開始されるまでの期間(電荷保持期間)が異なる。ここで、全ての画素で階調値が等しくなる画像を撮像すると、理想的には全ての画素において同じ値の電位を有する出力信号が得られる。しかし、電荷保持期間の長さが行毎に異なる場合、各行の画素のノードに蓄積されている電荷が時間の経過と共にリークしてしまうと、画素の出力信号の電位が行毎に異なってしまい、行毎にその階調数が変化した画像データが得られてしまう。そこで、トランジスタM15及びトランジスタM16としてOSトランジスタを適用することで、画素のノードの電位変化を極めて小さくすることができる。すなわち、グローバルシャッタ方式を用いて撮像を行っても、電荷保持期間が異なることに起因する画像データの階調の変化を小さく抑え、撮像された画像の品質を向上させることができる。
一方で、トランジスタM17には、Siトランジスタを適用することが好ましい。Siトランジスタは、OSトランジスタよりも、高い電界効果移動度を実現することができ、駆動能力及び電流能力に優れる。そのため、トランジスタM17は、トランジスタM15及びトランジスタM16と比較して、より高速な動作が可能となる。トランジスタM17にSiトランジスタを用いることで、受光デバイス12の受光量に基づく微小の電位に応じた出力動作を、トランジスタM18に対して素早く行うことができる。
つまり、画素82において、トランジスタM15及びトランジスタM16はリーク電流が少なく、かつ、トランジスタM17は駆動能力が高いことで、受光デバイス12で受光し、トランジスタM15を介して転送された電荷がリークすることなく保持でき、かつ、高速で読み出しを行うことができる。
なお、図10Bにおいて、トランジスタをnチャネル型のトランジスタとして表記しているが、pチャネル型のトランジスタを用いることもできる。
図11Aに示す画素82_5は、画素82_4におけるトランジスタM16を、トランジスタM15のソース及びドレインの一方と受光デバイス12の陰極とに接続される位置に変更した場合の例である。
図11Bに示す画素82_6は、画素82_5におけるトランジスタM18の位置をトランジスタM17と配線V13との間に変更した場合の例である。
図12に示す画素82_7は、画素82_6におけるトランジスタM16を、トランジスタM15のソース及びドレインの一方と受光デバイス12の陰極とに接続される位置に変更した場合の例である。
図13Aに示す画素82_8は、画素82_4において、トランジスタM15及び受光デバイスPDを一組として、複数備えた構成の例である。トランジスタM15_1は、ゲートが配線TX_1と電気的に接続され、ソース及びドレインの一方が、受光デバイスPD1の陰極と電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が、トランジスタM16のソース及びドレインの一方、容量C21の第1の電極、及びトランジスタM17のゲートと電気的に接続されている。トランジスタM15_2は、ゲートが配線TX_2と電気的に接続され、ソース及びドレインの一方が、受光デバイスPD2の陰極と電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が、トランジスタM16のソース及びドレインの一方、容量C21の第1の電極、及びトランジスタM17のゲートと電気的に接続されている。受光デバイスPD1の陽極及び受光デバイスPD2の陽極は、配線ACLに電気的に接続される。
図13Bに示す画素82_9は、画素82_8におけるトランジスタM18の位置をトランジスタM17と配線V13との間に変更した場合の例である。
図14Aには、画素81を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82_4を副画素82PSに適用した場合の画素80が有する回路図の例を示す。図14Aでは、配線V11、配線V13、配線V12及び配線EAL、を共通にする例を図示している。つまり、図14Aに示す回路図では、発光デバイス11に順バイアス電圧を印加し、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加する構成において、画素81及び画素82_4が有する複数の配線を共通にすることができる。そのため、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。
図14Bには、画素81を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82_5を副画素82PSに適用した場合の画素80が有する回路図の例を示す。図14Bでは、配線V11、配線V13、配線V12及び配線EAL、を共通にする例を図示している。つまり、図14Bに示す回路図では、発光デバイス11に順バイアス電圧を印加し、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加する構成において、画素81及び画素82_5が有する複数の配線を共通にすることができる。そのため、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。
図15Aには、画素81を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82_4を副画素82PSに適用した場合の画素80が有する回路図の例を示す。図15Aでは、配線V11、配線V13及び配線EALを共通にし、配線V12を別の配線とする例を図示している。つまり、図15Aに示す回路図では、発光デバイス11に順バイアス電圧を印加し、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加する構成において、画素81及び画素82_4が有する複数の配線を共通にすることができる。そのため、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。
なお図15Aにおいて、画素82_4が有する容量C21は、トランジスタM17のゲートの寄生容量を大きくすることで、図15Bに図示するように省略することができる。
図16Aには、画素81を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82_6を副画素82PSに適用した場合の画素80が有する回路図の例を示す。図16Aでは、配線V11、配線V13、配線V12及び配線EAL、を共通にする例を図示している。つまり、図16Aに示す回路図では、発光デバイス11に順バイアス電圧を印加し、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加する構成において、画素81及び画素82_6が有する複数の配線を共通にすることができる。そのため、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。
図16Bには、画素81を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82_7を副画素82PSに適用した場合の画素80が有する回路図の例を示す。図16Bでは、配線V11、配線V13、配線V12及び配線EAL、を共通にする例を図示している。つまり、図16Bに示す回路図では、発光デバイス11に順バイアス電圧を印加し、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加する構成において、画素81及び画素82_7が有する複数の配線を共通にすることができる。そのため、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。
図17Aには、画素81を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82_8を副画素82PSに適用した場合の画素80が有する回路図の例を示す。図17Aでは、配線V11、配線V13、配線V12及び配線EAL、を共通にする例を図示している。つまり、図17Aに示す回路図では、発光デバイス11に順バイアス電圧を印加し、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加する構成において、画素81及び画素82_8が有する複数の配線を共通にすることができる。そのため、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。
図17Bには、画素81を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82_9を副画素82PSに適用した場合の画素80が有する回路図の例を示す。図17Bでは、配線V11、配線V13、配線V12及び配線EAL、を共通にする例を図示している。つまり、図17Bに示す回路図では、発光デバイス11に順バイアス電圧を印加し、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加する構成において、画素81及び画素82_9が有する複数の配線を共通にすることができる。そのため、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。
なお図17A及び図17Bに図示するように、複数の受光デバイスを画素82_8または82_9内に設ける場合、異なる分光感度特性を有する受光デバイスとすることもできる。例えば赤外光の波長領域に分光感度特性を有する受光デバイス12IRと、可視光の波長領域に分光感度特性を有する受光デバイス12を配置する構成とすることができる。図18Aは、図17Aに示す回路図の構成において、赤外光の波長領域に分光感度特性を有する受光デバイス12IRと、可視光の波長領域に分光感度特性を有する受光デバイス12と、を備えた画素80が有する回路図の例である。また、図18Bは、図17Bに示す回路図の構成において、赤外光の波長領域に分光感度特性を有する受光デバイス12IRと、可視光の波長領域に分光感度特性を有する受光デバイス12と、を備えた画素80が有する回路図の例である。
図19Aには、画素81_3を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82_4を副画素82PSに適用した場合の画素80が有する回路図の例を示す。図19Aでは、配線V11、配線V12、配線V13及び配線EALを共通とする例を図示している。つまり、図19Aに示す回路図では、発光デバイス11に順バイアス電圧を印加し、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加する構成において、画素81_3及び画素82_4が有する複数の配線を共通にすることができる。そのため、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。
図19Bには、画素81_3を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82_5を副画素82PSに適用した場合の画素80が有する回路図の例を示す。図19Bでは、配線V11、配線V12、配線V13及び配線EALを共通とする例を図示している。つまり、図19Bに示す回路図では、発光デバイス11に順バイアス電圧を印加し、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加する構成において、画素81_3及び画素82_5が有する複数の配線を共通にすることができる。そのため、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。
図20Aには、画素81_3を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82_4を副画素82PSに適用した場合の画素80が有する回路図の例を示す。図20Aでは、配線V11、配線V13及び配線EALを共通とし、ならびに、配線RL及び配線V12を共通とする例を図示している。つまり、図20Aに示す回路図では、発光デバイス11に順バイアス電圧を印加し、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加する構成において、画素81_3及び画素82_4が有する複数の配線を共通にすることができる。そのため、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。
図20Bには、画素81_3を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82_4を副画素82PSに適用した場合の画素80が有する回路図の例を示す。図20Bでは、配線V11、配線V13及び配線EALを共通とし、配線V12を省略する例を図示している。つまり、図20Bに示す回路図では、発光デバイス11に順バイアス電圧を印加し、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加する構成において、画素81_3及び画素82_4が有する複数の配線を共通にすることができる。そのため、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。
図21Aには、画素81_3を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82_6を副画素82PSに適用した場合の画素80が有する回路図の例を示す。図21Aでは、配線V11、配線V12、配線V13及び配線EALを共通とする例を図示している。つまり、図21Aに示す回路図では、発光デバイス11に順バイアス電圧を印加し、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加する構成において、画素81_3及び画素82_6が有する複数の配線を共通にすることができる。そのため、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。
図21Bには、画素81_3を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82_7を副画素82PSに適用した場合の画素80が有する回路図の例を示す。図21Bでは、配線V11、配線V12、配線V13及び配線EALを共通とする例を図示している。つまり、図21Bに示す回路図では、発光デバイス11に順バイアス電圧を印加し、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加する構成において、画素81_3及び画素82_7が有する複数の配線を共通にすることができる。そのため、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。
図22Aには、画素81を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82_4を副画素82PSに適用した場合の画素80が有する回路図の例を示す。図22Aでは、配線V11、配線V12及び配線EALを共通にし、配線V13を別の配線とする例を図示している。つまり、図22Aに示す回路図では、発光デバイス11に順バイアス電圧を印加し、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加する構成において、画素81及び画素82_4が有する複数の配線を共通にすることができる。そのため、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。
図22Bには、画素81を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82_4を副画素82PSに適用した場合の画素80が有する回路図の例を示す。図22Bでは、配線V12、配線V13及び配線EALを共通にし、配線V11を別の配線とする例を図示している。つまり、図22Bに示す回路図では、発光デバイス11に順バイアス電圧を印加し、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加する構成において、画素81及び画素82_4が有する複数の配線を共通にすることができる。そのため、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。
図23Aには、画素81_3を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82_4を副画素82PSに適用した場合の画素80が有する回路図の例を示す。図23Aでは、配線V11、配線V12及び配線EALを共通にし、配線RL及び配線V13を共通とする、例を図示している。つまり、図23Aに示す回路図では、発光デバイス11に順バイアス電圧を印加し、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加する構成において、画素81_3及び画素82_4が有する複数の配線を共通にすることができる。そのため、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。
図23Bには、画素81_3を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82_4を副画素82PSに適用した場合の画素80が有する回路図の例を示す。図23Bでは、配線V12、配線V13及び配線EALを共通にし、配線RL及び配線V11を共通とする例を図示している。つまり、図23Bに示す回路図では、発光デバイス11に順バイアス電圧を印加し、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加する構成において、画素81_3及び画素82_4が有する複数の配線を共通にすることができる。そのため、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。
図24Aには、画素81を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82_6を副画素82PSに適用した場合の画素80が有する回路図の例を示す。図24Aでは、配線V11、配線V12及び配線EALを共通にし、配線V13を別の配線とする例を図示している。つまり、図24Aに示す回路図では、発光デバイス11に順バイアス電圧を印加し、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加する構成において、画素81及び画素82_6が有する複数の配線を共通にすることができる。そのため、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。
図24Bには、画素81を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82_7を副画素82PSに適用した場合の画素80が有する回路図の例を示す。図24Bでは、配線V12、配線V13及び配線EALを共通にし、配線V11を別の配線とする例を図示している。つまり、図24Bに示す回路図では、発光デバイス11に順バイアス電圧を印加し、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加する構成において、画素81及び画素82_7が有する複数の配線を共通にすることができる。そのため、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。
図25Aには、画素81_3を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82_6を副画素82PSに適用した場合の画素80が有する回路図の例を示す。図25Aでは、配線V11、配線V12及び配線EALを共通にし、配線RL及び配線V13を共通とする例を図示している。つまり、図25Aに示す回路図では、発光デバイス11に順バイアス電圧を印加し、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加する構成において、画素81_3及び画素82_6が有する複数の配線を共通にすることができる。そのため、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。
図25Bには、画素81_3を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82_7を副画素82PSに適用した場合の画素80が有する回路図の例を示す。図25Bでは、配線V12、配線V13及び配線EALを共通にし、配線RL及び配線V11を共通とする例を図示している。つまり、図25Bに示す回路図では、発光デバイス11に順バイアス電圧を印加し、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加する構成において、画素81_3及び画素82_7が有する複数の配線を共通にすることができる。そのため、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。
図26Aには、画素81を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82_6を副画素82PSに適用した場合の画素80が有する回路図の例を示す。図26Aでは、配線V11及び配線EALを共通にし、配線V12及び配線V13を共通にする例を図示している。つまり、図26Aに示す回路図では、発光デバイス11に順バイアス電圧を印加し、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加する構成において、画素81及び画素82_6が有する複数の配線を共通にすることができる。そのため、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。
図26Bには、画素81を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82_7を副画素82PSに適用した場合の画素80が有する回路図の例を示す。図26Bでは、配線V11及び配線EALを共通にし、配線V12及び配線V13を共通にする例を図示している。つまり、図26Bに示す回路図では、発光デバイス11に順バイアス電圧を印加し、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加する構成において、画素81及び画素82_7が有する複数の配線を共通にすることができる。そのため、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。
図27Aには、画素81_3を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82_6を副画素82PSに適用した場合の画素80が有する回路図の例を示す。図27Aでは、配線V11及び配線EALを共通にし、配線RL、配線V12、及び配線V13を共通とする例を図示している。つまり、図27Aに示す回路図では、発光デバイス11に順バイアス電圧を印加し、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加する構成において、画素81_3及び画素82_6が有する複数の配線を共通にすることができる。そのため、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。
図27Bには、画素81_3を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82_7を副画素82PSに適用した場合の画素80が有する回路図の例を示す。図27Bでは、配線V11及び配線EALを共通にし、配線RL、配線V12及び配線V13を共通とする例を図示している。つまり、図27Bに示す回路図では、発光デバイス11に順バイアス電圧を印加し、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加する構成において、画素81_3及び画素82_7が有する複数の配線を共通にすることができる。そのため、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。
また図19A乃至図27Bでは、画素80が有するトランジスタに接続される配線を共通にする構成について説明したが、他の構成としてもよい。
図28Aには、画素81_3を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82_4を副画素82PSに適用した場合の画素80が有する回路図において、配線WXに電気的に接続されたトランジスタM21のゲートと、配線RLとを共通にする例を図示している。トランジスタM21は、配線RLに与えられるリセット電位に応じて電流を流す電流源として機能させることができる。また図28Bには、画素81_3を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82_5を副画素82PSに適用した場合の画素80が有する回路図において、配線WXに電気的に接続されたトランジスタM21のゲートと、配線RLとを共通にする例を図示している。トランジスタM21は、配線RLに与えられるリセット電位に応じて電流を流す電流源として機能させることができる。つまり、図28A及び図28Bに示す回路図では、発光デバイス11に順バイアス電圧を印加し、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加する構成において、画素81_3および画素82_4(または画素82_5)が有する複数の配線と、そのほかの配線(電位を与える配線)を共通にすることができる。そのため、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。
副画素81R、副画素81G、副画素81B、及び副画素82PSを有する画素80の回路図の一例を、図29に示す。図29では、画素81を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82_4を副画素82PSに適用した場合の回路図である。
副画素82PSにおいて、配線V11乃至配線V13は、副画素81Bの配線EALと共通にすることができる。図29に示す回路図では、発光デバイス11R,11G,11Bに順バイアス電圧を印加し、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加する構成において、副画素81B及び画素82PSが有する複数の配線を共通にすることができる。なお副画素81Bの代わりに、副画素81Rまたは副画素81Gでもよい。図29に示すように、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。その結果、光検出機能を有しつつ、高精細な表示部を有する表示装置とすることができる。また光検出機能を有しつつ、高解像度の表示部を有する表示装置とすることができる。
なお、副画素81R、副画素81G、副画素81B、及び副画素82PSの構成は、図29に示す構成に限定されない。図29とは異なる画素80の回路図の一例を、図30に示す。図30では、画素81_3を副画素81R、副画素81G、または副画素81Bに適用し、画素82_4を副画素82PSに適用した場合の回路図である。
副画素82PSにおいて、配線V11乃至配線V13は、副画素81Bの配線EALと共通にすることができる。図29に示す回路図では、発光デバイス11R,11G,11Bに順バイアス電圧を印加し、受光デバイス12には逆バイアス電圧を印加する構成において、副画素81B及び副画素82PSが有する複数の配線を共通にすることができる。なお副画素81Bの代わりに、副画素81Rまたは副画素81Gでもよい。図30に示すように、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。その結果、光検出機能を有しつつ、高精細な表示部を有する表示装置とすることができる。また光検出機能を有しつつ、高解像度の表示部を有する表示装置とすることができる。
なお図30において図示する副画素81R、副画素81G、副画素81B、及び副画素82PSの構成は、図31に示すように別の配線を共通にしてもよい。例えば、配線GL1と配線GL2とを共通にする構成としてもよい。図31に示すように、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。その結果、光検出機能を有しつつ、高精細な表示部を有する表示装置とすることができる。また光検出機能を有しつつ、高解像度の表示部を有する表示装置とすることができる。
なお図29において図示する副画素81G、副画素81B、及び副画素82PSの構成は、図32に示すように別の配線を共通にしてもよい。例えば副画素82PSに接続される配線は、副画素81Gに接続される配線EALと、副画素81Bに接続される配線EALと、に接続される配線を振り分けてもよい。図32に示すように、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。その結果、光検出機能を有しつつ、高精細な表示部を有する表示装置とすることができる。また光検出機能を有しつつ、高解像度の表示部を有する表示装置とすることができる。
また上記図17Aおよび図17Bで図示したように画素82PS内に複数の受光デバイスを有する構成では、例えば図33Aに図示する構成のように副画素81Gに接続される配線EALと、副画素81Bに接続される配線EALと、の間に受光デバイスを設ける構成とすることができる。図33Aでは、トランジスタM15_1に接続された受光デバイス12_1と、トランジスタM15_2に接続された受光デバイス12_2と、が副画素81Gに接続される配線EALと、副画素81Bに接続される配線EALとの間に設けられる様子を図示している。図33Aに示すように、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。その結果、光検出機能を有しつつ、高精細な表示部を有する表示装置とすることができる。また光検出機能を有しつつ、高解像度の表示部を有する表示装置とすることができる。
また上記図33Aとは異なる構成として図33Bでは、トランジスタM15_1に接続された受光デバイス12_1と、トランジスタM15_2に接続された受光デバイス12_2と、が副画素81Gに接続される配線EALと、副画素81Rに接続される配線EALとを横断して設けられる様子を図示している。図33Bに示すように、副画素81R、副画素81G、副画素81B及び副画素82PSを有する画素において、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。その結果、光検出機能を有しつつ、高精細な表示部を有する表示装置とすることができる。また光検出機能を有しつつ、高解像度の表示部を有する表示装置とすることができる。
また上記図33A、図33Bとは異なる構成として図34では、トランジスタM15_1に接続された受光デバイス12_1と、トランジスタM15_2に接続された受光デバイス12_2と、が別の画素の領域に渡って設けられる様子を図示している。図34に示すように、N行目の副画素81R_N、副画素81G_N、副画素81B_N及び副画素82PS_Nを有する画素において、副画素82PS_Nが有するトランジスタM15_2に接続された受光デバイス12_2が、N+1行目の副画素81R_N+1、副画素81G_N+1、副画素81B_N+1を有する画素に設けられる様子を図示している。図34に示すように、複数の行に渡って設けられる副画素82PSにおいても、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。その結果、光検出機能を有しつつ、高精細な表示部を有する表示装置とすることができる。また光検出機能を有しつつ、高解像度の表示部を有する表示装置とすることができる。
また図35Aでは、図29に図示する回路図に対応する画素のレイアウト図の一例を示す。図35A中に図示する符号は、図29で示した構成に対応するものである。なお図35Aでは、理解を容易にするため、発光デバイスおよび受光デバイスに接続される電極までのレイアウト図を示しており、絶縁層、および配線ACLなどの各構成は図示を省略している。また、図35Aでは、トランジスタの形状および大きさ等について、理解を容易にするため、同じ大きさとして図示しているが、チャネル幅およびチャネル長を異ならせる構成としてもよい。
また図35Bでは、図35A中に図示する破線X1−X2における断面模式図である。図35Aに図示するレイアウト図では、図35Bに図示する半導体層SEML、導電層SDM、および導電層GEを有するトランジスタMT、並びにトランジスタMTに接続される導電層PEを図示している。トランジスタMTの断面模式図は、トランジスタM11、M12、およびトランジスタM15乃至M18に適用可能である。図35A及び図35Bに示すように、トランジスタM15乃至M18に接続される配線として、発光素子11Bが設けられる副画素81Bに接続される配線EALを適用することができるため、配線数の削減、及び与える電位の数を削減することができる。その結果、光検出機能を有しつつ、高精細な表示部を有する表示装置とすることができる。また光検出機能を有しつつ、高解像度の表示部を有する表示装置とすることができる。
<駆動方法例>
次いで上述した画素の駆動方法例について説明する。一例として、図36Aに示す画素81_3の駆動方法の一例について説明する。
図36Bは、図36Aの動作を説明するためのタイミングチャートである。図36Aに示す画素81_3は、配線GL1と配線GL2とに与える信号を図36Bに示すように異ならせることで、画素ごとのトランジスタ特性のばらつきに伴う輝度のばらつきを補正することができる。図36B中に示す期間P1乃至P3での画素81_3の動作について図37A乃至図37Cを参照して説明する。
図37Aは、配線GL1と配線GL2とに与える信号を共にHレベルとする期間P1の動作を説明する図である。図37Aでは、配線GL1と配線GL2とに与える信号のHレベルについて、理解を容易にするために5Vとしている。同様に、配線SLに与える画素81_3に与えるデータ電位を3V、配線EALに与える電位を5V、配線ACLに与える電位を0V、配線RLに与える電位を0Vとしている。このとき、トランジスタM11及びトランジスタM13は共に導通状態となる。図37Aでは、画素81_3への各配線の電位の作用について点線矢印で図示している。容量C11の両端には、3Vの電圧が印加される。当該電圧は、トランジスタM12のゲートとソースの間の電圧(ゲートソース間電圧:Vgs)であり、図37AではVgs=3Vと記している。なお図36Bでは、配線GL1と配線GL2とに与える信号が同時にHレベルとなるよう図示しているが、同時でなくてもよい。
図37Bは、配線GL1に与える信号をHレベル、配線GL2に与える信号をLレベル、とする期間P2の動作を説明する図である。図37Bでは、配線GL2に与える信号のLレベルについて、理解を容易にするために0Vとしている。このとき、トランジスタM11は導通状態、トランジスタM13は非導通状態、となる。図37B中、非導通状態のトランジスタには、バツ印を付している。図37Bでは、画素81_3への各配線の電位の作用について点線矢印で図示している。トランジスタM12には、Vgsに応じて電流が流れる。そのため、トランジスタM12のソース側の電位が上昇し、容量C11の両端に保持される電圧が3VからΔだけ変動する。当該電圧の変動Δの大きさは、トランジスタM12の電界効果移動度などによって画素ごとに異なる。つまり図37Bの動作によって、トランジスタM12の特性のばらつきに応じたVgsが保持されることとなる。なお期間P2の長さは、長すぎると電圧の変動Δが大きくなり、容量C11の両端の電圧が小さくなるため、期間P1と比べて短いことが好ましい。
図37Cは、配線GL1と配線GL2とに与える信号を共にLレベルとする期間P3の動作を説明する図である。図37Cでは、配線GL1と配線GL2に与える信号のLレベルについて、理解を容易にするために0Vとしている。このとき、トランジスタM11及びトランジスタM13は非導通状態、となる。図37C中、非導通状態のトランジスタには、バツ印を付している。図37Cでは、画素81_3への各配線の電位の作用について点線矢印で図示している。トランジスタM13は、容量C11の両端に保持される電圧が3VからΔだけ変動した電圧(3V−Δ)に応じた電流を発光デバイス11に流すことができる。Vgsとなる電圧(3V−Δ)によって、トランジスタM12の特性のばらつきが補正された電流を発光デバイス11に流すことができる。
また図38A及び図38Bでは、異なる行に設けられた、図36Aに示す画素81_3を駆動する際の駆動方法の一例について説明する。
図38Aでは、表示装置10における副画素81R、81G、81Bに画素81_3が適用された際のブロック図を示す。表示装置10は、表示部71、駆動回路部72、駆動回路部73等を有する。表示部71は、マトリクス状に配置された複数の画素80_N及び画素80_N+1を有する。図38Aでは、異なる行にある画素として、画素80_N及び画素80_N+1を図示している。図38Aでは、画素80_Nのある行の配線GL1、GL2として、配線GL1_N、GL2_Nを図示している。また図38Aでは、画素80_N+1のある行の配線GL1、GL2として、配線GL1_N+1、GL2_N+1を図示している。
