WO2021106079A1 - 冷凍装置 - Google Patents
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Abstract
本発明の目的は、異なる伝熱特性を有する冷媒が共用可能に構成され、各冷媒を効率的に使用できる複数の蒸発器および切替装置を含む冷媒回路を有した冷凍装置を提供することである。 冷凍装置(100)は、冷媒回路(25)と制御装置(23)とを備える。冷媒回路(25)は、圧縮機(1)と、凝縮器(2)と、絞り装置(3)と、複数の蒸発器(5-1,5-2)と、複数の蒸発器(5-1,5-2)の接続が直列接続となるか並列接続となるかを切り替えるように構成された切替装置(4)とを含む。冷媒回路(25)は、圧縮機(1)、凝縮器(2)、絞り装置(3)、複数の蒸発器(5-1,5-2)の順に冷媒が循環するように構成される。制御装置(23)は、冷媒回路(25)に封入される冷媒の種類と、冷媒回路(25)における冷媒の循環量とに基づいて、切替装置(4)を制御する。
Description
この発明は、冷凍装置に関する。
従来、冷凍装置は、圧縮機、凝縮器を有する室外機と絞り装置、蒸発器を有する室内機とからなる冷凍サイクルで構成され、熱を効率的に伝達する媒体である冷媒が冷凍サイクル内を循環している。さらに、冷凍装置は制御装置を備え、制御装置は圧縮機等の運転を制御している。
冷凍装置は通常、庫内を冷却する冷却運転モードと蒸発器に付いた霜を除去する除霜運転モードの2つの運転モードを有する。冷却運転では、サイクル内に充填された冷媒が圧縮機で圧縮され、高温高圧のガス冷媒となり、凝縮器に送り込まれる。凝縮器に流れ込んだ冷媒は周囲の空気に熱を放出することにより液化する。液化した冷媒は絞り装置で減圧され気液二相状態となり、蒸発器に送り込まれる。蒸発器に送り込まれた冷媒は周囲の空気から熱を吸収することでガスとなり、圧縮機に戻る。この蒸発器における吸熱作用により庫内が冷却される。中には蒸発器または凝縮器を複数設置し、冷媒循環量が最適になるようにそれらの蒸発器または凝縮器を並列/直列接続で切り替えるような技術もある(特開2011-220616号公報)。
近年、環境性改善のため、冷凍装置に使用される冷媒の変更が進められている。現在主流の冷媒は、R410A、R404Aなどであるが、法規対応(環境性改善)のため各社は地球温暖化係数(Global Warming Potential、以下GWP)の小さい新冷媒の開発、および自然冷媒対応のユニット開発を進めている。
地球温暖化防止の法規対応のため、現在冷凍装置で主流として使用されている冷媒は転換期を迎えている。せっかく浸透してきたR410A冷媒も数年後には販売不可となる。このため、各社は、新冷媒対応の冷凍装置を開発している。冷媒によっては設計圧力または熱伝達率などの特性が異なるため、冷凍装置の設計者(例えば、メーカの技術者)、冷凍装置の設置者(例えば、ユーザまたは工事業者)でそれぞれ問題が発生する。
まず冷凍装置の設計者としては、室内機に関しては絞り装置の変更及び蒸発器の設計が必要となる。冷凍装置の設置者としては、機器の入替に加えて、例えば設計圧が異なる場合は、現地における接続配管の入替など大規模な工事が必要となる。
