WO2017217454A1 - 有機電子素子の製造方法及び機能層の製造方法 - Google Patents

有機電子素子の製造方法及び機能層の製造方法 Download PDF

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Abstract

一実施形態に係る有機電子素子の製造方法は、所定の機能を有する機能層用の塗布液をプラスチック基板に塗布して塗布膜を形成する塗布膜形成工程と、赤外線加熱炉内で上記塗布膜に赤外線を照射して上記塗布膜を加熱硬化させることによって、上記機能層を形成する加熱工程と、を備え、上記加熱工程では、上記赤外線加熱炉が有しており上記プラスチック基板の周囲において上記プラスチック基板と離間して配置されている部材を100℃以下に冷却しながら、上記塗布膜を上記赤外線で加熱硬化する。

Description

有機電子素子の製造方法及び機能層の製造方法
 本発明は、有機電子素子の製造方法及び機能層の製造方法に関する。
 有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」という場合がある)、有機光電変換素子、有機薄膜トランジスタ等の有機電子素子は、基板上に設けられており所定の機能を有する機能層を有する。
 上記機能層の形成方法の例として、特許文献1の技術が知られている。特許文献1では、まず、架橋性基を有しており機能層(特許文献1における導電性薄膜)の材料である高分子化合物を含む塗布液を基板上に塗布して塗布膜を形成する。その後、赤外線ヒータから塗布膜に赤外線を照射し、その赤外線により架橋性基を架橋させることで塗布膜を加熱硬化して、機能層を形成する。
国際公開第2013/180036号
 特許文献1のように、基板上に形成された塗布膜を赤外線加熱する際には、通常、赤外線加熱炉内で塗布膜の赤外線加熱が実施される。塗布膜の赤外線加熱の工程では、赤外線ヒータからは放射状に赤外線が出射されるため、赤外線加熱炉内に配置された塗布膜付き基板の周囲の部材、例えば赤外線加熱炉の炉壁にも赤外線が入射する。この場合、赤外線が入射した部材は加熱され、遠赤外線輻射が生じる。
 有機電子素子の基板として、有機電子素子が可撓性を有するように、近年、プラスチック基板が用いられる傾向にある。プラスチック基板は、赤外線のうち、遠赤外線(例えば波長範囲5.0μm~10.0μmの赤外線)を近赤外線(例えば波長範囲1.2μm~5.0μmの赤外線)より吸収し易い。そのため、上記のように、例えば赤外線加熱炉の炉壁が赤外線により加熱され、遠赤外線輻射が生じると、その遠赤外線によってプラスチック基板が不要に加熱される。このようにプラスチック基板が加熱されると、プラスチック基板にダメージ(変形など)が生じ、有機電子素子の製造歩留まりが低下するという問題があった。
 したがって、本発明は、プラスチック基板へのダメージを低減しながら製造歩留まりの向上を図り得る有機電子素子の製造方法及び機能層の形成方法を提供することを目的とする。
 本発明の一側面に係る有機電子素子の製造方法は、有機電子素子の製造方法であり、所定の機能を有する機能層用の塗布液をプラスチック基板に塗布して塗布膜を形成する塗布膜形成工程と、赤外線加熱炉内で上記塗布膜に赤外線を照射して上記塗布膜を加熱硬化させることによって、上記機能層を形成する加熱工程と、を備え、上記加熱工程では、上記赤外線加熱炉が有しており上記プラスチック基板の周囲において上記プラスチック基板と離間して配置されている部材を100℃以下に冷却しながら、上記塗布膜を上記赤外線で加熱硬化する。
 この製造方法における加熱工程では、上記赤外線加熱炉が有しており上記プラスチック基板の周囲において上記プラスチック基板と離間して配置されている部材を100℃以下に冷却しながら、上記塗布膜を上記赤外線で加熱硬化する。100℃以下に冷却された部材に赤外線が入射しても波長範囲5.0μm~10.0μmの赤外線(以下、「遠赤外線」とも称す)の輻射が生じにくい。そのため、加熱工程で、プラスチック基板の不要な加熱が抑制されている。その結果、プラスチック基板に変形などのダメージが生じにくい。そのため、有機電子素子の製造歩留まりの向上を図ることができる。
 上記塗布液が、架橋性基を有する材料を含んでおり、上記加熱工程では、上記赤外線により上記架橋性基を架橋させることによって、上記塗布膜を加熱硬化してもよい。
 上記加熱工程では、上記赤外線加熱炉が有する部材である炉壁の一部を100℃以下に冷却しながら、上記塗布膜を上記赤外線で加熱硬化してもよい。これにより、上記炉壁の一部からの遠赤外線輻射が抑制されるので、プラスチック基板にダメージが生じにくい。
 上記炉壁のうち上記プラスチック基板の厚さ方向において上側及び下側の領域を100℃以下に冷却しながら、上記塗布膜を上記赤外線で加熱硬化してもよい。この場合、上記炉壁のうち少なくとも上記プラスチック基板の厚さ方向において上側及び下側の領域が100℃以下に冷却され、それらの領域からの遠赤外線輻射が生じにくい。プラスチック基板は、通常、厚さ方向に直交する表面(又は裏面)の面積は、側面の面積より大きい。よって、上記のように、炉壁のうち上記プラスチック基板の上側及び下側の領域からの遠赤外線輻射が抑制されることで、プラスチック基板への遠赤外線の入射を効率的に抑制できる。
 上記加熱工程では、上記赤外線加熱炉内において、上記プラスチック基板を搬送しながら上記赤外線を上記塗布膜に照射し、上記炉壁のうち、上記プラスチック基板の搬送経路をトンネル状に取り囲む領域を100℃以下に冷却しながら、上記塗布膜を上記赤外線で加熱硬化してもよい。この場合、上記炉壁のうち、上記プラスチック基板の搬送経路を取り囲む領域からの遠赤外線輻射を抑制できるので、プラスチック基板への遠赤外線入射をより一層低減できる。
 上記赤外線加熱炉が、上記赤外線加熱炉の炉壁と上記プラスチック基板との間に少なくとも一つの冷却部材を有し、上記赤外線加熱炉の炉壁の一部と共に、上記冷却部材を100℃以下に冷却しながら、上記塗布膜を上記赤外線で加熱硬化してもよい。
 この場合、冷却部材が赤外線加熱炉の炉壁と上記プラスチック基板との間に配置されているので、赤外線照射部からの赤外線が冷却部材に遮られ、炉壁に到達しくい。そのため、その炉壁からの遠赤外線輻射が抑制される。冷却部材に赤外線が入射しても、冷却部材は100℃以下に冷却されていることから、冷却部材からの遠赤外線輻射も抑制されている。そのため、プラスチック基板への遠赤外線の入射が低減され得る。
 上記赤外線加熱炉は、上記プラスチック基板の厚さ方向において上側及び下側にそれぞれ配置される上記冷却部材を有してもよい。この場合、加熱工程で、上記プラスチック基板の厚さ方向において上側及び下側にそれぞれ配置された冷却部材が100℃以下に冷却される。プラスチック基板は、通常、厚さ方向に直交する表面(又は裏面)の面積は、側面の面積より大きい。よって、上記のように、上記プラスチック基板の上側及び下側の領域が100℃以下に冷却され、それらの領域からの遠赤外線輻射が低減すれば、プラスチック基板への遠赤外線の入射を効率的に抑制できる。
 上記加熱工程では、上記赤外線加熱炉内において、上記プラスチック基板を搬送しながら上記赤外線を上記塗布膜に照射し、上記冷却部材は、上記プラスチック基板の搬送経路を取り囲むようにトンネル状に形成されていてもよい。この場合、冷却部材がトンネル状に形成されており、プラスチック基板を囲んでいるので、炉壁への赤外線入射がより一層低減され、炉壁からの遠赤外線輻射を抑制できる。更に、トンネル状に形成された冷却部材も100℃以下に冷却されているので、冷却部材からの遠赤外線輻射も抑制され得る。よって、プラスチック基板の搬送経路を取り囲む領域から遠赤外線が、プラスチック基板により一層、入射し難い。
 上記プラスチック基板に入射する上記赤外線のうち、波長範囲5.0μm~10.0μmの赤外線の量が、波長範囲1.2μm~5.0μmの赤外線の量の3分の1以下であってもよい。
