WO2019044878A1

WO2019044878A1 - 卵パックの箱詰めシステム

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Publication number: WO2019044878A1
Application number: PCT/JP2018/031886
Authority: WO
Inventors: 隆彦南部
Original assignee: 株式会社ナベル
Priority date: 2017-08-31
Filing date: 2018-08-29
Publication date: 2019-03-07
Also published as: JP2019043591A

Abstract

一時待機領域（３）に送り込まれた卵パック（Ｐ）を、収容容器（Ｂ）内に複数段にわたり移載する移載装置（１）とを備えている卵パックの箱詰めシステム（１０）において、移載装置（１）では、収容容器（Ｂ）内に１段分の卵パック（Ｐ）を移載する移載動作が複数回に分けて行われる。複数回の移載動作のうち、一の移載動作では、第１の個数の卵パック（Ｐ）が収容容器（Ｂ）内に移載される。一の移載動作の後に行われる他の移載動作では、第１の個数とは異なる第２の個数の卵パック（Ｐ）が収容容器（Ｂ）内に移載される。一の移載動作は、一時待機領域（３）に第１の個数の卵パック（Ｐ）が送り込まれた後に開始される。他の移載動作は、一時待機領域（３）に第２の個数の卵パック（Ｐ）が送り込まれた後に開始される。

Description

卵パックの箱詰めシステム

　本発明は、順次搬送されてきた卵パックを所定数ずつ段ボール箱等の収容容器に詰める卵パックの箱詰めシステムに関する。

　卵パックを収容容器に詰める箱詰めシステムの一例として、たとえば、特許文献１に記載されたような容器充填方法が知られている。特許文献１（図３）に開示されているように、複数の卵パックを段ボール箱等の収容容器に詰める際に、卵パックを３つ横向きに並べ、横向きに並べられた卵パックに対して、同じ平面上に卵パックを２つ縦向きに並べたいという要望がある。そのため、特許文献１に提案されている容器充填方法では、先に集積台上において、３つの卵パックと２つの卵パックとを所望の形状に並べた後に、その形状を維持した状態で卵パックを箱詰めするようにしている。

特許第５８０２９３２号公報国際公開第２０１１／１６２６０１号

　ところで、収容容器内において卵パックを上下方向に複数段重ねる場合に、段ごとに卵パックの並べ方を変えたい場合がある。しかしながら、従来の卵パックの箱詰めシステムでは、集積台上に卵パックを並べる方法を変更するための制御が複雑になり、要求される並べ方に応えるのが難しくなることがあった。

　本発明は、このような問題点を解消するためになされたものであり、その目的は、収容容器内における卵パックの並べ方のバリエーションへの対応をより簡易な方法によって達成することができる卵パックの箱詰めシステムを提供することである。

　本発明に係る卵パックの箱詰めシステムは、卵パックを箱状の収容容器に詰める卵パックの箱詰めシステムであって、一時待機領域と移載装置とを備えている。一時待機領域は、送り込まれる卵パックを一時的に待機させる。移載装置は、一時待機領域に送り込まれた所定個数の卵パックを、収容容器内に複数段にわたり移載する。移載装置では、収容容器内に１段分の卵パックを移載する移載動作が複数回に分けて行われる。複数回の移載動作のうち、一の移載動作では、所定個数として第１の個数の卵パックが収容容器内に移載される。一の移載動作の後に行われる他の移載動作では、所定個数として第１の個数とは異なる第２の個数の卵パックが収容容器内に移載される。一の移載動作は、一時待機領域に第１の個数の卵パックが送り込まれた後に開始される。他の移載動作は、一時待機領域に第２の個数の卵パックが送り込まれた後に開始される。

　一時待機領域に送り込まれた卵パックを整列させるガイドを備え、一時待機領域に所定個数の卵パックが送り込まれた後、移載動作が行われる前に、ガイドによって所定個数の卵パックが整列されることが好ましい。

　卵パックを一時待機領域へ送り込むコンベヤを備え、一時待機領域に所定個数の卵パックが送り込まれて移載動作を行う際に、コンベヤの動作を停止させることが好ましい。

　本発明に係る卵パックの箱詰めシステムによれば、収容容器内における卵パックの並べ方のバリエーションに対して簡易な方法で対応できる卵パックの箱詰めシステムを提供することができる。

