JP6976759B2 - 回転工具 - Google Patents

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Description

本発明は、先端工具を回転させるグラインダ等の回転工具に関する。
円盤状砥石等の先端工具を回転させて作業を行うグラインダ等の回転工具においては、作業終了時の先端工具の惰性回転を短時間で停止させるために、ブレーキ機構が設けられている。このブレーキ機構は、特許文献1に例示されるように、常態ではモータの出力軸の前部に設けたブレーキ板をブレーキシューによって押圧することで出力軸に制動をかけるもので、使用時には、パドルスイッチ等の操作部材の押し込み操作により、スイッチがONすると共にスライダが連動して前進し、ブレーキシューをブレーキ板から離間させることで制動が解除される。操作部材の押し込み操作を解除すると、スイッチがOFFすると共にスライダが後退し、ブレーキシューをブレーキ板に押圧させて制動をかけることになる。
特開2016−209956号公報
しかし、大型で特に全長が長いグラインダでは、モータハウジングの後方にハンドルを延設し、そのハンドルにスイッチ及び操作部材が設けられることがある。この場合、前部のブレーキ機構と後部の操作部材との距離が長くなるため、スライダを設けて操作部材との連動を図ることが困難で、連動機構が複雑化してモータの冷却流路への障害のおそれも生じる。また、大型のグラインダでは、モータに加えて円盤状砥石等の先端工具も大きくなるため、大きな慣性が発生して制動時のブレーキ機構の発熱が大きくなり、ブレーキ特性や部品寿命の低下に繋がる。電気ブレーキの採用も考えられるが、モータへの過度の負荷がかかる等の理由により、採用が難しい場合があった。
そこで、本発明は、大型であっても簡単且つ確実に先端工具に制動をかけることができる回転工具を提供することを目的としたものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、モータと、操作部材の操作に伴ってON/OFF動作してモータの出力軸の回転を制御するスイッチと、出力軸の回転に伴って回転し、先端工具を回転させる回転軸と、を含んでなる回転工具であって、
出力軸と回転軸との間に、スイッチのON/OFFに連動し、スイッチのONで出力軸から回転軸側へ動力を接続し、スイッチのOFFで出力軸から回転軸側への動力を遮断するクラッチ機構と、クラッチ機構よりも回転軸側に設けられ、クラッチ機構による動力遮断の際には回転軸を制動し、クラッチ機構による動力接続の際には回転軸の制動を解除するブレーキ機構と、が設けられており、
クラッチ機構は、出力軸の回転速度の増減に伴って動力の接続/遮断を行う遠心クラッチであると共に、遠心クラッチは、回転速度の増減に伴って回転軸側に設けた従動板に対して軸方向へ接離動作し、従動板を押圧して動力の接続を行う変換部材を備え、従動板における変換部材の押圧側と反対側の面が、ブレーキ機構に設けたブレーキ部材に押圧される制動面であり、
ブレーキ機構に、従動板を貫通して遠心クラッチの変換部材に当接し、変換部材の従動板側への移動に応じて従動板からブレーキ部材を離間させるスペーサ部材が設けられていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項の構成において、遠心クラッチは、出力軸側の遠心力の増加に応じて放射方向へ移動する移動体を有し、変換部材は、移動体の移動に応じて軸方向へ移動して従動板を押圧すると共に、スペーサ部材を押圧して従動板からブレーキ部材を離間させることを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、モータと、操作部材の操作に伴ってON/OFF動作してモータの出力軸の回転を制御するスイッチと、出力軸の回転に伴って回転し、先端工具を回転させる回転軸と、を含んでなる回転工具であって、
出力軸と回転軸との間に、スイッチのON/OFFに連動し、スイッチのONで出力軸から回転軸側へ動力を接続し、スイッチのOFFで出力軸から回転軸側への動力を遮断するクラッチ機構と、クラッチ機構よりも回転軸側に設けられ、クラッチ機構による動力遮断の際には回転軸を制動し、クラッチ機構による動力接続の際には回転軸の制動を解除するブレーキ機構と、が設けられており、
スイッチON時にはOFFにあり、スイッチOFF時にON動作するソレノイドと、ソレノイドのON/OFFに連動して回転するカム板とが設けられると共に、クラッチ機構には、カム板の回転に伴って軸方向に移動するクラッチ動作板が、ブレーキ機構には、カム板の回転に伴って軸方向に移動するブレーキ動作板がそれぞれ設けられて、
クラッチ機構は、クラッチ動作板の移動に伴い、ソレノイドのOFF状態で回転軸側へ動力を接続し、ソレノイドのON動作で回転軸側への動力を遮断する一方、ブレーキ機構は、ブレーキ動作板の移動に伴い、ソレノイドのOFF状態で回転軸の制動を解除し、ソレノイドのON動作で回転軸を制動することを特徴とする。
請求項1及び3に記載の発明によれば、モータ側の出力軸と先端工具側の回転軸との間にクラッチ機構とブレーキ機構とを設けてブレーキ機構で回転軸を制動させるので、ブレーキ機構と操作部材との間に連動機構を設ける必要がなく、スイッチのOFFの際には、クラッチ機構によって動力が遮断された回転軸側のみに対してブレーキ機構で制動をかければ足りる。よって、発熱による影響やモータの冷却流路への障害のおそれも低減され、大型の回転工具であっても簡単且つ確実に先端工具に制動をかけることができる。
特に、請求項1に記載の発明によれば、クラッチ機構を遠心クラッチとしたことで、回転軸側への動力の接続/遮断を出力軸の回転を利用して容易に行うことができる。
また、遠心クラッチに、回転軸側の従動板を押圧する変換部材を設けたことで、遠心クラッチの動作を変換部材によって従動板へ効率よく伝えることができる。
さらに、従動板における変換部材の押圧側と反対側の面を制動面としているので、一つの従動板をクラッチ機構の接続用とブレーキ機構の制動用とに兼用でき、コンパクトな構造となる。
そして、ブレーキ機構に、従動板を貫通して遠心クラッチの変換部材当接し、変換部材従動板側への移動に応じて従動板からブレーキ部材を離間させるスペーサ部材を設けたことで、従動板に対する動力の接続と制動の解除及び、動力の遮断と制動を常に適切なタイミングで実行することができる。
請求項に記載の発明によれば、請求項の効果に加えて、遠心クラッチは、出力軸側の遠心力の増加に応じて放射方向へ移動する移動体を有し、変換部材は、移動体の移動に応じて軸方向へ移動して従動板を押圧すると共に、スペーサ部材を押圧して従動板からブレーキ部材を離間させるので、遠心クラッチによる動力の接続とブレーキ機構による回転軸の制動解除とを適切なタイミングで実行することができる。
特に、請求項3に記載の発明によれば、上記効果に加えて、ソレノイドの採用により、ソレノイドを利用してクラッチ機構とブレーキ機構とを迅速に動作させることができる。
また、ソレノイドのON/OFFに連動して回転するカム板によりクラッチ機構及びブレーキ機構を動作させるので、1つのカム板を介して両機構を動作させる合理的な構成となる。
