WO2019229896A1 - 超音波測距装置 - Google Patents

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Abstract

送信処理部(411)は、送信信号の周波数を変調する。周波数変調後の送信信号は、予め定められた長さTbの複数のブロックから構成され、ブロック間の周波数差が1/Tbの整数倍である。超音波センサ(1)は、変調後の送信信号に対応する超音波を送信し、超音波が障害物(7)で反射した反射波を受信してアナログ信号を出力する。A/D変換部(402)は、アナログ信号をアナログデジタル変換して受信信号を出力する。相関関数計算部(404)、受信信号と変調後の送信信号との相関関数を計算する。

Description

超音波測距装置
 この発明は、超音波の伝播時間を測定することにより、障害物までの距離を求める超音波測距装置に関するものである。
 超音波は、気体及び液体等の媒体中を伝播する。そのため、障害物に向かって超音波を送信し、障害物において反射した超音波(以下、反射波とも呼ぶ。)を受信することにより、超音波の伝播時間を求めることができる。媒体における超音波の伝播速度は一定であるので、媒体中にある障害物までの距離を求めることができる。超音波測距装置は、この原理により、伝播時間に伝播速度を乗じて超音波が往復する距離を求め、求めた距離の1/2を障害物までの距離として算出する。この超音波測距装置は、その測定原理上、障害物からの反射波が到着した時間を正しく測定することが重要である。
 自動車用等の超音波測距装置に広く用いられるセラミック圧電素子は、超音波の音圧レベルを大きくするために振動の性質を示すQ値を大きくすると、セラミック圧電素子の共振周波数近傍の狭い帯域でしか超音波を発生させることができない。そこで、特許文献1に係る超音波測距装置は、アクチュエータにより、超音波送信用のセラミック圧電素子をその振動面に対して垂直方向に動作させ、ドプラ効果により超音波の周波数を変調している。送信信号を変調することにより、ピーク波形が鋭くなり、距離分解能が向上する。
特開2005-337848号公報
 しかしながら、特許文献1記載の超音波測距装置は、送信信号の変調にアクチュエータが必要となるため、構成が複雑かつ大型になるという課題があった。
 この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、簡単な構成で送信信号を変調することにより、距離分解能を向上させることを目的とする。
 この発明に係る超音波測距装置は、送信信号の周波数を変調する送信処理部と、変調後の送信信号に対応する超音波を送信し、超音波が障害物で反射した反射波を受信してアナログ信号を出力する超音波センサと、アナログ信号をアナログデジタル変換して受信信号を出力するアナログデジタル変換部と、受信信号と変調後の送信信号との相関関数を計算する相関関数計算部とを備え、変調後の送信信号は、予め定められた長さTbの複数のブロックから構成され、ブロック間の周波数差が1/Tbの整数倍であるものである。
 この発明によれば、変調後の送信信号を、予め定められた長さTbの複数のブロックで構成し、ブロック間の周波数差が1/Tbの整数倍になるようにしたので、アクチュエータを用いずに送信信号を変調でき、かつ、相関関数のサイドローブを小さくすることができるので距離分解能を向上させることができる。
実施の形態1に係る超音波測距装置の構成例を示すブロック図である。 実施の形態1に係る信号処理回路の構成例を示すブロック図である。 実施の形態1に係る通信処理部の構成例を示すブロック図である。 実施の形態1に係る送信処理部の構成例を示すブロック図である。 実施の形態1における送信信号の周波数変調を説明するグラフである。 実施の形態1における送信素子の等価回路と駆動部のシミュレーションモデルを示す図である。 図7A~図7Cは、図6に示されるシミュレーションモデルを用いたシミュレーション結果を示すグラフである。 図8A~図8Cは、図6に示されるシミュレーションモデルを用いたシミュレーション結果を示すグラフである。 実施の形態1における4種類の送信パターンを示す図である。 図10A~図10Dは、実施の形態1の相関関数計算部による相関関数の計算結果を示すグラフである。 実施の形態1において、周波数48kHz、変調なし、及び16波の送信信号に対し、アナログフィルタ部が出力したアナログ信号の波形を示すグラフである。 実施の形態1において、周波数48kHz、変調なし、512波の送信信号に対し、アナログフィルタ部が出力したアナログ信号の波形を示すグラフである。 実施の形態1において、周波数48kHz、13コード長のバーカ符号、507波(バーカ符号1コードあたり39波)の送信信号に対し、アナログフィルタ部が出力したアナログ信号の波形を示すグラフである。 実施の形態1の相関関数計算部による、図11に示されるアナログ信号がA/D変換された受信信号と送信信号との相関関数の計算結果を示すグラフである。 実施の形態1の相関関数計算部による、図12に示されるアナログ信号がA/D変換された受信信号と送信信号との相関関数の計算結果を示すグラフである。 実施の形態1の相関関数計算部による、図13に示されるアナログ信号がA/D変換された受信信号と送信信号との相関関数の計算結果を示すグラフである。 実施の形態1の対数変換部により、図14に示される相関関数を対数変換したグラフである。 実施の形態1の対数変換部により、図15に示される相関関数を対数変換したグラフである。 実施の形態1の対数変換部により、図16に示される相関関数を対数変換したグラフである。 実施の形態1のピーク検出部及び特徴値抽出部による山側ピークの検出動作例を示すフローチャートである。 実施の形態1におけるピーク検出部の検出感度を変えた場合のピーク検出結果のグラフを示す。 実施の形態1におけるピーク検出部の検出感度を変えた場合のピーク検出結果のグラフを示す。 実施の形態1におけるピーク検出部の検出感度を変えた場合のピーク検出結果のグラフを示す。 図10Dに示される相関関数D13,D14の拡大図である。 実施の形態2において、障害物で反射される超音波を説明する図であり、図25Aは高い障害物、図25Bは低い障害物の場合である。 実施の形態2の相関関数計算部による相関関数の計算結果を示すグラフであり、図26Aは高い障害物、図26Bは低い障害物の場合である。 各実施の形態に係る信号処理回路のハードウェア構成例を示す図である。
 以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
 図1は、実施の形態1に係る超音波測距装置10の構成例を示すブロック図である。図1に示される超音波測距装置10は、車両に搭載され、この車両と車両周辺の障害物7との距離を測定するものである。超音波測距装置10は、1つ以上の超音波センサ1を備える。超音波センサ1は、送信素子2、受信素子3、及び信号処理回路4を備える。送信素子2は、送信信号に対応する超音波を送信する。受信素子3は、送信素子2が送信した超音波が障害物7で反射した反射波を受信し、反射波に対応する電圧(以下、アナログ信号と称する。)を出力する。なお、1つの素子が、送信素子2及び受信素子3の両機能を実現してもよい。信号処理回路4は、送信素子2に対して送信信号に対応する電圧を印加すると共に、受信素子3が出力するアナログ信号を信号処理して振幅のピーク値等を検出する。そして、信号処理回路4は、デジタル通信により、ピーク値及びピーク値が検出された時間等の情報を、距離測定ECU(Electronic Control Unit)5へ送信する。
 距離測定ECU5は、信号処理回路4からの情報を受信し、送信素子2が超音波を送信した時間と信号処理回路4においてピーク値が検出された時間とに基づいて、障害物7までの距離を算出する。距離測定ECU5は、車載LAN(Local Area Network)により、算出した障害物7までの距離情報を、車両制御ECU6へ送信する。
 車両制御ECU6は、距離測定ECU5からの距離情報を受信し、障害物7までの距離等に基づいて車両を制御することにより、車両の自動駐車、自動ブレーキ、又は誤発進防止等の機能を実現する。
 図2は、実施の形態1に係る信号処理回路4の構成例を示すブロック図である。信号処理回路4は、アナログフィルタ部401、A/D(Analog Digital)変換部402、デジタルフィルタ部403、相関関数計算部404、ピーク検出部406、特徴値抽出部407、対数変換部408、間引き部409、通信処理部410、及び送信処理部411を含む。アナログフィルタ部401、A/D変換部402、及び送信処理部411は、アナログ回路である。デジタルフィルタ部403、相関関数計算部404、ピーク検出部406、特徴値抽出部407、対数変換部408、間引き部409、及び通信処理部410は、デジタル回路である。
