WO2020039595A1

WO2020039595A1 - 内視鏡の通気制御弁、および、内視鏡装置

Info

Publication number: WO2020039595A1
Application number: PCT/JP2018/031442
Authority: WO
Inventors: 晶誉鈴木
Original assignee: オリンパス株式会社
Priority date: 2018-08-24
Filing date: 2018-08-24
Publication date: 2020-02-27
Also published as: US11930998B2; US20210100432A1

Abstract

内視鏡の通気制御弁は、外周面に設けられたカムピンの一端部が固設されるピン固定部、および長穴と外周面に設けられた通気開口と長穴内とを通じる長穴連通孔を有する通気孔、が配置された長手軸を有する軸体と、軸体が軸周りに回動可能、かつ、軸方向に移動可能に収容される軸体用孔、および外周部にカムピンの他端部が摺動可能に配置されるカム溝、が配置された管状部材と、管状部材が軸周りに回動可能に配置される管状部材用孔、カム溝から外方に突出したカムピンの他端部が配置される管状部材用孔と外部とを通じる細長なカムピン用溝、および他方の端面の予め定めた位置に設けられている複数の係合穴、が配置された回動部材と、内視鏡を構成する筐体の内部空間と外部とを通じる貫通孔に固設される取付部、取付部の周端部から突出した複数の突起部、および底面に内部空間に通じる貫通孔の底面開口を有する収容穴、を備えた管状の収容部材と、を具備する。

Description

内視鏡の通気制御弁、および、内視鏡装置

　本発明は、通気口金に特徴のある内視鏡の通気制御弁、および、該通気口金に接続されるアダプタを備える内視鏡装置に関する。

　医療用の内視鏡は一般に、体腔内に挿入される細長な挿入部と、挿入部の基端側に設けられた操作部と、を有している。　
　近年、医療用の内視鏡は、使用後、洗浄され、オートクレーブ滅菌される。オートクレーブ滅菌において、内視鏡は、チャンバー内に放置される。チャンバー内の内視鏡は、プレバキューム工程、高圧蒸気滅菌工程、乾燥工程を経てオートクレーブ滅菌処理される。オートクレーブ滅菌終了後、内視鏡は、大気中に放置される。

　日本国特許特開平８－８６９６６号公報には柔軟な被覆部が破裂しないように内視鏡を減圧滅菌室に入れることができ、しかも減圧滅菌後は内視鏡の内圧を大気圧に自動的に近づけて内視鏡を支障なく通常使用できるようにすることができる内視鏡の内圧調整装置が開示されている。

　この内視鏡の内圧調整装置においては、逆止弁アダプタを装着して滅菌した際、装着した逆止弁アダプタによって手技中に露出される面に滅菌蒸気が行き渡らなくなるおそれがあった。一方、逆止弁アダプタを装着した状態においては逆止弁が機能して漏水チェッカーを取付けて加圧が困難である。また、滅菌前の洗浄において誤って内外連通弁側の逆止弁を押すことにより液体が内視鏡内部空間内に侵入する不具合が発生するおそれがあった。

　日本国特許特開２０１５－０２９６４９号公報には、内視鏡の内部空間と外部空間とを遮断状態と連通状態とに切り換え可能な通気弁の誤操作による不具合発生を防止する内視鏡が示されている。この内視鏡では内部空間と外部空間とを仕切る外装部材の隔壁部分に、逆止弁ユニットと復圧元ユニットとを備えている。

　また、上述した内視鏡の内圧調整装置、あるいは、内視鏡では、小型化が困難であった。

　本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、スコープ側の口金の弁部を誤って押すことによって液体が内視鏡の内部空間内に侵入する不具合を確実に防止し、逆止弁を有するアダプタを内視鏡側の口金に取付けた状態において漏水チェッカーの取付け、および、手技中において露出する面に対して滅菌蒸気を行き渡らせることが可能な内視鏡の通気口金、および、内視鏡装置を提供することを目的にしている。

　本発明の一態様の内視鏡の通気制御弁は、外周面の予め定めた位置に設けられた棒状のカムピンの一端部が固設されるピン固定部、および、一方の端面に開口を有する予め定めた深さに設定された長穴、および、前記外周面の予め定めた位置に設けられた通気開口と前記長穴内とを通じる長穴連通孔を有する通気孔、が配置された軸体と、前記軸体が軸周りに回動可能、かつ、軸方向に移動可能に収容される中心軸に沿って長手方向に延びる貫通孔である軸体用孔、および、外周部に前記カムピンの他端部が摺動可能に配置されるカム溝、が配置された管状部材と、前記管状部材が軸周りに回動可能に配置される管状部材用孔、前記カム溝から外方に突出した前記カムピンの他端部が配置される一方の端面から中心軸に沿って長手方向に延びる前記管状部材用孔と外部とを通じる細長なカムピン用溝、および、他方の端面の予め定めた位置に設けられている複数の係合穴、が配置された回動部材と、内視鏡を構成する筐体の内部空間と外部とを通じる貫通孔に固設される取付部、該取付部の周端部から突出した複数の突起部、および、底面に前記内部空間に通じる貫通孔の底面開口を有する収容穴、を備えた管状の収容部材と、を具備している。

　本発明の一態様の内視鏡装置は、前記内視鏡の通気制御弁と、前記回動部材に配置された複数の係合穴に係合する係止部、および、前記軸体の太径部に設けられた前記第４水密部材が密着して配置される第４リング収容部、前記第５水密部材が密着して配置される第５リング収容部、及び境界面が配置される境界面収容部を有する収容空間、を配置した口金制御ユニットと、を具備している。

