WO2016114250A1 - 樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

 本発明は、メタクリル樹脂と芳香族ポリカーボネート樹脂との混合物であって、白濁の発生が抑制され、透明性に優れる成形体を得ることのできる樹脂組成物を提供する。該樹脂組成物は、芳香族ポリカーボネート樹脂80重量部以下及びメタクリル樹脂20重量部以上を含有し(但し、両樹脂の合計量を100重量部とする)、前記メタクリル樹脂は、重量平均分子量が6万5千から25万の範囲にあり、重量平均分子量/数平均分子量で表される分子量分布指数が2.2以上と広く、かつ分子量4万以下の成分を20重量%以上含有する。ここで用いるメタクリル樹脂は、GPCによる分子量分布を表すクロマトグラム(代表図)において、(A)及び(B)のように、分子量5万を境に、それより小さい位置とそれより大きい位置の両方にピークトップを有する、いわゆる二峰性の分子量分布を示すものとすることができる。

Description

樹脂組成物
 本発明は、メタクリル樹脂とポリカーボネート樹脂とを含有する樹脂組成物に関する。
 メタクリル樹脂は、一般的に、透明性、表面硬度、紫外線耐性、耐候性、化学特性などに優れることが知られているが、寸法安定性、耐衝撃性、低温耐性などが不十分である。一方、芳香族ポリカーボネート樹脂は、一般的に、高温安定性、寸法安定性、耐衝撃性、剛性、透明性などに優れるものの、耐スクラッチ性及び長期紫外線耐性が不十分で、応力複屈折が発生しやすい。
 上記の両樹脂の特性に鑑みると、メタクリル樹脂と芳香族ポリカーボネート樹脂とを含有する樹脂組成物は、一方の成分が他方の成分の欠点を補い、各種用途に使用可能となることが期待される。しかし、メタクリル樹脂と芳香族ポリカーボネート樹脂は互いに不相溶な樹脂同士であるため、両者を混合した場合には一般に、得られる樹脂組成物は不透明となり、透明性が要求される用途には使用できない。
 そこで、メタクリル樹脂と芳香族ポリカーボネート樹脂とを含有する透明な樹脂組成物を得るために、さまざまな技術が開発されてきた。
 まず、特定の単量体単位を有するメタクリル樹脂を用いる技術が提案されている。例えば、特開昭 64-1749号公報(特許文献1;US4906696としても発行されている。)には、芳香族ポリカーボネート樹脂と、メタクリル酸メチル単位5~95重量%、エステルを構成するアルコール残基に炭化水素環構造を有する(メタ)アクリル酸エステル単位5~95重量%及び任意にα,β-不飽和単量体単位0~40重量%を重合して得られるメタクリル樹脂とを含有する透明重合体混合物が記載されている。
 また、メタクリル樹脂と相溶するセグメント及び芳香族ポリカーボネート樹脂と相溶するセグメントの両方を、ひとつの高分子鎖内に有するポリマーを相溶化剤とする技術が提案されており、特に相溶化剤がグラフトポリマーやブロックポリマーの一次構造を有するときに効果が得られやすい。例えば、特開 2001-316582号公報(特許文献2;US2002/0183447A1としても発行されている。)には、水酸基を有するビニルモノマーと水酸基を有しないビニルモノマーとの共重合体を、ポリカーボネート樹脂とビニル(コ)ポリマーとの相溶化剤とすることが記載されている。この文献には、コポリマー相溶化剤としてのα-メチル-p-ヒドロキシスチレンとメタクリル酸メチルとの共重合体の存在下に、ポリカーボネート樹脂とメタクリル樹脂とを溶融混合することにより、そのコポリマー相溶化剤にポリカーボネートがグラフトしたポリカーボネート含有グラフト鎖を有するビニルコポリマーとし、ポリカーボネート樹脂とメタクリル樹脂との相溶化混合物を作製した例が示されている。前記ビニルコポリマーは、反応性溶融混合で新たに形成される相溶化剤である。
 さらに、相溶しない二つの樹脂を混練する際に、通常よりも高い剪断を加えることにより、一方のマトリクス樹脂中で、他方の樹脂に十分に小さい微視的分散構造を形成させて、光学的に透明な複合樹脂を製造する方法が知られている。例えば、国際公開第 2010/061872号(特許文献3;US2011/0282006A1としても発行されている。)には、高剪断装置を用いた溶融混練方法が記載されている。
特開昭64-1749号公報 特開2001-316582号公報 国際公開第2010/061872号
 芳香族ポリカーボネート樹脂とメタクリル樹脂とを含有する樹脂組成物は、通常、ある温度以上に加熱すると白濁する性質(Lower Critical Solution Temperature(下限臨界共溶温度)挙動であり、略して「LCST挙動」と呼ばれることがある)を有する。したがって、この白濁する温度(すなわち曇点)が、射出成形法、プレス成形法、溶融押出成形法などの樹脂組成物を成形加工するための成形方法において通常設定される温度範囲の上限を下回ることがある場合には、上記の成形方法において当該樹脂組成物を成形加工すると、得られる成形体が白濁し、不透明となることがある。
 特許文献1に記載されている樹脂組成物は、特定の単量体成分を含むメタクリル樹脂を含むものであり、その樹脂の単量体組成を調整すればある程度の曇点制御が可能であるものの、一定割合のポリカーボネート樹脂を混練しようとすると、該メタクリル樹脂の曇点が成形加工温度を下回ることがある。言い換えると、メタクリル樹脂の単量体成分比の最適化のみでは、成形加工温度を上回る曇点を達成できないことがある。また、上記特定の単量体成分の含有割合が多くなると、メタクリル樹脂及び樹脂組成物の物性が低下することがある。
 特許文献2に記載されている樹脂組成物は、メタクリル樹脂とポリカーボネート樹脂との相溶性自体に変化はないため、相溶化剤による分散構造単位(ドメインサイズ)の微小化には限界がある。相溶化剤の添加量を増加させることによりドメインサイズを抑制することが可能であるが、その場合には、得られる樹脂組成物の物性が相溶化剤の影響を大きく受ける。そのため、透明性や機械的物性において目的の達成が難しくなることがある。
 特許文献3に記載されている溶融混練方法は、特殊な高剪断加工装置が必要になることから、実施にあたって制限が生じる。また、樹脂組成物の収量に対する投入エネルギー量の大きさ、さらには単位時間あたりに得られる樹脂組成物の収量の少なさから、通常の混練方法に比較して生産性に劣る。
 本発明が解決しようとする課題は、メタクリル樹脂とポリカーボネート樹脂との混合物であって、白濁の発生が抑制され、透明性に優れる成形体を得ることのできる樹脂組成物を提供することである。
 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、メタクリル樹脂を所定割合以上含有する芳香族ポリカーボネート樹脂とメタクリル樹脂の樹脂組成物において、メタクリル樹脂の分子量及びその分布が得られる樹脂組成物の透明性に大きく影響することを見出し、さらに種々の検討を加えて、本発明を完成するに至った。なお、本明細書において、用語「(メタ)アクリル」は、「アクリル」又は「メタクリル」を意味する。
 すなわち、本発明によれば、芳香族ポリカーボネート樹脂80重量部以下及びメタクリル樹脂20重量部以上を含有し(但し、両樹脂の合計量を100重量部とする)、そのメタクリル樹脂は、重量平均分子量が6万5千から25万の範囲にあり、重量平均分子量/数平均分子量で表される分子量分布指数が 2.2以上であり、かつ分子量4万以下の成分を20重量%以上含有する樹脂組成物が提供される。
 この樹脂組成物において、メタクリル樹脂は、メタクリル酸メチル55重量%以上及びメタクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸エステル 0.1~45重量%を含む単量体成分の重合物であることが好ましい。ここで、メタクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸エステルは、メタクリル酸メチル以外の、アルキル部位の炭素数が1~3の(メタ)アクリル酸アルキルを含むことが好ましく、さらにはアクリル酸メチルを含むことがより好ましい。
 また、上記の樹脂組成物において、メタクリル樹脂は、メタクリル酸メチル55重量%以上、アクリル酸メチル 0.1~45重量%、及び下式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステル10~40重量%を含む単量体成分の重合物であることが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
 式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2はシクロアルキルアルキル基、フェニルアルキル基、ナフチルアルキル基、シクロアルキル基、1個若しくは複数の水素原子がアルキルで置換されたシクロアルキル基、フェニル基、1個若しくは複数の水素原子がアルキルで置換されたフェニル基、ナフチル基、1個若しくは複数の水素原子がアルキルで置換されたナフチル基、ジシクロペンタニル基、又はジシクロペンテニル基を表す。
