JP2020167023A - 有機elデバイス用隔壁付基板の製造方法及び有機elデバイスの製造方法 - Google Patents

有機elデバイス用隔壁付基板の製造方法及び有機elデバイスの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020167023A
JP2020167023A JP2019066098A JP2019066098A JP2020167023A JP 2020167023 A JP2020167023 A JP 2020167023A JP 2019066098 A JP2019066098 A JP 2019066098A JP 2019066098 A JP2019066098 A JP 2019066098A JP 2020167023 A JP2020167023 A JP 2020167023A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
partition wall
substrate
organic
liquid
manufacturing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019066098A
Other languages
English (en)
Inventor
山下 和貴
Kazuki Yamashita
和貴 山下
鋼志郎 落合
Koshiro Ochiai
鋼志郎 落合
裕 河西
Yu Kawanishi
裕 河西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2019066098A priority Critical patent/JP2020167023A/ja
Publication of JP2020167023A publication Critical patent/JP2020167023A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

【課題】生産性を向上させることが可能な有機ELデバイス用隔壁付基板の製造方法を提供する。
【解決手段】発光領域を有する有機ELデバイス用の隔壁付基板を製造するための方法であって、隔壁付基板は、基板と、該基板に設けられており発光領域を規定するための厚み及び幅を有する隔壁とを含み、上記方法は隔壁を形成する工程を含み、隔壁を形成する工程は、隔壁形成材料を含む液剤の複数の液滴を、連なるように基板上に吐出して、液剤で構成される帯状の第1液膜を形成する工程と、液剤の複数の液滴を、連なるように、かつ、基板上の第1液膜に隣接する領域に吐出して、第1液膜に接する膜であって液剤で構成される帯状の第2液膜を形成する工程とを含む製造方法が提供される。
【選択図】図2

