WO2020195354A1

WO2020195354A1 - プレフィルドシリンジ収納トレイおよびそれを用いた包装体

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Publication number: WO2020195354A1
Application number: PCT/JP2020/006311
Authority: WO
Inventors: 厚志鵜飼; 洋佑栗原; 小川　淳一
Original assignee: テルモ株式会社
Priority date: 2019-03-28
Filing date: 2020-02-18
Publication date: 2020-10-01
Also published as: US20220008645A1; JPWO2020195354A1; CN113474021B; US11730880B2; JP7394834B2; CN113474021A; EP3922284A4; EP3922284A1

Abstract

収納トレイ１の基端側収納部５０は、少なくともプランジャ４０の軸部の一部４３ｃを収納した際に、第１当接部５４の本体フランジ２１の基端面２１ａへの当接および第２当接部５５の押圧操作部４２の先端面４２ａへの当接により、シリンジ本体２０とプランジャ４０とを接近不能な状態にて支持するとともに、突出片５３のプランジャ４０の軸部の一部４３ｃへの当接により、プランジャ４０の軸部の一部４３ｃの離脱を防止する。

Description

プレフィルドシリンジ収納トレイおよびそれを用いた包装体

　本発明は、プレフィルドシリンジ収納トレイおよびそれを用いた包装体に関する。

　従来より、予め薬剤等が充填されたプレフィルドシリンジが知られている。そのようなプレフィルドシリンジは、薬剤が充填されたシリンジ本体と、シリンジ本体の先端部を封止する封止部材と、シリンジ本体内に摺動可能に収納されたガスケットと、ガスケット移動用のプランジャとを備えている。

　また、複数の商品を収納するための包装材として、各種のものが用いられている。ここで、上記したプレフィルドシリンジのような医療器具を収納するための包装材としては、一般の商品を収納するための包装材よりも高度な機能が求められる。このようなプレフィルドシリンジ用の包装材として、例えば、特開２０１０－１１０３３９号公報（特許文献１）のものが提案されている。

　特許文献１の医療用プレフィルドシリンジ包装体においては、運搬時等におけるプレフィルドシリンジの破損を防止するために、プレフィルドシリンジを、その注出部及びシリンジバレルの全長を包囲し得る長さを有する波形緩衝材を含む包装材にて収容している。

特開２０１０－１１０３３９号公報

　特許文献１の包装体は、輸送時等におけるプレフィルドシリンジの所定部位の破損を防止できる点において有用である。

　しかし、本発明者がプレフィルドシリンジ用の包装材についてさらに検討したところ、輸送時等にプランジャに力が加わることで、意図せずにプランジャがガスケットを押圧してしまったり、プランジャが所定の収納位置から浮き上がってしまうおそれがあることが、明らかとなった。

　そこで、本発明は、プレフィルドシリンジを収納した状態において、プランジャがガスケットを押圧してしまうことと、プランジャが所定の収納位置から浮き上がってしまうことを同時に防止できるプレフィルドシリンジ収納トレイおよびそれを用いた包装体を提供するものである。

　上記目的を達成するものは、以下のものである。
　基端部に外方に突出する本体フランジを有するシリンジ本体と、前記シリンジ本体の先端開口部を封止する封止部材と、前記シリンジ本体内に摺動可能に収納されたガスケットと、前記シリンジ本体内に収納された薬剤と、先端にガスケット押圧部と、基端に押圧操作部と、前記ガスケット押圧部と前記押圧操作部とをつなぐ軸部と、を有する前記ガスケット移動用のプランジャとを備え、前記プランジャの前記軸部の一部と前記押圧操作部とが、前記シリンジ本体よりも基端側に配置されてなるプレフィルドシリンジを収納するプレフィルドシリンジ収納トレイであって、
　前記プレフィルドシリンジ収納トレイは、ベース部と、前記ベース部より起立し、少なくとも前記プランジャの前記軸部の一部を収納する基端側収納部とを備え、
　前記基端側収納部は、前記プランジャの前記軸部の一部を挿入するための軸部挿入口と、前記基端側収納部に収納された前記プランジャの前記軸部の一部の側部上部となる部位に対向して配置され、前記軸部挿入口の向かい合う内縁を画成する一対の挿入口形成部とを有し、
　前記基端側収納部は、それぞれの挿入口形成部の前記内縁より、他方の挿入口形成部の前記内縁に向かって延びる突出片と、前記軸部挿入口の軸方向の第１端に配置され、前記本体フランジの基端面が当接可能な第１当接部と、前記軸部挿入口の前記第１端と軸方向に向かい合う第２端に配置され、前記押圧操作部の先端面が当接可能な第２当接部とを有し、
　前記一対の挿入口形成部の向かい合う内縁間の距離は、前記プランジャの前記軸部の一部の幅よりも大きく、前記突出片の形成部における前記挿入口形成部の向かい合う内縁間の距離は、前記プランジャの前記軸部の一部の幅よりも小さく、
　前記基端側収納部が少なくとも前記プランジャの前記軸部の一部を収納した際に、前記第１当接部の前記本体フランジの基端面への当接および前記第２当接部の前記押圧操作部の先端面への当接により、前記基端側収納部が前記シリンジ本体と前記プランジャとを接近不能な状態にて支持するとともに、前記突出片の前記プランジャの前記軸部の一部への当接により、前記基端側収納部からの前記プランジャの前記軸部の一部の離脱を防止するプレフィルドシリンジ収納トレイ。

　また、上記目的を達成するものは、以下のものである。
　上記のプレフィルドシリンジ収納トレイと、前記プレフィルドシリンジと、前記プレフィルドシリンジが収納された前記プレフィルドシリンジ収納トレイを収納する外箱とからなる包装体。

図１は、本発明の実施例のプレフィルドシリンジ収納トレイにプレフィルドシリンジを収納した状態の平面図である。図２は、本発明の実施例において収納されるプレフィルドシリンジの斜視図である。図３は、本発明の実施例において収納されるプレフィルドシリンジの正面図である。図４は、図３におけるＡ－Ａ線断面図である。図５は、本発明の実施例において収納されるプレフィルドシリンジの平面図である。図６は、図５におけるＢ－Ｂ線断面図である。図７は、本発明の実施例のプレフィルドシリンジ収納トレイの斜視図である。図８は、本発明の実施例のプレフィルドシリンジ収納トレイの一部拡大平面図である。図９は、図８におけるＣ－Ｃ線断面図である。図１０は、本発明の実施例のプレフィルドシリンジ収納トレイを構成するシートの平面図である。図１１は、本発明の実施例のプレフィルドシリンジ収納トレイの基端側収納部の第２端側を説明するための説明図である。図１２は、本発明の実施例のプレフィルドシリンジ収納トレイの基端側収納部の第１端側を説明するための説明図である。図１３は、本発明の実施例のプレフィルドシリンジ収納トレイの先端側支持部を説明するための説明図である。図１４は、図１の一部拡大説明図である。図１５は、図１４におけるＤ－Ｄ線断面図である。図１６は、図１４におけるＥ－Ｅ線断面図である。図１７は、図１４におけるＦ部拡大説明図である。図１８は、図１４におけるＧ－Ｇ線断面図である。図１９は、本発明の実施例のプレフィルドシリンジ収納トレイを収納する外箱の斜視図である。図２０は、本発明の実施例の包装体の平面図である。

