WO2021210339A1 - 発光デバイス - Google Patents

発光デバイス Download PDF

Info

Publication number
WO2021210339A1
WO2021210339A1 PCT/JP2021/011073 JP2021011073W WO2021210339A1 WO 2021210339 A1 WO2021210339 A1 WO 2021210339A1 JP 2021011073 W JP2021011073 W JP 2021011073W WO 2021210339 A1 WO2021210339 A1 WO 2021210339A1
Authority
WO
WIPO (PCT)
Prior art keywords
light emitting
electrode layer
layer
light
optical distance
Prior art date
Application number
PCT/JP2021/011073
Other languages
English (en)
French (fr)
Inventor
貴志 藤井
英司 岸川
進一 森島
Original Assignee
住友化学株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 住友化学株式会社 filed Critical 住友化学株式会社
Publication of WO2021210339A1 publication Critical patent/WO2021210339A1/ja

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/10OLEDs or polymer light-emitting diodes [PLED]
    • H10K50/11OLEDs or polymer light-emitting diodes [PLED] characterised by the electroluminescent [EL] layers
    • H10K50/125OLEDs or polymer light-emitting diodes [PLED] characterised by the electroluminescent [EL] layers specially adapted for multicolour light emission, e.g. for emitting white light
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B33/00Electroluminescent light sources
    • H05B33/02Details
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B33/00Electroluminescent light sources
    • H05B33/12Light sources with substantially two-dimensional radiating surfaces
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B33/00Electroluminescent light sources
    • H05B33/12Light sources with substantially two-dimensional radiating surfaces
    • H05B33/22Light sources with substantially two-dimensional radiating surfaces characterised by the chemical or physical composition or the arrangement of auxiliary dielectric or reflective layers
    • H05B33/24Light sources with substantially two-dimensional radiating surfaces characterised by the chemical or physical composition or the arrangement of auxiliary dielectric or reflective layers of metallic reflective layers
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B33/00Electroluminescent light sources
    • H05B33/12Light sources with substantially two-dimensional radiating surfaces
    • H05B33/26Light sources with substantially two-dimensional radiating surfaces characterised by the composition or arrangement of the conductive material used as an electrode
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B33/00Electroluminescent light sources
    • H05B33/12Light sources with substantially two-dimensional radiating surfaces
    • H05B33/26Light sources with substantially two-dimensional radiating surfaces characterised by the composition or arrangement of the conductive material used as an electrode
    • H05B33/28Light sources with substantially two-dimensional radiating surfaces characterised by the composition or arrangement of the conductive material used as an electrode of translucent electrodes

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)

Abstract

光取り出し効率をより確実に向上可能であるとともに、視野角依存性の低減可能な発光デバイスを提供する。 一実施形態に係る発光デバイス10は、基板12と、基板上に設けられた第1電極層14と、第1電極層上に設けられており、発光層161を含む中間構造体16と、記中間構造体上に設けられた第2電極層18と、を備え、第1電極層及び第2電極層のうち一方は透光性電極層であり、他方は光反射性電極層であり、XYZ表色系における緑色に対応する等色関数におけるピーク波長をλG[nm]としたとき、中間構造体内において波長λGの光の発光位置165と、透光性電極層との間の光学距離が、140nm~200nmの第1範囲、400nm~460nmの第2範囲及び680nm~720nmの第3範囲のいずれかの範囲内であり、発光位置と光反射性電極層との間の光学距離がλG/4の奇数倍である。

