WO2017146063A1 - ガラス板の強化方法、および強化ガラス板 - Google Patents

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Abstract

表面品質が高く、深い圧縮応力層を有した強化ガラスを得る、ガラスの強化法を提供する。 表面温度が歪点以下のガラス板を準備する準備工程と、ガラス板の表面温度を10分間以内、又は歪点以下に保持しつつ、ガラス板の表面における内部温度を徐冷点以上に加熱する内部加熱工程と、ガラス板を冷却する冷却工程と、を備えるガラス板の強化方法に関する。

Description

ガラス板の強化方法、および強化ガラス板
 本発明は、深い圧縮応力層を形成できるガラス板の強化方法および強化ガラス板に関する。
 従来、ガラス板の強化方法として、イオン交換を用いてガラス板の表層に化学強化層を形成する化学強化法、或いは、特許文献1に示されるように加熱したガラス基板の表面を急冷することで該ガラス基板の表層に圧縮応力層を形成する物理強化法が知られている。
日本特許第5155873号公報 日本特開昭59-227732号公報 米国特許出願公開第2016/0031739号明細書 日本特表2015-512851号公報
Gardon、R.,Thermal Tempering of Glass,Uhlmann,D.R.and Kreidl、N.j.(eds),Glass Science and Technology、Vol.5(1980),Academic Press、145-216
 しかしながら、上記物理強化法ではガラス板を軟化点近くまで加熱するため、例えば、急冷時にガラス板の表面に吹き付けた冷却媒体の跡や、ガラス板を搬送する搬送ローラーの接触跡が該ガラス板の表面に残ってしまい、ガラス板の表面品質を低下させるおそれがあった。
 また、上記物理強化法では、ガラス板として、表面に耐熱性が低いコーティング膜を形成したものや、上述の化学強化層を形成したものを用いることができなかった。これは、コーティング膜や化学強化層が軟化点近くまで加熱された際の熱で変質し、ガラス板の表面品質が低下するからである。
 さらに、上記物理強化方法では、板厚全体を応力緩和させた状態から表面冷却して強化を実施するので、最大でも圧縮応力層の厚さをガラス板の板厚の1/5程度までしか形成できないため、圧縮応力層をより深く形成できる新たなガラス板の強化方法の提供が望まれていた。
 特許文献2には、ガラス板の加熱のために誘電加熱を利用するとともに、急冷のためにガラス板をクランプするクランプ治具によって冷却(いわゆるクランプ冷却)する方法が開示されている。この方法では、ガラス板の中心部と表面部が大きな温度差をもってガラス板の歪点温度を通過することによって高い表面圧縮応力を形成できる。しかし、この方法では、ガラス板を550℃~650℃程度に加熱しており、ガラス板の表面について比較的高い温度を想定している。また、この方法では、深い圧縮応力層を形成するための手段方法は開示されていない。
 特許文献3には、上記物理強化方法とは異なる別の物理強化方法が開示されている。この方法において、表面の最大圧縮応力はガラス板中央の最大引張応力に対して、2.0~3.0倍になっている。しかし、ガラス板内部の圧縮応力の積分値と引張応力の積分値とはガラス板内でバランスを取る必要がある。そのため、この方法では、表面の圧縮応力層が必然的に浅くなってしまう。
 非特許文献1には、上記物理強化方法において、表面の最大圧縮応力が、ガラス板中央の最大引張応力に対して、少なくとも1.6倍を超えることが開示されている。上述のようにガラス板内部の圧縮応力の積分値と引張応力の積分値とはガラス板内でバランスを取る必要がある。そのため、表面の最大圧縮応力がガラス板中央の最大引張応力に対して1.6倍を超える場合には、圧縮応力層を従来と同程度の深さまでしか形成できなかった。
 特許文献4には、圧縮応力層を深くするために、ガラスの母組成が異なるガラスを積層する方法が開示されている。この方法のように、ガラスの母組成が異なれば、圧縮応力層を深くできる。しかし、この方法では、単一の母組成のガラスを用いて圧縮応力層を深く形成した強化ガラスについて想定されていなかった。また、本発明者らが知る限り、単一の母組成のガラスを用いて圧縮応力層を深く形成する強化ガラスに関する技術を開示した文献はない。
 本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、深い圧縮応力層を有する単一の母組成を有する強化ガラス板、および、ガラス板の強化方法を提供することを目的とする。
 本発明の一態様に従えば、互いに対向する第1の主面と第2の主面を有し、単一の母組成のガラスからなる強化ガラス板であって、表面に圧縮応力層を有し、前記第1の主面の中央を通り該第1の主面に直交する断面において残留する応力分布における前記第1の主面に平行な方向の圧縮応力成分がゼロとなる前記第1の主面からの深さが前記強化ガラス板の板厚の22%以上である、強化ガラス板が提供される。
 本発明の一態様に従えば、表面温度が歪点以下の単一の母組成のガラスからなるガラス板を準備する準備工程と、前記ガラス板の表面温度を歪点より高く徐冷点以下で10分間以内、又は歪点以下に保持しつつ、前記ガラス板の表面の少なくとも一部における内部温度を徐冷点以上に加熱する内部加熱工程と、前記ガラス板を冷却する冷却工程と、を備えるガラス板の強化方法が提供される。
 本発明の一態様に従えば、前記に記載の強化ガラス板を製造するガラス板の強化方法であって、表面温度が歪点以下の単一の母組成のガラスからなるガラス板を準備する準備工程と、前記ガラス板の表面温度を歪点より高く徐冷点以下で10分間以内、又は歪点以下に保持しつつ、前記ガラス板の内部温度を徐冷点以上に加熱する内部加熱工程と、前記ガラス板を冷却する冷却工程と、を備える方法が提供される。
 なお、この準備工程において準備するガラス板は、本強化方法を実施する者が製造したものであっても、第三者から購入したものであってもよい。
 本発明によれば、深い圧縮応力層を有する単一の母組成のガラスの強化ガラス板が提供できる。また、本発明のガラス板の強化方法によれば、ガラス板の深い位置まで圧縮応力層を形成できる。
