以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
本実施の形態では、一例として、粉砕対象物として茶葉を用い、飲料としてお茶を製造する場合について説明するが、粉砕対象物は茶葉に限定されることなく、穀物、乾物、その他の粉砕対象物を用いて、飲料を製造する場合にも適用することが可能である。以下では、茶葉とは、粉砕前の固形状態を意味し、茶葉粉末とは、粉砕された茶葉を意味し、お茶とは、茶葉粉末とお湯とが撹拌された(混ぜ合わされた)飲料を意味する。
(実施の形態1)
(飲料製造装置1)
図1から図3を参照して、本実施の形態における飲料製造装置1について説明する。図1は、飲料製造装置1の全体斜視図、図2は、図1中II−II線矢視断面図、図3は、飲料製造装置1の概略構成要素を示す全体斜視図である。
図1から図3に示すように、飲料製造装置1は、粉砕対象物として茶葉を用い、この茶葉を粉砕して茶葉粉末を得る。この得られた茶葉粉末を用いて、飲料としてお茶を製造する。飲料製造装置1は、本体部としての装置本体100、粉挽きユニット300、撹拌ユニット500、液体貯留タンク700、液体供給部としての液体供給経路155(図2参照)と、粉末受け部としての茶葉粉末受皿800、および、載置ベース900を備える。載置ベース900は、装置本体100の前側下方において、前側に突出するように設けられており、カップ(図示省略)および茶葉粉末受皿800の載置が可能である。茶葉粉末受皿800は、利用者が把持して移動できるように設けられている。
(粉挽きユニット300)
粉挽きユニット300は、装置本体100の前面側に設けられた粉挽きユニット装着部180に対して、着脱可能に装着される。粉挽きユニット装着部180には、粉挽駆動力連結機構130が前方に突出するように設けられ、この粉挽駆動力連結機構130に粉挽きユニット300が着脱可能に装着される。粉挽きユニット300は、粉挽駆動力連結機構130に連結されることにより、粉砕対象物である茶葉を挽くための駆動力を得る。
粉挽きユニット300の上部から粉挽きユニット300の内部に投入された茶葉は、粉挽きユニット300の内部において細かく粉砕される。粉砕された茶葉は、粉挽きユニット300の下方に載置された茶葉粉末受皿800に茶葉粉末として落下し集められる。なお、粉挽きユニット300の詳細構造については、図8〜図10を用いて後述する。
(液体貯留タンク700)
液体貯留タンク700は、装置本体100の上面側に設けられた液体貯留タンク装着部195に着脱可能に装着される。液体貯留タンク700は、上面開口を有するタンク本体710と、タンク本体710の上面開口を塞ぐ蓋部720とを含む。液体貯留タンク700は、蓋部720を取り外して外部から導入された水等の液体を貯留する。
(液体供給経路155)
液体供給経路155は、装置本体100内に収容されている。液体供給経路155は、液体貯留タンク700に接続される(図7参照)。液体供給経路155には、液体貯留タンク700が接続された側とは反対側に供給口171が設けられている。液体供給経路155は、給湯パイプ150と、給湯ノズル170とを含む。給湯パイプ150は、一端側
が液体貯留タンク700に接続され、他端側が給湯ノズル170に接続される。液体貯留タンク700から液体供給経路155に導入された液体は、給湯パイプ150、給湯ノズル170を通って撹拌ユニット500に供給される。
(撹拌ユニット500)
撹拌ユニット500は、液体と粉末とを撹拌する撹拌羽根550と、撹拌羽根550を収容する撹拌槽510とを含む。撹拌羽根550は、撹拌部材に相当する。撹拌槽510は、装置本体100の前面側に設けられた撹拌槽装着部190に対して、着脱可能に装着される。撹拌槽510の一部が装置本体100の前面から当該前面の法線方向に沿って突出するように、撹拌槽510は撹拌槽装着部190に装着されている。
撹拌槽装着部190には、撹拌モータ非接触テーブル140Aが設けられている。撹拌ユニット500は、撹拌モータ非接触テーブル140A上に載置される。撹拌ユニット500の内部に設けられた撹拌羽根550は、撹拌モータユニット140およびこれに連結された永久磁石141によって回転する。撹拌モータユニット140および永久磁石141は、撹拌モータ非接触テーブル140Aの下方に位置するように装置本体100内に収容されている。撹拌モータユニット140は、撹拌羽根550を回転駆動させる撹拌羽根駆動部に相当する。
装置本体100の撹拌槽装着部190の上部には、給湯ノズル170が設けられている。装置本体100の内部において、給湯パイプ150内の水が所定温度に上昇され、給湯ノズル170から撹拌槽510内にお湯が供給される。撹拌槽510内には、装置本体100において作成されたお湯と、粉挽きユニット300によって得られた茶葉粉末とが投入され、撹拌槽510内の撹拌羽根550によって、お湯と茶葉粉末とが撹拌される。これにより、撹拌槽510内においてお茶が製造される。
撹拌ユニット500内で製造されたお茶は、撹拌ユニット500の下方に設けられた吐出機構540の操作レバー542を操作することにより、載置ベース900に載置されたカップ(図示省略)に注ぐことができる。なお、撹拌ユニット500の詳細構造については、図11および図12を用いて後述する。
(お茶(飲料)の製造フロー)
次に、図4から図6を参照して、上記飲料製造装置1を用いたお茶(飲料)の製造フローについて説明する。図4から図6は、飲料製造装置1を用いたお茶吐出を示す第1から第3の製造フローを示す図である。なお、粉挽きユニット300には、所定量のお茶葉が投入され、液体貯留タンク700には所定量の水が蓄えられている。
(第1製造フロー)
図4を参照して、第1製造フローについて説明する。この第1製造フローは、粉挽きユニット300における茶葉の粉砕と、装置本体100から撹拌ユニット500への給湯が同時に行なわれるフローである。
飲料製造装置1は、ステップ11における粉挽きユニット300による茶葉の粉挽きと、ステップ13における装置本体100から撹拌ユニット500への給湯が同時に開始される。次に、ステップ12において、粉挽きユニット300による茶葉の粉挽きが終了するとともに、ステップ14における装置本体100から撹拌ユニット500への給湯が終了する。
