WO2017047413A1 - 収穫機および普通型コンバイン - Google Patents

Abstract

運転部を覆うキャビンを簡単な対策で強固に支持できる収穫機を提供する。運転部３を覆う状態で運転部３に連結されたキャビン４が備えられている。運転部３の後方において機体フレーム１から立設された支柱６５が備えられている。キャビン４の後壁部５０が支柱６５に支持されている。

Description

収穫機および普通型コンバイン

　本発明は、収穫機および普通型コンバインに関する。

［１］
　上記した収穫機として、例えば、特許文献１に示されるコンバインがある。このコンバインでは、キャビンは、フロントガラスを有した前壁部、引違い式の窓部を有した左側部、ドアを有した右側部、固定式の窓部を有した後壁部、ルーフ部を備えている（例えば、特許文献１参照）。

［２］
　上記した普通型コンバインは、機体前部の刈取部にて刈り取られた刈取穀稈の全部をフィーダにより機体後方の脱穀装置に搬送して脱穀処理を行うようになっている。脱穀処理により得られた穀粒は脱穀装置と横並び状態で備えられた穀粒貯留部に貯留され、脱穀処理にて発生する排ワラ屑等が脱穀装置の後方から外部に排出される。運転部は、フィーダと横並び状態で設けられ、運転部とフィーダとの間の隙間等から、刈幅のうちの一部の領域において、刈取部の刈取状況を運転部にて運転操作している運転者が目視できるようになっている（例えば、特許文献２参照）。

特開２０１５－１２３７８９号公報 特開２０１３－１２８４６６号公報

［１］
　背景技術［１］に対応する課題は、以下の通りである。

　従来、一般に、キャビンは、前壁部が運転部の床部に連結されるなど、運転部に連結されて、運転部だけに支持されている。

　本発明は、キャビンを簡単な対策で強固に支持できる収穫機を提供する。

［２］
　背景技術［２］に対応する課題は、以下の通りである。

　普通型コンバインでは、運転者は刈取部の刈取状況のうち一部の領域では目視により確認することは可能であるが、刈幅全体の刈取状況については確認し難いものとなっていた。そこで、運転者から機体の後方の状況を視認することができれば、刈取部による刈跡の状況、及び、脱穀装置から排出される排出物の状況等を確認することができる。つまり、刈取部による刈跡の状況から刈残し等が発生しているか否かを判別することができ、排出物の状況からワラ屑内に土や小石等が混入しているか否かを判別することができる。

　説明を加えると、例えば、メンテナンス作業の際に点検修理の対象である部品が適切に装着できていなければ、不具合箇所が良好に作動せずに刈取作業が良好に行えないおそれがある。機体走行速度と刈取部による刈取速度との速度バランスの設定が不適切であれば、刈幅範囲内において、刈取作業が良好に行えずに圃場に全部あるいは一部の植立穀稈について刈残しが発生する場合がある。刈取部による植立穀稈に対する設定刈高さが低過ぎると、刈取装置が圃場面を削り取って刈取穀稈に土や小石等が混入するおそれがある。

　運転者が、運転部において運転操作を継続しながら、機体の後方の状況を確認することができれば、上述したような不適切な作業状態を即座に判別することが可能となる。しかし、上記従来構成では、運転部において運転操作を行う運転者は、機体の後方の状況を視認し難いものになっていた。運転部にキャビンを備える構成であれば、特に、機体の後方の状況の確認は難しい。

　そこで、機体の後方を撮影する撮像装置（カメラ）を設けて、撮像装置にて撮影した画像等によって機体の後方の状況を確認することが考えられる。その場合、機体の後方の状況を適切に撮影できるようにすることが望まれる。

［１］
　課題［１］に対応する解決手段は、以下の通りである。

　本発明による収穫機は、
　機体フレームと、
　前記機体フレームに載置支持された運転部と、
　前記運転部を覆う状態で前記運転部に連結されたキャビンと、
　前記運転部の後方において前記機体フレームから立設された支柱と、が備えられ、
　前記キャビンの後壁部が、前記支柱に支持されている。

　本構成によると、キャビンが運転部に連結されて支持されるのみならず、後壁部が支柱を介して機体フレームに支持される。

　従って、支柱を付加して支柱と後壁とを連結する簡単な構造の支持構造を付加するだけの簡単な対策でキャビンを強固に支持させられる。

　本発明においては、前記後壁部の下部に、機体後方へ延びるステーが取り付けられ、
　前記ステーの遊端部が前記支柱に連結されていると好適である。

　本構成によれば、ステーが機体後方へ延出している分、支柱を後壁部から後方へ離して位置させて支柱の周辺に空間を確保し、その空間を部材の配置に利用できる。

　本発明においては、前記後壁部に後窓が備えられ、前記後壁部における前記後窓よりも下方箇所が、前記支柱に支持されていると好適である。

　本構成によれば、支柱を後窓よりも下方に位置させ、後窓から後方を見るとき、支柱が障害物になり難いようにできる。

　本発明においては、一つの前記支柱が備えられ、前記後壁部における左右方向中央部が前記支柱に支持されていると好適である。

　本構成によれば、キャビンの後側を一つの支柱で支持させるのに、キャビンの左右重量をバランスさせ易い状態で支持させられる。

　本発明においては、前記運転部において、運転座席の前方に操縦塔が備えられると共に、操縦関連機器が配設されたサイドパネルと乗降口とが前記運転座席を挟んで左右に振り分けて備えられ、前記キャビンの左右両側壁部のうち前記乗降口側の側壁部において前部に位置する前外側縦フレームが前記操縦塔と連結され、前記キャビンの左右両側壁部のうち前記サイドパネル側の側壁部が前記サイドパネルに載置された状態で前記サイドパネルに連結されていると好適である。

　本構成によれば、キャビンの左右側のうちのサイドパネル側を支持させるのに、サイドパネルを支持部材に活用した簡単な支持構造によってでき、キャビンの左右側のうちの乗降口側を支持させるのに、操縦塔を支持部材に活用した簡単な支持構造によってできる。

　本発明においては、前記キャビンの屋根部に、前記キャビンの内部空間を空調する空調装置が内装され、前記支柱に、前記空調装置の補機が支持されていると好適である。

　本構成によれば、支柱を支持部材に活用した簡単な支持構造で補機を支持できる。

　本発明においては、前記キャビンの左右両側壁部のうち乗降口側の側壁部において前部に位置する前外側縦フレームにブラケットが連結され、前記ブラケットの遊端部にバックミラーが支持されていると好適である。

　本構成によれば、前外側縦フレームを支持部材に活用した簡単な支持構造でバックミラーを支持できる。

　本発明においては、前記運転部において、操縦関連機器が配設されたサイドパネルと乗降口とが運転座席を挟んで左右に振り分けて備えられ、前記キャビンの左右両側壁部のうち前記サイドパネル側の側壁部に、上下方向に沿った軸芯周りに開閉揺動する片開き式の側窓が備えられ、前記側窓は、前記サイドパネル側の前記側壁部において前部に位置する前内側縦フレームと後端部に位置する後内側縦フレームとに亘る状態で設けられ、前記側窓の前端部にヒンジが備えられ、前記側窓は前端部側を中心として開閉揺動すると好適である。

　本構成によれば、側窓が、前内側縦フレームと後内側縦フレームとに亘る程度に大きく、かつ、片開き式であるため、側壁部に形成された幅の大きな開口の略全てを、側窓の有効開口とすることができる。これにより、運転者が側窓から大きく身を乗り出すことができ、キャビンから遠く離れた操作部にも手が届き易く、操作部の操作性が向上する。
　また、乗降ドアが開かないという不測の事態に、側窓から出入りすることも可能である。
　また、側窓の後端部側が開くため、側窓を開いても前進走行中に側窓から塵埃がキャビン内に入り込み難い。

　本発明においては、前記ヒンジは、前記前内側縦フレームに取付けられ、前記側窓を閉じた状態にロック可能なロック装置が、前記側窓の後端部と前記後内側縦フレームとに亘って取り付けられていると好適である。

　本構成によれば、側窓が閉じた状態にロック装置によってロックされることにより、側窓を閉じた状態に維持することができる。また、ロック装置を安定した後内側縦フレームにしっかりと支持させることができる。

　本発明においては、前記前内側縦フレームと前記後内側縦フレームとに亘って設けられると共に、前記側窓によって塞がれる開口が形成された板状部材が備えられ、前記側窓を閉じた状態において、前記側窓の外周部が、前記板状部材における前記開口の外周部に前記キャビンの外側から密着して、前記開口が前記側窓によって塞がれると好適である。