従来の一般的なガラス板の風冷強化による各工程を示す。 本発明の一実施形態のガラス板の強化方法を示す工程図。 板厚10mmのガラス板のシミュレーションに関する温度条件を示す。 図3の温度条件に基づき強化処理されたガラス板に生じる残留応力分布のシミュレーション結果を示す。 板厚2mmのガラス板のシミュレーションに関する温度条件を示す。 図5の温度条件に基づき強化処理されたガラス板に生じる残留応力分布のシミュレーション結果を示す。 誘電加熱に用いる電極とガラス板との寸法関係を示す。 本発明の一実施態様により製造した強化ガラス板の残留応力分布を示す。 本発明の一実施態様により製造した強化ガラス板の残留応力分布の板厚方向に対する変化率を示す。 本発明の別の実施態様により製造した強化ガラス板の残留応力分布を示す。 本発明の別の実施態様により製造した強化ガラス板の残留応力分布の板厚方向に対する変化率を示す。
 以下、本発明のガラス板の強化方法の一実施形態について図面を参照して説明する。
 図1、2中の矢印で示したように、温度は上に行くほど高くなり、応力は0の上側では応力が引っ張りであることを示し、下側では応力が圧縮であることを示している。以下の図面は、特徴を分かり易くするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
 まず、本発明の実施形態のガラス板の強化方法の説明に先立ち、従来の一般的なガラスの物理強化法である風冷強化法について説明する。図1はガラス板の風冷強化による各工程を示す図である。なお、以下の説明では、ガラス板として、例えば、板状のソーダライムガラス(軟化点730℃、徐冷点550℃、歪点510℃)を用いる。
 なお、本発明において、「軟化点」はJIS R3103-1:2001にしたがって、「徐冷点」はJIS R3103-2:2001にしたがって、「歪点」はJIS R3103-2:2001にしたがって測定された温度を意味する。
 図1に示すように、風冷強化工程は、高温予熱工程SS1と、強化工程SS2とを備えている。高温予熱工程SS1では、強化対象となるガラス板Gを軟化点近くの温度まで均一に加熱する。このとき、ガラス板Gは板厚方向の全域に亘り、徐冷点よりも高い温度となっている。そのため、ガラス板Gは、板厚方向の全域において応力分布が緩和され、応力が一定の状態となっている。
 強化工程SS2では、徐冷点以上に加熱されたガラス板Gの表面を急冷する。ここで、急冷とは、少なくとも自然放冷以上の冷却速度で上述のように徐冷点以上に加熱されたガラス板を強化するために、冷却媒体(例えば、空気)をガラス板G表面に吹き付けて急速に冷却することをいう。具体的には、徐冷点以上に加熱されたガラス板の表面に、例えば、送風設備や高圧気体による空冷、液冷、ミスト冷却、接触式の冷却等の能動的な冷却手段を用いて冷却対象のガラス板の表面から急速に熱を除去することをいう。また、冷却媒体は流体であればよく、液体、気体、あるいは液体と気体との混合物などを適宜採用できる。また、冷却媒体の組成も特に限定されることはなく、空気以外にも、窒素、二酸化炭素などを用いることができる。
 強化工程SS2において、表面側から冷却されたガラス板Gでは硬化した表層によって内部の収縮が妨げられるため、内部と表層とで互いに歪を釣り合わせようとする力が生じる。具体的に、ガラス板Gは、内部に生じた引張応力により表層に圧縮応力が生じる。そのため、ガラス板Gを常温まで冷却することにより、内部に引張応力が残留し、表層に圧縮応力が残留する応力分布O1を板厚方向に有した強化ガラス板10が得られる。このように強化ガラス板10は、表層に圧縮応力層10a、内部に引張応力層10bを有したものとなる。
 ところで、強化ガラス板10の板厚方向に生じる応力分布形状は、急冷時にガラス板Gに生じていた温度分布形状に対応したものとなる。板厚方向の温度分布はガラス板Gの熱伝導率によって決まるため、ガラス板Gを表面側から冷却する風冷強化工程では、上記強化工程SS2においてガラス板Gに生じる温度分布T1が概ね放物線状となる。つまり、強化ガラス板10に生じる応力分布O1も概ね放物線状となる。
 強化ガラス板10において、表層に生じている圧縮応力層10aと内部に生じている引張応力層10bとは全体としてバランスが保たれる。そのため、放物線状の上記応力分布O1による圧縮応力層10aそれぞれの厚みは、理論上、ガラス板Gの板厚の21%程度となる。つまり、従来の風冷強化による物理強化法では、理論上、圧縮応力層厚さは、表裏面側それぞれが最大でガラス板の板厚の1/5程度の厚みしか形成できず、現実的にはガラス板の板厚の1/6程度の厚みを形成するに留まっていた。
 これに対し、本実施形態のガラス板の強化方法によれば、後述のように風冷強化工程に比べて圧縮応力層を深く形成することが可能である。
 続いて、本発明のガラス板の強化方法の一実施態様について説明する。
 図2は本実施形態のガラス板の強化方法を示す工程図である。図2に示すように、本実施形態のガラス板の強化方法(以下、単に強化方法と称する。)は、準備工程S1と、内部加熱工程S2と、冷却工程S3とを備えている。
 準備工程S1は、強化対象となる単一の母組成のガラスからなるガラス板を準備する工程であって、表面温度を歪点(ソーダライムガラスの場合は510℃)以下に保持したガラス板を準備する。ここで単一の母組成のガラスとは、ガラスの溶融工程において、単一の目標組成に基づいて溶融して得たガラスのことである。このため、異なる組成の溶融ガラスを積層して板状にしたものや、同じ組成のガラスであってもガラス板を積層したものとは異なる。
 準備工程S1では、ガラス板G1の表面温度及び内部温度は略同じ温度(歪点以下の温度)とされるため、ガラス板G1の内部に生じている応力分布は事実上緩和されない。
 本実施形態において、準備工程S1では、従来の風冷強化工程のようにガラス板G1の全体を歪点以上に高温に加熱する加熱炉を用いないため、ガラスの強化工程の省エネルギー化を実現している。
 なお、ガラス板G1の表面温度は、歪点(ソーダライムガラスの場合は510℃)以下であればよく、例えば、常温としてもよいが、後述の内部加熱工程S2におけるガラス板G1の表面を保持する温度に合わせるのが望ましい。このようにすれば、準備工程S1で準備したガラス板G1の温度を調整することなく、続けて内部加熱工程S2を開始することができる。
 内部加熱工程S2は、上記準備工程S1で準備したガラス板G1の表面を歪点よりも高く徐冷点以下に10分間以内、又は歪点以下に保持しつつ、ガラス板G1の内部温度を徐冷点以上に加熱する。ここで、ガラス板G1の内部とは、該ガラス板G1の板厚方向における、少なくとも表面を除き、中心部近傍を含む部位をいう。