ステップ15においてはステップ12において得られた茶葉粉末が、利用者によって、撹拌ユニット500内へ投入される。
次に、ステップ16において、撹拌ユニット500での茶葉粉末とお湯との撹拌が開始される。ステップ17において、撹拌ユニット500での茶葉粉末とお湯との撹拌が終了する。ステップ18において、利用者によって、撹拌ユニット500の下方に設けられた吐出機構540の操作レバー542を操作することにより、載置ベース900に載置されたカップへのお茶の吐出が行なわれる。本フローによれば、茶葉の粉挽きと給湯が同時に行なわれるため、短時間で効率よくお茶飲料の製造が可能となる。
(第2製造フロー)
図5を参照して、第2製造フローについて説明する。この第2製造フローは、粉挽きユニット300における茶葉が粉砕された後に、装置本体100から撹拌ユニット500への給湯が行なわれるフローである。
飲料製造装置1は、ステップ21において、粉挽きユニット300による茶葉の粉挽きが開始される。ステップ22において、粉挽きユニット300による茶葉の粉挽きが終了する。ステップ23において、ステップ22において得られた茶葉粉末が、利用者によって、撹拌ユニット500内へ投入される。
ステップ24において、装置本体100から撹拌ユニット500への給湯が開始される。ステップ25において、装置本体100から撹拌ユニット500への給湯が終了する。
次に、ステップ26において、撹拌ユニット500での茶葉粉末とお湯との撹拌が開始される。ステップ27において、撹拌ユニット500での茶葉粉末とお湯との撹拌が終了する。ステップ28において、利用者によって、撹拌ユニット500の下方に設けられた吐出機構540の操作レバー542を操作することにより、載置ベース900に載置されたカップへのお茶の吐出が行なわれる。本フローによれば、茶葉の粉挽き後に給湯が行なわれるため、お湯の温度低下を抑えることが可能となる。
(第3製造フロー)
図6を参照して、第3製造フローについて説明する。この第3製造フローは、撹拌ユニット500においてお湯を撹拌により冷却するステップを備えている。
飲料製造装置1は、ステップ31における粉挽きユニット300による茶葉の粉挽きと、ステップ33における装置本体100から撹拌ユニット500への給湯が同時に開始される。ステップ34における装置本体100から撹拌ユニット500への給湯が終了する。
次に、ステップ32において、粉挽きユニット300による茶葉の粉挽きが終了するとともに、ステップ35において、撹拌ユニット500において給湯の冷却撹拌を開始する。ステップ36において、撹拌ユニット500において給湯の冷却撹拌が終了する。
ステップ37においてはステップ32において得られた茶葉粉末が、利用者によって、撹拌ユニット500内へ投入される。
次に、ステップ38において、撹拌ユニット500での茶葉粉末とお湯との撹拌が開始される。ステップ39において、撹拌ユニット500での茶葉粉末とお湯との撹拌が終了する。ステップ40において、利用者によって、撹拌ユニット500の下方に設けられた吐出機構540の操作レバー542を操作することにより、載置ベース900に載置されたカップへのお茶の吐出が行なわれる。本フローによれば、玉露等、比較的低温のお湯に適した茶葉に対して、適切な温度でお茶飲料を製造することが可能となる。
(装置本体100の内部構造)
次に、図7を参照して、装置本体100の内部構造について説明する。図7は、飲料製造装置1の内部構造を示す斜視図である。飲料製造装置1の装置本体100の内部においては、液体貯留タンク700の前面側には、電子部品が搭載されたプリント配線基板を用いた制御部110が配置されている。利用者によるスタート信号の入力に基づき、上記お茶の製造フローが、制御部110により実行される。
制御部110の下方位置には、粉挽きユニット300に駆動力を与えるための粉挽モータユニット120が配置されている。この粉挽モータユニット120の下方位置には、前方に突出するように設けられ、粉挽モータユニット120の駆動力を粉挽きユニット300に伝達するための粉挽駆動力連結機構130が設けられている。
液体貯留タンク700の底面には、底面から下方に一旦延び、U字形状に上向きに延びる給湯パイプ150の一端が連結されている。給湯パイプ150の上端部には、撹拌ユニット500の撹拌槽510にお湯を注ぐための給湯ノズル170が連結されている。給湯パイプ150の途中領域には、給湯パイプ150内を通過する水を加熱するためのU字形状のヒータ160が装着されている。
(粉挽きユニット300の構造)
次に、図8から図10を参照して、粉挽きユニット300の構造について説明する。図8は、粉挽きユニット300の斜視図、図9は、粉挽きユニット300の分解斜視図、図10は、粉挽きユニット300の縦断面図である。
粉挽きユニット300は、全体として円筒形状を有する粉挽きケース310を有し、下方の側面には、粉挽駆動力連結機構130が内部に挿入される連結用窓300Wが設けられている。粉挽きケース310の内部には、上臼360と下臼350とによって生成された茶葉粉末を貯留する貯留部311(図10参照)と、貯留部311に連通する排出経路312とが設けられている。粉挽きケース310の最下端部となる排出経路312の下端部には、茶葉粉末を茶葉粉末受皿800に向けて排出する排出口312aが設けられている。排出口312aは、後述する保温タンク512(図12参照)の開口部513よりも下方に位置するように設けられている。これにより、保温タンク512内に供給されたお湯から生成される湯気が排出口312aから侵入することを防止することができる。
粉挽きユニット300は、粉砕対象物を粉砕する上臼360および下臼350と、当該下臼350が取り付けられる下臼支持部340とを含む。粉挽きケース310の内部には、下方から、下臼支持部340、下臼350、上臼360が順番に設けられている。
