WO2020031376A1 - ビールテイスト飲料およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

原材料にホップを用いないまたはホップの使用量を抑制したビールテイスト飲料において、ホップと同様の苦味を有し、優れた香味を有するビールテイスト飲料を提供する。本発明の一態様によれば、アブシンチンの含有量が0.05重量ppb以上50重量ppb以下であるビールテイスト飲料が提供される。

Description

ビールテイスト飲料およびその製造方法
 本発明は、ビールテイスト飲料およびビールテイスト飲料の製造方法に関する。
 現在、一般的なビールや発泡酒のようなビールテイスト飲料の原材料にはホップが使用され、ホップ特有の苦味や渋み及びその他の香味により、当該飲料に苦味や香りを付与する。これによって、ビールテイスト飲料に後味のキレがあり、フローラルな香りのある飲料を製造している。したがって、通常、ビールテイスト飲料の原材料にホップを使用しない場合またはホップの使用量を抑制した場合、苦味が不足し、後味のしまりに欠ける香味となることがある。
 このような中で、原材料にホップを使用しないまたはホップ使用量を抑制したビールテイスト飲料において、ビールらしい香味を提供するために、ホップの代わりにハーブ等の他の原材料を使用することが知られている(特許文献1:特開2006-109795号,特許文献2:特開2016-82898号,特許文献3:特開2016-82899号)。しかし、本来ビールテイスト飲料の原材料に使用されないハーブ等の使用により、ビール様風味飲料としては好ましくない不快な香りが付与されてしまう場合がある。
特開2006-109795号 特開2016-82898号 特開2016-82899号
 このような状況の下、ビールテイスト飲料においてホップに由来する苦味と同様の苦味を有する原材料が求められている。また、原材料にホップを用いないまたはホップの使用量を抑制したビールテイスト飲料において、ホップと同様の苦味を有するビールテイスト飲料が求められている。
 本発明のビールテイスト飲料は、ニガヨモギ等に含まれるアブシンチンがビールテイスト飲料の苦みを強化することができ、また、ビールテイスト飲料の製造に一般的に用いられるホップの代替物として用いることができるという知見に基づく発明である。
 本発明には以下の態様の発明が含まれる。
[1]
 アブシンチンを含み、ホップ由来成分を実質的に含まない、ビールテイスト飲料。
[2]
 アブシンチンを含み、イソα酸の含有量が0.1重量ppm以下である、ビールテイスト飲料。
[3]
 アブシンチンの含有量が0.03重量ppb以上である、[1]または[2]に記載のビールテイスト飲料。
[4]
 アブシンチンの含有量が70重量ppb以下である、[1]~[3]のいずれか1項に記載のビールテイスト飲料。
[5]
 アブシンチンがニガヨモギ由来の成分である、[1]~[4]のいずれか1項に記載のビールテイスト飲料。
[6]
 さらに酸味料を含む、[1]~[5]のいずれか1項に記載のビールテイスト飲料。
[7]
 酸味料がリン酸、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、フィチン酸、酢酸、コハク酸およびそれらの塩からなる群から選ばれる1以上である、[6]に記載のビールテイスト飲料。
[8]
 酸味料がリン酸、クエン酸、乳酸およびそれらの塩からなる群から選ばれる1以上である、[6]に記載のビールテイスト飲料。
[9]
 pHが2~5である、[1]~[8]のいずれか1項に記載のビールテイスト飲料。
[10]
 アルコール度数が0.05~40(v/v)%である、[1]~[9]のいずれか1項に記載のビールテイスト飲料。
[11]
 アルコール度数が0.05(v/v)%未満である、[1]~[9]のいずれか1項に記載のビールテイスト飲料。
[12]
 [1]~[11]のいずれか1項に記載の飲料が容器詰めされた、容器詰飲料。
[13]
 原飲料の製造工程、および、アブシンチンを混和する工程を含む、ビールテイスト飲料の製造方法。
[14]
 アブシンチンを混和する工程が、ニガヨモギ、ニガヨモギ抽出物およびニガヨモギ精製物からなる群から選ばれる1以上を混和する工程である、[13]に記載のビールテイスト飲料の製造方法。
 
 本発明の一態様に係る発明は、ホップに由来する苦味と同様の苦味を有するビールテイスト飲料を提供する。また、本発明の一態様に係る発明は、原材料にホップを用いないまたはホップの使用量を抑制しても、ホップと同様の苦味を有し、ビールに近い香味を有するビールテイスト飲料を提供する。
