WO2018235680A1 - 作業工具 - Google Patents

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Abstract

グラインダは、モータ(2)、先端工具を着脱可能な工具装着部、モータ(2)の動力によって工具装着部と共に回転するブレーキシャフト(4)、ブレーキシャフト(4)に対する相対回転が許容された状態でブレーキシャフト(4)との間でトルクの伝達が可能なブレーキスリーブ(55)、モータ(2)の駆動用のスイッチ、トリガ(181)、ロック機構(6)を備える。 ブレーキスリーブ(55)は、トリガ(181)がオフ位置からオン位置に移動され、ロック機構(6)によって回転が許容された場合、トルクの伝達作用によって、ブレーキシャフト(4)と共に回転する一方、トリガ(181)がオン位置からオフ位置に移動され、ロック機構(6)によって回転不能にロックされた場合、トルクの伝達作用によって、ブレーキシャフト(4)に制動力を付与する。

Description

作業工具
 本発明は、先端工具を回転駆動するように構成された作業工具に関する。
 モータの動力によって先端工具を回転駆動することで、被加工物に対する加工作業を遂行可能な作業工具が知られている。このような作業工具には、工具交換を容易にするための機構を備えたものがある。例えば、特開2007―118097号公報に開示されたディスクグラインダは、駆動側回転部材と被動側回転部材とを介して回転駆動される先端工具によって、加工作業を行うように構成されている。ディスクグラインダには、駆動側から入力される回転の伝達を許容する一方、被動側から入力される回転をロックするためのロック機構が設けられている。
 上記ロック機構は、先端工具の交換時(つまり、加工作業の開始前)に、スピンドルに対して周方向の外力が入力される場合に、スピンドルの回転ロックとして好適に用いられる。一方で、先端工具の交換時のみならず、加工作業が終了してモータの駆動が停止された後、慣性で回転し続ける先端工具を適切に停止させる技術も求められている。
 本発明は、かかる状況に鑑み、先端工具を回転駆動する作業工具において、モータの駆動が停止された後、先端工具の回転を適切に停止させる技術を提供することを課題とする。
 本発明の一態様によれば、先端工具を回転駆動するように構成された作業工具が提供される。この作業工具は、モータと、工具装着部と、回転シャフトと、回転部材と、スイッチと、操作部材と、ロック機構とを備えている。
 工具装着部は、先端工具を着脱可能に構成されるとともに、モータの動力によって回転するように構成されている。回転シャフトは、所定の回転軸周りに回転可能に保持され、モータの動力によって工具装着部と共に回転するように構成されている。回転部材は、回転シャフトの回転軸周りに回転可能に保持され、回転シャフトに対する相対回転が許容された状態で回転シャフトとの間でトルクの伝達が可能に構成されている。スイッチは、モータの駆動用のスイッチとして構成されている。操作部材は、外部からの押圧操作に応じて、スイッチをオン状態とするオン位置と、スイッチをオフ状態とするオフ位置との間で移動可能に構成されている。ロック機構は、操作部材がオン位置に配置された場合には、回転部材の回転軸周りの回転を許容する一方、操作部材がオフ位置に配置された場合には、回転部材を回転軸周りに回転不能にロックするように構成されている。
 更に、回転部材は、操作部材がオフ位置からオン位置に移動され、ロック機構によって回転が許容された場合、トルクの伝達作用によって、回転シャフトと共に回転する一方、操作部材がオン位置からオフ位置に移動され、ロック機構によって回転不能にロックされた場合、トルクの伝達作用によって、回転シャフトに制動力を付与するように構成されている。
 本態様の作業工具では、操作部材がオン位置からオフ位置へ移動された場合、トルクの伝達作用によって回転シャフトと一体的に回転していた回転部材が、ロック機構によって回転不能にロックされることで、回転が停止される。これにより、トルクの伝達作用によって、回転部材が回転シャフトに制動力を付与することで、回転シャフト、ひいては回転シャフトと共に回転する工具装着部の回転を停止させることができる。つまり、操作部材のオフ位置への操作に連動して、ロック機構および回転部材が順に作動し、工具装着部に装着された先端工具がモータの駆動が停止された後も慣性で回転を続けようとするのを阻止することができる。
 なお、本態様において採用されるモータは、直流モータであってもよいし、交流モータであってもよい。また、モータは、ブラシを備えたモータであってもよいし、ブラシを備えていない所謂ブラシレスモータであってもよい。
 工具装着部は、先端工具が装着されて回転駆動される部位であって、典型的には、工具装着部は、モータの動力によって回転駆動される最終出力シャフト(例えば、モータシャフトによって回転される工具スピンドル)に設けられる。
 回転シャフトは、モータの動力によって工具装着部と共に回転すればよく、工具装着部が設けられた最終出力シャフトであってもよいし、最終出力シャフト以外のシャフトであってもよい。
 回転部材の構成は、特に限定されるものではないが、典型的には、筒状に形成されて、回転シャフトと同軸状に配置される。回転部材と回転シャフトとのトルクの伝達は、例えば、摩擦、流体、磁界等を用いて行われうる。
 ロック機構は、操作部材のオン位置とオフ位置との間の移動に連動して、回転部材を、回転軸周りに回転が許容された状態と回転不能にロックされた状態との間で切り替え可能であれば、その構成は特に限定されるものではない。
 本発明の一態様によれば、ロック機構は、筒状部材と係合部材とを含んでもよい。筒状部材は、回転軸周りの回転が規制された状態で、回転部材に対して径方向外側に配置されていてもよい。係合部材は、筒状部材と回転部材との間で回転軸周りの周方向に移動可能に保持されていてもよい。そして、係合部材は、操作部材の移動に連動して、筒状部材と回転部材の間に挟持される係合位置と、筒状部材と回転部材の間に遊嵌状に配置される係合不能位置との間で移動するように構成されていてもよい。この場合、係合部材は、操作部材がオン位置に配置された場合には、係合不能位置に配置されて回転部材の回転を許容する一方、操作部材がオフ位置に配置された場合には、係合位置に配置されて回転部材を回転不能にロックするように構成される。
 本態様によれば、操作部材の移動に連動した係合部材の周方向の移動によって、回転部材を、回転が許容された状態から回転不能な状態に切り替えることができる。また、係合部材は、係合位置で筒状部材と回転部材の間に挟持されることで回転部材を回転不能にロックする構成である。このため、係合部材を周方向に移動させるのに必要な力は比較的小さくてすむのに加え、直ちに回転部材の回転を停止させることができる。また、本態様によれば、係合部材が回転軸の延在方向または径方向に移動する機構に比べ、ロック機構をコンパクトに構成することができる。なお、係合部材は、係合位置に配置された場合、楔効果によって回転部材を回転不能にロックすることが好ましい。言い換えると、係合部材は、筒状部材と回転部材の間で、係合不能位置から係合位置へ向かうにつれて狭くなる楔状空間に配置されていることが好ましい。
 本発明の一態様によれば、ロック機構は、係合部材を保持する保持部材を更に含んでもよい。保持部材は、操作部材に連結されるとともに、径方向において、回転部材の外側、且つ、筒状部材の内側に、所定の回動範囲内で回転軸周りに回動可能に配置されていてもよい。保持部材は、操作部材の移動に連動して回転軸周りに回動することで、係合部材を係合位置と係合不能位置との間で周方向に移動させるように構成されていてもよい。なお、保持部材は、操作部材に直接的に連結されていてもよいし、介在部材を介して連結されていてもよい。
 本発明の一態様によれば、ロック機構は、第1回動方向に保持部材を付勢する第1付勢部材を更に含んでもよい。保持部材は、操作部材のオン位置からオフ位置への移動に連動して、第1付勢部材の付勢力によって、第1保持位置まで第1回動方向に回動されることで、係合部材を係合位置に配置させる一方、操作部材のオフ位置からオン位置への移動に連動して、付勢力に抗して、第2保持位置まで第1回動方向とは逆の第2回動方向に回動されることで、係合部材を係合不能位置に配置させるように構成されていてもよい。
 本発明の一態様によれば、回転シャフトには第1摩擦係合部が設けられ、回転部材には第2摩擦係合部が設けられていてもよい。第1摩擦係合部は、摩擦面を有し、回転シャフトと一体的に回転可能に設けられる。また、第2摩擦係合部は、摩擦面を有し、回転部材と一体的に回転可能に設けられる。そして、回転部材と回転シャフトとの間のトルクの伝達は、第1摩擦係合部の摩擦面と第2摩擦係合部の摩擦面との摩擦によって行われてもよい。
 本態様によれば、第1摩擦係合部と第2摩擦係合部の摩擦面の摩擦によって、回転部材と回転シャフト間のトルクの伝達が行われる。つまり、回転部材の回転が許容されている場合には、回転シャフトと一体的に回転する第1摩擦係合部に摩擦係合した第2摩擦係合部が、第1摩擦係合部と共に回転することで、回転部材も回転する。その後、回転部材が回転不能にロックされた場合には、回転部材に設けられた第2摩擦係合部と第1摩擦係合部の間の摩擦抵抗によって、第1摩擦係合部を介して回転シャフトに制動力が付与される。このため、回転部材のロック後、回転シャフトおよび工具装着部を、急に停止させるのではなく、徐々に減速させて停止させることができる。本態様によれば、第1摩擦係合部と第2摩擦係合部の摩擦面の材質等の選定によって、停止までの所要時間を適切に設定することができる。
 第1摩擦係合部および第2摩擦係合部は、回転軸方向に並設されていてもよい。作業工具は、第1摩擦係合部および第2摩擦係合部のうち少なくとも一方を、第1摩擦係合部の摩擦面と第2摩擦係合部の摩擦面が接触する方向に付勢する第2付勢部材を更に備えてもよい。更に、第1摩擦係合部の摩擦面と、第2摩擦係合部の摩擦面とは、第2付勢部材の付勢力によって、常時、接触状態におかれていてもよい。