 100℃以下に冷却される上記部材において、波長範囲5.0μm~10.0μmの赤外線(遠赤外線)の平均吸収率が80%以上であってもよい。これにより、上記部材により、プラスチック基板の温度上昇に寄与する上記波長範囲の赤外線が上記部材により多く吸収される。そして、上記部材は、100℃以下に冷却されているので、その部材に遠赤外線が吸収されても、その部材からの遠赤外線輻射は生じない。
 上記加熱工程では、上記プラスチック基板及び上記塗布膜の少なくとも一方に、不活性ガスを吹き付けてもよい。この場合、プラスチック基板が不活性ガスで冷却されるので、プラスチック基板の温度上昇を抑制できる。
 上記プラスチック基板は、帯状を呈すると共に、可撓性を有し、上記プラスチック基板の長手方向の長さが、短手方向の長さの10倍以上であってもよい。この場合、例えば、有機電子素子の製造方法にロールツーロール方式を適用可能であり、有機電子素子の生産性が向上し得る。
 本発明の他の側面である機能層の製造方法は、所定の機能を有する機能層用の塗布液をプラスチック基板に塗布して塗布膜を形成する塗布膜形成工程と、赤外線加熱炉内で上記塗布膜に赤外線を照射して上記塗布膜を加熱硬化させることによって、上記機能層を形成する加熱工程と、を備え、上記加熱工程では、上記赤外線加熱炉が有しており上記プラスチック基板の周囲において上記プラスチック基板と離間して配置されている部材を100℃以下に冷却しながら、上記塗布膜を上記赤外線で加熱硬化する。
 この製造方法では、加熱工程では、上記赤外線加熱炉が有しており上記プラスチック基板の周囲において上記プラスチック基板と離間して配置されている部材を100℃以下に冷却しながら、上記塗布膜を上記赤外線で加熱硬化する。ここで、100℃以下に冷却された部材に赤外線が入射しても遠赤外線の輻射が生じにくい。そのため、加熱工程で、プラスチック基板の不要な加熱が抑制されている。その結果、プラスチック基板に変形などのダメージが生じにくい。よって、上記機能層の製造方法を有機電子素子の製造に用いることで、有機電子素子の製造歩留まりの向上を図ることができる。
 本発明によれば、プラスチック基板へのダメージを低減しながら製造歩留まりの向上を図り得る有機電子素子の製造方法及び機能層の形成方法を提供し得る。
図1は、本発明に係る有機電子素子の製造方法で製造される有機電子素子の一例である有機EL素子の概略構成を示す模式図である。 図2は、図1に示した有機EL素子の製造方法のフローチャートである。 図3は、機能層の製造方法を説明する図面である。 図4は、図3に示した赤外線加熱炉のIV―IV線に沿った断面構成の模式図である。 図5は、実施例1,2に使用した赤外線加熱炉の概略構成を説明するための模式図である。 図6は、赤外線加熱炉の変形例の概略構成を説明するための模式図である。 図7は、赤外線加熱炉の他の変形例の概略構成を説明するための模式図である。 図8は、赤外線加熱炉の更に他の変形例の概略構成を説明するための模式図である。
 以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。同一の要素には同一符号を付する。重複する説明は省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。説明中、「上」、「下」等の方向を示す語は、図面に示された状態に基づいた便宜的な語である。
 本実施形態では、有機電子素子が有機EL素子である形態について説明する。図1に模式的に示した、一実施形態に係る有機EL素子(有機電子素子)の製造方法で製造される有機EL素子10は、例えば曲面状又は平面状の照明装置、例えばスキャナの光源として用いられる面状光源、及び表示装置に用いられ得る。
 有機EL素子10は、プラスチック基板12と、陽極14と、有機EL部16と、陰極18と、を備える。有機EL素子10は、陽極14側から光を出射する形態、或いは、陰極18側から光を出射する形態を取り得る。以下では、断らない限り、陽極14側から光を出射する形態について説明する。
 [プラスチック基板]
 プラスチック基板12は、可視光(波長400nm~800nmの光)に対して透光性を有する。プラスチック基板12は、例えばフィルム状を呈し、可撓性を有する。プラスチック基板12の厚さは、例えば30μm以上700μm以下である。
 プラスチック基板12の材料(プラスチック材料)としては、例えばポリエーテルスルホン(PES);ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、環状ポリオレフィン等のポリオレフィン樹脂;ポリアミド樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリビニルアルコール樹脂;エチレン-酢酸ビニル共重合体のケン化物;ポリアクリロニトリル樹脂;アセタール樹脂;ポリイミド樹脂;エポキシ樹脂が挙げられる。
 プラスチック基板12には、有機EL素子10を駆動するための駆動回路(例えば、薄膜トランジスタなどを含む回路)が形成されていてもよい。このような駆動回路は、通常、透明材料から構成される。
 プラスチック基板12上には、バリア膜が形成されていてもよい。バリア膜は、水分をバリアする機能を有する。バリア膜は、ガス(例えば酸素)をバリアする機能を有してもよい。バリア膜は、例えば、ケイ素、酸素及び炭素からなる膜、又は、ケイ素、酸素、炭素及び窒素からなる膜であり得る。具体的には、バリア膜の材料の例は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素等である。バリア膜の厚さの例は、100nm以上10μm以下である。
 [陽極]
 陽極14は、プラスチック基板12上に設けられている。プラスチック基板12上にバリア膜が形成されている形態では、陽極14はバリア膜上に設けられる。陽極14には、光透過性を示す電極が用いられる。光透過性を示す電極としては、電気伝導度の高い金属酸化物、金属硫化物及び金属等の薄膜を用いることができ、光透過率の高い薄膜が好適に用いられる。陽極14は、導電体(例えば金属)からなるネットワーク構造を有してもよい。
 陽極14の材料としては、例えば酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide:略称ITO)、インジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide:略称IZO)、金、白金、銀、銅等が挙げられ、これらの中でもITO、IZO、又は酸化スズが好ましい。陽極14の材料には、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体等の有機物を用いてもよい。この場合、陽極14は、透明導電膜として形成され得る。
 陽極14の厚さは、光の透過性、電気伝導度等を考慮して決定することができる。陽極14の厚さは、通常、10nm~10μmであり、好ましくは20nm~1μmであり、さらに好ましくは50nm~500nmである。
 [有機EL部]
 有機EL部16は、陽極14上に設けられている。有機EL部16は、陽極14及び陰極18に印加された電圧に応じて、電荷の移動、電荷の再結合等の有機EL素子10の発光に寄与する機能部である。
 有機EL部16は、正孔注入層FL1、正孔輸送層FL2、発光層FL3、電子輸送層FL4及び電子注入層FL5を含み、それらが、陽極14側から順に積層された積層体である。正孔注入層FL1、正孔輸送層FL2、発光層FL3、電子輸送層FL4及び電子注入層FL5は、それぞれ所定の機能を有する機能層である。有機EL部16は、発光層FL3を含んでいれば、例示したものに限定されない。
 正孔注入層FL1は、陽極14上に設けられており、陽極14から発光層FL3への正孔注入効率を改善する機能を有する層である。正孔注入層FL1の厚さは、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように、適宜設定される。正孔注入層FL1の厚さは、例えば1nm~1μmであり、好ましくは2nm~500nmであり、さらに好ましくは5nm~200nmである。
