WO2022168390A1

WO2022168390A1 - 天板付き家具

Info

Publication number: WO2022168390A1
Application number: PCT/JP2021/041464
Authority: WO
Inventors: 保紀寺尾; 洋徳山
Original assignee: コクヨ株式会社
Priority date: 2021-02-08
Filing date: 2021-11-11
Publication date: 2022-08-11
Also published as: JP2022121263A

Abstract

スタッキング時の家具同士の位置合わせが難しいという課題を解消すべく、天板２と、この天板２の反使用端２ｂ側を支持する左右一対の脚支柱１２と、これら脚支柱１２の下端部に基端側を連接し先端側を天板２の使用端２ｃ側に延出させた左右一対の脚ベース１１とを備え、両脚ベース１１の脚支柱１２よりも先端側に位置する内側面１１ｂ同士を相互に対面させた天板付き家具Ｄにおいて、両脚ベース１１の内側面１１ｂ間の内法寸法Ｌ１を、両脚支柱１２の外側面１２ａ間の外幅寸法Ｌ０よりも大きく設定するとともに、脚ベース１１の内側面１１ｂを、内法寸法Ｌ１が基端側から先端側に向かって漸次増大する方向に傾斜させる。

Description

天板付き家具

　本発明は、講義用デスク等として好適に使用できる天板付き家具に関する。

　従来、この種の天板付き家具（デスク）として、天板と、この天板の反使用端側を支持する左右一対の脚支柱と、これら脚支柱の下端部に基端側を連接し先端側を天板の使用端側に延出させた左右一対の脚ベースとを備え、前記両脚ベースの前記脚支柱よりも先端側に位置する内側面同士を相互に対面させたものが知られている（例えば、非特許文献１を参照）。

　しかして、このような構成のものでは、複数のデスクを反使用端側から順次スタッキングすることができるようになっている。ところが、従来のものは前記両脚ベースの内側面が平行に対面させてあるため、スタッキング状態でデスク同士が左右に遊動しないように寸法設定を行うと、左右両脚ベースを下のデスクの両支柱の外側に外嵌させるのが難しくなる。

　かかる課題は、講義用デスクに限らず、種々の天板付き家具において指摘されている。

"講義机シーダスタッキング"，ホウトク２０２０総合カタログ，株式会社ホウトク，令和１年１２月，ｐ．６００

　本発明は、スタッキング時の家具同士の位置合わせが難しいという課題を解消することを目的としている。

　請求項１記載の発明に係る天板付き家具は、天板と、この天板の反使用端側を支持する左右一対の脚支柱と、これら脚支柱の下端部に基端側を連接し先端側を天板の使用端側に延出させた左右一対の脚ベースとを備え、前記両脚ベースの前記脚支柱よりも先端側に位置する内側面同士を相互に対面させた天板付き家具であって、前記両脚ベースの内側面間の内法寸法を、前記両脚支柱の外側面間の外幅寸法よりも大きく設定するとともに、前記脚ベースの内側面を、前記内法寸法が基端側から先端側に向かって漸次増大する方向に傾斜させているものである。

　請求項２記載の発明に係る天板付き家具は、請求項１記載のものであって、前記天板の左右両側面と、前記両脚ベースの外側面とが平面視において略合致させてあるものである。

　請求項３記載の発明に係る天板付き家具は、請求項１又は２記載のものであって、前記脚ベースが、段差のない連続した上向面を備えたものであり、前記上向面を基端部から先端部に至る全域で対応する脚支柱よりも外側方に位置させてあるものである。

　請求項４記載の発明に係る天板付き家具は、請求項３記載のものであって、前記脚ベースが、基端部に内側方へ突出する支柱取付部を備えたものであり、前記支柱取付部上に前記脚支柱を立設しているものである。

　請求項５記載の発明に係る天板付き家具は、請求項３又は４記載のものであって、脚支柱の上端部に、前記天板の使用端方向に延びる天板支持アームを設けてなり、同一構造をなす他の天板付き家具の両脚支柱の外側方に前記両脚ベースを位置させるとともに、前記他の天板付き家具の天板上に前記天板支持アームを載置するようにして当該他の天板付き家具上にスタッキングすることができるように構成されているものである。