Description

本発明は、有機ELデバイス用隔壁付基板の製造方法及び有機ELデバイスの製造方法に関する。
有機EL(エレクトロルミネッセンス)デバイスは、有機化合物の電界発光を利用した発光素子を含むデバイスである。
特開2007−035347号公報(特許文献1)には、基板上に隔壁(バンク)を設け、この隔壁によって区画される領域に機能層を形成したエレクトロルミネッセンス素子が記載されている。
特開2007−035347号公報
上記隔壁は通常、隔壁形成材料を用いてフォトリソグラフィ法によって形成されている。しかし、この方法は工程数が多く、必ずしも生産性が高いとはいえない。
本発明の目的は、生産性を向上させることが可能な有機ELデバイス用隔壁付基板の製造方法及び有機ELデバイスの製造方法を提供することにある。
本発明は、以下に示す有機ELデバイスの製造方法を提供する。
[1] 発光領域を有する有機ELデバイス用の隔壁付基板を製造するための方法であって、
前記隔壁付基板は、基板と、前記基板に設けられており前記発光領域を規定するための厚み及び幅を有する隔壁とを含み、
前記方法は、前記隔壁を形成する工程を含み、
前記隔壁を形成する工程は、
隔壁形成材料を含む液剤の複数の液滴を、連なるように前記基板上に吐出して、前記液剤で構成される帯状の第1液膜を形成する工程と、
前記液剤の複数の液滴を、連なるように、かつ、前記基板上の前記第1液膜に隣接する領域に吐出して、前記第1液膜に接する膜であって前記液剤で構成される帯状の第2液膜を形成する工程と、
を含む、製造方法。
[2] 前記隔壁が有する前記厚みと前記幅との比が1/100未満である、[1]に記載の製造方法。
[3] 前記隔壁は、前記発光領域を取り囲むように形成される、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4] ジェットディスペンサを用いて前記液滴の吐出を行う、[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5] 前記隔壁形成材料が硬化性樹脂を含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6] 前記硬化性樹脂が熱硬化性樹脂である、[5]に記載の製造方法。
[7] 前記隔壁は、少なくとも上面が撥液性を有する、[1]〜[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8] 発光領域を有する有機ELデバイスを製造するための方法であって、
[1]〜[7]のいずれかに記載の製造方法により、前記隔壁付基板を製造する工程と、
前記発光領域上に、有機材料及び溶媒を含む塗布液を塗布して塗布膜を形成する工程と、
前記塗布膜を乾燥させて有機層を形成する工程と、
を含む、製造方法。
[9] 前記有機ELデバイスが有機EL照明装置である、[8]に記載の製造方法。
[10] 前記発光領域は、その面積が100mm以上である、[8]又は[9]に記載の製造方法。
生産性を向上させることが可能な有機ELデバイス用隔壁付基板の製造方法及び有機ELデバイスの製造方法を提供することができる。
本発明に係る製造方法によって製造することができる隔壁付基板の一例を示す概略平面図である。 隔壁を形成する工程を模式的に示す平面図である。
以下、実施形態を示しながら本発明について説明する。同一の要素には同一符号を付する。重複する説明は省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない場合がある。
<有機ELデバイス用隔壁付基板及び有機ELデバイスの構成>
本発明に係る製造方法によって製造される隔壁付基板は、有機ELデバイスを構成する要素の1つであって、基板上に隔壁が設けられたものである。隔壁は、有機ELデバイスの発光領域を規定するものであり、好ましくは、該発光領域を取り囲むように基板上に配置される。
有機ELデバイスの発光領域とは、電圧の印加によって発光する二次元的な領域を指す。
有機ELデバイスは、発光領域を1つのみ有していてもよいし、2以上有していてもよい。
例えば、2以上の発光領域は、基板上に二次元配列(又はマトリックス状)に配置されていてもよい。各列における発光領域の間の間隔、各行における発光領域の間の間隔、発光領域の配置例及び発光領域の数等は、有機ELデバイスの仕様等に応じて適宜設定される。
有機ELデバイスは、トップエミッション型のデバイスでもよいし、ボトムエミッション型のデバイスでもよい。
有機ELデバイスの発光領域には、発光を生じさせるための構造部である発光部が設けられる。発光部は、少なくとも、基板側から順に、第1電極(例えば、陽極)と、有機層構造部と、第2電極(例えば、陰極)とを含む。有機層構造部は、有機層で構成される構造部であり、1層又は2層以上の有機層を含んでいてもよい。有機層構造部は、有機ELデバイスの発光に寄与する層である。
図1は、本発明に係る製造方法によって製造することができる隔壁付基板の一例を示す概略平面図である。図1に示される隔壁付基板10は、基板11と、第1電極12(例えば、陽極)と、隔壁(バンク)13とを有する。四角枠形状の開口部が発光領域14である。
基板11は、第1電極12及び隔壁13を支持する支持体であり、例えば、可視光(波長400nm〜800nmの光)に対して透光性を有する板状の透明部材である。
基板11の厚みは、例えば30μm以上1100μm以下である。基板11は、例えばガラス基板又はシリコン基板等のリジッド基板であってもよいし、プラスチック基板又は高分子フィルム等の可撓性基板であってもよい。可撓性基板を用いることで、有機ELデバイスが可撓性を有し得る。
基板11には発光部を駆動させるための回路が予め形成されていてもよい。基板11には、例えばTFT(Thin Film Transistor)やキャパシタ等があらかじめ形成されていてもよい。
第1電極12は、例えば陽極である。ただし、第1電極12が陰極であり、第2電極が陽極であってもよい。
第1電極12の平面視形状(基板11の厚み方向から見た形状)としては、例えば、長方形、正方形等の四角形、他の多角形、及び、四角形や他の多角形において角部に丸味を付けた形状等が挙げられる。第1電極12の平面視形状は、円形又は楕円形でもよい。また、第1電極12の平面視形状は、四角形や他の多角形において、少なくとも1辺を弧状(例えば円弧状)にした形状でもよい。
本明細書において、平面視とは、層等の厚み方向から見ることを意味する。
第1電極12としては、金属酸化物、金属硫化物又は金属等からなる薄膜を用いることができ、具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide:略称ITO)、インジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide:略称IZO)、アルミニウム亜鉛酸化物(Aluminium Zinc Oxide:略称AZO)、ガリウム亜鉛酸化物(Gallium Zinc Oxide:略称GZO)、金、白金、銀、又は銅等からなる薄膜が用いられる。
有機ELデバイスが基板11側から光を出射する場合、光透過性を示す第1電極12が用いられる。
第1電極12の厚みは、光透過性、電気伝導度等を考慮して適宜決定することができる。第1電極12の厚みは、例えば10nm以上10μm以下であり、好ましくは20nm以上1μm以下であり、より好ましくは50nm以上500nm以下である。
一実施形態において、第1電極12と基板11との間には、絶縁層等で構成される層が設けられてもよい。絶縁層等で構成される層を基板11の一部とみなすこともできる。
隔壁13は、有機ELデバイスの発光領域14を規定するための厚み及び幅を有する隔壁であり、好ましくは、発光領域14を取り囲むように配置される厚み及び幅を有する隔壁である。隔壁13は、基板11上、より具体的には、その少なくとも一部が基板11上に形成された第1電極12上に配置される。この際、第1電極12と第2電極との短絡防止の観点から、図1に示されるように、第1電極12の周縁部の少なくとも一部の直上に配置されるように隔壁13を配置することが好ましい。
隔壁13は、基板11上において予め設定されている発光領域14を区画するために、好ましくは、開口を有するような形状で基板11上に設けられる。
図1に示される例において、隔壁13の平面視形状は四角枠形状を有しているが、これに限定されるものではなく、隔壁13が有する開口形状及び外形形状(いずれも平面視形状)は、所望する発光領域14の形状や基板11の形状(いずれも平面視形状)等に応じて適宜選択される。