そこで現地負担を最小限に抑えるために、冷凍装置は各冷媒に共用できる仕様とすることが望ましい。従来では、例えばR410Aを使用する冷凍装置にR404Aを使う場合、室内機は絞り装置のみR404A対応品に変更し、蒸発器はR410A設計のものをそのまま用いて冷媒の差異に対応している。ただし異なる冷媒を共用の蒸発器で使用すると冷媒の能力を最大限には活かせず、能力不足に陥る場合がある。現在主流のR410Aは疑似共沸冷媒であり、比較的熱伝達率の良い冷媒であるが、これからの転換が見込まれている比較的GWPが低い非共沸冷媒はR410Aよりも熱伝達率が低下してしまう。特に非共沸冷媒は熱交換器内を流れる冷媒流速が遅い時に熱伝達率が大きく低下する。一方で、逆に非共沸冷媒は冷媒流速が速過ぎると圧力損失が大きくなってしまい、冷凍能力が低下する。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、異なる伝熱特性を有する冷媒が共用可能に構成され、各冷媒を効率的に使用できる複数の蒸発器および切替装置を含む冷媒回路を有した冷凍装置を提供することである。
本開示の冷凍装置は、冷媒回路と制御装置とを備える。冷媒回路は、圧縮機と、凝縮器と、絞り装置と、複数の蒸発器と、複数の蒸発器の接続が直列接続となるか並列接続となるかを切り替えるように構成された切替装置とを含む。冷媒回路は、圧縮機、凝縮器、絞り装置、複数の蒸発器の順に冷媒が循環するように構成される。制御装置は、冷媒回路に封入される冷媒の種類と、冷媒回路における冷媒の循環量とに基づいて、切替装置を制御する。
本開示の冷凍装置によれば、複数の蒸発器の各々において使用する冷媒に適した流速で冷媒が流れるため、各蒸発器における効率が改善される。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、複数の実施の形態について説明するが、各実施の形態で説明された構成を適宜組み合わせることは出願当初から予定されている。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
(全体構成)
図1は本実施の形態に関わる冷凍装置の全体構成図である。図1で示される通り、本実施の形態に係る冷凍装置100は、熱源側ユニット21、ユニットクーラ22及び制御装置23によって構成されている。
図1は本実施の形態に関わる冷凍装置の全体構成図である。図1で示される通り、本実施の形態に係る冷凍装置100は、熱源側ユニット21、ユニットクーラ22及び制御装置23によって構成されている。
熱源側ユニット21は、圧縮機1、凝縮器2、圧縮機1の運転周波数を検知する周波数センサ6、圧縮機1の吸入冷媒の温度を検知する温度センサ7、圧縮機1の吸入冷媒の圧力を検知する圧力センサ8を備える。熱源側ユニット21は、室外等に設置されている。
またユニットクーラ22は、絞り装置3、冷媒回路25を切り替える切替装置4、および複数の蒸発器5-1、5-2を備える。ユニットクーラ22は、例えば冷凍倉庫などの屋内に天吊り、足元配置される。図2~図5に、本実施の形態におけるユニットクーラ22を例示する。図2は、ユニットクーラ22の上面図である。図3は、ユニットクーラ22の正面図である。図4は、ユニットクーラ22の左側面図である。図5は、ユニットクーラ22の右側面図である。ユニットクーラ22は筐体80を有し、その正面に空気吹出口である2つの開口81、82を有する。開口81、82のそれぞれの正面側には送風機83、84が取り付けられる。筐体80の背面には、開口81及び開口82に対向する空気吸込口86を有し、この空気吸込口86には開閉可能なダンパ87が設けられる。
本実施の形態のユニットクーラ22は、図1に示した複数の蒸発器5-1、5-2として、2つの熱交換器85-1、85-2を有する。熱交換器85-1は開口81と空気吸込口86の間に設けられ、熱交換器85-2は開口82と空気吸込口86の間に設けられる。空気吸込口86から熱交換器85-1を経て開口81に至る風路と、空気吸込口86から熱交換器85-2を経て開口82に至る風路の間には仕切り板88を有する。筐体80の下面の板89は、熱交換器85-1、85-2からの除霜による水滴を受け止めるドレンパンとして機能する。
