WO2019013134A1 - 真空断熱筐体及び冷蔵庫 - Google Patents

Abstract

真空断熱筐体（１０）は、真空断熱材（４０）と、真空断熱材（４０）を内部空間に収容するケース（２０）とを備える。真空断熱材（４０）は、芯材と、芯材を被覆する被覆材とから成り、内部が減圧され、密封されている。ケース（２０）は、内部空間側に窪む凹部（２７）と、突出部（２９）と、リブとを有する。突出部（２９）は、凹部（２７）に設けられ、内部空間側の反対側に突出し、且つ、固定具が係合する係合部が形成されている。リブは、凹部（２７）における内部空間側の反対側の面と突出部（２９）とを接続する。

Description

真空断熱筐体及び冷蔵庫

　本開示は、装着部材が固定具により固定される真空断熱筐体及び冷蔵庫に関する。

　従来、真空断熱材を備える真空断熱筐体を用いた例として、例えば、特許文献１に示される冷蔵庫が知られている。特許文献１に示される冷蔵庫は、前面が開口する断熱箱体、及び、断熱箱体の開口を塞ぐ引き出し式の第１の冷凍室扉などを備えている。第１の冷凍室扉は、扉外板と扉内板との間に真空断熱材が挟まれて構成されている。

　特許文献１の第１の冷凍室扉などの引き出し式の扉には、断熱箱体から扉を引き出すための、フレーム等の装着部材が固定されている。しかしながら、特許文献１には、この冷凍室扉に対するフレームの固定方法については記載されていない。仮に、フレームをビス等の固定具で冷凍庫扉の扉内板に固定した場合、ビスが扉内板を貫通し、その内側に収納されている真空断熱材に達すると、真空断熱材を傷つけ、真空断熱材の断熱性能が低下するおそれがある。

　また、例えば、子供が冷凍室扉にぶら下がるなどして冷凍庫扉に非常に大きな力が作用することがある。このため、冷凍庫扉とフレームとの間には大きな固定強度が必要である。

特開２０１６－０２８２２３号公報 特開２０１３－１７０７７５号公報 特開２０１３－１７０７６５号公報 特開２０１３－１１９９８０号公報 日本国特許第５３１０９２８号公報

　本開示は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、真空断熱性能の低下を低減しつつ、装着部材との固定強度を確保することができる真空断熱筐体及び冷蔵庫を提供する。

　具体的には、本開示の実施の形態の一例による真空断熱筐体は、真空断熱材と、真空断熱材を収容するケースと、ケースに設けられた装着部材と、装着部材を固定する固定具とを備える。真空断熱材は、芯材と、芯材を被覆する被覆材とを有する。真空断熱材は、内部が減圧密封されている。ケースは、その内部空間側に窪む凹部と、凹部に設けられた突出部と、凹部における内部空間側の反対側の面と突出部とを接続するリブとを有する。突出部は、凹部における内部空間側と反対側に突出している。また、突出部は、固定具が係合される係合部が形成されている。

　このような構成によれば、係合部が形成された突出部が凹部に形成されているため、係合部の長さを長く採ることができる。したがって、係合部に係合される固定具がケースを貫通することを抑制し、固定具による真空断熱材の破損を防ぎ、真空断熱材の断熱性能の低下を低減することができる。また、固定具と係合部との締結が強固になり、突出部と装着部との間に大きな固定強度を確保することができる。さらに、リブによって突出部が補強されるため、突出部と装着部材との間の固定強度の向上が図られる。

　また、本開示の実施の形態の一例による真空断熱筐体において、固定具はビスを有し、係合部は、ビスが螺合される有底の挿通孔で構成されていてもよい。このような構成により、挿通孔の底部によって、ビスによる真空断熱材の破損をより一層確実に防止でき、真空断熱材の断熱性能の低下を抑制することができる。

　また、本開示の実施の形態の一例による真空断熱筐体において、真空断熱材は、ケースの内面に沿った形状を有していてもよい。このような構成により、ケースが真空断熱材により充填され、真空断熱筐体の断熱性能の向上を図ることができる。

　また、本開示の実施の形態の一例による真空断熱筐体は、凹部の周囲の内部空間側の反対側に突出して設けられ、且つ、装着部材の位置を決める突起をさらに備えていてもよい。このような構成により、この突起に装着部材の貫通孔等を通すことで、装着部材をケースに容易に位置決めすることができる。

　また、本開示の実施の形態の一例による真空断熱筐体において、ケースは、凹部が設けられた内箱と、内箱の開口部を塞ぐ外箱とを有し、内箱は射出成型により形成されていてもよい。このような構成により、内箱を精度良く形成することができる。

　また、本開示の実施の形態の一例による冷蔵庫は、少なくとも上記特徴の少なくとも一つを有する真空断熱筐体を備えている。このような構成により、真空断熱筐体の断熱性能の低下が抑制されるとともに、真空断熱筐体と装着部材との固定強度が確保される。

図１は、本開示の実施の形態１に係る真空断熱筐体が引き出し扉に用いられた冷蔵庫を概略的に示す断面図である。 図２は、本開示の実施の形態１に係る真空断熱筐体が用いられた引き出し扉を前面側から視た斜視図である。 図３は、本開示の実施の形態１に係る真空断熱筐体が用いられた引き出し扉を背面側から視た斜視図である。 図４は、本開示の実施の形態１に係る真空断熱筐体の分解斜視図である。 図５は、本開示の実施の形態１に係る真空断熱筐体の断面図である。 図６Ａは、本開示の実施の形態１に係る真空断熱筐体の内箱部を背面側から視た図である。 図６Ｂは、本開示の実施の形態１に係る真空断熱筐体の内箱部の図６Ａの６Ｂ－６Ｂ線で切断した断面図である。 図７Ａは、本開示の実施の形態１に係る真空断熱筐体の内箱部を前面側から視た図である。 図７Ｂは、本開示の実施の形態１に係る真空断熱筐体の内箱部の図６Ａの７Ｂ－７Ｂ線で切断した断面図である。 図８は、本開示の実施の形態１に係る真空断熱筐体の真空断熱材の断面図である。 図９は、本開示の実施の形態１に係る真空断熱筐体の真空断熱材の分解斜視図である。 図１０は、本開示の実施の形態１に係る真空断熱筐体の真空断熱材の断面図である。 図１１は、本開示の実施の形態１に係る真空断熱筐体の真空断熱材の分解断面図である。 図１２は、本開示の実施の形態１に係る真空断熱筐体の分解断面図である。 図１３は、本開示の実施の形態１に係る真空断熱筐体、ガスケット及びフレームの断面を示す断面図である。 図１４は、本開示の実施の形態１に係る真空断熱筐体、ガスケット、フレーム及びビスを示す斜視図である。 図１５は、本開示の実施の形態１に係る真空断熱材が用いられた引き出し扉の断面図である。 図１６は、本開示の実施の形態２に係る真空断熱筐体を回転扉として備える冷蔵庫の概略的な断面図である。 図１７は、本開示の実施の形態２に係る真空断熱筐体で構成された回転扉を示す斜視図である。 図１８は、本開示の実施の形態２に係る真空断熱筐体で構成された回転扉の分解斜視図である。 図１９は、本開示の実施の形態２に係る真空断熱筐体で構成された回転扉の上側角部を示す斜視図である。 図２０は、本開示の実施の形態２に係る真空断熱筐体で構成された回転扉の下側角部を示す斜視図である。 図２１Ａは、本開示の実施の形態２に係る真空断熱筐体の内箱部を前側から視た前面図である。 図２１Ｂは、本開示の実施の形態２に係る真空断熱筐体の内箱部を上側から視た平面図である。 図２１Ｃは、本開示の実施の形態２に係る真空断熱筐体の内箱部を下側から視た底面図である。 図２２Ａは、本開示の実施の形態２に係る真空断熱筐体の内箱部を後側から視た背面図である。 図２２Ｂは、本開示の実施の形態２に係る真空断熱筐体の内箱部を左側から視た側面図である。 図２３Ａは、本開示の実施の形態２に係る真空断熱筐体の内箱部の部分断面図である。 図２３Ｂは、本開示の実施の形態２に係る真空断熱筐体の内箱部の部分断面図である。 図２４は、本開示の実施の形態２に係る真空断熱筐体の真空断熱材を示す分解斜視図である。 図２５Ａは、本開示の実施の形態２に係る真空断熱筐体の真空断熱材を前側から視た前面図である。 図２５Ｂは、本開示の実施の形態２に係る真空断熱筐体の真空断熱材を後側から視た背面図である。 図２６Ａは、本開示の実施の形態２に係る真空断熱筐体の真空断熱材の部分断面図である。 図２６Ｂは、本開示の実施の形態２に係る真空断熱筐体の真空断熱材の別の部分断面図である。 図２７Ａは、本開示の実施の形態２に係る真空断熱筐体の、図１９の２７Ａ－２７Ａ線に沿って切断した断面図である。 図２７Ｂは、本開示の実施の形態２に係る真空断熱筐体の、図１９の２７Ｂ－２７Ｂ線に沿って切断した断面図である。 図２８は、本開示の実施の形態３に係る真空断熱筐体を備える引き出し扉を前面側から視た斜視図である。 図２９は、本開示の実施の形態３に係る真空断熱筐体を備える引き出し扉を背面側から視た斜視図である。 図３０は、本開示の実施の形態３に係る真空断熱筐体の分解断面図である。 図３１は、本開示の実施の形態３に係る真空断熱筐体、ガスケット及びフレームの断面を示す断面図である。 図３２は、本開示の実施の形態４に係る真空断熱筐体の分解断面図である。 図３３は、本開示の実施の形態４に係る真空断熱筐体の断面図である。 図３４は、本開示の実施の形態５に係る真空断熱筐体の分解断面図である。 図３５は、本開示の実施の形態５に係る真空断熱筐体の断面図である。 図３６は、本開示の実施の形態６に係る真空断熱筐体の分解斜視図である。 図３７は、本開示の実施の形態６に係る真空断熱筐体の分解断面図である。 図３８Ａは、本開示の実施の形態６に係る真空断熱筐体を前面側から視た斜視図である。 図３８Ｂは、本開示の実施の形態６に係る真空断熱筐体を背面側から視た斜視図である。 図３９Ａは、本開示の実施の形態６に係る真空断熱筐体の、図３８Ａにおける３９Ａ－３９Ａ線に沿って切断した断面図である。 図３９Ｂは、本開示の実施の形態６に係る真空断熱筐体の図３９Ａの部分拡大図である。 図４０Ａは、本開示の実施の形態６に係る真空断熱筐体の、図３８Ａにおける４０Ａ－４０Ａ線に沿って切断した断面図である。 図４０Ｂは、本開示の実施の形態６に係る真空断熱筐体の、図４０Ａの部分拡大図である。 図４１は、本開示の実施の形態７に係る真空断熱筐体を引き出し扉として備える冷蔵庫の概略的な断面図である。 図４２は、本開示の実施の形態７に係る真空断熱筐体の引き出し扉を前面側から視た斜視図である。 図４３は、本開示の実施の形態７に係る真空断熱筐体の引き出し扉を背面側から視た斜視図である。 図４４は、本開示の実施の形態７に係る真空断熱筐体の断面図である。 図４５は、本開示の実施の形態７に係る真空断熱筐体の一部を示す断面図である。 図４６は、本開示の実施の形態８に係る真空断熱筐体の断面図である。

　以下、本開示の実施の形態の例を、図面を参照しながら説明する。なお、全ての図面において、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する場合がある。また、全ての図面において、本開示を説明するための構成要素を抜粋して図示しており、その他の構成要素については図示を省略する場合がある。さらに、以下の実施の形態によって本開示が限定されるものではない。

　（実施の形態１）
　まず、本開示の実施の形態１に係る真空断熱筐体１０の一例について、図１～図１０を参照しながら説明する。なお、本実施の形態では、図１に示すように、冷蔵庫１８の引き出し扉１１に、真空断熱筐体１０が適用された例について説明するが、本開示の真空断熱筐体１０は以下に示す例に限定されない。装着部材１３（図２参照）が、固定具１４（図３参照）により固定される構成を有する真空断熱筐体１０であれば、本開示の真空断熱筐体１０に含まれる。例えば、真空断熱筐体１０が、冷蔵庫１８のヒンジ式の扉及び冷蔵庫１８の本体などに適用されてもよい。このような形態において、真空断熱筐体１０に装着部材１３を固定具１４で固定する場合も、真空断熱筐体１０は、以下に示す構成と同様に構成されることが可能である。

　［真空断熱筐体の構成］
　図１に示すように、冷蔵庫１８は引き出し扉１１を備える。引き出し扉１１は、図２及び図３に示すように、真空断熱筐体１０、ガスケット１２及びフレームなどの装着部材１３（以下、フレーム１３と記す）を備えている。また、真空断熱筐体１０は、ケース２０を有する。ケース２０は、外箱部２１及び内箱部２２により構成され、引き出し扉１１の扉本体を構成している。図３に示すように、内箱部２２の外面に、溝部２４が設けられている。溝部２４に、ガスケット１２が嵌められることにより、ガスケット１２が、内箱部２２に取り付けられている。また、内箱部２２の外面（冷蔵庫１８の内部側に露出した面）に、ビスなどの固定具１４（以下、ビス１４と記す）により、フレーム１３などの装着部材が、固定されている。

　真空断熱筐体１０は、図４に示すように、外箱部２１、真空断熱材４０、及び内箱部２２を有している。内箱部２２は、前面が開口した箱形状であって、開口部（第１開口部）２３、背壁２５、及び側壁２６を有している。側壁２６は、矩形状の背壁２５から冷蔵庫１８の内部側に立ち上がり、第１開口部２３の周囲を取り囲む。内箱部２２は、背壁２５及び側壁２６により取り囲まれる内部空間２２ａを有する。外箱部２１は、例えば矩形の平板形状を有する。外箱部２１は、ガラス板又はプリコート鋼板等により形成されている。

　真空断熱筐体１０では、図５に示すように、外箱部２１は、内箱部２２の側壁２６の外周の形状と同じ形状及び寸法を有している。外箱部２１は、内箱部２２の第１開口部２３を塞ぐように、側壁２６の端に取り付けられている。外箱部２１により、第１開口部２３が閉鎖され、内箱部２２及び外箱部２１により構成されるケース２０の内部空間２２ａが閉じられる。内部空間２２ａには、真空断熱材４０が収容されている。

　真空断熱材４０は、内箱部２２の内面及び外箱部２１の内面に対向して配置される。真空断熱材４０は、内箱部２２の内面及び外箱部２１の内面に沿った形状を有し、これらに接している。このような構成により、ケース２０の内部空間２２ａは、真空断熱材４０により充填されている。よって、このような構成により、内部空間２２ａを充填するために、真空断熱材４０よりも熱伝導率が高い別の断熱材を用いる必要がなく、別の断熱材による真空断熱筐体１０の断熱性能の低下を防止することができる。