 本発明の一態様によれば、第1摩擦係合部および第2摩擦係合部の各々は、両面に摩擦面を有する摩擦板として構成されていてもよい。そして、第1摩擦係合部および第2摩擦係合部は、夫々、複数設けられるとともに、回転軸方向に交互に配置されていてもよい。言い換えると、多板式の摩擦ブレーキ機構が採用されてもよい。本態様によれば、第1摩擦係合部と第2摩擦係合部が夫々1つのみ設けられる場合(言い換えると、単板式の摩擦ブレーキ機構が採用される場合)に比べ、個々の摩擦面にかかる応力が低減されるため、第1摩擦係合部と第2摩擦係合部の長寿命化を図ることができる。また、径方向の大きさに対して比較的大きなトルクを伝達することができる。
 本発明の一態様によれば、ロック機構は、操作部材がオフ位置からオン位置へ移動される前に、回転部材を回転不能にロックしたロック状態から、回転部材の回転を許容するロック解除状態に切り替わるように構成されていてもよい。本態様によれば、回転部材の回転が許容され、トルクの伝達作用によって、回転部材が回転シャフトと共に回転可能な状態となった後、つまり、回転シャフトが制動力を受けない状態となった後にモータの駆動が開始される。よって、モータの駆動開始時から、回転シャフト、ひいては工具装着部をスムーズに回転させることができる。
 本発明の一態様によれば、モータは、ステータと、ロータと、ロータから延設されたモータシャフトとを含んでもよい。回転シャフトとモータシャフトとは、回転シャフトおよびモータシャフトのうち一方の一端部に形成された円錐状のテーパ部と、回転シャフトおよびモータシャフトのうち他方の一端部に形成された円錐状のテーパ孔とが係合した状態で、同軸状に連結されていてもよい。本態様によれば、回転シャフトとモータシャフトとが、テーパ部とテーパ孔の組み合わせによって連結されることで、回転シャフトの回転軸とモータシャフトの回転軸とを容易且つ高精度に合わせることができる。
 本発明の一態様によれば、作業工具は、モータハウジングを備えていてもよい。モータハウジングは、モータシャフトが前後方向に延在するようにモータを収容する。また、モータハウジングは、後端部に開口を有する。回転シャフトは、モータシャフトの後端部に連結されるとともに、開口を介して後方に延在していてもよい。作業工具は、開口の後側において回転シャフトに固定され、開口を介してモータハウジング内へ粉塵が侵入するのを妨げるための防塵部材を更に備えてもよい。本態様によれば、回転シャフトの連結のためにモータハウジングの後端部に設けられた開口を介してモータハウジング内に粉塵が侵入するのを抑制することができる。なお、防塵部材は、例えば、ラビリンス構造を形成するように構成されていてもよいし、フィルタを備えていてもよい。
 本発明の一態様によれば、先端工具を回転駆動するように構成された作業工具が提供される。この作業工具は、モータと、工具装着部と、回転シャフトと、スイッチと、操作部材と、ブレーキシステムとを備えてもよい。
 工具装着部は、先端工具を着脱可能に構成されるとともに、モータの動力によって回転するように構成されている。回転シャフトは、所定の回転軸周りに回転可能に保持され、モータの動力によって工具装着部と共に回転するように構成されている。スイッチは、モータの駆動用のスイッチとして構成されている。操作部材は、外部からの押圧操作に応じて、スイッチをオン状態とするオン位置と、スイッチをオフ状態とするオフ位置との間で移動可能に構成されている。ブレーキシステムは、回転シャフトを制動するように構成されている。ブレーキシステムは、直列状に作動するように構成された第1のブレーキ機構と、第2のブレーキ機構とを含む。第1のブレーキ機構は、操作部材のオン位置からオフ位置への移動に連動して、第2のブレーキ機構を作動させるように構成されている。第2のブレーキ機構は、第1のブレーキ機構によって作動されて、回転シャフトに制動力を付与するように構成されている。
 本態様によれば、操作部材がオン位置からオフ位置へ移動され、スイッチがオフ状態とされると、第1のブレーキ機構が第2のブレーキ機構を作動させ、第2ブレーキ機構が回転シャフトに制動力を付与する。よって、操作部材に連動する第1のブレーキ機構の動作と、回転シャフトを制動する第2ブレーキ機構の動作を適切に設定することで、操作部材の操作性を向上しつつ、回転シャフトを所望のタイミングで停止させることができる。なお、第1ブレーキ機構と第2ブレーキ機構は、種類が異なるブレーキ機構が採用されることが好ましい。
 本発明の一態様によれば、第2のブレーキ機構は、第1の摩擦係合部と、第2の摩擦部とを含む摩擦ブレーキ機構として構成されていてもよい。第1の摩擦係合部は、回転シャフトと一体的に回転するように配置されていてもよい。第2の摩擦係合部は、第1の摩擦係合部と常時接触するように配置されていてもよい。第1のブレーキ機構は、第2の摩擦係合部に係合可能な係合部材を含むロック機構として構成されていてもよい。係合部材は、操作部材のオン位置からオフ位置への移動に連動して、第2の摩擦係合部に係合することで、第1摩擦係合部と摩擦係合して第1摩擦係合部と一体的に回転する第2の摩擦係合部の回転を停止させるように構成されていてもよい。第2の摩擦係合部は、係合部材によって回転が停止された場合、第1摩擦係合部を介して回転シャフトに制動力を付与してもよい。
 本発明の一態様によれば、第2のブレーキ機構は、回転シャフトとの間でトルクの伝達が可能に構成されたトルク伝達部を含んでもよい。また、第2のブレーキ機構は、トルク伝達部への粉塵の進入を防止するための防塵構造を有していてもよい。本態様によれば、粉塵によるトルク伝達部の動作不良を防止することができる。なお、防塵構造として、例えば、トルク伝達部を覆うカバー、トルク伝達部の構成部材を密着状に配置する構造等が採用されうる。
グラインダの側面図である。 グラインダの縦断面図である。 図1のIII―III線における断面図である。 図2の部分拡大図である。 図3の部分拡大図である。 ブレーキアセンブリおよびロックアセンブリの縦断面図である。 ブレーキアセンブリおよびロックアセンブリの分解斜視図である。 ブレーキアセンブリおよびロックアセンブリの斜視図である。 ブレーキアセンブリおよびロックアセンブリの別の斜視図である。 ロックピンがロック位置に配置されたときのブレーキ機構およびロック機構の断面図である。 トリガがオフ位置に配置され、ロックピンがロック位置に配置されたときのリテーナ、付勢バネ、当接ピンの配置関係を示す説明図である。 トリガがオフ位置に配置されたときのトリガ、スライダ、当接部の配置関係を示す説明図である。 トリガがオン位置に配置されたときのトリガ、スライダ、当接部の配置関係を示す説明図である。 トリガが切替位置およびオン位置に配置され、ロックピンがロック解除位置に配置されたときのリテーナ、付勢バネ、当接ピンの配置関係を示す説明図である。 ロックピンがロック解除位置に配置されたときのブレーキ機構およびロック機構の断面図である。
 以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態では、先端工具を回転駆動するように構成された作業工具として、手持ち式の電動ディスクグラインダ(以下、単にグラインダという)1を例示する。
 まず、図1を参照して、グラインダ1の概略構成について説明する。図1に示すように、グラインダ1の外郭は、ハウジング10によって形成されている。ハウジング10は、全体として長尺状の中空体として構成されている。
 本実施形態では、ハウジング10の長軸方向の一端部には、先端工具9を駆動するためのスピンドル30が、その回転軸A1がハウジング10の長軸方向に交差する方向(より詳細には概ね直交する方向)に延在するように配置されている。スピンドル30の一端部は、ハウジング10から外部に露出しており、先端工具9を着脱可能な工具装着部31として構成されている。ハウジング10の他端部は、他の部分よりも小径に形成されており、使用者による把持が可能な把持部18を構成している。把持部18には、外部からの押圧操作が可能に構成されたトリガ181が設けられている。
 グラインダ1は、工具装着部31に装着された円板状の先端工具9を回転駆動するように構成されている。グラインダ1に装着可能な先端工具9として、砥石、ゴムパッド、ブラシ、ブレード等が用意されている。使用者は、所望の加工作業に応じて適切な先端工具9を選択し、グラインダ1に装着する。なお、図1では、先端工具9として、グラインダ1に砥石が装着された例が図示されている。使用者によってトリガ181が押圧操作されると、先端工具9が回転駆動され、被加工材に対して研削、研磨、切断等の加工作業が行われる。
 以下、グラインダ1の詳細構成について説明する。なお、以下では、説明の便宜上、スピンドル30の回転軸A1の延在方向(以下、単に回転軸A1方向という)をグラインダ1の上下方向と規定し、工具装着部31が設けられた一端部側を下側、反対側を上側と規定する。また、スピンドル30の回転軸A1に直交し、ハウジング10の長軸に対応する方向をグラインダ1の前後方向と規定し、ハウジング10においてスピンドル30が配置されている一端部側を前側、反対側(把持部18が設けられている側)を後側と規定する。また、上下方向および前後方向に直交する方向を左右方向と規定する。
 本実施形態では、ハウジング10は、前端部側から順に、ギアハウジング11と、モータハウジング12と、ブレーキハウジング13と、ハンドルハウジング16とを含む。ギアハウジング11、モータハウジング12、ブレーキハウジング13、およびハンドルハウジング16は、夫々、隣接する部分とネジで連結され、全体として単一のハウジング10を形成している。以下、各部分の構成とその内部構造について説明する。
 まず、モータハウジング12とその内部構造について説明する。図2および図3に示すように、モータハウジング12は、ハウジング10のうち、前後方向における中央部を構成する部分である。モータハウジング12は、概ね円筒形状に形成されている。モータハウジング12内には、モータ2が収容されている。本実施形態では、先端工具9の駆動源として機能するモータ2として、交流モータが採用されている。モータ2は、電源ケーブル(図示略)を介して外部の交流電源から給電されて駆動される。モータ2は、ステータ21と、ロータ23と、モータシャフト25とを含む。モータシャフト25は、ロータ23から延設されており、ロータ23と一体的に回転する。モータ2は、モータシャフト25の回転軸A2がスピンドル30の回転軸A1に交差して延在するように配置されている。なお、本実施形態では、回転軸A2は、回転軸A1に直交して前後方向(ハウジング10の長軸方向)に延在している。
