WO2018025726A1 - ロボットアーム機構 - Google Patents
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Abstract
目的はコマが支柱部内の収納部で平滑に導通することである。 ロボットアーム機構には、基台1に支柱部2が支持され、支柱部上には起伏回転関節部J2を備えた起伏部4が載置され、起伏部には直動伸縮性のアーム部5を備えた直動伸縮機構が設けられる。屈曲可能に連結される平板形状の複数の第1コマ53と、屈曲可能に連結される溝枠形状の複数の第2コマ54と、第1コマの先頭と第2コマの先頭とを結合する結合部55と、第1、第2コマを前後移動自在に支持する送り出し機構部25と、分離された第1コマと前記第2コマとを収納する角筒形状の収納部22とを具備する。収納部の両側面板それぞれには複数のローラ221、222が装備され、収納部の前面板には複数の滑車223が装備される。滑車は隣り合う2個ずつ対をなしており、対をなす滑車には可撓性を有するベルト230が掛け渡される。
Description
本発明の実施形態はロボットアーム機構に関する。
従来より多関節ロボットアーム機構が産業用ロボットなどさまざまな分野で用いられている。発明者らはこのような多関節ロボットアーム機構に適用できる直動伸縮機構を開発した(特許文献1)。直動伸縮機構は、第1、第2コマ列を有する、第1コマ列は、屈曲可能に蝶番構造で連結された平板形状を有する金属製の複数のコマ(第1コマ)が列状に連結されてなる。第2コマ列は、屈曲可能に底板において軸受け構造で連結された溝枠形状を有する金属製の複数のコマ(第2コマ)が列状に連結されてなる。第1、第2コマ列の先頭のコマ同士は先端で結合されており、前方に送り出されるとき第1、第2コマ列は重ね合わされ、硬直状態が確保され、一定の剛性を有する柱状のアームに構成される。後方に引き戻されるとき第1、第2コマ列は分離され、それぞれ屈曲可能な状態に復帰し、支柱の内部に収納される。この直動伸縮機構の多関節ロボットアーム機構への採用は肘関節部を不要とし、容易に特異点を解消することができるので非常に有益な機構である。
第1、第2コマ列は屈曲可能な状態で支柱部内に収納される。そのため第1、第2コマが支柱部内で周囲に衝突し引っ掛かり、場合によっては屈曲して折り返してしまう状況もないとはいえない。この状況では第1、第2コマ列を支柱部から送り出し機構に平滑に送り出し、また逆に引き戻すことが困難になる。
目的は、直動伸縮関節を有するロボットアーム機構においてコマが収納される支柱部内でコマを平滑に導通させることにある。
本実施形態は、基台に支柱部が支持され、前記支柱部上には起伏回転関節部を備えた起伏部が載置され、前記起伏部には直動伸縮性のアームを備えた直動伸縮機構が設けられるロボットアーム機構において、屈曲可能に連結される平板形状の複数の第1コマと、屈曲可能に連結される溝枠形状の複数の第2コマと、前記第1コマの先頭と前記第2コマの先頭とを結合する結合部と、前記第1、第2コマを前後移動自在に支持する送り出し機構部と、前記支柱部内に設置され、前記分離された第1コマと前記第2コマとを収納する角筒形状の収納部とを具備する。前記アームが前方へ伸張するとき前記第1、第2コマは前記収納部から前記送り出し機構部に引き出され前記送り出し機構部において互いに重合されて硬直な前記アームを構成し、前記アームが収縮するとき前記第1、第2コマは前記送り出し機構部の後方へ引き戻され互いに分離されて屈曲状態で前記送り出し機構部から前記収納部に戻される。前記収納部内における前記第2コマの導通をガイドするために前記収納部の両側面板それぞれには複数のローラが装備され、前記収納部の前面板には複数の滑車が装備される。前記滑車は隣り合う2個ずつ対をなしており、前記対をなす滑車には可撓性を有するベルトが掛け渡される。
以下、図面を参照しながら本実施形態に係るロボットアーム機構を説明する。以下の説明において、略同一つの機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
図1は、本実施形態に係るロボットアーム機構の外観を示している。図2は図1のロボットアーム機構の側面図を示している。図3は、図1のロボットアーム機構の内部構造を示す図である。図4は、図1のロボットアーム機構の構成を図記号表現により示す図である。