図38Bは、図38Aに示す配線GL1_N、GL2_N、配線GL1_N+1、GL2_N+1に与える信号を説明するためのタイミングチャートである。図38Bにおいて、期間P_Fは、1フレーム期間、期間P_Eは発光デバイス11の発光期間である。また期間P_GS1、P_GS2が各配線に与えられる画素を選択するための信号が与えられる期間である。なお図38Bでは、配線GL1_NとGL2_N、及び配線GL1_N+1とGL2_N+1は、同じタイミングで信号が変化する様子を図示しているが、上記図36Bで図示したように異なるタイミングで信号が変化してもよい。
期間P_GS1における画素の選択期間では、発光デバイス11を発光させて画像を表示するための信号を配線SLに与える。期間P_GS2における画素の選択期間では、発光デバイス11を消灯させて黒表示するための信号を配線SLに与える。当該構成とすることで、1フレーム期間中ずっと点灯しているのではなく、1フレーム期間中に消灯期間を設ける駆動方法(デューティ駆動)とすることができる。デューティ駆動を用いることで、動画を表示する際の残像現象を低減することができるため、動画表示性能の高い表示装置を実現できる。特にVR機器などでは、残像を低減することで、いわゆるVR酔いを軽減することができる。
デューティ駆動において、一水平期間に対する点灯期間の割合を、デューティ比と呼ぶことができる。なお、デューティ比は自由に設定することが可能であり、例えば0%より高く、100%以下の範囲で適宜調整することができる。
次いで図10Bに示す画素82_4の駆動方法の一例について、図39に示すタイミングチャートを用いて説明する。図39には、配線TX、配線SE、配線RS、及び配線WXに入力される信号を示している。
時刻T21以前において、配線TX、配線SE、及び配線RSにはローレベル電位が与えられる。また、配線WXはデータが出力されていない状態であり、ここではローレベル電位として示している。なお、配線WXに所定の電位が与えられていてもよい。
時刻T21において、配線TXと配線RSに、トランジスタを導通状態とする電位(ここではハイレベル電位)が与えられる。また配線SEには、トランジスタを非導通状態とする電位(ここではローレベル電位)が与えられる。
このとき、トランジスタM15とトランジスタM16が導通状態になることで、配線V11からトランジスタM16及びトランジスタM15を介して、受光デバイス12の陽極に、陰極の電位よりも低い電位が与えられる。すなわち、受光デバイス12に逆バイアス電圧が印加された状態となる。
容量C21の第1の電極にも、配線V11の電位が供給され、容量C21が充電された状態となる。
期間T21−T22は、リセット(初期化)期間とも呼ぶことができる。
時刻T22において、配線TX及び配線RSに、ローレベル電位が与えられる。これにより、トランジスタM15とトランジスタM16とが互いに非導通状態となる。
トランジスタM15が非導通状態となるため、受光デバイス12には逆バイアス電圧が印加された状態で保持される。ここで、受光デバイス12に入射される光によって光電変換が起こり、受光デバイス12に電荷が蓄積される。
期間T22−T23は、露光期間とも呼ぶことができる。露光期間は、受光デバイス12の感度、入射光の光量などに応じて設定すればよいが、少なくともリセット期間と比較して十分に長い期間を設定することが好ましい。
期間T22−T23において、トランジスタM15及びトランジスタM16が非導通状態となるため、容量C21の第1の電極の電位は、配線V11から供給される電位に保持された状態となる。
時刻T23において、配線TXにハイレベル電位が与えられる。これにより、トランジスタM15が導通状態となり、受光デバイス12に蓄積された電荷が、トランジスタM15を介して容量C21の第1の電極に転送される。これにより、容量C21の第1の電極が接続されるノードの電位は、受光デバイス12に蓄積された電荷量に応じて上昇する。その結果、トランジスタM17のゲートには、受光デバイス12の露光量に応じた電位が与えられた状態となる。
時刻T24において、配線TXにローレベル電位が与えられる。これにより、トランジスタM15が非導通状態となり、トランジスタM17のゲートが接続されるノードがフローティング状態となる。受光デバイス12の露光は常に生じているため、期間T23−T24における転送動作が完了した後に、トランジスタM15を非導通状態とすることで、トランジスタM17のゲートが接続されるノードの電位が変化することを防ぐことができる。
時刻T25において、配線SEにハイレベル電位が与えられる。これにより、トランジスタM18が導通状態となる。期間T25−T26は、読み出し期間ともいうことができる。
例えば、トランジスタM17と回路部75が有するトランジスタとでソースフォロワ回路を構成し、データを読み出すことができる。この場合、配線WXに出力されるデータ電位DSは、トランジスタM17のゲート電位に応じて決定される。具体的には、トランジスタM17のゲート電位から、トランジスタM17のしきい値電圧を差し引いた電位が、データ電位DSとして配線WXに出力され、当該電位を回路部75が有する読み出し回路により読み出される。
なお、トランジスタM17と回路部75が有するトランジスタとでソース接地回路を構成し、回路部75が有する読み出し回路により、データを読み出すこともできる。
時刻T26において、配線SEにローレベル電位が与えられる。これにより、トランジスタM18が非導通状態となる。これにより、画素82のデータの読み出しが完了する。時刻T26以降は、次の行以降のデータの読み出し動作が順次行われる。
図39で例示した駆動方法を用いることで、露光期間と読み出し期間を別々に設定することができるため、表示部71に設けられた全ての画素82で同時に露光し、その後、データを順次読み出すことができる。これにより、いわゆるグローバルシャッタ駆動を実現できる。グローバルシャッタ駆動を実行する場合には、画素82内のスイッチとして機能するトランジスタ(特にトランジスタM15及びトランジスタM16)に、非導通状態におけるリーク電流が極めて低い、酸化物半導体が適用されたトランジスタを用いることが好ましい。
以上が、画素82_4の駆動方法の例についての説明である。
上述したように、本発明の一態様の表示装置では、発光デバイスに順バイアス電圧を印加し、受光デバイスに逆バイアス電圧を印加する副画素を備えた画素において、配線EALと別の配線の機能を共通にすることができる。そのため、画素に電気的に接続される配線数の削減、及び画素に与える電位の数を削減することができる。その結果、画素のレイアウト面積の縮小を図ることができるため、光検出機能を有しつつ、高精細な表示部を有する表示装置とすることができる。また光検出機能を有しつつ、高解像度の表示部を有する表示装置とすることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置について説明する。特に本実施の形態では、表示装置が有する受光デバイス及び発光デバイスの構成例について説明する。
実施の形態1で説明した表示装置10と異なる例を、図40Aに示す。図40Aに示す表示装置10Aは、発光デバイス11aと、受光デバイス12aと、を有する。表示装置10Aは、発光デバイス11aが、EL層17と電極15との間に層21を有し、受光デバイス12aが、受光層19と電極15との間に層21を有する点で、前述の表示装置10と主に異なる。層21は、発光デバイス11aと受光デバイス12aで共通する層であり、共通層ということができる。例えば、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、及び電子注入層の少なくとも1つを、受光デバイス及び発光デバイスで共通の層とすることが好ましい。
図40Aに示すように、発光デバイス11aにおいて、電極13Aが陽極として機能し、電極15が陰極として機能し、受光デバイス12aにおいて、電極13Bが陰極として機能し、電極15が陽極として機能する構成とする場合、層21は、例えば、電子注入性の高い物質を含む層(電子注入層)などを有する。層21は、発光デバイス11aにおいて、陰極として機能する電極15からEL層17に電子を注入する電子注入層として機能することができる。
なお、電子注入性の高い物質を含む層(電子注入層)などを有する層21は、受光デバイス12aにおいて、特定の機能を有さない。前述したように、層21は、発光デバイス11aにおいて、電子注入層として機能するように構成すればよい。
受光デバイスと発光デバイスが共通で有する層は、発光デバイスにおける機能と受光デバイスにおける機能とが異なる場合がある。本明細書中では、発光デバイスにおける機能に基づいて構成要素を呼称することがある。例えば、正孔注入層は、発光デバイスにおいて正孔注入層として機能し、受光デバイスにおいて正孔輸送層として機能する。同様に、電子注入層は、発光デバイスにおいて電子注入層として機能し、受光デバイスにおいて電子輸送層として機能する。また、受光デバイスと発光デバイスが共通で有する層は、発光デバイスにおける機能と受光デバイスにおける機能とが同一である場合もある。正孔輸送層は、発光デバイス及び受光デバイスのいずれにおいても、正孔輸送層として機能し、電子輸送層は、発光デバイス及び受光デバイスのいずれにおいても、電子輸送層として機能する。
図40Bに示すように、発光デバイス11aにおいて、電極13Aが陰極として機能し、電極15が陽極として機能し、受光デバイス12aにおいて、電極13Bが陽極として機能し、電極15が陰極として機能する構成とする場合、層21は、例えば、正孔注入性の高い物質を含む層(正孔注入層)などを有する。層21は、発光デバイス11aにおいて、陽極として機能する電極15からEL層17にホールを注入する正孔注入層として機能することができる。
なお、正孔注入性の高い物質を含む層(正孔注入層)などを有する層21は、受光デバイス12aにおいて、特定の機能を有さない。前述したように、層21は、発光デバイス11aにおいて、正孔注入層として機能するように構成すればよい。
本発明の一態様の表示装置を、図40Cに示す。図40Cに示す表示装置10Bは、発光デバイス11bと、受光デバイス12bと、を有する。発光デバイス11bが有するEL層17は、層31A、発光層41、及び層37Aがこの順で積層された積層構造を有する。受光デバイス12bが有する受光層19は、層37B、活性層43、及び層31Bがこの順で積層された積層構造を有する。
発光デバイス11bにおいて、電極13Aは陽極として機能し、電極15は陰極として機能する。受光デバイス12bにおいて、電極13Bは陰極として機能し、電極15は陽極として機能する。層21は、例えば、電子注入性の高い物質を含む層(電子注入層)などを有する。
層31A及び層31Bは、例えば、正孔輸送性の高い物質を含む層(正孔輸送層)を有する。さらに、層31A及び層31Bは、正孔注入性の高い物質を含む層(正孔注入層)を有してもよい。なお、層31A及び層31Bがそれぞれ正孔輸送性の高い物質を含む場合、層31Aが有する正孔輸送性の高い物質と、層31Bが有する正孔輸送性の高い物質は同じであってもよく、異なってもよい。同様に、層31A及び層31Bがそれぞれ正孔注入性の高い物質を含む場合、層31Aが有する正孔注入性の高い物質と、層31Bが有する正孔注入性の高い物質は同じであってもよく、異なってもよい。また、層31A及び層31Bがそれぞれ積層構造を有してもよい。
層37A及び層37Bは、例えば、電子輸送性の高い物質を含む層(電子輸送層)を有する。さらに、層37A及び層37Bは、電子注入性の高い物質を含む層(電子注入層)を有してもよい。なお、層37A及び層37Bがそれぞれ電子輸送性の高い物質を含む場合、層37Aが有する電子輸送性の高い物質と、層37Bが有する電子輸送性の高い物質は同じであってもよく、異なってもよい。同様に、層37A及び層37Bがそれぞれ電子注入性の高い物質を含む場合、層37Aが有する電子注入性の高い物質と、層37Bが有する電子注入性の高い物質は同じであってもよく、異なってもよい。また、層37A及び層37Bがそれぞれ積層構造を有してもよい。
活性層43は、半導体を含む。活性層43は、特に有機半導体を含むことが好ましい。
発光層41は、光を発する発光物質を有する。発光デバイス11において、一対の電極(電極13A及び電極15)の間に設けられた層31A、発光層41、及び層37Aを有する構成は単一の発光ユニットとして機能することができ、本明細書等において発光デバイス11bの構成をシングル構造と呼ぶ場合がある。
発光デバイス11bは、電極13A側から順に、正孔輸送性の高い物質を含む層(正孔輸送層)を有する層31A、発光層41、電子輸送性の高い物質を含む層(電子輸送層)を有する層37Aを有する。受光デバイス12bは、電極13B側から順に、電子輸送性の高い物質を含む層(電子輸送層)を有する層37B、活性層43、正孔輸送性の高い物質を含む層(正孔輸送層)を有する層31Bを有する。本発明の一態様である表示装置において、発光層及び活性層を挟む電子輸送性の高い物質を含む層(電子輸送層)と正孔輸送性の高い物質を含む層(正孔輸送層)の積層順が、発光デバイスと受光デバイスで逆とする。このような構成とすることにより、発光デバイスと受光デバイスとの間のサイドリークを抑制することができる。
前述の表示装置10Bと異なる表示装置の構成を、図40Dに示す。図40Dに示す表示装置10Cは、発光デバイス11cと、受光デバイス12cと、を有する。発光デバイス11cは、EL層17を構成する層の積層順が逆である点で、前述の発光デバイス11bと主に異なる。受光デバイス12cは、受光層19を構成する層の積層順が逆である点で、前述の受光デバイス12bと主に異なる。
発光デバイス11cが有するEL層17は、層37A、発光層41、及び層31Aがこの順で積層された積層構造を有する。受光デバイス12cが有する受光層19は、層31B、活性層43、及び層37Bがこの順で積層された積層構造を有する。
発光デバイス11bにおいて、電極13Aは陰極として機能し、電極15は陽極として機能する。受光デバイス12において、電極13Bは陽極として機能し、電極15は陰極として機能する。層21は、例えば、正孔注入性の高い物質を含む層(正孔注入層)などを有する。
前述の表示装置と異なる構成について、説明する。以降では、発光デバイスにおいて電極13Aが陽極として機能し、電極15が陰極として機能し、受光デバイスにおいて電極13Bが陰極として機能し、電極15が陽極として機能する構成を例に挙げて、説明する。
本発明の一態様の表示装置を、図41Aに示す。図41Aに示す表示装置10Dは、発光デバイス11dと、受光デバイス12bと、を有する。発光デバイス11dが有する発光層41は、発光層41a、発光層41b、及び発光層41cがこの順で積層された積層構造を有する。層31Aと層37Aの間に複数の発光層(例えば、発光層41a、発光層41b及び発光層41c)が設けられる構成も、シングル構造と呼ぶことができる。
本発明の一態様の表示装置を、図41Bに示す。図41Bに示す表示装置10Eは、発光デバイス11eと、受光デバイス12eと、を有する。
発光デバイス11eは、層31Aが、層33Aと、層33A上の層35Aとの積層構造を有する点で、前述の発光デバイス11bと主に異なる。受光デバイス12eは、層31Bが、層35Bと、層35B上の層33Bとの積層構造を有する点で、前述の受光デバイス12bと主に異なる。
層33A及び層33Bは、例えば、正孔注入性の高い物質を含む層(正孔注入層)を有する。層33Aが有する正孔注入性の高い物質と、層33Bが有する正孔注入性の高い物質は同じであってもよく、異なってもよい。
層35A及び層35Bは、例えば、正孔輸送性の高い物質を含む層(正孔輸送層)を有する。層35Aが有する正孔輸送性の高い物質と、層35Bが有する正孔輸送性の高い物質は同じであってもよく、異なってもよい。
このような層構造とすることで、発光デバイス11eは、発光層41に効率よくキャリアを注入し、発光層41内におけるキャリアの再結合の効率を高めることが可能となる。なお、前述したように受光デバイス12eにおいて、層33Bは正孔輸送層として機能する。
本発明の一態様の表示装置を、図41Cに示す。図41Cに示す表示装置10Fは、発光デバイス11fと、受光デバイス12fと、を有する。
発光デバイス11fは、電極13AとEL層17との間に光学調整層39Aを有する点で、前述の発光デバイス11eと主に異なる。受光デバイス12fは、電極13Bと受光層19との間に光学調整層39Bを有する点で、前述の受光デバイス12eと主に異なる。
光学調整層39A、及び光学調整層39Bは、可視光に対する透過性が高い導電性材料を用いることが好ましい。光学調整層39A、及び光学調整層39Bは、可視光及び赤外光に対する透過性が高い導電性材料を用いることがさらに好ましい。光学調整層39A、及び光学調整層39Bは、例えば、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを含む酸化亜鉛、シリコンを含むインジウム錫酸化物、シリコンを含むインジウム亜鉛酸化物などの導電性酸化物を用いることができる。
ここで、電極13A、及び電極13Bに、可視光に対して反射性を有する導電膜を用い、電極15に、可視光に対して反射性及び透過性を有する導電膜を用いる。これにより、発光デバイス11f及び受光デバイス12fは、いわゆるマイクロキャビティ構造(微小共振器構造)が実現される。発光デバイス11fは、特定の波長の光が強められ、色純度の高い発光デバイスとすることができる。受光デバイス12fは、検出したい特定の波長の光が強められ、感度の高い受光デバイスとすることができる。
なお、発光デバイス11fが有する光学調整層39Aと、受光デバイス12fが有する光学調整層39Bで膜厚を異ならせることで、それぞれの光路長を異ならせることができる。各光学調整層は、それぞれ厚さの異なる導電膜を用いてもよいし、単層構造と複数構造で構造を異ならせてもよい。
本発明の一態様の表示装置を、図42に示す。図42に示す表示装置10Gは、発光デバイス11gと、受光デバイス12bと、を有する。
発光デバイス11gは、電極13Aと電極15の間に、EL層47、中間層50及びEL層17がこの順で積層された積層構造を有する。EL層47は、層51A、発光層61及び層57Aがこの順で積層された積層構造を有する。
なお、層51A、発光層61、及び層57Aはそれぞれ、積層構造を有してもよい。層51Aは、層31Aの記載を参照できるため、詳細な説明は省略する。発光層61は、発光層41の記載を参照できるため、詳細な説明は省略する。層57Aは、層37Aの記載を参照できるため、詳細な説明は省略する。
発光デバイス11gのように、複数の発光ユニット(EL層17、及びEL層47)が、中間層50(電荷発生層ともいう)を介して直列に接続された構成を、本明細書等ではタンデム構造と呼ぶ場合がある。なお、タンデム構造をスタック構造と呼んでもよい。タンデム構造とすることで、高輝度発光が可能な発光デバイスとすることができる。
発光デバイスの発光色は、EL層17を構成する材料によって、赤、緑、青、シアン、マゼンタ、黄または白などとすることができる。また、発光デバイスにマイクロキャビティ構造を付与することにより色純度をさらに高めることができる。
白色の光を発する発光デバイスは、発光層41に2種類以上の発光物質を含む構成とすることが好ましい。2つの発光物質を含む構成とする場合は、各発光が補色の関係となるような発光物質を選択すればよい。例えば、第1の発光層の発光色と第2の発光層の発光色を補色の関係になるようにすることで、発光デバイス全体として白色発光する発光デバイスを得ることができる。3つ以上の発光物質を含む構成とする場合は、各々の発光色の混合により、白色発光する構成とすることができる。また、発光層を2つ以上有する発光デバイスの場合も同様である。例えば、図41Aに示す発光デバイス11dは、発光層41a、発光層41b、及び発光層41cの発光色の混合により、シングル構造の白色発光デバイスを実現することができる。
発光層には、R(赤)、G(緑)、B(青)、Y(黄)、O(橙)等の発光を示す発光物質を2以上含むことが好ましい。または、発光物質を2以上有し、それぞれの発光物質の発光は、R、G、Bのうち2以上の色のスペクトル成分を含むことが好ましい。
なお、発光デバイスと受光デバイスの組み合わせは、特に限定されない。前述の発光デバイスのいずれか一または複数と、前述の受光デバイスのいずれか一または複数と、を有する表示装置とすることができる。例えば、発光デバイス11eと、受光デバイス12cとを有する表示装置としてもよい。
表示装置の一画素に設けられる発光デバイス及び受光デバイスの構成例を、図43Aに示す。図43Aは、画素80においてRGBの三色の副画素を有する画素の断面概略図である。画素80の断面概略図では、発光デバイス11R、発光デバイス11G、発光デバイス11B、及び受光デバイス12PSを示している。
なお、図43Aは、発光デバイス11R、発光デバイス11G、及び発光デバイス11Bに、図41Bに示す発光デバイス11eの構成を適用し、受光デバイス12PSに、図41Bに示す受光デバイス12eの構成を適用した例を示している。
発光デバイス11Rは、副画素81Rが有する発光デバイスに適用することができ、赤色の光を射出する機能を有する。発光デバイス11Rは、基板23上に電極13a、EL層17R、層21、及び電極15をこの順で積層された積層構造を有する。EL層17Rは、層33a、層35a、発光層41R、及び層37aをこの順で積層された積層構造を有する。
層33aは、正孔注入性の高い物質を含む層(正孔注入層)を有する。層35aは、正孔輸送性の高い物質を含む層(正孔輸送層)を有する。発光層41Rは、赤色の発光を示す発光物質を有する。層37aは、電子輸送性の高い物質を含む層(電子輸送層)を有する。層21は、電子注入性の高い物質を含む層(電子注入層)を有する。
発光デバイス11Rにおいて、電極13aは陽極として機能し、電極15は陰極として機能する。つまり、電極13aに供給される電位は、電極15に供給される電位よりも高い構成とする。
発光デバイス11Gは、副画素81Gが有する発光デバイスELGに適用することができ、緑色の光を射出する機能を有する。発光デバイス11Gは、基板23上に電極13b、EL層17G、層21、及び電極15をこの順で積層された積層構造を有する。EL層17Gは、層33b、層35b、発光層41G、及び層37bをこの順で積層された積層構造を有する。
層33bは、正孔注入性の高い物質を含む層(正孔注入層)を有する。層35bは、正孔輸送性の高い物質を含む層(正孔輸送層)を有する。発光層41Gは、緑色の発光を示す発光物質を有する。層37bは、電子輸送性の高い物質を含む層(電子輸送層)を有する。
発光デバイス11Gにおいて、電極13bは陽極として機能し、電極15は陰極として機能する。つまり、電極13bに供給される電位は、電極15に供給される電位よりも高い構成とする。
発光デバイス11Bは、副画素81Bが有する発光デバイスELBに適用することができ、青色の光を射出する機能を有する。発光デバイス11Bは、基板23上に電極13c、EL層17B、層21、及び電極15をこの順で積層された積層構造を有する。EL層17Bは、層33c、層35c、発光層41B、及び層37cをこの順で積層された積層構造を有する。
層33cは、正孔注入性の高い物質を含む層(正孔注入層)を有する。層35cは、正孔輸送性の高い物質を含む層(正孔輸送層)を有する。発光層41Bは、青色の発光を示す発光物質を有する。層37cは、電子輸送性の高い物質を含む層(電子輸送層)を有する。
発光デバイス11Bにおいて、電極13cは陽極として機能し、電極15は陰極として機能する。つまり、電極13cに供給される電位は、電極15に供給される電位よりも高い構成とする。
受光デバイス12PSは、副画素82PSが有する受光デバイス12に適用することができ、可視光及び赤外光を検出する機能を有する。受光デバイス12PSは、基板23上に電極13d、受光層19PS、層21、及び電極15をこの順で積層された積層構造を有する。受光層19PSは、層37d、活性層43、層35d、及び層33dをこの順で積層された積層構造を有する。
層37dは、電子輸送性の高い物質を含む層(電子輸送層)を有する。活性層43PSは、半導体を含む。活性層43PSは、特に有機半導体を含むことが好ましい。層35dは、正孔輸送性の高い物質を含む層(正孔輸送層)を有する。層33dは、正孔注入性の高い物質を含む層(正孔注入層)を有する。なお、受光デバイス12PSにおいて、層33dは、正孔輸送層として機能する。
受光デバイス12PSにおいて、電極13dは陰極として機能し、電極15は陽極として機能する。つまり、電極13dに供給される電位は、電極15に供給される電位よりも高い構成とする。受光デバイス12PSは、電極13dと電極15との間に逆バイアスが印加される。
電極13a、電極13b、電極13c、及び電極13dは、基板23上に設けられる。電極13a、電極13b、電極13c、及び電極13dは、例えば、基板23上に形成された導電膜を島状に加工することにより形成できる。電極13a、電極13b、電極13c、及び電極13dはそれぞれ、画素電極として機能する。電極13a、電極13b、電極13c、及び電極13dについては、前述の電極13A及び電極13Bの記載を参照できるため、詳細な説明は省略する。電極15は、共通電極として機能する。電極15については、前述の記載を参照できるため、詳細な説明は省略する。
層33a、層33b、層33c、及び層33dについては、前述の層33A及び層33Bの記載を参照できるため、詳細な説明は省略する。層35a、層35b、層35c、及び層35dについては、前述の層35A及び層35Bの記載を参照できるため、詳細な説明は省略する。層37a、層37b、層37c、及び層37dについては、前述の層37A及び層37Bの記載を参照できるため、詳細な説明は省略する。共通層である層21については、前述の記載を参照できるため、詳細な説明は省略する。
図43Bは、発光デバイス11Rから射出される赤色(R)の光、発光デバイス11Gから射出される緑色(G)の光、発光デバイス11Bから射出される青色(B)の光、及び受光デバイス12PSに入射する光をそれぞれ、矢印で模式的に示している。
前述の画素80と異なる構成例を、図44Aに示す。図44Aに示す画素80Aは、発光デバイス11R、発光デバイス11G、発光デバイス11B、発光デバイス11IR、及び受光デバイス12PSを有する。図44Aは、発光デバイス11R、発光デバイス11G、発光デバイス11B、発光デバイス11IR、及び受光デバイス12PSの構成を示す断面概略図である。画素80Aは、発光デバイス11IRを有する点で、図43A等に示した画素80と主に異なる。
発光デバイス11IRは、赤外光を射出する機能を有する。発光デバイス11IRは、基板23上に電極13e、EL層17IR、層21、及び電極15をこの順で積層された積層構造を有する。EL層17IRは、層33e、層35e、発光層41IR、及び層37eをこの順で積層された積層構造を有する。
層33eは、正孔注入性の高い物質を含む層(正孔注入層)を有する。層35eは、正孔輸送性の高い物質を含む層(正孔輸送層)を有する。発光層41IRは、赤外の波長領域の発光を示す発光物質を有する。層37eは、電子輸送性の高い物質を含む層(電子輸送層)を有する。
発光デバイス11IRにおいて、電極13eは陽極として機能し、電極15は陰極として機能する。つまり、電極13eに供給される電位は、電極15に供給される電位よりも高い構成とする。
電極13eは、基板23上に設けられる。電極13eは、電極13a、電極13b、電極13c、及び電極13dと同じ工程で形成することができる。電極13eは、画素電極として機能する。電極13eについては、前述の電極13A及び電極13Bの記載を参照できるため、詳細な説明は省略する。
層33eについては、前述の層33A及び層33Bの記載を参照できるため、詳細な説明は省略する。層35eについては、前述の層35A及び層35Bの記載を参照できるため、詳細な説明は省略する。層37eについては、前述の層37A及び層37Bの記載を参照できるため、詳細な説明は省略する。
図44Bは、発光デバイス11Rから射出される赤色(R)の光、発光デバイス11Gから射出される緑色(G)の光、発光デバイス11Bから射出される青色(B)の光、発光デバイス11IRから射出される赤外(IR)光、及び受光デバイス12PSに入射する光をそれぞれ、矢印で模式的に示している。
前述の画素80と異なる構成例を、図45Aに示す。図45Aに示す画素80Bは、発光デバイス11R、発光デバイス11G、発光デバイス11B、受光デバイス12PS、及び受光デバイス12IRSを有する。図45Aは、発光デバイス11R、発光デバイス11G、発光デバイス11B、受光デバイス12PS、及び受光デバイス12IRSの構成を示す断面概略図である。画素80Bは、受光デバイスの構成が異なる点で、図43A等に示した画素80と主に異なる。
画素80が有する受光デバイス12PSは、可視光を受光する機能を有し、受光デバイス12IRSは、赤外光を受光する機能を有する。
受光デバイス12IRSは、基板23上に電極13f、受光層19IRS、層21、及び電極15をこの順で積層された積層構造を有する。受光層19IRSは、層37f、活性層43IRS、層35f、及び層33fをこの順で積層された積層構造を有する。
層37fは、電子輸送性の高い物質を含む層(電子輸送層)を有する。活性層43IRSは、半導体を含む。活性層43IRSは、特に有機半導体を含むことが好ましい。層35fは、正孔輸送性の高い物質を含む層(正孔輸送層)を有する。層33fは、正孔注入性の高い物質を含む層(正孔注入層)を有する。なお、受光デバイス12IRSにおいて、層33fは、正孔輸送層として機能する。
受光デバイス12IRSにおいて、電極13fは陰極として機能し、電極15は陽極として機能する。つまり、電極13fに供給される電位は、電極15に供給される電位よりも高い構成とする。
電極13fは、基板23上に設けられる。電極13fは、電極13a、電極13b、電極13c、電極13d、及び電極13eと同じ工程で形成することができる。電極13eは、画素電極として機能する。電極13fについては、前述の電極13A及び電極13Bの記載を参照できるため、詳細な説明は省略する。
層33fについては、前述の層33A及び層33Bの記載を参照できるため、詳細な説明は省略する。層35fについては、前述の層35A及び層35Bの記載を参照できるため、詳細な説明は省略する。層37fについては、前述の層37A及び層37Bの記載を参照できるため、詳細な説明は省略する。
図45Bは、発光デバイス11Rから射出される赤色(R)の光、発光デバイス11Gから射出される緑色(G)の光、発光デバイス11Bから射出される青色(B)の光、受光デバイス12PSに入射する光、及び受光デバイス12IRSに入射する光をそれぞれ、矢印で模式的に示している。
前述の画素80Bと異なる構成例を、図46Aに示す。図46Aに示す画素80Cは、発光デバイス11R、発光デバイス11G、発光デバイス11B、発光デバイス11IR、受光デバイス12PS、及び受光デバイス12IRSを有する。図46Aは、発光デバイス11R、発光デバイス11G、発光デバイス11B、発光デバイス11IR、受光デバイス12PS、及び受光デバイス12IRSの構成を示す断面概略図である。画素80Cは、発光デバイス11IRを有する点で、図45A等に示した画素80Bと主に異なる。
図46Bは、発光デバイス11Rから射出される赤色(R)の光、発光デバイス11Gから射出される緑色(G)の光、発光デバイス11Bから射出される青色(B)の光、発光デバイス11IRから射出される赤外(IR)光、受光デバイス12PSに入射する光、及び受光デバイス12IRSに入射する光をそれぞれ、矢印で模式的に示している。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。また、本明細書において、1つの実施の形態の中に、複数の構成例が示される場合は、構成例を適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明した発光デバイス及び受光デバイスを有する表示装置の利用形態等について説明する。
本発明の一態様の表示装置の模式図を、図47Aに示す。図47Aに示す表示装置200は、基板201、基板202、発光デバイス211R、発光デバイス211G、発光デバイス211B、受光デバイス212PS、及び機能層203等を有する。
発光デバイス211R、発光デバイス211G、発光デバイス211B、及び受光デバイス212PSは、基板201と基板202の間に設けられている。発光デバイス211R、発光デバイス211G、発光デバイス211Bはそれぞれ赤色(R)、緑色(G)、または青色(B)の光を発する。発光デバイス211R、発光デバイス211G、及び発光デバイス211Bは、前述の発光デバイスを用いることができる。受光デバイス212PSは、前述の受光デバイスを用いることができる。なお、以下では、発光デバイス211R、発光デバイス211G及び発光デバイス211Bを特に区別しない場合に、発光デバイス211と表記する場合がある。
図47Aは、基板202の表面に指220が触れる様子を示している。発光デバイス(例えば、発光デバイス211G)が発する光の一部は、基板202と指220との接触部で反射される。そして、反射光の一部が、受光デバイス212PSに入射されることにより、指220が基板202に接触したことを検出することができる。すなわち、表示装置200はタッチパネルとして機能することができる。
機能層203は、発光デバイス211R、発光デバイス211G、発光デバイス211Bを駆動する回路、及び、受光デバイス212PSを駆動する回路を有する。機能層203には、スイッチ、トランジスタ、容量、配線などが設けられる。なお、発光デバイス211R、発光デバイス211G、発光デバイス211B、及び受光デバイス212PSをパッシブマトリクス方式で駆動させる場合には、スイッチ、及びトランジスタを設けない構成としてもよい。
表示装置200は、例えば、指220の指紋を検出することができる。図47Bは、基板202と指220の接触部の拡大図を模式的に示している。また、図47Bには、交互に配列した発光デバイス211と受光デバイス212を示している。
指220は凹部及び凸部により指紋が形成されている。そのため、図47Bに示すように指紋の凸部が基板202に触れている。
ある表面、または界面から反射される光には、正反射と拡散反射とがある。正反射光は入射角と反射角が一致する、指向性の高い光であり、拡散反射光は、強度の角度依存性が低い、指向性の低い光である。指220の表面から反射される光は、正反射と拡散反射のうち拡散反射の成分が支配的となる。一方、基板202と大気との界面から反射される光は、正反射の成分が支配的となる。
指220と基板202との接触面または非接触面で反射され、これらの直下に位置する受光デバイス212に入射される光の強度は、正反射光と拡散反射光とを足し合わせたものとなる。上述のように指220の凹部では基板202と指220が接触しないため、正反射光(実線矢印で示す)が支配的となり、凸部ではこれらが接触するため、指220からの拡散反射光(破線矢印で示す)が支配的となる。したがって、凹部の直下に位置する受光デバイス212で受光する光の強度は、凸部の直下に位置する受光デバイス212よりも高くなる。これにより、指220の指紋を撮像することができる。
受光デバイス212の配列間隔は、指紋の2つの凸部間の距離、好ましくは隣接する凹部と凸部間の距離よりも小さい間隔とすることで、鮮明な指紋の画像を取得することができる。人の指紋の凹部と凸部の間隔は概ね200μmであることから、例えば受光デバイス212の配列間隔は、400μm以下、好ましくは200μm以下、より好ましくは150μm以下、さらに好ましくは100μm以下、さらに好ましくは50μm以下であって、1μm以上、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上とする。
表示装置200で撮像した指紋の画像の例を、図47Cに示す。図47Cは、撮像範囲227内に、指220の輪郭を破線で、接触部224の輪郭を一点鎖線で示している。接触部224内において、受光デバイス212に入射する光量の違いによって、コントラストの高い指紋222を撮像することができる。
表示装置200は、タッチパネル、またはペンタブレットとしても機能させることができる。図47Dは、スタイラス229の先端を基板202に接触させた状態で、破線矢印の方向に滑らせている様子を示している。
図47Dに示すように、スタイラス229の先端と、基板202の接触面で拡散される拡散反射光が、当該接触面と重なる部分に位置する受光デバイス212に入射することで、スタイラス229の先端の位置を高精度に検出することができる。
図47Eには、表示装置200で検出したスタイラス229の軌跡226の例を示している。表示装置200は、高い位置精度でスタイラス229等の被検出体の位置検出が可能であるため、描画アプリケーション等において、高精細な描画を行うことも可能である。また、静電容量式のタッチセンサ、電磁誘導型のタッチペン等を用いた場合とは異なり、絶縁性の高い被検出体であっても位置検出が可能であるため、スタイラス229の先端部の材料は問われず、様々な筆記用具(例えば筆、ガラスペン、羽ペン)を用いることもできる。
