WO2019234930A1

WO2019234930A1 - 空気調和装置の室外機

Info

Publication number: WO2019234930A1
Application number: PCT/JP2018/022099
Authority: WO
Inventors: 賢太郎米原; 達也浅沼; 隼人栗野
Original assignee: 三菱電機株式会社
Priority date: 2018-06-08
Filing date: 2018-06-08
Publication date: 2019-12-12
Also published as: JP6929461B2; JPWO2019234930A1

Abstract

電子回路基板が所定の位置から脱落することがなく、熱による変形によって電子回路基板に発生する応力を抑制する空気調和装置の室外機を提供することを目的とする。熱交換器、圧縮機、及び電子回路基板を筐体の内部に備える空気調和装置の室外機において、空気調和装置の室外機は、熱交換器が配置される熱交換用送風室と、圧縮機及び電子回路基板が配置される機械室と、を備える。機械室は、電子回路基板が取り付けられる取付面を有する基板支持部材を上部に備え、基板支持部材は、電子回路基板が配置される領域の一方の端部に、電子回路基板が取付面の垂直方向へ移動するのを規制する係合爪及び電子回路基板が取付面に沿った方向に移動するのを規制する規制突起と、電子回路基板が配置される領域の他方の端部に、ねじが螺合するボス部と、を備える。規制突起は、基板支持部材の一部から取付面に沿った方向に突出した可撓性を有する腕部の先端に突出して設けられ、電子回路基板に設けられた第１の位置決め孔に挿入される。ボス部は、先端に前記取付面から突出した突出部を有し、突出部は、電子回路基板に設けられた第２の位置決め孔に挿入される。

Description

空気調和装置の室外機

　本発明は、空気調和装置の室外機に関し、特に筐体内に配置される電子回路基板の固定構造に関する。

　空気調和機の室外機は、筐体内に電子回路基板が設置されている。電子回路基板は、電子部品、配線パターン、及びヒートシンク等が搭載されており、空気調和機の室外機の送風機及び圧縮機などの運転制御や電気信号の処理を行う。電子回路基板は、基板支持部材に支持され、ボルト等により基板支持部材に締結固定されている。（特許文献１参照。）

特開２００７－１３２６０６号公報

　特許文献１に開示されている空気調和装置の室外機においては、電子回路基板は、ボルト締結により基板支持部材に固定される。しかし、電子回路基板をボルトにより基板支持部材に締結固定すると、温度変動時に電子回路基板及び基板支持部材の熱膨張及び熱収縮が発生し、その変位差により電子回路基板に応力が発生するという課題があった。

　また、空気調和装置の室外機は、運搬時や設置時において、振動、落下、及び衝突等による衝撃力を受ける場合がある。近年、空気調和装置は、機能が追加され、空気調和装置に搭載される電子回路基板が大きくなる傾向がある。電子回路基板が大きくなると電子回路基板の重量が重くなり、空気調和装置の室外機が衝撃を受けた時に、電子回路基板の慣性力が大きくなり、電子回路基板の固定部に掛かる力も大きくなる。電子回路基板がボルト締結されている場合、空気調和装置の室外機が衝撃を受けた際に、固定部が外れることはないが、衝撃により電子回路基板自体に応力が発生するという課題があった。

　また、電子回路基板は、特許文献１に開示されているボルト締結による固定だけでなく、基板支持部材に爪を係合させて固定することもできる。爪による係合を採用した場合、空気調和装置の室外機が衝撃を受けると、衝撃による電子回路基板の慣性力により、爪の係合が外れ、電子回路基板が基板支持部材から外れてしまうという課題があった。

　本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、空気調和装置の室外機が衝撃力を受けた場合であっても、電子回路基板が所定の位置から脱落することがなく、熱による変形によって電子回路基板に発生する応力を抑制する空気調和装置の室外機を提供することを目的とする。

　本発明に係る空気調和装置の室外機は、熱交換器、圧縮機、及び電子回路基板を筐体の内部に備える空気調和装置の室外機において、前記熱交換器が配置される熱交換用送風室と、前記圧縮機及び前記電子回路基板が配置される機械室と、を備え、前記機械室は、前記電子回路基板が取り付けられる取付面を有する基板支持部材を上部に備え、前記基板支持部材は、前記電子回路基板が配置される領域の一方の端部に、前記電子回路基板が前記取付面の垂直方向へ移動するのを規制する係合爪及び前記電子回路基板が前記取付面に沿った方向に移動するのを規制する規制突起と、前記電子回路基板が配置される領域の他方の端部に、ねじが螺合するボス部と、を備え、前記規制突起は、前記基板支持部材の一部から前記取付面に沿った方向に突出した可撓性を有する腕部の先端に突出して設けられ、前記電子回路基板に設けられた第１の位置決め孔に挿入され、前記ボス部は、先端に前記取付面から突出した突出部を有し、前記突出部は、前記電子回路基板に設けられた第２の位置決め孔に挿入される。

