WO2021131357A1 - 中空粒子、組成物、部材、中空粒子の製造方法 - Google Patents

中空粒子、組成物、部材、中空粒子の製造方法 Download PDF

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Abstract

樹脂等のバインダーと混合して使用された際に、断熱性に優れ、かつ、滑り性にも優れる部材を得ることができる中空粒子、組成物、及び、部材を提供する。中空粒子は、I/O値が0~0.300である溶媒を内包し、かつ、内部に空隙を有する。

Description

中空粒子、組成物、部材、中空粒子の製造方法
 本発明は、中空粒子、組成物、部材、および、中空粒子の製造方法に関する。
 従来より、内部に空間が形成された中空粒子は、種々の分野で利用されている。
 例えば、特許文献1においては、塗膜の断熱性向上を目的として、中空粒子を含む塗料が開示されている。
特開2002-309180号公報
 一方で、近年、樹脂等のバインダーを含む部材に関して、断熱性のみならず、滑り性との両立が求められている。特に、滑り性としては、部材同士(例えば、樹脂部材同士)を接触させて離す際に、抵抗なく両者を剥離でき、剥離面の性質が変化しない特性が求められている。
 本発明者らは、特許文献1に記載されるような中空粒子を含む部材(特に、樹脂部材)の滑り性について検討したところ、更なる向上が必要であることを知見した。
 本発明は、上記実情に鑑みて、樹脂等のバインダーと混合して使用された際に、断熱性に優れ、かつ、滑り性にも優れる部材を得ることができる中空粒子を提供することを課題とする。
 また、本発明は、上記中空粒子を含む、組成物及び部材、並びに、中空粒子の製造方法を提供することも課題とする。
 本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題を解決できることを見出した。
(1) I/O値が0~0.300である溶媒を内包し、かつ、内部に空隙を有する、中空粒子。
(2) 溶媒のI/O値が0~0.100である、(1)に記載の中空粒子。
(3) 溶媒の含有量が、中空粒子全質量に対して、0.05~30.0質量%である、(1)又は(2)に記載の中空粒子。
(4) 溶媒の含有量が、中空粒子全質量に対して、0.1~10.0質量%である、(1)~(3)のいずれかに記載の中空粒子。
(5) 溶媒の沸点が、80℃以上150℃未満である、(1)~(4)のいずれかに記載の中空粒子。
(6) 溶媒が、炭化水素系溶媒である、(1)~(5)のいずれかに記載の中空粒子。
(7) 空隙率が25~95体積%である、(1)~(6)のいずれかに記載の中空粒子。
(8) 中空粒子の体積基準のメジアン径が0.5~500μmである、(1)~(7)のいずれかに記載の中空粒子。
(9) 単孔構造を有し、
 中空粒子の体積基準のメジアン径に対する、中空粒子の壁部の厚みの比が1/100~1/3である、(1)~(8)のいずれかに記載の中空粒子。
(10) 中空粒子の壁部が、ポリウレア、ポリウレタンウレア、及び、ポリウレタンからなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含む、(1)~(9)のいずれかに記載の中空粒子。
(11) 中空粒子の壁部のガラス転移温度が、100~250℃である、(1)~(10)のいずれかに記載の中空粒子。
(12) (1)~(11)のいずれかに記載の中空粒子と、バインダーとを含む、組成物。
(13) (1)~(11)のいずれかに記載の中空粒子と、バインダーとを含む、部材。
(14) (1)~(11)のいずれかに記載の中空粒子の製造方法であって、
 I/O値が0~0.300である溶媒、及び、中空粒子の壁材を混合する工程を有する、中空粒子の製造方法。
 本発明によれば、樹脂等のバインダーと混合して使用された際に、断熱性に優れ、かつ、滑り性にも優れる部材を得ることができる中空粒子を提供できる。
 また、本発明によれば、上記中空粒子を含む、組成物及び部材、並びに、中空粒子の製造方法を提供できる。
 以下、本発明について詳細に説明する。
 なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
 また、本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
 後述する各種成分は、1種単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。例えば、後述する特定溶媒は、1種単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
 本明細書において、(メタ)アクリレートはアクリレート及びメタクリレートを表し、(メタ)アクリルはアクリル及びメタクリルを表す。
 本明細書において、「壁部」は、中空粒子を形づくる外殻を指し、「コア」は、壁部により形成された部分を指す。
 また、本明細書において、壁部を形成するための材料を「壁材」という。
 また、「内包」とは、目的物が中空粒子の壁部に覆われて閉じ込められている状態を指す。
 本発明の中空粒子の特徴点としては、I/O値が0~0.3である溶媒を内包し、かつ、内部に空隙を有する点が挙げられる。まず、中空粒子が、その内部にI/O値が0~0.3である溶媒を有することにより、中空粒子が部材中に含まれる際に、中空粒子内部の上記溶媒が中空粒子からしみだして、部材表面の滑り性を向上させていると考えられる。また、中空粒子は、その内部に空隙を有するため、断熱性にも優れる。
 つまり、本発明の中空粒子は、その内部に、溶媒と、溶媒が存在しない領域(空隙)とを有するため、所定の効果を奏することができる。
<中空粒子>
 本発明の中空粒子は、I/O値が0~0.300である溶媒を内包し、かつ、内部に空隙を有する。
 まず、本発明の中空粒子は、中空粒子を形づくる外殻である壁部を有する。また、壁部により形成されたコアは、I/O値が0~0.300である溶媒(以下、単に「特定溶媒」ともいう。)を含み、かつ、空隙を含む。つまり、中空粒子の壁部により形成された空間の一部が空隙として残るように、特定溶媒が中空粒子に内包される。言い換えれば、本発明の中空粒子は、壁部と、壁部により覆われて形成された空間の一部を占める特定溶媒とを有する。つまり、中空粒子は、その内部に特定溶媒で占められた領域と、特定溶媒で占められていない領域とを有する。
 中空粒子の形状は特に制限されず、用途及び目的等に応じて適宜選択でき、例えば、球状、棒状、及び、板状のいずれでもよい。中でも、粒子形状は、球状であることが好ましく、真球状であることがより好ましい。
 中空粒子の形状は、粒子表面を走査型電子顕微鏡(例えば、日本電子株式会社製のJSM-7800F)により確認できる。