Description

発光デバイス
 本発明は、発光デバイスに関する。
 発光デバイスの例として特許文献1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子(有機ELデバイス)が知られている。特許文献1に記載の発光デバイスは、光透過性を有する基板と、上記基板の表面に設けられた光拡散層と、上記光拡散層の表面に設けられた光透過性電極と、上記光透過性電極と対をなす光反射性電極と、上記光透過性電極と上記光反射性電極との間に離間して設けられた複数の発光層と、を有する。
特許第5830194号
 特許文献1に記載の発光デバイスは例えば照明装置に用いられる。この場合、発光デバイスからの光取り出し効率が高く且つ視野角依存性が低いことが好ましい。特許文献1では、高い光取り出し効率を実現するともに視野角依存性を低減するために、各発光位置(各発光層の例えば中央位置)と光反射性電極との間の光学距離がλ/4の奇数倍からずれた値になるように設計されている。
 しかしながら、上記設計では、各発光位置(各発光層の例えば中央位置)と光反射性電極との間のキャビティ効果が低減するため、光取り出し効率が実際には低減すると考えられる。
 そこで、本発明の一実施形態は、光取り出し効率をより確実に向上可能であるとともに、視野角依存性の低減可能な発光デバイスを提供することを目的とする。
 本発明の一側面に係る発光デバイスは、基板と、基板上に設けられた第1電極層と、上記第1電極層上に設けられており、発光層を含む中間構造体と、上記中間構造体上に設けられた第2電極層と、を備え、上記第1電極層及び上記第2電極層のうち一方は透光性電極層であり、他方は光反射性電極層であり、XYZ表色系における緑色に対応する等色関数におけるピーク波長をλ[nm]としたとき、上記中間構造体内において波長λの光の発光位置と、上記透光性電極層との間の光学距離が、140nm~200nmの第1範囲、400nm~460nmの第2範囲及び680nm~720nmの第3範囲のいずれかの範囲内であり、上記発光位置と上記光反射性電極層との間の光学距離がλ/4の奇数倍である。
 上記構成では、上記発光位置で発せられた光は透光性電極層側から出力される。上記発光位置と透光性電極層との光学距離が上記第1~第3範囲の何れかの範囲であれば、視野角依存性が低減する。更に、上記光反射性電極層との間の光学距離がλ/4の奇数倍であれば、発光位置から直接透光性電極層に向かう光と、発光位置から光反射性電極層で反射して透光性電極層に向かう光との干渉効果(又はキャビティ効果)により、光取り出し効率が向上する。よって、発光デバイスでは、光取り出し効率を向上可能であるとともに、視野角依存性の低減可能である。
 上記発光層は白色光を出力してもよい。この場合、発光デバイスは例えば照明デバイスに適用可能である。
 上記発光層が、第1発光層と、上記第1発光層に隣接しており且つ上記第1発光層に積層された第2発光層と、を有し、上記第2発光層から発せられる光は、上記第1発光層から発せられる光の補色であってもよい。この場合、発光デバイスからは白色光が出力され得る。
 上記第1電極層は、銀又は銀合金を含んでもよい。この場合、上記第1電極層の厚さは8nm以上35nm以下であってもよい。
 一実施形態に係る発光デバイスは、上記基板と上記第1電極層との間に設けられており上記基板より高い屈折率を有する高屈折率層を更に備え、上記基板は透光性基板であり、上記第1電極層が上記透光性電極層であってもよい。この場合、透光性基板側から光が出力される。上記構成では、光性基板と高屈折率層との間での反射が防止され得るので、透光性基板側からより効率的に光を取り出し得る。
 上記発光位置と上記光反射性電極層との間の光学距離が100nm以上155nm以下であってもよい。
 XYZ表色系における赤色及び青色に対応する等色関数におけるピーク波長をそれぞれλ[nm]及びλ[nm]としたとき、上記中間構造体内において波長λの光の発光位置及び波長λの光の発光位置それぞれと、上記透光性電極層との間の光学距離が、上記第1範囲、上記第2範囲及び上記第3範囲のいずれかの範囲内であり、波長λの光の発光位置と上記光反射性電極層との間の光学距離がλ/4の奇数倍であり、波長λの光の発光位置と上記光反射性電極層との間の光学距離がλ/4の奇数倍であってもよい。
 本発明の一実施形態によれば、光取り出し効率をより確実に向上可能であるとともに、視野角依存性の低減可能な発光デバイスを提供できる。
図1は、一実施形態に係る発光デバイスの一例である有機エレクトロルミネッセンスデバイス(有機ELデバイス)の構成を説明するための模式図である。 図2は、シミュレーションAの結果を示す図面である。 図3は、シミュレーションBの結果を示す図面である。 図4は、シミュレーションCの結果を示す図面である。
 以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態を説明する。同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
 図1は、一実施形態に係る発光デバイスの一例である有機エレクトロルミネッセンスデバイス(有機ELデバイス)の構成を説明するための模式図である。図1に示した有機ELデバイス10は、基板12と、第1電極層14と、中間構造体16と、第2電極層18と、を備える。有機ELデバイス10は白色光を出力する発光デバイスである。有機ELデバイス10は、基板12と第1電極層14との間に高屈折率層20を備えてもよい。本実施形態では、ボトムエミッション型の有機ELデバイスを説明するとともに、第1電極層14が陽極(又はその一部)として機能し、第2電極層18が陰極として機能する場合を説明する。
 [基板]
 基板12は、製造すべき有機ELデバイス(電子デバイス)10が出射する光(波長400nm~800nmの可視光を含む)に対して透光性を有する透光性基板である。基板12の透過率は、可視光において40%~92%であり得る。基板12の厚さの例は、30μm~700μmである。
 基板12は、例えばガラス基板及びシリコン基板などのリジッド基板であってもよいし、又は、プラスチック基板及び高分子フィルムなどの可撓性基板であってもよい。可撓性基板とは、基板に所定の力を加えても基板が剪断したり破断したりすることがなく、基板を撓めることが可能な性質を有する基板である。基板12は、水分バリア機能を有するバリア層を更に有してもよい。バリア層は、水分をバリアする機能に加えて、ガス(例えば酸素)をバリアする機能を有してもよい。
 [高屈折率層]
 高屈折率層20は基板12上に設けられており、基板12より高い屈折率を有する。高屈折率層20は反射防止層として機能する。高屈折率層20の例は金属酸化物層である。高屈折率層20の材料の例は、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムスズを含む。高屈折率層20の厚さは、透光性を考慮して決定され得る。高屈折率層20の厚さの例は、10nm~150nmであり、好ましくは、45nm~55nmである。高屈折率層20は陽極の一部であってもよい。