形態1のグラインダの縦断面図である。 形態1のクラッチ/ブレーキ機構の説明図で、(A)はスイッチOFF時、(B)はスイッチON時をそれぞれ示す。 形態1の中間ハウジングの説明図で、(A)は外観斜視図、(B)は半断面斜視図である。 形態1のクラッチ/ブレーキ機構の前方からの分解斜視図である。 形態1のクラッチ/ブレーキ機構の後方からの分解斜視図である。 形態2のクラッチ/ブレーキ機構の説明図で、(A)はクラッチ機構部分の横断面、(B)は縦断面をそれぞれ示す(何れもスイッチOFF時)。 形態2のクラッチ/ブレーキ機構の説明図で、(A)はクラッチ機構部分の横断面、(B)は縦断面をそれぞれ示す(何れもスイッチON時)。 形態2のクラッチ/ブレーキ機構の説明図で、(A)は半断面斜視図、(B)はクラッチ機構部分の横断面斜視図である。 形態2のクラッチ/ブレーキ機構の前方からの分解斜視図である。 形態2のクラッチ/ブレーキ機構の後方からの分解斜視図である。 形態3のグラインダの縦断面図である。 形態3のクラッチ/ブレーキ機構の説明図で、(A)はスイッチON時、(B)はスイッチOFF時をそれぞれ示す。 図11のA−A線断面図である。 形態3のクラッチ/ブレーキ機構の前方からの分解斜視図である。 形態3のクラッチ/ブレーキ機構の後方からの分解斜視図である。 図11のB−B線断面図である。 ソレノイドの動作を示す斜視図で、(A)はソレノイドOFF時、(B)はソレノイドON時をそれぞれ示す。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[形態1]
図1は、回転工具の一例を示すグラインダの縦断面図である。このグラインダ1は、モータ(整流子モータ)3を収容して前後方向に延びる筒状のモータハウジング2と、その前方に組み付けられてクラッチ/ブレーキ機構5を収容する同じく筒状の中間ハウジング4と、その前方に組み付けられて出力部7を収容するギヤハウジング6と、モータハウジング2の後部に組み付けられてスイッチ9等を収容するハンドルハウジング8とを備える。
まず、モータハウジング2において、モータ3は、ステータ10とロータ11とを備えてロータ11の出力軸12を前方に向けた姿勢で収容されて、出力軸12の後端は、モータハウジング2内で軸受部13に保持された軸受14に軸支されている。出力軸12の前端は、図2にも示すように、中間ハウジング4内の駆動シャフト30の後端へ同軸で一体に嵌合され、駆動シャフト30の後端と共に、中間ハウジング4内の隔壁15に保持された軸受16に軸支されている。隔壁15の後方で出力軸12には、遠心ファン17が設けられて、その後方でモータハウジング2と中間ハウジング4との間には、バッフルプレート18が保持されている。
中間ハウジング4内には、図3にも示すように、内筒20が、放射方向のリブ21,21・・によって同心円上に設けられて、隔壁15は内筒20内の後端を閉塞している。内筒20の外側で各リブ21,21の間は、前後方向に貫通して遠心ファン17側とギヤハウジング6側とを連通させる通気路22,22・・となっている。
また、内筒20の前方には、後部が内筒20と同径の筒状で、前部が、先細りのテーパ状に形成されて中央に筒状の折り返し部24を同軸で形成したカップ23が設けられて、カップ23の後部後端に延設した4つの固定片25,25・・が、中間ハウジング4のリブ21に前方からネジ26,26・・で固定されている。中間ハウジング4とギヤハウジング6との組み付け状態では、カップ23の折り返し部24に、ギヤハウジング6の後面に設けた円形部27が同軸で嵌合する。
また、中間ハウジング4内で、出力軸12と結合される駆動シャフト30の前方には、従動シャフト31が設けられている。駆動シャフト30の前端は、従動シャフト31の後端に保持されたニードルベアリング32を介して、従動シャフト31の後端に同軸且つ別体で回転可能に保持されている。
従動シャフト31は、カップ23の折り返し部24及びギヤハウジング6の円形部27を貫通し、円形部27に保持された軸受33に軸支されてギヤハウジング6内に突出している。従動シャフト31の前端には、ベベルギヤ34が一体に設けられている。この従動シャフト31と駆動シャフト30との間に、クラッチ/ブレーキ機構5が設けられているが、詳細は後述する。
ギヤハウジング6内には、上下方向に回転軸としてのスピンドル35が設けられて、スピンドル35の中間部に設けたベベルギヤ36が、従動シャフト31のベベルギヤ34と噛合している。スピンドル35は、ギヤハウジング6内に保持された上側の軸受37と、ギヤハウジング6の下側に結合されたリテーナ38に保持された下側の軸受39とによって軸支されて、下端をリテーナ38から下方へ突出させている。スピンドル35の下端には、インナーフランジ40とアウターフランジ41とによって先端工具としての円盤状砥石42が着脱可能に装着される。43は、リテーナ38に取り付けられて円盤状砥石42の後半部分を覆うホイールカバー、44,44・・は、中間ハウジング4の通気路22と連通して前面に開口する排気口である。
一方、ハンドルハウジング8は、モータハウジング2の後端に設けた小径部45を挟んで左右から組み付けられる一対の半割ハウジングからなり、後端には、後方へ延びるハンドル部46が形成されている。ハンドル部46内には、プランジャ47を下方へ突出させたコントローラ付きのスイッチ9が設けられ、ハンドル部46の下側には、後端を支点として前端が上下へ揺動可能な操作部材としてのスイッチレバー48が設けられて、コイルバネ49により下側への揺動位置に付勢されている。ここではハンドル部46を握った手でスイッチレバー48を上側へ押し込み操作すると、プランジャ47が押し込まれてスイッチ9がONし、スイッチレバー48の押し込みを解除すると、プランジャ47が突出してスイッチ9がOFFする。スイッチレバー48の前端には、ハンドルハウジング8へ係合してスイッチレバー48の押し込みを規制するロックオフレバー50が設けられている。ハンドル部46の後端には、電源コード51が接続され、ハンドル部46の前方でハンドルハウジング8の左右には、複数の吸気口52,52・・が形成されている。
そして、クラッチ/ブレーキ機構5は、図2,3に示すように、駆動シャフト30側に設けられるクラッチ機構5Aと、従動シャフト31側に設けられるブレーキ機構5Bとからなる。
まず、クラッチ機構5Aは、図4,5にも示すように、駆動シャフト30に外装される変換部材としての円板状の変換プレート55を備えている。この変換プレート55は、駆動シャフト30に設けたスプライン部56にスプライン結合されて、駆動シャフト30と一体回転可能且つ前後移動可能となっている。変換プレート55の後方で駆動シャフト30には、隔壁15の前側に位置するフランジ57が一体に形成されている。
変換プレート55の前面には、クラッチシュー58が固定され、後面には、フランジ57よりもやや大径の円形のホルダ部59が形成されて、ホルダ部59内には、4つのクラッチ溝61,61・・と、各クラッチ溝61に保持されるクラッチピン62,62・・とからなる遠心クラッチ60が設けられている。