　内箱部２２の背壁２５は、図６Ａ、図６Ｂ、図７Ａ及び図７Ｂに示すように、段状に形成されている。内箱部２２の背壁２５は、中央部分は周縁部分よりも、冷蔵庫１８の内部側に突出している。内箱部２２の背壁２５の周縁部分には溝部２４が設けられている。内箱部２２の背壁２５の中央部分には、凹部２７及び突起２８が設けられている。

　溝部２４は、背壁２５の外面（上において、背壁２５の外周に沿って矩形の環状に延び（図６Ａ参照）、背壁２５の中央部分を取り囲んでいる。溝部２４は、内箱部２２の内部空間２２ａ（図５参照）側に窪んでいる。溝部２４には、ガスケット１２（図３参照）が嵌められる。本実施の形態の形態では、ガスケット１２は環状の形状を有している。

　凹部２７は、溝部２４よりも、背壁２５の外面（冷蔵庫１８の庫内側の面）上における中心に近い位置に配置されており、溝部２４により取り囲まれている（図６Ａ参照）。また、凹部２７は、背壁２５の下側の範囲に配置されている（図６Ａ及び図６Ｂ参照）。凹部２７は、例えば、図６Ａに示すように、背壁２５に２つ設けられている。この場合、２つの凹部２７は、例えば、背壁２５の中心を通り上下方向に延びる直線に対して線対称に配置される。凹部２７は、図６Ａに示すように、背壁２５の外面上において長円形状を有する。また、２つの凹部２７は、それぞれ上下方向に延び、図６Ａに示すように、上方ほど２つの凹部２７の間隔が拡がる方向へ傾斜して配置される。

　凹部２７は、図５に示すように、背壁２５から、内箱部２２の内部空間２２ａ側に窪んでいる。また、凹部２７は、内箱部２２の長手方向に沿って内箱部２２を切断したときの、凹部２７の断面は略円弧形状である。このため、凹部２７により、内箱部２２の内面の内部空間２２ａ側に張り出した部分は、湾曲し、角張らず緩やかに傾斜する形状を有する。このように、凹部２７により張り出した部分に尖った部分がなく、これに接する真空断熱材４０（図５参照）が張り出した部分によって傷つくことを防ぐことができる。

　凹部２７には、突出部２９が設けられている。例えば、突出部２９は、図５に示すように、１つの凹部２７に２つ設けられ、これらは互いに間隔を空けて配置されている。２つの突出部２９のうち一方の突出部２９は、図６Ａに示すように、凹部２７の延伸方向の一方端近傍に配置され、他方の突出部２９は、凹部２７の延伸方向の他方端近傍に配置されている。

　突出部２９は、例えば、図５に示すように、円筒形状を有する。突出部２９は、図６Ａに示すように、基端が凹部２７の底面に接続し、そこから内部空間２２ａ側と反対側に突出する。突出部２９は、その長軸方向の寸法が凹部２７の深さと等しく、先端が内箱部２２の背壁２５の外面から突出せずに外面と面一になるよう配設される。このように、突出部２９は、最も深い凹部２７の底に配置されているため、突出部２９の軸方向の寸法を大きく採ることができる。

　突出部２９には、ビス１４（図３参照）等の固定具に係合される係合部として、ビス１４が挿通される有底の挿通孔３０が形成されている（図５参照）。挿通孔３０は、突出部２９の中心に、突出部２９の長軸方向に沿って延びる。挿通孔３０の内面には、ビス１４のねじ山が嵌る螺旋状の溝が形成されていてもよい。挿通孔３０は、突出部２９を貫通せずに、底部３０ａを有しているため、突出部２９の先端側で開口するが、突出部２９の基端側には開口しない。

　また、凹部２７には、リブ３１が設けられている。リブ３１は、例えば板状体で構成されている。リブ３１は、凹部２７から内部空間側と反対側に突出している。リブ３１は、２つの突出部２９を接続する。さらに、リブ３１は、各突出部２９と、凹部２７における内側空間２２ａ側と反対側の面（凹部２７の底面）とを接続する。また、リブ３１は、２つの突出部２９を接続する方向と直交する方向にも延びている。リブ３１は、各突出部２９と凹部２７の底面とを接続し、また、凹部２７の周囲の背壁２５どうしも接続する。リブ３１によって、突出部２９が補強され、突出部２９の破損が防止される。

　さらに、内箱部２２には、フレーム１３（図３参照）などの装着部材を位置決めするための突起２８が、凹部２７の周囲の背壁２５の外面に設けられていてもよい。突起２８は、例えば、図６Ａに示すように、１つの凹部２７に対して２つ、設けられる。この場合、２つの突起２８は、図６Ａに示すように、互いの間に凹部２７を挟むように配置される。２つの突起２８は、１つの凹部２７の中の２つの突出部２９のうちの一方の突出部２９の近傍に配置されていてもよい。

　突起２８は、例えば、中空部を有する円筒形状を有する。突起２８は、図５に示すように、例えば、基端が背壁２５の外面に接続し、そこから内部空間２２ａ側と反対側に突出する。突起２８は、中空部が突起２８を貫通せず、突起２８の先端側に開口する。なお、突起２８の形状、背壁２５における配置位置、及び設置される個数は、上記の例に限定されない。

　真空断熱材４０は、図８に示すように、第１主面４２、第２主面４１及び側面４３を有している。第２主面４１は、外箱部２１（図５参照）の内面に接する面である。第２主面４１は、例えば平らに形成されている。第１主面４２は、内箱部２２（図５参照）の背壁２５の内面に接する面である。第１主面４２は、背壁２５の溝部２４及び凹部２７に沿って窪むなど、背壁２５の凹凸に沿った形状を有している。側面４３は、内箱部２２の側壁２６の内面に接する面である。側面４３は、第１主面４２と第２主面４１との間に設けられ、第１主面４２と第２主面４１とをつなぐ面である。

　真空断熱材４０は、芯材４４と、芯材４４を被覆する被覆材４４ａ（図１０参照）とから成り、内部が減圧密封されている。図９及び図１０に示すように、被覆材４４ａは、例えば、第１部材４５及び第２部材４６から構成されている。第１部材４５及び第２部材４６により形成される内部空間４６ｂに、芯材４４及び吸着剤４７が配置されている。真空断熱材４０は、内部空間４６ｂが所定の真空度になるように構成されている。

　第２部材４６は、内箱部２２の内面形状に合わせて、真空成形、射出成形、圧空成形、又はプレス成形等により作製された成形品である。第２部材４６は、第２開口部４６ａを有する箱状に形成されている。第２部材４６は、内箱部２２の材料よりも柔らかい材料、例えば、エチレン‐ビニルアルコール共重合樹脂等の軟質材料の層が複数、積層された多層シートにより形成されている。

　このような構成により、第２部材４６は、内箱部２２（図５）に収容された際に、内箱部２２の内面に合着することができる。

　第１部材４５は、例えば、矩形状のフィルムで構成されている。第１部材４５は、第２部材４６の第２開口部４６ａを密閉するように構成されている。第１部材４５は、例えば、熱可塑性樹脂等のラミネートフィルムで構成されていてもよい。この場合、ラミネートフィルムは、アルミニウム又はステンレス等の金属層を有していてもよい。

　芯材４４は、第２部材４６の内面（内部空間４６ｂ）と同一形状に形成されている。例えば、芯材４４は、連続気泡ウレタンフォームで構成されていてもよい。この場合、連続気泡ウレタンフォームは、特許文献５に開示されている特徴を有するものであってもよい。また、例えば、芯材４４としては、ガラス繊維、ロックウール、アルミナ繊維、又はポリエチレンテレフタレート繊維等で構成されていてもよい。

　吸着剤４７としては、水分を吸着除去する水分吸着剤及び大気ガス等のガスを吸着する気体吸着剤などが挙げられる。吸着剤４７は、図１０に示すように、芯材４４に設けられた穴部４４ｂに嵌められる。より具体的には、吸着剤４７が、芯材４４の穴部４４ｂに嵌められた状態で、芯材４４は、第２部材４６の内部空間４６ｂと同一形状になる。

　［引き出し扉の製造方法］
　次に、引き出し扉１１の製造方法について、図１１～図１５を参照して説明する。まず、多層シートを、真空成形等により、内箱部２２の内面（内部空間２２ａ）（図１２参照）と同一形状になるように加工して、第２開口部４６ａを有する箱状の第２部材４６を製造する。また、芯材４４を、例えば、連続気泡ウレタンフォームの原液を混合して発泡する、又は、ガラス繊維等を加熱圧縮成型する等して、第２部材４６の内部空間４６ｂと同一形状を有するように製造する。

　次に、第２部材４６の内部空間４６ｂに、芯材４４及び吸着剤４７を配置する。その後、第２部材４６の第２開口部４６ａを覆うように、第１部材４５により第２部材４６を密閉する。その後、第２部材４６の内部空間４６ｂを、第２部材４６の貫通孔（図示せず）から真空引きする。第２部材４６の内部空間４６ｂが、所定の真空度になると、第２部材４６の貫通孔を封止部材（図示せず）より封止する。

　これにより、図１２に示すように、真空断熱材４０が形成される。また、射出成形により内箱部２２を製造する。これにより、内箱部２２を精度良く形成することができる。その後、内箱部２２の内部空間２２ａに真空断熱材４０を配置して、真空断熱材４０と内箱部２２とを接着剤により接着する。

　一方、ガラス板等を適宜な大きさに切断する等により、外箱部２１を製造する。内箱部２２内の真空断熱材４０の第２主面４１にシート状の接着剤を配置して、真空断熱材４０と外箱部２１を接着する。これにより、内箱部２２の第１開口部２３が、外箱部２１により閉鎖される。

　このようにして、真空断熱筐体１０が形成される。

　図１３及び図１４に示すように、真空断熱筐体１０の内箱部２２の溝部２４に、ガスケット１２を嵌めて取り付ける。また、一対のフレーム１３を、真空断熱筐体１０に、ビス１４でねじ止めする。フレーム１３の端部には、接続部分１５が設けられている。接続部分１５は、例えば平板形状を有する。

　接続部分１５には、第１貫通孔１６及び第２貫通孔１７が設けられている。第１貫通孔１６及び第２貫通孔はそれぞれ、接続部分１５に、例えば２つ設けられている。２つの第１貫通孔１６は、ビス１４の軸部の径よりも大きく、内箱部２２の突出部２９の径よりも小さく、且つ、突出部２９の挿通孔３０の径と同じ径に形成されている。第２貫通孔１７は、内箱部２２の突起２８よりも少し大きい径に形成されている。

　フレーム１３の接続部分１５を内箱部２２の凹部２７に当てる際に、接続部分１５の第２貫通孔１７に内箱部２２の突起２８を挿入し、接続部分１５を突起２８の周囲の背壁２５の外面に当接させる。これにより、フレーム１３と内箱部２２とが容易に位置決めされ、接続部分１５の第１貫通孔１６が、内箱部２２の突出部２９に対応する位置に容易に配置される。

　第１貫通孔１６は、突出部２９の径よりも小さいため、第１貫通孔１６の周囲の接続部分１５が、突出部２９の先端に当接する。突出部２９の先端は、内箱部２２の背壁２５の外面と面一に配置されているため、接続部分１５は、背壁２５の外面及び突出部２９の先端に当接して、これらにより安定的に支持される。

　また、接続部分１５の第１貫通孔１６と突出部２９の挿通孔３０とが連続し、第１貫通孔１６及び挿通孔３０にビス１４の軸部が挿入される。この際、ビス１４は、挿通孔３０の底部３０ａによって内箱部２２を貫通しない。したがって、このような構成により、ビス１４が内箱部２２内の真空断熱材４０を傷つけることがなく、傷による真空断熱材４０の真空度の低下がないため、真空断熱材４０の断熱性能が維持される。

　また、図１５に示すように、ビス１４を挿通孔３０に締結することにより、接続部分１５が内箱部２２に固定される。接続部分１５と内箱部２２との固定により、フレーム１３が、真空断熱筐体１０に装着されて、引き出し扉１１が製造される。

　このように、挿通孔３０が形成された突出部２９が、凹部２７に形成されている。このため、挿通孔３０の長さを長く採ることができ、ビス１４と挿通孔３０との締結が強固になり、突出部２９とフレーム１３との間に大きな固定強度を確保することができる。

　突出部２９が、凹部２７に形成されていない場合、突出部２９の形状に合わせて内箱部２２の内部空間２２ａ側の内面が突出してしまう。このため、突出部２９による内箱部２２の内面の突出に応じて、これに接する真空断熱材４０を成形する必要があり、真空断熱材４０の成形が難しくなる。これに対して、突出部２９が、凹部２７に形成されていると、突出部２９の形状が内箱部２２の内面に影響せず、内箱部２２の内面は凹部２７に沿って緩やかに湾曲する。本実施の形態の構成によれば、このような、湾曲する凹部２７に応じて、真空断熱材４０が形成されるため、真空断熱材４０の形成を簡素化することができる。

　また、真空断熱筐体１０は、背壁２５と繋がるリブ３１によって突出部２９が補強されている。このため、子供が引き出し扉１１にぶら下がるなどして非常に大きな力が作用しても、突出部２９が、破損することが低減され、引き出し扉１１とフレーム１３などの装着部材との間には、大きな固定強度が確保される。

　（実施の形態２）
　次に、本開示の実施の形態２の真空断熱筐体について説明する。

　従来、真空断熱材を備える真空断熱筐体を用いた例として、例えば、特許文献２に示される冷蔵庫が知られている。特許文献２の冷蔵庫は、前面が開口する断熱箱体と、断熱箱体の開口を塞ぐ扉とを備える。扉は、外板、内板、及びこれらに挟まれる真空断熱材を有している。特許文献２の冷蔵庫においては、扉は、回動可能に断熱箱体に装着するためのヒンジ部を上下に有する。真空断熱材は、ヒンジ部に近接する角部分が面取りされた形状に形成されている。

　特許文献２の構造によれば、真空断熱材の角部分が面取りされていることにより、面取り部分とヒンジ部との間に空間が空き、真空断熱材の断熱効果が低下してしまう。このため、この空間に発泡ウレタン等の断熱材を配置して、断熱効果の低下の抑制を図っている。

　しかしながら、発泡ウレタン等の断熱材は、真空断熱材よりも断熱性能が劣るため、断熱効果の低下の抑制に大きな効果が期待できない。また、ヒンジ部は最も大きな応力が作用する部分であるため、このヒンジ部の周囲に真空断熱材とは別部材を配置すると、経年使用により変形等の不具合が発生する可能性がある。