図1は、本実施形態に係るロボットアーム機構の外観を示している。図2は図1のロボットアーム機構の側面図を示している。図3は、図1のロボットアーム機構の内部構造を示す図である。図4は、図1のロボットアーム機構の構成を図記号表現により示す図である。
ロボットアーム機構は、基台1に支柱部2が鉛直方向に立設される。支柱部2上には起伏部4が載置される。起伏部4に直動伸縮機構が起伏自在に支持される。直動伸縮機構により伸縮されるアーム部5の先端に手首部6が装備される。支柱部2には支柱前面板21と角筒形状のコマ収納部(コマ収納部)22とにまたがって旋回用回転関節部としての第1関節部J1が収容される。支柱前面板21は円筒形状のハウジング31により覆われる。コマ収納部22は第1関節部J1の回転部に接続され、回転軸RA1を中心に軸回転する。コマ収納部22は円筒形状のハウジング32により覆われる。第1関節部J1の回転に伴って支柱前面板21に対してコマ収納部22が回転し、それによりアーム部5は水平に旋回する。円筒体をなす支柱部2の内部中空には後述する直動伸縮機構としての第3関節部J3の第1、第2コマ列51、52が収納される。
支柱部2の上部には起伏回転関節部としての第2関節部J2を収容する起伏部4が設置される。第2関節部J2は曲げ回転関節である。第2関節部J2の回転軸RA2は回転軸RA1に垂直である。起伏部4は、第2関節部J2の固定部(支持部)としての一対のサイドフレーム23を有する。一対のサイドフレーム23は、鞍形形状のカバー33により覆われる。一対のサイドフレーム23は、背面板22に連結される。一対のサイドフレーム23にモータハウジングを兼用する第2関節部J2の回転部としての円筒体24が支持される。円筒体24の周面には、送り出し機構部25が取り付けられる。送り出し機構部25は、ドライブギア56、ガイドローラ57及びローラユニット58を保持する。円筒体24の軸回転に伴って送り出し機構部25は回動し、送り出し機構部25に支持されたアーム部5が上下に起伏する。送り出し機構部25はカバー34により覆われる。カバー33とカバー34との間には、起伏部4の起伏動に追従する断面U字形状のU字蛇腹カバー14が装備される。
第3関節部J3は直動伸縮機構により提供される。直動伸縮機構は発明者らが新規に開発した構造を備えており、可動範囲の観点でいわゆる従来の直動関節とは明確に区別される。第3関節部J3のアーム部5は屈曲自在であるが、中心軸(伸縮中心軸RA3)に沿ってアーム部5の根元の送り出し機構部25から前方に送り出されるときには屈曲が制限され、直線的剛性が確保される。アーム部5は後方に引き戻されるときには屈曲が回復される。アーム部5は第1コマ列51と第2コマ列52とを有する。第1コマ列51は屈曲自在に連結された複数の第1コマ53からなる。第1コマ53は略平板形に構成される。第1コマ53は端部箇所のヒンジ部で屈曲自在に連結される。第2コマ列52は複数の第2コマ54からなる。第2コマ54は横断面コ字形の溝状体又はロ字形の筒状体に構成される。第2コマ54は底板端部箇所のヒンジ部で屈曲自在に連結される。第2コマ列52の屈曲は、第2コマ54の側面板の端面どうしが当接する位置で制限される。その位置では第2コマ列52は直線的に配列する。第1コマ列51の先頭の第1コマ53と、第2コマ列52の先頭の第2コマ54とは結合コマ55により接続される。例えば、結合コマ55は第1コマ53と第2コマ54とを合成した形状を有している。
第1、第2コマ列51,52は送り出し機構部25のローラユニット58を通過する際にローラ59により互いに押圧されて重合する。重合により第1、第2コマ列51,52は直線的剛性を発揮し、柱状のアーム部5を構成する。ローラユニット58の後方にはドライブギア56がガイドローラ57とともに配置される。ドライブギア56は図示しないモータユニットに接続される。第1コマ53の内側の面、つまり第2コマ54と重合する側の面の幅中央には連結方向に沿ってリニアギアが形成されている。複数の第1コマ53が直線状に整列されたときに隣合うリニアギアは直線状につながって、長いリニアギアを構成する。ドライブギア56はガイドローラ57に押圧された第1コマ53のリニアギアに噛み合わされる。