WO2020255328A1

WO2020255328A1 - エレベーター用巻上機

Info

Publication number: WO2020255328A1
Application number: PCT/JP2019/024486
Authority: WO
Inventors: 遼小松; 章智五十嵐
Original assignee: 株式会社日立製作所
Priority date: 2019-06-20
Filing date: 2019-06-20
Publication date: 2020-12-24

Abstract

本発明は、制動部材の反力をモーターフレームで受けると共に、モーターフレームの製作を容易にしたエレベーター用巻上機を提供するものである。　そのために本発明は、モーターフレーム１及びブレーキドラム２を備えたモーターと、ブレーキドラム２の外周部にブレーキパッド６Ａ，６Ｂを押圧して制動するブレーキ装置５Ａ，５Ｂとを備えたエレベーター用巻上機において、ブレーキ装置５Ａ，５Ｂの制動時にブレーキシュー９と当接するガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂを備え、モーターフレーム１には、ガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂと当接すると共に、ガイドブラケット１０Ａ，１０Ｂの位置を調整可能な調整ボルト１２Ａ，１２Ｂを備えるようにした。

Description

エレベーター用巻上機

　本発明は、エレベーター用巻上機に関する。

　エレベーター用巻上機のブレーキとして、例えば特許文献１がある。特許文献１には、モーターと一体に回転する被制動体と、この被制動体の外周部に制動部材を押圧して制動するブレーキ装置とを備えており、制動部材が被制動体を押圧した際に、被制動体の回転による摩擦力をモーターフレームのガイドで受けるようにした構成が開示されている。

特開２０１１－１９００２５号公報

　モーターフレームのガイドは、制動部材の左右両側に位置しており、被制動体の回転方向の向きに応じて左右何れかのガイドが制動部材を受けるようにしている。

　モーターフレームのガイド間距離は、制動部材が移動した際に適切にガイドで受けられるよう強度と高度な寸法精度が要求される。モーターフレームは大型部品で構成される。このため、モーターフレームは、適切なガイド間距離とするための難易度の高い加工が必要であり、モーターフレームの製作に時間を要するといった課題があった。

　本発明の目的は、制動部材の反力をモーターフレームで受けると共に、モーターフレームの製作を容易にしたエレベーター用巻上機を提供することにある。

　上記目的を達成するために本発明はその一つの態様として、モーターフレーム及びブレーキドラムを備えたモーターと、前記ブレーキドラムの外周部に制動部材を押圧して制動するブレーキ装置とを備えたエレベーター用巻上機において、前記ブレーキ装置の制動時に前記制動部材と当接するガイドブラケットを備え、前記モーターフレームには、前記ガイドブラケットと当接すると共に、前記ガイドブラケットの位置を調整可能な調整ボルトを備えたことを特徴とする。

　本発明によれば、制動部材の反力をモーターフレームで受けると共に、モーターフレームの製作を容易にしたエレベーター用巻上機を提供することができる。

本発明の第１実施例に係るエレベーター用巻上機の正面図である。図１に示したブレーキ装置５Ａの拡大図である。図２においてIII－III線に沿った断面図である。調整ボルトと長孔を示す図である。図３においてＶ－Ｖ線に沿った断面図である。本発明の第２実施例に係るエレベーター用巻上機の平面図（上面図）である。本発明の第３実施例に係るエレベーター用巻上機の平面図（上面図）である。本発明の第４実施例に係るブレーキ装置５Ａの拡大図である。図８においてIX－IX線に沿った断面図である。本発明の第５実施例に係るブレーキ装置５Ａの拡大図である。図１０においてXI－XI線に沿った断面図である。本発明の第６実施例に係るエレベーター用巻上機の正面図である。本発明の第７実施例に係るエレベーター用巻上機の正面図である。