 さらにこれらの樹脂組成物において、メタクリル樹脂は、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)によって得られる分子量分布を表すクロマトグラムにおいて、分子量が5万より小さい位置と分子量が5万より大きい位置のそれぞれにピークトップを有するものであることができる。
 本発明によれば、メタクリル樹脂とポリカーボネート樹脂という、一般には互いに相溶しない樹脂の組合せでありながら、白濁の発生が抑制され、透明性に優れる成形体を得ることのできる樹脂組成物が提供できる。この樹脂組成物においては、メタクリル樹脂の本来の優れた透明性を維持しながら、両樹脂の組合せによって、耐熱性、耐衝撃性、耐薬品性、吸湿性、表面硬度、複屈折特性などの光学特性を好適に改善することができる。この樹脂組成物を成形加工することによって、白濁の発生が抑制され、透明性に優れる成形体及び樹脂フィルムが得られる。またこの樹脂フィルムを延伸すれば、透明性を含む光学特性に優れる延伸フィルムが得られる。
後述する合成例1~3で製造したメタクリル樹脂のGPCによる分子量分布を表すクロマトグラムであり、(A)は合成例1、(B)は合成例2、(C)は合成例3(比較用)でそれぞれ得られたメタクリル樹脂の分子量分布を表す。 後述する実施例5及び6並びに比較例2で用いたメタクリル樹脂のGPCによる分子量分布を表すクロマトグラムであり、(A)及び(B)は、それぞれ実施例5及び6で低分子量のメタクリル樹脂と高分子量のメタクリル樹脂を混合して得られた樹脂の二峰性分子量分布を表し、(C)は、比較例2で用いたメタクリル樹脂(1種類のみ)の分子量分布を表す。 後述する実施例7及び8並びに比較例3及び4で用いたメタクリル樹脂のGPCによる分子量分布を表すクロマトグラムであり、(A)は、それぞれ実施例7及び8で低分子量のメタクリル樹脂と高分子量のメタクリル樹脂を混合して得られた樹脂の二峰性分子量分布を表し、(B)は、比較例3及び4で用いたメタクリル樹脂(1種類のみ)の分子量分布を表す。
 本発明の樹脂組成物は、特定のメタクリル樹脂が、所定の割合で芳香族ポリカーボネート樹脂と混合されたものである。まず、それぞれの樹脂について説明する。
[メタクリル樹脂]
 本発明において用いられるメタクリル樹脂は、重量平均分子量が6万5千から25万の範囲にあり、重量平均分子量/数平均分子量で表される分子量分布指数が 2.2以上であり、かつ分子量4万以下の成分を20重量%以上含有する。なお、本明細書において、メタクリル樹脂につき、単に「分子量」、「重量平均分子量」、「数平均分子量」及び「分子量分布指数」と呼ぶときは、それぞれGPCによって導出される、標準ポリメタクリル酸メチル(PMMA)換算分子量を意味する。
 メタクリル樹脂は通常、メタクリル酸メチルを主成分とする単量体成分の重合体又は共重合体である。ここでメタクリル酸メチルは、メタクリル樹脂の透明性及び耐候性が良好となることから、メタクリル樹脂を構成する単量体成分の合計量を基準に、一般には55重量%以上の割合で用いられ、好ましくは65重量%以上の割合で用いられる。メタクリル酸メチルは、市販品をそのまま用いてもよいし、従来公知の方法に従って合成したものを用いてもよい。
 上述のとおりメタクリル樹脂は、メタクリル酸メチルの単独重合体であってもよいし、メタクリル酸メチルと他の単量体との共重合体であってもよい。共重合体の場合には、他の単量体、すなわち共重合成分の好ましい例として、メタクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸エステルを挙げることができる。メタクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸エステルをメタクリル酸メチルに共重合させる場合には、その共重合割合は、単量体成分の合計量を基準に、0.1重量%以上とするのが好ましく、さらには0.1~45重量%の範囲とするのが好ましい。したがって、メタクリル酸メチルの共重合割合は、55重量%以上とするのが好ましい。
 (メタ)アクリル酸エステルの中でも好ましいものの一つとして、(メタ)アクリル酸アルキルがある。(メタ)アクリル酸アルキルは、市販品をそのまま用いてもよいし、従来公知の方法に従って合成したものを用いてもよい。
 (メタ)アクリル酸アルキルは、メタクリル酸メチルと共重合可能なものであれば特に制限されないが、例えば、アルキル部位の炭素数が1~12のアクリル酸アルキル、及びアルキル部位の炭素数が2~12のメタクリル酸アルキルが挙げられる。アルキルエステルにおいて、そのアルキルは直鎖でも分岐していてもよい。
 共重合成分となりうる(メタ)アクリル酸アルキルのより具体的な例を挙げると、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル〔(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸 sec-ブチル及び(メタ)アクリル酸tert-ブチル〕、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルなどが挙げられる。
これらの中でも、炭素数1~4、とりわけ炭素数1~3のアルキルを有する(メタ)アクリル酸アルキルが好ましく、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、及び(メタ)アクリル酸ブチル(とりわけ前二者)がより好ましく、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、及びアクリル酸ブチル(とりわけ前二者)がさらに好ましい。これらの(メタ)アクリル酸アルキルは、それぞれ単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
 以上のような(メタ)アクリル酸アルキルを共重合させる場合は、メタクリル樹脂を構成する単量体成分の合計量を基準に、 0.1~45重量%の割合で用いられ、好ましくは0.1~15重量%の割合、より好ましくは0.1~5重量%の割合、さらに好ましくは 0.1~1重量%の割合で用いられる。この場合には、メタクリル樹脂におけるメタクリル酸メチルの共重合割合の上限は、99.9重量%となる。
 共重合成分となるもう一つの好ましい(メタ)アクリル酸エステルとして、エステルを構成するアルコール残基が炭化水素環構造を有するもの、具体的には前記式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。中でも、前記式(I)において、R1 がメチル基であるもの、すなわちメタクリル酸エステルが好ましい。炭化水素環構造を有する前記式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステルを共重合させることは、得られるメタクリル樹脂の芳香族ポリカーボネート樹脂に対する相溶性を改善し、両者を均一に混じりやすくして両者を混合したときの不透明化を抑制するうえで好ましい。
 前記式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステルは、少なくとも一つの脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基を有するものであり、市販品をそのまま用いてもよいし、従来公知の方法に従って合成したものを用いてもよい。
 式(I)において、R2 がシクロアルキルアルキル基、フェニルアルキル基又はナフチルアルキル基である場合には、それぞれのアルキル基は炭素数1~4程度であることができ、このようなアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基などが挙げられる。また、これらのシクロアルキルアルキル基、フェニルアルキル基又はナフチルアルキル基において、アルキル基に結合するシクロアルキル基、フェニル基又はナフチル基の数及びアルキル基に対する結合位置に制限はない。
 R2 がシクロアルキルアルキル基である場合には、そのアルキル基に結合するシクロアルキル基は炭素数5~12程度であることができ、このようなシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基などが挙げられる。R2 で表されるシクロアルキルアルキル基として、例えば、少なくとも1つの水素原子(H)が上記の炭素数5~12のシクロアルキル基で置換されたメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基などが挙げられる。
 R2 で表されるフェニルアルキル基として、例えば、少なくとも1つの水素原子がフェニル基で置換されたメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基などが挙げられ、より具体的には、ベンジル基やフェネチル基などが該当する。
 R2 で表されるナフチルアルキル基として、例えば、少なくとも1つの水素原子がナフチル基で置換されたメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基などが挙げられ、より具体的には、1-ナフチルメチル基、2-ナフチルメチル基、1-ナフチルエチル基、2-ナフチルエチル基などが該当する。
