WO2018163475A1 - バラスト水測定装置、バラスト水測定装置を備える船舶およびバラスト水測定方法 - Google Patents

バラスト水測定装置、バラスト水測定装置を備える船舶およびバラスト水測定方法 Download PDF

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Abstract

本発明の目的は、酸化剤の濃度が異なるバラスト水の水質測定精度を高めることにある。 バラスト水測定装置(2、62)は、酸化剤添加後のバラスト水または中和剤添加前のバラスト水の酸化剤の濃度を測定する第1の測定部(6-1、64-1)と、酸化剤中和後のバラスト水の酸化剤の濃度を測定する第2の測定部(6-2、64-2)と、前記第1の測定部および前記第2の測定部を収容する筐体(4)とを備える。前記第1の測定部および前記第2の測定部の酸化剤の濃度測定範囲が異なる。

Description

バラスト水測定装置、バラスト水測定装置を備える船舶およびバラスト水測定方法
 本発明は、船舶に積載されるバラスト水の水質測定に関する。
 貨物船などの船舶では、貨物の量の変動による船舶の喫水変動を抑制するため、船舶に積載されるバラスト水の量が調整される。このバラスト水は、貨物が陸揚げされる寄港地で積載され、貨物が積載される寄港地で排出される。バラスト水に含まれる水生生物および病原体の移動による海洋汚染を防止するため、水生生物および病原体を殺滅するように、バラスト水に次亜塩素酸ナトリウムやオゾン(たとえば、特許文献1)、次亜塩素酸カルシウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムなどの酸化剤を注入するバラスト水給水処理が知られている。また、バラスト水を排出するバラスト水排水処理では、中和剤の注入によりバラスト水を中和する処理が行われる。
特開2012-007969号公報
 ところで、バラスト水排水処理では、たとえばバラスト水給水処理時に酸化剤が添加された酸化剤添加後のバラスト水、つまり中和剤添加前(酸化剤中和前)のバラスト水の水質と酸化剤中和後のバラスト水の水質とが測定される。中和前のバラスト水の水質情報は、たとえば中和剤の注入量の決定に使用され、中和後のバラスト水の水質情報は、たとえば排水されるバラスト水の水質管理に使用される。このような水質測定を伴うバラスト水処理において、酸化剤の濃度が高い中和前のバラスト水の水質測定を考慮すると、酸化剤の濃度が低いまたは酸化剤を含まない中和後のバラスト水の水質の測定精度が低下するという課題がある。
 そこで、本発明の目的は、酸化剤の濃度が異なるバラスト水の水質測定精度を高めることにある。
 上記目的を達成するため、本発明のバラスト水測定装置の一側面によれば、酸化剤添加後のバラスト水または中和剤添加前のバラスト水の酸化剤の濃度を測定する第1の測定部と、酸化剤中和後のバラスト水の酸化剤の濃度を測定する第2の測定部と、前記第1の測定部および前記第2の測定部を収容する筐体とを備え、前記第1の測定部および前記第2の測定部の酸化剤の濃度測定範囲が異なればよい。
 上記バラスト水測定装置において、前記第1の測定部および前記第2の測定部に接続し、前記第1の測定部の第1の給水管または前記第2の測定部の第2の給水管に供給されるバラスト水の供給先を切替える切替部を備えていてもよい。
 上記バラスト水測定装置において、前記第1の測定部または前記第2の測定部の双方または一方は、採取するバラスト水の流量を調整する流量調整部を含んでいてもよい。前記第1の測定部、前記第2の測定部、または前記第1の測定部および前記第2の測定部は、この流量調整部により調整されたバラスト水の酸化剤の濃度を測定してもよい。
 上記バラスト水測定装置において、前記第1の測定部に接続し、前記第1の測定部に希釈水を供給する希釈水供給部を備えていてもよい。
 上記バラスト水測定装置において、前記希釈水供給部は、希釈水配管と、前記希釈水配管内を流れる前記希釈水の流量を調整する第3の流量調整部を備えていてもよい。
 上記バラスト水測定装置において、前記第1の測定部または前記第2の測定部の双方または一方は、圧力調整部を含んでいてもよい。この圧力調整部が前記第1の測定部または前記第2の測定部の給水管内のバラスト水の圧力を調整してもよい。
 上記バラスト水測定装置において、前記第1の測定部の測定結果または前記第2の測定部の測定結果の双方または一方を受けて、測定結果の出力信号を生成する制御部を備え、前記出力信号は、前記酸化剤の濃度情報、前記酸化剤の添加量の調整情報、前記酸化剤を中和する中和剤の添加量の調整情報、警報情報、またはバラスト水処理の停止信号を含んでいてもよい。
 上記目的を達成するため、本発明のバラスト水測定装置を備える船舶の一側面によれば、上記バラスト水測定装置を備えればよい。
 上記目的を達成するため、本発明のバラスト水測定方法の一側面によれば、筐体内の第1の測定部で酸化剤添加後のバラスト水または中和剤添加前のバラスト水の酸化剤の濃度を測定する処理と、前記筐体内の第2の測定部で酸化剤中和後のバラスト水の酸化剤の濃度を測定する処理とを含み、前記第1の測定部および前記第2の測定部の酸化剤の濃度測定範囲が異なればよい。
 本発明によれば、次のいずれかの効果が得られる。
 (1)  第1の測定部および第2の測定部の酸化剤の濃度測定範囲が異なるので、酸化剤の濃度が異なるバラスト水を、各バラスト水の酸化剤の濃度測定に適する測定部で測定することができ、バラスト水の水質測定精度を高めることができる。
 (2)  信頼性の高い水質測定結果を得ることができる。たとえば船舶外に排出されるバラスト水の酸化剤の濃度を、高い信頼性のもとで把握することができる。船舶外に排出されるバラスト水の酸化剤の濃度が高い場合には、酸化剤の濃度を低下させる処理により、酸化剤の海洋排出を抑制することができ、酸化剤による海洋汚染を抑制することができる。
 そして、本発明の他の目的、特徴および利点は、添付図面および実施の形態を参照することにより、一層明確になるであろう。
第1の実施の形態に係るバラスト水測定装置の一例を示す図である。 制御部のハードウェア構成の一例を示す図である。 水質測定結果の表示の一例を示す図である。 水質測定の処理手順の一例を示すフローチャートである。 変形例に係る切替部の一例を示す図である。 変形例に係る切替部の他の例を示す図である。 希釈水供給部を備えるバラスト水測定装置の一例を示す図である。 希釈水供給部を備えるバラスト水測定装置の他の例を示す図である。 圧力調整部および逆流防止部を備えるバラスト水測定装置の一例を示す図である。 第2の実施の形態に係るバラスト水測定装置の一例を示す図である。 計測器および計測器に接続する各配管を示す図である。 水質測定の処理手順の一例を示すフローチャートである。 測定部の洗浄処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 バラスト水測定装置とバラスト水処理設備の接続の一例を示す図である。 バラスト水測定装置とバラスト水処理設備の処理シーケンスの一例を示す図である。 バラスト水測定装置とバラスト水処理設備の処理シーケンスの他の例を示す図である。
第1の実施の形態
 第1の実施の形態について、図1を参照する。図1は、第1の実施の形態に係るバラスト水測定装置の一例を示している。図1において、高濃度計測器、低濃度計測器、流量調整部、切替部および制御部に付した細い矢印は、制御部と各装置との接続を表し、給水管の入口、排水部の出口、および水処理ラインに付した太い矢印は、バラスト水、排水、酸化剤または中和剤の流れを示している。
 バラスト水測定装置2(以下、「測定装置2」という)は、複数のバラスト水の水質、たとえばバラスト水に含まれる次亜塩素酸ナトリウム、オゾン、次亜塩素酸カルシウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムなどの酸化剤の濃度を測定する測定装置の一例である。測定装置2は、筐体4と、第1の測定部6-1(以下「測定部6-1」という)と、第2の測定部6-2(以下「測定部6-2」という)と、排水部8と、切替部10と、表示入力部12と、制御部14を備える。測定装置2には、第1のバラスト水BW1(以下「バラスト水BW1」という)および第2のバラスト水BW2(以下「バラスト水BW2」という)が供給される。バラスト水BW1、BW2は、船舶に設置されるバラスト水処理設備の水処理ライン112を流れるバラスト水から採取される。水処理ライン112には、酸化剤または中和剤が添加される薬剤添加位置APが備えられる。バラスト水BW1は、薬剤添加位置APよりも上流のバラスト水であり、酸化剤添加前のバラスト水、または中和剤添加前のバラスト水、つまり船外に排出直前の酸化剤が添加されたバラスト水である。バラスト水BW2は、薬剤添加位置APよりも下流のバラスト水であり、酸化剤添加後のバラスト水または中和剤添加後(つまり酸化剤中和後)のバラスト水である。
 筐体4は、測定部6-1、6-2、排水部8、切替部10、表示入力部12、および制御部14を収容し、これらの部材を筐体内に集約させている。この筐体4は、たとえば金属筐体であって、測定装置2に剛性を与えている。
 測定部6-1は、高濃度計測器20-1と、第1の給水管22-1(以下、「給水管22-1」という)と、第1の排水管24-1(以下「排水管24-1」という)と、第1の流量調整部26-1(以下、「流量調整部26-1」という)とを備える。この測定部6-1は、給水管22-1から供給されるバラスト水の酸化剤の濃度を、高濃度計測器20-1により測定する。測定部6-1は、酸化剤添加後のバラスト水の水質測定に適するように高い濃度測定範囲を有している。なお、本明細書において、用語「高濃度」は、後述する用語「低濃度」よりも濃度が高いことを表すものとする。用語「低濃度」は、たとえば酸化剤中和後のバラスト水および酸化剤添加前のバラスト水の酸化剤の濃度、つまり濃度0または海水と同程度の濃度を意味し、用語「高濃度」は、たとえば既述の低濃度よりも高く、酸化剤添加後のバラスト水の濃度までの濃度を意味する。この用語「高濃度」は、酸化剤添加後のバラスト水の濃度よりも高い濃度を包含していてもよい。また、本明細書において、用語「高い濃度測定範囲」は、後述する用語「低い濃度測定範囲」よりも高い範囲を測定範囲に含むことを表すものとする。用語「低い濃度測定範囲」は、既述の低濃度を包含すればよく、用語「高い濃度測定範囲」は、既述の高濃度を包含すればよい。低い濃度測定範囲および高い濃度測定範囲は、濃度測定範囲が、少なくとも一部で異なればよい。なお、測定部6-1および測定部6-2は特定の濃度を測定可能ではあるが、測定部6-1、6-2の一方の測定精度が実用レベルに到達していない場合には、濃度測定範囲が異なるものとして扱う。
 高濃度計測器20-1は、給水管22-1および排水管24-1に接続する。高濃度計測器20-1、給水管22-1および排水管24-1は、第1のバラスト水流路を形成する。流量調整部26-1は、給水管22-1に設置される。この流量調整部26-1は、開閉弁28-1(たとえば電磁弁)および定流量弁30-1を備え、一定量のバラスト水を供給し、またはバラスト水の供給を停止する。つまり、流量調整部26-1は、給水管22-1を流れるバラスト水の流量を調整する。
