WO2018110205A1

WO2018110205A1 - 燃料供給装置

Info

Publication number: WO2018110205A1
Application number: PCT/JP2017/041503
Authority: WO
Inventors: 智彦稲葉; 崇蟹江; 池谷　昌紀
Original assignee: 愛三工業株式会社
Priority date: 2016-12-13
Filing date: 2017-11-17
Publication date: 2018-06-21
Also published as: JP6695789B2; JP2018096271A

Abstract

燃料供給装置（１０）は、燃料タンク内において燃料を貯留するリザーブカップ（１４）と、リザーブカップ（１４）内の燃料をエンジンに供給する燃料ポンプ（４２）を有する。さらに燃料供給装置（１０）は、袋状のフィルタ部材（８７）と接続配管（９１）とフィルタ保持部材（１２５）を有する。フィルタ部材（８７）は、燃料ポンプ（４２）に吸入される燃料を濾過しかつ燃料ポンプ（４２）の周囲を取り囲むように湾曲状態で配置される。接続配管（９１）は、フィルタ部材（８７）の内部空間と燃料ポンプ（４２）の燃料吸入口（８２）とを接続する。フィルタ保持部材（１２５）は、フィルタ部材（８７）を湾曲状態に保持する。

Description

燃料供給装置

　本発明は、燃料供給装置に関する。

　特開２０１３－２４５６５１号公報に従来の燃料供給装置が開示されている。燃料供給装置は、リザーブカップ（筒部１５を有するフランジユニット４）と燃料ポンプ（燃料ポンプ３）とフィルタ（サクションフィルタ８０）と接続配管（接続管７５）を備えている。リザーブカップは、燃料タンク内において燃料を貯留する。燃料ポンプは、リザーブカップ内の燃料をエンジンに供給する。フィルタは、袋状に形成されており、燃料ポンプに吸入される燃料を濾過しかつ燃料ポンプの周囲を取り囲むように湾曲状態で配置される。接続配管は、フィルタの内部空間と燃料ポンプの燃料吸入口とを接続している。

　従来の燃料供給装置は、フィルタを湾曲状態に保持するフィルタ形状保持部材を有していない。このためフィルタが湾曲状態から復元することによりリザーブカップに接触する。その結果、燃料ポンプで発生した振動が、フィルタからリザーブカップに伝達し、燃料ポンプの騒音が増大する場合がある。そのため燃料ポンプで発生した振動がフィルタからリザーブカップに伝達されることにより発生する騒音を抑制することのできる構造が従来必要とされている。

　本発明の１つの特徴によると、燃料供給装置は、燃料タンク内において燃料を貯留するリザーブカップと、リザーブカップ内の燃料をエンジンに供給する燃料ポンプを有する。さらに燃料供給装置は、袋状のフィルタと接続配管とフィルタ形状保持部材を有する。フィルタは、燃料ポンプに吸入される燃料を濾過しかつ燃料ポンプの周囲を取り囲むように湾曲状態で配置される。接続配管は、フィルタの内部空間と燃料ポンプの燃料吸入口とを接続する。フィルタ形状保持部材は、フィルタを湾曲状態に保持する。

　したがってフィルタ形状保持部材によってフィルタが湾曲状態から復元することが抑制される。これによりフィルタがリザーブカップに接触することを抑制できる。かくして燃料ポンプで発生した振動がフィルタからリザーブカップに伝達されることで発生する騒音を抑制できる。

　他の特徴によると、燃料供給装置は、燃料ポンプを保持するポンプホルダを有する。フィルタ形状保持部材は、ポンプホルダに一体に形成される。したがって燃料供給装置の部品点数及び組み付け工数を増やすことを防ぐことができる。その結果、燃料供給装置を安価に生産できる。

