WO2019155888A1

WO2019155888A1 - オープンショーケース

Info

Publication number: WO2019155888A1
Application number: PCT/JP2019/002161
Authority: WO
Inventors: 公大落合
Original assignee: パナソニックＩｐマネジメント株式会社
Priority date: 2018-02-09
Filing date: 2019-01-24
Publication date: 2019-08-15

Abstract

オープンショーケースは、前面に開口部を有し、内部に少なくとも１つの陳列棚を備えたケース本体と、空気を冷却する冷却器とメインファンモータとを内部に備え、ケース本体の周壁に設けられた冷気流通ダクトと、開口部の上縁部と下縁部において、それぞれ冷気流通ダクトと連通して設けられた冷気吹出口及び冷気吸込口と、を有する。メインファンモータの駆動により、冷却器を通過して生成された冷気が冷気吹出口から冷気吸込口に向けて吹き出されてエアカーテンが形成される。開口部から見て少なくとも１つの陳列棚の奥側の背面壁部に棚ファンモータを備え、棚ファンモータの駆動により、エアカーテンから背面壁部に向かう方向に陳列棚上の空気を冷気流通ダクトに吸込む。

Description

オープンショーケース

　本発明は、主にスーパーマーケットまたはコンビニエンスストアなどの商業施設に設置される、冷凍オープンショーケースまたは冷蔵オープンショーケースに関する。

　従来のオープンショーケースの一例として、特許文献１に記載されたものが知られている。このショーケースは、前面に開口部を有し、内部の陳列室に複数の陳列棚を備える。ショーケースのケース本体の周壁内部に、庫内ファンと冷却器を有する冷気流通ダクトが形成されている。冷却器により生成された冷気は、庫内ファンにより冷気流通ダクトを通過して、ケース前面開口部上縁に備えられた冷気吹出口からケース前面開口部下縁に備えられた冷気吸込口に向かって吹出す。これによりエアカーテンを形成し、外熱を遮断する。特許文献１には、陳列棚において幅方向に間隔をあけられた複数の庫内ファンと、庫内ファンと同数の温度センサを設け、温度センサの検知温度に基づき各検知温度が実質的に一定となるように各庫内ファンの回転速度を個別に制御する構成が開示されている。

　従来のオープンショーケースでは、エアカーテンにより外熱の遮断をしているものの、スーパーマーケット等の店舗での実使用条件において、来店客が陳列棚に向かって手を伸ばすこと、店舗空調の気流によるエアカーテンへの干渉、または、店舗内照明の照射などの設置環境による、陳列棚の温度へ影響を引き起こす外乱が存在する。

　エアカーテンの乱れによる陳列棚の温度への影響は、開口部に最も近い手前側は大きいが、奥側は陳列商品そのものの存在などがあり、小さい。また、照明は、陳列商品を来店客に見えやすくする為に陳列棚の手前側に集中することから、オープンショーケース上縁または陳列棚の奥側ではエアカーテンの乱れによる陳列棚の温度への影響は小さい。

　しかしながら、特許文献１に示す従来のオープンショーケースは、各陳列棚への冷気の供給方法として、陳列棚の奥側壁面に冷気流通ダクトの冷気吹出口を備え、冷気を冷気吹出口から陳列棚に供給している。この方法では、前述した外乱の少ない陳列棚の奥側から冷却する為、陳列棚の手前側で十分な冷却を行うためには、奥側が冷やし過ぎになるという問題があった。

特開２０１６－１７６４３号公報

　本発明はかかる点に鑑みてなされたもので、その目的は、陳列棚の冷気の供給を温度の影響が大きい手前側から行うことで、陳列棚内部の温度ばらつきを減少させることができるオープンショーケースを提供することである。