 内部加熱工程S2では、ガラス板G1の表面温度を少なくとも歪点よりも高くかつ徐冷点以下に10分間以内だけ、又は歪点以下に保持するので、歪点よりも高い温度に曝されても実際には、応力緩和はほぼ発生しない。ここで応力緩和とは、ガラス板を加熱或いは冷却することによって発生する温度分布に起因して発生する応力に対して、ガラス板が弾性体であると仮定した場合に発生する応力から、粘弾性状態で発生する時間依存の応力を減算した値である。すなわち、加熱温度が高くかつ時間経過が長ければ、粘弾性状態で発生する応力は小さくなり、応力緩和が大きくなる。
 内部加熱工程S2では、内部を選択的に加熱する一方で、表面において歪点よりも高く徐冷点以下の温度の場合には10分間以内だけ保持するので、歪点を超える場合であっても短時間であり、最終的な板厚方向応力分布に対する表面付近の板厚方向温度分布の寄与が小さいため、表面の温度を上げないで深い圧縮応力層を形成できる。また、内部加熱工程S2において、ガラス板G1の表面が歪点よりも高く徐冷点以下の温度の場合には10分間以内だけ、又は歪点以下に保持するのでガラス板G1の表面の軟化を防止している。これにより、後述する冷却工程S3においてガラス板G1の表面品質の低下を防止することができる。
 内部加熱工程S2では、ガラス板G1の表面温度を歪点よりも高く徐冷点以下に10分間以内、又は歪点以下に保持すればよく、例えば、常温に保持してもよい。ガラス板G1の表面温度を歪点以下に保持すれば、徐冷点に比べてガラス板G1の表面の応力緩和を抑えることができる。
 なお、ガラス板G1の表面の応力緩和を抑制する点では表面温度を低く保つのが有効であるが、後述の内部加熱を考慮すると、ガラス板G1の表面温度を数百度程度(例えば、200℃以上が好ましく、300℃以上がより好ましく、一方、歪点以下が好ましく、歪点マイナス50℃以下がより好ましい。)の温度に保持するのが望ましい。
 本実施形態では、ガラス板G1の内部を選択的に加熱することで、ガラス板G1の内部温度を徐冷点以上に加熱する。内部加熱工程S2では、より深い圧縮応力層と加熱中の割れ防止等の観点から、ガラス板G1の内部温度を徐冷点プラス50℃以下であってかつ600℃以下とするように加熱を行うのが望ましい。内部温度を、例えば、歪点プラス30℃以上、徐冷点プラス30℃以下で加熱にすることにより、ガラス板G1内においてNIS(硫化ニッケル)変態が生じるのを抑制し、信頼性の高い強化ガラスを得ることが可能となる。
 ガラス板G1の内部を局所的に加熱方法としては、例えば、高周波電界による誘電加熱を例示できる。誘電加熱は、例えば一対の電極間に配置したガラス板に対して高周波を印加するものである。そのため、誘電加熱によりガラス板の内部に生じる加熱領域の大きさは高周波が印加される領域、つまり、電極の面積に対応する。
 ガラス板G1と同等或いはそれ以上の大きさの電極を用いた場合、ガラス板G1の表面の全領域について内部加熱を行うことができる。一方、ガラス板G1よりも小さい電極を用いた場合、ガラス板G1の表面の一部の領域について内部加熱を行うことができる。ここで、ガラス板G1及び電極の大きさとは、平面視した状態のガラス板G1又は電極のサイズ(面積)を意味する。
 したがって、誘電加熱を用いる場合、ガラス板G1の表面に対する電極の面積を適宜調整することで、ガラス板G1の表面の少なくとも一部の領域(電極サイズ分)において内部加熱を行うことができる。つまり、本実施形態によれば、ガラス板G1の表面の少なくとも一部に対して物理強化を行った強化ガラスを提供可能である。
 また、誘電加熱はガラス板の誘電体損失と比誘電率の物性値の大きさに比例して加熱することができる。ガラス板の特性として温度が高い程この物性値が増大するので、ガラス板G1に高温の部分とそれに対し相対的に低温の部分とが存在すると、誘電加熱によりこの物性値の大きい高温部分がより高効率に発熱し、高温部と低温部との温度差がより拡大する。したがって、本実施形態において、誘電加熱を用いる際、ガラス板G1の少なくとも内部の温度を表面の温度よりも高い状態とする。
 また、誘電加熱は、ガラス板G1の温度が高くなる程誘電体損失が大きくなり、発熱量が増大するという特性を有する。本実施形態では、準備工程S1においてガラス板G1を200℃以上に予熱する予熱ステップを設けるようにしている。このようにガラス板G1を予熱することで誘電加熱を行う際の印加電圧が抑えられ、誘電加熱を良好に行うことができる。また、ガラス板G1を予熱することで、内部加熱時におけるガラス板G1の熱割れを抑制することができる。
 さらに、本実施形態では、内部加熱工程S2において、ガラス板G1の表面に冷却媒体を吹き付けることで、表面を強制的に冷却している。このようにガラス板G1の表面を強制的に冷却することにより、内部の熱が伝達することによるガラス板G1の表面温度の上昇を抑制することができる。よって、ガラス板G1の表面と内部との温度差を維持することで上述の誘電加熱を良好に生じさせ、ガラス板G1の内部を選択的、かつ、より効率的に加熱することができる。また、温度上昇によりガラス板G1の表面に流動性が生じることで該ガラス板G1の表面に歪み、傷や凹凸が生じるといった表面品質の不具合の発生を防止できる。
 内部加熱工程S2において、ガラス板G1の板厚方向での最大温度と最低温度との温度差が、例えばソーダライムガラスで、好ましくは50℃以上、より好ましくは80~200℃となるように加熱するのが望ましい。このようにすれば、後述の冷却工程S3によりガラス板G1の表層深くまで圧縮応力層を形成することが可能となる。
 このように内部加熱工程S2は、ガラス板G1の内部を選択的に加熱して徐冷点以上とするため、放物線形状の温度分布T1とは異なる温度分布T2をガラス板G1に生じさせる。
 具体的に、温度分布T2は、上述した放物線形状の温度分布T1に比べて、ガラス板G1の板厚方向のより深い位置(中心近傍)に徐冷点以上の領域を有している。そのため、ガラス板G1は、板厚方向の中心近傍においてのみ応力緩和された状態となっている。
 続いて、冷却工程S3により、ガラス板G1全体の温度が常温になるまで冷却する。本実施形態において、冷却工程S3はガラス板G1を自然放冷させる場合を含む。
 ここで、自然放冷とは高温のガラス板G1を該ガラス板G1の温度よりも低い温度の雰囲気においた場合に、ガラス板G1の温度が徐々に低下していく現象をいう。具体的には、加熱手段のない搬送装置上などでガラス板G1が搬送、待機されることによる温度低下等の不可避で受動的な温度低下などをいう。