1 ビールテイスト飲料
 本発明のビールテイスト飲料はアブシンチンを含む飲料である。本発明のビールテイスト飲料は、アブシンチンを一定量以上含むことによって、原材料にホップを用いない飲料またはホップの使用量を抑制した飲料においても、ホップと同様の苦味を有し、ビールに近い香味を有することができる。
 本明細書において、「ビールテイスト飲料」とは、ビール様の風味をもつアルコール含有またはノンアルコールの炭酸飲料をいう。つまり、本明細書のビールテイスト飲料は、特に断わりがない場合、酵母による発酵工程の有無に拘わらず、ビール風味を有するいずれの炭酸飲料をも包含する。したがって、エステルや高級アルコール(たとえば酢酸イソアミル、酢酸エチル、n-プロパノール、イソブタノール、アセトアルデヒド)などを含むビール香料が添加された炭酸飲料をも包含する。
 本発明のビールテイスト飲料の種類としては、例えば、アルコール含有のビールテイスト飲料、ノンアルコールのビールテイスト飲料(アルコール度数が0.05(v/v)%未満のビールテイスト飲料)、ビールテイストの清涼飲料なども含まれる。
 本発明のビールテイスト飲料に含まれるアブシンチンは苦味物質の1つであり、キク科ヨモギ属の多年草であるニガヨモギに含まれることが知られている。本発明のビールテイスト飲料に苦味を付与するためアブシンチンの含有量は0.05重量ppb以上が好ましい。また、飲料において苦味以外とのバランスをとるために、アブシンチンの含有量は50重量ppb以下であることがさらに好ましい。また、本発明のビールテイスト飲料のアブシンチンの含有量は70重量ppb以下が特に好ましく、50重量ppb以下が最も好ましい。
 本発明のビールテイスト飲料に含まれるアブシンチンは、ニガヨモギ、ニガヨモギ抽出物、ニガヨモギ精製物またはこれらの組み合わせに由来することができる。
 本明細書において「ニガヨモギ」は生の状態だけでなく乾燥物も含む。本発明のビールテイスト飲料は、このようなニガヨモギ原料を含むことによって、好ましい苦味を呈することができる。ニガヨモギに含まれる苦味物質としては、アブシンチン、アブソルビン等のセスキテルペンが挙げられる。また、本明細書において「ニガヨモギ抽出物」はニガヨモギを抽出して得られる物であれば限定されない。ニガヨモギ抽出物を得るための抽出方法は限定されず、たとえば水または有機溶媒のいずれの抽出方法を用いてもよい。本明細書において「ニガヨモギ精製物」はニガヨモギを精製して得られる物であれば限定されない。ニガヨモギの精製物を得るための精製方法は、精製によりニガヨモギが有するアブシンチンが保持されれば、その方法は限定されない。
 本発明のビールテイスト飲料は、ホップ由来成分を実質的に含まないことが好ましい。本明細書において、「ホップ由来成分を実質的に含まない」とは、ビールテイスト飲料を製造する際に、ホップやホップ由来の成分をいずれも積極的に添加しないこと意味し、ビールテイスト飲料の製造の際にホップ由来の成分が不可避的に混入する態様を包含する。
なお、ビールテイスト飲料の原材料にホップ由来の成分が積極的に添加されているか否かは、食品表示法、食品衛生法、JAS法、景品表示法、健康増進法あるいは業界団体が定めた規約や自主基準などによって定められた原材料表示から確認することができる。例えば、ホップ由来の成分が含まれている場合、原材料名に「ホップ」のように表記される。したがって、「ホップ由来性分を実質的に含まない」飲料では、原材料名に「ホップ」が表記されない。
 また、ホップには苦味成分としてイソα酸が多く含まれている。そこで、ホップ由来成分が積極的に添加されていないビールテイスト飲料中のイソα酸の好ましい含有量は0.1重量ppm以下であり、0.05重量ppm以下がさらに好ましく、0.01重量ppm以下が特に好ましい。
 このように、原材料にホップまたはホップ由来成分を用いないことによって、イソα酸の濃度を抑制しながら、適度な苦味を有するビールテイスト飲料を製造することができる。
 本発明のビールテイスト飲料は、香り成分を含むことが好ましいが、その成分は限定されない。香り成分としては、エステル類、アルコール類、華やかな香り(花様など)に寄与するとされるモノテルペン類、穏やかな香り(木皮様など)に寄与するとされるセスキテルペン類、フェノール成分、が含まれている。