図1に示した絞り装置3及び切替装置4は、熱交換器85-1、85-2と共に筐体80内に設けられる。図2~図5では、これら絞り装置3及び切替装置4は、熱交換器85-1、85-2の側方のスペース90内に設けられる。筐体80の背面には、冷媒入口91、冷媒出口92、ホットガス入口93を有する。ホットガス入口93には、熱交換器85-1、85-2を除霜するためのホットガスが流入し、熱交換器85-1、85-2を個別に、又は同時に除霜可能である。仕切り板88は設けなくてもよい。
また、熱交換器85-1、85-2は図6に示すように、それぞれが複数の直列または並列接続された熱交換器であってもよい。また、図8に示すように熱交換器85-1、85-2がそれぞれ離間した筐体内に設けられてもよい。
上記の各機器は、圧縮機1、凝縮器2、絞り装置3、切替装置4、複数の蒸発器5-1、5-2、そして再び圧縮機1の順に冷媒が循環するように、冷媒配管によって環状に接続され冷媒回路25が構成されている。
冷媒回路25には熱を効率的に伝達することができる冷媒が封入される。複数種類の冷媒に対して冷媒回路25を共用することができる。
切替装置4は複数の蒸発器5-1、5-2を直列または並列に繋ぎ変えることができ、制御装置23によって制御される。
蒸発器5-1、5-2を直列または並列に繋ぎ変えるために、冷凍装置100は、以下のように構成される。すなわち、冷凍装置100は、冷媒回路25と制御装置23とを備える。冷媒回路25は、圧縮機1と、凝縮器2と、絞り装置3と、複数の蒸発器5-1,5-2と、複数の蒸発器5-1,5-2の接続が直列接続となるか並列接続となるかを切り替えるように構成された切替装置4とを含む。冷媒回路25は、圧縮機1、凝縮器2、絞り装置3、複数の蒸発器5-1,5-2の順に冷媒が循環するように構成される。制御装置23は、冷媒回路25に封入される冷媒の種類と、冷媒回路25における冷媒の循環量とに基づいて、切替装置4を制御する。
制御装置23は、冷媒回路25内を循環する冷媒種の設定が行なえる「設定部」に相当する入出力部11と、設定された冷媒種を記憶する「記憶部」に相当するメモリ10とを備える。制御装置23は、運転周波数fを検出する周波数センサ6、圧縮機1の吸入冷媒の温度を検出する温度センサ7、圧縮機1の吸入冷媒の圧力を検出する圧力センサ8の情報を得ることができ、切替装置4を制御する。
(蒸発器の並列回路運転)
図8は、冷凍装置100において、複数の蒸発器5-1,5-2を切替装置4によって並列に繋いだ場合の冷媒回路図である。
図8は、冷凍装置100において、複数の蒸発器5-1,5-2を切替装置4によって並列に繋いだ場合の冷媒回路図である。
切替装置4は、蒸発器5-1,5-2が並列に繋がるように、冷媒入口部から分岐して蒸発器5-1,5-2の各入口に接続され、蒸発器5-1,5-2の各出口から出た配管が合流して圧縮機1の吸入口に至るように構成される。蒸発器5-1,5-2を並列に繋ぐことによって、各蒸発器に流れる冷媒の流速は遅くなる。
(蒸発器の直列回路運転)
図9は、冷凍装置100において、複数の蒸発器5-1、5-2を切替装置4によって直列に繋いだ場合の冷媒回路図である。
図9は、冷凍装置100において、複数の蒸発器5-1、5-2を切替装置4によって直列に繋いだ場合の冷媒回路図である。
切替装置4は、蒸発器5-1、5-2が直列に繋がるように、蒸発器5-1の入口に冷媒入口が接続され、蒸発器5-1の出口から冷媒が出て再び切替装置4に戻り、別の蒸発器5-2に冷媒が流れるように、冷媒回路25を繋ぎ変える。最後に蒸発器5-2の出口から出た冷媒は、圧縮機1に吸入される。蒸発器5-1、5-2を直列に繋ぐことによって、各蒸発器に流れる冷媒の流速は速くなる。
(切替装置の構成例)
図10は、切替装置4の構成例を示す図である。図10に示す構成例では、切替装置4は、冷媒入口の配管40と、配管40から2つに分岐した配管41,42と、配管41,42にそれぞれ設けられる電磁弁43,44とを含む。配管41,42は、それぞれ蒸発器5-1,5-2の入口部に接続される。