 アナログフィルタ部401は、受信素子3からのアナログ信号のうち、送信信号の周波数に対して高い周波数と低い周波数とを同時に遮断する処理、いわゆるバンドパスフィルタリングを行う。また、アナログフィルタ部401は、このアナログ信号を増幅する。
 A/D変換部402は、アナログフィルタ部401から出力されるアナログ信号を、送信処理部411から通知されたサンプリング周波数でサンプリングしてアナログデジタル変換し、デジタル信号(以下、受信信号と称する)を出力する。
 信号処理回路4は、A/D変換部402より後段では、デジタル信号を処理する。デジタル処理では、サンプリング周波数の1/2以上の周波数を除去できないので、アナログフィルタ部401がサンプリング周波数の1/2以上の周波数のノイズを除去しておく必要がある。
 デジタルフィルタ部403は、受信信号のうち、送信信号の周波数近傍の信号を抽出するバンドパスフィルタリングを行うことにより、ノイズを除去する。
 相関関数計算部404は、通信処理部410からの変調後の送信信号と、デジタルフィルタ部403からの受信信号とを畳み込み積分し、相関関数を計算する。
 検波部405は、相関関数の計算結果である時系列データにおける隣り合う2サンプルを2乗して加算し、相関関数の振幅の2乗値を求める。以下では、相関関数の振幅2乗値を、相関関数の振幅値として使用する。
 ピーク検出部406は、相関関数計算部404が計算した相関関数の時系列データにおいて振幅が最大となるピークを検出する。また、ピーク検出部406は、ピークが検出された時間及びピークの高さ等を検出する。
 ピーク検出部406の詳細は後述する。
 特徴値抽出部407は、ピーク検出部406により検出されたピークの特徴値として、ピーク幅等を抽出する。また、特徴値抽出部407は、抽出した特徴値を用いて、受信信号に含まれる反射波(即ち、送信信号)を識別する。
 特徴値抽出部407の詳細は後述する。
 対数変換部408は、相関関数計算部404が計算した相関関数の時系列データを対数変換する。対数変換により、相関関数を「dB」で表すことができ、容易にダイナミックレンジを圧縮できる。
 間引き部409は、対数変換部408により対数変換された相関関数の時系列データを間引いて、データ量を削減する。
 通信処理部410は、距離測定ECU5との間でデジタル通信を行う。通信処理部410は、特徴値抽出部407及び間引き部409からの情報を、距離測定ECU5へ送信する。また、通信処理部410は、送信信号の情報を距離測定ECU5から受信し、相関関数計算部404及び送信処理部411へ出力する。
 通信処理部410の詳細は後述する。
 送信処理部411は、通信処理部410からの送信信号の情報を用いて、送信素子2に印加する電圧波形を制御する。その際、送信処理部411は、送信信号の周波数又は位相の少なくとも一方を変調し、送信素子2に印加する電圧波形を変形する。
 送信処理部411の詳細は後述する。
 図3は、実施の形態1に係る通信処理部410の構成例を示すブロック図である。
 通信処理部410は、送信部4101、受信部4102、受信フォーマット解析部4103、位相パターン抽出部4105、変調周波数シフトレジスタ4106、位相パターンシフトレジスタ4107、及び分周部4108を含む。
 送信部4101は、特徴値抽出部407及び間引き部409からの情報を、距離測定ECU5へ送信する。
 受信部4102は、距離測定ECU5からの情報を受信し、受信フォーマット解析部4103へ出力する。
 受信フォーマット解析部4103は、距離測定ECU5から受信した情報を、所定のフォーマットに従い解析する。そして、受信フォーマット解析部4103は、距離測定ECU5から受信した情報に含まれる周波数変調データを変調周波数抽出部4104へ出力し、位相変調データを位相パターン抽出部4105へ出力する。
 周波数変調データは、例えば、後述する図10において説明する直交信号を構成する3つのブロックの周波数及び波数である。位相変調データは、例えば、後述する図9において説明する送信パターン1~4により構成されるバーカ符号である。
 変調周波数抽出部4104は、受信フォーマット解析部4103からの周波数変調データを、変調周波数シフトレジスタ4106にセットする。また、位相パターン抽出部4105は、受信フォーマット解析部4103からの位相変調データを位相パターンシフトレジスタ4107にセットする。
 分周部4108は、送信処理部411の比較部4113から出力される、送信信号の周波数の4倍の周波数に略同期したパルス波を4分周し、変調周波数シフトレジスタ4106及び位相パターンシフトレジスタ4107へ出力する。即ち、分周部4108から出力されるパルス波は、送信信号の周波数に略同期したパルス波となる。
 変調周波数シフトレジスタ4106は、分周部4108から出力される送信信号の周波数に略同期したパルス波をトリガとして、周波数変調データを1ビットずつシフトさせ出力する。また、位相パターンシフトレジスタ4107は、分周部4108から出力される送信信号の周波数に略同期したパルス波をトリガとして、位相変調データを1ビットずつシフトさせ1出力する。送信信号の周波数に略同期したパルス波をトリガとして変調周波数シフトレジスタ4106及び位相パターンシフトレジスタ4107をシフトさせることで、送信信号を1波ずつ変調できる。
 なお、距離測定ECU5は、送信信号の周波数変調のみ行う場合、位相変調データを固定し、位相変調のみ行う場合、周波数変調データを固定すればよい。位相変調データ及び周波数変調データの両方を固定した場合、送信処理部411からは、変調がない、一定の周波数の送信信号が出力される。距離測定ECU5は、周波数と位相を同時に変調することにより、送信処理部411においてより複雑な波形の送信信号を生成させて相関関数の波形を急峻にしてもよいし、反射波を識別するコード(符号)を複雑化した送信信号を生成させてもよい。
 図4は、実施の形態1に係る送信処理部411の構成例を示すブロック図である。図5は、実施の形態1における送信信号の周波数変調を説明するグラフである。グラフの縦軸は振幅、横軸は時間である。
 送信処理部411は、基本周波数発振部4111、周波数変調部4112、比較部4113、送信パターン生成部4114、及び駆動部4115を含む。
 基本周波数発振部4111は、送信素子2から発する超音波の基本周波数、即ち送信信号の周波数を発振するのこぎり波発振器である。この基本周波数発振部4111は、図5に実線で示されるような、基本周波数を持つのこぎり波4111Sを発振する。また、基本周波数発振部4111は、基本周波数を整数倍した値を、サンプリング周波数として、A/D変換部402に通知する。この整数倍の値は、直交検波ができるよう4の倍数としてもよい。
 周波数変調部4112は、基本周波数発振部4111が発振する基本周波数を変調するための周波数を発振するのこぎり波発振器である。この周波数変調部4112は、図5に破線で示されるような、のこぎり波4112Sを発振する。周波数変調部4112が発振する変調周波数及びのこぎり波の傾きは、通信処理部410の変調周波数シフトレジスタ4106から周波数変調部4112へ入力される。
 比較部4113は、基本周波数発振部4111が発振するのこぎり波4111Sと、周波数変調部4112が発振するのこぎり波4112Sとの大小関係を比較する比較器である。この比較部4113は、のこぎり波4111Sがのこぎり波4112Sを超えるタイミングでパルス波4113Sを出力する。比較部4113から出力されるパルス波4113Sの周波数は、(基本周波数発振部4111が発振する基本周波数)-(周波数変調部4112が発振する周波数)になる。なお、周波数変調部4112がのこぎり波4112Sの傾きを逆にすると、比較部4113から出力されるパルス波の周波数は、(基本周波数発振部4111が発振する基本周波数)+(周波数変調部4112が発振する周波数)になる。比較部4113が出力するパルス波は、送信パターン生成部4114及び通信処理部410へ入力される。
 送信パターン生成部4114は、比較部4113から出力される送信信号の周波数の4倍の周波数に略同期したパルス波をトリガとして、通信処理部410の位相パターンシフトレジスタ4107からの位相パターンを1ビットずつシフトした送信パターンを、送信信号として出力する。即ち、送信パターン生成部4114は、送信信号の周波数の4倍の周波数で、送信信号のハイレベルとローレベルとを切り替えることができる。