下臼支持部340は、上臼360が位置する側と反対側(下臼350の下方側)から下臼350を支持する。下臼支持部340は、略円柱形状の本体部341、係合突起部342、粉掻き取り部343を有する。粉挽き軸345は、本体部341の下面に設けられ、下方に向けて延在する。粉挽き軸345は、粉挽駆動力連結機構130に連結する。これにより、下臼支持部340が下臼350を支持した状態で回転可能となる。
係合突起部342は、本体部341の上面に設けられ、上方に向けて突出する。係合突起部342は、下臼350を係止するための部位である。粉掻き取り部343は、本体部341の周縁部に設けられている。粉掻き取り部343は、下臼支持部340が回転することにより、貯留部311に貯留された茶葉粉末を掻き取って排出経路312に搬送する。
下臼350は、上臼360の主面360aに対向して配置される主面350aと、当該主面350aの反対側に位置する主面350bと、主面350aと主面350bとを接続する周面を含む。下臼350の主面350aには、複数のせん断溝が形成されている。複数のせん断溝は、たとえば等角螺旋に沿って延在するように設けられる。また、複数のせん断溝は、内周側から外周側に向かうように形成された直線状の溝が放射状に設けられることにより構成されてもよい。
下臼350の主面350bには、係合凹部352が設けられている。係合凹部352は、下臼支持部340の係合突起部342に対応する位置に設けられ、係合突起部342に係止される。下臼350は、下臼支持部340と連動して回転する。下臼350の中央部には、回転軸芯に沿って上方に向かって伸びるコア359が設けられている。
コア359は、上臼360の中央部に設けられた貫通孔361を貫通するように設けられている。コア359は、らせん状に設けられた螺旋羽根359aを有する。
上臼360は、下臼350の主面350aに対向して配置される主面360aと、当該主面360aと反対側に位置する主面360bと、主面360aと主面360bとを接続する周面を含む。上臼360の主面360aには、下臼の主面350aと同様にせん断溝が形成されている。
上臼360は、その上方に配置された上臼保持部材370によって保持されている。たとえば、上臼360の上面には不図示の穴部が設けられており、当該穴部に上臼保持部材370に設けられた不図示のピン部が入り込むことにより、上臼360の回転が防止される。
上臼保持部材370は、孔部371aを有する底面部371と、底面部371の周縁から上方に向けて立設された外筒部372と、孔部371aの周縁から上方に向けて立設された内筒部373とを含む。孔部371aは、上臼360の貫通孔361に連通するように設けられている。外筒部372と内筒部373との間には、上臼360を下方に向けて押圧するバネ381およびバネ保持部材380が収容されている。バネ381によって、上臼360と下臼350との間に作用する粉砕圧力が調節される。
粉挽きケース310の上端開口部310b側には、粉砕対象物を上臼360と下臼350との間に供給するためのホッパー部320が取り付けられている。ホッパー部320は、天板部321と、筒状部322と、粉砕対象物投入口325とを有する。天板部321は、略中央部に開口部323が設けられたお椀形状を有する。筒状部322は、開口部323の周縁から下方に立設するように設けられている。筒状部322は、内筒部373の内側に挿入される。
粉砕対象物投入口325は、開口部323および筒状部322によって規定される。粉砕対象物投入口325内には、コア359の先端側が収容されている。筒状部322内に、粉砕対象物投入口325を跨ぐように複数の直線状のリブ391,392,393が設けられている。
茶葉を粉砕する際には、ホッパー部320は、カバー部330によって覆われることが好ましい。これにより、茶葉を粉砕対象物投入口325に投入した後に、粉挽きユニット300内に異物が侵入することを防止するとともに、粉砕された茶葉が飛散することを防止することができる。なお、茶葉を投入する際には、カバー部330は、ホッパー部320から取り外される。
粉砕対象物投入口325に投入された茶葉は、上臼保持部材370から露出する上臼360の上面および筒状部322の内周面によって規定される空間内に収容される。当該空間に収容された茶葉は、螺旋羽根359aが下臼350の回転に伴って回転することにより、上臼360と下臼350との間に案内される。
上臼360と下臼350との間に案内された茶葉は、粉砕されて茶葉粉末としてこれら上臼360と下臼350との周縁から下方へ落下する。落下した茶葉粉末の一部は、排出経路312を通って排出口312aから茶葉粉末受皿800に排出される。落下した茶葉粉末のその他の部分は、貯留部311に貯留される。貯留部311内の茶葉粉末は、粉掻き取り部343が下臼支持部340の回転に伴って回転することにより、排出経路312に搬送されて排出口312aから茶葉粉末受皿800に排出される。
(撹拌ユニット500の構造)
次に、図11および図12を参照して、撹拌ユニット500の構造について説明する。図11は、撹拌ユニット500の斜視図、図12は、撹拌ユニット500の縦断面図である。
撹拌ユニット500は、上面が開口する容器形状を有し、撹拌槽510、撹拌羽根550、撹拌カバー530、吐出機構540を備える。撹拌槽510は、樹脂製の外装ホルダー511と、この外装ホルダー511に保持される保温タンク512とを含む。外装ホルダー511には、樹脂により一体成形されたグリップ520が設けられている。保温タンク512は、有底筒形状を有し、上方に向けて開口する開口部513を有する。
撹拌カバー530は、開口部513を開閉可能に開口部513に取り付けられる。撹拌カバー530には、粉挽きユニット300により粉砕された茶葉粉末を投入する粉末投入口531、および、装置本体100内で形成されたお湯が給湯ノズル170から注がれる給湯口532が設けられている。給湯口532は、給湯ノズル170の供給口171に対応する位置に設けられている。