 モータシャフト25の前端部と後端部は、夫々、ベアリング251、253によって回転可能に支持されている。なお、本実施形態では、ベアリング251、253としてボールベアリングが採用されている。前側のベアリング251は、後述するギアハウジング11の後端部に保持されている。モータシャフト25の前端部は、ギアハウジング11内に突出している。後側のベアリング253は、モータハウジング12の後端部に設けられたベアリング保持部123に保持されている。なお、本実施形態では、モータシャフト25の回転方向は、背面視で時計回り方向の一方向に定められている。
 モータシャフト25のうち、ロータ23と前側のベアリング251の間の部分には、モータ2を冷却するためのファン27が固定されている。ファン27は、モータシャフト25と一体的に回転し、ハウジング10を通って流れる空気流を形成するように構成されている。詳細には、図1に示すように、ハンドルハウジング16(詳細には、後部カバー部17)には、吸気口170が形成されており、ギアハウジング11には、排気口110が形成されている。モータ2の駆動に伴ってファン27が回転されることで、後方の吸気口170からハウジング10内に流れ込み、モータ2近傍を前方へ向かって流れた後、前方の排気口110から外部へ流出する空気流が形成される。この空気流は、モータ2の冷却風として機能する。
 また、図2に示すように、モータハウジング12の後端部内には、コントローラ8が収容されている。本実施形態では、コントローラ8は、CPU、ROM、RAM等を含むマイクロコンピュータを備えている。コントローラ8は、図示しない配線を介して、後述のスイッチ187、回転位置センサ45(図5参照)等に電気的に接続されている。コントローラ8は、トリガ181が押圧操作され、スイッチ187がオン状態とされると、モータ2に通電することでモータ2を駆動するように構成されている。また、コントローラ8は、トリガ181の押圧操作が解除され、スイッチ187がオフ状態とされると、モータ2への通電を停止することでモータ2の駆動を停止するように構成されている。
 ギアハウジング11とその内部構造について説明する。図2および図3に示すように、ギアハウジング11は、ハウジング10の前端部を構成する部分である。ギアハウジング11の内部には、モータ2の動力によって先端工具9を回転駆動するように構成された駆動機構3が収容されている。本実施形態では、駆動機構3は、スピンドル30と、小ベベルギア33と、大ベベルギア35とを含む。
 スピンドル30は、ギアハウジング11の前端部内に配置され、上下方向に延在している。スピンドル30の上端部と中央部は、夫々、ギアハウジング11に保持されたベアリング301、303によって、回転可能に支持されている。工具装着部31は、ギアハウジング11の下端部から下方に突出する2つのフランジを含む。工具装着部31は、これらのフランジによって上側と下側から先端工具9を挟持し、スピンドル30に対して固定するように構成されている。なお、工具装着部31の構成については周知であるため、ここでの詳細な説明は省略する。小ベベルギア33は、ギアハウジング11内に突出するモータシャフト25の前端部に固定されており、モータシャフト25と一体的に回転する。大ベベルギア35は、ベアリング301、303の間でスピンドル30に固定されており、スピンドル30と一体的に回転する。小ベベルギア33と大ベベルギア35は、互いに噛合し、減速機構を構成している。
 モータ2の回転運動は、小ベベルギア33と大ベベルギア35によって回転速度が減速された上で、スピンドル30に伝達される。これにより、モータ2の駆動に伴ってスピンドル30が回転軸A1周りに回転され、工具装着部31に固定された先端工具9がスピンドル30と共に回転駆動される。
 また、ギアハウジング11の下端部には、加工作業で生じた被加工物の破片や粉塵の飛散を抑制するとともに、先端工具9から作業者を保護するためのホイールカバー90が固定されている(図3では図示略)。なお、ホイールカバー90の構成については周知であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
 ブレーキハウジング13とその内部構造について説明する。ブレーキハウジング13は、モータハウジング12の後側に配置される部分であって、モータハウジング12と概ね同径の円筒状に形成されている。図4に示すように、ブレーキハウジング13内には、ブレーキシャフト4と、ブレーキ機構5と、ロック機構6とが収容されている。
 ブレーキシャフト4は、モータシャフト25の後端部に同軸状に連結され、後方に延在している。ブレーキシャフト4は、モータシャフト25と一体的に回転可能にベアリング253によって支持されている。ブレーキシャフト4の後側部分には、ブレーキシャフト4に制動力を付与可能なブレーキ機構5が設けられている。本実施形態では、ブレーキ機構5は、複数の摩擦板を有する多板ブレーキ機構として構成されている。ロック機構6は、ブレーキ機構5の径方向外側に配置されている。ロック機構6は、トリガ181の押圧操作に連動して作動し、ブレーキ機構5を作動させるように構成されている。なお、ブレーキシャフト4、ブレーキ機構5、およびロック機構6の構成については、後で詳述する。
 ハンドルハウジング16とその内部構造について説明する。図2および図3に示すように、ハンドルハウジング16は、ハウジング10のうち後端部を構成する部分である。本実施形態では、ハンドルハウジング16は、後部カバー部17と、把持部18とを含む。後部カバー部17は、モータハウジング12およびブレーキハウジング13と概ね同径に形成されている。把持部18は、後部カバー部17よりも小径に形成され、後部カバー部17の上部から後方に延在している。なお、本実施形態では、後部カバー部17と把持部18とは一体的に形成されている。
 後部カバー部17内には、ロック機構6の後端部が配置されている。把持部18内には、モータ2の通電用(つまり、先端工具9の駆動用)のスイッチ187が収容されている。トリガ181の後端部は、ピン188を介して把持部18の後端部に連結されている。トリガ181は、ピン188を中心として、上下方向に回動可能である。トリガ181は、常時には、付勢部材(図示略)によって下方に付勢されており、回動可能範囲内の最下方位置に保持される。このとき、スイッチ187は、モータ2が通電されないオフ状態で維持される。以下、トリガ181の最下方位置をオフ位置ともいう。一方、使用者によってトリガ181が押圧操作され、回動可能範囲内の所定位置まで回動されると、スイッチ187がオン状態に切り替えられる。以下、スイッチ187がオン状態とされる所定位置を、オン位置ともいう。また、詳細は後述するが、トリガ181の前端部は、後述のロック機構6のスライダ68(図7参照)に連結されている。スライダ68は、トリガ181の移動に応じて移動する。
 以下、ブレーキシャフト4の詳細構成と、モータシャフト25との連結態様について説明する。
 図4および図5に示すように、モータシャフト25の後端部には、連結孔255が形成されている。連結孔255は、回転軸A2に沿って、モータシャフト25の後端から前方に延在する。連結孔255のうち、開口側(モータシャフト25の後端側)の端部は、後方へ向けて拡径するように(後方に向かうにつれて回転軸A2に直交する断面の面積が増加するように)形成されている。より詳細には、連結孔255の開口側の端部は、円錐状のテーパ孔256として構成されている。連結孔255のうち、テーパ孔256の前側部分は、ネジ孔257として構成されている。一方、ブレーキシャフト4の前端部は、ネジ孔257に螺合可能な雄ネジ部401として構成されている。また、雄ネジ部401の後側部分は、テーパ孔256に嵌合可能なテーパ部402として構成されている。つまり、テーパ部402は、前方へ向けて縮径する円錐状に形成されている。
 また、図6に示すように、ブレーキシャフト4は、後述の第1摩擦板51とスプライン嵌合可能に構成されている。より詳細には、ブレーキシャフト4の中央部の外周部には、径方向外側に突出するスプライン歯405が設けられている。スプライン歯405は、周方向に等間隔で配置され、ブレーキシャフト4の軸線方向(回転軸A2方向)に延在している。
 図4および図5に示すように、ブレーキシャフト4の前端部がモータシャフト25の連結孔255に挿入され、ネジ孔257に雄ネジ部401が螺合されると、テーパ部402がテーパ孔256に嵌合した状態で、ブレーキシャフト4とモータシャフト25とが連結される。このような連結構造により、ブレーキシャフト4の軸心とモータシャフト25の軸心とを高精度に合わせつつ、ブレーキシャフト4とモータシャフト25を容易に一体化することができる。また、ネジ孔257と雄ネジ部401は、モータシャフト25の回転方向と逆方向が締まり方向となるように設定されている。この設定は、後述のロック機構6とブレーキ機構5を介してブレーキシャフト4が制動された場合に、締まり勝手となる設定である。モータシャフト25とブレーキシャフト4との連結部分は、ベアリング253によって支持されている。以上のような構成により、モータシャフト25と一体化されたブレーキシャフト4は、モータシャフト25によって回転駆動されるスピンドル30と共に回転する。
 なお、モータハウジング12の後端部は、ベアリング253を保持するベアリング保持部123を含む。ファン27によって形成される空気流(冷却風)と共に、粉塵等の異物がハウジング10内に流入する可能性がある。このような異物からモータ2やベアリング253を保護するため、ベアリング保持部123は、外部に対して密閉されていることが好ましい。一方、本実施形態では、上述のように、ブレーキシャフト4がモータシャフト25の後端部に連結され、後方に延在するため、ベアリング保持部123の後壁部の中央部には、開口124が形成されている。開口124には、ブレーキシャフト4(テーパ部402)が遊嵌状に挿通されている。