　請求項６記載の発明に係る天板付き家具は、請求項５記載のものであって、前記天板支持アームが、スタッキング状態で他の天板付き家具の天板上面に当接する下向水平面と、この下向水平面の先端に連続し前記使用端側に向かって漸次上昇する傾斜面とを備えたものである。

　請求項７記載の発明に係る天板付き家具は、請求項５又は６記載のものであって、前記脚ベースの底面に、当該脚ベースを床面上に弾性支持させる接地装置と、この接地装置による弾性支持可能範囲の途上において前記脚ベースの降下動作を抑止する降下抑止部材とが設けられているものである。

　本発明によれば、スタッキング時の家具同士の位置合わせが難しいという課題を解消することができる。

本発明の一実施形態に係る天板付き家具の斜視図。同実施形態に係る天板付き家具の背面図。同実施形態に係る天板付き家具の側面図。同実施形態に係る天板付き家具の底面図。図２におけるＸ－Ｘ線に沿った断面図。同実施形態に係る天板付き家具の接地装置の取付態様を示す分解斜視図。同実施形態に係る天板付き家具の脚ベースの底面図。図７におけるＡ－Ａ線に沿った拡大断面図。図７におけるＢ－Ｂ線に沿った拡大断面図。同実施形態に係る接地装置の側面図。図１０におけるα矢視図。同実施形態に係る接地装置の取付態様を示す説明図。同実施形態に接地装置の分解斜視図。同実施形態に係る天板付き家具のスタッキング態様を示す側面図。同実施形態に係る天板付き家具の作動説明図。

　以下、本発明の一実施形態を図１～図１５を参照して説明する。

　この実施形態の天板付き家具Ｄ（この天板付き家具Ｄを同一構造をなす他の天板付き家具Ｄ２、Ｄ３と区別して示す必要がある場合には、この天板付き家具を「天板付き家具Ｄ１」と称する場合がある）は、講義用デスクタイプのもので、図１～図５に示すように、天板２と、この天板２の反使用端２ｂ側を支持する左右一対の脚支柱１２と、これら脚支柱１２の下端部に基端１１ｅ側を連接し先端１１ｆ側を天板２の使用端２ｃ側に延出させた左右一対の脚ベース１１とを備え、両脚ベース１１の脚支柱１２よりも先端１１ｆ側に位置する内側面１１ｂ同士を相互に対面させている。そして、両脚ベース１１の内側面１１ｂ間の内法寸法Ｌ１を、両脚支柱１２の外側面１２ａ間の外幅寸法Ｌ０よりも大きく設定するとともに、脚ベース１１の内側面１１ｂを、内法寸法Ｌ１（基端１１ｅ側の内法寸法Ｌ１ａ及び先端１１ｆ側の内法寸法Ｌ１ｂを含む）が基端１１ｅ側から先端１１ｆ側に向かって漸次増大する方向に傾斜させている。具体的には、脚ベース１１の内側面１１ｂは、同脚ベース１１の外側面１１ｃに平行な仮想線ｍに対して角度θだけ傾斜している。

　また、この天板付き家具Ｄは、図５に示すように、天板２の左右両側面２ａと、前記両脚ベース１１の外側面１１ｃとが平面視において略合致させてある。そのため、左右両脚ベース１１は、先端１１ｆ方向に向けて漸次幅寸法が縮小する先細り形状をなしている。

　天板２は、図１、図４及び図５に示すように、平面視長方形状をなす平板状のもので、反使用端２ｂ側が左右一対の脚支柱１２により支持されている。

　脚支柱１２は、図１～図３に示すように、左右方向の幅寸法が前後方向の幅寸法よりも小さい断面長方形状をなす角柱パイプ状のものであり、各脚支柱１２の上端部には、後述する天板支持アーム１３がそれぞれ設けられている。また、左右の脚支柱１２の上端部間には、幕板３が架設されている。

