WO2017060991A1 - タンデム型質量分析装置 - Google Patents

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Abstract

分析制御部(5)の制御の下で、質量分析部(2)は、測定対象試料中の目的成分が導入される時間範囲に該目的成分についてのプロダクトイオンスキャン測定を実行するとともに、同じ時間帯に標準成分由来のイオンのm/zを含むm/z範囲のスキャン測定を実行する。質量補正情報算出部(42)は、スキャン測定で得られたMSスペクトル上で観測される標準成分由来のイオンのm/zの実測値と理論値とから質量補正情報を求める。質量補正部(43)は、この質量補正情報を利用して、そのスキャン測定と同じサイクル中に実行されたプロダクトイオンスキャン測定で得られたMS/MSスペクトル上で観測される目的成分由来の各イオンピークのm/zを補正する。同サイクル中のMS測定とMS/MS測定とはほぼ同時に実施されたとみなせるので、内部標準法とほぼ同等の質量補正が行える。

Description

タンデム型質量分析装置
 本発明は、特定の質量電荷比m/zを有するイオンをコリジョンセル内で衝突誘起解離(CID=Collision-Induced Dissociation)等により開裂させ、これにより生成されるプロダクトイオン(フラグメントイオン)の質量分析を行うタンデム型質量分析装置に関する。
 分子量が大きな化合物を同定したりその化学構造を解析したりするために、質量分析の一手法であるMS/MS分析(タンデム分析)は有用な手法であり、様々な分野において近年広く利用されている。MS/MS分析を行う質量分析装置としてよく知られているのは、CIDを行うコリジョンセルを挟んでその前後に四重極マスフィルタを配置した三連四重極型質量分析装置である。また、三連四重極型質量分析装置において後段の四重極マスフィルタを飛行時間型質量分析器に置き換えたいわゆるQ-TOF型質量分析装置は、三連四重極型質量分析装置に比べて構造が複雑で高価であるものの、より精度の高いマススペクトルを取得することができる。本明細書では、コリジョンセルを挟んでその前後にそれぞれ質量分析器を備えた、MS/MS分析が可能である質量分析装置をタンデム型質量分析装置と呼ぶ。
 一般に、飛行時間型質量分析計は四重極型質量分析計に比べて高い精度及び分解能で以てイオンの質量電荷比を求めることができる。そのため、タンパク質やペプチドの同定や定量、構造が類似した多数の成分の一斉分析等、プロダクトイオンの精密な質量測定が要求される分野では、Q-TOF型質量分析装置が広く使用されるようになってきている。一般に、質量分析において目的とするイオンの質量を精密に求める際には、質量電荷比の理論値が既知である成分を含む標準試料の測定結果を利用した質量校正が行われる。
 例えば特許文献1には、イオンを保持可能であるとともに保持したイオンの選択やCIDによる解離操作が可能であるイオントラップと、飛行時間型質量分析器とを組み合わせたイオントラップ飛行時間型質量分析装置(以下、IT-TOFMSと称す)において、高精度の質量校正を行う手法が記載されている。
 このIT-TOFMSでは、測定対象試料由来の各種イオンと標準試料由来のイオンとを共にイオントラップに捕捉したあと、測定対象試料由来の各種イオンの中の特定の質量電荷比を有するイオンと標準試料由来のイオのみをイオントラップ内に残し、他のイオンをイオントラップ内から排除する。そのあと、残された測定対象試料由来のイオンを選択的に励振させることでCIDによる解離を促進させ、測定対象試料由来のプロダクトイオンを生成する。その間、標準試料由来のイオンはイオントラップ内に保持し続ける。そして、測定対象試料由来のプロダクトイオンと標準試料由来のイオンとをイオントラップから排出して飛行時間型質量分析器に導入し、それぞれのイオンの飛行時間を測定する。これによって得られた標準試料由来のイオンの飛行時間又はそれから求めた実測の質量電荷比値に基づいて、測定対象試料由来のプロダクトイオンの質量電荷比を補正する。
 このようにIT-TOFMSでは、標準試料由来のイオンを解離することなくイオントラップ内に保持しながら、測定対象試料由来のイオンのみを選択的に解離させることができるため、測定対象試料由来のプロダクトイオンと標準試料由来の非解離のイオンとを同時に質量分析することができ、それによって高精度の質量補正を行うことができる。これに対し、コリジョンセルを通過する際にイオンを解離させるタンデム型質量分析装置では、測定対象試料由来のプロダクトイオンと標準試料由来の非解離のイオンとを同時に質量分析することはできない。特許文献1にも、Q-TOF型質量分析装置では、上述したIT-TOFMSのような内部標準法による質量校正が不可能であることが記載されている。
特開2005-181236号公報
 IT-TOFMSはnが3以上であるMSn測定が可能であるという利点があるものの、装置が高価であり、またイオントラップに蓄積可能なイオンの量が少ないために測定感度の点で不利である。また、イオントラップにイオンを蓄積するにはイオンクーリングなどの操作を行う必要があり、1回の測定に時間が掛かり、スループットが低い、液体クロマトグラフ(LC)やガスクロマトグラフ(GC)と組み合わせる場合には測定点間隔が長いためにクロマトグラムのピーク波形形状の精度が低いといった問題がある。これに対し、Q-TOF型質量分析装置等のタンデム型質量分析装置は、n=3以上のMSn測定が不要であれば(つまりは、MS2測定までで十分であれば)IT-TOFMSに比べて安価であり、感度は高く、1回の測定時間も短いためにLCやGCと組み合わせた場合においてクロマトグラムのピーク波形形状の精度や再現性が高いという特長がある。