 エステル類としては酢酸エチル等が、アルコール類としてはイソアミルアルコール等が挙げられる。また、モノテルペン類としては、リナロール、ミルセン、ゲラニオール、リモネン等が、セスキテルペン類としては、カリオフィレン、フムレン、ファルネセン等が挙げられる。また、フェノール成分としては、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシ桂皮酸、プロアントシアニジン、フラボノイド類、及びそれらの重合体が挙げられる。
 本発明のビールテイスト飲料は、酸味料を含むことが好ましい。酸味料としては酸味を有する物質であれば特に限定されないが、リン酸、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、フィチン酸、酢酸、コハク酸、グルコノデルタラクトンまたはそれらの塩が挙げられる。これらの酸味料の中でも、リン酸、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、フィチン酸、酢酸、コハク酸またはそれらの塩が好ましく、リン酸、クエン酸および乳酸またはそれらの塩がさらに好ましい。また、これらの酸味料は組み合わせて使用されてもよい。
 これらの酸味料はそれぞれ酸味の特徴があるものの、その酸味度は相互に換算が可能である。たとえば、クエン酸の酸味度を100とした場合におけるリンゴ酸の酸味度は120、酒石酸の酸味度は130、乳酸の酸味度は120、リン酸の酸味度は250、フマル酸の酸味度は180、コハク酸の酸味度は120、グルコン酸の酸味度は70、酢酸の酸味度は110であるとされている(出展:「最新 ソフトドリンクス」光琳出版)。酸味料の含有量は、最終製品中に含有されている酸味物質の含有量がクエン酸換算で100~1200ppmの範囲内に入ることが好ましく、クエン酸換算で100~700ppmがさらに好ましく、クエン酸換算で100~500ppmが特に好ましい。酸味料が上記範囲内にあると、苦味と酸味のバランスがほどよく、優れた香味のビールテイスト飲料が提供できる。
 酸味料は穀物等の原料に由来して含有したものであろうと、任意添加材料として添加されたものであろうと、最終製品における含有量が前記した範囲にあればよい。
 本発明のビールテイスト飲料は、ビールや発泡酒のようなアルコール度数が0.05~40(v/v)%のビールテイスト飲料であってもよく、ノンアルコールビールのようなアルコール度数(含有量)が0.05(v/v)%未満のビールテイスト飲料であってもよい。本発明のビールテイスト飲料がアルコールを含む場合は、アルコール度数が0.5~20(v/v)%であることが好ましく、1.0~10(v/v)%であることがさらに好ましい。本発明のビールテイスト飲料がアルコールを含まない場合は、アルコール度数が0.05(v/v)%未満であり、さらに0.00(v/v)%であることが好ましい。なお本明細書において、アルコール度数は体積/体積基準の百分率(v/v%)で示されるものとする。また、飲料のアルコール含有量は、公知のいずれの方法によっても測定することができるが、例えば、振動式密度計によって測定することができる。
 本発明のビールテイスト飲料の色は、特に限定されないが、通常のビールのような琥珀色や黄金色、黒ビールのような黒色、または、無色透明であってもよい。あるいは着色料などを添加して、所望の色を付けてもよい。ビールテイスト飲料の色は、肉眼でも判別することができるが、全光線透過率や色度等によって規定してもよい。
 本発明のビールテイスト飲料のpHは特に限定されないが、好ましくは2.0~4.5である。また、アルコールを含有するビールテイスト飲料のpHは3.0~4.5が好ましく、ノンアルコールビールテイスト飲料のpHは4.0未満が好ましい。ビールテイスト飲料のpHが4.0未満であると微生物の発生を抑制でき、pHが2.0以上であると飲料の香味が向上しやすい。
 本発明のビールテイスト飲料の総エキス量は特に限定されないが、ノンアルコールビールテイスト飲料の場合は、好ましくは1.50重量%以下、より好ましくは1.10重量%以下、さらに好ましくは0.80重量%以下である。アルコールを含むビールテイスト飲料の場合は、好ましくは18重量%以下、より好ましくは15重量%以下、さらに好ましくは13重量%以下である。総エキス量を上記範囲内とすることで軽快な飲み口を付与することができることができる。本明細書における「総エキス量」は、飲料のアルコール度数が0.005%以上の場合、日本の酒税法におけるエキス分、すなわち、温度15度の時において原容量100立方センチメートル中に含有する不揮発性成分のグラム数をいい、アルコール度数が0.005%未満の飲料においては、脱ガスしたサンプルをビール酒造組合国際技術委員会(BCOJ)が定める「ビール分析法 7.2 エキス」に従い測定したエキス値(重量%)をいう。