　本発明のプレフィルドシリンジ収納トレイを図面に示した実施例を用いて説明する。図１には、プレフィルドシリンジ収納トレイ１（以下、単に収納トレイ１とも言う）に複数のプレフィルドシリンジ２が収納された状態の平面図が、示されている。なお、以下においては、図１における上側（上方向）を基端側（基端方向）、下側（下方向）を先端側（先端方向）として説明する。

　本発明の収納トレイ１は、基端部に外方に突出する本体フランジ２１を有するシリンジ本体２０と、シリンジ本体２０の先端開口部２２を封止する封止部材３１と、シリンジ本体２０内に摺動可能に収納されたガスケット３２と、シリンジ本体２０内に収納された薬剤３３と、先端にガスケット押圧部４１と、基端に押圧操作部４２と、ガスケット押圧部４１と押圧操作部４２とをつなぐ軸部４３と、を有するガスケット３２移動用のプランジャ４０とを備え、プランジャ４０の軸部４３の一部（主として後述する大径部４３ａ；以下、軸部の一部４３ｃとも言う）と押圧操作部４２とが、シリンジ本体２０よりも基端側に配置されてなるプレフィルドシリンジ２を収納するプレフィルドシリンジ収納トレイ１である。

　プレフィルドシリンジ収納トレイ１は、ベース部１１と、ベース部１１より起立し、少なくともプランジャ４０の軸部の一部４３ｃを収納する基端側収納部５０とを備える。基端側収納部５０は、プランジャ４０の軸部の一部４３ｃを挿入するための軸部挿入口５１と、基端側収納部５０に収納されたプランジャ４０の軸部の一部４３ｃの側部上部となる部位に対向して配置され、軸部挿入口５１の向かい合う内縁５１ａを画成する一対の挿入口形成部５２とを有する。
　基端側収納部５０は、それぞれの挿入口形成部５２の内縁（内縁５１ａを画成する縁）より、他方の挿入口形成部５２の内縁に向かって延びる突出片５３と、軸部挿入口５１の軸方向の第１端［先端側の端部（図１における下側の端部）］に配置され、本体フランジ２１の基端面２１ａが当接可能な第１当接部５４と、軸部挿入口５１の第１端と軸方向に向かい合う第２端［基端側の端部（図１における上側の端部）］に配置され、押圧操作部４２の先端面４２ａが当接可能な第２当接部５５とを有する。一対の挿入口形成部５２の向かい合う内縁間の距離は、プランジャ４０の軸部の一部４３ｃの幅よりも大きく、突出片５３の形成部における挿入口形成部５２の向かい合う内縁間の距離は、プランジャ４０の軸部の一部４３ｃの幅よりも小さくされている。

　基端側収納部５０が少なくともプランジャ４０の軸部の一部４３ｃを収納した際に、第１当接部５４の本体フランジ２１の基端面２１ａへの当接および第２当接部５５の押圧操作部４２の先端面４２ａへの当接により、基端側収納部５０がシリンジ本体２０とプランジャ４０とを接近不能な状態にて支持するとともに、突出片５３のプランジャ４０の軸部の一部４３ｃへの当接により、基端側収納部５０からのプランジャ４０の軸部の一部４３ｃの離脱を防止する。

　図１に示されるように、プレフィルドシリンジ収納トレイ１は、複数（ここでは、１０個）の基端側収納部５０を有し、複数（ここでは、１０個）のプレフィルドシリンジ２を収納可能である。

　本実施形態におけるプレフィルドシリンジ２について、図２ないし図６を用いて説明する。
　プレフィルドシリンジ２のシリンジ本体２０は、ガスケット３２を摺動可能に収納し、かつ内部に薬剤３３を収納し、先端開口部２２が封止部材３１により封止されたバレル２３と、バレル２３を収納し、かつバレル２３に装着された外筒２４とを備える。

　バレル２３は、ガスケット３２を液密かつ摺動可能に収納する略筒状の部材である。バレル２３の先端部には先端開口部（ノズル部）２２が設けられている。先端開口部２２は封止部材（シールキャップ）３１により封止されている。

　より具体的には、バレル２３は、後述する外筒２４よりも小径の筒状部材とされ、その軸方向の長さが外筒２４の約半分とされている。バレル２３の基端部には外方に突出するバレルフランジ２５が形成されている。バレル２３は外筒２４の先端側部分に収納されるとともに、バレルフランジ２５において、外筒２４の内部に装着（連結）されている。これにより、本実施形態のシリンジ本体２０は、その先端側部分において、バレル２３と外筒２４とにより構成される二重筒構造となっている。

　外筒２４は、シリンジ本体２０の略全長に亘って延びる略筒状の部材である。外筒２４の先端側部分には、その内部と外部とを連通する窓部２６が、径方向に対向するように一対形成されている。窓部２６を通して、外筒２４に収納されたバレル２３の一部を外部から視認できる。

　外筒２４の後端側部分は、シリンジ本体２０の後端側部分を構成する。すなわち、シリンジ本体２０の後端側部分は、外筒２４により構成される単筒構造となっている。シリンジ本体２０（外筒２４）の後端側部分の内周面には、軸方向に平行に延びる一対の線状凸部からなるガイド２７が、径方向に対向して一対形成されている。さらに、ガイド２７の中間部には、内方に突出する凸部２８が、それぞれ形成されている。

　シリンジ本体２０（外筒２４）の基端部には、外方（軸方向に直交する方向）に突出する本体フランジ２１が設けられている。ここでは、本体フランジ２１は、シリンジ本体２０の外周面よりも僅かに突出した一般部２１ｃと、一般部２１ｃからさらに突出した突出部２１ｄとを備える。詳細には、突出部２１ｄは、一般部２１ｃの外周面に対する２つの平行な接面と、一般部２１ｃの外周面をさらに外方に所定距離オフセットした円弧面とに囲まれた形状となっている（図１６参照）。本体フランジ２１の突出部２１ｄは、上記した２つの窓部２６、２６の対向方向に直交する方向に突出している。