直線状につながったリニアギアはドライブギア56とともにラックアンドピニオン機構を構成する。ドライブギア56が順回転するとき第1、第2コマ列51,52はローラユニット58から前方に送り出される。ドライブギア56が逆回転するとき第1、第2コマ列51,52はローラユニット58の後方に引き戻される。引き戻された第1、第2コマ列51,52はローラユニット58とドライブギア56との間で互いに分離される。分離された第1、第2コマ列51,52はそれぞれ屈曲可能な状態に復帰する。屈曲可能な状態に復帰した第1、第2コマ列51,52は、ともに同じ方向(内側)に屈曲し、支柱部2の内部に鉛直に収納される。このとき、第1コマ列51は第2コマ列52に略平行にほぼ揃った状態で収納される。
アーム部5の先端には手首部6が取り付けられる。手首部6は第4~第6関節部J4~J6を装備する。第4~第6関節部J4~J6はそれぞれ直交3軸の回転軸RA4~RA6を備える。第4関節部J4は伸縮中心軸RA3と略一致する第4回転軸RA4を中心としたねじり回転関節であり、この第4関節部J4の回転によりエンドエフェクタは揺動回転される。第5関節部J5は第4回転軸RA4に対して垂直に配置される第5回転軸RA5を中心とした曲げ回転関節であり、この第5関節部J5の回転によりエンドエフェクタは前後に傾動回転される。第6関節部J6は第4回転軸RA4と第5回転軸RA5とに対して垂直に配置される第6回転軸RA6を中心としたねじり回転関節であり、この第6関節部J6の回転によりエンドエフェクタは軸回転される。
エンドエフェクタ(手先効果器)は、手首部6の第6関節部J6の回転部下部に設けられたアダプタ7に取り付けられる。エンドエフェクタはロボットが作業対象(ワーク)に直接働きかける機能を持つ部分であり、例えば把持部、真空吸着部、ナット締め具、溶接ガン、スプレーガンなどのタスクに応じて様々なツールが存在する。エンドエフェクタは、第1、第2、第3関節部J1,J2,J3により任意位置に移動され、第4、第5、第6関節部J4,J5,J6により任意姿勢に配置される。特に第3関節部J3のアーム部5の伸縮距離の長さは、基台1の近接位置から遠隔位置までの広範囲の対象にエンドエフェクタを到達させることを可能にする。第3関節部J3はそれを構成する直動伸縮機構により実現される直線的な伸縮動作とその伸縮距離の長さとが従前の直動関節と異なる特徴的な点である。
図5は、図3の支柱背面板(コマ収納部)22の構造を示す図である。図5(a)は、コマ収納部22の斜視図を示している。図5(b)は、図5(a)のA矢視図である。図6は、図5のコマ収納部22の組立て図である。図7は、図5のコマ収納部22に第2コマ列52が収納された状態を示す図である。図8は、図7のA-A´断面図である。図9は、図7のB-B´断面図である。コマ収納部22は4つの板材22-1,22-2,22-3,22-4からなる角筒体である。なお、板材22-3は板材22-4よりもアーム部5が存在する前方に位置することから「前面板」と称し、板材22-4を「背面板」と称して適宜区別する。また板材22-1,22-2を「側面板」と称する。
支柱部2内に設置されるコマ収納部22は角筒形状をなし、分離されて屈曲状態に戻った第1コマ53と第2コマ54とを収納する。アーム部5が前方へ伸張するとき第1、第2コマ53,64は収納部22から送り出し機構部25に引き出され送り出し機構部25において互いに重合されて屈曲状態から硬直状態に遷移する。重合されて柱状体になった第1、第2コマ53,64はアーム部5を構成する。アーム部5が収縮するとき第1、第2コマ53,54は送り出し機構部25の後方へ引き戻され、互いに分離されて屈曲状態に戻る。屈曲状態の第1、第2コマ53,54は送り出し機構部25から収納部22に戻される。収納部22内における第1、第2コマ53、54の導通をガイドするために収納部22の両側面板22-1,22-2それぞれには複数のローラ221-1~221-3,222-1~222-3が装備される。収納部22の前面板22-3には複数の滑車223-1~223-4が装備される。滑車223-1~223-4は隣り合う2個ずつ対をなしており、対をなす滑車223-1,223-2には可撓性を有するベルトが掛け渡され、同様に対をなす滑車223-3,223-4には可撓性を有するベルトが掛け渡される。以下詳細に説明する。
