WO2016093304A1

WO2016093304A1 - インク収容ユニットとインクジェットプリンタ

Info

Publication number: WO2016093304A1
Application number: PCT/JP2015/084625
Authority: WO
Inventors: 陽雅石部
Original assignee: ブラザー工業株式会社
Priority date: 2014-12-10
Filing date: 2015-12-10
Publication date: 2016-06-16
Also published as: EP3231614A4; US20170266968A1; EP3231614A1; US10967662B2; US20190152227A1; PH12017501074A1

Abstract

　本発明はインク収容ユニット及びインクジェットプリンタに関し、該インクジェットプリンタはインク収容ユニットを備える。インクジェットプリンタはプリンタ本体を更に備え、該インク収容ユニットは第一部材と第二部材を備える。第一部材はプリンタ本体に供給するインクを収容するように構成されており、第一部材には注入部が設けられ、注入部はインクを注入するために用いられる；第二部材は第一部材に回動可能に接続され、且つ第一部材に対して閉位置と開位置との間で回動可能に構成されていることで、第二部材が閉位置にあるとき、注入部は第二部材に覆われ、第二部材が開位置にあるとき、注入部は露出する；ここで、回動の軸線は、インク収容ユニットの前後方向に平行で、且つプリンタ本体に近い一側にある。本発明が公開するインクジェットプリンタに用いられるインク収容ユニットは、インクジェットプリンタの占有する空間を減らすことができる。

Description

インク収容ユニットとインクジェットプリンタ

　本発明は、インクジェットプリンタとインクジェットプリンタに用いられるインク収容ユニットに関する。

　インクジェットプリンタは記録ヘッドから記録対象物（例えば印刷用紙）に向けてインクを吐出することで印刷を行い、例えば授権公告番号がCN203567359Uである実用新案公報に開示された例がある。

　添附図面１には従来のインクジェットプリンタの一例が概略的に示されている。図１に示すように、インクジェットプリンタ１０は一般的にインク収容ユニット１１とプリンタ本体１２とを備える。説明しやすいように、使用状態下でインクジェットプリンタ１０がユーザに向かう方向を前方と定義し、インクジェットプリンタ１０を前方から見たとき、インク収容ユニット１１はインクジェットプリンタ１０の右側面に固定して取り付けられている。インク収容ユニット１１は、インクタンク容器（未図示）と、インクタンク容器内に収容されインクを収容するために用いられる１個のインクタンク（未図示）を備える。ここではインクタンク容器とインクタンクをインク収容本体２１と総称する。インク収容ユニット１１はインク収容本体２１に対して前後方向にスライド可能な蓋３１を更に備える。インク収容本体２１上にはインク室内に向かってインクを注入できる注入口４１が形成されている。インク室内にインクを注入しなければならないとき、まず蓋３１を後ろに向けてスライドし、注入口４１を完全に露出するときのみ、注入口４１を介してインク室内にインクを注入できる。

中国実用新案登録CN203567359U号公報

　実際の使用においては、インクジェットプリンタ１０を机上面に置き、インクを使い終わって注入口４１を介してインクを注入しなければならないとき、スライド可能な蓋３１を開くために、インクジェットプリンタ１０を置く位置の後方には、開かれるスライド蓋３１のために一定の空間をあらかじめ確保しておかなければならず、このような状況下において、机上面としては、インクジェットプリンタ１０のために適切な配置空間を確保しなければならないのみならず、インクジェットプリンタ１０を置く位置の後方に、開かれるスライド可能な蓋３１のために更に収容空間をあらかじめ確保しなければならず、このように更に大きな机上空間を占有することを避けられない。後方の空間が足りず、インクを注入できないとき、ユーザユーザは更にインクジェットプリンタ１０を十分な空間のあるところに置かなければならず、これではユーザユーザに不便を強いるかもしれない。特に机上空間が狭い場合、ユーザユーザはインクを注入ためにしにくいことがある。

　本発明は、上述した問題を克服するために完成したもので、その目的は、インクジェットプリンタに用いられるインク収容ユニットを提供し、インクジェットプリンタが占有する空間を減少することである。

　本発明はインクジェットプリンタに用いられる一種のインク収容ユニットを提供し、ここでインクジェットプリンタは更にプリンタ本体を備え、該インク収容ユニットは第一部材と第二部材とを備え、第一部材はプリンタ本体に供給するインクを収容するために用いられるように構成されており、第一部材には注入部が設けられ、注入部はインクを注入するために用いられる；第二部材は第一部材に回動可能に接続され、且つ第一部材に対して閉位置と開位置との間で回動可能に構成されていることで、第二部材が閉位置にあるとき、注入部は第二部材に覆われ、第二部材が開位置にあるとき、注入部は露出する；ここで、回動の軸線は、インク収容ユニットの前後方向に平行で、且つプリンタ本体に近い一側にある。

