WO2021161772A1

WO2021161772A1 - 緩衝材、組立装置及び製造方法

Info

Publication number: WO2021161772A1
Application number: PCT/JP2021/002545
Authority: WO
Inventors: 健晴森; 啓輔中地
Original assignee: 三菱電機株式会社
Priority date: 2020-02-14
Filing date: 2021-01-26
Publication date: 2021-08-19
Also published as: JP7366231B2; JPWO2021161772A1

Abstract

緩衝材（１０）は、底板と、底板の一対の辺から立ち上がり、上端部の寸法が下端部の寸法よりも大きい一対の第１の側壁部（１２）と、底板１１の他の一対の辺から立ち上がり、上端部の寸法が下端部の寸法よりも大きく、両側部（１３ａ）が屈曲して、一対の第１の側壁部（１２）の側部（１２ａ）とそれぞれ対向する一対の第２の側壁部（１３）と、を備える。第２の側壁部（１３）の側部（１３ａ）は、底板と第１の側壁部（１２）から分離した構成を有する。

Description

緩衝材、組立装置及び製造方法

　本開示は、緩衝材、組立装置及び製造方法に関する。

　特許文献１には、平坦なシートの四辺を立ち上げることで各方向に緩衝部が形成される緩衝材が開示されている。

　また、特許文献２には、段ボールシートを折り畳んで、緩衝材を形成する装置を開示する。

特開２００１－０１９０５１号公報特許第２７０７１９２号公報

　特許文献１に開示された緩衝材は、手作業での組立作業を前提とし、複雑な構造を有する。そのため、この緩衝材は、自動組立装置による組み立てには適さない。

　特許文献２に開示された組立装置は、緩衝材の四辺の壁を立ち上げることしかできない。収容される製品と外装箱との間に緩衝距離を確保するための折り込み構造のような、複雑な構造を有する緩衝材の組立作業はできない。そのため、この組立装置で組み立てられた緩衝材は、製品を保護するための十分な緩衝距離を確保することができない。

　本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、組立装置により組み立て可能で、かつ製品を保護するための緩衝距離を確保することができる緩衝材、この緩衝材を組み立て可能な組立装置、及びこの緩衝材の製造方法を提供することを目的とする。

　本開示に係る緩衝材は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、底板と、底板の一対の辺から立ち上がり、上端部の寸法が下端部の寸法よりも大きな、一対の第１の側壁部と、底板の他の一対の辺から立ち上がり、上端部の寸法が下端部の寸法よりも大きく、両側部が屈曲して、一対の第１の側壁部の側部とそれぞれ対向する、一対の第２の側壁部と、を備え、第２の側壁部の側部が、底板と第１の側壁部から分離した構成を有する。

　本開示に係る緩衝材は、一対の側壁と、両側部が立ち上がった他の一対の側壁とにより、製品を保護するための緩衝距離を確保することができる。この緩衝材は、組立装置により、緩衝材の側壁を側部が立ち上がるように屈曲させることで、組み立てられる。

本開示の実施の形態１に係る緩衝材の使用形態を示す図実施の形態１に係る緩衝材の斜視図実施の形態１に係る緩衝材の平面図実施の形態１に係る緩衝材の展開図図４の緩衝材の部分拡大図実施の形態１に係る蓋の展開図実施の形態１に係る組立装置を示す斜視図実施の形態１に係る真空吸着口の例を示す斜視図図７のガイドレール、挿入ガイド、及び爪の部分拡大図図７のガイドレール、挿入ガイド、及び爪の正面図実施の形態１に係る組立装置の制御システムの構成を示すブロック図実施の形態１に係る組立装置の組立手順を示すフローチャート図実施の形態１に係る組立装置による緩衝材の組立工程を説明するための図実施の形態１に係る組立装置による緩衝材の組立工程を説明するための図実施の形態１に係る組立装置による緩衝材の組立工程を説明するための図実施の形態２に係る組立装置の主要部の斜視図実施の形態２に係るブランクシートの種類判別に光学センサを使用する例を説明する斜視図実施の形態２に係るブランクシートの種類判別に光学センサを使用する例を説明する斜視図実施の形態３に係る第２の爪部を示す斜視図実施の形態３に係る第１と第２の挿入ガイドを示す斜視図実施の形態３に係る組立装置の組立手順を示すフローチャート図実施の形態４に係る緩衝材の部分拡大図。（Ａ）と（Ｂ）は、図２２に示す円形穴の変形例を示す図他の実施の形態に係る緩衝材の斜視図他の実施の形態に係る組立装置の主要部の斜視図他の実施の形態に係る緩衝材の斜視図他の実施の形態に係る緩衝材の展開図

　以下、本開示の実施の形態に係る緩衝材及び組立装置を図に基づいて詳細に説明する。

　実施の形態１．
　以下、本開示の実施の形態１に係る緩衝材１０及び組立装置２を説明する。本実施の形態の緩衝材１０は、上面が開放された箱体形状を有する。緩衝材１０は、組立装置２により形成される。

　開示の理解を容易にするため、緩衝材１０の高さ方向を＋Ｚ軸方向、緩衝材１０の矩形状の底板の一辺と平行な方向をＹ軸方向、Ｙ軸方向及びＺ軸方向と直交する方向をＸ軸方向とするＸＹＺ座標系を設定し、適宜参照する。

　図１に示すように、使用段階では、緩衝材１０は、上面が開放された外装箱３０に収納され、緩衝材１０に、包装対象の製品１００が収納される。緩衝材１０の上面が、蓋２０により閉塞され、外装箱３０の天フラップが封止される。

　緩衝材１０は、外装箱３０に収容され、製品１００を収容した状態で、製品１００に加わる衝撃を緩衝するためのものである。緩衝材１０は、１枚の板材を組み立てることで形成される、上面が開放された箱体である。

　緩衝材１０の斜視図に相当する図２、平面図に相当する図３に示すように、緩衝材１０は、底板１１と、Ｘ軸方向の両側壁となる一対の第１の側壁部１２と、Ｙ軸方向の両側壁となる一対の第２の側壁部１３と、を有する。緩衝材１０は、底板１１と、一対の第１の側壁部１２と、一対の第２の側壁部１３と、により形成された矩形状の空間に製品１００を収納する。

　底板１１は、その四辺から一対の第１の側壁部１２と一対の第２の側壁部１３が立ち上がる矩形状の板材から構成される。

　底板１１のＸ軸方向とＹ軸方向の幅を、それぞれ、Ｗ_１，Ｗ_２とする。

　また、底板１１の四辺の各中央部には、貫通孔１１ａが形成されている。これは、後述する脚部１２ｂ、１３ｂが形成されているためである。

　一対の第１の側壁部１２は、底板１１のＸ軸方向に対向している二辺から立ち上がり、製品１００を収納する空間のＸ軸方向の端を画定する。各第１の側壁部１２は、底板１１の辺に連続し、この辺から離れるに従って、幅が大きくなる台形部と、台形部に連続し、一定幅の矩形形状を有する矩形部とを有する。従って、各第１の側壁部１２の下辺の長さは、底板１１のＹ軸方向の幅Ｗ_２に等しく、矩形部は、台形部の底辺の幅Ｗ_２より大きい一定幅Ｗ_３を有する。