隔壁13が有し得る開口部(すなわち、発光領域14)は、その面積(有機ELデバイスが2以上の発光領域を有する場合には、1つ当たりの面積)が通常1mm以上であり、好ましくは5mm以上であり、より好ましくは50mm以上であり、さらに好ましくは100mm以上であり、また、通常1m以下である。
一実施形態において、隔壁13が有する開口形状(すなわち、発光領域14の形状)は、図1に示されるように、正方形、長方形等の方形形状であり、かつ、その少なくとも1辺の長さは1mm以上であり、2以上の辺又はすべての辺の長さが1mm以上であってもよい。辺の長さは、5mm以上であってもよく、10mm以上であってもよく、さらには20mm以上であってもよい。隔壁13が有し得る開口形状が方形形状である場合において、1辺の長さは、通常1000mm以下である。
隔壁13は、後述するように、隔壁形成材料を含む液剤を用いて形成される。液剤は、溶媒を含んでいてもよい。隔壁形成材料は、好適には1種又は2種以上の樹脂である。
塗布法によって有機層構造部を構成する有機層を形成する場合、隔壁13は、該隔壁によって発光領域14を好適に規定(区画)できるようにする観点、及び、隔壁13よりも外側に有機層形成用の塗布液が濡れ広がらないようにする観点から、好ましくは、少なくともその上面(基板11とは反対側の面)が撥液性を有しており、より好ましくは、その上面及びその側面が撥液性を有している。
本明細書における撥液性とは、塗布法で使用する有機層形成用の塗布液に対する撥液性である。「有機層形成用の塗布液に対する撥液性」における有機層は、少なくとも、第1電極12上に最初に形成される有機層(最も第1電極12寄りの有機層)を含むことが好ましい。
隔壁形成材料が樹脂である場合、少なくともその上面が撥液性を有する隔壁13としては、撥液剤を含む熱可塑性樹脂組成物からなる層、撥液剤を含む感光性樹脂組成物の硬化物からなる層、又は撥液剤を含む熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層等である隔壁;熱可塑性樹脂からなる層、感光性樹脂組成物の硬化物からなる層、又は熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層等の少なくとも上面に撥液処理を施してなる隔壁等が挙げられる。
撥液処理としては、フッ化物を含有する雰囲気中でプラズマ処理を行うことにより、表面に撥液性を付与しても構わない。本処理におけるフッ化物は気体状であり、フッ化物としては、CF、CHF、CH、C、C、Cなどを用いることができる。このようなプラズマ処理を行うことにより、フッ素原子が隔壁3の表面に結合し、隔壁表面に撥液性が付与される。他の撥液処理としては、フッ素樹脂等を含有する撥液剤を塗布する処理、撥液剤の塗布後に、塗布面に紫外線等の活性エネルギー線を照射する処理等が挙げられる。
UVオゾン処理によって隔壁13の少なくとも上面の撥液性を制御してもよい。
撥液剤を含む熱可塑性樹脂組成物からなる層、撥液剤を含む感光性樹脂組成物の硬化物からなる層、又は撥液剤を含む熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層の少なくとも上面に上記撥液処理をさらに施してもよい。
有機層構造部を構成する有機層のうち、少なくとも第1電極12上に最初に形成される有機層、好ましくはすべての有機層は、発光領域14内に配置される部分と、隔壁13上に配置される部分とを有するように形成されることが好ましく、隔壁13上に配置される部分は、隔壁13の少なくとも上面に接して形成されることがより好ましい。このことは、隔壁13よりも外側に有機層形成用の塗布液が濡れ広がらないようにする観点、及び、隔壁13近傍における有機層の厚みムラを抑制する観点から有利である。
同様の観点から、発光領域14内に配置される部分と、隔壁13上に配置される部分とを有するように、第1電極12上に最初に形成される有機層を形成するための塗布液に対する隔壁13の少なくとも上面の接触角(23℃)は、35度以下であることが好ましく、15度以下であることがより好ましい。同様の理由で、上記有機層が隔壁13の側面に接して形成される場合、上記有機層を形成するための塗布液に対する隔壁13の側面の接触角(23℃)は、50度以下であることが好ましく、30度以下であることがより好ましい。
隔壁13の断面形状は特に制限されず、例えば、隔壁13の発光領域14に望む側面は、基板11の表面に対して直交していてもよいし、鋭角をなすように傾斜していてもよい(順テーパ型)。
隔壁13の厚み(高さ)は、例えば0.3μm以上20μm以下程度であり、好ましくは0.5μm以上15μm以下である。
隔壁13の幅(図1に示されるW)は、例えば0.5mm以上20mm以下程度であり、好ましくは1mm以上10mm以下である。
隔壁13が有する厚みと幅との比は特に制限されないが、後述する本発明に係る製造方法によれば、比較的容易に、厚みが小さくかつ幅の大きい隔壁13を形成することができ、例えば厚みと幅との比(厚み/幅)が1/100未満、さらには1/200未満である隔壁13を形成することができる。厚みと幅との比(厚み/幅)は、1/6000以上であってもよく、1/2000以上であってもよい。
隔壁13の外形形状(平面視形状)が方形形状である場合、その1辺の長さは、例えば0.5mm以上1000mm以下程度であり、好ましくは1mm以上1000mm以下程度である。
隔壁付基板10は、例えば、基板11に予め設定される発光領域14上に第1電極12を形成した後、隔壁13を形成することによって製造することができる。
<隔壁付基板の製造方法>
隔壁付基板10は、本発明に係る隔壁付基板の製造方法(以下、単に「隔壁付基板の製造方法」ともいう。)によって製造することができる。隔壁付基板の製造方法は、隔壁13を形成する工程を含み、隔壁13を形成する該工程は次の工程を含む。
隔壁形成材料を含む液剤の複数の液滴を、連なるように基板11上に吐出して、該液剤で構成される帯状の第1液膜を形成する工程(第1液膜形成工程)、及び
上記液剤の複数の液滴を、連なるように、かつ、基板11上の第1液膜に隣接する領域に吐出して、第1液膜に接する膜であって上記液剤で構成される帯状の第2液膜を形成する工程(第2液膜形成工程)。
本発明に係る隔壁付基板の製造方法では、液滴吐出法により液滴からなる帯状膜(帯状液膜)を基板11上に形成することによって隔壁13を作製する直描方式の隔壁作製方法を採用する。この製造方法によれば、フォトリソグラフィ法によって隔壁13を形成する場合と比較して、生産性を高めることが可能である。
本発明に係る製造方法は、液滴吐出法により少なくとも2本の帯状液膜を形成する。この製造方法によれば、所望幅を有する隔壁13の作製が容易であり、幅が比較的大きい隔壁13を容易に製造することができる。さらに、液滴吐出法を採用するこの製造方法によれば、厚みが比較的小さい隔壁13を作製することも容易である。
隔壁13の所望幅に応じて、液剤で構成される帯状の液膜を3本以上形成して隔壁13を作製してもよい。
液剤で構成される2本以上の帯状の液膜は、並列に形成されることが好ましい。
隔壁付基板の製造方法は、第1液膜形成工程前に基板の洗浄を実施する工程を有していてもよい。洗浄方法は特に限定されるものではないが、オゾン発生を伴うUV照射による洗浄や、超純水シャワーを用いた洗浄、ブラシによる洗浄、洗浄液を用いた洗浄等が挙げられる。
隔壁付基板の製造方法は、基板11上に形成された2本以上の帯状の液膜を乾燥させる工程を含むことができる。帯状の液膜の乾燥方法としては、帯状の液膜が固化すればよく、特に限定されるものではないが、熱処理による乾燥や、真空乾燥、両者を組み合わせた乾燥を用いることができる。
隔壁付基板の製造方法は、乾燥後の帯状の液膜を硬化させるための工程をさらに含むことができる。硬化工程としては、帯状の液膜が硬化すればよく、特に限定されるものではないが、熱処理による硬化や、光照射(UVやIR等)による硬化、両者を組み合わせた硬化等を用いることができる。
(1)第1液膜形成工程
隔壁13を形成する工程で用いる隔壁形成材料を含む液剤は、隔壁形成材料として、好ましくは、1種又は2種以上の樹脂を含む。
上記樹脂は、好ましくは硬化性樹脂であり、より好ましくは感光性樹脂(光硬化性樹脂)又は熱硬化性樹脂であり、さらに好ましくは熱硬化性樹脂である。
上記液剤は、樹脂以外の他の成分を含むことができる。他の成分としては、例えば、上述の撥液剤、硬化剤、硬化触媒、レベリング剤、溶媒(有機溶媒等)、モノマー、光重合開始剤、光酸発生剤等が挙げられる。