　好ましくは、注入部は注入口と注入口に対応するシール部材とを備え、第一部材には注入口に対応する載置部が更に設けられ、シール部材は注入口をシールするために用いられ、載置部はシール部材を置くために用いられ、注入部と載置部は、第二部材が閉位置にあるとき第二部材に覆われ、且つ第二部材が開位置にあるとき露出する。

　好ましくは、第二部材には把手が設けられており、把手は第二部材の外表面に設けられている。

　好ましくは、把手は、第二部材の軸線から離れた一側に設けられている。

　好ましくは、第二部材は、第一部分とその第一部分に垂直に接続されている第二部分とを備え、且つ把手は第一部分の外表面或いは第二部分の外表面に位置している。

　好ましくは、第二部材は平板状である。

　好ましくは、前記注入部は注入口と前記注入口に対応するシール部材とそのシール部材に一端が連結されている連結部材とを備え、前記連結部材の他の一端は前記連結部材を連結部材固定部に固定するために用いられ、前記連結部材固定部は第二部材上に設けられている。

　好ましくは、前記連結部材固定部は第二部材上の前記注入口の近傍の表面上に設けられている。

　好ましくは、前記注入口は側壁を備えており、前記連結部材固定部は前記注入口の前記側壁の外表面上に設けられている。

　本発明は一種のインクジェットプリンタを更に提供し、それは以上述べたインク収容ユニットを備える。

　本発明に記載のインクジェットプリンタに用いられるインク収容ユニットは、一方では、該インク収容ユニットを取り付けたインクジェットプリンタを机上面に置いたとき、インクジェットプリンタが占有する机上空間を減らすことができ、他方では、インクジェットプリンタの後方空間が不足したとき、ユーザは蓋を開くことができないため、インクジェットプリンタを何度も運搬する動作を避けることができ、ユーザの使用を便利にした。

　また、注入部が注入口と注入口に対応するシール部材とを備え、第一部材には注入口に対応する載置部が更に設けられ、シール部材は注入口をシールするために用いられ、載置部はシール部材を置くために用いられ、注入部と載置部は、第二部材が閉位置にあるとき第二部材に覆われ、且つ第二部材が開位置にあるとき露出する構成によれば、第二部材を開いたとき、注入部と載置部がすべて同時にユーザに露出されるので、ユーザはシール部材を注入口から取り外した後、それを載置部に置くことができる。それにより従来技術において発生する可能性があった、ユーザが先に注入部を見たらすぐにインクを注入する操作を行い、且つシール部材をその他の位置に置くことにより周辺の環境を汚すという状況の発生を回避できる。

　また、第二部材には把手が設けられており、把手は第二部材の外表面に設けられている構成によれば、ユーザが把手を用いることによって第二部材に対して開閉可能になり、操作がさらに便利になる。

　また、把手が第二部材の軸線から離れた一側に設けられている構成によれば、ユーザが第二部材を開くとき、力を更に省くことができる。

　また、第二部材が第一部分とその第一部分に垂直に接続されている第二部分とを備え、且つ把手が第一部分の外表面或いは第二部分の外表面に位置している構成によれば、ユーザが把手を操作することにより第二部材の開閉を便利にできる。

　また、第二部材が平板状である構成によれば、製造工程をさらに簡単にすることができる。

　また、注入部が、注入口と前記注入口に対応するシール部材とそのシール部材に一端が連結されている連結部材とを備え、前記連結部材の他の一端は前記連結部材を連結部材固定部に固定するために用いられ、前記連結部材固定部は第二部材上に設けられている構成によれば、連結部材の長さを比較的短くすることができ、ユーザの操作が便利である。

　また、前記注入口が側壁を備えており、前記連結部材固定部は前記注入口の前記側壁の外表面上に設けられている構成によれば、連結部材の長さを比較的短くすることができ、ユーザの操作が便利である。

　また、本発明に基づくインクジェットプリンタを机上面に置くとき、占有する机上空間を減らすことができ、そのほかにはユーザがインク収容ユニットにインクを注入しようとするとき、インクジェットプリンタの後方の空間が不足することにより、インクジェットプリンタを何度も運搬する動作を避けることができ、ユーザの使用を便利にした。