 高濃度計測器20-1は、給水管22-1から供給されるバラスト水の水質を測定する第1の計測器の一例である。高濃度計測器20-1は、バラスト水の酸化剤の濃度、たとえばTRO(Total Residual Oxidants)濃度を測定する。高濃度計測器20-1の濃度測定範囲は、酸化剤が添加されたバラスト水の酸化剤の濃度およびその近傍濃度を含めばよく、たとえば0.5~4.0[mg/L]である。また、適切な希釈により、4.0[mg/L]を超える濃度を測定することが可能である。高濃度計測器20-1は、バラスト水の酸化剤の濃度を測定できればよく、たとえば比色計を含み、DPD(ジエチル-P-フェニレンジアミン)試薬の添加によりTRO濃度に応じて桃色から桃紅色に呈色させたバラスト水の光の吸収の強さをDPD比色法またはDPD吸光光度法により測定すればよい。
 給水管22-1はバラスト水を高濃度計測器20-1に供給し、排水管24-1は、高濃度計測器20-1で測定されたバラスト水を排水部8に排水する。給水管22-1および排水管24-1は、バラスト水に含まれる酸化剤に対して耐腐食性を有する配管であればよく、たとえばフッ素樹脂配管、塩化ビニル配管などの樹脂配管、またはステンレス配管、腐食防止処理がされた金属配管であればよい。
 測定部6-2は、低濃度計測器20-2と、第2の給水管22-2(以下、「給水管22-2」という)と、第2の排水管24-2(以下、「排水管24-2」という)と、第2の流量調整部26-2(以下、「流量調整部26-2」という)とを備える。この測定部6-2は、給水管22-2から供給されるバラスト水の酸化剤の濃度を、低濃度計測器20-2により測定する。測定部6-2は、酸化剤中和後のバラスト水および酸化剤添加前のバラスト水の水質測定に適するように低い濃度測定範囲を有している。低濃度計測器20-2は、給水管22-2および排水管24-2に接続する。低濃度計測器20-2、給水管22-2および排水管24-2は、第2のバラスト水流路を形成する。流量調整部26-2は、給水管22-2に設置される。この流量調整部26-2は、開閉弁28-2(たとえば電磁弁)および定流量弁30-2を備え、一定量のバラスト水を供給し、またはバラスト水の供給を停止する。つまり、流量調整部26-2は、給水管22-2を流れるバラスト水の流量を調整する。
 低濃度計測器20-2は、給水管22-2から供給されるバラスト水の水質を測定する第2の測定器の一例である。低濃度計測器20-2は、バラスト水の酸化剤の濃度、たとえばTRO濃度を測定する。低濃度計測器20-2の濃度測定範囲は、酸化剤中和後のバラスト水および酸化剤添加前のバラスト水の酸化剤の濃度およびその近傍濃度を含めばよく、たとえば0.0~2.0[mg/L]である。低濃度計測器20-2は、たとえば既述の比色計を含み、DPD試薬の添加によりTRO濃度に応じて呈色させたバラスト水の光の吸収の強さをDPD比色法またはDPD吸光光度法により測定すればよい。
 給水管22-2はバラスト水を低濃度計測器20-2に供給し、排水管24-2は、低濃度計測器20-2で測定されたバラスト水を排水部8に排水する。給水管22-2および排水管24-2は、バラスト水に含まれる酸化剤に対して耐腐食性を有する配管であればよく、たとえばフッ素樹脂配管、塩化ビニル配管などの樹脂配管、またはステンレス配管、腐食防止処理がされた金属配管であればよい。
 排水部8は、排水を搬送する手段の一例であり、筐体4の外側および筐体内の二方向に延びる分岐配管を含み、測定部6-1、6-2から排出されるバラスト水の出口配管を形成する。筐体内の二方向に延びる配管の一つは、測定部6-1の排水管24-1に接続し、筐体内の二方向に延びる配管の他の一つは、測定部6-2の排水管24-2に接続する。排水部8は、測定部6-1、6-2から排出されるバラスト水を合流させ、まとめて筐体4の外部に排出する。排水部8は、バラスト水に含まれる酸化剤に対して耐腐食性を有する配管であればよく、たとえばフッ素樹脂配管、塩化ビニル配管などの樹脂配管、またはステンレス配管、腐食防止処理がされた金属配管であればよい。
 測定部6-1および測定部6-2は、たとえば排水部8を通る延長線に対して左右対称に配置されている。測定部6-1および測定部6-2を左右対称に配置することにより、測定部6-1、6-2の配置を別々に把握する必要がなく、測定装置2の取扱い負担が軽減される。
 切替部10は、接続配管32および、切替弁34-1、34-2、34-3、34-4、34-5を備える。接続配管32は、測定部6-1の給水管22-1および測定部6-2の給水管22-2に接続し、給水管22-1および給水管22-2を連通させる。切替弁34-1は、接続配管32および給水管22-1の第1接続部よりも下流の給水管22-1に設置され、切替弁34-2は、この第1接続部よりも上流の給水管22-1に設置される。切替弁34-3は、接続配管32および給水管22-2の第2接続部よりも下流の給水管22-2に設置され、切替弁34-4は、この第2接続部よりも上流の給水管22-2に設置される。切替弁34-5は、接続配管32に設置される。切替弁34-1、34-2、34-3、34-4、34-5は、開閉によりバラスト水を通過させ、またはバラスト水を遮断する。切替部10は、給水管22-1に供給されたバラスト水BW1および給水管22-2に供給されたバラスト水BW2の供給先を測定部6-1の高濃度計測器20-1または測定部6-2の低濃度計測器20-2に切替える。たとえば、切替弁34-1、34-4、34-5を開け、切替弁34-2、34-3を閉じたとき、切替部10は、給水管22-2に供給されたバラスト水BW2を測定部6-1に供給する。切替弁34-1、34-2、34-3、34-4を開け、切替弁34-5を閉じたとき、切替部10は、給水管22-1に供給されたバラスト水BW1を測定部6-1に供給するとともに、給水管22-2に供給されたバラスト水BW2を測定部6-2に供給する。切替部10の切替えにより、バラスト水の酸化剤の濃度に応じてバラスト水の供給先を変更することができる。
 表示入力部12は、制御部14の出力に基づき情報を表示するとともに、操作を受けて測定装置2に対する指示情報を生成する。表示入力部12は、たとえば液晶ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイまたは有機ELディスプレイ等のディスプレイを含む。表示入力部12は、制御部14の出力を受けて、たとえばバラスト水BW1、BW2の水質情報、測定装置2の稼働情報、および警報情報などの測定装置情報を表示する。さらに、表示入力部12は、たとえばタッチパネルを含み、操作により測定装置2の設定情報、表示の切替え情報などの指示情報を生成する。
 制御部14は、水質測定機能、測定結果の出力機能および外部機器との通信機能を備えるコンピュータの一例である。図2は、制御部14のハードウェア構成の一例を示している。制御部14は、プロセッサ40と、メモリ部42と、I/O(Input-Output)44とを備える。
 プロセッサ40は、情報を処理する情報処理部の一例であり、たとえば中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。プロセッサ40は、メモリ部42に記憶されているOS(Operating System)および水質測定プログラムを実行し、各種の情報処理を行う。また、プロセッサ40が実行する情報処理は、流量調整部26-1、26-2の流量調整指示、切替弁34-1、34-2、34-3、34-4、34-5の開閉指示、高濃度計測器20-1および低濃度計測器20-2(以下、高濃度計測器20-1および低濃度計測器20-2をまとめて「計測器20-1、20-2」という)の稼働または停止指示、計測器20-1、20-2で得られた測定データの処理、測定装置情報の出力、表示入力部12で生成された指示情報の処理、I/O44での入出力制御を含む。
 メモリ部42は、プロセッサ40が実行するOSおよび水質測定プログラム等のプログラムを記憶する。メモリ部42はプロセッサ40の制御により各種情報の記憶または読出しが行われる。メモリ部42にはROM(Read-Only Memory)、RAM(Random-Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、NAND型フラッシュメモリ、NOR型フラッシュメモリなどの記憶素子の一つまたは複数が備えられる。この記憶素子にはハードディスク装置や半導体記憶装置を用いてもよい。
 I/O44は、計測器20-1、20-2、流量調整部26-1、26-2、切替弁34-1、34-2、34-3、34-4、34-5、表示入力部12およびバラスト水処理設備などの接続機器に有線または無線で接続する。I/O44は、プロセッサ40と接続機器とのデータの送受に用いられる。
〔水質測定結果の表示〕
 次に、バラスト水BW1、BW2の水質測定結果の表示について、図3を参照する。図3は、水質測定結果の表示の一例を示している。この表示画面46は、制御部14が出力する表示指示に基づき表示入力部12が表示する。
 この表示画面46は、表示領域48と、操作領域49とを含む。表示領域48には、操作領域49の操作により選択された選択項目の情報が表示される。たとえば、選択項目「水質表示」が選択されると、たとえば第1の表示領域48-1および第2の表示領域48-2を含む表示領域48が表示される。第1の表示領域48-1には、測定部6-1で測定したバラスト水の水質情報が表示される。第2の表示領域48-2には、測定部6-2で測定したバラスト水の水質情報が表示される。第1の表示領域48-1には、たとえば表示項目「バラスト水水質(高濃度)」とともに、バラスト水の水質、たとえばTRO濃度が表示される。第2の表示領域48-2には、たとえば表示項目「バラスト水水質(低濃度)」とともに、バラスト水の水質、たとえばTRO濃度が表示される。
 操作領域49には、表示領域48に表示させる選択項目の操作ボタンが表示される。操作ボタンには、たとえば選択項目「水質表示」を表示させる選択ボタン49-1、選択項目「水質推移」を表示させる選択ボタン49-2、選択項目「警報」を表示させる選択ボタン49-3、および選択項目「設定」を表示させる選択ボタン49-4を含む。図3では、表示領域48に水質情報を表示する例を示したが、選択項目「水質推移」が選択されたときは、表示領域48に測定したバラスト水の水質の推移を表示すればよく、選択項目「警報」が選択されたときは、表示領域48にたとえば発生中の警報および警報履歴などの警報情報を表示すればよく、選択項目「設定」が選択されたときは、表示領域48に測定装置2の設定項目を表示すればよい。
〔バラスト水BW1、BW2の水質測定の処理手順〕
 次に、バラスト水BW1、BW2の水質測定の処理手順について、図4を参照する。図4は、水質測定の処理手順の一例を示すフローチャートである。この水質測定の処理手順は本発明のバラスト水測定方法の一例であって、制御部14により処理される。図4において、ステップSは処理段階を示す。