 特定溶媒のI/O値は0~0.300であればよく、滑り性がより優れる点で、0~0.100が好ましい。
 ここで、「I/O値」は、有機化合物のいろいろな物理化学的な性状を予測するための一手段として用いられる。有機性は炭素数の大小の比較で、無機性は炭素同数の炭化水素の沸点の比較で大小が得られる。例えば、(-CH2-)単位1個を有機性値20と決め、無機性は水酸基(-OH)が沸点へ及ぼす影響力から、その無機性値を100と決めたものである。この水酸基(-OH)の無機性値100を基準にして他の置換基(無機性基)の値を求めたものが、“無機性基表”として示されている。この無機性基表に従い、各分子に対して得られた無機性値(I)と有機性値(O)の比I/Oを「I/O値」と定義している。I/O値が大きくなるにつれて親水性が増し、I/O値が小さくなるにつれて疎水性が強くなることを示している。
 本発明において、「I/O値」は、“甲田善生ら著、「新版:有機概念図―基礎と応用」、2008年11月、三共出版”に記載された方法によって求めた「無機性(I)/有機性(O)」値である。
 特定溶媒の沸点は特に制限されないが、断熱性及び滑り性の少なくとも一方がより優れる点(以下、単に「本発明の効果がより優れる点」ともいう。)で、80℃以上150℃未満が好ましく、90~105℃がより好ましい。
 上記沸点は、1気圧下における沸点を意図する。
 特定溶媒としては、上記I/O値を満たす溶媒であれば特に制限されず、例えば、炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、及び、ハロゲン系溶媒が挙げられる。なかでも、本発明の効果がより優れる点で、炭化水素系溶媒が好ましい。
 炭化水素系溶媒に含まれる炭素原子の数(炭素数)は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、6~10が好ましく、7~8がより好ましい。
 炭化水素系溶媒は、脂肪族炭化水素系溶媒であってもよいし、芳香族炭化水素系溶媒であってもよい。なかでも、本発明の効果がより優れる点で、脂肪族炭化水素系溶媒が好ましい。
 脂肪族炭化水素系溶媒は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよいし、環状であってもよい。脂肪族炭化水素系溶媒は、飽和脂肪族炭化水素系溶媒であってもよいし、不飽和脂肪族炭化水素系溶媒であってもよい。
 脂肪族炭化水素系溶媒としては、ヘプタン、トリメチルペンタン、オクタン、シクロヘキサン、及び、メチルシクロヘキサンが挙げられる。
 芳香族炭化水素系溶媒としては、トルエンが挙げられる。
 中空粒子中における特定溶媒の含有量は特に制限されないが、50質量%以下の場合が多く、本発明の効果がより優れる点で、中空粒子全質量に対して、0.05~30.0質量%が好ましく、0.1~10.0質量%がより好ましく、0.2~5.0%がより好ましい。
 特定溶媒の含有量の算出方法としては、まず、中空粒子10mgをメタノールとテトラヒドロフランの混合溶液(メタノール/テトラヒドロフラン=50/50(体積%)、5ml)に24時間浸漬させ、得られた溶液をフィルターろ過して、得られたろ液を用いてガスクロマトグラフィーで特定溶媒の質量を定量する。次に、定量された特定溶媒の質量を用いて、特定溶媒の含有量{特定溶媒の質量/(中空粒子の質量)×100}を算出する。
 中空粒子の空隙率は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、25~95体積%が好ましく、58~90体積%がより好ましく、58~80体積%が更に好ましい。上記空隙率とは、中空粒子全体積に対する、空隙の体積の割合(体積%)を意味する。
 中空粒子の空隙率は、X線CT(X-ray Computed Tomography)法を測定原理とする公知のX線CT装置によって得られる画像データに基づいて算出される。具体的には、PVA-217E(株式会社クラレ製、ポリビニルアルコール(PVA))の5質量%水溶液を接着剤としてコーティングしたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに中空粒子を付着させたシートの面内方向の1mm×1mmの任意の領域について、X線CT法によって上記シートの膜厚方向に沿ってスキャニングして、中空粒子中の気体(空気)と、中空粒子中のそれ以外(固体及び液体)とを区別する。そして、膜厚方向に沿ってスキャニングして得られた複数のスキャニング層を画像処理して得られた3次元画像データから、中空粒子に存在する気体(空隙部分)の体積と、粒子の全体積(気体、固体及び液体の合計体積)と、を求める。そして、中空粒子の全体積に対する、気体(空隙)の体積の割合を、中空粒子の空隙率(体積%)とする。
 中空粒子の壁部を構成する材料は特に制限されず、例えば、ポリマーが挙げられ、より具体的には、ラジカル重合体、ウレタン結合及び/又はウレア結合を有する樹脂、ポリアミド、並びに、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂が挙げられる。
 以下、上記材料について詳しく説明する。
 ラジカル重合体は、ラジカル重合可能な重合性二重結合(エチレン性不飽和基)を有するモノマーのラジカル重合によって形成される樹脂である。
 ラジカル重合体の由来となるモノマー(ラジカル重合性モノマー)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、(メタ)アクリル酸ハライド類、及び、スチレン類からなる群から選択されるラジカル重合性モノマーが挙げられる。
 (メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、(メタ)アクリル酸ハライド類、及び、スチレン類は、それぞれ独立に、多官能であってもよく、多官能以外(単官能)であってもよい。
 ラジカル重合性モノマーの具体例としては、例えば、以下のモノマーが挙げられる。
 重合性二重結合を1つ有するラジカル重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸1-ヒドロキシ-2-プロピル、(メタ)アクリル酸2,3-ジヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、及び、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸エステル類;アクリルアミド、メタクリルアミド、及び、N,N-ジメチルアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;(メタ)アクリル酸クロライド等のアクリル酸ハライド;スチレン、ヒドロキシスチレン、及び、ジヒドロキシスチレン等のスチレン類が挙げられる。