　他の特徴によると、フィルタ形状保持部材は、ポンプホルダの管状部に配置される。

　他の特徴によると、接続配管は、フィルタの周方向の第１端部に配置される。フィルタ形状保持部材は、フィルタの周方向の第２端部を保持する。したがってフィルタの第１端部が接続配管によって燃料ポンプ側に固定され、フィルタの第２端部がフィルタ形状保持部材によって保持される。そのためフィルタの周方向の両端が保持される。フィルタ形状保持部材は、第２端部のみを保持する構造である。そのためフィルタ形状保持部材は、フィルタの周方向の両端部を保持する構造に比べ、簡易に構成され得る。

一実施形態にかかる燃料供給装置の斜視図である。燃料供給装置の正面図である。蓋部材とポンプユニットとを分解した状態の燃料供給装置の斜視図である。ポンプユニットの平面図である。図４のV－V線矢視断面図である。図５のVI－VI線矢視断面図である。図６のVII－VII線矢視断面図である。リザーブカップとポンプモジュールとを分解した状態のポンプユニットの斜視図である。リザーブカップの平面図である。ポンプモジュールの後上方からの斜視図である。ポンプモジュールの下面図である。ポンプモジュールの分解斜視図である。ポンプホルダの平面図である。図１３のXIV－XIV線矢視断面図である。図１４のXV－XV線矢視断面図である。

　本発明を実施するための一実施形態について図面を用いて説明する。図１～３に示すように本実施形態は、エンジン（内燃機関）を搭載する自動車等の車両に搭載された燃料タンク内の燃料をエンジンへ供給する燃料供給装置１０である。図中の矢印は、燃料供給装置の前後左右上下方向を示している。上下方向は、車両の燃料タンクに搭載された状態での重力方向いわゆる天地方向に対応する。前後左右方向は、例えば車両の前後左右方向に対応しているが、燃料供給装置１０の車両に対する向きは、この方向に限定されない。

　図２に示すように、燃料供給装置１０は、燃料タンク１２に設置されている。燃料タンク１２内には、リザーブカップ１４が配置されている。燃料供給装置１０は、リザーブカップ１４内に貯留されている燃料を燃料タンク１２外のエンジンに供給する。燃料タンク１２は、例えば、樹脂製の中空状の容器であり、水平状の上壁部１２ａと下壁部１２ｂとを有している。上壁部１２ａには、円形状の開口部１３が形成されている。燃料は、例えばガソリン等の液体燃料である。

　図１及び図３を参照するように燃料供給装置１０は、蓋部材１６とポンプユニット１８を備えている。蓋部材１６は、樹脂製で、円板状である。蓋部材１６は、燃料タンク１２の開口部１３をシール状態で閉鎖するように上壁部１２ａに取り付けられる（図２参照）。蓋部材１６は、燃料吐出管２０及び電気コネクタ２２を備えている。蓋部材１６の上面側における燃料吐出管２０には、エンジンから延出する燃料供給管（不図示）が接続される。電気コネクタ２２には、外部電源から延出するリード線の先端に設けられた外部コネクタ（不図示）が接続される。ポンプユニット１８の燃料ポンプから吐出された燃料が燃料吐出管２０と燃料供給管を経てエンジンに供給される。外部コネクタと電気コネクタ２２を経て電力が外部電源から燃料供給装置１０に供給される。燃料供給装置１０の蓋部材１６以外の部品は、燃料タンク１２内に収容される。

　図８に示すように、ポンプユニット１８は、リザーブカップ１４とポンプモジュール２４を備えている（図３及び図５参照）。

　図８および図９に示すように、リザーブカップ１４は、例えば、樹脂製のカップ状の容器であり、Ｄ字形筒状の側壁部２６と、側壁部２６の下面開口部を閉鎖する底壁部２８を有している。側壁部２６は、Ｃ字筒状の半円筒壁状部分２６ａと、平板状の平壁状部分２６ｂを有している。側壁部２６の平壁状部分２６ｂは、前方に向けられている。

