WO2017073222A1

WO2017073222A1 - 帯鋸盤

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Publication number: WO2017073222A1
Application number: PCT/JP2016/078427
Authority: WO
Inventors: 政孝鍛代
Original assignee: 株式会社アマダホールディングス; 株式会社アマダマシンツール
Priority date: 2015-10-27
Filing date: 2016-09-27
Publication date: 2017-05-04
Also published as: TWI625183B; US10828708B2; JP2017080839A; TW201714689A; EP3369509A1; JP6243388B2; EP3369509A4; EP3369509B1; US20190076942A1

Abstract

帯鋸盤は、切削液溜まりを有する基台と、上下方向に移動可能な鋸刃ハウジングと、帯鋸刃が巻回された一対の鋸刃ホイールと、ワークの製品相当部分を挟持する一対の下流本体バイスジョーを有する下流本体バイスと、製品を前記切削液溜まりの外側に搬出するための搬出テーブルと、ワークから切り出された製品を前記搬出テーブルの上流端側まで搬送する製品搬送機構を具備している。前記帯鋸刃の加工側の走行エリア、及び、前記帯鋸刃の反加工側の走行エリアが前記切削液溜まりの内側に位置し、前記搬出テーブルの上流端が、一対の前記鋸刃ホイールの中心を結ぶホイール中心線よりも下流側に位置している。

Description

帯鋸盤

　本発明は、無端状の帯鋸刃[endless band saw blade]を走行させつつ、搬送方向の切断位置に位置決めされたワーク[workpiece]の被切断部を切断する、倒伏タイプ帯鋸盤[tilted-wheel type band saw machine]に関する。

　現在広く普及している横型帯鋸盤は、一対の鋸刃ホイールの間をワークが自由に通過できるように、即ち、ワークの最大切断長さ（製品の最大長さ）の自由度を確保できるように、各鋸刃ホイールを垂直に配置した起立タイプ帯鋸盤[uprise-wheel type band saw machine]である。起立タイプ帯鋸盤の帯鋸刃については、その歯先を切断位置でワークに対して垂直に配向するために、鋸刃ガイドによって帯鋸刃の捻り角度[twisted angle]を大きく設定する必要がある。走行中の帯鋸刃には、引張応力及び曲げ応力の他に、捻り応力が繰り返し作用する。従って、帯鋸刃の胴疲労寿命[durable life of a blade body]を向上させることは難しい。

　近年、帯鋸刃の胴疲労寿命を向上させることが可能な、倒伏タイプ帯鋸盤も実用化されている（下記特許文献１及び２参照）。倒伏タイプ帯鋸盤の鋸刃ホイールは倒伏状態[tilted-down state]にされており、ワークの最大切断長は鋸刃ホイールの直径によって規定される。倒伏タイプ帯鋸盤では、鋸刃ガイドによる帯鋸刃の捻り角度を０°又は非常に小さくしても、その歯先を切断位置でワークに対して垂直に配向することができる。即ち、帯鋸刃の捻り角度を大きくすることなく、歯先を切断位置でワークに対して垂直に配向することができる。

　以下、倒伏タイプ帯鋸盤の構成について説明する。倒伏タイプ帯鋸盤は、基台を具備している。基台は、その上側に、切削油（切削液）を回収するオイルパン（切削液溜まり）を有している。また、基台は、その上側に、上下方向に移動可能な鋸刃ハウジングを備えている。鋸刃ハウジングは、その下側に、帯鋸刃が巻回された、帯鋸刃を支持する一対の鋸刃ホイールを備えている。一対の鋸刃ホイールは、ワークの搬送方向に直交する搬送幅方向に離隔されている。各鋸刃ホイールは水平に配置されているので、起立タイプ帯鋸刃に比べて、切断位置からオイルパンの下流端（上記搬送方向の下流端）までの長さが長い。更に、鋸刃ハウジングは、その適宜位置に、切断位置で帯鋸刃の歯先がワークに対して垂直となるように帯鋸刃をガイドする鋸刃ガイドを備えている。

　基台は、切断位置の搬送方向のすぐ下流側に、下流本体バイスを備えている。下流本体バイスは、ワークの製品相当部分（製品となる部分）を挟持する一対の下流本体バイスジョーを有している。上述したように、切断位置からオイルパンの下流端までの長さが長いので、基台は、通常、製品をオイルパンの外側に搬出するための搬出シュータを切断位置の下流側に備えている。搬出シュータは、その下流端が上流端よりも低くなるように水平方向に対して傾斜している。搬出シュータの下流端側は、オイルパンから外側へ突出している。