 また、ブレーキシャフト4の外周には、防塵部材43が固定されている。防塵部材43は、テーパ部402の後側に配置され、ブレーキシャフト4から径方向外側に突出している。防塵部材43は、前端面から後方に凹む凹部と、後端面から前方に凹む凹部とを有する。ベアリング保持部123の後端面からは、開口124を取り巻くように円筒状の突部125が突出している。防塵部材43は、突部125に遊嵌状に配置されており、突部125と非接触状態で、ブレーキシャフト4と一体的に(つまり、ロータ23およびモータシャフト25と一体的に)回転可能である。このような構成により、防塵部材43は、突部125と共に、開口124からモータハウジング12内に粉塵が侵入するのを防ぐためのラビリンス構造を形成している。なお、ベアリング253とロータ23の後端部の間にも、同様に、ラビリンス構造を有する防塵部材28が配置されている。防塵部材43、28によって、モータ2およびベアリング253が粉塵から保護されている。
 本実施形態では、防塵部材43は、ロータ23の回転位置(回転角度)の検出に用いられる磁石431の保持部材としても機能する。具体的には、防塵部材43には、4つの磁石431が周方向に等間隔で埋め込まれている。一方、突部125の径方向外側には、回転位置センサ45(図5参照)が配置されている。本実施形態では、回転位置センサ45として、ホールICが採用されている。ホールICは、ロータ23と一体的に回転する防塵部材43の磁石431を用いてロータ23の回転位置を検出する。なお、回転位置センサ45は、モータハウジング12の後端面に設けられた凹部に保持されている。
 以下、ブレーキ機構5の詳細構成について説明する。ブレーキ機構5は、ブレーキシャフト4に制動力を付与可能な機構である。図6に示すように、本実施形態では、ブレーキ機構5は、複数の第1摩擦板51と複数の第2摩擦板52とを主体とした多板ブレーキ機構として構成されている。より詳細には、ブレーキ機構5は、複数の第1摩擦板51と、複数の第2摩擦板52と、ブレーキスリーブ55と、2つのベアリング561、562と、ベース部58と、付勢バネ59とを備えている。なお、本実施形態では、ブレーキ機構5は、ブレーキシャフト4および防塵部材43と一体化されて、図7に示すように、ブレーキアセンブリ500を構成している。
 図6に示すように、複数の第1摩擦板51は、ブレーキシャフト4の軸線方向に移動可能、且つ、軸線周りに回転不能に配置されている。より詳細には、第1摩擦板51は、夫々、両面に摩擦面を有する環状のプレートとして形成されており、内周部にスプライン溝(図示略)を有する。ブレーキシャフト4の外周部に設けられたスプライン歯405が第1摩擦板51のスプライン溝に嵌合されることで、ブレーキシャフト4と第1摩擦板51がスプライン嵌合されている。
 ブレーキスリーブ55は、円筒状に形成されており、第1摩擦板51の外径よりも大きい内径を有する。ブレーキシャフト4の後端部の外周部には、2つのベアリング561、562が固定されている。ブレーキスリーブ55は、ベアリング561、562によって、ブレーキシャフト4と同軸状に、回転可能に支持されている。これにより、ブレーキスリーブ55は、ハウジング10(図4参照)に対して回転軸A2周りに回転可能であり、且つ、ブレーキシャフト4に対しての相対回転も許容されている。また、ブレーキスリーブ55の中央部の内周部には、径方向内側に突出するスプライン歯555が設けられている。スプライン歯555は、周方向に等間隔で配置され、ブレーキスリーブ55の軸線方向(回転軸A2方向)に延在している。
 複数の第2摩擦板52は、第1摩擦板51と同様、ブレーキシャフト4の軸線方向に移動可能、且つ、軸線周りに回転不能に配置されている。より詳細には、第2摩擦板52は、夫々、両面に摩擦面を有する環状のプレートとして形成されており、外周部にスプライン溝(図示略)を有する。ブレーキスリーブ55の内周部に設けられたスプライン歯555が第2摩擦板52のスプライン溝に嵌合されることで、ブレーキスリーブ55と第2摩擦板52がスプライン嵌合されている。第2摩擦板52の内径は、第2摩擦板52がブレーキシャフト4のスプライン歯405に接触しないように設定されている。
 第1摩擦板51と第2摩擦板52は、ブレーキシャフト4の軸線方向(回転軸A2の延在方向、前後方向)に交互に配置されている。なお、前後方向において、最前方には第1摩擦板51が配置され、最後方には第2摩擦板52が配置されている。最後方の第2摩擦板52は、ベアリング561の前方でブレーキシャフト4に固定された止め輪53によって、それ以上後方への移動が禁止されている。なお、以下では、第1摩擦板51および第2摩擦板52を総称して、摩擦板50ともいう。
 ベース部58は、筒状に形成され、ブレーキスリーブ55の前側で、ブレーキシャフト4の外周にスプライン嵌合されている。つまり、ベース部58は、ブレーキシャフト4の軸線方向に移動可能、且つ、軸線周りに回転不能である。ベース部58の円筒状の前端部は、防塵部材43に設けられた凹部内に配置されている。ベース部58の円筒状の後端部は、ブレーキスリーブ55の前端部内に遊嵌状に配置されている。また、ベース部58の中央部は、ブレーキスリーブ55の前端部に対向するように、径方向外側にフランジ状に突出している。つまり、ベース部58は、ブレーキスリーブ55の前側の開口部を非接触で覆っている。なお、ブレーキスリーブ55の後側の開口部は、ベアリング562によって塞がれている。
 付勢バネ59は、ベース部58の後端面と、最前方に配置された第1摩擦板51との間に配置されている。本実施形態では、付勢バネ59として圧縮コイルバネが採用されている。付勢バネ59は、圧縮状態でベース部58と最前方の第1摩擦板51の間に配置され、ベース部58と摩擦板50を、互いに離れる方向に付勢している。これにより、前方へ押圧されたベース部58の前端が防塵部材43に当接し、ベース部58は前方への移動が禁止されている。また、摩擦板50は、付勢バネ59によって後方へ押圧され、隣接する第1摩擦板51の摩擦面と第2摩擦板52の摩擦面とが互いに密着した状態で、最後方の第2摩擦板52が止め輪53に当接する位置に配置されている。
 以上のような構成により、第1摩擦板51と第2摩擦板52との間では、摩擦によるトルク伝達が可能とされている。言い換えると、ブレーキシャフト4とブレーキスリーブ55とは、摩擦板50の摩擦面を介してトルク伝達が可能とされている。このため、ブレーキスリーブ55が回転軸A2周りに自由に回転可能な状態にある場合には、ブレーキシャフト4が回転すると、第1摩擦板51と第2摩擦板52の摩擦係合(滑り状態を含む)によるトルク伝達作用で、ブレーキスリーブ55もブレーキシャフト4と共に回転する。一方、ブレーキスリーブ55の回転軸A2周りの回転が規制されている場合には、ブレーキシャフト4が回転すると、第1摩擦板51と第2摩擦板52の間の摩擦抵抗によるトルク伝達作用で、ブレーキシャフト4に制動力が付与される。
 なお、上述のように、ブレーキアセンブリ500において、トルクの伝達を行う複数の摩擦板50は、摩擦板50同士が密着状に配置されるとともに、ブレーキスリーブ55、ベース部58、およびベアリング562によって覆われている。このような防塵構造により、複数の摩擦板50が外部からの粉塵等の異物から保護されることで、ブレーキ機構5の動作不良(摩擦板50のトルク伝達不良)が防止されている。
 以下、ロック機構6の詳細構成について説明する。ロック機構6は、トリガ181の移動に連動して、ブレーキスリーブ55の回転軸A2周りの回転をロックするロック状態と、回転を許容するロック解除状態との間で切り替わるように構成された機構である。図7~図9に示すように、本実施形態では、ロック機構6は、ロックスリーブ61と、リテーナ63と、ロックピン64と、付勢バネ66と、カバー67と、スライダ68とを含む。なお、本実施形態では、ロック機構6は、これらの部材が一体化されたロックアセンブリ600として構成されている。以下、ロック機構6の構成部材の詳細について説明する。
 ロックスリーブ61について説明する。図7~図9に示すように、ロックスリーブ61は、筒状部材として構成されている。より詳細には、図10に示すように、ロックスリーブ61の外周は、断面円形に形成される一方、ロックスリーブ61の内周は、断面正八角形に形成されている。つまり、ロックスリーブ61は、断面八角形の貫通孔611を有する筒状部材として構成されている。貫通孔611の8つの角部のうち、一つおきの4つの角部には、夫々、4本の円柱状のローラ617が回転可能に配置されている。ローラ617は、その軸線がロックスリーブ61の軸線と平行となるように配置されている。図7および図9に示すように、ロックスリーブ61の外周には、周方向に全周を取り巻く環状溝613と、軸線方向に直線状に延在する4本の係合溝615とが形成されている。
 次に、リテーナ63について説明する。リテーナ63は、ロックピン64を保持するように構成された筒状部材である。図7に示すように、リテーナ63は、一体的に形成されたピン保持部631と作動部635とを含む。
 図10に示すように、ピン保持部631は、ロックスリーブ61の貫通孔611に挿通される円筒状の部分である。よって、ピン保持部631の外径は、ロックスリーブ61の貫通孔611の最小径(つまり、八角形の対辺間の距離)よりも若干小さく設定されている。また、ピン保持部631は、ブレーキアセンブリ500(詳細には、ブレーキスリーブ55)の外周側に配置される部分でもある。よって、ピン保持部631の内径は、ブレーキスリーブ55の外径よりも大きく設定されている。なお、ピン保持部631の軸線方向(前後方向)の長さは、ロックスリーブ61よりも長く設定されている。ピン保持部631は、ロックスリーブ61の貫通孔611の角部に配置されたローラ617によって、貫通孔611内で回転軸A2周りに回転可能に保持されている。