　図２に示すように、リザーブカップ１４は、燃料タンク１２の下壁部１２ｂ上に載置される。底壁部２８の下面の外周部には、底壁部２８と下壁部１２ｂとの間に所定の隙間を確保するための複数の突起２８ａが設けられている。複数の突起２８ａは、底壁部２８の外周に沿って所定間隔に位置し、底壁部２８から突出している。側壁部２６の平壁状部分２６ｂの前側面には、燃料タンク１２内の燃料残量を検出する図示省略の液面計が取り付けられる。液面計は例えばフロート式のセンダゲージであり、センダゲージの本体部が平壁状部分２６ｂに取り付けられる。センダゲージの本体部のリード線は、電気コネクタ２２に電気的に接続可能とされている。

　図８，図９に示すように、平壁状部分２６ｂの前側面の左右領域には、上下方向に延びる中空円筒状の案内筒部３０が形成されている。底壁部２８の前左端部には、横長孔状の燃料流入口３２が形成されている。底壁部２８の前部上には、燃料案内壁部３４が縦壁状に形成されている。燃料案内壁部３４は、リザーブカップ１４の平壁状部分２６ｂ及び半円筒壁状部分２６ａに所定間隔を隔てて沿うように形成されている。燃料案内壁部３４の左端部は、燃料流入口３２の左端部を取り囲むようにして平壁状部分２６ｂに接続されている。平壁状部分２６ｂと半円筒壁状部分２６ａの一部との間には、ジェットポンプ（後述する）から吐出された燃料を案内する案内流路３６が形成されている。図５～図７を参照するように燃料案内壁部３４は、リザーブカップ１４の深さの約１／３程度の高さを有している。

　図２および図３に示すように、リザーブカップ１４と蓋部材１６との間には、両部材１４，１６を上下方向に伸縮可能に連結する左右の連結シャフト３８が設けられている。連結シャフト３８は、例えば、金属製の中実軸材又は中空軸材により形成されている。各連結シャフト３８の一端部（上端部）は、蓋部材１６に圧入によって懸吊状に取り付けられる。各連結シャフト３８の他端部（下端部）は、リザーブカップ１４の各案内筒部３０に対して軸方向（上下方向）に所定の範囲内で摺動可能に挿通される。これにより、蓋部材１６にポンプユニット１８が上下方向に移動可能に連結される。

　連結シャフト３８の一方（例えば、左側）には、例えば、金属製のコイルスプリングからなるスプリング３９が嵌装される。スプリング３９は、蓋部材１６と案内筒部３０との間に介在される。スプリング３９は、リザーブカップ１４と蓋部材１６とを互いに離れる方向に付勢している。スプリング３９の付勢力により、リザーブカップ１４を含むポンプユニット１８が燃料タンク１２の下壁部１２ｂに弾性的に押し付けられる。したがって、温度変化による内圧の変化や燃料量の変化で燃料タンク１２が膨張および収縮しても、リザーブカップ１４は下壁部１２ｂに常に押し付けられた状態で維持される。

　図３～図６及び図８に示すように、ポンプモジュール２４は、リザーブカップ１４に組み付けられている。図８、図１０～図１２に示すように、ポンプホルダ４０に、燃料ポンプ４２、燃料フィルタ装置４４、圧力調整弁４６、中継配管４８、及び、ジェットポンプ５０が組み付けられている。図３～図６を参照するようにポンプホルダ４０に組み付けられた部品４２，４４，４６，４８，５０は、ポンプモジュール２４がリザーブカップ１４に組み付けられることによってリザーブカップ１４内に収容されている。

　図１３、図１４に示すように、ポンプホルダ４０は、樹脂製で、ポンプケース部５２と燃料配管部５４と支持蓋部５６と支持アーム部５８とを備えている。支持蓋部５６と支持アーム部５８とは支持部材５５を構成している。ポンプケース部（ポンプケース）５２は、円筒状に形成されている。

　図５に示すように、燃料配管部５４は、上下逆のＬ字管状に形成されている。燃料配管部５４は、ポンプケース部５２の一側（左側）に並設された縦管部６０と、ポンプケース部５２の上側を横切るように縦管部６０の上端部から右方へ延びる横管部６２とを有している。横管部６２の先端部（右端部）には、燃料吐出部６３が形成されている。図１に示すように、燃料吐出部６３と蓋部材１６の燃料吐出管２０は、可撓性を有する連通配管６５を介して接続されている。