 本発明はこうした点に鑑みて成されたものであり、Q-TOF型質量分析装置や三連四重極型質量分析装置などのタンデム型質量分析装置において、標準試料の測定結果を利用した高い質量補正を可能とすることで、プロダクトイオンの質量の精密測定を行うことをその目的としている。
 上記課題を解決するために成された本発明の第1の態様によるタンデム型質量分析装置は、試料由来のイオンの中で特定の質量電荷比を有するイオンをプリカーサイオンとして選別する第1質量分離部と、該プリカーサイオンを解離させるコリジョンセルと、その解離により生成された各種プロダクトイオンを質量分析する第2質量分離部と、を具備するタンデム型質量分析装置において、
 a)前記コリジョンセル内でイオンを解離させずに前記第1質量分離部又は前記第2質量分離部で所定の質量電荷比範囲に亘る質量走査を実施するスキャン測定と、前記コリジョンセル内でイオンを解離させるとともに前記第2質量分離部で所定の質量電荷比範囲に亘る質量走査を実施するプロダクトイオンスキャン測定と、を少なくとも1回ずつ実行するサイクルを所定の時間範囲に繰り返すべく各部を制御する分析制御部と、
 b)前記分析制御部による制御の下で測定対象試料中の成分についてプロダクトイオンスキャン測定を行うことで得られた該成分由来のプロダクトイオンの質量電荷比を、該プロダクトイオンスキャン測定と同じサイクル中に実施された又は該サイクルの直近の他のスキャン測定で得られた、精密な質量が既知である標準成分由来のイオンの質量電荷比を利用して補正する補正処理部と、
 を備えることを特徴としている。
 本発明に係るタンデム型質量分析装置では、第1質量分離部及び第2質量分離部における質量分離手法は特に限定されないが、典型的には、第1質量分離部として四重極マスフィルタ、第2質量分離部として四重極マスフィルタ又は飛行時間型質量分離器を用いるとよい。また、コリジョンセルにおけるイオンの解離手法も特に限定されないが、一般的には衝突誘起解離が利用される。
 本発明の第1の態様によるタンデム型質量分析装置において、測定対象試料中の成分由来のプロダクトイオンの精密な質量測定を行いたい場合には、精密な質量が既知である標準成分を1又は複数含む標準試料を例えば測定対象試料とともに当該装置に導入する。本タンデム型質量分析装置の前段にLC又はGCを接続し該LC又はGCで成分分離を行う場合には、分離された成分を含む試料に標準試料を加えて本装置に導入するか、或いは、LCやGCで分離された成分を含む試料と並行して標準試料を本装置のイオン源に導入すればよい。これにより、連続的に標準試料を導入することができる。
 本発明の第1の態様によるタンデム型質量分析装置では、例えば分析者によって事前に設定された測定シーケンスに従って各部が制御されることで測定が実行される。そこで、例えば分析者は、標準成分由来のイオンの質量電荷比を含む所定の質量電荷比範囲におけるスキャン測定と、測定対象試料中の目的成分由来のイオンをプリカーサイオンとする所定の質量電荷比範囲におけるプロダクトイオンスキャン測定と、を少なくとも1回ずつ実行するサイクルを所定の時間範囲に繰り返すように制御シーケンスを設定する。こうして設定された制御シーケンスに従って分析制御部が各部を制御することで測定を実行すると、スキャン測定毎に所定の質量電荷比範囲のマススペクトル(MSスペクトル)を構成するデータが得られ、プロダクトイオンスキャン測定毎に所定の質量電荷比範囲のMS/MSスペクトルを構成するデータが得られる。
 或る時点においてプロダクトイオンスキャン測定によってMS/MSスペクトルが得られたとき、そのプロダクトイオンスキャン測定と同じサイクル中に実行された又は該サイクルの直近の別のサイクル中に実行されたスキャン測定によって得られたマススペクトルには、標準成分由来のイオンのピークが観測される筈である。そこで、補正処理部は、このようにスキャン測定で得られたマススペクトル上で観測される標準成分由来のイオンの実測の質量電荷比と既知の正確な質量電荷比(例えば理論値)との差分(ずれ量)を求め、この差分に基づいてMS/MSスペクトル上の各ピーク、つまりは目的成分由来のプロダクトイオンの質量電荷比を補正する。これによって、ほぼ同じ時点で実施された測定の結果を利用してプロダクトイオンの質量電荷比が補正される。もちろん、マススペクトル上で観測される標準成分以外の成分(目的成分を含む)由来のイオンの質量電荷比も、標準成分由来のイオンの質量電荷比を利用して補正することができる。
 標準成分は一つのみであってもよいが、質量電荷比の大小によって質量電荷比のずれ量が変わることがしばしばある。そこで、質量電荷比が相違する複数の標準成分を用い、各標準成分由来のイオンの質量電荷比のずれ量から、質量電荷比とずれ量との近似的な関係を示す計算式等を求めるようにすることが好ましい。この場合、複数の標準成分由来のイオンをカバーするように広い質量電荷比範囲についてのスキャン測定を行ってもよいが、標準成分毎に異なる狭い質量電荷比範囲についての複数のスキャン測定を1回のサイクル中に実施するようにしてもよい。
