WO2020084899A1 - 付加硬化型シリコーン組成物 - Google Patents

付加硬化型シリコーン組成物 Download PDF

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Abstract

脂肪族不飽和炭化水素基含有オルガノポリシロキサン、熱伝導性充填剤、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、特定構造を有し硫黄原子を含有する加水分解性オルガノシラン化合物、白金族金属触媒、及び必要により脂肪族不飽和炭化水素基を有するシリコーンレジンを特定量配合することで、従来のシリコーン放熱グリースに比べ、金などの貴金属が蒸着された表面上においても良好な接着性を発現することができる付加硬化型シリコーン組成物が得られる。

Description

付加硬化型シリコーン組成物
 本発明は、付加硬化型シリコーン組成物に関する。詳細には、高熱伝導性の付加硬化型シリコーン組成物に関し、金などの貴金属表面への接着性が良好である付加硬化型シリコーン組成物に関する。
 LSIやICチップ等の電子部品は、使用中の発熱及びそれによる性能の低下が広く知られており、これを解決するための手段として様々な放熱技術が用いられている。一般的な放熱技術としては、発熱部の付近に冷却部材を配置し、両者を密接させたうえで冷却部材から効率的に除熱することにより放熱を行う技術が挙げられる。
 その際、発熱部材と冷却部材との間に隙間があると、熱伝導性の悪い空気が介在することにより熱伝導率が低下し、発熱部材の温度が十分に下がらなくなってしまう。このような空気の介在を防ぎ、熱伝導率を向上させるため、熱伝導率がよく、部材の表面に追随性のある放熱材料、例えば放熱グリースや放熱シートが用いられている(特許文献1~11:特許第2938428号公報、特許第2938429号公報、特許第3580366号公報、特許第3952184号公報、特許第4572243号公報、特許第4656340号公報、特許第4913874号公報、特許第4917380号公報、特許第4933094号公報、特許第5283346号公報、特許第5233325号公報)。
 例えば、特許文献9には、特定構造を有するオルガノポリシロキサンと、特定の置換基を有するアルコキシシランと、熱伝導性充填剤とを含有してなる熱伝導性シリコーングリース組成物が開示されており、該組成物は熱伝導性が良好であり、かつ流動性が良好であり、作業性に優れることが記載されている。また、特許文献10及び特許文献11には、粘着性と熱伝導性を有するシートが開示され、付加硬化型のシリコーンゴム組成物に、熱伝導性充填剤と脂肪族不飽和炭化水素基を有さないシリコーンレジンを配合した熱伝導性組成物が開示されている。特許文献10及び特許文献11には、薄膜状態で適度な粘着性と良好な熱伝導性を有する熱伝導性硬化物が提供できることが開示されている。
 放熱グリースの中には、半導体チップとヒートスプレッダーを強固に接着させるためにグリースに接着性能を付与したものがある。半導体チップとヒートスプレッダーがグリースを介して十分に接着していないと、放熱性能が十分発揮されず著しい性能の低下を及ぼすためである。従って、半導体チップとヒートスプレッダーとの間をグリースにより強固に接着させることは重要である。一方で、放熱グリースの熱伝導率を向上させるためには熱伝導性充填剤を大量に充填する必要もある。熱伝導性充填剤をグリース中に大量に充填すると相対的に有機物成分量が減少するため、得られる硬化物の接着性が低下するという問題がある。接着性が低下すると、発熱と冷却の熱履歴による半導体チップの歪みに硬化物が追従できなくなり剥離を生じ、最悪の場合、半導体チップの破損を起こす可能性がある。例えば、特許文献12(特許第6149831号公報)は、特定構造のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含有することで、金属ケイ素やニッケル表面に対する接着性が良好な熱伝導性シリコーングリース組成物を開示している。
 一方近年、半導体装置の信頼性を向上する目的で、半導体チップやヒートスプレッダーの表面に金などの貴金属を蒸着した半導体装置が供される場合がある。金などの貴金属が蒸着された表面上では、付加硬化型シリコーン組成物が硬化不良を起こす場合があることが知られており、その場合、接着性能を付与したものでは接着強度が著しく低下することが問題となる。
 特許文献13(特許第5447337号公報)には、硬化剤として10時間半減期温度が80℃以上130℃未満のパーオキサイドを用いることで、金蒸着表面上で接着可能な熱伝導性シリコーン組成物が開示されているものの接着強度は弱く、半導体チップとヒートスプレッダーを強固に接着することができる水準にはない。
 特許文献14(特開2008-106185号公報)には、貴金属表面を白金系化合物及び溶剤を含みかつアルコキシシランを含まないプライマーで処理することで、金蒸着表面上で接着可能な熱伝導性シリコーン組成物が開示されている。しかし、特許文献13と同様に接着強度は弱く、半導体チップとヒートスプレッダーを強固に接着することができる水準にはない。またプライマーによる処理は工程を煩雑にし、かつ不経済でもあるため好まれない。
 上述したように、近年では半導体装置の信頼性向上が重視されており、そのための方策として半導体チップやヒートスプレッダーの表面へ金などの貴金属を蒸着するという手法が採られる場合があるが、従来のシリコーン放熱グリースは、金などの貴金属が蒸着された表面上では十分な接着性を発現することができないという課題を有する。そうした表面においても良好な接着性を発現するシリコーン放熱グリースが要求されている。
特許第2938428号公報 特許第2938429号公報 特許第3580366号公報 特許第3952184号公報 特許第4572243号公報 特許第4656340号公報 特許第4913874号公報 特許第4917380号公報 特許第4933094号公報 特許第5283346号公報 特許第5233325号公報 特許第6149831号公報 特許第5447337号公報 特開2008-106185号公報
 従って、本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、従来のシリコーン放熱グリースに比べ、金などの貴金属が蒸着された表面への接着性が良好である付加硬化型シリコーン組成物を提供することを目的とする。
 本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を行った結果、脂肪族不飽和炭化水素基含有オルガノポリシロキサン、熱伝導性充填剤、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、特定構造を有し硫黄原子を含有する加水分解性オルガノシラン化合物、白金族金属触媒、及び必要により脂肪族不飽和炭化水素基を有するシリコーンレジンを特定量配合することで、金などの貴金属が蒸着された表面上においても良好な接着性を発現することができる付加硬化型シリコーン組成物が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
 従って、本発明は、下記付加硬化型シリコーン組成物を提供する。
[1].
