JP2012159222A - 空気調和機の室外機 - Google Patents

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Abstract

【課題】電装品箱に前後方向、左右方向あるいは上下方向から加わる衝撃に対する強度を確保できる空気調和機の室外機を提供する。
【解決手段】電装品箱60は上部仕切板61と前面板63と底面板62とを結合しこれらをアーム64および支柱65で支える構造となっている。アームは略L字形状であり、前面板を前後方向に略垂直に支え、また、上部仕切板も支えているので、電装品箱が前後方向および左右方向からの衝撃を受けた場合でもこれに対し十分な強度が得られる。また、支柱はアームと底面板とを上下方向に略垂直に支えているので、電装品箱が上下方向からの衝撃を受けた場合でもこれに対し十分な強度が得られる。従って、電装品箱の背面側および右側面側の材料(鋼板)使用量を削減することができ、かつ、3方向(前後/左右/上下方向)からの衝撃にも強い電装品箱を実現できる。
【選択図】図5

Description

本発明は、空気調和機の室外機に係わり、より詳細には、室外機に備えられた電装品箱の構造に関する。
従来、マンションや一般家屋等の建物に設置される空気調和機は、屋外に設置される室外機と、屋内の天井や壁面に設置される室内機とで構成され、室外機と室内機とは冷媒配管で接続されているものが知られている。室外機内部は、室外機の筐体の一部を構成する底板に取り付けられた仕切板によって、熱交換器や送風ファン等が設置された送風機室と、圧縮機やアキュムレータ等が備えられた機械室とに区画されている。そして、機械室の上部には、室外機に備えられた圧縮機や送風ファン等の装置に駆動電力を供給する電源装置や室外機の運転を制御する制御基板等を備えた電装品箱が配置される。
上述した電装品箱としては、例えば、ともに上下方向に延びる長方形状であって、前面側に配置される第1板状部材および送風機室側に配置される第2板状部材と、第1板状部材と第2板状部材とを連結する複数の連結部材とを備えて構成されたものがある。この電装品箱は、第1板状部材と第2板状部材とを上面から見て略V字状に配置し、第1板状部材と第2板状部材の上端部や下端部、あるいは中央部を連結部材で連結する構造とされている。
第1板状部材には、室外機に備えられた圧縮機や送風ファン等に駆動電力を供給する電源装置を構成するインバータ基板や、発熱量が大きいコンデンサ、パワーモジュール、リアクタ等が取り付けられている。また、第2板状部材には、室外機の運転を制御し発熱量が小さい制御基板が取り付けられている(特許文献1参照)。
特開2008−116137号公報(第6〜7頁、第5図)
しかし、上述した電装品箱の構造では、略V字状に配置された第1板状部材と第2板状部材とは、相互に掛け渡された複数の連結部材のみで支えられており、かつ、複数の連結部材は第1板状部材と第2板状部材とを斜めに支えている。従って、電装品箱に前後方向、左右方向あるいは上下方向から衝撃が加わった場合に、電装品箱が変形する虞があった。
本発明は以上述べた問題点を解決し、電装品箱に前後方向、左右方向あるいは上下方向から加わる衝撃に対する強度を確保できる空気調和機の室外機を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明の空気調和機の室外機は、仕切板と、前面板と、仕切板および前面板を受ける底面板とを有した電装品箱を備えており、仕切板の一端と前面板の一端とが連結されている。そして、この電装品箱は、L字形状のアームを備え、アームの一方が前面板の裏面に直角に当接し、アームの他方が仕切板の他端と連結している。また、アームと底面板とに垂直に接合されて、アームと底面板とを上下方向に支える支柱を備えている。
上記のように構成した本発明の空気調和機の室外機では、電装品箱の構造において、仕切板と前面板とを底面板に固定し、仕切板と前面板とをアームで連結し、アームの一端が前面板の裏面に直角に当接するとともに、アームと底面板とに垂直に接合されて、アームと底面板とを上下方向に支える支柱を備える。これにより、電装品箱の前後方向、左右方向および上下方向からの衝撃に対し十分な強度を得ることができ、電装品箱の変形を防止することができる。
本発明による室外機の前面側を示す外観斜視図である。 本発明による室外機の背面側を示す外観斜視図である。 本発明による室外機の内部構造を示す概略斜視図である。 図3のA部拡大図であり、本発明における電装品箱の斜視図である。 図4における矢視Bからみた電装品箱の斜視図である。 図4における矢視Cからみた電装品箱の斜視図である。 電装品箱の要部を示す分解斜視図である。 電装品箱を下部仕切板側から見た要部斜視図である。 上部仕切板、前面板、前面板カバーの説明図である。 図3におけるT−T断面図である。 電装品箱内の空気の流れを説明する図である。 図7−1における矢視Eから見た遮水部材の分解図である。 図4におけるD部拡大図である。 図12におけるX−X断面図であり、電装品箱内から送風機室への空気の流れを説明する図である。 図12におけるY−Y断面図であり、電装品箱内から送風機室への空気の流れを説明する図である。 上部仕切板へ前面板を組付けた状態を説明する図であり、(A)は斜視図、(B)は(A)におけるG部の説明図である。 前面板の回動状態の説明図である。 上部仕切板へ前面板カバーを組付ける説明図である。
本発明に係る空気調和機の室外機1は屋外に設置され、空調室内に設置される少なくとも1台以上の室内機と冷媒配管を介して接続されて冷凍サイクルを構成する。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。図1乃至図3に示すように、本実施例による空気調和機の室外機1は略直方体形状の筐体を有している。この筐体の外郭は、主に鋼板を加工し一方の側面パネルを兼ねる前面パネル1aと、他方の側面パネルを兼ねる背面パネル1dと、サービスパネル1mと、底板1hと、天板1nと、前面配管カバー1tと、側面配管カバー1wから構成されている。前面パネル1aおよび背面パネル1dの一部と、前面配管カバー1tおよび側面配管カバー1wの下端は、底板1hの周囲のフランジにネジ止めによって組付けられ、前面パネル1aおよび背面パネル1dの上端が天板1nによって塞がれるようネジ止めによって組付けられる。