受光デバイス212PSは、タッチセンサ(ダイレクトタッチセンサともいう)、またはニアタッチセンサ(ホバーセンサ、ホバータッチセンサ、非接触センサ、タッチレスセンサともいう)に用いることができる。図48は、発光デバイス(例えば、発光デバイス211G)から射出された光31が、対象物(例えば、指220)で反射し、その反射した光32が受光デバイス212PSに入射する様子を示している。対象物は、表示装置200に接触していないが、受光デバイス212PSを用いて、対象物を検出することができる。なお、受光デバイス212PSは、用途に応じて、検出する光の波長を適宜決定してもよい。
タッチセンサまたはニアタッチセンサは、対象物(指、手、またはペンなど)の近接もしくは接触を検出することができる。タッチセンサは、表示装置と、対象物とが、直接接することで、対象物を検出できる。また、ニアタッチセンサは、対象物が表示装置に接触しなくても、当該対象物を検出することができる。例えば、表示装置と、対象物との間の距離が0.1mm以上300mm以下、好ましくは3mm以上50mm以下の範囲で表示装置が当該対象物を検出できる構成であると好ましい。当該構成とすることで、表示装置に対象物が直接触れずに操作することが可能となる、別言すると非接触(タッチレス)で表示装置を操作することが可能となる。上記構成とすることで、表示装置に汚れ、または傷がつくリスクを低減することができる、または対象物が表示装置に付着した汚れ(例えば、ゴミ、またはウィルス)に直接触れずに、表示装置を操作することが可能となる。
本発明の一態様の表示装置は、リフレッシュレートを可変にすることができる。例えば、表示装置に表示されるコンテンツに応じてリフレッシュレートを調整(例えば、1Hz以上240Hz以下の範囲で調整)し、消費電力を低減させることができる。また、当該リフレッシュレートに応じて、タッチセンサ、またはニアタッチセンサの駆動周波数を変化させてもよい。例えば、表示装置のリフレッシュレートが120Hzの場合、タッチセンサ、またはニアタッチセンサの駆動周波数を120Hzよりも高い周波数(代表的には240Hz)とする構成とすることができる。当該構成とすることで、低消費電力が実現でき、且つタッチセンサ、またはニアタッチセンサの応答速度を高めることが可能となる。
受光デバイス212PSは、表示装置が有する全ての画素に設けられていることが好ましい。全ての画素に受光デバイス212PSを設けることにより、高い精度でタッチを検出することができる。なお、一部の画素に受光デバイス212PSを設ける構成としてもよい。例えば、発光デバイス及び受光デバイスを設けた画素と、受光デバイスを設けた(発光デバイスのみを設けない)画素と、有する表示装置としてもよい。
前述の表示装置200と異なる構成例を、図49Aに示す。図49Aに示す表示装置200Aは、基板201、基板202、発光デバイス211R、発光デバイス211G、発光デバイス211B、発光デバイス211IR、受光デバイス212PS、及び機能層203等を有する。表示装置200Aは、発光デバイス211IRを有する点で、前述の表示装置200と主に異なる。
発光デバイス211R、発光デバイス211G、発光デバイス211B、及び受光デバイス212PSは、基板201と基板202の間に設けられている。発光デバイス211IRは、赤外光を発する。発光デバイス211IRは、前述の発光デバイスを用いることができる。
図49Aは、基板202の表面に指220が触れる様子を示している。発光デバイス(例えば、発光デバイス211IR)が発する光の一部は、基板202と指220との接触部で反射される。そして、反射光の一部が、受光デバイス212PSに入射されることにより、指220が基板202に接触したことを検出することができる。例えば、発光デバイス211IRから赤外線を射出し、受光デバイス212PSで赤外光を検出することにより、暗い場所でも、タッチ検出が可能となる。
表示装置200Aは、発光デバイス211R、発光デバイス211G及び発光デバイス211Bを用いて表示部に画像を表示するとともに、発光デバイス211IR及び受光デバイス212PSを用いて表示部でタッチ検出を行うことができる。また、表示装置200Aは、表示部に画像を表示するとともに、表示部で撮像を行うことができる。
図49Bは、発光デバイス211Gから射出された光31が、対象物(例えば、指220)で反射し、その反射した光32が受光デバイス212PSに入射する様子を示している。図49Cは、発光デバイス211IRから射出された光31が、対象物(例えば、指220)で反射し、その反射した光32が受光デバイス212PSに入射する様子を示している。対象物は、表示装置200Aに接触していないが、受光デバイス212PSを用いて、対象物を検出することができる。
前述の表示装置200Aと異なる構成例を、図50Aに示す。図50Aに示す表示装置200Bは、基板201、基板202、発光デバイス211R、発光デバイス211G、発光デバイス211B、発光デバイス211IR、受光デバイス212PS、受光デバイス212IRS、及び機能層203等を有する。表示装置200Bは、受光デバイスの構成が異なる点で、前述の表示装置200Aと主に異なる。
発光デバイス211R、発光デバイス211G、発光デバイス211B、受光デバイス212PS、及び受光デバイス212IRSは、基板201と基板202の間に設けられている。受光デバイス212PSは、可視光を受光する。受光デバイス212IRSは、赤外光を受光する。受光デバイス212PS、及び受光デバイス212IRSは、前述の受光デバイスを用いることができる。
図50Aは、基板202の表面に指220が触れる様子を示している。発光デバイス(例えば、発光デバイス211IR)が発する光の一部は、基板202と指220との接触部で反射される。そして、反射光の一部が、受光デバイス212IRSに入射されることにより、指220が基板202に接触したことを検出することができる。
図50Bは、発光デバイス211IRから射出された光31が、対象物(例えば、指220)で反射し、その反射した光32が受光デバイス212IRSに入射する様子を示している。図50Cは、発光デバイス211Gから射出された光31が、対象物(例えば、指220)で反射し、その反射した光32が受光デバイス212PSに入射する様子を示している。対象物は、表示装置200Bに接触していないが、受光デバイス212PS、または受光デバイス212IRSを用いて、対象物を検出することができる。
受光デバイス212PSの受光領域の面積(以下、受光面積とも記す)は、受光デバイス212IRSの受光面積よりが小さいことが好ましい。受光デバイス212PSの受光面積を小さく、つまり撮像範囲を狭くすることで、受光デバイス212PSは受光デバイス212IRSに比べて高精細な撮像を行うことができる。このとき、受光デバイス212PSは、指紋、掌紋、虹彩、脈形状(静脈形状、動脈形状を含む)、または顔などを用いた個人認証のための撮像などに用いることができる。なお、受光デバイス212PSは、用途に応じて、検出する光の波長を適宜決定してもよい。
受光デバイス212PSと、受光デバイス212IRSとの検出精度の差から、機能に応じて、対象物の検出方法を選択してもよい。例えば、表示画面のスクロール機能は、受光デバイス212IRSを用いたニアタッチセンサ機能によって実現し、画面に表示されたキーボードでの入力機能は、受光デバイス212PSを用いた高精細なタッチセンサ機能によって実現してもよい。
1つの画素に、2種類の受光デバイスを搭載することで、表示機能に加えて、2つの機能を追加することができ、多機能の表示装置とすることができる。
なお、高精細な撮像を行うため、受光デバイス212PSは、表示装置が有する全ての画素に設けられていることが好ましい。一方で、タッチセンサまたはニアタッチセンサなどに用いる受光デバイス212IRSは、受光デバイス212PSを用いた検出に比べて高い精度が求められないため、表示装置が有する一部の画素に設けてもよい。表示装置が有する受光デバイス212IRSの数を、受光デバイス212PSの数よりも少なくすることで、検出速度を高めることができる。
以上のように、本実施の形態の表示装置は、1つの画素に発光デバイス及び受光デバイスを搭載することで、多機能の表示装置とすることができる。例えば、高精細な撮像機能、及びタッチセンサまたはニアタッチセンサなどのセンシング機能を有する表示装置を実現することができる。
本発明の一態様の表示装置は、特定の色の光を射出し、対象物で反射した反射光を受光してもよい。図51Aは、表示装置から射出される赤色の光と、対象物(ここでは指220)で反射することにより表示装置に入射した赤色の光をそれぞれ矢印で模式的に示している。図51Bは、表示装置から射出される赤外光と、対象物(ここでは指220)で反射することにより表示装置に入射した赤外光をそれぞれ矢印で模式的に示している。
対象物が表示装置に接触または近接した状態で、赤色の光を射出し、対象物からの反射光が表示装置に入射することにより、対象物の赤色の光に対する透過率を測定できる。同様に、対象物が表示装置に接触または近接した状態で、赤外光を射出し、対象物からの反射光が表示装置に入射することにより、対象物の赤外光に対する透過率を測定できる。
図51Aの一点鎖線で示す領域Pの拡大図を、図51Cに示す。発光デバイス211Rから射出された光31は、指220の表面及び内部の生体組織により散乱し、一部の散乱光が生体内部から受光デバイス212PSの方向に進む。この散乱光が血管91を透過し、その透過した光32が受光デバイス212PSに入射する。
同様に、発光デバイス211IRから射出された赤外光は、指220の表面及び内部の生体組織により散乱し、一部の散乱した赤外光が生体内部から受光デバイス212IRSの方向に進む。この散乱した赤外光が血管91を透過し、その透過した赤外光が受光デバイス212IRSに入射する。
ここで、光32は、生体組織93、及び血管91(動脈、及び静脈)を経た光である。動脈血は心拍によって脈動するため、動脈による光の吸収は、心拍に応じて変動する。一方、生体組織93、及び静脈は心拍の影響を受けないため、生体組織93よる光の吸収、及び静脈による光の吸収は一定となる。したがって、表示装置に入射した光32から経時的に一定な成分を除外することにより、動脈の光の透過率を算出することができる。また、赤色の光の透過率は、酸素と結合しているヘモグロビン(酸素化ヘモグロビンともいう)より酸素と結合していないヘモグロビン(還元ヘモグロビンともいう)で低くなる。赤外光の透過率は、酸素化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンで同程度となる。赤色の光に対する動脈の透過率と、赤外光に対する動脈の透過率を測定することにより、酸素化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの総和に対する酸素化ヘモグロビンの比率、つまり酸素飽和度(以下、経皮的酸素飽和度(SpO2:Peripheral Oxygen Saturation)ともいう)を算出することができる。このように、本発明の一態様である表示装置は、反射型のパルスオキシメータとしての機能を有することができる。
例えば、表示装置の表示部に指が接触した際に、指が接触している領域の位置情報を取得する。その後、指が接触している領域及びその近傍の画素から赤色の光を射出して赤色の光に対する動脈の透過率を測定する。続いて、赤外光を射出して赤外光に対する動脈の透過率を測定することにより、酸素飽和度を算出することができる。なお、赤色の光に対する透過率と、赤外光に対する透過率を測定する順は特に限定されない。赤外光に対する透過率を測定した後に、赤色の光に対する透過率を測定してもよい。また、ここでは指を用いて酸素飽和度を算出する例を示したが、本発明の一態様はこれに限られない。指以外の部位で酸素飽和度を算出することもできる。例えば、表示装置の表示部に掌を接触させた状態で赤色の光に対する動脈の透過率と、赤外光に対する動脈の透過率を測定することにより、酸素飽和度を算出することができる。
本発明の一態様の表示装置を適用した電子機器の一例を、図52Aに示す。図52Aに示す携帯情報端末400は、例えば、スマートフォンとして用いることができる。携帯情報端末400は、筐体402と、表示部404を有する。表示部404は、前述の表示装置を適用することができる。表示部404は、例えば、前述の表示装置200Bを好適に用いることができる。
図52Aは、携帯情報端末400の表示部404に指406が接触している様子を示している。図52Aは、タッチを検出した領域及びその近傍である領域408を一点鎖線で示している。
携帯情報端末400は、領域408の画素から赤色の光を射出し、表示部404に入射した赤色の光を検出する。同様に、領域408の画素から赤外光を射出し、表示部404に入射した赤外光を検出することにより、指406の酸素飽和度を測定することができる。図52Bは、領域408の画素を点灯する様子を示している。図52Bは、指406を透過させ、輪郭のみを破線で示し、領域408にハッチングを施している。図52Bに示すように、点灯している領域408は、指406によって隠れ、ユーザーから視認されにくい。そのため、ユーザーにストレスを感じさせることなく、酸素飽和度を測定することができる。また、携帯情報端末400は、表示部404内のどの位置でも酸素飽和度の測定することができる。
得られた酸素飽和度を、表示部404に示してもよい。図52Cは、領域407に酸素飽和度を示す画像409を表示する様子を示している。図52Cでは、画像409の例として、“SpO297%”の文字を示している。なお、画像409は画像であってもよく、画像及び文字を含んでもよい。また、領域407は表示部404の任意に位置に設ければよい。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。また、本明細書において、1つの実施の形態の中に、複数の構成例が示される場合は、構成例を適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置とその作製方法について、図53乃至図71を用いて説明する。
発光色がそれぞれ異なる発光デバイス、及び受光デバイスを有する表示装置を作製する場合、複数の発光層及び活性層をそれぞれ島状に形成する必要がある。
例えば、メタルマスク(シャドーマスクともいう)を用いた真空蒸着法により、島状の発光層及び活性層を成膜することができる。しかし、この方法では、メタルマスクの精度、メタルマスクと基板との位置ずれ、メタルマスクのたわみ、及び蒸気の散乱などによる成膜される膜の輪郭の広がりなど、様々な影響により、島状の発光層及び活性層の形状及び位置に設計からのずれが生じるため、表示装置の高精細化、及び高開口率化が困難である。
本発明の一態様の表示装置の作製方法では、島状の画素電極(下部電極ともいえる)を形成し、EL層となる第1の層を一面に形成した後、第1の層上に第1の犠牲層を形成する。そして、第1の犠牲層上に第1のレジストマスクを形成し、第1のレジストマスクを用いて、第1の層と第1の犠牲層を加工することで、島状のEL層を形成する。同様に、受光層となる第2の層を、第2の犠牲層及び第2のレジストマスクを用いて、島状の受光層を形成する。
このように、本発明の一態様の表示装置の作製方法では、島状のEL層は、メタルマスクのパターンによって形成されるのではなく、EL層となる層を一面に成膜した後に加工することで形成される。同様に、島状の受光層は、メタルマスクのパターンによって形成されるのではなく、受光層となる層を一面に成膜した後に加工することで形成される。したがって、これまで実現が困難であった高精細な表示装置または高開口率の表示装置を実現することができる。さらに、EL層を各色で作り分けることができるため、極めて鮮やかでコントラストが高く、表示品位の高い表示装置を実現できる。さらに、画素内に受光デバイスを設けることができ、高精細な撮像機能、及びタッチセンサまたはニアタッチセンサなどのセンシング機能を有する表示装置を実現できる。また、EL層上、及び受光層上に犠牲層を設けることで、表示装置の作製工程中にEL層及び受光層が受けるダメージを低減し、発光デバイス及び受光デバイスの信頼性を高めることができる。
隣り合う発光デバイス及び受光デバイスの間隔は、例えば、メタルマスクを用いた形成方法では10μm未満にすることは困難であるが、上記方法によれば、3μm以下、2μm以下、または、1μm以下にまで狭めることができる。また、例えば、LSI向けの露光装置を用いることで、500nm以下、200nm以下、100nm以下、さらには50nm以下にまで間隔を狭めることもできる。これにより、画素に占める発光領域の面積(以下、発光面積とも記す)、及び受光面積を大きくすることができ、開口率を100%に近づけることが可能となる。例えば、開口率は、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、さらには90%以上であって、100%未満を実現することもできる。
EL層及び受光層自体のパターンについても、メタルマスクを用いた場合に比べて極めて小さくすることができる。例えば、EL層及び受光層の作り分けにメタルマスクを用いた場合では、パターンの中央と端で厚さのばらつきが生じるため、パターン全体の面積に対して、発光領域または受光領域として使用できる有効な面積は小さくなる。一方、上記作製方法では、均一な厚さに成膜した膜を加工することでパターンを形成するため、パターン内で厚さを均一にでき、微細なパターンであっても、そのほぼ全域を発光領域または受光領域として用いることができる。そのため、高い精細度と高い開口率を兼ね備えた表示装置を作製することができる。
<表示装置の構成例1>
本発明の一態様の表示装置を、図53A及び図53Bに示す。
図53Aは、表示装置100の上面図である。表示装置100は、複数の画素110がマトリクス状に配置された表示部と、表示部の外側の接続部140と、を有する。
図53Aに示す画素110には、ストライプ配列が適用されている。図53Aに示す画素110は、副画素110a、副画素110b、副画素110c、及び副画素110dの、4つの副画素から構成される。副画素110a、副画素110b、及び副画素110cは、それぞれ異なる波長領域の光を発する発光デバイスを有する。当該発光デバイスとして、前述の発光デバイスを用いることができる。副画素110a、副画素110b、及び副画素110cとしては、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色の副画素、黄色(Y)、シアン(C)、及びマゼンタ(M)の3色の副画素などが挙げられる。副画素110dは、受光デバイスを有する。当該受光デバイスとして、前述の受光デバイスを用いることができる。
図53Aでは、各副画素がX方向に並べて配置されており、同じ種類の副画素が、Y方向に並べて配置されている例を示す。なお、異なる種類の副画素がY方向に並べて配置され、同じ種類の副画素が、X方向に並べて配置されていてもよい。
図53Aでは、上面視において、接続部140が表示部の下側に位置する例を示すが、特に限定されない。接続部140は、上面視において、表示部の上側、右側、左側、下側の少なくとも一箇所に設けられていればよく、表示部の四辺を囲むように設けられていてもよい。また、接続部140は、単数であっても複数であってもよい。
図53Aにおける一点鎖線X1−X2間の断面図を、図53Bに示す。
図53Bに示すように、表示装置100は、トランジスタを含む層101上に、発光デバイス130a、発光デバイス130b、発光デバイス130c、及び受光デバイス130dが設けられる。さらに、これらの発光デバイス及び受光デバイスを覆うように保護層131、及び保護層132が設けられている。保護層132上には、樹脂層122によって基板120が貼り合わされている。また、隣り合う発光デバイス及び受光デバイスの間の領域には、絶縁層125と、絶縁層125上の絶縁層127と、が設けられている。
本発明の一態様の表示装置は、発光デバイスが形成されている基板とは反対方向に光を射出する上面射出型(トップエミッション型)、発光デバイスが形成されている基板側に光を射出する下面射出型(ボトムエミッション型)、両面に光を射出する両面射出型(デュアルエミッション型)のいずれであってもよい。
トランジスタを含む層101には、例えば、基板に複数のトランジスタが設けられ、これらのトランジスタを覆うように絶縁層が設けられた積層構造を適用することができる。トランジスタを含む層101は、隣り合う発光デバイスの間に凹部を有していてもよい。例えば、トランジスタを含む層101の最表面に位置する絶縁層に凹部が設けられていてもよい。
発光デバイス130a、発光デバイス130b、及び発光デバイス130cはそれぞれ、異なる波長領域の光を発する。発光デバイス130a、発光デバイス130b、及び発光デバイス130cは、例えば、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色の光を発する組み合わせであることが好ましい。
発光デバイス130aは、トランジスタを含む層101上の画素電極111aと、画素電極111a上の島状のEL層113aと、島状のEL層113a上の層114と、層114上の共通電極115と、を有する。
発光デバイス130bは、トランジスタを含む層101上の画素電極111bと、画素電極111b上の島状のEL層113bと、島状のEL層113b上の層114と、層114上の共通電極115と、を有する。
発光デバイス130cは、トランジスタを含む層101上の画素電極111cと、画素電極111c上の島状のEL層113cと、島状のEL層113c上の層114と、層114上の共通電極115と、を有する。
受光デバイス130dは、トランジスタを含む層101上の画素電極111dと、画素電極111d上の島状の受光層113dと、島状の受光層113d上の層114と、層114上の共通電極115と、を有する。
各色の発光デバイス及び受光デバイスは、共通電極として同一の膜を共有している。共通電極は、接続部140に設けられた導電層と電気的に接続される。これにより、各色の発光デバイス及び受光デバイスが有する共通電極には、同電位が供給される。
発光デバイス及び受光デバイスの一対の電極(画素電極と共通電極)として、金属、合金、電気伝導性化合物、及びこれらの混合物などを適宜用いることができる。具体的には、インジウムスズ酸化物(In−Sn酸化物、ITOともいう)、In−Si−Sn酸化物(ITSOともいう)、インジウム亜鉛酸化物(In−Zn酸化物)、In−W−Zn酸化物、アルミニウム、ニッケル、及びランタンの合金(Al−Ni−La)等のアルミニウムを含む合金(アルミニウム合金)、及び、銀とパラジウムと銅の合金(Ag−Pd−Cu、APCとも記す)が挙げられる。その他、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、スズ(Sn)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、パラジウム(Pd)、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、イットリウム(Y)、ネオジム(Nd)などの金属、及びこれらを適宜組み合わせて含む合金を用いることもできる。その他、上記例示のない元素周期表の第1族または第2族に属する元素(例えば、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr))、ユウロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)などの希土類金属及びこれらを適宜組み合わせて含む合金、グラフェン等を用いることができる。
発光デバイスには、微小光共振器(マイクロキャビティ)構造が適用されていることが好ましい。したがって、発光デバイスが有する一対の電極の一方は、可視光に対する透過性及び反射性を有する電極(半透過・半反射電極)を有することが好ましく、他方は、可視光に対する反射性を有する電極(反射電極)を有することが好ましい。発光デバイスがマイクロキャビティ構造を有することで、発光層から得られる発光を両電極間で共振させ、発光デバイスから射出される光を強めることができる。
なお、半透過・半反射電極は、可視光に対する反射性を有する電極と、可視光に対する透過性を有する電極(透明電極ともいう)との積層構造とすることができる。
透明電極の光の透過率は、40%以上とする。例えば、発光素子には、可視光の透過率が40%以上である電極を用いることが好ましい。半透過・半反射電極の可視光の反射率は、10%以上95%以下、好ましくは30%以上80%以下とする。反射電極の可視光の反射率は、40%以上100%以下、好ましくは70%以上100%以下とする。また、これらの電極の抵抗率は、1×10−2Ωcm以下が好ましい。なお、発光素子が赤外光を発する場合、これらの電極の赤外光の透過率または反射率は、可視光の透過率または反射率と同様に、上記の数値範囲を満たすことが好ましい。
EL層113a、EL層113b、EL層113c、及び受光層113dはそれぞれ、島状に設けられる。EL層113a、EL層113b、及びEL層113cはそれぞれ、発光層を有する。EL層113a、EL層113b、及びEL層113cはそれぞれ、異なる波長領域の光を発する発光層を有することが好ましい。受光層113dは、活性層を有する。
発光層は、発光物質を含む層である。発光層は、1種または複数種の発光物質を有することができる。発光物質としては、青色、紫色、青紫色、緑色、黄緑色、黄色、橙色、赤色などの発光色を呈する物質を適宜用いる。また、発光物質として、赤外光を発する物質を用いることもできる。
発光物質としては、蛍光材料、燐光材料、TADF材料、量子ドット材料などが挙げられる。
蛍光材料としては、例えば、ピレン誘導体、アントラセン誘導体、トリフェニレン誘導体、フルオレン誘導体、カルバゾール誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、キノキサリン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、フェナントレン誘導体、ナフタレン誘導体などが挙げられる。
燐光材料としては、例えば、4H−トリアゾール骨格、1H−トリアゾール骨格、イミダゾール骨格、ピリミジン骨格、ピラジン骨格、またはピリジン骨格を有する有機金属錯体(特にイリジウム錯体)、電子吸引基を有するフェニルピリジン誘導体を配位子とする有機金属錯体(特にイリジウム錯体)、白金錯体、希土類金属錯体等が挙げられる。
発光層は、発光物質(ゲスト材料)に加えて、1種または複数種の有機化合物(ホスト材料、アシスト材料等)を有していてもよい。1種または複数種の有機化合物としては、正孔輸送性材料及び電子輸送性材料の一方または双方を用いることができる。また、1種または複数種の有機化合物として、バイポーラ性材料、またはTADF材料を用いてもよい。
発光層は、例えば、燐光材料と、励起錯体を形成しやすい組み合わせである正孔輸送性材料及び電子輸送性材料と、を有することが好ましい。このような構成とすることにより、励起錯体から発光物質(燐光材料)へのエネルギー移動であるExTET(Exciplex−Triplet Energy Transfer)を用いた発光を効率よく得ることができる。発光物質の最も低エネルギー側の吸収帯の波長と重なるような発光を呈する励起錯体を形成するような組み合わせを選択することで、エネルギー移動がスムーズとなり、効率よく発光を得ることができる。この構成により、発光デバイスの高効率、低電圧駆動、長寿命を同時に実現できる。
励起錯体を形成する材料の組み合わせとしては、正孔輸送性材料のHOMO準位(最高被占有軌道準位)が電子輸送性材料のHOMO準位以上の値であると好ましい。正孔輸送性材料のLUMO準位(最低空軌道準位)が電子輸送性材料のLUMO準位以上の値であると好ましい。材料のLUMO準位及びHOMO準位は、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって測定される材料の電気化学特性(還元電位及び酸化電位)から導出することができる。
励起錯体の形成は、例えば正孔輸送性材料の発光スペクトル、電子輸送性材料の発光スペクトル、及びこれら材料を混合した混合膜の発光スペクトルを比較し、混合膜の発光スペクトルが、各材料の発光スペクトルよりも長波長シフトする(または長波長側に新たなピークを持つ)現象を観測することにより確認することができる。または、正孔輸送性材料の過渡フォトルミネッセンス(PL)、電子輸送性材料の過渡PL、及びこれら材料を混合した混合膜の過渡PLを比較し、混合膜の過渡PL寿命が、各材料の過渡PL寿命よりも長寿命成分を有する、または遅延成分の割合が大きくなるなどの過渡応答の違いを観測することにより、確認することができる。また、上述の過渡PLは過渡エレクトロルミネッセンス(EL)と読み替えても構わない。すなわち、正孔輸送性材料の過渡EL、電子輸送性を有する材料の過渡EL、及びこれらの混合膜の過渡ELを比較し、過渡応答の違いを観測することによっても、励起錯体の形成を確認することができる。
EL層113a、EL層113b、及び、EL層113cは、発光層以外の層として、正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質(正孔輸送性材料とも記す)、正孔ブロック材料、電子輸送性の高い物質(電子輸送性材料とも記す)、電子注入性の高い物質、電子ブロック材料、またはバイポーラ性の物質(電子輸送性及び正孔輸送性が高い物質、バイポーラ性材料とも記す)等を含む層をさらに有していてもよい。
発光デバイスには低分子系化合物及び高分子系化合物のいずれを用いることもでき、無機化合物を含んでいてもよい。発光デバイスを構成する層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。
例えば、EL層113a、EL層113b、及び、EL層113cは、それぞれ、正孔注入層、正孔輸送層、正孔ブロック層、電子ブロック層、電子輸送層、及び電子注入層のうち一つ以上を有していてもよい。
EL層のうち、各色に共通して形成される層としては、正孔注入層、正孔輸送層、正孔ブロック層、電子ブロック層、電子輸送層、及び電子注入層のうち一つ以上を適用することができる。例えば、層114として、キャリア注入層(正孔注入層または電子注入層)を形成してもよい。なお、EL層の全ての層を色ごとに作り分けてもよい。つまり、EL層は、各色に共通して形成される層を有していなくてもよい。
EL層113a、EL層113b、及び、EL層113cは、それぞれ、発光層と、発光層上のキャリア輸送層を有することが好ましい。これにより、表示装置100の作製工程中に、発光層が最表面に露出することを抑制し、発光層が受けるダメージを低減することができる。これにより、発光デバイスの信頼性を高めることができる。
正孔注入層は、陽極から正孔輸送層に正孔を注入する層であり、正孔注入性の高い物質を含む層である。正孔注入性の高い物質としては、芳香族アミン化合物、及び、正孔輸送性材料とアクセプター性材料(電子受容性材料)とを含む複合材料などが挙げられる。
正孔輸送層は、正孔注入層によって、陽極から注入された正孔を発光層に輸送する層である。正孔輸送層は、正孔輸送性材料を含む層である。正孔輸送性材料としては、10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質が好ましい。なお、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものも用いることができる。正孔輸送性材料としては、π電子過剰型複素芳香族化合物(例えばカルバゾール誘導体、チオフェン誘導体、フラン誘導体など)、芳香族アミン(芳香族アミン骨格を有する化合物)等の正孔輸送性の高い物質が好ましい。
電子輸送層は、電子注入層によって、陰極から注入された電子を発光層に輸送する層である。電子輸送層は、電子輸送性材料を含む層である。電子輸送性材料としては、1×10−6cm2/Vs以上の電子移動度を有する物質が好ましい。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものも用いることができる。電子輸送性材料としては、キノリン骨格を有する金属錯体、ベンゾキノリン骨格を有する金属錯体、オキサゾール骨格を有する金属錯体、チアゾール骨格を有する金属錯体等の他、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、キノリン配位子を有するキノリン誘導体、ベンゾキノリン誘導体、キノキサリン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、その他含窒素複素芳香族化合物を含むπ電子不足型複素芳香族化合物等の電子輸送性の高い物質を用いることができる。
電子注入層は、陰極から電子輸送層に電子を注入する層であり、電子注入性の高い物質を含む層である。電子注入性の高い物質としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を用いることができる。電子注入性の高い物質としては、電子輸送性材料とドナー性材料(電子供与性材料)とを含む複合材料を用いることもできる。
電子注入層としては、例えば、リチウム、セシウム、イッテルビウム、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaFx、Xは任意数)、8−(キノリノラト)リチウム(略称:Liq)、2−(2−ピリジル)フェノラトリチウム(略称:LiPP)、2−(2−ピリジル)−3−ピリジノラトリチウム(略称:LiPPy)、4−フェニル−2−(2−ピリジル)フェノラトリチウム(略称:LiPPP)、リチウム酸化物(LiOx)、炭酸セシウム等のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはこれらの化合物を用いることができる。また、電子注入層としては、2以上の積層構造としてもよい。当該積層構造としては、例えば、1層目にフッ化リチウムを用い、2層目にイッテルビウムを設ける構成とすることができる。
または、電子注入層としては、電子輸送性材料を用いてもよい。例えば、非共有電子対を備え、電子不足型複素芳香環を有する化合物を、電子輸送性材料に用いることができる。具体的には、ピリジン環、ジアジン環(ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環)、トリアジン環の少なくとも一つを有する化合物を用いることができる。
なお、非共有電子対を備える有機化合物の最低空軌道(LUMO:Lowest Unoccupied Molecular Orbital)が、−3.6eV以上−2.3eV以下であると好ましい。また、一般にCV(サイクリックボルタンメトリ)、光電子分光法、光吸収分光法、逆光電子分光法等により、有機化合物の最高被占有軌道(HOMO:Highest Occupied Molecular Orbital)準位及びLUMO準位を見積もることができる。
例えば、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(略称:BPhen)、2,9−ビス(ナフタレン−2−イル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(略称:NBPhen)、ジキノキサリノ<2,3−a:2’,3’−c>フェナジン(略称:HATNA)、2,4,6−トリス<3’−(ピリジン−3−イル)ビフェニル−3−イル>−1,3,5−トリアジン(略称:TmPPPyTz)等を、非共有電子対を備える有機化合物に用いることができる。なお、NBPhenはBPhenと比較して、高いガラス転移温度(Tg)を備え、耐熱性に優れる。
タンデム構造の発光デバイスを作製する場合、2つの発光ユニットとの間に、中間層を設ける。中間層は、一対の電極間に電圧を印加したときに、2つの発光ユニットの一方に電子を注入し、他方に正孔を注入する機能を有する。
中間層としては、例えば、リチウムなどの電子注入層に適用可能な材料を好適に用いることができる。また、中間層としては、例えば、正孔注入層に適用可能な材料を好適に用いることができる。また、中間層には、正孔輸送性材料とアクセプター性材料(電子受容性材料)とを含む層を用いることができる。また、中間層には、電子輸送性材料とドナー性材料とを含む層を用いることができる。このような層を有する中間層を形成することにより、発光ユニットが積層された場合における駆動電圧の上昇を抑制することができる。
活性層は、半導体を含む。当該半導体としては、シリコンなどの無機半導体、及び、有機化合物を含む有機半導体が挙げられる。本実施の形態では、活性層が有する半導体として、有機半導体を用いる例を示す。有機半導体を用いることで、発光層と、活性層と、を同じ方法(例えば、真空蒸着法)で形成することができ、製造装置を共通化できるため好ましい。