　また、一対の第１の側壁部１２の外面の間隔Ｗ_５は、底板１１のＸ軸方向の幅Ｗ_１に、第１の側壁部１２を構成する板材の厚さＷ_４を加算したＷ_１＋２・Ｗ_４に等しい。

　一対の第２の側壁部１３は、底板１１のＹ軸方向に対向している二辺から立ち上がり、製品１００を収納する空間のＹ軸方向の端を画定する。各第２の側壁部１３は、底板１１の辺に連続し、この辺から離れるに従って、幅が大きくなる台形部と、台形部に連続し、一定幅の矩形形状を有する矩形部とを有する。矩形部の幅はほぼＷ_１－２・Ｗ_４である。各第２の側壁部１３の両側部１３ａは、それぞれ、ほぼ９０°屈曲して、第１の側壁部１２の両側部１２ａに対向する。

　第１の側壁部１２の側部１２ａと第２の側壁部１３の側部１３ａとは、製品１００を収納する収納空間からＹ軸方向に突出して緩衝部１４として機能し、Ｙ軸方向からの衝撃に対して緩衝距離、以下、クリアランスを確保する。

　また、第１の側壁部１２の下辺と第２の側壁部１３の下辺から、脚部１２ｂと１３ｂとが－Ｚ軸方向に突出している。脚部１２ｂと１３ｂとは、正面視で、おおよそ矩形状または台形形状を有する。脚部１２ｂ、１３ｂの下辺は、外装箱３０の底面に安定的に置かれうるように、平坦で、底板１１と平行で、底板１１からの突出距離は互いに等しい。そのため、脚部１２ｂと１３ｂとを外装箱３０の底面に置くと、底板１１は、外装箱３０の底面から離間して、かつ平行になる。これにより、－Ｚ軸方向のクリアランスが確保される。

　第１の側壁部１２の上辺及び側辺と第２の側壁部１３の上辺及び側辺とは、面一に形成されている。

　緩衝材１０の高さ、すなわち、脚部１２ｂ、１３ｂの下辺から第１と第２の側壁部１２、１３の上辺までの高さは、蓋２０の高さ分だけ、外装箱３０の内部空間の高さより小さい。

　緩衝材１０のＹ軸方向の幅、すなわち、第１の側壁部１２の最大幅Ｗ_３は、外装箱３０の内部空間のＹ軸方向の長さと等しいか或いはわずかに小さい。これにより、緩衝材１０は、外装箱３０内でＹ軸方向にがたつかない。また、第１の側壁部１２に台形部が形成されているので、外装箱３０への収納が容易である。

　緩衝材１０のＸ軸方向の幅、すなわち、一対の第１の側壁部１２の外面間の距離Ｗ_５は、外装箱３０の内部空間のＸ軸方向の長さと等しいか或いはわずかに小さい。これにより、緩衝材１０は、外装箱３０内でＸ軸方向にがたつかない。

　－Ｙ側の第２の側壁部１３には、位置合わせのための位置マーク１５が設けられている。位置マーク１５は、緩衝材１０を組み立てる際に、緩衝材１０の、図４に示すブランクシートの向き及び表裏の判別を容易にするために、１つの第２の側壁部１３の上端辺の中心からずれた位置に形成されている。本実施の形態では、位置マーク１５はＵ字状の切欠部から構成される。

　図４に示すように、組み立てられる前の緩衝材１０は、平面視で、矩形の四方が突出した形状の板状部材（以下ブランクシート）１０ａである。ブランクシート１０ａは、段ボールから構成される。ブランクシート１０ａの中央部には、組み立て後に底板１１となる部分を囲み、組み立てる際に谷折りの折り目となる、Ｙ軸に平行な第１の罫線１６ａとＸ軸に平行な第２の罫線１６ｂとがプレス加工などで予め設けられている。第１の罫線１６ａと第２の罫線１６ｂとは、境界線を折れ易くするためのものであり、幅を有しても良い。

　底板１１を形成する部分の各頂点から、放射状に、第１の側壁部１２の台形部と第２の側壁部１３の台形部を分離形成する切り込み１１ｂが形成されている。

　一対の第２の側壁部１３にはそれぞれ、緩衝部として機能する両側部１３ａを形成するための折り目となる２本のリード罫線１７が設けられている。リード罫線１７は、山折りを容易にするためのミシン目であり、Ｙ軸に平行に直線状に形成されている。２本のリード罫線１７は、２本の第１の罫線１６ａを通る仮想的な２本の直線の間に、屈曲位置を屈曲容易にするために設けられている。隣接しているリード罫線１７と第１の罫線１６ａの距離ΔＷは、ブランクシート１枚の厚さＷ_４とほぼ同一である。

　各切り込み１１ｂは、基本的には、第１の罫線１６ａと第２の罫線１６ｂとの４つの交点から放射状かつ直線状に形成されている。ただし、第１の罫線１６ａとリード罫線１７のずれを補い、両側部１３ａをリード罫線１７で適切に折り曲げることを可能とするため、切り込み１１ｂは、第１の罫線１６ａと第２の罫線１６ｂとの交点の近傍で、図５に拡大して示すように、符号１８で示すように曲線状となり、第２の罫線１６ｂとリード罫線１７との交点の近傍まで延在している。これにより、第２の側壁部１３の両側部１３ａを無理無く屈曲させることができる。これに対し、仮に、第２の側壁部１３の側部１３ａの一部が底板１１及び第１の側壁部１２に繋がった状態の場合、両側部１３ａを折り曲げる際に、第２の側壁部１３の側部１３ａと底板１１の接続部分、或いは、第２の側壁部１３と第１の側壁部１２との接続部分が破れたり、完成した緩衝材１０が歪んでしまうおそれがある。上述したように、切り込み１１ｂを本実施の形態の構成とすることにより、このような問題を防止できる。

　切り込み１１ｂは、第１の側壁部１２を形成する部分と第２の側壁部１３を形成する部分とを切断して分離し、且つ、底板１１を形成する部分と第２の側壁部１３の側部１３ａを形成する部分とを切断して分離する役割を有する。切り込み１１ｂは、幅を有してもよく、その形状は、スリット、穴などでもよい。

　また、図４に示すように、底板１１を形成する矩形状部分の各辺部には、脚部１２ｂ、１３ｂを形成する脚部形成のための切り込み１１ｃが形成されている。

　緩衝材１０は、図４に示す構成のブランクシート１０ａの底板１１を固定して、第１の罫線１６ａを谷折りにほぼ９０°折り曲げて、第１の側壁部１２を立ち上げ、また、第２の罫線１６ｂを谷折りにほぼ９０°折り曲げて、第２の側壁部１３を立ち上げると共に、リード罫線１７を山折りにほぼ９０°折り曲げて、第１の側壁部１２の両側部１２ａと第２の側壁部１３の両側部１３ａとを対向させることにより組み立てられる。

　図１に示す蓋２０は、矩形状の天板と天板の各辺から起立する側壁部から構成される上面が開放された箱形の部材であり、段ボールから形成される。図６に示すように、蓋２０のブランクシート２０ａは、天板を構成する矩形状の中央部２１と、中央部２１の各辺に連続する矩形形状の蓋側壁部２２と、を備える。中央部２１には、緩衝材１０との位置合わせのため、位置マーク１５と対応する位置に、位置マーク２５が設けられている。位置マーク２５は、開梱する際に、指をかけて蓋２０を取り出すために使うことができる。