 自然放冷によりガラス板G1を冷却する場合、従来の風冷強化工程のようにガラス板G1を急冷するための送風設備が不要となるので、ガラスを強化するステップを省エネルギー化できる。
 冷却工程S3により、板厚方向に応力分布O2を有したガラス板G1からなる強化ガラス板11が得られる。この強化ガラス板11は、表層に圧縮応力層11a、内部に引張応力層11bを有する。
 ここで、ガラス板G1に生じる応力分布O2は、上述のように板厚方向に生じていた温度分布T2に応じた形状となる。ガラス板G1は、温度分布T2によって板厚方向の中心近傍のみが局所的に応力緩和されているため、冷却後のガラス板G1の中心近傍には応力が残る。
 したがって、上記応力分布O2を有する強化ガラス板11は、放物線状の上記応力分布O1を有する強化ガラス板10に比べて、ガラス板G1の表層の深くまで形成された圧縮応力層11aを有している。また、その応力分布は、図1で示したような従来の一般的な略放物線状と異なり、図2のO2に示したように、ガラス板の表面から中心に向けて複数の変極点を持つ略階段状の応力分布を形成することができる。このような強化ガラス板11は、例えば、車両窓用安全ガラス板やディスプレイ用カバーガラス板として好適に利用可能である。
 なお、圧縮応力層の深さは上記応力分布O2の形状に依存する。つまり、上記応力分布O2を生じさせる温度分布T2の形状を適宜調整することで圧縮応力層の深さを調整することができる。また、温度分布T2は、選択的内部加熱によりガラス板G1の内部に生じる加熱領域の厚み(徐冷点以上となる領域の厚み)に応じて変化する。そのため、加熱領域の厚みを薄くすれば、ガラス板G1の内部に生じる引張応力層を相対的に薄くでき、ガラス板G1の表層に形成される圧縮応力層の深さを相対的に大きくすることができる。
 本実施形態では、加熱領域の厚みがガラス板G1の板厚の50%以下となるように、選択的内部加熱の条件を設定している。これにより、ガラス板G1の表層の深くまで圧縮応力層を生じさせることができる。なお、誘電加熱を使用する場合の条件は、例えば、高周波を発生させる際の周波数や電界強度、電極の形状を適宜調整することで設定可能である。また、加熱領域の厚みは、より薄い方が表面と内部の温度差を大きくすることができるため好ましい。よって、加熱領域の厚みはガラス板G1の板厚の20%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましい。
 なお、冷却工程S3において、ガラス板G1の表面に冷却媒体を吹き付けることで、表面を強制的に冷却するようにしてもよい。このようにすれば、ガラス板G1の表面を強制的に冷却することにより、内部の熱が伝達することによるガラス板G1の表面温度の上昇を抑制し、ガラス板G1の全体の温度を短時間で低下させることができる。
 本実施形態によれば、準備工程S1及び内部加熱工程S2を含む一連の工程で、ガラス板G1の表面温度が徐冷点以下、歪点を超える場合であって徐冷点以下に短時間(10分間以内)に保持されるため、ガラス板G1の表面が軟化することがない。そのため、上述のようにガラス板G1の表面に冷却媒体を吹き付けて冷却する場合でも、ガラス板G1の表面に冷却媒体の吹き付け跡が残ることがない。また、例えば、強化工程の途中に搬送ローラーを用いてガラス板G1を移動するステップが存在する場合であっても、該搬送ローラーによる接触跡がガラス板G1の表面に残ることがない。つまり、本実施形態によれば、ガラス板G1の表面が軟化したことに起因して生じる表面品質の低下を防止することができる。
 本実施形態の強化方法によれば、表面品質が高く、深い圧縮応力層11aを有したガラス板G1からなる強化ガラス板11を提供することができる。
 以上、ガラス板の強化方法の一実施形態について説明したが、本発明は上記内容に限定されず、本発明の範囲内において適宜変更可能である。例えば、本発明の一態様においては予め化学強化処理したガラス板に対して物理強化を行うことが可能である。これにより、イオン交換による化学強化処理によってガラス板内に形成され残留する応力分布と、前記した内部加熱によって形成され残留する応力分布とが重畳することになる。この場合、上記準備工程S1においてガラス板を化学強化すればよい。つまり、準備工程S1がガラス板を化学強化するステップを含んでいてもよい。化学強化ステップは、ガラス板のアルカリイオンを溶融塩の他のアルカリイオンと交換し、ガラス板の表面に圧縮応力層を形成するものである。なお、化学強化処理したガラス板としては、例えば、表面及び裏面のうち少なくとも表面のみが強化処理されたものを用いてもよい。
 化学強化に用いるガラス板としては、上述したソーダライムガラスよりも、NaイオンとKイオンの交換速度が大きいアルミノシリケートガラスを用いるのが好ましい。このアルミノシリケートガラスを用いれば、より大きな応力が得られる圧縮応力層を表層の深くまで形成することができる。
 化学強化ステップにおいて、ガラス板の温度は比較的高温(400℃程度)となる。そのため、化学強化ステップを内部加熱工程S2前の予熱工程として利用してもよい。このようにすれば、化学強化ステップによりガラス板が予熱された状態となるため、ガラス板の内部加熱に誘電加熱を用いる場合にこれを良好に行うことができる。また、ガラス板が予熱されているため、内部加熱時におけるガラス板の熱割れを抑制できる。また、化学強化ステップによりガラス板に生じた熱を有効利用することができる。
 また、化学強化されたガラス板は、その表面温度が、例えば400℃よりも、高くなると、表層のイオンが内部に拡散しやすくなり、化学強化によって形成された圧縮応力層の機能が低下してしまう。そのため、ガラス板の表面が高温(軟化点付近)となる従来の風冷強化工程では、化学強化を行ったガラス板に対して物理強化を行うことができなかった。
 なお、日本特開2006-253001号公報には、陰極線管用バルブのガラスパネル部に対して、ガラスパネル外表面に、イオン交換により化学強化された圧縮応力層を形成し、そのイオン交換の後の冷却過程の冷却速度を制御することによって、ガラスパネル部の表面に更に物理強化を形成する方法が開示されている。しかし、この方法において、物理強化圧縮応力層の厚さは2.0mm以上3.5mm未満であり、表面圧縮応力の程度は3.0MPa以上8.5MPa未満であることを特徴としており、ガラス板を対象とするものではなく、又、従来の風冷強化工程とも本発明のガラス板の強化方法の工程とも異なり、更にその効果も本発明とは異質なものである。
