WO2021039827A1

WO2021039827A1 - 車両用前照灯

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Publication number: WO2021039827A1
Application number: PCT/JP2020/032134
Authority: WO
Inventors: 望月　美希
Original assignee: 株式会社小糸製作所
Priority date: 2019-08-27
Filing date: 2020-08-26
Publication date: 2021-03-04
Also published as: JPWO2021039827A1; JP7414833B2

Abstract

車両用前照灯（１）は、第１光源（５１）から出射する光（Ｌ１）を前方に反射して配光パターン（ＰＨ）を形成する第１反射面（２１）と、左右方向において第１反射面（２１）に隣接するとともに第１反射面（２１）よりも後方に位置し、第２光源（５２Ｒ，５２Ｌ）から出射する光（Ｌ２，Ｌ３）を前方に反射して配光パターン（ＰＬ）を形成する第２反射面（２２Ｒ，２２Ｌ）と、第１反射面（２１）の第２反射面（２２Ｒ，２２Ｌ）側の縁部から後方に延在して第２反射面（２２Ｒ，２２Ｌ）の第１反射面（２１）側の縁部に接続する接続部（３０Ｒ，３０Ｌ）と、を備える。接続部（３０Ｒ，３０Ｌ）は、左右方向において第２反射面（２２Ｒ，２２Ｌ）側に突出して前方から後方に延びるリブ部（３１Ｒ１，３１Ｒ２，３１Ｌ１，３１Ｌ２）を含む。

Description

車両用前照灯

　本発明は、車両用前照灯に関する。

　車両用前照灯には、ロービーム及びハイビームを照射できるように構成されるものがある。例えば、下記特許文献１には、このような車両用前照灯の例が記載されている。この特許文献１に記載された車両用前照灯は、ロービーム及びハイビームを形成するための３つの反射面を有している。これら３つの反射面は左右方向に並んでおり、中央に位置する中央反射面に対して左側及び右側に位置する左反射面及び右反射面が、中央反射面よりも概ね後方に位置している。中央反射面と左反射面、及び、中央反射面と右反射面とは、それぞれ平坦な面によって接続されている。

特開２０１７－０６９１５０号公報

　しかし、上記特許文献１に記載された車両用前照灯では、上述のように、中央反射面と左反射面、及び、中央反射面と右反射面とを接続するそれぞれの部分が平坦になっており、当該部分を補強することが考慮されていない。このため、外力が作用すると、この接続する部分を起点として車両用前照灯に変形が生じる懸念があった。

　そこで、本発明は、変形し難い車両用前照灯を提供することを目的とする。

　上記目的の達成のため、本発明の車両用前照灯は、第１光源から出射する光を前方に反射して第１配光パターンを形成する第１反射面と、左右方向において前記第１反射面に隣接するとともに前記第１反射面よりも後方に位置し、第２光源から出射する光を前方に反射して第２配光パターンを形成する第２反射面と、前記第１反射面の前記第２反射面側の縁部から後方に延在して前記第２反射面の前記第１反射面側の縁部に接続する接続部と、を備え、前記接続部は、前記左右方向において前記第２反射面側に突出して前方から後方に延びる少なくとも１つのリブ部を含むことを特徴とするものである。

　上記のように、この車両用前照灯は、第１配光パターンを形成する第１反射面と第２配光パターンを形成する第２反射面とを備えている。したがって、この車両用前照灯によれば、互いに配光パターンの異なる例えばロービームとハイビームとを出射することができる。また、この車両用前照灯における第１反射面と第２反射面とを接続する接続部には、左右方向において第２反射面側に突出して前方から後方に延びるリブ部が少なくとも１つ設けられるため、この接続部の強度が当該リブ部によって補強され得る。したがって、外力が作用した場合でも、接続部を起点として車両用前照灯が変形することが抑制され得る。

　また、前記リブ部は、前記第１反射面の前記第２反射面側の縁部から前記第２反射面の前記第１反射面側の縁部にわたって延在することが好ましい。

　この場合、リブ部が第１反射面の第２反射面側の縁部から第２反射面の第１反射面側の縁部まで延在しない場合に比べてリブ部の領域が広がるため、接続部の強度がより補強され得る。よって、車両用前照灯の変形がより抑制され得る。