 (A)1分子中に少なくとも2個の脂肪族不飽和炭化水素基を有し、25℃での動粘度が60~100,000mm2/sであるオルガノポリシロキサン: 100質量部、
(B)1分子中に少なくとも1個の脂肪族不飽和炭化水素基を有するシリコーンレジン: (A)成分100質量部に対して0~100質量部、
(C)金属、金属酸化物、金属水酸化物、金属窒化物、金属炭化物、及び炭素の同素体からなる群より選ばれる少なくとも1種の熱伝導性充填剤: 組成物全体に対し10~95質量%となる量、
(D)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン: (A)及び(B)成分中の脂肪族不飽和炭化水素基の個数の合計に対するSiH基の個数が0.5~5となる量、
(E)下記一般式(1)で示される加水分解性オルガノシラン化合物: (A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して0.1~10質量部、
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005
(式中、R1は置換基を有していてもよい炭素数1~10の1価炭化水素基を表し、それぞれのR1は同一であっても異なっていてもよい。R2はそれぞれ独立に非置換もしくは置換の炭素数1~20のアルキル基、非置換もしくは置換の炭素数6~10のアリール基、炭素数7~10のアラルキル基、非置換もしくは置換の炭素数2~10のアルケニル基、又は非置換もしくは置換の炭素数1~20のアルコキシ基であり、R3は非置換もしくは置換の炭素数1~10のアルキル基、又は非置換もしくは置換の炭素数6~10のアリール基であり、nは1~3の整数であり、mは1~12の整数である。)
(F)白金族金属触媒: 有効量
を必須成分とする付加硬化型シリコーン組成物。
[2].
 さらに、(G)反応制御剤を(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して0.05~5質量部含む[1]に記載の付加硬化型シリコーン組成物。
[3].
 さらに、(H)パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、及びパーオキシジカーボネートから選ばれる有機過酸化物を(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して0.01~10質量部含む[1]又は[2]に記載の付加硬化型シリコーン組成物。
[4].
 さらに、(I)下記一般式(2)で示される加水分解性オルガノシラン化合物を(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して0.1~30質量部含む[1]~[3]のいずれかに記載の付加硬化型シリコーン組成物。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006
(式中、R1は置換基を有していてもよい炭素数1~10の1価炭化水素基を表し、それぞれのR1は同一であっても異なっていてもよい。R4はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アルコキシシリル基から選択される基である。Xはヘテロ原子を含んでもよい炭素数1~20のアルキレン基である。aは0~2の整数である。)
[5].
 さらに、(J)下記一般式(3)で表される加水分解性オルガノポリシロキサン化合物を(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して1~200質量部含む[1]~[4]のいずれかに記載の付加硬化型シリコーン組成物。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007
(式中、R1は置換基を有していてもよい炭素数1~10の1価炭化水素基を表し、それぞれのR1は同一であっても異なっていてもよい。bは5~100の整数である。)
[6].
 さらに、(K)下記一般式(4)で表される加水分解性オルガノポリシロキサン化合物を(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して1~50質量部含む[1]~[5]のいずれかに記載の付加硬化型シリコーン組成物。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008
(式中、R1は置換基を有していてもよい炭素数1~10の1価炭化水素基を表し、それぞれのR1は同一であっても異なっていてもよい。R5は炭素数2~6のアルケニル基である。p、qは1≦p≦50、1≦q≦99、5≦p+q≦100を満足する数である。)
 本発明の付加硬化型シリコーン組成物は、金などの貴金属が蒸着された表面への接着性が良好である。即ち、信頼性向上を目的に半導体チップやヒートスプレッダーの表面へ金などの貴金属を蒸着した半導体装置への適用が可能である。
 以下、本発明を詳細に説明する。
(A)成分
 (A)成分は、1分子中に少なくとも2個、好ましくは2~100個、より好ましくは2~50個の脂肪族不飽和炭化水素基を有し、25℃での動粘度が60~100,000mm2/sであるオルガノポリシロキサンである。
 脂肪族不飽和炭化水素基は、好ましくは、脂肪族不飽和結合を有する、炭素数2~8、さらに好ましくは炭素数2~6の1価炭化水素基であり、より好ましくはアルケニル基である。例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、及びオクテニル基等のアルケニル基が挙げられる。特に好ましくはビニル基である。脂肪族不飽和炭化水素基は、分子鎖末端のケイ素原子、分子鎖途中のケイ素原子のいずれに結合していてもよく、両者に結合していてもよい。
 なお、(A)成分のオルガノポリシロキサンは、1分子中に0.00001~0.01mol/g、特には0.0001~0.01mol/gの脂肪族不飽和炭化水素基を有することが好ましい。
 前記オルガノポリシロキサンのケイ素原子に結合する、脂肪族不飽和炭化水素基以外の有機基としては、炭素数1~18、好ましくは炭素数1~10、さらに好ましくは炭素数1~8の、脂肪族不飽和結合を有しない、非置換又は置換の1価炭化水素基である。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、又はこれらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えば、クロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられる。特にはメチル基であることが好ましい。
 前記オルガノポリシロキサンは、25℃での動粘度が、60~100,000mm2/s、好ましくは100~30,000mm2/sである。該動粘度が60mm2/s未満であると、シリコーン組成物の物理的特性が低下し、100,000mm2/sを超えると、シリコーン組成物の伸展性が乏しいものとなる。
 本発明において、動粘度は、ウベローデ型オストワルド粘度計により測定した25℃における値である(以下、同じ)。
 前記オルガノポリシロキサンは、上記性質を有するものであればその分子構造は特に限定されず、直鎖状構造、分岐鎖状構造、一部分岐状構造又は環状構造を有する直鎖状構造等が挙げられる。特には、主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状構造を有するのが好ましい。該直鎖状構造を有するオルガノポリシロキサンは、部分的に分岐状構造又は環状構造を有していてもよい。
 該オルガノポリシロキサンは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(B)成分