　本開示の実施の形態２は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、断熱性及び耐久性に優れる真空断熱筐体を提供する。

　具体的には、本開示の実施の形態２の一例による真空断熱筐体は、ヒンジを介して被固定体に固定される真空断熱筐体であって、ケースと、ケースに収容される真空断熱材とを備える。ケースは、その周縁の一部に、ヒンジが取り付けられる取付部が形成されている。また、ケースは、内部空間を有する。また、ケースは、平板形状を有する。ケースは、取付部と対向する部分が内部空間側に窪んで形成されている。真空断熱材は、収容体と、収容体に封入される芯材とを有する。収容体は、熱可塑性樹脂からなる樹脂層とガスバリア層との積層部により成形された部材を含む。真空断熱材は、取付部に整合するよう窪んだ凹部を有する。

　このような構成により、真空断熱材の凹部がケースの取付部に整合するため、ケースにおいて大きな真空断熱材の占有面積を確保することができ、真空断熱筐体の断熱性能を向上させることができる。また、ケースの取付部と真空断熱材との間の隙間を、真空断熱材とは別の部材で埋める必要がないため、経年使用による変形等の不具合の発生を低減し、真空断熱筐体の耐久性を向上させることができる。

　また、本開示の実施の形態２の一例における真空断熱筐体において、ヒンジは、取付部に形成されて挿通孔を有する軸受部と、挿通孔に挿通される軸部と、軸部を支持すると共に被固定体に固定される固定部とを有していてもよい。取付部には、固定部が配置される収容部が形成されていてもよい。真空断熱材の凹部は、収容部に整合するよう窪んだ第１凹部と、軸受部に整合するよう窪んだ第２凹部とを有していてもよい。真空断熱材の凹部の、第１凹部及び第２凹部は段状を成していてもよい。

　このような構成により、真空断熱材の第１凹部がケースの収容部に整合し、真空断熱材の第２凹部がケースの軸受部に整合して、これらが段状に形成される。よって、このような構成により、ケースと真空断熱材との間の隙間を小さく抑えることができ、真空断熱筐体の断熱性能及び耐久性を向上させることができる。

　また、本開示の実施の形態２の一例における真空断熱筐体において、ケースは、収容部に配置された固定部を覆うよう、ケースの主面に沿って延設された被覆部を有していてもよい。真空断熱材の収容体は、芯材を収容する凹状の第１部材、及び、第１部材と接合して第１部材の開口を密閉する第２部材を有していてもよい。第１部材と第２部材との接合部のうち凹部に対応する部分は、被覆部に沿って延設されていてもよい。

　このような構成により、被覆部により固定部が被覆されるため、ユーザから固定部が見えず、固定部による美観の低下を抑制することができる。また、第１部材及び第２部材の接合部が凹部に対応して設けられ且つ被覆部に沿って延びることにより、この接合寸法を大きく採ることができる。このため、例えば、ヒンジによって真空断熱筐体を回転して開閉する際、大きな力が第２ヒンジ部を介して真空断熱材に作用する場合であっても、強力な接合強度によって真空断熱材の接合剥離が防止され、真空断熱材の断熱性能を維持することができる。

　また、本開示の実施の形態２の一例における冷蔵庫は、上記特徴の少なくとも一つを有する真空断熱筐体を備えている。このような構成により、断熱性及び耐久性に優れた冷蔵庫が得られる。

　本開示の実施の形態２に例示される構成によれば、断熱性及び耐久性に優れた真空断熱筐体及び冷蔵庫が得られる。

　以下、本開示の実施の形態２の真空断熱筐体の例を、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、実施の形態１で説明した要素と同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略することがある。また、説明の便宜上、各図面において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」及び「後」の方向を定義しているが、本開示における断熱筐体等の設置方向はこれに限定されず、使用状況に応じて任意に設定される。

　以下、本開示の実施の形態２の真空断熱筐体１１０の一例について、図１６～図２６Ａ及び図２６Ｂを参照しながら説明する。図１６及び図１７に示すように、真空断熱筐体１１０は、被固定体である冷蔵庫１１３の本体等に設けられる。より具体的には、真空断熱筐体１１０は、冷蔵庫１１３の回転扉１１１に設けられる。回転扉１１１は、被固定体である冷蔵庫１１３の本体等に、ヒンジ１２０，１３０を介して固定される。真空断熱筐体１１０は、例えば、図１７に示すように、平板形状を有する。真空断熱筐体１１０は、その周縁の一部に、ヒンジ１２０，１３０が取り付けられる取付部１７０，１８０が形成されている。真空断熱筐体１１０は、ケース１１０ａを有している。ケース１１０ａは、例えば、図１８に示すように、平板形状を有している。ケース１１０ａは、内部空間１１０ｂを有する。回転扉１１１は、取付部１７０，１８０に取り付けられたヒンジ１２０，１３０によって、冷蔵庫１１３の本体に回転可能に取り付けられる。

　以下、真空断熱筐体１１０が冷蔵庫１１３の回転扉１１１に適用された例について説明するが、真空断熱筐体１１０は、以下に例示する態様に限定されない。

　図１８に示すように、回転扉１１１は、真空断熱筐体１１０に装着されるガスケット１１２をさらに備える。真空断熱筐体１１０は、内箱部１４０及び外箱部１５０により構成されるケース１１０ａ、及び、ケース１１０ａの内部空間１１０ｂに収容される真空断熱材１６０を有している。

　内箱部１４０は、樹脂を用いて射出成形等により形成されている。内箱部１４０は、図１８に示すように、前面側が開口する箱形状であって、開口部（第１開口部）１４０ａ、壁部１４１、及び枠部１４２を有している。外箱部１５０は、ガラス板又はプリコート鋼板等により形成されている。外箱部１５０は、例えば、矩形の平板形状を有する。外箱部１５０は、内箱部１４０の第１開口部１４０ａを塞ぐように内箱部１４０に取り付けられる。ガスケット１１２は、内箱部１４０の壁部１４１の外面の溝部（図示せず）に嵌められて、内箱部１４０に取り付けられている。

　真空断熱材１６０は、ケース１１０ａの内面に沿った形状を有している。真空断熱材１６０は、例えば、略平板形状を有する。真空断熱材１６０は、ケース１１０ａに収容される。ケース１１０ａは、取付部１７０，１８０に対応する部分が内部空間１１０ｂ側に窪んで形成されている。真空断熱材１６０には、取付部１７０，１８０に整合するように窪んだ凹部１６６ａ，１６６ｂ，１６８ａ，１６８ｂ（図２５Ｂ参照）が設けられている。

　ヒンジ１２０，１３０は、図１７に示すように、上側のヒンジ１２０及び下側のヒンジ１３０から構成されている。上側のヒンジ１２０は、内箱部１４０の上側左角部に設けられる取付部（上側取付部１７０）に取り付けられる。下側のヒンジ１３０は、内箱部１４０の下側左角部に設けられる取付部（下側取付部１８０）に取り付けられる。

　図１９に示すように、上側のヒンジ１２０は、固定部（上側固定部１２１）、軸部（上側軸部１２２）及び軸受部（上側軸受部１２３）を有している。上側軸受部１２３は、上側取付部１７０に設けられ、挿通孔（上側挿通孔１２４）を有する。上側軸部１２２は、上側挿通孔１２４に挿通される。上側固定部１２１は、上側軸部１２２を支持すると共に、冷蔵庫１１３の本体の上部に固定される。

　図２０に示すように、下側のヒンジ１３０は、固定部（下側固定部１３１）、軸部（下側軸部１３２）及び軸受部（下側軸受部１３３）を有している。下側軸受部１３３は、下側取付部１８０に設けられ、挿通孔（下側挿通孔１３４）を有する。下側軸部１３２は、下側挿通孔１３４に挿通される。下側固定部１３１は、下側軸部１３２を支持すると共に、冷蔵庫１１３の本体の下部に固定される。

　図２１Ａ～図２１Ｃ、図２２Ａ及び図２２Ｂ、図２３Ａ並びに図２３Ｂに示すように、内箱部１４０は、例えば、壁部１４１が左右方向よりも上下方向に長い矩形状を有する。枠部１４２は、基端が壁部１４１の外縁に接続し、この外縁から前方へ立ち上がっている。枠部１４２は、壁部１４１の外縁から前方へ立ち上がった先端が第１開口部１４０ａを取り囲む形状を有する。枠部１４２の先端側内面には、図２１Ａ及び図２３Ｂに示すように、環状溝１４３が設けられている。環状溝１４３に、真空断熱材１６０（図１８参照）の端部及び外箱部１５０（図１８参照）の端部が嵌められる。環状溝１４３は、図２３Ａ及び図２３Ｂに示すように、枠部１４２の先端側及び内面側から窪んで設けられている。枠部１４２の厚み（内面と外面との寸法）は、壁部１４１の厚み（内面と外面との寸法）以上に設定されていてもよい。

　図２３Ａ及び図２３Ｂに示すように、上側取付部１７０には、収容部（上側収容部１７１）及び上側軸受部１２３が形成されている。下側取付部１８０には、収容部（下側収容部１８１）及び下側軸受部１３３が形成されている。上側取付部１７０及び下側取付部１８０は、上側軸受部１２３の上側挿通孔１２４及び下側軸受部１３３の下側挿通孔１３４の中心軸が互いに一致して上下方向に延びるように配置されている。

　図１９に示すように、上側収容部１７１は、上側のヒンジ１２０（図１８参照）の上側固定部１２１を収容可能な部分であって、上側、内箱部１４０を後側から見たときの左側及び後側の三方から窪む窪みである。上側収容部１７１は、内箱部１４０を後側から見たときの右側面、前側面及び下側面（上側底面１７４）により囲まれており、上側、内箱部１４０を後側から見たときの左側及び後側に開放されている。内箱部１４０のうち、上側底面１７４から外箱部１５０（ケース１１０ａの主面）（図１７参照）に沿って上方へ延設された部分は、後側から上側収容部１７１に収容される上側固定部１２１（図１８参照）の縁部を前方から覆う被覆部（上側被覆部１７５）として機能する。上側被覆部１７５の後面が、上側収容部１７１を取り囲む前側面になる。

　上側軸受部１２３は、上側のヒンジ１２０（図１８参照）の上側軸部１２２を支持する部分である。上側軸受部１２３は、例えば、図１９に示すように、上側収容部１７１の下方に設けられている。上側軸受部１２３は、例えば、略円筒形状を有する。上側軸受部１２３には、上側軸部１２２が挿通される上側挿通孔１２４が形成されている。上側挿通孔１２４は、上側収容部１７１の上側底面１７４から下方へ窪んで、上側底面１７４に開口する。左右方向に延びる上側収容部１７１と、上下方向に延びる上側挿通孔１２４とは、Ｌ字形状に配置されている。

　図２０に示すように、下側収容部１８１は、下側のヒンジ１３０（図１８参照）の下側固定部１３１を収容可能な部分であって、下側、内箱部１４０を後側から見たときの左側、及び後側の三方から窪む窪みである。下側収容部１８１は、内箱部１４０を後側から見たときの右側面、前側面、及び上側面（下側底面１８４）により囲まれており、下側、内箱部１４０を後側から見たときの左側、及び後側に開放されている。内箱部１４０のうち、下側底面１８４から外箱部１５０（ケース１１０ａの主面）（図１７参照）に沿って下方へ延設された部分は、後側から下側収容部１８１に収容される下側固定部１３１（図１８参照）の縁部を前方から覆う被覆部（下側被覆部１８５）として機能する。下側被覆部１８５の後面が、下側収容部１８１を取り囲む前側面になる。

　下側軸受部１３３は、下側のヒンジ１３０（図１８参照）の下側軸部１３２を支持する部分である。下側軸受部１３３は、例えば、下側収容部１８１の上方に設けられている。下側軸受部１３３は、例えば、略円筒形状を有する。下側軸受部１３３には、下側軸部１３２が挿通される下側挿通孔１３４が形成されている。下側挿通孔１３４は、下側収容部１８１の下側底面１８４から上方へ窪んで、下側底面１８４に開口する。左右方向に延びる下側収容部１８１と、上下方向に延びる下側挿通孔１３４とは、図２０に示すように、Ｌ字形状に配置されている。

　図２４に示すように、真空断熱材１６０は、芯材１６１、吸着剤１６２、及び被覆材としての収容体１６０ａを有している。収容体１６０ａは、例えば、第１部材１６３及び第２部材１６４を有する。収容体１６０ａの内部空間１６０ｂには、芯材１６１及び吸着剤１６２が配置されている。真空断熱材１６０は、内部空間１６０ｂが所定の真空度になるように構成されている。

　第１部材１６３は、内箱部１４０（図１８参照）の内面形状に合わせて、真空成形、射出成形、圧空成形、又はプレス成形等により成形された部材である。第１部材１６３は、熱可塑性樹脂からなる樹脂層とガスバリア層との積層部によって形成されている。第１部材１６３は、内箱部１４０の材料よりも柔らかい材料、例えば、エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂等の軟質材料の層が複数、積層された多層シートにより形成されている。これにより、第１部材１６３が、内箱部１４０に収容された際に、第１部材１６３は、内箱部１４０の内面に合着することができる。

　第１部材１６３は、例えば、図２４に示すように、凹状に形成されている。第１部材１６３は、内側に芯材１６１を収容する。第１部材１６３は、開口部（第２開口部）１６３ａ、及び、第２開口部１６３ａの縁部にフランジ１６５を有している。フランジ１６５は、第２開口部１６３ａの開口面に沿って外方へ張り出している。

　第１部材１６３には、上側左角部に幅広部（上側幅広部１６７）が設けられ、下側左角部に幅広部（下側幅広部１６９）が設けられている。上側幅広部１６７及び下側幅広部１６９はそれぞれ、Ｌ字状の平板形状を有する。上側幅広部１６７及び下側幅広部１６９はそれぞれ、フランジ１６５から拡張して形成されている。

　第２部材１６４は、例えば、矩形状のフィルムで構成されている。第２部材１６４は、真空断熱材１６０の前面を構成する。第２部材１６４は、第１部材１６３の第２開口部１６３ａを密閉するように構成されている。第２部材１６４としては、例えば、熱可塑性樹脂等のラミネートフィルムであってもよい。ラミネートフィルムは、アルミニウム又はステンレス等の金属層を有していてもよい。

　芯材１６１は、例えば、連続気泡ウレタンフォームで構成されていてもよい。連続気泡ウレタンフォームは、特許文献５に記載の特徴を有するものであってもよい。また、例えば、芯材１６１は、ガラス繊維、ロックウール、アルミナ繊維、又はポリエチレンテレフタレート繊維等で構成されていてもよい。