尚、以下の説明では、室外機1の筐体において、図1で前面パネル1aが配置された方を前面、その反対面を背面とし、前面パネル1aを正視したときにサービスパネル1mが配置された方を右側面、その反対面を左側面として説明を進める。
室外機1の筐体内部は、仕切板である上部仕切板61と下部仕切板50とによって送風機室10と機械室11とに区画されている。送風機室10には、主として2個の送風ファン20と、熱交換器30とが設けられている。熱交換器30は上面から見て略L字形状に形成され、室外機1の筐体の左側面から背面に沿うように配置されている。2個の送風ファン20は図示しないモータに取付けられており、このモータが熱交換器30に固定されたモータ支持体40に上下に所定の間隔をあけて取り付けられることにより、2個の送風ファン20が上下に2個並んで送風機室10内に配置される。
機械室11には、圧縮機やアキュムレータ、四方弁および配管が収容されている。機械室11の上部には電装品箱60が配置されており、電装品箱60は、電装品箱60を受ける底面板62で下部仕切板50に固定される。下部仕切板50は、一方の側端を前面パネル1aの右端に固定し、他方の側端を熱交換器30の図示しない背面側の配管出口に固定された鋼板であり、下端は底板1hに接している。下部仕切板50は、図7−2に示すように、送風機室10側に突出するように折り曲げられており、折り曲げ箇所より前面側が第1仕切部50b、折り曲げ箇所より背面側が第2仕切部50dとなっている。第1仕切部50bの先端部は、多段に折り曲げられた折曲部50cを有しており、折曲部50cの先端面は室外機1の前面と略平行とされている。また、第2仕切部50dの先端部は、背面側に折り曲げられたフランジ50eを有している。さらには、第1仕切部50bおよび第2仕切部50dの上端部は、内側に折り曲げられた受け部50aを有している。
前面パネル1aは、図1乃至図3に示すように、室外機1の前面から左側面に上面から見て略L字形状に折り曲げて形成された鋼板であり、室外機1の筐体前面の送風機室10側および室外機1の左側面全体を覆うように配置されている。前面パネル1aの前面側には、送風ファン20と対応する位置に円状に開口され、送風ファン20により室外機1の送風機室10内に吸い込まれた空気を外部に排気する2個の吹出口1sが設けられ、各々の吹出口1sを覆うようにファンガード1bが被せられている。前面パネル1aの左側面側には、複数の四方形状の孔からなる吸込口1qが設けられている。
背面パネル1dは、室外機1の背面から右側面に上面から見て略L字形状に折り曲げて形成された鋼板であり、室外機1の機械室11背面を覆い、また、室外機1の右側面を後述するサービスパネル1mとともに覆うように配置されている。背面パネル1dの背面側下部には、送風ファン20により機械室11に外気を取り入れるための吸気孔1fが開口されている。
サービスパネル1mは、室外機1の前面から右側面に上面から見て略L字形状に折り曲げて形成された鋼板であり、室外機1の機械室11側を覆い、また、室外機1の右側面を背面パネル1dとともに覆うように配置されている。サービスパネル1mは、室外機1のメンテナンス作業時に機械室11にアクセスしやすいよう、着脱可能に取り付けられている。
尚、室外機1の筐体背面側は、背面パネル1dの側端と前面パネル1aの側端との間に熱交換器30が露出して、送風ファン20により送風機室10に外気を取り入れるための背面吸込口1eとなり、背面吸込口1eには保護部材1gが設けられている。
底板1hは、略直方形の鋼板であり、その周縁部は上方に略直角に折り曲げられたフランジを有する。また、底板1hの下面には、室外機1の前後方向に延び室外機1を地面等に設置するための脚部1cが左右にそれぞれ設けられている。
天板1nは、略直方形の鋼板であり、天板1nの周縁部は下向きに折り曲げられたフランジを有する。天板1nは、前面パネル1a、サービスパネル1mおよび背面パネル1dの各上端とネジ止めによって組み付けられる。尚、図示はしないが、天板1nの電装品箱60側の裏側には断熱材が貼り付けられている。
次に、電装品箱60の構成について説明する。図4乃至図8に示すように、電装品箱60の基本構造は、上部仕切板61と底面板62の他に、前面板63と、アーム64と、支柱65とからなる。
上部仕切板61は鋼板でなり、通風効率に配慮して前面パネル1aと下部仕切板50との接合部と、熱交換器30の配管出口付近とを結ぶ直線上に取付部610が形成されている。取付部610の前面側の側端は2段に折り曲げられており、取付部610に対し鈍角に折り曲げられた第1前部折曲部611と、第1前部折曲部611の先端が第1前部折曲部611に対し鈍角に折り曲げられて室外機1の前面と略平行とされた第2前部折曲部612とが形成されている。さらには、第2前部折曲部612の先端が背面側に略直角に折り曲げられて前部フランジ616が形成されている。また、取付部610の背面側の側端には、取付部610に対し鈍角に折り曲げられた背部折曲部613が形成されており、さらには、背部折曲部613の側端が背面側に折り曲げられて背部フランジ617が形成されている。また、取付部610、第1前部折曲部611および背部折曲部613の上端には、電装品箱60内部側に略直角に折り曲げられた上部フランジ614が形成されており、取付部610、第1前部折曲部611および背部折曲部613の下端には、電装品箱60内部側に略直角に折り曲げられた下部フランジ615が形成されている。