　脚ベース１１は、図１～図９に示すように、段差のない連続した上向面１１ｄを備えたものであり、上向面１１ｄをその基端部から先端部に至る全域で対応する脚支柱１２よりも外側方に位置させてある。また、脚ベース１１は、基端部（基端１１ｅ近傍部）に内側方へ突出する支柱取付部１１１を備えており、支柱取付部１１１上に脚支柱１２を立設している。詳述すれば、脚ベース１１は、上向面１１ｄを有した脚ベース本体１１０と、この脚ベース本体１１０の基端部（脚ベース１１の基端１１ｅ近傍部）内側に突設された支柱取付部１１１とを備えたもので、アルミダイキャスト等により作られた一体成型品である。図９に示すように、この支柱取付部１１１には下方からボルトＢを挿通可能なねじ挿通孔１１ｚが設けられており、このねじ挿通孔１１ｚを通過したボルトＢを脚支柱１２の下端部の内部に剛結した板状のナット１２１の雌ねじ孔に螺着することにより脚ベース１１と脚支柱１２とを結合するようにしている。

　また、図１～図３及び図１４に示すように、天板付き家具Ｄ１の脚支柱１２の上端部には、天板２の使用端２ｃ方向に延びる天板支持アーム１３が設けられており、図１４に示すように、同一構造をなす他の天板付き家具Ｄ２の両脚支柱１２の外側方に両脚ベース１１を位置させるとともに、他の天板付き家具Ｄ２の天板２上に天板支持フレーム１３を載置するようにして当該他の天板付き家具Ｄ２上にスタッキングすることができるように構成されている。

　天板支持アーム１３は、図１～図３及び図１４に示すように、脚支柱１２の上端部に剛結された角柱パイプ状のもので、図１４に示すように、スタッキング状態で他の天板付き家具Ｄ２の天板２の上面に当接する下向水平面１３ａと、この下向水平面１３ａの先端に連続し使用端２ｃ側に向かって漸次上昇する傾斜面１３ｂとを備えている。この下向水平面１３ａと、傾斜面１３ｂには、例えば、ナイロン製のシート１３１が添設されている。

　一方、脚ベース１１の底面には、図１～図４、図６～図９及び図１４に示すように、当該脚ベース１１を床面Ｆ上に弾性支持させる接地装置４と、この接地装置４による弾性支持可能範囲の途上において脚ベース１１の降下動作を抑止する降下抑止部材１４（Ａ）、１４（Ｂ）とが設けられている。

　以上のように、また、図１～図５に示すように、この天板付き家具Ｄは、天板２と、脚支柱１２と、脚ベース１１と、天板支持アーム１３と、幕板３とを備えた家具本体１を具備してなるものであり、接地装置４は、その家具本体１を床面Ｆ上に弾性支持させるダンパー機能を有したものである。接地装置４は、図１、図３、図４及び図６に示すように、左右の脚ベース１１における前後両端の近傍に設けられており、図６～図８及び図１０～図１３に示すように、脚ベース１１に設けられたハウジング５と、このハウジング５に突没可能に支持された接地体６２と、この接地体６２の没入動作に抵抗を与えるダンパー要素である弾性部材７とを備えてなる。弾性部材７は、接地体６２の没入動作により圧縮される粘弾性を有したものである。

　詳述すれば、接地装置４は、図６～図８及び図１０～図１３に示すように、天板付き家具Ｄの底部に着脱可能に設けられるハウジング５と、このハウジング５に上下回動可能に支持され下面側に床面Ｆに接地する接地体６２を有する回動部材６と、ハウジング５内に配設され回動部材６の上方への回動により圧縮される粘弾性を有した弾性部材７とを備えたものである。ここで、この接地装置４は、所定の姿勢でのみ天板付き家具Ｄに取り付け可能なものとなっている。すなわち、図６、図８及び図１２に示すように、天板付き家具Ｄの底面すなわち脚ベース１１の底面にはハウジング５を下から嵌合させることができる凹陥部１１ａが複数設けられており、この凹陥部１１ａの底面１１ｇの形状が、家具用接地装置４を所定の姿勢でのみ取り付け可能なものとなっている。