日本国特開２０１３－１３２７２４号公報日本国特開２０１３－１８８８６１号公報

　ところで、製品をオイルパンの外側（基台の外側）へと確実に搬出するためには、搬出シュータの上流端を切断位置に位置させるか又は切断位置に近づける必要がある。一方、搬出シュータの上流端の位置を前述のように設定すると、帯鋸刃に供給される切削油、及び、切断によって生成される切粉が搬出シュータを経由してオイルパンの外側（基台の外側）へと排出され易くなる。すると、切削油及び切粉が工場の床面に飛散して、作業環境が害されてしまう。

　本発明の目的は、切り出した製品を確実に搬出しつつ、切削油及び切粉の飛散を十分に抑制して作業環境を向上させることのできる帯鋸盤を提供することにある。

　本発明の特徴は、無端状の帯鋸刃を走行させつつ、搬送方向の切断位置に位置決めされたワークの被切断部を切断する帯鋸盤であって、上側に切削液を回収するための切削液溜まりを有する基台と、前記基台に上下方向に移動可能に設けられた鋸刃ハウジングと、前記鋸刃ハウジングに回転可能に設けられ、前記搬送方向に直交する搬送幅方向に離隔され、ワークの最大切断長さがホイール径によって規定されるように倒伏状態で前記帯鋸刃が巻回されて前記帯鋸刃を支持する一対の鋸刃ホイールと、前記切断位置で前記帯鋸刃の歯先がワークに対して垂直となるように前記帯鋸刃を案内する鋸刃ガイドと、前記基台における前記切断位置の下流側に設けられ、ワークの製品相当部分を挟持する一対の下流本体バイスジョーを有する下流本体バイスと、製品を前記切削液溜まりの外側に搬出するための搬出テーブルと、を具備し、前記切断位置を走行する前記帯鋸刃の加工側走行エリア、及び、前記切断位置に対して前記搬送方向に離隔された位置を走行する前記帯鋸刃の反加工側走行エリアが、平面視において前記切削液溜まりの内側に位置し、前記搬出テーブルの上流端が、一対の前記鋸刃ホイールの中心を結ぶホイール中心線よりも下流側に位置し、前記帯鋸盤が、ワークから切り出された製品を前記搬出テーブルの上流端側まで搬送する製品搬送機構をさらに具備している、帯鋸盤を提供する。

図１は、第１実施形態に係る帯鋸盤の下部を示す一部断面平面図（図４中のＩ－Ｉ線断面図）である。図２は、上記帯鋸盤の側面図である。図３は、上記帯鋸盤の平面図である。図４は、上記帯鋸盤の正面図である。図５は、第２実施形態に係る帯鋸盤の下部を示す一部断面平面図である。図６は、上記帯鋸盤の側面図である。

　図面を参照しつつ実施形態（第１実施形態及び第２実施形態）を説明する。なお、「設けられ」の語は、別部材を介して間接的に設けられることを含み、「備えられ」と同義である。「備える」の語は、別部材を介して間接的に備えることを含み、「設ける」と同義である。「切断位置」とは、搬送方向に沿った切断を行う位置である。なお、図中、「ＦＦ」は前方向（搬送方向）を、「ＦＲ」は後方向（搬送方向の反対方向）を、「Ｌ」は左方向（搬送幅方向の一方側）を、「Ｒ」は右方向（搬送幅方向の他方側）を、「Ｕ」は上方向を、「Ｄ」は下方向をそれぞれ示している。

（第１実施形態）
　図１～図４に示されるように、第１実施形態に係る帯鋸盤１は、無端状の帯鋸刃Ｂを循環走行させつつ、搬送方向（前方向）の切断位置ＣＰに位置決めされた棒状のワークＷの被切断部Ｗａを切断する。また、帯鋸盤１は、倒伏タイプの横型帯鋸盤である。

　帯鋸盤１の具体的な構成について以下に説明する。帯鋸盤１は、搬送方向に直交する搬送幅方向（左右方向）に延びる基台（本体フレーム）３を具備している。基台３は、その上側に、切削油（切削液）を収容するオイルパン（切削液溜まり[cutting fluid reservoir]）５を有している。また、帯鋸盤１は、基台３の後側に設けられた、前後方向に延びる支持フレーム７を具備している。支持フレーム７も、その上側に、基台３のオイルパン５と連通する、切削油を収容するオイルパン９を有している。