内視鏡コネクタに通気口金を備える内視鏡と、通気口金に着脱自在な滅菌キャップと、を備える内視鏡装置を説明する図内視鏡コネクタの通気口金を説明する図軸体およびカムピンを説明する斜視図軸体およびカムピンを説明する長手方向の断面図管状部材を説明する斜視図管状部材を説明する長手方向の断面図回動部材を説明する斜視図回動部材を説明する長手方向の断面図図５Ｂの矢印Ｙ５Ｃ方向から回動部材を見た図収容部材を説明する斜視図収容部材を説明する長手方向の断面図図６Ｂの矢印Ｙ６Ｃ方向から収容部材を見た図軸体と管状部材との関係を説明する図第１の一体組と回動部材との関係を説明する図第２の一体組と収容部材との関係を説明する図第３の一体組の口金孔への取付けを説明する図図２の矢印Ｙ７Ｅ方向から内視鏡コネクタの通気口金を見た図軸体が外フランジの外端面からＬ１突出した状態を説明する図軸体が外フランジの外端面からＬ２突出した状態を説明する図カムピンの太ピン部が摺動するカム溝のカム線図逆止弁ユニットと口金制御ユニットとを有するアダプタを説明する図口金制御ユニットを説明する斜視図口金制御ユニットの連結筒を説明する図であって、連結筒を図１１ＡのＹ１１Ｂ方向から見た図口金制御ユニットの受け部を説明する図１１ＡのＹ１１Ｃ線断面図通気口金と該通気口金に配置した口金制御ユニットとを示す図図１２Ａの矢印Ｙ１２Ｂ－Ｙ１２Ｂ線断面図通気口金に配置した口金制御ユニットを３０度回転させたときの図図１３Ａの矢印Ｙ１３Ｂ－Ｙ１３Ｂ線断面図図１２Ａの筒穴内、図１３Ａの筒穴内、および、図１５Ａの筒穴内を矢印Ｙ１４方向から見た図口金制御ユニットを通気口金に装着した図図１５Ａの矢印Ｙ１５Ｂ－Ｙ１５Ｂ線断面図図１４の矢印Ｙ１５Ｃ－Ｙ１５Ｃ線断面図であって、アダプタが装着された通気口金が滅菌蒸気に曝されている状態を説明する図通気口金に装着するために口金制御ユニットを１２０度回転させたときの通気孔と外部との関係を説明する図通気口金に装着するために口金制御ユニットを１８０度回転させたときの通気孔と外部との関係を説明する図装着完了後に通気口金から取り外すために口金制御ユニットを９０度回転させたときの通気孔と外部との関係を説明する図装着完了後に通気口金から取り外すために口金制御ユニットを１５０度回転させたときの通気孔と外部との関係を説明する図

　以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。　
　なお、以下の説明に用いる各図において、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、構成要素毎に縮尺を異ならせてあるものもある。すなわち、本発明は、これらの図に記載された構成要素の数量、構成要素の形状、構成要素の大きさの比率および各構成要素の相対的な位置関係のみに限定されるものではない。

　図１に示すように内視鏡装置１は、内視鏡２と、外部装置である例えばカメラコントロールユニット（以下、ＣＣＵと記載する）３と、モニタ（不図示）と、アダプタ１０と、を有して構成される。　
　アダプタ１０は逆止弁ユニットを有する滅菌用のアダプタである。

　内視鏡２は、挿入部４と、操作部５と、ユニバーサルコード６と、を有している。挿入部４は、観察対象部位へ挿入される細長な長尺部材である。挿入部４は先端側から順に、先端部７と、湾曲部８と、可撓管部９と、を連設している。

　操作部５は、把持部５ａを備え、把持部５ａは挿入部４の基端部に連結されている。操作部５には、湾曲操作部１１、各種スイッチ１２、送気送水ボタン１３、吸引ボタン１４などが設けられている。

　湾曲操作部１１は、湾曲部８の湾曲操作を行うための例えば上下操作ノブ１１ａ、および、左右操作ノブ１１ｂを有している。スイッチ１２は、例えば、レリーズスイッチ、フリーズスイッチ、および、通常観察と蛍光観察との切替えを行うための観察モード切替スイッチ等である。なお、符号１５は処置具挿入口である。

　ユニバーサルコード６は、操作部５の側部より延出している。ユニバーサルコード６の端部には内視鏡を構成する筐体の一つである内視鏡コネクタ１６が設けられている。

　内視鏡コネクタ１６からは信号伝達ケーブル１７が延出されている。ケーブル端部にはＣＣＵ３に着脱自在な内視鏡の筐体の１つである電気コネクタ１８が設けられている。

　本実施形態において、内視鏡コネクタ１６の外表面（図２の符号１６ｏ参照）から通気口金２０が突設している。　
　なお、通気口金２０を内視鏡の筐体の一つである操作部５の外表面から突設させるようにしてもよい。また、内視鏡は、携帯式の内視鏡であってもよい。

　図２に示すように内視鏡コネクタ１６には外部と内部空間とを仕切る隔壁に形成された口金用段付き孔（以下、口金孔と記載する）１６ｈが形成されている。口金孔１６ｈは、内視鏡コネクタ１６の外部と内部空間であるコネクタ空間１６Ｓとを通じる筐体貫通孔である。

　そして、内視鏡コネクタ１６には、口金孔１６ｈ内に軸体３０と、管状部材４０と、回動部材５０と、収容部材６０と、を配置した通気口金２０が設けられている。口金孔１６ｈに配置された軸体３０、管状部材４０、回動部材５０、および、収容部材６０は、固定ナット８０によって水密に固設されている。

　符号ａ１６は口金孔１６ｈの孔中心軸である。口金孔１６ｈに配置される軸体３０の中心軸、管状部材４０の中心軸、回動部材５０の中心軸、および、収容部材６０の中心軸は孔中心軸ａ１６に略一致している。

　符号８１は第１水密部材であり、断面形状が円形のいわゆるＯリングである。第１水密部材８１を第１のＯリング８１と記載する。第１のＯリング８１は口金孔１６ｈと収容部材６０との間の水密を保持している。符号８２は第２水密部材であり、断面形状が円形のいわゆるＯリングである。第２水密部材を第２のＯリング８２と記載する。第２のＯリング８２は収容部材６０と回動部材５０との間の水密を保持している。

　符号８３は第３水密部材であり、断面形状が円形のいわゆるＯリングである。第３水密部材を第３のＯリング８３と記載する。第３のＯリング８３は回動部材５０と管状部材４０との間の水密を保持している。符号８４は第４水密部材であり、断面形状が円形のいわゆるＯリングである。第４水密部材８４を第４のＯリング８４と記載する。第４のＯリング８４は管状部材４０と軸体３０との間の水密を保持している。符号８５は第５水密部材であり、断面形状が上述した円形とは異なる略矩形で内面側に逃がし溝を有するいわゆるＯリングである。第５水密部材を第５のＯリング８５と記載する。第５のＯリング８５も管状部材４０と軸体３０との間の水密を保持する。