 駆動部4115は、後述する図6に示されるような駆動回路であり、送信パターン生成部4114からの送信信号の送信パターン波形に応じて送信素子2に電圧を印加する。
 次に、位相変調について説明する。
 図6は、実施の形態1における送信素子2の等価回路と駆動部4115のシミュレーションモデルを示す図である。送信素子2は、57kHzで共振するセラミック圧電素子であり、インダクタL1、コンデンサC1,C2及び抵抗R1からなる等価回路で表される。駆動部4115は、インダクタL2,L3、コンデンサC3、抵抗R2,R3、及びスイッチS1からなる駆動回路である。インダクタL2,L3はトランスを成し、DC電源V1の電圧を昇圧して、送信素子2に印加する。FET(Field Effect Transistor)等で構成されるスイッチS1は、送信パターン生成部4114から出力される送信信号によりスイッチング動作する。このスイッチS1が57kHzでスイッチングすると、送信素子2は共振により強い超音波を発生する。
 図7及び図8は、図6に示されるシミュレーションモデルを用いたシミュレーション結果を示すグラフである。送信素子2の振動をこのシミュレーション結果から確認することはできないため、代わりに、コンデンサC1の端子電圧を、送信素子2が発する超音波の音圧レベルを示す値として扱う。図7A及び図8Aの各グラフは、コンデンサC1の端子電圧の波形である。図7B及び図8Bの各グラフは、送信パターン生成部4114から駆動部4115へ出力される送信信号の送信パターンを模擬したパルス波形である。図7Cのグラフは、送信信号の位相をπシフトさせるタイミングを示す信号の波形である。図8Cのグラフは、送信信号の位相をπ/2シフトさせるタイミングを示す信号の波形である。各グラフの縦軸は電圧、横軸は時間である。
 図7の各グラフに示されるように、送信信号の位相をπシフトさせると、コンデンサC1の端子電圧は急激にほぼ0Vまで低下する。これに対し、図8の各グラフに示されるように、送信信号の位相をπ/2シフトさせると、コンデンサC1の端子電圧は、図7のように急激に低下せず、穏やかな変化にとどまっている。送信素子2が発する超音波の音圧低下を防ぐため、実施の形態1の送信処理部411は、送信信号の位相変調を行う場合、送信信号における隣り合う2波の間で行う位相変化をπ/2以下とする。
 図9は、実施の形態1における4種類の送信パターンを示す図である。送信パターン1~4は、送信信号の1波の長さ、即ち2πの長さである。送信パターン1は、2πのうちの前半のπがハイレベルであり、後半のπがローレベルである。送信パターン2は、送信パターン1をπ/2だけ後側へずらした波形である。送信パターン3は、送信パターン2をπ/2だけ後側へずらした波形である。送信パターン4は、送信パターン3をπ/2だけ後側へずらした波形である。
 例えば、距離測定ECU5は、送信パターン1~4を用いて、上述した13コード長のバーカ符号(1コードあたり39波)を表す位相変調データを生成し、通信処理部410へ送信する。この位相変調データは、通信処理部410の位相パターンシフトレジスタ4107にセットされ、送信信号の周波数に略同期した分周部4108からのパルス波をトリガとして、送信信号の1波ごとに、位相変調データとして指定された送信パターン1~4のいずれかを出力する。送信処理部411の送信パターン生成部4114は、送信信号の周波数の4倍の周波数に略同期した比較部4113からのパルス波をトリガとして、送信信号の1/4波ごとに、位相パターンシフトレジスタ4107からの送信パターン1~4のいずれかに対応するハイレベル又はローレベルの送信信号を出力する。これにより、送信パターン生成部4114から駆動部4115に出力される送信信号は、図8Bのパルス波形のようになる。
 次に、周波長変調について説明する。
 図10A~図10Dは、実施の形態1の相関関数計算部404による相関関数の計算結果を示すグラフである。各グラフの縦軸は振幅、横軸は時間である。図10A~図10Dにおいて、相関関数計算部404は、4種類の送信信号を用いた相関関数を計算する。
 1つ目の送信信号は、周波数58kHz及び87波のバースト信号である。
 2つ目の送信信号は、周波数が56kHz~60kHzに変化する、1.5msecのチャープ信号である。
 3つ目の送信信号は、3つのブロックから構成される非直交信号であり、1つ目のブロックが周波数55kHz及び28波、2つ目のブロックが周波数58kHz及び29波、43つ目のブロックが61kHz及び30波である。
 4つ目の送信信号は、3つのブロックから構成される直交信号であり、1つ目のブロックが周波数56kHz及び28波、2つ目のブロックが周波数58kHz及び29波、43つ目のブロックが60kHz及び30波である。
 ここで呼ぶ「直交信号」とは、2つのブロックが重なったときの相関関数の値が「0」になるような周波数を組み合わせた信号である。このような周波数の組み合わせには、(ブロック内の波数)=(ブロック長[sec]×周波数[Hz])が整数になる正弦波の組み合わせがある。上記の直交信号において、1つ目、2つ目、及び3つ目のブロックのブロック長は、すべて、0.5msecである。これらのブロックは互いに直交しており、2つのブロックが重なったときの相関関数を計算すると「0」になる。
 図10Aのグラフは、上記バースト信号と上記4種類の送信信号との相関関数を示す。図10Aにおいて、相関関数A11は、上記バースト信号の自己相関関数である。相関関数A12は、上記バースト信号と上記チャープ信号との相関関数である。相関関数A13は、上記バースト信号と上記非直交信号との相関関数である。相関関数A14は、上記バースト信号と上記直交信号との相関関数である。
 図10Bのグラフは、上記チャープ信号と上記4種類の送信信号との相関関数を示す。図10Bにおいて、相関関数B11は、上記チャープ信号と上記バースト信号との相関関数である。相関関数B12は、上記チャープ信号の自己相関関数である。相関関数B13は、上記チャープ信号と上記非直交信号との相関関数である。相関関数B14は、上記チャープ信号と上記直交信号との相関関数である。
 図10Cのグラフは、上記非直交信号と上記4種類の送信信号との相関関数を示す。図10Cにおいて、相関関数C11は、上記非直交信号と上記バースト信号との相関関数である。相関関数C12は、上記非直交信号と上記チャープ信号との相関関数である。相関関数C13は、上記非直交信号の自己相関関数である。相関関数C14は、上記非直交信号と上記直交信号との相関関数である。
 図10Dのグラフは、上記直交信号と上記4種類の送信信号との相関関数を示す。図10Dにおいて、相関関数D11は、上記直交信号と上記バースト信号との相関関数である。相関関数D12は、上記直交信号と上記チャープ信号との相関関数である。相関関数D13は、上記直交信号と上記非直交信号との相関関数である。相関関数D14は、上記直交信号の自己相関関数である。
 図10の各グラフに示されるように、バースト信号の自己相関関数である相関関数A11の外形は、二等辺三角形になる。この相関関数A11は、他の自己相関関数である相関関数B12,C13,D14に比べて幅が広いため、距離測定に向かない。チャープ信号の自己相関関数である相関関数B12は、メインローブピークが鋭く、サイドローブと呼ばれる2番目以降のピークの高さが小さいため、距離測定に向く。ただし、チャープ信号を出力するためには、周波数を連続的に変更するような構造が送信処理部411に必要となり、送信処理部411の構成が複雑になる。非直交信号の自己相関関数である相関関数C13は、相関関数B12に比べてサイドローブのピーク高さが大きい。直交信号の自己相関関数である相関関数D14は、サイドローブのピーク高さが相関関数B12同様に小さく、距離測定に向く。
 上記のことから、実施の形態1の送信処理部411は、送信信号の周波数変調を行う場合、送信信号を上記直交信号のように複数のブロックで構成し、1つのブロックの長さを予め定められた長さTb[sec]とし、ブロック間の周波数差を1/Tbの整数倍とする。上記直交信号の場合、Tbは0.5msecであり、1つ目のブロックと2つ目のブロックとの周波数差は1/0.5の1倍である2kHzであり、2つ目のブロックと3つ目のブロックとの周波数差は1/0.5の1倍である2kHzである。
 例えば、距離測定ECU5は、上記直交信号を表す周波数変調データを生成し、通信処理部410へ送信する。この周波数変調データは、通信処理部410の変調周波数シフトレジスタ4106にセットされ、送信信号の周波数に略同期した分周部4108からのパルス波をトリガとして、送信信号の1波ごとに、周波数変調データとして指定された変調周波数を出力する。送信処理部411の周波数変調部4112は、変調周波数シフトレジスタ4106からの変調周波数を発振する。