 制御部14は、酸化剤の添加処理かを判断する(ステップS11)。船舶にバラスト水を積み込むバラスト水給水処理時には、制御部14は、たとえば船舶に設置されたバラスト水処理設備からバラスト水給水処理を表すバラスト水処理情報を取得し、酸化剤添加処理であると判断すればよい。また、船舶からバラスト水を排出するバラスト水排水処理時には、制御部14は、たとえばバラスト水処理設備からバラスト水排水処理を表すバラスト水処理情報を取得し、中和処理であると判断すればよい。酸化剤の添加処理であれば(ステップS11のYES)、制御部14は、切替弁34-1、34-4、34-5を開け、切替弁34-2、34-3を閉める(ステップS12)。その後、制御部14は、第1の水質測定処理(ステップS13~ステップS15)を行う。第1の水質測定処理は、酸化剤添加処理における水質測定処理の一例であり、この第1の水質測定処理では、制御部14は、流量調整部26-1を動作させて一定量のバラスト水BW2、つまり酸化剤添加後のバラスト水を高濃度計測器20-1に供給する(ステップS13)。制御部14は、バラスト水BW2の水質を高濃度計測器20-1に測定させ、バラスト水BW2の測定結果を高濃度計測器20-1から取得する(ステップS14)。測定後のバラスト水BW2は、排水部8から排出される。また、制御部14は、取得した測定結果をたとえば、表示入力部12およびバラスト水処理設備に出力する(ステップS15)。制御部14は、酸化剤の添加処理の終了かを判断し(ステップS16)、酸化剤の添加処理の終了でない場合(ステップS16のNO)、ステップS13に戻り、第1の水質測定処理(ステップS13~ステップS15)およびステップS16を繰り返す。制御部14は、酸化剤の添加処理の終了を、バラスト水給水処理を表すバラスト水処理情報の途絶によりまたはバラスト水処理設備からのバラスト水給水処理の終了を表すバラスト水処理情報の取得により判断すればよい。酸化剤の添加処理でなければ(ステップS11のNO)、ステップS12からステップS16を省略する。
 酸化剤の添加処理でなければ(ステップS11のNO)、または酸化剤添加処理の終了であれば(ステップS16のYES)、制御部14は、中和処理かを判断する(ステップS17)。中和処理であれば(ステップS17のYES)、制御部14は、切替弁34-1、34-2、34-3、34-4を開け、切替弁34-5を閉める(ステップS18)。その後、制御部14は、第2の水質測定処理(ステップS19~ステップS21)を行う。第2の水質測定処理は、中和処理における水質測定処理の一例であり、この第2の水質測定処理では、制御部14は、流量調整部26-1、26-2を動作させて一定量のバラスト水BW1、つまり酸化剤添加後(中和剤添加前)のバラスト水を高濃度計測器20-1に供給し、一定量のバラスト水BW2、つまり酸化剤中和後のバラスト水を低濃度計測器20-2に供給する(ステップS19)。制御部14は、バラスト水BW1の水質を高濃度計測器20-1に測定させ、バラスト水BW1の測定結果を高濃度計測器20-1から取得し、バラスト水BW2の水質を低濃度計測器20-2に測定させ、バラスト水BW2の測定結果を低濃度計測器20-2から取得する(ステップS20)。測定後のバラスト水BW1、BW2は、排水部8から排出される。また、制御部14は取得した測定結果をたとえば、表示入力部12およびバラスト水処理設備に出力する(ステップS21)。制御部14は、中和処理の終了かを判断し(ステップS22)、中和処理の終了でない場合(ステップS22のNO)、ステップS19に戻り、第2の水質測定処理(ステップS19~ステップS21)およびステップS22を繰り返す。制御部14は、酸化剤中和処理の終了を、バラスト水排水処理を表すバラスト水処理情報の途絶によりまたはバラスト水処理設備からのバラスト水排水処理の終了を表すバラスト水処理情報の取得により判断すればよい。中和処理でなければ(ステップS17のNO)、ステップS18からステップS22を省略する。
 中和処理でなければ(ステップS17のNO)、または中和処理の終了であれば(ステップS22のYES)、制御部14は、ステップS11に戻り、この処理手順を繰り返し、連続的または断続的にバラスト水BW1、BW2の水質を測定することができる。また、測定部6-1、6-2は、個別に処理されるので、制御部14は、バラスト水給水処理またはバラスト水排水処理の処理前後の水質測定を処理できるだけでなく、処理前後のいずれかの水質測定を処理することもできる。
〔第1の実施の形態の効果〕
 (1)  酸化剤の濃度が異なるバラスト水を、各バラスト水の測定に適する測定部で測定することができ、バラスト水の水質測定精度を高めることができる。
 (2)  信頼性の高い水質測定結果を得ることができる。たとえば船舶外に排出されるバラスト水の酸化剤の濃度を、高い信頼性のもとで把握することができる。船舶外に排出されるバラスト水の酸化剤の濃度が高い場合には、酸化剤の濃度を低下させる処理により、酸化剤の排出量を抑制することができ、酸化剤による海洋汚染を抑制することができる。
 (3)  測定装置2が切替部10を備えるので、バラスト水の水質に無関係に、各給水管22-1、22-2にバラスト水を供給することができる。したがって、酸化剤添加後または中和剤添加前のバラスト水を高濃度計測器20-1に供給し、酸化剤中和後のバラスト水または酸化剤添加前のバラスト水を低濃度計測器20-2に供給するため、バラスト水給水処理およびバラスト水排水処理において、水処理ライン112内のバラスト水の流れる方向を異ならせる必要がない。バラスト水処理設備の水処理ライン112と測定装置2との接続の自由度を高めることができる。
 (4)   測定装置2が流量調整部26-1、26-2を備えるので、一定量のバラスト水を計測器20-1、20-2に供給することができ、計測器20-1、20-2での水質測定の安定性を高めることができる。
 (5)  二箇所のバラスト水の水質を一台の測定装置2で個別に測定することができる。バラスト水排水処理時には、たとえば中和剤注入前後のバラスト水の水質を一台の測定装置で測定することができる。つまり、船舶においてバラスト水処理設備とともに設置されるバラスト水の水質測定装置の設置数を抑制することができる。
 バラスト水処理設備が中和剤注入前のバラスト水の酸化剤の濃度情報を取得すれば、バラスト水処理設備はこの濃度情報に応じて中和剤の注入量を調整することができる。バラスト水処理設備が中和剤注入後のバラスト水の酸化剤の濃度情報を取得すれば、排水前のバラスト水の酸化剤の濃度を把握もしくは記録することができる。
 (6)   排水部8、表示入力部12および制御部14が二つの測定部6-1、6-2で共用されるので、これらの部材の設置に必要な領域が小さくなる。したがって、測定装置2の設置領域を小さくすることができ、測定装置2の操作または保守のために必要な作業領域を小さくすることができる。
 (7)  二箇所のバラスト水の水質を一台の測定装置で測定するので、バラスト水処理設備と測定装置2との間の連係負担が軽減される。つまり、バラスト水の取水処理または排水処理において二箇所のバラスト水の水質を測定する場合には、バラスト水処理設備を複数の測定装置と連係させる必要がなく、連係が容易である。
 (8)  測定装置2の数がバラスト水の水質測定箇所数よりも少なく、測定装置2の設備管理負担が軽減される。
 (9)  二箇所のバラスト水の水質を一つの測定装置2の表示入力部12に並べて表示できる。バラスト水処理設備の管理者は、たとえば酸化剤や中和剤などの薬剤によるバラスト水処理前後の水質を一画面に並べて比較することができ、バラスト水の水質把握を効率的に行うことができる。
〔変形例〕
 (1)  上記実施の形態では、切替部10は、接続配管32および切替弁34-1、34-2、34-3、34-4、34-5を備え、バラスト水BW1、BW2の供給先を測定部6-1の高濃度計測器20-1または測定部6-2の低濃度計測器20-2に切替えている。しかしながら、切替部10は、たとえばバラスト水BW2の供給先を高濃度計測器20-1または低濃度計測器20-2に切替えればよく、上記実施の形態に限定されるものではない。切替部10は、図5に示すように、既述の接続配管32および切替弁34-2、34-3、34-5を備えていてもよい。図5に示す切替部10では、切替弁34-5を開け、切替弁34-2、34-3を閉じたとき、切替部10は、バラスト水BW2を測定部6-1に供給することができ、切替弁34-2、34-3を開け、切替弁34-5を閉じたとき、切替部10は、バラスト水BW1を測定部6-1に供給するとともに、バラスト水BW2を測定部6-2に供給することができる。つまり、中和前の酸化剤を含むバラスト水は高濃度計測器20-1に供給し、中和後のバラスト水は低濃度計測器20-2に供給することができる。なお、図5に示す切替部10では、接続配管32が、給水管22-1に代えて、流量調整部26-1または高濃度計測器20-1に直接接続されていてもよい。
 切替弁34-1、34-2、34-3、34-4、34-5に代えて、接続配管32と給水管22-1、22-2との第1接続部および第2接続部に三方弁を備えるようにしても、バラスト水の供給先を切替えることができる。
 (2)  切替部10は、図6に示すように、既述の接続配管32および切替弁34-2、34-3、34-5の他に、接続配管33および切替弁34-6を備えてもよい。接続配管33は、切替弁34-2の設置位置よりも上流の給水管22-1と、切替弁34-3の設置位置よりも下流の給水管22-2に接続している。切替弁34-6は、接続配管33に設置される。つまり、切替弁34-2は、接続配管32および給水管22-1の接続部と接続配管33および給水管22-1の接続部の間に配置し、切替弁34-3は、接続配管32および給水管22-2の接続部と接続配管33および給水管22-2の接続部の間に配置する。図6に示す切替部10では、切替弁34-5を開け、切替弁34-2、34-3、34-6を閉じたとき、切替部10は、バラスト水BW2を測定部6-1に供給することができ、切替弁34-2、34-3を開け、切替弁34-5、34-6を閉じたとき、切替部10は、バラスト水BW1を測定部6-1に供給するとともに、バラスト水BW2を測定部6-2に供給することができる。つまり、中和前の酸化剤を含むバラスト水は高濃度計測器20-1に供給し、中和後のバラスト水は低濃度計測器20-2に供給することができる。更に、図6に示す切替部10では、切替弁34-5、34-6を開け、切替弁34-2、34-3を閉じたとき、切替部10は、バラスト水BW2を測定部6-1に供給するとともに、バラスト水BW1を測定部6-2に供給することができる。図6に示す切替部10では、切替えの自由度が高められる。なお、図6に示す切替部10では、接続配管32が、給水管22-1に代えて、流量調整部26-1または高濃度計測器20-1に直接接続されていてもよく、接続配管33が、給水管22-2に代えて、流量調整部26-2または低濃度計測器20-2に直接接続されていてもよい。
