WO2017203729A1 - 画像情報照合システム - Google Patents

Abstract

車載カメラから得られる画像情報を、車載カメラが搭載される車両自体の便宜以外の目的に有効活用することができる画像情報照合システムを提供する。 画像情報照合システム１は、照合用データが記憶される照合用データ記憶部１３と、車外状況を撮影する車載カメラＡ，Ｂ，Ｃと、車載カメラＡ，Ｂ，Ｃから得られた画像情報を、生体認証、文字認識または画像認識によって、照合用データ記憶部１３に記憶された照合用データと照合するデータ比較部１４と、データ比較部１４による照合結果を通知する通知手段１７と、を有する。

Description

画像情報照合システム

　本発明は、画像情報照合システムに関し、特に、車載カメラから得られる画像情報を用いた照合システムに関する。

　近年の車両には多種多様なカメラが搭載され、その画像情報は自動ブレーキシステムや、自動運転システム等に利用され、あるいは車両ドアを開ける際にドア周辺に支障となる障害物が存在しないかを検知する安全システムに利用されている（特開２００７－１５３１９３号公報）。これらに利用される車載カメラは運転者の死角となる可能性のある車両の様々な部位に設置され、その画像情報は主に、運転補助や事故削減を目的としたシステムに利用されている。

　車載カメラを車両のキー（リモコンキー、キーレスエントリの発信器）の代用にするシステムも開発されている。特開２００６－１６８５５３号公報には、車両に接近する人を車載カメラで撮影し、その画像情報を予め車両に登録された画像情報と生体認証技術により比較照合し、車載カメラで得られた画像情報が登録された画像情報と一致したときは当該車両の使用を許可することを開示している。

　車載カメラを防犯用や監視用に用いるシステムも提案されている。特開２００６－１８２２３４号公報には、ドアミラーに車載カメラを設置し、停車または駐車等によりドアミラーを格納させると、車載カメラが車内を向き、車内をカメラで監視できるようにすることが開示されている。特開２００３－０５８９８０号公報には、自車両のナンバープレートを車載カメラで監視して、自車両のナンバープレートに不正が行われたときは画像（文字）認識技術により検知して外部に通報するシステムが開示されている。

　特開２０１１－１０５０５８号公報には、１つの車載カメラを多目的用途に利用することが開示されている。

　車載カメラは車両の走行状態を記録するドライブレコーダーにも利用されている。

　上記特許文献に開示された発明では、車載カメラは、運転補助や事故防止、所有者認証用の発信器の代用、自車両の防犯や監視等に利用されているが、その利用は、車両所有者の利便性の範疇に留まっていた。

　また、近年搭載率が激増しているドライブレコーダーは、車両事故発生の際に、走行状態の確認に優れた映像再生（画像保存）性能を発揮するが、ドライブレコーダーの車載カメラが日常的に撮影している車外の画像情報の殆どは、利用されることなく、上書き録画等により破棄、消去されている。

　しかしながら、利用されることなく破棄、消去される画像情報には、有益で公共性の高い情報、唯一無二の貴重な情報等が含まれていることが当然予想される。このため、画像処理能力の飛躍的な向上、画像解析技術（生体認証技術、文字認識技術）の急激な発展、記録媒体の大容量化、無線データ通信の高速化等を踏まえ、車載カメラで撮影した画像情報から有益で公共性の高い情報、唯一無二の貴重な情報等を短時間で、好ましくはリアルタイムで抽出して有効活用できるシステム開発が望まれてきた。

　本発明は車載カメラから得られる画像情報を、車載カメラが搭載される車両自体の便宜以外の目的に有効活用することができる画像情報照合システムを提供することを目的とする。

　本発明の画像情報照合システムは、照合用データが記憶される照合用データ記憶部と、
　車外状況を撮影する車載カメラと、車載カメラから得られた画像情報を、生体認証、文字認識または画像認識によって、照合用データ記憶部に記憶された照合用データと照合するデータ比較部と、データ比較部による照合結果を通知する通知手段と、を有する。