 なお、送信処理部411が周波数の異なるブロックを組み合わせて送信信号をコード化することにより、特徴値抽出部407においてブロックの組み合わせが異なる送信信号を識別することが可能になる。そのため、信号処理回路4は、送信素子2から送信した超音波の反射波が受信素子3に返ってくる前に、次の超音波を送信することが可能となり、距離測定の頻度を高くすることができる。
 次に、図11~図19を参照して、送信信号の変調が相関関数に及ぼす影響を説明する。
 図11は、実施の形態1において、周波数48kHz、変調なし、及び16波の送信信号に対し、アナログフィルタ部401が出力したアナログ信号の波形を示すグラフである。グラフの縦軸は振幅、横軸は時間である。図11の例では、送信素子2から8m離れた位置に障害物A、3m離れた位置に障害物Cが配置されているものとし、送信素子2は16波の正弦波を送信する。アナログ信号の振幅に基づく閾値を設定して障害物を検出する方式では、図11のアナログ信号において障害物A,Cの位置では振幅の変化が確認できず、障害物A,Cを検出できない。
 図12は、実施の形態1において、周波数48kHz、変調なし、512波の送信信号に対し、アナログフィルタ部401が出力したアナログ信号の波形を示すグラフである。グラフの縦軸は振幅、横軸は時間である。図12の例では、送信素子2から10m離れた位置に障害物Aが移動され、5m離れた位置に新たに障害物Bが配置されているものとし、送信素子2は512波の正弦波を送信する。図12のアナログ信号において障害物B,Cの位置では振幅の変化を確認でき、障害物B,Cを検出できるが、障害物Aの位置では振幅の変化を確認できず、障害物Aを検出できない。
 図13は、実施の形態1において、周波数48kHz、13コード長のバーカ符号、507波(バーカ符号1コードあたり39波)の送信信号に対し、アナログフィルタ部401が出力したアナログ信号の波形を示すグラフである。グラフの縦軸は振幅、横軸は時間である。図13の例では、図12と同様に、送信素子2から10m離れた位置に障害物A、5m離れた位置に障害物B、3m離れた位置に障害物Cが配置されているものとする。13コード長のバーカ符号は、[-1,-1,-1,-1,-1,1,1,-1,-1,1,-1,1,-1]である。送信信号は、バーカ符号[1]を正位相、[-1]を逆位相の波とし、1コード39波ずつ位相の正逆を変化させた波形となる。このような送信信号に対応する超音波を送信素子2が送信した場合、アナログフィルタ部401からは図13に示されるような波形のアナログ信号が出力される。図13のアナログ信号において障害物B,Cの位置では振幅の変化を確認でき、障害物B,Cを検出できるが、障害物Aの位置では振幅の変化を確認できず、障害物Aを検出できない。
 図14~図16は、実施の形態1の相関関数計算部404による、図11~図13に示されるアナログ信号がA/D変換された受信信号と送信信号との相関関数の計算結果を示すグラフである。各グラフの縦軸は振幅、横軸は時間である。図11~図13に示されるアナログ信号に比べて図14~図16に示される相関関数のほうが、反射波とノイズとの識別が容易になる。
 例えば、図11のアナログ信号では3m先の障害物C及び10m先の障害物Aを検出できないが、図14の相関関数では障害物Cの位置で振幅の変化をしっかり確認でき、障害物Cを検出できる。その一方で、図14の相関関数を用いても8m先の障害物Aは検出できない。図15の相関関数では、3m先の障害物C、5m先の障害物B、及び10m先の障害物Aの全てを検出できる。しかし、図15で用いられたような単純な正弦波の送信信号では、相関関数のピーク幅が広がり、距離分解能が低下する。図16の相関関数でも、3m先の障害物C、5m先の障害物B、及び10m先の障害物Aの全てを検出できる。また、図16で用いられたようなバーカ符号で位相変調された送信信号では、相関関数のピーク幅が狭く(即ち、ピークが鋭く)、距離分解能が低下しない。
 図17~図19は、実施の形態1の対数変換部408により、図14~図16に示される相関関数を対数変換したグラフである。各グラフの縦軸は「dB」表示の振幅であり、横軸は時間である。各グラフにおいて、ピーク検出部406により検出されたピークが、十字で示される。
 次に、ピーク検出部406及び特徴値抽出部407の動作を説明する。
 図20は、実施の形態1のピーク検出部406及び特徴値抽出部407による山側ピークの検出動作例を示すフローチャートである。
 ステップST1において、ピーク検出部406は、相関関数の計算結果である時系列データy(i)のうち、ピークか否かをチェックする対象であるサンプリング番号icから、サンプリング番号icにピーク後側傾きを検出するサンプリング幅Δiaを加えたサンプリング番号ic+Δiaまでのサンプリング値を読み込む。
 ステップST2において、ピーク検出部406は、相関関数の計算結果である時系列データy(i)のうち、サンプリング番号icの前側サンプリング幅Δipのサンプリング値の傾きをslpとし、後側サンプリング幅Δiaのサンプリング値の傾きをslaとする。
 ステップST3において、ピーク検出部406は、前側傾きslpが、予め定められた前側傾き閾値Thslpより大きい場合(ステップST3“YES”)、ステップST4へ進み、それ以外の場合(ステップST3“NO”)、ステップST9へ進む。
 ステップST4において、ピーク検出部406は、後側傾きslaが、予め定められた後側傾き閾値Thslaより小さい場合(ステップST4“YES”)、ステップST5へ進み、それ以外の場合(ステップST4“NO”)、ステップST9へ進む。
 ステップST5に到達するのは、正から負への傾きの変化が大きく、ピークである可能性があるサンプリング番号icである。以下、このサンプリング番号icを、今回のピーク候補のサンプリング番号とする。
 このステップST5において、ピーク検出部406は、前回のピーク候補のサンプリング番号itpと、今回のピーク候補のサンプリング番号icとの差を求める。そして、ピーク検出部406は、求めた差が、予め定められたサンプリング幅pwd未満である場合(ステップST5“YES”)、ステップST6へ進み、サンプリング幅pwd以上である場合(ステップST5“NO”)、ステップST7へ進む。サンプリング幅pwdは、前回のピーク候補のサンプリング番号itpと、今回のピーク候補のサンプリング番号icとが同一ピークか否かを判定するための閾値である。
 ステップST6において、ピーク検出部406は、(ic-itp)がサンプリング幅pwm以上である場合、前回のピーク候補のサンプリング値Itpと、今回のピーク候補のサンプリング値y(ic)とを比較する。ピーク検出部406は、サンプリング値Itpよりサンプリング値y(ic)が大きい場合(ステップST6“YES”)、ステップST8へ進み、それ以外の場合(ステップST6“NO”)、ステップST9へ進む。
 ステップST7において、ピーク検出部406は、(ic-itp)がサンプリング幅pwd以上である場合、今回のピーク候補のサンプリング番号icが新たなピークであると判定する。そして、ピーク検出部406は、ピーク番号jをインクリメントし、ステップST8へ進む。
 ステップST8において、ピーク検出部406は、今回のピーク候補のサンプリング番号ic及びサンプリング値y(ic)を、ピーク位置ip(j)及びピーク高さIp(j)とする。また、ピーク検出部406は、今回のピーク候補のサンプリング番号ic及びサンプリング値y(ic)を、次回用いるピーク候補のサンプリング番号itp及びサンプリング値Itpとする。
 ステップST9において、ピーク検出部406は、ピークか否かをチェックする対象であるサンプリング番号icをインクリメントする。
 ステップST10において、ピーク検出部406は、新たなサンプリング番号icに、ピーク後側傾きを検出するサンプリング幅Δiaを加えたサンプリング番号ic+Δiaが、相関関数の時系列データの最終サンプリング番号ie以下である場合(ステップST10“NO”)、ステップST1へ戻り、それ以外の場合(ステップST10“YES”)、相関関数の時系列データ全てのピークを検出し終えたため、ステップST11へ進む。
 ステップST11において、特徴値抽出部407は、特徴値を抽出する対象であるピーク番号jをピーク番号jjとする。まず、特徴値抽出部407は、ピーク番号jjを「1」に初期化する。
 ステップST12において、特徴値抽出部407は、ピーク番号jjのピーク高さIp(jj)を「1」に正規化し、ピーク高さ「1」に対する高さの比率である高さ比率の番号を示す高さ比率番号kを「1」に初期化する。例えば、高さ比率が0.05刻みに増える値である場合、高さ比率「0.05」はk=1、高さ比率「0.10」はk=2、高さ比率「0.15」はk=3等となる。
