WO2022118927A1 - 亜鉛の製造方法 - Google Patents

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Abstract

亜鉛の製造方法は、亜鉛含有水溶液生成工程102における亜鉛成分を選択的に抽出する抽出溶媒として、水酸化アルカリ水溶液を用い、電解工程103よりも前段で、電炉ダスト又は2次ダストに含まれていた塩素成分を分離して、亜鉛含有水溶液の塩素濃度を低減する塩素濃度調整工程101、101'、105を更に備える。

Description

亜鉛の製造方法
 本発明は、亜鉛の製造方法に関し、特に、製鉄プロセスの一つである電炉法においてスクラップの溶解製錬時に発生する電炉ダストに加え、電炉ダストの一部を亜鉛原料としてリサイクルする際に還元炉で発生した2次ダスト(粗酸化亜鉛)や製鉄プロセスの一つである高炉法において発生する高炉ダストを回転炉床炉で亜鉛含有の酸化物として回収する2次ダスト(粗酸化亜鉛)のようないわゆる2次ダストを原料とする亜鉛の製造方法に関する。
 製鉄プロセスの一つである電炉法では、スクラップの溶解製錬時に製鋼量の約1.5%から2.0%に相当すると共に酸化亜鉛成分を含む産業廃棄物としての電炉ダストが発生する。電炉ダストは、世界では800万トン発生し、日本では40万トン発生するといわれている。
 鉄スクラップの多くは、廃建築物、廃家電又は廃自動車である。廃建築物、廃家電又は廃自動車の塗装下地には、亜鉛メッキが施されている。また、スクラップの中には、塗料、プラスチック及び油分等が含まれている。このため、電炉ダストには、亜鉛又は鉛等の重金属に加えて、塩化物及びダイオキシン類等の有害な有機物も含まれている。一方で、電炉ダストには、約20~30%の鉄と20~30%の亜鉛とが含まれている。また、粗酸化亜鉛は約10%の鉄と約60%の亜鉛を含有する。従って、電炉ダスト及び2次ダスト(粗酸化亜鉛)は、資源として非常に有用である。
 かかる状況下で、特許文献1は、亜鉛地金の製造方法に関し、電炉ダスト又は電炉ダストを還元炉で還元した際に発生する2次ダストを原料として、亜鉛成分を含有する亜鉛含有水溶液を生成する工程と、亜鉛含有水溶液中の亜鉛成分を炭酸塩、水酸化物及び酸化物の少なくとも1つの形態の亜鉛含有化合物とし、亜鉛含有化合物の亜鉛成分を塩化することにより、精製された塩化亜鉛を含有する精製塩化亜鉛を生成する工程と、精製塩化亜鉛を無水化することにより、無水化された溶融精製塩化亜鉛を含有する無水溶融精製塩化亜鉛を生成する工程と、無水溶融精製塩化亜鉛を電気分解することにより、亜鉛地金を電解生成物として生成する工程と、を備えた構成を開示している。
特開2019-119895号公報
 しかしながら、本発明者の検討によれば、特許文献1が開示する構成では、精製塩化亜鉛を生成する工程で得られるろ液を、電炉ダスト又は2次ダストから亜鉛成分を選択的に抽出するためのアルカリ剤として繰り返し使用し、また、無水溶融精製塩化亜鉛を電気分解することにより、亜鉛地金を電解生成物として生成する工程で副生する塩素ガスを、精製塩化亜鉛を生成するための塩化剤として繰り返し使用するものであるが、亜鉛含有水溶液を電解浴とする水溶液電解について何等開示や示唆をするものではない。また、電気分解で得られる電解尾液を亜鉛含有水溶液を生成する工程で繰り返し使用することについては、何等の開示や示唆をするものではない。
 特に、本発明者の検討によれば、電炉ダスト又は2次ダスト中の亜鉛成分を水酸化アルカリ水溶液を抽出溶媒として選択的に抽出して亜鉛含有水溶液とし、その亜鉛含有水溶液を電気分解して、電解生成物である亜鉛を得ると共に、その電解尾液をそのまま抽出溶媒としての水酸化アルカリ水溶液に戻す場合に、亜鉛含有水溶液や電解尾液中の塩素成分量が増加して塩素濃度が高まり、抽出溶媒としての水酸化アルカリ水溶液の特性に不要な影響が出て電解生成物である亜鉛の特性に不要な影響が出る点では改良の余地がある。
 本発明は、以上の検討を経てなされたもので、電炉ダスト又は2次ダスト中の亜鉛成分を水酸化アルカリ水溶液を抽出溶媒として選択的に抽出して亜鉛含有水溶液とし、その亜鉛含有水溶液を電気分解して、電解生成物である亜鉛を製造する際に、そのプロセス中の塩素濃度を低減することができる亜鉛の製造方法を提供することを目的とする。
 以上の目的を達成すべく、本発明の第1の局面における亜鉛の製造方法は、電炉ダスト又は前記電炉ダストを還元炉で還元した際に発生する2次ダストを原料とて、前記原料中の亜鉛成分を選択的に抽出して前記亜鉛成分を含有する亜鉛含有水溶液を生成する亜鉛含有水溶液生成工程と、前記亜鉛含有水溶液を電解液とした電解を行い亜鉛を生成すると共に、前記電解を行った後の前記電解液である電解尾液を前記亜鉛含有水溶液生成工程に戻す電解工程と、を備える亜鉛の製造方法であって、前記亜鉛含有水溶液生成工程における前記亜鉛成分を選択的に抽出する抽出溶媒として、水酸化アルカリ水溶液を用い、前記電解工程よりも前段で、前記電炉ダスト又は前記2次ダストに含まれていた塩素成分を分離して、前記亜鉛含有水溶液の塩素濃度を低減する塩素濃度調整工程を更に備える。
 また、本発明は、かかる第1の局面に加えて、前記塩素濃度調整工程は、前記電炉ダスト又は前記2次ダストを水酸化アルカリ水溶液で洗浄して前記塩素成分を分離することを第2の局面とする。
 また、本発明は、かかる第2の局面に加えて、前記塩素濃度調整工程は、前記電炉ダスト又は前記2次ダストを洗浄する際に、前記電炉ダスト又は前記2次ダストが前記水酸化アルカリ水溶液に浸漬された状態で撹拌されて得られたスラリー状ダストのpH(水素イオン指数)値を、前記亜鉛含有水溶液生成工程で用いる前記水酸化アルカリ水溶液のpH値よりも小さい8.5以上10.5以下の範囲内に調整することを第3の局面とする。
 また、本発明は、かかる第3の局面に加えて、前記電解尾液は、前記塩素濃度調整工程に戻されて、前記塩素濃度調整工程における前記水酸化アルカリ水溶液は、前記電解尾液を含み、前記塩素濃度調整工程は、前記電解尾液を含む前記水酸化アルカリ水溶液に浸漬された状態で撹拌されて得られた前記スラリー状ダストの前記pH値を調整することを第4の局面とする。
 また、本発明は、かかる第3又は第4の局面に加えて、前記塩素濃度調整工程は、前記亜鉛含有水溶液生成工程で用いる前記水酸化アルカリ水溶液の前記pH値よりも小さい8.5以上10.5以下の範囲内の所定値を目標値とし、前記目標値と、前記スラリー状ダストの前記pH値の計測値と、の偏差に応じて、前記塩素濃度調整工程における前記水酸化アルカリ水溶液を得るためのアルカリ剤の量及び水の量を制御することを第5の局面とする。
 また、本発明は、かかる第1から第5のいずれかの局面に加えて、前記塩素濃度調整工程は、前記亜鉛含有水溶液に脱塩素剤を接触して前記塩素成分を分離することを第6の局面とする。
 また、本発明は、かかる第1から第6のいずれかの局面に加えて、前記亜鉛抽出工程で生成された前記亜鉛含有水溶液に金属亜鉛を接触させて、前記亜鉛含有水溶液中における亜鉛よりも貴な金属不純物成分を還元析出する置換工程を更に有し、前記電解工程は、前記置換工程を経た前記亜鉛含有水溶液を前記電解液とした電解を行うことを第7の局面とする。
 また、本発明は、かかる第1から第7のいずれかの局面に加えて、前記亜鉛含有水溶液生成工程で生成された前記亜鉛含有水溶液に酸化剤を接触させて、前記亜鉛含有水溶液中における鉄成分及びマンガン成分を分離する脱鉄脱マンガン工程と、前記脱鉄脱マンガン工程を経た前記亜鉛含有水溶液に金属亜鉛を接触させて、前記亜鉛含有水溶液中における亜鉛よりも貴な金属不純物成分を還元析出する置換工程と、を更に有し、前記電解工程は、前記置換工程を経た前記亜鉛含有水溶液を前記電解液とした電解を行うことを第8の局面とする。