図10は、切替装置4の構成例を示す図である。図10に示す構成例では、切替装置4は、冷媒入口の配管40と、配管40から2つに分岐した配管41,42と、配管41,42にそれぞれ設けられる電磁弁43,44とを含む。配管41,42は、それぞれ蒸発器5-1,5-2の入口部に接続される。
切替装置4は、さらに、蒸発器5-1,5-2の出口部にそれぞれ接続される配管45,46と、配管45,46が合流する冷媒出口の配管49と、配管42と配管45とを接続する配管47と、配管47に設けられる逆止弁48とを含む。配管47の一方端は、電磁弁44と蒸発器5-2の冷媒入口のディストリビュータとの間に接続される。配管47の他方端は、蒸発器5-2の冷媒出口のヘッダー配管合流点との間に接続される。
電磁弁43,44をともに開に制御することにより、冷媒は蒸発器5-1,5-2に並列的に流れる。また、電磁弁43を開きかつ電磁弁44を閉じることにより、冷媒は蒸発器5-1,5-2に直列的に流れる。
(冷媒回路切替制御)
制御装置23は、入出力部11と、メモリ10と、CPU9とを含む。入出力部11は、冷媒の種類を設定する「設定部」に相当する。メモリ10は、冷媒の種類を記憶する「記憶部」に相当する。CPU9は、メモリ10に記憶された冷媒の種類に基づいて切替装置4を制御する「制御部」に相当する。
制御装置23は、入出力部11と、メモリ10と、CPU9とを含む。入出力部11は、冷媒の種類を設定する「設定部」に相当する。メモリ10は、冷媒の種類を記憶する「記憶部」に相当する。CPU9は、メモリ10に記憶された冷媒の種類に基づいて切替装置4を制御する「制御部」に相当する。
複数の冷媒を共用する場合は、冷媒によって冷媒流速と管内熱伝達率、圧力損失の最適バランス点が変わる。
そこで入出力部11からメモリ10に設定された冷媒が、共用可能とする冷媒種の中で比較的遅い流速で最も効率的に伝熱できる冷媒Aである場合は、制御装置23は、各蒸発器を並列に繋げるよう切替装置4を制御する。逆に、メモリ10に設定された冷媒が、比較的速い流速で効率的に伝熱できる冷媒Bである場合は、制御装置23は、各蒸発器を直列に繋げるよう切替装置4を制御する。
冷媒Aは、例えば、R410A,R32,R22のいずれかであり、冷媒Bは、例えば、R463A,R404Aのいずれかである。
図11は、2種類の冷媒の特性を示した図である。図11を参照して、冷媒Aは、流速vが第1流速vapである場合に、複数の蒸発器5-1,5-2の各々における熱伝達率αがピークを示す。冷媒Bは、流速vが第2流速vbpである場合に、複数の蒸発器5-1,5-2の各々における熱伝達率αがピークを示す。第2流速vbpは、第1流速vapよりも高速である。このような特性を示す冷媒Aまたは冷媒Bが冷媒回路に封入されている。
冷媒Aが封入されている場合を考えると、流速v=vap付近で蒸発器を使用することが最も効率的である。最初に蒸発器5-1,5-2が直列に接続されているとすると、流速vが0~vapの間は、並列に接続を変更した場合よりも明らかに熱伝達αが大きい。しかし、流速vがvapよりも高くなると、切替装置4を並列接続に切り替えて流速vを低下させた方が熱伝達率αが改善される場合がある。このため、並列接続の方が直列接続よりも熱伝達率αが改善される流速vasを予め実験的に調べておく。
同様に、冷媒Bが封入されている場合を考えると、流速v=vbp付近で蒸発器を使用することが最も効率的である。最初に蒸発器5-1,5-2が直列に接続されているとすると、流速vが0~vbpの間は、並列に接続を変更した場合よりも明らかに熱伝達αが大きい。しかし、流速vがvbpよりも高くなると、切替装置4を並列接続に切り替えて流速vを低下させた方が熱伝達率αが改善される場合がある。このため、並列接続の方が直列接続よりも熱伝達率αが改善される流速vbsを予め実験的に調べておく。