 重合性二重結合を2つ以上有するラジカル重合性モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、及び、1,9-ノナンジオールジ(メタ)メタクリレート等の(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
 ラジカル重合性モノマーは多官能のラジカル重合性モノマー(重合性二重結合を2つ以上有するラジカル重合性モノマー)を含むことが好ましい。すなわち、ラジカル重合体が、多官能のラジカル重合性モノマーに由来する繰り返し単位を有することが好ましい。
 多官能のラジカル重合性モノマーとしては、2以上(好ましくは2~9、より好ましくは2~3)の重合性二重結合を有するラジカル重合性モノマーが好ましい。
 ラジカル重合体中、多官能のラジカル重合性モノマーに由来する繰り返し単位の含有量は、樹脂の全質量に対して、10質量%以上が好ましく、20~98質量%がより好ましく、20~80質量%が更に好ましい。
 ウレタン結合及び/又はウレア結合を有する樹脂としては、例えば、ポリウレタン、ポリウレア、及び、ポリウレタンウレアが挙げられる。
 ここで、ポリウレタンとはウレタン結合を複数有するポリマーであり、ポリオールとポリイソシアネートとの反応生成物が好ましい。
 ポリウレアとはウレア結合を複数有するポリマーであり、ポリアミンとポリイソシアネートとの反応生成物が好ましい。
 ポリウレタンウレアとはウレタン結合及びウレア結合を有するポリマーであり、ポリオールと、ポリアミンと、ポリイソシアネートとの反応生成物が好ましい。なお、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させてポリウレタンを生成する際に、ポリイソシアネートの一部が水と反応してポリアミンとなり、結果的にポリウレタンウレアが得られることがある。
 上記のように、ポリウレタン、ポリウレア及びポリウレタンウレアは、ポリイソシアネートを用いて形成されることが好ましい。
 ポリイソシアネートとは、2つ以上のイソシアネート基を有する化合物であり、芳香族ポリイソシアネート、及び、脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。
 芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、ナフタレン-1,4-ジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、3,3’-ジメトキシ-ビフェニルジイソシアネート、3,3’-ジメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、キシリレン-1,4-ジイソシアネート、キシリレン-1,3-ジイソシアネート、4-クロロキシリレン-1,3-ジイソシアネート、2-メチルキシリレン-1,3-ジイソシアネート、4,4’-ジフェニルプロパンジイソシアネート、及び、4,4’-ジフェニルヘキサフルオロプロパンジイソシアネートが挙げられる。
 脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレン-1,2-ジイソシアネート、ブチレン-1,2-ジイソシアネート、シクロヘキシレン-1,2-ジイソシアネート、シクロヘキシレン-1,3-ジイソシアネート、シクロヘキシレン-1,4-ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、1,4-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、及び、水素化キシリレンジイソシアネートが挙げられる。
 なお、上記では2官能の芳香族ポリイソシアネート及び脂肪族ポリイソシアネートを例示したが、ポリイソシアネートとしては、3官能以上のポリイソシアネート(例えば、3官能のトリイソシアネート、及び、4官能のテトライソシアネート)も挙げられる。
 より具体的には、ポリイソシアネートとしては、上記の2官能のポリイソシアネートの3量体であるビューレット体又はイソシアヌレート体、トリメチロールプロパン等のポリオールと2官能のポリイソシアネートとの付加体、ベンゼンイソシアネートのホルマリン縮合物、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート等の重合性基を有するポリイソシアネート、及び、リジントリイソシアネートも挙げられる。
 ポリイソシアネートについては「ポリウレタン樹脂ハンドブック」(岩田敬治編、日刊工業新聞社発行(1987))に記載されている。
 ポリオールとは、2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物であり、例えば、低分子ポリオール(例:脂肪族ポリオール、芳香族ポリオール)、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリラクトン系ポリオール、ヒマシ油系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、及び、水酸基含有アミン系化合物が挙げられる。
 なお、低分子ポリオールとは、分子量が300以下のポリオールを意味し、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、及び、プロピレングリコール等の2官能の低分子ポリオール、並びに、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、及び、ソルビトール等の3官能以上の低分子ポリオールが挙げられる。
 なお、水酸基含有アミン系化合物としては、例えば、アミノ化合物のオキシアルキル化誘導体等として、アミノアルコールが挙げられる。アミノアルコールとしては、例えば、エチレンジアミン等のアミノ化合物のプロピレンオキサイド又はエチレンオキサイド付加物である、N,N,N’,N’-テトラキス[2-ヒドロキシプロピル]エチレンジアミン、及び、N,N,N’,N’-テトラキス[2-ヒドロキシエチル]エチレンジアミン等が挙げられる。
 ポリアミンとは、2つ以上のアミノ基(第1級アミノ基又は第2級アミノ基)を有する化合物であり、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、1,3-プロピレンジアミン、及び、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族多価アミン;ポリアルキレンイミン(好ましくは、ポリエチレンイミン);脂肪族多価アミンのエポキシ化合物付加物;ピペラジン等の脂環式多価アミン;3,9-ビス-アミノプロピル-2,4,8,10-テトラオキサスピロ-(5,5)ウンデカン等の複素環式ジアミンが挙げられる。