　基台３は、その後面に、上下方向に延びる一対のコラム１１，１３を備えている。一対のコラム１１，１３は、搬送幅方向に離隔されている。各コラム１１，１３は、その前面に、上下方向に延びるＬＭガイド（リニアモーションガイド）１５，１７を有している。また、一対のコラム１１，１３は、それらの上部の間に、左右方向に延びる連結部材１９を備えている。

　一対のコラム１１，１３は、それらの間に搬送幅方向に延びる、上下方向に移動可能（昇降可能）な鋸刃ハウジング（切断加工ヘッド）２１を備えている。換言すれば、鋸刃ハウジング２１は、一対のコラム１１，１３を介して、上下方向に移動可能に基台３に設けられている。鋸刃ハウジング２１の正面形状は、下側に開いたＵ字形状である。鋸刃ハウジング２１は、その左部後面に、ＬＭガイド１５によって上下方向に案内される複数のＬＭブロック（リニアモーションブロック）２３を有している。鋸刃ハウジング２１は、その右部後面に、ＬＭガイド１７によって上下方向に案内される複数のＬＭブロック２５を有している。鋸刃ハウジング２１は、基台３の適宜位置に設けられた、ハウジング用電動モータ（図示せず）及びボールネジ（図示せず）、又は、ハウジング用油圧シリンダ（図示せず）等によって、上下方向に移動される。

　鋸刃ハウジング２１は、その下側に、帯鋸刃Ｂを巻回された、帯鋸刃Ｂを支持する一対の回転可能な鋸刃ホイール２７，２９を備えている。一対の鋸刃ホイール２７，２９は、搬送幅方向に離隔されている。各鋸刃ホイール２７，２９は倒伏状態にされており、ワークＷの最大切断長は鋸刃ホイール２７，２９の直径によって規定される。特に、本実施形態では、鋸刃ホイール２７，２９は、水平にされている。また、第１鋸刃ホイール２７は、帯鋸刃Ｂに張力を付与するために、鋸刃ハウジング２１の左部に設けられたホイール用油圧シリンダ（図示せず）によって第２鋸刃ホイール２９に対して搬送幅方向に移動可能である（その位置を調節可能）。第２鋸刃ホイール２９のホイール軸（図示せず）は、鋸刃ハウジング２１の右部に設けられたホイール用電動モータ（図示せず）の出力軸（図示せず）に連結されている。すなわち、一対の鋸刃ホイール２７，２９は、ホイール用電動モータによって回転される。なお、各鋸刃ホイール２７，２９は、その直径によってワークＷの最大切断長を規定するように倒伏されていれば、水平でなくてもよい。

　鋸刃ハウジング２１は、その後側に、切断位置ＣＰで帯鋸刃Ｂの歯先がワークＷに対して垂直となるように帯鋸刃Ｂをガイドする一対の鋸刃ガイド３１，３３を備えている。各鋸刃ホイール２７，２９が水平にされているので、一対の鋸刃ガイド３１，３３による帯鋸刃Ｂの捻り角度は０°である。一対の鋸刃ガイド３１，３３は、搬送幅方向に離隔されている。第１鋸刃ガイド３１は、第２鋸刃ガイド３３に対して搬送幅方向に移動可能である（その位置を調節可能）。各鋸刃ガイド３１，３３は、その適宜位置に、帯鋸刃Ｂに切削油（切削液）を供給する切削油供給器[cutting oil supply device]（図示せず）を備えている。切削油供給器は、例えば、日本国特開２００１－５４８１８号公報や日本国特開２００１－１５０２３９号公報等に示される公知の構成を備えている。なお、各鋸刃ホイール２７，２９が傾斜されている（水平でない）場合には、一対の鋸刃ガイド３１，３３による帯鋸刃Ｂの捻り角度は０°でなくてもよい（帯鋸刃Ｂは捻じられていてもよい）。

　支持フレーム７は、その上側に、ワークＷを搬送方向に移動可能に支持する上流搬送テーブル３５を備えている。上流搬送テーブル３５は、搬送方向に間隔を置いて並べられた複数の上流搬送ローラ３７を有している。各上流搬送ローラ３７は、搬送幅方向に平行な軸心周りに自由に回転可能である。

　支持フレーム７は、その上側に、搬送方向に延びる一対のガイド部材（ガイドレール）３９，４１を備えている。一対のガイド部材３９，４１は、それらの上側に、ワークＷを搬送するための搬送バイス４３を備えている。搬送バイス４３は、搬送方向及びその反対方向（前後方向）に移動可能である。換言すれば、搬送バイス４３は、支持フレーム７上の切断位置ＣＰの上流側に、一対のガイド部材３９，４１を介して、搬送方向及びその反対方向に移動可能に設けられている。