そして、制御装置23は、封入されている冷媒の種類に合わせて、切替装置4の直列接続と並列接続とを切り替える境界点となる流速を変更する。
流速vは、冷媒循環量Gと関連するので、制御装置23は、冷媒循環量Gを算出し、これに基づいて切替装置4の制御を行なう。図12は、冷媒循環量Gと切替装置4の状態との関係を示す図である。図12に示すように制御装置23は切替装置4を切り替える。
具体的には、冷凍装置100は、冷媒Aおよび冷媒Bのいずれにも使用可能である。図12に示すように、制御装置23は、冷媒回路25に封入される冷媒が、R410Aなどの冷媒Aである場合には、冷媒循環量Gが第1循環量Gasよりも少ないときに切替装置4を直列接続に設定し、冷媒循環量Gが第1循環量Gasよりも多いときに切替装置4を並列接続に設定するように構成される。制御装置23は、冷媒回路25に封入される冷媒が、R463Aなどの冷媒Bである場合には、冷媒循環量Gが第2循環量Gbsよりも少ないときに切替装置4を直列接続に設定し、冷媒循環量Gが第2循環量Gbsよりも多いときに切替装置4を並列接続に設定するように構成される。なお、第1循環量Gasは図11の流速vasに対応する循環量であり、第2循環量Gbsは図11の流速vbsに対応する循環量である。なお、直列から並列に切り替えるときの切り替えポイントとなる循環量Gas1,Gbs1と並列から直列に切り替えるときの切替ポイントとなる循環量Gas2,Gbs2は、ヒステリシスを持つように異なる値としても良い。この場合でも、Gas1<Gbs1、Gas2<Gbs2となるように切替ポイントとなる循環量が設定される。
冷媒の循環量は、冷媒の温度と圧力と圧縮機の運転周波数から算出することができる。冷凍装置100は、圧縮機1が吸入する冷媒の温度Tを検出する温度センサ7と、圧縮機1が吸入する冷媒の圧力Pを検出する圧力センサ8とをさらに備える。制御装置23は、圧縮機1の運転周波数fと温度センサ7の出力と圧力センサ8の出力とに基づいて、冷媒循環量Gを算出するように構成される。
使用される環境条件によって冷凍サイクル内を循環する冷媒の循環量は変化する。そこで、制御装置23は、温度センサ7から得た温度および圧力センサ8から得た圧力の情報から圧縮機1が吸入する冷媒の密度を算出する。さらに、制御装置23は、冷媒の密度と圧縮機1の運転周波数fから冷媒回路25内の冷媒循環量Gを求める。
ここで、冷媒Aと冷媒Bでは、同じ圧力と同じ温度でも密度が異なるので、制御装置23は、予め設定された冷媒に対応する特性表を用いて冷媒密度ρを求める。さらに、制御装置23は、下式(1)によって冷媒循環量Gを算出する。
G=SV×F×ηv×ρ …(1)
(G:圧縮機1の冷媒循環流量[kg/s]、SV:圧縮機1のストロークボリューム[m3]、F:圧縮機1の周波数(回転速度)[rps]、ηv:圧縮機1の体積効率、ρ:圧縮機1の吸入ガス冷媒の密度[kg/m3])
制御装置23は、求めた冷媒循環量Gが判定値を下回る場合は冷媒流速を速くするために複数の蒸発器5-1,5-2を直列に繋げ、判定値を上回る場合は冷媒流速を遅くするために複数の蒸発器5-1,5-2を並列に繋げるように切替装置4を制御するように構成される。
G=SV×F×ηv×ρ …(1)
(G:圧縮機1の冷媒循環流量[kg/s]、SV:圧縮機1のストロークボリューム[m3]、F:圧縮機1の周波数(回転速度)[rps]、ηv:圧縮機1の体積効率、ρ:圧縮機1の吸入ガス冷媒の密度[kg/m3])
制御装置23は、求めた冷媒循環量Gが判定値を下回る場合は冷媒流速を速くするために複数の蒸発器5-1,5-2を直列に繋げ、判定値を上回る場合は冷媒流速を遅くするために複数の蒸発器5-1,5-2を並列に繋げるように切替装置4を制御するように構成される。