本発明の一実施形態に係る卵パックの箱詰めシステムを示す側面図である。同実施形態において、卵パックの箱詰めシステムを示す正面図である。同実施形態において、卵パックの箱詰めシステムを示す平面図である。同実施形態において、卵パックが詰められた収容容器を示す平面図である。同実施形態において、卵パックが詰められた収容容器の内部状態を示す側面図である。同実施形態において、卵パックの箱詰めシステムの動作を説明するための一状態を示す平面図である。同実施の形態において、図６に示す状態の後に行われる状態を示す平面図である。同実施の形態において、図７に示す状態の後に行われる状態を示す平面図である。同実施の形態において、図８に示す状態の後に行われる状態を示す平面図である。同実施の形態において、図９に示す状態の後に行われる状態を示す平面図である。同実施の形態において、図１０に示す状態の後に行われる状態を示す平面図である。同実施の形態において、図１１に示す状態の後に行われる状態を示す平面図である。

　以下、本発明の一実施形態について、図を用いて説明する。
　図１～図３、図６～図１２に示すように、本実施形態に係る卵パックの箱詰めシステム１０（以下、単に「箱詰めシステム１０」と記す。）は、内部に卵が収容され、蓋体が閉じられた状態となっている卵パックＰを複数集めて、輸送や管理を容易にするための段ボール箱または合成樹脂製のコンテナ等の収容容器Ｂに箱詰めする。この箱詰めシステム１０は、移載装置１と、搬送装置２と、制御装置７とを主体に構成される。

　図１～図３、図６～図１２に示すように、移載装置１は、箱状の収容容器Ｂ内に卵パックＰを移載する。本実施形態に係る箱詰めシステム１０の移載装置１は、断続的に一時待機領域３に送り込まれる卵パックＰを、上方に向けて開放された箱状の収容容器Ｂ内に移載する。移載装置１では、一時待機領域３に集められた卵パックＰが持ち上げられてから、卵パックＰが収容容器Ｂ内に移載される。

　また、本実施形態の移載装置１は、収容容器Ｂ内の一段分の卵パックを詰めるための卵パックの移載を、複数回に分けて行う。この移載装置１は、１回あたりの移載動作で移載される卵パックＰの個数は任意の個数に設定され、その複数回のうち少なくとも１回は、任意の個数が他の回とは異なる数に設定される。移載装置１では、設定された任意の個数の卵パックＰが一時待機領域３に集まった際に、移載動作を開始するように制御される。

　たとえば、複数回の移載動作のうち、一の移載動作では、任意の個数として第１の個数の卵パックＰが収容容器Ｂ内に移載される。一の移載動作は、一時待機領域３に第１の個数の卵パックＰが集まった際に開始される。その一の移載動作の後に行われる他の移載動作では、任意の個数として、第１の個数とは異なる第２の個数の卵パックＰが収容容器Ｂ内に移載される。他の移載動作は、一時待機領域３に第２の個数の卵パックが集まった際に開始される。

　移載動作について、具体的に説明する。図４および図５に示すように、たとえば、３個の卵パックＰは横向きになり、２個の卵パックＰは縦向きになるように、卵パックＰを収容容器Ｂ内に充填する場合を想定する。この場合には、移載装置１では、収容容器Ｂ内の一段分を形成するための移載動作が２回に分けて行われる。１回あたりの移載動作で移載される卵パックＰの個数は、３個と２個とに設定される。すなわち、移載装置１では、３個の卵パックＰを保持して移載する第一の態様と、２個の卵パックＰを保持して移載する第二の態様とを選択的に取り得るように制御される。

　本実施形態では、移載装置１として、ヘッド部１４が任意に作動する慣用の多関節ロボット（たとえば、６軸垂直多関節ロボット）が用いられる。移載装置１としては、Ｘ軸、Ｙ軸およびＺ軸に対して、ヘッド部１４が任意に移動することができるロボットまたは装置など種々のものを採用することができる。移載装置１は、卵パックＰを上面（天面）Ｐ１側から吸着して保持する複数の吸着部１１を備えている。ヘッド部１４に設けられた吸着部１１のそれぞれは、卵パックＰを真空吸着可能なように真空機構（図示しない）に接続されている。