従来のインク収容ユニットが固定して取り付けられているインクジェットプリンタの斜視図を概略的に示している。本発明の一つの好ましい実施形態に基づくインク収容ユニットの斜視図であり、ここでは蓋が閉位置にある。本発明の一つの好ましい実施形態に基づくインク収容ユニットが取り付けられているインクジェットプリンタの斜視図であり、ここでは蓋が閉位置にある。本発明の一つの好ましい実施形態に基づくインク収容ユニットが取り付けられているインクジェットプリンタの斜視図であり、ここでは蓋が開位置にある。図２のインク収容ユニットのＡ－Ａにおける部分断面図である。本発明の別の一つの好ましい実施形態に基づくインク収容ユニットの斜視図であり、ここでは蓋が開位置にある。図６のインク収容ユニットのＢ－Ｂにおける部分断面図である。本発明のまた別の一つの好ましい実施形態に基づくインク収容ユニットの斜視図であり、ここでは蓋が開位置にある。本発明の更に別の一つの好ましい実施形態に基づくインク収容ユニットの斜視図であり、ここではシール部材が注入口から離れている。本発明の更に別の一つの好ましい実施形態に基づくインク収容ユニットの斜視図であり、ここではシール部材が注入口から離れている。

　以下、図面を参照して本特許のより好ましい実施形態を説明する。説明すべきことは、明細書本文中で使用された用語である「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」及び類似の表現は、ただ説明のために用いているだけで、限定するものではない。

　本文中では、ある部材が「露出」するとはその部材の上方からその部材を俯瞰したときにその部材が他の部材によって覆われていなくてユーザから見える状態にあるということを指す。本文中で、ある部材が「覆われる」とはその部材の上方からその部材を俯瞰したときにその部材が他の部材によって覆われておりユーザから見えない状態にあるということを指す。本文中で、「平行」或いは「垂直」とは、実質的あるいは略「平行」或いは「垂直」ということを指す。

　実施形態１
図２から図７は、本特許の１つの好ましい実施形態に基づくインク収容ユニットを概略的に示しており、インクジェットプリンタに固定して取り付けられる。

　本特許に記載のインクジェットプリンタは、同時にスキャナー機能、ファックス機能、コピー機能及びプリンタ機能等の各種の機能を備えてもよいしプリンタ機能のみを備えていてもよい。プリンタ機能としては、記録紙の両面に画像を記録する両面画像記録機能を備えてもよいし、片面画像記録機能を備えるだけでもよい。ここで、プリンタ機能以外の機能を備えるか否かは限定しない。

　図２から図４に示すように、インクジェットプリンタ１００は略箱型の外観形状を備えており、好ましくは、インクジェットプリンタ１００の左右方向の距離（幅）は４３５mmである。インクジェットプリンタ１００はプリンタ本体１２０とインク収容ユニット１１０とを備えている。プリンタ本体１２０は、給紙部１２１と排紙部１２２とを備えている。好ましくは、インク収容ユニット１１０の左右方向の距離（即ち幅）は４２mmである。好ましくは、インク収容ユニット１１０とプリンタ本体との幅の比率が１：１１から１：９である。ここで、給紙部１２１はプリンタ本体１２０の後部に設けられ、排紙部１２２はプリンタ本体１２０の前部に設けられており、インク収容ユニット１１０はプリンタ本体１２０の右側面に設けられ、しかもプリンタ本体１２０の右側面から右に向かって伸びている。図示の実施形態ではインク収容ユニット１１０はプリンタ本体の右側に設けられているが、実際の必要に応じてインク収容ユニット１１０がプリンタ本体１２０のその他の部位に設けられていてもよいことは言うまでもない。インク収容ユニット１１０は汎用の接続方式（例えばネジ接続部材を用いる等）でプリンタ本体１２０に取り外し可能に取り付けられてもよい。当然ながら、インク収容ユニット１１０はプリンタ本体１２０と一体成型されていてもよい。

　例示としては、給紙部１２１に紙を置いたとき、紙は給紙部１２１から送り込まれ、しかもインクジェットプリンタの内部で画像が紙の表面上に記録されたのち、紙は排紙部１２２から排出される。

　プリンタ本体１２０の内部には紙上を往復移動するキャリッジ（未図示）を設けてもよい。キャリッジの紙に向かっている一側には、多数のノズルが形成されている記録ヘッド（未図示）が搭載されている。印刷（記録）時には、インク収容ユニット１１０内のインクは柔らかいインク供給チューブ（未図示）を介して記録ヘッドに供給され、その後記録ヘッドから紙に向かってインクを吐出する。

　通常、キャリッジは駆動機構（未図示）により駆動され、ガイド軌道（未図示）によって紙の上方を往復移動するように案内されることができる。このほか、プリンタ本体１２０内には一般的に紙を搬送するために用いられる用紙搬送装置（未図示）が設けられており、キャリッジの往復移動の動作と合わせて紙が逐次搬送され、同時に記録ヘッドからインクを噴射する。このようにして紙上には画像が記録される。