 (B)成分はシリコーンレジンである。(B)成分のシリコーンレジンは、1分子中に少なくとも1個の脂肪族不飽和炭化水素基を有するものである。(B)成分は配合しなくてもよいが、(B)成分のシリコーンレジンを含有した場合、本発明の付加硬化型シリコーン組成物より得られる硬化物の接着強度を向上させることができる。
 本発明において(B)成分は、好ましくはSiO4/2単位、R6 27SiO1/2単位、及びR6 3SiO1/2単位(式中、R6は、互いに独立に脂肪族不飽和結合を有しない1価炭化水素基であり、R7は1価脂肪族不飽和炭化水素基である)を含むシリコーンレジンである。
 前記式中、R6は、互いに独立に脂肪族不飽和結合を有しない、炭素数1~18、好ましくは炭素数1~10、さらに好ましくは炭素数1~8の、非置換又は置換の1価炭化水素基である。例えば、R6としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、又はこれらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えば、クロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基が特に好ましい。
 R7は1価脂肪族不飽和炭化水素基であり、好ましくは、脂肪族不飽和結合を有する、炭素数2~8、さらに好ましくは炭素数2~6の1価炭化水素基であり、より好ましくはアルケニル基である。アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、及びオクテニル基等が挙げられる。特に好ましくはビニル基である。
 (B)成分のシリコーンレジンは、1分子中に少なくとも1個、好ましくは1×10-5~1×10-2mol/g、さらに好ましくは1×10-4~2×10-3mol/gの脂肪族不飽和炭化水素基を有する。
 さらに(B)成分は、SiO4/2単位(Q単位)とR6 27SiO1/2単位、及びR6 3SiO1/2単位(M単位)とのモル比が、(M単位)/(Q単位)が0.1~3を満たす数であることが好ましく、さらには(M単位)/(Q単位)が0.3~2.5を満たす数であることが好ましく、特には(M単位)/(Q単位)が0.5~2を満たす数であることが好ましい。M単位とQ単位のモル比が上記範囲内であると、良好な接着性及び強度を有するグリースを提供することができる。なお、本発明にかかるシリコーンレジンは、分子中にR2SiO2/2単位(D単位)及びRSiO3/2単位(T単位)を、本発明の付加硬化型シリコーン組成物の性質を損なわない程度(例えば、(B)成分のシリコーンレジン中1~50モル%)に含んでいてよい(式中、RはR6ないしはR7である)。
 本発明に用いるシリコーンレジンは室温で固体又は粘稠な液体である。該シリコーンレジンの平均分子量は特に限定されないが、該シリコーンレジンをキシレンに溶解して50質量%溶液とした時の動粘度が、0.5~10mm2/s、好ましくは1~5mm2/sとなるような分子量が好ましい。シリコーンレジンの動粘度が上記範囲内にあることにより組成物の物理的特性の低下を防止でき、好ましい。
 (B)成分のシリコーンレジンの量は、(A)成分100質量部に対して0~100質量部であるが、配合する場合、好ましくは1~100質量部、より好ましくは3~50質量部である。(B)成分の量が上記下限値より少ないと接着性を発現するには不十分となるおそれがあり、上記上限値より多いと伸展性の乏しいものとなるおそれがある。
(C)成分
 (C)成分は、金属、金属酸化物、金属水酸化物、金属窒化物、金属炭化物、及び炭素の同素体からなる群より選ばれる1種以上の熱伝導性充填剤である。例えば、アルミニウム、銀、銅、金属ケイ素、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化セリウム、酸化鉄、水酸化アルミニウム、水酸化セリウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、ダイヤモンド、グラファイト、カーボンナノチューブ、グラフェン等が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができ、大粒子成分と小粒子成分を組み合わせたものであることが好ましい。
 大粒子成分の平均粒径は、0.1μmより小さいと得られる組成物の粘度が高くなりすぎ、伸展性の乏しいものとなるおそれがあり、100μmより大きいと得られる組成物が不均一となるおそれがあるため、0.1~100μmの範囲、好ましくは10~50μmの範囲、より好ましくは10~45μmの範囲が好ましい。
 また、小粒子成分の平均粒径は、0.01μmより小さいと得られる組成物の粘度が高くなりすぎ、伸展性の乏しいものとなるおそれがあり、10μm以上だと得られる組成物が不均一となるおそれがあるため、0.01μm以上10μm未満の範囲、好ましくは0.1~4μmの範囲がよい。
 大粒子成分と小粒子成分の割合は特に限定されず、9:1~1:9(質量比)の範囲が好ましい。また、大粒子成分及び小粒子成分の形状は、球状、不定形状、針状等、特に限定されるものではない。
 なお、平均粒径は、例えば、レーザー光回折法による粒度分布測定における体積基準の平均値(又はメジアン径)として求めることができる。
 (C)成分の配合量は、組成物全体に対し10~95質量%であり、20~90質量%が好ましく、30~88質量%がより好ましく、50~85質量%が最も好ましい。95質量%より多いと、組成物が伸展性の乏しいものとなるし、10質量%より少ないと熱伝導性に乏しいものとなる。
(D)成分
 (D)成分は、ケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)を1分子中に2個以上、好ましくは2~100個、さらに好ましくは2~20個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。該オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、分子中のSiH基が、上述した(A)及び(B)成分が有する脂肪族不飽和炭化水素基と白金族金属触媒の存在下に付加反応し、架橋構造を形成できるものであればよい。
 前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、上記性質を有するものであればその分子構造は特に限定されず、直鎖状構造、分岐鎖状構造、環状構造、一部分岐状構造又は環状構造を有する直鎖状構造等が挙げられる。好ましくは直鎖状構造、環状構造である。
 該オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、25℃での動粘度が、好ましくは1~1,000mm2/s、より好ましくは10~100mm2/sである。前記動粘度が1mm2/s以上であれば、シリコーン組成物の物理的特性が低下するおそれがなく、1,000mm2/s以下であれば、シリコーン組成物の伸展性が乏しいものとなるおそれがない。
 前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンのケイ素原子に結合した有機基としては、脂肪族不飽和炭化水素基以外の非置換又は置換の1価炭化水素基が挙げられる。特には、炭素数1~12、好ましくは炭素数1~10の、非置換又は置換の1価炭化水素基である。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基、2-フェニルエチル基、2-フェニルプロピル基等のアラルキル基、これらの水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基、エポキシ環含有有機基(グリシジル基又はグリシジルオキシ基置換アルキル基)等で置換したもの、例えば、クロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基、2-グリシドキシエチル基、3-グリシドキシプロピル基、及び4-グリシドキシブチル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、3-グリシドキシプロピル基が好ましい。