　ハウジング５は、図８に示すように、内部に回動部材６の回動軌跡６ｋに対応させて天井面５ａを湾曲させた空間５ｓを備えたものであり、弾性部材７が、天井面５ａに沿って湾曲した姿勢でこの空間５ｓ内に収容されている。弾性部材７の一端７ａは回動部材６の上面６ａに当接させてあり、他端７ｂは前記天井面５ａの終端に交叉するハウジング５の起立面５ｂに当接させてある。また、このハウジング５は、例えば合成樹脂により一体に作られた箱形のもので、両端部に上下に貫通するボルト挿通孔５ｃ１、５ｃ２を有するとともに、中間領域に前述した空間５ｓを有している。空間５ｓは、下方に開放されたもので、その天井面５ａは、回動部材６の回動軌跡６ｋの外側に、当該回動軌跡６ｋに近似させて形成されたもので、具体的には、この天井面５ａは、起立した一端側平面部５ａ１と、この一端側平面部５ａ１に連続する円柱面部５ａ２と、この円柱面部５ａ２に連続する水平な他端側平面部５ａ３とからなる。他端側平面部５ａ３の終端は、鉛直な起立面５ｂに直交させてある。ハウジング５の下面すなわち底面５ｄには、図８及び図１３に示すように、空間５ｓの開口縁を囲うように突条５ｄ１が形成されており、この突条５ｄ１の外周面に、後述する蓋体８の係合凹部８ｄに弾性係合可能な係合突起５２が突設されている。また、図８及び図１２に示すように、このハウジング５の上面５ｆの形状は、家具用接地装置４を所定の姿勢でのみ取り付け可能なものとすべく、天板付き家具Ｄの凹陥部１１ａの底面１１ｇに対応させてある。すなわち、家具用接地装置４を所定の姿勢で取り付けた場合に、ハウジング５の上面５ｆの一端部５ｆ１は凹陥部１１ａの底面１１ｇの一端部１１ｇ１に、また、ハウジング５の上面５ｆの他端部５ｆ２は凹陥部１１ａの底面１１ｇの他端部１１ｇ２にそれぞれ当接可能な形状に設定している。換言すれば、天板付き家具Ｄの凹陥部１１ａの一端部及び他端部の深さｄ１１、ｄ１２にそれぞれ対応させて、家具用接地装置４のハウジング５の一端部の高さ寸法ｈ１と他端部の高さ寸法ｈ２とを異ならせている。すなわち、一端側のボルト挿通孔５ｃ１と他端側のボルト挿通孔５ｃ２とでその深さｄ２１、ｄ２２が異なっている。かかる構成のハウジング５の底部に回動部材６を上下回動可能に収容している。その上で、回動部材６は、ハウジング５の底面５ｄに装着された蓋体８によりハウジング５内に保持されている。

　回動部材６は、図１３に示すように、基端両側に支軸６１ａを突設してなり、その支軸６１ａを前記ハウジング５の両側壁５１に形成された枢支溝５ｘに枢支させて前記空間５ｓの下端開口部に配されたものである。詳述すれば、回動部材６は、図８及び図１３に示すように、基端に支軸６１ａを有した部材本体６１と、この部材本体６１の下面に突設された接地体６２とを一体に備えたもので、例えば、合成樹脂により一体に作られている。前述したハウジング５の空間５ｓを形成する両内側面５ｅには、回動部材６の両支軸６１ａを回動可能に支持する枢支溝５ｘが形成されている。両枢支溝５ｘは、下端をハウジング５の底面５ｄに開放させたもので、両支軸６１ａを両枢支溝５ｘに下から係合させることによって、回動部材６をハウジング５に取り付けることができるようになっている。接地体６２は、部材本体６１から下方に垂下させて設けられたもので、その下面に回動部材６の回動に伴って床面Ｆとの接地位置が変化する接地カム面６２ａが形成されている。この実施形態の接地体６２は、下端に向かって漸次巾狭となる形態をなしている。この回動部材６は、ハウジング５の底面５ｄに装着された蓋体８によりハウジング５内に保持されたものであり、この蓋体８に回動部材６の接地体６２を外部に突出させるための窓８ａが設けられている。ハウジング５と前記蓋体８は、図８及び図１３に示すように、共通のボルト９を脚ベース１１の雌ねじ孔１１ｘに螺着することより天板付き家具Ｄの脚ベース１１に共締め固定される板状のものであり、ハウジング５と蓋体８との間には、ボルト９による固定前に蓋体８がハウジング５から脱落するのを防止するための仮止め要素Ｋが設けられている。この実施形態の場合、仮止め要素Ｋは、ハウジング５の突条５ｄ１の外周面に設けた係合突起５２と、蓋体８に設けた係合凹部８ｄとを弾性係合させてなるものである。蓋体８は、図８、図１１及び図１３に示すように、長方形状をなす平板状のもので、両端部にハウジング５のボルト挿通孔５ｃに合致するねじ挿通孔８ｃを有するとともに、中間領域に前述した窓８ａを備え、前述したように係合凹部８ｄが設けられている。本実施形態の係合凹部８ｄは、蓋体８の厚さ方向に貫通する貫通孔である。なお、この蓋体８の高さ寸法は、全域に亘って均一である。６ｃは、この回動部材６の回動中心である。