活性層が有するn型半導体の材料としては、フラーレン(例えばC60、C70等)、フラーレン誘導体等の電子受容性の有機半導体材料が挙げられる。フラーレンは、サッカーボールのような形状を有し、当該形状はエネルギー的に安定である。フラーレンは、HOMO準位及びLUMO準位の双方が深い(低い)。フラーレンは、LUMO準位が深いため、電子受容性(アクセプター性)が極めて高い。通常、ベンゼンのように、平面にπ電子共役(共鳴)が広がると、電子供与性(ドナー性)が高くなるが、フラーレンは球体形状であるため、π電子共役が大きく広がっているにも関わらず、電子受容性が高くなる。電子受容性が高いと、電荷分離を高速に効率よく起こすため、受光素子として有益である。C60、C70ともに可視光領域に広い吸収帯を有しており、特にC70はC60に比べてπ電子共役系が大きく、長波長領域にも広い吸収帯を有するため好ましい。そのほか、フラーレン誘導体としては、[6,6]−Phenyl−C71−butyric acid methyl ester(略称:PC70BM)、[6,6]−Phenyl−C61−butyric acid methyl ester(略称:PC60BM)、1’,1’’,4’,4’’−Tetrahydro−di[1,4]methanonaphthaleno[1,2:2’,3’,56,60:2’’,3’’][5,6]fullerene−C60(略称:ICBA)などが挙げられる。
n型半導体の材料として、キノリン骨格を有する金属錯体、ベンゾキノリン骨格を有する金属錯体、オキサゾール骨格を有する金属錯体、チアゾール骨格を有する金属錯体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、キノリン誘導体、ベンゾキノリン誘導体、キノキサリン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、クマリン誘導体、ローダミン誘導体、トリアジン誘導体、キノン誘導体等が挙げられる。
活性層が有するp型半導体の材料としては、銅(II)フタロシアニン(Copper(II)phthalocyanine;CuPc)、テトラフェニルジベンゾペリフランテン(Tetraphenyldibenzoperiflanthene;DBP)、亜鉛フタロシアニン(Zinc Phthalocyanine;ZnPc)、スズフタロシアニン(SnPc)、キナクリドン等の電子供与性の有機半導体材料が挙げられる。
p型半導体の材料として、カルバゾール誘導体、チオフェン誘導体、フラン誘導体、芳香族アミン骨格を有する化合物等が挙げられる。さらに、p型半導体の材料としては、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、トリフェニレン誘導体、フルオレン誘導体、ピロール誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンゾチオフェン誘導体、インドール誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、インドロカルバゾール誘導体、ポルフィリン誘導体、フタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、キナクリドン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリチオフェン誘導体等が挙げられる。
電子供与性の有機半導体材料のHOMO準位は、電子受容性の有機半導体材料のHOMO準位よりも浅い(高い)ことが好ましい。電子供与性の有機半導体材料のLUMO準位は、電子受容性の有機半導体材料のLUMO準位よりも浅い(高い)ことが好ましい。
電子受容性の有機半導体材料として、球状のフラーレンを用い、電子供与性の有機半導体材料として、平面に近い形状の有機半導体材料を用いることが好ましい。似た形状の分子同士は集まりやすい傾向にあり、同種の分子が凝集すると、分子軌道のエネルギー準位が近いため、キャリア輸送性を高めることができる。
例えば、活性層は、n型半導体とp型半導体と共蒸着して形成することが好ましい。または、活性層は、n型半導体とp型半導体とを積層して形成してもよい。
発光素子及び受光素子には低分子化合物及び高分子化合物のいずれを用いることもでき、無機化合物を含んでいてもよい。発光素子及び受光素子を構成する層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。
例えば、正孔輸送性材料として、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)などの高分子化合物、及び、モリブデン酸化物、ヨウ化銅(CuI)などの無機化合物を用いることができる。また、電子輸送性材料として、酸化亜鉛(ZnO)などの無機化合物を用いることができる。
活性層に、ドナーとして機能するPoly[[4,8−bis[5−(2−ethylhexyl)−2−thienyl]benzo[1,2−b:4,5−b’]dithiophene−2,6−diyl]−2,5−thiophenediyl[5,7−bis(2−ethylhexyl)−4,8−dioxo−4H,8H−benzo[1,2−c:4,5−c’]dithiophene−1,3−diyl]]polymer(略称:PBDB−T)、または、PBDB−T誘導体などの高分子化合物を用いることができる。例えば、PBDB−TまたはPBDB−T誘導体にアクセプター材料を分散させる方法などが使用できる。
活性層に、3種類以上の材料を混合させてもよい。例えば、波長領域を拡大する目的で、n型半導体の材料と、p型半導体の材料と、に加えて、第3の材料を混合してもよい。このとき、第3の材料は、低分子化合物でも高分子化合物でもよい。
画素電極111a、画素電極111b、画素電極111c、画素電極111d、EL層113a、EL層113b、EL層113c、及び受光層113dのそれぞれの側面は、絶縁層125及び絶縁層127によって覆われている。これにより、層114(または共通電極115)が、画素電極111a、画素電極111b、画素電極111c、画素電極111d、EL層113a、EL層113b、EL層113c、及び受光層113dのいずれかの側面と接することを抑制し、発光デバイス及び受光デバイスのショートを抑制することができる。
絶縁層125は、少なくとも画素電極111a、画素電極111b、画素電極111c、及び画素電極111dの側面を覆うことが好ましい。さらに、絶縁層125は、EL層113a、EL層113b、EL層113c、及び受光層113dの側面を覆うことが好ましい。絶縁層125は、画素電極111a、画素電極111b、画素電極111c、画素電極111d、EL層113a、EL層113b、EL層113c、及び受光層113dのそれぞれの側面と接する構成とすることができる。
絶縁層127は、絶縁層125に形成された凹部を充填するように、絶縁層125上に設けられる。絶縁層127は、絶縁層125を介して、画素電極111a、画素電極111b、画素電極111c、画素電極111d、EL層113a、EL層113b、EL層113c、及び受光層113dのそれぞれの側面と重なる構成とすることができる。
なお、絶縁層125及び絶縁層127のいずれか一方を設けなくてもよい。例えば、絶縁層125を設けない場合、絶縁層127は、EL層113a、EL層113b、EL層113c、及び受光層113dのそれぞれの側面と接する構成とすることができる。絶縁層127は、発光デバイスが有するEL層、及び受光デバイスが有する受光層の間を充填するように、層101上に設けることができる。
層114及び共通電極115は、EL層113a、EL層113b、EL層113c、受光層113d、絶縁層125、及び絶縁層127上に設けられる。絶縁層125及び絶縁層127を設ける前の段階では、画素電極が設けられる領域と、画素電極が設けられない領域(発光デバイス及び受光デバイス間の領域)で段差が生じている。本発明の一態様の表示装置は、絶縁層125及び絶縁層127を有することで当該段差を平坦にすることができ、層114及び共通電極115の被覆性を向上させることができる。したがって、共通電極115の段切れによる接続不良を抑制することができる。または、段差によって共通電極115が局所的に薄くなり、電気抵抗が上昇することを抑制することができる。
層114及び共通電極115の形成面の平坦性を向上させるために、絶縁層125の上面及び絶縁層127の上面の高さは、それぞれ、EL層113a、EL層113b、EL層113c及び受光層113dの少なくとも一つの上面の高さと一致または概略一致することが好ましい。また、絶縁層127の上面は平坦な形状を有することが好ましく、凸部または凹部を有していてもよい。
絶縁層125は、EL層113a、EL層113b、EL層113c及び受光層113dの側面と接する領域を有し、EL層113a、EL層113b、EL層113c及び受光層113dの保護絶縁層として機能する。絶縁層125を設けることで、EL層113a、EL層113b、EL層113c及び受光層113dの側面から内部へ不純物(酸素、水分等)が侵入することを抑制でき、信頼性の高い表示装置とすることができる。
断面視においてEL層113a、EL層113b、EL層113c及び受光層113dの側面と接する領域における絶縁層125の幅(厚さ)が大きいと、EL層113a、EL層113b、EL層113c及び受光層113dの間隔が大きくなり、開口率が低くなってしまう場合がある。また、絶縁層125の幅(厚さ)が小さいと、EL層113a、EL層113b、EL層113c及び受光層113dの側面から内部へ不純物が侵入することを抑制する効果が小さくなってしまう場合がある。
EL層113a、EL層113b、EL層113c及び受光層113dの側面と接する領域における絶縁層125の幅(厚さ)は、3nm以上200nm以下が好ましく、さらには3nm以上150nm以下が好ましく、さらには5nm以上150nm以下が好ましく、さらには5nm以上100nm以下が好ましく、さらには10nm以上100nm以下が好ましく、さらには10nm以上50nm以下が好ましい。絶縁層125の幅(厚さ)を前述の範囲とすることで、高い開口率を有し、かつ信頼性の高い表示装置とすることができる。
絶縁層125は、無機材料を有することができる。絶縁層125は、例えば、酸化絶縁膜、窒化絶縁膜、酸化窒化絶縁膜、及び窒化酸化絶縁膜などの無機絶縁膜を用いることができる。絶縁層125は単層構造であってもよく積層構造であってもよい。
絶縁層125の形成は、スパッタリング法、化学気相堆積(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、パルスレーザー堆積(PLD:Pulsed Laser Deposition)法、原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法などを用いることができる。絶縁層125は、被覆性が良好なALD法を用いて形成することが好ましい。ALD法は、被形成面への成膜ダメージが小さいため、好適に用いることができる。
酸化絶縁膜として、酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化マグネシウム膜、インジウムガリウム亜鉛酸化物膜、酸化ガリウム膜、酸化ゲルマニウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化ランタン膜、酸化ネオジム膜、酸化ハフニウム膜、及び酸化タンタル膜などが挙げられる。窒化絶縁膜としては、窒化シリコン膜及び窒化アルミニウム膜などが挙げられる。酸化窒化絶縁膜としては、酸化窒化シリコン膜、酸化窒化アルミニウム膜などが挙げられる。窒化酸化絶縁膜としては、窒化酸化シリコン膜、窒化酸化アルミニウム膜などが挙げられる。特に、酸化アルミニウムは、エッチングにおいて、EL層との選択比が高く、後述する絶縁層127の形成において、EL層を保護する機能を有するため、好ましい。特にALD法により形成した酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜、酸化シリコン膜などの無機絶縁膜を絶縁層125に適用することで、ピンホールが少なく、EL層を保護する機能に優れた絶縁層125を形成することができる。
なお、本明細書などにおいて、酸化窒化物とは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化物とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を指す。例えば、酸化窒化シリコンと記載した場合は、その組成として窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化シリコンと記載した場合は、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を示す。
絶縁層125上に設けられる絶縁層127は、隣接する発光デバイス間に形成された絶縁層125の凹部を平坦化する機能を有する。換言すると、絶縁層127を有することで共通電極115の形成面の平坦性を向上させる効果を奏する。絶縁層127としては、有機材料を有する絶縁層を好適に用いることができる。例えば、絶縁層127として、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、シリコーン樹脂、シロキサン樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、フェノール樹脂、及びこれら樹脂の前駆体等を適用することができる。また、絶縁層127として、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリグリセリン、プルラン、水溶性のセルロース、またはアルコール可溶性のポリアミド樹脂などの有機材料を用いてもよい。また、絶縁層127として、感光性の樹脂を用いることができる。感光性の樹脂としてはフォトレジストを用いてもよい。感光性の樹脂は、ポジ型の材料、またはネガ型の材料を用いることができる。
絶縁層127の上面の高さと、EL層113a、EL層113b、EL層113c及び受光層113dのいずれかの上面の高さとの差が、例えば、絶縁層127の厚さの0.5倍以下が好ましく、0.3倍以下がより好ましい。また、例えば、EL層113a、EL層113b、EL層113c及び受光層113dのいずれかの上面が絶縁層127の上面よりも高くなるように、絶縁層127を設けてもよい。また、例えば、絶縁層127の上面が、EL層113a、EL層113b、及びEL層113cが有する発光層の上面よりも高く、かつ受光層113dが有する活性層の上面よりも高くなるように、絶縁層127を設けてもよい。
発光デバイス130a、発光デバイス130b、発光デバイス130c、及び受光デバイス130d上に保護層131、及び保護層132を有することが好ましい。保護層131、及び保護層132を設けることで、発光デバイス及び受光デバイスの信頼性を高めることができる。
保護層131、及び保護層132の導電性は問わない。保護層131、及び保護層132として、絶縁膜、半導体膜、及び、導電膜の少なくとも一種を用いることができる。
保護層131、及び保護層132が無機膜を有することで、共通電極115の酸化を防止する、発光デバイス130a、発光デバイス130b、発光デバイス130c、及び受光デバイス130dに不純物(水分、酸素など)が入り込むことを抑制する、など、発光デバイス及び受光デバイスの劣化を抑制し、表示装置の信頼性を高めることができる。
保護層131、及び保護層132には、例えば、酸化絶縁膜、窒化絶縁膜、酸化窒化絶縁膜、及び窒化酸化絶縁膜などの無機絶縁膜を用いることができる。酸化絶縁膜としては、酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化ガリウム膜、酸化ゲルマニウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化ランタン膜、酸化ネオジム膜、酸化ハフニウム膜、及び酸化タンタル膜などが挙げられる。窒化絶縁膜としては、窒化シリコン膜及び窒化アルミニウム膜などが挙げられる。酸化窒化絶縁膜としては、酸化窒化シリコン膜、酸化窒化アルミニウム膜などが挙げられる。窒化酸化絶縁膜としては、窒化酸化シリコン膜、窒化酸化アルミニウム膜などが挙げられる。
保護層131、及び132はそれぞれ、窒化絶縁膜または窒化酸化絶縁膜を有することが好ましく、窒化絶縁膜を有することがより好ましい。
保護層131、及び保護層132には、In−Sn酸化物(ITOともいう)、In−Zn酸化物、Ga−Zn酸化物、Al−Zn酸化物、またはインジウムガリウム亜鉛酸化物(In−Ga−Zn酸化物、IGZOともいう)などを含む無機膜を用いることもできる。当該無機膜は、高抵抗であることが好ましく、具体的には、共通電極115よりも高抵抗であることが好ましい。当該無機膜は、さらに窒素を含んでいてもよい。
発光デバイスからの光の射出、及び受光デバイスへの光の入射を、保護層131、及び保護層132を介して取り出す場合、保護層131、保護層132は、可視光に対する透過性が高いことが好ましい。例えば、ITO、IGZO、及び、酸化アルミニウムは、それぞれ、可視光に対する透過性が高い無機材料であるため、好ましい。
保護層131、及び保護層132としては、例えば、酸化アルミニウム膜と、酸化アルミニウム膜上の窒化シリコン膜と、の積層構造、または、酸化アルミニウム膜と、酸化アルミニウム膜上のIGZO膜と、の積層構造などを用いることができる。当該積層構造を用いることで、EL層側に入り込む不純物(水、酸素など)を抑制することができる。
さらに、保護層131、及び保護層132は、有機膜を有していてもよい。例えば、保護層132は、有機膜と無機膜の双方を有していてもよい。
保護層131と保護層132とで異なる成膜方法を用いてもよい。具体的には、ALD法を用いて保護層131を形成し、スパッタリング法を用いて保護層132を形成してもよい。
画素電極111a、画素電極111b、画素電極111c、及び画素電極111dのそれぞれの上面端部は、絶縁層によって覆われていない。そのため、隣り合う発光デバイス及び受光デバイスの間隔を極めて狭くすることができる。したがって、高精細、または、高解像度の表示装置とすることができる。
本明細書等において、メタルマスク、またはFMM(ファインメタルマスク、高精細なメタルマスク)を用いて作製されるデバイスをMM(メタルマスク)構造のデバイスと呼称する場合がある。また、本明細書等において、メタルマスク、またはFMMを用いることなく作製されるデバイスをMML(メタルマスクレス)構造のデバイスと呼称する場合がある。
なお、本明細書等において、各色の発光デバイス(ここでは青(B)、緑(G)、及び赤(R))で、発光層を作り分ける、または発光層を塗り分ける構造をSBS(Side By Side)構造と呼ぶ場合がある。SBS構造は、発光デバイスごとに材料及び構成を最適化することができるため、材料及び構成の選択の自由度が高まり、輝度の向上、信頼性の向上を図ることが容易となる。
本明細書等において、白色光を発することのできる発光デバイスを白色発光デバイスと呼ぶ場合がある。なお、白色発光デバイスは、着色層(たとえば、カラーフィルタ)と組み合わせることで、フルカラー表示の表示装置を実現することができる。
ここで、発光デバイスは、シングル構造と、タンデム構造とに大別することができる。シングル構造のデバイスは、一対の電極間に1つの発光ユニットを有し、当該発光ユニットは、1以上の発光層を含む構成とすることが好ましい。白色発光を得るには、2以上の発光層の各々の発光が補色の関係となるような発光層を選択すればよい。例えば、第1の発光層の発光色と第2の発光層の発光色を補色の関係になるようにすることで、発光デバイス全体として白色発光する構成を得ることができる。また、発光層を3つ以上有する発光デバイスの場合は、各発光層の発光色の混合により白色発光する構成とすることができる。
タンデム構造のデバイスは、一対の電極間に2以上の複数の発光ユニットを有し、各発光ユニットは、1以上の発光層を含む構成とすることが好ましい。白色発光を得るには、複数の発光ユニットの発光層からの光を合わせて白色発光が得られる構成とすればよい。なお、白色発光が得られる構成については、シングル構造の構成と同様である。なお、タンデム構造のデバイスにおいて、複数の発光ユニットの間には、電荷発生層などの中間層を設けると好適である。
上述の白色発光デバイス(シングル構造またはタンデム構造)と、SBS構造の発光デバイスと、を比較した場合、SBS構造の発光デバイスは、白色発光デバイスよりも消費電力を低くすることができる。消費電力を低く抑えたい場合は、SBS構造の発光デバイスを用いると好適である。一方で、白色発光デバイスは、製造プロセスがSBS構造の発光デバイスよりも簡単であるため、製造コストを低くすることができる、又は製造歩留まりを高くすることができるため、好適である。
本実施の形態の表示装置は、発光デバイス間の距離を狭くすることができる。具体的には、発光デバイス間の距離、EL層間の距離、または画素電極間の距離を、10μm未満、5μm以下、3μm以下、2μm以下、1μm以下、500nm以下、200nm以下、100nm以下、90nm以下、70nm以下、50nm以下、30nm以下、20nm以下、15nm以下、または10nm以下とすることができる。別言すると、EL層113aの側面とEL層113bの側面との間隔、またはEL層113bの側面とEL層113cの側面との間隔が1μm以下の領域を有し、好ましくは0.5μm(500nm)以下の領域を有し、さらに好ましくは100nm以下の領域を有する。
同様に、本実施の形態の表示装置は、受光デバイス間の距離を狭くすることができる。具体的には、受光デバイス間の距離、受光層間の距離、または画素電極間の距離を、10μm未満、5μm以下、3μm以下、2μm以下、1μm以下、500nm以下、200nm以下、100nm以下、90nm以下、70nm以下、50nm以下、30nm以下、20nm以下、15nm以下、または10nm以下とすることができる。別言すると、受光層の側面と隣接する受光層の側面との間隔が1μm以下の領域を有し、好ましくは0.5μm(500nm)以下の領域を有し、さらに好ましくは100nm以下の領域を有する。
本実施の形態の表示装置は、発光デバイスと受光デバイスの間の距離を狭くすることができる。具体的には、発光デバイスと受光デバイスの間の距離、EL層と受光層の間の距離、または画素電極間の距離を、20μm未満、10μm以下、5μm以下、3μm以下、2μm以下、1μm以下、500nm以下、200nm以下、100nm以下、90nm以下、70nm以下、50nm以下、30nm以下、20nm以下、15nm以下、または10nm以下とすることができる。別言すると、EL層113aの側面と受光層113dの側面との間隔、EL層113bの側面と受光層113dの側面との間隔、またはEL層113cの側面と受光層113dの側面との間隔が1μm以下の領域を有し、好ましくは0.5μm(500nm)以下の領域を有し、さらに好ましくは100nm以下の領域を有する。
基板120の樹脂層122側の面には、遮光層を設けてもよい。また、基板120の外側には各種光学部材を配置することができる。光学部材としては、偏光板、位相差板、光拡散層(拡散フィルムなど)、反射防止層、及び集光フィルム等が挙げられる。また、基板120の外側には、ゴミの付着を抑制する帯電防止膜、汚れを付着しにくくする撥水性の膜、使用に伴う傷の発生を抑制するハードコート膜、衝撃吸収層等を配置してもよい。
基板120には、ガラス、石英、セラミック、サファイア、樹脂、金属、合金、半導体などを用いることができる。発光デバイスからの光を取り出す側の基板には、該光を透過する材料を用いる。基板120に可撓性を有する材料を用いると、表示装置の可撓性を高めることができる。また、基板120として偏光板を用いてもよい。
基板120としては、それぞれ、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン、アラミド等)、ポリシロキサン樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、ABS樹脂、セルロースナノファイバー等を用いることができる。基板120に、可撓性を有する程度の厚さのガラスを用いてもよい。
なお、表示装置に円偏光板を重ねる場合、表示装置が有する基板には、光学等方性の高い基板を用いることが好ましい。光学等方性が高い基板は、複屈折が小さい(複屈折量が小さい、ともいえる)。
光学等方性が高い基板のリタデーション(位相差)値の絶対値は、30nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましく、10nm以下がさらに好ましい。
光学等方性が高いフィルムとしては、トリアセチルセルロース(TAC、セルローストリアセテートともいう)フィルム、シクロオレフィンポリマー(COP)フィルム、シクロオレフィンコポリマー(COC)フィルム、及びアクリルフィルム等が挙げられる。
基板としてフィルムを用いる場合、フィルムが吸水することで、表示パネルにしわが発生するなどの形状変化が生じる恐れがある。そのため、基板には、吸水率の低いフィルムを用いることが好ましい。例えば、吸水率が1%以下のフィルムを用いることが好ましく、0.1%以下のフィルムを用いることがより好ましく、0.01%以下のフィルムを用いることがさらに好ましい。
樹脂層122は、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型接着剤を用いることができる。これら接着剤として、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、イミド樹脂、PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等が挙げられる。特に、エポキシ樹脂等の透湿性が低い材料が好ましい。また、二液混合型の樹脂を用いてもよい。また、接着シート等を用いてもよい。
トランジスタのゲート、ソース及びドレインのほか、表示装置を構成する各種配線及び電極などの導電層に用いることのできる材料としては、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、及びタングステンなどの金属、並びに、当該金属を主成分とする合金などが挙げられる。これらの材料を含む膜を単層で、または積層構造として用いることができる。
透光性を有する導電材料として、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを含む酸化亜鉛などの導電性酸化物またはグラフェンを用いることができる。または、金、銀、白金、マグネシウム、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、及びチタンなどの金属材料、または、該金属材料を含む合金材料を用いることができる。または、該金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)などを用いてもよい。なお、金属材料、または、合金材料(またはそれらの窒化物)を用いる場合には、透光性を有する程度に薄くすることが好ましい。また、上記材料の積層膜を導電層として用いることができる。例えば、銀とマグネシウムの合金とインジウムスズ酸化物の積層膜などを用いると、導電性を高めることができるため好ましい。これらは、表示装置を構成する各種配線及び電極などの導電層、及び、発光デバイスが有する導電層(画素電極または共通電極として機能する導電層)にも用いることができる。
各絶縁層に用いることのできる絶縁材料として、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの無機絶縁材料が挙げられる。
なお、本発明の一態様の表示装置は、OSトランジスタを有し、且つMML(メタルマスクレス)構造の発光素子を有する構成とすることができる。当該構成とすることで、トランジスタに流れうるリーク電流、及び隣接する発光素子間に流れうるリーク電流(横リーク電流、サイドリーク電流などともいう)を、極めて低くすることができる。また、上記構成とすることで、表示装置に画像を表示した場合に、観察者が画像のきれ、画像のするどさ、及び高いコントラスト比のいずれか一または複数を観測できる。なお、トランジスタに流れうるリーク電流、及び発光素子間の横リーク電流が極めて低い構成とすることで、黒表示時に生じうる光漏れなどが限りなく少ない表示(真黒表示ともいう)とすることができる。
<画素のレイアウト>
画素のレイアウトについて、説明する。副画素の配列に特に限定はなく、様々な方法を適用することができる。副画素の配列としては、例えば、ストライプ配列、Sストライプ配列、マトリクス配列、デルタ配列、ベイヤー配列、ペンタイル配列などが挙げられる。
副画素の上面形状は、例えば、三角形、四角形(長方形、正方形を含む)、五角形などの多角形、これら多角形の角が丸い形状、楕円形、または円形などが挙げられる。ここで、副画素の上面形状は、発光デバイスの発光領域、または受光デバイスの受光領域の上面形状に相当する。
図54A乃至図54Cに示す画素110は、ストライプ配列が適用されている。
本発明の一態様の表示装置の表示部は、複数の画素を有し、画素は行方向及び列方向にマトリクス状に配置される。図54A乃至図54Cに示す画素のレイアウトを適用した表示部は、行方向に副画素110a、副画素110b、副画素110c、及び副画素110dがこの順に繰り返し配置される第1の配列を有する。さらに、列方向に、第1の配列が繰り返し配置される。
当該表示部は、列方向に副画素110aが繰り返し配置される第2の配列と、列方向に副画素110bが繰り返し配置される第3の配列と、列方向に副画素110cが繰り返し配置される第4の配列と、列方向に副画素110dが繰り返し配置される第5の配列と、を有する。さらに、行方向に、第2の配列、第3の配列、第4の配列、及び第5の配列がこの順に繰り返し配置される。
本実施の形態等では、画素のレイアウトを分かりやすく説明するため、図面の横方向を行方向、縦方向を列方向としているが、これに限定されず、行方向と列方向は入れ替えることができる。したがって、本明細書等において、行方向及び列方向の一方を、第1の方向を記し、行方向及び列方向の他方を、第2の方向と記す場合がある。第2の方向は、第1の方向と直交する。なお、表示部の上面形状が矩形の場合、第1の方向及び第2の方向はそれぞれ、表示部の輪郭の直線部分と平行でなくてもよい。また、表示部の上面形状は矩形に限定されず、多角形、または曲線を有する形状(円、楕円など)であってもよく、第1の方向及び第2の方向は表示部に対して任意の方向とすることができる。
本実施の形態等では、画素のレイアウトを分かりやすく説明するため、図面の左から副画素の順序を示すが、これに限定されず、右からの順序に入れ替えることができる。同様に、図面の上から副画素の順序を示すが、これに限定されず、下からの順序に入れ替えることができる。
本明細書等において、繰り返し配置されるとは、副画素の順序の最小単位が2回以上配置されることを指す。
図54Aは、各副画素が、長方形の上面形状を有する例であり、図54Bは、各副画素が、2つの半円と長方形をつなげた上面形状を有する例であり、図54Cは、各副画素が、楕円形の上面形状を有する例である。
フォトリソグラフィ法では、加工するパターンが微細になるほど、光の回折の影響を無視できなくなるため、露光によりフォトマスクのパターンを転写する際に忠実性が損なわれ、レジストマスクを所望の形状に加工することが困難になる。そのため、フォトマスクのパターンが矩形であっても、角が丸まったパターンが形成されやすい。したがって、副画素の上面形状が、多角形の角が丸い形状、楕円形、または円形などになることがある。
さらに、本発明の一態様の表示装置の作製方法では、レジストマスクを用いてEL層または受光層を島状に加工する。EL層上または受光層上に形成したレジスト膜は、EL層または受光層の耐熱温度よりも低い温度で硬化する必要がある。そのため、EL層の材料の耐熱温度、受光層の材料の耐熱温度、及びレジスト材料の硬化温度によっては、レジスト膜の硬化が不十分になる場合がある。硬化が不十分なレジスト膜は、加工時に所望の形状から離れた形状をとることがある。その結果、EL層及び受光層の上面形状が、多角形の角が丸い形状、楕円形、または円形などになることがある。例えば、上面形状が正方形のレジストマスクを形成しようとした場合に、円形の上面形状のレジストマスクが形成され、EL層及び受光層の上面形状が円形になることがある。
なお、EL層及び受光層の上面形状を所望の形状とするために、設計パターンと、転写パターンが一致するように、あらかじめマスクパターンを補正する技術(OPC(Optical Proximity Correction:光近接効果補正)技術)を用いてもよい。具体的には、OPC技術では、マスクパターン上の図形コーナー部などに補正用のパターンを追加する。
図54D乃至図54Fに示す画素110は、マトリクス配列が適用されている。
図54D乃至図54Fに示す画素のレイアウトを適用した表示装置の表示部は、行方向に副画素110a及び副画素110bが交互に繰り返し配置される第1の配列と、行方向に副画素110c及び副画素110dが交互に繰り返し配置される第2の配列と、を有する。さらに、列方向に、第1の配列及び第2の配列がこの順に繰り返し配置される。
当該表示部は、列方向に副画素110a及び副画素110cが交互に繰り返し配置される第3の配列と、列方向に副画素110b及び副画素110dが交互に繰り返し配置される第4の配列と、を有する。さらに、行方向に、第3の配列及び第4の配列が交互に繰り返し配置される。
図54Dは、各副画素が、正方形の上面形状を有する例であり、図54Eは、各副画素が、角が丸い略正方形の上面形状を有する例であり、図54Fは、各副画素が、円形の上面形状を有する例である。
図54Gでは、1つの画素110が、2行3列で構成されている例を示す。画素110は、上の行(1行目)に、3つの副画素(副画素110a、110b、110c)を有し、下の行(2行目)に、1つの副画素(副画素110d)を有する。言い換えると、画素110は、左の列(1列目)に、副画素110aを有し、中央の列(2列目)に副画素110bを有し、右の列(3列目)に副画素110cを有し、さらに、この3列にわたって、副画素110dを有する。
図54Gに示すように、副画素で大きさを異ならせてもよい。図54Gは、副画素110dが、副画素110a乃至副画素110cより大きい構成を示している。図54Hは、副画素110b及び副画素110cが副画素110aより大きく、副画素110aが副画素110dより大きい構成を示している。図54Hに示す画素110は、左の列(1列目)に、2つの副画素(副画素110a、110d)を有し、中央の列(2列目)に副画素110bを有し、右の列(3列目)に副画素110cを有する。
図54Gに示す画素のレイアウトを適用した表示装置の表示部は、行方向に副画素110a、副画素110b及び副画素110cがこの順に繰り返し配置される第1の配列と、行方向に副画素110dが繰り返し配置される第2の配列と、を有する。さらに、列方向に、第1の配列及び第2の配列が交互に繰り返し配置される。
当該表示部は、列方向に副画素110a及び副画素110dが交互に繰り返し配置される第3の配列と、列方向に副画素110b及び副画素110dが交互に繰り返し配置される第4の配列と、列方向に副画素110c及び副画素110dが交互に繰り返し配置される第5の配列と、を有する。さらに、行方向に、第3の配列、第4の配列、及び第5の配列がこの順に繰り返し配置される。
図54Hに示す画素のレイアウトを適用した表示装置の表示部は、行方向に副画素110a、副画素110b及び副画素110cがこの順に繰り返し配置される第1の配列と、行方向に副画素110d、副画素110b及び副画素110cがこの順に繰り返し配置される第2の配列と、を有する。さらに、列方向に、第1の配列及び第2の配列が交互に繰り返し配置される。
当該表示部は、列方向に副画素110a及び副画素110dが交互に繰り返し配置される第3の配列と、列方向に副画素110bが繰り返し配置される第4の配列と、列方向に副画素110cが繰り返し配置される第5の配列と、を有する。さらに、行方向に、第3の配列、第4の配列、及び第5の配列がこの順に繰り返し配置される。
図54Iは、1つの画素110が、2行3列で構成されている例を示す。画素110は、副画素110a、副画素110b、副画素110c、及び3つの副画素110dを有する。画素110は、上の行(1行目)に、3つの副画素(副画素110a、110b、110c)を有し、下の行(2行目)に、3つの副画素(3つの副画素110d)を有する。言い換えると、画素110は、左の列(1列目)に、2つの副画素(副画素110a、110d)を有し、中央の列(2列目)に2つの副画素(副画素110b、110d)を有し、右の列(3列目)に2つの副画素(副画素110c、110d)を有する。
図54Iに示す画素のレイアウトを適用した表示装置の表示部は、行方向に副画素110a、副画素110b及び副画素110cがこの順に繰り返し配置される第1の配列と、行方向に副画素110dが繰り返し配置される第2の配列と、を有する。さらに、列方向に第1の配列及び第2の配列が交互に繰り返し配置される。
当該表示部は、列方向に副画素110a及び副画素110dが交互に繰り返し配置される第3の配列と、列方向に副画素110b及び副画素110dが交互に繰り返し配置される第4の配列と、列方向に副画素110c及び副画素110dが交互に繰り返し配置される第5の配列と、を有する。さらに、行方向に、第3の配列、第4の配列及び第5の配列がこの順に繰り返し配置される。