 図7および図10に示すように、ピン保持部631には、ロックピン64を保持するための複数の凹部632が設けられている。本実施形態では、4つの凹部632が周方向に等間隔で配置されている。各凹部632は、ピン保持部631(つまり円筒状の壁部)の後端から前方へ向けて直線状に延在する凹部として形成されている。ロックピン64は、円柱状に形成されている。ロックピン64は、その軸線がリテーナ63の軸線と平行となるように、各凹部632内に回転可能に配置されている。凹部632の軸線方向の長さは、概ねロックピン64の長さに対応している。また、凹部632の周方向の幅は、概ねロックピン64の直径に対応している。なお、図10に示すように、凹部632の断面形状は概ね矩形であるが、内周側の端部のみ、周方向の幅が若干狭まっている。これにより、所定位置よりも径方向内側へのロックピン64の移動が規制されている。
 図10に示すように、ピン保持部631は、凹部632内にロックピン64が配置された状態で、貫通孔611に挿通されている。各凹部632(つまり、ロックピン64)は、貫通孔611の角部に夫々配置された隣接する2本のローラ617の間に配置されている。ロックピン64の直径は、ピン保持部631の壁部の厚みよりも大きく設定されている。また、ロックピン64の直径は、貫通孔611の最大半径(つまり、八角形の対向する2つの角部間の距離の半分)とブレーキスリーブ55の半径との差分よりも小さい。更に、ロックピン64の直径は、貫通孔611の最小半径(つまり、八角形の対辺間の距離の半分)とブレーキスリーブ55の半径との差分よりも大きい。
 図6および図7に示すように、作動部635は、ピン保持部631の後端部から後方へ突出する2つのアーム部636と、アーム部636の突出端(後端部)を接続する矩形板状の当接部637とを含む。なお、リテーナ63が貫通孔611内に配置された状態で、アーム部636は、ロックスリーブ61よりも後方に突出している。当接部637は、リテーナ63の軸心を通って、リテーナ63の直径に沿って直線状に延在している。当接部637の中央部には、貫通孔638が設けられている。
 付勢バネ66は、ロックスリーブ61に対してリテーナ63を所定の回転方向に付勢可能に構成された弾性部材である。本実施形態では、付勢バネ66として、捩りコイルバネが採用されている。図6および図7に示すように、付勢バネ66は、リテーナ63の作動部635(詳細にはアーム部636)の外周に配置されている。付勢バネ66の前端位置は、ロックスリーブ61の後側に配置された止め輪669によって規定されている。図7および図11に示すように、付勢バネ66の固定端部663として機能する一端部は、ロックスリーブ61の外周部に形成された係止溝619に係止され、ロックスリーブ61に固定されている。付勢バネ66の作動端部665として機能する他端部は、当接部637の一方の側面に係止されている。リテーナ63は、常時には、付勢バネ66の弾性力によって、背面視で時計回り方向(図11の時計回り方向)に付勢され、ロックピン64と共に後述のロック位置に保持される。
 カバー67は、ロックスリーブ61に対して回転不能に連結されて、ロックスリーブ61内に保持されたリテーナ63等を覆う部材である。また、カバー67は、後述のスライダ68を所定方向に摺動案内するガイド部材として構成されている。図7に示すように、カバー67は、全体としては、前側部分が大径で後側部分が小径の円筒状に形成されている。カバー67の前端部には、前方へ突出する4つの係合突起671が設けられている。係合突起671は、ロックスリーブ61の係合溝615に係合可能に構成されている。また、カバー67の後端部には、カバー67の直径と平行に、直線状に延在する一対のガイド部673が設けられている。
 スライダ68は、トリガ181に連結されて、トリガ181の移動に連動して移動し、リテーナ63を回転軸A2周りに回転させる連動部材として構成されている。より詳細には、スライダ68は、トリガ181の移動に連動して、リテーナ63の当接部637に当接しつつ所定方向に直線状に移動することで、リテーナ63を回転軸A2周りに回転させるように構成されている。図7に示すように、本実施形態では、スライダ68は、ベース部681と、係合部683と、当接ピン685と、支持ピン687と、連結ピン689とを含む。
 図7に示すように、ベース部681は、矩形薄板状に形成されており、当接部637の後面に当接した状態で、当接部637に交差するように配置されている。係合部683は、ベース部681から後方に突出するように設けられている。係合部683は、薄板状に形成されており、カバー67の一対のガイド部673の間隔と概ね等しい厚みを有する。また、係合部683は、一対のガイド部673の間の隙間に摺動可能に配置されるため、係合部683の長さはガイド部673の長さよりも短い。円柱状の当接ピン685は、ベース部681の前面から前方へ突出している。なお、当接ピン685は、当接部637に対し、付勢バネ66の作動端部665が当接している側面とは反対側(付勢方向側)の側面側に位置する。円柱状の支持ピン687は、ベース部681から後方へ突出している。
 カバー67は、以上に説明したスライダ68の連結ピン689以外の部分がリテーナ63の当接部637の後側に配置された状態で、ロックスリーブ61に連結されている。具体的には、スライダ68の係合部683が、カバー67の一対のガイド部673の間の隙間に挿通された状態で、カバー67の係合突起671が、ロックスリーブ61の係合溝615のうち、環状溝613よりも後側の部分に係合される(図9参照)。これにより、カバー67がロックスリーブ61に対して回転不能に連結される。図5および図8に示すように、カバー67がロックスリーブ61に連結された状態では、係合部683の後端部はガイド部673よりも後方に突出している。支持ピン687は、ガイド部673に隣接して、ガイド部673よりも後方に突出している。なお、係合部683の後端部には、半円状の凹部が形成されている。
 図5および図8に示すように、連結ピン689は、一端部が係合部683の半円状の凹部に嵌合されるとともに、他端部に設けられた嵌合孔に支持ピン687の後端部が嵌合されることで、係合部683と支持ピン687に連結されている。なお、連結ピン689は、カバー67の一対のガイド部673の後側に、ガイド部673に直交して延在するように配置されている。以上の構成により、スライダ68は、カバー67によって、ガイド部673の延在方向に摺動可能に保持されている。
 図4および図5に示すように、ブレーキハウジング13の内部には、円筒状のロック機構保持部131が設けられている。以上のように構成されたロックアセンブリ600は、ロックスリーブ61の環状溝613(図7参照)にOリング614が装着された状態で、ロック機構保持部131の内部に嵌合される。このとき、ロックアセンブリ600は、カバー67の一対のガイド部673が上下方向に延在するように(つまり、スライダ68の移動経路が上下方向に延在するように)配置される。更に、カバー67の大径部の後面に固定リング675が配置され、固定リング675がネジ679(図5参照)でロック機構保持部131の後端部に固定される。これにより、ロックアセンブリ600は、Oリング614の弾性変形による径方向の若干の移動は許容されつつ、前後方向の移動および回転軸A2周りの回転に抵抗が与えられた状態で、ブレーキハウジング13に保持されている。なお、詳細は図示しないが、係合溝615のうち、環状溝613よりも前側の部分(図9参照)が、ロック機構保持部131に形成された凸部に遊嵌状に嵌め込まれることで、ハウジング10に対するロックスリーブ61の回転軸A2周りの回転は規制(制限)されている。
 なお、本実施形態では、ブレーキハウジング13は、モータハウジング12およびハンドルハウジング16とは別個に形成されている。よって、ロックアセンブリ600が固定されたブレーキハウジング13を、モータハウジング12やハンドルハウジング16に容易に組み付けることができる。
 このようにして、ロック機構6は、ロックスリーブ61を介してブレーキハウジング13に保持されている。これにより、ブレーキ機構5、リテーナ63、ロックスリーブ61は、同軸状に配置される。より詳細には、リテーナ63がブレーキスリーブ55の径方向外側に配置されている。なお、ブレーキシャフト4の後端部は、ブレーキスリーブ55よりも後方に突出し、当接部637の貫通孔638内に遊嵌状に配置されている。更に、リテーナ63の径方向外側にロックスリーブ61が配置される。
 更に、ロック機構6(スライダ68)の連結ピン689には、トリガ181が連結されている。より詳細には、図5および図12に示すように、トリガ181の右前端部には、前方へ突出する係合アーム182が設けられている。係合アーム182の前端部には、半円状の係合凹部183が設けられている。係合凹部183に連結ピン689の右端部が回動可能に係合されることで、トリガ181と連結ピン689が連結されている。
 以下、ブレーキ機構5、ロック機構6およびトリガ181の相関関係について説明する。
 上述のように、本実施形態では、図11に示すように、リテーナ63は、常時には、付勢バネ66の弾性力によって背面視で時計回り方向(図11の時計回り方向)に付勢され、ロックピン64と共に図10に示すロック位置に保持される。ロック位置とは、リテーナ63の凹部632に保持されたロックピン64が、ロックスリーブ61の内周とブレーキスリーブ55の外周とによって挟持される位置である。
 本実施形態では、ロックスリーブ61の貫通孔611が断面八角形に構成され、ブレーキスリーブ55が円筒状に構成されている。このため、径方向におけるロックスリーブ61の内周とブレーキスリーブ55の外周との間の距離は一律ではない。特に、図10に示すように、八角形の角部から八角形を形成する辺の中心点までの領域に対応する空間は、角部から辺の中心点に向かうほど、この距離が漸減する楔状空間として形成されている。ロックピン64は、この楔状空間に配置されて、周方向において、楔状空間が狭くなる方向に付勢されている。また、上述のように、ロックピン64の直径は、貫通孔611の最小半径とブレーキスリーブ55の半径との差分よりも大きく設定されている。