アーム部5が伸縮するとき、送り出し機構部25のローラユニット58の後方において、第2コマ54の向きが大きく変化する。具体的には、第2コマ54の向きは、主にコマ収納部22とローラユニット58との間において、その長さ方向が伸縮軸RA3に平行な方向から回転軸RA1に平行な方向に変化する。例えば、ロボットアーム機構が水平姿勢のとき、伸縮軸RA3が回転軸RA1に直交するため、コマ収納部22とローラユニット58との間で第2コマ54の向きも90度変化する。第2コマ列52の後端はコマ収納部22等に固定されていないため、ローラユニット58の後方において、第2コマ列52は重力により下方、典型的には回転軸RA1と略平行な収納軸に沿って垂れ下げられる。そのため、第2コマ54の向きの変化は、第2コマ列52の収納軸を旋回回転軸RA1と起伏回転軸RA2とに直交する方向にオフセットさせる。このオフセットの最大長は第2コマ54の長さに略等価である。特にアーム部5が高速で収縮されているとき、第2コマ列52の収納軸は、旋回回転軸RA1と起伏回転軸RA2とに直交する方向にオフセットされるだけでなく、旋回回転軸RA1に対して起伏回転軸RA2回りに傾く。つまり、アーム部5の収縮動作により、ローラユニット58後方の第2コマ列52は、特に旋回回転軸RA1と起伏回転軸RA2とに直交する方向に揺れる(ぶらつく)。第2コマ列52の揺れは、第2コマ54の周囲部品への衝突等を生じさせるだけではなく、アーム部5のスムーズな伸縮動作を阻害させる。例えば、コマ収納部22は、第1、第2コマ53,54を収納する収納フレームであるが、ロボットアーム機構のメインフレームでもあるため、第2コマ54と同等程度の表面硬度または第2コマ54よりも表面硬度の高い金属で形成される。そのため、コマ収納部22に第2コマ54が衝突した場合、第2コマ54の損傷は免れない。また、ローラユニット58の後方において、第2コマ54は、その底板の表面側に屈曲することができる。第2コマ54の底板表面側への屈曲により、第2コマ列52は直線性を失い、第2コマ54の周囲部品への衝突を生じさせるだけではなく、アーム部5のスムーズな伸縮動作を阻害させる。
本実施形態に係るロボットアーム機構は第2コマ列52の揺れと第2コマ54の底板表面側への屈曲とを抑制するために、コマ収納部22に複数のローラ及び滑車が装備される。具体的には、第2コマ54の左側面板に対峙する左側面板22-1には短冊状の開口224がコマ収納部22の中心軸と平行にあけられていて、そこから複数の左側ローラ221の転動面が左側面板22-1の内側に張り出される。開口224の幅は後述の左側ローラ221の幅よりも広い。左側面板22-1の外側面の開口224の両側には、細長い角柱形状の一対の軸受プレート227-1,227-2がコマ収納部22の中心軸と平行に固定される。左側面板22-1の軸受プレート227-1,227-2の間には、前方から順に複数、ここでは3つの左側ローラ221-1,221-2,221-3が等間隔に配列されている。本実施形態では、ローラが破損したときに破損ローラだけを交換できるように、コマ収納部22には複数のローラを個々に着脱できる構造、つまりローラのシャフトを個々にコマ収納部22に着脱する構造が設けられている。具体的には、左側ローラ221はベアリングを有し、ベアリングの内腔にシャフトを挿入し、シャフトの両端が軸受プレート227-1,227-2にそれぞれネジにより固定される。なお、ここでは複数のローラを個々に着脱できる構造としたが、複数の左側ローラ221-1,221-2,221-3をユニット化してローラセットとし、ローラセットを左側面板22-1に対して着脱できる構造であってもよい。