　上記目的を達成するために、本発明に係るオープンショーケースは、前面に開口部を有し、内部に少なくとも１つの陳列棚を備えたケース本体と、空気を冷却する冷却器とメインファンモータとを内部に備え、ケース本体の周壁に設けられた冷気流通ダクトと、開口部の上縁部と下縁部において、それぞれ冷気流通ダクトと連通して設けられた冷気吹出口及び冷気吸込口と、を有する。メインファンモータの駆動により、冷却器を通過して生成された冷気が冷気吹出口から冷気吸込口に向けて吹き出されて、エアカーテンが形成される。ケース本体は、開口部から見て少なくとも１つの陳列棚の奥側の背面壁部に棚ファンモータを備え、棚ファンモータの駆動により、エアカーテンから背面壁部に向かう方向に陳列棚上の空気を冷気流通ダクトに吸込む。

　この構成によれば、陳列棚の冷気の供給を温度の影響が大きい手前側から行うことで、陳列棚内部の温度ばらつきを減少させることができるオープンショーケースを提供することができる。

　また、本発明に係るオープンショーケースは、開口部から見て陳列棚の手前側の先端部に温度センサを有してもよい。また、温度センサの検知温度が陳列棚の目標設定温度よりも高い場合に棚ファンモータの風量を増加させること、温度センサの検知温度が陳列棚の目標設定温度よりも低い場合に、棚ファンモータの風量を減少させること、の少なくともいずれか一方を行ってもよい。

　この構成によれば、陳列棚の冷やしすぎ、不必要な消費エネルギーの増加の抑制、または、コールドアイルの生成を避けることができる。

　また、本発明に係るオープンショーケースは、棚ファンモータの風量を増加させる場合にメインファンモータの風量も増加させること、棚ファンモータの風量を減少させる場合にメインファンモータの風量も減少させること、の少なくともいずれか一方を行ってもよい。

　この構成によれば、陳列棚の冷やしすぎ、不必要な消費エネルギーの増加の抑制、または、コールドアイルの生成をさけつつ適切にエアカーテンを保持することが可能となる。

　本発明によれば、オープンショーケースの陳列棚内部の温度ばらつきを減少させることができる。また、陳列棚の冷やしすぎ、不必要な消費エネルギーの増加の抑制、または、コールドアイルの生成をさけつつ適切にエアカーテンを保持することが可能となる。

図１Ａは、本発明の実施形態１に係るオープンショーケースを示す側面図である。図１Ｂは、本発明の実施形態１に係る他のオープンショーケースを示す側面図である。図２は、本発明の実施形態２に係るオープンショーケースを示す側面図である。図３は、本発明の実施形態２に係るオープンショーケースにおける温度センサが検知する検知温度とファンの風量を示すタイミングチャートである。図４は、本発明の実施形態２に係るオープンショーケースにおけるメインファンモータと棚ファンモータの風量制御を示すフローチャートである。

　以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。

　（実施形態１）
　図１Ａは、本発明の実施形態１に係るオープンショーケース１を示す側面図である。オープンショーケース１（ケース本体）の前面には開口部１１がある。オープンショーケース１の内部には、陳列棚２Ａ、２Ｂが備えられた陳列室２がある。オープンショーケース１の周壁内部には、メインファンモータ３と冷却器４と冷気流通ダクト５が形成されている。冷却器４で冷却された冷気は、メインファンモータ３が駆動し生成する風によって冷気流通ダクト５をオープンショーケース１の下部から上部に向かって移動し、オープンショーケース１の前面の開口部１１の上縁部の周壁内側に備えられた冷気吹出口６からオープンショーケース１前面の開口部１１の下縁部の周壁内側に備えられた冷気吸込口７に向かって吹き出される。冷気吹出口６から吹き出し冷気吸込口７に吸い込まれる冷気の流れが、エアカーテン８を形成している。

　また、オープンショーケース１を開口部１１から見て陳列棚２Ａ、２Ｂの奥側の背面壁部にそれぞれ、棚ファンモータ９Ａ、９Ｂが備えられている。棚ファンモータ９Ａ、９Ｂは、陳列棚２Ａ、２Ｂの上部の冷気を、冷気流通ダクト５へ吸い込むように駆動される（動作する）。棚ファンモータ９Ａ、９Ｂを駆動させることで、エアカーテン８側の冷気が、陳列棚２Ａ、２Ｂの上部を通って、周壁内部の冷気流通ダクト５に吸い込まれる。この構成により、温度の影響が大きい、陳列棚２Ａ、２Ｂの手前側から陳列商品を冷却することができ、陳列棚２Ａ、２Ｂの手前側と奥側の温度ばらつきを大きく減少させることができる。