　搬送バイス４３は、一対のガイド部材３９，４１によって搬送方向及び搬送幅方向に移動可能に案内される搬送バイスベッド（搬送スライダ）４５を有している。搬送バイスベッド４５は、上側に開いたＵ字形状を有している。搬送バイスベッド４５の一部分は、上流搬送ローラ３７の下側に位置している。搬送バイスベッド４５は、上流搬送テーブル３５と干渉しない。搬送バイスベッド４５（搬送バイス４３）は、支持フレーム７の適宜位置に設けられた、搬送バイス用電動モータ（図示せず）及びボールネジ（図示せず）、又は、搬送バイス用油圧シリンダ（図示せず）等によって、搬送方向に移動される。

　搬送バイスベッド４５は、その上面に、ワークＷを挟持する一対の搬送バイスジョー４７，４９を備えている。一対の搬送バイスジョー４７，４９は、搬送幅方向に対向している。第１搬送バイスジョー４７は、搬送バイスベッド４５の左部に設けられた搬送バイス用油圧シリンダ５１によって第２搬送バイスジョー４９に対して搬送幅方向に移動される。第２搬送バイスジョー４９は、搬送バイスベッド４５の右部に設けられた搬送バイス用油圧ミニシリンダ（図示せず）によって搬送幅方向に僅かに移動される。

　基台３は、切断位置ＣＰの搬送方向のすぐ上流側に、ワークＷを基台３に固定する上流本体バイス５３を備えている。上流本体バイス５３は、切断位置ＣＰのすぐ上流側の基台３の上面に設けられている。上流本体バイス５３は、ワークＷを支持する上流本体バイスベッド（上流加工テーブル）５５を有している。上流本体バイスベッド５５は、その上面に、ワークＷを挟持する一対の上流本体バイスジョー５７，５９を備えている。一対の上流本体バイスジョー５７，５９は、搬送幅方向に対向している。第１上流本体バイスジョー５７は、上流本体バイスベッド５５の左部に設けられた上流本体バイス用油圧シリンダ６１によって第２上流本体バイスジョー５９に対して搬送幅方向に移動される。第２上流本体バイスジョー５９は、上流本体バイスベッド５５の右部に設けられた上流本体バイス用油圧ミニシリンダ（図示せず）によって搬送幅方向に僅かに移動される。

　基台３は、切断位置ＣＰの搬送方向の下流側に、ワークＷを搬送方向に移動可能に支持する下流搬送テーブル６３を備えている。下流搬送テーブル６３は、搬送方向に間隔を置いて並べられた複数の下流搬送ローラ６５を有している。各下流搬送ローラ６５は、搬送幅方向に平行な軸心周りに自由に回転可能である。

　基台３は、切断位置ＣＰの下流側に、搬送方向に延びる一対のガイド部材６７，６９を備えている。一対のガイド部材６７，６９は、それらの上側に、下流本体バイス７１を備えている。下流本体バイス７１は、搬送方向及びその反対方向（前後方向）に移動可能である。換言すれば、下流本体バイス７１は、基台３の上面上の切断位置ＣＰの下流側に、一対のガイド部材６７，６９を介して、搬送方向及びその反対方向へ移動可能に設けられている。

　下流本体バイス７１は、一対のガイド部材６７，６９によって搬送方向及び搬送幅方向に移動可能に案内される下流本体バイスベッド（下流本体スライダ）７３を有している。下流本体バイスベッド７３は、上側に開いたＵ字形状を有している。下流本体バイスベッド７３の一部分は、下流搬送ローラ６５の下側に位置している。下流本体バイスベッド７３は、下流搬送テーブル６３と干渉しない。下流本体バイスベッド７３（下流本体バイス７１）は、基台３の適宜位置に設けられた、下流本体バイス用油圧シリンダ（図示せず）、又は、下流本体バイス用電動モータ（図示せず）及びボールネジ（図示せず）等によって、搬送方向に移動される。