 正孔注入層FL1の材料には、公知の正孔注入材料が用いられ得る。正孔注入材料としては、例えば酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム及び酸化アルミニウム等の酸化物、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等のポリチオフェン誘導体、フェニルアミン化合物、スターバースト型アミン化合物、フタロシアニン化合物、アモルファスカーボン及びポリアニリンが挙げられる。
 正孔輸送層FL2は、正孔注入層FL1上に設けられており、陽極14、正孔注入層FL1又は正孔輸送層FL2のうち陽極14により近い部分から発光層FL3への正孔注入を改善する機能を有する層である。正孔輸送層FL2の厚さは、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように、適宜設定される。正孔輸送層FL2の厚さは、例えば1nm~1μmであり、好ましくは2nm~500nmであり、さらに好ましくは5nm~200nmである。
 正孔輸送層FL2の材料には、公知の正孔輸送材料が用いられ得る。正孔輸送層FL2の材料としては、例えばポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン若しくはその誘導体、ピラゾリン若しくはその誘導体、アリールアミン若しくはその誘導体、スチルベン若しくはその誘導体、トリフェニルジアミン若しくはその誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリアリールアミン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリ(p-フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、又はポリ(2,5-チエニレンビニレン)若しくはその誘導体等が挙げられる。正孔輸送層FL2の材料としては、例えば特開2012-144722号公報に開示されている正孔輸層材料も挙げられる。
 発光層FL3は、正孔輸送層FL2上に設けられており、発光層FL3は、所定の波長の光を発光する機能を有する層である。発光層FL3の厚さは、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように適宜設定される。
 発光層FL3は、通常、主として蛍光及び/又はりん光を発光する有機物、或いは、該有機物とこれを補助するドーパントとから形成される。ドーパントは、例えば発光効率の向上、発光波長を変化させる等のために加えられる。発光層FL3に含まれる有機物は、低分子化合物でも高分子化合物でもよい。発光層FL3を構成する発光材料としては、下記の色素系材料、金属錯体系材料、高分子系材料、ドーパント材料等が挙げられる。
 色素系の発光材料としては、例えばシクロペンダミン若しくはその誘導体、テトラフェニルブタジエン若しくはその誘導体、トリフェニルアミン若しくはその誘導体、オキサジアゾール若しくはその誘導体、ピラゾロキノリン若しくはその誘導体、ジスチリルベンゼン若しくはその誘導体、ジスチリルアリーレン若しくはその誘導体、ピロール若しくはその誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン若しくはその誘導体、ペリレン若しくはその誘導体、オリゴチオフェン若しくはその誘導体、オキサジアゾールダイマー若しくはその誘導体、ピラゾリンダイマー若しくはその誘導体、キナクリドン若しくはその誘導体、クマリン若しくはその誘導体等が挙げられる。
 金属錯体系の発光材料としては、例えばTb、Eu、Dyなどの希土類金属、又はAl、Zn、Be、Pt、Ir等を中心金属に有し、オキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等を配位子に有する金属錯体が挙げられる。金属錯体としては、例えばイリジウム錯体、白金錯体等の三重項励起状態からの発光を有する金属錯体、アルミニウムキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、フェナントロリンユーロピウム錯体等が挙げられる。
 高分子系の発光材料としては、例えばポリパラフェニレンビニレン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリパラフェニレン若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、ポリアセチレン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、上記色素材料及び金属錯体材料の少なくとも一方を高分子化した材料等が挙げられる。
 ドーパント材料としては、例えばペリレン若しくはその誘導体、クマリン若しくはその誘導体、ルブレン若しくはその誘導体、キナクリドン若しくはその誘導体、スクアリウム若しくはその誘導体、ポルフィリン若しくはその誘導体、スチリル色素、テトラセン若しくはその誘導体、ピラゾロン若しくはその誘導体、デカシクレン若しくはその誘導体、フェノキサゾン若しくはその誘導体等が挙げられる。
 電子輸送層FL4は、発光層FL3上設けられており、陰極18、電子注入層FL5、又は、電子輸送層FL4のうち陰極18により近い部分からの発光層FL3への電子注入を改善する機能を有する層である。電子輸送層FL4の厚さは、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように適宜設定される。電子輸送層FL4の厚さは、例えば1nm~1μmであり、好ましくは2nm~500nmであり、さらに好ましくは5nm~200nmである。
 電子輸送層FL4の材料には、公知の電子輸送材料が用いられ得る。電子輸送層FL4を構成する電子輸送材料としては、例えばオキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン若しくはその誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタン若しくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若しくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、又は8-ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体などが挙げられる。
 電子注入層FL5は、電子輸送層FL4上に設けられており、陰極18から発光層FL3への電子注入効率を改善する機能を有する層である。電子注入層FL5の厚さは、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように適宜設定される。電子注入層FL5の厚さは、例えば1nm~1μmである。
 電子注入層FL5の材料には、公知の電子注入材料が用いられ得る。電子注入層FL5の材料としては、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のうちの1種類以上を含む合金、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩、又はこれらの物質の混合物等が挙げられる。
 アルカリ金属、アルカリ金属の酸化物、ハロゲン化物及び炭酸塩としては、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、酸化リチウム、フッ化リチウム、酸化ナトリウム、フッ化ナトリウム、酸化カリウム、フッ化カリウム、酸化ルビジウム、フッ化ルビジウム、酸化セシウム、フッ化セシウム、炭酸リチウム等が挙げられる。