 高屈折率層20は、ドライ成膜法、メッキ法、塗布法などにより形成され得る。ドライ成膜法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、CVD法などが挙げられる。塗布法としては、例えば、インクジェット印刷法、スリットコート法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法及びノズル印刷法等が挙げられる。
 [第1電極層]
 第1電極層14は基板12上に設けられている。図1に示したように、有機ELデバイス10が高屈折率層20を備える形態では、第1電極層14は、高屈折率層20上に設けられる。第1電極層14は、例えば金属層である。第1電極層14の材料としては、例えば銀(Ag)、金(Au)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、鉄(Fe)及びモリブデン(Mo)からなる群から選択される少なくも一種の金属又は銀合金を含む。第1電極層14は、銀又は銀合金を含むことが好ましい。
 第1電極層14は、有機ELデバイス10が出力する光に対して透光性を有する透光性電極層である。第1電極層14の厚さは、透光性、光取り出し効率、電気伝導度等を考慮して決定され得る。第1電極層14の厚さの例は8nm~35nmである。
 第1電極層14は、ドライ成膜法、メッキ法、塗布法などにより形成され得る。ドライ成膜法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、CVD法などが挙げられる。塗布法としては、例えば、インクジェット印刷法、スリットコート法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法及びノズル印刷法等が挙げられる。
 [中間構造体]
 中間構造体16は発光層161を有する。発光層161は、光(可視光を含む)を発する機能を有する機能層であり、本実施形態では白色光を出力する。発光層161は有機物を含む有機層である。発光層161は、通常、主として蛍光及びりん光の少なくとも一方を発光する有機物、又はこの有機物とこれを補助するドーパント材料とから構成される。ドーパント材料は、例えば発光効率の向上や、発光波長を変化させるために加えられる。上記有機物は、低分子化合物でも高分子化合物でもよい。
 主として蛍光及びりん光の少なくとも一方を発光する発光性材料である有機物としては、例えば以下の色素系材料、金属錯体系材料及び高分子系材料が挙げられる。
 (色素系材料)
 色素系材料としては、例えば、シクロペンダミン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体化合物、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ピロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマー、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体などが挙げられる。
 (金属錯体系材料)
 金属錯体系材料としては、例えばTb、Eu、Dyなどの希土類金属、又はAl、Zn、Be、Ir、Ptなどを中心金属に有し、オキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造などを配位子に有する金属錯体が挙げられ、例えばイリジウム錯体、白金錯体などの三重項励起状態からの発光を有する金属錯体、アルミニウムキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、フェナントロリンユーロピウム錯体などが挙げられる。
 (高分子系材料)
 高分子系材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、上記色素系材料や金属錯体系発光材料を高分子化したものなどが挙げられる。
 本発明の一実施形態において、発光層161は、第1発光層161Aと第2発光層161Bとを有する。
 第1発光層161Aは、第2発光層161Bより第1電極層14側に配置されている。第1発光層161Aは、赤色に発光する材料を含む。赤色に発光する材料としては、例えばクマリン誘導体、チオフェン環化合物及びそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが挙げられる。赤色に発光する材料としては、高分子材料のポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが好ましい。
 第2発光層161Bは、第1発光層161Aに隣接しており且つ第1発光層161A上に積層されている。第2発光層161Bは、青色に発光する材料と緑色に発光する材料とを含む。青色に発光する材料としては、例えばジスチリルアリーレン誘導体、オキサジアゾール誘導体、及びそれらの重合体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが挙げられる。青色に発光する材料としては、高分子材料のポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体やポリフルオレン誘導体などが好ましい。緑色に発光する材料としては、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体及びそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが挙げられる。緑色に発光する材料としては、高分子材料のポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが好ましい。
 中間構造体16は、第1電極層14と発光層161(図1に示した構成において具体的に第1発光層161A)との間に導電層162及び正孔注入層163の少なくとも一方を備えてもよい。
 導電層162は、第1電極層14に隣接しており且つ第1電極層14上に積層される。導電層162は透光性を有する。導電層162は陽極の一部であってもよい。導電層162の材料としては、例えばインジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide:略称ITO)、インジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide:略称IZO)等が挙げられる。
 導電層162は、ドライ成膜法、メッキ法、塗布法などにより形成され得る。ドライ成膜法及び塗布法の例は、第1電極層14の形成方法で挙げた例と同様であり得る。
 有機ELデバイス10が、高屈折率層20及び導電層162を備える形態では、高屈折率層20、第1電極層14及び導電層162を有する積層体であって、高屈折率層20上に、第1電極層14及び導電層162が順に積層されている、上記積層体が陽極であり得る。
 基板12と上記積層体(高屈折率層20、第1電極層14及び導電層162を有する積層体)とを含む積層構造の可視領域における透過率は例えば40%~90%であり、反射率は例えば4%~40%であり得る。換言すれば、上記透過率及び反射率を実現可能なように、基板12、高屈折率層20、第1電極層14及び導電層162の材料、厚さなどが設定され得る。上記基板12と上記積層構造が、高屈折率層20及び導電層162の少なくとも一方を有しない場合も同様である。