 これに対し、本発明の一実施態様では、内部加熱工程S2において、化学強化を行ったガラス板の表面温度を、例えば400℃以下に保持した状態で加熱を行うことで、化学強化層への影響を抑えて、ガラス板を強化することができる。つまり、本発明の一実施態様によれば、化学強化されたガラス基板の表面品質の低下を抑制し(化学強化による圧縮応力層の圧縮応力の減少を抑えて)、物理強化による圧縮応力層を表層深くに形成することができる。ここでは、ガラス板の表面温度の上限を400℃としたが、化学強化による圧縮応力層の圧縮応力の減少を防ぐ目的であれば、ガラス板の表面温度は低い方が好ましく、300℃以下としてもよく、また200℃以下としてもよく、更に100℃以下としてもよい。
 また、本発明の一実施態様では、従来の風冷強化工程に比べてガラス板の表面が高温とならないため、表面に比較的耐熱性の低い(徐冷点よりも耐熱温度が低い)コーティング膜が形成されたガラス板に対しても、表面品質(コーティング膜)を低下させること無く、コーティング機能を維持したまま、物理強化することができる。
 このように本発明の強化方法によれば、一連の工程で、ガラス板の表面が、歪点より高く徐冷点以下で短時間だけ保持されるため、従来の風冷強化工程では強化することが難しかったガラス板に対して、表面品質が高く、深い圧縮応力層を形成することができる。
 なお、上記実施形態では、ガラス板の内部加熱を行う手段としてガラス板を挟持する一対の電極を備える高周波による誘電加熱を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、マイクロ波を用いて内部を加熱してもよく、ガラス板の表面(一方面)側から裏面(他方面)側に所定波長の光を透過させることで加熱を行ってもよい。この場合、ガラス板を透過させる光の波長や光強度、照射形状を適宜設定することにより、ガラス板の内部において光の一部を線形吸収させて内部を選択的に加熱することができる。
 また、上記実施形態では、板状のガラス板を用いる場合を例に挙げたが、本発明は板状のガラス板のみならず湾曲形状のガラス板を強化する場合にも適用可能である。これにより、車両用安全ガラス板に適した湾曲形状を有する強化ガラス板を製造できる。
 また、本発明は板厚の薄いガラス板についても、表面品質を低下させること無く、圧縮応力層を深く形成することができる。また、ガラス板の板厚が薄くなることで、ガラス板の生産に必要な原料も減少するため、ガラス板を生産する際に必要なエネルギーを節約でき、環境にやさしい強化ガラスの提供が可能となる。本発明によれば、0.5~25mmの板厚のガラス板に対し表面品質を低下させること無く、圧縮応力層を深く形成できる。
 そのため、本発明は、車両窓用安全ガラスのみに限定されず、建築用、ディスプレイ用及びディスプレイ用カバーガラス、医療用、光学機器用、太陽電池用カバーガラス、インテリア用ガラス、車載用内装ガラス、ガラススピーカーなどの分野において、従来よりも薄く表面品質に優れた強化ガラスを提供できる。
 本発明の優れた強化ガラスは、車両窓用安全ガラスのみに限定されず、建築用、ディスプレイ用及びディスプレイ用カバーガラス、医療用、光学機器用、太陽電池用カバーガラス、インテリア用ガラス、車載用内装ガラス、ガラススピーカーなどの分野においてしようできる。
 以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定して解釈されるものではない。
 (実施例1)
 以下、図3~図6を用いて、実施例1について説明する。実施例1では、得られる強化ガラスの応力分布についてシミュレーションを行った。なお、本シミュレーションは、板厚が厚い、板厚10mmの単一の母組成のソーダライムガラスからなるガラス板を強化処理した強化ガラス板、及び、板厚が薄い、板厚2mmの単一の母組成のソーダライムガラスからなるガラス板を強化処理した強化ガラス板について実施した。この強化ガラス板は、互いに対向する表面(第1の主面)と裏面(第2の主面)とを有し、ガラス板の表面及び裏面は互いに平行である。
 図3は板厚10mmのガラス板のシミュレーションに関する温度条件を示す。図3に示すグラフの横軸は時間(秒)に対応し、左側の縦軸はガラス板の表面或いは内部の温度(℃)に対応し、右側の縦軸はガラス板の表面と内部の温度差(℃)に対応する。
 なお、本シミュレーションにおける各条件は、ガラス板の板厚(10mm)、内部加熱工程におけるガラス板の初期表面温度(400℃)、内部加熱(200kW/m)と、自然冷却(10W/mK)を同時に26.5秒実施し、更にその後に強制冷却(100W/mK)を120秒実施した。
 図3に示すように、内部加熱によりガラス板の内部が選択的に加熱されることによって、内部温度と表面温度との温度差が大きくなっていき、最大210℃程度の温度差となる。また、表面温度、歪点を超えない。
 図4は図3の温度条件に基づき強化されたガラス板が有する応力分布のシミュレーション結果を示す。以下、強化処理後の強化ガラス板において、表面及び裏面の中央の該表面に直交する断面の方向をガラス板の板厚方向と称す場合もある。なお、図4に示すグラフの縦軸は強化処理後のガラス板の残留応力(応力分布:単位はMPa)であり、マイナス(負)の応力はガラス板の板厚方向の断面において表面に平行な方向に残留する圧縮応力成分に相当し、プラス(正)の応力はガラス板の板厚方向の断面において表面に平行な方向に残留する引張応力成分に相当する。
 また、図4に示すグラフの横軸はガラス板の板厚方向における位置(mm)に対応しており、横軸における0mmの位置はガラス板の中心位置に相当し、横軸における5mmの位置はガラス板の表面に相当する。また、図4において、比較例として、従来の風冷強化を用いた場合の応力分布(放物線形状)を示す。
 図4に示すように、応力分布が放物線状となる従来の風冷強化を用いた場合、10mmのガラス板に形成できる圧縮応力層の深さは板厚の21%、つまり、2.1mmとなる。ここで、圧縮応力層の深さとは、上述の圧縮応力成分がゼロ(図4のグラフの縦軸の値)となる表面からの深さに相当する。
 本発明の一実施態様の強化方法によれば、板厚10mmのガラス板の表層に深さ3mm(板厚の30%)の圧縮応力層を形成できることが確認できた。表面の圧縮応力成分は37.2MPa、中心(断面の中央に相当)の引張応力成分は62.3MPaとなった。このため、最大の圧縮応力成分は最大の引張応力成分に対して1.6倍未満、具体的に0.6倍となった。