 R2 がシクロアルキル基である場合には、その炭素数は5~12程度であることができ、このようなシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基などが挙げられる。これらのシクロアルキル基には、必要に応じて、水酸基、アミノ基、スルホン酸基などの置換基がさらに結合していてもよい。
 R2 が、1個若しくは複数の水素原子がアルキルで置換されたシクロアルキル基である場合には、そのシクロアルキル基も、炭素数5~12程度であることができ、その具体例も上と同様である。その置換基であるアルキル基は、炭素数1~4程度であることができ、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基などが挙げられる。シクロアルキル基に結合するアルキル基の数及びシクロアルキル基に対する結合位置に制限はない。R2 で表される1個若しくは複数の水素原子がアルキルで置換されたシクロアルキル基として、例えば、少なくとも1つの水素原子が上記の炭素数1~4のアルキル基で置換されたシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基などが挙げられる。
 R2 が、1個若しくは複数の水素原子がアルキルで置換されたフェニル基である場合には、及び1個若しくは複数の水素原子がアルキルで置換されたナフチル基である場合には、それらのフェニル基又はナフチル基に結合するアルキル基は、炭素数1~4程度であることができ、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基などが挙げられる。フェニル基又はナフチル基に結合するアルキル基の数及びフェニル基又はナフチル基に対する結合位置に制限はない。
 R2 で表される1個若しくは複数の水素原子がアルキルで置換されたフェニル基として、より具体的には例えば、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基などが挙げられる。
また、R2 で表される1個若しくは複数の水素原子がアルキルで置換されたナフチル基として、より具体的には例えば、メチルナフチル基、エチルナフチル基などが挙げられる。
 R2 がフェニル基である場合、及びナフチル基である場合には、これらのフェニル基又はナフチル基には、水酸基、アミノ基、スルホン酸基などの置換基がさらに結合していてもよい。
 またR2 がジシクロペンタニル基である場合、及びジシクロペンテニル基である場合には、これらの基にはそれぞれ、アルキル基、水酸基、アミノ基、スルホン酸基などの置換基がさらに結合していてもよい。この場合のアルキル基も、炭素数1~4程度であることができ、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基などが挙げられる。
 式(I)において、R2 は好ましくは、シクロアルキル基、ベンジル基、ジシクロペンタニル基、フェニル基又はナフチル基であり、より好ましくは、シクロヘキシル基、フェニル基又はナフチル基であり、さらに好ましくは、シクロヘキシル基又はフェニル基である。
 前記式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステルの好ましい具体例を挙げると、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸ジシクロペンタニル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ナフチルなどがある。中でも、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ジシクロペンタニル、メタクリル酸フェニル及びメタクリル酸ナフチルが好ましく、とりわけ、メタクリル酸シクロヘキシル及びメタクリル酸フェニルが好ましい。
 式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステルは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
 式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステルを共重合させる場合は、メタクリル樹脂を構成する単量体成分の合計量を基準に、10~40重量%の割合で用いられ、好ましくは15~35重量%の割合で用いられる。式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステルのうち2種以上を併用する場合は、その合計量が、上述の割合の範囲であることが好ましい。また、式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステルの共重合割合は10重量%を下回ってもよいが、その場合には、メタクリル樹脂の芳香族ポリカーボネート樹脂に対する相溶性改善効果があまり期待できず、メタクリル樹脂の組成や混合相手である芳香族ポリカーボネート樹脂の種類によっては、芳香族ポリカーボネート樹脂と混合して得られる樹脂組成物及びその成形体の透明性が低下したり、また耐候性が低下したりすることがある。
 メタクリル酸メチルに、先に説明した(メタ)アクリル酸の直鎖又は分岐アルキルエステルと、同じく上で説明した炭化水素環構造を有する前記式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステルの両者を共重合させることも、有効である。この場合はとりわけ、(メタ)アクリル酸アルキルとして、アクリル酸メチルが好ましく用いられる。この場合には、アクリル酸メチルの共重合割合は、メタクリル樹脂を構成する単量体成分の合計量を基準に、一般には0.1~45重量%の範囲とされ、好ましくは、0.1~15重量%、さらには0.1~5重量%、とりわけ0.1~1重量%の範囲とされる。また、この場合の前記式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステルの共重合割合は、メタクリル樹脂を構成する単量体成分の合計量を基準に、一般には10~40重量%の範囲とされ、好ましくは15~35重量%の範囲とされる。これら三成分を共重合させる場合には、メタクリル酸メチルの共重合割合は55重量%以上となり、その上限は89.9重量%となる。
 さらに、メタクリル樹脂を構成する単量体成分として、本発明の効果を損なわない限りにおいて、以上説明したメタクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸アルキル、及び前記式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステル以外の単量体が含まれてもよい。
 単量体成分を重合するときの重合方法に制限はなく、例えば、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などの公知の重合法を採用することができる。重合には通常、ラジカル重合開始剤が用いられ、好ましくはラジカル重合開始剤に加えて連鎖移動剤も用いられる。
 ラジカル重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ化合物、ラウロイルパーオキサイド及び1,1-ジ(tert-ブチルパーオキシ)シクロヘキサンのような有機過酸化物などが好ましく用いられる。重合開始剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。重合開始剤の使用量は、単量体の種類やその割合などに応じて、適宜決定すればよい。
 連鎖移動剤としては、例えば、n-ブチルメルカプタン、n-オクチルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタン及び2-エチルヘキシルチオグリコレートのようなメルカプタン類などが好ましく用いられる。連鎖移動剤も、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。連鎖移動剤の使用量も、単量体の種類やその割合などに応じて、適宜決定すればよい。
 前記単量体成分を重合する際の重合温度、重合時間などは、単量体の種類、単量体の割合などに応じて適宜設定すればよく、特に限定されない。
 本発明において用いられるメタクリル樹脂は、先述のとおり、重量平均分子量が6万5千から25万の範囲にある。その重量平均分子量は、8万から20万の範囲にあるのがより好ましい。このような範囲の重量平均分子量を有するメタクリル樹脂は流動性に優れ、芳香族ポリカーボネート樹脂と混合するときに溶融混練しやすく、このようなメタクリル樹脂を用いると、優れた加工性が得られ、また、得られる樹脂組成物及び成形体は透明性及び機械的強度に優れる。