　図２から４に示すように、インク収容ユニット１１０はインク収容本体１１１（「第１部材」としての一例である）と蓋１１２（「第２部材」としての一例である）を備える。本文中において、第１部材はインク収容ユニット１１０のインク収容本体部を指しており、インクを収容するために用いられる固定部材である；第２部材はインク収容ユニット１１０のインク収容本体部の少なくとも一部（本特許では主に注入口等を指す）を覆うために用いられる部材である。

　本実施形態において、インク収容本体１１１は略直方体形状を呈している。説明しやすいために、使用状態において、インク収容本体１１１が水平面内に投影したより長い辺が延びる方向を前後方向と称し、インク収容本体１１１が水平面内に投影したより短い辺が延びる方向を左右方向と称する。

　本実施形態において、インク収容本体１１１は別体部材であり、インクタンク容器並びにインクタンク容器内に収容されインクを収容するために用いられる１つのインクタンク（未図示）を備えており、プリンタ本体１２０が印刷するときに用いるインクは該インクタンクを介して供給される。インクタンクの上表面には、ユーザがインクをインクタンクの内部に注入しやすいように、該上表面から突出した上向きの開口を持つ注入部１１３が形成されている。注意すべきことは、注入部１１３は、開口を備えること以外には、開口を密封し、インクが蒸発したり或いは漏れたりすることを防止するために用いられるシール部材（未図示）を更に備えてもよく、特別な制限はない。

　図５は図２の中の蓋１１２のＡ－Ａ線に沿った部分拡大断面図であり、見てわかるように、蓋１１２はほぼ断面が“￢”型の部材であり、水平な上表面（“第１部分”としての一例である）１１２ａと、該上表面と垂直に接続されている下壁（“第２部分”としての一例である）１１２ｂとを備える。好ましくは、水平な上表面１１２ａと下壁１１２ｂとは一体成型であることが望ましい。蓋１１２はインク収容本体１１１に回動可能に接続されており、且つインク収容本体１１１に対して閉位置と開位置との間で回動できる。図３は、蓋１１２が閉位置にあるときの状態を示しており、図４は蓋１１２が開位置にあるときの状態を示している。見てわかるように、蓋１１２が閉位置にあるとき、蓋１１２の上表面１１２ａは水平状態にあり、インク収容本体１１１上を覆っており、注入部１１３を覆っている；蓋１１２が開位置にあるとき、蓋１１２の上表面１１２ａは直立状態となり、注入部１１３は露出している。インクを注入する必要があるとき、蓋１１２の上表面１１２ａを水平状態から回動して直立状態にすることで、注入部１１３は被覆状態から露出状態へと変えられることができ、ユーザは直ちにインクを注入する操作を行うことができる。

　図３から４に示すように、本特許の実施形態において、蓋１１２の回動軸線はインク収容ユニット１１０の前後方向に平行で、且つプリンタ本体１２０に近い一側に位置しており、従って、図４に示すように、蓋１１２が開位置にあるとき、蓋１１２はプリンタ本体１２０に隣接した一側保持されることができ、それによりインク収容本体１１１のインク容量表示面１１４に対して遮る構成にならないようにできる。通常、インク容量表示面１１４上には、上限表示ラインと下限表示ライン或いはその他のインクタンク中のインク容量を表示する容量表示ラインが表示されている。ユーザがインクタンク内にインクを注入するとき、インク容量表示面１１４上の容量表示ラインによって注入されたインク量を確認できる。本実施形態では、ユーザが注入部１１３を介してインクタンク中にインクを注入するとき、露出しているインク容量表示面１１４によって、はっきりと且つ障害なく、すでに注入したインクの液面を見ることができるようになる。それによって、注入したインクが多すぎて周辺環境（例えば、インクジェットプリンタ１００、ユーザの手や衣服、更には白い印刷用紙やまたは既に印刷済みの文書等）を汚すことを避けることができる。その結果、周辺環境を汚す可能性を低減することができる。

　図４を見てわかるように、蓋１１２が開位置にあるときに、上方から俯瞰するとき、開位置にある蓋１１２はインクジェットプリンタ後方の余計な空間を占めることがない。従ってインクジェットプリンタ１００を机上面に置くとき、インクジェットプリンタ１００の後方において開かれる蓋１１２のために空間をあらかじめ確保することを考慮する必要がなく、更にはインクジェットプリンタ１００の後部を直接壁面にくっ付けて配置してもよい。このようにすれば机上面に空きができるのでその他の物品を置くことができ、とりわけ机上空間が狭い状況下においては、ユーザにとっては極めて便利である。そのほか、ユーザが蓋１１２を開けてインク収容ユニット１１０にインクを注入しようとするとき、インクジェットプリンタ１００を十分な空間のある場所に更に運ぶ必要もなく、ユーザの使用を便利にした。

