WO2022030505A1 - エアバッグ用基布およびエアバッグ用基布の製造方法 - Google Patents

エアバッグ用基布およびエアバッグ用基布の製造方法 Download PDF

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  • the structure of the woven fabric of the base fabric for an airbag of the present invention may be a plain structure, a twill structure, a reddish structure, a deformed structure thereof, or the like, but is not limited to a specific structure.

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Abstract

従来の織機に装備された織物では、織物中央部と端部に布長差ができフレア率が大きくなり、精練収縮工程にて糸が収縮しクリンプが変化することで、フレアがさらに大きくなっていた。製織時にリング機能付きバーテンプルを用いることでせり出しを抑え、さらには挿入する増糸の沸水収縮率を地糸より低くすることで、効果的に基布端部の収縮を抑制することが可能となった。

Description

エアバッグ用基布およびエアバッグ用基布の製造方法
本発明は、エアバッグ用基布およびエアバッグ用基布の製造方法に関する。
エアバッグは自動車事故による衝突の際に高温、高圧のガスで瞬間的に膨張し乗員の身体を保護することを目的として自動車に装備されている。事故衝突時の高温、高圧のガスによる瞬間的な膨張に耐えるために、エアバッグ用基布には高強力かつ低通気性が求められる。
高強力かつ低通気性のエアバッグ用基布を製織するには、高強力糸を用いて高密度に織り、多くの場合、製織後にさらに高密度化させるために出来上がった生機に精練収縮を行い高品質な基布に仕上げていく。本発明では以下、精錬収縮後の基布を、エアバッグ用基布と呼ぶ。
高密度織物である従来のエアバッグ用基布では、左右それぞれの端部をカッターで切断するが、切断された緯糸はテンションが低くなるので織物両端部の緯糸が縮んでクリンプ率が大きくなる。そうなると逆に織物端部の経クリンプ率は小さくなるので、両耳の経糸のテンションが低くなってしまう。そうなると織物中央部と端部でテンション差が生じ布長差となってフレア(耳たぶり、耳緩みともいう)が発生する。フレアは織物端部の欠点、織物をロール状に巻いたときの耳高、シワなどの別の欠点の原因となる。
上記のようなエアバッグ基布は、一般的には数枚重ねられてレーザー裁断機などでパーツ形状に切断される。両端部のフレアが大きいエアバッグ基布は、基布それぞれでフレアの度合いが異なるため複数枚重ねられた時には両端部付近の基布の重なり具合が悪く、換言するとランダムに立体的に膨らんでいる為に、レーザー裁断時にパーツ形状が安定しないため不良が出やすく、両端部から数センチメートル内側のふくらみの少ないところまでしか裁断できないため、両端部のロスが多くなる問題がある。また、裁断機の投入口の高さには制限があり、積層させた後に端部が嵩高になりすぎて裁断機の投入口に入らなくなり、その結果1回でカットできる積層枚数が少なくなり作業効率が悪くなる問題がある。
エアバッグ用基布の元となる織物を製造する段階で、織機には織物の織前付近に織機用テンプル装置が製織中における織布の織り縮みを防止する目的で取り付けられている。テンプルにはいくつかの種類があり、その例として全巾方向を把持するバーテンプル、織物の端部を把持して織物の緯糸方向への織り縮みを防止するリングテンプルがある。
バーテンプルは全体の把持はできるが中央部と比較すると両端部の把持力が十分に確保できないため、製織する密度を高くし過ぎると織前にせり出しが発生し織物中央部と端部の密度差が大きくなりフレアが発生しやすくなる。リングテンプルは製織する密度を高くし過ぎると中央部の把持力がないため織物両端が中央部に引っ張られてリングテンプルから外れてしまう。端部まで均一でフレアの少ない、エアバッグ用の高密度織物は製造困難であった。