 また、本発明は、かかる第7又は第8の局面に加えて、前記亜鉛含有水溶液生成工程で生成される前記亜鉛含有水溶液としては、第1の亜鉛含有水溶液、及び前記第1の亜鉛含有水溶液の塩素濃度よりも低い塩素濃度の第2の亜鉛含有水溶液が生成され、前記電解工程で前記第1の亜鉛含有水溶液を電解液とした電解を行い生成した亜鉛を、前記置換工程での前記金属亜鉛として用いることを第9の局面とする。
 本発明の第1の局面における亜鉛の製造方法によれば、亜鉛含有水溶液生成工程における亜鉛成分を選択的に抽出する抽出溶媒として、水酸化アルカリ水溶液を用い、電解工程よりも前段で、電炉ダスト又は2次ダストに含まれていた塩素成分を分離して、亜鉛含有水溶液の塩素濃度を低減する塩素濃度調整工程を更に備えるものであるため、水酸化アルカリ水溶液、亜鉛含有水溶液や電解尾液中の塩素濃度が高まることを抑制し、所要の品質の特性の亜鉛を製造することができる。
 また、本発明の第2の局面における亜鉛の製造方法によれば、塩素濃度調整工程が、電炉ダスト又は2次ダストを水酸化アルカリ水溶液で洗浄して塩素成分を分離するものであるため、亜鉛含有水溶液生成工程よりも前段で、電炉ダスト又は2次ダストに含まれていた塩素成分を確実に分離して、水酸化アルカリ水溶液、亜鉛含有水溶液や電解尾液中の塩素濃度が高まることを確実に抑制し、所要の品質の特性の亜鉛を製造することができる。
 また、本発明の第3の局面における亜鉛の製造方法によれば、塩素濃度調整工程が、電炉ダスト又は2次ダストを洗浄する際に、電炉ダスト又は2次ダストが水酸化アルカリ水溶液に浸漬された状態で撹拌されて得られたスラリー状ダストのpH値を、亜鉛含有水溶液生成工程で用いる水酸化アルカリ水溶液のpH値よりも小さい8.5以上10.5以下の範囲内に調整するものであるため、電炉ダスト又は2次ダストから、亜鉛成分の抽出をすることなく塩素成分の溶出をすることができ、所要の品質の特性の亜鉛を製造することができる。
 また、本発明の第4の局面における亜鉛の製造方法によれば、電解尾液が塩素濃度調整工程に戻されて、塩素濃度調整工程における水酸化アルカリ水溶液が電解尾液を含み、塩素濃度調整工程が、電解尾液を含む水酸化アルカリ水溶液に浸漬された状態で撹拌されて得られたスラリー状ダストのpH値を調整するものであるため、かかる電解尾液を洗浄液の一部に用いるものであっても、電炉ダスト又は2次ダストから、亜鉛成分の更なる抽出をすることなく塩素成分の溶出をすることができ、所要の品質の特性の亜鉛を製造することができる。
 また、本発明の第5の局面における亜鉛の製造方法によれば、塩素濃度調整工程が、亜鉛含有水溶液生成工程で用いる水酸化アルカリ水溶液のpH値よりも小さい8.5以上10.5以下の範囲内の所定値を目標値とし、かかる目標値と、スラリー状ダストのpH値の計測値と、の偏差に応じて、塩素濃度調整工程における水酸化アルカリ水溶液を得るためのアルカリ剤の量及び水の量を制御するものであるため、スラリー状ダストのpH値を適切な値に確実に維持することができ、所要の品質の特性の亜鉛を製造することができる。
 また、本発明の第6の局面における亜鉛の製造方法によれば、塩素濃度調整工程が、亜鉛含有水溶液に脱塩素剤を接触して塩素成分を分離するものであるため、亜鉛含有水溶液生成工程と電解工程との間で、電炉ダスト又は2次ダストに含まれていた塩素成分を補助的に分離して、水酸化アルカリ水溶液、亜鉛含有水溶液や電解尾液中の塩素濃度が高まることを確実に抑制し、所要の品質の特性の亜鉛を製造することができる。
 また、本発明の第7の局面における亜鉛の製造方法によれば、亜鉛抽出工程で生成された亜鉛含有水溶液に金属亜鉛を接触させて、亜鉛含有水溶液中における亜鉛よりも貴な金属不純物成分を還元析出する置換工程を更に有し、電解工程が、置換工程を経た亜鉛含有水溶液を電解液とした電解を行うものであるため、不純物の混入が低減された亜鉛を歩留まりよく安定して量産することができる。
 また、本発明の第8の局面における亜鉛の製造方法によれば、亜鉛抽出工程で生成された亜鉛含有水溶液に酸化剤を接触させて、亜鉛含有水溶液中における鉄成分及びマンガン成分を分離する脱鉄脱マンガン工程と、脱鉄脱マンガン工程を経た亜鉛含有水溶液に金属亜鉛を接触させて、亜鉛含有水溶液中における亜鉛よりも貴な金属不純物成分を還元析出する置換工程と、を更に有し、電解工程が、置換工程を経た亜鉛含有水溶液を電解液とした電解を行うものであるため、不純物の混入が低減された亜鉛を歩留まりよく安定して量産することができる。
 また、本発明の第9の局面における亜鉛の製造方法によれば、亜鉛抽出工程で生成される亜鉛含有水溶液としては、第1の亜鉛含有水溶液、及び第1の亜鉛含有水溶液の塩素濃度よりも低い塩素濃度の第2の亜鉛含有水溶液が生成され、電解工程で第1の亜鉛含有水溶液を電解液とした電解を行い生成した亜鉛を、置換工程での金属亜鉛として用いるものであるため、電解生成物である亜鉛を有効利用して置換工程を効率的に行い、不純物の混入が低減された亜鉛を歩留まりよく安定して量産することができる。
図1Aは、本発明の第1の実施形態における亜鉛の製造方法の工程図である。 図1Bは、本実施形態における亜鉛の製造方法の原料として用い得る2次ダストを生成する工程図である。 図2は、本発明の第2の実施形態における亜鉛の製造方法の工程図である。 図3Aは、本発明の第3の実施形態における亜鉛の製造方法の工程図である。 図3Bは、本実施形態における亜鉛の製造方法で高塩素濃度の電解浴を用いた場合に生成される亜鉛の顕微鏡写真を示す図である。 図4は、本発明の第4の実施形態における亜鉛の製造方法の工程図である。 図5は、本発明の第1の実施形態の実験例の結果を示す表1である。 図6は、本発明の第2の実施形態の実験例の結果を示す表2である。 図7は、本発明の第3の実施形態の実験例の結果を示す表3である。 図8は、本発明の第4の実施形態の実験例の結果を示す表4である。 図9Aは、本発明の第5の実施形態における亜鉛の製造方法の工程図である。 図9Bは、本実施形態におけるpH調整を含む塩素濃度調整工程で用いられる洗浄機の構成を示す模式図である。
 以下、図面を適宜参照して、本発明の各実施の形態における亜鉛の製造方法につき、詳細に説明する。
 (第1の実施形態)
 まず、図1A及び図1Bを参照して、本発明の第1の実施形態における亜鉛の製造方法につき、詳細に説明する。
 図1Aは、本実施形態における亜鉛の製造方法の工程を示す図であり、図1Bは、本実施形態における亜鉛の製造方法の原料として用い得る2次ダストを生成する工程図である。
 図1Aに示すように、本実施形態では、塩素濃度調整工程101、亜鉛抽出工程102及び電解工程103を順に実行する。亜鉛抽出工程102は、亜鉛含有水溶液生成工程に相当する。原料としての電炉ダスト又は2次ダストから亜鉛成分を抽出した水溶液を生成することを優先し、その水溶液を電解液として電解して電解生成物である亜鉛を生成するという製造コンセプトに基づいている。
 具体的には、まず、塩素濃度調整工程101では、酸化亜鉛等である亜鉛含有化合物及び酸化鉄等である鉄化合物を含む原料としての電炉ダスト1を洗浄剤3で洗浄して、電炉ダスト1に吸着している塩素成分を溶出して電炉ダスト1から分離し、洗浄済みの電炉ダスト5を得た。電炉ダスト1を洗浄剤3で洗浄して、電炉ダスト1に吸着している塩素成分が溶出されて含まれる使用済みの洗浄剤4は、更なる塩素成分の溶出が可能な範囲内で再び電炉ダスト1を洗浄する洗浄剤3として繰り返し使用してもよい。洗浄剤3としては、電炉ダスト1から塩素成分を溶出する効果が高い強アルカリ剤を好適に使用することができ、具体的には、かかる強アルカリ剤の水溶液を洗浄液として好適に用いることができる。更にアルカリ剤を共用して効率化を図る観点からは、かかる洗浄剤3として、亜鉛抽出工程102で使用される水酸化ナトリウムといった水酸化物であるアルカリ剤6を用いることがより好ましく、具体的には、かかる水酸化ナトリウムといった水酸化物であるアルカリ剤6の水溶液である水酸化アルカリ水溶液を、洗浄液として用いることが好ましい。