クラッチ溝61は、スプライン部56と結合される変換プレート55の軸心を中心とした正方形の各辺上に配置され、軸心に近い内周側は、クラッチピン62の直径よりも大きい最深部63に形成され、外周側は、外周へ行くに従って徐々に浅くなる傾斜面64となっている。よって、クラッチピン62は、最深部63内ではホルダ部59の後面から突出せず、外周側へクラッチピン62が転動すると、傾斜面64によってホルダ部59の後面から部分的に突出することになる。但し、駆動シャフト30のフランジ57は、各クラッチ溝61の外縁に外周が位置する大きさで形成されているため、フランジ57によってクラッチピン62のクラッチ溝61からの脱却は阻止される。従って、クラッチピン62がフランジ57の前面に沿って最深部63から変換プレート55の半径方向に転動して傾斜面64に乗り上がると、この半径方向の移動が変換プレート55の前方への押圧力に変換されて、変換プレート55は前方へ移動することになる。
従動シャフト31は、後端に、変換プレート55よりやや小径の円形の従動板65を同軸で備え、従動板65には、同心円上に4つの透孔66,66・・が形成されている。
ブレーキ機構5Bは、従動シャフト31に外装されるスペーサ部材としてのスペーサリング70と、スペーサリング70に軸受71を介して外装されるブレーキ部材としてのブレーキ板72と、ブレーキ板72を後方へ押圧するコイルバネ73とを備える。
まず、スペーサリング70は、後端に、軸受71の後面を受けるフランジ部74を有し、このフランジ部74の後面から後方へ同心円上に突設された4つの当接ピン75,75・・が、従動シャフト31の従動板65に設けられた透孔66,66・・を貫通して後方へ突出している。これにより、スペーサリング70は、従動シャフト31に対して一体回転可能且つ前後移動可能となっている。
ブレーキ板72は、従動板65よりも大径で前方へ開口する皿状で、外周面には、周方向へ等間隔で前後方向の突条76,76・・が突設され、この突条76が、カップ23の内周面に同じ位相で設けた凹溝77,77・・に嵌合することで、カップ23に対して回転が規制された状態で前後方向へ移動可能に保持されている。また、ブレーキ板72の後面で当接ピン75,75・・の外側には、ブレーキシュー78が設けられている。
コイルバネ73は、カップ23内で折り返し部24に外装されて、前端がカップ23の内面に、後端がブレーキ板72の前面にそれぞれ当接することで、ブレーキ板72をスペーサリング70及び軸受71と共に後方へ付勢している。ここで、当接ピン75のブレーキシュー78の後面から後方への突出量は、従動板65の前後方向の厚みよりも大きくなっている。
以上の如く構成されたグラインダ1において、スイッチ9がOFF状態のクラッチ/ブレーキ機構5では、図1及び図2(A)に示すように、ブレーキ機構5Bのブレーキ板72は、コイルバネ73の付勢により、ブレーキシュー78が従動シャフト31の従動板65の前側の制動面65aに当接する後退位置(ブレーキ位置)に押圧される。このとき、スペーサリング70も同時に後退して当接ピン75を従動板65の後方へ突出させてクラッチシュー58に当接し、クラッチ機構5Aの変換プレート55を後方へ押圧している。このため、変換プレート55は、遠心クラッチ60の各クラッチピン62がそれぞれクラッチ溝61の最深部63に位置する後退位置(クラッチ解除位置)に付勢される。この状態で変換プレート55のクラッチシュー58は、従動板65からの当接ピン75の突出量だけ従動板65の後側のクラッチ面65bから後方へ離間している。
よって、従動シャフト31は、従動板65の制動面65aにブレーキ板72のブレーキシュー78が押圧されることで制動され、ベベルギヤ34,36同士が噛合するスピンドル35も制動された状態となる。
ここからロックオフレバー50を解除しスイッチレバー48を押し込み操作してスイッチ9をONさせると、モータ3が駆動してロータ11と共に出力軸12が回転する。よって、出力軸12と一体の駆動シャフト30及びこれと回転方向で結合される変換プレート55も回転する(ここでは前方に向かって右回転)。
すると、図2(B)に示すように、遠心クラッチ60に生じる遠心力により、各クラッチピン62がクラッチ溝61の最深部63から傾斜面64に乗り上がり、前方からのコイルバネ73の付勢に抗して変換プレート55を前進させる。この前進のストロークは、従動板65からの当接ピン75の突出量よりもやや長く設定されているため、変換プレート55は、クラッチシュー58が従動板65のクラッチ面65bを押圧する前進位置(クラッチ接続位置)に移動する。同時に、当接ピン75を介してスペーサリング70が前方へ押し戻されるため、軸受71を介してブレーキ板72も前進し、ブレーキシュー78が従動板65の制動面65aから離間する前方位置(ブレーキ解除位置)に移動する。
よって、変換プレート55と接続されてブレーキ板72が離間した従動シャフト31は、駆動シャフト30と一体回転するため、出力部7では、ベベルギヤ34,36を介してスピンドル35が回転し、円盤状砥石42を回転させる。このとき、従動シャフト31と共にスペーサリング70も一体回転するが、ブレーキ板72との間には軸受71が介在されている上、ブレーキ板72は突条76と凹溝77とによって回転が規制されているため、ブレーキ板72は前方へのみ移動する。
一方、出力軸12の回転に伴い、遠心ファン17が回転すると、吸気口52,52・・から外気が取り込まれてモータハウジング2内を通過してモータ3を冷却する。冷却後の空気は、遠心ファン17を通過して中間ハウジング4の通気路22を介してギヤハウジング6内に進入し、排気口44,44・・から排出される。
そして、スイッチレバー48の押し込み操作を解除してスイッチ9をOFFさせると、モータ3への通電が停止される。このとき、慣性によってスピンドル35が回転しようとするが、通電停止によって遠心クラッチ60の遠心力が低下するため、コイルバネ73の付勢によってブレーキ板72及びスペーサリング70が後退し、ブレーキシュー78が従動板65に当接する後退位置(ブレーキ位置)に復帰する。このスペーサリング70の後退により、当接ピン75を介して変換プレート55を後退させて、変換プレート55を、クラッチシュー58が従動板65から離間して各クラッチピン62がクラッチ溝61の最深部63に没入する図2(A)の後退位置(クラッチ解除位置)に復帰させる。
これにより、従動板65を介して従動シャフト31に制動がかかるため、スピンドル35に制動力が伝わって円盤状砥石42を直ちに停止させる。
このように、上記形態1のグラインダ1によれば、出力軸12とスピンドル35との間に、スイッチ9のON/OFFに連動し、スイッチ9のONで出力軸12からスピンドル35側へ動力を接続し、スイッチ9のOFFで出力軸12からスピンドル35側への動力を遮断するクラッチ機構5Aと、クラッチ機構5Aよりもスピンドル35側に設けられ、クラッチ機構5Aによる動力遮断の際にはスピンドル35を制動し、クラッチ機構5Aによる動力接続の際にはスピンドル35の制動を解除するブレーキ機構5Bと、を設けたことで、ブレーキ機構5Bとスイッチレバー48との間に連動機構を設ける必要がなく、スイッチ9のOFFの際には、クラッチ機構5Aによって動力が遮断されたスピンドル35側の従動シャフト31のみに対してブレーキ機構5Bで制動をかければ足りる。よって、発熱による影響やモータ3の冷却流路への障害のおそれも低減され、大型のグラインダ1であっても簡単且つ確実に円盤状砥石42に制動をかけることができる。