 ポリアルキレンイミンは、アミンとアルキレン基とからなる繰り返し単位を有するポリマーであり、アミンとエチレン基とからなる繰り返し単位を有するポリエチレンイミンが好ましい。
 ポリアミドとしては、例えば、脂肪族ポリアミド及び芳香族ポリアミドが挙げられる。
 ポリアミドは、例えば、ポリアミン(ジアミン等)と、ポリカルボン酸(ジカルボン酸等)及び/又はポリカルボン酸ハライド(ジカルボン酸ハライド等)とが重合してなる樹脂であることが好ましい。
 なお、ポリカルボン酸ハライドとしては、例えば、ポリカルボン酸クロライド(ジカルボン酸クロライド等)が挙げられる。
 ポリカルボン酸は、カルボン酸基同士が脱水縮合したカルボン酸無水物となっていてもよい。
 ポリアミドは、樹脂の全質量の50質量%超(好ましくは75~100質量%、より好ましくは90~100質量%)が、アミド結合で結合した、ポリアミン、ポリカルボン酸、及び、ポリカルボン酸ハライドに由来する繰り返し単位であることが好ましい。
 ポリアミドでの繰り返し単位の由来となるポリアミンは、ジアミンが好ましい。ポリアミンとしては、例えば、脂肪族ポリアミン、脂環族ポリアミン、及び、芳香族ポリアミンが挙げられる。ジアミンとしては、例えば、脂肪族ジアミン、脂環族ジアミン、及び、芳香族ジアミンが挙げられる。
 脂肪族ジアミン又は脂環族ジアミンとしては、例えば、下記一般式(A)で表されるジアミンを使用できる。なお、下記式中のR1は、Cn2n(n=1~12)で表される脂肪族又は脂環族のアルキレン基を表している。
  H2N-R1-NH2・・・(A)
 芳香族ジアミンとしては、例えば、キシリレンジアミン、及び、メタキシリレンジアミンが挙げられる。
 ポリアミドの繰り返し単位の由来となるポリカルボン酸は、ジカルボン酸であることが好ましい。
 ジカルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、及び、芳香族ジカルボン酸が挙げられる。
 脂肪族ジカルボン酸又は脂環族ジカルボン酸としては、例えば、下記一般式(B)で表されるジカルボン酸を使用できる。なお、下記式中のR2は、Cn2n(n=4~25)で表される脂肪族又は脂環族のアルキレン基を表している。
  HOOC-R2-COOH・・・(B)
 脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸が挙げられる。
 芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、メチルテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、及び、イソフタル酸が挙げられる。
 芳香族ジカルボン酸としては、例えば、高温においても優れた特性を発揮させ得る点から、テレフタル酸又はイソフタル酸が好ましい。
 ポリアミドである樹脂の繰り返し単位の由来となるポリカルボン酸ハライド(ポリカルボン酸クロライド等)は、ジカルボン酸ハライド(ジカルボン酸クロライド等)であることが好ましい。
 ジカルボン酸ハライドとしては、例えば、上記のジカルボン酸におけるカルボキシル基(-COOH)を、カルボン酸ハロゲン化物基(-COX、Xはハロゲン原子を表し、塩素原子が好ましい)に代えた化合物が挙げられる。
 本発明の効果がより優れる点で、壁部は、ポリウレア、ポリウレタンウレア、及び、ポリウレタンからなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含むことが好ましい。
 壁部のガラス転移温度は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、100~250℃が好ましく、150~220℃がより好ましい。
 上記壁部のガラス転移温度の測定方法としては、以下の通りである。
 測定材料のガラス転移温度を、示差走査熱量計DSC(装置名:DSC-60A Plus、(株)島津製作所)を用いて、密閉パンを使用し、昇温速度5℃/minで25℃~(熱分解温度(℃)-5℃)の範囲で測定する。壁部のガラス転移温度としては、2サイクル目の昇温時の値を使用する。
 中空粒子の体積基準のメジアン径は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、0.5~500μmが好ましく、5~250μmがより好ましく、10~150μmが更に好ましい。
 ここで、中空粒子の体積基準のメジアン径とは、粒径を閾値として中空粒子全体を2つに分けた場合に、大径側と小径側での粒子の数の合計が等量となる粒径(大きい側と小さい側が等量となる径)をいう。中空粒子の体積基準のメジアン径は、LA-920(堀場製作所)を用いてレーザー回折・散乱法により測定される。
 中空粒子は、単孔構造(単核構造)を有していても、多孔構造(多核構造)を有していてもよい。なかでも、本発明の効果がより優れる点で、中空粒子は、単孔構造を有することが好ましい。
 なお、本明細書において、「単孔構造」とは、壁部によって形成されるコアが、ただ1つの閉じた空間を有する構造のことをいい、「多孔構造」とは、壁部によって形成されるコアが複数に区画され、区画された部分に空間を有する構造をいう。
 中空粒子が単孔構造を有する場合、中空粒子の体積基準のメジアン径に対する、中空粒子の壁部の厚みの比(中空粒子の壁部の厚み/中空粒子の体積基準のメジアン径)は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、1/100~1/3が好ましい。
 中空粒子の壁部の厚さ(壁厚)は、特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、0.1~50μmが好ましく、0.5~20μmがより好ましく、1~10μmが更に好ましい。
 壁厚は、20個の中空粒子の個々の壁厚(μm)を走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)により求めて平均した平均値をいう。
 具体的には、以下の方法で求められる。まず、中空粒子が分散した液を任意の支持体上に塗布し、乾燥させて塗布膜を形成する。得られた塗布膜の断面切片を作製し、その断面をSEMにより100~5000倍にて観察し、「(中空粒子の体積基準のメジアン径の値)×0.9~(中空粒子の体積基準のメジアン径の値)×1.1」の範囲の粒径を有する任意の100個の中空粒子を選択の上、選択した個々の中空粒子の断面を観察して壁部の厚みを求めて、最小値から20個の数値を算術平均することにより、中空粒子の数平均壁厚(μm)が求められる。
<中空粒子の製造方法>
