WO2020261865A1

WO2020261865A1 - 洗浄装置、これを備えた洗浄システム及び同洗浄装置を用いた洗浄方法

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Publication number: WO2020261865A1
Application number: PCT/JP2020/021038
Authority: WO
Inventors: 前田　康成; 尚紀柴田; 紗季帆麻; 真衣齊藤
Original assignee: パナソニックＩｐマネジメント株式会社
Priority date: 2019-06-27
Filing date: 2020-05-28
Publication date: 2020-12-30
Also published as: EP3991863B1; US20220251816A1; EP3991863C0; JP6872740B2; EP3991863A4; EP3991863A1; JP2021004526A; CN113785096A

Abstract

洗浄装置１は、除菌成分が溶解された洗浄水を供給する除菌水供給部１９と、前記除菌水供給部の下流側において前記洗浄水に気泡を含ませる気泡発生部２１と、を備えている。

Description

洗浄装置、これを備えた洗浄システム及び同洗浄装置を用いた洗浄方法

　本発明は、洗浄装置、これを備えた洗浄システム及び同洗浄装置を用いた洗浄方法に関する。

　従来より、種々の洗浄対象を洗浄する洗浄水を供給する洗浄装置が知られている。
　例えば、下記特許文献１には、気液混合部と、この気液混合部にオゾンガスなどの機能ガスを含む気体を導入させる空気導入部と、が設けられ、洗浄水に空気を気泡化させて混入させる気泡混入部を備えた便器洗浄システムが開示されている。

特開２０１９－３９２６７号公報

　しかしながら、上記特許文献１に記載された便器洗浄システムでは、洗浄水に含まれる気泡内にはオゾンガスが存在することとなるが、洗浄水自体にはオゾンガスが殆ど溶解していないため更なる改善が望まれる。

　本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、洗浄水による除菌性を向上し得る洗浄装置、これを備えた洗浄システム及び同洗浄装置を用いた洗浄方法を提供することを目的としている。

　上記目的を達成するために、本発明に係る洗浄装置は、除菌成分が溶解された洗浄水を供給する除菌水供給部と、前記除菌水供給部の下流側において前記洗浄水に気泡を含ませる気泡発生部と、を備えていることを特徴とする。

　また、上記目的を達成するために、本発明に係る洗浄システムは、本発明に係る洗浄装置を備えており、前記気泡発生部の下流側が、便器に洗浄水を供給する給水路及び該便器の排水部に接続された排水路のうちの少なくとも一方に接続されていることを特徴とする。

　また、上記目的を達成するために、本発明に係る洗浄方法は、本発明に係る洗浄装置を用いて洗浄対象を洗浄する洗浄方法であって、予め設定された所定時間を経過する毎に前記洗浄対象に向けて洗浄水を供給することを特徴とする。

　本発明に係る洗浄装置及びこれを備えた洗浄システムは、上述のような構成としたことで、洗浄水による除菌性を向上させることができる。また、本発明に係る洗浄方法によれば、洗浄対象を効果的に洗浄することができる。

本発明の一実施形態に係る洗浄装置の一例を模式的に示す概略システム構成図である。同洗浄装置を用いて実行される本発明の一実施形態に係る洗浄方法の一例を模式的に示す概略フローチャートである。本発明の他の実施形態に係る洗浄装置の一例を備えた本発明の一実施形態に係る洗浄システムの一例を模式的に示す概略システム構成図である。同洗浄装置の一変形例を備えた同洗浄システムの一変形例を模式的に示す概略システム構成図である。同洗浄装置の一変形例を備えた同洗浄システムの一変形例を模式的に示す概略システム構成図である。

　以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
　なお、以下の各実施形態では、各実施形態に係る洗浄装置を設置した状態を基準として上下方向等の方向を説明する。
　図１及び図２は、第１実施形態に係る洗浄装置及びこれを用いて実行される洗浄方法の一例を模式的に示す図である。

　本実施形態に係る洗浄装置１は、図１に示すように、除菌成分が溶解された洗浄水を供給する除菌水供給部１９と、この除菌水供給部１９の下流側において洗浄水に気泡を含ませる気泡発生部２１と、を備えている。このような構成とすれば、洗浄水自体に除菌成分が含まれているため、除菌性を向上させることができる。また、気泡発生部２１の上流側に除菌水供給部１９を設けているので、除菌水供給部１９の上流側に気泡発生部２１を設けたものと比べて、気泡の消滅を抑制することができ、また、除菌水供給部１９の構成によっては気泡による悪影響を抑制することができる。また、気泡発生部２１を除菌水供給部１９の下流側に設けているので、洗浄水に含まれる除菌成分の一部が気化して気泡化したり、気泡内に取り込まれたりする。これにより、除菌成分を含む洗浄水による言わば直接的な除菌効果及び気泡による汚れ除去効果に加えて、気泡化したまたは気泡内に取り込まれた除菌成分が徐々に洗浄水に溶解し、除菌効果を長期化させることができる。