　本発明によれば、車載カメラで撮影された車外の状況から特定の画像情報を得て、この画像情報を、生体認証、文字認識または画像認識によって、登録された照合用データと照合することができる。このため、車載カメラから得られる莫大な情報を有効活用することができる。

本発明による画像情報照合システムのブロック図である。

　本発明による画像情報照合システムの実施形態について、図を参照して説明する。図１は、画像情報照合システム１のブロック図を示している。画像情報照合システム１は１台若しくは複数の車載カメラＡ、Ｂ、Ｃを有している。車両に搭載されるデータ記憶部１１には、車載カメラＡ、Ｂ、Ｃで撮影された画像情報が取り込まれるようになっている。

　車載カメラＡ、Ｂ、Ｃは車外撮影用のカメラである。車載カメラＡ、Ｂ、Ｃは、車両の自動ブレーキシステムや自動運転システムに使用される車載カメラ、バックモニター用車載カメラ、ドア開閉時の障害物検知用の車載カメラ等のように、別に主たる利用目的を備えたカメラと兼用して利用することが望ましく、汎用のカメラであってよい。あるいは、夜間、暗所での撮影を可能にする赤外線カメラを用いてもよい。車載カメラＡ、Ｂ、Ｃにより、車外の状況は車両の走行中、停止中を問わず継続的に撮影され、その画像情報は車載制御部１０の制御によって、データ記憶部１１に認証用データとして入力され記憶される。車載カメラＡ，Ｂ，Ｃの設置位置は特に限定されず、車両前部、車両後部の他、ドアミラー、車両の側面などであってもよい。

　データ記憶部１１に記憶された画像情報、すなわち認証用データは、認証情報処理部１２により、生体認証、文字認識または画像認識技術によって解析される。解析される画像情報は、車両停止中のものに限らず、走行中に撮影した画像情報もその精細度に応じてデータ解析の対象となり得る。一般的に、認証用データは、車載カメラＡ、Ｂ、Ｃからの元画像情報より相当に容量が小さくなる。

　本願発明は、あらゆる種類の生体認証、文字認識または画像認識技術を利用することができる。このため、生体認証、文字認識または画像認識技術の種類によっては、認証のステップ、つまり、認証方法や作業手順に大きな違いが出る。しかし、認証情報処理部１２が行うデータ解析は、例えば生体認証の場合、一般的には「目」「鼻」「口端」等の特徴点生成等を意味する。以下、生体認証を用いた例を説明する。

　画像情報照合システム１の照合用データ記憶部１３には照合用データが登録される。認証情報処理部１２が生成した認証用データは、データ比較部１４により照合用データ記憶部１３に登録された照合用データと比較され、生体認証される。照合用データは予め登録することが望ましいが、後述するように、事後登録も可能である。生体認証技術の種類によっては、車載カメラＡ、Ｂ、Ｃからの元画像情報と照合用データとを直接比較することができ、その場合、認証用データの生成を省略することができる。

　本発明では、照合用データ記憶部１３にどのような照合用データを登録するかが大きな特徴となる。例えば、認知症により徘徊の危険がある人物（以下、徘徊危険者という）のデータが好ましい照合用データの一例である。徘徊危険者を対象とした場合、徘徊危険者の生活圏をよく走行したり、同生活圏に駐車スペースがある車両の照合用データ記憶部１３に、徘徊危険者の画像情報を生体認証の照合用データとして登録すれば、当該車両の車載カメラＡ、Ｂ、Ｃにより徘徊危険者を無事保護できる可能性が高くなる。

　徘徊危険者の照合用データは、家族からの申し出によりデータ化され照合用データ記憶部１３に登録されるのが望ましい。通常は、当該人物のデジタル写真データを使用できる。このような照合用データには、当該人物の生活情報が紐付けされ、関連情報記憶部１５に登録される。生活情報とは、当該人物の住所、氏名、連絡先、通知レベル等である。通知レベルとは、生体認証により照合一致者が発見された際の通知の要否を規定するパラメータである。通知レベルが低く設定されたときは（例えば、レベル１）、当該人物の発見場所、発見時間等の情報を関連情報記憶部１５に継続的に記録するだけに留め、通知レベルが高く設定されたときは（例えば、レベル２）、発見により直ちに緊急連絡等を行う。通知レベルは家族からの連絡（好適には通信端末から操作）により変更可能である。