　ガスケット３２は、弾性を有するゴムや合成樹脂からなる。ガスケット３２は、ほぼ同一外径にて延びる略筒状の本体部と、本体部の外面に設けられた複数の環状リブとを備え、環状リブの外側面が、バレル２３の内面に液密に接触する。

　シリンジ本体２０（バレル２３）内において、封止部材３１とガスケット３２間に形成された空間内には、予め薬剤（薬液）３３が充填されている。なお、ここで充填される薬剤３３としては、皮内注射に用いられる薬剤が好適であり、例えば、インフルエンザ等の各種の感染症を予防する各種のワクチン、ブドウ糖等の糖質注射液、塩化ナトリウムや乳酸カリウム等の電解質補正用注射液、ビタミン剤、抗生物質注射液、造影剤、ステロイド剤、蛋白質分解酵素阻害剤、脂肪乳剤、抗癌剤、麻酔薬、ヘパリンカルシウム、抗体医薬、ヒアルロン酸等が挙げられる。

　プランジャ４０は、硬質もしくは半硬質樹脂からなる。この実施例では、プランジャ４０は、先端に設けられたガスケット押圧部４１と、基端に設けられた円板状の押圧操作部４２と、断面十字状に形成された軸部４３とを備えている。さらに、軸部４３は、後端側部分（ここでは、全長の約１／４程度）が大径部４３ａとされ、先端側部分（ここでは、全長の約３／４程度）が小径部４３ｂとされている。押圧操作部４２は、軸部４３の基端（大径部４３ａの基端）において、大径部４３ａよりも大きな径で形成されている。

　プランジャ４０の軸部４３の小径部４３ｂは、バレル２３内に挿入可能に形成されている。小径部４３ｂの先端（軸部４３の先端）には、ガスケット３２の基端と当接可能な円板状のガスケット押圧部４１が形成されている。ここでは、プランジャ４０（ガスケット押圧部４１）とガスケット３２とは、一体的に固定されてはいない。

　なお、図２ないし図６においては、プレフィルドシリンジ２が収納トレイ１に収納された状態が示されているが、このとき、プランジャ４０の軸部４３の一部が押圧操作部４２とともに、シリンジ本体２０よりも基端側に配置されている。ここで、軸部４３のシリンジ本体２０よりも基端側に配置された部分（大径部４３ａおよび小径部４３ｂの基端側の一部）を、軸部の一部４３ｃとする。

　また、小径部４３ｂの軸方向中間部であって、上記したシリンジ本体２０（外筒２４）に形成された凸部２８よりも先端側の部分には、径方向外方に突出する中間フランジ４４が設けられている。さらに、中間フランジ４４には、径方向外方に突出する突片４５が、径方向に対向するように一対形成されている。突片４５は、上記したガイド２７内（一対の線状凸部の間）に軸方向に摺動可能に収納され、かつ、凸部２８と当接可能な大きさに形成されている。これにより、プランジャ４０の中心軸回りの回動が規制されるとともに、プランジャ４０の基端方向（シリンジ本体２０と離間する方向）への移動が、突片４５と凸部２８との当接により規制される。

　上述したプレフィルドシリンジ２を使用して薬剤３３を吐出する場合には、先ず、先端開口部２２を外部と連通した状態で、プランジャ４０の先端（ガスケット押圧部４１）をガスケット３２の基端に接触させる。次いで、プランジャ４０の押圧操作部４２を押圧することにより、プランジャ４０とガスケット３２とを一体的に先端方向に移動させる。それにより、シリンジ本体２０（バレル２３）の先端開口部２２から薬剤３３が押出（吐出）される。このとき、シリンジ本体２０（外筒２４）の外周面の他、本体フランジ２１（特に突出部２１ｄ）を保持するようにしてもよい。

　収納トレイ１の構造について、図１、図７ないし図１３を用いて説明する。なお、以下、図９における上下方向を収納トレイ１の上下方向として説明する。また、図９においては、収納トレイ１における各部の重なり状態や折り曲げ状態を表すために、収納トレイ１を構成するシート１０の厚さを拡大して示すとともに、後に収納されるプレフィルドシリンジ２を破線にて示す。

　収納トレイ１は、その下部全体に亘って矩形板状のベース部１１を備える。図７、図１１および図１２に示すように、ベース部１１の基端側部分には、起立した基端側収納部５０が設けられている。基端部収納部５０には、その上方に開口するように、プランジャ４０の軸部の一部４３ｃを挿入するための軸部挿入口５１が設けられている。

　基端側収納部５０は、図１および図７に示すように、その上部に、対向して配置される一対の挿入口形成部５２を備え、一対の挿入口形成部５２間により、軸部挿入口５１が形成されている。図８および図９に示されるように、一対の挿入口形成部５２は、ベース部１１と略平行に延びる板状部である。挿入口形成部５２の内縁（一対の挿入口形成部５２の対向する側の縁）は軸部挿入口５１の内縁５１ａを構成する。

　一対の挿入口形成部５２の内縁には、それぞれ、対向する他方の挿入口形成部５２の内縁に向かって延びる突出片５３が形成されている。なお、ここでは、２つの突出片５３、５３が互いに対向するよう（挿入口形成部５２の延出方向において同じ位置）に形成されているが、それらは挿入口形成部５２の延出方向においてずれた位置に形成されていてもよい。また、挿入口形成部５２の突出片５３の両側部位には、切れ込み５６が形成されている。この実施例では、切れ込み５６は、突出片５３の外縁と連続し、かつ、突出片５３と反対方向に延びるものとなっている。これにより、突出片５３の一時的な弾性変形が容易となり、後述するプレフィルドシリンジ２の収納作業および取り出し作業を容易なものとする。

　軸部挿入口５１の基端方向の端部（第２端）には、図７、図９および図１１に示すように、板状の立設接続部５７が設けられ（ベース部１１より立設され）ている。立設接続部５７は、第２端（基端）側の一対の挿入口形成部５２の一端部同士を繋いでいる。すなわち、この実施例では、基端側収納部５０は、ベース部１１から立設する立設接続部５７を備え、立設接続部５７は、押圧操作部４２の先端面（先端側の面）４２ａが当接可能な第２当接部５５を有し、かつ、一対の挿入口形成部５２の一端部（基端方向の端部）とベース部１１を接続している。