　また、本実施形態では、洗浄装置１は、除菌水供給部１９の上流側において洗浄水に気体を溶解させる気体溶解部１５を備えている。このような構成とすれば、この気体溶解部１５において溶解された気体を気泡発生部２１において気泡化させて洗浄水に気泡を含ませることができる。これにより、除菌水供給部１９の下流側に気体溶解部１５や気液混合部を設けたものと比べて、洗浄水に含まれる除菌成分が分解等によって減少するようなことを抑制することができる。また、気体溶解部１５において溶解された気体に加え、気化する除菌成分を効果的に気泡化させたり、気泡に取り込ませたりすることができ、除菌効果をより効果的に長期化させることができる。

　また、本実施形態では、除菌水供給部１９の上流側に、洗浄水を一時的に貯留する貯水部１２と、この貯水部１２に貯水された洗浄水を下流側に向けて送水するポンプ１４と、を設けた構成としている。このような構成とすれば、除菌水供給部１９に直接的に水道管を接続したようなものと比べて、除菌水供給部１９に供給される洗浄水の流量の一定化を図ることができ、洗浄水に含まれる除菌成分の濃度のばらつきを抑制することができる。
　貯水部１２は、給水元２に接続された給水路１１を経て供給される洗浄水を貯留するタンク状とされている。また、本実施形態では、この貯水部１２に、給水路１１の吐水口と水面（越流面）との間に吐水口空間が形成されるように越流路１３を設けた構成としている。図例では、越流路１３を、貯水部１２の側壁部に接続した例を示しているが、貯水部１２の底側から貯水部１２内において垂直状に立ち上がるように設けられたものとしてもよい。なお、給水元２側と貯水部１２とを縁切りする吐水口空間を設けた態様に代えて、適宜、バキュームブレーカーを設けた構成等としてもよい。

　この貯水部１２に洗浄水を供給する給水路１１には、給水路１１を開閉し、洗浄水を供給及び遮断する給水弁１０が設けられている。この給水弁１０は、電磁弁であってもよく、定水位弁（いわゆるボールタップ）であってもよい。また、給水元２としては、水道や他の貯水タンクであってもよい。なお、図例では、給水路１１を、貯水部１２の上方側を区画する天壁部に接続した例を示しているが、貯水部１２の上端部の側壁部に接続した構成等としてもよい。また、貯水部１２の貯水レベルが所定の下限レベルとなれば、給水弁１０が開放されるものでもよい。この場合は、適宜のレベル計や給水弁１０を開閉させるフロート（浮き玉）等を貯水部１２に設けた構成としてもよい。または、当該洗浄装置１の稼働中は、常時、給水弁１０が開とされるものでもよい。

　ポンプ１４は、貯水部１２と気体溶解部１５との間に配されている。このポンプ１４の吸込口が貯水部１２の排水側に管路を介して接続され、ポンプ１４の吐出口が気体溶解部１５の流入口に管路を介して接続されている。
　気体溶解部１５は、タンク状とされ、下端部（図例では、底壁部）にポンプ１４に接続される流入口を設けた構成とされている。この気体溶解部１５内には、公知であるため図示を省略しているが、流入口から流入した洗浄水と気体とを混合する気液混合室、中間室及び気液分離室が設けられている。気液混合室と中間室とは、これらを仕切る仕切壁に設けられた連通口を介して接続され、中間室と気液分離室とは、これらを仕切る仕切壁に設けられた連通口を介して接続されている。また、図例では、気液分離室の下流側となる気体溶解部１５の側壁部の下端部に流出口を設けた例を示している。

　また、気体溶解部１５には、気液混合室内に気体を取り込む気体取込部１５ａが設けられている。この気体取込部１５ａからの気体の取込態様としては、ポンプ１４の作動によって生じる負圧作用によって気液混合室に取り込む態様でもよい。またはポンプ１４を作動中は気体を取込不能とされ、ポンプ１４が停止された際に次回作動時に溶解される気体を取り込む構成とされたものでもよい。このような構成とすれば、ポンプ１４の吸込側に気体取込部を設けたようなものと比べて、ポンプ１４の小型化を図ることができる。また、取り込む気体を、例えば、大気（空気）とは異なる機能ガスとした場合には、機能ガスの使用量の効率化を図ることができる。なお、この場合、気液分離室において分離された気体を気液混合室に戻す適宜のバイパス路等を設けた構成としてもよい。

　この気体溶解部１５においては、詳細な説明は省略するが、ポンプ１４を作動させれば、加圧された洗浄水が気液混合室に導入される。この気液混合室において内壁に衝突しながら洗浄水と気体とが混合・撹拌され、加圧下で気体が洗浄水に溶解され、中間室を経て気液分離室に至る。この気液分離室において溶解されていない気体が分離され、気体が溶解された気体溶解洗浄水が気体溶解部１５の流出口から下流側に向けて供給される。なお、気体溶解部１５としては、上記のような構成とされたものに限られない。例えば、気液分離室において分離された気体を排出する排出口を設けた態様等としてもよく、その他、種々の構成とされたものの採用が可能である。