特にここでは、クラッチ機構5Aを、出力軸12の回転速度の増減に伴って動力の接続/遮断を行う遠心クラッチ60としているので、スピンドル35側への動力の接続/遮断を出力軸12の回転を利用して容易に行うことができる。
また、遠心クラッチ60は、出力軸12の回転速度の増減に伴ってスピンドル35側に設けた従動板65に対して軸方向へ接離動作し、従動板65を押圧して動力の接続を行う変換プレート55を備えるので、遠心クラッチ60の動作を変換プレート55によって従動板65へ効率よく伝えることができる。
さらに、従動板65における変換プレート55の押圧側と反対側の面を、ブレーキ機構5Bに設けたブレーキ板72に押圧される制動面65aとしているので、一つの従動板65をクラッチ機構5Aの接続用とブレーキ機構5Bの制動用とに兼用でき、コンパクトな構造となる。
加えて、ブレーキ機構5Bに、従動板65を貫通してクラッチ機構5Aの変換プレート55に当接し、スピンドル35の制動時には変換プレート55を従動板65から離間させ、変換プレート55の軸方向への移動に応じて従動板65からブレーキ板72を離間させるスペーサリング70が設けられているので、従動板65に対する動力の接続と制動の解除及び、動力の遮断と制動を常に適切なタイミングで実行することができる。
なお、形態1において、遠心クラッチは、クラッチピンの数を増やしたり形状を変えたりしても差し支えない。また、ピン形状でなくボール形状としてもよい。変換プレートの形状も適宜変更可能で、従動板を押圧する前面では、クラッチシューを省略したり、摩擦抵抗を増加させる表面処理(ブラスト加工やローレット加工等)を施したりしてもよい。これはブレーキ板の後面においても同様で、ブレーキシューを省略したり表面処理を施したりすることが可能である。逆に、従動板の前後面にシューを設けたり表面処理を施したりすることも考えられる。
次に、本発明の他の形態を説明する。但し、クラッチ/ブレーキ機構に係る構造以外は形態1と同一であるため、同じ構成部には同一の符号を付して重複する説明は省略し、専らクラッチ/ブレーキ機構について説明を行う。
[形態2]
図6,7に示すグラインダ1Aにおいて、クラッチ/ブレーキ機構5では、駆動シャフト80及びクラッチ機構5Aの構造が形態1と異なっている。
まず駆動シャフト80は、図8〜10にも示すように、大径のフランジ81の前面に、周方向に等間隔で3本の支持ピン82,82・・を前向きに結合しており、各支持ピン82の前端には、フランジ81と同じ外径のリング板83が、フランジ81と平行に連結されている。また、従動シャフト31の従動板65は、フランジ81及びリング板83よりも大径に形成されて、その外周には、フランジ81及びリング板83の径方向外側に位置する外筒部84が一体に形成されている。
また、フランジ81とリング板83との間には、図9,10に示すように、外筒部84の内周面に沿って湾曲する円弧板部86と、円弧板部86の内側で前後方向の中央から中心側へ突出する中板部87とをそれぞれ有する3つのクラッチ爪85,85・・が配置されて、各クラッチ爪85の周方向の基端側で中板部87と直交状に設けた筒部88に、支持ピン82がそれぞれ貫通している。
よって、各クラッチ爪85は、支持ピン82を中心としてフランジ81とリング板83との間で揺動可能に支持され、中板部87が先細り状となる先端側がフランジ81の径方向へ出没可能となる。但し、各クラッチ爪85の基端側の中板部87には、隣接するクラッチ爪85の先端側よりも内側に突出するストッパ部89が突設されているため、各クラッチ爪85は、先端側の円弧板部86が外筒部84の内周面であるクラッチ面84aに当接する外側位置と、先端側の中板部87がストッパ部89に当接する内側位置との間で径方向へ出没可能となる。各クラッチ爪85の中板部87における周方向の略中央部と、先端側で隣接するクラッチ爪85のストッパ部89との間には、引張バネ90,90・・がそれぞれ張設されて、各クラッチ爪85を内側位置に引張付勢している。
こうしてフランジ81とリング板83との間には、クラッチ機構5Aとして、3つのクラッチ爪85,85・・が引張バネ90,90・・によって互いに連結されて同調して外側位置と内側位置へ移動することで、全体的に拡開して3つのクラッチ爪85,85・・が外筒部84のクラッチ面84aに押圧される拡開位置と、全体的に収縮して3つのクラッチ爪85,85・・が外筒部84のクラッチ面84aから離間する収縮位置との間で拡縮動作可能な遠心クラッチ60Aが形成される。
この遠心クラッチ60Aの内側でフランジ81の前面には、前方へ先細りとなるテーパ部91が突設されて、テーパ部91の前面には、半径方向から同じ方向且つ同じ角度で傾斜する複数のクラッチ溝92,92・・が、周方向に等間隔で形成されて、各クラッチ溝92は、正面視で全体が、回転方向(図6(A)での左回転方向)へ行くに従って中心側へ絞られる渦巻き形状となっている。この各クラッチ溝92に、それぞれ移動体としてのスチールボール93が転動可能に収容されているが、各クラッチ溝92も、中心側が、スチールボール93が没入してテーパ91の表面から突出しない最深部94に形成され、外周側へ向かう転動面95に形成されている。
よって、スチールボール93が最深部94から外周側へ転動すると、転動面95の案内により、スチールボール93はテーパ部91の表面から前方へ突出することになる。テーパ部91には、駆動シャフト80が貫通する前板部97を備えた連係部材としての連係キャップ96が前方から外嵌されて、連係キャップ96の内面には、テーパ部91の傾斜に沿った内テーパ面98が形成されて、各スチールボール93のクラッチ溝92からの脱却を防止している。よって、各スチールボール93がクラッチ溝92の外周側へ転動すると、テーパ部91から突出するスチールボール93により、連係キャップ96は、内テーパ面98が後方から押圧されて前方へ移動することになる。この連係キャップ96の前板部97に、ブレーキ機構5Bのスペーサリング70の各当接ピン75が当接している。
以上の如く構成されたグラインダ1Aにおいて、スイッチ9がOFFの状態では、図6に示すように、ブレーキ板72は、コイルバネ73の付勢により、ブレーキシュー78が従動シャフト31の従動板65の制動面65aに当接する後退位置(ブレーキ位置)に押圧される。このとき、スペーサリング70も同時に後退して当接ピン75を従動板65の後方へ突出させて連係キャップ96に当接させ、連係キャップ96を後方へ押圧している。よって、クラッチ機構5Aでは、各スチールボール93は内テーパ面98に押圧されてクラッチ溝92の最深部94に位置している。
一方、遠心クラッチ60Aでは、各引張バネ90により、各クラッチ爪85の先端側が内側位置にあって、外筒部84のクラッチ面84aから離間する収縮位置(クラッチ解除位置)に付勢される。
よって、従動シャフト31は、従動板65の制動面65aにブレーキ板72のブレーキシュー78が押圧されることで制動され、ベベルギヤ34,36同士が噛合するスピンドル35も制動された状態となる。
