WO2018078980A1 - 洗濯機 - Google Patents

Abstract

洗濯機は、洗濯機本体（２）と、洗濯機本体（２）の上部を覆う上部筐体（３）と、第１収容室（１４）を有する洗剤収容ケース（６）を備える。第１収容室（１４）は、洗剤と水との混合により洗剤水溶液が生成される混合室（２４）と、混合室（２４）から流入した洗剤水溶液中の洗剤を粉砕する粉砕室（２２）とに、仕切壁（２３）で仕切られる。これにより、水道水の水圧が変動しても、混合室（２４）と、粉砕室（２２）とで、洗剤を効率よく溶解する。その結果、洗浄性能のばらつきを防止可能な洗濯機を提供できる。

Description

洗濯機

　本発明は、簡単な構成で、水圧の変動がある場合でも、洗剤を溶解しやすい、水漏れを防止できる洗濯機の洗剤投入構造に関する。

　従来、洗剤投入構造を有する洗濯機は、洗濯槽と、上部筐体と、蓋体と、洗剤収容ケースと、流路構造部と、洗剤溶解部などを備える。洗濯槽は、洗濯機本体の内部に設けられ、洗濯と脱水を行う。上部筐体は、洗濯機本体の上部に設けられ、洗濯機本体の一部を構成する。上部筐体は、洗濯槽に衣類を出し入れする衣類投入口を有する。蓋体は、衣類投入口を開閉自在に覆う。このとき、洗濯槽は、蓋体側が開口された有底筒形状で形成される。

　洗剤収容ケースは、衣類投入口近傍に配置される。流路構造部は、洗剤収容ケースの上方に配置され、洗剤収容ケースに給水する。洗剤溶解部は、洗剤収容ケースの下方に配置され、水と洗剤とを混ぜながら洗剤水溶液を形成し、洗剤水溶液を流下させる。そして、洗剤水溶液は、洗剤溶解部の開放側から洗濯槽内に供給される。なお、流路構造部の一部と洗剤溶解部とは、一体的に成型される。

　また、洗剤収容ケースは、一部にスリット状の開口を有する。洗剤溶解部は、リブを有し、リブは、洗剤収容ケースのスリット状の開口に部分的に挿入されるように構成される（例えば、特許文献１および特許文献２参照）。

　以下、図１３から図１７を用いて、一般的なトップロード式の洗濯機の構成について説明する。

　図１３は、一般的なトップロード式の洗濯機で洗剤収容ケースが閉じたときの主要な断面図である。図１４は、同洗濯機の給水部の要部断面斜視図である。図１５は、同洗濯機の洗剤収容ケースを引き出したときの主要な断面図である。図１６は、一般的なフロントローディング式の洗濯機の要部分解斜視図である。図１７は、同洗濯機の要部断面図である。

　洗濯機本体１０２は、図１３に示すように、内部に洗濯槽１０１を回転自在に収納する。洗濯機本体１０２の上部には、洗濯機本体１０２の上部全体をほぼ覆う上部筐体１０３が装着される。衣類投入口１０４は、上部筐体１０３の略中央に、上部筐体１０３と一体に成型される。つまり、衣類投入口１０４は、洗濯槽１０１の上方で、下方向に伸延して上部筐体１０３に形成される。蓋体１０５は、上部筐体１０３に開閉自在に装着され、衣類投入口１０４の上方全体を覆う。洗濯槽１０１は、モータ１１０を介して、回転、停止される。

　洗剤収容ケース１０６は、上部筐体１０３の衣類投入口１０４の近傍位置に、引き出し自在に配設され、洗剤などを収容する。

　流路構造部１０７は、洗剤収容ケース１０６の上方に設けられ、水道水を導いて、洗剤収容ケース１０６の各部に流下させるように構成される。

　具体的には、流路構造部１０７は、流路構造部上面１０７ａと、流路構造部下面１０７ｂから構成される。流路構造部上面１０７ａは、流路構造部１０７の上面を構成し、流路構造部１０７からの水漏れを防止する。流路構造部下面１０７ｂは、流路構造部１０７の下面を構成し、洗剤収容ケース１０６に供給する水を流下させる。

　洗剤溶解部１０８は、洗剤収容ケース１０６の下方に設けられる。洗剤溶解部１０８は、洗剤収容ケース１０６内で混合された水道水と洗剤とから、洗剤水溶液１０９を作る。

　流路構造部上面１０７ａと洗剤溶解部１０８とは、一体に形成され、洗濯槽１０１側が開口し、洗濯槽１０１の反対側が有底で構成される。これにより、水道水の水圧が高く、流路構造部１０７を流れる流量が多い場合でも、洗剤収容ケース１０６および洗剤溶解部１０８から溢れた洗剤水溶液１０９が、洗濯機本体１０２や上部筐体１０３に溢れ出ることを防止する。その結果、モータ１１０などの電気部品の絶縁不良などの発生を防止できる。

　また、洗剤収容ケース１０６は、衣類投入口１０４とは反対側に位置する一方の端に第１の排水部１１１を備える。第１の排水部１１１は、洗剤水溶液１０９を洗剤溶解部１０８に排水する。

　洗剤溶解部１０８は、衣類投入口１０４側に位置する一方の端に第２の排水部１１２を備える。第２の排水部１１２は、洗剤溶解部１０８表面を流下した洗剤水溶液１０９を衣類投入口１０４に排水する。

　このとき、洗剤溶解部１０８は、第１の排水部１１１から第２の排水部１１２に向かって下降傾斜して形成される。また、第２の排水部１１２は、衣類投入口１０４より外側で、かつ、洗濯槽１０１の衣類投入口１０４側の開口端の洗濯槽開口部内壁１１３より内側に配置される。これにより、洗剤水溶液１０９は、第２の排水部１１２の開口側から洗濯槽開口部内壁１１３の内側に排水される。そのため、洗剤水溶液１０９は、洗濯槽１０１と洗濯機本体１０２との間を伝って流下しない。その結果、洗剤水溶液１０９がモータ１１０などの電気部品にかかることを防いで、絶縁不良の発生を防止できる。

　また、洗剤溶解部１０８は、保持部材１１４により、下方から保持される。保持部材１１４は、洗剤溶解部１０８の他、図示しないリード線、センサーなどの電気部品がユニット状態で、予め組み立てられる。そして、ユニット状態の保持部材１１４や洗剤溶解部１０８などは、図示しないツメ、ねじなどにより、上部筐体１０３に取り付けられる。これにより、保持部材１１４、洗剤溶解部１０８他を、ユニット状態で上部筐体１０３に、容易に取り付けることができる。

　さらに、洗剤溶解部１０８は、図１４に示すように、洗剤溶解部１０８の有底側から開放側の方向に伸延して配置されるリブ１２０を備える。一方、洗剤収容ケース１０６は、底部に、開口されたスリット１２１を有する。そして、洗剤収容ケース１０６のスリット１２１内に、洗剤溶解部１０８のリブ１２０が挿入される。これにより、リブ１２０とスリット１２１との間の隙間を洗剤水溶液１０９が流通する際に、洗剤は水で効率よく溶かされる。その結果、洗濯物の洗浄性能が向上する。

　また、リブ１２０は、使用者が、洗剤収容ケース１０６を出し入れするたびに、スリット１２１内を摺動する。これにより、リブ１２０とスリット１２１との間の洗剤の固着を防いで、スリット１２１の目詰まりを防止できる。

　洗剤溶解部１０８は、上述したように、第１の排水部１１１から第２の排水部１１２に向かって、下降傾斜するように形成される。このとき、リブ１２０は、洗剤溶解部１０８の有底側から、開放側の方向に伸延して配置される。これにより、洗剤溶解部１０８の成型時において、金型の抜き方向とリブ１２０の伸延方向とを同一方向にできる。その結果、洗剤溶解部１０８は、成型により、容易に形成される。

　また、洗剤溶解部１０８は、図１５に示すように、摺動面１３０を備える。摺動面１３０は、洗剤収容ケース１０６の摺動面１３１を摺動自在に支持する。流路構造部１０７の前方側の左右には、ツメ１３５ａ、１３５ｂが配置される。ツメ１３５ａ、１３５ｂは、洗剤収容ケース１０６を最も引き出したときに、洗剤収容ケース１０６の縁部１３４と当接する。これにより、ツメ１３５ａ、１３５ｂは、洗剤収容ケース１０６の、それ以上の引き出しを防止する。

　つまり、洗剤収容ケース１０６内に洗剤を投入する際に、流路構造部１０７のツメ１３５ａ、１３５ｂと洗剤収容ケース１０６の縁部１３４とが当接するまで引き出す。これにより、洗剤収容ケース１０６の位置を規制して、がたつきを無くし、洗剤を投入しやすくしている。

　一方、洗剤収容ケース１０６を手入れする際には、使用者は、洗剤収容ケース１０６を当接位置まで引き出した後、洗剤収容ケース１０６を斜め上方に持ち上げる。そして、洗剤収容ケース１０６の縁部１３４と流路構造部１０７のツメ１３５ａ、１３５ｂとの当接を外す。これにより、洗剤収容ケース１０６を容易に取り外すことができる。

　以上のように、一般的なトップロード式の洗濯機における洗剤投入構造は構成される。

　つぎに、従来の別の洗濯機、例えばフロントローディング式の洗濯機の洗剤投入構造について、図１６を用いて、説明する。

　図１６に示すように、フロントローディング式の洗濯機は、図１５に示す洗濯機と同様に、流路構造部１０７と、縦長形状の洗剤収容ケース１０６からなる洗剤投入構造を有する。

　流路構造部１０７のツメ１３５は、流路構造部１０７の中央で、洗剤収容ケース１０６に対向する面に設けられる。洗剤収容ケース１０６を一番引き出した際に、洗剤収容ケースのツメ１３７が、流路構造部１０７のツメ１３５と当接する。そして、洗剤収容ケース１０６のツメ１３７がツメ１３５と当接する位置まで引き出されると、洗剤収容ケース１０６の後方部分の左右壁面は、洗剤溶解部１０８の内壁で位置が規制される。これにより、洗剤収容ケース１０６のがたつきを防止して、洗剤が投入しやすくなる。