 本発明のビールテイスト飲料は、容器詰の態様に適している。容器の例としては、ビン、ペットボトル、缶、または樽が挙げられるが、特にビンやペットボトルでの使用に適している。無色透明のビンやペットボトルを使用する場合、通常の缶や有色のビンでの場合と異なり、太陽光や蛍光灯の光にさらされることになる。したがって、本発明のビールテイスト飲料は透明なビンやペットボトルに好適に使用することができる。
 本発明のビールテイスト飲料に含まれる、穀物、甘味料等の任意の添加原料については、「1.1原材料」において詳述する。
1.1 原材料
 本発明のビールテイスト飲料の主な原材料は水、穀物およびアブシンチンである。その他に、甘味料、水溶性食物繊維、苦味付与剤、酸化防止剤、香料、酸味料等を用いてもよい。
 穀物としては、例えば、麦大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦、それらの麦芽など)、米(白米、玄米など)、とうもろこし、こうりゃん、ばれいしょ、豆(大豆、えんどう豆など)、そば、ソルガム、粟、ひえ、およびそれらから得られたデンプン、これらの抽出物(エキス)などがあげられる。
 麦芽とは、大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦などの麦類の種子を発芽させて乾燥させ、除根したものをいい、産地や品種は、いずれのものであってもよい。本発明においては、好ましくは大麦麦芽を用いる。大麦麦芽は、日本のビールテイスト飲料の原料として最も一般的に用いられる麦芽の1つである。大麦には、二条大麦、六条大麦などの種類があるが、いずれを用いてもよい。さらに、通常麦芽のほか、色麦芽なども用いることができる。なお、色麦芽を用いる際には、種類の異なる色麦芽を適宜組み合わせて用いてもよいし、一種類の色麦芽を用いてもよい。
 甘味料としては、穀物由来のデンプンを酸または酵素などで分解した市販の糖化液や、市販の水飴などの糖類や、三糖類以上の糖、糖アルコール、ステビアなどの天然甘味料、人工甘味料などがあげられる。このとき、糖類の形態は、溶液などの液状、または粉末などの固形物状など、どのような形態であってもよい。また、デンプンの原料穀物の種類、デンプンの精製方法、および酵素や酸による加水分解などの処理条件についても特に制限はない。例えば、酵素や酸による加水分解の条件を工夫することにより、マルトースの比率を高めた糖類を用いてもよい。その他、スクロース、フルクトース、グルコース、マルチュロース、トレハルロース、マルトトリオースおよびこれらの溶液(糖液)などを用いることができる。また、人工甘味料として、アスパルテーム、アセスルファムカリウム(アセスルファムK)、スクラロース等を用いることができる。甘味料は好ましくは0.01重量%以上0.5重量%未満のショ糖換算濃度で本発明のビールテイスト飲料に含有される。本明細書において、「ショ糖換算濃度」は、ショ糖の甘味1に対する各甘味料の甘味の相対比に基づいて、ショ糖の相当量に換算して、次いで当該飲料に含まれる全ての甘味料のショ糖甘味換算量を総計することによって求めることができる。なお、ショ糖の甘味1に対する各種甘味料の甘味の相対比は、公知の砂糖甘味換算表(例えば、ビバレッジジャパン社「飲料用語辞典」資料11頁)等から求めることができる。
 また、ニガヨモギ(乾燥物を含む)、ニガヨモギ抽出物、ニガヨモギ精製物またはこれらの組み合わせを原材料として用いることによって、本発明のビールテイスト飲料にアブシンチンを含有させることができる。
 ニガヨモギに含まれる苦味物質としては、アブシンチンの他に、アブソルビン等のセスキテルペンが挙げられ、これらの苦味物質が、ビールテイスト飲料に好ましい苦味を付与することができる。ニガヨモギ抽出物を得るための抽出方法は限定されず、たとえば水または有機溶媒のいずれの抽出方法を用いてもよい。また、ニガヨモギ精製物を得るための精製方法は、精製によりアブシンチンが保持されれば、その方法は限定されない。
 本発明の飲料は原材料として、難消化性デキストリン、ポリデキストロース、グアーガム分解物、ペクチン、グルコマンナン、アルギン酸、ラミナリン、フコイジン、カラギーナンなどの水溶性食物繊維を用いることもできる。これらのうち、安定性や安全性などの汎用性の観点から、難消化性デキストリン、ポリデキストロースが好ましい。
 また、本発明の飲料は原材料として、本発明の香気成分を含有する原材料を用いてもよい。本発明の香気成分を含有する原材料として、バナナ、リンゴ等の果物、生葉、乳製品等が挙げられる。このような原材料を用いることによって、本発明のビールテイスト飲料に本発明の香気成分を増量、含有させることができる。