図54A乃至図54Iに示す画素110は、副画素110a、110b、110c、110dの、4つの副画素から構成される。副画素110a、110b、110c、110dは、それぞれ異なる波長領域の光を発する発光デバイス、または受光デバイスを有する。例えば、図55A乃至図55Eに示すように、副画素110aが赤色の光を射出する機能を有する副画素(R)、副画素110bが緑色の光を射出する機能を有する副画素(G)、副画素110cが青色の光を射出する機能を有する副画素(B)、副画素110dが受光機能を有する副画素(PS)とすることができる。
図55Aに示す画素のレイアウトを適用した表示部は、行方向に副画素(R)、副画素(G)、副画素(B)、及び副画素(PS)がこの順に繰り返し配置される第1の配列を有する。さらに、列方向に、第1の配列が繰り返し配置される。
当該表示部は、列方向に副画素(R)が繰り返し配置される第2の配列と、列方向に副画素(G)が繰り返し配置される第3の配列と、列方向に副画素(B)が繰り返し配置される第4の配列と、列方向に副画素(PS)が繰り返し配置される第5の配列と、を有する。さらに、行方向に、第2の配列、第3の配列、第4の配列、及び第5の配列がこの順に繰り返し配置される。
図55Bに示す画素のレイアウトを適用した表示装置の表示部は、行方向に副画素(R)及び副画素(G)が交互に繰り返し配置される第1の配列と、行方向に副画素(B)及び副画素(PS)が交互に繰り返し配置される第2の配列と、を有する。さらに、列方向に、第1の配列及び第2の配列がこの順に繰り返し配置される。
当該表示部は、列方向に副画素(R)及び副画素(B)が交互に繰り返し配置される第3の配列と、列方向に副画素(G)及び副画素(PS)が交互に繰り返し配置される第4の配列と、を有する。さらに、行方向に、第3の配列及び第4の配列が交互に繰り返し配置される。
図55Cに示す画素のレイアウトを適用した表示装置の表示部は、行方向に副画素(R)、副画素(G)及び副画素(B)がこの順に繰り返し配置される第1の配列と、行方向に副画素(PS)が繰り返し配置される第2の配列と、を有する。さらに、列方向に、第1の配列及び第2の配列が交互に繰り返し配置される。
当該表示部は、列方向に副画素(R)及び副画素(PS)が交互に繰り返し配置される第3の配列と、列方向に副画素(G)及び副画素(PS)が交互に繰り返し配置される第4の配列と、列方向に副画素(B)及び副画素(PS)が交互に繰り返し配置される第5の配列と、を有する。さらに、行方向に、第3の配列、第4の配列、及び第5の配列がこの順に繰り返し配置される。
図55Dに示す画素のレイアウトを適用した表示装置の表示部は、行方向に副画素(R)、副画素(G)及び副画素(B)がこの順に繰り返し配置される第1の配列と、行方向に副画素(PS)、副画素(G)及び副画素(B)がこの順に繰り返し配置される第2の配列と、を有する。さらに、列方向に、第1の配列及び第2の配列が交互に繰り返し配置される。
当該表示部は、列方向に副画素(R)及び副画素(PS)が交互に繰り返し配置される第3の配列と、列方向に副画素(G)が繰り返し配置される第4の配列と、列方向に副画素(B)が繰り返し配置される第5の配列と、を有する。さらに、行方向に、第3の配列、第4の配列、及び第5の配列がこの順に繰り返し配置される。
図55Eに示す画素のレイアウトを適用した表示装置の表示部は、行方向に副画素(R)、副画素(G)及び副画素(B)がこの順に繰り返し配置される第1の配列と、行方向に副画素(PS)が繰り返し配置される第2の配列と、を有する。さらに、列方向に第1の配列及び第2の配列が交互に繰り返し配置される。
当該表示部は、列方向に副画素(R)及び副画素(PS)が交互に繰り返し配置される第3の配列と、列方向に副画素(G)及び副画素(PS)が交互に繰り返し配置される第4の配列と、列方向に副画素(B)及び副画素(PS)が交互に繰り返し配置される第5の配列と、を有する。さらに、行方向に、第3の配列、第4の配列及び第5の配列がこの順に繰り返し配置される。
発光デバイスを有する副画素(R)、副画素(G)及び副画素(B)の発光面積は互いに同じでもよく、互いに異なってもよい。例えば、発光デバイスを有する副画素の発光面積は、発光デバイスの寿命に応じて決めることができる。寿命が短い発光デバイスの副画素の発光面積を、他の副画素の発光面積より大きくすることが好ましい。
図55Dは、副画素(G)及び副画素(B)の発光面積が、副画素(R)の発光面積より大きい例を示している。この構成は、緑色の光を発する発光デバイス、及び青色の光を発する発光デバイスの寿命が、赤色の光を発する発光デバイスの寿命よりも短い場合に好適に用いることができる。発光面積の大きい副画素(G)及び副画素(B)において、各副画素が有する緑色の光を発する発光デバイス、及び青色の光を発する発光デバイスにかかる電流密度は低くなるため、当該発光デバイスの寿命を長くすることができる。つまり、信頼性の高い表示装置とすることができる。
図54A乃至図54I、及び図55A乃至図55Eと異なる画素のレイアウトの例を、図56A及び図56Bに示す。
図56Aは、4つの画素を示しており、隣接する2つの画素110Aと画素110Bが異なる副画素を有する構成を示している。画素110Aは、副画素110a、副画素110b、及び副画素110dの3つの副画素を有し、画素110Aと隣接する画素110Bは、副画素110b、副画素110c、及び副画素110dを有する。つまり、列方向、及び行方向において、副画素110aを含む画素110Aと、副画素110aを含まない画素110Bが交互に繰り返し配置される。同様に、列方向、及び行方向において、副画素110cを含まない画素110Aと、副画素110cを含む画素110Bが交互に繰り返し配置される。
画素110Aは、2行2列で構成され、左の列(1列目)に、2つの副画素(副画素110b、110d)を有し、右の列(2列目)に、1つの副画素(副画素110a)を有する。言い換えると、画素110Aは、上の行(1行目)に、2つの副画素(副画素110a、110b)を有し、下の行(2行目)に2つの副画素(副画素110a、110d)を有し、さらに、この2行にわたって、副画素110aを有する。
画素110Bは、2行2列で構成され、左の列(1列目)に、2つの副画素(副画素110b、110d)を有し、右の列(2列目)に、1つの副画素(副画素110c)を有する。言い換えると、画素110Aは、上の行(1行目)に、2つの副画素(副画素110b、110c)を有し、下の行(2行目)に2つの副画素(副画素110c、110d)を有し、さらに、この2行にわたって、副画素110cを有する。
図56Aに示す画素は、画素110Aと画素110Bの2つの画素で、副画素110a、副画素110b、副画素110c、及び副画素110dの4種の副画素を有する構成である。画素110Aと画素110Bの2つの画素で、1つの副画素110a、2つの副画素110b、1つの副画素110c、2つの副画素110dを有する。このような構成にすることにより、疑似的に高い精細度を維持しつつ、副画素の面積を大きくすることができ、必要な加工精度を低くすることができる。つまり、同じ加工精度で比較すると、より高精細な表示装置を作製することが可能となる。また、面積当たりのトランジスタの数を少なくすることができるため、生産性を高めることができる。したがって、疑似的に高精細な表示装置を、高い生産性で作製することができる。
図56Aに示す画素のレイアウトを適用した表示装置の表示部は、行方向に副画素110b、副画素110a、副画素110b及び副画素110cがこの順に繰り返し配置される第1の配列ARR1と、行方向に副画素110d、副画素110a、副画素110d及び副画素110cがこの順に繰り返し配置される第2の配列ARR2と、を有する。さらに、列方向に、第1の配列ARR1及び第2の配列ARR2が交互に繰り返し配置される。
当該表示部は、列方向に副画素110b及び副画素110dが交互に繰り返し配置される第3の配列ARR3と、列方向に副画素110a及び副画素110cが交互に繰り返し配置される第4の配列ARR4と、を有する。さらに、行方向に、第3の配列ARR3及び第4の配列ARR4が交互に繰り返し配置される。
画素110Aにおいて、副画素110aは、副画素110b及び副画素110dのいずれよりも面積が大きく、画素110Bにおいて、副画素110cは、副画素110b及び副画素110dのいずれよりも面積が大きいことが好ましい。さらに、画素110Aで最も面積の大きい副画素(ここでは、副画素110a)と、画素110Bで最も面積の大きい副画素(ここでは、副画素110c)が異なることが好ましい。
なお、本明細書等において、発光デバイスを有する副画素における発光面積を、副画素の面積と記す場合がある。同様に、受光デバイスを有する副画素における受光面積を、副画素の面積と記す場合がある。
図56Aは、副画素110aと副画素110cを同じ面積で示し、副画素110bと副画素110dを同じ面積で示しているが、本発明の一態様はこれに限られない。副画素110aと副画素110cの面積が異なってもよい。また、副画素110bと副画素110dの面積が異なってもよい。図56Bは、副画素110bの面積が副画素110dの面積より大きい例を示している。なお、画素110Aと画素110Bで、副画素110bの面積が異なってもよく、副画素110dの面積が異なってもよい。
副画素110a、副画素110b、及び副画素110cは、それぞれ異なる波長領域の光を発する発光デバイスを有し、副画素110dは、受光デバイスを有することが好ましい。例えば、図57A及び図57Bに示すように、副画素110aが赤色の光を射出する機能を有する副画素(R)、副画素110bが緑色の光を射出する機能を有する副画素(G)、副画素110cが青色の光を射出する機能を有する副画素(B)、副画素110dが受光機能を有する副画素(PS)とすることができる。
赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の3色の発光デバイスの内、2色の発光デバイスで1つの画素を構成すことができる。受光デバイスは、いずれの画素にも設けることができる。図57A及び図57Bは、画素110Aが、赤色の光を射出する機能を有する副画素(R)、緑色の光を射出する機能を有する副画素(G)、及び受光機能を有する副画素(PS)を有し、画素110Bが、青色の光を射出する機能を有する副画素(B)、緑色の光を射出する機能を有する副画素(G)、及び受光機能を有する副画素(PS)を有する構成を示している。
図57A及び図57Bに示す画素のレイアウトを適用した表示装置の表示部は、行方向に副画素(G)、副画素(R)、副画素(G)及び副画素(B)がこの順に繰り返し配置される第1の配列ARR1と、行方向に副画素(PS)、副画素(R)、副画素(PS)及び副画素(B)がこの順に繰り返し配置される第2の配列ARR2と、を有する。さらに、列方向に、第1の配列ARR1及び第2の配列ARR2が交互に繰り返し配置される。
当該表示部は、列方向に副画素(G)及び副画素(PS)が交互に繰り返し配置される第3の配列ARR3と、列方向に副画素(R)及び副画素(B)が交互に繰り返し配置される第4の配列ARR4と、を有する。さらに、行方向に、第3の配列ARR3及び第4の配列ARR4が交互に繰り返し配置される。
なお、図57A及び図57Bは、画素110Aと画素110Bのいずれも受光デバイスを有する副画素(PS)を設ける例を示しているが、本発明の一態様はこれに限られない。受光機能に高い精度が求められない場合は、副画素(PS)を含まない画素を設けてもよい。つまり、副画素(PS)を含む画素と、副画素(PS)を含まない画素を設ける構成としてもよい。
図57A及び図57Bに示すように緑色の光を射出する機能を有する副画素(G)の面積は、赤色の光を射出する機能を有する副画素(R)、及び青色の光を射出する機能を有する副画素(B)のいずれの面積より小さいことが好ましい。緑色に対する人間の視感度は、赤色及び青色に比べて高いため、副画素(G)の面積を副画素(R)及び副画素(B)の面積より小さくすることで、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)のバランスに優れた、視認性の高い表示装置とすることができる表示装置とすることができる。
図57A及び図57Bは、副画素(G)の面積が、副画素(R)及び副画素(B)の面積より小さい構成を示したが、本発明の一態様はこれに限られない。例えば、副画素(R)の面積が、副画素(G)及び副画素(B)の面積より小さい構成としてもよい。なお、前述したように、発光デバイスを有する副画素の面積は、各色の発光デバイスの寿命に応じて決めてもよい。
図56Aの変形例を、図58A及び図58Bに示す。
図58Aに示す画素のレイアウトを適用した表示装置の表示部は、行方向に副画素110b、副画素110a、副画素110b及び副画素110cがこの順に繰り返し配置される第1の配列ARR1と、行方向に副画素110d、副画素110a、副画素110d及び副画素110cがこの順に繰り返し配置される第2の配列ARR2と、を有する。さらに、列方向に、第1の配列ARR1及び第2の配列ARR2が交互に繰り返し配置される。
当該表示部は、列方向に副画素110b、副画素110d及び副画素110aがこの順に繰り返し配置される第3の配列ARR3と、列方向に副画素110b、副画素110d及び副画素110cがこの順に繰り返し配置される第4の配列ARR4と、を有する。さらに、行方向に、第3の配列ARR3、第3の配列ARR3、第4の配列ARR4、及び第4の配列ARR4がこの順に繰り返し配置される。
図58Bに示す画素のレイアウトを適用した表示装置の表示部は、行方向に副画素110b、副画素110a、副画素110d及び副画素110aがこの順に繰り返し配置される第1の配列ARR1と、行方向に副画素110d、副画素110a、副画素110b及び副画素110cがこの順に繰り返し配置される第2の配列ARR2と、行方向に副画素110b、副画素110c、副画素110d及び副画素110cがこの順に繰り返し配置される第3の配列ARR3と、行方向に副画素110d、副画素110c、副画素110b及び副画素110aがこの順に繰り返し配置される第4の配列ARR4と、を有する。さらに、列方向に、第1の配列ARR1、第2の配列ARR2、第3の配列ARR3及び第4の配列ARR4がこの順に繰り返し配置される。
当該表示部は、列方向に副画素110b及び副画素110dが交互に繰り返し配置される第5の配列ARR5と、列方向に副画素110a及び副画素110cが交互に繰り返し配置される第6の配列ARR6と、を有する。さらに、行方向に、第5の配列ARR5及び第6の配列ARR6が交互に繰り返し配置される。
図58A及び図58Bに示す副画素110aに赤色の光を射出する機能を有する副画素(R)、副画素110bに緑色の光を射出する機能を有する副画素(G)、副画素110cに青色の光を射出する機能を有する副画素(B)、副画素110dに受光機能を有する副画素(PS)を適用した構成例を、図59A及び図59Bに示す。
図59Aに示す画素のレイアウトを適用した表示装置の表示部は、行方向に副画素(G)、副画素(R)、副画素(G)及び副画素(B)がこの順に繰り返し配置される第1の配列ARR1と、行方向に副画素(PS)、副画素(R)、副画素(PS)及び副画素(B)がこの順に繰り返し配置される第2の配列ARR2と、を有する。さらに、列方向に、第1の配列ARR1及び第2の配列ARR2が交互に繰り返し配置される。
当該表示部は、列方向に副画素(G)、副画素(PS)及び副画素(R)がこの順に繰り返し配置される第3の配列ARR3と、列方向に副画素(G)、副画素(PS)及び副画素(B)がこの順に繰り返し配置される第4の配列ARR4と、を有する。さらに、行方向に、第3の配列ARR3、第3の配列ARR3、第4の配列ARR4、及び第4の配列ARR4がこの順に繰り返し配置される。
図59Bに示す画素のレイアウトを適用した表示装置の表示部は、行方向に副画素(G)、副画素(R)、副画素(PS)及び副画素(R)がこの順に繰り返し配置される第1の配列ARR1と、行方向に副画素(PS)、副画素(R)、副画素(G)及び副画素(B)がこの順に繰り返し配置される第2の配列ARR2と、行方向に副画素(G)、副画素(B)、副画素(PS)及び副画素(B)がこの順に繰り返し配置される第3の配列ARR3と、行方向に副画素(PS)、副画素(B)、副画素(G)及び副画素(R)がこの順に繰り返し配置される第4の配列ARR4と、を有する。さらに、列方向に、第1の配列ARR1、第2の配列ARR2、第3の配列ARR3及び第4の配列ARR4がこの順に繰り返し配置される。
当該表示部は、列方向に副画素(G)及び副画素(PS)が交互に繰り返し配置される第5の配列ARR5と、列方向に副画素(R)及び副画素(B)が交互に繰り返し配置される第6の配列ARR6と、を有する。さらに、行方向に、第5の配列ARR5及び第6の配列ARR6が交互に繰り返し配置される。
図59Aの変形例を、図60Aに示す。
図60Aに示す画素のレイアウトを適用した表示装置の表示部は、行方向に副画素110b、副画素110a、副画素110b及び副画素110cがこの順に繰り返し配置される第1の配列ARR1と、行方向に副画素110d、副画素110a、副画素110d及び副画素110cがこの順に繰り返し配置される第2の配列ARR2と、を有する。さらに、列方向に、第1の配列ARR1及び第2の配列ARR2が交互に繰り返し配置される。さらに、当該表示部は、行方向に副画素110a及び副画素110cが交互に繰り返し配置される第3の配列ARR3を有してもよい。なお、図60Aに示す画素のレイアウトをダイヤモンド配置と呼称してもよい。
当該表示部は、列方向に副画素110b及び副画素110dが交互に繰り返し配置される第4の配列ARR4と、列方向に副画素110a及び副画素110cが交互に繰り返し配置される第5の配列ARR5と、を有する。さらに、行方向に、第4の配列ARR4及び第5の配列ARR5が交互に繰り返し配置される。さらに、当該表示部は、列方向に副画素110b、副画素110a、副画素110d、副画素110b、副画素110c、及び副画素110dがこの順に繰り返し配置される第6の配列ARR6を有してもよい。
なお、図60Aは、副画素110a及び副画素110cの上面形状が、角が丸い四角形であり、副画素110b及び副画素110dの上面形状が、角が丸い三角形である構成を示しているが、副画素の上面形状は特に限定されない。例えば、副画素110b及び副画素110dの上面形状は、角が丸い四角形であってよく、円形であってもよい。
図60Aに示す副画素110aに赤色の光を射出する機能を有する副画素(R)、副画素110bに緑色の光を射出する機能を有する副画素(G)、副画素110cに青色の光を射出する機能を有する副画素(B)、副画素110dに受光機能を有する副画素(PS)を適用した構成例を、図60Bに示す。
図60Bに示す画素のレイアウトを適用した表示装置の表示部は、行方向に副画素(G)、副画素(R)、副画素(G)及び副画素(B)がこの順に繰り返し配置される第1の配列ARR1と、行方向に副画素(PS)、副画素(R)、副画素(PS)及び副画素(B)がこの順に繰り返し配置される第2の配列ARR2と、を有する。当該表示部は、行方向に副画素(R)及び副画素(B)が交互に繰り返し配置される第3の配列ARR3を有してもよい。
当該表示部は、列方向に副画素(G)、副画素(R)、副画素(PS)、副画素(G)、副画素(B)、及び副画素(PS)がこの順に繰り返し配置される第4の配列ARR4を有する。当該表示部は、列方向に副画素(R)及び副画素(B)が交互に繰り返し配置される第5の配列ARR5を有してもよく、列方向に副画素(G)及び副画素(PS)が交互に繰り返し配置される第6の配列ARR6を有してもよい。
<表示装置の構成例2>
前述の表示装置100と異なる構成例を、図61A及び図61Bに示す。
図61Aは、表示装置100Aの上面図である。図61Aにおける一点鎖線X3−X4間の断面図を、図61Bに示す。表示装置100Aは、図54Iに示した画素110の配列を適用した例である。
<表示装置の作製方法例>
次に、図62乃至図71を用いて表示装置の作製方法例を説明する。図62A乃至図62Fは、図53A及び図53Bに示した表示装置100の作製方法を示す上面図である。図63A乃至図63Cには、図53Aにおける一点鎖線X1−X2間の断面図と、Y1−Y2間の断面図と、を並べて示す。図64乃至図69及び図70Aについても、図63と同様である。図70B乃至図70Dには、図53Aにおける一点鎖線X1−X2間の断面図を示す。図70Eには、図53Aにおける一点鎖線Y1−Y2間の断面図を示す。図71A乃至図71Fには、絶縁層127とその周辺の断面構造を示す拡大図を示す。
表示装置を構成する薄膜(絶縁膜、半導体膜、及び、導電膜等)は、スパッタリング法、化学気相堆積(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、真空蒸着法、パルスレーザー堆積(PLD:Pulsed Laser Deposition)法、ALD法等を用いて形成することができる。CVD法としては、プラズマ化学気相堆積(PECVD:Plasma Enhanced CVD)法、及び、熱CVD法などがある。また、熱CVD法のひとつに、有機金属化学気相堆積(MOCVD:Metal Organic CVD)法がある。
表示装置を構成する薄膜(絶縁膜、半導体膜、及び、導電膜等)は、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、インクジェット、ディスペンス、スクリーン印刷、オフセット印刷、ドクターナイフ、スリットコート、ロールコート、カーテンコート、ナイフコート等の方法により形成することができる。
特に、発光デバイスの作製には、蒸着法などの真空プロセス、及び、スピンコート法、インクジェット法などの溶液プロセスを用いることができる。蒸着法としては、スパッタ法、イオンプレーティング法、イオンビーム蒸着法、分子線蒸着法、真空蒸着法などの物理蒸着法(PVD法)、及び、化学蒸着法(CVD法)等が挙げられる。特にEL層に含まれる機能層(正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層など)については、蒸着法(真空蒸着法等)、塗布法(ディップコート法、ダイコート法、バーコート法、スピンコート法、スプレーコート法等)、印刷法(インクジェット法、スクリーン(孔版印刷)法、オフセット(平版印刷)法、フレキソ(凸版印刷)法、グラビア法、または、マイクロコンタクト法等)などの方法により形成することができる。
表示装置を構成する薄膜を加工する際には、フォトリソグラフィ法等を用いて加工することができる。または、ナノインプリント法、サンドブラスト法、リフトオフ法などにより薄膜を加工してもよい。また、メタルマスクなどの遮蔽マスクを用いた成膜方法により、島状の薄膜を直接形成してもよい。
フォトリソグラフィ法としては、代表的には以下の2つの方法がある。一つは、加工したい薄膜上にレジストマスクを形成して、エッチング等により当該薄膜を加工し、レジストマスクを除去する方法である。もう一つは、感光性を有する薄膜を成膜した後に、露光、現像を行って、当該薄膜を所望の形状に加工する方法である。
フォトリソグラフィ法において、露光に用いる光は、例えばi線(波長365nm)、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)、またはこれらを混合させた光を用いることができる。そのほか、紫外線、KrFレーザ光、またはArFレーザ光等を用いることもできる。また、液浸露光技術により露光を行ってもよい。また、露光に用いる光として、極端紫外光(EUV:Extreme Ultra−violet)、またはX線を用いてもよい。また、露光に用いる光に換えて、電子ビームを用いることもできる。極端紫外光、X線または電子ビームを用いると、極めて微細な加工が可能となるため好ましい。なお、電子ビームなどのビームを走査することにより露光を行う場合には、フォトマスクは不要である。
薄膜のエッチングには、ドライエッチング法、ウェットエッチング法、サンドブラスト法などを用いることができる。
まず、図63Aに示すように、トランジスタを含む層101上に、導電膜111を形成する。
そして、導電膜111上に、第1の層113Aを形成し、第1の層113A上に第1の犠牲層118Aを形成し、第1の犠牲層118A上に第2の犠牲層119Aを形成する。
図63Aに示すように、Y1−Y2間の断面図において、第1の層113Aの接続部140側の端部が、第1の犠牲層118Aの端部よりも内側に位置する。例えば、成膜エリアを規定するためのマスク(ファインメタルマスクと区別して、エリアマスク、またはラフメタルマスクなどともいう)を用いることで、第1の層113Aと、第1の犠牲層118A及び第2の犠牲層119Aとで成膜される領域を変えることができる。本発明の一態様においては、レジストマスクを用いて発光デバイスを形成するが、上述のようにエリアマスクと組み合わせることで、比較的簡単なプロセスにて発光デバイスを作製することができる。
導電膜111は、後に加工されることで、画素電極111a、111b、111c、及び、導電層123となる層である。そのため、上述した画素電極に適用可能な構成を導電膜111に適用することができる。導電膜111の形成には、例えば、スパッタリング法または真空蒸着法を用いることができる。
第1の層113Aは、後に、EL層113aとなる層である。そのため、上述した、EL層113aに適用可能な構成を適用できる。第1の層113Aは、蒸着法(真空蒸着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。第1の層113Aは、蒸着法を用いて形成することが好ましい。蒸着法を用いた成膜では、プレミックス材料を用いてもよい。なお、本明細書等において、プレミックス材料とは、複数の材料をあらかじめ配合、または混合した複合材料である。
第1の犠牲層118A及び第2の犠牲層119Aには、第1の層113A、及び、後の工程で形成する第2の層113B、第3の層113Cなどの加工条件に対する耐性の高い膜、具体的には、各種EL層とのエッチングの選択比が大きい膜を用いる。
第1の犠牲層118A及び第2の犠牲層119Aの形成には、例えば、スパッタリング法、ALD法(熱ALD法、PEALD法)、CVD法、または真空蒸着法を用いることができる。なお、EL層上に接して形成される第1の犠牲層118Aは、第2の犠牲層119Aよりも、EL層へのダメージが少ない形成方法を用いて形成されることが好ましい。例えば、スパッタリング法よりも、ALD法または真空蒸着法を用いて、第1の犠牲層118Aを形成することが好ましい。また、第1の犠牲層118A及び第2の犠牲層119Aは、EL層の耐熱温度よりも低い温度(代表的には、200℃以下、好ましくは100℃以下、さらに好ましくは80℃以下)で形成する。
第1の犠牲層118A及び第2の犠牲層119Aには、ウェットエッチング法により除去できる膜を用いることが好ましい。ウェットエッチング法を用いることで、ドライエッチング法を用いる場合に比べて、第1の犠牲層118A及び第2の犠牲層119Aの加工時に、第1の層113Aに加わるダメージを低減することができる。
第1の犠牲層118Aには、第2の犠牲層119Aとのエッチングの選択比の大きい膜を用いることが好ましい。
本実施の形態の表示装置の作製方法における各種犠牲層の加工工程において、EL層を構成する各層(正孔注入層、正孔輸送層、発光層、及び、電子輸送層など)が加工されにくいこと、かつ、EL層を構成する各層の加工工程において、各種犠牲層が加工されにくいことが望ましい。犠牲層の材料、加工方法、及び、EL層の加工方法については、これらを考慮して選択することが望ましい。
なお、本実施の形態では、第1の犠牲層と第2の犠牲層の2層構造で犠牲層を形成する例を示すが、犠牲層は単層構造であってもよく、3層以上の積層構造であってもよい。
第1の犠牲層118A及び第2の犠牲層119Aとしては、それぞれ、例えば、金属膜、合金膜、金属酸化物膜、半導体膜、無機絶縁膜などの無機膜を用いることができる。
第1の犠牲層118A及び第2の犠牲層119Aには、例えば金、銀、白金、マグネシウム、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、チタン、アルミニウム、イットリウム、ジルコニウム、及びタンタルなどの金属材料、または該金属材料を含む合金材料を用いることができる。特に、アルミニウムまたは銀などの低融点材料を用いることが好ましい。第1の犠牲層118A及び第2の犠牲層119Aの一方または双方に紫外光を遮蔽することが可能な金属材料を用いることで、EL層に紫外光が照射されることを抑制でき、EL層の劣化を抑制できるため、好ましい。
第1の犠牲層118A及び第2の犠牲層119Aには、In−Ga−Zn酸化物などの金属酸化物を用いることができる。第1の犠牲層118Aまたは第2の犠牲層119Aとして、例えば、スパッタリング法を用いて、In−Ga−Zn酸化物膜を形成することができる。さらに、酸化インジウム、In−Zn酸化物、In−Sn酸化物、インジウムチタン酸化物(In−Ti酸化物)、インジウムスズ亜鉛酸化物(In−Sn−Zn酸化物)、インジウムチタン亜鉛酸化物(In−Ti−Zn酸化物)、インジウムガリウムスズ亜鉛酸化物(In−Ga−Sn−Zn酸化物)などを用いることができる。またはシリコンを含むインジウムスズ酸化物などを用いることもできる。
なお、上記ガリウムに代えて元素M(Mは、アルミニウム、シリコン、ホウ素、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムから選ばれた一種または複数種)を用いてもよい。特に、Mは、ガリウム、アルミニウム、またはイットリウムから選ばれた一種または複数種とすることが好ましい。
第1の犠牲層118A及び第2の犠牲層119Aとしては、保護層131、132に用いることができる各種無機絶縁膜を用いることができる。特に、酸化絶縁膜は、窒化絶縁膜に比べてEL層との密着性が高く好ましい。例えば、第1の犠牲層118A及び第2の犠牲層119Aには、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化シリコンなどの無機絶縁材料を用いることができる。第1の犠牲層118Aまたは第2の犠牲層119Aとして、例えば、ALD法を用いて、酸化アルミニウム膜を形成することができる。ALD法を用いることで、下地(特にEL層など)へのダメージを低減できるため好ましい。
例えば、第1の犠牲層118Aとして、ALD法を用いて形成した無機絶縁膜(例えば、酸化アルミニウム膜)を用い、第2の犠牲層119Aとして、スパッタリング法を用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物膜を用いることができる。または、第2の犠牲層119Aとして、アルミニウム膜またはタングステン膜を用いてもよい。
第1の犠牲層118A及び第2の犠牲層119Aとして、少なくとも第1の層113Aの最上部に位置する膜に対して、化学的に安定な溶媒に溶解しうる材料を用いてもよい。特に、水またはアルコールに溶解する材料を、第1の犠牲層118Aまたは第2の犠牲層119Aに好適に用いることができる。このような材料の成膜の際には、水またはアルコールなどの溶媒に溶解させた状態で、湿式の成膜方法で塗布した後に、溶媒を蒸発させるための加熱処理を行うことが好ましい。このとき、減圧雰囲気下での加熱処理を行うことで、低温且つ短時間で溶媒を除去できるため、EL層への熱的なダメージを低減することができ、好ましい。
第1の犠牲層118A及び第2の犠牲層119Aは、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、インクジェット、ディスペンス、スクリーン印刷、オフセット印刷、ドクターナイフ法、スリットコート、ロールコート、カーテンコート、ナイフコートの湿式の成膜方法を用いて形成してもよい。
第1の犠牲層118A及び第2の犠牲層119Aには、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリグリセリン、プルラン、水溶性のセルロース、またはアルコール可溶性のポリアミド樹脂などの有機材料を用いてもよい。
次に、図63Bに示すように、第2の犠牲層119A上にレジストマスク190aを形成する。レジストマスクは、感光性の樹脂(フォトレジスト)を塗布し、露光及び現像を行うことで形成することができる。
レジストマスクは、ポジ型のレジスト材料及びネガ型のレジスト材料のどちらを用いて作製してもよい。
図62Aに示すように、レジストマスク190aは、後に副画素110aとなる領域と重なる位置に設ける。レジストマスク190aとして、1つの副画素110aに対して、1つの島状のパターンが設けられていることが好ましい。または、レジストマスク190aとして、一列に並ぶ(図62AではY方向に並ぶ)複数の副画素110aに対して1つの帯状のパターンを形成してもよい。
なお、レジストマスク190aは、後に接続部140となる領域と重なる位置にも設けることが好ましい。これにより、導電膜111のうち、後に導電層123となる領域が、表示装置の作製工程中にダメージを受けることを抑制できる。
次に、図63Cに示すように、レジストマスク190aを用いて、第2の犠牲層119Aの一部を除去し、第2の犠牲層119aを形成する。第2の犠牲層119aは、後に副画素110aとなる領域と、後に接続部140となる領域と、に残存する。
第2の犠牲層119Aのエッチングの際、第1の犠牲層118Aが当該エッチングにより除去されないように、選択比の高いエッチング条件を用いることが好ましい。また、第2の犠牲層119Aの加工においては、EL層が露出しないため、第1の犠牲層118Aの加工よりも、加工方法の選択の幅は広い。具体的には、第2の犠牲層119Aの加工の際に、エッチングガスに酸素を含むガスを用いた場合でも、EL層の劣化をより抑制することができる。
その後、レジストマスク190aを除去する。例えば、酸素プラズマを用いたアッシングなどによりレジストマスク190aを除去することができる。または、ウェットエッチングにより、レジストマスク190aを除去してもよい。このとき、第1の犠牲層118Aが最表面に位置し、第1の層113Aは露出していないため、レジストマスク190aの除去工程において、第1の層113Aにダメージが入ることを抑制することができる。また、レジストマスク190aの除去方法の選択の幅を広げることができる。
次に、図64Aに示すように、第2の犠牲層119aをハードマスクに用いて、第1の犠牲層118Aの一部を除去し、第1の犠牲層118aを形成する。
第1の犠牲層118A及び第2の犠牲層119Aは、それぞれ、ウェットエッチング法またはドライエッチング法により加工することができる。第1の犠牲層118A及び第2の犠牲層119Aの加工は、異方性エッチングにより行うことが好ましい。
ウェットエッチング法を用いることで、ドライエッチング法を用いる場合に比べて、第1の犠牲層118A及び第2の犠牲層119Aの加工時に、第1の層113Aに加わるダメージを低減することができる。ウェットエッチング法を用いる場合、例えば、現像液、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH)、希フッ酸、シュウ酸、リン酸、酢酸、硝酸、またはこれらの混合液体を用いた薬液などを用いることが好ましい。
ドライエッチング法を用いる場合は、エッチングガスに酸素を含むガスを用いないことで、第1の層113Aの劣化を抑制することができる。ドライエッチング法を用いる場合、例えば、CF4、C4F8、SF6、CHF3、Cl2、H2O、BCl3、またはHeなどの貴ガス(希ガスともいう)を含むガスをエッチングガスに用いることが好ましい。
例えば、第1の犠牲層118Aとして、ALD法を用いて形成した酸化アルミニウム膜を用いる場合、CHF3とHeを用いて、ドライエッチング法により第1の犠牲層118Aを加工することができる。また、第2の犠牲層119Aとして、スパッタリング法を用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物膜を用いる場合、希釈リン酸を用いて、ウェットエッチング法により第2の犠牲層119Aを加工することができる。
次に、図64Bに示すように、第2の犠牲層119a、第1の犠牲層118aをハードマスクに用いて、第1の層113Aの一部を除去し、EL層113aを形成する。
これにより、図64Bに示すように、副画素110aに相当する領域では、導電膜111上に、EL層113a、第1の犠牲層118a、及び、第2の犠牲層119aの積層構造が残存する。また、接続部140に相当する領域では、導電膜111上に第1の犠牲層118aと第2の犠牲層119aとの積層構造が残存する。
以上の工程により、第1の層113A、第1の犠牲層118A、及び、第2の犠牲層119Aの、レジストマスク190aと重なっていない領域を除去することができる。
なお、レジストマスク190aを用いて、第1の層113Aの一部を除去してもよい。その後、レジストマスク190aを除去してもよい。
または、レジストマスク190aを除去せずに、次の工程に進んでもよい。この場合、後の工程で導電膜111を加工する際に、犠牲層だけでなく、レジストマスクもマスクとして使用できる。レジストマスク190a、190b、190cを用いて導電膜111を加工することで、犠牲層のみをハードマスクに用いる場合よりも、導電膜111の加工がしやすくなる場合がある。例えば、導電膜111の加工条件、犠牲層の材料、または、導電膜の材料などの選択の幅を広げることができる。