　一方、洗剤収容ケース１０６を流路構造部１０７から取り外すとき、洗剤収容ケース１０６のツメ１３７を弾性的に保持する洗剤収容ケース１０６のはり部１３６を押し下げる。これにより、洗剤収容ケース１０６のツメ１３７と流路構造部１０７のツメ１３５との当接が外れる。そのため、容易に洗剤収容ケース１０６を取り外すことができる。

　また、洗濯槽１０１は、上方に、図１７に示すように、衣類にシャワー水１５０をかける給水部１５１が配設される。給水部１５１は、循環ポンプ（図示せず）で汲み上げられた洗濯槽１０１内の水を加圧して、洗濯物１５５に送水する。

　給水部１５１は、円形の第１の吐出口１５２と、第２の吐出口１５３を備える。第１の吐出口１５２は、給水部１５１の底面に設けられる。第２の吐出口１５３は、給水部１５１の外周面に略水平方向に設けられる。給水部１５１の第１の吐出口１５２と第２の吐出口１５３の手前（上流側）には、絞り部１５４が設けられる。絞り部１５４は、給水部１５１に供給される水などの流速を上げるように作用する。

　第１の吐出口１５２からは、下方向に広がるシャワー水１５０ａが噴出される。一方、第２の吐出口１５３からは、水平方向に広がるシャワー水１５０ｂが噴出される。これにより、洗濯槽１０１内の洗濯物１５５に、均一にシャワー水１５０をかけることができる。その結果、洗濯物１５５を効率よく洗浄できる。

　しかしながら、上記従来の洗濯機は、水道水の水圧が高い場合、流路構造部１０７から洗剤収容ケース１０６に流下する水の流量が大きくなる。このとき、洗剤水溶液１０９は、リブ１２０とスリット１２１との間の隙間を流通するよりも早く、第１の排水部１１１から洗剤溶解部１０８に流出する。これにより、洗剤が溶けない状態で、水が洗濯槽１０１に供給される。そのため、洗浄性能の向上がしにくい。

　また、水道水の水圧が低い場合、流路構造部１０７から流下する水の流量が小さい。このとき、洗剤収容ケース１０６の水位が上昇する前に、水がスリット１２１から流出する。そのため、洗剤収容ケース１０６に投入された洗剤全体が水没せず、下方の洗剤のみが溶けて流下する。つまり、上方の洗剤は、水に溶けずに残るため、洗剤を効果的に溶かすことができない。

　つまり、従来の洗濯機の洗剤投入構造では、水道水の水圧の高低によって、水への洗剤の溶解量が変動するため、洗浄性能がばらつきやすい。

特開２００７－２７５３２７号公報 特開２０１５－１９５９４８号公報

　本発明は、簡単な構成で、水道水の水圧の高低に関わらず、効率よく洗剤を溶解させて、洗浄性能を向上できる洗濯機を提供する。

　本発明の洗濯機は、洗剤収容ケースを、洗剤と水との混合により洗剤水溶液を生成する混合室と、洗剤水溶液中の洗剤を水の噴射で粉砕する粉砕室とを仕切る仕切壁を備える。さらに、洗濯機は、粉砕室の底部に洗剤水溶液を下方向に流出する洗剤水溶液流下孔を含むように構成される。これにより、水圧が高い場合、粉砕室に洗剤水溶液が流れるより先に、混合室で水と洗剤が混合される。そのため、水に洗剤を容易に溶解できる。また、粉砕室への水の噴射の勢いも強くなるため、さらに洗剤を溶解しやすくなる。

　一方、水圧が低い場合、仕切壁により水が仕切られるため、水が仕切壁を越えるまでは、混合室内で水と洗剤とが混合される。その後、混合された洗剤水溶液は、仕切壁を越えて、粉砕室に送られる。そして、粉砕室において、洗剤は、洗剤水溶液流下孔から噴射される水で、さらに細かく粉砕される。そのため、洗剤が、水に、より溶解しやすくなる。これにより、水圧の高低に関わらず、水に洗剤を効率よく溶解させて、洗浄性能のばらつきを防止できる。

図１は、本発明の実施の形態における洗濯機の側断面図である。 図２は、同洗濯機の洗剤収容ケースを装着した状態を示す要部断面図である。 図３は、同洗濯機の洗剤収容ケースを装着した状態を示す要部側断面図である。 図４は、同洗濯機の洗剤収容ケースを装着した状態を示す要部断面斜視図である。 図５は、同洗濯機の洗剤収容ケースを外した状態を示す要部断面斜視図である。 図６は、同洗濯機の洗剤収容ケースを引き出した状態を示す要部断面斜視図である。 図７は、同洗濯機の要部斜視図である。 図８は、同洗濯機の概略構成説明図である。 図９は、同洗濯機の動作説明図である。 図１０は、同洗濯機の動作説明図である。 図１１は、同洗濯機の要部断面斜視図である。 図１２は、同洗濯機の概略的なブロック図である。 図１３は、従来の洗濯機の側断面図である。 図１４は、従来の洗濯機の要部断面斜視図である。 図１５は、従来の洗濯機の要部断面図である。 図１６は、従来の洗濯機の分解斜視図である。 図１７は、従来の洗濯機の要部断面図である。

　以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。

　（実施の形態）
　以下、本発明の実施の形態の洗濯機について、図１から図１２を用いて、説明する。

　図１は、本発明の実施の形態における洗濯機の側断面図である。図２は、同洗濯機の洗剤収容ケースを装着した状態を示す要部断面図である。図３は、同洗濯機の洗剤収容ケースを装着した状態を示す要部断面図である。図４は、同洗濯機の洗剤収容ケースを装着した状態を示す要部断面斜視図である。図５は、同洗濯機の洗剤収容ケースを外した状態を示す要部断面斜視図である。図６は、同洗濯機の洗剤収容ケースを引き出した状態を示す要部断面斜視図である。図７は、同洗濯機の要部斜視図、図８は、同洗濯機の概略構成説明図、図９、図１０は、同洗濯機の動作説明図である。図１１は、同洗濯機の要部断面斜視図である。図１２は、同洗濯機の概略的なブロック図である。

　なお、以降では、洗濯機の洗剤収容ケース６の設置側を後方、蓋体５の開閉側を前方とし、前方から後方に向かって右側を右方、左側を左方として各構成要素の配置などを説明する。また、上下方向においては、洗濯機の蓋体５側を上方、モータ１０側を下方として説明する。

　図１に示すように、洗濯機本体２は、洗濯槽１を回転自在に支持して収納する。洗濯機本体２の上部には、洗濯機本体２の上部全体をほぼ覆う上部筐体３が装着される。上部筐体３は、例えばポリプロピレンなどの成型により形成される。衣類投入口４は、上部筐体３の略中央（中央を含む）に、上部筐体３と一体に成型して形成される。衣類投入口４は、洗濯槽１の上方で、下方向に伸延して上部筐体３に形成される。蓋体５は、上部筐体３に開閉自在に装着され、衣類投入口４の上方全体を覆うように装着される。

　洗剤収容ケース６は、上部筐体３の衣類投入口４の近傍位置に、引き出し自在に配設され、洗剤などを収容する。

　流路構造部７は、洗剤収容ケース６の上方に設けられ、水道水を導いて、洗剤収容ケース６の各部に流下させる構成を備える。

　具体的には、流路構造部７は、流路構造部上面７ａと、流路構造部下面７ｂから構成される。流路構造部上面７ａは、流路構造部７の上面を構成し、流路構造部７からの水漏れを防止する。流路構造部下面７ｂは、流路構造部７の下面を構成し、洗剤収容ケース６に供給する水を流下させる。なお、流路構造部上面７ａと流路構造部下面７ｂとは、流路構成に必要な、比較的短いリブ７ｂ１を平面上に備える略板状（板状を含む）の形状で形成される。

　洗剤溶解部８は、洗剤収容ケース６の下方側に、上部筐体３の一部を下方に伸延して構成される。洗剤溶解部８は、流水面８ａと、周囲壁８ｂから構成される。流水面８ａは、衣類投入口４に向かって下方向に傾斜するように設けられる。周囲壁８ｂは、洗剤溶解部８の流水面８ａの周囲で、衣類投入口４側に向いた面以外の面に、略垂直（垂直を含む）に立てた状態で設けられる。

　なお、流路構造部７を構成する流路構造部上面７ａと流路構造部下面７ｂとは、例えば溶着により一体化して、水密構造で形成される。流路構造部７は、洗剤溶解部８の上部を覆うように配置され、上部筐体３に、図示しないツメやねじなどにより固定される。

　洗剤収容ケース６は、水道水と洗剤とを混合して、洗剤水溶液９を生成する。洗濯槽１は、モータ１０を介して、回転、停止される。

　また、洗剤収容ケース６は、衣類投入口４とは反対側に位置する一方の端を、一部下方に下げて構成される第１の排水部１１を備える。第１の排水部１１は、洗剤溶解部８に洗剤水溶液９を排水する。排水された洗剤水溶液９は、洗剤溶解部８の流水面８ａの衣類投入口４側に位置する一方の端である第２の排水部１２から衣類投入口４に排水される。このとき、洗剤溶解部８の流水面８ａは、上述したように、第１の排水部１１から第２の排水部１２に向かって下降傾斜するように形成されている。第２の排水部１２の開口部３２は、洗濯槽１の中心から見て衣類投入口４より外側で、かつ、衣類投入口４側の開口端である、洗濯槽１の洗濯槽開口部内壁１３より内側に配置される。

　さらに、洗剤収容ケース６は、図２に示すように、粉末の洗剤などを収容する第１収容室１４と、液体の柔軟剤などを収容する第２収容室１５とを含む。

　流路構造部下面７ｂは、一部に、洗剤収容ケース６の第１収容室１４の周囲壁面に向けて下方に伸延する、第１の防水壁１６を備える。第１の防水壁１６は、第１の排水部１１を除くほぼ全周で、第１収容室１４の周囲壁面の上部に近接して設けられる。

　また、流路構造部下面７ｂは、一部に、洗剤溶解部８の周囲壁８ｂに向けて下方に伸延する、第２の防水壁１７を備える。流路構造部下面７ｂは、第２の防水壁（防水部）１７、第２の排水部１２を除くほぼ全周で、洗剤溶解部８の周囲壁８ｂの上部に近接して設けられる。