粉末投入口531および給湯口532は、開口部513に連通している。移動された茶葉粉末受皿800から粉末投入口531に投入された茶葉粉末は、開口部513を介して保温タンク512内に投入される。給湯ノズル170から給湯口532に向けて注がれたお湯は、開口部513を介して保温タンク512内に供給される。
撹拌槽510の底部には、撹拌羽根550が載置される。撹拌槽510の底部には、上方に延びる回転軸521が設けられ、この回転軸521に撹拌羽根550の筒状芯250が挿入される。
撹拌羽根550には、永久磁石240が埋め込まれている。撹拌モータ非接触テーブル140Aにおいて、撹拌羽根550に埋め込まれた永久磁石240と、撹拌モータユニット140側に設けられた永久磁石141とが非接触の状態で磁気結合することで、撹拌モータユニット140の回転駆動力が、撹拌羽根550に伝達される。
なお、撹拌羽根550は、外周部に撹拌要素を有する撹拌部材であれば適宜変更することができる。撹拌要素としては、トロイダル形状のワイヤからなる巻回部、インペラ等を採用することができる。
吐出機構540は、撹拌羽根550による撹拌により生成されたお茶を吐出する。吐出機構540は、撹拌槽510の底部に設けられた吐出口541を開閉可能に設けられている。利用者が操作レバー542を移動させることにより、吐出口541の開閉および後述する撹拌液の吐出経路を切り替える(選択する)ことができる。吐出口541が開放されることにより、撹拌槽510内のお茶が、載置ベース900に載置されたカップ(図示省略)に注出される。
(吐出機構540の詳細)
図13は、本実施の形態に係る撹拌ユニットにて生成された撹拌液および吐出機構を示す概略断面図である。図14および図15は、図13に示す吐出機構が開いて第1吐出経路および第2吐出経路が形成された状態を示す概略断面図である。図13から図15を参照して、撹拌後のお茶の状態および吐出機構540の詳細について説明する。
図13に示すように、撹拌羽根550の撹拌により生成されたお茶は、比重差の違いにより、比重の小さい第2層S2と、比重の大きい第1層S1とに分離する。比重の小さい第2層S2は、主として泡によって構成されており、比重の大きい第1層S1は、茶葉粉末とお湯とがほぼ均一に撹拌されたお茶によって構成されている。なお、泡は、液中に空気を取り込みながら茶葉粉末とお湯とを撹拌することにより生成される。
吐出機構540は、蓋部材543、閉塞部材545、昇降機構560、筒状部材570、および吐出管590を含む。蓋部材543は、撹拌槽510の底部510bに設けられた吐出口541を開閉可能に塞ぐ部位である。蓋部材543は、たとえばパッキンによって構成されている。蓋部材543は、バネ等の付勢部材により底部510bに向けて付勢される。これにより、蓋部材543の下面543bは底部510bに液密に接触する。
また、蓋部材543は、付勢力に抗して底部510bから離れる方向に移動可能に設けられている。蓋部材543は、中央に貫通孔544が設けられており、環状形状を有する。貫通孔544は、吐出口541に連通するように設けられている。
閉塞部材545は、蓋部材543に設けられた貫通孔544を吐出口541側から開閉可能に塞ぐ。閉塞部材545は、たとえばパッキンによって構成されている。閉塞部材545は、バネ等の付勢部材により蓋部材543に向けて付勢される。これにより、閉塞部材545の上面545aは、蓋部材543の下面543bに液密に接触する。閉塞部材545は、貫通孔544の内径よりも大きい外径を有する円板形状を有する。
昇降機構560は、操作レバー542、支持軸547、押し上げ部材546を有する。操作レバー542は、支持軸547によって軸まわり(図中DR1方向)に回動可能に軸支されている。押し上げ部材546は、たとえば円柱または角柱形状を有する。押し上げ部材546の上端は閉塞部材545の下面545bに固定され、押し上げ部材546の下端は操作レバー542の先端542aに固定される。押し上げ部材546は、操作レバー542の回動に連動して上下方向に移動する。
筒状部材570は、一端570a側が貫通孔544を囲むように蓋部材543の上面543a上に配置されている。筒状部材570の一端570a側には、開口部571が設けられている。筒状部材570の他端570bには、吸込口572が設けられている。吸込口572は、第1層S1と第2層S2との境界部K1近傍に位置する。具体的には、吸込口572は、第1層S1と第2層S2との境界部K1よりもやや下方に位置する。
吐出管590は、撹拌槽510の底部に設けられた吐出口541に連通するように設けられている。吐出管590は、吐出口541の周縁から下方に向けて延在する。吐出管590は、内部に昇降機構560の一部を収容する。吐出管590は、出口部591を含む。
図14に示すように、利用者が操作レバー542の基端部542b側を下方(図中AR1方向)に回動させた場合には、押し上げ部材546は上方に移動して、閉塞部材545、蓋部材543および筒状部材570を押し上げる。この際、閉塞部材545の上面545aが蓋部材543の下面543bに液密に接触した状態が維持され、閉塞部材545が貫通孔544を閉じた状態が維持される。
蓋部材543が上方へ押し上げられて、吐出口541から離間することにより、蓋部材543の下面543bと底部510bとの間に隙間が形成される。これにより、撹拌槽510内と吐出口541とが連通して、第1層S1を含むお茶を吐出する第1吐出経路が形成される。第1吐出経路は、蓋部材543の下面543bと、これに対向する部分の撹拌槽510の底部510bと、吐出口541とによって規定される。この場合、第1層S1を含むお茶は、図中矢印AR10に示すように第1吐出経路内を流れて吐出口541から吐出管590に導出され、吐出管590の出口部591から外部に吐出される。
図15に示すように、利用者が操作レバー542の基端部542b側を上方(図中AR2方向)に回動させた場合には、押し上げ部材546は下方に移動する。これに伴い、押し上げ部材546に固定された閉塞部材545も、当該閉塞部材545を蓋部材543に向けて付勢する付勢力に抗して下方に移動する。これにより、閉塞部材545が貫通孔544から離間することとなり、閉塞部材545の上面545aが蓋部材543の下面543bに液密に接触した状態が解除される。なお、蓋部材543の下面543bは、撹拌槽510の底部に向かうように付勢される付勢力によって液密に当該底部に接触する状態が維持されるため、蓋部材543が、貫通孔544に連通する部分を除いて吐出口541を閉じた状態が維持される。