 塩素濃度調整工程101で洗浄する原料としては、電炉ダスト1の代わりに電炉ダスト1を還元炉で還元して得られる2次ダスト2を用いてもよい。また、塩素濃度調整工程101で洗浄する原料としては、図1Bに示すか焼工程104を採用している場合にはその工程で、電炉ダスト1に炭酸カルシウム11を混合しか焼して得た2次ダスト2を用いてもよい。かかるか焼によれば、電炉ダスト1の亜鉛フェライト成分に含まれる亜鉛成分を亜鉛抽出工程102でアルカリ剤による抽出が容易な酸化亜鉛成分に予め転換することができる。このように炭酸カルシウム11を混合するか焼で得られた2次ダスト2を原料として用いる場合には、亜鉛抽出工程102で得られる残渣7中のカルシウム成分を増加することができる。また、かかるか焼で得られた二酸化炭素12は、必要に応じて貯蔵し又は使用することも可能である。また、か焼工程104において、低沸点成分のZnClが揮発するに伴い、2次ダスト2中の塩素成分を、2次ダスト2が元にした電炉ダストのものと比較して低減することが可能である。また、塩素濃度調整工程101で用いる原料としては、電炉ダスト1由来で得られる粗水酸化亜鉛等の2次ダストを用いてもよい。なお、塩素濃度調整工程101では、電炉ダスト1を洗浄剤3で洗浄して電炉ダスト1から分離する成分として塩素を対象としているが、同様な手法で分離する成分としては、塩素に加え、又は塩素に代えて、フッ素を対象とすることも可能である。
 次に、亜鉛抽出工程102では、塩素濃度調整工程101で洗浄されて塩素成分が溶出され塩素濃度が低減された電炉ダスト5と、亜鉛の抽出溶媒としてのアルカリ剤6の水溶液と、を直接接触させて、かかる亜鉛含有化合物から亜鉛成分を選択的に抽出した亜鉛抽出液として、亜鉛成分を含む亜鉛含有アルカリ剤水溶液8を生成すると共に、アルカリ剤6の水溶液に溶解しない固形分を残渣7とした。
 典型的には、洗浄済みの電炉ダスト5中の酸化亜鉛に対してアルカリ剤6として水酸化ナトリウムを使用して亜鉛成分を選択的に抽出した亜鉛含有水溶液である亜鉛含有アルカリ剤水溶液8を得る場合の化学式を、以下の(化1)に示す。

Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001



 また、亜鉛抽出工程102では、亜鉛含有化合物である残渣7と、アルカリ剤6の水溶液と、を直接接触させて、かかる残渣7から亜鉛成分を選択的に抽出した亜鉛抽出液として、亜鉛成分を含む亜鉛含有アルカリ剤水溶液8’を生成してもよく、更にこの際に得られる残渣7’から同様に亜鉛含有アルカリ剤水溶液8’’を生成することを繰り返してもよい。このように残渣7、7’を用いて亜鉛含有アルカリ剤水溶液8’、8’’を生成することを繰り返すごとに、亜鉛含有アルカリ剤水溶液8’、8’’中の塩素濃度は変化していき、電解工程103の電解生成物として得られる亜鉛10’、10’’の特性には変化がみられることになる。例えば、塩素濃度調整工程101での電炉ダスト1の洗浄が足りないと1回目の亜鉛抽出工程102で得られる亜鉛含有アルカリ剤水溶液8の塩素濃度が1番高くなるが、塩素濃度調整工程101での電炉ダスト1の洗浄が足りていると1回目及びそれ以降の亜鉛抽出工程102で得られる亜鉛含有アルカリ剤水溶液8、8’、8’’…の塩素濃度は、ほぼ等しくなる。また、塩素濃度調整工程101での電炉ダスト1の洗浄の過不足によらず、電解工程103で得られる電解尾液を亜鉛の抽出溶媒としてのアルカリ剤6の水溶液として繰り返し利用する毎に、そのアルカリ剤6の水溶液で亜鉛成分を選択的に抽出した亜鉛含有アルカリ剤水溶液8、8’、8’’…の塩素濃度の増加量は大きくなる傾向が見られる。
 次に、電解工程103では、亜鉛抽出工程102で抽出された亜鉛成分を含む亜鉛含有アルカリ剤水溶液8を、いずれも図示を省略する一対の電極を有する電解槽内に収容して電解液として電解し亜鉛10を陰極側に析出させ、それを固液分離して固体として回収して、これをそのまま製品とした。また、亜鉛10を固液分離して回収後の電解液である電解尾液は、アルカリ剤6を含むもののであるため、電解尾液をそのまま亜鉛抽出工程102に戻して、その亜鉛の抽出溶媒としてのアルカリ剤6の水溶液の一部として使用する。また、塩素濃度調整工程101での洗浄剤3として、亜鉛抽出工程102で使用されるアルカリ剤6を用いる場合には、かかる電解尾液は、アルカリ剤6を含むもののであるため、電解尾液をそのまま塩素濃度調整工程101に戻して洗浄剤3の一部として用いてもよい。
 以上の本実施形態の亜鉛の製造方法においては、亜鉛含有水溶液生成工程102における亜鉛成分を選択的に抽出する抽出溶媒として、水酸化アルカリ水溶液を用い、電解工程103よりも前段で、電炉ダスト又は2次ダストに含まれていた塩素成分を分離して、亜鉛含有水溶液の塩素濃度を低減する塩素濃度調整工程101を更に備えるものであるため、水酸化アルカリ水溶液、亜鉛含有水溶液や電解尾液中の塩素濃度が高まることを抑制し、所要の品質の特性の亜鉛を製造することができる。
 また、本実施形態の亜鉛の製造方法においては、塩素濃度調整工程101が、電炉ダスト又は2次ダストを水酸化アルカリ水溶液で洗浄して塩素成分を分離するものであるため、亜鉛含有水溶液生成工程102よりも前段で、電炉ダスト又は2次ダストに含まれていた塩素成分を確実に分離して、水酸化アルカリ水溶液、亜鉛含有水溶液や電解尾液中の塩素濃度が高まることを確実に抑制し、所要の品質の特性の亜鉛を製造することができる。
 (第2の実施形態)
 次に、図2を参照して、本発明の第2の実施形態における亜鉛の製造方法につき、詳細に説明する。
 図2は、本実施形態における亜鉛の製造方法の工程を示す図である。
 図2に示すように、本実施形態に係る亜鉛の製造方法は、第1の実施形態に係る亜鉛の製造方法と比較して、亜鉛抽出工程102と電解工程103との間に、塩素濃度調整工程105を有していることが、主たる相違点である。本実施形態においては、かかる相違点に着目して説明するものとし、同一な構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略又は簡略化する。
 具体的には、亜鉛抽出工程102に続く塩素濃度調整工程105では、亜鉛抽出工程102で抽出された亜鉛成分を含む亜鉛抽出液としての亜鉛含有アルカリ剤水溶液8に酸化銀や硝酸銀等の銀イオン源となる脱塩素剤13を直接接触させて、亜鉛含有アルカリ剤水溶液8中に脱塩素剤13の塩素化合物14を生成してこれを分離して除去した塩素濃度調整後の亜鉛含有アルカリ剤水溶液15、つまり塩素濃度を低減した塩素濃度調整後の亜鉛含有アルカリ剤水溶液15を得た。なお、塩素濃度調整工程105では、亜鉛抽出工程102で抽出された亜鉛成分を含む亜鉛抽出液としての亜鉛含有アルカリ剤水溶液8にアルコール等の揮発剤を添加して加熱することにより、亜鉛含有アルカリ剤水溶液8中に含有される塩化物イオンを揮発性塩素化合物として外部に揮散させて、塩素濃度を低減した塩素濃度調整後の亜鉛含有アルカリ剤水溶液15を得てもよい。このとき、塩素成分がかかる揮発剤と反応するために、原料中のマンガン成分等の重金属類やアルミニウム成分などが触媒として機能していることが推定される。
 なお、亜鉛抽出工程102で、亜鉛含有化合物である残渣7と、アルカリ剤6の水溶液と、を直接接触させて、かかる残渣7から亜鉛成分を選択的に抽出した亜鉛抽出液として、亜鉛成分を含む亜鉛含有アルカリ剤水溶液8’を生成し、更にこの際に得られる残渣7’から同様に亜鉛含有アルカリ剤水溶液8’’を生成することを繰り返す場合には、塩素濃度調整工程105では、塩素濃度調整後の亜鉛含有アルカリ剤水溶液15’、15’’が対応して得られることになる。