 正孔注入層163は、第1電極層14(中間構造体16が導電層162を備える形態では導電層162)から発光層161(図1に示した構成において具体的には第1発光層161A)への正孔注入効率を向上させる機能を有する機能層である。正孔注入層163は、無機層でもよいし、有機層でもよい。正孔注入層163を構成する正孔注入材料は、低分子化合物でもよいし、高分子化合物でもよい。
 低分子化合物としては、例えば、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、及び酸化アルミニウムなどの金属酸化物、銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン化合物、カーボンなどが挙げられる。
 高分子化合物としては、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)のようなポリチオフェン誘導体、ポリピロール、ポリフェニレンビニレン、ポリチエニレンビニレン、ポリキノリン及びポリキノキサリン、並びに、これらの誘導体;芳香族アミン構造を主鎖又は側鎖に含む重合体等の導電性高分子などが挙げられる。
 正孔注入層163は、ドライ成膜法、メッキ法、塗布法などにより形成され得る。ドライ成膜法及び塗布法の例は、第1電極層14の形成方法で挙げた例と同様であり得る。
 中間構造体16は、発光層161と第2電極層18との間に電子輸送層164を備えてもよい。
 電子輸送層164は、第2電極層18から電子を受け取り、発光層161(図1に示した構成において具体的には第2発光層161B)まで電子を輸送する機能を有する機能層である。
 電子輸送層164は電子輸送材料を含む有機層である。電子輸送材料には、公知の材料が用いられ得る。電子輸送層164を構成する電子輸送材料としては、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン若しくはその誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタン若しくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若しくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、または8-ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体などが挙げられる。
 電子輸送層164は、ドライ成膜法、メッキ法、塗布法などにより形成され得る。ドライ成膜法及び塗布法の例は、第1電極層14の形成方法で挙げた例と同様であり得る。
 [第2電極層]
 第2電極層18は中間構造体16上に設けられている。第2電極層18は反射性電極層である。第2電極層18は、反射率が70%以上、より好ましくは90%以上を有していればよい。
 第2電極層18の材料としては、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属及び周期表第13族元素等が挙げられる。第2電極層18の材料としては、具体的には、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム等の金属、前記金属のうちの2種以上の合金、前記金属のうちの1種以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうちの1種以上との合金、又はグラファイト若しくはグラファイト層間化合物等が挙げられる。合金の例としては、マグネシウム-銀合金、マグネシウム-インジウム合金、マグネシウム-アルミニウム合金、インジウム-銀合金、リチウム-アルミニウム合金、リチウム-マグネシウム合金、リチウム-インジウム合金、カルシウム-アルミニウム合金等が挙げられる。
 第2電極層18の厚さは、電気伝導度、耐久性を考慮して設定される。第2電極層18の厚さは、通常、10nm~10μmであり、好ましくは20nm~1μmであり、さらに好ましくは50nm~500nmである。
 第2電極層18の形成方法として、例えば、インクジェット印刷法、スリットコート法、グラビアコート法、スクリーン印刷法、スプレーコート法等の塗布法、真空蒸着法、スパッタリング法、金属薄膜を熱圧着するラミネート法等が挙げられる。
 XYZ表色系における緑色の等色関数のピークに対応する波長(以下、「ピーク波長」と称す場合もある)をλ[nm]と称したとき、有機ELデバイス10が備える中間構造体16内において波長λの光の発光位置165(図1参照)と、第1電極層14との間の光学距離(光学的厚さ)nd1は、140nm~200nmである第1範囲、400nm~460nmである第2範囲及び680nm~720nmである第3範囲のいずれかの範囲内である。第3範囲は、680nm~720nmでもよい。
 発光位置165は、電荷の再結合が生じる位置であり、実際には複数存在する。本実施形態において、有機ELデバイス10を構成する各層は平坦な層を想定しているため、複数の発光位置165は実質的に同一平面上に存在し得る。よって、図1では、発光位置165を面、具体的には、第1発光層161A及び第2発光層161Bの界面として図示している。第1発光層161A及び第2発光層161Bは発光層161に含まれるので、発光位置165は発光層161内に位置している。上記のように、発光位置165は電荷の再結合が生じる位置であることから、第1発光層161A及び第2発光層161Bの界面の位置に限定されず、第1発光層161A内、第2発光層161B内、又は発光層161の表面の場合もあり得る。製造された有機ELデバイス10において、発光位置165は例えば、発せられる光の波長毎に、発光強度角度分布と、発光位置を変更した際の発光強度角度分布を転送行列法により計算した結果とを照合することによって特定され得る。転送行列法により発光強度角度分布を計算する方法としては、FLUXIM社によって開発されているシミュレーションプログラムsetfosを用いることができる。
 上記等色関数のピーク波長とは、等色関数で表される曲線における最大値に対応する波長を意味しており、波長λは、例えばCIE1931において555nmである。
 光学距離nd1は、中間構造体16において発光位置165と第1電極層14との間に存在する複数の層の波長λの光に対する光学距離(層の厚さと波長λの光に対する層の屈折率の積)の和である。換言すれば、中間構造体16において発光位置165と第1電極層14との間に存在する複数の層の厚さは、各層の波長λの光に対する屈折率を考慮して、上記光学距離nd1を実現するように設定される。ある層が複数の材料を含む場合、その層の波長λの光に対する光学距離とは、層に含まれる複数の材料の波長λの光に対する屈折率と膜厚を乗じた値の和であり得る(以下、同様)。
 図1に示した例では、光学距離nd1は、導電層162の厚さt1と導電層162の波長λに対する屈折率の積と、正孔注入層163の厚さt2と正孔注入層163の波長λに対する屈折率の積と、第1発光層161Aの厚さt3と第1発光層161Aの波長λに対する屈折率の積との和である。換言すれば、厚さt1~t3は、導電層162、正孔注入層163及び第1発光層161Aそれぞれの波長λに対する屈折率を考慮して、上記光学距離nd1を満たすように、設定される。