 本発明のビールテイスト飲料はアブシンチンを含むため、原材料にホップが用いられないまたはホップの使用量を抑制した場合でも、飲料に適当な苦味を有することができる。
 本明細書において、「ホップ」とは、ビールなどの製造に使用される通常のペレットホップ、ベールホップ、ホップエキス、ホップ加工品(イソ化ホップ、ヘキサホップ、テトラホップ)などをいう。また、本明細書において、「ホップが用いられない」飲料とは、原材料にホップが用いられない飲料であり、例えば飲料の原材料表示に「ホップ」が記載されていない飲料を意味する。また、ビールテイスト飲料において、ホップ由来の苦み成分中の主要成分の1つはイソα酸であるから、原材料にホップが用いられない飲料は、イソα酸を実質的に含まない。本発明のビールテイスト飲料において、苦味は、主にアブシンチンとイソα酸に由来することが好ましい。さらに、アブシンチンとイソα酸の他に苦味付与剤を用いてもよく、このような苦味付与剤としては、特に限定されず、通常のビールや発泡酒の原料として用いられる苦味付与剤を用いることができる。例えば、クワシン、ナリンジン、柑橘抽出物、ニガキ抽出物、コーヒー抽出物、茶抽出物、ゴーヤ抽出物、ハス胚芽抽出物、キダチアロエ抽出物、マンネンロウ抽出物、レイシ抽出物、ローレル抽出物、セージ抽出物、キャラウェイ抽出物、イソフムロン類および還元型イソフムロン類等が挙げられる。
 酸化防止剤としては、特に限定されず、通常のビールや発泡酒の添加する酸化防止剤を用いることができる。例えばアスコルビン酸、エリソルビン酸およびカテキンから選択される一種以上を用いることができる。
 香料としては、特に限定されず、一般的なビール香料を用いることができる。ビール香料は、ビール様の風味付けのために用いるものであり、発酵により発生する醸造成分等が含まれる。具体的にはビール香料にはエステルや高級アルコールなどが含まれる。そのようなエステルや高級アルコールとしては、酢酸イソアミル、酸酸エチル、n-プロパノール、イソブタノールおよびアセトアルデヒドなどから選択される1種以上の成分が含まれる。
 酸味料としては特に限定されず、一般的な酸味料を用いることができる。酸味料は、リン酸、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、フィチン酸、酢酸、コハク酸、グルコノデルタラクトンまたはそれらの塩を用いることができる。
 また、本発明のビールテイスト飲料はアルコールを含有してもよく、アルコール濃度の調整のために、一般的なエタノール(エチルアルコール)を用いることができる。エタノールとしては、種々の原料を用いて製造したものを使用することができ、特に限定されない。例えば、スピリッツ、ウイスキー、焼酎などの蒸留酒や、日本酒などの醸造酒を用いることができる。
1.2 炭酸ガス
 本発明のビールテイスト飲料に含まれる炭酸ガスは、原材料に含まれる炭酸ガスを利用してもよく、また、炭酸水との混和または炭酸ガスの添加などで溶解させてもよい。
 本発明のビールテイスト飲料に含まれる炭酸ガスは、原材料に発酵液を用いた場合、発酵工程で炭酸ガスが発生するため、当該炭酸ガスをそのまま用いることができる。また、原材料に非発酵液を用いた場合、発酵工程で発生する炭酸ガスを利用できないため、非発酵液と炭酸水との混和、または非発酵液に炭酸ガスの添加によって、ビールテイスト飲料に炭酸ガスを溶解させることができる。
 本発明のビールテイスト飲料に含まれる炭酸ガスの量は、飲料の炭酸ガス圧によって表され、これは、本発明の効果を妨げない限り、特に限定されない。典型的には、飲料の炭酸ガス圧の上限は5.0kg/cm、4.5kg/cm、または4.0kg/cmであり、下限は0.2kg/cm、0.5kg/cm、または1.0kg/cmであり、これらの上限および下限のいずれを組み合わせてもよい。例えば、飲料の炭酸ガス圧は、0.2kg/cm以上5.0kg/cm以下、0.5kg/cm以上4.5kg/cm以下、または、1.0kg/cm以上4.0kg/cm以下であってよい。本明細書におけるガス圧とは、特別な場合を除き、容器内におけるガス圧をいう。圧力の測定は、当業者によく知られた方法、例えば20℃にした試料をガス内圧計に固定した後、一度ガス内圧計の活栓を開いてガスを抜き、再び活栓を閉じ、ガス内圧計を振り動かして指針が一定の位置に達したときの値を読み取る方法を用いて、または市販のガス圧測定装置を用いて測定することができる。
1.3 その他の添加物