上記液剤の粘度は、液滴吐出法により吐出可能な粘度であり、温度25℃において、好ましくは0.1mPa・s以上250mPa・s以下であり、より好ましくは1mPa・s以上200mPa・s以下である。液剤の粘度は、東機産業株式会社製VISCOMETER TV−30を用いて測定することができる。
第1液膜形成工程では、液滴吐出法によって上記液剤を基板11上に吐出する。液滴が吐出される表面は、図1に示されるとおり、例えば、基板11の表面及び/又は第1電極12の表面である。すなわち、液剤の吐出に関して「基板11上」とは、基板11の表面及び/又は第1電極12の表面であり得る。
液滴吐出法とは、液剤を液滴の状態で基板11上に塗布する(置く)ことができる方法を指す。
液滴吐出法による液剤の基板11上への吐出(塗布)は、例えば、ジェットディスペンサ、インクジェット等の各種吐出装置を用いて行うことができるが、液滴吐出の安定性及び隔壁13の薄膜化等の観点から、ジェットディスペンサを用いることが好ましい。ジェットディスペンサは、例えば、以下の構成要素を含む。
1)液剤を液滴として吐出するためのノズル、
2)ノズル上に配置され、ロッドと接することにより、ノズルから吐出される液剤出口の開閉を行うバルブシート、及び
3)ノズルとバルブシートの上部に配置され、液剤の押し出しを行うロッド。
液剤は、ノズル側に向かって、ガス(空気等)により圧力が印加され、ロッドが上がることにより、ロッドまで供給され、ロッドが上がることにより、ロッドとバルブシートとの間に液剤が供給され、ロッドが下がることにより、供給された液剤が、液滴としてノズルから吐出される。
第1液膜形成工程では、複数の液滴を連なるように基板11上に吐出することによって、液剤で構成される帯状の第1液膜を形成する。「連なる」とは、吐出によって基板11上に置かれた隣り合う液滴同士が接触することを意味する。
第1液膜は帯状(線状)であり、好ましくは直線状である。
帯状の第1液膜を形成するために、基板11上に吐出される複数の液滴は、線状、好ましくは直線状に配列される。このような配列は、吐出装置に対して基板11を相対移動させながら液滴の吐出を行うか、基板11に対して吐出装置を相対移動させながら液滴の吐出を行うことによって実現できる。
図2は、隔壁を形成する工程を模式的に示す平面図である。図2は、基板11に対して吐出装置を図面の下方向に相対移動させながら液滴の吐出を行うことによって、第1液膜13a、第2液膜13b及び第3液膜13cをこの順に形成する様子を示したものである。
第1液膜形成工程において、基板11上に吐出される液滴の数は、形成しようとする帯状の第1液膜13aの長さに応じて調整される。すなわち、図2を参照して、吐出によって基板11上に最初に置かれた液滴の中心と最後に置かれた液滴の中心との距離(第1液膜13aの長さと同一ではないが対応している。)をD〔mm〕とし、吐出によって基板11上に置かれた液滴の直径をd〔mm〕とするとき、複数の液滴が連なるように吐出して上記距離D〔mm〕を有する第1液膜13aを形成するためには、吐出される液滴の数をD/dよりも大きい値とする。吐出される液滴の数は、塗布速度(上述の相対移動の速度)、吐出装置条件(ロッド上下によるノズルからの吐出有無(ON/OFF)の周期等)等の調整によって制御できる。
吐出によって基板11上に置かれた液滴の直径dは、吐出される液滴の体積(吐出量)、及び、液滴に対する基板11表面の材料の濡れ性に依存し、液滴の体積は、液剤の粘度、吐出装置条件(ノズル径、ノズル温度、バルブシート径、バルブシート形状、ロッドストローク、液剤に印加される圧力等)等の調整によって制御できる。
第1液膜13a(第2液膜13b、第3液膜13cについても同様。)の長さは、例えば、1mm以上、5mm以上、10mm以上又は20mm以上であり、また、通常1000mm以下である。
基板11上に置かれた液滴の直径dは、例えば0.1mm以上2mm以下であり、好ましくは0.3mm以上1.5mm以下である。
液滴を吐出する際の、吐出装置に対する基板11相対移動又は基板11に対する吐出装置の相対移動の速度は、液滴の直径d及び吐出周期に依存するが、例えば10mm/秒以上150mm/秒以下である。
(2)第2液膜形成工程
図2を参照して、第2液膜形成工程では、第1液膜形成工程と同様にして、複数の液滴を連なるように基板11上に吐出することによって、液剤で構成される帯状の第2液膜13bを形成する。
第2液膜形成工程において複数の液滴は、基板11上の第1液膜13aに隣接する領域に吐出され、好ましくは、第1液膜13aにおける第2液膜13b側の辺と、第2液膜13bにおける第1液膜13a側の辺とが長さ方向全体にわたって接するように(第1液膜13aと第2液膜13bとが互いに接した状態で並列して形成されるように)吐出される(図2)。
液滴吐出法により、少なくとも第1液膜13a及び第2液膜13bの2本の帯状液膜を形成する方法によれば、所望幅が比較的大きい場合であっても、該所望幅を有する隔壁13を容易にかつ生産性良く作製することができる。
液滴の吐出による液膜の形成に関しては、第1液膜形成工程についての記述が引用される。
(3)その他の工程
上述のように、隔壁13の所望幅に応じて、液剤で構成される帯状の液膜を3本以上形成して隔壁13を作製してもよい。図2は、第1液膜13a及び第2液膜13bに加えて、第3液膜13cを形成する様子を示している。
第3液膜13cの形成において、複数の液滴は、基板11上の第2液膜13bに隣接する領域に吐出され、好ましくは、第2液膜13bにおける第3液膜13c側の辺と、第3液膜13cにおける第2液膜13b側の辺とが長さ方向全体にわたって接するように(第2液膜13bと第3液膜13cとが互いに接した状態で並列して形成されるように)吐出される(図2)。
勿論、第3液膜13cの形成において、複数の液滴は、基板11上の第1液膜13aに隣接する領域に吐出されてもよい。
例えば、図1に示されるような平面視で四角枠形状の隔壁13を作製する場合には、四角枠形状の1辺として2本以上の帯状液膜からなる形成した後、基板11に対する吐出装置の相対位置及び/又は向きを調整して、他の辺としての帯状液膜の形成を実施してもよいし、四角枠形状の第1帯状液膜を形成後、隣接する領域に吐出して、該第1帯状液膜に接する膜であって該液剤で構成される帯状の四角枠形状の第2帯状液膜の形成を実施してもよい。
隔壁付基板の製造方法は、隔壁13となる帯状液膜を形成した後、該帯状液膜を乾燥する工程を含むことが好ましい。この乾燥工程は、液剤が含有する溶媒除去を目的として、真空、若しくは熱処理によって実施することができる。液剤が熱硬化性樹脂を含む場合には、該熱硬化性樹脂を硬化させる硬化工程も含んでいてもよい。
乾燥工程は、すべての帯状液膜を形成した後に、すべての帯状液膜に対して一括で実施されることが好ましい。例えば、第1液膜13aを形成した後に乾燥を実施し、その後、乾燥された第1液膜13aに隣接して第2液膜13bを形成した場合、第1液膜13aと第2液膜13bとの境界部分において厚みムラを生じるおそれがある。第1液膜13aを形成した後に乾燥を実施することなく第2液膜13bを形成し、その後、乾燥を実施することにより、第1液膜13aと第2液膜13bとの間に実質的な境界がない、厚みが均一な隔壁を形成することが可能となる。
隔壁付基板の製造方法は、乾燥工程を実施した後、硬化工程を含むことが好ましい。硬化を行うことによって、後の有機層形成の際に、有機層塗布時の溶剤への溶解や、加熱工程における分解を防ぐことが可能となる。硬化工程は、隔壁が硬化することを目的として、UV照射、若しくは熱処理によって実施する。隔壁材料が、熱硬化樹脂である場合は熱処理によって、感光性である場合は、UV照射等によって硬化させる。
隔壁13の厚み及び幅Wは、例えば、帯状液膜の本数、各帯状液膜の幅(吐出によって基板11上に置かれた液滴の直径d)、塗布ギャップ(液滴吐出面とノズル先端との距離)等の調整によって制御することができる。
本発明に係る有機ELデバイス用隔壁付基板の製造方法は、有機ELデバイスが有する発光領域14の面積(有機ELデバイスが2以上の発光領域を有する場合には、1つ当たりの面積)が比較的大きく、及び/又は、隔壁13の幅Wが比較的大きい有機ELデバイス用の隔壁付基板の製造方法として好適である。
本発明に係る有機ELデバイス用隔壁付基板の製造方法を適用し得る好適な有機ELデバイスは、例えば有機EL照明装置である。
<有機ELデバイスの製造方法>
有機ELデバイスは、上述の方法によって得られる隔壁付基板を用いて製造することができる。本発明に係る有機ELデバイスの製造方法(以下、単に「有機ELデバイスの製造方法」ともいう。)は、次の工程を含む。