　本発明に係る空気調和装置の室外機によれば、上記構成により、空気調和装置の室外機が衝撃力を受けた場合でも第１の突起及びボス部の先端部により電子回路基板が水平方向に動くのを抑制するため、電子回路基板に係合した爪が外れるのが抑制され、基板支持部材から脱落するのが抑制される。また、ボス部の先端部の突出量が電子回路基板の厚さよりも大きく、ボス部に螺合するねじの頭部と基板支持部材との間に配置された電子回路基板は、基板支持部材との間に間隙を持って位置決めされている。そのため、電子回路基板と基板支持部材とが熱を受けて膨張又は収縮した場合においても、膨張又は収縮による電子回路基板及び基板支持部材の相対変位を間隙により吸収することができるため、電子回路基板に発生する応力を抑制する。

実施の形態１に係る空気調和装置の室外機の斜視図である。図１の空気調和装置の室外機の内部構造を説明する分解斜視図である。図１の空気調和装置の室外機の内部構造を説明する正面図である。実施の形態１に係る電気品箱の分解斜視図である。図４の電子回路基板と基板支持部材との固定構造を説明する分解斜視図である。図４の電子回路基板を基板支持部材に固定した状態を下側から見た図である。基板支持部材を下側から見た図である。図４の基板支持部材のねじ下穴周辺の拡大図である。基板支持部材の突出部の周辺の拡大図である。図９の突出部の周辺部の取付面の上に電子回路基板が載置された状態を示す拡大図である。基板支持部材の係合爪の周辺を示す斜視図である。図１１に示された係合爪の断面構造を示す説明図である。図１１に示される基板支持部材の規制突起の周辺拡大図である。図１１に示される規制突起に電子回路基板の第１の位置決め孔が嵌合した状態の説明図である。実施の形態１に係る電子回路基板の基板支持部材への取り付け作業の説明図である。

　実施の形態１．
　以下に、空気調和装置の室外機１００の実施の形態について説明する。なお、図面の形態は一例であり、本発明を限定するものではない。また、各図において同一の符号を付したものは、同一のまたはこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。さらに、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。なお、以下の説明において、上、下、左、右で表される方向は、空気調和装置の室外機１００の前面パネル１に向かって見た場合の方向を意味する。

＜室外機１００の全体構成＞
　図１は、実施の形態１に係る空気調和装置の室外機１００の斜視図である。空気調和装置の室外機１００の筐体１０は、前面パネル１、側面パネル２、天面パネル３、ファン５、及びファンガード６、を備える。前面パネル１は、開口部を備え、開口部の奥の筐体内部にはファン５が配置されている。開口部は、ファンガード６により覆われており、筐体１０の内部のファン５に外部から容易に触れることができないように構成されている。

　図２は、図１の空気調和装置の室外機１００の内部構造を説明する分解斜視図である。図３は、図１の空気調和装置の室外機１００の内部構造を説明する正面図である。図２及び図３は、筐体１０から、前面パネル１、側面パネル２、及び天面パネル３を取り外した状態を示している。筐体１０の内部は、熱交換用送風室８と機械室９とに仕切られている。熱交換用送風室８は、ファン５及び熱交換器６０が配置される。機械室９は、圧縮機１１及び冷媒配管１２が配置され、その上方に電気品箱１３が配置されている。熱交換用送風室８と機械室９とは、筐体１０の底部を形成するベース４から上方に向かって立設されている仕切板７により仕切られている。電気品箱１３は、仕切板７の上端の直ぐ上方に配置されている。

