WO2021152654A1

WO2021152654A1 - 空調サービスシステムおよび空調サービス方法

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Publication number: WO2021152654A1
Application number: PCT/JP2020/002727
Authority: WO
Inventors: 麻里夫佐藤
Original assignee: 三菱電機株式会社
Priority date: 2020-01-27
Filing date: 2020-01-27
Publication date: 2021-08-05

Abstract

空気調和装置は、客先識別情報の入力を受け付けた場合において、当該客先識別情報、および、機種情報ならびに当該機種に応じた制御プログラムのバージョン情報を含む管理用情報を、サーバへ送信する。サーバは、空気調和装置から受信したバージョン情報が示すバージョンが、当該空気調和装置の目標バージョン情報が示すバージョンと一致するか否かを判定し、当該バージョン情報が示すバージョンと当該目標バージョン情報が示すバージョンとが不一致の場合には、当該空気調和装置からの管理用情報に含まれる客先識別情報に基づいて、当該空気調和装置の客先を特定し、当該空気調和装置の制御プログラムの書き換えの要否を当該客先に問う書換情報を当該客先の端末装置に送信する。

Description

空調サービスシステムおよび空調サービス方法

　本開示は、空調システムの保守および管理のための空調サービスシステムおよび空調サービス方法に関するものである。

　空調システムは、その販売後においても、継続的に、新機能の提供および不具合の改善等のサービスの対象となることが多い。このようなサービスの提供のため、客先における空調システムを管理するセンタには、空調システムの販売先を示す情報、および、空調システムに含まれる空気調和装置に関する情報等を含む客先システム情報が、データベースとして保存されていることが望ましい。

　しかし、客先システム情報のデータベース化は、従来では、空調システムの販売に関する販売情報などを元にして手作業で行われる場合が多く、手間がかかるものであることが多かった。また、このような手作業でのデータベースの作成においては、人為的なミスが発生する可能性もあり、これによって、データベース上のデータに間違いが存在していることも少なくはなかった。

　上記問題の解決手法として、下記の特許文献１には、次のようなサービスシステムについて記載されている。当該サービスシステムは、空気調和装置と、当該空気調和装置を管理する集中制御装置と、インターネットを介して空気調和装置を監視する監視センタとを含む。このサービスシステムにおいて集中制御装置は、空気調和装置から製造番号を採取する。また集中制御装置は、ＧＰＳ（Global Positioning System）機能によって当該集中制御装置の設置位置を算出する。そして、集中制御装置は、空気調和装置の製造番号と、当該設置位置を示す位置データとを含む客先システム情報を監視センタに送信する。これにより、監視センタは、人為的なミスが軽減された客先システム情報を、自動的に収集し、蓄積することができる。

　また特許文献１における監視センタは、当該空気調和装置の制御プログラムの更新を集中制御装置に指示する。このとき制御プログラムの書き換えの対象となる空気調和装置は、当該空気調和装置の製造番号により選出されている。監視センタは、更新用のプログラムを集中制御装置に送信し、集中制御装置は、当該更新用のプログラムを用いて、制御プログラムの書き換えの対象となる空気調和装置の制御プログラムを書き換える。

特許第３５９０８９１号公報

　ここで、上記サービスシステムにおいて複数の集中制御装置が近接して配置された場合には、ＧＰＳによる位置の検出の精度の限界により、これらの集中制御装置の各々は同じ位置データと共に、それぞれが管理する空気調和装置の製造番号を監視センタに送信する可能性がある。すると監視センタは、各集中制御装置が互いに異なる客先における空気調和装置に関するデータを収集する場合において、複数の当該集中制御装置から受信した客先システム情報を客毎に区分できなくなる可能性が出てきてしまう。また同様に、監視センタは、各集中制御装置が互いに異なる空調システムにおける空気調和装置に関するデータを収集する場合において、複数の当該集中制御装置から受信した客先システム情報を空調システム毎に区分できなくなる可能性も出てきてしまう。そして、監視センタにおいて蓄積される、空気調和装置とその客先とを示す情報、および、空気調和装置と当該空気調和装置が属する空調システムとを示す情報等として、間違った情報が記録および蓄積される可能性がある。このような状況下において、特定の客先または特定の空調システムを選んで、制御プログラムを更新したり、保守作業のために古いバージョンに一時的に書き替えたりする場合において、意図しない客先、または意図しない空調システムにおける空気調和装置の、書き換え対象ではない制御プログラムが書き換えられてしまう可能性がある。この他にも、例えば、ある特定の空気調和装置を保守作業の対象とするような場合において、当該特定の空気調和装置以外の空気調和装置に対しても古いバージョンへの書き換えが行われたり、あるいは、当該特定の空気調和装置の制御プログラムが最新版に書き換えられたりする可能性もあり、当該特定の空気調和装置における作業において支障が生じてしまう虞もある。従って、空調サービスが適切に行われなくなる虞がある。

　本開示は、上記課題を解決するためになされたものであり、空気調和装置４の制御プログラムの、不測の書き換えを抑制し、空調サービスを適切に実行するための空調サービスシステムおよび空調サービス方法を提供することを目的とする。

　本開示に係る空調サービスシステムは、空調対象空間の空調を行う複数の空気調和装置と、該複数の空気調和装置の各々を制御するための制御プログラムを該複数の空気調和装置へ提供するサーバとを有する空調サービスシステムであって、前記空気調和装置は、前記サーバと通信する第１通信部と、前記空気調和装置の客先を示す客先識別情報の入力を受け付ける第１入力部と、前記空気調和装置の機種を示す機種情報、該機種に応じた前記制御プログラムの該空気調和装置におけるバージョンを示すバージョン情報、および、該バージョンにおける該制御プログラムを記憶する第１記憶部と、前記第１入力部が、前記客先識別情報の入力を受け付けた場合において、該客先識別情報、および、前記第１記憶部に記憶されている前記機種情報ならびに前記バージョン情報を含む管理用情報を、前記サーバへ送信するよう前記第１通信部を制御する第１制御部と、を備え、前記サーバは、前記複数の空気調和装置と通信する第２通信部と、前記第２通信部が前記空気調和装置から受信した前記管理用情報を記憶し、前記複数の空気調和装置の各々の前記制御プログラムの目標のバージョンを示す目標バージョン情報を記憶する第２記憶部と、前記空気調和装置から受信した前記バージョン情報が示すバージョンが、該空気調和装置の前記目標バージョン情報が示すバージョンと一致するか否かを判定し、該バージョン情報が示すバージョンと該目標バージョン情報が示すバージョンとが不一致の場合には、前記第２記憶部に記憶されている、該空気調和装置からの前記管理用情報に含まれる前記客先識別情報に基づいて、該空気調和装置の客先を特定し、該空気調和装置の前記制御プログラムの書き換えの要否を該客先に問う書換情報を該客先の端末装置に送信するよう前記第２通信部を制御する第２制御部と、を備える。

　本開示に係る空調サービス方法は、空調対象空間の空調を行う複数の空気調和装置と、該複数の空気調和装置の各々を制御するための制御プログラムを該複数の空気調和装置へ提供するサーバとを有する空調サービスシステムにより実行される空調サービス方法であって、前記空気調和装置が、前記空気調和装置の客先を示す客先識別情報が入力された場合において、該客先識別情報、前記空気調和装置の機種を示す機種情報、および、該機種に応じた前記制御プログラムの該空気調和装置におけるバージョンを示すバージョン情報を含む管理用情報を、前記サーバへ送信するステップと、前記サーバが、前記空気調和装置から受信した前記バージョン情報が示すバージョンが、前記サーバが記憶する、該空気調和装置の目標バージョン情報が示す目標のバージョンと一致するか否かを判定し、該バージョン情報が示すバージョンと該目標バージョン情報が示すバージョンとが不一致の場合には、該空気調和装置からの前記管理用情報に含まれる前記客先識別情報に基づいて、該空気調和装置の客先を特定し、該空気調和装置の前記制御プログラムの書き換えの要否を該客先に問う書換情報を該客先の端末装置に送信するステップと、を含む。

　本開示に係る空調サービスシステムおよび空調サービス方法によれば、サーバが空気調和装置から、管理用情報を受信することによって、これに含まれるバージョン情報から当該空気調和装置の制御プログラムのバージョンを特定することができ、また、管理用情報に含まれる客先識別情報から客先を特定することができる。サーバの第２記憶部には、当該空気調和装置の制御プログラムの目標のバージョンを示す目標バージョン情報が記憶されている。第２制御部は、当該目標バージョン情報が示すバージョンと、当該バージョン情報が示すバージョンとが一致するか否かを判定し、不一致の場合には、上記客先識別情報が示す客先の端末装置へ、制御プログラムの書き換えの要否を問う書換情報を送信する。これにより、空気調和装置の制御プログラムの、不測の書き換えが抑制され、空調サービスを適切に実行できるようになる。