　除菌水供給部１９は、気体溶解部１５から供給される気体溶解洗浄水に除菌成分を含ませて下流側に供給する。本実施形態では、除菌水供給部１９は、給水元２側からの洗浄水を電気分解して除菌成分を含む洗浄水を生成する電解槽１９ａを備えている。つまり、除菌水供給部１９は、電解式とされている。このような構成とすれば、薬剤を溶解させて除菌成分を含む洗浄水を生成するようなものと比べて、薬剤の補充等が不要となり、メンテナンス性を向上させることができる。
　また、本実施形態では、この電解槽１９ａから下流側に向けて洗浄水を流出させる流出口１９ｃを、電解槽１９ａに洗浄水を流入させる流入口１９ｂよりも上方側に位置するように設けた構成としている。このような構成とすれば、装置停止後に電解槽１９ａ内に洗浄水を残存させることができ、次回起動時に除菌成分を含む洗浄水を早期に生成することができる。

　この除菌水供給部１９は、洗浄水を電気分解してオゾン水を生成する構成とされている。
　この除菌水供給部１９の電解槽１９ａは、上下方向に長尺状とされている。図例では、電解槽１９ａの下端部に流入口１９ｂを設け、上端部に流出口１９ｃを設けた例を示している。この電解槽１９ａ内には、公知であるため図示を省略しているが、電源に接続され、陽極及び陰極を構成する一対の電極や、これら一対の電極間に配されたダイヤモンド電極やイオン交換膜等が設けられている。この除菌水供給部１９が起動されて電極に通電されれば、電解槽１９ａ内に導入された洗浄水が電気分解されてオゾンガスが生成され、このオゾンガスが溶解部において水に溶解されてオゾン水が生成される。
　この除菌水供給部１９において生成される洗浄水（オゾン水）のオゾン濃度としては、当該洗浄装置１の用途や洗浄対象３、設置箇所等に応じて、また、除菌性を向上させる観点や安全性の観点等から適宜の濃度としてもよい。除菌水供給部１９において生成される洗浄水のオゾン濃度を、除菌性の観点等から、０．０５ｍｇ／Ｌ以上としてもよく、好ましくは、０．１５ｍｇ／Ｌ以上としてもよく、また、安全性の観点等から、７．０ｍｇ／Ｌ以下としてもよい。なお、当該洗浄装置１の洗浄対象３が配管等で外部に気化した除菌成分（オゾンガス）が漏出しない場合には、オゾン濃度を、上記上限値よりも大としてもよい。

　また、除菌水供給部１９としては、給水元２側からの洗浄水を電気分解して除菌成分を含む洗浄水を生成するものに限られず、除菌成分を構成する薬剤を溶解させた洗浄水を生成または貯留するタンクであってもよい。また、除菌成分を含む洗浄水としては、オゾン水に限られず、次亜塩素酸水や強酸性水、次亜塩素酸ナトリウム溶液、過酸化水素水等でもよい。また、除菌成分を含む洗浄水としては、水道水よりも除菌性が高いものであればよく、上記のような電解水や残留性の低い洗浄水に限られず、エタノール等のアルコール系の洗浄水等、その他、種々の洗浄水であってもよい。

　気泡発生部２１は、本実施形態では、上流側の気体溶解部１５において気体が溶解された洗浄水を減圧（圧力開放）することで洗浄水に含まれる気体を気泡化させて洗浄水に気泡を含ませる構成とされている。このような構成とすれば、微細な気泡を効果的に洗浄水に含ませることができる。この気泡発生部２１としては、ベンチュリー管状とされた圧力開放部であってもよい。また、この気泡発生部２１を経た洗浄水に含まれる気泡としては、ミリメートルオーダー、マイクロメートルオーダー及びナノメートルオーダーの気泡でもよく、これらが混在したものであってもよい。この気泡は、気泡径が１ｍｍ以下の微細気泡であってもよく、好ましくは、気泡径が５００μｍ以下のものでもよく、より好ましくは、気泡径が１００μｍ以下のものでもよい。
　本実施形態では、この気泡発生部２１は、除菌水供給部１９の下流側において圧力を上昇させる抵抗部としても機能する。このような構成とすれば、洗浄水に含まれる除菌成分が気化することを抑制することができる。なお、抵抗部を、気泡発生部２１とは別途に除菌水供給部１９の下流側に設けた構成としてもよい。