 該オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1種単独でも2種以上を混合して使用してもよい。
 (D)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、(A)及び(B)成分中の脂肪族不飽和炭化水素基の個数の合計に対する(D)成分中のSiH基の個数が0.5~5となる量、好ましくは0.7~4.5となる量、より好ましくは1~4となる量である。(D)成分の量が上記下限値未満では付加反応が十分に進行せず、架橋が不十分となる。また、上記上限値超では、架橋構造が不均一となったり、組成物の保存性が著しく悪化する場合がある。
 なお、本発明においては、組成物中(特には(A)成分、(B)成分、(E)成分及び後述する任意成分である(I)成分、(J)成分及び(K)成分中)の脂肪族不飽和炭化水素基の個数の合計に対する組成物中(特には(D)成分中)のSiH基の個数が、0.5~5となる量、特には1~4となる量であることが望ましい。
(E)成分
 (E)成分は、下記一般式(1)で示される、1分子内に加水分解性シリル基とS-Si結合の双方を有する加水分解性オルガノシラン化合物であり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができ、本発明で得られるシリコーン組成物の金などの貴金属が蒸着された表面への接着性を向上させるための接着助剤として作用する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000009
(式中、R1は置換基を有していてもよい炭素数1~10の1価炭化水素基を表し、それぞれのR1は同一であっても異なっていてもよい。R2はそれぞれ独立に非置換もしくは置換の炭素数1~20のアルキル基、非置換もしくは置換の炭素数6~10のアリール基、炭素数7~10のアラルキル基、非置換もしくは置換の炭素数2~10のアルケニル基、又は非置換もしくは置換の炭素数1~20のアルコキシ基であり、R3は非置換もしくは置換の炭素数1~10のアルキル基、又は非置換もしくは置換の炭素数6~10のアリール基であり、nは1~3の整数であり、mは1~12の整数である。)
 上記式(1)中のR1は置換基を有していてもよい炭素数1~10の1価炭化水素基であり、好ましくは置換基を有してもよい1価飽和脂肪族炭化水素基、置換基を有してもよい1価不飽和脂肪族炭化水素基、置換基を有してもよい1価芳香族炭化水素基(芳香族ヘテロ環を含む)が挙げられ、より好ましくは置換基を有してもよい1価飽和脂肪族炭化水素基、置換基を有してもよい1価芳香族炭化水素基、特に好ましくは置換基を有してもよい1価飽和脂肪族炭化水素基である。
 置換基を有してもよい1価飽和脂肪族炭化水素基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の直鎖アルキル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等の分岐鎖アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、クロロメチル基、3-クロロプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、ブロモプロピル基等のハロゲン置換アルキル基などの、炭素数1~10、好ましくは炭素数1~8、さらに好ましくは炭素数1~6のものである。
 置換基を有してもよい1価不飽和脂肪族炭化水素基として、具体的には、エテニル基、1-メチルエテニル基、2-プロペニル基等のアルケニル基、エチニル基、2-プロピニル基等のアルキニル基などの、炭素数2~10、好ましくは炭素数2~8、さらに好ましくは炭素数2~6のものである。
 置換基を有してもよい1価芳香族炭化水素基として、具体的には、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、2-フェニルエチル基等のアラルキル基、α,α,α-トリフルオロトリル基、クロロベンジル基等のハロゲン置換アリール基などの、炭素数6~10、好ましくは炭素数6~8、さらに好ましくは炭素数6のものである。
 上記式(1)中のR1としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基などが好ましく、これらの中でもメチル基、エチル基がより好ましい。
 R2はそれぞれ独立に非置換もしくは置換の炭素数1~20のアルキル基、非置換もしくは置換の炭素数6~10のアリール基、炭素数7~10のアラルキル基、非置換もしくは置換の炭素数2~10のアルケニル基、又は非置換もしくは置換の炭素数1~20のアルコキシ基であり、R2のアルキル基としては、メチル基、エチル基、tert-ブチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基などが挙げられ、アリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基などが挙げられ、アラルキル基としては、ベンジル基などが挙げられ、アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、ペンテニル基などが挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、オクトキシ基、ドデコキシ基などが挙げられ、また、置換アルキル基、置換アリール基、置換アルケニル基、置換アルコキシ基における置換基としては、ハロゲン原子が挙げられる。R2としては、これらの中でもメチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基が好ましく、少なくとも一つはメトキシ基もしくはエトキシ基であることがさらに好ましい。
 R3は非置換もしくは置換の炭素数1~10のアルキル基、又は非置換もしくは置換の炭素数6~10のアリール基であり、R3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられ、アリール基としては、フェニル基などが挙げられ、また、置換アルキル基、置換アリール基における置換基としては、ハロゲン原子が挙げられる。R3としては、これらの中でもメチル基が好ましい。
 また、nは1~3の整数であり、好ましくは3である。mは1~12の整数であり、好ましくは1~8の整数である。
 式(1)で示される加水分解性オルガノシラン化合物としては、下記一般式(5)で示されるものが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000010
(式中、R1、n、R2は上記と同様であり、R8は非置換もしくは置換の炭素数1~20のアルキル基、非置換もしくは置換の炭素数6~10のアリール基、炭素数7~10のアラルキル基、又は非置換もしくは置換の炭素数2~10のアルケニル基であり、Meはメチル基である。)
