WO2017170893A1 - 長尺ポリイミド積層体およびその製造方法 - Google Patents
長尺ポリイミド積層体およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- WO2017170893A1 WO2017170893A1 PCT/JP2017/013311 JP2017013311W WO2017170893A1 WO 2017170893 A1 WO2017170893 A1 WO 2017170893A1 JP 2017013311 W JP2017013311 W JP 2017013311W WO 2017170893 A1 WO2017170893 A1 WO 2017170893A1
- Authority
- WO
- WIPO (PCT)
- Prior art keywords
- dimensional change
- polyimide
- film
- laminate
- change rate
- Prior art date
Links
Images
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B32—LAYERED PRODUCTS
- B32B—LAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
- B32B27/00—Layered products comprising a layer of synthetic resin
- B32B27/28—Layered products comprising a layer of synthetic resin comprising synthetic resins not wholly covered by any one of the sub-groups B32B27/30 - B32B27/42
Abstract
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、FPCに形成される配線幅や間隔を極めて小さくしても、他の部品や回路材料との接続を取る際の位置ずれが発生しないFPCを安定的に提供できるポリイミド材料を提供することにある。非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に、熱可塑性ポリイミド樹脂層を有するポリイミド積層体であって、積層体のガラス転移温度におけるフィルムの長手方向の加熱寸法変化率α、ガラス転移温度におけるフィルムの幅方向の加熱寸法変化率βとしたとき、-2.1<α<0.1、-2.5<β<-0.5であり、かつ-0.1<α×β<6.0の範囲であることを特徴とする、ポリイミド積層体によって、上記課題を解決できる。
Description
本発明は、寸法変化率の小さいポリイミドフィルムに関する。
ポリイミドフィルムはフレキシブルプリント配線板の基板として用いられている。近年のエレクトロニクス製品の軽量化、小型化、高機能化に伴い、絶縁フィルムに熱硬化性接着剤を介して金属箔を張り合わせた3層フレキシブル金属張積層板を用いたプリント配線板から、接着層に熱可塑性ポリイミドを用いた2層フレキシブル金属張積層板(以下、2層FCCLともいう)を用いたフレキシブルプリント配線板(以下、2層FPCともいう)へと需要が移りつつある。
2層FPCの代表的な製造方法として、ポリイミドフィルムに熱可塑性ポリイミド層を設けた積層体に、金属箔を加熱しながら貼り合わせる方法がある。工業的に2層FCCLを製造する場合、ロール状になった幅広の上記積層体と金属箔とを連続的に繰り出しながら熱ロールラミネート装置やダブルベルトプレス装置を用いて貼り合わせる。
このようにして得られる2層FCCLを使って、エッチングなどにより金属箔部分に回路を形成して2層FPCが製造されるのであるが、FPCに加工した後の寸法変化が大きくなると、設計時の部品搭載位置から回路の位置がずれてしまうなどの問題が発生し、搭載しようとする部品とFPCとの接続がとれなくなるという問題がある。
一方、従来より、加工したFPCに寸法変化の問題が発生するのは、ポリイミドフィルムの熱膨張係数や吸湿膨張係数が大きいことや、吸水率が高いことが原因であると考えられている。つまりFCCLやFPCの加工工程における熱や吸水によるポリイミドフィルムの寸法変化が金属箔の寸法変化に比して大きいため、設計どおりの配線を形成できないと考えられている。このため、熱膨張係数が金属箔と同等であるポリイミドフィルムや、吸湿膨張係数、吸水率の小さいポリイミドフィルムへの取り組みがなされてきた。例えば、特許文献1では、ポリイミドフィルムの組成を選択することで寸法変化と耐熱性の問題を解決している。
ところで、ポリイミドフィルムの物性として加熱寸法変化率(加熱収縮率とも呼ばれることがある)が測定される場合がある。加熱寸法変化率も低いほうがよいと考えられている。特許文献1にも記載のあるように、加熱寸法変化率は150℃~250℃の範囲の温度で、30分~1時間加熱した場合の値を測定することが多い。これは、フレキシブルプリント配線板の基板に半田づけや異方導電性フィルムの張り合わせなどにより部品を実装する際の寸法変化を予測するために用いられることが多い。
ポリイミドフィルムの片面または両面に、熱可塑性ポリイミドを含有する接着層を形成したフィルム状接合部材であって、250℃、30分加熱した際のTD方向の寸法変化率が-0.01~-0.10%であり、かつMD方向の寸法変化率が+0.01~+0.10%である接着性接合部材が特許文献2に開示されている。250℃、30分加熱した際のTD方向の寸法変化率とは、フィルム状接合部材の寸法と、これに金属層を積層し、さらにエッチングで除去したものを上記条件で加熱した後の寸法との比率である。特許文献2は、予めフィルム状接合に熱ラミネートにより発生するMD方向、TD方向の寸法変化をキャンセルする寸法歪み、すなわち加熱時寸法変化をもたせておくことにより、FCCLの寸法変化率を改善できると記載されている。
このように寸法変化の課題へのさまざまな取り組みがなされているが、電子機器の小型化・高性能化に伴い、FPCの配線の微細化・薄型化も進み、ポリイミド材料に要求される寸法変化率のレベルはかなり高くなり、寸法変化率の課題は技術が進歩すればするほど、解決へのハードルが高くなっている。
要求される寸法変化率のレベルが高くなるにしたがい、従来の取り組みだけでは不十分になってきている。すなわち、FPCに形成される配線幅や間隔がさらに小さくなればなるほど、従来のFPCでは問題とならなかった程度の寸法変化も問題視されてくる。特に、熱ラミネート法、中でも熱ロールラミネート法によりFCCLが製造される場合、FCCL製造業者は各々異なる製造条件を設定しているため、別のラミネート方法で製造した場合には問題とならかったような寸法変化の問題が発生したり、従来は寸法変化率が小さいとされたポリイミド材料が、FCCL製造業者やFPC製造業者が使う製造条件やスペック次第で、寸法変化率が大きい、と判断されてしまう場合が出てきている。また、これには、連続的に2層FCCLを製造し、FPCに加工する場合、部位によって寸法変化率の大きい箇所や小さい箇所がまちまちで、それを予測できないという問題や、ロット間でのバラツキの問題も含まれる。そこで、極めて微細な配線を形成しても、他の部品や回路材料との接続を取る際の位置ずれが発生しないFPCを安定的に提供できるポリイミド材料を提供することが当業界の課題となりつつある。
本発明者らは、以下の新規なポリイミド積層体により上記課題を解決しうる。
1)非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に、熱可塑性ポリイミド樹脂層を有するポリイミド積層体であって、該積層体はガラス転移点を有し、幅が150mm以上であり、かつ積層体のガラス転移温度におけるフィルムの長手方向の加熱寸法変化率α、ガラス転移温度におけるフィルムの幅方向の加熱寸法変化率βとしたとき、-2.1<α<0.1、-2.5<β<-0.5であり、かつ-0.1<α×β<6.0の範囲であることを特徴とする、ポリイミド積層体。
2)前記ポリイミド積層体のガラス転移温度が100~300℃であることを特徴とする、1)に記載のポリイミド積層体。
3)前記ポリイミド積層体は、非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に、熱可塑性ポリイミドの前駆体または熱可塑性ポリイミドの少なくともいずれか一つを含む溶液を塗布・乾燥して得られることを特徴とする、1)または2)に記載のポリイミド積層体の製造方法。
1)非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に、熱可塑性ポリイミド樹脂層を有するポリイミド積層体であって、該積層体はガラス転移点を有し、幅が150mm以上であり、かつ積層体のガラス転移温度におけるフィルムの長手方向の加熱寸法変化率α、ガラス転移温度におけるフィルムの幅方向の加熱寸法変化率βとしたとき、-2.1<α<0.1、-2.5<β<-0.5であり、かつ-0.1<α×β<6.0の範囲であることを特徴とする、ポリイミド積層体。
2)前記ポリイミド積層体のガラス転移温度が100~300℃であることを特徴とする、1)に記載のポリイミド積層体。
3)前記ポリイミド積層体は、非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に、熱可塑性ポリイミドの前駆体または熱可塑性ポリイミドの少なくともいずれか一つを含む溶液を塗布・乾燥して得られることを特徴とする、1)または2)に記載のポリイミド積層体の製造方法。
本発明のポリイミドフィルム積層体を用いて、金属箔を除去した後の寸法変化率が、MD方向およびTD方向どちらにおいても寸法変化率が0±0.025%、面内バラツキはσ=0.030%となるFCCLを提供することができる。
本発明は、非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に、熱可塑性ポリイミド樹脂層を有するポリイミド積層体であって、幅が150mm以上であり、かつ積層体のガラス転移温度における積層体の長手方向の加熱寸法変化率α、ガラス転移温度における積層体の幅方向の加熱寸法変化率βとしたとき、-2.1<α<0.1、-2.5<β<-0.5となっており、かつ-0.1<α×β<6.0の範囲となっている長尺ポリイミド積層体である。