実施の形態に係る空調サービスシステムを例示する図である。実施の形態に係る空調サービスシステムにおける空気調和装置とサーバの各々に含まれる構成要素を例示する模式図である。実施の形態に係る空調サービスシステムにおいて、空気調和装置が設置された場合における当該空気調和装置による空調サービス処理を例示するフローチャートである。実施の形態に係る空調サービスシステムにおいて、空気調和装置が設置された場合におけるサーバによる空調サービス処理を例示するフローチャートである。実施の形態に係る空調サービスシステムにおいて、書換情報を端末装置に送信したサーバによる空調サービス処理を例示するフローチャートである。管理用情報が既にサーバに記憶されている空気調和装置からバージョン情報を受信した場合におけるサーバによる空調サービス処理を例示するフローチャートである。

　以下、実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。

　実施の形態．
　図１は、実施の形態に係る空調サービスシステムを例示する図である。空調サービスシステム１は、複数の空調システム２と、サーバ３とを有する。空調システム２は、１以上の空気調和装置４を含む。各空気調和装置４は、内部に冷媒が流通する不図示の冷媒配管によって互いに接続された、１つの室外機４０と１以上の室内機４１とを有する。室外機４０において、空調対象空間外の空気との間で熱交換を行った冷媒が、冷媒配管を介して室内機４１に流入し、室内機４１において、空調対象空間における空気との間で熱交換を行うことにより、空気調和装置４は空調対象空間の空調を行う。

　空気調和装置４は、内部に記憶されている制御プログラムに従い動作を実行する。室外機４０には、当該制御プログラムが記憶されている。制御プログラムは空気調和装置４の機種毎に存在し、空気調和装置４の快適性および保守性等の向上のため、制御プログラムは適宜書き換えが行われる。例えば、空気調和装置４の快適性の向上のために、制御プログラムは新しいバージョンのものへと更新される場合もあれば、空気調和装置４の修理時などにおいて制御プログラムは一旦古いバージョンのものへと書き換えられる場合もある。

　サーバ３は、複数の空調システム２における各空気調和装置４が、客に対して継続的にサービスの提供を行えるようにするためのものであり、各空気調和装置４に対して新機能を追加し、また、各空気調和装置４の不具合の解消のための処理を行う。詳細には、サーバ３は、インターネット回線７を介して有線通信または無線通信によって空気調和装置４と通信し、必要に応じて、空気調和装置４に対して新しいバージョンまたは古いバージョンの制御プログラムを提供する。そのため、実施の形態におけるサーバ３は、空調サービスシステム１における、管理対象の全ての空気調和装置４の、各機種および各バージョンの制御プログラムを記憶している。ただし、サーバ３は、当該全ての空気調和装置４の機種の各々の、一部のバージョンの制御プログラムを記憶するものでもよい。当該一部のバージョンの制御プログラムは、例えば、最新のバージョンから１段階または２段階ほど古いバージョンまでの制御プログラムであってもよい。また、サーバ３は、不図示のストレージ装置から、空調サービスシステム１における全ての空気調和装置４の各機種の、全部または一部のバージョンの制御プログラムを取得するものでもよい。空気調和装置４は、サーバ３から制御プログラムを受信した場合には、元の制御プログラムを、サーバ３からの制御プログラムへと書き換える。

　なお、サーバ３から空気調和装置４へ送信される制御プログラムは、既に空気調和装置４に記憶されている制御プログラムとの間の差分である差分プログラムであってもよい。空気調和装置４は、当該差分プログラムを用いて、制御プログラムの書き換えを行ってもよい。以下では、このような差分プログラムも制御プログラムと記載する。

　空気調和装置４に対して適切なバージョンの適切な制御プログラムを提供するため、サーバ３は、各空気調和装置４の機種についての情報と、当該機種に対応する制御プログラムのバージョンとについての情報を有する必要がある。このため、空気調和装置４は、当該空気調和装置４の機種を示す機種情報をサーバ３に送信する。また、空気調和装置４は、記憶する制御プログラムのバージョンを示すバージョン情報をサーバ３に送信する。実施の形態において空気調和装置４は、当該空気調和装置４の設置時または置き換え時等において機種情報を含む後述する管理用情報をサーバ３に送信する。また実施の形態において空気調和装置４は、当該空気調和装置４の制御プログラムが書き換えられる毎に、サーバ３が保有する制御プログラムに変化がある毎に、または、サーバ３から要求を受信する毎に、バージョン情報をサーバ３に送信してもよいし、定期的にバージョン情報をサーバ３に送信してもよい。バージョン情報は、サーバ３が空気調和装置４に対して制御プログラムを送信した場合において、サーバ３が当該制御プログラムのバージョンを記憶することにより、空気調和装置４からサーバ３へ送信されなくてもよいが、サーバ３から制御プログラムを受信したことを示す応答として空気調和装置４からサーバ３へ送信されてもよい。

　サーバ３は、各空気調和装置４から受信した機種情報およびバージョン情報を記憶する。サーバ３が機種情報およびバージョン情報を記憶することにより、サーバ３から適切な制御プログラムが空気調和装置４へ送信されるだけではなく、既に空気調和装置４が適切な制御プログラムを記憶している場合において、サーバ３が更に同様の制御プログラムを空気調和装置４に送信する無駄を省くこともでき、通信量と処理量との低減も図られる。

　空気調和装置４における制御プログラムは、サーバ３からの制御プログラム以外にも、他の装置から空気調和装置４が取得もしくは受信した制御プログラム、またはユーザ側から入力された内容等によって書き換えられる場合もある。ここで、サーバ３を介さずに書き換えられた空気調和装置４の制御プログラムが、サーバ３が保有する制御プログラムと一致しない場合には、サーバ３は、空気調和装置４からバージョン情報を送信されても、空気調和装置４に記憶されている制御プログラムを正確に認識できるとは限らない。そのため、空気調和装置４は、当該制御プログラムのバージョン情報の送信の際に、サーバ３からの制御プログラム以外によって書き換えられた制御プログラムであることを示す情報を含ませてもよい。

　さて、従来の空調サービスシステムでは、ＧＰＳ（Global Positioning System）の機能を用いて得られた２以上の空気調和装置の各位置を示す情報が互いに同じである場合には、サーバは、同じ客先に当該２以上の空気調和装置が設置されていると判断し、これらの空気調和装置に対して同様の制御プログラムを送信する可能性があった。しかし、同じ建物内に異なる客先が存在していたり、隣り合う２件の建物の各々に異なる客が存在し、水平方向における同位置にこれらの客の室外機が設置されていたりするような場合もある。そして、これらの客同士が互いに異なる空調サービスを所望する場合、または、これらの客の一方が制御内容の更新を希望し、他方が空気調和装置のメンテナンスのために制御プログラムを古いものへと一時的に書き換えたいという場合などにおいて、従来のサーバは、同一の客と判断してしまうことによって、不必要な書き換えを行ってしまったり、必要な書き換えが行えなかったりしてしまう場合もあった。

　また従来の空調サービスシステムでは、客先が複数の空気調和装置４を保有する場合において、その一部のみに対して制御プログラムの書き換えが求められる場合でも、当該複数の空気調和装置４の全てに対して制御プログラムの書き換えが行われてしまう可能性があった。これに対し、実施の形態に係る空調サービスシステム１は、客先毎および空調システム毎に制御プログラムの書き換えを可能にすると共に、客先の都合によって制御プログラムの書き換えが不要な空気調和装置４には当該制御プログラムの書き換えを行わない。以下、このような機能を実現するための実施の形態における空調サービスシステム１について説明する。

　図２は、実施の形態に係る空調サービスシステムにおける空気調和装置とサーバの各々に含まれる構成要素を例示する模式図である。空気調和装置４は、図１に示すように１つの室外機４０と１以上の室内機４１とを有すると共に、第１入力部５０、第１制御部５１、第１記憶部５２、および第１通信部５３を備える。実施の形態では、空気調和装置４における１台の室外機４０がこれらの構成要素を備えるものとする。ただし、空気調和装置４における全部または一部の室内機４１が、これらの構成要素のうちの全部または一部を備えてもよい。

　第１入力部５０は、空気調和装置４を設置するオペレータが携帯している携帯端末６と通信する。実施の形態において第１入力部５０は、携帯端末６との間で赤外線によって無線通信を行う。ただし、第１入力部５０は、Zigbee（登録商標）またはBluetooth（登録商標）等の通信プロトコルに基づいて携帯端末６と無線通信を行うものであってもよいし、携帯端末６と有線通信を行うものであってもよい。

　携帯端末６は、例えば、スマートフォン、携帯電話、およびタブレット型端末等である。ただし、携帯端末６は、空気調和装置４に動作を指示するリモートコントローラであってもよい。

　第１入力部５０は、携帯端末６から、オペレータが当該携帯端末６に入力した客先識別情報とシステム識別情報とを受信する。客先識別情報とは、客先毎に一意的に定められている客先を識別するための情報であり、例えば、顧客名または顧客番号等である。システム識別情報は、空調システム２毎に一意的に定められ、空調システム２を識別するための情報であり、例えば、システム番号などある。なお、システム識別情報は、客先識別情報と、当該客先識別情報が示す客先における空調システム２を識別するための情報との組み合わせであってもよい。第１入力部５０は、通信によらずに、オペレータが客先識別情報とシステム識別情報とを直接入力できるものであってもよいし、例えばＵＳＢ（Universal Serial Bus）メモリなどの他の記録媒体からこれらの情報を受け付けるものであってもよい。