　符号７０は棒状のカムピンである。　
　図２、図３Ａ、図３Ｂを参照してカムピン７０を説明する。　
　カムピン７０は棒状で有り、細ピン部７１と、太ピン部７２と、段差面７３と、を有する。カムピン７０の一端部である細ピン部７１が軸体３０に固定される。細ピン部７１の外周面には雄ねじが切られている。太ピン部７２は細ピン部７１の他端部である。

　図３Ａ、図３Ｂを参照して軸体３０を説明する。　
　軸体３０は、段付きの円柱である。軸体３０は、細径部３０ａと太径部３０ｂと中間部３０ｃとを有する。軸体３０の太径部３０ｂには第１の周溝３１と第２の周溝３２とが形成されている。第２の周溝３２は、中間部３０ｃ側に設けられ、第５のＯリング８５が配置される。第１の周溝３１には第４のＯリング８４が配置される。

　第１の周溝３１と第２の周溝３２との間は境界面３３である。境界面３３には複数の通気開口３３ｍが形成されている。

　符号３４は通気孔である。通気孔３４は、長穴３４ａと複数の長穴連通孔３４ｂとを備える。

　長穴３４ａは、軸体３０の長手軸ａ３０に沿って延びる細長で有底な穴である。長穴３４ａは、一方の端面３０ａｆに開口３０ａｍを有する予め深さに設定された例えば段付き孔である。

　一方、長穴連通孔３４ｂは例えば長手軸ａ３０に直行して形成されており、長穴３３ａ内に通じている。通気開口３３ｍは長穴連通孔３４ｂの外部側の開口である。外部と長穴３４ａとは長穴連通孔３４ｂによって通じている。

　本実施形態において通気開口３３ｍを境界面３３に６つ設けている。通気開口３３ｍの数を６つにして全ての通気開口３３ｍが異物によって塞がれることを防止している。なお、異物による閉塞を防止するため、通気開口３３ｍを６つ以上設けるようにしてもよい。

　なお、長穴３４ａの内径は長穴連通孔３４ｂの内径より大径に設定してある。したがって、通気開口３３ｍから長穴連通孔３４ｂ内に侵入した異物が該長穴連通孔３４ｂを通過することによって長穴３４ａ内に移動する。つまり、異物が長穴連通孔３４ｂ内に留まることを防止してある。

　また、上述において長穴連通孔３４ｂを長手軸ａ３０に直行するとしている。しかし、長穴連通孔３４ｂは長穴３３ａ内に通じていればよい。

　符号３５はピン固定部である。ピン固定部３５は、外部と長穴３４ａとを通じる貫通孔であり、雌ねじが切られている。ピン固定部３５は中間部３０ｃの予め定めた位置に設けられ、中間部３０ｃの外周面にねじ開口３５ｍを有している。

　カムピン７０の細ピン部７１はピン固定部３５に螺合によって固設される。段差面７３が中間部３０ｃの取付面３０ｄに当接して、太ピン部７２の突出量が規定されるようになっている。

　図４Ａ、図４Ｂを参照して管状部材４０を説明する。　
　管状部材４０は中央に貫通孔を有するパイプである。中央の貫通孔は、管状部材４０の中心軸ａ４０に沿って長手方向に延びる軸体用孔４１である。

　管状部材４０は、小径なカム形成部４２と、カム形成部４２より太径な本体部４３と、を備えている。　
　本体部４３の外周部の端面には外フランジ４４が設けられている。外フランジ４４は、第３のＯリング８３が外方に脱落することを防止するストッパとしての機能を有する。

　カム形成部４２の外周部に螺旋状のカム溝４５が形成されている。カム溝４５は、外部と軸体用孔４１とに通じている。カム溝４５には軸体３０から突出するカムピン７０の太ピン部７２が摺動可能に配置される。

　符号４２ａは規定面であり、符号４２ｂは形成部端面、符号４２ｍは雄ねじ部である。雄ねじ部４２ｍはカム形成部４２の形成部端面４２ｂ側に形成されている。規定面４２ａは、カム溝４５と雄ねじ部４２ｍとの間に予め定めた面積で形成された平面である。

　規定面４２ａは口金孔１６ｈに設けられた位置決め面（図６Ｃの符号６０ｓ参照）に当接して配置される。この結果、管状部材４０の口金孔１６ｈ内における向きが予め定めた向きに規定される。雄ねじ部４２ｍには固定ナット８０が螺合される。

　上述した軸体用孔４１には軸体３０が収容される。軸体３０は、軸体用孔４１内において軸周りに回動可能であると共に、軸方向に移動可能である。

　軸体用孔４１は、外フランジ４４側から順に水密保持部４１ａ、第５のＯリング配置部４１ｂ、逃がし部４１ｃ、摺動部４１ｄ、および、通気孔４１ｅを備えている。

　軸体３０の細径部３０ａ、中間部３０ｃは摺動部４１ｄ内に配置される。ここで、中間部３０ｃの外径と摺動部４１ｄの内径とは予め定めた嵌め合いに設定してある。　
　軸体３０の太径部３０ｂは水密保持部４１ａ内、第５のＯリング配置部４１ｂ内、逃がし部４１ｃ内に配置される。

　軸体３０に設けられた第４のＯリング８４は、水密保持部４１ａに密着して水密を保持するようになっている。一方、軸体３０に設けられた第５のＯリング８５も水密保持部４１ａに密着して水密を保持するようになっている。

　また、第５のＯリング配置部４１ｂは、テーパー面４１ｔとストレート孔４１ｓとを有している。そして、第５のＯリング８５は、ストレート孔４１ｓに当接し、テーパー面４１ｔには密着して配置される。

　逃がし部４１ｃは、ストレート孔４１ｓの内面の延長部である。　
　通気孔４１ｅは軸体用孔４１内と外部とを通じる貫通孔である。

　図５Ａ、図５Ｂ、図５Ｃを参照して回動部材５０を説明する。　
　回動部材５０は、中央に貫通孔を有する。中央の貫通孔は、回動部材５０の中心軸ａ５０に沿って長手方向に延びる管状部材用孔５１である。管状部材用孔５１内には管状部材４０が配置される。