　芯材１６１は、収容体１６０ａの内部空間１６０ｂと同一形状に形成されている。芯材１６１は、収容体１６０ａに充填されている。芯材１６１には、上側左角部に切欠き部（上側切欠き部１６１ａ）が設けられ、下側左角部に切欠き部（下側切欠き部１６１ｂ）が設けられている。上側切欠き部１６１ａは、その内側に第１部材１６３の上側幅広部１６７が嵌る形状に切り取られている。上側切欠き部１６１ａは、上側幅広部１６７に対応して整合している。下側切欠き部１６１ｂは、その内側に第１部材１６３の下側幅広部１６９が嵌る形状に切り取られている。下側切欠き部１６１ｂは、下側幅広部１６９に対応して整合している。

　吸着剤１６２としては、水分を吸着除去する水分吸着剤及び大気ガス等のガスを吸着する気体吸着剤などが挙げられる。吸着剤１６２は、芯材１６１に設けられた穴部１６１ｃに嵌められる。吸着剤１６２が穴部１６１ｃに嵌められた状態で、芯材１６１は、第１部材６３の内部空間１６０ｂの形状と同一形状を有するよう構成されている。

　このような芯材１６１の上側切欠き部１６１ａに、第１部材１６３の上側幅広部１６７が嵌り、芯材１６１の下側切欠き部１６１ｂに、第１部材１６３の下側幅広部１６９が嵌るようにして、芯材１６１が、第２開口部１６３ａから第１部材１６３に収容される。第２開口部１６３ａを第２部材１６４で覆うようにして、第２開口部１６３ａから張り出すフランジ１６５、並びに、フランジ１６５から延長して設けられる上側幅広部１６７及び下側幅広部１６９と、第２部材１６４とが、熱溶着等により接合される。

　このような構成により、図２５Ａ及び図２５Ｂに示すように、フランジ１６５と第２部材１６４との接合部（縁接合部１６５ａ）、上側幅広部１６７と第２部材１６４との接合部（上側接合部１６７ａ）、及び、下側幅広部１６９と第２部材１６４との接合部（下側接合部１６９ａ）が、形成される。

　縁接合部１６５ａは、第１部材１６３の第２開口部１６３ａを取り囲むように環状に形成されている。このような構成により、第１部材１６３及び第２部材１６４により構成される収容体１６０ａが、密閉される。縁接合部１６５ａは、真空断熱材１６０が内箱部１４０（図２１Ａ参照）に収容された際に、内箱部１４０の環状溝１４３に嵌る。上側接合部１６７ａ及び下側接合部１６９ａは、それぞれ、図２５Ｂに示すように、例えばＬ字形状を有する。上側接合部１６７ａ及び下側接合部１６９ａは、縁接合部１６５ａを延長して形成されている。

　図２５Ｂ、図２６Ａ及び図２７Ａに示すように、真空断熱材１６０の上側左角部には、上側接合部１６７ａに加えて、第１凹部（上側第１凹部１６６ａ）及び第２凹部（上側第２凹部１６６ｂ）がさらに設けられている。

　上側第１凹部１６６ａ及び上側第２凹部１６６ｂは、収容体１６０ａの内部空間１６０ｂ側において、図２６Ａに示すように、芯材１６１の上側切欠き部１６１ａに沿う。この内部空間１６０ｂ側とは反対側において、上側第１凹部１６６ａ及び上側第２凹部１６６ｂは、上側接合部１６７ａが上側第１凹部１６６ａ及び上側第２凹部１６６ｂと対応するように、Ｌ字形状に配置されている。上側接合部１６７ａは、上側第１凹部１６６ａ及び上側第２凹部１６６ｂの縁から上方に立ち上がり、縁接合部１６５ａから延長して形成される。また、上側接合部１６７ａは、真空断熱材１６０が内箱部１４０（図２７Ａ参照）に収容された際に、内箱部１４０の上側被覆部１７５とこれに対向する外箱部１５０（図１８参照）との間に挟まれ、これらに沿って延びるよう配設される。

　このように、上側第１凹部１６６ａ及び上側第２凹部１６６ｂによって、第２部材１６４と上側幅広部１６７との接合部（上側接合部１６７ａ）を広く確保でき、第１部材１６３と第２部材１６４との接合強度を向上させることができる。特に、上側取付部１７０（図２７Ａ参照）近傍では、回転扉１１１の開閉時に真空断熱材１６０の縁接合部１６５ａ及び上側接合部１６７ａに、第１部材１６３及び第２部材１６４を剥離する大きな力が作用する。ただし、このような状況でも、上側接合部１６７ａの強力な接合強度によって、第１部材１６３及び第２部材１６４の剥離が防止され、剥離による真空断熱材１６０の断熱性能の低下を低減することができる。

　また、上側第１凹部１６６ａは、内箱部１４０（図２７Ａ参照）の上側収容部１７１に整合するように窪んだ形状を有している。また、上側第２凹部１６６ｂは、内箱部１４０の上側軸受部１２３に整合するよう窪んだ形状を有している。このような構成により、真空断熱材１６０が、内箱部１４０に収容された際に、上側第１凹部１６６ａが、上側収容部１７１に沿い、上側第２凹部１６６ｂが、上側軸受部１２３に沿う。

　上側第１凹部１６６ａ及び上側第２凹部１６６ｂは、真空断熱材１６０の外縁の、上側、真空断熱材１６０を後側から見たときの左側及び後側の三方から窪んで、Ｌ字形状に配置されている。上側第１凹部１６６ａ及び上側第２凹部１６６ｂは、真空断熱材１６０の外縁の、真空断熱材１６０を後側から見たときの左端から窪む寸法及び上端から窪む寸法が異なり、段状に形成されている。このような構成により、真空断熱材１６０が内箱部１４０（図１８及び図２１Ｂ参照）に収容された状態で、上側第１凹部１６６ａと上側収容部１７１との隙間、及び、上側第２凹部１６６ｂと上側軸受部１２３との隙間を小さく抑えて、真空断熱材１６０の寸法を大きく採ることができる。よって、このような構成により、真空断熱材１６０による真空断熱筐体１１０の断熱性能の向上が図られる。また、上側第１凹部１６６ａと上側収容部１７１との間（図２７Ａ参照）、及び、上側第２凹部１６６ｂと上側軸受部１２３との間に、真空断熱材１６０とは別の部材が配置されないため、経年使用により変形等の不具合を防止することができる。

　図２５Ｂ及び図２６Ｂに示すように、真空断熱材１６０の、真空断熱材１６０を後側から見たときの下側左角部には、下側接合部１６９ａに加えて、第１凹部（下側第１凹部１６８ａ）及び第２凹部（下側第２凹部１６８ｂ）がさらに設けられている。

　下側第１凹部１６８ａ及び下側第２凹部１６８ｂは、図２６Ｂに示すように、収容体１６０ａの内部空間１６０ｂ側において、芯材１６１の下側切欠き部１６１ｂに沿う。下側第１凹部１６８ａ及び下側第２凹部１６８ｂは、内部空間１６０ｂ側とは反対側において（図２４参照）、下側接合部１６９ａが、下側第１凹部１６８ａ及び下側第２凹部１６８ｂに対応するように、Ｌ字形状に配置されている（図２５Ｂ及び図２６Ｂ参照）。下側接合部１６９ａは、下側第１凹部１６８ａ及び下側第２凹部１６８ｂの縁から下方に立ち上がり、縁接合部１６５ａから延長して形成されている。また、下側接合部１６９ａは、真空断熱材１６０が、内箱部１４０（図２１Ａ参照）に収容された際に、内箱部１４０の下側被覆部１８５とこれに対向する外箱部１５０（図１８参照）との間に挟まれ、これらに沿って延びている。

　このように、下側第１凹部１６８ａ及び下側第２凹部１６８ｂによって、第２部材１６４（図２４参照）と下側幅広部１６９との接合部（下側接合部１６９ａ）を広く確保でき、第１部材１６３（図２４参照）と第２部材１６４との接合強度を向上させることができる。特に、下側取付部１８０（図１８）近傍で、回転扉１１１の開閉時に、真空断熱材１６０の縁接合部１６５ａ及び下側接合部１６９ａ（図２５Ｂ参照）に、第１部材１６３及び第２部材１６４を剥離する大きな力が作用するが、このような状況であっても、下側接合部１６９ａの強力な接合強度によってこの剥離を防止することができる。よって、このような構成により、剥離による真空断熱材１６０の断熱性能の低下を低減することができる。

　また、下側第１凹部１６８ａは、内箱部１４０（図２１Ａ参照）の下側収容部１８１（図２３Ｂ参照）に整合するよう窪んだ形状を有し、下側第２凹部１６８ｂは、内箱部１４０の下側軸受部１３３（図２０及び図２３Ｂ参照）に整合するよう窪んだ形状を有している。このような構成により、真空断熱材１６０が、内箱部１４０に収容された際に、下側第１凹部１６８ａが、下側収容部１８１に沿い、下側第２凹部１６８ｂが、下側軸受部１３３に沿う。

　下側第１凹部１６８ａ及び下側第２凹部１６８ｂは、下側、真空断熱材１６０を後側から見たときの左側及び後側の三方から窪んで、Ｌ字形状に配置されている。下側第１凹部１６８ａ及び下側第２凹部１６８ｂは、真空断熱材１６０の外縁の、真空断熱材１６０を後側から見たときの左端から窪む寸法及び下端から窪む寸法が異なり、段状に形成されている。このような構成により、真空断熱材１６０が内箱部１４０（図２１Ｃ参照）に収容された状態で、下側第１凹部１６８ａと下側収容部１８１との隙間、及び、下側第２凹部１６８ｂと下側軸受部１３３との隙間を小さく抑えることができ、真空断熱材１６０の寸法を大きく採ることができる。よって、このような構成により、真空断熱材１６０による真空断熱筐体１１０の断熱性能の向上が図られる。また、下側第１凹部１６８ａと下側収容部１８１との間、及び、下側第２凹部１６８ｂと下側軸受部１３３との間に、真空断熱材１６０とは別の部材を配置する必要がないため、経年使用による変形等の不具合を防止することができる。

　このように構成された真空断熱筐体１１０について、図１９に示すように、上側取付部１７０に、上側のヒンジ１２０が取り付けられる。上側のヒンジ１２０の上側固定部１２１は、例えば平板形状を有する。上側固定部１２１は、冷蔵庫１１３の本体に、図１９に示すように、水平に取り付けられる。回転扉１１１が、冷蔵庫１１３の本体の前面開口を塞いでいる状態で、上側固定部１２１が、上側取付部１７０の上側収容部１７１に収容され、上側固定部１２１の下面が、上側収容部１７１の上側底面１７４上に配置される。

　回転扉１１１が、冷蔵庫１１３の本体の前面開口を塞いでいる状態で、上側固定部１２１の前側縁部が、上側収容部１７１の前方にある上側被覆部１７５によって前方から被覆される。これにより、上側固定部１２１が、ユーザから見えないため、上側固定部１２１による美観の低下を低減することができる。

　上側のヒンジ１２０の上側軸部１２２は、下方に延び、上側挿通孔１２４に挿入されて、上側軸受部１２３により支持される。これにより、回転扉１１１は、上側軸部１２２を中心に回転する。回転扉１１１により、冷蔵庫１１３の本体の前面開口を開閉することができる。

　また、図２０に示すように、真空断熱筐体１１０の下側取付部１８０に、下側のヒンジ１３０が、取り付けられる。この際、下側取付部１８０と下側のヒンジ１３０との間に、カム１３５、ストッパ１３６及び板バネ１３７が、設けられる。ストッパ１３６は、真空断熱筐体１１０に取り付けられ、真空断熱筐体１１０と共に回転して最大回転位置で下側固定部１３１に係止されることにより、真空断熱筐体１１０の最大開放位置を制限する。カム１３５は、例えば筒状であって、下側軸部１３２が挿入される。板バネ１３７は、回転扉１１１に、回転扉１１１が閉まる方向に、力を作用させる。

　下側のヒンジ１３０の下側固定部１３１は、冷蔵庫１１３の本体に取り付けられる。回転扉１１１が、冷蔵庫１１３の本体の前面開口を塞いでいる状態で、下側固定部１３１は、下側取付部１８０の下側収容部１８１に収容される。下側固定部１３１は、ストッパ１３６及び板バネ１３７を介して、下側固定部１３１の下面が、下側収容部１８１の下側底面１８４上に配置される。

　回転扉１１１が、冷蔵庫１１３の本体の前面開口を塞いでいる状態で、下側固定部１３１の前側縁部が、下側収容部１８１の前方に位置する下側被覆部１８５によって前方から被覆される。これにより、下側固定部１３１が、ユーザから見えないため、下側固定部１３１による美観の低下を低減することができる。

　下側のヒンジ１３０の下側軸部１３２は、図２０に示すように、上方に延びている。下側軸部１３２は、下側のヒンジ１３０の下側挿通孔１３４に挿入されて、下側軸受部１３３により支持される。これにより、回転扉１１１は、下側軸部１３２を中心に回転する。回転扉１１１により、冷蔵庫１１３の本体の前面開口を開閉することができる。

　また、図２７Ｂに示すように、真空断熱材１６０の縁接合部１６５ａ及び外箱部１５０の縁部が、内箱部１４０の環状溝１４３に嵌る。これにより、接合部１６５ａの端面、及び外箱部１５０の端面の少なくとも一部が、内箱部１４０の枠部１４２により被覆される。

　このように、枠部１４２により縁接合部１６５ａが、外力から保護されるため、縁接合部１６５ａの剥離が防止され、剥離による真空断熱材１６０の断熱性能の低下が低減される。また、水及びごみ等の異物が、縁接合部１６５ａの第１部材１６３と第２部材１６４との間に侵入することが妨げられる。よって、このような構成により、異物による真空断熱材１６０の劣化及び縁接合部１６５ａの剥離が低減される。さらに、縁接合部１６５ａの端面及び外箱部１５０の端面が外に現れないため、真空断熱筐体１１０の意匠性が向上する。

　また、枠部１４２により、外箱部１５０が、外力から保護されるため、外箱部１５０の損傷を防ぐことができる。このような構成により、真空断熱筐体１１０の意匠性の低下が低減される。さらに、内箱部１４０の先端が、外箱部１５０よりも先に突出しないため、内箱部１４０の損傷を防ぐことができ、真空断熱筐体１１０の意匠性の低下が低減される。