　インバータ駆動回路を有する空気調和装置の室外機１００は、ファン５、圧縮機１１等を制御するためのトランジスタ、ダイオード等の電子部品により構成された電子回路が実装された電子回路基板１４を備える。電子回路基板１４は、電気品箱１３内に収納されている。電子回路基板１４は、空気調和装置の室外機１００が運転されている状態において、トランジスタ及びダイオード等の電子部品が発熱し温度が上がる。そのため、電子回路基板１４は、放熱冷却するためにヒートシンク１５と接続されている。電気品箱１３は、ヒートシンク１５が配置されている部分が熱交換用送風室８の空気に当たるように配置されている。つまり、電気品箱１３は、機械室９から熱交換用送風室８側にヒートシンク１５が取り付けられている部分を突出させるように配置されている。

　図４は、実施の形態１に係る電気品箱１３の分解斜視図である。電子回路基板１４は、ＡＢＳ等の樹脂製の基板支持部材１６の下面に取り付けられる。ヒートシンク１５は、電子回路基板１４の下方から電子回路基板１４上に載せられる。ヒートシンク１５は、板金製のヒートシンクサポート１７により支持され、電子回路基板１４の表面、又は電子回路基板１４上の電子部品に接触するように配置される。ヒートシンクサポート１７は、基板支持部材１６に固定される。そして、電気品箱１３が仕切板７の上端の上に配置されるときに、ヒートシンクサポート１７は、仕切板７の上端に固定され、電気品箱１３全体が固定される。

　ヒートシンクサポート１７は、開口部１７ａが設けられており、開口部１７ａにヒートシンク１５がはめ込み固定される。これにより、ヒートシンク１５は、電気品箱１３から突出して露出しており、熱交換用送風室８を流れる風と接触する。ヒートシンク１５とヒートシンクサポート１７との間には、ＡＢＳ等の絶縁樹脂製のヒートシンクホルダ１９が配置されている。ヒートシンクサポート１７は金属製であるため、ヒートシンクホルダ１９により、ヒートシンク１５とヒートシンクサポート１７との間を電気的に絶縁する。また、ヒートシンクサポート１７にはエアーガイド１８が固定されている。エアーガイド１８は、熱交換用送風室８内に流れる空気を案内し効率良くヒートシンク１５に接触させるためのものである。実施の形態１においては、エアーガイド１８は、樹脂部品であるが、樹脂材料に限定されるものではない。

　電気品箱１３の上部には、板金製の電気品箱カバー２０が設けられている。電気品箱カバー２０は、基板支持部材１６の上面に取り付けられている。そして、電気品箱カバー２０は、結露等の筐体１０の内部に生ずる水分により電子回路基板１４が濡れて電気的にショートするのを防ぐと共に、火災発生時に電子回路基板１４から炎が他の部分に延焼するのを抑制するものである。

　基板支持部材１６の端部には、端子台支持部材２１が取り付けられる。端子台支持部材２１は、基板支持部材１６において筐体１０の側面側端部に固定される。端子台支持部材２１には、端子台２２が搭載される。端子台２２は、電子回路基板１４に電源を供給するものである。端子台支持部材２１と基板支持部材１６とは、例えばねじを締結して固定される。ただし、端子台支持部材２１と基板支持部材１６との固定方法は、これに限定されるものではない。

　図５は、図４の電子回路基板１４と基板支持部材１６との固定構造を説明する分解斜視図である。図６は、図４の電子回路基板１４を基板支持部材１６に固定した状態を下側から見た図である。図７は、基板支持部材１６を下側から見た図である。基板支持部材１６は、電子回路基板１４の端部を保持する支持構造を有している。基板支持部材１６は、下面側から見た時に長方形に形成されている電子回路基板１４の長手方向に直交する方向の一方の端部３１の２つの角部３５、３６をねじにより固定する構造を備えている。つまり、電子回路基板１４の一方の端部３１の端に位置する角部３５に形成されたねじ孔４１にねじ２３を通し、基板支持部材１６に形成されたねじ下穴６１にねじ２３を螺合させて電子回路基板１４を締結固定する構造を備える。また、一方の端部３１の端に位置する第２の角部３６に形成された第２の位置決め孔４０に基板支持部材１６に形成された突出部１６ｃを挿入した上で、突出部１６ｃに形成されたねじ下穴６２にねじ２３を螺合させて電子回路基板１４を支持する構造を備える。

　また、基板支持部材１６は、電子回路基板１４の長手方向に直交する方向の他方の端部３２を基板支持部材１６から離れないように支持する、係合爪１６ｄを備える。係合爪１６ｄは、電子回路基板１４を下方から支えている。