　図５に示すように、横管部６２の軸方向の中央部は、ポンプケース部５２の上端部に接続筒部６７を介して接続されている。縦管部６０は、横管部６２の左端部から下方へ延びる内管部７０と外管部７２とからなる内外二重筒状に形成されている。図８に示すように、外管部７２の上部には、内管部７０の前側部と連続する平板状の前壁部７３が形成されている。図６，図８に示すように、前壁部７３の下部には、前方へ突出する余剰燃料導出管７５が形成されている。余剰燃料導出管７５内は、内管部７０内に連通されている。

　図５に示すように、内管部７０と外管部７２との間のＣ字筒状の空間部は、横管部６２の内部空間に連通されている。外管部７２の下端部には、内管部７０の下端部よりも下方へ延びる調整弁取付管部７７が形成されている。調整弁取付管部７７は、下方に向かって二段階に拡径する段付き円筒状である。

　図３，図４に示すように、支持部材５５の支持蓋部５６は、リザーブカップ１４の上面開口部の内周部を閉鎖可能な環状板状である。支持蓋部５６は、リザーブカップ１４の上面開口部の周縁部を覆うように側壁部２６の上端部にスナップフィット係合により取り付けられている。スナップフィット係合は、例えば支持蓋部５６と側壁部２６を弾性的な係合によって抜け止め状態に連結する。

　図１３に示すように、支持部材５５は複数（例えば３つ）の支持アーム部５８を有する。支持アーム部５８は、ポンプケース部５２の上端部と支持蓋部５６の内周部との間に放射状に延出している。これにより、ポンプケース部５２が支持蓋部５６に弾性的に支持される。

　図１２において、燃料ポンプ４２は、ウエスコ型の電動式燃料ポンプである。燃料ポンプ４２のポンプ本体８０は、ほぼ円柱状に形成されており、ポンプ部とモータ部が内蔵されている。燃料ポンプ４２は、モータ部の駆動によりポンプ部のインペラ等の回転部材が回転することにより燃料の吸入力を発生する。燃料ポンプ４２は、ポンプ本体８０の一端部（下端部）に燃料を吸入する燃料吸入口８２を有し、ポンプ本体８０の他端部（上端部）に燃料を吐出する燃料吐出口８４している。また、ポンプ本体８０の上端部には、電源用コネクタ部８５が設けられている。

　図５に示すように、燃料ポンプ４２は、燃料吐出側を鉛直方向上側に、燃料吸入側を鉛直方向下側にしてポンプケース部５２内に縦置き状に収容されている。燃料吐出口８４は、ポンプホルダ４０の接続筒部６７に嵌合により接続されている。図１０に示すように、燃料ポンプ４２の電源用コネクタ部８５は、ポンプケース部５２の上端開口部から露出されている。電源用コネクタ部８５と図１に示す蓋部材１６の電気コネクタ２２は、図示しない配線部材を介して接続されている。

　図５に示すように、燃料フィルタ装置４４は、フィルタ部材（フィルタ）８７と内骨部材８９と接続配管９１とを備えている。フィルタ部材８７は、燃料を濾過する濾材により袋状に形成されている。濾材は、例えば、樹脂製の不織布、メッシュ材等からなる。フィルタ部材８７は、燃料ポンプ４２のポンプ本体８０の周囲（詳しくは、後側半周面）をポンプケース部５２を介して取り囲む。図１０及び図１１を参照するようにフィルタ部材８７は、ポンプ本体８０の周囲を覆うような湾曲形状である。

　図５に示すように、内骨部材８９は、樹脂製で、可撓性を有する骨格状である。内骨部材８９は、フィルタ部材８７の内部空間に設けられており、フィルタ部材８７の内周側部分と外周側部分との間隔を保持する。フィルタ部材８７は、展開状態では、扁平状で、展開方向を長くする横長四角形板状である。フィルタ部材８７は、内骨部材８９の可撓性を利用して湾曲状に曲げられている。