　弾性部材７は、例えば、低反発ウレタン製のもので、図８及び図１３に示すように、角柱状のブロックをハウジング５の天井面５ａに沿って湾曲変形させることによってハウジング５の空間５ｓ内に収容されている。なお、この弾性部材７は、厚板素材を打ち抜いて製造してもよい。その場合には、初期形状が図示例のような湾曲形状となる。詳述すれば、収容状態の弾性部材７は、一端７ａを回動部材６の回動端側上面６ａに当接させるとともに、他端７ｂをハウジング５の起立面５ｂに当接させた状態でハウジング５の空間５ｓ内に収容されている。

　以上説明した家具用接地装置４は、天板付き家具Ｄの左右の脚ベース１１における後端近傍部及び前端近傍部にそれぞれ装着されている。この実施形態の場合、脚ベース１１の後端部に装着された家具用接地装置４は、回動部材６の回動端が後ろを向き、脚ベース１１の前端部に装着された家具用接地装置４は、回動部材６の回動端が前を向くように設定されている。なぜなら、回動を伴う伸縮の為、異形カム形状の接地体６２の接地点は伸縮時微妙に移動する。このため接地装置４の回動方向をすべて同じ回転方向に付けると、天板付き家具Ｄは家具用接地装置４の伸縮に伴い動いてしまう。その動きを止める為、接地装置４の回動方向を逆回転方向にし、動きを打ち消しあうように取り付けるのが適切であり、接地装置４の取り付け方向をそのように定めて取り付ける必要性があるからである。

　ここで、回動部材６が接地して回動するとき、弾性部材７は一端７ａが回動部材６の回動端側上面６ａに押圧され、他端７ｂが当接する起立面５ｂとの間で圧縮される。このとき、弾性部材７は弾性変形により一部膨張するが、図８における回動中心６ｃ上方の部位に膨張しろを設けているとともに、ハウジング５の両側壁５１間の距離を弾性部材７の無負荷状態での厚み寸法よりも大きくとっていることにより弾性部材７の厚み方向両側にも膨張しろを設けているので、回動部材６は弾性部材７から適度な抵抗を受けつつ、大きく回動することができる。

　ここまで、脚ベース１１の基端１１ｅ側及び先端１１ｆ側の接地装置４を区別せず説明してきたが、以下、基端１１ｅ側の接地装置４を区別して示す場合は基端１１ｅ側の接地装置４（Ａ）、先端１１ｆ側の接地装置４を区別して示す場合は先端１１ｆ側の接地装置４（Ｂ）とそれぞれ称する。