　立設接続部５７には、図１１、図１５に示すように、軸部挿入用切欠部５７ａが形成されている。軸部挿入用切欠部５７ａは段付き形状となっており、その段部がプランジャ４０の軸部４３（大径部４３ａ）を支持可能な軸部当接部５８となっている。立設接続部５７は、軸部４３を支持する軸部当接部５８を有する。

　さらに、基端側収納部５０は、図１および図７に示すように、一対の挿入口形成部５２の一端に隣接し、本体フランジ２１を収納する本体フランジ収納部５９を有している。本体フランジ収納部５９は、軸部挿入口５１と連通し、本体フランジ２１を挿入するためのフランジ挿入口６０と、ベース部１１から立設し、シリンジ本体２０の本体フランジ２１の近傍部を支持する基端側支持部６１と、軸部挿入口５１の先端方向の端部（第１端）側の一対の挿入口形成部５２の端部から基端側支持部６１のベース部１１とは反対側の立設端まで延び、フランジ挿入口６０の両側部の内縁を画成する２つの延出部６２、６２とを有する。収納トレイ１においては、図８に示されるように、挿入口形成部５２の先端部において、本体フランジ収納部５９（フランジ挿入口６０）を構成する切欠部５２ａが形成されている。なお、ここでは、フランジ挿入口６０の幅（図８における左右方向寸法）は、本体フランジ２１の一般部２１ｃの径と同等ないし僅かに大きく、突出部２１ｄの径よりも小さい。

　プレフィルドシリンジ収納トレイ１は、図１、図７および図１３に示すように、その先端側部分において、ベース部１１から立設し、シリンジ本体２０の先端部を支持する先端側支持部７１を備える。先端側支持部７１はベース部１１から立設する板状部である。

　先端側支持部７１は、図１３に示すように、先端側支持部７１のベース部１１とは反対側の立設端（上方）に向かって開口し、シリンジ本体２０の先端部を挿入可能な略Ｕ字状の先端側切欠部７２を有する。先端側切欠部７２の底部（内縁部の下部）はシリンジ本体２０の先端部と当接可能な先端側当接部７３を画成する。先端側切欠部７２は、先端側当接部７３を画成する底部と、対向する一対の側部７４とを有し、一対の側部７４は、近づく方向に突出した係合凸部７５を有する。後に詳述するように、先端側当接部７３がシリンジ本体２０の先端部に当接することにより、先端側切欠部７２にシリンジ本体２０の先端部が挿入された際には、先端側支持部７１がシリンジ本体２０の先端部を支持し、かつ、係合凸部７５がシリンジ本体２０の先端部（ここでは、シリンジ本体２０の先端部に形成された窓部２６）に係合して、シリンジ本体２０の先端側切欠部７２からの抜去が規制される。

　プレフィルドシリンジ収納トレイ１は、図１、図７ないし図９に示すように、先端側支持部７１に隣接し、少なくとも封止部材３１を収納する先端側収納部７６を備える。具体的には、先端側収納部７６は、図９に示すように、ベース部１１の先端側端部から立設する側壁部７６ａと、側壁部７６ａの上端部から基端方向に延びる上壁部７６ｂとを備える。上壁部７６ｂには先端側切欠部７２と連通し、上方に開口する切り欠きが設けられており、先端側収納部７６の上方からプレフィルドシリンジ２の先端部分（封止部材３１を含む）を収納できるようになっている。

　なお、収納トレイ１においては、図１、図７および図９に示すように、その基端方向の端部にベース部１１から立設する立壁部７７が設けられている。立壁部７７は上述した立設接続部５７と所定の距離（ここでは、プランジャ４０の押圧操作部４２の厚さよりも大きい距離）を隔てて設けられている。これにより、立壁部７７と立設接続部５７間の空間は、プランジャ４０に対する緩衝空間としても機能する。また、立壁部７７は、上下方向において、基端側収納部５０よりも高く、先端側収納部７６と同等の高さまで延びている。これにより、後述するように、収納トレイ１を外箱９０に収納した際に、外箱９０内における収納トレイ１の上下方向の動き、いわゆるガタツキを、トレイの先端側および基端側の両方において規制する。

　なお、本実施形態においては、収納トレイ１は、１枚のシートから構成されている。図１０には、収納トレイ１を構成可能な１枚のシート１０が展開状態（切り抜き済みかつ折り曲げ前形態）で示されている。このシート１０は、１枚の横長のシート（具体的には、板紙、ダンボール紙）を部分的に切断および打ち抜くことにより、その基本構成が形成されている。図１０においては、シート１０について、収納トレイ１の構成と対応する部分に同一の符号を付している。

　図１４ないし図１８を用いて、収納トレイ１にプレフィルドシリンジ２を収納する際の状態、および収納した際の状態について説明する。なお、図１５、図１６および図１８においては、本実施例を効率的に説明するために、一部の構成を省略して示す。プレフィルドシリンジ２は、収納トレイ１に対して、その上方から押し込まれて収納される。具体的には、図１４に示されるように、基端側収納部５０に、軸部の一部４３ｃ、シリンジ本体２０の本体フランジ２１、およびシリンジ本体２０の本体フランジ２１の近傍部が収納されるとともに、先端側支持部７１においてシリンジ本体２０の先端部が支持され、先端側収納部７６に封止部材３１が収納される。なお、プレフィルドシリンジ２を収納する際は、本体フランジ２１の突出部２１ｄを下側（収納トレイ１側）に向けるとともに、プランジャ４０の押圧操作部４２が、立設接続部５７よりも基端方向になるようにして行う。本実施例においては、本体フランジ収納部５９（フランジ挿入口６０）の幅が、本体フランジ２１の一般部２１ｃの径と同等ないし僅かに大きく、突出部２１ｄの径よりも小さいため、本体フランジ２１の突出部２１ｄを下方とするシリンジ本体２０の収納時方向決めが容易である。

　ここで、図１５に示されるように、一対の挿入口形成部５２の向かい合う内縁（軸部挿入口５１の内縁５１ａ）間の距離：Ｗ１は、プランジャ４０の軸部の一部４３ｃ（大径部４３ａ）の幅：Ｗ２よりも大きくされている。また、突出片５３の形成部における挿入口形成部５２の向かい合う内縁間（ここでは、対向して形成された２つの突出片５３、５３間）の距離：Ｗ３は、プランジャ４０の軸部の一部４３ｃ（大径部４３ａ）の幅：Ｗ２よりも小さくされている。このため、プレフィルドシリンジ２を収納トレイ１に収納する際には、軸部の一部４３ｃを突出片５３に当接させてさらに押し込み、突出片５３を一時的に変形（弾性変形）させることとなる。

