WO2019130578A1 - 脱硝触媒の劣化評価方法 - Google Patents

脱硝触媒の劣化評価方法 Download PDF

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Abstract

石炭火力発電システムにおいて、燃焼ボイラの下流に設置される脱硝装置内に配置される脱硝触媒の劣化を評価すること。 石炭を用いる火力発電システムにおいて、石炭の燃焼によって生じる排ガスに含まれる窒素酸化物を除去する脱硝装置内に配置される脱硝触媒の劣化評価方法であって、前記脱硝触媒の中間層から採取した測定サンプルの表面に堆積している、粒径2μm以下の粒子を含む被覆層の平均厚さを測定し、平均厚さと脱硝率との相関関係に基づいて、脱硝率を予測し、予測された脱硝率を用いて脱硝触媒の劣化を評価する。

Description

脱硝触媒の劣化評価方法
 本発明は、脱硝触媒の劣化評価方法に関する。
 石炭火力発電所では、石炭燃焼に伴い窒素酸化物が発生するが、大気汚染防止法等の規制により、その排出は一定水準以下に抑えて排出することとなっている。そこで発電所では、窒素酸化物を還元分解するために脱硝装置が設置されている。この脱硝装置には、脱硝触媒が充填されており、アンモニア(ガス)を共存させることで、高温化で還元反応を発現している。
 この脱硝触媒は、300℃~400℃の高温雰囲気下で効率的に作動するため、ボイラで燃焼した直後の、煤塵が非常に多く含まれた排ガスを脱硝する必要がある。そのため、長期間の利用により、石炭灰が経時的に触媒表面へ堆積し、触媒表面全体を覆うことで、脱硝触媒の活性が低下する。
 活性が低下した脱硝触媒は、脱硝装置の性能を維持するため、新品の触媒に取り替えられたり、再生処理を行ったりする必要がある。
 例えば、下記の特許文献1には、脱硝触媒が複数段充填された排煙脱硝装置の脱硝触媒の交換方法であって、最上流側に位置する第1段目の脱硝触媒を取り出す触媒取出し工程と、第2段目以降の全ての脱硝触媒を順次、1段上流側に移動させる触媒移動工程と、前記触媒移動工程により移動して空となった最下流段に新たな脱硝触媒を補充する触媒補充工程と、を含む脱硝触媒の交換方法が開示されている。
特開2013-052335号公報
 しかし、従来技術において、新品の触媒への取り替えや再生方法の検討にあたり、触媒サンプルを採取し、触媒性能試験等を実施しているが、触媒性能試験として従来実施してきた脱硝率等の測定では、触媒性能の評価結果にバラつきが発生する可能性が高い。
 従って、本発明は、燃焼ボイラの下流に設置される脱硝装置内に配置される脱硝触媒の劣化を、従来よりも高い精度で評価することを目的とする。
 前記目的を達成するため、本発明は、次に記載する構成を備えている。
 (1)石炭を用いる火力発電システムにおいて、石炭の燃焼によって生じる排ガスに含まれる窒素酸化物を除去する脱硝装置内に配置される脱硝触媒の劣化評価方法であって、前記脱硝触媒の中間層から採取した測定サンプルの表面に堆積している、粒径2μm以下の粒子を含む被覆層の平均厚さを測定し、前記平均厚さと脱硝率との相関関係に基づいて、前記脱硝率を予測することで、前記脱硝触媒の劣化を評価する劣化評価方法。
 (2)前記劣化評価方法において、前記平均厚さを測定する際、前記測定サンプルの断面画像に含まれる被覆層の面積を、前記断面画像の幅で除算することにより、前記平均厚さを算出してもよい。
 (3)前記劣化評価方法において、前記平均厚さを測定する際、前記断面画像に含まれる被覆層の面積から、前記被覆層中の空隙の面積を減算し、更に、前記画像の幅で除算することにより、前記平均厚さを算出してもよい。
 (4)前記劣化評価方法において、前記平均厚さを測定する際、前記断面画像として複数の画像を用いてもよい。