 アルカリ土類金属、アルカリ土類金属の酸化物、ハロゲン化物及び炭酸塩としては、例えばマグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、酸化カルシウム、フッ化カルシウム、酸化バリウム、フッ化バリウム、酸化ストロンチウム、フッ化ストロンチウム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。
 この他に従来知られた電子輸送性の有機材料と、アルカリ金属の有機金属錯体を混合した層を電子注入層FL5として利用することができる。この他に、国際公開第12/133229号に記されたアルカリ金属塩を側鎖に含むイオン性高分子化合物なども電子注入層FL5として用いることができる。
 [陰極]
 陰極18は、有機EL部16上に設けられている。陰極18の厚さは、用いる材料によって最適値が異なり、電気伝導度、耐久性等を考慮して設定される。陰極18の厚さは、通常、10nm~10μmであり、好ましくは20nm~1μmであり、さらに好ましくは50nm~500nmである。
 陰極18の材料としては、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属及び周期表の第13族金属等が挙げられる。陰極18としては、導電性金属酸化物及び導電性有機物等からなる透明導電性電極を用いてもよい。
 次に、有機EL素子10の製造方法の一例について、可撓性を有する帯状(又は長尺)のプラスチック基板12を利用して有機EL素子10を製造する場合を説明する。帯状のプラスチック基板12は、例えば長手方向の長さが、幅方向(短手方向)の10倍以上であるプラスチック基板である。有機EL素子10の製造方法は、図2に示したように、陽極形成工程S10と、有機EL部形成工程S12と、陰極形成工程S14と、を備える。
 [陽極形成工程]
 陽極形成工程S10では、プラスチック基板12上に陽極14を形成する。帯状のプラスチック基板12を利用している場合、プラスチック基板12のうち長手方向に複数の有機EL素子形領域を設定し、各有機EL素子形成領域にそれぞれ陽極14を形成する。陽極14は、有機EL素子の製造において公知の方法で形成され得る。陽極14の形成方法としては、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法、塗布法等が挙げられる。
 塗布法としては、例えば、インクジェット印刷法が挙げられるが、陽極14を形成可能な塗布法であれば、他の公知の塗布法でもよい。インクジェット印刷法以外の公知の塗布法としては、例えばマイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法及びノズルプリント法等が挙げられる。
 陽極14の材料を含む塗布液の溶媒は、陽極14の材料を溶解できる溶媒であればよい。溶媒としては、例えばクロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩化物溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル溶媒等が挙げられる。
 [有機EL部形成工程]
 有機EL部形成工程S12では、陽極14上に、有機EL部16を形成する。有機EL部16は、陽極14上に、正孔注入層FL1、正孔輸送層FL2、発光層FL3、電子輸送層FL4及び電子注入層FL5を順に積層することによって、形成される。
 正孔注入層FL1、正孔輸送層FL2、発光層FL3、電子輸送層FL4及び電子注入層FL5を機能層FLと称し、機能層FLの形成方法(機能層の製造方法)を、図3及び図4を利用して説明する。図3は、機能層FLの形成方法の概念図である。図4は、図3に示した赤外線加熱炉のIV―IV線に沿った断面構成の模式図である。
 図3では、形成すべき機能層FLの形成前に既に形成されている層を下地層ULとして図示している。下地層ULは、例えば正孔注入層FL1に対して陽極14であり、正孔輸送層FL2に対して陽極14と正孔注入層FL1とであり、発光層FL3に対して陽極14と正孔注入層FL1と正孔輸送層FL2である。電子輸送層FL4及び電子注入層FL5に対する下地層ULも同様に定義される。
 機能層FLの形成方法は、塗布膜形成工程と、加熱工程とを有する。本実施形態において、塗布工程と、加熱工程とは、帯状のプラスチック基板12を、その長手方向(図3の白抜き矢印の方向)に搬送ローラRで搬送しながら順に実施する。
 <塗布膜形成工程>
 塗布膜形成工程では、図3に示したように、機能層FLとなる材料を含む塗布液Lを、塗布装置20からプラスチック基板12上(具体的には下地層UL上に)に塗布し、塗布膜22を形成する。塗布装置20は、塗布法(用意された塗布液を塗布する方法)に応じたものであればよい。
 本実施形態のように、帯状のプラスチック基板12を搬送しながら実施する塗布法の例としては、スリットコート法(ダイコート法)、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、ノズルプリント法等が挙げられる。塗布法がインクジェット印刷法である場合は、塗布装置20は、インクジェットノズルを含むインクジェット装置であればよい。
 機能層FLの材料を含む塗布液Lの溶媒は、機能層FLの材料を溶解できる溶媒であればよい。溶媒は、陽極形成工程S10の説明で挙げた溶媒と同様とし得る。
 塗布液Lは、架橋性基を含み得る。架橋性基は、機能層FLが有機化合物を含む場合、その有機化合物が有してもよいし、或いは、架橋性基を有する材料として架橋剤を用いてもよい。
 架橋性基の例としては、ビニル基、エチニル基、ブテニル基、アクリロイル基、アクリロイルオキシアルキル基、アクリロイルアミド基、メタクリロイル基、メタクリロイルオキシアルキル基、メタクリロイルアミド基、ビニルエーテル基、ビニルアミノ基、シラノール基、小員環(例えばシクロプロパン、シクロブタン、エポキシド、オキセタン、ジケテン、エピスルフィド等)を有する基(たとえば、シクロプロピル基、シクロブチル基、エポキシ基、オキセタン基、ジケテン基、エピスルフィド基、3員環又は4員環のラクトン基、及び、3員環又は4員環のラクタム基等)が挙げられる。
 架橋剤の例としては、ビニル基、エチニル基、ブテニル基、アクリロイル基、アクリロイルオキシアルキル基、アクリロイルアミド基、メタクリロイル基、メタクリロイルオキシアルキル基、メタクリロイルアミド基、ビニルエーテル基、ビニルアミノ基、シラノール基、シクロプロピル基、シクロブチル基、エポキシ基、オキセタン基、ジケテン基、エピスルフィド基、3員環又は4員環のラクトン基、及び3員環又は4員環のラクタム基からなる群から選ばれる重合可能な基を有する化合物を挙げることができる。架橋剤としては、例えば多官能アクリレートが好ましく、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、トリスペンタエリスリトールオクタアクリレート(TPEA)などが挙げられる。
 塗布膜形成工程で、プラスチック基板12上に形成された塗布膜22は、プラスチック基板12の搬送に伴って搬送経路上に設けられた赤外線加熱炉24内に搬入される。
 [加熱工程]
 加熱工程では、赤外線加熱炉24内で塗布膜22を加熱硬化させて機能層FLを形成する。加熱工程で使用する赤外線加熱炉24について説明する。赤外線加熱炉24は、図3及び図4に示したように、筐体26と、赤外線照射部28と、冷却機構30と、を有する。
 筐体26は、赤外線照射部28を収容しており、塗布膜22を加熱処理するための加熱空間Sを形成している。本実施形態において、筐体26は、プラスチック基板12の搬送方向に延在している。筐体26は、箱状を呈し、筐体26を構成する天壁32、底壁34、側壁36,38(図4参照)及び側壁40,42は、赤外線加熱炉24の炉壁として機能する。天壁32、底壁34及び側壁36,38,40,42の材料の例は、ステンレス鋼(以下、「SUS」と称する場合もある)である。天壁32、底壁34及び側壁36,38は、プラスチック基板12の搬送方向に延在している。側壁40及び側壁42は、プラスチック基板12の搬送方向に実質的に直交している。側壁40及び側壁42のそれぞれには、プラスチック基板12が通過する搬入口40a及び搬出口42aが形成されている。