　図１５に示されるように、基端側収納部５０に収納された軸部の一部４３ｃは、立設接続部５７に形成された軸部当接部５８に当接し、支持される。また、立設接続部５７よりも基端方向に配置されたプランジャ４０の押圧操作部４２は、立設接続部５７と当接ないし僅かな隙間を隔てて配置される。すなわち、軸方向から見て、立設接続部５７の押圧操作部４２と重なる部分（図１５中、クロスハッチ部分）において、押圧操作部４２の先端面４２ａが当接可能な第２当接部５５が構成される。これにより、プレフィルドシリンジ２の収納トレイ１への収納状態において、プランジャ４０の先端方向（シリンジ本体２０に接近する方向）への移動が規制される。

　図７、図１２および図１６に示されるように、本体フランジ収納部５９の基端側支持部６１は、２つの延出部６２、６２同士を繋ぐとともに、基端側支持部６１の立設端（上方）に向かって開口し、シリンジ本体２０の本体フランジ２１の近傍部を挿入可能な略Ｕ字状の基端側切欠部６３と、基端側切欠部６３の内縁を画成する部分により形成された基端側当接部６４と、基端側当接部６４とベース部１１とを連結する部分に設けられた移動規制部６５とを有する。基端側切欠部６３にシリンジ本体２０の本体フランジ２１の近傍部が挿入された際に、基端側当接部６４がシリンジ本体２０の本体フランジ２１の近傍部と当接し、かつ、移動規制部６５が、本体フランジ２１の先端面２１ｂに当接してシリンジ本体２０の先端方向への移動を規制する。

　言い換えれば、本体フランジ２１の先端面２１ｂは、基端側支持部６１よりも基端方向において、基端側支持部６１と当接ないし僅かな隙間を隔てて配置されており、軸方向から見て、基端側支持部６１の本体フランジ２１と重なる部分（図１６中、クロスハッチ部分）において、本体フランジ２１の先端面２１ｂに当接してシリンジ本体２０の先端方向への移動を規制する移動規制部６５が構成される。

　また、図７、図１２および図１６(特に、図１６）に示すように、基端側当接部６４は、基端側切欠部６３の幅がシリンジ本体２０の直径：Ｗ４よりも狭い狭窄部６６（幅：Ｗ５）を有している。基端側切欠部６３にシリンジ本体２０の本体フランジ２１の近傍部が挿入された際に、狭窄部６６がシリンジ本体２０の本体フランジ２１の近傍部に係合して、シリンジ本体２０の本体フランジ２１の近傍部の基端側切欠部６３からの抜去（上方への移動）を規制する。

　本体フランジ２１は本体フランジ収納部５９内に収納される。より具体的には、図１７に示されるように、本体フランジ２１の一般部２１ｃが、本体フランジ収納部５９を構成する切欠部５２ａ内に収納される。切欠部５２ａはその幅（図１７における上下方向寸法）が本体フランジ２１の一般部２１ｃの厚さと同等ないし僅かに大きくされており、切欠部５２ａの先端方向に露出する面と、本体フランジ２１（一般部２１ｃ）の基端面２１ａとは、当接ないし僅かな隙間を隔てて対向している。すなわち、本体フランジ収納部５９においては、本体フランジ２１の基端面２１ａと対向する部分、ここでは、挿入口形成部５２に形成された切欠部５２ａの先端方向に露出する面によって、本体フランジ２１の基端面２１ａが当接可能な第１当接部５４が構成される。これにより、プレフィルドシリンジ２の収納トレイ１への収納状態において、シリンジ本体２０の基端方向（プランジャ４０に接近する方向）への移動が規制される。

　図１、図７、図９、図１３および図１８（特に、図１８）に示されるように、シリンジ本体２０の先端部は、収納トレイ１の先端側支持部７１に形成された先端側切欠部７２に挿入され、先端側当接部７３（先端側切欠部７２の底部）に当接することにより支持される。この状態において、先端側切欠部７２の一対の側部７４に形成された係合凸部７５が、シリンジ本体２０の先端部に形成された窓部２６に進入している。これにより、シリンジ本体２０の先端側切欠部７３からの抜去が規制されることとなる。

　また、係合凸部７５の先端面は、窓部２６の基端方向に露出する面と当接ないし僅かな隙間を隔てて配置されている。そのため、軸方向から見て、係合凸部７５の窓部２６の基端方向に露出する面（シリンジ本体２０の端面）と重なる部分（図１８中、クロスハッチ部分）において、シリンジ本体２０の基端方向への移動が規制されることとなる。

　収納トレイ１においては、基端側収納部５０は、少なくともプランジャ４０の軸部の一部４３ｃを、プランジャ４０のガスケット押圧部４１がガスケット４２と接触しない状態（図２ないし図６に示される状態）で収納する。また、上述のようにして、プレフィルドシリンジ２は、シリンジ本体２０が、基端側支持部６１および先端側支持部７１間に懸架されるように、収納トレイ１のベース部１１から所定の間隔を隔てて（浮かせて）保持される。これにより、収納状態において、ベース部１１を介して加わる衝撃（力）に対する緩衝効果が発揮される。

　収納トレイ１においては、基端側収納部５０が少なくともプランジャの軸部の一部４３ｃを収納した際に、突出片５３が、プランジャ４０の軸部の一部４３ｃの上方に存在する（上方から見て突出片５３と軸部の一部４３ｃとが少なくとも一部において重なる）ようになっている。そのため、軸部の一部４３ｃと突出片５３との当接により、基端側収納部５０からのプランジャ４０の軸部の一部４３ｃの離脱を防止することができる。これにより、プレフィルドシリンジ２を収納した状態において、プランジャ４０が所定の収納位置から浮き上がってしまうことを防止できる。

　また、基端側収納部５０が少なくともプランジャ４０の軸部の一部４３ｃを収納した際に、第１当接部５４（ここでは、切欠部５２ａの先端方向に露出する面）の本体フランジ２１の基端面２１ａへの当接、および第２当接部５５（ここでは、立設接続部５７の一部）の押圧操作部４２の先端面４２ａへの当接により、収納されたプレフィルドシリンジ２のシリンジ本体２０とプランジャ４０が接近不能な状態にて支持される。そのため、プレフィルドシリンジ２を収納した状態において、プランジャ４０がガスケット４２を押圧してしまうことを防止できる。