取付部610の上方には、複数の丸孔からなる通風孔61dが開口されており、図4および図7−1に示すように、取付部610の送風機室10側の上方には、通風孔61dを覆うように遮水蓋81と中仕切板82とで構成される遮水部材80が取り付けられている。また、取付部610の中央には、図4に示すように、長方形状のヒートシンク孔61bが開口されており、図4および図5に示すように、ヒートシンク77が、樹脂材で形成されたヒートシンク台78を介してヒートシンク77のフィン部が送風機室10に突出するようヒートシンク孔61bに取り付けられる。また、図7−1に示すように、ヒートシンク77の背面側にはインバータ基板70やパワーモジュール74が取り付けられており、パワーモジュール74の上方にはリアクタ75が取付けられている。インバータ基板70、パワーモジュール74およびリアクタ75は電源回路の一部を構成し、電源の動作時にインバータ基板70に実装されている図示しない発熱素子やパワーモジュール74で発生した熱は、ヒートシンク77に伝導して放熱される。
第2前部折曲部612には、機械的な強度を得るためにビート61aが上下方向に設けられている。また、図8に示すように、第2前部折曲部612と前部フランジ616との接合部には、ヒンジ用スリット61cが所定の形状で上下に間隔をあけて設けられている。さらには、上下のヒンジ用スリット61cの中央より上側(上部のヒンジ用スリット61c側)には、挿入片用スリット61hが設けられている。
背部折曲部613の上端の一部には、図7−1に示すように、背部フランジ617から送風機室10方向に向かって、所定の寸法で上部フランジ614を切欠きしたフック係止部618を有している。また、背部折曲部613の上部には上部ネジ孔61eが設けられている。
取付部610の下端に設けられた下部フランジ615には、挿入片61gが下方に向けて突出するように前後に設けられている。また、背部折曲部613の下方に設けられた下部フランジ615には、底部ネジ孔61fが設けられている。
底面板62は、図7−1に示すように、多角形状に形成された鋼板であり、送風機室10側は下部仕切板50の上端部と係合する形状となっている。底面板62の周縁には下方に折り曲げられてフランジ62aが形成されている。底面板62には、複数の丸孔からなる第1通風孔62b、第2通風孔62cおよび第3通風孔62dが開口されており、第1通風孔62bはインバータ基板70直下付近で上部仕切板61の通風孔61dから離れる位置に、第2通風孔62cはパワーモジュール74直下付近で上部仕切板61の通風孔61dから離れる位置に、第3通風孔62dは前面板63のフィルタ基板71直下で上部仕切板61の通風孔61dから離れる位置に、それぞれ設けられている。また、第1通風孔62bおよび第2通風孔62cの近傍には、上部仕切板61の挿入片61gの形状および位置に対応した2つの第1スリット62eが設けられ、底面板62の右端付近で前後方向の略中央部には、後述する支柱65の第2挿入片65eの形状および位置に対応した第2スリット62f1と、第3挿入片65fの形状および位置に対応した第3スリット62f2が設けられている。さらには、底面板62の背面端付近で左右方向の略中央部には、上部仕切板61の底部ネジ孔61fの位置に対応した面部ネジ孔62jが設けられ、面部ネジ孔62jに対応するフランジ62aには、部分的にフランジ62aを切り欠いて切欠部62kが形成されている。また、底面板62の右端のフランジ62aの左右方向の略中央部には、側部ネジ孔62hが設けられている。また、図5に示すように、底面板62の略中央には、複数のコンデンサ76を実装したコンデンサ基板73が取り付けられている。コンデンサ基板73は、第1通風孔62b、第2通風孔62cおよび第3通風孔62dを塞がないよう、斜めに配置される。
前面板63は鋼板であり、図8に示すように、電装品箱60の前面側を形成する取付部630を有している。取付部630の左端は前面側に略直角に折り曲げられた側面部631が形成されており、さらには、側面部631の先端が左側に略直角に折り曲げられて左端フランジ632が形成されている。また、取付部630の右端は背面側に略直角に折り曲げられた折曲部634が形成されており、さらには、折曲部634の先端が右側に略直角に折り曲げられて右端フランジ635が形成されている。また、取付部630の上端には、電装品箱60の前面側に略直角に折り曲げられた上部フランジ633が形成されている。
取付部630の右端上部は、折曲部634の一部を切り欠いて右側へ突出するように加工して形成された固定部63eを有しており、固定部63eには後述する前面板カバー67を固定するためのネジ孔63cとスリット63fとが設けられている。また、取付部630の裏面側(電装品箱60内部側)の上部には商用電源等から侵入するノイズを除去するフィルタ基板71が取付けられている。また、図4に示すように、取付部630の前面側の上部には室外機1の運転制御を行う制御基板72が取付けられており、下部右側には図示しない端子台とこれを覆う端子台蓋79aからなる端子部79が、下部左側には室外機1の運転状態を表示する表示基板90が、それぞれ取り付けられている。
左端フランジ632には、図8に示すように、上部仕切板61のヒンジ用スリット61cに対応した位置に、ヒンジ片63aが左側に向けて突出するように上下に2個設けられている。ヒンジ片63aには、ヒンジ片63aの機械的強度を上げるために、側面板631からヒンジ片63aにわたって前面側に突出するようにビート63dが設けられている。
また、上部フランジ633の右側には、上部フランジ633の一部を切り欠いて背面側へ突出するよう加工して形成された挿入片63bが設けられている。
前面板カバー67は鋼板であり、図8に示すように、前面板63の取付部630に取り付けられた制御基板72を覆うように前部67aが形成されている。前部67aの右端は、背面側に略直角に折り曲げられた側部67bが形成されている。
前部67aの左端で上下方向の略中央部には、上部仕切板61の挿入片用スリット61hに対応する第1挿入片67dが設けられている。また、第1挿入片67dの付け根には、機械的な強度を得るための略十字形状のビート67cが前面側に突出するように設けられており、横方向のビート67cの一部が第1挿入片67dに掛かっている。