 次に、電解工程103では、塩素濃度調整工程105で塩素濃度を低減した塩素濃度調整後の亜鉛含有アルカリ剤水溶液15、15’、15’’を電解液として電解し、亜鉛10、10’、10’’を陰極側に析出させ、それを固液分離して固体として回収して、これをそのまま製品とした。また、亜鉛10、10’、10’’を固液分離して回収後の電解液である電解尾液は、アルカリ剤6を含むもののであるため、電解尾液をそのまま亜鉛抽出工程102に戻した。
 なお、本実施形態においては、原料として用いる電炉ダスト1又は2次ダスト2の塩素濃度が低い場合には、塩素濃度調整工程101及び105の双方を備えるのではなく、塩素濃度調整工程105のみを備えてもかまわない。
 以上の本実施形態の亜鉛の製造方法によれば、第1の実施形態の構成に加えて、亜鉛含有水溶液生成工程102における亜鉛成分を選択的に抽出する抽出溶媒として、水酸化アルカリ水溶液を用い、電解工程103よりも前段で、電炉ダスト又は2次ダストに含まれていた塩素成分を分離して、亜鉛含有水溶液の塩素濃度を低減する塩素濃度調整工程101、105を更に備えるものであるため、水酸化アルカリ水溶液、亜鉛含有水溶液や電解尾液中の塩素濃度が高まることを抑制し、所要の品質の特性の亜鉛を製造することができる。
 また、本実施形態の亜鉛の製造方法においては、塩素濃度調整工程105が、亜鉛含有水溶液に脱塩素剤を接触して塩素成分を分離するものであるため、亜鉛含有水溶液生成工程102と電解工程103との間で、電炉ダスト又は2次ダストに含まれていた塩素成分を補助的に分離して、水酸化アルカリ水溶液、亜鉛含有水溶液や電解尾液中の塩素濃度が高まることを確実に抑制し、所要の品質の特性の亜鉛を製造することができる。
 (第3の実施形態)
 次に、図3A及び図3Bを参照して、本発明の第2の実施形態における亜鉛の製造方法につき、詳細に説明する。
 図3Aは、本実施形態における亜鉛の製造方法の工程図であり、図3Bは、本実施形態における亜鉛の製造方法で高塩素濃度の電解浴を用いた場合に生成される亜鉛の顕微鏡写真を示す図である。
 図3Aに示すように、本実施形態に係る亜鉛の製造方法は、第1の実施形態に係る亜鉛の製造方法と比較して、亜鉛抽出工程102と電解工程103との間に、置換工程(セメンテーション工程)106を有していることが、主たる相違点である。本実施形態においては、かかる相違点に着目して説明するものとし、同一な構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略又は簡略化する。
 具体的には、亜鉛抽出工程102に続く置換工程106では、亜鉛抽出工程102で抽出された亜鉛成分を含む亜鉛抽出液としての亜鉛含有アルカリ剤水溶液8と、亜鉛微粒子等の金属亜鉛16と、を直接接触させて、亜鉛含有アルカリ剤水溶液8中における亜鉛よりも貴な銅、鉛、カドミウム等の金属不純物成分17を還元析出して、亜鉛含有アルカリ剤水溶液8中の不純物成分の濃度を低減した亜鉛含有アルカリ剤水溶液18を得る。
 なお、亜鉛抽出工程102で、亜鉛含有化合物である残渣7と、アルカリ剤6の水溶液と、を直接接触させて、かかる残渣7から亜鉛成分を選択的に抽出した亜鉛抽出液として、亜鉛成分を含む亜鉛含有アルカリ剤水溶液8’を生成し、更にこの際に得られる残渣7’から同様に亜鉛含有アルカリ剤水溶液8’’を生成することを繰り返す場合には、置換工程106では、不純物成分の濃度低減後の亜鉛含有アルカリ剤水溶液18’、18’’及び金属不純物成分17’、17’’が対応して得られることになる。
 次に、電解工程103では、置換工程106で不純物成分の濃度が低減された亜鉛含有アルカリ剤水溶液18、18’、18’’を電解液として電解し、亜鉛10、10’、10’’を陰極側に析出させ、それを固液分離して固体として回収して、これをそのまま製品とした。また、亜鉛10、10’、10’’を固液分離して回収後の電解液である電解尾液は、アルカリ剤6を含むもののであるため、電解尾液をそのまま亜鉛抽出工程102に戻した。更に、亜鉛抽出工程102で、亜鉛含有化合物である電炉ダスト5及び残渣7、7’と、アルカリ剤6の水溶液と、を直接接触させて、かかる電炉ダスト5及び残渣7、7’から亜鉛成分を選択的に抽出した亜鉛抽出液として、亜鉛成分を含む亜鉛含有アルカリ剤水溶液8、8’、8’’を繰り返して生成した場合において、置換工程106を経た後の亜鉛含有アルカリ剤水溶液18、18’、18’’の塩素濃度の内で例えば亜鉛含有アルカリ剤水溶液18における塩素濃度が高いときには、電解工程103で生成される亜鉛10は、図3Bに示すように金属亜鉛微粒子の状態となる傾向が強くなるため、かかる電解生成物の亜鉛10を微粒子状の金属亜鉛16として、置換工程106に戻して使用してもよい。
 なお、本実施形態における亜鉛の製造方法の亜鉛抽出工程102と置換工程106との間に、第2の実施形態における亜鉛の製造方法の塩素濃度調整工程105を設けてもよい。
 以上の本実施形態の亜鉛の製造方法によれば、第1又は第2の実施形態の構成に加えて、亜鉛抽出工程102で生成された亜鉛含有水溶液に金属亜鉛を接触させて、亜鉛含有水溶液中における亜鉛よりも貴な金属不純物成分を還元析出する置換工程106を更に有し、電解工程103が、置換工程106を経た亜鉛含有水溶液を電解液とした電解を行うものであるため、不純物の混入が低減された亜鉛を歩留まりよく安定して量産することができる。
 また、本実施形態の亜鉛の製造方法においては、亜鉛含有水溶液生成工程102で生成される亜鉛含有水溶液としては、第1の亜鉛含有水溶液、及び第1の亜鉛含有水溶液の塩素濃度よりも低い塩素濃度の第2の亜鉛含有水溶液が生成され、電解工程103で第1の亜鉛含有水溶液を電解液とした電解を行い生成した亜鉛を、置換工程106での金属亜鉛として用いるものであるため、電解生成物である亜鉛を有効利用して置換工程106を効率的に行い、不純物の混入が低減された亜鉛を歩留まりよく安定して量産することができる。
 (第4の実施形態)
 次に、図4を参照して、本発明の第4の実施形態における亜鉛の製造方法につき、詳細に説明する。
 図4は、本実施形態における亜鉛の製造方法の工程図である。
 図4に示すように、本実施形態に係る亜鉛の製造方法は、第3の実施形態に係る亜鉛の製造方法と比較して、亜鉛抽出工程102と置換工程106との間に、脱鉄脱マンガン工程107を有していることが、主たる相違点である。本実施形態においては、かかる相違点に着目して説明するものとし、同一な構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略又は簡略化する。
 本実施形態で、かかる脱鉄脱マンガン工程107を設けていることは、電炉ダスト等に含まれる鉄成分又はマンガン成分がアルカリに可溶性のFe(II)及びMn(II)等である場合に特に有効であるし、また、鉄成分又はマンガン成分がアルカリに不溶性の場合であっても、例えば、アルカリに不溶性のFe(III)及びMn(IV)等が懸濁した状態の亜鉛含有水溶液を置換工程で処理すると、それらがアルカリに可溶性のFe(II)等に還元されて亜鉛含有水溶液中に溶存するものであるため有効である。また、置換工程106でアルカリに可溶性の鉄成分又はマンガン成分が生じることがあるため、脱鉄脱マンガン工程の後段に置換工程を設けることのみならず、脱鉄脱マンガン工程の前段に置換工程を設けてもよい。かかる脱鉄脱マンガン工程107の具体的な方法としては、エアレーションや過マンガン酸塩の添加による酸化法が挙げられ、また、溶解性のマンガン成分がMn(VII)である場合には、活性炭と接触させる方法が挙げられる。