さらに、地糸(織物を形成する経糸と緯糸のこと)よりも繊度の低い増糸(力糸、耳締め糸とも呼ばれる)を挿入することにより、フレアの改善がされるという報告もされているが、十分な効果があるとは言えなかった。
またさらに専用の増糸装置をバーテンプルの外側に取り付け、その装置に増糸を挿入することでフレアが改善されると報告されているが、こちらもフレアの改善としては十分と言えなかった。
国際公開第2015/129684号 特開2014―181430号公報
織物両端部に耳房が残った状態のエアバッグ用基布において、フレアの発生を抑制することである。
本発明者は鋭意検討した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記の通りである。
(1)基布端部に耳房が残ったエアバッグ用基布において、フレア率が1.5%以下、且つフレア率変化の傾きが0.1以下である、エアバッグ用基布。
(2)経緯密度差が、1.5本/2.54cm以下であるエアバッグ用基布。
(3)基布中央のクリンプ率に対して基布端部のクリンプ率が80%以上あるエアバッグ用基布。
(4)エアバッグ用基布の製法であり、バーテンプルのインナーバー両端部に、リング状の緯糸掴み部を備えたリング機能付きバーテンプル装置を用い製織を行うことを特徴とする、エアバッグ用基布の製造方法。
(5)エアバッグ用基布の製法であり、地糸の沸水収縮率が増糸の沸水収縮率よりも大きく、且つ地糸と増糸の沸水収縮率の差が0.8%以上である増糸を用い、前記基布両端部それぞれに、少なくとも2本以上の増糸を含ませ、バーテンプルのインナーバー両端部に、リング状の緯糸掴み部を備えたリング機能付きバーテンプル装置を用い製織を行った後、精練収縮を行うことを特徴とする、エアバッグ用基布の製造方法。
具体的には、バーテンプルのインナーバー両端にリングを取り付けたテンプル装置(以降、リング機能付きバーテンプルと呼称)にて製織することで、製織できる織幅と従来通りの作業性を維持しながら、基布端部の把持力が上げることが可能となる。これにより織機上で製織している途中の経糸のテンションが巾方向に均一となり、織物全体の経糸と緯糸の密度のバランスが整えやすくなるため、織物の端部まで経緯密度差を小さくすることができる。また、経糸のテンションが巾方向に均一になると、経糸のクリンプ率も中央と端部で差が小さくなるので織物の中央と端部の基布伸長差が小さくなり、結果としてフレアが減少する。これによりフレアの少ない高品位な高密度エアバッグ用基布が安定して生産可能となる。
さらに、地糸と増糸の沸水収縮率に差がある(地糸の沸水収縮率>増糸の沸水収縮率)ことを特徴とする増糸を含ませることで、地糸が沸水により収縮しようとしても隣り合う増糸がその収縮より小さいため、収縮による基布端部変形が抑制され、結果としてフレア率が低減する。
製織段階で、リング機能付きバーテンプルを用いることは、経緯密度差を少なくさせフレア率の低減に大きく寄与するが、前記特定の増糸を用いる技術と併用することで、端部まで高度に構造が制御できた、さらに高性能なエアバッグ用基布が製造可能となる。
リング機能付きバーテンプル フレア率の測定方法
本発明のエアバッグ用基布は、合成繊維マルチフィラメントから構成される織物である。前記エアバッグ用基布を構成する合成繊維マルチフィラメントの総繊度は、好ましくは200~600dtexであり、より好ましくは300~550dtexである。総繊度が200dtex以上であれば、過度に織密度を高くする必要がないため、経糸と緯糸の拘束力の過度の上昇を抑え、エアバッグモジュールでの収納性を適切な範囲内に留めやすくなる。また、総繊度が600dtex以下であれば、織物構成糸自体の剛性の過度な上昇を抑えやすくなる。また、合成繊維マルチフィラメントの総繊度が200~600dtexであれば、適度に柔軟であり、そのためにモジュールへの良好な収納性を有するエアバッグ用基布が得られやすく好ましい。
本発明において、エアバッグ用基布を構成する合成繊維マルチフィラメントの総繊度は以下のようにして求める。乾燥仕上げ工程を経て得られた基布の経糸と緯糸とをそれぞれ解織し、JIS L1013(2010)8.3.1に準拠し測定する。具体的には、初荷重をかけて正確に長さ90cmの試料をとり、絶乾質量を量り、次の式によって正量繊度(dtex)を算出し、5回の平均値を総繊度とする。