　降下抑止部材１４（Ａ）、１４（Ｂ）は、図１、図３、図４、図６～図９及び図１４に示すように、接地装置４（Ａ）、４（Ｂ）に隣接させて家具本体１の底面、すなわち、脚ベース１１の底面に突設された突起状のものであり、底面における接地装置４（Ａ）、４（Ｂ）よりも縁寄りに配されている。詳述すれば、この実施形態の家具本体１は、前後に延びる脚ベース１１を備えたものであり、接地装置４が脚ベース１１の前後両端の近傍にそれぞれ設けられているとともに、降下抑止部材１４（Ａ）、１４（Ｂ）が脚ベース１１の前後の縁寄りにそれぞれ配されている。具体的に説明すれば、脚ベース１１の基端１１ｅ側（前端側）に配された降下抑止部材１４（Ａ）は、基端側の接地装置４（Ａ）の内側方に隣接させて配された前後に細長い角柱状の突起であり、その一端部は接地装置４（Ａ）よりも前方に位置させてある。すなわち、基端１１ｅ側の降下抑止部材１４（Ａ）は、基端１１ｅ側の接地装置４（Ａ）よりも脚ベース１１の脚ベース１１の基端縁寄り（基端１１ｅ寄り）に配されている。また、脚ベース１１の先端１１ｆ側（後端側）に配された降下抑止部材１４（Ｂ）は、先端１１ｆ側の接地装置４（Ｂ）の先方に隣接させて配された左右に細長い角柱状の突起であり、全体が先端１１ｆ側の接地装置４（Ｂ）よりも後方に位置させてある。すなわち、先端１１ｆ側の降下抑止部材１４（Ｂ）は、先端１１ｆ側の接地装置４よりも脚ベース１１の先端縁寄り（先端１１ｆ寄り）に配されている。各降下抑止部材１４（Ａ）、１４（Ｂ）は、ナイロン等の合成樹脂により作られたブロック状のもので、例えば、皿ビスｖを用いて脚ベース１１に止着されている。この降下抑止部材１４（Ａ）、１４（Ｂ）は、図６～図８に示すように、皿ビスｖを挿通させることが可能なねじ挿通孔１４ａを中央部に有しているとともに、脚ベース１１の前端部及び後端部にそれぞれ設けられた位置決め突起１１２に係合可能な係合孔１４ｂを長手方向両端近傍部に有している。各降下抑止部材１４（Ａ）、１４（Ｂ）の脚ベース１１への止着は、係合孔１４ｂを位置決め突起１１２に係合させた状態で、ねじ挿通孔１４ａを通過させた皿ビスｖを脚ベース１１の雌ねじ孔１１ｙに螺着することにより行うようになっている。これら降下抑止部材１４（Ａ）、１４（Ｂ）の突出寸法は、例えば、接地体６２の突没可能寸法が１０ｍｍ程度である場合、５ｍｍ前後に設定される。なお、この降下抑止部材１４（Ａ）、１４（Ｂ）の突出寸法と接地体６２の突没可能寸法との差は、使用状況に応じて種々変更可能である。

　図１４は、以上説明した天板付き家具Ｄを複数台スタッキングした状態を示している。スタッキングした状態では、隣接する２台の天板付き家具Ｄ１、Ｄ２のうち上の天板付き家具Ｄ１の接地体６２が、下の天板付き家具Ｄ２の脚ベース１１に当接しない姿勢となり、上の接地体６２と下の脚ベース１１の上向面１１ｄとの間には隙間Ｓが形成されるように設定されている。同様に、隣接する２台の天板付き家具Ｄ２、Ｄ３に着目した場合も、上の天板付き家具Ｄ２の接地体６２が、下の天板付き家具Ｄ３の脚ベース１１に当接しない姿勢となり、上の接地体６２と下の脚ベース１１の上向面１１ｄとの間には隙間Ｓが形成されるように設定されている。スタッキング状態では、全ての天板付き家具Ｄ１～Ｄ３に作用する重力が最も下の天板付き家具Ｄ３の接地装置４にかかるため、図１４及び図１５の（ｂ）に示すように、その接地装置４の接地体６２はハウジング５内に没入することになる。なお、スタッキングは、複数の天板付き家具Ｄ１～Ｄ３が、順次前方にずれながら積み上げられることになるため、重心は反使用端側（前側）に移行することになり、最も下の天板付き家具Ｄ３の接地装置４の内、特に基端側の接地装置４（Ａ）に大きな負荷が作用する。しかしながら、この実施形態のものは、接地装置４よりも基端１１ｅ寄りに降下抑止部材１４（Ａ）が配されているので、最下の天板付き家具Ｄ３が、接地体６２の没入しすぎにより前方に傾くのを抑止することができる。そのため、積み上げた天板付き家具Ｄ３が反使用端２ｂ側に崩れるのを抑制することができ、安定したスタッキングを行うことが可能になる。