　また、前記接続部が複数の前記リブ部を含むことが好ましい。

　この場合、リブ部が１つである場合に比べて、接続部の強度がより補強され得る。よって、車両用前照灯の変形がより抑制され得る。

　接続部に複数のリブ部が含まれる場合、上方に位置する前記リブ部ほど上下方向に沿った幅が広くてもよい。

　このように構成することで、接続部の上方側の強度がより補強され得る。このため、例えば上方から外力が作用する場合でも接続部の変形が効果的に抑制され得る。

　また、前記接続部は前記光を反射することが好ましい。

　この場合、光源から出射する光が接続部において吸収されずに反射されるため、光源から出射する光の全光束量に対して車両用前照灯から出射する光の全光束量が減少することが抑制されるとともに、接続部で反射した光によって車両用前照灯の照射範囲が広がり得る。

　また、前記リブ部の頂面が平面であってもよい。

　また、前記リブ部は、前方から後方に向かって次第に高くなるように傾斜してもよい。

　このように構成することで、接続部のうち後方側の部分である付け根の強度がより補強され得る。このため、例えば前方から外力が作用する場合でも接続部の変形が効果的に抑制され得る。

　以上のように、本発明によれば、変形し難い車両用前照灯が提供され得る。

本発明の実施形態に係る車両用前照灯の分解斜視図である。本発明の実施形態に係る車両用前照灯の正面斜視図であり、図１に示されるフロントカバーの図示が省略された図である。図２に示される蓋部を省略して示す正面斜視図である。図３に示されるリフレクタの第１反射面を主に示す縦断面図である。ハイビームの配光パターンを示す図である。図３に示されるリフレクタの右側第２反射面を主に示す縦断面図である。図３に示されるリフレクタの左側第２反射面を主に示す縦断面図である。ロービームの配光パターンを示す図である。図３に示される右側接続部を拡大して示す図である。

　以下、本発明に係る車両用前照灯を実施するための形態が添付図面とともに例示される。以下に例示する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、以下の実施形態から変更、改良することができる。また、上記添付図面では、理解を容易にするために各部材の寸法が誇張して示されている場合がある。

　本実施形態に係る車両用前照灯は、例えば二輪自動車に搭載可能な車両用前照灯である。図１は本実施形態の車両用前照灯１を示す分解斜視図であり、図２は車両用前照灯１を示す正面斜視図である。

　図１及び図２に示すように、本実施形態の車両用前照灯１はパラボラ型の灯具である。車両用前照灯１は、左右方向の長さが上下方向の長さよりも長い偏平な外形を有しており、車両用前照灯１の上下方向の長さは例えば６ｃｍ、左右方向の長さは例えば２０ｃｍである。この車両用前照灯１は、フロントカバー１０と、リフレクタ２０と、リフレクタホルダ４０とを備えている。なお、図２では、フロントカバー１０の図示が省略されている。

　フロントカバー１０は、例えば透明樹脂から形成されており、前方に凸となるように湾曲している。

　リフレクタ２０は、後述する光源から出射する光をフロントカバー１０側に反射する部材であり、例えば樹脂からなり、一体成型されてもよい。このリフレクタ２０は、第１反射面２１と、第１反射面２１に対して右側に位置する右側第２反射面２２Ｒと、第１反射面２１に対して左側に位置する左側第２反射面２２Ｌとを含んでいる。すなわち、第１反射面２１及び右側第２反射面２２Ｒは左右方向において隣接しており、第１反射面２１及び左側第２反射面２２Ｌも左右方向において隣接している。これら反射面２１，２２Ｒ，２２Ｌは、例えば所定の金属を蒸着することによって形成される。

　リフレクタ２０の後面のうち左右の端部には、上方に突出する凸部２３が設けられている。これら凸部２３には、前後方向に貫通する留め具孔が形成されている。また、リフレクタ２０の後面のうち左右方向の概ね中央には、後方に突出する１対の凸部２４が設けられている。これら凸部２４には、上下方向に貫通する留め具孔が形成されている。このようなリフレクタ２０の前方は、上記フロントカバー１０によって覆われる。