この結果、筒状部材570の開口部571、蓋部材543の貫通孔544および吐出口541が連通して、第2吐出経路が形成される。第2吐出経路は、筒状部材570の内周面と、筒状部材570の一端570aよりも内側に位置する部分の蓋部材543の上面543aと、貫通孔544と、吐出口541とによって規定される。この場合、第2層S2および第1層S1を含むお茶が筒状部材570の吸込口572から吸い込まれて、図中矢印AR20に示すように、第2吐出経路内を流れて吐出口541から吐出管590に導出され、吐出管590の出口部591から外部に吐出される。
このように、吐出機構540は、操作レバー542の基端部542bの移動方向を切り替えることにより、第1層S1を含むお茶を吐出する第1吐出経路と、第2層S2を少なくとも含むお茶を吐出する第2吐出経路とを切り替える(選択する)ことができる。これにより、利用者の嗜好に応じて、第2層を含むお茶を所望の量吐出することができる。
なお、第1層S1から先に外部に吐出する場合には、当該吐出に伴って境界部K1の液位が低下する。境界部K1が筒状部材570の吸込口572を下回る場合には、第2層S2を吐出することができなくなる。このため、図15に示すように、お茶が、たとえば、3人分の量で生成されている場合には、先に第2層を含むお茶を3つのコップのそれぞれに吐出してから、第1層を含むお茶を3つのコップのそれぞれに吐出することが好ましい。
また、吐出機構540は、回動可能に軸支された操作レバー542や、当該操作レバー542に連動して動く押し上げ部材546等によって構成されている。このため、吐出に際して吐出機構を電気的に駆動させる必要がなく、吐出機構540の構成を比較的簡素にすることができる。
以上のように、本実施の形態に係る撹拌ユニット500およびこれを備えた飲料製造装置1は、簡素な構成を有し、所望の量で供給された液体を撹拌できるとともに、撹拌後に生成され、比重差によって異なる層に分離した撹拌液から比重の小さい層を含む液体を確実に吐出することができる。
(実施の形態2)
図16は、本実施の形態に係る撹拌ユニットにて生成される撹拌液および吐出機構を示す概略断面図である。図17は、図16に示す状態から撹拌液の一部が吐出された後の状態を示す概略断面図である。図16および図17を参照して、本実施の形態に係る撹拌ユニット500Aについて説明する。
図16に示すように、本実施の形態に係る撹拌ユニット500Aは、実施の形態1に係る撹拌ユニット500と比較した場合に、フロート部材595を備える点および吐出機構540Aの構造が相違し、その他の構成は、ほぼ同様である。吐出機構540Aは、実施の形態1に係る吐出機構540と比較した場合に、筒状部材570Aの構成が相違し、その他の構成はほぼ同様である。
筒状部材570Aは、第1筒状部575と第2筒状部576とを有する。第1筒状部575は、筒状部材570Aの一端570a側に位置する。第1筒状部575は、蓋部材543の上面543a上に固定されている。第1筒状部575の外周面には、上下方向に延在するスライド溝が設けられている。
第2筒状部576は、筒状部材570Aの他端570b側に位置する。第2筒状部576は、第1筒状部575に接続されるとともに、第1筒状部575に対して上下方向にスライド移動可能に設けられている。具体的には、第2筒状部576は、後述するフロート部材595が第1層S1から受ける浮力によって上下方向に移動する。
第2筒状部576の内周面には、上述の第1筒状部575のスライド溝に摺動自在に嵌合する突起部が設けられている。突起部がスライド溝内を摺動することにより、第2筒状部576の内周面が第1筒状部575の外周面を摺動する。また、第2筒状部576の上端側には吸込口572が設けられている。
フロート部材595は、第2層S2に含まれる液体には沈み、第1層S1層に含まれる液体に対して浮き上がるように設けられている。すなわち、フロート部材の比重は、第2層S2の比重よりも大きく、第1層S1の比重よりも小さくなるように設定されている。これにより、フロート部材595は、第1層S1と第2層S2との境界部K1の変位に追従することができる。
フロート部材595は、吸込口572の周囲に配設されている。このため、フロート部材595が第1層S1と第2層S2との境界部K1の変位に追従することにより、第2筒状部576が第1筒状部575に対して移動して、吸込口572の位置が境界部K1の変位に追従して変動する。
図17に示すように、第1層S1を含むお茶が吐出された場合には、第1層S1と第2層S2との境界部K1の位置が、図中破線で示す位置から図中矢印に示すように下方に移動する。この際、境界部K1の位置の変動に追従して、フロート部材595の位置が下方に移動する。
第2筒状部576は、フロート部材595が第1層S1から受ける浮力によって第1層S1中に浮遊する。このため、フロート部材595の下方への移動に伴って、第1筒状部575のスライド溝に沿って第2筒状部576の突起部が下方に移動して、第2筒状部576が下方に移動する。これにより、吸込口572の位置が境界部K1の近傍に位置した状態を維持することができる。
なお、吸込口572の位置は、境界部K1よりも少し下方に位置することが好ましい。これにより、第1層S1を含むお茶を吸込みつつ第2層S2を含むお茶を吸込むことができる。このため、吸込口572が第2層S2内に位置する場合と比較して、効率よく第2層S2を含むお茶を吐出することができる。
本実施の形態に係る撹拌ユニット500Aにおいても、吐出機構540Aが簡易に構成されており、利用者が操作レバー542を操作することにより、第1層S1を含むお茶を吐出する第1吐出経路と、第2層S2を含むお茶を吐出する第2吐出経路とを切り替えることができる。