 本発明では、本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて、様々な添加物を添加してもよい。例えば、着色料、泡形成剤、香料、発酵促進剤、苦味料、酵母エキス、ペプチド含有物などのタンパク質系物質、アミノ酸などの調味料、アスコルビン酸などの酸化防止剤、各種酸味料などを本発明の効果を妨げない範囲で必要に応じて添加することができる。着色料は、飲料にビール様の色を与えるために使用するものであり、カラメル色素などを用いることができる。泡形成剤は、飲料にビール様の泡を形成させるため、あるいは飲料の泡を保持させるために使用するものであり、大豆サポニン、キラヤサポニン等の植物抽出サポニン系物質、コーン、大豆などの植物タンパク、およびペプチド含有物、ウシ血清アルブミン等のタンパク質系物質、酵母エキスなどを適宜使用することができる。香料は、ビール様の風味付けのために用いるものであり、ビール風味を有する香料を適量使用することができる。発酵促進剤は、酵母による発酵を促進させるために使用するものであり、例えば、酵母エキス、米や麦などの糠成分、ビタミン、ミネラル剤などを単独または組み合わせて使用することができる。苦味料は、飲料に配合することによって味覚に苦味を知覚せしめる植物体あるいは植物抽出物であればよい。苦味料としては、マンネンロウ、レイシ、姫茴香、杜松実、セージ、迷迭香、マンネンタケ、月桂樹、迷迭香、マンネンタケ、クワシン、ナリンギン、柑橘抽出物、ニガキ抽出物、コーヒー抽出物、茶抽出物、ゴーヤ抽出物、ハス胚芽抽出物、キダチアロエ抽出物、ニガヨモギ抽出物、ローレル抽出物などを用いることができる。
1.4 容器詰飲料
 本発明のビールテイスト飲料は、容器に詰められた容器詰飲料であってもよい。容器詰飲料にはいずれの形態・材質の容器を用いてもよく、容器の例としては、ビン、缶、樽またはペットボトルが挙げられるが、特にビンやペットボトルが好ましい。
2 ビールテイスト飲料の製造方法
 本発明のビールテイスト飲料の製造方法は、最終製品中にアブシンチンが含まれるように製造されれば特に限定されない。
 本発明のビールテイスト飲料の製造方法において、最終製品(すなわち、製品として流通・販売するビールテイスト飲料)中にアブシンチンが含まれるように原材料を調整すればよく、添加のタイミングなどは特に限定されない。
 本発明のビールテイスト飲料の製造方法は、例えば、原飲料の製造工程、並びに、アブシンチン、ニガヨモギ、ニガヨモギ抽出物およびニガヨモギ精製物からなる群から選ばれる1以上を添加する工程を含む。当該製造方法において、アブシンチン、ニガヨモギ、ニガヨモギ抽出物およびニガヨモギ精製物を添加するタイミングは原飲料の製造中でも、原飲料の製造後であってもよい。
 また、本発明の製造方法において、ニガヨモギ、ニガヨモギ抽出物およびニガヨモギ精製物を穀物等の原材料と一緒に投入してもよい。
 ビールテイスト飲料を製造する原材料として一般的にホップが用いられるが、その主な目的はビールテイスト飲料に苦みを付与することである。本発明のビールテイスト飲料において、アブシンチンを用いることによって、アブシンチンから苦みを付与することができるため、ホップの使用量を減らすまたはホップを全く使用せずにビールテイスト飲料を製造できる。
 また、本明細書において「ホップおよびホップ由来成分を添加する工程」とは、ビールテイスト飲料を製造する際にホップおよびホップ由来成分をいずれも積極的に添加する態様に限定されず、ビールテイスト飲料の製造の際にホップ由来成分が不可避的に混入する態様を包含する。
 本発明の製造方法は、「ホップおよびホップ由来成分を添加する工程」を含まないことによって、得られるビールテイスト飲料中のイソα酸の含有量を低減化させることができ、その含有量は好ましくは0.1重量ppm以下である。
 原飲料は発酵工程を経て得られた発酵液であっても、発酵工程を経ていない非発酵液であってもよい。
 具体的なビールテイスト飲料の製造方法は、発酵を行う場合と発酵を行わない場合とに分けて以下に説明する。
(1) 発酵を行う場合の製造工程
 本発明のビールテイスト飲料の製造方法に用いられるビールテイスト飲料は、例えば、仕込み工程、発酵工程、貯酒工程およびろ過工程などの当業者に周知のビールテイスト飲料の製造工程によって得られる。
 具体的には、原料を仕込釜または仕込槽に投入し、必要に応じてアミラーゼなどの酵素を添加し、糊化、糖化を行わせ、ろ過して煮沸し、清澄タンクにて凝固タンパクなどの固形分を取り除く。その後、さらに酵母を添加して発酵させ、ろ過機などで酵母を取り除き、必要に応じて水や香料、酸味料、色素などの添加剤を加え、ビールテイスト飲料を得る。酸化防止剤、苦味付与剤、香料、酸味料、色素などは、発酵工程後において所定量添加してもよいが、糊化・糖化工程を含む製造工程中の任意のタイミングで添加してもよく、添加タイミングは限定されない。