　図８は、図４の基板支持部材１６のねじ下穴６１周辺の拡大図である。基板支持部材１６は、電子回路基板１４に対向する取付面５０を備えており、取付面５０にねじ下穴６１が開口している。基板支持部材１６のねじ下穴６１が設けられている部分は、ねじ２３が螺合するねじボス１６ａになっている。取付面５０の上に電子回路基板１４が載置され、ねじ２３がねじ下穴６１に螺合し、電子回路基板１４は、取付面５０上に締結固定される。

　図９は、基板支持部材１６の突出部１６ｃの周辺の拡大図である。電子回路基板１４の第２の角部３６が対応する基板支持部材１６には、ボス部１６ｂが形成されており、ねじ２３が螺合するように構成されている。ボス部１６ｂの先端には突出部１６ｃが形成されている。突出部１６ｃは、取付面５０から突出しており、円筒形状に形成されている。

　図１０は、図９の突出部１６ｃの周辺部の取付面５０の上に電子回路基板１４が載置された状態を示す拡大図である。基板支持部材１６の突出部１６ｃは、電子回路基板１４の第２の角部３６に形成された第２の位置決め孔４０に挿入されている。電子回路基板１４の第２の位置決め孔４０は、基板支持部材１６の突出部１６ｃに対し径方向に隙間を持って嵌合している。基板支持部材１６の突出部１６ｃは、取付面５０からの突出量ｈが電子回路基板１４の厚さｔよりも大きくなっている。図１０に示された状態で、ボス部１６ｂのねじ下穴６２にはねじ２３が締め込まれる。ねじ２３が締め込まれると、ねじ２３の頭部と取付面５０との間にｈの隙間が生じる。これに対し電子回路基板１４は、厚さｔである。実施の形態１においては、ｈ＞ｔの関係になっているため、電子回路基板１４は、取付面５０とねじ２３の頭部との間においてｈ－ｔの隙間を持って配置されている。このため、電子回路基板１４及び基板支持部材１６が周辺環境の温度により熱膨張又は熱収縮して相対的に変位したとしても、電子回路基板１４は、取付面５０とねじ２３の頭部との間において取付面５０に垂直な方向に余裕をもっており、熱変形により応力が発生することがない。なお、実施の形態１において、取付面５０に垂直な方向とは、空気調和装置の室外機１００の上下方向を意味する。

　また、電子回路基板１４の第２の位置決め孔４０と突出部１６ｃとの間も隙間を持って嵌合している。従って、電子回路基板１４は、基板支持部材１６上において取付面５０に沿った方向において位置決めされ、かつ、電子回路基板１４及び基板支持部材１６が熱変形を生じても応力が発生することがない。

　図１１は、基板支持部材１６の係合爪１６ｄの周辺を示す斜視図である。図１２は、図１１に示された係合爪１６ｄの断面構造を示す説明図である。電子回路基板１４の他方の端部３２は、基板支持部材１６の周囲の壁部１６ｉの内側を向いた面に突出して形成された係合爪１６ｄと突起１６ｈとに挟まれて支持される。基板支持部材１６に形成された係合爪１６ｄは、電子回路基板１４の他方の端部３２に沿って複数箇所形成されており、電子回路基板１４の他方の端部３２を長手方向のほぼ全域にわたって支持する。電子回路基板１４が空気調和装置の室外機１００の筐体１０の内部に設置された状態においては、図１１における基板支持部材１６の上面が下側に向けられて配置されるため、係合爪１６ｄは、電子回路基板１４の下側を支持することになる。なお、図１１において、係合爪１６ｄは、７箇所設けられているが、これに限定されない。係合爪１６ｄを設ける箇所は、電子回路基板１４に形成される配線や電子回路基板１４上に搭載される電子部品の配置等により適宜変更することができる。

　図１２に示される様に、電子回路基板１４は、係合爪１６ｄと突起１６ｈに挟まれている。突起１６ｈは、電子回路基板１４を基板支持部材１６に取り付ける際に、電子回路基板１４を図１２における下側から支持するものである。これにより、組立作業時において、電子回路基板１４を基板支持部材１６に安定して支持できるため、例えばねじの締結作業時等において電子回路基板１４が荷重を受けた場合に、過剰な応力が発生しないように構成されている。また、図１２において、係合爪１６ｄの下面と突起１６ｈの上面との間の隙間ｈ２は、電子回路基板１４の厚さｔよりも大きい。従って、電子回路基板１４は、電子回路基板１４及び基板支持部材１６の熱変形により応力が発生することがない。