　棚ファンモータ９Ａ、９Ｂには、２種類のファンモータを選択することが出来る。

　１つのファンモータは、軸流ファンモータである。オープンショーケース１の設置環境（設置場所）による温度に対する外乱、または、例えば陳列したての陳列商品自体が有する熱などにより、オープンショーケース１内を循環する冷気の温度が無視できない程度に上昇するような場合に、暖められた空気をより素早く吸込むために、軸流ファンモータであれば、高流量を容易に確保できる。軸流ファンモータを使用する場合は、冷気流通ダクト５を通過する冷気に対して垂直に冷気を吸込むため、冷気流通ダクト５内の円滑な冷気循環を妨げる場合がある。このような場合、図１Ｂに示すように、冷気流通ダクト５内において、棚ファンモータ９Ａの吹き出し側にガイド板１２を取り付ける。本構成とすれば、棚ファンモータ９Ａが吸込んだ冷気を、周壁上縁に向かうような風路を形成できる。よって、軸流ファンモータを使用する場合の影響を改善することは可能である。

　もう１つのファンモータは、遠心ファンモータである。陳列商品などが障害となってスムーズな冷気の流れを形成することが困難な場合に、遠心ファンモータであれば、風圧を容易に確保できる。遠心ファンモータを使用する場合においても、図１Ｂに示したように、冷気流通ダクト５内において、棚ファンモータ９Ａの吹き出し側にガイド板１２を取り付ける。本構成とすれば、軸流ファンモータを使用する場合と同様に、棚ファンモータ９Ａが吸込んだ冷気を、周壁上縁に向かうような風路を形成できる。よって、遠心ファンモータを使用する場合でも、冷気流通ダクト５内の円滑な冷気循環の妨げの影響を小さくすることは可能である。

　以上のように、本実施形態のオープンショーケースは、前面に開口部１１を有し、内部に少なくとも１つの陳列棚２Ａ、２Ｂを備えたケース本体１と、空気を冷却する冷却器４とメインファンモータ３とを内部に備え、ケース本体１の周壁に設けられた冷気流通ダクト５と、開口部１１の上縁部と下縁部において、それぞれ冷気流通ダクト５と連通して設けられた冷気吹出口６及び冷気吸込口７と、を有する。メインファンモータ３の駆動により、冷却器４を通過して生成された冷気が冷気吹出口６から冷気吸込口７に向けて吹き出されて、エアカーテン８が形成される。ケース本体１は、開口部１１から見て少なくとも１つの陳列棚２Ａ、２Ｂの奥側の背面壁部に棚ファンモータ９Ａ、９Ｂを備え、棚ファンモータ９Ａ、９Ｂの駆動により、エアカーテン８から背面壁部に向かう方向に陳列棚２Ａ、２Ｂ上の空気を冷気流通ダクト５に吸込む。

　これにより、陳列棚２Ａ、２Ｂの冷気の供給を温度の影響が大きい手前側から行うことで、陳列棚２Ａ、２Ｂ内部の温度ばらつきを減少させることができる。

　（実施形態２）
　図２は、本発明の実施形態２に係るオープンショーケース１を示す側面図である。実施形態１と同一機能を有する部位、部材については、同一符号を付すことで説明を省略、または簡略化する。

　本実施形態では、実施形態１の構成に加え、陳列棚２Ａ、２Ｂの手前側の先端部（先端に近い上面部分）にそれぞれ、温度センサ１０Ａ、１０Ｂが備えられている。

　陳列商品の品質保持の観点から言えば、冷却過多よりも冷却不足、つまり商品の温度上昇が問題となる。商品が食品の場合には、温度上昇による劣化により、食中毒などの危険性が高まる。

　陳列棚２Ａもしくは陳列棚２Ｂのいずれかで温度上昇が発生した場合には、メインファンモータ３の風量を増加させることで、ある程度の冷却効果が得られる。しかしながら、温度上昇が発生していない別の陳列棚が冷却過多となったり、オープンショーケース１の外部へ冷気が漏れてしまい消費エネルギーが増加したり、オープンショーケース１の前面下部にコールドアイルと呼ばれる冷気溜まりが生じて来店客の足元を過度に冷却し不快感を与える、といった問題が発生し得る。