第1の層113Aの加工は、異方性エッチングにより行うことが好ましい。特に、異方性のドライエッチングが好ましい。または、ウェットエッチングを用いてもよい。
ドライエッチング法を用いる場合は、エッチングガスに酸素を含むガスを用いないことで、第1の層113Aの劣化を抑制することができる。
エッチングガスに酸素を含むガスを用いてもよい。エッチングガスが酸素を含むことで、エッチングの速度を速めることができる。したがって、エッチング速度を十分な速さに維持しつつ、低パワーの条件でエッチングを行うことができる。そのため、第1の層113Aに与えるダメージを抑制することができる。さらに、エッチング時に生じる反応生成物の付着などの不具合を抑制することができる。
ドライエッチング法を用いる場合、例えば、H2、CF4、C4F8、SF6、CHF3、Cl2、H2O、BCl3、またはHe、Arなどの貴ガス(希ガスともいう)のうち、一種以上を含むガスをエッチングガスに用いることが好ましい。または、これらの一種以上と、酸素を含むガスをエッチングガスに用いることが好ましい。または、酸素ガスをエッチングガスに用いてもよい。具体的には、例えば、H2とArを含むガス、または、CF4とHeを含むガスをエッチングガスに用いることができる。また、例えば、CF4、He、及び酸素を含むガスをエッチングガスに用いることができる。
次に、図64Cに示すように、第2の犠牲層119a、及び、導電膜111上に、第2の層113Bを形成し、第2の層113B上に第1の犠牲層118Bを形成し、第1の犠牲層118B上に第2の犠牲層119Bを形成する。
図64Cに示すように、Y1−Y2間の断面図において、第2の層113Bの接続部140側の端部が、第1の犠牲層118Bの端部よりも内側に位置する。
第2の層113Bは、後に、EL層113bとなる層である。EL層113bは、EL層113aと異なる波長領域の光を発する。EL層113bに適用できる構成及び材料等は、EL層113aと同様である。第2の層113Bは、第1の層113Aと同様の方法を用いて成膜することができる。
第1の犠牲層118Bは、第1の犠牲層118Aに適用可能な材料を用いて形成することができる。第2の犠牲層119Bは、第2の犠牲層119Aに適用可能な材料を用いて形成することができる。
次に、図64Cに示すように、第2の犠牲層119B上にレジストマスク190bを形成する。
図62Bに示すように、レジストマスク190bは、後に副画素110bとなる領域と重なる位置に設ける。レジストマスク190bとして、1つの副画素110bに対して、1つの島状のパターンが設けられていることが好ましい。または、レジストマスク190bとして、一列に並ぶ複数の副画素110bに対して1つの帯状のパターンを形成してもよい。
レジストマスク190bは、後に接続部140となる領域と重なる位置にも設けてもよい。
次に、レジストマスク190bを用いて、第2の犠牲層119Bの一部を除去し、第2の犠牲層119bを形成する。第2の犠牲層119bは、後に副画素110bとなる領域に残存する。
その後、レジストマスク190bを除去する。そして、第2の犠牲層119bをハードマスクに用いて、第1の犠牲層118Bの一部を除去し、第1の犠牲層118bを形成する。
そして、図65Aに示すように、第2の犠牲層119b、第1の犠牲層118bをハードマスクに用いて、第2の層113Bの一部を除去し、EL層113bを形成する。
これにより、図65Aに示すように、副画素110bに相当する領域では、導電膜111上に、EL層113b、第1の犠牲層118b、及び、第2の犠牲層119bの積層構造が残存する。また、接続部140に相当する領域では、導電膜111上に第1の犠牲層118aと第2の犠牲層119aとの積層構造が残存する。
以上の工程により、第2の層113B、第1の犠牲層118B、及び、第2の犠牲層119Bの、レジストマスク190bと重なっていない領域を除去することができる。これらの層の加工には、第2の層113B、第1の犠牲層118A、及び、第2の犠牲層119Aの加工に適用可能な方法を用いることができる。
次に、図65Bに示すように、第2の犠牲層119a、第2の犠牲層119b、及び、導電膜111上に、第3の層113Cを形成し、第3の層113C上に第1の犠牲層118Cを形成し、第1の犠牲層118C上に第2の犠牲層119Cを形成する。
図65Bに示すように、Y1−Y2間の断面図において、第3の層113Cの接続部140側の端部が、第1の犠牲層118Cの端部よりも内側に位置する。
第3の層113Cは、後に、EL層113cとなる層である。EL層113cは、EL層113a及びEL層113bとは異なる波長領域の光を発する。EL層113cに適用できる構成及び材料等は、EL層113aと同様である。第3の層113Cは、第1の層113Aと同様の方法を用いて成膜することができる。
第1の犠牲層118Cは、第1の犠牲層118Aに適用可能な材料を用いて形成することができる。第2の犠牲層119Cは、第2の犠牲層119Aに適用可能な材料を用いて形成することができる。
次に、図65Bに示すように、第2の犠牲層119C上にレジストマスク190cを形成する。
図62Cに示すように、レジストマスク190cは、後に副画素110cとなる領域と重なる位置に設ける。レジストマスク190cとして、1つの副画素110cに対して、1つの島状のパターンが設けられていることが好ましい。または、レジストマスク190cとして、一列に並ぶ複数の副画素110cに対して1つの帯状のパターンを形成してもよい。
レジストマスク190cは、後に接続部140となる領域と重なる位置にも設けてもよい。
次に、レジストマスク190cを用いて、第2の犠牲層119Cの一部を除去し、第2の犠牲層119cを形成する。第2の犠牲層119cは、後に副画素110cとなる領域に残存する。
その後、レジストマスク190cを除去する。そして、第2の犠牲層119cをハードマスクに用いて、第1の犠牲層118Cの一部を除去し、第1の犠牲層118cを形成する。
そして、図65Cに示すように、第2の犠牲層119c、第1の犠牲層118cをハードマスクに用いて、第3の層113Cの一部を除去し、EL層113cを形成する。
これにより、図65Cに示すように、副画素110cに相当する領域では、導電膜111上に、EL層113c、第1の犠牲層118c、及び、第2の犠牲層119cの積層構造が残存する。また、接続部140に相当する領域では、導電膜111上に第1の犠牲層118aと第2の犠牲層119aとの積層構造が残存する。
以上の工程により、第3の層113C、第1の犠牲層118C、及び、第2の犠牲層119Cの、レジストマスク190cと重なっていない領域を除去することができる。これらの層の加工には、第1の層113A、第1の犠牲層118A、及び、第2の犠牲層119Aの加工に適用可能な方法を用いることができる。
次に、図66Aに示すように、第2の犠牲層119a、第2の犠牲層119b、第2の犠牲層119c、及び、導電膜111上に、第4の層113Dを形成し、第4の層113D上に第1の犠牲層118Dを形成し、第1の犠牲層118D上に第2の犠牲層119Dを形成する。
図66Aに示すように、Y1−Y2間の断面図において、第4の層113Dの接続部140側の端部が、第1の犠牲層118Dの端部よりも内側に位置する。
第4の層113Dは、後に、受光層113dとなる層である。受光層113dは、活性層を有する。第4の層113Dは、第1の層113Aと同様の方法を用いて成膜することができる。
第1の犠牲層118Dは、第1の犠牲層118Aに適用可能な材料を用いて形成することができる。第2の犠牲層119Dは、第2の犠牲層119Aに適用可能な材料を用いて形成することができる。
次に、図66Aに示すように、第2の犠牲層119D上にレジストマスク190dを形成する。
図62Dに示すように、レジストマスク190dは、後に副画素110dとなる領域と重なる位置に設ける。レジストマスク190dとして、1つの副画素110dに対して、1つの島状のパターンが設けられていることが好ましい。または、レジストマスク190dとして、一列に並ぶ複数の副画素110dに対して1つの帯状のパターンを形成してもよい。
レジストマスク190dは、後に接続部140となる領域と重なる位置にも設けてもよい。
次に、レジストマスク190dを用いて、第2の犠牲層119Dの一部を除去し、第2の犠牲層119dを形成する。第2の犠牲層119dは、後に副画素110dとなる領域に残存する。
その後、レジストマスク190dを除去する。そして、第2の犠牲層119dをハードマスクに用いて、第1の犠牲層118Dの一部を除去し、第1の犠牲層118dを形成する。
そして、図66Bに示すように、第2の犠牲層119d、第1の犠牲層118dをハードマスクに用いて、第4の層113Dの一部を除去し、受光層113dを形成する。
これにより、図66Bに示すように、副画素110dに相当する領域では、導電膜111上に、受光層113d、第1の犠牲層118d、及び、第2の犠牲層119dの積層構造が残存する。また、接続部140に相当する領域では、導電膜111上に第1の犠牲層118aと第2の犠牲層119aとの積層構造が残存する。
以上の工程により、第4の層113D、第1の犠牲層118D、及び、第2の犠牲層119Dの、レジストマスク190dと重なっていない領域を除去することができる。これらの層の加工には、第1の層113A、第1の犠牲層118A、及び、第2の犠牲層119Aの加工に適用可能な方法を用いることができる。
なお、EL層113a、EL層113b、EL層113c、及び受光層113dの側面は、それぞれ、被形成面に対して垂直または概略垂直であることが好ましい。例えば、被形成面と、これらの側面との成す角度を、60度以上90度以下とすることが好ましい。
次に、図67Aに示すように、第1の犠牲層118a、第1の犠牲層118b、第1の犠牲層118c、第1の犠牲層118d、第2の犠牲層119a、第2の犠牲層119b、第2の犠牲層119c、及び第2の犠牲層119dをハードマスクに用いて、導電膜111を加工し、画素電極111a、画素電極111b、画素電極111c、画素電極111d、及び導電層123を形成する。
導電膜111の加工の際に、トランジスタを含む層101の一部(具体的には、最表面に位置する絶縁層)が加工され、凹部が形成されることがある。以降の説明では、トランジスタを含む層101に凹部が設けられている場合を例に挙げて説明するが、凹部が設けられていなくてもよい。
ここで、導電層123を形成するためには、第1の犠牲層118a、第1の犠牲層118b、第1の犠牲層118c、及び第1の犠牲層118dのいずれか一つと、第2の犠牲層119a、第2の犠牲層119b、第2の犠牲層119c、及び第2の犠牲層119dのいずれか一つと、が接続部140に設けられていることが好ましい。第1の犠牲層118a、第1の犠牲層118b、第1の犠牲層118c、及び第1の犠牲層118dのいずれか二つまたは全てと、第2の犠牲層119a、第2の犠牲層119b、第2の犠牲層119c、及び第2の犠牲層119dのいずれか二つまたは全てと、が接続部140に設けられていてもよい。犠牲層を接続部140に設けることで、導電膜111のうち、導電層123となる領域が、表示装置の作製工程中にダメージを受けることを抑制できる。したがって、作製工程が最も早い第1の犠牲層118a及び第2の犠牲層119aを、接続部140に形成することが好ましい。
導電膜111の加工は、ウェットエッチング法またはドライエッチング法により加工することができる。導電膜111の加工は、異方性エッチングにより行うことが好ましい。
次に、図67Bに示すように、画素電極111a、画素電極111b、画素電極111c、画素電極111d、EL層113a、EL層113b、EL層113c、受光層113d、第1の犠牲層118a、第1の犠牲層118b、第1の犠牲層118c、第1の犠牲層118d、第2の犠牲層119a、第2の犠牲層119b、第2の犠牲層119c、及び第2の犠牲層119dを覆うように、絶縁膜125Aを形成する。
絶縁膜125Aには、例えば、酸化絶縁膜、窒化絶縁膜、酸化窒化絶縁膜、及び窒化酸化絶縁膜などの無機絶縁膜を用いることができる。酸化絶縁膜としては、酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化マグネシウム膜、酸化ガリウム膜、酸化ゲルマニウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化ランタン膜、酸化ネオジム膜、酸化ハフニウム膜、及び酸化タンタル膜などが挙げられる。窒化絶縁膜としては、窒化シリコン膜及び窒化アルミニウム膜などが挙げられる。酸化窒化絶縁膜としては、酸化窒化シリコン膜、酸化窒化アルミニウム膜などが挙げられる。窒化酸化絶縁膜としては、窒化酸化シリコン膜、窒化酸化アルミニウム膜などが挙げられる。また、インジウムガリウム亜鉛酸化物膜などの金属酸化物膜を用いてもよい。
絶縁膜125Aは、水及び酸素の少なくとも一方に対するバリア絶縁膜としての機能を有することが好ましい。または、絶縁膜125Aは、水及び酸素の少なくとも一方の拡散を抑制する機能を有することが好ましい。または、絶縁膜125Aは、水及び酸素の少なくとも一方を捕獲、または固着する(ゲッタリングともいう)機能を有することが好ましい。
なお、本明細書等において、バリア絶縁膜とは、バリア性を有する絶縁膜のことを示す。また、本明細書等において、バリア性とは、対応する物質の拡散を抑制する機能(透過性が低いともいう)とする。または、対応する物質を、捕獲、または固着する(ゲッタリングともいう)機能とする。
絶縁膜125Aが、上述のバリア絶縁膜の機能、またはゲッタリング機能を有することで、外部から各発光デバイスに拡散しうる不純物(代表的には、水または酸素)の侵入を抑制することが可能な構成となる。当該構成とすることで、信頼性の優れた表示装置を提供することができる。
次に、図67Cに示すように、絶縁膜125A上に絶縁膜127Aを形成する。
図62Eに示すように、絶縁膜127Aは、導電層123(接続部140)と重なる位置に開口を有するように形成することが好ましい。絶縁膜127Aは、例えば、感光性の樹脂を塗布し、露光及び現像を行うことでパターン形成することができる。
なお、図70Aに示すように、絶縁膜127Aは、画素電極111a、画素電極111b、画素電極111c、及び画素電極111dと重なる位置にも開口を有するように形成してもよい。
絶縁膜127Aには、有機材料を用いることができる。有機材料としては、例えば、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、シリコーン樹脂、シロキサン樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、フェノール樹脂、及びこれら樹脂の前駆体等が挙げられる。また、絶縁膜127Aには、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリグリセリン、プルラン、水溶性のセルロース、またはアルコール可溶性のポリアミド樹脂などの有機材料を用いてもよい。また、絶縁膜127Aには、感光性の樹脂を用いることができる。感光性の樹脂としてはフォトレジストを用いてもよい。感光性の樹脂は、ポジ型の材料、またはネガ型の材料を用いることができる。
絶縁膜127Aの形成方法に特に限定はなく、例えば、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、インクジェット、ディスペンス、スクリーン印刷、オフセット印刷、ドクターナイフ法、スリットコート、ロールコート、カーテンコート、ナイフコートの湿式の成膜方法を用いて形成することができる。特に、スピンコートにより、絶縁膜127Aを形成することが好ましい。
絶縁膜125A及び絶縁膜127Aは、EL層へのダメージが少ない形成方法で成膜されることが好ましい。特に、絶縁膜125Aは、EL層の側面に接して形成されるため、絶縁膜127Aよりも、EL層へのダメージが少ない形成方法で成膜されることが好ましい。また、絶縁膜125A及び絶縁膜127Aは、それぞれ、EL層の耐熱温度よりも低い温度(代表的には、200℃以下、好ましくは100℃以下、さらに好ましくは80℃以下)で形成する。例えば、絶縁膜125Aとして、ALD法を用いて酸化アルミニウム膜を形成することができる。ALD法を用いることで、成膜ダメージを小さくすることができ、また、被覆性の高い膜を成膜可能なため好ましい。
次に、図68Aに示すように、絶縁膜125A及び絶縁膜127Aを加工することで、絶縁層125及び絶縁層127を形成する。絶縁層127は、絶縁層125の側面と凹部上面に接するように形成される。絶縁層125(さらには絶縁層127)は、画素電極111a、画素電極111b、画素電極111c及び画素電極111dの側面を覆うように設けられる。これにより、後に形成する膜(EL層を構成する膜、受光層を構成する膜、または、共通電極)と、画素電極111a、画素電極111b、画素電極111c、または画素電極111dとが接して、発光デバイスがショートすることを抑制できる。さらに、絶縁層125及び絶縁層127は、EL層113a、EL層113b、EL層113c、及び受光層113dの側面を覆うように設けられることが好ましい。これにより、後に形成する膜がこれらの層の側面と接することを抑制し、発光デバイスがショートすることを抑制できる。また、後の工程において、EL層113a、EL層113b、EL層113c、及び受光層113dが受けるダメージを抑制することができる。
特に、トランジスタを含む層101の一部(具体的には、最表面に位置する絶縁層)に凹部が設けられていると、画素電極111a、画素電極111b、画素電極111c及び画素電極111dの側面全体を、絶縁層125及び絶縁層127で覆うことが可能となり好ましい。
絶縁膜125Aは、ドライエッチング法により加工することが好ましい。絶縁膜125Aの加工は、異方性エッチングにより行うことが好ましい。第1の犠牲層118A及び第2の犠牲層119Aを加工する際に用いることができるエッチングガスを用いて、絶縁膜125Aを加工することができる。
絶縁膜127Aは、例えば、酸素プラズマを用いたアッシングにより加工することが好ましい。
次に、図68Bに示すように、第1の犠牲層118a、第1の犠牲層118b、第1の犠牲層118c、第1の犠牲層118d、第2の犠牲層119a、第2の犠牲層119b、第2の犠牲層119c、及び第2の犠牲層119dを除去する。これにより、画素電極111a上ではEL層113aが露出し、画素電極111b上ではEL層113bが露出し、画素電極111c上ではEL層113cが露出し、画素電極111d上では受光層113dが露出し、接続部140では導電層123が露出する。なお、第1の犠牲層118a、第1の犠牲層118b、第1の犠牲層118c、第1の犠牲層118d、第2の犠牲層119a、第2の犠牲層119b、第2の犠牲層119c、または第2の犠牲層119dの一部が残存していてもよい。例えば、接続部140等において、犠牲層の、絶縁層125と重なる領域が残存することがある(図68B参照)。
絶縁層125の上面及び絶縁層127の上面の高さは、それぞれ、EL層113a、EL層113b、EL層113c、及び受光層113dの少なくとも一つの上面の高さと一致または概略一致することが好ましい。また、絶縁層127の上面は平坦な形状を有することが好ましく、凸部または凹部を有していてもよい。
犠牲層の除去工程には、犠牲層の加工工程と同様の方法を用いることができる。特に、ウェットエッチング法を用いることで、ドライエッチング法を用いる場合に比べて、第1の犠牲層及び第2の犠牲層を除去する際に、EL層113a、EL層113b、EL層113c、及び受光層113dに加わるダメージを低減することができる。
第1の犠牲層と第2の犠牲層は、別々の工程で除去してもよく、同一の工程で除去してもよい。
第1の犠牲層と第2の犠牲層のいずれか一方または双方を、水またはアルコールなどの溶媒に溶解させることで除去してもよい。アルコールとしては、エチルアルコール、メチルアルコール、イソプロピルアルコール(IPA)、またはグリセリンなどが挙げられる。
第1の犠牲層と第2の犠牲層を除去した後に、EL層に含まれる水、及びEL層表面に吸着する水を除去するため、乾燥処理を行ってもよい。例えば、不活性ガス雰囲気または減圧雰囲気下における加熱処理を行うことができる。加熱処理は、基板温度として50℃以上200℃以下、好ましくは60℃以上150℃以下、より好ましくは70℃以上120℃以下の温度で行うことができる。減圧雰囲気とすることで、より低温で乾燥が可能であるため好ましい。
次に、図68Cに示すように、絶縁層125、127、EL層113a、EL層113b、EL層113c、及び受光層113dを覆うように、層114を形成する。図68Cに示すように、Y1−Y2間の断面図において、層114の接続部140側の端部は、接続部140よりも内側に位置し、導電層123は露出したままである。なお、層114の導電性の高さによっては、接続部140に層114が設けられていてもよい。
層114として用いることができる材料は上述の通りである。層114は、蒸着法(真空蒸着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。また、層114は、プレミックス材料を用いて形成されてもよい。
ここで、絶縁層125及び絶縁層127が設けられていない場合、画素電極111a、画素電極111b、画素電極111c、または画素電極111dのいずれかと、層114とが接してしまう恐れがある。これらの層の接触により、層114の導電性が高い場合などには、発光デバイスまたは受光デバイスがショートする恐れがある。しかし、本発明の一態様の表示装置では、絶縁層125、及び絶縁層127が、EL層113a、EL層113b、EL層113c、受光層113d、画素電極111a、画素電極111b、画素電極111c、及び画素電極111dの側面を覆っているため、導電性の高い層114がこれらの層と接することを抑制し、発光デバイスがショートすることを抑制することができる。これにより、発光デバイスの信頼性を高めることができる。
そして、図68Cに示すように、層114上及び導電層123上に共通電極115を形成する。
共通電極115として用いることができる材料は上述の通りである。共通電極115の形成には、例えば、スパッタリング法または真空蒸着法を用いることができる。または、蒸着法で形成した膜と、スパッタリング法で形成した膜を積層させてもよい。
その後、共通電極115上に保護層131を形成し、保護層131上に保護層132を形成する。さらに、樹脂層122を用いて、保護層132上に、基板120を貼り合わせることで、図53Bに示す表示装置100を作製することができる。
保護層131、132に用いることができる材料及び成膜方法は上述の通りである。保護層131、132の成膜方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、及び、ALD法などが挙げられる。保護層131と保護層132は、互いに異なる成膜方法を用いて形成された膜であってもよい。また、保護層131、132は、それぞれ、単層構造であってもよく、積層構造であってもよい。
なお、共通電極115の成膜の際には、成膜エリアを規定するためのマスク(エリアマスク、ラフメタルマスクなどともいう)を用いてもよい。または、共通電極115の成膜に当該マスクを使用せず、図68Cに示す工程の後に、図69A及び図69Bに示す共通電極115の加工工程を行い、その後、保護層131の形成工程に進んでもよい。
図69A及び図62Fに示すように、共通電極115上にレジストマスク190eを形成する。図69AのY2側の端部に、レジストマスク190eが設けられていない部分が存在する。図62Fに示すように、レジストマスク190eは、各副画素及び接続部140と重なる領域に設けられる。つまり、レジストマスク190eが設けられていない領域は、接続部140よりも外側に位置する。
次に、図69Bに示すように、レジストマスク190eを用いて、共通電極115の一部を除去する。以上により、共通電極115を加工することができる。
なお、レジストマスク190eを用いる場合は、レジストマスク190a、レジストマスク190b、レジストマスク190c、レジストマスク190d、レジストマスク190e、及び、絶縁膜127Aの加工工程が行われるため、上記の一連の作製工程において、6つのフォトマスクを用いることとなる。レジストマスク190eを用いない場合は、レジストマスク190a、レジストマスク190b、レジストマスク190c、レジストマスク190d、及び、絶縁膜127Aの加工工程が行われるため、上記の一連の作製工程において、5つのフォトマスクを用いることとなる一方で、共通電極115の成膜に、成膜エリアを規定するためのマスクを用いることとなる。本発明の一態様の表示装置の作製方法では、島状のEL層を形成するための高精細なパターンのメタルマスクと、画素電極を島状に形成するためのマスクと、画素電極の端部を覆う絶縁層を形成するためのマスクと、を使用する必要がなく、マスクの枚数及びコストを低減することができる。
図70Bに示すように、層114を設けず、絶縁層125、127、EL層113a、EL層113b、EL層113c、及び受光層113dを覆うように、共通電極115を形成してもよい。つまり、それぞれ異なる色を発する発光デバイスにおいて、EL層を構成するすべての層が作り分けられていてもよい。このとき、各発光デバイスのEL層は、全て島状に形成される。
ここで、画素電極111a、画素電極111b、画素電極111c、及び画素電極111dのいずれかと、共通電極115とが接することで、発光デバイスがショートする恐れがある。しかし、本発明の一態様の表示装置では、絶縁層125、127が、EL層113a、EL層113b、EL層113c、受光層113d、画素電極111a、画素電極111b、画素電極111c、及び画素電極111dの側面を覆っているため、共通電極115がこれらの層と接することを抑制し、発光デバイスまたは受光デバイスがショートすることを抑制することができる。これにより、発光デバイス及び受光デバイスの信頼性を高めることができる。
図70Cに示すように、導電膜111の加工の際に、トランジスタを含む層101の一部(具体的には、最表面に位置する絶縁層)が加工されない場合は、トランジスタを含む層101に凹部が設けられないことがある。
図70Dに示すように、絶縁層125を設けなくてもよい。このとき、絶縁層127には、EL層113a、EL層113b、EL層113c、及び受光層113dに与えるダメージの少ない有機材料を用いることが好ましい。例えば、絶縁層127には、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリグリセリン、プルラン、水溶性のセルロース、またはアルコール可溶性のポリアミド樹脂などの有機材料を用いることが好ましい。
なお、接続部140に層114を設けた場合は、図70Eに示すように、導電層123と共通電極115とが層114を介して電気的に接続される。
図71A乃至図71Fに、絶縁層127とその周辺を含む領域139の断面構造を示す。
図71Aでは、EL層113aとEL層113bの厚さが互いに異なる例を示す。絶縁層125の上面の高さは、EL層113a側ではEL層113aの上面の高さと一致または概略一致しており、EL層113b側ではEL層113bの上面の高さと一致または概略一致している。そして、絶縁層127の上面は、EL層113a側が高く、EL層113b側が低い、なだらかな傾斜を有している。このように、絶縁層125及び絶縁層127の高さは、隣接するEL層の上面の高さと揃っていることが好ましい。または、隣接するEL層のいずれかの上面の高さと揃って、上面が平坦部を有する形状を有していてもよい。
図71Bにおいて、絶縁層127の上面は、EL層113aの上面及びEL層113bの上面よりも高い領域を有する。また、絶縁層127の上面は、中心に向かって凸状に、なだらかに膨らんだ形状を有する。
図71Cにおいて、絶縁層127がEL層113aの上面及びEL層113bの上面より高い領域を有する。また、領域139において、表示装置100は、第1の犠牲層118a及び第2の犠牲層119aの少なくとも一方を有し、絶縁層127がEL層113aの上面及びEL層113bの上面より高く、且つ絶縁層125よりも外側に位置する第1の領域を有し、第1の領域は第1の犠牲層118a及び第2の犠牲層119aの少なくとも一方の上に位置する。また、領域139において、表示装置100は、第1の犠牲層118b及び第2の犠牲層119bの少なくとも一方を有し、絶縁層127がEL層113aの上面及びEL層113bの上面より高く、且つ絶縁層125よりも外側に位置する第2の領域を有し、第2の領域は第1の犠牲層118b及び第2の犠牲層119bの少なくとも一方の上に位置する。
なお、絶縁層127の上面は、絶縁層127の被形成面(例えば、絶縁層125、第2の犠牲層119a及び第2の犠牲層119bの上面)の形状に応じた形状を有してもよい。図71Cは、絶縁層125の凹部と重なる領域において、絶縁層127の上面が窪んだ形状を有する例を示している。
図71Dにおいて、絶縁層127の上面は、EL層113aの上面及びEL層113bの上面よりも低い領域を有する。また、絶縁層127の上面は、中心に向かって凹状に、なだらかに窪んだ形状を有する。
図71Eにおいて、絶縁層125の上面は、EL層113aの上面及びEL層113bの上面よりも高い領域を有する。すなわち、層114の被形成面において、絶縁層125が突出し、凸部を形成している。
絶縁層125の形成において、例えば、犠牲層の高さと揃うまたは概略揃うように絶縁層125を形成する場合には、図71Eに示すように、絶縁層125が突出する形状が形成される場合がある。
図71Fにおいて、絶縁層125の上面は、EL層113aの上面及びEL層113bの上面よりも低い領域を有する。すなわち、層114の被形成面において、絶縁層125が凹部を形成している。
このように、絶縁層125及び絶縁層127は様々な形状を適用することができる。
以上のように、本実施の形態の表示装置の作製方法では、島状のEL層は、メタルマスクのパターンによって形成されるのではなく、EL層を一面に成膜した後に加工することで形成されるため、島状のEL層を均一の厚さで形成することができる。そして、高精細な表示装置または高開口率の表示装置を実現することができる。
各色の発光デバイスを構成する第1の層、第2の層、第3の層はそれぞれ別の工程で形成する。したがって、各EL層を、各色の発光デバイスに適した構成(材料及び膜厚など)で作製することができる。これにより、特性の良好な発光デバイスを作製することができる。
本発明の一態様の表示装置は、画素電極、発光層、及びキャリア輸送層のそれぞれの側面を覆う絶縁層を有する。当該表示装置の作製工程においては、発光層とキャリア輸送層とが積層された状態でEL層が加工されるため、当該表示装置は、発光層のダメージが低減された構成である。また、絶縁層により、画素電極とキャリア注入層または共通電極とが接することが抑制され、発光デバイスがショートすることが抑制された構成である。
なお、発光デバイス130a、発光デバイス130b、発光デバイス130c、及び受光デバイス130dを形成する順は特に限定されない。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。また、本明細書において、1つの実施の形態の中に、複数の構成例が示される場合は、構成例を適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置について図72乃至図74を用いて説明する。
本実施の形態の表示装置は、高解像度な表示装置または大型な表示装置とすることができる。したがって、本実施の形態の表示装置は、例えば、テレビジョン装置、デスクトップ型もしくはノート型のパーソナルコンピュータ、コンピュータ用などのモニタ、デジタルサイネージ、パチンコ機などの大型ゲーム機などの比較的大きな画面を備える電子機器の他、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置の表示部に用いることができる。
本明細書等において、表示装置の一態様である表示パネルは表示面に画像等を表示(出力)する機能を有するものである。したがって表示パネルは出力装置の一態様である。
本明細書等において、表示装置に、フレキシブルプリント回路基板(FPC:Flexible Printed Circuit)もしくはTCP(Tape Carrier Package)等のコネクタが取り付けられたもの、またはCOG(Chip On Glass)方式もしくはCOF(Chip On Film)方式等により集積回路(IC)が実装されたものを、表示パネルモジュール、表示モジュール、または単に表示パネルなどと呼ぶ場合がある。
<表示装置100A>
図72に、表示装置100Aの斜視図を示し、図73Aに、表示装置100Aの断面図を示す。
表示装置100Aは、基板152と基板151とが貼り合わされた構成を有する。図72では、基板152を破線で明示している。
表示装置100Aは、表示部162、回路164、配線165等を有する。図72では表示装置100AにIC173及びFPC172が実装されている例を示している。そのため、図72に示す構成は、表示装置100A、IC(集積回路)、及びFPCを有する表示モジュールということもできる。
回路164としては、例えば走査線駆動回路を用いることができる。
配線165は、表示部162及び回路164に信号及び電力を供給する機能を有する。当該信号及び電力は、FPC172を介して外部から、またはIC173から配線165に入力される。
図72では、COG(Chip On Glass)方式またはCOF(Chip On Film)方式等により、基板151にIC173が設けられている例を示す。IC173は、例えば走査線駆動回路または信号線駆動回路などを有するICを適用できる。なお、表示装置100A及び表示モジュールは、ICを設けない構成としてもよい。また、ICを、COF方式等により、FPCに実装してもよい。
図73Aに、表示装置100Aの、FPC172を含む領域の一部、回路164の一部、表示部162の一部、及び、端部を含む領域の一部をそれぞれ切断したときの断面の一例を示す。
表示装置100Aは、基板151と基板152の間に、発光デバイス、受光デバイス、トランジスタ207、トランジスタ205等を有する。図73Aは、発光デバイス及び受光デバイスとして、赤色の光を発する発光デバイス130a、及び緑色の光を発する発光デバイス130b、及び受光デバイス130dを示している。
ここで、表示装置の画素が、互いに異なる色を発する発光デバイスを有する副画素を3種類有する場合、当該3つの副画素としては、R、G、Bの3色の副画素、黄色(Y)、シアン(C)、及びマゼンタ(M)の3色の副画素などが挙げられる。当該副画素を4つ有する場合、当該4つの副画素としては、R、G、B、白色(W)の4色の副画素、R、G、B、Yの4色の副画素などが挙げられる。
発光デバイス130a、及び発光デバイス130bは、画素電極とEL層との間に光学調整層を有し、受光デバイス130dは、画素電極と受光層との間に光学調整層を有する。光学調整層として、発光デバイス130aは導電層126aを有し、発光デバイス130bは導電層126bを有し、受光デバイス130dは導電層126dを有する。発光デバイス及び受光デバイスの詳細は実施の形態1を参照できる。画素電極111a、画素電極111b、画素電極111d、導電層126a、126b、126d、EL層113a、EL層113b、及び、受光層113dの側面は、それぞれ、絶縁層125、127によって覆われている。EL層113a、EL層113b、受光層113d、及び、絶縁層125、127上に、層114が設けられ、層114上に共通電極115が設けられている。また、発光デバイス130a、発光デバイス130b、及び受光デバイス130d上にはそれぞれ、保護層131が設けられている。保護層131上には保護層132が設けられている。
保護層132と基板152は接着層142を介して接着されている。発光デバイスの封止には、固体封止構造または中空封止構造などが適用できる。図73Aでは、基板152と基板151との間の空間が、接着層142で充填されており、固体封止構造が適用されている。または、当該空間を不活性ガス(窒素またはアルゴンなど)で充填し、中空封止構造を適用してもよい。このとき、接着層142は、発光デバイスと重ならないように設けられていてもよい。また、当該空間を、枠状に設けられた接着層142とは異なる樹脂で充填してもよい。
画素電極111a、画素電極111b、画素電極111dは、それぞれ、絶縁層214に設けられた開口を介して、トランジスタ205が有する導電層222bと接続されている。
画素電極111a、画素電極111b、画素電極111dには、絶縁層214に設けられた開口を覆うように凹部が形成される。当該凹部には、層128が埋め込まれていることが好ましい。そして、画素電極111a及び層128上に導電層126aを形成し、画素電極111b及び層128上に導電層126bを形成し、画素電極111d及び層128上に導電層126dを形成することが好ましい。導電層126a、導電層126b、及び導電層126dは、画素電極と呼ぶこともできる。