 中空粒子の製造方法は特に制限されず、例えば、界面重合法、内部重合法、相分離法、外部重合法、及び、コアセルベーション法等の公知の方法が挙げられる。なかでも、界面重合法が好ましい。
 なお、中空粒子の製造方法は、I/O値が0~0.300である溶媒、及び、中空粒子の壁材を混合する工程を有することが好ましい。
 また、必要に応じて、上記工程にて得られた内部に上記溶媒が含まれる粒子から、内包される溶媒を一部除去して、中空粒子を得る工程を実施してもよい。
 以下において、一例として、ポリイソシアネート化合物を用いた界面重合法について説明する。
 中空粒子の製造方法としては、水相に、少なくともポリイソシアネート化合物と特定溶媒とを含む油相を分散させて分散液を調製する工程(以下、分散工程)と、分散液を加熱処理することで、少なくともポリイソシアネート化合物を重合反応させて壁部を形成し、特定溶媒を内包する粒子を得る工程(以下、粒子化工程)と、加熱処理により粒子から特定溶媒を一部除去することで、中空粒子を形成する工程(以下、中空粒子形成工程)と、を有する中空粒子の製造方法が好ましい。
 以下、各工程について詳述する。
(分散工程)
 分散工程では、水相に、ポリイソシアネート化合物と、特定溶媒と、を含む油相を分散させて分散液を調製する。
 分散液として、乳化剤を用いて乳化した乳化液を調製してもよい。乳化液を調製する場合、特定溶媒と壁材であるポリイソシアネート化合物とを少なくとも含む油相を、乳化剤を含む水相に分散させることにより調製できる。
 油相は、少なくとも、壁材であるポリイソシアネート化合物と、特定溶媒と、を含み、ポリオール及びポリアミンの少なくとも一方を含んでもよい。また、必要に応じて、油相には、更に、補助溶媒及び添加剤等の他の成分が含まれてもよい。
 水相は、少なくとも水系溶媒を含むことが好ましく、少なくとも水系溶媒及び乳化剤を含むことがより好ましい。
 水系媒体としては、水、並びに、水及びアルコールの混合溶媒が挙げられ、イオン交換水を用いることができる。
 乳化剤には、分散剤もしくは界面活性剤、又は、これらの組み合わせが含まれる。
 分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール及びその変性物(例えば、アニオン変性ポリビニルアルコール)、ポリアクリル酸アミド及びその誘導体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体、エチレン-無水マレイン酸共重合体、イソブチレン-無水マレイン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、エチレン-アクリル酸共重合体、酢酸ビニル-アクリル酸共重合体、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、澱粉誘導体、アラビアゴム、並びに、アルギン酸ナトリウムが挙げられ、ポリビニルアルコールが好ましい。
 界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、及び、両性界面活性剤が挙げられる。
 乳化剤の濃度は、乳化液の全質量に対して、0質量%超20質量%以下が好ましく、0.005~10質量%がより好ましく、0.01~10質量%が更に好ましく、0.3~3質量%が特に好ましい。
 水相は、必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、及び、防腐剤等の他の成分を含んでいてもよい。
 分散は、油相を油滴として水相に分散させることをいい、水相に乳化剤(例えば、界面活性剤)を含めて乳化させることも含まれる。
 分散は、油相と水相との分散に通常用いられる手段、例えば、ホモジナイザー、マントンゴーリー、超音波分散機、ディゾルバー、ケディーミル、又はその他の公知の分散装置を用いて行うことができる。
 水相に対する油相の混合比率(油相/水相;質量基準)としては、0.05~1.2が好ましく、0.1~0.7がより好ましい。
(粒子化工程)
 粒子化工程では、分散工程で得た分散液を加熱処理することで、少なくとも上記のポリイソシアネート化合物を重合反応させて壁部を形成し、特定溶媒を内包する粒子を得る。
 上記加熱処理により、分散液中における油水界面にてポリイソシアネート化合物が重合反応して壁部が形成され、コア成分として特定溶媒が内包される。
 本工程では、少なくともポリイソシアネート化合物を重合反応させる。重合は、分散液中の油相に含まれる壁材を水相との界面で重合させることにより行われる。これにより、壁部(シェル)が形成される。この際、油相を内包する粒子が水相中に分散された分散液が調製される。
 壁部の形成にあたっては、分散液に加熱処理を施す。加熱処理する際の温度は、通常は40~100℃が好ましく、50~90℃がより好ましい。
 また、加熱時間は、0.5~10時間が好ましく、1~5時間がより好ましい。
 重合中に粒子同士の凝集を防止するため、水性溶液(例えば、水、酢酸水溶液等)を更に加えて粒子同士の衝突確率を下げることが好ましく、充分な攪拌を行うことも好ましい。重合中にあらためて凝集防止用の分散剤を添加してもよい。
 更に、必要に応じて、ニグロシン等の荷電調節剤、又はその他任意の補助剤を添加することができる。補助剤は、壁部の形成時又は任意の時点で添加できる。
(中空粒子形成工程)
 中空粒子形成工程では、粒子化工程での壁部の形成終了後に、更に加熱処理を行い、粒子化工程で形成された粒子から特定溶媒を一部除去する。これにより、特定溶媒を内包し、かつ、空隙を有する中空粒子が得られる。
 粒子に対して加熱処理を施す際には、まず、粒子化工程で調製された分散液中の水系媒体を予め除いた後、粒子に対して加熱処理を施すことが好ましい。
 具体的には、分散液に対してろ過処理を施して水系媒体を粒子から分離して粉体化し、得られた粉体に対して加熱処理を行うことが好ましい。これにより、分散液から取り出された、特定溶媒を内包する粒子(即ち、中空粒子の前駆体粒子)が加熱され、粒子に内包されている特定溶媒の一部が粒子の壁部を通じて効率良く外部へ放出される。これにより、内部中空の粒子を形成することができる。
 なお、分散液から粒子を分離して粉体化する際には、スプレードライヤーは使用しないことが好ましい。
 加熱処理する際の加熱温度は、特定溶媒の種類に応じて最適な温度が選択される。
 なかでも、中空粒子の製造がしやすい点で、加熱温度としては80~210℃が好ましく、120~170℃がより好ましい。
 加熱処理する際の加熱温度は、特定溶媒の種類に応じて最適な時間が選択される。
 なかでも、中空粒子の製造がしやすい点で、加熱時間としては1~24時間が好ましく、3~12時間がより好ましい。
 加熱処理は、減圧条件下(例えば、真空条件下)にて実施してもよい。減圧の条件としては、20Torr以下が好ましい。