　リフレクタホルダ４０は、前方が開口したホルダ本体４１と、ホルダ本体４１の上方に固定される蓋部４２とを含んでいる。図３は、蓋部４２の図示を省略して車両用前照灯１を示す正面斜視図である。図３に示すように、ホルダ本体４１の上記開口は、リフレクタ２０が嵌入可能な外形に形成されている。したがって、この開口にリフレクタ２０が嵌入される。そして、嵌入したリフレクタ２０とホルダ本体４１の後面４１Ｂとが、リフレクタ２０の上記凸部２３の留め具孔に挿入された留め具を介して固定される。このようにリフレクタ２０が固定されたリフレクタホルダ４０の前方に、上記フロントカバー１０が嵌まり込む。

　図３に示すように、リフレクタホルダ４０に固定されたリフレクタ２０の上方かつ蓋部４２の下方には、回路基板５０が固定されている。具体的には、回路基板５０は、リフレクタ２０の上記凸部２４の留め具孔に挿入された留め具を介して、リフレクタ２０に固定される。図３において破線で示すように、回路基板５０の下面には、第１反射面２１の上方に位置する第１光源５１と、右側第２反射面２２Ｒの上方に位置する右側第２光源５２Ｒと、左側第２反射面２２Ｌの上方に位置する左側第２光源５２Ｌとが接続されている。回路基板５０には、これら光源５１，５２Ｒ，５２Ｌに導通する配線が形成されており、この配線を介して第１光源５１、右側第２光源５２Ｒ、及び左側第２光源５２Ｌに電力が供給される。より具体的には、この配線は、例えば、第１光源５１に導通する第１配線と、右側第２光源５２Ｒ及び左側第２光源５２Ｌに導通する第２配線とを含んでおり、回路基板５０に供給される電流を第１配線と第２配線とに切り替える切替スイッチに接続されている。

　次に、リフレクタ２０についてより詳細に説明する。

　図１及び図３に示すように、リフレクタ２０の第１反射面２１は、後方に凸となる湾曲面として形成されており、左右方向において概ね対称の外形を有している。換言すれば、第１反射面２１の右側縁部２１ａ及び左側縁部２１ｂが第１反射面２１のうち最前方に位置している。

　図４は、第１反射面２１を主に示す図２に示される車両用前照灯１の縦断面図である。なお、図４では、図が複雑になることを避けるためにハッチングが省略されている。図４に示す縦断面視において、第１反射面２１は、最上部を頂点として下側に向かうに従って前方側に突出する半放物線状の外形を有している。上述のように、この第１反射面２１の上方には第１光源５１が配置されている。第１反射面２１は、第１光源５１から出射する光Ｌ１が入射して前方に反射するように形成されている。また、第１反射面２１は、当該反射面２１で反射した後の光Ｌ１が例えば図５に示されるハイビームの配光パターンＰＨとなるような形状に形成されている。なお、図５において、配光パターンＰＨは太線で示されており、直線Ｓは水平線を表している。この配光パターンＰＨにおいて、領域ＰＨＡ１は光強度が強い領域であり、領域ＰＨＡ２はＰＨＡ１よりも光強度が低い領域である。このような配光パターンＰＨを第１配光パターンと呼んでもよい。

　図１及び図３に示すように、リフレクタ２０の右側第２反射面２２Ｒは、後方に凸となる湾曲面として形成されており、左右方向において概ね対称の外形を有している。換言すれば、右側第２反射面２２Ｒの右側縁部２２Ｒａ及び左側縁部２２Ｒｂが右側第２反射面２２Ｒのうち最前方に位置している。また、右側第２反射面２２Ｒは、第１反射面２１よりも後方に配置されている。この右側第２反射面２２Ｒの左側縁部２２Ｒｂと、上記第１反射面２１の右側縁部２１ａとが、概ね前後方向に延在する右側接続部３０Ｒを介して接続される。本実施形態では、この右側接続部３０Ｒには所定の金属が蒸着されている。このため、右側接続部３０Ｒは、右側第２光源５２Ｒから出射する光などを反射する。