本発明のポリイミド積層体は、ポリイミド積層体のガラス転移温度におけるフィルムの長手方向(MD方向)の加熱寸法変化率αと、積層体の幅方向(TD方向)の加熱寸法変化率β、およびα-βの絶対値が特定の範囲内にある。従来から知られている寸法変化率を小さくする方法としては、フィルム製造の観点からは、代表的にはフィルムの線膨張係数を銅箔のそれとできるだけ近づけて、熱による寸法変化の差を小さくするという方法がある。しかし、本発明者らが最終的にFPCに加工した際のより小さい寸法変化の実現に向けてさまざまなポリイミド積層体のFPC作製時における寸法変化率を検討したところ、線膨張係数が同じであっても、寸法変化が必ずしも同じになるとは限らないことがわかった。すなわち線膨張係数だけでは説明がつかないことがわった。このことは、後述するようなフィルム積層体(サイズ:MD方向120mm×TD方向120mm)を銅箔とラミネートして得られる材料のMD方向とTD方向の寸法変化と、これをラミネート方向に対し90°回転させて銅箔とラミネートして得られる材料のMD方向とTD方向の寸法変化率で違いが生じることや、本発明者らの行った実験において寸法変化率と線膨張係数の相関係数が低いことにより確認された。そこで本発明者らは、最終的にFPCに加工した際のより小さい寸法変化の実現に向けて、ポリイミド材料の製造からFCCLの製造、さらにFPCの製造の工程で、どのようにして寸法変化が発生するのかをつぶさに解析を行った。
FCCLは、幅広のポリイミドフィルム積層体と金属箔とを、連続的に繰り出しながら熱ラミネートする方法によって製造される場合が多く、その後、エッチングにより配線が形成されてFPCとなる。このエッチングにより開放される歪みに着目し、これらの製造工程を経るにつれてポリイミドフィルム積層体にどのような歪みが蓄積されるかを理論的および実験的の両側面から見積もった。まず、ポリイミド積層体は、その製膜時に凍結された歪みを持った状態で、熱ラミネートに付される。というのも、非熱可塑性ポリイミドフィルムの上に熱可塑性ポリイミドを含有する層を設け、幅広で長尺の積層体を得るまでの過程においてすでにフィルムはさまざまな応力を受け、それらがポリイミド積層体に歪みとなって残留する。この歪が残留した状態で金属箔と熱ラミネートにより貼り合わされるが、熱ラミネートは通常、連続的に行われる場合が多いので、その際の機械送り方向(長さ方向;MD方向)にかけられる張力や、ラミネート時に加えられる熱、ラミネート時の加圧面による固定などによって、FCCLに内在するポリイミド積層体にはさらに歪が蓄積される。この状態でエッチングにより回路が形成されると、エッチングされたことにより歪みが開放されるため寸法変化が生じると考えた。このように考えると、MD方向とTD方向で、蓄積される歪みの量が異なるため、MD方向とTD方向では寸法変化率にも違いが生じると考えることができる。従って、ポリイミド積層体の製造~FCCLの製造までで発生する歪みの総計、すなわちFCCLとなったポリイミド積層体部分に内在する全歪みが、金属層のエッチング前後における寸法変化を小さくする上において鍵となると考えた。
そこで本発明者らは、FCCL内のポリイミド積層体に残留する全内部歪みは、下記式(1)で表されるように、ポリイミド積層体を製造する工程で積層体に蓄積される歪み(以下、製膜歪みとも言う)と、熱ラミネートの工程で加わる力と熱などによりさらに蓄積される歪み(以下、熱ラミ歪みとも言う)の和であると仮定を置いた。
製膜歪み+熱ラミ歪み=FCCL内のポリイミド積層体に残留する全内部歪み・・・式(1)
そして、さまざまな製膜歪みを持つポリイミド積層体を、複数の熱ラミネート条件を用いてFCCLを作製し、その寸法変化率のデータを数多く取得して、寸法変化率を小さくするポリイミド積層体はどのような積層体かを統計的に考察した。これをより具体的に説明する。
製膜歪み+熱ラミ歪み=FCCL内のポリイミド積層体に残留する全内部歪み・・・式(1)
そして、さまざまな製膜歪みを持つポリイミド積層体を、複数の熱ラミネート条件を用いてFCCLを作製し、その寸法変化率のデータを数多く取得して、寸法変化率を小さくするポリイミド積層体はどのような積層体かを統計的に考察した。これをより具体的に説明する。
ポリイミド積層体の製造~FCCLの製造までに蓄積される歪みがFCCL内に残留する全内部歪みであり式(1)で表される。
製膜歪みは、ポリイミド積層体のガラス転移温度で30分間加熱した際の加熱寸法変化率を採用した。加熱寸法変化率が発生する原因はポリイミド積層体の残留歪みによるものであるからで、残留歪みには2種類あり、配向歪みと凍結歪みがある。配向歪みはガラス転移温度近傍で、凍結歪みはガラス転移温度以下で歪みを解放すると考えられる。これら2つの歪みをより正確に見積もるには、両方の歪みを解放させる必要があるため、ガラス転移温度で加熱した測定値が重要なのである。30分間加熱するのは、この程度加熱すればすべての歪みが十分に開放されると考えられるためである。この加熱寸法変化率を積層体のMD方向およびTD方向について測定した。
次に熱ラミ歪みは、次のような測定により求めることできる。ガラス転移温度で30分間加熱して、ポリイミドフィルム積層体に蓄積された残留歪みを除去したフィルム積層体(サイズ:MD方向120mm×TD方向120mm)を用意し、図1に示すような穴あけ加工を施し、MD1/MD2/TD1/TD2の寸法を測定する。例えば、ラミネート温度を360℃と想定すると、そのフィルムを360℃、0.6ton、1m/minでラミネートした後に、再度MD1/MD2/TD1/TD2の寸法を測定し、ラミネート前後の寸法変化率をMD方向(MD1とMD2の平均)およびTD方向(TD1とTD2の平均)について求める。360℃での熱ラミ歪みは、MD方向は0.05%で、TD方向は0.35%で、方向により異なっている。このように熱ラミ歪みは、ラミネート温度が決まれば、一定と考えることができる。
本発明者らは、さまざまな加熱寸法変化率を持つポリイミド積層体のサンプル(大きさ:MD方向120mm×TD方向120mm)を調整した。これは枚葉で積層体を作製したり、連続的に生産された積層体で寸法変化率が部位により安定していないフィルム、言い換えるとFCCLの製造には適さない長尺ポリイミド積層体から様々な箇所を採取することで行った。このとき、MD方向の加熱寸法変化率とTD方向の加熱寸法変化率が敢えて異なるものを用いた。ラミネート方向に対して、サンプルを90度回転させることで、一つのサンプルから2つのデータセットが得られるからである。これらのサンプルを銅箔とラミネートしてFCCLを作製し、銅箔エッチング後の寸法変化率を確認した。FCCL内のポリイミド積層体に残留する全内部歪みと銅箔エッチング後の寸法変化率の関係を表1や図2に示すように求めた。
すると、全内部歪みと寸法変化率との間に良い相関が得られた。その結果、予想に反してFCCL内のポリイミド積層体に残留する全内部歪みが0となっているとき、金属層エッチング後の寸法変化率が0になるわけではなく、ある一定の範囲で歪みを持たせるほうがよいことがわかった。その理由は定かではないが、熱ラミネートされる際に積層体がガラス転移温度を超えたとき、積層体の一部が塑性変形するためであると推察される。これは、エッチングにより得られたFPCを加熱する前後の寸法変化率を小さくすることが目的である特許文献2とは異なる技術思想に基づく。一方で、ガラス転移点を有するポリイミド積層体を用いることは熱ラミネート法によりFCCLが製造される際に、銅箔のMD方向伸張、TD方向収縮の塑性変形とそれに追随するフィルムが粘弾性変形しやすいためガラス転移点を有する積層体であることが好ましい。
本発明者らは、寸法変化率の小さくなるような全内部歪みの値をまず求め、次いで、式(1)を用いてMD方向とTD方向の各々について、適切な製膜歪みの値を求めた。また、ラミネート温度として320℃、380℃を想定した場合について同様の測定と解析を行った。ラミネート温度が320℃である場合と380℃である場合の解析を加えた理由は、できるだけ精度良く寸法変化率が小さくなるような全内部歪みを求めるため、もしくはFCCL製造時に銅箔種、積層体材料に応じてラミ温度を320~380℃変更する可能性があるからである。このようにして全内部歪みと寸法変化率の相関を見るための数多くのデータを取得して解析した結果、ポリイミド積層体と金属箔を熱ラミネートする際の機械送り方向の加熱寸法変化率は-2.1より大きく0.1より小さく、機械方向と直交方向の加熱寸法変化率は-2.5より大きく-0.5より小さくなっており、かつ(機械送り方向の加熱寸法変化率)×(直交方向の加熱寸法変化率)が-0.1より大きく6.0以下となっている場合、MD方向とTD方向の寸法変化率の差が小さくなることが分かった。工業的には、FCCLはロール状の幅広のポリイミド積層体を金属箔とを連続的に繰り出してラミネートすることで製造されるので、ポリイミド積層体の長手方向の加熱寸法変化率αが熱ラミネート時の機械送り方向となり、幅方向βがその直交方向となる。そして各々、-2.1<α<0.1、-2.5<β<-0.5となっており、かつ-0.1<α×β<6.0となるポリイミド積層体とすれば、寸法変化率の小さいFPCが得られる。
このように熱ラミネートにより製造されたFCCLのエッチング前後の寸法変化率を小さくするために制御できるポリイミド積層体の物性として、加熱寸法変化率が選択でき、その制御すべき範囲が定められたので、少なくとも長尺ポリイミド積層体の少なくとも両端および中央部で上記の範囲に入っていれば、寸法変化率の小さいFPCが工業的に取得できる。寸法変化率をポリイミド積層体の製膜歪みと熱ラミネートの際に蓄積される熱ラミ歪みの観点からMD方向とTD方向の各々についてつぶさに解析し、各方向について最適な製膜歪みを求める手法はこれまで報告されておらず、本発明者らによる上記解析とデータを元に見出されたものである。