上述の製造方法により、隔壁付基板を製造する工程(隔壁付基板製造工程)、
発光領域14上に、有機材料及び溶媒を含む塗布液を塗布して塗布膜を形成する工程(塗布工程)、
塗布膜を乾燥させて有機層を形成する工程(乾燥工程)。
隔壁付基板製造工程については、上記<隔壁付基板の製造方法>における記述が引用される。
(1)塗布工程及び乾燥工程(有機層構造部の形成)
第1電極と第2電極との間に配置される有機層構造部は、1層又は2層以上の有機層を含み、少なくとも発光層を有する。
各有機層は、上述の塗布工程及び乾燥工程を経て形成される。有機層構造部が2層以上の有機層を含む場合、各有機層は、その有機層の機能に応じた有機材料を含む塗布液を用いて、上述の塗布工程及び乾燥工程を経て形成される。
有機層構造部の層構成としては、例えば、下記の層構成が挙げられる。
(a)第1電極/発光層/第2電極
(b)第1電極/正孔注入層/発光層/第2電極
(c)第1電極/正孔注入層/発光層/電子注入層/第2電極
(d)第1電極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/電子注入層/第2電極
(e)第1電極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/第2電極
(f)第1電極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/第2電極
(g)第1電極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/第2電極
(h)第1電極/発光層/電子注入層/第2電極
(i)第1電極/発光層/電子輸送層/電子注入層/第2電極
ここで、記号「/」は、記号「/」を挟む各層が隣接して積層されていることを示す。
第1電極は例えば陽極であり、第2電極は例えば陰極である。
正孔注入層は、陽極(例えば、第1電極12)から発光層への正孔注入効率を改善する機能を有する有機層である。
正孔注入層の材料は公知の正孔注入材料が用いられ得る。正孔注入材料としては、例えば、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム及び酸化アルミニウム等の酸化物;フェニルアミン化合物;スターバースト型アミン化合物;フタロシアニン化合物;アモルファスカーボン;ポリアニリン;ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等のポリチオフェン誘導体が挙げられる。
正孔注入層の厚みは、用いる材料によって最適値が異なり、求められる特性及び層の形成し易さ等を勘案して適宜決定される。正孔注入層の厚みは、例えば1nm以上1μm以下であり、好ましくは2nm以上500nm以下であり、より好ましくは5nm以上200nm以下である。
正孔輸送層は、陽極又は正孔注入層等から発光層への正孔注入を改善する機能を有する層である。
正孔輸送層の材料には、公知の正孔輸送入材料が用いられ得る。正孔輸送層の材料としては、例えば、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン若しくはその誘導体、ピラゾリン若しくはその誘導体、アリールアミン若しくはその誘導体、スチルベン若しくはその誘導体、トリフェニルジアミン若しくはその誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリアリールアミン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、及びポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体等が挙げられる。また、特開2012−144722号公報に開示されている正孔輸送材料も挙げることができる。
正孔輸送層の厚みは、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように適宜設定される。正孔輸送層の厚みは、例えば1nm以上1μm以下であり、好ましくは2nm以上500nm以下であり、より好ましくは5nm以上200nm以下である。
発光層は、所定の波長の光を発光する機能を有する有機層である。
発光層は通常、主として蛍光及び/又はりん光を発光する有機物、あるいは、該有機物とこれを補助するドーパントとから形成される。ドーパントは、例えば発光効率の向上や、発光波長を変化させるために加えられる。
発光層に含まれる有機物は、低分子化合物でも高分子化合物でもよい。発光層を構成する発光材料としては、例えば、下記の色素系材料、金属錯体系材料、高分子系材料、ドーパント材料が挙げられる。
色素系の発光材料としては、例えば、シクロペンダミン若しくはその誘導体、テトラフェニルブタジエン若しくはその誘導体、トリフェニルアミン若しくはその誘導体、オキサジアゾール若しくはその誘導体、ピラゾロキノリン若しくはその誘導体、ジスチリルベンゼン若しくはその誘導体、ジスチリルアリーレン若しくはその誘導体、ピロール若しくはその誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン若しくはその誘導体、ペリレン若しくはその誘導体、オリゴチオフェン若しくはその誘導体、オキサジアゾールダイマー若しくはその誘導体、ピラゾリンダイマー若しくはその誘導体、キナクリドン若しくはその誘導体、クマリン若しくはその誘導体等が挙げられる。
金属錯体系の発光材料としては、例えば、Tb、Eu、Dy等の希土類金属、又はAl、Zn、Be、Pt、Ir等を中心金属に有し、オキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等を配位子に有する金属錯体が挙げられる。金属錯体としては、例えば、イリジウム錯体、白金錯体等の三重項励起状態からの発光を有する金属錯体、アルミニウムキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、フェナントロリンユーロピウム錯体等が挙げられる。
高分子系の発光材料としては、例えば、ポリパラフェニレンビニレン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリパラフェニレン若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、ポリアセチレン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体の他、上記色素材料、金属錯体材料を高分子化した材料等が挙げられる。
上記発光材料のうち、赤色に発光する材料(以下、「赤色発光材料」ともいう。)としては、例えば、クマリン若しくはその誘導体、チオフェン環化合物、及びそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体等が挙げられる。赤色発光材料としては、特開2011−105701号公報に開示されている材料も挙げられる。
緑色に発光する材料(以下、「緑色発光材料」ともいう。)としては、例えば、キナクリドン若しくはその誘導体、クマリン若しくはその誘導体、及びそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体等が挙げられる。緑色発光材料としては、特開2012−036388号公報に開示されている材料も挙げられる。
青色に発光する材料(以下、「青色発光材料」ともいう。)としては、例えば、ジスチリルアリーレン若しくはその誘導体、オキサジアゾール若しくはその誘導体、及びそれらの重合体、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリパラフェニレン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体等が挙げられる。青色発光材料としては、特開2012−144722号公報に開示されている材料も挙げられる。
ドーパント材料としては、例えば、ペリレン若しくはその誘導体、クマリン若しくはその誘導体、ルブレン若しくはその誘導体、キナクリドン若しくはその誘導体、スクアリウム若しくはその誘導体、ポルフィリン若しくはその誘導体、スチリル色素、テトラセン若しくはその誘導体、ピラゾロン若しくはその誘導体、デカシクレン若しくはその誘導体、フェノキサゾン若しくはその誘導体等が挙げられる。
発光層の厚みは、用いる材料によって最適値が異なり、求められる特性及び層の形成し易さ等を勘案して適宜決定される。発光層の厚みは、例えば1nm以上1μm以下であり、好ましくは2nm以上500nm以下であり、より好ましくは5nm以上200nm以下である。
