WO2016035605A1

WO2016035605A1 - 撹拌ユニットおよび飲料製造装置

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Publication number: WO2016035605A1
Application number: PCT/JP2015/073806
Authority: WO
Inventors: 秀和志摩; 勝三角; 貴三子三枝; 坂根　安昭
Original assignee: シャープ株式会社
Priority date: 2014-09-04
Filing date: 2015-08-25
Publication date: 2016-03-10
Also published as: RU2670535C2; CA2940010A1; US20170007067A1; CA2940010C; RU2016134441A3; CN106028886A; RU2016134441A; CN106028886B

Abstract

　撹拌ユニットは、液体が供給される撹拌槽（５１０）と、撹拌槽（５１０）に供給された液体を撹拌する撹拌部材（５５０）と、を備え、撹拌槽（５１０）は下方に向かうにつれて水平方向の開口面積が小さくなる。

Description

撹拌ユニットおよび飲料製造装置

　本発明は、撹拌槽と撹拌部材とを具備する撹拌ユニットおよび飲料製造装置に関する。

　従来から、飲料の味わいをまろやかにするためにきめ細やかな泡を生成可能な撹拌ユニットが各種開発されている。このような撹拌ユニットが開示された文献として、たとえば、特表２０１０－５３５５７７号公報（特許文献１）が挙げられる。

　特許文献１に開示の撹拌ユニットにあっては、電源に接続されるベースプレートに容器（撹拌槽）を載置することにより、容器内部に設けられた導電経路を通じて駆動部に電力が供給される。これにより、駆動部は撹拌部材を撹拌させ、撹拌槽内の液体（ミルク）が撹拌されて泡立てられる。利用者は、容器に設けられた取手を把持してベースプレートから容器を取り外し、泡立てられたミルクを注ぎ口からカップに注ぐ。

　また、従来から、飲料の味わいをまろやかにするためにきめ細やかな泡を生成可能な撹拌手段を備えた飲料製造装置が各種開発されている。

　このような撹拌手段を備えた飲料製造装置が開示された文献として、たとえば、上記特許文献１、特開２００９－１６３６２２号公報（特許文献２）が挙げられる。

　上記特許文献１の飲料製造装置にあっては、上述同様の構成を有し、撹拌部材を撹拌させ、撹拌槽内の液体（ミルク）を撹拌してこれを泡立てる。利用者は、ベースプレートから容器を取り外し、泡立てられたミルクを注ぎ口からカップに注ぐ。

　特許文献２に開示の飲料製造装置にあっては、まず、副原料供給部からカップ一杯分として必要なクリームパウダーおよび砂糖がカップに供給され、続いてパウダー調理湯が給湯部からカップに供給される。撹拌軸の先端に設けられた撹拌部をカップ内の調理湯に浸漬させ、撹拌軸を撹拌駆動部にて回転させることにより、ホイップクリームを生成する。次いで、撹拌軸および撹拌部をカップ外に移動させ、コーヒー生成部からコーヒー液をカップ内に供給する。

　また、近年、容器等の撹拌槽内で液体を撹拌する撹拌ユニットおよび飲料製造装置が各種開発されている。このような撹拌ユニットまたは飲料製造装置が開示された文献として、たとえば特開２００４－０６５３２５号公報（特許文献３）、上記特許文献１、上記特許文献２等が挙げられる。

　特許文献３に開示の飲料製造装置にあっては、ミキサー容器内に配設されたカッターを回転させることにより生成されるジュースをジュース取出ポンプを用いてジュース取出管に強制的に移送する。ジュース取出管の開閉弁を閉じた状態でカッターとジュース取出ポンプとを常時一体的に回転させることにより、ジュースの生成と撹拌が可能となり、この状態で開閉弁を開くことにより、濃度が均一なジュースを容器外に吐出することができる。

　上記特許文献１に開示の撹拌ユニットにあっては、上述同様の構成を有し、撹拌部材を撹拌させ、撹拌槽内の液体（ミルク）を撹拌してこれを泡立てる。利用者は、ベースプレートから容器を取り外し、泡立てられたミルクを注ぎ口からカップに注ぐ。

　上記特許文献２に開示の飲料製造装置にあっては、上述同様の構成を有し、撹拌軸の先端に設けられた撹拌部をカップ内の調理湯に浸漬させ、撹拌軸を撹拌駆動部にて回転させることにより、ホイップクリームを生成する。次いで、撹拌軸および撹拌部をカップ外に移動させ、コーヒー生成部からコーヒー液をカップ内に供給する。

特表２０１０－５３５５７７号公報特開２００９－１６３６２２号公報特開２００４－０６５３２５号公報

　しかしながら、特許文献１に開示の撹拌ユニットにあっては、撹拌部材は、容器の上方側に配置された駆動手段から下方に向けて延在する連結軸を介して当該駆動手段に連結されている。このため、撹拌手段は容器の底部から相当程度離れて配置される。また、容器が、上方から底部までほぼ開口面積が一定となる有底円筒形状、または、上方から底部に向かうにつれて開口面積が大きくなる有底円筒形状を有する。

　これにより、特許文献１に開示の撹拌ユニットにあっては、泡立て対象である液体を十分に撹拌するために、相当程度の量の液体を容器内に供給して撹拌部材のうち撹拌に寄与する渦巻バネ（撹拌部）全体を液体に浸漬させる必要がある。すなわち、液体の供給量が少ない場合には、撹拌部材が液面の上方に位置することとなり、液体を十分に撹拌することが困難となる。

　また、液体の供給量に応じて変動する液面の高さの変位を抑制することができないため、所定の供給量よりも液体の供給量が多くなる場合には、液面の高さの上昇を抑制することができず、液面が撹拌部材から離れすぎてしまう。これにより、撹拌時に空気を十分に取り込むことができなくなり、十分に泡立てることが困難となる。

　しかしながら、特許文献１に開示のミルク泡立て器においては、泡を含んだミルクを注ぎ口からカップに注ごうとすると、比重の大きい液体状態のミルクが先に注がれてしまい、比重の小さい泡立てられた状態のミルク（ミルクの泡）は容器の内壁に残存してしまう。このように比重の異なる液体が分離して注がれてしまうため、使用者の嗜好に応じてカップ内に所望の比重を有する液体を吐出することが困難であった。

　特許文献２に開示の飲料製造装置においては、カップ内で先に泡立ったホイップクリーム（クリームの泡）を生成した後に、コーヒー液がカップに供給される。このため、クリームの泡をカップに注ぎ残すことはないが、カップに１杯ずつの分量しか飲料を製造することができない。このため、数人分の飲料をまとめて製造する飲料製造装置に、特許文献２の開示の飲料製造装置の構成を適用することは困難である。

　しかしながら、特許文献３に開示の飲料製造装置にあっては、容器底部に設けた開口部とジュース取出管とを接続する部分に駆動部によって駆動されるジュース取出ポンプを設ける必要があり、構造が複雑となる。

　また、特許文献１に開示のミルク泡立て器においては、泡を含んだミルクを注ぎ口からカップに注ごうとすると、比重の大きい液体状態のミルクが先に注がれてしまい、比重の小さい泡立てられた状態のミルク（ミルクの泡）は容器の内壁に残存してしまう。このため、比重差によって異なる層に分離した液体から、比重の小さい層を含む液体を効率よく吐出することが困難であった。

　また、特許文献２に開示の飲料製造装置においては、カップ内で先に泡立ったホイップクリーム（クリームの泡）を生成した後に、コーヒー液がカップに供給される。このため、クリームの泡をカップに注ぎ残すことはないが、カップに１杯ずつの分量しか飲料を製造することができない。このため、数人分といった所望の量の飲料をまとめて製造する飲料製造装置に、特許文献２の開示の撹拌機構を適用することは困難である。

　本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の第１の目的は、供給される液体の量が少量であっても当該液体を十分に撹拌することができる撹拌ユニットおよび飲料製造装置を提供することにある。

　本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の第２の目的は、所望の量の飲料を製造しつつ、使用者の嗜好に合わせて所望の比重を有する飲料を吐出することができる飲料製造装置を提供することにある。

　本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の第３の目的は、簡素な構成を有し、所望の量で供給された液体を撹拌できるとともに、撹拌後に生成され、比重差によって異なる層に分離した撹拌液から比重の小さい層を含む液体を確実に吐出することができる撹拌ユニットおよび飲料製造装置を提供することにある。

　本発明の第１の局面に基づく撹拌ユニットは、液体が供給される撹拌槽と、上記撹拌槽に供給された上記液体を撹拌する撹拌部材と、を備え、上記撹拌槽は下方に向かうにつれて水平方向の開口面積が小さくなる。

　上記本発明に基づく撹拌ユニットにあっては、液体の供給目安量が予め決定されていることが好ましく、この場合には、上記供給目安量が最少である場合の液位位置が上記撹拌部材の上面よりも上方に位置することが好ましい。

　上記本発明の第１の局面に基づく撹拌ユニットにあっては、上記撹拌部材は、上記撹拌槽の底部に設けられることが好ましい。

　上記本発明の第１の局面に基づく撹拌ユニットにあっては、上記撹拌槽は下方に向かうにつれて水平方向の上記開口面積が小さくなるように湾曲する湾曲形状を有することが好ましい。

　本発明の第１の局面に基づく飲料製造装置は、粉砕対象物を粉砕して粉末を得る粉挽きユニットと、上記粉末と液体とが供給される撹拌ユニットを備え、上記撹拌ユニットは上記に記載の撹拌ユニットである。

　本発明の第２の局面に基づく飲料製造装置は、撹拌槽と、上記撹拌槽に供給された液体を撹拌する撹拌部材と、上記撹拌部材を回転駆動させる撹拌部材駆動部と、上記撹拌槽に設けられ、液体を上記撹拌槽から外部に吐出する吐出機構と、上記撹拌部材駆動部を制御する制御部と、を備え、上記制御部は、上記吐出機構から液体を外部に吐出する際に、上記撹拌部材が回転駆動するように上記撹拌部材駆動部を制御する。

　上記本発明の第２の局面に基づく飲料製造装置にあっては、上記制御部は、上記撹拌部材が断続的に回転駆動するように上記撹拌部材駆動部を制御することが好ましい。

　上記本発明の第２の局面に基づく飲料製造装置は、上記吐出機構を操作するための操作部と、上記操作部が操作されるタイミングを検知する検知手段と、をさらに備えることが好ましい。この場合には、上記制御部は、上記検知手段から上記タイミングを検知した検知信号が入力され、上記吐出機構から上記液体が外部に吐出されてから所定時間後に上記撹拌部材が回転駆動するように上記撹拌部材駆動部を制御してもよい。

　上記本発明の第２の局面に基づく飲料製造装置は、上記吐出機構を操作するための操作部と、上記操作部が操作されるタイミングを検知する検知手段と、をさらに備えることが好ましい。この場合には、上記制御部は、上記検知手段から上記タイミングを検知した検知信号が入力され、上記吐出機構から液体が外部に吐出される前に上記撹拌部材が回転駆動するように上記撹拌部材駆動部を制御してもよい。

　上記本発明の第２の局面に基づく飲料製造装置は、上記撹拌部材が回転駆動する時間および／または回転数を指示するための入力部をさらに備えていてもよい。

　本発明の第３の局面に基づく撹拌ユニットは、液体が供給される撹拌槽と、上記撹拌槽に供給された上記液体を撹拌する撹拌部材と、上記撹拌部材による撹拌により生成される撹拌液を外部に吐出する吐出機構とを備え、上記撹拌液は、第１層と、上記第１層に対して比重差によって上層に分離される第２層とを含み、上記吐出機構は、上記第１層と上記第２層の境界部近傍に位置する吸込口を有し、上記吸込口から吸い込んだ上記撹拌液を吐出する。

　上記本発明の第３の局面に基づく撹拌ユニットにあっては、上記吐出機構は、上記第１層を含む上記撹拌液を吐出する第１吐出経路と、上記第２層を含む上記撹拌液を吐出する第２吐出経路とを選択可能に設けられていてもよい。

　上記本発明の第３の局面に基づく撹拌ユニットは、上記第１層と上記第２層との上記境界部の変位に追従するフロート部材をさらに備えることが好ましい。この場合には、上記フロート部材は、上記吸込口の周囲に配設されることが好ましく、上記吸込口は、上記フロート部材により上記境界部の変位に追従し、上記第２層を含む上記撹拌液を吸込むことが好ましい。

　上記本発明の第３の局面に基づく撹拌ユニットにあっては、上記吸込口は、上記撹拌槽の側面に開閉可能に設けられてもよく、上記吸込口が開いた状態において、上記吸込口から上記第１層および上記第２層を含む上記撹拌液が吸い込まれてもよい。

　本発明の第３の局面に基づく飲料製造装置は、粉砕対象物を粉砕して上記粉末を得る粉挽きユニットと、上記粉末と上記液体とが供給される撹拌ユニットとを備える。上記撹拌ユニットは、上述のいずれかに記載の撹拌ユニットである。

　本発明の第１の局面によれば、供給される液体の量が少量であっても当該液体を十分に撹拌することができる撹拌ユニットおよび飲料製造装置を提供することができる。

　本発明の第２の局面によれば、所望の量の飲料を製造しつつ、使用者の嗜好に合わせて所望の比重を有する液体を吐出することができる飲料製造装置を提供することができる。

　本発明の第３の局面によれば、簡素な構成を有し、所望の量で供給された液体を撹拌できるとともに、撹拌後に生成され、比重差によって異なる層に分離した撹拌液から比重の小さい層を含む液体を確実に吐出することができる撹拌ユニットおよび飲料製造装置を提供することができる。

実施の形態１に係る飲料製造装置の全体斜視図である。図１中のＩＩ－ＩＩ線に沿った断面図である。実施の形態１に係る飲料製造装置の概略構成要素を示す全体図である。実施の形態１に係る飲料製造装置を用いたお茶吐出を示す第１製造フローを示す図である。実施の形態１に係る飲料製造装置を用いたお茶吐出を示す第２製造フローを示す図である。実施の形態１に係る飲料製造装置を用いたお茶吐出を示す第３製造フローを示す図である。実施の形態１に係る飲料製造装置の内部構造を示す斜視図である。実施の形態１に係る粉挽きユニットの斜視図である。実施の形態１に係る粉挽きユニットの分解斜視図である。実施の形態１に係る粉挽きユニットの縦断面図である。実施の形態１に係る撹拌ユニットの分解斜視図である。実施の形態１に係る撹拌ユニットの縦断面図である。実施の形態１に係る撹拌羽根の斜視図である。実施の形態１に係る撹拌羽根の構造を示す分解斜視図である。図１３に示すＸＶ－ＸＶ線に沿った断面図である。実施の形態１に係る撹拌槽および撹拌羽根を示す斜視図である。図１６に示すＸＶＩＩ－ＸＶＩＩ線に沿った断面図である。実施の形態２に係る撹拌槽および撹拌羽根を示す斜視図である。図１８に示すＸＩＸ－ＸＩＸ線に沿った断面図である。実施の形態３に係る撹拌槽および撹拌羽根を示す斜視図である。図２０に示すＸＸＩ－ＸＸＩ線に沿った断面図である。実施の形態４に係る撹拌槽および撹拌羽根を示す斜視図である。図２２に示すＸＸＩＩＩ－ＸＸＩＩＩ線に沿った断面図である。実施の形態５に係る撹拌槽および撹拌羽根を示す斜視図である。図２４に示すＸＸＶ－ＸＸＶ線に沿った断面図である。実施の形態６に係る撹拌槽および撹拌羽根を示す斜視図である。図２６に示すＸＸＶＩＩ－ＸＸＶＩＩ線に沿った断面図である。実施の形態７に係る撹拌槽および撹拌羽根を示す斜視図である。図２８に示すＸＸＩＸ－ＸＸＩＸ線に沿った断面図である。実施の形態８に係る撹拌槽および撹拌羽根を示す斜視図である。図３０に示すＸＸＸＩ－ＸＸＸＩ線に沿った断面図である。実施の形態９に係る撹拌槽および撹拌羽根を示す斜視図である。図３２に示すＸＸＸＩＩＩ－ＸＸＸＩＩＩ線に沿った断面図である。比較の形態における撹拌槽および撹拌羽根を示す斜視図である。図３４に示すＸＸＸＶ－ＸＸＸＶ線に沿った断面図である。本発明の効果を確認するために行なった検証実験の条件および結果を示す図である。本実施の形態１０に係る飲料製造装置の全体斜視図である。図３７中ＸＸＸＶＩＩＩ－ＸＸＸＶＩＩＩ線矢視断面図である。実施の形態１０に係る飲料製造装置の概略構成要素を示す全体斜視図である。実施の形態１０に係る飲料製造装置の構成を示すブロック図である。実施の形態１０に係る飲料製造装置を用いてお茶を製造する第１製造フローを示す図である。実施の形態１０に係る飲料製造装置を用いてお茶を製造する第２製造フローを示す図である。実施の形態１０に係る飲料製造装置を用いてお茶を製造する第３製造フローを示す図である。実施の形態１０に係る飲料製造装置の内部構造を示す斜視図である。実施の形態１０に係る粉挽きユニットの斜視図である。実施の形態１０に係る粉挽きユニットの分解斜視図である。実施の形態１０に係る粉挽きユニットの縦断面図である。実施の形態１０に係る撹拌ユニットの分解斜視図である。実施の形態１０に係る撹拌ユニットの縦断面図である。実施の形態１０に係る飲料製造装置を用いた飲料製造フローの吐出工程の詳細を示すフロー図である。図４１に示す撹拌開始工程における撹拌槽内の状態を示す図である。図４１に示す撹拌終了工程における撹拌終了後から所定の時間経過した後の撹拌槽内の状態を示す図である。図４１に示す吐出工程において吐出されるお茶の状態を示す図である。実施の形態１１に係る飲料製造装置を用いた飲料製造フローの吐出工程の詳細を示すフロー図である。実施の形態１２に係る飲料製造装置を用いた飲料製造フローの吐出工程の詳細を示すフロー図である。実施の形態１３に係る飲料製造装置を用いた飲料製造フローの吐出工程前の撹拌終了工程と吐出工程との間における撹拌ユニットの動作を示すフロー図である。実施の形態１４に係る飲料製造装置の断面図である。実施の形態１５に係る飲料製造装置の全体斜視図である。図５８中のＬＩＸ－ＬＩＸ線に沿った断面図である。実施の形態１５に係る飲料製造装置の概略構成要素を示す全体図である。実施の形態１５に係る飲料製造装置を用いたお茶吐出を示す第１製造フローを示す図である。実施の形態１５に係る飲料製造装置を用いたお茶吐出を示す第２製造フローを示す図である。実施の形態１５に係る飲料製造装置を用いたお茶吐出を示す第３製造フローを示す図である。実施の形態１５に係る飲料製造装置の内部構造を示す斜視図である。実施の形態１５に係る粉挽きユニットの斜視図である。実施の形態１５に係る粉挽きユニットの分解斜視図である。実施の形態１５に係る粉挽きユニットの縦断面図である。実施の形態１５に係る撹拌ユニットの分解斜視図である。実施の形態１５に係る撹拌ユニットの縦断面図である。実施の形態１５に係る撹拌ユニットにて生成された撹拌液および吐出機構を示す概略断面図である。図７０に示す吐出機構が開いて第１吐出経路が形成された状態を示す概略断面図である。図７０に示す吐出機構が開いて第２吐出経路が形成された状態を示す概略断面図である。実施の形態１６に係る撹拌ユニットにて生成される撹拌液および吐出機構を示す概略断面図である。図７３に示す状態から撹拌液の一部が吐出された後の状態を示す概略断面図である。実施の形態１７に係る撹拌ユニットにて生成された撹拌液および吐出機構を示す概略断面図である。図７５に示す撹拌ユニットの吐出機構が開いて第２吐出経路が形成された状態を示す概略断面図である。実施の形態１８に係る撹拌ユニットにて生成された撹拌液および吐出機構を示す概略断面図である。図７７に示す吐出機構を正面からみた正面図である。図７７に示す吐出機構が開いて撹拌液が吐出される状態を示す概略断面図である。実施の形態１９に係る撹拌ユニットにて生成された撹拌液および吐出機構を示す概略断面図である。

　以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。

　本実施の形態では、一例として、粉砕対象物として茶葉を用い、飲料としてお茶を製造する場合について説明するが、粉砕対象物は茶葉に限定されることなく、穀物、乾物、その他の粉砕対象物を用いて、飲料を製造する場合にも適用することが可能である。以下では、茶葉とは、粉砕前の固形状態を意味し、茶葉粉末とは、粉砕された茶葉を意味し、お茶とは、茶葉粉末とお湯とが撹拌された（混ぜ合わされた）飲料を意味する。

　（実施の形態１）
　（飲料製造装置１）
　図１から図３を参照して、本実施の形態における飲料製造装置１について説明する。図１は、飲料製造装置１の全体斜視図、図２は、図１中ＩＩ－ＩＩ線矢視断面図、図３は、飲料製造装置１の概略構成要素を示す全体斜視図である。

　図１から図３に示すように、飲料製造装置１は、粉砕対象物として茶葉を用い、この茶葉を粉砕して茶葉粉末を得る。この得られた茶葉粉末を用いて、飲料としてお茶を製造する。飲料製造装置１は、本体部としての装置本体１００、粉挽きユニット３００、撹拌ユニット５００、液体貯留タンク７００、液体供給部としての液体供給経路１５５（図２参照）と、粉末受け部としての茶葉粉末受皿８００、および、載置ベース９００を備える。載置ベース９００は、装置本体１００の前側下方において、前側に突出するように設けられており、カップ（図示省略）および茶葉粉末受皿８００の載置が可能である。茶葉粉末受皿８００は、利用者が把持して移動できるように設けられている。

　（粉挽きユニット３００）
　粉挽きユニット３００は、装置本体１００の前面側に設けられた粉挽きユニット装着部１８０に対して、着脱可能に装着される。粉挽きユニット装着部１８０には、粉挽駆動力連結機構１３０が前方に突出するように設けられ、この粉挽駆動力連結機構１３０に粉挽きユニット３００が着脱可能に装着される。粉挽きユニット３００は、粉挽駆動力連結機構１３０に連結されることにより、粉砕対象物である茶葉を挽くための駆動力を得る。

　粉挽きユニット３００の上部から粉挽きユニット３００の内部に投入された茶葉は、粉挽きユニット３００の内部において細かく粉砕される。粉砕された茶葉は、粉挽きユニット３００の下方に載置された茶葉粉末受皿８００に茶葉粉末として落下し集められる。なお、粉挽きユニット３００の詳細構造については、図８～図１０を用いて後述する。

　（液体貯留タンク７００）
　液体貯留タンク７００は、装置本体１００の上面側に設けられた液体貯留タンク装着部１９５に着脱可能に装着される。液体貯留タンク７００は、上面開口を有するタンク本体７１０と、タンク本体７１０の上面開口を塞ぐ蓋部７２０とを含む。液体貯留タンク７００は、蓋部７２０を取り外して外部から導入された水等の液体を貯留する。

　液体貯留タンク７００の内周面には、製造するお茶の分量に応じて貯留すべき液体の量の目安を表示する目安線が複数設けられている。たとえば、４本の目安線が、内周面の周方向に延在するように設けられている。４本の目安線は上下方向に離間して設けられている。

　最下方に位置する第１目安線は、カップ半分のお茶を製造するために推奨される液量の水を液体貯留タンク７００に導入した場合の水位位置を示している。この場合において、カップ半分とは、７０ｃｃから８０ｃｃまでの範囲であることが好ましく、略７５ｃｃとなることが好ましい。

　底部側から２番目に位置する第２目安線は、１人分（カップ１杯分）のお茶を製造するために推奨される液量の水を液体貯留タンク７００に導入した場合の水位位置を示している。底部側から３番目に位置する第３目安線は、２人分（カップ２杯分）のお茶を製造するために推奨される液量の水を液体貯留タンク７００に導入した場合の水位位置を示している。最上位（底部側から４番目）に位置する第４目安線は、３人分（カップ３杯分）のお茶を製造するために推奨される液量の水を液体貯留タンク７００に導入した場合の水位位置を示している。このような目安線によって、液体貯留タンク７００から撹拌ユニット５００に供給される液体の供給目安量が予め決定される。

　（液体供給経路１５５）
　液体供給経路１５５は、装置本体１００内に収容されている。液体供給経路１５５は、液体貯留タンク７００に接続される（図７参照）。液体供給経路１５５には、液体貯留タンク７００が接続された側とは反対側に供給口１７１が設けられている。液体供給経路１５５は、給湯パイプ１５０と、給湯ノズル１７０とを含む。給湯パイプ１５０は、一端側が液体貯留タンク７００に接続され、他端側が給湯ノズル１７０に接続される。液体貯留タンク７００から液体供給経路１５５に導入された液体は、給湯パイプ１５０、給湯ノズル１７０を通って撹拌ユニット５００に供給される。