 厚さt1の例は、10nm~200nmである。厚さt2の例は、10nm~110nmである。厚さt3の例は、10nm~60nmである。
 光反射性電極層である第2電極層18と発光位置165との間の光学距離nd2は、λ/4の奇数倍である。本明細書において、λ/4の奇数倍は、λ/4の奇数倍に対して一定の許容範囲を含む概念である。一定の許容範囲は、例えば製造誤差、薄膜干渉において光を強め合う場合に通常許容される範囲等を考慮して設定され、例えばλ/4の奇数倍に対して±5(好ましくは2.5)nmである。光学距離nd2は例えば100nm以上155nm以下である。
 光学距離nd2は、中間構造体16において発光位置165と第2電極層18との間に存在する複数の層の波長λの光に対する光学距離(層の厚さと波長λの光に対する層の屈折率の積)の和である。換言すれば、中間構造体16において発光位置165と第2電極層18との間に存在する複数の層の厚さは、各層の波長λの光に対する屈折率を考慮して、上記光学距離nd2を実現するように設定される。
 図1に示した例では、光学距離nd2は、第2発光層161Bの厚さt4と第2発光層161Bの波長λに対する屈折率の積と、電子輸送層164の厚さt5と電子輸送層164の厚さt5の波長λに対する屈折率の積との和である。換言すれば、厚さt4及び厚さt5は、第2発光層161B及び電子輸送層164それぞれの波長λに対する屈折率を考慮して、上記光学距離nd2を満たすように、設定される。
 厚さt4の例は、50nm~80nmである。厚さt5の例は、10nm~30nmである。
 有機ELデバイス10は、第1電極層14、中間構造体16及び第2電極層18を例示した方法によって基板12上に第1電極層14、中間構造体16及び第2電極層18の順に形成することによって製造される。中間構造体16が多層構造を有する形態では、中間構造体16のうち第1電極層14に隣接する層から順に形成すればよい。
 上記光学距離nd1及び光学距離nd2を有するように有機ELデバイス10を製造するために、例えば予めシミュレーションなどによって、光学距離nd1及び光学距離nd2が例示した範囲になるように、中間構造体16が有する各層の厚さを設定しておけばよい。
 有機ELデバイス10では、第1電極層14及び第2電極層18を介して有機ELデバイス10に通電することによって発光層161が発光する。第2電極層18が反射性電極層であり、第1電極層14が透過性電極層であることから、発光層161から出力される光は、基板12側から光が出射される。発光層161は、赤色を発光する材料、緑色を発光する材料及び青色を発光する材料を含むことから、有機ELデバイス10からは白色光が出力される。白色光を出力する有機ELデバイス10は例えば照明デバイスとして機能する。
 光学距離nd1が上記第1~第3範囲の何れかに含まれていることにより、有機ELデバイス10の視野角依存性を低減可能である。この点について、シミュレーション結果を参照して詳述する。光学距離nd2がλ/4の奇数倍である場合、発光位置165から直接基板12側(光取り出し側)に向かう光と、第2電極層18に向かい第2電極層18で反射された光との干渉効果(又はキャビティ効果)に起因して高い発光効率、すなわち、高い光取り出し効率が得られる。従って、有機ELデバイス10の構成では、高い光取り出し効率を実現可能であるとともに、視野角依存性の低減を実現可能である。
 第1電極層14が銀又は銀合金を含む場合、第1電極層14の高い導電率が実現されるので、電力効率を向上可能である。更に、銀又は銀合金を含む第1電極層14では、第1電極層14において優れた表面平坦性を実現可能であることから、有機ELデバイス10の発光ムラを低減可能である。銀又は銀合金を含む第1電極層14の厚さは、8nm以上35nm以下であることが好ましい。第1電極層14の厚さが8nm未満であると導電率が低下し、第1電極層14の厚さが35nmより大きいと第1電極層14での反射率が増大し、光の取り出し効率が低下する。そのため、第1電極層14の厚さが上記範囲であれば、高い導電率を可能にしながら、高い光取り出し効率も実現可能である。
 有機ELデバイス10が高屈折率層20を備えている一実施形態では、基板12と高屈折率層20との界面での反射が防止されるので、光取り出し効率が更に向上し得る。
 次に、有機ELデバイス10の作用効果をシミュレーション結果に基づいて説明する。
 シミュレーションモデルとして図1に示した構成を採用した。すなわち、基板12上に、基板12側から高屈折率層20、第1電極層14、中間構造体16及び第2電極層18が積層された有機ELデバイスを用いてシミュレーションを実施した。中間構造体16は、導電層162、正孔注入層163、第1発光層161A、第2発光層161B及び電子輸送層164を備えており、中間構造体16において、導電層162、正孔注入層163、第1発光層161A、第2発光層161B及び電子輸送層164はこの順に積層されていた。説明の便宜のため、シミュレーションモデルとしての有機ELデバイスを有機ELデバイス10Mと称す。波長λの光の発光位置165を、図1に示したように、第1発光層161Aと第2発光層161Bの界面とした。第1発光層161Aからは赤色が発光し、第2発光層161Bからは青色及び緑色が発光することによって、有機ELデバイス10Mから白色が発光するように設定した。
 <シミュレーションA>
 シミュレーションAでは、有機ELデバイス10Mにおいて、第1電極層14の材料として銀を想定し、第1電極層14の厚さは14nmとし、第2電極層18の材料としてアルミニウムを想定し、第2電極層18の厚さは200nmに設定した。
 光学距離nd1及び光学距離nd2の組を(nd1,nd2)と称した場合、シミュレーションAでは、光学距離nd1と光学距離nd2の和が一定である複数の組の(nd1,nd2)に対して、有機ELデバイス10Mから白色光を出力した場合における相関色温度差ΔCCTを計算した。相関色温度差ΔCCTは、基板12の厚さ方向を放射角度0°とし、放射角度0°の色温度と放射角度70°の色温度の差である。
 図2は、光学距離nd1及び光学距離nd2の組に対して相関色温度差ΔCCTをマッピングした図面であり、相関色温度差ΔCCTの光学距離nd1,nd2依存マップである。図2では、光学距離nd1と光学距離nd2の和が一定になるように、第1発光層161A及び第2発光層161Bの厚さを変えながら、相関色温度差ΔCCTが最大となる組の(nd1,nd2)に対する相関色温度差ΔCCTをマッピングしている。図2では、90組の(nd1,nd2)に対する相関色温度差ΔCCTをマッピングしている。図2に示されたマッピング像の右端の波長は、720nmである。
 図2では、色が濃い領域が、相関色温度差ΔCCTが小さい、換言すれば、視野角依存性が小さいことを示している。よって、図2より、光学距離nd1が第1~第3範囲の何れかであれば視野角依存性が小さいことが検証された。
 <シミュレーションB>
 シミュレーションBでは、第1電極層14の厚さを8nmに設定した点以外は、シミュレーションAと同じ条件でシミュレーションを実施した。シミュレーションBの結果は、図3に示したとおりである。図3の作図方法もシミュレーションAの場合と同様である。