　下流本体バイスベッド７３は、その上面に、ワークＷの製品相当部分Ｗｍ（製品Ｍになる部分）又は端材相当部分（端材[offcut]Ｉになる部分）を挟持する一対の下流本体バイスジョー７５，７７を備えている。一対の下流本体バイスジョー７５，７７は、搬送幅方向に対向している。第１下流本体バイスジョー７５は、下流本体バイスベッド７３の左部に設けられた下流本体バイス用油圧シリンダ７９によって第２下流本体バイスジョー７７に対して搬送幅方向に移動される。第２下流本体バイスジョー７７は、下流本体バイスベッド７３の右部に設けられた下流本体バイス用油圧ミニシリンダ（図示せず）によって搬送幅方向に僅かに移動される。

　基台３は、切断位置ＣＰの下流側に、製品Ｍ及び端材Ｉをオイルパン５の外側（基台３の外側）に搬出する搬出シュータ（搬出テーブル）８１を備えている。搬出シュータ８１は、下流端（出口端）８１ｄが上流端（入口端）８１ｕよりも低くなるように、傾斜されている。上流端８１ｕの高さ位置は、下流搬送テーブル６３の搬送高さ（パスライン）よりも低い。搬出シュータ８１は、その適宜位置に、製品Ｍと端材Ｉとを仕分けるセパレータ８３を備えている。セパレータ８３は、セパレート用油圧揺動シリンダ（図示せず）によって、その基端部側の揺動軸８５周りに揺動可能である。セパレータ８３によって仕分けられた製品Ｍは、基台３の前側に配置された製品ボックス８７に回収され、セパレータ８３によって仕分けられた端材Ｉは、製品ボックス８７に隣接して基台３の前側に配置された端材ボックス８９に回収される。なお、搬出シュータ８１は、傾斜状態で基台３に固定されたが、上流端８１ｕ側の揺動軸（図示せず）周りに揺動されて傾斜されるように構成してもよい。

　本実施形態に係る帯鋸盤１は、次の構成をさらに有している。図１及び図３に示されるように、切断位置ＣＰを走行する帯鋸刃Ｂの加工側走行エリア（走行ライン）Ａ１、及び、切断位置ＣＰから搬送方向に離隔された位置を走行する帯鋸刃Ｂの反加工側走行エリア（走行ライン）Ａ２は、平面視において、オイルパン５の内側に位置している。なお、オイルパン５，９の内側の構成を示すため、図２及び図４にはオイルパン５、９は図示されていない。また、搬出シュータ８１の上流端８１ｕは、一対の鋸刃ホイール２７，２９の回転中心２７ｃ，２９ｃを結ぶホイール中心線ＨＬよりも下流側に位置する。搬出シュータ８１の上流端８１ｕがホイール中心線ＨＬよりも下流側に位置していれば、帯鋸刃Ｂに供給される切削油、及び、切断加工によって生成される切粉が搬出シュータ８１に到達し難くなるからである（このことは試験的に明らかになった）。更に、搬出シュータ８１の下流端８１ｄ側がオイルパン５から外側へ突出されている（下流端８１ｄがオイルパン５の下流端５ｄよりも下流側に位置している）。

　下流本体バイスベッド７３が下流本体バイス用シリンダ等によって搬送方向及びその反対方向に移動されるので、下流本体バイス７１は、ワークＷから切り出された製品Ｍを搬出シュータ８１の上流端８１ｕ側まで搬送する製品搬送機構としても機能する。なお、下流本体バイス７１が製品搬送機構として機能したが、下流搬送ローラ６５をフリーローラから、搬出モータ（搬出アクチュエータ：図示せず）によって回転される駆動ローラに変更してもよい。または、製品Ｍを搬送方向に押し出すプッシャ（図示せず）が用いられてもよい。

　続いて、本実施形態の動作及び効果について説明する。上流搬送テーブル３５にワークＷが搬入され、ワークＷの一部分が一対の搬送バイスジョー４７，４９の間に介在される。次に、搬送バイス用油圧シリンダ５１によって第１搬送バイスジョー４７が右方に移動され、一対の搬送バイスジョー４７，４９によってワークＷが挟持される。そして、搬送バイス用電動モータ（図示せず）等によって搬送バイスベッド４５（搬送バイス４３）が搬送方向に移動される。これにより、ワークＷが搬送方向に搬送され、ワークＷの被切断部Ｗａが切断位置ＣＰに位置決めされる。このとき、ワークＷの一部分は、一対の上流本体バイスジョー５７，５９の間に介在され、ワークＷの製品相当部分Ｗｍは、一対の下流本体バイスジョー７５，７７の間に介在されている。