　図１に示すように、吸着部１１は、メイン吸着部１２とサブ吸着部１３との２種類に分けられる。メイン吸着部１２は、第一の態様および第二の態様の際に使用される。メイン吸着部１２は、隣接する卵パックＰ２つ分に対応する。サブ吸着部１３は、第一の態様の際にのみ使用され、第二の態様の際には使用されない。サブ吸着部１３は、卵パックＰ１つ分に対応する。言い変えれば、一つのヘッド部１４に設けられた複数の吸着部１１のうち少なくとも一つは、第二の態様の際には使用されず、第一の態様の際にのみ使用されるように構成されている。

　本実施形態のメイン吸着部１２とサブ吸着部１３とは、別々の真空機構に接続されている。メイン吸着部１２を真空引きする場合と、メイン吸着部１２とサブ吸着部１３との両方を真空引きする場合とを切り換えるよう制御される。

　図１～図３、図６～図１２に示すように、搬送装置２は、卵パックＰを一時待機領域３に送り込むためのものである。本実施形態では、一時待機領域３にも搬送装置２が配置されている。具体的には、搬送装置２は、載置された卵パックＰを下流側へと運ぶベルトコンベヤである。搬送装置２の下流側には、一時待機領域３が設定されている。一時待機領域３は、搬送装置２の搬送方向に対する卵パックＰの動きが規制される場所である。具体的には、次々と搬送されてくる卵パックＰが、搬送装置２上に設けられたストッパ３１によって規制される。

　また、搬送装置２では、移載装置１による移載動作に先立って、設定された任意の個数の卵パックＰが一時待機領域３に集まったときに、一時待機領域３に配置された搬送装置２の動作を停止するように制御される。より具体的には、移載装置１を用いて卵パックＰを一時待機領域３から持ち上げる際に、搬送装置２を所定時間停止させるように制御される。

　本実施形態に係る箱詰めシステム１０は、整列機構４とセンサ５とをさらに備えている（図３参照）。整列機構４は、一時待機領域３にある卵パックＰを整列させる。センサ５は、一時待機領域３にある卵パックＰを検出する。整列機構４は、ストッパ３１と固定式のガイド４１と可動式のガイド４２とを主体に構成されている。固定式のガイド４１は、搬送装置２の搬送方向に沿って設けられている。可動式のガイド４２は、固定式のガイド４１に向かい合って設けられている。可動式のガイド４２は、一時待機領域３に集められた卵パックＰを整列させる。可動式のガイド４２は、移載装置１での移載動作に先立って、設定された任意の個数の卵パックＰが一時待機領域３に集まったときに、固定式のガイド４１方向へ押し出すように動作される。搬送装置２の表面は滑りやすい素材で形成されている。このため、可動式のガイド４２に押された卵パックＰは、固定式のガイド４１側へ寄ることになる。なお、図１および図２では、整列機構４およびセンサ５は図示されていない。

　制御装置７は、ＣＰＵ（Central　Processing　Unit）、内部メモリ、入出力インターフェース、ＡＤ変換部等の専用または汎用のコンピュータにより構成されている。内部メモリに格納されたプログラムにしたがって、ＣＰＵまたはその他の周辺機器が協働することによって、制御装置７としての機能が発揮される。

　次に、上述した箱詰めシステム１０の作動の一例について、図６～図９と図１０～図１２とを用いて説明する。

　搬送装置２の上流側には、この分野でよく知られた卵の包装装置（図示せず）が接続されている。包装装置によってパック詰めされた卵パックＰが、断続的に一時待機領域３側へと運ばれてくる。

　まず、収容容器Ｂ内に３つの卵パックＰを移載するよう設定されている場合について説明する。図６および図７に示すように、搬送装置２によって、卵パックＰが一時待機領域３へ送り込まれる。該当するセンサ５１が送り込まれた卵パックＰを検知すると、図８に示すように、制御装置７（図１参照）は、可動式のガイド４２を退避位置（Ａ）から固定式のガイド４１へ向かってスライド動作させる。次に、搬送装置２の動きが停止される。その後、図９に示すように、移載装置１によって、卵パックＰの移載動作が行われる。