電子輸送層は、陰極又は電子注入層等からの電子注入を改善する機能を有する層である。電子輸送層には公知の電子輸送材料を用いることができる。
電子輸送層の厚みは、用いる材料等によっても異なるが、例えば1nm以上1μm以下であり、好ましくは2nm以上500nm以下であり、より好ましくは5nm以上200nm以下である。
電子注入層は、陰極から発光層への電子注入効率を改善する機能を有する層である。
電子注入層には公知の電子注入材料を用いることができる。
電子注入層の厚みは、用いる材料等によっても異なるが、例えば1nm以上50nm以下である。
各有機層は、有機材料及び溶媒を含む塗布液を塗布して塗布膜を形成する工程(塗布工程)、並びに、塗布膜を乾燥させる工程(乾燥工程)によって形成される。
塗布液は、例えば、正孔注入材料を含む塗布液、正孔輸送材料を含む塗布液、発光材料を含む塗布液、電子輸送材料を含む塗布液、電子注入材料を含む塗布液等の有機機能材料を含む塗布液である。
塗布液に含まれる有機溶媒は、塗布液に含まれる有機機能材料を溶解できるものであり、例えば、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩化物溶媒;テトラヒドロフラン、ブチルセロソルブ等のエーテル溶媒;トルエン、キシレン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート、乳酸ブチル等のエステル溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、2−エチルヘキサノール等のアルコール溶媒等が挙げられる。
有機溶媒は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
塗布液の塗布法としては、例えば、インクジェット印刷法が挙げられる。ただし、発光領域14上に層を形成可能な塗布法であれば他の公知の塗布法、例えば、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、又はノズルプリント法を用いてもよい。
塗布膜の乾燥方法は、第1塗布膜を乾燥できる限り特に限定されないが、真空乾燥、加熱乾燥等が挙げられ、好ましくは熱乾燥である。
有機層構造部を構成する有機層のうち、少なくとも第1電極12上に最初に形成される有機層、好ましくはすべての有機層は、発光領域14内に配置される部分と、隔壁13上に配置される部分とを有するように形成されることが好ましく、発光領域14内に配置される部分と、隔壁13上に配置される部分とを有するように、かつ、隔壁13上に配置される部分の少なくとも一部が隔壁13の少なくとも上面に接するように形成されることが好ましい。
上記のように有機層を形成することは、隔壁13よりも外側に有機層形成用の塗布液が濡れ広がらないようにする観点、及び、隔壁13近傍における有機層の厚みムラを抑制する観点から有利である。
有機ELデバイスの製造方法は、有機層構造部の上に第2電極を形成する工程を含むことができる。第2電極は、例えば陰極である。
陰極の材料としては、仕事関数が小さく、発光層への電子注入が容易で、電気伝導度の高い材料が好ましい。有機ELデバイスが陽極側から光を取り出す場合には、発光層から放射される光を陰極で陽極側に反射するために、陰極の材料としては可視光反射率の高い材料が好ましい。
具体的には、陰極には、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属又は周期表の13族金属等を用いることができる。また、陰極として、導電性金属酸化物又は導電性有機物等からなる透明導電性陰極を用いることもできる。
陰極の厚みは、電気伝導度、耐久性を考慮して適宜設定される。陰極の厚みは、例えば10nm以上10μm以下であり、好ましくは20nm以上1μm以下であり、より好ましくは50nm以上500nm以下である。
第2電極の形成方法としては、例えば、第1電極12の場合と同様の蒸着法及び塗布法が挙げられる。
有機ELデバイスが2以上の発光領域14を有する場合、発光領域ごとに第2電極を設けてもよいし、隔壁13を跨いで、すべての発光領域14に共通の第2電極を1つ設けてもよい。
有機ELデバイスの製造方法は、第2電極上に封止基板が設ける工程を含んでいてもよい。有機ELデバイスの製造方法は、有機EL照明装置等の有機ELデバイスが備え得る公知の他の要素を設ける工程を含んでいてもよい。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
<基板準備>
(1)基板洗浄
洗浄装置(株式会社芝浦製作所製)を用い、370mm×470mm×0.5mmのガラス基板(コーニング社製イーグルXG)について、純水を掛け流しながら、ブラシによる表面洗浄を30秒実施し、さらに純水シャワーにより60秒の追加洗浄を実施し、エアーにて乾燥を実施した。
(2)透明電極付基板の作製
上記洗浄を実施した基板上に次の手順で透明電極を形成した。スパッタリング装置(ULVAC社製インライン式スパッタリング装置、型式SDP−570VT)に、ITOターゲット(東ソー株式会社製;90%In−10%SnO)を装着し、加熱室にて300℃に加熱後、スパッタ室にて、電力1.05kW、アルゴンガス圧力0.6Pa、成膜時間115秒にて、透明電極ITOを50nm成膜した。さらに成膜後の基板を、大気中で230℃、30分のアニールを実施し、透明電極付ガラス基板を得た。
上記で得られた透明電極付ガラス基板を、LCD Glass分断装置(MS500、三星ダイヤモンド工業株式会社製)を用いて、370mm×470mm×0.5mmのサイズから50mm×50mm×0.5mmのサイズへと分断した。
<実施例1〜29>
透明電極付基板の位置を固定し、吐出装置を連続的に直線的に移動させながら、表1に示される条件で、隔壁形成材料を含む液剤の複数の液滴を連なるように第1電極上に吐出して、液剤で構成される直線状の第1液膜を形成した後、第1液膜の形成条件と同一の条件で、2本目以降の液膜を形成した。直線状の液膜の合計本数を表1の「塗布」「本数」の欄に示す。形成した液膜はいずれも直線状であり、隣り合う液膜同士が並列して互いに接するように液膜の形成を行った。
すべての直線状の液膜を形成した後、基板を80℃で1分間加熱して、液膜の乾燥を行い、その後、150℃で20分間硬化を行って、隔壁を作製した。
隔壁形成材料を含む液剤としては、いずれの実施例においても、熱硬化性のアクリル樹脂、アクリルモノマー、溶媒としてのプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、及び撥液剤としてのフッ素樹脂を含む液剤を使用した。各実施例で使用した液剤の固形分(アクリル樹脂、アクリルモノマー及びフッ素樹脂の合計濃度、質量%)及び粘度(25℃)を表1に示す。液剤の粘度は、東機産業株式会社製VISCOMETER TV−30を用いて測定した。
吐出装置には、いずれの実施例においても、ジェットディスペンサである武蔵エンジニアリング株式会社製の「非接触ジェットディスペンサーAeroJet」を使用した。
各実施例における、ディスペンサの装置条件を含む液滴吐出条件を表1に示す。
表1に記載の項目のうち、下記項目について特記する。
〔a〕「塗布」「本数」:液滴の吐出によって形成した直線状の液膜の合計本数
〔b〕「塗布」「ピッチ」:1本の直線状の液膜を構成する、連なるように置かれた隣り合う液滴の中心間の距離であり、上述の「D」〔mm〕及び1本の直線状の液膜を形成するために吐出される液滴の数を用いて、該ピッチ〔mm〕は、下記式で表される。
ピッチ=D/(液滴の数)
〔c〕「吐出」「ON」,「OFF」:ロッド開閉によるノズルからの吐出有無(ON/OFF)の周期を表す。
〔d〕塗布ギャップ:液滴吐出面とノズル先端との距離
〔e〕塗布速度:吐出装置の移動速度
〔f〕ロッドストローク:ロッドの上下運動距離
〔g〕ノズル温度:ノズル温度調整器の設定温度
表1において、「VS」はバルブシートを表す。
得られた隔壁について、KLA Tencor社製 Alpha Step IQ サーフェイスプロファイラを用いて厚みを測定し、株式会社ミツトヨ製 CNC画像測定機 QUICK VISION Apex 606 PROシステムを用いて幅を測定し、厚み/幅の比を算出した。結果を併せて表1に示す。
Figure 2020167023
10 隔壁付基板、11 基板、12 第1電極、13 隔壁、13a 第1液膜、13b 第2液膜、13c 第3液膜、14 発光領域。