　回動部材５０は、カムピン支持部５４と、回動本体５５と、を備えている。カムピン支持部５４にはカムピン用溝５４ｃが予め定めた位置に形成されている。

　カムピン用溝５４ｃは、回動部材５０の一方側の端面であるカム支持部端面５４ａから中心軸ａ５０に沿って長手方向に延びている。カムピン用溝５４ｃにはカムピン７０の太ピン部７２が配置される。カムピン用溝５４ｃの幅は、太ピン部７２の直径よりも予め定めた公差分大きく設定してある。

　回動本体５５の外周面には外周溝５５ｏが形成されている。外周溝５５ｏには第２のＯリング８２が配置される。　
　また、回動部材５０の他方側の端面である回動本体５５の本体端面５５ａには複数の凹部５６が形成されている。複数の凹部５６にはアダプタ１０が有する後述する係止部が係合される。

　複数の凹部５６は、例えば周方向に等間隔で３つ設けられている。３つの凹部５６は、アダプタ１０の係止部が係合する係合穴である。以下、凹部５６を係合穴５６と記載する。　
　３つの係合穴５６の形成位置は、洗浄性を考慮して設定される。

　上述した管状部材用孔５１は、カム形成部用穴５２と、本体部用穴５３と、を有している。本体部用穴５３には本体部４３が収容され、カム形成部用穴５２にはカム形成部４２が配置される。本体部用穴５３の底面にはカム形成部用穴５２に通じる開口が形成されている。

　本体部用穴５３の内径と本体部４３の外径とは予め定めた嵌め合いに設定され、カム形成部用穴５２の内径とカム形成部４２の外径とは予め定めた嵌め合いに設定されている。　
　符号５３ｉは内周溝である。内周溝５３ｉは、本体部用穴５３の内面に形成される。内周溝５３ｉには第３のＯリング８３が配置される。

　図６Ａ、図６Ｂ、図６Ｃを参照して収容部材６０を説明する。　
　収容部材６０は、中央に中心軸ａ６０に沿って長手方向に延びる段付きの収容穴６１を有する。収容穴６１には回動部材５０が収容される。

　収容部材６０は、コネクタ取付部６４と、アダプタ取付部６５と、を備えている。　
　コネクタ取付部６４は、口金孔１６ｈ内に配設される。アダプタ取付部６５は、一部が口金孔１６ｈ内に配設され、その他は口金孔１６ｈ内から外部に露呈される。

　口金孔１６ｈ内に配設されたアダプタ取付部６５には外周溝６５ｏが形成されている。外周溝６５ｏには第１のＯリング８１が配置される。

　アダプタ取付部６５の周端部６５ａには外方に予め定めた量突出する３つの突起部６６が予め定めた位置に設けられている。３つの突起部６６は、例えば周方向に等間隔で３つ設けられている。

　３つの突起部６６は、それぞれ予め定めた幅に設定された円弧を備えている。本実施形態においては、幅をｗ１に設定した第１円弧を有する第１突起部６６ａと、幅をｗ２に設定した第２円弧を有する２つの第２突起部６６ｂと、を有している。幅ｗ２は、幅ｗ１より広く設定してある。　
　各突起部６６ａ、６６ｂの稜線は曲面に加工されている。

　上述した収容穴６１は、支持部収容穴６２と、本体収容穴６３と、有する。本体収容穴６３には回動本体５５が配置される。一方、支持部収容穴６２にはカムピン支持部５４が収容される。

　支持部収容穴６２の底面６２ｄには、外部に通じる収容貫通孔６０ｈの底面開口が形成されている。収容貫通孔６０ｈに配置される管状部材４０のカム形成部４２を位置決めするための位置決め孔（以下、管状部材位置決め孔６０ｈと記載する）である。管状部材位置決め孔６０ｈにはカム形成部４２の規定面４２ａに対応するストレート部６０ｓが形成されている。

　図７Ａ－図７Ｅを参照して軸体３０、管状部材４０、回動部材５０、収容部材６０の組付けおよび内視鏡コネクタの通気口金２０を説明する。　
　作業者は、まず、図７Ａに示すように軸体３０の太径部３０ｂに形成された第１の周溝３１に第４のＯリング８４を配設すると共に、第２の周溝３２に第５のＯリング８５を配設する。また、第３のＯリング８３を管状部材４０の本体部４３に配置しておく。

　次に、作業者は、軸体３０を矢印Ｙ７Ａに示すように管状部材４０の軸体用孔４１内に挿入していき、該軸体用孔４１内に軸体３０を配置する。この結果、図７Ｂに示すように軸体３０と管状部材４０との二部材が一体な第１の一体組２１が形成される。

　なお、第１の一体組２１において、軸体３０のねじ開口３５ｍが管状部材４０のカム溝４５の最下点近傍越しに露呈するように位置が調整されている。

　次いで、作業者は、第１の一体組２１を図７Ｂの矢印Ｙ７Ｂに示すように回動部材５０の管状部材用孔５１に挿入していく。

　このとき、作業者は、カムピン用溝５４ｃ越しにねじ開口３５ｍが露呈するように位置を調整しつつ第３のＯリング８３を内周溝５３ｉ内に配置させる。その後、カムピン７０の細ピン部７１をピン固定部３５に螺合する。

　この結果、図７Ｃに示すようにカムピン７０が軸体３０に一体に設けられ、軸体３０と管状部材４０と回動部材５０との三部材が一体な第２の一体組２２が形成される。なお、太ピン部７２はカムピン用溝５４ｃ内に配置されている。

　次に、作業者は第２の一体組２２を図７Ｃの矢印Ｙ７Ｃに示すように収容部材６０の収容穴６１に挿入していく。本図において、アダプタ取付部６５の外周溝６５ｏには予め第１のＯリング８１が装着されている。

　このとき、回動部材５０のカム支持部端面５４ａから突出しているカム形成部４２の規定面４２ａと管状部材位置決め孔６０ｈのストレート部６０ｓとを対向させたうえでカム形成部４２を管状部材位置決め孔６０ｈ内に挿入する。