 筐体26には、加熱空間S内に不活性ガスGを供給するためのガス供給口26aが形成されてもよい。ガス供給口26aは、例えばプラスチック基板12の搬送方向における筐体26の一方の端部近傍に形成され得る。図3の例では、ガス供給口26aは、天壁に32に形成されているが、ガス供給口26aの形成箇所は、図3に例示した箇所に限定されない。不活性ガスの例は、アルゴンガスである。ガス供給口26aから不活性ガスGを筐体26内に供給することで、不活性ガス雰囲気下で機能層FLを形成でき、水分による機能層FLの劣化を抑制できる。このようにガス供給口26aが筐体26に形成されている場合、筐体26には、ガス供給口26aから加熱空間S内に供給された不活性ガスGを排出するためのガス排出口26bが形成されていてもよい。
 ガス供給口26aが、プラスチック基板12の搬送方向における筐体26の一方の端部近傍に形成されている形態では、ガス排出口26bは、プラスチック基板12の搬送方向における筐体26の他方の端部近傍に形成され得る。これにより、不活性ガスGをプラスチック基板12の長手方向に流すことができ、塗布膜22の加熱時にプラスチック基板12を不活性ガスGで冷却可能である。図3の例では、ガス排出口26bは、天壁32に形成されているが、ガス排出口26bの形成箇所は、図3に例示した箇所に限定されない。以下の説明では、断らない限り、赤外線加熱炉24内に不活性ガスGを供給し、不活性ガスG雰囲気下で機能層FLを形成する形態を説明する。
 一実施形態において、筐体26には、加熱空間S内に冷却風を供給するための冷却風導入口が形成されていてもよい。
 赤外線照射部28は、複数の赤外線ランプ44を有する。図4に例示した形態では、赤外線照射部28は、3本の赤外線ランプ44を有する。各赤外線ランプ44は、プラスチック基板12の搬送方向に延びており、複数の赤外線ランプ44は並行に配置されている。赤外線ランプ44は、塗布膜22に赤外線IRを照射可能に配置されていればよく、本実施形態では、図3及び図4に示したように、塗布膜22に対向する位置に配置されている。赤外線ランプ44は、通常、波長範囲1.2μm~10.0μmを含む赤外線IRを出射する。図4では、赤外線照射部28は、複数の赤外線ランプ44を有する形態を例示しているが、赤外線照射部28は、少なくとも一つの赤外線ランプ44を有していればよい。
 冷却機構30は、プラスチック基板12の搬送経路の周りを取り囲むように、筐体26に設けられた冷却ジャケット46を有し、筐体26を冷却する。具体的には、冷却ジャケット46は、天壁32、底壁34及び側壁36,38を覆うように設けられている。冷却ジャケット46は、プラスチック基板12の搬送方向に延在している。
 冷却ジャケット46内には、冷却水Wが流れる空間が形成されている。冷却ジャケット46は、冷却ジャケット46の一方の端部側に形成された流入口46aから供給された冷却水Wを他方の端部側に形成された排出口46bに向けて流す冷却水流路である。冷却ジャケット46は、その内側に冷却水Wが流れ、冷却水Wによって筐体26の一部(本実施形態では、天壁32、底壁34及び側壁36,38)を冷却可能に構成されていればよい。冷却機構30としては、天壁32、底壁34及び側壁36,38内或いはそれらの内面若しくは外面に設けられた冷却水配管でもよい。
 筐体26において、冷却機構30で冷却される天壁32、底壁34及び側壁36,38の内面は、波長範囲5.0μm~10.0μmの赤外線を吸収する吸収剤でコーティングが施され、天壁32、底壁34及び側壁36,38それぞれでの波長範囲5.0μm~10.0μmの赤外線の平均吸収率が80%以上であってもよい。平均吸収率とは、当該波長領域のエネルギー吸収量を当該波長領域の照射エネルギーで割ったものである。ただし特定波長での赤外線吸収率と赤外線強度の積が特定波長のエネルギー吸収量であり、またこの特定波長におけるエネルギー吸収量を当該波長領域で積分したものを、当該波長領域のエネルギー吸収量と定義する。天壁32、底壁34及び側壁36,38が赤外線の平均吸収率が80%以上である材料から構成されている場合は、コーティングは不要である。
 上記赤外線加熱炉24を利用した塗布膜22の加熱工程について、より詳細に説明する。
 プラスチック基板12上に形成された塗布膜22が搬送されて赤外線加熱炉24内に搬入口40aを通って搬入されると、赤外線照射部28が赤外線IRを塗布膜22に照射する。これにより、塗布膜22が加熱硬化されて機能層FLが形成される。塗布液Lが架橋性基を有する場合、赤外線IRによる塗布膜22の加熱により架橋反応(重合反応を含む)が生じる。これによって、架橋性基が架橋され、塗布膜22が硬化して機能層FLが形成される。
 このようにしてプラスチック基板12上に形成された機能層FLは、搬出口42aから搬出される。プラスチック基板12の搬送速度は、赤外線照射部28からの赤外線IRによって、赤外線加熱炉24を通過中に、塗布膜22が加熱硬化され機能層FLが形成されるように、調整されていればよい。
 上記のように塗布膜22を硬化して機能層FLを形成する際、冷却機構30が有する冷却ジャケット46内に冷却水Wを流し、筐体26の内面、より具体的には、天壁32、底壁34及び側壁36,38の内面を100℃以下に冷却する。冷却水Wの温度、流量などは、天壁32、底壁34及び側壁36,38の内面が100℃以下になるように設定されればよい。
 加熱工程で、塗布膜22を加熱硬化する際には、ガス供給口26aから不活性ガスGを筐体26内に供給し、筐体26内を不活性ガス雰囲気下にしておく。また、ガス排出口26bから不活性ガスGを排出し、不活性ガスGを筐体26内で流しながら、不活性ガスGをプラスチック基板12及び塗布膜22の少なくとも一方に吹き付けてもよい。
 正孔注入層FL1、正孔輸送層FL2、発光層FL3、電子輸送層FL4及び電子注入層FL5は、それぞれの層を形成する場合に、上記機能層FLの形成方法を順に実施することで、陽極14上に形成される。これらは、図3に示したように、プラスチック基板12をその長手方向に搬送しながら連続的に実施され得る。
 <陰極形成工程>
 陰極形成工程S14では、有機EL部16上に陰極18を形成する。陰極18の形成方法は、陽極14の形成方法と同様とし得るので、説明を省略する。
 本実施形態では、帯状のプラスチック基板12に設定される複数の有機EL素子形成領域のそれぞれに陽極14、有機EL部16及び陰極18を設けているため、上記陰極形成工程S14の後に、切断工程を実施して、有機EL素子10を切り出す。切断工程の前又は後に、封止部材で有機EL素子10を封止する封止工程を実施してもよい。
 陽極形成工程S10、有機EL部形成工程S12及び陰極形成工程S14は、帯状のプラスチック基板12が巻き取られた第1ロール(巻出しロール)からプラスチック基板12を繰り出して、第2ロール(巻取りロール)に巻き取る間に順次実施する、ロールツーロール方式で実施されてもよい。図3に示した機能層FLの形成方法は、ロールツーロール方式で有機EL部16を形成する際の一部拡大図に対応する。陽極形成工程S10、有機EL部形成工程S12及び陰極形成工程S14の何れかの工程をロールツーロール方式で実施してもよい。
 上記製造方法の作用効果について説明する。以下の説明においても、正孔注入層FL1、正孔輸送層FL2、発光層FL3などを機能層FLと称す。
 上記製造方法では、有機EL部16を構成する正孔注入層FL1、正孔輸送層FL2、発光層FL3等の機能層FLを塗布法で形成している。すなわち、プラスチック基板12上に塗布膜22を形成した後に、塗布膜22を赤外線IRで加熱硬化して、機能層FLを形成している。