　第１制御部５１は、第１通信部５３などの他の構成要素を制御する。第１制御部５１は、第１入力部５０が携帯端末６から取得した客先識別情報とシステム識別情報とを第１記憶部５２に記憶させる。第１記憶部５２は、第１制御部５１の処理により、客先識別情報とシステム識別情報とを記憶する。なお、第１記憶部５２には、制御プログラムと、そのバージョン情報と、空気調和装置４の機種を示す機種情報とが予め記憶されている。以下では、第１記憶部５２が記憶する客先識別情報、システム識別情報、機種情報、およびバージョン情報を含む情報を管理用情報と記載する場合もあるとする。

　第１記憶部５２は、管理用情報以外にも、空気調和装置４を識別するための情報を記憶する。実施の形態では、当該空気調和装置４を識別するための情報を、当該空気調和装置４のアドレスとする。

　第１制御部５１は、管理用情報をサーバ３に送信するよう第１通信部５３を制御する。実施の形態では、第１制御部５１は、空気調和装置４の設置時または置き換え時において管理用情報をサーバ３へ送信するよう第１通信部５３を制御する。第１通信部５３は、第１制御部５１の指示に従い、空気調和装置４のアドレスを付した管理用情報を、サーバ３を宛先として送信する。管理用情報は、インターネット回線７を介してサーバ３へ伝送される。

　実施の形態における第１制御部５１は、管理用情報の送信後において、バージョン情報をサーバ３に送信するよう第１通信部５３を制御する。詳細には、第１制御部５１は、管理用情報の送信後であって、空気調和装置４の制御プログラムが書き換えられる毎、サーバ３が保有する制御プログラムに変化がある毎、または、サーバ３から要求を受信する毎等において、バージョン情報をサーバ３に送信するよう第１通信部５３を制御する。第１通信部５３は、第１制御部５１の指示に従い、空気調和装置４のアドレスを付したバージョン情報を、サーバ３を宛先として送信する。バージョン情報は、インターネット回線７を介してサーバ３へ伝送される。なお、第１制御部５１は、バージョン情報に代えて管理用情報を、上記タイミングにて送信するよう第１通信部５３を制御してもよい。

　空気調和装置４は、更に、ＧＰＳ（Global Positioning System）により、空気調和装置４の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部を備えてもよい。この場合において第１制御部５１は、位置情報取得部が取得した位置情報を第１記憶部５２に記憶させ、客先識別情報、システム識別情報、機種情報、およびバージョン情報等と共に、サーバ３へ送信するよう第１通信部５３を制御してもよい。以下では、上記管理用情報に、位置情報を含ませた情報も管理用情報と記載する。なお、上述の客先識別情報が、客先を示すのみではなく、当該客先の位置を示す情報を含む場合には、空気調和装置４は、位置情報取得部を含まなくともよい。

　空調サービスシステム１において管理用情報は、空気調和装置４からサーバ３へと送信されるものであるが、空気調和装置４に代えて、空調システム２における１以上の空気調和装置４を制御する不図示の制御装置からサーバ３へ送信されるものであってもよい。

　実施の形態における空気調和装置４の第１入力部５０、第１制御部５１、第１記憶部５２、および第１通信部５３は、例えば、ＣＰＵ（Central Processing Unit）またはＭＰＵ（Micro Processing Unit）等のプロセッサ、ＲＯＭ（Read Only Memory）またはＲＡＭ（Random Access Memory）等のメモリ、および、通信インターフェース回路等によって構成可能である。第１入力部５０の機能は、無線通信用の通信インターフェース回路により実現できる。なお、第１入力部５０を、オペレータの操作を受け付けるものとする場合には、当該第１入力部５０の機能は、ボタンまたはタッチパネル等によって実現できる。また第１入力部５０を、ＵＳＢメモリなどの記録媒体からの情報を受け付けるものとする場合には、当該第１入力部５０の機能は、例えば記録媒体読み取り装置によって実現できる。第１制御部５１の機能は、プロセッサが、メモリに記憶されている各種プログラムおよびデータ等を読み出して実行することにより実現できる。第１記憶部５２の機能は、メモリによって実現できる。第１通信部５３の機能は、通信用の通信インターフェース回路により実現できる。なお、上述した空気調和装置４の全部または一部の機能は専用のハードウェアによって実現されるものでもよい。

　サーバ３は、第２入力部３０、第２通信部３１、第２制御部３２、および第２記憶部３３を備える。第２入力部３０は、オペレータからの操作を受け付ける。第２通信部３１は、インターネット回線７を介して、空気調和装置４との間で通信を行う。第２通信部３１は、空気調和装置４から、管理用情報およびバージョン情報等を受信する。また第２通信部３１は、インターネット回線７を介して、客先の端末装置８との間で通信を行う。

　第２制御部３２は、第２通信部３１が管理用情報を受信した場合には、当該管理用情報を第２記憶部３３に記憶させる。このとき第２制御部３２は、管理用情報の送信元の空気調和装置４のアドレスと、当該管理用情報とを関連づけて第２記憶部３３に記憶させる。この際に、第２記憶部３３に予め、管理用情報における客先識別情報が示す客先の端末装置８の通信用のアドレスが記憶されている場合には、第２制御部３２は、当該管理用情報を当該端末装置８のアドレスと関連付けて第２記憶部３３に記憶させる。なお、これ以外にも、客先識別情報が当該端末装置８のアドレスであってもよいし、管理用情報に端末装置８のアドレスが含まれてもよい。この場合における当該端末装置８のアドレスは、上述した第１入力部５０を介してオペレータが空気調和装置４に入力したものであって、当該空気調和装置４からサーバ３へ送信されたものでもよい。第２制御部３２は、空気調和装置４からの管理用情報の受信後において、当該空気調和装置４からバージョン情報を受信した場合には、第２記憶部３３に記憶されている当該空気調和装置４のアドレスと関連付けられている管理用情報におけるバージョン情報を、当該管理用情報の受信後に受信したバージョン情報に書き換える。

　第２記憶部３３には、各機種の空気調和装置４の制御プログラムが記憶されている。実施の形態における第２記憶部３３は、空調サービスシステム１における全ての空気調和装置４の機種の各々の、全てのバージョンの各制御プログラムを記憶する。以下では、サーバ３が記憶する、空調サービスシステム１における全ての空気調和装置４の機種の、全てのバージョンの制御プログラムの集合を、プログラム集合と記載する。当該プログラム集合は、実施の形態では、データベース化されているものとする。なお、第２記憶部３３は、全ての空気調和装置４の機種の各々の、一部のバージョンの制御プログラムを記憶するものでもよい。当該一部のバージョンの制御プログラムは、例えば、最新のバージョンから１段階または２段階ほど古いバージョンまでの制御プログラムであってもよい。

　第２記憶部３３には、客の所望の制御プログラムのバージョン、または、最適な制御プログラムのバージョン等を示す目標バージョン情報が記憶されている。目標バージョン情報は、客先毎、空調システム２毎、または空気調和装置４毎に定められている。これに応じて、目標バージョン情報は、客先識別情報、システム識別情報、または空気調和装置４のアドレスに関連付けられている。実施の形態においては、初期状態における目標バージョン情報は、最新のバージョンを示すものとする。一方、例えば空気調和装置４のメンテナンス時における、当該空気調和装置４の目標バージョン情報は、メンテナンスに必要なバージョンであって、最新のバージョンよりも古いバージョンを示すものでもよい。

　目標バージョン情報は、初期状態では最新のバージョンを示すものとするが、各客先における空気調和装置４の制御プログラム、各空調システム２における空気調和装置４の制御プログラム、または各空気調和装置４の制御プログラムの、客が所望するバージョンが最新のバージョンではない場合には、オペレータは、第２入力部３０を介して目標バージョン情報を、客の所望するバージョンを示すものへ書き換える。

　第２制御部３２は、第２通信部３１が空気調和装置４から受信した管理用情報またはバージョン情報が示すバージョンが、第２記憶部３３における、当該空気調和装置４、当該空気調和装置４を含む空調システム２、または当該空気調和装置４の客先の、目標バージョン情報が示すバージョンと一致するか否かを判定する。第２記憶部３３における、管理用情報またはバージョン情報の送信元の空気調和装置４の目標バージョン情報が、例えば、最新のバージョンを示す場合には、第２制御部３２は、当該管理用情報または当該バージョン情報が示すバージョンが、プログラム集合における、当該空気調和装置４の制御プログラムの最新のバージョンと一致するか否かを判定する。