　ワークＷの被切断部Ｗａが切断位置ＣＰに位置決めされた後、上流本体バイス用油圧シリンダ６１によって第１上流本体バイスジョー５７が右方に移動され、一対の上流本体バイスジョー５７，５９によってワークＷが挟持される。また、下流本体バイス用油圧シリンダ７９によって第１下流本体バイスジョー７５が右方に移動され、一対の下流本体バイスジョー７５，７７によってワークＷの製品相当部分Ｗｍが挟持される。これにより、ワークＷは、基台３に強固に固定される。

　ワークＷが基台３に固定された後、ホイール用電動モータによって一対の鋸刃ホイール２７，２９が回転され、帯鋸刃Ｂが循環走行される。そして、鋸刃ハウジング用電動モータ等によって鋸刃ハウジング２１が下方に移動される。これにより、ワークＷの被切断部Ｗａが切断され、ワークＷから製品Ｍが切り出される。なお、ワークＷの切断中には、切削油供給器によって帯鋸刃Ｂに対して適宜に切削油が供給され、かつ、切粉が生成される。また、ワークＷの先端側の被切断部Ｗａにいわゆる先端切り等を行う場合には、ワークＷから端材Ｉが切り出される。

　ワークＷから製品Ｍが切り出された後、下流本体バイス用シリンダ（図示せず）等によって下流本体バイスベッド７３（下流本体バイス７１）が搬送方向に移動される。これにより、製品Ｍは搬送方向に搬送され、搬出シュータ８１の上流端８１ｕ側まで搬送される。すると、製品Ｍは、その自重によって搬出シュータ８１を通ってオイルパン５の外側（基台３の外側）に搬出される。

　ここで、帯鋸刃Ｂの加工側走行エリアＡ１及び帯鋸刃Ｂの反加工側走行エリアＡ２は、平面視においてオイルパン５の内側に位置している。このため、帯鋸刃Ｂに付着した切削油及び切粉は、オイルパン５の外側（基台３の外側）に直接排出されるのが抑止される。

　また、搬出シュータ８１の上流端８１ｕがホイール中心線ＨＬよりも下流側に位置している。このため、帯鋸刃Ｂに供給される切削油及び切断加工によって生成される切粉は、搬出シュータ８１に到達し難く、搬出シュータ８１を通ってオイルパン５の外側に排出されるのが抑止される。

　従って、本実施形態によれば、製品Ｍは下流本体バイス７１によって搬出シュータ８１の上流端８１ｕ側まで搬送される。これにより、搬出シュータ８１の上流端８１ｕを切断位置ＣＰに位置させたり、上流端８１ｕを切断位置ＣＰに近づけたりすることなく、製品Ｍをオイルパン５の外側に確実に搬出することができる。

　また、本実施形態によれば、帯鋸刃Ｂに付着した切削油及び切粉がオイルパン５の外側に直接排出されたり、切削油及び切粉が搬出シュータ８１を通ってオイルパン５の外側に排出されたりすることを抑止できる。これにより、切削油及び切粉が工場の床面に飛散することを十分に抑制して、作業環境を向上させることができる。

　つまり、本実施形態によれば、製品Ｍをオイルパン５の外側に確実に搬出しつつ、切削油及び切粉が工場の床面に飛散するのを十分に抑制して、作業環境を向上させることができる。

（第２実施形態）
　図５及び図６に示すように、第２実施形態に係る帯鋸盤９１は、倒伏タイプの横型帯鋸盤であり、上記第１実施形態に係る帯鋸盤１（図１～図４参照）とほぼ同様の構成を有している。以下、帯鋸盤１の構成とは異なる、帯鋸盤９１の構成についてのみ説明する。なお、帯鋸盤９１の複数の構成要素のうち、帯鋸盤１の構成要素と同一又は同等の構成要素には同一の符号が付されている。

　帯鋸盤９１は、搬出テーブルとして搬出シュータ８１に加えて、基台３の前側に設けられた搬出ローラコンベア９３も具備している。搬出ローラコンベア９３は、搬送方向に間隔を置いて並べられた複数の駆動ローラ（搬出ローラ）９５を有している。複数の駆動ローラ９５は、搬出モータ（搬出アクチュエータ）９７によって搬送幅方向に平行な軸心周りに回転可能である。

　搬出ローラコンベア９３の上流側部分９３ａは、搬出シュータ８１の上方に位置している。搬出ローラコンベア９３の上流側部分９３ａは、コンベア用油圧揺動シリンダ（図示せず）によって揺動軸９９周りに上下方向に揺動可能（移動可能）である。換言すれば、搬出ローラコンベア９３の上流側部分９３ａは、コンベア用油圧揺動シリンダによって水平状態と傾斜状態とに切り替え可能である。搬出ローラコンベア９３は、その下流端側に、製品Ｍを搬出ローラコンベア９３から外側に搬出するための補助シュータ１０１を備えている。補助シュータ１０１から排出された製品Ｍは、搬出ローラコンベア９３の前側に配置された製品ボックス１０３に回収される。