　以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

　図１は本発明の第１実施例に係るエレベーター用巻上機の正面図である。図１において、背面側にはモーター固定子（図示せず）が内蔵されたモーターフレーム１が配置され、前面側にはモーター回転子（図示せず）が内蔵されたブレーキドラム２と、ブレーキドラム２に連結され、乗りかごを駆動するための主索３を巻き回したシーブ４が配置されている。ブレーキドラム２の外周部には、上下に並んで一対のブレーキ装置５Ａ，５Ｂが配置されている。ブレーキ装置５Ａ，５Ｂはモーターフレーム１によって支持される。ブレーキ装置５Ａ，５Ｂのブレーキドラム２が位置する側には、ブレーキパッド６Ａ，６Ｂが取り付けられている。ブレーキドラム２の回転は、その外周円周面にブレーキ装置５Ａ，５Ｂのブレーキパッド６Ａ，６Ｂをそれぞれ圧接させることによって制動される。

　次にブレーキ装置５Ａ，５Ｂの構成について説明する。図２は図１に示したブレーキ装置５Ａの拡大図である。図示しないが、ブレーキ装置５Ｂも同様の構成である。

　ブレーキ装置５Ａは、ブレーキコア７と、ブレーキコア７の励磁によって磁気吸引されるアーマチュア８と、アーマチュア８に取り付けられたブレーキシュー９と、ブレーキシュー９のブレーキドラム２側に取り付けられたブレーキパッド６Ａを有している。本実施例では、ブレーキシュー９とブレーキパッド６Ａにより制動部材を構成している。図示しない制動ばねは、アーマチュア８及びブレーキシュー９を介してブレーキパッド６Ａに作用しており、ブレーキコア７が消磁されると、ブレーキパッド６Ａをブレーキドラム２の外周円周面に押圧して制動力が与えられる。これに対して、ブレーキコア７が励磁されると、制動ばねに抗してブレーキパッド６Ａをブレーキドラム２の外周円周面から離すことによって制動力が解除される。

　モーターフレーム１には、ブレーキ装置５Ａを取り付けするために一対の支持腕部１０Ａ，１０Ｂが形成されており、支持腕部１０Ａ，１０Ｂ上にブレーキ装置５Ａのブレーキ脚部１１Ａ，１１Ｂが搭載されて支持固定されている。また支持腕部１０Ａ，１０Ｂには、外側（反制動部材側）からそれぞれねじ込まれた調整ボルト１２Ａ，１２Ｂが配置され、支持腕部１０Ａ，１０Ｂの外側に配置されたロックナット１３Ａ，１３Ｂによって調整ボルト１２Ａ，１２Ｂの挿入側先端位置を調整可能に保持している。調整ボルト１２Ａ，１２Ｂの挿入側先端部には、ガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂがそれぞれ配置されている。ガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂは、調整ボルト１２Ａ，１２Ｂを介してモーターフレーム１（支持腕部１０Ａ，１０Ｂ）に固定される。

　図３は図２においてIII－III線に沿った断面図である。図４は調整ボルトと長孔を示す図である。モーターフレーム１の支持腕部１０Ａと支持腕部１０Ｂとの間は、シーブ４側が開放されており、反シーブ４側は閉塞されている。モーターフレーム１の支持腕部１０Ａ，１０Ｂには、調整ボルト１２Ａ，１２Ｂの位置を避けてブレーキ脚部１１Ａ，１１Ｂ（図２）を取り付けるためのボルト挿入孔１５Ａ，１６Ａ及びボルト挿入孔１５Ｂ，１６Ｂがそれぞれ形成されている。ボルト挿入孔１５Ａ，１６Ａ及びボルト挿入孔１５Ｂ，１６Ｂは、それぞれ調整ボルト１２Ａ，１２Ｂを挟むように配置されている。

　また、ブレーキシュー９の両側に配置されると共に、ガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂに対向するモーターフレーム１には、調整ボルト１２Ａ，１２Ｂの軸方向に沿うように延びた長孔１７Ａ，１７Ｂがそれぞれ形成されている。長孔１７Ａ，１７Ｂはモーターフレーム１を貫通して形成されている。長孔１７Ａ，１７Ｂ内には、それぞれ座金２１を介して挿入されたガイドブラケット固定ボルト１８Ａ，１８Ｂ（固定ボルト）が配置されている。このガイドブラケット固定ボルト１８Ａ，１８Ｂは、モーターフレーム１の背面側から長孔１７Ａ，１７Ｂ内を通してガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂにそれぞれねじ込まれている。ガイドブラケット固定ボルト１８Ａ，１８Ｂの固定位置は、長孔１７Ａ，１７Ｂを利用して調整する。