　そこで本実施形態では、陳列棚２Ａ、２Ｂの手前側の先端部（先端に近い上面部分）にそれぞれ、温度センサ１０Ａ、１０Ｂが備えられる。温度センサ１０Ａ、１０Ｂは、陳列棚２Ａ、２Ｂの温度を検知する。

　まず、図３、図４を用いて、陳列棚２Ａ、または、陳列棚２Ｂを個別に制御する場合について説明する。

　図３は、本発明の実施形態２に係るオープンショーケースにおける温度センサ１０Ａ、１０Ｂが検知する検知温度とファンの風量を示すタイミングチャートである。図３は、陳列棚２Ａ、２Ｂの温度センサ１０Ａ、１０Ｂが検知する検知温度Ｔａ、Ｔｂと、メインファンモータ３と棚ファンモータ９Ａ、９Ｂの風量Ｗｍ、Ｗａ、Ｗｂとを縦軸に、時間を横軸にとって示したタイミングチャートである。

　例えば、棚ファンモータ９Ａが吸込む風量が大きすぎる場合、エアカーテン８が充分に形成されないこと、及び、棚ファンモータ９Ｂが吸込む風量が不足することが考えられる。エアカーテン８が充分に形成されない場合、オープンショーケース１の外熱が陳列棚２Ｂに伝わる心配がある。この状況は、棚ファンモータ９Ａを棚ファンモータ９Ｂ、棚ファンモータ９Ｂを棚ファンモータ９Ａ、陳列棚２Ｂを陳列棚２Ａと読み替えても同様である。

　そこで、本実施形態では、図３に示すように、何らかの要因で陳列棚２Ａに設けられた温度センサ１０Ａの検知温度Ｔａが時刻ｔ１から上昇した場合、棚ファンモータ９Ａの吸込み風量Ｗａを増加させることで陳列棚２Ａの冷却を行う。その際、前述した外熱の不要な取り込みまたは風量不足が発生しないように、または、エアカーテン８が充分に形成されるように、棚ファンモータ９Ａの吸込み風量Ｗａの増加に合わせてメインファンモータ３の風量Ｗｍも増加させる。

　検知温度Ｔａが時刻ｔ２から一定になった場合、棚ファンモータ９Ａの吸込み風量Ｗａを一定にする。同時に、メインファンモータ３の風量Ｗｍも一定にする。

　検知温度Ｔａが時刻ｔ３から低下した場合、棚ファンモータ９Ａの吸込み風量Ｗａを低下させる。同時に、メインファンモータ３の風量Ｗｍも低下させる。

　検知温度Ｔａが時刻ｔ４から一定になった場合、棚ファンモータ９Ａの吸込み風量Ｗａを一定にする。同時に、メインファンモータ３の風量Ｗｍも一定にする。

　図４は、本発明の実施形態２に係るオープンショーケースにおけるメインファンモータ３と棚ファンモータ９Ａ、９Ｂの風量制御を示すフローチャートである。図４は、図３の動作のフローチャートを示す。

　ステップＳ１では、温度センサ１０Ａ、１０Ｂの検知温度に基づき、温度センサ１０Ａ、１０Ｂの検知温度と陳列棚２Ａ、２Ｂの目標設定温度とを比較する。検知温度が目標設定温度よりも低い場合、ステップＳ２に進む。検知温度が目標設定温度よりも高い場合、ステップＳ４に進む。検知温度が目標設定温度と同等の場合、何もせずにステップＳ１に進む。

