WO2022181518A1 - ジカルボン酸モノエステル体の製造方法 - Google Patents

ジカルボン酸モノエステル体の製造方法 Download PDF

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  • the content of the component refers to the total content of the substances used in combination unless otherwise specified.
  • R 1 and R 2 each independently represent a ring structure.
  • L 1 represents a single bond or a divalent linking group.
  • n represents an integer of 0 to 2. However, when n represents 2, the plurality of R 2 and L 1 may be the same or different.

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Abstract

本発明は、ジカルボン酸モノエステル体の選択率および収率に優れたジカルボン酸モノエステル体の製造方法を提供することを課題とする。本発明のジカルボン酸モノエステル体の製造方法は、下記式(1)で表されるジカルボン酸と、下記式(2)で表されるアルコール誘導体とを、水および疎水性溶媒の混合溶媒中で塩基を用いて反応させ、下記式(3)または(4)で表されるジカルボン酸モノエステル体を生成する、ジカルボン酸モノエステル体の製造方法である。

Description

ジカルボン酸モノエステル体の製造方法
 本発明は、ジカルボン酸モノエステル体の製造方法に関する。
 光学補償シートや位相差フィルムなどの光学フィルムは、画像着色解消や視野角拡大のために、様々な画像表示装置で用いられている。
 光学フィルムとしては延伸複屈折フィルムが使用されていたが、近年、延伸複屈折フィルムに代えて、液晶性化合物からなる光学異方性層を有する光学フィルムを使用することが提案されている。
 このような光学異方性層の形成に用いられる液晶性化合物は、例えば、液晶性化合物の分子中央に位置する骨格を形成するためのヒドロキシ化合物と、液晶性化合物の側鎖部分を形成するためのカルボン酸化合物と、のエステル化反応を利用して合成することが知られている。
 そして、上記カルボン酸化合物の合成方法としては、例えば、特許文献1には、ジカルボン酸からジカルボン酸モノエステル体を合成する方法が記載されている([0092][0093])。
国際公開第2019/017444号
 本発明者らは、特許文献1に記載されたジカルボン酸モノエステル体の合成方法を検討したところ、反応条件によっては、副生成物としてジカルボン酸ジモノエステル体も生成されるため、ジカルボン酸モノエステル体の選択率および収率に改善の余地があることを明らかとした。
 そこで、本発明は、ジカルボン酸モノエステル体の選択率および収率に優れたジカルボン酸モノエステル体の製造方法を提供することを課題とする。
 本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、水および疎水性溶媒の混合溶媒中で塩基を用いた反応系を採用することにより、ジカルボン酸モノエステル体の選択率および収率が向上することを見出し、本発明を完成させた。
 すなわち、以下の構成により上記課題を達成することができることを見出した。
 [1] 後述する式(1)で表されるジカルボン酸と、後述する式(2)で表されるアルコール誘導体とを、水および疎水性溶媒の混合溶媒中で塩基を用いて反応させ、後述する式(3)または(4)で表されるジカルボン酸モノエステル体を生成する、ジカルボン酸モノエステル体の製造方法。
 [2] 疎水性溶媒が、炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒およびエステル系溶媒からなる群から選択される少なくとも一種の溶媒である、[1]に記載のジカルボン酸モノエステル体の製造方法。
 [3] 塩基が、無機塩基である、[1]または[2]に記載のジカルボン酸モノエステル体の製造方法。
 [4] 無機塩基が、ブレンステッド塩基である、[3]に記載のジカルボン酸モノエステル体の製造方法。
 [5] 後述する式(2)で表されるアルコール誘導体のClogP値が2.0以下である、[1]~[4]のいずれか1つに記載のジカルボン酸モノエステル体の製造方法。
 [6] 水の使用量が、後述する式(1)で表されるジカルボン酸1gに対して5mLよりも多い量である、[1]~[5]のいずれか1つに記載のジカルボン酸モノエステル体の製造方法。
 [7] 後述する式(1)で表されるジカルボン酸が、後述する式(1-1)で表される化合物であり、
 後述する式(3)または(4)で表されるジカルボン酸モノエステル体が、それぞれ、後述する式(3-1)または(4-1)で表される化合物である、[1]~[6]のいずれか1つに記載のジカルボン酸モノエステル体の製造方法。
 [8] 後述する式(1)で表されるジカルボン酸が、後述する式(1-2)で表される化合物である、[1]~[7]のいずれか1つに記載のジカルボン酸モノエステル体の製造方法。
 [9] 後述する式(3)で表されるジカルボン酸モノエステル体が、後述する式(3-2)で表される化合物である、[1]~[8]のいずれか1つに記載のジカルボン酸モノエステル体の製造方法。
 本発明によれば、ジカルボン酸モノエステル体の選択率および収率に優れたジカルボン酸モノエステル体の製造方法を提供することができる。
 以下、本発明について詳細に説明する。
 以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
 なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
 また、本明細書において、各成分は、各成分に該当する物質を1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。ここで、各成分について2種以上の物質を併用する場合、その成分についての含有量とは、特段の断りが無い限り、併用した物質の合計の含有量を指す。
[ジカルボン酸モノエステル体の製造方法]
 本発明のジカルボン酸モノエステル体の製造方法(以下、単に「本発明の製造方法」とも略す。)は、下記式(1)で表されるジカルボン酸と、下記式(2)で表されるアルコール誘導体とを、水および疎水性溶媒の混合溶媒中で塩基を用いて反応させ、下記式(3)または(4)で表されるジカルボン酸モノエステル体を生成する、ジカルボン酸モノエステル体の製造方法である。なお、下記式(1)~(4)中の説明については後に詳述する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005
 本発明においては、上述した通り、上記式(1)で表されるジカルボン酸と、上記式(2)で表されるアルコール誘導体とを、水および疎水性溶媒の混合溶媒中で塩基を用いて反応させることにより、ジカルボン酸モノエステル体の選択率および収率を向上させることができる。
 これは、詳細には明らかではないが、本発明者らは以下のように推測している。
 すなわち、本発明においては、水および疎水性溶媒の混合溶媒を用いることにより、水中(水相中)で、ジカルボン酸の両末端が塩基により解離し、片末端のみにアルコール誘導体が反応した後に、反応物が疎水性溶媒(有機相)に移行することにより、その後の反応、すなわち、ジカルボン酸ジエステル体の生成が抑制されたため、ジカルボン酸モノエステル体の選択率および収率が向上したと考えられる。
 以下、本発明の製造方法における原料および反応条件などについて詳述する。
 〔ジカルボン酸〕
 本発明の製造方法で用いるジカルボン酸は、下記式(1)で表されるジカルボン酸である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006
 上記式(1)中、Wは、炭素数1~13の2価の脂肪族炭化水素基、炭素数3~13の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6~20の2価の芳香族炭化水素基、炭素数2~20の2価の複素環基、または、これらの基からなる群から選択される同種または異種の2以上の基が単結合または2価の連結基で連結された基を表す。
 ただし、上記脂肪族炭化水素基、上記脂環式炭化水素基、上記芳香族炭化水素基および上記複素環基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、-Rw1、-ORw1、シアノ基またはニトロ基で置換されていてもよく、Rw1は、炭素数1~4のアルキル基を表し、上記アルキル基に含まれる水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよい。
 上記式(1)中、Wの一態様が表す炭素数1~13の2価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、下記式(W-7)~(W-19)で表される基が挙げられる。
 また、Wの一態様が表す炭素数3~13の2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、下記式(W-1)~(W-6)で表される基が挙げられる。
 また、Wの一態様が表す炭素数6~20の2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、下記式(W-20)~(W-27)で表される基が挙げられる。
 また、Wの一態様が表す炭素数2~20の2価の複素環基としては、芳香族または非芳香族のいずれであってもよいが、配向度がより向上するという観点から、2価の芳香族複素環基であることが好ましい。
 2価の芳香族複素環基を構成する炭素以外の原子としては、窒素原子、硫黄原子および酸素原子が挙げられる。芳香族複素環基が炭素以外の環を構成する原子を複数有する場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。
 2価の芳香族複素環基の具体例としては、例えば、ピリジレン基(ピリジン-ジイル基)、ピリダジン-ジイル基、イミダゾール-ジイル基、チエニレン(チオフェン-ジイル基)、キノリレン基(キノリン-ジイル基)、イソキノリレン基(イソキノリン-ジイル基)、オキサゾール-ジイル基、チアゾール-ジイル基、オキサジアゾール-ジイル基、ベンゾチアゾール-ジイル基、ベンゾチアジアゾール-ジイル基、フタルイミド-ジイル基、チエノチアゾール-ジイル基、チアゾロチアゾール-ジイル基、チエノチオフェン-ジイル基、および、チエノオキサゾール-ジイル基などが挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007