層128は、画素電極111a、画素電極111b、画素電極111dの凹部を平坦化する機能を有する。層128を設けることで、EL層及び受光層の被形成面の凹凸を低減し、被覆性を向上することができる。また、画素電極111a、画素電極111b、画素電極111d及び層128上に、画素電極111a、画素電極111b、画素電極111dと電気的に接続される導電層126a、導電層126b、導電層126dを設けることで、画素電極111a、画素電極111b、画素電極111dの凹部と重なる領域も発光領域として使用できる場合がある。これにより、画素の開口率を高めることができる。
層128は、絶縁層であってもよく、導電層であってもよい。層128には、各種無機絶縁材料、有機絶縁材料、及び導電材料を適宜用いることができる。特に、層128は、絶縁材料を用いて形成されることが好ましい。
層128としては、有機材料を有する絶縁層を好適に用いることができる。例えば、層128として、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、シロキサン樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、フェノール樹脂、及びこれら樹脂の前駆体等を適用することができる。また、層128として、感光性の樹脂を用いることができる。感光性の樹脂は、ポジ型の材料、またはネガ型の材料を用いることができる。
感光性の樹脂を用いることにより、露光及び現像の工程のみで層128を作製することができ、ドライエッチング、あるいはウェットエッチング等による画素電極111a、画素電極111b、及び画素電極111dの表面への影響を低減することができる。また、ネガ型の感光性樹脂を用いて層128を形成することにより、絶縁層214の開口の形成に用いるフォトマスク(露光マスク)と同一のフォトマスクを用いて、層128を形成できる場合がある。
導電層126aは、画素電極111a上及び層128上に設けられる。導電層126aは、画素電極111aの上面に接する第1領域と、層128の上面に接する第2領域と、を有する。第1領域と接する画素電極111aの上面の高さと、第2領域と接する層128の上面の高さは、一致または概略一致することが好ましい。
同様に、導電層126bは、画素電極111b上及び層128上に設けられる。導電層126bは、画素電極111bの上面に接する第1領域と、層128の上面に接する第2領域と、を有する。第1領域と接する画素電極111bの上面の高さと、第2領域と接する層128の上面の高さは、一致または概略一致することが好ましい。
導電層126dは、画素電極111d上及び層128上に設けられる。導電層126dは、画素電極111dの上面に接する第1領域と、層128の上面に接する第2領域と、を有する。第1領域と接する画素電極111dの上面の高さと、第2領域と接する層128の上面の高さは、一致または概略一致することが好ましい。
画素電極は可視光を反射する材料を含み、対向電極は可視光を透過する材料を含む。
表示装置100Aは、トップエミッション型である。発光デバイスが発する光は、基板152側に射出される。基板152は、可視光に対する透過性が高い材料を用いることが好ましい。基板152は、可視光及び赤外光に対する透過性が高い材料を用いることがさらに好ましい。受光デバイスには、基板152を介して光が入射する。
基板151から絶縁層214までの積層構造が、実施の形態1に示した基板23、または実施の形態2等に示したトランジスタを含む層101に相当する。
トランジスタ207及びトランジスタ205は、いずれも基板151上に形成されている。これらのトランジスタは、同一の材料及び同一の工程により作製することができる。
基板151上には、絶縁層217、絶縁層213、絶縁層215、及び絶縁層214がこの順で設けられている。絶縁層217は、その一部が各トランジスタのゲート絶縁層として機能する。絶縁層213は、その一部が各トランジスタのゲート絶縁層として機能する。絶縁層215は、トランジスタを覆って設けられる。絶縁層214は、トランジスタを覆って設けられ、平坦化層としての機能を有する。なお、ゲート絶縁層の数及びトランジスタを覆う絶縁層の数は限定されず、それぞれ単層であっても2層以上であってもよい。
トランジスタを覆う絶縁層の少なくとも一層に、水及び水素などの不純物が拡散しにくい材料を用いることが好ましい。これにより、絶縁層をバリア層として機能させることができる。このような構成とすることで、トランジスタに外部から不純物が拡散することを効果的に抑制でき、表示装置の信頼性を高めることができる。
絶縁層217、絶縁層213、及び絶縁層215としては、それぞれ、無機絶縁膜を用いることが好ましい。無機絶縁膜としては、例えば、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、窒化アルミニウム膜などを用いることができる。また、酸化ハフニウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化ガリウム膜、酸化タンタル膜、酸化マグネシウム膜、酸化ランタン膜、酸化セリウム膜、及び酸化ネオジム膜等を用いてもよい。また、上述の絶縁膜を2以上積層して用いてもよい。
ここで、有機絶縁膜は、無機絶縁膜に比べてバリア性が低いことが多い。そのため、有機絶縁膜は、表示装置100Aの端部近傍に開口を有することが好ましい。これにより、表示装置100Aの端部から有機絶縁膜を介して不純物が入り込むことを抑制することができる。または、有機絶縁膜の端部が表示装置100Aの端部よりも内側にくるように有機絶縁膜を形成し、表示装置100Aの端部に有機絶縁膜が露出しないようにしてもよい。
平坦化層として機能する絶縁層214には、有機絶縁膜が好適である。有機絶縁膜に用いることができる材料としては、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、シロキサン樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、フェノール樹脂、及びこれら樹脂の前駆体等が挙げられる。また、絶縁層214を、有機絶縁膜と、無機絶縁膜との積層構造にしてもよい。絶縁層214の最表層は、エッチング保護膜としての機能を有することが好ましい。これにより、画素電極111aまたは導電層126aなどの加工時に、絶縁層214に凹部が形成されることを抑制することができる。または、絶縁層214には、画素電極111aまたは導電層126aなどの加工時に、凹部が設けられてもよい。
図73Aに示す領域228では、絶縁層214に開口が形成されている。これにより、絶縁層214に有機絶縁膜を用いる場合であっても、絶縁層214を介して外部から表示部162に不純物が入り込むことを抑制できる。従って、表示装置100Aの信頼性を高めることができる。
トランジスタ207及びトランジスタ205は、ゲートとして機能する導電層221、ゲート絶縁層として機能する絶縁層217、ソース及びドレインとして機能する導電層222a及び導電層222b、半導体層231、ゲート絶縁層として機能する絶縁層213、並びに、ゲートとして機能する導電層223を有する。ここでは、同一の導電膜を加工して得られる複数の層に、同じハッチングパターンを付している。絶縁層217は、導電層221と半導体層231との間に位置する。絶縁層213は、導電層223と半導体層231との間に位置する。
本実施の形態の表示装置が有するトランジスタの構造は特に限定されない。例えば、プレーナ型のトランジスタ、スタガ型のトランジスタ、逆スタガ型のトランジスタ等を用いることができる。また、トップゲート型またはボトムゲート型のいずれのトランジスタ構造としてもよい。または、チャネルが形成される半導体層の上下にゲートが設けられていてもよい。
トランジスタ207及びトランジスタ205には、チャネルが形成される半導体層を2つのゲートで挟持する構成が適用されている。2つのゲートを接続し、これらに同一の信号を供給することによりトランジスタを駆動してもよい。または、2つのゲートのうち、一方に閾値電圧を制御するための電位を与え、他方に駆動のための電位を与えることで、トランジスタの閾値電圧を制御してもよい。
トランジスタに用いる半導体材料の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体、結晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、単結晶半導体、または一部に結晶領域を有する半導体)のいずれを用いてもよい。結晶性を有する半導体を用いると、トランジスタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
トランジスタの半導体層は、金属酸化物(酸化物半導体ともいう)を有することが好ましい。つまり、本実施の形態の表示装置は、金属酸化物をチャネル形成領域に用いたトランジスタ(以下、OSトランジスタ)を用いることが好ましい。または、トランジスタの半導体層は、シリコンを有していてもよい。シリコンとしては、アモルファスシリコン、結晶性のシリコン(低温ポリシリコン、単結晶シリコンなど)などが挙げられる。
半導体層は、例えば、インジウムと、M(Mは、ガリウム、アルミニウム、シリコン、ホウ素、イットリウム、スズ、銅、バナジウム、ベリリウム、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、及びマグネシウムから選ばれた一種または複数種)と、亜鉛と、を有することが好ましい。特に、Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、及びスズから選ばれた一種または複数種であることが好ましい。
特に、半導体層として、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、及び亜鉛(Zn)を含む酸化物(IGZOとも記す)を用いることが好ましい。または、半導体層としては、インジウム(In)、アルミニウム(Al)、及び亜鉛(Zn)を含む酸化物(IAZOとも記す)を用いてもよい。または、半導体層としては、インジウム(In)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、及び亜鉛(Zn)を含む酸化物(IAGZO)を用いてもよい。
半導体層がIn−M−Zn酸化物の場合、当該In−M−Zn酸化物におけるInの原子数比はMの原子数比以上であることが好ましい。このようなIn−M−Zn酸化物の金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:1:1またはその近傍の組成、In:M:Zn=1:1:1.2またはその近傍の組成、In:M:Zn=1:3:2又はその近傍の組成、In:M:Zn=1:3:4又はその近傍の組成、In:M:Zn=2:1:3またはその近傍の組成、In:M:Zn=3:1:2またはその近傍の組成、In:M:Zn=4:2:3またはその近傍の組成、In:M:Zn=4:2:4.1またはその近傍の組成、In:M:Zn=5:1:3またはその近傍の組成、In:M:Zn=5:1:6またはその近傍の組成、In:M:Zn=5:1:7またはその近傍の組成、In:M:Zn=5:1:8またはその近傍の組成、In:M:Zn=6:1:6またはその近傍の組成、In:M:Zn=5:2:5またはその近傍の組成、等が挙げられる。なお、近傍の組成とは、所望の原子数比の±30%の範囲を含む。
例えば、原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:3またはその近傍の組成と記載する場合、Inの原子数比を4としたとき、Gaの原子数比が1以上3以下であり、Znの原子数比が2以上4以下である場合を含む。また、原子数比がIn:Ga:Zn=5:1:6またはその近傍の組成と記載する場合、Inの原子数比を5としたときに、Gaの原子数比が0.1より大きく2以下であり、Znの原子数比が5以上7以下である場合を含む。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:1:1またはその近傍の組成と記載する場合、Inの原子数比を1としたときに、Gaの原子数比が0.1より大きく2以下であり、Znの原子数比が0.1より大きく2以下である場合を含む。
回路164が有するトランジスタと、表示部162が有するトランジスタは、同じ構造であってもよく、異なる構造であってもよい。回路164が有する複数のトランジスタの構造は、全て同じであってもよく、2種類以上あってもよい。同様に、表示部162が有する複数のトランジスタの構造は、全て同じであってもよく、2種類以上あってもよい。
図73B及び図73Cに、トランジスタの他の構成例を示す。
トランジスタ209及びトランジスタ210は、ゲートとして機能する導電層221、ゲート絶縁層として機能する絶縁層217、チャネル形成領域231i及び一対の低抵抗領域231nを有する半導体層231、一対の低抵抗領域231nの一方と接続する導電層222a、一対の低抵抗領域231nの他方と接続する導電層222b、ゲート絶縁層として機能する絶縁層225、ゲートとして機能する導電層223、並びに、導電層223を覆う絶縁層215を有する。絶縁層217は、導電層221とチャネル形成領域231iとの間に位置する。絶縁層225は、少なくとも導電層223とチャネル形成領域231iとの間に位置する。さらに、トランジスタを覆う絶縁層218を設けてもよい。
図73Bに示すトランジスタ209では、絶縁層225が半導体層231の上面及び側面を覆う例を示す。導電層222a及び導電層222bは、それぞれ、絶縁層225及び絶縁層215に設けられた開口を介して低抵抗領域231nと接続される。導電層222a及び導電層222bのうち、一方はソースとして機能し、他方はドレインとして機能する。
一方、図73Cに示すトランジスタ210では、絶縁層225は、半導体層231のチャネル形成領域231iと重なり、低抵抗領域231nとは重ならない。例えば、導電層223をマスクとして絶縁層225を加工することで、図73Cに示す構造を作製できる。図73Cでは、絶縁層225及び導電層223を覆って絶縁層215が設けられ、絶縁層215の開口を介して、導電層222a及び導電層222bがそれぞれ低抵抗領域231nと接続されている。
基板151の、基板152が重ならない領域には、接続部204が設けられている。接続部204では、配線165が導電層166及び接続層242を介してFPC172と電気的に接続されている。導電層166は、画素電極111a、画素電極111b、及び画素電極111dと同一の導電膜を加工して得られた導電膜と、導電層126a、126b、及び126dと同一の導電膜を加工して得られた導電膜と、の積層構造である例を示す。接続部204の上面では、導電層166が露出している。これにより、接続部204とFPC172とを接続層242を介して電気的に接続することができる。
基板152の基板151側の面には、遮光層117を設けることが好ましい。また、基板152の外側には各種光学部材を配置することができる。光学部材としては、偏光板、位相差板、光拡散層(拡散フィルムなど)、反射防止層、及び集光フィルム等が挙げられる。また、基板152の外側には、ゴミの付着を抑制する帯電防止膜、汚れを付着しにくくする撥水性の膜、使用に伴う傷の発生を抑制するハードコート膜、衝撃吸収層等を配置してもよい。
発光デバイスを覆う保護層131及び保護層132を設けることで、発光デバイスに水などの不純物が入り込むことを抑制し、発光デバイスの信頼性を高めることができる。
表示装置100Aの端部近傍の領域228において、絶縁層214の開口を介して、絶縁層215と保護層131または保護層132とが互いに接することが好ましい。特に、無機絶縁膜同士が接することが好ましい。これにより、有機絶縁膜を介して外部から表示部162に不純物が入り込むことを抑制することができる。従って、表示装置100Aの信頼性を高めることができる。
基板151及び基板152には、それぞれ、ガラス、石英、セラミック、サファイア、樹脂、金属、合金、半導体などを用いることができる。発光デバイスからの光を取り出す側の基板には、該光を透過する材料を用いる。基板151及び基板152に可撓性を有する材料を用いると、表示装置の可撓性を高めることができる。また、基板151または基板152として偏光板を用いてもよい。
基板151及び基板152としては、それぞれ、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン、アラミド等)、ポリシロキサン樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、ABS樹脂、セルロースナノファイバー等を用いることができる。基板151及び基板152の一方または双方に、可撓性を有する程度の厚さのガラスを用いてもよい。
なお、表示装置に円偏光板を重ねる場合、表示装置が有する基板には、光学等方性の高い基板を用いることが好ましい。光学等方性が高い基板は、複屈折が小さい(複屈折量が小さい、ともいえる)。
光学等方性が高い基板のリタデーション(位相差)値の絶対値は、30nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましく、10nm以下がさらに好ましい。
光学等方性が高いフィルムとしては、トリアセチルセルロース(TAC、セルローストリアセテートともいう)フィルム、シクロオレフィンポリマー(COP)フィルム、シクロオレフィンコポリマー(COC)フィルム、及びアクリルフィルム等が挙げられる。
基板としてフィルムを用いる場合、フィルムが吸水することで、表示パネルにしわが発生するなどの形状変化が生じる恐れがある。そのため、基板には、吸水率の低いフィルムを用いることが好ましい。例えば、吸水率が1%以下のフィルムを用いることが好ましく、0.1%以下のフィルムを用いることがより好ましく、0.01%以下のフィルムを用いることがさらに好ましい。
接着層としては、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型接着剤を用いることができる。これら接着剤としてはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、イミド樹脂、PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等が挙げられる。特に、エポキシ樹脂等の透湿性が低い材料が好ましい。また、二液混合型の樹脂を用いてもよい。また、接着シート等を用いてもよい。
接続層242としては、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)、異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)などを用いることができる。
トランジスタのゲート、ソース及びドレインのほか、表示装置を構成する各種配線及び電極などの導電層に用いることのできる材料としては、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、及びタングステンなどの金属、並びに、当該金属を主成分とする合金などが挙げられる。これらの材料を含む膜を単層で、または積層構造として用いることができる。
透光性を有する導電材料としては、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを含む酸化亜鉛などの導電性酸化物またはグラフェンを用いることができる。または、金、銀、白金、マグネシウム、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、及びチタンなどの金属材料、または、該金属材料を含む合金材料を用いることができる。または、該金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)などを用いてもよい。なお、金属材料、または、合金材料(またはそれらの窒化物)を用いる場合には、透光性を有する程度に薄くすることが好ましい。また、上記材料の積層膜を導電層として用いることができる。例えば、銀とマグネシウムの合金とインジウムスズ酸化物の積層膜などを用いると、導電性を高めることができるため好ましい。これらは、表示装置を構成する各種配線及び電極などの導電層、及び、発光デバイスが有する導電層(画素電極または共通電極として機能する導電層)にも用いることができる。
各絶縁層に用いることのできる絶縁材料としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの無機絶縁材料が挙げられる。
<表示装置100B>
図74に示す表示装置100Bは、ボトムエミッション型である点で、表示装置100Aと主に相違する。なお、表示装置100Aと同様の部分については説明を省略する。
発光デバイスが発する光は、基板151側に射出される。基板151は、可視光に対する透過性が高い材料を用いることが好ましい。基板151は、可視光及び赤外光に対する透過性が高い材料を用いることがさらに好ましい。一方、基板152に用いる材料の透光性は問わない。受光デバイスには、基板151を介して光が入射する。
基板151とトランジスタ207との間、基板151とトランジスタ205との間には、遮光層117を形成することが好ましい。図74では、基板151上に遮光層117が設けられ、遮光層117上に絶縁層153が設けられ、絶縁層153上にトランジスタ207、205などが設けられている例を示す。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置について図75乃至図81を用いて説明する。
本実施の形態の表示装置は、高精細な表示装置とすることができる。したがって、本実施の形態の表示装置は、例えば、腕時計型、ブレスレット型などの情報端末機(ウェアラブル機器)、並びに、ヘッドマウントディスプレイなどのVR向け機器、メガネ型のAR向け機器など、頭部に装着可能なウェアラブル機器の表示部に用いることができる。
<表示モジュール>
図75Aに、表示モジュール280の斜視図を示す。表示モジュール280は、表示装置100Cと、FPC290と、を有する。なお、表示モジュール280が有する表示装置は表示装置100Cに限られず、後述する表示装置100Dまたは表示装置100Eであってもよい。
表示モジュール280は、基板291及び基板292を有する。表示モジュール280は、表示部281を有する。表示部281は、表示モジュール280における画像を表示する領域であり、後述する画素部284に設けられる各画素からの光を視認できる領域である。
図75Bに、基板291側の構成を模式的に示した斜視図を示している。基板291上には、回路部282と、回路部282上の画素回路部283と、画素回路部283上の画素部284と、が積層されている。また、基板291上の画素部284と重ならない部分に、FPC290と接続するための端子部285が設けられている。端子部285と回路部282とは、複数の配線により構成される配線部286により電気的に接続されている。
画素部284は、周期的に配列した複数の画素284aを有する。図75Bの右側に、1つの画素284aの拡大図を示している。画素284aは、発光色が互いに異なる発光デバイス130a、発光デバイス130b、発光デバイス130c、及び受光デバイス130dを有する。発光デバイス及び受光デバイスは、図75Bに示すようにストライプ配列で配置することができる。また、デルタ配列、または、ペンタイル配列など様々な発光デバイスの配列方法を適用することができる。
画素回路部283は、周期的に配列した複数の画素回路283aを有する。
1つの画素回路283aは、1つの画素284aが有する発光デバイスの発光、及び受光デバイスの受光を制御する回路である。例えば、1つの画素284aが、3つの発光デバイス及び1つの受光デバイスを有する場合、1つの画素回路283aは、3つの発光デバイスの発光及び1つの受光デバイスの受光を制御する回路である。1つの画素回路283aは、1つの発光デバイスの発光を制御する回路が3つ設けられ、1つの受光デバイスの受光を制御する回路が1つ設けられる構成としてもよい。例えば、画素回路283aは、1つの発光デバイスにつき、1つの選択トランジスタと、1つの電流制御用トランジスタ(駆動トランジスタ)と、容量素子と、を少なくとも有する構成とすることができる。このとき、選択トランジスタのゲートにはゲート信号が、ソースまたはドレインの一方にはソース信号が、それぞれ入力される。これにより、アクティブマトリクス型の表示装置が実現されている。画素回路283aは、例えば、実施の形態1に記載の画素回路を適用することができる。
回路部282は、画素回路部283の各画素回路283aを駆動する回路を有する。例えば、ゲート線駆動回路、及び、ソース線駆動回路の一方または双方を有することが好ましい。このほか、演算回路、メモリ回路、及び電源回路等の少なくとも一つを有していてもよい。
FPC290は、外部から回路部282にビデオ信号または電源電位等を供給するための配線として機能する。また、FPC290上にICが実装されていてもよい。
表示モジュール280は、画素部284の下側に画素回路部283及び回路部282の一方または双方が積層された構成とすることができるため、表示部281の開口率(有効表示面積比)を極めて高くすることができる。例えば表示部281の開口率は、40%以上100%未満、好ましくは50%以上95%以下、より好ましくは60%以上95%以下とすることができる。また、画素284aを極めて高密度に配置することが可能で、表示部281の精細度を極めて高くすることができる。例えば、表示部281には、500ppi以上、好ましくは1000ppi以上、さらに好ましくは2000ppi以上、さらに好ましくは3000ppi以上、さらに好ましくは5000ppi以上、さらに好ましくは6000ppi以上であって、20000ppi以下、または30000ppi以下の精細度で、画素284aが配置されることが好ましい。
このような表示モジュール280は、極めて高精細であることから、ヘッドマウントディスプレイなどのVR向け機器、またはメガネ型のAR向け機器に好適に用いることができる。例えば、レンズを通して表示モジュール280の表示部を視認する構成の場合であっても、表示モジュール280は極めて高精細な表示部281を有するためにレンズで表示部を拡大しても画素が視認されず、没入感の高い表示を行うことができる。また、表示モジュール280はこれに限られず、比較的小型の表示部を有する電子機器に好適に用いることができる。例えば腕時計などの装着型の電子機器の表示部に好適に用いることができる。
<表示装置100C>
図76に示す表示装置100Cは、基板301、発光デバイス130a、発光デバイス130b、発光デバイス130c、受光デバイス130d、容量240、及び、トランジスタ310を有する。
基板301は、図75A及び図75Bにおける基板291に相当する。
トランジスタ310は、基板301にチャネル形成領域を有するトランジスタである。基板301としては、例えば単結晶シリコン基板などの半導体基板を用いることができる。トランジスタ310は、基板301の一部、導電層311、低抵抗領域312、絶縁層313、及び、絶縁層314を有する。導電層311は、ゲート電極として機能する。絶縁層313は、基板301と導電層311の間に位置し、ゲート絶縁層として機能する。低抵抗領域312は、基板301に不純物がドープされた領域であり、ソースまたはドレインの一方として機能する。絶縁層314は、導電層311の側面を覆って設けられ、絶縁層として機能する。
基板301に埋め込まれるように、隣接する2つのトランジスタ310の間に素子分離層315が設けられている。
トランジスタ310を覆って絶縁層261が設けられ、絶縁層261上に容量240が設けられている。
容量240は、導電層241と、導電層245と、これらの間に位置する絶縁層243を有する。導電層241は容量240の一方の電極として機能し、導電層245は容量240の他方の電極として機能し、絶縁層243は容量240の誘電体として機能する。
導電層241は絶縁層261上に設けられ、絶縁層254に埋め込まれている。導電層241は、絶縁層261に埋め込まれたプラグ271によってトランジスタ310のソースまたはドレインの一方と電気的に接続されている。絶縁層243は導電層241を覆って設けられる。導電層245は、絶縁層243を介して導電層241と重なる領域に設けられている。
容量240を覆って、絶縁層255aが設けられ、絶縁層255a上に絶縁層255bが設けられ、絶縁層255b上に発光デバイス130a、発光デバイス130b、発光デバイス130c、受光デバイス130d等が設けられている。画素電極111a、画素電極111b、画素電極111c、画素電極111d、EL層113a、EL層113b、EL層113c、及び受光層113dの側面は、それぞれ、絶縁層125、127によって覆われている。EL層113a、EL層113b、EL層113c、受光層113d、絶縁層125、及び絶縁層127上に、層114が設けられ、層114上に共通電極115が設けられている。また、発光デバイス130a、発光デバイス130b、発光デバイス130c、及び受光デバイス130d上には保護層131が設けられている。保護層131上には保護層132が設けられており、保護層132上には、樹脂層122によって基板120が貼り合わされている。発光デバイスから基板120までの構成要素についての詳細は、前述の記載を参照することができる。
絶縁層255a、255bとしては、それぞれ、酸化絶縁膜、窒化絶縁膜、酸化窒化絶縁膜、及び窒化酸化絶縁膜などの各種無機絶縁膜を好適に用いることができる。絶縁層255aとしては、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜などの酸化絶縁膜または酸化窒化絶縁膜を用いることが好ましい。絶縁層255bとしては、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜などの窒化絶縁膜または窒化酸化絶縁膜を用いることが好ましい。より具体的には、絶縁層255aとして酸化シリコン膜を用い、絶縁層255bとして窒化シリコン膜を用いることが好ましい。絶縁層255bは、エッチング保護膜としての機能を有することが好ましい。または、絶縁層255aとして、窒化絶縁膜または窒化酸化絶縁膜を用い、絶縁層255bとして、酸化絶縁膜または酸化窒化絶縁膜を用いてもよい。本実施の形態では、絶縁層255bに凹部が設けられている例を示すが、絶縁層255bに凹部が設けられていなくてもよい。
発光デバイスの画素電極は、絶縁層255a、255bに埋め込まれたプラグ256、絶縁層254に埋め込まれた導電層241、及び、絶縁層261に埋め込まれたプラグ271によってトランジスタ310のソースまたはドレインの一方と電気的に接続されている。絶縁層255bの上面の高さと、プラグ256の上面の高さは、一致または概略一致している。プラグには各種導電材料を用いることができる。
<表示装置100D>
図77に示す表示装置100Dは、トランジスタの構成が異なる点で、表示装置100Cと主に相違する。なお、表示装置100Cと同様の部分については説明を省略することがある。
トランジスタ320は、チャネルが形成される半導体層に、金属酸化物(酸化物半導体ともいう)が適用されたトランジスタ(OSトランジスタ)である。
トランジスタ320は、半導体層321、絶縁層323、導電層324、一対の導電層325、絶縁層326、及び、導電層327を有する。
基板331は、図75A及び図75Bにおける基板291に相当する。基板331から絶縁層255bまでの積層構造が、実施の形態1におけるトランジスタを含む層101に相当する。基板331としては、絶縁性基板または半導体基板を用いることができる。
基板331上に、絶縁層332が設けられている。絶縁層332は、基板331から水または水素などの不純物がトランジスタ320に拡散すること、及び半導体層321から絶縁層332側に酸素が脱離することを防ぐバリア層として機能する。絶縁層332としては、例えば酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜、窒化シリコン膜などの、酸化シリコン膜よりも水素または酸素が拡散しにくい膜を用いることができる。
絶縁層332上に導電層327が設けられ、導電層327を覆って絶縁層326が設けられている。導電層327は、トランジスタ320の第1のゲート電極として機能し、絶縁層326の一部は、第1のゲート絶縁層として機能する。絶縁層326の少なくとも半導体層321と接する部分には、酸化シリコン膜等の酸化物絶縁膜を用いることが好ましい。絶縁層326の上面は、平坦化されていることが好ましい。
半導体層321は、絶縁層326上に設けられる。半導体層321は、半導体特性を有する金属酸化物(酸化物半導体ともいう)膜を有することが好ましい。
一対の導電層325は、半導体層321上に接して設けられ、ソース電極及びドレイン電極として機能する。
一対の導電層325の上面及び側面、並びに半導体層321の側面等を覆って絶縁層328が設けられ、絶縁層328上に絶縁層264が設けられている。絶縁層328は、半導体層321に絶縁層264等から水または水素などの不純物が拡散すること、及び半導体層321から酸素が脱離することを防ぐバリア層として機能する。絶縁層328としては、上記絶縁層332と同様の絶縁膜を用いることができる。
絶縁層328及び絶縁層264に、半導体層321に達する開口が設けられている。当該開口の内部において、絶縁層264、絶縁層328、及び導電層325の側面、並びに半導体層321の上面に接する絶縁層323と、導電層324とが埋め込まれている。導電層324は、第2のゲート電極として機能し、絶縁層323は第2のゲート絶縁層として機能する。
導電層324の上面、絶縁層323の上面、及び絶縁層264の上面は、それぞれ高さが一致または概略一致するように平坦化処理され、これらを覆って絶縁層329及び絶縁層265が設けられている。
絶縁層264及び絶縁層265は、層間絶縁層として機能する。絶縁層329は、トランジスタ320に絶縁層265等から水または水素などの不純物が拡散することを防ぐバリア層として機能する。絶縁層329としては、上記絶縁層328及び絶縁層332と同様の絶縁膜を用いることができる。
一対の導電層325の一方と電気的に接続するプラグ274は、絶縁層265、絶縁層329、及び絶縁層264に埋め込まれるように設けられている。ここで、プラグ274は、絶縁層265、絶縁層329、絶縁層264、及び絶縁層328のそれぞれの開口の側面、及び導電層325の上面の一部を覆う導電層274aと、導電層274aの上面に接する導電層274bとを有することが好ましい。このとき、導電層274aとして、水素及び酸素が拡散しにくい導電材料を用いることが好ましい。
表示装置100Dにおける、絶縁層254から基板120までの構成は、表示装置100Cと同様である。
<表示装置100E>
図78に示す表示装置100Eは、基板301にチャネルが形成されるトランジスタ310と、チャネルが形成される半導体層に金属酸化物を含むトランジスタ320とが積層された構成を有する。なお、表示装置100C、100Dと同様の部分については説明を省略することがある。
トランジスタ310を覆って絶縁層261が設けられ、絶縁層261上に導電層251が設けられている。また導電層251を覆って絶縁層262が設けられ、絶縁層262上に導電層252が設けられている。導電層251及び導電層252は、それぞれ配線として機能する。また、導電層252を覆って絶縁層263及び絶縁層332が設けられ、絶縁層332上にトランジスタ320が設けられている。また、トランジスタ320を覆って絶縁層265が設けられ、絶縁層265上に容量240が設けられている。容量240とトランジスタ320とは、プラグ274により電気的に接続されている。
トランジスタ320は、画素回路を構成するトランジスタとして用いることができる。また、トランジスタ310は、画素回路を構成するトランジスタ、または当該画素回路を駆動するための駆動回路(ゲート線駆動回路、ソース線駆動回路)を構成するトランジスタとして用いることができる。また、トランジスタ310及びトランジスタ320は、演算回路または記憶回路などの各種回路を構成するトランジスタとして用いることができる。
このような構成とすることで、発光デバイスの直下に画素回路だけでなく駆動回路等を形成することができるため、表示領域の周辺に駆動回路を設ける場合に比べて、表示装置を小型化することが可能となる。
<表示装置100F>
図79に示す表示装置100Fは、それぞれ半導体基板にチャネルが形成されるトランジスタ310Aと、トランジスタ310Bとが積層された構成を有する。
表示装置100Fは、トランジスタ310B、容量240及び各発光デバイスが設けられた基板301Bと、トランジスタ310Aが設けられた基板301Aとが、貼り合された構成を有する。
基板301Bには、基板301Bを貫通するプラグ343が設けられる。また、プラグ343は、基板301Bの裏面(基板120側とは反対側の表面)に設けられる導電層342と電気的に接続されている。一方、基板301Aには、絶縁層261上に導電層341が設けられている。
導電層341と、導電層342とが接合されることで、基板301Aと基板301Bとが電気的に接続される。