 (5)前記劣化評価方法において、前記平均厚さを測定する際、前記断面画像として、倍率5000~10000倍の顕微鏡画像を用いてもよい。
 本発明の石炭を用いる火力発電システムにおける脱硝触媒の劣化評価方法によれば、脱硝触媒の劣化を、従来よりも高い精度で評価することができるため、脱硝触媒の交換や再生等の適切な管理が可能となる。
本発明の一実施形態を示す石炭火力発電プラントにおける微粉炭燃焼施設の概略構成図である。 図1の脱硝装置付近の拡大図である。 入口付近における脱硝触媒の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である(×5000倍)。 入口付近における脱硝触媒の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である(×5000倍)。 入口付近における脱硝触媒の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である(×20000倍)。 入口付近における脱硝触媒の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である(×5000倍)。 脱硝触媒の、ガスの流れ方向における被覆層(シリカ層)の厚さの変化を示す図である。 被覆層の平均厚さを算出するための測定サンプルの採取箇所を示す図である。 脱硝触媒の入口層での被覆層の平均厚さと脱硝率との関係を示すグラフである。 脱硝触媒の中間層での被覆層の平均厚さと脱硝率との関係を示すグラフである。
 以下、本発明の実施形態について各図面を参照しながら詳述する。
<1.石炭火力発電設備の構成>
 図1は、本実施形態の劣化評価方法を実施する石炭火力発電設備10の構成を示す。石炭火力発電設備10は、石炭バンカ20と、給炭機25と、微粉炭機30と、燃焼ボイラ40と、燃焼ボイラ40の下流側に設けられた排気通路50と、この排気通路50に設けられた脱硝装置60、空気予熱器70、電気集塵装置90、ガスヒータ(熱回収用)80、誘引通風機210、脱硫装置220、ガスヒータ(再加熱用)230、脱硫通風機240、及び煙突250と、を備える。
 石炭バンカ20は、石炭サイロ(図示しない)から運炭設備によって供給された石炭を貯蔵する。給炭機25は、石炭バンカ20から供給された石炭を所定の供給スピードで微粉炭機30に供給する。
 微粉炭機30としては、ローラミル、チューブミル、ボールミル、ビータミル、インペラーミル等が用いられる。
 燃焼ボイラ40は、微粉炭機30から供給された微粉炭を、強制的に供給された空気と共に燃焼する。また燃焼ボイラ40には、押込通風機75から燃焼用空気が送り込まれる。微粉炭を燃焼することによりクリンカアッシュ及びフライアッシュ等の石炭灰が生成されると共に、排ガスが発生する。
 石炭灰の主成分は、シリカ(SiO)40~70%、アルミナ(Al)20~40%であり、他に酸化鉄(Fe)、カルシウム(CaO)、カリウム(KO)、マグネシウム(MgO)、ナトリウム(NaO)等が少量含まれる。
 排気通路50は、燃焼ボイラ40の下流側に配置され、燃焼ボイラ40で発生した排ガス及び生成された石炭灰を流通させる。この排気通路50には、上述のように、脱硝装置60、空気予熱器70、ガスヒータ(熱回収用)80、電気集塵装置90、誘引通風機210、脱硫装置220と、ガスヒータ(再加熱用)230、脱硫通風機240、及び煙突250がこの順で配置される。
 脱硝装置60は、排ガス中の窒素酸化物を除去する。本実施形態では、脱硝装置60は、比較的高温(300℃~400℃)の排ガス中に還元剤としてアンモニアガスを注入し、脱硝触媒との作用により排ガス中の窒素酸化物を無害な窒素と水蒸気に分解する、いわゆる乾式アンモニア接触還元法により排ガス中の窒素酸化物を除去する。