 図5は板厚2mmのガラス板の応力分布に関するシミュレーションの温度条件を示す。図5の縦軸および横軸は図3と同様であることから、その説明を省略する。なお、本シミュレーションにおける各条件は、ガラス板の板厚(2mm)、内部加熱工程におけるガラス板の初期表面温度(500℃)、内部加熱(2000kW/m)と強制冷却(200W/mK)を同時に60秒実施し、更にその後に強制冷却(200W/mK)を300秒実施した。
 図5に示すように、内部加熱工程を開始した直後、ガラス板の表面の温度は強制冷却の影響で一時的に低下した後、徐々に上昇する。そして、内部加熱によりガラス板の内部が選択的に加熱されることで、内部温度と表面温度との温度差が大きくなっていき、最大で84℃程度の温度差となる。このことは、板厚の薄いガラス板であっても誘電加熱により内部を選択的に加熱できることを意味する。なお、表面温度は、歪点を超えるがその時間は数十秒程度である。
 図6は図5の温度条件に基づき強化されたガラス板に生じる応力分布のシミュレーション結果を示す。なお、図6の縦軸は図4と同様であることから、その説明を省略する。図6の横軸における0mmの位置はガラス板の中心位置に相当し、横軸における1mmの位置はガラス板の表面に相当する。また、図6においても、比較例として、従来の風冷強化を用いた場合に生じる応力分布(放物線形状)を示す。
 図6に示すように、応力分布が放物線状となる従来の風冷強化を用いた場合、2mmのガラス板に形成できる圧縮応力深さは板厚の21%、つまり、0.42mmとなる。これに対し、本発明の一実施態様によれば、板厚2mmのガラス板の表層に厚さ0.6mm(板厚の30%)の圧縮応力層を形成できる。表面の圧縮応力は26.2MPa、中心の引張応力40.1MPaとなった。このため、最大の圧縮応力は、最大の引張応力に対して1.6倍未満、具体的に0.7倍となった。
 以上のシミュレーション結果より確認される通り、本発明によれば、ガラス板の板厚によらず、従来の風冷強化に比べて、ガラス板の深い位置まで圧縮応力層を形成することができる。よって、表面にキズがついても割れにくい安全な強化ガラスを提供することができる。
 (実施例2)
 続いて、本発明の一実態態様により実際に強化処理した単一の母組成のガラスからなるガラス板(強化ガラス板という場合もある。)について応力分布を測定する実験を行った。ガラス板はソーダライムガラスを用いた。
 図7は、本実験の誘電加熱に用いた電極とガラス板との寸法関係を示し、図7(a)は電極とガラス板との寸法関係を示す側面図であり、図7(b)は電極とガラス板との寸法関係を示す平面図である。図7(a)、(b)に示すように、本実験においては、縦150mm×横100mm、厚さ9.8mmのガラス板Gを用いた。また、誘電加熱に用いる一対の電極Tのサイズを100mm角とし、電極T同士の間隔D1を45mmとした。すなわち、本実験では、ガラス板Gの表面の一部の内部温度を誘電加熱により選択的に加熱した。
 内部加熱工程において、500℃に予熱したガラス板Gを一対の電極T間に配置し、誘電加熱(27.12MHz;4kW;45秒)を行うことでガラス板Gの内部を選択的に加熱した。これにより、ガラス板Gには所望の温度分布(図2参照)が生じる。そして、冷却工程により、ガラス板G全体の温度が常温となるまで自然放冷によって冷却した。表面温度は、加熱工程終了時に525℃となり、歪点を超えたが、歪点を超える時間は少なくとも加熱時間である45秒以内である。
 図8は本発明の一実施態様により強化処理したガラス板の応力に関する測定結果を示す。図8に示すグラフの縦軸はガラス板の残留応力(MPa)を示し、マイナス(負)の残留応力とは圧縮応力に相当し、プラス(正)の残留応力は引張応力に相当する。また、図8に示すグラフの横軸は強化処理したガラス板の板厚方向における位置(mm)に対応しており、横軸における0mmの位置は強化処理したガラス板の表面(第1の主面)の表面位置に相当し、横軸における9.8mmの位置は強化処理したガラス板の裏面(第2の主面)の表面位置に相当する。
 測定装置は、複屈折2次元分布評価装置WPA-100(Photonic Latice、Inc.社製)を使用した。測定では、強化処理したガラス板から、ガラス板の長辺に沿って50mmの位置で、ガラス板の短辺方向に100mm×6mmの短冊状のサンプルをブレードで切り出した後、切断部表面をラップ加工と研磨加工を実施して、測定用サンプルとした。この測定装置によって、測定用サンプルの縦100mm×横9.8mmの面に鉛直する方向から光を照射した場合のガラス板中の位相差(nm)を読み取る。この位相差をガラス板の光弾性定数25.9[(nm/cm)/MPa]と光が通る方向の厚みである0.6cmで割ると、図8の残留応力の結果が出る。位相差の板厚方向の読み取りピッチは、0.066mmである。
 なお、ガラス板から測定用サンプルを切り出す際に、切断によって測定領域での残留応力の一部が解放されるが、ここでは無視した。
 また、横軸における0mm付近と9.8mm付近において、残留応力がゼロとなっている。実際には、ガラスの表面において残留応力はゼロではなく圧縮になるはずであるが、表面付近においては、照射する光を直進させることが難しいため、誤差となってこのような結果となる。ただし、両表面付近から少し入ったところで圧縮応力が最大値を示すため、これを最大圧縮応力と見なした。
 図8に示すように、本発明の一実施態様の強化方法によって板厚9.8mmのガラス板の表層に平均で深さ2.5mmの圧縮応力層(両端部平均値は13.6MPaで、最大値は14.6MPa)を形成できることが確認できた。つまり、本発明の強化方法によれば、従来の風冷強化工程を用いる場合の一般的な物理強化の事実上の上限値(板厚の21%)に対し、より深い板厚の25%までの圧縮応力層を形成できることが確認できた。また、ガラス板内部の引張応力は、最大で11MPaとなった。この結果、残留応力分布において、最大の圧縮応力成分が、最大引張応力成分の1.3倍となり、1.6倍未満となることが確認できた。なお、上述した強化処理の条件を調整することで、圧縮応力層の深さは板厚の22%以上で調整可能である。本発明の実施態様による強化ガラス板によれば、圧縮応力層の深さをガラス板の板厚の22%以上とすることができる。圧縮応力層の深さの上限は特に限定されないが、引張応力の積分値と圧縮応力の積分値がバランスする必要性があることから、板厚の45%以下が例として挙げられる。