　図５は図３においてＶ－Ｖ線に沿った断面図である。モーターフレーム１に形成された長孔１７Ｂは、調整ボルト１２Ａ，１２Ｂの軸方向には調整裕度が形成されているが、図４及び図５に示すように上下方向には調整裕度が形成されていない。この上下方向では、図５に示すようにモーターフレーム１とガイドブラケット１４Ｂが嵌め合い構造となっている。すなわち、モーターフレーム１の嵌め合い側には凸部１９が形成され、ガイドブラケット１４Ｂの嵌め合い側には凹部２０が形成され、上下方向で凸部１９が凹部２０内に嵌合されている。しかし、上述したように調整ボルト１２Ａ，１２Ｂの軸方向では、モーターフレーム１とガイドブラケット１４Ｂとは嵌合状態を保持したままガイドブラケット固定ボルト１８Ｂが長孔１７Ｂの範囲内で位置調整が可能となっている。

　特に、図３及び図４に示した長孔１７Ａ，１７Ｂが調整ボルト１２Ａ，１２Ｂの軸方向に長くされているため、長孔１７Ａ，１７Ｂ内に挿入したガイドブラケット固定ボルト１８Ａ，１８Ｂを使用してモーターフレーム１にガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂを固定する際に、調整ボルト１２Ａ，１２Ｂによって位置調整された後、ガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂを確実に固定することができる。しかも、調整ボルト１２Ａ，１２Ｂを備えているため、ブレーキシュー９との間の隙間を調整した後、ガイドブラケット固定ボルト１８Ａ，１８Ｂを長孔１７Ａ，１７Ｂで容易に動かしながら締付作業を行うことができる。

　このようにガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂをモーターフレーム１とは別部品として製作し、調整ボルト１２Ａ，１２Ｂによって位置調整可能としてガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂを支持し、このガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂをモーターフレーム１に固定している。このため、ブレーキシュー９などの制動部材がブレーキドラム２を押圧した際に、ブレーキドラム２の回転による摩擦力は、モーターフレーム１とは別部材としたガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂを介してモーターフレーム１で受けることになる。例えば、図２に示すように、ブレーキドラム２が右方向（矢印）に回転している状態で、ブレーキパッド６Ａをブレーキドラム２の外周円に接触させて制動力を与えると、ブレーキシュー９はブレーキドラム２の回転方向である右側に移動し、ガイドブラケット１４Ａと当接する。そして、ブレーキドラム２の回転による摩擦力は、ガイドブラケット１４Ａを介してモーターフレーム１で受ける。

　従って、大型部品であるモーターフレーム１に要求される寸法精度を緩和することができ、必要時応じてブレーキシュー９とガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂとの隙間を調整ボルト１２Ａ，１２Ｂによって調整することができる。

　第１実施例によれば、ブレーキシュー９との隙間を調整可能なガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂを設け、このガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂをモーターフレーム１に固定するようにしているので、ブレーキシュー９の反力をモーターフレーム１で受けることに加え、モーターフレーム１の製作を容易にしたエレベーター用巻上機を提供することができる。

　また、第１実施例では、モーターフレームの嵌め合い側には凸部を形成し、ガイドブラケットの嵌め合い側には凹部を形成するようにしたが、モーターフレームの嵌め合い側には凹部を形成し、ガイドブラケットの嵌め合い側には凸部を形成し、モーターフレームとガイドブラケットとが嵌合するように構成しても良い。

　なお、ブレーキ装置５Ｂについての説明は省略したが、ブレーキ装置５Ａと同一構成である。

　次に本発明の第２実施例について説明する。図６は本発明の第２実施例に係るエレベーター用巻上機の平面図（上面図）である。

　第１実施例では、ガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂの位置調整のための調整ボルト１２Ａ，１２Ｂと、ガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂをモーターフレーム１に固定するガイドブラケット固定ボルト１８Ａ，１８Ｂをそれぞれ設けていたが、第２実施例では、調整ボルト１２Ａ，１２Ｂにガイドブラケット固定ボルト１８Ａ，１８Ｂの機能を付加した。第１実施例と同じ構成には同一符号を付け、その詳細な説明は省略する。

　ガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂは有底のねじ孔を有する構成とし、このねじ孔内に調整ボルト１２Ａ，１２Ｂの先端を螺合させている。図５に示したようにモーターフレーム１とガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂは嵌め合い構造となっており、上下方向の移動が規制されている。ガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂは、モーターフレーム１とガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂは嵌め合い構造によって調整ボルト１２Ａ，１２Ｂの軸方向の移動が可能であり、調整ボルト１２Ａ，１２Ｂによる位置調整を容易に行うことができる。調整ボルト１２Ａ，１２Ｂによるガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂの位置決めが完了した後は、支持腕部１０Ａ，１０Ｂに対してロックナット１３Ａ，１３Ｂを締め付けて、ガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂを固定する。

　第２実施例によれば、ブレーキシュー９との隙間を調整可能なガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂを設け、このガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂをモーターフレーム１に固定するようにしているので、ブレーキシュー９の反力をモーターフレーム１で受けることに加え、モーターフレーム１の製作を容易にしたエレベーター用巻上機を提供することができる。

　また、第２実施例によれば、ガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂの位置を調整ボルト１２Ａ，１２Ｂによって調整すると共に、モーターフレーム１に固定するようにしているので、部品点数を少なくすることができる。

　次に本発明の第３実施例について説明する。図７は本発明の第３実施例に係るエレベーター用巻上機の平面図（上面図）である。第１実施例、第２実施例と同じ構成については同一の符号を付し、その説明は省略する。

　第１実施例及び第２実施例においては、モーターフレーム１の支持腕部１０Ａと支持腕部１０Ｂとの間は、シーブ４側が開放され、反シーブ４側は閉塞されていたが、第３実施例ではシーブ４側、反シーブ４側が共に閉塞されている。すなわち、第３実施例では、ブレーキシュー９の周囲全てがモーターフレーム１によって囲われている。

　第１実施例では、ガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂの位置調整のための調整ボルト１２Ａ，１２Ｂと、ガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂをモーターフレーム１に固定するガイドブラケット固定ボルト１８Ａ，１８Ｂをそれぞれ設けているが、第３実施例では、ガイドブラケット固定ボルト１８Ａ，１８Ｂと同様のガイドブラケット固定ボルト１８Ｃ，１８Ｄを追加している。第３実施例においては、モーターフレーム１の支持腕部１０Ａと支持腕部１０Ｂとの間は、シーブ４側、反シーブ４側が共に閉塞されているので、閉塞された反シーブ４側のモーターフレーム１にガイドブラケット固定ボルト１８Ｃ，１８Ｄを設けている。

　ガイドブラケット１４Ａは、上述したモーターフレーム１の裏面側から挿入したガイドブラケット固定ボルト１８Ａと、ほぼ同一軸状でモーターフレーム１の前面側から挿入したガイドブラケット固定ボルト１８Ｃによって同様に固定している。また、ガイドブラケット１４Ｂは、上述したモーターフレーム１の裏面側から挿入したガイドブラケット固定ボルト１８Ｂと、ほぼ同一軸状でモーターフレーム１の前面側から挿入したガイドブラケット固定ボルト１８Ｄによって同様に固定している。

　第３実施例によれば、ブレーキシュー９との隙間を調整可能なガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂを設け、このガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂをモーターフレーム１に固定するようにしているので、ブレーキシュー９の反力をモーターフレーム１で受けることに加え、モーターフレーム１の製作を容易にしたエレベーター用巻上機を提供することができる。

　また、第３実施例によれば、モーターフレーム１の支持腕部１０Ａと支持腕部１０Ｂとの間が、シーブ４側、反シーブ４側が共に閉塞されている場合であっても、ブレーキシュー９との隙間を調整可能なガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂを設けることができる。

　次に本発明の第４実施例について説明する。図８は本発明の第４実施例に係るブレーキ装置５Ａの拡大図である。図９は図８においてIX－IX線に沿った断面図である。第１から第３実施例と同じ構成については同一の符号を付し、その説明は省略する。