 上記式(5)中のR8は非置換もしくは置換の炭素数1~20のアルキル基、非置換もしくは置換の炭素数6~10のアリール基、炭素数7~10のアラルキル基、又は非置換もしくは置換の炭素数2~10のアルケニル基であり、R8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、tert-ブチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基などが挙げられ、アリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基などが挙げられ、アラルキル基としては、ベンジル基などが挙げられ、アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、ペンテニル基などが挙げられ、また、置換アルキル基、置換アリール基、置換アルケニル基における置換基としては、ハロゲン原子が挙げられる。R8としては、これらの中でもメチル基、エチル基が好ましい。
 (E)成分の加水分解性オルガノシラン化合物としては、下記一般式(6)~(11)で示されるものがより好ましく、これらの1種又は2種以上を使用することができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000011
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000012
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000013
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000014
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000015
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000016
(式中、R1、n、Meは上記と同様であり、Etはエチル基である。)
 (E)成分の配合量は、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対し、0.1~10質量部であり、0.2~7質量部が好ましい。配合量が、0.1質量部未満であるとシリコーン組成物の金などの貴金属が蒸着された表面への接着性を向上するに資する効果に乏しく、10質量部を超える量であるとシリコーン組成物の付加反応を阻害し、ひいては金などの貴金属が蒸着された表面への接着性を低下させる可能性がある。
(F)成分
 (F)成分は白金族金属触媒であり、上述した成分の付加反応を促進するために機能する。白金族金属触媒は、付加反応に用いられる従来公知のものを使用することができる。例えば白金系、パラジウム系、ロジウム系の触媒が挙げられるが、中でも比較的入手しやすい白金又は白金化合物が好ましい。例えば、白金の単体、白金黒、塩化白金酸、白金-オレフィン錯体、白金-アルコール錯体、白金配位化合物等が挙げられる。白金族金属触媒は1種単独でも2種以上を組み合わせて使用してもよい。
 (F)成分の配合量は触媒としての有効量、即ち、付加反応を促進して本発明の付加硬化型シリコーン組成物を硬化させるために必要な有効量であればよい。好ましくは、(A)成分及び(B)成分の合計質量に対し、白金族金属原子に換算した質量基準で0.1~500ppm、より好ましくは1~200ppmである。触媒の量が上記下限値より少ないと触媒としての効果が得られないことがある。また上記上限値を超えても触媒効果が増大することはなく不経済であるため好ましくない。
 本発明の付加硬化型シリコーン組成物は、上記成分の他に、必要に応じてさらに以下の任意成分を添加することができる。
(G)成分
 (G)成分は室温でのヒドロシリル化反応の進行を抑える反応制御剤であり、シェルフライフ、ポットライフを延長させるために添加することができる。該反応制御剤は、付加硬化型シリコーン組成物に使用される従来公知の反応制御剤を使用することができる。これには、例えば、アセチレンアルコール類(例えば、エチニルメチルデシルカルビノール、1-エチニル-1-シクロヘキサノール、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール)等のアセチレン化合物、トリブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾール等の各種窒素化合物、トリフェニルホスフィン等の有機リン化合物、オキシム化合物、有機クロロ化合物等が挙げられる。
 (G)成分を配合する場合の配合量は、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対し、0.05~5質量部が好ましく、より好ましくは0.1~1質量部である。反応制御剤の量が0.05質量部未満では、所望とする十分なシェルフライフ、ポットライフが得られないおそれがあり、また、5質量部より多い場合には、シリコーン組成物の硬化性が低下するおそれがある。
 また反応制御剤は、シリコーン組成物への分散性をよくするために、オルガノ(ポリ)シロキサンやトルエン等で希釈して使用してもよい。
(H)成分
 (H)成分は、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、及びパーオキシジカーボネートから選ばれる、特定の条件下で分解して遊離ラジカルを生じる有機過酸化物であり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができ、本発明で得られるシリコーン組成物のシロキサン架橋構造内中にシルアルキレン構造を導入する反応開始剤として作用する。
 具体的には、1,1-ジ(tert-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2-(4,4-ジ-(tert-ブチルパーオキシ)シクロヘキシル)プロパン等のパーオキシケタール、p-メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert-ブチルクミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルパーオキシ)ヘキサン等のジアルキルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ジスクシン酸パーオキサイド等のジアシルパーオキサイド、tert-ブチルパーオキシアセテート、tert-ブチルパーオキシベンゾエート等のパーオキシエステル、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネートが好適に用いられる。特には、分解温度が比較的高いパーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステルの使用が、取扱い性や保存性の観点から好ましい。
 とりわけ、1時間半減期を得るための分解温度として50~200℃の範囲にあるものが好ましく、80~170℃の範囲にあるものがより好ましい。1時間半減期を得るための分解温度が50℃未満であると爆発的に反応を起こす場合があるため取扱いが難しく、200℃を超えるものは反応性が低いため、シリコーン組成物の構造中へのシルアルキレン構造の導入効率が低下する可能性がある。またこれらの有機過酸化物は、任意の有機溶剤や炭化水素、流動パラフィンや不活性固体等で希釈されたものを用いてもよい。
 (H)成分を配合する場合の配合量は、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対し、0.01~10質量部が好ましく、より好ましくは0.1~5質量部である。配合量が、0.01質量部未満であるとシリコーン組成物の構造中へのシルアルキレン構造の導入効率が低下し、10質量部を超える量であるとシリコーン組成物の保存性を低下させる可能性がある。
(I)成分