 本発明の第1の態様によるタンデム型質量分析装置では、或る時点において得られたMS/MSスペクトル上のプロダクトイオンの質量電荷比を補正するのに利用されるスキャン測定(又はマススペクトル)を選択する方法として、幾つかの方法が考えられる。例えば、プロダクトイオンスキャン測定と同じサイクル中に実施されたスキャン測定を自動的に選択する、同じサイクル中であるか異なるサイクル中であるかに拘わらずプロダクトイオンスキャン測定の直前に実施されたスキャン測定を自動的に選択する、といった方法が考えられる。また、プロダクトイオンの質量電荷比を補正するのに利用するスキャン測定を予め分析者つまりはユーザ自身が選択しておくという方法も考えられる。
 さらにまた、上述したように分析者が設定したか否かに拘わらず、測定開始時点から測定終了時点までの測定時間に亘って、所定の質量電荷比範囲に亘るスキャン測定が繰り返し実施されるようにしておき、プロダクトイオンスキャン測定と同じサイクル中に実施された又は該プロダクトイオンスキャン測定の直近に実施されたスキャン測定を自動的に選択するようにしてもよい。
 また上記課題を解決するために成された本発明の第2の態様によるタンデム型質量分析装置は、試料由来のイオンの中で特定の質量電荷比を有するイオンをプリカーサイオンとして選別する第1質量分離部と、該プリカーサイオンを解離させるコリジョンセルと、その解離により生成された各種プロダクトイオンを質量分析する第2質量分離部と、を具備するタンデム型質量分析装置において、
 a)前記コリジョンセル内でイオンを解離させずに前記第1質量分離部又は前記第2質量分離部で所定の質量電荷比範囲に亘る質量走査を実施するスキャン測定を行うべく各部を制御する第1分析制御部と、
 b)前記コリジョンセル内でイオンを解離させるとともに前記第2質量分離部で所定の質量電荷比範囲に亘る質量走査を実施するプロダクトイオンスキャン測定行うべく各部を制御する第2分析制御部と、
 c)前記第2分析制御部による制御の下で、測定開始時点から所定の時間が経過した時点において測定対象試料中の成分についてプロダクトイオンスキャン測定を行うことで得られた該成分由来のプロダクトイオンの質量電荷比を、前記第1分析制御部による制御の下で、測定開始時点から前記所定の時間が経過した時点において精密な質量が既知である標準成分を含む試料についてスキャン測定を行うことで得られた該標準成分由来のイオンの質量電荷比を利用して補正する補正処理部と、
 を備えることを特徴としている。
 本発明の第2の態様によるタンデム型質量分析装置では、第1分析制御部による制御の下でスキャン測定を実行する際には、少なくとも標準成分を1又は複数含む標準試料を当該装置に導入する。一方、第2分析制御部による制御の下でプロダクトイオンスキャン測定を実行する際には、標準試料を当該装置に導入する必要はなく測定対象試料のみを当該装置に導入すればよい。即ち、本発明の第2の態様によるタンデム型質量分析装置では、上記第1の態様によるタンデム型質量分析装置とは異なり、標準試料を測定対象試料とともに当該装置に導入する必要はなく、標準試料に対するスキャン測定と測定対象試料に対するプロダクトイオンスキャン測定とは異なる期間に行われる。
 補正処理部は、測定開始時点から所定の時間が経過した時点において測定対象試料中の成分についてプロダクトイオンスキャン測定を行うことで得られた該成分由来のプロダクトイオンの質量電荷比を補正する際に、測定開始時点から同じ所定の時間が経過した時点において標準試料についてスキャン測定を行うことで得られたマススペクトル上で観測される標準成分由来のイオンの実測の質量電荷比と既知の正確な質量電荷比との差分を求める。そして、この差分に基づいてプロダクトイオンスキャン測定で得られたMS/MSスペクトル上の各ピーク、つまりは目的成分由来のプロダクトイオンの質量電荷比を補正する。この場合には、補正されるMS/MSスペクトルと差分つまりは質量ずれ量を算出するためのマススペクトルとは異なる時点で得られたものであるが、いずれも測定開始時点から同じ時間が経過した時点で得られたものである。したがって、測定開始時点からの時間経過に従って質量ずれ量がドリフトするおそれがある場合でも、そうしたドリフトによる質量ずれ量の変化の影響は抑えられるので、プロダクトイオンの質量電荷比を精度良く求めることが可能である。
 本発明の第1の態様によるタンデム型質量分析装置によれば、測定対象試料中の成分由来のプロダクトイオンについてのプロダクトイオンスキャン測定と実質的にほぼ同時に実施される通常の、つまりはイオン解離を伴わないスキャン測定で得られる標準成分由来のイオンの質量電荷比の実測結果と該イオンの精密な質量とを利用して、測定対象試料中の成分由来のプロダクトイオンの質量電荷比を補正することができる。したがって、実質的に内部標準法とほぼ同等の精度での補正が可能であり、目的成分由来のプロダクトイオンの質量電荷比を高い精度で求めることができる。
 また本発明の第2の態様のタンデム型質量分析装置によれば、測定開始時点からの時間経過に従って質量ずれ量がドリフトするおそれがある場合でも、そうしたドリフトによる質量ずれ量の変化の影響を抑え、目的成分由来のプロダクトイオンの質量電荷比を精度良く求めることができる。
 また特許文献1に記載のように、IT-TOFMSにおいてMS/MSスペクトル上で観測されるプロダクトイオンの質量電荷比を補正する場合には、得られるMS/MSスペクトルに標準成分由来のイオンピークが現れる。これに対し、一般にタンデム型質量分析装置では、測定対象試料とともに標準試料を当該装置に導入しても、MS/MSスペクトルには標準成分由来のイオンピークは観測されない。したがって、本発明の第1の態様によるタンデム型質量分析装置によれば、測定対象試料中の目的成分に由来するプロダクトイオンピークのみが純粋に観測されるMS/MSスペクトルを取得しつつ、該MS/MSスペクトルに現れる目的成分に由来するプロダクトイオンの質量電荷比を高い精度で求めることができる。