 機能層FLの形成に塗布法を採用していることから、図3に例示したように、プラスチック基板12を搬送しながら、連続的に塗布膜形成工程及び加熱工程を実施できる。更に、有機EL部16に含まれる機能層FLは、通常、赤外線IRのうち、波長範囲1.2μm~5.0μmに吸収ピークを有し、赤外線IRに含まれる波長範囲5.0μm~10.0μmの赤外線より波長範囲1.2μm~5.0μmの赤外線をより多く吸収する傾向にある。そのため、波長範囲1.2μm~10.0μmを有する赤外線を塗布膜22に照射することで、塗布膜22を効率的に加熱できることから、加熱工程の時間を短縮できる。その結果、有機EL素子10の生産性が向上する。
 波長範囲1.2μm~5.0μmの赤外線は近赤外線に相当し、波長範囲5.0μm~10.0μmの赤外線は遠赤外線に相当することから、以下、波長範囲1.2μm~5.0μmの赤外線及び波長範囲5.0μm~10.0μmの赤外線をそれぞれ単に近赤外線及び遠赤外線と称す場合もある。
 本実施形態では、赤外線IRを使用して塗布膜22を加熱する加熱工程において、赤外線加熱炉24が有する部材である筐体26の一部、すなわち、天壁32、底壁34及び側壁36,38を100℃以下に冷却していることが重要である。この点を、筐体26の一部を冷却しない場合と比較して説明する。
 まず、筐体26の一部を冷却しない場合について説明する。赤外線照射部28が有する赤外線ランプ44から赤外線IRは放射状に出射されるので、赤外線ランプ44から出射された赤外線IRは、塗布膜22の他、筐体26にも入射する。筐体26に赤外線IRが入射すると、筐体26の温度が上昇する。温度上昇に伴い筐体26内面から遠赤外線輻射が生じ、筐体26からの遠赤外線がプラスチック基板12に入射する。
 通常、プラスチック基板12の材料であるプラスチック材料は、近赤外線をほとんど吸収せず、遠赤外線をより多く吸収する吸収特性を有する。換言すれば、上記プラスチック材料は、プラスチック材料の吸収スペクトルにおいて、波長範囲1.2μm~5.0μmにおける積分値が、波長範囲5.0μm~10μmにおける積分値より小さい、という吸収特性を有する。
 そのため、筐体26からの遠赤外線輻射が生じると、その遠赤外線がプラスチック基板12に吸収されることにより、プラスチック基板12の温度が不要に上昇する。プラスチック基板12の温度が上昇し、例えばガラス転移温度以上になると、プラスチック基板12が変形することから、後工程が実施できなかったり、又は、製造された有機EL素子の不良品率が増加し、結果として、製造歩留まりが低下したりする。
 プラスチック基板12の遠赤外線に起因する温度上昇を抑制する観点からは、冷却ガスをプラスチック基板12に吹き付けることが考えられる。冷却ガスに空気を使用すると、機能層FLの形成の際には、機能層FLが劣化する傾向にあるため、機能層FLの劣化防止のために不活性ガスGが使用することが考えられる。しかしながら、不活性ガスGを使用すると、有機EL素子の製造コストが増加する。
 更に、プラスチック基板12を冷却する手法としては、プラスチック基板12に接触している搬送ローラRを冷却すること、又は、プラスチック基板12の搬送に、熱伝導率のよい金属製のベルトコンベアを使用することも考えられる。しかしながら、搬送ローラRと搬送ローラRとの間又はベルトコンベアのつなぎ目では、プラスチック基板12が冷却されない。そのため、プラスチック基板12を介して塗布膜22の加熱状態が不均一になり、結果として、塗布膜22の硬化状態が不均一になり易い。これにより、後工程が実施できなかったり、又は、製造された有機EL素子の不良品率が増加し、有機EL素子の製造歩留まりが低下したりする。
 これに対して、上記有機EL素子10の製造方法では、加熱工程において、赤外線加熱炉24が有する部材である筐体26の一部、すなわち、天壁32、底壁34及び側壁36,38を100℃以下に冷却している。天壁32、底壁34及び側壁36,38は、プラスチック基板12の周囲をトンネル状に取り囲んでいるので、赤外線照射によって塗布膜22を加熱する際に、プラスチック基板12の周囲においてプラスチック基板12から離れた位置にトンネル状に100℃以下に冷却された冷却領域が形成されている。
 赤外線IRを吸収する部材が100℃以下に冷却されると、遠赤外線輻射が急激に生じにくくなる。そのため、前述したように、天壁32、底壁34及び側壁36,38が冷却されて上記冷却領域が形成されていると、天壁32、底壁34及び側壁36,38から遠赤外線輻射がほとんど生じない。これにより、プラスチック基板12への筐体26(赤外線加熱炉24の炉壁)からの遠赤外線入射が抑制される。例えば、冷却水Wの温度、流量などを調整することで、プラスチック基板12に入射する遠赤外線の量を、プラスチック基板12に入射する近赤外線の量の1/3以下にできる。そのため、プラスチック基板12の温度上昇が抑制され、プラスチック基板12の変形などのダメージが防止される。よって、有機EL素子10の製造歩留まりを向上できる。
 加熱工程において、不活性ガスGをプラスチック基板12及び塗布膜22の少なくとも一方に吹きつける形態では、不活性ガスGによっても、プラスチック基板12が冷却されるので、プラスチック基板12の温度上昇がより抑制される。このように、プラスチック基板12を冷却するために不活性ガスGを使用したとしても、天壁32、底壁34及び側壁36,38を100℃以下に冷却していれば、天壁32などを100℃以下に冷却しない場合に比べて不活性ガスGの量を低減できるので、有機EL素子10の製造コストの低減も図れる。
 更に、冷却機構30で冷却される天壁32、底壁34及び側壁36,38は、プラスチック基板12から離して配置されている。そのため、プラスチック基板12に接触する搬送ローラRを冷却する場合又は金属性のベルトコンベアを使用する場合のような、塗布膜22の加熱状態の不均一性が生じず、塗布膜22を均一に硬化できる。この観点からも有機EL素子10の製造歩留まりの向上が図れる。
 100℃以下に冷却される天壁32、底壁34及び側壁36,38の遠赤外線の吸収率が80%以上である形態では、筐体26内の遠赤外線がそれらに吸収されるので、筐体26内の遠赤外線の量を大幅に低減できる。その結果、プラスチック基板12の温度上昇をより一層抑制できる。天壁32、底壁34及び側壁36,38の遠赤外線の吸収率が80%以上であるとは、天壁32、底壁34及び側壁36,38の内面に遠赤外線を吸収する吸収剤のコーティングされることによって、天壁32、底壁34及び側壁36,38の遠赤外線の吸収率が80%以上である場合も含む意味である。
 可撓性を有し、例示したように長手方向の長さが幅方向の10倍以上である帯状のプラスチック基板12を用いて有機EL素子10を製造する形態では、前述したように、ロールツーロール方式を採用できる。この場合、プラスチック基板12を搬送しながら、有機EL素子10の製造方法が有する工程を連続して実施可能であることから、有機EL素子10の生産性が向上する。
 次に、赤外線加熱炉24の部材の一部を100℃以下に冷却することの作用効果の検証実験について説明する。
 この検証では、プラスチック基板12として、大きさが24mm×24mm×0.7mm厚の基板を用いた。プラスチック基板12の材料はPENであり、ガラス転移温度は、155℃であった。このプラスチック基板12を図5に示した赤外線加熱炉24Aで加熱した。赤外線加熱炉24Aは、箱状の筐体26と、3つの赤外線ランプ44と、冷却機構30とを備えていた。
 筐体26の材料はSUSであった。筐体26には、冷却風導入口26cを形成し、冷却風導入口26cから離した位置に、冷却風導入口26cと対向するように、冷却風拡散板DPを配置した。冷却風拡散板DPは、冷却風導入口26cと、赤外線ランプ44との間に配置されていた。冷却風拡散板DPの材料は、SUSであった。
 3つの赤外線ランプ44は、筐体26内において、プラスチック基板12に対向して配置されていた。赤外線ランプ44とプラスチック基板12との間の距離は、150mmであった。赤外線ランプ44とプラスチック基板12との間の距離は、3つの赤外線ランプ44の中心を含む平面と、プラスチック基板12との間の距離である。赤外線ランプ44からは、波長範囲1.2μm~10.0μmを含む赤外線IRを出射した。