　（実施の形態３）
　次に、本開示の実施の形態３の真空断熱筐体について説明する。

　従来、真空断熱材を備える真空断熱筐体の例として、例えば、特許文献１に示す冷蔵庫が知られている。特許文献１に記載の冷蔵庫は、前面が開口する断熱箱体、及び、断熱箱体の開口を塞ぐ引き出し式の第１の冷凍室扉などを備えている。第１の冷凍室扉は、扉外板と扉内板との間に真空断熱材が挟まれて構成されている。

　特許文献１の第１の冷凍室扉では、扉外板と扉内板とを繋ぐ枠板がこれらとは別に設けられている。よって、美観向上の観点から、第１の冷凍庫扉が引き出された際に外に現れる枠板の色を、外に常に露出している扉外板の色と合わせて容易に形成することができる。しかしながら、例えば、扉内板及び枠板により内箱が形成されている場合等には、枠板の色を扉内箱の色と異なる扉外箱に合わせることが困難である。

　本開示は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、美観の向上を図ることができる真空断熱筐体を提供する。

　具体的には、本開示の実施の形態３の一例による真空断熱筐体は、真空断熱材と、内箱部と、外箱部とを備える。真空断熱材は、第１主面、第１主面とは反対側にある第２主面、及び、第１主面と第２主面とを結ぶ側面を有する。内箱部は、内部空間に真空断熱材を収容する。また、内箱部は、第１主面と対向する壁部分、及び、側面と対向する枠部分を有する。外箱部は、内箱部の開口部を覆い、且つ、第２主面と対向する。内箱部の壁部分と枠部分とは、互いに異なる色を有している。また、内箱部の壁部分と枠部分とは、互いに一体的に形成されている。このような構成によれば、例えば、内箱部の枠部分を外箱部と同系色に合わせることができる。よって、このような構成により、外面及び側面が構成される真空断熱筐体の美観の向上を図ることができる。

　本開示の実施の形態３の一例による真空断熱筐体において、内箱部の壁部分と枠部分とは、接合部材を介して一体化されていてもよい。このような構成によれば、例えば、内箱部の枠部分を外箱部と同系色に合わせることができる。よって、このような構成により、外面及び側面が構成される真空断熱筐体の美観の向上を図ることができる。

　本開示の実施の形態３の一例による真空断熱筐体は、内箱部の枠部分を被覆する枠体をさらに備えていてもよい。このような構成によれば、例えば、内箱部の枠部分を被覆する枠体と外箱部とを同系色に合わせることができる。よって、このような構成により、外面及び側面が構成される真空断熱筐体の美観の向上を図ることができる。

　本開示の実施の形態３の一例による真空断熱筐体において、真空断熱材は、芯材と、開口部を有する凹状を成して内部空間に芯材を収容する凹状部材と、凹状部材の開口部を覆う封止部材とを備えていてもよい。凹状部材の開口部の縁部には、凹状部材の開口部の開口面に沿って外方へ張り出すフランジが形成されていてもよい。また、封止部材は、周縁部にてフランジと接合されていてもよい。枠部分は、フランジと封止部材との接合部を収容する収容部を有していてもよい。

　このような構成によれば、フランジと封止部材との接合部を、収容部の周囲の枠部分が被覆することにより、外力等から接合部を保護することができる。よって、このような構成により、外力等による接合部の破損及び剥離等が防げ、真空断熱材の断熱性能の低下を低減することができる。

　本開示の実施の形態３の一例による真空断熱筐体において、内箱部は、真空断熱材の第１主面と対向する第１壁部分、及び、真空断熱材の側面と対向する第１枠部分を有していてもよい。外箱部は、真空断熱材の第２主面と対向する第２壁部分、及び、内箱部の第１枠部分を覆うよう構成されていてもよい。また、外箱部は、第２壁部分と一体的に形成されている第２枠部分を有していてもよい。

　このような構成によれば、例えば、外箱部の第２枠部分は、内箱部の第２枠部分を被覆し、外箱部の第２壁部分と一体的に形成されているので、これらにより外面及び側面が構成される真空断熱筐体の美観の向上を図ることができる。

　本開示の実施の形態３の一例による真空断熱筐体において、真空断熱材は、芯材と、開口部を有する凹状を成して内部空間に芯材を収容する凹状部材と、凹状部材の開口部を覆う封止部材とを備えていてもよい。凹状部材の開口部の縁部には、凹状部材の開口部の開口面に沿って外方へ張り出すフランジが形成されていてもよい。封止部材は、周縁部にて、フランジと接合されていてもよい。内箱部の第１枠部分は、フランジと封止部材との接合部を収容する収容部を有していてもよい。

　このような構成によれば、フランジと封止部材との接合部を収容部の周囲の枠部分が被覆することにより、外力等から接合部を保護することができる。よって、このような構成により、外力等による接合部の破損及び剥離等が防げ、真空断熱材の断熱性能の低下を低減することができる。

　本開示の実施の形態３の一例による冷蔵庫は、上述した真空断熱筐体の特徴のうち少なくともいずれか１つを有する真空断熱筐体を備えている。このような構成によれば、真空断熱筐体を備える冷蔵庫の美観の向上を図ることができる。

　以下、本開示の実施の形態３に係る真空断熱筐体２１０の一例について、図２８～図３１を参照しながら説明する。なお、実施の形態１及び実施の形態２で説明した要素と同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略することがある。

　以下、真空断熱筐体２１０が冷蔵庫（図示せず）の引き出し扉２１１に適用された例について説明するが、真空断熱筐体２１０はこれに限定されない。

　［引き出し扉の構成］
　引き出し扉２１１は、図２８及び図２９に示すように、真空断熱筐体２１０、ガスケット２１２、及びフレーム２１３を備える。引き出し扉２１１は、図１に示すように、冷蔵庫１８の本体の前面開口に引き出し可能に設けられている。真空断熱筐体２１０は、ケース２１０ａを有する。ケース２１０ａは、外箱部２２０及び内箱部２３０により構成されている。外箱部２２０の外面は、冷蔵庫の本体の前面開口から常に外部に現れる真空断熱筐体２１０の外面を構成している。

　内箱部２３０は、壁部分（第１壁部分２３３）及び枠部分（第１枠部分２３４）を有している。第１壁部分２３３の外面（冷蔵庫１８の庫内側の面）は、冷蔵庫１８の本体の内部空間（庫内）に現れる真空断熱筐体２１０の内面を構成する。この外面に溝部２３１が設けられている。溝部２３１にガスケット２１２が嵌められることにより、ガスケット２１２が内箱部２３０に取り付けられている。また、内箱部２３０の外面にビス２１４などの固定具によりフレーム２１３などの装着部材が固定されている。

　真空断熱筐体２１０は、図３０に示すように、外箱部２２０、真空断熱材２４０及び内箱部２３０を有している。外箱部２２０は、例えば、矩形の平板形状を有する。外箱部２２０は、ガラス板等により形成されている。

　真空断熱材２４０は、第１主面２４２、第２主面２４１、及び側面２４３を有している。第１主面２４２は、内箱部２３０の第１壁部分２３３の内面と対向している。第１主面２４２は、溝部２３１等の第１壁部分２３３の凹凸に沿った形状を有している。第２主面２４１は、第１主面２４２とは反対側にある面である。第２主面２４１は、例えば、平らに形成されている。第２主面２４１は、外箱部２２０の内面と対向する。側面２４３は、第２主面２４１と第１主面２４２とを結ぶ面である。

　真空断熱材２４０は、芯材２４４と、芯材２４４を被覆する被覆材２４４ａとを有する。真空断熱材２４０は、内部が減圧密封されている。被覆材２４４ａは、例えば、凹状部材２４６及び封止部材２４５から構成されている。被覆材２４４ａの内部空間２４４ｂに、芯材２４４と吸着剤２４７が配置されている。真空断熱材２４０は、内部空間２４４ｂが所定の真空度になるように構成されている。

　封止部材２４５は、例えば、矩形状のフィルムである。凹状部材２４６は、本体２４６ｂ及びフランジ２４６ｃを有している。本体２４６ｂは、開口部（第２開口部）２４６ｄを有する凹状であって、内部空間２４４ｂに芯材２４４を収容する。本体２４６ｂの外面は、内箱部２３０の内面に沿った形状を有している。

　フランジ２４６ｃは、第２開口部２４６ｄの縁部に、第２開口部２４６ｄの開口面に沿って外方へ張り出している。フランジ２４６ｃが、封止部材２４５の周縁部と熱溶着等により接合されて、第２開口部２４６ｄが、封止部材２４５により封止される。フランジ２４６ｃにより、封止部材２４５が、面状に圧接可能となっているため、封止部材２４５と凹状部材２４６の間で強固なシールが可能となる。

　芯材２４４は、連続気泡ウレタンフォーム、ガラス繊維、ロックウール、アルミナ繊維、又はポリエチレンテレフタレート繊維等で構成されている。連続気泡ウレタンフォームは、例えば、特許文献５に開示されている特徴を有するものであってもよい。吸着剤２４７としては、水分を吸着除去する水分吸着剤及び大気ガス等のガスを吸着する気体吸着剤等が挙げられる。吸着剤２４７は、芯材２４４に設けられた穴部２４７ａに嵌められる。吸着剤２４７及び芯材２４４は、吸着剤２４７が、芯材２４４の穴部２４７ａに嵌められた状態で、凹状部材２４６の内面（内部空間２４４ｂ）の形状と同一形状に形成されていている。

　内箱部２３０は、樹脂製であって、前面に開口する箱形状であって、開口部（第１開口部）２３０ａを有する。内箱部２３０は、第１壁部分２３３及び第１枠部分２３４により取り囲まれる内部空間２３０ｂを備えている。内部空間２３０ｂに、真空断熱材２４０が収容される。第１壁部分２３３は、例えば、白色等の外箱部２２０と異なる色である。また、第１壁部分２３３は、外縁が矩形状である。また、第１壁部分２３３は、図３０に示すように、中央部分が周縁部分よりも内部空間２３０ｂ側とは反対側に突出した段状に形成されていている。第１壁部分２３３の周縁部分には、溝部２３１が設けられている。第１壁部分２３３の中央部分には、凹部２３５、突出部２３７及び突起２３６が設けられている。

　溝部２３１は、内箱部２３０の内部空間２３０ｂ側に窪んでいる。溝部２３１は、第１壁部分２３３の外面上において、第１壁部分２３３の外周に沿って矩形の環状に延び、第１壁部分２３３の中央部分を取り囲む。凹部２３５は、内箱部２３０の内部空間２３０ｂ側に窪んでいる。凹部２３５内に、突出部２３７が設けられる。突出部２３７は、内箱部２３０の内部空間２３０ｂ側の反対側に突出している。突出部２３７に、挿通孔２３７ａが形成されている。挿通孔２３７ａには、ビス２１４のねじ山が嵌る螺旋状の溝が形成されていてもよい。突起２３６は、凹部２３５の周囲に設けられ、第１壁部分２３３の外面から内部空間２３０ｂ側とは反対側に突出する。

　第１枠部分２３４と第１壁部分２３３とは、例えば、同じ樹脂材料のＡＢＳ樹脂から成り、互いに一体的に形成されている。例えば、第１枠部分２３４の色は、第１壁部分２３３の色と異なり、外箱部２２０の色と同系色である。同系色は、同色及びこれに近似する色を含む。

　第１枠部分２３４は、第１壁部分２３３の外周から立ち上がる筒形状であって、先端側開口が、内箱部２３０の第１開口部２３０ａを構成する。第１枠部分２３４は、基端２３４ｃ側開口が第１壁部分２３３により覆われるように、基端２３４ｃが、第１壁部分２３３の外縁と繋がり、第１壁部分２３３と互いに一体的に形成されている。このような構成により、第１壁部分２３３と第１枠部分２３４との結合強度が高い上、これらの間の隙間及び接続部分が目立たない。よって、このような構成により、引き出し扉２１１の意匠性の低下が抑制される。

　第１枠部分２３４には、収容部２３４ａが設けられている。収容部２３４ａは、内箱部２３０の第１開口部２３０ａの縁に沿って環状に形成されている。収容部２３４ａは、図３３に示すように、例えば、第１枠部分２３４の内面から窪む第１面２３４ａ１、及び、第１枠部分２３４の先端から窪む第２面２３４ａ２を有し、これらにより形成された段状を有する。収容部２３４ａが、第１枠部分２３４に形成されているため、第１枠部分２３４の厚み（内面と外面との寸法）は、第１壁部分２３３の厚み（内面と外面との寸法）以上に設定されていてもよい。

　収容部２３４ａの第１面２３４ａ１は、内側に外箱部２２０の端部、及び、真空断熱材２４０のフランジ２４６ｃと封止部材２４５との接合部２４８が嵌るように、これらの外縁の寸法より少し大きく形成されている。第１枠部分２３４の先端と、収容部２３４ａの第２面２３４ａ２との間の寸法は、接合部２４８の厚み以上であり、外箱部２２０と接合部２４８との合計厚み以下である。このような構成により、外箱部２２０の端面の少なくとも一部、及び接合部２４８の端面が、第１枠部分２３４により被覆される。

　よって、このような構成により、外箱部２２０が外力から保護されるため、外力による外箱部２２０の破損がなく、この破損による真空断熱筐体２１０の意匠の低下が抑制される。また、接合部２４８が外力から保護されるため、外力による接合部２４８の破損及び剥離がなく、これらによる真空断熱材２４０の断熱性能の低下を抑制することができる。

　真空断熱筐体２１０では、図３１に示すように、外箱部２２０は、内箱部２３０の第１開口部２３０ａを塞ぐように、内箱部２３０に取り付けられる。内箱部２３０及び外箱部２２０により構成されるケース２１０ａの内部空間２３０ｂが、外箱部２２０により封鎖される。内部空間２３０ｂに真空断熱材２４０が収容されている。真空断熱材２４０は、内箱部２３０の内面及び外箱部２２０の内面に対向して配置される。真空断熱材２４０は、内箱部２３０の内面及び外箱部２２０の内面に沿った形状を有し、これらに接している。このような構成により、ケース２１０ａの内部空間２３０ｂは、真空断熱材２４０により充填されているため、真空断熱材２４０よりも熱伝導率が高い別の断熱材を用いる必要がなく、真空断熱筐体２１０の断熱性能の向上を図ることができる。

　また、外箱部２２０の端部、及び真空断熱材２４０のフランジ２４６ｃと封止部材２４５との接合部２４８が、内箱部２３０の第１枠部分２３４の収容部２３４ａに嵌り、外箱部２２０及び接合部２４８の各端面が、第１枠部分２３４により覆われる。このような構成により、内箱部２３０の第１開口部２３０ａと外箱部２２０との間の外部に通じる隙間と、内箱部２３０の内部空間２３０ｂとの間がラビリンス構造になる。