　具体的には、３つの卵パックＰが一時待機領域３に搬送された状態で、移載装置１のヘッド部１４が卵パックＰの上方に移動する。次に、制御装置７（図１参照）が、メイン吸着部１２とサブ吸着部１３との両方を真空引きするように移載装置１を制御する。次に、真空引きした状態を保ったまま、メイン吸着部１２によって吸着された２つの卵パックＰと、サブ吸着部１３によって吸着された１つの卵パックＰとが、卵パックＰの幅（短手）方向に３つ並んだ状態で、収容容器Ｂ内へと運ばれる。次に、収容容器Ｂ内へ運ばれた卵パックＰは、収容容器Ｂの底板の上に載置されるか、または、すでに収容容器Ｂ内に卵パックＰが入っている場合には、その卵パックＰの上に載置される。次に、メイン吸着部１２とサブ吸着部１３の吸着状態が解除される。その後、移載装置１が収容容器Ｂ外へ移動する。

　なお、制御装置７は、移載装置１を用いて卵パックＰを一時待機領域３から持ち上げ始めてから所定時間経過後、たとえば、卵パックＰの高さ寸法と同じ程度持ち上げられたところで、搬送装置２の動きを再開させる。また、制御装置７によって、可動式のガイド４２も退避位置（Ａ）まで戻すように制御される。

　次に、収容容器Ｂ内に２つの卵パックＰを移載して、収容容器Ｂ内に一段分の卵パックを充填するように設定されている場合について説明する。図１０に示すように、搬送装置２によって、卵パックＰが一時待機領域３へ送り込まれる。該当するセンサ５２が送り込まれた卵パックＰを検知すると、図１１に示すように、制御装置７は、可動式のガイド４２を退避位置（Ａ）から固定式のガイド４１へ向かってスライド動作させる。次に、搬送装置２の動きが停止される。その後、図１２に示すように、移載装置１によって卵パックＰの移載動作が行われる。

　具体的には、２つの卵パックＰが一時待機領域３に搬送された状態で、移載装置１のヘッド部１４が卵パックＰの上方に移動する。次に、制御装置７（図１参照）が、メイン吸着部１２のみを真空引きするように移載装置１を制御する。次に、メイン吸着部１２の真空引きした状態を保ったまま、メイン吸着部１２によって吸着された２つの卵パックＰが、卵パックＰの幅（短手）方向に２つ並んだ状態で、収容容器Ｂ内へと運ばれる。次に、収容容器Ｂ内へ運ばれた卵パックＰは、収容容器Ｂの底板の上に載置されるか、または、すでに収容容器Ｂ内に卵パックＰが入っている場合には、その卵パックＰの上に載置される。次に、メイン吸着部１２の吸着状態が解除される。その後、移載装置１が収容容器Ｂ外へ移動する。

　以上のようにして、搬送装置２に搬送される３つの卵パックＰを移載する第一の態様の移載動作と、２つの卵パックＰを移載する第二の態様の移載動作とを交互に繰り返すことで、卵パックＰの幅（短手）方向に卵パックＰを並べて揃えた状態で箱詰めが行われる。なお、移載装置１によって卵パックＰを収容容器Ｂへ運ぶ際に、卵パックＰを所望の方向に向けるために、適宜水平方向に卵パックＰを回転させればよい。

　本実施の形態に係る卵の箱詰めシステム１０は、卵パックＰを箱状の収容容器Ｂに詰める卵パックの箱詰めシステム１０であって、一時待機領域３と移載装置１とを備えている。一時待機領域３は、送り込まれる卵パックＰを一時的に待機させる。移載装置１は、一時待機領域３に送り込まれた所定個数の卵パックＰを、収容容器Ｂ内に複数段にわたり移載する。移載装置１では、収容容器Ｂ内に１段分の卵パックＰを移載する移載動作が複数回（たとえば、２回）に分けて行われる。複数回の移載動作のうち、一の移載動作（たとえば、１回目）では、所定個数として第１の個数（たとえば、３個）の卵パックＰが収容容器Ｂ内に移載される。一の移載動作の後に行われる他の移載動作（たとえば、２回目）では、所定個数として第１の個数とは異なる第２の個数（たとえば、２個）の卵パックＰが収容容器Ｂ内に移載される。一の移載動作は、一時待機領域に第１の個数の卵パックＰが送り込まれた後に開始される。他の移載動作は、一時待機領域３に第２の個数の卵パックＰが送り込まれた後に開始される。