 本発明において用いられるメタクリル樹脂は、重量平均分子量/数平均分子量で表される分子量分布指数が2.2以上である。その分子量分布指数は、2.5以上であることが好ましく、2.8以上であることがより好ましい。メタクリル樹脂がこのような広い分子量分布を有することにより、得られる樹脂組成物及び成形体の所期の機械的強度を達成しながら、ポリカーボネート樹脂との好適な相溶性を確保することができる。本発明に適用されるメタクリル樹脂の分子量分布指数に上限はないが、例えば、10程度までで十分である。
 このような分子量分布の広いメタクリル樹脂を製造するための重合方法は、特に制限されないが、ラジカル重合開始剤を1種類及び連鎖移動剤を1種類用い、1段で重合を行う通常のラジカル重合法では、得られる重合体の分子量分布に限界があり、分子量分布をあまり広くすることは難しい。そこで、多種のラジカル重合開始剤を用いる方法、多種の連鎖移動剤を用いる方法、多官能性単量体を少量添加する方法、多段の重合工程を組み合わせる方法など、分子量分布を広くするための既知の重合方法を適宜用いることが好ましい。
 また、異なる重量平均分子量を有するメタクリル樹脂を2種以上混合することにより、本発明で規定する分子量分布の広いメタクリル樹脂とすることもできる。混合する方法は特に制限されるものでなく、例えば、溶融混練法、溶媒混練法、ドライブレンド法などを採用することができるが、生産性の面からは、溶融混練法又はドライブレンド法が好ましく用いられる。混合には、通常の混合器や混練機を用いることができ、具体的には、一軸混練押出機、二軸混練押出機、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、ドラムタンブラーなどが挙げられる。異なる重量平均分子量を有するメタクリル樹脂同士の混合は、メタクリル樹脂を芳香族ポリカーボネート樹脂と混練するときに同時に行ってもよいし、芳香族ポリカーボネート樹脂への混練とは別に行ってもよい。
 さらに、前記の分子量分布が広いメタクリル樹脂は、異なるコモノマー組成(共重合組成とも言う)を有するメタクリル樹脂を2種以上含んでいてもよい。異なるコモノマー組成を有するメタクリル樹脂同士の混合方法も特に制限されず、先に説明した多段の重合工程を組み合わせる方法を採用するなどして、重合工程内で混合してもよいし、上で説明した通常の混合器又は混練機を用いて、重合工程後に混合してもよい。
 本発明において用いられるメタクリル樹脂は、分子量4万以下の成分を20重量%以上含有する。このような比較的低分子量の重合体(分子量4万以下の成分)は、20重量%以上50重量%以下の含有量で含有されるのが好ましく、25重量%以上45重量%以下の含有量で含有されるのがより好ましい。メタクリル樹脂中に分子量4万以下の成分が20重量%以上含まれることにより、芳香族ポリカーボネート樹脂との相溶性が向上し、曇点及び透明性が向上する。メタクリル樹脂中の分子量4万以下の成分が20重量%を下回ると、芳香族ポリカーボネート樹脂との相溶性が低下する。一方、メタクリル樹脂中の分子量4万以下の成分があまり多くなると、得られる樹脂組成物及びその成形体の機械強度が著しく低下するので、その量は50重量%以下、さらには45重量%以下となるようにするのが好ましい。
 このように、本発明で用いられるメタクリル樹脂は、分子量分布が広く、かつ、分子量4万以下という低分子量成分を所定割合で含むものであり、このような特性を達成するうえでは、分子量分布曲線において二峰性(bimodal) を示すようにするのも有効である。
具体的には、GPCによって得られる分子量分布を表すクロマトグラムにおいて、分子量が5万より小さい位置と分子量が5万より大きい位置のそれぞれにピークトップを有するメタクリル樹脂を、樹脂組成物の一方の成分とするのが好ましい。メタクリル樹脂の高分子量側のピークトップは、分子量が10万以上の位置にあることがより好ましい。
 図1は、後述する合成例1~3で製造したメタクリル樹脂のGPCによる分子量分布を表すクロマトグラムであり、これらのうち、(A)は合成例1で得られたメタクリル樹脂の分子量分布を、(B)は合成例2で得られたメタクリル樹脂の分子量分布をそれぞれ表しており、これらは二峰性の分子量分布を示している。
 また図2は、後述する実施例5及び6並びに比較例2で用いたメタクリル樹脂のGPCによる分子量分布を表すクロマトグラムであり、これらのうち、(A)及び(B)は、それぞれ実施例5及び6で低分子量のメタクリル樹脂と高分子量のメタクリル樹脂を混合して得られた樹脂の分子量分布を表しており、これらは二峰性の分子量分布を示している。
 メタクリル樹脂は、230℃において3.8kg 荷重で測定したメルトマスフローレート(MFR)が、好ましくは0.1~50g/10分であり、より好ましくは0.2~30g/10分である。メタクリル樹脂がこのような範囲のMFRを有することで、流動性に優れるものとなり、芳香族ポリカーボネート樹脂と混合するときに溶融混練しやすくなる。
また、得られる樹脂組成物及びその成形体の機械的強度が向上する。
 メタクリル樹脂には、前記単量体成分を重合して得られる共重合体の他に、離型剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、重合抑制剤、酸化防止剤、難燃化剤、補強材等の添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で含有させてもよいが、これらが配合されたメタクリル樹脂の総量100重量部に対する前記共重合体の含有量は、95~99.995重量部となるようにするのが好ましい。
[芳香族ポリカーボネート樹脂]
 以上説明したメタクリル樹脂は、本発明に従い、芳香族ポリカーボネート樹脂と混合して樹脂組成物とされる。ここでいう芳香族ポリカーボネート樹脂は、主鎖に芳香環とカーボネート結合(-OCOO-)とを有する高分子である。芳香族ポリカーボネート樹脂としては、例えば、二価フェノールとカルボニル化剤とを界面重縮合法や溶融エステル交換法などで反応させることにより得られるもの;カーボネートプレポリマーを固相エステル交換法などで重合させることにより得られるもの;環状カーボネート化合物を開環重合法で重合させることにより得られるものなどが挙げられる。
 二価フェノールとしては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4′-ジヒドロキシジフェニル、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジブロモフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-イソプロピル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3-ジメチルブタン、2,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2-メチルブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-メチルペンタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-イソプロピルシクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン、α,α′-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-o-ジイソプロピルベンゼン、α,α′-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-m-ジイソプロピルベンゼン、α,α′-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-p-ジイソプロピルベンゼン、1,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-5,7-ジメチルアダマンタン、4,4′-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′-ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4′-ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4′-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4-ヒドロキシフェニル 4-ヒドロキシベンゾエートなどが挙げられる。これらの二価フェノールは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
 これら二価フェノールの中でも、ビスフェノールA、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3-ジメチルブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-メチルペンタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン及びα,α′-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-m-ジイソプロピルベンゼンが好ましい。特に、ビスフェノールAの単独使用又は、ビスフェノールAと、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン及びα,α′-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-m-ジイソプロピルベンゼンからなる群より選ばれる少なくとも1種との併用が好ましい。