　ステップＳ２では、検知温度が目標設定温度よりも低い陳列棚２Ａまたは２Ｂの棚ファンモータ９Ａまたは９Ｂの風量を減少させ、ステップＳ３に進む。

　ステップＳ４では、検知温度が目標設定温度よりも高い陳列棚２Ａまたは２Ｂの棚ファンモータ９Ａまたは９Ｂの風量を増加させ、ステップＳ５に進む。

　ステップＳ３では、ステップＳ２で風量を減少させた棚ファンモータ９Ａまたは９Ｂの風量に応じてメインファンモータ３の風量を減少させる。そして、ステップＳ１に戻る。

　ステップＳ５では、ステップＳ４で風量を増加させた棚ファンモータ９Ａまたは９Ｂの風量に応じてメインファンモータ３の風量を増加させる。そして、ステップＳ１に戻る。

　このようにして、陳列棚２Ａの温度調整を行う場合に、陳列棚２Ｂへ影響が及ばないようにすることが可能となり、陳列棚２Ｂの冷やしすぎ、不必要な消費エネルギーの増加の抑制、または、コールドアイルの生成を避けつつ、適切にエアカーテンを保持することが可能となる。

　つぎに、陳列棚２Ａ、および、陳列棚２Ｂを同時に制御する場合について説明する。

　例えば、陳列棚２Ａに設けられた温度センサ１０Ａ、および、陳列棚２Ｂに設けられた温度センサ１０Ｂの検知温度が、ともに上昇した場合、それぞれの棚ファンモータ９Ａ、９Ｂの風量が増加する。よって、メインファンモータ３には、それぞれの棚ファンモータ９Ａ、９Ｂから風量を増加せよという指令が届けられる。したがって、メインファンモータ３は、それぞれの棚ファンモータ９Ａ、９Ｂから届けられた指令を合算した風量を増加するように供給する。

　逆に、陳列棚２Ａに設けられた温度センサ１０Ａ、および、陳列棚２Ｂに設けられた温度センサ１０Ｂの検知温度が、ともに低下した場合、それぞれの棚ファンモータ９Ａ、９Ｂの風量が減少する。よって、メインファンモータ３には、それぞれの棚ファンモータ９Ａ、９Ｂから風量を減少せよという指令が届けられる。したがって、メインファンモータ３は、それぞれの棚ファンモータ９Ａ、９Ｂから届けられた指令を合算した風量を減少するように供給する。

　さらに、例えば、陳列棚２Ａに設けられた温度センサ１０Ａの検知温度が上昇し、陳列棚２Ｂに設けられた温度センサ１０Ｂの検知温度が低下した場合、棚ファンモータ９Ａの風量が増加し、棚ファンモータ９Ｂの風量が減少する。よって、メインファンモータ３には、棚ファンモータ９Ａからは風量を増加せよという指令が届けられ、棚ファンモータ９Ｂからは風量を減少せよという指令が届けられる。したがって、メインファンモータ３は、それぞれの棚ファンモータ９Ａ、９Ｂから届けられた指令を合算した風量を供給する。

　以上のように、本実施形態のオープンショーケースは、開口部１１から見て陳列棚２Ａ、２Ｂの手前側の先端部に温度センサ１０Ａ、１０Ｂを有してもよい。また、温度センサ１０Ａまたは１０Ｂの検知温度が対応する陳列棚２Ａまたは２Ｂの目標設定温度よりも高い場合に、対応する棚ファンモータ９Ａまたは９Ｂの風量を増加させること、温度センサ１０Ａまたは１０Ｂの検知温度が対応する陳列棚２Ａまたは２Ｂの目標設定温度よりも低い場合に、対応する棚ファンモータ９Ａまたは９Ｂの風量を減少させること、の少なくともいずれか一方を行ってもよい。

　また、本実施形態のオープンショーケースは、棚ファンモータ９Ａまたは９Ｂの風量を増加させると同時にメインファンモータ３の風量を増加させること、棚ファンモータ９Ａまたは９Ｂの風量を減少させると同時にメインファンモータ３の風量を減少させること、の少なくともいずれか一方を行ってもよい。

　ここで、棚ファンモータ９Ａの風量の増減に合わせて増減させるメインファンモータ３の風量は、必ずしも棚ファンモータ９Ａで増減させる風量と同じとは限らない。オープンショーケース１の冷気流通ダクト５の通風抵抗またはエアカーテン８に必要な風量などの影響を考慮し、必要に応じてメインファンモータ３の風量を調整することになる。