　また、本実施形態では、この気泡発生部２１の上流側に、気体を排出させる気体排出部２０を設けた構成としている。このような構成とすれば、気泡発生部２１に大きな気泡等の気体が導入され難くなり、気泡発生部２１において発生する気泡との合体によって気泡が減少するようなことを抑制することができる。この気体排出部２０は、除菌水供給部１９の下流側に設けられている。図例では、除菌水供給部１９の電解槽１９ａの上方側に位置するように気体排出部２０を設けた例を示している。
　この気体排出部２０としては、フロート室内において上下動されるフロートやこのフロートに連結された弁体によって開閉される排出口を設けた構成とされたものでもよい。また、この気体排出部２０は、排出側へのみ気体の通過を許容する構成とされたものでもよい。

　また、本実施形態では、洗浄装置１は、除菌水供給部１９の上流側と除菌水供給部１９の下流側であって気泡発生部２１の上流側とを接続するバイパス路１８を備えている。また、洗浄装置１は、給水元２側を除菌水供給部１９側またはバイパス路１８側に選択的に連通させる切替弁１６を備えている。このような構成とすれば、除菌成分を含む気泡含有洗浄水と除菌成分を含まない気泡含有洗浄水とを選択的に切り替えて供給することができる。これにより、除菌水供給部１９が上記のように電解槽１９ａを備えたものでは長寿命化を図ることができ、また、薬剤を溶解させるものでは、薬剤の使用量を減少させることができる。

　本実施形態では、気体溶解部１５の下流側の管路を、除菌側給水路１７とバイパス路１８とに分岐させ、これらの分岐部に三方切替弁を切替弁１６として設けた構成としている。なお、このような構成に代えて、除菌側給水路１７及びバイパス路１８のそれぞれに開閉弁を設けた構成等としてもよい。
　また、洗浄装置１は、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ　Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ　Ｕｎｉｔ）等の制御回路や、種々のメモリー等から構成された記憶部、電源部等を有した制御部２２を備えている。この制御部２２には、上記した給水弁１０やポンプ１４、切替弁１６、除菌水供給部１９等が信号線等を介してそれぞれ接続されている。この制御部２２によって当該洗浄装置１の各部が制御され、後記する各種の洗浄方法（洗浄モード）が実行される。なお、この制御部２２は、当該洗浄装置１専用のものに限られず、また、当該洗浄装置１から離間した位置に設置されるものでもよい。

　また、この洗浄装置１において生成された洗浄水は、適宜の洗浄対象３に向けて供給される。洗浄対象３としては、後記する第２実施形態のような便器５やこの便器５の排水路９（図３参照）に限られず、厨房装置や洗面台装置、浴室、洗濯機、食洗機等の給水対象及び排水路のうちの少なくとも一方であってもよい。また、当該洗浄装置１は、このように種々の水回りシステムや機器に組み込まれて用いられる態様に限られず、洗浄装置１単体で用いられるものでもよく、また、例えば、生鮮食品を洗浄対象３としてもよい。
　また、気泡発生部２１の下流側に、生成された洗浄水を一時的に貯留する貯水部を設け、この貯水部から洗浄対象３に向けて適宜の弁を開放させて洗浄水を供給する態様としてもよい。このような構成とすれば、洗浄対象３に供給される洗浄水の流量の安定化を図ることができる。

　次に、本実施形態に係る洗浄装置１を用いて実行される洗浄方法の一例について、図２をも参照して説明する。
　同洗浄方法は、予め設定された所定時間を経過する毎に洗浄対象３に向けて洗浄水を供給する構成とされている。このような構成とすれば、洗浄対象３における菌の増殖を抑制することができる。この所定時間は、除菌対象となる菌の種類に応じて設定されるものでもよく、また、節水化や省電力化を図る観点等から適宜の時間としてもよく、例えば、１時間～２４時間程度としてもよく、好ましくは、２時間～８時間程度としてもよい。また、この所定時間は、制御部２２に設けられた適宜の計時部によって洗浄が実行される毎にリセットされて計時されるものでもよい。つまり、前回の洗浄がなされてから所定時間が経過すれば、洗浄対象３に向けて洗浄水を供給する構成としてもよい。

　また、同洗浄方法は、洗浄対象３を洗浄する際には、給水元２側をバイパス路１８側に連通させて気泡発生部２１を通過させた洗浄水を洗浄対象３に向けて供給する構成とされている。また、この後に、給水元２側を除菌水供給部１９側に連通させて除菌水供給部１９及び気泡発生部２１を通過させた洗浄水を洗浄対象３に向けて供給する構成とされている。このような構成とすれば、除菌成分を含まない洗浄水によって洗浄対象３を言わばプレ洗浄して汚れ等を除去した後に、除菌成分を含む洗浄水によって洗浄対象３を効果的に除菌することができる。これにより、除菌水供給部１９等の構成にもよるが、長寿命化や省電力化が図れたり、低コスト化が図れたりできる。