　上記認知症ケースでは、画像情報照合システム１を搭載する車両の台数が多くなるほど徘徊危険者を発見できる可能性が高くなる。従って、個人データの保護を考慮し、画像情報照合システム１は、公的機関の車両（警察車両）や、その地域に密着したタクシー車両に搭載することが望ましく、徘徊との関連性において介護施設の車両等に搭載することも望ましい。これらの車両に搭載することで大きな公益的効果が期待できる。

　照合用データは、記録媒体インターフェース１６を介してＣＤＲＯＭ、ＵＳＢメモリ等の記憶メディアから直接データを読み込み登録するか、インターネット、専用無線回線等の通信装置１７を介してデータ通信により登録することができる。

　上記のように、認証情報処理部１２が生成した認証用データが、照合用データ記憶部１３に登録された照合用データと一致した場合（生体認証された場合）には、一致したという照合結果が、通信装置１７（通知手段）を介して、予め登録された関係者に、日時や場所等の情報と共に通報される。関係者に関する情報は関連情報記憶部１５に登録される。関連情報記憶部１５は関係者の電子メールアドレスを記憶するアドレス記憶部１５’を有しており、関係者の電子メールアドレスが予めアドレス記憶部１５’に記憶される。

　以上の実施形態においては、画像情報照合システム１のほぼ全ての機能が車両に搭載されているが、被捜索者の照合用データを記録する照合用データ記憶部１３は、外部の防犯センターのような部門に設置し、データのクラウド管理を行うこともできる。また、データ通信の高速化（１Ｇｂｐｓ、高速光ケーブル相当）により、車載カメラＡ，Ｂ，Ｃからの画像情報は適宜、通信装置１７を介して外部の防犯センターに高精細画質で送信可能であり、送信された画像情報に基づいて、防犯センターにおいて生体認証を行うことも可能である。これらの問題は、画像処理能力等のハードウエア上の問題およびデータ管理のセキュリティ的問題として扱われる事柄である。

　照合用データ記憶部１３に登録する照合用データの他例としては、指名手配犯、逃亡犯の照合用データや、盗難車両、犯罪に関連する可能性のある車両のナンバープレートの照合用データや、幼児、学童の照合用データ等を例示できる。指名手配犯、逃亡犯の照合用データ、犯罪に関連する可能性のある車両の照合用データは、通常捜査当局から提供されることになる。この場合、関係者とは、家族、保護者等に加えて、捜査当局者も含まれることになる。車両のナンバープレートについては、文字認識で照合することもできるし、画像認識で照合することもできるし、両者を併用することもできる。車載カメラの搭載車両と同じ方向に走行する前方および後方の車両（バックカメラが搭載されている場合）のナンバープレートだけでなく、反対方向に走行する車両のナンバープレートを照合することもできる。また、車両自体の型式（車種）、色を照合用データとして登録することもできる。この方法は、車両自体の型式と色の少なくともいずれかが判明しているが、車両ナンバーが不明の場合に特に有用である。ナンバープレートと車両の型式、色を全て照合データとして登録し、これらの一部または全てを照合に用いることも可能である。

　例えば、地方、過疎地における幼児、学童の位置情報の確認は携帯用ＧＰＳに頼ることが多いが、万一、携帯用ＧＰＳが使用不能になった場合には、定点カメラの映像から特定の人物を人海戦術で探すことになり、迅速な対応が難しくなる。本システムを用いれば、予め照合用データが登録されていれば、常時照合が行われ、継続的に位置情報の確認及び保存が可能となり、関係者からの要請に応じて即座に的確な情報を提供できる。