　流路構造部７の上方には、図１に示すように、給水弁１８と、図示しない制御部および入力部と、表示部を含む操作部１９などの電気部品が配置される。給水弁１８は、開閉自在な動作により、流路構造部７に水道水などを流下させる。制御部は、洗濯機の給水、洗濯、脱水などの動作を制御する。入力部は、使用者の指示を受け付ける。操作部１９は、表示部を介して、使用者に運転状況などを知らせる。給水弁１８および操作部１９は、上部筐体３の後方に配置され、図示しない配線などで接続される。このとき、給水弁１８と操作部１９とを近接して配置し、配線を短くする。これにより、製造が容易で、外部からの電磁波などの影響による操作部１９の誤動作を防止できる。

　流路構造部下面７ｂは、さらに、第１収容室１４に水を供給する、複数の第１流下孔２５を有する。第１流下孔２５から流下する水により、第１収容室１４に収容された洗剤は、確実に水と混合される。これにより、洗剤の溶け残りを防いで、洗剤水溶液９が生成される。生成された洗剤水溶液９は、第１の排水部１１から第２の排水部１２に流下する。その間、洗剤水溶液９は、上部筐体３と継ぎ目なく一体に構成された洗剤溶解部の流水面８ａを流れる。これにより、洗剤水溶液９中の水と洗剤との溶解が、さらに促進される。その結果、より洗浄性能を向上できる。

　つまり、本実施の形態の洗濯機の洗剤投入構造は、上方から順に、第２の防水壁１７、第１の防水壁１６、第１の排水部１１、第２の排水部１２が配置される。

　また、洗剤溶解部８の流水面８ａは、洗剤収容ケース６に向けて上方に伸延して配置される、複数のピン２０を備える。

　洗剤収容ケース６の一部は、スリット２１を含む粉砕室２２が構成される。粉砕室２２は、第１の排水部１１より、さらに後方に伸延して設けられ、洗剤水溶液９の洗剤をさらに溶解させて、下方に流下させる。なお、スリット２１は、洗剤水溶液流下孔の例示である。

　つまり、洗剤収容ケース６の第１収容室１４は、第１の排水部１１を含む仕切壁２３により、粉砕室２２と、混合室２４とに仕切られる。混合室２４は、使用者が洗剤を投入した後に、洗剤と水とを混合する。

　流路構造部下面７ｂは、混合室２４の上方に、混合室２４に水を流下させる複数の第１流下孔２５を有する。さらに、流路構造部下面７ｂは、粉砕室２２の上方に、粉砕室２２に水を流下させる第２流下孔２６を有する。第１流下孔２５と第２流下孔２６とは、流路構造部７内部の流路を介して、連通する。

　上記構成において、使用者が混合室２４に洗剤を投入した後、洗濯機の運転が開始されると、以下の動作が実行される。

　運転開始により、制御部は、給水弁１８を開いて、第１流下孔２５から混合室２４内の洗剤に水を流下させる。これにより、混合室２４内で、洗剤と水とが混合される。第１流下孔２５から水が供給されると、洗剤と水を混合しながら、混合室２４内の水位が上昇する。そして、水位が仕切壁２３の高さまで上昇すると、水と洗剤の混合液は、仕切壁２３を乗り越えて粉砕室２２に流れ込む。流れ込んだ混合液は、粉砕室２２上方の第２流下孔２６から流下する水がかけられ、洗剤水溶液９が生成される。そして、粉砕室２２の下方に設けられたスリット２１から、下方の洗剤溶解部８に洗剤水溶液９が排出される。

　このとき、粉砕室２２のスリット２１の開口より大きな洗剤の塊は、スリット２１を通過せず、粉砕室２２に留まる。留まった洗剤は、流路構造部下面７ｂの第２流下孔２６から、さらに水がかけられる。これにより、大きな洗剤の塊は、徐々に溶解がすすむ。そして、洗剤がスリット２１の開口より小さくなるまで溶解がすすむと、下方の洗剤溶解部８に流下する。

　スリット２１の長手方向（前後方向）は、洗剤収容ケース６の摺動方向と略同一（同一を含む）にしている。洗剤溶解部８の流水面８ａに形成されたピン２０は、先端がスリット２１を貫通するように配置される。このとき、上述したように、洗剤収容ケース６は、前後に摺動可能に形成されている。そこで、まず、使用者は、洗剤収容ケース６を摺動させながら引き出して、第１収容室１４に洗剤を投入する。洗剤投入後、使用者は、洗剤収容ケース６を閉じる。そして、洗濯運転開始時において、洗濯機の制御部は、給水弁１８を開いて水を洗剤収容ケース６に供給する。これにより、洗剤と水とを混合して生成した洗剤水溶液９を、洗濯槽１に流下するように構成される。

　また、流路構造部下面７ｂは、下方に伸延して一体に形成される洗剤水溶液速度調整壁２７を備える。洗剤水溶液速度調整壁２７は、仕切壁２３より下流側の、粉砕室２２領域の上方位置で、第２流下孔２６より上流側に設けられる。洗剤水溶液速度調整壁２７は、洗剤収容ケース６の混合室２４から粉砕室２２に流入する洗剤水溶液９の速度を制限するように作用する。

　洗剤溶解部８は、流水面８ａ上に、さらに水跳ね抑制壁２８ａを備える。水跳ね抑制壁２８ａは、図４に示すように、例えば前後方向に二つ並んで設けられた第１流下孔２５の直下近傍の位置で、かつ、洗剤溶解部８の流水面８ａ全体の中央寄りの一方側に設けられる。つまり、水跳ね抑制壁２８ａは、前後方向（洗剤収容ケース６の摺動方向）、すなわち、洗剤水溶液９が流水面８ａ上を流下する方向に沿って伸延して設けられる。このとき、水跳ね抑制壁２８ａの第２の排水部１２側の一端は、少なくとも第１流下孔２５の一つの直下位置部分を囲うように、略Ｊ字（Ｊ字を含む）の形状で形成される。

　つまり、水跳ね抑制壁２８ａの一部は洗剤水溶液９の流水する方向に、一部（第２の排水部１２側の一端）は洗剤水溶液９の流水を遮る方向に伸延して、Ｊ字の形状で構成される。

　さらに、本実施の形態では、図５に示すように、洗剤溶解部８の流水面８ａ上に、第２の水跳ね抑制壁２８ｂと第３の水跳ね抑制壁２８ｃとを備える。第２の水跳ね抑制壁２８ｂと第３の水跳ね抑制壁２８ｃは、それぞれ略Ｃ字（Ｃ字を含む）の形状で形成され、第２流下孔２６の直下近傍の位置で、流水面８ａ上に対向して配設される。つまり、第２の水跳ね抑制壁２８ｂと第３の水跳ね抑制壁２８ｃは、第２流下孔２６の直下位置部分を、左右から、囲うように配置される。このとき、第２の水跳ね抑制壁２８ｂと第３の水跳ね抑制壁２８ｃは、洗剤水溶液９が流水する方向以外の方向を囲み、洗剤水溶液９の流水する方向は開口するように設けられる。

　また、略Ｊ字の形状に曲げられている水跳ね抑制壁２８ａ近傍の洗剤溶解部８の流水面８ａには、洗濯槽１に向けて連通する排水孔２９が設けられる。排水孔２９は、洗濯槽１の中心から見て、洗濯槽開口部内壁１３より内側に配置される。さらに、排水孔２９は、第１流下孔２５の一つと対向する位置に配置される。

　また、左右の、洗剤溶解部８の流水面８ａと周囲壁８ｂとの間には、洗剤収容ケース６の摺動方向に階段状の断面形状で伸延する洗剤溶解部８の摺動面３０が、形成される。

　同様に、洗剤収容ケース６の左右端で、洗剤溶解部８の摺動面３０と対向する位置には、洗剤収容ケース６の摺動面３１が形成される。洗剤収容ケース６の摺動面３１は、図３に示すように、下方に伸延したのち、左右方向に平面状に伸延する形状で形成される。

　洗剤溶解部８の摺動面３０と洗剤収容ケース６の摺動面３１は、第１の支持部を構成する。第１の支持部は、洗剤収容ケース６を上部筐体３に対して摺動自在に支持する。

　洗剤溶解部８は、衣類投入口４側に形成される開口部３２を備える。洗剤収容ケース６は、開口部３２を介して、出し入れ可能に構成される。

　また、洗剤溶解部８は、図１および図３に示すように、操作部１９により覆われる。操作部１９は、上部筐体３の上部に、図示しないツメやねじなどにより固定される。操作部１９の前縁部３３は、図１に示すように、上部筐体３の衣類投入口４と、洗剤溶解部８の開口部３２との間に配置される。

　また、流路構造部下面７ｂの一部は、図２に示すように、流路構造部７の左右の洗剤収容ケース６の摺動範囲外において、下方に延設される。つまり、流路構造部下面７ｂの先端近傍は、図３または図５に示すように、洗剤収容ケース６に向けて下方に延設され、摺動面３４を構成する。

　流路構造部７の摺動面３４と洗剤収容ケース６の摺動面３１は、第２の支持部を構成する。第２の支持部は、上部筐体３に固定された流路構造部７に対して、洗剤収容ケース６を摺動自在に支持する。

　つまり、本実施の形態の洗濯機の洗剤投入構造は、洗濯槽１の中心側から見て、衣類投入口４、流路構造部７の摺動面３４、操作部の前縁部３３、開口部３２、洗剤溶解部の摺動面３０の前縁、第２の排水部１２、洗濯槽開口部内壁１３、洗剤溶解部の流水面８ａの順に配置される。

　また、流路構造部７のツメ３５（第２の係止部）は、図６に示すように、引き出したときに洗剤収容ケース６のツメ３７と当接するように、洗剤収容ケース６の第１収容室１４と第２収容室１５との間に位置に配設される。一方、洗剤収容ケース６は、第１収容室１４と第２収容室１５との間に、はり部３６を備える。はり部３６の一部は、弾性的に上下可能な、流路構造部７に向かって突出するツメ３７（第１の係止部）を有する。ツメ３５は、洗剤収容ケース６を引き出した状態で、流路構造部７のツメ３７に当接する。