　図６は、右側第２反射面２２Ｒを主に示す図２に示される車両用前照灯１の縦断面図である。なお、図６では、図が複雑になることを避けるためにハッチングが省略されている。図６に示す縦断面視において、右側第２反射面２２Ｒは、最上部を頂点として下側に向かうに従って前方側に突出する半放物線状の外形を有している。上述のように、この右側第２反射面２２Ｒの上方には右側第２光源５２Ｒが配置されている。右側第２反射面２２Ｒは、右側第２光源５２Ｒから出射する光Ｌ２が入射して前方に反射するように形成されている。また、右側第２反射面２２Ｒは、当該右側第２反射面２２Ｒで反射した後の光Ｌ２が所定の配光パターンとなるような形状に形成されている。

　図１及び図３に示すように、リフレクタ２０の左側第２反射面２２Ｌは、後方に凸となる湾曲面として形成されており、左右方向において概ね対称の外形を有している。換言すれば、左側第２反射面２２Ｌの右側縁部２２Ｌａ及び左側縁部２２Ｌｂが左側第２反射面２２Ｌのうち最前方に位置している。また、左側第２反射面２２Ｌは、第１反射面２１よりも後方に配置されている。この左側第２反射面２２Ｌの右側縁部２２Ｌａと、上記第１反射面２１の左側縁部２１ｂとが、概ね前後方向に延在する左側接続部３０Ｌを介して接続される。本実施形態では、この左側接続部３０Ｌには所定の金属が蒸着されている。このため、左側接続部３０Ｌは、左側第２光源５２Ｌから出射する光などを反射する。

　図７は、左側第２反射面２２Ｌを主に示す図２に示される車両用前照灯１の縦断面図である。なお、図７では、図が複雑になることを避けるためにハッチングが省略されている。図７に示す縦断面視において、左側第２反射面２２Ｌは、最上部を頂点として下側に向かうに従って前方側に突出する半放物線状の外形を有している。上述のように、この左側第２反射面２２Ｌの上方には左側第２光源５２Ｌが配置されている。左側第２反射面２２Ｌは、左側第２光源５２Ｌから出射する光Ｌ３が入射して前方に反射するように形成されている。また、左側第２反射面２２Ｌは、当該左側第２反射面２２Ｌで反射した後の光Ｌ３が所定の配光パターンとなるような形状に形成されている。

　本実施形態では、右側第２反射面２２Ｒで反射した後の光Ｌ２の配光パターンと、左側第２反射面２２Ｌで反射した後の光Ｌ３の配光パターンとは、これらの配光パターンが合わされることで例えば図８に示されるロービームの配光パターンＰＬとなるように形成されている。なお、図８において、配光パターンＰＬは太線で示されており、直線Ｓは水平線を示す。また、領域ＰＬＡ１は最も光強度が大きい領域であり、領域ＰＬＡ２、領域ＰＬＡ３の順に光強度が小さくなる。このような配光パターンＰＬを第２配光パターンと呼んでもよい。

　次に、上述の右側接続部３０Ｒ及び左側接続部３０Ｌについてさらに説明する。

　図９は、図３に示される右側接続部３０Ｒを拡大して示す図である。図９に示すように、第１反射面２１の右側縁部２１ａを前方側縁部とし、右側第２反射面２２Ｒの左側縁部２２Ｒｂを後方側縁部とする平面を基準面３０ＲＳとすると、右側接続部３０Ｒには、基準面３０ＲＳを基準として右側に突出する２つのリブ部３１Ｒ１，３１Ｒ２が形成されている。すなわち、リブ部３１Ｒ１，３１Ｒ２は、左右方向において右側第２反射面２２Ｒ側に突出している。これらリブ部３１Ｒ１，３１Ｒ２は、前方から後方に延びており、本実施形態では、上記基準面３０ＲＳの前方側縁部である右側縁部２１ａから基準面３０ＲＳの後方側縁部である左側縁部２２Ｒｂにわたって前後方向に延びている。すなわち、リブ部３１Ｒ１，３１Ｒ２のそれぞれの前方側縁部は第１反射面２１の右側縁部２１ａよりも右側に突出しており、リブ部３１Ｒ１，３１Ｒ２のそれぞれの後方側縁部は右側第２反射面２２Ｒの左側縁部２２Ｒｂよりも右側に突出している。なお、リブ部３１Ｒ２はリブ部３１Ｒ１の上方に位置している。