 加熱処理は、公知の加熱器を用いて行うことができ、例えば、温風器(ドライヤー)、オーブン、及び、赤外線ヒーター等を用いることができる。
 また、市販の紛体乾燥機(例:中央化工機株式会社 振動乾燥機、大川原製作所 円錐型リボン混合/乾燥装置等)も用いることができる。
<組成物、部材>
 本発明の中空粒子は、バインダーと組み合わせて用いることができる。本発明の中空粒子を含む部材は、耐熱性と滑り性とを両立できる。
 中空粒子と組み合わせることができるバインダーの種類は特に制限されず、有機物であってもよいし、無機物であってもよい。有機物としては、樹脂が好ましい。
 樹脂の種類は特に制限されず、公知の樹脂が挙げられる。樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、及び、硬化性樹脂(熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂)が挙げられる。
 熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリスルホン系樹脂、フッ素系樹脂、及び、塩化ビニル系樹脂が挙げられる。
 熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、及び、ポリウレタン系樹脂が挙げられる。
 光硬化性樹脂としては、例えば、光硬化性ポリエステル系樹脂、及び、光硬化性(メタ)アクリル系樹脂が挙げられる。
 なお、樹脂と中空粒子との密着性がより優れる点で、中空粒子と組み合わせる樹脂としては、中空粒子の壁部に含まれる樹脂と同種の樹脂が好ましい。具体的には、中空粒子の壁部に含まれる樹脂がポリウレタン系樹脂である場合、中空粒子と組み合わせる樹脂としてはポリウレタン系樹脂が好ましい。
 バインダーとしては、樹脂以外に、セラミック原料、コンクリート、モルタル、及び、セメントが挙げられる。
 本発明の組成物は、上記中空粒子とバインダーとを含む。
 本発明の組成物中における、上記中空粒子とバインダーとの混合比は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、バインダー全質量に対する、中空粒子の全質量の割合は、0.01~40質量%が好ましく、0.5~20質量%がより好ましい。
 本発明の組成物は、上述した中空粒子及びバインダー以外の他の成分を含んでいてもよい。
 他の成分としては、例えば、溶媒、界面活性剤、安定剤(熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤等)、グロス調整剤、充填剤、分散剤、カップリング剤、粘着付与剤、帯電防止剤、着色剤、難燃剤、及び、潤滑剤が挙げられる。
 本発明の組成物の製造方法は特に制限されず、公知の方法が挙げられる。例えば、中空粒子と、バインダーと、必要に応じて用いられる他の成分とを、攪拌処理等を実施して混合して、組成物を製造できる。
 本発明の組成物は、種々の用途に適用できる。
 例えば、後述する部材を製造するために用いられる。
 後述する部材を作製する際には、例えば、中空粒子、バインダー、及び、溶媒を含む組成物を塗布して必要に応じて乾燥処理を実施する方法、又は、中空粒子をバインダーに練りこんで成型する方法により、所定の形状の部材を作製できる。
 なお、バインダーが硬化性樹脂である場合、例えば、中空粒子、硬化性樹脂、及び、溶媒を含む組成物を塗布して形成された塗膜、又は、中空粒子を硬化性樹脂に練りこんで成型した成型物に、硬化処理(熱硬化処理及び/又は光硬化処理)を実施してもよい。
 本発明の部材は、中空粒子とバインダーとを含む部材である。中空粒子及びバインダーの説明は、上述した通りである。なお、上記部材としては、中空粒子及び樹脂を含む樹脂部材が好ましい。
 本発明の部材の形状は特に制限されず、所望する特定の形状が挙げられる。具体的には、平板状、曲板状、棒状、筒状、及び、塊状が挙げられる。なお、平板状としては、フィルム状及びシート状が含まれる。フィルム状とは厚さが250μm未満の膜状を意味し、シート状とは厚さ250μm以上の薄い板状を意味する。
 本発明の部材の表面の形状は特に制限されず、単一の平面及び曲面に限定されず、段状部、凹部、及び、凸部等の各種の形状を有していてもよい。
 本発明の部材が平板状である場合、部材の厚みは特に制限されず、1μm以上の場合が多く、本発明の効果がより優れる点で、部材の厚みは50μm以上が好ましく、100μm以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、薄膜化の点からは、1000μm以下が好ましく、500μm以下がより好ましい。
 本発明の部材の製造方法は特に制限されず、公知の方法が挙げられる。例えば、上述したように、溶媒を含む本発明の組成物を用いる方法が挙げられる。
 本発明の組成物及び部材は、種々の用途に適用できる。例えば、断熱性及び滑り性のみならず、低屈折率、低誘電率、軽量、断熱性、高電気抵抗、吸音性、及び、切削性のいずれかが求められる用途にも適用できる。
 本発明の組成物は、塗料、及び、造形物の原料として用いることができる。
 例えば、本発明の部材(好ましくは、樹脂部材)は、半導体研磨パッド、コーティング用支持体、断熱シート、断熱材、光拡散シート、吸音材、電気絶縁部材、及び、摩擦材等に用いることができる。
 本発明の組成物及び部材は、上述した用途以外にも、パソコン等のモバイル機器用途、船舶用途、輸送車用途、及び、航空宇宙用途等にも適用できる。
 また、本発明の組成物及び部材において、中空粒子は造孔材としても機能し得る。つまり、中空粒子自体をそのまま残す、又は、中空粒子を熱分解により除去することにより、成形物中に気孔を形成できる。そのため、本発明の組成物及び部材は、セラミックスフィルター、土木用コンクリート、セラミックス人工骨、衝撃吸収フィルム等にも適用できる。
 また、本発明の部材は、他の材料と組み合わせて用いてもよい。
 例えば、本発明の樹脂部材は断熱性に優れる点から、本発明の樹脂部材と感熱記録層とを隣接して配置して得られる積層体においては、感熱記録層表面側からサーマルヘッドを近づけた際に、サーマルヘッドからの熱が樹脂部材を通りにくいため、感熱記録層に熱がとどまりやすくなり、記録性能が向上する。
 以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその趣旨を越えない限り、以下の実施例に制限されるものではない。
<実施例1>