Figure JPOXMLDOC01-appb-I000008

Figure JPOXMLDOC01-appb-I000009

Figure JPOXMLDOC01-appb-I000010
 上記式(1)中のWは、上述した通り、炭素数1~13の2価の脂肪族炭化水素基、炭素数3~13の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6~20の2価の芳香族炭化水素基、および、炭素数2~20の2価の複素環基からなる群から選択される同種または異種の2以上の基が単結合または2価の連結基で連結された基であってもよい。
 ここで、同種の2以上の基とは、例えば、炭素数3~13の2価の脂環式炭化水素基から選択される2種以上の基のことをいい、異種の2以上の基とは、例えば、炭素数1~13の2価の脂肪族炭化水素基および炭素数3~13の2価の脂環式炭化水素基のそれぞれから選択される2以上の基のことをいう。
 また、2価の連結基としては、例えば、-CO-、-O-、-S-、-C(=S)-、-CR1112-、-CR13=CR14-、-C≡C-、-NR15-、-N=CR16-、-N=N-、もしくは、これらの2つ以上の組み合わせからなる2価の連結基が挙げられる。なお、R11~R16は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、または、炭素数1~12のアルキル基を表す。具体的には、-CO-、-O-、-CO-O-、-C(=S)O-、-CR1112-、-CR1112-CR1112-、-O-CR1112-、-CR1112-O-CR1112-、-CO-O-CR1112-、-O-CO-CR1112-、-CR1112-O-CO-CR1112-、-CR1112-CO-O-CR1112-、-NR15-CR1112-、および、-CO-NR15-が好適に挙げられる。
 上記式(1)中のWは、環構造を有していることが好ましい。
 具体的には、上記式(1)中のWは、上述した炭素数3~13の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6~20の2価の芳香族炭化水素基、および、炭素数2~20の2価の複素環基からなる群から選択される同種または異種の2以上の基が単結合または2価の連結基で連結された基であることが好ましく、炭素数3~13の2価の脂環式炭化水素基から選択される2以上の基が単結合または2価の連結基で連結された基であることがより好ましく、炭素数3~13の2価の脂環式炭化水素基から選択される2以上の基が単結合で連結された基であることが更に好ましい。
 本発明においては、フィルムにした際の光学特性が良好となる理由から、上記式(1)で表されるジカルボン酸が、下記式(1-1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000011
 上記式(1-1)中、RおよびRは、それぞれ独立に、環構造を表す。
 また、Lは、単結合または2価の連結基を表す。
 また、nは、0~2の整数を表す。ただし、nが2を表す場合、複数存在するRおよびLは、いずれも、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
 上記式(1-1)中のRおよびRが表す環構造は、上述した炭素数3~13の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6~20の2価の芳香族炭化水素基、および、炭素数2~20の2価の複素環基に含まれる環構造であれば、特に限定されない。
 上記環構造としては、例えば、置換基を有していてもよい、芳香族炭化水素環、芳香族複素環、脂肪族炭化水素環、および、脂肪族ヘテロ環などが挙げられる。
 芳香族炭化水素環としては、具体的には、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナンスロリン環などが挙げられる。
 また、芳香族複素環としては、具体的には、例えば、フラン環、ピロール環、チオフェン環、ピリジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環などが挙げられる。
 また、脂肪族炭化水素環としては、具体的には、例えば、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロドデカン環、シクロドコサン環などが挙げられる。
 また、脂肪族ヘテロ環としては、具体的には、例えば、ピロリジン、オキソラン、チオラン、ピペリジン、オキサン、チアン、ピペラジン、モルホリン、キヌクリジン、ピロリジン、アゼチジン、オキセタン、アジリジン、ジオキサン、ペンタメチレンスルフィドなどが挙げられる。
 これらのうち、フィルムにした際の光学特性が良好となる理由から、上記式(1-1)中のRおよびRは、いずれも、置換基を有していてもよい炭素数6以上の芳香環(特にベンゼン環)、または、置換基を有していてもよい炭素数6以上のシクロアルカン環であることが好ましく、シクロヘキサン環(例えば、1,4-シクロヘキシレン基など)であることがより好ましく、トランス-1,4-シクロヘキシレン基であることが更に好ましい。
 また、上述した芳香族炭化水素環などが有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子、エステル基、メルカプト基などが挙げられる。
 アルキル基としては、例えば、炭素数1~18の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基が好ましく、炭素数1~8のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、シクロヘキシル基等)がより好ましく、炭素数1~4のアルキル基であることが更に好ましく、メチル基またはt-ブチル基であることが特に好ましい。
 アルコキシ基としては、例えば、炭素数1~18のアルコキシ基が好ましく、炭素数1~8のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-ブトキシ基、メトキシエトキシ基等)がより好ましく、炭素数1~4のアルコキシ基であることが更に好ましく、メトキシ基またはエトキシ基であることが特に好ましい。
 アリール基としては、例えば、炭素原子数6~15のアリール基が好ましく、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、ナフチル基、アントリル基、9,10-ジメトキシアントリル基がより好ましく、フェニル基であることが更に好ましい。
 ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、中でも、フッ素原子または塩素原子であることが好ましい。
 エステル基としては、例えば、メチルエステル基、エチルエステル基、プロピルエステル基、ヘキシルエステル基、オクチルエステル基、ドデシルエステル基、ステアリルエステル基などが挙げられ、中でも、メチルエステル基またはエチルエステル基であることが好ましい。
 上記式(1-1)中のRおよびRとしては、以上で例示する環構造、または、以上で例示する環構造と置換基の組み合わせのうち、以下に示す環構造が好適に挙げられる。なお、以下に示す環構造中、*は結合位置を表す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000012