 ステップST13において、特徴値抽出部407は、ピーク番号jjのピークについて、高さ比率番号kにおけるピーク位置ic(jj)より前側の幅wdpp(jj,k)、及び後側の幅wdpa(jj,k)を検出する。
 ステップST14において、特徴値抽出部407は、高さ比率番号kをインクリメントする。
 ステップST15において、特徴値抽出部407は、高さ比率番号kが、予め定められた最後の高さ比率番号ke以下である場合(ステップST15“NO”)、ステップST13へ戻り、それ以外の場合(ステップST15“YES”)、ステップST16へ進む。
 ステップST16において、特徴値抽出部407は、k=1からk=keまでの幅wdpp(jj,k),wdpa(jj,k)を用いて、ピーク番号jjのピークの面積ap(jj)を求める。
 ステップST17において、特徴値抽出部407は、ピーク番号jjをインクリメントする。
 ステップST18において、特徴値抽出部407は、ピーク番号jjが、最後のピーク番号je以下である場合(ステップST18“NO”)、ステップST12へ戻り、それ以外の場合(ステップST18“YES”)、図20のフローチャートに示される動作を終了する。
 相関関数の谷側ピークを検出する場合、ピーク検出部406は、図20のフローチャートにおいて傾き判定の正負を逆にすればよい。
 ピークの検出感度は、Δip、Δia、Thslp、及びThslaの値を変更することにより、調整可能である。
 ここで、図21~図23に、実施の形態1におけるピーク検出部406の検出感度を変えた場合のピーク検出結果のグラフを示す。各グラフの縦軸は「dB」表示の振幅であり、横軸は時間である。各グラフにおいて、ピーク検出部406により検出されたピークが、十字で示される。また、各グラフの相関関数の計算に用いられた送信信号は、図11に示された送信信号と同じ、周波数48kHz、変調なし、及び16波の送信信号である。ピーク検出感度を比較するため、図11では送信素子2から8m離れた距離に配置されていた障害物Aに代えて、図21~図23では10m離れた位置に障害物Aより大きな障害物Dが配置されている。図21~図23では、ピーク検出の傾き判定に用いられるΔip及びΔiaは「100」に設定されている。一方、Thslp及びThslaは、図21では「500」、図22では「250」、図23では「125」に設定されている。Thslp及びThslaの値が大きくなるにつれ、ピーク検出感度が高くなり、検出されたピークの数が増えている。特徴値抽出部407は、検出された多数のピークをピーク列とし、ピーク列から突出したピークを障害物(即ち、反射波)として識別することにより、反射波とノイズとを容易に識別できる。
 なお、ピーク検出部406は、送信素子2が超音波を送信した後、反射波が受信素子3に返ってくるまでの時間に応じて、検出感度を調整してもよい。反射波の強度は、伝播距離が長くなるほど低下する。そのため、ピーク検出部406は、送信素子2が超音波を送信した時点から時間が経過するほど、検出感度を高くする。これにより、障害物7までの距離に応じて、適切にノイズの影響を低減できる。
 次に、相関関数の形状による波形識別について説明する。
 図24は、図10Dに示される相関関数D13,D14の拡大図である。上述したように、相関関数D13は、送信信号が直交信号であり、受信信号が非直交信号である。この相関関数D13は、ノイズ若しくは干渉波等により受信信号の波形が送信信号の波形とは異なる場合、又は、送信信号の識別コードとは異なる識別コードを持つ受信信号である場合に相当する。相関関数D14は、送信信号及び受信信号が直交信号である。相関関数D14は、送信信号の波形と受信信号の波形が一致した場合に相当する。
 相関関数D13と相関関数D14とを比較すると、受信信号と送信信号とが一致しない相関関数D13は、メインローブの山側ピークに対する最初のサイドローブの山側ピークが高く、かつ、メインローブとサイドローブの間の谷側ピーク(即ち、谷底)が高くなっている。受信信号と送信信号とが一致する相関関数D14は、最初のサイドローブの山側ピークが低く、かつ、メインローブとサイドローブの間の谷側ピークがほぼ「0」になっている。メインローブに対するサイドローブのピーク高さ及びピーク位置等の特徴値は、送信信号の波形に応じて変化するものであるため、既知である。特徴値抽出部407には、送信信号の波形に応じた相関関数の特徴値を含む標準モデルが、予め与えられているものとする。そして、特徴値抽出部407は、メインローブのピーク位置前後の傾きの変化(即ち、鋭さ)、サイドローブのピーク高さ及びピーク位置、又は、メインローブのピーク高さに対するある高さ比率(例えば、25%、50%及び75%)における幅のうちの少なくとも1つの特徴値を検出し、標準モデルの特徴値と比較することにより、送信信号と受信信号との波形の一致度を判定できる。メインローブのピーク高さに対するある高さ比率とは、後述する実施の形態2における「第一の比率」に相当する。
 図20のフローチャートでは、ピーク検出部406は、ピーク位置前後の傾きを検出している。この傾きを検出するためのサンプリング幅Δip,Δiaとして、予め算出した、メインローブの山側ピークと、高さがほぼ「0」になる谷側ピークのうちの上記メインローブの山側ピークに最も近い谷側ピークとの時間幅を設定してもよい。この時間幅は、ブロック数が奇数のバーカ符号においては、1ブロックの時間幅と等しく、ブロック数が偶数のバーカ符号においては、{1ブロックの時間幅×ブロック数÷(1+ブロック数)}と等しい。周波数変調においては、この時間幅は符号の構成によって変わるが、例えば第一のブロックに56kHzの正弦波を28波、第二のブロックに58kHzの正弦波を29波、第三のブロックに60kHzの正弦波を30波配置した3ブロックから成る送信信号であった場合は、約0.185msとなる。この時間幅をΔip,Δiaとして設定すると、送信信号と受信信号とで波形が一致する場合、傾きは鋭くなり、メインローブのピーク挟み角は狭くなる。これに対し、送信信号と受信信号とで波形が一致しない場合、傾きがなだらかになり、メインローブのピーク挟み角は広くなる。従って、特徴値抽出部407は、相関関数の波形の傾きに基づいて、送信信号に一致する受信信号を識別できる。または、特徴値抽出部407は、ピーク挟み角に基づいて、即ちある高さ比率におけるピーク幅に基づいて、送信信号に一致する受信信号を識別してもよい。
 また、上述のように、受信信号と送信信号とが一致する場合と一致しない場合とで谷側ピーク位置のピーク高さが異なる。そのため、ピーク検出部406が、予め算出した、高さがほぼ「0」になる谷側ピークのうちのメインローブの山側ピークに最も近い谷側ピークが現れる時間における高さを検出し、特徴値抽出部407が、検出された高さに基づいて、送信信号に一致する受信信号を識別してもよい。
 または、特徴値抽出部407は、山側ピーク位置から前後どちらか一方の谷側ピーク位置までの長さが、予め算出した、高さがほぼ「0」になる谷側ピークのうちのメインローブの山側ピークに最も近い谷側ピークが現れる時間と一致する場合に、送信信号と受信信号とが一致すると判定してもよい。
 以上のように、実施の形態1に係る超音波測距装置10は、送信処理部411と、超音波センサ1と、A/D変換部402と、相関関数計算部404とを備える。送信処理部411は、送信信号の周波数を変調する。超音波センサ1は、変調後の送信信号に対応する超音波を送信し、超音波が障害物で反射した反射波を受信してアナログ信号を出力する。A/D変換部402は、アナログ信号をアナログデジタル変換して受信信号を出力する。相関関数計算部404は、受信信号と変調後の送信信号との相関関数を計算する。ここで、周波数変調後の送信信号は、予め定められた長さTb[sec]の複数のブロックから構成され、ブロック間の周波数差が1/Tbの整数倍である。これにより、相関関数のサイドローブを小さくすることができ、距離分解能を向上させることができる。また、超音波測距装置10は、周波数の異なる複数のブロックを組み合わせて送信信号をコード化することにより、送信信号に一致する受信信号を識別できる。また、超音波測距装置10は、従来必要であったアクチュエータを用いずに送信信号を変調できる。
 また、実施の形態1によれば、送信処理部411が送信信号の位相を変調する場合、位相変調後の送信信号は、1波の長さを2πとし、隣り合う2波間の位相変化がπ/2以下とすることができる。これにより、超音波測距装置10は、従来必要であったアクチュエータを用いずに送信信号を変調できる。また、超音波測距装置10は、上記のように送信信号の位相を変調することにより、相関関数のサイドローブを小さくすることができ、距離分解能を向上させることができる。また、超音波測距装置10は、送信信号を位相変調したことによる超音波の音圧レベルの減衰を抑制することができる。