　この結果、図７Ｄに示すように軸体３０と管状部材４０と回動部材５０と収容部材６０の四部材が一体な第３の一体組２３が形成される。

　ここで、第３の一体組２３の口金孔１６ｈへの取付けを説明する。　
　作業者は第３の一体組２３を図７Ｄの矢印Ｙ７Ｄに示すように内視鏡コネクタ１６の口金孔１６ｈ内に配置する。　
　口金孔１６ｈは段付き孔であり、外表面１６ｏ側から順に水密保持穴１６ａと、回動穴１６ｂと、連結孔１６ｃと、を備えている。

　作業者は、組付けの際、第３の一体組２３を水密保持穴１６ａ、回動穴１６ｂ、連結孔１６ｃの順に挿入していく。この結果、破線に示すようにコネクタ取付部６４から突出したカム形成部４２が連結孔１６ｃから突出して配置されるとともに、コネクタ取付部６４が回動穴１６ｂ内に配置され、第１のＯリング８１が配設されたアダプタ取付部６５の予め定めた部位が水密保持穴６ａ内に配置される。

　次いで、作業者は、固定ナット８０の雌ねじ８０ｆをカム形成部４２の雄ねじ部４２ｍに螺合していく。すると、管状部材４０が締め付けられつつ回動部材５０を押圧し、該回動部材５０がさらに収容部材６０を口金孔１６ｈ内に押圧する。

　この結果、第３の一体組２３が口金孔１６ｈ内に固設されて前記図２で示したように通気口金２０が配置された内視鏡コネクタ１６を得られる。

　このように内視鏡コネクタ１６に設けられた通気口金２０において、第１のＯリング８１は口金孔１６ｈの水密保持孔１６ａの内周面と収容部材６０のアダプタ取付部６５の外周面との間の水密を保持している。また、第２のＯリング８２は収容部材６０の本体収容穴６３の内周面と回動部材５０の回動本体５５の外周面との間の水密を保持している。加えて、第３のＯリング８３は回動部材５０の本体部用穴５３の内周面と管状部材４０の本体部４３の外周面との間の水密を保持している。さらに、第４のＯリング８４は管状部材４０の水密保持部４１ａの内周面と軸体３０の太径部３０ｂの外周面との間の水密を保持している。したがって、内視鏡コネクタ１６のコネクタ空間１６Ｓ内は外部に対して水密に保持されている。

　内視鏡コネクタ１６に設けられた通気口金２０には上述したように３つの係合穴５６が設けられている。これら係合穴５６の配置位置は、図７Ｅに示すように設定してある。

　具体的に、係合穴５６の配設位置は、該係合穴５６の穴底面を図７Ｅの矢印Ｙ７Ｅに示すように孔中心軸ａ１６側から口金２０の外方に向けて、あるいは、矢印とは逆に孔中心軸ａ１６に向けてブラシングするとき、ブラシの動きが突起部６６ａ、６６ｂに妨げられることなくスムーズに行えるように設定してある。　
　このことによって、内視鏡コネクタ１６の外表面をブラッシングする際、係合穴５６の穴底面を確実かつ容易にブラシングできる。

　また、通気口金２０において、軸体３０は孔中心軸ａ１６に沿って移動する。軸体３０の大径部３０ｂの外端面が、例えば図８Ａ、図８Ｂに示すように管状部材４０の外フランジ４４の外端面から突出させて通気制御可能である。

　本実施形態において軸体３０は、回動部材５０に設けられた３つの係合穴５６に治具（不図示）の係合爪を係合させ、該治具によって回動部材５０を時計方向、あるいは、反時計方向に回転させることによって孔中心軸ａ１６に沿って移動する。　
　なお、軸体３０は、図２に示す通気口金２０がコネクタ空間１６Ｓ内を水密に保持しているとき、孔中心軸ａ１６に沿って外方にのみ移動可能である。

　具体的に、図２に示す通気口金２０の回動部材５０を治具によって回転させることにより、カムピン７０の太ピン部７２がカム溝４５内を摺動しつつカムピン用溝５４ｃに沿って移動される。

　カムピン７０の細ピン部７１は軸体３０に固設されている。このため、回動部材５０の回転に伴って軸体３０が孔中心軸ａ１６に沿って外方に移動していく。そして、本実施形態において、回動部材５０が予め定めた角度回転されると、図８Ａに示すように軸体３０の太径部３０ｂの外端面が管状部材４０の外フランジ４４の外端面からＬ１離間して配置される。

　このとき、第４のＯリング８４が外部に配置されて、軸体３０の通気開口３３ｍが外部に対して露呈する。この結果、通気孔３４によって外部とコネクタ空間１６Ｓ内とが通じた状態になる。　
　このとき、第５のリング８５が第１の位置に配置されて水密保持部４１ａに密着して管状部材４０と軸体３０との間の水密を保持するようになっている。

　なお、本実施形態において、回動部材５０をさらに予め定めた角度回転させる、図８Ｂに示すように太径部３０ｂの外端面が管状部材４０の外フランジ４４の外端面からＬ２離間して配置される。　
　このとき、第５のＯリング８５の一部は外フランジ４４の外端面から外部にはみ出た状態になり、残りの部分が水密保持部４１ａに密着して管状部材４０と軸体３０との間の水密を保持するようになっている。

　なお、カム溝４５は、図９のカム線図に示すように、回動部材５０が角度（θ）回転されることによって太ピン部７２が予め定めた距離（Ｌ）移動するように設定してある。　
　具体的に、本実施形態において回動部材５０が初期位置（０度）から第１の角度である２７０度回転されたとき、軸体３０が軸方向に移動する。すなわち、軸体３０は、第４のＯリング８４が水密保持部４１ａに密着した後述する図１２Ａに示す第１の位置から後述する図１５Ａに示す第５のＯリング８５が水密保持部４１ａ及び第５リング収容部１２２に密着し、かつ、第４のＯリング８４が第４リング収容部１２１に密着した第２の位置まで移動するようになっている。