　上述した卵パックの箱詰めシステム１０によれば、図４に示すように、卵パックＰを収容容器Ｂに詰める際に、３つの卵パックＰを横向きに並べ、その３つの卵パックＰが並べられている平面と同じ平面上に、２つの卵パックＰを縦向きに並べることができる。これにより、卵パックＰの並べ方に関する、卵パックＰに特有の要望に比較的簡単に応えることができる。

　さらに、本実施形態に係る卵パックの箱詰めシステム１０によれば、移載装置１を効率的に動かすことができる。収容容器Ｂに詰める卵パックＰの数または並べ方の組み合わせは、収容容器Ｂごとに決められている。このため、予め設定された卵パックＰの組み合わせの情報に基づいて、設定された個数の卵パックＰが一時待機領域３に集まれば、直ちに卵パックＰの移載動作を開始できるように制御することで、移載装置１に無駄な待機時間が発生するのを阻止することができる。

　本実施形態に係る卵パックの箱詰めシステム１０では、奇数回目の移載動作によって所定個数（たとえば３個）の卵パックＰが移載され、偶数回目の移載動作によって所定個数（たとえば３個）よりも少ない個数（たとえば２個）の卵パックＰが移載されて、収容容器Ｂ内に一段分の卵パックＰが詰め込まれる。このため、偶数回目の移載動作の際に、奇数回目の所定個数（たとえば３個）の卵パックＰが一時待機領域３に送り込まれるのを待つことなく、卵パックＰの移載動作を開始することができるともいえる。

　また、卵パックＰの移載動作が行われる前に、設定された個数の卵パックＰが一時待機領域３に送り込まれたときに、その卵パックＰを整列させる可動式のガイド４２が動作を開始する。これにより、卵パックＰに対する移載装置１の位置ずれを抑制することができる。

　本実施形態に係る箱詰めシステム１０では、卵パックＰの移載動作が行われる前に、偶数回目の移載動作（たとえば２個のみ移載）の際に、奇数回目の所定個数（たとえば３個）の卵パックＰが一時待機領域３に送り込まれるのを待つことなく、可動式のガイド４２の動作を開始する。このため、無駄な待ち時間を発生させることなく、この偶数回目の所定個数（２個のみ移載）の卵パックＰを一時待機領域３に整列させることができる。

　また、卵パックＰの移載動作が行われる前に、設定された個数の卵パックＰが一時待機領域３に送り込まれたときに、卵パックＰを搬送する搬送装置２（コンベヤ）の動作が停止する。これにより、移載装置１によって持ち上げられる卵パックＰと、その卵パックＰに隣接する持ち上げられない卵パックＰとの不要な接触を避けることができる。搬送装置２（コンベヤ）の動作が停止されることなく、卵パックＰが、次々と一時待機領域３に搬送され続けると、卵パックＰを持ち上げた際に、持ち上げられる卵パックＰの側部に対して、隣接する持ち上げられない卵パックＰの側部が接近することになる。その結果、卵パックＰの高さ方向中央付近の、本体と蓋との結合部分の外方に突出した形状に起因して、持ち上げられない卵パックＰが搬送装置２上で傾いてしまうことがある。本実施形態に係る卵の箱詰めシステム１０では、このような事態の発生を防ぐことができる。

　本実施形態に係る卵の箱詰めシステム１０は、搬送装置２と移載装置１と制御装置７とを備えている。搬送装置２は、卵パックＰを一時待機領域３に断続的に送り込む。移載装置１は、一時待機領域３に送り込まれた卵パックＰを持ち上げて、上方に開放された箱状の収容容器Ｂ内に移載する。制御装置７は、移載装置１を用いて卵パックＰを一時待機領域３から持ち上げる際に、搬送装置２を所定時間停止させるように制御する。これにより、上述したような卵パックＰが傾いてしまう不具合の発生を抑制できる。