導電層341及び導電層342としては、同じ導電性材料を用いることが好ましい。例えば、Al、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、Wから選ばれた元素を含む金属膜、又は上述した元素を成分とする金属窒化物膜(窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)等を用いることができる。特に、導電層341及び導電層342に、銅を用いることが好ましい。これにより、Cu−Cu直接接合技術(Cu(銅)のパッド同士を接続することで電気的導通を図る技術)を適用することができる。なお、導電層341と導電層342とは、バンプを介して接合されてもよい。
<表示装置100G>
図80に示す表示装置100Gは、それぞれチャネルが形成される半導体に酸化物半導体を有するトランジスタ320Aと、トランジスタ320Bとが積層された構成を有する。
トランジスタ320A、トランジスタ320B、及びその周辺の構成については、上記表示装置100Dを援用することができる。
なお、ここでは、酸化物半導体を有するトランジスタを2つ積層する構成としたが、これに限られない。例えば3つ以上のトランジスタを積層する構成としてもよい。
<トランジスタの構成例>
以下では、上記表示装置に適用することのできるトランジスタの断面構成例について説明する。
図81Aは、トランジスタ410を含む断面図である。
トランジスタ410は、基板401上に設けられ、半導体層に多結晶シリコンを適用したトランジスタである。例えばトランジスタ410は、図40Bに示す画素81のトランジスタM12に対応する。すなわち、図81Aは、トランジスタ410のソース及びドレインの一方が、発光デバイスの導電層431と電気的に接続されている例である。
トランジスタ410は、半導体層411、絶縁層412、導電層413等を有する。半導体層411は、チャネル形成領域411i及び低抵抗領域411nを有する。半導体層411は、シリコンを有する。半導体層411は、多結晶シリコンを有することが好ましい。絶縁層412の一部は、ゲート絶縁層として機能する。導電層413の一部は、ゲート電極として機能する。
なお、半導体層411は、半導体特性を示す金属酸化物(酸化物半導体ともいう)を含む構成とすることもできる。このとき、トランジスタ410は、OSトランジスタと呼ぶことができる。
低抵抗領域411nは、不純物元素を含む領域である。例えばトランジスタ410をnチャネル型のトランジスタとする場合には、低抵抗領域411nにリン、ヒ素などを添加すればよい。一方、pチャネル型のトランジスタとする場合には、低抵抗領域411nにホウ素、アルミニウムなどを添加すればよい。また、トランジスタ410のしきい値電圧を制御するため、チャネル形成領域411iに、上述した不純物が添加されていてもよい。
基板401上に、絶縁層421が設けられている。半導体層411は、絶縁層421上に設けられている。絶縁層412は、半導体層411及び絶縁層421を覆って設けられている。導電層413は、絶縁層412上の、半導体層411と重なる位置に設けられている。
導電層413及び絶縁層412を覆って絶縁層422が設けられる。絶縁層422上には、導電層414a及び導電層414bが設けられる。導電層414a及び導電層414bは、絶縁層422及び絶縁層412に設けられた開口部において、低抵抗領域411nと電気的に接続されている。導電層414aの一部は、ソース電極及びドレイン電極の一方として機能し、導電層414bの一部は、ソース電極及びドレイン電極の他方として機能する。また、導電層414a、導電層414b、及び絶縁層422を覆って、絶縁層423が設けられている。
絶縁層423上には、画素電極として機能する導電層431が設けられる。導電層431は、絶縁層423上に設けられ、絶縁層423に設けられた開口において、導電層414bと電気的に接続されている。ここでは省略するが、導電層431上には、EL層及び共通電極を積層することができる。
図81Bには、一対のゲート電極を有するトランジスタ410aを示す。図81Bに示すトランジスタ410aは、導電層415、及び絶縁層416を有する点で、図81Aと主に相違している。
導電層415は、絶縁層421上に設けられている。また、導電層415及び絶縁層421を覆って、絶縁層416が設けられている。半導体層411は、少なくともチャネル形成領域411iが、絶縁層416を介して導電層415と重なるように設けられている。
図81Bに示すトランジスタ410aにおいて、導電層413の一部が第1のゲート電極として機能し、導電層415の一部が第2のゲート電極として機能する。またこのとき、絶縁層412の一部が第1のゲート絶縁層として機能し、絶縁層416の一部が第2のゲート絶縁層として機能する。
ここで、第1のゲート電極と、第2のゲート電極とを電気的に接続する場合、図示しない領域において、絶縁層412及び絶縁層416に設けられた開口部を介して導電層413と導電層415とを電気的に接続すればよい。また、第2のゲート電極と、ソースまたはドレインとを電気的に接続する場合、図示しない領域において、絶縁層422、絶縁層412、及び絶縁層416に設けられた開口部を介して、導電層414aまたは導電層414bと、導電層415とを電気的に接続すればよい。
画素81を構成するトランジスタの全てに、LTPSトランジスタを適用する場合、図81Aで例示したトランジスタ410、または図81Bで例示したトランジスタ410aを適用することができる。このとき、画素81を構成する全てのトランジスタに、トランジスタ410aを用いてもよいし、全てのトランジスタにトランジスタ410を適用してもよいし、トランジスタ410aと、トランジスタ410とを組み合わせて用いてもよい。
以下では、半導体層にシリコンが適用されたトランジスタと、半導体層に金属酸化物が適用されたトランジスタの両方を有する構成の例について説明する。
図81Cに、トランジスタ410a及びトランジスタ450を含む、断面概略図を示している。
トランジスタ410aについては、上記構成例1を援用できる。なお、ここではトランジスタ410aを用いる例を示したが、トランジスタ410とトランジスタ450とを有する構成としてもよいし、トランジスタ410、トランジスタ410a、トランジスタ450の全てを有する構成としてもよい。
トランジスタ450は、半導体層に金属酸化物を適用したトランジスタである。図81Cに示す構成は、例えばトランジスタ450が画素81のトランジスタM11に対応し、トランジスタ410aがトランジスタM12に対応する例である。すなわち、図81Cは、トランジスタ410aのソース及びドレインの一方が、導電層431と電気的に接続されている例である。
図81Cには、トランジスタ450が一対のゲートを有する例を示している。
トランジスタ450は、導電層455、絶縁層422、半導体層451、絶縁層452、導電層453等を有する。導電層453の一部は、トランジスタ450の第1のゲートとして機能し、導電層455の一部は、トランジスタ450の第2のゲートとして機能する。このとき、絶縁層452の一部はトランジスタ450の第1のゲート絶縁層として機能し、絶縁層422の一部は、トランジスタ450の第2のゲート絶縁層として機能する。
導電層455は、絶縁層412上に設けられている。絶縁層422は、導電層455を覆って設けられている。半導体層451は、絶縁層422上に設けられている。絶縁層452は、半導体層451及び絶縁層422を覆って設けられている。導電層453は、絶縁層452上に設けられ、半導体層451及び導電層455と重なる領域を有する。
絶縁層426が絶縁層452及び導電層453を覆って設けられている。絶縁層426上には、導電層454a及び導電層454bが設けられる。導電層454a及び導電層454bは、絶縁層426及び絶縁層452に設けられた開口部において、半導体層451と電気的に接続されている。導電層454aの一部は、ソース電極及びドレイン電極の一方として機能し、導電層454bの一部は、ソース電極及びドレイン電極の他方として機能する。また、導電層454a、導電層454b、及び絶縁層426を覆って、絶縁層423が設けられている。
ここで、トランジスタ410aと電気的に接続する導電層414a及び導電層414bは、導電層454a及び導電層454bと、同一の導電膜を加工して形成することが好ましい。図81Cでは、導電層414a、導電層414b、導電層454a、及び導電層454bが、同一面上に(すなわち絶縁層426の上面に接して)形成され、且つ、同一の金属元素を含む構成を示している。このとき、導電層414a及び導電層414bは、絶縁層426、絶縁層452、絶縁層422、及び絶縁層412に設けられた開口を介して、低抵抗領域411nと電気的に接続する。これにより、作製工程を簡略化できるため好ましい。
トランジスタ410aの第1のゲート電極として機能する導電層413と、トランジスタ450の第2のゲート電極として機能する導電層455とは、同一の導電膜を加工して形成することが好ましい。図81Cでは、導電層413と導電層455とが、同一面上に(すなわち絶縁層412の上面に接して)形成され、且つ、同一の金属元素を含む構成を示している。これにより、作製工程を簡略化できるため好ましい。
図81Cでは、トランジスタ450の第1のゲート絶縁層として機能する絶縁層452が、半導体層451の端部を覆う構成としたが、図81Dに示すトランジスタ450aのように、絶縁層452が、導電層453と上面形状が一致または概略一致するように加工されていてもよい。
なお、本明細書等において「上面形状が概略一致」とは、積層した層と層との間で少なくとも輪郭の一部が重なることをいう。例えば、上層と下層とが、同一のマスクパターン、または一部が同一のマスクパターンにより加工された場合を含む。ただし、厳密には輪郭が重なり合わず、上層が下層の内側に位置すること、または、上層が下層の外側に位置することもあり、この場合も「上面形状が概略一致」という。
なお、ここではトランジスタ410aが、トランジスタM12に対応し、画素電極と電気的に接続する例を示したが、これに限られない。例えば、トランジスタ450またはトランジスタ450aが、トランジスタM12に対応する構成としてもよい。このとき、トランジスタ410aは、トランジスタM11、トランジスタM13、またはその他のトランジスタに対応する。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器について、図82乃至図85を用いて説明する。
本実施の形態の電子機器は、表示部に本発明の一態様の表示装置を有する。本発明の一態様の表示装置は、高精細化及び高解像度化が容易である。したがって、様々な電子機器の表示部に用いることができる。
電子機器として、例えば、テレビジョン装置、デスクトップ型もしくはノート型のパーソナルコンピュータ、コンピュータ用などのモニタ、デジタルサイネージ、パチンコ機などの大型ゲーム機などの比較的大きな画面を備える電子機器の他、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、などが挙げられる。
特に、本発明の一態様の表示装置は、精細度を高めることが可能なため、比較的小さな表示部を有する電子機器に好適に用いることができる。このような電子機器として、例えば、腕時計型及びブレスレット型の情報端末機(ウェアラブル機器)、並びに、ヘッドマウントディスプレイなどのVR向け機器、メガネ型のAR向け機器、及び、MR向け機器など、頭部に装着可能なウェアラブル機器等が挙げられる。
本発明の一態様の表示装置は、HD(画素数1280×720)、FHD(画素数1920×1080)、WQHD(画素数2560×1440)、WQXGA(画素数2560×1600)、4K(画素数3840×2160)、8K(画素数7680×4320)といった極めて高い解像度を有していることが好ましい。特に4K、8K、またはそれ以上の解像度とすることが好ましい。また、本発明の一態様の表示装置における画素密度(精細度)は、100ppi以上が好ましく、300ppi以上が好ましく、500ppi以上がより好ましく、1000ppi以上がより好ましく、2000ppi以上がより好ましく、3000ppi以上がより好ましく、5000ppi以上がより好ましく、7000ppi以上がさらに好ましい。このように高い解像度及び高い精細度の一方または双方を有する表示装置を用いることで、携帯型または家庭用途などのパーソナルユースの電子機器において、臨場感及び奥行き感などをより高めることが可能となる。また、本発明の一態様の表示装置の画面比率(アスペクト比)については、特に限定はない。例えば、表示装置は、1:1(正方形)、4:3、16:9、16:10など様々な画面比率に対応することができる。
本実施の形態の電子機器は、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、においまたは赤外線を測定する機能を含むもの)を有していてもよい。
本実施の形態の電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付または時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)を実行する機能、無線通信機能、記録媒体に記録されているプログラムまたはデータを読み出す機能等を有することができる。
図82Aに示す電子機器6500は、スマートフォンとして用いることができる携帯情報端末機である。
電子機器6500は、筐体6501、表示部6502、電源ボタン6503、ボタン6504、スピーカ6505、マイク6506、カメラ6507、及び光源6508等を有する。表示部6502はタッチパネル機能を備える。
表示部6502に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
図82Bは、筐体6501のマイク6506側の端部を含む断面概略図である。
筐体6501の表示面側には透光性を有する保護部材6510が設けられ、筐体6501と保護部材6510に囲まれた空間内に、表示パネル6511、光学部材6512、タッチセンサパネル6513、プリント基板6517、バッテリ6518等が配置されている。
保護部材6510には、表示パネル6511、光学部材6512、及びタッチセンサパネル6513が接着層(図示しない)により固定されている。
表示部6502よりも外側の領域において、表示パネル6511の一部が折り返されており、当該折り返された部分にFPC6515が接続されている。FPC6515には、IC6516が実装されている。FPC6515は、プリント基板6517に設けられた端子に接続されている。
表示パネル6511には本発明の一態様のフレキシブルディスプレイを適用することができる。そのため、極めて軽量な電子機器を実現できる。また、表示パネル6511が極めて薄いため、電子機器の厚さを抑えつつ、大容量のバッテリ6518を搭載することもできる。また、表示パネル6511の一部を折り返して、画素部の裏側にFPC6515との接続部を配置することにより、狭額縁の電子機器を実現できる。
図83Aにテレビジョン装置の一例を示す。テレビジョン装置7100は、筐体7101に表示部7000が組み込まれている。ここでは、スタンド7103により筐体7101を支持した構成を示している。
表示部7000に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
図83Aに示すテレビジョン装置7100の操作は、筐体7101が備える操作スイッチ、及び、別体のリモコン操作機7111により行うことができる。または、表示部7000にタッチセンサを備えていてもよく、指等で表示部7000に触れることでテレビジョン装置7100を操作してもよい。リモコン操作機7111は、当該リモコン操作機7111から出力する情報を表示する表示部を有していてもよい。リモコン操作機7111が備える操作キーまたはタッチパネルにより、チャンネル及び音量の操作を行うことができ、表示部7000に表示される映像を操作することができる。
なお、テレビジョン装置7100は、受信機及びモデムなどを備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができる。また、モデムを介して有線または無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)または双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
図83Bに、ノート型パーソナルコンピュータの一例を示す。ノート型パーソナルコンピュータ7200は、筐体7211、キーボード7212、ポインティングデバイス7213、外部接続ポート7214等を有する。筐体7211に、表示部7000が組み込まれている。
表示部7000に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
図83C及び図83Dに、デジタルサイネージの一例を示す。
図83Cに示すデジタルサイネージ7300は、筐体7301、表示部7000、及びスピーカ7303等を有する。さらに、LEDランプ、操作キー(電源スイッチ、または操作スイッチを含む)、接続端子、各種センサ、マイクロフォン等を有することができる。
図83Dは円柱状の柱7401に取り付けられたデジタルサイネージ7400である。デジタルサイネージ7400は、柱7401の曲面に沿って設けられた表示部7000を有する。
図83C及び図83Dにおいて、表示部7000に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
表示部7000が広いほど、一度に提供できる情報量を増やすことができる。また、表示部7000が広いほど、人の目につきやすく、例えば、広告の宣伝効果を高めることができる。
表示部7000にタッチパネルを適用することで、表示部7000に画像または動画を表示するだけでなく、使用者が直感的に操作することができ、好ましい。また、路線情報もしくは交通情報などの情報を提供するための用途に用いる場合には、直感的な操作によりユーザビリティを高めることができる。
図83C及び図83Dに示すように、デジタルサイネージ7300またはデジタルサイネージ7400は、使用者が所持するスマートフォン等の情報端末機7311または情報端末機7411と無線通信により連携可能であることが好ましい。例えば、表示部7000に表示される広告の情報を、情報端末機7311または情報端末機7411の画面に表示させることができる。また、情報端末機7311または情報端末機7411を操作することで、表示部7000の表示を切り替えることができる。
デジタルサイネージ7300またはデジタルサイネージ7400に、情報端末機7311または情報端末機7411の画面を操作手段(コントローラ)としたゲームを実行させることもできる。これにより、不特定多数の使用者が同時にゲームに参加し、楽しむことができる。
図84A乃至図84Fに示す電子機器は、筐体9000、表示部9001、スピーカ9003、操作キー9005(電源スイッチ、または操作スイッチを含む)、接続端子9006、センサ9007(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、においまたは赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン9008、等を有する。
図84A乃至図84Fに示す電子機器は、様々な機能を有する。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付または時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、記録媒体に記録されているプログラムまたはデータを読み出して処理する機能、等を有することができる。なお、電子機器の機能はこれらに限られず、様々な機能を有することができる。電子機器は、複数の表示部を有していてもよい。また、電子機器にカメラ等を設け、静止画または動画を撮影し、記録媒体(外部またはカメラに内蔵)に保存する機能、撮影した画像を表示部に表示する機能、等を有していてもよい。
図84A乃至図84Fに示す電子機器の詳細について、以下説明を行う。
図84Aは、携帯情報端末9101を示す斜視図である。携帯情報端末9101は、例えばスマートフォンとして用いることができる。なお、携帯情報端末9101は、スピーカ9003、接続端子9006、センサ9007等を設けてもよい。また、携帯情報端末9101は、文字及び画像情報をその複数の面に表示することができる。図84Aでは3つのアイコン9050を表示した例を示している。また、破線の矩形で示す情報9051を表示部9001の他の面に表示することもできる。情報9051の一例として、電子メール、SNS、電話などの着信の通知、電子メールまたはSNSなどの題名、送信者名、日時、時刻、バッテリの残量、電波強度などがある。または、情報9051が表示されている位置にはアイコン9050などを表示してもよい。
図84Bは、携帯情報端末9102を示す斜視図である。携帯情報端末9102は、表示部9001の3面以上に情報を表示する機能を有する。ここでは、情報9052、情報9053、情報9054がそれぞれ異なる面に表示されている例を示す。例えば使用者は、洋服の胸ポケットに携帯情報端末9102を収納した状態で、携帯情報端末9102の上方から観察できる位置に表示された情報9053を確認することもできる。使用者は、携帯情報端末9102をポケットから取り出すことなく表示を確認し、例えば電話を受けるか否かを判断できる。
図84Cは、腕時計型の携帯情報端末9200を示す斜視図である。携帯情報端末9200は、例えばスマートウォッチ(登録商標)として用いることができる。また、表示部9001はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、携帯情報端末9200は、例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。また、携帯情報端末9200は、接続端子9006により、他の情報端末と相互にデータ伝送を行うこと、及び、充電を行うこともできる。なお、充電動作は無線給電により行ってもよい。
図84D乃至図84Fは、折り畳み可能な携帯情報端末9201を示す斜視図である。また、図84Dは携帯情報端末9201を展開した状態、図84Fは折り畳んだ状態、図84Eは図84Dと図84Fの一方から他方に変化する途中の状態の斜視図である。携帯情報端末9201は、折り畳んだ状態では可搬性に優れ、展開した状態では継ぎ目のない広い表示領域により表示の一覧性に優れる。携帯情報端末9201が有する表示部9001は、ヒンジ9055によって連結された3つの筐体9000に支持されている。例えば、表示部9001は、曲率半径0.1mm以上150mm以下で曲げることができる。
本発明の一態様である表示装置、及び電子機器は、家屋もしくはビルの内壁もしくは外壁、または、車両の内装もしくは外装に組み込むことができる。
本発明の一態様の表示装置を車両への搭載した例を、図85に示す。図85に示す車両は、ダッシュボード5002に、表示装置5000a、表示装置5000b、及び表示装置5000cが搭載されている。また、運転席側の天井5004に、表示装置5000dが搭載されている。なお、図85は、表示装置5000dが右ハンドルの車両に搭載された例を示すが、特に限定されず、左ハンドルの車両に搭載することもできる。この場合、図85に示す構成の左右の配置が替わる。図85は、運転席と助手席の周辺に配置されるハンドル5006、フロントガラス5008などを示している。
表示装置5000a乃至表示装置5000dのいずれか一または複数は、ニアタッチセンサ機能を有することが好ましい。ニアタッチセンサ機能を有することにより、ユーザーは表示装置を凝視せずに表示装置を操作することができる。特に、運転手は、視線を前方から大きく外すことなく、表示装置を操作することができ、運転時及び停車時の安全性を高めることができる。表示装置5000a乃至表示装置5000dの表示部の対角線の長さは、5インチ以上、好ましくは10インチ以上であることが好ましい。表示装置5000a乃至表示装置5000dとして、例えば、表示部の対角線の長さが13インチ程度の表示装置を好適に用いることができる。
なお、表示装置5000a乃至表示装置5000dは、可撓性を有していてもよい。可撓性を有することで、組み込む対象が曲面の場合であっても、曲面に沿って組み込むことができる。例えば、表示装置をダッシュボード5002、または天井5004などの曲面に沿って設ける構成とすることができる。
車外に、カメラ5005を複数設けてもよい。カメラ5005を設けることで、車両の周囲、例えば、後側方の状況を撮影することができる。図85は、サイドミラーの代わりにカメラ5005を設置する例を示しているが、サイドミラーとカメラの両方を設置してもよい。
カメラ5005は、CCDカメラ、CMOSカメラなどを用いることができる。また、これらのカメラに加えて、赤外線カメラを組み合わせて用いてもよい。赤外線カメラは、被写体の温度が高いほど出力レベルが高くなるため、人、動物等の生体を検知又は抽出することができる。
カメラ5005で撮像された画像は、表示装置5000a乃至表示装置5000dのいずれか一または複数に出力することができる。表示装置5000a乃至表示装置5000dを用いて主に車両の運転を支援する。カメラ5005によって後側方の状況を幅広い画角で撮影し、その画像を表示装置5000a乃至表示装置5000dのいずれか一または複数に表示することで、運転者の死角領域の視認が可能となり、事故の発生を防止することができる。
車のルーフ上などに距離画像センサを設け、距離画像センサによって得られた画像を表示装置5000a乃至表示装置5000dのいずれか一または複数に表示してもよい。距離画像センサは、イメージセンサ、ライダー(LIDAR:Light Detection and Ranging)などを用いることができる。イメージセンサによって得られた画像と、距離画像センサによって得られた画像とを表示装置5000a乃至表示装置5000dのいずれか一または複数に表示することにより、より多くの情報を運転手に提供し、運転を支援することができる。
表示装置5000a乃至表示装置5000dのいずれか一または複数は、地図情報、交通情報、テレビ映像、DVD映像などを表示する機能を有していてもよい。
表示装置5000a乃至表示装置5000dの少なくとも一つに、撮像機能を有する表示パネルが適用されることが好ましい。例えば、運転手が当該表示パネルに触れることで、車両は指紋認証、掌紋認証などの生体認証を行うことができる。車両は、生体認証によって運転手が認証された場合に、個人の好みの環境を整える機能を有していてもよい。例えば、シート位置の調整、ハンドル位置の調整、カメラ5005の向きの調整、明るさの設定、エアコンの設定、ワイパーの速度(頻度)の設定、オーディオの音量の設定、オーディオの再生リストの読出しなどの一以上を、認証後に実行することが好ましい。
生体認証によって運転手が認証された場合に、自動車を運転可能な状態、例えばエンジンがかかった状態とすることもでき、従来必要であった鍵が不要となるため好ましい。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
<本明細書等の記載に関する付記>
以上の実施の形態、及び実施の形態における各構成の説明について、以下に付記する。
各実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて、本発明の一態様とすることができる。また、1つの実施の形態の中に、複数の構成例が示される場合は、構成例を適宜組み合わせることが可能である。
なお、ある一つの実施の形態の中で述べる内容(一部の内容でもよい)は、その実施の形態で述べる別の内容(一部の内容でもよい)、及び/又は、一つ若しくは複数の別の実施の形態で述べる内容(一部の内容でもよい)に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを行うことが出来る。
なお、実施の形態の中で述べる内容とは、各々の実施の形態において、様々な図を用いて述べる内容、又は明細書に記載される文章を用いて述べる内容のことである。
なお、ある一つの実施の形態において述べる図(一部でもよい)は、その図の別の部分、その実施の形態において述べる別の図(一部でもよい)、及び/又は、一つ若しくは複数の別の実施の形態において述べる図(一部でもよい)に対して、組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
また本明細書等において、ブロック図では、構成要素を機能毎に分類し、互いに独立したブロックとして示している。しかしながら実際の回路等においては、構成要素を機能毎に切り分けることが難しく、一つの回路に複数の機能が係わる場合、あるいは、複数の回路にわたって一つの機能が関わる場合、があり得る。そのため、ブロック図のブロックは、明細書で説明した構成要素に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。
また、図面において、大きさ、層の厚さ、又は領域は、説明の便宜上任意の大きさに示したものである。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお図面は明確性を期すために模式的に示したものであり、図面に示す形状又は値などに限定されない。例えば、ノイズによる信号、電圧、若しくは電流のばらつき、又は、タイミングのずれによる信号、電圧、若しくは電流のばらつきなどを含むことが可能である。
本明細書等において、トランジスタの接続関係を説明する際、「ソース又はドレインの一方」(又は第1電極、又は第1端子)、「ソース又はドレインの他方」(又は第2電極、又は第2端子)という表記を用いる。これは、トランジスタのソースとドレインは、トランジスタの構造又は動作条件等によって変わるためである。なおトランジスタのソースとドレインの呼称については、ソース(ドレイン)端子、またはソース(ドレイン)電極等、状況に応じて適切に言い換えることができる。
また、本明細書等において「電極」および「配線」の用語は、これらの構成要素を機能的に限定するものではない。例えば、「電極」は「配線」の一部として用いられることがあり、その逆もまた同様である。さらに、「電極」および「配線」の用語は、複数の「電極」および「配線」が一体となって形成されている場合なども含む。
また、本明細書等において、電圧と電位は、適宜言い換えることができる。電圧は、基準となる電位からの電位差のことであり、例えば基準となる電位をグラウンド電圧(接地電圧)とすると、電圧を電位に言い換えることができる。グラウンド電位は必ずしも0Vを意味するとは限らない。なお電位は相対的なものであり、基準となる電位によっては、配線等に与える電位を変化させる場合がある。
なお本明細書等において、「膜」、「層」などの語句は、場合によっては、または、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
本明細書等において、スイッチとは、導通状態(オン状態)、または、非導通状態(オフ状態)になり、電流を流すか流さないかを制御する機能を有するものをいう。または、スイッチとは、電流を流す経路を選択して切り替える機能を有するものをいう。
本明細書等において、チャネル長とは、例えば、トランジスタの上面図において、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲートとが重なる領域、またはチャネルが形成される領域における、ソースとドレインとの間の距離をいう。
本明細書等において、チャネル幅とは、例えば、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが重なる領域、またはチャネルが形成される領域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さをいう。
また、本明細書等において、XとYとが接続されていると記載されている場合は、XとYとが電気的に接続されている場合と、XとYとが機能的に接続されている場合と、XとYとが直接接続されている場合とが、本明細書等に開示されているものとする。したがって、所定の接続関係、例えば、図又は文章に示された接続関係に限定されず、図又は文章に示された接続関係以外のものも、図又は文章に開示されているものとする。X、Yは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、及び層)であるとする。
XとYとが電気的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示デバイス、発光デバイス、及び負荷)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、スイッチは、オンオフが制御される機能を有している。つまり、スイッチは、導通状態(オン状態)、又は、非導通状態(オフ状態)になり、電流を流すか流さないかを制御する機能を有している。
なお、XとYとの間に、素子と電源線(例えば、VDD(高電源電位)、VSS(低電源電位)、GND(接地電位)、又は所望の電位を与える配線)との両方が配置されている場合には、XとYとが電気的に接続されている、とは規定しないものとする。なお、XとYとの間に電源線のみが配置されている場合には、XとYとの間に別の素子がないため、XとYとは、直接接続されている、ということになる。よって、XとYとの間に、電源線のみが配置されている場合には、「XとYとは、電気的に接続されている」ともいえる。しかし、XとYとの間に、素子と電源線の両方が配置されている場合には、Xと電源線とが(素子を介して)電気的に接続されており、Yと電源線とが電気的に接続されている、ということになるが、XとYとは、電気的に接続されている、とは規定されない。なお、XとYとの間に、トランジスタのゲートとソースとを介している場合には、XとYとが電気的に接続されている、とは規定しないものとする。なお、XとYとの間に、トランジスタのゲートとドレインとを介している場合には、XとYとが電気的に接続されている、とは規定しないものとする。つまり、トランジスタの場合には、XとYとの間に、トランジスタのドレインとソースとを介している場合には、XとYとが電気的に接続されている、と規定するものとする。なお、XとYとの間に、容量素子が配置されている場合には、XとYとが電気的に接続されている、と規定する場合と規定しない場合がある。例えば、デジタル回路又はロジック回路の構成において、XとYとの間に、容量素子が配置されている場合には、XとYとが電気的に接続されている、とは規定しない場合がある。一方、例えば、アナログ回路の構成において、XとYとの間に、容量素子が配置されている場合には、XとYとが電気的に接続されている、と規定する場合がある。
XとYとが機能的に接続されている場合の一例としては、XとYとの機能的な接続を可能とする回路(例えば、論理回路(インバータ、NAND回路、NOR回路など)、信号変換回路(デジタルアナログ変換回路、アナログデジタル変換回路、ガンマ補正回路など)、電位レベル変換回路(電源回路(昇圧回路、降圧回路など)、信号の電位レベルを変えるレベルシフタ回路など)、電圧源、電流源、切り替え回路、増幅回路(信号振幅又は電流量などを大きくできる回路、オペアンプ、差動増幅回路、ソースフォロワ回路、バッファ回路など)、信号生成回路、記憶回路、制御回路など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、一例として、XとYとの間に別の回路を挟んでいても、Xから出力された信号がYへ伝達される場合は、XとYとは機能的に接続されているものとする。
なお、XとYとが電気的に接続されている、と明示的に記載する場合は、XとYとが電気的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟んで接続されている場合)と、XとYとが直接接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟まずに接続されている場合)と、を含むものとする。
また、例えば、「XとYとトランジスタのソース(別言すると、例えば、第1の端子など)とドレイン(別言すると例えば、第2の端子など)とは、互いに電気的に接続されており、X、トランジスタのソース、トランジスタのドレイン、Yの順序で電気的に接続されている。」と表現することができる。又は、「トランジスタのソースは、Xと電気的に接続され、トランジスタのドレインはYと電気的に接続され、X、トランジスタのソース、トランジスタのドレイン、Yは、この順序で電気的に接続されている」と表現することができる。又は、「Xは、トランジスタのソースとドレインとを介して、Yと電気的に接続され、X、トランジスタのソース、トランジスタのドレイン、Yは、この接続順序で設けられている」と表現することができる。これらの例と同様な表現方法を用いて、回路構成における接続の順序について規定することにより、トランジスタのソースと、ドレインとを、区別して、技術的範囲を決定することができる。なお、これらの表現方法は、一例であり、これらの表現方法に限定されない。ここで、X、Yは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。