 下記一般式(2)で示される(I)成分は加水分解性オルガノシラン化合物であり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができ、本発明で得られるシリコーン組成物の接着性を向上させるための接着助剤として作用する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000017
(式中、R1は置換基を有していてもよい炭素数1~10の1価炭化水素基を表し、それぞれのR1は同一であっても異なっていてもよい。R4はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アルコキシシリル基から選択される基である。Xはヘテロ原子を含んでもよい炭素数1~20のアルキレン基である。aは0~2の整数である。)
 上記式(2)中のR1は先述と同様であり、中でも、メチル基、エチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、フェニル基が好ましく、さらに好ましくはメチル基、エチル基、フェニル基であり、特に好ましくはメチル基である。
 R4はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アルコキシシリル基から選択される基である。半導体装置における半導体チップやヒートスプレッダー等の金属被着体に対する接着性を向上させる目的においては、エポキシ基、アルコキシシリル基を選択することが好ましい。
 ここで、アルコキシシリル基としては、トリメトキシ基、ジメトキシメチル基、メトキシジメチルシリル基、トリエトキシ基、ジエトキシメチル基、エトキシジメチルシリル基等が例示でき、これらの中でもトリメトキシ基、トリエトキシ基が好ましい。
 Xはヘテロ原子を含んでもよい炭素数1~20のアルキレン基であり、R4とケイ素原子を連結するスペーサである。Xの構造は直鎖状、分岐鎖状等、特に限定されるものではないが、好ましくは直鎖状である。Xとして、具体的には、下記に示すものが例示できる。
-CH2OCH2CH2CH2
-CH2OCH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2
-(CH2x
(xは1~20の整数。)
 aは0~2の整数であり、(I)成分の加水分解性オルガノシラン化合物のアルコキシシリル基のアルコキシ基の数を規定するものである。(I)成分中のアルコキシシリル基数が多いほうが、(I)成分が(C)成分の熱伝導性充填剤表面上に固定化されやすいため、aは好ましくは0又は1、さらに好ましくは0である。
 (I)成分を配合する場合の配合量は、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対し、0.1~30質量部であり、1~20質量部が好ましい。配合量が、0.1質量部未満であると熱伝導性充填剤表面に対する被覆量が低下するため、接着性が十分に発現されないおそれがある。30質量部を超えるとシリコーン組成物の硬化物強度を低下させ、ひいては接着性が十分に発現されないおそれがあるため好ましくない。
(J)成分
 本発明の付加硬化型シリコーン組成物には、さらに、下記一般式(3)で表される加水分解性オルガノポリシロキサン化合物(J)を配合することができる。(J)成分の加水分解性オルガノポリシロキサン化合物は、熱伝導性充填剤表面を処理するために用いるものであり、充填剤の高充填化を補助する役割を担う。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000018
(式中、R1は置換基を有していてもよい炭素数1~10の1価炭化水素基を表し、それぞれのR1は同一であっても異なっていてもよい。bは5~100の整数である。)
 上記式(3)中のR1は先述と同様であり、特に好ましくはメチル基である。bは5~100の整数、好ましくは10~60の整数である。bの値が5より小さいと、シリコーン組成物由来のオイルブリードがひどくなり、信頼性が悪くなるおそれがある。また、bの値が100より大きいと、充填剤との濡れ性が十分でなくなるおそれがある。
 (J)成分を配合する場合の配合量は、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して1~200質量部が好ましく、特に5~30質量部が好ましい。(J)成分の量が1質量部より少ないと十分な濡れ性を発揮できないおそれがある。また(J)成分の量が200質量部より多いと組成物からのオイルブリードが激しくなるおそれがある。
(K)成分
 本発明の付加硬化型シリコーン組成物には、さらに、下記一般式(4)で表される加水分解性オルガノポリシロキサン化合物(K)を配合することができる。(K)成分の加水分解性オルガノポリシロキサン化合物は、熱伝導性充填剤表面を処理するとともに、シリコーン組成物の強度を高める補強効果を有する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000019
(式中、R1は置換基を有していてもよい炭素数1~10の1価炭化水素基を表し、それぞれのR1は同一であっても異なっていてもよい。R5は炭素数2~6のアルケニル基である。p、qは1≦p≦50、1≦q≦99、5≦p+q≦100を満足する数である。)
 上記式(4)中のR1は先述と同様であり、特に好ましくはメチル基である。R5は炭素数2~6のアルケニル基であり、具体的には、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられ、特に好ましくはビニル基である。
 pは1~50、好ましくは1~10であり、qは1~99、好ましくは4~50である。pが少ないとシリコーン組成物へ十分な補強効果を与えない場合があり、pが多いと架橋が不均一となる場合があり、qが少ないとオイルブリードがひどくなる場合があり、qが多いと熱伝導性充填剤表面の処理が不十分となる場合がある。また、p+qは5≦p+q≦100であるが、好ましくは5≦p+q≦60である。p+qが5未満では組成物のオイルブリードがひどくなり、信頼性が悪くなるおそれがある。また、p+qが100より大きい場合には、充填剤との濡れ性が十分でなくなるおそれがある。
 (K)成分を配合する場合の配合量は、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して1~50質量部であり、好ましくは2~30質量部である。(K)成分の量が上記下限値より少ないと十分な濡れ性や補強効果を発揮できないおそれがある。また、(K)成分の量が上記上限値より多いと組成物からのオイルブリードが激しくなるおそれがある。
その他の成分
 本発明の付加硬化型シリコーン組成物は、組成物の強度や粘度を調整するために、メチルポリシロキサン等の反応性を有さないオルガノ(ポリ)シロキサンを含有してもよい。さらに、シリコーン組成物の劣化を防ぐために、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール等の、従来公知の酸化防止剤を必要に応じて含有してもよい。さらに、染料、顔料、難燃剤、沈降防止剤、又はチクソ性向上剤等を、必要に応じて配合することができる。
シリコーン組成物を作製する工程
 本発明におけるシリコーン組成物の製造方法について説明する。本発明におけるシリコーン組成物の製造方法は特に限定されるものではないが、上述の(A)~(F)成分、必要によりこれに加えて(G)~(K)成分を含有するシリコーン組成物を作製する工程を有する。
 上述した(A)~(F)成分、及び必要により(G)~(K)成分を、例えば、トリミックス、ツウィンミックス、プラネタリーミキサー(いずれも(株)井上製作所製混合機の登録商標)、ウルトラミキサー(みずほ工業(株)製混合機の登録商標)、ハイビスディスパーミックス(特殊機化工業(株)製混合機の登録商標)等の混合機等を用いて混合する方法が挙げられる。