 よって、ロックピン64は、楔状空間内の所定位置で、ロックスリーブ61の内周とブレーキスリーブ55との外周に挟持される。このため、ブレーキスリーブ55が背面視で時計回り方向(図10の時計回り方向)に回転しようとしても、ロックピン64の楔効果によって、ブレーキスリーブ55はロックピン64を介してロックスリーブ61と一体化され、回転することができない。つまり、ブレーキスリーブ55は回転不能にロックされる。
 リテーナ63とロックピン64がロック位置に配置されている場合、図11および図12に示すように、当接部637は、上下方向(つまり、ガイド部673およびスライダ68の移動経路の延在方向)に対して右に傾斜した傾斜位置で保持される。一方、トリガ181は、押圧操作されない初期状態では、最下方位置(オフ位置)に保持されている。これにより、連結ピン689を介してトリガ181に連結されたスライダ68は、移動経路上の最下方位置に配置される。このとき、当接部637の右側面側に配置されたスライダ68の当接ピン685は、当接部637には干渉しない位置に配置される。本実施形態では、上下方向において、スライダ68が最下方位置に配置されたときの当接ピン685の左端の位置は、図11に示すように、リテーナ63の回転軸A2よりも下方にある。このように、本実施形態では、トリガ181がオフ位置に配置されている場合、リテーナ63およびロックピン64がロック位置に配置され、ロック機構6は、ブレーキスリーブ55を回転不能にロックする。
 図13に示すように、トリガ181が押圧操作され、オフ位置からオン位置に向けて上方へ回動されると、トリガ181に連動して、スライダ68が最下方位置から上方に移動する。これに伴って、図14に示すように、当接ピン685がリテーナ63の当接部637の右側面に当接して上方に移動し、付勢バネ66の付勢力に抗して、当接部637を介してリテーナ63を反時計回りに回動させる。なお、本実施形態では、当接ピン685が、上下方向において当接部637(リテーナ63)の回転軸A2と同じ位置で当接部637に接触する位置(図14に点線で示す位置)まで到達すると、当接部637は上下方向に延在するように配置される。当接ピン685の移動に伴い、リテーナ63に保持されたロックピン64は、図15に示すように、周方向において、楔状空間が広くなる方向(図15の反時計回り方向)に移動して、貫通孔611の角部に配置される。
 上述のように、ロックピン64の直径は、貫通孔611の最大半径(つまり、八角形の対向する2つの角部間の距離の半分)とブレーキスリーブ55の半径との差分よりも小さく設定されている。よって、ロックピン64は、角部においてロックスリーブ61の内周とブレーキスリーブ55の間に遊嵌状に配置される。これにより、ブレーキスリーブ55のロックが解除され、ブレーキスリーブ55は回転が許容された状態となる。このことから、ロックピン64が角部に配置されたときのリテーナ63およびロックピン64の位置を、ロック解除位置という。
 なお、本実施形態では、リテーナ63とロックピン64がロック解除位置に配置されるときのトリガ181の位置(つまり、図14に点線で示すように、当接ピン685が回転軸A2と同じ上下方向位置で当接部637に当接するときのトリガ181の位置)は、オン位置よりも下方に設定されている。つまり、ロック機構6は、トリガ181がオフ位置からオン位置まで移動される前(言い換えると、スイッチ187がオン状態とされ、モータ2の駆動が開始される前)に、ブレーキスリーブ55を回転不能にロックしたロック状態から、回転を許容するロック解除状態に切り替わるように構成されている。なお、以下では、ロック機構6がロック状態とロック解除状態の間で切り替わるトリガ181の位置を、切替位置という。
 使用者の押圧操作によって、トリガ181が切替位置から更に上方に回動され、当接ピン685が当接部637の右側面に当接した状態で更に上方に移動しても、当接部637は上下方向に延在した状態で保持され、それ以上反時計回りには回動されない。よって、使用者は、トリガ181を比較的小さい力で押圧するだけで、トリガ181をオン位置まで移動させることができる。この間、リテーナ63とロックピン64は、ロック解除位置で保持され、ブレーキスリーブ55は、回転が許容された状態にある。
 トリガ181がオン位置まで回動されると、スイッチ187がオン状態とされ、モータ2の駆動が開始される。これにより、モータシャフト25は、背面視で時計回り方向に回転する。モータシャフト25の回転運動がスピンドル30に伝達され、工具装着部31に装着された先端工具9が回転駆動される。一方、モータシャフト25に一体化されたブレーキシャフト4も、工具装着部31と共に回転する。このとき、ロック機構6はロック解除状態にあり、ブレーキスリーブ55は回転軸A2周りの回転が許容されている。よって、第1摩擦板51と第2摩擦板52の摩擦係合によるトルクの伝達作用で、ブレーキスリーブ55もブレーキシャフト4と共に回転する。なお、摩擦係合とは、摩擦力による係合をいい、滑り状態で係合している状態も含む概念である。
 使用者がトリガ181に対する押圧を解除すると、スイッチ187がオフ状態となり、モータ2の駆動(通電)が停止される。グラインダ1では、モータ2の駆動が停止されても、慣性力(特に、先端工具9の慣性力)により、スピンドル30、モータシャフト25およびブレーキシャフト4はすぐには停止せず、回転を続ける。一方で、トリガ181はオフ位置に向けて下方に回動する。これに連動して、スライダ68も、ガイド部673に摺動案内されつつ下方に移動する。トリガ181が切替位置よりも下方まで移動されると、当接ピン685による当接部637の保持が解除され、付勢バネ66の弾性力によって、リテーナ63およびロックピン64がロック解除位置からロック位置へ向けて背面視時計回り方向に移動する。このとき、ブレーキシャフト4は背面視時計回り方向に回転しているため、ロックピン64はブレーキスリーブ55の回転に巻き込まれて直ちにロック位置に移動し、ブレーキスリーブ55を回転不能にロックする。
 ブレーキスリーブ55がロックされて回転を停止すると、第1摩擦板51と第2摩擦板52の間の摩擦抵抗によるトルクの伝達作用で、回転を続けるブレーキシャフト4に制動力が付与される。これにより、ブレーキシャフト4は減速し、回転を停止する。ブレーキシャフト4と一体的に回転するモータシャフト25と、モータシャフト25によって回転される工具装着部31も、回転を停止する。つまり、先端工具9の回転駆動が停止される。なお、本実施形態では、ブレーキ機構5は、ロック機構6がロック状態とされてから(つまり、ブレーキ機構5がブレーキシャフト4への制動力の付与を開始してから)3秒程度でブレーキシャフト4の回転を停止させるように構成されている。
 以上に説明したように、本実施形態のグラインダ1では、トリガ181のオフ位置への操作に連動して、ロック機構6およびブレーキ機構5が順に作動し、工具装着部31に装着された先端工具9が、モータ2の駆動が停止された後も慣性で回転を続けようとするのを阻止することができる。
 本実施形態では、ロック機構6は、回転軸A2周りの回転が規制された状態で、ブレーキスリーブ55に対して径方向外側に配置されたロックスリーブ61と、ロックスリーブ61とブレーキスリーブ55の間で周方向に移動可能に保持されたロックピン64とを含む。ロックピン64は、トリガ181のオン位置からオフ位置への移動に連動して、ロック解除位置からロック位置へ周方向に移動することで、ブレーキスリーブ55を、回転が許容された状態から回転不能な状態に切り替えることができる。また、ロックピン64は、ロック位置でロックスリーブ61とブレーキスリーブ55の間に挟持されることで、ブレーキスリーブ55を回転不能にロックする構成である。このため、ロックピン64を周方向に移動させるのに必要な力は比較的小さくてすむのに加え、直ちにブレーキスリーブ55の回転を停止させ、ブレーキシャフト4に制動力を付与することができる。更に、ロックピン64は、周方向の僅かな移動で楔効果を発揮し、ブレーキスリーブ55を確実にロックすることができる。また、ロックピン64が回転軸A1方向または径方向に移動する機構に比べ、ロック機構6をコンパクトに構成することができる。
 更に、ブレーキスリーブ55とブレーキシャフト4間のトルクの伝達は、摩擦板50を介して行われる。このため、ブレーキスリーブ55のロック後、ブレーキシャフト4および工具装着部31を、急に停止させるのではなく、徐々に減速させて停止させることができる。質量が大きい先端工具9が使用される場合、急に先端工具9の回転が停止すると、工具装着部31の下側のフランジのネジが緩んで先端工具9の固定が緩んだり、モータ2から先端工具9に至る動力伝達経路上にある部品が衝撃で破損したり、また、反動でグラインダ1が振り回されたりする可能性がある。これに対し、付勢バネ59の荷重の設定や、第1摩擦板51と第2摩擦板52の摩擦面の材質等の選定によって、停止までの所要時間を適切に設定することができる。特に、本実施形態では、ブレーキ機構5は、多板式の摩擦ブレーキ機構として構成されている。よって、単板式のブレーキ機構が採用される場合に比べ、個々の摩擦板50にかかる応力が低減されるため、各摩擦板50の長寿命化を図ることができる。また、径方向の大きさに対して比較的大きなトルクを伝達することができる。
 また、本実施形態では、ロック機構6は、トリガ181がオフ位置からオン位置へ移動される前(詳細には、切替位置へ移動されたとき)に、ロック状態からロック解除状態に切り替わるように構成されている。よって、ブレーキスリーブ55の回転が許容され、ブレーキスリーブ55がブレーキシャフト4と共に回転可能な状態となった後、つまり、ブレーキシャフト4が制動力を受けない状態となった後にモータ2の駆動が開始される。よって、モータ2の駆動開始時から、ブレーキシャフト4、ひいては工具装着部31をスムーズに回転させることができる。