　本構成によれば、側窓によって塞がれる開口が、加工の簡単な板状部材に形成されるものであるため、側窓の形状の設定の自由度が高くなる。

［２］
　課題［２］に対応する解決手段は、以下の通りである。

　本発明に係る普通型コンバインの特徴構成は、
　植立穀稈を刈り取る刈取部と、前記刈取部にて刈り取られた刈取穀稈を機体後方に搬送するフィーダと、前記フィーダと機体横幅方向に並ぶ状態で位置する運転部と、前記フィーダにて搬送された刈取穀稈の全部が投入されて脱穀処理を行う脱穀装置と、前記運転部の機体後方側において前記脱穀装置と機体横幅方向に並ぶ状態で位置する穀粒貯留部と、機体後方を撮影する撮像装置とを備え、
　前記撮像装置は、機体横幅方向で前記刈取部の刈幅中央位置と前記脱穀装置の横幅中央位置との間において、機体後部における前記脱穀装置の排出口よりも上側の位置に備えられている点にある。

　本発明によれば、撮像装置によって機体の後方の状況を撮影し、その撮像情報を別途用意した表示装置により表示することで、運転者は、運転操作を続けながら機体の後方の状況を確認することができる。

　ところで、撮像装置が、機体前後方向視で刈取部の刈幅方向中央位置に対して脱穀装置とは反対側に寄った位置に設けられると、撮像装置が排出口から横方向に位置ずれして、脱穀装置から排出される排出物の状況を適切に撮影することができないおそれがある。一方、撮像装置が、機体前後方向視で脱穀装置の横幅方向中央位置に対して刈幅方向中央位置とは反対側に寄った位置に設けられると、刈跡の状況を刈幅範囲の略全幅にわたって良好に撮影することができないおそれがある。

　そこで、撮像装置を、機体前後方向視で刈取部の刈幅方向中央位置と脱穀装置の横幅方向中央位置との間に位置する箇所に備えるようにした。そのようにすることで、刈取部にて刈り取りが行われた後の刈跡の状況を刈幅範囲の略全幅にわたって撮影することが可能となる。しかも、撮像装置は、機体後部における脱穀装置の排出口よりも上側に位置する箇所に備えられるので、撮像装置が排出口に対して横幅方向に沿う適切な位置で撮影することができ、且つ排出状態を確認し易い。その結果、脱穀装置の排出口から排出される排出物の状況を横方向の略全幅にわたって撮影することが可能である。

　従って、機体の後方の状況を撮像装置にて適切に撮影することができ、運転者が、運転操作を継続しながら正確な機体の後方の状況を確認することが可能となった。

　本発明においては、前記撮像装置は、機体後方側の圃場面及び前記排出口から排出される排出物を撮影すると好適である。

　本構成によれば、撮像装置は、機体後方側の圃場面を撮影することができるので、運転者はその撮像装置の撮像情報から、刈取部にて刈り取りが行われた後の刈跡の状況を確認することができる。例えば、刈残しが発生していれば、刈取装置の作動状態の点検を行ったり、機体走行速度と刈取速度との速度バランスを調整する等の対策を取ることができる。

　さらに、撮像装置は、排出口から排出される排出物を撮影することができるので、運転者はその撮像装置の撮像情報から、排出物の状況を確認することができる。例えば、排出物に排ワラ屑の他に多量の土や小石等が含まれている場合には、刈取部による植立穀稈に対する設定刈高さを高めに設定する等の対策を取ることができる。

　本発明においては、
　前記排出口が設けられると共に前記脱穀装置にて発生する排ワラ屑を前記排出物として前記排出口から外部に排出する排出処理部が備えられ、
　前記排出処理部は、前記脱穀装置における機体後端部の上部よりも機体後方側に向けて突出する状態で、前記脱穀装置における機体後端部の下部に位置しており、
　前記撮像装置は、前記排出処理部の直上方の空間に備えられていると好適である。

　本構成によれば、排出処理部は、脱穀装置にて発生する排ワラ屑を排出口から外部に排出する。撮像装置は、排出処理部の直上方の空間に備えられるので、排出処理部から排出される排出物を上方側の近い位置から良好に撮影することができる。

　本発明においては、前記撮像装置は、前記脱穀装置における機体後端部の上部の直後方の空間に備えられていると好適である。

　本構成によれば、撮像装置は、脱穀装置の機体後端部の直後方の空間に備えられるので、脱穀装置における機体後端部の高い位置から機体後方を良好に撮影することができる。

　本発明においては、前記撮像装置は、前記脱穀装置の後部フレームに支持されていると好適である。

　本構成によれば、撮像装置を剛性の高い脱穀装置の後部フレームにて安定的に支持することができる。その結果、機体走行に伴う機体振動等によって撮像装置が位置ずれを起こして適切な撮影が行えなくなる等の不利がなく、長期にわたり撮影を良好に行うことが可能となる。

　本発明においては、前記後部フレームを機体後方側から覆うカバーが備えられ、前記撮像装置は、前記カバーよりも機体後方へ突出する状態で前記後部フレームに支持されていると好適である。

　本構成によれば、後部フレームをカバーにて覆うことにより、後部フレームが機体後部外方側から見え難くなる。さらに、後部フレームと撮像装置との連結箇所もカバーにて覆われるので、その連結箇所が機体後部外方側から見え難くなるので、外観上の美観を損なうおそれが少ない。

　本発明においては、前記撮像装置は、前記カバーの上端部よりも上側であって且つ前記脱穀装置の天板の直後方の空間に備えられていると好適である。

　本構成によれば、撮像装置がカバーの上端部よりも上側に位置するので、カバーにより遮られることなく機体後方を良好に撮影できる。しかも、撮像装置は、脱穀装置の天板の直後方の空間に備えられるので、機体走行に伴って、例えば木の枝等の障害物が脱穀装置の上方側から接触することがあっても、障害物を、天板にて受け止めて案内しながら、撮像装置に衝突することなくそのまま後方に案内することで撮像装置に衝突することを回避する等、撮像装置が損傷するおそれを少なくすることができる。

　本発明においては、
　前記運転部にキャビンが備えられ、
　前記キャビンの前面部に、上部にフロントパネルを有する前壁部と、その前壁部の上端部から前記キャビンの上側部分にわたる上下幅を有するフロントガラスとが備えられ、
　前記キャビンの内部において、前記フロントガラスの上下中央部に対応する位置に、前記撮像装置にて撮影された画像情報を表示する表示装置が備えられていると好適である。

　本構成によれば、キャビンの前面部は、フロントパネルよりも下側が前壁部により覆われており、前壁部よりも上側がフロントガラスにより覆われている。そして、キャビン内に備えられた表示装置により、撮像装置にて撮影された画像情報を表示する。運転部にて運転操作している運転者が、表示装置の表示情報を目視することで、機体の後方の状況を確認することができる。

　普通型コンバインにおいて、刈取作業を行う場合、運転者は、機体前部側に位置する刈取部による刈取状況を目視で確認しながら運転操作を行う場合が多い。そのとき、運転部の前部側の直下方位置を目視するために運転者は腰を浮かせた立姿勢で覗き込むことになる。そのような姿勢で運転操作しているとき、機体後方の状況を確認するために表示装置を目視することがある。

　ところで、キャビン内において、表示装置がフロントガラスの上端部あるいは下端部に備えられる構成であれば、運転者は、運転部の前部側の直下方位置を目視している状態から視線を大きく上下方向に移動しなければならず煩わしいものとなる。

　これに対して、本構成では、表示装置が、フロントガラスの上下中央部に対応する位置に備えられているから、運転者は、運転部の前部側の直下方位置を目視している状態から、そのまま横方向に視線を移動させるだけでよく、煩わしさの少ない状態で表示装置を目視することができる。

　本発明においては、
　前記フロントガラスは、上部側が下部側よりも前側に位置する前傾姿勢であり、
　前記キャビンの左右両側の側壁における機体前端側に縦向き支柱が備えられ、
　前記表示装置は、前記キャビン内の機体前部側の角部に対応する位置であって、且つ、機体側面視で前記縦向き支柱と前記フロントガラスとの間に対応する位置に配備されていると好適である。

　本構成によれば、キャビンの左右両側の側壁は、機体前端側に縦向き支柱を備えており、フロントガラスは、その縦向き支柱よりも前部側に位置して前傾姿勢に設けられている。その結果、縦向き支柱よりも前部側において、縦向き支柱とフロントガラスとの間で機体側面視で略三角形状の空間が形成される。このように、縦向き支柱とフロントガラスとの間で機体側面視で略三角形状に形成される空間は、フロントガラスを前傾姿勢に形成した結果生じる空き領域である。そして、キャビン内の機体前部側の角部に対応する位置であって、且つ、機体側面視で縦向き支柱とフロントガラスとの間に対応する位置、すなわち、キャビンの内部における空き領域に表示装置が備えられる。

　従って、キャビンの内部における空き領域を有効に利用して表示装置を配備することができる。

　本発明においては、
　前記キャビンの左右両側の側壁のうちの一方の側壁に乗降口が形成され、
　前記表示装置は、前記キャビン内の前記乗降口が設けられる乗降口側の機体前部側角部に位置しており、
　サイドミラーが、前記表示装置の斜め上方に位置する状態で、前記一方の側壁の横外方側に備えられていると好適である。