本発明に係るタンデム型質量分析装置を用いたLC-MSの第1実施例の要部の構成図。 第1実施例のLC-MSにおけるイベント設定例を示す概略図。 第1実施例のLC-MSにおけるMS/MSスペクトルの質量補正の説明図。 第1実施例のLC-MSにおけるイベント設定の他の例を示す概略図。 第1実施例のLC-MSにおけるイベント設定の他の例を示す概略図。 第1実施例のLC-MSにおけるイベント設定の他の例を示す概略図。 第2実施例のLC-MSにおけるMS/MSスペクトルの質量補正の説明図。
  [第1実施例]
 以下、本発明に係るタンデム型質量分析装置を用いた液体クロマトグラフ質量分析装置(LC-MS)の一実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は本実施例のLC-MSの要部の構成図である。
 LC部1において、送液ポンプ11は移動相容器10から移動用を吸引し一定流速でインジェクタ12へ送る。インジェクタ12において所定のタイミングで移動相中に注入された試料液は移動相の流れによってカラム13に導入され、該試料液に含まれる各種成分はカラム13を通過する間に分離される。ミキサ14ではカラム13の出口から出る溶出液に一定量の標準試料が混合され、この標準試料が混じった溶出液がQ-TOF型質量分析装置である質量分析部2のイオン源に供給される。
 質量分析部2において、チャンバ20の内部には、略大気圧雰囲気であるイオン化室21から高真空雰囲気である第2分析室25まで順に真空度が高くなる、第1中間真空室22、第2中間真空室23、第1分析室24が設けられている。即ち、質量分析部2は多段差動排気系の構成となっている。イオン化室21には、エレクトロスプレイイオン化(ESI)法によるイオン化を行うESIスプレー26がイオン源として設けられ、イオン化室21内と第1中間真空室22内とは加熱される脱溶媒管27を通して連通している。第1中間真空室22及び第2中間真空室23にはそれぞれ、イオンを収束させつつ後段へと輸送するイオンガイド28、30が設置されており、第1中間真空室22と第2中間真空室23とはスキマー29の頂部に穿設された小孔を通して連通している。
 第1分析室24には、第1質量分離部としての四重極マスフィルタ31と、その内部に多重極イオンガイド33が配設されたコリジョンセル32とが設置され、第2分析室25には、第2質量分離部としての直交加速式リフレクトロン型の飛行時間型質量分析器とイオン検出器39が設置されている。直交加速式リフレクトロン型の飛行時間型質量分析器は、直交加速部36と、飛行空間37と反射器38とを含む。コリジョンセル32と直交加速部36との間には、第1、第2分析室24、25を隔てる壁面に形成されたイオン通過孔34を挟んで、イオンガイド35が設けられている。
 分析制御部5は制御シーケンス作成部51及び制御シーケンス記憶部52を含み、LC部1及び質量分析部2に含まれる各部の動作を制御する。イオン検出器39による検出信号が入力されるデータ処理部4は、MSスペクトルデータ収集部40、MS/MSスペクトルデータ収集部41、質量補正情報算出部42、質量補正部43、マススペクトル作成部44を機能ブロックとして含む。また、中央制御部6は、システム全体の統括的な制御及びユーザーインターフェイスを担うものであり、入力部7及び表示部8が接続されている。
 なお、一般に、中央制御部6及びデータ処理部4に含まれる機能の全て又は一部は、パーソナルコンピュータ(又はワークステーション)にインストールされた専用のソフトウエアを該コンピュータ上で実行することにより達成する構成とすることができる。
 質量分析部2においてMS/MS測定を行う際の概略的な動作を説明する。
 LC部1のカラム13からの溶出液がESIスプレー26に導入されると、ESIスプレー26は片寄った電荷を溶出液に付与しつつ該液を噴霧する。帯電した微小液滴は大気ガスと接触して微細化され、溶媒が蒸発する過程で該液滴中の成分がイオン化される。生成されたイオンは脱溶媒管27、イオンガイド28、30を経て、四重極マスフィルタ31に導入される。分析制御部5の制御の下で、四重極マスフィルタ31には特定の質量電荷比を有するイオンのみを通過させるような電圧が印加される。それにより、試料成分由来の様々なイオンの中で、特定の質量電荷比を有するイオンのみがプリカーサイオンとして選択的に四重極マスフィルタ31を通り抜け、コリジョンセル32内に導入される。
 コリジョンセル32の内部にはHe、ArなどのCIDガスが導入されており、プリカーサイオンがCIDガスに接触すると解離してプロダクトイオンが生成される。生成されたプロダクトイオンはイオンガイド35を経て直交加速部36に送り込まれる。直交加速部36は、所定の時間間隔で以てイオン流をその流れに略直交する方向に加速し、飛行空間37に送り出す。送り出されたイオンは反射器38により形成されている電場によって折り返され、最終的にイオン検出器39に到達する。イオン飛行開始時点がほぼ同一である各イオンは飛行中に質量電荷比に応じて分離され、質量電荷比が小さなイオンから順にイオン検出器39に達する。