　このとき、洗剤収容ケース６のツメ３７と流路構造部７のツメ３５の、それぞれの当接面は、洗剤収容ケース６の摺動方向に、略垂直（垂直を含む）な平面形状で形成される。これにより、洗剤収容ケース６を引き出した際に、互いの当接面が当接すると、洗剤収容ケース６は、それ以上引き出せないように位置規制される。

　一方、洗剤収容ケース６を取り外して手入れなどをする際には、使用者は、洗剤収容ケース６のはり部３６を、弾性変形させて押し下げる。このとき、ツメ３７も下方に押し下げられて、流路構造部７のツメ３５との当接が外れる。これにより、洗剤収容ケース６の取り外しが可能となる。

　また、流路構造部７のツメ３５と洗剤収容ケース６のツメ３７の、それぞれの当接面と反対側の面は、図３に示すように、洗剤収容ケース６の摺動方向（前後方向）に対して傾斜する傾斜面で形成される。これにより、洗剤収容ケース６を流路構造部７に取り付ける際において、まず、ツメ３５とツメ３７の、それぞれの傾斜面が当接する。そして、洗剤収容ケース６を挿入するにしたがって、ツメ３７が下方に移動する。このとき、洗剤収容ケース６のはり部３６は、弾性的に下方に撓む。これにより、ツメ３７が、ツメ３５を乗り越える。その結果、洗剤収容ケース６のツメ３７と流路構造部のツメ３５とが、互いの当接面を介して、係止する。

　流路構造部７は、左右端に、図６に示すように、支持部３８を備える。支持部３８は、洗剤収容ケース６の摺動方向に沿って、下方に伸延して形成される。さらに、支持部３８の内側の面は、洗剤収容ケース６の第１収容室１４および第２収容室１５の外側の壁に近接させて設けられる。

　一方、洗剤収容ケース６は、左右端に、位置抑制部３９を備える。位置抑制部３９は、洗剤収容ケース６の摺動方向に沿って、上方に伸延して形成される。さらに、位置抑制部３９の内側の面は、流路構造部７の支持部３８の外側の壁に近接させて設けられる。

　つまり、本実施の形態の洗濯機の洗剤投入構造は、外側から内側へ向かって、洗剤収容ケース６の位置抑制部３９、流路構造部７の支持部３８、第１収容室１４と第２収容室１５の外側の壁、第１収容室１４と第２収容室１５、さらにその間に挟むように洗剤収容ケース６のツメ３７と流路構造部７のツメ３５が順に配置される。

　すなわち、洗剤収容ケース６の略中央（中央を含む）に、洗剤収容ケース６のツメ３７（第１の係止部）と、流路構造部７のツメ３５（第２の係止部）が配置される。そして、洗剤収容ケース６の左右端側には、流路構造部７の支持部３８と洗剤収容ケース６の位置抑制部３９が、近接して配置される。

　また、流路構造部７の支持部３８は、図６に示すように、流路構造部下面７ｂに一体に、略同一断面（同一断面を含む）を有するレール形状で形成される。具体的には、支持部３８は、流路構造部下面７ｂの前後方向、すなわち、洗剤収容ケース６の摺動方向に、流路構造部下面７ｂの全長分の長さにわたって延設される。つまり、流路構造部下面７ｂは、摺動面３４、ツメ３５、および支持部３８が、一体に構成される。

　同様に、洗剤収容ケース６は、摺動面３１、位置抑制部３９、はり部３６、およびツメ３７が、一体に構成される。

　また、洗剤収容ケース６の第１収容室１４は、図３および図４に示すように、底面の一部が開口する、粉末洗剤の排水孔４０を有する。粉末洗剤の排水孔４０は、洗剤溶解部８の流水面８ａの水跳ね抑制壁２８ａの排水孔２９と対向して配置される。つまり、粉末洗剤の排水孔４０は、洗濯時において、流路構造部７から第１収容室１４に給水して、粉末洗剤を流す際に、水と洗剤の一部を、洗剤溶解部８の流水面８ａに流下させる。そして、流下した水と粉末洗剤の一部は、洗剤溶解部８の流水面８ａを通り、排水孔２９から洗濯槽１に供給される。

　つまり、所定の水を洗濯槽１に供給したのち、流路構造部７からの給水が終了すると、第１収容室１４に残った水は、粉末洗剤の排水孔４０から流下し、洗濯槽１に供給される。これにより、第１収容室１４の排水側に仕切壁２３を設けても、第１収容室１４内に水が残留しないように構成される。そのため、次回の使用時において、洗剤収容ケース６の第１収容室１４に粉末洗剤を入れる際、第１収容室１４の表面は乾いている。これにより、第１収容室１４の内面への洗剤の固着がし難くなるため、使い勝手を向上させることができる。

　また、流路構造部７は、衣類投入口４側の一端に、図３および図５に示す横方向流路４１を備える。横方向流路４１は、洗濯槽１を中心にして、洗剤収容ケース６の左右端まで横方向に伸延して形成される。つまり、給水弁１８から給水された水は、流路構造部７内の第１流下孔２５と第２流下孔２６とを含む流路を通る。その後、水は、図５に示す流路絞り部４２を通って、横方向流路４１に供給される。

　そして、横方向流路４１は、左右端に、それぞれ下方に伸延して設けられる第１の水管部４３と、第２の水管部４４と接続される。

　第１の水管部４３と、第２の水管部４４は、下端近傍に、図１１に示す球面部４５を有する。球面部４５は、第１の水管部４３、第２の水管部４４の中心軸を中心に、内面まで略同一半径（同一半径を含む）で形成される。球面部４５の一部には、洗濯槽１側に向けて斜め下方向に開口する、第１の水平開口部４６と第２の水平開口部４７が形成される。

　第１の水管部４３と第１の水平開口部４６は、第１の給水部４８を構成する。同様に、第２の水管部４４と第２の水平開口部４７は、第２の給水部４９を構成する。

　第１の給水部４８と第２の給水部４９は、洗剤収容ケース６の左右端に隣接して配置される。そして、第１の水平開口部４６および第２の水平開口部４７からシャワー水５０が、洗濯槽１内の洗濯物５５に供給される。

　第１の水平開口部４６と第２の水平開口部４７は、第１の水管部４３、第２の水管部４４の中心軸を中心とする球面部４５に、洗濯槽１側に向けて斜め下方向に開口している。このとき、給水弁１８から供給される水は、まず、第１の水管部４３、第２の水管部４４の中心軸を中心に第１の水平開口部４６と第２の水平開口部４７に対して垂直に落下するように流れる。そして、垂直に落下する水は、球面部４５と第１の水平開口部４６および第２の水平開口部４７とによって、噴出方向が変更される。そのため、球面部４５と第１の水平開口部４６および第２の水平開口部４７は、水の噴出方向を決定する付勢部を構成する。

　通常、洗濯槽１は、モータ１０の回転により、時計方向に回転する第１の回転状態（ＣＷ）と、反時計方向に回転する第２の回転状態（ＣＣＷ）を備える。そして、洗濯時における洗い、すすぎの際、制御部は、給水弁１８が開いて、洗濯槽１内に水を供給する。このとき、洗い、すすぎなどの回転時に、シャワー水５０が洗濯槽１内の洗濯物５５に供給される。

　つまり、第１の回転状態（ＣＷ）においては、図８に示すように、洗濯槽１の左側にある洗濯物５５は、洗濯槽１の左側にある第１の給水部４８に向かって近づく方向に移動する。同様に、第２の回転状態（ＣＣＷ）においては、洗濯槽１の右側にある洗濯物５５は、洗濯槽１の右側にある第２の給水部４９に向かって近づく方向に移動する。これにより、どちらの回転状態においても、シャワー水を向かって近づいてくる洗濯物５５に当てることができるので、効果的に洗濯物５５を洗濯できる。

　第１の水平開口部４６および第２の水平開口部４７は、左右端に、図５および図１１に示す、略円形（円形を含む）で形成される端部開口部５１を、さらに備える。端部開口部５１は、第１の水平開口部４６および第２の水平開口部４７の縦方向開口寸法（鉛直方向の開口寸法に相当）より大きい開口寸法で形成される。つまり、第１の水平開口部４６と端部開口部５１、および第２の水平開口部４７と端部開口部５１で形成される開口部は、両端部の開口面積が大きい長孔形状に形成される。具体的には、各開口部は、例えばゴムホースの先端を指でつまんだ際の、ゴムホースの先端開口形状に似た開口形状で形成される。これにより、第１の給水部４８および第２の給水部４９の各開口部から、扇形に広がった形状で噴出される水が、洗濯物５５に万遍なく散布される。

　このとき、本実施の形態では、図１１に示す第１の水平開口部４６と、その左右の端部開口部５１とを加えた開口面積Ｓ１が、第１の水管部４３の流路断面積Ｓ２よりも小さく、流路絞り部４２の開口面積より大きくなるように設定される。また、第１の水管部４３の流路断面積Ｓ２が、横方向流路４１の流路断面積と略同一（同一を含む）に設定される。これにより、図５に示すように、流路絞り部４２を介して、横方向流路４１、第１の水管部４３、第１の水平開口部４６へと流れる水は、絞られた部分を流下しない。すなわち、水は、流路断面が狭くなる部分を流下しないので、流路内の水圧を下がり難くできる。つまり、水道水の水圧が低く、流量が少ない場合、第１の水平開口部４６からのシャワー水５０の速度も小さくなる。そのため、第１の水管部４３内の水の減少も遅くなる。

　また、第１の水平開口部４６と、その左右の端部開口部５１とを加えた開口面積Ｓ１を、第１の水管部４３の流路断面積Ｓ２よりも小さく設定している。そのため、断面積Ｓ２に反比例して、シャワー水５０の流出する速度よりも、第１の水管部４３内を流れる流速が遅くなる。これにより、第１の水管部４３内の水位による圧力と、シャワー水５０の流出する速度とのバランスが取れたところで、第１の水管部４３内の水位が安定する。そのため、第１の水平開口部４６には、水位に応じた一定の水圧がかかり続けることになる。これにより、洗濯槽１内の洗濯物５５に、流出速度の安定した状態でシャワー水５０を供給できる。その結果、安定した洗濯性能を維持できる。なお、上記効果は、特に説明しないが、第２の水平開口部４７についても同様である。