 冷却機構30には、赤外線加熱炉24の場合と同様に、冷却ジャケット46を採用した。冷却ジャケット46は、冷却ジャケット46内に冷却水Wが流れるように構成されており、冷却ジャケット46は、筐体26の外面のうち冷却風導入口以外の領域を全て覆った。
 (実施例1)
 実施例1では、赤外線ランプ44に500Wの電力を供給することで、赤外線ランプ44から赤外線IRをプラスチック基板12に10分間照射し、プラスチック基板12を加熱した。この加熱の際、冷却ジャケット46内に17℃の冷却水Wを流した。更に、冷却風導入口26cから冷却風として空気を50L/分の流量で筐体26内に供給した。
 プラスチック基板12への赤外線IRの照射開始から10分後に、筐体26の壁面温度、赤外線ランプ44の温度(ランプ温度)及びプラスチック基板12の温度(基板温度)を実測したところ、表1に示したように、それぞれ52℃、200℃及び153℃であった。これらの条件に基づいて、プラスチック基板12への近赤外線の入射量と、遠赤外線の入射量を、モンテカルロ法を利用したシミュレーションで計算した。その結果、表1に示したように、近赤外線の入射量は、7.8kw/mであり、近赤外線の入射量は、2.4kw/mであった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 (実施例2)
 実施例2では、冷却風導入口26cから冷却風を筐体26に供給しなかった点以外は、実施例1と同様の条件で、プラスチック基板12の加熱実験を行った。筐体26の壁面温度、赤外線ランプ44の温度(ランプ温度)及びプラスチック基板12の温度(基板温度)を実測したところ、上記表1に示したように、それぞれ54℃、200℃及び153℃であった。これらの条件に基づいて、プラスチック基板12への近赤外線の入射量と、遠赤外線の入射量を、実施例1の場合と同様に、モンテカルロ法を利用したシミュレーションで計算した。その結果、表1に示したように、近赤外線の入射量は、7.8kw/mであり、近赤外線の入射量は、2.4kw/mであった。
 実施例1,2の結果から冷却ジャケットで筐体26を冷却することで、壁面温度を100℃以下に冷却できることがわかる。このように、壁面温度を100℃以下であれば、プラスチック基板12の温度を、プラスチック基板12の材料であるPENのガラス転移温度以下である153℃程度に抑えることができた。また、遠赤外線のプラスチック基板12の入射量を近赤外線の入射量に対して3分の1以下に低減できることがわかった。
 次に、機能層FLの形成に使用する赤外線加熱炉の変形例について説明する。
 (変形例1)
 図4に示した形態では、筐体26が有する天壁32、底壁34及び側壁36,38を冷却機構30が有する冷却ジャケット46で覆い、プラスチック基板12の搬送経路周りにトンネル状に冷却領域を形成した。しかしながら、例えば図6に示した赤外線加熱炉24Bのように、プラスチック基板12の厚さ方向において上側及び下側に位置する天壁32及び底壁34に冷却機構30を構成する冷却ジャケット46を設け、天壁32及び底壁34を100℃以下に冷却してもよい。有機EL素子に使用されるプラスチック基板12の表面(図6において上側の面)及び裏面(図6において下側の面)は、通常、プラスチック基板12の側面より面積が大きい。よって、少なくとも天壁32及び底壁34を100℃以下に冷却し、それらからの遠赤外線輻射を抑制しておけば、プラスチック基板12への遠赤外線の入射が低減し易い。
 図6では、天壁32及び底壁34を冷却機構30で冷却する場合を変形例として例示したが、筐体26の一部が冷却機構30で100℃以下に冷却されればよい。
 (変形例2)
 図7に示した赤外線加熱炉24Cのように、筐体26とプラスチック基板12との間に配置された冷却部材48を有し、冷却部材48を冷却機構30Aで冷却することで、冷却領域を形成してもよい。図7では冷却部材48の一例として、プラスチック基板12を囲むように形成されたトンネル状(又は筒状)の冷却部材48を示している。
 変形例2では、冷却部材48は、プラスチック基板12の搬送方向に延在している。冷却部材48のプラスチック基板12の搬送方向に直交する断面の形状は、図7に示したように、四角形状(正方形状、長方形状など)でもよいし、又は、円形でもよい。冷却部材48の材料は、SUS、鉄、セラミック等である。冷却機構30Aは、図7に示したように、冷却部材48内に配置されており冷却水Wを流すための配管50を有し得る。配管50は、冷却部材48の外面又は内面に取り付けられてもよい。
 この変形例2では、塗布膜22を赤外線IRで加熱する際、冷却機構30Aで冷却部材48を100℃以下に冷却する。冷却部材48は、プラスチック基板12を取り囲んでおり、赤外線照射部28も冷却部材48の内側に配置されている。よって、赤外線照射部28から照射され筐体26の内面に向かう赤外線IRの多くは、冷却部材48で遮られる。そのため、赤外線IRに起因した筐体26の内面からの遠赤外線輻射がプラスチック基板12に入射し難い。冷却部材48も100℃以下に冷却されているので、冷却部材48からの遠赤外線輻射も生じない。よって、加熱工程におけるプラスチック基板12のダメージを抑制しながら、塗布膜22を赤外線IRで加熱可能である。
 変形例2のように冷却部材48を赤外線加熱炉が有する形態では、筐体26の一部を更に冷却機構で100℃以下に冷却してもよい。
 (変形例3)
 変形例2では、トンネル状の冷却部材48を例示したが、図8に示した赤外線加熱炉24Dのように、プラスチック基板12の周囲の一部においてプラスチック基板12から離れた位置に、板状の冷却部材48を配置し、冷却機構30Aで冷却部材48を冷却してもよい。変形例3では、変形例2と同様に、冷却部材48は、プラスチック基板12の搬送方向に延在している。冷却機構30Aの例は、変形例2と同様である。板状の冷却部材48は、プラスチック基板12の周囲の一部に設けられていればよいが、図8に示したように、少なくともプラスチック基板12の上側及び下側にそれぞれ冷却部材48を設け、それらを100℃以下に冷却することで、プラスチック基板12の遠赤外線による温度上昇を抑制し易い。
 変形例3の場合も変形例2の場合と同様に、筐体26の一部を更に冷却機構で100℃以下に冷却してもよい。
 上記変形例2,3のように、冷却部材48を設ける場合、冷却部材48は、遠赤外線の平均吸収率が80%以上の材料から構成されていてもよいし、又は、冷却部材48の少なくともプラスチック基板12側の面に、遠赤外線を吸収する吸収剤をコーティングして、冷却部材48の遠赤外線の平均吸収率が80%以上であってもよい。これにより、筐体26内の遠赤外線を冷却部材48で吸収でき、冷却部材48を100℃以下に冷却することで、冷却部材48からの遠赤外線輻射を防止できる。その結果、プラスチック基板12への遠赤外線の入射を更に低減できる。
 以上、本発明の種々の実施形態を説明したが、例示した種々の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
 例示したように、帯状のプラスチック基板を用いて、プラスチック基板をその長手方向に搬送しながら加熱工程を実施する形態では、赤外線加熱炉が有する部材(例えば、筐体の一部、冷却部材など)を100℃以下に冷却して形成する冷却領域は、プラスチック基板の搬送方向において、一部に形成されていればよい。複数の上記冷却領域が、上記搬送方向において離散的に形成されていてもよい。例えば、複数の冷却領域が、プラスチック基板の搬送方向に離散的に形成されていても、隣接する冷却領域と冷却領域のつなぎ目と、プラスチック基板12とは離れているため、塗布膜22の加熱温度に差が生じにくい。
 冷却機構が使用する冷媒として水を例示した。しかしながら、冷媒は、水に限定されず、例えば冷やされた空気、不凍液等を使用してもよい。冷却機構は冷媒を使用しなくてもよく、例えばペルチェ素子等も使用され得る。