　図１１及び図１２に示すように、接続配管９１は、樹脂製で、エルボ管状の管体部９２と、管体部９２の一端部（上端部）に形成された取付部９３とを有している。管体部９２の他端部（右端部）は、フィルタ部材８７の周方向の一端部（右端部）における内周下部において、フィルタ部材８７の内部空間に連通しかつ内骨部材８９（図５参照）に結合されている。接続配管９１の取付部９３は、ポンプホルダ４０のポンプケース部５２の下端部にスナップフィット係合により取り付けられている。これによって、ポンプケース部５２に燃料ポンプ４２が抜け止めされていると共に、管体部９２に燃料ポンプ４２の燃料吸入口８２が嵌合により接続されている。

　図１２に示すように、圧力調整弁４６は、燃料ポンプ４２の下流に設けられ、燃料ポンプ４２が吐出した燃料の圧力を所定の圧力に調整する。圧力調整弁４６は、中空状の円筒容器であるケーシング９５を形成する上下一対のケース半体９６，９７を備えている。両ケース半体９６，９７は、ダイアフラム（不図示）を挟持した状態で接合されている。両ケース半体９６，９７の接合部の外周部には、円環状に張り出すフランジ部９８が形成されている。上側のケース半体９６の上面壁部の中央部には、余剰燃料を排出する余剰燃料排出管１００が突出されている。上側のケース半体９６の上面壁部には、燃料導入口１０２が形成されている。

　図５，図６に示すように、圧力調整弁４６は、ポンプホルダ４０の燃料配管部５４の調整弁取付管部７７内に収容されている。フランジ部９８は、調整弁取付管部７７にスナップフィット係合により抜け止めされている。図１２に示す燃料導入口１０２は、燃料配管部５４の内管部７０と外管部７２との間の図６に示す空間部に連通されている。余剰燃料排出管１００は、内管部７０内に挿入によって連通されている。

　図６に示すように、中継配管４８は、上下逆のＬ字管状に形成されている。中継配管４８の上端部は、ポンプホルダ４０の余剰燃料導出管７５に嵌合されかつスナップフィット係合により接続されている。

　図６，図７に示すように、ジェットポンプ５０は、余剰燃料導出管７５から中継配管４８を介して供給されてくる余剰燃料を利用してリザーブカップ１４外の燃料をカップ内に移送する。図７，図１２に示すように、ジェットポンプ５０は、チャンバ１０６を形成するポンプハウジング１０５と、ポンプハウジング１０５から上方へ延びる燃料導入管部１０７と、ポンプハウジング１０５から側方（右方）に延びる燃料導出管部１０８とを有している。ポンプハウジング１０５には、チャンバ１０６内に余剰燃料を噴出するノズル１０９が形成されている。

　図６に示すように、燃料導入管部１０７は、中継配管４８の下端部に接続されている。ポンプハウジング１０５は、リザーブカップ１４の平壁状部分２６ｂと燃料案内壁部３４との間における左端部に嵌合されている。これにより、チャンバ１０６がリザーブカップ１４の燃料流入口３２に連通されている。燃料流入口３２は、リザーブカップ１４の底壁部２８と燃料タンク１２の下壁部１２ｂとの間に多数の突起２８ａ（図２参照）によって形成された隙間を介して燃料タンク１２内と連通されている。図７に示すように、燃料導出管部１０８は、案内流路３６に向けられている。

　図７に示すように、燃料導入管部１０７の上下方向の中央部には、側方（右方）へ突出する分岐管部１１０が形成されている。分岐管部１１０は、図示しないもう１つのジェットポンプに余剰燃料を供給する場合に用いられものである。本実施形態ではもう１つのジェットポンプを使用しないために分岐管部１１０がプラグ（不図示）等によって塞がれている。