　第４実施例において、第１実施例と異なるところは、ガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂを排除した点にある。第４実施例では、調整ボルト１２Ａ，１２Ｂを直接ブレーキシュー９に当接させることにより、調整ボルト１２Ａ，１２Ｂを介してブレーキシュー９の反力をモーターフレーム１で受けるようにしている。

　支持腕部１０Ａ，１０Ｂには、外側（反制動部材側）からそれぞれねじ込まれた調整ボルト１２Ａ，１２Ｂが配置され、支持腕部１０Ａ，１０Ｂの外側に配置されたロックナット１３Ａ，１３Ｂによって調整ボルト１２Ａ，１２Ｂの挿入側先端位置を調整可能に保持している。調整ボルト１２Ａ，１２Ｂの挿入側先端部は、支持腕部１０Ａ，１０Ｂを貫通し、ブレーキシュー９と対向している。

　モーターフレーム１の支持腕部１０Ａと支持腕部１０Ｂとの間は、シーブ４側が開放されており、反シーブ４側は閉塞されている。モーターフレーム１の支持腕部１０Ａ，１０Ｂには、調整ボルト１２Ａ，１２Ｂの位置を避けてブレーキ脚部１１Ａ，１１Ｂ（図９）を取り付けるためのボルト挿入孔１５Ａ，１６Ａ及びボルト挿入孔１５Ｂ，１６Ｂがそれぞれ形成されている。ボルト挿入孔１５Ａ，１６Ａ及びボルト挿入孔１５Ｂ，１６Ｂは、それぞれ調整ボルト１２Ａ，１２Ｂを挟むように配置されている。

　調整ボルト１２Ａ，１２Ｂの軸方向では、調整ボルト１２Ａ，１２Ｂのねじ込み量によって、調整ボルト１２Ａ，１２Ｂの挿入側先端位置とブレーキシュー９の位置とが調整可能となっている。すなわち、ブレーキシュー９の位置とモーターフレーム１の支持腕部１０Ａ，１０Ｂの位置とが調整ボルト１２Ａ，１２Ｂによって調整可能となっている。

　そして、調整ボルト１２Ａ，１２Ｂの位置調整が完了後、ロックナット１３Ａ，１３Ｂを締め付けて調整ボルト１２Ａ，１２Ｂを固定する。第４実施例では、調整ボルト１２Ａ，１２Ｂの挿入側先端でブレーキシュー９を受けるように構成している。

　このため、ブレーキシュー９などの制動部材がブレーキドラム２を押圧した際に、ブレーキドラム２の回転による摩擦力は、調整ボルト１２Ａ，１２Ｂを介してモーターフレーム１で受けることになる。例えば、図８に示すように、ブレーキドラム２が右方向（矢印）に回転している状態で、ブレーキパッド６Ａをブレーキドラム２の外周円に接触させて制動力を与えると、ブレーキシュー９はブレーキドラム２の回転方向である右側に移動し、調整ボルト１２Ａの挿入側先端と当接する。そして、ブレーキドラム２の回転による摩擦力は、調整ボルト１２Ａを介してモーターフレーム１で受ける。

　従って、大型部品であるモーターフレーム１に要求される寸法精度を緩和することができ、必要時応じてブレーキシュー９との隙間を調整ボルト１２Ａ，１２Ｂによって調整することができる。

　第４実施例によれば、ブレーキシュー９との隙間を調整可能な調整ボルト１２Ａ，１２Ｂを設け、ブレーキシュー９の反力を調整ボルト１２Ａ，１２Ｂの挿入側先端で受けるようにしているので、モーターフレーム１の製作を容易にすると共に、部品点数を削減したエレベーター用巻上機を提供することができる。

　次に本発明の第５実施例について説明する。図１０は本発明の第５実施例に係るブレーキ装置５Ａの拡大図である。図１１は図１０においてXI－XI線に沿った断面図である。第１から第４実施例と同じ構成については同一の符号を付し、その説明は省略する。