　（撹拌ユニット５００）
　撹拌ユニット５００は、液体と粉末とを撹拌する撹拌羽根５５０と、撹拌羽根５５０を収容する撹拌槽５１０とを含む。撹拌羽根５５０は、撹拌部材に相当する。撹拌槽５１０は、装置本体１００の前面側に設けられた撹拌槽装着部１９０に対して、着脱可能に装着される。撹拌槽５１０の一部が装置本体１００の前面から当該前面の法線方向に沿って突出するように、撹拌槽５１０は撹拌槽装着部１９０に装着されている。

　撹拌槽装着部１９０には、撹拌モータ非接触テーブル１４０Ａが設けられている。撹拌ユニット５００は、撹拌モータ非接触テーブル１４０Ａ上に載置される。撹拌ユニット５００の内部に設けられた撹拌羽根５５０は、撹拌モータユニット１４０およびこれに連結された永久磁石１４１によって回転する。撹拌モータユニット１４０および永久磁石１４１は、撹拌モータ非接触テーブル１４０Ａの下方に位置するように装置本体１００内に収容されている。撹拌モータユニット１４０は、撹拌羽根５５０を回転駆動させる撹拌羽根駆動部に相当する。

　装置本体１００の撹拌槽装着部１９０の上部には、給湯ノズル１７０が設けられている。装置本体１００の内部において、給湯パイプ１５０内の水が所定温度に上昇され、給湯ノズル１７０から撹拌槽５１０内にお湯が供給される。撹拌槽５１０内には、装置本体１００において作成されたお湯と、粉挽きユニット３００によって得られた茶葉粉末とが投入され、撹拌槽５１０内の撹拌羽根５５０によって、お湯と茶葉粉末とが撹拌される。これにより、撹拌槽５１０内においてお茶が製造される。

　撹拌ユニット５００内で製造されたお茶は、撹拌ユニット５００の下方に設けられた吐出口開閉機構５４０の操作レバー５４２を操作することにより、載置ベース９００に載置されたカップ（図示省略）に注ぐことができる。なお、撹拌ユニット５００の詳細構造については、図１１および図１２を用いて後述する。

　（お茶（飲料）の製造フロー）
　次に、図４から図６を参照して、上記飲料製造装置１を用いたお茶（飲料）の製造フローについて説明する。図４から図６は、飲料製造装置１を用いたお茶吐出を示す第１から第３の製造フローを示す図である。なお、粉挽きユニット３００には、所定量のお茶葉が投入され、液体貯留タンク７００には所定量の水が蓄えられている。

　（第１製造フロー）
　図４を参照して、第１製造フローについて説明する。この第１製造フローは、粉挽きユニット３００における茶葉の粉砕と、装置本体１００から撹拌ユニット５００への給湯が同時に行なわれるフローである。

　飲料製造装置１は、ステップ１１における粉挽きユニット３００による茶葉の粉挽きと、ステップ１３における装置本体１００から撹拌ユニット５００への給湯が同時に開始される。次に、ステップ１２において、粉挽きユニット３００による茶葉の粉挽きが終了するとともに、ステップ１４における装置本体１００から撹拌ユニット５００への給湯が終了する。

　ステップ１５においてはステップ１２において得られた茶葉粉末が、利用者によって、撹拌ユニット５００内へ投入される。

　次に、ステップ１６において、撹拌ユニット５００での茶葉粉末とお湯との撹拌が開始される。ステップ１７において、撹拌ユニット５００での茶葉粉末とお湯との撹拌が終了する。ステップ１８において、利用者によって、撹拌ユニット５００の下方に設けられた吐出口開閉機構５４０の操作レバー５４２を操作することにより、載置ベース９００に載置されたカップへのお茶の吐出が行なわれる。本フローによれば、茶葉の粉挽きと給湯が同時に行われるため、短時間で効率よくお茶飲料の製造が可能となる。

　（第２製造フロー）
　図５を参照して、第２製造フローについて説明する。この第２製造フローは、粉挽きユニット３００における茶葉が粉砕された後に、装置本体１００から撹拌ユニット５００への給湯が行なわれるフローである。

　飲料製造装置１は、ステップ２１において、粉挽きユニット３００による茶葉の粉挽きが開始される。ステップ２２において、粉挽きユニット３００による茶葉の粉挽きが終了する。ステップ２３において、ステップ２２において得られた茶葉粉末が、利用者によって、撹拌ユニット５００内へ投入される。

　ステップ２４において、装置本体１００から撹拌ユニット５００への給湯が開始される。ステップ２５において、装置本体１００から撹拌ユニット５００への給湯が終了する。

　次に、ステップ２６において、撹拌ユニット５００での茶葉粉末とお湯との撹拌が開始される。ステップ２７において、撹拌ユニット５００での茶葉粉末とお湯との撹拌が終了する。ステップ２８において、利用者によって、撹拌ユニット５００の下方に設けられた吐出口開閉機構５４０の操作レバー５４２を操作することにより、載置ベース９００に載置されたカップへのお茶の吐出が行なわれる。本フローによれば、茶葉の粉挽き後に給湯が行われるため、お湯の温度低下を抑えることが可能となる。

　（第３製造フロー）
　図６を参照して、第３製造フローについて説明する。この第３製造フローは、撹拌ユニット５００においてお湯を撹拌により冷却するステップを備えている。

　飲料製造装置１は、ステップ３１における粉挽きユニット３００による茶葉の粉挽きと、ステップ３３における装置本体１００から撹拌ユニット５００への給湯が同時に開始される。ステップ３４における装置本体１００から撹拌ユニット５００への給湯が終了する。

　次に、ステップ３２において、粉挽きユニット３００による茶葉の粉挽きが終了するとともに、ステップ３５において、撹拌ユニット５００において給湯の冷却撹拌を開始する。ステップ３６において、撹拌ユニット５００において給湯の冷却撹拌が終了する。

　ステップ３７においてはステップ３２において得られた茶葉粉末が、利用者によって、撹拌ユニット５００内へ投入される。

　次に、ステップ３８において、撹拌ユニット５００での茶葉粉末とお湯との撹拌が開始される。ステップ３９において、撹拌ユニット５００での茶葉粉末とお湯との撹拌が終了する。ステップ４０において、利用者によって、撹拌ユニット５００の下方に設けられた吐出口開閉機構５４０の操作レバー５４２を操作することにより、載置ベース９００に載置されたカップへのお茶の吐出が行なわれる。本フローによれば、玉露等、比較的低温のお湯に適した茶葉に対して、適切な温度でお茶飲料を製造することが可能となる。

　（装置本体１００の内部構造）
　次に、図７を参照して、装置本体１００の内部構造について説明する。図７は、飲料製造装置１の内部構造を示す斜視図である。飲料製造装置１の装置本体１００の内部においては、液体貯留タンク７００の前面側には、電子部品が搭載されたプリント配線基板を用いた制御部１１０が配置されている。利用者によるスタート信号の入力に基づき、上記お茶の製造フローが、制御部１１０により実行される。

　制御部１１０の下方位置には、粉挽きユニット３００に駆動力を与えるための粉挽モータユニット１２０が配置されている。この粉挽モータユニット１２０の下方位置には、前方に突出するように設けられ、粉挽モータユニット１２０の駆動力を粉挽きユニット３００に伝達するための粉挽駆動力連結機構１３０が設けられている。

　液体貯留タンク７００の底面には、底面から下方に一旦延び、Ｕ字形状に上向きに延びる給湯パイプ１５０の一端が連結されている。給湯パイプ１５０の上端部には、撹拌ユニット５００の撹拌槽５１０にお湯を注ぐための給湯ノズル１７０が連結されている。給湯パイプ１５０の途中領域には、給湯パイプ１５０内を通過する水を加熱するためのＵ字形状のヒータ１６０が装着されている。

　（粉挽きユニット３００の構造）
　次に、図８から図１０を参照して、粉挽きユニット３００の構造について説明する。図８は、粉挽きユニット３００の斜視図、図９は、粉挽きユニット３００の分解斜視図、図１０は、粉挽きユニット３００の縦断面図である。

　粉挽きユニット３００は、全体として円筒形状を有する粉挽きケース３１０を有し、下方の側面には、粉挽駆動力連結機構１３０が内部に挿入される連結用窓３００Ｗが設けられている。粉挽きケース３１０の内部には、上臼３６０と下臼３５０とによって生成された茶葉粉末を貯留する貯留部３１１（図１０参照）と、貯留部３１１に連通する排出経路３１２とが設けられている。粉挽きケース３１０の最下端部となる排出経路３１２の下端部には、茶葉粉末を茶葉粉末受皿８００に向けて排出する排出口３１２ａが設けられている。排出口３１２ａは、後述する保温タンク５１２（図１２参照）の開口部５１３よりも下方に位置するように設けられている。これにより、保温タンク５１２内に供給されたお湯から生成される湯気が排出口３１２ａから侵入することを防止することができる。

　粉挽きユニット３００は、粉砕対象物を粉砕する上臼３６０および下臼３５０と、当該下臼３５０が取り付けられる下臼支持部３４０とを含む。粉挽きケース３１０の内部には、下方から、下臼支持部３４０、下臼３５０、上臼３６０が順番に設けられている。

　下臼支持部３４０は、上臼３６０が位置する側と反対側（下臼３５０の下方側）から下臼３５０を支持する。下臼支持部３４０は、略円柱形状の本体部３４１、係合突起部３４２、粉掻き取り部３４３を有する。粉挽き軸３４５は、本体部３４１の下面に設けられ、下方に向けて延在する。粉挽き軸３４５は、粉挽駆動力連結機構１３０に連結する。これにより、下臼支持部３４０が下臼３５０を支持した状態で回転可能となる。

　係合突起部３４２は、本体部３４１の上面に設けられ、上方に向けて突出する。係合突起部３４２は、下臼３５０を係止するための部位である。粉掻き取り部３４３は、本体部３４１の周縁部に設けられている。粉掻き取り部３４３は、下臼支持部３４０が回転することにより、貯留部３１１に貯留された茶葉粉末を掻き取って排出経路３１２に搬送する。

　下臼３５０は、上臼３６０の主面３６０ａに対向して配置される主面３５０ａと、当該主面３５０ａの反対側に位置する主面３５０ｂと、主面３５０ａと主面３５０ｂとを接続する周面を含む。下臼３５０の主面３５０ａには、複数のせん断溝が形成されている。複数のせん断溝は、たとえば等角螺旋に沿って延在するように設けられる。また、複数のせん断溝は、内周側から外周側に向かうように形成された直線状の溝が放射状に設けられることにより構成されてもよい。

　下臼３５０の主面３５０ｂには、係合凹部３５２が設けられている。係合凹部３５２は、下臼支持部３４０の係合突起部３４２に対応する位置に設けられ、係合突起部３４２に係止される。これにより、下臼３５０は、下臼支持部３４０と連動して回転する。下臼３５０の中央部には、回転軸芯に沿って上方に向かって伸びるコア３５９が設けられている。

　コア３５９は、上臼３６０の中央部に設けられた貫通孔３６１を貫通するように設けられている。コア３５９は、らせん状に設けられた螺旋羽根３５９ａを有する。

　上臼３６０は、下臼３５０の主面３５０ａに対向して配置される主面３６０ａと、当該主面３６０ａと反対側に位置する主面３６０ｂと、主面３６０ａと主面３６０ｂとを接続する周面を含む。上臼３６０の主面３６０ａには、下臼の主面３５０ａと同様にせん断溝が形成されている。

　上臼３６０は、その上方に配置された上臼保持部材３７０によって保持されている。たとえば、上臼３６０の上面には不図示の穴部が設けられており、当該穴部に上臼保持部材３７０に設けられた不図示のピン部が入り込むことにより、上臼３６０の回転が防止される。

　上臼保持部材３７０は、孔部３７１ａを有する底面部３７１と、底面部３７１の周縁から上方に向けて立設された外筒部３７２と、孔部３７１ａの周縁から上方に向けて立設された内筒部３７３とを含む。孔部３７１ａは、上臼３６０の貫通孔３６１に連通するように設けられている。外筒部３７２と内筒部３７３との間には、上臼３６０を下方に向けて押圧するバネ３８１およびバネ保持部材３８０が収容されている。バネ３８１によって、上臼３６０と下臼３５０との間に作用する粉砕圧力が調節される。

　粉挽きケース３１０の上端開口部３１０ｂ側には、粉砕対象物を上臼３６０と下臼３５０との間に供給するためのホッパー部３２０が取り付けられている。ホッパー部３２０は、天板部３２１と、筒状部３２２と、粉砕対象物投入口３２５とを有する。天板部３２１は、略中央部に開口部３２３が設けられたお椀形状を有する。筒状部３２２は、開口部３２３の周縁から下方に立設するように設けられている。筒状部３２２は、内筒部３７３の内側に挿入される。

　粉砕対象物投入口３２５は、開口部３２３および筒状部３２２によって規定される。粉砕対象物投入口３２５内には、コア３５９の先端側が収容されている。筒状部３２２内に、粉砕対象物投入口３２５を跨ぐように複数の直線状のリブ３９１，３９２，３９３が設けられている。

　茶葉を粉砕する際には、ホッパー部３２０は、カバー部３３０によって覆われることが好ましい。これにより、茶葉を粉砕対象物投入口３２５に投入した後に、粉挽きユニット３００内に異物が侵入することを防止するとともに、粉砕された茶葉が飛散することを防止することができる。なお、茶葉を投入する際には、カバー部３３０は、ホッパー部３２０から取り外される。

　粉砕対象物投入口３２５に投入された茶葉は、上臼保持部材３７０から露出する上臼３６０の上面および筒状部３２２の内周面によって規定される空間内に収容される。当該空間に収容された茶葉は、螺旋羽根３５９ａが下臼３５０の回転に伴って回転することにより、上臼３６０と下臼３５０との間に案内される。

　上臼３６０と下臼３５０との間に案内された茶葉は、粉砕されて茶葉粉末としてこれら上臼３６０と下臼３５０との周縁から下方へ落下する。落下した茶葉粉末の一部は、排出経路３１２を通って排出口３１２ａから茶葉粉末受皿８００に排出される。落下した茶葉粉末のその他の部分は、貯留部３１１に貯留される。貯留部３１１内の茶葉粉末は、粉掻き取り部３４３が下臼支持部３４０の回転に伴って回転することにより、排出経路３１２に搬送されて排出口３１２ａから茶葉粉末受皿８００に排出される。

　（撹拌ユニット５００の構造）
　次に、図１１および図１２を参照して、撹拌ユニット５００の構造について説明する。図１１は、撹拌ユニット５００の斜視図、図１２は、撹拌ユニット５００の縦断面図である。

　撹拌ユニット５００は、上面が開口する容器形状を有し、撹拌槽５１０、撹拌羽根５５０、撹拌カバー５３０および吐出口開閉機構５４０を備える。撹拌槽５１０は、樹脂製の外装ホルダー５１１と、この外装ホルダー５１１に保持される保温タンク５１２とを含む。外装ホルダー５１１には、樹脂により一体成形されたグリップ５２０が設けられている。保温タンク５１２は、有底筒形状を有し、上方に向けて開口する開口部５１３を有する。

　撹拌カバー５３０は、開口部５１３を開閉可能に開口部５１３に取り付けられる。撹拌カバー５３０には、粉挽きユニット３００により粉砕された茶葉粉末を投入する粉末投入口５３１、および、装置本体１００内で形成されたお湯が給湯ノズル１７０から注がれる給湯口５３２が設けられている。給湯口５３２は、給湯ノズル１７０の供給口１７１に対応する位置に設けられている。

　粉末投入口５３１および給湯口５３２は、開口部５１３に連通している。移動された茶葉粉末受皿８００から粉末投入口５３１に投入された茶葉粉末は、開口部５１３を介して保温タンク５１２内に投入される。給湯ノズル１７０から給湯口５３２に注がれたお湯は、開口部５１３を介して保温タンク５１２内に供給される。

　撹拌槽５１０の底部には、撹拌羽根５５０が載置される。撹拌槽５１０の底部には、上方に延びる回転軸５６０が設けられ、この回転軸５６０に撹拌羽根５５０の筒状芯２５０が挿入される。

　撹拌羽根５５０には、永久磁石２４０が埋め込まれている。撹拌モータ非接触テーブル１４０Ａにおいて、撹拌羽根５５０に埋め込まれた永久磁石２４０と、撹拌モータユニット１４０側に設けられた永久磁石１４１とが非接触の状態で磁気結合することで、撹拌モータユニット１４０の回転駆動力が、撹拌羽根５５０に伝達される。なお、撹拌羽根５５０の詳細については、図１３から図１５を用いて後述する。

　撹拌槽５１０は、生成された飲料を吐出するための吐出部５４５をさらに備える。吐出部５４５は、装置本体１００から突出する部分の撹拌槽５１０に設けられている。吐出部５４５は、撹拌槽５１０の底部に設けられた吐出口５４１と、吐出口５４１を開閉する吐出口開閉機構５４０とを含む。吐出口５４１は、茶葉粉末とお湯とが撹拌羽根５５０によって撹拌されて生成されたお茶を吐出させるための部位である。

　吐出口開閉機構５４０は、吐出口５４１を開閉可能に、吐出口５４１に挿入された開閉ノズル５４３と、開閉ノズル５４３の位置を制御する操作レバー５４２とを含む。開閉ノズル５４３は、通常状態においてはバネ等の付勢部材（図示省略）により吐出口５４１を塞ぐように付勢されている。利用者が、操作レバー５４２を付勢力に対抗して移動させた場合には、開閉ノズル５４３が移動し、吐出口５４１が開放される。これにより、撹拌槽５１０内のお茶が、載置ベース９００に載置されたカップ（図示省略）に注出される。

　（撹拌羽根５５０の構造）
　次に、図１３から図１５を参照して、本実施の形態における撹拌羽根５５０の構造について説明する。図１３は、撹拌羽根５５０の形状を示す斜視図、図１４は、撹拌羽根５５０の構造を示す分解斜視図、図１５は、図１３中のＸＶ－ＸＶ線矢視断面図である。

　図１３および図１４を参照して、撹拌羽根５５０は、内部に回転軸が挿入される円筒形状の筒状芯２５０を中心に備えている。筒状芯２５０は、回転中心軸（Ｃ）を有する回転部を構成する。撹拌羽根５５０は、第１パドル２１０、第２パドル２１１および羽根部２２０を備える。第１パドル２１０は、筒状芯２５０の外周面から放射状に延び、１８０度対向する位置に一対に設けられる。第２パドル２１１は、第１パドル２１０に対して９０度回転する位置において、１８０度対向する位置に一対に設けられる。

　羽根部２２０は、複数の羽根片２２１、下部補助リング２２２および上部補助リング２２３を含む。下部補助リング２２２は、一対の第１パドル２１０の外周面および一対の第２パドル２１１の外周面に設けられている。下部補助リング２２２は、回転方向（図中矢印Ａ方向）に対して抵抗にならない形状を有している。

　下部補助リング２２２には、第１パドル２１０および第２パドル２１１の上面（第１面）側に向かって延びる羽根片２２１が、回転中心軸Ｃを取り囲むように複数設けられている。また、羽根片２２１は、回転中心軸Ｃに対して回転対称となるように複数枚設けられている。羽根片２２１の上端部は、上部補助リング２２３に連結されている。上部補助リング２２３も下部補助リング２２２と同様に、回転方向に対して抵抗にならない形状を有している。なお、羽根片２２１の詳細形状については後述する。

　一対の第１パドル２１０は、下方（第２面）側に向かって所定の厚みを有し、回転方向から見て下流側に凹む湾曲形状を有し、回転方向（図中矢印Ａ方向）において撹拌に寄与する湾曲形状のパドル面２１２が形成されている。同様に、第２パドル２１１にも、下方（第２面）側に向かって所定の厚みを有し、回転方向から見て下流側に凹む湾曲形状を有し、回転方向（図中矢印Ａ方向）において撹拌に寄与する湾曲形状のパドル面２１２が形成されている。パドル面２１２は４箇所に設けられており、第１パドル２１０と第２パドル２１１との間には、合計４箇所の空間２１０ｈが形成されている。一対の第１パドル２１０の内部には、永久磁石２４０が埋め込まれている。

　筒状芯２５０および一対の第１パドル２１０は、一体に成形されたカバー２６０ａを含んでいる。第１パドル２１０のパドル本体２６０ｂ内には、永久磁石２４０を収納するための円筒状の収容部２１０ａが設けられている。一対の第１パドル２１０内に埋め込まれた永久磁石２４０は、非接触回転駆動機構（撹拌モータユニット１４０および永久磁石１４１）によって、磁力による回転伝達がなされる。回転駆動中の磁力による保持力を高めるには、永久磁石は、２箇所に設けることが望ましい。

　一対の第１パドル２１０の間には、回転軸が挿入される貫通穴２５３が設けられている。筒状芯２５０の内部には、回転軸の先端が点接触し撹拌羽根５５０をスムーズに回転させるために円錐状キャップ２５１が収容されている。カバー２６０ａとパドル本体２６０ｂと間には、水密性を確保するためのリングシール２５２が嵌め込まれている。

　次に、図１５を参照して、羽根片２２１の形状について説明する。羽根片２２１は、上方に向かうにしたがって外側に拡がる傾斜角θが設けられている。傾斜角θは、たとえば７５度程度である。傾斜角θによって、撹拌羽根５５０は同じ外形で高い撹拌力を得るか、もしくは同じ撹拌力で回転駆動部の負荷を低減することが可能になる。

　また、傾斜角θによって、撹拌羽根５５０の清掃性が向上する。撹拌羽根５５０の全高ｈに対して、第１パドル２１０および第２パドル２１１の高さｈａを、図１５に示すように回転方向に対して抵抗になる（撹拌力に寄与する）エリアと定義する。本実施の形態においては、ｈ＝９．５ｍｍ、ｈａ＝５．５ｍｍであるのが望ましい。また、羽根片２２１の内径ｄ１＝φ３０ｍｍ、外径ｄ＝φ３２ｍｍであるのが望ましい。このような寸法を有する撹拌羽根５５０を用いる場合には、水深が底部から１９ｍｍ以上３８ｍｍ以下の場合にきめ細やかな泡を生成することができる。水深が低すぎる場合には、渦が形成されず、当該渦を介して液面から空気を取り込むことが困難となる。水深が高すぎる場合には、渦が羽根部２２０まで到達しないため、きめ細やかな泡を生成することが困難となる。

　撹拌羽根５５０を回転させると、撹拌羽根５５０の撹拌作用により、お湯には、回転中心軸Ｃに対して略直交する方向の力が作用する。この結果、撹拌羽根５５０に到達するように渦が形成される。当該渦を介してお湯に取り込まれた空気をお湯とともに撹拌羽根５５０の中央部から外周部へ送り出すことにより、泡を形成しつつ茶葉粉末とお湯とを撹拌させる。形成された泡は、羽根片２２１が衝突することにより粉砕され、きめ細やかな泡となる。

　なお、撹拌部材として、上記のような構成を有する撹拌羽根５５０を用いる場合を例示して説明したが、これに限定されず、撹拌部材として、外周部に撹拌要素を有するものを適宜採用することができる。撹拌要素としては、トロイダル形状のワイヤからなる巻回部、インペラ等を採用することができる。

　（撹拌槽５１０の形状）
　図１６は、本実施の形態に係る撹拌槽および撹拌羽根を示す斜視図である。図１７は、図１６に示すＸＶＩＩ－ＸＶＩＩ線に沿った断面図である。なお、図１６および図１７においては、撹拌槽５１０を図示するに際し、便宜上のため外装ホルダー５１１を省略し、撹拌槽５１０の内周面５１０ａを規定する保温タンク５１２を図示している。図１６および図１７を参照して、本実施の形態に係る撹拌槽５１０の内周面５１０ａの形状について説明する。

　図１６および図１７に示すように、本実施の形態に係る撹拌槽５１０の内周面５１０ａは、保温タンク５１２の側壁部５１５の内表面によって規定される。保温タンク５１２の底部５１４は、撹拌槽５１０の底部に相当する。保温タンク５１２の側壁部５１５は、保温タンク５１２の底部５１４の周縁に連設されている。

　撹拌槽５１０の内周面５１０ａは、側壁部５１５の上端５１５ｂ側から底部５１４に向かうにつれて開口面積が連続的に小さくなるように設けられている。具体的には、撹拌槽５１０の内周面５１０ａは、円錐台形状を有する。

　図１７に示すように、撹拌槽５１０の中央部の断面において、側壁部５１５と底部５１４の成す角（図中ＡＲ２とＡＲ１との成す角）θは、９０°より大きく１１９°以下であることが好ましい。また、底部５１４の内径φＡは、６０ｍｍ以上であることが好ましい。

　仮想線Ｓ１は、上述した供給目安量が最大である第１供給目安量に基づいて撹拌槽５１０にお湯を供給した場合の水位位置（第１液位位置）を表しており、仮想線Ｓ２は、上述した供給目安量が最少である第２供給目安量に基づいて撹拌槽５１０にお湯を投入した場合の水位位置（第２液位位置）を示している。第１液位位置での開口面積は、第２液位位置での開口面積よりも大きくなる。