 カルボニル化剤としては、例えば、カルボニルハライド(ホスゲンなど)、カーボネートエステル(ジフェニルカーボネートなど)、ハロホルメート(二価フェノールのジハロホルメートなど)などが挙げられる。これらのカルボニル化剤も、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
 本発明に用いられる芳香族ポリカーボネート樹脂は、GPCで測定した標準ポリスチレン換算の重量平均分子量が1万から5万の範囲にあることが好ましい。その重量平均分子量が1万未満になると、メタクリル樹脂と混合した樹脂組成物から得られる成形体の耐衝撃性及び耐熱性が十分でなくなる傾向にある。一方、芳香族ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量が5万を超えると、メタクリル樹脂に対する相溶性が低下する傾向にある。
 芳香族ポリカーボネート樹脂はまた、300℃において1.2kg 荷重で測定したメルトボリュームフローレート(MVR)が、好ましくは 2~280cm3/10分であり、より好ましくは 10~240cm3/10分である。このような範囲のMVRを有する芳香族ポリカーボネート樹脂は流動性に優れ、メタクリル樹脂と混合するときに溶融混練しやすい。また、芳香族ポリカーボネート樹脂を用いると、得られる樹脂組成物及びその成形体は機械的強度に優れる。
 芳香族ポリカーボネート樹脂には、離型剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、重合抑制剤、酸化防止剤、難燃化剤、補強材等の添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で含有させてもよい。
[樹脂組成物]
 本発明の樹脂組成物は、以上説明したメタクリル樹脂と芳香族ポリカーボネート樹脂とを、両者の合計を100重量部として、メタクリル樹脂が20重量部以上、芳香族ポリカーボネート樹脂が80重量部以下の割合となるように配合したものである。好ましくは、メタクリル樹脂が40~95重量部、芳香族ポリカーボネート樹脂が5~60重量部の割合となるように配合する。芳香族ポリカーボネート樹脂の含有量が80重量部を超えると、樹脂組成物及びそれを成形して得られる成形体の透明性が低下する。
 本発明の樹脂組成物には、前記メタクリル樹脂及び芳香族ポリカーボネート樹脂以外に、本発明の効果を損なわない限りにおいて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、相溶化剤、安定剤、着色剤、発泡剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助剤などの慣用の添加剤を配合してもよい。また、少量の他の熱可塑性樹脂等を添加してもよい。これらの添加剤は、メタクリル樹脂と芳香族ポリカーボネート樹脂とを含む複合樹脂混合物の溶融混練時に加えてもよいし、溶融混練の前又は後に加えてもよい。添加剤を添加する場合は、樹脂組成物の総量100重量部に対するメタクリル樹脂及び芳香族ポリカーボネート樹脂の合計含有量が、70~99.995重量部となるようにすることが好ましい。
 紫外線吸収剤としては、例えば、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
 トリアジン系紫外線吸収剤の具体例を挙げると、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-エトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-プロポキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、 2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-ドデシルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-ベンジルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-6-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシ-3-メチル)-1,3,5-トリアジンなどがある。
 ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の具体例を挙げると、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-オクチルオキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ドデシルオキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクタデシルオキシベンゾフェノン、2,2′-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2′-ジヒドロキシ-4,4′-ジメトキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′-テトラヒドロキシベンゾフェノンなどがある。
 ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の例を挙げると、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-(3,4,5,6-テトラヒドロフタルイミドメチル)-5-メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2,2′-メチレンビス〔4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール〕、2-(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-アミルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾールなどがある。
 ベンゾエート系紫外線吸収剤の具体例を挙げると、2,4-ジ-tert-ブチルフェニル 3′,5′-ジ-tert-ブチル-4′-ヒドロキシベンゾエート、2,6-ジ-tert-ブチルフェニル 3′,5′-ジ-tert-ブチル-4′-ヒドロキシベンゾエート、n-ヘキサデシル 3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、n-オクタデシル 3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエートなどがある。
 シアノアクリレート系紫外線吸収剤の具体例を挙げると、2′-エチルヘキシル 2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート、エチル 2-シアノ-3-(3,4-メチレンジオキシフェニル)アクリレートなどがある。
 これら紫外線吸収剤の多くは市販されており、特に、ケミプロ化成(株)から販売されているトリアジン系紫外線吸収剤である“KEMISORB 102”、(株)ADEKAから販売されているトリアジン系紫外線吸収剤である“アデカスタブ LA-F70”、(株)ADEKAから販売されているベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤である“アデカスタブ LA-31”など、比較的分子量の大きいものが好ましい。
 すなわち、紫外線吸収剤は、その分子量(混合物又はオリゴマーであれば重量平均分子量)が、500~1,000の範囲、さらには 550~700の範囲にあるものが好ましい。その分子量があまり小さいと、成形中に揮発しやすく、一方で分子量があまり大きいと、メタクリル樹脂や芳香族ポリカーボネート樹脂との相溶性が低下しやすくなる。
 酸化防止剤としては例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などが挙げられる。これらの酸化防止剤は、メタクリル樹脂又は樹脂組成物の熱安定化剤としても機能する。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
 ヒンダードフェノール系酸化防止剤は各種のものが市販されており、市販品の例を挙げると、BASF社から販売されている“IRGANOX 1010”、“IRGANOX 1035”、“IRGANOX 1076”及び“IRGANOX 1222”、住友化学(株)から販売されている“スミライザー GM”、“スミライザー GS”及び“スミライザー GA80”、(株)ADEKAから販売されている“アデカスタブ AO-70”及び“アデカスタブ AO-80”などがある。