　第５実施例において第１実施例と異なるところは、ガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂを排除した点にある。また、第５実施例において第４実施例と異なるところは、調整ボルト１２Ａ，１２Ｂの取付位置にある。第５実施例では、調整ボルト１２Ａ，１２Ｂをブレーキシュー９に取付け、モーターフレーム１の支持腕部１０Ａ，１０Ｂに当接させることにより、ブレーキシュー９の反力を調整ボルト１２Ａ，１２Ｂを介してモーターフレーム１で受けるようにしている。

　ブレーキシュー９には、その両外側（モーターフレーム１側）からそれぞれねじ込まれた調整ボルト１２Ａ，１２Ｂが配置され、ブレーキシュー９の外側に接触するように配置されたロックナット１３Ａ，１３Ｂによって調整ボルト１２Ａ，１２Ｂの頭部位置を調整可能に保持している。調整ボルト１２Ａ，１２Ｂの頭部位置は、支持腕部１０Ａ，１０Ｂと対向している。

　モーターフレーム１の支持腕部１０Ａと支持腕部１０Ｂとの間は、シーブ４側が開放されており、反シーブ４側は閉塞されている。モーターフレーム１の支持腕部１０Ａ，１０Ｂには、ブレーキ脚部１１Ａ，１１Ｂ（図１１）を取り付けるためのボルト挿入孔１５Ａ，１６Ａ及びボルト挿入孔１５Ｂ，１６Ｂがそれぞれ形成されている。

　調整ボルト１２Ａ，１２Ｂの軸方向では、調整ボルト１２Ａ，１２Ｂのねじ込み量によって、調整ボルト１２Ａ，１２Ｂの頭部位置と支持腕部１０Ａ，１０Ｂの位置とが調整可能となっている。すなわち、ブレーキシュー９の位置とモーターフレーム１の支持腕部１０Ａ，１０Ｂの位置とが調整ボルト１２Ａ，１２Ｂによって調整可能となっている。

　そして、調整ボルト１２Ａ，１２Ｂの位置調整が完了後、ロックナット１３Ａ，１３Ｂを締め付けて調整ボルト１２Ａ，１２Ｂを固定する。第５実施例では、ブレーキシュー９に取付けた調整ボルト１２Ａ，１２Ｂの頭部をモーターフレーム１の支持腕部１０Ａ，１０Ｂに当接させることにより、ブレーキシュー９の反力をモーターフレーム１で受けるように構成している。

　このため、ブレーキシュー９などの制動部材がブレーキドラム２を押圧した際に、ブレーキドラム２の回転による摩擦力は、調整ボルト１２Ａ，１２Ｂを介してモーターフレーム１で受けることになる。例えば、図１０に示すように、ブレーキドラム２が右方向（矢印）に回転している状態で、ブレーキパッド６Ａをブレーキドラム２の外周円に接触させて制動力を与えると、ブレーキシュー９はブレーキドラム２の回転方向である右側に移動し、調整ボルト１２Ａの頭部がモーターフレーム１の支持腕部１０Ａと当接する。そして、ブレーキドラム２の回転による摩擦力は、調整ボルト１２Ａを介してモーターフレーム１で受ける。

　従って、大型部品であるモーターフレーム１に要求される寸法精度を緩和することができ、必要時応じてブレーキシュー９に取付けた調整ボルト１２Ａ，１２Ｂの頭部と支持腕部１０Ａ，１０Ｂとの隙間を調整ボルト１２Ａ，１２Ｂによって調整することができる。

　第５実施例によれば、ブレーキシュー９の位置とモーターフレーム１の支持腕部１０Ａ，１０Ｂの位置を調整可能な調整ボルト１２Ａ，１２Ｂを設け、ブレーキシュー９の反力を調整ボルト１２Ａ，１２Ｂの頭部を介してモーターフレーム１で受けるようにしているので、モーターフレーム１の製作を容易にすると共に、部品点数を削減したエレベーター用巻上機を提供することができる。

　次に本発明の第６実施例について説明する。図１２は本発明の第６実施例に係るエレベーター用巻上機の正面図である。第１から第５実施例と同じ構成については同一の符号を付し、その説明は省略する。