　本構成によれば、表示装置は、乗降口側の機体前部側角部に対応する位置であって、且つ、機体側面視で縦向き支柱とフロントガラスとの間に対応する位置に位置しているから、乗降口を通過して運転者が乗り降りするときに、表示装置が邪魔になることがない。そして、サイドミラーが、表示装置の斜め上方に位置する状態で、乗降口が形成される一方の側壁の横外方側に備えられるから、運転操作しながらサイドミラーと表示装置とを夫々目視するような場合、サイドミラーを目視する状態と表示装置を目視する状態との間で、視線を大きく移動させなくてもよく、煩わしさがなく運転操作が行い易い。

　本発明においては、前記表示装置は、前記縦向き支柱に片持ち状に支持され、前記フロントパネルにおける前記表示装置の直下方位置に操縦操作具が備えられていると好適である。

　本構成によれば、表示装置は、縦向き支柱に片持ち状に支持されるので、キャビンの横幅方向内方側に向けて片持ち状に延びて運転者が目視し易い位置にまで寄せることができる。そして、表示装置の直下方側の領域に操縦操作具が備えられるので、キャビン内の空き領域を有効利用して表示装置と操縦操作具とをコンパクトに配備することができる。

第１実施形態を示す図であって（以下、図１９まで同じ）、コンバインの全体を示す側面図である。 コンバインの全体を示す平面図である。 コンバインの前部を示す左側面図である。 キャビンを示す右側面図である。 運転部を示す平面図である。 運転部を示す右側面図である。 サイドパネル及び側窓を示す平面図である。 ロック装置を示す側面図である。 側窓、及び後壁部と支柱との連結構造を示す左側面図である。 後壁部と支柱との連結構造、及び冷媒循環経路を示す後面図である。 キャビンの分離状態における運転部を示す斜視図である。 前外側連結構造を示す斜視図である。 後外側連結構造を示す斜視図である。 分離状態での内側連結構造を示す斜視図である。 後壁部と支柱の連結構造を示す斜視図である。 冷媒循環路を示す斜視図である。 空調装置、及びインナールーフの裏面側を示す平面図である。 インナールーフのキャビン内側から見た状態を示す説明面である。 インナールーフを示す縦断側面図である。 第２実施形態を示す図であって（以下、図３０まで同じ）、コンバインの全体左側面図である。 コンバインの全体右側面図である。 コンバインの全体平面図である。 機体後部の側面図である。 機体後部の平面図である。 撮像装置支持部の縦断側面図である。 撮像装置支持部の背面図である。 キャビンの横断平面図である。 キャビンの縦断側面図である。 キャビンの縦断背面図である。 表示装置支持部の斜視図である。 第２実施形態の別実施形態の機体後部の側面図である。

〔第１実施形態〕
　以下、本発明の第１実施形態を図面に基づいて説明する。
　本発明の実施例に係る収穫機をコンバインに適用した場合について説明する。図１は、コンバインの全体を示す側面図である。図１，２に示す「Ｆ」が走行機体の「前」、「Ｂ」が走行機体の「後」、「Ｌ」が走行機体の「左」、「Ｒ」が走行機体の「右」と定義する。

　図１に示すように、コンバインは、機体フレーム１の下部に左右一対のクローラ走行装置２が装備された自走可能な走行機体を備えている。機体フレーム１の前部の横一端側の部位に運転部３が設けられている。運転部３は、キャビン４で覆われている。運転部３の下部にエンジン５が設けられている。機体フレーム１の後部に脱穀装置６及びグレンタンク７が設けられている。脱穀装置６とグレンタンク７とは、グレンタンク７が運転部３の後方に位置する状態で走行機体の横幅方向に並んでいる。脱穀装置６の前部からフィーダ８が前方向きに延出されている。フィーダ８の延出端部に刈取部９が連結されている。

　フィーダ８は、機体左右方向に沿った軸芯Ｘ１（図３参照）周りで昇降揺動可能に構成されている。フィーダ８を昇降シリンダ（図示せず）によって揺動操作することで、刈取部９を下降作業状態と上昇非作業状態とにわたって昇降操作できる。フィーダ８の右側部には、レバー式の操作部８ａが設けられている。操作部８ａは、フィーダ８の搬送方向を逆転させる逆転機構Ｋ（図２参照）を操作するものである。逆転機構Ｋは、伝動ケースＭに備えられている。伝動ケースＭは、脱穀装置６の前部に設けられ、エンジン５からの駆動力を脱穀装置６及びフィーダ８に伝達する。

　刈取部９を下降作業状態にして走行機体を走行させることで、稲、麦などの収穫作業をできる。すなわち、刈取部９によって植立穀稈の刈取りが行われ、刈取穀稈の株元から穂先までの全体がフィーダ８によって後方に搬送されて脱穀装置６に供給される。脱穀装置６において、刈取穀稈の脱穀処理が行われ、かつ脱穀処理によって得られた穀粒と塵埃との選別処理が行われる。選別済みの穀粒が脱穀装置６からグレンタンク７に供給されて貯留される。グレンタンク７に貯留された穀粒は、スクリューコンベア型の穀粒搬出装置７ａによって取出すことができる。

　脱穀装置６には、扱室（図示せず）に回転可能に設けられて作物を扱ぎ処理する扱胴６ａが備えられている。図２，３に示すように、脱穀装置６の前端部には、脱穀装置６の前壁部を覆う前部カバー２１０が設けられている。脱穀装置６の上部には、前記扱室を形成する天板２１１が設けられている。天板２１１の内側面には、扱胴６ａの回転に伴って扱室の上部に搬送された処理物を、機体後方側に向けて案内する複数の送塵弁（図示せず）が設けられている。天板２１１の前部には、送塵弁の案内角度を変更操作する送塵弁レバー２１２が設けられている。

　運転部３について説明する。
　運転部３は、機体フレーム１の前端部における右端側の部位に載置支持されている。図５，６に示すように、運転部３には、運転座席１０、運転部床１１、乗降口１２、操縦塔１３、サイドパネル１４、外横壁部１５(図４参照)、内横壁部１６が備えられている。

　運転座席１０は、エンジンボンネット１７の天板部１７ａに支持されている。エンジンボンネット１７のうちの運転座席１０の後方に位置する部位に、給気ケース１８が設けられている。給気ケース１８には、エンジン用のエアクリーナが内装されている。外横壁部１５は、天板部１７ａと給気ケース１８の前壁部とに亘って固定されている。エンジンボンネット１７の機体横外側と、給気ケース１８の機体横外側とに亘って防塵ケース１９が設けられている。

　操縦塔１３は、運転座席１０の前方に備えられている。操縦塔１３は、運転部床１１の前端部から立設されている。操縦塔１３の上部には、フロントパネル１３ａが設けられている。フロントパネル１３ａには、操向レバー２４が設けられている。操向レバー２４は、走行機体の横幅方向に揺動操作することで、左右の操向クラッチ(図示せず)を操作して走行機体の操向操作を行なうものである。操向レバー２４は、走行機体の前後方向に揺動操作することで、昇降シリンダを操作して刈取部９の昇降操作を行なうものである。

　乗降口１２とサイドパネル１４とは、運転座席１０を挟んで左右に振り分けて備えられている。本実施例では、乗降口１２は、運転座席１０の右横側方に備えられ、サイドパネル１４は、運転座席１０の左横側方に備えられている。内横壁部１６は、サイドパネル１４と運転部床１１とに亘って設けられている。サイドパネル１４には、図５，７に示すように、操縦関連機器としての走行主変速レバー２０及び走行副変速レバー２１が設けられている。サイドパネル１４には、刈取りクラッチレバー２２及び脱穀クラッチレバー２３が設けられている。

　キャビン４について説明する。
　キャビン４は、図３，４，５に示すように、前壁部２７、左の側壁部３０、右の側壁部４０、後壁部５０及び屋根部６０を備えている。

　前壁部２７は、透明板部（フロントガラス）２８と、透明板部２８の外周部に装着された前壁枠部２９とを備えている。透明板部２８には、前方向きの前面部と、前面部の両横端部から後方向きに延びた側面部２８ａとが備えられている。

　右の側壁部４０は、運転部３の左右側のうちの乗降口１２が位置する側（機体横外側)に位置している。右の側壁部４０には、側壁部４０の前部に設けられ、機体上下方向に延びている前外側縦フレーム４１と、側壁部４０の後部に設けられ、機体上下方向に延びている後外側縦フレーム４２と、後外側縦フレーム４２よりも後側に設けられた透明板部４３とが備えられている。前外側縦フレーム４１と前壁枠部２９とが連結されていることで、右の側壁部４０と前壁部２７とが連結している。