 (3)  上記実施の形態では、酸化剤添加後のバラスト水の水質を測定部6-1で測定するため、切替部10を使用したが、切替部10は、様々な用途に用いることができる。たとえば、バラスト水給水処理において、切替部10は、酸化剤添加前のバラスト水を測定部6-1、6-2に供給することとし、この酸化剤添加前のバラスト水を用いて、高濃度計測器20-1および低濃度計測器20-2の校正処理、たとえば0点補正処理を行うようにしてもよい。計測器20-1、20-2の校正処理は、たとえば酸化剤添加処理の開始前に実施すればよく、この校正処理により、測定結果の信頼性を確保することができる。この校正処理は、バラスト水への酸化剤の添加を始める前に、バラスト水BW2を計測器20-1、20-2に供給して行うようにしてもよい。
 (4)  上記実施の形態では、流量調整部26-1、26-2が開閉弁28-1、28-2および定流量弁30-1、30-2を備えている。流量調整部26-1、26-2は、一定量のバラスト水を計測器20-1、20-2に供給することができればよい。たとえば、流量調整部26-1、26-2が定量ポンプを含み、この定量ポンプで一定量のバラスト水を計測器20-1、20-2に供給してもよい。
 (5)  図7に示すように、測定装置2は、希釈水供給部50を備えてもよい。希釈水供給部50は、希釈水配管52および第3の流量調整部26-3(以下、「流量調整部26-3」という)を備える。希釈水配管52は、希釈水を搬送する手段の一例であり、筐体4の外側から延び、流量調整部26-3の設置位置より下流の給水管22-1に接続する。希釈水配管52は、水との接触による材料変化を生じさせない配管であればよく、たとえばフッ素樹脂配管、塩化ビニル配管などの樹脂配管、またはステンレス配管、腐食防止処理がされた金属配管などである。流量調整部26-3は、希釈水配管52に設置される。流量調整部26-3は、開閉弁28-3(たとえば電磁弁)および定流量弁30-3を備え、一定量の希釈水を供給し、または希釈水の供給を停止する。つまり、流量調整部26-3は、給水管22-1に供給する希釈水の流量を調整する。希釈水供給部50は、流量調整部26-1により流量調整されたバラスト水に対して一定流量の希釈水を供給し、一定の割合でバラスト水を希釈する。バラスト水給水処理において一時的に酸化剤の濃度が高くなる場合に、希釈したバラスト水の測定により、高濃度計測器20-1の濃度測定範囲外での水質測定が抑制できる。たとえば、濃度が20〔mg/L〕であるバラスト水に4倍の希釈水を供給すれば、濃度測定範囲が0.5~4.0〔mg/L〕である高濃度計測器20-1でバラスト水の濃度を測定することができる。なお、希釈したバラスト水の水質を測定した場合、希釈前のバラスト水の酸化剤の濃度は、希釈割合を考慮して、制御部14の計算処理により求めることができる。
 希釈水供給部50の希釈水配管52は、図8に示すように、分岐配管54を含んでいてもよい。この分岐配管54は、流量調整部26-2の設置位置より下流の給水管22-2に接続する。この分岐配管54には、流量調整部26-3と同様の第4の流量調整部26-4(以下、「流量調整部26-4」という)が設置される。図8に示す希釈水供給部50は、流量調整部26-2により流量調整されたバラスト水に対して一定流量の希釈水を供給し、一定の割合でバラスト水を希釈する。希釈水供給部50を備え、低濃度計測器20-2に供給されるバラスト水を希釈することができる。したがって、たとえば酸化剤添加後のバラスト水を希釈水で希釈して低濃度計測器20-2で測定することができ、高濃度計測器20-1を一時的に休止させるなど、測定装置2の運用の自由度を高めることができる。
 希釈水供給部50は、高濃度計測器20-1または低濃度計測器20-2をフラッシング(流水式洗浄)するためのフラッシング水の供給に用いるようにしてもよい。希釈水供給部50をフラッシング水の供給に用いることにより、フラッシング専用ラインを省略することができ、装置の複雑化および大型化が抑制される。
 (6)  図9に示すように、給水管22-1、22-2にバラスト水の圧力を調整する圧力調整部56-1、56-2を備えてもよい。この圧力調整部56-1、56-2は、たとえば圧力調整弁であればよい。給水管22-1に設置する圧力調整部56-1は、給水管22-1内のバラスト水の圧力を調整し、給水管22-2に設置する圧力調整部56-2は、給水管22-2内のバラスト水の圧力を調整する。圧力調整部56-1、56-2が給水管22-1、22-2内のバラスト水の圧力変動を抑制し、バラスト水の圧力変動による水質測定への影響を抑制することができる。図9に示す圧力調整部56-1、56-2は、切替部10よりも下流側の給水管22-1、22-2に設置されているが、圧力調整部56-1、56-2は、切替部10よりも上流側の給水管22-1、22-2に設置されてもよい。
 また、排水管24-1、24-2に排水の逆流を防止する逆流防止部58-1、58-2を備えてもよい。この逆流防止部58-1、58-2は、たとえば逆流防止弁、または制御部14の制御信号により開閉する開閉弁であればよい。排水管24-1に設置する逆流防止部58-1は、測定部6-2の排水が測定部6-1に流れ込むのを防止し、排水管24-2に設置する逆流防止部58-2は、測定部6-1の排水が測定部6-2に流れ込むのを防止する。測定部6-1および測定部6-2の何れかが稼働している場合に、非稼働である測定部6-1または測定部6-2に排水の圧力が付加されることが抑制されるとともに、排水により測定部6-1または測定部6-2が汚染されることが抑制される。
 (7)  上記実施の形態では、表示機能および入力機能を有する表示入力部12を備えているが、表示部と入力部を別々に備えるようにしてもよい。また、測定装置2に接続した外部の表示装置に測定装置情報を表示するようにしてもよい。測定装置2に接続した外部の入力装置で生成した指示情報を受けるようにしてもよい。
 (8)  上記実施の形態では、測定装置2が二つの測定部6-1、6-2を備えているが、三つ以上の測定部を備えていてもよい。測定部の数が三つ以上であっても、制御部14により制御することができる。
 (9)  上記実施の形態では、表示画面46にバラスト水BW1の水質情報とバラスト水BW2の水質情報を並べて表示したが、このような表示方法に限定されない。たとえば、バラスト水BW1の水質情報とバラスト水BW2の水質情報を別画面に表示するようにすれば、多くのバラスト水BW1、BW2の水質情報を表示することができる。また、一つの表示画面に水質表示、水質推移および警報に係る情報を表示すれば、表示を切り替える負担が軽減される。
 (10) 上記実施の形態では、測定装置2が排水部8を備えているが、測定部6-1、6-2の排水を個別に測定装置2から排出するようにしてもよい。
 (11) 制御部14は、バラスト水の水質測定結果に応じて酸化剤または中和剤の添加量の調整指示をバラスト水処理設備の酸化剤供給部106(図14)または中和剤供給部108(図14)に出力するようにしてもよい。たとえば、バラスト水給水処理時に、制御部14は、測定部6-1から取得した酸化剤添加後のバラスト水の酸化剤の濃度情報に応じて、バラスト水処理設備の酸化剤注入ポンプまたは酸化剤の注入制御弁に制御信号を出力するようにしてもよい。またたとえば、バラスト水排水処理時に、制御部14は、測定部6-1から取得した中和前のバラスト水、つまり酸化剤添加後のバラスト水の酸化剤の濃度情報に応じて、バラスト水処理設備の中和剤注入ポンプまたは中和剤の注入制御弁に制御信号を出力するようにしてもよい。またたとえば、バラスト水排水処理時に、制御部14は、測定部6-2から取得した中和後のバラスト水の酸化剤の濃度情報に応じて、バラスト水処理設備の中和剤注入ポンプまたは中和剤の注入制御弁に制御信号を出力するようにしてもよい。測定装置2の制御部14が直接ポンプまたは制御弁を制御することにより、これらのポンプまたは制御弁の指示経路が簡単化される。
 (12) 制御部14は、バラスト水の水質測定結果に基づき、酸化剤または中和剤の添加過剰または添加不足を判断し、たとえば警報情報またはバラスト水処理設備の停止(シャットダウン)信号を出力するようにしてもよい。たとえば、バラスト水給水処理において、バラスト水の酸化剤の濃度が設定回数q回、たとえば3から5回連続して設定値P〔mg/L〕を超えた時に、制御部14が警報情報およびバラスト水処理設備の停止(シャットダウン)信号を出力してバラスト水処理設備を停止させるようにしてもよい。この警報情報出力または設備の停止処理により、酸化剤の過剰添加が抑制され、酸化剤の使用量を適正量に抑制することができる。またたとえば、バラスト水排水処理において、制御部14は、中和後のバラスト水の酸化剤の濃度が設定回数n回、たとえば3から5回連続して設定値K〔mg/L〕を超えた時に、制御部14が警報情報およびバラスト水処理設備の停止信号を出力して、バラスト水処理設備を停止させるようにしてもよい。この警報情報出力または設備の停止処理により、中和不足のバラスト水が海洋に排水されることが抑制され、海洋への酸化剤排出量を抑制することができる。さらに、酸化剤の添加不足の判断は省略してもよい。酸化剤の添加不足はバラストタンクに酸化剤を添加することで調整すればよい。なお1回の測定サイクルは任意に設定できるが、酸化剤または中和剤濃度の適正制御を考慮すると1分前後~2分が好ましい。
 設定回数qおよび設定値Pは、酸化剤の過剰添加が抑制されるように設定されればよく、設定回数nおよび設定値Kは、酸化剤排出量が抑制されるように設定されればよく、特定の回数または値に限定されるものではない。たとえば、設定回数n回を設定回数m回、たとえば2から3回に減らす一方、設定値Kはたとえば2倍、つまり設定値2Kにしてもよい。これらの設定回数q、n、mおよび設定値P、K、2Kは、たとえば制御部14のメモリ部42に設定すればよい。
 (13) 制御部14は、バラスト水の水質測定結果、上記変形例で既述した警報情報、またはバラスト水処理設備の停止信号の出力に伴うバラスト水処理設備の停止情報の一または二以上を、船舶側の管理装置に直接出力するようにしてもよい。また、制御部14は、バラスト水の水質測定結果、または上記変形例で既述した警報情報またはバラスト水処理設備の停止情報の一または二以上を、たとえば陸上に設置した船舶管理センタの管理装置に通信回線を通じて出力するようにしてもよい。船舶側の管理装置または陸上の管理装置がバラスト水処理設備の警報状態または停止状態を把握することができ、警報状態または停止状態への対処の促進を図ることができる。また、制御部14が警報または停止情報を直接出力するので、バラスト水処理設備側の制御部の負荷を軽減することができる。

第2の実施の形態
 第2の実施の形態について、図10を参照して説明する。図10は第2の実施の形態に係るバラスト水測定装置の一例を示している。図10において図1、図7および図9と同一部分には同一符号を付してある。図10において、計測器、流量調整部などの装置と制御部に付した細い矢印は、制御部と各装置との接続を表し、給水管の入口、排水部の出口、希釈水配管の入口および水処理ラインに付した太い矢印は、バラスト水、排水、希釈水、酸化剤または中和剤の流れる方向を示している。
 バラスト水測定装置62(以下、「測定装置62」という)は、複数種類のバラスト水の水質、たとえば既述の酸化剤の濃度を測定する測定装置の一例である。測定装置62は、第1の実施の形態で既述した筐体4と、排水部8と、切替部10と、表示入力部12と、制御部14と、希釈水供給部50とを備える。また、測定装置62は、第1の測定部64-1(以下「測定部64-1」という)と、第2の測定部64-2(以下「測定部64-2」という)と、試薬供給部66と、緩衝溶液供給部68と、洗浄液供給部70とを備える。