　本実施形態では、図２に示すように、適宜の洗浄操作部が操作されて洗浄ＯＮとなれば（ステップ１００）、ポンプ１４を作動させ、給水元２側をバイパス路１８側に連通させて洗浄水を洗浄対象３に向けて供給し、洗浄（プレ洗浄）を実行する（ステップ１０２）。つまり、切替弁１６を、気体溶解部１５の下流側とバイパス路１８とを連通させるように切り替える。このプレ洗浄は、予め設定された所定のプレ洗浄時間が経過するまで実行するようにしてもよい。なお、このプレ洗浄実行時にも除菌水供給部１９を作動させるようにしてもよい。このような構成とすれば、プレ洗浄中に除菌水供給部１９において除菌成分を含む洗浄水を生成することができる。また、洗浄操作部としては、操作レバーや操作ボタン等としてもよく、また、人体検知センサーや着座センサー等の各種センサーを洗浄操作部として把握、つまり、検知を操作と把握するような態様としてもよい。
　そして、プレ洗浄が終了すれば、給水元２側を除菌水供給部１９側に連通させて洗浄水を洗浄対象３に向けて供給し、洗浄（除菌洗浄）を実行する（ステップ１０３）。つまり、切替弁１６を、気体溶解部１５の下流側と除菌側給水路１７とを連通させるように切り替える。この除菌洗浄は、予め設定された所定の除菌洗浄時間が経過するまで実行するようにしてもよい。

　一方、洗浄ＯＮ（洗浄操作）されることなく、所定時間が経過すれば（ステップ１００，１０１）、タイマーをリセットし、上記同様、プレ洗浄を実行した後に、除菌洗浄を実行する（ステップ１０２，１０３）。
　なお、前回の洗浄がなされてから所定時間を経過することなく洗浄操作がなされれば、洗浄を実行し、前回の洗浄がなされてから所定時間が経過すれば、洗浄を実行する構成としてもよい。また、このような態様に代えて、洗浄操作の有無に関わらず、所定時間が経過する毎に言わば定期的に洗浄を実行する構成としてもよい。つまり、洗浄操作がなされた際には、タイマーをリセットすることなく所定時間を計時する構成としてもよい。また、洗浄装置１を用いて実行される洗浄方法としては、上記のような態様に限られない。例えば、洗浄操作部等が設けられていない場合には、ステップ１００、つまり、洗浄操作がなされたか否かを判断するステップを省略してもよく、その他、種々の変形が可能である。

　次に、他の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
　なお、以下の実施形態及び変形例では、先に説明した例との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
　図３は、第２実施形態に係る洗浄装置及びこれを備えた洗浄システムの一例を模式的に示す図である。

　本実施形態に係る洗浄システムＡは、本実施形態に係る洗浄装置１Ａを備え、気泡発生部２１の下流側が、便器５に洗浄水を供給する給水路４及び便器５の排水部５ｄに接続された排水路９のうちの少なくとも一方に接続されている。つまり、本実施形態では、洗浄対象３Ａを、便器５及び排水路９のうちの少なくとも一方としている。このような構成とすれば、洗浄装置１Ａが接続された給水路４及び排水路９の両方または一方を、洗浄装置１Ａにおいて生成された除菌成分及び気泡を含む洗浄水によって効果的に除菌及び洗浄することができる。また、便器５及び排水路９のうちの少なくとも一方の内面に付着した尿石（カルシウムイオンや菌）等の汚物を洗浄水に含まれる気泡に吸着させて効果的に除去することができ、尿石の堆積を効果的に抑制することができる。
　本実施形態では、気泡発生部２１の下流側を給水路４及び排水路９の両方に接続した構成としている。図例では、気泡発生部２１の下流側の給水路４から分岐させたバイパス給水路６を排水路９に接続した構成としている。

　また、本実施形態では、便器５を、立位状態で使用する小便器とした例を示している。この便器５は、ボウル部（鉢部）５ｃと、給水路４に接続された給水部５ｂと、尿や洗浄水を排出する排水部５ｄと、を備えている。
　給水部５ｂには、ボウル部５ｃ内面に沿わせるように洗浄水を吐出するスプレッダー等の吐出部が設けられている。
　排水部５ｄは、椀トラップ状やＰトラップ状のトラップ部を構成し、排水路９に接続される。なお、この便器５は、床に載置されるように設置されるいわゆる床置型の縦長の小便器でもよく、壁面に引っ掛けられるように設置される壁掛型の小便器でもよい。また、本実施形態に係る洗浄システムＡを、便器５を含んで便器洗浄システムとして把握するようにしてもよい。