 図3でも、色が濃い領域が、相関色温度差ΔCCTが小さい、換言すれば、視野角依存性が小さいことを示している。よって、シミュレーションBにおいても、図3より、光学距離nd1が第1~第3範囲の何れかであれば視野角依存性が小さいことが検証された。
 上記シミュレーションA,Bにおいては、光学距離nd1は、前述したように緑色の等色関数(XYZ表色系)のピークに対応する波長λの光の発光位置165を基準にして設定している。波長λは、赤色の等色関数(XYZ表色系)のピーク波長λ[nm](具体的には、CIE1931において599nm)と青色の等色関数(XYZ表色系)のピーク波長λ[nm](具体的には、CIE1931において446nm)の間に位置する。よって、波長λの光の発光位置165を基準にして設定して光学距離nd1を設定することで、赤色及び青色の視野角依存性も低減し、結果として、白色光全体の視野角依存性が低減していると考えられる。
 上記のように、波長λの光の発光位置165を基準にして設定して光学距離nd1を設定することで白色光全体の視野角依存性が低減していることから、有機ELデバイス10の設計が容易である。そのため、有機ELデバイス10を製造し易い。波長λは、等色関数(XYZ表色系)のピークに対応する波長であることから、有機ELデバイス10からの光を受けるユーザが実際に体感する視野角依存性が低減できる。
 <シミュレーションC>
 シミュレーションCで使用した有機ELデバイス10Mの層構成はシミュレーションAの場合と同様であった。シミュレーションCでは、光学距離nd1及び光学距離nd2の組を(nd1,nd2)と称した場合、光学距離nd1と光学距離nd2の和が一定である複数の組の(nd1,nd2)に対して、有機ELデバイス10Mから白色光を出力した場合における基板12の厚さ方向における全光束放射輝度を計算した。
 図4は、光学距離nd1及び光学距離nd2の組に対して全光束放射輝度(a.u.)をマッピングした図面であり、全光束放射輝度の光学距離nd1,nd2依存マップである。図4では、光学距離nd1と光学距離nd2の和が一定になるように、第1発光層161A及び第2発光層161Bの厚さを変えながら、全光束放射輝度が最大となる組の(nd1,nd2)に対する全光束放射輝度をマッピングしている。図4では、90組の(nd1,nd2)に対する全光束放射輝度をマッピングしている。
 図4では、色が薄い領域が、全光束放射輝度が大きいことを示している。本シミュレーションにおいて、ピーク波長λ、ピーク波長λ及びピーク波長λはそれぞれ599nm、555nm及び446nmである。そのため、図4の縦軸の波長範囲には、λ/4及びその近傍が含まれる。よって、光学距離nd2を、λ/4の奇数倍に設定することで、高い光取り出し効率が実現できることが理解され得る。
 以上、本発明の種々の実施形態を説明した。しかしながら、本発明は、例示した種々の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
 発光位置は、発光層内において電荷の再結合が生じる位置であればよく、例示したように第1発光層及び第2発光層の界面でない場合もあり得る。
 発光層が第1発光層及び第2発光層を備えており、有機ELデバイスが白色光を出力する形態では、第2発光層から発せられる光は、第1発光層から発せられる光の補色であり得る。
 発光層は、第1発光層及び第2発光層の2層を備えた積層構造を有するとしたが、2層に限定されない。例えば、例えば、赤色用の発光層、緑色用の発光層及び青色層の発光層など出力すべき色毎の層を備えていてもよい。発光層は、複数の発光材料を含む一つの層であってもよい。
 有機ELデバイスは、中間構造体内において波長λの光の発光位置及び波長λの光の発光位置それぞれと、第1電極層(透光性電極層)との間の光学距離が、上記第1~第3範囲のいずれかの範囲内であり、波長λの光の発光位置と第2電極層(光反射性電極層)との間の光学距離がλ/4の奇数倍であり、波長λの光の発光位置と第2電極層(光反射性電極層)との間の光学距離がλ/4の奇数倍であるという条件を更に満たしてもよい。このような条件を満たしていれば、視野角度依存性がより一層低減する。上記λ/4の奇数倍は、一定の許容範囲(例えば±5(好ましくは2.5)nm)を含む概念である。同様に、λ/4の奇数倍は、一定の許容範囲(例えば±5(好ましくは2.5)nm)を含む概念である。
 中間構造体は、第2電極層と電子輸送層(電子輸送層が存在しない場合は発光層)との間に電子注入層を備えてもよい。電子注入層は、第2電極層から発光層(図1に示した構成において具体的には第2発光層)への電子注入効率を向上させる機能を有する機能層である。電子注入層は無機層でもよいし、有機層でもよい。電子注入層を構成する材料は、発光層の種類に応じて最適な材料が適宜選択される。電子注入層を構成する材料の例としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のうちの1種類以上を含む合金、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩、又はこれらの物質の混合物などを挙げることができる。アルカリ金属、アルカリ金属の酸化物、ハロゲン化物、及び炭酸塩の例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、酸化リチウム、フッ化リチウム、酸化ナトリウム、フッ化ナトリウム、酸化カリウム、フッ化カリウム、酸化ルビジウム、フッ化ルビジウム、酸化セシウム、フッ化セシウム、炭酸リチウムなどを挙げることができる。また、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属の酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩の例としては、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、酸化カルシウム、フッ化カルシウム、酸化バリウム、フッ化バリウム、酸化ストロンチウム、フッ化ストロンチウム、炭酸マグネシウムなどが挙げられる。
 この他に従来知られた電子輸送性の有機材料と、アルカリ金属の有機金属錯体を混合した層を電子注入層として利用できる。
 電子注入層は、ドライ成膜法、メッキ法、塗布法などにより形成され得る。ドライ成膜法及び塗布法の例は、第1電極層の形成方法で挙げた例と同様であり得る。電子注入層は第2電極層の一部でもよい。
 有機ELデバイスは、基板側から光を発する形態に限定されず、基板と反対側から光を出力する有機ELデバイス(トップエミッション型の有機ELデバイス)でもよい。この場合、第1電極層が反射性電極層であり、第2電極層が透光性電極層である。第1電極層が陽極(またはその一部)であり、第2電極層が陰極である形態を説明したが、第2電極層が陽極(またはその一部)であり第1電極層が陰極であってもよい。
 上記発光デバイスの例は、中間構造体が有する例えば発光層に有機材料を用いた有機ELデバイスに限定されず、例えば上記発光層が全て無機材料から構成されるデバイスであってもよい。
 10…有機ELデバイス(発光デバイス)、12…基板(透光性基板)、14…第1電極層、16…中間構造体、18…第2電極層、20…高屈折率層、161…発光層、161A…第1発光層、161B…第2発光層、165…発光位置。