また、側部67bの先端には、前面板63のスリット63fに係合する第2挿入片67gが背面側へ突出するよう設けられており、第2挿入片67gの下方には、ネジ孔67fを備えた固定片67eが、前面板63の固定部63eに沿うように折り曲げ加工されて設けられている。
アーム64は、図5に示すように、細長い鋼板を大きなアール(丸み)をつけて上面から見て略L字形状に折り曲げたものであり、円弧形状の折曲部64cを境にして電装品箱60の右側に対応する箇所に右側アーム部64aが、電装品箱60の背面側に対応する箇所に背面側アーム部64bが配置されている。右側アーム部64aおよび背面側アーム部64bの上下端は、それぞれ電装品箱60の内部に向けて略直角に折り曲げたフランジを設けることによって、また、右側アーム部64a、背面側アーム部64bおよび折曲部64cの外面にはビートを設けることによって、機械的強度を確保している。
右側アーム部64aの先端は、図4に示すように、電装品箱60の内部側に略直角に折り曲げられて突当て面64dが形成されており、突当て面64dには、前面板63の挿入片63bと係合する第1挿入孔64eが設けられている。また、右側アーム部64aの下端の前後方向の略中央部には、後述する支柱65の第1挿入片65dと係合する第2挿入孔64fが設けられており、第2挿入孔64fの上側で右側アーム部64aの外面には、ネジ孔64hが設けられている。
また、背面側アーム部64bの左側(送風機室10側)上部には、図5に示すように、略L字上に折り曲げ加工されたフック64gが設けられている。
支柱65は、図4および図5に示すように、電装品箱60の前面側の前部65aと、前部65aの端部をそれぞれ電装品箱60の背面側へ向けて略直角に折り曲げた電装品箱60の内部側の左側部65bおよび電装品箱60の外側の右側部65cとを備えた、断面がコ字形状に形成された鋼板である。
前部65aの上端は、図7−1に示すように、電装品箱60の背面側に折り曲げられてアーム64の右側アーム部64aを受ける受け部65jが形成されており、また、前部65aの下端には、底面板62の第3スリット62f2と係合する第3挿入片65fが形成されている。
また、左側部65bの下端には、底面板62の第2スリット62f1と係合する第2挿入片65eが形成されている。また、右側部65cは、前部65aや左側部65bと比べて上方に長く形成され、その先端は、図4に示すアーム64の第2挿入孔64fと係合する第1挿入片65dとされており、第1挿入片65dには上部ネジ孔65gが設けられている。さらには、右側部65cの下方には、下部ネジ孔65hが設けられている。
以上説明した構成を有する電装品箱60の組立ておよび電装品箱60の機械室11上部への組付けについて、図4乃至図9を用いて説明する。まず、図7−1に示すように、上部仕切板61の外側(送風機室10側)から、通風孔61dを覆うように中仕切板82、遮水蓋81の順で取り付ける。次に、ヒートシンク77を取り付けたヒートシンク台78を、図4に示す上部仕切板61の取付部610に備えられたヒートシンク孔61bに、ヒートシンク77のフィン部が送風機室10側に突出するように取り付ける。そして、取付部610の内側(電装品箱60内部側)に、リアクタ75を取り付けるとともに、ヒートシンク77の裏側にインバータ基板70とパワーモジュール74とを取り付ける。
次に、上部仕切板61の上部フランジ614および下部フランジ615にシール材300を貼り付ける。そして、上部仕切板61の挿入片61gを底面板62の第1スリット62eに挿入して位置決めし、上部仕切板61の底部ネジ孔61fと底面板62の面部ネジ孔62jとを、および、その他のネジ孔を螺着する。
次に、アーム64と支柱65とを組み付ける。図4に示すアーム64の第2挿入孔64fに支柱65の第1挿入片65dを挿入し右側アーム部64aの下端フランジを支柱65の受け部65jに接触させた後、アーム64のネジ孔64hと支柱65の上部ネジ孔65gとを螺着する。
次に、アーム64と支柱65とを組み付けたものを、上部仕切板61および図5に示すコンデンサ76を実装したコンデンサ基板73を搭載した底面板62に組み付ける。まず、アーム64のフック64gを上部仕切板61の背部折曲部613に設けられたフック係止部618に引っ掛ける。そして、上部仕切板61の上部ネジ孔61eと背面側アーム部64bの図示しないネジ孔とを螺着する。また、支柱65の第2挿入片65eを底面板62の第2スリット62f1に挿入するとともに第3挿入片65fを底面板62の第3スリット62f2に挿入し、支柱65の下部ネジ孔65hと底面板62の側部ネジ孔62hとを螺着する。
次に、前面板63の取付部630の前面側に、図4に示す制御基板72と端子部79と表示基板90とを取り付けるとともに、図7−1に示すように、取付部630の裏面側(電装品箱60内部側)にフィルタ基板71を取り付ける。そして、上部仕切板61、底面板62、アーム64および支柱65を組み合せたものに、前面板63を組み付ける。まず、上部仕切板61のヒンジ用スリット61cに図8に示す前面板63のヒンジ片63aを挿入する。次に、図4に示すアーム64の第1挿入孔64eに、前面板63の挿入片63bを挿入し、前面板63の下部を底面板62の前面側に螺着する。
最後に、前面板カバー67を前面板63に組み付ける。図7−1に示すように、前面板カバー67の第1挿入片67dを上部仕切板61の挿入片用スリット61hに挿入する。次に、前面板カバー67の第2挿入片67gを前面板63の固定部63eに設けられたスリット63fに挿入した後、前面板カバー67の固定片67eと前面板63の固定部63eとを接触させ、前面板カバー67のネジ孔67fと前面板63のネジ孔63cとを螺着する。