左側ローラ221-1~221-3は、それらの回転中心軸が互いに平行であって、旋回回転軸RA1と起伏回転軸RA2とに直交する軸(左側面板22-1の幅方向)に平行になるように配設される。左側ローラ221-1~221-3が配列されるピッチ(回転中心軸間距離)は、典型的には第2コマ54の長さより長く2倍より短い。左側ローラ221-1~221-3は、軸受プレート227-1,227-2のローラ取り付け位置から左側面板22-1の内側面までの距離よりも長い半径を有する。それにより左側ローラ221-1~221-3は、軸受プレート227-1、227-2に装着された状態で、左側面板22-1の内側面から突出する。左側面板22-1の内側面から突出した左側ローラ221-1~221-3の突出端により左側ローラ221の支持面が規定される。左側ローラ221-1~221-3は、第2コマ54よりも表面硬度の低い金属製又は樹脂製である。例えば、左側ローラ221は摺動特性の高い自己潤滑性を有する樹脂で形成され、第2コマ54は金属、典型的には硬度と成形性とが両立しているアルミニウムで形成される。自己潤滑性樹脂としては、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE;ふっ素樹脂)、又はその他の樹脂が採用される。その中で自己潤滑性、機械的性質、成形性の観点から、ポリアセタール(POM)が最良といえる。他の組み合わせとしては、左側ローラ221と第2コマ54とはアルミニウムで形成され、第2コマ54にだけ表面硬度を高めるための表面処理、例えばハードアルマイト処理がなされていてもよい。
第2コマ54の右側面板に対峙する右側面板22-2には、複数の右側ローラ222を右側面板22-2の内側面から突出させるための、開口224と同形状、同サイズの開口225が開口224と対峙する位置にあけられている。右側面板22-2の外側面の開口225の両側には、細長い角柱形状の一対の軸受プレート228-1,228-2がコマ収納部22の中心軸と平行に固定される。右側面板22-2の軸受プレート228-1,228-2の間には、前方から順に左側ローラ221-1~221-3と同本数の複数、ここでは3つの右側ローラ222-1,222-2,222-3が等間隔に配列されている。右側ローラ222-1~222-3は、それらの回転中心軸が互いに平行であって、旋回回転軸RA1と起伏回転軸RA2とに直交する軸(右側面板22-2の幅方向)に平行になるように配設される。右側ローラ222-1~222-3が配列される間隔(回転中心軸間距離)は第2コマ54の長さの2倍未満である。複数の右側ローラ222-1~222-3は、典型的には第2コマ54を挟んで複数の左側ローラ221-1~221-3にそれぞれ対向する。右側ローラ222-1~222-3は、軸受プレート228-1,228-2のローラ取り付け位置から右側面板22-2の内側面までの距離よりも長い半径を有する。典型的には、右側ローラ222-1~222-3は左側ローラ221-1~221-3と同じ材料、同じ形状、同じサイズで構成される。それにより右側ローラ222-1~222-3は、軸受プレート228-1、228-2に装着された状態で、右側面板22-2の内側面から突出する。右側面板22-2の内側面から突出した右側ローラ222-1~222-3の突出端により右側ローラ222の支持面が規定される。
上述したように複数の左側ローラ221-1~221-3と複数の右側ローラ222-1~222-3とは、第2コマ54よりも表面硬度の低い金属製又は樹脂製である。これにより第2コマ54よりもこれらローラの破損が早期に発生する。第2コマ54の交換作業工数よりもローラの交換作業工数は少なく、第2コマ54の単価よりもローラの単価は安価である。従って、メンテナンス性の向上とメンテナンスコストの低下とを同時に実現する。
また、複数の左側ローラ221-1~221-3と複数の右側ローラ222-1~222-3とはコマ収納部22の内側面から突出するように左側面板22-1と右側面板22-2とにそれぞれ取り付けられている。複数の左側ローラ221-1~221-3の取り付け位置と複数の右側ローラ222-1~222-3の取り付け位置とは、左側面板22-1の内側面から突出する複数の左側ローラ221-1~221-3各々の突出端で規定される支持面から、右側面板22-2の内側面から突出する複数の右側ローラ222-1~222-3各々の突出端で規定される支持面までの距離L1が第2コマの幅W1よりもわずかに広くなるように調整される。
それにより、複数の左側ローラ221-1~221-3と複数の右側ローラ222-1~222-3とは、第2コマ54に負荷を与えることなく、第2コマ列52の起伏回転軸RA2と平行な方向への揺れを抑えることができる。また、第2コマ列52を揺れを抑える部材としてローラを用いることで、第2コマ54の表面を損傷させることなく、コマ収納部22の上下間で第2コマ54を双方向にガイドすることができる。これは第2コマ列52のスムーズな送り出し/引き戻し動作の実現に寄与する。