 脱硝装置60は、図2に示すように、脱硝反応器61と、この脱硝反応器61の内部に配置される複数段の脱硝触媒層62,62,62と、脱硝触媒層62の上流側に配置される整流層63と、脱硝反応器61の入口付近に配置される整流板64と、脱硝反応器61の上流側に配置されるアンモニア注入部65と、を備える。
 脱硝反応器61は、脱硝装置60における脱硝反応の場となる。
 脱硝触媒層62は、脱硝反応器61の内部に、排ガスの流路に沿って所定間隔をあけて複数段(本実施形態では3段)配置される。
 脱硝触媒層62は、脱硝触媒としての複数の触媒体(図示せず)を含んで構成される。触媒体の形状としては粒状触媒、板状触媒、格子状触媒等が挙げられる。石炭火力発電プラントにおいては、排ガス中に多量のダストが含まれるため、耐ダスト性に優れ圧力損失の少ない、触媒面がガス流に対して平行に配置されたパラレルフロータイプの格子状触媒(以下、ハニカム触媒という)、又は板状触媒が好適に用いられる。なかでも、耐ダスト性に優れ圧力損失が少ないことからハニカム触媒がより好適に用いられる。
 ハニカム触媒は、長手方向に延びる複数の排ガス流通穴が形成された長尺状(直方体状)に形成される。そして、複数のハニカム触媒は、排ガス流通穴が排ガスの流路に沿うように配置される。ハニカム触媒としては、例えば、150mm×150mm×860mmの直方体形状で目開き6mm×6mmの排ガス流通穴が400個(20×20)形成されたものが用いられる。上記目開きは排ガス流速に併せて調節されており、ダストによるハニカム触媒の閉塞や摩耗が防止されている。また、一層の脱硝触媒層62には、例えば、9000本から10000本のハニカム触媒が設置される。
 ハニカム触媒は、五酸化バナジウムや酸化タングステン等の触媒活性成分を酸化チタンや酸化ジルコニウム等と練り合わせた後、押出成形することで形成される。
 整流層63は、脱硝触媒層62の上流側に配置される。整流層63は、格子状に形成された複数の開口を有する金属部材等により構成され、脱硝反応器61における排ガスの流路を区画する。整流層63は、排気通路50を流通し脱硝反応器61に導入される排ガスを整流して脱硝触媒層62に均等に導く。
 整流板64は、脱硝反応器61の入口の近傍における整流層63よりも上流側に配置される。より具体的には、整流板64は、脱硝反応器61又は排気通路50の内壁における屈曲部分に配置され、内壁から内面側に突出する。整流板64は、排気通路50又は脱硝反応器61における屈曲部分における排ガスの流れを整える。
 上記整流層63及び整流板64により排ガスが整流されることで、脱硝触媒層62に導かれる偏流が小さくなり、ダストによる脱硝触媒層62の閉塞や摩耗が防止されている。
 アンモニア注入部65は、脱硝反応器61の上流側に配置され、排気通路50にアンモニアを注入する。
 以上の脱硝装置60によれば、まず、アンモニア注入部65において、排気通路50を流通する高温の排ガス(300℃~400℃)にアンモニアが注入される。アンモニアが注入された排ガスは、整流板64及び整流層63により整流され、脱硝触媒層62に導入される。
 脱硝触媒層62においては、アンモニアを含む排ガスがハニカム触媒の排ガス流通穴を通過するときに、以下の化学反応式に従って、窒素酸化物とアンモニアとが反応し、無害な窒素と水蒸気に分解される。
 4NO+4NH+O→4N+6H
 NO+NO+2NH→2N+3H
 上記方法は乾式アンモニア接触還元法と呼ばれる。上記反応において、NOの量に対し添加するNHの量が多ければ脱硝率も向上するが、排出される未反応のNH(以下、リークNHという)が増加する。リークNHが多いと排ガス中のSOと反応して酸性硫安(NHHSO)が生成し、この酸性硫安が排ガスに含まれるダストの付着を促進させ後段に設置されている空気予熱器のエレメント等の詰まりが生じる。従ってリークNHが一定値以下となるよう、触媒の性能管理が行われている。