　本発明の包装体について、図１９および図２０を用いて説明する。本発明の包装体１００は、上記したプレフィルドシリンジ収納トレイ１と、プレフィルドシリンジ２と、プレフィルドシリンジ２が収納されたプレフィルドシリンジ収納トレイ１を収納する外箱９０とからなる。なお、外箱９０は紙製で、図１９に示されるように、収納トレイ１の外形形状に対応した薄厚の直方体形状であり、少なくとも１つの側面において、収納トレイ１を出し入れ可能で、かつ、蓋フラップ９１により封鎖可能な出入口９２を備えていることが好ましい。

　なお、本発明のプレフィルドシリンジ収納トレイおよびそれを用いた包装体は上記の実施形態に限られない。例えば、本体フランジ２１はシリンジ本体２０の基端から全周に亘って一律に突出するものであってもよい。シリンジ本体２０は全長に亘って単筒構造であってもよい。シリンジ本体２０の先端部において収納トレイ１の係合凸部７５と係合する部分は、窓部２６のような貫通孔形態でなく、シリンジ本体２０（外筒２４）の外周面を貫通しない凹部であってもよい。プランジャ４０の軸部４３は全長に亘って略同一の径であってもよい。軸部４３において、収納状態にシリンジ本体２０よりも基端側に配置される軸部の一部４３ｃの全てが大径部４３ａであってもよい。

　本発明のプレフィルドシリンジ収納トレイは、以下のものである。
（１）　基端部に外方に突出する本体フランジを有するシリンジ本体と、前記シリンジ本体の先端開口部を封止する封止部材と、前記シリンジ本体内に摺動可能に収納されたガスケットと、前記シリンジ本体内に収納された薬剤と、先端にガスケット押圧部と、基端に押圧操作部と、前記ガスケット押圧部と前記押圧操作部とをつなぐ軸部と、を有する前記ガスケット移動用のプランジャとを備え、前記プランジャの前記軸部の一部と前記押圧操作部とが、前記シリンジ本体よりも基端側に配置されてなるプレフィルドシリンジを収納するプレフィルドシリンジ収納トレイであって、
　前記プレフィルドシリンジ収納トレイは、ベース部と、前記ベース部より起立し、少なくとも前記プランジャの前記軸部の一部を収納する基端側収納部とを備え、
　前記基端側収納部は、前記プランジャの前記軸部の一部を挿入するための軸部挿入口と、前記基端側収納部に収納された前記プランジャの前記軸部の一部の側部上部となる部位に対向して配置され、前記軸部挿入口の向かい合う内縁を画成する一対の挿入口形成部とを有し、
　前記基端側収納部は、それぞれの挿入口形成部の前記内縁より、他方の挿入口形成部の前記内縁に向かって延びる突出片と、前記軸部挿入口の軸方向の第１端に配置され、前記本体フランジの基端面が当接可能な第１当接部と、前記軸部挿入口の前記第１端と軸方向に向かい合う第２端に配置され、前記押圧操作部の先端面が当接可能な第２当接部とを有し、
　前記一対の挿入口形成部の向かい合う内縁間の距離は、前記プランジャの前記軸部の一部の幅よりも大きく、前記突出片の形成部における前記挿入口形成部の向かい合う内縁間の距離は、前記プランジャの前記軸部の一部の幅よりも小さく、
　前記基端側収納部が少なくとも前記プランジャの前記軸部の一部を収納した際に、前記第１当接部の前記本体フランジの基端面への当接および前記第２当接部の前記押圧操作部の先端面への当接により、前記基端側収納部が前記シリンジ本体と前記プランジャとを接近不能な状態にて支持するとともに、前記突出片の前記プランジャの前記軸部の一部への当接により、前記基端側収納部からの前記プランジャの前記軸部の一部の離脱を防止するプレフィルドシリンジ収納トレイ。

　本発明のプレフィルドシリンジ収納トレイは、少なくともプランジャの軸部の一部を収納する基端側収納部を備え、基端側収納部は、プランジャの軸部の一部を挿入するための軸部挿入口と、収納されたプランジャの軸部の一部の側部上部となる部位に対向して配置され、軸部挿入口の向かい合う内縁を画成する一対の挿入口形成部とを有する。基端側収納部は、それぞれの挿入口形成部の内縁より、他方の挿入口形成部の内縁に向かって延びる突出片を有し、一対の挿入口形成部の向かい合う内縁間の距離は、収納されたプランジャの軸部の一部の幅よりも大きく、突出片の形成部における挿入口形成部の向かい合う内縁間の距離は、収納されたプランジャの軸部の一部の幅よりも小さい。基端側収納部が少なくともプランジャの軸部の一部を収納した際に、突出片が、プランジャの軸部の一部への当接により、基端側収納部からのプランジャの軸部の一部の離脱を防止する。そのため、プレフィルドシリンジを収納した状態において、プランジャが所定の収納位置から浮き上がってしまうことを防止できる。

　また、本発明のプレフィルドシリンジ収納トレイは、少なくともプランジャの軸部の一部を収納する基端側収納部を備え、基端側収納部は、プランジャの軸部の一部を挿入するための軸部挿入口と、収納されたプランジャの軸部の一部の側部上部となる部位に対向して配置され、軸部挿入口の向かい合う内縁を画成する一対の挿入口形成部とを有する。基端側収納部は、軸部挿入口の軸方向の第１端に配置され、本体フランジの基端面が当接可能な第１当接部と、軸部挿入口の第１端と軸方向に向かい合う第２端に配置され、押圧操作部の先端面が当接可能な第２当接部とを有する。基端側収納部が少なくともプランジャの軸部の一部を収納した際に、第１当接部の本体フランジの基端面への当接および第２当接部の押圧操作部の先端面への当接により、収納されたプレフィルドシリンジのシリンジ本体とプランジャが接近不能な状態にて支持される。そのため、プレフィルドシリンジを収納した状態において、プランジャがガスケットを押圧してしまうことを防止できる。