　図１３は、図１１に示される基板支持部材１６の規制突起１６ｇの周辺拡大図である。図１３に示される様に、基板支持部材１６は、電子回路基板１４の他方の端部３２の端に位置する第１の角部３８に対応する位置に、規制突起１６ｇが設けられている。規制突起１６ｇは、壁部１６ｉから突出して形成された腕部１６ｆの先端において図１３の上側に突出して形成されている。規制突起１６ｇと腕部１６ｆとを合わせて規制突起部１６ｅと呼ぶ。規制突起部１６ｅは、基板支持部材１６の電子回路基板１４の第１の角部３８に対応して形成されている。規制突起１６ｇは、電子回路基板１４の第１の角部３８に形成されている第１の位置決め孔４２に挿入される。

　図１４は、図１１に示される規制突起１６ｇに電子回路基板１４の第１の位置決め孔４２が嵌合した状態の説明図である。規制突起１６ｇは、腕部１６ｆ側から先端にかけて外周面が細くなるように形成されている。実施の形態１においては、規制突起１６ｇは、円錐台形状になっているが、これに限定されるものではない。たとえば、規制突起１６ｇは、半球形状や円筒の上端部の稜線が丸められた形状などであっても良い。規制突起部１６ｅは、腕部１６ｆが図１４の上下方向に撓むように構成されている。実施の形態１においては、腕部１６ｆの長さは２０ｍｍ、規制突起１６ｇの高さは５ｍｍに設定されているが、基板支持部材１６を構成する材料や電子回路基板１４の厚みなどにより適宜変更することができる。

　図１４に示される様に、電子回路基板１４の第１の位置決め孔４２に規制突起１６ｇが嵌ることにより、電子回路基板１４は、基板支持部材１６に対し取付面５０に沿った方向の位置が規制される。これにより、空気調和装置の室外機１００が衝撃を受けた際に、電子回路基板１４及び基板支持部材１６の少なくとも一方が撓んで変形し、電子回路基板１４の他方の端部３２が、基板支持部材１６の係合爪１６ｄから外れる方向に変位するのを規制する。従って、空気調和装置の室外機１００が衝撃を受けた際に、基板支持部材１６の係合爪１６ｄから電子回路基板１４の他方の端部３２が脱落するのを抑制することができる。

　（電子回路基板１４の基板支持部材１６への取付方法）
　図１５は、実施の形態１に係る電子回路基板１４の基板支持部材１６への取り付け作業の説明図である。図１５は模式的に説明する図であり、電子回路基板１４に設けられた第１の位置決め孔４２及び第２の位置決め孔４０と、基板支持部材１６に設けられた、規制突起部１６ｅ、突出部１６ｃ、係合爪１６ｄ、及び突起１６ｈとを１つの図に表している。また、図１５は、基板支持部材１６の壁部１６ｉに設けられた規制突起部１６ｅに対し奥側に配置されている係合爪１６ｄ及び突起１６ｈも同時に表している。

　電子回路基板１４を基板支持部材１６に取り付ける場合には、まず、電子回路基板１４の他方の端部３２側を基板支持部材１６の係合爪１６ｄ及び突起１６ｈの間の隙間に差し込む。係合爪１６ｄ及び突起１６ｈの間に電子回路基板１４の他方の端部３２を差し込むには、電子回路基板１４を取付面５０に平行な方向に移動させて差し込む必要がある。このとき、基板支持部材１６が取付面５０に対し垂直な方向に突出している突出部１６ｃ及び規制突起１６ｇを有しているため、電子回路基板１４を取付面５０に対し平行にして係合爪１６ｄ及び突起１６ｈに他方の端部３２を差し込むことは出来ない。従って、電子回路基板１４は、図１５（ａ）に示される様に斜めにして差し込まれる。なお、実施の形態１において、係合爪１６ｄは、先端に面取１６ｋが設けられているため、図１５（ａ）に示される様に、電子回路基板１４を斜めに挿入しやすくなっている。また、係合爪１６ｄは、奥側に平坦な部分を有しているため電子回路基板１４の他方の端部３２が奥まで挿入された後は電子回路基板１４を所定の位置に保持されるように構成されている。