 NOの浄化率すなわち脱硝率は、脱硝触媒の入口側及び出口側のNO濃度等に基づき算出される。脱硝装置全体の脱硝率は、使用開始直後は80~90%程度であるが、脱硝触媒は使用により劣化し脱硝率が低下するため、適宜脱硝触媒の交換や再生等を行う必要がある。しかし劣化の進行は各触媒層において一様ではなく、最も劣化の進行が速いのは排ガスが最初に通過する第1層目の触媒層である。よって全体の脱硝率の低下に伴い全ての脱硝触媒を交換することとすると不経済であるため、例えば各触媒層における脱硝触媒ごとに劣化状態を評価し、劣化が進行している触媒層は交換や再生等を行う、といった方法が取られる。
 脱硝触媒の劣化の原因としては、シンタリング等の熱的劣化、触媒成分の被毒による化学的劣化、及び石炭灰が触媒表面を被覆することによる物理的劣化等であると考えられていた。そして脱硝触媒の劣化状態の評価方法としては専ら、日常管理及び点検時において脱硝触媒の入口側及び出口側のNOx濃度等のデータから脱硝触媒の脱硝率を算出することにより行われていた。しかし、本発明者らは、国際公開番号WO2017/022582号にも記載のように、石炭灰の平均的な粒径である数十μm以上百μm以下程度の範囲に比べて遥かに小さい粒径(1-2μm以下、より詳細には数十nm程度)の石炭灰に起因する堆積物が脱硝触媒の表面を被覆して被覆層を形成し、それによって、脱硝触媒の閉塞が生じていることを見出した。このような微小な粒径の石炭灰は含有量が少ないため、これまで脱硝触媒の劣化の原因とは考えられていなかった。
 上記知見に基づく脱硝触媒の劣化評価方法によれば、上記脱硝触媒の表面を被覆する被覆層の厚さを測定することで、脱硝触媒の劣化状態を評価することができる。よって脱硝触媒の劣化状態を従来よりも正確に評価でき、脱硝触媒の交換時期の予測等をより正確に行うことができる。従って劣化した脱硝触媒の交換や再生等の管理をより適切に行うことができる。
 空気予熱器70は、排気通路50における脱硝装置60の下流側に配置される。空気予熱器70は、脱硝装置60を通過した排ガスと燃焼用空気とを熱交換させ、排ガスを冷却すると共に、燃焼用空気を加熱する。加熱された燃焼用空気は、押込通風機75により燃焼ボイラ40に供給される。
 ガスヒータ80は、排気通路50における空気予熱器70の下流側に配置される。ガスヒータ80には、空気予熱器70において熱回収された排ガスが供給される。ガスヒータ80は、排ガスから更に熱回収する。
 電気集塵装置90は、排気通路50におけるガスヒータ80の下流側に配置される。電気集塵装置90には、ガスヒータ80において熱回収された排ガスが供給される。電気集塵装置90は、電極に電圧を印加することによって排ガス中の石炭灰(フライアッシュ)を収集する装置である。電気集塵装置90において捕集されるフライアッシュは、フライアッシュ回収装置120に回収される。
 誘引通風機210は、排気通路50における電気集塵装置90の下流側に配置される。誘引通風機210は、電気集塵装置90においてフライアッシュが除去された排ガスを、一次側から取り込んで二次側に送り出す。
 脱硫装置220は、排気通路50における誘引通風機210の下流側に配置される。脱硫装置220には、誘引通風機210から送り出された排ガスが供給される。脱硫装置220は、排ガスに石灰石と水との混合液を吹き付けることにより、排ガスに含有されている硫黄酸化物を混合液に吸収させて脱硫石膏スラリーを生成させ、この脱硫石膏スラリーを脱水処理することで脱硫石膏を生成する。脱硫装置220において生成された脱硫石膏は、この装置に接続された脱硫石膏回収装置222に回収される。