F0=10000×m/0.9×(100+R0)/100
F0:正量繊度(dtex)
m:試料の絶乾質量(g)
R0:公定水分率(%)
本発明のエアバッグ用基布は、地糸(エアバッグ用基布を構成する経糸と緯糸)で製織され、さらには特定の物性を持つ増糸を含ませ製織される。
精練収縮および乾燥時に基布端部の収縮によるフレアを抑制するために、地糸と増糸の沸水収縮率の差は、0.8~20%が望ましく、さらに望ましくは1.5~15%、特に望ましくは4~12%である。0.8%を下回ると、収縮により変形抑制の効果が少なく、20%を超えると地糸の縮が大きすぎて織組織が崩れ強度・通気性などに悪影響を及ぼす。
糸の沸水収縮率は、増糸の沸水収縮率より大きいことが望ましい。
本発明のエアバッグ用基布に用いる地糸と増糸との沸水収縮率は地糸>増糸であればよいが、その差が0.8%以上ある方が効果的である。増糸はマルチフィラメント糸、モノフィラメント糸、仮撚り加工等の捲縮加工された糸でもよく、その素材はナイロン66繊維、ナイロン6繊維、ポリエステル繊維などを使用しても良い。一般的にエアバッグ用基布の地糸にはナイロン66繊維が使用されることが多く、ポリエステル繊維の沸水収縮率はナイロン66繊維より低いため、地糸にナイロン66繊維、増糸にポリエステル繊維を用いるのが好ましい。
本発明において、原糸の沸水収縮率は、JIS L1013(2010)熱水寸法変化率B法により測定する。具体的には以下の通り測定する。試料に初荷重をかけ、500mm離間する2点をマーキングしてから初荷重を除き、これを100℃の熱水中に30分間浸漬する。その後、試料を取り出して軽く吸取紙または布で水を切り、風乾後再び初荷重をかける。上記2点間の長さを測り、次の式によって熱水寸法変化率(%)を算出し、3回の平均値を沸水収縮率とする。本発明のように試料が収縮する場合は、熱水寸法変化率(%)は、マイナスの値となるがその絶対値(%)を、本発明の沸水収縮率(%)と規定する。
  熱水寸法変化率(%)=|(L-500)/500×100|
   L:2点間の長さ(mm)
本発明のエアバッグ用基布を構成する合成繊維マルチフィラメントの素材は、特に限定されず、幅広く選択することができる。経済性を考慮しつつ前述の特性を満足させる上で、ナイロン6、ナイロン66、およびナイロン46などのポリアミド系樹脂、ならびにポリエチレンテレフタレートを主体とするポリエステル系樹脂からそれぞれなるマルチフィラメントが好ましい。
本発明のエアバッグ用基布を構成する合成繊維マルチフィラメントは、原糸の製造工程や基布の製造工程で生産性または特性の改善のために通常使用される各種添加剤を含んでいてもよい。本発明のエアバッグ用基布を構成する合成繊維マルチフィラメントは、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、平滑剤、帯電防止剤、可塑剤、増粘剤、顔料および難燃剤からなる群より選択される少なくとも一種などを含有していてもよい。
本発明のエアバッグ用基布は織機にリング機能付きバーテンプルを装備し製織性を考慮しつつ適正なテンションおよび緯糸挿入数に調整して製織する。図1に示すように、リング機能付きバーテンプルはバーテンプルカバーa内のインナーバーbの両端にリング機能cが備わった構造をしている。インナーバーbの表面はプレーンもしくはネジ状であり、リング機能cの針は巾方向に1列以上配置する。さらにインナーバーbとリング機能cは着脱可能であり、製織時に一体化する。増糸は別巻きの装置を用いて挿入するか、もしくは事前に織機ビームに巻き付けて製織する。
インナーバーbの径は、φ5mm~φ50mmが望ましく、表面はプレーンもしくはネジ状(一条ネジ以上かつ三条ネジ以下)の形状が望ましい。素材はPOM(ポリアセタール)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、耐腐食性および防錆性の高い金属(真鍮、アルミ等)の中から選択可能である。さらに、バーテンプルは原糸へのダメージ軽減(毛羽対策)として、メッキ加工を施すことが可能である。