 また本発明の付加硬化型シリコーン組成物は、加熱しながら混合してもよい。加熱条件は特に制限されるものでないが、温度は通常25~220℃、好ましくは40~200℃、特に好ましくは50~200℃であり、時間は通常3分~24時間、好ましくは5分~12時間、特に好ましくは10分~6時間である。また加熱時に脱気を行ってもよい。
 本発明においては、予め(A)~(C)成分を50~200℃で加熱混合し、その後、(D)~(F)成分を混合することが、シリコーン組成物が良好な接着力を発現する観点から好ましい。なお、任意成分である(G)~(K)成分を配合する場合は、予め(A)~(C)及び(I)~(K)成分を50~200℃で加熱混合し、その後、(D)~(H)成分を混合することが好ましい。
 本発明の付加硬化型シリコーン組成物は、25℃にて測定される粘度が、好ましくは1~1,000Pa・s、より好ましくは20~700Pa・s、さらに好ましくは40~600Pa・sである。粘度が、1Pa・s未満では、形状保持が困難となる等、作業性が悪くなるおそれがある。また粘度が1,000Pa・sを超える場合にも吐出や塗布が困難となる等、作業性が悪くなるおそれがある。前記粘度は、上述した各成分の配合量を調整することにより得ることができる。
 また本発明の付加硬化型シリコーン組成物は熱伝導性であり、通常、0.5~10W/m・Kの熱伝導率を有する。
 なお、本発明において、粘度は、回転粘度計により測定した25℃における値であり、熱伝導率は、ホットディスク法により測定した値である。
 本発明の付加硬化型シリコーン組成物は、LSI等の電子部品その他の発熱部材と冷却部材との間に介在させて発熱部材からの熱を冷却部材に伝熱して放熱するための組成物として好適に用いることができ、従来のシリコーン放熱グリースと同様の方法で使用することができる。例えば、本発明の付加硬化型シリコーン組成物は、電子部品等の発熱部材からの発熱によって硬化することができるし、本発明の付加硬化型シリコーン組成物を塗布した後、積極的に加熱硬化させてもよい。
 本発明の付加硬化型シリコーン組成物は、特に金などの貴金属が蒸着された表面への接着性が良好である。よって、信頼性向上を目的に半導体チップやヒートスプレッダーの表面へ金などの貴金属を蒸着した半導体装置に使用する放熱グリースとして特に好適に利用することができる。
 これにより、本発明の付加硬化型シリコーン組成物の硬化物を発熱部材と冷却部材との間に介在させた半導体装置を提供することができる。
 本発明の付加硬化型シリコーン組成物を加熱硬化する場合の硬化条件は、特に制限されるものでないが、通常80~200℃、好ましくは100~180℃で、30分~4時間、好ましくは30分~2時間である。
 以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、動粘度はウベローデ型オストワルド粘度計による25℃の値を示す。
 初めに、本発明の付加硬化型シリコーン組成物を調製する以下の各成分を用意した。
(A)成分
A-1:両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖され、25℃における動粘度が600mm2/sのジメチルポリシロキサン:SiVi基量0.00014mol/g
(B)成分
B-1:下記平均組成式で示されるシリコーンレジン:キシレン溶媒中50質量%溶液とした時の動粘度3.0mm2/s、SiVi基量0.0004mol/g
 (SiO4/2)1.0((CH2=CH)(CH3)2SiO1/2)0.12((CH3)3SiO1/2)0.75
(C)成分
C-1:平均粒径20.0μmのアルミニウム粉末と平均粒径2.0μmのアルミニウム粉末を60:40の質量比で予め混合したアルミニウム粉末
C-2:平均粒径1.0μmの酸化亜鉛粉末
(D)成分
D-1:下記式(12)で示されるメチルハイドロジェンジメチルポリシロキサン
(25℃における動粘度=12mm2/s)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000020
D-2:下記式(13)で示されるポリシロキサン
(25℃における動粘度=25mm2/s)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000021
D-3:下記式(14)で示されるポリシロキサン
(25℃における動粘度=11mm2/s)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000022
(E)成分
E-1:下記式(15)で示される加水分解性オルガノシラン化合物
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000023
(式中、Meはメチル基。)
E-2:下記式(16)で示される加水分解性オルガノシラン化合物
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000024
(式中、Meはメチル基、Etはエチル基。)
E-3:下記式(17)で示される加水分解性オルガノシラン化合物
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000025
(式中、Meはメチル基。)
(F)成分
F-1:白金-ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を上記A-1と同じジメチルポリシロキサンに溶解した溶液(白金原子含有量:1質量%)
(G)成分
G-1:下記式(18)で示される1-エチニル-1-シクロヘキサノール
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000026
(H)成分
H-1:下記式(19)で示される2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルパーオキシ)ヘキサン(1時間半減期を得るための分解温度=138℃)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000027
H-2:下記式(20)で示される1,1-ジ(tert-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(1時間半減期を得るための分解温度=111℃)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000028
(I)成分
I-1:下記式(21)で示される3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000029
I-2:下記式(22)で示される8-グリシドキシオクチルトリメトキシシラン
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000030
(J)成分
J-1:下記式(23)で示される片末端トリメトキシシリル基封鎖ジメチルポリシロキサン
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000031
(K)成分
K-1:下記式(24)で示される両末端トリメトキシシリル基封鎖メチルビニルポリシロキサン
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000032
[実施例1~11、比較例1~7]
シリコーン組成物の調製