　また、外箱部２２０、フランジ２４６ｃ及び内箱部２３０が接着剤等により接合されている。このため、隙間から内箱部２３０の内部空間２３０ｂに水分及び埃等の異物の侵入が低減され、異物による真空断熱筐体２１０の意匠の低下が抑制される。

　さらに、真空断熱筐体２１０の側面を構成する第１枠部分２３４は、真空断熱筐体２１０の外面を構成する外箱部２２０と同系色に形成されている。第１枠部分２３４は、外箱部２２０の端面を覆った状態で外箱部２２０と接続している。このような構成により、引き出し扉２１１が、冷蔵庫１８の本体から引き出された際に、外部に現れる真空断熱筐体２１０の外面及び側面は、第１枠部分２３４及び外箱部２２０により連続的に見え、引き出し扉２１１の意匠性が向上する。

　なお、上記構成では、第１枠部分２３４と第１壁部分２３３とが同じ材料で形成されているが、これらは互いに異なる材料で形成されてもよい。これにより、第１枠部分２３４と第１壁部分２３３との選択の自由度が増加する。よって、このような構成により、側面及び内面が構成される真空断熱筐体２１０の意匠性の向上をさらに図ることができる。

　［引き出し扉の製造方法］
　次に、引き出し扉２１１の製造方法について、図２８～図３１を参照して説明する。まず、図３０に示すように、多層シートを真空成形等により、内箱部２３０の内面（内部空間２３０ｂ）と同一形状になるように加工して、第２開口部２４６ｄを有する箱状の凹状部材２４６を製造する。また、連続気泡ウレタンフォームをモールド成形する、又は、ガラス繊維等を加熱圧縮成型することにより、凹状部材２４６の内部空間２４４ｂと同一形状を有する芯材２４４を製造する。

　次に、凹状部材２４６の内部空間２４４ｂに、芯材２４４及び吸着剤２４７を配置し、凹状部材２４６の第２開口部２４６ｄを封止部材２４５により覆って密閉する。この際、凹状部材２４６のフランジ２４６ｃと封止部材２４５の周縁部とを熱圧着させて、凹状部材２４６の第２開口部２４６ｄを密閉する。そして、凹状部材２４６の内部空間２４４ｂを凹状部材２４６の貫通孔（図示せず）から真空引きする。凹状部材２４６の内部空間２４４ｂが、所定の真空度になると、凹状部材２４６の貫通孔を封止部材（図示せず）により封止して、図３１に示すような真空断熱材２４０を形成する。

　一方、第１枠部分２３４が外箱部２２０の色と同系色になり、第１壁部分２３３が第１枠部分２３４の色と異なる色（例えば、白色）になるように、内箱部２３０を二色成形及びインサート成形等により形成する。この二色成形によって、第１壁部分２３３及び第１枠部分２３４が成形されると同時に、これらの間が熱溶着される。このため、結合強度が高い上、これらの接合作業等の後工程がなく、コストダウンが図られる。

　そして、真空断熱材２４０のフランジ２４６ｃと封止部材２４５との接合部２４８が、内箱部２３０の収容部２３４ａに嵌るようにして、内箱部２３０の内部空間２３０ｂに真空断熱材２４０を配置し、真空断熱材２４０と内箱部２３０とを接着剤等により接合する。また、ガラス板等を適宜な大きさに切断する等して、外箱部２２０を製造し、外箱部２２０の端部が内箱部２３０の収容部２３４ａに嵌るようにして、内箱部２３０の内部空間２３０ｂに外箱部２２０を配置する。この外箱部２２０と内箱部２３０及び真空断熱材２４０とを接着剤等により接合し、内箱部２３０の第１開口部２３０ａを外箱部２２０により閉鎖する。これにより、真空断熱筐体２１０が形成される。

　真空断熱筐体２１０の内箱部２３０の溝部２３１に、ガスケット２１２を嵌めて取り付ける。また、内箱部２３０にフレーム２１３をビス２１４でねじ止めする。この際、フレーム２１３の第１貫通孔２１６に内箱部２３０の突起２３６を挿入し、フレーム２１３と内箱部２３０とを位置決めする。これにより、フレーム２１３の第２貫通孔２１７と突出部２３７の挿通孔２３７ａが連続し、挿通孔２３７ａにビス２１４を挿入して締結することにより、フレーム２１３を内箱部２３０に固定する。こうして、フレーム２１３が真空断熱筐体２１０に装着されて、引き出し扉２１１が製造される。

　（実施の形態４）
　次に、本開示の実施の形態４の真空断熱筐体２１０について、図３２及び図３３を用いて説明する。なお、実施の形態１～実施の形態３で説明した要素と同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略することがある。

　本開示の実施の形態４の一例による真空断熱筐体２１０では、内箱部２３０の枠部分（第１枠部分５３４）と壁部分（第１壁部分２３３）とは、例えば、同じ樹脂材料のＡＢＳ樹脂から成る。また、内箱部２３０の枠部分（第１枠部分５３４）と壁部分（第１壁部分２３３）とは、図３２及び図３３に示すように、接合部材５３０を介して一体化されている。

　具体的な構成例としては、例えば、第１枠部分５３４は、樹脂製の筒形状を有する。また、第１枠部分５３４は、第１壁部分２３３とは別に射出成型等により形成される。第１枠部分５３４は、第１壁部分２３３の外縁から、内箱部２３０の第１開口部２３０ａに向かって立ち上がるように、基端５３４ａが第１壁部分２３３の外縁に接着剤等の接合部材５３０により接合されている。これにより、第１枠部分５３４及び第１壁部分２３３が一体化されて、箱状の内箱部２３０が形成される。

　内箱部２３０において、第１枠部分５３４は、第１壁部分２３３の外縁を覆うように、この外縁に接合部材５３０により接合される。このため、接合部材５３０は、第１壁部分２３３側であって、冷蔵庫１８の庫内側の真空断熱筐体２１０の内面に位置する。これにより、接合部材５３０がユーザから目立たず、引き出し扉２１１の意匠性の低下が抑制される。

　また、例えば、第１枠部分５３４の色は、第１壁部分２３３と異なる色であってもよい。また、例えば、第１枠部分５３４は、外箱部２２０の色と同系色に形成されてもよい。また、第１枠部分５３４の収容部２３４ａに、外箱部２２０の端部及び真空断熱材２４０のフランジ２４６ｃと封止部材２４５との接合部２４８が嵌ることによって、第１枠部分５３４が外箱部２２０及び接合部２４８の各端面を覆う。このような構成により、真空断熱筐体２１０の側面を構成する第１枠部分５３４と、真空断熱筐体２１０の外面を構成する外箱部２２０とは、連続的に見え、意匠性が向上する。

　なお、上記構成では、第１枠部分５３４と第１壁部分２３３とが同じ材料で形成されているが、これらは互いに異なる材料で形成されてもよい。これにより、第１枠部分５３４と第１壁部分２３３の選択の自由度が増加する。よって、これらにより側面及び内面が構成される真空断熱筐体２１０の意匠性の向上をさらに図ることができる。

　（実施の形態５）
　次に、本開示の実施の形態５の真空断熱筐体２１０の例を、図３４及び図３５を用いて説明する。なお、実施の形態１～実施の形態４で説明した要素と同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略することがある。

　本開示の実施の形態５の真空断熱筐体２１０は、図３４及び図３５に示すように、枠部分（第１枠部分６３４）を被覆する枠体２５０を備えている。

　具体的には、内箱部２３０は、第１壁部分２３３及び第１枠部分６３４を有する。第１壁部分２３３及び第１枠部分６３４は、例えば、互いに同じ材料から成る。第１壁部分２３３及び第１枠部分６３４は、例えば、互いに同系色で一体的に形成されている。第１枠部分６３４には、第１収容部２３４ｂが設けられている。第１収容部２３４ｂは、第１枠部分６３４の内面、及び、内箱部２３０の第１開口部２３０ａ側の先端から窪んで形成されている。また、第１収容部２３４ｂは、内箱部２３０の第１開口部２３０ａに沿って環状に形成されている。第１収容部２３４ｂは、例えば、第１枠部分６３４の内面から窪む第１面２３４ｂ１、及び、第１枠部分６３４の内箱部２３０の第１開口部２３０ａ側の先端から窪む第２面２３４ｂ２を有する。第１収容部２３４ｂは、第１面２３４ｂ１及び第２面２３４ｂ２により段状に形成されている。第１収容部２３４ｂが、第１枠部分６３４に形成されているため、第１枠部分６３４の厚み（内面と外面との寸法）は、第１壁部分２３３の厚み（第１壁部分２３３の内面と外面との寸法）以上に設定されていてもよい。

　第１収容部２３４ｂの第１面２３４ｂ１は、その内側に真空断熱材２４０のフランジ２４６ｃと封止部材２４５との接合部２４８（図３４参照）が嵌るように、フランジ２４６ｃ及び封止部材２４５の外縁の寸法より少し大きく形成されている。第１枠部分６３４の先端と第１収容部２３４ｂの第２面２３４ｂ２と間の寸法は、フランジ２４６ｃの厚みと等しい又はほぼ等しい。よって、このような構成により、接合部２４８が外力から保護されるため、外力による接合部２４８の破損及び剥離がなく、これらによる真空断熱材２４０の断熱性能の低下を抑制することができる。

　枠体２５０は、例えば、筒形状を有する。枠体２５０は、内面が第１枠部分６３４の外面に沿った寸法及び形状を有している。例えば、第１枠部分６３４の外面が、第１枠部分６３４の、内箱部２３０の第１開口部２３０ａ側の先端から基端に向かって内側に傾斜している場合、枠体２５０の内面は、先端２５０ｂから基端２５０ｃに向かって内側に傾斜する（図３５参照）。このため、枠体２５０は、第１枠部分６３４の外面の寸法が先端から基端に向かって小さくなるように傾斜している場合、枠体２５０の内面の寸法は、先端２５０ｂから基端２５０ｃに向かって小さくなるように構成されている。このため、枠体２５０の内側に内箱部２３０を嵌めると、枠体２５０が第１枠部分６３４の外面を覆い、枠体２５０の内面が第１枠部分６３４の外面に対向して接する。

　枠体２５０には、図３５に示すように、第２収容部２５０ａが設けられている。第２収容部２５０ａは、枠体２５０の内面及び内箱部２３０の第１開口部２３０ａ側の先端２５０ｂ（図３４参照）から窪んで形成されている。第２収容部２５０ａは、枠体２５０の先端２５０ｂ側開口に沿って環状に形成されている。第２収容部２５０ａは、例えば、枠体２５０の内面から窪む第１面２５０ａ１、及び、枠体２５０の先端２５０ｂから窪む第２面２５０ａ２を有する。第２収容部２５０ａは、第１面２５０ａ１及び第２面２５０ａ２により段状に形成されている。

　第２収容部２５０ａの第１面２５０ａ１は、その内側に外箱部２２０が嵌るように、外箱部２２０の外縁の寸法より少し大きく形成されている。枠体２５０の先端２５０ｂから第２収容部２５０ａの間の第２面２５０ａ２の間の寸法は、外箱部２２０の厚みと等しい又はほぼ等しい。このような構成により、外箱部２２０が外力から保護されるため、外力による外箱部２２０の破損がなく、この破損による真空断熱筐体２１０の意匠の低下が抑制される。

　枠体２５０は、第２収容部２５０ａに嵌る外箱部２２０の端部、並びに、内側に収容される内箱部２３０の第１枠部分６３４の外面及び第１壁部分２３３の外縁を覆い、真空断熱筐体２１０の側面を構成する。枠体２５０は、例えば、樹脂製である。また枠体２５０は、例えば、外箱部２２０の色と同系色に射出成型等により形成されている。これにより、真空断熱筐体２１０の側面を構成する枠体２５０と、真空断熱筐体２１０の外面を構成する外箱部２２０とは、連続的に見え、意匠性が向上する。

　また、枠体２５０の基端２５０ｃ（図３４参照）は、第１壁部分２３３の外面と面一になり、冷蔵庫１８の真空断熱筐体２１０の庫内側に位置する。このため、第１壁部分２３３と枠体２５０との接合部分は庫内側に設けられ、ユーザから目立たない。よって、このような構成により、引き出し扉２１１の意匠性の低下が抑制される。

　さらに、枠体２５０を第１壁部分２３３と異なる材料で形成することができ、材料の選択の自由度が増加する。よって、このような構成により、側面及び内面が構成される真空断熱筐体２１０の意匠性の向上をさらに図ることができる。

　（実施の形態６）
　次に、本開示の実施の形態６の真空断熱筐体２１０について、図３６及び図３７を用いて説明する。なお、実施の形態１～実施の形態５で説明した要素と同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略することがある。

　本開示の実施の形態６の真空断熱筐体２１０は、図３６及び図３７に示すように、外箱部２２０、内箱部２３０及び真空断熱材２４０を備えている。内箱部２３０は、本体２３００、第１キャップ２３８、及び、第２キャップ２３９を有している。

　真空断熱材２４０では、側面２４３が４つの面（第１側面２４３ａ、第２側面２４３ｂ、第３側面２４３ｃ、及び、第４側面２４３ｄ）を有している。第１側面２４３ａ及び第２側面２４３ｂは、真空断熱材２４０の長手方向に延び、互いに平行に設けられている。第３側面２４３ｃ及び第４側面２４３ｄは、第１側面２４３ａ及び第２側面２４３ｂに交差又は直交する方向に延び、互いに平行に設けられている。

　外箱部２２０は、壁部分（第２壁部分２２１）、２つの枠部分（第２枠部分２２２）及び２つの端部分（第２端部分２２３）を有し、これらは、例えば、鋼板等の金属板を屈曲させる等により形成される。第２壁部分２２１、第２枠部分２２２及び第２端部分２２３は、例えば、互いに一体的に形成されている。

　第２壁部分２２１は、矩形の平板形状であって、４つの側辺（第１側辺２２１ａ、第２側辺２２１ｂ、第３側辺２２１ｃ、及び、第４側辺２２１ｄ）を有している。第１側辺２２１ａ及び第２側辺２２１ｂは、第２壁部分２２１の長手方向に延び、互いに平行に設けられている。第３側辺２２１ｃ及び第４側辺２２１ｄは、第１側辺２２１ａ及び第２側辺２２１ｂに交差又は直交する方向に延び、互いに平行に設けられている。

　２つの第２枠部分２２２はそれぞれ、第２壁部分２２１の第３側辺２２１ｃ又は第４側辺２２１ｄから、第２壁部分２２１に対して交差又は直交する方向に延びている。第２端部分２２３は、第２枠部分２２２の端から、第２壁部分２２１に平行であって第２枠部分２２２に交差又は直交する方向に延びている。