　さらに、第１の水平開口部４６は、下半分を構成する顎部５２を有する。顎部５２は、内側に、絞り面５３を有する。絞り面５３は、球面部４５の一部を第１の水平開口部４６の縁まで伸延して形成され、流水経路断面積を絞るように作用する。また、顎部５２は、外側に、後退面５４を有する。後退面５４は、第１の水平開口部４６の縁から第１の水管部４３の伸延方向に対して、下方に後退する形状で形成される。なお、上記第１の水平開口部４６の構成は、第２の水平開口部４７についても同様であるので、説明は省略する。

　また、洗濯槽１は、図１に示すように、下方に、攪拌翼５６を備える。攪拌翼５６は、洗濯物に回転力を与えて洗浄するように作用する。攪拌翼５６は、下方に、洗剤溶解翼５７を備える。洗剤溶解翼５７は、洗濯槽１の開口に向けて放射状のリブを伸延して構成される。なお、洗濯運転中においては、洗濯槽１を回転させずに、攪拌翼５６をモータ１０により回転させる。攪拌翼５６の回転に伴って、洗剤溶解翼５７も回転する。これにより、洗剤を効果的に溶解させながら、洗濯物を洗浄できる。

　さらに、洗濯槽１は、洗濯槽１の側壁で支持される洗剤投入口５８を備える。洗剤投入口５８を開放した状態において、洗剤投入口５８の一方の端部５８ａは、洗濯槽１の開口部１ａから外に向かって伸延するように配置される。これにより、洗剤投入口５８に投入した洗剤を、洗剤投入口５８を介して、洗濯槽１の外側に流下させる。洗剤は、洗濯槽１の外側の外槽６０との隙間に形成される洗剤流下経路５９を通って流下する。そして、洗剤は、洗剤溶解翼５７に対向する位置まで落下し、洗剤溶解翼５７で水に充分溶解されて、洗濯槽１内に供給される。

　以上のように、本実施の形態の洗濯機が構成される。

　以下に、本実施の形態の洗濯機の動作および作用について、説明する。

　図１および図２に示すように、本実施の形態の洗剤収容ケース６は、上部筐体３の一部を下方に伸延して構成される洗剤溶解部８と流路構造部７との間に、収容される。そして、洗剤収容ケース６内で生成された洗剤水溶液９は、洗剤溶解部８の流水面８ａを流れる。そのため、洗剤水溶液９が流路構造部上面７ａを越えて溢れることはない。このとき、上部筐体３の洗剤溶解部８の流水面８ａより高い位置に、給水弁１８や操作部１９などの電気部品が配置されている。そのため、電気部品に、洗剤収容ケース６から溢れて、水がかからない。その結果、電気部品などの絶縁不良を、未然に防止できる。

　また、流路構造部７を構成する流路構造部上面７ａと流路構造部下面７ｂは、略板状（板状を含む）の形状に形成される。そのため、流路構造部上面７ａと流路構造部下面７ｂとを溶着する装置を小型化できるとともに、製造が容易となる。また、流路構造部上面７ａと流路構造部下面７ｂは、凹凸が少ないので、安定した溶着品質で製造できる。

　また、洗剤溶解部８は、上部筐体３と一体に構成される。そのため、より確実に水漏れを防止できる。さらに、洗剤溶解部８は、流水面８ａを流れる間に洗剤水溶液９中の水と洗剤との溶解を促進させる。そのため、洗濯物５５の洗浄性能を、より向上させることができる。

　また、洗剤溶解部８は、上方より順に、第２の防水壁１７、第１の防水壁１６、第１の排水部１１、第２の排水部１２が配置される。つまり、第１の排水部１１が、第２の排水部１２より高い位置に配置される。そのため、洗剤水溶液９は、洗剤溶解部８の流水面８ａに滞留せずに、洗濯槽１に流下する。これにより、第１の排水部１１を通過するときに、洗剤水溶液９を充分に排水できる。そのため、第１の排水部１１以外からは、洗剤収容ケース６から水または洗剤水溶液９が溢れない。つまり、水漏れしにくい洗剤溶解部８を構成できる。

　また、洗剤溶解部８の第１の防水壁１６は、第１の排水部１１より高い位置に配置される。そのため、万一、洗剤収容ケース６から水または洗剤水溶液９が溢れても、第１の排水部１１を介して、容易に排水できる。その結果、第１の防水壁１６から水漏れしにくい。

　さらに、洗剤溶解部８の第２の防水壁１７は、第１の防水壁１６より高い位置に配置される。そのため、万一、第１の防水壁１６を越えて、水または洗剤水溶液９が溢れても、第２の防水壁１７まで水位が上がりにくい。これにより第２の防水壁１７からの水漏れを、より確実に防止できる。その結果、上部筐体３に配置される、給水弁１８、操作部１９、モータ１０などの電気部品に水がかかることにより発生する絶縁不良を、防止できる。

　また、洗濯機は、洗濯槽１の中心側から見て、順に、衣類投入口４、流路構造部７の摺動面３４（第２の支持部）、操作部１９の前縁部３３、開口部３２、洗剤溶解部８の摺動面３０（第１の支持部）の前縁、第２の排水部１２、洗濯槽開口部内壁１３、洗剤溶解部８の流水面８ａが配置される。このとき、洗剤収容ケース６は、洗剤溶解部８の摺動面３０だけでなく、流路構造部７の摺動面３４によっても摺動自在に支持される。これにより、洗剤溶解部８を上部筐体３と一体化するために、洗剤溶解部８の奥行き寸法を短くする場合に生じる不具合を、防止できる。つまり、奥行き寸法を短くする場合、洗剤溶解部８の摺動面３０が短くなるため、開口部３２より外側でしか、洗剤収容ケース６を支持できない場合が発生する。この場合でも、上記構成により、洗剤収容ケース６を流路構造部７の摺動面３４まで大きく引き出したときに、流路構造部７の摺動面３４で、洗剤収容ケース６を支持できる。これにより、洗剤収容ケース６の脱落を、より確実に防止できる。そのため、使用者は、洗剤を確実に、洗剤収容ケース６に投入できる。

　また、流路構造部７の摺動面３４は、流路構造部７の一部で構成される。そのため、洗剤収容ケース６を、洗剤溶解部８と流路構造部７のみで、摺動自在に支持できる。つまり、ツメやねじなどにより、洗剤溶解部８と流路構造部７との位置決めができる。これにより、洗剤溶解部８の摺動面３０および流路構造部７の摺動面３４と、洗剤収容ケース６の摺動面３１との相対位置がずれても、洗剤収容ケース６を、容易に、安定して引き出すことができる。

　また、図１に示すように、洗濯槽１の洗剤投入口５８に洗剤を投入して、洗剤を洗剤溶解翼５７まで流下させ、洗濯中に攪拌翼５６を回転させる。これにより、攪拌翼５６とともに回転する洗剤溶解翼５７によって、洗剤を溶解することができる。

　つまり、水道水の水圧が高い場合には、上部筐体３に開閉自在に収容した洗剤収容ケース６に洗剤を投入する。そして、水道水の給水時に洗剤を溶解して洗濯槽１に供給する。

　一方、水道水の水圧が低い場合や、水道水を使わずにバケツなどで給水する場合には、上述した洗濯槽１の洗剤投入口５８に洗剤を投入する。そして、洗濯運転中の攪拌翼５６の回転により洗剤を溶解させながら、洗濯物５５を洗濯する。これにより、水圧の状況や、水の投入方法に応じて、洗剤の投入方法を選択できる。そのため、汎用性の高い、使い勝手に優れた洗濯機を実現できる。

　また、図３に示すように、洗剤収容ケース６を仕切壁２３で、混合室２４と粉砕室２２とに仕切る。そして、混合室２４へ水を流下させる第１流下孔２５と、粉砕室２２へ水を流下させる第２流下孔２６とを流路構造部７に連通して設ける。さらに、粉砕室２２の底部にスリット２１を設け、スリット２１から洗剤水溶液９を下方向に流出させるように構成する。これにより、洗剤の状態によらず、より確実に洗剤の溶解を促進して、洗濯槽１に供給できるため、洗浄性能がより向上する。具体的には、例えば洗剤が湿って塊状の場合でも、洗剤水溶液９中の洗剤を、スリット２１により、その開口よりも小さくなるまで溶解できる。つまり、洗剤水溶液９中に、均一に洗剤を分散させて、洗濯槽１に供給できるので、洗浄性能が向上する。

　また、流路構造部７を上記構成とすることにより、水道水の水圧が低い場合、流路構造部７の水圧が低く、第１流下孔２５と第１流下孔２５に連通する第２流下孔２６から出る水の流速が低くなる。そのため、洗剤収容ケース６の混合室２４内の水位もゆっくり上昇する。これにより、混合室２４内の洗剤は、一度に仕切壁２３を越えずに、第１流下孔２５から混合室２４内に供給される水によって、充分な時間をかけて溶解される。その後、充分に洗剤が溶解した洗剤水溶液９の状態で、粉砕室２２に送られる。つまり、水道水の水圧が低い場合でも、洗剤の溶解を促進して、洗濯槽１に供給できるので、高い洗浄性能で洗濯物５５を洗濯できる。

　一方、水道水の水圧が高い場合、流路構造部７の水圧が高く、第１流下孔２５と第１流下孔２５に連通する第２流下孔２６から流下する水の流速が速くなる。そのため、洗剤収容ケース６の混合室２４内の水位も早く上昇する。これにより、混合室２４内の洗剤が仕切壁２３を短時間で越える。この場合でも、混合室２４により、仕切壁２３を越えるまでの間、水と洗剤とを混合する時間を確保できる。つまり、水圧が高い場合、第２流下孔２６から流下する水の流速も速くなる。そのため、流速の速い水の流下により、仕切壁２３を越えて流入した洗剤は、粉砕室２２内で勢いよく粉砕される。これにより、短時間で洗剤が溶解される。つまり、水道水の水圧が高い場合でも、洗剤の溶解を促進して、洗濯槽１に供給できるので、高い洗浄性能で洗濯物５５を洗濯できる。