 具体的には、亜鉛抽出工程102に続く脱鉄脱マンガン工程107では、亜鉛抽出工程102で抽出された亜鉛成分を含む亜鉛抽出液としての亜鉛含有アルカリ剤水溶液8に含まれる鉄成分及び溶解性マンガンを除去するために、かかる亜鉛含有アルカリ剤水溶液8に含まれる鉄又は溶解性マンガン成分の酸化を行うと共に、亜鉛含有アルカリ剤水溶液8中の鉄成分及びマンガン成分を不溶解性の沈殿物のスラッジ21として分離除去し、不純物成分の濃度が低減された亜鉛含有アルカリ剤水溶液20を得る。具体的には、亜鉛含有アルカリ剤水溶液8に空気、酸素、過マンガン酸塩、過酸化水素、過硫酸塩、塩素酸塩、二酸化塩素等の酸化剤19を添加して亜鉛含有アルカリ剤水溶液8中の第1鉄成分を第2鉄成分に酸化し、溶解性マンガンを酸化して不溶解性の二酸化マンガンに転換しスラッジ21として分離除去する。また、亜鉛含有アルカリ剤水溶液8中の鉄成分は、温度、アルカリ濃度及び酸化還元電位(ORP)値を制御して第一鉄成分及び第二鉄成分双方を含むマグヘマイトのような磁性酸化鉄にすることもできる。
 なお、酸化剤19として過マンガン酸塩を用いる場合、過剰の過マンガン酸が亜鉛含有アルカリ剤水溶液8に残存するまで過マンガン酸塩を供給して脱マンガンの終点を判断することができ、また、残存した過マンガン酸は、それを活性炭と直接接触させて不溶解性の二酸化マンガンに転換して除去される。
 また、亜鉛抽出工程102で、亜鉛含有化合物である残渣7と、アルカリ剤6の水溶液と、を直接接触させて、かかる残渣7から亜鉛成分を選択的に抽出した亜鉛抽出液として、亜鉛成分を含む亜鉛含有アルカリ剤水溶液8’を生成し、更にこの際に得られる残渣7’から同様に亜鉛含有アルカリ剤水溶液8’’を生成することを繰り返す場合には、脱鉄脱マンガン工程107では、不純物成分の濃度低減後の亜鉛含有アルカリ剤水溶液20’、20’’及びスラッジ21’、21’’が対応して得られることになる。
 次に、置換工程106では、脱鉄脱マンガン工程107で不純物成分の濃度が低減された亜鉛含有アルカリ剤水溶液20、20’、20’’と、亜鉛微粒子等の金属亜鉛16と、を接触させて、亜鉛含有アルカリ剤水溶液20、20’、20’’中における亜鉛よりも貴な銅、鉛、カドミウム等の金属不純物成分17を還元析出して、亜鉛含有アルカリ剤水溶液20、20’、20’’中の不純物成分の濃度を更に低減した亜鉛含有アルカリ剤水溶液18、18’、18’’を得る。
 ここで、脱鉄脱マンガン工程107と置換工程106との実施順序については、置換工程106の後工程が脱鉄脱マンガン工程107であってもよい。例えば、原料が2次ダストのような、鉄の還元工程を経たものの場合は原料に含まれる鉄成分が2価(Fe(II):第1鉄成分)を多く含むケースがあり、このような原料を処理する場合は先に置換工程106を実施する方が合理的だからである。また、かかる事情は、脱鉄脱マンガン工程107を脱鉄工程及び脱マンガン工程に分離して、各々個別に実行する実施形態においても同様である。
 次に、電解工程103では、置換工程106で不純物成分の濃度が低減された亜鉛含有アルカリ剤水溶液18、18’、18’’を電解液として電解し、亜鉛10、10’、10’’を陰極側に析出させ、それを固液分離して固体として回収して、これをそのまま製品とした。また、亜鉛10、10’、10’’を固液分離して回収後の電解液である電解尾液は、アルカリ剤6を含むもののであるため、電解尾液をそのまま亜鉛抽出工程102に戻した。
 なお、本実施形態における亜鉛の製造方法においても、第3の実施形態のものと同様に、置換工程106を経た後の亜鉛含有アルカリ剤水溶液18、18’、18’’の塩素濃度の内で例えば亜鉛含有アルカリ剤水溶液18における塩素濃度が高いときには、かかる電解生成物の亜鉛10を微粒子状の金属亜鉛16として、置換工程106に戻して使用してもよい。また、本実施形態における亜鉛の製造方法の亜鉛抽出工程102と脱鉄脱マンガン工程107との間に、第2の実施形態における亜鉛の製造方法の塩素濃度調整工程105を設けてもよい。
 以上の本実施形態の亜鉛の製造方法によれば、第1又は第2の実施形態の構成に加えて、亜鉛含有水溶液生成工程102で生成された亜鉛含有水溶液に酸化剤を接触させて、亜鉛含有水溶液中における鉄成分及びマンガン成分を分離する脱鉄脱マンガン工程107と、脱鉄脱マンガン工程107を経た亜鉛含有水溶液に金属亜鉛を接触させて、亜鉛含有水溶液中における亜鉛よりも貴な金属不純物成分を還元析出する置換工程106と、を更に有し、電解工程103が、置換工程106を経た亜鉛含有水溶液を電解液とした電解を行うものであるため、不純物の混入が低減された亜鉛を歩留まりよく安定して量産することができる。
 最後に、以上説明した本実施形態に対し、代表的に第1から第4の実施形態に対応する実験例につき、図5から図8をも参照して詳細に説明する。
 図5は、本発明の第1の実施形態の実験例1の結果を対応して示す表1であり、図6は、本発明の第2の実施形態の実験例2の結果を示す表2であり、図7は、本発明の第3の実施形態の実験例1の結果を対応して示す表3であり、図8は、本発明の第4の実施形態の実験例2の結果を示す表4である。なお、表中のNDは、検出せずであることを示す。また、表中の空欄は、電炉ダスト、2次ダスト及び残渣については、検出限界未満又は検出せずであることを示し、電炉ダスト、2次ダスト及び残渣以外については、分析項目外であることを示す。
 (実験例1)
 本実験例は、本発明の第1の実施形態に対応した実験例であり、その結果は図5の表1に示される。
 まず、塩素濃度調整工程101では、予めか焼工程104で、441gの重量の炭酸カルシウム11と、762.8gの重量の電炉ダスト1と、を混合しか焼して得た870gの2次ダストから60.5gの重量の2次ダスト2を分取し、分取した2次ダスト2を、洗浄剤3として0.8%の濃度のNaOH水溶液で洗浄し、その塩素成分を溶出して塩素濃度を低減した2次ダスト5を得た。なお、洗浄剤3としてのNaOH水溶液は、塩素濃度調整工程101で繰り返し利用した。
 次に、亜鉛抽出工程102では、塩素濃度調整工程101で洗浄されて塩素濃度が低減された2次ダスト5と、アルカリ剤6の水溶液として1000gの重量で16.5%の濃度のNaOH水溶液と、を接触させ、アルカリ剤6の水溶液に溶解しない固形分をろ過により分離したその残りの液体として、480mg/lの塩素濃度で770mlの体積の亜鉛抽出液(亜鉛含有アルカリ剤水溶液)8を得た。また、アルカリ剤6の水溶液に溶解しない固形分をろ過して純水で洗浄した後に乾燥して、46.2gの重量の残渣7を得た。亜鉛抽出工程102における抽出条件では、温度が95℃及び圧力が常圧であり、アルカリ剤6の水溶液と2次ダスト2との接触時間は、8時間とした。なお、残渣7をろ別したろ液(不溶解固形分から抽出可能な成分を抽出したろ液)は、次に2次ダスト2を溶解するためのアルカリ剤6として繰り返し利用した。
 次に、電解工程103では、亜鉛抽出工程102で抽出された亜鉛成分を含む亜鉛含有アルカリ剤水溶液8を電解液として電解して8.7gの重量の平滑な金属亜鉛(箔)10を得た。亜鉛10を固液分離して回収後の電解液である電解尾液は、そのまま亜鉛抽出工程102に戻して、その亜鉛の抽出溶媒としてのアルカリ剤6の水溶液の一部として繰り返し利用した。電解工程103における電解条件では、電極(陰極及び陽極)としてステンレス製(SUS304)で板厚が1mmの平板を用いて陰極及び陽極間の距離を20mmに設定し、幾何面積基準の電流密度が62.5mA/cmとなるように1Aの定電流制御をしながら8.5時間の期間で電解を行ったもので、その際の亜鉛の析出電流効率は84%であった。
 (実験例2)
 本実験例は、本発明の第2の実施形態に対応した実験例であり、その結果は図6の表2に示される。
 実験例1の電解工程103で得られた電解尾液を亜鉛抽出工程102に戻して、その亜鉛の抽出溶媒としてのアルカリ剤6の水溶液の一部として繰り返し利用することにより、亜鉛抽出工程102では、亜鉛抽出液(亜鉛含有アルカリ剤水溶液)8の塩素濃度は、その塩素成分が濃縮されて1500mg/lとなった。