 リン系酸化防止剤の具体例を挙げると、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)フォスファイト、2-〔{2,4,8,10-テトラキス(1,1-ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン-6-イル}オキシ〕-N,N-ビス〔2-[{2,4,8,10-テトラキス(1,1-ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン-6-イル}オキシ]-エチル〕エタナミン、ジフェニルトリデシルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、2,2′-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリストールジホスファイトなどがある。これらの中でも、2,2′-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)オクチルホスファイトが好ましい。
 イオウ系酸化防止剤の具体例を挙げると、ジメチルジスルフィド、ジエチルジスルフィド、ジ-n-プロピルジスルフィド、ジ-n-ブチルジスルフィド、ジ- sec-ブチルジスルフィド、ジ-tert-ブチルジスルフィド、ジ-tert-アミルジスルフィド、ジシクロヘキシルジスルフィド、ジ-tert-オクチルジスルフィド、ジ-n-ドデシルジスルフィド、ジ-tert-ドデシルジスルフィドなどがある。これらの中でも、ジ-tert-アルキルジスルフィドが好ましく、さらに好ましくはジ-tert-ドデシルジスルフィドである。
 以上説明した酸化防止剤のほか、ゴム用の老化防止剤として知られる芳香族アミン系化合物も、メタクリル樹脂又は樹脂組成物に対する熱安定化剤として用いることができる。芳香族アミン系熱安定化剤(老化防止剤)の具体例を挙げると、N,N′-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-N′-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンの重合物などがある。これらはそれぞれ、住友化学(株)から“ANTIGENE P”、“ANTIGENE 3C”、“ANTIGENE FR”の商品名で販売されている。
[メタクリル樹脂と芳香族ポリカーボネート樹脂の混合]
 本発明の樹脂組成物は、例えば、上で説明したメタクリル樹脂と芳香族ポリカーボネート樹脂とを含む樹脂混合物を溶融混練することにより、製造できる。両樹脂を均一に混合するために、溶融混練は、通常180~320℃、好ましくは200~300℃の温度条件下、通常10~200sec-1の剪断速度、好ましくは30~150sec-1の剪断速度で行われる。
 メタクリル樹脂と芳香族ポリカーボネート樹脂の溶融混練には、通常の混合機や混練機として知られる機器を用いることができる。具体的には、一軸混練押出機、二軸混練押出機、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、ドラムタンブラーなどが挙げられる。これらの中でも、二軸混練押出機が好ましい。また、溶融混練は、必要に応じて、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどの不活性ガスの雰囲気下で行うことができる。
 このようにして、白濁の発生が抑制され、透明性に優れる成形体を与えることのできる樹脂組成物を得ることができる。そして、この樹脂組成物を成形加工することにより、白濁の発生が抑制され、透明性に優れる成形体や樹脂フィルムなどが得られる。
[成形体]
 本発明の樹脂組成物は、所望の形状に加工され、成形体に加工される。成形体は、樹脂組成物を成形加工してなるものである。本発明の樹脂組成物を成形加工してなる成形体は、白濁の発生が抑制され、透明性に優れる。またこの成形体は、機械的性質、熱的性質、耐溶剤性などにおいても優れる。
 成形加工は、例えば、メタクリル樹脂と芳香族ポリカーボネート樹脂とを所定割合で溶融混練して得た溶融状の樹脂組成物をそのまま使用して行ってもよいし、樹脂組成物をペレット状などの所定形状に加工したのち、この所定形状とされた樹脂組成物を使用し、再度溶融させてから行ってもよい。成形加工方法に制限はなく、例えば、射出成形法、プレス成形法、溶融押出成形法などが使用できる。
 成形体は、例えば、電子光学材料(レンズ、光ディスク基板、導光板などの材料)、カバー材料(ディスプレイ等のカバーなどの材料)、医療品・化粧品容器用材料、樹脂グレージング材料などとして有用である。
[樹脂フィルム]
 本発明の樹脂組成物は、フィルム状に成形加工することにより、樹脂フィルムとすることもできる。本発明の樹脂組成物を成形加工してなる樹脂フィルムは、白濁の発生が抑制され、透明性に優れる。樹脂フィルムとする場合には、その厚さは、10~1,000μm程度が好ましく、さらには20~500μm、とりわけ20~300μmの範囲にあるのがより好ましい。
 樹脂組成物から樹脂フィルムに成形加工する方法にも制限はなく、例えば、まず、メタクリル樹脂と芳香族ポリカーボネート樹脂とを含有する樹脂組成物を調製し、次いで、その樹脂組成物を、溶融押出法、溶融流延製膜法、熱プレス法などにより成形する方法が挙げられる。中でも、溶融押出成形法が好ましい。
 溶融押出成形法を採用する場合は、まず、メタクリル樹脂と芳香族ポリカーボネート樹脂とを混合し、必要に応じてさらに上述した他の成分も混合して、樹脂組成物を得、その樹脂組成物を一軸又は二軸の押出機により溶融混練し、次いでTダイから連続的に溶融樹脂をフィルム状に押出し、引き続き、連続的に押出されるフィルム状の溶融樹脂を、表面が平滑な一対の金属ロールの間に挟み込んで成形・冷却する方法が採用できる。
メタクリル樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂、及び必要に応じて配合される他の成分を混合する方法も、特に限定されず、任意の公知の方法を用いればよい。例えば、スーパーミキサーやバンバリーミキサーを用いてもよいし、一軸又は二軸押出機で溶融混練してもよいし、これらを組み合わせてもよい。
 樹脂フィルムは、単層構成のフィルムであることが好ましいが、本発明の効果を損なわない限りにおいて、2層以上の多層構成のフィルムであってもよい。樹脂フィルムが多層構成のフィルムであるとき、各層は同じ組成の樹脂組成物から形成されていてもよいし、異なる組成の樹脂組成物から形成されていてもよい。異なる組成の樹脂組成物とは、含有される樹脂の種類が異なるもの、樹脂の種類は同じであるが、各樹脂の含有量又は組成が異なるもの、樹脂の種類や組成は同じであるが添加物が異なるものなど、いずれの場合をも含むものである。
 樹脂フィルムは、偏光板を構成する保護フィルム(すなわち、偏光子保護フィルム)として好適に用いることができるほか、偏光子保護フィルム以外にも、例えば、建築窓やカーポート屋根材等の建築用採光部材、車輌窓等の車輌用採光部材、温室等の農業用採光部材、照明部材、前面フィルター等のディスプレイ部材などに積層して用いることもできる。
 偏光板は、ポリビニルアルコール系樹脂に二色性色素が吸着配向している偏光子を主たる構成要素とする光学部材であり、液晶表示装置における光の透過と遮断を制御するために主に用いられている。二色性色素が吸着配向したポリビニルアルコール系樹脂フィルムからなる偏光子は、それだけでは脆いため、通常はその片面又は両面に保護フィルムを貼合して偏光板とされる。本発明の樹脂組成物から形成される樹脂フィルムは、このような偏光子保護フィルムとして好適に用いることができる。
 また、本発明の樹脂組成物から形成される樹脂フィルムに一軸又は二軸延伸を施して、延伸フィルムとすることもできる。延伸によってフィルムに位相差が付与される。上記した偏光板は、液晶表示装置を構成する液晶セルの光学補償などを目的に、位相差フィルムと組み合わせて用いられることが多いが、本発明の樹脂組成物から形成される樹脂フィルムに延伸を施して位相差が付与された延伸フィルムは、このような位相差フィルムとして用いることができる。この延伸フィルム(すなわち、位相差フィルム)は、上記した偏光子に接着剤を介して直接貼合することもでき、この場合は、上記した偏光子保護フィルムの機能を兼ね備える位相差フィルムとして用いられることになる。
 以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。例中、使用量ないし含有量を表す部、%及びppm は、特記ない限り重量基準である。また、得られた樹脂組成物及び成形体の各種物性測定及び評価の方法は、次のとおりである。
〈樹脂組成物の曇点〉