　第６実施例において第１実施例と異なるところは、ブレーキ装置５Ａ，５Ｂの取付位置にある。

　図１に示した第１実施例ではモーターフレーム１の上下方向にブレーキ装置５Ａ，５Ｂをそれぞれ分散して配置したが、第６実施例では一対のブレーキ装置５Ａ，５Ｂをそれぞれ左右側方部に分散して配置した。

　詳細な説明は省略するが、ブレーキ装置５Ａ，５Ｂについては、第１実施例から第５実施例で説明した構成の中から適宜選択するようにすると良い。

　第６実施例によれば、第１実施例から第５実施例で説明した効果に加え、ブレーキ装置５Ａ，５Ｂの位置を自由に選択することができる。

　次に本発明の第７実施例について説明する。図１３は本発明の第７実施例に係るエレベーター用巻上機の正面図である。第１から第６実施例と同じ構成については同一の符号を付し、その説明は省略する。

　第７実施例において第１実施例と異なるところは、ブレーキ装置５Ａ，５Ｂの取付位置にある。

　図１に示した第１実施例ではモーターフレーム１の上下方向にブレーキ装置５Ａ，５Ｂをそれぞれ分散して配置したが、第７実施例は一対のブレーキ装置５Ａ，５Ｂをそれぞれ斜め上方に分散して配置した。

　第７実施例によれば、第１実施例から第５実施例で説明した効果に加え、ブレーキ装置５Ａ，５Ｂの位置を自由に選択することができる。

　以上説明したように本発明の実施例では、モーター及びブレーキドラム２を備えたモーターフレーム１と、ブレーキドラム２の外周部にブレーキパッド６Ａ，６Ｂを押圧して制動するブレーキ装置５Ａ，５Ｂとを備えたエレベーター用巻上機において、ブレーキ装置５Ａ，５Ｂの制動時にブレーキシュー９と当接するガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂを備え、モーターフレーム１には、ガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂと当接すると共に、ガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂの位置を調整可能な調整ボルト１２Ａ，１２Ｂを備えるようにした。

　本発明の実施例によれば、ブレーキシュー９などの制動部材がブレーキドラム２を押圧した際に、ブレーキドラム２の回転によるトルクは、モーターフレーム１とは別部材としたガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂを介してモーターフレーム１で受けることになり、大型部品であるモーターフレーム１に要求される寸法精度を緩和することができ、しかも、必要時応じて調整ボルト１２Ａ，１２Ｂによってガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂの位置を調整することができる。

　また本発明の実施例では、上述の構成に加えて、別部材としたガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂを調整ボルト１２Ａ，１２Ｂの軸方向に沿って位置調整可能にモーターフレーム１へ嵌合した。

　本発明の実施例によれば、別部材としたガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂの位置調整が必要な場合でもモーターフレーム１に対する位置を嵌合状態を保持しながら簡単に調整することができる。

　また本発明の実施例では、上述の構成に加えて、別部材としたガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂを調整ボルト１２Ａ，１２Ｂの軸方向に位置調整可能にしてモーターフレーム１へ嵌合し、調整ボルト１２Ａ，１２Ｂの軸方向とほぼ直交する軸方向に配置したガイドブラケット固定ボルト１８Ａ，１８Ｂによってモーターフレーム１へガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂを固定すると共に、モーターフレーム１へガイドブラケット固定ボルト１８Ａ，１８Ｂを挿入する孔はガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂとモーターフレーム１の嵌合による位置調整方向に長孔１７Ａ，１７Ｂとした。

　本発明の実施例によれば、別部材としたガイドブラケット１４Ａ，１４Ｂの位置調整が必要な場合でもモーターフレーム１に対する位置を嵌合状態を保持しながら簡単に調整することができると共に、位置調整によるガイドブラケット固定ボルト１８Ａ，１８Ｂの位置ずれ調整分を長孔によって簡単に吸収することができる。

　尚、本発明は、上述した実施例に限定するものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定するものではない。またある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。