　撹拌槽５１０の内周面５１０ａが上記のように傾斜して設けられることにより、撹拌槽の開口面の開口面積が底部まで略一定となる容器と比較して、少量のお湯を供給した場合であっても液位位置を高くすることができる。

　これにより、カップ１杯を満たないカップ半分程度のお茶を製造するために、第２供給目安量に基づいてお湯を供給した場合であっても、それにより形成される第２液位位置は、撹拌羽根５５０の羽根部２２０の上面２２０ａよりも上方に位置する。この結果、撹拌羽根５５０のうち撹拌に寄与する羽根部２２０の全てをお湯の中に浸漬させることができるため、お湯と粉末とを十分に撹拌することができる。

　また、上述のように撹拌槽５１０の内周面５１０ａが、上方に向かうにつれて径方向に拡張するように傾斜するため、供給されるお湯の量に応じて変動する液面の高さの変位を抑制することができる。このため、所定の供給目安量に対して供給量が多くなった場合でも、液面から撹拌羽根５５０までの距離の変位を抑制することができる。形成される泡の状態は、液面から撹拌羽根５５０までの距離に影響されるところ、このように液面の変位を液量によって調整することにより、撹拌力を十分に確保することができ、お湯中に空気を十分に取り込むことができる。この結果、きめの細かい良好な泡を形成することもできる。

　以上のように、本実施の形態に係る撹拌ユニット５００およびこれを備えた飲料製造装置１を利用した場合には、供給される液体の量が少量であっても当該液体を十分に撹拌できる。また、本実施の形態に係る撹拌ユニット５００およびこれを備えた飲料製造装置１は、供給される液体の量の増加に応じて変動する液面の高さの変位を抑制することができる。すなわち、液面の変位を液量によって調整することが可能となる。

　（実施の形態２）
　図１８は、本実施の形態に係る撹拌槽および撹拌羽根を示す斜視図である。図１９は、図１８に示すＸＩＸ－ＸＩＸ線に沿った断面図である。なお、図１８および図１９においても、便宜上のため撹拌槽５１０Ａを図示するに際し、外装ホルダー５１１を省略し、撹拌槽５１０Ａの内周面５１０ａを規定する保温タンク５１２Ａを図示している。図１８および図１９を参照して、本実施の形態に係る撹拌槽５１０Ａの内周面５１０ａの形状について説明する。

　本実施の形態に係る撹拌槽５１０Ａの内周面５１０ａは、底部５１４に向かうにつれて開口面積が小さくなるように湾曲する湾曲形状を有する。具体的には、図１９に示すように、撹拌槽５１０Ａの中心軸Ｃ２を縦軸とした場合の縦断面視において、撹拌槽５１０Ａの内周面５１０ａは、その上端Ｐ１と下端Ｐ２とを結ぶ仮想線Ｌ１よりも内側に凹むように湾曲する湾曲形状を有する。側壁部５１５Ａの下端部と底部５１４との成す角が９０°に近づくため、実施の形態１よりも底部５１４の内径φＡを大きくすることが可能となる。

　このような場合であっても、仮想線Ｓ１が示す、供給目安量が最大である第１供給目安量に基づいて撹拌槽５１０Ａにお湯を供給した場合の第１液位位置での開口面積は、仮想線Ｓ２が示す、供給目安量が最少である第２供給目安量に基づいて撹拌槽５１０Ａにお湯を投入した場合の第２液位位置の開口面積よりも大きくなる。

　また、第２液位位置は、撹拌羽根５５０の羽根部２２０の上面２２０ａよりも上方に位置する。これにより、羽根部２２０の全体を、最少供給目安量で供給されたお湯中に浸漬させることができ、当該お湯および茶葉粉末を十分に撹拌することができる。

　以上のように、本実施の形態においても、内周面５１０ａが底部５１４に向かうにつれて開口面積が小さくなるように湾曲する湾曲形状を有することにより、供給される液体の量が少量であっても当該液体を十分に撹拌できる。また、供給される液体の量の増加に応じて変動する液面の高さの変位を抑制することができる。すなわち、液面の変位を液量によって調整することが可能となる。

　なお、本実施の形態においては、撹拌槽５１０Ａの中心軸Ｃ２を縦軸とした場合の縦断面視において、撹拌槽５１０Ａの内周面５１０ａは、その上端Ｐ１と下端Ｐ２とを結ぶ仮想線Ｌ１よりも内側に凹むように湾曲する湾曲形状を有する場合を例示して説明したが、これに限定されず、内周面５１０ａが仮想線Ｌ１よりも外側に膨出するように湾曲する湾曲形状を有していてもよい。この場合、撹拌が終了して出来上がった飲料の入った撹拌ユニットを持ち運ぶ際に飲料がこぼれにくく取り扱いがしやすくなる。

　（実施の形態３）
　図２０は、本実施の形態に係る撹拌槽および撹拌羽根を示す斜視図である。図２１は、図２０に示すＸＸＩ－ＸＸＩ線に沿った断面図である。なお、図２０および図２１においても、便宜上のため撹拌槽５１０Ｂを図示するに際し、外装ホルダー５１１を省略し、撹拌槽５１０Ｂの内周面５１０ａを規定する保温タンク５１２Ｂを図示している。図２０および図２１を参照して、本実施の形態に係る撹拌槽５１０Ｂについて説明する。

　本実施の形態に係る撹拌槽５１０Ｂの内周面５１０ａは階段形状を有する。これにより、撹拌槽５１０Ｂの開口面積は、底部５１４に向かうにつれて段階的に小さくなる。具体的には、後述する第３筒状部５１８の高さ方向（撹拌槽５１０Ｂの中心軸Ｃ２の軸線方向）の中央位置における撹拌槽５１０Ｂの開口面積、後述する第２筒状部５１７の高さ方向の中央位置における撹拌槽５１０Ｂの開口面積、および後述する第１筒状部５１６の高さ方向の中央位置における撹拌槽５１０Ｂの開口面積が、この順で段階的に小さくなっている。

　保温タンク５１２Ｂの側壁部５１５Ｂは、第１筒状部５１６と、第２筒状部５１７と、第３筒状部５１８と、接続部５７１と、接続部５７４とを含む。第１筒状部５１６は、円筒形状を有し、底部５１４に連設されている。第２筒状部５１７は、円筒形状を有し、接続部５７１を介して第１筒状部５１６に接続されている。第２筒状部５１７の内径は、第１筒状部５１６の内径よりも大きい。第３筒状部５１８は、円筒形状を有し、接続部５７４を介して第２筒状部５１７に接続されている。第３筒状部５１８の内径は、第２筒状部５１７の内径よりも大きい。

　接続部５７１は、湾曲部５７２と平坦部５７３とを含む。湾曲部５７２は、第１筒状部５１６の上端に接続され、上方に向かうにつれて中心軸Ｃ２から離れるように湾曲する。平坦部５７３は、水平方向に平行な環状の平板形状を有する。平坦部５７３の外周縁に第２筒状部５１７が連設される。

　接続部５７４は、湾曲部５７５と平坦部５７６とを含む。湾曲部５７５は、第２筒状部５１７の上端に接続され、上方に向かうにつれて中心軸Ｃ２から離れるように湾曲する。平坦部５７６は、水平方向に平行な環状の平板形状を有する。平坦部５７６の外周縁に第３筒状部５１８が連設される。

　底部５１４内表面から平坦部５７３の内表面までの中心軸Ｃ２方向に沿った長さｈ１と、平坦部５７３の内表面から平坦部５７６の内表面までの中心軸Ｃ２方向に沿った長さｈ２と、平坦部５７６の内表面と第３筒状部５１８の上端５１５ｂまでの中心軸Ｃ２方向に沿った長さｈ３とはほぼ同一である。

　このような場合においても、供給目安量が最大である第１供給目安量に基づいて撹拌槽５１０Ｂにお湯を供給した場合の第１液位位置は、供給目安量が最少である第２供給目安量に基づいて撹拌槽５１０Ｂにお湯を投入した場合の第２液位位置よりも上方に位置することとなり、第１液位位置での開口面積は、第２液位位置での開口面積よりも大きくなる。

　具体的には、仮想線Ｓ１が示すように、第１液位位置は、第２筒状部５１７と第３筒状部５１８との境界部近傍に位置する。ここで、第１液位位置が第２筒状部５１７と第３筒状部５１８との境界部近傍に位置するとは、液面が、平坦部５７６の内表面を水平方向に通過する平面と同じ高さに位置するか当該平面よりもわずかに低い位置に位置することを指す。

　また、仮想線Ｓ２が示すように、第２液位位置は、第１筒状部５１６の所定の位置に位置し、撹拌羽根５５０の羽根部２２０の上面２２０ａよりも上方に位置する。これにより、羽根部２２０の全体を、最少供給目安量で供給されたお湯中に浸漬させることができ、当該お湯および茶葉粉末を十分に撹拌することができる。

　さらに、第１液位位置が、第２筒状部５１７と第３筒状部５１８との境界近傍に位置することにより、液体貯留タンク７００に水を導入する際に最上位に位置する目安線を越えて水が導入され、当該最大供給目安量を超えるお湯が撹拌槽５１０Ｂに供給された場合には、第２筒状部５１７の上端を超えて、第３筒状部５１８内にお湯が供給される。第３筒状部５１８の開口面積は、第２筒状部５１７の開口面積よりも大きいため、第２筒状部５１７のみにお湯が供給される場合と比較して、液面の高さの変位を抑制することができる。

　以上のように本実施の形態にあっても、撹拌槽５１０Ｂの内周面５１０ａが底部５１４に向かうにつれて開口面積が段階的に小さくなる階段形状を有することにより、供給される液体の量が少量であっても当該液体を十分に撹拌できる。また、供給される液体の量の増加に応じて変動する液面の高さの変位を抑制することができる。

　（実施の形態４）
　図２２は、本実施の形態に係る撹拌槽および撹拌羽根を示す斜視図である。図２３は、図２２に示すＸＸＩＩＩ－ＸＸＩＩＩ線に沿った断面図である。なお、図２２および図２３においても、便宜上のため撹拌槽５１０Ｃを図示するに際し、外装ホルダー５１１を省略し、撹拌槽５１０Ｃの内周面を規定する保温タンク５１２Ｃを図示している。図２２および図２３を参照して、本実施の形態に係る撹拌槽５１０Ｃについて説明する。

　本実施の形態に係る撹拌槽５１０Ｃは、実施の形態３に係る撹拌槽５１０Ｂと比較した場合に、保温タンク５１２Ｃの側壁部５１５Ｃの形状が相違することにより、撹拌槽５１０Ｃの内周面５１０ａの形状が相違する。

　具体的には、第１筒状部５１６と第２筒状部５１７とを接続する接続部５７１Ｃおよび第２筒状部５１７と第３筒状部５１８とを接続する接続部５７４Ｃとが、実施の形態３に係る平坦部５７３，５７６に代えて、上方に向かうにつれて径方向に広がるように傾斜する傾斜部５７３Ｃ，５７６Ｃを有する。傾斜部５７３Ｃ，５７６Ｃは、湾曲部５７２，５７５との境界において傾斜開始点Ｐ３，Ｐ４を有する。

　底部５１４の内表面から傾斜開始点Ｐ３までの中心軸Ｃ２方向に沿った長さｈ１と、傾斜開始点Ｐ３から傾斜開始点Ｐ４までの中心軸Ｃ２方向に沿った長さｈ２と、傾斜開始点Ｐ３から第３筒状部５１８の上端５１５ｂまでの中心軸Ｃ２方向に沿った長さｈ３とはほぼ同一である。

　このような構成を有する場合であっても、撹拌槽５１０Ｃの開口面積は、底部５１４に向かうにつれて段階的に小さくなる。具体的には、第３筒状部５１８の高さ方向（撹拌槽５１０Ｃの中心軸Ｃ２の軸線方向）の中央位置における撹拌槽５１０Ｃの開口面積、第２筒状部５１７の高さ方向の中央位置における撹拌槽５１０Ｃの開口面積、第１筒状部５１６の高さ方向の中央位置における撹拌槽５１０Ｃの開口面積が、この順で段階的に小さくなる。

　この場合においては、仮想線Ｓ１が示すように第１液位位置が傾斜開始点Ｐ４近傍に位置し、仮想線Ｓ２が示すように第２液位位置が第１筒状部５１６の所定の位置に位置することが好ましい。このように構成することにより、本実施の形態に係る撹拌槽５１０Ｃは、実施の形態３に係る撹拌槽５１０Ｂとほぼ同様の効果が得られる。加えて、傾斜部５７３Ｃ，５７６Ｃを設けることにより、実施の形態３に係る構成よりも飲料排出の際の液体の流れがスムーズになるという効果が得られる。

　（実施の形態５）
　図２４は、本実施の形態に係る撹拌槽および撹拌羽根を示す斜視図である。図２５は、図２４に示すＸＸＶ－ＸＸＶ線に沿った断面図である。なお、図２４および図２５においても、便宜上のため撹拌槽５１０Ｄを図示するに際し、外装ホルダー５１１を省略している。図２４および図２５を参照して、本実施の形態に係る撹拌槽５１０Ｄについて説明する。

　本実施の形態に係る撹拌槽５１０Ｄは、実施の形態４に係る撹拌槽５１０Ｃと比較した場合に、保温タンク５１２Ｄの側壁部５１５Ｄの形状が相違することにより、撹拌槽５１０Ｄの内周面５１０ａの形状が相違する。

　具体的には、供給されるお湯の分量（１人分の分量、２人分の分量、３人分の分量等）に応じて第１筒状部５１６の高さ、第２筒状部５１７の高さ、および第３筒状部５１８の高さが互いに異なる。

　具体的には、底部５１４の内表面から傾斜開始点Ｐ３までの中心軸Ｃ２方向に沿った長さｈ１は、傾斜開始点Ｐ３から傾斜開始点Ｐ４までの中心軸Ｃ２方向に沿った長さｈ２、および傾斜開始点Ｐ３から第３筒状部５１８の上端５１５ｂまでの中心軸Ｃ２方向に沿った長さｈ３よりも大きい。傾斜開始点Ｐ３から傾斜開始点Ｐ４までの中心軸Ｃ２方向に沿った長さｈ２は、傾斜開始点Ｐ３から第３筒状部５１８の上端５１５ｂまでの中心軸Ｃ２方向に沿った長さｈ３よりも大きい。

　仮想線Ｓ２が示すように、最少供給目安量であるカップ半分程度のお湯を供給した場合の液位位置（第２液位位置）は、第１筒状部５１６の高さの略半分の高さ位置に位置する。１人分のお湯を供給した場合の液位位置は、傾斜開始点Ｐ３近傍に位置する。２人分のお湯を供給した場合の液位位置は、傾斜開始点Ｐ４近傍に位置する。仮想線Ｓ１が示すように、最大供給目安量である３人分のお湯を供給した場合の液位位置（第１液位位置）は、第３筒状部５１８の上端近傍に位置する。

　このように構成することにより、本実施の形態に係る撹拌槽５１０Ｄは、実施の形態４に係る撹拌槽５１０Ｃとほぼ同様の効果が得られる。また、本実施の形態に係る撹拌槽５１０Ｄにあっては、内周面５１０ａの段差部分（接続部５７１Ｃ，５７４Ｃ）が目盛りとして機能するため、使用者がお湯の供給量を容易に確認することができ利便性が向上する。

　（実施の形態６）
　図２６は、本実施の形態に係る撹拌槽および撹拌羽根を示す斜視図である。図２７は、図２６に示すＸＸＶＩＩ－ＸＸＶＩＩ線に沿った断面図である。なお、図２６および図２７においても、便宜上のため撹拌槽５１０Ｅを図示するに際し、外装ホルダー５１１を省略し、撹拌槽５１０Ｅの内周面５１０ａを規定する保温タンク５１２Ｅを図示している。図２６および図２７を参照して、本実施の形態に係る撹拌槽５１０Ｅについて説明する。

　本実施の形態に係る撹拌槽５１０Ｅは、実施の形態３に係る撹拌槽５１０Ｂと比較した場合に、保温タンク５１２Ｅの側壁部５１５Ｅの形状が相違することにより、撹拌槽５１０Ｅの内周面５１０ａの形状が相違する。

　具体的には、撹拌槽５１０の内周面５１０ａは、螺旋面５１０ｃを有する。螺旋面５１０ｃは、撹拌槽５１０の中心軸Ｃ２方向に沿った一定の幅を有しつつ、中心軸Ｃ２周りを旋回するように設けられている。螺旋面５１０ｃは、上方に向かうにつれて撹拌槽５１０Ｅの中心軸Ｃ２から径方向の距離が拡大するように設けられている。螺旋面５１０ｃの旋回方向と撹拌羽根５５０の回転方向は一致することが好ましい。これにより、撹拌時の液体の流れを強くすることができる。

　このような構成とする場合であっても、底部５１４に向かうにつれて撹拌槽５１０Ｅの開口面積を小さくすることができる。これにより、仮想線Ｓ１が示す、供給目安量が最大である第１供給目安量に基づいて撹拌槽５１０Ｅにお湯を供給した場合の第１液位位置での開口面積は、仮想線Ｓ２が示す、供給目安量が最少である第２供給目安量に基づいて撹拌槽５１０Ｅにお湯を投入した場合の第２液位位置の開口面積よりも大きくなる。

　また、第２液位位置は、撹拌羽根５５０の羽根部２２０の上面２２０ａよりも上方に位置する。これにより、羽根部２２０の全体を、最少供給目安量で供給された液体中に浸漬させることができ、当該液体および粉末を十分に撹拌することができる。

　以上のように、本実施の形態に係る撹拌槽５１０Ｅにおいても、内周面５１０ａを螺旋面とすることにより、供給される液体の量が少量であっても当該液体を十分に撹拌できる。また、供給される液体の量の増加に応じて変動する液面の高さの変位を抑制することができる。さらに、内周面５１０ａを螺旋面とすることで、実施の形態３に係る撹拌槽５１０Ｂよりも飲料排出の際の液体の流れがスムーズになるという効果が得られる。

　（実施の形態７）
　図２８は、本実施の形態に係る撹拌槽および撹拌羽根を示す斜視図である。図２９は、図２８に示すＸＸＩＸ－ＸＸＩＸ線に沿った断面図である。なお、図２８および図２９においても、便宜上のため撹拌槽５１０Ｆを図示するに際し、外装ホルダー５１１を省略している。図２８および図２９を参照して、本実施の形態に係る撹拌槽５１０Ｆについて説明する。

　本実施の形態に係る撹拌槽５１０Ｆは、実施の形態３に係る撹拌槽５１０Ｂと比較した場合に、保温タンク５１２Ｆの側壁部５１５Ｆの形状が相違することにより、撹拌槽５１０Ｆの内周面５１０ａの形状が相違する。より具体的には、内周面５１０ａに設けられた段差数が相違する。

　保温タンク５１２Ｆの側壁部５１５Ｆは、第１筒状部５１６と、第２筒状部５１７と、接続部５７１Ｆとを含む。第１筒状部５１６は、円筒形状を有し、底部５１４に連設されている。第２筒状部５１７は、円筒形状を有し、接続部５７１Ｆを介して第１筒状部５１６に接続されている。第２筒状部５１７の内径φＢは、第１筒状部５１６の内径（底部５１４の内径）φＡよりも大きい。たとえば、第１筒状部５１６の内径φＡは、７０ｍｍ程度であることが好ましく、この場合には、第２筒状部の内径φＢは、１２４ｍｍ以上であることが好ましい。

　接続部５７１Ｆは、水平方向に平行な環状の平板形状を有する。接続部５７１Ｆは、第１筒状部５１６の上端と第２筒状部５１７の下端を接続する。

　このような構成を有する場合であっても、撹拌槽５１０Ｆの開口面積は、底部５１４に向かうにつれて段階的に小さくなる。具体的には、第２筒状部５１７の高さ方向の中央位置における撹拌槽５１０Ｆの開口面積、第１筒状部５１６の高さ方向の中央位置における撹拌槽５１０Ｆの開口面積が、この順で段階的に小さくなる。

　この場合においては、仮想線Ｓ１が示すように第１液位位置が第２筒状部５１７の高さ方向の中央に位置し、仮想線Ｓ２が示すように第２液位位置が第１筒状部５１６と第２筒状部５１７の境界部近傍に位置する。

　以上のように構成することにより、本実施の形態に係る撹拌槽５１０Ｆは、実施の形態３に係る撹拌槽５１０Ｂとほぼ同様の効果が得られる。

　また、本実施の形態においては、底部５１４の内径を小さくすることにより、撹拌槽５１０Ｆに供給される液量が少量の場合であっても、撹拌羽根５５０から第２液位位置までの距離を大きくすることができる。さらに、第２筒状部５１７の内径を第１筒状部５１６の内径よりも大きくすることにより、供給される液量が大量の場合には、撹拌羽根５５０から第１液位位置までの距離を小さくすることができる。

　これにより、それぞれの場合において、撹拌羽根５５０の回転によって液面から空気を取り込んで空気の渦を形成し、その空気を撹拌羽根５５０の羽根部２２０によって切ることにより、きめ細やかな泡を生成することができる。このため、本実施の形態においては、撹拌および泡立てに対応可能な液量の範囲を拡大することもできる。

　（実施の形態８）
　図３０は、本実施の形態に係る撹拌槽および撹拌羽根を示す斜視図である。図３１は、図３０に示すＸＸＸＩ－ＸＸＸＩ線に沿った断面図である。なお、図３０および図３１においても、便宜上のため撹拌槽５１０Ｇを図示するに際し、外装ホルダー５１１を省略している。図３０および図３１を参照して、本実施の形態に係る撹拌槽５１０Ｇについて説明する。

　本実施の形態に係る撹拌槽５１０Ｇは、実施の形態７に係る撹拌槽５１０Ｆと比較した場合に、保温タンク５１２Ｇの側壁部５１５Ｇの形状が相違することにより、撹拌槽５１０Ｇの内周面５１０ａの形状が相違する。具体的には、接続部５７１Ｇの形状が相違する。

　接続部５７１Ｇが、上下方向の両端が開口した椀形状を有する。また、接続部５７１Ｇは、下方に向かうにつれて開口面積が徐々に小さくなるように設けられている。接続部５７１Ｇの下端側は、第１筒状部５１６の上端に接続されている。接続部５７１Ｇの上端側は、第２筒状部５１７の下端側に接続されている。

　このような場合であっても、仮想線Ｓ１が示す、供給目安量が最大である第１供給目安量に基づいて撹拌槽５１０Ｇにお湯を供給した場合の第１液位位置での開口面積は、仮想線Ｓ２が示す、供給目安量が最少である第２供給目安量に基づいて撹拌槽５１０Ｇにお湯を投入した場合の第２液位位置の開口面積よりも大きくなる。

　さらに、底部５１４の内径を小さくすることにより、撹拌槽５１０Ｇに供給される液量が少量の場合であっても、撹拌羽根５５０から第２液位位置までの距離を大きくすることができる。また、接続部５７１Ｇの大部分において第１筒状部５１６の内径よりも大きくなることにより、供給される液量が大量の場合には、撹拌羽根５５０から第１液位位置までの距離を小さくすることができる。これにより、撹拌および泡立てに対応可能な液量の範囲を拡大することもできる。

　以上のように、本実施の形態に係る撹拌槽５１０Ｇは、実施の形態７に係る撹拌槽５１０Ｆとほぼ同様の効果が得られる。加えて、本実施の形態に係る撹拌槽５１０Ｇは、接続部５７１Ｇが椀形状を有することにより、段差部による水の抵抗を抑制することができ、飲料排出の際の液体の流れがスムーズになるという効果が得られる。

　（実施の形態９）
　図３２は、本実施の形態に係る撹拌槽および撹拌羽根を示す斜視図である。図３３は、図３２に示すＸＸＸＩＩＩ－ＸＸＸＩＩＩ線に沿った断面図である。なお、図３２および図３３においても、便宜上のため撹拌槽５１０Ｈを図示するに際し、外装ホルダー５１１を省略している。図３２および図３３を参照して、本実施の形態に係る撹拌槽５１０Ｈについて説明する。

　本実施の形態に係る撹拌槽５１０Ｈは、実施の形態８に係る撹拌槽５１０Ｇと比較した場合に、保温タンク５１２Ｈの側壁部５１５Ｈの形状が相違することにより、撹拌槽５１０Ｈの内周面５１０ａの形状が相違する。

　保温タンク５１２Ｈの側壁部５１５Ｈは、第１筒状部５１６と第２筒状部５１７Ｈとを含む。第１筒状部５１６は、上下方向において周長が一定である円筒形状を有する。第２筒状部５１７Ｈは、下方に向かうにつれて周長が徐々に短くなる筒状形状を有する。これにより、第２筒状部５１７Ｈの開口面積は、下方に向かうにつれて徐々に小さくなる。第２筒状部５１７Ｈの下端は、第１筒状部５１６の上端に接続される。