ここからスイッチレバー48を押し込み操作してスイッチ9をONさせると、モータ3が駆動してロータ11と共に出力軸12が回転する。よって、出力軸12と一体の駆動シャフト80も回転する(ここでは前方に向かって右回転)。すると、図7に示すように、フランジ81に生じる遠心力により、各スチールボール93がクラッチ溝92の最深部94から転動面95上を外側へ移動し、スペーサリング70及び連係キャップ96を介して伝わるコイルバネ73の付勢に抗して連係キャップ96を前進させる。よって、当接ピン75を介してスペーサリング70が、コイルバネ73の付勢に抗して前方へ押し戻されるため、軸受71を介してブレーキ板72も前進して、ブレーキシュー78が従動板65から離間する前方位置(ブレーキ解除位置)に移動する。
同時に、フランジ81に生じる遠心力により、遠心クラッチ60Aでは、各クラッチ爪85の先端側が引張バネ90の付勢に抗して外側位置へ揺動し、円弧板部86が外筒部84のクラッチ面84aを押圧する拡開位置(クラッチ接続位置)に移動する。
よって、遠心クラッチ60Aと接続されてブレーキ板72が離間した従動シャフト31は、駆動シャフト80と一体回転し、ベベルギヤ34,36を介してスピンドル35を回転させ、円盤状砥石42を回転させる。
そして、スイッチレバー48の押し込み操作を解除してスイッチ9をOFFさせると、モータ3への通電が停止する。このとき、慣性によってスピンドル35が回転しようとするが、通電停止によって各スチールボール93への遠心力が低下するため、コイルバネ73の付勢によってブレーキ板72及びスペーサリング70が後退し、ブレーキシュー78が従動板65の制動面65aに当接する後退位置(ブレーキ位置)に復帰する。このスペーサリング70の後退により、当接ピン75を介して連係キャップ96を後退させると共に、各スチールボール93がクラッチ溝92の最深部94に復帰する。
同時に遠心クラッチ60Aでは、遠心力の低下によって各クラッチ爪85の先端側が引張バネ90の付勢によって内側位置に揺動し、円弧板部86が外筒部84のクラッチ面84aから離れる図6の収縮位置(クラッチ解除位置)に復帰する。
これにより、従動板65を介して従動シャフト31に制動がかかり、スピンドル35に制動力が伝わって円盤状砥石42を直ちに停止させる。
ここではモータ3への通電が停止して出力軸12が減速すると、スピンドル35が慣性によって回転を継続しようとするため、出力軸12と共に減速する駆動シャフト80と、スピンドル35と共に慣性回転しようとする従動シャフト31との間に速度差が生じ、スペーサリング70が当接する連係キャップ96を介して駆動シャフト80に逆回転方向の力が加わる。このため、渦巻き状の各クラッチ溝92の外側に位置するスチールボール93は、素早く内側へ移動することになり、連係キャップ96を迅速に後退させる。よって、スペーサリング70及びブレーキ板72の後退による制動も素早く行われる。
このように、上記形態2のグラインダ1Aにおいても、出力軸12とスピンドル35との間に、スイッチ9のON/OFFに連動し、スイッチ9のONで出力軸12からスピンドル35側へ動力を接続し、スイッチ9のOFFで出力軸12からスピンドル35側への動力を遮断するクラッチ機構5Aと、クラッチ機構5Aよりもスピンドル35側に設けられ、クラッチ機構5Aによる動力遮断の際にはスピンドル35を制動し、クラッチ機構5Aによる動力接続の際にはスピンドル35の制動を解除するブレーキ機構5Bと、を設けたことで、ブレーキ機構5Bとスイッチレバー48との間に連動機構を設ける必要がなく、スイッチ9のOFFの際には、クラッチ機構5Aによって動力が遮断されたスピンドル35側の従動シャフト31のみに対してブレーキ機構5Bで制動をかければ足りる。よって、発熱による影響やモータ3の冷却流路への障害のおそれも低減され、大型のグラインダ1Aであっても簡単且つ確実に円盤状砥石42に制動をかけることができる。
特にここでは、クラッチ機構5Aを、出力軸12の回転速度の増減に伴って動力の接続/遮断を行う遠心クラッチ60Aとしているので、スピンドル35側への動力の接続/遮断を出力軸12の回転を利用して容易に行うことができる。
また、クラッチ機構5Aは、出力軸12側の遠心力の増加に応じて放射方向へ移動するスチールボール93と、スチールボール93の移動に応じて軸方向へ移動してブレーキ機構5Bと連係し、スピンドル35の制動を解除させる連係キャップ96とを有することで、クラッチ機構5Aによる動力の接続とブレーキ機構5Bによるスピンドル35の制動解除とを適切なタイミングで実行することができる。
さらに、遠心クラッチ60Aは、出力軸12の径方向で外側に配置され、スチールボール93及び連係キャップ96は径方向で遠心クラッチ60Aの内側に配置されることで、クラッチ機構5Aによる動力の接続/遮断のタイミングと、ブレーキ機構5Bによる制動及びその解除のタイミングとが別個に設定可能となる。
加えて、スチールボール93は、出力軸12を中心とした渦巻き状に配置されるクラッチ溝92に沿って移動することで、遠心力の変化にスチールボール93を素早く対応させて移動させることができ、ブレーキ機構5Bによる制動及びその解除が迅速に行われる。
一方、従動板65の径方向外側に連設された外筒部84の内周面を、遠心クラッチ60Aの接続/遮断が行われるクラッチ面84a、従動板65における外筒部84の連設側と反対側の面を、ブレーキ機構5Bに設けたブレーキ板72に押圧される制動面65aとしているので、拡縮動作する遠心クラッチ60Aを設けても従動板65をクラッチ機構5Aの接続用とブレーキ機構5Bの制動用とに兼用できる。
また、ブレーキ機構5Bに、従動板65を貫通してクラッチ機構5Aの連係キャップ96に当接し、連係キャップ96の従動板65側への移動に応じて従動板65からブレーキ板72を離間させるスペーサリング70を設けているので、従動板65に対する制動及びその解除を常に適切なタイミングで実行することができる。
なお,形態2において、スチールボールの数やクラッチ溝の形状は適宜変更可能で、移動体としてはボールに限らず、ピン形状等を採用しても差し支えない。遠心クラッチも、クラッチ爪の数の増減は勿論、円弧板部の外周面にシューを設けたり、他の形状としたりすることもできる。
また、従動板の外筒部の内周面やクラッチ爪の円弧板部の外周面に表面処理を施したり、ブレーキ板のブレーキシューを省略してブレーキ板の後面及び/又は従動板の前面に表面処理を施したりしてもよい。
[形態3]
図11〜13に示すグラインダ1Bのクラッチ/ブレーキ機構5において、中間ハウジング4内の駆動シャフト100は、出力軸12の先端に設けた凹部12aに後端が圧入されて出力軸12と一体化されている。駆動シャフト100において、軸受16の前側には、ワッシャー101が外装され、その前方には、点対称位置に一対のキー102,102が設けられて、キー102の前側部分にスリーブ103が一体にキー結合されている。
ここでのクラッチ機構5Aは、図14,15にも示すように、スリーブ103の外周面に周方向へ等間隔に凹設された凹部104,104・・に嵌合する連結体としてのスチールボール105,105・・と、従動シャフト31の後端に延設されてスリーブ103を覆い、各凹部104に嵌合するスチールボール105が没入する透孔107,107・・を有する大径部106と、大径部106に外装され、内周前面に、透孔107,107・・を全周に亘って塞ぐ前後方向の肉厚部109を有して軸方向へ前後移動可能なクラッチ動作板108とを含んでなる。肉厚部109の内周前側は、前方へ行くに従って拡開するテーパ面110となっている。