　また、上記の実施態様は、以下のものであってもよい。
（２）　前記一対の挿入口形成部は、前記突出片の外縁と連続し、かつ、前記突出片と反対方向に延びる切れ込みを有する上記（１）に記載のプレフィルドシリンジ収納トレイ。
（３）　前記一対の挿入口形成部は、前記ベース部と略平行に延びる板状部である上記（１）または（２）に記載のプレフィルドシリンジ収納トレイ。
（４）　前記基端側収納部は、前記ベース部から立設する立設接続部を備え、前記立設接続部は、前記第２当接部を有し、かつ、前記一対の挿入口形成部の一端部と前記ベース部を接続している上記（１）ないし（３）のいずれかに記載のプレフィルドシリンジ収納トレイ。
（５）　前記立設接続部は、前記軸部を支持する軸部当接部を有する上記（４）に記載のプレフィルドシリンジ収納トレイ。
（６）　前記立設接続部は、前記第２端側の前記一対の挿入口形成部の端部同士を繋いでいる上記（４）または（５）に記載のプレフィルドシリンジ収納トレイ。
（７）　前記基端側収納部は、前記一対の挿入口形成部に隣接し、前記本体フランジを収納する本体フランジ収納部を有し、
　前記本体フランジ収納部は、前記軸部挿入口と連通し、前記本体フランジを挿入するためのフランジ挿入口と、前記ベース部から立設し、前記シリンジ本体の前記本体フランジの近傍部を支持する基端側支持部と、前記第１端側の前記一対の挿入口形成部の端部から前記基端側支持部の前記ベース部とは反対側の立設端まで延び、前記フランジ挿入口の両側部の内縁を画成する２つの延出部とを有する上記（１）ないし（６）のいずれかに記載のプレフィルドシリンジ収納トレイ。
（８）　前記本体フランジ収納部の前記基端側支持部は、前記２つの延出部同士を繋ぐとともに、前記基端側支持部の前記立設端に向かって開口し、前記シリンジ本体の前記本体フランジの近傍部を挿入可能な略Ｕ字状の基端側切欠部と、前記基端側切欠部の内縁を画成する部分により形成された基端側当接部と、前記基端側当接部と前記ベース部とを連結する部分に設けられた移動規制部とを有し、
　前記基端側切欠部に前記シリンジ本体の前記本体フランジの近傍部が挿入された際に、前記基端側当接部が前記シリンジ本体の前記本体フランジの近傍部と当接し、かつ、前記移動規制部が、前記本体フランジの先端面に当接して前記シリンジ本体の先端方向への移動を規制する上記（７）に記載のプレフィルドシリンジ収納トレイ。
（９）　前記基端側当接部は、前記基端側切欠部の幅が前記シリンジ本体の直径よりも狭い狭窄部を有し、前記基端側切欠部に前記シリンジ本体の前記本体フランジの近傍部が挿入された際に、前記狭窄部が前記シリンジ本体の前記本体フランジの近傍部に係合して前記シリンジ本体の前記本体フランジの近傍部の前記基端側切欠部からの抜去を規制する上記（８）に記載のプレフィルドシリンジ収納トレイ。
（１０）　前記プレフィルドシリンジ収納トレイは、さらに、前記ベース部から立設し、前記シリンジ本体の先端部を支持する先端側支持部を備える上記（１）ないし（９）のいずれかに記載のプレフィルドシリンジ収納トレイ。
（１１）　前記先端側支持部は、前記先端側支持部の前記ベース部とは反対側の立設端に向かって開口し、前記シリンジ本体の先端部を挿入可能な略Ｕ字状の先端側切欠部を有し、前記先端側切欠部は、先端側当接部を画成する底部と、対向する一対の側部とを有し、前記一対の側部は、近づく方向に突出した係合凸部を有し、前記先端側当接部が前記シリンジ本体の先端部に当接することにより、前記先端側切欠部に前記シリンジ本体の先端部が挿入された際に、前記先端側支持部が前記シリンジ本体の先端部を支持し、かつ、前記係合凸部が前記シリンジ本体の先端部に係合して前記シリンジ本体の前記先端側切欠部からの抜去を規制する上記（１０）に記載のプレフィルドシリンジ収納トレイ。
（１２）　前記プレフィルドシリンジ収納トレイは、さらに、前記先端側支持部に隣接し、少なくとも前記封止部材を収納する先端側収納部を備える上記（１０）または（１１）に記載のプレフィルドシリンジ収納トレイ。
（１３）　前記シリンジ本体は、前記ガスケットを摺動可能に収納し、かつ内部に前記薬剤を収納し、先端開口部が前記封止部材により封止されたバレルと、前記バレルを収納し、かつ前記バレルに装着された外筒とを備えるものである上記（１）ないし（１２）のいずれかに記載のプレフィルドシリンジ収納トレイ。
（１４）　前記基端側収納部は、前記少なくとも前記プランジャの前記軸部の一部を、前記プランジャの前記ガスケット押圧部が前記ガスケットと接触しない状態で収納する上記（１）ないし（１３）のいずれかに記載のプレフィルドシリンジ収納トレイ。
（１５）　前記プレフィルドシリンジ収納トレイは、複数の前記基端側収納部を有し、複数の前記プレフィルドシリンジを収納可能である上記（１）ないし（１４）のいずれかに記載のプレフィルドシリンジ収納トレイ。

　本発明の包装体は、以下のものである。
（１６）　上記（１）ないし（１５）のいずれかに記載のプレフィルドシリンジ収納トレイと、前記プレフィルドシリンジと、前記プレフィルドシリンジが収納された前記プレフィルドシリンジ収納トレイを収納する外箱とからなる包装体。

　本発明の包装体は、上記のプレフィルドシリンジ収納トレイと、プレフィルドシリンジと、プレフィルドシリンジが収納されたプレフィルドシリンジ収納トレイを収納する外箱とからなる。そのため、プレフィルドシリンジを収納した状態において、プランジャがガスケットを押圧してしまうことと、プランジャが所定の収納位置から浮き上がってしまうことを同時に防止できる。