以上の制御装置23の処理をフローチャートを用いて説明する。図13は、制御装置23が実行する処理を示したフローチャートである。
冷媒回路25に封入された冷媒の種類は、予め工事作業者などによって、メモリ10に設定されている。
まず、ステップS1において、制御装置23は、冷媒回路25に封入された冷媒の種類をメモリ10から読み込む。
そして制御装置23は、ステップS2において封入冷媒の種類が冷媒Aであるか否かを判断する。封入冷媒が冷媒Aである場合(S2でYES)制御装置は、ステップS3において、冷媒Aに対応する冷媒密度を算出する特性表と、温度センサ7および圧力センサ8の出力とに基づいて冷媒循環量Gを算出する。続いて制御装置23は、ステップS4において、冷媒循環量Gが冷媒Aに対応する判定値である第1循環量Gasよりも多いか否かを判断する。G>Gasである場合(S4でYES)、ステップS8に処理が進められ、G>Gasでない場合(S4でNO)、ステップS9に処理が進められる。
一方、ステップS2において、封入冷媒の種類が冷媒Aでない場合には、制御装置23は、ステップS5において封入冷媒の種類が冷媒Bであるか否かを判断する。封入冷媒が冷媒Bである場合(S5でYES)制御装置は、ステップS6において、冷媒Bに対応する冷媒密度を算出する特性表と、温度センサ7および圧力センサ8の出力とに基づいて冷媒循環量Gを算出する。続いて制御装置23は、ステップS7において、冷媒循環量Gが冷媒Bに対応する判定値である第2循環量Gbsよりも多いか否かを判断する。G>Gbsである場合(S7でYES)、ステップS8に処理が進められ、G>Gbsでない場合(S7でNO)、ステップS9に処理が進められる。
ステップS8では、制御装置23は、複数の蒸発器5-1,5-2が並列接続されるように切替装置4を制御する。一方、ステップS9では、制御装置23は、複数の蒸発器5-1,5-2が直列接続されるように切替装置4を制御する。
なお、封入冷媒として記憶されている内容が冷媒A,Bのいずれでもない場合には(S2でNOかつS5でNO)、ステップS10において、制御装置23は、警告ランプ、表示などによって、エラーメッセージを出力する。
ステップS8、S9,S10のいずれかの処理が終了すると、ステップS11に処理が進められ、一定時間経過ごとまたはある条件が成立するごとに再び図13のフローチャートが実行される。
なお、図13のフローチャートでは、制御装置23が自動的に切替装置4の切替を実行したが、手動で切り替える場合は、制御装置23内の入出力部によって並列または直列を設定し切替装置4を切り替えるようにしても良い。
このように構成された冷凍装置は、異なる冷媒を共用で使う場合も各冷媒で適した冷媒流速で蒸発器を流すことができ、効率的な運転が可能となる。
また、単一の冷媒を使用中である場合も使用環境によって変化する冷媒循環量に応じて蒸発器を流れる冷媒の流速を伝熱に適した流速とすることができ、効率的な運転が可能となる。
以上説明したように、本実施の形態に係る冷凍装置100は、圧縮機1と凝縮器2を有する熱源側ユニット21と、絞り装置3と切替装置4及び複数の蒸発器5-1,5-2を有するユニットクーラ22とからなる冷媒回路25で構成される。冷媒回路25では、圧縮機1、凝縮器2、絞り装置3、切替装置4、蒸発器5-1,5-2が順次冷媒配管で接続されている。切替装置4は、複数の蒸発器5-1,5-2を直列および並列に繋ぎ変えることが可能である。制御装置23は、封入冷媒の種類に応じて、切替装置4を制御する。