 発酵工程は、麦と水を含む原液に酵母を添加し、発酵を行う工程であればよく、発酵温度、および発酵期間などの諸条件は、自由に設定することができる。原液には発酵に必要な栄養源を含む麦以外の穀物(大豆、コーン、えんどうなど)やアミノ酸、ペプチド、糖液などをもちいてもよい。ビールテイスト発酵飲料を製造する場合、通常のビールや発泡酒の製造のための発酵条件である、8~25℃、5~10日間、の条件で発酵させてもよい。発酵期間は最大で14日間である。発酵工程の途中で発酵液の温度(昇温、または降温)または圧力を変化させてもよい。
 発酵工程で用いる酵母は、製造すべき発酵飲料の種類、目的とする香味や発酵条件などを考慮して選択することができる。例えばWeihenstephan-34株など、市販の酵母を用いることができる。酵母は、酵母懸濁液のまま原液に添加しても良いし、遠心分離あるいは沈降により酵母を濃縮したスラリーを原液に添加しても良い。また、遠心分離の後、完全に上澄みを取り除いたものを添加しても良い。酵母の原液への添加量は適宜設定できるが、例えば、5×106cells/ml~1×108cells/ml程度である。
(2)  発酵を行わない場合の製造工程
 本発明のビールテイスト飲料の製造方法に用いられるビールテイスト飲料の製造工程は、発酵工程を含まず、麦と水を含む原液に、炭酸水または炭酸ガスを混和する混和工程によって得られる。その際、必要に応じてアルコール、香料、酸味料、色素などの添加剤を加えてもよい。原液には麦以外の穀物(大豆、コーン、えんどうなど)やアミノ酸、ペプチド、糖液などを用いてもよい。非発酵液は混和工程の他に、さらに、仕込み工程、糖化工程および貯酒工程などの当業者に周知のビールテイスト飲料の製造工程を含んでもよい。酸化防止剤、苦味付与剤、香料、酸味料、色素などは、混和工程において所定量添加してもよいが、混和工程以外の他の任意の工程において添加してもよく、添加タイミングは限定されない。
2.2 アブシンチンの添加工程
 アブシンチンの添加工程は、アブシンチンの精製物の添加、アブシンチンを含む原材料の添加によって行われる。アブシンチンを含む原材料としてはニガヨモギ、ニガヨモギ抽出物、ニガヨモギ精製物等が挙げられる。アブシンチンの添加のタイミングは特に限定されず、原飲料の製造工程途中でも、原飲料の製造後であってもよい。また、アブシンチンの添加は複数回に分けられてもよい。
2.3 香気成分の添加工程
 香気成分の添加工程は本発明の香気成分の添加によって行われる。香気成分の添加のタイミングは特に限定されず、原飲料の製造工程途中でも、原飲料の製造後であってもよい。また、香気成分の添加は複数回に分けられてもよい。
 但し、本発明のビールテイスト飲料の製造方法において、本発明の香気成分は香気成分の添加工程によって添加されることに限らず、例えば、本発明の香気成分を含有する原材料を用いることによって含有されてもよい。
2.2 ビールテイスト飲料の容器詰め方法
 本発明のビールテイスト飲料の容器詰め方法は特に限定されず、当業者に周知の容器詰め方法を用いることができる。容器詰め工程によって、本発明のビールテイスト飲料は容器に充填・密閉される。容器詰め工程には、いずれの形態・材質の容器を用いてもよく、容器の例としては、「1.4 容器詰飲料」に記載の容器が挙げられる。
 以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例によっては制限されない。
[実施例A]アブシンチンの含有量の違いによる効果の検討
 後述の表1に記載の組成となるように水に添加し、炭酸ガスを添加し、実施例1~3および比較例1のビールテイスト飲料を調製した。各ビールテイスト飲料のpH値はアスコルビン酸とリン酸の添加量によって調節した。アスコルビン酸としてはアスコルビン酸(DSM社製)を、ビール香料としてはビールの醸造成分が含まれている香料(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を、アセスルファムKとしてはサネット(Celanese社製)を、アブシンチンとしてはニガヨモギ抽出物を、リン酸としてはリン酸(日本化学工業製)をそれぞれ用いた。
 このようにして得られたビールテイスト飲料について、pH、総エキス量を測定し、また、パネラー8名による官能評価を実施した。具体的には、ビールテイスト飲料の味質を以下の1~3の3段階の基準で評価した。