好ましいαの範囲は、-0.5%~-2.0%であり、さらに好ましくは-0.9%~-1.4%である。好ましいβの範囲は、-2.3%~-1.1%であり、さらに好ましくは-1.9%~-1.5%である。また、好ましいα×βの範囲は、0.3<α×β<3.0である。これらの好ましい値の範囲やさらに好ましい値の範囲は、上述のデータや解析に基づき設定されたものである。
ポリイミド積層体のガラス転移温度とは、周波数1Hz、5Hz、10Hz、昇温速度は3℃/分の測定条件で動的粘弾性測定をしたときの損失係数(tanδ)のピークトップ温度を指す。加熱寸法変化率の測定は、図3に示す3箇所からサンプル(サイズ:12cm×12cm)を取得し、MD1/MD2/TD1/TD2の寸法を測定する。次に、ガラス転移温度で30分間加熱した際のMD1/MD2/TD1/TD2の寸法を再度測定し、MD方向とTD方向の各々の変化率(MD1とMD2の平均およびTD1とTD2の平均)を求める。図に示す3箇所において、加熱寸法変化率が上記範囲に入っていることが熱ラミネートを連続的に行って得られるFCCLを用いたFPCの寸法変化率を小さくする上で必要である。これらは、ポリイミド積層体全体の特性を確認するのに適した測定部位だからである。
本発明のポリイミド積層体は、工業的なFCCLの生産に適した長尺の積層体であり、幅150mm以上、好ましくは250mm以上、さらに好ましくは500mm以上である。また、3箇所で測定されたαの最大値と最小値の差は、0.10%以下であることが好ましい。3箇所で測定されたβの最大値と最小値の差は、0.10%以下であることが好ましい。そして3箇所で得られるα-βの最大値と最小値の差は0.10%以下であることが好ましい。
本発明のポリイミド積層体は、非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に熱可塑性ポリイミド樹脂層を有する。そこでまず、非熱可塑性ポリイミドフィルムの製造について説明する。
非熱可塑性ポリイミドフィルムの製造に使用するジアミンについては特に限定されるものではないが、最終的に得られるポリイミドがβ緩和を発現する必要があるため、β緩和を発現し易いジアミンを少なくとも一種使用することが好ましい。酸二無水物の構造にも左右されるため、β緩和を発現するジアミンを一義的に決めることは出来ないが、ビフェニル骨格、フェニル骨格を有するジアミンを用いると、得られるポリイミドがβ緩和を発現し易い。具体的には、4,4’-ジアミノ-2,2’-ジメチルビフェニル、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジメチルビフェニル、4,4’-ジアミノ-3,3’-ヒドロキシビフェニル、1,4-ジアミノベンゼン、1,3-ジアミノベンゼン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニルなどが挙げられる。機械強度等の諸特性制御のため、最終的に得られるポリイミドがβ緩和を発現する範囲内で、上記以外のジアミンを原料の一部として使用することも可能である。上記以外のジアミンとしては、具体的に4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、2,2-ビス{4-(4-アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼンなどが挙げられる。
酸二無水物についても特に限定されるものではないが、β緩和を発現し易い酸二無水物を少なくとも一種使用することが好ましい。ジアミンの構造にも左右されるが、酸二無水物についてもビフェニル骨格、フェニル骨格を有する酸二無水物を用いるとβ緩和を発現し易い。具体的な構造としては、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物などが挙げられる。酸二無水物についても、最終的に得られるポリイミドがβ緩和を発現する範囲内で、上記以外の酸二無水物を原料の一部として使用することが可能である。具体的には、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’-オキシジフタル酸二無水物などが挙げられる。
ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸は、上記ジアミンと酸二無水物を有機溶媒中で実質的に略等モルになるように混合、反応することにより得られる。使用する有機溶媒は、ポリアミック酸を溶解する溶媒であればいかなるものも用いることができるが、アミド系溶媒すなわちN,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドンなどが好ましく、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドが特に好ましく用いられ得る。ポリアミック酸の固形分濃度は特に限定されず、5~35重量%の範囲内であればポリイミドとした際に十分な機械強度を有するポリアミック酸が得られる。
原料であるジアミンと酸二無水物の添加順序についても特に限定されないが、原料の化学構造だけでなく、添加順序を制御することによっても、得られるポリイミドの特性を制御することが可能である。
また、原料として1,4-ジアミノベンゼンとピロメリット酸二無水物を用いる場合、両者が結合して得られるポリイミド構造はデスミア液に対する耐久性が低いため、添加順序を調整して両者が直接結合した構造を形成しないようにすることが好ましい。
上記ポリアミック酸には、摺動性、熱伝導性、導電性、耐コロナ性、ループスティフネス等のフィルムの諸特性を改善する目的でフィラーを添加することもできる。フィラーとしてはいかなるものを用いても良いが、好ましい例としてはシリカ、酸化チタン、アルミナ、窒化珪素、窒化ホウ素、リン酸水素カルシウム、リン酸カルシウム、雲母などが挙げられる。
また、得られる樹脂層全体としての特性を損なわない範囲で、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンなどの熱可塑性樹脂を混合しても良い。これら樹脂の添加方法としては、溶剤に可溶のものであれば上記ポリアミック酸に添加する方法が挙げられる。ポリイミドも可溶性のものであるなら、ポリイミド溶液に添加しても良い。
本発明において、非熱可塑性ポリイミドフィルムの製造方法は、
i)有機溶剤中で芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物を反応させてポリアミック酸溶液を得る工程、
ii)上記ポリアミック酸溶液を含む製膜ドープを支持体上に流延する工程、
iii)支持体上で加熱した後、支持体からゲルフィルムを引き剥がす工程、
iv)更に加熱して、残ったアミック酸をイミド化し、かつ乾燥させる工程、
を含むことが好ましい。
ii)以降の工程においては、熱イミド化法と化学イミド化法に大別される。熱イミド化法は、脱水閉環剤等を使用せず、ポリアミック酸溶液を製膜ドープとして支持体に流涎、加熱だけでイミド化を進める方法である。一方の化学イミド化法は、ポリアミック酸溶液に、脱水閉環剤及び/又は触媒を添加したものを製膜ドープとして使用し、イミド化を促進する方法である。どちらの方法を用いても構わないが、化学イミド化法の方が生産性に優れる。
i)有機溶剤中で芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物を反応させてポリアミック酸溶液を得る工程、
ii)上記ポリアミック酸溶液を含む製膜ドープを支持体上に流延する工程、
iii)支持体上で加熱した後、支持体からゲルフィルムを引き剥がす工程、
iv)更に加熱して、残ったアミック酸をイミド化し、かつ乾燥させる工程、
を含むことが好ましい。
ii)以降の工程においては、熱イミド化法と化学イミド化法に大別される。熱イミド化法は、脱水閉環剤等を使用せず、ポリアミック酸溶液を製膜ドープとして支持体に流涎、加熱だけでイミド化を進める方法である。一方の化学イミド化法は、ポリアミック酸溶液に、脱水閉環剤及び/又は触媒を添加したものを製膜ドープとして使用し、イミド化を促進する方法である。どちらの方法を用いても構わないが、化学イミド化法の方が生産性に優れる。
脱水閉環剤としては、無水酢酸に代表される酸無水物が好適に用いられ得る。触媒としては、脂肪族第三級アミン、芳香族第三級アミン、複素環式第三級アミン等の三級アミンが好適に用いられ得る。
製膜ドープを流延する支持体としては、ガラス板、アルミ箔、エンドレスステンレスベルト、ステンレスドラム等が好適に用いられ得る。最終的に得られるシートの厚み、生産速度に応じて加熱条件を設定し、部分的にイミド化及び/または乾燥した後、支持体から剥離してポリアミック酸フィルム(以下、ゲルフィルムという)を得る。
前記ゲルフィルムの端部を固定して硬化時の収縮を回避して乾燥し、水、残留溶媒、残存転化剤及び触媒を除去し、そして残ったアミド酸を完全にイミド化して、ポリイミドを含有するシートが得られる。加熱条件については、最終的に得られるシートの厚み、生産速度に応じて適宜設定すれば良いが、温度は350℃~500℃であることが好ましく、加熱時間は15秒~30秒であることが好ましい。
非熱可塑性であるとは、フィルムを450℃~500℃程度に加熱した際に溶融し、フィルムの形状を保持しているものを指す。
次に熱可塑性ポリイミド樹脂層に使用される熱可塑性ポリイミド樹脂について説明する。熱可塑性ポリイミド樹脂に使用される芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物は、非熱可塑性ポリイミドフィルムに使用されるそれらと同じものが挙げられるが、熱可塑性のポリイミドとするためには、屈曲性を有するジアミンと酸二無水物とを反応させることが好ましい。屈曲性を有するジアミンの例として、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパン、酸二無水物の例としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’-オキシジフタル酸二無水物などが挙げられる。熱可塑性であるとは、ガラス転移温度を有し、かつ、圧縮モード(プローブ径3mmφ、荷重5g)の熱機械分析測定(TMA)において、10℃~400℃(昇温速度:10℃/min)の温度範囲で永久圧縮変形を起こすものをいう。なお、熱可塑性ポリイミド樹脂層には、必要に応じて他の樹脂や添加剤が含まれていてもよい。本発明における熱可塑性ポリイミド樹脂層の好ましいガラス転移温度は、100℃~300℃である。