　また、洗剤溶解部８は、流水面８ａに、洗剤収容ケース６の粉砕室２２のスリット２１に向けてピン２０を立設している。そして、ピン２０の先端は、スリット２１に挿入される。これにより、スリット２１を通るまでに細かく粉砕された洗剤は、洗剤溶解部８の流水面８ａ上で、ピン２０の間を通る間に、さらに細かく粉砕される。その結果、洗剤は、効率よく溶解される。さらに、スリット２１の長手方向を、洗剤収容ケース６の摺動方向と略同一にしている。そのため、洗剤収容ケース６は、使用者が洗濯機に洗剤を入れる度に、出し入れされる。このとき、スリット２１内をピン２０が摺動する。摺動により、スリット２１に固着した洗剤が、剥離される。これにより、洗剤の固着によるスリット２１の目詰まりを防止できる。その結果、長期にわたって、効率よく洗剤を溶解させることができる。

　また、流路構造部７は、洗剤収容ケース６の粉砕室２２領域の上方に、洗剤水溶液速度調整壁２７を備える。洗剤水溶液速度調整壁２７は、水道水の水圧が高く、流路構造部７の第１流下孔２５から流下する流量が大きい場合、仕切壁２３を勢いよく越えた洗剤水溶液９の流れを変更する。具体的には、洗剤水溶液速度調整壁２７は、仕切壁２３を越えた洗剤水溶液９の流れを、粉砕室２２の方向に、例えば図３に示す下向きに変える。これにより、洗剤水溶液９を、粉砕室２２の範囲内に留めて、洗剤の溶解が進む前に粉砕室２２を越えて洗剤水溶液９が流下するのを抑制できる。その結果、洗剤を効率よく溶かして、高い洗浄性能で洗濯物５５を洗濯できる。

　また、図５に示すように、洗剤溶解部８は、流水面８ａの第１流下孔２５に対向する位置近傍に、流水方向に伸延させて形成される水跳ね抑制壁２８ａを備える。通常、洗剤収容ケース６を取り付け忘れて洗濯機を運転した場合、第１流下孔２５から流下する水は、洗剤溶解部８の流水面８ａ上で四方に飛び跳ねる。この場合でも、飛び跳ねる水の一部は、水跳ね抑制壁２８ａに当たり、上方向への流れにかわる。そのため、洗剤溶解部８の流水面８ａの第２の排水部１２側の開口部３２から機器前方への飛び跳ねを、効果的に抑制できる。

　また、水跳ね抑制壁２８ａは、第２の排水部１２側の一端に、流水方向と異なる方向に曲がる略Ｊ字の形状で伸延して形成される。これにより、第１流下孔２５から流下して、洗剤溶解部８の流水面８ａ上で四方に飛び跳ねる水が、第２の排水部１２の開口部３２側へ跳ねることを抑制できる。さらに、第２の水跳ね抑制壁２８ｂおよび第３の水跳ね抑制壁２８ｃが、流水方向と異なる方向に略Ｃ字（Ｃ字を含む）に、第２流下孔２６に対向する位置を囲うように伸延して、流水面８ａ上に形成される。これにより、第２流下孔２６から流下し、洗剤溶解部８の流水面８ａ上で四方に跳ねる水の一部は、第２の水跳ね抑制壁２８ｂおよび第３の水跳ね抑制壁２８ｃに当たり、上方向への流れにかわる。そのため、水跳ね抑制壁２８ａと同様に、機器前方への飛び跳ねを抑制できる。これにより、洗剤収容ケース６を取り外した状態で洗剤溶解部８に水を供給しても、機器前方への水の飛び跳ねを抑制できる。その結果、使用者を濡らすなどの不具合の発生を抑制できる。

　さらに、第２の水跳ね抑制壁２８ｂおよび第３の水跳ね抑制壁２８ｃは、洗剤水溶液９の流水する方向には開口している。そのため、第２の水跳ね抑制壁２８ｂおよび第３の水跳ね抑制壁２８ｃ内に洗剤水溶液９が、残留することがない。

　また、洗剤溶解部８は、第２の排水部１２側の一端で略Ｊ字の形状に曲げられている水跳ね抑制壁２８ａ近傍の流水面８ａに、洗濯槽１に向けて連通する排水孔２９を備える。排水孔２９は、洗濯槽１の洗濯槽開口部内壁１３より内側の範囲に開口するように配置されている。これにより、洗剤溶解部８の流水面８ａを流れる水の一部は、洗濯槽１以外の場所に溢れることなく、洗濯槽１に向けて排水される。また、水跳ね抑制壁２８ａで堰き止められ、あるいは、流れの方向を抑制された洗剤水溶液９が、洗剤溶解部８の流水面８ａに留まることを防止される。これにより、洗剤が残留した場合に発生する洗剤溶解部８の流水面８ａへの洗剤の固着を、未然に防止できる。

　また、流路構造部７の流路構造部下面７ｂは、一体で形成される第２の防水壁１７を備える。第２の防水壁１７は、上部筐体３の一部下方に伸延して形成される。第２の防水壁１７の周囲は、洗剤溶解部８の周囲壁８ｂで囲われ、周囲壁８ｂの上部は流路構造部７で覆うように構成される。これにより、第２の防水壁１７は、洗剤溶解部８の流水面８ａを防水する。このとき、洗剤溶解部８と、水跳ね抑制壁２８ａ、第２の水跳ね抑制壁２８ｂ、および第３の水跳ね抑制壁２８ｃは、金型による成型時において、図５の上下方向に金型を移動させて成型できる。つまり、上部筐体３の成型金型の開き方向と同一方向に金型を移動させて成型できる。そのため、スライド金型などを使わずに、洗剤溶解部８、水跳ね抑制壁２８ａ、第２の水跳ね抑制壁２８ｂおよび第３の水跳ね抑制壁２８ｃを、簡単に成型できる。

　さらに、図４に示すように、洗剤溶解部８に形成される排水孔２９は、少なくとも流路構造部下面７ｂの第１流下孔２５の一つと対向する位置に開口している。これにより、第１流下孔２５から流下した水は、洗剤溶解部８の流水面８ａに当ることがなく、排水孔２９を介して、直接、洗濯槽１に流下させることができる。そのため、洗剤収容ケース６を装着し忘れた場合でも、洗剤溶解部８の流水面８ａにおける機器前方への、水の飛び跳ねを抑制できる。

　また、図６に示すように、洗剤収容ケース６は、引き出し時において、洗剤収容ケース６のツメ３７と、流路構造部７のツメ３５とで位置規制される。これにより、毎回、所定の引き出し量で第１収容室１４および第２収容室１５に、洗剤や柔軟剤などを投入できる。さらに、使用者は、洗剤収容ケース６のはり部３６を押し下げるだけで洗剤収容ケース６を取り外すことができる。また、洗剤収容ケース６のツメ３７と、流路構造部のツメ３５の係り代を大きくしても、洗剤収容ケース６のはり部３６を押し下げるだけで、容易に洗剤収容ケース６を取り外せる。これらにより、洗剤収容ケース６の使い勝手を向上させることができる。

　また、洗剤収容ケース６のツメ３７と、流路構造部のツメ３５は、洗剤収容ケース６の略中央の一箇所に設ける。そのため、洗剤収容ケース６の左右へのがたつきを抑制できる。さらに、洗剤収容ケース６のはり部３６を押し下げる操作を、片手で行なうことができる。そのため、洗剤収容ケース６を簡単に取り外すことができる。また、洗剤収容ケース６を引き出した状態で、洗剤収容ケース６のはり部３６を視認できる。そのため、洗剤収容ケース６の取り外し方法を、視覚的に容易に判断できる。

　一方、洗剤収容ケース６を取り付ける際には、洗剤収容ケース６のはり部３６が弾性的に下方に撓ませて、流路構造部７のツメ３５を乗り越えさせる。これにより、洗剤収容ケース６のツメ３７と流路構造部７のツメ３５とが係止する。そのため、使用者は、洗剤収容ケース６を押し込むだけで所定の位置に装着できる。つまり、洗剤収容ケース６の摺動方向以外に力を入れず、洗剤収容ケース６を装着できる。これにより、使い勝手が向上する。

　また、洗剤収容ケース６は、略中央に、第１の係止部を構成する洗剤収容ケース６のツメ３７と、第２の係止部を構成する流路構造部７のツメ３５を有する。そして、ツメ３７およびツメ３５から離れた、洗剤収容ケース６の左右端に、流路構造部７の支持部３８と洗剤収容ケース６の位置抑制部３９とを近接して設ける。これにより、衣類投入口４を大きくするために、洗剤収容ケース６のツメ３７から洗剤収容ケース６の後方端面までの距離を短くした場合でも、洗剤収容ケース６のがたつきを小さくして、容易に洗剤を投入できる。つまり、洗剤収容ケース６を開いた際に、流路構造部７の支持部３８と洗剤収容ケース６の位置抑制部３９とを近接して配置している。そのため、洗剤収容ケース６が、がたつき難い。その結果、洗剤が投入しやすくなる。

　また、流路構造部７の支持部３８は、流路構造部下面７ｂの前後方向、すなわち、洗剤収容ケース６の摺動方向に流路構造部下面７ｂの全長分の長さにわたって同一断面を有したレール形状に形成される。そして、支持部３８を、洗剤収容ケース６の第１収容室１４と第２収容室１５の左右端部に当接させるように構成している。これにより、投入する洗剤の量を多くするために、洗剤収容ケース６を横長に設計できる。さらに、横長の洗剤収容ケース６の場合でも、洗剤収容ケース６を前後に摺動する際、洗剤収容ケース６左右端部の動きが抑制される。これにより、洗剤収容ケース６のがたつきを小さくできる。そのため、洗剤の投入が容易になる。

　また、流路構造部下面７ｂ、流路構造部７の摺動面３４、流路構造部７のツメ３５、および流路構造部７の支持部３８は、一体で構成される。そのため、流路構造部７の、ツメ３５と支持部３８とを、一つの部品で構成できる。これにより、位置ずれを抑制できるとともに、洗剤収容ケース６のがたつきを小さくできる。さらに、流路構造部７の支持部３８と洗剤収容ケース６の位置抑制部３９との隙間を小さくしても、洗剤収容ケース６の摺動の妨げを防止できる。