  1:不可
  2:良
  3:優
味質の評価が2以上を合格とした。結果は表1のとおりであった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表1の結果から、アブシンチンを含む本発明のビールテイスト飲料はホップを原材料として用いなくても、優れた味質を有することがわかった。
[実施例B]酸味料の違いによる効果の検討
 実施例Aと同様に、各原料を後述の表2に記載の組成となるように水に添加し、炭酸ガスを添加してビールテイスト飲料を調製した(実施例1、4~11)。このようにして得られたビールテイスト飲料の官能結果は表2のとおりであった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 表2の結果から、アブシンチンを含む本発明のビールテイスト飲料は添加される酸味料が異なっても、優れた味質を有することがわかった。
[実施例C]アルコールの含有量の違いによる効果の検討
 実施例Aと同様に、各原料を後述の表3に記載の組成となるように水に添加し、さらにエタノール(実施例12~14のみ)および炭酸ガスを添加してビールテイスト飲料を調製した(実施例1、12~14)。添加したエタノールには小麦スピリッツを用いた。このようにして得られたビールテイスト飲料の官能結果は表3のとおりであった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 表3の結果から、本発明のビールテイスト飲料は、アルコール度数を変化させても、優れた味質を有することがわかった。
[実施例D]麦汁の有無による効果の検討
 水の代わりに10%麦汁を用いた以外は、実施例1のビールテイスト飲料と同じ方法でビールテイスト飲料を調製した(実施例15)。10%麦汁とは、総エキス量が10w・w%の麦汁であり、麦芽を糖化させて調製した。このようにして得られたビールテイスト飲料の官能結果は表4のとおりであった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 表4の結果から、本発明のビールテイスト飲料の製造に麦汁を用いても、優れた味質を有することがわかった。
 本発明は、新たな原材料を用いながら、優れた香味を有するビールテイスト飲料を提供できる。

Claims (14)

  1.  アブシンチンを含み、ホップ由来成分を実質的に含まない、ビールテイスト飲料。
  2.  アブシンチンを含み、イソα酸の含有量が0.1重量ppm以下である、ビールテイスト飲料。
  3.  アブシンチンの含有量が0.03重量ppb以上である、請求項1または2に記載のビールテイスト飲料。
  4.  アブシンチンの含有量が70重量ppb以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載のビールテイスト飲料。
  5.  アブシンチンがニガヨモギ由来の成分である、請求項1~4のいずれか1項に記載のビールテイスト飲料。
  6.  さらに酸味料を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のビールテイスト飲料。
  7.  酸味料がリン酸、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、フィチン酸、酢酸、コハク酸およびそれらの塩からなる群から選ばれる1以上である、請求項6に記載のビールテイスト飲料。
  8.  酸味料がリン酸、クエン酸、乳酸およびそれらの塩からなる群から選ばれる1以上である、請求項6に記載のビールテイスト飲料。
  9.  pHが2~5である、請求項1~8のいずれか1項に記載のビールテイスト飲料。
  10.  アルコール度数が0.05~40(v/v)%である、請求項1~9のいずれか1項に記載のビールテイスト飲料。
  11.  アルコール度数が0.05(v/v)%未満である、請求項1~9のいずれか1項に記載のビールテイスト飲料。
  12.  請求項1~11のいずれか1項に記載の飲料が容器詰めされた、容器詰飲料。
  13.  原飲料の製造工程、および、アブシンチンを混和する工程を含む、ビールテイスト飲料の製造方法。
  14.  アブシンチンを混和する工程が、ニガヨモギ、ニガヨモギ抽出物およびニガヨモギ精製物からなる群から選ばれる1以上を混和する工程である、請求項13に記載のビールテイスト飲料の製造方法。
     
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