　また、本実施形態では、給水路４を複数（図例では、３つ）に分岐させて複数の便器５，５，５に洗浄水を供給する構成とされている。給水路４の分岐管路４Ａ，４Ａ，４Ａのそれぞれが各便器５，５，５の給水部５ｂ，５ｂ，５ｂに接続されている。また、これら分岐管路４Ａ，４Ａ，４Ａのそれぞれには、これらを開閉し、洗浄水を供給及び遮断する給水弁５ａ，５ａ，５ａが設けられている。
　また、各便器５，５，５の排水部５ｄ，５ｄ，５ｄには、横引配管状の排水路９に接続される排水管路９Ａ，９Ａ，９Ａがそれぞれに接続されている。
　バイパス給水路６の下流側端部は、排水路９の排水方向で最上流側の便器５に接続された排水管路９Ａと排水路９との接続部に接続されている。つまり、バイパス給水路６の下流側端部は、排水路９の略水平方向に延びるように設けられた部位の上流側端部に接続されている。

　また、バイパス給水路６には、バイパス給水路６を開閉し、洗浄水を供給及び遮断するバイパス弁７が設けられている。また、バイパス給水路６には、上流側への逆流を防止する逆流防止弁（逆止弁、チェックバルブ）等の逆流防止部８が設けられている。この逆流防止部８は、バイパス弁７よりも下流側（排水路９側）に設けられている。
　洗浄装置１Ａは、給水元２Ａ側からの洗浄水を一時的に貯留する上記と概ね同様な貯水部１２Ａを備えている。図例では、給水元２Ａを構成する給水路に上記のような給水弁を設けていない構成とした例を示しているが、このような態様に限られない。また、貯水部１２Ａを、天壁部を有してない上方開口の水槽状とした例を示しているが、このような態様に限られない。なお、図示していないが、上記同様な越流路等を設けた構成としてもよい。また、この貯水部１２Ａには、所定レベルの洗浄水が貯水されるように適宜のレベル計が設けられている。

　この貯水部１２Ａの下流側のポンプ１４Ａとの間の給水路１１Ａには、気体取込部２４を介して気体を取り込むエゼクター部２３が設けられている。気体取込部２４としては、管路の先端が大気開放されたものでもよく、管路途中に開閉弁が設けられたものでもよい。この気体取込部２４は、エゼクター部２３のノズル部に接続されている。なお、気体取込部２４の管路途中等に、エゼクター部２３に向けて供給される気体の流量調整が可能とされた流量調整部を設けた構成としてもよい。
　エゼクター部２３は、ノズル部を通過する洗浄水の負圧作用によるエゼクター効果によって気体取込部２４を介して気体を取り込む構成とされている。このエゼクター部２３において取り込まれた気体がポンプ１４Ａによって気体溶解部１５Ａに導入され、上記と概ね同様にして洗浄水に気体が溶解される。

　また、本実施形態においても、この気体溶解部１５Ａの下流側に、除菌水供給部１９と気泡発生部２１とを設けた構成としている。図例では、除菌水供給部１９を、横長状とした例を示しているが、上記同様、縦長状とされたものでもよい。
　また、本実施形態では、気体溶解部１５Ａと除菌水供給部１９との間の給水路１１Ａと、エゼクター部２３の上流側の給水路１１Ａと、を接続する還流路１８Ａを設けた構成としている。このような構成とすれば、気体溶解部１５Ａを経た洗浄水の一部を上流側に還流させることができ、除菌水供給部１９に供給される洗浄水の流量の安定化を図ることができる。
　また、図示を省略しているが、本実施形態においても、当該洗浄システムＡの各部に接続され、各部を制御する制御部２２（図１参照）が設けられている。

　上記構成とされた洗浄システムＡにおいては、バイパス弁７を閉鎖させた状態で、ポンプ１４Ａを作動させ、洗浄操作がなされた便器５の給水弁５ａを開放させれば、除菌成分及び気泡を含む洗浄水が、洗浄操作がなされた便器５のボウル部５ｃに供給される。このような便器洗浄モードの実行は、上記と概ね同様、便器５に設けられた洗浄操作部の操作や、人体検知センサーによる人体の接近及び離間の検知がなされれば、洗浄操作がなされたと判断し、実行されるものでもよい。
　また、ポンプ１４Ａを作動させ、バイパス弁７を開放させれば、除菌成分及び気泡を含む洗浄水がバイパス給水路６を介して排水路９に直接的に供給される。また、全ての給水弁５ａ，５ａ，５ａを閉鎖させた状態で、ポンプ１４Ａを作動させ、バイパス弁７を開放させれば、除菌成分及び気泡を含む洗浄水をバイパス給水路６側のみに供給させることもできる。

　例えば、洗浄操作がなされれば、便器５のボウル部５ｃに洗浄水を供給する便器洗浄モードを実行した後に、バイパス給水路６を介して排水路９に洗浄水を供給する排水路洗浄モードを実行するような構成としてもよい。
　また、上記第１実施形態と概ね同様、所定時間が経過する毎に言わば定期的に便器洗浄モード及び排水路洗浄モードの両方または一方を実行するような構成としてもよい。
　また、本実施形態によれば、少なくとも一つの便器５のボウル部５ｃ及びバイパス給水路６の両方に同時的に除菌成分及び気泡を含む洗浄水を供給することもできる。これにより、便器５またはバイパス給水路６に選択的に洗浄水が供給されるものと比べて、便器５のボウル部５ｃ及び排水路９の両方をより効果的に洗浄することができる。