　１…モーターフレーム、２…ブレーキドラム、３…主索、４…シーブ、５Ａ，５Ｂ…ブレーキ装置、６Ａ，６Ｂ…ブレーキパッド、７…ブレーキコア、８…アーマチュア、９…ブレーキシュー、１０Ａ，１０Ｂ…支持腕部、１１Ａ，１１Ｂ…ブレーキ脚部、１２Ａ，１２Ｂ…調整ボルト、１３Ａ，１３Ｂ…ロックナット、１４Ａ，１４Ｂ…ガイドブラケット、１５Ａ，１５Ｂ，１６Ａ，１６Ｂ…ボルト挿入孔、１７Ａ，１７Ｂ，１７Ｃ，１７Ｄ…長孔、１８Ａ，１８Ｂ，１８Ｃ，１８Ｄ…ガイドブラケット固定ボルト、１９…凸部、２０…凹部

Claims

　モーターフレーム及びブレーキドラムを備えたモーターと、前記ブレーキドラムの外周部に制動部材を押圧して制動するブレーキ装置とを備えたエレベーター用巻上機において、
　前記ブレーキ装置の制動時に前記制動部材と当接するガイドブラケットを備え、
　前記モーターフレームには、前記ガイドブラケットと当接すると共に、前記ガイドブラケットの位置を調整可能な調整ボルトを備えたことを特徴とするエレベーター用巻上機。
　請求項１において、
　前記ガイドブラケットを前記モーターフレームに固定する固定ボルトを備えたことを特徴とするエレベーター用巻上機。
　請求項２において、
　前記モーターフレームには、前記固定ボルトの位置を調整可能な長孔を形成したことを特徴とするエレベーター用巻上機。
　請求項３において、
　前記長孔は、前記調整ボルトの軸方向に延びて形成したことを特徴とするエレベーター用巻上機。
　請求項１において、
　前記ガイドブラケットは、前記調整ボルトの先端と螺合するねじ孔を備えたことを特徴とするエレベーター用巻上機。
　請求項１において、
　前記ガイドブラケットは凹部若しくは凸部を形成し、前記モーターフレームは前記ガイドブラケットと嵌合する凸部若しくは凹部を形成したことを特徴とするエレベーター用巻上機。
　モーターフレーム及びブレーキドラムを備えたモーターと、前記ブレーキドラムの外周部に制動部材を押圧して制動するブレーキ装置とを備えたエレベーター用巻上機において、
　前記モーターフレームには前記制動部材と対向する支持腕部を備え、
　前記支持腕部には、制動時に前記制動部材と当接すると共に、前記制動部材との距離を調整可能な調整ボルトを備えたことを特徴とするエレベーター用巻上機。
　モーターフレーム及びブレーキドラムを備えたモーターと、前記ブレーキドラムの外周部に制動部材を押圧して制動するブレーキ装置とを備えたエレベーター用巻上機において、
　前記モーターフレームには前記制動部材と対向する支持腕部を備え、
　前記制動部材には、制動時に前記支持腕部と当接すると共に、前記支持腕部との距離を調整可能な調整ボルトを備えたことを特徴とするエレベーター用巻上機。
　モーターフレーム及びブレーキドラムを備えたモーターと、前記ブレーキドラムの外周部に制動部材を押圧して制動するブレーキ装置とを備えたエレベーター用巻上機において、
　前記モーターフレームは前記ブレーキ装置を取り付ける一対の支持腕部を備え、
　前記一対の支持腕部の間には前記制動部材が配置され、
　前記一対の支持腕部のそれぞれと前記制動部材との間には、前記ブレーキ装置の制動時に前記制動部材と当接する一対のガイドブラケットを備え、
前記一対の支持腕部には、前記一対のガイドブラケットのそれぞれと当接すると共に、前記一対のガイドブラケットのそれぞれの位置を調整可能な調整ボルトを備え、
　前記一対のガイドブラケットのそれぞれは、前記調整ボルトの軸方向と直交する方向から螺合された固定ボルトにより前記モーターフレームに固定されたことを特徴とするエレベーター用巻上機。
　請求項１乃至９の何れか１項において、
　前記ブレーキ装置は一対備えており、前記一対のブレーキ装置は、前記モーターフレーム１の上下方向、左右方向、斜め上方の何れかに分散して配置したことを特徴とするエレベーター用巻上機。