本発明のエアバッグ用基布の増糸の本数は特に制限されるものではないが、本数が増えると効果が高まる傾向が見られる。操業性などを考慮した場合2本~12本程度が好ましいが、製造設備によって差があるため操業性および品質を損なわない範囲であれば何本挿入しても問題はない。
本発明のエアバッグ用基布の幅は特に限定されないが、広幅であるほどフレアは発生しやすくなる。幅が160cm以上の場合において有用であり、180cm以上の場合において特に有用である。
本発明のフレア低減技術は、高密度織物において特に有効に作用する。本発明のエアバッグ用基布のカバーファクターは、1800~2600が望ましく、2000~2500が特に望ましい。
なお、CFは下記の式により計算した。
  CF=(A×0.9)1/2×(W1)+(B×0.9)1/2×(W2)
式中、AおよびBは経糸および緯糸の太さ(dtex)を示し、W1およびW2は経織密度および緯織密度(本/2.54cm)を示す。
本発明のエアバッグ用基布の織物の組織は、平組織、綾組織、朱子組織およびこれらの変形組織等を使用することができるが、特定の組織に限定するものではない。
本発明のエアバッグ用基布は耳部に地糸との沸水収縮率の差が3%以上ある増糸(地糸>増糸)を挿入することでエアバッグ用基布のフレア率が1.5%以下に低減し、フレア率の変化の傾きが0.1以下に抑えられる。また、経緯密度差が1.5本/2.54cm以下まで抑えられる。
またさらに、本発明のエアバッグ用基布は、必要によりさらにシリコーン樹脂等をコーティングすることにより、さらに低通気性を向上させることも可能であり、コートエアバッグ用基布にも有用に利用可能である。
以下、実施例を用いて本発明の構成および効果を詳細に説明する。
<フレア率の測定>
フレア率とはエアバッグ用基布中央部の長さに対して基布端部の長さがどの程度長くなっているかを示すものである。
全巾のある織物を用意し、織物中央部の長さを100cmとし、織物中央部(100cm部分)の前後端に位置する緯糸に沿った状態で、織物を両端部までカットする。さらに図2のように端部から以下のサンプルをカットする。
A1:端部から1cmの位置から巾1cm
A2:端部から2cmの位置から巾2cm
A3:端部から4cmの位置から巾2cm
A4:端部から6cmの位置から巾6cm
A5:端部から12cmの位置から巾10cm
B1:逆から1cmの位置から巾1cm
B2:逆から2cmの位置から巾2cm
B3:逆から4cmの位置から巾2cm
B4:逆から6cmの位置から巾6cm
B5:逆から12cmの位置から巾10cm
カット後、それぞれのカットサンプルの中央部の長さを測定し、測定結果を以下の式に代入する。基布のフレアは両端にあるため、F1もしくはF2の数値の高い方をエアバッグ用基布のフレア率とする。フレア率の変化の傾きについても同様にX1もしくはX2の大きい方をフレア率の変化の傾きとする。
  フレア率F1=(A1-100)/100*100
  フレア率F2=(B1-100)/100*100
   ※F1もしくはF2の大きい方をエアバッグ用基布のフレア率とする。
  フレア率の変化の傾きX1=(A1-A5)/15.5
  フレア率の変化の傾きX2=(B1-B5)/15.5
   ※A1-A5サンプルの測定位置の距離は15.5cm。
   X1もしくはX2の大きい方をエアバッグ用基布のフレア率の変化の傾きとする。
<基布の織密度>
JIS L1096(2010)8.6.1により測定した。試料を平らな台の上に置き、不自然なしわおよび張力を除いて、2.54cm区間の経糸および緯糸の本数を数え密度とした。計測数は耳房の根元から5cm間隔でn=35以上とし経(タテ)密度と緯(ヨコ)密度の両方を計測しその差を計測箇所毎に算出した。
<クリンプ率の測定>
JIS L1096(1999)8.7.2 B法記載の方法で測定した。
サンプルは基布中央から経糸を10本採取し、基布端部は増糸を除いた最端部の経方向の地糸を左右10本ずつ採取し、基布中央と端部のそれぞれの平均値を求めた。
その後、基布中央のクリンプ率と基布中央との差が大きい端部のクリンプ率を以下の式に代入し、基布の中央と端部の経糸クリンプ率の差を確認した。
 