 筐体4は、測定部64-1、64-2、排水部8、切替部10、表示入力部12、制御部14、希釈水供給部50、試薬供給部66、緩衝溶液供給部68および洗浄液供給部70を収容し、これらの部材を筐体内に集約させている。この筐体4は、たとえば金属筐体であって、測定装置62に剛性を与えている。
 測定部64-1は、高濃度計測器20-1と、給水管22-1と、排水管24-1と、流量調整部26-1と、圧力調整部56-1とを備える。高濃度計測器20-1、給水管22-1、排水管24-1、流量調整部26-1および圧力調整部56-1は、第1の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。測定部64-1は、さらに第1のストレーナ72-1(以下、「ストレーナ72-1」という)と、第1の圧力計74-1(以下、「圧力計74-1」という)と、第1のバイパス路76-1(以下「バイパス路76-1」という)とを備える。
 ストレーナ72-1は、給水管22-1に設置され、測定部64-1に供給されたバラスト水の浮遊物をろ過するろ過器として機能する。
 圧力計74-1は、給水管22-1に設置される。圧力計74-1は、流量調整部26-1より上流に配置され、測定部64-1に供給されたバラスト水の入口圧力を検出する。
 バイパス路76-1は、給水管22-1および排水管24-1に接続し、測定部64-1の迂回路を形成している。このバイパス路76-1はバイパス弁78-1を備え、バイパス弁78-1の開状態により測定部64-1に供給されたバラスト水を迂回させ、閉状態によりバラスト水の迂回を妨げる。
 測定部64-2は、低濃度計測器20-2と、給水管22-2と、排水管24-2と、流量調整部26-2と、圧力調整部56-2とを備える。低濃度計測器20-2、給水管22-2、排水管24-2、流量調整部26-2および圧力調整部56-2は、第1の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。測定部64-2は、さらに第2のストレーナ72-2(以下、「ストレーナ72-2」という)と、第2の圧力計74-2(以下、「圧力計74-2」という)と、第2のバイパス路76-2(以下「バイパス路76-2」という)とを備える。
 ストレーナ72-2は、給水管22-2に設置され、測定部64-2に供給されたバラスト水中の浮遊物をろ過するろ過器として機能する。
 圧力計74-2は、給水管22-2に設置される。圧力計74-2は、流量調整部26-2より上流に配置され、測定部64-2に供給されたバラスト水の入口圧力を検出する。
 バイパス路76-2は、給水管22-2および排水管24-2に接続し、測定部64-2の迂回路を形成している。このバイパス路76-2はバイパス弁78-2を備え、バイパス弁78-2の開状態により測定部64-2に供給されたバラスト水を迂回させ、閉状態によりバラスト水の迂回を妨げる。
 測定部64-1および測定部64-2は、たとえば排水部8を通る延長線に対して左右対称に配置されている。測定部64-1および測定部64-2を左右対称に配置することにより、測定部64-1、64-2の配置を別々に把握する必要がなく、測定装置62の取扱い負担が軽減される。
 試薬供給部66は、試薬容器80と、試薬配管82と、第1の試薬供給ポンプ84-1(以下、「試薬供給ポンプ84-1」という)と、第2の試薬供給ポンプ84-2(以下、「試薬供給ポンプ84-2」という)とを備える。試薬容器80は、試薬を貯蔵する試薬貯蔵部の一例である。試薬容器80は、試薬配管82を介してたとえば測定部64-1の高濃度計測器20-1、および測定部64-2の低濃度計測器20-2に接続する。試薬配管82は、試薬を搬送する手段の一例であり、この試薬配管82では、試薬容器80に接続された配管が分岐されて、二つの分岐配管が形成されている。分岐配管の一つは、高濃度計測器20-1に接続し、他の分岐配管は低濃度計測器20-2に接続する。この試薬配管82は、試薬に対して耐薬品性を有する配管であればよく、たとえばフッ素樹脂配管、塩化ビニル配管などの樹脂配管、またはステンレス配管、腐食防止処理がされた金属配管などである。
 高濃度計測器20-1に接続した分岐配管には、試薬供給ポンプ84-1が設置される。試薬供給ポンプ84-1は、駆動により試薬容器80内の試薬を高濃度計測器20-1に供給する。低濃度計測器20-2に接続した分岐配管には、試薬供給ポンプ84-2が設置される。試薬供給ポンプ84-2は、駆動により試薬容器80内の試薬を低濃度計測器20-2に供給する。試薬供給ポンプ84-1、84-2は、たとえば定量ポンプであって、流量調整部26-1、26-2による一定量のバラスト水の供給または流量調整部26-3による一定量の希釈水の供給に対して一定量の試薬を供給する。
 試薬は、たとえばTROと反応して呈色すればよく、たとえば既述のDPD試薬を用いることができる。
 緩衝溶液供給部68は、緩衝溶液容器86と、緩衝溶液配管88と、第1の緩衝溶液供給ポンプ90-1(以下、「緩衝溶液供給ポンプ90-1」という)と、第2の緩衝溶液供給ポンプ90-2(以下、「緩衝溶液供給ポンプ90-2」という)とを備える。緩衝溶液容器86は、緩衝溶液を貯蔵する緩衝溶液貯蔵部の一例である。緩衝溶液容器86は、緩衝溶液配管88を介してたとえば測定部64-1の高濃度計測器20-1、および測定部64-2の低濃度計測器20-2に接続する。緩衝溶液配管88は、緩衝溶液を搬送する手段の一例であり、この緩衝溶液配管88では、緩衝溶液容器86に接続された配管が分岐されて、二つの分岐配管が形成されている。分岐配管の一つは、高濃度計測器20-1に接続し、他の分岐配管は低濃度計測器20-2に接続する。この緩衝溶液配管88は、緩衝溶液に対して耐薬品性を有する配管であればよく、たとえばフッ素樹脂配管、塩化ビニル配管などの樹脂配管、またはステンレス配管、腐食防止処理がされた金属配管などである。
 高濃度計測器20-1に接続した分岐配管には、緩衝溶液供給ポンプ90-1が設置される。緩衝溶液供給ポンプ90-1は、駆動により緩衝溶液容器86内の緩衝溶液を高濃度計測器20-1に供給する。低濃度計測器20-2に接続した分岐配管には、緩衝溶液供給ポンプ90-2が設置される。緩衝溶液供給ポンプ90-2は、駆動により緩衝溶液容器86内の緩衝溶液を低濃度計測器20-2に供給する。緩衝溶液供給ポンプ90-1、90-2は、たとえば定量ポンプであって、流量調整部26-1、26-2による一定量のバラスト水の供給または流量調整部26-3による一定量の希釈水の供給に対して一定量の緩衝溶液を供給する。
 緩衝溶液は、計測器20-1、20-2で測定されるバラスト水BW1、BW2の水素イオン濃度を調整するための溶液であればよく、たとえばりん酸塩緩衝液である。
 洗浄液供給部70は、洗浄液容器92と、洗浄液配管94と、第1の洗浄液供給ポンプ96-1(以下、「洗浄液供給ポンプ96-1」という)と、第2の洗浄液供給ポンプ96-2(以下、「洗浄液供給ポンプ96-2」という)とを備え、高濃度計測器20-1および低濃度計測器20-2を洗浄する。洗浄液容器92は、洗浄液を貯蔵する洗浄液貯蔵部の一例である。洗浄液容器92は、洗浄液配管94を介して給水管22-1、22-2に接続する。洗浄液配管94は、洗浄液を搬送する手段の一例であり、この洗浄液配管94では、洗浄液容器92に接続された配管が分岐されて、二つの分岐配管が形成されている。分岐配管の一つは、給水管22-1に接続し、他の分岐配管は給水管22-2に接続する。洗浄液配管94は、水との接触による材料変化を生じさせない配管であればよく、たとえばフッ素樹脂配管、塩化ビニル配管などの樹脂配管、またはステンレス配管、腐食防止処理がされた金属配管などである。
 給水管22-1に接続した分岐配管には、洗浄液供給ポンプ96-1が設置される。洗浄液供給ポンプ96-1は、駆動により洗浄液容器92内の洗浄液を給水管22-1に供給する。給水管22-2に接続した分岐配管には、洗浄液供給ポンプ96-2が設置される。洗浄液供給ポンプ96-2は、駆動により洗浄液容器92内の洗浄液を給水管22-2に供給する。
 制御部14は、第1の実施の形態で既述した構成を有し、その説明を省略する。制御部14のプロセッサ40は、第1の実施の形態で既述した情報処理を行うほか、各ポンプの駆動指示、バイパス弁78-1、78-2の開閉指示、圧力計74-1、74-2で得られた圧力情報の取得、圧力情報に基づく処理、たとえばバラスト水の水質測定判断などの情報処理を行う。制御部14のI/O44は、第1の実施の形態で既述した接続機器に有線または無線で接続するほか、各ポンプ、バイパス弁78-1、78-2および圧力計74-1、74-2などの接続機器に有線または無線で接続する。その他の制御部14の構成は、第1の実施の形態の制御部14と同様であるので、その説明を省略する。
 この実施の形態では、希釈水供給部50を備えるので、希釈水の供給により測定部64-1に供給されるバラスト水を希釈することができる。希釈水の供給量は、希釈後のバラスト水の酸化剤の濃度が、高濃度計測器20-1の良好な測定範囲(たとえば塩素換算で0.5から4.0[mg/L])になるように制御部14により調整すればよい。バラスト水を希釈する場合には、制御部14は、バラスト水および希釈水の供給量を考慮してバラスト水の酸化剤の濃度を計算すればよい。酸化剤の濃度が高濃度計測器20-1の良好な測定範囲内となるようにバラスト水を希釈することで、酸化剤の濃度の測定精度を高めることができる。
〔バラスト水BW1、BW2の水質測定〕
 次に、バラスト水BW1、BW2の水質測定について、図11を参照する。図11は、高濃度計測器20-1およびこの高濃度計測器20-1に接続する各配管を示している。図11における矢印は、バラスト水、排水、試薬または緩衝溶液の流れを示している。この図11では、希釈水供給部50を省略している。
 バラスト水は、給水管22-1および流量調整部26-1を介して高濃度計測器20-1に供給される。試薬は、試薬配管82および試薬供給ポンプ84-1を介して高濃度計測器20-1に供給される。緩衝溶液は、緩衝溶液配管88および緩衝溶液供給ポンプ90-1を介して高濃度計測器20-1に供給される。高濃度計測器20-1に供給されたバラスト水、試薬および緩衝溶液は、たとえば攪拌子およびスターラを含む攪拌装置により高濃度計測器20-1内で混合される。これらの混合により、試薬をバラスト水のTROと反応させて桃色から桃紅色に呈色させる。緩衝溶液は、バラスト水の水素イオン濃度を調整する。
 高濃度計測器20-1は、たとえば光源および測定セルを含む比色計を備え、試薬の添加によりTRO濃度に応じて呈色させたバラスト水の光の吸収の強さを測定し、たとえばDPD比色法またはDPD吸光光度法によりDPD試薬および緩衝溶液を含むバラスト水のTRO濃度を測定する。バラスト水のTRO濃度は、たとえば日本工業規格JIS K0102(2013)の33.2項に記載されているDPD比色法もしくは33.4項に記載されているDPD吸光光度法、または米国環境保護庁(United States Environmental Protection Agency)が認可したDPD比色法4500-Cl G等に基づいて測定されればよい。