 メタクリル樹脂と芳香族ポリカーボネート樹脂とを混合して製造された樹脂組成物を90℃で12時間乾燥した後、プレス成形機〔(株)神藤金属工業所製の“シントー式ASF型油圧プレス”〕を用いて220℃のプレス温度でプレス成形を行い、厚みが3mmの成形片を得た。次いで得られた成形片を、再度同じプレス成形機を用いて、260℃、270℃、280℃及び290℃のプレス温度でそれぞれプレス成形を行い、厚みが2mmで40mm角の各試験片を得た。得られた各試験片について外観を目視で評価し、白濁が無くて透明な試験片が得られたプレス温度のうち、最も高いプレス温度を、当該樹脂組成物の曇点とした。
〈成形体の外観〉
 各実施例及び比較例で得られた成形体については、目視で外観を評価した。表2において、成形体に白濁がなく、全体として透明であるものを「○」と表示し、成形体の一部に白濁があるが、中央部は透明であるものを「△」と表示し、成形体全体に白濁があり、半透明ないし不透明であるものを「×」と表示した。
〈成形体の光学特性〉
 各実施例及び比較例で得られた成形体については、ヘーズメーター〔(株)村上色彩技術研究所製の“HR-100”〕を用いて、厚み方向の全光線透過率及びヘイズ値を測定した。なお、ヘイズ値は、下式に基づき算出される値である。
〈メタクリル樹脂の分子量〉
 重合で得られたメタクリル樹脂、又は平均分子量の異なる2種類の樹脂を混合して得られたメタクリル樹脂混合物の分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ〔東ソー(株)製の“HLC-8320GPC EcoSEC”〕を用いて求めた。測定条件は、移動相としてテトラヒドロフランを流量 0.350mL/分で40℃に保持したカラムに流通させ、RI(示差屈折率)検出器により、クロマトグラムを得た。カラムは、いずれも東ソー(株)製の “TSKgel SuperMultipore HZ-M”2本と“TSKgel SuperHZ2500”1本とを直列に接続した。 分子量の定量には、昭和電工(株)製の標準PMMA“STANDARD M-75” の一式を用いて検量線を作製し、算出を行った。
[合成例1]:メタクリル樹脂の製造
 攪拌機を備えた第一の重合反応器に、メタクリル酸メチル 99.5%、アクリル酸メチル0.5%、重合開始剤としてtert-アミルパーオキシ2-エチルヘキサノエート0.01部、連鎖移動剤としてn-オクチルメルカプタン 0.10部、離型剤としてステアリルアルコール0.1部、及び熱安定化剤として最終的に得られるメタクリル樹脂総量の30ppm程度に相当する量のジ-tert-ドデシルジスルフィドをそれぞれ連続的に供給し、140℃にて平均滞留時間60分間で重合反応を行った。次いで、第一の重合反応器から出てきた部分共重合体である反応液を、攪拌機を備えた第二の重合反応器に送り、メタクリル酸メチル99.5部、アクリル酸メチル0.5部、重合開始剤として1,1-ジ(tert-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン 0.01部、及び連鎖移動剤としてn-オクチルメルカプタン 0.50部からなるモノマー液を追加で投入し、175℃にて平均滞留時間37分間で重合反応を行った。さらに、第二の重合反応器から出てきた反応液を脱揮押出機に供給し、未反応の単量体成分を気化させて回収し、充分に混練した後、賦形して、ペレット状のメタクリル樹脂を得た。
[合成例2]:メタクリル樹脂の製造
 攪拌機を備えた第一の重合反応器に、メタクリル酸メチル 99.1%、アクリル酸メチル0.9%、重合開始剤としてtert-アミルパーオキシ2-エチルヘキサノエート0.02部、連鎖移動剤としてn-オクチルメルカプタン 0.13部、離型剤としてステアリルアルコール0.1部、及び熱安定化剤として最終的に得られるメタクリル樹脂総量の30ppm程度に相当する量のジ-tert-ドデシルジスルフィドをそれぞれ連続的に供給し、140℃にて平均滞留時間37分間で重合反応を行った。次いで、第一の重合反応器から出てきた部分共重合体である反応液を、攪拌機を備えた第二の重合反応器に送り、メタクリル酸メチル99.1%、アクリル酸メチル0.9%、重合開始剤として1,1-ジ(tert-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン 0.01部、及び連鎖移動剤としてn-オクチルメルカプタン 0.90部からなるモノマー液を追加で投入し、175℃にて平均滞留時間15分間で重合反応を行った。さらに、第二の重合反応器から出てきた反応液を脱揮押出機に供給し、未反応の単量体成分を気化させて回収し、充分に混練した後、賦形して、ペレット状のメタクリル樹脂を得た。
[合成例3]:比較用メタクリル樹脂の製造
 攪拌機を備えた重合反応器に、メタクリル酸メチル97.5%、アクリル酸メチル2.5%、重合開始剤として1,1-ジ(tert-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.01部、連鎖移動剤としてn-オクチルメルカプタン 0.09部、離型剤としてステアリルアルコール0.1部、及び熱安定化剤として最終的に得られるメタクリル樹脂総量の5ppm程度に相当する量のジ-tert-ドデシルジスルフィドをそれぞれ連続的に供給し、175℃にて平均滞留時間40分間で重合反応を行った。次いで、重合反応器から出てきた未反応単量体成分を含む反応液を脱揮押出機に供給し、未反応の単量体成分を気化させて回収し、充分に混練した後、賦形して、ペレット状のメタクリル樹脂を得た。
 上の合成例1~3によって得られたメタクリル樹脂の重量平均分子量Mw 、分子量分布指数Mw/Mn、及びメタクリル樹脂中に含まれる分子量4万以下の成分量を表1にまとめた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
 また、それぞれの樹脂のクロマトグラムから得られた分子量分布曲線を図1に示した。
図1において、(A)は合成例1で得られたメタクリル樹脂の、(B)は合成例2で得られたメタクリル樹脂の、そして(C)は合成例3で得られたメタクリル樹脂の、それぞれの分子量分布曲線である。合成例1及び2のメタクリル樹脂は、分子量分布が広く、かつ二峰性になっていることがわかる。合成例1のメタクリル樹脂〔図1の曲線(A)〕は、分子量が約2万6千の位置と分子量が約20万5千の位置に、それぞれピークトップを有し、合成例2のメタクリル樹脂〔図1の曲線(B)〕は、分子量が約1万3千の位置と分子量が約14万の位置に、それぞれピークトップを有している。
[実施例1~4及び比較例1]
 上の合成例で得られたメタクリル樹脂と、芳香族ポリカーボネート樹脂(住化スタイロンポリカーボネート(株)から販売されている“SDポリカ TR2201”、メルトボリュームフローレートMVR=220g/10分)とを、表2に示す割合(重量比)でドライブレンドし、混合物を得た。その後、射出成形装置〔東芝機械(株)製の“IS-130”〕を用いて、シリンダー温度250℃で射出成形を行い、試験片を得た。用いた金型は、120mm×200mm×3mm厚の平板を成形するためのものであり、金型温度は60℃とした。得られた試験片の外観を評価し、また試験片中央部における光学特性(全光線透過率及びヘイズ値)を求めた。結果を表2にまとめた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000006
 分子量分布の狭い合成例3のメタクリル樹脂に芳香族ポリカーボネート樹脂を15部配合した比較例1では、成形体全体が白濁する。一方で実施例2及び3は、分子量分布の広い合成例1のメタクリル樹脂に芳香族ポリカーボネート樹脂を15部又は20部配合したものであるが、成形体の白濁が抑制されている。
 このように、本発明で規定する分子量分布の広いメタクリル樹脂を用い、そこに芳香族ポリカーボネート樹脂を混合することは、芳香族ポリカーボネート樹脂の配合割合を高めても、得られる樹脂組成物を成形して得られる成形体の白濁を抑制でき、それによって耐熱性(ビカット軟化点など)や吸湿性、耐薬品性、複屈折特性などの光学特性を向上させることができる点で、有利である。
[合成例4~7]:分子量の異なるメタクリル樹脂の製造
 メタクリル酸メチルを79.5%、メタクリル酸シクロヘキシルを20.0%及びアクリル酸メチルを 0.5%の割合で混合して単量体成分を得た。この単量体成分の合計100部に対し、重合開始剤としてラウロイルパーオキサイドを 0.2部、及び連鎖移動剤として1-ドデシルメルカプタンを表3に示す量添加し、これらを溶解させた。一方、イオン交換水100部に対し、懸濁安定剤として、ポリアクリル酸ナトリウムを 0.05部、無水第一リン酸ナトリウムを0.24部及び第二リン酸ナトリウム7水和物を0.28部溶解させ、懸濁重合水相としたうえで、上記の単量体成分100部に対して水相150部を添加し、懸濁重合を行った。得られたスラリー状の反応液を脱水機により脱水し、次いで洗浄したのち、乾燥して、ビーズ状のメタクリル樹脂を得た。得られたメタクリル樹脂につき、前述の方法に従って重量平均分子量Mw 及び分子量分布指数Mw/Mnを測定した。 結果を、先の1-ドデシルメルカプタンの配合量とともに、表3に示した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000007
[実施例5及び6並びに比較例2]