基布中央と端部の経糸クリンプ率の差=基布端部経糸クリンプ率/基布中央経糸クリンプ率×100
 
(実施例1)
地糸の経緯方向に繊度470dtex/144f沸水収縮率5.5%のナイロン66フィラメント原糸(モノフィラメント断面は丸断面である)を用い、経緯とも49.0本/2.54cmの織密度になるようリング機能付きバーテンプル(φ15mm、インナーバー表面プレーン)を装備したウォータージェットルームを用いて沸水収縮率-1.3%の増糸を2本入れ平織にて製織した後、乾燥させずに98℃の熱水収縮槽を通過させ、引き続き、2段のサクションドラム乾燥機を使い、1段目の温度T1を130℃に、2段目の温度T2を135℃に制御した乾燥仕上工程を通過させた。
(実施例2)
地糸の経緯方向に繊度470dtex/144f沸水収縮率5.5%のナイロン66フィラメント原糸(モノフィラメント断面は丸断面である)を用い、経緯とも49.0本/2.54cmの織密度になるようリング機能付きバーテンプル(φ15mm、インナーバー表面プレーン)を装備したウォータージェットルームを用いて沸水収縮率4.5%の増糸を2本入れ平織にて製織した後、乾燥させずに98℃の熱水収縮槽を通過させ、引き続き、2段のサクションドラム乾燥機を使い、1段目の温度T1を130℃に、2段目の温度T2を135℃に制御した乾燥仕上工程を通過させた。
(実施例3)
地糸の経緯方向に繊度470dtex/144f沸水収縮率5.5%のナイロン66フィラメント原糸(モノフィラメント断面は丸断面である)を用い、経緯とも53.0本/2.54cmの織密度になるようリング機能付きバーテンプル(φ15mm、インナーバー表面プレーン)を装備したウォータージェットルームを用いて沸水収縮率-1.3%の増糸を2本入れ平織にて製織した後、乾燥させずに98℃の熱水収縮槽を通過させ、引き続き、2段のサクションドラム乾燥機を使い、1段目の温度T1を130℃に、2段目の温度T2を135℃に制御した乾燥仕上工程を通過させた。
(実施例4)
地糸の経緯方向に繊度470dtex/144f沸水収縮率5.5%のナイロン66フィラメント原糸(モノフィラメント断面は丸断面である)を用い、経緯とも53.0本/2.54cmの織密度になるようリング機能付きバーテンプル(φ15mm、インナーバー表面プレーン)を装備したウォータージェットルームを用いて沸水収縮率4.5%の増糸を2本入れ平織にて製織した後、乾燥させずに98℃の熱水収縮槽を通過させ、引き続き、2段のサクションドラム乾燥機を使い、1段目の温度T1を130℃に、2段目の温度T2を135℃に制御した乾燥仕上工程を通過させた。
(実施例5)
地糸の経緯方向に繊度470dtex/144f沸水収縮率7.0%のナイロン66フィラメント原糸(モノフィラメント断面は丸断面である)を用い、経緯とも53.0本/2.54cmの織密度になるようリング機能付きバーテンプル(φ15mm、インナーバー表面プレーン)を装備したウォータージェットルームを用いて沸水収縮率7.0%の増糸を2本入れ平織にて製織した後、乾燥させずに98℃の熱水収縮槽を通過させ、引き続き、2段のサクションドラム乾燥機を使い、1段目の温度T1を130℃に、2段目の温度T2を135℃に制御した乾燥仕上工程を通過させた。
通過させた。
(比較例1)
地糸の経緯方向に繊度470dtex/144f沸水収縮率5.5%のナイロン66フィラメント原糸(モノフィラメント断面は丸断面である)を用い、経緯とも53.0本/2.54cmの織密度になるようバーテンプルを装備したウォータージェットルームを用いて沸水収縮率5.0%の増糸を2本入れ平織にて製織した後、乾燥させずに98℃の熱水収縮槽を通過させ、引き続き、2段のサクションドラム乾燥機を使い、1段目の温度T1を130℃に、2段目の温度T2を135℃に制御した乾燥仕上工程を通過させた。
(比較例2)
地糸の経緯方向に繊度470dtex/144f沸水収縮率7.0%のナイロン66フィラメント原糸(モノフィラメント断面は丸断面である)を用い、経緯とも53.0本/2.54cmの織密度になるようバーテンプルを装備したウォータージェットルームを用いて沸水収縮率7.0%の増糸を2本入れ平織にて製織した後、乾燥させずに98℃の熱水収縮槽を通過させ、引き続き、2段のサクションドラム乾燥機を使い、1段目の温度T1を130℃に、2段目の温度T2を135℃に制御した乾燥仕上工程を通過させた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
本発明によれば、フレア率を規定することでエアバッグ用基布の品位を向上させることができ、エアバッグ製造業におけるコストダウンに寄与する。

Claims (5)

  1.  基布端部に耳房が残ったエアバッグ用基布において、フレア率が1.5%以下、且つフレア率変化の傾きが0.1以下である、エアバッグ用基布。
  2.  経緯密度差が、1.5本/2.54cm以下である、請求項1に記載のエアバッグ用基布。
  3.  基布中央部の経糸クリンプ率に対する基布端部の経糸クリンプ率が80%以上である、請求項1又は請求項2に記載のエアバッグ用基布。
  4.  請求項1~3のいずれかに記載のエアバッグ用基布の製法であり、
     バーテンプルのインナーバー両端部に、リング状の緯糸掴み部を備えたリング機能付きバーテンプル装置を用い製織を行うことを特徴とする、エアバッグ用基布の製造方法。
  5.  請求項1~3のいずれかに記載のエアバッグ用基布の製法であり、
     地糸の沸水収縮率が増糸の沸水収縮率よりも大きく、且つ地糸と増糸の沸水収縮率の差が0.8%以上である増糸を用い、前記基布両端部それぞれに、少なくとも2本以上の増糸を含ませ、
     バーテンプルのインナーバー両端部に、リング状の緯糸掴み部を備えたリング機能付きバーテンプル装置を用い製織を行った後、精練収縮を行うことを特徴とする、エアバッグ用基布の製造方法。
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