　図１に示す外装箱３０は、上面が開放可能な箱体である。外装箱３０は、製函機により別途組み立てられる。

　緩衝材１０と蓋２０と外装箱３０とは、梱包対象の製品１００のサイズと形状に合わせて用意される。このため、ブランクシート１０ａと２０ａも、予定される製品１００のサイズと形状に合わせて複数種類用意される。

　次に、緩衝材１０をブランクシート１０ａから組み立てる組立装置２について説明する。

　この組立装置２は、複数種類のブランクシート１０ａのいずれにも対応可能なものである。

　図７に示すように、緩衝材の組立装置２は、ブランクシート１０ａの中央部分を押圧するための押し治具４０と、第１の側壁部１２を立ち上げるための第１の挿入ガイド６０と、第２の側壁部１３を立ち上げるための第２の挿入ガイド６５と、リード罫線１７に沿って第２の側壁部１３の両側部１３ａを９０°折り曲げる第１の爪部５０と、ブランクシート１０ａの種類に応じて、挿入ガイド６０、６５、及び第１の爪部５０の位置を調整するガイドレール７０と、を備える。

　押し治具４０は、ブランクシート１０ａの底板形成部位に相当する中央部を押圧する押圧部材４１と、押圧部材４１を支持するロッド４２と、ロッド４２を昇降させる昇降ユニット４３と、押圧部材４１のＸ軸方向及びＹ軸方向の位置を調整する位置調整ユニット４４と、を備える。

　押圧部材４１は、押し治具４０の下端部に設けられ、下面が平坦な部材である。より詳細には、押圧部材４１は、図８に示すように、真空吸着口４５を備える。真空吸着口４５は、ロッド４２内を延在するチューブ４５ａを介して図示せぬ吸引装置に接続されている。吸引装置は、チューブ４５ａを介して真空吸着口４５から空気を吸引し、押圧部材４１の下面に当接した物体を吸着することができる。真空吸着口４５の周囲には押さえ板４６が設けられ、緩衝材１０の底板１１を押圧可能である。

　ロッド４２は、下端部で押圧部材４１を支持する部材である。ロッド４２は、昇降ユニット４３の内部に配置されている。

　昇降ユニット４３は、Ｚ軸方向を長手方向とする、断面が四角形の筒状部材を備える。昇降ユニット４３は、内蔵するモータの動力により、ロッド４２を下方に繰り出して、押圧部材４１をブランクシート１０ａの中央部に当接させて、緩衝材１０を押圧する。また、昇降ユニット４３は、モータを逆駆動させることにより、ロッド４２を上昇させ、押圧部材４１をブランクシート１０ａから離す。

　位置調整ユニット４４は、Ｙ軸に平行な２本のレール４４ａと、２本のレール４４ａの間に架橋され、Ｙ軸方向に移動可能な架橋部材４４ｂと、を備える。架橋部材４４ｂは、昇降ユニット４３をＸ軸方向に移動可能に支持している。位置調整ユニット４４は、内蔵モータを駆動することにより、昇降ユニット４３をＸ軸方向及びＹ軸方向に移動させ、位置を調整することが可能である。

　押し治具４０の下方には、第１の爪部５０と、挿入ガイド６０、６５と、ガイドレール７０と、が配置されている。

　第１の爪部５０は、ブランクシート１０ａの第２の側壁部１３に当接し、リード罫線１７に沿って、両側部１３ａが立ち上がるように折り曲げる挟み込み部材である。第１の爪部５０は、一対の第２の側壁部１３の両側部１３ａをそれぞれ立ち上げるために４つ設けられている。

　図７、図９及び図１０に示すように、第１の爪部５０は、ブランクシート１０ａの一対の第２の側壁部１３の両側部１３ａの上面に当接する傾斜爪部５１と、傾斜爪部５１を支持する支持脚部５２と、を有する。

　傾斜爪部５１は、図４に示すブランクシート１０ａの第２の側壁部１３の両側部１３ａに下向きの力を加えて、リード罫線１７を折り目として下方に屈曲させるために、図１０に示すように、先端がブランクシート１０ａ側部の上方に位置するように、上方に向けて傾斜している。

　支持脚部５２は、傾斜爪部５１を図４に示すブランクシート１０ａの第２の側壁部１３のＸ軸方向両側部に当接させるために、図１０に示すように、傾斜爪部５１の先端を、組立時に載置されるブランクシート１０ａよりも高くする。

　図７、図９及び図１０に示す第１の挿入ガイド６０と第２の挿入ガイド６５とは、ブランクシート１０ａの第１の側壁部１２と第２の側壁部１３とを上向きに支持し、押し治具４０によりブランクシート１０ａの中央部が降下するのに伴って、第１の側壁部１２と第２の側壁部１３とにそれぞれ当接し、第１の側壁部１２と第２の側壁部１３とを立ち上げる部材である。

　第１の挿入ガイド６０は、一対の第１の側壁部１２を立ち上げるために４つ設けられている。第２の挿入ガイド６５は、一対の第２の側壁部１３を立ち上げるために４つ設けられている。

　挿入ガイド６０は、押し治具４０により降下したブランクシート１０ａと当接する当接部６１と、傾斜して、第１の側壁部１２を案内する案内部６２と、第１の側壁部１２を立ち上げるために鉛直方向に起立する側壁起立部６３と、を有する。第２の挿入ガイド６５は、ブランクシート１０ａが載置される当接部６６と、傾斜して、第２の側壁部１３を案内する案内部６７と、第２の側壁部１３を立ち上げるために鉛直方向に起立する側壁起立部６８と、を有する。

　当接部６１、６６は、挿入ガイド６０、６５の上端に設けられた部分である。当接部６１、６６の上面は、ＸＹ面と平行であり、ブランクシート１０ａを傷つけないように、緩衝材１０の第１の側壁部１２または第２の側壁部１３と面で接触する。

　当接部６１は、第１の爪部５０の傾斜爪部５１により第２の側壁部１３のＸ軸方向の両側部１３ａに力を加える際に、第２の側壁部１３の両側部１３ａと接触しないように、ブランクシート１０ａが載置される第２の挿入ガイド６５の当接部６６よりも低い位置に配置されている。

　側壁起立部６３は、第１の側壁部１２を垂直に立ち上げるために直立している。また、側壁起立部６８は、第２の側壁部１３を垂直に立ち上げるために直立している。

　案内部６２は、第１の側壁部１２を立ち上げる際に、これを徐々に立ち上げるために、傾斜している部分である。案内部６２は、当接部６１と側壁起立部６３の間に形成される。また、案内部６７は、第２の側壁部１３を立ち上げる際に、これを徐々に立ち上げるために、傾斜している部分である。案内部６７は、当接部６６と側壁起立部６８の間に形成される。