　続いて、第１実施形態の動作とは異なる、第２実施形態の動作についてのみ説明する。製品Ｍが長い場合等には、コンベア用油圧揺動シリンダによって搬出ローラコンベア９３の上流側部分９３ａを水平状態に設定する。そして、第１実施形態の動作と同様に、ワークＷから製品Ｍが切り出された後、下流本体バイス用シリンダ等によって下流本体バイスベッド７３（下流本体バイス７１）が搬送方向に移動される。これにより、製品Ｍは、搬送方向に搬送され、搬出ローラコンベア９３の上流側部分９３ａまで搬送される。すると、製品Ｍは、搬出ローラコンベア９３（搬出モータ９７）によってオイルパン５の外側（基台３の外側）に搬出される。

　製品Ｍが短い場合等には、コンベア用油圧揺動シリンダによって搬出ローラコンベア９３の上流側部分９３ａを傾斜状態に設定する。そして、第１実施形態の動作と同様に、ワークＷから製品Ｍが切り出された後、下流本体バイス用シリンダ等によって下流本体バイスベッド７３が搬送方向に移動される。これにより、製品Ｍは、搬送方向に搬送され、搬出シュータ８１の上流端８１ｕ側まで搬送される。すると、製品Ｍは、その自重によって搬出シュータ８１を通ってオイルパン５の外側に搬出される。

　第２実施形態によっても、第１実施形態と同様の効果が奏され得る。

　なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、種々改良され得る。例えば、搬出シュータ８１の上流端８１ｕは、帯鋸刃Ｂの反加工側走行エリアＡ２の下流側に位置してもよい。この場合、下流本体バイス７１は、製品Ｍを、反加工側走行エリアＡ２を越えて搬出シュータ８１の上流端８１ｕ側まで搬送する。また、第２実施形態において、搬出シュータ８１を省略して搬出ローラコンベア９３のみを搬出テーブルとして用いてもよい。

　本発明の特徴は以下のように定義することもできる。
　１．無端状の帯鋸刃を循環走行させつつ、搬送方向の切断位置に位置決めされたワークの被切断部を切断する帯鋸盤であって、
　切削液を回収するための切削液溜まりを有する基台と、
　前記基台に設けられた、上下方向に移動可能な鋸刃ハウジングと、
　前記鋸刃ハウジングに設けられた一対の回転可能な鋸刃ホイールであって、前記搬送方向に直交する搬送幅方向に離隔され、倒伏状態で前記帯鋸刃が巻回されて前記帯鋸刃を支持する、前記一対の鋸刃ホイールと、
　前記切断位置で前記帯鋸刃の歯先がワークに対して垂直となるように前記帯鋸刃を案内する鋸刃ガイドと、
　前記基台上の前記切断位置の下流側に設けられ、前記ワークの製品相当部分を挟持する一対の下流本体バイスジョーを有する下流本体バイスと、
　前記ワークから切り出された製品を前記切削液溜まりの外側に搬出するための搬出テーブルと、
　前記製品を前記搬出テーブルの上流端側まで搬送する製品搬送機構と、を備え、
　前記切断位置を走行する前記帯鋸刃の加工側走行エリア、及び、前記切断位置に対して前記搬送方向に離隔された位置を走行する前記帯鋸刃の反加工側走行エリアが、前記切削液溜まりの内側に位置し、
　前記搬出テーブルの上流端が、一対の前記鋸刃ホイールの中心を結ぶホイール中心線よりも下流側に位置している、帯鋸盤。
　２．上記１に記載の帯鋸盤であって、
　前記下流本体バイスが、前記搬送方向に移動可能であり、前記製品搬送機構としても機能する、帯鋸盤。
　３．上記１又は２に記載の帯鋸盤であって、
　前記搬出テーブルが、その下流端がその上流端よりも低くなるように、傾斜されているか、又は、傾斜可能に構成されている、搬出シュータである、帯鋸盤。
　４．上記１又は２に記載の帯鋸盤であって、
　前記搬出テーブルが、前記搬送方向に間隔を置いて並べられた、搬出アクチュエータによって回転可能な駆動ローラを有する搬出ローラコンベアである、帯鋸盤。
　５．上記１又は２に記載の帯鋸盤であって、
　前記搬出テーブルが、その下流端がその上流端よりも低くなるように傾斜された搬出シュータと、前記搬送方向に間隔を置いて並べられた、搬出アクチュエータによって回転される駆動ローラを有する搬出ローラコンベアとを具備し、
　前記搬出ローラコンベアの上流端側の部分が、前記搬出シュータの上側に位置し、かつ上下方向に移動可能である、帯鋸盤。
　６．上記１～５の何れか一項に記載の帯鋸盤であって、
　前記切断位置の上流側に設けられ、ワークを挟持する一対の搬送バイスジョーを有する、前記搬送方向に移動可能な搬送バイスをさらに具備している、帯鋸盤。
　７．上記１～６の何れか一項に記載の帯鋸盤であって、
　前記基台上の前記切断位置のすぐ上流側に設けられ、ワークを挟持する一対の上流本体バイスジョーを有する上流本体バイスをさらに具備している、帯鋸盤。