以上説明したように、電装品箱60は上部仕切板61と前面板63と底面板62とを結合しこれらをアーム64および支柱65で支える構造となっている。上部仕切板61は、前部フランジ616および背部フランジ617を設けることによって機械的強度を向上させている。また、底面板62には、フランジ62aを設け、底面板62の機械的強度を向上させるとともに、前面板63の取付部630下部をフランジ62aで面受けすることによって組み付け強度を向上させている。一方、アーム64が前面板63を前後方向に略垂直に支え、また、上部仕切板61の背部折曲部613を、背部折曲部613とアーム64の背面側アーム部64bとが面一となった状態で支えているので、電装品箱60が前後方向および左右方向からの衝撃を受けた場合でもこれに対し十分な強度が得られる。さらには、支柱65の前部65aの上端部と左側部65bの上端部とがアーム64の右側アーム部64a下端に設けられたフランジに当接し、支柱65の前部65aの下端部と左側部65bの下端部とが底面板62に当接することで、支柱65がアーム64の右側アーム部64aと底面板62とに垂直に接合されて、アーム64の右側アーム部64aと底面板62とを上下方向に支えているので、電装品箱60が上下方向からの衝撃を受けた場合でもこれに対し十分な強度が得られる。従って、電装品箱60の背面側および右側面側の材料(鋼板)使用量を削減することができ、かつ、3方向(前後/左右/上下方向)からの衝撃にも強い電装品箱60を実現できる。また、支柱65がアーム64の右側アーム部64a下端を上下方向に支えているので、アーム64が自重によって下方に変位することがない。従って、前面板63を取り付ける際に、前面板63の挿入片63bとアーム64の第1挿入孔64eとの係合が簡単に行える。
また、電源回路を構成する部品や装置のうち、発熱量の大きいリアクタ75やパワーモジュール74は上部仕切板61に、同じく発熱量の大きいコンデンサ76は底面板62に、それぞれ分散して設置しているので、これらを電装品箱60の筐体を構成する1枚の部材(本実施例では、上部仕切板61)に設置する場合に比べて、電装品箱60を小型化することができる。
次に、電装品箱60の機械室11上部への組み付けについて図7−2および図9を用いて説明する。図9に示すように、底面板62の送風機室10側は下部仕切板50の上端部と係合する形状となっている。一方、下部仕切板50には、その上端部が内側に折り曲げられることによって形成された受け部50aが設けられている。電装品箱60を下部仕切板50に組み付ける際には、底面板62のフランジ62aをガイドとし底面板62を下部仕切板50の受け部50aに設置することで位置合わせができ、その後ネジによる締結や溶接等といった方法により電装品箱60を下部仕切板50に固定する。
尚、図7−2に示すように、下部仕切板50に底面板62を設置する際は、第2仕切板50dの上端における先端部付近が底面板62の切欠部62kと係合し、フランジ50eが底面板62の周縁部より背面側へ突き出る状態となる。
一般に、電装品箱は重量が大きい(10kg前後)。また、電装品箱を機械室上部に組み付ける際は、電装品箱を持って下部仕切板に位置合わせを行い、螺着や溶接を行なう必要がある。例えば、下部仕切板の上面の僅かなフランジ部に電装品箱(の上部仕切板)を重ねて位置合わせを螺着や溶接を行なう場合は、重量の大きい電装品箱を持って位置合わせを行いながら螺着や溶接を行なわなければならず作業性が悪化する。
本実施例では、底面板62のフランジ62aをガイドとし、電装品箱60(底面板62)を下部仕切板50の受け部50aに被着させるだけで位置合わせができる。従って、位置合わせの作業が簡便となり、また、位置合わせ後の螺着や溶接等といった固定作業が行ない易くなるため、作業が簡単となって作業性が向上する。また、電装品箱60の機械室11上部への組み付けは、底面板62を下部仕切板50に固定してなされるため、上部仕切板61の形状を下部仕切板50の形状に応じた形状(例えば、下部仕切板50の形状と同一形状)とする必要がない。従って、上部仕切板61の形状の自由度が上がり、例えば、本実施例のように、上部仕切板61にパワーモジュール74やリアクタ75等の重量の大きい電気部品が取り付けられている場合は、図7−2に示すように、下部仕切板50の折曲部50cの上端部が、上部仕切板61の第1前部折曲部611および第2前部折曲部612の下端部を、底面板62を介して支えるように、また、下部仕切板50の第2仕切部50dの上端部が上部仕切板61の背部折曲部613の下端部を底面板62を介して支えるように、上部仕切板61の形状を決めることができる。これにより、上部仕切板61は、底面板62と下部仕切板50の両者で支えられるため、重量が大きい上部仕切板61がより強固に支えられる。さらには、通風効率に配慮しヒートシンク77での効率的な放熱が行えるように、上部仕切板61の取付部610を、前面パネル1aと下部仕切板50との接合部と熱交換器30の背面側の配管出口付近とを結ぶ直線上に形成することができる。
尚、電装品箱60を機械室11上部に組み付けて室外機1の天板1nを取り付けた際は、上部仕切板61の上部フランジ614がシール材300を介して天板1nに当接し、また、アーム64の右側アーム部64aおよび背面側アーム部64bの上端部に備えられたフランジが図示しない断熱材を介して天板1nに当接する。これにより、上部仕切板61およびアーム64が天板1nの補強を兼ねた構造となっている。また、上部仕切板61の背部フランジ617と、下部仕切板50のフランジ50eとには、熱交換器30の配管出口付近が結合されているため、熱交換器30によって上部仕切板61、つまりは電装品箱60と、下部仕切板50とが一体的に固定されることとなり、電装品箱60を機械室11上部により強固に固定できるようになっている。
次に、本実施例の室外機1における電装品箱60の他の効果について説明する。まず、電装品箱60内の空気の流れとその効果について、図1乃至図3および図10を用いて説明する。本実施例における電装品箱60は、上述したように、電装品箱60の強度を得るために周縁部にフランジ62aを有する底面板62が設けられている。この底面板62は、図3に示すように、上部仕切板61と下部仕切板50との間に配置されているため、送風ファン20によって図2に示す背面パネル1dに備えられた吸気孔1fから機械室11内へ流入した空気が、電装品箱60内へ流入する際の妨げとなるという問題がある。この問題を解決するために、底面板62には複数の通気孔を設け、通気孔を介して機械室11から電装品箱60内へ空気を取り込んでいる。