Figure JPOXMLDOC01-appb-C000013
 上記式(1-1)中のLの一態様が表す2価の連結基としては、例えば、-CO-、-O-、-S-、-C(=S)-、-CR1112-、-CR13=CR14-、-C≡C-、-NR15-、-N=CR16-、-N=N-、もしくは、これらの2つ以上の組み合わせからなる2価の連結基が挙げられる。なお、R11~R16は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、または、炭素数1~12のアルキル基を表す。
 具体的には、-CO-、-O-、-CO-O-、-C(=S)O-、-CR1112-、-CR1112-CR1112-、-O-CR1112-、-CR1112-O-CR1112-、-CO-O-CR1112-、-O-CO-CR1112-、-CR1112-O-CO-CR1112-、-CR1112-CO-O-CR1112-、-NR15-CR1112-、および、-CO-NR15-が好適に挙げられる。
 本発明においては、上記式(1-1)中のLは、単結合、または、-O-、-CO-O-もしくは-O-CO-であることが好ましく、単結合であることがより好ましい。
 上記式(1-1)中のnは、上述した通り、0~2の整数を表すが、0または1であることが好ましく、1であることがより好ましい。
 本発明においては、フィルムにした際の光学特性が良好となり、ジカルボン酸モノエステル体の選択率および収率がより向上する理由から、上記式(1)で表されるジカルボン酸が、下記式(1-2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000014
 上記式(1-2)中、pは、0~3の整数を表し、0~2の整数を表すことが好ましく、0を表すことがより好ましい。
 また、sは、1~3の整数を表し、1または2を表すことが好ましく、2を表すことがより好ましい。ただし、sが2または3を表す場合、複数存在するpは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
 上記式(1)で表されるジカルボン酸としては、具体的には、例えば、下記式で表される化合物が好適に挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000015

Figure JPOXMLDOC01-appb-I000016
 〔アルコール誘導体〕
 本発明の製造方法で用いるアルコール誘導体は、下記式(2)で表されるアルコール誘導体である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000017
 上記式(2)中、Xは、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキルスルホニルオキシ基、置換基を有していてもよいアリールスルホニルオキシ基、または、置換基を有していてもよいヘテロアリールスルホニルオキシ基を表す。
 また、SPは、炭素数1~12の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、または、炭素数1~12の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基を構成する-CH-の1個以上が-O-、-S-、-NH-、-N(Q)-、もしくは、-CO-に置換された2価の連結基を表し、Qは、置換基を表す。
 また、Pは、水素原子または重合性基を表す。
 上記式(2)中のXの一態様が表すハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子等が挙げられ、中でも、フッ素原子または塩素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
 また、Xの一態様が表すアルキルスルホニルオキシ基としては、例えば、メタンスルホニルオキシ基などが挙げられる。
 また、Xの一態様が表すアリールスルホニルオキシ基としては、例えば、トルエンスルホニルオキシ基、ベンセンスルホニルオキシ基などが挙げられる。
 また、Xの一態様が表すヘテロアリールスルホニルオキシ基としては、例えば、チオフェンスルホニルオキシ基などが挙げられる。
 なお、アルキルスルホニルオキシ基などが有していてもよい置換基としては、上述した式(1-1)中のRおよびRの説明において、環構造として例示した芳香族炭化水素環などが有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
 本発明においては、上記式(2)中のXは、ジカルボン酸モノエステル体の選択率および収率がより向上する理由から、下記式(2-1)で表される基であることが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000018
 上記式(2-1)中、*は、上記式(2)中のSPとの結合位置を表す。
 また、Rは、置換基を有していてもよい、アルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。
 ここで、上記アルキル基としては、例えば、炭素数1~18の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基が好ましく、炭素数1~8のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、シクロヘキシル基等)がより好ましく、炭素数1~4のアルキル基であることが更に好ましく、メチル基またはt-ブチル基であることが特に好ましい。
 また、上記アリール基としては、例えば、炭素原子数6~15のアリール基が好ましく、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、ナフチル基、アントリル基、9,10-ジメトキシアントリル基がより好ましく、フェニル基、または、トリル基であることが更に好ましい。
 また、上記ヘテロアリール基としては、例えば、イミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ナフトチアゾリル、ベンズオキサゾリル、m-カルバゾリル、アゼピニルなどが挙げられる。
 なお、アルキル基などが有していてもよい置換基としては、上述した式(1-1)中のRおよびRの説明において、環構造として例示した芳香族炭化水素環などが有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
 上記式(2)中のSPの一態様が表す炭素数1~12の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、メチルヘキシレン基、へプチレン基などが好適に挙げられる。なお、SPは、上述した通り、炭素数1~12の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基を構成する-CH-の1個以上が-O-、-S-、-NH-、-N(Q)-、もしくは、-CO-に置換された2価の連結基であってもよく、Qで表される置換基としては、上述した式(1-1)中のRおよびRの説明において、環構造として例示した芳香族炭化水素環などが有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
 上記式(2)中のPの一態様が表す重合性基は、特に限定されないが、ラジカル重合またはカチオン重合可能な重合性基が好ましい。
 ラジカル重合性基としては、公知のラジカル重合性基を用いることができ、好適なものとして、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を挙げることができる。この場合、重合速度はアクリロイルオキシ基が一般的に速いことが知られており、生産性向上の観点からアクリロイルオキシ基が好ましいが、メタクリロイルオキシ基も重合性基として同様に使用することができる。
 カチオン重合性基としては、公知のカチオン重合性基を用いることができ、具体的には、脂環式エーテル基、環状アセタール基、環状ラクトン基、環状チオエーテル基、スピロオルソエステル基、および、ビニルオキシ基などを挙げることができる。中でも、脂環式エーテル基、または、ビニルオキシ基が好適であり、エポキシ基、オキセタニル基、または、ビニルオキシ基が特に好ましい。
 特に好ましい重合性基の例としては、下記式(P-1)~(P-20)のいずれかで表される重合性基が挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000019
 本発明においては、上記式(2)中のPは、重合性基であることが好ましく、上記式(P-1)または(P-2)で表される重合性基であることがより好ましい。
 上記式(2)中、SP-Pで表される基としては、以下に示す基が好適に挙げられる。なお、以下に示す構造中、*は、Xとの結合位置を表す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000020
 本発明においては、ジカルボン酸モノエステル体の選択率および収率がより向上する理由から、上記式(2)で表されるアルコール誘導体のClogP値が2.0以下であることが好ましく、1.8以下であることがより好ましく、1.5以下であることが更に好ましい。
 また、ジカルボン酸モノエステル体の選択率および収率がより向上する理由から、上記式(2)で表されるアルコール誘導体のClogP値が-0.5以上であることが好ましく、0.0以上であることがより好ましい。
 ここで、ClogP値とは、1-オクタノールと水への分配係数Pの常用対数logPを計算によって求めた値である。ClogP値の計算に用いる方法やソフトウェアについては公知の物を用いることができるが、特に断らない限り、本発明ではCambridge soft社の ChemBioDraw Ultra 13.0に組み込まれたClogPプログラムを用いることとする。
 上記式(2)で表されるアルコール誘導体としては、具体的には、例えば、下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000021