　第２通信部３１が受信した管理用情報またはバージョン情報が示すバージョンが、目標バージョン情報が示すバージョンと不一致の場合には、第２制御部３２は、第２記憶部３３を参照し、管理用情報またはバージョン情報の送信元の空気調和装置４のアドレスと関連付けられた客先識別情報を用いて、客先の端末装置８のアドレスを取得する。続いて第２制御部３２は、制御プログラムの書き換えに関する情報を、当該端末装置８のアドレスを宛先として送信するよう第２通信部３１を制御する。以下では当該制御プログラムの書き換えに関する情報を書換情報と記載する。書換情報は、制御プログラムを、目標バージョン情報が示すバージョンの制御プログラムへと書き換えることの要否を問う内容を含む。また、書換情報は、空気調和装置４のアドレスなど、当該空気調和装置４を特定するために必要な情報、および、当該空気調和装置４の機種を特定する機種情報のうちの少なくとも１つの情報を含む。書換情報には、更に、制御プログラムの書き換えの要否を判断する際に必要となると考えられる次のうちの少なくとも１つの情報が含まれてもよい。１つ目の情報は、制御プログラムの書き換えが必要である理由である。２つ目の情報は、制御プログラムの書き換え後において空気調和装置４に新たに追加される機能に関する情報である。３つ目の情報は、制御プログラムの書き換え後における空気調和装置４の動作内容を示す情報である。４つ目の情報は、制御プログラムの書き換えの実施予定日時を示す情報である。５つ目の情報は、制御プログラムの書き換えに要すると想定される時間を示す情報である。６つ目の情報は、制御プログラムを書き換えない場合に発生しうる異常を示す情報である。

　第２通信部３１が、端末装置８への書換情報の送信後、当該端末装置８を介して客先から制御プログラムの書き換えを要求する応答を受信した場合には、第２制御部３２は、当該客先の空気調和装置４に対して目標バージョン情報が示すバージョンの制御プログラムを送信するよう第２通信部３１を制御する。この場合において、第２記憶部３３における、管理用情報またはバージョン情報の送信元の空気調和装置４の目標バージョン情報が、例えば最新のバージョンを示す場合には、第２制御部３２は、当該空気調和装置４に対して、当該空気調和装置４の機種に応じた最新のバージョンの制御プログラムを送信するよう第２通信部３１を制御する。サーバ３から制御プログラムを受信した空気調和装置４は、第１記憶部５２に記憶していた制御プログラムを、サーバ３からの制御プログラムへ書き換える。実施の形態に係るサーバ３は、制御プログラムを書き換えのための処理に先立ち、客先に対して当該書き換えの要否を問い、当該客先から当該書き換えの要求を示す応答を得る。この理由について以下に述べる。

　例えば、バグが見つかった最新のバージョンの制御プログラムによって動作している空気調和装置４がある場合において、当該空気調和装置４の制御プログラムを一時的にダウングレードする必要がある場合がある。しかし、この際に、ダウングレードの対象となる空気調和装置４の目標バージョン情報が示すバージョンを古いものにし、客先に連絡せずに、当該空気調和装置４をダウングレードすると客先に不意打ちを与える虞がある。例えば、空気調和装置４をダウングレード中に、客先では当該空気調和装置４を使用できなくなることなどにより、客先は不足の事態を被る虞がある。また、一時的なダウングレードにより、客先は、空気調和装置４の使用において不便を感じる虞がある。このように、バグへの対処による制御プログラムの一時的なダウングレードが行われる場合には、客先に対して、制御プログラムの書き換えが必要である理由、制御プログラムの書換後において空気調和装置４に追加される機能、制御プログラムの書き換えの日時、および書き換えに要する時間等について、書き換えに先立ち通知されることが好ましい場合がある。

　また、客先の目標バージョン情報が最新のバージョンを示す場合において、当該客先の一部の空気調和装置４の制御プログラムについては従来のものが望まれる場合もある。しかし、当該一部の空気調和装置４の制御プログラムの最新のバージョンがサーバ３にアップロードされ、これに応じて、当該一部の空気調和装置４の制御プログラムが更新されてしまうと、当該客先には期待しなかった予想外の事態となり得る。そのため、空気調和装置４の制御プログラムの最新のバージョンがサーバ３にアップロードされた場合において、どの機種の制御プログラムがアップグレードの対象となるか、客先が認識できることが望ましい場合がある。

　これらのことから、実施の形態におけるサーバ３は、空気調和装置４から受信した管理用情報またはバージョン情報が示すバージョンが、当該空気調和装置４の目標バージョン情報が示すバージョンと異なる場合において、当該空気調和装置４の客先の端末装置８に書換情報を送信し、制御プログラムの書き換えの要否について問い合わせる。そして、サーバ３の第２通信部３１が、当該端末装置８から、制御プログラムの書き換えを必要とする旨を示す応答を受信した場合において、第２制御部３２は、第２記憶部３３に記憶されている、当該空気調和装置４の目標バージョン情報が示すバージョンの制御プログラムを送信するよう第２通信部３１を制御する。

　第２制御部３２は、書換情報の送信先の端末装置８から、空気調和装置４の制御プログラムの書き換えを不要とする旨を示す応答を第２通信部３１が受信した場合には、当該空気調和装置４の目標バージョン情報が示すバージョンの制御プログラムの、当該空気調和装置４への送信を、第２通信部３１に行わせない。この場合において第２制御部３２は、当該端末装置８からの当該応答の内容を第２記憶部３３に記憶してもよい。第２制御部３２は、当該応答の内容を第２記憶部３３に記憶する場合には、当該空気調和装置４のアドレスなど当該空気調和装置４を識別する情報、客先識別情報、機種情報、およびバージョン情報等と関連付けて、第２記憶部３３に記憶する。

　第２制御部３２は、第２通信部３１が、書換情報の送信先の端末装置８から、予め定められた時間が経過しても応答を受信しなかった場合には、再度、同様の書換情報を当該端末装置８へ送信するよう第２通信部３１を制御してもよい。第２制御部３２は、第２記憶部３３において、空気調和装置４のアドレスと関連付けられた客先識別情報が複数記憶されている場合において、当該空気調和装置４の制御プログラムの書き換えの要否を問う書換情報を、複数の客先識別情報が示す複数の客先の端末装置８へ送信してもよいし、複数の客先のうち特定の客先の端末装置８へ送信してもよい。第２通信部３１が、複数の客先のうちの特定の客先の端末装置８へ書換情報を送信し、予め定められた時間以内に当該書換情報の応答を得られなかった場合、または、予め定められた回数の書換情報を送信しても応答を得られなかった場合には、第２制御部３２は、当該複数の客先のうちの、当該特定の客先以外の客先へ書換情報を送信するよう第２通信部３１を制御してもよい。この際において第２制御部３２は、書換情報と共に、当該特定の客先と連絡が取れない旨を示す情報を、当該特定の客先以外の客先へ送信するよう第２通信部３１を制御してもよい。

　上記の場合における特定の客先は、例えば、空気調和装置４が設置されている建物の保有者など、当該空気調和装置４の保有者であってもよく、特定の客先以外の客先は、例えば、当該建物のテナントの責任者など、当該空気調和装置４の使用者であってもよい。あるいは、その逆でもよい。

　なお、第２制御部３２は、当該特定の客先から、制御プログラムの書き換えを不要とする応答を第２通信部３１が受信した場合においても、当該複数の客先のうちの、当該特定の客先以外の客先へ書換情報を送信するよう第２通信部３１を制御してもよい。この場合において第２制御部３２は、書換情報と共に当該応答の内容を示す情報を送信するよう第２通信部３１を制御してもよい。

　空気調和装置４は、バージョン情報または管理用情報と共に、運転状態または運転状況に関する運転情報をサーバ３に送信してもよい。このようにすることで、サーバ３は、異常が発生した空気調和装置４または故障した空気調和装置４を識別可能となる。また、サーバ３は、異常が発生した場合または故障した場合における空気調和装置４からの運転情報を蓄積することによって、同一または類似する運転情報を送信する空気調和装置４の異常または故障についていち早く検出することができるようになる。また、サーバ３のオペレータは、サーバ３による検出結果から、空気調和装置４の異常または故障について、より迅速に検出可能となり、客先にいち早く連絡することができるようになる。

　実施の形態におけるサーバ３の第２入力部３０、第２通信部３１、第２制御部３２、および第２記憶部３３は、例えば、ＣＰＵまたはＭＰＵ等のプロセッサ、ＲＯＭまたはＲＡＭ等のメモリ、ＨＤＤ（Hard Disk Drive）などの記憶装置、キーボードまたはタッチパネル等の入力装置、および、通信インターフェース回路等によって構成可能である。第２入力部３０の機能は、入力装置により実現できる。第２通信部３１の機能は、通信インターフェース回路により実現できる。第２制御部３２の機能は、プロセッサが、メモリに記憶されている各種プログラムおよびデータ等を読み出して実行することにより実現できる。第２記憶部３３の機能は、記憶装置、または、記憶装置とメモリとの組み合わせによって実現できる。なお、上述のサーバ３の全部または一部の機能は専用のハードウェアによって実現されるものでもよい。