 図9は、図8で示した残留応力の分布の結果から、残留応力の板厚方向の変化率を計算した結果である。図9に示すグラフの横軸は強化処理したガラス板の板厚方向における位置(mm)に対応しており、横軸における0mmの位置は強化処理したガラス板の表面(第1の主面)の表面位置に相当し、横軸における9.8mmの位置は強化処理したガラス板の裏面(第2の主面)の表面位置に相当する。図9に示すグラフの縦軸は、図8に示した残留応力値の隣り合うポイントでの値の差を位相差の板厚方向の読み取りピッチの0.066mmで割った値である。横軸における1.71mmの点で、残留応力の変化率が9.47となった。横軸における7.96mmの点で、残留応力の変化率が-7.60となった。
 従来の残留応力が放物線状になる場合には、残留応力の変化率は図9の左の表面側(第1の主面側)から裏面側(第2の主面側)に向かって単調減少となる。しかし、今回の結果からは、残留応力の変化率は、単調減少とはならないことがわかった。図9では、ガラス板の中央部分では、単調減少に近いが、表面又は裏面に向かうに従って、変化率の変化が小さくなり、その後、変化率の絶対値が減少に転じることがわかった。また、図9では、変化率の絶対値は、圧縮応力成分がゼロとなる位置から表面(第1の主面)まで向かう間で最大となり、その後、表面に向かうに従って減少していくことがわかった。すなわち、変化率の絶対値が、圧縮応力層の範囲で、一定となる領域(第1の領域)又は表面に向かうに従って減少する領域(第2の領域)の少なくともいずれかを有することがわかった。なお、前述のとおり、この評価にあたっては、表面と裏面付近の測定誤差があるため、表面から位置が0.46mmまでと、裏面から位置が9.47mmまでの変化率の値については除外した。
 以上のように、本発明の実施態様による強化ガラス板では、残留応力の分布が従来の放物線状とは異なる分布となることがわかった。
 なお、本実施態様の強化ガラス板によれば、実験条件等を調整することで、表面に残留する応力分布の圧縮応力成分を5~85MPaにできる。よって、強化ガラスとして比較的低い表面の圧縮応力が要求される分野において、従来よりも表面品質が高く、深い圧縮応力層を有した強化ガラスを提供できる。
 (実施例3)
 更に、本発明の別の実態態様により実際に強化処理した単一の母組成のガラスからなるガラス板について応力分布を測定する実験を実施例2の条件の一部を変えて行った。ガラス板はソーダライムガラスを用いた。
 本実験においては、縦150mm×横100mm、厚さ4.7mmの化学強化処理したガラス板Gを用いた。また、誘電加熱に用いる一対の電極Tのサイズを100mm角とし、電極T同士の間隔D1を15mmとした。すなわち、本実験では、ガラス板Gの表面の一部の内部温度を誘電加熱により選択的に加熱した。化学強化処理は、ガラス板全体を、硝酸カリウム溶融塩中に浸漬させることにより行った。処理温度は、450℃であり、処理時間は150分とした。
 内部加熱工程において、300℃に予熱したガラス板Gを一対の電極T間に配置し、誘電加熱(27.12MHz;2kW;300秒)を行うことでガラス板Gの内部を選択的に加熱した。この時同時に、ノズルAFTADW20(ミスミ社製)を供給圧力0.4MPaで使用して、電極間にガラス表面に沿った強制対流を形成してガラス表面冷却した。これにより、ガラス板Gには所望の温度分布が生じる。なお、特許文献2のクランプ冷却ではこのような操作はできない。表面温度は、加熱工程終了時に520℃となり、歪点を超えたが、歪点を超える時間は少なくとも加熱時間である300秒以内である。
 図10は本発明の一実施態様により強化したガラス板の応力に関する測定結果を示す。図10に示すグラフの縦軸、横軸は、図8と同様である。但し、図10に示すグラフの横軸における0.723mmの位置が強化処理したガラス板の一方(表面)の表面位置に相当し、横軸における5.459mmの位置が強化処理したガラス板の他方(裏面)の表面位置に相当する。測定にあたり、強化処理したガラス板から、ガラス板の長辺に沿って50mmの位置で、ガラス板の短辺方向で縦100mm×横7mmの短冊状の測定用サンプルをブレードで切り出した後、切断部表面をラップ加工と研磨加工を実施して、測定用サンプルとした。
 次いで、実施例2で使用した複屈折2次元分布評価装置WPA-100によって、測定用サンプルの縦100mm×横4.7mmの面に鉛直する方向から光を照射した場合のガラス板中の位相差(nm)を読み取る。この位相差をガラス板の光弾性定数25.9[(nm/cm)/MPa]と光が通る方向の厚みである0.7cmで割ると、図10の残留応力の結果が出る。位相差の板厚方向の読み取りピッチは、0.066mmである。
 誘電加熱によって強化する前の化学強化処理をしたガラス板の化学強化処理による応力と残留応力の深さは、折原製作所製の光弾性の原理を利用した表面応力測定装置(型式FSM-6000LE)によって測定した。
 その結果、化学強化処理によるガラス板の表面の残留応力の圧縮応力成分は629MPaで、化学強化処理による残留応力の深さは表面から9.5μmであった。
 また、誘電加熱によって強化した後の化学強化処理によるガラス板の表面の残留応力の圧縮応力成分は630MPaで、化学強化処理による残留応力の深さは表面から11.4μmであった。
 図10に示すように、本発明の一実施態様の強化方法によって板厚4.7mmの化学強化処理されたガラス板の表層に平均で厚さ1.25mmの圧縮応力層(両端部平均値は13.75MPaで、最大値は18.8MPa)を形成できることが確認できた。つまり、本発明の一実施態様の強化方法によれば、従来の風冷強化工程を用いる場合の理論上の限界値(板厚の21%)に対し、より深い板厚の26%までの圧縮応力層を形成することを確認できた。また、ガラス板内部の引張応力は、最大で12.3MPaとなった。この結果、誘電加熱による残留応力分布において、最大の圧縮応力成分が、最大引張応力成分の1.1倍となり、1.6倍未満となることが確認できた。なお、本発明の実施形態の強化板における、前記第1の主面と前記第2の主面との中央の該第1の主面に直交する断面において残留する応力分布における前記第1の主面に平行な方向の圧縮応力成分がゼロとなる前記第1の主面からの深さとは、化学強化処理による残留応力による深さではない。
 実際には、この測定用サンプルの表面には、化学強化処理による残留応力分布も存在しているので、表面には、化学強化処理による630MPaの圧縮応力が残留し、且つ内部には化学強化処理による11.4μmの圧縮応力も存在している。