このため、本実施の形態に係る撹拌ユニット500Aにおいても、実施の形態1に係る撹拌ユニット500とほぼ同様の効果が得られる。また、本実施の形態に係る撹拌ユニット500Aにあっては、第1層S1と第2層S2との境界部K1の位置が変位した場合であっても、第2層S2を含むお茶を吸込む吸込口572の位置が境界部K1の位置に追従して変動するため、利用者は、適宜第2層S2を含むお茶をカップに吐出することができる。これにより、利便性が向上する。
(実施の形態3)
図18は、本実施の形態に係る撹拌ユニットにて生成された撹拌液および吐出機構を示す概略断面図である。図19は、図18に示す撹拌ユニットの吐出機構が開いて第2吐出経路が形成された状態を示す概略断面図である。図18および図19を参照して、本実施の形態に係る撹拌ユニット500Bについて説明する。
図18に示すように、本実施の形態に係る撹拌ユニット500Bは、実施の形態1に係る撹拌ユニット500と比較した場合に、吐出機構540Bの構造が相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
吐出機構540Bは、第1開閉機構540B1と、第2開閉機構540B2とを含む。第1開閉機構540B1は、第1蓋部材548、第1昇降機構560Aおよび第1吐出管590Aを有する。
第1蓋部材548は、撹拌槽510の底部510bに設けられた第1吐出口541Aを開閉可能に塞ぐ部位である。第1蓋部材548は、たとえばパッキンによって構成されている。第1蓋部材548は、バネ等の付勢部材により底部510bに向けて付勢される。これにより、第1蓋部材548は、底部510bに液密に接触する。
第1昇降機構560Aは、実施の形態1に係る昇降機構560とほぼ同様の構成を有し、操作レバー542A、支持軸547A、押し上げ部材546Aを有する。操作レバー542Aを下方に向けて支持軸547A周りに回動させることにより、押し上げ部材546Aが上方に移動する。これにより、第1蓋部材548が上方に押し上げられ、第1蓋部材548と底部510bとの間に隙間が形成される。
この結果、第1吐出口541Aが第1開閉機構540B1によって開いた状態となり、第1層S1を含むお茶を吐出する第1吐出経路が形成される。第1層S1を含むお茶は、第1吐出経路内を流がれて第1吐出口541Aから第1吐出管590Aに導出され、第1吐出管590Aの出口部591Aから外部に吐出される。
第2開閉機構540B2は、第2蓋部材549、第2昇降機構560B、第2吐出管590B、筒状部材570Bを有する。
第2蓋部材549は、撹拌槽510の底部510bに設けられた第2吐出口541Bを開閉可能に塞ぐ部位である。第2蓋部材549は、たとえばパッキンによって構成されている。第2蓋部材549は、バネ等の付勢部材により底部510bに向けて付勢される。これにより、第2蓋部材549は、底部510bに液密に接触する。
第2昇降機構560Bは、実施の形態1に係る昇降機構560とほぼ同様の構成を有し、操作レバー542B、支持軸547B、押し上げ部材546Bを有する。操作レバー542Bは支持軸547B周りに回動可能に設けられている。押し上げ部材546Bは、操作レバー542Bの回動に連動して上下方向に移動する。
筒状部材570Bは、第1筒状部575Bと第2筒状部576Bとを有する。第1筒状部575Bは、筒状部材570Bの一端側に位置する。第1筒状部575Bは、天板部を有するキャップ形状を有する。第1筒状部575Bの下端(開口端)は、第2吐出口541Bを囲むように設けられている。第1筒状部575Bの内部には、第2蓋部材549が収容されている。第1筒状部575Bの天井部には、第2筒状部576Bを接続するための接続部が設けられている。
第2筒状部576Bは、筒状部材570Bの他端側に位置する。第2筒状部576Bは、第1筒状部575Bの天板部に接続される。第2筒状部576Bは、可撓性を有し、第1筒状部575Bに対して移動可能に設けられている。具体的には、第2筒状部576Bは、フロート部材595が第1層S1から受ける浮力によって撓むように変形する。第2筒状部576Bの内径は、第1筒状部575Bの内径よりも小さい。
第1筒状部575B側と反対側に位置する第2筒状部576Bの端部には、吸込口572が設けられている。また、吸込口572の周辺には、実施の形態2に係るフロート部材と同様のフロート部材595が配設されている。フロート部材595が境界部K1の変位に追従することにより、第2筒状部576Bが撓み変形しながら第1筒状部575Bに対して移動する。これにより、吸込口の位置が境界部K1の変位に追従して変動する。
図19に示すように、操作レバー542Bを下方に向けて支持軸547B周りに回動させることにより、押し上げ部材546Bが上方に移動する。これにより、第2蓋部材549が上方に押し上げられ、底部510bと第2蓋部材549との間に隙間が形成される。
この結果、筒状部材570Bの開口部571および第2吐出口541Bが連通して第2吐出経路が形成される。第2吐出経路は、第2筒状部576Bの内周面と、第1筒状部575Bの内表面と、第1筒状部575Bの開口端よりも内側に位置する部分の底部510bと、第2吐出口541Bによって規定される。
この場合に、第2層S2を含むお茶が吸込口572から吸い込まれて、図中矢印AR30に示すように、第2吐出経路内を流れて第2吐出口541Bから第2吐出管590Bに導出され、第2吐出管590Bの出口部591Bから外部に吐出される。
本実施の形態に係る撹拌ユニット500Bにおいても、吐出機構540Bは簡易に構成されており、利用者が操作レバー542A,542Bを操作することにより、第1層S1を含むお茶を吐出する第1吐出経路と、第2層S2を含むお茶を吐出する第2吐出経路とを切り替えることができる。
このため、本実施の形態に係る撹拌ユニット500Bにおいても、実施の形態1に係る撹拌ユニット500とほぼ同様の効果が得られる。また、本実施の形態に係る撹拌ユニット500Bにあっては、第1層S1と第2層S2との境界部K1の位置が変位した場合であっても、第2層S2を含むお茶を吸込む吸込口572の位置が境界部K1の位置に追従して変動するため、利用者は、適宜第2層S2を含むお茶をカップに吐出することができる。これにより、利便性が向上する。