室外機1が運転を開始し、送風ファン20が回転すると、室外機1の送風機室10内部とこれ以外の場所(室外機1外部や機械室11、電装品箱60内部)との間で気圧差が発生する。この気圧差によって、室外機1の背面吸込口1eと室外機1の左側面に設けられた吸込口1qとから送風機室10内に空気が吸い込まれるとともに、背面パネル1d下部に備えられた吸気孔1fから機械室11内にも空気が吸い込まれる。送風機室10と機械室11および電装品箱60内部とは気圧差ができるため、吸気孔1fから機械室11内に吸い込まれた空気は電装品箱60内部を通過し、上部仕切板61の通風孔61dを介して送風機室10へ排気される。
具体的には、図10に示すように、機械室11から電装品箱60内へ流入する空気の流れは、上部仕切板61と、底面板62と、前面板63と、アーム64とで形成される開口部を介して電装品箱60内へ流入する空気の流れFaと、底面板62のフランジ62aによって空気の流れFaから仕切られる空気の流れFb,FcおよびFcとに分流する。空気の流れFbは、第1通風孔62bを介して電装品箱60内へ流入し、空気の流れFcは第2通風孔62cを介して電装品箱60内へ流入し、空気の流れFdは第3通風孔62dを介して電装品箱60内へ流入する。空気の流れFbおよび空気の流れFcは、上部仕切板61の通風孔61dに向かって流れる際、上部仕切板61に取付けられたインバータ基板70やパワーモジュール74、リアクタ75の近傍を通るため、これらが空気の流れFbおよび空気の流れFcによって冷却される。また空気の流れFbの一部および空気の流れFcの一部は、コンデンサ76近傍にも分岐して流れるので、コンデンサ76も空気の流れFbおよび空気の流れFcによって冷却される。空気の流れFdは上部仕切板61の通風孔61dに向かって流れる際、フィルタ基板71の近傍を通るため、空気の流れFdによってフィルタ基板71が冷却される。これら空気の流れFb、Fc、Fdは、電装品箱60内を全体的に冷却する空気の流れFaと合流し排出空気の流れFとなって、上部仕切板61の通風孔61dおよび遮水部材80を介して送風機室10に排気される。
以上説明したように、電装品箱60内では発熱素子を実装した基板や発熱量の大きな部品や装置に直接空気を当てる空気の流れFb、Fc、Fdと、電装品箱60内を全体的に冷却する空気の流れFaとの2通りの空気の流れが発生する。電装品箱60において、底面板62を設けない場合、機械室11から電装品箱60内へ流入する空気は、電装品箱60内を偏りなく流れるため、発熱量の大小に関わらず電装品箱60内に収容されている基板や電気部品を均一に冷却する。これに対し、本実施例の電装品箱60では、発熱量の大きい素子が実装された基板や発熱量の大きい電気部品に空気が選択的に当たるように、底面板62の周縁部にフランジ62aを設けるとともに、これら基板や電気部品の配置に対応して底面板62の複数個所に通風孔を設けている。従って、電装品箱60内に収容された発熱素子を実装した基板や発熱量の大きな部品や装置の冷却を効果的に行え、放熱効果を向上させることができる。
次に、上部仕切板61の通風孔61dを覆う遮水部材80について、図11乃至図14を用いて説明する。図11に示すように、遮水部材80は、遮水蓋81と中仕切板82とから構成されている。遮水部材80は、上部仕切板61の通風孔61dから排気された空気を送風機室10へ導出するとともに、送風ファン20の回転等に起因する水撥ねによって、水滴が上部仕切板61の通風孔61dを介して電装品箱60内に侵入することを防いでいる。
遮水蓋81は鋼板であり、図11に示すように、送風機室10に臨む面には通風部81aが形成されている。通風部81aの上端には電装品箱60側に向けて略直角に折り曲げられた上面部81bが形成され、通風部81aの下端には電装品箱60側に向けて略直角に折り曲げられた下面部81cが形成されている。また、通風部81aの前面側の側端には電装品箱60側に向けて略直角に折り曲げられた前部側面部81dが形成され、通風部81aの背面側の側端には電装品箱60側に向けて略直角に折り曲げられた背部側面部81eが形成されている。
図11および図14に示すように、通風部81aには、上部にひさしを設けたスリット状の通風口81mが複数設けられており、図14に示すように、ひさしによって下方に開口した状態となっている。
図11に示すように、上面部81bの先端には上方に向けて略直角に折り曲げられた上部折曲部81fが形成されており、さらには、上部折曲部81fの先端には電装品箱60側に向けて略直角に折り曲げられたフランジ81kが形成されている。また、上面部81bには、上面部81bの一部を背面側へ延伸し背部側面部81eの上端を覆うように形成された延出部81nが設けられている。
また、図13および図14に示すように、前部側面部81dの先端には前面側に向けて略直角に折り曲げられた前部折曲部81hが、背部側面部81eの先端には背面側に向けて略直角に折り曲げられた背部折曲部81jが、下面部81cの先端には下方に向けて略直角に折り曲げられた下部折曲部81gが、それぞれ形成されている。
中仕切板82は鋼板であり、図11、図13および図14に示すように、遮水蓋81の通風部81aおよび上部仕切板61の取付部610に略平行な面には中仕切部82aが形成されている。中仕切部82aの上端には電装品箱60側に向けて略直角に折り曲げられた上部折曲部82bが形成され、中仕切部82aの下端には電装品箱60側に向けて略直角に折り曲げられた下部折曲部82cが形成されている。また、中仕切部82aの前面側の側端には電装品箱60側に向けて略直角に折り曲げられた側部82dが形成されており、側部82dの先端には前面側に向けて略直角に折り曲げられた側部フランジ82eが形成されている。さらには、中仕切部82aの背面側の側端には送風機室10側に向けて折り曲げられた屈曲部82fが形成されている。