　ここで、図１は本実施形態の天板付き家具Ｄを示す斜視図であり、図２は同背面図、図３は同側面図、図４は同底面図である。図５は図２におけるＸ－Ｘ線に沿った断面図であり、天板２を想像線で示している。図６は接地装置４の取付態様を示す分解斜視図であり、図７は脚ベース１１の底面図である。図８は図７におけるＡ－Ａ線に沿った拡大断面図であり、中間部は省略して示している。図９は図７におけるＢ－Ｂ線に沿った拡大断面図である。図１０は接地装置４の側面図であり、図１１は図１０におけるα矢視図である。図１２は接地装置４の取付態様を示す説明図であり、図１３は接地装置４の分解斜視図である。図１４は複数の天板付き家具Ｄ１～Ｄ３のスタッキング態様を示す側面図である。図１５は天板付き家具Ｄの接地装置４の作動説明図であり、同図の（ａ）は無負荷状態、同図の（ｂ）は大きな負荷がかかった状態をそれぞれ示している。また、以上の説明においては、天板２の反使用端２ｂ側（脚ベース１１の基端１１ｅ側）を「前方」「正面」とし、使用端２ｃ側（脚ベース１１の基端１１ｆ側）を「後方」「背面」としている。

　このような構成のものであれば、両脚ベース１１の内側面１１ｂ間の内法寸法Ｌ１を、両脚支柱１２の外側面１２ａ間の外幅寸法Ｌ０よりも大きく設定しているので、左右両脚ベース１１を反使用端２ｂ側から下の天板付き家具Ｄの両脚支柱１２の外側に外嵌させることによって、順次スタッキングすることができる。しかも、脚ベース１１の内側面１１ｂを、内法寸法Ｌ１が基端１１ｅ側から先端１１ｆ側に向かって漸次増大する方向に傾斜させてあるため、スタッキング操作が容易になる。すなわち、左右両脚ベース１１の基端１１ｅ付近における内側面１１ｂ間の内法寸法Ｌ１ａを左右両脚支柱１２の外側面１２ａ間の外幅寸法Ｌ０に近い値に設定してスタッキング状態で横ずれが生じないように設定したとしても、左右両脚ベース１１の先端１１ｆ付近における内側面１１ｂ間の内法寸法Ｌ１ｂを左右両脚支柱１２の外側面１２ａ間の外幅寸法Ｌ０に比べて無理なく大きく設定することができる。そのため、スタッキング操作の初期段階で、左右両脚ベース１１を下の天板付き家具Ｄの左右両脚支柱１２の外側に外嵌させるのが難しいという不具合を解消することができる。

　また、この実施形態では、天板２の左右両側面２ａと、両脚ベース１１の外側面１１ｃとが平面視において略合致させてあるため、複数の天板付き家具Ｄを脚ベース１１と天板２とをそれぞれ当接又は近接させて整然と配列させることができる。

　さらに、この実施形態では、脚ベース１１を段差のない連続した上向面１１ｄを備えたものにし、上向面１１ｄをその基端部から先端部に至る全域で対応する脚支柱１２よりも外側方に位置させてあるため、スタッキング操作時に上の天板付き家具Ｄの脚ベース１１の先端部（先端１１ｆ近傍部）を下の天板付き家具Ｄの脚ベース１１の上向面１１ｄに一時的に摺接させながら重ねることも可能となる。この際、上向面１１ｄに段差がないため、特に円滑にスタッキング操作を行うことができる。

　また、脚ベース１１の基端部すなわち基端１１ｅ近傍部に内側方へ突出する支柱取付部１１１を設けておき、その支柱取付部１１１上に支柱１２を立設しているので、支柱１２の取付箇所をシンプルな構造にすることができ、脚ベース１１の一体成型も容易になる。

　そして、脚支柱１２の上端部に、天板２の使用端２ｃ方向に延びる天板支持アーム１３を設けておき、天板支持アーム１３を下の天板２に当接させてスタッキングを行えるようにしているので、積み上げた天板付き家具Ｄ同士の位置決めを明確に行うことができる。例えば、ダンパー機能を有する接地体６２を下の脚ベース１１上に載置してスタッキングを行った場合には、荷重により接地体６２の突没位置が異なるため不安定なスタッキング状態となり易いが、本実施形態の構成によれば、このような不具合を解消することができる。