(実施の形態4)
図20は、本実施の形態に係る撹拌ユニットにて生成された撹拌液および吐出機構を示す概略断面図である。図21は、図20に示す吐出機構を正面からみた正面図である。図22は、図20に示す吐出機構が開いて撹拌液が吐出される状態を示す概略断面図である。図20から図22を参照して、本実施の形態に係る撹拌ユニット500Cについて説明する。
図20および図21に示すように、本実施の形態に係る撹拌ユニット500Cは、実施の形態1に係る撹拌ユニット500と比較した場合に、吐出機構540Cの構成が相違する。
吐出機構540Cは、撹拌槽510の側面側に設けられた開口部572Cの開閉状態を切り替える開閉機構580および吐出管586を含む。開口部572Cは、後述するように第1層S1および第2層S2を含むお茶を吸込む吸込口として機能する。開口部572Cは、所定の幅(図21中左右方向の長さ)を持って側面の上方側から底部に至るように設けられている。開口部572Cの上端は、第1層S1と第2層S2との境界部K1よりも上方に位置する。
開閉機構580は、蓋部材584、支持軸585、カム581、操作レバー582、および操作軸583を含む。蓋部材584は、撹拌槽510の側面に設けられた開口部572Cを撹拌槽510の内側から開閉可能に塞ぐ部位である。蓋部材584は、支持軸585を中心として、軸周りに回動可能に設けられている。蓋部材584は、たとえばパッキンによって構成されている。蓋部材584は、バネ等の付勢部材により撹拌槽510の側面に向けて付勢される。これにより、蓋部材584は、開口部572Cの周囲において撹拌槽510の底部510bおよび側面に液密に接触する。
操作レバー582は、操作軸583を回転中心として、軸周りに回動可能に設けられている。カム581は、操作レバー582の回動に連動して回動するように設けられている。カム581は、操作軸583を中心に軸周りに回動する。
吐出管586は、撹拌槽510の側面の外側から開口部572Cを囲むように設けられる。吐出管586は、下方に向けて延在する。吐出管586は、出口部587を有する。出口部587は、撹拌槽510の底部510bよりも低い位置に位置する。吐出管586の内部には、上述したカム581、操作軸583および操作レバー582の一部が収容されている。
図22に示すように、利用者が操作レバー582の基端部582bを下方(図中AR3方向)に回動させた場合には、カム581が、蓋部材584に作用する付勢力に抗して蓋部材584を撹拌槽510の内側に押し込む。これにより、撹拌槽510の側面と蓋部材584との間に隙間が形成される。これにより、図中矢印AR40に示すように、第2層S2および第1層S1を含むお茶は、開口部572Cから吐出管586に導出され、吐出管586の出口部587から外部に吐出される。これにより、カップ内に第1層S1および第2層S2を含むお茶を注ぐことができる。
このように、本実施の形態においては、第1層S1および第2層S2を含むお茶を吐出することができ、味わいをまろやかにする第2層S2を含むお茶を確実に吐出することができる。
また、本実施の形態に係る撹拌ユニット500Cにおいても、吐出機構540Cは、回動可能に軸支された操作レバー582や、当該操作レバー582に連動して動くカム581等によって構成されている。このため、吐出に際して吐出機構を電気的に駆動させる必要がなく、吐出機構540Cの構成を簡素にすることができる。
このように、本実施の形態に係る撹拌ユニット500Cにあっても、実施の形態1に係る撹拌ユニット500とほぼ同様の効果を得ることができる。
(実施の形態5)
図23は、本実施の形態に係る撹拌ユニットにて生成された撹拌液および吐出機構を示す概略断面図である。図23を参照して、本実施の形態に係る撹拌ユニット500Dについて説明する。
図23に示すように、本実施の形態に係る撹拌ユニット500Dは、撹拌槽510Dの形状、および吐出機構540Dの構成が上記実施の形態のいずれとも相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
撹拌槽510Dは、階段形状を有する。具体的には、撹拌槽510Dは、第1底部510b1、第2底部510c、第3底部510d、第1側壁部514、第2側壁部515、第3側壁部516を含む。第1底部510b1、第2底部510cおよび第3底部510dのうち第1底部510b1は、撹拌槽510Dの開口面513aから深さ方向に最も離れた位置に位置する。第2底部510cは、第1底部510b1よりも上方に位置する。第3底部510dは、第2底部510cよりも上方に位置する。
第1側壁部514は、第1底部510b1と第2底部510cとを接続するように設けられている。第2側壁部515は、第2底部510cと第3底部510dとを接続するように設けられている。第3側壁部516は、第3底部510dの周縁から上方に起立するように設けられている。
吐出機構540Dは、第1開閉機構540D1、第2開閉機構540D2および第3開閉機構540D3を含む。第1開閉機構540D1は、第1底部510b1に設けられた第1吐出口541Aの開閉状態を切り替え可能に設けられている。第1開閉機構540D1は、実施の形態3に係る第1開閉機構540B1とほぼ同様の構成を有する。この場合において、操作レバー542A〜542Cは、紙面垂直方向に延在するように設けられている。
第1開閉機構540D1は、操作レバー542Aの基端部を下方に向けて回動させることにより、押し上げ部材546Aが上方に移動する。これにより、蓋部材548Aが上方に押し上げられ、蓋部材548Aと第1底部510b1との間に隙間が形成される。
この結果、第1吐出口541Aが第1開閉機構540D1によって開いた状態となり、第1層S1を含むお茶を吐出する第1吐出経路が形成される。第1層S1を含むお茶は、第1吐出経路内を流れて第1吐出口541Aから第1吐出管590Aに導出され、第1吐出管590Aの出口部591Aから外部に吐出される。