 酢酸エチル(50質量部)、ヘプタン(50質量部)と、壁材として芳香族ポリイソシアネートであるバーノック(登録商標)D-750(DIC株式会社製、トリレンジイソシアネートトリメチロールプロパンアダクト体;多官能イソシアネート化合物)(43質量部)と、アデカポリエーテルEPD-300(株式会社ADEKA社製、N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン;ポリエーテルポリオール)(0.4質量部)と、を撹拌混合して油相を得た。
 次に、クラレポバール(登録商標)KL-318(株式会社クラレ製、ポリビニルアルコール(PVA);乳化剤)の1質量%水溶液を用意した。この水溶液(500質量部)に油相を加えて、1000rpm(revolutions per minute)の回転数で4分間乳化分散して乳化液(エマルション分散液)を調製した(分散工程)。乳化分散後、調製した乳化液を70℃まで加温することにより油水界面で芳香族ポリイソシアネートを重合反応させて壁部(シェル)を形成し、マイクロカプセルの水分散液を得た(粒子化工程)。得られた水分散液中のマイクロカプセルの体積基準のメジアン径(D50)は、98μmであった。
 続いて、上記で得られたマイクロカプセルの水分散液をナイロンメッシュでろ過することにより脱水し、更に160℃の真空ドライオーブン内で8時間加熱処理を行い、中空粒子を形成した(中空粒子形成工程)。得られた中空粒子にはヘプタンが内包されるとともに、中空粒子の内部には空隙があった。
 中空粒子の体積基準のメジアン径(D50)が98μmであった。
 また、中空粒子の壁部のガラス転移温度(Tg)を示差走査熱量計(DSC-60A、(株)島津製作所製)を用いて、上述した方法にて測定したところ、210℃であった。
 なお、中空粒子に内包されるヘプタンの測定方法としては、以下の通りである。
 得られた中空粒子10mgをメタノールとテトラヒドロフランの混合溶液(メタノール/テトラヒドロフラン=50/50(体積%)、5ml)に24時間浸漬させ、得られた溶液をフィルターろ過して、得られたろ液を用いてガスクロマトグラフィーで中空粒子内に内包されるヘプタンの質量を定量した。
 また、得られた中空粒子の断面観察図における、中空粒子の全面積のうち、中空粒子の全面積から中空粒子の壁部の面積を除して得られる面積の割合を、上述した方法に従って、測定した。
<実施例2>
 ヘプタンをトリメチルペンタンに変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、中空粒子を製造した。
<実施例3>
 ヘプタンをn-オクタンに変更し、「160℃の真空ドライオーブン内で8時間加熱処理」を「180℃の真空ドライオーブン内で8時間加熱処理」に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、中空粒子を製造した。
<実施例4>
 ヘプタンをトルエンに変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、中空粒子を製造した。
<実施例5>
 ヘプタンをシクロヘキサンに変更し、「160℃の真空ドライオーブン内で8時間加熱処理」を「160℃の真空ドライオーブン内で4時間加熱処理」に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、中空粒子を製造した。
<実施例6>
 ヘプタンをメチルシクロヘキサン変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、中空粒子を製造した。
<実施例7>
 「160℃の真空ドライオーブン内で8時間加熱処理」を「160℃の真空ドライオーブン内で3時間加熱処理」に変更した以外は、実施例2と同様の手順に従って、中空粒子を製造した。
<実施例8>
 分散工程の回転数を1000rpmから2000rpmに変更し、「160℃の真空ドライオーブン内で8時間加熱処理」を「180℃の真空ドライオーブン内で24時間加熱処理」に変更し、バーノック(登録商標)D-750(DIC株式会社製、トリレンジイソシアネートトリメチロールプロパンアダクト体;多官能イソシアネート化合物)を86質量部添加した以外は、実施例2と同様の手順に従って、中空粒子を製造した。
<実施例9>
 分散工程の回転数を1000rpmから2000rpmに変更した以外は、実施例2と同様の手順に従って、中空粒子を製造した。
<実施例10>
 「160℃の真空ドライオーブン内で8時間加熱処理」を「160℃の真空ドライオーブン内で1時間加熱処理」に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、中空粒子を製造した。
<比較例1>
 「160℃の真空ドライオーブン内で8時間加熱処理」を「180℃の真空ドライオーブン内で72時間加熱処理」に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、中空粒子を製造した。
<比較例2>
 ヘプタンを酪酸エチルに変更し、「160℃の真空ドライオーブン内で8時間加熱処理」を「160℃の真空ドライオーブン内で4時間加熱処理」に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、中空粒子を製造した。
<比較例3>
 「160℃の真空ドライオーブン内で8時間加熱処理」を「100℃の真空ドライオーブン内で2時間加熱処理」に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、中空粒子を製造した。
 なお、実施例1~10にて得られた中空粒子においては、その内部に空隙があることが確認された。なお、比較例3にて得られた中空粒子においては、その内部に空隙がなかった。
 また、上記実施例1~10、及び、比較例1~3において、加熱の際の真空ドライオーブン内の気圧は、いずれも20Torr以下の条件であった。
<評価>
(滑り性評価(その1))
 実施例1で得られた中空粒子(10質量部)と、レジンキャストEX(ウェーブ社製)のA液(45質量部)及びB液(45質量部)とを混合して、得られた混合液を型に入れて、厚み200μmの樹脂フィルム1を作製した。
 実施例1で得られた中空粒子の代わりに、実施例2~7、9~10、比較例1~3で得られた中空粒子をそれぞれ用いて、上記と同様の手順に従って、樹脂フィルム2~7、9~10、及び、樹脂フィルムC1~C3を得た。
 次に、得られた樹脂フィルム1から縦5cm×横5cmの試料フィルムを切り出して、得られた試料フィルム2枚を重ね合わせて、得られた積層体上に1kgの重りを載せた。
 次に、積層体上に重りを載せた状態のまま、積層体を温度45℃、湿度75%の恒温槽に3日間放置した。その後、積層体上から重りを外して、重ね合わせた2枚の試料フィルムを分離する際に、抵抗があるかどうかを観察するとともに、試料フィルムの接触していた面の状態を観察し、以下の基準に従って、常温にて評価した。滑り性が不良な場合、後述する「C」に示すように、試料フィルムを分離する際に抵抗があり、試料フィルムの接触していた面の状態(例えば、光学、及び、荒れ)が変化する。