 本実施態様のように化学処理をしたガラス板に本発明の強化処理を行った強化ガラス板は、表面に残留する応力分布の圧縮応力成分を100~2000MPaにできる。よって、強化ガラスとして比較的高い表面の圧縮応力が要求される分野において、従来よりも表面品質が高く、深い圧縮応力層を有した強化ガラスを提供できる。
 なお、誘電加熱によって強化処理した後の化学強化処理によるガラス板の表面の圧縮応力は、前記FSM-6000LEによって測定され、測定原理から誘電加熱を原因とする表面の圧縮応力が重畳された値となる。一方、誘電加熱によって強化処理した後の前記WPA-100によって測定された表面近傍の圧縮応力は、その特徴から、化学強化処理による圧縮応力成分は無視してよい。このため、表面及び表面近傍の圧縮応力は、化学強化処理によるものと、誘電加熱によるものとは分離可能であることがわかる。
 図11は、図10で示した残留応力の分布の結果から、残留応力の板厚方向の変化率を計算した結果である。図11に示すグラフの横軸は強化処理したガラス板の板厚方向における位置(mm)に対応しており、横軸における0.723mmの位置は強化処理したガラス板の一方(表面)の表面位置に相当し、横軸における5.459mmの位置は強化処理したガラス板の他方(裏面)の表面位置に相当する。図11に示すグラフの縦軸は、図10に示した残留応力値の隣り合うポイントでの値の差を位相差の板厚方向の読み取りピッチの0.066mmで割った値である。横軸における0.986mmの点で、残留応力の変化率が18.11となった。横軸における5.13mmの点で、残留応力の変化率が-19.44となった。
 上記の結果からは、残留応力の変化率は、単調減少とはならないことがわかった。図11では、ガラス板の中央を除く領域においては、変化率の変化が小さくなることがわかった。また、変化率の絶対値は、圧縮応力成分がゼロとなる位置から表面まで向かう間で最大となり、その後、表面に向かうに従って小さくなることがわかった。すなわち、変化率の絶対値が、圧縮応力層の範囲で、一定となる領域(第1の領域)又は表面に向かうに従って減少する領域(第2の領域)の少なくともいずれかを有することがわかった。なお、前述のとおり、この評価にあたっては、表面と裏面付近の測定誤差があるため、表面から位置が0.92mmまでと、裏面から位置が5.26mmまでの変化率の値については除外した。以上のように、本発明の強化ガラス板では、残留応力の分布が従来の放物線状とは異なる分布となることがわかった。
 なお、2016年2月26日に出願された日本特許出願2016-035876号及び2016年11月8日に出願された日本特許出願2016-218290号の明細書、特許請求の範囲、図面、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。
 11:強化ガラス板、  11a:圧縮応力層、 11b:引張応力層、
 G1:ガラス板、     O2:応力分布、   T2:温度分布、
 S1:準備工程、     S2:内部加熱工程、 S3:冷却工程。

Claims (15)

  1.  互いに対向する第1の主面と第2の主面を有し、単一の母組成のガラスからなる強化ガラス板であって、
     表面に圧縮応力層を有し、前記第1の主面の中央を通り該第1の主面に直交する断面において残留する応力分布における前記第1の主面に平行な方向の圧縮応力成分がゼロとなる前記第1の主面からの深さが前記強化ガラス板の板厚の22%以上であることを特徴とする強化ガラス板。
  2.  前記第1の主面から前記圧縮応力成分がゼロとなる前記第1の主面からの深さまでの範囲に下記の第1の領域及び下記の第2の領域の少なくとも一方を有する、請求項1に記載の強化ガラス板。
     前記第1の領域は、前記強化ガラス板の板厚方向における前記応力分布の変化率の絶対値が一定となる領域。
     前記第2の領域は、前記第1の主面に向かうに従って前記絶対値が減少する領域。
  3.  前記応力分布における前記強化ガラス板の板厚方向の変化率の絶対値は、前記圧縮応力成分がゼロとなる位置から前記第1の主面まで向かう間で最大となり、前記第1の主面に向かうに従って減少している、請求項1に記載の強化ガラス板。
  4.  前記応力分布において、前記第1の主面の前記圧縮応力成分が、前記断面の中央の引張応力成分の1.6倍未満である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の強化ガラス板。
  5.  前記第1の主面の前記圧縮応力成分が5~85MPaである、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の強化ガラス板。
  6.  少なくとも前記第1の主面に、イオン交換により形成される圧縮応力層を有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の強化ガラス板。
  7.  前記第1の主面の前記圧縮応力成分が100~2000MPaである、請求項6に記載の強化ガラス板。
  8.  前記板厚が0.5~25mmである、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の強化ガラス板。
  9.  表面温度が歪点以下の単一の母組成のガラスからなるガラス板を準備する準備工程と、
     前記ガラス板の表面温度を歪点より高く徐冷点以下で10分間以内、又は歪点以下に保持しつつ、前記ガラス板の内部温度を徐冷点以上に加熱する内部加熱工程と、
     前記ガラス板を冷却する冷却工程と、
     を備えることを特徴とするガラス板の強化方法。
  10.  前記内部加熱工程では、前記ガラス板の板厚方向での最大温度と最低温度との温度差を80℃以上とするように加熱する請求項9に記載の方法。
  11.  前記内部加熱工程では、前記ガラス板に高周波電界を印加する誘電加熱を行う請求項9又は10に記載の方法。
  12.  前記誘電加熱を行う際に、前記高周波電界を印加する電極を前記ガラス板に接触させない、請求項11に記載の方法。
  13.  前記内部加熱工程では、前記ガラス板の一方面側から他方面側へと所定波長の光を透過させることで加熱を行う請求項9又は10に記載の方法。
  14.  前記内部加熱工程では、前記ガラス板の表面温度を400℃以下に保持する請求項9乃至13のいずれか一項に記載の方法。
  15.  前記準備工程は、前記ガラス板を化学強化するステップを含む請求項9乃至14のいずれか一項に記載の方法。
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