 したがって、データ処理部4では、直交加速部36でのイオン加速時点(つまりイオン飛行開始時点)を飛行時間ゼロとして、各イオンの飛行時間と信号強度との関係を示す飛行時間スペクトルを得ることができる。質量電荷比と飛行時間との関係は予め求めておくことができるから、その関係に基づいて飛行時間を質量電荷比に換算することにより、飛行時間スペクトルからマススペクトル(MS/MSスペクトル)を求めることができる。直交加速部36においてパルス的にイオンを加速する毎に所定の質量電荷比範囲のマススペクトルを得ることができ、これを所定の時間間隔で繰り返すことで、LC部1から質量分析部2に導入される溶出液中に時間経過に伴って順次含まれる各種成分についてのMS/MSスペクトルをそれぞれ得ることができる。
 質量分析部2では上述したように、試料成分由来の特定のプリカーサイオンに対するMS/MSスペクトルを得ることができるほか、試料成分由来のイオンについてのプリカーサイオン選択を四重極マスフィルタ31で実行せず、コリジョンセル32内にCIDガスを導入しないでイオン解離も行わないようにすることで、通常の飛行時間型質量分析装置と同様のMS測定を実行しマススペクトルを取得することもできる。
 この第1実施例のLC-MSでは、LC部1で時間的に分離された、測定対象試料中の各目的成分についてのMS/MSスペクトルを得ることができるものの、そのMS/MSスペクトルで観測される各イオンの質量電荷比を高い精度で求めるには、標準試料中の標準成分の実測質量電荷比を用いた質量補正を行う必要がある。そこで、以下のような特徴的な質量補正を実施する。
 分析者は測定の実行に先立って、質量分析部2において実施する測定モードとその測定モードにおける測定条件を入力部7から設定する。ここでは、測定モード及びその測定条件をイベントと呼ばれる単位で規定している。図2はイベント設定例を示す概略図である。
 いま、或る時間範囲の間に質量分析部2に導入されると想定される目的成分についてのMS/MS測定を実施したい場合には、その目的成分由来のイオンをプリカーサイオン(m/z=Mp)とした所定の質量電荷比範囲M3~M4に亘るプロダクトイオンスキャン測定(MS/MS測定)を所定の時間範囲t3~t4の間実施するように一つのイベントを設定するとともに、標準成分由来のイオンの質量電荷比を含む所定の質量電荷比範囲M1~M2に亘るスキャン測定(MS測定)を所定の時間範囲t1~t2(ただしt1≦t3、t4≦t2)の間実施するように他のイベントを設定する。この場合、図2に示すように、t3~t4の時間範囲には二つのイベントが重なるが、このように複数のイベントが同じ時間に重なる場合には、その複数のイベントにそれぞれ定められている測定条件に従った測定が一つずつ順に実施されるというサイクルが繰り返される。複数のイベントがそれぞれ1回ずつ実行される一つのサイクルの時間の長さをループタイムという。図2に示した例では、ループタイムtL毎に目的成分についてのMS/MS測定が実行されることになる。制御シーケンス作成部51はこうして事前に設定された測定条件等に基づいて制御シーケンスを作成し、制御シーケンス記憶部52に格納する。
 上述したように、測定が実施されると分析制御部5は制御シーケンス記憶部52に格納されている制御シーケンスに従って各部の動作を制御する。したがって、図2に示したt3~t4の時間範囲では、質量電荷比範囲M1~M2に亘るMSスペクトルを構成するデータと、質量電荷比範囲M3~M4に亘るMS/MSスペクトルを構成するデータとが交互に得られる。データ処理部4において、MSスペクトルデータ収集部40はMSスペクトルを構成するデータを収集して内部のメモリに格納し、MS/MSスペクトルデータ収集部41はMS/MSスペクトルを構成するデータを収集して内部のメモリに格納する。標準試料はほぼ連続的に質量分析部2に導入されるから、繰り返し得られる各MSスペクトルには標準成分由来のイオンピークが現れる。
 図3はMS/MSスペクトルの質量補正の説明図であり、(a)はt3~t4の時間範囲内の或る時点で得られるMSスペクトル、(b)は同じ時点で(同じサイクル中に)得られるMS/MSスペクトルである。
 ここでは、図3(a)に示すように、標準成分が2種類であって、該成分由来のイオンの質量電荷比の理論値はMa、Mb、その実測値はMa'、Mb'であったものとする。つまり、一つの標準成分については質量ずれMa-Ma'=ΔMaが存在し、他の一つの標準成分については質量ずれMb-Mb'=ΔMbが存在している。質量補正情報算出部42はMSスペクトル上で観測される質量電荷比の実測値と既知の質量電荷比の理論値との差をMSスペクトル毎に計算し、これを質量補正情報として一時的に記憶する。
 質量補正部43は、MSスペクトル上で観測される標準成分由来のイオン以外の他のイオンピークについて、そのMSスペクトル上の標準成分由来のイオンから得られた質量補正情報を用いて質量電荷比を補正する。例えば、二つの標準成分における質量ずれ量の平均値((ΔMa+ΔMb)/2)を用いて各イオンピークの質量電荷比を補正することができる。また、二つの標準成分における質量電荷比と質量ずれ量との関係を用いて、質量電荷比と質量ずれ量との関係を直線的に近似した補正直線を求め、この補正直線を利用して各イオンピークの質量電荷比における質量ずれ量を算出し、該質量ずれ量を用いて質量電荷比を補正してもよい。これは、実際に同時に測定した結果を用いた補正であるから、内部標準法による質量校正である。