前面板22-3には、複数の滑車223を前面板22-3の内側面から突出させるための短冊状の開口226がコマ収納部22の中心軸と平行にあけられている。開口226の幅は後述の滑車223の幅よりも広い。前面板22-3の外側面の開口226の片側には、細長い角柱形状の軸受プレート229-1,229-2がコマ収納部22の中心軸に沿って縦列に固定される。軸受プレート229-1には複数、ここでは2つの滑車223-1,223-2が所定距離を隔てて取り付けられる。同様に、軸受プレート229-2には複数、ここでは2つの滑車223-3,223-4が所定距離を隔てて取り付けられる。滑車223-1~223-4は、それらの回転中心軸が互いに平行であって、起伏回転軸RA2(前面板22-3の幅方向)に平行になるように配設される。滑車223-2、223-3の間隔(回転中心軸間距離)は、好ましくは第2コマ54の長さ未満である。滑車223-1,223-2の間隔と滑車223-3,223-4の間隔とは、典型的には第2コマ54の長さの2倍未満である。滑車223-1~223-4は、軸受プレート229-1,229-2のローラ取り付け位置から前面板22-3の内側面までの距離よりも長い半径を有する。それにより滑車223-1~223-4は、軸受プレート229-1、229-2に装着された状態で、前面板22-3の内側面から突出する。隣り合う滑車223-1,223-2の間にはベルト230-1が掛け渡され、同様に隣り合う滑車223-3,223-4の間にはベルト230-2が掛け渡される。
ベルト230-1,225-2は可撓性を有する材料、典型的にはゴム製である。滑車223-1~223-4は同じ材料、同じ形状、同じサイズで構成される。典型的には、複数の滑車223-1~223-4は、第2コマ54よりも表面硬度の低い金属製又は樹脂製である。しかしながら、滑車223-1~223-4は、第2コマ54を当接させることを第一の目的として設けられているのではなく、第2コマ54を当接させるベルト230-1,230-2を掛け渡すために設けられている。第2コマ54は主に可撓性を有するベルト230-1,230-2に当接するため、滑車223-1~223-4は、第2コマ54よりも表面硬度の高い安価な金属製又は樹脂製であってもよい。これによりロボットアーム機構のコストをさらに低下させることができる。滑車223-1~223-4の取り付け位置は、第2コマ列52の収納軸のオフセット長と第2コマ列52の揺れの許容量に応じて調整される。
特に第2コマ列52はその屈曲特性から前面板22-3に接近し離反する向きに大きく揺れることが想定される。可撓性を有するベルト230-1,230-2を採用することで、第2コマ54の損傷させることなく、第2コマ列52の揺れを抑えられる。また、ローラ間にゴム製のベルト230-1,230-2を掛け渡すことで、ベルトを使用せずにゴム製のローラを採用した場合に比べて、第2コマ列52の揺れを抑制する部材間の隙間を小さくし、第2コマ列52の揺れ及び第2コマ54の底板表面側への屈曲による、第2コマ54がコマ収納部22に衝突するリスクを低減することができる。また、第2コマ列52の揺れを抑えるベルト230-1,230-2はローラ間に掛け渡されているため、それらローラの回転により、第2コマ54がベルト230-1,225-2に引っかかった状態を回避することができる。これは第2コマ列52のスムーズな送り出し/引き戻し動作の実現に寄与する。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
22…コマ収納部、22-1…左側面板、22-2右側面板、22-3…前面板、22-4…背面板、221…左側ローラ、222…右側ローラ、223…滑車、224…開口、227,228,229…軸受プレート、230…ベルト、52…第2コマ列、54…第2コマ。
Claims (7)
- 基台に支柱部が支持され、前記支柱部上には起伏回転関節部を備えた起伏部が載置され、前記起伏部には直動伸縮性のアームを備えた直動伸縮機構が設けられるロボットアーム機構において、
屈曲可能に連結される平板形状の複数の第1コマと、