　図７に示すように、ガイドレール７０は、第１の爪部５０、第１の挿入ガイド６０及び第２の挿入ガイド６５をＸ軸方向に移動可能に支持する一対の第１のガイドレール７１と、第１の爪部５０、第１の挿入ガイド６０及び第２の挿入ガイド６５をＹ軸方向に移動可能に支持する一対の第２のガイドレール７２と、第１のガイドレール７１と第２のガイドレール７２を互いに案内可能とし、かつ固定する４つの移動部材７３と、を備える。

　一対の第１のガイドレール７１は、Ｙ軸方向を長手方向とするレールである。一対の第１のガイドレール７１は、ＸＹ面と平行な面上に、互いに平行に設けられている。一対の第１のガイドレール７１は、Ｙ軸方向に移動可能な一対の台座８０の上に支持されている。台座８０は、ボールねじ機構により、その間隔を任意に調整可能となっている。

　一対の第２のガイドレール７２は、Ｘ軸方向を長手方向とするレールである。一対の第２のガイドレール７２は、ＸＹ面と平行な面上に、互いに平行に設けられている。第２のガイドレール７２は、第１のガイドレール７１の下に配置される。一対の第２のガイドレール７２は、一対の第１のガイドレール７１に対して、ねじれの位置で直交するように、移動部材７３を介して架け渡されている。

　移動部材７３は、平面視で、一対の第１のガイドレール７１及び一対の第２のガイドレール７２が交わる４つの位置に設けられた４つの部材である。

　移動部材７３は、第１のガイドレール７１の把持状態と把持を解除した状態を切り替えることができる。移動部材７３は、第１のガイドレール７１の把持を解除した状態で、台座８０をＹ軸方向に移動させることにより、Ｙ軸方向に移動可能である。移動部材７３は、台座８０のＹ軸方向の位置を固定し、第１のガイドレール７１を把持することにより、そのＹ軸方向の位置が固定される。

　また、移動部材７３は、第２のガイドレール７２を把持した状態と把持を解除した状態を切り替えることができる。移動部材７３は、第２のガイドレール７２の把持を解除した状態で、第２のガイドレール７２上をＸ軸方向に移動可能であり、また、第２のガイドレール７２を把持することにより、Ｘ軸方向の任意の位置で固定可能である。

　対向する移動部材７３は、ボールねじ機構などにより、Ｘ軸方向の反対方向に同一距離だけ移動するように構成される。

　移動部材７３の上面には、第１の爪部５０が設けられている。さらに、移動部材７３の側面には、第１の側壁部１２を立ち上げる第１の挿入ガイド６０が設けられた第１の台座部７４と、第２の側壁部１３を立ち上げる第２の挿入ガイド６５が設けられた第２の台座部７５と、が固定されている。このため、移動部材７３と第１の台座部７４と第２の台座部７５とは一体に移動する。

　図４に示す第１の側壁部１２を折り曲げるための第１の挿入ガイド６０は、図７に示すように、第１の爪部５０の支持脚部５２よりも低く形成されている。また、第１の挿入ガイド６０と第２の挿入ガイド６５とは、第１の挿入ガイド６０がブランクシート１０ａの第１の罫線１６ａに臨む位置に配置されたとき、第２の挿入ガイド６５がブランクシート１０ａの第２の罫線１６ｂに臨む位置となるように、配置されている。

　上述の組立装置２の各可動部は、制御部２００により制御される。制御部２００は、図１１に示すように、プロセッサ２０１とメモリ２０２とインタフェース２０３から構成される。

　メモリ２０２は、後述する緩衝材組立処理の制御プログラムを格納している。

　プロセッサ２０１は、メモリ２０２に記憶されている制御プログラムを実行することにより、インタフェース２０３を介して機構部２０４に制御信号を供給し、その動作を制御する。なお、機構部２０４は、前述の押し治具４０、台座８０、移動部材７３等の稼働部を含む。

　次に、組立装置２による緩衝材１０の製造方法を図１２のフローチャートを参照して説明する。

　制御部２００は、図１２に示す製造処理又は組立手順を開始すると、第１の挿入ガイド６０と第２の挿入ガイド６５と第１の爪部５０を初期位置に移動する（ステップＳ１０１）。

　続いて、制御部２００は、包装する製品１００の外形及び寸法に対応する緩衝材１０のブランクシート１０ａのサイズに合わせて、Ｙ方向における第１の爪部５０の適切な間隔が得られるように、移動部材７３の位置を設定する。第１の挿入ガイド６０と第２の挿入ガイド６５と第１の爪部５０とは連動して移動する。このため、第１の爪部５０が位置決めされると、第１の挿入ガイド６０と第２の挿入ガイド６５もまた位置決めされる（ステップＳ１０２）。

　次に、包装する製品１００の外形及び寸法に対応する緩衝材１０のブランクシート１０ａが図示せぬロボットなどにより組立装置２に搬送され、図１０に示すように、第２の挿入ガイド６５の当接部６６上に載置される。

　次に、制御部２００は、吸引装置を駆動して、押圧部材４１によりブランクシート１０ａを吸着する。制御部２００は、ブランクシート１０ａを吸引した状態で、位置調整ユニット４４を制御し、ブランクシート１０ａのＸ－Ｙ方向の位置を微調整し、その後、固定する（ステップＳ１０３）。

　なお、第１の爪部５０の位置は、載置された緩衝材１０と接触せず、第１の爪部５０をＸ軸方向に移動させたとき、ブランクシート１０ａの第２の側壁部１３の側辺に接触し、一方、第１の挿入ガイド６０が第１の側壁部１２の第１の罫線１６ａに対向する位置である。

　制御部２００は、並行して、製函機で別途組み立てられた外装箱３０を、図示されていないベルトコンベアにより、組立装置２の下方に移動させて設置する。

　次に、制御部２００は、移動部材７３をＸ軸方向に移動させ、第２の側壁部１３を対向する第１の爪部５０の傾斜爪部５１で挟み込んで下向きに力を加える。これにより、第２の側壁部１３の両側部１３ａが、図１３に示すように、リード罫線１７で下向きに折り曲げられる（ステップＳ１０４）。このステップＳ１０４、ブランクシート１０ａの第２の側壁部１３の両側部１３ａを屈曲させる第１の工程に相当する。

　次に、制御部２００は、第１の挿入ガイド６０の当接部６１がブランクシート１０ａの第１の罫線１６ａに臨み、かつ、第２の挿入ガイド６５がブランクシート１０ａの第２の罫線１６ｂに臨む位置になるまで、移動部材７３をＸ軸方向に移動させる。

　続いて、制御部２００は、位置調整ユニット４４により、押し治具４０の押圧部材４１を、８つの挿入ガイド６０、６５の中央部分の直上、すなわち、底板１１を構成する部分上に配置する。

　続いて、制御部２００は、昇降ユニット４３を制御して、押圧部材４１を降下させ、ブランクシート１０ａの底板１１を押し込む。押圧部材４１の降下に伴い、第１の側壁部１２が、第１の挿入ガイド６０によって、第１の罫線１６ａで折り曲げられて立ち上がり、また、両側部１３ａが折り曲げられた第２の側壁部１３が、第２の挿入ガイド６５により、第２の罫線１６ｂで折れ曲げられて立ち上がる（ステップＳ１０５）。