熱可塑性ポリイミド樹脂層を設ける方法としては、熱可塑性ポリイミドの前駆体を上述のようにして得られた非熱可塑性ポリイミドフィルム上に塗布し、その後イミド化する方法や、熱可塑性ポリイミド溶液を塗布・乾燥する方法が挙げられるがこれに限定されない。ポリイミド積層体のガラス転移点温度は、熱ラミネート温度の点から、280℃以上が好ましく320℃以上がさらに好ましい。
ゲルの溶剤残存率が高いほど、ベルト-ゲル間の密着強度が高くなり、ゲル引き剥がし時にMD方向へと引き伸ばされ、TD方向はポアソン比で収縮し、MD方向、TD方向それぞれ加熱時に収縮/膨張する方向の歪みが蓄積される。ベルトから引き剥がしたゲルにかける張力が大きい場合はMD方向へと引き伸ばされ、TD方向はポアソン比で収縮し、MD方向、TD方向それぞれ加熱時に収縮/膨張する方向の歪みが蓄積される。ゲルを加熱開始する温度も影響する。ゲルは溶剤を含みかつイミド化率も低いため、加熱開始温度が高いほど溶剤の揮発と硬化収縮が急激に進み、MD方向ならびにTD方向の加熱寸法変化率が大きくなる。また、加熱炉出口に向かうほどフィルム温度は下がり、非熱可塑性ポリイミドのガラス転移温度を下回ったところから、歪みが蓄積するため、イミド化最高温度と炉出口の温度の落差が大きいほどMD方向ならびにTDの加熱寸法変化率は大きくなる。
このようにして得られる本発明のポリイミドフィルム積層体は金属箔と積層してFCCLを製造することができる。本発明において使用できる金属箔としては特に限定されるものではないが、電子機器・電気機器用途に本発明のフレキシブル金属張積層板を用いる場合には、例えば、銅若しくは銅合金、ステンレス鋼若しくはその合金、ニッケル若しくはニッケル合金(42合金も含む)、アルミニウム若しくはアルミニウム合金からなる箔を挙げることができる。一般的なフレキシブル金属張積層板では、圧延銅箔、電解銅箔といった銅箔が多用されるが、本発明においても好ましく用いることができる。
金属箔とポリイミドフィルム積層体を貼り合わせるには、例えば、一対以上の金属ロールを有する熱ロールラミネート装置或いはダブルベルトプレス(DBP)による連続処理を用いることができる。中でも、本発明のポリイミドフィルム積層体は、一対以上の金属ロールを有する熱ロールラミネート装置を用いる場合に顕著な効果を発現する。
上記熱ラミネートを実施する手段の具体的な構成は特に限定されるものではないが、得られる積層板の外観を良好なものとするために、加圧面と金属箔との間に保護材料を配置することが好ましい。使用する保護フィルムとしては、熱ラミネート工程の加熱温度に耐えうるものであれば良く、非熱可塑性ポリイミドフィルム等の耐熱性プラスチック、銅箔、アルミニウム箔、SUS箔等の金属箔等が挙げられるが、中でも、耐熱性、再使用性等のバランスが優れる点から、非熱可塑性ポリイミドフィルムが好適に用いられ得る。
上記熱ラミネート工程における加熱温度は、320℃~380℃が一般的である。上記熱ラミネート工程におけるラミネート速度は、0.5m/分以上であることが好ましく、1.0m/分以上であることがより好ましい。0.5m/分以上であれば十分な熱ラミネートが可能になり、1.0m/分以上であれば生産性をより一層向上することができる。
上記熱ラミネート工程における圧力は、49N/cm~490N/cm(5kgf/cm~50kgf/cm)の範囲内であることが好ましく、98N/cm~320N/cm(10kgf/cm~30kgf/cm)の範囲内であることがより好ましい。
また、ラミネート時に積層体にかかる張力は、0.01N/cm~2N/cm、さらには0.02N/cm~1.5N/cm、特には0.05N/cm~1.0N/cmが好ましい。張力がこの範囲を下回ると外観の良好なフレキシブル金属張積層板を得ることが困難となる場合があり、またこの範囲を上回ると寸法安定性が劣る傾向にある。
本発明のポリイミドフィルム積層体を使用したFCCLは、金属箔を除去した後の寸法変化率が、MD方向およびTD方向どちらにおいても寸法変化率が0±0.025%、面内バラツキはσ=0.030%となっている。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(ガラス転移温度の測定方法)
SIIナノテクノロジー社製 DMS6100により損失係数(tanδ)を求め、ピークトップの温度をガラス転移温度とした。
サンプル測定範囲;幅9mm、つかみ具間距離20mm
測定温度範囲;0~440℃
昇温速度;3℃/分
歪み振幅;10μm
測定周波数;1,5,10Hz
最小張力/圧縮力;100mN
張力/圧縮ゲイン;1.5
力振幅初期値;100mN。
(ポリイミドフィルム積層体加熱寸法変化率の測定方法)
120mm×120mmの大きさのサンプルをとり、MD1/MD2/TD1/TD2の寸法を測定する。次に、ガラス転移温度×30分間加熱した際のMD1/MD2/TD1/TD2の寸法を再度測定し、MD方向とTD方向の各々の変化率を求める。
SIIナノテクノロジー社製 DMS6100により損失係数(tanδ)を求め、ピークトップの温度をガラス転移温度とした。
サンプル測定範囲;幅9mm、つかみ具間距離20mm
測定温度範囲;0~440℃
昇温速度;3℃/分
歪み振幅;10μm
測定周波数;1,5,10Hz
最小張力/圧縮力;100mN
張力/圧縮ゲイン;1.5
力振幅初期値;100mN。
(ポリイミドフィルム積層体加熱寸法変化率の測定方法)
120mm×120mmの大きさのサンプルをとり、MD1/MD2/TD1/TD2の寸法を測定する。次に、ガラス転移温度×30分間加熱した際のMD1/MD2/TD1/TD2の寸法を再度測定し、MD方向とTD方向の各々の変化率を求める。
(寸法変化率の測定方法)
長尺(幅255mm)のポリイミド積層体の両面に12μmの電解銅箔(3EC-M3S-HTE(K))、さらにその両側に保護材料(アピカル125NPI:カネカ製)を配して、熱ロールラミネート機を用いて、ラミネート温度360℃、ラミネート圧力0.6トン、ラミネート速度1.0m/分の条件で熱ラミネートを行い、両面銅張り板(FCCL)を作製した。得られたFCCLを120mm×120mmのサイズに切り出して、FCCLの4隅に穴径1.0mmφの穴を80mm間隔で空け、円の中心間の距離を銅全面エッチング前後で測定した。寸法変化率の測定は温度25℃、湿度60%の条件下、CNC画像処理測定システムを使用して行った。エッチング前の距離MD1/TD1、エッチング後の距離をMD2/TD2とし、寸法変化率は下記の式により計算した。
寸法変化率MD(%)=[(MD2-MD1)/MD1]×100
寸法変化率TD(%)=[(TD2-TD1)/TD1]×100
なお、銅エッチング後の距離を測定前にはサンプルを温度25℃、湿度60%の条件下にて90分間放置し、ポリイミドの吸水による影響を排除した。寸法変化率は、MD方向、TD方向それぞれ3枚ずつ測定した値を平均した。
長尺(幅255mm)のポリイミド積層体の両面に12μmの電解銅箔(3EC-M3S-HTE(K))、さらにその両側に保護材料(アピカル125NPI:カネカ製)を配して、熱ロールラミネート機を用いて、ラミネート温度360℃、ラミネート圧力0.6トン、ラミネート速度1.0m/分の条件で熱ラミネートを行い、両面銅張り板(FCCL)を作製した。得られたFCCLを120mm×120mmのサイズに切り出して、FCCLの4隅に穴径1.0mmφの穴を80mm間隔で空け、円の中心間の距離を銅全面エッチング前後で測定した。寸法変化率の測定は温度25℃、湿度60%の条件下、CNC画像処理測定システムを使用して行った。エッチング前の距離MD1/TD1、エッチング後の距離をMD2/TD2とし、寸法変化率は下記の式により計算した。
寸法変化率MD(%)=[(MD2-MD1)/MD1]×100
寸法変化率TD(%)=[(TD2-TD1)/TD1]×100
なお、銅エッチング後の距離を測定前にはサンプルを温度25℃、湿度60%の条件下にて90分間放置し、ポリイミドの吸水による影響を排除した。寸法変化率は、MD方向、TD方向それぞれ3枚ずつ測定した値を平均した。
<ポリイミド積層体の全内部歪みと寸法変化率の関係>
(ポリイミド積層体のサンプル調整)
(フィルム番号1)
幅1600mm、長さ1000mのポリイミド積層体から120mm×120mmのサイズのサンプルをフィルム端から1740mm入ったところから切り出した。
(ポリイミド積層体のサンプル調整)
(フィルム番号1)
幅1600mm、長さ1000mのポリイミド積層体から120mm×120mmのサイズのサンプルをフィルム端から1740mm入ったところから切り出した。
(フィルム番号2、3、4)
幅1600mm、長さ2000mのポリイミド積層体から図3の位置に従って、120mm×120mmのサイズのサンプルを3点(それぞれフィルム番号2、3、4とする)取得した。
幅1600mm、長さ2000mのポリイミド積層体から図3の位置に従って、120mm×120mmのサイズのサンプルを3点(それぞれフィルム番号2、3、4とする)取得した。
(フィルム番号5、6、7、8、9、10)
幅1600mm、長さ3000mのポリイミド積層体の繰出しから10mの部位から図3の位置に従って、120mm×120mmのサイズのサンプルを3点(それぞれフィルム番号5、6、7とする)取得した。さらに2000m繰出した部位から図3の位置に従って、120mm×120mmのサイズのサンプルを3点(それぞれフィルム番号8、9、10とする)取得した。
幅1600mm、長さ3000mのポリイミド積層体の繰出しから10mの部位から図3の位置に従って、120mm×120mmのサイズのサンプルを3点(それぞれフィルム番号5、6、7とする)取得した。さらに2000m繰出した部位から図3の位置に従って、120mm×120mmのサイズのサンプルを3点(それぞれフィルム番号8、9、10とする)取得した。
(フィルム番号11、12、13)
幅1600mm、長さ3000mのポリイミド積層体の繰出しから10mの部位から図3の位置に従って、120mm×120mmのサイズのサンプルを3点(それぞれフィルム番号11、12、13とする)取得した。