 なお、本実施形態において、ロック機構6およびブレーキ機構5は、夫々が直列状に作動する2つのブレーキ機構として機能し、全体として、ブレーキシャフト4に制動力を付与するブレーキシステムを構成しているととらえることもできる。詳細には、ロック機構6は、トリガ181のオン位置からオフ位置への移動に連動して、ブレーキ機構5を作動させる第1のブレーキ機構としてとらえることができる。また、ブレーキ機構5は、ロック機構6によって作動されて、ブレーキシャフト4に制動力を付与する第2のブレーキ機構としてとらえることができる。そして、本実施形態では、トリガ181に連動するロック機構6の動作と、ブレーキシャフト4を制動するブレーキ機構5の動作を適切に設定することで、トリガ181の操作性の向上と、ブレーキシャフト4の適切なタイミングでの停止が実現されている。
 上記実施形態は単なる例示であり、本発明に係る作業工具は、例示されたグラインダ1の構成に限定されるものではない。例えば、下記に例示される変更を加えることができる。なお、これらの変更は、これらのうちいずれか1つのみ、あるいは複数が、独立して、または実施形態に示すグラインダ1、あるいは各請求項に記載された発明と組み合わされて採用されうる。
 例えば、上記実施形態では、ブレーキ機構5は、モータシャフト25の後端部に連結されたブレーキシャフト4を制動するように構成されている。しかしながら、ブレーキ機構5は、トリガ181がオフ位置に配置された場合に、先端工具9が装着される工具装着部31と共に回転する他のシャフトを制動することで先端工具9の回転を停止してもよい。例えば、ブレーキ機構5は、工具装着部31を有するスピンドル30を制動するように設けられてもよい。また、例えば、グラインダ1がモータシャフト25からスピンドル30へ回転動力を伝達する中間シャフトを有する場合、ブレーキ機構5は、中間シャフトを制動するように設けられてもよい。
 ブレーキ機構5は、多板式の摩擦ブレーキ機構として構成されているが、単板式の摩擦ブレーキ機構が採用されてもよい。また、摩擦ブレーキ機構に代えて、ブレーキシャフト4とブレーキスリーブ55との間のトルク伝達を、流体(例えば、オイル)を介して行う流体式のブレーキ機構や、磁界を介して行う電磁式や永久磁石式のブレーキ機構が採用されてもよい。
 ロック機構6の構成は、トリガ181の移動に連動して、ロック状態と、ロック解除状態との間で切り替え可能な範囲において、適宜、変更されてよい。なお、ロック状態とは、ロック機構6が、ブレーキシャフト4に対する相対回転が許容された状態でブレーキシャフト4との間でトルクの伝達が可能な回転部材(上記実施形態ではブレーキスリーブ55)をロックする状態である。ロック解除状態とは、ロック機構6が、回転部材の回転を許容する状態である。例えば、ロックスリーブ61およびブレーキスリーブ55は、ロックスリーブ61が断面円形の貫通孔を備え、ブレーキスリーブ55の外周の断面形状が多角形とされてもよいし、その他の形状が採用されてもよい。また、ロックピン64の数、リテーナ63の形状、リテーナ63とトリガ181の連結構造等も、適宜、変更されてよい。
 上記実施形態とその変形例の各構成要素と、本発明の各構成要素との対応関係を以下に示す。
 グラインダ1は、本発明の「作業工具」に対応する構成例である。モータ2は、本発明の「モータ」に対応する構成例である。工具装着部31は、本発明の「工具装着部」に対応する構成例である。ブレーキシャフト4は、本発明の「回転シャフト」に対応する構成例である。ブレーキスリーブ55は、本発明の「回転部材」に対応する構成例である。スイッチ187は、本発明の「スイッチ」に対応する構成例である。トリガ181は、本発明の「操作部材」に対応する構成例である。トリガ181のオン位置およびオフ位置は、夫々、本発明の「オン位置」、「オフ位置」に対応する例である。ロック機構6は、本発明の「ロック機構」に対応する構成例である。
 ロックスリーブ61は、本発明の「筒状部材」に対応する構成例である。ロックピン64は、本発明の「係合部材」に対応する構成例である。ロックピン64のロック位置とロック解除位置は、夫々、本発明の「係合位置」、「係合不能位置」に対応する構成例である。リテーナ63は、本発明の「保持部材」に対応する構成例である。付勢バネ66は、本発明の「第1付勢部材」に対応する構成例である。図11における時計回り方向、反時計回り方向が、夫々、「第1回転方向」、「第2回転方向」に対応する例である。リテーナ63のロック位置およびロック解除位置は、夫々、「第1保持位置」、「第2保持位置」に対応する例である。第1摩擦板51、第2摩擦板52は、夫々、本発明の「第1摩擦係合部」、「第2摩擦係合部」に対応する構成例である。付勢バネ59は、本発明の「第2付勢部材」に対応する構成例である。ステータ21、ロータ23、モータシャフト25は、夫々、本発明の「ステータ」、「ロータ」、「モータシャフト」に対応する構成例である。テーパ部402は、本発明の「テーパ部」に対応する構成例である。テーパ孔256は、本発明の「テーパ孔」に対応する構成例である。モータハウジング12、開口124は、夫々、本発明の「モータハウジング」、「開口」に対応する構成例である。防塵部材43は、本発明の「防塵部材」に対応する構成例である。
 ロック機構6およびブレーキ機構5は、本発明の「ブレーキシステム」に対応する構成例である。ロック機構6は、本発明の「第1のブレーキ機構」に対応する構成例である。ブレーキ機構5は、本発明の「第2のブレーキ機構」に対応する構成例である。摩擦板50(第1摩擦板51および第2摩擦板52)は、本発明の「トルク伝達部」に対応する構成例である。
 更に、本発明および上記実施形態とその変形例の趣旨に鑑み、以下の態様が構築される。以下の態様は、実施形態に示すグラインダ1、上記変形例、または各請求項に記載された発明と組み合わされて採用されうる。
[態様1]
 前記ロック機構は、前記係合部材を保持する保持部材を更に含み、
 前記保持部材は、前記操作部材に連結されるとともに、前記径方向において、前記回転部材の外側、且つ、前記筒状部材の内側に、所定の回動範囲内で前記回転軸周りに回動可能に配置されており、
 前記保持部材は、前記操作部材の移動に連動して前記回転軸周りに回動することで、前記係合部材を前記係合位置と前記係合不能位置との間で前記周方向に移動させるように構成されていてもよい。
 なお、保持部材は、操作部材に直接的に連結されていてもよいし、介在部材を介して連結されていてもよい。リテーナ63は、本態様における「保持部材」に対応する構成例である。
[態様2]
 前記ロック機構は、第1回動方向に前記保持部材を付勢する第1付勢部材を更に含み、
 前記保持部材は、
  前記操作部材の前記オン位置から前記オフ位置への移動に連動して、前記第1付勢部材の付勢力によって、第1保持位置まで前記第1回動方向に回動されることで、前記係合部材を前記係合位置に配置させる一方、
  前記操作部材の前記オフ位置から前記オン位置への移動に連動して、前記付勢力に抗して、第2保持位置まで前記第1回動方向とは逆の第2回動方向に回動されることで、前記係合部材を前記係合不能位置に配置させるように構成されていてもよい。
 なお、付勢バネ66は、本態様における「第1付勢部材」に対応する構成例である。図11における時計回り方向、反時計回り方向が、夫々、本態様における「第1回転方向」、「第2回転方向」に対応する例である。リテーナ63のロック位置およびロック解除位置は、夫々、本態様における「第1保持位置」、「第2保持位置」に対応する例である。
[態様3]
 前記係合部材は、前記係合位置に配置された場合、楔効果によって前記回転部材を回転不能にロックするように構成されていてもよい。
[態様4]
 前記第1摩擦係合部および前記第2摩擦係合部は、前記回転軸方向に並設されており、
 前記作業工具は、前記第1摩擦係合部および前記第2摩擦係合部のうち少なくとも一方を、前記第1摩擦係合部の前記摩擦面と前記第2摩擦係合部の前記摩擦面が接触する方向に付勢する第2付勢部材を更に備え、
 前記第1摩擦係合部の前記摩擦面と、前記第2摩擦係合部の前記摩擦面とは、前記第2付勢部材の付勢力によって、常時、接触状態におかれていてもよい。
 なお、付勢バネ59は、本態様における「第2付勢部材」に対応する構成例である。
[態様5]
 前記第2のブレーキ機構は、前記回転シャフトと一体的に回転するように配置された第1の摩擦係合部と、前記第1の摩擦係合部と常時接触するように配置された第2の摩擦部とを含む摩擦ブレーキ機構として構成され、
 前記第1のブレーキ機構は、前記第2の摩擦係合部に係合可能な係合部材を含むロック機構として構成され、
 前記係合部材は、前記操作部材の前記オン位置から前記オフ位置への移動に連動して、前記第2の摩擦係合部に係合することで、前記第1摩擦係合部と摩擦係合して前記第1摩擦係合部と一体的に回転する前記第2の摩擦係合部の回転を停止させるように構成され、
 前記第2の摩擦係合部は、前記係合部材によって回転が停止された場合、前記第1摩擦係合部を介して前記回転シャフトに前記制動力を付与してもよい。
 なお、第1摩擦板51、第2摩擦板52は、夫々、本態様における「第1摩擦係合部」、「第2摩擦係合部」に対応する構成例である。ロックピン64は、本態様における「係合部材」に対応する構成例である。
1:グラインダ、10:ハウジング、11:ギアハウジング、110:排気口、12:モータハウジング、123:ベアリング保持部、124:開口、125:突部、13:ブレーキハウジング、131:ロック機構保持部、16:ハンドルハウジング、17:後部カバー部、170:吸気口、18:把持部、181:トリガ、182:係合アーム、183:係合凹部、187:スイッチ、188:ピン、2:モータ、21:ステータ、23:ロータ、25:モータシャフト、251:ベアリング、253:ベアリング、255:連結孔、256:テーパ孔、257:ネジ孔、27:ファン、28:防塵部材、3:駆動機構、30:スピンドル、301:ベアリング、303:ベアリング、31:工具装着部、33:小ベベルギア、35:大ベベルギア、4:ブレーキシャフト、401:雄ネジ部、402:テーパ部、405:スプライン歯、431:磁石、43:防塵部材、45:回転位置センサ、5:ブレーキ機構、500:ブレーキアセンブリ、50:摩擦板、51:第1摩擦板、52:第2摩擦板、53:止め輪、55:ブレーキスリーブ、555:スプライン歯、561:ベアリング、562:ベアリング、58:ベース部、59:付勢バネ、6:ロック機構、600:ロックアセンブリ、61:ロックスリーブ、611:貫通孔、613:環状溝、614:Oリング、615:係合溝、617:ローラ、619:係止溝、63:リテーナ、631:ピン保持部、632:凹部、635:作動部、636:アーム部、637:当接部、638:貫通孔、64:ロックピン、66:付勢バネ、663:固定端部、665:作動端部、669:止め輪、67:カバー、671:係合突起、673:ガイド部、675:固定リング、679:ネジ、68:スライダ、681:ベース部、683:係合部、685:当接ピン、687:支持ピン、689:連結ピン、8:コントローラ、9:先端工具、90:ホイールカバー、A1:回転軸、A2:回転軸