　なお、オープンショーケースは商業施設に設置されるという用途から、陳列棚に商品が陳列されている状況が多いが、時には陳列商品が無いという状況も起こり得る。来店客による商品の摘出または店員による商品の補充などにより、陳列棚に置かれる商品の数は変化する可能性が高い。また置かれる商品の形状及び大きさも多彩である。そのため、陳列棚の通風抵抗は一定とは限らない。従って、棚ファンモータを一定の回転数で駆動しただけでもある程度の改善効果が見込まれるが、棚に吸込まれる冷気の量は一定とは限らず、適切な冷却性能を保持する為には、陳列商品の状況に合わせて風量を調整することが望ましい。

　本実施形態では、陳列棚が２つの場合を示したが、陳列棚が１つであっても３つ以上であっても構わない。陳列商品によっては温度ばらつきが許容出来るものもある為、必ずしも全ての棚に棚ファンモータを備える必要はない。

　本実施形態では、棚ファンモータにより吸込んだ風を冷却器よりも下流の風路に戻す例を示した。しかし、冷却器をケース上縁部など棚ファンモータの吸込み風より下流に備えることで、全ての循環風が冷却器を経由する構造としても構わない。

　本発明に係るオープンショーケースは、複数の陳列棚の奥行き方向の温度ばらつきを減少させることができる。したがって、陳列商品の品質保持または省エネルギー化を実現するオープンショーケースに適用する上で有用である。

１　　　オープンショーケース（ケース本体）
２　　　陳列室
２Ａ　　陳列棚
２Ｂ　　陳列棚
３　　　メインファンモータ
４　　　冷却器
５　　　冷気流通ダクト
６　　　冷気吹出口
７　　　冷気吸込口
８　　　エアカーテン
９Ａ　　棚ファンモータ
９Ｂ　　棚ファンモータ
１０Ａ　温度センサ
１０Ｂ　温度センサ
１１　　開口部
１２　　ガイド板
Ｔａ　　検知温度
Ｔｂ　　検知温度
Ｗｍ　　風量
Ｗａ　　風量
Ｗｂ　　風量

Claims

前面に開口部を有し、内部に少なくとも１つの陳列棚を備えたケース本体と、
空気を冷却する冷却器とメインファンモータとを内部に備え、前記ケース本体の周壁に設けられた冷気流通ダクトと、
前記開口部の上縁部と下縁部において、それぞれ前記冷気流通ダクトと連通して設けられた冷気吹出口及び冷気吸込口と、を有し、
前記メインファンモータの駆動により、前記冷却器を通過して生成された冷気が前記冷気吹出口から前記冷気吸込口に向けて吹き出されて、エアカーテンが形成されるオープンショーケースであって、
前記ケース本体は、前記開口部から見て少なくとも１つの前記陳列棚の奥側の背面壁部に棚ファンモータを備え、前記棚ファンモータの駆動により、前記エアカーテンから前記背面壁部に向かう方向に前記陳列棚上の空気を前記冷気流通ダクトに吸込む、オープンショーケース。
前記開口部から見て前記陳列棚の手前側の先端部に温度センサをさらに有する、請求項１に記載のオープンショーケース。
前記温度センサの検知温度が前記陳列棚の目標設定温度よりも高い場合に、前記棚ファンモータの風量を増加させる、請求項２に記載のオープンショーケース。
前記棚ファンモータの風量を増加させる場合に、前記メインファンモータの風量も増加させる、請求項３に記載のオープンショーケース。
前記温度センサの検知温度が前記陳列棚の目標設定温度よりも低い場合に、前記棚ファンモータの風量を減少させる、請求項２に記載のオープンショーケース。
前記棚ファンモータの風量を減少させる場合に、前記メインファンモータの風量も減少させる、請求項５に記載のオープンショーケース。
前記温度センサの検知温度が前記陳列棚の目標設定温度よりも高い場合に、前記棚ファンモータの風量を増加させ、かつ、前記温度センサの前記検知温度が前記陳列棚の前記目標設定温度よりも低い場合に、前記棚ファンモータの風量を減少させる、請求項２に記載のオープンショーケース。