　蓋１１２がインク収容本体１１１に対する回動連結方式については、図２から５には回動連結の一つの実施形態を示している。特には、図４から５に示すように、蓋１１２のプリンタ本体１２０の近い一側でインク収容ユニット１１０の前後方向には回動軸１１５が設けられており、それに対応して、インク収容本体１１１の、回動軸１１５と対応する位置には回動孔（未図示）が設けられている。回動孔内で回動軸１１５を回動させることで蓋１１２をインク収容本体１１１に回動可能に連結できる。反対に、蓋１１２に回動孔を設け、インク収容本体１１１には回動孔内で回動するのに適する回動軸を設けてもよく、同様に蓋１１２をインク収容本体１１１に回動可能に連結することができる。当然ながら、蓋１１２とインク収容本体１１１との間の回動連結を実現するために、本領域でよく知られている他の回動連結構成を採用してもよく、例えば、ドア式の蝶番構造を採用してもよいし、或いは可撓性のある材料で製造された連結ベルトを蓋１１２とインク収容本体１１１の間にて連結してもよい。本領域の当業者が理解できるのは、どのような連結方式を採用したとしても、蓋１１２の回動軸線とプリンタ本体１２０の間にいずれも一定の隙間を残さねばならず、これによって蓋１１２は開いた後、開位置に保持されることができる。

　本実施形態において、蓋１１２には把手１１６が設けられており、好ましくは、把手１１６は蓋１１２の回動軸線から遠い一側に設けられ、例えば図２から５中に示されるような蓋１１２の下壁１１２ｂであってもよく、このようにすれば把手１１６を操作することによって蓋１１２を開閉するときに力を更に省くことができる。開示していないその他の実施形態においては、把手１１６は上表面１１２ａの、回動軸線から遠い一側に設けられていてもよい。当然ながら、把手１１６は蓋１１２のその他の部位、例えば上表面の中央部等に設けられていてもよい。

　図６から７は蓋の別の実施形態を示している。図６は該実施形態に基づくインク収容ユニットの斜視図であり、ここで蓋は開位置にある。図７は図６のインク収容ユニットのＢ－Ｂ線の部分断面図である。図６から７の実施形態と、図２から５の実施形態のと異なるところは、図６から７の蓋１１２’は平板状であり、水平な上表面だけを備える。把手１１６は蓋１１２’の、回動軸線から遠い一側にある。蓋１１２’の操作方式は、図２から５に示された蓋１１２の操作方式と同じである。簡潔にするため、ここではこれ以上詳細に説明しない。

　図２から７の実施形態においては、蓋１１２、１１２’は水平面内におけるサイズは大体インク収容本体１１１の二分の一である。ただし、明らかに蓋１１２、１１２’のサイズと形状は変わってもよい。例えば、蓋１１２、１１２’の水平面内のサイズはインク収容本体１１１と大体同じでもよいし、或いはインク収容本体１１１のさらに小さい一部（例えば約三分の一）だけであってもよく、本領域の当業者は具体的に注入部の数や形状などの要素に基づいて蓋１１２、１１２’のサイズと形状を選択してもよい。

　図２から７の実施形態においては、インク収容本体１１１は別体構造であり、インクを収容するインクタンク（未図示）とインクタンクを収容するインクタンク容器（未図示）を備える。当然ながら、インクタンクとインクタンク容器は取り外し可能に固定して取り付けられていてもよく、取り外し不能に形成されていてもよい。好ましくは、インク収容本体は一体構造であってもよく、インク収容本体の内部にはインクを収容する収容室が形成されていてもよく、注入部１１３はインク収容本体の上表面に形成されてもよく、且つ注入部１１３は収容室に連通してもよい。