　そして、カム溝４５には、カム線図に示すように逃がしを設けて、第１の位置および第２の位置が安定して維持されるようになっている。

　なお、第１の角度は２７０度に限定されるものでは無く、一回転未満の範囲で設定される。

　このように、本実施形態の内視鏡コネクタ１６の通気口金２０は、第１のＯリング８１、第２のＯリング８２、第３のＯリング８３に加えて軸体３０に設けられた一方のＯリングである第４のＯリング８４が水密保持部４１ａの内周面に密着してコネクタ空間１６Ｓ内を外部に対して水密に保持している。　
　このため、通気口金２０近傍を洗浄中に洗浄液がコネクタ空間１６Ｓ内に侵入することを確実に防止することができる。

　また、軸体３０は、カムピン７０がカム溝４５に沿って摺動することによって移動する。したがって、通気口金２０の外部に対して露呈している軸体３０の太径部３０ｂの外端面をコネクタ空間１６Ｓ方向に押圧することによってカムピン７０がカム溝４５に沿って摺動されない。　
　このため、洗浄中等において、作業者が誤って軸体３０の外端面を押圧しても水密を確実に保持することができる。

　本実施形態の内視鏡２は洗浄後、オートクレーブ滅菌される。　
　オートクレーブ滅菌時、通気口金２０には上述した治具の機能を有するアダプタ１０が装着される。アダプタ１０は、例えば図１０に示す逆止弁ユニット１００と口金制御ユニット１１０とを有する。

　逆止弁ユニット１００は、筒形状の外装体１０１と、棒状の弁軸１０２と、付勢部材であるスプリング１０３と、脱落防止板１０４と、逆止弁用Ｏリング１０５と、水密用Ｏリング１０６と、を備えている。

　脱落防止板１０４は、弁軸１０２の端面に固設されてスプリング１０３が弁軸１０２から脱落することを防止する。逆止弁用Ｏリング１０５は、スプリング１０３の弾性力によって軸穴１０７の斜面１０８に密着する。

　符号１１１は、軸体制御ユニット１１０の連結筒１１１である。連結筒１１１には外装体１０１が着脱自在である。外装体１０１を連結筒１１１に外嵌させた際、水密用Ｏリング１０６によって外装体１０１の内周面と連結筒１１１の外周面との水密が保持される。

　なお、連結筒１１１には逆止弁ユニット１００に替えて漏水チェッカーの取付けが可能である。

　図１０、図１１Ａ、図１１Ｂ、図１１Ｃを参照して口金制御ユニット１１０を説明する。　
　図１０、図１１Ａに示すように口金制御ユニット１１０は、連結筒１１１と、ユニット本体１１２と、受部１１３と、を備えている。符号１１４は通気口であって、連結筒１１１とユニット本体１１２との中間に設けられている。通気口１１４は流路１１５の開口である。通気口１１４は、連通空間１１５ｓを介して収容空間１２０に通じている。

　また、図１１Ｂに示すように筒穴１１１ｈは曲面１１１ｃとストレート面１１１ｓとを配置したＤ字形状である。図１０、図１１Ｂに示すように収容空間１２０と筒穴１１１ｈ内とは、、複数の開放孔１１２ｈによって通じている。開放孔１１２ｈは、筒穴１１１ｈの筒底面１１１ｄに例えば４つの開口を備えている。開放孔１１２ｈの数は４つが好適であるがそれ以上であってもそれ以下であってもよい。

　なお、収容空間１２０は、軸体３０の太径部３０ｂが収容される空間である。収容空間１２０は、ユニット本体１１２の中央部に設けられている。収容空間１２０は、第４リング収容部１２１と、第５リング収容部１２２と、境界面収容部１２３と、を有する。

　境界面収容部１２３の内径は、第４リング収容部１２１の内径および第５リング収容部１２２の内径より大きく設定してある。

　第４リング収容部１２１の内周面には第５リング収容部１２２、および、境界面収容部１２３を通過した第４のＯリング８４が密着して配置されるようになっている。また、、第５リング収容部１２２の内周面には第５のＯリング８５が密着して配置されるようになっている。そして、境界面収容部１２３内には第５リング収容部１２２を通過した通気開口３３ｍを有する境界面３３が配置されるようになっている。

　符号１２４は係止部である。係止部１２４は、係合穴５６に係合する突起である。本実施形態において、ユニット本体１１２の支持部側端面からは前述した３つの係合穴５６にそれぞれ係合される３つの係止部１２４が突設している。

　図１０－図１１Ｃに示すように受部１１３は筒形状である。受部１１３は、リング状の板部１１６と、複数の壁部１１７と、を有している。壁部１１７は、受け部１１３の底面を形作る板部１１６の一平面から立設している。立設する壁部１１７は、切欠き１１８によって分割されている。切欠き１１８は、受部１１３内と外部とを通じるいわゆる通気路である。符号１１３ｍは受け部開口である。

　板部１１６には第１突起用凹部（以下、第１逃げ溝と記載する）１３１、２つの第２突起用凹部（以下、第２逃げ溝と記載する）１３２、および、突起部受け１３３が配置されている。

　第１逃げ溝１３１は第１突起部６６ａが通過可能な幅に設定されている。第２逃げ溝１３２は第２突起部６６ｂが通過可能な幅に設定されている。

　突起部受け１３３は、板部１１６の一平面上から予め定めた高さで突出する断面形状が半円形の凸部である。突起部受け１３３は、板部１１６の一平面上に三つ、周方向に略等間隔に配置されている。突起部受け１３３の中央部は、第１逃げ溝１３１の中央部、第２逃げ溝１３２の中央部に対して予め定めた角度θ位置ずれしている。

　突起部受け１３３の周方向長は、突起部６６ａ、６６ｂの幅ｗ１、ｗ２を考慮したうえで予め定めた長さに設定してある。突起部受け１３３の周方向端部は曲面、または、滑らかな、斜面で形成されている。

　第１逃げ溝１３１の幅は、第２突起部６６ｂが通過不能に設定してある。したがって、第１逃げ溝１３１に対して第２突起部６６ｂを対峙させた状態において、口金制御ユニット１１０の通気口金２０への装着が不可能である。言い換えれば、装着作業中において、装着後の回転角度が０度から１２０度に変化して逃げ溝と突起部とが一致したとき、および、更に１２０度変化して２４０度に変化して逃げ溝と突起部とが一致したとき、第２突起部６６ｂが第１逃げ溝１３１に対して通過不能である。つまり、装着中において口金ユニット１１０が通気口金２０から脱落することが確実に防止されている。