 水質測定後のバラスト水は排水として排水管24-1を介して排出される。低濃度計測器20-2に供給されるバラスト水の水質は、低濃度計測器20-2、給水管22-2、流量調整部26-2、試薬配管82、試薬供給ポンプ84-2、緩衝溶液配管88、緩衝溶液供給ポンプ90-2、排水管24-2を用いて、高濃度計測器20-1に供給されるバラスト水の水質と同様に測定すればよい。低濃度計測器20-2に供給されるバラスト水の水質測定の説明を省略する。
〔バラスト水BW1、BW2の水質測定の処理手順〕
 次に、バラスト水BW1、BW2の水質測定の処理手順について、図12を参照する。図12は、水質測定の処理手順の一例を示すフローチャートである。この水質測定の処理手順は本発明のバラスト水測定方法の一例であって、制御部14により処理される。図12において、ステップSは処理段階を示す。
 制御部14は、酸化剤の添加処理かを判断する(ステップS31)。制御部14は、たとえば第1の実施の形態で既述したバラスト水給水処理を表すバラスト水処理情報を取得し、酸化剤添加処理であると判断すればよい。酸化剤の添加処理であれば(ステップS31のYES)、制御部14は、切替弁34-1、34-4、34-5を開け、切替弁34-2、34-3を閉める(ステップS32)。その後、制御部14は、第1の水質測定処理(ステップS33)を行う。この第1の水質測定処理は、酸化剤添加処理における水質測定処理の一例である。この第1の水質測定処理では、制御部14は、試薬供給ポンプ84-1および緩衝溶液供給ポンプ90-1を稼働させて、試薬および緩衝溶液を高濃度計測器20-1に供給する。その他の第1の水質測定処理は、第1の実施の形態で既述した第1の水質測定処理(ステップS13~S15)と同様であり、その説明を省略する。なお、制御部14は、さらに流量調整部26-3を稼働させてバラスト水に希釈水を供給するようにしてもよく、圧力計74-1の検出圧力に基づきバラスト水の圧力を監視するようにしてもよい。
 制御部14は、酸化剤の添加処理の終了かを判断し(ステップS34)、酸化剤の添加処理の終了でない場合(ステップS34のNO)、ステップS33に戻り、第1の水質測定処理(ステップS33)およびステップS34を繰り返す。制御部14は、酸化剤の添加処理の終了を、バラスト水給水処理を表すバラスト水処理情報の途絶によりまたはバラスト水処理設備からのバラスト水給水処理の終了を表すバラスト水処理情報の取得により判断すればよい。
 酸化剤の添加処理の終了である場合(ステップS34のYES)、測定部64-1の洗浄処理を行う(ステップS35)。酸化剤の添加処理でなければ(ステップS31のNO)、ステップS32からステップS35を省略する。
 酸化剤の添加処理でない場合(ステップS31のNO)、または測定部64-1の洗浄処理(ステップS35)の後、制御部14は、中和処理かを判断する(ステップS36)。制御部14は、たとえば第1の実施の形態で既述したバラスト水排水処理を表すバラスト水処理情報を取得し、中和処理であると判断すればよい。中和処理であれば(ステップS36のYES)、制御部14は、切替弁34-1、34-2、34-3、34-4を開け、切替弁34-5を閉める(ステップS37)。その後、制御部14は、第2の水質測定処理(ステップS38)を行う。この第2の水質測定処理は、中和処理における水質測定処理の一例である。この第2の水質測定処理では、制御部14は、試薬供給ポンプ84-1、84-2および緩衝溶液供給ポンプ90-1、90-2を稼働させて、試薬および緩衝溶液を計測器20-1、20-2に供給する。その他の第2の水質測定処理は、第1の実施の形態で既述した第2の水質測定処理(ステップS19~S21)と同様であり、その説明を省略する。なお、制御部14は、さらに流量調整部26-3を稼働させてバラスト水に希釈水を供給するようにしてもよく、圧力計74-1、74-2の検出圧力に基づきバラスト水の圧力を監視するようにしてもよい。
 制御部14は、中和処理の終了かを判断し(ステップS39)、中和処理の終了でない場合(ステップS39のNO)、ステップS38に戻り、第2の水質測定処理(ステップS38)およびステップS39を繰り返す。制御部14は、中和処理の終了を、バラスト水排水処理を表すバラスト水処理情報の途絶によりまたはバラスト水処理設備からのバラスト水排水処理の終了を表すバラスト水処理情報の取得により判断すればよい。
 中和処理の終了である場合(ステップS39のYES)、測定部64-1、64-2の洗浄処理を行う(ステップS40)。中和処理でなければ(ステップS36のNO)、ステップS37からステップS40を省略する。
 制御部14は、この処理手順を繰り返し、連続的または断続的にバラスト水の水質を測定することができる。また、既述の第1の水質測定処理および第2の水質測定処理は、個別に処理されるので、制御部14は、第1の水質測定処理および第2の水質測定処理の両方を処理できるだけでなく、第1の水質測定処理または第2の水質測定処理のいずれかを処理することもできる。
〔測定部64-1、64-2の洗浄処理〕
 次に、測定部64-1の洗浄処理(ステップS35)について、図13を参照する。図13は、測定部の洗浄処理の処理手順の一例を示している。この測定部の洗浄処理の処理手順は、測定部64-1の洗浄処理(ステップS35)のサブルーチンの処理である。図13において、ステップSは処理段階を示す。
 この測定部64-1の洗浄処理では、制御部14は、洗浄液供給ポンプ96-1を稼働させて洗浄液容器92内の洗浄液を給水管22-1に供給する(ステップS51)。給水管22-1に供給された洗浄液は、給水管22-1および高濃度計測器20-1を通り、これらを洗浄し、排水管24-1および排水部8を介して測定装置62の外部に排水される。
 洗浄液の供給開始後、予め設定された洗浄時間が経過したかを判断し(ステップS52)、洗浄時間が経過していなければ(ステップS52のNO)、洗浄時間が経過するまでステップS52を繰り返す。この洗浄時間は、たとえば給水管22-1および高濃度計測器20-1の洗浄に必要な時間であればよい。設定された洗浄時間は、たとえば制御部14のメモリ部42に設定される。洗浄時間が経過すれば(ステップS52のYES)、洗浄液の供給を停止し(ステップS53)、測定部64-1の高濃度計測器20-1の清浄状態を確認する(ステップS54)。この清浄状態の確認は、たとえば洗浄後の高濃度計測器20-1から制御部14が計測値を取得し、この計測値が正常値であるかを判断すればよい。高濃度計測器20-1が清浄状態である場合(ステップS55のYES)、洗浄処理を終了する。高濃度計測器20-1が清浄状態でない場合(ステップS55のNO)、つまり洗浄不足である場合、制御部14は警報を発生させ(ステップS56)、洗浄処理を中止する。
 測定部64-1、64-2の洗浄処理(ステップS40)では、既述の測定部64-1の洗浄処理の他に、測定部64-2の洗浄処理を行う。測定部64-2の洗浄処理は、測定部64-1の洗浄処理(ステップS35)と同様に処理されればよく、その説明を省略する。
〔第2の実施の形態の効果〕
 (1)  第1の実施の形態で既述した効果を得ることができる。
 (2)  測定装置62が希釈水供給部50を備えるので、たとえば高濃度計測器20-1に供給されるバラスト水の酸化剤の濃度が高濃度計測器20-1の良好な測定範囲になるように、バラスト水を希釈することができ、酸化剤の濃度の測定精度を高めることができる。
 (3)  給水管22-1、22-2にバラスト水の圧力を調整する圧力調整部56-1、56-2を備えるので、給水管22-1、22-2内のバラスト水の圧力変動が抑制され、バラスト水の圧力変動による水質測定への影響を抑制することができる。
 (4)  測定装置62が洗浄液供給部70を備えるので、計測器20-1、20-2の清浄状態が維持され、計測器20-1、20-2の汚れにより、計測異常などの異常を生じることが抑制される。つまり、計測器20-1、20-2の清浄状態を監視することができるので、計測器20-1、20-2の汚れによる測定異常が放置され、測定異常状態で測定が繰り返されることが防止される。
 (5)  試薬容器80、緩衝溶液容器86および洗浄液容器92の数がバラスト水の水質測定箇所数よりも少なく、測定装置62の設備管理負担、試薬や緩衝溶液の残量管理負担が軽減される。また、試薬、緩衝溶液および洗浄液の供給が二つの測定部64-1、64-2で共用されるので、試薬供給部66、緩衝溶液供給部68および洗浄液供給部70の設置に必要な領域が小さくなる。したがって、測定装置62の設置領域を小さくすることができ、測定装置62の操作または保守のために必要な作業領域を小さくすることができる。
 (6)  上記実施の形態の測定部64-1、64-2の洗浄処理では、測定部64-1、64-2の計測器20-1、20-2が清浄状態でない場合、つまり洗浄不足である場合、警報が発生され異常が通知される。この異常の通知により洗浄不足状態の計測器20-1、20-2を用いた水質測定が防止され、異常状態下での測定の継続を防止することができる。異常状態下での測定が防止されるので、適正な試薬注入が維持できるとともに高い水質測定精度を維持することができ、試薬の過剰注入による試薬費用の上昇が防止できる。
〔変形例〕
 (1)  第1の実施の形態で既述した変形例はこの第2の実施の形態に適用することができる。
 (2)  上記実施の形態では、測定装置62の測定部64-1が圧力調整部56-1、ストレーナ72-1、圧力計74-1、バイパス路76-1を備えているが、これらは選択的に備えられていてもよい。測定装置62の測定部64-2が圧力調整部56-2、ストレーナ72-2、圧力計74-2、バイパス路76-2を備えているが、これらは選択的に備えられていてもよい。これらの変形例も第1の実施の形態で既述した効果を得ることができる。
 (3)  上記実施の形態は、測定部64-1、64-2の洗浄処理を含み、バラスト水BW1、BW2の測定終了時に測定部64-1、64-2を洗浄しているが、バラスト水BW1、BW2の測定中に測定部64-1、64-2を洗浄するように切り替えてもよく、バラスト水BW1、BW2の測定停止中に測定部64-1、64-2を洗浄するようにしてもよい。また、TRO濃度の異常値検出を契機に洗浄を開始してもよく、計測器20-1、20-2が備える測定セルの汚れまたは洗浄不足を検知して洗浄を開始してもよく、または前回の洗浄処理からの経過時間に基づき洗浄を開始してもよい。
 (4)  上記実施の形態では、洗浄液供給部70が給水管22-1、22-2に接続され、洗浄液の供給により計測器20-1、20-2および給水管22-1、22-2を洗浄し、計測器20-1、20-2および給水管22-1、22-2の汚れにより、測定結果に異常が生じることが抑制されている。しかしながら、洗浄液供給部70による計測器20-1、20-2および給水管22-1、22-2の洗浄に代えて、第1の実施の形態で既述した希釈水供給部50によるフラッシング(流水式洗浄)を行うようにしてもよい。