よって、クラッチ動作板108が、肉厚部109が各透孔107を全周に亘って塞ぐ前進位置にあると、各スチールボール105の径方向の移動が規制されて駆動シャフト100と従動シャフト31とが、凹部104と透孔107とに跨がるスチールボール105,105・・を介して連結されるクラッチ接続状態となる。
一方、クラッチ動作板108が、肉厚部109のテーパ面110が各透孔107を開放する後退位置にあると、各スチールボール105の径方向の移動が許容されて凹部104との嵌合が維持されず、透孔107のみに嵌合することで、駆動シャフト100と従動シャフト31との連結が解除されるクラッチ遮断状態となる。
また、クラッチ動作板108は、肉厚部109の外周側で前面に、径方向外側へ行くに従って幅広となる扇状の4つの切替突部111,111・・を、周方向に等間隔で備えている。この切替突部111は、前面が肉厚部109の前面と同一面となる厚みで形成され、周方向の両側面は、後方へ行くに従って徐々に幅広となるように傾斜するガイド面112,112となっている。また、各切替突部111の径方向外側の周面には、一対の突起113,113がそれぞれ突設されて、中間ハウジング4の内筒20の内周面にそれぞれ対応して設けた一対の軸方向の溝114,114に係合している。よって、クラッチ動作板108は、内筒20内で回転規制された状態で前後移動可能となる。さらに、クラッチ動作板108の後面には、リング状に後ブレーキシュー115が固定され、後ブレーキシュー115の外側で隔壁15との間には、付勢手段としての後コイルバネ116が介在されて、クラッチ動作板108を前方へ付勢している。
次に、ブレーキ機構5Bは、後ブレーキシュー115を備えたクラッチ動作板108に加えて、従動シャフト31と駆動シャフト100とにそれぞれ外装される前ブレーキ板120及び後ブレーキ板121と、後述するカム板140を挟んでクラッチ動作板108の前方に外装されるブレーキ動作板122とを含む。
まず、前ブレーキ板120は、従動シャフト31の中間部123に設けた4つのガイド溝124,124・・に嵌合する4つの内側突起125,125・・を内周に備えた円盤状で、中間部123の前部に嵌着されたキャップ126と大径部106との間で従動シャフト31と一体回転可能且つ前後移動可能に設けられている。前ブレーキ板120の外周には、4つの弾性片128,128・・を中心側及び前方側へ向けて突出させた保持手段としての保持リング127が嵌着されて、各弾性片128がキャップ126を押圧することで、前ブレーキ板120は、大径部106の前面に当接する後退位置に弾性保持されている。
後ブレーキ板121は、駆動シャフト100のキー102,102が嵌合するキー溝129,129を内周に備えた円盤状で、ワッシャー101とスリーブ103との間で駆動シャフト100と一体回転可能且つ前後移動可能に設けられている。後ブレーキ板121の外周にも、後部に4つの弾性片131,131・・を中心側且つ後方側へ向けて突出させた保持手段としての保持リング130が嵌着されて、各弾性片131がワッシャー101を押圧することで、後ブレーキ板121は、スリーブ103に当接する前進位置に弾性保持されている。
ブレーキ動作板122は、クラッチ動作板108と同径で大径部106に外装される円盤状で、後面には、クラッチ動作板108と同様に、径方向外側へ行くに従って幅広となる扇状の4つの切替突部132,132・・を、周方向に等間隔で備えている。この切替突部132の周方向の両側面も、前方へ行くに従って徐々に幅広となるように傾斜するガイド面133,133となっている。
また、ブレーキ動作板122の外周には、複数の突片134,134・・が等間隔で形成されて、カップ23の内周で周方向に等間隔で設けた軸方向の突条135,135・・間に係合することで、ブレーキ動作板122は、回転規制された状態で前後移動可能となっている。共に回転規制されるクラッチ動作板108の切替突部111と、ブレーキ動作板122の切替突部132とは、互いに対向する同位相に位置している。
さらに、ブレーキ動作板122の前面には、リング状の前ブレーキシュー136が固定され、前ブレーキシュー136の外側でブレーキ動作板122とカップ23の折り返し部24との間には、付勢手段としての前コイルバネ137が介在されて、ブレーキ動作板122を後方へ付勢している。
そして、クラッチ動作板108とブレーキ動作板122との間で大径部106には、円板状のカム板140が回転可能に外装されている。このカム板140は、後面に、クラッチ動作板108の切替突部111,111・・の間に嵌合する4つのカム突起141,141・・を、同様に周方向の両側面を傾斜面142,142とした形状で備えている。
また、カム板140の前面には、軸方向でカム突起141,141の間に位置し、ブレーキ動作板122の切替突部132,132・・が嵌合する4つのカム凹部143,143・・が、同様に周方向の両側面を傾斜面144,144とした形状で形成されている。カム板140の上部には、四角形状の係合突起145が上向きに突設されて、カップ23の後端に設けた切欠き146を介して上方へ突出している。
一方、中間ハウジング4の上面には、図16にも示すように、コイル148aを内蔵した本体148と、本体148から出没可能なプランジャ149とを備えた電気的アクチュエータとしてのソレノイド147が、プランジャ14を左方向へ向けた横向きに固定されている。
また、ソレノイド147の前方でカップ23の上面には、上下方向にピン150が立設されて、ピン150に、連結部材としての回転レバー151が回転可能に支持されている。
この回転レバー151は、上側へコ字状に折曲された支点部152がピン150へ回転可能に支持されて水平に延びる帯状部材で、先端側の力点部153は上側へ倒L字状に折曲されて、ソレノイド147のプランジャ149の先端に設けたスリット154に挿入されている。力点部153の先端には長孔155が形成されており、この長孔155に、スリット154内でプランジャ149に設けた止めピン156が遊挿することで、力点部153はプランジャ149と連結されている。
そして、回転レバー151における支点部152よりも力点部153側の後縁には、山形の作用点部157が形成されている。
ここで、ソレノイド147のOFF(非通電)状態では、図17(A)に示すように、プランジャ149は、本体148からの突出位置にあり、作用点部157は、カム板140の係合突起145の左側に位置している。このときカム板140は、図12(A)及び図13に示すように、後コイルバネ116によってクラッチ動作板108が後方から、前コイルバネ137によってブレーキ動作板122が前方からそれぞれ押圧されることで、クラッチ動作板108の切替突部111,111の間にカム板140のカム突起141,141が嵌合し、ブレーキ動作板122の各切替突部132がそれぞれカム板140のカム凹部143に嵌合する左回転位置にある。
よって、クラッチ動作板108は、肉厚部109の後側が大径部106の透孔107を覆ってスチールボール105,105・・の移動を規制すると共に、後ブレーキシュー115を後ブレーキ板121から前方へ離間させる前進位置(クラッチ接続位置、駆動シャフト100側ブレーキ解除位置)にある。