Figure JPOXMLDOC01-appb-I000022

Figure JPOXMLDOC01-appb-I000023

Figure JPOXMLDOC01-appb-I000024
 〔反応〕
 本発明の製造方法は、上記式(1)で表されるジカルボン酸と上記式(2)で表されるアルコール誘導体とを、水および疎水性溶媒の混合溶媒中で塩基を用いて反応させ、後述する式(3)または(4)で表されるジカルボン酸モノエステル体を生成する。
 <水>
 上記混合溶媒に含まれる水は、特に限定されず、精製水、蒸留水、イオン交換水、純水、ミリQ水等の超純水のいずれも使用することができる。なお、ミリQ水とは、メルク(株)の超純水製造装置であるミリQ水製造装置による得られる超純水である。
 本発明においては、ジカルボン酸モノエステル体の選択率および収率がより向上する理由から、水の使用量は、上記式(1)で表されるジカルボン酸1gに対して、5mLよりも多い量であることが好ましく、6~20mLであることがより好ましく、8~15mLであることが更に好ましく、8~12mLであることが特に好ましい。
 <疎水性溶媒>
 上記混合溶媒に含まれる疎水性溶媒とは、100gの水に溶解する量が1.5g以下の溶媒を意味する。
 疎水性溶媒としては、具体的には、例えば、
 ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、プロピルベンゼン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、t-ブチルベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶媒;
 酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸ヘキシルなどのエステル系溶媒;
 ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、メチル-tert-ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテルなどのエーテル系溶媒;
 メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒;
 クロロホルム、ブロモホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒;
 流動パラフィン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素系溶媒;
 鉱油;オリーブオイル;等が挙げられる。
 これらの溶媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
 本発明においては、ジカルボン酸モノエステル体の選択率および収率がより向上する理由から、疎水性溶媒が、炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒およびエステル系溶媒からなる群から選択される少なくとも一種の溶媒であることが好ましく、上述した芳香族炭化水素系溶媒および飽和炭化水素系溶媒であることがより好ましく、上述した芳香族炭化水素系溶媒であることが更に好ましく、トルエンであることが特に好ましい。
 また、本発明においては、疎水性溶媒の含有量は特に限定されないが、上記式(1)で表されるジカルボン酸1gに対して、0.5~20mLであることが好ましく、1~15mLであることがより好ましく、2~14mLであることが更に好ましい。
 本発明においては、上述した水および疎水性溶媒の混合溶媒に含まれる水と疎水性溶媒との質量比率(水/疎水性溶媒)は、0.5~5であることが好ましく、0.6~4であることがより好ましい。
 <塩基>
 上記塩基は、特に限定されないが、上記混合溶媒に含まれる水に対する溶解性の観点から、無機塩基であることが好ましい。
 無機塩基としては、具体的には、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウムなどのアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどのアルカリ土類金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムなどのアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩;フッ化セシウム;などが挙げられる。
 これらの無機塩基のうち、上記混合溶媒に含まれる水に対する溶解性、副反応の抑制などの観点から、ブレンステッド塩基(無機ブレンステッド塩基)であることが好ましい。
 無機ブレンステッド塩基としては、具体的には、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウムなどのアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどのアルカリ土類金属水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムなどのアルカリ金属炭酸塩化物;炭酸カルシウム、炭酸バリウムなどのアルカリ土類金属炭酸塩化物;炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素セシウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩化物;リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウムなどのアルカリ金属リン酸水素塩化物;などが挙げられる。
 また、本発明においては、操作が簡便である理由から、上記式(1)で表されるジカルボン酸と上記式(2)で表されるアルコール誘導体との反応の系内で、上記式(1)で表されるジカルボン酸のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩を形成して用いることが好ましい。
 すなわち、本発明においては、上記式(1)で表されるジカルボン酸と上記式(2)で表されるアルコール誘導体との反応は、上記式(1)で表されるジカルボン酸を予めジカルボン酸のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩に変換させた後に、上記式(2)で表されるアルコール誘導体と反応させる態様であってもよい。
 <反応条件>
 上記式(1)で表されるジカルボン酸と上記式(2)で表されるアルコール誘導体との反応条件は、上述した混合溶媒および塩基を用いること以外は特に限定されず、従来公知のエステル化の反応条件を適宜採用することができる。
 例えば、反応温度は、-10~150℃で行われることが好ましく、-5~120℃で行われることがより好ましく、-5~100℃で行われることが更に好ましい。
 また、反応時間は、10分~24時間行われることが好ましく、30分~10時間行われることがより好ましく、1時間~8時間行われることが更に好ましい。
 本発明においては、上記式(2)で表されるアルコール誘導体の使用量は特に限定されないが、上記式(1)で表されるジカルボン酸に対して、1.4~3.0当量であることが好ましく、1.5~2.5当量であることがより好ましく、1.6~2.2当量であることが更に好ましい。
 また、本発明においては、上記塩基の使用量は特に限定されないが、上記式(1)で表されるジカルボン酸に対して、1.5~3.0当量であることが好ましく、1.7~2.5当量であることがより好ましく、1.8~2.2当量であることが更に好ましい。
 本発明においては、上述した反応を加速する目的で、反応系内に、添加剤を配合することも可能である。
 添加剤としては、具体的には、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム等が挙げられる。
 〔ジカルボン酸モノエステル体〕
 本発明の製造方法は、上述した反応により、下記式(3)または(4)で表されるジカルボン酸モノエステル体が生成される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000025
 上記式(3)および(4)中、W、SPおよびPは、上記式(1)および(2)における定義と同様であり、その具体例も同様である。
 また、上記式(4)中、Mは、アルカリ金属原子またはアルカリ土類金属原子を表す。
 また、上記式(4)中、mは、Mの価数を表す。ただし、mが2以上の整数を表す場合、上記式(4)中に複数存在するW、SPおよびPは、いずれも、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
 上記式(4)中のMの一態様が表すアルカリ金属原子としては、具体的には、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、セシウムが挙げられ、中でも、ナトリウム、カリウム、リチウムが好ましい。
 また、Mの一態様が表すアルカリ土類金属原子としては、具体的には、例えば、カルシウム、ストロンチウム、バリウムが挙げられ、中でも、カルシウム、バリウムが好ましい。
 本発明においては、フィルムにした際の光学特性が良好となり、ジカルボン酸モノエステル体の選択率および収率がより向上する理由から、上記式(3)または(4)で表されるジカルボン酸モノエステル体が、それぞれ、下記式(3-1)または(4-1)で表される化合物であることが好ましい。
 なお、下記式(3-1)または(4-1)で表される化合物は、上記式(1)で表されるジカルボン酸として、上記式(1-1)で表される化合物を用いることにより生成することができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000026
 上記式(3-1)および(4-1)中、R、R、Lおよびnは、上記式(1-1)における定義と同様であり、その具体例も同様である。
 また、SP、P、Mおよびmは、上記式(3)および(4)における定義と同様であり、その具体例も同様である。
 本発明においては、フィルムにした際の光学特性が良好となり、ジカルボン酸モノエステル体の選択率および収率がより向上する理由から、上記式(3)で表されるジカルボン酸モノエステル体が、下記式(3-2)または下記式(4-2)で表される化合物であることが好ましい。
 なお、下記式(3-2)または(4-2)で表される化合物は、上記式(1)で表されるジカルボン酸として上記式(1-2)で表される化合物を用いることにより生成することができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000027

Figure JPOXMLDOC01-appb-I000028
 上記式(3-2)および(4-2)中、pおよびsは、上記式(1-2)における定義と同様であり、その具体例も同様である。
 また、上記式(3-2)および(4-2)中、SPは、上記式(3)における定義と同様であり、その具体例も同様である。
 また、上記式(3-2)中、Pは、上記式(3)における定義と同様であり、その具体例も同様である。
 また、上記式(4-2)中、Pは、重合性基であり、その具体例は、上記式(2)中のPの一態様が表す重合性基の具体例と同様である。
 また、上記式(4-2)中、Mは、ナトリウム、カリウムまたはリチウムを表す。
 また、上記式(4-2)中、m1は、Mの価数を表す。ただし、m1が2以上の整数を表す場合、複数存在するP、SP、sおよびpは、いずれも、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
 上記式(3)、(3-1)および(3-2)で表されるジカルボン酸モノエステル体としては、具体的には、例えば、下記式で表される化合物が好適に挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000029