Claims (8)

  1.  基板と、
     基板上に設けられた第1電極層と、
     前記第1電極層上に設けられており、発光層を含む中間構造体と、
     前記中間構造体上に設けられた第2電極層と、
    を備え、
     前記第1電極層及び前記第2電極層のうち一方は透光性電極層であり、他方は光反射性電極層であり、
     XYZ表色系における緑色に対応する等色関数におけるピーク波長をλ[nm]としたとき、前記中間構造体内において波長λの光の発光位置と、前記透光性電極層との間の光学距離が、140nm~200nmの第1範囲、400nm~460nmの第2範囲及び680nm~720nmの第3範囲のいずれかの範囲内であり、
     前記発光位置と前記光反射性電極層との間の光学距離がλ/4の奇数倍である、
    発光デバイス。
  2.  前記発光層は白色光を出力する、
    請求項1に記載の発光デバイス。
  3.  前記発光層が、
     第1発光層と、
     前記第1発光層に隣接しており且つ前記第1発光層に積層された第2発光層と、
    を有し、
     前記第2発光層から発せられる光は、前記第1発光層から発せられる光の補色である、
    請求項1又は2に記載の発光デバイス。
    発光デバイス。
  4.  前記第1電極層は、銀又は銀合金を含む、
    請求項1~3の何れか一項に記載の発光デバイス。
  5.  前記第1電極層の厚さは8nm以上35nm以下である、
    請求項4に記載の発光デバイス。
  6.  前記基板と前記第1電極層との間に設けられており前記基板より高い屈折率を有する高屈折率層を更に備え、
     前記基板は透光性基板であり、
     前記第1電極層が前記透光性電極層である、
    請求項1~4の何れか一項に記載の発光デバイス。
  7.  前記発光位置と前記光反射性電極層との間の光学距離が100nm以上155nm以下である、
    請求項1~6の何れか一項に記載の光デバイス。
  8.  XYZ表色系における赤色及び青色に対応する等色関数におけるピーク波長をそれぞれλ[nm]及びλ[nm]としたとき、前記中間構造体内において波長λの光の発光位置及び波長λの光の発光位置それぞれと、前記透光性電極層との間の光学距離が、前記第1範囲、前記第2範囲及び前記第3範囲のいずれかの範囲内であり、
     波長λの光の発光位置と前記光反射性電極層との間の光学距離がλ/4の奇数倍であり、
     波長λの光の発光位置と前記光反射性電極層との間の光学距離がλ/4の奇数倍である、
    請求項1~7の何れか一項に記載の発光デバイス。
PCT/JP2021/011073 2020-04-16 2021-03-18 発光デバイス WO2021210339A1 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020073520A JP2021170498A (ja) 2020-04-16 2020-04-16 発光デバイス
JP2020-073520 2020-04-16