　図４に示すように、前外側縦フレーム４１と後外側縦フレーム４２との間に乗降口ドア４４が設けられている。乗降口ドア４４の前端側が前外側縦フレーム４１に上下一対のヒンジ４５を介して支持されている。乗降口ドア４４は、ヒンジ４５の機体上下方向に延びる揺動軸芯を開閉軸芯として揺動操作することで開閉できる。

　左の側壁部３０は、図５に示すように、運転部３の左右側のうちのサイドパネル１４が位置する側（機体横内側）に位置している。左の側壁部３０には、図３，５に示すように、側壁部３０の前部に設けられ、機体上下方向に延びている前内側縦フレーム３１と、側壁部３０の後端部に設けられ、機体上下方向に延びている後内側縦フレーム３２と、前内側縦フレーム３１と後内側縦フレーム３２とに亘って設けられた板状部材３３とが備えられている。前内側縦フレーム３１の下端部と後内側縦フレーム３２の下端部とは、下部フレーム３０ａによって連結されている。前内側縦フレーム３１の上端部と後内側縦フレーム３２の上端部とは、上部フレーム３０ｂによって連結されている。前内側縦フレーム３１と前壁枠部２９とが連結されていることで、左の側壁部３０と前壁部２７とが連結している。

　板状部材３３に開口３４が形成されている。前内側縦フレーム３１と後内側縦フレーム３２とに亘って側窓３５が設けられている。側窓３５は、前端部側を中心として開閉揺動する片開き式になっている。具体的には、側窓３５の前端部と前内側縦フレーム３１とに亘って上下一対のヒンジ３６が取付けられている。ヒンジ３６には、図３に示すように、前内側縦フレーム３１に固定される支持部３６Ａと、支持部３６Ａに揺動可能に支持されると共に遊端部が側窓３５に固定されるアーム部３６Ｂと、が備えられている。側窓３５は、ヒンジ３６の機体上下方向に沿った揺動軸芯を開閉軸芯Ｚ２として揺動操作することで開閉できる。側窓３５によって開口３４を開閉できる。

　側窓３５は、前端部側に開閉軸芯を備えた片開き式であるので、開口３４を全体に亘って開けることができる。そして、側窓３５を開けた状態において、側窓３５の後端側ほど板状部材３３からキャビン４の外側に遠く離れる。これらにより、開口３４をキャビン内からの脱出に使用し易い。側窓３５の外側に位置する操作部８ａをキャビン４の内部から操作し易い。すなわち、逆転機構Ｋを切換え操作し易い。

　図５，１０に示すように、屋根部６０の左端側に左の側壁部３０からキャビン４の横外側に張り出した張出し部６１が備えられている。張出し部６１は、開口３４のひさしになっている。

　側窓３５の後端部と後内側縦フレーム３２とに亘ってロック装置３７が取付けられている。ロック装置３７は、側窓３５の後端部の上下中央部に備えられている。側窓３５を閉じた状態にロック装置３７によってロックできる。側窓３５を閉じた状態にロックすることで、側窓３５の外周部が板状部材３３の開口３４の外周部にキャビン４の外側から密着し、開口３４をシール性が良い状態で塞ぐことができる。具体的には、側窓３５の外周部にシール材が装着されている。側窓３５と板状部材３３との間にシール材が介在し、側窓３５が板状部材３３に密着する。

　図８に示すように、ロック装置３７には、側窓３５の後端部に揺動可能に支持されるハンドル部３７ｃと、後内側縦フレーム３２に支持される係合部３７ｂと、が備えられている。ハンドル部３７ｃには、係合部３７ｂに係合及び離脱が可能なロックアーム部３７ａが備えられている。

　ハンドル部３７ｃは、ロック位置と解除位置とに切替え可能に構成されている。側窓３５を閉じた状態でハンドル部３７ｃをロック位置に切り替えることにより、ロックアーム部３７ａが係合部３７ｂに係合し、側窓３５が閉じた状態にロック装置３７によってロックされる。そして、ハンドル部３７ｃを解除位置に切り替えることにより、ロックアーム部３７ａが係合部３７ｂから離脱し、ロック装置３７のロックが解除されて、側窓３５を開くことができる。

　図３に示すように、側窓３５の上端部と上部フレーム３０ｂとに亘る状態で、開いた状態の側窓３５の姿勢を保持するガスダンパ３８が設けられている。側窓３５を開けたとき、側窓３５をガスダンパ３８によって開放姿勢に保持できる。図３，６に示すように、ガスダンパ３８のうち側窓３５側の端部は、側窓３５の内側面に設けられたステー３９に取り付けられている。ガスダンパ３８のうち上部フレーム３０ｂ側の端部は、上部フレーム３０ｂの下面から下方に突出する軸部３８ａに取り付けられている。

　図３に示すように、側窓３５における後下側部分３５Ｌは、後上がりに傾斜する形状に形成されている。側窓３５を開けるとき、脱穀装置６の前部に位置する前部カバー２１０及び伝動ケースＭ(図１，３参照)に側窓３５が当たることを後下側部分３５Ｌの後上り傾斜によって回避できる。

　後壁部５０は、図５，１０に示すように、後窓５１を有した板状部５２と、板状部５２の右側に位置する透明板部５３とを備えている。後窓５１には、開閉不能な透明板が装着されている。透明板部５３と、右の側壁部４０の透明板部４３とが一体的に形成されていることで、後壁部５０と右の側壁部４０とが連結している。板状部５２と後内側縦フレーム３２とが連結されていることで、後壁部５０と左の側壁部３０とが連結している。

　キャビン４は、運転部３、及び運転部３の後方に位置する支柱６５に連結されて支持されている。

　キャビン４の運転部３への連結は、図１１に示す前外側連結構造Ｘ、後外側連結構造Ｙ及び内側連結構造Ｚに基づいて行われている。

　前外側連結構造Ｘでは、図１２に示すように、前外側縦フレーム４１が操縦塔１３と連結されている。具体的には、図１１，１２に示すように、前外側縦フレーム４１の下部と、操縦塔１３の右端部との間に連結部材７０が設けられている。連結部材７０は、板厚方向が機体前後方向に沿ったフレーム側の縦板部７０ａと、板厚方向が機体横方向に沿った操縦塔側の縦板部７０ｂと備えている。フレーム側の縦板部７０ａが前外側縦フレーム４１に機体前方側から当て付けて複数本の連結ボルト７１によって連結されている。操縦塔側の縦板部７０ｂが操縦塔１３に機体横外側から当て付けて複数本の連結ボルト７２によって連結されている。フレーム側の複数本の連結ボルト７１及び操縦塔側の複数本の連結ボルト７２は、機体上下方向に並んでいる。フレーム側の連結ボルト７１は、縦板部７０ａ及び前外側縦フレーム４１に前方から後方向きに装着されている。操縦塔側の連結ボルト７２は、縦板部７０ｂ及び操縦塔１３に機体横外側から機体横内側に向けて装着されている。

　後外側連結構造Ｙでは、図１３に示すように、後外側縦フレーム４２が外横壁部１５に連結されている。具体的には、図１１，１３に示すように、外横壁部１５の内面側に連結部７５が設けられている。後外側縦フレーム４２の下端部に側壁部材４６を介して連結部材４７が連結されている。連結部材４７と、連結部７５とが連結ボルト７６によって連結されている。側壁部材４６は、透明板部４３の下部に連結され、右の側壁部４０を構成している。

　内側連結構造Ｚでは、左の側壁部３０がサイドパネル１４に載置された状態でサイドパネル１４に連結されている。具体的には、図１１，１４に示すように、側壁部３０の板状部材３３の下端部に下部フレーム３０ａが連結されている。下部フレーム３０ａがサイドパネル１４のうちの運転部外側の端部に載置され、下部フレーム３０ａとサイドパネル１４とが複数本の連結ボルト７９によって連結されている。複数本の連結ボルト７９は、機体前後方向に並んでいる。下部フレーム３０ａから前後一対の位置決めピン８０がサイドパネル１４のピン孔１４ａに向けて延出されている。

　キャビン４を支柱６５に支持する連結構造では、図１０，１１に示すように、支柱６５は、機体フレーム１のうちの運転部３よりも後方に位置するフレーム部分１ａに立設されている。後壁部５０が支柱６５に支持されている。後壁部５０は、後窓５１よりも下方箇所で支柱６５に支持されている。後壁部５０は、左右方向中央部で支柱６５に支持されている。

　具体的には、後壁部５０の左右方向中央部における下部のうち、後窓５１の下方に位置する部位に、機体後方へ延びるステー６６が取付けられている。ステー６６は、板状部５２及び透明板部５３の下部に連結された機体横向きの下部フレーム５４に連結されている。支柱６５の上端部に機体前方向に延びる支持部６５ａが設けられている。ステー６６の遊端部と支持部６５ａとが複数本の連結ボルト６７によって連結されている。各連結ボルト６７は、ステー６６及び支持部６５ａに上方から下方向きに装着されている。