　本実施形態では、リブ部３１Ｒ１，３１Ｒ２のそれぞれの頂面は平面になっている。また、リブ部３１Ｒ１，３１Ｒ２は、前方側縁部から後方側縁部に向かうに従って右側に突出する長さが長くなるように形成されている。このように、本実施形態におけるリブ部３１Ｒ１，３１Ｒ２の頂面は、前方から後方に向かって次第に高くなるように基準面３０ＲＳに対して傾斜する傾斜平面になっている。また、本実施形態では、リブ部３１Ｒ１，３１Ｒ２は、上方に位置するリブ部３１Ｒ２の上下方向に沿った幅が、下方に位置するリブ部３１Ｒ１の上下方向に沿った幅よりも広くなるように構成される。

　左側接続部３０Ｌは、図３に示される２つのリブ部３１Ｌ１，３１Ｌ２が左側接続部３０Ｌの基準面を基準として左側に突出する点を除いて、右側接続部３０Ｒと概ね同様の構成を有する。すなわち、リブ部３１Ｌ１，３１Ｌ２は、基準面の前方側縁部である第１反射面の左側縁部２１ｂから基準面の後方側縁部である左側第２反射面２２Ｌの右側縁部２２Ｌａにわたって前後方向に延びている。また、リブ部３１Ｒ１，３１Ｒ２のそれぞれの頂面は平面になっており、より具体的には、前方から後方に向かって次第に高くなるように基準面に対して傾斜する傾斜平面になっている。さらに、リブ部３１Ｌ１，３１Ｌ２は、上方に位置するリブ部３１Ｌ２の上下方向に沿った幅が、下方に位置するリブ部３１Ｌ１の上下方向に沿った幅よりも広くなるように構成される。

　次に、このような車両用前照灯１の動作について説明する。

　車両用前照灯１を搭載する車両の運転者が手動で、あるいは、オートライト機能等により自動で、ハイビームのライトスイッチがオンにされると、上記切替スイッチを介して上記第１配線に電流が流れ、第１光源５１に電力が供給される。その結果、図４に示すように、第１光源５１から光Ｌ１が出射する。光Ｌ１は、第１光源５１の下方に配置された第１反射面２１に入射し、当該第１反射面２１で前方に向かって反射する。上述のように、第１反射面２１は、当該第１反射面２１で反射した後の光Ｌ１の配光パターンが第１配光パターンとしてのハイビームの配光パターンになるように形成されている。したがって、第１反射面２１で反射して図５に示すような配光パターンＰＨに形成された光Ｌ１が、車両用前照灯１から出射する。

　また、車両用前照灯１を搭載する車両の運転者が手動で、あるいは、オートライト機能等により自動で、ロービームのライトスイッチがオンにされると、上記切替スイッチを介して上記第２配線に電流が流れ、右側第２光源５２Ｒ及び左側第２光源５２Ｌに電力が供給される。その結果、図６に示すように右側第２光源５２Ｒから光Ｌ２が出射し、図７に示すように左側第２光源５２Ｌから光Ｌ３が出射する。光Ｌ２は、右側第２光源５２Ｒの下方に配置された右側第２反射面２２Ｒに入射し、当該右側第２反射面２２Ｒで前方に向かって反射する。上述のように、右側第２反射面２２Ｒは、当該右側第２反射面２２Ｒで反射した後の光Ｌ２の配光パターンが所定の配光パターンになるように形成されている。したがって、右側第２反射面２２Ｒで反射して所定の配光パターンに形成された光Ｌ２が、車両用前照灯１から出射する。光Ｌ３は、左側第２光源５２Ｌの下方に配置された左側第２反射面２２Ｌに入射し、当該左側第２反射面２２Ｌで前方に向かって反射する。上述のように、左側第２反射面２２Ｌは、当該左側第２反射面２２Ｌで反射した後の光Ｌ３の配光パターンが所定の配光パターンになるように形成されている。したがって、左側第２反射面２２Ｌで反射して所定の配光パターンに形成された光Ｌ３が、車両用前照灯１から出射する。上述のように、本実施形態では、右側第２反射面２２Ｒで反射した光Ｌ２の配光パターンと、左側第２反射面２２Ｌで反射した光Ｌ３の配光パターンとによって、ロービームの配光パターンが形成される。このため、光Ｌ２，Ｌ３が車両用前照灯１から出射することによって、図８に示すような第２配光パターンとしての配光パターンＰＬを有する光が生成される。