 (5)  DPD試薬を供給してバラスト水の酸化剤の濃度を測定したが、DPD試薬を用いた測定に限らない。たとえば、ヨウ化カリウムを試薬として用いて、このヨウ化カリウムとTROが反応して生成されたヨウ素を用いて酸化剤の濃度を測定してもよく、TROを含む他の水質要素を測定するようにしてもよい。
 (6)  バラスト水の水質測定に使用する試薬は、初期状態においてたとえば青色に着色されていてもよい。着色された試薬を用いると、試薬を含むバラスト水は、試薬およびTROの反応による呈色と、初期状態から有している色とを有することになる。計測器20-1、20-2により試薬の呈色とともに、初期状態の着色を測定すれば、制御部14は、酸化剤の濃度とともに試薬の空状態を検知することができる。試薬の空状態が発生したとき、制御部14は、空状態情報をバラスト水処理設備に出力すれば、バラスト水処理設備側でバラスト水処理を一時的に停止することができる。空状態情報をバラスト水処理設備に出力することで、試薬の欠如による誤作動、たとえば中和剤注入過剰との誤判断に基づく中和剤の注入抑制を防止することができる。つまり、中和不十分なバラスト水の排水が防止される。
 制御部14が試薬の空状態を報知すれば、試薬の補充の契機を提供することができる。船員は、空状態の報知に基づき試薬を補充すればよく、試薬を切らさないように、試薬の残量を監視する必要がなくなる。つまり、船員の負担が軽減される。また、試薬の空状態情報をたとえば衛星回線を通じて陸上側の管理センタに通知するようにすれば、管理センタにおいて試薬の欠如を認識することができる。この空状態情報の通知は、測定装置62の制御部14が自動で行うので、船員が介在することがなく、通知漏れが防止される。空状態情報を受けた管理センタは、船舶に対して適切な処置を指示することができ、不備に対する対処時間の短縮およびバラスト水処理の処理品質を向上させることができる。

第3の実施の形態
 第3の実施の形態について、図14を参照して説明する。図14はバラスト水測定装置とバラスト水処理設備の接続の一例を示している。図14において図1または図10と同一部分には同一符号を付してある。この実施の形態では、第1の実施の形態で既述した測定装置2がバラスト水処理設備102に接続されていてもよく、第2の実施の形態で既述した測定装置62がバラスト水処理設備102に接続されていてもよい。図14に示す測定装置2、62およびバラスト水処理設備102は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。この実施の形態の測定装置2、62およびバラスト水処理設備102は、船舶に備えられる。
〔バラスト水処理設備102〕
 バラスト水処理設備102は、給排水ライン104と、酸化剤供給部106、中和剤供給部108および制御部110とを備えている。
 給排水ライン104は、水処理ライン112を備え、この水処理ライン112にバラスト注水弁114、バラストポンプ116、ミキサー118、流量計120、バラストタンク入口弁122を備えている。水処理ライン112は、バラスト水の注水口とバラストタンクとを接続する。バラスト注水弁114は、注水口の下流に設置され、弁の開閉により注水口から給水されるバラスト水を通過または閉止する。バラストポンプ116は、バラスト注水弁114の下流側に設置され、駆動によりバラスト水をミキサー118に流す。ミキサー118は、バラストポンプ116の下流に設置され、バラストポンプ116とミキサー118の間に注入される酸化剤または中和剤をバラスト水に混合する。流量計120は、ミキサー118の下流に設置され、酸化剤または中和剤を含むバラスト水の流量を計測する。バラストタンク入口弁122は、流量計120の下流に設置され、弁の開閉によりバラスト水を通過させまたはバラスト水の通過を妨げる。バラストタンク入口弁122を通過したバラスト水は、バラストタンクに注がれる。
 給排水ライン104は、更に水処理ライン112に並設する分岐ライン124および排水ライン126を備え、この分岐ライン124にバラストタンク出口弁128を備え、排水ライン126にバラスト排水弁130を備える。分岐ライン124は、バラスト注水弁114とバラストポンプ116の間の水処理ライン112と、バラストタンクとを接続する。排水ライン126は、流量計120とバラストタンク入口弁122の間の水処理ライン112と、排水口とを接続する。バラストタンク出口弁128は、弁の開閉により分岐ライン124中のバラスト水を通過させまたはバラスト水の通過を妨げる。バラスト排水弁130は、弁の開閉により排水ライン126中のバラスト水を通過させまたはバラスト水の通過を妨げる。
 バラスト注水弁114およびバラストタンク入口弁122を開け、バラストタンク出口弁128およびバラスト排水弁130を閉じると、バラスト水の給水経路が形成される。バラストポンプ116を稼働させると、バラスト水が水処理ライン112を通ってバラストタンクに供給される。
 バラスト注水弁114およびバラストタンク入口弁122を閉じ、バラストタンク出口弁128およびバラスト排水弁130を開けると、バラスト水の排水経路が形成される。バラストポンプ116を稼働させると、バラストタンク内のバラスト水は、分岐ライン124、バラストポンプ116、ミキサー118、流量計120の順に流れ、排水ライン126を通って排水口から船外に排水される。
 酸化剤供給部106は、酸化剤供給ライン132を介してミキサー118よりも上流側の水処理ライン112に接続し、注入ポンプ134の駆動により酸化剤を供給する。
 中和剤供給部108は、中和剤供給ライン136を介してミキサー118よりも上流側の水処理ライン112に接続し、注入ポンプ138の稼働により中和剤を供給する。この中和剤は、たとえば亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム(亜硫酸水素ナトリウム)、チオ硫酸ナトリウムである。酸化剤供給ライン132および中和剤供給ライン136と水処理ライン112との接続部は、第1の実施の形態で既述した薬剤添加位置APを形成している。
 制御部110は、各弁、酸化剤供給部106、中和剤供給部108、流量計120および測定装置2(または測定装置62)の制御部14に接続し、各弁の開閉、酸化剤および中和剤の供給量を制御するとともに、流量計120の計測値およびバラスト水の水質情報を受け、バラスト水の処理状態を判断または記録する。さらに制御部110をバラストポンプ116と接続し、制御部110によりバラストポンプ116の稼働もしくは停止を制御することもできる。
〔測定装置2とバラスト水処理設備102の接続〕
 測定装置2の給水管22-1は、酸化剤供給ライン132および中和剤供給ライン136よりも上流側の水処理ライン112に接続配管140-1を介して接続され、測定装置2の給水管22-2は、ミキサー118よりも下流側の水処理ライン112に接続配管140-2を介して接続される。このような接続により、測定装置2の二つの給水管22-1、22-2が、バラスト水処理設備102の水処理ライン112に接続され、給水管22-1に酸化剤または中和剤が供給される前のバラスト水BW1が供給され、給水管22-2に酸化剤または中和剤が供給された後のバラスト水BW2が供給される。給水管22-1に供給されたバラスト水BW1は、切替部10により高濃度計測器20-1または低濃度計測器20-2に供給され、給水管22-2に供給されたバラスト水BW2は、切替部10により高濃度計測器20-1または低濃度計測器20-2に供給される。切替部10によりバラスト水BW1、BW2の供給先を変えることができ、バラスト水の酸化剤の濃度の測定精度を高めることができる。
〔測定装置2とバラスト水処理設備102の処理シーケンス〕
 図15はバラスト水測定装置とバラスト水処理設備の処理シーケンスの一例を示している。図15において、ステップSは処理段階を示す。
 バラスト水処理設備102の制御部110がバラスト水処理、つまりバラスト水給水処理またはバラスト水排水処理を開始すると(ステップS61)、制御部110は、バラスト水処理の開始指示を測定装置2の制御部14に指示する(ステップS62)。制御部14は、バラスト水処理の開始指示を受け、バラスト水給水処理の開始指示であれば、第1の実施の形態で既述した水質測定の処理手順(図4)のステップS12からステップS16に係る水質測定処理を行い、バラスト水排水処理の開始指示であれば、水質測定の処理手順(図4)のステップS18からステップS22に係る水質測定処理を行う。これらの水質測定処理では、たとえばバラスト水給水処理かバラスト水排水処理かに応じて高濃度計測器20-1または計測器20-1、20-2に水質測定を指示し(ステップS63-1)、高濃度計測器20-1または計測器20-1、20-2が水質を測定し、測定データを制御部14に出力する(ステップS64-1)。水質測定データを受けた制御部14は、バラスト水の測定結果を制御部110に出力する(ステップS65-1)。制御部110は、測定結果に基づきバラスト水処理を制御するとともに、測定結果を記録し、船舶側に出力する(ステップS66-1)。ステップS63-1からステップS66-1は、バラスト水処理が終了するまで繰り返される(ステップS63-2、ステップS64-2、ステップS65-2、ステップS66-2、・・・)。制御部110は、バラスト水処理の終了指示を制御部14に指示し(ステップS67)、バラスト水処理を終了する(ステップS68)。制御部14は、バラスト水処理の終了指示を受け、水質測定処理を終了する(ステップS69)。
〔測定装置62とバラスト水処理設備102の接続、および測定装置62とバラスト水処理設備102の処理シーケンス〕
 測定装置62およびバラスト水処理設備102は、測定装置2およびバラスト水処理設備102と同様に接続することができる。また、測定装置62およびバラスト水処理設備102には、測定装置2とバラスト水処理設備102の処理シーケンスを適用することができる。なお、測定装置2、62の測定部6-1、64-1と測定部6-2、64-2のいずれか一方が不調の場合には、切替機構により測定部6-1、6-2、64-1、64-2と水処理ライン112との接続を切り替え、いずれか一方の測定部のみでバラスト水を測定することで、たとえば中和剤の注入不足のバラスト水が排出されないようにすることができる。
〔第3の実施の形態の効果〕
 測定装置2または測定装置62の二つの給水管22-1、22-2を、船舶に設置されるバラスト水処理設備102の接続配管140-1、140-2に接続することで、バラスト水処理設備102のバラスト水処理前後のバラスト水の酸化剤の濃度を一つの測定装置2または測定装置62で測定することができる。したがって、測定装置2または測定装置62の設置領域を小さくすることができ、測定装置2または測定装置62の操作または保守のために必要な作業領域を小さくすることができる。バラスト水処理設備102は、一つの測定装置2または測定装置62と連係すれば、バラスト水処理およびバラスト水の水質管理を行うことができ、バラスト水処理設備102および測定装置2、62の連係が容易である。また、測定装置2、62の設備管理負担、試薬や緩衝溶液の残量管理負担が軽減される。バラスト水の水質測定に関し、船員は、複数の測定装置を維持しまたは管理する必要がなく、船員の設備管理負担が軽減される。