　図３は、実施の形態に係る空調サービスシステムにおいて、空気調和装置が設置された場合における当該空気調和装置による空調サービス処理を例示するフローチャートである。以下、図３を参照して、空気調和装置４が設置された場合における、当該空気調和装置４による処理について説明する。ステップＳ１において空気調和装置４の第１制御部５１は、第１入力部５０にオペレータからの客先識別情報とシステム識別情報の入力があるまでの間（ステップＳ１：ＮＯ）、空気調和装置４の処理をステップＳ１に留める。すなわち、空気調和装置４は、オペレータから、客先識別情報とシステム識別情報の入力がなされるまでの間、待機する。空気調和装置４の第１入力部５０が、オペレータからの客先識別情報とシステム識別情報の入力を受け付けた場合には（ステップＳ１：ＹＥＳ）、ステップＳ２において第１制御部５１は、第１記憶部５２に当該客先識別情報と当該システム識別情報とを記憶させる。ステップＳ３において第１制御部５１は、第１記憶部５２に記憶されている客先識別情報とシステム識別情報と機種情報とバージョン情報等とを含む管理用情報をサーバ３に送信するよう第１通信部５３を制御する。第１通信部５３は、第１制御部５１からの指示に従い、管理用情報をサーバ３へ送信する。ステップＳ３の処理後、空気調和装置４は、当該空気調和装置４が設置された場合における空調サービス処理を終了する。

　図４は、実施の形態に係る空調サービスシステムにおいて、空気調和装置が設置された場合におけるサーバによる空調サービス処理を例示するフローチャートである。なお、ここでの空気調和装置４が設置された場合とは、空気調和装置４が新たに設置された場合、または、元の空気調和装置４が別の空気調和装置４に置き換えられた場合を指す。以下、図４を参照して、このような場合におけるサーバ３による空調サービス処理について説明する。ステップＳ１０において第２通信部３１が管理用情報を受信しない場合には（ステップＳ１０：ＮＯ）、サーバ３は、当該空調サービス処理を終了する。なお、ステップＳ１０の後に当該空調サービス処理を終了したサーバ３は、再度、図４に示す当該空調サービス処理を最初から実行してもよい。

　ステップＳ１０において第２通信部３１が空気調和装置４から管理用情報を受信した場合には（ステップＳ１０：ＹＥＳ）、ステップＳ１１において第２制御部３２は、第２記憶部３３に、当該管理用情報と、当該空気調和装置４のアドレスとを関連付けて記憶させる。ステップＳ１２において第２制御部３２は、ステップＳ１０で受信した管理用情報に含まれるバージョン情報に基づいて、空気調和装置４の制御プログラムの書き換えが必要か否かを判定する。実施の形態におけるステップＳ１２においては、第２制御部３２は、当該管理用情報に含まれるバージョン情報が示すバージョンと、第２記憶部３３に記憶されている当該空気調和装置４の目標バージョン情報が示すバージョンとが一致するか否かを判定し、当該バージョン情報が示すバージョンと、目標バージョン情報が示すバージョンとが一致しない場合には、当該空気調和装置４の制御プログラムの書き換えが必要であると判定する。

　管理用情報に含まれるバージョン情報が示すバージョンと、目標バージョン情報が示すバージョンとが一致し、制御プログラムの書き換えが不要であると判定された場合には（ステップＳ１２：ＮＯ）、サーバ３は、当該空調サービス処理を終了する。ステップＳ１２において、管理用情報に含まれるバージョン情報が示すバージョンと、目標バージョン情報が示すバージョンとが不一致であって、制御プログラムの書き換えが必要であると判定された場合には（ステップＳ１２：ＹＥＳ）、ステップＳ１３において第２制御部３２は、当該空気調和装置４の機種またはアドレス等を示す書換情報であって、当該空気調和装置４の制御プログラムの書き換えの要否を問う書換情報を、当該空気調和装置４の客先の端末装置８へ送信する。ステップＳ１３の処理後、サーバ３は、図５に示すステップＳ２０における処理を実行する

　図５は、実施の形態に係る空調サービスシステムにおいて、書換情報を端末装置に送信したサーバによる空調サービス処理を例示するフローチャートである。ステップＳ２０において第２通信部３１が、書換情報を端末装置８に送信してから予め定められた時間以内に、当該端末装置８から当該書換情報の応答を受信した場合には（ステップＳ２０：ＹＥＳ）、ステップＳ２１において第２制御部３２は、当該応答が制御プログラムの書き換えを要求するものであるか否かを判定する。ステップＳ２０において第２通信部３１が、書換情報を端末装置８に送信してから予め定められた時間以内に、当該端末装置８から当該書換情報の応答を受信しない場合には（ステップＳ２０：ＮＯ）、サーバ３は空調サービスの処理を終了する。ただし、サーバ３は、当該空調サービスの終了処理に代えて、処理を、図４に示すステップＳ１３に戻してもよい。また、この場合においてサーバ３は、予め定められた回数だけ書換情報を空気調和装置４に送信しても、当該書換情報の応答を受信しなかった場合には、空調サービス処理を終了してもよい。あるいは、当該空気調和装置４の他の客先であって、未だ書換情報を送信していない当該他の客先がある場合には、サーバ３は、当該他の客先の端末装置８に書換情報を送信してもよい。サーバ３は、当該他の客先から当該書換情報の応答を受信した場合には、処理をステップＳ２１へ移してもよい。

　ステップＳ２１において第２制御部３２が、ステップＳ２０において第２通信部３１が受信した応答が、制御プログラムの書き換えを要求するものではないと判定した場合には（ステップＳ２１：ＮＯ）、サーバ３は当該空調サービスの処理を終了する。この場合において、第２制御部３２は、当該応答の内容を第２記憶部３３に記憶させてもよい。ステップＳ２１において第２制御部３２が、ステップＳ２０において第２通信部３１が受信した応答が、制御プログラムの書き換えを要求するものであると判定した場合には（ステップＳ２１：ＹＥＳ）、ステップＳ２２において第２制御部３２は、当該空気調和装置４の目標バージョン情報が示すバージョンの制御プログラムを当該空気調和装置４に送信するよう第２通信部３１を制御する。第２通信部３１は、第２制御部３２からの指示に応じて、当該バージョンの制御プログラムを、当該空気調和装置４に送信する。ステップＳ２２における処理と共に、第２制御部３２は、第２記憶部３３における、当該空気調和装置４のバージョン情報を、送信した制御プログラムのバージョンを示すものへと書き換える。

　サーバ３から当該制御プログラムを受信した空気調和装置４の第１制御部５１は、第１記憶部５２に記憶されている制御プログラムを、サーバ３から受信した制御プログラムに書き換える。以降、当該空気調和装置４は、書き換え後の制御プログラムに応じて処理を実行する。ステップＳ２２における処理後、サーバ３は、空調サービス処理を終了する。

　次に、既に管理用情報がサーバ３に記憶されている空気調和装置４と、サーバ３とによる空調サービス処理について説明する。図６は、管理用情報が既にサーバに記憶されている空気調和装置からバージョン情報を受信した場合におけるサーバによる空調サービス処理を例示するフローチャートである。ステップＳ３０において第２通信部３１がバージョン情報を受信しない場合には（ステップＳ３０：ＮＯ）、サーバ３は、当該空調サービス処理を終了する。なお、ステップＳ３０の後に当該空調サービス処理を終了したサーバ３は、再度、図６に示す当該空調サービス処理を最初から実行してもよい。

　ステップＳ３０において第２通信部３１が空気調和装置４からバージョン情報を受信した場合には（ステップＳ３０：ＹＥＳ）、ステップＳ３１において第２制御部３２は、既に第２記憶部３３に記憶されている管理用情報に含まれるバージョン情報を、ステップＳ３０で受信したバージョン情報に書き換える。ステップＳ３２において第２制御部３２は、第２記憶部３３に記憶されている、ステップＳ３０で受信したバージョン情報と、当該空気調和装置４の目標バージョン情報とに基づいて、空気調和装置４の制御プログラムの書き換えが必要か否かを判定する。第２制御部３２は、当該バージョン情報が示すバージョンと、当該目標バージョン情報が示すバージョンとが一致するか否かを判定し、これらが不一致の場合には、当該空気調和装置４の制御プログラムの書き換えが必要であると判定する。

　当該バージョン情報が示すバージョンと、当該目標バージョン情報が示すバージョンとが一致し、制御プログラムの書き換えが不要であると判定された場合には（ステップＳ３２：ＮＯ）、サーバ３は、当該空調サービス処理を終了する。当該バージョン情報が示すバージョンと当該目標バージョン情報が示すバージョンが不一致であって、制御プログラムの書き換えが必要であると判定された場合には（ステップＳ３２：ＹＥＳ）、ステップＳ３３において第２制御部３２は、当該空気調和装置４の機種またはアドレス等を示す書換情報であって、当該空気調和装置４の制御プログラムの書き換えの要否を問う書換情報を、当該空気調和装置４の客先の端末装置８へ送信する。ステップＳ３３の処理後、サーバ３は、図５に示すステップＳ２０における処理を実行する。なお、ステップＳ３３に続くステップＳ２０において第２通信部３１が、書換情報を端末装置８に送信してから予め定められた時間以内に、当該端末装置８から当該書換情報の応答を受信しない場合には（ステップＳ２０：ＮＯ）、サーバ３は、図４に示すステップＳ１３に代えて、図６に示すステップＳ３３へ処理を戻してもよい。