　このような場合であっても、仮想線Ｓ１が示す、供給目安量が最大である第１供給目安量に基づいて撹拌槽５１０Ｈにお湯を供給した場合の第１液位位置での開口面積は、仮想線Ｓ２が示す、供給目安量が最少である第２供給目安量に基づいて撹拌槽５１０Ｈにお湯を投入した場合の第２液位位置の開口面積よりも大きくなる。

　また、第２筒状部５１７Ｈの大部分において、第１筒状部５１６の内径よりも大きくなるように構成されているため、上述のように、撹拌および泡立てに対応可能な液量の範囲を拡大することもできる。

　さらに、第２筒状部５１７Ｈが上記のような形状を有することにより、段差部による水の抵抗を抑制することができ、飲料排出の際の液体の流れがスムーズになるという効果も得られる。

　以上のように、本実施の形態に係る撹拌槽５１０Ｈは、実施の形態８に係る撹拌槽５１０Ｇとほぼ同様の効果が得られる。

　（比較の形態）
　図３４は、比較の形態における撹拌槽および撹拌羽根を示す斜視図である。図３５は、図３４に示すＸＸＸＶ－ＸＸＸＶ線に沿った断面図である。なお、図３４および図３５においても、便宜上のため撹拌槽５１０Ｘを図示するに際し、外装ホルダー５１１を省略している。図３４および図３５を参照して、比較の形態に係る撹拌槽５１０Ｘについて説明する。

　比較の形態に係る撹拌槽５１０Ｘは、実施の形態７に係る撹拌槽５１０Ｆと比較した場合に、保温タンク５１２Ｘの側壁部５１５Ｘの形状が相違することにより、撹拌槽５１０Ｘの内周面５１０ａの形状が相違する。

　保温タンク５１２Ｘの側壁部５１５Ｘは、上下方向において周長が一定となる円筒状形状を有する。このため、側壁部５１５Ｘの開口面積は、上下方向において常に一定となる。また、側壁部５１５Ｘの内径（底部５１４の内径）φＡは、実施の形態１～９に係る撹拌槽５１０～５１０Ｈの底部５１４の内径よりも大きくなっている。

　ここで、撹拌羽根５５０は、回転することで渦を形成し、当該渦から取り込んだ空気を羽根部２２０にて切ることによりきめの細かい泡を生成する。撹拌槽５１０Ｘにお湯を供給した場合において、水深（液体の深さ）が低すぎる場合には、渦を形成することができず、撹拌時に空気をお湯の中に取り込むことができない。このため、きめ細やかな泡を生成するためには、撹拌羽根５５０よりも適度に上方に液面が位置する必要がある。

　上述のように、比較の形態に係る撹拌槽５１０Ｘにあっては、底部５１４の内径が実施の形態１～９よりも大きくなっている。このため、撹拌羽根よりも上方に液面が位置するように必要な最小の供給目安量は、実施の形態１～９に係る最少の供給目安量よりも多くなる。したがって、比較の形態に係る撹拌槽５１０Ｘでは、供給される液体の量が少量となる場合には、液体を十分に撹拌することができなくなる。

　（検証実験）
　図３６は、本発明の効果を確認するために行なった検証実験の条件および結果を示す図である。図３６を参照して、本発明の効果を確認するために行なった検証実験について説明する。

　検証実験としては、比較例１として、比較の形態に係る撹拌槽５１０Ｘを具備する撹拌ユニットを用い、実施例１として、実施の形態１に係る撹拌槽５１０を具備する撹拌ユニット５００を用い、実施例２として、実施の形態７に係る撹拌槽５１０Ｆを用いた。なお、比較例１においては、側壁部５１５Ｘの内径（底部の内径）φＡを１００ｍｍとし、側壁部５１５Ｘは底部に対して９０°の角度で立設される。また、実施例１においては、底部の内径φＡを６０ｍｍとし、側壁部５１５と底部５１４の成す角を１１９°とした。実施例２においては、第１筒状部５１６の内径（底部の内径）φＡを７０ｍｍとし、第２筒状部５１７の内径φＢを１２４ｍｍとした。

　また、撹拌羽根５５０として、水深が１９ｍｍ以上３８ｍｍ以下の場合において、きめ細やかな泡を生成することができるものを使用した。

　実施例１、２および比較例１において、水深が１９ｍｍおよび水深が３８ｍｍとなる場合における各撹拌槽に供給される水の量を測定した。水深が１９ｍｍとなる場合に必要な供給量を最少の目安供給量とした。水深が３８ｍｍとなる場合に必要な供給量を最大の目安供給量とした。

　比較例１においては、最小の目安供給量は、１５０ｃｃとなり、最大の目安供給量は、３００ｃｃとなった。実施例１，２においては、最小の目安供給量は、比較例１の約半分となり、７５ｃｃとなった。また、実施例２においては、最大の目安量は、４５０ｃｃとなった。実施例２の形状においては、第２筒状部５１７の内径を比較例１よりも大きくすることにより、最大の供給量を増加させることができた。

　また、実施例１，２に係るような形状を有する撹拌槽を具備する撹拌ユニットを用いることにより、供給される液体の量が少量であっても当該液体を十分に撹拌することができることが実験的にも証明されたと言える。

　なお、上述した実施の形態１にあっては、飲料製造装置１が実施の形態１に係る撹拌槽５１０を具備する撹拌ユニット５００を備える場合を例示して説明したが、これに限定されず、実施の形態２～９に係る撹拌槽５１０Ａ～５１０Ｈのいずれかを具備する撹拌ユニットを備えていてもよい。

　上述した実施の形態１から９にあっては、撹拌槽が外装ホルダーと保温タンクによって構成される場合を例示して説明したが、これに限定されず、保温タンクのみから構成されていてもよい。また、保温タンクに代えて、保温性を有さず耐熱性を有する容器が使用されてもよい。

　また、上述した実施の形態１から９に係る撹拌ユニットにあっては、液体としてのお湯と粉末としての茶葉粉末とを撹拌して飲料としてのお茶を製造する場合を例示して説明したが、これに限定されず、単体のミルク等の飲料用液体を撹拌してミルクフォーム等の泡立てた飲料を生成してもよいし、比重の異なる複数の飲料用液体を撹拌してこれらが混合された飲料を生成してもよい。

　（実施の形態１０）
　（飲料製造装置１００１）
　図３７から図４０を参照して、本実施の形態における飲料製造装置１００１について説明する。図３７は、飲料製造装置１００１の全体斜視図、図３８は、図３７中ＩＩ－ＩＩ線矢視断面図、図３９は、飲料製造装置１００１の概略構成要素を示す全体斜視図である。図４０は、飲料製造装置の構成を示すブロック図である。

　図３７から図３９に示すように、飲料製造装置１００１は、粉砕対象物として茶葉を用い、この茶葉を粉砕して茶葉粉末を得る。この得られた茶葉粉末を用いて、飲料としてお茶を製造する。飲料製造装置１００１は、本体部としての装置本体１１００、粉挽きユニット１３００、撹拌ユニット１５００、液体貯留タンク１７００、液体供給経路１１５５（図３８参照）と、粉末受け部としての茶葉粉末受皿１８００、および、載置ベース１９００を備える。載置ベース１９００は、装置本体１１００の前側下方において、前側に突出するように設けられており、カップ（図示省略）および茶葉粉末受皿１８００の載置が可能である。茶葉粉末受皿１８００は、使用者が把持して移動できるように設けられている。

　（粉挽きユニット１３００）
　粉挽きユニット１３００は、装置本体１１００の前面側に設けられた粉挽きユニット装着部１１８０に対して、着脱可能に装着される。粉挽きユニット１３００は、正面から見た場合に撹拌ユニット１５００に含まれる撹拌槽１５１０の下方において撹拌槽１５１０と重ならないように撹拌槽１５１０から離れて配置される。

　粉挽きユニット装着部１１８０には、粉挽駆動力連結機構１１３０が前方に突出するように設けられ、この粉挽駆動力連結機構１１３０に粉挽きユニット１３００が着脱可能に装着される。粉挽きユニット１３００は、粉挽駆動力連結機構１１３０に連結されることにより、粉砕対象物である茶葉を挽くための駆動力を得る。

　粉挽きユニット１３００の上部から粉挽きユニット１３００の内部に投入された茶葉は、粉挽きユニット１３００の内部において細かく粉砕される。粉砕された茶葉は、粉挽きユニット１３００の下方に載置された茶葉粉末受皿１８００に茶葉粉末として落下し集められる。なお、粉挽きユニット１３００の詳細構造については、図４５～図４７を用いて後述する。

　（液体貯留タンク１７００）
　液体貯留タンク１７００は、装置本体１１００の上面側に設けられた液体貯留タンク装着部１１９５に着脱可能に装着される。液体貯留タンク１７００は、上面開口を有するタンク本体１７１０と、タンク本体１７１０の上面開口を塞ぐ蓋部１７２０とを含む。液体貯留タンク１７００は、蓋部１７２０を取り外して外部から導入された水等の液体を貯留する。

　（液体供給経路１１５５）
　液体供給経路１１５５は、装置本体１１００内に収容されている。液体供給経路１１５５は、液体貯留タンク１７００に接続される（図４４参照）。液体供給経路１１５５には、液体貯留タンク１７００が接続された側とは反対側に供給口１１７１が設けられている。液体供給経路１１５５は、給湯パイプ１１５０と、給湯ノズル１１７０とを含む。給湯パイプ１１５０は、一端側が液体貯留タンク１７００に接続され、他端側が給湯ノズル１１７０に接続される。液体貯留タンク１７００から液体供給経路１１５５に導入された液体は、給湯パイプ１１５０、給湯ノズル１１７０を通って撹拌ユニット１５００に供給される。

　（撹拌ユニット１５００）
　撹拌ユニット１５００は、液体（液体と粉末とが混合された混合液を含む）を撹拌する撹拌羽根１５５０と、撹拌羽根１５５０を収容する撹拌槽１５１０とを含む。撹拌羽根１５５０は、撹拌部材に相当する。撹拌槽１５１０は、装置本体１１００の前面側に設けられた撹拌槽装着部１１９０に対して、着脱可能に装着される。装置本体１１００から鉛直方向と交差する方向に突出するように、撹拌槽１５１０は撹拌槽装着部１１９０に装着されている。具体的には、撹拌槽１５１０の一部が装置本体１１００の前面から当該前面の法線方向に沿って突出するように、撹拌槽１５１０が装着される。

　撹拌槽装着部１１９０には、撹拌モータ非接触テーブル１１４０Ａが設けられている。撹拌ユニット１５００は、撹拌モータ非接触テーブル１１４０Ａ上に載置される。撹拌ユニット１５００の内部に設けられた撹拌羽根１５５０は、撹拌モータユニット１１４０およびこれに連結された永久磁石１１４１によって回転する。撹拌モータユニット１１４０および永久磁石１１４１は、撹拌モータ非接触テーブル１１４０Ａの下方に位置するように装置本体１１００内に収容されている。撹拌モータユニット１１４０は、撹拌羽根１５５０を回転駆動させる撹拌部材駆動部に相当する。

　装置本体１１００の撹拌槽装着部１１９０の上部には、給湯ノズル１１７０が設けられている。装置本体１１００の内部において、給湯パイプ１１５０内の水が所定温度に上昇され、給湯ノズル１１７０から撹拌槽１５１０内にお湯が供給される。撹拌槽１５１０内には、装置本体１１００において作成されたお湯と、粉挽きユニット１３００によって得られた茶葉粉末とが投入され、撹拌槽１５１０内の撹拌羽根１５５０によって、お湯と茶葉粉末とが撹拌される。これにより、撹拌槽１５１０内において混合液としてのお茶が製造される。

　撹拌ユニット１５００内で製造されたお茶は、撹拌槽１５１０の下方に設けられた吐出機構１５４０の操作レバー１５４２を操作することにより、載置ベース１９００に載置されたカップ（図示省略）に注ぐことができる。なお、撹拌ユニット１５００の詳細構造については、図４８および図４９を用いて後述する。

　図４０に示すように、飲料製造装置１００１は、制御部１１１０、粉挽モータユニット１１２０、撹拌モータユニット１１４０、ヒータ１１６０、入力部１１１２、および検知手段１１１５をさらに備える。制御部１１１０は、粉挽モータユニット１１２０、撹拌モータユニット１１４０およびヒータ１１６０の動作を制御する。粉挽モータユニット１１２０によって粉挽きユニット１３００が駆動され、撹拌モータユニット１１４０によって撹拌ユニット１５００が駆動される。

　具体的には、粉挽モータユニット１１２０は、粉挽きユニット１３００の下臼１３５０（図４６参照）を回転駆動させて、上臼１３６０（図４６参照）と下臼１３５０との間で茶葉を粉砕する。撹拌モータユニット１１４０は、撹拌ユニット１５００の撹拌羽根１５５０を回転駆動させ、撹拌槽１５１０に供給されたお湯と茶葉粉末とを撹拌する。

　入力部１１１２は、後述する吐出工程における撹拌羽根１５５０の回転モード、撹拌羽根１５５０の撹拌時間および／または撹拌回数を制御部１１１０に指示するためのものである。入力部１１１２としては、押圧式ボタンやタッチセンサと一体化した液晶表示部等を採用することができる。入力部１１１２が押圧式ボタンで構成されている場合には、たとえば、予め異なる条件が設定されている第１ボタン、第２ボタン等の複数のボタンを適宜選択することにより、回転モード、撹拌時間および／または撹拌回数等の条件を決定することができる。また、入力部１１１２がタッチセンサと一体化した液晶表示部等で構成される場合には、使用者は、直接上記条件を入力してもよい。

　検知手段１１１５は、後述する吐出機構１５４０に具備される操作レバー１５４２が操作されるタイミングを検知する。検知手段１１１５は、当該タイミングを検知した検知信号を制御部１１１０に入力する。制御部１１１０は、検知手段１１１５が当該タイミングを検知する前に撹拌羽根１５５０が回転駆動するように予め撹拌モータユニット１１４０を制御するとともに、上記検知信号が入力された信号入力状態において撹拌羽根１５５０が回転駆動するように撹拌モータユニット１１４０を制御する。

　液体貯留タンク１７００内に貯留された水等の液体は、液体供給経路１１５５に導入される。液体供給経路１１５５に導入された水は、ヒータ１１６０によって加熱され、お湯となって撹拌ユニット１５００に供給される。

　（お茶（飲料）の製造フロー）
　次に、図４１から図４３を参照して、上記飲料製造装置１００１を用いたお茶（飲料）の製造フローについて説明する。図４１から図４３は、飲料製造装置１００１を用いてお茶を製造する第１から第３の製造フローを示す図である。なお、粉挽きユニット１３００には、所定量のお茶葉が投入され、液体貯留タンク１７００には所定量の水が蓄えられている。

　（第１製造フロー）
　図４１を参照して、第１製造フローについて説明する。この第１製造フローは、粉挽きユニット１３００における茶葉の粉砕と、装置本体１１００から撹拌ユニット１５００への給湯が同時に行なわれるフローである。

　飲料製造装置１００１は、ステップ１１１における粉挽きユニット１３００による茶葉の粉挽きと、ステップ１１３における装置本体１１００から撹拌ユニット１５００への給湯が同時に開始される。次に、ステップ１１２において、粉挽きユニット１３００による茶葉の粉挽きが終了するとともに、ステップ１１４における装置本体１１００から撹拌ユニット１５００への給湯が終了する。

　ステップ１１５においてはステップ１１２において得られた茶葉粉末が、使用者によって、撹拌ユニット１５００内へ投入される。

　次に、ステップ１１６において、撹拌ユニット１５００での茶葉粉末とお湯との撹拌が開始される。ステップ１１７において、撹拌ユニット１５００での茶葉粉末とお湯との撹拌が終了する。ステップ１１８において、使用者によって、撹拌ユニット１５００の下方に設けられた吐出機構１５４０の操作レバー１５４２を操作することにより、載置ベース１９００に載置されたカップへのお茶の吐出が行なわれる。

　（第２製造フロー）
　図４２を参照して、第２製造フローについて説明する。この第２製造フローは、粉挽きユニット１３００における茶葉が粉砕された後に、装置本体１１００から撹拌ユニット１５００への給湯が行なわれるフローである。

　飲料製造装置１００１は、ステップ１２１において、粉挽きユニット１３００による茶葉の粉挽きが開始される。ステップ１２２において、粉挽きユニット１３００による茶葉の粉挽きが終了する。ステップ１２３において、ステップ１２２において得られた茶葉粉末が、使用者によって、撹拌ユニット１５００内へ投入される。

　ステップ１２４において、装置本体１１００から撹拌ユニット１５００への給湯が開始される。ステップ１２５において、装置本体１１００から撹拌ユニット１５００への給湯が終了する。

　次に、ステップ１２６において、撹拌ユニット１５００での茶葉粉末とお湯との撹拌が開始される。ステップ１２７において、撹拌ユニット１５００での茶葉粉末とお湯との撹拌が終了する。ステップ１２８において、使用者によって、撹拌ユニット１５００の下方に設けられた吐出機構１５４０の操作レバー１５４２を操作することにより、載置ベース１９００に載置されたカップへのお茶の吐出が行なわれる。

　（第３製造フロー）
　図４３を参照して、第３製造フローについて説明する。この第３製造フローは、撹拌ユニット１５００においてお湯を撹拌により冷却するステップを備えている。

　飲料製造装置１００１は、ステップ１３１における粉挽きユニット１３００による茶葉の粉挽きと、ステップ１３３における装置本体１１００から撹拌ユニット１５００への給湯が同時に開始される。ステップ１３４における装置本体１１００から撹拌ユニット１５００への給湯が終了する。

　次に、ステップ１３２において、粉挽きユニット１３００による茶葉の粉挽きが終了するとともに、ステップ１３５において、撹拌ユニット１５００において給湯の冷却撹拌を開始する。ステップ１３６において、撹拌ユニット１５００において給湯の冷却撹拌が終了する。

　ステップ１３７においてはステップ１３２において得られた茶葉粉末が、使用者によって、撹拌ユニット１５００内へ投入される。

　次に、ステップ１３８において、撹拌ユニット１５００での茶葉粉末とお湯との撹拌が開始される。ステップ１３９において、撹拌ユニット１５００での茶葉粉末とお湯との撹拌が終了する。ステップ１４０において、使用者によって、撹拌ユニット１５００の下方に設けられた吐出機構１５４０の操作レバー１５４２を操作することにより、載置ベース１９００に載置されたカップへのお茶の吐出が行なわれる。

　（装置本体１１００の内部構造）
　次に、図４４を参照して、装置本体１１００の内部構造について説明する。図４４は、飲料製造装置１００１の内部構造を示す斜視図である。飲料製造装置１００１の装置本体１１００の内部においては、液体貯留タンク１７００の前面側には、電子部品が搭載されたプリント配線基板を用いた制御部１１１０が配置されている。使用者によるスタート信号の入力に基づき、上記お茶の製造フローが、制御部１１１０により実行される。

　制御部１１１０の下方位置には、粉挽きユニット１３００に駆動力を与えるための粉挽モータユニット１１２０が配置されている。この粉挽モータユニット１１２０の下方位置には、前方に突出するように設けられ、粉挽モータユニット１１２０の駆動力を粉挽きユニット１３００に伝達するための粉挽駆動力連結機構１１３０が設けられている。

　液体貯留タンク１７００の底面には、底面から下方に一旦延び、Ｕ字形状に上向きに延びる給湯パイプ１１５０の一端が連結されている。給湯パイプ１１５０の上端部には、撹拌ユニット１５００の撹拌槽１５１０にお湯を注ぐための給湯ノズル１１７０が連結されている。給湯パイプ１１５０の途中領域には、給湯パイプ１１５０内を通過する水を加熱するためのＵ字形状のヒータ１１６０が装着されている。

　（粉挽きユニット１３００の構造）
　次に、図４５から図４７を参照して、粉挽きユニット１３００の構造について説明する。図４５は、粉挽きユニット１３００の斜視図、図４６は、粉挽きユニット１３００の分解斜視図、図４７は、粉挽きユニット１３００の縦断面図である。

　粉挽きユニット１３００は、全体として円筒形状を有する粉挽きケース１３１０を有し、下方の側面には、粉挽駆動力連結機構１１３０が内部に挿入される連結用窓１３００Ｗが設けられている。粉挽きケース１３１０の内部には、上臼１３６０と下臼１３５０とによって生成された茶葉粉末を貯留する貯留部１３１１（図４７参照）と、貯留部１３１１に連通する排出経路１３１２とが設けられている。粉挽きケース１３１０の最下端部となる排出経路１３１２の下端部には、茶葉粉末を茶葉粉末受皿１８００に向けて排出する排出口１３１２ａが設けられている。排出口１３１２ａは、後述する保温タンク１５１２（図４８参照）の開口部１５１３よりも下方に位置するように設けられている。これにより、保温タンク１５１２内に供給されたお湯から生成される湯気が排出口１３１２ａから侵入することを防止することができる。

　粉挽きユニット１３００は、粉砕対象物を粉砕する上臼１３６０および下臼１３５０と、当該下臼１３５０が取り付けられる下臼支持部１３４０とを含む。粉挽きケース１３１０の内部には、下方から、下臼支持部１３４０、下臼１３５０、上臼１３６０が順番に設けられている。

　下臼支持部１３４０は、上臼１３６０が位置する側と反対側（下臼１３５０の下方側）から下臼１３５０を支持する。下臼支持部１３４０は、略円柱形状の本体部１３４１、係合突起部１３４２、粉掻き取り部１３４３を有する。粉挽き軸１３４５は、本体部１３４１の下面に設けられ、下方に向けて延在する。粉挽き軸１３４５は、粉挽駆動力連結機構１１３０に連結する。これにより、下臼支持部１３４０が下臼１３５０を支持した状態で回転可能となる。

　係合突起部１３４２は、本体部１３４１の上面に設けられ、上方に向けて突出する。係合突起部１３４２は、下臼１３５０を係止するための部位である。粉掻き取り部１３４３は、本体部１３４１の周縁部に設けられている。粉掻き取り部１３４３は、下臼支持部１３４０が回転することにより、貯留部１３１１に貯留された茶葉粉末を掻き取って排出経路１３１２に搬送する。

　下臼１３５０は、上臼１３６０の主面１３６０ａに対向して配置される主面１３５０ａと、当該主面１３５０ａの反対側に位置する主面１３５０ｂと、主面１３５０ａと主面１３５０ｂとを接続する周面を含む。下臼１３５０の主面１３５０ａには、複数のせん断溝が形成されている。複数のせん断溝は、たとえば等角螺旋に沿って延在するように設けられる。また、複数のせん断溝は、内周側から外周側に向かうように形成された直線状の溝が放射状に設けられることにより構成されてもよい。

　下臼１３５０の主面１３５０ｂには、係合凹部１３５２が設けられている。係合凹部１３５２は、下臼支持部１３４０の係合突起部１３４２に対応する位置に設けられ、係合突起部１３４２に係止される。下臼１３５０は、下臼支持部１３４０と連動して回転する。下臼１３５０の中央部には、回転軸芯に沿って上方に向かって伸びるコア１３５９が設けられている。

　コア１３５９は、上臼１３６０の中央部に設けられた貫通孔１３６１を貫通するように設けられている。コア１３５９は、らせん状に設けられた羽根部１３５９ａを有する。

　上臼１３６０は、下臼１３５０の主面１３５０ａに対向して配置される主面１３６０ａと、当該主面１３６０ａと反対側に位置する主面１３６０ｂと、主面１３６０ａと主面１３６０ｂとを接続する周面を含む。上臼１３６０の主面１３６０ａには、下臼の主面１３５０ａと同様にせん断溝が形成されている。

　上臼１３６０は、その上方に配置された上臼保持部材１３７０によって保持されている。たとえば、上臼１３６０の上面には不図示の穴部が設けられており、当該穴部に上臼保持部材１３７０に設けられた不図示のピン部が入り込むことにより、上臼１３６０の回転が防止される。

　上臼保持部材１３７０は、孔部１３７１ａを有する底面部１３７１と、底面部１３７１の周縁から上方に向けて立設された外筒部１３７２と、孔部１３７１ａの周縁から上方に向けて立設された内筒部１３７３とを含む。孔部１３７１ａは、上臼１３６０の貫通孔１３６１に連通するように設けられている。外筒部１３７２と内筒部１３７３との間には、上臼１３６０を下方に向けて押圧するバネ１３８１およびバネ保持部材１３８０が収容されている。バネ１３８１によって、上臼１３６０と下臼１３５０との間に作用する粉砕圧力が調節される。

　粉挽きケース１３１０の上端開口部１３１０ｂ側には、粉砕対象物を上臼１３６０と下臼１３５０との間に供給するためのホッパー部１３２０が取り付けられている。ホッパー部１３２０は、天板部１３２１と、筒状部１３２２と、粉砕対象物投入口１３２５とを有する。天板部１３２１は、略中央部に開口部１３２３が設けられたお椀形状を有する。筒状部１３２２は、開口部１３２３の周縁から下方に立設するように設けられている。筒状部１３２２は、内筒部１３７３の内側に挿入される。