 次に、塩素濃度調整工程105では、亜鉛抽出工程102で抽出された亜鉛含有アルカリ剤水溶液8に、脱塩素剤13として硝酸銀を添加して亜鉛含有アルカリ剤水溶液8中に析出したAgClを塩素化合物14としてろ過することにより除去し、塩素濃度を240mg/lに低減した亜鉛含有アルカリ剤水溶液とすると共に、この亜鉛含有アルカリ剤水溶液に亜鉛粒子を接触させ、その中に残存するAgを析出してろ別し、塩素濃度を240mg/lに低減し、かつAgを除去した亜鉛含有アルカリ剤水溶液15を得た。
 次に、電解工程103では、塩素濃度調整工程105で塩素濃度が低減された亜鉛含有アルカリ剤水溶液15を電解液として電解して3.7gの重量の平滑な金属亜鉛(箔)10を得た。亜鉛10を固液分離して回収後の電解液である電解尾液は、そのまま亜鉛抽出工程102に戻して、その亜鉛の抽出溶媒としてのアルカリ剤6の水溶液の一部として繰り返し利用した。電解工程103における電解条件では、電極(陰極及び陽極)としてステンレス製(SUS304)で板厚が1mmの平板を用いて陰極及び陽極間の距離を20mm及び液中のサイズを幅20mmで高さ30mmに設定し、幾何面積基準の電流密度が62.5mA/cmとなるように375mAの定電流制御をしながら10時間の期間で電解を行ったもので、その際の亜鉛の析出電流効率は81%であり、陰極及び陽極間電圧の平均値は2.4Vであった。
 (実験例3)
 本実験例は、本発明の第3の実施形態に対応した実験例であり、その結果は図7の表3に示される。
 塩素濃度調整工程101に引き続く亜鉛抽出工程102では、塩素濃度調整工程101で洗浄されて塩素濃度が低減された電炉ダスト由来の100gの重量の2次ダスト(粗水酸化亜鉛試料)5と、アルカリ剤6の水溶液として16.5%の濃度のNaOH水溶液と、を接触させ、アルカリ剤6の水溶液に溶解しない固形分を全量ろ過し分離して残渣7とし、その残りの液体として亜鉛抽出液(亜鉛含有アルカリ剤水溶液)8を得た。次に、この残渣7と、新たなアルカリ剤6の水溶液として16.5%の濃度のNaOH水溶液と、を接触させ、アルカリ剤6の水溶液に溶解しない固形分を全量ろ過し分離して残渣7’とし、その残りの液体として亜鉛抽出液(亜鉛含有アルカリ剤水溶液)8’を得た。なお、本実験例の亜鉛抽出工程102における条件は、実験例1のものと同じにした。
 次に、置換工程106では、亜鉛抽出工程102で抽出された亜鉛成分を含む亜鉛抽出液としての亜鉛含有アルカリ剤水溶液8と、金属亜鉛16としての亜鉛粒子と、を各々接触させて、亜鉛含有アルカリ剤水溶液8中における亜鉛よりも貴な銅、鉛、カドミウム等の金属不純物成分17を還元析出すると共に、不純物成分の濃度を低減した亜鉛含有アルカリ剤水溶液18を得た。
 次に、電解工程103では、置換工程106で不純物成分の濃度が低減された亜鉛含有アルカリ剤水溶液18を塩素濃度2000mg/lの電解液として電解して2.6gの重量で純度92%の金属亜鉛(粒径約500μmの粉末)10を得た。この亜鉛10を固液分離して回収後の電解液である電解尾液は、そのまま亜鉛抽出工程102に戻して、その亜鉛の抽出溶媒としてのアルカリ剤6の水溶液の一部として繰り返し利用した。電解工程103における電解条件では、電極(陰極及び陽極)としてステンレス製(SUS304)で板厚が1mmの平板を用いて陰極及び陽極間の距離を20mm及び液中のサイズを幅20mmで高さ20mmに設定し、幾何面積基準の電流密度が62.5mA/cmとなるように250mAの定電流制御をしながら8時間の期間で電解を行ったもので、その際の亜鉛の析出電流効率は97.7%であり、陰極及び陽極間電圧の平均値は2.35Vであった。
 次に、2回目の置換工程106で、このようにして得た金属亜鉛(粒径約500μmの粉末)10を、亜鉛抽出工程102で得られた亜鉛含有アルカリ剤水溶液8’に接触させて、亜鉛含有アルカリ剤水溶液8’中における亜鉛よりも貴な銅、鉛、カドミウム等の金属不純物成分17’を還元析出すると共に、不純物成分の濃度を低減した亜鉛含有アルカリ剤水溶液18’を得た。
 次に、2回目の電解工程103では、2回目の置換工程106で不純物成分の濃度が低減された亜鉛含有アルカリ剤水溶液18’を塩素濃度250mg/lの電解液として電解して金属亜鉛(箔)10’を得た。この亜鉛10’を固液分離して回収後の電解液である電解尾液は、そのまま亜鉛抽出工程102に戻して、その亜鉛の抽出溶媒としてのアルカリ剤6の水溶液の一部として繰り返し利用した。2回目の電解工程103における電解条件は、2回目の電解工程103における電解条件と同じに設定した。
 (実験例4)
 本実験例は、本発明の第4の実施形態に対応した実験例であり、その結果は図8の表4に示される。
 塩素濃度調整工程101に引き続く亜鉛抽出工程102では、塩素濃度調整工程101で洗浄されて塩素濃度が低減された300gの重量の電炉ダスト由来の2次ダスト(粗水酸化亜鉛試料)5と、アルカリ剤6の水溶液として16.5%の濃度のNaOH水溶液と、を接触させ、攪拌後にその全量をろ過し、アルカリ剤6の水溶液に溶解しない固形分を全量ろ過し分離して残渣7とし、その残りの液体として1800mlの亜鉛抽出液(亜鉛含有アルカリ剤水溶液)8を得た。次に、この残渣7と、新たなアルカリ剤6の水溶液として16.5%の濃度のNaOH水溶液と、を接触させ、アルカリ剤6の水溶液に溶解しない固形分を全量ろ過し分離して残渣7’とし、その残りの液体として亜鉛抽出液(亜鉛含有アルカリ剤水溶液)8’を得た。なお、本実験例の亜鉛抽出工程102における条件は、実験例1のものと同じにした。
 次に、亜鉛抽出工程102に引き続く脱鉄脱マンガン工程107では、亜鉛含有アルカリ剤水溶液8、8’に酸化剤11として0.1gの重量のKMnO結晶を添加した赤色赤色の液体に、加熱下で10gの重量の活性炭を加えて、その液色が透明になったことを確認後、その液体をろ過精度が0.1μmのメンブレンフィルタで吸引しろ過したろ液(脱鉄及び脱マンガンした亜鉛含有アルカリ剤水溶液20、20’)を得た。ろ紙上の固形分として、263mgの重量の脱鉄脱マンガンスラッジ21、21’を得た。
 次に、脱鉄脱マンガン工程107に引き続く置換工程106を、亜鉛含有アルカリ剤水溶液20、20’を用いて実験例3のものと各々同じ内容で実行して亜鉛含有アルカリ剤水溶18、18’を得て、また、電解工程103を、亜鉛含有アルカリ剤水溶18、18’を電解浴として実行し、各々実験例3のものと同様の金属亜鉛10、10’を得た。この亜鉛10の回収後の電解液である電解尾液は、そのまま亜鉛抽出工程102に戻して、その亜鉛の抽出溶媒としてのアルカリ剤6の水溶液の一部として繰り返し利用した。電解工程103における電解条件は、実験例3の電解工程103における電解条件と同じに設定した。
 (第5の実施形態)
 最後に、図9A及び図9Bを参照して、本発明の第5の実施形態における亜鉛の製造方法につき、詳細に説明する。
 図9Aは、本実施形態における亜鉛の製造方法の工程を示す図であり、図9Bは、本実施形態におけるpH(水素イオン指数)の調整を含んだ塩素濃度調整工程で用いられる洗浄機の構成を示す模式図である。
 図9Aに示すように、本実施形態に係る亜鉛の製造方法は、第1の実施形態に係る亜鉛の製造方法と比較して、塩素濃度調整工程101’が、塩素濃度を調整することに加えてpH値を調整することが、主たる相違点である。本実施形態においては、かかる相違点に着目して説明するものとし、同一な構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略又は簡略化する。
 まず、本発明者の検討によれば、第1の実施形態のように、塩素濃度調整工程101で用いる洗浄剤3として、強アルカリ剤、典型的には水酸化物であるアルカリ剤を用いて、それを水溶液とした洗浄液であるアルカリ水溶液に、電炉ダスト1又は2次ダスト2(以下、電炉ダスト1という)を接触させて、電炉ダスト1に吸着している塩素成分を溶出させて分離する構成を前提とすると、具体的には、アルカリ水溶液中に、予め所定のサイズ以下に砕いた電炉ダスト1を浸漬させ、このように浸漬された状態の電炉ダスト1をアルカリ水溶液中で所定時間ほど撹拌してスラリー状とし、このようなスラリー状の電炉ダスト1から、それに密着していた塩素成分を溶出させることになる。