　次に、燃料供給装置１０の作動について説明する。図５を参照するように、燃料ポンプ４２が作動することにより、リザーブカップ１４内の燃料が燃料フィルタ装置４４を介して吸入されかつ加圧された後、燃料配管部５４の横管部６２内に吐出される。図３を参照するように、その加圧燃料は、連通配管６５を介して蓋部材１６の燃料吐出管２０からエンジンに供給される。図５を参照するように、エンジンに供給される燃料の圧力は、圧力調整弁４６によって調圧される。圧力調整弁４６は、燃料配管部５４の内管部７０と外管部７２との間の空間部の燃料の圧力すなわち燃料配管部５４の横管部６２内を流れる燃料の圧力が所定圧より高くなると、その燃料を余剰燃料排出管１００から内管部７０内を通じて余剰燃料導出管７５へ排出する。

　図６を参照するように、余剰燃料導出管７５から排出された余剰燃料は、中継配管４８からジェットポンプ５０の燃料導入管部１０７に供給される。図７を参照するように、余剰燃料は、ノズル１０９からチャンバ１０６内に噴出されることにより、チャンバ１０６内に負圧を発生させる。その負圧を利用してリザーブカップ１４外の燃料が燃料流入口３２からチャンバ１０６内に吸い込まれる。その吸い込まれた燃料は、ノズル１０９から噴出された噴出流と共に、燃料導出管部１０８からリザーブカップ１４内の案内流路３６に吐出される。これにより、リザーブカップ１４内が燃料で満たされる。

　図１３に示すように、ポンプホルダ４０の支持部材５５は、前に述べたように、支持蓋部５６と３つの支持アーム部５８を有している。図４～図６，図８を参照するように、支持蓋部５６は、リザーブカップ１４の上面開口部の周縁部を覆うようにリザーブカップ１４に取り付けられる。支持蓋部５６の周縁部は、リザーブカップ１４の側壁部２６の上端面に当接される。

　図１３に示すように、３つの支持アーム部５８は、周方向に等間隔で配置されている。３つの支持アーム部５８は、ポンプケース部５２に接続される一端部（基端部）と、支持蓋部５６の内周部に接続される他端部（先端部）を有している。詳しくは、３つの支持アーム部５８は、ポンプケース部５２の前側と左後側と右後側に配置されている。３つの支持アーム部５８は、基本的に同一構成である。図１４に示すように、支持アーム部５８は、ポンプケース部５２側の第１部分１１２と、支持蓋部５６側の第２部分１１４とを有している。

　図１４に示すように、第１部分１１２は、帯板状で上下逆Ｕ字形状であり、内側縦片部１１６と湾曲部１１７と外側縦片部１１８とを有している。ポンプケース部５２の前側に位置する内側縦片部１１６は、ポンプケース部５２の前側面に接続される端部（下端部）を有している。図１３に示すように、ポンプケース部５２の左後側及び右後側に位置する内側縦片部１１６は、その両側に位置するポンプケース部５２の溝１２０によって形成されている。溝１２０は、ポンプケース部５２の上端面から下方へ延びている。

　図１４に示すように、湾曲部１１７は、内側縦片部１１６の上端部からポンプケース部５２の径方向外方に向かって上反り状で湾曲している。外側縦片部１１８は、湾曲部１１７の外端部から下方へ延びており、内側縦片部１１６と平行に延びている。第１部分１１２は、ポンプケース部５２の径方向に撓み変形可能いわゆる弾性変形可能に形成されている。第１部分１１２の弾性変形によって外側縦片部１１８の下端部がポンプケース部５２の径方向に変位可能となっている。

　図１５に示すように、第２部分１１４は、外側縦片部１１８と同一平面上においてＵ字形板状であり、横片部１２２と一対の縦片部１２３を有している。横片部１２２の中央部は、外側縦片部１１８に接続されている。縦片部１２３は、横片部１２２の両端部から上方へ延在している。図１３～図１５に示すように、縦片部１２３の上端部は、支持蓋部５６に接続されている。第２部分１１４と第１部分１１２の外側縦片部１１８は、協働してＷ字状を形成している。第２部分１１４は、ポンプケース部５２の径方向に撓み変形可能いわゆる弾性変形可能に形成されている。第２部分１１４の弾性変形によって横片部１２２すなわち外側縦片部１１８の下端部がポンプケース部５２の径方向に変位可能となっている。