　また、図７、図８、図９および図１０に示すように、第１の給水部４８は、洗濯槽１の中心から左側に偏心した位置に給水し、第２の給水部４９は、第１の給水部４８とは略対称（対称を含む）の右側に偏心した位置に給水するように配置される。そのため、水道水の水圧が低く、扇形のシャワー水５０で散布できない場合でも、洗濯物５５全体に均一にシャワー水５０をしみこませることができる。これにより、より洗濯性能を向上させることができる。さらに、第１の給水部４８と第２の給水部４９を横方向流路４１の左右端に配置することにより、給水弁１８、流路構造部７を共有化できる。そのため、洗濯機本体をコンパクトに設計できる。

　また、洗濯槽１が時計方向に回転する第１の回転状態においては、洗濯槽１の左側に位置する洗濯物５５は、洗濯槽１の左側に位置する第１の給水部４８に向かって近づく方向に動く。そのため、第１の付勢部を構成する第１の水平開口部４６により、シャワー水５０は、洗濯槽１に向かって、洗濯物５５の移動方向の略反対方向（反対方向を含む）に付勢するように散布される。つまり、図９に示すように、第１の給水部４８からのシャワー水５０を、洗濯物５５の移動に合わせて、右下から順に上方向に移動しながら洗濯物５５にかけることができる。これにより、洗濯物５５に対し、下から上まで満遍なくシャワー水を掛けることができるので、効果的に洗濯物５５を洗濯できる。

　一方、洗濯槽１が反時計方向に回転する第２の回転状態においては、図１０に示すように、第２の給水部４９からシャワー水５０を、洗濯物５５の反対側、左下から順に上方向に移動しながら、洗濯物５５にかけることができる。これにより、第１の回転状態、第２の回転状態を繰り返す間に、洗濯物５５全体に均一にシャワー水５０をしみこませることができる。その結果、洗濯物５５に対する洗濯性能が、さらに向上する。

　特に、脱水運転の後に、すすぎ運転を実行する際には、洗濯槽１の高速回転による遠心力により、洗濯槽１の周囲に洗濯物５５が張り付いた状態になる。このとき、第１の水平開口部４６と第２の水平開口部４７を、洗濯槽１の周囲方向に向ける。これにより、洗濯物５５全体に均一にシャワー水５０をしみこませて、洗濯性能を向上させることができる。

　また、図２に示すように、第１の給水部４８と第２の給水部４９とは、洗剤収容ケース６の左右に隣接して配置される。これにより、流路構造部７、給水弁１８を共有化できる。その結果、洗濯機本体をコンパクトに設計できる。さらに、洗剤水溶液９とシャワー水とを同時に洗濯槽１に投入できる。これにより、洗濯時間を短縮できる。なお、上記実施の形態では、給水部を２つ備える構成を例に説明したが、これに限られない。例えば、給水部を３つ以上備える構成としてもよく、同様の効果が得られる。

　また、図１１に示すように、端部開口部５１は、略円形に開口し、第１の水平開口部４６および第２の水平開口部４７の縦方向開口寸法より大きい開口寸法を有するように構成される。これにより、噴出される水流を太くできる。そのため、表面張力などの影響を受けにくい水流を、両端から放射状に噴出できる。さらに、端部開口部５１の間の第１の水平開口部４６と第２の水平開口部４７からの水を膜状に広げて噴射できる。これにより、水道水の水圧が低いときでも、容易に、シャワー水５０を扇形に広げて噴出できる。

　また、第１の水平開口部４６と、第１の水平開口部４６の左右の端部開口部５１とを加えた開口面積Ｓ１を、第１の水管部４３の流路断面積Ｓ２よりも小さく設定している。これにより、水道水の水圧が低い場合でも、第１の水平開口部４６には、各給水部内の水位に応じた一定の水圧がかかり続ける。そのため、一定の水圧で、シャワー水５０を安定して噴出し続けることができる。さらに、シャワー水５０を扇形に広げやすくできる。

　また、顎部５２は、内側に、球面部４５の一部を第１の水平開口部４６の縁まで伸延して形成される絞り面５３を備える。これにより、水圧は、球面部４５の面に垂直にかかる。そのため、第１の水平開口部４６からシャワー水５０をまっすぐ噴出しやくなる。さらに、シャワー水５０を扇形に広げやすくなる。

　また、顎部５２は、外側に、第１の水平開口部４６の縁から第１の水管部４３の伸延方向に対して下方に後退する後退面５４を備える。そのため、金型の抜き方向のみで第１の水平開口部４６を成型できる。これにより、金型にスライド機構を追加せずに、顎部５２を容易に製造できる。

　以上で説明したように、本発明の洗濯機は、洗濯機本体と、洗濯機本体の上部を覆う上部筐体と、洗剤が収容される第１収容室を有する洗剤収容ケースと、洗剤収容ケース上に流路を形成する流路構造部を備える。流路構造部は、流路中の水を洗剤収容ケースに向けて方向付ける流下孔を含む。洗剤収容ケースは、洗剤と水との混合により洗剤水溶液を生成する混合室と、混合室から流入した洗剤水溶液中の洗剤を粉砕する粉砕室とに、第１収容室を仕切る仕切壁を含む。流下孔は、混合室へ水を方向付ける第１流下孔と、粉砕室へ水を方向付ける第２流下孔を含む。粉砕室は、底部に、洗剤水溶液を下方向に流出する洗剤水溶液流下孔を備える。

　これにより、洗剤水溶液流下孔の大きさより小さくなるまで、洗剤を溶解した後、洗剤水溶液流下孔から洗剤水溶液は流下する。そのため、洗剤を効率よく溶解できる。また、水圧が高く流路構造部から流下する流量が多い場合でも、仕切壁で仕切られた粉砕室に洗剤水溶液が流れるよりも先に、混合室で水と洗剤が混合される。そのため、より洗剤を溶解しやすい。さらに、水圧が高い場合、第２の流下孔の水の勢いも強くなるため、短時間で、効率的に洗剤を溶解できる。一方、水圧が低い場合でも、仕切壁により仕切られた混合室の仕切壁を越えるまでは、混合室内で水と洗剤とが混合される。その後、混合された洗剤水溶液が順に粉砕室に送られる。そのため、効率よく洗剤を溶解できる。

　また、本発明の洗濯機は、洗剤収容ケースを収容する洗剤溶解部を、さらに備える。洗剤溶解部は、洗剤水溶液流下孔に向けて伸延するピンを含む。そして、ピンは、洗剤水溶液流下孔に挿入されるように配置すればよい。

　これにより、洗剤水溶液流下孔を通る大きさまで粉砕された洗剤が、ピンの間を通る間にさらに細かく粉砕される。そのため、洗剤を、さらに効率よく溶解できる。また、使用者は、洗濯機に洗剤を入れる度に洗剤収容ケースを出し入れする。これにより、例え洗剤水溶液流下孔に洗剤が固着した場合でも、固着した洗剤をピンで剥離できる。その結果、長期にわたって、効率よく洗剤を溶解できる。

　また、本発明の洗濯機は、流路構造部が、洗剤水溶液速度を制限する洗剤水溶液速度調整壁を、さらに備え、洗剤水溶液速度調整壁は、仕切壁より下流側の粉砕室上部に配置してもよい。

　これにより、水道水の水圧が高く、流路構造部から流下する流量が多い場合でも、仕切壁を超えた洗剤水溶液を洗剤水溶液速度調整壁によって粉砕室の方向に流下させることができる。そのため、洗剤水溶液を粉砕室内に留めて、洗剤を効率よく溶かすことができる。

　また、本発明の洗濯機は、洗濯物を収容する洗濯槽と、洗濯物に回転力を与えて洗浄する攪拌翼と、攪拌翼の一部に構成した洗剤溶解翼と、洗濯槽に開閉自在に支持される洗剤投入口と、洗剤溶解翼と洗剤投入口とに連通し、洗剤を流下させる洗剤流下経路を備える。そして、洗剤収容ケースは、上部筐体に開閉自在に収容される。

　これにより、水道水の水圧が低く、洗剤収容ケースに投入した洗剤を溶解できない場合、洗濯槽の洗剤投入口に洗剤を投入する。そして、洗剤流下経路を介して、洗剤を洗剤溶解翼まで流下させて、洗濯中に攪拌翼を回転させる。これにより、攪拌翼とともに回転する洗剤溶解翼によって、洗剤を効果的に溶解して、洗濯物を洗濯できる。

　また、本発明の洗濯機は、流路構造部が、洗剤水溶液を流下させる流水面を含み、第１流下孔に対向する位置近傍の、流水面上に水跳ね抑制壁を、さらに備えてもよい。

　これにより、水跳ね抑制壁は、第１の流下孔から落下する水の機器前方への飛び跳ねを抑制する。そのため、洗剤収容ケースを取り外した状態で、水が投入されても、水が飛び跳ねて機器前方の使用者を濡らすことを抑制できる。

　また、本発明の洗濯機は、水跳ね抑制壁近傍の流水面に、洗濯槽に向けて連通する排水孔を備えてもよい。

　これにより、流水面を流れる水の一部を、洗濯槽以外の場所に溢れさせずに、排水できる。つまり、通常、水跳ね抑制壁で堰き止められる、あるいは、流れの方向を抑制された洗剤を含む水が、排水されずに流水面に留まると、乾燥して洗剤だけが流水面に固着する。しかし、事前に排水孔を介して、水が排出されるので、洗剤を含む水が流水面に留まることが防止される。その結果、流水面への洗剤の固着を未然に防止できる。