Claims (10)

  1. 発光領域を有する有機ELデバイス用の隔壁付基板を製造するための方法であって、
    前記隔壁付基板は、基板と、前記基板に設けられており前記発光領域を規定するための厚み及び幅を有する隔壁とを含み、
    前記方法は、前記隔壁を形成する工程を含み、
    前記隔壁を形成する工程は、
    隔壁形成材料を含む液剤の複数の液滴を、連なるように前記基板上に吐出して、前記液剤で構成される帯状の第1液膜を形成する工程と、
    前記液剤の複数の液滴を、連なるように、かつ、前記基板上の前記第1液膜に隣接する領域に吐出して、前記第1液膜に接する膜であって前記液剤で構成される帯状の第2液膜を形成する工程と、
    を含む、製造方法。
  2. 前記隔壁が有する前記厚みと前記幅との比が1/100未満である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記隔壁は、前記発光領域を取り囲むように形成される、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. ジェットディスペンサを用いて前記液滴の吐出を行う、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記隔壁形成材料が硬化性樹脂を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記硬化性樹脂が熱硬化性樹脂である、請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記隔壁は、少なくとも上面が撥液性を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 発光領域を有する有機ELデバイスを製造するための方法であって、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法により、前記隔壁付基板を製造する工程と、
    前記発光領域上に、有機材料及び溶媒を含む塗布液を塗布して塗布膜を形成する工程と、
    前記塗布膜を乾燥させて有機層を形成する工程と、
    を含む、製造方法。
  9. 前記有機ELデバイスが有機EL照明装置である、請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記発光領域は、その面積が100mm以上である、請求項8又は9に記載の製造方法。
JP2019066098A 2019-03-29 2019-03-29 有機elデバイス用隔壁付基板の製造方法及び有機elデバイスの製造方法 Pending JP2020167023A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019066098A JP2020167023A (ja) 2019-03-29 2019-03-29 有機elデバイス用隔壁付基板の製造方法及び有機elデバイスの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019066098A JP2020167023A (ja) 2019-03-29 2019-03-29 有機elデバイス用隔壁付基板の製造方法及び有機elデバイスの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020167023A true JP2020167023A (ja) 2020-10-08