　ブランクシート１０ａが押圧部材４１によりさらに押し込まれると、図１４に示すように、第２の側壁部１３と第１の側壁部１２とが、第２の挿入ガイド６５の側壁起立部６８によって、底板形成領域である底板１１の形成部分に対して垂直に立ち上がる。同様に、第１の側壁部１２が、第１の挿入ガイド６０の側壁起立部６３によって、底板１１の形成部分に対して垂直に立ち上がる。さらに、第２の側壁部１３の折り曲げられた両側部１３ａと第１の側壁部１２の両側部１２ａとが、対向する（ステップＳ１０５）。これにより、緩衝材１０が完成する。

　さらに、緩衝材１０を、図１５に示すように、押し治具４０により、下方に配置された外装箱３０に挿入する（ステップＳ１０６）。

　緩衝材１０が挿入されると、外装箱３０は他の装置に搬送され、製品１００が挿入される。続いて、蓋２０が、その位置マーク２５の位置が緩衝材１０の位置マーク１５の位置と一致するように配置され、外装箱３０に押し込まれる。押し込まれた蓋２０は、緩衝部として機能する蓋側壁部２２が立ち上がるとともに、緩衝材１０の上面を閉塞する。蓋２０を外装箱３０に収納した後、別途用意した封函機のテープにより、外装箱３０の天面フラップを封緘することで、包装作業が完了する。

　以上説明したように、緩衝材１０は、±Ｙ軸方向及び－Ｚ軸方向からの衝撃に対してクリアランスを確保している。また、緩衝材１０と蓋２０とを組み合わせることにより、±Ｙ軸方向及び±Ｚ軸方向からの衝撃に対してクリアランスを確保できる。

　また、本実施の形態に係る組立装置２は、ブランクシート１０ａから、第２の側壁部１３の両側部１３ａを折り曲げた上で、第１と第２の側壁部１２と１３とを立ち上げて、緩衝材１０を組み立てると共に外装箱３０に挿入することができる。また、仕様の異なるブランクシート１０ａに自動で対応することにより、サイズの異なる製品の包装作業と、複雑な構造を有する緩衝材の組立作業の双方を自動化することができる。その結果、サイズの異なる製品の包装作業と、複雑な構造を有する緩衝材の組立作業に伴う作業負担が軽減し、包装作業及び組立作業にかかる時間を短縮することができる。

　実施の形態２．
　上記実施の形態１では、第１の爪部５０と第１の挿入ガイド６０と第２の挿入ガイド６５とが一体に移動するように支持されている。これに限らず、図１６に示すように、第１の挿入ガイド６０と、第２の挿入ガイド６５と、第１の爪部５０が、独立して、移動可能に支持されていてもよい。

　また、第１の爪部５０の位置を緩衝材１０の形状及びサイズに合わせて設定する際に、任意のセンサによりブランクシート１０ａの形状及びサイズを自動的に判定し、判定した形状及びサイズに応じた位置に設定するようにしてもよい。例えば、図１７及び図１８の例では、組立装置２に、光学センサ９０が設けられている。光学センサ９０は、ＣＣＤイメージセンサ、ＣＭＯＳイメージセンサ等である。制御部２００は、光学センサ９０の撮像画像により、ブランクシート１０ａの形状及びサイズを判定し、判定した形状及びサイズに応じた位置に第１の爪部５０を移動させる。

　制御部２００は、光学センサ９０の画像から、位置マーク１５によりブランクシート１０ａの裏表・向きを判断し、段取りミスを抑制することができる。そして、挿入ガイド６０と第１の爪部５０の初期位置は、光学センサ９０が測定した外形及び寸法に基づいて自動で設定される。

　光学センサ９０を備えることにより、第１の爪部５０及び挿入ガイド６０、６５の初期位置を自動で設定することができる。その結果、サイズの異なる製品の包装作業と、複雑な構造を有する緩衝材の組立作業に伴う作業負担が軽減し、包装作業及び組立作業にかかる時間を短縮することができる。
　なお、ブランクシート１０ａにその品種、向き等の情報を、画像情報、バーコード情報、コード情報等で記録しておき、それを読み取ってもよい。光学センサに限らず、磁気センサと磁気インク等を用いてもよい。

　実施の形態３．
　実施の形態１及び２で示した第１の爪部５０及び第１の挿入ガイド６０と第２の挿入ガイド６５の構成は一例である。即ち、第１の爪部５０の構成は、第２の側壁部１３の側部１３ａを屈曲させることができれば、任意である。また、第１の挿入ガイド６０と第２の挿入ガイド６５の構成も、第１の側壁部１２と第２の側壁部１３を立ち上げることができれば、任意である。以下、第１の爪部５０及び第１の挿入ガイド６０と第２の挿入ガイド６５の他の実施の形態を説明する。

　図１９は、第１の爪部５０の変形例を示す。また、図２０は、第１の挿入ガイド６０と第２の挿入ガイド６５の変形例を示す。なお、図２０は、第１の挿入ガイド６０と第２の挿入ガイド６５の上に、ブランクシート１０ａが配置された状態を示す。

　図１９に示すように、この実施の形態では、第２の側壁部１３の両側部１３ａを屈曲させるための機構は、支持板５３と、上下方向に垂直移動する第２の爪部５５と、爪部５５を回転させて位置を定める回転軸５４と、を備える。支持板５３は、ブランクシート１０ａの２本のリード罫線１７の間の領域を支持する形状とサイズを有する。第２の爪部５５は、ブランクシート１０ａの第２の側壁部１３の側部１３ａを押さえる形状とサイズを有する。第２の爪部５５は、回転軸５４の動作に応じて、回動及び上下動可能である。

　また、図２０に示す第１の挿入ガイド６０と第２の挿入ガイド６５は、板金ではなく金属の削り出しで形成されている。第１の挿入ガイド６０と第２の挿入ガイド６５は、側壁部１２又は１３を押圧して立ち上げるための傾斜面を備える。また、第１の挿入ガイド６０と第２の挿入ガイド６５は、斜面の滑りを良くするローラガイド６９を備える。ローラガイド６９は、第１の挿入ガイド６０と第２の挿入ガイド６５の側面に回動可能に装着されたローラから構成される。ローラは、傾斜面の上にわずかに突出するように配置される。側壁部１２又は１３は、ローラガイド６９の回転に応じて、傾斜面を滑って移動することができる。

　以下、図２１に示すフローチャートを参照して、実施の形態３に係る組立装置の動作及び緩衝材１０の製造方法について詳細に説明する。
　処理を開始すると、制御部２００は、機構部２０４を介して、第１の挿入ガイド６０と第２の挿入ガイド６５と第２の爪部５５を初期位置に配置する（ステップＳ２０１）。

　次に、制御部２００は、包装する製品１００の外形及び寸法に対応する緩衝材１０のブランクシート１０ａに合わせて、第１の挿入ガイド６０と第２の挿入ガイド６５の位置を調整する（ステップＳ２０２）。

　次に、包装する製品１００の外形及び寸法に対応する緩衝材１０のブランクシート１０ａが図示せぬロボットなどにより組立装置２に搬送され、図２０に示すように、第２の挿入ガイド６５上に載置される。