　内箱部２３０の本体２３００は、第１壁部分２３３及び２つの第１枠部分７３４を有している。これらは、互いに同じ材料であって、例えば互いに同系色で、一体的に射出成型等により形成されている。第１壁部分２３３の外縁は、矩形の板形状であって、４つの側辺（第１側辺２３３ａ、第２側辺２３３ｂ、第３側辺２３３ｃ、及び、第４側辺２３３ｄ）を有している。第１側辺２３３ａ及び第２側辺２３３ｂは、第１壁部分２３３の長手方向に延び、互いに平行に設けられている。第３側辺２３３ｃ及び第４側辺２３３ｄは、第１側辺２３３ａ及び第２側辺２３３ｂに交差又は直交する方向に延び、互いに平行に設けられている。２つの第１枠部分７３４は、略板形状であって、第１壁部分２３３の第３側辺２３３ｃ及び第４側辺２３３ｄのそれぞれから曲がり、第２壁部分２２１に対して交差又は直交する方向に延びる。

　内箱部２３０の第１キャップ２３８及び第２キャップ２３９は、樹脂製の長尺部材であって、長手方向の寸法は外箱部２２０の長手方向の寸法と同じである。第１キャップ２３８は長手方向に延びる第１先端２３８ａ及び第１基端２３８ｂを有し、第２キャップ２３９は長手方向に延びる第２先端２３９ａ及び第２基端２３９ｂを有している。

　第１キャップ２３８は、図３７に示すように、第１先端２３８ａより直線状に延びてから第１基端２３８ｂに向かって曲がり、外面が緩やかに湾曲する第１曲部２３８ｃを有する。第２キャップ２３９は、第２先端２３９ａより直線状に延びてから第２基端２３９ｂに向かって曲がり、外面が緩やかに湾曲する第２曲部２３９ｃを有する。第１曲部２３８ｃ及び第２曲部２３９ｃの内面は、真空断熱材２４０の湾曲する角部に沿って湾曲する。

　図３８Ａ及び図３８Ｂに示すように、第１キャップ２３８が、外箱部２２０の第２壁部分２２１の第１側辺２２１ａ（図３６参照）を覆っている。第２キャップ２３９は、第２壁部分２２１の第２側辺２２１ｂ（図３６参照）を覆っている。このような構成により、ケースが、外箱部２２０、本体２３０ａ、第１キャップ２３８及び第２キャップ２３９により形成され、ケースの中に真空断熱材２４０（図３６参照）が収容されている。

　図３９Ａ及び図３９Ｂに示すように、ケースの内部空間に真空断熱材２４０が充填されている。ケースの外箱部２２０の第２壁部分２２１が真空断熱材２４０の第２主面２４１と対向してこれを覆っている。また、内箱部２３０の第１壁部分２３３が真空断熱材２４０の第１主面２４２を覆う。また、第１キャップ２３８が真空断熱材２４０の第１側面２４３ａを覆い、第２キャップ２３９が真空断熱材２４０の第２側面２４３ｂを覆う。

　第１キャップ２３８の内面には、図３９Ｂに示すように、この内面から窪む溝状の収容部２３８ｄが設けられている。収容部２３８ｄは、第１先端２３８ａに沿って直線状に延び、この延伸方向に直交する断面がＵ字形状である。収容部２３８ｄの第１先端２３８ａ側の内面と第２基端２５２側内面との間に、外箱部２２０の端部、及び、真空断熱材２４０のフランジ２４６ｃと封止部材２４５との接合部２４８が収容される。これにより、外箱部２２０、真空断熱材２４０及び第１キャップ２３８が接続する。なお、第２キャップ２３９には、第１キャップ２３８と同様に、収容部２３９ｄが設けられている。収容部２３９ｄにおいて、外箱部２２０及び真空断熱材２４０が接続する。

　このように、収容部２３８ｄ及び２３９ｄに、外箱部２２０が、収容されることにより、外箱部２２０が外力から保護される。よって、このような構成により、外力による外箱部２２０の破損がなく、この破損による真空断熱筐体２１０の意匠の低下が抑制される。また、収容部２３８ｄ及び２３９ｄに、接合部２４８が、収容されることにより、接合部２４８が外力から保護される。よって、このような構成により、外力による接合部２４８の破損及び剥離がなく、これらによる真空断熱材２４０の断熱性能の低下を抑制することができる。

　第１キャップ２３８の第１基端２３８ｂには、第１係合部が設けられている。第１係合部は、例えば、段差を有する切り欠き形状であって、第１基端２３８ｂに沿って延びる。内箱部２３０の本体２３００の第１壁部分２３３の第１側辺２３３ａに、第１係合部と係合する第２係合部が設けられている。第２係合部は、例えば、段差を有する切り欠き形状であって、第１壁部分２３３の第１側辺２３３ａに沿って延びる。第１係合部と第２係合部とが突き合わされて嵌り合い、接着剤等により接合される。この段差により、第１キャップ２３８と本体２３００との間に、大きな接着面が確保されるため、第１キャップ２３８と本体２３０ａとを強固に接続することができる。なお、第２キャップ２３９は、上述した第１キャップ２３８の構造と同様の構造で、本体２３００と接続する。

　このように、本体２３００と、第１キャップ２３８及び第２キャップ２３９とが接続されることにより、内箱部２３０が形成される。このうち、第１キャップ２３８及び第２キャップ２３９は、第１枠部分７３４と共に、第１壁部分２３３の外周から立ち上がる筒形状の内箱部２３０の枠部分として機能する。この２つの第１枠部分７３４、第１キャップ２３８及び第２キャップ２３９により囲まれた内箱部２３０の第１開口部２３０ａは、外箱部２２０により覆われている。

　図４０Ａ及び図４０Ｂに示すように、本体２３００の２つの第１枠部分７３４が、真空断熱材２４０の第３側面２４３ｃ及び第４側面２４３ｄをそれぞれ覆う。また、外箱部２２０の第２枠部分２２２が本体２３００の第１枠部分７３４を覆い、真空断熱筐体２１０の側面を構成する。この側面は、真空断熱筐体２１０の外面を構成する外箱部２２０の第２壁部分２２１の色と同系色に形成されている。このため、真空断熱筐体２１０の外面及び側面は、第２枠部分２２２及び第２壁部分２２１により連続的に見え、引き出し扉２１１の意匠性が向上する。

　また、第２壁部分２２１を第１壁部分２３３と異なる材料で形成することができ、これらの材料の選択の自由度が増加する。よって、これらにより側面及び内面が構成される真空断熱筐体２１０の意匠性の向上をさらに図ることができる。

　さらに、外箱部２２０の第２端部分２２３が、本体２３００の第１壁部分２３３の外面の一部を覆う。第２端部分２２３の先端は、本体２３００の第１壁部分２３３の溝部２３１よりも第１壁部分２３３の外縁側にあるため、第２端部分２２３は、溝部２３１を覆わず、溝部２３１にガスケット２１２を嵌めることができる。

　本体２３００の第１枠部分７３４の先端面と、外箱部２２０の第２壁部分２２１の内面との間には、間隙が設けられている。この間隙は、真空断熱材２４０のフランジ２４６ｃと封止部材２４５との接合部２４８を収容する収容部として機能する。このような構成により、接合部２４８が、外力から保護されて、外力による接合部２４８の破損及び剥離がなく、これらによる真空断熱材２４０の断熱性能の低下を抑制することができる。また、外箱部２２０、本体２３００、フランジ２４６ｃ及び凹状部材２４６が、互いに接着剤等により接合されていることにより、外箱部２２０、真空断熱材２４０及び内箱部２３０が接続される。

　（実施の形態７）
　次に、本開示の実施の形態７の真空断熱筐体３１０について、説明する。なお、実施の形態１～実施の形態６で説明した要素と同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略することがある。

　従来、真空断熱筐体を用いた例として、例えば、特許文献３及び特許文献４に記載されている冷蔵庫が知られている。特許文献３及び特許文献４に記載されている冷蔵庫は、内箱と外箱との間に真空断熱材が挟み込まれた断熱箱体を有する。真空断熱材は、無機コア材が外包フィルムで真空パックされて構成される。この外包フィルムは、コア材よりも大きく、周辺の余った部分が接着されている。この接着部分がコア材の外縁よりも大きく外方に突出しているため、内箱及び外箱の内部空間で、真空断熱材は、外包フィルムの接着部分を折り畳んで収納されている。

　特許文献３及び特許文献４の冷蔵庫では、真空断熱材の外包フィルムの接着部分が折り畳まれているため、接着部分の剥離が生じやすく、剥離による真空断熱材の断熱性能の低下が懸念される。また、外包フィルムよりも柔軟性に乏しい材料の被覆材で無機コア材を被覆する場合、折り曲げられた部分で被覆材が破損するおそれがあり、破損による真空断熱材の断熱性能の低下が懸念される。

　本開示の実施の形態７は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、断熱性能の低下を低減することができる真空断熱筐体を提供する。

　具体的には、本開示の実施の形態の一例における真空断熱筐体は、真空断熱材と、内箱部と、外箱部とを備える。内箱部は、開口部を有し、且つ、内部空間に真空断熱材を収容する。外箱部は、内箱部の開口部を覆う。真空断熱材は、芯材と、凹状部材と、封止部材とを有する。凹状部材は、開口部を有する凹状を有し、その内部空間に芯材を収容する。封止部材は、凹状部材の開口部を覆う。凹状部材の開口部の縁部には、開口部の開口面に沿って外方へ張り出すフランジが形成されている。封止部材は、周縁部にてフランジと接合されている。内箱部は、フランジと封止部材の周縁部との接合部を収容する収容部をさらに有している。

　このような構成により、収容部により外箱部が外力から保護されるため、外箱部の損傷を防ぐことができ、真空断熱筐体の意匠性の低下が低減される。

　また、本開示の実施の形態７の一例における真空断熱筐体において、収容部は、接合部及び外箱部の周縁部を収容するよう段状に形成されていてもよい。収容部は、接合部の端面、及び外箱部の周縁部の端面の少なくとも一部を覆う段差面を有していてもよい。このような構成により、接合部を折り曲げる必要がなく、接合部の剥離が防止され、剥離による真空断熱材の断熱性能の低下が低減される。また、水及びごみ等の異物が接合部のフランジと封止部材との間に侵入することが収容部によって妨げられるため、異物による真空断熱材の劣化及び接合部の剥離が低減される。

　また、本開示の実施の形態７の一例における真空断熱筐体において、外箱部は、接合部の外縁よりも外方に延びて接合部を覆っていてもよい。このような構成により、接合部が外箱部によって保護され、外箱部側からの外力による接合部の剥離、及び、外箱部側からの異物の侵入が防止される。

　また、本開示の実施の形態７の一例における冷蔵庫は、上記の特徴を少なくとも一つ有する真空断熱筐体を備えている。このような構成により、断熱性能の低下を低減することができる冷蔵庫が得られる。

　以下、本開示の実施の形態７に係る真空断熱筐体３１０の一例について、図４１～図４５を参照しながら説明する。

　以下、真空断熱筐体３１０を冷蔵庫３１１の引き出し扉３１２に適用した場合について説明する。しかしながら、真空断熱筐体３１０は、以下に例示する態様に限定されない。

　図４１～図４３に示すように、冷蔵庫３１１の引き出し扉３１２は、真空断熱筐体３１０、ガスケット３１３及びフレーム３１４を備える。引き出し扉３１２は、冷蔵庫３１１の本体の前面開口に引き出し可能に設けられている。真空断熱筐体３１０は、図４３に示すように、ケース３１０ａを有する。ケース３１０ａは、内箱部３２０及び外箱部３３０により構成されている。外箱部３３０の外面は、冷蔵庫３１１の本体の前面開口から外部に現れる真空断熱筐体３１０の外面を構成している。

　内箱部３２０は、壁部分３２１及び枠部分３２２を有する。壁部分３２１の外面は、冷蔵庫３１１の本体の内部空間（庫内）に表れる真空断熱筐体３１０の内面を構成する。壁部分３２１の外面には、溝部３２３が設けられている。溝部３２３にガスケット３１３が嵌められることにより、ガスケット３１３が内箱部３２０に取り付けられている。また、内箱部３２０の外面に、ビス３１５などの固定具により、フレーム３１４などの装着部材が固定されている。

　図４４に示すように、真空断熱筐体３１０は、内箱部３２０、外箱部３３０及び真空断熱材３４０を有している。外箱部３３０は、矩形の平板形状であって、ガラス板等により形成されている。外箱部３３０は、内箱部３２０の開口部３２０ａを塞ぐように内箱部３２０に取り付けられる。内箱部３２０及び外箱部３３０により構成されるケース３１０ａの内部空間３１０ｂは、外箱部３３０により閉鎖されている。内部空間３１０ｂに真空断熱材３４０が収容されている。

　真空断熱材３４０は、第１主面３４０ａ、第２主面３４０ｂ、及び側面を有している。第１主面３４０ａは、内箱部３２０の壁部分３２１の内面と対向し、溝部３２３等の壁部分３２１の凹凸に沿った形状を有している。第２主面３４０ｂは、第１主面３４０ａとは反対側にある面であって、平らに形成されており、外箱部３３０の内面と対向する。側面は、第２主面３４０ｂと第１主面３４０ａとを結ぶ面であり、内箱部３２０の枠部分３２２の内面と対向する。内箱部３２０及び外箱部３３０により構成されるケース３１０ａの内部空間３１０ｂは、真空断熱材３４０により充填されている。

　真空断熱材３４０は、芯材３４１と、芯材３４１を被覆する被覆材３４１ａとから成り、内部が減圧密封されている。被覆材３４１ａは、例えば、凹状部材３４２及び封止部材３４３から構成されている。内部空間３４１ｂには、芯材３４１と吸着剤３４４が配置されている。

　封止部材３４３は、例えば、矩形状のフィルムで構成されている。封止部材３４３は、凹状部材３４２の開口部３４２ａを密閉するように構成されている。封止部材３４３は、例えば、熱可塑性樹脂等のラミネートフィルムで構成されていてもよい。この場合、ラミネートフィルムは、アルミニウム又はステンレス等の金属層を有していてもよい。

　凹状部材３４２は、内箱部３２０の内面形状に合わせて、真空成形、射出成形、圧空成形、又はプレス成形等により作製された成形品である。凹状部材３４２は、内箱部３２０の材料よりも柔らかい材料、例えば、エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂等の軟質材料の層が複数、積層された多層シートにより形成されている。