Family

ID=72714678

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019066098A Pending JP2020167023A (ja) 2019-03-29 2019-03-29 有機elデバイス用隔壁付基板の製造方法及び有機elデバイスの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020167023A (ja)

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004192977A (ja) * 2002-12-12 2004-07-08 Hitachi Ltd 発光素子およびこの発光素子を用いた表示装置
JP2005005676A (ja) * 2003-05-16 2005-01-06 Seiko Epson Corp パターンの形成方法及びパターン形成装置、デバイスの製造方法、電気光学装置及び電子機器
JP2005103339A (ja) * 2003-09-26 2005-04-21 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 絶縁層の作製方法及び薄膜の作製方法
JP2005205284A (ja) * 2004-01-21 2005-08-04 Seiko Epson Corp 液滴付与方法、液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法および電子機器
JP2009533809A (ja) * 2006-04-10 2009-09-17 ケンブリッジ ディスプレイ テクノロジー リミテッド 電気装置及びその製造方法
JP2011060518A (ja) * 2009-09-08 2011-03-24 Dainippon Printing Co Ltd 有機エレクトロルミネッセンス素子、その製造方法及び発光表示装置
JP2012023020A (ja) * 2010-06-17 2012-02-02 Ricoh Co Ltd 有機エレクトロルミネッセンス素子、その製造方法及び発光装置
WO2012090903A1 (ja) * 2010-12-28 2012-07-05 Necライティング株式会社 有機エレクトロルミネッセンス照明装置、およびその照明装置の製造方法
WO2016063943A1 (ja) * 2014-10-24 2016-04-28 旭硝子株式会社 隔壁用硬化性組成物、隔壁、隔壁の製造方法、隔壁の修復方法、修復された隔壁、および光学素子

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004192977A (ja) * 2002-12-12 2004-07-08 Hitachi Ltd 発光素子およびこの発光素子を用いた表示装置
JP2005005676A (ja) * 2003-05-16 2005-01-06 Seiko Epson Corp パターンの形成方法及びパターン形成装置、デバイスの製造方法、電気光学装置及び電子機器
JP2005103339A (ja) * 2003-09-26 2005-04-21 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 絶縁層の作製方法及び薄膜の作製方法
JP2005205284A (ja) * 2004-01-21 2005-08-04 Seiko Epson Corp 液滴付与方法、液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法および電子機器
JP2009533809A (ja) * 2006-04-10 2009-09-17 ケンブリッジ ディスプレイ テクノロジー リミテッド 電気装置及びその製造方法
JP2011060518A (ja) * 2009-09-08 2011-03-24 Dainippon Printing Co Ltd 有機エレクトロルミネッセンス素子、その製造方法及び発光表示装置
JP2012023020A (ja) * 2010-06-17 2012-02-02 Ricoh Co Ltd 有機エレクトロルミネッセンス素子、その製造方法及び発光装置
WO2012090903A1 (ja) * 2010-12-28 2012-07-05 Necライティング株式会社 有機エレクトロルミネッセンス照明装置、およびその照明装置の製造方法
WO2016063943A1 (ja) * 2014-10-24 2016-04-28 旭硝子株式会社 隔壁用硬化性組成物、隔壁、隔壁の製造方法、隔壁の修復方法、修復された隔壁、および光学素子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8624486B2 (en) Light-emitting device having organic elements connected in series
JP5573616B2 (ja) 表示装置
JPWO2010038356A1 (ja) 有機elデバイスおよびその製造方法
WO2009119558A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法
WO2013168546A1 (ja) 表示装置の製造方法
JP2012014856A (ja) 表示装置
JP2007250718A (ja) エレクトロルミネッセント素子およびその製造方法
KR20060049997A (ko) 유기 일렉트로루미네선스 장치 및 유기 일렉트로루미네선스장치의 제조 방법 및 전자 기기
JP2011023668A (ja) 液柱塗布用インクおよび有機el素子の製造方法、並びに該有機el素子を有する有機el表示装置
JP2015135737A (ja) 発光装置、及び発光装置の製造方法
WO2011118654A1 (ja) 発光装置の製造方法
JP2007095595A (ja) 機能層の形成方法、有機半導体素子、発光素子及び電子機器
WO2020262113A1 (ja) 有機elデバイスの製造方法
JP2020167023A (ja) 有機elデバイス用隔壁付基板の製造方法及び有機elデバイスの製造方法
JP2009238708A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法
JP5155085B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子、およびその製造方法
JP2011210614A (ja) 有機el素子及びその製造方法
JP4893839B2 (ja) 発光装置の製造方法
JP2012099244A (ja) 電極、電極の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス(el)装置、同装置の製造方法
JP2010160945A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法
JP6582896B2 (ja) 発光パネルモジュール、発光装置、及びその製造方法
JP5263060B2 (ja) 発光装置
JP2011238377A (ja) 有機elディスプレイの製造方法及び有機elディスプレイ
JP2014072013A (ja) 有機el表示装置
JP2008130318A (ja) 有機el素子の製造方法および有機el素子の製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220203

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221031

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221129

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230509

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20231031