　なお、右側第２光源５２Ｒから出射する光Ｌ２の一部が、右側第２反射面２２Ｒに入射せずに、あるいは、右側第２反射面２２Ｒに入射するものの前方に反射せずに、右側接続部３０Ｒに入射する場合がある。このような場合でも、上述のように、右側接続部３０Ｒは光Ｌ２を反射するように形成されているため、右側接続部３０Ｒにおいて光Ｌ２が反射され、車両用前照灯１の主に右側にも光Ｌ２が出射する。また、左側第２光源５２Ｌから出射する光Ｌ３の一部が、左側第２反射面２２Ｌに入射せずに、あるいは、左側第２反射面２２Ｌに入射するものの前方に反射せずに、左側接続部３０Ｌに入射する場合がある。このような場合でも、上述のように、左側接続部３０Ｌは光Ｌ３を反射するように形成されているため、左側接続部３０Ｌにおいて光Ｌ３が反射され、車両用前照灯１の主に左側にも光Ｌ３が出射する。

　また、車両用前照灯１を搭載する車両の走行中の振動等によって、右側接続部３０Ｒ及び左側接続部３０Ｌに外力が作用する場合がある。しかし、上述のように、右側接続部３０Ｒにはリブ部３１Ｒ１，３１Ｒ２が設けられており、左側接続部３０Ｌにはリブ部３１Ｌ１，３１Ｌ２が設けられているため、右側接続部３０Ｒ及び左側接続部３０Ｌにこのようなリブ部が設けられない場合に比べて、右側接続部３０Ｒ及び左側接続部３０Ｌの強度が補強されている。したがって、右側接続部３０Ｒ及び左側接続部３０Ｌに外力が作用しても、これら接続部３０Ｒ，３０Ｌの変形が抑制され得る。

　以上説明したように、本実施形態の車両用前照灯１は、第１光源５１から出射する光Ｌ１を前方に反射して第１配光パターンであるハイビームの配光パターンＰＨを形成する第１反射面２１と、左右方向において第１反射面２１に隣接するとともに第１反射面２１よりも後方に位置し、第２光源５２Ｒ，５２Ｌから出射する光Ｌ２，Ｌ３を前方に反射して第２配光パターンであるロービームの配光パターンＰＬを形成する第２反射面２２Ｒ，２２Ｌと、第１反射面２１の第２反射面２２Ｒ，２２Ｌ側の縁部から後方に延在して第２反射面２２Ｒ，２２Ｌの第１反射面２１側の縁部に接続する接続部３０Ｒ，３０Ｌと、を備え、接続部３０Ｒ，３０Ｌが、左右方向において第２反射面２２Ｒ，２２Ｌ側に突出して前方から後方に延びるリブ部３１Ｒ１，３１Ｒ２，３１Ｌ１，３１Ｌ２を含むように構成されている。

　このような車両用前照灯１によれば、第１反射面２１に光Ｌ１を出射する第１光源５１と、第２反射面２２Ｒ，２２Ｌに光Ｌ２，Ｌ３を出射する第２光源５２Ｒ，５２Ｌとの点灯を切り替えることで、所望のタイミングでロービームとハイビームとを出射することができる。