　このような構成により、凹状部材３４２は、内箱部３２０に収容された際に、内箱部３２０の内面に合着することができる。

　凹状部材３４２は、開口部３４２ａを有する凹状である。凹状部材３４２は、内部空間３４１ｂに芯材３４１を収容する。凹状部材３４２は、フランジ３４５を有している。フランジ３４５は、凹状部材３４２の開口部３４２ａの縁部に、開口部３４２ａの開口面に沿って外方へ張り出している（図４４及び図４５参照）。フランジ３４５が封止部材３４３の周縁部と熱溶着等により接合されて、開口部３４２ａが封止部材３４３により封止される。フランジ３４５により封止部材３４３が面状に圧接可能となっているため、封止部材３４３と凹状部材３４２との間で強固なシールが可能となる。

　芯材３４１は、連続気泡ウレタンフォーム、ガラス繊維、ロックウール、アルミナ繊維、又はポリエチレンテレフタレート繊維等で構成されている。連続気泡ウレタンフォームは、例えば、特許文献５に開示されている特徴を有するものであってもよい。吸着剤３４４としては、水分を吸着除去する水分吸着剤及び大気ガス等のガスを吸着する気体吸着剤等が挙げられる。吸着剤３４４は、芯材３４１に設けられた穴部３４１ｃに嵌められる。吸着剤３４４及び芯材３４１は、吸着剤３４４が芯材３４１の穴部３４１ｃに嵌められた状態で、凹状部材３４２の内面（内部空間３４１ｂ）と同一形状に形成されている。

　内箱部３２０は、例えば、樹脂製であって、前面に開口する箱形状である。内箱部３２０は、開口部３２０ａを有する。内箱部３２０は、例えば、射出成型等により壁部分３２１及び枠部分３２２が一体的に形成される。壁部分３２１及び枠部分３２２により取り囲まれる内部空間３１０ｂに、真空断熱材３４０が収容される。壁部分３２１は、例えば、矩形状である。壁部分３２１の壁部分３２１の外面には、溝部３２３が設けられている。溝部３２３は、例えば、壁部分３２１の端に沿って環状に設けられている。

　枠部分３２２は、例えば、基端が壁部分３２１の端に接続し、この端から立ち上がる筒形状を有する。枠部分３２２の先縁部には、収容部３２４が設けられている。収容部３２４には、外箱部３３０の周縁部、及び、フランジ３４５と封止部材３４３の周縁部との接合部３４６が収容される。収容部３２４が枠部分３２２に形成されているため、枠部分３２２の厚み（枠部分３２２の内面と外面との間の寸法）は、壁部分３２１の厚み（壁部分３２１の内面と外面との間の寸法）以上に設定されていてもよい。

　収容部３２４は、例えば、図４５に示すように、枠部分３２２の内面及び先端から窪んで段状に形成されている。より具体的には、収容部３２４は、枠部分３２２の内面から窪む段差面（第１段差面３２５）、及び、枠部分３２２の先端から窪む段差面（第２段差面３２６）を有している。第１段差面３２５は、収容部３２４に収容される外箱部３３０の周縁部の端面及び接合部３４６の端面と対向する。第２段差面３２６は、収容部３２４に収容される接合部３４６に接し、第２段差面３２６と外箱部３３０との間で、接合部３４６を挟むように配置されている。また、収容部３２４は、例えば、内箱部３２０の開口部３２０ａの縁部に沿って環状に延びている。

　内箱部３２０の内面と収容部３２４の第１段差面３２５との間の寸法は、フランジ３４５の、凹状部材３４２の開口部３４２ａの縁部から張り出す部分の寸法よりも、大きく形成されている。収容部３２４には、フランジ３４５と封止部材３４３との接合部３４６が収容される。このような構成により、接合部３４６を折り曲げる必要がなく、接合部３４６の剥離が防止され、剥離による真空断熱材３４０の断熱性能の低下が低減される。また、内箱部３２０の内面と第１段差面３２５との間の寸法は、収容部３２４に外箱部３３０の周縁部が収容される寸法を有する。

　内箱部３２０の先端と、収容部３２４の第２段差面３２６との間の寸法は、接合部３４６の厚み以上であって、接合部３４６と外箱部３３０の周縁部との合計厚み以下である。このような構成により、接合部３４６の端面、及び外箱部３３０の端面の少なくとも一部が、収容部３２４の第１段差面３２５により被覆される。

　このような構成により、収容部３２４により接合部３４６が外力から保護されるため、接合部３４６の剥離が防止され、剥離による真空断熱材３４０の断熱性能の低下が低減される。また、水及びごみ等の異物が接合部３４６のフランジ３４５と封止部材３４３との間に侵入することが収容部３２４によって妨げられるため、異物による真空断熱材３４０の劣化及び接合部３４６の剥離が低減される。さらに、このような構成により、接合部３４６の端面及び外箱部３３０の端面が外に現れないため、真空断熱筐体３１０の意匠性を向上させることができる。

　また、収容部３２４により外箱部３３０が外力から保護されるため、外箱部３３０の損傷を防ぐことができ、真空断熱筐体３１０の意匠性の低下が低減される。さらに、内箱部３２０の先端が外箱部３３０よりも先に突出しないため、内箱部３２０の損傷を防ぐことができ、真空断熱筐体３１０の意匠性の低下が低減される。

　また、本実施の形態の形態では、外箱部３３０の寸法は、フランジ３４５の外縁３４５ａの寸法よりも大きく形成されている。このような構成により、収容部３２４に収容された外箱部３３０は、フランジ３４５と封止部材３４３との接合部３４６の外縁３４５ａよりも外方に、フランジ３４５が張り出す方向へ延びて、接合部３４６を覆っている。よって、このような構成により、接合部３４６が外箱部３３０によって保護され、外箱部３３０側からの外力による接合部３４６の剥離、及び、外箱部３３０側からの異物の侵入が防止される。また、外箱部３３０側から接合部３４６が見えず、真空断熱筐体３１０の意匠性の低下が低減される。

　なお、本実施の形態では、枠部分３２２が筒形状である例を示したが、枠部分３２２の形状はこれに限定されない。枠部分３２２は、例えば、複数（例えば４枚）の枠部分から成り、４枚の枠部分が矩形状の壁部分３２１の４つの辺のそれぞれから立ち上がるように形成されていてもよい。この場合、各枠部分は、接着剤等の接合部材により壁部分３２１に接合されていてもよいし、溶接等によって接合部材を介せずに壁部分３２１に接合されていてもよい。

　（実施の形態８）
　次に、本開示の実施の形態８の真空断熱筐体３１０について、図４６を用いて説明する。なお、実施の形態１～実施の形態７で説明した要素と同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略することがある。

　本開示の実施の形態８の真空断熱筐体３１０は、内箱部３２０の枠部分６２２と壁部分３２１とは、同じ材料から成る。内箱部３２０の枠部分６２２と壁部分３２１とは、図４６に示すように、接合部材３２７を介して一体化されている。

　具体的には、枠部分６２２は、樹脂製の筒形状であって、壁部分３２１とは別に、射出成型等により形成されている。枠部分６２２は、基端が壁部分３２１の端に接着剤等の接合部材３２７により接合されて、壁部分３２１の端から立ち上がっている。接合部材３２７によって枠部分６２２及び壁部分３２１が一体化されて、箱状の内箱部３２０が形成される。

　内箱部３２０において、枠部分６２２と壁部分３２１とは、枠部分６２２が壁部分３２１の端面を覆うように、接合部材３２７により接合されている。このため、接合部材３２７は、壁部分３２１側であって、庫内側の真空断熱筐体３１０の内面に位置する。このような構成により、接合部材３２７がユーザから目立たず、引き出し扉３１２の意匠性の低下が抑制される。

　例えば、枠部分６２２を、壁部分３２１と異なる色であって、外箱部３３０の色と同系色に形成することができる。また、枠部分６２２は、収容部３２４に収容される、外箱部３３０の周縁部、及び、フランジ３４５と封止部材３４３との接合部３４６、それぞれの端面を覆う。このような構成により、真空断熱筐体３１０の側面を構成する枠部分６２２と、真空断熱筐体３１０の外面を構成する外箱部３３０とは、連続的に見え、意匠性が向上する。

　なお、本実施の形態では、壁部分３２１と枠部分６２２とは、これらと別部材の接着剤等の接合部材３２７により接合されている例を示したが、壁部分３２１と枠部分６２２との接合方法はこれに限定されない。例えば、壁部分３２１と枠部分６２２とは、溶接等によって接合部材３２７を介せずに接合されていてもよい。

　また、本実施の形態では、枠部分６２２が筒形状である例を示したが、枠部分６２２の形状はこれに限定されない。例えば、枠部分６２２は、複数（例えば４枚）の枠部分から成り、４枚の枠部分が矩形状の壁部分３２１の４つの辺のそれぞれから立ち上がるように形成されていてもよい。この場合、各枠部分は、接着剤等の接合部材３２７により壁部分３２１に接合されていてもよいし、溶接等によって接合部材３２７を介さずに壁部分３２１に接合されていてもよい。

　さらに、本実施の形態では、壁部分３２１と枠部分６２２とが同じ材料で形成されている例を示したが、これらは異なる材料で形成されていてもよい。例えば、枠部分６２２は金属製の材料で形成され、壁部分３２１は樹脂製の材料で形成されていてもよい。このように、枠部分６２２及び壁部分３２１の材料の選択の自由度が増加する。よって、このような構成により、真空断熱筐体３１０の側面及び内面を構成する枠部分６２２及び壁部分３２１それぞれの材料の選択の自由度が増すため、真空断熱筐体３１０の意匠性の向上をさらに図ることができる。

　本開示は、真空断熱性能の低下を低減しつつ、装着部材との固定強度を確保することができる真空断熱筐体及び冷蔵庫を提供する。よって、家庭用及び業務用の冷蔵庫等に用いられる真空断熱筐体並びに断熱性を要する冷蔵庫などに有用である。

１０，１１０，２１０，３１０　真空断熱筐体
１１，２１１，３１２　引き出し扉
１３，２１３　フレーム（装着部材）
１４，２１４　ビス（固定具）
１８，１１３，３１１　冷蔵庫
２０，１１０ａ，２１０ａ，３１０ａ　ケース
２１，１５０，２２０，３３０　外箱部
２２，１４０，２３０，３２０　内箱部
２２ａ，１１０ｂ，２３０ｂ，３１０ｂ　（ケース）内部空間
２３，１４０ａ，２３０ａ，３２０ａ　（ケース）第１開口部
２７，２３５　凹部
２８，２３６　突起
２９，２３７　突出部
３０，２３７ａ　挿通孔
３０ａ　底部
３１　リブ
４０，１６０，２４０，３４０　真空断熱材
４１，２４１，３４０ｂ　（真空断熱材）第２主面
４２，２４２，３４０ａ　（真空断熱材）第１主面
４３，２４３　（真空断熱材）側面
４４，１６１，２４４，３４１　芯材
４４ａ，２４４ａ，３４１ａ　被覆材
４４ｂ，１６１ｃ，２４７ａ，３４１ｃ　穴部
４５，１６３　（被覆材、収容体）第１部材
４６，１６４　（被覆材、収容体）第２部材
４６ａ，１６３ａ，２４６ｄ，３４２ａ　（被覆材）第２開口部
４６ｂ，１６０ｂ，２４４ｂ，３４１ｂ　（被覆材）内部空間
１１１　回転扉
１２０　上側のヒンジ（ヒンジ）
１２１　上側固定部（固定部）
１２２　上側軸部（軸部）
１２３　上側軸受部（軸受部）
１２４　上側挿通孔（挿通孔）
１３０　下側のヒンジ（ヒンジ）
１３１　下側固定部（固定部）
１３２　下側軸部（軸部）
１３３　下側軸受部（軸受部）
１３４　下側挿通孔（挿通孔）
１６０ａ　収容体（被覆材）
１６５，２４６ｃ，３４５　フランジ
１６６ａ　上側第１凹部（凹部、第１凹部）
１６６ｂ　上側第２凹部（凹部、第２凹部）
１６７ａ　上側接合部（接合部）
１６８ａ　下側第１凹部（凹部、第１凹部）
１６８ｂ　下側第２凹部（凹部、第２凹部）
１６９ａ　下側接合部（接合部）
１７０　上側取付部（取付部）
１７１　上側収容部（収容部）
１７５　上側被覆部（被覆部）
１８０　下側取付部（取付部）
１８１　下側収容部（収容部）
１８５　下側被覆部（被覆部）
２２１　（外箱部）第２壁部分
２２２　（外箱部）第２枠部分
２３３　（内箱部）第１壁部分（壁部分）
２３００　（内箱部）本体
２３４，５３４，６２２，６３４，７３４　（内箱部）第１枠部分（枠部分）
２３４ａ，３２４　（内箱部）収容部
２３４ｂ　（収容部）第１収容部
２３４ｃ，５３４ａ　（内箱部）基端
２３８　第１キャップ（第１枠部分）
２３８ｄ　（第１キャップ）収容部
２３９　第２キャップ（第１枠部分）
２３９ｄ　（第２キャップ）収容部
２４５，３４３　封止部材
２４６，３４２　凹状部材
２４８，３４６　接合部
２５０　（内箱部）枠体
３２５　第１段差面（段差面）
３２６　第２段差面（段差面）
３４５ａ　外縁
５３０　接合部材

Claims (6)

1. 真空断熱材と、
   前記真空断熱材を内部空間に収容するケースと、
   前記ケースに設けられた装着部材と、
   前記装着部材を固定する固定具とを備え、
   前記真空断熱材は、芯材と、前記芯材を被覆する被覆材とを有するとともに、内部が減圧され、密封されており、
   前記ケースは、前記内部空間側に窪む凹部と、前記凹部に設けられた突出部と、前記凹部における前記内部空間側とは反対側の面と前記突出部とを接続するリブとを有し、
   前記突出部は、前記内部空間側とは反対側に突出し、且つ、前記固定具が係合する係合部を有する、真空断熱筐体。
2. 前記固定具はビスを有し、
   前記係合部は、前記ビスが螺合する有底の挿通孔で構成されている、請求項１に記載の真空断熱筐体。
3. 前記真空断熱材は、前記ケースの内面に沿った形状を有している、請求項１又は２に記載の真空断熱筐体。
4. 前記凹部の周囲に設けられ、前記内部空間側とは反対側に突出し、且つ、前記装着部材を位置決めする突起をさらに備えている、請求項１～３のいずれか一項に記載の真空断熱筐体。
5. 前記ケースは、前記真空断熱材を前記内部空間に収容し、且つ、前記凹部が設けられた内箱部と、前記内箱部の開口部を塞ぐ外箱部とを有し、
   前記内箱部は射出成型により形成されている、請求項１～４のいずれか一項に記載の真空断熱筐体。
6. 請求項１～５のいずれかの真空断熱筐体を備えている、冷蔵庫。

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