〔変形例〕
 バラスト水の酸化剤の濃度は、バラスト水処理前後のバラスト水で測定してもよく、バラスト水処理前後のいずれかのバラスト水で測定してもよい。バラスト水処理前のバラスト水の水質測定では、測定結果のフィードフォワードによりバラスト水処理を制御することができる。バラスト水処理後のバラスト水の水質測定では、測定結果のフィードバックによりバラスト水処理を制御するとともに、バラスト水処理後のバラスト水の水質を実測することができる。

他の実施の形態
 第3の実施の形態では、バラスト水測定装置2、62の制御部14が水質測定の測定結果をバラスト水処理設備102の制御部110に通知するが、第1の実施の形態で既述したように、制御部14がバラスト水の水質測定結果に応じて酸化剤または中和剤の添加量調整指示を出力するようにしてもよい。制御部14がバラスト水の水質測定結果に基づき、酸化剤または中和剤の添加過剰または添加不足を判断し、たとえば警報情報または、バラスト水処理設備102の停止(シャットダウン)信号を出力するようにしてもよい。また、制御部14がバラスト水の水質測定結果、警報情報または停止信号の出力に伴うバラスト水処理設備102の停止情報の一または二以上を、船舶側の管理装置に直接出力し、または陸上に設置した船舶管理センタの管理装置に通信回線を通じて出力するようにしてもよい。
〔測定装置2とバラスト水処理設備102の処理シーケンス〕
 図16はバラスト水測定装置とバラスト水処理設備の処理シーケンスの一例を示している。図16において、ステップSは処理段階を示す。図16において図15と同一部分には同一符号を付してある。
 バラスト水処理設備102の制御部110がバラスト水処理、つまりバラスト水給水処理またはバラスト水排水処理を開始すると(ステップS71)、制御部110は、バラスト水処理の開始指示を測定装置2の制御部14に指示する(ステップS72)。制御部14は、バラスト水処理の開始指示を受け、バラスト水給水処理の開始指示であれば、第1の実施の形態で既述した水質測定の処理手順(図4)のステップS12からステップS16に係る水質測定処理を行い、バラスト水排水処理の開始指示であれば、水質測定の処理手順(図4)のステップS18からステップS22に係る水質測定処理を行う。これらの水質測定処理では、たとえばバラスト水給水処理かバラスト水排水処理かに応じて高濃度計測器20-1または計測器20-1、20-2に水質測定を指示し(ステップS73-1)、高濃度計測器20-1または計測器20-1、20-2が水質を測定し、測定データを制御部14に出力する(ステップS74-1)。水質測定データを受けた制御部14は、測定結果に基づきバラスト水処理を制御するとともに、測定結果を記録し、船舶側または陸上側に出力する(ステップS75-1)。次に、制御部14は、酸化剤または中和剤の添加過剰または添加不足かを判断し(ステップS76-1)、酸化剤または中和剤の添加過剰または添加不足であれば(ステップS76-1のYES)、バラスト水処理設備の停止信号を制御部110に出力し、(ステップS77-1)、船舶側または陸上側に警報情報または設備の停止情報を出力する(ステップS78-1)。酸化剤または中和剤の添加過剰または添加不足でない場合、つまり、酸化剤または中和剤の添加量が適正であれば(ステップS76-1のNO)、ステップS77-1およびステップS78-1を省略する。酸化剤または中和剤の添加過剰または添加不足は、第1の実施の形態で既述した設定回数q、nまたはmおよび設置値P、Kまたは2K〔mg/L〕に基づき判断すればよい。
 ステップS73-1からステップS78-1は、バラスト水処理が終了するまで繰り返される。制御部110は、バラスト水処理の終了を判断する(ステップS79)。バラスト水処理の終了であれば(ステップS79のYES)、制御部110は、バラスト水処理の終了指示を制御部14に指示し(ステップS80)、バラスト水処理を終了する(ステップS81)。制御部14は、バラスト水処理の終了指示を受け、水質測定処理を終了する(ステップS82)。
〔測定装置62とバラスト水処理設備102の接続、および測定装置62とバラスト水処理設備102の処理シーケンス〕
 測定装置62およびバラスト水処理設備102は、測定装置2およびバラスト水処理設備102と同様に接続することができる。また、測定装置62およびバラスト水処理設備102には、測定装置2とバラスト水処理設備102の処理シーケンスを適用することができる。なお、測定装置2、62の測定部6-1、64-1と測定部6-2、64-2のいずれか一方が不調の場合には、切替機構により測定部6-1、6-2、64-1、64-2と水処理ライン112との接続を切り替え、いずれか一方の測定部のみでバラスト水を測定することで、たとえば中和剤の注入不足のバラスト水が排出されないようにすることができる。
 バラスト水測定装置2、62、バラスト水処理設備102およびこれらの接続は第3の実施の形態と同様でありその説明を省略する。
〔他の実施の形態の効果〕
 制御部14が酸化剤または中和剤の添加量調整指示を出力し、直接ポンプまたは制御弁を制御することができ、ポンプまたは制御弁の指示経路が簡単化されるとともに、バラスト水処理設備102の制御部110の負荷を減らすことができる。制御部14が酸化剤の添加過剰に対して警報情報またはバラスト水処理設備の停止信号を出力すれば、酸化剤の過剰添加が抑制され、酸化剤の使用量を抑制することができる。制御部14が中和剤の添加不足に対して警報情報またはバラスト水処理設備の停止信号を出力すれば、中和不足のバラスト水が海洋に排水されることが抑制され、海洋への酸化剤排出量を抑制することができる。制御部14がバラスト水の水質測定結果、または警報情報またはバラスト水処理設備の停止情報の一または二以上を、船舶側の管理装置に直接出力し、または陸上に設置した船舶管理センタの管理装置に通信回線を通じて出力すれば、バラスト水処理設備側の制御部110の負荷を軽減することができる。
〔変形例〕
 酸化剤の添加不足の判断は省略してもよい。酸化剤の添加不足はバラストタンクに酸化剤を添加することで調整すればよい。
 以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明した。本発明は、上記記載に限定されるものではない。請求の範囲に記載され、または明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。たとえば、酸化剤を添加してから排出するまでの時間が短いような場合には、中和剤の添加前の酸化剤の濃度の測定を省略して、添加した酸化剤の濃度を中和剤の添加前の酸化剤の濃度と擬制して中和剤を添加し、第2の測定部で中和がなされているかどうかの確認のみを行うように制御してもよい。
 本発明は、次亜塩素酸ナトリウムやオゾンなどの酸化剤をバラスト水に加えて、バラスト水中の生物を殺滅するバラスト水処理において、バラスト水の水質、たとえばTRO濃度を計測することができる。バラスト水処理が行われる船舶において、バラスト水の水質測定に有用である他、酸化剤及びその中和剤などの薬剤が加えられる他の水の水質測定に有用である。
 2、62 測定装置
 4 筐体
 6-1、6-2、64-1、64-2 測定部
 8 排水部
 10 切替部
 12 表示入力部
 14 制御部
 20-1 高濃度計測器
 20-2 低濃度計測器
 22-1、22-2 給水管
 24-1、24-2 排水管
 26-1、26-2、26-3、26-4 流量調整部
 28-1、28-2、28-3 開閉弁
 30-1、30-2、30-3 定流量弁
 32、33 接続配管
 34-1、34-2、34-3、34-4、34-5、34-6 切替弁
 50 希釈水供給部
 52 希釈水配管
 54 分岐配管
 56-1、56-2 圧力調整部
 58-1、58-2 逆流防止部
 62 測定装置
 64-1、64-2 測定部

Claims (9)

  1.  酸化剤添加後のバラスト水または中和剤添加前のバラスト水の酸化剤の濃度を測定する第1の測定部と、
     酸化剤中和後のバラスト水の酸化剤の濃度を測定する第2の測定部と、
     前記第1の測定部および前記第2の測定部を収容する筐体と、
     を備え、
     前記第1の測定部および前記第2の測定部の酸化剤の濃度測定範囲が異なることを特徴とするバラスト水測定装置。
  2.  前記第1の測定部および前記第2の測定部に接続し、前記第1の測定部の第1の給水管または前記第2の測定部の第2の給水管に供給されるバラスト水の供給先を切替える切替部と、
     を備えることを特徴とする請求項1記載のバラスト水測定装置。
  3.  前記第1の測定部または前記第2の測定部の双方または一方は、採取するバラスト水の流量を調整する流量調整部を含み、該流量調整部により調整されたバラスト水の酸化剤の濃度を測定することを特徴とする請求項1または請求項2記載のバラスト水測定装置。
  4.  前記第1の測定部に接続し、前記第1の測定部に希釈水を供給する希釈水供給部を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のバラスト水測定装置。
  5.  前記希釈水供給部は、希釈水配管と、前記希釈水配管内を流れる前記希釈水の流量を調整する第3の流量調整部を備えることを特徴とする請求項4記載のバラスト水測定装置。
  6.  前記第1の測定部または前記第2の測定部の双方または一方は、圧力調整部を含み、該圧力調整部が前記第1の測定部または前記第2の測定部の給水管内のバラスト水の圧力を調整することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のバラスト水測定装置。
  7.  前記第1の測定部の測定結果または前記第2の測定部の測定結果の双方または一方を受けて、測定結果の出力信号を生成する制御部を備え、
     前記出力信号は、前記酸化剤の濃度情報、前記酸化剤の添加量の調整情報、前記酸化剤を中和する中和剤の添加量の調整情報、警報情報、またはバラスト水処理の停止信号を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のバラスト水測定装置。
  8.  請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載のバラスト水測定装置を備える船舶。
  9.  筐体内の第1の測定部で酸化剤添加後のバラスト水または中和剤添加前のバラスト水の酸化剤の濃度を測定する処理と、
     前記筐体内の第2の測定部で酸化剤中和後のバラスト水の酸化剤の濃度を測定する処理と、
     を含み、
     前記第1の測定部および前記第2の測定部の酸化剤の濃度測定範囲が異なることを特徴とするバラスト水測定方法。

                                                                                    
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