 ここで、本発明者の検討によれば、アルカリ水溶液中でスラリー状となった電炉ダスト1から塩素成分を実用的に溶出させるには、スラリー状の電炉ダスト1のpH値を、亜鉛抽出工程102で用いるアルカリ剤6の水溶液であるアルカリ水溶液のpH値よりも小さい値で、8.5以上10.5以下に維持することが必要であることが判明した。これは、まず下限値については、pH値が8.5未満であると、電炉ダスト1から溶出させる塩素成分の量を、実用的な量として確保することができず、また、電炉ダスト1からの亜鉛成分や鉛成分の不要な溶出が生じることが判明したことを理由とする。一方で上限値については、pH値が11を超えると、電炉ダスト1から亜鉛成分が抽出されてしまい、次段の亜鉛抽出工程102に送るべき洗浄済みの電炉ダスト5中の亜鉛成分の量が減少してしまって、亜鉛抽出工程102を設ける意義を損なわせることが判明したことを理由とする。また、本発明者の検討によれば、亜鉛抽出工程102で用いるアルカリ剤6の水溶液であるアルカリ水溶液のpH値は、洗浄済みの電炉ダスト5から抽出する亜鉛成分の量を増大させて実用的な亜鉛成分の量を得るために、少なくとも13以上であることが必要であり、このことは、塩素濃度調整工程101におけるスラリー状の電炉ダスト1のpH値は、亜鉛抽出工程102で用いるアルカリ水溶液のpH値よりも小さく設定することが前提となることをも示している。また、換言すれば、亜鉛抽出工程102で用いるアルカリ剤6の水溶液であるアルカリ水溶液のpH値を基準とすれば、塩素濃度調整工程101でスラリー状となった電炉ダスト1のpH値は、亜鉛抽出工程102で用いるアルカリ剤6の水溶液であるアルカリ水溶液のpH値よりも3以上5以下の範囲内で小さくなる値として設定すればよいともいえる。これは、例えば、亜鉛抽出工程102のアルカリ剤6には、亜鉛成分を最大限に抽出することができるように実用的に入手可能なもので最大のpH値(既知)を呈するものを貯留しておき、かつ塩素濃度調整工程101の洗浄剤3には、このようにpH値が既知のアルカリ剤6を希釈して用いる際には、この既知のpH値に対して3以上5以下の範囲内で小さくなるpH値を実現するために、アルカリ剤6に加えるべき水の初期量を簡便かつ迅速に算出することに寄与するものである。なお、洗浄剤3及びアルカリ剤6として実用的に好適な典型例としては、水酸化ナトリウムが挙げられる。
 つまり、本実施形態において具体的には、図9Aに示すように、塩素濃度調整工程101’において、洗浄剤3として、強アルカリ剤、詳しくは水酸化物であるアルカリ剤を用い、それを水溶液とした洗浄液であるアルカリ水溶液を用意し、かかるアルカリ水溶液中に、予め所定のサイズ以下に砕いておいた電炉ダスト1を浸漬させ、このように浸漬された状態の電炉ダスト1をかかるアルカリ水溶液中で所定時間ほど撹拌してスラリー状とし、このようなスラリー状の電炉ダスト1から塩素成分を、電炉ダスト1外に溶出することにより電炉ダスト1から分離し、洗浄済みの電炉ダスト5を得る。
 ここで、洗浄剤3が水30に均質に溶かされた洗浄液であるアルカリ水溶液及びこれに浸漬される電炉ダスト1は、図9Bに示すように、洗浄機200の洗浄槽201内に、電炉ダスト1、洗浄剤3及び水30の各々を対応して供給自在な供給系202から供給されて収容される。洗浄液であるアルカリ水溶液のpH値の初期値を、スラリー状の電炉ダスト1のpH値の初期値が概略的に与えられるように、亜鉛抽出工程102で用いるアルカリ剤6の水溶液であるアルカリ水溶液のpH値よりも小さい8.5以上10.5以下の範囲内の値(亜鉛抽出工程102で用いるアルカリ剤6の水溶液であるアルカリ水溶液のpH値を基準とすれば、これから3以上5以下の範囲内で小さくなる値)に設定しておく。アルカリ水溶液及びこれに浸漬される電炉ダスト1は、撹拌機204における回動軸204aで回転自在な撹拌部材204bで撹拌され続けることにより、スラリーの性状を呈するようになり、洗浄槽201内でスラリー状ダスト203になっていく。
 また、洗浄槽201にはその内部のpH値を計測するpH計205が設置されており、pH計205は、洗浄槽201内のpH値、詳しくは、洗浄槽201内のスラリー状ダスト203のpH値を計測する。pH計205で計測されたpH値を呈する電圧を示す検出信号は、図示を省略する演算処理装置やメモリ等を備えるコントローラ300に送られる。pH計205からの検出信号が入力されたコントローラ300は、その検出信号が呈する計測pH値と、目標pH値(例えば、亜鉛抽出工程102で用いるアルカリ剤6の水溶液であるアルカリ水溶液のpH値よりも小さい8.5以上10.5以下の範囲内の中央値である9.5の値)と、の偏差を算出し、その偏差に応じて、実際のpH値が目標pH値に一致するように、洗浄槽201内への洗浄剤3の供給量及び洗浄槽201内への水30の供給量を調整する。詳しくは、コントローラ300は、予めメモリ中に記憶した制御プログラムや制御データを読み込み、その制御データを参照して、計測pH値が目標pH値よりも大きい場合には、計測pH値と目標pH値との差分値(例えば正値)に応じて、水30の供給量を増大する制御をする一方で、計測pH値が目標pH値よりも小さい場合には、計測pH値と目標pH値との差分値(例えば負値)に応じて、洗浄剤3の供給量を増大することにより、実際のpH値を目標pH値に近づけて一致させるフィードバック制御を行う。なお、計測pH値と目標pH値とが等しい場合には、コントローラ300は、洗浄剤3の供給量及び水30の供給量を変化させることはなくそのまま維持する。また、計測pH値と目標pH値との差分値(偏差)に応じて、洗浄剤3の供給量及び水30の供給量を調整するための制御データは、実際のpH値が目標pH値に一致するように、計測pH値と目標pH値との偏差と、洗浄剤3の供給量及び水30の供給量と、の関係を予め規定したマップデータである。また、洗浄剤3の供給量及び水30の供給量の調整は、供給系202に設けられた図示を省略するバルブの開度や供給ポンプの駆動力を調整することにより行われる。また、フィードバック制御の安定性を確保する見地から、計測pH値と目標pH値との差分値の絶対値が所定の小さい値以下の場合には、コントローラ300は、洗浄剤3の供給量及び水30の供給量を変化させることはなくそのまま維持してもよい。
 そして、撹拌機204による撹拌、典型的には一定回転数での回動軸204aの回転が、塩素成分の溶出に必要な時間として予め設定された所定時間ほど継続されたならば、塩素濃度調整工程101’におけるスラリー状ダスト203のpH値を調整しながらの塩素成分の溶出による塩素濃度の調整は終了し、スラリー状ダスト203を固液分離することにより、溶出された塩素成分を含んで塩素濃度が上がった使用済みの洗浄剤4と、塩素成分が減少した洗浄済みの電炉ダスト5と、を得る。
 次段以降の亜鉛抽出工程102及び電解工程103は、第1の実施形態におけるものと同様である。但し、電解工程103における亜鉛成分を含有するアルカリ剤6を含んでpH値が高いままの電解尾液を塩素濃度調整工程101’に戻して洗浄剤3の一部として再利用する際に、その電解尾液が洗浄剤3のpH値は8.5以上10.5以下の範囲内に入るように調整されることになるため、電炉ダスト1からの更なる亜鉛成分の抽出は発生しないことになる。このため、電解工程103における電解尾液を亜鉛抽出工程102に戻して、亜鉛成分の抽出溶媒としてのアルカリ剤6の水溶液の一部として使用することはもちろんのこと、かかる電解尾液を塩素濃度調整工程101’に戻して、塩素成分の実用的な洗浄液としても使用することが可能となる。また、本実施形態の実験例としては、第1の実施形態に対応する実験例1と同様の条件で実験を行ったところ、実験例1と同様の結果が安定的に得られた。