　図１５（ａ）に示される様に、電子回路基板１４が斜めにして差し込まれる際にも、規制突起１６ｇは、第１の位置決め孔４２に入り込めない位置にある。しかし、規制突起１６ｇは、壁部１６iから取付面５０に沿った方向に突出し可撓性を有する腕部１６ｆの先端に設けられているため、上下方向に移動することができる。よって、電子回路基板１４は、規制突起１６ｇを図１５（ａ）の下方に退避させつつ、係合爪１６ｄ及び突起１６ｈの間に電子回路基板１４の他方の端部３２を差し込むことが可能になっている。なお、腕部１６fは、壁部１６iから取付面５０に沿った方向に突出しているが、この形態のみに限定されるものではなく、電子回路基板１４を係合爪１６ｄと突起１６ｈとの間に挿入する際に規制突起１６ｇが退避する構成になっていれば良い。図１５（ｂ）に示される様に、電子回路基板１４が基板支持部材１６の正規の位置に納まると、規制突起１６ｇは、第１の位置決め孔４２に挿入された状態になり、電子回路基板１４の取付面５０に平行な方向の位置決めとして機能する。電子回路基板１４は、図１５（ｂ）に示される状態で角部３５及び第２の角部３６をねじ２３により固定される。

　（実施の形態１の効果）
　実施の形態１に係る空気調和装置の室外機１００によれば、基板支持部材１６は、電子回路基板１４の配置領域１６ｐの一方の端部１６ｍに、前記電子回路基板が下方向へ移動するのを規制する係合爪１６ｄを備える。また、基板支持部材１６は、電子回路基板１４が水平方向に移動するのを規制する規制突起１６ｇを備え、電子回路基板１４の配置領域１６ｐの他方の端部１６ｍに、ねじ２３が螺合するボス部１６ｂと、を備える。規制突起１６ｇは、基板支持部材１６の一部から取付面５０に沿った方向に突出した可撓性の腕部１６ｆの先端から取付面５０の垂直方向に突出して設けられており、電子回路基板１４に設けられた第１の位置決め孔４２に挿入されている。ボス部１６ｂは、先端に下方に突出した突出部１６ｃを有しており、突出部１６ｃは、電子回路基板１４に設けられた第２の位置決め孔４０に挿入されている。そして突出部１６ｃの取付面５０からの突出量ｈ１は、電子回路基板１４の厚さｔよりも大きく構成されている。

　以上の構成により、電子回路基板１４は、係合爪１６ｄ及びボス部１６ｂに螺合するねじ２３の頭部により、空気調和装置の室外機１００における上下方向に支持される。そして、電子回路基板１４は、規制突起１６ｇと突出部１６ｃとにより空気調和装置の室外機１００における取付面５０に沿った方向への移動が規制されている。よって、空気調和装置の室外機１００が衝撃力を受けた場合でも規制突起１６ｇ及びボス部１６ｂの先端に設けられた突出部１６ｃにより電子回路基板１４が取付面５０に沿った方向に動くのを抑制できる。そのため、電子回路基板１４に係合した係合爪１６ｄが電子回路基板１４から外れるのを抑制できる。

　また、ボス部１６ｂの先端の突出部１６ｃの突出量ｈ１は、電子回路基板１４の厚さよりも大きい。そして、ボス部１６ｂに螺合するねじ２３の頭部と基板支持部材１６の取付面５０との間に配置された電子回路基板１４は、基板支持部材１６に間隙を持って取付面５０の垂直方向に位置決めされている。よって、電子回路基板１４と基板支持部材１６とが熱を受けて膨張又は収縮した場合においても、膨張又は収縮による電子回路基板１４及び基板支持部材１６の相対変位を間隙により吸収することができるため、電子回路基板１４には応力が発生しない。

　電子回路基板１４に設けられた第１の位置決め孔４２と基板支持部材１６に設けられた規制突起１６ｇとの間、及び電子回路基板１４に設けられた第２の位置決め孔４０と突出部１６ｃの外周面との間は、所定の隙間が設けられている。そのため、電子回路基板１４と基板支持部材１６とが熱を受けて膨張又は収縮した場合に、電子回路基板１４が取付面５０に沿った方向に変位を隙間により吸収できるため、電子回路基板１４には応力が発生しない。

　電子回路基板１４は、角部３５においてねじ２３により締結固定されている。電子回路基板１４は、角部３５のみが取付面５０に垂直方向及び取付面５０に沿った方向に固定されており、その他は所定の間隙を持って取付面５０に垂直方向及び取付面５０に沿った方向に位置決めされている。そのため、電子回路基板１４は、基板支持部材１６上においてガタつくことがなく、空気調和装置の室外機１００に加わった振動や衝撃により基板支持部材１６上で振動することがない。