　後壁部５０が後窓５１の下方箇所で支柱６５に支持されているので、支柱６５を後窓５１よりも下方に位置させることができる。

　さらに、支柱６５が一つだけ設けられている。後壁部５０における左右方向中央部が支柱６５に支持されている。キャビン４の後側を一つの支柱６５で支持させるものでありながら、キャビン４の左右重量をバランスさせ易い状態で支持させられる。また、キャビン４の前端側における左端側箇所がサイドパネル１４に支持され、キャビン４の前端側における右端側箇所が操縦塔１３に支持され、キャビン４の後端側における左右中央部が支柱６５に支持される。つまり、サイドパネル１４による支持箇所と、操縦塔１３による支持箇所と、支柱６５による支持箇所との位置関係が平面視で三角形を形成する位置関係になり、キャビン４を安定的に支持できる。

　図１，２，４に示すように、キャビン４の右前方外側にバックミラー８２が設けられている。バックミラー８２は、図４に示すように、前外側縦フレーム４１に支持されている。すなわち、前外側縦フレーム４１の上端部にブラケット８３が連結されている。ブラケット８３の遊端部にバックミラー８２のアーム部８２ａが連結されている。

　図１７，１９に示すように、キャビン４の屋根部６０に空調装置８５が内装されている。キャビン４の内部空間を空調装置８５によって空調できる。本実施例では、空調装置８５が屋根部６０のうちの前後方向での中心よりも後方の部位に内装されているが、前後方向での中心によりも前方の部位、あるいは、前後方向での中央部位に内装してもよい。

　図１６に示すように、空調装置８５から一対のドレン水路８６が延出されている。図５，１６に示すように、一方のドレン水路８６は、キャビン４の内部を後内側縦フレーム３２に沿って下降し、キャビン４の外部を支柱フレーム８７に沿って機体フレーム１の下方まで下降している。他方のドレン水路８６は、キャビン４の内部を後窓５１の右横側方を下降し、キャビン４の外部を支柱フレーム８７に沿って機体フレーム１の下方まで下降している。支柱フレーム８７は、支柱６５の横側方で機体フレーム１から立設され、エンジン用のプレエアクリーナ８８(図１，２参照)を支持している。本実施例では、一対のドレン水路８６は、弾性を有したホースによって構成されている。

　図６，１０，１６に示すように、空調装置８５の補機であるコンプレッサー９０、コンデンサ９１及びレシーバ９２のうちのコンプレッサー９０及びコンデンサ９１がエンジンルーム９３に配備されている。レシーバ９２が支柱６５に支持されている。コンプレッサー９０は、エンジンルーム９３の前端側の低い部位に配備されている。コンデンサ９１は、エンジン５と防塵ケース９４との間に配備されている。防塵ケース９４は、エンジンボンネット１７の機体横外側に開閉可能に設けられている。

　空調装置８５とコンプレッサー９０とを接続する冷媒循環路９６は、キャビン４の内部を後内側縦フレーム３２に沿って下降し、キャビン４の外部を支柱６５に沿って下降し、支柱６５の下部から前方向きに延出することで、エンジンルーム９３に入ってコンプレッサー９０に至っている。コンプレッサー９０とコンデンサ９１とを接続する冷媒循環路９７は、コンプレッサー９０からエンジンルーム９３を機体横外向きに通って防塵ケース９４の内部に入り、防塵ケース９４の内部を上方向きに通ってコンデンサ９１に至っている。コンデンサ９１とレシーバ９２とを接続する冷媒循環路９８は、コンデンサ９１からエンジンルーム９３の内部を後方向きに延出して支柱６５の下部に至り、支柱６５の下部から支柱６５に沿って上昇してレシーバ９２に至っている。レシーバ９２と空調装置８５とを接続する冷媒循環路９９は、レシーバ９２から前方に延出してキャビン４の下部からキャビン４の内部に入り、キャビン４の内部を後窓５１の横側方を上昇して空調装置８５に至っている。

　図１８，１９に示すように、屋根部６０におけるインナールーフ６２のうちの前壁部２７の上方に位置する前部６２ｆに、左右一対の噴出口２００、空調スイッチ２０１、作業灯スイッチ２０２及びワイパスイッチ２０３が装備されている。空調スイッチ２０１によって空調装置８５をオン状態とオフ状態とに切り換え操作できる。空調装置８５をオン状態にした場合、左右の噴出口１００から空調空気が噴出される。

　前部６２ｆにおける機体横幅方向での中央部分に凹入部６３が形成されている。図１９に示すように、キャビン内に立って前壁部２７を介して前方を見通すとき、前かがみ姿勢になっても、頭部が凹入部６３に入り、頭部がインナールーフ６２に当たることを回避し易い。

　キャビン内部の防音対策について説明する。
　防塵ケース９４、操縦塔１３、運転部床１１、エンジンボンネット１７、サイドパネル１４、外横壁部１５、内横壁部１６、給気ケース１８の夫々の内面側に吸音材が装着されている。さらに、操縦塔１３の下方に位置する下前カバー２０５（図１，１２参照）の内面側に吸音材が装着されている。エンジン５の駆動音、走行音などのキャビン内への伝達が吸音材によって緩和される。また、運転部床１１などの板部材を二枚重ねにしたり、二枚重ねの板部材の間に吸音材を挟まれる状態で設けたりすると有効である。

〔第１実施形態の別実施形態〕
（１）上記した実施例では、後壁部５０が左右方向中央部における後窓５１の下方箇所で支柱６５に支持される構成を採用した例を示したが、この箇所に限らず、上部、左右方向中心と左端との間の箇所、あるいは、左右方向中心と右端との間の箇所で支持される構成を採用してもよい。

（２）上記した実施例では、運転部３が走行機体の右端側に設けられた例を示した、走行機体の左端側に設けて実施してもよい。この場合、キャビンの左の側壁部が乗降口側に位置し、キャビンの右の側壁部がサイドパネル側に位置する。

（３）上記した実施例では、レシーバ９２を支柱６５に支持した例をしたが、レシーバ９２に限らず、コンデンサ９１などを支柱６５に支持してもよい。

（４）上記した実施例では、側窓３５を前端部側を中心として開閉揺動する片開き式にした例を示したが、後端部側を中心として開閉揺動する片開き式、あるいは、上端部側を中心として上下に揺動開閉する上下揺動式、あるいは、スライドによって開閉するスライド式の側窓を採用してもよい。

（５）上記した実施例では、屋根部６０に空調装置８５を内装した例を示したが、空調装置８５を屋根部以外の箇所に設けて実施してもよい。また、空調装置８５を設けずに実施してもよい。

（６）上記した実施例では、バックミラー８２が前外側縦フレーム４１に支持される例を示したが、側壁部のフレームを支持部材とするに限らず、専用の支持部材を採用してもよい。

（７）本発明に係る収穫機は、クローラ走行装置２に代えて走行車輪を備えたコンバインに適用できる。コンバインの他、トウモロコシなど各種の作物を収穫対象とする収穫機に適用できる。

〔第２実施形態〕
　以下、本発明に係る普通型コンバインの第２実施形態を図面に基づいて説明する。

　〔全体構成〕
　図２０は、コンバインの全体を示す左側面図である。図２１は、コンバインの全体を示す右側面図である。図２２は、コンバインの全体を示す平面図である。この実施形態で、機体の前後方向を定義するときは、作業状態における機体進行方向に沿って定義し、機体の左右方向を定義するときは、機体進行方向視で見た状態で左右を定義する。すなわち、図２０，２１，２２に符号（Ｆ）で示す方向が機体前側、図２０，２１，２２に符号（Ｂ）で示す方向が機体後側である。図２２に符号（Ｌ）で示す方向が機体左側、図２２に符号（Ｒ）で示す方向が機体右側である。機体左右方向が機体横幅方向に対応する。

　図２０，２１，２２に示すように、コンバインは、機体フレーム１０１の下部に左右一対のクローラ走行装置１０２が装備された自走可能な走行機体を備えている。走行機体の前部右側に運転部１０３が設けられている。運転部１０３は、キャビン１０４で覆われている。運転部１０３の下部にはエンジン１０５が設けられている。機体後部に、脱穀装置１０６が左側に位置し、穀粒貯留部としての穀粒タンク１０７が右側に位置する状態で、脱穀装置１０６と穀粒タンク１０７とが左右方向に並ぶ状態で備えられている。穀粒タンク１０７は運転部１０３の後方に位置している。穀粒タンク１０７に貯留される穀粒を機外に排出するための穀粒排出装置１０８が備えられている。