　また、上述のように、この車両用前照灯１における第１反射面２１と第２反射面２２Ｒ，２２Ｌとを接続する接続部３０Ｒ，３０Ｌには、リブ部３１Ｒ１，３１Ｒ２，３１Ｌ１，３１Ｌ２が設けられるため、接続部３０Ｒ，３０Ｌの強度が補強される。したがって、車両用前照灯１に外力が作用した場合でも、接続部３０Ｒ，３０Ｌの変形が抑制され、接続部３０Ｒ，３０Ｌを起点として車両用前照灯１が変形することが抑制され得る。

　また、上述のように、この車両用前照灯１では、右側接続部３０Ｒが光Ｌ２を反射し、左側接続部３０Ｌが光Ｌ３を反射する。このため、光源５１，５２Ｒ，５２Ｌから出射する光の全光束量に対して車両用前照灯１から出射する光の全光束量が減少することが抑制されるとともに、接続部３０Ｒ，３０Ｌで反射した光Ｌ２，Ｌ３によって車両用前照灯１の照射範囲が広がり得る。

　また、上述のように、この車両用前照灯１では、リブ部３１Ｒ１，３１Ｒ２，３１Ｌ１，３１Ｌ２が前方から後方に向かって次第に高くになるように傾斜するため、接続部のうち後方側の部分である付け根の強度がより補強され得る。このため、例えば前方から外力が作用する場合でも接続部の変形が効果的に抑制され得る。なお、この構成は必須ではなく、例えばリブ部の頂面が基準面と平行であってもよい。

　また、上述のように、本実施形態では、接続部３０Ｒのリブ部３１Ｒ１，３１Ｒ２は、上方に位置するリブ部３１Ｒ２の上下方向に沿った幅が、下方に位置するリブ部３１Ｒ１の上下方向に沿った幅よりも広くなるように構成される。同様に、接続部３０Ｌのリブ部３１Ｌ１，３１Ｌ２は、上方に位置するリブ部３１Ｌ２の上下方向に沿った幅が、下方に位置するリブ部３１Ｌ１の上下方向に沿った幅よりも広くなるように構成される。このような構成によって、接続部の上方側の強度がより補強され得る。このため、例えば上方から外力が作用する場合でも接続部の変形が効果的に抑制され得る。なお、この構成は必須ではなく、上下方向に並んだ複数のリブ部の上下方向に沿った幅がそれぞれ同じでもよく、下方のリブ部の幅が上方のリブ部の幅よりも広くてもよい。

　以上、本発明について実施形態を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。

　例えば、上述の実施形態では、ロービームの配光パターンＰＬが２つの第２反射面２２Ｒ，２２Ｌによって形成される例を説明したが、配光パターンＰＬを第２反射面２２Ｒ，２２Ｌのいずれか１つによって形成してもよい。この場合、第２反射面２２Ｒ，２２Ｌの一方を設ける必要がなくなるとともに、第２光源５２Ｒ，５２Ｌの一方を設ける必要がなくなるため、車両用前照灯を小型化できるとともに、車両用前照灯の構造を簡易にし得る。

　また、上述の実施形態では、第１反射面２１によってハイビームの配光パターンＰＨを形成し、２つの第２反射面２２Ｒ，２２Ｌによってロービームの配光パターンＰＬを形成する例を説明した。しかし、第１反射面２１によって配光パターンＰＬを形成し、２つの第２反射面２２Ｒ，２２Ｌによって配光パターンＰＨを形成してもよい。また、上記のように、第２反射面を反射面２２Ｒ，２２Ｌのいずれか１つにする場合、１つの第１反射面によって配光パターンＰＬを形成し、１つの第２反射面によって配光パターンＰＨを形成してもよい。このように、第１反射面２１によってロービームの配光パターンを形成し、第２反射面によってハイビームの配光パターンを形成する場合、ロービームの配光パターンを第１配光パターンと呼んでもよく、ハイビームの配光パターンを第２配光パターンと呼んでもよい。