　実施形態２
インク収容ユニットの実施形態２は概略的に図８に示されている。簡略にするため、実施形態２を説明するときは、実施形態１と同じ部分の説明は省略する。図８に示すように、実施形態２が実施形態１と同じでないところは、注入部２１３が注入口２１９とこの注入口２１９に対応するシール部材２１７とを備えていることにある。インク収容本体２１１は更に注入口２１９と対応する載置部２１８を備えている。シール部材２１７は注入口２１９を密封するのに用いられ、インクタンク内のインクが漏れたり蒸発したりするのを防止する。プリンタの使用過程において、蓋２１２が閉位置にあるとき、シール部材２１７は通常注入口２１９上に位置して注入口２１９を密封し、併せて注入口２１９と一緒に注入部２１３を構成している。載置部２１８の構造は、シール部材２１７を置くのに適するように、且つシール部材２１７を保持することができるように構成されている。ここでいう“保持”とはシール部材２１７の水平方向に沿った移動を制限することを指し、これにより、使用者がシール部材２１７を載置部２１８に置くとき、毎回大体同じ位置に置くことができ、このことから、シール部材２１７に付着したインクはいつも載置部２１８の範囲内に制限される。注入部２１３と載置部２１８は蓋２１２が閉位置にあるとき蓋２１２に覆われ、且つ蓋２１２が開位置にあるとき露出する。ここで注意が必要なのは、本実施形態において、注入部２１３の露出とは注入部２１３が見える状態にあることを指し、注入口２１９の開放を意味するとは限らず、すなわち、注入部２１３が露出しているとき、注入口２１９は開状態であってもよいし、シール部材２１７に密封されていてもよいし、特別な制限はない。

　従来のインクジェットプリンタ（図１に示す）の使用過程において、特にインク収容ユニットのインク室中にインクを注入する過程において、以下の状況が現れる可能性がある：注入口４１は完全に露出しているが載置部５１がまだ露出されていないとき、使用者は注入口上のシール部材４２を開けてインクの注入操作を行うように、シール部材４２をその他の場所に置く。シール部材４２にはインクが付着している可能性があるので、そのような場合シール部材４２を置いた位置の周辺を汚す虞がある。例えば、インクジェットプリンタを汚したり、使用者の手や衣服を汚したり、ひいては白い印刷用紙や印刷済みの文書等を汚す虞がある。このほか、シール部材４２を別のところに置くことでシール部材４２に異物の付着を引き起こす可能性もあり、それによってシール部材４２が注入口４１を覆うときにインク収容ユニット１１内のインクを汚すことになり、ひいてはインク供給管の詰まりやインクジェットプリンタ１０の損傷を引き起こす。このような状況は、初めてインク収容ユニット１１にインクを注入する使用者にとっては更に容易に発生する。

　しかし図８に示す本特許の実施方法は上述の状況の発生を避けることができる。図８に示されているのは、蓋２１２が開位置にある状態であり、注入部２１３と載置部２１８は完全に露出している。本実施形態において、蓋２１２を開けるとき、注入部３１３と載置部２１８は同時に使用者に見えるようになるので、使用者はシール部材２１７を注入口２１９から取り外した後、シール部材２１７を載置部２１８に置くことができる。使用者にとっては、とりわけはじめてインク収容ユニット２１０にインクを注入する使用者にとっては、注入口２１９を見てすぐにインクの注入操作を行い、シール部材２１７をその他の位置に置くことで周辺の環境（例えばインクジェットプリンタや、使用者の手や衣服や、ひいては白い印刷用紙や印刷済みの文書等）を汚すような状況の発生を避けることができ、それゆえ周辺環境の汚れの可能性を低減することができ、シール部材２１７に付着したインクは載置部２１８の範囲内にのみ制限される。同時に、その他の部位の異物がインク中に入っていくこともなく、インク供給管の詰まりや、インクジェットプリンタの損傷も引き起こされない。従って、インク収容ユニット２１０とインクジェットプリンタの使用者の使い易さが向上する。

　本実施形態において、注入口２１９、載置部２１８及びシール部材２１７は、水平面の投影において略円形を呈しており、且つ、注入口２１９、載置部２１８及びシール部材２１７の数はすべて一つである。シール部材２１７は弾性材料を採用して製造し、下部に位置する封止部と上部に位置する把持部とを備えていてもよい。封止部は前記注入口２１９を密封するのに用いられ、その主体は略円柱形を呈しており、上部には外に向かって伸びる凸縁が設けられている。把持部は使用者がこのシール部材２１７を注入口２１９から取り外すのと、このシール部材２１７を注入口２１９に装着するのに便利である。シール部材２１７の形状とサイズは注入口２１９と適合している。載置部２１８はインクタンク容器の上表面に形成されている凹溝であり、凹溝内の内周サイズはシール部材２１７の下部の外周サイズに比してわずかに大きい。

　例えば、注入口２１９の内径は大体１１．５mmに設定してよく、シール部材２１７の下部の外径は、注入口２１９の内径よりわずかに大きい、大体１２mmに設定してよく、したがって注入口２１９をしっかりと密封することができる；載置部２１８の内径は、シール部材２１７の下部の外径よりもわずかに大きい、大体１２．５mmに設定してよく、したがってシール部材２１７を都合よく置くことができる。シール部材２１７と載置部２１８はその他の構造方式を採用してもよく、例えば、磁力による構造或いは係合構造等を採用することができる。このほか、両者間は固定されていてもいなくてもよく、シール部材２１７を載置部２１８に置いたときシール部材２１７に付着したインクを載置部２１８の範囲内だけに制限することができさえすればそれでよい。