　ここで、ステップＳ３０における処理について以下に補足する。ステップＳ３０において、空気調和装置４がサーバ３にバージョン情報を送信するに先立ち、空調サービスシステム１では、次のような処理が行われる。例えば、第２記憶部３３において、当該空気調和装置４の目標バージョン情報が変更された場合、または、第２記憶部３３に、当該空気調和装置４の最新のバージョンの制御プログラムがアップロードされた場合等において、第２制御部３２は、当該空気調和装置４にバージョン情報を要求するよう第２通信部３１を制御する。第２通信部３１は、第２制御部３２からの指示に従って、当該空気調和装置４にバージョン情報の要求を送信する。当該空気調和装置４の第１制御部５１は、第１通信部５３が当該要求を受信した場合において、第１記憶部５２に記憶されているバージョン情報をサーバ３へ送信するよう第１通信部５３を制御する。第１通信部５３は、第１制御部５１からの指示に従って、当該バージョン情報をサーバ３へ送信する。

　あるいは、空気調和装置４によるバージョン情報の送信に先立ち、次のような処理が行われてもよい。例えば、第１制御部５１は、第１通信部５３を介して、サーバ３における当該空気調和装置４の目標バージョン情報の変更の有無、または、最新のバージョンの制御プログラムのアップロードの有無等を監視する。目標バージョン情報の変更があった場合、または、最新のバージョンの制御プログラムがアップロードされた場合等には、第１制御部５１は、第１記憶部５２に記憶されているバージョン情報をサーバ３へ送信するよう第１通信部５３を制御する。第１通信部５３は、第１制御部５１からの指示に従って、当該バージョン情報をサーバ３へ送信する。あるいは、空気調和装置４によるバージョン情報の送信に先立つ他の処理として、次のような処理が行われてもよい。例えば、空気調和装置４の制御プログラムがサーバ３によらずに書き換えられた場合において、第１制御部５１は、第１記憶部５２に記憶されているバージョン情報をサーバ３へ送信するよう第１通信部５３を制御する。第１通信部５３は、第１制御部５１からの指示に従って、当該バージョン情報をサーバ３へ送信する。

　実施の形態に係る空調サービスシステム１は、空調対象空間の空調を行う複数の空気調和装置４と、当該複数の空気調和装置４の各々を制御するための制御プログラムを当該複数の空気調和装置４へ提供するサーバ３とを有する。空気調和装置４は、第１通信部５３と第１入力部５０と第１記憶部５２と第１制御部５１とを備える。第１通信部５３は、サーバ３と通信する。第１入力部５０は、空気調和装置４の客先を示す客先識別情報の入力を受け付ける。第１記憶部５２は、空気調和装置４の機種を示す機種情報、当該機種に応じた制御プログラムの当該空気調和装置４におけるバージョンを示すバージョン情報、および、当該バージョンにおける当該制御プログラムを記憶する。第１制御部５１は、第１入力部５０が、客先識別情報の入力を受け付けた場合において、当該客先識別情報、および、第１記憶部５２に記憶されている機種情報ならびにバージョン情報を含む管理用情報を、サーバ３へ送信するよう第１通信部５３を制御する。サーバ３は、第２通信部３１と第２記憶部３３と第２制御部３２とを備える。第２通信部３１は、複数の空気調和装置４と通信する。第２記憶部３３は、第２通信部３１が空気調和装置４から受信した管理用情報を記憶し、複数の空気調和装置４の各々の制御プログラムの目標のバージョンを示す目標バージョン情報を記憶する。第２制御部３２は、空気調和装置４から受信したバージョン情報が示すバージョンが、当該空気調和装置４の目標バージョン情報が示すバージョンと一致するか否かを判定し、当該バージョン情報が示すバージョンと当該目標バージョン情報が示すバージョンとが不一致の場合には、第２記憶部３３に記憶されている、当該空気調和装置４からの管理用情報に含まれる客先識別情報に基づいて、当該空気調和装置４の客先を特定し、当該空気調和装置４の制御プログラムの書き換えの要否を当該客先に問う書換情報を当該客先の端末装置８に送信するよう第２通信部３１を制御する。

　サーバ３が空気調和装置４から、管理用情報を受信することによって、これに含まれるバージョン情報から当該空気調和装置４の制御プログラムのバージョンを特定することができ、また、管理用情報に含まれる客先識別情報から客先を特定することができる。サーバ３の第２記憶部３３には、当該空気調和装置４の制御プログラムの目標のバージョンであって、最適なバージョンまたは客の所望するバージョンを示す目標バージョン情報が記憶されている。第２制御部３２は、当該目標バージョン情報が示すバージョンと、当該バージョン情報が示すバージョンとが一致するか否かを判定し、不一致の場合には、上記客先識別情報が示す客先の端末装置８へ、制御プログラムの書き換えの要否を問う書換情報を送信する。これにより、空気調和装置４の制御プログラムの、不測の書き換えが抑制され、空調サービスを適切に実行できるようになる。

　実施の形態における書換情報は、制御プログラムの書き換えが必要である理由、制御プログラムの書き換え後において空気調和装置４に新たに追加される機能、制御プログラムの書き換え後における空気調和装置４の動作内容、制御プログラムの書き換えの実施予定日時、制御プログラムの書き換えに要すると想定される時間、および、制御プログラムを書き換えない場合に発生しうる異常のうちの少なくとも一つを示す情報を含む。これにより、空調サービスシステム１は、客先に対して、制御プログラムの書き換えについて適切な判断を促すことができるようになる。

　実施の形態における第２制御部３２は、第２通信部３１が、書換情報の送信先の端末装置８から、空気調和装置４の制御プログラムの書き換えを要求する応答を受信した場合には、当該空気調和装置４に対して、第２記憶部３３に記憶されている当該空気調和装置４の目標バージョン情報が示すバージョンの制御プログラムを送信するよう第２通信部３１を制御する。第１制御部５１は、第１通信部５３がサーバ３から制御プログラムを受信した場合には、第１記憶部５２に記憶されている制御プログラムを、当該サーバ３から受信した制御プログラムに書き換え、第１記憶部５２に記憶されているバージョン情報を、サーバ３から受信した制御プログラムのバージョンを示すものへと書き換える。これにより、空気調和装置４の制御プログラムは、客先が所望する、最適なバージョンのものとなる。また第１記憶部５２におけるバージョン情報が、書き換え後の制御プログラムのバージョンを示すものとなるため、以降の空気調和装置４からサーバ３へのバージョン情報の送信により、サーバ３は、より適切に空気調和装置４の制御プログラムの書き換えが必要か否かを判定できるようになる。

　実施の形態における第２記憶部３３は、客先識別情報毎に、複数の空気調和装置４の各々の目標バージョン情報を記憶する。これにより、客先毎に一括で、空気調和装置４の制御プログラムの書き換えの要否を問うことができるようになる。また、書換情報の応答が、客先における全ての空気調和装置４の制御プログラムの書き換えの要求を示す場合には、当該客先における全ての空気調和装置４の制御プログラムを一括で書き換えることが可能になる。従って、空調サービスシステム１の利便性が向上する。

　実施の形態における複数の空気調和装置４の各々は、複数の空調システム２の各々に含まれ、第１入力部５０は、空気調和装置４が含まれる空調システム２を示すシステム識別情報の入力を受け付け、第１制御部５１は、第１入力部５０が、客先識別情報およびシステム識別情報の入力を受け付けた場合において、当該システム識別情報を含む管理用情報を、サーバ３へ送信するよう第１通信部５３を制御し、第２記憶部３３は、客先識別情報毎またはシステム識別情報毎に、複数の空気調和装置４の各々の目標バージョン情報を記憶する。これにより、各客先において複数の空気調和装置４が空調システム２毎に含まれている場合において、空調システム２毎の空気調和装置４の制御プログラムの書き換えの要否を、一括して問うことができるようになる。また、書換情報の応答が、空調システム２における全ての空気調和装置４の制御プログラムの書き換えの要求を示す場合には、当該空調システム２における全ての空気調和装置４の制御プログラムを一括で書き換えることが可能になる。従って、空調サービスシステム１の利便性が向上する。

　実施の形態における第２制御部３２は、第２記憶部３３において空気調和装置４の目標バージョン情報が変更された場合、または、第２記憶部３３に空気調和装置４の最新のバージョンの制御プログラムがアップロードされた場合には、当該空気調和装置４に対して、当該空気調和装置４が記憶するバージョン情報の要求を送信するよう第２通信部３１を制御する。第１制御部５１は、第１通信部５３が、第２通信部３１から当該要求を受信した場合には、第１記憶部５２に記憶されているバージョン情報をサーバ３に送信するよう第１通信部５３を制御する。これにより、空気調和装置４の目標バージョン情報が示すバージョンが最新のものである場合には、最新のバージョンの制御プログラムが第２記憶部３３にアップロードされる度に、空気調和装置４の制御プログラムが最新のものへと、より簡便に且つ迅速に書き換えることが可能になる。また、第２記憶部３３における目標バージョン情報の変更のたびに、空気調和装置４の制御プログラムの書き換えの要否の判定が自動で行われるようになり、利便性が向上する。