幅1600mm、長さ3000mのポリイミド積層体の繰出しから10mの部位から図3の位置に従って、120mm×120mmのサイズのサンプルを3点(それぞれフィルム番号11、12、13とする)取得した。
(ポリイミドフィルム積層体加熱寸法変化率の測定)
得られた120mm×120mmのサイズのサンプル(フィルム番号1~13)のすべてについて、(ポリイミドフィルム積層体加熱寸法変化率の測定方法)記載の方法で、加熱寸法変化率を測定した。
得られた120mm×120mmのサイズのサンプル(フィルム番号1~13)のすべてについて、(ポリイミドフィルム積層体加熱寸法変化率の測定方法)記載の方法で、加熱寸法変化率を測定した。
(寸法変化率の測定方法)
フィルム番号1(フィルムサイズ120mm×120mm)のフィルムMD方向を熱ロールラミネートの機械送り方向にセットして、ラミネート温度320℃、ラミネート圧力0.6トン、ラミネート速度1.0m/分の条件で熱ラミネートを行い、両面銅張り板(FCCL)を作製した(銅箔:3EC-M3S-HTE(K)、12μm)。ラミネート温度を360℃、380℃にして、上記と同様にしてFCCLを作製した。得られたFCCLの4隅に穴径1mmφの穴を80mm間隔で空け、円の中心間の距離を銅全面エッチング前後で測定した。寸法変化率の測定は温度25℃、湿度60%の条件下、CNC画像処理測定システムを使用して行った。エッチング前の距離MD1/TD1、エッチング後の距離をMD2/TD2とし、寸法変化率は下記の式により計算した。
寸法変化率MD(%)=[(MD2-MD1)/MD1]×100
寸法変化率TD(%)=[(TD2-TD1)/TD1]×100
なお、銅エッチング後の距離を測定前にはサンプルを温度25℃、湿度60%の条件下にて90分間放置し、ポリイミドの吸水による影響を排除した。寸法変化率は、MD、TDそれぞれ3枚ずつ測定した値を平均した。
フィルム番号1(フィルムサイズ120mm×120mm)のフィルムMD方向を熱ロールラミネートの機械送り方向にセットして、ラミネート温度320℃、ラミネート圧力0.6トン、ラミネート速度1.0m/分の条件で熱ラミネートを行い、両面銅張り板(FCCL)を作製した(銅箔:3EC-M3S-HTE(K)、12μm)。ラミネート温度を360℃、380℃にして、上記と同様にしてFCCLを作製した。得られたFCCLの4隅に穴径1mmφの穴を80mm間隔で空け、円の中心間の距離を銅全面エッチング前後で測定した。寸法変化率の測定は温度25℃、湿度60%の条件下、CNC画像処理測定システムを使用して行った。エッチング前の距離MD1/TD1、エッチング後の距離をMD2/TD2とし、寸法変化率は下記の式により計算した。
寸法変化率MD(%)=[(MD2-MD1)/MD1]×100
寸法変化率TD(%)=[(TD2-TD1)/TD1]×100
なお、銅エッチング後の距離を測定前にはサンプルを温度25℃、湿度60%の条件下にて90分間放置し、ポリイミドの吸水による影響を排除した。寸法変化率は、MD、TDそれぞれ3枚ずつ測定した値を平均した。
フィルム番号1(フィルムサイズ120mm×120mm)のフィルムTD方向を熱ロールラミネートの機械送り方向にセットして、ラミネート温度320℃、ラミネート圧力0.6トン、ラミネート速度1.0m/分の条件で熱ラミネートを行い、両面銅張り板(FCCL)を作製した(銅箔:3EC-M3S-HTE(K)、12μm)。ラミネート温度を360℃、380℃にして、上記と同様にしてFCCLを作製した。得られたFCCLの4隅に穴径1mmφの穴を80mm間隔で空け、円の中心間の距離を銅全面エッチング前後で測定した。寸法変化率の測定は温度25℃、湿度60%の条件下、CNC画像処理測定システムを使用して行った。エッチング前の距離MD1/TD1、エッチング後の距離をMD2/TD2とし、寸法変化率は下記の式により計算した。
寸法変化率MD(%)=[(MD2-MD1)/MD1]×100
寸法変化率TD(%)=[(TD2-TD1)/TD1]×100
なお、銅エッチング後の距離を測定前にはサンプルを温度25℃、湿度60%の条件下にて90分間放置し、ポリイミドの吸水による影響を排除した。寸法変化率は、MD方向、TD方向それぞれ3枚ずつ測定した値を平均した。
寸法変化率MD(%)=[(MD2-MD1)/MD1]×100
寸法変化率TD(%)=[(TD2-TD1)/TD1]×100
なお、銅エッチング後の距離を測定前にはサンプルを温度25℃、湿度60%の条件下にて90分間放置し、ポリイミドの吸水による影響を排除した。寸法変化率は、MD方向、TD方向それぞれ3枚ずつ測定した値を平均した。
フィルム番号2~13(フィルムサイズ120mm×120mm)のフィルムMD方向を熱ロールラミネートの機械送り方向にセットして、ラミネート温度360℃、ラミネート圧力0.6トン、ラミネート速度1.0m/分の条件で熱ラミネートを行い、両面銅張り板(FCCL)を作製した(銅箔:3EC-M3S-HTE(K)、12μm)。得られたFCCLの4隅に穴径1mmφの穴を80mm間隔で空け、円の中心間の距離を銅全面エッチング前後で測定した。寸法変化率の測定は温度25℃、湿度60%の条件下、CNC画像処理測定システムを使用して行った。エッチング前の距離MD1/TD1、エッチング後の距離をMD2/TD2とし、寸法変化率は下記の式により計算した。
寸法変化率MD(%)=[(MD2-MD1)/MD1]×100
寸法変化率TD(%)=[(TD2-TD1)/TD1]×100
なお、銅エッチング後の距離を測定前にはサンプルを温度25℃、湿度60%の条件下にて90分間放置し、ポリイミドの吸水による影響を排除した。寸法変化率は、MD、TDそれぞれ3枚ずつ測定した値を平均した。
寸法変化率MD(%)=[(MD2-MD1)/MD1]×100
寸法変化率TD(%)=[(TD2-TD1)/TD1]×100
なお、銅エッチング後の距離を測定前にはサンプルを温度25℃、湿度60%の条件下にて90分間放置し、ポリイミドの吸水による影響を排除した。寸法変化率は、MD、TDそれぞれ3枚ずつ測定した値を平均した。
フィルム番号2~13(フィルムサイズ120mm×120mm)のフィルムTD方向を熱ロールラミネートの機械送り方向にセットして、ラミネート温度360℃、ラミネート圧力0.6トン、ラミネート速度1.0m/分の条件で熱ラミネートを行い、両面銅張り板(FCCL)を作製した(銅箔:3EC-M3S-HTE(K)、12μm)。得られたFCCLの4隅に穴径1mmφの穴を80mm間隔で空け、円の中心間の距離を銅全面エッチング前後で測定した。寸法変化率の測定は温度25℃、湿度60%の条件下、CNC画像処理測定システムを使用して行った。エッチング前の距離MD1/TD1、エッチング後の距離をMD2/TD2とし、寸法変化率は下記の式により計算した。
寸法変化率MD(%)=[(MD2-MD1)/MD1]×100
寸法変化率TD(%)=[(TD2-TD1)/TD1]×100
なお、銅エッチング後の距離を測定前にはサンプルを温度25℃、湿度60%の条件下にて90分間放置し、ポリイミドの吸水による影響を排除した。寸法変化率は、MD方向、TD方向それぞれ3枚ずつ測定した値を平均した。
寸法変化率MD(%)=[(MD2-MD1)/MD1]×100
寸法変化率TD(%)=[(TD2-TD1)/TD1]×100
なお、銅エッチング後の距離を測定前にはサンプルを温度25℃、湿度60%の条件下にて90分間放置し、ポリイミドの吸水による影響を排除した。寸法変化率は、MD方向、TD方向それぞれ3枚ずつ測定した値を平均した。
(熱ラミ歪みの測定)
ポリイミドフィルム積層体の加熱寸法変化率を測定後のサンプル(ガラス転移温度で30分間加熱して製膜歪みを除去したサンプル)のすべてについて、以下のようにして残留歪みを測定した。サンプルを用意し、図1に示すような穴あけ加工を施し、MD1/MD2/TD1/TD2の寸法を測定する。そのフィルムを360℃、0.6ton、1m/minの条件で銅箔(三井金属鉱業株式会社製 3EC-M3S-HTE(K)、12μm)とラミネートした後に、再度MD1/MD2/TD1/TD2の寸法を測定し、ラミネート前後の寸法変化率をMD方向(MD1とMD2の平均)およびTD方向(TD1とTD2の平均)について求める。これをラミネート温度が360℃のときの熱ラミ歪みとした。同様に、ラミネート温度を320℃とした場合、380℃とした場合についても熱ラミ歪みを測定した。
ポリイミドフィルム積層体の加熱寸法変化率を測定後のサンプル(ガラス転移温度で30分間加熱して製膜歪みを除去したサンプル)のすべてについて、以下のようにして残留歪みを測定した。サンプルを用意し、図1に示すような穴あけ加工を施し、MD1/MD2/TD1/TD2の寸法を測定する。そのフィルムを360℃、0.6ton、1m/minの条件で銅箔(三井金属鉱業株式会社製 3EC-M3S-HTE(K)、12μm)とラミネートした後に、再度MD1/MD2/TD1/TD2の寸法を測定し、ラミネート前後の寸法変化率をMD方向(MD1とMD2の平均)およびTD方向(TD1とTD2の平均)について求める。これをラミネート温度が360℃のときの熱ラミ歪みとした。同様に、ラミネート温度を320℃とした場合、380℃とした場合についても熱ラミ歪みを測定した。
(熱ラミ歪みの計算)
熱ラミ歪みの測定実測値が、熱ラミネートによりポリイミド積層体にさらに蓄積される歪み分に相当する値として信頼できることを確認するため、以下の理論計算を行った。
幅270mm、厚み12μm、引張弾性率120GPa、弾性限界0.01%、CTE(100℃~200℃)18ppmの銅箔を使用して熱ラミネートした場合の歪みを計算する。このとき、MD方向の銅箔の張力は50kgf(490N)であり、熱ロール温度360℃、熱ロール加圧ゾーン手前温度50℃、ポリイミドフィルム積層体のポアソン比0.3と仮定する。この場合、ラミ時に蓄積されるMD方向の歪みは、次のように計算できる。まず、MD方向引張り応力は490N/(270mm×0.12)≒151Mpaである。490Nを選んだのは、外観良好なFCCLを作製できる張力だと経験的にわかっているからである。次に、MD方向伸びは、151MPa/120000MPa≒0.0013(0.13%)として求められる。このとき、銅箔の弾性限界が0.10%であるので、実際の銅箔の伸び=0.13%-0.10%=0.03%である。伸びによる収縮なので+0.03と表す。これが銅箔に追従するポリイミドフィルム積層体に蓄積される歪みとなるが、これは上記実測値とよく一致する。なお、MD方向では、弾性率が温度により一定との仮定をおいているので、熱による膨張は無視する。