 また、実施の形態1によれば、送信信号を位相変調する場合、超音波センサ1が備える送信素子2及び受信素子3のうち、少なくとも送信素子2にセラミック圧電素子を用いる。セラミック圧電素子は、Q値が大きいため、共振周波数からずれた周波数で振動させると、超音波の音圧レベルが大きく減衰する。これに対し、位相変調する場合、周波数は共振周波数を使用できるので、Q値が大きいセラミック圧電素子を用いても超音波の音圧レベルは減衰しない。
 また、実施の形態1の送信処理部411は、1波2πのうちの連続したπがハイレベルであり残りがローレベルであるパターンを、π/2ずつずらした4パターンを用いて、位相変調する。これにより、超音波測距装置10は、簡単な構成で送信信号を位相変調できる。
 また、実施の形態1に係る超音波測距装置10は、相関関数の山側のピーク又は谷側のピークの少なくとも一方についてピーク位置及びピーク高さを検出するピーク検出部406と、ピーク検出部406により検出されたピーク高さに対するピーク幅を検出する特徴値抽出部407とを備える。これにより、超音波測距装置10は、相関関数の波形の外形を正確に検出できる。
 また、実施の形態1の特徴値抽出部407は、変調後の送信信号に応じた相関関数の特徴値を含む標準モデルを有し、標準モデルと相関関数計算部404により計算された相関関数とを比較することにより、受信信号に含まれる変調後の送信信号を識別する。これにより、超音波測距装置10は、受信信号に含まれる送信信号、即ち反射波を識別できると共に、ノイズ又は干渉波等を分離できる。また、超音波測距装置10は、送信信号をコード化した場合に、送信信号に一致する受信信号を識別できる。
 また、実施の形態1のピーク検出部406は、相関関数のメインローブのピーク及びサイドローブのピークを検出する。即ち、上記直交信号を送信信号に用いることにより、ピーク検出部406においてメインローブのピークとサイドローブのピークを容易に検出できる。これにより、超音波測距装置10は、相関関数のサイドローブのピーク位置とピーク高さに基づいて、送信信号の波形を識別できる。
 また、実施の形態1のピーク検出部406は、傾き検出幅における相関関数の波形の傾きを予め定められた傾き閾値と比較してピークを検出する場合、傾き検出幅を、予め算出された、高さがほぼ「0」になる谷側ピークのうちのメインローブの山側ピークに最も近い谷側ピークから上記メインローブの山側ピークまでの時間幅とする。これにより、特徴値抽出部407は、相関関数の波形の傾きに基づいて、受信信号に含まれる変調後の送信信号を識別できる。
 また、実施の形態1のピーク検出部406は、相関関数の山側のピーク位置より前側又は後側のいずれか一方、かつ、山側のピーク位置から傾き検出幅の長さの位置における高さを検出する。これにより、特徴値抽出部407は、ピーク検出部406により検出された高さに基づいて、受信信号に含まれる変調後の送信信号を識別できる。
 なお、実施の形態1の特徴値抽出部407は、相関関数の山側のピーク位置から前側又は後側のいずれか一方の谷側のピーク位置までの長さを、予め算出しておいた理論値又は解析値と比較することにより、変調後の送信信号に一致する受信信号を識別してもよい。理論値又は解析値とは、例えば、予め算出された、相関関数の値が「0」となる位置のうちのメインローブのピークに隣接している位置から上記メインローブがピーク値となる位置までの長さ、又は、予め算出された、相関関数の値が「0」となる位置のうちのメインローブのピークに隣接している位置において検出される高さである。
 また、実施の形態1のピーク検出部406は、超音波センサ1の送信素子2が超音波を送信した時点から時間が経過するほど、ピークの検出感度を高くする。これにより、超音波測距装置10は、ノイズの影響を低減できる。
 また、実施の形態1に係る超音波測距装置10は、相関関数計算部404による相関関数の計算結果を間引く間引き部409と、ピーク検出部406により検出されたピークの情報及び間引き部409により間引かれた相関関数の計算結果を通信する通信処理部410とを備える。これにより、超音波測距装置10は、信号処理回路4から距離測定ECU5へ通信するデータ量を削減できる。
 また、実施の形態1に係る超音波測距装置10は、相関関数計算部404による相関関数の計算結果を対数変換する対数変換部408を備える。これにより、超音波測距装置10は、信号処理回路4から距離測定ECU5へ通信するデータ量をさらに削減できる。
実施の形態2.
 実施の形態2に係る超音波測距装置10は、障害物7の距離に加えて高さを判定する。なお、実施の形態2に係る超音波測距装置10の構成は、実施の形態1の図1~図3に示された構成と図面上は同一であるため、以下では図1~図3を援用する。
 図25は、実施の形態2において、障害物7で反射される超音波を説明する図である。図26は、実施の形態2の相関関数計算部404による相関関数の計算結果を示すグラフである。
 図25Aに示される障害物7Hは、車両に設置された超音波センサ1の高さhよりも背が高い障害物である。超音波センサ1は、地面11からの高さh、障害物7Hからの距離lの位置に、地面11と水平に設置されている。超音波センサ1から送信された超音波は、障害物7Hで反射すると共に、地面11でも反射する。障害物7Hの超音波センサ1に対向する面を正面と呼ぶこととすると、虚像12Hは、障害物7Hの正面を対称面とした超音波センサ1の虚像である。虚像13は、地面11を対称面とした虚像12Hの虚像である。
 図25Aにおいて、超音波センサ1から送信された超音波のうち、直接反射波として超音波センサ1に返ってくるのは、超音波センサ1から障害物7Hの正面に下ろした垂線の足で反射したものであり、第一の反射波14Hとして示される経路を往復するものだけである。この第一の反射波14Hの伝播距離(又は伝播時間)は、虚像12Hから送信されて超音波センサ1が受信する超音波の伝播距離(又は伝播時間)と同じになる。
 図25Aにおいて、超音波センサ1から送信された超音波のうち、障害物7Hと地面11の双方に反射して超音波センサ1に返ってくる二重反射波を考える。二重反射波は、障害物7Hの正面下辺と超音波センサ1とを往復する第二の反射波15である。この第二の反射波15の伝播距離(又は伝播時間)は、虚像13から送信されて超音波センサ1が受信する超音波の伝播距離(又は伝播時間)と同じになる。この虚像13は、地面11及び障害物7Hの正面を対称面として、超音波センサ1とは面対称の位置にある。
 第一の反射波14Hは、最短で障害物7Hに達する経路を往復するため、第二の反射波15の伝播時間に比べて、第一の反射波14Hの伝播時間が短い。また、反射波の強度も、第二の反射波15に比べて、第一の反射波14Hが強い。以上の結果から、超音波センサ1に到達する反射波から計算された相関関数をグラフ化すると、図26Aのようになる。図26Aのグラフでは、相関関数は、ピーク高さが「1」になるよう正規化されているが、対数変換されていてもよい。
 図25Bに示される障害物7Lは、車両に設置された超音波センサ1の高さhよりも背が低い障害物である。超音波センサ1から地面11と水平な方向に送信された超音波は、障害物7Lより上方を通過するため、超音波センサ1に返ってこない無反射波14Lである。直接反射波として超音波センサ1に返ってくるのは、障害物7Lの上辺と正面との境界で反射したものであり、第一の反射波16として示される経路を往復するものである。よって、虚像12Lは、障害物7Lの上辺と正面との境界を対称軸とする線対称の位置に現れる。第一の反射波16の伝播距離(又は伝播時間)は、第二の反射波15の伝播距離(又は伝播時間)より短い。また、実測結果上、第一の反射波16の強度は第二の反射波15の強度より低いことが分かっている。以上の結果から、超音波センサ1に到達する反射波から計算された相関関数をグラフ化すると、図26Bのようになる。図26Bのグラフでは、図26Aと同様にピーク高さが「1」になるよう正規化されているが、対数変換されていてもよい。
 なお、上記例では、第二の反射波が1つの経路しか通過しない場合を説明したが、複数の第二の反射波が複数の経路を通過してもかまわない。その場合、第一の反射波と第二の反射波から成る反射波は、二重反射波ではなく多重反射波となる。
 次に、障害物7の高さを検出する方法を説明する。
 実施の形態1の図20に示されるフローチャートのステップST13において、特徴値抽出部407は、ピーク番号jjのピークについて、高さ比率番号kにおけるピーク位置ic(jj)より前側の幅wdpp(jj,k)、及び後側の幅wdpa(jj,k)を検出する。