 一方、通常、MS/MSスペクトル上には、標準成分由来のイオンピークは観測されない。そこで、質量補正部43は、MS/MSスペクトル上で観測される目的成分由来のプロダクトイオンピークについて、そのMS/MSスペクトルが得られたMS/MS測定と同じサイクル中に実施されたMS測定で得られたMSスペクトル上の標準成分由来のイオンから得られた質量補正情報を用いて質量電荷比を補正する。このとき、上述したように、複数の標準成分が利用された場合には、その複数の標準成分における質量ずれ量の平均値を用いて各プロダクトイオンピークの質量電荷比を補正してもよいし、質量電荷比と質量ずれ量との関係を直線的又は曲線的に近似した補正線を求め、この補正線を利用して各プロダクトイオンピークの質量電荷比における質量ずれ量を算出し、該質量ずれ量を用いて質量電荷比を補正してもよい。図2に示したように、厳密にいえば、MS測定とMS/MS測定とは同時に実行されていないが、同じサイクル中でMS測定とMS/MS測定とが実行される時間は極めて近接しており、実質的に同時であるとみなすことができる。したがって、内部標準法による質量校正と同程度の精度で質量校正が可能である。
 マススペクトル作成部44は上述したように標準成分の測定結果を利用して質量ずれが補正されたあとのデータを利用して、MSスペクトル及びMS/MSスペクトルを作成し、表示部8の画面上に表示する。これによって、本実施例のLC-MSでは、高い精度で以て質量ずれが補正されたMSスペクトル及びMS/MSスペクトルを分析者に提示することができる。
 図2に示した例では二つのイベントが同じ時間帯に重なっていたが、三以上のイベントを同じ時間帯に重なるように設定することもできる。例えば質量電荷比範囲が異なるスキャン測定が同じ時間帯に実施されたり、プリカーサイオンの質量電荷比及び走査する質量電荷比範囲がそれぞれ異なるプロダクトイオンスキャン測定が同じ時間帯に実施されたりすることもある。
 図4はイベント設定の他の例を示す概略図であり、左には各イベントを時間軸上に、右には各イベントをm/z軸上に示している。この例では、t1~t2の時間範囲に二つのスキャン測定(MS測定)と三つのプロダクトイオンスキャン測定(MS/MS測定)とが重なっており、一つのサイクル中に五つのイベントが存在する。したがって、或る一つのMS/MSスペクトル上で観測されるプロダクトイオンピークの質量電荷比を補正するために二つのMSスペクトルが利用可能であるが、質量補正部43は、MS/MSスペクトル上で観測されるプロダクトイオンピークの質量電荷比を補正する際に、そのMS/MSスペクトルが得られたMS/MS測定の直前に実施されたMS測定で得られたMSスペクトル上の標準成分由来のイオンに基づいて求まった質量補正情報を用いる。
 例えば図4に示した例の場合、t1~t2の時間範囲において図4中の五つのイベントが上から順に1サイクル中で実行されるとすると、MS/MS測定(1)として示したイベントで得られたMS/MSスペクトル上で観測されるプロダクトイオンピークの質量電荷比の補正には、MS測定(1)として示したイベントで得られたMSスペクトル上で観測された標準成分由来のイオンに基づいて求まった質量補正情報が用いられる。また、MS/MS測定(2)及びMS/MS測定(3)として示したイベントでそれぞれ得られたMS/MSスペクトル上で観測されるプロダクトイオンピークの質量電荷比の補正には、いずれも、MS測定(2)として示したイベントで得られたMSスペクトル上で観測された標準成分由来のイオンに基づいて求まった質量補正情報が用いられる。このようにして、一つのサイクル中で多数の測定が実施される場合でも、実質的に同時に実行されたとみなせるMS測定の結果を用いてMS/MS測定結果の質量ずれを補正することができるので、内部標準法による質量校正と同程度の精度で以て質量校正が可能である。
 また図2、図4に示した例では、MS/MSスペクトル上で観測されるプロダクトイオンピークの質量電荷比の補正に利用される質量補正情報を算出するためのMSスペクトルは自動的に選択されるようになっていたが、このMSスペクトルを分析者が手動で選択できるようにしてもよい。図5はこうした場合におけるイベント設定の例を示す概略図である。この例では、一つの標準成分由来のイオンの質量電荷比を含む低質量電荷比範囲のスキャン測定と別の標準成分由来のイオンの質量電荷比を含む高質量電荷比範囲のスキャン測定との二つのMS測定(図5中にMS測定(選択1)及びMS測定(選択2)として示したイベント)を、質量補正情報を求めるMSスペクトルを取得するMS測定として予め分析者が指定しておく。この指定は例えばイベントの設定時に行えばよい。
 こうした指定が行われた場合には、質量補正情報算出部42は、この二つのMS測定によって得られるMSスペクトル上で観測される標準成分由来のイオンの質量電荷比に基づいて質量補正情報を算出する。そして、質量補正部43は、この質量補正情報を、これら二つのMSスペクトル上の標準成分以外のイオンピークのみならず、同じ時間帯に重なって設定されている別のMS測定(図5中にMS測定(非選択)として示したイベント)で得られたMSスペクトル上の各イオンピークの質量ずれの補正にも利用する。さらにまた、同じ質量補正情報を、同じサイクル中の二つのMS/MS測定で得られたMS/MSスペクトル上の目的成分由来のプロダクトイオンピークの質量ずれの補正にも利用する。