また、ブレーキ動作板122は、各切替突部132がそれぞれカム凹部143に嵌合することで、前ブレーキシュー136を前ブレーキ板120から後方に離間させる後退位置(従動シャフト31側ブレーキ解除位置)にある。
一方、ソレノイド147がON(通電)すると、図17(B)に示すように、プランジャ149が本体148内に引き込まれ、回転レバー151を、ピン150を中心に平面視で左回転させる。すると、作用点部157が係合突起145を左側から押圧してカム板140を右回転させる。この右回転により、図12(B)に示すように、カム板140のカム突起141,141間に嵌合していたクラッチ動作板108の切替突部111は、ガイド面112と傾斜面142との案内によって後方へ押し出されるため、クラッチ動作板108は、後コイルバネ116の付勢に抗して、肉厚部109のテーパ面110が大径部106の透孔107の外側となる後退位置(クラッチ遮断位置)に後退する。よって、各スチールボール105は径方向への移動が許容されて凹部104への嵌合状態が維持されず、駆動シャフト100の回転が従動シャフト31に伝わらない動力遮断状態となる。
また、クラッチ動作板108の後退により、後ブレーキシュー115が後ブレーキ板121に当接し、後ブレーキ板121を介して駆動シャフト100に制動をかけることになる(駆動シャフト100側ブレーキ位置)。すなわち、クラッチ動作板108は第二のブレーキ動作板としても機能し、ブレーキ機構5Bは、ブレーキ動作板122と前ブレーキ板120とによるブレーキ機構と、クラッチ動作板108と後ブレーキ板121とによる第二のブレーキ機構とを含む。
さらに、カム板140の各カム凹部143に嵌合していたブレーキ動作板122の各切替突部132は、傾斜面144とガイド面133との案内によって前方へ押し出されるため、ブレーキ動作板122は、前コイルバネ137の付勢に抗して、前ブレーキシュー136が前ブレーキ板120に当接し、前ブレーキ板120を介して従動シャフト31に制動をかける前進位置(従動シャフト31側ブレーキ位置)に前進する。
なお、回転レバー151は、ピン150及び係合突起145と共に、支点部152と作用点部157とがギヤハウジング6の上側内部に収容されて、力点部153を中間ハウジング4の上面上側に突出させている。中間ハウジング4の上面には、ソレノイド147及び回転レバー151の力点部153を覆う上カバー158(図12)がネジ止めされている。
以上の如く構成されたグラインダ1Bにおいて、スイッチ9がOFFの状態では、ソレノイド147はOFFでプランジャ149は突出位置にある。よって、前述のようにカム板140は左回転位置にあるため、クラッチ動作板108は前進位置にあってクラッチ機構5Aのクラッチを接続状態とし、駆動シャフト100へのブレーキを解除している。また、ブレーキ動作板122は後退位置にあって従動シャフト31へのブレーキを解除している。
ここからスイッチレバー48を押し込み操作してスイッチ9をONさせると、モータ3が駆動してロータ11と共に出力軸12が回転する。よって、出力軸12と一体の駆動シャフト100も回転する(ここでは前方に向かって右回転)。すると、駆動シャフト100とクラッチ機構5Aのスチールボール105,105・・を介して接続される従動シャフト31も駆動シャフト100と一体回転し、ベベルギヤ34,36を介してスピンドル35を回転させ、円盤状砥石42を回転させる。
そして、スイッチレバー48の押し込み操作を解除してスイッチ9をOFFさせると、モータ3への通電が停止される。このとき、コントローラに設けられた遅延回路により、スイッチ9をOFFした後の一定時間(数秒間)経過後に、ソレノイド147がONしてプランジャ149が引き込まれ、回転レバー151を回転させる。このようにスイッチ9OFF後の一定時間経過を待つのは、スイッチ9OFF後に再びスイッチレバー48を押し込み操作して作業を行いたい場合があるからである。
すると、カム板140が右回転して、クラッチ機構5Aでは、前述のようにクラッチ動作板108が後コイルバネ116の付勢に抗して後退して肉厚部109によるスチールボール105,105・・の押圧を解除するため、駆動シャフト100から従動シャフト31への動力伝達が遮断される。
同時にクラッチ動作板108の後ブレーキシュー115が後ブレーキ板121を押圧するため、後ブレーキ板121を介して駆動シャフト100及び出力軸12に制動がかかる。また、ブレーキ動作板122も前進して前ブレーキシュー136が前ブレーキ板120を押圧するため、前ブレーキ板120を介して従動シャフト31に制動がかかる。このとき、前ブレーキ板120及び後ブレーキ板121は、前ブレーキシュー136及び後ブレーキシュー115に押圧される際、弾性片128,131によって弾性的に移動するため、制動時の衝撃は少なくて済む。
これにより、スピンドル35を介して円盤状砥石42が直ちに停止する。スイッチ9のOFF後、一定時間経過すると、ソレノイド147がOFFしてカム板140は左回転位置に復帰し、クラッチ動作板108は前進位置に、ブレーキ動作板122は後退位置にそれぞれ復帰する。なお、コントローラは、ソレノイド147がONしてブレーキ機構5Bが作動した後、ソレノイド147がOFFするまでは、スイッチレバー48を押し込み操作しても、モータ3が再駆動しないように制御している。
このように、上記形態3のグラインダ1Bによれば、出力軸12とスピンドル35との間に、スイッチ9のON/OFFに連動し、スイッチ9のONで出力軸12からスピンドル35側へ動力を接続し、スイッチ9のOFFで出力軸12からスピンドル35側への動力を遮断するクラッチ機構5Aと、クラッチ機構5Aよりもスピンドル35側に設けられ、クラッチ機構5Aによる動力遮断の際にはスピンドル35を制動し、クラッチ機構5Aによる動力接続の際にはスピンドル35の制動を解除するブレーキ機構5Bと、を設けたことで、ブレーキ機構5Bとスイッチレバー48との間に連動機構を設ける必要がなく、スイッチ9のOFFの際には、クラッチ機構5Aによって動力が遮断されたスピンドル35側の従動シャフト31のみに対してブレーキ機構5Bで制動をかければ足りる。よって、発熱による影響やモータ3の冷却流路への障害のおそれも低減され、大型のグラインダ1Bであっても簡単且つ確実に円盤状砥石42に制動をかけることができる。さらに、グラインダ1Bを使用しない初期状態ではブレーキ機構5Bが解除されているので、スイッチレバー48によるスイッチ9のON動作に対する応答性が良好となり、円盤状砥石42の回転にタイムラグが生じない。
特にここでは、スイッチ9ON時にはOFF状態にあり、スイッチ9OFF時にON動作するソレノイド147を設け、クラッチ機構5Aは、ソレノイド147のOFF状態でスピンドル35側へ動力を接続し、ソレノイド147のON動作でスピンドル35側への動力を遮断する一方、ブレーキ機構5Bは、ソレノイド147のOFF状態でスピンドル35の制動を解除し、ソレノイド147のON動作でスピンドル35を制動するので、ソレノイド147を利用してクラッチ機構5Aとブレーキ機構5Bとを迅速に動作させることができる。
また、ソレノイド147のON/OFFに連動して回転するカム板140を設けて、カム板140の回転に伴い、クラッチ機構5Aに設けたクラッチ動作板108と、ブレーキ機構5Bに設けたブレーキ動作板122とを軸方向に移動させてクラッチ機構5A及びブレーキ機構5Bを動作させるので、1つのカム板140を介して両機構を動作させる合理的な構成となる。