 ガスヒータ230は、排気通路50における脱硫装置220の下流側に配置される。ガスヒータ230には、脱硫装置220において硫黄酸化物が除去された排ガスが供給される。ガスヒータ230は、排ガスを加熱する。ガスヒータ80及びガスヒータ230は、排気通路50における、空気予熱器70と電気集塵装置90との間を流通する排ガスと、脱硫装置220と脱硫通風機240との間を流通する排ガスと、の間で熱交換を行うガスヒータとして構成してもよい。
 脱硫通風機240は、排気通路50におけるガスヒータ230の下流側に配置される。脱硫通風機240は、ガスヒータ230において加熱された排ガスを一次側から取り込んで二次側に送り出す。
 煙突250は、排気通路50における脱硫通風機240の下流側に配置される。煙突250には、ガスヒータ230で加熱された排ガスが導入される。煙突250は、排ガスを排出する。
<2.脱硝触媒の劣化評価方法>
 以下、脱硝触媒の劣化評価方法に関し、各測定画像を参照して詳細に説明する。
<2.1 平均厚さの測定方法>
 図3は、上記のハニカム触媒(短手150mm×150mm×長手860mmの直方体形状で目開き6mm×6mmの排ガス流通穴が400個(20×20)形成されたもの)について、使用開始から11年程度の脱硝触媒の入口付近での、短手方向に沿った断面の触媒表面付近における走査型電子顕微鏡(SEM)画像(×5000倍)である。また、図4は、同種のハニカム触媒について、使用開始から1年程度の脱硝触媒の中間付近での、短手方向に沿った断面の触媒表面付近における走査型電子顕微鏡(SEM)画像(×5000倍)である。また、図5は、使用開始から1年程度の脱硝触媒の中間付近での、短手方向に沿った断面の触媒表面付近における走査型電子顕微鏡(SEM)画像(×20000倍)である。また、図6は、使用開始から2年程度の脱硝触媒の中間付近での、短手方向に沿った断面の触媒表面付近における走査型電子顕微鏡(SEM)画像(×5000倍)であり、とりわけ被覆層中に空隙が多い箇所での画像である。なお測定は以下の条件にて行った。図1~4において、画像下方が脱硝触媒である。
[測定機器]電界放射型走査電子顕微鏡(FE-SEM)(日立ハイテクノロジーズ製、SU8020)
[測定条件]加速電圧5.0kV
 図3において、実線で囲った箇所は、粒径2μm以下の粒子を含む被覆層である。被覆層の平均厚さを算出する際には、この実線で囲った部分の面積を、被覆層の幅、すなわち、図3の画像の幅で除算することにより、平均厚さを算出する。
 図4のように、触媒表面に対して局所的に被覆層が付着している場合には、画像に表示される視野の幅が25μmとなるように、すなわち、倍率5,000~10,000倍程度の顕微鏡画像を複数用いることにより、平均厚さを算出する。仮に、図5のように、倍率20,000倍程度の顕微鏡画像を用いると、実際には、局部的にしか堆積していない被覆層が、触媒表面の全体に渡って堆積していることを前提として、平均厚さを算出することになるためである。
 また、図6のように被覆層に空隙が多い場合には、脱硝触媒表面に直接密着している被覆層の面積を測定し、その測定値を画像の幅で除算することにより、平均厚さを算出する。これにより、被覆層の見かけの平均厚さが厚くても、空隙が多い場合には、脱硝率の低下が生じないことを反映することができる。あるいは、ただ単に、空隙が少ない別の箇所の顕微鏡画像を用いてもよい。
 図7は、使用期間が約11年で脱硝率が約63%の脱硝触媒の、ガスの流れ方向における被覆層(シリカ層)の厚さの変化を示す。触媒長さが、0mm(入口)から概ね100mmに至るまでは、被覆層の厚さは高い勾配で下降し、概ね100mmを超えて以降は、被覆層の厚さは緩やかな勾配で下降する。