 上記(A)~(K)成分を、下記表1~3に示す配合量で、下記に示す方法で配合してシリコーン組成物を調製した。なお、表において(F)成分の質量は、白金-ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体をジメチルポリシロキサンに溶解した溶液(白金原子含有量:1質量%)の質量である。また、SiH/SiViは(A)成分、(B)成分、及び(K)成分中のアルケニル基の個数の合計に対する(D)成分のSiH基の個数の合計の比である。
 5リットルのプラネタリーミキサー((株)井上製作所製)に、(A)、(B)、(C)、(J)及び(K)成分を加え、170℃で1時間混合した。40℃以下になるまで冷却し、次に(I)成分を加え、70℃で1時間混合した。40℃以下になるまで冷却し、次に(G)、(F)、(D)、(H)、及び(E)成分を加え、均一になるように混合し、シリコーン組成物を調製した。
 上記方法で得られた各シリコーン組成物について、下記の方法に従い、粘度、熱伝導率、及び接着強度を測定した。結果を表1~3に示す。
[粘度]
 各シリコーン組成物の絶対粘度を、マルコム粘度計(タイプPC-1T)を用いて25℃で測定した(ロータAで10rpm、ズリ速度6[1/s])。
[熱伝導率]
 各シリコーン組成物をキッチンラップで包み、熱伝導率を京都電子工業(株)製TPS-2500Sで測定した。
[接着強度]
 各シリコーン組成物を10mm×10mmのシリコンウェハと20mm×20mmの金を蒸着したシリコンウェハ(金層厚さ=200μm)の間に挟み込み、1.8kgfのクリップによって加圧しながら150℃にて60分間加熱硬化した。その後、Dage series-4000PXY(Dage Deutchland GmbH製)を用いてせん断接着強度を測定した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000033
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000034
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000035

 表1~3の結果より、本発明の要件を満たす実施例1~11のシリコーン組成物では、金蒸着面に対する接着強度が高い。即ち、接着性に優れると判断できる。一方、比較例1~7のシリコーン組成物では、金蒸着面に対する接着強度が低い、又は接着強度が測定できない。即ち、接着性に劣ると判断できる。
 従って、本発明の付加硬化型シリコーン組成物は、金などの貴金属が蒸着された表面への接着性が良好である。このような特性を有するため、本発明の付加硬化型シリコーン組成物は、信頼性向上を目的に半導体チップやヒートスプレッダーの表面へ金などの貴金属を蒸着した半導体装置に使用する放熱グリースとして特に好適に利用することができる。
 なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (6)

  1.  (A)1分子中に少なくとも2個の脂肪族不飽和炭化水素基を有し、25℃での動粘度が60~100,000mm2/sであるオルガノポリシロキサン: 100質量部、
    (B)1分子中に少なくとも1個の脂肪族不飽和炭化水素基を有するシリコーンレジン: (A)成分100質量部に対して0~100質量部、
    (C)金属、金属酸化物、金属水酸化物、金属窒化物、金属炭化物、及び炭素の同素体からなる群より選ばれる少なくとも1種の熱伝導性充填剤: 組成物全体に対し10~95質量%となる量、
    (D)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン: (A)及び(B)成分中の脂肪族不飽和炭化水素基の個数の合計に対するSiH基の個数が0.5~5となる量、
    (E)下記一般式(1)で示される加水分解性オルガノシラン化合物: (A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して0.1~10質量部、
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
    (式中、R1は置換基を有していてもよい炭素数1~10の1価炭化水素基を表し、それぞれのR1は同一であっても異なっていてもよい。R2はそれぞれ独立に非置換もしくは置換の炭素数1~20のアルキル基、非置換もしくは置換の炭素数6~10のアリール基、炭素数7~10のアラルキル基、非置換もしくは置換の炭素数2~10のアルケニル基、又は非置換もしくは置換の炭素数1~20のアルコキシ基であり、R3は非置換もしくは置換の炭素数1~10のアルキル基、又は非置換もしくは置換の炭素数6~10のアリール基であり、nは1~3の整数であり、mは1~12の整数である。)
    (F)白金族金属触媒: 有効量
    を必須成分とする付加硬化型シリコーン組成物。
  2.  さらに、(G)反応制御剤を(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して0.05~5質量部含む請求項1に記載の付加硬化型シリコーン組成物。
  3.  さらに、(H)パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、及びパーオキシジカーボネートから選ばれる有機過酸化物を(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して0.01~10質量部含む請求項1又は2に記載の付加硬化型シリコーン組成物。
  4.  さらに、(I)下記一般式(2)で示される加水分解性オルガノシラン化合物を(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して0.1~30質量部含む請求項1~3のいずれか1項に記載の付加硬化型シリコーン組成物。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
    (式中、R1は置換基を有していてもよい炭素数1~10の1価炭化水素基を表し、それぞれのR1は同一であっても異なっていてもよい。R4はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アルコキシシリル基から選択される基である。Xはヘテロ原子を含んでもよい炭素数1~20のアルキレン基である。aは0~2の整数である。)
  5.  さらに、(J)下記一般式(3)で表される加水分解性オルガノポリシロキサン化合物を(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して1~200質量部含む請求項1~4のいずれか1項に記載の付加硬化型シリコーン組成物。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
    (式中、R1は置換基を有していてもよい炭素数1~10の1価炭化水素基を表し、それぞれのR1は同一であっても異なっていてもよい。bは5~100の整数である。)
  6.  さらに、(K)下記一般式(4)で表される加水分解性オルガノポリシロキサン化合物を(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して1~50質量部含む請求項1~5のいずれか1項に記載の付加硬化型シリコーン組成物。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004
    (式中、R1は置換基を有していてもよい炭素数1~10の1価炭化水素基を表し、それぞれのR1は同一であっても異なっていてもよい。R5は炭素数2~6のアルケニル基である。p、qは1≦p≦50、1≦q≦99、5≦p+q≦100を満足する数である。)
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