本実施の形態の冷凍装置100によれば、例えば図12の循環量GがGas<G<Gbsの領域に着目すると、比較的遅い冷媒流速で伝熱特性が良くなる冷媒Aの場合は複数の蒸発器5-1,5-2を並列に繋げて冷媒流速を遅くし、比較的速い冷媒流速で伝熱特性が良くなる冷媒Bの場合は複数の蒸発器5-1,5-2を直列に繋げて冷媒流速を速くする。また、冷媒A、冷媒Bのいずれを使用する場合においても循環量Gが切替ポイントとなる循環量GasまたはGbsより少ない場合には蒸発器5-1,5-2を直列に繋げ、循環量Gが切替ポイントとなる循環量GasまたはGbsより多い場合には蒸発器5-1,5-2を並列に繋げている。そして切替ポイントとなる循環量を冷媒の種類に合わせて変更可能に構成されている。これによって、封入冷媒の種類に応じて変動する最適冷媒流速点に近い状態で運転することが1台の室内機で可能となる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 圧縮機、2 凝縮器、3 絞り装置、4 切替装置、5 蒸発器、6 周波数センサ、7 温度センサ、8 圧力センサ、10 メモリ、11 入出力部、21 熱源側ユニット、22 ユニットクーラ、23 制御装置、25 冷媒回路、40,41,42,45,46,47,49 配管、43,44 電磁弁、48 逆止弁、100 冷凍装置。
Claims (6)
- 冷媒回路と制御装置とを備え、
前記冷媒回路は、
圧縮機と、
凝縮器と、
絞り装置と、
複数の蒸発器と、
前記複数の蒸発器の接続が直列接続となるか並列接続となるかを切り替えるように構成された切替装置とを含み、
前記冷媒回路は、前記圧縮機、前記凝縮器、前記絞り装置、前記複数の蒸発器の順に冷媒が循環するように構成され、
前記制御装置は、前記冷媒回路に封入される冷媒の種類と、前記冷媒回路における前記冷媒の循環量とに基づいて、前記切替装置を制御する、冷凍装置。 - 前記冷凍装置は、第1冷媒および第2冷媒のいずれにも使用可能であり、
前記制御装置は、
前記冷媒回路に封入される冷媒が、前記第1冷媒である場合には、前記循環量が第1循環量よりも少ないときに前記切替装置を直列接続に設定し、前記循環量が前記第1循環量よりも多いときに前記切替装置を並列接続に設定し、
前記冷媒回路に封入される冷媒が、前記第2冷媒である場合には、前記循環量が第2循環量よりも少ないときに前記切替装置を直列接続に設定し、前記循環量が前記第2循環量よりも多いときに前記切替装置を並列接続に設定するように構成される、請求項1に記載の冷凍装置。 - 前記第1冷媒は、流速が第1流速である場合に、前記複数の蒸発器の各々における熱伝達率がピークを示し、
前記第2冷媒は、流速が第2流速である場合に、前記複数の蒸発器の各々における熱伝達率がピークを示し、
前記第2流速は、前記第1流速よりも高速である、請求項2に記載の冷凍装置。 - 前記第1冷媒は、R410A,R32,R22のいずれかであり、
前記第2冷媒は、R463A,R404Aのいずれかである、請求項3に記載の冷凍装置。 - 前記圧縮機が吸入する冷媒の温度を検出する温度センサと、
前記圧縮機が吸入する冷媒の圧力を検出する圧力センサとをさらに備え、
前記制御装置は、前記圧縮機の運転周波数と前記温度センサの出力と前記圧力センサの出力とに基づいて、前記循環量を算出するように構成され、
前記制御装置は、求めた前記循環量が判定値を下回る場合は冷媒流速を速くするために前記複数の蒸発器を直列に繋げ、前記判定値を上回る場合は冷媒流速を遅くするために前記複数の蒸発器を並列に繋げるように前記切替装置を制御するように構成される、請求項1に記載の冷凍装置。 - 前記制御装置は、
前記冷媒の種類を設定する設定部と、
前記冷媒の種類を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された冷媒の種類に基づいて前記切替装置を制御する制御部とを含む、請求項1に記載の冷凍装置。
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