　脱穀装置１０６の前部からフィーダ１０９が前方向きに延出されている。フィーダ１０９の前端部に刈取部１１０が連結されている。刈取部１１０は、刈取対象となる植立穀稈と非刈取対象の植立穀稈とを分草する左右一対のデバイダ１１１と、収穫対象の植立穀稈を後方に向けて掻き込む回転リール１１２と、収穫対象の植立穀稈の株元側を切断して刈り取るバリカン形の刈刃１１３と、切断後の刈取穀稈を左右方向の中間側に横送りして寄せ集めて後方のフィーダ１０９に向けて送り出すオーガ１１４とを備えている。このコンバインは、刈取部１１０にて刈り取った刈取穀稈の全部をフィーダ１０９により後方に搬送して脱穀装置１０６に投入する全稈投入型に構成されている。

　フィーダ１０９は、機体左右方向に沿う軸芯周りで昇降揺動可能に脱穀装置１０６の前部に支持されている。フィーダ１０９を昇降シリンダＣＹによって揺動操作することで、刈取部１１０を下降作業状態と上昇非作業状態とにわたって昇降させることができる。下降作業状態において、フィーダ１０９を揺動操作することで刈取部１１０の刈高さを変更調整することもできる。

　脱穀装置１０６は、上部が天板１１５により覆われた扱室１１６に、機体前後向き軸芯周りで回転する扱胴１１７と、扱胴１１７の下方側の外周に沿って略半円筒状の受網（図示せず）とが備えられる。この扱室１１６にてフィーダ１０９により搬送される刈取穀稈を脱穀処理する。詳述はしないが、扱室１１６の下方には、脱穀処理物を穀粒とそれ以外の排ワラ屑とに選別する選別部が備えられる。穀粒は脱穀装置１０６の下部から上揚搬送コンベア１１８により上方に搬送されて穀粒タンク１０７に搬入される。排ワラ屑は、扱室１１６にて刈取穀稈が脱穀処理された後の排ワラ、及び、図示しない唐箕により送風案内される細かな塵埃等を含んでおり、脱穀装置１０６の後部から外部に排出される。

　天板１１５における扱胴１１７の上方側に位置する上面部１１５Ａは、機体前後方向視で中央側が高い位置にあり左右両側ほど低い位置にある略山形状に形成されている。天板１１５の前後両側部には、扱胴１１７の前方側箇所及び後方側箇所を覆う縦壁部１１５Ｂが備えられている（図２３参照）。

　脱穀装置１０６の後部には、脱穀装置１０６にて発生する排ワラ屑を排出物として排出口１１９から外部に排出する排出処理部１２０が備えられている。排出処理部１２０は、脱穀装置１０６における機体後端部の上部よりも機体後方側に向けて突出する状態で、脱穀装置１０６における機体後部の下部に位置している。

　図２３に示すように、排出処理部１２０は、排ワラ屑を脱穀装置１０６の後部において下方に向けて案内する案内カバー１２１を備えている。案内カバー１２１は、機体後端部の上部よりも機体後方側に向けて突出する状態で設けられ、機体後部側及び左右横側部が夫々閉塞されるとともに下方側が開放された略箱状に形成されている。この案内カバー１２１には、下部に下向き開放状の排出口１１９が形成されている。

　〔撮像装置〕
　脱穀装置１０６の後部に機体後方を撮影する撮像装置１２２が備えられている。図２２に示すように、撮像装置１２２は、機体横幅方向で刈取部１１０の刈幅中央位置（図２２で仮想線ＣＬ１で示す位置）と脱穀装置１０６の横幅中央位置（図２２で仮想線ＣＬ２で示す位置）との間において、機体後部における脱穀装置１０６の排出口１１９よりも上側の位置に備えられている。この撮像装置１２２は、機体後方側の圃場面及び排出口１１９から排出される排出物（排ワラ屑）を撮影する。

　図２０，２３に示すように、撮像装置１２２は、排出処理部１２０の直上方の空間であって、且つ、脱穀装置１０６における機体後部の上部の直後方の空間に備えられている。さらに、説明を加えると、図２５に示すように、脱穀装置１０６の後部の上部には、扱胴１１７の回転支軸１２３を回転自在に支持する軸受部１２４を支持するための後部フレーム１２５が備えられる。撮像装置１２２は後部フレーム１２５に支持されている。

　図２５，２６に示すように、後部フレーム１２５は、上下方向に幅狭で且つ機体横幅方向に幅広の板状に形成され、脱穀装置１０６の横幅方向の略全幅にわたって延びている。後部フレーム１２５を機体後方側から覆うカバーとしての後部外装カバー１２６が備えられている。後部外装カバー１２６は、後方外方側から容易に着脱できるように取り付けられている。すなわち、図２５，２６に示すように、後部外装カバー１２６には、その下部に後部フレーム１２５から固定延設された被係合部１２７に上方側から係合する係合部１２８が備えられ、上部側にボルト連結部１２９が形成されている。被係合部１２７は丸棒材を平面視で略Ｕ字形に折り曲げて形成されている。

　係合部１２８が被係合部１２７に係合した状態で、ボルト連結部１２９と後部フレーム１２５から延設された支持部材１３０とをボルト１３１で締結することで、後部外装カバー１２６を後部フレーム１２５に取り付ける構成となっている。ボルト１３１を緩めるとともに、係合部１２８と被係合部１２７との係合を解除することで、後部外装カバー１２６を後方外方に取り外すことができる。

　図２５に示すように、後部フレーム１２５の上縁に後向きの水平面部１２５ａが一体形成され、この水平面部１２５ａに対して、連結部材１３２及び支持ブラケット１３３を介して撮像装置１２２が支持されている。連結部材１３２は、板材を側面視で略Ｌ形に折り曲げた形状であり、その一端部が後部フレーム１２５の水平面部１２５ａに一体的に連結されている。連結部材１３２の他端部が後部外装カバー１２６の上端部よりも上方に突出しており、その他端部に、平面視で略Ｕ字形の支持ブラケット１３３がボルト１３４により連結固定されている。

　図２５，２６に示すように、撮像装置１２２は、支持ブラケット１３３の左右両側のアーム部１３３ａの間に位置して、それらのアーム部１３３ａにより支持されている。撮像装置１２２は、例えば、ＣＣＤカメラ等を用いて構成され、画像情報を撮影可能である。撮像装置１２２は、連結部材１３２の他端部に支持されており、後部外装カバー１２６の上端部よりも上側であって且つ脱穀装置１０６の天板１１５の直後方の空間に備えられている。つまり、撮像装置１２２は、天板１１５における後側の縦壁部１１５Ｂの直後方において、後部外装カバー１２６よりも機体後方へ突出する状態で、連結部材１３２及び支持ブラケット１３３を介して後部フレーム１２５に支持される。図２５，２６中の符号１３５は、撮像装置１２２の上方側を覆い、直射日光や雨水等から撮像装置１２２を防護する防護部材である。

　そして、撮像装置１２２は、図２３，２４に示すように、機体後方側の圃場面及び排出口１１９から排出される排出物の状況を撮影できるように、撮影対象範囲が調整されている。

　図２４に示すように、脱穀装置１０６の後部の左側端部には、機体後方を照明する照明ランプ１３６が備えられている。詳述はしないが、照明ランプ１３６は撮像装置１２２と同様に後部フレーム１２５に支持されている。夜間での作業であっても、照明ランプ１３６で照明することで、撮像装置１２２により機体後方外方の状況を撮影することができる。

　〔キャビン〕
　図２７，２８に示すように、キャビン１０４は、運転座席１３７の前部に位置する前面部１３８と、運転座席１３７の左右両側に位置する左右側壁１３９，１４０と、運転座席１３７の後部に位置する後壁１４１と、キャビン１０４の上側部分としての天井部１４２とを備えている。

　図２８に示すように、キャビン１０４の前面部１３８は、上部にフロントパネル１４３を有する前壁部１４４と、その前壁部１４４の上端部から天井部１４２にわたる上下幅を有するフロントガラス１４５とを備えている。フロントガラス１４５は、上部側が下部側よりも前側に位置する前傾姿勢に設けられている。

　図２７，２８に示すように、左右両側の側壁１３９，１４０のうち、フィーダ１０９とは反対側に位置する一方の側壁としての右側の側壁１４０は、枠体として、前部側に位置して機体上下方向に延びる前部側縦向き支柱としての右前側縦フレーム１４６と、後部側に位置して機体上下方向に延びる右後側縦フレーム１４７とを備えている。右前側縦フレーム１４６と右後側縦フレーム１４７との間に、運転者が乗り降りするための乗降口１４８が形成されている。乗降口１４８には開閉自在なドア１４９が備えられている。図２７に示すように、ドア１４９の前端側が右前側縦フレーム１４６に上下一対のヒンジ１５０を介して支持されている。ドア１４９は、ヒンジ１５０の機体上下方向に延びる揺動軸芯を開閉軸芯として揺動操作することで開閉できる。ドア１４９には、外方を目視可能なガラス板を有する窓部１５１が形成されている。フロントガラス１４５の右側端部と右前側縦フレーム１４６との間には、側面視で三角形状の側部ガラス板１５２が備えられている。フロントガラス１４５の左側箇所においても、同様に、側面視で三角形状の側部ガラス板１５２が備えられる。