　本実施形態に係る卵の箱詰めシステム１０では、偶数回目の卵パックＰの移載動作（たとえば２個のみ移載）の際に、一時待機領域３に所定個数（たとえば３個）の卵パックが送り込まれるのを待つことなく、搬送装置２の動作を停止する。これにより、無駄な待ち時間が発生することなく、少なくとも今回移載したい卵パックＰを一時待機領域３に整列させることができる。

　さらに、本実施形態に係る卵の箱詰めシステム１０では、移載装置１を用いて卵パックＰを一時待機領域３から持ち上げる際に、搬送装置２を所定時間停止させるように制御した後、搬送装置２の動きを再開させる。これにより、次の回に移載する卵パックＰをできるだけストッパ３１側まで移動させておくことができる。

　以上のように、一回の動作で移載される卵パックの個数を従来のものよりも減らした第一の態様の移載動作と第二の態様の移載動作と、さらに卵パックＰの水平面内での回転動作とを適宜組み合わせることにより、収容容器Ｂ内における卵パックＰの並べ方のバリエーションに対して簡易な方法で対応することができる。この移載動作と回転動作とによって、収容容器Ｂ内において卵パックＰを上下方向に複数段重ねる際に、段ごとに卵パックＰの並べ方を変えたい場合に、従来よりも容易に対応することができる。また、収容容器Ｂ内に卵パックＰを上下方向に複数段重ねる際に、すべての段について卵パックＰを同じ並べ方で積み重ねる場合にも対応することができる。さらに、メイン吸着部１２とサブ吸着部１３とを適宜使い分けるよう制御することによって、卵パックＰの箱詰めパターンのバリエーションを増やすことができる。

　なお、本発明は上述した実施形態に限られない。
　移載装置１では、収容容器Ｂ内に一段分の卵パックＰを詰め込む移載動作を３回以上に分けて行ってもよい。１回の移載動作によって移載する卵パックの個数も、上述した個数には限られず、１個または４個以上であってもよい。さらに、収容容器Ｂ内における卵パックＰの並べ方としては、図４等に示したものに限られず、種々変更することが可能である。上述した卵パックの箱詰めシステム１０では、１回目に３個の卵パックＰを移載した後、２回目に２個の卵パックＰを移載することによって、収容容器Ｂ内に１段分の卵パックＰを詰め込み、この移載動作を繰り返すことで４段分の卵パックＰを詰め込む場合について説明した。この他に、たとえば、１回目に３個の卵パックＰを移載した後、２回目に１個の卵パックＰを移載し、３回目に３個の卵パックＰを移載することによって、収容容器Ｂ内に１段分の卵パックＰを詰め込み、この移載動作を繰り返すことで複数段分の卵パックＰを詰め込むようにしてもよい。

　移載装置１では、収容容器Ｂ内において卵パックＰを上下方向に複数段重ねる場合において、少なくとも一つの段の卵パックＰの個数または並べ方が、他の段の卵パックＰの個数または並べ方とは異なるように、段ごとに卵パックＰの個数または並べ方が異なるように設定されてもよい。

　移載装置１では、上述した第一の態様と第二の態様の他に、第三の態様、第四の態様…と、所定個数の卵パックＰを保持して移載するバリエーションを増やしてもよい。たとえば、吸着部全体をメイン吸着部とサブ吸着部との２つに分ける場合のみに限られず、吸着部全体を３つ以上に分けて、箱詰めしたいパターンに応じて対応する吸着部を使い分けるようにしてもよい。具体的には、移載装置１に、吸着部Ｘ、吸着部Ｙおよび吸着部Ｚの３つの吸着部を設けて、３つの吸着部Ｘ～Ｚを使って３個の卵パックを移載する場合、３つの吸着部Ｘ～Ｚのうち２つの吸着部を使って２個の卵パックを移載する場合、３つの吸着部Ｘ～Ｚのうち１つの吸着部のみを使って１個の卵パックを移載する場合とを、相互に切り替えるようにしてもよい。