Figure JPOXMLDOC01-appb-I000030

Figure JPOXMLDOC01-appb-I000031
 上記式(4)、(4-1)および(4-2)で表されるジカルボン酸モノエステル体(ジカルボン酸モノエステル塩)としては、具体的には、例えば、下記式で表される化合物が好適に挙げられる。なお、下記式中、Maは、アルカリ金属原子を表す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000032
 以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000033
 上記スキーム中の4-メチルスルホニルオキシブチルアクリレート(I-1-b)を以下の方法で合成した。
 まず、4-ヒドロキシブチルアクリレート13.8g(95.4mmol)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)27.6mL、トルエン27.6mL、トリエチルアミン11.3g(112mmol)、および、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール0.21gを室温にて混合した。
 次いで、氷冷下で、内温10℃以下を保ちながら溶解液にメタンスルホニルクロライド11.6g(101mmol)をゆっくりと滴下した。
 滴下終了後、内温0~5℃で1時間撹拌した後に、反応液は、希塩酸水溶液60g、8%食塩水60gで順に洗浄した後に、減圧濃縮して、4-メチルスルホニルオキシブチルアクリレートの89.6%トルエン溶液として得た。なお、これ以上の精製を行うことなく、上記スキームの反応に用いた。
 上記スキームに示すように、水酸化リチウム一水和物2.64g(62.9mmol)、水160mLの溶解液に、化合物(I-1-a)8.00g(31.5mmol)を加え、80℃に加温して溶解させた。
 この溶解液に、先に合成した4-メチルスルホニルオキシブチルアクリレート(I-1-b)8.60g(正味の添加量:7.71g(34.7mmol))のトルエン100mLの混合液を加え、内温84℃にて6時間撹拌した。
 反応液を80℃で5分静置して、分液した後の有機層中のモノエステル体(I-1)およびジエステル体(I-1-c)の収率は、それぞれ37.2%および1.0%であり、モノエステル体の収率とジエステル体の収率との比率(以下、「モノ体/ジ体比」と略す。)として算出される「ジカルボン酸モノエステル体の選択率」は、37.2であった。
[実施例2]
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000034
 上記スキームに示すように、水酸化リチウム一水和物0.441g(10.5mmol)、水26.8mLの溶解液に、化合物(I-1-a)1.34g(5.27mmol)を加え、80℃に加温して溶解させた。
 この溶解液に、先に合成した4-メチルスルホニルオキシブチルアクリレート(I-1-b)2.87g(正味の添加量:2.57g(11.6mmol))のトルエン16.7mLの混合液を加え、内温84℃にて6時間撹拌した。
 反応液を80℃で5分静置して、分液した後の有機層中のモノエステル体(I-1)およびジエステル体(I-1-c)の収率は、それぞれ50.3%および2.6%であり、モノ体/ジ体比は19.3であった。
[実施例3]
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000035
 上記スキームに示すように、48質量%水酸化ナトリウム水溶液0.876g(10.5mmol)、水26.8mLの溶解液に、化合物(I-1-a)1.34g(5.27mmol)を加え、80℃に加温して溶解させた。
 この溶解液に、先に合成した4-メチルスルホニルオキシブチルアクリレート(I-1-b)2.87g(正味の添加量:2.57g(11.6mmol))のトルエン16.7mLの混合液を加え、内温84℃にて6時間撹拌した。
 反応液を80℃で5分静置して、分液した後の有機層中のモノエステル体(I-1)およびジエステル体(I-1-c)の収率は、それぞれ50.4%および2.3%であり、モノ体/ジ体比は21.9であった。
[実施例4]
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000036
 上記スキームに示すように、50質量%水酸化カリウム水溶液1.18g(10.5mmol)、水26.8mLの溶解液に、化合物(I-1-a)1.34g(5.27mmol)を加え、80℃に加温して溶解させた。
 この溶解液に、先に合成した4-メチルスルホニルオキシブチルアクリレート(I-1-b)2.87g(正味の添加量:2.57g(11.6mmol))のトルエン16.7mLの混合液を加え、内温84℃にて6時間撹拌した。
 反応液を80℃で5分静置して、分液した後の有機層中のモノエステル体(I-1)およびジエステル体(I-1-c)の収率は、それぞれ50.2%および2.4%であり、モノ体/ジ体比は20.9であった。
[実施例5]
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000037
 上記スキームに示すように、48質量%水酸化ナトリウム水溶液1.75g(21.0mmol)、水21.4mLの溶解液に、化合物(I-1-a)2.67g(10.5mmol)を加え、80℃に加温して溶解させた。
 この溶解液に、先に合成した4-メチルスルホニルオキシブチルアクリレート(I-1-b)5.74g(正味の添加量:5.14g(23.1mmol))のトルエン16.0mLの混合液を加え、内温84℃にて8時間撹拌した。
 反応液を80℃で5分静置して、分液した後の有機層中のモノエステル体(I-1)およびジエステル体(I-1-c)の収率は、それぞれ71.3%および7.4%であり、モノ体/ジ体比は9.6であった。
[実施例6]
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000038
 上記スキームに示すように、50質量%水酸化カリウム水溶液2.36g(21.0mmol)、水21.4mLの溶解液に、化合物(I-1-a)2.67g(10.5mmol)を加え、80℃に加温して溶解させた。
 この溶解液に、先に合成した4-メチルスルホニルオキシブチルアクリレート(I-1-b)5.74g(正味の添加量:5.14g(23.1mmol))のトルエン16.0mLの混合液を加え、内温84℃にて8時間撹拌した。
 反応液を80℃で5分静置して、分液した後の有機層中のモノエステル体(I-1)およびジエステル体(I-1-c)の収率は、それぞれ72.1%および7.1%であり、モノ体/ジ体比は10.2であった。
[実施例7]
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000039
 上記スキームに示すように、48質量%水酸化ナトリウム水溶液0.876g(10.5mmol)、水10.7mLの溶解液に、化合物(I-1-a)1.34g(5.27mmol)を加え、80℃に加温して溶解させた。
 この溶解液に、先に合成した4-メチルスルホニルオキシブチルアクリレート(I-1-b)2.87g(正味の添加量:2.57g(11.6mmol))のトルエン12.1mLの混合液を加え、内温84℃にて6時間撹拌した。
 反応液を80℃で5分静置して、分液した後の有機層中のモノエステル体(I-1)およびジエステル体(I-1-c)の収率は、それぞれ64.3%および8.4%であり、モノ体/ジ体比は7.7であった。
[実施例8]
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000040
 上記スキームに示すように、48質量%水酸化ナトリウム水溶液0.876g(10.5mmol)、水10.7mLの溶解液に、化合物(I-1-a)1.34g(5.27mmol)を加え、80℃に加温して溶解させた。
 この溶解液に、先に合成した4-メチルスルホニルオキシブチルアクリレート(I-1-b)2.87g(正味の添加量:2.57g(11.6mmol))のトルエン8.0mLの混合液を加え、内温84℃にて6時間撹拌した。
 反応液を80℃で5分静置して、分液した後の有機層中のモノエステル体(I-1)およびジエステル体(I-1-c)の収率は、それぞれ65.8%および10.6%であり、モノ体/ジ体比は6.2であった。
[実施例9]
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000041
 上記スキームに示すように、48質量%水酸化ナトリウム水溶液1.75g(21.0mmol)、水21.3mLの溶解液に、化合物(I-1-a)2.67g(10.5mmol)を加え、80℃に加温して溶解させた。
 この溶解液に、先に合成した4-メチルスルホニルオキシブチルアクリレート(I-1-b)5.74g(正味の添加量:5.14g(23.1mmol))のトルエン10.6mLの混合液を加え、内温84℃にて6時間撹拌した。
 反応液を80℃で5分静置して、分液した後の有機層中のモノエステル体(I-1)およびジエステル体(I-1-c)の収率は、それぞれ66.3%および10.2%であり、モノ体/ジ体比は6.5であった。
[実施例10]
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000042
 上記スキームに示すように、48質量%水酸化ナトリウム水溶液1.75g(21.0mmol)、水21.3mLの溶解液に、化合物(I-1-a)2.67g(10.5mmol)を加え、80℃に加温して溶解させた。
 この溶解液に、先に合成した4-メチルスルホニルオキシブチルアクリレート(I-1-b)5.74g(正味の添加量:5.14g(23.1mmol))のトルエン5.3mLの混合液を加え、内温84℃にて6時間撹拌した。
 反応液を80℃で5分静置して、分液した後の有機層中のモノエステル体(I-1)およびジエステル体(I-1-c)の収率は、それぞれ64.4%および14.8%であり、モノ体/ジ体比は4.4であった。
[実施例11]