　図８は注入口、載置部及びシール部材の一例を示しているだけであり、それらはその他の適切な形状であってもよいことは明らかである。または、注入口２１９、載置部２１８及びシール部材２１７は多角形や、楕円形や、円形・楕円形・多角形の組み合わせ形状であってもよい。当然ながら、注入口と載置部の数と並び方向もこれに限定されず、例えば、注入口と載置部の数は複数でもよく、注入口と載置部の並び方向もインク収容本体の前後方向に対して少し傾斜していてもよい。ここで注入口と載置部の並び方向とは両者の中心を結ぶ線の方向を指す。

　このほか、人体工学の観点から、注入口２１９と載置部２１８との間の距離は使用者の操作に都合よい距離に設計してもよく、例えば、注入口２１９と載置部２１８の中心の間の直線距離を２５mmに設定してもよい。

　または、連結部材を設けてもよく、連結部材の一端はシール部材２１７と連結され、他端はインク収容本体２１１に連結され、連結部材の長さはシール部材２１７が注入口２１９と載置部２１８の間にて任意とする。

　図８の実施形態のインクジェットプリンタを使用に際して、黒色種類のインクのみを用いてモノクロ画像を印刷してもよい。これにより、インク収容本体２１１の内部には一つのインクタンクのみが設けられ、このとき注入口２１９とシール部材２１７の数はすべて一つのみである。それに対応して、インク収容本体上にも一つの載置部２１８のみを設ければよい。

　実際の需要により、インク収容ユニット２１０の内部には複数のインクタンクが設けられていてもよく（インク収容本体２１１が一体の部材であるときは、インク収容本体２１１内には複数の収容室が形成されていてもよい）、例えば４個のインクを収容するインクタンクを設け、シアン、マゼンタ、イエロー及び黒色の４種のインクを使用してカラー画像を印刷してもよく、或いはインク収容ユニットの内部に６個、８個、１２個のインクを収容するインクタンクを設け、それに応じて６，８，１２種の異なる色のインクを使用してカラー画像を印刷してもよい。このとき、注入口２１９、シール部材２１７及び載置部２１８の数は複数、例えば、それぞれ４個、６個、８個、１２個に対応する。載置部２１８の数はシール部材２１７の数と同じであり、各色に対応するシール部材２１７には、すべて、対応する載置部２１８が設けられており、これにより異なる色のインク間における相互の汚れを避けることができる。

　図８に示す実施形態において、インク収容ユニット２１０は一つの蓋２１２だけを備えている。しかし、この技術領域の当業者なら理解できるように、インク収容ユニット２１０が複数（例えば２個）の注入口（載置部）を備えているとき、蓋の数も変化してもよく、例えば２個設けられていてもよい。このように各蓋は一対の注入口と載置部だけを覆っているので、インクを注入するとき１個の蓋を開けてインクを注入するだけでよく、インクで汚れる可能性を減少することができる。

　ここで、図９～図１０を参照して、連結部材を備えたその他の実施形態を具体的に説明する。

　別の実施形態として、図９に概略的に示されているインク収容ユニット１３０のように、連結部材１２５は扁平帯状でもよく、連結部材１２５の一端はシール部材１２４に連結され、別の一端はインク収容本体１２１上の注入口１２３の連結部材固定部１２６に連結されており、これによりシール部材１２４をインク収容本体１２１に連結している。

　好ましくは、本実施形態において、注入口１２３は概略円柱形であり、インクタンクの上表面から上向きに延びる側壁１２３Ａを備えており、該側壁１２３Ａはインク収容本体１２１の凹部の一つの開口から上向きに突出している。連接部材固定部１２６は環状であり、注入口１２３の側壁１２３Ａの外表面にしっかりと固定されている。

　また、別の実施形態として、図１０に概略的に示されているインク収容ユニット２２０のように、連結部材２２５の一端はシール部材２２４に連接され、別の一端はインク収容本体２２１上の連結部材固定部２２６に連結されていてもよい。

　この出願の中で引用されている、例えば“第一”と“第二”の序数詞はただの表示であり、いかなるその他の意味、例えば特定の順序などを含んでいるものではない。しかも、例えば、専門用語“第一部材”それ自体は“第二部材”の存在を暗示するものではなく、専門用語“第二部材”それ自体は“第一部材”の存在を暗示するものではない。