なお、形態3においては、クラッチ動作板に後ブレーキシューを設けると共に、その後方に後ブレーキ板を設けて駆動シャフト(出力軸)側にも第二のブレーキ機構を配置しているが、出力軸側の第二のブレーキ機構は省略してクラッチ動作板を後コイルバネでカム板へ付勢する構成のみとしてもよい。
また、ブレーキ板の保持手段は、弾性片を有する保持リングに代えて、従動シャフトに外装されるコイルバネ等を利用しても差し支えない。
さらに、上記形態3では、駆動シャフトに従動シャフト外装させてスチールボールで連結しているが、これと逆に、従動シャフトに駆動シャフトを外装させてスチールボール等の連結体で連結してもよい。連結体はスチールボールに限らず、軸方向に長いローラ形状も採用できる。
一方、ソレノイドは、ハウジングの上側に限らず、横側や下側に配置してもよいし、連結部材としては回転レバーに限らず、中心がハウジング側に回転可能に連結され、一端がカム板へ、他端がソレノイドのプランジャへそれぞれ連結される揺動レバーとして、プランジャの出没方向と反対側へカム板を回転させるようにすることも可能である。
また、このような連結部材を省略してカム板を直接プランジャに連結しても差し支えない。
そして、形態1〜3に共通して、出力軸側の駆動シャフト、スピンドル(回転軸)側の従動シャフトの一方又は両方を省略して、出力軸とスピンドルとの間に直接クラッチ/ブレーキ機構を設けてもよい。
また、モータに電気ブレーキ機能を付加して、形態1〜3の機械式ブレーキと併用することも考えられる。この場合、スイッチOFF後、まず電気ブレーキで制動をかけた後、機械式ブレーキで制動をかけるのが望ましい。なお、この併用タイプの場合、機械式ブレーキの構造は上記形態1〜3以外に限らず、他の構造も採用できる。
その他、電源としてバッテリーパックを用いたり、モータとしてブラシレスモータを用いたり、サンダ等の他の回転工具であったりしても、本発明は適用可能である。
1,1A,1B・・グラインダ、2・・モータハウジング、3・・モータ、4・・中間ハウジング、5・・クラッチ/ブレーキ機構、5A・・クラッチ機構、5B・・ブレーキ機構、6・・ギヤハウジング、7・・出力部、8・・ハンドルハウジング、9・・スイッチ、12・・出力軸、15・・隔壁、20・・内筒、23・・カップ、30,80,100・・駆動シャフト、31・・従動シャフト、35・・スピンドル、42・・円盤状砥石、46・・ハンドル部、55・・変換プレート、57,81・・フランジ、58・・クラッチシュー、60,60A・・遠心クラッチ、61,92・・クラッチ溝、62・・クラッチピン、63,94・・最深部、64,142,144・・傾斜面、65・・従動板、65a・・制動面、65b・・クラッチ面、70・・スペーサリング、72・・ブレーキ板、73・・コイルバネ、75・・当接ピン、78・・ブレーキシュー、82・・支持ピン、84・・外筒部、84a・・クラッチ面、85・・クラッチ爪、90・・引張バネ、93,105・・スチールボール、96・・連係キャップ、108・・クラッチ動作板、109・・肉厚部、110・・テーパ面、111,132・・切替突部、112,133・・ガイド面、115・・後ブレーキシュー、116・・後コイルバネ、120・・前ブレーキ板、121・・後ブレーキ板、122・・ブレーキ動作板、127,130・・保持リング、128,131・・弾性片、136・・前ブレーキシュー、137・・前コイルバネ、140・・カム板、141・・カム突起、143・・カム凹部、145・・係合突起、147・・ソレノイド、149・・プランジャ、151・・回転レバー、152・・支点部、153・・力点部、157・・作用点部。

Claims (3)

  1. モータと、操作部材の操作に伴ってON/OFF動作して前記モータの出力軸の回転を制御するスイッチと、前記出力軸の回転に伴って回転し、先端工具を回転させる回転軸と、を含んでなる回転工具であって、
    前記出力軸と前記回転軸との間に、
    前記スイッチのON/OFFに連動し、前記スイッチのONで前記出力軸から前記回転軸側へ動力を接続し、前記スイッチのOFFで前記出力軸から前記回転軸側への動力を遮断するクラッチ機構と、
    前記クラッチ機構よりも前記回転軸側に設けられ、前記クラッチ機構による動力遮断の際には前記回転軸を制動し、前記クラッチ機構による動力接続の際には前記回転軸の制動を解除するブレーキ機構と、が設けられており、
    前記クラッチ機構は、前記出力軸の回転速度の増減に伴って動力の接続/遮断を行う遠心クラッチであると共に、前記遠心クラッチは、前記回転速度の増減に伴って前記回転軸側に設けた従動板に対して軸方向へ接離動作し、前記従動板を押圧して動力の接続を行う変換部材を備え、前記従動板における前記変換部材の押圧側と反対側の面が、前記ブレーキ機構に設けたブレーキ部材に押圧される制動面であり、
    前記ブレーキ機構に、前記従動板を貫通して前記遠心クラッチの前記変換部材に当接し、前記変換部材の前記従動板側への移動に応じて前記従動板から前記ブレーキ部材を離間させるスペーサ部材が設けられていることを特徴とする回転工具。
  2. 前記遠心クラッチは、前記出力軸側の遠心力の増加に応じて放射方向へ移動する移動体を有し、前記変換部材は、前記移動体の移動に応じて軸方向へ移動して前記従動板を押圧すると共に、前記スペーサ部材を押圧して前記従動板から前記ブレーキ部材を離間させることを特徴とする請求項1に記載の回転工具。
  3. モータと、操作部材の操作に伴ってON/OFF動作して前記モータの出力軸の回転を制御するスイッチと、前記出力軸の回転に伴って回転し、先端工具を回転させる回転軸と、を含んでなる回転工具であって、
    前記出力軸と前記回転軸との間に、
    前記スイッチのON/OFFに連動し、前記スイッチのONで前記出力軸から前記回転軸側へ動力を接続し、前記スイッチのOFFで前記出力軸から前記回転軸側への動力を遮断するクラッチ機構と、
    前記クラッチ機構よりも前記回転軸側に設けられ、前記クラッチ機構による動力遮断の際には前記回転軸を制動し、前記クラッチ機構による動力接続の際には前記回転軸の制動を解除するブレーキ機構と、が設けられており、
    前記スイッチON時にはOFFにあり、前記スイッチOFF時にON動作するソレノイドと、前記ソレノイドのON/OFFに連動して回転するカム板とが設けられると共に、前記クラッチ機構には、前記カム板の回転に伴って軸方向に移動するクラッチ動作板が、前記ブレーキ機構には、前記カム板の回転に伴って軸方向に移動するブレーキ動作板がそれぞれ設けられて、
    前記クラッチ機構は、前記クラッチ動作板の移動に伴い、前記ソレノイドのOFF状態で前記回転軸側へ動力を接続し、前記ソレノイドのON動作で前記回転軸側への動力を遮断する一方、前記ブレーキ機構は、前記ブレーキ動作板の移動に伴い、前記ソレノイドのOFF状態で前記回転軸の制動を解除し、前記ソレノイドのON動作で前記回転軸を制動することを特徴とする回転工具。
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