図13に示すように、中仕切部82aの前後方向の長さは遮水蓋81の前後の内部寸法(遮水蓋81の前部側面部81d内面と背部側面部81e内面との距離)より短い。また、図14に示すように、中仕切板82の高さ寸法(上部折曲部82b外面と下部折曲部82c外面との距離)は、遮水蓋81の上下の内部寸法(遮水蓋81の上面部81b内面と下面部81c内面との距離)と略同一である。
図11に示すように、中仕切板82と遮水蓋81とを上部仕切板61に取り付ける。まず、中仕切板82を上部仕切板61の取付部610に溶接し、次に遮水蓋81を上部仕切板61の取付部610に溶接する。図12および図14に示すように、遮水蓋81を上部仕切板61に溶接する際には、遮水蓋81のフランジ81kを上部仕切板61の上部フランジ614に合わせることによって、位置合わせが容易となる。従って、遮水蓋81を上部仕切板61に溶接する作業が簡便となり、作業性が向上する。また、天板1nの裏側に付着している水滴が上部仕切板61の上部フランジ614に滴下しても、遮水蓋81のフランジ81kによって遮水部材80内部への水滴の侵入を防ぐことができ、ひいては電装品箱60内への水滴の侵入を防ぐことができる。尚、上部仕切板61の上部フランジ614に遮水蓋81のフランジ81kを合わせることによって上部フランジ614に凹凸が発生するが、図11に示すように、上部フランジ614にはシール材300を貼り付けるので、天板1nを配置する際にはこのシール材300が弾性変形して上部フランジ614の凹凸を吸収するため密閉される。
次に、図13および図14を用いて、電装品箱60内部から上部仕切板61の通風孔61dを経て吸入され、中仕切板82を経て遮水蓋81の通風口81mから送風機室10へ排気される空気の流れF(図7−1の排出空気の流れFと同じ)について説明する。図13に示すように、遮水部材80内部の室外機1の前面側は、中仕切板82の側部82dおよび側部フランジ82eによって遮断されており、また、図14に示すように、遮水部材80内部の上下も中仕切板82の上部折曲部82bおよび下部折曲部82cによって遮断されている。また、遮水部材80内部の室外機1の背面側は、遮水蓋81の背部側面部81eと中仕切板82の屈曲部82fとの間に空間が形成され、これが空気流路となる。図13および図14の矢印Fで示すように、上部仕切板61の通風孔61dから吸い込まれた空気は、中仕切板82の中仕切部82aに当たり、遮水蓋81の背部側面部81eと中仕切板82の屈曲部82fとの間に形成された空気流路の方へ流れる。この空気流路を通過し、中仕切部82aを回り込むようにして遮水蓋81の通風部81aへと流れた空気は、通風部81aの通風口81mから送風機室10へ排出される。
遮水蓋81の前部側面部81dおよび背部側面部81eは通風部81aの側端を折り曲げて形成されており、これら両側板と通風部81aとの間にはわずかな隙間が生じる虞がある。一方、図13に示すように、遮水部材80内の背面側は遮水蓋81の背部側面部81eと中仕切板82の屈曲部82fとの間に空気流路が形成されているために、遮水部材80内の他の場所のように中仕切板82によって遮断されていない。従って、遮水蓋81の上面部81bの背面側に水滴が付着した場合、上述した背部側面部81eと通風部81aと間に生じた隙間から遮水部材80内に水滴が侵入する虞がある。これを防ぐため、背部側面部81eと通風部81aとの間に生じた隙間を覆うよう延出部81nが上面部81bから室外機1の背面方向に突出して設けられている。延出部81nによって、背部側面部81eと通風部81aとの間に生じた隙間から遮水部材80内に水滴が侵入することを防止でき、ひいては電装品箱60内部に水滴が侵入することを防止できる。
尚、上述した遮水蓋81では、延出部81nは上面板81bの一部を背面側へ延伸して形成しているが、中仕切板82によって形成される空気流路が遮水蓋81内部の前面側に形成される場合は、延出部81nは上面板81bの一部を前面側へ延伸して形成してもよい。また、中仕切板82によって形成される空気流路が遮水蓋81内部の上面側に形成される場合は、延出部81nは上面板81bの一部を前面側と背面側の両方へ延伸して形成してもよい。
次に、図8および図15乃至図17を用いて、前面板63および前面板カバー67の上部仕切板61への取り付けおよびその効果について説明する。尚、図8および図15乃至図17では、前面板63や上部仕切板61へ取り付けられている各種基板や部品、装置等は省略している。図8および図15に示すように、前面板63を上部仕切板61に取り付ける際は、まず前面板63の左側に設けられたヒンジ片63aを上部仕切板61のヒンジ用スリット61cに係合する。図15(B)に示すように、まず、ヒンジ片63aをヒンジ用スリット61cの横方向から挿入する。次に、前面板63を下方へスライドさせることによって、ヒンジ片63aの係合部63jを上部仕切板61の前部フランジ616に係合する。その後、図7−1で説明したように、前面板63の下部を底面板62の前面側に螺着する。
上部仕切板61のヒンジ用スリット61cの寸法は、ヒンジ片63aの厚さ寸法(ビート63dの高さ寸法とヒンジ片63aの板厚寸法との合算寸法)よりわずか(例えば、0.2mm)に大きくする。これにより、図16に示すように、前面板63と底面板62とを螺着しているネジを外せば、前面板63はヒンジ片63aとヒンジ用スリット61cとの挿入部を支点として矢印Rの方向に回動することができる。
室外機1のメンテナンス作業において、電装品箱60内の各種基板や部品、装置等を交換・修理する際には、作業者は室外機1のサービスパネル1mを取り外し、前面板63と底面板62とを螺着しているネジを外せば、前面板カバー67を外し、前面板63を手前に回動することによって電装品箱60内部の作業を行うことができる。従って、メンテナンス時の作業性が向上する。