　別の定義がある場合を除き、本文中で使用している技術と科学の専門用語と本特許の技術領域の当業者が通常理解している意味とは同じである。本文中で使用している専門用語は具体的な実施目的を表すためだけであり、本特許を制限するものでない。本文中に出願する「部材」等の専門用語は１つの部品を表してもよいし、複数の部品の組み合わせを表してもよい。本文中で出現する、例えば“取り付け”や“設ける”等の専門用語は、１つの部材が別の部材に直接取り付けられていてもよいし、１つの部材が中間部材を介して別の部材に取り付けられていてもよい。本文中の一つの実施形態で表された特徴は、その特徴が別の実施形態中で適用しない或いは別途の説明がない限り、単独で、或いはその他の特徴と組み合わせて別の実施形態に応用することができる。

　本特許はすでに上述の実施形態を通して説明したが、当然に理解されるべきことは、上述の実施形態は例を挙げて説明をする目的で用いたものであり、説明した実施形態の範囲内に本特許を制限することを意図するものではない。このほか、この技術領域の当業者が理解できることは、本特許は上述の実施形態に限られたものではなく、本特許の教えに基づいてさらに多種の変形や修正を行ってもよく、これらの変形や修正はすべて本特許が保護を要求する範囲内にある。

１０，１００　インクジェットプリンタ
１２，１２０　プリンタ本体
１１，１１０，２１０，１３０，２２０　インク収容ユニット
１２１　給紙部
１２２　排紙部
２１，１１１，２１１，１３１，２２１　インク収容本体
３１，１１２，１１２’，２１２，１３２，２２２　蓋
１１２ａ　上表面
１１２ｂ　下壁
１１３，２１３，１２３，２２３　注入部
４１，２１９　注入口
５１，２１８　載置部
４２，２１７　シール部材
１１４　インク容量表示面
１１５　回動軸
１１６　把手
１２３Ａ　側壁
１２５，２２５　連結部材
１２６，２２６　連結部材固定部

Claims

　インク収容ユニットであって、インクジェットプリンタに用いられ、前記インクジェットプリンタはプリンタ本体を更に備えており、その特徴として、前記インク収容ユニットは以下を備える：
　第一部材であって、前記第一部材は前記プリンタ本体に供給するインクを収容するために用いられるように構成されており、前記第一部材には注入部が設けられ、前記注入部はインクを注入するために用いられる；及び、
　第二部材であって、前記第二部材は前記第一部材に回動可能に接続され、且つ前記第一部材に対して閉位置と開位置との間で回動可能に構成されていることで、前記第二部材が閉位置にあるとき、前記注入部は前記第二部材に覆われ、前記第二部材が開位置にあるとき、前記注入部は露出する；
　ここで、前記回動の軸線は、前記インク収容ユニットの前後方向に平行で、且つプリンタ本体に近い一側にある。
　請求項１に記載のインク収容ユニットであって、その特徴として、前記注入部は注入口と前記注入口に対応するシール部材とを備え、前記第一部材には前記注入口に対応する載置部が更に設けられ、前記シール部材は前記注入口をシールするために用いられ、前記載置部は前記シール部材を置くために用いられ、前記注入部と前記載置部は、前記第二部材が閉位置にあるとき前記第二部材に覆われ、且つ前記第二部材が開位置にあるとき露出する。
　請求項１に記載のインク収容ユニットであって、その特徴として、前記第二部材には把手が設けられており、前記把手は前記第二部材の外表面に設けられている。
　請求項３に記載のインク収容ユニットであって、その特徴として、前記把手は、前記第二部材の前記軸線から離れた一側に設けられている。
　請求項４に記載のインク収容ユニットであって、その特徴として、前記第二部材は、第一部分と、前記第一部分に垂直に接続されている第二部分とを備え、且つ前記把手は前記第一部分の外表面或いは前記第二部分の外表面に位置している。
　請求項４に記載のインク収容ユニットであって、その特徴として、前記第二部材は平板状である。
　請求項１に記載のインク収容ユニットであって、その特徴として、前記注入部は注入口と前記注入口に対応するシール部材とそのシール部材に一端が連結されている連結部材とを備え、前記連結部材の他の一端は前記連結部材を連結部材固定部に固定するために用いられ、前記連結部材固定部は第二部材上に設けられている。
　請求項７に記載のインク収容ユニットであって、その特徴として、前記連結部材固定部は第二部材上の前記注入口の近傍の表面上に設けられている。
　請求項８に記載のインク収容ユニットであって、その特徴として、前記注入口は側壁を備えており、前記連結部材固定部は前記注入口の前記側壁の外表面上に設けられている。
　インクジェットプリンタであって、その特徴として、請求項１乃至９のうちのいずれか一つに記載のインク収容ユニットを備えている。