　図４に示すように、ポンプケース部５２の左後側及び右後側に位置する第２部分１１４は、フィルタ部材８７の径方向外方に配置されている。フィルタ部材８７は、第２部分１１４の径方向内方に位置している。これにより支持アーム部５８とフィルタ部材８７は、互いに干渉しない位置関係となるように配置されている。

　図１０，図１４に示すように、フィルタ保持部材１２５は、燃料フィルタ装置４４のフィルタ部材８７をリザーブカップ１４に接触しないように保持する。フィルタ保持部材１２５は、ポンプホルダ４０の燃料配管部５４における調整弁取付管部７７の下側に配置されている。フィルタ保持部材１２５は、横長四角形板状である。フィルタ保持部材１２５の一端部（基端部）１２５ａは、円弧板状であり、調整弁取付管部７７の左側部の下方に位置する。一端部１２５ａは、調整弁取付管部７７の左側部と一体であり、調整弁取付管部７７の左側部から下方に延出している。フィルタ保持部材１２５は、一端部１２５ａの先端から接線方向すなわち後方斜め右方に向けて延びる縦壁部も有している。

　図１０，図１１に示すように、フィルタ保持部材１２５は、ポンプホルダ４０と一体成形されている。フィルタ部材８７は、接続配管９１に連結される第１端と、第１端の反対に位置する自由端部８７ａを有している。フィルタ保持部材１２５の先端部１２５ｂは、フィルタ部材８７の自由端部８７ａの外側面に当接されて、自由端部８７ａを保持している。

　図４に示すように、フィルタ保持部材（フィルタ形状保持部材）１２５は、フィルタ部材８７を、燃料ポンプ４２を収容したポンプケース部５２の周囲を取り囲む状態すなわち湾曲状態に保持する。これにより、内骨部材８９（図５参照）の弾性復元力によるフィルタ部材８７の自由端部８７ａの展開方向（ポンプケース部５２の半径方向外方）への移動が抑制され、フィルタ部材８７の自由端部８７ａがリザーブカップ１４に接触しないように保持されている。図５に示すように、調整弁取付管部（管状部）７７は、燃料ポンプ４２の軸線に平行する軸線を有する。フィルタ部材８７の周方向の一方の端部（基端部）は、燃料ポンプ４２に接続配管９１によって固定される。フィルタ部材８７の一方の端部の外側面には、燃料案内壁部３４の右端部が当接又は近接されている。

　図１０，１１に示すようにフィルタ保持部材１２５がフィルタ部材８７を湾曲状態に保持する。すなわちフィルタ部材８７が湾曲状態から復元することをフィルタ保持部材１２５が抑制する。これによりフィルタ部材８７がリザーブカップ１４に接触することを抑制できる。したがって、燃料ポンプ４２で発生した振動がフィルタ部材８７からリザーブカップ１４に伝達されることにより発生する騒音を抑制できる。

　図１０に示すようにポンプケース部５２の周囲を取り囲むようにフィルタ部材８７を湾曲状態で配置している。これによりフィルタ部材８７がポンプケース部５２とリザーブカップ１４の隙間に設置される。かくして燃料供給装置１０（図１参照）がコンパクトになる。しかもフィルタ部材８７の濾過できる表面積を大きく設定できる。

　図８，図１０に示すようにポンプモジュール２４をリザーブカップ１４に組み付ける前に、フィルタ部材８７をフィルタ保持部材１２５によって湾曲状態に保持できる。このため、ポンプモジュール２４をリザーブカップ１４に組み付ける際において、リザーブカップ１４にフィルタ部材８７が接触することを抑制できる。このため、ポンプモジュール２４を容易にリザーブカップ１４に組み付けることができる。