熱ラミ歪みの測定実測値が、熱ラミネートによりポリイミド積層体にさらに蓄積される歪み分に相当する値として信頼できることを確認するため、以下の理論計算を行った。
幅270mm、厚み12μm、引張弾性率120GPa、弾性限界0.01%、CTE(100℃~200℃)18ppmの銅箔を使用して熱ラミネートした場合の歪みを計算する。このとき、MD方向の銅箔の張力は50kgf(490N)であり、熱ロール温度360℃、熱ロール加圧ゾーン手前温度50℃、ポリイミドフィルム積層体のポアソン比0.3と仮定する。この場合、ラミ時に蓄積されるMD方向の歪みは、次のように計算できる。まず、MD方向引張り応力は490N/(270mm×0.12)≒151Mpaである。490Nを選んだのは、外観良好なFCCLを作製できる張力だと経験的にわかっているからである。次に、MD方向伸びは、151MPa/120000MPa≒0.0013(0.13%)として求められる。このとき、銅箔の弾性限界が0.10%であるので、実際の銅箔の伸び=0.13%-0.10%=0.03%である。伸びによる収縮なので+0.03と表す。これが銅箔に追従するポリイミドフィルム積層体に蓄積される歪みとなるが、これは上記実測値とよく一致する。なお、MD方向では、弾性率が温度により一定との仮定をおいているので、熱による膨張は無視する。
一方、TD方向に蓄積される歪みは、次のように計算できる。TD方向は、熱ラミネート時は熱膨張しようとするがラミネート装置により幅方向の寸法が固定されるため歪がたまる。すなわち、TD方向収縮=熱ロール加圧ゾーンでの銅箔温度上昇幅×銅箔の線膨張係数=(360℃(ラミ温度)50℃(ロールに入る直前の温度))×18×10-6=0.005(0.5%)で、実際のTD方向収縮=0.5%-0.1%(弾性限界)=0.4%となる。
TD方向への収縮としてはさらに、MD方向への引き伸ばされることによってTD方向へ圧縮される分がありこれはMD方向への伸び×ポアソン比で計算できる。よって、0.03%(MD方向への伸び)×0.3=0.009%である。以上からトータルのTD方向収縮=0.4%+0.009%≒0.4%と計算でき、TD方向に収縮した結果の歪みなので-0.4と表現すると、上述の実測値とよく一致する。
(銅箔エッチング後の寸法変化率の測定)
熱ロール歪みを測定したサンプルのMD1/MD2/TD1/TD2の寸法を(寸法変化率の測定方法)記載の方法に準じて測定した。ただし、連続的な積層体ではなく枚様サンプルを使用している点が異なっている。次いでエッチングにより銅箔を除去し、再度、MD1/MD2/TD1/TD2の寸法を測定した。
熱ロール歪みを測定したサンプルのMD1/MD2/TD1/TD2の寸法を(寸法変化率の測定方法)記載の方法に準じて測定した。ただし、連続的な積層体ではなく枚様サンプルを使用している点が異なっている。次いでエッチングにより銅箔を除去し、再度、MD1/MD2/TD1/TD2の寸法を測定した。
(全内部歪みと寸法変化率の関係)
上述のようにして求めたサンプルの加熱寸法変化率をポリイミド積層体の製膜歪みと熱ラミネート歪みを用いて、下記式(1)
製膜歪み+熱ラミ歪み=FCCL内のポリイミド積層体に残留する全内部歪み (1)により全内部歪みを求め、これと寸法変化率との関係を表1に纏めた。この結果から、銅箔エッチング後の寸法変化率をyとし、全内部歪みをxとすると、以下の関係式が得られた。
320℃ y=-0.0781x+0.046 (2)
360℃ y=-0.031x+0.0456 (3)
380℃ y=-0.0447x+0.0086 (4)
次に、枚葉でラミネートして測定したエッチング後の寸法変化率を長尺でラミネートして測定したエッチング後の寸法変化率に換算した(表2)。一般的に長尺でラミネートした場合と枚葉でラミネートした場合では寸法変化率が異なる。それは、長尺でラミネートした場合は、ラミネート時のフィルムにかかる張力などの影響あるからである。同一フィルムを枚葉、長尺でラミネートして、それぞれのエッチング後の寸法変化率をy、zとすると、式(5)(6)の関係性を確認できた。
MDz=0.9261×y+0.0323 (5)
TDz=0.5176×y+0.0337 (6)
式(2)(3)(4)を(5)(6)の関係から、銅箔エッチング後の長尺でラミネートした場合の寸法変化率zと全内部歪みxの関係式が得られた。寸法変化率zと全内部歪みxの値を図2にプロットした。
320℃ z=-0.485x+0.0597 (7)
360℃ z=-0.0319x+0.0383 (8)
380℃ z=-0.0323x+0.0366 (9)
各温度で、エッチング後の寸法変化率zが小さくなるような全内部歪みの範囲をまず求めた。好ましい全内部歪みから、式(1)をMD方向、TD方向に各々当てはめ、
MD方向の製膜歪み+MD方向の熱ラミ歪み=好ましい全内部歪み (10)
TD方向の製膜歪み+TD方向の熱ラミ歪み=好ましい全内部歪み (11)
の関係式から、各ラミネート温度において、寸法変化率を小さくする上でポリイミド積層体が持つべきMD方向の製膜歪み、TD方向の製膜歪みを求めた。これらの結果から、よく用いられるラミネート温度でFCCLを製造しても、寸法変化率の小さいFPCとなるようなポリイミドフィルム積層体の加熱寸法変化率を求めた。
上述のようにして求めたサンプルの加熱寸法変化率をポリイミド積層体の製膜歪みと熱ラミネート歪みを用いて、下記式(1)
製膜歪み+熱ラミ歪み=FCCL内のポリイミド積層体に残留する全内部歪み (1)により全内部歪みを求め、これと寸法変化率との関係を表1に纏めた。この結果から、銅箔エッチング後の寸法変化率をyとし、全内部歪みをxとすると、以下の関係式が得られた。
320℃ y=-0.0781x+0.046 (2)
360℃ y=-0.031x+0.0456 (3)
380℃ y=-0.0447x+0.0086 (4)
次に、枚葉でラミネートして測定したエッチング後の寸法変化率を長尺でラミネートして測定したエッチング後の寸法変化率に換算した(表2)。一般的に長尺でラミネートした場合と枚葉でラミネートした場合では寸法変化率が異なる。それは、長尺でラミネートした場合は、ラミネート時のフィルムにかかる張力などの影響あるからである。同一フィルムを枚葉、長尺でラミネートして、それぞれのエッチング後の寸法変化率をy、zとすると、式(5)(6)の関係性を確認できた。
MDz=0.9261×y+0.0323 (5)
TDz=0.5176×y+0.0337 (6)
式(2)(3)(4)を(5)(6)の関係から、銅箔エッチング後の長尺でラミネートした場合の寸法変化率zと全内部歪みxの関係式が得られた。寸法変化率zと全内部歪みxの値を図2にプロットした。
320℃ z=-0.485x+0.0597 (7)
360℃ z=-0.0319x+0.0383 (8)
380℃ z=-0.0323x+0.0366 (9)
各温度で、エッチング後の寸法変化率zが小さくなるような全内部歪みの範囲をまず求めた。好ましい全内部歪みから、式(1)をMD方向、TD方向に各々当てはめ、
MD方向の製膜歪み+MD方向の熱ラミ歪み=好ましい全内部歪み (10)
TD方向の製膜歪み+TD方向の熱ラミ歪み=好ましい全内部歪み (11)
の関係式から、各ラミネート温度において、寸法変化率を小さくする上でポリイミド積層体が持つべきMD方向の製膜歪み、TD方向の製膜歪みを求めた。これらの結果から、よく用いられるラミネート温度でFCCLを製造しても、寸法変化率の小さいFPCとなるようなポリイミドフィルム積層体の加熱寸法変化率を求めた。
各フィルムのラミネート温度(℃)、製膜歪み(加熱寸法変化率α(%)、熱ラミ歪みβ(%)、全内部歪み(銅箔ラミネート後に蓄積される歪みα+β(%)、銅箔エッチング後の寸法変化率(%)について、番号1~4を表1に、番号5~10を表2に、番号11~13を表3に示す。
(実施例1)
10℃に冷却したN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)546gに2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパン(BAPP)46.43g溶解した。ここに3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)9.12g添加して溶解させた後、ピロメリット酸二無水物(PMDA)16.06g添加して30分攪拌し、熱可塑性ポリイミド前駆体ブロック成分を形成した。
この溶液にp-フェニレンジアミン(p-PDA)18.37gを溶解した後、PMDA37.67gを添加し1時間撹拌して溶解させた。さらにこの溶液に別途調製してあったPMDAのDMF溶液(PMDA1.85g/DMF24.6g)を注意深く添加し、粘度が3000ポイズ程度に達したところで添加を止めた。1時間撹拌を行って固形分濃度約19重量%、23℃での回転粘度が3400ポイズのポリアミド酸溶液を得た。
10℃に冷却したN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)546gに2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパン(BAPP)46.43g溶解した。ここに3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)9.12g添加して溶解させた後、ピロメリット酸二無水物(PMDA)16.06g添加して30分攪拌し、熱可塑性ポリイミド前駆体ブロック成分を形成した。