　さらに、天板支持アーム１３が、スタッキング状態で他の天板付き家具Ｄの天板２の上面に当接する下向水平面１３ａと、この下向水平面１３ａの先端に連続し天板２の使用端２ｃ側に向かって漸次上昇する傾斜面１３ｂとを備えたものにしてあるので、スタッキング操作時に天板支持アーム１３の先端付近が下の天板２の反使用端２ｂに衝突して衝撃を受けるのを防止することもできる。

　なお、本発明は、以上説明した実施形態のものに限定されないのは勿論であり、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。

　例えば、前述した実施形態では、脚ベースの内側面のみを天板の側端面に対して傾斜させた場合について説明したが、例えば、脚ベースの内側面と外側面とを平行にしておき、脚ベース全体の取付姿勢を非平行に設定して両内側面を傾斜させるようにしてもよい。

　また、図示例では脚ベースに、当該脚ベースを床面上に弾性支持させる接地体を有する接地装置を設けた場合について説明したが、接地装置はこのようなものに限らず、いわゆるアジャスタと称される螺着式の接地体や、キャスタと称される車輪状の接地体を有するものであってもよい。

　さらに、脚ベースの下面に設けられる降下抑止部材も必ずしも必要なものではないが、脚ベースにダンパー機能を有する接地装置を設けている場合には、前述したようにスタッキング状態を安定させる上で有用なものとなる。このような脚ベースの接地装置は、粘弾性を有する部材を利用したものに限らず、オイルダンパ方式のもの等でも同様である。

　その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形してよい。

　Ｄ…天板付き家具
　１１…脚ベース
　１１ｂ…脚ベースの内側面
　１１ｃ…脚ベースの外側面
　１１ｄ…上向き面
　１１ｅ…脚ベースの基端
　１１ｆ…脚ベースの先端
　１１１…支柱取付部
　１２…脚支柱
　１３…天板支持アーム
　１３ａ…下向水平面
　１３ｂ…傾斜面
　１４…降下抑止部材
　２…天板
　２ａ…天板の側面
　２ｃ…使用端
　４…接地装置
　Ｌ０…脚ベースの外側面間の外幅寸法
　Ｌ１…脚ベースの内側面間の内法寸法

Claims

　天板と、この天板の反使用端側を支持する左右一対の脚支柱と、これら脚支柱の下端部に基端側を連接し先端側を天板の使用端側に延出させた左右一対の脚ベースとを備え、前記両脚ベースの前記脚支柱よりも先端側に位置する内側面同士を相互に対面させた天板付き家具であって、
　前記両脚ベースの内側面間の内法寸法を、前記両脚支柱の外側面間の外幅寸法よりも大きく設定するとともに、前記脚ベースの内側面を、前記内法寸法が基端側から先端側に向かって漸次増大する方向に傾斜させている天板付き家具。
　前記天板の左右両側面と、前記両脚ベースの外側面とが平面視において略合致させてある請求項1記載の天板付き家具。
　前記脚ベースが、段差のない連続した上向面を備えたものであり、前記上向面を基端部から先端部に至る全域で対応する脚支柱よりも外側方に位置させてある請求項１又は２記載の天板付き家具。
　前記脚ベースが、基端部に内側方へ突出する支柱取付部を備えたものであり、前記支柱取付部上に前記脚支柱を立設している請求項３記載の天板付き家具。
　脚支柱の上端部に、前記天板の使用端方向に延びる天板支持アームを設けてなり、
　同一構造をなす他の天板付き家具の両脚支柱の外側方に前記両脚ベースを位置させるとともに、前記他の天板付き家具の天板上に前記天板支持アームを載置するようにして当該他の天板付き家具上にスタッキングすることができるように構成されている請求項３又は４記載の天板付き家具。
　前記天板支持アームが、スタッキング状態で他の天板付き家具の天板上面に当接する下向水平面と、この下向水平面の先端に連続し前記使用端側に向かって漸次上昇する傾斜面とを備えたものである請求項５記載の天板付き家具。
　前記脚ベースの底面に、当該脚ベースを床面上に弾性支持させる接地装置と、この接地装置による弾性支持可能範囲の途上において前記脚ベースの降下動作を抑止する降下抑止部材とが設けられている請求項５又は６記載の天板付き家具。