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000043
 上記スキームに示すように、48質量%水酸化ナトリウム水溶液0.964g(11.5mmol)、水22.0mLの溶解液に、化合物(I-1-a)1.47g(5.78mmol)を加え、80℃に加温して溶解させた。
 この溶解液に、先に合成した4-メチルスルホニルオキシブチルアクリレート(I-1-b)3.16g(正味の添加量:2.83g(12.7mmol))のトルエン18.3mLの混合液を加え、内温84℃にて10時間撹拌した。
 反応液を80℃で5分静置して、分液した後の有機層中のモノエステル体(I-1)およびジエステル体(I-1-c)の収率は、それぞれ69.0%および1.5%であり、モノ体/ジ体比は46.0であった。
[実施例12]
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000044
 上記スキームに示すように、48質量%水酸化ナトリウム水溶液1.75g(21.0mmol)、水21.3mLの溶解液に、化合物(I-1-a)2.67g(10.5mmol)を加え、80℃に加温して溶解させた。
 この溶解液に、先に合成した4-メチルスルホニルオキシブチルアクリレート(I-1-b)5.74g(正味の添加量:5.14g(23.1mmol))のトルエン16.0mLの混合液を加え、内温84℃にて10時間撹拌した。
 反応液を80℃で5分静置して、分液した後の有機層中のモノエステル体(I-1)およびジエステル体(I-1-c)の収率は、それぞれ75.7%および8.6%であり、モノ体/ジ体比は8.8であった。
[実施例13]
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000045
 上記スキームに示すように、48質量%水酸化ナトリウム水溶液1.88g(22.6mmol)、水20.1mLの溶解液に、化合物(I-1-a)2.87g(11.3mmol)を加え、80℃に加温して溶解させた。
 この溶解液に、先に合成した4-メチルスルホニルオキシブチルアクリレート(I-1-b)6.17g(正味の添加量:5.53g(24.9mmol))のトルエン17.2mLの混合液を加え、内温84℃にて8時間撹拌した。
 反応液を80℃で5分静置して、分液した後の有機層中のモノエステル体(I-1)およびジエステル体(I-1-c)の収率は、それぞれ67.9%および11.8%であり、モノ体/ジ体比は5.8であった。
[実施例14]
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000046
 上記スキームに示すように、50質量%水酸化カリウム水溶液2.65g(23.6mmol)、水18.0mLの溶解液に、化合物(I-1-a)3.01g(12.3mmol)を加え、80℃に加温して溶解させた。
 この溶解液に、先に合成した4-メチルスルホニルオキシブチルアクリレート(I-1-b)6.45g(正味の添加量:5.78g(26.0mmol))のトルエン18.9mLの混合液を加え、内温84℃にて10時間撹拌した。
 反応液を80℃で5分静置して、分液した後の有機層中のモノエステル体(I-1)およびジエステル体(I-1-c)の収率は、それぞれ64.4%および18.3%であり、モノ体/ジ体比は3.5であった。
[実施例15]
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000047
 上記スキームに示すように、50質量%水酸化カリウム水溶液2.77g(24.7mmol)、水15.7mLの溶解液に、化合物(I-1-a)3.14g(12.3mmol)を加え、80℃に加温して溶解させた。
 この溶解液に、先に合成した4-メチルスルホニルオキシブチルアクリレート(I-1-b)6.74g(正味の添加量:6.04g(27.2mmol))のトルエン18.9mLの混合液を加え、内温84℃にて10時間撹拌した。
 反応液を80℃で5分静置して、分液した後の有機層中のモノエステル体(I-1)およびジエステル体(I-1-c)の収率は、それぞれ59.1%および24.6%であり、モノ体/ジ体比は2.4であった。
[実施例16]
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000048
 上記スキームに示すように、48質量%水酸化ナトリウム水溶液1.75g(21.0mmol)、水21.3mLの溶解液に、化合物(I-1-a)2.67g(10.5mmol)を加え、80℃に加温して溶解させた。
 この溶解液に、先に合成した4-メチルスルホニルオキシブチルアクリレート(I-1-b)4.95g(正味の添加量:4.44g(20.0mmol))のトルエン16.0mLの混合液を加え、内温84℃にて8時間撹拌した。
 反応液を80℃で5分静置して、分液した後の有機層中のモノエステル体(I-1)およびジエステル体(I-1-c)の収率は、それぞれ68.7%および6.9%であり、モノ体/ジ体比は10.0であった。
[実施例17]
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000049
 上記スキームに示すように、48質量%水酸化ナトリウム水溶液1.97g(23.6mmol)、水24.0mLの溶解液に、化合物(I-1-a)3.01g(11.8mmol)を加え、80℃に加温して溶解させた。
 この溶解液に、先に合成した4-メチルスルホニルオキシブチルアクリレート(I-1-b)5.57g(正味の添加量:4.99g(22.5mmol))のトルエン12.0mLの混合液を加え、内温84℃にて8時間撹拌した。
 反応液を80℃で5分静置して、分液した後の有機層中のモノエステル体(I-1)およびジエステル体(I-1-c)の収率は、それぞれ69.5%および9.5%であり、モノ体/ジ体比は7.3であった。
[実施例18]
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000050
 上記スキームに示すように、48質量%水酸化ナトリウム水溶液1.75g(21.0mmol)、水21.3mLの溶解液に、化合物(I-1-a)2.67g(10.5mmol)を加え、80℃に加温して溶解させた。
 この溶解液に、先に合成した4-メチルスルホニルオキシブチルアクリレート(I-1-b)4.17g(正味の添加量:3.74g(16.8mmol))のトルエン16.0mLの混合液を加え、内温84℃にて8時間撹拌した。
 反応液を80℃で5分静置して、分液した後の有機層中のモノエステル体(I-1)およびジエステル体(I-1-c)の収率は、それぞれ62.8%および6.4%であり、モノ体/ジ体比は9.8であった。
[実施例19]
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000051
 上記スキームに示すように、48質量%水酸化ナトリウム水溶液1.75g(21.0mmol)、水21.3mLの溶解液に、化合物(I-1-a)2.67g(10.5mmol)を加え、80℃に加温して溶解させた。
 この溶解液に、先に合成した4-メチルスルホニルオキシブチルアクリレート(I-1-b)4.17g(正味の添加量:3.74g(16.8mmol))のトルエン10.6mLの混合液を加え、内温84℃にて8時間撹拌した。
 反応液を80℃で5分静置して、分液した後の有機層中のモノエステル体(I-1)およびジエステル体(I-1-c)の収率は、それぞれ65.2%および8.6%であり、モノ体/ジ体比は7.6であった。
[実施例20]
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000052
 上記スキームに示すように、50質量%水酸化カリウム水溶液2.95g(26.3mmol)、水13.4mLの溶解液に、化合物(I-1-a)3.34g(13.1mmol)を加え、80℃に加温して溶解させた。
 この溶解液に、先に合成した4-メチルスルホニルオキシブチルアクリレート(I-1-b)7.17g(正味の添加量:6.42g(28.9mmol))のトルエン20.1mLの混合液を加えた。内温80~84℃を維持したまま、メタンスルホン酸0.379g(3.94mmol)の水3.34mLの混合液を3時間かけて滴下したのち、内温84℃で更に3時間撹拌した。
 反応液を80℃で5分静置して、分液した後の有機層中のモノエステル体(I-1)およびジエステル体(I-1-c)の収率は、それぞれ65.4%および8.7%であり、モノ体/ジ体比は7.5であった。
[実施例21]
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000053
 上記スキームに示すように、50質量%水酸化カリウム水溶液2.65g(23.6mmol)、水12.0mLの溶解液に、化合物(I-1-a)3.01g(11.8mmol)を加え、80℃に加温して溶解させた。
 この溶解液に、先に合成した4-メチルスルホニルオキシブチルアクリレート(I-1-b)5.57g(正味の添加量:4.99g(22.5mmol))のトルエン18.1mLの混合液を加えた。内温80~84℃を維持したまま、メタンスルホン酸0.341g(3.55mmol)の水3.1mLの混合液を1.5時間かけて滴下したのち、内温84℃で更に5時間撹拌した。
 反応液を80℃で5分静置して、分液した後の有機層中のモノエステル体(I-1)およびジエステル体(I-1-c)の収率は、それぞれ69.9%および9.5%であり、モノ体/ジ体比は7.4であった。
[実施例22]
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000054
 上記スキーム中の4-エチルスルホニルオキシブチルアクリレート(I-1-h)を以下の方法で合成した。
 まず、4-ヒドロキシブチルアクリレート14.4g(100mmol)、酢酸エチル150mL、およびエタンスルホニルクロライド15.4g(120mmol)を室温にて混合した。次いで、氷冷下で、内温10℃以下を保ちながらトリエチルアミン15.2g(150mmol)をゆっくりと滴下した後、内温0~5℃で1時間撹拌した。