 すなわち、後述のように、脱硝触媒の劣化の評価に用いる、脱硝触媒の平均厚さと脱硝率との関係を求める際、測定サンプルとして、脱硝触媒の入口付近の測定サンプルを採取すると、サンプル採取箇所が少し前後にずれただけで、被覆層の平均厚さの測定値が大幅にずれる可能性がある。一方で、脱硝触媒の中間層の測定サンプルを採取することにより、被覆層の平均厚さの測定値は安定する。
<2.2 被覆層の平均厚さと性能の比較>
 図8は、被覆層の平均厚さを算出するための測定サンプルの採取箇所を示す。以下の表1に示す、長手方向の長さが860mmの脱硝触媒A~脱硝触媒Eの各々につき、長手方向に入口層/中間層/出口部に三等分し、入口層に関しては、排ガス入口側から50mm~80mmの範囲から、中間層に関しては、排ガス入口側から387mm~417mmの範囲から、測定サンプルを採取し、被覆層の平均厚さを算出した。
 なお、脱硝触媒Aは、新品の脱硝触媒である。脱硝触媒Bは、新品の触媒を脱硝装置に装填し、装填後1年経過した脱硝触媒である。脱硝触媒C及びDは、新品の触媒を脱硝装置に装填し、装填後1.5年経過した脱硝触媒である。脱硝触媒Eは、廃棄処分となった使用済み脱硝触媒である。
 また、上記の脱硝触媒A~脱硝触媒Eの各々につき、例えば特開2011-161373号公報に記載の測定方法で脱硝率を測定した。より具体的には、ガス発生部(マスフローコントローラー(MFC)他)にて、発電所ボイラより排出される排ガスと同条件のガス成分を作成(ばいじんを除く)し、ベーパライザー、プレヒーターにて排ガスと同じ温度まで上昇させて、反応炉で反応管内の温度を保った。そして、温度、各ガス濃度を実機と同条件にしたガス+NHを触媒に通過させ、触媒前後のNOxを測定し、脱硝率((入口NOx-出口NOx)/入口NOx×100)等を測定した。
 表1は、各脱硝触媒の入口層と中間層から採取した測定サンプルの、脱硝率、使用時間、及び被覆層の平均厚さの関係を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表1に見られるように、入口層、中間層の双方において、使用時間が経過するに従って、脱硝率が概ね減少していく一方で、被覆層の厚さは概ね増加した。また、入口層の被覆層の厚さと、中間層の被覆層の厚さとを比較すると、入口層の被覆層の厚さは、中間層の被覆層の厚さの、約1.3倍~2倍の厚さとなっている。
 図9は、表1中の入口層での被覆層の平均厚さと脱硝率との関係を示すグラフである。また、図10は、表1中の中間層での被覆層の平均厚さと脱硝率との関係を示すグラフである。
 図9及び図10の双方のグラフに見られるように、被覆層の平均厚さと脱硝率とは、概ね線形の関係となっている。より具体的には、被覆層の平均厚さをx(μm)、脱硝率をy(%)とした際、入口層においては、概ね、y=-5.5797x+79.222の相関関係が成立し、中間層においては、概ね、y=-10.998x+79.497の相関関係が成立する。とりわけ、中間層での相関関係を示す図8のグラフの勾配が、入口層での相関関係を示す図7の勾配の2倍程度となった。更に、入口層での被覆層の平均厚さと、中間層での被覆層の平均厚さとの間で相関係数を算出すると、値は0.9978となり、高い相関が示された。
 国際公開番号WO2017/022582号にも記載のように、入口層から測定サンプルを採取する場合には、例えばEPMA法により安定した量のSi量やTi量を測定し、これらSi量及びTi量に基づいて脱硝触媒の劣化を評価することが可能である。一方で、上記のように、入口層での被覆層の平均厚さと、中間層での被覆層の平均厚さとの間に高い相関があることから、入口層での被覆層の平均厚さと脱硝率との相関関係を用いて脱硝触媒の劣化を評価する代わりに、中間層での被覆層の平均厚さと脱硝率との相関関係を用いて脱硝触媒の劣化を評価しても、高い精度で劣化を評価できることが分かった。