　また、上述の実施形態では、接続部３０Ｒ，３０Ｌのそれぞれに２つのリブ部が設けられる例を説明したが、各接続部に設けるリブ部の数は１つであってもよく、３つ以上であってもよい。ただし、各接続部が複数のリブ部を含む場合、リブ部が１つである場合に比べて、接続部の強度がより補強され得る。よって、車両用前照灯の変形がより抑制され得る。

　また、上述の実施形態では、リブ部３１Ｒ１，３１Ｒ２，３１Ｌ１，３１Ｌ２が第１反射面２１の第２反射面側の縁部から第２反射面２２Ｒ，２２Ｌの第１反射面２１側の縁部まで延在する例を説明した。しかし、リブ部が前方から後方に延びているのであれば、第１反射面の第２反射面側の縁部から第２反射面の第１反射面側の縁部にわたって延在する必要はない。ただし、リブ部が第１反射面の第２反射面側の縁部から第２反射面の第１反射面側の縁部にわたって延在する場合、リブ部が第１反射面の第２反射面側の縁部から第２反射面の第１反射面側の縁部まで延在しない場合に比べて、リブ部の領域が広がるため、接続部の強度がより補強され得る。よって、車両用前照灯の変形がより抑制され得る。

　また、上述の実施形態では、リブ部３１Ｒ１，３１Ｒ２，３１Ｌ１，３１Ｌ２が前後方向に延びている例を説明したが、リブ部が前方から後方に延びているのであれば、リブ部が上下方向に傾いていてもよい。

　また、上述の実施形態では、接続部３０Ｒ，３０Ｌが光を反射する例を説明したが、接続部３０Ｒ，３０Ｌが光を反射することは必須ではない。しかし、接続部３０Ｒ，３０Ｌが光を反射する場合、上述のように、車両用前照灯から出射する光の全光束量の低下を抑制することができるとともに、車両用前照灯の照射範囲を広げ得るため、接続部３０Ｒ，３０Ｌが光を反射することが好ましい。

　また、上述のように、この車両用前照灯１では、リブ部３１Ｒ１，３１Ｒ２，３１Ｌ１，３１Ｌ２の頂面は平面であるが、この構成は必須ではない。例えば、リブ部の頂面が放物面であってもよい。

　また、上記実施形態では、パラボラ型の車両用前照灯を例に説明したが、特にパラボラ型には限定されない。

　また、上述の実施形態では、車両用灯具が二輪自動車に搭載される例を説明したが、これに限られない。例えば、四輪自動車に搭載されてもよい。

　以上のように、本発明によれば、変形し難い車両用前照灯が提供され、自動車の分野などにおいて利用可能である。

Claims

　第１光源から出射する光を前方に反射して第１配光パターンを形成する第１反射面と、
　左右方向において前記第１反射面に隣接するとともに前記第１反射面よりも後方に位置し、第２光源から出射する光を前方に反射して第２配光パターンを形成する第２反射面と、
　前記第１反射面の前記第２反射面側の縁部から後方に延在して前記第２反射面の前記第１反射面側の縁部に接続する接続部と、
を備え、
　前記接続部は、前記左右方向において前記第２反射面側に突出して前方から後方に延びる少なくとも１つのリブ部を含む
ことを特徴とする車両用前照灯。
　前記リブ部は、前記第１反射面の前記第２反射面側の縁部から前記第２反射面の前記第１反射面側の縁部にわたって延在する
ことを特徴とする請求項１に記載の車両用前照灯。
　前記接続部は複数の前記リブ部を含む
ことを特徴とする請求項１又は２に記載の車両用前照灯。
　上方に位置する前記リブ部ほど上下方向に沿った幅が広い
ことを特徴とする請求項３に記載の車両用前照灯。
　前記接続部は前記光を反射する
ことを特徴とする請求項１から４のいずれか１項に記載の車両用前照灯。
　前記リブ部の頂面が平面である
ことを特徴とする請求項１から５のいずれか１項に記載の車両用前照灯。
　前記リブ部は、前方から後方に向かって次第に高くなるように傾斜する
ことを特徴とする請求項１から６のいずれか１項に記載の車両用前照灯。