 実施例5及び6では、上の合成例4で得られた低分子量のメタクリル樹脂ビーズと、上の合成例5又は6で得られた高分子量のメタクリル樹脂ビーズとを、表4に示す割合でドライブレンドし、二峰性の分子量分布を有するメタクリル樹脂混合物を得た。得られたメタクリル樹脂混合物の重量平均分子量Mw 及び分子量分布指数Mw/Mn、並びに混合物中に含まれる分子量4万以下の成分量を改めて測定し、表4に示す結果を得た。一方、比較例2では、上の合成例7で得られた高分子量のメタクリル樹脂ビーズをそのまま用いた。
 表4には、このメタクリル樹脂の重量平均分子量Mw 及び分子量分布指数Mw/Mn、並びに樹脂中に含まれる分子量4万以下の成分量も併せて示した。次に、これらのメタクリル樹脂混合物又はメタクリル樹脂と、芳香族ポリカーボネート樹脂〔住化スタイロンポリカーボネート(株)から販売されている“CALIBRE 301-40”、メルトボリュームフローレートMVR=40g/10分〕とを、前者/後者=70/30の重量比で単軸押出機〔東洋精機(株)製の“ラボプラストミル”、スクリュー径20mmφ)を用いて溶融混練した。
 得られたメタクリル樹脂/ポリカーボネート樹脂の樹脂組成物について、先述の方法で曇点を測定した。曇点測定結果を、先のメタクリル樹脂の混合割合及びメタクリル樹脂混合物又は単体の分子量データとともに表4に示した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000008
 また、実施例5及び6で用いた混合後のメタクリル樹脂、及び比較例2で用いた単体のメタクリル樹脂につき、クロマトグラムから得られた分子量分布曲線を図2に示した。図2において、(A)は実施例5で低分子量体と高分子量体を混合して得られたメタクリル樹脂の、(B)は実施例6で低分子量体と高分子量体を混合して得られたメタクリル樹脂の、そして(C)は比較例2で用いた単体のメタクリル樹脂の、それぞれ分子量分布曲線である。実施例5及び6で用いたメタクリル樹脂は、分子量分布が広く、かつ二峰性になっていることがわかる。実施例5で用いたメタクリル樹脂〔図2の曲線(A)〕は、分子量が約3万8千の位置と分子量が約15万の位置に、それぞれピークトップを有し、実施例6で用いたメタクリル樹脂〔図2の曲線(B)〕は、分子量が約4万8千の位置と分子量が約21万の位置に、それぞれピークトップを有している。
[合成例8~10]:分子量の異なるメタクリル樹脂の製造
 メタクリル酸メチルを74.5%、メタクリル酸フェニルを25.0%及びアクリル酸メチルを 0.5%の割合で混合して単量体成分を得た。この単量体成分の合計100部に対し、重合開始剤としてラウロイルパーオキサイドを 0.2部、及び連鎖移動剤として1-ドデシルメルカプタンを表5に示す量添加し、これらを溶解させた。一方、イオン交換水100部に対し、懸濁安定剤として、ポリアクリル酸ナトリウムを 0.05部、無水第一リン酸ナトリウムを0.24部及び第二リン酸ナトリウム7水和物を0.28部溶解させ、懸濁重合水相としたうえで、上記の単量体成分100部に対して水相150部を添加し、懸濁重合を行った。得られたスラリー状の反応液を脱水機により脱水し、次いで洗浄したのち、乾燥して、ビーズ状のメタクリル樹脂を得た。得られたメタクリル樹脂につき、前述の方法に従って重量平均分子量Mw 及び分子量分布指数Mw/Mnを測定した。結果を、先の1-ドデシルメルカプタンの配合量とともに、表5に示した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000009
[実施例7及び8並びに比較例3及び4]
 実施例7及び8では、上の合成例8で得られた低分子量のメタクリル樹脂ビーズと、上の合成例9で得られた高分子量のメタクリル樹脂ビーズとを、表6に示す割合でドライブレンドし、二峰性の分子量分布を有するメタクリル樹脂混合物を得た。得られたメタクリル樹脂混合物の重量平均分子量Mw 及び分子量分布指数Mw/Mn、並びに混合物中に含まれる分子量4万以下の成分量を改めて測定し、表6に示す結果を得た。一方、比較例3及び4では、上の合成例10で得られた高分子量のメタクリル樹脂ビーズをそのまま用いた。
 表6には、このメタクリル樹脂の重量平均分子量Mw 及び分子量分布指数Mw/Mn、並びに樹脂中に含まれる分子量4万以下の成分量も併せて示した。次に、これらのメタクリル樹脂混合物又はメタクリル樹脂と、芳香族ポリカーボネート樹脂〔住化スタイロンポリカーボネート(株)から販売されている“CALIBRE 301-10”、メルトボリュームフローレートMVR=10g/10分〕とを、表6に示す重量比で混練機〔東洋精機(株)製の“ラボプラストミル”、ローラ型ブレードR60を使用)を用いて溶融混練し、ダンゴ状の樹脂組成物を得た。溶融混練温度は250℃、混練速度は100rpm、混練時間は6分間とした。
 得られたメタクリル樹脂/ポリカーボネート樹脂の樹脂組成物について、先述の方法で曇点を測定した。曇点測定結果を、先のメタクリル樹脂の混合割合及びメタクリル樹脂混合物又は単体の分子量データとともに表6に示した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000010
 表中、PC樹脂は芳香族ポリカーボネート樹脂を意味する。
 表中、PC樹脂の混合割合とは、メタクリル樹脂とPC樹脂の合計100重量部に対するPC樹脂の混合割合を示す。
 また、実施例7及び8で用いた混合後のメタクリル樹脂、及び比較例3及び4で用いた単体のメタクリル樹脂につき、クロマトグラムから得られた分子量分布曲線を図3に示した。図3において、(A)は実施例7及び8で低分子量体と高分子量体を混合して得られたメタクリル樹脂の、(B)は比較例3及び4で用いた単体のメタクリル樹脂の、それぞれ分子量分布曲線である。実施例7及び8で用いたメタクリル樹脂は、分子量分布が広く、かつ二峰性になっていることがわかる。
 以上のように、本発明によるメタクリル樹脂とポリカーボネート樹脂の樹脂組成物は、高い相溶性と高い透明性を有し、成形加工性に優れることから、これらの性能が要求される電子光学材料やカバー材料、医療品・化粧品容器用材料、樹脂グレージング材料などに好適に用いられる。また、この樹脂組成物をフィルム状に成形して樹脂フィルムとすることもでき、この樹脂フィルムは、偏光子保護フィルムなど、透明性が要求される各種用途に好適に用いられる。

Claims (6)

  1.  芳香族ポリカーボネート樹脂80重量部以下及びメタクリル樹脂20重量部以上を含有し(但し、両樹脂の合計量を100重量部とする)、前記メタクリル樹脂は、
     重量平均分子量が6万5千から25万の範囲にあり、
     重量平均分子量/数平均分子量で表される分子量分布指数が2.2以上であり、かつ
     分子量4万以下の成分を20重量%以上含有する
    ことを特徴とする樹脂組成物。
  2.  前記メタクリル樹脂は、メタクリル酸メチル55重量%以上及びメタクリル酸メチル以外の少なくとも一種の(メタ)アクリル酸エステル 0.1~45重量%を含む単量体成分の重合物である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3.  メタクリル酸メチル以外の前記少なくとも一種の(メタ)アクリル酸エステルは、メタクリル酸メチル以外で、アルキル基の炭素数が1~3の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む、請求項2に記載の樹脂組成物。
  4.  前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、アクリル酸メチルである、請求項3に記載の樹脂組成物。
  5.  前記メタクリル樹脂は、メタクリル酸メチル55重量%以上、アクリル酸メチル 0.1~45重量%、及び下式(I)
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
    (式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2はシクロアルキルアルキル基、フェニルアルキル基、ナフチルアルキル基、シクロアルキル基、1個若しくは複数の水素原子がアルキルで置換されたシクロアルキル基、フェニル基、1個若しくは複数の水素原子がアルキルで置換されたフェニル基、ナフチル基、1個若しくは複数の水素原子がアルキルで置換されたナフチル基、ジシクロペンタニル基、又はジシクロペンテニル基を表す)
    で示される(メタ)アクリル酸エステル10~40重量%を含む単量体成分の重合物である、請求項1に記載の樹脂組成物。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-I000002
  6.  前記メタクリル樹脂は、ゲル浸透クロマトグラフィによって得られる分子量分布を表すクロマトグラムにおいて、分子量が5万より小さい位置と分子量が5万より大きい位置のそれぞれにピークトップを有する、請求項1~5のいずれかに記載の樹脂組成物。
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