 更に、上記の繰り返しとなるが、脱硝触媒の入口層で測定サンプルを採取すると、サンプル採取箇所が少し前後にずれただけで、被覆層の平均厚さの測定値が大幅にずれる可能性がある所、脱硝触媒の中間層で測定サンプルを採取することにより、測定値のバラつきは小さくなる。
 従って、脱硝触媒の中間層から採取した測定サンプルを用いて脱硝率を予測することで、脱硝触媒の劣化をより正確に評価することが可能となる。
<3 効果>
 以上本実施形態の石炭火力発電設備10における脱硝触媒の劣化評価方法によれば、以下のような効果を奏する。
 (1)脱硝触媒の劣化評価方法において、脱硝触媒の中間層から採取した測定サンプルの表面に堆積している、粒径2μm以下の粒子を含む被覆層の平均厚さを測定し、平均厚さと脱硝率との相関関係に基づいて脱硝率を予測することで、脱硝触媒の劣化を評価する。従って、脱硝触媒の中間層から測定サンプルを採取することにより、脱硝触媒の劣化を、従来よりも高い精度で評価することができる。
 (2)脱硝触媒の劣化評価方法において、平均厚さを測定する際、測定サンプルの断面画像に含まれる被覆層の面積を、前記断面画像の幅で除算することにより、前記平均厚さを算出する。従って、被覆層の局所的な凸凹を捨象することにより、脱硝触媒の劣化を、従来よりも高い精度で評価することができる。
 (3)脱硝触媒の劣化評価方法において、被覆層の平均厚さを測定する際、測定サンプルの断面画像に含まれる被覆層の面積から、被覆層中の空隙の面積を減算し、更に、画像の幅で除算することにより、平均厚さを算出する。従って、空隙箇所がもたらす平均厚さの誤差を極小化することにより、脱硝触媒の劣化を、従来よりも高い精度で評価することができる。
 (4)脱硝触媒の劣化評価方法において、平均厚さを測定する際、測定サンプルの断面画像として複数の画像を用いる。従って、複数の画像から平均厚さを測定することにより、脱硝触媒の劣化を、従来よりも高い精度で評価することができる。
 (5)脱硝触媒の劣化評価方法において、平均厚さを測定する際、測定サンプルの断面画像として、倍率5000~10000倍の顕微鏡画像を用いる。従って、局所的にしか存在しない被覆層が、脱硝触媒の全体に被覆するという、誤った前提に基づいた測定による誤差を極小化することにより、従来よりも高い精度で評価することができる。
 10    石炭火力発電設備
 60    脱硝装置
 

Claims (5)

  1. 石炭を用いる火力発電システムにおいて、石炭の燃焼によって生じる排ガスに含まれる窒素酸化物を除去する脱硝装置内に配置される脱硝触媒の劣化評価方法であって、
     前記脱硝触媒の中間層から採取した測定サンプルの表面に堆積している、粒径2μm以下の粒子を含む被覆層の平均厚さを測定し、前記平均厚さと脱硝率との相関関係に基づいて、前記脱硝率を予測することで、前記脱硝触媒の劣化を評価する劣化評価方法。
  2.  前記平均厚さを測定する際、前記測定サンプルの断面画像に含まれる被覆層の面積を、前記断面画像の幅で除算することにより、前記平均厚さを算出する、請求項1に記載の劣化評価方法。
  3.  前記平均厚さを測定する際、前記断面画像に含まれる被覆層の面積から、前記被覆層中の空隙の面積を減算し、更に、前記断面画像の幅で除算することにより、前記平均厚さを算出する、請求項2に記載の劣化評価方法。
  4.  前記平均厚さを測定する際、前記断面画像として複数の画像を用いる、請求項2又は3に記載の劣化評価方法。
  5.  前記平均厚さを測定する際、前記断面画像として、倍率5000~10000倍の顕微鏡画像を用いる、請求項2~4のいずれか1項に記載の劣化評価方法。
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