　なお、実施の形態１においては、基板支持部材１６に設けられた規制突起１６ｇと突出部１６ｃとは、電子回路基板１４の対角に相当する位置にある。そのため、取付面５０に沿った方向のガタつきが少ない。ただし、規制突起１６ｇと突出部１６ｃとの位置関係は、実施の形態１に示されたものに限定されず、電子回路基板１４の配線や電子部品の配置により適宜変更することができる。ただし、規制突起１６ｇは、係合爪１６ｄが配置されている側に配置されている必要がある。規制突起１６ｇは、取付面５０に垂直方向に変位することができるため、電子回路基板１４の組み付けを容易にし、かつ電子回路基板１４を破損させることがない。

　１　前面パネル、２　側面パネル、３　天面パネル、４　ベース、５　ファン、６　ファンガード、７　仕切板、８　熱交換用送風室、９　機械室、１０　筐体、１１　圧縮機、１２　冷媒配管、１３　電気品箱、１４　電子回路基板、１５　ヒートシンク、１６　基板支持部材、１６ａ　ねじボス、１６ｂ　ボス部、１６ｃ　突出部、１６ｄ　係合爪、１６ｅ　規制突起部、１６ｆ　腕部、１６ｇ　規制突起、１６ｈ　突起、１６ｉ　壁部、１６ｋ　面取、１６ｍ　端部、１６ｐ　配置領域、１７　ヒートシンクサポート、１７ａ　開口部、１８　エアーガイド、１９　ヒートシンクホルダ、２０　電気品箱カバー、２１　端子台支持部材、２２　端子台、２３　ねじ、３１　端部、３２　端部、３５　角部、３６　（第２の）角部、３８　第１の角部、４０　第２の位置決め孔、４１　ねじ孔、４２　第１の位置決め孔、５０　取付面、６０　熱交換器、６１　ねじ下穴、６２　ねじ下穴、１００　室外機、ｈ１　突出量、ｈ２　隙間。

Claims

　熱交換器、圧縮機、及び電子回路基板を筐体の内部に備える空気調和装置の室外機において、
　前記熱交換器が配置される熱交換用送風室と、
　前記圧縮機及び前記電子回路基板が配置される機械室と、を備え、
　前記機械室は、
　前記電子回路基板が取り付けられる取付面を有する基板支持部材を上部に備え、
　前記基板支持部材は、
　前記電子回路基板が配置される領域の一方の端部に、前記電子回路基板が前記取付面の垂直方向へ移動するのを規制する係合爪及び前記電子回路基板が前記取付面に沿った方向に移動するのを規制する規制突起と、
　前記電子回路基板が配置される領域の他方の端部に、ねじが螺合するボス部と、を備え、
　前記規制突起は、
　前記基板支持部材の一部から前記取付面に沿った方向に突出した可撓性を有する腕部の先端に突出して設けられ、前記電子回路基板に設けられた第１の位置決め孔に挿入され、
　前記ボス部は、
　先端に前記取付面から突出した突出部を有し、
　前記突出部は、
　前記電子回路基板に設けられた第２の位置決め孔に挿入される、空気調和装置の室外機。
　前記突出部の前記取付面からの突出量は、
　前記電子回路基板の厚さよりも大きい、請求項１に記載の空気調和装置の室外機。
　前記基板支持部材は、
　前記取付面にねじ下穴を更に備え、
　前記電子回路基板は、
　前記ねじ下穴に螺合するねじにより前記取付面に締結固定される、請求項１又は２に記載の空気調和装置の室外機。
　前記ねじ下穴は、
　前記電子回路基板の前記他方の端部に対応する位置に形成される、請求項３に記載の空気調和装置の室外機。
　前記係合爪は、
　前記取付面に沿った方向において、前記電子回路基板が配置される領域の前記一方の端部から前記他方の端部に向かう方向に突出し、
　前記基板支持部材に立設された壁部から突出して形成される、請求項１～４の何れか１項に記載の空気調和装置の室外機。
　前記第１の位置決め孔は、
　前記電子回路基板の第１の角部に形成され、
　前記第２の位置決め孔は、
　前記第１の角部に対し対角の位置にある第２の角部に形成されている、請求項１～５の何れか１項に記載の空気調和装置の室外機。