Claims

　基端部に外方に突出する本体フランジを有するシリンジ本体と、前記シリンジ本体の先端開口部を封止する封止部材と、前記シリンジ本体内に摺動可能に収納されたガスケットと、前記シリンジ本体内に収納された薬剤と、先端にガスケット押圧部と、基端に押圧操作部と、前記ガスケット押圧部と前記押圧操作部とをつなぐ軸部と、を有する前記ガスケット移動用のプランジャとを備え、前記プランジャの前記軸部の一部と前記押圧操作部とが、前記シリンジ本体よりも基端側に配置されてなるプレフィルドシリンジを収納するプレフィルドシリンジ収納トレイであって、
　前記プレフィルドシリンジ収納トレイは、ベース部と、前記ベース部より起立し、少なくとも前記プランジャの前記軸部の一部を収納する基端側収納部とを備え、
　前記基端側収納部は、前記プランジャの前記軸部の一部を挿入するための軸部挿入口と、前記基端側収納部に収納された前記プランジャの前記軸部の一部の側部上部となる部位に対向して配置され、前記軸部挿入口の向かい合う内縁を画成する一対の挿入口形成部とを有し、
　前記基端側収納部は、それぞれの挿入口形成部の前記内縁より、他方の挿入口形成部の前記内縁に向かって延びる突出片と、前記軸部挿入口の軸方向の第１端に配置され、前記本体フランジの基端面が当接可能な第１当接部と、前記軸部挿入口の前記第１端と軸方向に向かい合う第２端に配置され、前記押圧操作部の先端面が当接可能な第２当接部とを有し、
　前記一対の挿入口形成部の向かい合う内縁間の距離は、前記プランジャの前記軸部の一部の幅よりも大きく、前記突出片の形成部における前記挿入口形成部の向かい合う内縁間の距離は、前記プランジャの前記軸部の一部の幅よりも小さく、
　前記基端側収納部が少なくとも前記プランジャの前記軸部の一部を収納した際に、前記第１当接部の前記本体フランジの基端面への当接および前記第２当接部の前記押圧操作部の先端面への当接により、前記基端側収納部が前記シリンジ本体と前記プランジャとを接近不能な状態にて支持するとともに、前記突出片の前記プランジャの前記軸部の一部への当接により、前記基端側収納部からの前記プランジャの前記軸部の一部の離脱を防止することを特徴とするプレフィルドシリンジ収納トレイ。
　前記一対の挿入口形成部は、前記突出片の外縁と連続し、かつ、前記突出片と反対方向に延びる切れ込みを有する請求項１に記載のプレフィルドシリンジ収納トレイ。
　前記一対の挿入口形成部は、前記ベース部と略平行に延びる板状部である請求項１または請求項２に記載のプレフィルドシリンジ収納トレイ。
　前記基端側収納部は、前記ベース部から立設する立設接続部を備え、前記立設接続部は、前記第２当接部を有し、かつ、前記一対の挿入口形成部の一端部と前記ベース部を接続している請求項１ないし請求項３のいずれかに記載のプレフィルドシリンジ収納トレイ。
　前記立設接続部は、前記軸部を支持する軸部当接部を有する請求項４に記載のプレフィルドシリンジ収納トレイ。
　前記立設接続部は、前記第２端側の前記一対の挿入口形成部の端部同士を繋いでいる請求項４または請求項５に記載のプレフィルドシリンジ収納トレイ。
　前記基端側収納部は、前記一対の挿入口形成部に隣接し、前記本体フランジを収納する本体フランジ収納部を有し、
　前記本体フランジ収納部は、前記軸部挿入口と連通し、前記本体フランジを挿入するためのフランジ挿入口と、前記ベース部から立設し、前記シリンジ本体の前記本体フランジの近傍部を支持する基端側支持部と、前記第１端側の前記一対の挿入口形成部の端部から前記基端側支持部の前記ベース部とは反対側の立設端まで延び、前記フランジ挿入口の両側部の内縁を画成する２つの延出部とを有する請求項１ないし請求項６のいずれかに記載のプレフィルドシリンジ収納トレイ。
　前記本体フランジ収納部の前記基端側支持部は、前記２つの延出部同士を繋ぐとともに、前記基端側支持部の前記立設端に向かって開口し、前記シリンジ本体の前記本体フランジの近傍部を挿入可能な略Ｕ字状の基端側切欠部と、前記基端側切欠部の内縁を画成する部分により形成された基端側当接部と、前記基端側当接部と前記ベース部とを連結する部分に設けられた移動規制部とを有し、
　前記基端側切欠部に前記シリンジ本体の前記本体フランジの近傍部が挿入された際に、前記基端側当接部が前記シリンジ本体の前記本体フランジの近傍部と当接し、かつ、前記移動規制部が、前記本体フランジの先端面に当接して前記シリンジ本体の先端方向への移動を規制する請求項７に記載のプレフィルドシリンジ収納トレイ。
　前記基端側当接部は、前記基端側切欠部の幅が前記シリンジ本体の直径よりも狭い狭窄部を有し、前記基端側切欠部に前記シリンジ本体の前記本体フランジの近傍部が挿入された際に、前記狭窄部が前記シリンジ本体の前記本体フランジの近傍部に係合して前記シリンジ本体の前記本体フランジの近傍部の前記基端側切欠部からの抜去を規制する請求項８に記載のプレフィルドシリンジ収納トレイ。
　前記プレフィルドシリンジ収納トレイは、さらに、前記ベース部から立設し、前記シリンジ本体の先端部を支持する先端側支持部を備える請求項１ないし請求項９のいずれかに記載のプレフィルドシリンジ収納トレイ。
　前記先端側支持部は、前記先端側支持部の前記ベース部とは反対側の立設端に向かって開口し、前記シリンジ本体の先端部を挿入可能な略Ｕ字状の先端側切欠部を有し、前記先端側切欠部は、先端側当接部を画成する底部と、対向する一対の側部とを有し、前記一対の側部は、近づく方向に突出した係合凸部を有し、前記先端側当接部が前記シリンジ本体の先端部に当接することにより、前記先端側切欠部に前記シリンジ本体の先端部が挿入された際に、前記先端側支持部が前記シリンジ本体の先端部を支持し、かつ、前記係合凸部が前記シリンジ本体の先端部に係合して前記シリンジ本体の前記先端側切欠部からの抜去を規制する請求項１０に記載のプレフィルドシリンジ収納トレイ。
　前記プレフィルドシリンジ収納トレイは、さらに、前記先端側支持部に隣接し、少なくとも前記封止部材を収納する先端側収納部を備える請求項１０または請求項１１に記載のプレフィルドシリンジ収納トレイ。
　前記シリンジ本体は、前記ガスケットを摺動可能に収納し、かつ内部に前記薬剤を収納し、先端開口部が前記封止部材により封止されたバレルと、前記バレルを収納し、かつ前記バレルに装着された外筒とを備えるものである請求項１ないし請求項１２のいずれかに記載のプレフィルドシリンジ収納トレイ。
　前記基端側収納部は、前記少なくとも前記プランジャの前記軸部の一部を、前記プランジャの前記ガスケット押圧部が前記ガスケットと接触しない状態で収納する請求項１ないし請求項１３のいずれかに記載のプレフィルドシリンジ収納トレイ。
　前記プレフィルドシリンジ収納トレイは、複数の前記基端側収納部を有し、複数の前記プレフィルドシリンジを収納可能である請求項１ないし請求項１４のいずれかに記載のプレフィルドシリンジ収納トレイ。
　請求項１ないし請求項１５のいずれかに記載のプレフィルドシリンジ収納トレイと、前記プレフィルドシリンジと、前記プレフィルドシリンジが収納された前記プレフィルドシリンジ収納トレイを収納する外箱とからなる包装体。