　図４及び図５は、上記第２実施形態に係る洗浄装置及び洗浄システムの一変形例をそれぞれ模式的に示す図である。
　図４に示す第１変形例では、洗浄装置１Ｂは、環流路１８Ａが設けられていないことを除いては、上記した例と同様である。
　また、第１変形例に係る洗浄システムＢは、給水弁５ａを、各便器５，５，５の給水部５ｂ，５ｂ，５ｂに接続された分岐管路４Ａ，４Ａ，４Ａではなく、給水路４の上流側部位に設けた構成とされている。この給水弁５ａは、給水路４の給水方向で最上流側の便器５に接続された分岐管路４Ａよりも上流側に位置するように接続されている。このような構成とすれば、この一つの給水弁５ａを開放させれば、各便器５，５，５に言わば同時的に洗浄水を供給することができる。

　また、洗浄システムＢは、バイパス給水路６を、横引配管状の排水路９の上流側端部に接続した態様に代えて、各便器５，５，５の排水部５ｄ，５ｄ，５ｄに接続された排水管路９Ａ，９Ａ，９Ａに接続した構成とされている。このような構成とすれば、各便器５，５，５の排水管路９Ａ，９Ａ，９Ａも効果的に洗浄することができる。図例では、排水管路９Ａ，９Ａ，９Ａの途中部位にバイパス給水路６を接続した例を示しているが、排水管路９Ａ，９Ａ，９Ａの上流側端部に接続してもよく、さらには、排水部５ｄ，５ｄ，５ｄに接続するようにしてもよい。このような構成とすれば、排水部５ｄ，５ｄ，５ｄも効果的に洗浄することができる。また、図例では、バイパス給水路６の下流側端部が接続された排水管路９Ａよりも上流側の排水管路９Ａ，９Ａには、バイパス給水路６から分岐された分岐管路６ａ，６ａを接続した例を示している。

　図５に示す第２変形例では、洗浄システムＣの洗浄対象３Ｂを、便器５及び排水路９のうちの一方としての排水路９としている。本変形例では、各便器５，５，５に洗浄水を供給する給水路４を、洗浄装置１Ｂの給水路１１Ａに接続した態様に代えて、給水元２Ａに接続している。また、この給水路４の上流側部位に、第１変形例と同様、一つの給水弁５ａを設けた構成としている。
　また、洗浄装置１Ｂの気泡発生部２１の下流側給水路６Ａを、第１変形例と同様、各便器５，５，５の排水部５ｄ，５ｄ，５ｄに接続された排水管路９Ａ，９Ａ，９Ａに接続した構成としている。また、下流側給水路６Ａには、上記したバイパス弁７と同様な洗浄水供給弁７Ａが設けられている。本変形例においても第１変形例と同様、各便器５，５，５の排水管路９Ａ，９Ａ，９Ａも効果的に洗浄することができる。

　なお、第２実施形態及び各変形例においても、上記第１実施形態と同様なバイパス路１８や切替弁１６を設けた構成としてもよい。この場合は、上記した便器洗浄モード及び排水路洗浄モードの両方または一方において、上記第１実施形態と概ね同様、プレ洗浄を実行した後に除菌洗浄を実行するような構成としてもよい。
　また、第２実施形態及び各変形例においても、上記第１実施形態と同様な気体排出部２０を設けた構成としてもよい。その他、上記各実施形態及び各変形例において説明した互いに異なる構成の一部を組み替えたり、組み合わせたりして適用するようにしてもよい。例えば、上記第１実施形態において説明した洗浄装置１を、第２実施形態及び各変形例に係る洗浄システムＡ，Ｂ，Ｃの洗浄装置として適用するようにしてもよく、その他、種々の組み替えや組み合わせが可能である。

　また、第２実施形態及び第１変形例では、洗浄対象３Ａを複数の便器５，５，５とした例を示しているが、一つの便器５としてもよく、また、小便器に限られず、しゃがみこみ式や腰掛式の大便器としてもよい。また、第２実施形態及び各変形例に係る洗浄装置１Ａ，１Ｂの洗浄対象３Ａ，３Ｂとしては、便器５やこの便器５の排水路９に限られず、上記したような種々の洗浄対象であってもよい。
　また、上記各実施形態及び各変形例では、貯水部１２，１２Ａ及びポンプ１４，１４Ａを設けた例を示しているが、これらを設けずに、気体溶解部１５，１５Ａに給水路としての水道管が直接的に接続される態様としてもよい。