第2開閉機構540D2は、第2底部510cに設けられた第2吐出口541Bの開閉状態を切り替え可能に設けられている。第3開閉機構540D3は、第3底部510dに設けられた第3吐出口541Cの開閉状態を切り替え可能に設けられている。第2開閉機構540D2および第3開閉機構540D3は、第1開閉機構540D1とほぼ同様の構成を有する。これにより、第1開閉機構540D1と同一の動作を行なうことにより、第2開閉機構540D2が有する第2吐出管590Bの出口部591Bおよび第3開閉機構540D3が有する第3吐出管590Cの出口部591Cからお茶が外部に吐出される。
なお、第2開閉機構540D2が有する操作レバー542Bおよび第3開閉機構540D3が有する操作レバー542Cは、第1開閉機構540D1の操作レバー542Aと同じ位置にあり、第2開閉機構540D2が有する第2吐出管590Bの出口部591Bおよび第3開閉機構540D3が有する第3吐出管590Cの出口部591Cは、第1開閉機構540D1が有する第1吐出管590Aの出口部591Aと同じ位置にある。
これにより、第2開閉機構540D2が有する第2吐出管590Bおよび押し上げ部材546Bの長さは、第1開閉機構540D1が有する第1吐出管590Aおよび押し上げ部材546Aの長さよりも長くなっている。
また、第3開閉機構540D3が有する第3吐出管590Cおよび押し上げ部材546Cの長さは、第2開閉機構540D2が有する第2吐出管590Bおよび押し上げ部材546Bの長さよりも長くなっている。
撹拌ユニット500Dにあっては、第1層S1と第2層S2との境界部K1が、第3底部510dよりも上方に位置する場合には、まず、第3開閉機構540D3を用いて第3吐出口541Cを開いた状態にすることにより、第3吐出口541Cを介して第1層S1と第2層S2とを含むお茶を外部へ吐出することができる。
具体的には、操作レバー542Cを操作して蓋部材548Cを押し上げることにより、蓋部材548Cと第3底部510dとの間に隙間が形成される。これにより、お茶を吐出する吐出経路が形成される。この場合には、当該吐出経路は、第2吐出経路として機能する。第1層S1と第2層S2とを含むお茶は、当該吐出経路を流れて第3吐出口541Cから第3吐出管590Cに導出され、第3吐出管590Cの出口部591Cからカップに吐出される。
続いて、上述したように、第1開閉機構540D1を用いて第1吐出口541Aを開いた状態にすることにより、第1吐出口541Aを介してカップに第1層S1を含むお茶を吐出する。これにより、カップ内に、第2層S2と第1層S1とが混合されたお茶を生成することができる。
また、第1層S1と第2層S2との境界部K1が、第2底部510cと第3底部510dとの間に位置する場合には、第2開閉機構540D2を用いて第2吐出口541Bを開いた状態とすることにより、第2吐出口541Bを介してお茶を外部に吐出することができる。
具体的には、操作レバー542Bを操作して蓋部材548Bを押し上げることにより、蓋部材548Bと第2底部510cとの間に隙間が形成される。これにより、お茶を吐出する吐出経路が形成される。この場合には、当該吐出経路は、第2吐出経路として機能する。第1層S1と第2層S2とを含むお茶は、当該吐出経路を流れて第2吐出口541Bから第2吐出管590Bに導出され、第2吐出管590Bの出口部591Bから外部に吐出される。
続いて、上述したように、第1開閉機構540D1を用いて第1吐出口541Aを開いた状態にすることにより、第1吐出口541Aを介してカップに第1層S1を含むお茶を吐出する。これにより、カップ内に、第2層S2と第1層S1とが混合されたお茶を生成することができる。
このように本実施の形態に係る撹拌ユニット500Dにあっても、第1層S1と第2層S2との境界部K1の位置に応じて、開閉機構を選択して開状態にする吐出口を適宜選択することにより、第1層S1および第2層S2を含むお茶を吐出することができ、味わいをまろやかにする第2層S2を含むお茶を確実に吐出することができる。
また、本実施の形態に係る撹拌ユニット500Dにおいても、吐出機構540Dは、回動可能に軸支された操作レバーや、当該操作レバーに連動して動く押し上げ部材等によって構成されている。このため、吐出に際して吐出機構を電気的に駆動させる必要がなく、吐出機構540Dの構成を簡素にすることができる。
以上のように、本実施の形態に係る撹拌ユニット500Dにあっても、実施の形態1に係る撹拌ユニット500とほぼ同様の効果を得ることができる。
なお、本実施の形態に係る撹拌ユニット500Dにおいては、操作レバー542A,542B,542Cが同じ高さにある場合を例示して説明したが、これに限定されず、これら操作レバーの位置は適宜変更することができる。
また、本実施の形態に係る撹拌ユニット500Dにおいては、撹拌槽510が2段の階段状に設けられる場合を例示して説明したが、これに限定されず、1段の階段状に設けられていてもよいし、3段以上の階段状に設けられていてもよい。この場合には、段差を構成する底部の数に応じて、開閉機構が設けられる。
なお、上述した実施の形態1にあっては、飲料製造装置1が実施の形態1に係る撹拌ユニット500を備える場合を例示して説明したが、これに限定されず、実施の形態2〜5に係る撹拌ユニット500A〜500Dを備えていてもよい。
上述した実施の形態1から5にあっては、撹拌槽が外装ホルダと保温タンクによって構成される場合を例示して説明したが、これに限定されず、保温タンクのみから構成されていてもよい。また、保温タンクに代えて、保温性を有さず耐熱性を有する容器が使用されてもよい。
また、上述した実施の形態1から5に係る撹拌ユニットにあっては、液体としてのお湯と粉末としての茶葉粉末とを撹拌して飲料としてのお茶を製造する場合を例示して説明したが、これに限定されず、単体のミルク等の飲料用液体を撹拌してミルクフォーム等の泡立てた飲料を生成してもよいし、比重の異なる複数の飲料用液体を撹拌してこれらが混合された飲料を生成してもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。