 また、上記各例ではいずれも、質量補正情報の算出に利用されるMSスペクトルを得るためのMS測定のイベントを分析者自身が設定する必要があったが、こうした手間を省けるようにしてもよい。具体的には、制御シーケンス作成部51は、分析者が自由に設定するイベントとは別に、標準成分由来のイオンの質量電荷比を含む所定の質量電荷比範囲のスキャン測定(MS測定)を測定時間全体に亘って繰り返し実行するようなイベントを自動的に設定したうえで制御シーケンスを作成する。図6はこうした場合におけるイベント設定の例を示す概略図である。図6において「MS測定(自動)」として示したイベントが、分析者の設定なしに自動的に設定されるMS測定のためのイベントである。
 質量補正情報算出部42は、各サイクルにおいて、上述した自動的に実施されるMS測定によって得られるMSスペクトル上で観測される標準成分由来のイオンの質量電荷比に基づいて質量補正情報を算出する。そして、質量補正部43は、この質量補正情報を、そのサイクル中に実施された全てのMS測定及びMS/MS測定で得られたMSスペクトル及びMS/MSスペクトル上の各イオンピークの質量ずれの補正に利用する。
  [第2実施例]
 次に、本発明に係るタンデム型質量分析装置を用いた第2実施例のLC-MSについて、図7を参照して説明する。この第2実施例のLC-MSの基本的な構成は第1実施例と同様であるので詳しい説明を省略する。ただし、この第2実施例のLC-MSでは、カラム13から溶出する溶出液に標準試料を混合せず、その代わりに、溶出液又は標準試料のいずれかを選択的に質量分析部2に導入する。したがって、図1に示した構成図におけるミキサ14に代えて流路切り替え用のバルブが設けられる。
 図7は第2実施例のLC-MSにおけるMS/MSスペクトルの質量補正の説明図である。この第2実施例のLC-MSでは、分析制御部5の制御の下で、上述したバルブの切り替えによって標準試料を選択的に質量分析部2に導入し、質量分析部2では所定の質量電荷比範囲のスキャン測定を繰り返し実行する。後述する測定対象試料に対する測定実行時間と同じ時間だけスキャン測定を継続し、MSスペクトルデータ収集部40は各スキャン測定で得られたMSスペクトルデータを記憶する。次いで、分析制御部5の制御の下で、インジェクタ12から移動相中に測定対象試料を注入し、該測定対象試料に含まれる各種成分をカラム13で分離して質量分析部2に導入する。なお、測定対象試料についての測定に先だって分析者は、測定対象試料中の目的成分についてのMS/MS測定が行われるように適宜イベントを設定しておき、それに基づいて作成される制御シーケンスに従って分析制御部5は各部を制御する。
 測定対象試料に対するLC/MS測定によって、目的成分の溶出時間の付近で該成分由来の特定の質量電荷比を有するイオンをプリカーサイオンとしたプロダクトイオンスキャン測定が繰り返される。MS/MSスペクトルデータ収集部41はプロダクトイオンスキャン測定によって得られたMS/MSスペクトルデータを記憶する。図7(b)に示すように、いま或る目的成分が保持時間t2付近に現れるものとする。保持時間t2付近で得られた目的成分由来のプロダクトイオンピークが観測されるMS/MSスペクトル上の各ピークの質量を補正したい場合、質量補正情報算出部42は、そのMS/MSスペクトルが得られた時間と測定開始時点からの経過時間が同じであるMSスペクトルを呼び出す(図7(a)参照)。そのMSスペクトルには標準成分由来のイオンピークが存在するから、そのイオンピークの質量電荷比の実測値とその理論値とから質量補正情報を求める。補正処理部43は算出された質量補正情報を利用して、上記MS/MSスペクトル上の各イオンピークの質量電荷比を補正する。
 この場合、MS/MSスペクトルと該スペクトル上のイオンピークの質量補正に利用される質量補正情報が算出されたMSスペクトルとは同じ時刻に得られたものではない。しかしながら、標準試料に対する測定と測定対象試料に対する測定という2回の測定において、測定開始時点からの経過時間が同じである時点で得られたMSスペクトルが、MS/MSスペクトル上のイオンピークの質量補正に利用される質量補正情報の算出に用いられる。一般に、質量分析部2で得られるマススペクトル上のピークは測定開始時点から時間が経過するに伴い徐々にずれるから、2回の測定において経過時間が同じであるMSスペクトルとMS/MSスペクトルとで、ピークの質量電荷比方向のずれ量は同程度であるとみなすことができる。したがって、この第2実施例のLC-MSにおける質量補正は、内部標準法やそれに準じた方法ではないものの、高い精度で以て質量電荷比を得ることができる。
 なお、上記実施例におけるタンデム型質量分析装置は、Q-TOF型質量分析装置であるが、本発明は三連四重極型質量分析装置にも適用可能である。
 また、上記実施例や変形例はいずれも本発明の一例であるから、上記記載以外にも、本発明の趣旨の範囲で適宜に変形、追加、修正を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは明らかである。
 例えば、図1に示した第1実施例のLC-MSの構成では、標準試料をミキサ14により溶出液に混入するようにしていたが、二つのESIスプレー26を設け、その一方にカラム13からの溶出液を、他方に標準試料を供給し、両ESIスプレー26から噴霧されることで生成されたイオンを併せて第1中間真空室22以降へ送るようにしてもよい。この構成では、両ESIスプレー26から同時に試料液を噴霧してイオン化を行うことで、溶出液中の成分由来のイオンと標準試料由来のイオンとを同時に分析することができる。また、二つのESIスプレー26からの試料液の噴霧を選択的に行うことで、上記第2実施例のLC-MSで行われているように、溶出液中の成分由来のイオンの分析と標準試料由来のイオンの分析とを選択的に行うことができる。