　図１０に示すようにポンプホルダ４０にフィルタ保持部材１２５が一体で形成されている。そのため燃料供給装置１０の部品点数及び組み付け工数を増加することを抑制できる。かくして燃料供給装置１０を安価に生産できる。

　図１１に示すようにフィルタ部材８７の周方向の第1端部が接続配管９１によって燃料ポンプ４２側に固定される。そのためフィルタ部材８７の周方向の第１端部の反対側の第２端部（自由端部８７ａ）のみがフィルタ保持部材１２５によって保持される。これによりフィルタ部材８７の周方向の両端が保持され、フィルタ部材８７がリザーブカップ１４に接触することを抑制できる。したがってフィルタ部材８７を保持するための構成を簡易にできる。

　フィルタ保持部材１２５は、図１０等に示す形状を有し、図１０等に示す位置に配置される。これに代えてフィルタ保持部材１２５は、他の形状を有しても良いし、他の位置に配置されても良い。フィルタ保持部材１２５は、図１０に示すようにポンプホルダ４０に一体で形成される。これに代えてフィルタ保持部材１２５は、ポンプホルダ４０と別体で形成され、ポンプホルダ４０に取り付けられても良い。

　図１０に示すようにフィルタ保持部材１２５は、ポンプホルダ４０に一体で形成される。これに代えてフィルタ保持部材１２５は、他の部品に一体で形成されたり、他の部品に取り付けられても良い。図１０に示すようにフィルタ保持部材１２５は、ポンプホルダ４０の調整弁取付管部７７に設けられる。これに代えてフィルタ保持部材１２５は、ポンプホルダ４０の他の部位または他の部品に設けられても良い。

　図１１に示すようにフィルタ保持部材１２５は、フィルタ部材８７の自由端部８７ａを保持する。これに代えて、フィルタ保持部材１２５は、自由端部８７ａ以外のフィルタ保持部材１２５の他の部位を保持しても良い。図１１に示すようにフィルタ部材８７の周方向の一端部が接続配管９１によって燃料ポンプ４２に固定される。これに代えてフィルタ部材８７の周方向の中央部が接続配管９１によって燃料ポンプ４２側に固定されても良い。この場合、フィルタ部材８７の周方向の両端部のうち少なくとも一端部がフィルタ保持部材１２５によって保持される。

　添付の図面を参照して詳細に上述した種々の実施例は、本発明の代表例であって本発明を限定するものではありません。詳細な説明は、本教示の様々な態様を作成、使用および／または実施するために、当業者に教示するものであって、本発明の範囲を限定するものではありません。更に、上述した各付加的な特徴および教示は、改良された燃料供給装置および／またはその製造方法と使用方法を提供するため、別々にまたは他の特徴および教示と一緒に適用および／または使用され得るものです。

Claims

　燃料供給装置であって、
　燃料タンク内において燃料を貯留するリザーブカップと、
　前記リザーブカップ内の燃料をエンジンに供給する燃料ポンプと、
　前記燃料ポンプに吸入される燃料を濾過しかつ前記燃料ポンプの周囲を取り囲むように湾曲状態に配置される袋状のフィルタと、
　前記フィルタの内部空間と前記燃料ポンプの燃料吸入口とを接続する接続配管と、
　前記フィルタを湾曲状態に保持するフィルタ形状保持部材を有する、燃料供給装置。
　請求項１に記載の燃料供給装置であって、
　前記燃料ポンプを保持するポンプホルダを有し、
　前記フィルタ形状保持部材は、前記ポンプホルダに一体に形成されている、燃料供給装置。
　請求項２に記載の燃料供給装置であって、
　前記フィルタ形状保持部材は、前記ポンプホルダの管状部に配置されている、燃料供給装置。
　請求項１～３のいずれか１つに記載の燃料供給装置であって、
　前記接続配管は、前記フィルタの周方向の第１端部に配置されており、
　前記フィルタ形状保持部材は、前記フィルタの周方向の第２端部を保持する、燃料供給装置。