　図２７に示すように、左側の側壁１３９は、枠体として、前部に位置して機体上下方向に延びる左前側縦フレーム１５３と、後部に位置して機体上下方向に延びる左後側縦フレーム１５４とを備えている。左前側縦フレーム１５３と左後側縦フレーム１５４との間には、外方を目視可能なガラス板を有する窓部１５５が形成されている。

　図２８に示すように、キャビン１０４にて覆われる運転部１０３には、運転座席１３７の機体前方に前壁部１４４を構成する操縦塔１５６が立設されており、操縦塔１５６の上部にフロントパネル１４３が備えられている。図２７に示すように、フロントパネル１４３には、右側に操向操作レバー１５７（操縦操作具の一例）が備えられ、左右中央部には、走行速度やエンジン負荷情報等の種々の情報を表示する情報表示部１５８が備えられている。運転座席１３７の左横側にサイドパネル１５９が備えられている。サイドパネル１５９には、走行変速用の主変速レバー１６０と副変速レバー１６１、脱穀装置１０６への動力伝達を入り切りする脱穀クラッチレバー１６２、刈取部１１０への動力伝達を入り切りする刈取クラッチレバー１６３等が備えられている。

　〔表示装置〕
　図２７～図３０に示すように、キャビン１０４の内部において、フロントガラス１４５の上下中央部に対応する位置に、撮像装置１２２にて撮影された画像情報を表示する後方確認専用の表示装置１６４が備えられている。具体的には、表示装置１６４は、フロントガラス１４５の上下中央部に対応する位置のうち、キャビン１０４内の機体前部側の角部に対応する位置であって、且つ、機体側面視で右前側縦フレーム１４６とフロントガラス１４５との間に対応する位置に配備されている。

　表示装置１６４は、液晶表示パネルを用いて画像情報を表示可能な画像表示部１６５を備えて、撮像装置１２２にて撮影された画像情報を表示することができる。その結果、運転者が、表示装置１６４の表示内容を目視することで、刈取部１１０による刈跡の状況や排出される排ワラ屑の状況等を確認することができる。画像表示部１６５として、液晶表示パネルを用いるものに代えて、有機ＥＬパネル等を用いてもよい。

　表示装置１６４は、キャビン１０４内の左右両側の機体前部側の角部のうちで、乗降口１４８が設けられる乗降口側の機体前部側角部（右側の角部）に位置している。従って、運転座席１３７に着座している運転者が右前方側を目視したときに、表示装置１６４を目視することができる。

　運転者は、刈取作業中において、機体前部側における刈取作業状況を目視で確認しながら運転操作を行う。そのとき、運転者は、腰を浮かせた立姿勢あるいは前屈み姿勢で下方を覗きこむ状態で、キャビン１０４の下部とフィーダ１０９との間の隙間から地面を目視で確認しながら刈取作業を行う。つまり、運転者は、表示装置１６４が設置される箇所と反対側の左前方下方側を目視しながら作業するので、表示装置１６４が運転操作の邪魔になることがない。

　図２８に示すように、表示装置１６４は、右前側縦フレーム１４６にブラケット１６６を介して片持ち状に支持されている。フロントパネル１４３における表示装置１６４の直下方位置に操向操作レバー１５７が備えられている。図３０に示すように、ブラケット１６６は、機体前後方向視で略Ｌ字形の本体支持部１６７と、下方側から補強する縦板部１６８とを備えている。

　本体支持部１６７は、右前側縦フレーム１４６に対して連結される縦面部１６７ａと、縦面部１６７ａから左前方に向けて片持ち状に延設された水平支持部１６７ｂとを備えている。縦板部１６８は水平支持部１６７ｂを下方側から受止めて補強している。そして、表示装置１６４が、水平支持部１６７ｂの上部に載置支持されて、画像表示部１６５が後方上方に向かう斜め姿勢になる状態で取り付けられている。表示装置１６４は、図示しない調整機構により前後傾斜角度を変更調整可能に支持されている。

　このようにフロントガラス１４５の上下中央部に対応する位置であって且つキャビンの右側の機体前部側角部に、表示装置１６４を備えることで、運転者が左前方下方側を目視しながら作業しているときに、表示装置１６４の表示内容を確認するときは、視線をそのまま横方向にずらせばよく、視線を上下方向に大きく移動させる等の煩わしさがなく、運転操作が行い易いものとなる。

　図２１及び図２７～図２９に示すように、キャビン１０４の右側の側壁１４０の横外方側にサイドミラー１６９が備えられている。右前側縦フレーム１４６の上端部にブラケット１７０が連結され、ブラケット１７０の遊端部にサイドミラー１６９のアーム部１６９ａが連結されている。つまり、サイドミラー１６９は、右前側縦フレーム１４６に支持されている。運転者は、サイドミラー１６９により機体右側の後方外方の作業状況を目視で確認することができる。

　図２９に示すように、サイドミラー１６９は、表示装置１６４の右側斜め上方に位置する状態で設けられている。このように構成することで、例えば、表示装置１６４の表示情報を目視しながら、サイドミラー１６９にて目視で機体後方の状況を確認する場合には、運転者は、表示装置１６４から斜め上方に少しだけ視線を移動するたけでよく、視線を上下方向に大きく移動させる等の煩わしさがなく、運転操作が行い易いものとなる。

〔第２実施形態の別実施形態〕
（１）上記実施形態では、撮像装置１２２が脱穀装置１０６の後部フレーム１２５に支持される構成としたが、この構成に代えて、機体フレーム１０１に固定される専用の支持部材（図示せず）を備えて、この支持部材により撮像装置を支持する構成としてもよい。

（２）上記実施形態では、排出処理部１２０として、排ワラ屑を脱穀装置１０６の後部において下方に向けて案内する案内カバー１２１を備える構成としたが、この構成に代えて、排出処理部１２０を次のように構成するものでもよい。

　図３１に示すように、扱室１１６にて刈取穀稈が脱穀処理された後の排ワラに対して作用して排ワラを細かく細断するチョッパ（細断装置）１８０と、チョッパ１８０にて細断された処理物を下向き排出口１１９から外方に排出させる排出用案内カバー１８１とを備える構成としてもよい。チョッパ１８０は、駆動回転する回転刃１８２と固定状態の固定刃１８３とにより排ワラを切断して細断する。

（３）上記実施形態では、表示装置１６４が、フロントガラスの上下中央部に対応する位置のうち、キャビン１０４内の右側（乗降口側）の機体前部側角部に備えられる構成としたが、この構成に代えて、表示装置１６４を、左側の機体前部側角部に備える構成としてもよく、又、フロントガラスの上下中央部に対応する位置であって且つ左右中間部に備える構成としてもよい。

（４）上記実施形態では、表示装置１６４が、機体側面視で縦向き支柱（右前側縦フレーム１４６）とフロントガラス１４５との間に対応する位置に配備される構成としたが、この構成に代えて、表示装置１６４を、機体側面視で縦向き支柱（右前側縦フレーム１４６）よりも機体後部側に備える構成としてもよい。

（５）上記実施形態では、撮像装置１２２にて撮影された画像情報を、キャビン１０４内部に固定状態で装着されている後方確認専用の表示装置１６４にて表示するようにしたが、この構成に代えて、例えば、フロントパネルに備えられる運転操作用の種々の情報を表示する情報表示部１５８を画像情報が表示可能な構成として、この情報表示部１５８に表示する構成としてもよい。他の構成として、コンバインの構成物品以外の表示器、例えば、スマートホンやタブレット端末等を用いて画像情報を表示するようにしてもよい。

（６）上記実施形態では、穀粒貯留部として穀粒タンク７を備える構成としたが、このような構成に代えて、穀粒貯留部として、上部に貯留ホッパーを備えるとともに貯留ホッパーから排出される穀粒を回収袋にて袋詰め状態で回収するようにした袋詰め回収部を備える構成としてもよい。

（７）上記実施形態では、フロントパネル１４３における表示装置１６４の直下方位置に操縦操作具の一例として操向操作レバー１５７が備えられる構成としたが、操縦操作具として、主変速レバー１６０、副変速レバー１６１等の他の操作具を備える構成であってもよい。又、表示装置１６４を左側の機体前部側角部に備える構成として、その表示装置１６４の直下方位置に操縦操作具として、主変速レバー１６０、副変速レバー１６１が備えられる構成としてもよい。

（８）上記実施形態では、運転部１０３にキャビン１０４を備える構成としたが、この構成に代えて、キャビン１０４を備えない構成のコンバインでもよい。この構成では、上記したように、フロントパネルの情報表示部１５８、スマートホンやタブレット端末等を用いて画像情報を表示するようにするとよい。