　実施の形態における第２制御部３２は、第２記憶部３３において空気調和装置４の目標バージョン情報が変更された場合には、当該目標バージョン情報の変更があった旨の通知を、当該空気調和装置４に行うよう第２通信部を制御し、第２記憶部３３における空気調和装置４の目標バージョン情報が最新のバージョンを示す場合であって、当該第２記憶部３３に、当該最新のバージョンの制御プログラムがアップロードされた場合には、当該最新のバージョンの制御プログラムがアップロードされた旨の通知を、当該空気調和装置４に通知するよう第２通信部を制御する。第１制御部５１は、第１通信部５３が、第２通信部３１から上記通知を受けた場合には、第１記憶部５２に記憶されているバージョン情報をサーバ３に送信するよう第１通信部５３を制御する。これにより、空気調和装置４の目標バージョン情報が示すバージョンが最新のものである場合には、最新のバージョンの制御プログラムが第２記憶部３３にアップロードされる度に、空気調和装置４の制御プログラムが最新のものへと、より簡便に且つ迅速に書き換えることが可能になる。また、第２記憶部３３における目標バージョン情報の変更のたびに、空気調和装置４の制御プログラムの書き換えの要否の判定が自動で行われるようになり、利便性が向上する。

　実施の形態における第１制御部５１は、空気調和装置４の制御プログラムが、サーバ３から受信した制御プログラム以外の制御プログラムへと書き換えられた場合には、第１記憶部５２に記憶されているバージョン情報をサーバ３に送信するよう第１通信部５３を制御する。これにより、サーバ３の側において、正確に空気調和装置４の制御プログラムのバージョンを特定できるようになり、当該バージョンが目標バージョン情報と一致しない場合において、客先に制御プログラムの要否を問うことができるようになる。従って、空気調和装置４の制御プログラムを、最適なバージョンにすることが可能になる。

　実施の形態における目標バージョン情報が示すバージョンは、最新のバージョンである。このようにすることにより、空気調和装置４の制御プログラムは、最新のバージョンへの書き換えがより容易になる。

　実施の形態における目標バージョン情報が示すバージョンは、空気調和装置４のメンテナンスのために必要となる、当該空気調和装置４のダウングレード後の、制御プログラムのバージョンを示すものである。これにより、空気調和装置４のメンテナンス時におけるダウングレードがより容易になる。また、書換情報の送信により、客にとっての不測のダウングレードを抑制することができる。

　実施の形態における第２制御部３２は、書換情報の応答が、空気調和装置４の制御プログラムの書き換えを不要とする旨を示す場合には、当該空気調和装置に対して、制御プログラムの送信を第２通信部３１に行わせない。これにより、客先において、制御プログラムの不測の書き換えが抑制されると共に、適切なバージョンの制御プログラムが維持される。

　実施の形態における第２制御部３２は、書換情報の応答が、空気調和装置４の制御プログラムの書き換えを不要とする旨を示す場合には、当該応答の内容を第２記憶部３３に記憶する。これにより、サーバ３は、客先における最適なバージョンについて、より細かい情報を取得することができる。例えば、当該応答の内容を第２記憶部３３が蓄積することにより、客先において、どのタイミングでどのバージョンの制御プログラムが最適かを判断することができるようになる。

　実施に形態における第２制御部３２は、第２通信部３１が、空気調和装置４の制御プログラムの書き換えの要否を問う書換情報を送信してから予め定められた時間以内に、当該書換情報の送信先の端末装置８から当該書換情報の応答を受信しなかった場合には、制御プログラムの当該空気調和装置４への送信を第２通信部３１に行わせない。これにより、客先において、制御プログラムの不測の書き換えが抑制されると共に、適切なバージョンの制御プログラムが維持される。

　実施の形態における第２制御部３２は、第２通信部３１が、空気調和装置４の制御プログラムの書き換えの要否を問う書換情報を送信してから予め定められた時間以内に、当該書換情報の送信先の端末装置から当該書換情報の応答を受信せず、且つ、第２記憶部３３が、当該空気調和装置４の他の客先を示す客先識別情報を記憶する場合において、第２通信部３１が、当該他の客先の端末装置８に書換情報を未送信である場合には、当該他の客先の端末装置８に書換情報を送信するよう第２通信部３１を制御する。これにより、特定の客先が、書換情報の受信を見逃していたり、書換情報を参照していなかったり、書き換えについて忘れていたりした場合において、他の客先に制御プログラムの書き換えの要否を問うことができるようになり、制御プログラムを書き換えなかった場合における問題の回避を行うことができるようになる。従って、空気調和装置４の制御プログラムを最適なバージョンにすることがより可能になる。

　実施の形態における第２制御部３２は、第２通信部３１が、空気調和装置４の制御プログラムの書き換えの要否を問う書換情報を送信してから予め定められた時間以内に、当該書換情報の送信先の端末装置８から当該書換情報の応答を受信しなかった場合には、制御プログラムの当該空気調和装置４への送信を第２通信部３１に行わせず、再度、当該端末装置８に対して書換情報を送信するよう第２通信部３１に制御する。これにより、客先が、書換情報の受信を見逃していたり、書換情報を参照していなかったり、書き換えについて忘れていた場合においても、当該客先に再び、書換情報を送信することにより、制御プログラムの書き換えの必要性などを通知することができる。従って、空気調和装置４の制御プログラムを最適なバージョンにすることがより可能になる。

　実施の形態における第２制御部３２は、第２通信部３１が、空気調和装置４の制御プログラムの書き換えの要否を問う書換情報を、予め定められた回数だけ端末装置８へ送信した場合において、当該書換情報の応答を当該端末装置８から一度も受信しなかった場合には、制御プログラムの空気調和装置４への送信を第２通信部３１に行わせない。これにより、客先において、制御プログラムの不測の書き換えが抑制されると共に、適切なバージョンの制御プログラムが維持される。

　実施の形態における第２制御部３２は、第２通信部３１が、空気調和装置４の制御プログラムの書き換えの要否を問う書換情報を、予め定められた回数だけ端末装置８へ送信し、当該書換情報の応答を当該端末装置８から一度も受信せず、且つ、第２記憶部３３が、当該空気調和装置４の他の客先を示す客先識別情報を記憶する場合において、第２通信部３１が、当該他の客先の端末装置８に書換情報を未送信である場合には、当該他の客先の端末装置８に書換情報を送信するよう第２通信部３１を制御する。これにより、特定の客先が、書換情報の受信を見逃していたり、書換情報を参照していなかったり、書き換えについて忘れていたりした場合において、他の客先に制御プログラムの書き換えの要否を問うことができるようになり、制御プログラムを書き換えなかった場合における問題の回避を行うことができるようになる。従って、空気調和装置４の制御プログラムを最適なバージョンにすることがより可能になる。

　１、１Ａ　空調サービスシステム、２　空調システム、３、３Ａ　サーバ、４　空気調和装置、６　携帯端末、７　インターネット回線、８　端末装置、３０　第２入力部、３１　第２通信部、３２　第２制御部、３３　第２記憶部、３４　表示部、４０　室外機、４１　室内機、５０　第１入力部、５１　第１制御部、５２　第１記憶部、５３　第１通信部。