　ここで、図１２Ａ－図１５Ｂを参照してアダプタ１０の通気口金２０への装着を説明する。　
　オートクレーブ滅菌を行う際、作業者は、まず、アダプタ１０に配置された口金制御ユニット１１０の受け部開口１１３ｍの第１逃げ溝１３１を内視鏡コネクタ１６から突出した通気口金２０の第１突起部６６ａに対峙させる。そして、作業者は、第１逃げ溝１３１内に第１突起部６６ａを導きつつ、３つの係止部１２４を係合穴５６に向けて近づけていく。この結果、図１２Ａ、図１２Ｂに示すように口金制御ユニット１１０が通気口金２０に配置される。

　このとき、第１突起部６６ａが第１逃げ溝１３１内に導入され、２つの第２突起部６６ｂがそれぞれ第２逃げ溝１３２内に導入される。また、３つの係止部１２４がそれぞれ係合穴５６内に係合している。また、図１４の破線に示すように筒穴１１１ｈのストレート面１１１ｓが位置している。

　次に、作業者は、口金制御ユニット１１０を図１２Ｂの矢印Ｙ１２Ｂに示す方向に回転させて装着作業を開始する。係合穴５６内に係止部１２４が配置されているため、口金制御ユニット１１０の回転に伴って回動部材５０が回転されると共に、逃げ溝１３１、１３２、突起部受け１３３が移動していく。　
　なお、図１２Ａの符号Ｐは半球凸部である。半球凸部Ｐは作業者によって視認可能であり、口金制御ユニット１１０を回転させる際の回転角度を視認するための目印である。

　作業者が口金制御ユニット１１０を例えば３０度回転させる。すると、図１３Ａ、図１３Ｂに示すように逃げ溝１３１、１３２近傍にそれぞれ設けられている突起部受け１３３の曲面頂部１３３ａが突起部６６ａ、６６ｂの傾斜受面６６ｆに当接して配置される。このとき、図１４に示すように筒穴１１１ｈのストレート面１１１ｓも３０度回転して二点鎖線に示すように移動される。

　この結果、突起部６６ａ、６６ｂは、三箇所の曲面頂部１３３ａで略三点支持されて、傾斜受面６６ｆの接触部以外が板部１１６の一平面に対して離間した（浮いた）状態になる。

　また、回動部材５０の３０度の回転に伴って軸体３０の太径部３０ｂの外端面が管状部材４０の外端面より外方に突出される。すると、太径部３０ｂの外端面側の一部が第５リング収容部１２２内に侵入する。

　作業者は、口金制御ユニット１１０をさらに２４０度回転させる。このとき、図１４に示すように筒穴１１１ｈのストレート面１１１ｓは破線に示した初期位置から２７０度回転して実線に示すように配置される。

　この結果、口金制御ユニット１１０が２７０度回転されて図１５Ａ、図１５Ｂに示すように通気口金２０に対して装着状態になる。

　このとき、図１５Ａに示すように軸体３０の太径部３０ｂに設けられた第４のＯリング８４が第４リング収容部１２１の内周面に密着する。一方、第５のＯリング８５の一部が外フランジ４４の外端面から外部にはみ出て第５リング収容部１２２の内周面に密着する。

　加えて、第５のＯリング８５の上述した一部分以外の他の部分が管状部材４０の水密保持部４１ａの内周面に密着している。

　このとき、図１５Ｃに示すように筒穴１１１ｈとコネクタ空間１６Ｓとが開放孔１１２ｈ、上述した境界面３３が配置された境界面収容部１２３に開口する通気孔３４によって通じた状態になっている。

　このとき、スプリング１０３の付勢力によって逆止弁用Ｏリング１０５が軸穴１０７の斜面１０８が密着している。したがって、口金制御ユニット１１０が通気口金２０に装着された状態のとき、コネクタ空間１６Ｓ内と外部とは水密に保持される。

　このように、回動部材５０に設けた係合孔５６に係合する係止部１２４を設けた口金制御ユニット１１０に逆止弁ユニット１００を設けてアダプタ１０を形成する。そして、係止部１２４を係合孔５６に係合させ、この状態で口金制御ユニット１１０を２７０度回転させる。

　このことによって、アダプタ１０を通気口金２０に装着することができる。このとき、コネクタ空間１６Ｓ内が外部に対して水密に保持される。

　上述したように通気口金２０にアダプタ１０が装着された内視鏡２は、オートクレーブ滅菌時、チャンバー内に放置されて滅菌蒸気に曝される。

　このとき、図１５Ｃに示すように滅菌蒸気１３０はアダプタ１０の周囲および内視鏡コネクタ１６の周囲と、流路１１５から連通空間１１５ｓ内に侵入してのアダプタ１０の周囲と内視鏡コネクタ１６の周囲と太径部３０ｂの外端面およびその周辺とを滅菌する。

　また、滅菌蒸気１３０は受け部１１３内に侵入してハッチングに示すように管状部材４０の外部に露出した外端面およびその周辺、回動部材５０の外部に露出した外端面およびその周辺、収容部材６０の外部に露出した外端面およびその周辺に加えて、突起部６６ａ、６６ｂの外部に露出した面を滅菌する。さらに、曲面頂部１３３ａによって支持される傾斜受面６６ｆ、および、その隙間を滅菌する。

　つまり、手技中において露出する面に対して確実に滅菌蒸気１３０を行き渡らせてより確実な滅菌を施した内視鏡を得ることができる。

　なお、コネクタ空間１６Ｓ内の圧力が外部の圧力よりも高くなったときには、スプリング１０３の付勢力に抗して弁軸１０２が移動されて逆止弁用Ｏリング１０５の斜面１０８に対する密着が解除されて該コネクタ空間１６Ｓ内と外部とが通気孔３４、開放孔１１２ｈ、および、筒穴１１１ｈによって連通する。

　また、本実施形態において、滅菌蒸気１３０は境界面収容部１２３内には侵入できない。つまり、軸体３０の境界面３３およびその周辺は滅菌されない。しかし、境界面３３およびその周辺は、図２に示したコネクタ空間１６Ｓ内を外部に対して水密に保持する通気口金２０において、外部に露出する部分に成り得ない。言い換えれば、境界面３３およびその周辺は、滅菌蒸気による滅菌が不要な領域である。