屈曲可能に連結される溝枠形状の複数の第2コマと、
前記第1コマの先頭と前記第2コマの先頭とを結合する結合部と、
前記第1、第2コマを前後移動自在に支持する送り出し機構部と、
前記支柱部内に設置され、前記第1コマと前記第2コマとを収納する筒形状の収納部とを具備し、
前記アームが前方へ伸張するとき前記第1、第2コマは前記収納部から前記送り出し機構部に引き出され前記送り出し機構部において互いに重合されて硬直な前記アームを構成し、前記アームが収縮するとき前記第1、第2コマは前記送り出し機構部の後方へ引き戻され互いに分離されて屈曲状態で前記送り出し機構部から前記収納部に戻され、
前記収納部内における前記第2コマの導通をガイドするために前記収納部の両側面板それぞれには複数のローラが装備され、前記収納部の前面板には複数の滑車が装備され、前記滑車は隣り合う2個ずつ対をなしており、前記対をなす滑車には可撓性を有するベルトが掛け渡されることを特徴とするロボットアーム機構。 - 前記ローラは前記第2コマの長さより長く2倍より短いピッチで配列されることを特徴とする請求項1記載のロボットアーム機構。
- 前記対をなす滑車は前記第2コマのピッチより長いピッチで配列されることを特徴とする請求項1記載のロボットアーム機構。
- 前記収納部の背面板には前記ローラ及び前記滑車が装備されていないことを特徴とする請求項1記載のロボットアーム機構。
- 前記ローラと前記第2コマとの間には間隙があけられていることを特徴とする請求項1記載のロボットアーム機構。
- 基台に支柱部が支持され、前記支柱部上には起伏回転関節部を備えた起伏部が載置され、前記起伏部には直動伸縮性のアームを備えた直動伸縮機構が設けられるロボットアーム機構において、
屈曲可能に連結される平板形状の複数の第1コマと、
屈曲可能に連結される溝枠形状の複数の第2コマと、
前記第1コマの先頭と前記第2コマの先頭とを結合する結合部と、
前記第1、第2コマを前後移動自在に支持する送り出し機構部と、
前記支柱部内に設置され、前記第1コマと前記第2コマとを収納する筒形状の収納部とを具備し、
前記アームが前方へ伸張するとき前記第1、第2コマは前記収納部から前記送り出し機構部に引き出され前記送り出し機構部において互いに重合されて硬直な前記アームを構成し、前記アームが収縮するとき前記第1、第2コマは前記送り出し機構部の後方へ引き戻され互いに分離されて屈曲状態で前記送り出し機構部から前記収納部に戻され、
前記収納部内における前記第2コマの導通をガイドするために前記収納部には複数のローラが装備されることを特徴とするロボットアーム機構。 - 基台に支柱部が支持され、前記支柱部上には起伏回転関節部を備えた起伏部が載置され、前記起伏部には直動伸縮性のアームを備えた直動伸縮機構が設けられるロボットアーム機構において、
屈曲可能に連結される平板形状の複数の第1コマと、
屈曲可能に連結される溝枠形状の複数の第2コマと、
前記第1コマの先頭と前記第2コマの先頭とを結合する結合部と、
前記第1、第2コマを前後移動自在に支持する送り出し機構部と、
前記支柱部内に設置され、前記第1コマと前記第2コマとを収納する筒形状の収納部とを具備し、
前記アームが前方へ伸張するとき前記第1、第2コマは前記収納部から前記送り出し機構部に引き出され前記送り出し機構部において互いに重合されて硬直な前記アームを構成し、前記アームが収縮するとき前記第1、第2コマは前記送り出し機構部の後方へ引き戻され互いに分離されて屈曲状態で前記送り出し機構部から前記収納部に戻され、
前記収納部の前面板には複数の滑車が装備され、前記滑車は隣り合う2個ずつ対をなしており、前記対をなす滑車には可撓性を有するベルトが掛け渡されることを特徴とするロボットアーム機構。
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WO2011152265A1 (ja) * | 2010-05-31 | 2011-12-08 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | 直動伸縮アーム機構および当該直動伸縮アーム機構を備えたロボットアーム |
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