（９）本発明に係る普通型コンバインは、クローラ走行装置１０２に代えて走行車輪を備えたコンバインに適用できる。コンバインの他、トウモロコシなど各種の作物を収穫対象とする収穫機に適用できる。

　１　　　　　　機体フレーム
　３　　　　　　運転部
　４　　　　　　キャビン
　１０　　　　　運転座席
　１２　　　　　乗降口
　１３　　　　　操縦塔
　１４　　　　　サイドパネル
　２０　　　　　操縦関連機器（走行主変速レバー）
　２１　　　　　操縦関連機器（走行副変速レバー）
　２２　　　　　操縦関連機器（刈取りクラッチレバー）
　２３　　　　　操縦関連機器（脱穀クラッチレバー）
　３０　　　　　側壁部
　３１　　　　　前内側縦フレーム
　３２　　　　　後内側縦フレーム
　３３　　　　　板状部材
　３４　　　　　開口
　３５　　　　　側窓
　３６　　　　　ヒンジ
　３７　　　　　ロック装置
　４０　　　　　側壁部
　４１　　　　　前外側縦フレーム
　５０　　　　　後壁部
　５１　　　　　後窓
　１０３　　　　運転部
　１０４　　　　キャビン
　１０６　　　　脱穀装置
　１０７　　　　穀粒貯留部
　１０９　　　　フィーダ
　１１０　　　　刈取部
　１１５　　　　天板
　１１９　　　　排出口
　１２０　　　　排出処理部
　１２２　　　　撮像装置
　１２５　　　　後部フレーム
　１２６　　　　カバー
　１４０　　　　側壁
　１４２　　　　天井部（上側部分）
　１４３　　　　フロントパネル
　１４４　　　　前壁部
　１４５　　　　フロントガラス
　１４６　　　　縦向き支柱
　１４８　　　　乗降口
　１５７　　　　操縦操作具
　１６４　　　　表示装置
　１６９　　　　サイドミラー
　ＣＬ１　　　　刈幅中央位置
　ＣＬ２　　　　横幅中央位置

Claims (21)

1. 　機体フレームと、
   　前記機体フレームに載置支持された運転部と、
   　前記運転部を覆う状態で前記運転部に連結されたキャビンと、
   　前記運転部の後方において前記機体フレームから立設された支柱と、が備えられ、
   　前記キャビンの後壁部が、前記支柱に支持されている収穫機。
2. 　前記後壁部の下部に、機体後方へ延びるステーが取り付けられ、
   　前記ステーの遊端部が前記支柱に連結されている請求項１に記載の収穫機。
3. 　前記後壁部に後窓が備えられ、
   　前記後壁部における前記後窓よりも下方箇所が、前記支柱に支持されている請求項１または２に記載の収穫機。
4. 　一つの前記支柱が備えられ、
   　前記後壁部における左右方向中央部が前記支柱に支持されている請求項１から３の何れか一項に記載の収穫機。
5. 　前記運転部において、運転座席の前方に操縦塔が備えられると共に、操縦関連機器が配設されたサイドパネルと乗降口とが前記運転座席を挟んで左右に振り分けて備えられ、
   　前記キャビンの左右両側壁部のうち前記乗降口側の側壁部において前部に位置する前外側縦フレームが前記操縦塔と連結され、
   　前記キャビンの左右両側壁部のうち前記サイドパネル側の側壁部が前記サイドパネルに載置された状態で前記サイドパネルに連結されている請求項１から４の何れか一項に記載の収穫機。
6. 　前記キャビンの屋根部に、前記キャビンの内部空間を空調する空調装置が内装され、
   　前記支柱に、前記空調装置の補機が支持されている請求項１から５の何れか一項に記載の収穫機。
7. 　前記キャビンの左右両側壁部のうち乗降口側の側壁部において前部に位置する前外側縦フレームにブラケットが連結され、
   　前記ブラケットの遊端部にバックミラーが支持されている請求項１から６の何れか一項に記載の収穫機。
8. 　前記運転部において、操縦関連機器が配設されたサイドパネルと乗降口とが運転座席を挟んで左右に振り分けて備えられ、
   　前記キャビンの左右両側壁部のうち前記サイドパネル側の側壁部に、上下方向に沿った軸芯周りに開閉揺動する片開き式の側窓が備えられ、
   　前記側窓は、前記サイドパネル側の前記側壁部において前部に位置する前内側縦フレームと後端部に位置する後内側縦フレームとに亘る状態で設けられ、
   　前記側窓の前端部にヒンジが備えられ、前記側窓は前端部側を中心として開閉揺動する請求項１から７の何れか一項に記載の収穫機。
9. 　前記ヒンジは、前記前内側縦フレームに取付けられ、
   　前記側窓を閉じた状態にロック可能なロック装置が、前記側窓の後端部と前記後内側縦フレームとに亘って取り付けられている請求項８に記載の収穫機。
10. 　前記前内側縦フレームと前記後内側縦フレームとに亘って設けられると共に、前記側窓によって塞がれる開口が形成された板状部材が備えられ、
    　前記側窓を閉じた状態において、前記側窓の外周部が、前記板状部材における前記開口の外周部に前記キャビンの外側から密着して、前記開口が前記側窓によって塞がれる請求項８または９に記載の収穫機。
11. 　植立穀稈を刈り取る刈取部と、前記刈取部にて刈り取られた刈取穀稈を機体後方に搬送するフィーダと、前記フィーダと機体横幅方向に並ぶ状態で位置する運転部と、前記フィーダにて搬送された刈取穀稈の全部が投入されて脱穀処理を行う脱穀装置と、前記運転部の機体後方側において前記脱穀装置と機体横幅方向に並ぶ状態で位置する穀粒貯留部と、機体後方を撮影する撮像装置とを備え、
    　前記撮像装置は、機体横幅方向で前記刈取部の刈幅中央位置と前記脱穀装置の横幅中央位置との間において、機体後部における前記脱穀装置の排出口よりも上側の位置に備えられている普通型コンバイン。
12. 　前記撮像装置は、機体後方側の圃場面及び前記排出口から排出される排出物を撮影する請求項１１に記載の普通型コンバイン。
13. 　前記排出口が設けられると共に前記脱穀装置にて発生する排ワラ屑を前記排出物として前記排出口から外部に排出する排出処理部が備えられ、
    　前記排出処理部は、前記脱穀装置における機体後端部の上部よりも機体後方側に向けて突出する状態で、前記脱穀装置における機体後端部の下部に位置しており、
    　前記撮像装置は、前記排出処理部の直上方の空間に備えられている請求項１２に記載の普通型コンバイン。
14. 　前記撮像装置は、前記脱穀装置における機体後端部の上部の直後方の空間に備えられている請求項１３に記載の普通型コンバイン。
15. 　前記撮像装置は、前記脱穀装置の後部フレームに支持されている請求項１１～１４のいずれか１項に記載の普通型コンバイン。
16. 　前記後部フレームを機体後方側から覆うカバーが備えられ、
    　前記撮像装置は、前記カバーよりも機体後方へ突出する状態で、前記後部フレームに支持されている請求項１５に記載の普通型コンバイン。
17. 　前記撮像装置は、前記カバーの上端部よりも上側であって且つ前記脱穀装置の天板の直後方の空間に備えられている請求項１６に記載の普通型コンバイン。
18. 　前記運転部にキャビンが備えられ、
    　前記キャビンの前面部に、上部にフロントパネルを有する前壁部と、その前壁部の上端部から前記キャビンの上側部分にわたる上下幅を有するフロントガラスとが備えられ、
    　前記キャビンの内部において、前記フロントガラスの上下中央部に対応する位置に、前記撮像装置にて撮影された画像情報を表示する表示装置が備えられている請求項１１～１７のいずれか１項に記載の普通型コンバイン。
19. 　前記フロントガラスは、上部側が下部側よりも前側に位置する前傾姿勢であり、
    　前記キャビンの左右両側の側壁における機体前端側に縦向き支柱が備えられ、
    　前記表示装置は、前記キャビン内の機体前部側の角部に対応する位置であって、且つ、機体側面視で前記縦向き支柱と前記フロントガラスとの間に対応する位置に配備されている請求項１８に記載の普通型コンバイン。
20. 　前記キャビンの左右両側の側壁のうちの一方の側壁に乗降口が形成され、
    　前記表示装置は、前記キャビン内の前記乗降口が設けられる乗降口側の機体前部側角部に位置しており、
    　サイドミラーが、前記表示装置の斜め上方に位置する状態で、前記一方の側壁の横外方側に備えられている請求項１８又は１９に記載の普通型コンバイン。
21. 　前記表示装置は、前記縦向き支柱に片持ち状に支持され、
    　前記フロントパネルにおける前記表示装置の直下方位置に操縦操作具が備えられている請求項１９又は２０に記載の普通型コンバイン。

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