　粉砕対象物投入口１３２５は、開口部１３２３および筒状部１３２２によって規定される。粉砕対象物投入口１３２５内には、コア１３５９の先端側が収容されている。筒状部１３２２内に、粉砕対象物投入口１３２５を跨ぐように複数の直線状のリブ１３９１，１３９２，１３９３が設けられている。

　茶葉を粉砕する際には、ホッパー部１３２０は、カバー部１３３０によって覆われることが好ましい。これにより、茶葉を粉砕対象物投入口１３２５に投入した後に、粉挽きユニット１３００内に異物が侵入することを防止するとともに、粉砕された茶葉が飛散することを防止することができる。なお、茶葉を投入する際には、カバー部１３３０は、ホッパー部１３２０から取り外される。

　粉砕対象物投入口１３２５に投入された茶葉は、上臼保持部材１３７０から露出する上臼１３６０の上面および筒状部１３２２の内周面によって規定される空間内に収容される。当該空間に収容された茶葉は、らせん状の羽根部１３５９ａが下臼１３５０の回転に伴って回転することにより、上臼１３６０と下臼１３５０との間に案内される。

　上臼１３６０と下臼１３５０との間に案内された茶葉は、粉砕されて茶葉粉末としてこれら上臼１３６０と下臼１３５０との周縁から下方へ落下する。落下した茶葉粉末の一部は、排出経路１３１２を通って排出口１３１２ａから茶葉粉末受皿１８００に排出される。落下した茶葉粉末のその他の部分は、貯留部１３１１に貯留される。貯留部１３１１内の茶葉粉末は、粉掻き取り部１３４３が下臼支持部１３４０の回転に伴って回転することにより、排出経路１３１２に搬送されて排出口１３１２ａから茶葉粉末受皿１８００に排出される。

　（撹拌ユニット１５００の構造）
　次に、図４８および図４９を参照して、撹拌ユニット１５００の構造について説明する。図４８は、撹拌ユニット１５００の斜視図、図４９は、撹拌ユニット１５００の縦断面図である。

　撹拌ユニット１５００は、撹拌槽１５１０、撹拌羽根１５５０および撹拌カバー１５３０を備える。撹拌槽１５１０は、樹脂製の外装ホルダー１５１１と、この外装ホルダー１５１１に保持される保温タンク１５１２とを含む。保温タンク１５１２は撹拌槽１５１０の容器本体に相当する。外装ホルダー１５１１には、樹脂により一体成形されたグリップ１５２０が設けられている。保温タンク１５１２は、有底筒形状を有し、上方に向けて開口する開口部１５１３を有する。

　撹拌カバー１５３０は、開口部１５１３を開閉可能に開口部１５１３に取り付けられる。撹拌カバー１５３０には、粉挽きユニット１３００により粉砕された茶葉粉末を投入する粉末投入口１５３１、および、装置本体１１００内で形成されたお湯が給湯ノズル１１７０から注がれる給湯口１５３２が設けられている。給湯口１５３２は、給湯ノズル１１７０の供給口１１７１に対応する位置に設けられている。

　粉末投入口１５３１および給湯口１５３２は、開口部１５１３に連通している。移動された茶葉粉末受皿１８００から粉末投入口１５３１に投入された茶葉粉末は、開口部１５１３を介して保温タンク１５１２内に投入される。給湯ノズル１１７０から給湯口１５３２に注がれたお湯は、開口部１５１３を介して保温タンク１５１２内に供給される。

　撹拌槽１５１０の底部には、撹拌羽根１５５０が載置される。撹拌槽１５１０の底部には、上方に延びる回転軸１５６０が設けられ、この回転軸１５６０に撹拌羽根１５５０の筒状芯１２５０が挿入される。

　撹拌羽根１５５０には、永久磁石１２４０が埋め込まれている。撹拌モータ非接触テーブル１１４０Ａにおいて、撹拌羽根１５５０に埋め込まれた永久磁石１２４０と、撹拌モータユニット１１４０側に設けられた永久磁石１１４１とが非接触の状態で磁気結合することで、撹拌モータユニット１１４０の回転駆動力が、撹拌羽根１５５０に伝達される。

　なお、撹拌部材として、上記のような構成を有する撹拌羽根１５５０を用いる場合を例示して説明したが、これに限定されず、撹拌部材として、外周部に撹拌要素を有するものを適宜採用することができる。撹拌要素としては、トロイダル形状のワイヤからなる巻回部、インペラ等を採用することができる。

　撹拌槽１５１０には、吐出機構１５４０が設けられている。吐出機構１５４０は、撹拌羽根１５５０によってお湯（液体）と茶葉粉末（粉末）とが撹拌されることにより生成されるお茶（混合液）を撹拌槽１５１０から外部に吐出するための機構である。

　吐出機構１５４０は、撹拌槽１５１０の容器内に連通する吐出口１５４１と、吐出口１５４１を開閉可能に、吐出口１５４１に挿入された開閉ノズル１５４３と、開閉ノズル１５４３の位置を制御する操作レバー１５４２とを含む。操作レバー１５４２は、吐出機構１５４０を操作する操作部に相当する。

　開閉ノズル１５４３は、通常状態においてはバネ等の付勢部材（図示省略）により吐出口１５４１を塞ぐように付勢されている。使用者が、操作レバー１５４２を付勢力に対抗して移動させた場合には、開閉ノズル１５４３が移動し、吐出口１５４１が開放される。これにより、撹拌槽１５１０内のお茶が、載置ベース１９００に載置されたカップ（図示省略）に吐出される。

　撹拌槽１５１０内のお茶が吐出される際における撹拌羽根１５５０の動作について説明する。図５０は、本実施の形態に係る飲料製造装置を用いた飲料製造フローの吐出工程の詳細を示すフロー図である。図５０を参照して、吐出工程の詳細について説明する。

　吐出工程においては、まず、ステップ１１８に示すように吐出工程が開始すると、ステップ１１８１における吐出口１５４１の開動作と、ステップ１１８３における撹拌動作の開始とが同時に行われる。具体的には、使用者が操作レバー１５４２を付勢力に抗して移動させることにより開閉ノズル１５４３が上昇し、吐出口１５４１が開放される。同時に、操作レバー１５４２の動作に連動して装置本体１１００に設けられたスイッチ（不図示）が押される。これによりスイッチがＯＮ状態となる。なお、当該スイッチは、検知手段１１１５に相当する。

　スイッチが押されてＯＮ状態となることにより、当該スイッチは、操作レバー１５４２が操作されたタイミング、すなわちお茶を吐出機構１５４０から外部に吐出するタイミングを検知するとともに、当該タイミングを検知した検知信号を制御部１１１０に入力する。制御部１１１０は、入力された検知信号に基づき、撹拌羽根１５５０が回転するように撹拌モータユニット１１４０を制御する。これにより、吐出口１５４１の開放と同時に撹拌羽根１５５０が回転する。

　所望の量のお茶がカップに吐出されるように吐出口１５４１が開放されてから所定の時間経過した後に、ステップ１１８２において吐出口１５４１が閉鎖される。具体的には、使用者が操作レバー１５４２を付勢力に抗して移動させた状態から元の状態に戻すことにより、開閉ノズル１５４３が下降し、吐出口１５４１が閉鎖される。同時にスイッチがＯＮ状態からＯＦＦ状態となる。

　ステップ１１８１からステップ１１８２が行われている間、制御部１１１０は、連続的または断続的に撹拌羽根１５５０が回転駆動するように撹拌モータユニット１１４０を制御する。具体的には、ステップ１１８４にて制御部１１１０は、連続回転モードであるか断続回転モードであるかを判断する。連続回転モードまたは断続回転モードかは、たとえば、操作パネルによって使用者が予め選択することにより決定される。なお、連続回転モードおよび断続回転モードのいずれか一方を行なうように予め設定されている場合には、ステップ１１８４は省略され、ステップ１１８５Ａおよびステップ１１８５Ｂのいずれか一方が行われる。

　ステップ１１８４にて制御部１１１０が、連続回転モードであると判断した場合（ステップ１１８４：ＹＥＳ）には、ステップ１１８５Ａが実施される。ステップ１１８５Ａにおいては、制御部１１１０は、吐出口１５４１が開放されてから吐出口１５４２が閉鎖されるまでの間、連続的に撹拌羽根１５５０が回転駆動するように撹拌モータユニット１１４０を制御する。これにより、吐出機構１５４０から液体（粉末と液体からなる混合液）を外部に吐出する際に、撹拌羽根１５５０が連続して回転する。なお、撹拌時間は、吐出口１５４１が開放されてから所定の時間が経過するまでとしてもよい。このような撹拌時間は、上述の入力部１１１２によって指示することができる。

　一方、ステップ１１８４にて制御部１１１０が、断続回転モードであると判断した場合（ステップ１１８４：ＮＯ）の場合には、ステップ１１８５Ｂが実施される。ステップ１１８５Ｂにおいては、制御部１１１０は、吐出口１５４１が開放されてから吐出口１５４２が閉鎖されるまでの間、断続的に撹拌羽根１５５０が回転駆動するように撹拌モータユニット１１４０を制御する。これにより、吐出機構１５４０から液体が外部に吐出する際に、撹拌羽根１５５０が断続的に回転する。ここで断続的に回転駆動するとは、所定のＯＮ、ＯＦＦ周期に基づいて所定の間隔をあけて所定の時間繰り返し回転することである。撹拌羽根１５５０が回転するタイミングは適宜設定することができ、吐出口１５４１が開放された直後と、吐出口が閉鎖される直前だけ撹拌してもよい。撹拌羽根が回転する回数は、吐出口１５４１が開放されてから吐出口１５４２が閉鎖されるまでの間のうち所定の時間内だけの１回であってもよい。撹拌羽根１５５０が回転駆動する時間および／または回転数は、上述した入力部１１１２によって指示することができる。

　次に、ステップ１１８６において、制御部１１１０は、撹拌羽根１５５０の回転動作が停止するように撹拌モータユニット１１４０を制御する。これにより、撹拌が終了する。ステップ１１８２における吐出口１５４１の閉鎖と、ステップ１１８６による撹拌の終了によって、ステップ１１８９に示すように吐出工程が終了する。

　このように吐出することによる撹拌槽１５１０内のお茶の状態の変化について説明する。図５１は、図４１に示す撹拌開始工程における撹拌槽内の状態を示す図である。図５２は、図４１に示す撹拌終了工程において撹拌終了後から所定の時間経過した後の撹拌槽内の状態を示す図である。図５３は、図４１に示す吐出工程において吐出されるお茶の状態を示す図である。

　図５１に示すように、図４１におけるステップ１１６からステップ１１７が行われている間においては、制御部１１１０は、撹拌槽１５１０に供給されたお湯と茶葉粉末とを撹拌するために撹拌羽根１５５０が回転駆動するように撹拌モータユニット１１４０を制御する。この状態においては、撹拌羽根１５５０が回転駆動することにより、撹拌槽１５１０内のお湯に遠心力が作用する。これにより、液面Ｓが渦巻くように形成され、お湯の中に空気を取り込むことができる。取り込まれた空気は、撹拌羽根１５５０の羽根部によって細かく粉砕されて気泡Ｂとなり、茶葉粉末Ｐとともに、お湯内で均一に分散される。これにより、きめ細やかな泡と濃度がほぼ一定のお茶が生成される。

　図５２に示すように、図４１におけるステップ１１７における撹拌が終了し、ステップ１１８における吐出が開始するまでに所定の時間が経過した場合には、生成されたお茶は、多量の気泡Ｂ（泡）を含む層（層Ｓ１）と、少量の茶葉粉末を含む層（層Ｓ２）と、多量の茶葉粉末を含む層（層Ｓ３）とに分離する。

　層Ｓ１は、多量の泡を含むため比重が小さく、これにより、ステップ１１７における撹拌が終了した後、ほぼ瞬時に分離される。一方、層２と層３は、茶葉粉末が撹拌槽１５１０の底部に向けて沈降していくことにより、分離される。このため、層２と層３の分離には、層Ｓ１が分離するのに必要な時間よりもある程度長い時間が必要となる。

　この場合においては、層Ｓ２に含まれる茶葉粉末の量は、層Ｓ３に含まれる茶葉粉末の量よりも少ないため、層Ｓ２の比重（濃度）は、層Ｓ３の比重（濃度）よりも小さくなる。

　このように比重の異なる部分が分離したお茶を吐出する場合には、層Ｓ３から順に吐出される。このため、数名分のお茶を生成した場合には、濃度の濃いお茶のみが吐出され、泡が吐出されないことが起こり得る。これにより、使用者の嗜好と異なるお茶が吐出されることが懸念される。

　ここで、本実施の形態においては、上述の吐出工程で説明したように、制御部１１１０は、検知手段１１１５が吐出機構１５４０による吐出のタイミングを検知して入力した検知信号に基づき、吐出機構１５４０によるお茶の吐出開始と同時に撹拌羽根１５５０が回転駆動するように撹拌モータユニット１１４０を制御する。

　これにより、お茶の吐出最中に撹拌羽根１５５０が回転することとなり、図５３に示すように、気泡Ｂと茶葉粉末Ｐとが均一に分散されている状態で、お茶をカップに吐出することができる。

　このように制御部１１１０は、検知信号が入力された信号入力状態において、吐出機構１５４０によるお茶の吐出開始と同時に撹拌羽根１５５０が回転駆動するように撹拌モータユニット１１４０を制御することにより、本実施の形態に係る飲料製造装置１００１は、所望の量の飲料を製造しつつ、使用者の嗜好に合わせて所望の比重を有する飲料を吐出することができる。

　なお、吐出口１５４１からお茶が吐出されている間、断続的に撹拌羽根１５５０を回転させる場合には、撹拌羽根１５５０が停止している間は、撹拌羽根１５５０の回転による負圧の発生がなくなるため、吐出口１５４１からのお茶の吐出速度を早くすることができる。これにより、必要量のお茶を吐出するための時間を短縮することができる。また、連続的に撹拌羽根１５５０を回転させる場合であっても、撹拌時間を制限することにより、負圧の発生しない時間を設けることができるため、お茶を吐出するための時間を短縮することができる。また、撹拌時間を調整することにより、泡の量を調整することもできる。

　本実施の形態においては、ステップ１１７における撹拌が終了し、ステップ１１８における吐出が開始するまでに所定の時間が経過し、お茶が層Ｓ１と層Ｓ２と層Ｓ３とに分離する場合を例示して説明したが、お茶の分離はこのような場合に限定されない。

　たとえば、お茶が、多量の泡を含む層とほぼ均一な濃度を有する液体層との２層に分離されてもよい。この場合には、多量の泡を含む層は、ステップ１１７における撹拌終了後瞬時に分離する。したがって、ステップ１１７が終了後ステップ１１８における吐出が開始するまでの所定の時間とは、泡が液体から分離するような非常に短い時間も含まれる。

　また、本実施の形態においては、検知手段１１１５が、操作レバー１５４２の動作に連動するように設けられたスイッチである場合を例示して説明したが、これに限定されず、操作レバー１５４２の動作に連動しないように設けられたスイッチであってもよい。この場合には、吐出工程において、スイッチを押すタイミングは操作レバー１５４２の操作前であってもよい。この場合には、ステップ１１８３における撹拌動作が先に開始され、ステップ１１８６における撹拌動作が終了するまでの間に、使用者が操作レバー１５４２を操作することにより吐出口１５４１を開閉してもよい。さらにこの場合には、飲料製造装置１００１は、ステップ１１８３からステップ１１８６までの間に、吐出スタンバイ状態である旨を使用者に知らせる手段を有することが望ましい。なお、操作レバー１５４２の操作後にスイッチを押してもよい。

　（実施の形態１１）
　図５４は、本実施の形態に係る飲料製造装置を用いた飲料製造フローの吐出工程の詳細を示すフロー図である。図５４を参照して、本実施の形態に係る吐出工程について説明する。

　図５４に示すように、本実施の形態に係る撹拌ユニットの吐出工程は、実施の形態１０に係る撹拌ユニット１５００の吐出工程と比較した場合に、撹拌羽根１５５０を回転させるタイミングが相違する。具体的には、本実施の形態に係る飲料製造装置における飲料製造フローの吐出工程では、吐出口１５４１が開放されてから所定の時間経過後に撹拌羽根１５５０が回転する。

　より詳細に説明すると、まず、ステップ１１８に示すように吐出工程が開始すると、ステップ１１８１において吐出口１５４１が開放される。具体的には、使用者が操作レバー１５４２を付勢力に抗して移動させることにより開閉ノズル１５４３が上昇し、吐出口１５４１が開放される。続いて、所望の量のお茶がカップに吐出されるように吐出口１５４１が開放されてから所定の時間（第１の時間）経過した後に、ステップ１１８２において吐出口１５４１が閉鎖される。

　ステップ１１８１とステップ１１８２が行われている間に、ステップ１１８３Ａからステップ１１８６の動作が並行して行なわれる。ステップ１１８１において、使用者が操作レバー１５４２を移動させると、操作レバー１５４２の動作に連動して装置本体１１００に設けられたスイッチ（不図示）が押される。これによりスイッチがＯＮ状態となる。

　スイッチがＯＮ状態になることにより、当該スイッチは、お茶を吐出機構１５４０から外部に吐出するタイミングを検知するとともに、当該タイミングを検知した検知信号を制御部１１１０に入力する。

　制御部１１１０に当該検知信号が入力された信号入力状態においては、まず、ステップ１１８３Ａにおいて、制御部１１１０は、吐出口１５４１が開放されてから所定の時間（第１の時間よりも短い第２の時間）経過したかを確認する。所定の時間が経過した場合（ステップ１１８３Ａ：ＹＥＳ）の場合には、ステップ１１８３Ｂが実施される。一方、所定の時間が経過していない場合（ステップ１１８３Ａ：ＮＯ）の場合には、所定の時間が経過するまで待機する。

　次に、ステップ１１８３Ｂにおいて、制御部１１１０は、撹拌羽根１５５０が回転するように撹拌モータユニット１１４０を制御する。続いて、ステップ１１８４からステップ１１８６まで制御部１１１０は、実施の形態１０に係るステップ１１８４からステップ１１８６までと同様の動作を行ない、撹拌羽根１５５０を連続的または断続的に回転させるよう撹拌モータユニット１１４０を制御する。なお、撹拌羽根１５５０が回転する時間は、上述の第１の時間よりも短くなっている。

　ステップ１１８６においては、制御部１１１０は、撹拌羽根１５５０の回転動作が停止するように撹拌モータユニット１１４０を制御する。これにより、撹拌が終了する。このように、ステップ１１８２における吐出口１５４１の閉鎖と、ステップ１１８６による撹拌の終了によって、ステップ１１８９に示すように吐出工程が終了する。

　以上のような動作が行われることにより本実施の形態における吐出工程においては、吐出口１５４１が開放されてから撹拌が開始されるまでの間に、主として比重の重いお茶が吐出される。このため、図４１に示すステップ１１７の撹拌が終了してから極力すぐに、当該吐出工程が開始されることが好ましい。この場合には、茶葉粉末の沈降が抑制され、比較的濃度の均一なお茶をカップに吐出することができる。

　次に、撹拌が開始されてから吐出口１５４１が閉鎖されるまでは、撹拌羽根１５５０の回転により撹拌槽１５１０内のお茶が撹拌されていることより、気泡と茶葉粉末とが均一に分散されたお茶がカップに吐出される。この場合においては、撹拌前にお茶が一部吐出されることから、撹拌時には撹拌槽１５１０内のお茶の量が減少している。このため、撹拌により泡を多く含むお茶が生成される。

　したがって、注ぎ足されたお茶は主として泡を多く含んでおり、先にカップに注がれた濃度の略一定なお茶にきめ細やかな泡を乗せるようにして、カップ内にお茶を供給することができる。使用者が口当たりよく、のどごしをよくしてお茶を味わいたい場合には、このような吐出工程が用いられることが好ましい。

　このように、制御部１１１０は、検知手段１１１５から検知信号が入力され、吐出機構１５４０から液体が外部に吐出されてから所定時間経過後に撹拌羽根１５５０が回転駆動するように撹拌モータユニット１１４０を制御することにより、本実施の形態に係る飲料製造装置においても、所望の量の飲料を製造しつつ、使用者の嗜好に合わせて所望の比重を有する飲料を吐出することができる。

　（実施の形態１２）
　図５５は、本実施の形態に係る飲料製造装置を用いた飲料製造フローの吐出工程の詳細を示すフロー図である。図５５を参照して、本実施の形態に係る吐出工程について説明する。

　図５５に示すように、本実施の形態に係る飲料製造フローの吐出工程は、実施の形態１０に係る第１製造フローの吐出工程と比較した場合に、撹拌羽根１５５０を回転させるタイミングが相違する。具体的には、本実施の形態に係る撹拌ユニットの吐出工程では、吐出口１５４１が開放されるまでの間に撹拌が開始される。また、本実施の形態に係る撹拌ユニットは、実施の形態１０に係る撹拌ユニット１５００と比較して、吐出機構の構成が相違する。具体的には、撹拌ユニット１５００の吐出機構は、操作レバー１５４２および開閉ノズル１５４３に代えて、たとえば電磁弁（不図示）等の自動的に吐出口１５４１を開閉する開閉手段を備えている。また、当該開閉手段を操作するための操作手段が設けられている。

　本実施の形態に係る吐出工程においては、まず、使用者が吐出したいタイミングで、装置本体１１００に設けられた操作手段を操作する。操作手段としては、制御動作を開始するための押圧式ボタンやタッチセンサと一体化した液晶表示部等を採用することができる。操作手段は、上記のように吐出機構１５４０を操作するための操作部として機能するとともに、検知手段１１１５としても機能する。操作手段は、操作されたタイミングを制御部１１１０に入力する。

　ステップ１１８に示すように、操作部が操作されることにより吐出工程が開始する。また、操作部が操作されることにより、当該操作部は、お茶を吐出機構から外部に吐出するタイミングを検知するとともに、当該タイミングを検知した検知信号を制御部１１１０に入力する。制御部１１１０は、入力された検知信号に基づき、ステップＳ１８３にて撹拌羽根１５５０が回転するように撹拌モータユニット１１４０を制御する。

　続いて、ステップ１１８４からステップ１１８６まで制御部１１１０は、実施の形態１０に係るステップ１１８４からステップ１１８６までと同様の動作を行ない、撹拌羽根１５５０を連続的または断続的に回転させるよう撹拌モータユニット１１４０を制御する。ステップ１１８６においては、制御部１１１０は、撹拌羽根１５５０の回転動作が停止するように撹拌モータユニット１１４０を制御する。これにより、撹拌が終了する。

　続いて、ステップ１１８８Ａにて制御部１１１０は、吐出機構１５４０の電磁弁を開状態とし、吐出口１５４１を開放する。所望の量のお茶がカップに吐出されるように吐出口１５４１が開放されてから所定の時間経過した後に、ステップ１１８８Ｂにて吐出口１５４１が閉鎖される。これにより、ステップ１１８９に示すように、吐出工程が終了する。

　以上のような動作が行われることにより本実施の形態における吐出工程においては、吐出口１５４１が開放されてから吐出口１５４１が閉鎖されるまでの間に、主として比重の重いお茶が吐出される。

　このため、ステップ１１８６における撹拌の終了後から極力すぐに吐出口１５４１が開放され、撹拌槽１５１０内のお茶がカップに吐出されることが好ましい。この場合には、茶葉粉末の沈降が抑制され、比較的濃度の均一なお茶をカップに吐出することができる。使用者が泡の少ないお茶を好む場合には、このような吐出工程が用いられることが好ましい。

　このように、制御部１１１０は、検知手段１１１５から検知信号が入力され、吐出機構１５４０から液体（お茶）が外部に吐出される前に撹拌羽根１５５０が回転駆動するように撹拌モータユニット１１４０を制御することにより、本実施の形態に係る飲料製造装置においても、所望の量の飲料を製造しつつ、使用者の嗜好に合わせて所望の比重を有する飲料を吐出することができる。

　なお、本実施の形態においては、吐出口１５４１が開放される前に撹拌羽根１５５０による撹拌が終了する場合を例示して説明したが、これに限定されず、吐出口１５４１が開放された後に撹拌羽根１５５０による撹拌が終了してもよい。すなわち、ステップ１１８８Ａの後にステップ１１８６が行われてもよい。

　（実施の形態１３）
　図５６は、本実施の形態に係る飲料製造装置を用いた飲料製造フローの吐出工程前の撹拌終了工程と吐出工程との間における撹拌ユニットの動作を示すフロー図である。図５６を参照して、本実施の形態に係る飲料製造装置の製造フローについて説明する。