Claims (13)

  1.  先端工具を回転駆動するように構成された作業工具であって、
     モータと、
     前記先端工具を着脱可能に構成されるとともに、前記モータの動力によって回転するように構成された工具装着部と、
     所定の回転軸周りに回転可能に保持され、前記モータの動力によって前記工具装着部と共に回転するように構成された回転シャフトと、
     前記回転軸周りに回転可能に保持され、前記回転シャフトに対する相対回転が許容された状態で前記回転シャフトとの間でトルクの伝達が可能に構成された回転部材と、
     前記モータの駆動用のスイッチと、
     外部からの押圧操作に応じて、前記スイッチをオン状態とするオン位置と、前記スイッチをオフ状態とするオフ位置との間で移動可能に構成された操作部材と、
     前記操作部材が前記オン位置に配置された場合には、前記回転部材の前記回転軸周りの回転を許容する一方、前記操作部材が前記オフ位置に配置された場合には、前記回転部材を前記回転軸周りに回転不能にロックするように構成されたロック機構とを備え、
     前記回転部材は、前記操作部材が前記オフ位置から前記オン位置に移動され、前記ロック機構によって回転が許容された場合、前記トルクの伝達作用によって、前記回転シャフトと共に回転する一方、前記操作部材が前記オン位置から前記オフ位置に移動され、前記ロック機構によって回転不能にロックされた場合、前記トルクの伝達作用によって、前記回転シャフトに制動力を付与するように構成されていることを特徴とする作業工具。
  2.  請求項1に記載の作業工具であって、
     前記ロック機構は、
      前記回転軸周りの回転が規制された状態で、前記回転部材に対して径方向外側に配置された筒状部材と、
      前記筒状部材と前記回転部材との間で前記回転軸周りの周方向に移動可能に保持され、前記操作部材の移動に連動して、前記筒状部材と前記回転部材の間に挟持される係合位置と、前記筒状部材と前記回転部材の間に遊嵌状に配置される係合不能位置との間で移動するように構成された係合部材とを含み、
     前記係合部材は、前記操作部材が前記オン位置に配置された場合には、前記係合不能位置に配置されて前記回転部材の回転を許容する一方、前記操作部材が前記オフ位置に配置された場合には、前記係合位置に配置されて前記回転部材を回転不能にロックするように構成されていることを特徴とする作業工具。
  3.  請求項2に記載の作業工具であって、
     前記ロック機構は、前記係合部材を保持する保持部材を更に含み、
     前記保持部材は、前記操作部材に連結されるとともに、前記径方向において、前記回転部材の外側、且つ、前記筒状部材の内側に、所定の回動範囲内で前記回転軸周りに回動可能に配置されており、
     前記保持部材は、前記操作部材の移動に連動して前記回転軸周りに回動することで、前記係合部材を前記係合位置と前記係合不能位置との間で前記周方向に移動させるように構成されていることを特徴とする作業工具。
  4.  請求項3に記載の作業工具であって、
     前記ロック機構は、第1回動方向に前記保持部材を付勢する第1付勢部材を更に含み、
     前記保持部材は、
      前記操作部材の前記オン位置から前記オフ位置への移動に連動して、前記第1付勢部材の付勢力によって、第1保持位置まで前記第1回動方向に回動されることで、前記係合部材を前記係合位置に配置させる一方、
      前記操作部材の前記オフ位置から前記オン位置への移動に連動して、前記付勢力に抗して、第2保持位置まで前記第1回動方向とは逆の第2回動方向に回動されることで、前記係合部材を前記係合不能位置に配置させるように構成されていることを特徴とする作業工具。
  5.  請求項1~4の何れか1つに記載の作業工具であって、
     前記回転シャフトには、摩擦面を有し、前記回転シャフトと一体的に回転可能な第1摩擦係合部が設けられ、
     前記回転部材には、摩擦面を有し、前記回転部材と一体的に回転可能な第2摩擦係合部が設けられ、
     前記回転部材と前記回転シャフトとの間の前記トルクの伝達は、前記第1摩擦係合部の前記摩擦面と前記第2摩擦係合部の前記摩擦面との摩擦によって行われることを特徴とする作業工具。
  6.  請求項5に記載の作業工具であって、
     前記第1摩擦係合部および前記第2摩擦係合部は、前記回転軸方向に並設されており、
     前記作業工具は、前記第1摩擦係合部および前記第2摩擦係合部のうち少なくとも一方を、前記第1摩擦係合部の前記摩擦面と前記第2摩擦係合部の前記摩擦面が接触する方向に付勢する第2付勢部材を更に備え、
     前記第1摩擦係合部の前記摩擦面と、前記第2摩擦係合部の前記摩擦面とは、前記第2付勢部材の付勢力によって、常時、接触状態におかれていることを特徴とする作業工具。
  7.  請求項5または6に記載の作業工具であって、
     前記第1摩擦係合部および前記第2摩擦係合部の各々は、両面に前記摩擦面を有する摩擦板として構成され、
     前記第1摩擦係合部および前記第2摩擦係合部は、夫々、複数設けられるとともに、前記回転軸方向に交互に配置されていることを特徴とする作業工具。
  8.  請求項1~7のいずれか1項に記載の作業工具であって、
     前記ロック機構は、前記操作部材が前記オフ位置から前記オン位置へ移動される前に、前記回転部材を回転不能にロックしたロック状態から、前記回転部材の回転を許容するロック解除状態に切り替わるように構成されていることを特徴とする作業工具。
  9.  請求項1~8のいずれか1項に記載の作業工具であって、
     前記モータは、ステータと、ロータと、前記ロータから延設されたモータシャフトとを含み、
     前記回転シャフトと前記モータシャフトとは、前記回転シャフトおよび前記モータシャフトのうち一方の一端部に形成された円錐状のテーパ部と、前記回転シャフトおよび前記モータシャフトのうち他方の一端部に形成された円錐状のテーパ孔とが係合した状態で、同軸状に連結されていることを特徴とする作業工具。
  10.  請求項9に記載の作業工具であって、
     前記モータシャフトが前後方向に延在するように前記モータを収容するとともに、後端部に開口を有するモータハウジングを更に備え、
     前記回転シャフトは、前記モータシャフトの後端部に連結されるとともに、前記開口を介して後方に延在し、
     前記作業工具は、前記開口の後側において前記回転シャフトに固定され、前記開口を介して前記モータハウジング内へ粉塵が侵入するのを妨げるための防塵部材を更に備えたことを特徴とする作業工具。
  11.  先端工具を回転駆動するように構成された作業工具であって、
     モータと、
     前記先端工具を着脱可能に構成されるとともに、前記モータの動力によって回転するように構成された工具装着部と、
     所定の回転軸周りに回転可能に保持され、前記モータの動力によって前記工具装着部と共に回転するように構成された回転シャフトと、
     前記モータの駆動用のスイッチと、
     外部からの押圧操作に応じて、前記スイッチをオン状態とするオン位置と、前記スイッチをオフ状態とするオフ位置との間で移動可能に構成された操作部材と、
     前記回転シャフトを制動するように構成されたブレーキシステムとを備え、
     前記ブレーキシステムは、直列状に作動するように構成された第1のブレーキ機構と第2のブレーキ機構とを含み、
     前記第1のブレーキ機構は、前記操作部材の前記オン位置から前記オフ位置への移動に連動して、前記第2のブレーキ機構を作動させるように構成され、
     前記第2のブレーキ機構は、前記第1のブレーキ機構によって作動されて、前記回転シャフトに制動力を付与するように構成されていることを特徴とする作業工具。
  12.  請求項11に記載の作業工具であって、
     前記第2のブレーキ機構は、前記回転シャフトと一体的に回転するように配置された第1の摩擦係合部と、前記第1の摩擦係合部と常時接触するように配置された第2の摩擦係合部とを含む摩擦ブレーキ機構として構成され、
     前記第1のブレーキ機構は、前記第2の摩擦係合部に係合可能な係合部材を含むロック機構として構成され、
     前記係合部材は、前記操作部材の前記オン位置から前記オフ位置への移動に連動して、前記第2の摩擦係合部に係合することで、前記第1摩擦係合部と摩擦係合して前記第1摩擦係合部と一体的に回転する前記第2の摩擦係合部の回転を停止させるように構成され、
     前記第2の摩擦係合部は、前記係合部材によって回転が停止された場合、前記第1摩擦係合部を介して前記回転シャフトに前記制動力を付与するように構成されていることを特徴とする作業工具。
  13.  請求項11に記載の作業工具であって、
     前記第2のブレーキ機構は、前記回転シャフトとの間でトルクの伝達が可能に構成されたトルク伝達部を含み、
     前記第2のブレーキ機構は、トルク伝達部への粉塵の進入を防止するための防塵構造を有することを特徴とする作業工具。
PCT/JP2018/022483 2017-06-23 2018-06-12 作業工具 WO2018235680A1 (ja)

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