 図20に示されるフローチャートの動作が終了した後、特徴値抽出部407は、予め定められた第一の高さ比率番号k1における前側の幅wdpp(jj,k1)、及び後側の幅wdpa(jj,k1)と、予め定められた第二の高さ比率番号k2における前側の幅wdpp(jj,k2)、及び後側の幅wdpa(jj,k2)とを抽出する。
 第一の高さ比率番号k1は、例えば第一の高さ比率「0.40」であり、第二の高さ比率番号k2は、例えば第二の高さ比率「0.10」である。第一の高さ比率は、ピークの比較的高い位置に設定され、実施の形態1で説明したように相関関数の波形の外形を検出するために用いられる。第二の高さ比率は、第一の高さ比率より低い位置に設定され、障害物7の高さを判定するために用いられる。
 障害物7が超音波センサ1の高さhより背の高い障害物7Hである場合、図26Aに示されるように、第二の高さ比率「0.10」におけるピーク位置より前側の幅が、後側の幅より小さくなる。一方、障害物7が超音波センサ1の高さhより背の低い障害物7Lである場合、図26Bに示されるように、第二の高さ比率「0.10」におけるピーク位置より前側の幅が、後側の幅より大きくなる。従って、特徴値抽出部407は、第二の高さ比率「0.10」における前側の幅wdpp(jj,k2)と後側の幅wdpa(jj,k2)との大小関係を比較することにより、障害物7の高さを判定できる。
 なお、特徴値抽出部407は、第一の反射波14H,16及び第二の反射波15から成る多重反射波を1つのピークとみなして高さ判定に用いるために、ピーク位置の前後方向にのびる高さ判定幅を設定してもよい。高さ判定幅は、超音波センサ1が設置された高さh及び反射波のドップラシフト量等に基づいて設定される。特徴値抽出部407は、高さ比率「0」におけるピーク幅が高さ判定幅未満となるピーク波形のみを用いて、障害物7の高さを判定する。これにより、高さ判定幅の外に別のピークが存在したとしても、障害物7の高さ判定に影響しないため、判定精度が向上する。
 また、障害物7が超音波センサ1の高さhより背の高い障害物7Hである場合、図26Aに示されるように、多重反射波のピークは、ピーク位置より前側のピーク幅が後側のピーク幅より小さいので、ピーク位置より前側の傾きが後側の傾きより鋭くなる。一方、障害物7が超音波センサ1の高さhより背の低い障害物7Lである場合、図26Bに示されるように、ピーク位置より前側の傾きが、後側の傾きよりなだらかになる。従って、特徴値抽出部407は、ピーク位置より前側の傾きと後側の傾きとの大小関係を比較することにより、障害物7の高さを判定できる。
 図25A及び図25Bでは、超音波センサ1が地面11と水平な方向に超音波を送信するよう設置されていたため、特徴値抽出部407は、超音波センサ1の高さhを高さ判定の基準高さとし、障害物7がこの高さhより高いか低いかを判定した。ただし、超音波センサ1の地面11に対する角度及び超音波の指向性等が変化すると、第二の反射波15の強度も変化するため、障害物7の高さ判定の基準を高さhから上下方向に変更可能である。
 なお、特徴値抽出部407は、第一の反射波14H,16のピーク位置及び第二の反射波15のピーク位置を用いて、下記の式(1)及び式(2)を計算することにより、障害物7の高さを判定してもよい。この場合、第一の反射波14H,16のピークと第二の反射波15のピークとが異なるピークとして検出されるよう、ピーク検出部406のピーク検出感度が調整されているものとする。
 図25A及び図26Aにおいて、下式(1)が成り立つ。式(1)において、hは超音波センサ1の高さ、L1は第一の反射波14Hの伝播距離の1/2、L2は第二の反射波15の伝播距離の1/2である。特徴値抽出部407は、式(1)が成立することを確認できた場合、障害物7が超音波センサ1の高さhよりも高い障害物7Hであると判定する。特徴値抽出部407は、式(1)が成立しない場合、式(2)を計算する。

  L2=L1+h   (1)
 図25B及び図26Bにおいて、超音波センサ1の高さhより低い障害物7Lの高さhLは、式(2)より求まる。式(2)において、hは超音波センサ1の高さ、lは超音波センサ1から障害物7Lまでの水平距離、L1は第一の反射波16の伝播距離の1/2、L2は第二の反射波15の伝播距離の1/2である。特徴値抽出部407は、式(2)を計算することにより、障害物7Lの高さhLを求め、障害物7が超音波センサ1の高さhよりも低い障害物7Lであると判定する。

Figure JPOXMLDOC01-appb-I000001
 なお、式(1)及び式(2)のような数式により高さを判定する場合、高い距離分解能が要求される。送信信号を変調して受信信号との相関関数を計算して測距する方法は、変調の無い連続波を用いて測距する方法と比較して、距離分解能が高く、高性能である。
 以上のように、実施の形態2の特徴値抽出部407は、ピーク検出部406により検出された山側のピークについて、ピーク高さに対する第一の比率におけるピーク幅に基づいて受信信号に含まれる送信信号を識別すると共に、第一の比率より小さい第二の比率におけるピーク幅に基づいて障害物7の高さを判定する。送信信号の波形の特徴はピークのより高い部分に現れる傾向があるので、特徴値抽出部407は、ピーク波形の上部のピーク幅に基づいて送信信号の識別を行う。一方、多重反射波の波形の特徴はピークのより低い部分に現れる傾向があるので、特徴値抽出部407は、ピーク波形の下部のピーク幅に基づいて障害物7の高さを判定する。これにより、超音波測距装置10は、受信信号に含まれる送信信号の識別に加え、障害物7の高さ判定を行うことができる。
 また、実施の形態2の特徴値抽出部407は、ピーク検出部406により検出された山側のピークのうち、高さ比率「0」におけるピーク幅が予め定められた高さ判定幅未満であるピークについて、障害物7の高さを判定する。これにより、超音波測距装置10は、相関関数における多重反射波を正しく抽出でき、高さの判定精度を向上させることができる。
 なお、実施の形態2の特徴値抽出部407は、ピーク検出部406により検出された山側のピークについて、ピーク位置より前側の傾き及び後側の傾きに基づいて、障害物7の高さを判定してもよい。これにより、超音波測距装置10は、障害物7の高さ判定を行うことができる。
 また、実施の形態2の特徴値抽出部407は、上式(1)及び上式(2)に基づいて、障害物7の高さを判定してもよい。即ち、ピーク検出部406は、超音波が障害物7で反射して超音波センサ1に返ってくる第一の反射波14H,16のピーク、及び超音波が障害物7で反射した後に別の物体(例えば、地面11)で反射して超音波センサ1に返ってくる第二の反射波15のピークを検出する。そして、特徴値抽出部407は、ピーク検出部406により検出された第一の反射波14H,16のピーク位置と第二の反射波15のピーク位置とに基づいて、障害物7の高さを判定する。これにより、超音波測距装置10は、障害物7の高さ判定を行うことができる。
 最後に、各実施の形態に係る信号処理回路4のハードウェア構成を説明する。
 図27は、各実施の形態に係る信号処理回路4のハードウェア構成例を示す図である。信号処理回路4におけるアナログフィルタ部401は、アナログフィルタ回路1000である。信号処理回路4におけるA/D変換部402は、A/D変換回路1001である。信号処理回路4における送信処理部411の駆動部4115は、送信素子2に電圧を印加する駆動回路1002である。図示は省略するが、送信処理部411は、駆動回路1002以外にも、基本周波数発振部4111である発振器、周波数変調部4112である発振器、比較部4113である比較器、及び送信パターン生成部4114であるシフトレジスタ等を有する。
 信号処理回路4におけるデジタルフィルタ部403、相関関数計算部404、検波部405、ピーク検出部406、特徴値抽出部407、対数変換部408、間引き部409、通信処理部410、及び送信処理部411の機能は、メモリ1003に格納されるプログラムを実行するプロセッサ1004により実現される。即ち、デジタルフィルタ部403、相関関数計算部404、検波部405、ピーク検出部406、特徴値抽出部407、対数変換部408、間引き部409、通信処理部410、及び送信処理部411の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア又はファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ1003に格納される。プロセッサ1004は、メモリ1003に格納されたプログラムを読みだして実行することにより、各部の機能を実現する。即ち、信号処理回路4は、プロセッサ1004により実行されるときに、上記の処理が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ1003を備える。また、このプログラムは、デジタルフィルタ部403、相関関数計算部404、検波部405、ピーク検出部406、特徴値抽出部407、対数変換部408、間引き部409、通信処理部410、及び送信処理部411の手順又は方法をコンピュータに実行させるものであるとも言える。