この溶液にp-フェニレンジアミン(p-PDA)18.37gを溶解した後、PMDA37.67gを添加し1時間撹拌して溶解させた。さらにこの溶液に別途調製してあったPMDAのDMF溶液(PMDA1.85g/DMF24.6g)を注意深く添加し、粘度が3000ポイズ程度に達したところで添加を止めた。1時間撹拌を行って固形分濃度約19重量%、23℃での回転粘度が3400ポイズのポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液に、無水酢酸/イソキノリン/DMF(重量比2.0/0.3/4.0)からなるイミド化促進剤をポリアミド酸溶液に対して重量比45%で添加し、連続的にミキサーで攪拌しTダイから押出してダイの下20mmを走行しているステンレス製のエンドレスベルト上に流延した。この樹脂膜を130℃×100秒で加熱した後エンドレスベルトから自己支持性のゲル膜を引き剥がして(揮発分含量30重量%)テンタークリップに固定し加熱炉に搬送し、250℃の熱風乾燥炉で30秒、400℃の熱風乾燥炉で30秒、500℃のIR炉で30秒、連続的に乾燥・イミド化させ、厚み17.0μmのポリイミドフィルムを得た。
(熱可塑性ポリイミド前駆体の合成)
10℃に冷却したDMF249gにBAPP29.8gを溶解した。ここにBPDA21.4gを添加して溶解させた後、30分攪拌しプレポリマーを形成した。さらにこの溶液に別途調製してあったBAPPのDMF溶液(BAPP1.57g/DMF31.4g)を注意深く添加し、粘度が1000ポイズ程度に達したところで添加を止めた。1時間撹拌を行って固形分濃度約17重量%、23℃での回転粘度が1000ポイズのポリアミド酸溶液を得た。
10℃に冷却したDMF249gにBAPP29.8gを溶解した。ここにBPDA21.4gを添加して溶解させた後、30分攪拌しプレポリマーを形成した。さらにこの溶液に別途調製してあったBAPPのDMF溶液(BAPP1.57g/DMF31.4g)を注意深く添加し、粘度が1000ポイズ程度に達したところで添加を止めた。1時間撹拌を行って固形分濃度約17重量%、23℃での回転粘度が1000ポイズのポリアミド酸溶液を得た。
(ポリイミド積層体の作製)
熱可塑性ポリアミド酸溶液を固形分濃度10重量%になるまでDMFで希釈した後、非熱可塑性ポリイミドフィルム(17.0μm)の片面に最終片面厚みが4μmとなるようにポリアミド酸をコンマコーターで塗布し、140℃に設定した乾燥炉内を1分間通して加熱を行った。もう片面も同様に最終厚みが4μmとなうようにポリアミド酸を塗布した後、140℃に設定した乾燥炉内を1分間通して加熱を行った。続いて、雰囲気温度360℃の遠赤外線ヒーター炉の中を20秒間通して加熱イミド化を行って、総厚み25.0μmポリイミドフィルム積層体を得た。得られたフィルムの加熱寸法変化率および寸法変化率を測定した。加熱寸法変化率は、図2に示す三箇所から採取した。結果を表2に示す。
熱可塑性ポリアミド酸溶液を固形分濃度10重量%になるまでDMFで希釈した後、非熱可塑性ポリイミドフィルム(17.0μm)の片面に最終片面厚みが4μmとなるようにポリアミド酸をコンマコーターで塗布し、140℃に設定した乾燥炉内を1分間通して加熱を行った。もう片面も同様に最終厚みが4μmとなうようにポリアミド酸を塗布した後、140℃に設定した乾燥炉内を1分間通して加熱を行った。続いて、雰囲気温度360℃の遠赤外線ヒーター炉の中を20秒間通して加熱イミド化を行って、総厚み25.0μmポリイミドフィルム積層体を得た。得られたフィルムの加熱寸法変化率および寸法変化率を測定した。加熱寸法変化率は、図2に示す三箇所から採取した。結果を表2に示す。
(実施例2)
10℃に冷却したN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)546gに2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパン(BAPP)46.43g溶解した。ここに3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)9.12g添加して溶解させた後、ピロメリット酸二無水物(PMDA)16.06g添加して30分攪拌し、熱可塑性ポリイミド前駆体ブロック成分を形成した。
この溶液にp-フェニレンジアミン(p-PDA)18.37gを溶解した後、PMDA37.67gを添加し1時間撹拌して溶解させた。さらにこの溶液に別途調製してあったPMDAのDMF溶液(PMDA1.85g/DMF24.6g)を注意深く添加し、粘度が3000ポイズ程度に達したところで添加を止めた。1時間撹拌を行って固形分濃度約19重量%、23℃での回転粘度が3400ポイズのポリアミド酸溶液を得た。
10℃に冷却したN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)546gに2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパン(BAPP)46.43g溶解した。ここに3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)9.12g添加して溶解させた後、ピロメリット酸二無水物(PMDA)16.06g添加して30分攪拌し、熱可塑性ポリイミド前駆体ブロック成分を形成した。
この溶液にp-フェニレンジアミン(p-PDA)18.37gを溶解した後、PMDA37.67gを添加し1時間撹拌して溶解させた。さらにこの溶液に別途調製してあったPMDAのDMF溶液(PMDA1.85g/DMF24.6g)を注意深く添加し、粘度が3000ポイズ程度に達したところで添加を止めた。1時間撹拌を行って固形分濃度約19重量%、23℃での回転粘度が3400ポイズのポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液に、無水酢酸/イソキノリン/DMF(重量比2.0/0.3/4.0)からなるイミド化促進剤をポリアミド酸溶液に対して重量比45%で添加し、連続的にミキサーで攪拌しTダイから押出してダイの下20mmを走行しているステンレス製のエンドレスベルト上に流延した。この樹脂膜を130℃×100秒で加熱した後エンドレスベルトから自己支持性のゲル膜を引き剥がして(揮発分含量45重量%)テンタークリップに固定し加熱炉に搬送し、350℃の熱風乾燥炉で30秒、400℃の熱風乾燥炉で30秒、500℃のIR炉で30秒、連続的に乾燥・イミド化させ、厚み17.0μmのポリイミドフィルムを得た。
実施例1と同様に熱可塑性ポリイミド前駆体を両面に塗布、乾燥、イミド化を行い、ポリイミド積層体を作製した。得られたフィルムの加熱寸法変化率および寸法変化率を測定した。加熱寸法変化率は、図2に示す三箇所から採取した。結果を表2に示す。
(比較例1)
10℃に冷却したN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)546gに2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパン(BAPP)46.43g溶解した。ここに3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)9.12g添加して溶解させた後、ピロメリット酸二無水物(PMDA)16.06g添加して30分攪拌し、熱可塑性ポリイミド前駆体ブロック成分を形成した。
この溶液にp-フェニレンジアミン(p-PDA)18.37gを溶解した後、PMDA37.67gを添加し1時間撹拌して溶解させた。さらにこの溶液に別途調製してあったPMDAのDMF溶液(PMDA1.85g/DMF24.6g)を注意深く添加し、粘度が3000ポイズ程度に達したところで添加を止めた。1時間撹拌を行って固形分濃度約19重量%、23℃での回転粘度が3400ポイズのポリアミド酸溶液を得た。
10℃に冷却したN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)546gに2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパン(BAPP)46.43g溶解した。ここに3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)9.12g添加して溶解させた後、ピロメリット酸二無水物(PMDA)16.06g添加して30分攪拌し、熱可塑性ポリイミド前駆体ブロック成分を形成した。
この溶液にp-フェニレンジアミン(p-PDA)18.37gを溶解した後、PMDA37.67gを添加し1時間撹拌して溶解させた。さらにこの溶液に別途調製してあったPMDAのDMF溶液(PMDA1.85g/DMF24.6g)を注意深く添加し、粘度が3000ポイズ程度に達したところで添加を止めた。1時間撹拌を行って固形分濃度約19重量%、23℃での回転粘度が3400ポイズのポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液に、無水酢酸/イソキノリン/DMF(重量比2.0/0.3/4.0)からなるイミド化促進剤をポリアミド酸溶液に対して重量比45%で添加し、連続的にミキサーで攪拌しTダイから押出してダイの下20mmを走行しているステンレス製のエンドレスベルト上に流延した。この樹脂膜を130℃×100秒で加熱した後エンドレスベルトから自己支持性のゲル膜を引き剥がして(揮発分含量60重量%)テンタークリップに固定し加熱炉に搬送し、300℃の熱風乾燥炉で30秒、400℃の熱風乾燥炉で30秒、500℃のIR炉で30秒、連続的に乾燥・イミド化させ、厚み17.0μmのポリイミドフィルムを得た。
実施例1と同様に熱可塑性ポリイミド前駆体を両面に塗布、乾燥、イミド化を行い、ポリイミド積層体を作製した。得られたフィルムの加熱寸法変化率および寸法変化率を測定した。得られたフィルムの加熱寸法変化率および寸法変化率を測定した。加熱寸法変化率は、図2に示す三箇所から採取した。結果を表2に示す。
Claims (3)
- 非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に、熱可塑性ポリイミド樹脂層を有するポリイミド積層体であって、該積層体はガラス転移点を有し、幅が150mm以上であり、かつ積層体のガラス転移温度におけるフィルムの長手方向の加熱寸法変化率α、ガラス転移温度におけるフィルムの幅方向の加熱寸法変化率βとしたとき、-2.1<α<0.1、-2.5<β<-0.5であり、かつ-0.1<α×β<6.0の範囲であることを特徴とする、ポリイミド積層体。