　照合用データはデータ記憶部１１に事後登録することも可能である。記録媒体の記憶容量は飛躍的に増大しており、データ記憶部１１を車両に設置した場合であっても、相当な長時間の画像記録を保存可能となる。また、データ記憶部１１を防災センターに配置した場合には、事実上無限に記録できることになる。このため、照合用データを事後登録したときにおいても、事後登録された照合用データを、保存された画像情報と生体認証技術で高速で比較照合し、有用で公益性の高い貴重なデータを速やかに入手することが期待できる。

　照合結果は外部に通報するだけでなく、車載カメラＡ，Ｂ，Ｃが搭載されている車両自体（例えば警察車両）に通知することもできる。この場合、画像情報照合システム１は車両に搭載された受信部１８を備え、車載カメラＡ，Ｂ，Ｃで得られた画像情報が照合用データと一致したとき、受信部１８に照合結果が通知される。受信部１８は車内に設置された表示部、ライト、スピーカー、ブザーなど、運転者または同乗者が認識できる表示、音、音声などを発生させる装置であればよい。車両の走行中は、運転者や同乗者が車外の人や車を正確に目視確認できない可能性があるが、その場合であっても、車載カメラから得られた画像情報が自動的に照合用データと照合される。車載カメラＡ，Ｂ，Ｃとして暗所撮影が可能な赤外線カメラなどが搭載されている場合は、夜間や暗所であっても、車載カメラから得られた画像情報が自動的に照合用データと照合される。

１…画像情報照合システム、１０…車載制御部、１１…データ記憶部、１２…認証情報処理部、１３…照合用データ記憶部、１４…データ比較部、１５…関連情報記憶部、１６…記録媒体インターフェース、１７…通信装置、１８…受信部、Ａ、Ｂ、Ｃ…車載カメラ

Claims (11)

1. 　照合用データが記憶される照合用データ記憶部と、
   　車外状況を撮影する車載カメラと、
   　前記車載カメラから得られた画像情報を、生体認証、文字認識または画像認識によって、前記照合用データ記憶部に記憶された前記照合用データと照合するデータ比較部と、
   　前記データ比較部による照合結果を通知する通知手段と、を有する画像情報照合システム。
2. 　前記照合結果が通知されるアドレスが記憶されるアドレス記憶部を有し、
   　前記通知手段は、前記画像情報が前記照合用データと一致したとき、前記アドレス記憶部に記憶された前記アドレスに前記照合結果を通知する、請求項１に記載の画像情報照合システム。
3. 　前記車載カメラと同じ車両に搭載され、前記データ比較部による照合結果を受信する受信部を有し、
   　前記通知手段は、前記画像情報が前記照合用データと一致したとき、前記受信部に前記照合結果を通知する、請求項１に記載の画像情報照合システム。
4. 　前記照合結果の通知の要否を規定する通知レベルを記憶する関連情報記憶部を有し、前記通知手段は、前記通知レベルが通知要に対応するレベルである場合に前記照合結果を通知する、請求項１から３のいずれか１項に記載の画像情報照合システム。
5. 　前記通知レベルが通報不要に対応するレベルである場合に、前記関連情報記憶部は前記照合結果を継続的に記録する、請求項４に記載の画像情報照合システム。
6. 　前記車載カメラから得られた画像情報を認証用データとして記憶するデータ記憶部を備え、前記データ比較部は、前記データ記憶部に記憶された前記認証用データを、生体認証、文字認識または画像認識によって、前記照合用データ記憶部に新規に登録された照合用データと照合する、請求項１から５のいずれか１項に記載の画像情報照合システム。
7. 　前記照合用データは、徘徊者の画像情報である、請求項１から６のいずれか１項に記載の画像情報照合システム。
8. 　前記照合用データは、捜査当局から提供された画像情報である、請求項１から６のいずれか１項に記載の画像情報照合システム。
9. 　前記照合用データは、幼児または学童の画像情報である、請求項１から６のいずれか１項に記載の画像情報照合システム。
10. 　前記照合用データは、車両のナンバープレートの文字情報または画像情報である、請求項１から６のいずれか１項に記載の画像情報照合システム。
11. 　前記照合用データは、車両の画像情報である、請求項１から６のいずれか１項に記載の画像情報照合システム。
     

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