図17に示すように、前面板63を上部仕切板61および底面板62に取り付けた後、前面板カバー67を上部仕切板61および前面板63に取り付ける。前面板カバー67の第1挿入片67dを上部仕切板61の挿入片用スリット61hに挿入した後、前面板カバー67の固定片67eと前面板63の固定部63eとを接触させ、前面板カバー67のネジ孔67fと前面板63のネジ孔63cとを螺着する。
前面板カバー67の前部67aにおける、挿入片67dから前部67a上端部までの長さおよび前部67aの左右方向の長さは、前面板カバー67を上部仕切板61および前面板63に取り付けた際に、前部67aの左側上部の裏面が前面板63の上側のヒンジ片63aに設けられたビート63dの一部を覆うようにそれぞれ設定されている。従って、前面板カバー67の第1挿入片67dを前面板63の挿入片用スリット61hに挿入する際は、前面板カバー67の前板67a(の左側上部の裏面)が上側のヒンジ片63aのビート63dに接する(乗り上げる)。この時、第1挿入片67dのビート67cが上部仕切板61の第2前部折曲部612の裏面に接するように、第1挿入片67dの長さ寸法および厚さ寸法(ビート67cの高さ寸法と第1挿入片67dの板厚寸法との合算寸法)が決められている。従って、前面板カバー67を上部仕切板61および前面板63に取り付けた際には、第1挿入片67dのビート67cが上部仕切板61の第2前部折曲部612の裏面に接し、かつ、前板67aが前面板63のヒンジ片63aに設けられたビート63dに接することによって前面板63と前面板カバー67とが互いに押圧し合う。尚、上述したような前面板カバー67の取り付け状態では、前面板カバー67の前板67aの上端部左側(ビート63dに接する箇所)が前面側へ反る虞があるが、前板67aに備えられたビート67cは縦方向にも上下にわたって配置されているので、前板67aの上端部左側の反りを抑えることができる。
上部仕切板61のヒンジ用スリット61cの寸法は前面板63のヒンジ片63aの厚さ寸法よりわずかに大きくしているため、ヒンジ用スリット61cとヒンジ片63aとの間にはわずかな隙間がある。室外機1の動作時に機械室11に備えられた圧縮機の振動等に起因して前面板63や上部仕切板61が振動した場合、ヒンジ用スリット61cとヒンジ片63aとが振動により当たって騒音(当たり音)が発生する虞がある。しかし、前面板カバー67を前面板63に取り付けることによって、前面板63と前面板カバー67とが互いに押圧し合うので、前面板63や上部仕切板61が振動してもヒンジ用スリット61cとヒンジ片63aとが当たることがなく、これに起因する騒音の発生を抑制することができる。また、前面板カバー67も前面板63によって押圧されるので、前面板カバー67の振動も抑えることができる。
1 室外機
1a 前面パネル
1d 背面パネル
1f 吸気孔
1m サービスパネル
1n 天板
10 送風機室
11 機械室
20 送風ファン
30 熱交換器
50 下部仕切板
60 電装品箱
61 上部仕切板
610 取付部
61b ヒートシンク孔
61c ヒンジ用スリット
61d 通風孔
61g 挿入片
61h 挿入片用スリット
62 底面板
62a フランジ
62b 第1通風孔
62c 第2通風孔
62d 第3通風孔
63 前面板
630 取付部
632 左端フランジ
63a ヒンジ片
63b 挿入片
63d ビート
64 アーム
64a 右側アーム部
64b 背面側アーム部
64c 折曲部
64d 突当て面
64g フック
65 支柱
65a 前部
65b 左側部
65c 右側部
65d 第1挿入片
65e 第2挿入片
65f 第3挿入片
67 前面板カバー
67a 前部
67c ビート
67d 第1挿入片
67e 固定片
67g 第2挿入片
70 インバータ基板
72 制御基板
74 パワーモジュール
75 リアクタ
76 コンデンサ
77 ヒートシンク
78 ヒートシンク台
80 遮水部材
81 遮水蓋
81k フランジ
81m 通風口
90 表示基板

Claims (6)

  1. 仕切板と、前面板と、前記仕切板を上下方向に受けるとともに前記前面板を前後方向に受ける底面板とを有する電装品箱を備え、
    前記前面板は前記電装品箱の前面側を覆うとともに、同前面板の一端が前記仕切板の一端と連結され、
    前記電装品箱はL字形状のアームを備え、同アームの一方が前記前面板の裏面に直角に当接し、前記アームの他方が前記仕切板の他端と連結し、前記アームと前記底面板とに垂直に接合されて、前記アームと前記底面板とを上下方向に支える支柱を備えたことを特徴とする空気調和機の室外機。
  2. 前記底面板の周縁部は下方に折り曲げられたフランジを備え、
    前記フランジの前面側に前記前面板を当接し、
    前記アームの下方の前記フランジに、前記支柱が固定されることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機の室外機。
  3. 前記アームのL字形状を実現する折曲部を円弧形状としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気調和機の室外機。
  4. 前記アームの前記前面板に連結する箇所には、前記アームの一端を前記前面板に平行となるように折り曲げて形成した突当て面が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の空気調和機の室外機。
  5. 前記支柱は、前記アームの前記前面板に連結する箇所と前記アームの折曲部との間に接合されることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の空気調和機の室外機。
  6. 前記仕切板の背面側の側端には、前記前面板と平行となるように前記電装品箱内部に向けて折り曲げられた背部折曲部が形成され、
    前記背部折曲部に前記アームが連結されることを特徴とする請求項1乃至請求項5に記載の空気調和機の室外機。
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