 ここで、プロセッサ1004とは、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、又はマイクロプロセッサ等のことである。
 メモリ1003は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、又はフラッシュメモリ等の不揮発性もしくは揮発性の半導体メモリである。
 なお、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、各実施の形態の任意の構成要素の変形、又は各実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
 この発明に係る超音波測距装置は、簡単な構成にしたので、自動車用の超音波測距装置などに用いるのに適している。
 1 超音波センサ、2 送信素子、3 受信素子、4 信号処理回路、5 距離測定ECU(距離測定部)、6 車両制御ECU、7,7H,7L,A~D 障害物、11 地面、12H,12L,13 虚像、14H,16 第一の反射波、14L 無反射波、15 第二の反射波、10 超音波測距装置、401 アナログフィルタ部、402 A/D変換部、403 デジタルフィルタ部、404 相関関数計算部、405 検波部、406 ピーク検出部、407 特徴値抽出部、408 対数変換部、409 間引き部、410 通信処理部、411 送信処理部、1000 アナログフィルタ回路、1001 A/D変換回路、1002 駆動回路、1003 メモリ、1004 プロセッサ、4101 送信部、4102 受信部、4103 受信フォーマット解析部、4104 変調周波数抽出部、4105 位相パターン抽出部、4106 変調周波数シフトレジスタ、4107 位相パターンシフトレジスタ、4108 分周部、4111 基本周波数発振部、4112 周波数変調部、4113 比較部、4114 送信パターン生成部、4115 駆動部、A11~A14,B11~B14,C11~C14,D11~D14 相関関数、C1~C3 コンデンサ、L1~L3 インダクタ、R1~R3 抵抗、S1 スイッチ、V1 DC電源。

Claims (17)

  1.  送信信号の周波数を変調する送信処理部と、
     変調後の前記送信信号に対応する超音波を送信し、前記超音波が障害物で反射した反射波を受信してアナログ信号を出力する超音波センサと、
     前記アナログ信号をアナログデジタル変換して受信信号を出力するアナログデジタル変換部と、
     前記受信信号と変調後の前記送信信号との相関関数を計算する相関関数計算部とを備え、
     変調後の前記送信信号は、予め定められた長さTbの複数のブロックから構成され、ブロック間の周波数差が1/Tbの整数倍であることを特徴とする超音波測距装置。
  2.  送信信号の位相を変調する送信処理部と、
     変調後の前記送信信号に対応する超音波を送信し、前記超音波が障害物で反射した反射波を受信してアナログ信号を出力する超音波センサと、
     前記アナログ信号をアナログデジタル変換して受信信号を出力するアナログデジタル変換部と、
     前記受信信号と変調後の前記送信信号との相関関数を計算する相関関数計算部とを備え、
     変調後の前記送信信号は、1波の長さを2πとし、隣り合う2波間の位相変化がπ/2以下であることを特徴とする超音波測距装置。
  3.  前記超音波センサは、セラミック圧電素子であることを特徴とする請求項2記載の超音波測距装置。
  4.  前記送信処理部は、1波2πのうちの連続したπがハイレベルであり残りがローレベルであるパターンを、π/2ずつずらした4パターンを用いて、位相変調することを特徴とする請求項2記載の超音波測距装置。
  5.  前記相関関数の山側のピーク又は谷側のピークの少なくとも一方についてピーク位置及びピーク高さを検出するピーク検出部と、
     前記ピーク検出部により検出されたピーク高さに対するピーク幅を検出する特徴値抽出部とを備えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の超音波測距装置。
  6.  前記特徴値抽出部は、変調後の前記送信信号に応じた相関関数の特徴値を含む標準モデルを有し、前記標準モデルと前記相関関数計算部により計算された相関関数とを比較することにより、前記受信信号に含まれる変調後の前記送信信号を識別することを特徴とする請求項5記載の超音波測距装置。
  7.  前記ピーク検出部は、前記相関関数のメインローブのピーク及びサイドローブのピークを検出することを特徴とする請求項5記載の超音波測距装置。
  8.  前記ピーク検出部は、傾き検出幅における前記相関関数の波形の傾きを予め定められた傾き閾値と比較してピークを検出する場合、予め算出された、相関関数の値が「0」となる位置のうちのメインローブのピークに隣接している位置の時間と前記メインローブがピーク値となる時間との間を前記傾き検出幅とすることを特徴とする請求項7記載の超音波測距装置。
  9.  前記ピーク検出部は、前記相関関数の山側のピーク位置より前側又は後側のいずれか一方、かつ、予め算出された、相関関数の値が「0」となる位置のうちの前記山側のピーク位置に隣接している位置における高さを検出し、
     前記特徴値抽出部は、前記ピーク検出部により検出された高さに基づいて、前記受信信号に含まれる変調後の前記送信信号を識別することを特徴とする請求項5記載の超音波測距装置。
  10.  前記特徴値抽出部は、前記相関関数の山側のピーク位置から前側又は後側のいずれか一方の谷側のピーク位置までの長さと、予め算出された、相関関数の値が「0」となる位置のうちのメインローブのピークに隣接している位置から前記メインローブがピーク値となる位置までの長さとを比較することにより、前記受信信号に含まれる変調後の前記送信信号を識別することを特徴とする請求項5記載の超音波測距装置。
  11.  前記ピーク検出部は、前記超音波センサが超音波を送信した時点から時間が経過するほど、ピークの検出感度を高くすることを特徴とする請求項5記載の超音波測距装置。
  12.  前記特徴値抽出部は、前記ピーク検出部により検出された山側のピークについて、ピーク高さに対する第一の比率におけるピーク幅に基づいて前記受信信号に含まれる前記送信信号を識別すると共に、前記第一の比率より小さい第二の比率におけるピーク幅に基づいて前記障害物の高さを判定することを特徴とする請求項5記載の超音波測距装置。
  13.  前記特徴値抽出部は、前記ピーク検出部により検出された山側のピークのうち、ピーク高さに対する比率「0」におけるピーク幅が予め定められた高さ判定幅未満であるピークについて、前記障害物の高さを判定することを特徴とする請求項12記載の超音波測距装置。
  14.  前記特徴値抽出部は、前記ピーク検出部により検出された山側のピークについて、ピーク位置より前側の傾き及び後側の傾きに基づいて、前記障害物の高さを判定することを特徴とする請求項5記載の超音波測距装置。
  15.  前記ピーク検出部は、前記超音波センサが送信した超音波が前記障害物で反射して前記超音波センサに返ってくる第一の反射波のピーク、及び前記超音波が前記障害物で反射した後に別の経路で反射して前記超音波センサに返ってくる第二の反射波のピークを検出し、
     前記特徴値抽出部は、前記ピーク検出部により検出された前記第一の反射波のピーク位置と前記第二の反射波のピーク位置とに基づいて、前記障害物の高さを判定することを特徴とする請求項5記載の超音波測距装置。
  16.  前記相関関数計算部による前記相関関数の計算結果を間引く間引き部と、
     前記間引き部により間引かれた前記相関関数の計算結果を通信する通信処理部とを備えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の超音波測距装置。
  17.  前記相関関数計算部による前記相関関数の計算結果を対数変換する対数変換部を備えることを特徴とする請求項16記載の超音波測距装置。
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