　次に、制御部２００は、押圧部材４１によりブランクシート１０ａを吸着し、押圧部材４１をＸ軸方向およびＹ軸方向に移動し、ブランクシート１０ａの位置を調整する（ステップＳ２０３）。このブランクシート１０ａの位置の調整により、図１９に示すように、支持板５３が、ブランクシート１０ａのリード罫線１７に臨む。

　次に、制御部２００は、回転軸５４を回転及び移動することにより、図２０に示すように、ブランクシート１０ａの第２の側壁部１３の両側部１３ａを第２の爪部５５で押さえた状態とする（ステップＳ２０４）。

　次に、制御部２００は、回転軸５４を駆動して、第２の爪部５５を－Ｚ軸方向に移動させることにより、両側部１３ａに下向きの力を加え、支持板５３の角部に沿ってリード罫線１７で、両側部１３ａを折り曲げる（ステップＳ２０５）。

　続いて、制御部２００は、押圧部材４１が降下し、ブランクシート１０ａの中央部分を下方に押し込む。この際、第２の側壁部１３が第２の挿入ガイド６５により、立ち上がり、第１の挿入ガイド６０によって、第１の側壁部１２が立ち上がる（ステップＳ２０６）。ブランクシート１０ａの中央部が押圧部材４１によりさらに押し込まれると、第２の側壁部１３の折り曲げられた両側部１３ａと第１の側壁部１２の両側部１２ａとが、対向する。これにより、緩衝材１０が完成する。ここで、図１２のステップＳ１０５と同様に、緩衝材１０を外装箱３０に押し込んでもよい。

　実施の形態４．
　上記実施の形態１では、図５に示すように、切り込み１１ｂが罫線１６ｂとリード罫線１７との交点近傍まで延在する。これにより、第１の罫線１６ａとリード罫線１７のずれを補って、第２の側壁部１３の両側部１３ａの折り込みを容易にする。ただし、これに限定されない。

　第２の側壁部１３の両側部１３ａの折り込みが容易になるならば、任意の構成が採用可能である。例えば、図２２に示すように、丸穴１９で、第１の罫線１６ａの端部とリード罫線１７の端部との間の領域を除去してもよい。また、丸穴１９に限らず、図２３（Ａ）に示すように、長穴１９ａで、或いは、図２３（Ｂ）に示すように、切り込み１１ｄで、切り込み１１ｂの末端と罫線１６ｂとリード罫線１７との交点の近傍とを繋いでもよい。このように、第２の側壁部１３の側部１３ａを、底板１１及び第１の側壁部１２から分離した或いは切り離した構造とすることにより、第２の側壁部１３の両側部１３ａを、容易に折り曲げることができる。これにより、緩衝材１０が破れること、且つ成形後のゆがみを防止できる。

　なお、第２の側壁部１３の側部１３ａを、底板１１及び第１の側壁部１２から分離した或いは切り離した構造とするとは、物理的に全ての繋がりが切断されていることを意味しない。「切り離した構造を有する」は、第２の側壁部１３の側部１３ａを折り曲げる際に、底板１１との連結部分或いは第２の側壁部１３との連結部分に過度の負荷がかかることを防止できるレベルの構造でよい。また、リード罫線１７は幅を有してよい。「切り離すための構造」は、図５に示すように、リード罫線１７の近傍で終端してもよく、リード罫線１７の幅方向の一部にかかってもよく、図２２に示すように、リード罫線１７を完全に横切ってもよい。

　上記実施の形態１では、脚部１２ｂ、１３ｂの下辺は、外装箱３０の底面に安定的に置かれうるように、平坦で、底板１１と平行で、底板１１からの突出距離は互いに等しい。これに限らず、外装箱３０の底面に段差がある場合には、外装箱３０の形状に合わせて、底板１１からの突出距離が脚部１２ｂと１３ｂで異なってもよく、脚部１２ｂと１３ｂの突出距離について各々で長さを決めることができる。また、緩衝材１０のＹ軸方向が十分に長く、安定性を確保できれば脚部１２ｂと１３ｂはどちらか１つでもよい。

　上記実施の形態１では、図２に示すように、２つの第１の側壁部１２の幅は、Ｗ３で等しい。これに限らず、第１の側壁部１２により製品１００を保護することが可能であれば、図２６に示すように、２つの第１の側壁部１２の幅は、異なってもよい。外装箱３０の内部にある糊付け部が一方の第１の側壁部１２の側方に位置する場合、その第１の側壁部１２の幅を段ボールの厚さ１枚分小さいＷ_３－２Ｗ_４とすることができる。そして、第１の側壁部１２の幅を小さくすることで、第１の側壁部１２と外装箱３０の糊付け部との接触を避けることができる。

　また、上記実施の形態１では、図２に示すように、緩衝材１０は、上端部の寸法が下端部の寸法よりも大きな一対の第１の側壁部１２と、上端部の寸法が下端部の寸法よりも大きな一対の第２の側壁部１３と、を備える。これに限らず、緩衝材１０が、上端部の少なくとも一部の寸法が下端部の寸法よりも大きな第１の側壁部１２及び第２の側壁部１３を備えればよい。例えば、図２６に示すように、緩衝材１０が、第１及び第２の側壁部１２、１３の上端部の角が面取りされた、上端部の一部の寸法が下端部の寸法以下の第１の側壁部１２及び第２の側壁部１３を備えていてもよい。

　上記実施の形態１では、図４に示すように、ブランクシート１０ａには、Ｕ字状の切欠部から構成された位置マーク１５が設けられている。これに限らず、ブランクシート１０aの向き及び表裏の判別を容易にすることができれば、位置マーク１５は、他の形態により設けられてもよい。位置マーク１５は、ブランクシート１０aに印刷されたマークであってもよい。

　上記実施の形態１では、切り込み１１ｃは、図４に示すように、底板１１を形成する矩形状部分から脚部１２ｂ、１３ｂの両側端及び下端を切り離すように形成されている。さらに、切り込み１１ｃは、図２７に示すように、罫線１６ａ、１６ｂに沿って側方に延長されてもよい。この切り込み１１cにより、折り目である罫線１６ａ、１６ｂが短くなり、より小さな力で第１及び第２の側壁部１２、１３を折り曲げて立ち上げることができる。また、上記実施の形態１では、切り込み１１cは、図４に示すように、一定の幅のスリットである。これに限らず、底板１１を形成する矩形状部分から脚部１２ｂ、１３ｂの両側端及び下端を切り離すように形成されていれば、切り込み１１cの幅は、どのような幅でもよい。

　上記実施の形態１では、図４に示すように、ブランクシート１０ａの切り込み１１ｂは、直線状である。これに限らず、図２４に示すように、切り込みは、曲線の切り込み１１ｅであってもよい。切り込み１１ｅにより、第１の側壁部１２の角が丸くなり、外装箱３０への収納が容易になる。

　実施の形態１では、緩衝材１０を外装箱３０に収納した後に、製品１００を緩衝材１０に挿入している。これに限らず、緩衝材１０を外装箱３０に半分挿入した状態で製品を挿入することもできる。緩衝材１０を半分だけ挿入することで、開口部が段ボールの反発で広がった状態になり、製品１００を容易に挿入することができる。