　また、上記各実施形態及び各変形例では、気泡発生部２１を、上流側の気体溶解部１５，１５Ａにおいて気体が溶解された洗浄水を減圧（圧力開放）することで洗浄水に気泡を含ませる構成とした例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、洗浄水を加熱して気泡を含ませる態様でもよい。また、ベンチュリー管状の気液混合部に気体取込路を接続し、エゼクター効果によって取り込まれて洗浄水に混入された気体が絞り部を通過する際における圧力急変作用によってせん断されて細分化され、微細気泡となって洗浄水に混入される態様でもよい。上記各実施形態及び各変形例に係る洗浄装置１，１Ａ，１Ｂにおける上記した各部の構成は、一例に過ぎず、その他、種々の変形が可能である。

　Ａ，Ｂ，Ｃ　　　洗浄システム
　１，１Ａ，１Ｂ　洗浄装置
　２，２Ａ　　　　給水元
　３，３Ａ，３Ｂ　洗浄対象
　４　　　　　　　給水路
　５　　　　　　　便器
　５ｄ　　　　　　排水部
　９　　　　　　　排水路
　１２，１２Ａ　　貯水部
　１４，１４Ａ　　ポンプ
　１５，１５Ａ　　気体溶解部
　１６　　　　　　切替弁
　１８　　　　　　バイパス路
　１９　　　　　　除菌水供給部
　１９ａ　　　　　電解槽
　１９ｂ　　　　　流入口
　１９ｃ　　　　　流出口
　２０　　　　　　気体排出部
　２１　　　　　　気泡発生部

Claims

　除菌成分が溶解された洗浄水を供給する除菌水供給部と、
　前記除菌水供給部の下流側において前記洗浄水に気泡を含ませる気泡発生部と、
　を備えていることを特徴とする洗浄装置。
　請求項１において、
　前記除菌水供給部の上流側において前記洗浄水に気体を溶解させる気体溶解部を備えていることを特徴とする洗浄装置。
　請求項１または２において、
　前記除菌水供給部は、給水元側からの洗浄水を電気分解して除菌成分を含む洗浄水を生成する電解槽を備えており、該電解槽から下流側に向けて洗浄水を流出させる流出口は、該電解槽に洗浄水を流入させる流入口よりも上方側に位置するように設けられていることを特徴とする洗浄装置。
　請求項１乃至３のいずれか１項において、
　前記除菌水供給部の上流側と前記除菌水供給部の下流側であって前記気泡発生部の上流側とを接続するバイパス路と、給水元側を前記除菌水供給部側または前記バイパス路側に選択的に連通させる切替弁と、を備えていることを特徴とする洗浄装置。
　請求項１において、
　前記除菌水供給部の上流側において前記洗浄水に気体を溶解させる気体溶解部を備え、該気体溶解部は、加圧された洗浄水と気体とが混合・攪拌される気液混合室を有しており、
　前記除菌水供給部は、給水元側からの洗浄水を電気分解して除菌成分を含む洗浄水を生成する電解槽を備えており、該電解槽から下流側に向けて洗浄水を流出させる流出口は、該電解槽に洗浄水を流入させる流入口よりも上方側に位置するように設けられていることを特徴とする洗浄装置。
　請求項１において、
　前記除菌水供給部の上流側において前記洗浄水に気体を溶解させる気体溶解部と、前記除菌水供給部の上流側と前記除菌水供給部の下流側であって前記気泡発生部の上流側とを接続するバイパス路と、給水元側を前記除菌水供給部側または前記バイパス路側に選択的に連通させる切替弁と、を備えており、
　前記気体溶解部は、加圧された洗浄水と気体とが混合・攪拌される気液混合室を有していることを特徴とする洗浄装置。
　請求項１乃至６のいずれか１項において、
　前記気泡発生部の上流側において気体を排出する気体排出部を備えていることを特徴とする洗浄装置。
　請求項１乃至７のいずれか１項において、
　前記除菌水供給部の上流側には、洗浄水を一時的に貯留する貯水部と、この貯水部に貯水された洗浄水を下流側に向けて送水するポンプと、が設けられていることを特徴とする洗浄装置。
　請求項１乃至８のいずれか１項に記載の洗浄装置を備えており、
　前記気泡発生部の下流側が、便器に洗浄水を供給する給水路及び該便器の排水部に接続された排水路のうちの少なくとも一方に接続されていることを特徴とする洗浄システム。
　請求項１乃至８のいずれか１項に記載の洗浄装置を用いて洗浄対象を洗浄する洗浄方法であって、
　予め設定された所定時間を経過する毎に前記洗浄対象に向けて洗浄水を供給することを特徴とする洗浄方法。
　請求項４または６に記載の洗浄装置を用いて洗浄対象を洗浄する洗浄方法であって、
　前記洗浄対象を洗浄する際には、給水元側を前記バイパス路側に連通させて前記気泡発生部を通過させた洗浄水を前記洗浄対象に向けて供給した後に、給水元側を前記除菌水供給部側に連通させて前記除菌水供給部及び前記気泡発生部を通過させた洗浄水を前記洗浄対象に向けて供給することを特徴とする洗浄方法。