　また、本発明の洗濯機は、排水孔を、複数の第１流下孔のいずれか１つと対向する位置に配置してもよい。

　これにより、第１流下孔から流下する水は、流水面に当たることなく、排水孔を介して、直接洗濯槽に流下する。そのため、機器前方への、水などの飛び跳ねを抑制できる。

　また、本発明の洗濯機は、洗剤収容ケースを、上部筐体と流路構造部との間に収容してもよい。

　これにより、保持部材などを介さずに、洗剤溶解部や電気部品を、直接、上部筐体に組み付けることができる。そのため、洗剤収容ケースと上部筐体との位置ずれを抑制するとともに、上部筐体の流水面より高い位置に電気部品を配置できる。その結果、洗剤収容ケース、または流路構造部から溢れた水が、電気部品などにかかるのを防止できる。

　また、本発明の洗濯機は、洗剤溶解部を、上部筐体の一部に一体的に構成してもよい。

　これにより、洗剤溶解部と上部筐体とを隙間なく形成できる。その結果、隙間からの水漏れを防止できる。

　また、本発明の洗濯機は、洗剤収容ケースに、洗剤収容ケースの一部を構成し、洗剤水溶液を洗剤溶解部に排水する第１の排水部と、洗剤溶解部の一部を構成し、洗剤水溶液を洗濯槽に排水する第２の排水部を備える。さらに、洗剤収容ケースは、洗剤収容ケースと流路構造部との間に構成され、第１の排水部以外から洗剤溶解部に排水される洗剤水溶液を抑制する第１の防水部と、洗剤溶解部と流路構造部との間に構成され、第２の排水部以外から洗剤水溶液を洗濯槽に排水される洗剤水溶液を抑制する第２の防水部を備える。そして、衣類投入口側から洗濯槽側に向かって、第２の防水部、第１の防水部、第１の排水部、第２の排水部の順に配置すればよい。

　これにより、第２の排水部より、第１の排水部の位置が高いため、洗剤水溶液を第１の排水部で充分に排水できる。そのため、水漏れが発生しにくく。また、第１の排水部より、第１の防水部の位置が高いため、洗剤水溶液を第１の排水部から排水しやすい。そのため、第１の防水部からの水漏れが発生しにくい。さらに、第１の防水部より、第２の防水部の位置が高い。そのため、第１の防水部を乗り越えて洗剤水溶液が溢れても、第２の防水部までは、洗剤水溶液の水位が上がりにくい。これにより、第２の防水部からの水漏れを防止できる。

　また、本発明の洗濯機は、洗剤収容ケースの一部と、洗剤溶解部の一部で構成され、洗剤収容ケースを摺動自在に支持する第１の支持部と、第１の支持部と異なる位置に洗剤収容ケースを摺動自在に支持する第２の支持部とを備える構成としてもよい。

　これにより、洗剤収容ケースは、第１の支持部だけでなく、第２の支持部によっても摺動自在に支持される。そのため、洗剤溶解部を上部筐体と一体化するために、洗剤溶解部の奥行き寸法を短くする場合でも、洗剤収容ケースを大きく引き出すことが可能となる。その結果、使用者は、洗剤収容ケースに洗剤を、より確実に投入できる。

　また、本発明の洗濯機は、第２の支持部が、流路構造部の一部を構成してもよい。

　これにより、洗剤収容ケースを、洗剤溶解部と流路構造部のみで、摺動自在に支持することができる。そのため、洗剤溶解部と流路構造部の位置決めをするだけで、第１の支持部と、第２の支持部と、洗剤収容ケースとの相対位置のずれを防止できる。その結果、洗剤収容ケースを容易に引き出すことができる。

　本発明の洗濯機は、水道水の水圧が変動しても、仕切られた混合室と粉砕室とにより、洗剤を効率よく溶解できる。そのため、洗浄性能のばらつきの抑制が要望される洗濯機などの分野に有用である。

　１，１０１　　洗濯槽
　１ａ，３２　　開口部
　２，１０２　　洗濯機本体
　３，１０３　　上部筐体
　４，１０４　　衣類投入口
　５，１０５　　蓋体
　６，１０６　　洗剤収容ケース
　７，１０７　　流路構造部
　７ａ，１０７ａ　　流路構造部上面
　７ｂ，１０７ｂ　　流路構造部下面
　７ｂ１，１２０　　リブ
　８，１０８　　洗剤溶解部
　８ａ　　流水面
　８ｂ　　周囲壁
　９，１０９　　洗剤水溶液
　１０，１１０　　モータ
　１１，１１１　　第１の排水部
　１２，１１２　　第２の排水部
　１３，１１３　　洗濯槽開口部内壁
　１４　　第１収容室
　１５　　第２収容室
　１６　　第１の防水壁（防水部）
　１７　　第２の防水壁（防水部）
　１８　　給水弁
　１９　　操作部
　２０　　ピン
　２１，１２１　　スリット（洗剤水溶液流下孔）
　２２　　粉砕室
　２３　　仕切壁
　２４　　混合室
　２５　　第１流下孔
　２６　　第２流下孔
　２７　　洗剤水溶液速度調整壁
　２８ａ　　水跳ね抑制壁
　２８ｂ　　第２の水跳ね抑制壁
　２８ｃ　　第３の水跳ね抑制壁
　２９，４０　　排水孔
　３０　　摺動面
　３１　　摺動面
　３３　　前縁部
　３４　　摺動面
　３５　　ツメ
　３６，１３６　　はり部
　３７　　ツメ
　３８　　支持部
　３９　　位置抑制部
　４１　　横方向流路
　４２　　流路絞り部
　４３　　第１の水管部
　４４　　第２の水管部
　４５　　球面部
　４６　　第１の水平開口部（第１の付勢部）
　４７　　第２の水平開口部（第２の付勢部）
　４８　　第１の給水部
　４９　　第２の給水部
　５０，１５０，１５０ａ，１５０ｂ　　シャワー水
　５１　　端部開口部
　５２　　顎部
　５３　　絞り面
　５４　　後退面
　５５，１５５　　洗濯物
　５６　　攪拌翼
　５７　　洗剤溶解翼
　５８　　洗剤投入口
　５８ａ　　端部
　５９　　洗剤流下経路
　６０　　外槽
　１１４　　保持部材
　１３０，１３１　　摺動面
　１３４　　縁部
　１３５，１３５ａ，１３５ｂ，１３７　　ツメ
　１５１　　給水部
　１５２　　第１の吐出口
　１５３　　第２の吐出口
　１５４　　絞り部

Claims (12)

1. 洗濯機本体と、
   前記洗濯機本体の上部を覆う上部筐体と、
   洗剤が収容される第１収容室を有する洗剤収容ケースと、
   前記洗剤収容ケース上に流路を形成する流路構造部と、を備え、
   前記流路構造部は、前記流路中の水を前記洗剤収容ケースに向けて方向付ける流下孔を含み、
   前記洗剤収容ケースは、前記洗剤と前記水との混合により洗剤水溶液を生成する混合室と、前記混合室から流入した前記洗剤水溶液中の洗剤を粉砕する粉砕室とに、前記第１収容室を仕切る仕切壁を含み、
   前記流下孔は、前記混合室へ前記水を方向付ける第１流下孔と、前記粉砕室へ前記水を方向付ける第２流下孔と、を含み、
   前記粉砕室は、底部に、前記洗剤水溶液を下方向に流出する洗剤水溶液流下孔を備える洗濯機。
2. 前記洗剤収容ケースを収容する洗剤溶解部を、さらに備え、
   前記洗剤溶解部は、前記洗剤水溶液流下孔に向けて伸延するピンを含み、
   前記ピンは、前記洗剤水溶液流下孔に挿入されるように配置される請求項１に記載の洗濯機。
3. 前記流路構造部は、洗剤水溶液速度を制限する洗剤水溶液速度調整壁を、さらに備え、
   前記洗剤水溶液速度調整壁は、前記仕切壁より下流側の前記粉砕室上部に配置される請求項１に記載の洗濯機。
4. 洗濯物を収容する洗濯槽と、洗濯物に回転力を与えて洗浄する攪拌翼と、前記攪拌翼の一部に構成した洗剤溶解翼と、前記洗濯槽に開閉自在に支持される洗剤投入口と、前記洗剤溶解翼と前記洗剤投入口とに連通し、洗剤を流下させる洗剤流下経路と、を備え、
   前記洗剤収容ケースは、前記上部筐体に開閉自在に収容される請求項１に記載の洗濯機。
5. 前記流路構造部は、前記洗剤水溶液を流下させる流水面を、含み、
   前記第１流下孔に対向する位置近傍の、前記流水面上に水跳ね抑制壁を、さらに備える請求項１に記載の洗濯機。
6. 前記水跳ね抑制壁近傍の前記流水面は、前記洗濯槽に向けて連通する排水孔を備える請求項５に記載の洗濯機。
7. 前記排水孔は、複数の前記第１流下孔のいずれか１つと対向する位置に配置される請求項６に記載の洗濯機。
8. 前記洗剤収容ケースは、前記上部筐体と前記流路構造部との間に収容される請求項１に記載の洗濯機。
9. 前記洗剤溶解部は、前記上部筐体の一部に一体的に構成される請求項２に記載の洗濯機。
10. 前記洗剤収容ケースは、
    前記洗剤収容ケースの一部を構成し、前記洗剤水溶液を前記洗剤溶解部に排水する第１の排水部と、
    前記洗剤溶解部の一部を構成し、前記洗剤水溶液を前記洗濯槽に排水する第２の排水部と、
    前記洗剤収容ケースと前記流路構造部との間に構成され、前記第１の排水部以外から前記洗剤溶解部に排水される前記洗剤水溶液を抑制する第１の防水部と、
    前記洗剤溶解部と前記流路構造部との間に構成され、前記第２の排水部以外から前記洗剤水溶液を前記洗濯槽に排水される前記洗剤水溶液を抑制する第２の防水部とを、さらに備え、
    前記衣類投入口側から前記洗濯槽側に向かって、前記第２の防水部、前記第１の防水部、前記第１の排水部、前記第２の排水部の順に配置される請求項１に記載の洗濯機。
11. 前記洗剤収容ケースの一部と、前記洗剤溶解部の一部で構成され、前記洗剤収容ケースを摺動自在に支持する第１の支持部と、
    前記第１の支持部と異なる位置に前記洗剤収容ケースを摺動自在に支持する第２の支持部とを備える請求項１に記載の洗濯機。
12. 前記第２の支持部は、前記流路構造部の一部を構成する請求項１１に記載の洗濯機。

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