　上記実施の形態１では、押圧部材４１で、緩衝材１０を外装箱３０に押し込んでいる。これに限らず製品１００で緩衝材１０を押し込むこともできる。

　上記実施の形態１では、異なる外形及び寸法の製品１００に対応するため、押し治具４０のサイズの可変機構を設ける、もしくは押し治具４０を交換することができる。押し治具４０のサイズを変更し、底面との接触面積を確保することで、押し込む際の緩衝材１０の底板１１の変形を小さくすることができる。

　上記実施の形態１では、四辺が突出した矩形の板材を外装箱３０に押し込むことで、蓋２０の４つの蓋側壁部２２が立ち上がる。そして、蓋２０と外装箱３０の天面の間に空間が規定される。この空間にはネジ及び取説といった付属品を同梱することができる。ネジ及び取説の収納には押し治具４０もしくはロボットアームを使用することができる。

　上記実施の形態１では、蓋２０は、箱状の４つの蓋側壁部２２を立ち上げた形状である。これに限らず、蓋２０の形状は、製品が軽量であれば２つの蓋側壁部２２を立ち上げた板形状、または平板形状であってもよい。

　上記実施の形態１では、緩衝材１０の材料に段ボールが用いられている。この段ボールは、例えば、紙系の１層もしくは２層の段ボールである。これに限らず、プラスチック段ボールまたは他の材料が用いられた段ボールであってもよい。また、段ボールに限らず、ある程度の剛性を有するシート状の素材を使用できる。

　上記実施の形態１では、挿入ガイド６０と第１の爪部５０とを移動可能に支持する支持部材は、第１のガイドレール７１と第２のガイドレール７２を有するガイドレール７０である。これに限らず、挿入ガイド６０と第１の爪部５０とを移動可能に支持する支持部材であればよい。例えば、図２５に示すように、第１のガイドレール７１を有さないガイドレールであってもよい。

　上記実施の形態１では、組立装置２は８つの挿入ガイド６０、６５を備えている。これに限らず、組立装置２は、緩衝材１０の第１の側壁部１２及び第２の側壁部１３を立ち上げるために、４つ以上８つ未満、または９つ以上の挿入ガイド６０を備えていてもよい。

　上記実施の形態１では、組立装置２は４つの第１の爪部５０を備えている。これに限らず、組立装置２は、複数の第１の爪部５０を備えていればよい。また、第１の爪部５０で挟み込むことにより、第２の側壁部１３の両側部１３ａをリード罫線１７で折り曲げているが、折り曲げの手法自体は任意である。

　上記実施の形態１においては、ブランクシート１０ａの第２の側壁部１３の両側部１３ａを屈曲させるための第１と第２の屈曲部形成部および第１と第２の屈曲部形成工程として、第１の爪部５０とそれを移動する機構を例示したが、両側部１３ａを屈曲できるならば、その構成は任意である。

　上記実施の形態１においては、ブランクシート１０ａの第１の側壁部１２及び第２の側壁部１３を屈曲させるための境界部として、それぞれ第１の罫線１６ａ、第２の罫線１６ｂを例示したが、第１の側壁部１２及び第２の側壁部１３を屈曲できるならば、その構成は任意である。

　上記実施の形態１においては、組み立て後に底板１１となる部分である底板形成領域として、ブランクシート１０ａの中央部の第１の罫線１６ａ、第２の罫線１６ｂで囲まれた部分を例示したが、組み立て後に底板１１となる部分であるならば、その構成は任意である。

　上記実施の形態１においては、ブランクシート１０ａの第２の側壁部１３の両側部１３ａを下方に屈曲させるための傾斜面を有する部材として、第１の爪部５０の傾斜爪部５１を例示したが、側壁部１３の両側部１３ａを下方に屈曲できるならば、その構成は任意である。

　上記実施の形態１においては、ブランクシート１０ａの第１と第２の側壁部１２，１３を屈曲して立設するための側壁形成部として、第１の挿入ガイド６０と第２の挿入ガイド６５と、押し治具４０を例示したが、側壁部を形成できるならば、その構成自体は任意である。

　また、第１の爪部５０、第１の挿入ガイド６０と第２の挿入ガイド６５を連動させるための連結機構として、ガイドレールとボールねじと移動部を使用する構成を例示したが、これらを連動させることができるならば、その構成自体は任意である。

　上記実施の形態１においては、第１と第２の側壁部１２，１３を立ち上げるためのブランクシート１０ａの第１と第２の側壁部１２，１３を支持する第１の方向及びブランクシート１０ａの底板１１を押圧する第２の方向として、上向きと、下向きを例示したが、第１の側壁部１２と第２の側壁部１３を立ち上げることができるならば、その構成自体は任意である。

　以上、本開示に係る実施の形態について説明したが、本実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。本実施形態及びその変形は、発明の範囲及び要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

　本出願は、２０２０年２月１４日に出願された日本国特許出願特願２０２０－０２３３２２号に基づく。本明細書中に日本国特許出願特願２０２０－０２３３２２号の明細書、特許請求の範囲、図面全体を参照として取り込むものとする。

２　組立装置、１０　緩衝材、１０ａ　ブランクシート、１１　底板、１２　第１の側壁部、１２ａ　側部、１２ｂ，１３ｂ　脚部、１３　第２の側壁部、１３ａ　側部、１４　緩衝部、１５，２５　位置マーク、１６　罫線、１６ａ　第１の罫線、１６ｂ　第２の罫線、１７　リード罫線、１８　曲線、１９　丸穴、２０　蓋、２０ａ　ブランクシート、２１　中央部、２２　蓋側壁部、３０　外装箱、４０　押し治具、４１　押圧部材、４２　ロッド、４３　昇降ユニット、４４　位置調整ユニット、４５　真空吸着口、４５ａ　チューブ、４６　押さえ板、５０　第１の爪部、５１　傾斜爪部、５２　脚部、５３　支持板、５４　回転治具、５」５　爪部、６０　第１の挿入ガイド、６１，６６　当接部、６２，６７　案内部、６３，６８　側壁起立部、６５　第２の挿入ガイド、６９　ローラガイド、７０　ガイドレール、７１　第１のガイドレール、７２　第２のガイドレール、７３　移動部材、７４　第１の台座部、７５　第２の台座部、８０　台座、９０　光学センサ、１００　製品、２００　制御部。