Publications (1)

Publication Number Publication Date
WO2021210339A1 true WO2021210339A1 (ja) 2021-10-21

Family

ID=78083586

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
PCT/JP2021/011073 WO2021210339A1 (ja) 2020-04-16 2021-03-18 発光デバイス

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2021170498A (ja)
WO (1) WO2021210339A1 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009266524A (ja) * 2008-04-24 2009-11-12 Canon Inc 有機el表示装置
JP2011210678A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Fujifilm Corp 有機電界発光装置
JP2011210677A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Fujifilm Corp 有機電界発光装置
JP2017098036A (ja) * 2015-11-20 2017-06-01 日本放送協会 有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置、照明装置
JP2018190702A (ja) * 2016-11-30 2018-11-29 株式会社半導体エネルギー研究所 表示装置及び電子機器

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009266524A (ja) * 2008-04-24 2009-11-12 Canon Inc 有機el表示装置
JP2011210678A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Fujifilm Corp 有機電界発光装置
JP2011210677A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Fujifilm Corp 有機電界発光装置
JP2017098036A (ja) * 2015-11-20 2017-06-01 日本放送協会 有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置、照明装置
JP2018190702A (ja) * 2016-11-30 2018-11-29 株式会社半導体エネルギー研究所 表示装置及び電子機器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021170498A (ja) 2021-10-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7834546B2 (en) OLED lighting devices having multi element light extraction and luminescence conversion layer
JP5676867B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
KR101998422B1 (ko) 유기 el 소자 및 유기 el 패널
US9123913B2 (en) Organic electroluminescence element, lighting device, and display device
CN102097456B (zh) 有机发光二极管装置
KR20080095244A (ko) 유기 전계 발광 소자
JP2009181856A (ja) 透明導電膜付き透明板および有機エレクトロルミネッセンス素子
WO2010147230A1 (ja) 光取り出し構造体
JP5672705B2 (ja) 発光装置およびその製造方法
US8093587B2 (en) Organic el device and process of producing the same
JP2013140722A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP5249075B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
WO2021210339A1 (ja) 発光デバイス
JP2010146893A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子、及びその製造方法
JP2010146894A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2014191980A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
US11495777B2 (en) Self-luminous element, self-luminous panel, and self-luminous panel manufacturing method
WO2020226051A1 (ja) 有機el発光装置
US20220045133A1 (en) Display panel and display device
JP2011210409A (ja) 発光装置
KR20080065477A (ko) 유기발광소자
JP6945983B2 (ja) 有機elデバイス、表示素子及び有機elデバイスの製造方法
WO2012070587A1 (ja) 発光装置およびその製造方法
JP2022031152A (ja) 表示パネル及び表示装置
JP2021048054A (ja) 自発光素子を用いた表示パネル、および、その製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
121 Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application

Ref document number: 21789148

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1

NENP Non-entry into the national phase

Ref country code: DE

122 Ep: pct application non-entry in european phase

Ref document number: 21789148

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1