 なお、本実施形態における塩素濃度調整工程101’は、第2の実施形態から第4の実施形態において、それらの塩素濃度調整工程101に代え設けられてもよい。また、本実施形態における塩素濃度調整工程101’でも、電炉ダスト1を洗浄剤3で洗浄して電炉ダスト1から分離する対象としては、塩素に加え、又は塩素に代えて、フッ素を対象とすることも可能である。
 以上の本実施形態の亜鉛の製造方法においては、塩素濃度調整工程101’が、電炉ダスト又は2次ダストを洗浄する際に、電炉ダスト又は2次ダストが水酸化アルカリ水溶液に浸漬された状態で撹拌されて得られたスラリー状ダストのpH値を、亜鉛含有水溶液生成工程102で用いる水酸化アルカリ水溶液のpH値よりも小さい8.5以上10.5以下の範囲内に調整するものであるため、電炉ダスト又は2次ダストから、亜鉛成分の抽出をすることなく塩素成分の溶出をすることができ、所要の品質の特性の亜鉛を製造することができる。
 また、本実施形態の亜鉛の製造方法においては、電解工程103の電解尾液が塩素濃度調整工程101’に戻されて、塩素濃度調整工程101’における水酸化アルカリ水溶液が電解尾液を含み、塩素濃度調整工程101’が、電解尾液を含む水酸化アルカリ水溶液に浸漬された状態で撹拌されて得られたスラリー状ダストのpH値を調整するものであるため、かかる電解尾液を洗浄液の一部に用いるものであっても、電炉ダスト又は2次ダストから、亜鉛成分の更なる抽出をすることなく塩素成分の溶出をすることができ、所要の品質の特性の亜鉛を製造することができる。
 また、本実施形態の亜鉛の製造方法においては、塩素濃度調整工程101’が、亜鉛含有水溶液生成工程102で用いる水酸化アルカリ水溶液のpH値よりも小さい8.5以上10.5以下の範囲内の所定値を目標値とし、かかる目標値と、スラリー状ダストのpH値の計測値と、の偏差に応じて、塩素濃度調整工程101’における水酸化アルカリ水溶液を得るためのアルカリ剤の量及び水の量を制御するものであるため、スラリー状ダストのpH値を適切な値に確実に維持することができ、所要の品質の特性の亜鉛を製造することができる。
 なお、本発明は、構成要素の形状、配置、個数等は前述の実施形態に限定されるものではなく、かかる構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはもちろんである。
 以上のように、本発明においては、電炉ダスト又は2次ダスト中の亜鉛成分を水酸化アルカリ水溶液を抽出溶媒として選択的に抽出して亜鉛含有水溶液とし、その亜鉛含有水溶液を電気分解して、電解生成物である亜鉛を製造する際に、そのプロセス中の塩素濃度を低減することができる亜鉛の製造方法を提供することができるものであるため、その汎用普遍的な性格から広範に製鉄プロセスの一つである電炉法においてスクラップの溶解製錬時に発生する電炉ダスト、又は電炉ダストの一部を製鉄原料としてリサイクルする際に還元炉で発生する2次ダストを原料とする亜鉛の製造方法に適用され得るものと期待される。
1…電炉ダスト
2…2次ダスト
3…洗浄剤
4…使用済みの洗浄剤
5…洗浄済みの電炉ダスト
6…アルカリ剤
7…残渣
8…亜鉛含有アルカリ剤水溶液
10…亜鉛
11…炭酸カルシウム
12…二酸化炭素
13…脱塩素剤
14…塩素化合物
15…塩素濃度調整済みの亜鉛含有アルカリ剤水溶液
16…金属亜鉛
17…金属不純物成分
18…不純物成分低減済みの亜鉛含有アルカリ剤水溶液
19…酸化剤
20…不純物成分低減済みの亜鉛含有アルカリ剤水溶液
21…スラッジ
30…水
101…塩素濃度調整工程
101’…pH調整を含む塩素濃度調整工程
102…亜鉛抽出工程(亜鉛含有水溶液生成工程)
103…電解工程
104…か焼工程
105…塩素濃度調整工程
106…置換工程
107…脱鉄脱マンガン工程
200…洗浄機
201…洗浄槽
202…供給系
203…スラリー状電炉ダスト
204…撹拌機
204a…回動軸
204b…撹拌部材
205…pH計

Claims (9)

  1.  電炉ダスト又は前記電炉ダストを還元炉で還元した際に発生する2次ダストを原料とて、前記原料中の亜鉛成分を選択的に抽出して前記亜鉛成分を含有する亜鉛含有水溶液を生成する亜鉛含有水溶液生成工程と、
     前記亜鉛含有水溶液を電解液とした電解を行い亜鉛を生成すると共に、前記電解を行った後の前記電解液である電解尾液を前記亜鉛含有水溶液生成工程に戻す電解工程と、
    を備える亜鉛の製造方法であって、
     前記亜鉛含有水溶液生成工程における前記亜鉛成分を選択的に抽出する抽出溶媒として、水酸化アルカリ水溶液を用い、
     前記電解工程よりも前段で、前記電炉ダスト又は前記2次ダストに含まれていた塩素成分を分離して、前記亜鉛含有水溶液の塩素濃度を低減する塩素濃度調整工程を更に備える亜鉛の製造方法。
  2.  前記塩素濃度調整工程は、前記電炉ダスト又は前記2次ダストを水酸化アルカリ水溶液で洗浄して前記塩素成分を分離する請求項1に記載の亜鉛の製造方法。
  3.  前記塩素濃度調整工程は、前記電炉ダスト又は前記2次ダストを洗浄する際に、前記電炉ダスト又は前記2次ダストが前記水酸化アルカリ水溶液に浸漬された状態で撹拌されて得られたスラリー状ダストのpH値を、前記亜鉛含有水溶液生成工程で用いる前記水酸化アルカリ水溶液のpH値よりも小さい8.5以上10.5以下の範囲内に調整する請求項2に記載の亜鉛の製造方法。
  4.  前記電解尾液は、前記塩素濃度調整工程に戻されて、前記塩素濃度調整工程における前記水酸化アルカリ水溶液は、前記電解尾液を含み、
     前記塩素濃度調整工程は、前記電解尾液を含む前記水酸化アルカリ水溶液に浸漬された状態で撹拌されて得られた前記スラリー状ダストの前記pH値を調整する請求項3に記載の亜鉛の製造方法。
  5.  前記塩素濃度調整工程は、前記亜鉛含有水溶液生成工程で用いる前記水酸化アルカリ水溶液の前記pH値よりも小さい8.5以上10.5以下の範囲内の所定値を目標値とし、前記目標値と、前記スラリー状ダストの前記pH値の計測値と、の偏差に応じて、前記塩素濃度調整工程における前記水酸化アルカリ水溶液を得るためのアルカリ剤の量及び水の量を制御する請求項3又は4に記載の亜鉛の製造方法。
  6.  前記塩素濃度調整工程は、前記亜鉛含有水溶液に脱塩素剤を接触して前記塩素成分を分離する請求項1から5のいずれかに記載の亜鉛の製造方法。
  7.  前記亜鉛抽出工程で生成された前記亜鉛含有水溶液に金属亜鉛を接触させて、前記亜鉛含有水溶液中における亜鉛よりも貴な金属不純物成分を還元析出する置換工程を更に有し、
     前記電解工程は、前記置換工程を経た前記亜鉛含有水溶液を前記電解液とした電解を行う請求項1から6のいずれかに記載の亜鉛の製造方法。
  8.  前記亜鉛含有水溶液生成工程で生成された前記亜鉛含有水溶液に酸化剤を接触させて、前記亜鉛含有水溶液中における鉄成分及びマンガン成分を分離する脱鉄脱マンガン工程と、
     前記脱鉄脱マンガン工程を経た前記亜鉛含有水溶液に金属亜鉛を接触させて、前記亜鉛含有水溶液中における亜鉛よりも貴な金属不純物成分を還元析出する置換工程と、
    を更に有し、
     前記電解工程は、前記置換工程を経た前記亜鉛含有水溶液を前記電解液とした電解を行う請求項1から7のいずれかに記載の亜鉛の製造方法。
  9.  前記亜鉛含有水溶液生成工程で生成される前記亜鉛含有水溶液としては、第1の亜鉛含有水溶液、及び前記第1の亜鉛含有水溶液の塩素濃度よりも低い塩素濃度の第2の亜鉛含有水溶液が生成され、前記電解工程で前記第1の亜鉛含有水溶液を電解液とした電解を行い生成した亜鉛を、前記置換工程での前記金属亜鉛として用いる請求項7又は8に記載の亜鉛の製造方法。
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