Claims

　底板と、
　前記底板の一対の辺から立ち上がり、上端部の寸法が下端部の寸法よりも大きな、一対の第１の側壁部と、
　前記底板の他の一対の辺から立ち上がり、上端部の寸法が下端部の寸法よりも大きく、両側部が屈曲して、一対の前記第１の側壁部の側部とそれぞれ対向する、一対の第２の側壁部と、
　を備え、
　前記第２の側壁部の側部が、前記底板と前記第１の側壁部から分離した構成を有する、
　緩衝材。
　前記第１の側壁部と前記第２の側壁部は、それぞれ、前記底板に接続され、前記底板から離れるに従って幅広となる台形部と、前記台形部に接続された矩形部から構成される、請求項１に記載の緩衝材。
　前記第１の側壁部と前記第２の側壁部は、前記底板よりも下方に突出する脚部を備える、請求項１または２に記載の緩衝材。
　前記底板と前記第１の側壁部との境界部に罫線を有し、前記底板と前記第２の側壁部との境界部に罫線を有し、
　前記第２の側壁部の前記両側部の屈曲位置に罫線を有する、請求項１から３の何れか１項に記載の緩衝材。
　折り込まれた一枚の板材から構成されている、請求項１から４の何れか１項に記載の緩衝材。
　前記一枚の板材は、前記第１の側壁部を形成する部分と前記第２の側壁部を形成する部分とを分離し、且つ、前記底板を形成する部分と前記第２の側壁部の側部を形成する部分とを分離する切り込みを備える、
　請求項５に記載の緩衝材。
　折り込まれた一枚の板材は、前記第１の側壁部を形成する部分と前記第２の側壁部を形成する部分との境界に切り込みを有し、
　前記切り込みは、直線状の部分と、前記底板を形成する部分と前記第２の側壁部を形成する部分との境界線と前記第２の側壁部の屈曲部となる線との交点の少なくとも近傍まで延在する曲線状の部分とを備える、
　請求項５に記載の緩衝材。
　折り込まれた一枚の板材は、前記第１の側壁部を形成する部分と前記第２の側壁部を形成する部分との境界に形成された第１の切り込みと、前記第１の切り込みの端部と前記底板を形成する部分と前記第２の側壁部を形成する部分との境界線と前記第２の側壁部の屈曲部となる線との交点の少なくとも近傍とを繋ぐ穴とを備える、
　請求項５に記載の緩衝材。
　請求項１から８の何れか１項に記載の緩衝材を、１枚のブランクシートから組み立てる組立装置であって、
　前記ブランクシートの前記第２の側壁部の両側部を屈曲させる屈曲部形成部と、
　前記ブランクシートの前記第１の側壁部と両側部が屈曲した状態の第２の側壁部とを、前記底板に対して起立させると共に前記第１の側壁部の両側部と、前記第２の側壁部の屈曲された両側部とを対向させる側壁形成部と、
　を備える組立装置。
　前記屈曲部形成部は、前記ブランクシートの第２の側壁部を傾斜面で両側から挟み込む挟み込み部材から構成されている、
　請求項９に記載の組立装置。
　前記側壁形成部は、前記ブランクシートの第１の側壁部と第２の側壁部とを第１の方向に支持する支持部と、前記底板を前記第１の方向とは逆の第２の方向に押圧する押圧部を備え、前記第１と第２の側壁部を立ち上げる、
　請求項９または１０に記載の組立装置。
　前記押圧部は、対向する位置に配置された外装箱に組み立てられた緩衝材を挿入する、請求項１１に記載の組立装置。
　前記屈曲部形成部は、
　前記ブランクシートの一方の第２の側壁部を挟み込んで屈曲部を形成する第１の屈曲部形成部と、前記ブランクシートの他方の第２の側壁部を挟み込んで屈曲部を形成する第２の屈曲部形成部と、
　前記第１の屈曲部形成部と前記第２の屈曲部形成部との間の距離を制御する連結機構と、
を備える、
　請求項９から１２の何れか１項に記載の組立装置。
　前記屈曲部形成部は、
　前記ブランクシートの一方の第２の側壁部を挟み込んで屈曲部を形成する第１の屈曲部形成部と、前記ブランクシートの他方の第２の側壁部を挟み込んで屈曲部を形成する第２の屈曲部形成部と、
　前記第１の屈曲部形成部と前記第２の屈曲部形成部との間の距離を制御する連結機構と、
を備え、
　前記連結機構は、
　前記第１の屈曲部形成部と前記第２の屈曲部形成部の位置に応じて、前記支持部の位置を制御する機構を備える、
　請求項１１または１２に記載の組立装置。
　前記ブランクシートの底板形成領域には、脚部形成用の切り込みが形成されており、前記第１の側壁部と前記第２の側壁部と立ち上げることに伴って前記脚部が立ち上がる、
　請求項１２から１４の何れか１項に記載の組立装置。
　前記ブランクシートの組立手順では、前記第２の側壁部の側部を前記屈曲部形成部が備える爪部で押し込むことで折り曲げた後、前記底板を押さえ板で押し込むことで前記第１の側壁部と前記第２の側壁部を前記側壁形成部が備える挿入ガイドに沿わせる、
　請求項９から１５の何れか１項に記載の組立装置。
　請求項１から８の何れか１項に記載の緩衝材を、１枚のブランクシートから組み立てる製造方法であって、
　前記ブランクシートの前記第２の側壁部の両側部を屈曲させる第１の工程と、
　前記ブランクシートの前記第１の側壁部と両側部が屈曲した状態の第２の側壁部とを、前記底板に対して起立させると共に前記第１の側壁部の両側部と、前記第２の側壁部の屈曲された両側部とを対向させる第２の工程と、
　を備える製造方法。
　前記第１の工程は、前記ブランクシートの第２の側壁部の両側部に下向きの力を加える、
　請求項１７に記載の製造方法。
　前記第２の工程は、前記ブランクシートの第１の側壁部と第２の側壁部とを第１の方向に支持し、前記底板を前記第１の方向とは逆の第２の方向に押圧し、前記第１と第２の側壁部を立ち上げる、
　請求項１７または１８に記載の製造方法。
　前記第２の工程は、対向する位置に配置された外装箱に組み立てられた緩衝材を挿入し前記底板を前記第１の方向とは逆の第２の方向に押圧する、請求項１９に記載の製造方法。
　前記第１の工程は、
　前記ブランクシートの一方の第２の側壁部を挟み込んで屈曲部を形成する第１の屈曲部形成工程と、前記ブランクシートの他方の第２の側壁部を挟み込んで屈曲部を形成する第２の屈曲部形成工程と、
　前記第１の屈曲部形成工程により屈曲された部位と前記第２の屈曲部形成工程により屈曲された部位との間の距離を制御する工程と、
を備える、
　請求項１７から２０の何れか１項に記載の製造方法。
　前記第１の工程は、
　前記ブランクシートの一方の第２の側壁部を挟み込んで屈曲部を形成する第１の屈曲部形成工程と、前記ブランクシートの他方の第２の側壁部を挟み込んで屈曲部を形成する第２の屈曲部形成工程と、
　連結機構により前記第１の屈曲部形成工程により屈曲された部位と前記第２の屈曲部形成工程により屈曲された部位との間の距離を制御する工程と、
　を備え、
　前記第１の屈曲部形成工程と前記第２の屈曲部形成工程により屈曲される位置に応じて、前記ブランクシートの第１の側壁部と第２の側壁部とを第１の方向に支持する位置を制御する、
　請求項１８または１９に記載の製造方法。
　前記ブランクシートの底板形成領域には、脚部形成用の切り込みが形成されており、前記第１の側壁部と前記第２の側壁部と立ち上げることに伴って脚部が立ち上がる、
　請求項１７から２２の何れか１項に記載の製造方法。
　前記ブランクシートの組立手順では、前記第１の工程で前記第２の側壁部の側部を押し込むことで折り曲げた後、前記底板を押し込むことで前記緩衝材を前記第１の側壁部と第２の側壁部とを前記底板に対して起立させる挿入ガイドに沿わせる、
　請求項１７から２３の何れか１項に記載の製造方法。