 有機EL部は、前述したように発光層以外の他の機能層を含む積層体でもよい。各種の機能層を含む有機EL素子の層構成の例を以下に示す。図1に示した有機EL素子の構成は、以下の(g)の構成に対応する。
(a)陽極/発光層/陰極
(b)陽極/正孔注入層/発光層/陰極
(c)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極
(d)陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(e)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
(f)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
(g)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(h)陽極/発光層/電子注入層/陰極
(i)陽極/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
 記号「/」は、記号「/」の両側の層同士が接合していることを意味している。
 正孔注入層及び正孔輸送層の少なくとも一方が電子の輸送を堰き止める機能を有する場合には、これらの層が電子ブロック層と称される場合もある。電子注入層及び電子輸送層の少なくとも一方が正孔の輸送を堰き止める機能を有する場合には、これらの層が正孔ブロック層と称される場合もある。
 有機EL素子は単層の発光層を有していても2層以上の発光層を有していてもよい。上記(a)~(i)の層構成のうちのいずれか1つにおいて、陽極と陰極との間に配置された積層構造を「構造単位I」とすると、2層の発光層を有する有機EL素子の構成として、例えば、下記(j)に示す層構成を挙げることができる。2個ある(構造単位I)の層構成は互いに同じであっても、異なっていてもよい。
(j)陽極/(構造単位I)/電荷発生層/(構造単位I)/陰極
 ここで電荷発生層とは、電界を印加することにより、正孔と電子とを発生する層である。電荷発生層としては、例えば酸化バナジウム、ITO、酸化モリブデンなどからなる薄膜を挙げることができる。
 「(構造単位I)/電荷発生層」を「構造単位II」とすると、3層以上の発光層を有する有機EL素子の構成として、例えば、以下の(k)に示す層構成を挙げることができる。
(k)陽極/(構造単位II)x/(構造単位I)/陰極
 記号「x」は、2以上の整数を表し、「(構造単位II)x」は、(構造単位II)がx段積層された積層体を表す。また複数ある(構造単位II)の層構成は同じでも、異なっていてもよい。電荷発生層を設けずに、複数の発光層を直接的に積層させて有機EL素子を構成してもよい。
 プラスチック基板12に形成される電極を陽極として説明したが、プラスチック基板側に陰極が設けられてもよい。
 有機機能層を有する有機電子素子の製造方法は、例示した有機EL素子の他、有機トランジスタ(有機電子素子)、有機光電変換素子(有機電子素子)及び有機太陽電池(有機電子素子)といった、所定の機能層を有する有機電子素子の製造方法に適用し得る。
 10…有機EL素子(有機電子素子)、22…塗布膜、24,24A,24B,24C,24D…赤外線加熱炉、26…筐体(赤外線加熱炉が有する部材)、28…赤外線照射部、30…冷却機構、30,30A…冷却機構、32…天壁(炉壁)、34…底壁(炉壁)、36,38,40,42…側壁(炉壁)、48…冷却部材、FL…機能層、L…塗布液。

Claims (14)

  1.  有機電子素子の製造方法であって、
     所定の機能を有する機能層用の塗布液をプラスチック基板に塗布して塗布膜を形成する塗布膜形成工程と、
     赤外線加熱炉内で前記塗布膜に赤外線を照射して前記塗布膜を加熱硬化させることによって、前記機能層を形成する加熱工程と、
    を備え、
     前記加熱工程では、前記赤外線加熱炉が有しており前記プラスチック基板の周囲において前記プラスチック基板と離間して配置されている部材を100℃以下に冷却しながら、前記塗布膜を前記赤外線で加熱硬化する、
    有機電子素子の製造方法。
  2.  前記塗布液は、架橋性基を有する材料を含んでおり、
     前記加熱工程では、前記赤外線により前記架橋性基を架橋させることによって、前記塗布膜を加熱硬化する、
    請求項1に記載の有機電子素子の製造方法。
  3.  前記加熱工程では、前記赤外線加熱炉が有する部材である炉壁の一部を100℃以下に冷却しながら、前記塗布膜を前記赤外線で加熱硬化する、
    請求項1又は2に記載の有機電子素子の製造方法。
  4.  前記炉壁のうち前記プラスチック基板の厚さ方向において上側及び下側の領域を100℃以下に冷却しながら、前記塗布膜を前記赤外線で加熱硬化する、
    請求項3に記載の有機電子素子の製造方法。
  5.  前記加熱工程では、前記赤外線加熱炉内において、前記プラスチック基板を搬送しながら前記赤外線を前記塗布膜に照射し、
     前記炉壁のうち、前記プラスチック基板の搬送経路をトンネル状に取り囲む領域を100℃以下に冷却しながら、前記塗布膜を前記赤外線で加熱硬化する、
    請求項3または4に記載の有機電子素子の製造方法。
  6.  前記赤外線加熱炉は、前記赤外線加熱炉の炉壁と前記プラスチック基板との間に少なくとも一つの冷却部材を有し、
     前記赤外線加熱炉の炉壁の一部と共に、前記冷却部材を100℃以下に冷却しながら、前記塗布膜を前記赤外線で加熱硬化する、
    請求項3~5の何れか一項に記載の有機電子素子の製造方法。
  7.  前記赤外線加熱炉は、前記赤外線加熱炉の炉壁と前記プラスチック基板との間に配置される冷却部材を有し、
     前記冷却部材を100℃以下に冷却しながら、前記塗布膜を前記赤外線で加熱硬化する、
    請求項1又は2に記載の有機電子素子の製造方法。
  8.  前記赤外線加熱炉は、前記プラスチック基板の厚さ方向において上側及び下側にそれぞれ配置される前記冷却部材を有する、
    請求項7に記載の有機電子素子の製造方法。
  9.  前記加熱工程では、前記赤外線加熱炉内において、前記プラスチック基板を搬送しながら前記赤外線を前記塗布膜に照射し、
     前記冷却部材は、前記プラスチック基板の搬送経路を取り囲むようにトンネル状に形成されている、
    請求項7に記載の有機電子素子の製造方法。
  10.  前記プラスチック基板に入射する前記赤外線のうち、波長範囲5.0μm~10.0μmの赤外線の量が、波長範囲1.2μm~5.0μmの赤外線の量の3分の1以下である、
    請求項1~9の何れか一項に記載の有機電子素子の製造方法。
  11.  100℃以下に冷却される前記部材において、波長範囲5.0μm~10.0μmの赤外線の平均吸収率が80%以上である、
    請求項1~10の何れか一項に記載の有機電子素子の製造方法。
  12.  前記加熱工程では、前記プラスチック基板又は前記塗布膜の何れか一方に、不活性ガスを吹き付ける、
    請求項1~11の何れか一項に記載の有機電子素子の製造方法。
  13.  前記プラスチック基板は、帯状を呈すると共に、可撓性を有し、
     前記プラスチック基板の長手方向の長さが、短手方向の長さの10倍以上である、
    請求項1~12の何れか一項に記載の有機電子素子の製造方法。
  14.  所定の機能を有する機能層用の塗布液をプラスチック基板に塗布して塗布膜を形成する塗布膜形成工程と、
     赤外線加熱炉内で前記塗布膜に赤外線を照射して前記塗布膜を加熱硬化させることによって、前記機能層を形成する加熱工程と、
    を備え、
     前記加熱工程では、前記赤外線加熱炉が有しており前記プラスチック基板の周囲において前記プラスチック基板と離間して配置されている部材を100℃以下に冷却しながら、前記塗布膜を前記赤外線で加熱硬化する、
    機能層の製造方法。
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