　図５６に示すように、本実施の形態に係る飲料製造装置を用いてお茶を製造する製造フローにおいては、実施の形態１０に係る飲料製造装置を用いてお茶を製造する第１製造フローのステップＳ１７とステップ１１８との間にステップ１１１７１からステップ１１７３の工程（動作）が含まれている。

　具体的には、ステップ１１７において撹拌が終了した後、ステップ１１１７１において、制御部１１１０は、所定時間内に検知手段１１１５から検知信号が入力されたか否かを確認する。所定の時間内に検知信号が入力された場合（ステップ１１１７１：ＹＥＳ）には、ステップ１１８が開始される。

　一方、所定の時間内に検知信号が入力されていない場合（ステップ１１１７１：ＮＯ）には、ステップ１１７２が実施される。ステップ１１７２において、制御部１１１０は、撹拌羽根１５５０が回転駆動するように撹拌モータユニット１１４０を制御する。

　次に、ステップ１１７３において、制御部１１１０は、実施の形態１０に係るステップ１１８４と同様の動作を行ない、撹拌羽根１５５０を連続的に回転させるか、または断続的に回転させるかを決定する。ステップ１１７３にて制御部１１１０が、連続回転モードであると判断した場合（ステップ１１７３：ＹＥＳ）には、ステップ１１７４Ａが実施される。ステップ１１７４Ａにおいては、制御部１１１０は、連続的に撹拌羽根１５５０が回転駆動するように撹拌モータユニット１１４０を制御する。

　一方、ステップ１１７３にて制御部１１１０が、断続回転モードであると判断した場合（ステップ１１７３：ＮＯ）の場合には、ステップ１１７４Ｂが実施される。ステップ１１７４Ｂにおいては、制御部１１１０は、断続的に撹拌羽根１５５０が回転駆動するように撹拌モータユニット１１４０を制御する。

　所定の時間撹拌羽根１５５０を連続的にまたは断続的に回転させた後、制御部１１１０は、撹拌羽根１５５０の回転が停止するように撹拌モータユニット１１４０を制御する。そして、ステップ１１１７１からの動作を繰り返す。

　このように、制御部１１１０が、検知手段１１１５がお茶を吐出するタイミングを検知する前において、通常の製造フローにて撹拌羽根１５５０を所定の時間回転させた後に、撹拌羽根１５５０が定期的に回転するように撹拌モータユニット１１４０を制御することにより、吐出工程が開始するまでに、茶葉粉末が撹拌槽１５１０の底部に沈降することを防止することができる。

　なお、実施の形態１３に係る撹拌終了工程と吐出工程との間における動作は、実施の形態１０に係る飲料製造装置の第１製造フローに適用した場合を例示して説明したが、これに限定されず、実施の形態１０に係る飲料製造装置の第２製造フローおよび第３製造フローに適用してもよいし、実施の形態１１または３に係る飲料製造フローに適用してもよい。

　（実施の形態１４）
　図５７は、本実施の形態に係る飲料製造装置の断面図である。図５７を参照して、本実施の形態に係る飲料製造装置１００１Ｄについて説明する。

　本実施の形態に係る飲料製造装置１００１Ｄは、実施の形態１０に係る飲料製造装置１００１と比較した場合に、撹拌ユニット１５００が撹拌槽装着部１１９０に装着されているか否かを検知する撹拌槽検知手段１１１６が設けられている点において相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。

　撹拌槽検知手段１１１６は、たとえば液体供給経路１１５５に取り付けられ、撹拌槽装着部１１９０を規定する装置本体１１００の一部を貫通するように設けられている。撹拌槽検知手段１１１６は、撹拌ユニット１５００が装着された状態において撹拌ユニット１５００に接触する。撹拌槽検知手段１１１６としては、光センサ、荷重センサ等の各種の検知センサを使用することができる。なお、光センサが使用される場合には、撹拌検知手段１１１６を撹拌ユニットに接触させる必要はなく、撹拌槽装着部１１９０を規定する装置本体１１００の一部に設けられた貫通孔を介して撹拌ユニット１５００の装着状態を検知可能となるように、撹拌槽検知手段１１１６が装置本体１１００内に設けられていればよい。

　本実施の形態においては、撹拌槽検知手段２０が撹拌ユニットの装着を検知している間は、断続的に撹拌羽根１５５０が回転駆動するように設定されている。これにより、たとえば図４１に示すように第１製造フローにおけるステップ１１７の撹拌終了後からステップ１１８の吐出工程の開始までの時間が長くなる場合であっても、粉末の沈降や泡の消滅を防止することができる。

　これにより、本実施の形態においては、実施の形態１０に係る飲料製造装置とほぼ同様の効果を得ることができるのに加えて、ステップ１１７の撹拌終了後からステップ１１８の吐出工程の開始までの時間が長くなる場合であっても、粉末の沈降や泡の消滅を防止することができる。

　上述した実施の形態１０から３および実施の形態１４における吐出工程は、実施の形態１０に係る飲料製造装置の第１の製造フローにおける吐出工程に適用した場合を例示して説明したが、これに限定されず、第２の製造フローの吐出工程および第３の製造フローの吐出工程に適用してもよい。

　なお、上述した実施の形態１０から５においては、飲料製造装置が検知手段を備える場合を例示して説明したが、これに限定されず、検知手段を備えていなくてもよい。この場合には、たとえば、飲料製造装置の電源がＯＦＦされるまで、撹拌羽根１５５０が連続的または断続的に回転するように設けられていてもよい。この場合には、撹拌羽根１５５０が回転するタイミングに合わせて、操作レバー１５４２または操作パネルを操作する。これにより、吐出機構１５４０から液体を外部に吐出する際に、撹拌羽根１５５０が回転駆動した状態を形成することができる。

　（実施の形態１５）
　（飲料製造装置２００１）
　図５８から図６０を参照して、本実施の形態における飲料製造装置２００１について説明する。図５８は、飲料製造装置２００１の全体斜視図、図５９は、図５８中ＩＩ－ＩＩ線矢視断面図、図６０は、飲料製造装置２００１の概略構成要素を示す全体斜視図である。

　図５８から図６０に示すように、飲料製造装置２００１は、粉砕対象物として茶葉を用い、この茶葉を粉砕して茶葉粉末を得る。この得られた茶葉粉末を用いて、飲料としてお茶を製造する。飲料製造装置２００１は、本体部としての装置本体２１００、粉挽きユニット２３００、撹拌ユニット２５００、液体貯留タンク２７００、液体供給部としての液体供給経路２１５５（図５９参照）と、粉末受け部としての茶葉粉末受皿２８００、および、載置ベース２９００を備える。載置ベース２９００は、装置本体２１００の前側下方において、前側に突出するように設けられており、カップ（図示省略）および茶葉粉末受皿２８００の載置が可能である。茶葉粉末受皿２８００は、利用者が把持して移動できるように設けられている。

　（粉挽きユニット２３００）
　粉挽きユニット２３００は、装置本体２１００の前面側に設けられた粉挽きユニット装着部２１８０に対して、着脱可能に装着される。粉挽きユニット装着部２１８０には、粉挽駆動力連結機構２１３０が前方に突出するように設けられ、この粉挽駆動力連結機構２１３０に粉挽きユニット２３００が着脱可能に装着される。粉挽きユニット２３００は、粉挽駆動力連結機構２１３０に連結されることにより、粉砕対象物である茶葉を挽くための駆動力を得る。

　粉挽きユニット２３００の上部から粉挽きユニット２３００の内部に投入された茶葉は、粉挽きユニット２３００の内部において細かく粉砕される。粉砕された茶葉は、粉挽きユニット２３００の下方に載置された茶葉粉末受皿２８００に茶葉粉末として落下し集められる。なお、粉挽きユニット２３００の詳細構造については、図６５～図６７を用いて後述する。

　（液体貯留タンク２７００）
　液体貯留タンク２７００は、装置本体２１００の上面側に設けられた液体貯留タンク装着部２１９５に着脱可能に装着される。液体貯留タンク２７００は、上面開口を有するタンク本体２７１０と、タンク本体２７１０の上面開口を塞ぐ蓋部２７２０とを含む。液体貯留タンク２７００は、蓋部２７２０を取り外して外部から導入された水等の液体を貯留する。

　（液体供給経路２１５５）
　液体供給経路２１５５は、装置本体２１００内に収容されている。液体供給経路２１５５は、液体貯留タンク２７００に接続される（図６４参照）。液体供給経路２１５５には、液体貯留タンク２７００が接続された側とは反対側に供給口２１７１が設けられている。液体供給経路２１５５は、給湯パイプ２１５０と、給湯ノズル２１７０とを含む。給湯パイプ２１５０は、一端側が液体貯留タンク２７００に接続され、他端側が給湯ノズル２１７０に接続される。液体貯留タンク２７００から液体供給経路２１５５に導入された液体は、給湯パイプ２１５０、給湯ノズル２１７０を通って撹拌ユニット２５００に供給される。

　（撹拌ユニット２５００）
　撹拌ユニット２５００は、液体と粉末とを撹拌する撹拌羽根２５５０と、撹拌羽根２５５０を収容する撹拌槽２５１０とを含む。撹拌羽根２５５０は、撹拌部材に相当する。撹拌槽２５１０は、装置本体２１００の前面側に設けられた撹拌槽装着部２１９０に対して、着脱可能に装着される。撹拌槽２５１０の一部が装置本体２１００の前面から当該前面の法線方向に沿って突出するように、撹拌槽２５１０は撹拌槽装着部２１９０に装着されている。

　撹拌槽装着部２１９０には、撹拌モータ非接触テーブル２１４０Ａが設けられている。撹拌ユニット２５００は、撹拌モータ非接触テーブル２１４０Ａ上に載置される。撹拌ユニット２５００の内部に設けられた撹拌羽根２５５０は、撹拌モータユニット２１４０およびこれに連結された永久磁石２１４１によって回転する。撹拌モータユニット２１４０および永久磁石２１４１は、撹拌モータ非接触テーブル２１４０Ａの下方に位置するように装置本体２１００内に収容されている。撹拌モータユニット２１４０は、撹拌羽根２５５０を回転駆動させる撹拌羽根駆動部に相当する。

　装置本体２１００の撹拌槽装着部２１９０の上部には、給湯ノズル２１７０が設けられている。装置本体２１００の内部において、給湯パイプ２１５０内の水が所定温度に上昇され、給湯ノズル２１７０から撹拌槽２５１０内にお湯が供給される。撹拌槽２５１０内には、装置本体２１００において作成されたお湯と、粉挽きユニット２３００によって得られた茶葉粉末とが投入され、撹拌槽２５１０内の撹拌羽根２５５０によって、お湯と茶葉粉末とが撹拌される。これにより、撹拌槽２５１０内においてお茶が製造される。

　撹拌ユニット２５００内で製造されたお茶は、撹拌ユニット２５００の下方に設けられた吐出機構２５４０の操作レバー２５４２を操作することにより、載置ベース２９００に載置されたカップ（図示省略）に注ぐことができる。なお、撹拌ユニット２５００の詳細構造については、図６８および図６９を用いて後述する。

　（お茶（飲料）の製造フロー）
　次に、図６１から図６３を参照して、上記飲料製造装置２００１を用いたお茶（飲料）の製造フローについて説明する。図６１から図６３は、飲料製造装置２００１を用いたお茶吐出を示す第１から第３の製造フローを示す図である。なお、粉挽きユニット２３００には、所定量のお茶葉が投入され、液体貯留タンク２７００には所定量の水が蓄えられている。

　（第１製造フロー）
　図６１を参照して、第１製造フローについて説明する。この第１製造フローは、粉挽きユニット２３００における茶葉の粉砕と、装置本体２１００から撹拌ユニット２５００への給湯が同時に行なわれるフローである。

　飲料製造装置２００１は、ステップ２２１１における粉挽きユニット２３００による茶葉の粉挽きと、ステップ２２１３における装置本体２１００から撹拌ユニット２５００への給湯が同時に開始される。次に、ステップ２２１２において、粉挽きユニット２３００による茶葉の粉挽きが終了するとともに、ステップ２２１４における装置本体２１００から撹拌ユニット２５００への給湯が終了する。

　ステップ２２１５においてはステップ２２１２において得られた茶葉粉末が、利用者によって、撹拌ユニット２５００内へ投入される。

　次に、ステップ２２１６において、撹拌ユニット２５００での茶葉粉末とお湯との撹拌が開始される。ステップ２２１７において、撹拌ユニット２５００での茶葉粉末とお湯との撹拌が終了する。ステップ２２１８において、利用者によって、撹拌ユニット２５００の下方に設けられた吐出機構２５４０の操作レバー２５４２を操作することにより、載置ベース２９００に載置されたカップへのお茶の吐出が行なわれる。本フローによれば、茶葉の粉挽きと給湯が同時に行なわれるため、短時間で効率よくお茶飲料の製造が可能となる。

　（第２製造フロー）
　図６２を参照して、第２製造フローについて説明する。この第２製造フローは、粉挽きユニット２３００における茶葉が粉砕された後に、装置本体２１００から撹拌ユニット２５００への給湯が行なわれるフローである。

　飲料製造装置２００１は、ステップ２２１において、粉挽きユニット２３００による茶葉の粉挽きが開始される。ステップ２２２において、粉挽きユニット２３００による茶葉の粉挽きが終了する。ステップ２２３において、ステップ２２２において得られた茶葉粉末が、利用者によって、撹拌ユニット２５００内へ投入される。

　ステップ２２４において、装置本体２１００から撹拌ユニット２５００への給湯が開始される。ステップ２２５において、装置本体２１００から撹拌ユニット２５００への給湯が終了する。

　次に、ステップ２２６において、撹拌ユニット２５００での茶葉粉末とお湯との撹拌が開始される。ステップ２２７において、撹拌ユニット２５００での茶葉粉末とお湯との撹拌が終了する。ステップ２２８において、利用者によって、撹拌ユニット２５００の下方に設けられた吐出機構２５４０の操作レバー２５４２を操作することにより、載置ベース２９００に載置されたカップへのお茶の吐出が行なわれる。本フローによれば、茶葉の粉挽き後に給湯が行なわれるため、お湯の温度低下を抑えることが可能となる。

　（第３製造フロー）
　図６３を参照して、第３製造フローについて説明する。この第３製造フローは、撹拌ユニット２５００においてお湯を撹拌により冷却するステップを備えている。

　飲料製造装置２００１は、ステップ２３１における粉挽きユニット２３００による茶葉の粉挽きと、ステップ２３３における装置本体２１００から撹拌ユニット２５００への給湯が同時に開始される。ステップ２３４における装置本体２１００から撹拌ユニット２５００への給湯が終了する。

　次に、ステップ２３２において、粉挽きユニット２３００による茶葉の粉挽きが終了するとともに、ステップ２３５において、撹拌ユニット２５００において給湯の冷却撹拌を開始する。ステップ２３６において、撹拌ユニット２５００において給湯の冷却撹拌が終了する。

　ステップ２３７においてはステップ２３２において得られた茶葉粉末が、利用者によって、撹拌ユニット２５００内へ投入される。

　次に、ステップ２３８において、撹拌ユニット２５００での茶葉粉末とお湯との撹拌が開始される。ステップ２３９において、撹拌ユニット２５００での茶葉粉末とお湯との撹拌が終了する。ステップ２４０において、利用者によって、撹拌ユニット２５００の下方に設けられた吐出機構２５４０の操作レバー２５４２を操作することにより、載置ベース２９００に載置されたカップへのお茶の吐出が行なわれる。本フローによれば、玉露等、比較的低温のお湯に適した茶葉に対して、適切な温度でお茶飲料を製造することが可能となる。

　（装置本体２１００の内部構造）
　次に、図６４を参照して、装置本体２１００の内部構造について説明する。図６４は、飲料製造装置２００１の内部構造を示す斜視図である。飲料製造装置２００１の装置本体２１００の内部においては、液体貯留タンク２７００の前面側には、電子部品が搭載されたプリント配線基板を用いた制御部２１１０が配置されている。利用者によるスタート信号の入力に基づき、上記お茶の製造フローが、制御部２１１０により実行される。

　制御部２１１０の下方位置には、粉挽きユニット２３００に駆動力を与えるための粉挽モータユニット２１２０が配置されている。この粉挽モータユニット２１２０の下方位置には、前方に突出するように設けられ、粉挽モータユニット２１２０の駆動力を粉挽きユニット２３００に伝達するための粉挽駆動力連結機構２１３０が設けられている。

　液体貯留タンク２７００の底面には、底面から下方に一旦延び、Ｕ字形状に上向きに延びる給湯パイプ２１５０の一端が連結されている。給湯パイプ２１５０の上端部には、撹拌ユニット２５００の撹拌槽２５１０にお湯を注ぐための給湯ノズル２１７０が連結されている。給湯パイプ２１５０の途中領域には、給湯パイプ２１５０内を通過する水を加熱するためのＵ字形状のヒータ２１６０が装着されている。

　（粉挽きユニット２３００の構造）
　次に、図６５から図６７を参照して、粉挽きユニット２３００の構造について説明する。図６５は、粉挽きユニット２３００の斜視図、図６６は、粉挽きユニット２３００の分解斜視図、図６７は、粉挽きユニット２３００の縦断面図である。

　粉挽きユニット２３００は、全体として円筒形状を有する粉挽きケース２３１０を有し、下方の側面には、粉挽駆動力連結機構２１３０が内部に挿入される連結用窓２３００Ｗが設けられている。粉挽きケース２３１０の内部には、上臼２３６０と下臼２３５０とによって生成された茶葉粉末を貯留する貯留部２３１１（図６７参照）と、貯留部２３１１に連通する排出経路２３１２とが設けられている。粉挽きケース２３１０の最下端部となる排出経路２３１２の下端部には、茶葉粉末を茶葉粉末受皿２８００に向けて排出する排出口２３１２ａが設けられている。排出口２３１２ａは、後述する保温タンク２５１２（図６９参照）の開口部２５１３よりも下方に位置するように設けられている。これにより、保温タンク２５１２内に供給されたお湯から生成される湯気が排出口２３１２ａから侵入することを防止することができる。

　粉挽きユニット２３００は、粉砕対象物を粉砕する上臼２３６０および下臼２３５０と、当該下臼２３５０が取り付けられる下臼支持部２３４０とを含む。粉挽きケース２３１０の内部には、下方から、下臼支持部２３４０、下臼２３５０、上臼２３６０が順番に設けられている。

　下臼支持部２３４０は、上臼２３６０が位置する側と反対側（下臼２３５０の下方側）から下臼２３５０を支持する。下臼支持部２３４０は、略円柱形状の本体部２３４１、係合突起部２３４２、粉掻き取り部２３４３を有する。粉挽き軸２３４５は、本体部２３４１の下面に設けられ、下方に向けて延在する。粉挽き軸２３４５は、粉挽駆動力連結機構２１３０に連結する。これにより、下臼支持部２３４０が下臼２３５０を支持した状態で回転可能となる。

　係合突起部２３４２は、本体部２３４１の上面に設けられ、上方に向けて突出する。係合突起部２３４２は、下臼２３５０を係止するための部位である。粉掻き取り部２３４３は、本体部２３４１の周縁部に設けられている。粉掻き取り部２３４３は、下臼支持部２３４０が回転することにより、貯留部２３１１に貯留された茶葉粉末を掻き取って排出経路２３１２に搬送する。

　下臼２３５０は、上臼２３６０の主面２３６０ａに対向して配置される主面２３５０ａと、当該主面２３５０ａの反対側に位置する主面２３５０ｂと、主面２３５０ａと主面２３５０ｂとを接続する周面を含む。下臼２３５０の主面２３５０ａには、複数のせん断溝が形成されている。複数のせん断溝は、たとえば等角螺旋に沿って延在するように設けられる。また、複数のせん断溝は、内周側から外周側に向かうように形成された直線状の溝が放射状に設けられることにより構成されてもよい。

　下臼２３５０の主面２３５０ｂには、係合凹部２３５２が設けられている。係合凹部２３５２は、下臼支持部２３４０の係合突起部２３４２に対応する位置に設けられ、係合突起部２３４２に係止される。下臼２３５０は、下臼支持部２３４０と連動して回転する。下臼２３５０の中央部には、回転軸芯に沿って上方に向かって伸びるコア２３５９が設けられている。

　コア２３５９は、上臼２３６０の中央部に設けられた貫通孔２３６１を貫通するように設けられている。コア２３５９は、らせん状に設けられた螺旋羽根２３５９ａを有する。

　上臼２３６０は、下臼２３５０の主面２３５０ａに対向して配置される主面２３６０ａと、当該主面２３６０ａと反対側に位置する主面２３６０ｂと、主面２３６０ａと主面２３６０ｂとを接続する周面を含む。上臼２３６０の主面２３６０ａには、下臼の主面２３５０ａと同様にせん断溝が形成されている。

　上臼２３６０は、その上方に配置された上臼保持部材２３７０によって保持されている。たとえば、上臼２３６０の上面には不図示の穴部が設けられており、当該穴部に上臼保持部材２３７０に設けられた不図示のピン部が入り込むことにより、上臼２３６０の回転が防止される。

　上臼保持部材２３７０は、孔部２３７１ａを有する底面部２３７１と、底面部２３７１の周縁から上方に向けて立設された外筒部２３７２と、孔部２３７１ａの周縁から上方に向けて立設された内筒部２３７３とを含む。孔部２３７１ａは、上臼２３６０の貫通孔２３６１に連通するように設けられている。外筒部２３７２と内筒部２３７３との間には、上臼２３６０を下方に向けて押圧するバネ２３８１およびバネ保持部材２３８０が収容されている。バネ２３８１によって、上臼２３６０と下臼２３５０との間に作用する粉砕圧力が調節される。

　粉挽きケース２３１０の上端開口部２３１０ｂ側には、粉砕対象物を上臼２３６０と下臼２３５０との間に供給するためのホッパー部２３２０が取り付けられている。ホッパー部２３２０は、天板部２３２１と、筒状部２３２２と、粉砕対象物投入口２３２５とを有する。天板部２３２１は、略中央部に開口部２３２３が設けられたお椀形状を有する。筒状部２３２２は、開口部２３２３の周縁から下方に立設するように設けられている。筒状部２３２２は、内筒部２３７３の内側に挿入される。

　粉砕対象物投入口２３２５は、開口部２３２３および筒状部２３２２によって規定される。粉砕対象物投入口２３２５内には、コア２３５９の先端側が収容されている。筒状部２３２２内に、粉砕対象物投入口２３２５を跨ぐように複数の直線状のリブ２３９１，２３９２，２３９３が設けられている。

　茶葉を粉砕する際には、ホッパー部２３２０は、カバー部２３３０によって覆われることが好ましい。これにより、茶葉を粉砕対象物投入口２３２５に投入した後に、粉挽きユニット２３００内に異物が侵入することを防止するとともに、粉砕された茶葉が飛散することを防止することができる。なお、茶葉を投入する際には、カバー部２３３０は、ホッパー部２３２０から取り外される。

　粉砕対象物投入口２３２５に投入された茶葉は、上臼保持部材２３７０から露出する上臼２３６０の上面および筒状部２３２２の内周面によって規定される空間内に収容される。当該空間に収容された茶葉は、螺旋羽根２３５９ａが下臼２３５０の回転に伴って回転することにより、上臼２３６０と下臼２３５０との間に案内される。

　上臼２３６０と下臼２３５０との間に案内された茶葉は、粉砕されて茶葉粉末としてこれら上臼２３６０と下臼２３５０との周縁から下方へ落下する。落下した茶葉粉末の一部は、排出経路２３１２を通って排出口２３１２ａから茶葉粉末受皿２８００に排出される。落下した茶葉粉末のその他の部分は、貯留部２３１１に貯留される。貯留部２３１１内の茶葉粉末は、粉掻き取り部２３４３が下臼支持部２３４０の回転に伴って回転することにより、排出経路２３１２に搬送されて排出口２３１２ａから茶葉粉末受皿２８００に排出される。

　（撹拌ユニット２５００の構造）
　次に、図６８および図６９を参照して、撹拌ユニット２５００の構造について説明する。図６８は、撹拌ユニット２５００の斜視図、図６９は、撹拌ユニット２５００の縦断面図である。

　撹拌ユニット２５００は、上面が開口する容器形状を有し、撹拌槽２５１０、撹拌羽根２５５０、撹拌カバー２５３０、吐出機構２５４０を備える。撹拌槽２５１０は、樹脂製の外装ホルダー２５１１と、この外装ホルダー２５１１に保持される保温タンク２５１２とを含む。外装ホルダー２５１１には、樹脂により一体成形されたグリップ２５２０が設けられている。保温タンク２５１２は、有底筒形状を有し、上方に向けて開口する開口部２５１３を有する。

　撹拌カバー２５３０は、開口部２５１３を開閉可能に開口部２５１３に取り付けられる。撹拌カバー２５３０には、粉挽きユニット２３００により粉砕された茶葉粉末を投入する粉末投入口２５３１、および、装置本体２１００内で形成されたお湯が給湯ノズル２１７０から注がれる給湯口２５３２が設けられている。給湯口２５３２は、給湯ノズル２１７０の供給口２１７１に対応する位置に設けられている。