「A」:試料フィルムの分離の際に抵抗がなく、試料フィルムの接触していた面の状態も変化なし。
「B」:試料フィルムの分離の際に抵抗があったが、試料フィルムの接触していた面の状態は変化がなし。
「C」:試料フィルムの分離の際に抵抗があり、かつ、試料フィルムの接触していた面の状態が変化した。
 上記樹脂フィルム1の代わりに、樹脂フィルム2~7、9~10、及び、樹脂フィルムC1~C3をそれぞれ用いて、上記(滑り性評価(その1))を実施した。
(滑り性評価(その2))
 実施例8で得られた中空粒子(20質量部)と、レジンキャストEX(ウェーブ社製)のA液(50質量部)及びB液(50質量部)とを混合して、得られた混合液を型に入れて、厚み20μmの樹脂フィルム8Aを作製した。
 次に、レジンキャストEX(ウェーブ社製)のA液(50質量部)及びB液(50質量部)を混合して、得られた混合液を樹脂フィルム8A上に塗布して、得られたフィルムを型に入れて、厚み200μmの樹脂フィルム8を作製した。
 つまり、樹脂フィルム8は、樹脂フィルム8Aと、レジンキャストEXから形成された樹脂フィルム8Bとの積層フィルムであった。
 次に、得られた樹脂フィルム8を縦5cm×横5cmの試料フィルムを切り出して樹脂フィルム8Aと樹脂フィルム8Bとが接するように2枚を重ね合わせて、得られた積層体上に1kgの重りを載せた。
 次に、積層体上に重りを載せた状態のまま、積層体を温度45℃、湿度75%の恒温槽に3日間放置した。その後、積層体上から重りを外して、重ね合わせた2枚の試料フィルムを分離する際に、抵抗があるかどうかを観察するとともに、試料フィルムの接触していた面の状態を観察し、(滑り性評価(その2))と同様の基準に従って、常温にて評価した。
(断熱性評価)
 特許4076676号公報の段落0103~0132の記載に従って、感熱記録層用塗布液を調製した。
 また、特許4076676号公報の段落0098~0100の記載に従って、保護層用塗布液を調製した。
 上記(滑り性評価)で作製した樹脂フィルム1の表面にコロナ処理を施し、樹脂フィルム1のコロナ処理が施された面上に、上記感熱記録層用塗布液を乾燥塗布量が11.5g/m2になるように塗布して、乾燥して感熱記録層を形成した後、感熱記録層上に、上記保護層用塗布液を乾燥塗布量が2.5g/m2になるように塗布し、樹脂フィルム1、感熱記録層、及び、保護層を有する感熱記録材料を得た。
 サーマルヘッド(商品名:KGT,260-12MPH8,京セラ(株)製)を用いて、ヘッド圧10kg/cm2、記録エネルギー60mJ/mm2で、得られた感熱記録材料の保護層側から感熱記録層を記録した。その後、反射濃度計を用いて、得られた感熱記録材料の発色濃度を測定することにより、樹脂フィルム1の断熱性を評価した。発色濃度が高いほど、樹脂フィルム1の断熱性が高いことを意味する。
「A」:発色濃度2.0以上の場合
「B」:発色濃度1.5以上2.0未満の場合
「C」:発色濃度1.0以上1.5未満の場合
「D」:発色濃度1.0未満の場合
 上記樹脂フィルム1の代わりに、樹脂フィルム2~10、及び、樹脂フィルムC1~C3をそれぞれ用いて、上記(断熱性評価)を実施した。
 ただし、樹脂フィルム8を用いる場合、樹脂フィルム8中の樹脂フィルム8A側の表面に感熱記録層、及び、保護層を配置して、上記評価を実施した。
 表1中、「特定溶媒」欄の「含有量(%)」は、中空粒子全質量に対する、中空粒子に内包される特定溶媒の含有量(質量%)を表す。
 表1中、「中空粒子」欄の「空隙率(%)」は、中空粒子全体積に対する、中空粒子の空隙の割合(体積%)を表し、測定方法は上述した通りである。
 表1中、「樹脂部材」欄の「中空粒子/樹脂(%)」欄は、樹脂全質量に対する、中空粒子の全質量の割合(質量%)を表す。
 表1中、「構成」欄の「A」は樹脂部材の構造が中空粒子を含む単層構造であることを意味し、「B」は樹脂部材の構造が中空粒子を含む層と、中空粒子を含まない層との積層構造であることを意味する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 上記表に示すように、本発明の中空粒子を用いると、所望の効果が得られた。
 なかでも、実施例1、7及び10の比較より、中空粒子中における特定溶媒の含有量が0.05~30.0質量%(好ましくは、0.1~10.0質量%)の場合、より効果が優れることが確認された。
 また、実施例1~4の比較より、溶媒のI/O値が0~0.100である場合、より効果が優れることが確認された。

Claims (14)

  1.  I/O値が0~0.300である溶媒を内包し、かつ、内部に空隙を有する、中空粒子。
  2.  前記溶媒のI/O値が0~0.100である、請求項1に記載の中空粒子。
  3.  前記溶媒の含有量が、前記中空粒子全質量に対して、0.05~30.0質量%である、請求項1又は2に記載の中空粒子。
  4.  前記溶媒の含有量が、前記中空粒子全質量に対して、0.1~10.0質量%である、請求項1~3のいずれか1項に記載の中空粒子。
  5.  前記溶媒の沸点が、80℃以上150℃未満である、請求項1~4のいずれか1項に記載の中空粒子。
  6.  前記溶媒が、炭化水素系溶媒である、請求項1~5のいずれか1項に記載の中空粒子。
  7.  空隙率が25~95体積%である、請求項1~6のいずれか1項に記載の中空粒子。
  8.  前記中空粒子の体積基準のメジアン径が0.5~500μmである、請求項1~7のいずれか1項に記載の中空粒子。
  9.  単孔構造を有し、
     前記中空粒子の体積基準のメジアン径に対する、前記中空粒子の壁部の厚みの比が1/100~1/3である、請求項1~8のいずれか1項に記載の中空粒子。
  10.  前記中空粒子の壁部が、ポリウレア、ポリウレタンウレア、及び、ポリウレタンからなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の中空粒子。
  11.  前記中空粒子の壁部のガラス転移温度が、100~250℃である、請求項1~10のいずれか1項に記載の中空粒子。
  12.  請求項1~11のいずれか1項に記載の中空粒子と、バインダーとを含む、組成物。
  13.  請求項1~11のいずれか1項に記載の中空粒子と、バインダーとを含む、部材。
  14.  請求項1~11のいずれか1項に記載の中空粒子の製造方法であって、
     I/O値が0~0.300である溶媒、及び、前記中空粒子の壁材を混合する工程を有する、中空粒子の製造方法。
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