- 前記ポリイミド積層体のガラス転移温度が100~300℃であることを特徴とする、請求項1に記載のポリイミド積層体。
- 前記ポリイミド積層体は、非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に、熱可塑性ポリイミドの前駆体または熱可塑性ポリイミドの少なくともいずれか一つを含む溶液を塗布・乾燥して得られることを特徴とする、請求項1または2に記載のポリイミド積層体の製造方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016069660A JP2019093548A (ja) | 2016-03-30 | 2016-03-30 | 長尺ポリイミド積層体およびその製造方法 |
JP2016-069660 | 2016-03-30 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
WO2017170893A1 true WO2017170893A1 (ja) | 2017-10-05 |
Family
ID=59965893
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
PCT/JP2017/013311 WO2017170893A1 (ja) | 2016-03-30 | 2017-03-30 | 長尺ポリイミド積層体およびその製造方法 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019093548A (ja) |
TW (1) | TW201805168A (ja) |
WO (1) | WO2017170893A1 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022239572A1 (ja) * | 2021-05-13 | 2022-11-17 | 株式会社村田製作所 | 積層基板及びアンテナ基板 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006011513A1 (ja) * | 2004-07-27 | 2006-02-02 | Kaneka Corporation | 高い接着性を有するポリイミドフィルムおよびその製造方法 |
WO2006033324A1 (ja) * | 2004-09-24 | 2006-03-30 | Kaneka Corporation | 高い接着性を有するポリイミドフィルムの製造方法 |
WO2007029609A1 (ja) * | 2005-09-05 | 2007-03-15 | Kaneka Corporation | 耐熱性接着シート |
JP2008188954A (ja) * | 2007-02-07 | 2008-08-21 | Kaneka Corp | 片面金属張積層板用基材及び片面金属張積層板の製造方法 |
JP2008188778A (ja) * | 2007-01-31 | 2008-08-21 | Kaneka Corp | ポリイミド前駆体溶液の多層膜、多層ポリイミドフィルム、片面金属張積層板、および多層ポリイミドフィルムの製造方法 |
-
2016
- 2016-03-30 JP JP2016069660A patent/JP2019093548A/ja active Pending
-
2017
- 2017-03-30 WO PCT/JP2017/013311 patent/WO2017170893A1/ja active Application Filing
- 2017-03-30 TW TW106110790A patent/TW201805168A/zh unknown
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006011513A1 (ja) * | 2004-07-27 | 2006-02-02 | Kaneka Corporation | 高い接着性を有するポリイミドフィルムおよびその製造方法 |
WO2006033324A1 (ja) * | 2004-09-24 | 2006-03-30 | Kaneka Corporation | 高い接着性を有するポリイミドフィルムの製造方法 |
WO2007029609A1 (ja) * | 2005-09-05 | 2007-03-15 | Kaneka Corporation | 耐熱性接着シート |
JP2008188778A (ja) * | 2007-01-31 | 2008-08-21 | Kaneka Corp | ポリイミド前駆体溶液の多層膜、多層ポリイミドフィルム、片面金属張積層板、および多層ポリイミドフィルムの製造方法 |
JP2008188954A (ja) * | 2007-02-07 | 2008-08-21 | Kaneka Corp | 片面金属張積層板用基材及び片面金属張積層板の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
TW201805168A (zh) | 2018-02-16 |
JP2019093548A (ja) | 2019-06-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8426548B2 (en) | Polyimide film and adhesive film and flexible metal-clad laminate both obtained with the same | |
JP5069847B2 (ja) | 新規なポリイミドフィルム並びにそれを用いて得られる接着フィルム、フレキシブル金属張積層板 | |
WO2006115258A1 (ja) | 新規なポリイミドフィルムおよびその利用 | |
JP5069846B2 (ja) | 新規なポリイミドフィルム並びにそれを用いて得られる接着フィルム、フレキシブル金属張積層板 | |
KR101096967B1 (ko) | 접착 시트 및 동장 적층판 | |
JP6793232B2 (ja) | リジッドフレキシブル基板 | |
JP2004338160A (ja) | 寸法安定性を向上させた接着フィルム及びそれから得られるフレキシブル金属張積層板、並びにその製造方法 | |
US7951251B2 (en) | Adhesive film, flexible metal-clad laminate including the same with improved dimensional stability, and production method therefor | |
WO2017170893A1 (ja) | 長尺ポリイミド積層体およびその製造方法 | |
JP4551094B2 (ja) | 接着フィルムならびにそれから得られる寸法安定性を向上させたフレキシブル金属張積層板、ならびにその製造方法 | |
JP5620093B2 (ja) | 寸法安定性を向上させたフレキシブル金属張積層板の製造方法ならびにそれにより得られるフレキシブル金属張積層板 | |
JP2005199481A (ja) | 接着フィルムならびにそれから得られる寸法安定性を向上させたフレキシブル金属張積層板 | |
JP2007050599A (ja) | 寸法安定性に優れるフレキシブル金属張積層板およびその製造方法 | |
JP4838509B2 (ja) | フレキシブル金属張積層板の製造方法 | |
JP5918822B2 (ja) | 寸法安定性を向上させたフレキシブル金属張積層板の製造方法ならびにそれにより得られるフレキシブル金属張積層板 | |
JP2005193542A (ja) | 寸法安定性を向上させたフレキシブル金属張積層板の製造方法ならびにそれにより得られるフレキシブル金属張積層板 | |
JP2005193404A (ja) | フレキシブル金属張積層板の製造方法 | |
JP4663976B2 (ja) | 寸法安定性を向上させたフレキシブル金属張積層板の製造方法 | |
JP2005193541A (ja) | 寸法安定性を向上させたフレキシブル金属張積層板の製造方法ならびにそれにより得られるフレキシブル金属張積層板 | |
JP5355993B2 (ja) | 接着フィルム | |
JP2007296730A (ja) | 寸法安定性に優れるフレキシブル金属張積層板およびその製造方法 | |
JP2007296729A (ja) | 寸法安定性に優れるフレキシブル金属張積層板およびその製造方法 | |
JP2007296728A (ja) | 寸法安定性に優れるフレキシブル金属張積層板およびその製造方法 | |
JPWO2006082828A1 (ja) | 等方性接着フィルム及びフレキシブル金属張積層体 | |
JP2005335102A (ja) | 寸法安定性を向上させた接着性接合部材及びそれからなるフレキシブル金属張積層板 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
NENP | Non-entry into the national phase |
Ref country code: DE |
|
121 | Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application |
Ref document number: 17775427 Country of ref document: EP Kind code of ref document: A1 |
|
122 | Ep: pct application non-entry in european phase |
Ref document number: 17775427 Country of ref document: EP Kind code of ref document: A1 |
|
NENP | Non-entry into the national phase |
Ref country code: JP |