　日本国特許出願第２０１５－２１０７２１号（２０１５年１０月２７日出願）の全ての内容は、ここに参照されることで本明細書に援用される。本発明の実施形態を参照することで上述のように本発明が説明されたが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、請求の範囲に照らして決定される。

Claims

　無端状の帯鋸刃を走行させつつ、搬送方向の切断位置に位置決めされたワークの被切断部を切断する帯鋸盤であって、
　上側に切削液を回収するための切削液溜まりを有する基台と、
　前記基台に上下方向に移動可能に設けられた鋸刃ハウジングと、
　前記鋸刃ハウジングに回転可能に設けられ、前記搬送方向に直交する搬送幅方向に離隔され、ワークの最大切断長さがホイール径によって規定されるように倒伏状態で前記帯鋸刃が巻回されて前記帯鋸刃を支持する一対の鋸刃ホイールと、
　前記切断位置で前記帯鋸刃の歯先がワークに対して垂直となるように前記帯鋸刃を案内する鋸刃ガイドと、
　前記基台における前記切断位置の下流側に設けられ、ワークの製品相当部分を挟持する一対の下流本体バイスジョーを有する下流本体バイスと、
　製品を前記切削液溜まりの外側に搬出するための搬出テーブルと、を具備し、
　前記切断位置を走行する前記帯鋸刃の加工側走行エリア、及び、前記切断位置に対して前記搬送方向に離隔された位置を走行する前記帯鋸刃の反加工側走行エリアが、平面視において前記切削液溜まりの内側に位置し、
　前記搬出テーブルの上流端が、一対の前記鋸刃ホイールの中心を結ぶホイール中心線よりも下流側に位置し、
　前記帯鋸盤が、ワークから切り出された製品を前記搬出テーブルの上流端側まで搬送する製品搬送機構をさらに具備している、帯鋸盤。
　請求項１に記載の帯鋸盤であって、
　前記下流本体バイスが、前記搬送方向に移動可能であり、前記製品搬送機構としても機能する、帯鋸盤。
　請求項１又は２に記載の帯鋸盤であって、
　前記搬出テーブルが、その下流端がその上流端よりも低くなるように傾斜されているか、又は、傾斜可能に構成されている、搬出シュータである、帯鋸盤。
　請求項１又は２に記載の帯鋸盤であって、
　前記搬出テーブルが、前記搬送方向に間隔を置いて並べられた、搬出アクチュエータによって回転可能な駆動ローラを有する搬出ローラコンベアである、帯鋸盤。
　請求項１又は２に記載の帯鋸盤であって、
　前記搬出テーブルが、その下流端がその上流端よりも低くなるように傾斜された搬出シュータと、前記搬送方向に間隔を置いて並べられた、搬出アクチュエータによって回転可能な駆動ローラを有する搬出ローラコンベアとを具備し、
　前記搬出ローラコンベアの上流端側の部分が、前記搬出シュータの上側に位置し、かつ上下方向に移動可能である、帯鋸盤。
　請求項１～５の何れか一項に記載の帯鋸盤であって、
　前記切断位置の上流側に前記搬送方向に移動可能に設けられ、ワークを挟持する一対の搬送バイスジョーを有する搬送バイスをさらに具備している、帯鋸盤。
　請求項１～６の何れか一項に記載の帯鋸盤であって、
　前記基台上の前記切断位置のすぐ上流側に設けられ、ワークを挟持する一対の上流本体バイスジョーを有する上流本体バイスをさらに具備している、帯鋸盤。