　粉末投入口２５３１および給湯口２５３２は、開口部２５１３に連通している。移動された茶葉粉末受皿２８００から粉末投入口２５３１に投入された茶葉粉末は、開口部２５１３を介して保温タンク２５１２内に投入される。給湯ノズル２１７０から給湯口２５３２に向けて注がれたお湯は、開口部２５１３を介して保温タンク２５１２内に供給される。

　撹拌槽２５１０の底部には、撹拌羽根２５５０が載置される。撹拌槽２５１０の底部には、上方に延びる回転軸２５２１が設けられ、この回転軸２５２１に撹拌羽根２５５０の筒状芯２２５０が挿入される。

　撹拌羽根２５５０には、永久磁石２２４０が埋め込まれている。撹拌モータ非接触テーブル２１４０Ａにおいて、撹拌羽根２５５０に埋め込まれた永久磁石２２４０と、撹拌モータユニット２１４０側に設けられた永久磁石２１４１とが非接触の状態で磁気結合することで、撹拌モータユニット２１４０の回転駆動力が、撹拌羽根２５５０に伝達される。

　なお、撹拌羽根２５５０は、外周部に撹拌要素を有する撹拌部材であれば適宜変更することができる。撹拌要素としては、トロイダル形状のワイヤからなる巻回部、インペラ等を採用することができる。

　吐出機構２５４０は、撹拌羽根２５５０による撹拌により生成されたお茶を吐出する。吐出機構２５４０は、撹拌槽２５１０の底部に設けられた吐出口２５４１を開閉可能に設けられている。利用者が操作レバー２５４２を移動させることにより、吐出口２５４１の開閉および後述する撹拌液の吐出経路を切り替える（選択する）ことができる。吐出口２５４１が開放されることにより、撹拌槽２５１０内のお茶が、載置ベース２９００に載置されたカップ（図示省略）に注出される。

　（吐出機構２５４０の詳細）
　図７０は、本実施の形態に係る撹拌ユニットにて生成された撹拌液および吐出機構を示す概略断面図である。図７１および図７２は、図７０に示す吐出機構が開いて第１吐出経路および第２吐出経路が形成された状態を示す概略断面図である。図７０から図７２を参照して、撹拌後のお茶の状態および吐出機構２５４０の詳細について説明する。

　図７０に示すように、撹拌羽根２５５０の撹拌により生成されたお茶は、比重差の違いにより、比重の小さい第２層Ｓ２と、比重の大きい第１層Ｓ１とに分離する。比重の小さい第２層Ｓ２は、主として泡によって構成されており、比重の大きい第１層Ｓ１は、茶葉粉末とお湯とがほぼ均一に撹拌されたお茶によって構成されている。なお、泡は、液中に空気を取り込みながら茶葉粉末とお湯とを撹拌することにより生成される。

　吐出機構２５４０は、蓋部材２５４３、閉塞部材２５４５、昇降機構２５６０、筒状部材２５７０、および吐出管２５９０を含む。蓋部材２５４３は、撹拌槽２５１０の底部２５１０ｂに設けられた吐出口２５４１を開閉可能に塞ぐ部位である。蓋部材２５４３は、たとえばパッキンによって構成されている。蓋部材２５４３は、バネ等の付勢部材により底部２５１０ｂに向けて付勢される。これにより、蓋部材２５４３の下面２５４３ｂは底部２５１０ｂに液密に接触する。

　また、蓋部材２５４３は、付勢力に抗して底部２５１０ｂから離れる方向に移動可能に設けられている。蓋部材２５４３は、中央に貫通孔２５４４が設けられており、環状形状を有する。貫通孔２５４４は、吐出口２５４１に連通するように設けられている。

　閉塞部材２５４５は、蓋部材２５４３に設けられた貫通孔２５４４を吐出口２５４１側から開閉可能に塞ぐ。閉塞部材２５４５は、たとえばパッキンによって構成されている。閉塞部材２５４５は、バネ等の付勢部材により蓋部材２５４３に向けて付勢される。これにより、閉塞部材２５４５の上面２５４５ａは、蓋部材２５４３の下面２５４３ｂに液密に接触する。閉塞部材２５４５は、貫通孔２５４４の内径よりも大きい外径を有する円板形状を有する。

　昇降機構２５６０は、操作レバー２５４２、支持軸２５４７、押し上げ部材２５４６を有する。操作レバー２５４２は、支持軸２５４７によって軸まわり（図中ＤＲ１方向）に回動可能に軸支されている。押し上げ部材２５４６は、たとえば円柱または角柱形状を有する。押し上げ部材２５４６の上端は閉塞部材２５４５の下面２５４５ｂに固定され、押し上げ部材２５４６の下端は操作レバー２５４２の先端２５４２ａに固定される。押し上げ部材２５４６は、操作レバー２５４２の回動に連動して上下方向に移動する。

　筒状部材２５７０は、一端２５７０ａ側が貫通孔２５４４を囲むように蓋部材２５４３の上面２５４３ａ上に配置されている。筒状部材２５７０の一端２５７０ａ側には、開口部２５７１が設けられている。筒状部材２５７０の他端２５７０ｂには、吸込口２５７２が設けられている。吸込口２５７２は、第１層Ｓ１と第２層Ｓ２との境界部Ｋ１近傍に位置する。具体的には、吸込口２５７２は、第１層Ｓ１と第２層Ｓ２との境界部Ｋ１よりもやや下方に位置する。

　吐出管２５９０は、撹拌槽２５１０の底部に設けられた吐出口２５４１に連通するように設けられている。吐出管２５９０は、吐出口２５４１の周縁から下方に向けて延在する。吐出管２５９０は、内部に昇降機構２５６０の一部を収容する。吐出管２５９０は、出口部２５９１を含む。

　図７１に示すように、利用者が操作レバー２５４２の基端部２５４２ｂ側を下方（図中ＡＲ１方向）に回動させた場合には、押し上げ部材２５４６は上方に移動して、閉塞部材２５４５、蓋部材２５４３および筒状部材２５７０を押し上げる。この際、閉塞部材２５４５の上面２５４５ａが蓋部材２５４３の下面２５４３ｂに液密に接触した状態が維持され、閉塞部材２５４５が貫通孔２５４４を閉じた状態が維持される。

　蓋部材２５４３が上方へ押し上げられて、吐出口２５４１から離間することにより、蓋部材２５４３の下面２５４３ｂと底部２５１０ｂとの間に隙間が形成される。これにより、撹拌槽２５１０内と吐出口２５４１とが連通して、第１層Ｓ１を含むお茶を吐出する第１吐出経路が形成される。第１吐出経路は、蓋部材２５４３の下面２５４３ｂと、これに対向する部分の撹拌槽２５１０の底部２５１０ｂと、吐出口２５４１とによって規定される。この場合、第１層Ｓ１を含むお茶は、図中矢印ＡＲ１０に示すように第１吐出経路内を流れて吐出口２５４１から吐出管２５９０に導出され、吐出管２５９０の出口部２５９１から外部に吐出される。

　図７２に示すように、利用者が操作レバー２５４２の基端部２５４２ｂ側を上方（図中ＡＲ２方向）に回動させた場合には、押し上げ部材２５４６は下方に移動する。これに伴い、押し上げ部材２５４６に固定された閉塞部材２５４５も、当該閉塞部材２５４５を蓋部材２５４３に向けて付勢する付勢力に抗して下方に移動する。これにより、閉塞部材２５４５が貫通孔２５４４から離間することとなり、閉塞部材２５４５の上面２５４５ａが蓋部材２５４３の下面２５４３ｂに液密に接触した状態が解除される。なお、蓋部材２５４３の下面２５４３ｂは、撹拌槽２５１０の底部に向かうように付勢される付勢力によって液密に当該底部に接触する状態が維持されるため、蓋部材２５４３が、貫通孔２５４４に連通する部分を除いて吐出口２５４１を閉じた状態が維持される。

　この結果、筒状部材２５７０の開口部２５７１、蓋部材２５４３の貫通孔２５４４および吐出口２５４１が連通して、第２吐出経路が形成される。第２吐出経路は、筒状部材２５７０の内周面と、筒状部材２５７０の一端２５７０ａよりも内側に位置する部分の蓋部材２５４３の上面２５４３ａと、貫通孔２５４４と、吐出口２５４１とによって規定される。この場合、第２層Ｓ２および第１層Ｓ１を含むお茶が筒状部材２５７０の吸込口２５７２から吸い込まれて、図中矢印ＡＲ２０に示すように、第２吐出経路内を流れて吐出口２５４１から吐出管２５９０に導出され、吐出管２５９０の出口部２５９１から外部に吐出される。

　このように、吐出機構２５４０は、操作レバー２５４２の基端部２５４２ｂの移動方向を切り替えることにより、第１層Ｓ１を含むお茶を吐出する第１吐出経路と、第２層Ｓ２を少なくとも含むお茶を吐出する第２吐出経路とを切り替える（選択する）ことができる。これにより、利用者の嗜好に応じて、第２層を含むお茶を所望の量吐出することができる。

　なお、第１層Ｓ１から先に外部に吐出する場合には、当該吐出に伴って境界部Ｋ１の液位が低下する。境界部Ｋ１が筒状部材２５７０の吸込口２５７２を下回る場合には、第２層Ｓ２を吐出することができなくなる。このため、図７２に示すように、お茶が、たとえば、３人分の量で生成されている場合には、先に第２層を含むお茶を３つのコップのそれぞれに吐出してから、第１層を含むお茶を３つのコップのそれぞれに吐出することが好ましい。

　また、吐出機構２５４０は、回動可能に軸支された操作レバー２５４２や、当該操作レバー２５４２に連動して動く押し上げ部材２５４６等によって構成されている。このため、吐出に際して吐出機構を電気的に駆動させる必要がなく、吐出機構２５４０の構成を比較的簡素にすることができる。

　以上のように、本実施の形態に係る撹拌ユニット２５００およびこれを備えた飲料製造装置２００１は、簡素な構成を有し、所望の量で供給された液体を撹拌できるとともに、撹拌後に生成され、比重差によって異なる層に分離した撹拌液から比重の小さい層を含む液体を確実に吐出することができる。

　（実施の形態１６）
　図７３は、本実施の形態に係る撹拌ユニットにて生成される撹拌液および吐出機構を示す概略断面図である。図７４は、図７３に示す状態から撹拌液の一部が吐出された後の状態を示す概略断面図である。図７３および図７４を参照して、本実施の形態に係る撹拌ユニット２５００Ａについて説明する。

　図７３に示すように、本実施の形態に係る撹拌ユニット２５００Ａは、実施の形態１５に係る撹拌ユニット２５００と比較した場合に、フロート部材２５９５を備える点および吐出機構２５４０Ａの構造が相違し、その他の構成は、ほぼ同様である。吐出機構２５４０Ａは、実施の形態１５に係る吐出機構２５４０と比較した場合に、筒状部材２５７０Ａの構成が相違し、その他の構成はほぼ同様である。

　筒状部材２５７０Ａは、第１筒状部２５７５と第２筒状部２５７６とを有する。第１筒状部２５７５は、筒状部材２５７０Ａの一端２５７０ａ側に位置する。第１筒状部２５７５は、蓋部材２５４３の上面２５４３ａ上に固定されている。第１筒状部２５７５の外周面には、上下方向に延在するスライド溝が設けられている。

　第２筒状部２５７６は、筒状部材２５７０Ａの他端２５７０ｂ側に位置する。第２筒状部２５７６は、第１筒状部２５７５に接続されるとともに、第１筒状部２５７５に対して上下方向にスライド移動可能に設けられている。具体的には、第２筒状部２５７６は、後述するフロート部材２５９５が第１層Ｓ１から受ける浮力によって上下方向に移動する。

　第２筒状部２５７６の内周面には、上述の第１筒状部２５７５のスライド溝に摺動自在に嵌合する突起部が設けられている。突起部がスライド溝内を摺動することにより、第２筒状部２５７６の内周面が第１筒状部２５７５の外周面を摺動する。また、第２筒状部２５７６の上端側には吸込口２５７２が設けられている。

　フロート部材２５９５は、第２層Ｓ２に含まれる液体には沈み、第１層Ｓ１層に含まれる液体に対して浮き上がるように設けられている。すなわち、フロート部材の比重は、第２層Ｓ２の比重よりも大きく、第１層Ｓ１の比重よりも小さくなるように設定されている。これにより、フロート部材２５９５は、第１層Ｓ１と第２層Ｓ２との境界部Ｋ１の変位に追従することができる。

　フロート部材２５９５は、吸込口２５７２の周囲に配設されている。このため、フロート部材２５９５が第１層Ｓ１と第２層Ｓ２との境界部Ｋ１の変位に追従することにより、第２筒状部２５７６が第１筒状部２５７５に対して移動して、吸込口２５７２の位置が境界部Ｋ１の変位に追従して変動する。

　図７４に示すように、第１層Ｓ１を含むお茶が吐出された場合には、第１層Ｓ１と第２層Ｓ２との境界部Ｋ１の位置が、図中破線で示す位置から図中矢印に示すように下方に移動する。この際、境界部Ｋ１の位置の変動に追従して、フロート部材２５９５の位置が下方に移動する。

　第２筒状部２５７６は、フロート部材２５９５が第１層Ｓ１から受ける浮力によって第１層Ｓ１中に浮遊する。このため、フロート部材２５９５の下方への移動に伴って、第１筒状部２５７５のスライド溝に沿って第２筒状部２５７６の突起部が下方に移動して、第２筒状部２５７６が下方に移動する。これにより、吸込口２５７２の位置が境界部Ｋ１の近傍に位置した状態を維持することができる。

　なお、吸込口２５７２の位置は、境界部Ｋ１よりも少し下方に位置することが好ましい。これにより、第１層Ｓ１を含むお茶を吸込みつつ第２層Ｓ２を含むお茶を吸込むことができる。このため、吸込口２５７２が第２層Ｓ２内に位置する場合と比較して、効率よく第２層Ｓ２を含むお茶を吐出することができる。

　本実施の形態に係る撹拌ユニット２５００Ａにおいても、吐出機構２５４０Ａが簡易に構成されており、利用者が操作レバー２５４２を操作することにより、第１層Ｓ１を含むお茶を吐出する第１吐出経路と、第２層Ｓ２を含むお茶を吐出する第２吐出経路とを切り替えることができる。

　このため、本実施の形態に係る撹拌ユニット２５００Ａにおいても、実施の形態１５に係る撹拌ユニット２５００とほぼ同様の効果が得られる。また、本実施の形態に係る撹拌ユニット２５００Ａにあっては、第１層Ｓ１と第２層Ｓ２との境界部Ｋ１の位置が変位した場合であっても、第２層Ｓ２を含むお茶を吸込む吸込口２５７２の位置が境界部Ｋ１の位置に追従して変動するため、利用者は、適宜第２層Ｓ２を含むお茶をカップに吐出することができる。これにより、利便性が向上する。

　（実施の形態１７）
　図７５は、本実施の形態に係る撹拌ユニットにて生成された撹拌液および吐出機構を示す概略断面図である。図７６は、図７５に示す撹拌ユニットの吐出機構が開いて第２吐出経路が形成された状態を示す概略断面図である。図７５および図７６を参照して、本実施の形態に係る撹拌ユニット２５００Ｂについて説明する。

　図７５に示すように、本実施の形態に係る撹拌ユニット２５００Ｂは、実施の形態１５に係る撹拌ユニット２５００と比較した場合に、吐出機構２５４０Ｂの構造が相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。

　吐出機構２５４０Ｂは、第１開閉機構２５４０Ｂ１と、第２開閉機構２５４０Ｂ２とを含む。第１開閉機構２５４０Ｂ１は、第１蓋部材２５４８、第１昇降機構２５６０Ａおよび第１吐出管２５９０Ａを有する。

　第１蓋部材２５４８は、撹拌槽２５１０の底部２５１０ｂに設けられた第１吐出口２５４１Ａを開閉可能に塞ぐ部位である。第１蓋部材２５４８は、たとえばパッキンによって構成されている。第１蓋部材２５４８は、バネ等の付勢部材により底部２５１０ｂに向けて付勢される。これにより、第１蓋部材２５４８は、底部２５１０ｂに液密に接触する。

　第１昇降機構２５６０Ａは、実施の形態１５に係る昇降機構２５６０とほぼ同様の構成を有し、操作レバー２５４２Ａ、支持軸２５４７Ａ、押し上げ部材２５４６Ａを有する。操作レバー２５４２Ａを下方に向けて支持軸２５４７Ａ周りに回動させることにより、押し上げ部材２５４６Ａが上方に移動する。これにより、第１蓋部材２５４８が上方に押し上げられ、第１蓋部材２５４８と底部２５１０ｂとの間に隙間が形成される。

　この結果、第１吐出口２５４１Ａが第１開閉機構２５４０Ｂ１によって開いた状態となり、第１層Ｓ１を含むお茶を吐出する第１吐出経路が形成される。第１層Ｓ１を含むお茶は、第１吐出経路内を流がれて第１吐出口２５４１Ａから第１吐出管２５９０Ａに導出され、第１吐出管２５９０Ａの出口部２５９１Ａから外部に吐出される。

　第２開閉機構２５４０Ｂ２は、第２蓋部材２５４９、第２昇降機構２５６０Ｂ、第２吐出管２５９０Ｂ、筒状部材２５７０Ｂを有する。

　第２蓋部材２５４９は、撹拌槽２５１０の底部２５１０ｂに設けられた第２吐出口２５４１Ｂを開閉可能に塞ぐ部位である。第２蓋部材２５４９は、たとえばパッキンによって構成されている。第２蓋部材２５４９は、バネ等の付勢部材により底部２５１０ｂに向けて付勢される。これにより、第２蓋部材２５４９は、底部２５１０ｂに液密に接触する。

　第２昇降機構２５６０Ｂは、実施の形態１５に係る昇降機構２５６０とほぼ同様の構成を有し、操作レバー２５４２Ｂ、支持軸２５４７Ｂ、押し上げ部材２５４６Ｂを有する。操作レバー２５４２Ｂは支持軸２５４７Ｂ周りに回動可能に設けられている。押し上げ部材２５４６Ｂは、操作レバー２５４２Ｂの回動に連動して上下方向に移動する。

　筒状部材２５７０Ｂは、第１筒状部２５７５Ｂと第２筒状部２５７６Ｂとを有する。第１筒状部２５７５Ｂは、筒状部材２５７０Ｂの一端側に位置する。第１筒状部２５７５Ｂは、天板部を有するキャップ形状を有する。第１筒状部２５７５Ｂの下端（開口端）は、第２吐出口２５４１Ｂを囲むように設けられている。第１筒状部２５７５Ｂの内部には、第２蓋部材２５４９が収容されている。第１筒状部２５７５Ｂの天井部には、第２筒状部２５７６Ｂを接続するための接続部が設けられている。

　第２筒状部２５７６Ｂは、筒状部材２５７０Ｂの他端側に位置する。第２筒状部２５７６Ｂは、第１筒状部２５７５Ｂの天板部に接続される。第２筒状部２５７６Ｂは、可撓性を有し、第１筒状部２５７５Ｂに対して移動可能に設けられている。具体的には、第２筒状部２５７６Ｂは、フロート部材２５９５が第１層Ｓ１から受ける浮力によって撓むように変形する。第２筒状部２５７６Ｂの内径は、第１筒状部２５７５Ｂの内径よりも小さい。

　第１筒状部２５７５Ｂ側と反対側に位置する第２筒状部２５７６Ｂの端部には、吸込口２５７２が設けられている。また、吸込口２５７２の周辺には、実施の形態１６に係るフロート部材と同様のフロート部材２５９５が配設されている。フロート部材２５９５が境界部Ｋ１の変位に追従することにより、第２筒状部２５７６Ｂが撓み変形しながら第１筒状部２５７５Ｂに対して移動する。これにより、吸込口の位置が境界部Ｋ１の変位に追従して変動する。

　図７６に示すように、操作レバー２５４２Ｂを下方に向けて支持軸２５４７Ｂ周りに回動させることにより、押し上げ部材２５４６Ｂが上方に移動する。これにより、第２蓋部材２５４９が上方に押し上げられ、底部２５１０ｂと第２蓋部材２５４９との間に隙間が形成される。

　この結果、筒状部材２５７０Ｂの開口部２５７１および第２吐出口２５４１Ｂが連通して第２吐出経路が形成される。第２吐出経路は、第２筒状部２５７６Ｂの内周面と、第１筒状部２５７５Ｂの内表面と、第１筒状部２５７５Ｂの開口端よりも内側に位置する部分の底部２５１０ｂと、第２吐出口２５４１Ｂによって規定される。

　この場合に、第２層Ｓ２を含むお茶が吸込口２５７２から吸い込まれて、図中矢印ＡＲ３０に示すように、第２吐出経路内を流れて第２吐出口２５４１Ｂから第２吐出管２５９０Ｂに導出され、第２吐出管２５９０Ｂの出口部２５９１Ｂから外部に吐出される。

　本実施の形態に係る撹拌ユニット２５００Ｂにおいても、吐出機構２５４０Ｂは簡易に構成されており、利用者が操作レバー２５４２Ａ，２５４２Ｂを操作することにより、第１層Ｓ１を含むお茶を吐出する第１吐出経路と、第２層Ｓ２を含むお茶を吐出する第２吐出経路とを切り替えることができる。

　このため、本実施の形態に係る撹拌ユニット２５００Ｂにおいても、実施の形態１５に係る撹拌ユニット２５００とほぼ同様の効果が得られる。また、本実施の形態に係る撹拌ユニット２５００Ｂにあっては、第１層Ｓ１と第２層Ｓ２との境界部Ｋ１の位置が変位した場合であっても、第２層Ｓ２を含むお茶を吸込む吸込口２５７２の位置が境界部Ｋ１の位置に追従して変動するため、利用者は、適宜第２層Ｓ２を含むお茶をカップに吐出することができる。これにより、利便性が向上する。

　（実施の形態１８）
　図７７は、本実施の形態に係る撹拌ユニットにて生成された撹拌液および吐出機構を示す概略断面図である。図７８は、図７７に示す吐出機構を正面からみた正面図である。図７９は、図７７に示す吐出機構が開いて撹拌液が吐出される状態を示す概略断面図である。図７７から図７９を参照して、本実施の形態に係る撹拌ユニット２５００Ｃについて説明する。

　図７７および図７８に示すように、本実施の形態に係る撹拌ユニット２５００Ｃは、実施の形態１５に係る撹拌ユニット２５００と比較した場合に、吐出機構２５４０Ｃの構成が相違する。

　吐出機構２５４０Ｃは、撹拌槽２５１０の側面側に設けられた開口部２５７２Ｃの開閉状態を切り替える開閉機構２５８０および吐出管２５８６を含む。開口部２５７２Ｃは、後述するように第１層Ｓ１および第２層Ｓ２を含むお茶を吸込む吸込口として機能する。開口部２５７２Ｃは、所定の幅（図７８中左右方向の長さ）を持って側面の上方側から底部に至るように設けられている。開口部２５７２Ｃの上端は、第１層Ｓ１と第２層Ｓ２との境界部Ｋ１よりも上方に位置する。

　開閉機構２５８０は、蓋部材２５８４、支持軸２５８５、カム２５８１、操作レバー２５８２、および操作軸２５８３を含む。蓋部材２５８４は、撹拌槽２５１０の側面に設けられた開口部２５７２Ｃを撹拌槽２５１０の内側から開閉可能に塞ぐ部位である。蓋部材２５８４は、支持軸２５８５を中心として、軸周りに回動可能に設けられている。蓋部材２５８４は、たとえばパッキンによって構成されている。蓋部材２５８４は、バネ等の付勢部材により撹拌槽２５１０の側面に向けて付勢される。これにより、蓋部材２５８４は、開口部２５７２Ｃの周囲において撹拌槽２５１０の底部２５１０ｂおよび側面に液密に接触する。

　操作レバー２５８２は、操作軸２５８３を回転中心として、軸周りに回動可能に設けられている。カム２５８１は、操作レバー２５８２の回動に連動して回動するように設けられている。カム２５８１は、操作軸２５８３を中心に軸周りに回動する。

　吐出管２５８６は、撹拌槽２５１０の側面の外側から開口部２５７２Ｃを囲むように設けられる。吐出管２５８６は、下方に向けて延在する。吐出管２５８６は、出口部２５８７を有する。出口部２５８７は、撹拌槽２５１０の底部２５１０ｂよりも低い位置に位置する。吐出管２５８６の内部には、上述したカム２５８１、操作軸２５８３および操作レバー２５８２の一部が収容されている。