 水200mL、希塩酸水溶液100mL、水200mLで順に洗浄し、硫酸マグネシウム20gで乾燥、濾過後に、減圧濃縮して、4-エチルスルホニルオキシブチルアクリレートの95.1%トルエン溶液として得た。なお、これ以上の精製を行うことなく、上記スキームの反応に用いた。
 上記スキームに示すように、48質量%水酸化ナトリウム水溶液2.31g(21.0mmol)、水21.3mLの溶解液に、化合物(I-1-a)2.67g(10.5mmol)を加え、80℃に加温して溶解させた。
 この溶解液に、先に合成した4-エチルスルホニルオキシブチルアクリレート(I-1-d)5.75g(正味の添加量:5.46g(23.1mmol))のトルエン15.7mLの混合液を加え、内温84℃にて8時間撹拌した。
 反応液を80℃で5分静置して、分液した後の有機層中のモノエステル体(I-1)およびジエステル体(I-1-c)の収率は、それぞれ52.5%および5.8%であり、モノ体/ジ体比は9.1であった。
[実施例23]
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000055
 上記スキームに示すように、48質量%水酸化ナトリウム水溶液1.75g(21.0mmol)、水21.3mLの溶解液に、化合物(I-1-a)2.67g(10.5mmol)を加え、80℃に加温して溶解させた。
 この溶解液に、先に合成した4-メチルスルホニルオキシブチルアクリレート(I-1-b)5.74g(正味の添加量:5.14g(23.1mmol))の酢酸n-ブチル16.0mLの混合液を加え、内温84℃にて8時間撹拌した。
 反応液を80℃で5分静置して、分液した後の有機層中のモノエステル体(I-1)およびジエステル体(I-1-c)の収率は、それぞれ60.5%および11.4%であり、モノ体/ジ体比は5.3であった。
[実施例24]
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000056
 上記スキームに示すように、48質量%水酸化ナトリウム水溶液1.75g(21.0mmol)、水21.3mLの溶解液に、化合物(I-1-a)2.67g(10.5mmol)を加え、80℃に加温して溶解させた。
 この溶解液に、先に合成した4-メチルスルホニルオキシブチルアクリレート(I-1-b)5.74g(正味の添加量:5.14g(23.1mmol))のシクロペンチルメチルエーテル16.0mLの混合液を加え、内温84℃にて8時間撹拌した。
 反応液を80℃で5分静置して、分液した後の有機層中のモノエステル体(I-1)およびジエステル体(I-1-c)の収率は、それぞれ71.6%および8.8%であり、モノ体/ジ体比は8.1であった。
[実施例25]
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000057
 上記スキームに示すように、48質量%水酸化ナトリウム水溶液3.16g(28.5mmol)、水19.6mLの溶解液に、化合物(I-2-a)2.45g(14.2mmol)を加え、80℃に加温して溶解させた。
 この溶解液に、先に合成した4-メチルスルホニルオキシブチルアクリレート(I-1-b)7.77g(正味の添加量:6.96g(31.3mmol))のトルエン14.7mLの混合液を加え、内温84℃にて8時間撹拌した。
 反応液を80℃で5分静置して、分液した後の有機層中のモノエステル体(I-2)およびジエステル体(I-2-c)の収率は、それぞれ52.4%および12.7%であり、モノ体/ジ体比は4.1であった。
[実施例26]
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000058
 上記スキームに示すように、48質量%水酸化ナトリウム水溶液3.26g(29.4mmol)、水19.6mLの溶解液に、化合物(I-3-a)2.44g(14.7mmol)を加え、80℃に加温して溶解させた。
 この溶解液に、先に合成した4-メチルスルホニルオキシブチルアクリレート(I-1-b)8.03g(正味の添加量:7.19g(32.3mmol))のトルエン14.7mLの混合液を加え、内温84℃にて8時間撹拌した。
 反応液を80℃で5分静置して、分液した後の有機層中のモノエステル体(I-3)およびジエステル体(I-3-c)の収率は、それぞれ48.4%および9.3%であり、モノ体/ジ体比は5.2であった。
[実施例27]
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000059
 上記スキーム中の6-メチルスルホニルオキシヘキシルアクリレート(I-1-d)を以下の方法で合成した。
 まず、1,6ーヘキサンジオール50.0g(423mmol)、N-ジメチルアセトアミド(DMAc)100mL、酢酸エチル(EtOAc)200mL、トリエチルアミン17.1g(169mmol)、Nーメチルイミダゾール(NMI)1.16g(14.1mmol)、および、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール0.311gを室温にて混合した。
 次いで、氷冷下で、内温10℃以下を保ちながら溶解液にアクリル酸クロライド12.8g(141mmol)をゆっくりと滴下した。
 滴下終了後、内温25℃まで昇温して30分間撹拌した後に、反応液を希塩酸水溶液200g、6%食塩水300g、5%食塩水500g、5%食塩水500gで順に洗浄した。減圧濃縮した残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、6-ヒドロキシヘキシルアクリレートの92.8%EtOAc溶液として得た。
 合成した6-ヒドロキシヘキシルアクリレート4.27g(正味の添加量:3.96g(2.30mmol))、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)10.0mL、トルエン10.0mL、トリエチルアミン2.72g(126.9mmol)、および、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール0.05gを室温にて混合した。
 次いで、氷冷下で、内温10℃以下を保ちながら溶解液にメタンスルホニルクロライド2.79g(24.4mmol)をゆっくりと滴下した。
 滴下終了後、内温0~5℃で1時間撹拌した後に、反応液を希塩酸水溶液20g、8%食塩水20gで順に洗浄し、6-メチルスルホニルオキシヘキシルアクリレートの42.5%トルエン溶液として得た。なお、これ以上の精製を行うことなく、上記スキームの反応に用いた。
 上記スキームに示すように、48質量%水酸化ナトリウム水溶液0.655g(7.86mmol)、80℃に加温して溶解させた。
 この溶解液に、先に合成した4-メチルスルホニルオキシヘキシルアクリレート(I-1-d)5.08g(正味の添加量:2.16g(8.62mmol))のトルエン6.0mLの混合液を加え、内温84℃にて16時間撹拌した。
 反応液を80℃で5分静置して、分液した後の有機層中のモノエステル体(I-1)およびジエステル体(I-1-c)の収率は、それぞれ52.9%および10.0%であり、モノ体/ジ体比は5.3であった。
[比較例1]
 特許文献1(国際公開第2019/017444号)の段落[0092]に記載された以下のスキームでモノエステル体(I-1)を合成した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000060
 具体的には、上記スキームに示すように、化合物(I-1-a)40.0g(157mmol)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)200mL、トリエチルアミン31.8g(314mmol)、および、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール345mgを室温(23℃)にて混合した。この溶解液に、先に合成した4-メチルスルホニルオキシブチルアクリレート(I-1-b)42.8g(正味の添加量:38.4g(173mmol))を加え、内温100℃にて5時間撹拌した。
 反応終点において、反応液中のモノエステル体(I-1)およびジエステル体(I-1-c)の収率は、それぞれ46.2%および22.4%であり、モノ体/ジ体比は2.1であった。
[比較例2]
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000061
 上記スキームに示すように、48質量%水酸化ナトリウム水溶液1.75g(21.0mmol)、水21.3mLの溶解液に、化合物(I-1-a)2.67g(10.5mmol)を加え、80℃に加温して溶解させた。この溶解液に、先に合成した4-メチルスルホニルオキシブチルアクリレート(I-1-b)5.74g(正味の添加量:5.14g(23.1mmol))のアセトニトリル16.0mLの混合液を加え、内温84℃にて8時間撹拌した。
 反応液を80℃で5分静置して、分液した後の有機層中のモノエステル体(I-1)およびジエステル体(I-1-c)の収率は、それぞれ42.4%および21.5%であり、モノ体/ジ体比は2.0であった。
 上述した実施例および比較例の結果を下記表1にまとめて示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000062
 上記表1に示す結果からも明らかな通り、上記式(1)で表されるジカルボン酸と、上記式(2)で表されるアルコール誘導体とを、水および疎水性溶媒の混合溶媒中で塩基を用いた反応系を採用することにより、比較例1および2と比較して、ジカルボン酸モノエステル体の選択率および収率が向上することが分かった(実施例1~27)。
 特に、実施例11~15の対比から、水の使用量が、上記式(1)で表されるジカルボン酸1gに対して5mLよりも多い量であると(実施例11~14)、ジカルボン酸モノエステル体の選択率および収率がより向上することが分かった。