1…LC部
10…移動相容器
11…送液ポンプ
12…インジェクタ
13…カラム
14…ミキサ
2…質量分析部
20…チャンバ
21…イオン化室
22…第1中間真空室
23…第2中間真空室
24…第1分析室
25…第2分析室
26…ESIスプレー
27…脱溶媒管
28…イオンガイド
29…スキマー
31…四重極マスフィルタ
32…コリジョンセル
33…多重極イオンガイド
34…イオン通過孔
35…イオンガイド
36…直交加速部
37…飛行空間
38…反射器
39…イオン検出器
4…データ処理部
40…MSスペクトルデータ収集部
41…MS/MSスペクトルデータ収集部
42…質量補正情報算出部
43…質量補正部
44…マススペクトル作成部
5…分析制御部
51…制御シーケンス作成部
52…制御シーケンス記憶部
6…中央制御部
7…入力部
8…表示部

Claims (6)

  1.  試料由来のイオンの中で特定の質量電荷比を有するイオンをプリカーサイオンとして選別する第1質量分離部と、該プリカーサイオンを解離させるコリジョンセルと、その解離により生成された各種プロダクトイオンを質量分析する第2質量分離部と、を具備するタンデム型質量分析装置において、
     a)前記コリジョンセル内でイオンを解離させずに前記第1質量分離部又は前記第2質量分離部で所定の質量電荷比範囲に亘る質量走査を実施するスキャン測定と、前記コリジョンセル内でイオンを解離させるとともに前記第2質量分離部で所定の質量電荷比範囲に亘る質量走査を実施するプロダクトイオンスキャン測定と、を少なくとも1回ずつ実行するサイクルを所定の時間範囲に繰り返すべく各部を制御する分析制御部と、
     b)測定対象試料中の成分についてプロダクトイオンスキャン測定を行うことで得られた該成分由来のプロダクトイオンの質量電荷比を、該プロダクトイオンスキャン測定と同じサイクル中に実施された又は該サイクルの直近の他のスキャン測定で得られた、精密な質量が既知である標準成分由来のイオンの質量電荷比を利用して補正する補正処理部と、
     を備えることを特徴とするタンデム型質量分析装置。
  2.  請求項1に記載のタンデム型質量分析装置であって、
     前記補正処理部は、測定対象試料中の成分由来のプロダクトイオンの質量電荷比の補正を、プロダクトイオンスキャン測定と同じサイクル中に実施されたスキャン測定で得られた標準成分由来のイオンの質量電荷比を利用して行うことを特徴とするタンデム型質量分析装置。
  3.  請求項1に記載のタンデム型質量分析装置であって、
     前記補正処理部は、測定対象試料中の成分由来のプロダクトイオンの質量電荷比の補正を、プロダクトイオンスキャン測定の直前に実施されたスキャン測定で得られた標準成分由来のイオンの質量電荷比を利用して行うことを特徴とするタンデム型質量分析装置。
  4.  請求項1に記載のタンデム型質量分析装置であって、
     前記補正処理部は、測定対象試料中の成分由来のプロダクトイオンの質量電荷比の補正を、分析者によって指定されたスキャン測定で得られた標準成分由来のイオンの質量電荷比を利用して行うことを特徴とするタンデム型質量分析装置。
  5.  請求項1に記載のタンデム型質量分析装置であって、
     前記補正処理部は、測定対象試料中の成分由来のプロダクトイオンの質量電荷比の補正を、測定開始時点から測定終了時点までの測定時間に亘って所定の質量電荷比範囲に亘り繰り返し実施されたスキャン測定の中で、プロダクトイオンスキャン測定と同じサイクル中に実施された又は該プロダクトイオンスキャン測定の直近に実施されたスキャン測定で得られた標準成分由来のイオンの質量電荷比を利用して行うことを特徴とするタンデム型質量分析装置。
  6.  試料由来のイオンの中で特定の質量電荷比を有するイオンをプリカーサイオンとして選別する第1質量分離部と、該プリカーサイオンを解離させるコリジョンセルと、その解離により生成された各種プロダクトイオンを質量分析する第2質量分離部と、を具備するタンデム型質量分析装置において、
     a)前記コリジョンセル内でイオンを解離させずに前記第1質量分離部又は前記第2質量分離部で所定の質量電荷比範囲に亘る質量走査を実施するスキャン測定を行うべく各部を制御する第1分析制御部と、
     b)前記コリジョンセル内でイオンを解離させるとともに前記第2質量分離部で所定の質量電荷比範囲に亘る質量走査を実施するプロダクトイオンスキャン測定行うべく各部を制御する第2分析制御部と、
     c)前記第2分析制御部による制御の下で、測定開始時点から所定の時間が経過した時点において測定対象試料中の成分についてプロダクトイオンスキャン測定を行うことで得られた該成分由来のプロダクトイオンの質量電荷比を、前記第1分析制御部による制御の下で、測定開始時点から前記所定の時間が経過した時点において精密な質量が既知である標準成分を含む試料についてスキャン測定を行うことで得られた該標準成分由来のイオンの質量電荷比を利用して補正する補正処理部と、
     を備えることを特徴とするタンデム型質量分析装置。
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