Claims

　空調対象空間の空調を行う複数の空気調和装置と、該複数の空気調和装置の各々を制御するための制御プログラムを該複数の空気調和装置へ提供するサーバとを有する空調サービスシステムであって、
　前記空気調和装置は、
　前記サーバと通信する第１通信部と、
　前記空気調和装置の客先を示す客先識別情報の入力を受け付ける第１入力部と、
　前記空気調和装置の機種を示す機種情報、該機種に応じた前記制御プログラムの該空気調和装置におけるバージョンを示すバージョン情報、および、該バージョンにおける該制御プログラムを記憶する第１記憶部と、
　前記第１入力部が、前記客先識別情報の入力を受け付けた場合において、該客先識別情報、および、前記第１記憶部に記憶されている前記機種情報ならびに前記バージョン情報を含む管理用情報を、前記サーバへ送信するよう前記第１通信部を制御する第１制御部と、
　を備え、
　前記サーバは、
　前記複数の空気調和装置と通信する第２通信部と、
　前記第２通信部が前記空気調和装置から受信した前記管理用情報を記憶し、前記複数の空気調和装置の各々の前記制御プログラムの目標のバージョンを示す目標バージョン情報を記憶する第２記憶部と、
　前記空気調和装置から受信した前記バージョン情報が示すバージョンが、該空気調和装置の前記目標バージョン情報が示すバージョンと一致するか否かを判定し、該バージョン情報が示すバージョンと該目標バージョン情報が示すバージョンとが不一致の場合には、前記第２記憶部に記憶されている、該空気調和装置からの前記管理用情報に含まれる前記客先識別情報に基づいて、該空気調和装置の客先を特定し、該空気調和装置の前記制御プログラムの書き換えの要否を該客先に問う書換情報を該客先の端末装置に送信するよう前記第２通信部を制御する第２制御部と、
　を備える、空調サービスシステム。
　前記書換情報は、
　前記制御プログラムの書き換えが必要である理由、前記制御プログラムの書き換え後において前記空気調和装置に新たに追加される機能、前記制御プログラムの書き換え後における前記空気調和装置の動作内容、前記制御プログラムの書き換えの実施予定日時、前記制御プログラムの書き換えに要すると想定される時間、および、前記制御プログラムを書き換えない場合に発生しうる異常のうちの少なくとも一つを示す情報を含む、請求項１に記載の空調サービスシステム。
　前記第２制御部は、
　前記第２通信部が、前記書換情報の送信先の前記端末装置から、前記空気調和装置の前記制御プログラムの書き換えを要求する応答を受信した場合には、該空気調和装置に対して、前記第２記憶部に記憶されている該空気調和装置の前記目標バージョン情報が示すバージョンの前記制御プログラムを送信するよう前記第２通信部を制御し、
　前記第１制御部は、
　前記第１通信部が前記サーバから前記制御プログラムを受信した場合には、前記第１記憶部に記憶されている前記制御プログラムを、該サーバから受信した前記制御プログラムに書き換え、前記第１記憶部に記憶されている前記バージョン情報を、前記サーバから受信した前記制御プログラムのバージョンを示すものへと書き換える、請求項１または請求項２に記載の空調サービスシステム。
　前記第２記憶部は、
　前記客先識別情報毎に、前記複数の空気調和装置の各々の前記目標バージョン情報を記憶する、請求項１～請求項３のいずれか一項に記載の空調サービスシステム。
　前記複数の空気調和装置の各々は、
　複数の空調システムの各々に含まれ、
　前記第１入力部は、
　前記空気調和装置が含まれる前記空調システムを示すシステム識別情報の入力を受け付け、
　前記第１制御部は、
　前記第１入力部が、前記客先識別情報および前記システム識別情報の入力を受け付けた場合において、該システム識別情報を含む前記管理用情報を、前記サーバへ送信するよう前記第１通信部を制御し、
　前記第２記憶部は、
　前記客先識別情報毎または前記システム識別情報毎に、前記複数の空気調和装置の各々の前記目標バージョン情報を記憶する、請求項１～請求項４のいずれか一項に記載の空調サービスシステム。
　前記第２制御部は、
　前記第２記憶部において前記空気調和装置の前記目標バージョン情報が変更された場合、または、前記第２記憶部に前記空気調和装置の最新のバージョンの制御プログラムがアップロードされた場合には、前記空気調和装置に対して、該空気調和装置が記憶する前記バージョン情報の要求を送信するよう前記第２通信部を制御し、
　前記第１制御部は、
　前記第１通信部が、前記第２通信部から前記要求を受信した場合には、前記第１記憶部に記憶されている前記バージョン情報を前記サーバに送信するよう前記第１通信部を制御する、請求項１～請求項５のいずれか一項に記載の空調サービスシステム。
　前記第２制御部は、
　前記第２記憶部において前記空気調和装置の前記目標バージョン情報が変更された場合には、該目標バージョン情報の変更があった旨の通知を、該空気調和装置に行うよう第２通信部を制御し、前記第２記憶部における前記空気調和装置の前記目標バージョン情報が最新のバージョンを示す場合であって、該第２記憶部に、該最新のバージョンの前記制御プログラムがアップロードされた場合には、該最新のバージョンの前記制御プログラムがアップロードされた旨の通知を、前記空気調和装置に通知するよう前記第２通信部を制御し、
　前記第１制御部は、
　前記第１通信部が、前記第２通信部から前記通知を受けた場合には、前記第１記憶部に記憶されている前記バージョン情報を前記サーバに送信するよう前記第１通信部を制御する、請求項１～請求項５のいずれか一項に記載の空調サービスシステム。
　前記第１制御部は、
　前記空気調和装置の前記制御プログラムが、前記サーバから受信した前記制御プログラム以外の制御プログラムへと書き換えられた場合には、前記第１記憶部に記憶されている前記バージョン情報を前記サーバに送信するよう前記第１通信部を制御する、請求項１～請求項７のいずれか一項に記載の空調サービスシステム。
　前記目標バージョン情報が示すバージョンは、最新のバージョンである、請求項１～請求項８のいずれか一項に記載の空調サービスシステム。
　前記目標バージョン情報が示すバージョンは、前記空気調和装置のメンテナンスのために必要となる、該空気調和装置のダウングレード後の、前記制御プログラムのバージョンを示す、請求項１～請求項８のいずれか一項に記載の空調サービスシステム。
　前記第２制御部は、
　前記書換情報の応答が、前記空気調和装置の前記制御プログラムの書き換えを不要とする旨を示す場合には、該空気調和装置に対して、前記制御プログラムの送信を前記第２通信部に行わせない、請求項１～請求項１０のいずれか一項に記載の空調サービスシステム。
　前記第２制御部は、
　前記書換情報の応答が、前記空気調和装置の前記制御プログラムの書き換えを不要とする旨を示す場合には、該応答の内容を前記第２記憶部に記憶する、請求項１～請求項１１のいずれか一項に記載の空調サービスシステム。
　前記第２制御部は、
　前記第２通信部が、前記空気調和装置の前記制御プログラムの書き換えの要否を問う前記書換情報を送信してから予め定められた時間以内に、該書換情報の送信先の前記端末装置から該書換情報の応答を受信しなかった場合には、前記制御プログラムの該空気調和装置への送信を前記第２通信部に行わせない、請求項１～請求項１２のいずれか一項に記載の空調サービスシステム。
　前記第２制御部は、
　前記第２通信部が、前記空気調和装置の前記制御プログラムの書き換えの要否を問う前記書換情報を送信してから予め定められた時間以内に、該書換情報の送信先の前記端末装置から該書換情報の応答を受信せず、且つ、前記第２記憶部が、前記空気調和装置の他の客先を示す前記客先識別情報を記憶する場合において、前記第２通信部が、該他の客先の端末装置に前記書換情報を未送信である場合には、該他の客先の端末装置に前記書換情報を送信するよう前記第２通信部を制御する、請求項１３に記載の空調サービスシステム。
　前記第２制御部は、
　前記第２通信部が、前記空気調和装置の前記制御プログラムの書き換えの要否を問う前記書換情報を送信してから予め定められた時間以内に、該書換情報の送信先の前記端末装置から該書換情報の応答を受信しなかった場合には、前記制御プログラムの該空気調和装置への送信を前記第２通信部に行わせず、再度、該端末装置に対して前記書換情報を送信するよう前記第２通信部に制御する、請求項１～請求項１３のいずれか一項に記載の空調サービスシステム。
　前記第２制御部は、
　前記第２通信部が、前記空気調和装置の前記制御プログラムの書き換えの要否を問う前記書換情報を、予め定められた回数だけ前記端末装置へ送信した場合において、該書換情報の応答を該端末装置から一度も受信しなかった場合には、前記制御プログラムの前記空気調和装置への送信を前記第２通信部に行わせない、請求項１５に記載の空調サービスシステム。
　前記第２制御部は、
　前記第２通信部が、前記空気調和装置の前記制御プログラムの書き換えの要否を問う前記書換情報を、予め定められた回数だけ前記端末装置へ送信し、該書換情報の応答を該端末装置から一度も受信せず、且つ、前記第２記憶部が、前記空気調和装置の他の客先を示す前記客先識別情報を記憶する場合において、前記第２通信部が、該他の客先の端末装置に前記書換情報が未送信である場合には、該他の客先の端末装置に前記書換情報を送信するよう前記第２通信部を制御する、請求項１６に記載の空調サービスシステム。
　空調対象空間の空調を行う複数の空気調和装置と、該複数の空気調和装置の各々を制御するための制御プログラムを該複数の空気調和装置へ提供するサーバとを有する空調サービスシステムにより実行される空調サービス方法であって、
　前記空気調和装置が、
　前記空気調和装置の客先を示す客先識別情報が入力された場合において、該客先識別情報、前記空気調和装置の機種を示す機種情報、および、該機種に応じた前記制御プログラムの該空気調和装置におけるバージョンを示すバージョン情報を含む管理用情報を、前記サーバへ送信するステップと、
　前記サーバが、
　前記空気調和装置から受信した前記バージョン情報が示すバージョンが、前記サーバが記憶する、該空気調和装置の目標バージョン情報が示す目標のバージョンと一致するか否かを判定し、該バージョン情報が示すバージョンと該目標バージョン情報が示すバージョンとが不一致の場合には、該空気調和装置からの前記管理用情報に含まれる前記客先識別情報に基づいて、該空気調和装置の客先を特定し、該空気調和装置の前記制御プログラムの書き換えの要否を該客先に問う書換情報を該客先の端末装置に送信するステップと、
　を含む、空調サービス方法。