　図７９に示すように、利用者が操作レバー２５８２の基端部２５８２ｂを下方（図中ＡＲ３方向）に回動させた場合には、カム２５８１が、蓋部材２５８４に作用する付勢力に抗して蓋部材２５８４を撹拌槽２５１０の内側に押し込む。これにより、撹拌槽２５１０の側面と蓋部材２５８４との間に隙間が形成される。これにより、図中矢印ＡＲ４０に示すように、第２層Ｓ２および第１層Ｓ１を含むお茶は、開口部２５７２Ｃから吐出管２５８６に導出され、吐出管２５８６の出口部２５８７から外部に吐出される。これにより、カップ内に第１層Ｓ１および第２層Ｓ２を含むお茶を注ぐことができる。

　このように、本実施の形態においては、第１層Ｓ１および第２層Ｓ２を含むお茶を吐出することができ、味わいをまろやかにする第２層Ｓ２を含むお茶を確実に吐出することができる。

　また、本実施の形態に係る撹拌ユニット２５００Ｃにおいても、吐出機構２５４０Ｃは、回動可能に軸支された操作レバー２５８２や、当該操作レバー２５８２に連動して動くカム２５８１等によって構成されている。このため、吐出に際して吐出機構を電気的に駆動させる必要がなく、吐出機構２５４０Ｃの構成を簡素にすることができる。

　このように、本実施の形態に係る撹拌ユニット２５００Ｃにあっても、実施の形態１５に係る撹拌ユニット２５００とほぼ同様の効果を得ることができる。

　（実施の形態１９）
　図８０は、本実施の形態に係る撹拌ユニットにて生成された撹拌液および吐出機構を示す概略断面図である。図８０を参照して、本実施の形態に係る撹拌ユニット２５００Ｄについて説明する。

　図８０に示すように、本実施の形態に係る撹拌ユニット２５００Ｄは、撹拌槽２５１０Ｄの形状、および吐出機構２５４０Ｄの構成が上記実施の形態のいずれとも相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。

　撹拌槽２５１０Ｄは、階段形状を有する。具体的には、撹拌槽２５１０Ｄは、第１底部２５１０ｂ１、第２底部２５１０ｃ、第３底部２５１０ｄ、第１側壁部２５１４、第２側壁部２５１５、第３側壁部２５１６を含む。第１底部２５１０ｂ１、第２底部２５１０ｃおよび第３底部２５１０ｄのうち第１底部２５１０ｂ１は、撹拌槽２５１０Ｄの開口面２５１３ａから深さ方向に最も離れた位置に位置する。第２底部２５１０ｃは、第１底部２５１０ｂ１よりも上方に位置する。第３底部２５１０ｄは、第２底部２５１０ｃよりも上方に位置する。

　第１側壁部２５１４は、第１底部２５１０ｂ１と第２底部２５１０ｃとを接続するように設けられている。第２側壁部２５１５は、第２底部２５１０ｃと第３底部２５１０ｄとを接続するように設けられている。第３側壁部２５１６は、第３底部２５１０ｄの周縁から上方に起立するように設けられている。

　吐出機構２５４０Ｄは、第１開閉機構２５４０Ｄ１、第２開閉機構２５４０Ｄ２および第３開閉機構２５４０Ｄ３を含む。第１開閉機構２５４０Ｄ１は、第１底部２５１０ｂ１に設けられた第１吐出口２５４１Ａの開閉状態を切り替え可能に設けられている。第１開閉機構２５４０Ｄ１は、実施の形態１７に係る第１開閉機構２５４０Ｂ１とほぼ同様の構成を有する。この場合において、操作レバー２５４２Ａ～２５４２Ｃは、紙面垂直方向に延在するように設けられている。

　第１開閉機構２５４０Ｄ１は、操作レバー２５４２Ａの基端部を下方に向けて回動させることにより、押し上げ部材２５４６Ａが上方に移動する。これにより、蓋部材２５４８Ａが上方に押し上げられ、蓋部材２５４８Ａと第１底部２５１０ｂ１との間に隙間が形成される。

　この結果、第１吐出口２５４１Ａが第１開閉機構２５４０Ｄ１によって開いた状態となり、第１層Ｓ１を含むお茶を吐出する第１吐出経路が形成される。第１層Ｓ１を含むお茶は、第１吐出経路内を流れて第１吐出口２５４１Ａから第１吐出管２５９０Ａに導出され、第１吐出管２５９０Ａの出口部２５９１Ａから外部に吐出される。

　第２開閉機構２５４０Ｄ２は、第２底部２５１０ｃに設けられた第２吐出口２５４１Ｂの開閉状態を切り替え可能に設けられている。第３開閉機構２５４０Ｄ３は、第３底部２５１０ｄに設けられた第３吐出口２５４１Ｃの開閉状態を切り替え可能に設けられている。第２開閉機構２５４０Ｄ２および第３開閉機構２５４０Ｄ３は、第１開閉機構２５４０Ｄ１とほぼ同様の構成を有する。これにより、第１開閉機構２５４０Ｄ１と同一の動作を行なうことにより、第２開閉機構２５４０Ｄ２が有する第２吐出管２５９０Ｂの出口部２５９１Ｂおよび第３開閉機構２５４０Ｄ３が有する第３吐出管２５９０Ｃの出口部２５９１Ｃからお茶が外部に吐出される。

　なお、第２開閉機構２５４０Ｄ２が有する操作レバー２５４２Ｂおよび第３開閉機構２５４０Ｄ３が有する操作レバー２５４２Ｃは、第１開閉機構２５４０Ｄ１の操作レバー２５４２Ａと同じ位置にあり、第２開閉機構２５４０Ｄ２が有する第２吐出管２５９０Ｂの出口部２５９１Ｂおよび第３開閉機構２５４０Ｄ３が有する第３吐出管２５９０Ｃの出口部２５９１Ｃは、第１開閉機構２５４０Ｄ１が有する第１吐出管２５９０Ａの出口部２５９１Ａと同じ位置にある。

　これにより、第２開閉機構２５４０Ｄ２が有する第２吐出管２５９０Ｂおよび押し上げ部材２５４６Ｂの長さは、第１開閉機構２５４０Ｄ１が有する第１吐出管２５９０Ａおよび押し上げ部材２５４６Ａの長さよりも長くなっている。

　また、第３開閉機構２５４０Ｄ３が有する第３吐出管２５９０Ｃおよび押し上げ部材２５４６Ｃの長さは、第２開閉機構２５４０Ｄ２が有する第２吐出管２５９０Ｂおよび押し上げ部材２５４６Ｂの長さよりも長くなっている。

　撹拌ユニット２５００Ｄにあっては、第１層Ｓ１と第２層Ｓ２との境界部Ｋ１が、第３底部２５１０ｄよりも上方に位置する場合には、まず、第３開閉機構２５４０Ｄ３を用いて第３吐出口２５４１Ｃを開いた状態にすることにより、第３吐出口２５４１Ｃを介して第１層Ｓ１と第２層Ｓ２とを含むお茶を外部へ吐出することができる。

　具体的には、操作レバー２５４２Ｃを操作して蓋部材２５４８Ｃを押し上げることにより、蓋部材２５４８Ｃと第３底部２５１０ｄとの間に隙間が形成される。これにより、お茶を吐出する吐出経路が形成される。この場合には、当該吐出経路は、第２吐出経路として機能する。第１層Ｓ１と第２層Ｓ２とを含むお茶は、当該吐出経路を流れて第３吐出口２５４１Ｃから第３吐出管２５９０Ｃに導出され、第３吐出管２５９０Ｃの出口部２５９１Ｃからカップに吐出される。

　続いて、上述したように、第１開閉機構２５４０Ｄ１を用いて第１吐出口２５４１Ａを開いた状態にすることにより、第１吐出口２５４１Ａを介してカップに第１層Ｓ１を含むお茶を吐出する。これにより、カップ内に、第２層Ｓ２と第１層Ｓ１とが混合されたお茶を生成することができる。

　また、第１層Ｓ１と第２層Ｓ２との境界部Ｋ１が、第２底部２５１０ｃと第３底部２５１０ｄとの間に位置する場合には、第２開閉機構２５４０Ｄ２を用いて第２吐出口２５４１Ｂを開いた状態とすることにより、第２吐出口２５４１Ｂを介してお茶を外部に吐出することができる。

　具体的には、操作レバー２５４２Ｂを操作して蓋部材２５４８Ｂを押し上げることにより、蓋部材２５４８Ｂと第２底部２５１０ｃとの間に隙間が形成される。これにより、お茶を吐出する吐出経路が形成される。この場合には、当該吐出経路は、第２吐出経路として機能する。第１層Ｓ１と第２層Ｓ２とを含むお茶は、当該吐出経路を流れて第２吐出口２５４１Ｂから第２吐出管２５９０Ｂに導出され、第２吐出管２５９０Ｂの出口部２５９１Ｂから外部に吐出される。

　このように本実施の形態に係る撹拌ユニット２５００Ｄにあっても、第１層Ｓ１と第２層Ｓ２との境界部Ｋ１の位置に応じて、開閉機構を選択して開状態にする吐出口を適宜選択することにより、第１層Ｓ１および第２層Ｓ２を含むお茶を吐出することができ、味わいをまろやかにする第２層Ｓ２を含むお茶を確実に吐出することができる。

　また、本実施の形態に係る撹拌ユニット２５００Ｄにおいても、吐出機構２５４０Ｄは、回動可能に軸支された操作レバーや、当該操作レバーに連動して動く押し上げ部材等によって構成されている。このため、吐出に際して吐出機構を電気的に駆動させる必要がなく、吐出機構２５４０Ｄの構成を簡素にすることができる。

　以上のように、本実施の形態に係る撹拌ユニット２５００Ｄにあっても、実施の形態１５に係る撹拌ユニット２５００とほぼ同様の効果を得ることができる。

　なお、本実施の形態に係る撹拌ユニット２５００Ｄにおいては、操作レバー２５４２Ａ，２５４２Ｂ，２５４２Ｃが同じ高さにある場合を例示して説明したが、これに限定されず、これら操作レバーの位置は適宜変更することができる。

　また、本実施の形態に係る撹拌ユニット２５００Ｄにおいては、撹拌槽２５１０が２段の階段状に設けられる場合を例示して説明したが、これに限定されず、１段の階段状に設けられていてもよいし、３段以上の階段状に設けられていてもよい。この場合には、段差を構成する底部の数に応じて、開閉機構が設けられる。

　なお、上述した実施の形態１５にあっては、飲料製造装置２００１が実施の形態１５に係る撹拌ユニット２５００を備える場合を例示して説明したが、これに限定されず、実施の形態１６～５に係る撹拌ユニット２５００Ａ～２５００Ｄを備えていてもよい。

　上述した実施の形態１５から５にあっては、撹拌槽が外装ホルダと保温タンクによって構成される場合を例示して説明したが、これに限定されず、保温タンクのみから構成されていてもよい。また、保温タンクに代えて、保温性を有さず耐熱性を有する容器が使用されてもよい。

　また、上述した実施の形態１５から５に係る撹拌ユニットにあっては、液体としてのお湯と粉末としての茶葉粉末とを撹拌して飲料としてのお茶を製造する場合を例示して説明したが、これに限定されず、単体のミルク等の飲料用液体を撹拌してミルクフォーム等の泡立てた飲料を生成してもよいし、比重の異なる複数の飲料用液体を撹拌してこれらが混合された飲料を生成してもよい。

　以上、本発明の実施の形態および実施例について説明したが、今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。

　１　飲料製造装置、１００　装置本体、１１０　制御部、１２０　粉挽モータユニット、１３０　粉挽駆動力連結機構、１４０　撹拌モータユニット、１４０Ａ　非接触テーブル、１４１　永久磁石、１５０　給湯パイプ、１５５　液体供給経路、１６０　ヒータ、１７０　給湯ノズル、１７１　供給口、１８０　粉挽きユニット装着部、１９０　撹拌槽装着部、１９５　液体貯留タンク装着部、２１０　第１パドル、２１０ａ　収容部、２１０ｈ　空間、２１１　第２パドル、２１２　パドル面、２２０　羽根部、２２０ａ　上面、２２１　羽根片、２２２　下部補助リング、２２３　上部補助リング、２４０　永久磁石、２５０　筒状芯、２５１　円錐状キャップ、２５２　リングシール、２５３　貫通穴、２６０ａ　カバー、２６０ｂ　パドル本体、３００　粉挽きユニット、３００Ｗ　連結用窓、３１０　粉挽きケース、３１０ｂ　上端開口部、３１１　貯留部、３１２　排出経路、３１２ａ　排出口、３２０　ホッパー部、３２１　天板部、３２２　筒状部、３２３　開口部、３２５　粉砕対象物投入口、３３０　カバー部、３４０　下臼支持部、３４１　本体部、３４２　係合突起部、３４３　粉掻き取り部、３４５　粉挽き軸、３５０　下臼、３５０ａ，３５０ｂ　主面、３５２　係合凹部、３５９　コア、３５９ａ　螺旋羽根、３６０　上臼、３６０ａ，３６０ｂ　主面、３６１　貫通孔、３７０　上臼保持部材、３７１　底面部、３７１ａ　孔部、３７２　外筒部、３７３　内筒部、３８０　バネ保持部材、３８１　バネ、３９１，３９２，３９３　リブ、５００　撹拌ユニット、５１０，５１０Ａ，５１０Ｂ，５１０Ｃ，５１０Ｄ，５１０Ｅ，５１０Ｆ，５１０Ｇ，５１０Ｈ，５１０Ｘ　撹拌槽、５１０ａ　内周面、５１０ｃ　螺旋面、５１１　外装ホルダー、５１２，５１２Ａ，５１２Ｂ，５１２Ｃ，５１２Ｄ，５１２Ｅ，５１２Ｆ，５１２Ｇ，５１２Ｈ，５１２Ｘ　保温タンク、５１３　開口部、５１４　底部、５１５，５１５Ｂ，５１５Ｃ，５１５Ｄ，５１５Ｅ，５１５Ｆ，５１５Ｇ，５１５Ｈ，５１５Ｘ　側壁部、５１６　第１筒状部、５１７　第２筒状部、５１８　第３筒状部、５２０　グリップ、５３０　撹拌カバー、５３１　粉末投入口、５３２　給湯口、５４０　吐出口開閉機構、５４１　吐出口、５４２　操作レバー、５４３　開閉ノズル、５４５　吐出部、５５０　撹拌羽根、５６０　回転軸、５７１，５７１Ｃ，５７１Ｆ，５７１Ｇ　接続部、５７２　湾曲部、５７３　平坦部、５７３Ｃ　傾斜部、５７４，５７４Ｃ　接続部、５７５　湾曲部、５７６　平坦部、５７６Ｃ　傾斜部、７００　液体貯留タンク、７１０　タンク本体、７２０　蓋部、８００　茶葉粉末受皿、９００　載置ベース、　１００１，１００１Ｄ　飲料製造装置、１１００　装置本体、１１１０　制御部、１１１２　入力部、１１１５　検知手段、１１１６　撹拌槽検知手段、１１２０　粉挽モータユニット、１１３０　粉挽駆動力連結機構、１１４０　撹拌モータユニット、１１４０Ａ　撹拌モータ非接触テーブル、１１４１　永久磁石、１１５０　給湯パイプ、１１５５　液体供給経路、１１６０　ヒータ、１１７０　給湯ノズル、１１７１　供給口、１１８０　粉挽きユニット装着部、１１９０　撹拌槽装着部、１１９５　液体貯留タンク装着部、１２４０　永久磁石、１２５０　筒状芯、１３００　粉挽きユニット、１３００Ｗ　連結用窓、１３１０　粉挽きケース、１３１０ｂ　上端開口部、１３１１　貯留部、１３１２　排出経路、１３１２ａ　排出口、１３２０　ホッパー部、１３２１　天板部、１３２２　筒状部、１３２３　開口部、１３２５　粉砕対象物投入口、１３３０　カバー部、１３４０　下臼支持部、１３４１　本体部、１３４２　係合突起部、１３４３　粉掻き取り部、１３４５　粉挽き軸、１３５０　下臼、１３５２　係合凹部、１３５９　コア、１３５９ａ　羽根部、１３６０　上臼、１３６１　貫通孔、１３７０　上臼保持部材、１３７１　底面部、１３７１ａ　孔部、１３７２　外筒部、１３７３　内筒部、１３８０　バネ保持部材、１３８１　バネ、１３９１，１３９２，１３９３　リブ、１５００　撹拌ユニット、１５１０　撹拌槽、１５１１　外装ホルダー、１５１２　保温タンク、１５１３　開口部、１５２０　グリップ、１５３０　撹拌カバー、１５３１　粉末投入口、１５３２　給湯口、１５４０　吐出機構、１５４１　吐出口、１５４２　操作レバー、１５４３　開閉ノズル、１５５０　撹拌羽根、１５６０　回転軸、１７００　液体貯留タンク、１７１０　タンク本体、１７２０　蓋部、１８００　茶葉粉末受皿、１９００　載置ベース、　２００１　飲料製造装置、２１００　装置本体、２１１０　制御部、２１２０　粉挽モータユニット、２１３０　粉挽駆動力連結機構、２１４０　撹拌モータユニット、２１４０Ａ　非接触テーブル、２１４１　永久磁石、２１５０　給湯パイプ、２１５５　液体供給経路、２１６０　ヒータ、２１７０　給湯ノズル、２１７１　供給口、２１８０　粉挽きユニット装着部、２１９０　撹拌槽装着部、２１９５　液体貯留タンク装着部、２２４０　永久磁石、２２５０　筒状芯、２３００　粉挽きユニット、２３００Ｗ　連結用窓、２３１０　粉挽きケース、２３１０ｂ　上端開口部、２３１１　貯留部、２３１２　排出経路、２３１２ａ　排出口、２３２０　ホッパー部、２３２１　天板部、２３２２　筒状部、２３２３　開口部、２３２５　粉砕対象物投入口、２３３０　カバー部、２３４０　下臼支持部、２３４１　本体部、２３４２　係合突起部、２３４３　粉掻き取り部、２３４５　粉挽き軸、２３５０　下臼、２３５２　係合凹部、２３５９　コア、２３５９ａ　螺旋羽根、２３６０　上臼、２３６１　貫通孔、２３７０　上臼保持部材、２３７１　底面部、２３７１ａ　孔部、２３７２　外筒部、２３７３　内筒部、２３８０　バネ保持部材、２３８１　バネ、２３９１，２３９２，２３９３　リブ、２５００，２５００Ａ，２５００Ｂ，２５００Ｃ，２５００Ｄ　撹拌ユニット、２５１０，２５１０Ｃ，２５１０Ｄ　撹拌槽、２５１０ｂ　底部、２５１０ｂ１　第１底部、２５１０ｃ　第２底部、２５１０ｄ　第３底部、２５１１　外装ホルダー、２５１２　保温タンク、２５１３　開口部、２５１４　第１側壁部、２５１５　第２側壁部、２５１６　第３側壁部、２５２０　グリップ、２５２１　回転軸、２５３０　撹拌カバー、２５３１　粉末投入口、２５３２　給湯口、２５４０，２５４０Ａ，２５４０Ｂ，２５４０Ｃ，２５４０Ｄ　吐出機構、２５４０Ｂ１，２５４０Ｄ１　第１開閉機構、２５４０Ｂ２，２５４０Ｄ２　第２開閉機構、２５４０Ｄ３　第３開閉機構、２５４１　吐出口、２５４１Ａ　第１吐出口、２５４１Ｂ　第２吐出口、２５４１Ｃ　第３吐出口、２５４２，２５４２Ａ，２５４２Ｂ，２５４２Ｃ　操作レバー、２５４３　蓋部材、２５４４　貫通孔、２５４５　閉塞部材、２５４６，２５４６Ａ，２５４６Ｂ，２５４６Ｃ　押し上げ部材、２５４７，２５４７Ａ，２５４７Ｂ　支持軸、２５４８　第１蓋部材、２５４８Ａ，２５４８Ｂ，２５４８Ｃ　蓋部材、２５４９　第２蓋部材、２５５０　撹拌羽根、２５６０　昇降機構、２５６０Ａ　第１昇降機構、２５６０Ｂ　第２昇降機構、２５７０，２５７０Ａ，２５７０Ｂ　筒状部材、２５７１　開口部、２５７２　吸込口、２５７２Ｃ　開口部、２５７５，２５７５Ｂ　第１筒状部、２５７６，２５７６Ｂ　第２筒状部、２５８０　開閉機構、２５８１　カム、２５８２　操作レバー、２５８３　操作軸、２５８４　蓋部材、２５８５　支持軸、２５８６　吐出管、２５８７　出口部、２５９０　吐出管、２５９０Ａ　第１吐出管、２５９０Ｂ　第２吐出管、２５９０Ｃ　第３吐出管、２５９１，２５９１Ａ，２５９１Ｂ　出口部、２５９５　フロート部材、２７００　液体貯留タンク、２７１０　タンク本体、２７２０　蓋部、２８００　茶葉粉末受皿、２９００　載置ベース。

Claims

　液体が供給される撹拌槽と、
　前記撹拌槽に供給された液体を撹拌する撹拌部材と、を備え、
　前記撹拌槽は下方に向かうにつれて水平方向の開口面積が小さくなる、撹拌ユニット。
　液体の供給目安量が予め決定されており、前記供給目安量が最少である場合の液位位置が前記撹拌部材の上面よりも上方に位置する、請求項１に記載の撹拌ユニット。
　前記撹拌部材は、前記撹拌槽の底部に設けられる、請求項１または２に記載の撹拌ユニット。
　前記撹拌槽は、下方に向かうにつれて水平方向の前記開口面積が小さくなるように湾曲する湾曲形状を有する、請求項１から３のいずれかに記載の撹拌ユニット。
　粉砕対象物を粉砕して粉末を得る粉挽きユニットと、
　前記粉末と液体とが供給される撹拌ユニットを備え、
　前記撹拌ユニットは請求項１から４のいずれかに記載の撹拌ユニットである飲料製造装置。
　撹拌槽と、
　前記撹拌槽に供給された液体を撹拌する撹拌部材と、
　前記撹拌部材を回転駆動させる撹拌部材駆動部と、
　前記撹拌槽に設けられ、液体を前記撹拌槽から外部に吐出する吐出機構と、
　前記撹拌部材駆動部を制御する制御部と、を備え、
　前記制御部は、前記吐出機構から液体を外部に吐出する際に、前記撹拌部材が回転駆動するように前記撹拌部材駆動部を制御する、飲料製造装置。
　前記制御部は、前記撹拌部材が断続的に回転駆動するように前記撹拌部材駆動部を制御する、請求項６に記載の飲料製造装置。
　前記吐出機構を操作するための操作部と、
　前記操作部が操作されるタイミングを検知する検知手段と、をさらに備え、
　前記制御部は、前記検知手段から前記タイミングを検知した検知信号が入力され、前記吐出機構から前記液体が外部に吐出されてから所定時間後に前記撹拌部材が回転駆動するように前記撹拌部材駆動部を制御する、請求項６または７に記載の飲料製造装置。
　前記吐出機構を操作するための操作部と、
　前記操作部が操作されるタイミングを検知する検知手段と、をさらに備え、
　前記制御部は、前記検知手段から前記タイミングを検知した検知信号が入力され、前記吐出機構から液体が外部に吐出される前に前記撹拌部材が回転駆動するように前記撹拌部材駆動部を制御する、請求項６から８のいずれか１項に記載の飲料製造装置。
　前記撹拌部材が回転駆動する時間および／または回転数を指示するための入力部をさらに備える、請求項６から９のいずれか１項に記載の飲料製造装置。
　液体が供給される撹拌槽と、
　前記撹拌槽に供給された前記液体を撹拌する撹拌部材と、
　前記撹拌部材による撹拌により生成される撹拌液を外部に吐出する吐出機構とを備え、
　前記撹拌液は、第１層と、前記第１層に対して比重差によって上層に分離される第２層とを含み、
　前記吐出機構は、前記第１層と前記第２層の境界部近傍に位置する吸込口を有し、前記吸込口から吸い込んだ前記撹拌液を吐出する、撹拌ユニット。
　前記吐出機構は、前記第１層を含む前記撹拌液を吐出する第１吐出経路と、前記第２層を含む前記撹拌液を吐出する第２吐出経路とを選択可能に設けられている、請求項１１に記載の撹拌ユニット。
　前記第１層と前記第２層との前記境界部の変位に追従するフロート部材をさらに備え、
　前記フロート部材は、前記吸込口の周囲に配設され、
　前記吸込口は、前記フロート部材により前記境界部の変位に追従し、前記第２層を含む前記撹拌液を吸込む、請求項１１または１２に記載の撹拌ユニット。
　前記吸込口は、前記撹拌槽の側面に開閉可能に設けられ、
　前記吸込口が開いた状態において、前記吸込口から前記第１層および前記第２層を含む前記撹拌液が吸い込まれる、請求項１１または１２に記載の撹拌ユニット。
　粉砕対象物を粉砕して粉末を得る粉挽きユニットと、
　前記粉末と前記液体とが供給される撹拌ユニットとを備え、
　前記撹拌ユニットは請求項１１から１４のいずれかに記載の撹拌ユニットである、飲料製造装置。