　卵パックの箱詰めシステム１０の一時待機領域として、一時待機領域３には、搬送装置１が配置されておらず、卵パックＰを移載する機構を備えない台等であってもよい。また、卵パックの一時待機領域３へ送り込まれる卵パックＰの集まり度合いにかかわらず、搬送装置２（コンベヤ）の動作を制御しないようにしてもよい。

　可動式のガイド４２は必須の構成ではない。また、可動式のガイド４２の動作の制御を行わないようにしてもよい。さらに、可動式のガイド４２に加えて、または、可動式のガイド４２に代えて、一時待機領域３に送り込まれた卵パックＰを整列させるための機構を種々適用することが可能である。

　上述した卵パックの箱詰めシステム１０では、「設定された個数の卵パックＰが一時待機領域３に送り込まれたとき」を知るために、一時待機領域３にセンサ５を設けた場合について説明した。これに限られず、たとえば、一時待機領域３よりも上流側にセンサまたはカウンタ等を設けて検知するようにしてもよい。この場合には、本発明に係る卵パックの箱詰めシステムは、一時待機領域と移載装置と検知部とを備えることになる。検知部は、一時待機領域に送り込まれた卵パックの個数が所定個数に達したか否かを検知する。検知部の一例としては、センサ５またはカウンタがある。移載装置では、検知部で得た情報に基づいて、移載動作が制御される。

　上述した卵パックの箱詰めシステム１０の吸着部に加えて、または、その吸着部に代えて、たとえば、特許文献２に提案されている、卵パックの側面側と下面側とから支えて卵パックを保持する一対のアーム部を備えていてもよい。

　卵パックの箱詰めシステム１０の対象とされる卵パックの大きさまたは形状は、図４および図５に示される１０個入りの卵パックに限られるものではない。具体的には、図５等に示されているフラットパックの他に、レギュラーパックまたはモールドパックの形状を有する卵パックでもよい。レギュラーパックは、フラットパックとは蓋の形状が異なる。モールドパックは紙製のパックである。また、卵パックとして、１０個入りの卵パックの他に、６個入りの卵パック等でもよい。

　収容容器としては、卵が入った卵パックを収容して配置することができる容器であれば、上述した収容容器Ｂに限られるものではなく、たとえば、輸送用の段ボール箱またはプラスチック製のコンテナ等も適用することができる。

　今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。

　本発明は、所定数の卵パックを収容容器に詰める卵パックの箱詰めシステムに利用することができる。

　１　移載装置、２　搬送装置、３　一時待機領域、７　制御装置、１０　卵パックの箱詰めシステム、３１　ストッパ、４１、４２　ガイド、５、５１　センサ、Ｐ　卵パック、Ｂ　収容容器。

Claims

　卵パックを箱状の収容容器に詰める卵パックの箱詰めシステムであって、
　送り込まれる前記卵パックを一時的に待機させる一時待機領域と、
　前記一時待機領域に送り込まれた所定個数の前記卵パックを、前記収容容器内に複数段にわたり移載する移載装置と
を備え、
　前記移載装置では、
　前記収容容器内に１段分の前記卵パックを移載する移載動作が複数回に分けて行われ、
　複数回の前記移載動作のうち、一の移載動作では、前記所定個数として第１の個数の前記卵パックが前記収容容器内に移載され、
　前記一の移載動作の後に行われる他の移載動作では、前記所定個数として前記第１の個数とは異なる第２の個数の前記卵パックが前記収容容器内に移載され、
　前記一の移載動作は、前記一時待機領域に前記第１の個数の前記卵パックが送り込まれた後に開始され、
　前記他の移載動作は、前記一時待機領域に前記第２の個数の前記卵パックが送り込まれた後に開始される、卵パックの箱詰めシステム。
　前記一時待機領域に送り込まれた前記卵パックを整列させるガイドを備え、
　前記一時待機領域に前記所定個数の前記卵パックが送り込まれた後、前記移載動作が行われる前に、前記ガイドによって前記所定個数の前記卵パックが整列される、請求項１記載の卵パックの箱詰めシステム。
　前記卵パックを前記一時待機領域へ送り込むコンベヤを備え、
　前記一時待機領域に前記所定個数の前記卵パックが送り込まれて前記移載動作を行う際に、前記コンベヤの動作を停止させる、請求項１記載の卵パックの箱詰めシステム。