Claims (9)

  1.  下記式(1)で表されるジカルボン酸と、下記式(2)で表されるアルコール誘導体とを、水および疎水性溶媒の混合溶媒中で塩基を用いて反応させ、下記式(3)または(4)で表されるジカルボン酸モノエステル体を生成する、ジカルボン酸モノエステル体の製造方法。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001

     ここで、前記式(1)~(4)中、
     Wは、炭素数1~13の2価の脂肪族炭化水素基、炭素数3~13の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6~20の2価の芳香族炭化水素基、炭素数2~20の2価の複素環基、または、これらの基からなる群から選択される同種または異種の2以上の基が単結合または2価の連結基で連結された基を表す。ただし、前記脂肪族炭化水素基、前記脂環式炭化水素基、前記芳香族炭化水素基および前記複素環基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、-Rw1、-ORw1、シアノ基またはニトロ基で置換されていてもよく、Rw1は、炭素数1~4のアルキル基を表し、前記アルキル基に含まれる水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよい。
     Xは、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキルスルホニルオキシ基、置換基を有していてもよいアリールスルホニルオキシ基、または、置換基を有していてもよいヘテロアリールスルホニルオキシ基を表す。
     SPは、炭素数1~12の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、または、炭素数1~12の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基を構成する-CH-の1個以上が-O-、-S-、-NH-、-N(Q)-、もしくは、-CO-に置換された2価の連結基を表し、Qは、置換基を表す。
     Pは、水素原子または重合性基を表す。
     Mは、アルカリ金属原子またはアルカリ土類金属原子を表す。
     mは、Mの価数を表す。ただし、mが2以上の整数を表す場合、前記式(4)中に複数存在するW、SPおよびPは、いずれも、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
  2.  前記疎水性溶媒が、炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒およびエステル系溶媒からなる群から選択される少なくとも一種の溶媒である、請求項1に記載のジカルボン酸モノエステル体の製造方法。
  3.  前記塩基が、無機塩基である、請求項1または2に記載のジカルボン酸モノエステル体の製造方法。
  4.  前記無機塩基が、ブレンステッド塩基である、請求項3に記載のジカルボン酸モノエステル体の製造方法。
  5.  前記式(2)で表されるアルコール誘導体のClogP値が2.0以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載のジカルボン酸モノエステル体の製造方法。
  6.  前記水の使用量が、前記式(1)で表されるジカルボン酸1gに対して5mLよりも多い量である、請求項1~5のいずれか1項に記載のジカルボン酸モノエステル体の製造方法。
  7.  前記式(1)で表されるジカルボン酸が、下記式(1-1)で表される化合物であり、
     前記式(3)または(4)で表されるジカルボン酸モノエステル体が、それぞれ、下記式(3-1)または(4-1)で表される化合物である、請求項1~6のいずれか1項に記載のジカルボン酸モノエステル体の製造方法。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002

     前記式(1-1)、(3-1)および(4-1)中、
     RおよびRは、それぞれ独立に、環構造を表す。
     Lは、単結合または2価の連結基を表す。
     nは、0~2の整数を表す。ただし、nが2を表す場合、複数存在するRおよびLは、いずれも、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
     SP、P、Mおよびmは、前記式(3)および(4)における定義と同じである。
  8.  前記式(1)で表されるジカルボン酸が、下記式(1-2)で表される化合物である、請求項1~7のいずれか1項に記載のジカルボン酸モノエステル体の製造方法。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003

     ここで、前記式(1-2)中、
     pは、0~3の整数を表す。
     sは、1~3の整数を表す。ただし、sが2または3を表す場合、複数存在するpは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
  9.  前記式(3)で表されるジカルボン酸モノエステル体が、下記式(3-2)で表される化合物である、請求項1~8のいずれか1項に記載のジカルボン酸モノエステル体の製造方法。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004

     ここで、前記式(3-2)中、
     pは、0~3の整数を表す。
     sは、1~3の整数を表す。ただし、sが2または3を表す場合、複数存在するpは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
     SPおよびPは、前記式(3)における定義と同じである。
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