　本実施形態の口金制御ユニット１１０においては図１２Ｂの矢印Ｙ１２Ｂに示す方向に回転させて装着作業を行う。このとき、例えば図１６Ａに示す１２０度回転状態から図１６Ｂに示す１８０度回転状態までの間、通気孔３４の通気開口３３ｍと外部とが矢印Ｙ１６Ａ、Ｙ１６Ｂに示すように通じている。つまり、外部とコネクタ空間１６Ｓとが通気孔３４によって通じている。

　一方、装着完了した後、上述した矢印Ｙ１２Ｂとは逆方向に口金制御ユニット１１０を２７０度から０度まで回転させて取り外しを行う。このときには図１６Ｃに示す逆方向に９０度回転させた状態から図１６Ｄに示す逆方向に１５０度回転させた状態までの間、上述と同様に通気孔３４の通気開口３３ｍと外部とが矢印Ｙ１６Ｃ、Ｙ１６Ｄに示すように通じている。

　なお、図示は省略するが装着中において、回転角度６０度から２１０度の間、第４のＯリング８４あるいは第５のＯリング８５の水密が不完全状態である。一方、取り外し中においても回転角度が逆方向に対して６０度から２１０度の間、上述と同様に第４のＯリング８４あるいは第５のＯリング８５の水密が不完全状態である。

　このため、上述したように口金制御ユニット１１０を回転させてアダプタ１０を通気口金２０に装着中、コネクタ空間１６Ｓ内と外部とが一端通じてコネクタ空間１６Ｓ内の圧力と気圧とが均一になる。

　また、滅菌処理終了後にアダプタ１０を通気口金２０から取外す際にもコネクタ空間１６Ｓ内と外部とが一端通じて滅菌時の陰圧が開放される。

　このため、本実施形態の内視鏡コネクタ１６において開放弁を不要にして内視鏡コネクタ１６の小型化を実現できる。

　また、通気口金２０に装着されている口金制御ユニット１１０に逆止弁ユニット１００に替えて漏水チェッカーを取付けてアダプタを形成した場合には、漏水チェッカーから空気を供給して漏水チェックを行うことができる。

　本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更あるいは応用が可能である。

Claims

　外周面の予め定めた位置に設けられた棒状のカムピンの一端部が固設されるピン固定部、および、一方の端面に開口を有する予め定めた深さに設定された長穴と前記外周面の予め定めた位置に設けられた通気開口と前記長穴内とを通じる長穴連通孔とを有する通気孔、が配置された長手軸を有する軸体と、
　前記軸体が軸周りに回動可能、かつ、軸方向に移動可能に収容される中心軸に沿って長手方向に延びる貫通孔である軸体用孔、および、外周部に前記カムピンの他端部が摺動可能に配置されるカム溝、が配置された管状部材と、
　前記管状部材が軸周りに回動可能に配置される管状部材用孔、前記カム溝から外方に突出した前記カムピンの他端部が配置される一方の端面から中心軸に沿って長手方向に延びる前記管状部材用孔と外部とを通じる細長なカムピン用溝、および、他方の端面の予め定めた位置に設けられている複数の係合穴、が配置された回動部材と、
　内視鏡を構成する筐体の内部空間と外部とを通じる貫通孔に固設される取付部、該取付部の周端部から突出した複数の突起部、および、底面に前記内部空間に通じる貫通孔の底面開口を有する収容穴、を備えた筒状の収容部材と、
　を具備することを特徴とする内視鏡の通気制御弁。
　前記収容部材のアダプタ取付部の外周面と前記貫通孔の水密保持孔の内周面との間の水密を保持する第１水密部材と、
　前記回動部材の回動本体の外周面と前記収容穴と本体収容穴との間の水密を保持する第２水密部材と、
　前記回動部材の本体部用穴の内周面と前記管状部材の本体部の外周面との間の水密を保持する第３水密部材と、
　前記管状部材の水密保持部の内周面と前記軸体の太径部の外周面との間の予め定めた位置に配置されて水密を保持する第４水密部材、および、第５水密部材と、
　　を具備することを特徴とする請求項１に記載の内視鏡の通気制御弁。
　前記軸体は、前記回動部材の時計方向、あるいは、反時計方向への回転に伴って該軸体に一端部が固設されたカムピンの他端部が前記カム溝内を摺動されつつカムピン用溝に沿って移動されて、前記筐体貫通孔の軸方向に移動することを特徴とする請求項２に記載の内視鏡の通気制御弁。
　前記軸体は、前記回動部材が初期位置から第１の角度まで回動されて、軸方向に離間した第１の位置と第２の位置との間を移動することを特徴とする請求項３に記載の内視鏡の通気制御弁。
　前記第１の位置の軸体は、前記第４水密部材によって前記管状部材の水密保持部の内周面と前記軸体の太径部の外周面との間の水密を保持し、
　前記第２の位置の軸体は、前記第５水密部材の一部が外部にはみ出た状態になり、残りの部分が前記管状部材の水密保持部の内周面と前記軸体の太径部の外周面との間の水密を保持する
　ことを特徴とする請求項４に記載の内視鏡の通気制御弁。
　前記管状部材の水密保持部の内周面と前記軸体の太径部の外周面との間の水密を保持する水密部材が前記第４水密部材から前記第５水密部材に切り替えられるまでの間、または、該第５水密部材から該第４水密部材に切り替えられるまでの間において、
　前記通気開口が外部に露呈して該外部と前記内部空間とが前記通気孔によって通じることを特徴とする請求項４に記載の内視鏡の通気制御弁。
　請求項１から６のいずれか１つに記載の内視鏡の通気制御弁と、
　前記回動部材に配置された前記複数の係合穴に係合する係止部、および、前記軸体の太径部に設けられた前記第４水密部材が密着して配置される第４リング収容部、前記第５水密部材が密着して配置される第５リング収容部、及び境界面が配置される境界面収容部を配置した収容空間を具備する、口金制御ユニットと、
　　を具備することを特徴とする内視鏡装置。